(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】単層巻取型昇降ケーブルリール
(51)【国際特許分類】
B65H 75/34 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B65H75/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553697
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 KR2022002960
(87)【国際公開番号】W WO2022196980
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0034316
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0034320
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516202394
【氏名又は名称】リール テック カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】REEL TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】519, Haegwang-ro, Haeryong-myeon, Suncheon-si, Jeollanam-do, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】519025910
【氏名又は名称】シン, ジョン-フン
【氏名又は名称原語表記】SHIN, Jeong-Hoon
【住所又は居所原語表記】104-1005, 36, Wangji 3-gil, Suncheon-si, Jeollanam-do 57930, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】シン、ジョンフン
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA12
3F068BA19
3F068CA06
3F068DA03
3F068DA04
3F068EB00
3F068FA06
3F068FA08
3F068HA03
3F068JA04
(57)【要約】
本発明は、天井、壁体または所定形状の支持体に取り付けられ、内部に収納空間が設けられた本体と、前記本体の内部に回転可能に収納され、外周面に電源ケーブルが巻き取られ、内部に中空が形成されているドラムと、前記中空内に配置されて前記ドラムに正方向/逆方向の回転力を提供する駆動モータと、前記ドラムの一部に取り付けられて接点方式で商用電力の入力を受けるスリップリングと、前記電源ケーブルの下端に吊り下げられて昇降可能に取り付けられた昇降体と、を含み、前記電源ケーブルは、渦電流による発熱を防止するように前記ドラムの外周面に単層で巻き取られることを特徴とする単層巻取型昇降ケーブルリールを開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井、壁体または所定形状の支持体に取り付けられ、内部に収納空間が設けられた本体と、
前記本体の内部に回転可能に収納され、外周面に電源ケーブルが巻き取られ、内部に中空が形成されているドラムと、
前記中空内に配置されて前記ドラムに正方向/逆方向の回転力を提供する駆動モータと、
前記ドラムの一部に取り付けられて接点方式で商用電力の入力を受けるスリップリングと、
前記電源ケーブルの下端に吊り下げられて昇降可能に取り付けられた昇降体と、を含み、
前記電源ケーブルは、渦電流による発熱を防止するように前記ドラムの外周面に単層で巻き取られる単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項2】
前記電源ケーブルの前記ドラムへの巻き取りが完了した状態で、前記電源ケーブルの最終ターンが前記本体の中心に整列し、前記電源ケーブルの巻き取り完了によって前記昇降体の上昇が完了し、前記本体の下部に結合された状態で前記昇降体の中心が前記本体の中心に一致する、請求項1に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項3】
前記ドラムの外周面には、前記電源ケーブルが一定のピッチで巻き取られるように前記電源ケーブルの外周面の一部を収容するガイド溝が、前記ドラムの長手方向に沿って螺旋状で延設されている、請求項2に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項4】
前記ガイド溝の少なくとも一つの箇所には、前記ドラムの中空と連通されて前記電源ケーブルが前記ドラムの外周面に巻き取られる始点となる位置調節孔が形成されている、請求項3に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項5】
前記電源ケーブルの全長に応じて前記ドラムの外周面に巻き取られる始点を選択できるように、前記位置調節孔は、前記ドラムの長手方向に沿って繰り返される前記ガイド溝に対して交互に複数個形成されている、請求項4に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項6】
前記ドラムの剛性を確保するため、前記位置調節孔は、前記ドラムの回転中心軸を基準にして多方向に互いにずれて形成されている、請求項5に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項7】
前記本体の内側底面に固定されて前記ドラムの下部に配置され、前記ドラムから前記本体の下方に繰り出される前記電源ケーブルをガイドする少なくとも一つのガイドロールをさらに含む、請求項1に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項8】
前記電源ケーブルに加えられる張力を感知して無負荷状態または過負荷状態を検出し、前記駆動モータの作動を自動で停止させる制御を行うマイクロコンピューターをさらに含む、請求項1に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項9】
前記マイクロコンピューターは、前記昇降体が上昇して前記本体と結合する前に前記ドラムの回転速度を落とすことで、前記本体と前記ドラムとの間の衝撃を防止するスロー区間制御をさらに行う、請求項8に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項10】
前記マイクロコンピューターは、前記昇降体が予め設定された高さに到達したとき、それを感知して前記駆動モータの作動を停止させる自動停止制御をさらに行う、請求項8に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項11】
前記昇降体は、少なくとも一つのプラグ差込口が設けられたコンセントである、請求項1に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項12】
前記昇降体の少なくとも一側に、内部収納空間を選択的に開放できるように設けられた収納部をさらに含む、請求項11に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項13】
前記昇降体の両側面にピボットで連結されて前記昇降体の下方に配置され、上面には物体を載置可能な収納面が設けられた多目的棚をさらに含む、請求項11に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項14】
前記昇降体の中心には前記電源ケーブルが引き込まれるケーブル孔が設けられ、
前記ケーブル孔の周辺には前記電源ケーブルを四方から取り囲む複数の圧着ブロックが配置され、
前記圧着ブロックの外側面と接触するように選択的に締め込まれるボルトによって、前記複数の圧着ブロックが前記電源ケーブル側に押し込まれながら前記電源ケーブルを圧迫することで、前記電源ケーブルが前記昇降体に固定される、請求項1に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【請求項15】
前記昇降体は、前記電源ケーブルの下端に吊り下げられる昇降本体と、前記昇降本体の一面に回転可能に設けられ、語句、数字、イメージ、及び色相のうちから選択された少なくともいずれか一つによって区分されるベッティング区域部が円周方向に区画して形成されている回転板と、を有する回転ゲーム器具である、請求項1に記載の単層巻取型昇降ケーブルリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年3月16日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0034316号及び韓国特許出願第10-2021-0034320号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示す内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、単層巻取型昇降ケーブルリールに関し、より詳しくは、天井や壁面などに取り付け、電源ケーブルを昇降式で繰り出し、または巻き取ることができる構造を有する単層巻取型昇降ケーブルリールに関する。
【背景技術】
【0003】
コンセントは、各種の家電製品や電気器具に連結されたプラグと結合して電力を供給する器具であり、通常、各種の施設物の天井や壁面などに埋め込み式で設けられる。
【0004】
学校、レストラン、カフェまたは居酒屋などのような多重利用施設では限定された空間内の複数の箇所で同時に電気器具が使用されるため、室内の天井や壁面、床面には多くのコンセントが設けられており、必要な場合、コンセントにマルチタップ(電源タップ)を連結して複数の箇所へと電力ケーブルを分岐させる方法も広く使用されている。
【0005】
最近、スマートフォン、ノートパソコン、タッチパッドなどのような携帯用電子機器の使用が普遍化するにつれて、多重利用施設でコンセントに携帯用電子機器を連結して充電する人々をよく見かける。
【0006】
しかし、このような多重利用施設におけるコンセントの使用は、室内の壁面や床面に沿って複雑に配線されてインテリアの美観を損ねるだけでなく、電気器具のプラグをコンセントに差し込んだり分離したりすることが不便であり、床面に散らかっているケーブルにつまずいて転倒するなどの安全事故が発生する危険がある。
【0007】
代案として、天井や壁面にケーブルリールを取り付け、リールの端部に昇降可能なコンセントを連結する技術が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、電線を縦方向に積層巻き取り可能にして電線の縺れや捩れなどを防止するためのものとして、動力部(モータ)を通じて第1巻取部及び第2巻取部が回転し、主電源供給線及びコンセント電源供給線の巻き取りまたは繰り出しのための回転中にも持続的に電力が供給され、第1巻取部の直径が第2巻取部の直径よりも小さく形成され、主電源供給線の繰り出し長さよりもコンセント電源供給線の繰り出し長さが長く形成されることを特徴とするケーブルリールコンセント昇降装置が開示されている。
【0008】
しかし、従来のケーブルリールコンセント昇降装置は、回転力を提供するモータとケーブル巻取部とが所定の距離を置いて配置される構造のため、装置の小型化に限界があり、また、重心が偏ってコンセントを安定的に昇降させ難いという問題がある。
また、巻取部の回転時に主電源を供給するケーブルが捩れることを防止する構成が複雑であるという短所があり、代案が求められている。
また、従来のケーブルリールは、電源ケーブルがドラムに数回多層で重なる巻取構成によって、電源供給時に上下の層で隣接するケーブルの間に渦電流(Eddy current)が誘導されて発熱し、火災につながるケースも発生している。
【0009】
一方、会社、同好会の飲み会や、ピクニック、キャンピングのような余暇活動を楽しむ場合、ダーツ(dart)やベッティング(betting)回転板、さいころなどのようなゲーム用小道具を用いることが多い。
しかし、ゲームのための小道具は殆ど使い捨てが多く、ダーツやベッティング回転板のようなゲーム装置は比較的大きいため携帯性が良くなく、使用後にも空間をそのまま占めて施設のインテリアの美観を損ねる要素になっている。
【0010】
代案として、下記特許文献2は、多様な形態の容器またはボトルに挿入された状態で回転可能であって携帯性が改善された携帯用ルーレット装置を提案している。具体的には、特許文献2は、内部空間が上方に開放されて形成される載置部と、下部の回転軸が前記載置部と着脱可能に結合され、上部で所定の位置に向かって突設されてバッテリーが内蔵される指示チップを含む指示部と、前記バッテリーによって発光する発光ユニットが形成され、前記載置部と指示部との間で前記回転軸の外側面と回転可能に結合される表示部と、を含み、前記載置部、指示部及び表示部が結合された状態で、前記載置部の一部は前記表示部の下部に向かって突出して前記表示部と異なる水平線上に形成され、前記載置部の一部が容器またはボトルの蓋に挿入された状態で前記表示部の側面を一方向に回すことで、前記表示部が前記回転軸を基準にして回転することを特徴とする携帯用ルーレット装置を開示している。
【0011】
しかし、上記のような携帯用ルーレット装置は、個人携帯用であるため、レストランやカフェ、居酒屋などのような多重利用施設に設置して同時に多数の人が共用で使用するには適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国特許第10-1530169号公報
【特許文献2】韓国特許第10-1921684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みて創案されたものであり、電源ケーブルの端部に昇降体を吊り下げて昇降式で使用可能であり、電源ケーブルの間における渦電流の発生を最小化できる構造を有する単層巻取型昇降ケーブルリールを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、本体の内部に収納されたドラムと駆動モータとの結合関係を改善することで、装置の小型化が可能な単層巻取型昇降ケーブルリールを提供することを他の目的とする。
【0015】
また、本発明は、ドラムの外周面に一定のピッチで電源ケーブルを巻き取ることで、ドラムの回転量及び電源ケーブルの繰り出し長さを正確に検出できる単層巻取型昇降ケーブルリールを提供することをさらに他の目的とする。
【0016】
また、本発明は、電気コンセント及び回転ゲーム器具を昇降体と組み合わせた構造を有する単層巻取型昇降ケーブルリールを提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様は、天井、壁体または所定形状の支持体に取り付けられ、内部に収納空間が設けられた本体と、前記本体の内部に回転可能に収納され、外周面に電源ケーブルが巻き取られ、内部に中空が形成されているドラムと、前記中空内に配置されて前記ドラムに正方向/逆方向の回転力を提供する駆動モータと、前記ドラムの一部に取り付けられて接点方式で商用電力の入力を受けるスリップリングと、前記電源ケーブルの下端に吊り下げられて昇降可能に取り付けられた昇降体と、を含み、前記電源ケーブルは、渦電流による発熱を防止するように前記ドラムの外周面に単層で巻き取られることを特徴とする単層巻取型昇降ケーブルリールを提供する。
【0018】
前記電源ケーブルの前記ドラムへの巻き取りが完了した状態で、前記電源ケーブルの最終ターンが前記本体の中心に整列し、前記電源ケーブルの巻き取り完了によって前記昇降体の上昇が完了し、前記本体の下部に結合された状態で前記昇降体の中心が前記本体の中心に一致することが望ましい。
【0019】
前記ドラムの外周面には、前記電源ケーブルが一定のピッチで巻き取られるように電源ケーブルの外周面の一部を収容するガイド溝が、前記ドラムの長手方向に沿って螺旋状で延設され得る。
【0020】
前記ガイド溝の少なくとも一つの箇所には、前記ドラムの中空と連通されて前記電源ケーブルが前記ドラムの外周面に巻き取られる始点となる位置調節孔が形成され得る。
【0021】
前記電源ケーブルの全長に応じて前記ドラムの外周面に巻き取られる始点を選択できるように、前記位置調節孔は、前記ドラムの長手方向に沿って繰り返される前記ガイド溝に対して交互に複数個形成され得る。
【0022】
前記ドラムの剛性を確保するため、前記位置調節孔は、前記ドラムの回転中心軸を基準にして多方向に互いにずれて形成され得る。
【0023】
また、前記本体の内側底面に固定されて前記ドラムの下部に配置され、前記ドラムから前記本体の下方に繰り出される前記電源ケーブルをガイドする少なくとも一つのガイドロールをさらに含み得る。
【0024】
前記電源ケーブルに加えられる張力を感知して無負荷状態または過負荷状態を検出し、前記駆動モータの作動を自動で停止させる制御を行うマイクロコンピューターをさらに含み得る。
【0025】
前記マイクロコンピューターは、前記昇降体が上昇して前記本体と結合する前に前記ドラムの回転速度を落とすことで、前記本体と前記ドラムとの間の衝撃を防止するスロー区間制御をさらに行い得る。
【0026】
前記マイクロコンピューターは、前記昇降体が予め設定された高さに到達したとき、それを感知して前記駆動モータの作動を停止させる自動停止制御をさらに行い得る。
【0027】
前記昇降体は、少なくとも一つのプラグ差込口が設けられたコンセントから構成され得る。
【0028】
前記昇降体の少なくとも一側に、内部収納空間を選択的に開放できるように設けられた収納部をさらに含み得る。
【0029】
また、前記昇降体の両側面にピボットで連結されて前記昇降体の下方に配置され、上面には物体を載置可能な収納面が設けられた多目的棚をさらに含み得る。
【0030】
前記昇降体の中心には前記電源ケーブルが引き込まれるケーブル孔が設けられ、前記ケーブル孔の周辺には前記電源ケーブルを四方から取り囲む複数の圧着ブロックが配置され、前記圧着ブロックの外側面と接触するように選択的に締め込まれるボルトによって、前記複数の圧着ブロックが前記電源ケーブル側に押し込まれながら前記電源ケーブルを圧迫することで、前記電源ケーブルが前記昇降体に固定され得る。
【0031】
代案としては、前記昇降体は、前記電源ケーブルの下端に吊り下げられる昇降本体と、前記昇降本体の一面に回転可能に取り付けられ、語句、数字、イメージ、及び色相のうちから選択された少なくともいずれか一つによって区分されるベッティング区域部が円周方向に区画して形成されている回転板と、を有する回転ゲーム器具から構成され得る。
【発明の効果】
【0032】
本発明による単層巻取型昇降ケーブルリールは、次のような効果を奏する。
(1)電源ケーブルがドラムに単層で巻き取られるため、隣接したケーブルの間で渦電流が誘導されることを防止することができる。したがって、電源ケーブルの全部または一部がドラムに巻き取られた状態で電気を使用しても、電源ケーブルをドラムから完全に繰り出して使用する場合と実質的に等しい電気安全効果を奏することができる。
(2)電源ケーブルのドラムへの巻き取りが完了した状態で、電源ケーブルの最終ターンが本体の中心と同一垂直線上に位置する構成によって、昇降体の上昇完了時に昇降体の中心と本体の中心とが正確に一致するため、装置を全体的にコンパクトに構成することができ、インテリアの美観を極大化することができる。
(3)駆動モータ及びギア部がケーブルリールの中空内に配置されてケーブルリールを回転させるように構成されるため、駆動モータ及びギア部がケーブルリールの外側に設けられる従来の技術に比べて装置を小型化することができる。
(4)スリップリングによって商用電力が接点方式で電源ケーブルに伝達されるため、ドラムの回転時に電源ケーブルの捩れを防止することができ、電力伝達構造を簡素化することができる。
(5)ドラムの外周面に一定のピッチで電源ケーブルを巻き取ることができ、巻き取り始点を選択することで、昇降体の上昇終了時に、電源ケーブルの巻き取りがドラムの中央で終わるように設定することができる。したがって、ドラムにかかる荷重が偏ることを予防することができる。
(6)複数の位置調節孔がドラムの回転中心軸を基準に両側で互いにずれて形成されることで、ドラムの剛性低下を防止することができる。
(7)駆動モータから無負荷または過負荷が検出されると、駆動モータの作動を自動で停止させることで、安全事故を予防することができる。
(8)回転ゲーム装置を多重利用施設の天井に取り付けて各々のテーブルから独立的にゲームを楽しむことができ、ゲーム終了後にはゲーム器具の昇降体を天井に上昇させておくことで、空間利用の効率を向上できるだけでなく、インテリアの美観を改善することができる。
(9)回転板の回転速度を検出して減速パターンを制御することで、より多彩なゲームまたはイベントサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の望ましい実施形態による単層巻取型昇降ケーブルリールの透視斜視図である。
【
図3】
図1の昇降体を下降させた状態を示した透視斜視図である。
【
図8】
図7の昇降体の下部構成を示した底面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態による単層巻取型昇降ケーブルリールの透視斜視図である。
【
図10】
図9の昇降体の構成を詳しく示した透視斜視図である。
【
図12】
図9の昇降体を下降させた状態を示した透視斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は本発明の望ましい実施形態による単層巻取型昇降ケーブルリールの透視斜視図であり、
図2は
図1の断面図であり、
図3は
図1の昇降体を下降させた状態を示した透視斜視図であり、
図4は
図3の断面図である。
【0035】
図1~
図4を参照すると、本発明の望ましい実施形態による単層巻取型昇降ケーブルリールは、天井などの高い箇所に取り付けられる本体100と、本体100の内部に回転可能に収納されたドラム101と、本体100に固定されてドラム101に回転力を提供する駆動モータ104と、駆動モータ104の回転力を減速させてドラム101に伝達するギア部105と、電源ケーブル102に吊り下げられて昇降可能な昇降体120と、を含む。
【0036】
本体100は、建物内部の天井、壁体、ポール(pole)、または建物の柱のような所定形状の支持体に取り付けられる。本体100の形状は、図示す例に限定されず、多様に変形可能である。本体100の内部には、ドラム101を収納可能な収納空間が設けられている。
【0037】
ドラム101は、本体100の内部に回転可能に収納され、外周面には電源ケーブル102が巻き取られている。ドラム101に巻き取られる電源ケーブル102の全長は、設置環境に応じて多様に選択され得る。電源ケーブル102は、必要な位置に昇降体120が下降を完了したとき、ドラム101から完全に繰り出された状態になることが電気安全の面で望ましい。
【0038】
ドラム101の内部には、中空、及び前記中空を区画する隔壁103が形成されている。すなわち、ドラム101は、隔壁103を基準にして両側に中空が形成された構造を有する。
【0039】
図1に示すように、電源ケーブル102のドラムへの巻き取りが完了した状態で、電源ケーブル102の最終ターンT
Lは本体100の中心と同一垂直線A上に整列する。本体100に対するドラム101の位置または電源ケーブル102の巻き取り始点の位置は、このような整列条件を満たす地点で決定される。このように構成することにより、電源ケーブル102の巻き取り完了によって昇降体120が上昇を終え、本体100の下部に結合されたとき、昇降体120の中心と本体100の中心とが正確に一致するため、インテリアの美観を極大化することができる。
【0040】
スリップリング106は、隔壁103の他面、すなわち隔壁103の右側に配置され、接点方式で商用電力の入力を受ける部材である。スリップリング106は、ドラム101が回転するとき、一対の接点同士が接触を持続的に維持するとともにスリップ及び回転しながら、商用電力の入力を受けるように構成される。スリップリング106の一側は、後述するブラケット108の垂直プレートの他方108bに固定される。
【0041】
隔壁103には少なくとも一つの電線貫通孔103aが厚さ方向に形成されている。したがって、電源ケーブル102の終端で被覆が剥ぎ取られた芯線が、ドラム101に形成された位置調節孔101aを通ってドラム101の中空に引き込まれ、電線貫通孔103aを通ってスリップリング106に連結され得る。代案として、電源ケーブル102の入力端とスリップリング106との間に別途の連結線が付け加えられてもよい。
【0042】
スリップリング106周辺の一側には光センサ107が配置されてドラム101の回転量を検出する。光センサ107の発光素子と受光素子とは、スリップリング106の周縁端を挟んで対向して配置される。
【0043】
ドラム101の外周面には、電源ケーブル102が一定のピッチで巻き取られるように電源ケーブル102の外周面の一部を収容するガイド溝101bが、ドラム101の長手方向に沿って螺旋状で延設されている。
【0044】
ガイド溝101bの少なくとも一箇所には、前記ドラム101の中空と連通されて電源ケーブル102が前記ドラム101の外周面に巻き取られる始点となる位置調節孔101aが形成されている。前記位置調節孔101aは、前記ドラム101の長手方向に沿って繰り返されるガイド溝101bのパターンに交互に複数個形成される。
【0045】
電源ケーブル102は、ドラム101の外周面に単層(one layer)で巻き取られ、電源ケーブル102の全長を考慮してドラム101の外周面に巻き取られる始点を選択可能である。
【0046】
位置調節孔101aは、ドラム101の回転中心軸を基準にして多方向に互いにずれて形成される。このように構成することにより、位置調節孔101aが形成されるドラム101の長手区間を分散させることで、ドラム101の剛性を確保することができる。これに関連して
図2及び
図4に、上部には位置調節孔101aが1番目、3番目、5番目の溝に形成され、下部には位置調節孔101aが2番目、4番目、6番目の溝に形成された例が示されている。
【0047】
上昇停止リミットスイッチ109は、本体100の内側底面に固定され、一部が前記本体100の下面を貫通して外側に露出して、昇降体120の上昇が完了したときに昇降体120の上面と接触して作動する。上昇停止リミットスイッチ109が作動すると、所定のマイクロコンピューター(図示せず)は駆動モータ104を停止させて巻き取りを中断する。
【0048】
ガイドロール110は、本体100の内側底面に固定され、ドラム101の下部に少なくとも一つが配置されて、前記ドラム101から前記本体100の下方に繰り出される電源ケーブル102をガイドする。
【0049】
さらに、ガイドロール110の回転軸には無負荷リミットスイッチ112が連結され得る。無負荷リミットスイッチ112は、ドラム101から繰り出される電源ケーブル102にかかる張力を感知することで、昇降体120の着地状態を検出することができる。例えば、駆動モータ104に電源を供給して昇降体120を下降させる場合、昇降体120が地面に到達して張力が減少すると、ガイドロール110にかかる引張力が変化して無負荷リミットスイッチ112を作動させる。
【0050】
本体100の内部には、ドラム101を取り囲むように配置された略「コ」字状のブラケット108が固定され、ドラム101、及び駆動モータ104とギア部105とのアセンブリを支持する。ブラケット108は、一対の垂直プレート108a、108b、及び前記一対の垂直プレート108a、108bの上端を連結する水平プレート108cから構成される。一対の垂直プレート108a、108bは、ドラム101の両端にそれぞれ対応するように配置される。一対の垂直プレート108a、108bの一方108aには駆動モータ104の後尾がボルト締結で固定され、他方108bにはスリップリング106の一側及び光センサ107が固定される。
【0051】
取付片111は、本体100を天井、壁体または所定形状の支持体に取り付けるための締結部材である。取付片111は、水平プレート108cの中間地点の一部が切開されて曲げられ、本体100の上面の外側に突出して形成される。取付片111には、ボルトまたはピースなどの締結要素を通すための締結穴111aが形成されている。
【0052】
駆動モータ104は、本体100に直接的または間接的に固定され、ドラム101の一側の中空内に配置される。駆動モータ104の回転軸には、駆動モータ104の回転力を減速させてドラム101に伝達する減速ギアアセンブリからなるギア部105が連結されている。ギア部105の出力端は、隔壁103の一面の中心に嵌め込まれて固定され、ドラム101に回転力を伝達する。
【0053】
駆動モータ104は、直流(DC)モータからなり、昇降体120が停止した状態で、前記昇降体120が自体荷重または予め決められた引張力に達しないときには前記ドラム101が回転しないように、前記駆動モータ104のパワー入力端子の両端が短絡するか、または、予め決められた抵抗値を有する制動抵抗が両端の間に連結される。
【0054】
代案として、昇降体120が停止した状態で、前記昇降体120が自体荷重または予め決められた引張力に達しないときには前記ドラム101が回転しないように、前記ギア部105の減速ギア比が十分に大きく設定されてもよい。
【0055】
駆動モータ104は、昇降体120に予め決められた高荷重または引張力以上の大きい力が加えられたとき、電源によって能動回転して昇降体120を下降させるように構成してもよい。望ましくは、駆動モータ104として直流モータが採用され得る。
【0056】
駆動モータ104の制御を担当するマイクロコンピューター(図示せず)は、駆動モータ104にかかる無負荷または過負荷状態を検出して駆動モータ104の作動を自動で停止させる制御を行う。そのため、駆動モータ104の一側には、駆動モータ104の回転量を検出するためのエンコーダ(図示せず)が取り付けられ得る。前記マイクロコンピューターは、前記エンコーダのカウント値から駆動モータ104の回転速度を検出し、それから無負荷または過負荷状態を判別し得る。
【0057】
前記マイクロコンピューターは、昇降体120が上昇して本体100と結合する前にドラム101の回転速度を落とすことで、本体100とドラム101との間の衝撃を防止するスロー区間制御をさらに行い得る。このとき、前記マイクロコンピューターは、駆動モータ104にパルス信号を出力してオン/オフを繰り返すことで、ドラム101が本体100の下部にゆっくり結合するように制御する。
【0058】
また、前記マイクロコンピューターは、ユーザによって予め設定された高さに昇降体120が到達したとき、それを感知して駆動モータ104の作動を停止させる自動停止制御をさらに行い得る。このとき、前記マイクロコンピューターは、前記エンコーダを通じて検出される回転量から昇降体120の位置を認識し、予め設定された位置に昇降体120が到達すると、駆動モータ104の作動を停止させる制御信号を出力する。例えば、レストランの調理室の場合、床面に水気が多いため、昇降体120が下降する途中、床面から数十センチメートル(cm)地点で自動に停止するように設定され得る。
【0059】
昇降体120は、電源ケーブル102に吊り下げられ、一面には少なくとも一つのプラグ差込口121が設けられた電気コンセントから構成され得る。望ましくは、昇降体120は円盤状のプラスチック射出物からなる。このように構成することにより、上昇完了時に本体100の下面の中心に密着されるため、装置を全体的にコンパクトに構成することができる。
【0060】
昇降体120は、上面の中心に電源ケーブル102が導入され、中心を基準にして両側に対称に複数のプラグ差込口121が配置された構成を有する。すなわち、昇降体120は、電気コンセントのプラグ差込口121が円盤構造の上面に露出するように構成される。このように構成することにより、昇降体120の上昇が完了して昇降体120の上面が本体100の下部と結合されたとき、プラグ差込口121が外部に露出しないため、電気安全及びインテリアの美観の面で有利である。
【0061】
無線充電部(図示せず)は、昇降体120に内蔵され、昇降体120の一面(望ましくは、上面)方向に電磁誘導または共振誘導方式で無線電力を供給することで、昇降体120上に載せられるスマートフォンなどの所定の携帯用電子機器に対して無線充電機能を提供する。
【0062】
上記のような構成を有する単層巻取型昇降ケーブルリールは、学校、レストラン、カフェまたは居酒屋などのような多重利用施設に適用可能である。単層巻取型昇降ケーブルリールは、テーブル毎に対応して、望ましくは天井に設置され、スマートフォン、ノートパソコン、タッチパッドなどのような携帯用電子機器を充電するか、または、各種の実験器具、電熱器具、ビデオ会議装置などのような機器のプラグと締結される電気コンセントを提供する。
【0063】
ユーザは、有線または無線リモコンで単層巻取型昇降ケーブルリールを作動させ、
図2及び
図4に示すように昇降体120を下降させ得る。昇降体120は、テーブルの上方の空中に位置させるかまたはテーブルの上面に着地させた後、電源供給が必要な機器のプラグをプラグ差込口121に差し込んで使用すれば良い。代案としては、ユーザが手動で昇降体120を下方に引っぱることで下降させてもよい。このとき、単層巻取型昇降ケーブルリールは、制動抵抗またはギア減速比の設定によって決められた荷重または引張力に達しないときには下降しないため、安全事故を予防することができる。
【0064】
電源使用が終了すると、ユーザは有線または無線リモコンを操作して昇降体120を上昇させ、
図1及び
図3に示すように天井に戻し得る。昇降体120は、駆動モータ104の巻き取り動作によって上昇し、本体100の下面に到達したとき、上面が上昇停止リミットスイッチ109と接触して上昇が停止する。電源ケーブル102は、使用前のセッティング過程でケーブルの長さに合わせて位置調節孔101aを選択することで、昇降体120の上昇が終了したとき、ドラム101の外周面に単層で巻き取られ、ドラム101の中央で電源ケーブル102の巻き取りが終わるように精密に設定可能である。また、昇降体120にかかる荷重が片方に偏ることを防止することができる。
【0065】
昇降体120は、上昇が完了したときに本体100の下面の中心に密着される。昇降体120は、下面が天井面と平行に埋め込まれてもよく、代案的に突出して外蔵型で設けられてもよい。
【0066】
図5及び
図6に示すように、昇降体120の中心にはアイボルト150が締結され、その周辺にはケーブルコネクタ151が締結されて、照明160のような電気機器を昇降体120の下部に便利に取り付けて使用し得る。
【0067】
図7に示すように、収納部161は、昇降体120の少なくとも一側に、内部収納空間162を選択的に開放できるように設けられる。図示すように、収納部161は引き出し式で構成され得る。代案としては、選択的に回動して突出するポップアップ式で構成してもよい。収納部161には、昇降体120の内側に引き込まれる方向に弾性力を加える所定のバネ(図示せず)が連結され得る。収納部161の内部収納空間162には、例えば、楊枝、栓抜き、芳香剤、キャンディなどのような生活小物や雑貨が収納され得る。
【0068】
多目的棚163は、昇降体120の下方に配置され、上面に物を載置可能な収納面163aと、前記収納面163aから上方に延びた一対の支持プレート163bとを備える。一対の支持プレート163bの端部はピボット164で昇降体120の両側面に固定されて、自在に揺れるように取り付けられる。収納面163aには、例えば、クレジットカード端末機、自動車電気充電コード、スピーカ、カメラなどのような物品が載せられる。このような物品の重心が収納面163a上で片方に偏っても、多目的棚163はピボット164によって常に重力方向に向かうように昇降体120に吊り下げられた状態を維持するため、安定的な収納が可能である。
【0069】
図8は、昇降体120の底面の構成を示している。図示すように、昇降体120の中心にあるケーブル孔166に電源ケーブル102が引き込まれると、電源ケーブル102を四方から取り囲むように配置された圧着ブロック164を電源ケーブル102側に移動させることで、電源ケーブル102を昇降体120に堅固に固定し得る。そのため、それぞれの圧着ブロック164の外側面と、それに対応する昇降体120の円形リブの内周面とには、互いに対応する半円状のボルト孔165が形成されている。したがって、所定のボルトを選択的にボルト孔165に挿入して締めれば、前記ボルトの先端が圧着ブロック164と接触しながら圧着ブロック164が内側に押し込まれて電源ケーブル102を圧迫し、これによって電源ケーブル102が昇降体120に堅固に固定され得る。
【0070】
図9~
図14は、本発明の他の実施形態による単層巻取型昇降ケーブルリールを示している。図面において、上述した実施形態と同じ参照符号は同一構成要素に該当するため、その詳細な説明を省略する。
【0071】
図13及び
図14に参照符号Bで示すように、昇降体120’は、電源ケーブル102に吊り下げられる昇降本体122と、昇降本体122の一面(望ましくは、下面)に回転可能に組み込まれた回転板123とを備えた回転ゲーム器具から構成される。
【0072】
昇降本体122は、円盤状のプラスチック射出物または軽量のアルミニウム素材などからなる。このように構成することにより、上昇完了時に本体100の下面の中心に密着し、天井に容易に埋め込まれるかまたは密着されるため、装置を全体的にコンパクトに構成可能である。
【0073】
回転板123は、昇降本体122の下面に回転可能に取り付けられる。回転板123の円滑な回転運動のため、回転板123と昇降本体122との間にはボールベアリング130が介在され、回転板123の中心にはボールベアリング130の内輪に嵌められて固定される固定ボルト131が締結される。回転板123の平面部には、語句、数字、イメージ及び色相のうちから選択された少なくともいずれか一つによって区分されるベッティング区域部124が円周方向に区画して形成されている。ベッティング区域部124には、ゲームの種類に応じて多様な内容が印刷され得る。例えば、ベッティング区域部124には「飲め!」、「歌って!」、「チュー!」、「払え!」、「当たり!」などのような語句が記載され得る。
【0074】
図10に示すように、外側に露出しない回転板123の上面にはロータリー部材128が固定されており、それに対応して昇降本体122にはロータリー部材128に接触して回転板123の回転速度など回転量を検出する感知部材129が固定されている。ロータリー部材128は、回転板123の中心と一致する回転中心を備え、実質的に円形の外周に沿って所定のピッチで谷と山が繰り返して形成された構造を有する。感知部材129は、リミットスイッチから構成され、回転板123の回転時にローラ部分がロータリー部材128の谷及び山構造と接触を維持する。代案としては、ロータリー部材128には外周に沿って一定の間隔で通穴が繰り返して形成され、感知部材129は前記通穴と対向する光センサから構成され得る。
【0075】
回転板123に対する減速制御のため、昇降本体122の下縁部の一側には電磁石127が固定され、回転板123の上面には回転時に電磁石127と対向可能な磁性部材126が取り付けられている。ここで、磁性部材126は、鉄板や永久磁石のような強磁性物質から構成され、電磁石127と磁気的相互作用をする。回転板123が回転する途中、電磁石127に電源が供給されて電磁石127が所定強さの磁性を帯びると、電磁石127と磁性部材126との間に作用する引力により回転板123の回転運動が妨害されて減速が促進される。
【0076】
回転ゲーム人工知能マイクロコンピューター(図示せず)は、昇降本体122に内蔵され、ユーザが回転板123を回したとき、ロータリー部材128の一地点に設けられた所定の識別突起(または、識別溝)を基準にして回転周期及び速度を演算し、回転速度別停止位置に対する経験的データに基づいて結果を予測して電磁石127を制御し、電磁石127と磁性部材126との間に作用する磁力を用いて停止位置を調節するマシンラーニング(Machine Learning)アルゴリズムによる減速制御を行う。すなわち、減速制御しない場合、F1の力で回転板123を回して例えば、10回転した後に停止するとすれば、前記人工知能マイクロコンピューターが電磁石127を制御すると、同じ力F1で回転板123を回して例えば、7.5回転した位置で停止するように制御し得る。前記人工知能マイクロコンピューターは、回転板123の回転周期及び回転速度(V1、V2、V3、…Vn)毎に対応する停止位置(P1、P2、P3、…Pn)についての経験的データを基づいて学習し、例えば、回転板123の回転速度がV7である場合、P7値を停止位置として予測する。このとき、P7に対応するベッティング区域部124を回避するかまたは他の特定のベッティング区域部124をP7に対応させようとする場合は、人工知能マイクロコンピューターは電磁石127を用いて回転板123を減速させる制御を行い、所望のベッティング区域部124を固定印125がある位置に停止させることができる。人工知能マイクロコンピューターは、電磁石127に対する制御または経験データを蓄積して学習を行う。
【0077】
上記のような構成を有する単層巻取型昇降ケーブルリールは、レストラン、カフェ、居酒屋、ピクニック、ペンションなどのような多重利用施設に適用可能である。単層巻取型昇降ケーブルリールはそれぞれのテーブルに対応し、望ましくは天井に取り付けられて、必要なときに下降してゲームやイベントサービスを提供する。
【0078】
ユーザは、有線または無線リモコンで単層巻取型昇降ケーブルリールを作動させて、
図12及び
図13に示すように昇降体120’を下降させ得る。昇降体120’は、テーブルの上方の空中に位置させるかまたはテーブルの上面に着地させ得る。代案としては、ユーザが手動で昇降体120’を下方に引っぱることで下降させてもよい。このとき、単層巻取型昇降ケーブルリールは、駆動モータ104の回転量を検出し、無負荷、過負荷、設定位置への到達などの必要な場合に駆動モータ104を自動で停止させることで、安全事故を予防することができる。
【0079】
昇降体120’を下降させた後、ユーザは、昇降体120’の下面にある回転板123が上方に向かうように昇降本体122または電源ケーブル102を掴んで裏返し、回転板123の平面部分を指先で弾いて回転させればよい。
【0080】
回転板123のベッティング区域部124には、多様なゲームまたはイベント用語句が予め印刷または刻印されている。例えば、ベッティング区域部124に「飲め!」または「チュー!」などのようなイベント用語句がある場合、友達の集まりや披露宴などで雰囲気を盛り上げて楽しさを与えることができる。また、この場合、単層巻取型昇降ケーブルリールの管理者は、人工知能マイクロコンピューターの減速制御機能を非公開で作動させることで、集まりの主人公が回転板123を如何に回しても特定のベッティング区域部124、例えば、「チュー!」が固定印125のある位置に止まるように回転板123の減速を能動制御し、集まりの参加者達にさらなる楽しさを与えることができる。
【0081】
また、スマートフォンなどの携帯機器の充電が必要な場合は、昇降本体122の上面に露出したコンセントのプラグ差込口を用いるか、または、昇降本体122の上面の一側に携帯機器を載置して無線充電機能を用いることができる。
【0082】
ゲームの終了後、ユーザは、有線または無線リモコンを操作して昇降体120’を上昇させ、
図9~
図11に示すように、天井に戻すことができる。昇降体120’は、駆動モータ104の巻取動作によって上昇し、本体100の下面に到達すると、上面が上昇停止リミットスイッチ109と接触して上昇が停止する。電源ケーブル102は、使用前のセッティング過程で位置調節孔101aを選択することで、昇降体120’の上昇が終了したとき、ドラム101の中央で電源ケーブル102の巻き取りが終わるように精密に設定可能であるため、昇降体120’にかかる荷重が片方に偏ることを防止することができる。
【0083】
ゲームの終了後は昇降体120’を天井まで上昇させておくことで、空間利用の効率を高めることができ、インテリアの美観を改善することができる。
【0084】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明を適用する場合、各種の多重利用施設の天井などに取り付けられて、スマートフォン、ノートパソコン、タッチパッドなどのような携帯用電子機器を充電するか、または、実験器具、電熱器具、ビデオ会議装置などのような機器のプラグを便利且つ簡易に締結可能な昇降式電源装置を提供することができる。また、昇降体に多目的棚を取り付けることで、コンセント、照明、クレジットカード端末機、自動車電気充電コード、スピーカ、カメラなどを昇降式で便利に用いることができ、昇降体に収納部を構成することで、楊枝、栓抜き、芳香剤、キャンディなどのような生活小物や雑貨をきれいに収納することができる。本発明を娯楽施設に適用する場合は、回転ゲーム器具を多重利用施設の天井に取り付けて各々のテーブルでゲームを楽しむことができ、ゲーム終了後は回転ゲーム器具を天井まで上昇させておくことで空間利用の効率を高めることができる。
【国際調査報告】