(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】空気からCO2を除去するための強化された風化及びか焼のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/14 20060101AFI20240312BHJP
C01B 32/50 20170101ALI20240312BHJP
【FI】
B01D53/14 100
C01B32/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553989
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022018484
(87)【国際公開番号】W WO2022187336
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508344512
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク
【氏名又は名称原語表記】THE TRUSTEES OF COLUMBIA UNIVERSITY IN THE CITY OF NEW YORK
(71)【出願人】
【識別番号】523336527
【氏名又は名称】ケレメン,ピーター,ボウシャル
(71)【出願人】
【識別番号】523336538
【氏名又は名称】マクギリス,ウェイド
(71)【出願人】
【識別番号】523336549
【氏名又は名称】ウィルコックス,ジェニファー
(71)【出願人】
【識別番号】523336550
【氏名又は名称】マックイーン,ノア
(71)【出願人】
【識別番号】523336561
【氏名又は名称】ディップル,グレッグ
(71)【出願人】
【識別番号】500217418
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティー オブ ブリティッシュ コロンビア
(71)【出願人】
【識別番号】519159352
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケレメン,ピーター,ボウシャル
(72)【発明者】
【氏名】マクギリス,ウェイド
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックス,ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】マックイーン,ノア
(72)【発明者】
【氏名】ディップル,グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】モーティマー,トーマス
【テーマコード(参考)】
4D020
4G146
【Fターム(参考)】
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA02
4D020BA08
4D020BA11
4D020BB01
4D020BC01
4D020CA01
4D020CC12
4D020CC20
4D020DA02
4D020DA03
4D020DB01
4D020DB02
4D020DB07
4D020DB10
4D020DB20
4G146JA02
4G146JB10
4G146JC08
4G146JC22
4G146JD03
4G146JD10
(57)【要約】
記載された実施形態は、CO
2を取り込むためのシステム及び方法に関する。一態様において、方法は、か焼炉を加熱して、炭素含有ストリームを、ガスストリームと炭酸塩化媒体ストリームとに分解することを含み、ガスストリームにはCO
2が含まれている。この方法は、さらに、ガスストリームを隔離及び/又は利用し、炭酸塩化媒体ストリームを、炭酸塩化ステーションに供給し、炭酸塩化媒体を、炭酸塩化ステーションで、周囲空気と接触させて、炭酸塩化媒体がCO
2を吸着して、炭素含有ストリームを形成するようにし、接触中、約30分~約72時間の間隔で、炭酸塩化媒体に水ストリームを添加し、炭素含有ストリームを、か焼炉に供給することを含む。いくつかの実施形態において、水ストリームの添加は、霧化及び/又は噴霧による。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
か焼炉を加熱して、炭素含有ガスストリームを、CO
2を含むガスストリームと炭酸塩化媒体ストリームとに分解し、
前記ガスストリームの隔離又は利用の少なくとも一方を行い、
前記炭酸塩化媒体ストリームを、炭酸塩化ステーションに供給し、
前記炭酸塩化媒体を、前記炭酸塩化ステーションで、周囲空気と接触させて、前記炭酸塩化媒体がCO
2を吸着して、前記炭素含有ストリームを形成するようにし、
前記接触中、約30分~約72時間の間隔で、前記炭酸塩化媒体に水ストリームを添加し、
前記炭素含有ストリームを、前記か焼炉に供給することを含む、方法。
【請求項2】
前記水ストリームの添加は、霧化及び/又は噴霧による、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水の添加は、炭酸塩化媒体1グラム当たり、約0.01~約0.5mLの水の速度である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記炭酸塩化媒体は、約3wt%~約50wt%の含水量に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ボールミル粉砕機、衝撃粉砕機、又はコーン粉砕機のうちの少なくとも1つを介して、吸着剤材料を粉砕して、粉末の前記炭酸塩化媒体を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記炭酸塩化媒体は、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、又は水酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記炭素含有ストリームは、MgCO
3、ドロマイト(高マグネシウム炭酸カルシウム)、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ケイ素、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、ネスケホナイト、又はハイドロマグネサイトのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ガスストリームからのある量の水を凝縮させることをさらに含む、請求項1に記載の方法
【請求項9】
前記ある量の水を前記水ストリームに供給することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
空気分離ユニットを介して空気ストリームを処理して、少なくとも約95%の純度を有する酸素ストリームを生成し、
前記酸素ストリームを前記か焼炉に供給することをさらに含む、請求項1に記載の方法含む方法。
【請求項11】
前記炭酸塩化媒体は、約75μm未満の平均粒径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記炭酸塩化ステーションは、複数の炭酸塩化接触器を含み、前記炭酸塩化接触器の各炭酸塩化接触器は、前記炭酸塩化媒体のシートを含み、前記炭酸塩化媒体のシートは、約0.5mm~約10mmの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記か焼炉を加熱することは、電気を動力とする電気抵抗加熱を介して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記接触中に前記炭酸塩化媒体に近接した周囲空気の相対湿度、温度、及び空気速度レベルを監視することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記炭酸塩化媒体を炭酸塩化ステーションに供給する前に、前記炭酸塩化媒体を水和することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
か焼炉を加熱して、炭素含有ガスストリームを、CO
2を含むガスストリームと炭酸塩化媒体ストリームとに分解し、
前記ガスストリームの隔離又は利用の少なくとも一方を行い、
前記炭酸塩化媒体ストリームを、炭酸塩化ステーションに供給し、
前記炭酸塩化媒体を前記炭酸塩化ステーションで周囲空気と接触させて、前記炭酸塩化媒体がCO
2を吸着して、前記炭素含有ストリームを形成するようにし、
前記接触中、炭酸塩化媒体1グラム当たり、約0.01~約0.5mLの水の割合で前記炭酸塩化媒体に対して水ストリームを噴霧及び/又は霧化し、
前記炭素含有ストリームを、前記か焼炉に供給することを含む、方法。
【請求項17】
前記ガスストリームは、少なくとも約95体積%のCO
2を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
吸着剤材料を粉砕して、前記炭酸塩化媒体を粉末に形成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記吸着剤材料は、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、又は水酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記炭素含有ストリームは、MgCO
3、ドロマイト(高マグネシウム炭酸カルシウム)、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ケイ素、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、ネスケホナイト、又はハイドロマグネサイトのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記ガスストリームからのある量の水を凝縮させ、
前記ある量の水を前記水ストリームに供給することによって前記ある量の水をリサイクルすることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記か焼炉を加熱することは、電気を動力とする電気抵抗加熱を介して行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
か焼炉において、炭素含有ストリームを、CO
2を含むガスストリームと、MgCO
3、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ケイ素、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、ネスケホナイト、又はハイドロマグネサイトのうちの少なくとも1つを含む炭酸塩化媒体のストリームとに分解し、
前記ガスストリームを隔離し、
前記炭酸塩化媒体のストリームを、炭酸塩化ステーションに供給し、
前記炭酸塩化媒体がCO
2を吸着して、前記炭素含有ストリームを形成するように、前記炭酸塩化媒体を前記炭酸塩化ステーションで周囲空気と接触させ、炭酸塩化、
前記接触中、炭酸塩化媒体1グラム当たり、約0.01~約0.5mLの水の割合で、約30分~約72時間の間隔で、前記炭酸塩化媒体に水ストリームを添加し、
前記炭素含有ストリームを、前記か焼炉に供給することを含む、方法。
【請求項24】
ボールミル破砕機、衝撃破砕機、又はコーン粉砕機のうちの少なくとも1つを介して、吸着剤材料を粉砕して、粉末の炭酸塩化媒体を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記炭素含有ストリームは、MgCO
3、ドロマイト(高マグネシウム炭酸カルシウム)、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ケイ素、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、ネスケホナイト、又はハイドロマグネサイトのうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
電気を動力とする電気抵抗加熱を介してか焼炉に熱を加えることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ガスストリームからのある量の水を凝縮させ、
前記ある量の水を前記水ストリームに供給することによって前記ある量の水をリサイクルすることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
周囲空気と接触し、前記周囲空気からCO
2を吸着して、炭酸塩化媒体の少なくとも一部が炭素含有ストリームに変換されるように構成された、炭酸塩化媒体を含む複数の炭酸塩化プロット、及び
前記炭酸塩化ステーションの相対湿度に影響を及ぼし、及び/又は前記炭酸塩化媒体を所定の含水量範囲内に維持するように構成された、送水装置を含む、
炭酸塩化ステーションと、
前記炭素含有ストリームをか焼して、ガスストリーム及び炭酸塩化媒体ストリームを形成するように構成された、前記炭素含有ストリームを受け入れるか焼炉と、
を含む、システム。
【請求項29】
前記送水装置は、噴霧器、ホース、又はマットのうちの少なくとも1つを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記所定の含水量範囲は、前記炭酸塩化媒体の約3wt%~約50wt%である、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記炭酸塩化ステーションの前記相対湿度は、約5%~約50%の相対湿度である、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
前記ガスストリームから水を凝縮するように構成された凝縮器をさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
空気ストリームを処理し、前記空気ストリームをか焼炉に供給する前に、前記空気ストリームの酸素含有量を増加させるように構成された、空気分離ユニットをさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
ボールミル粉砕機、衝撃粉砕機、又はコーン粉砕機のうちの少なくとも1つを介して、前記炭酸塩化媒体を前記炭酸塩化ステーションに供給する前に、前記炭酸塩化媒体を粉砕するように構成された粉砕ステーションをさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項35】
前記炭酸塩化媒体は、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、又は水酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項36】
前記炭素含有ストリームは、MgCO
3、ドロマイト(高マグネシウム炭酸カルシウム)、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ケイ素、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、ネスケホナイト、又はハイドロマグネサイトを含む、請求項35に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、空気から二酸化炭素(CO2)を取り込むためのシステム及び方法に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、2021年3月2日出願の「空気からCO2を除去するための強化された風化及びか焼のシステム及び方法」と題された米国仮出願第63/155,572号の優先権及び利益を主張するものであり、その全体を参照することにより本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
CO2の空気中濃度は、410体積ppmに達しており、過去10年間で20ppm近く上昇している。現在の排出レベルが、35GtCO2/年を超えており、2100年までに2℃の地球温度上昇を回避するためには、CO2軽減技術の多様なポートフォリオを開発し、戦略的に展開しなければならない。化石燃料へのグローバル依存のために、このポートフォリオには、空気からの現在及び将来のCO2排出を除去することができる技術が含まれなければならず、そのいくつかには、海洋及び陸上生物圏(土壌、森林、鉱物)のCO2取り込み、炭素捕捉及び貯蔵を伴うバイオエネルギー(BECCS)、ならびに貯蔵を伴う直接空気捕捉(DACS)技術としても知られる化学物質を使用する合成手法等の自然過程の加速が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載の実施形態は、CO2取り込みのためのシステム及び方法に関する。一態様において、方法は、か焼炉を加熱して、炭素含有ストリームを、ガスストリームと炭酸塩化媒体ストリームとに分解することを含み、ガスストリームにはCO2が含まれている。この方法は、さらに、ガスストリームを隔離及び/又は利用し、炭酸塩化媒体ストリームを、炭酸塩化ステーションに供給し、炭酸塩化媒体を、炭酸塩化ステーションで、周囲空気と接触させて、炭酸塩化媒体がCO2を吸着して、炭素含有ストリームを形成するようにし、接触中、約30分~約72時間の間隔で、炭酸塩化媒体に水ストリームを添加し、炭素含有ストリームを、か焼炉に供給することを含む。いくつかの実施形態において、水ストリームの添加は、霧化(misting)及び/又は噴霧(spraying)による。いくつかの実施形態において、水は、炭酸塩化媒体1グラム当たり、約0.01~約0.5mLの水の割合で添加される。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約3wt%~約50wt%の含水量に維持される。いくつかの実施形態において、方法は、ボールミル粉砕機、衝撃粉砕機、及び/又はコーン粉砕機を介して、吸着剤材料を粉砕して粉末の炭酸塩化媒体を形成することをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態による、空気からCO
2を捕捉する方法のブロック図である。
【
図2】一実施形態による、炭素捕捉施設のブロック図である。
【
図3】一実施形態による、炭素捕捉施設の図である。
【
図4】一実施形態による、炭酸塩化ステーションの図である。
【
図5】一実施形態による、炭酸塩化ステーションの図である。
【
図6】10日間にわたる異種物質のCO
2取り込みのプロットである。
【
図7】16日間にわたる種々の物質のCO
2取り込みのプロットである。
【
図8】16日間にわたる種々の物質のCO
2取り込みのプロットである。
【
図9】2日間にわたる水酸化カルシウム(Ca(OH)
2)の摂取量のプロットである。
【
図10】様々な酸化マグネシウム材料供給業者についての時間に対する取り込み速度のプロットである。
【
図11】霧化量対材料タイプの機能としての取り込み速度のプロットである。
【
図12】炭素捕捉施設における材料及びエネルギーバランスの視覚的表現である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、風化中の空気からのCO2の取り込みに関する。取り込みは、数ヶ月から数年の時間尺度であり得、ループコストを下げながら、空気からの貴重なCO2除去を達成する。本明細書に記載の実施形態は、炭素捕捉及び除去のための原料として金属炭酸塩を含む材料を使用する方法に関するものとすることができる。材料の加熱によって、炭酸塩からCO2ガス及び固体金属酸化物及び金属水酸化物が生じる。これらの金属酸化物及び金属水酸化物生成物は、屋外で薄く層状とされ、数カ月又は数年にわたって風化に供され得、その間に、金属酸化物及び金属水酸化物は、空気からCO2を吸収し、追加の金属炭酸塩、他の水和物炭酸マグネシウム等を生成する。次いで、炭酸塩を加熱して、CO2を制御された捕捉環境中に放出させながら、このサイクルを繰り返すことができる。次いで、得られた反応性酸化物及び/又は水酸化物を、風化のために再度層状にすることができ、捕捉されたCO2を瓶詰めし、販売又は地下で貯蔵することができる。
【0008】
二酸化炭素除去(CDR)技術としても知られるネガティブエミッション技術(NET)は、空気からのCO2除去のための広範な方策を包含する。使用されるいくつかの方法には、バイオエネルギー、植林、直接空気捕獲及び海洋施肥が含まれる。エネルギー効率は、これらの方策のいずれかを採用し実施するために重要である。NETは、大規模に採用される場合、カーボンネガティブであるべきである。言い換えれば、空気からCO2を除去する方法は、プロセス中に排出されるよりも、多くの炭素を空気から抽出すべきである。炭素除去の効率は、最近になって技術的な焦点となった。
【0009】
CO2の地球温暖化への寄与は、十分に実証されている。最近、放出点炭素捕捉のための炭素捕捉方法が開発されている(例えば、煙突又は排気口付近で)。これまでの手法には、煙突や反応器の煙道排ガスや他の濃縮源からのCO2捕捉が、数分から数日間のタイムスケールで含まれていた。そのようなシステムは、多くの場合、より速い反応時間及びより高いエネルギー投資、例えば、高熱及び/又は高圧の適用に依拠する。これらの解決策は、高価であることが多く、時には、製造することが困難であり得る設計材料を使用する。生成されるCO21トン当たり100ドルのコストは、直接空気捕捉のための楽観的なコスト見積もりであるが、CO2がより集中する点源捕捉のためには現実的である。
【0010】
気候変動に関する政府間委員会(IPCC)や他の権威ある機関は、地球温暖化を2℃未満に抑えるためには空気からのCO2除去が不可欠であると判断している。空気からCO2を除去することは、排ガスからCO2を捕捉することより難しい。現在の技術では、CO2を600ドル/CO2トン以上のコストで空気から除去する「直接空気捕捉」(DAC)装置が使用されている。CO2と、特定の酸化カルシウム及び酸化マグネシウムとの反応は、長年にわたって、岩石の風化及びその後のカーボンシンクの形態として広く認識されてきた。自然の風化は、膨大な量のCO2を除去し、これは、世界中で生成されている排出物の一部を相殺するのに役立つように適合され得る。CO2と超強力な岩石との反応による炭素捕捉の強化は、気候変動の影響を緩和するために規模を拡大することができる一つのNETである。
【0011】
強化された風化は、Walter Seifritzが自然風化に基づくプロセスを提案した1990年に遡る。自然の風化において、アルカリ含有鉱物は、地質学的タイムスケール(すなわち、数百万年)で炭酸塩化される。一般化された自然風化反応は次の通りである。MeO+CO2→MeCO3+エネルギー(式中、Meは、二価の金属カチオンを表す)。
【0012】
カチオンは、マグネシウム(Mg2+)及びカルシウム(Ca2+)を含むことができ、好適な原料としては、鉱物、例えば、かんらん石及び蛇紋岩、同様に、工業副生成物、例えば、鉱山尾鉱(mine tailings)及びフライアッシュが挙げられる。自然風化は、地質学的タイムスケールで起こるので、種々のプロセス条件、前処理方法、抽出機構、及び他の方策は、CO2隔離の一形態としてプロセス動力学が促進され得る。
【0013】
いくつかのCO2捕捉システムが模索されている。米国物理学会は、2011年の研究において、CO2が水酸化ナトリウム(NaOH)によって吸収され、続いて水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と反応して固形炭酸カルシウム(CaCO3)を生成するシステムを評価した。次いで、CaCO3は、酸素焼成か焼炉中でか焼されて、CO2を放出する。Keithらは、カルシウム苛性回収ループと結合した水性水酸化カリウム(KOH)吸着剤を含む連続ループ処理を提案している。KOH吸着剤は、空気中のCO2と反応して炭酸カリウム(K2CO3)を生成する。次いで、K2CO3は、CaCO3から生成されるCa(OH)2と反応して、KOH及びCaCO3を再生する。これらのタイプの水性カルシウムループシステムは、主に、水性条件下(Ca(OH)2の形態)でカルシウム系吸着剤を使用して評価されてきた。さらに、RenforthとKrugerは、石灰(か焼炭酸塩材料から生成される)を海洋に堆積させて、海洋中の現在の炭酸と反応させる海洋石灰化プロセスを提案した。このプロセスは、海洋のpHを上昇させ、より多くのCO2の海水中への溶解をもたらし、CO2の空気中濃度を低下させる。鉱物炭酸塩化反応を利用するさらなるシステムは、発電所等のより集中した点源からCO2を捕捉するための方法として、様々な形態の炭素鉱物化を検討してきた。
【0014】
前述のプロセスでは、CO2を捕捉するためのアルカリ源として、カルシウム含有鉱物が使用されることが多い。しかしながら、MgCO3のか焼温度は、CaCO3のか焼温度よりも低く、理論的には、関連するエネルギーコストが低くなる。世界中にマグネシウムに富む鉱物の大きな堆積物があるので、マグネシウムは、魅力的な選択肢でもある。IPCCや他の機関は、炭素フリー発電やその他イノベーションを最適に迅速に実施したとしても、2050年までに約100億トンのCO2を空気から除去しない限り、地球温暖化は2100年までに2℃を超え、2100年までに200億トンに増えると結論付けた。また、2℃を超える温暖化は、人間の持続可能性に重大な影響を及ぼす可能性が高いというコンセンサスがある。年間約10億トンのCO2の規模にまで増加する可能性のあるネガティブエミッションの選択肢には、農業用土壌の炭素含有量の増加、再植林、海洋へのアルカリ成分の添加、海洋におけるバイオマスの添加、及び空気からのCO2の除去の様々な工学的経路(例えば、直接空気捕捉)が含まれる。2019年の米国学術院のネガティブエミッション技術に関する報告書は、これらの方法のいずれも、個々には必要とされる目標に達することができないため、方法の集合体を使用すべきであると結論づけた。そのような集合体のコストがどのように支持されるかは不明であるように思われるが、炭素捕捉と炭素除去が、炭素修復の重要な要素であるというコンセンサス(世界中の大半の中央政府を含む)が高まっているように思われる。
【0015】
石灰岩は、多くの用途のための砕石としての使用、肥料としての使用、及びセメントと鉄鋼製造の両方での使用のために採掘される。しかしながら、石灰石の埋蔵量及び資源は、実際的な観点から本質的に無限である。マグネサイト(MgCO3)は、主に、Mg金属の製造のために採掘され、合金に使用される。対象岩石は、セメント用の石灰石、耐火物用、農業用、及びその他用途のためのMgCO3等、多くの他の工業で使用されている。世界のMgCO3埋蔵量は、7~80億トンと推定されている。
【0016】
マテリアルハンドリング(例えば、膨大な量の炭酸媒体の積み下ろし)のためのメカニズムに関して、工業及び農業分野において既に開発されたマテリアルハンドリングインフラストラクチャの多くを活用することができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態には、電気キルン及び光起電力の使用が含まれる。炭酸塩化媒体のプロット間に配置された光起電力は、炭酸塩化媒体のプロットを広げるために約30倍の空間を与えることができる。
【0017】
本明細書に記載の方法は、マグネシウム、カルシウム、及び/又はナトリウムに富む地質学的材料を使用することができる。MgCO3の使用に基づく例示的な実施形態のテクノ経済解析(TEA)がなされた。炭酸Mgを600℃の低温でか焼した。生成されたCO2(空気から、及び酸素焼成か焼炉においてCH4燃焼から)は、貯蔵又は販売される。生成された微細粒MgOは、風化のために陸面に分配される。TEAによれば、厚み10cmで、日々攪拌され、cm~mmスケールの不動態化を行わず、(ブルーサイト、Mg(OH)2のCO2吸収量に基づく)1年間に>90%の炭酸塩化される層が仮定される。より最新のデータは、>90%の炭酸塩化は、6ヶ月で達成され得ることを示している。新たな炭酸塩化材料はか焼され、新たに生成されたCO2は貯蔵又は販売され、新たに生成されたMgOは風化の次の段階のために再分配される。このループプロセスは、より複雑なDAC法と比較して、コスト推定が比較的堅牢であり得るように、プロセスを組み合わせる。コストは、空気から正味で除去されたCO21トン当たり48~159ドルと推定される。CO2の生成コストは、燃焼から捕捉されるCO2を含めて、24~79ドル/トンと推定される。これらのコストは、他のDAC法の推定コストに匹敵する。実際、MgOループの推定コストは、現在、DACの最低の査読コスト推定であり得る。
【0018】
石灰岩は、約56wt%のCaOを含む。か焼後、CaOは空気と速やかに反応して、Ca(OH)2を生成する。周囲空気との反応によるこの物質の炭酸塩化によって、初期CaO1トン当たり約0.78トンのCO2、又は炭酸塩化+か焼サイクル当たり石灰石1トン当たり0.44トンのCO2が除去される。例示的な実施形態からの結果は、約6E-7/sの平均Ca(OH)2炭酸塩化速度(CaCO3を生成するための、空気からのCO2との反応によって毎秒消費されるCa(OH)2の重量分率)を達成した。同様に、この速度が一定であれば、約2週間で50%、約1ヶ月で75%、1.5ヶ月で90%、約2ヶ月で95%の炭酸塩化をもたらす。いくつかの実施形態において、75%の数値をとると、1サイクル当たり12回のか焼サイクルがあり、1サイクル当たり1%のCaO損失を仮定すると、最初の1年間に石灰石1トン当たり3.75トンのCO2が空気から除去される。10年間で、最初の石灰石1トン当たり約23トンのCO2が空気から除去される。この算定では、年間1GtのCO2を空気中から10年間除去するために、石灰石を1回で43.4Mt採掘し、加工することを行う。これは、現在の米国の年間生産量(32Mt/年)の約1.5倍である。
【0019】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のシステムは、再生可能エネルギケーパビリティがCO2貯蔵の機会とグローバルに重複する場合に実施することができる。これは、特に米国南部地域において、エネルギー及びCO2貯蔵と共同配置する機会を提供する。原料輸送のための工業標準コスト30ドル/トンでは、1Mt/年の発電所の運転のための補給原料を輸送するのに、年間約800,000ドルのコストがかかると推定される。さらに、石灰石(CaCO3を含む)が使用され、酸化カルシウム(CaO)がCaCO3から生成される場合、CaOは地域的に偏在し、事実上無限のリソースである。
【0020】
いくつかの実施形態において、MgCO3を原料として使用することができる。いくつかの実施形態において、MgCO3原料は、MgOに富む、採石された粉砕マントルペリドタイトの初期風化によって生成することができる。Mg(OH)2は、多くのペリドイトのごく一部を構成することが多い。Mg(OH)2は、空気中のCO2と速やかに反応して、風化条件下でMgCO3を形成する。鉱物蛇紋岩を含むペリドタイトの加熱は、蛇紋岩が空気CO2と反応してMgCO3を形成する速度を増大させる。従って、1回又は2回の加熱サイクルの後、かなりの割合の変化したペリドタイトが苛性マグネシアに変換される。いくつかの実施形態において、CaCO3又はドロマイト(高マグネシウム炭酸カルシウム)を原料として使用することができる。
【0021】
補充された金属酸化物及び水酸化物のいくつかの例示的な実施形態には、炭酸ナトリウム及び水和物炭酸ナトリウムからのCaCO3、Na2O及びNaOHからのCaO及びCa(OH)2、MgCO3及び水和物炭酸MgからのMg(OH)2、ならびにそれらの組合せが含まれる。CaCO3は石灰石の主成分であるので、CaO及びCaCO3のループは、利用可能な原料を大幅に増大させることができ、従って、本明細書に記載のプロセスで空気からCO2を除去する能力を高めることができる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「炭酸塩化プロット」は、単一の連続プロット、同じく、単一プロットとして効果的に作用するように併せてグループ化又は処理される半連続又は非連続プロットを含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロットは、標的化合物(例えば、CO2)を隔離する組成物を含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロットは、組成物を周囲条件に曝露するように配置及び構成される。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロットは、標的化合物を隔離する組成物を含むことができる。
【0023】
本明細書で使用される場合、「ストリーム(流)」は、固体、液体、及び/又は気体を含むストリームを指すことができる。例えば、ストリームは、コンベヤ装置上で搬送される粒状形態の固体を含むことができる。ストリームはまた、パイプを通って流れる液体及び/又は気体を含むことができる。ストリームは、溶液を含むことができる。
【0024】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a、an)、及び「その(the)」は、文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「部材」という用語は、単一の部材又は部材の組み合わせを意味することを意図し、「材料」は、1つ以上の材料、又はそれらの組み合わせを意味することを意図する。
【0025】
「実質的に」という用語を「円筒形」、「線形」、及び/又は他の幾何学的関係に関連して使用される場合、そのように定義される構造が、名目上円筒形、線形等であることを伝えることが意図される。一例として、「実質的に線形」であると記載される支持部材の一部分は、その一部分が線形であることが望ましいが、「実質的に線形」の部分においていくらか非線形が生じ得ることを伝えることが意図される。そのような非線形性は製造公差、又は他の実際的な考慮事項(例えば、支持部材に加えられる圧力又は力等)から生じ得る。従って、「実質的に」という用語によって修正された幾何学的構造は、記載された幾何学的構造のプラス又はマイナス5%の許容範囲内のそのような幾何学的特性を含む。例えば、「実質的に線形の」部分は、線形であることのプラス又はマイナス5%以内にある軸又は中心線を定義する部分である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「セット」及び「複数」という用語は、複数の特徴又は複数の部分を有する単一の特徴を指すことができる。例えば、一組の接触器に言及する場合、一組の接触器は、複数の部分を有する1つの接触器とみなすことができ、又は一組の接触器は、複数の別個の接触器とみなすことができる。従って、一組の部分又は複数の部分は、互いに連続か不連続のいずれかである複数の部分を含むことができる。複数の粒子又は複数の材料は、別々に生成され、後に(例えば、混合、接着剤、又は任意の適切な方法によって)一緒に接合される複数の品目から生成することもできる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、一般に、記載された値のプラスマイナス10%を意味し、例えば、約250μmは225μm~275μmを含み、約1,000μmは、900μm~1,100μmを含む。
【0028】
図1は、一実施形態による、空気からのCO
2捕捉方法10のブロック図である。示されるように、方法10は、ステップ11で炭酸塩化媒体を炭酸塩化ステーションで周囲空気と接触させて炭素含有ストリームを形成し、ステップ12で炭酸塩化媒体に水ストリームを添加し、ステップ13で炭素含有ストリームをか焼炉に供給し、ステップ14でか焼炉を加熱して、炭素含有ストリームをガスストリームと炭酸塩化媒体ストリームとに分解し、ステップ15でガスストリームを隔離及び/又は利用し、ステップ16で炭酸塩化媒体ストリームを炭酸塩化ステーションに供給することを含み、ここでプロセスはステップ11から再び繰り返される。方法10は、任意で、ステップ17で空気ストリームを処理して酸素ストリームを生成し、か焼炉に酸素ストリームを供給し、ステップ18で隔離ガスストリームから水を凝縮及び/又はリサイクルし、ステップ19で吸着剤材料を粉砕して炭酸塩化媒体を形成し、及び/又はステップ21で炭酸塩化媒体ストリームを水和することを含む。
【0029】
ステップ11は、炭酸塩化ステーションにおいて炭酸塩化媒体を周囲空気と接触させて、炭素含有ストリームを形成することを含む。炭酸塩化媒体は、周囲空気から二酸化炭素を吸着する、又は二酸化炭素と反応する。炭酸塩化媒体と二酸化炭素は、化学的に反応して炭素含有ストリームを形成する。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、採掘された岩石からのものとすることができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、(例えば、か焼炉から)リサイクルすることができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、及び/又は水酸化マグネシウムを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体を1つ以上の炭酸塩化プロットに組み込むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、粉末の形態とすることができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、小石又は大きな岩の形態とすることができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、少なくとも約10μm、少なくとも約20μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、少なくとも約60μm、少なくとも約70μm、少なくとも約80μm、少なくとも約90μm、少なくとも約100μm、少なくとも約200μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約500μm、少なくとも約600μm、少なくとも約700μm、少なくとも約800μm、少なくとも約900μm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約1cm、少なくとも約2cm、少なくとも約3cm、又は少なくとも約4cmの平均粒径を有することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約5cm以下、約4cm以下、約3cm以下、約2cm以下、約1cm以下、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、又は約20μm以下の平均粒径を有することができる。
【0031】
上述の粒径の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約10μmかつ約5cm以下、又は少なくとも約100μmかつ約1cm以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約1cm、少なくとも約2cm、約3cm、約4cm、又は約5cmの平均粒径を有することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、少なくとも約1時間、少なくとも約5時間、少なくとも約10時間、少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、少なくとも約1年、又は少なくとも約1.5年間、周囲空気と接触するように炭酸塩化ステーションに配置することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約2年以下、約1.5年以下、約1年以下、約11カ月以下、約10カ月以下、約9カ月以下、約8カ月以下、約7カ月以下、約6カ月以下、約5カ月以下、約4カ月以下、約3カ月以下、約2カ月以下、約1カ月以下、約3週間以下、約2週間以下、約1週間以下、約6日以下、約5日以下、約4日以下、約3日以下、約2日以下、約1日以下、約10時間以下、又は約5日以下、周囲空気と接触するように炭酸塩化ステーションに配置することができる。
【0033】
炭酸塩化ステーションでの炭酸塩化媒体の上述の滞留時間の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも1時間かつ約2年以下、又は少なくとも約1週間かつ約3ヶ月以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約1時間、約5時間、約10時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約1年、約1.5年、又は約2年間、周囲空気と接触するように炭酸塩化ステーションに配置することができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、その滞留時間中に、少なくとも約50%の変換、少なくとも約55%の変換、少なくとも約60%の変換、少なくとも約65%の変換、少なくとも約70%の変換、少なくとも約75%の変換、少なくとも約80%の変換、少なくとも約85%の変換、少なくとも約90%の変換、又は少なくとも約95%の変換を達成することができる。いくつかの実施形態において、炭素媒体は、その滞留時間中に、約99%以下の変換、約95%以下の変換、約90%以下の変換、約85%以下の変換、約80%以下の変換、約75%以下の変換、約70%以下の変換、約65%以下の変換、約60%以下の変換、又は約55%以下の変換を達成することができる。上述の変換率の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約50%かつ約99%以下、又は少なくとも約60%かつ約80%以下)、それらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、その滞留時間中に、約50%の変換、約55%の変換、約60%の変換、約65%の変換、約70%の変換、約75%の変換、約80%の変換、約85%の変換、約90%の変換、約95%の変換、又は約99%の変換を達成することができる。いくつかの実施形態において、CO2による炭酸塩化媒体の変換は、約1E-7、約2E-7、約3E-7、約4E-7、約5E-7、約6E-7、約7E-7、約8E-7、約9E-7、約1E-6、約2E-6、約3E-6、約4E-6、約5E-6、約6E-6、約7E-6、約8E-6、約9E-6、又は約1E-5重量分率/秒とすることができ、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、炭酸塩化中に撹拌又は混合することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、又は約4週間の間隔で撹拌することができ、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。
【0035】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体を季節的に循環させることができる。例えば、炭酸塩化媒体は、夏と春の間、炭酸塩化ステーションで周囲空気に曝露し、秋と冬の間は、他の場所で処理及び/又は貯蔵することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体の第1の部分は、炭酸塩化ステーションで周囲空気と接触することができ、一方、炭酸塩化媒体の第2の部分は、か焼炉で処理され、第2の部分は、炭酸塩化ステーションで周囲空気と接触することができ、一方、炭酸塩化媒体の第1の部分は、か焼炉で処理される。
【0036】
ステップ12において、水ストリームが炭酸塩化媒体に添加される。炭酸塩化媒体の含水量は、空気から吸着されるCO2の量を最大にするのを補助することができる。いくつかの実施形態において、ステップ12をステップ11と同時に行うことができる。すなわち、炭酸塩化媒体が、炭酸塩化ステーションにおいて周囲空気と接触している間に、水ストリームが炭酸塩化媒体に添加される。いくつかの実施形態において、ステップ12をステップ11と完全に同時に行うことができる。いくつかの実施形態において、ステップ12をステップ11と部分的に同時に行うことができる。いくつかの実施形態において、ステップ11及び12を、ステップ13で炭素含有ストリームをか焼炉に供給することに進む前に、複数回実行することができる。すなわち、炭酸塩化媒体を周囲空気と接触させることができ、水を、炭素含有ストリームをか焼炉に供給する前に、炭酸塩化媒体に複数回添加することができる。いくつかの実施形態において、水ストリームを、霧化及び/又は噴霧の形態で炭酸塩化媒体に添加することができる。いくつかの実施形態において、水ストリームを、ホース、パイプ、チューブ、又はそれらの任意の組み合わせを介して添加することができる。いくつかの実施形態において、水ストリームを、蒸気の形態で添加することができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、水ストリームは、時間の間隔をおいて添加することができる。いくつかの実施形態において、水ストリーム添加間隔(すなわち、1つの水ストリーム添加の開始から次の水ストリーム添加までの時間)は、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約24時間、少なくとも約30時間、少なくとも約36時間、少なくとも約42時間、少なくとも約48時間、少なくとも約54時間、少なくとも約60時間、又は少なくとも約66時間とすることができる。いくつかの実施形態において、水ストリーム添加間隔は、約72時間以下、約66時間以下、約60時間以下、約54時間以下、約48時間以下、約42時間以下、約36時間以下、約30時間以下、約24時間以下、約18時間以下、約12時間以下、約10時間以下、約9時間以下、約8時間以下、約7時間以下、約6時間以下、約5時間以下、約4時間以下、約3時間以下、約2時間以下、又は約1時間以下とすることができる。
【0038】
水ストリーム添加の間の上述の間隔の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約30分かつ約72時間以下、又は少なくとも約3時間かつ約24時間以下)、それらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、水ストリーム添加間隔(すなわち、1つの水ストリーム添加の開始から次の水ストリーム添加までの時間)は、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約18時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約54時間、約60時間、約66時間、又は約72時間とすることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、水ストリームの各添加は、炭酸塩化媒体1グラム当たり、少なくとも約0.01、少なくとも約0.02、少なくとも約0.03、少なくとも約0.04、少なくとも約0.05、少なくとも約0.06、少なくとも約0.07、少なくとも約0.08、少なくとも約0.09、少なくとも約0.1、少なくとも約0.15、少なくとも約0.2、少なくとも約0.25、少なくとも約0.3、少なくとも約0.35、少なくとも約0.4、又は少なくとも約0.45mLの水の割合とすることができる。いくつかの実施形態において、各水ストリームは、炭酸塩化媒体1グラム当たり、約0.5以下、約0.45以下、約0.4以下、約0.35以下、約0.3以下、約0.25以下、約0.2以下、約0.15以下、約0.1以下、約0.09以下、約0.08以下、約0.07以下、約0.06以下、約0.05以下、約0.04以下、約0.03以下、又は約0.02mL以下の割合で添加することができる。
【0040】
上述の水添加割合の組み合わせも可能であり(例えば、炭酸塩化媒体1グラム当たり、少なくとも0.01mLかつ約0.5mL以下の水、又は炭酸塩化媒体1グラム当たり、少なくとも約0.1かつ約0.3mL以下の水)、それらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、水ストリームの各添加は、炭酸塩化媒体1グラム当たり、約0.01、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、約0.1、約0.15、約0.2、約0.25、約0.3、約0.35、約0.4、約0.45mL、又は約0.5mLの割合とすることができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、少なくとも約3wt%、少なくとも約4wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約6wt%、少なくとも約7wt%、少なくとも約8wt%、少なくとも約9wt%、少なくとも約10wt%、少なくとも約15wt%、少なくとも約20wt%、少なくとも約25wt%、少なくとも約30wt%、少なくとも約35wt%、少なくとも約40wt%、又は少なくとも約45wt%の水分レベルに維持することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約50wt%以下、約45wt%以下、約40wt%以下、約35wt%以下、約30wt%以下、約25wt%以下、約20wt%以下、約15wt%以下、約10wt%以下、約9wt%以下、約8wt%以下、約7wt%以下、約6wt%以下、約5wt%以下、又は約4wt%以下の水分レベルに維持することができる。上述の含水量の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約3wt%かつ約50wt%以下、又は少なくとも約10wt%かつ約40wt%以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約3wt%、約4wt%、約5wt%、約6wt%、約7wt%、約8wt%、約9wt%、約10wt%、約15wt%、約20wt%、約25wt%、約30wt%、約35wt%、約40wt%、約45wt%、又は約50wt%の水分レベルに維持することができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、方法10は、炭酸塩化媒体と周囲空気との接触中に、炭酸塩化ステーションに近接している(例えば、約100m以内、約50m以内、約10m以内、約5m以内、約1m以内)周囲空気の相対湿度、温度、及び/又は空気速度レベルを監視することを含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、水ストリームを連続的に(例えば、連続的な微細霧で)添加することができる。いくつかの実施形態において、水ストリームは、1日当たり、炭酸塩化媒体1グラム当たり、少なくとも約0.01、少なくとも約0.02、少なくとも約0.03、少なくとも約0.04、少なくとも約0.05、少なくとも約0.06、少なくとも約0.07、少なくとも約0.08、少なくとも約0.09、少なくとも約0.1、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、少なくとも約0.4、少なくとも約0.5、少なくとも約0.6、少なくとも約0.7、少なくとも約0.8、少なくとも約0.9、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、又は少なくとも約9mLの速度で添加することができる。いくつかの実施形態において、水ストリームは、1日当たり、炭酸塩化媒体1グラム当たり、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、約1以下、約0.9以下、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下、約0.2以下、約0.1以下、約0.09以下、約0.08以下、約0.07以下、約0.06以下、約0.05以下、約0.04以下、約0.03以下、又は約0.02mL以下の水の速度で添加することができる。
【0044】
上述の水ストリーム添加速度の組み合わせも可能であり(例えば、1日当たり、炭酸塩化媒体1グラム当たり、少なくとも約0.01かつ約10mL以下の水、又は1日当たり、炭酸塩化媒体1グラム当たり、少なくとも約0.5かつ約2mL以下の水)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、水ストリームは、1日当たり、炭酸塩化媒体1グラム当たり、約0.01、少なくとも約0.02、少なくとも約0.03、少なくとも約0.04、少なくとも約0.05、少なくとも約0.06、少なくとも約0.07、少なくとも約0.08、少なくとも約0.09、少なくとも約0.1、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、少なくとも約0.4、少なくとも約0.5、少なくとも約0.6、少なくとも約0.7、少なくとも約0.8、少なくとも約0.9、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、約9、又は約10mLのレートで添加することができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、水ストリームを炭酸塩化媒体12に添加して、炭酸塩化媒体のすぐ近で(例えば、炭酸塩化媒体から10m以内、5m以内、又は1m以内というボリューム)、所望のレベルの相対湿度を維持することができる。いくつかの実施形態において、ステップ12は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%のレベルで、相対湿度を維持することを含むことができる。いくつかの実施形態において、ステップ12は、炭酸塩化媒体のすぐ近くで、相対湿度を約100%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、又は約10%以下のレベルに維持することを含むことができる。炭酸塩化媒体のすぐ近くで、相対湿度の上述の値の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約5%かつ約70%以下、又は少なくとも約20%かつ約40%以下)、それらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、ステップ12は、炭酸塩化媒体のすぐ近くで、相対湿度を約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%のレベルに維持することを含むことができる。
【0046】
理論に拘束されることを望むものではないが、大量の水が、炭酸塩化媒体の表面に物理的に吸着されることは予想されない。代わりに、水分の存在は、CO2との反応中に炭酸塩化媒体(例えば、酸化物及び/又は水酸化物)の変換を促進する。いくつかの実施形態において、Mg(OH)2は、ハイドロマグネサイト、ランスフォルダイト、ネスケホナイト、及び/又はMgCO3等の水和物炭酸塩を形成することができる。準安定な含水Mg-炭酸塩鉱物の分解は、MgCO3よりも低温で起こるが、後述するように、か焼炉中で高純度CO2条件下では、MgOではなくMgCO3に変換される可能性が高い。
【0047】
炭酸塩化媒体が周囲空気と接触して空気からCO2を吸着した後、炭酸塩化媒体は炭素含有ストリームとなる。炭素含有ストリームは、ステップ13でか焼炉に供給される。いくつかの実施形態において、炭素含有ストリームは、MgCO3、ドロマイト(高マグネシウム炭酸カルシウム)、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ケイ素、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、ネスケホナイト、及び/又はハイドロマグネサイトを含むことができる。いくつかの実施形態において、炭素含有ストリームは、ダナイト、カルサイト、ウォラストナイト、及び/又はピロキシンを含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、炭素含有ストリームは粉末を含むことができる。いくつかの実施形態において、炭素含有ストリームは、小石又は大きい岩石の形態とすることができる。いくつかの実施形態において、炭素含有ストリームは、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約20μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、少なくとも約60μm、少なくとも約70μm、少なくとも約80μm、少なくとも約90μm、少なくとも約100μm、少なくとも約200μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約500μm、少なくとも約600μm、少なくとも約700μm、少なくとも約800μm、少なくとも約900μm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約1cm、少なくとも約2cm、少なくとも約3mm又は少なくとも約4cmの平均粒径を有することができる。いくつかの実施形態において、炭素含有ストリームは、約5cm以下、約4cm以下、約3cm以下、約2cm以下、約1cm以下、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、又は約10μm以下の平均粒径を有することができる
【0049】
上述の粒径の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約10μmかつ約5cm以下、又は少なくとも約100μmかつ約1cm以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭素含有ストリームは、約5μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約1cm、少なくとも約2cm、約3cm、約4cm、又は約5cmの平均粒径を有することができる。
【0050】
ステップ14では、か焼炉を加熱して、炭素含有ストリームを、ガスストリームと炭酸塩化媒体ストリームとに分解する。いくつかの実施形態において、か焼炉の加熱は、電気抵抗加熱を介してもよい。いくつかの実施形態において、電気抵抗加熱は、再生可能な電気を動力とするすることができる。いくつかの実施形態において、再生可能な電気は、風力、太陽光、地熱、原子力、又は任意の他の適切な再生可能なエネルギー源、又はそれらの組み合わせによって供給することができる。いくつかの実施形態において、ステップ14で、追加で加熱する必要がないように、か焼炉は、(例えば、太陽放射により)十分に高温とすることができる。いくつかの実施形態において、か焼炉において、炭素含有ストリームは、次の反応に従ってか焼することができる。MeCO3+エネルギー→MeO+CO2(式中、Meは、二価の金属カチオンを表す)。
【0051】
ガスストリームはCO2を含む。いくつかの実施形態において、ガスストリームは、少なくとも約80vol%、少なくとも約85vol%、少なくとも約90vol%、少なくとも約91vol%、少なくとも約92vol%、少なくとも約93vol%、少なくとも約94vol%、少なくとも約95vol%、少なくとも約96vol%、少なくとも約97vol%、少なくとも約98vol%、少なくとも約99vol%、少なくとも約99.1vol%、少なくとも約99.2vol%、少なくとも約99.3vol%、少なくとも約99.4vol%、少なくとも約99.5vol%、少なくとも約99.6vol%、少なくとも約99.7vol%、少なくとも約99.8vol%、又は少なくとも約99.9vol%のCO2を含む組成物を有することができる。
【0052】
か焼から形成されたガスストリームは、ステップ15で隔離及び/又は利用される。いくつかの実施形態において、ガスストリームは、隔離空間(例えば、地下隔離空間)で隔離することができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームは、CO2に富む燃料として使用することができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームは、植物の成長を促進するために温室に供給することができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームは、樹木又は植物成長を促進するために、制御された用量のCO2に富むガスが使用される環境に供給することができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームは、CO2含有量を増大させるために、さらなる処理に供され得る。いくつかの実施形態において、ガスストリームからのCO2を用いてコンクリートを硬化させることができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームからのCO2は、化学物質(例えば、エタノール)の原料として使用することができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームからのCO2は、炭酸塩飲料に使用することができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームからのCO2は、強化された原油回収のために使用することができる。いくつかの実施形態において、処理は、水の凝縮を含むことができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームを圧縮してガス貯蔵することができる。いくつかの実施形態において、圧縮ガスストリームを共同設置施設内で直接注入することができる。いくつかの実施形態において、圧縮ガスストリームを、隔離することができる場所に輸送することができる。いくつかの実施形態において、ガストリームの一部を利用可能としながら、ガストリームの一部を隔離することができる。
【0053】
ステップ16は、炭酸塩化媒体ストリームを炭酸塩化ステーションに供給することを含む。炭酸塩化媒体は、か焼の生成物であり、炭酸塩化ステーションに供給される。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーションに供給される炭酸塩化媒体ストリームは、リサイクル材料の少なくとも一部を含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、炭酸塩化ステーションに供給する前に粉砕することができる。次いで、プロセスはステップ11で再び開始され、炭酸塩化媒体は周囲空気と接触する。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体を、コンベヤ又は一連のコンベヤを介して、か焼炉から炭酸塩化ステーションに輸送することができる。いくつかの実施形態において、か焼炉を炭酸塩化ステーションよりも高い位置にして、重力によって、炭酸塩化ステーションへの炭酸塩化媒体の搬送を補助することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体のリサイクルにより、超軟化岩は、それぞれの風化ステップの後に、MgCO3、微量CaCO3、及びSiO2等の材料にさらに分けられるようになり、か焼残留物は、MgO及びCaOに益々富むようになり、従って、より反応性が高くなり、連続的なサイクルのための原料として有益になり得る。
【0054】
ステップ17は、ステップ13及び/又はステップ14の任意の先行ステップであり、空気ストリームを処理して酸素ストリームを生成し、その酸素ストリームをか焼炉に供給することを含む。か焼炉に酸素を導入することにより、か焼の品質及び完全性を改善することができる。いくつかの実施形態において、処理が空気分離ユニットを介することができる。いくつかの実施形態において、酸素ストリームは、少なくとも約80vol%、少なくとも約85vol%、少なくとも約90vol%、少なくとも約91vol%、少なくとも約92vol%、少なくとも約93vol%、少なくとも約94vol%、少なくとも約95vol%、少なくとも約96vol%、少なくとも約97vol%、少なくとも約98vol%、少なくとも約99vol%、少なくとも約99.1vol%、少なくとも約99.2vol%、少なくとも約99.3vol%、少なくとも約99.4vol%、少なくとも約99.5vol%、少なくとも約99.6vol%、少なくとも約99.7vol%、少なくとも約99.8vol%、又は少なくとも約99.9vol%のO2を含むことができる。いくつかの実施形態において、か焼炉への酸素ストリームの供給は、ステップ13において、炭素含有ストリームをか焼炉に供給することと少なくとも部分的に同時に行うことができる。いくつかの実施形態において、か焼炉への酸素ストリームの供給は、ステップ14でか焼炉を加熱することと少なくとも部分的に同時に行うことができる。
【0055】
ステップ18は、ステップ15で捕捉されたガスストリームに適用することができる任意の後処理ステップである。ステップ18は、ガスストリームから水を凝縮及び/又はリサイクルすることを含む。ガスストリーム中の水は、隔離及び貯蔵のために、又は燃料として使用するためには望ましくない。ガスストリームから水分を除去することによって、ガスストリームの純度(CO2含有量の点で)が増大し、従って、ガスストリームは、より広範囲の可能な貯蔵場所又は用途を有することができる。いくつかの実施形態において、ガスストリームから捕捉された水がリサイクルされ、炭酸塩化ステーションに供給され得る(すなわち、ステップ12からの水ストリームに添加され得る)。
【0056】
ステップ19は任意であり、吸着剤材料を粉砕して炭酸塩化媒体を形成することを含む。いくつかの実施形態において、収着剤材料は、採掘された材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、収着剤材料を(例えば、か焼炉から)リサイクルすることができる。吸着剤を粉砕することにより、粒径を小さくすることができ、また、単位質量当たりのCO2の吸着を改善することができる。いくつかの実施形態において、粉砕は、ボールミル粉砕機、衝撃粉砕機、コーン粉砕機、又は任意の他の適切な粉砕装置、又はそれらの組み合わせを介して行うことができる。
【0057】
ステップ21は任意であり、炭酸塩化媒体ストリームを水和することを含む。炭酸塩化媒体は、炭酸塩化媒体を炭酸塩化ステーションに供給する前に水和することができる。いくつかの実施形態において、か焼炉(又はマイニングされた炭酸塩化媒体)からの炭酸塩化媒体は、次の反応に従って、水和ステーションで水和されて水酸化物を形成することができる。MeO+H2O→Me(OH)2+熱(式中、Meは、二価の金属カチオンを表す)。
【0058】
炭酸塩化媒体を水和することにより、CO2を捕捉する炭酸塩化媒体の親和性を改善することができる。例えば、Ca(OH)2とCO2との間の反応は、CaOとCO2との間の反応よりも低い活性化エネルギーを有することができる。炭酸塩化ステーションにおける水酸化物を含む炭酸塩化媒体の滞留時間は、水酸化物を含まない炭酸塩化媒体の滞留時間よりも短くすることができる。炭酸塩化媒体の水和は、反応が発熱性であるので、水和反応からの熱の回収を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、水和は、炭酸塩化媒体を湿潤筐体(例えば、その間の全ての値及び範囲が含まれる、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は約100%の相対湿度)に通すことによって達成することができる。いくつかの実施形態において、水和は、水を炭酸塩化媒体上で(例えば、1つ以上の噴霧器を介して)霧化することによって達成することができる。いくつかの実施形態において、水和は、炭酸塩化媒体を水浴に入れることによって達成することができる。
【0059】
図2は、一実施形態による炭素捕捉施設100のブロック図である。図示のように、炭素捕捉施設は、炭酸塩化ステーション110及びか焼炉120を含む。炭素捕捉施設100は、隔離空間130と、粉砕ステーション140と、水和ステーション150と、凝縮空間160と、空気分離ユニット170とを任意で含む。使用に際して、炭酸塩化媒体は、炭酸塩化ステーション110において、空気中のCO
2を吸着し、化学的に反応して、炭素含有ストリームを形成する。炭素含有ストリームは、か焼炉120に供給され、そこで炭素含有ストリームはか焼されて、ガスストリーム及び炭酸塩化媒体ストリームを形成することができる。ガスストリームは、凝縮空間160内でさらなる処理に供され、隔離空間130内に貯蔵され得る。粉砕ステーション140は、炭酸塩化媒体及び/又は炭素含有媒体を粉砕し、炭酸塩化ステーション110及び/又はか焼炉120に供給することができる。水和ステーション150は、任意で、炭素含有ストリームをか焼炉120に供給する前に、炭素含有ストリームを処理することができる。空気分離ユニット170は、空気ストリームをか焼炉に供給する前に、空気ストリームを処理することができる。炭素捕捉施設100は、アルカリ度を利用して、標的化合物(例えば、CO
2)を隔離する。いくつかの実施形態において、炭素捕捉は、標的化合物と炭酸塩化媒体との間の反応を介することができる。いくつかの実施形態において、反応は炭酸塩化反応とすることができる。
【0060】
炭酸塩化ステーション110は、炭酸塩化媒体が周囲空気と接触し、CO2を吸着し、これと反応して炭素含有ストリームとなる場所である。炭酸塩化ステーション110は、CO2接触器を含む。本明細書に記載される接触器のいくつかは、その開示内容全体が、ここに参考文献として援用される特許文献1に記載されたものと同一又は実質的に同様とすることができる。炭酸塩化ステーション110は、炭酸塩化媒体の水分レベル及び/又は局所湿度レベルを所望のレベルに保つために、1つ以上の送水装置を含む。いくつかの実施形態において、送水装置は、1つ以上の噴霧器、ホース、マット、霧化器、スプリンクラー、又は任意の他の適切な送水装置、又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション110は、炭酸塩化媒体を周囲条件に曝露するように配置された複数の炭酸塩化プロットを含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロットのうちの1つ以上を、重質CO2排出物を有する施設の近傍に配置することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロットは、粉末形態の炭酸塩化媒体のシートを含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロットを、積み重ねたカラムに配置することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション110は、炭酸塩化プロットの近傍における周囲空気の動きを測定するために、温度センサ、湿度センサ、及び/又はガス流量計を含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション110は、屋外に配置することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーションは、炭酸塩化媒体を撹拌するための撹拌器具を含むことができる。いくつかの実施形態において、撹拌器具は、混合バー、撹拌ロッド、インペラ、及び/又は撹拌のための任意の他の適切な装置を含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション110は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%のレベルで、炭酸塩化媒体の直近の相対湿度に維持することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション110は、約100%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、又は約10%以下のレベルで、炭酸塩化媒体の直近の相対湿度に維持することができる。炭酸塩化ステーション110における相対湿度の上述の値の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約5%かつ約70%以下、又は少なくとも約20%かつ約40%以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション110は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%の相対湿度に維持することができる。
【0062】
か焼炉120は、炭酸塩化ステーション110から炭素含有ストリームを受け取る。いくつかの実施形態において、か焼炉120は、全流動か焼炉、流動床か焼炉、ロータリーキルンか焼炉、ライザー反応器-か焼炉、分離三次空気ストリームか焼炉、ハイブリッドか焼炉、又は任意の他の適切なか焼炉、又はそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態において、か焼炉120は、オキシ焼成か焼炉、電気焼成か焼炉、ソーラーか焼炉、「カーボンフリー」か焼炉を含むことができる。いくつかの実施形態において、か焼炉120は、他のプロセスから回収された廃熱を使用することができる。いくつかの実施形態において、か焼炉120は、電源に物理的に結合することができる。いくつかの実施形態において、か焼炉120は、電気抵抗加熱によって加熱することができる。いくつかの実施形態において、電気抵抗加熱は、グリッド電力によって電力供給することができる。いくつかの実施形態において、電気抵抗加熱が再生可能な電気によって電力供給することができる。いくつかの実施形態において、再生可能な電気は、風力、太陽光、地熱、原子力、又は任意の他の適切な再生可能なエネルギー源、又はそれらの組み合わせによって供給することができる。いくつかの実施形態において、か焼炉120は、入力及び出力を制御するためのバルブ及びゲートシステムを含むことができる。いくつかの実施形態において、か焼炉120は、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%のか焼効率を有することができ、それらの間の全ての値及び範囲が含まれる。
【0063】
いくつかの実施形態において、か焼炉120は、オキシ焼成か焼炉を含むことができ、空気分離ユニット170及び凝縮器(例えば、凝縮空間160内)に動作可能に結合することができる。空気分離ユニット170では、純粋な又は実質的に純粋な酸素を、か焼炉120に確実に供給することができる。凝縮器は、か焼炉120を出るガスストリームから水を凝縮することができる。これは、燃料燃焼から生成されるCO2の捕捉を可能にし得る。完全燃焼反応は、例示的な燃焼媒体としてメタンを使用して、次の反応に従って進行することができる。CH4(g)+2CO2(g)→CO2(g)+H2O(g)+エネルギー。
【0064】
隔離空間130は任意であり、か焼炉120に流体的に結合される。隔離空間130は、か焼炉120からガスストリームを受け取る。いくつかの実施形態において、凝縮空間160は、隔離空間130がか焼炉120からガスストリームを受け取る前に、又はそれと同時に、ガスストリームから液体を受け取ることができる。いくつかの実施形態において、凝縮器を使用して、ガストリームの純度を高め、ガストリームから水を除去する。水は、凝縮空間160内に受け入れ可能である。水はこのプロセスで利用することができ、又は副生成物として販売することができる。いくつかの実施形態において、炭素捕捉施設100は、ガスストリームがか焼炉120を出るときにガスストリームを処理するための他の後処理装置(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態において、炭素捕捉施設100は、脱水機及び/又は圧縮機を含むことができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、隔離空間130を、か焼炉120と同じ場所に配置することができる。いくつかの実施形態において、隔離空間130は、地下に位置することができる。いくつかの実施形態において、隔離空間130は、か焼炉120の直下に配置することができる。いくつかの実施形態において、隔離空間130は、か焼炉120から充分に離れて配置して、CO2がか焼炉120から隔離空間130に(例えば、送風機及び配管を介して)輸送されるようすることができる。いくつかの実施形態において、隔離空間130は、貯蔵容量を改善するために吸着剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、吸着剤は、活性炭、グラフェン、シリカ、アクリロニトリル、ホスホレン、カーボンナノチューブ、バイオポリマー、金属有機骨格、ゼオライト、グラフト化アミン、又は任意の他の適切な吸着剤又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、隔離空間130は、約1バール(ゲージ)、約2バール、約3バール、約4バール、約5バール、約6バール、約7バール、約8バール、約9バール、約10バール、約15バール、約20バール、約25バール、約30バール、約35バール、約40バール、約50バール、約55バール、約60バール、約65バール、約70バール、約75バール、約80バール、約85バール、約90バール、約95バール、約100バール、約150バール、約200バール、約250バール、約300バール、約350バール、約400バール、約450バール、約500バール、約550バール、約600バール、約650バール、約700バール、約750バール、約800バール、約850バール、約900バール、約950バール、又は約1,000バール(それらの間の全ての値及び範囲が含まれる)の圧力に維持することができる。
【0066】
粉砕ステーション140は、炭素捕捉施設100の任意の構成要素であり、炭酸塩化媒体及び/又は炭素含有ストリームを処理するための粉砕媒体を含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション110及び/又はか焼炉120に供給する前に、採掘された材料を粉砕ステーション140に供給して、採掘された材料の粒径を減少させることができる。いくつかの実施形態において、粉砕媒体は、ボールミル粉砕機、衝撃粉砕機、及び/又はコーン粉砕機を含むことができる。
【0067】
水和ステーション150は、か焼炉120と炭酸塩化ステーション110との間の任意の中間ステーションである。いくつかの実施形態において、か焼炉からの炭酸塩化媒体は、
図1を参照してステップ21で上述したように、水和ステーションで水和されて水酸化物を形成することができる。いくつかの実施形態において、水和ステーションは、水浴、1つ以上の霧化装置(例えば、水噴霧器)、湿潤筐体、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。いくつかの実施形態において、水和ステーション150は、炭酸塩化ステーション110の一部とすることができる。言い換えれば、水和及び炭酸塩化は、同じ場所で行うことができる。
【0068】
空気分離ユニット170は、焼成炉120に空気を供給する前に空気の質を改善するための任意の構成要素である。いくつかの実施形態において、空気分離ユニット170は、酸素に富む空気ストリームをか焼炉120に供給する前に、空気ストリーム中の酸素含有量を増加させることができる。いくつかの実施形態において、空気分離ユニット170は、空気から水を除去するための凝縮器を含むことができる。いくつかの実施形態において、空気分離ユニット170は、か焼炉120に供給するための酸素の純粋なストリームを生成することができる。いくつかの実施形態において、空気分離ユニット170は、か焼炉120に供給する前に、空気分離ユニット170が空気から汚染物質及び不活性物質を除去することができるので、か焼炉120におけるより効率的な燃焼を可能にすることができる。
【0069】
図3は、一実施形態による炭素捕捉施設200のブロック図である。図示のように、炭素捕捉施設200は、炭酸塩化ステーション210、か焼炉220、隔離空間230、粉砕ステーション240、水和ステーション250、凝縮空間260、及び空気分離ユニット270を含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション210、か焼炉220、隔離空間230、粉砕ステーション240、水和ステーション250、凝縮空間260、及び空気分離ユニット270は、
図2を参照して上述したように、炭酸塩化ステーション110、か焼炉120、隔離空間130、粉砕ステーション140、水和ステーション150、凝縮空間160、及び空気分離ユニット170と同じ又は実質的に同様とすることができる。従って、炭酸塩化ステーション210、か焼炉220、隔離空間230、粉砕ステーション240、水和ステーション250、凝縮空間260、及び空気分離ユニット270の特定の態様は、ここではより詳細には記載しない。
【0070】
使用時には、炭酸塩化ステーション210に供給される前に、炭酸塩化媒体ストリームCMSが水和ステーション250を介して処理される。炭酸塩化プロット210で炭酸塩化した後、リサイクル炭素含有ストリームCCS(R)を焼成炉220に供給する。一方、吸着材AMは、粉砕ステーション240に供給され、粉砕されて新たな炭素含有ストリームCCS(N)となる。新しい炭素含有ストリームCCS(N)は、リサイクル炭素含有ストリームCCS(R)と同時にか焼炉に供給される。一方、空気分離ユニット270には空気が供給され、空気分離ユニット270からO2に富むストリームが、か焼炉220に供給される。か焼炉220での処理後、炭素含有ストリームCCS(R)及びCCS(N)は、ガスストリームGS及び炭酸塩化媒体ストリームCMSになる。炭酸塩化媒体ストリームCMSは、ガスストリームGSが隔離空間230に供給される間に、水和ステーション250にフィードバックされる。か焼炉220と隔離空間230との間で、ガスストリーム230が凝縮され、水H2O(R)のリサイクルストリームが凝縮空間260で捕捉される。水H2O(R)のリサイクルストリームは、噴霧器215に供給される。水H2O(N)の新しいストリームも、噴霧器215に供給される。噴霧器215は、炭酸塩化ステーション210に水を噴霧する。
【0071】
炭酸塩化ステーション210は、炭酸塩化プロット211を含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、炭酸塩化プロット内の組成物を周囲の風化に曝露するように配置及び構成することができる。炭酸塩化プロット211は、炭酸塩化プロット211の組成物の表面における温度を最大にするように構成された環境に配置することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、自然環境(例えば、草原、砂漠、山腹)に配置することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、グループへとクラスタ化することができる。いくつかの実施形態において、クラスタ化炭酸塩化プロット211は、炭素捕捉施設200のより効率的な動作のために、他のシステムコンポーネントの集中実装を可能にする。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、地球の全領域(例えば、米国西部の耕作不可能な土地)に分布させることができる。いくつかの実施形態において、複数の炭酸塩化プロット211を、地球全体に分布させる。
【0072】
図示のように、炭酸塩化ステーション210は、9つの炭酸塩化プロット211を含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション210は、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1,000、少なくとも約1,500、少なくとも約2,000、少なくとも約2,500、少なくとも約3,000、少なくとも約3,500、少なくとも約4,000、少なくとも約4,500、少なくとも約5,000、少なくとも約5,500、少なくとも約6,000、少なくとも約6,500、少なくとも約7,500、少なくとも約8,000、少なくとも約8,500、少なくとも約9,000、少なくとも約9,500、少なくとも約10,000、少なくとも約11,000、少なくとも約12,000、少なくとも約13,000、少なくとも約14,000、少なくとも約15,000、少なくとも約16,000、少なくとも約17,000、少なくとも約18,000、少なくとも約19,000、少なくとも約20,000、少なくとも約25,000、少なくとも約30,000、少なくとも約35,000、少なくとも約40,000、少なくとも約45,000、少なくとも約50,000、少なくとも約55,000、少なくとも約60,000、又は少なくとも約65,000の炭酸塩化プロット211を含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション210は、約70,000以下、約65,000以下、約60,000以下、約55,000以下、約50,000以下、約45,000以下、約40,000以下、約35,000以下、約30,000以下、約25,000以下、約20,000以下、約19,000以下、約18,000以下、約17,000以下、約16,000以下、約15,000以下、約14,000以下、約13,000以下、約12,000以下、約11,000以下、約10,000以下、約9,500以下、約9,000以下、約8,500以下、約8,000以下、約7,500以下、約7,000以下、約6,500以下、約6,000以下、約5,500以下、約5,000以下、約4,500以下、約4,000以下、約3,500以下、約3,000以下、約2,500以下、約2,000以下、約1,500以下、約1,000以下、約900以下、約800以下、約700以下、約600以下、約500以下、約400以下、約300以下、約200以下、約100以下、約90以下、約80以下、約70以下、約60以下、約50以下、約40以下、約30以下、約20以下、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下の炭酸塩化プロット211を含む。
【0073】
炭酸塩化ステーション210における上述した数の炭酸塩化プロットの組み合わせも可能である(例えば、少なくとも約2かつ約70,000以下、又は少なくとも約500かつ約5,000以下、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる)。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション210は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1,000、約1,500、約2,000、約2,500、約3,000、約3,500、約4,000、約4,500、約5,000、約5,500、約6,000、約6,500、約7,000、約7,500、約8,000、約8,500、約9,000、約9,500、約10,000、約11,000、約12,000、約13,000、約14,000、約15,000、約16,000、約17,000、約18,000、約19,000、約20,000、約25,000、約30,000、約35,000、約40,000、約45,000、約50,00、約60,000、約65,000、又は約70,000の炭酸塩化プロット211を含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、炭酸塩化媒体のシートを含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、少なくとも10cm、少なくとも約20cm、少なくとも約30cm、少なくとも約40cm、少なくとも約50cm、少なくとも約60cm、少なくとも約70cm、少なくとも約80cm、少なくとも約90cm、少なくとも約1m、少なくとも約1.1m、少なくとも約1.2m、少なくとも約1.2m、少なくとも約1.3m、少なくとも約1.4m、少なくとも約1.5m、少なくとも約2m、少なくとも約2.5m、少なくとも約3m、少なくとも約3.5m、少なくとも約4m、少なくとも約4.5m、少なくとも約5m、少なくとも約5.5m、少なくとも約6m、少なくとも約6.5m、少なくとも約7m、少なくとも約7.5m、少なくとも約8m、少なくとも約8.5m、少なくとも約9m、又は少なくとも約9.5mの長さ及び/又は幅寸法を有することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、約10m以下、約9.5m以下、約9m以下、約8.5m以下、約8m以下、約7.5m以下、約7m以下、約6.5m以下、約6m以下、約5.5m以下、約5m以下、約4.5m以下、約4m以下、約3.5m以下、約3m以下、約2.5m以下、約2m以下、約1.9m以下、約1.8m以下、約1.7m以下、約1.6m以下、約1.5m以下、約1.4m、約1.3m以下、約1.2m以下、約1.1m以下、約1m以下、約90cm以下、約80cm以下、約70cm以下、約60cm以下、約50cm以下、約40cm以下、約30cm以下、又は約20cm以下の長さ及び/又は幅寸法を有することができる。炭酸塩化プロット211の上述の長さ及び幅寸法の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約10cmかつ約10m以下、又は少なくとも約50cmかつ約5m以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、約10cm、約20cm、約30cm、約40cm、約50cm、約60cm、約70cm、約80cm、約90cm、約1m、約1.1m、約1.2m、約1.3m、約1.4m、約1.5m、約1.6m、約1.7m、約1.8m、約1.9m、約2m、約2.5m、約3m、約3.5m、約4m、約4.5m、約5m、約5.5m、約6m、約6.5m、約7m、約7.5m、約8m、約8.5m、約9m、約9.5m、又は約10mの長さ及び/又は幅寸法を有することができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、炭酸塩化媒体粉末及び/又は小石の薄いシートを含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約1cm、少なくとも約2cm、少なくとも約3cm、少なくとも約4cm、少なくとも約5cm、少なくとも約6cm、少なくとも約7cm、少なくとも約8cm、少なくとも約9cm、少なくとも約10cm、少なくとも約20cm、少なくとも約30cm、少なくとも約40cmの厚さを有するシートを含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、約50cm以下、約40cm以下、約30cm以下、約20cm以下、約10cm以下、約9cm以下、約8cm以下、約7cm以下、約6cm以下、約5cm以下、約4cm以下、約3cm以下、約2cm以下、約1cm以下、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、又は約2mm以下の厚さを有するシートを含むことができる。上述のシート厚さの組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約1mmかつ約50cm以下、又は少なくとも約5mmかつ約1cm以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約1cm、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約20cm、約30cm、約40cm、又は約50cmの厚さを有するシートを含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211の各々は、少なくとも約1,000トン、少なくとも約2,000トン、少なくとも約3,000トン、少なくとも約4,000トン、少なくとも約5,000トン、少なくとも約6,000トン、少なくとも約7,000トン、少なくとも約8,000トン、少なくとも約9,000トン、少なくとも約10,000トン、少なくとも約20,000トン、少なくとも約30,000トン、少なくとも約40,000トン、又は少なくとも約50,000トンの炭酸塩化媒体を含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211の各々は、約60,000トン以下、約50,000トン以下、約40,000トン以下、約30,000トン以下、約20,000トン以下、約10,000トン以下、約9,000トン以下、約8,000トン以下、約7,000トン以下、約6,000トン以下、約5,000トン以下、約4,000トン以下、約3,000トン以下、又は約2,000トン以下の炭酸塩化媒体を含むことができる。上述の量の炭酸塩化媒体の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約1,000トンかつ約60,000トン以下、又は少なくとも約5,000トンかつ約40,000トン以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211の各々は、約1,000トン、約2,000トン、約3,000トン、約4,000トン、約5,000トン、約6,000トン、約7,000トン、約8,000トン、約9,000トン、約10,000トン、約20,000トン、約30,000トン、約40,000トン、約50,000トン、又は約60,000トンの炭酸塩化媒体を含むことができる。
【0077】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211の炭酸塩化媒体の薄いシートは、トレイ内に配置することができる。いくつかの実施形態において、トレイは、垂直に積み重ねることができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211の各々は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1,000、少なくとも約1,500、少なくとも約2,000、少なくとも約2,500、少なくとも約3,000、少なくとも約3,500、少なくとも約4,000、又は少なくとも約4,500のトレイを含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、約5,000以下、約4,500以下、約4,000以下、約3,500以下、約3,000以下、約2,500以下、約2,000以下、約1,500以下、約1,000以下、約900以下、約800以下、約700以下、約600以下、約500以下、約400以下、約300以下、約200以下、約100以下、約90以下、約80以下、約70以下、約60以下、約50以下、約40以下、約30以下、約20以下、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、又は約2以下のトレイを含むことができる。炭酸塩化プロット211の各々における上述の数のトレイの組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約1かつ約5,000以下、又は少なくとも約50かつ約500以下)、それらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、トレイは垂直に積み重ねることができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211の各々は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1,000、約1,500、約2,000、約2,500、約3,000、約3,500、約4,000、約4,500、又は約5,000のトレイを含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット211は、炭酸塩化媒体の粉末を含むことができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、小石又は大きな岩の形態とすることができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約20μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、少なくとも約60μm、少なくとも約70μm、少なくとも約80μm、少なくとも約90μm、少なくとも約100μm、少なくとも約200μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約500μm、少なくとも約600μm、少なくとも約700μm、少なくとも約800μm、少なくとも約900μm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約1cm、少なくとも約2cm、少なくとも約3cm、又は少なくとも約4cmの平均粒径を有することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約5cm以下、約4cm以下、約3cm以下、約2cm以下、約1cm以下、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、又は約10μm以下の平均粒径を有することができる。
【0079】
上述の粒径の組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約10μmかつ約5cm以下、又は少なくとも約100μmかつ約1cm以下)、これらの間の全ての値及び範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体は、約5μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約1cm、少なくとも約2cm、約3cm、約4cm、又は約5cmの平均粒径を有することができる。
【0080】
図4は、一実施形態による炭酸塩化ステーション310を示す。図示のように、炭酸塩化ステーション310は、炭酸塩化プロット311及び噴霧器315を含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション310、炭酸塩化プロット311、及び噴霧器315は、
図3を参照して上述したように、炭酸塩化ステーション210、炭酸塩化プロット211、及び噴霧器215と同じ又は実質的に同様とすることができる。従って、炭酸塩化ステーション310、炭酸塩化プロット311、及び噴霧器315の特定の態様は、ここではより詳細には記載しない。図示のように、噴霧器315は、炭酸塩化ステーション310内の所望の水分レベルを維持するために、炭酸塩化プロット311に水を噴霧する。いくつかの実施形態において、噴霧器315が連続的に霧化することができる。いくつかの実施形態において、噴霧器315は、間隔をおいて霧化することができる。いくつかの実施形態において、噴霧器315は、固定されていてもよい。いくつかの実施形態において、噴霧器315は、噴霧器315によってカバーされる地面を最大化するために、炭酸塩化プロット311の上方から横方向に移動することができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩化プロット311は、噴霧器315の上下に配置することができ、噴霧器は、上下に噴霧して、水を炭酸塩化プロット311に送達することができる。
【0081】
図5は、か焼炉420及び隔離空間430を取り囲む炭酸塩化ステーション410の配置を示す。図示のように、炭酸塩化ステーションは、複数の炭酸塩化プロット411を含む。いくつかの実施形態において、炭酸塩化ステーション410、炭酸塩化プロット411、か焼炉420、及び隔離空間430は、
図3を参照して上述したように、炭酸塩化ステーション210、炭酸塩化プロット211、か焼炉220、及び隔離空間230と同じ又は実質的に同様とすることができる。従って、炭酸塩化プロット411、か焼炉420、及び隔離空間430の特定の態様は、ここではより詳細には記載しない。
【0082】
図5は、か焼炉420を取り囲む炭酸塩化プロット411を有する炭酸塩化ステーション410のレイアウトを示す。これは、炭酸塩化媒体と、プロセスユニット間の処理のために移動する炭素含有ストリームとの距離を最小限にするので、有利なレイアウトであり得る。いくつかの実施形態において、炭酸塩化媒体及び炭素含有ストリームを輸送するためのエネルギーコストを最小限に抑えるために、炭酸塩化プロット411は、焼成炉420の周りに円形パターン、楕円形パターン、正方形パターン、矩形パターン、又は任意の他の適切なパターンで配置することができる。いくつかの実施形態において、複数の炭酸塩化プロット411の完了日を調整して、それらを中央再生施設に供給できるようにすることができる。コンベアCは、か焼炉420を取り囲み、炭酸塩化ステーション410と、か焼炉420との間で材料を輸送する。
【0083】
実施例
実施例1:30gのCaO及び30gのCa(OH)
2粉末をペトリ皿に入れ、それらのCO
2取り込みを10日間にわたって測定した。1gの水を2時間毎にCaOに添加し、1gの水を2.4時間毎にCa(OH)
2に添加した。
図6は、これらの粉末のCO
2取り込みデータを示す。y軸は、1秒で取り込まれるそれぞれの粉末のCO
2重量分率を示す。示されるように、10日間にわたって、Ca(OH)
2はより高い取り込み速度で開始され、2つの粉末は、3日目頃から同様に機能する。両方の粉末は、10日間にわたってCO
2取り込みの減少となり、CaO及びCa(OH)
2のより多くがCaCO
3に変換される。取り込み速度の低下は、経時的に遅くなる。CaO及びCa(OH)
2の完全凝集に適合するように、モデル曲線を作成した。モデル曲線は、残存反応物の減少量に作用する開始取り込み速度1.2E-6wt分率/sを示す。この速度が持続する場合、14日間で75%の炭酸塩化を生じさせることができる。
【0084】
実施例2:30gのCaO及び30gのCa(OH)
2粉末をペトリ皿に入れ、それらのCO
2取り込みを16日間にわたって測定した。6時間毎に1.5グラムの水をCaOに添加し、6時間毎に1.5グラムの水をCa(OH)
2に添加した。
図7は、これらの粉末のCO
2取り込みデータを示す。y軸は、1秒で取り込まれるそれぞれの粉末のCO
2重量分率を示す。平均で、CaOは6E-7wt分率/s取り込み、Ca(OH)
2は5.6E-7wt分率/sを取り込む。両方の粉末の開始取り込み速度は、約1.2E-6wt分率/sである。この速度が持続する場合、14日間で75%の炭酸塩化を生じさせることができる。
【0085】
実施例3:30gのCaO及び30gのCa(OH)
2粉末をペトリ皿に入れ、それらのCO
2取り込みを16日間にわたって測定した。CaO及びCa(OH)
2の異なる試料に水を添加した。水を、6時間当たり、0.5、1、1.5、及び2グラムの速度でCaOに添加した。水を、6時間毎に1.5gの速度でCa(OH)
2に添加した。取り込み速度を
図8にプロットする。最良の取り込み性能は、1.5グラムを6時間毎に添加した粉末で観察された。
【0086】
実施例4:Ca(OH)
2粉末をペトリ皿に入れ、その取り込みを2日間にわたって測定した。約2グラムの水を24時間毎に粉末に添加した。
図9は、2日間にわたる粉末の取り込み日を示す。上位傾向ラインは、一定の有効な取り込み速度(物質の単位質量当たりの二酸化炭素が一定)であり、一方、下位ラインは、指数関数的速度の法則と一致するCa(OH)
2の消費の減少である。結果は、最初の2日間にわたり、有効な取り込み速度の減衰が観察されないことを実証している。
【0087】
実施例5:50gのMgO粉末をペトリ皿に入れ、CO
2の取り込みを、周囲空気に曝露して約75日間試験した。MgO製造ブランドは、Baymag、Premier、及びCalix(3つの異なるサンプル)であった。
図10は、それぞれのMgO試料のCO
2取り込み及び環境における相対湿度を示す。水を、様々な間隔で各試料に5~30mLの量で添加した。示されるように、CO
2取り込みは、全ての試料にわたって、それぞれの水分の追加とともに大幅に増大する。
図11は、各試料に対する水添加の効果を示す。示されるように、少量から中程度の量の水を添加することはCO
2の取り込みを改善し、一方、多すぎる水を添加することは粉末を過飽和にし、CO
2の取り込みを妨げる可能性がある。
【0088】
実施例6:
図12は、仮想MgOループ処理の材料及びエネルギーバランスを示す。
図12は、プロットベース毎の材料及びエネルギーの流れを表す。システムは、同時に多くのプロットで動作する。しかしながら、プロットは、それらの完了時間が調整されているので、一度に1つのプロットのみが処理される。全体的なプロットの数を決定して、か焼ユニットの連続運転を確実とし、繰り返しの起動及び停止に関連するコストを排除した。
【0089】
実施例7:Li-COR土壌フラックス装置を用いて、空気とMgO、CaO、及びCa(OH)2との反応を介してCO2のフラックスを測定し、固形炭酸塩鉱物を形成した。これらのフラックスの時系列を作成することによって、CO2の取り込み変化を経時的に観察することができる。Li-COR装置のチャンバーのヘッドスペースでCO2濃度を測定した。Li-COR装置をチューブ上に下降させてシールを形成し、チャンバーを周囲空気から分離した。これにより、Li-COR装置はヘッドスペースからガスを引き、それをガス分析ユニットに循環させることができる。ガス分析計は、光フィードバックキャビティ増強吸光分光法(OF-CEAS)を用いて、混合ガス中のCO2の濃度を決定する。次いで、ガス分析器は、ガスをリサイクルしてチャンバーのヘッドスペースに戻す。時間に対して、ヘッドスペースCO2濃度を測定することにより、固形炭酸塩鉱物を生成するための、空気からのCO2フラックスの推定値が得られる。毎秒1平方メートル当たりのマイクロモルで最初に報告されるフラックス値は、毎秒消費される反応物の重量分率、又は毎秒1立方メートル当たりの反応物表面積のモル数で、CO2取り込み速度に変換することができる。
【0090】
第1の組の実験では、Premier Magnesiaから得られた材料を用いて、厚さ2~9mmのMgO粉末の8つの異なった層へのCO2の取り込みを評価した。8つの異なる試料は、MgOの単位質量当たりのCO2取り込み速度が類似していることが示された。理論に拘束されることを望むものではないが、これは、9mmまでの層厚さは、MgO粉末中へのCO2の拡散が反応の進行を制限しないことを示している。理論に拘束されることを望むものではないが、同様の追加の実験では、3cmまでのMgOの層厚さは、MgO反応物の単位質量当たりのCO2取り込み速度に影響を与えないことを示している。同様の実験を繰り返し、3つの異なる市販MgO供給業者:Baymag、Kalix、及びPremierについて、CO2取り込みの変動性を実験した。異なる供給者からの材料間に認識できる速度差はなかった。
【0091】
種々の条件下での継続した実験では、周囲空気とCaO、Ca(OH)2及びMgO(±Mg(OH)2)との反応を介したCO2取り込みに対して同様の速度が得られた。いくつかの実験では、約2週間の期間にわたって、1秒当たり、約1.2E-6及び4E-7重量分率の初期酸化物材料から徐々に減少するほぼ一定の観察された速度が得られた。そのような値は、2~6週間で実験出発原料の75%の炭酸塩化をもたらす可能性がある。しかしながら、反応日後に残存する酸化物反応物の量は減少するので、実際の速度が一定であっても、測定されたCO2取り込みは経時的に減少する。指数関数的適合を使用して、毎秒消費される残存する酸化物材料の重量分率を決定することができ、2週間以上にわたって一定で毎秒約1.2E-6の範囲内の最良適合(最速及び最低可変速度によるいくつかの実験について)が得られる。この速度だと、2週間の反応後に75%の炭酸塩化を生じるはずである。
【0092】
理論に拘束されることを望むものではないが、空気からのCO2除去だけでは、最小粒径ではないようである。しかしながら、所望のCO2取り込み速度を得ることができる粒子が大きいほど、それらの粒子が環境へと失われる可能性は低くなる。加えて、材料損失は、材料の減衰を保つことで対処され、従って、吹き飛ばされたりこぼれたりする可能性が低くなる。TEAでは、炭酸塩化及びか焼の各サイクルにおける酸化物材料の実質的な損失が仮定された。か焼後の蒸気処理、同様に他の活性化方法は、CO2取り込み能力が低下したマグネシウムを再生することができる。これは、追加の資源を抽出することなく、使用済みMgOを補充するのを補うことができる。
【0093】
様々な概念は、少なくとも1つの例が提供された1つ以上の方法として具現化され得る。方法の一部として実行される行為は、任意の適切な方法で順序付けられ得る。従って、図示されているものとは異なる順序で動作が実行される実施形態が構築され得、例示的な実施形態において、順次動作として示されていても、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る。言い換えると、そのような特徴は、必ずしも特定の実行順序に限定されず、むしろ、本開示と一致する方法で、連続して、非同期的に、同時に、並列に、同時期に、同期して、等、実行し得る任意の数のスレッド、プロセス、サービス、サーバ等に限定され得ることを理解されたい。従って、これらの特徴のいくつかは、単一の実施形態において同時に存在することができないという点で、相互に矛盾し得る。同様に、いくつかの特徴はイノベーションの一態様に適用可能であり、他のものには適用不可である。
【0094】
加えて、本開示は、現在記載されていない他のイノベーションを含み得る。出願人は、そのようなイノベーションの実施、追加の出願、継続、一部継続、分割等の権利を含む、そのようなイノベーションにおける全ての権利を留保する。従って、本開示の利点、実施形態、実施例、機能、特徴、論理、動作、組織、構造、トポロジー、及び/又は他の態様は、実施形態によって定義される本開示の限定、又は実施形態の等価物の限定と見なされるべきではないことを理解されたい。個々の及び/又は企業ユーザ、データベース構成及び/又はリレーショナルモデル、データタイプ、データ送信及び/又はネットワークフレームワーク、シンタックス構造等の特定の要望及び/又は特性に応じて、本明細書で開示される技術の様々な実施形態は、本明細書で説明されるように、多大な柔軟性及びカスタマイズを可能にする方法で実施され得る。
【0095】
全ての定義は、本明細書中で定義されかつ用いられるように、辞書的定義、引用により援用された文献での定義、及び/又は定義された用語の通常の意味で管理されると理解されるべきである。
【0096】
本明細書で使用される場合、特定の実施形態において、数値に先行する場合の「約」又は「およそ」という用語は、範囲の10%プラス又はマイナスの値を示す。値の範囲が提供される場合、文脈で別途明確に指示されない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその記載された範囲における任意の他の記載された値又は介在値は、本開示内に包含されると理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれ得ることはまた、記載された範囲における任意の具体的に除外された限界に従うことを条件として、本開示内に包含される。記載された範囲が限定の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限定のいずれか又は両方を除外する範囲も本開示に含まれる。
【0097】
本明細書及び実施形態において使用される不定冠詞「1つの(a及びan)」は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるものとする。
【0098】
本明細書及び実施形態において使用される「及び/又は」という語句は、そのように結合された要素、すなわち、ある場合には連繋的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」でリストされた多数の要素は、同じように、すなわち、そのように連結された要素の「1つ以上」と解釈されるべきである。他の要素は、任意で、具体的に特定されたそれらの要素に関連するか関連しないかを問わず、「及び/又は」という句によって具体的に識別された要素以外で存在してもよい。このように、非限定的な例として、「A及び/又はB」の言及は、「含む」のようなオープン-エンデット言語と組み合わせて用いた場合、一実施形態においては、Aのみ(任意で、B以外の要素を含む)を指すことができ、他の実施形態においては、Bのみ(任意で、A以外の要素を含む)を指すことができ、さらに他の実施形態においては、A及びBの両方(任意で、他の要素を含む)等を指すことができる。
【0099】
本明細書及び実施形態において使用される場合、「又は」は、上記で定義された「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中で項目を分離する場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的で、すなわち、要素の数又はリスト、及び、任意で、さらなるリストされていない項目の、少なくとも1つ、また2つ以上を含めると解釈されるべきである。「のうちの1つのみ」又は「のうちの正確に1つ」等、又は実施形態において使用される場合、「からなる」等、明確に反対の指示される用語のみが、要素の数又はリストの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「又は」という用語は、排他性という用語、例えば「のいずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、又は「のうちの正確に1つ」が先行する場合、排他的代替物(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「から実質的になる」という用語は、実施形態で使用される場合、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有するものとする。
【0100】
本明細書及び実施形態において使用される場合、1つ以上の要素のリストに関して「少なくとも1つ」という句は、要素のリスト中の要素のうちの任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト中に具体的に列挙される各要素及び全ての要素のうちの少なくとも1つを含み、要素のリスト中の要素の任意の組合せを排除しないことを意味すると理解されたい。この定義は、具体的に識別された要素に関連するか又は関連しないかを問わず、「少なくとも1つ」という句が言及する要素のリスト内で具体的に識別される要素以外で、要素が所望により存在してもよいことを許容する。このように、非限定的な例として、「A及びBのうち少なくとも1つ」(又は、同等に、「A又はBのうち少なくとも1つ」、又は同等に、「A及び/又はBのうち少なくとも1つ」)は、一実施形態において、任意で、2つ以上を含む、少なくとも1つのAを指し、Bは存在せず(任意で、B以外の要素を含む)、他の実施形態において、任意で2つ以上を含む、少なくとも1つのBを指し、Aは存在せず(任意で、A以外の要素を含む)、さらに他の実施形態において、任意で、2つ以上を含む、少なくとも1つのAと、任意で2つ以上を含む、少なくとも1つのB(任意で、他の要素を含む)とを含む、等を指すことができる。
【0101】
上記の実施形態及び本明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「含む(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」等の全ての移行句は、オープンエンド、すなわち、含むがそれらに限定されない、という意味である。「からなる(consisting of)」及び「から実質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみが、米国特許庁の特許審査手続マニュアル第2111.03条に記載されているように、それぞれクローズド又はセミクローズドの移行句である。
【0102】
本開示の特定の実施形態を上記で概説したが、多くの代替、修正、及び変形が当業者には明らかであろう。従って、本明細書に記載される実施形態は、限定ではなく、例示であることが意図される。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得る。上記の方法及びステップが特定の順序で生じる特定のイベントを示す場合、本開示の利益を有する当業者は、特定のステップの順序を修正され得、そのような修正は、本発明の変形に従うことを認識するであろう。加えて、ステップのうちのいくつかは、可能な場合、並列のプロセスで同時に実行されてもよく、同様に、上述した通り、連続して実行されてもよい。実施形態を具体的に示し、説明されたが、形態及び詳細における様々な変更がなされ得ると理解されるであろう。
【国際調査報告】