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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】焼結装置および焼結方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/14 20060101AFI20240312BHJP
   F27B 9/36 20060101ALI20240312BHJP
   C04B 35/64 20060101ALI20240312BHJP
   B22F 3/18 20060101ALI20240312BHJP
   B22F 7/06 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B22F3/14 101A
F27B9/36
C04B35/64
B22F3/18
B22F7/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553698
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2022052394
(87)【国際公開番号】W WO2022184359
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021202076.3
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522350221
【氏名又は名称】フォルシュングスツィントルム ユーリッヒ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Forschungszentrum Julich GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ,タリーニ プラサード
(72)【発明者】
【氏名】ブラム,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ギヨン,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】シュタイネルト,ラルフ
【テーマコード(参考)】
4K018
4K050
【Fターム(参考)】
4K018CA38
4K018DA42
4K018EA21
4K018HA08
4K018JA09
4K050AA04
4K050BA01
4K050BA07
4K050CD08
4K050CG09
4K050EA07
(57)【要約】
本発明は、焼結装置および焼結方法に関する。焼結装置(10)は、導電性の第1の構成要素(11)と、導電性の第2の構成要素(12)と、焼結対象の未焼結体(14)を加熱するための少なくとも1つの導電性表面要素(20、20’)とを備える。第1の構成要素(11)および第2の構成要素(12)は、第1の構成要素(11)、表面要素(20、20’)、および第2の構成要素(12)を備える電気回路が相対移動によって閉じることができるように、互いに対しておよび/または表面要素(20、20’)に対して移動可能である。このようにして、工業規模で急速な焼結プロセスが可能になる。装置は、既存の焼結プラント、例えばFAST/SPS焼結プラントに特に簡単な方式で統合することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の第1の構成要素(11)と、導電性の第2の構成要素(12)と、焼結対象の未焼結体(14)を加熱するための少なくとも1つの導電性表面要素(20、20’)とを備える焼結装置(10)であって、前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)は、互いに対しておよび/または前記表面要素(20、20’)に対して移動可能であり、それにより前記第1の構成要素(11)、前記表面要素(20、20’)、および前記第2の構成要素(12)を備える電気回路は、前記相対移動によって閉じられことができる、装置(10)。
【請求項2】
前記表面要素(20、20’)は、炭素を含むか、または炭素からなることを特徴とする、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記表面要素(20、20’)の第1の領域(21)は、前記第1の構成要素(11)に導電的に接続可能であるかまたは接続され、前記表面要素(20、20’)の第2の領域(22)は、前記第2の構成要素(12)に導電的に接続可能であるかまたは接続されることを特徴とする、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記未焼結体(14)の焼結位置(16)の一方の側は、表面要素(20)によって画定され、前記未焼結体(14)の前記焼結位置(16)の他方の側は、カウンタ要素(25)によって画定されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記装置(10)は、2つの導電性表面要素(20、20’)を備え、各表面要素(20、20’)は、前記未焼結体(14)の焼結位置(16)の一方の側を画定することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記装置(10)は、共通の軸に沿った前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)の相対移動を可能にするように構成され、開位置(18)では、前記未焼結体(14)の焼結位置(16)にアクセス可能であり、閉位置(19)では、電気的接触が前記第1の構成要素(11)、前記表面要素(20、20’)、および前記第2の構成要素(12)の間に確立されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記装置(10)は、前記表面要素(20)またはカウンタ要素(25)上に配置された未焼結体(14)および/または焼結体(15)を前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)に対して移動させることができるように、実質的に直線状に前記表面要素(20)または前記カウンタ要素(25)を移動させるための第1の搬送装置(31)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記表面要素(20、20’)は、ロール(34)上に巻き上げられた形態で設けられ、前記第1の搬送装置(31)は、部分的に巻き出された表面要素(20、20’)を保持して移送するように構成されることを特徴とする、請求項7に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記表面要素(20、20’)および/または前記カウンタ要素(25)は、循環ベルト(37)として構成され、前記第1の搬送装置(31)は、前記循環ベルト(37)を保持して移動させるための2つの搬送ローラ(38、38’、39、39’)を備えることを特徴とする、請求項7に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記装置(10)は、前記表面要素(20、20’)またはカウンタ要素(25)上に配置された未焼結体(14)および/または焼結体(15)が、前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)に対して移動されるときにさらなる表面要素(20’)またはカウンタ要素(25)で覆われ得るように、実質的に直線に沿って前記さらなる表面要素(20’)またはカウンタ要素(25)を移動させるための第2の搬送装置(32)を備えることを特徴とする、3つの先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項11】
前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)は、前記表面要素(20、20’)が前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)に対して実質的に直線状に移動されるとき、前記表面要素(20、20’)をそれらの円周面(41)と導電的に接触させるように構成される回転可能に装着されたローラ形状の電極(40)として構成されることを特徴とする、4つの先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項12】
前記装置(10)は、前記第1の構成要素(11)に対向する第1のカウンタ構成要素(51)と、前記第2の構成要素(12)に対向する第2のカウンタ構成要素(52)とを備え、前記第1の構成要素(11)および前記第1のカウンタ構成要素(51)は、前記表面要素(20、20’)の第1の領域(21)上の対向する両側から圧縮力を及ぼすように配置され、前記第2の構成要素(12)および前記第2のカウンタ構成要素(52)は、前記表面要素(20、20’)の第2の領域(22)上の対向する両側から圧縮力を及ぼすように配置されることを特徴とし、そして、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項13】
前記装置(10)は、少なくとも部分的に焼結対象の前記未焼結体(14)を焼結位置(16)に移動させるための、および/または少なくとも部分的に前記焼結位置(16)から離れるように前記焼結体(15)を移動させるためのマニピュレータを備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項14】
前記装置(10)は、前記表面要素(20、20’)の温度を決定するための高温計(45)を備え、
特に、連続的なキャビティ(46)が、前記第1の構成要素(11)または前記第2の構成要素(12)に配置され、前記第1の構成要素(11)または前記第2の構成要素(12)を通って観察軸が前記高温計(45)と前記表面要素(20、20’)との間を通過する
ことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の焼結装置(10)を備える、焼結プラント、特にFAST/SPS焼結プラントまたは連続炉であって、特に前記焼結プラントは、前記第1の構成要素(11)、前記表面要素(20、20’)、および前記第2の構成要素(12)を備える前記電気回路に電流を印加するための電源を備える、焼結プラント。
【請求項16】
未焼結体(14)を焼結するための方法であって、
導電性の第1の構成要素(11)と、導電性の第2の構成要素(12)と、少なくとも1つの導電性表面要素(20、20’)とを有する装置(10)を提供することであって、前記装置(10)は、特に、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置(10)であることと、
前記表面要素(20、20’)上に焼結対象の未焼結体(14)を配置することと、
前記第1の構成要素(11)と前記第2の構成要素(12)との間で、または前記第1の構成要素(11)と一方では前記第2の構成要素(12)と、および他方では前記表面要素(20、20’)との間で相対移動を実施することと、
前記第1の構成要素(11)、前記少なくとも1つの表面要素(20、20’)、および前記第2の構成要素(12)に電流を印加することであって、前記電流は、前記未焼結体(14)が焼結されるように前記表面要素(20、20’)を加熱することと
を含む、方法。
【請求項17】
前記表面要素(20、20’)またはカウンタ要素(25)は、実質的に直線状に移動され、前記未焼結体(14)は、前記表面要素(20、20’)または前記カウンタ要素(25)上に配置され、そして、前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)に対して一緒に移動され、
実質的に直線状の前記移動の完了後、前記第1の構成要素(11)、前記表面要素(20、20’)、および前記第2の構成要素(12)を通る回路が閉じられるように、前記第1の構成要素(11)および/または前記第2の構成要素(12)が移動される前記相対移動が行われ、
前記焼結の完了後、前記表面要素(20、20’)または前記カウンタ要素(25)は、実質的に直線状に移動され、前記焼結体(15)は、前記表面要素(20、20’)または前記カウンタ要素(25)上に配置され、そして、前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)に対して一緒に移動される
ことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)は各々、回転可能に装着されたローラ形状の電極(40)として構成され、前記相対移動は、実質的に直線状の前記表面要素(20、20’)の移動として実施され、前記第1の構成要素(11)および前記第2の構成要素(12)は、前記相対移動中に前記表面要素(20、20’)をそれぞれの円周面(41)と導電的に接触させることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結装置および焼結方法に関する。
【0002】
焼結は、材料を加工するための方法である。この場合、材料の成形体が加熱され、必要に応じて加圧され、それにより成形体は拡散プロセスにより圧縮される。焼結は、加工物の形状が焼結中に保持されるように、高温であるが主構成要素の溶融温度よりも低い高温で行われる。加工物の収縮は、出発材料が圧縮されるときに生じる。総表面積および界面エネルギーは、減少する。焼結時間が長くなるにつれて、収縮が粒成長によって重なり合う。この場合もまた、界面エネルギーの減少が主な駆動力となる。焼結は、固体加工物をもたらし、硬度、強度、および熱伝導性などの性質は、適切なプロセスパラメータによって影響され得る。
【0003】
セラミックおよび金属構成要素は、硬度、強度、耐摩耗性、耐熱性、熱伝導性、および導電性などのそれらの性質に関して複数の用途を有する焼結により製造することができる。多くの場合、焼結プロセスの前に成形が行われ、成形では、通常は粉末形態である出発材料から未焼結体が製造される。未焼結体は、未焼結状態のセラミックおよび/または金属粉末の成形体である。焼結中、出発材料は、通常、金属粉末については700℃超、セラミック粉末については1000℃超の温度に曝される。関与する高温のために、この方法は、技術的に複雑でエネルギー集約的である。焼結温度での保持時間が長いと、過剰な粒成長が、製造された構成要素の望ましくない性質をもたらす可能性がある。加えて、通常1時間~数日に及ぶ方法の長い継続期間は、大きな欠点である。
【0004】
継続期間を短縮するために、加熱が電流によって行われる電界支援焼結が開発された。電界活性化焼結、「電界支援焼結技術」(FAST)または「放電プラズマ焼結」(SPS)としても知られるこの方法では、電流(定直流、パルス直流、または交流)が導電性ツール(=上部パンチ、下部パンチ、およびダイからなるプレス型であり、すべての部分がグラファイトなどの導電性材料で作製されている)を通過する。ツールは、ジュール効果(=抵抗加熱)によって加熱される。FAST/SPSでは通常であり、従来の焼結と比較して高い粉末についての10℃/分の領域における加熱速度は、熱伝導によるツールと粉末との間の直接接触から生じる。導電性粉末が焼結される場合、粉末を介した電流の流れによって粉末の追加の直接加熱が行われ、加熱速度および温度分布の均一性がさらに増加する。加えて、一軸圧力がFAST/SPSシステムの油圧で移動可能なパンチシステムを介して粉末に加えられ、焼結は通常、不活性ガスまたは真空下で行われる。
【0005】
実験室規模で、焼結をさらに著しく短縮された継続期間で行うことができる方法が開発されている。これは「超高速高温焼結」(UHS)と呼ばれ、Wangらによる刊行物「A general method to synthesize and sinter bulk ceramics in seconds」、Science 368,521-526(2020)、およびHongらによる刊行物「Tailoring grain growth and densification toward a high-performance solid-state electrolyte membrane」、Materials Today,Volume 42,Jan-Feb 2021,pp 41-48に記載されている。UHS法は、カーボンマットの抵抗誘起加熱を使用して熱を生成し、特に迅速に熱を焼結対象の未焼結体に伝達する。しかし、方法は、これまで実験室規模でのみ使用されてきた。これまでのところ、6mmの領域のサイズを有するサンプルのみが焼結されている。
【0006】
本発明は、技術的規模で急速な焼結を可能にする装置、焼結プラント、および方法を提供するという課題に基づいている。特に、UHS原理による準連続的または連続的な焼結が可能にされるべきである。
【0007】
この課題は、請求項1に記載の装置ならびに追加の請求項に記載の焼結プラントおよび方法によって解決される。有利な実施形態が、従属請求項に与えられる。
【0008】
この課題を解決するために、焼結装置が使用される。装置は、導電性の第1の構成要素と、導電性の第2の構成要素と、焼結対象の未焼結体を加熱するための少なくとも1つの導電性表面要素とを備える。第1の構成要素および第2の構成要素は、電気回路を相対移動によって閉じることができるように、互いに対しておよび/または表面要素に対して移動可能である。電気回路は、第1の構成要素と、表面要素と、第2の構成要素とを備える。
【0009】
電流は、導電性表面要素を非常に迅速に高温に加熱し、それにより熱が、非常に迅速に未焼結体に利用可能になる。このようにして、焼結は非常に短時間で、典型的には1分未満で可能である。
【0010】
相対運動は、焼結対象の未焼結体を迅速に、正確に、かつ再現性よく焼結位置に運ぶことを可能にする。焼結位置は、未焼結体が焼結中に位置する位置である。このようにして、UHSプロセスの(大規模な)技術的実施が可能になる。構成要素間に未焼結体を位置決めするために、相対移動を行うことができる。したがって、表面要素を加熱するための回路の閉鎖は、特にわずかな技術的労力で行われる。
【0011】
言い換えれば、2つの構成要素は、少なくとも1つの表面要素と共に未焼結体を移送する。この場合、回路は、表面要素が構成要素に接触するとすぐに閉じられる。表面要素は、表面要素が2つの構成要素間に導電的に配置されるとすぐに加熱される。
【0012】
第1の構成要素および第2の構成要素は、導電性である。特に、第1の構成要素および/または第2の構成要素は、グラファイトまたは金属から製造される。構成要素は、電極と呼ばれることもある。特に、第1の構成要素および/または第2の構成要素は、表面要素に接触するための接触面を有する。特に、第1の構成要素および/または第2の構成要素は、導電体を接続することができる電気接続面積を有する。電気接続面積は、特に接触面上に配置されていない。
【0013】
導電性表面要素は、その抵抗のために非常に迅速に加熱される。生成された熱は、特に熱放射によって、未焼結体を焼結するために未焼結体に急速に伝達される。好ましくは、表面要素は、未焼結体と直接接触している。この場合、未焼結体の表面は、表面要素の表面に接触する。このようにして、直接熱伝導によって熱を特に迅速に低損失で伝達することもできる。しかし、表面要素と未焼結体との間にわずかな距離が残る可能性もある。
【0014】
表面要素は、その長さおよび幅と比較して平均高さが小さい要素である。特に、平均高さは、長さおよび/または幅の1%未満、好ましくは長さおよび/または幅の0.1%未満である。表面要素の厚さは、0.1mm~25mm、特に1mm~10mm、好ましくは2mm~6mmであってもよい。これらの厚さは、厚さが低すぎると高温を安定に保つことができず、表面要素の体積が小さいために加熱に対して非常に高い電流が必要とされるため、特に有用であることが判明している。一方、厚さが高すぎると、加熱および冷却速度が低下する。表面要素は、0.5Ω・mm~20Ω・mm、例えば1Ω・mm~12Ω・mm、特に2Ω・mm~5Ω・mm、好ましくは3Ω・mm~4Ω・mmの長さ比抵抗を有することができる。
【0015】
特に、表面要素は、電流が第1の構成要素および第2の構成要素に印加されると、電流が表面要素を通って流れて表面要素を加熱するように、第1の構成要素と第2の構成要素との間に配置されるか、または配置可能である。典型的には、少なくとも1つの表面要素は、回路が閉じられたときに抵抗により加熱されるように配置される。
【0016】
一実施形態では、表面要素は、炭素を含むか、または炭素からなる。表面要素は、典型的には50%を超える炭素、好ましくは95%を超える炭素を含む。一構成では、表面要素は、炭素繊維を含むか、または炭素繊維からなる。一構成では、表面要素は、カーボンナノチューブを含むか、またはカーボンナノチューブからなる。
【0017】
表面要素についての代替の材料は、導電性高温セラミックを含むことができる。この場合、表面要素は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭化チタン、またはそれらの混合物を含むか、またはそれらからなり得る。
【0018】
一構成では、表面要素は、機械的に可撓性である。これは、表面要素が最大5mmの長さにわたって90°の角度で配置されるように柔軟に曲げることができることを意味する。これにより、不規則または異なる形状の未焼結体への入熱が改善される。代替の構成では、表面要素は、剛性である。この場合、表面要素は、特にサンプルの幾何学的形状に適合される。例えば、表面要素は、未焼結体に接触するためのキャビティまたは接触側を有することができ、その輪郭は未焼結体の輪郭に適合される。これは、特に大量の場合に、特に再現可能なプロセスを保証することができる。
【0019】
一構成では、導電性表面要素は、フェルト、紙、不織布、または織物である。これは、例えば、カーボンフェルト、すなわち、炭素を含むか、または炭素からなるフェルト、カーボン紙、すなわち、炭素を含むか、または炭素からなる紙、炭素繊維の不織布、または炭素繊維の織物であり得る。不織布と同様に、フェルトは、不規則な繊維材料で作製された織物構造である。不織布とは対照的に、フェルトの繊維は機械的に強化され、したがって、典型的には互いに分離することができないか、または困難を伴って分離することしかできない。一構成では、繊維は、部分的または全体的に炭素繊維である。
【0020】
炭素は急速加熱に適しており、特に耐熱性がある。これは、炭素が酸化または燃焼しないように酸素分圧が十分に低いことを必要とする。例えば、装置は、表面要素が不活性ガス雰囲気中および/または真空中で加熱され得るように構成される。
【0021】
電気回路は、相対移動によって閉じることができる。これは、その後に電流が第1の構成要素、少なくとも1つの表面要素、および第2の構成要素を通って流れることができるように、相対移動が導電性接触をもたらすことを意味する。特に、電気回路は、相対移動によって選択的に開閉することができる。自動的に回路を閉じて電流を流す必要はない。もちろん、回路は、例えば装置の適切な制御の一部として追加のスイッチを備えてもよく、これによって閉じられてもよい。特に、回路は、適切な接触構造と、電源、または電源を接続するためのコネクタとをさらに備える。
【0022】
一構成では、相対移動は、第1の構成要素と第2の構成要素との間で生じる。例えば、相対移動は、装置の開位置から装置の閉位置への移動であってもよい。この場合、2つの構成要素は、互いに向かって移動する。これは、特に焼結位置および/または表面要素に未焼結体を位置決めした後に行われる。相対移動は、第1の構成要素、第2の構成要素、または両方の構成要素を移動させることによって実現することができる。
【0023】
別の構成では、相対移動は、一方では2つの構成要素と他方では表面要素との間で行われる。ここで、第1の構成要素および第2の構成要素は、特に一緒に均一に移動することができる。
【0024】
一実施形態では、装置は、FAST/SPS焼結プラントおよび/または連続炉に統合するように構成される。特に、第1の構成要素および第2の構成要素は、それらが既存のパンチに機械的かつ電気的に接続され得るように構成される。
【0025】
一実施形態では、表面要素の第1の領域は、第1の構成要素に導電的に接続可能であるかまたは接続され、および/または表面要素の第2の領域は、第2の構成要素に導電的に接続可能であるかまたは接続される。
【0026】
第1の領域は、第2の領域とは異なる。特に、2つの領域は、表面要素の異なる長さおよび/または幅位置に位置し、表面要素の同じ長さおよび幅位置の対向する両側には位置しない。
【0027】
特に、第3の領域が、第1の領域と第2の領域との間に位置し、これは典型的には、回路が閉じられたときに最も速くおよび/または最も多く加熱される。特に、第3の領域は、第1の領域および第2の領域のみを介して機械的に取り付けられる。第3の領域は、典型的には、発熱および未焼結体への熱伝達に使用される。
【0028】
表面要素の第1の領域は、第1の構成要素に直接的または間接的に接続されるかまたは接続可能であってもよい。表面要素の第2の領域は、第2の構成要素に直接的または間接的に接続されるかまたは接続可能であってもよい。
【0029】
特に、第1の領域は、第2の構成要素から電気的に絶縁される。これは、例えば、第1の領域と第2の構成要素との間の十分な距離によって、および/または第1の領域と第2の構成要素との間に位置する電気絶縁体によって実現することができる。特に、第2の領域は、第1の構成要素から電気的に絶縁される。これは、例えば、第2の領域と第1の構成要素との間の十分な距離によって、および/または第2の領域と第1の構成要素との間に位置する電気絶縁体によって実現することができる。このようにして、電流が表面要素を強制的に流れる。これにより、表面要素をバイパスする短絡が防止される。
【0030】
一構成では、上下に配置された2つの表面要素が存在し、未焼結体は、表面要素間に配置される。表面要素が重なり合う未焼結体に隣接する領域では、それらは互いに導電的に接触する。したがって、第1の表面要素の第1の領域は、第2の表面要素の第1の領域に導電的に接続され、第1の表面要素の第2の領域は、第2の表面要素の第2の領域に導電的に接続される。ここで、第1の表面要素の第1の領域は、第1の構成要素に接触してもよい。間接的に、第2の表面要素の第1の領域はまた、第1の構成要素に導電的に接続される。したがって、第2の表面要素の第2の領域は、第2の構成要素に接触することができる。間接的に、第1の表面要素の第2の領域はまた、第2の構成要素に導電的に接続される。上記と同様に、第2の表面要素の第1の領域は、第2の構成要素から電気的に絶縁され、第1の表面要素の第2の領域は、第1の構成要素から電気的に絶縁される。
【0031】
一実施形態では、未焼結体の焼結位置の一方の側は、表面要素によって画定され、および/または未焼結体の焼結位置の他方の側は、カウンタ要素によって境界付けられる。
【0032】
特に、焼結位置は、第1の構成要素と第2の構成要素との間に配置されるか、または配置することができる。焼結位置は、焼結用の未焼結体を受け入れるための受け入れ空間とも呼ばれ得る。未焼結体は、焼結中に焼結位置に位置する。
【0033】
特に、この実施形態では、装置は、1つの導電性表面要素のみを含む。この実施形態では、未焼結体は、一方の側のみから加熱される。特に、これは、加工物に塗布されたコーティングを焼結するために使用することができる。ここで、コーティングは、本発明の意味において未焼結体である。この場合、コーティングが位置する基板を過度の熱影響から保護するために、一方の側からの入熱が十分であり、および/または必要とさえされ得る。
【0034】
特に、2つの側は、対向する両側である。例えば、焼結位置は、表面要素によって下方から境界付けられ、カウンタ要素によって上方から境界付けられ、逆もまた同様である。カウンタ要素は、焼結位置を制限するように機能する。例えば、カウンタ要素は、焼結中に定位置に未焼結体を保持し、未焼結体を焼結位置に移送するように機能し、かつ/または焼結位置から焼結体を移送するように機能することができる。カウンタ要素は、表面要素と同じ寸法および/もしくは同じ形状を有してもよく、または異なっていてもよい。カウンタ要素は、静止していてもよく、例えば構成要素の1つに取り付けられていてもよく、または移動可能に配置されていてもよい。
【0035】
特に、カウンタ要素は、1000℃超まで、好ましくは1600℃超までの耐熱性である。耐熱性は、不活性ガスまたは真空雰囲気を指すことができる。特に、カウンタ要素は、前記温度で未焼結体、他の物体、および/または雰囲気といかなる化学反応も起こさないように不活性である。特に、カウンタ要素は、非導電性である。カウンタ要素は、セラミック材料から製造されてもよい。カウンタ要素は、典型的には、平坦な要素でもある。例えば、カウンタ要素は、不織布、フェルト、紙、織物、および/またはテープであってもよい。カウンタ要素は、循環式であってもよく、準無端(quasi-endless)であってもよく、または面積が制限されていてもよい。カウンタ要素は、焼結中の未焼結体の収縮を補償するために、および/または未焼結体への機械的応力を低減するために、可撓性であってもよく、または柔軟に配置されてもよい。カウンタ要素は、表面要素と同じ材料からなってもよい。
【0036】
一実施形態では、装置は、2つの導電性表面要素を備え、各表面要素は、未焼結体の焼結位置の一方の側を画定する。言い換えれば、少なくとも1つの導電性表面要素は、2つの表面要素を含む。特に、2つの側は、この実施形態においても対向する両側である。例えば、焼結位置は、それぞれの表面要素によって上方および下方から画定される。表面要素は、同様に構成されてもよい。
【0037】
特に、2つの表面要素は、互いに並行に、および/または上下に配置される。したがって、表面要素の2つの第1の領域は、互いに導電的に重なっていてもよく、表面要素の2つの第2の領域は、互いに導電的に重なっていてもよい。焼結位置は、表面要素の2つの第3の領域の間に形成されてもよい。この実施形態では、加熱は、両側から行われる。このようにして、未焼結体を特に迅速かつ均一に加熱することができる。
【0038】
一実施形態では、装置は、共通の軸に沿った第1の構成要素および第2の構成要素の相対移動を可能にするように設計される。特に、未焼結体の焼結位置は、開位置でアクセス可能である。特に、閉位置では、電気的接触が第1の構成要素、表面要素、および第2の構成要素の間に確立される。
【0039】
言い換えれば、2つの構成要素は、互いに接近および離間することができる。第1の構成要素と第2の構成要素との間の焼結位置がアクセス可能である場合、焼結された構成要素をそこから除去することができ、および/または焼結対象の未焼結体をその中に載置することができる。この場合、回路は閉じられない。回路が閉じられると、加熱、したがって焼結が行われる。このとき、焼結位置にはアクセスできない。
【0040】
第1の構成要素、表面要素、および第2の構成要素の間の電気的接触は、一方では電気的接触が第1の構成要素と表面要素との間に存在し、他方では電気的接触が表面要素と第2の構成要素との間に存在するようなものであり得る。
特に、軸は、直線軸である。この場合、移動は、直線移動である。
【0041】
一実施形態では、焼結対象の未焼結体および/または本体の供給および除去が連続的であり、焼結自体が供給および除去の中断中に行われる準連続プロセスを行うことができる。このようなサイクルは、何度も繰り返すことができ、例えば、開口、焼結体の除去、未焼結体の配置、および焼結のための閉鎖を含む。
【0042】
一構成では、表面要素が、第1の構成要素または第2の構成要素に取り付けられる。したがって、それぞれの構成要素が移動すると、表面要素も移動する。焼結位置は、表面要素に隣接していてもよい。焼結位置は、2つの表面要素間に位置してもよい。第2の表面要素が、それぞれの他の構成要素に取り付けられてもよい。したがって、開位置では、表面要素間に位置する焼結位置にアクセス可能である。
【0043】
一構成では、装置は、第1の構成要素および/または第2の構成要素のための駆動部を備え、それによって相対移動を実施することができる。特に、駆動部は、第1の構成要素と第2の構成要素との間に軸に沿って圧縮力を加えるように構成される。
【0044】
一実施形態では、装置は、実質的に直線状に表面要素またはカウンタ要素を移動させるための第1の搬送装置を備える。したがって、表面要素またはカウンタ要素上に配置された未焼結体および/または焼結体は、第1の構成要素および第2の構成要素に対して移動することができる。
【0045】
特に、第1の搬送装置は、未焼結体を焼結位置に搬送する、および/または焼結位置から離れるように焼結体を搬送するように機能する。特に、第1の搬送装置は、表面要素および/またはカウンタ要素が実質的に水平方向に移動するように構成される。これにより、それぞれの本体を容易に載置することができる。一構成では、表面要素は、第1の搬送装置によって移動される循環ベルトとして設計される。外側ローラ間の領域において、このベルトは、部分的に直線移動を実行する。
【0046】
この実施形態は、未焼結体および焼結体を搬送装置によって移送することができる技術的に複雑でない準連続焼結プロセスを可能にする。
相対移動が軸に沿った移動である場合、表面要素および/またはカウンタ要素の移動は、特に、相対移動の方向に垂直に整列されてもよい。
【0047】
さらなる実施形態では、表面要素は、ロール上に巻き上げられた形態で設けられる。第1の搬送装置は、部分的に巻き出された表面要素を保持して移送するように構成される。
【0048】
言い換えれば、表面要素は、1回だけ使用されるように、準無端状にロール上に巻き上げられた形態で設けられる。焼結対象の未焼結体および選択されたプロセスパラメータに応じて、焼結中に表面要素の摩耗または損傷が発生する可能性があることが分かった。後続の焼結プロセスにおける品質損失を防止するために、この実施形態では表面要素は1回のみ使用される。これにより、焼結プロセスの特に高く再現可能な品質が可能になる。
【0049】
特に、第1の搬送装置は、巻き上げられた表面要素を含む回転可能なローラを備える。第1の搬送装置は、特に、第1の搬送装置から離間した第2のローラをさらに備え、第2のローラは、他方の側で表面要素を保持する。第1の搬送装置は、特に、表面要素の移動のための駆動部をさらに備える。駆動部は、巻き上げられた表面要素および/もしくは第2のローラでローラを駆動し、かつ/または別の位置で表面要素に係合することができる。焼結位置は、典型的には、巻き上げられた表面要素を有するローラと第2のローラとの間に位置する。特に、装置は、使用済み表面要素を排出および/または積み重ねる、例えば巻き上げるための手段をさらに備える。使用済み表面要素は、このようにして収集することができる。
【0050】
一実施形態では、表面要素および/またはカウンタ要素は、循環ベルトとして設計される。第1の搬送装置は、循環ベルトを保持して移動させるための2つの搬送ローラを備えることができる。
【0051】
言い換えれば、表面要素は、コンベヤベルトとして設計される。これにより、特に簡単に焼結対象の本体または焼結体を移送することができる。これは、特に簡単な準連続法を可能にする。
【0052】
コンベヤローラは、循環ベルトを保持して移動させるように構成された回転可能に装着されたローラである。コンベヤローラは、駆動されても駆動されなくてもよい。
【0053】
さらなる実施形態では、装置は、実質的に直線状にさらなる表面要素またはカウンタ要素を移動させるための第2の搬送装置を備える。したがって、表面要素またはカウンタ要素上に配置された未焼結体および/または焼結体は、第1の構成要素および第2の構成要素に対して移動されると、さらなる表面要素またはカウンタ要素で覆うことができる。
【0054】
この場合、カウンタ要素は、平坦な要素である。したがって、この実施形態では、焼結位置は、平坦な要素によって下方および上方から画定される。平坦な要素の中には、少なくとも1つの表面要素、および場合によっては1つのカウンタ要素がある。
【0055】
一構成では、第1の搬送装置および第2の搬送装置が設けられる。搬送装置の少なくとも1つは、表面要素を移動させるように機能する。他の搬送装置はまた、表面要素を移動させるか、またはカウンタ要素を移動させるように機能してもよい。特に、第1の搬送装置による移動および第2の搬送装置による移動は、少なくとも部分的に並行して行われる。第1の構成要素および第2の構成要素は、典型的には、並行な部分に配置される。この実施形態は、加熱が一方の側または両側で行われ得る、特に動作上信頼性の高い準連続法を可能にする。
【0056】
さらなる表面要素はまた、ロール上に巻き上げられた形態で設けられてもよい。第2の搬送装置は、部分的に巻き出されたさらなる表面要素を保持して移送するように構成されてもよい。
【0057】
さらなる実施形態では、第1の構成要素および第2の構成要素は、回転可能に装着されたローラ形状の電極として構成される。これらは、特に、表面要素が第1の構成要素および第2の構成要素に対して移動されるとき、表面要素をそれらの円周面と導電的に接触させるように構成される。この移動は、本質的に直線であってもよい。
この実施形態は、技術的に簡単な方式で、未焼結体の供給、焼結、および焼結体の除去が中断することなく実施される連続プロセスを可能にする。
【0058】
一実施形態では、装置は、第1の構成要素に対向する第1のカウンタ構成要素および/または第2の構成要素に対向する第2のカウンタ構成要素を備える。第1の構成要素および第1のカウンタ構成要素は、対向する両側から圧縮力を表面要素の第1の領域に加えるように配置されてもよい。第2の構成要素および第2のカウンタ構成要素は、対向する両側から圧縮力を表面要素の第2の領域に及ぼすように配置されてもよい。
【0059】
第1の構成要素および第2の構成要素は、表面要素の同じ側に配置されてもよい。これにより、特に省スペースの配置が可能になる。特に、第1のカウンタ構成要素および/または第2のカウンタ構成要素は、非導電性および/または耐熱性である。力の印加は、焼結中の改善された支持ならびに/または未焼結体および焼結体のより正確な移送を可能にする。加えて、力の印加により、焼結プロセスを改善することができる。例えば、加圧下で焼結を実施してもよい。
【0060】
一構成では、装置は、第1の軸に沿った第1の構成要素と第1のカウンタ構成要素との間の相対移動が可能であるように構成される。一構成では、装置は、第2の軸に沿った第2の構成要素と第2のカウンタ構成要素との間の相対移動が可能であるように構成される。第1の軸および第2の軸とは、異なる軸であってもよく、並行であってもよい。一構成では、第1の構成要素および第2の構成要素は、表面要素、第1のカウンタ構成要素、および/または第2のカウンタ構成要素に対して一緒に移動可能である。一構成では、第1のカウンタ構成要素および第2のカウンタ構成要素は、表面要素、第1の構成要素および/または第2の構成要素に対して一緒に移動可能である。例えば、2つの構成要素は、互いに機械的に接続されてもよい。
【0061】
一構成では、第1の構成要素および第1のカウンタ構成要素は、ローラとして構成され、互いに対して回転するように配置される。特に、それらは、それらの間に配置された表面要素の第1の領域への力の移送および/または印加を一緒に可能にするように配置される。一構成では、第2の構成要素および第2のカウンタ構成要素は、ローラとして構成され、互いに対して回転するように配置される。特に、それらは、それらの間に配置された表面要素の第2の領域への力の移送および/または印加を一緒に可能にするように配置される。特に、第1の構成要素および第2の構成要素は、同じ回転軸の周りを回転するように配置される。特に、第1のカウンタ構成要素および第2のカウンタ構成要素は、同じ回転軸の周りを回転するように配置される。特に、構成要素の回転軸は、カウンタ構成要素の回転軸に並行である。
【0062】
さらなる実施形態では、装置は、少なくとも部分的に焼結対象の未焼結体を焼結位置に移動させるため、および/または少なくとも部分的に焼結位置から離れるように焼結体を移動させるためのマニピュレータを備える。
【0063】
マニピュレータは、焼結位置への経路の少なくとも一部に沿って未焼結体を移動させるように、かつ/または焼結位置から離れる経路の少なくとも一部に沿って焼結体を移動させるように構成される。特に、マニピュレータは、表面要素および/もしくはカウンタ要素上に未焼結体を載置し、かつ/または表面要素および/もしくはカウンタ要素から焼結体を除去するように構成される。
【0064】
一構成では、マニピュレータは、焼結位置に直接アクセスするように構成される。これにより、焼結位置に未焼結体を位置決めし、かつ/または焼結体を除去することができる。これは、第1の構成要素と第2の構成要素との間の相対移動が軸に沿っている場合に特に当てはまる。
【0065】
別の構成では、マニピュレータは、第1の構成要素と第2の構成要素との間にない表面要素および/またはカウンタ要素の別の位置にアクセスするように構成される。特に、第1の搬送装置は、未焼結体を他の位置から焼結位置に移送するように、かつ/または焼結体を焼結位置から他の位置に移送するように機能することができる。
【0066】
この実施形態は、完全に自動化されたプロセスを可能にする。このようにして、品質を損なうことなく高スループットを達成することができる。検出されたプロセスパラメータに基づく制御および偏差に対する柔軟な反応もまた、このようにして可能である。
【0067】
1つのさらなる実施形態では、装置は、表面要素の温度を決定するための高温計を備える。特に、連続的なキャビティが第1の構成要素または第2の構成要素に配置され、第1の構成要素または第2の構成要素を通って観察軸が高温計と表面要素との間に延びる。
【0068】
ここで、表面要素の温度、したがって焼結プロセスの中心パラメータを連続的に検出することができる。これにより、焼結プロセスの正確な制御が可能になる。焼結体の品質および性質の再現性が、さらに向上する。加えて、プロセスの自動制御が容易になる。
【0069】
本発明のさらなる態様は、焼結プラント、特に連続炉またはFAST/SPS焼結プラントである。焼結プラントは、本発明による焼結装置を備える。特に、焼結プラントは、電気回路に電流を印加するための電源を備える。電気回路は、第1の構成要素と、表面要素と、第2の構成要素とを備える。上述の装置のすべての特徴、構成、および効果は、焼結プラントにも適用され、逆もまた同様である。
【0070】
FAST/SPS焼結プラントは、FAST/SPS法(「電界支援焼結技術」または「放電プラズマ焼結」)を実施するのに適した装置である。FAST/SPS焼結プラントの場合、装置は特に、電気的接触として設計された上部パンチおよび下部パンチを有する。これらのパンチは、通常、未焼結体の一軸プレスのために追加的に構成され、従来の方法では、粉末を封入する2つの幾何学的に単純な構成要素(円筒または直方体)およびダイがパンチの間に配置される。代わりに、本発明による装置は、ここでパンチの間に配置される。パンチは、ここでも電気的接触として設計される。例えば、上部パンチが第1の構成要素に電気的に接触し、下部パンチが第2の構成要素に電気的に接触するように、逆もまた同様であるように、第1および第2の構成要素をパンチ間に位置決めし、必要に応じて固定することができる。次いで、電源は、2つのパンチに接続されるかまたは接続可能である。次いで、パンチの移動は、対応する構成要素の移動と共に行われる。FAST/SPS焼結プラントのパンチは、特に耐熱性金属合金および/またはグラファイトからなる。パンチは通常、水冷される。特に、焼結プラントは、電流の流れを制御および/または調整するための制御部を有する。特に、パンチのうちの少なくとも1つは、油圧で移動可能であるように配置される。
【0071】
本発明のさらなる態様は、未焼結体を焼結するための方法である。これは、導電性の第1の構成要素と、導電性の第2の構成要素と、少なくとも1つの導電性表面要素とを有する装置を提供することを含む。特に、装置は、本発明による装置である。方法は、表面要素上に焼結対象の未焼結体を配置することをさらに含むことができる。方法は、第1の構成要素と第2の構成要素との間で、または第1の構成要素と一方では第2の構成要素と、および他方では表面要素との間で相対移動を実施することをさらに含むことができる。方法は、第1の構成要素、少なくとも1つの表面要素、および第2の構成要素に電流を印加することをさらに含むことができる。電流は、未焼結体が焼結されるように表面要素を加熱することができる。
【0072】
最初に説明した装置のすべての特徴、構成、および効果は、方法にも適用され、逆もまた同様である。
未焼結体の配置および相対移動の実施は、少なくとも時間セクションにおいて連続的にまたは同時に実施されてもよい。相対移動の実施および電流の印加は、少なくとも時間セクションにおいて連続的にまたは同時に実施されてもよい。未焼結体は、特に、未焼結体が表面要素に接触するように配置される。例えば、未焼結体は、表面要素上に載置される。未焼結体は、2つの表面要素または表面要素の2つの部分の間に配置されてもよい。未焼結体は、表面要素とカウンタ要素との間に載置されてもよい。表面要素は、循環式であってもよく、準無端であってもよく、または面積が制限された部分であってもよい。
【0073】
一実施形態では、電流は、5分未満、好ましくは2分未満、一実施形態では1分未満または30秒未満の期間印加される。一実施形態では、方法は、完全な圧縮が5分未満、好ましくは2分未満、一実施形態では1分未満または30秒未満の期間で達成されるように実施される。一実施形態では、表面要素、表面要素に面する未焼結体の表面、および/または未焼結体全体は、10~10℃/分の温度変化率で、および/または1500℃を超える、特に2000℃を超える、一構成では2500℃を超える温度まで加熱される。最高温度は、3000℃であってもよい。
【0074】
一構成では、焼結体として、特に複雑な幾何学的形状を有するニアネットシェイプの本体が製造される。一構成では、焼結体として、電気化学セル用の構成要素(例えば、電池、燃料セル、および/または電解セル)が製造される。一構成では、製造される焼結体は、多孔質電極などの多孔質体である。一構成では、製造される焼結体は、ガスおよび/または液体を通さない本体である。一構成では、製造される焼結体は、多相複合材料および/またはイオン伝導性電解質、例えば単相膜層である。一構成では、未焼結体は、生成的製造プロセス、例えば、3D印刷、またはスクリーン印刷、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、電気泳動、または溶射を使用して製造される。特に、未焼結体は、予め圧縮された未焼結体、例えば予め形成された粉末成形体、および/または本質的に安定な未焼結体である。あるいは、未焼結体は、焼結中に鋳型が燃焼するように、例えば厚紙から作製された可燃性の鋳型内に配置された緩い粉末であってもよい。あるいは、未焼結体は、焼結される鋳型内に配置された緩い粉末であってもよい。続いて、鋳型を分離する(1回鋳型原理(lost-mold principle))。一実施形態では、失われる鋳型は、グラファイトからなる。一実施形態では、未焼結体は、基板上に配置されたコーティングである。この場合、加熱は、特にコーティングの側からのみ実施される。一実施形態では、未焼結体は、例えば、フィルムキャスト層の積層体、積層体の一部、多層材料複合体、または多層材料複合体の一部である。短い焼結時間および目標とする入熱のために、例えば界面反応または材料分解に起因する望ましくない外乱が最小化または完全に回避される。
【0075】
方法の一実施形態では、表面要素および/またはカウンタ要素は、実質的に直線状に移動される。未焼結体は、表面要素またはカウンタ要素上に配置されてもよく、第1の構成要素および第2の構成要素に対して一緒に移動されてもよい。実質的に直線状の移動の完了後、相対移動が行われてもよい。この場合、第1の構成要素および/または第2の構成要素は、例えば、実質的に直線状に移動することができる。したがって、第1の構成要素、表面要素、および第2の構成要素を通る回路を閉じることができる。特に、回路は、第1の構成要素、第1の構成要素に接触する表面要素の第1の領域、表面要素の第3の領域、第2の構成要素に接触する表面要素の第2の領域、および第2の構成要素をこの順序または逆の順序で通過する。表面要素またはカウンタ要素は、焼結が完了した後に実質的に直線状に移動されてもよい。焼結体は、表面要素またはカウンタ要素上に配置されてもよく、第1の構成要素および第2の構成要素に対して表面要素またはカウンタ要素と共に移動されてもよい。
【0076】
言い換えれば、焼結位置への移動が最初に起こり、未焼結体が焼結位置に達すると停止する。回路は閉じられ、焼結が行われる。その後、焼結体を焼結位置から離れるように移動させる。焼結は、最大30秒以内、最大20秒以内、または約10秒以内に行うことができる。直後に、表面要素および/またはカウンタ要素の直線移動を継続することができる。
【0077】
第1の構成要素および第2の構成要素から焼結体を遠ざける表面要素またはカウンタ要素の本質的に直線的な(直線運動的な)移動は、第1の構成要素および第2の構成要素に対して後続の未焼結体を同時に移動させ、焼結位置に運ぶことができる。このようにして、準連続プロセスが行われ、再現可能な焼結パラメータの正確な設定と同時に高スループットを可能にする。したがって、焼結体の品質は特に高く、一定である。特に、この実施形態における表面要素および/またはカウンタ要素は、循環ベルトまたは準無端として存在する。
【0078】
別の実施形態では、第1の構成要素および第2の構成要素は各々、回転可能に装着されたローラ形状の電極として設計される。相対移動は、表面要素の実質的に直線状の移動として実施される。第1の構成要素および第2の構成要素は、それぞれの円周面との相対移動中に表面要素に導電的に接触する。このようにして、低い技術的労力で高スループットを可能にする連続プロセスが提供される。
【0079】
以下では、本発明の例示的な実施形態もまた、図を参照してより詳細に説明される。例示的な実施形態の特徴は、特に明記しない限り、特許請求される対象と個々にまたは複数で組み合わせることができる。特許請求される保護領域は、例示的な実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図は、以下のとおりである。
図1】焼結装置の第1の例示的な実施形態を示す図である。
図2】焼結装置の第2の例示的な実施形態を示す図である。
図3】焼結装置の第3の例示的な実施形態を示す図である。
図4】焼結装置の第4の例示的な実施形態を示す図である。
図5】焼結装置の第5の例示的な実施形態を示す図である。
図6】焼結装置の第6の例示的な実施形態を示す図である。
図7】焼結装置の第7の例示的な実施形態を示す図である。
【0081】
図1および図2は各々、焼結装置10の断面を示す。両方の装置10は、上に示す第1の構成要素11と、下に示す第2の構成要素12とを備える。構成要素11、12は直方体形状であり、グラファイトからなる。中間領域では、第1の構成要素11および第2の構成要素12は、いずれも内部にキャビティを有する。言い換えれば、構成要素11、12は、U字形である。
【0082】
図1に示す例示的な実施形態では、カーボンフェルトで作製された表面要素20が第1の構成要素11に取り付けられる。第2の構成要素12に取り付けられたカーボンフェルトで作製された表面要素20’もまた、存在する。表面要素20、20’は各々、U字形の脚部の周りに部分的に案内され、ねじで横方向に締結される。中央では、それらはそれぞれの構成要素11、12の材料上に載置されない。2つの表面要素20、20’は、同じ形状および設計を有する。表面要素20、20’が互いに対して平坦に位置し、それらの間に焼結位置16を形成する閉位置が示されており、焼結対象の未焼結体14が受け入れられる。各表面要素20、20’の第1の領域21は、2つの構成要素11、12のUの互いに対向する脚部の間の左側に示す側にクランプ締めされる。各表面要素20、20’の第2の領域22は、右側に示す側で、2つの構成要素11、12のUの対向する脚部の間にクランプ締めされる。それらの間には、未焼結体14と直接機械的に接触している各表面要素の第3の領域23がある。
【0083】
2つの構成要素11、12に共通の垂直軸に沿って離れる2つの構成要素11、12の相対移動は、焼結体を除去することができ、および/または未焼結体14を導入することができるように、焼結位置16に自由にアクセス可能な開位置(図示せず)をもたらす。
【0084】
図示の閉位置19では、電気的接触が第1の構成要素11、2つの表面要素20、20’、および第2の構成要素12の間に確立される。図示の例示的な実施形態では、第1の構成要素は正極として機能し、第2の構成要素12は負極として機能する。特に、直流またはパルス直流が印加される。ただし、これは交流を使用することを排除するものではない。したがって、電流の技術的方向によれば、電流は、第1の構成要素11から第2の構成要素12に流れる。右側には、電気絶縁体62が、第1の構成要素11と表面要素20との間に配置される。導電体63が、表面要素20’と第2の構成要素12との間に配置される。同様に、導電体63が、第1の構成要素11と表面要素20との間の左側に配置される。対照的に、電気絶縁体62は、表面要素20’と第2の構成要素12との間に配置される。絶縁体62および/または導体63は、特にキャップ形状であり、Uのそれぞれの脚部に載置される。導体63は、構成要素11、12と同じ材料、例えばグラファイトから製造されてもよく、電気的接触を行うだけでなく、構成要素11、12を摩耗から保護するように機能する。キャップ形状の設計により、摩耗した場合に容易に交換することができる。一構成では、導体63を省略することもできる。
【0085】
したがって、電流は、左側の第1の構成要素11から導電体63を介して上面要素20の第1の領域21に流れる。左側において、絶縁体62は、電流が上面要素20に流れることを防止する。この領域では、2つの表面要素20、20’が互いに隣接しているため、下面要素20’の第1の領域21にも電流が流れる。しかし、絶縁体62は、電流が第2の構成要素12に直接流れることを防止する。したがって、電流は、各表面要素20、20’の第3の領域23を介して両方の表面要素20、20’内を左から右に流れ、それぞれの第2の領域22に入る。ここでは構成要素11、12のいずれとも接触せず、したがって表面要素20、20’または未焼結体14から大きな熱流がないため、加熱は第3の領域23で最大である。電流は、第2の領域22から導電体63を介して第2の構成要素12に右側に流れ、したがって、電流が表面要素20または表面要素20’を完全に通って流れて焼結のための熱エネルギーを生成することを確実にする。
【0086】
電気絶縁体62の領域における表面要素20、20’の締結は、特に窒化ホウ素で作製された非導電性ねじ61によって実現される。ねじ61は、それぞれの絶縁体62を通ってそれぞれの構成要素11、12の材料に延びる。ねじ61はまた、それぞれのキャップをそれぞれの構成要素に締結するように機能することができる。あるいは、表面要素を絶縁体62のみに締結することも可能である。この場合、従来のねじを使用することができる。表面要素20、20’は、特にグラファイトで作製された導電性ねじ60を使用して導電体63の領域に締結される。ねじ60は、それぞれの導体63を通ってそれぞれの構成要素11、12の材料に延びる。ねじ60はまた、それぞれのキャップをそれぞれの構成要素に締結するために使用することもできる。
【0087】
垂直な直線状のキャビティ46が第1の構成要素11に配置され、その上方に高温計45が位置する。これは、表面要素20の第3の領域23の連続的な非接触温度測定のために、したがって焼結中の温度を監視するために使用される。キャビティ46は、高温計45と表面要素20との間に観察軸を提供する。キャビティ46は、例えば円形断面を有するボアとして実装される場合、チャネル状の構成を有することができる。
【0088】
ここに示す装置10の主な利点は、「電界支援焼結技術」(FAST)または「放電プラズマ焼結」(SPS)のための既存のシステムへの単純な統合に適していることである。特に、この目的のために、第1の構成要素11および第2の構成要素12は、システムの2つのパンチ間に位置決めされ、必要に応じて定位置に固定される。電流は、2つのパンチを介して2つの構成要素11、12に印加することができる。パンチは、2つの構成要素11、12の垂直方向の相対移動を実施することができる。このようにして、本発明による焼結に必要な動作条件は、既存の機器によって容易に実現することができる。この機器の確立された制御および電源などの可能な動作パラメータは、本発明による方法を実施するのに最適である。例えば、真空または不活性ガス雰囲気、例えばAr、Ar/H、またはNの設定を含む既存のプロセス制御および制御を使用することができる。ガス圧およびガス組成の検出および制御が可能である。このようなシステムは、直径500mmまでの加工物の焼結を可能にする。システムは確立されており、市販されており、かつ安全要件を満たしている。任意選択で、既存の加熱、脱バインダ、および冷却ゾーンも使用することができる。これらのプラントに利用可能なマニピュレータは、自動化された方法を可能にする。
【0089】
図1とは対照的に、図2に示す例示的な実施形態では、1つの表面要素20のみが存在する。これは上部に配置され、第1の構成要素11に取り付けられる。焼結位置16の下側は、ここに示す例では未焼結体14を担持するカウンタ要素25によって画定される。カウンタ要素25は、焼結中の構成要素の収縮を補償する可撓性フェルト要素として設計される。不活性支持要素26が、カウンタ要素25の下方に位置する。ここに示す例とは対照的に、フェルト要素は省略することもできる。この場合、支持要素26は、焼結位置を制限するためおよび/または未焼結体14を保持するためのカウンタ要素として機能する。
【0090】
この場合、焼結対象の未焼結体14は、基板17上に配置されたコーティングである。基板17は、カウンタ要素25上にある。コーティングは、表面要素20に接触する。したがって、電流は、ここでは第1の構成要素11から表面要素20の左側に位置する第1の領域21に流れ、第3の領域23を通って右に流れ、表面要素20の第2の領域22に流れ、そこから直接第2の構成要素12に流れる。記載された相違点とは別に、図2の例は、上述の図1の例と同様に構成される。この点に関して、上記が参照される。
【0091】
さらなる例示的な実施形態を、図3に示す。装置10は、循環ベルト37として設計された表面要素20をコンベヤベルトのように移動させる2つの搬送ローラ38’、39’を有する第1の搬送装置31を備える。これは、コンベヤローラ38’内の矢印によって示されている。未焼結体14は、例えばマニピュレータ(図示せず)によって、左側に概略的に示されているロードゾーン65において表面要素20上に配置することができる。したがって、搬送ローラ38’、39’の間には、第1の構成要素11および第2の構成要素12に対する表面要素20およびその上に位置する未焼結体の直線的な(直線運動的な)移動が存在する。ここに示す例示的な実施形態はまた、上述のように存在する機器を使用するために、装置10を既存のシステム、例えば連続炉に簡単な方式で統合することができるという利点を有する。第1の搬送装置31は連続炉の一部とすることができる。
【0092】
2つの構成要素11、12は、ここでは、表面要素への機械的負荷を最小限に抑えるために、円筒形の断面を有する棒状の電極として設計される。電極は、特に表面要素の全幅にわたって延びる。電極は、第1の構成要素11、表面要素20、および第2の構成要素12を通る回路を閉じることができる表面要素20に対する相対移動を可能にするために、矢印59に沿って垂直方向にそれぞれの軸に沿って個々にまたは一緒に移動可能である。両方の構成要素11、12に接続された電源が示されている。再び、図1と同様に、電流は、第1の構成要素11から第1の領域21に流れ、次いで第3の領域23を通って第2の領域22に流れ、次いで第2の構成要素12に流れる。特に、第3の領域23は、強く加熱される。
【0093】
装置10は、循環ベルト37として構成された循環表面要素20’をコンベヤベルトのように移動させる2つの搬送ローラ38、39を有する第2の搬送装置32をさらに備える。第2の搬送装置32は、水平軸を中心として第1の搬送装置31に対して鏡像関係にあり、それ以外は第1の搬送装置31と同様に構成されている。したがって、上記が参照される。一実施形態では、上側搬送装置は、下側搬送装置よりも短い長さを有してもよく、それにより下側搬送装置は、上側搬送装置の両側に張り出す。このようにして、下側搬送装置上に未焼結体14を載置し、焼結体15を除去することが容易になる。
【0094】
装置は、第1の構成要素11に対向する第1のカウンタ構成要素51と、第2の構成要素12に対向する第2のカウンタ構成要素52とを備える。カウンタ構成要素51、52は、表面要素20’に対する相対移動を可能にし、圧縮力を表面要素22の第1の領域21および第2の領域22に加えるために、矢印58に沿って垂直方向にそれぞれの軸に沿って個々にまたは互いに移動可能である。図示の構成では、構成要素11、12およびカウンタ構成要素51、52は、閉位置にある。したがって、表面要素20、20’は変形し、焼結のために未焼結体14を囲むことが分かる。この位置では、両方の表面要素20、20’は不動であり、両方の搬送装置31、32は停止している。例えばスイッチおよび/または制御部によって回路が閉じられると、両方の表面要素20、20’が抵抗により加熱され、その結果、未焼結体14の両側の加熱が生じる。焼結は、例えば、10秒以内に起こり得る。焼結後、カウンタ要素51、52の上方移動および構成要素11、12の下方移動によって開位置に達し、表面要素20、20’は再び自由に移動可能であり、搬送装置31、32の移動が再開される。このようにして、準連続プロセスが行われる。焼結体は、例えばマニピュレータ(図示せず)によって、右側に概略的に示されているアンロードゾーン66において表面要素20から除去することができる。
【0095】
ここに示す構成の代わりに、2つの上側要素はまた、第1の構成要素11および第2の構成要素12として設計され、2つの下側要素は、第1のカウンタ構成要素51および第2のカウンタ構成要素52として設計されてもよい。
【0096】
図4に示す例示的な実施形態は同様の構造を有するので、ここでは相違点のみを説明し、それ以外は上記を参照する。図3とは異なり、ここでは下面要素の代わりに非導電性カウンタ要素25が循環ベルト37の形態で配置され、循環ベルトは第1の搬送装置31と共に移動し、その上に未焼結体14が配置される。一方、上記の第2の搬送装置32は、その近傍に第1の構成要素11および第2の構成要素12が配置された表面要素20を移動させる。このようにして、未焼結体14は、例えばコーティングの焼結のために、一方の側の上方から加熱される。
【0097】
図5に示す例示的な実施形態もまた図3と構造が同様であるため、ここでは相違点のみを説明し、それ以外は上記を参照する。図3から逸脱して、両方の表面要素20、20’は、ここではそれぞれのロール34上に準無端に設けられている。第1の搬送装置31と第2の搬送装置32の両方は、部分的に巻き出された表面要素20、20’を保持して移送するように構成される。この目的のために、それらは各々、ローラ34と共に、部分的に巻き出された表面要素20、20’をクランプ締めして移動させる第2のローラ35を有する。このようにして、損傷した表面要素による焼結が回避され、焼結体の特に高い一貫した品質が保証される。
【0098】
他の可能性もまた、考えられる。例えば、図4のカウンタ要素を有する下側搬送装置を、図4の上側ローラ34と組み合わせることも可能である。
【0099】
別の例示的な実施形態を、図6に示す。ここで、第1の搬送装置31は、複数の並行移送ローラ33を備える。これらは、第1の構成要素11および第2の構成要素12に対して、未焼結体または焼結体を挟持して面積が制限された表面要素20、20’のそれぞれの部分を実質的に直線状に移動させるように構成される。第1の搬送装置31は、焼結前および焼結後に挟持体を移動させることができるように、一部分(一体)に構成されてもよい。第1の搬送装置31はまた、図示のように、第1の部分が挟持された未焼結体14を構成要素11、12に移送し、第2の部分が構成要素11、12から挟持された焼結体15を遠ざけるように、二部分に構成されてもよい。この装置10はまた、上述のように存在する設備を使用するために、既存の連続炉に容易に統合することができる。第1の搬送装置31は、連続炉の一部とすることができる。
【0100】
ここに示す例では、構成要素11、12は各々、表面要素に接触するための下面の接触面と、側面に配置された電気接続面積とを有する矩形ブロックとして設計される。対応するカウンタ構成要素51、52は、各構成要素11、12の下に配置される。
【0101】
構成要素11、12は、開位置18に示されている。したがって、第1の搬送装置31によって、焼結体15を移送することができ、未焼結体14を構成要素11、12とカウンタ構成要素51、52との間に運ぶことができる。閉じるために、構成要素11、12は、第1の構成要素11が表面要素20’の第1の領域21に接触し、第2の構成要素12が表面要素20’の第2の領域22に接触するように、矢印54に沿って垂直下方に個々にまたは一緒に移動することができる。ここで、焼結位置16に位置する未焼結体14を有する第3の領域23が焼結のために加熱されるように、回路を閉じることができる。ここでも、準連続法が可能である。挟持された未焼結体は、例えば、マニピュレータ(図示せず)によって移送ローラ31上に載置および/またはそこから除去することができる。
【0102】
ここでも、表面要素20、20’は、説明した理由により一度だけ使用される。図示されているものから逸脱して、表面要素20、20’の一方を対応するカウンタ要素と交換することによって、一方の側で加熱を実施することもできる。
【0103】
同様の装置10が図7に示されているので、ここでも相違点のみが説明される。図6から逸脱して、構成要素11、12の各々は、ここでは水平軸を中心に回転可能なローラ形状の電極40として設計される。電極40は、表面要素20’に導電的に接触するための円周面41と、電気接続面積42とを有する。特に電極のサイズおよび割合は、縮尺通りではない。ここでの相対移動は、電極40と表面要素20’との間である。挟持された未焼結体は、電極40に達するまで、搬送ローラ33によって方向56に沿って移動される。電極40と表面要素20’との間の接触を通して、両方の表面要素20、20’が加熱され、焼結が行われる。ここで、2つの表面要素20、20’は、構成要素11、12とカウンタ構成要素51、52との間にクランプ締めされる。この構成では、焼結のために第1の搬送装置の移動を停止する必要がない。したがって、移送および焼結が中断することなく行われる完全に連続的な方法が提供される。
【参照符号のリスト】
【0104】
10 装置
11 第1の構成要素
12 第2の構成要素
14 未焼結体
15 焼結体
16 焼結位置
17 基板
18 開位置
19 閉位置
20,20’ 表面要素
21 第1の領域
22 第2の領域
23 第3の領域
25 カウンタ要素
26 支持要素
31 第1の搬送装置
32 第2の搬送装置
33 移送ローラ
34 ローラ
35 第2のローラ
37 ベルト
38,38’,39,39’ 搬送ローラ
40 電極
41 円周面
42 接続面積
45 高温計
46 キャビティ
51 第1のカウンタ構成要素
52 第2のカウンタ構成要素
54,56,58,59 矢印
60 導電性ねじ
61 非導電性ねじ
62 絶縁体
63 導体
65 ロードゾーン
66 アンロードゾーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】