(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】HASPINの阻害剤としてのイミダゾ[1,2-b]ピリダジン系三環式化合物及びその治療的使用
(51)【国際特許分類】
C07D 491/147 20060101AFI20240312BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240312BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240312BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240312BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240312BHJP
A61K 31/5025 20060101ALI20240312BHJP
A61K 31/5383 20060101ALI20240312BHJP
C07D 498/14 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C07D491/147 CSP
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
A61K31/5025
A61K31/5383
C07D498/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554380
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2022057636
(87)【国際公開番号】W WO2022200433
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523281397
【氏名又は名称】ファンダシオン デル セクター パブリコ エスタタル セントロ ナショナル ド インベスティゲイシオネス オンコロジカス カルロス スリー(エフ.エス.ピー.シーエヌアイオー)
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】パスター フェルナンデス,ホアキン
(72)【発明者】
【氏名】マルチネス ゴンザレス,ソニア
(72)【発明者】
【氏名】ブランコ アパリシオ,カルメン
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ガルシア,アナ ベレン
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス アリステギ,ソンソレス
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス デ ラ オリビア,クリスティナ アナ
(72)【発明者】
【氏名】アルバラン サンチノ,マリア イザベル
(72)【発明者】
【氏名】セブリア ゴメス,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】マルンブレス マルチネス,マルコス
【テーマコード(参考)】
4C050
4C072
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050DD07
4C050DD08
4C050EE03
4C050FF02
4C050GG04
4C050HH04
4C072AA01
4C072BB03
4C072CC04
4C072CC11
4C072EE07
4C072FF04
4C072GG01
4C072GG08
4C072HH01
4C072HH07
4C072UU01
4C084AA19
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZC20
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、HASPINの阻害剤である、式(I)
【化1】
のイミダゾ[1,2-b]ピリダジンに基づく三環性母核を有する化合物の一群に関し、HASPINの活性が、ある特定の腫瘍性細胞の増殖に必要とされることから、本発明の化合物は、単独かもしくは化学療法薬と組み合わせたがんの予防及び/または治療に有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
の化合物[式中、
R
1は、以下の基、すなわち、H、ハロ、CF
3から選択され、
R
2a及びR
2bは、独立して、以下の基、すなわち、
- H
- OHもしくは複素環により置換されているアルキルC
1-C
6であって、前記複素環がハロにより任意選択で置換されている、前記アルキルC
1-C
6、
- OHもしくはアルキルC
1-C
4により置換されているシクロアルキルC
3-C
6、から選択されるか、
またはR
2a及びR
2bが連結されて、それらが結合しているN原子と一緒になって環を形成し、かつ、R
2a及びR
2bが、アルキルC
1-C
4により任意選択で置換されている同じもしくは異なるアルキレンC
1-C
3であり、前記アルキルがOHもしくはNH
2により任意選択で置換されており、
X及びYは、独立して、O、CH
2、N(アルキルC
1-C
4)から選択され、R
3は、アルキルC
1-C
4により任意選択で置換されているアルキレンC
1-C
2であるが、ただし、X及びYの一方はOでなければならないこと、ならびにX、Y及びR
3によって形成される環が芳香族ではないこと、を条件とする]、
あるいはその薬学的に許容されるエステル、アミド、溶媒和物または塩。
【請求項2】
R
1が、Cl、F、CF
3から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
2aがHであり、R
2bが、OHにより置換されているアルキルC
1-C
4またはFにより任意選択で置換されている4-ピペリジニルから選択される、請求項1または2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
R
2aがHであり、R
2bが、OH及びアルキルC
1-C
2により置換されている、シクロアルキルC
6である、請求項1または2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R
2a及びR
2bが、連結されて、それらが結合しているN原子と一緒になって環を形成し、かつ、R
2aがアルキレンC
3であり、R
2bが、NH
2により任意選択で置換されているアルキルC
1-C
2により任意選択で置換されているアルキレンC
2である、請求項1または2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
X及びYが、独立して、O、CH
2、N-CH
3から選択され、R
3が、メチルにより任意選択で置換されている、アルキレンC
2またはアルキレンC
1である、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が、以下の一覧:
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(1)
- C-{1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(2)
- C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)
- C-{(R)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(4)
-4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(5)
- (4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-(2-メチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-アミン(6)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(7)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-4-イルメチル-アミン(10)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-ブタン-1-オール(12)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(13)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(14)
- [2,6-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル-ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-4-イルメチル-アミン(15)
- (2,6-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-4-イルメチル-アミン(17)
- 4-[3-(2-フルオロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(18)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(25)
- 4-(2,9-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール(27)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(28)
- 4-[2,9-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル-ピリジン-4-イル)-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(29)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(33)
- [(R)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(34)
- [(S)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(35)、から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が、以下の一覧:
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(1)
- C-{1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(2)
- C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)
- C-{(R)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(4)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(5)
- (4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-(2-メチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-アミン(6)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(7)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-4-イルメチル-アミン(10)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-ブタン-1-オール(12)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(13)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(14)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(25)
- 4-(2,9-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール(27)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(28)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(33)
- [(R)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(34)
- [(S)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(35)、から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が、C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
医薬品としての、単独か、または少なくとも1つの化学療法薬と組み合わせた使用のための、請求項1~9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
前記化学療法薬が、セマガセスタット、パゾパニブ、BYL-719、フルベストラント、エルロチニブ、MK-2206、CAL-101、イデラリシブ、ジスルフィラム、リコリノスタット、ACY-1215、エレスクロモール、GDC-0941またはそれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載の使用のための化合物。
【請求項12】
がんの予防または治療における、単独か、もしくは少なくとも1つの化学療法薬と組み合わせた使用のための、請求項1~9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
前記がんが、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病、膵癌、胆嚢癌、膀胱癌、前立腺癌、黒色腫、乳癌、または卵巣癌から選択される、請求項12に記載の使用のための化合物。
【請求項14】
前記化学療法薬が、セマガセスタット、パゾパニブ、BYL-719、フルベストラント、エルロチニブ、MK-2206、CAL-101、イデラリシブ、ジスルフィラム、リコリノスタット、ACY-1215、エレスクロモール、GDC-0941またはそれらの組み合わせから選択される、請求項12または13のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項15】
請求項1~9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物と、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と、を含む医薬組成物。
【請求項16】
少なくとも1つの化学療法薬をさらに含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記化学療法薬が、セマガセスタット、パゾパニブ、BYL-719、フルベストラント、エルロチニブ、MK-2206、CAL-101、イデラリシブ、ジスルフィラム、リコリノスタット、ACY-1215、エレスクロモール、GDC-0941またはそれらの組み合わせから選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
医薬品として使用するための、請求項15~17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
がんの予防または治療に使用するための、請求項15~17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記がんが、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病、膵癌、胆嚢癌、膀胱癌、前立腺癌、黒色腫、乳癌、または卵巣癌から選択される、請求項19に記載の使用のための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼHASPINの阻害剤である、イミダゾ[1,2-b]ピリダジンに基づく三環性母核を有する化合物の一群に関する。本発明の化合物は、HASPINに依存するがんの治療に有用である。したがって、本発明は、薬理学または医薬品化学の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
HASPIN(生殖細胞特異的遺伝子2タンパク質/GSG2、または一倍体生殖細胞特異的核タンパク質キナーゼとしても知られる)は、セリン/トレオニンキナーゼである。そのキナーゼドメインはプロテインキナーゼePKドメインに似たコンホメーションを示すが、典型的なePKメンバーとは極めて重要な点で異なる。HASPINには、保存されたATP/Mg2+結合モチーフAsp-Phe-Gly(DFG)が欠け、Asp-Tyr-Thr(DYT)に置き換えられており、かつ、通常は活性化セグメントのC末端に見られるモチーフAla-Pro-Glu(APE)も欠けている。HASPINは、活性になるために活性化ループのリン酸化を必要とせず、インビトロではHASPINのキナーゼドメイン単独で活性である。したがって、HASPINは、非定型ePKファミリーメンバーに分類されることが多い。
【0003】
HASPINは、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病(Dave et al.,The New England Journal of Medicine.2006,354(23),2431-2442)、膵癌(PDAC)(Bastea et al.,Sci Rep.2019 Nov 12;9(1):16588)、胆嚢癌(GBC)(Zhu et al.,Exp Cell Res.2020 May 15;390(2))、膀胱癌(Chen et al.,Aging(Albany NY).2020 May 21;12(10):8858-8879)、前立腺癌(PCa)(Yu et al.,Int J Oncol.2020 Jul;57(1):139-150)及び卵巣癌(Huang et al.,Oncogene.2020 May;39(21):4312-4322)等の一部の悪性腫瘍で過剰発現している。膵癌では、HASPINの発現レベルが高い腫瘍のある患者は、その発現レベルが低い腫瘍のある患者と比較して、生存率の低下を示した。さらに、GBCにおけるHASPINの発現が上方制御されており、GBCの病理学的グレードと正の相関を示すことが分かった。また、HASPINは、正常組織と比較すると膀胱癌組織において上方制御されていることが分かり、その高発現は、より進行した悪性グレード及び低生存率と相関している。さらに、HASPINの発現は、PCaの発症及び進行と大きく関連している。最後に、卵巣癌では、HASPINの上方制御は腫瘍の悪性度及びAJCCステージと正に相関し、患者の予後と負に相関する。
【0004】
HASPINのノックダウン後、GBC細胞の増殖能及びクローン形成能、ならびにインビボでのGBC増殖が阻害された(Zhu et al.Exp Cell Res.2020 May 15;390(2))。膵癌細胞でのHASPINのノックダウンもまた、細胞の増殖、コロニー形成及び遊走を阻害し(inhibited)、細胞周期をG2期で阻害し(blocked)、細胞アポトーシスを誘導した(Han,X.et al.,Experimental Cell Research 2019,385(1),111605)。膀胱癌細胞では、インビボにおいて、GSG2の過剰発現/ノックダウンが、増殖、コロニー形成及び遊走を促進/阻害する一方で、細胞アポトーシスを阻害/促進し、HASPINのノックダウンは膀胱癌細胞の造腫瘍性を抑制する。KIF15は、膀胱癌におけるHASPINの潜在的標的として同定されている(Chen et al.2020)。さらに、前立腺癌細胞株では、インビトロ及びインビボの両方において、HASPINのノックダウンが細胞増殖及びコロニー形成を抑制し、アポトーシスを促進した(Yu et al.2020)。さらに、HASPINは、Plk1と共に、全キノームsiRNAスクリーニングにおいて上位にヒットしたキナーゼの1つとして同定されており、その枯渇により、MCF7乳癌細胞での細胞の生存能力及びエストロゲン受容体の転写活性の両方が低下した(Bhola et al.,Cancer Research.2015 Jan 15;75(2):405-414)。また、HASPINは、FGF2に媒介される、EGFR阻害に対する耐性において上方制御が最も高いタンパク質の1つとして報告されている。これらの細胞はHASPIN阻害に対して感受性が非常に高く、EGFR/HASPIN-iの組み合わせは、任意の治療単独よりもはるかに有効である。その場合、HASPIN-iとEGFR-iの組み合わせが、マイトジェンに媒介されるEGFR-Iに対する耐性を予防するための選択肢であり得る(Koch et al.,J.Proteome Res.2016 Dec 2;15(12):4490-4504)。最後に、HASPINの枯渇は、VX-680治療(AURORA-i)、具体的にはオーロラキナーゼBの阻害による治療との合成致死性の相互作用を示した(Huang et al.Oncogene.2020 May;39(21):4312-4322)。
【0005】
文書WO2013/005041は、がんまたは増殖性疾患の治療に有用な(PIMファミリー等の)脂質キナーゼ阻害剤である、非芳香族三環を有するイミダゾ[1,2-b]ピリダジン化合物に言及している。US2011/0312934には、置換イミダゾ[1,2-b]ピリダジン化合物、ならびにカゼインキナーゼ1-イプシロン及び/または1-デルタが関与する疾患、例えば、疾患の中でも特にがんの、予防の治療におけるそれらの使用が記載されている。論文J.Enzyme Inhib.and Med.Chem 2020,35(1),1840-1853には、Haspinの阻害活性及び様々なヒトがん細胞株に対する抗増殖特性を示すCHR-6494に基づく、一連のイミダゾピリダジンが記載されている。
【0006】
したがって、HASPIN等の、その活性が腫瘍細胞増殖に必要とされるキナーゼの有効な阻害剤を得ることは、がん治療に対する良好な手法となることから、必要性が明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、HASPINの阻害剤である、イミダゾ[1,2-b]ピリダジンに基づく三環性母核を有する一群の化合物に関する。上記のように、ある特定の腫瘍性細胞におけるHASPINの役割に関して、これらの化合物は、がんの治療及び/または予防に有用である。
【0008】
したがって、第1の態様では、本発明は、式(I):
【化1】
[式中、
R
1は、以下の基、すなわち、H、ハロ、CF
3から選択され、
R
2a及びR
2bは、独立して、以下の基、すなわち、
- H
- OHもしくは複素環により置換されているアルキルC
1-C
6であって、前記複素環がハロにより任意選択で置換されている、アルキルC
1-C
6、
- OHもしくはアルキルC
1-C
4により置換されているシクロアルキルC
3-C
6、から選択されるか、
またはR
2a及びR
2bが連結されて、それらが結合しているN原子と一緒になって環を形成し、かつ、R
2a及びR
2bが、アルキルC
1-C
4により任意選択で置換されている同じもしくは異なるアルキレンC
1-C
3であり、前記アルキルがOHもしくはNH
2により任意選択で置換されており、
X及びYは、独立して、O、CH
2、N(アルキルC
1-C
4)から選択され、R
3は、アルキルC
1-C
4により任意選択で置換されているアルキレンC
1-C
2であるが、ただし、X及びYの一方はOでなければならないこと、ならびにX、Y及びR
3によって形成される環が芳香族ではないこと、を条件とする]の化合物、
またはその薬学的に許容されるエステル、アミド、溶媒和物もしくは塩に関する。
【0009】
好ましくは、本発明の式(I)の化合物では、R1は、Cl、F、CF3から選択される。
【0010】
好ましくは、本発明の式(I)の化合物では、R2aはHであり、R2bは、OHにより置換されているアルキルC1-C4またはFにより任意選択で置換されている4-ピペリジニルから選択される。
【0011】
好ましくは、本発明の式(I)の化合物では、R2aはHであり、R2bは、OH及びアルキルC1-C2により置換されている、シクロアルキルC6である。
【0012】
好ましくは、本発明の式(I)の化合物では、R2a及びR2bは、連結されて、それらが結合しているN原子と一緒になって環を形成し、かつ、R2aはアルキレンC3であり、R2bは、NH2により任意選択で置換されているアルキルC1-C2により任意選択で置換されているアルキレンC2である。
【0013】
好ましくは、本発明の式(I)の化合物では、X及びYは、独立して、O、CH2、N-CH3から選択され、R3は、メチルにより任意選択で置換されている、アルキレンC2またはアルキレンC1である。
【0014】
好ましくは、本発明の式(I)の化合物は、以下の一覧から選択される:
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(1)
- C-{1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(2)
- C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)
- C-{(R)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(4)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(5)
- (4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-(2-メチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-アミン(6)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(7)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-4-イルメチル-アミン(10)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-ブタン-1-オール(12)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(13)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(14)
- [2,6-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル-ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-4-イルメチル-アミン(15)
- (2,6-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-4-イルメチル-アミン(17)
- 4-[3-(2-フルオロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(18)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(25)
- 4-(2,9-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール(27)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(28)
- 4-[2,9-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル-ピリジン-4-イル)-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(29)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(33)
- [(R)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(34)
- [(S)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(35)。
【0015】
より好ましくは、本発明の式(I)の化合物は、以下の一覧から選択される:
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(1)
- C-{1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(2)
- C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)
- C-{(R)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(4)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(5)
- (4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-(2-メチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-アミン(6)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(7)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-4-イルメチル-アミン(10)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-ブタン-1-オール(12)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(13)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(14)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(25)
- 4-(2,9-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール(27)
- 4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール(28)
- [3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(33)
- [(R)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(34)
- [(S)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン(35)。
【0016】
より好ましくは、式(I)の化合物は、C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)である。
【0017】
本発明の別の態様は、単独または少なくとも1つの化学療法薬と組み合わせた、医薬品として使用するための前述のような式(I)の化合物に関する。好ましくは、本発明の化合物は、以下のような既知の化学療法薬と組み合わせられ得る(例によって示されるように、例えば、例のうちのある化合物が、組み合わせて用いられ、細胞増殖性をインビトロで阻害する場合):
(I)セメガセスタット(Semegacestat)等のγセクレターゼ阻害剤
(II)パゾパニブ等の、VEGFR1、VEGFR2、VEGFR3、PDGFR、FGFR、c-Kit及びc-Fms/CSF1Rのマルチターゲット阻害剤
(III)アルペリシブ(Alpelisib)(BYL-719)等のPI3Kα阻害剤
(IV)フルベストラント等のエストロゲン受容体(ER)拮抗薬
(V)エルロチニブ等のEGFR阻害剤
(VI)MK-2206等の汎AKT阻害剤
(VII)イデラシブ(Idelasib)(CAL-101)等のPI3Kδ阻害剤
(VIII)ジスルフィラム等のALDH阻害剤
(IX)リコンリノスタット(Riconlinostat)等のHDAC6阻害剤
(X)STA-4783(エレスクロモール(Elesclomol))等の酸化ストレス誘導物質
(XI)ピクチリシブ(Pictilisib)(GDC-0941)等のPI3Kα/δ阻害剤、またはそれらの任意の組み合わせ。
【0018】
本発明の別の態様は、単独または上述のもの等の少なくとも1つの化学療法薬と組み合わせた、がんの予防または治療における使用のための前述のような式(I)の化合物に関する。
【0019】
より好ましくは、がんは、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病、膵癌、胆嚢癌、膀胱癌、前立腺癌、黒色腫、乳癌、または卵巣癌から選択される。
【0020】
より好ましくは、第1及び第2の両方の医学的使用において、式(I)の化合物は、C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)である、及び/または化学療法薬は、セマガセスタット、パゾパニブ、BYL-719、フルベストラント、エルロチニブ、MK-2206、CAL-101、イデラリシブ、ジスルフィラム、リコリノスタット、ACY-1215、エレスクロモール、GDC-0941もしくはそれらの組み合わせから選択される。
【0021】
本発明の別の態様は、前述のような式(I)の化合物を含む医薬組成物及び薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体に関する。この組成物は、好ましくは上述のものから選択される化学療法薬を含んでもよい。
【0022】
好ましくは、この医薬組成物において、式(I)の化合物は、C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)であり、化学療法薬は、セマガセスタット、パゾパニブ、BYL-719、フルベストラント、エルロチニブ、MK-2206、CAL-101、イデラリシブ、ジスルフィラム、リコリノスタット、ACY-1215、エレスクロモール、GDC-0941またはそれらの組み合わせから選択される。
【0023】
本発明の別の態様は、医薬品として使用するための上記のような医薬組成物に関する。
【0024】
本発明の別の態様は、好ましくはバーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病、膵癌、胆嚢癌、膀胱癌、前立腺癌、黒色腫、乳癌、もしくは卵巣癌から選択されるがんの、予防または治療に使用するための上記のような医薬組成物に関する。
【0025】
本発明において、用語「アルキル」とは、1~6個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子を有する、直鎖状または分岐した炭化水素鎖ラジカルであって、分子の残りの部分に単結合により結合するもの、例えば、プロピル、エチル、メチル、イソプロピル、ブチル、ペンチル等を指す。これらのアルキル・ラジカルは、1つ以上の位置において、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミン、アミド、オキソ、シアノ、ハロゲン、アリール等のような1つ以上の基により任意選択で置換されていてよい。
【0026】
本発明において、用語「アルキレン」とは、1~4個の炭素原子、好ましくは1~2個の炭素原子を有する、異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去によってアルカンから誘導されると見なされる二価の飽和脂肪族ラジカルであって、2つの単結合により分子の残りの部分に結合するもの、例えば、エチレン、プロピレン、イソプロピレン等を指す。これらのアルキル・ラジカルは、1つ以上の位置において、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミン、アミド、オキソ、シアノ、ハロゲン、アリール等のような1つ以上の基により任意選択で置換されていてよい。
【0027】
本発明において、用語「シクロアルキル」とは、好ましくは3~6個の炭素原子、より好ましくは6個の炭素原子を有する、完全または部分的に飽和の、炭素原子及び水素原子を含む非芳香族の単環式または多環式の環であって、炭素原子と水素原子のみにより形成されるものを指す。それらは、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミン、アミド、シアノ等のような1つ以上の基により任意選択で置換されていてよい。アルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本発明において、用語「複素環」とは、炭素原子及び水素原子ならびに少なくとも1つのヘテロ原子(窒素、酸素または硫黄)を含む、非芳香族の単環式または多環式の環を指す。好ましくは、1つ以上のヘテロ原子を有する4~8員環であり、より好ましくは、1つ以上のヘテロ原子を有する5員環または6員環である。それらは、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミン、アミド、シアノ等のような1つ以上の基により任意選択で置換されていてよい。複素環基の例としては、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
【0030】
式(I)によって表される本発明の化合物、より具体的には、先に記載のこの一般式に属する特定の化合物には、多重結合の存在に応じて異性体が含まれ得(例えば、Z、E)、これには、キラル中心の存在に応じて光学異性体または鏡像異性体が含まれる。個々の異性体、鏡像異性体またはジアステレオ異性体及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に入る。個々の鏡像異性体またはジアステレオ異性体、及びそれらの混合物は、従来の技術により分離可能である。
【0031】
本発明の化合物は、遊離化合物として結晶形態にある場合もあれば、溶媒和物形態にある場合もあり、両形態とも本発明の範囲内であることが意図される。この意味では、用語「溶媒和物」には、本明細書で使用される場合、薬学的に許容される溶媒和物、言い換えれば、医薬品を製造するために使用することができる、式(I)の化合物の溶媒和物、及び薬学的に許容される溶媒和物または塩を生産するために有用であり得る薬学的に許容されない溶媒和物の両方が含まれる。薬学的に許容される溶媒和物の性質は、それが薬学的に許容される限りは重要ではない。特定の実施形態では、溶媒和物は水和物である。溶媒和物は、当業者に既知の従来の溶媒和方法により取得することができる。
【0032】
治療用途の場合、式(I)の化合物、それらの塩または溶媒和物は、好ましくは薬学的に許容されるかまたは実質的に純粋な形態、言い換えれば、希釈剤及び担体等の標準薬物を除き、かつ、標準用量で毒性を示すと見なされる材料を含めない、純度が薬学的に許容されるレベルである形態でもたらされる。活性成分の純度レベルは、好ましくは50%より高く、より好ましくは70%より高く、より好ましくは90%より高い。好ましい実施形態では、それらは、式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物について95%より高い。
【0033】
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る化学療法薬は、ヒトでの使用が承認されている、または臨床試験の過程にある、及び/または前記承認までの過程にある、任意の化学療法薬であり得る。前記化学療法薬の例は、例えば、特許第EP3341376号及び当該技術分野の他の文書に見出され得、好ましくは上記のものであり得る。
【0034】
用語「賦形剤、希釈剤または担体」は、有効成分がそれを介して投与される、分子実体または物質に関する。そのような医薬用賦形剤、希釈剤または担体は、水及び油等の滅菌液、例えば、ピーナツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油及び同様の油のような、石油、動物、植物もしくは合成に由来するもの、賦形剤、崩壊剤、保潤剤または希釈物(dilutes)であり得る。好適な医薬用賦形剤及び担体は、当該技術分野で当業者に既知である。
【0035】
治療的使用のための式(I)の化合物は、薬学的に許容される希釈剤で固形物形態または水性懸濁液に調製される。これらの調製物は、任意の適切な投与経路を介して投与され得、そのため、前記調製物は、選択された投与経路に好適な剤形で製剤化される。特定の実施形態では、本発明により提供される式(I)の化合物は、経口、局所、直腸内または非経口(皮下、腹腔内、皮内、筋肉内、静脈内等を含む)で投与される。医薬品を投与するための様々な剤形及びそれらを得るために必要な賦形剤についての総括は、欧州及び米国の標準薬局方に見出すことができる。
【0036】
併用療法を提供するために、本発明に記載の化合物、それらの薬学的に許容される塩、及び溶媒和物、ならびにそれらを含有する医薬組成物を、他の追加の薬物と併せて使用することができる。前記追加の薬物は、同じ医薬組成物の一部を形成する場合もあれば、別法として、式(I)の化合物を含む医薬組成物、またはその薬学的に許容される溶媒和物もしくは塩の投与と同時かまたは別の投与のための別々の組成物の形態で提供される場合もある。
【0037】
本発明の別の追加の態様は、がんを治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療的有効量の上記の式(I)の化合物を投与することを含む方法に関する。この化合物は、単独か、または当該技術分野で公知の少なくとも1つの化学療法薬、好ましくは、セマガセスタット、パゾパニブ、BYL-719、フルベストラント、エルロチニブ、MK-2206、CAL-101、イデラリシブ、ジスルフィラム、リコリノスタット、ACY-1215、エレスクロモール、GDC-0941もしくはそれらの組み合わせから選択されるものと組み合わせて投与され得る。例えば、化合物は、式(I)の化合物は、C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン(3)である。
【0038】
本記載で使用される意味において、「治療的有効量」という表現は、初代培養細胞での増殖レベルに対して影響を与えることができる薬剤または化合物の量を指し、インビボで必要とされる効果を生み出すよう算出され、一般に、側面の中でも特に、患者の年齢、状態、変化または障害の重症度、投与経路及び投与頻度を含めた化合物の固有の特性によって決定される。一般に、投与される式(I)の化合物の治療的有効量は、要因の中でも特に、治療されるべき個体、個体が罹患している疾患の重症度、選択された投与形態等に応じて異なる。この理由から、本発明で言及される用量は、前述の可変要素に従って用量を調整しなければならない当業者のためのガイドとしてのみ考慮されなければならない。ただし、式(I)の化合物は、1日1回以上、例えば、1日1回、2回、3回または4回、0.1~1,000mg/kg体重(body weight)/日、好ましくは10mg/kg体重(body mass)/日で構成される典型的な1日の総量で投与され得る。
【0039】
本発明の化合物は、式(I)の化合物もしくはそれらの混合物が単独か、または他の治療もしくは医療処置、例えば、放射線治療もしくは免疫療法等と組み合わせて使用されるプロトコルでの使用に適合している。
【0040】
本明細書で言及される個々の特徴(例えば、好ましい特徴)はすべて、単独で採用される場合もあれば、本明細書で言及される任意の他の特徴(好ましい特徴を含む)と組み合わせて採用される場合もある(したがって、好ましい特徴は、他の好ましい特徴と併せて、またはそれらとは独立して採用され得る)。
【0041】
本記載及び特許請求の範囲を通じて、「含む」という語及びその変形は、他の技術的特徴、添加物、構成要素またはステップを除外することを意図するものではない。当業者には、本発明の他の目的、利点及び特徴が、一部は本記載から、また一部は本発明の実施から明らかになるであろう。以下の実施例及び図面は、例示を目的として提供されており、本発明の範囲を限定することは意図していない。
【実施例】
【0042】
A.本発明の化合物の合成のための一般方法
実施例1.化合物番号1:[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン
中間体VII(40mg、0.072mmol)のDCM溶液(2mL)をTFA(80μL、1.08mmol)で処理し、混合物を室温で2時間30分撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を、SCX-2カートリッジで0%~10%のNH
3(MeOH中7N)含有MeOHの溶媒グラジエントを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物番号1(白色固体、25mg、81%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.05分, m/z = 431.10 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.45 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 6.39 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 4.39 - 4.27 (m, 2H), 3.56 (dd, J = 20.7, 6.1 Hz, 2H), 3.34 (s, 3H), 2.70 (m, 4H), 2.50 (2H dmsoのシグナル下), 2.81 - 2.61 (m, 4H), 2.04 (dd, J = 12.7, 8.0 Hz, 2H), 1.71 (dd, J = 23.9, 11.8 Hz, 3H), 1.62 - 1.46 (m, 1H).
【化2】
【0043】
実施例2.化合物番号2:C-{1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン
中間体X(25mg、0.049mmol)のDCM溶液(1mL)をTFA(75μL、0.98mmol)で処理した。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を、SCX-2カートリッジで0%~10%のNH
3(MeOH中7N)含有MeOHの溶媒グラジエントを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、HPLCにより精製して、化合物番号2(白色固体、6mg、30%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 5.12分, m/z = 413.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.48 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 5.4, 1.4 Hz, 1H), 4.55 - 4.32 (m, 2H), 3.54 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.38 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 2.78 (dd, J = 20.6, 8.6 Hz, 1H), 2.76 - 2.60 (m, 3H), 2.53 (s, 3H), 2.50 (2H dmsoのシグナル下), 2.06 - 1.71 (m, 5H), 1.61 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 1.18 (m, 1H).
【化3】
【0044】
実施例3.化合物番号3:C-{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン
中間体XIII(28mg、0.055mmol)のDCM溶液(2mL)をTFA(63μL、0.825mmol)で処理し、混合物を室温で2時間30分撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を、SCX-2カートリッジで0%~10%のNH
3(MeOH中7N)含有MeOHの溶媒グラジエントを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、HPLCにより精製して、化合物番号3をギ酸塩(白色固体、6mg、24%)として得た。LCMS (ESI): Rt = 2.47分, m/z = 413.20 = [M+H]
+. ee = 100%(キラルICでHPLCにより決定);Hept/EtOH/ EDA: 70/30/0.1;89.7分.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.48 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.05 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 5.4, 1.4 Hz, 1H), 4.42 (m, 2H), 3.53 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.37 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 2.91 - 2.55 (m, 1H), 2.76 - 2.60 (m, 4H), 2.53 (s, 3H), 2.50 (2H dmsoのシグナル下), 2.06 - 1.71 (m, 5H), 1.62 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 1.18 (m, 1H).
【化4】
【0045】
実施例4.化合物番号4:C-{(R)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イル}-メチルアミン
中間体XVI(46mg、0.090mmol)のDCM溶液(3mL)をTFA(0.15mL、2.25mmol)で処理した。混合物を室温で4時間撹拌し、その後、それを真空下で濃縮した。残渣を、最初にSCX-2カートリッジで0%~5%のNH
3(MeOH中7N)含有MeOHの溶媒グラジエントを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、HPLCにより精製して、化合物番号4をギ酸塩(白色固体、23mg、56%)として得た。LCMS (ESI): Rt = 2.37分, m/z = 413.20 = [M+H]
+. ee = 100%(キラルICでHPLCにより決定);Hept/EtOH/ EDA: 70/30/0.1;76.6分.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.48 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.07 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 5.4, 1.4 Hz, 1H), 4.62 - 4.27 (m, 2H), 3.53 - 3.37 (2H水のシグナル下), 2.91 - 2.55 (m, 2H), 2.74 - 2.63 (m, 2H), 2.54 (s, 3H), 2.50 (2H dmsoのシグナル下), 1.89- 1.72 (m, 2H), 1.62 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 1.18 (m, 1H).
【化5】
【0046】
実施例5.化合物番号5:4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール
中間体XVIII(39mg、0.15mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(23mg、0.225mmol)、PdCl
2dppf(8mg、0.015mmol)及びCs
2CO
3(64mg、0.30mmol)をジオキサン中で混合し、混合物入り圧力管を120℃で2時間30分加熱した。混合物をセライトパッドに通して濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、0%~5%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、HPLCにより精製して、化合物番号5(白色固体、3mg、7%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.55分, m/z = 428.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.43 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 5.93 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.35 - 4.26 (m, 2H), 3.55 (br s, 1H 部分的に水のシグナル下), 2.50 (3H dmsoのシグナル下), 2.43 (dd, J = 8.5, 4.8 Hz, 2H), 2.03 (dt, J = 14.7, 5.3 Hz, 2H), 1.74 (m, 4H), 1.61 (m, 2H), 1.43 (m, 2H), 1.13 (s, 3H).
【化6】
【0047】
実施例6.化合物番号6:(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-(2-メチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-アミン
中間体XIX(45mg、0.091mmol)のDCM溶液(2mL)をTFA(0.1mL、1.365mmol)で処理し、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残渣を、SCX-2カートリッジで0%~5%のNH
3(MeOH中7N)含有MeOHの溶媒グラジエントを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物番号6(白色固体、28mg、78%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 2.56分, m/z = 397.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.63 (dd, J = 4.6, 1.6 Hz, 2H), 7.84 (dd, J = 4.6, 1.6 Hz, 12H), 6.26 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 4.40 - 4.23 (m, 2H), 3.55 (dd, J = 20.5, 6.2 Hz, 2H), 2.70 (m, 4H), 2.50 (m, 2H dmsoのシグナル下), 2.46 (s, 3H), 2.05 (m, 2H), 1.73 - 1.41 (m, 4H).
【化7】
【0048】
実施例7.化合物番号7:4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール
中間体XXIII(50mg、0.126mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(30mg、0.189mmol)、Cs
2CO
3(68mg、0.252mmol)及びPdCl
2dppf(10mg、0.013mmol)を、ジオキサン溶液(1.5mL)と水(0.15mL)との混合液中で混合し、圧力管に入れて120℃で2時間30分加熱した。混合物を酢酸エチルに取り、水を加えた。層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、濃縮した。残渣を、0%~5%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、その後、それを0%~5%のMeOH含有DCMのグラジエントを使用して再精製した。HPLCでの追加の精製により、化合物番号7(白色固体、8mg、14%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.19分, m/z = 482.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.45 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.74 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.36 - 5.14 (m, 1H), 4.07 (s, 1H), 3.56 (m, 1H), 3.29 - 3.23 (m, 2H), 2.80 - 2.65 (m, 2H), 2.50 (3H, dmsoのシグナル下), 1.69 (m, 4H), 1.61 (m, 2H), 1.47 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.13 (s, 3H).
【化8】
【0049】
実施例8.化合物番号10:[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-4-イルメチル-アミン
中間体XXX(26mg、0.05mmol)のジオキサン溶液(1.5mL)に、4M HClのジオキサン溶液(0.3mL)を加えた。得られた混合物を18時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。残渣を、最初にシリカで0%~5%のMeOH含有DCM、その後、5%~10%のNH
3(MeOH中7N)含有DCMの溶媒グラジエントを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製した。必要な生成物をカラムから回収し、それをジエチルエーテルで2回トリチュレートして、化合物番号10(白色固体、4mg、19%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 0.35分, m/z = 428.30 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.44 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.76 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 6.70 - 6.61 (m, 1H), 4.38 (d, J = 3.7 Hz, 2H), 3.28 - 3.08 (m, 4H), 2.91 - 2.78 (m, 1H), 2.65 (s, 3H), 2.45 (3H, dmsoのシグナル下), 2.04 - 1.94 (m, 2H), 1.92 - 1.80 (m, 2H), 1.50 - 1.28 (m, 4H).
【化9】
【0050】
実施例9.化合物番号12:4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-ブタン-1-オール
中間体XXXII(62mg、0.15mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(30mg、0.20mmol)、Cs
2CO
3(160mg、0.47mmol)、Pd(dppf)Cl
2(15mg)の混合物を溶解させたジオキサン溶液(1.5mL)と水(0.2mL)との混合液を封管に入れて120℃で5時間加熱した。暗色の混合物を冷却し、セライトパッドに通して濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、25%~100%のEtOAc含有ヘキサン及び5%のMeOHの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。得られた必要な生成物をジエチルエーテルでトリチュレートし、化合物番号12(白色固体、18mg、30%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.04分, m/z = 403.10 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.42 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.78 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 6.40 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.42 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.39 - 4.32 (m, 2H), 3.44 - 3.36 (m, 2H), 3.32 - 3.18 (m, 2H), 3.18 - 3.08 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.48 (3H,dmsoのシグナル下), 1.77 - 1.57 (m, 2H), 1.58 - 1.42 (m, 2H).
【化10】
【0051】
実施例10.化合物番号13:4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール
中間体XXXIV(40mg、0.08mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(20mg、0.1mmol)、Pd(dppf)Cl
2(8mg)、Cs
2CO
3(85mg、0.3mmol)の混合物を溶解させたジオキサン溶液(1mL)と水(0.2mL)との混合液を封管に入れて100℃で3時間加熱した。暗色の混合物を冷却し、セライトパッドに通して濾過し、DCMですすぎ、真空下で濃縮した。粗生成物を、0%~5%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。得られた生成物をジエチルエーテルでトリチュレートして、化合物番号13(クリーム色の固体、9mg、23%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.38分, m/z = 443.20 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.42 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 5.72 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.39 - 4.29 (m, 2H), 4.07 (s, 1H), 3.71 - 3.49 (m, 1H), 3.19 - 3.11 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.48 (3H,dmsoのシグナル下), 1.85 - 1.67 (m, 4H), 1.68 - 1.53 (m, 2H), 1.50 - 1.33 (m, 2H), 1.13 (s, 4H).
【化11】
【0052】
実施例11.化合物番号14:4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール
中間体XXXVI(20mg、0.04mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(10mg、0.05mmol)、Cs
2CO
3(30mg、0.09mmol)、Pd(dppf)Cl
2(5mg)の混合物を溶解させたジオキサン溶液(0.5mL)と水(0.05mL)との混合液を封管に入れて3時間加熱した。暗色の混合物を冷却し、セライトパッドに通して濾過し、DCMですすいだ。濾液を濃縮し、粗生成物を、25%~100%のEtOAc含有cHex及び10%のMeOHの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。得られた生成物を分取HPLCによってさらに精製し、化合物番号14をギ酸塩(白色固体、5mg、25%)として得た。LCMS (ESI): Rt = 3.44分, m/z = 443.20 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.42 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 5.72 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.39 - 4.29 (m, 2H), 4.07 (s, 1H), 3.71 - 3.49 (m, 1H), 3.19 - 3.11 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.48 (3H,dmsoのシグナル下), 1.85 - 1.67 (m, 4H), 1.68 - 1.53 (m, 2H), 1.50 - 1.33 (m, 2H), 1.13 (s, 3H).
【化12】
【0053】
実施例12.化合物番号15:[2,6-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル-ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-4-イルメチル-アミン
中間体XXXVII(15mg、0.02mmol)のジオキサン溶液(1mL)と4M HClのジオキサン溶液(0.1mL)との混合物を24時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を、最初に0%~5%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエント、次いで、5%~10%のNH
3(MeOH中7N)含有DCMのグラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、必要な生成物15(白色固体、7mg、52%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 0.37分, m/z = 462.20 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm d 8.79 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.01 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.59 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.42 - 4.34 (m, 2H), 3.26 - 3.13 (m, 5H), 2.92 - 2.74 (m, 2H), 2.66 (s, 3H), 2.44 (3H,dmsoのシグナル下), 2.10 - 1.93 (m, 2H), 1.86 - 1.73 (m, 2H), 1.40 - 1.28 (m, 2H).
【化13】
【0054】
実施例13.化合物番号17:(2,6-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-4-イルメチル-アミン
中間体XXXVIII(45mg、0.09mmol)のジオキサン溶液(1mL)と、4M HClのジオキサン溶液(0.150mL)との混合物を24時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を、最初に0%~5%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエント、次いで、5%~10%のNH
3(MeOH中7N)含有DCMのグラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、必要な化合物番号17(白色固体、5mg、15%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 0.42分, m/z = 394.20 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.67 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 3.7 Hz, 2H), 4.38 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.24 - 3.12 (m, 5H), 2.92 - 2.76 (m, 1H), 2.66 (s, 2H), 2.47 (3H, dmsoのシグナル下), 2.12 - 1.93 (m, 2H), 1.90 - 1.74 (m, 2H), 1.40 - 1.28 (m, 2H).
【化14】
【0055】
実施例14.化合物番号18:4-[3-(2-フルオロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール
中間体XXXIV(40mg、0.08mmol)、2-フルオロピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステル(25mg、0.1mmol)、Pd(dppf)Cl
2(15mg)、Cs
2CO
3(85mg、0.3mmol)の混合物を溶解させたジオキサン溶液(1mL)と水(0.2mL)との混合液を110℃で2時間加熱した。暗色の混合物を冷却し、セライトパッドに通して濾過し、DCMですすぎ、真空下で濃縮した。得られた粗生成物を、25%~100%のEtOAc含有cHex及び5%のMeOHの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物を得、それを分取HPLCによって再度精製し、化合物番号18をギ酸塩(白色固体、11mg、29%)として得た。LCMS (ESI): Rt = 3.30分, m/z = 427.30 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.26 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.73 (dd, J = 5.4, 1.9 Hz, 1H), 5.79 - 5.69 (m, 1H), 4.43 - 4.31 (m, 2H), 4.07 (s, 1H), 3.64 - 3.49 (m, 1H), 3.19 - 3.11 (m, 2H), 2.65 (s, 3H), 2.46 (s, 3H dmsoのシグナル下), 1.87 - 1.71 (m, 4H), 1.70 - 1.53 (m, 2H), 1.47 - 1.33 (m, 2H), 1.14 (s, 3H).
【化15】
【0056】
実施例15.化合物番号25:[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン
中間体XLI(46mg、0.084mmol)のDCM溶液(2mL)をTFA(0.25mL、2.106mmol)で処理し、90分間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させて濾過し、濃縮した。残渣を、0%~10%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、HPLCにより精製して、化合物番号25をギ酸塩(黄色固体、5mg、13%)として得た。LCMS (ESI): Rt = 2.10分, m/z = 446.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.44 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.74 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 6.30 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.30 (s, 2H), 3.54 (s, 3H), 3.60 - 3.46 (m, 2H), 3.41 (m, 2H), 3.07 - 2.90 (m, 2H), 2.83 (m, 2H), 2.50 (s, 3H dmsoのシグナル下), 1.82 (m, 3H), 1.72 (m, 1H).
【化16】
【0057】
実施例16.化合物番号27:4-(2,9-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール
中間体XLV(64mg、0.15mmol)、ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステル(48mg、0.225mmol)、Pd(dppf)Cl
2(13mg、0.015mmol)及びCs
2CO
3(102mg、0.30mmol)の混合物を溶解させた1,4-ジオキサン溶液(1.5mL)とH
2O(0.2mL)との混合液を封管に入れて100℃で18時間加熱した。混合物を、H
2OとDCMとに分配した。水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、0%~5%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、その後、それを20%~70%のEtOAc/MeOH(9:1)含有cHexのグラジエントを使用して再精製し、化合物番号27(白色固体、14mg、22%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 6.36及び6.66分, m/z = 409.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.65 (dd, J = 4.6, 1.6 Hz, 2H), 7.89 (dd, J = 4.7, 1.6 Hz, 2H), 5.67 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.35 - 4.32 (m, 2H), 4.11 (s, 1H), 3.58 (s, 3H), 3.30 (3H水のシグナル下), 2.64 - 2.62 (m, 1H), 2.53 (s, 3H), 1.84 - 1.63 (m, 6H), 1.47 - 1.41 (m, 2H), 1.20 (s, 3H).
【化17】
【0058】
実施例17.化合物番号28:4-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール
中間体XLV(47mg、1当量、0.115mmol)、2-クロロ-ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステル(27mg、0.172mmol)、Pd(dppf)Cl
2(9mg、0.012mmol)及びCs
2CO
3(75mg、0.23mmol)の混合物を溶解させた1,4-ジオキサン溶液(1.2mL)とH
2O(0.15mL)との混合液を封管に入れて110℃で3時間加熱した。反応を、H
2OとDCMとに分配した。水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させて濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、0%~5%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物番号28(固体、17mg、34%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.87分, m/z = 443.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.41 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.69 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 5.72 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.40 - 4.14 (m, 2H), 4.04 (s, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.38 (m, 2H,水のシグナル下), 2.50 (3H dmsoのシグナル下), 2.49 - 2.43 (m, 1H), 1.80 - 1.51 (m, 6H), 1.48 - 1.34 (m, 2H), 1.12 (s, 3H).
【化18】
【0059】
実施例18.化合物番号29:4-[2,9-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル-ピリジン-4-イル)-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-1-メチル-シクロヘキサノール
中間体LXV(12mg、0.03mmol)、cis-4-アミノ-1-メチル-シクロヘキサノール(6mg、0.05mmol)、Na
tBuO(10mg、0.06mmol)、Xantphos(5mg、0.002mmol)及びPd
2(dba)
3(5mg)の混合物のジオキサン溶液(0.5mL)を100℃で1時間、マイクロ波照射下で加熱した。暗色の混合物をセライトパッドに通して濾過してDCMですすぎ、濾液を真空下で濃縮した。粗生成物を、最初に50%~100%のEtOAc含有cHex、その後、0%~5%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。得られた生成物をメタノールでトリチュレートして、必要な化合物番号29(結晶白色固体、5mg、33%)を得た。LCMS (ESI): Rt =4.02分, m/z = 477.20 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.76 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.91 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 7.53 (br s, 1H), 5.71 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.28 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 4.02 (s, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.39 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 2.44 (3H,dmsoのシグナル下), 1.77 - 1.63 (m, 4H), 1.62 - 1.53 (m, 2H), 1.38 - 1.29 (m, 2H), 1.10 (s, 3H).
【化19】
【0060】
実施例19.化合物番号33:[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン
中間体LIV(80mg、0.151mmol)のDCM溶液(3mL)をTFA(0.29mL、3.775mmol)で処理し、混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残渣を、SCX-2カートリッジで0%~5%のNH
3(MeOH中7N)含有MeOHの溶媒グラジエントを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、HPLCにより精製して、化合物番号33をギ酸塩(白色固体、24mg、37%)として得た。LCMS (ESI): Rt = 5.00分, m/z = 431.10 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.48 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.78 (dd, J = 5.3, 1.3 Hz, 1H), 6.83 (s, 1H), 5.31 (dd, J = 15.4, 6.6 Hz, 1H), 3.60 (2H水のシグナル下), 3.34 (dd, J = 15.6, 9.6 Hz, 1H), 2.99 (m, 2H), 2.90 - 2.64 (m, 3H), 2.50 (s, 3H dmsoのシグナル下), 1.85 (m, 3H), 1.70 (m, 1H), 1.49 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【化20】
【0061】
実施例20、実施例21.化合物番号34及び35:
[(R)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン及び[(S)-3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イル]-(4-フルオロ-ピペリジン-4-イルメチル)-アミン.
ラセミ生成物33を、以下のとおりキラル分取HPLCによってその鏡像異性体に分離した:キラルIC;Hept/EtOH/EDA:70/30/0.1;2mL/分;50分;230nm。第1の化合物はRt1=37.184分で溶出した。それを採取し、真空下で濃縮し、次いで、EDAを、DCM-MeOH-NH
3(MeOH中7N)9:1:0.1で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって除去し、化合物番号34(白色固体、4mg、鏡像異性体Rとして無作為割り付け)を得た。第2の化合物は、Rt2=45.176分で溶出した。それを採取し、真空下で濃縮し、次いで、EDAを、DCM-MeOH(7:3)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって除去し、化合物番号35(オフホワイトの固体、5mg、鏡像異性体Sとして無作為割り付け)を得た。
化合物番号34:95%ee;キラルIC、Hept/EtOH/EDA 70/30/0.1;0.8mL/分;30分;Rt=21.40分。LCMS (ESI): Rt = 5.00分, m/z = 431.10 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.47 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 6.74 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 5.40 - 5.22 (m, 1H), 3.57 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 2.50 (s, 3H dmsoのシグナル下), 2.82 - 2.61 (m, 5H), 1.76 - 1.51 (m, 4H), 1.49 (d, J = 6.3 Hz, 3H).
化合物番号35:95%ee;キラルIC、Hept/EtOH/EDA 70/30/0.1;0.8mL/分;30分;230nm、Rt=26.10分。LCMS (ESI): Rt = 5.00分, m/z = 431.10 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.47 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 6.74 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 5.39 - 5.24 (m, 1H), 3.57 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 2.50 (s, 3H dmsoのシグナル下), 2.82 - 2.61 (m, 5H), 1.62 (m, 4H), 1.49 (d, J = 6.3 Hz, 3H).
【化21】
【0062】
中間体の合成
8-アリルオキシ-6-クロロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、中間体I
8-ブロモ-6-クロロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(4.6g、18.66mmol)のアセトニトリル溶液(62mL)、アリルアルコール(1.9mL、27.99mmol)及びCs
2CO
3(9.1g、27.99mmol)を圧力管に入れて75℃で週末にわたり加熱した。さらなるアリルアルコール(0.6mL)及びCs
2CO
3(3g)を加え、混合物をさらに撹拌し、3時間加熱した。酢酸エチル及び水を加えた。層を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。粗生成物を、0%~30%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体I(白色固体、2.36g、56%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 2.91分, m/z = 224.10 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.98 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.20 - 5.98 (m, 1H), 5.50 (dq, J = 17.2, 1.6 Hz, 1H), 5.37 (ddd, J = 10.5, 2.8, 1.2 Hz, 1H), 4.90 (dt, J = 5.5, 1.3 Hz, 2H), 2.33 (d, J = 0.7 Hz, 3H).
【化22】
【0063】
7-アリル-6-クロロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-オール、中間体II
中間体I(2.36g、10.55mmol)のt-BuOH溶液(42mL)を圧力管に入れて175℃で48時間加熱した。懸濁液の固体を濾過してジエチルエーテルで洗浄し、所望の生成物の第1のバッチを白色固体として得た。濾液を濃縮し、t-BuOHに再溶解して、再び24時間加熱した。生成物の新たなバッチを得た。工程を再び繰り返し、中間体II(白色固体、2.11g、89%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.20分, m/z = 224.10 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.82 (s, 1H), 5.94 - 5.70 (m, 1H), 4.96 (dd, J = 13.6, 5.3 Hz, 2H), 3.34 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 2.34 (s, 3H).
【化23】
【0064】
6-クロロ-7-(3-ヒドロキシ-プロピル)-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-オール、中間体III
0℃にて、中間体II(1.12g、5.0mmol)のTHF溶液(34mL)に、ボランジメチルスルフィド錯体(THF中2M、10mL、20mmol)を加え、混合物を撹拌し、一晩かけてゆっくりと室温に到達させた。0℃にて、混合物を水(25mL)で慎重にクエンチし、泡立ちが終了したら、過ホウ酸ナトリウム(5当量、4.5g)を加え、混合物を3時間撹拌した。次いで、それをHCl 1N(pH=2)で酸性化した後、DCMで抽出した。有機層を濾過して無機塩を除去し、次いで、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮し、中間体III(白色固体、500mg、41%の、中間体IIIと6-クロロ-7-(2-ヒドロキシ-プロピル)-2-メチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-オールとの混合物)を得、それをさらなる精製をせずに次の反応ステップで使用した。LCMS (ESI): Rt = 1.65-1.78分, m/z = 242.10 = [M+H]
+及び1.99分~2.16分, m/z = 242.10 = [M+H]
+.
【化24】
【0065】
5-クロロ-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン、中間体IV
粗中間体III(500mg、2.07mmol)をDCM(20mL)に懸濁させ、次いで、ビルスマイヤー試薬(291mg、2.277mmol)を加え、その後、Et
3N(1.15mL、8.28mmol)を加えた。2時間後、混合物に水を加え、それをDCMで抽出した。有機抽出物を乾燥させ、濃縮した。残渣を、50%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体IV(白色固体、140mg、30%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 0.91分, m/z = 224.10 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.55 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 4.58 - 4.37 (m, 2H), 2.76 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.44 (d, J = 0.8 Hz, 3H), 2.23 - 2.09 (m, 2H).
【化25】
【0066】
4-フルオロ-4-[(2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-メチル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体V
中間体IV(114mg、0.51mmol)、BINAP(32mg、0.051mmol)、tert-ブチル-4-(アミノメチル)-4-フルオロピペリジン-1-カルボキシラート(178mg、0.765mmol)、NaO
tBu(98mg、1.02mmol)及びPd
2(dba)
3(47mg、0.051mmol)を圧力管内で混合し、ジオキサン溶液(5mL)に懸濁させた。混合物にアルゴンを数分間通気し、その後、110℃で2時間加熱した。酢酸エチル及び水を加え、層を分離した。有機相を乾燥させ、濃縮した。0%~35%のEtOAc含有cHex、次いで、0%~15%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製で、中間体V(シロップ、240mg、95%)が得られた。LCMS (ESI): Rt = 3.35分, m/z = 420.20 = [M+H]
+.
【化26】
【0067】
4-[(3-ブロモ-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-メチル]-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体VI
中間体V(245mg、0.584mmol)のクロロホルム溶液(6mL)をNBS(109mg、0.613mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。反応混合物をDCMに取り、NaHCO
3(飽和ゾル)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、0%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体VI(帯黄色のシロップ、240mg、82%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.91分, m/z = 498.20/500.20 = [M+H]
+.
【化27】
【0068】
4-{[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-メチル}-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体VII
中間体VI(100mg、0.201mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(47mg、0.302mmol)、Cs
2CO
3(131mg、0.402mmol)及びPdCl
2dppf(16mg、0.020mmol)を、ジオキサン溶液(2mL)と水(0.25mL)との混合液中で混合し、圧力管に入れて120℃で3時間加熱した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水を加えた。層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、濃縮した。50%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製で、中間体VII(シロップ、44mg、41%)が得られた。LCMS (ESI): Rt = 3.87分, m/z = 531.20 = [M+H]
+.
【化28】
【0069】
[1-(2-メチル-5a,7,8,9a-テトラヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-3-イルメチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体VIII
中間体IV(100mg、0.447mmol)、3-(boc-アミノメチル)ピペリジン(144mg、0.671mmol)、BINAP(28mg、0.045mmol)、NaO
tBu(86mg、0.894mmol)及びPd
2(dba)
3(41mg、0.045mmol)を、圧力管内でジオキサン溶液(4mL)に懸濁させた。混合物をアルゴンで数分間パージし、その後、110℃で7時間加熱した。混合物を、酢酸エチル溶液と水との混合液に取った。層を分離した。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体VIII(63mg、35%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.37分, m/z = 402.10 = [M+H]
+.
【化29】
【0070】
[1-(3-ブロモ-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-3-イルメチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体IX
中間体VIII(60mg、1当量、0.149mmol)のクロロホルム溶液(2mL)に、NBS(27mg、0.149mmol)を加えた。混合物を室温で90分間撹拌した。NaHCO
3(飽和ゾル)を混合物に加え、それをDCMで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体IX(42mg、58%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.20分, m/z = 480.20/482.20 = [M+H]
+.
【化30】
【0071】
{1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イルメチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体X
中間体IX(42mg、0.087mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(1.5当量、21mg、0.131mmol)、PdCl
2dppf(7mg、0.009mmol)及びCs
2CO
3(57mg、0.174mmol)を、ジオキサン溶液(1mL)と水(0.1mL)との混合液中で混合した。混合物入り圧力管を110℃で2時間加熱した。混合物を、酢酸エチル溶液と水との混合液に取った。層を分離した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。粗生成物を、10%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体X(シロップ、25mg、56%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.22分, m/z = 513.20 = [M+H]
+.
【化31】
【0072】
[(S)-1-(2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-3-イルメチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体XI
中間体IV(288mg、1.288mmol)、(R)-3-(boc-アミノメチル)-ピペリジン(469mg、2.190mmol)、NaO
tBu(247mg、2.576mmol)、X-Phos(92mg、0.193mmol)及びPd
2dba
3(118mg、0.129mmol)をジオキサン溶液(13mL)に懸濁させ、混合物にAr流を5分間通してから圧力管に入れて115℃で2時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルに取り、水で洗浄した。有機相を乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XI(シロップ、266mg、51%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.45分, m/z = 402.20 = [M+H]
+.
【化32】
【0073】
[(S)-1-(3-ブロモ-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-3-イルメチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体XII
中間体XI(260mg、0.648mmol)のCHCl
3溶液(7mL)にNBS(86mg、0.486mmol)を加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌した。混合物をDCMに取り、NaHCO
3(飽和ゾル)及び水で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエント及び第2のカラムを0%~10%のMeOH含有DCMのグラジエントで使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XII(黄色固体、160mg、51%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.38分, m/z = 480.20/482.20 = [M+H]
+.
【化33】
【0074】
{(S)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イルメチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体XIII
中間体XII(155mg、0.323mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(76mg、0.485mmol)、PdCl
2dppf(26mg、0.032mmol)及びCs
2CO
3(210mg、0.646mmol)を、ジオキサン溶液(3mL)と水(0.4mL)との混合液中で混合した。混合物入り圧力管を115℃で3時間加熱した。混合物を、酢酸エチル溶液と水との混合液に取った。層を分離した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XIII(シロップ、92mg、55%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.22分, m/z = 513.10 = [M+H]
+.
【化34】
【0075】
[(R)-1-(2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-3-イルメチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体XIV
中間体IV(150mg、0.671mmol)、(S)-3-(boc-アミノメチル)-ピペリジン(244mg、1.141mmol)、X-Phos(16mg、0.134mmol)、NaO
tBu(61mg、1.342mmol)及びPd
2(dba)
3(64mg、0.067mmol)を圧力管内で混合し、ジオキサン溶液(7mL)に懸濁させた。混合物にアルゴンを数分間通気し、その後、マイクロ波照射下で100℃にて90分間加熱した。反応混合物を、酢酸エチル溶液と水との混合液に取った。層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XIV(シロップ、95mg、35%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.34分, m/z = 402.20 = [M+H]
+.
【化35】
【0076】
[(R)-1-(3-ブロモ-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル)-ピペリジン-3-イルメチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体XV
中間体XIV(80mg、0.20mmol)のCHCl
3溶液(3mL)をNBS(28mg、0.16mmol)で処理した。混合物を室温で45分間撹拌した。反応混合物をDCM溶液と水との混合液に取った。層を分離した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して中間体XVを得、それをさらなる精製をせずに次の反応ステップで使用した(100%と仮定)。LCMS (ESI): Rt = 4.32分, m/z = 480.20/482.20 = [M+H]
+.
【化36】
【0077】
{(R)-1-[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イル]-ピペリジン-3-イルメチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル、中間体XVI
中間体XV(96mg、0.200mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(47mg、0.300mmol)、PdCl
2dppf(16mg、0.02mmol)及びCs
2CO
3(130mg、0.400mmol)を、ジオキサン溶液(2mL)と水(0.2mL)との混合液中で混合した。混合物入り圧力管を110℃で20時間加熱した。混合物を、酢酸エチル溶液と水との混合液に取った。層を分離した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XVI(シロップ、71mg、69%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.22分, m/z = 513.20 = [M+H]
+.
【化37】
【0078】
1-メチル-4-(2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-シクロヘキサノール、中間体XVII
中間体IV(40mg、0.179mmol)、cis-4-アミノ-1-メチル-シクロヘキサノール(28mg、0.215mmol)、BINAP(10mg、0.018mmol)、NaO
tBu(34mg、0.358mmol)及びPd(dba)
2(10mg、0.018mmol)を圧力管内でジオキサン溶液(2mL)中で混合した。混合物をアルゴンで数分間パージし、その後、110℃で一晩加熱した。過剰の試薬を加えて反応を完了させた。混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、50%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエント、次いで、0%~15%のMeOH含有EtOAcのグラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XVII(シロップ、32mg、57%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 0.65分, m/z = 317.20 = [M+H]
+.
【化38】
【0079】
4-(3-ブロモ-2-メチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XVIII
中間体XVII(32mg、0.101mmol)のCHCl
3溶液(1mL)にNBS(18mg、0.103mmol)を加え、混合物を室温で90分間撹拌した。混合物をDCM溶液と水との混合液に取った。層を分離し、有機層をNaHCO
3(飽和ゾル)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して中間体XVIII(定量的収率を仮定)を得、さらなる精製をせずに次の反応ステップで使用した。LCMS (ESI): Rt = 3.22分, m/z = 395.20/397.20 = [M+H]
+.
【化39】
【0080】
4-フルオロ-4-[(2-メチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4-トリアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-メチル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XIX
中間体VI(100mg、0.201mmol)、ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステル(62mg、0.302mmol)、Cs
2CO
3(131mg、0.402mmol)及びPdCl
2dppf(16mg、0.020mmol)を、ジオキサン溶液(2mL)と水(0.25mL)との混合液中で混合し、圧力管に入れて120℃で1時間加熱した。反応の完了まで過剰の試薬を加えた。混合物をEtOAc溶液と水との混合液に取った。層を分離した。水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、濃縮した。0%~10%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製で、中間体XIX(シロップ、45mg、45%)が得られた。LCMS (ESI): Rt = 3.21分, m/z = 497.20 = [M+H]
+.
【化40】
【0081】
5-クロロ-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン、中間体XXI
Ar雰囲気下、中間体II(630mg、2.817mmol)の1,2-DCE溶液(20mL)をTiCl
4(DCM中1M、8.45mL、8.451mmol)で処理し、混合物入り圧力管を75℃で48時間加熱した。加熱から80時間後の反応完了まで過剰のTiCl
4を加えた。水を混合物に加え、次いでNaHCO
3(飽和ゾル)を加えた。層を分離した。水相をDCMで抽出した。有機抽出物を乾燥させ、濃縮した。粗生成物をDCMでトリチュレートし、濾液を、50%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXI(橙色のガム状固体、296mg、47%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.00分, m/z = 224.10 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.67 (s, 1H), 5.39 (m, J = 9.4, 6.4 Hz, 1H), 3.50 (dd, J = 15.5, 9.5 Hz, 1H), 3.04 - 2.89 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 1.62 (d, J = 6.3 Hz, 3H).
【化41】
【0082】
4-(2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XXII
中間体XXI(37mg、0.165mmol)、cis-4-アミノ-1-メチル-シクロヘキサノール(32mg、0.248mmol)、BINAP(10mg、0.017mmol)、NaO
tBu(32mg、0.330mmol)及びPd
2(dba)
3(15mg、0.017mmol)を圧力管内で混合し、ジオキサン溶液(2mL)に懸濁させた。混合物をArで数分間パージし、その後、110℃で2時間加熱した。混合物をEtOAc溶液と水との混合液に取った。層を分離した。有機相を乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、50%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXII(40mg、76%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 2.48分, m/z = 317.20 = [M+H]
+.
【化42】
【0083】
4-(3-ブロモ-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XXIII
中間体XXII(20mg、0.126mmol)のCHCl
3溶液(2mL)をNBS(24mg、0.132mmol)で処理し、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、NaHCO
3(飽和ゾル)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮して中間体XXIII(50mg、100%)を得、さらなる精製をせずに次のステップで使用した。LCMS (ESI): Rt = 3.68分, m/z = 395.20/397.20 = [M+H]
+.
【化43】
【0084】
5-クロロ-4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピリダジノ[4,5-b][1,4]オキサジン-8-イルアミン/8-クロロ-4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピリダジノ[4,5-b][1,4]オキサジン-5-イルアミン、中間体XIV
5,8-ジクロロ-4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピリダジノ[4,5-b][1,4]オキサジン(4.750g、21mmol)を溶解させたEtOH溶液(20mL)とTHF溶液(20mL)との混合液と、TEA溶液(6mL、42mmol)と水酸化アンモニウム溶液(35mL、845mmol)との混合液との混合液を、Parrリアクターに入れて200℃で40時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、粗生成物を、0%~10%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXIV(1.470g、35%)を両方の位置異性体の混合物として得、それを追加の分離を行わずに次の反応ステップで使用した。LCMS (ESI): Rt =0.45分, m/z = 201.00 [M+H]
+.
【化44】
【0085】
5-クロロ-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン、中間体XXV-A及び
5-クロロ-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタール(naphthale)、中間体XXV-B
中間体XXIV(800mg、4.0mmol)と、TEA溶液(1.4mL、10mmol)、クロロアセトン溶液(0.650ml、8mmol)を溶解させたEtOH溶液(5mL)と、の混合物中にN
2を通気した。混合物を150℃で30分間、マイクロ波照射下で加熱した。溶媒を真空下で除去して粗生成物をDCMに取り、水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、50%~100%のEtOAc/cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXV-B(第1の溶出画分、290mg、15%)及びその位置異性体である中間体XXV-A(第2の溶出画分、770mg、40%)を得た。XXV-A LCMS (ESI): Rt =0.6分, m/z = 239.10 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.44 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 4.37 (dd, J = 4.8, 4.0 Hz, 2H), 3.21 - 3.12 (m, 2H), 2.80 (s, 3H), 2.38 (d, J = 0.9 Hz, 3H).XXV-B LCMS (ESI): Rt =2.34分, m/z = 239.10 [M+ H]
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.35 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.24 (dd, J = 5.8, 3.0 Hz, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.43 (dd, J = 5.8, 3.0 Hz, 2H), 2.33 (t, J = 1.7 Hz, 3H).
【化45】
【0086】
4-[(2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-メチル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XXVIII
XXV-A(150mg、0.62mmol)、1-boc-4-(アミノメチル)ピペリジン(190mg、0.88mmol)、NaO
tBu(140mg、1.4mmol)、触媒Pd
2(dba)
3(35mg)及びBINAP(27mg)の混合物のジオキサン溶液(6mL)を封管に入れて110℃で16時間加熱した。暗色の混合物を真空下で濃縮し、粗生成物を、0%~10%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXVIII(結晶固体、235mg、91%)を得た。LCMS (ESI): Rt =3.19分, m/z = 417.30 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.22 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.70 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.37 - 4.31 (m, 2H), 4.05 (dd, J = 14.3, 7.1 Hz, 2H), 3.19 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.10 - 3.03 (m, 2H), 2.75 - 2.63 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.33 (s, 3H), 1.70 (d, J = 13.5 Hz, 2H), 1.39 (s, 9H).
【化46】
【0087】
4-[(3-ブロモ-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-メチル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XXIX
中間体XXVIII(235mg、0.56mmol)のCHCl
3溶液(3mL)に、NBS(110mg、0.57mmol)をワンポットで加えた。得られた混合物を30分間撹拌した。DCMを加え、有機相をNaHCO
3(飽和ゾル)で4回、水で2回、最後にブラインで1回洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。粗生成物をジエチルエーテルでトリチュレートし、濾液を真空下で濃縮して必要な中間体XXIXを得、それをさらなる精製をせずに次の反応ステップで使用した(結晶固体、180mg、68%)。LCMS (ESI): Rt =3.73分, m/z = 495.20/497.20 [M+H]
+.
【化47】
【0088】
4-{[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-メチル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XXX
XXIX(60mg、0.12mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(25mg、0.13mmol)、Cs
2CO
3(100mg、0.3mmol)、Pd(dppf)Cl
2(10mg)の混合物を溶解させたジオキサン溶液(1.2mL)と水(0.2mL)との混合液を110℃で16時間加熱した。暗色の混合物をセライトパッドに通して濾過し、DCM及び数滴のMeOHですすいだ。濾液を真空下で濃縮し、残渣を、0%~15%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、必要な中間体XXX(クリーム色の固体、26mg、40%)を得た。LCMS (ESI): Rt =3.73分, m/z = 528.30 [M+H]
+.
【化48】
【0089】
4-(2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-ブタン-1-オール、中間体XXXI
XXV-A(75mg、0.3mmol)、4-アミノ-1-ブタノール(35uL、0.37mmol)、NaO
tBu(65mg、0.66mmol)、触媒Pd
2(dba)
3(10mg)及びBINAP(10mg)の混合物のジオキサン溶液(3mL)を封管に入れて110℃で3時間加熱した。暗色の混合物を冷却し、セライトパッドに通して濾過し、DCMですすいだ。濾液を真空下で濃縮し、残渣を、25%~100%のEtOAc含有cHex及び10%のMeOHの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物である中間体XXXI(クリーム色の固体、60mg、68%)を得た。LCMS (ESI): Rt =0.58分, m/z = 292.20 [M+H]
+.
【化49】
【0090】
4-(3-ヨード-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-ブタン-1-オール、中間体XXXII
中間体XXXI(60mg、0.2mmol)の混合物のDMF溶液(1.1mL)にNIS(50mg、0.2mmol)を加えた。得られた混合物を3時間撹拌した。混合物に水を加え、それをEtOAcで抽出した。有機相をNaHCO
3(飽和ゾル)で3回、水及びブラインで1回洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮し、中間体XXXII(からし色の固体、62mg、72%)を得、それをさらなる精製をせずに次の反応ステップで使用した。LCMS (ESI): Rt =3.04分, m/z = 418.05 [M+H]
+.
【化50】
【0091】
4-(2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XXXIII
XXV-A(170mg、0.72mmol)、cis-4-アミノ-1-メチル-シクロヘキサノール(110mg、0.8mmol)、NaO
tBu(140mg、1.4mmol)、触媒Pd
2(dba)
3(30mg)及びBINAP(27mg)の混合物のジオキサン溶液(6mL)を封管に入れて110℃で16時間加熱した。暗色の混合物を真空濃縮し、粗生成物を、0%~10%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXXIII(クリーム色の固体、159mg、67%)を得た。LCMS (ESI): Rt =0.41分, m/z = 332.20 [M+H]
+.
【化51】
【0092】
4-(3-ヨード-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XXXIV
中間体XXXIII(50mg、0.15mmol)のDMF溶液(1mL)にNIS(35mg、0.15mmol)を加えた。得られた混合物を30分間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで3回抽出した。合わせた有機層をNaHCO
3(飽和ゾル)で3回、ブラインで1回、及び水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮し、中間体XXXIV(40mg、58%)を得、それをさらなる精製をせずに次の反応ステップで使用した。LCMS (ESI): Rt =3.08分, m/z = 458.10 [M+H]
+.
【化52】
【0093】
4-(2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XXXV
XXV-A(50mg、0.2mmol)、trans-4-アミノ-1-メチル-シクロヘキサノール塩酸塩(45mg、0.25mmol)、NaO
tBu(40mg、0.4mmol)、触媒Pd
2(dba)
3(15mg)及びBINAP(7mg)の混合物のジオキサン溶液(3mL)を封管に入れて110℃で3時間加熱した。暗色の混合物を真空濃縮し、粗生成物を、0%~10%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物である中間体XXXV(茶色固体、60mg、86%)を得た。LCMS (ESI): Rt =0.49分, m/z = 332.20 [M+H]
+.
【化53】
【0094】
4-(3-ヨード-2,6-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XXXVI
中間体XXXV(60mg、0.18mmol)のDMF溶液(3mL)にNIS(45mg、0.19mmol)を加えた。得られた暗色の混合物を1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、NaHCO
3(飽和ゾル)で3回、水及びブラインで1回洗浄した。有機相(Na
2SO
4)を乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。回収したからし色の固体を、50%~100%EtOAc含有cHex及び10%のMeOHの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物である中間体XXXVI(クリーム色の固体、20mg、24%)を得た。LCMS (ESI): Rt =2.95分, m/z = 458.15 [M+H]
+.
【化54】
【0095】
4-{[2,6-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル-ピリジン-4-イル)-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-メチル}-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XXXVII
XXIX(60mg、0.12mmol)、2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-ボロン酸(30mg、0.13mmol)、Cs
2CO
3(80mg、0.2mmol)、Pd(dppf)Cl
2(10mg)の混合物を溶解させたジオキサン溶液(1.2mL)と水(0.2mL)との混合液を150℃で60分間、マイクロ波照射下で加熱した。暗色の混合物をセライトパッドに通して濾過し、DCM及び数滴のMeOHですすいだ。濾液を真空下で濃縮し、残渣を、0%~15%のMeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXXVII(白色固体、15mg、23%)を得た。LCMS (ESI): Rt =3.90分, m/z = 562.30 [M+H]
+.
【化55】
【0096】
4-[(2,6-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-7,8-ジヒドロ-6H-9-オキサ-1,3a,4,6-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-メチル]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XXXVIII
XXIX(60mg、0.12mmol)、ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステル(30mg、0.13mmol)、Cs
2CO
3(80mg、0.2mmol)、Pd(dppf)Cl
2(10mg)の混合物を溶解させたジオキサン溶液(1.2mL)と水(0.2mL)との混合液を150℃で60分間、マイクロ波照射下で加熱した。暗色の混合物をセライトパッドに通して濾過し、DCM及び数滴のMeOHですすいだ。濾液を真空下で濃縮し、残渣を、0%~15%MeOH含有EtOAcの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXXVIII(白色固体、44mg、76%)を得た。LCMS (ESI): Rt =3.10分, m/z = 494.30 [M+H]
+.
【化56】
【0097】
4-[(2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-メチル]-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XXXIX
中間体XXV-B(210mg、0.88mmol)、4-(アミノメチル)-4-フルオロピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(245mg、1.056mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(169mg、1.76mmol)、Pd
2(dba)
3(51mg、0.088mmol)及びBINAP(33mg、0.053mmol)の混合物のジオキサン溶液(9mL)を封管に入れて110℃で4時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣を、0%~5%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XXXIX(215mg、56%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.20分, m/z = 435.20 = [M+H]
+.
【化57】
【0098】
4-[(3-ブロモ-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-メチル]-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XL
中間体XXXIX(215mg、0.495mmol)のクロロホルム溶液(5mL)にNBS(90mg、0.500mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、それをDCMで希釈し、NaHCO
3(飽和ゾル)水及びブラインで2回洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、0%~40%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XL(85mg、34%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.30分, m/z = 513.20/515.20 = [M+H]
+.
【化58】
【0099】
4-{[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ]-メチル}-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体XLI
中間体XL(84mg、0.165mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(39mg、0.248mmol)、Pd(dppf)Cl
2(13mg、0.017mmol)及びCs
2CO
3(107mg、0.330mmol)の混合物を溶解させた1,4-ジオキサン溶液(2mL)とH
2O(0.2mL)との混合液を封管に入れて100℃で5時間加熱した。反応物を、H
2OとDCMとに分配した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させて濾過し、濃縮した。残渣を、0%~3%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XLI(46mg、51%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.10分, m/z = 546.20 = [M+H]
+.
【化59】
【0100】
3-ブロモ-5-クロロ-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン、中間体XLII
XXV-B(290mg、1.2mmol)のCHCl
3溶液(5mL)にNBS(220mg、1.22mmol)をワンポットで加えた。得られた混合物を30分間撹拌し、DCMで希釈し、NaHCO
3(飽和ゾル)で数回、水及びブラインで2回洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮して中間体XLIIを得、それをさらなる精製をせずに次の反応ステップで使用した(クリーム色の固体、390mg、100%と仮定)。LCMS (ESI): Rt =4.39分, m/z = 317.00/319.00 [M+H]
+. NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 4.29 - 4.22 (m, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.46 - 3.40 (m, 2H), 2.33 (s, 3H).
【化60】
【0101】
5-クロロ-2,9-ジメチル-3-ピリジン-4-イル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン、中間体XLIII
中間体XLII(0.754mmol)、ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステル(178mg、0.867mmol)、Pd(dppf)Cl
2(47mg、0.057mmol)及びCs
2CO
3(491mg、1.508mmol)の混合物を溶解させたジオキサン:H
2O(3mL:1mL)の混合液を100℃で4時間加熱した。DCM及び水を加えた。有機相を分離して乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣を、4%MeOH含有DCMの溶媒系を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XLIII(30mg、12%)を得た。LCMS (ESI): Rt =2.39分, m/z = 316.00 [M+H]
+.
【化61】
【0102】
4-(2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XLIV
中間体XXV-A(200mg、0.84mmol)、cis-4-アミノ-1-メチル-シクロヘキサノール(130mg、1.01mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(160mg、1.68mmol)、Pd
2(dba)
3(50mg、0.084mmol)及びBINAP(0.06当量、30mg、0.050mmol)の混合物のジオキサン溶液(8mL)を封管に入れて110℃で3時間加熱した。混合物を濃縮し、粗生成物を、0%~6%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XLIV(185mg、67%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 0.37分, m/z = 332.10 = [M+H]
+.
【化62】
【0103】
4-(3-ブロモ-2,9-ジメチル-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-イルアミノ)-1-メチル-シクロヘキサノール、中間体XLV
中間体XLIV(185mg、0.558mmol)のクロロホルム溶液(6mL)にNBS(100mg、0.564mmol)を加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、NaHCO
3(飽和ゾル)、水及びブラインで数回洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、0%~2%のMeOH含有DCMの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体XLV(168mg、73%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.35分, m/z = 410.20/412.20 = [M+H]
+.
【化63】
【0104】
4-[(2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ)-メチル]-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体LII
中間体XXI(155mg、0.693mmol)、4-(アミノメチル)-4-フルオロピペリジン-l-カルボン酸tert-ブチル(241mg、1.040mmol)、BINAP(43mg、0.069mmol)、NaO
tBu(133mg、1.386mmol)及びPd
2(dba)
3(63mg、0.069mmol)を圧力管内で混合し、ジオキサン溶液(7mL)に懸濁させた。混合物をArで数分間パージし、その後、110℃で3時間30分加熱した。混合物をEtOAc溶液と水との混合液に取った。層を分離した。有機相を乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体LII(フォーム、258mg、88%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.35分, m/z = 420.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.41 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.52 - 5.38 (m, 1H), 4.92 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.66 (dd, J = 20.7, 6.0 Hz, 2H), 3.41 (dd, J = 15.5, 9.7 Hz, 1H), 3.11 (t, J = 11.5 Hz, 2H), 2.83 (dd, J = 15.4, 7.4 Hz, 1H), 2.65 (d, J = 0.8 Hz, 3H), 1.88 (dd, J = 21.2, 11.0 Hz, 2H), 1.80 - 1.70 (m, 2H), 1.62 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.46 (s, 9H).
【化64】
【0105】
4-[(3-ブロモ-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ)-メチル]-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体LIII
中間体LII(255mg、0.605mmol)のクロロホルム溶液(6mL)をNBS(119mg、0.666mmol)で処理した。混合物を室温で90分間撹拌した。反応混合物をDCMに取り、NaHCO
3(飽和ゾル)で洗浄した。有機相を乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体LIII(固体、90mg、30%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 4.47分, m/z = 498.20/500.20 = [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.35 - 5.20 (m, 1H), 4.44 (dd, J = 13.7, 7.6 Hz, 1H), 3.88 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 3.70 (d, J = 20.4 Hz, 2H), 3.24 (dd, J = 14.5, 9.5 Hz, 1H), 3.13 (t, J = 11.1 Hz, 2H), 2.70 (dd, J = 14.5, 7.2 Hz, 1H), 2.37 (s, 3H), 1.94 - 1.73 (m, 3H), 1.72 - 1.58 (m, 1H), 1.53 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.43 (s, 9H).
【化65】
【0106】
4-{[3-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-2,7-ジメチル-6,7-ジヒドロ-8-オキサ-1,3a,4-トリアザ-as-インダセン-5-イルアミノ]-メチル}-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、中間体LIV
中間体LIII(90mg、0.185mmol)、2-クロロピリジン-4-ボロン酸(44mg、0.277mmol)、PdCl
2dppf(15mg、0.019mmol)及びCs
2CO
3(120mg、0.370mmol)を、圧力管内でジオキサン溶液(2mL)と水(0.25mL)との混合液中で混合した。混合物を110℃で2時間加熱した。混合物を、酢酸エチル溶液と水との混合液に取った。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、20%~100%のEtOAc含有cHexの溶媒グラジエントを使用し、第2のカラムを40%~100%のEtOAc含有DCMのグラジエントで使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体LIV(80mg、81%)を得た。LCMS (ESI): Rt = 3.32分, m/z = 531.10 = [M+H]
+.
【化66】
【0107】
5-クロロ-2,9-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル-ピリジン-4-イル)-8,9-ジヒドロ-7H-6-オキサ-1,3a,4,9-テトラアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン、中間体LV
中間体XLII(75mg、0.23mmol)、2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-ボロン酸(55mg、0.27mmol)、Pd(dppf)Cl
2(15mg、0.018mmol)及びCs
2CO
3(491mg、1.508mmol)の混合物を溶解させたジオキサン:H
2O(3mL:1mL)の混合液を120℃で加熱した。暗色の混合物を冷却し、セライトパッドに通して濾過し、DCMですすぎ、真空下で濃縮した。残渣を、15%~75%のEtOAc含有c-Hexの溶媒系を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体LV(クリーム色の固体、40mg、45%)を得た。LCMS (ESI): Rt =1.58分, m/z = 384.00 [M+H]
+.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.74 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 5.2, 1.4 Hz, 1H), 4.36 - 4.25 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.54 - 3.40 (m, 2H), 2.55 (s, 3H).
【化67】
【0108】
B.生物学的試験
HASPIN生化学的アッセイ:HASPIN活性を測定するための生化学的アッセイは、キナーゼ酵素活性の直接産物としてのADPの量を決定するADP-Glo(商標)アッセイキット(Promega)に依存する。アッセイ条件は、キナーゼ活性ステップに以下の適応を用いてキット製造者により示されているとおりにした:キナーゼアッセイ緩衝液及びアッセイ容量(15mM HEPES pH7.5、20mM NaCl、1mM EGTA、0.02%TWEEN20、10mM MgCl2、0.1mg/mL BGG)/25μLアッセイ容量)。インキュベーションの時間及び温度:30℃で60分。HASPIN最終濃度:0.9μg/mL。ATP最終濃度:150μΜ。HASPINの自己リン酸化を測定した。アッセイを384ウェルプレートで実施した。キットによって提供される共役反応の最終結果はルシフェラーゼの放出であり、マルチラベルHTSカウンターVictor V/Envisionで測定された。値を、含まれた対照活性(100%のHASPIN活性、化合物なし)に対して正規化した。値を阻害剤濃度に対してプロットし、IDBSソフトウェアによるActivityベースを使用してシグモイド型用量反応曲線に当てはめた。
【0109】
細胞HASPIN阻害アッセイ(H3T3のリン酸化):同調した細胞におけるHASPIN基質H3T3のリン酸化を検出するためにウエスタンブロットアッセイを使用して、化合物に、それらの細胞内HASPIN阻害能についてスクリーニングを行うことができる。MV4:11細胞を、10%胎児ウシ血清(Sigma-Aldrich F7524)、1:100に希釈したペニシリン/ストレプトマイシン溶液(Gibco 15070-063)、及びファンギゾン(Gibco、15290-018)を添加したRPMI培地(Sigma-Aldrich R6504)の6ウェルプレートにウェルあたり400000細胞で播種し、5%CO2中37℃で一晩結合させる。次いで、化合物を、10μMの最終濃度から10倍段階希釈で細胞培地に加え、細胞を5%CO2中37℃でインキュベートする。化合物での処理の8時間後、細胞をPBSで洗浄し、100μlのタンパク質溶解バッファー(62.5mM Tris pH6.8、6.25%、2%SDS、10%グリセロール)を加えて溶解させ、室温で10分間のインキュベーションの後、95℃で10分間の加熱を行う。ライセートのタンパク質含有量を、DCプロテインアッセイ(Biorad、参照番号5000116)によって決定する。タンパク質をSDS-PAGEにより分離し、ニトロセルロースメンブレン(VWR International Eurolab、参照番号732-4007)に転写する。メンブレンを、H3(Millipore #07424)に特異的な抗体、ホスホトレオニン-3 H3に特異的な抗体(Cell Signaling参照番号14269)と共に4℃で一晩インキュベートし、それらを洗浄した後、IRDye800結合抗マウスIgG二次抗体(Pierce/Cultek、35521)及びAlexa Fluor 680ヤギ抗ウサギIgG二次抗体(Invitrogen、A21076)と共にインキュベートする。バンドを視覚化し、Odyssey赤外線イメージングシステムを使用して定量化する。最後にH3のリン酸化のパーセンテージを、化合物ごとに濃度に対してプロットし、細胞内HASPIN阻害のEC50を、IDBSからのActivityBaseを使用して計算する。
【0110】
本発明の化合物は、本明細書で前述の生化学的アッセイで試験したところ、5μM未満のIC
50活性でHASPINを阻害することが見出された。HASPINでの生物学的活性を表1に表す。
【表1】
【0111】
併用生存率アッセイ:がん細胞株MV4:11(AML細胞株)の生存率に対する化合物3の活性を、単独か、または表2に記載の抗腫瘍剤と組み合わせて、単回用量で二連にて試験した。細胞を、コンフルエントな状態に達する直前に採取して、血球計で計数し、培地で希釈した。その後、細胞を、96ウェルマイクロタイタープレートに5,000細胞/ウェルの密度で播種した。細胞を24時間インキュベートしてから化合物を加えた。化合物の重量を測定し、DMSOで希釈して最終濃度を10mMとした。ここから、最終濃度の200倍にて培養液中に「マザープレート」を調製した。組織培養培地中のDMSOの最終濃度は1%を超えてはならない。適切な容量の化合物3に抗腫瘍剤を加えたもの(2μl)を0.2mlの培地に自動添加し(Beckman FX 96チップ)、各薬物の最終濃度にした。各化合物を2連でアッセイした。細胞を、化合物に72時間曝露し、その後、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)での読み取り用に製造者の指示に従って処理し、EndVision(Perkin Elmer)で読み取った。生存阻害のパーセンテージを、IDBSからのActivityBaseを使用して計算した。薬物間の潜在的相乗効果は、ブリス独立性モデルに基づいた組み合わせ指数(combination index)(CI)を計算することによって評価され、その場合、CIは、以下の方程式を用いて計算され:
【数1】
式中、Eaは薬物Aの生存効果を示し、Ebは薬物Bの生存効果を示し、Eabは薬物併用の生存効果を示す。CI<1は相乗効果示を示し、CI=1は相加効果を示し、CI>1は拮抗効果を示す。結果を表Xに示す。表Xは、MV4:11で試験された薬物のCIを示す。
【0112】
試験したすべての抗腫瘍薬物:セマガセスタット(S1594)、パゾパニブ(S3012)、BYL-719(S2814)、フルベストラント(S1191)、エルロチニブ(S7786)、MK-2206(S1078)、イデラシブ(S2226)、ジスルフィラム(S1680)、リコンリノスタット(S8001)、エレスクロモール(S1052)及びGDC-0941(S1065)は、Selleckにて購入された。
【0113】
【0114】
C.比較アッセイ
最先端の類似化合物と比較した本発明の化合物の特異性を実証するため、式(I)のいくつかの化合物のPIM1活性をWO2013/005041に記載の方法に従って測定した。前記化合物及びそれらのPIM1活性を下表に示す。
【表3】
【表4】
【0115】
示されているように、本発明の化合物はマイクロモルオーダーのIC50を示すが、既知の化合物はナノモルオーダーのIC50を示している。したがって、本発明の化合物は、PIM1に対して活性なのではなく、最先端の近似化合物と比較して、より高い選択性及びより低い毒性を伴う。
【国際調査報告】