(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】防爆機能を備えるターボ圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/057 20060101AFI20240312BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
F04D29/057 A
F04D29/58 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554909
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 KR2022001090
(87)【国際公開番号】W WO2022203178
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0037627
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518398925
【氏名又は名称】株式会社ティーエヌイーコリア
【氏名又は名称原語表記】TNE KOREA CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョンス
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB12
3H130AB27
3H130AB42
3H130AC01
3H130AC07
3H130AC13
3H130BA22A
3H130BA24E
3H130BA31A
3H130BA87A
3H130CA02
3H130DA02Z
3H130DB06X
3H130DD01Z
3H130EB03E
(57)【要約】
本発明は、ターボ圧縮機に関するものであって、気体を圧縮して外部に供給することができるターボ圧縮機であって、圧縮気体吸入口を介して流入された気体を圧縮する羽根車を備える圧縮ユニットと、羽根車を回転させるために、一端部が羽根車と結合されている回転軸を備えるモータと、モータを収容するモータ収容空間を備えたハウジングと、モータ収容空間を通過するように設けられ、内部に収容された冷却用気体が続けて循環可能なように形成されている冷却気路と、回転軸の半径方向荷重または軸方向荷重を支持する軸受であって、少なくとも1つ以上の空気軸受を含む軸受と、ハウジングの内部空間で発生した火炎が通過しつつ冷却された後、外部に排出されるように設けられた通路であって、既定値以下の幅と既定値以上の長さを有する非接触式防爆ユニットと、を含み、圧縮気体流路は、冷却気路と空間的に分離されることにより、圧縮気体流路の内部にある気体が冷却気路に浸透することができないということを特徴とする。本発明によれば、空気軸受によって使用寿命が増加し、振動ノイズが減少すると共に、内部爆発が発生しても、それによる火炎が迅速に冷却された後、外部に排出されるように構造が改善された防爆型ターボ圧縮機を提供することができる効果がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を圧縮して外部に供給することができるターボ圧縮機であって、
前記気体が吸入される圧縮気体吸入口;前記圧縮気体吸入口を介して流入された前記気体を圧縮する羽根車;前記羽根車によって圧縮された前記気体が外部に排出される圧縮気体排出口;及び前記圧縮気体吸入口から前記圧縮気体排出口まで連結されている圧縮気体流路;を備える圧縮ユニットと、
前記羽根車を回転させるために、一端部が前記羽根車と結合されている回転軸を備えるモータと、
前記モータを収容するモータ収容空間を備えたハウジングと、
前記モータ収容空間を通過するように設けられ、内部に収容された冷却用気体が継続して循環可能なように形成されている冷却気路と、
前記回転軸の半径方向荷重または軸方向荷重を支持する軸受であって、少なくとも1つ以上の空気軸受と、
前記ハウジングの内部空間で発生した火炎が通過しつつ冷却された後、外部に排出されるように設けられた通路であって、既定値以下の幅と既定値以上の長さを有する非接触式防爆ユニットと、を含み、
前記圧縮気体流路は、前記冷却気路と空間的に分離されることにより、前記圧縮気体流路の内部にある前記気体が前記冷却気路に浸透することができないことを特徴とするターボ圧縮機。
【請求項2】
前記非接触式防爆ユニットは、前記ハウジングの内部空間と前記圧縮気体流路とを互いに連通させていることを特徴とする、請求項1に記載のターボ圧縮機。
【請求項3】
前記非接触式防爆ユニットは、前記回転軸の一端部外周面に形成された第1面と前記ハウジングに形成された第2面が互いに協力して形成する円筒状空間部であることを特徴とする、請求項1に記載のターボ圧縮機。
【請求項4】
前記非接触式防爆ユニットは、
前記回転軸の一端部外周面に形成された第1面と前記ハウジングに形成された第2面が互いに協力して形成する円錐状空間部であり、
前記円錐状空間部は、前記羽根車と既定の距離以内に位置され、前記羽根車に向けて行くほど半径が小さくなる方向に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のターボ圧縮機。
【請求項5】
前記非接触式防爆ユニットは、
前記ハウジングの内部空間で発生した火炎が通過する距離を増加させうるように、階段状、波動形態を含む群から選択された1つの形状を有することを特徴とする、請求項1に記載のターボ圧縮機。
【請求項6】
前記冷却気路の内部に収容された前記冷却用気体を強制流動させるための冷却ファンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のターボ圧縮機。
【請求項7】
前記冷却ファンは、前記回転軸の後端部に配置され、前記回転軸の回転力によって回転することを特徴とする、請求項6に記載のターボ圧縮機。
【請求項8】
前記圧縮気体流路と前記冷却気路との間には、熱交換効率を増加させうる冷却フィンが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のターボ圧縮機。
【請求項9】
前記モータを制御するための電気変換装置を含み、
前記電気変換装置は、内部の発熱部品を気密に収容可能な金属材質のケースを含み、
前記ケースは、前記ハウジングと熱交換可能に接触状態を保持していることを特徴とする、請求項1に記載のターボ圧縮機。
【請求項10】
前記圧縮気体流路と前記冷却気路との間には、熱交換効率を増加させうる冷却フィンが設けられており、
前記ケースは、前記冷却フィンと熱交換可能な位置に配置されていることを特徴とする、請求項9に記載のターボ圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ圧縮機に係り、特に、空気軸受によって使用寿命が増加し、振動ノイズが減少すると共に、内部爆発が発生しても、それによる火炎が迅速に冷却された後、外部に排出されうる防爆型ターボ圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ圧縮機(turbo compressor)またはターボブロワ(turbo blower)は、羽根車(impeller)を高速で回転させることで、外気やガスを吸い込んで圧縮した後、外部に送風する遠心型ポンプであって、粉体(powder)移送用であるか、下水処理場などで曝気用として多用されており、最近には、産業工程用と自動車搭載用としても使用されている。
【0003】
そのようなターボ圧縮機では、羽根車の高速回転によってモータと軸受において摩擦による高熱発生の問題があるところ、主要発熱部(heat source)であるモータと軸受に対する冷却が必要である。
【0004】
従来のターボ圧縮機の一例が韓国公開特許第10-2015-0007755号公報に開示されているが、該ターボ圧縮機では、羽根車が生産する圧縮空気の一部を活用し、羽根車を回転させるためのモータ及び軸受を冷却した後、それをモータの回転軸の内部穴を介して再び羽根車側に流入させる構造からなっている。
【0005】
しかし、従来のターボ圧縮機の場合には、羽根車によって圧縮された空気の一部を冷却用気体として利用することになるので、羽根車によって圧縮された空気の圧力損失が発生する問題点がある。そして、従来のターボ圧縮機の場合には、冷却用気体がモータ及び軸受によって加熱された後、再び羽根車側に流入されるので、羽根車によって圧縮される空気の温度が上昇することにより、ターボ圧縮機の圧縮効率がさらに減少する問題点もある。
【0006】
そのような問題点を解決するために、羽根車が生産する圧縮空気が通る圧縮気体流路と、冷却用気体が通る冷却気路を空間的に分離させることにより、前記圧縮気体流路の内部にある気体が、前記冷却気路に浸透することができないターボ圧縮機も導入された。
【0007】
一方、爆発性ガスが周辺に存在するか、爆発性ガスがターボ圧縮機の内部に存在する場合には、ターボ圧縮機の内部に存在するモータステータの焼損または軸受の摩擦などによって発生する火炎による爆発を防止する必要があり、そのような目的で防爆機能を備えるターボ圧縮機が必要である。
【0008】
そのような防爆型ターボ圧縮機は、ターボ圧縮機の内部で存在する多様な火炎源から火炎が発生しても、爆発性ガスに伝播されて爆発が発生してはならない設計要求条件を満足させる必要があるが、従来の防爆型ターボ圧縮機は、一般的に転がり軸受(rolling bearing)を使用して回転軸を支持し、内部で発生する火炎の外部への伝播を防止する完全密閉式防爆シーリング(Explosion proof Sealing)を使用した。
【0009】
従来の完全密閉式防爆シーリング(Explosion proof Sealing)は、回転軸及び/またはモータハウジングに接触した状態で内部空間を密閉する「接触式」シーリングであったが、そのような「接触式」シーリングは、密閉力が優秀ではあるが、回転軸の回転による振動が軸受に伝達されうるところ、フォイル空気軸受(Foil air bearing)のような空気軸受には適用することができないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記問題を解決するために案出されたものであって、その目的は、空気軸受によって使用寿命が増加し、振動ノイズが減少すると共に、内部爆発が発生しても、それによる火炎が迅速に冷却された後、外部に排出されるようにその構造が改善された防爆型ターボ圧縮機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために本発明によるターボ圧縮機は、気体を圧縮して外部に供給することができるターボ圧縮機であって、前記気体が吸入される圧縮気体吸入口;前記圧縮気体吸入口を介して流入された気体を圧縮する羽根車;前記羽根車によって圧縮された前記気体が外部に排出される圧縮気体排出口;前記圧縮気体吸入口から前記圧縮気体排出口まで連結されている圧縮気体流路;を備える圧縮ユニットと、前記羽根車を回転させるために、一端部が前記羽根車と結合されている回転軸を備えるモータと、前記モータを収容するモータ収容空間を備えたハウジングと、前記モータ収容空間を通過するように設けられ、内部に収容された冷却用気体が継続して循環可能なように形成されている冷却気路と、前記回転軸の半径方向荷重または軸方向荷重を支持する軸受であって、少なくとも1つ以上の空気軸受を含む軸受と、前記ハウジングの内部空間で発生した火炎が通過しつつ冷却された後、外部に排出されるように設けられた通路であって、既定値以下の幅と既定値以上の長さを有する非接触式防爆ユニットと、を含み、前記圧縮気体流路は、前記冷却気路と空間的に分離されることにより、前記圧縮気体流路の内部にある気体が前記冷却気路に浸透することができないことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記非接触式防爆ユニットは、前記ハウジングの内部空間と前記圧縮気体流路とを互いに連通させることが望ましい。
【0013】
ここで、前記非接触式防爆ユニットは、前記回転軸の一端部外周面に形成された第1面と前記ハウジングに形成された第2面とが互いに協力して形成する円筒状空間部でもある。
【0014】
ここで、前記非接触式防爆ユニットは、前記回転軸の一端部外周面に形成された第1面と前記ハウジングに形成された第2面とが互いに協力して形成する円錐状空間部であり、前記円錐状空間部は、前記羽根車と既定の距離以内に位置され、前記羽根車に向けて行くほど半径が小さくなる方向に配置されていることが望ましい。
【0015】
ここで、前記非接触式防爆ユニットは、前記ハウジングの内部空間で発生した火炎が通過する距離を増加させうるように、階段状、波動形態を含む群から選択された1つの形状を有するものでもある。
【0016】
ここで、前記冷却気路の内部に収容された冷却用気体を強制流動させるための冷却ファンを含むことが望ましい。
【0017】
ここで、前記冷却ファンは、前記回転軸の後端部に配置され、前記回転軸の回転力によって回転することが望ましい。
【0018】
ここで、前記圧縮気体流路と前記冷却気路との間には、熱交換効率を増加させうる冷却フィンが設けられていることが望ましい。
【0019】
ここで、前記モータを制御するための電気変換装置を含み、前記電気変換装置は、内部の発熱部品を気密に収容可能な金属材質のケースを含み、前記ケースは、前記ハウジングと熱交換可能に接触状態を保持することが望ましい。
【0020】
ここで、前記圧縮気体流路と前記冷却気路との間には、熱交換効率を増加させうる冷却フィンが設けられており、前記ケースは、前記冷却フィンと熱交換可能な位置に配置されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、気体を圧縮して外部に供給することができるターボ圧縮機であって、圧縮気体吸入口を介して流入された気体を圧縮する羽根車を備える圧縮ユニットと、前記羽根車を回転させるために、一端部が前記羽根車と結合されている回転軸を備えるモータと、前記モータを収容するモータ収容空間を備えたハウジングと、前記モータ収容空間を通過するように設けられ、内部に収容された冷却用気体が継続して循環可能なように形成されている冷却気路と、前記回転軸の半径方向荷重または軸方向荷重を支持する軸受であって、少なくとも1つ以上の空気軸受を含む軸受と、前記ハウジングの内部空間で発生した火炎が通過しつつ冷却された後、外部に排出されるように設けられた通路であって、既定値以下の幅と既定値以上の長さを有する非接触式防爆ユニットと、を含み、前記圧縮気体流路は、前記冷却気路と空間的に分離されることにより、前記圧縮気体流路の内部にある気体が前記冷却気路に浸透することができないので、前記空気軸受によって使用寿命が増加し、振動ノイズが減少すると共に、前記内部ハウジングの内部に存在するモータステータの焼損または軸受の摩擦などによって発生する火炎による内部爆発が発生しても、それによる火炎流が前記非接触式防爆ユニットを通過しつつ冷却された後、外部に排出されるので、前記圧縮気体が爆発する事故を防止することができる効果がある。
【0022】
すなわち、本発明によれば、空気軸受が有する肯定的効果と防爆型ターボ圧縮機が有する肯定的効果を同時に備える防爆型ターボ圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例であるターボ圧縮機の断面図である。
【
図2】
図1に図示されたターボ圧縮機の部分拡大図である。
【
図3】
図1に図示されたターボ圧縮機の羽根車付近の拡大図である。
【
図4】
図1に図示された非接触式防爆ユニットの拡大図である。
【
図5】非接触式防爆ユニットの第2実施例を示す拡大図である。
【
図6】非接触式防爆ユニットの第3実施例を示す拡大図である。
【
図7】本発明の
図3に図示されたターボ圧縮機のVII-VII線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例であるターボ圧縮機の断面図であり、
図2は、
図1に図示されたターボ圧縮機の部分拡大図である。
図3は、
図1に図示されたターボ圧縮機の羽根車付近の拡大図である。
【0026】
図1ないし
図3を参照すれば、本発明の望ましい実施例によるターボ圧縮機100は、羽根車(impeller)を高速回転させることで、外気を吸い込んで圧縮した後、外部に送風する遠心型ポンプであって、いわゆるターボ圧縮機(turbo compressor)またはターボブロワ(turbo blower)とも称される。該ターボ圧縮機100は、ハウジング10、圧縮ユニット20、モータ30、空冷ユニット40、非接触式防爆ユニット50、及び電気変換装置60を含んで構成される。以下、圧縮対象である前記気体が爆発可能物質が含有された空気であることを前提とする。
【0027】
前記ハウジング10は、金属材質のハウジング(housing)であって、外部ハウジング11と内部ハウジング12とを備える。
【0028】
前記外部ハウジング11は、第1中心軸C1を円の中心とする断面を有する円筒状部材であって、前記第1中心軸C1に沿って延びている。
【0029】
前記内部ハウジング12は、モータ収容空間13を内部に備える円筒状部材であって、前記第1中心軸C1を円の中心とする断面を有し、前記第1中心軸C1に沿って延びている。
【0030】
前記モータ収容空間13は、後述する前記モータ30を収容するように前記モータ30と対応する形状を有する空間である。
【0031】
前記外部ハウジング11は、前記内部ハウジング12を取り囲んでいる状態で収容するように、前記内部ハウジング12と対応する形状を有している。
【0032】
前記外部ハウジング11は、
図1に図示されたように左側端部は、開口されており、右側端部は、後述する前記圧縮ユニット20の後方カバー23が結合されている。
【0033】
前記外部ハウジング11の内部表面と前記内部ハウジング12の外部表面は、既定の間隔ほど離隔された状態で互いに対向している。
【0034】
本実施例では、
図1に図示されたように前記外部ハウジング11の内部表面と前記内部ハウジング12の外部表面との間に、後述する圧縮気体流路26が形成されている。
【0035】
前記外部ハウジング11の左端部には、外気が前記圧縮気体流路26の内部に吸入されうるように、圧縮気体吸入口24が形成されている。
【0036】
前記圧縮気体吸入口24は、前記外部ハウジング11の内部表面と前記内部ハウジング12の外部表面が互いに協力して形成される円環状の穴である。
【0037】
前記内部ハウジング12の外周面には、熱交換効率を増加させうる冷却フィン121が形成されている。
【0038】
前記冷却フィン121は、前記内部ハウジング12の内部に設けられた冷却気路41に沿って流れる冷却用気体流Gと圧縮気体流路26に沿って流れる圧縮気体流Fとの熱交換効率を増加させるための冷却フィンである。
【0039】
前記冷却フィン121は、前記内部ハウジング12の外周面から前記内部ハウジング12の半径方向に突出しており、前記第1中心軸C1に沿って延びている。
【0040】
前記冷却フィン121は、複数個設けられて互いに離隔された状態で前記内部ハウジング12の円周方向に沿って多数個羅列されている。
【0041】
前記冷却フィン121の末端部の一部は、
図1に図示されたように前記外部ハウジング11の内部表面と接触した状態を保持している。
【0042】
したがって、前記圧縮気体流路26は、前記冷却フィン121によって、前記第1中心軸C1の円周方向に沿って多数個空間的に分離された状態で羅列されている。
【0043】
前記モータ収容空間13には、後述するジャーナル軸受34とスラスト軸受35とが装着されるように設けられた軸受取付部122が少なくとも1つ以上設けられている。
【0044】
本実施例において前記内部ハウジング12は、後述する回転軸31が貫通する部分と前記非接触式防爆ユニット50が設けられた部分を除き、内部の気体が外部に流出されない実質的な気密構造を備える。
【0045】
前記圧縮ユニット20は、外気を吸い込んで圧縮する装置であって、羽根車21、前方カバー22、及び後方カバー23を備える。
【0046】
前記羽根車21は、遠心型ポンプの主要構成として曲面を有する羽根を複数個備えたホイールであって、高速回転が可能なように装着されている。
【0047】
前記前方カバー22は、前記羽根車21の前方に配置される金属部材であって、後述する回転軸31の前端部をカバーすることができるように設けられる。
【0048】
前記後方カバー23は、前記羽根車21の後方に配置される金属部材であって、ボルトやスクリューによって前記ハウジング10と締結される。本実施例において、前記後方カバー23は、前記外部ハウジング11と結合されている。
【0049】
前記後方カバー23は、前記羽根車21を経た空気が渦旋形に流れるように形成された流路を備えたスクロール(scroll)ケーシング形態に設けられる。
【0050】
前記羽根車21は、前記圧縮気体吸入口24を介して流入された空気を圧縮し、前記羽根車21によって圧縮された空気は、
図1に図示されたように圧縮気体排出口25を介して外部に排出される。
【0051】
前記圧縮気体吸入口24に吸入された空気は、前記圧縮気体吸入口24から前記圧縮気体排出口25まで連結されている圧縮気体流路26に沿って移動しつつ圧縮される。
【0052】
前記モータ30は、回転力を発生させる電気モータであって、前記羽根車21に高速回転力を供給するための装置である。該モータ30は、回転軸31、ステータ32、ロータ3、及び軸受34を含む。
【0053】
前記回転軸31は、前記第1中心軸C1に沿って延びた棒部材であって、前記羽根車21を回転させるために、前端部が前記羽根車21と相対回転不可能に結合されている。
【0054】
前記回転軸31の後端部には、後述するスラスト軸受35が結合されるスラスト軸受ランナー(図示せず)が設けられている。
【0055】
前記ステータ32は、界磁コイル(field coil)が巻き取られる固定子(stator)であって、前記モータ収容空間13に固定された状態で装着される。
【0056】
前記ロータ33は、永久磁石を含む回転子(rotor)であって、前記回転軸31の中間部に結合されている。
【0057】
前記ジャーナル軸受34は、高速回転によって発生する摩擦力を減少させるために、前記回転軸31を回転可能に支持するジャーナルフォイル空気軸受(Journal foil air bearing)である。
【0058】
前記ジャーナル軸受34は、前記回転軸31の半径方向荷重を支持し、前記回転軸31の前端部と後端部にそれぞれ設けられている。
【0059】
前記回転軸31の後端部には、1対のスラスト軸受35が装着されている。本実施例において、前記スラスト軸受35は、スラストフォイル空気軸受(Thrust foil air bearing)が使用されている。
【0060】
前記スラスト軸受35は、前記回転軸31の軸方向荷重を支持するための軸受であって、本実施例において前記スラスト軸受35は、
図1に図示されたように、1対が設けられて前記スラスト軸受ランナー(図示せず)の両面にそれぞれ配置されている。
【0061】
前記ステータ32と前記ロータ33との間、前記回転軸31と前記ステータ32との間、前記回転軸31と前記ジャーナル軸受34との間、前記スラスト軸受35と前記回転軸31のスラスト軸受ランナー(図示せず)との間のそれぞれには、既定の間隔が存在する。
【0062】
前記空冷ユニット40は、前記内部ハウジング12及びモータ30を冷却用気体を使用して冷却するための装置であって、冷却気路41と冷却ファン42を備える。ここで、前記冷却用気体としては、空気または不活性気体が使用される。
【0063】
前記冷却気路41は、前記冷却用気体を収容する通路であって、内部に収容された前記冷却用気体流Gが循環し続けるように形成されている。
【0064】
前記冷却気路41は、
図2に図示されたように、前記モータ収容空間13の全体空間を循環し続けるように設けられている。
【0065】
前記冷却気路41は、前記第1中心軸C1を中心に回転対称ないし軸対称に配列されることが望ましい。
【0066】
本実施例において、前記冷却気路41は、前記圧縮気体流路26と空間的に分離されている。したがって、前記圧縮気体流路26の内部にある圧縮気体が圧縮される過程で前記圧縮気体流路26から漏れて前記冷却気路41に浸透することができない構造である。
【0067】
前記冷却ファン42は、前記冷却気路41の内部に収容された冷却用気体を強制循環流動させるための冷却ファン(cooling fan)であって、前記モータ収容空間13の後端部に装着されている。
【0068】
本実施例において、前記冷却ファン42は、前記回転軸31の後端部に相対回転不可能に結合されているので、前記回転軸31の回転力によって共に回転する。
【0069】
前記非接触式防爆ユニット50は、
図4に図示されたように、前記内部ハウジング12の内部空間で発生した火炎g1が通過しつつ冷却された後、外部に排出されるように設けられた装置である。
【0070】
本実施例において、前記非接触式防爆ユニット50は、
図4に図示されたように、既定値以下の幅dと既定値以上の長さLを有する間隙ないし通路の形態に設けられる。
【0071】
前記非接触式防爆ユニット50は、前記回転軸31の回転運動を干渉しないように、軸対称ないし回転対称の形状を有するように設けられる。
【0072】
本実施例において、前記非接触式防爆ユニット50は、
図4及び
図7に図示されたように前記回転軸31の一端部外周面に形成された第1面311と前記内部ハウジング12に形成された第2面123とが互いに協力して形成する円錐状空間部として設けられている。
【0073】
前記回転軸31の第1面311と前記内部ハウジング12の第2面123は、既定の間隔dだけ互いに離隔されているので、前記回転軸31が回転しても、常に前記第1面311と第2面123は、「非接触」状態を保持する。
【0074】
本実施例において、前記回転軸31の第1面311は、前記回転軸31の前端部に位置し、前記羽根車21に向けて行くほど半径が小さくなるテーパー状曲面である。そして、前記内部ハウジング12の第2面123は、前記第1面311と対応する形状のテーパー状曲面である。
【0075】
したがって、前記非接触式防爆ユニット50の円錐状空間部は、前記羽根車21と既定の距離以内に位置され、前記羽根車21に向けて行くほど半径が小さくなる方向に配置されている。
【0076】
前記非接触式防爆ユニット50の一端部は、前記ジャーナル軸受34のうち前記モータ収容空間13の前端部に配置されたジャーナル軸受34が装着された軸受取付部122に連通されており、前記非接触式防爆ユニット50の他端部は、前記圧縮気体流路26の下流と連通されている。ここで、前記圧縮気体流路26の下流は、圧縮気体流Fが前記羽根車21に進入する直前の近傍の位置である。
【0077】
したがって、本実施例において、前記非接触式防爆ユニット50は、前記内部ハウジング12の内部空間と前記圧縮気体流路26とを互いに連通させている。
【0078】
前記電気変換装置60は、前記モータ30を制御するために電気を変換する装置であって、直流(DC)成分を交流(AC)成分に変換するか、逆に、交流(AC)成分を直流(DC)に変換して前記モータ30に供給する装置である。
【0079】
本実施例において、前記電気変換装置60は、直流(DC)成分を交流(AC)成分に変換するインバータ(inverter)を含んでいる。ここで、前記インバータは、パワーインバータ(power inverter)とも称され、適切な変換方法やスイッチング素子、制御回路を介して所望の電圧と周波数出力値を得る。
【0080】
前記電気変換装置60は、各種の発熱部品を内部に収容する金属材質のケース61を含む。
【0081】
前記ケース61は、内部の各種の発熱部品が焼損されて火炎が発生しても、その火炎が外部に流出されないように、気密可能な構造を有する。
【0082】
本実施例において、前記ケース61は、前記外部ハウジング11の下端部に配置され、前記ハウジング10と熱交換可能なように、
図1に図示されたように、前記外部ハウジング11の外周面に接触された状態を保持している。
【0083】
本実施例では、前記ケース61は、
図1に図示されたように、前記外部ハウジング11を経て前記冷却フィン121の末端部と熱交換可能な位置に配置されている。
【0084】
前記ケース61の内部上端には、スイッチングモジュール62が配置されており、前記ケース61の内部下端には、制御機63が配置されている。
【0085】
前記スイッチングモジュール62は、前記電気変換装置60の主要発熱部品であって、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT、Insulated/Isolated Gate bi-polar Transistor)を含んでいる。
【0086】
前記制御機63は、前記モータ30の回転速度を調節するなど、前記モータ30の作動全般を制御する装置である。
【0087】
以下、上述した構成のターボ圧縮機100が作動する方法の一例を説明する。
【0088】
前記モータ30の回転軸31が回転すれば、前記羽根車21と前記冷却ファン42とが回転し、前記圧縮気体吸入口24を介して流入された空気Fは、前記圧縮ユニット20の圧縮気体流路26に沿って流れつつ、圧縮されて前記圧縮気体排出口25を介して外部に排出される。この際、前記圧縮気体流路26は、前記冷却気路41と空間的に分離されているので、前記圧縮気体流路26の内部で流れる空気が圧縮される過程で漏れて前記冷却気路41に浸透することができない。すなわち、前記圧縮気体流路26に沿って流れる空気のフローFと前記冷却気路41に沿って流れる冷却用気体流Gは、互いに混合されない。
【0089】
前記冷却気路41の内部に収容された冷却用気体Gは、前記冷却ファン42によって強制循環されることで、
図2に図示されたように、前記ステータ32の界磁コイル、前記回転軸31、前記ロータ33、前記ジャーナル軸受34、及びスラスト軸受35を経て通り過ぎる。
【0090】
この際、前記モータ収容空間13の外郭を流れる冷却用気体Gは、前記外部ハウジング11と前記内部ハウジング12との間に流れる圧縮気体流Fによって迅速に冷却される。特に、前記冷却フィン121によって、前記モータ収容空間13の外郭を流れる冷却用気体Gと前記圧縮気体流Fとの熱交換効率が非常に高くなる。
【0091】
一方、前記ターボ圧縮機100の作動中に、前記内部ハウジング12の内部に存在するモータステータ32の焼損または軸受34、35の摩擦などによって発生する火炎によって内部爆発が発生すれば、それによる火炎流g1が発生するが、
図4に図示されたように、前記火炎流g1は、前記非接触式防爆ユニット50の一端部に流入された後、前記非接触式防爆ユニット50を通過して前記非接触式防爆ユニット50の他端部に排出される。
【0092】
この際、前記内部ハウジング12の内部空間で発生した火炎g1が前記非接触式防爆ユニット50を通過しつつ冷却された後、外部に排出されるので、前記圧縮気体流Fに前記火炎流g1が合流されても、前記圧縮気体Fが爆発する事故は発生しない。
【0093】
上述した構成のターボ圧縮機100は、気体を圧縮して外部に供給するターボ圧縮機であって、前記気体が吸入される圧縮気体吸入口24、前記圧縮気体吸入口24を介して流入された気体を圧縮する羽根車21、前記羽根車21によって圧縮された前記気体が外部に排出される圧縮気体排出口25、前記圧縮気体吸入口24から前記圧縮気体排出口25まで連結されている圧縮気体流路26を備える圧縮ユニット20;前記羽根車21を回転させるために、一端部が前記羽根車21と結合されている回転軸31を備えるモータ30、前記モータ30を収容するモータ収容空間13を備えたハウジング10、前記モータ収容空間13を通過するように設けられ、内部に収容された冷却用気体Gが続けて循環可能なように形成されている冷却気路41、前記回転軸31の半径方向荷重または軸方向荷重を支持する軸受であって、少なくとも1つ以上が設けられている空気軸受(ジャーナル軸受34、スラスト軸受35)、及び前記ハウジング10の内部空間で発生した火炎が通過しつつ冷却された後、外部に排出されるように設けられた通路であって、既定値以下の幅dと既定値以上の長さLを有する非接触式防爆ユニット50を含み、前記圧縮気体流路26は、前記冷却気路41と空間的に分離されることにより、前記圧縮気体流路26の内部にある気体が前記冷却気路41に浸透することができないので、前記空気軸受(ジャーナル軸受34、スラスト軸受35)によって使用寿命が増加し、振動ノイズが減少すると共に、前記内部ハウジング12の内部に存在するモータステータ32の焼損または軸受34、35の摩擦などによって発生する火炎によって内部爆発が発生しても、それによる火炎流g1が前記非接触式防爆ユニット50を通過しつつ冷却された後、外部に排出されるので、前記圧縮気体Fが爆発する事故を防止することができる長所がある。
【0094】
そして、前記ターボ圧縮機100は、前記非接触式防爆ユニット50が、前記ハウジング10の内部空間(モータ収容空間13)と前記圧縮気体流路26とを互いに連通させているので、前記圧縮気体流路26を流動する圧縮気体流Fによって発生する負圧によって前記非接触式防爆ユニット50を通過する火炎流g1が加速される長所がある。
【0095】
また、前記ターボ圧縮機100は、前記非接触式防爆ユニット50が、前記回転軸31の一端部外周面に形成された第1面311と前記ハウジング10に形成された第2面123とが互いに協力して形成する円錐状空間部であり、前記円錐状空間部は、前記羽根車21と既定の距離以内に位置され、前記羽根車21に向けて行くほど半径が小さくなる方向に配置されているので、一般的に前記回転軸31の前端部がテーパー状を有する点を考慮するとき、前記内部ハウジング12の他の部分を機械加工する場合に比べて、前記非接触式防爆ユニット50を形成するための機械加工を最小化することができる長所がある。
【0096】
そして、前記ターボ圧縮機100は、前記冷却気路41の内部に収容された冷却用気体Gを強制流動させるための冷却ファン42を含むので、前記冷却気路41の内部に収容された冷却用気体Gを強制循環させうる長所がある。
【0097】
また、前記ターボ圧縮機100は、前記冷却ファン42が前記回転軸31の後端部に配置され、前記回転軸31の回転力によって回転するので、前記冷却ファン42を回転させるための別途のモータが不要であるという長所がある。
【0098】
そして、前記ターボ圧縮機100は、前記圧縮気体流路26と前記冷却気路41との間に熱交換効率を増加させうる冷却フィン121が設けられているので、冷却用気体Gと圧縮気体Fとの熱交換効率が増加する長所がある。
【0099】
また、前記ターボ圧縮機100は、前記モータ30を制御するための電気変換装置60を含み、前記電気変換装置60は、内部の発熱部品を気密に収容可能な金属材質のケース61を含み、前記ケース61は、前記ハウジング10と熱交換可能に接触状態を保持しているので、前記ケース61の内部で焼損や爆発が発生しても、火炎が外部に漏れず、同時に前記ケース61内部の発熱部品が迅速に冷却されうる長所がある。
【0100】
そして、前記ターボ圧縮機100は、前記圧縮気体流路26と前記冷却気路41との間に熱交換効率を増加させうる冷却フィン121が設けられており、前記ケース61は、前記冷却フィン121と熱交換可能な位置に配置されているので、前記冷却フィン121の間を流動する圧縮気体流Fによって前記電気変換装置60がさらに迅速に冷却されうる長所がある。
【0101】
本実施例では、前記非接触式防爆ユニット50が
図4に図示されたように「直線的」に形成されているが、そのような形状の代わりに、前記ハウジング10の内部空間で発生した火炎流g1が通過する距離を実質的に増加させるように、
図5に図示された階段状の非接触式防爆ユニット50a、
図6に図示された波動形態の非接触式防爆ユニット50bのようなもののうち一形状を有するということはいうまでもない。ここで、前記非接触式防爆ユニット50は、前記非接触式防爆ユニット50a、50bのような形状に限らず、火炎流g1が通過する距離を実質的に増加させ、前記回転軸31が回転しても、常に前記第1面311と第2面123とが「非接触」状態を保持可能であれば、どのような形状も可能である。
【0102】
本実施例では、前記非接触式防爆ユニット50が、
図4及び
図7に図示されたように、前記回転軸31の一端部外周面に形成された第1面311と前記内部ハウジング12に形成された第2面123が互いに協力して形成する円錐状空間部として設けられているが、その代わりに、前記回転軸31の一端部外周面に形成された第1面311と前記ハウジング10に形成された第2面123が互いに協力して形成する円筒状空間部として設けられてもよいということはいうまでもない。
【0103】
本実施例では、前記非接触式防爆ユニット50が前記内部ハウジング12の内部空間と前記圧縮気体流路26とを互いに連通させているが、前記非接触式防爆ユニット50が前記内部ハウジング12の内部空間と前記外部ハウジング11の外部とを互いに連通させることも可能である。
【0104】
本実施例では、前記非接触式防爆ユニット50が、前記モータ収容空間13の前端部に配置されたジャーナル軸受34の軸受取付部122と前記圧縮気体流路26の下流を連通させているが、前記非接触式防爆ユニット50が前記モータ収容空間13の任意の地点と前記圧縮気体流路26の任意の地点とを互いに連通させることもできる。
【0105】
本実施例では、前記非接触式防爆ユニット50が、
図7に図示されたように前記第1中心軸C1の円周方向に沿って360°全周にわたって形成される円錐状空間部として形成されているが、前記第1中心軸C1の円周方向に沿って一部は空間部が形成され、一部は空間部が形成されない方式で、交互にないしは間歇的に空間部が形成されうるということはいうまでもない。
【0106】
本実施例では、前記冷却ファン42が前記回転軸31の後端部に直接結合されているが、別途の電気モータによって駆動されうるということはいうまでもない。
【0107】
本実施例では、気密のための別途のシーリング(sealing)手段が説明されていないが、多様な種類のシーリング手段が使用されうるということはいうまでもない。
【0108】
以上、本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施例の記載内容に限定されず、当該技術分野の通常の知識を有する者によって修正または変更された等価の構成は、本発明の技術的思想の範囲を外れないということは明白である。
【国際調査報告】