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特表2024-512396多相アイコン構造を有する微小光学セキュリティデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】多相アイコン構造を有する微小光学セキュリティデバイス
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/30 20140101AFI20240312BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240312BHJP
   G02B 3/06 20060101ALI20240312BHJP
   G02B 3/08 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B42D25/30
G02B3/00 A
G02B3/06
G02B3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555331
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 US2022071033
(87)【国際公開番号】W WO2022192874
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/158,276
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516166085
【氏名又は名称】クレイン アンド カンパニー、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケイプ、サミュエル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ブレイマン、ベンジャミン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ガムスター、ジェイソン
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005HA02
2C005HA04
2C005HB02
2C005HB03
2C005HB09
2C005JB40
2C005KA02
(57)【要約】
光セキュリティデバイス(100)は、集光素子が第1の繰り返し軸(415)に沿って第1のピッチで離間して配置された集光素子アレイ(105)を含み、集光素子アレイの各集光素子は、第1の焦点深度における焦点フットプリントに関連付けられる。光学セキュリティデバイスは、集光素子アレイに対して第1の焦点深度に配置されたアイコン層(120)をさらに含み、アイコン層はハイブリッド画像アイコンのアレイを含む。ハイブリッド画像アイコン(410)の各々は、光学セキュリティデバイスによって投影された第1の射出画像に関連付けられる第1の構成要素(410a)と、光学セキュリティデバイスによって投影された第2の射出画像に関連付けられる第2の構成要素(410b)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学セキュリティデバイス(100)であって、
集光素子が第1の繰り返し軸(415)に沿って第1のピッチで離間して配置された集光素子アレイ(105)であって、前記集光素子アレイの各集光素子が第1の焦点深度における焦点フットプリントに関連付けられている、集光素子アレイ(105)と、
前記集光素子アレイに対して前記第1の焦点深度に配置されたアイコン層(120)であって、ハイブリッド画像アイコンのアレイを備えるアイコン層(120)と、
を備え、
ハイブリッド画像アイコン(410)の各々は、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第1の創発的画像に関連付けられた第1の構成要素(410a)と、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第2の創発的画像に関連付けられた第2の構成要素(410b)とを備え、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント(701a)内で第1の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が、第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第2の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される、
光学セキュリティデバイス。
【請求項2】
前記集光素子アレイの集光素子は、六角形又は非球面の集光素子を含む、請求項1に記載の光学セキュリティデバイス。
【請求項3】
前記集光素子アレイの集光素子は、球面の集光素子を含む、請求項1に記載の光学セキュリティデバイス。
【請求項4】
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は、前記第1のピッチに対して第1の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素は、前記第1のピッチに対して第2の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記第1の繰り返し比は、前記第2の繰り返し比に等しい、
請求項1に記載の光学セキュリティデバイス。
【請求項5】
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は、前記第1のピッチに対して第1の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素は、前記第1のピッチに対して第2の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記第1の繰り返し比は、前記第2の繰り返し比とは異なる、
請求項1に記載の光セキュリティデバイス。
【請求項6】
前記第1の創発的画像及び前記第2の創発的画像の少なくとも一方は、動的な創発的画像である、請求項1に記載の光学セキュリティデバイス。
【請求項7】
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は第1の色であり、
前記第2の構成要素は第2の色であり、前記第2の色は前記第1の色と対照を成す、
請求項1に記載の光セキュリティデバイス。
【請求項8】
前記第1の創発的画像は、少なくとも1つの周期的に繰り返す前記第1の色の帯であって、視野角の変化に応答して前記光学セキュリティデバイスの第1の領域を通って移動する前記第1の色の帯を含み、
前記第2の創発的画像は、少なくとも1つの周期的に繰り返す前記第2の色の帯であって、視野角の変化に応答して前記光学セキュリティデバイスの前記第1の領域を通って移動する前記第2の色の帯を含む、
請求項7に記載の光セキュリティデバイス。
【請求項9】
前記集光素子アレイの集光素子は、レンチキュラー集光素子を含む、請求項1に記載の光学セキュリティデバイス。
【請求項10】
ハイブリッド画像アイコンの各々は、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第3の創発的画像に関連付けられる第3の構成要素をさらに備え、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第3の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第3の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第3の構成要素が、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される、
請求項1に記載の光学セキュリティデバイス。
【請求項11】
前記第1の位相空間は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素と前記第1の繰り返し軸に沿った前記集光素子の前記第1のピッチとの間の第1の繰り返し比と、前記第1の構成要素と前記ハイブリッド画像アイコンの他の構成要素との間のオフセットとの関数である、請求項1に記載の光セキュリティデバイス。
【請求項12】
光学セキュリティデバイスを製造する方法であって、
集光素子が第1の繰り返し軸(415)に沿って第1のピッチで離間して配置された集光素子アレイ(105)を設けることであって、前記集光素子アレイの各集光素子が第1の焦点深度における焦点フットプリントに関連付けられている、集光素子アレイ(105)を設けることと、
前記集光素子アレイに対して前記第1の焦点深度に配置されたアイコン層(120)を設けることであって、前記アイコン層がハイブリッド画像アイコンのアレイを備える、アイコン層(120)を設けることと、
を含み、
ハイブリッド画像アイコン(410)の各々は、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第1の創発的画像に関連付けられた第1の構成要素(410a)と、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第2の創発的画像に関連付けられた第2の構成要素(410b)とを備え、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント(701a)内で第1の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が、第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第2の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される、
方法。
【請求項13】
前記第1の位相空間は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素と前記第1の繰り返し軸に沿った前記集光素子の前記第1のピッチとの間の第1の繰り返し比と、前記第1の構成要素と前記ハイブリッド画像アイコンの他の構成要素との間のオフセットとの関数である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記集光素子アレイの集光素子は、六角形又は非球面の集光素子を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記集光素子アレイの集光素子は、球面の集光素子を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は、前記第1のピッチに対して第1の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素は、前記第1のピッチに対して第2の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記第1の繰り返し比は、前記第2の繰り返し比に等しい、
請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は、前記第1のピッチに対して第1の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素は、前記第1のピッチに対して第2の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、
前記第1の繰り返し比は、前記第2の繰り返し比とは異なる、
請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は第1の色であり、
前記第2の構成要素は第2の色であり、前記第2の色は前記第1の色と対照を成す、
請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の創発的画像は、少なくとも1つの周期的に繰り返す第1の色の帯であって、視野角の変化に応答して前記光学セキュリティデバイスの第1の領域を通って移動する第1の色の帯を含み、
前記第2の創発的画像は、少なくとも1つの周期的に繰り返す第2の色の帯であって、視野角の変化に応答して前記光学セキュリティデバイスの前記第1の領域を通って移動する第2の色の帯を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記集光素子アレイの集光素子は、レンチキュラー集光素子を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、銀行券、パスポート及びチケットなどのセキュアな又は重要度の高い文書の偽造防止に関する。より具体的には、本開示は、多相アイコン構造を有する微小光学セキュリティデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
微小光学セキュリティデバイス、すなわち、マイクロスケールの集光素子アレイと、集光素子の焦点面内の画像アイコン(例えば、着色材料のサブマイクロスケール領域)の配列と、を含むデバイスであって、それらが、1つ以上の特徴的な視覚的効果(例えば、3次元の外観を有する、創発的画像(emergent images)又は「合成」画像)を提供するように協働するデバイスは、通貨紙幣及びパスポートなどの重要文書の真正性について信頼できる視覚的証印(visual indicia)を提供するのに、これまで一般に有効であることが証明されている。
【0003】
文書の真正性の視覚レベルの証印(すなわち、銀行券機器製造業者(「BEM」)の装置や他の特殊な機械ではなく、人間の目で検出可能な証印)としての微小光学セキュリティデバイスの性能及び有効性は、少なくとも部分的には、微小光学セキュリティデバイスがユーザを視覚的に惹きつける視覚効果をどの程度提供するかに依存し得ると共に、セキュリティデバイスの外観やセキュリティデバイスによって提供される視覚効果が、偽造者及び悪意のある行為者の現在の能力をどの程度超えているかに依存し得る。
【0004】
新規な視覚効果(すなわち、これまでに見たことが無い視覚効果)を提供する微小光学セキュリティデバイスは、その新規性により、ユーザを惹きつける可能性が高まる(ユーザが見たことのない特徴に気付く可能性が高いので)だけではなく、同時に、偽造の発生率を低下させる(偽造者は新規な視覚効果を発生させるのに使用される製造技術及び設計技術をまだ習得していないため)という点で、特に有効であり得る。
【0005】
したがって、微小光学セキュリティデバイスによって提供される視覚効果の範囲を拡大することは、依然として、当技術分野における技術的課題及び改善の機会の源泉である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、多相アイコン構造を有する微小光学セキュリティデバイスを提供する。
【0007】
第1の実施形態において、光学セキュリティデバイスは、集光素子が第1の繰り返し軸に沿って第1のピッチで離間して配置された集光素子アレイであって、前記集光素子アレイの各集光素子が第1の焦点深度における焦点フットプリントに関連付けられている、集光素子アレイを含む。光学セキュリティデバイスは、前記集光素子アレイに対して前記第1の焦点深度に配置されたアイコン層であって、ハイブリッド画像アイコンのアレイを備えるアイコン層を含む。ハイブリッド画像アイコンの各々は、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第1の創発的画像に関連付けられた第1の構成要素と、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第2の創発的画像に関連付けられた第2の構成要素と、を含む。前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第1の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が、第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される。前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第2の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される。
【0008】
第2の実施形態において、光学セキュリティデバイスを製造する方法は、集光素子が第1の繰り返し軸に沿って第1のピッチで離間して配置された集光素子アレイを設けることであって、前記集光素子アレイの各集光素子が第1の焦点深度における焦点フットプリントに関連付けられている、集光素子アレイを設けることを含む。本方法は、前記集光素子アレイに対して前記第1の焦点深度に配置されたアイコン層を設けることであって、前記アイコン層がハイブリッド画像アイコンのアレイを備える、アイコン層を設けることを含む。ハイブリッド画像アイコンの各々は、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第1の創発的画像に関連付けられた第1の構成要素と、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第2の創発的画像に関連付けられた第2の構成要素と、を含む。前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第1の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が、第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される。前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第2の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される。
【0009】
他の技術的特徴は、以下の図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲から当業者には容易に明らかであり得る。
【0010】
以下の詳細な説明を行う前に、本特許文書全体を通して使用される特定の単語及び語句の定義を提示することが有利であり得る。「カップリング(couple)」という用語及びその派生語は、これらの要素が互いに物理的に接触しているかどうかにかかわらず、2つ以上の要素間の任意の直接的または間接的なコミュニケーションを指す。「含む(include)」及び「含む(comprise)」という用語、ならびにそれらの派生語は、限定されない包含を意味する。「または(or)」という用語は、包括的であり、及び/またはを意味する。「に関連付けられた(associated with)」という語句、ならびにその派生語は、「含む(to include)」、「内に含まれる(be included within)」、「互いに接続される(interconnect with)」、「包含する(contain)」、「内に包含される(be contained within)」、「に/と接続される(connect to or with)」、「に/と結合される(couple to or with)」、「と通信可能な(be communicable with)」、「と連携する(cooperate with)」、「交互配置する(interleave)」、「並べる(juxtapose)」、「最も近い(be proximate to)」、「に/と決まっている(be bound to or with)」、「有する(have)」、「の性質を有する(have a property of)」、「に/と関係を有する(have a relationship to or with)」などを含む意味を持つ。任意の特定のコントローラに関連する機能は、ローカル又はリモートにかかわらず、集中型又は分散型であり得る。「の少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、アイテムのリストとともに使用される場合、リストされたアイテムのうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用され得、リスト内の1つのアイテムのみが必要とされ得ることを意味する。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、ならびにA及びB及びCのいずれかの組み合わせを含む。
【0011】
他の特定の単語及び語句の定義は、本特許文書全体を通して提供される。当業者は、ほとんどではないが多くの場合、そのような定義が、そのように定義された単語及び語句の先行する使用ならびに将来の使用に適用されることを理解すべきである。
【0012】
本開示及びその利点のより完全な理解のために、ここで添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の特定の実施形態による微小光学システムの一例を示す図である。
図2図2は、本開示の特定の実施形態による微小光学セキュリティデバイス内の微小光学セルを示す分解斜視図である。
図3A図3Aは、本開示の様々な実施形態による集光素子の焦点フットプリントの態様を示す図である。
図3B図3Bは、本開示の様々な実施形態による集光素子の焦点フットプリントの態様を示す図である。
図3C図3Cは、本開示の様々な実施形態による集光素子の焦点フットプリントの態様を示す図である。
図4図4は、本開示の特定の実施形態による焦点フットプリントに対するハイブリッドアイコンの一例を示す図である。
図5図5は、集光素子アレイの集光素子のフットプリントに対する、本開示の様々な実施形態によるハイブリッドアイコンを備えるアイコン層の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の様々な実施形態によるハイブリッド画像アイコンの構成要素間の位相空間の一例を示す図である。
図7図7は、本開示の様々な実施形態による焦点フットプリント及び3つの構成要素を備えるハイブリッド画像アイコンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に説明する図1図7、及び本特許文書において本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものと決して解釈されるべきではない。
【0015】
図1は、本開示の特定の実施形態による微小光学システム100の一例を示す。
図1の非限定的な実施例を参照すると、微小光学システム100は、基本的なレベルにおいて、集光素子の平面アレイ105(例えば、集光素子107を含む)と、画像アイコン配列120(例えば、画像アイコン121を含む)と、を備えている。図1に示す例では、集光素子の平面アレイの集光素子は、球面レンズである。しかしながら、他の種類の集光素子も可能であり、本開示の想定する範囲内である。本開示による微小光学システムで使用するのに好適な集光素子の例としては、非球面レンズ、フレネルレンズ、反射レンズ、レンチキュラーレンズ、及び封止型レンチキュラーレンズが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。様々な実施形態によれば、集光素子の平面アレイ105の各集光素子は、画像アイコン配列120の1つ以上の画像アイコンが配置される焦点フットプリント(focal footprint)を有する。特定の実施形態では、各集光素子のそれぞれの焦点フットプリント内の画像アイコン配列120における画像アイコンの位置は、画像アイコン層内の保持構造間の空間に対応する。
【0016】
本開示で使用される「焦点フットプリント」という表現は、集光素子が1つ以上の予め定めた基準(例えば、明るさ及び焦点の鮮明さ)内で光を集束させ得る、集光素子の焦点面内又はそれに近接する領域を包含する。実施形態によっては、集光素子の焦点フットプリントは、集光素子の基部と同一の広がりを有することができる。あるいは、集光素子の焦点フットプリントは、集光素子の基部の形状及び面積のうちの1つ以上において異なっていてもよい。例示的な一例として、円形の基部プロファイルを有する集光素子(例えば、球面レンズ又は反射体)が、六角形の焦点フットプリントを有する場合がある。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、画像アイコン配列120の解像度(例えば、指定された領域内に設けられる集光素子の数)に対する、集光素子の平面アレイ105の解像度(例えば、1mm×1mmボックスなどの指定された領域内に設けられる集光素子の数)の比は1以上である。非限定的な例として、画像アイコン配列120内の各画像アイコンは、複数の集光素子の焦点フットプリント内に入ることができる。さらなる非限定的な例として、指定された領域内のすべての集光素子の焦点フットプリント内に画像アイコンが存在していなくてもよい。さらに、本開示によるいくつかの実施形態では、画像アイコン配列120の解像度に対する集光素子の平面アレイ105の解像度の比が、1未満の値を有していてもよい。
【0018】
特定の実施形態によれば、複数の集光素子105は、微小光学集光素子の平面アレイを含む。いくつかの実施形態では、集光素子の平面アレイ105の集光素子は、異なる屈折率の領域の間(例えば、ポリマーレンズ材料と空気)に湾曲した界面を提供するレンズ面を有する、微小光学屈折集光素子(例えば、平凸レンズ又はGRINレンズ)を含む。集光素子の平面アレイ105の屈折集光素子は、いくつかの実施形態では、1.35~1.7の範囲の屈折率を有する光硬化樹脂から製造され、5μm~200μmの範囲の直径を有する。様々な実施形態において、集光素子の平面アレイ105の集光素子は、5μm~200μmの範囲の直径を有する反射集光素子(例えば、非常に小さい凹面鏡)を含む。この例示的な例では、集光素子の平面アレイ105の集光素子は、円形の平凸レンズを備えるものとして図示されているが、他の屈折レンズ形状、例えばレンチキュラーレンズも使用可能であり、本開示の想定する範囲内である。
【0019】
様々な実施形態によれば、集光素子の平面アレイ105の集光素子は、少なくとも1つの繰り返し軸に沿って規則的な間隔(「ピッチ」又は「レンズピッチ」と呼ばれることがある)で配置される。集光素子のレンチキュラーアレイの場合、集光素子は、単一の繰り返し軸に沿って配置される。しかしながら、球形又は他の集光素子の形状の場合、集光素子の平面アレイ105の集光素子は、2つの繰り返し軸にわたって繰り返すことができる。さらに、集光素子の構成に応じて、繰り返し軸は互いに直交していてもよく、又は直交していなくてもよい。
【0020】
図1に例示するように、画像アイコン配列120は、集光素子の平面アレイ105の集光素子の焦点フットプリント内の予め定めた位置に配置された、画像アイコン(画像アイコン121を含む)のセットを含む。様々な実施形態によれば、画像アイコン配列120の個々の画像アイコンは、構造化された画像アイコン層内の保持構造によって画定された空間内にある光硬化材料の領域を含む。本開示で使用される「構造化画像層」という用語は、画像アイコン材料を位置決めし保持するための構造(例えば、凹部、ポスト、溝、又はメサ)を含むようにエンボス加工されるか、又は他の方法で形成された材料(例えば、光硬化性樹脂)の層を包含する。特定の実施形態によれば、画像アイコン配列120は、微小光学システム100の画像アイコン構造の動的な再設計及び再構成を容易にするように構築される。例えば、画像アイコン配列120は、いくつかの実施形態では、保持構造(図1に示されるように、四角いウェル)を1色以上の未硬化の顔料材料で選択的に充填し、硬化させることによって形成され、これにより画像アイコン配列120内に色領域又は色ゾーンが形成される。この非限定的な例では、画像アイコン配列120内の異なる色は、集束層(focusing layers)に最も近い画像アイコンの表面上の異なる塗りつぶしパターンによって表される。例えば、画像アイコン121は、その行内の画像アイコンと同じ色を有するものとして図示されている。
【0021】
本開示の図4図7に示す例を参照して説明するように、特定の実施形態では、画像アイコン配列120の画像アイコンを、ハイブリッド画像アイコンとすることができる。本開示で使用される「ハイブリッド画像アイコン」という表現は、2つ以上の構成要素に細分化された画像アイコンを包含し、各構成要素は、集光素子とアイコン構造との間で共有される繰り返し軸に沿って異なる位相を占めることができる。
【0022】
図1に例示するように、特定の実施形態では、微小光学システム100は光学スペーサ110を備えている。様々な実施形態によれば、光学スペーサ110は、画像アイコン配列120の画像アイコンを、集光素子の平面アレイ105の集光素子の焦点面内又はその周囲に配置するように動作する実質的に透明な材料のフィルムを含む。本開示による特定の実施形態では、光学スペーサ110は、製造基板を備えており、これに光硬化性材料の1つ以上の層を塗布し、エンボス加工し、フラッド硬化させて保持構造を形成することができ、保持構造は、その後、硬化された着色光硬化性材料で充填されてアイコン構造を生成することができる。特定の実施形態では、画像アイコン配列120を形成するために使用される光硬化性材料は、着色された紫外線(UV)硬化性ポリマーである。
【0023】
本開示による特定の実施形態では、微小光学システム100は封止層140を備えている。特定の実施形態によれば、封止層140は、実質的に透明な材料の薄い層(例えば、2μm~50μmの厚さの層)を含み、封止層140の下面で集光素子105の平面アレイの集光素子と接し、(例えば、平滑であるか、又は局所的な起伏の曲率半径が集光素子よりも大きい表面を有することによって)集光素子の平面アレイ105よりも曲率のばらつきが少ない上面を備える。
【0024】
図1の非限定的な実施例に示すように、特定の実施形態では、微小光学システム100は、例えば、接着層130によって基板150に取り付けられて、セキュリティ文書160を形成することができる。様々な実施形態によれば、基板150は、紙幣用シート、又はポリマー基板とすることができる。いくつかの実施形態によれば、基板150は、ポリマーフィルムである二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)の薄い可撓性シートである。様々な実施形態において、基板150は、テスリン(TESLIN、登録商標)などの合成紙材料の一部である。いくつかの実施形態によれば、基板150は、クレジットカード及び運転免許証の作成に適したタイプのポリエチレンテレフタレート(PET)ブランクなどのポリマーカード材料の一部である。
【0025】
図2は、本開示の特定の実施形態による微小光学セキュリティデバイス(例えば、図1の微小光学システム100)内の微小光学セル200を、上下方向からの分解斜視図で示す。本開示で使用される「微小光学セル」という用語は、集光素子の平面アレイ(例えば、図1の集光素子の平面アレイ105)内の単一の集光素子に対応する微小光学セキュリティデバイスの3次元部分を包含する。
【0026】
図2の非限定的な例を参照すると、微小光学セル200は、微小光学セキュリティデバイス(例えば、図1の微小光学システム100)を形成する複数(いくつかの実施形態では、数百万)の微小光学セルのうちの1つである。様々な実施形態によれば、微小光学セル200は、集光素子207を備えている。この図示した例では、集光素子207は、屈折集光素子(この場合、平凸レンズ)であり、この屈折集光素子は、光硬化性材料の層を光学スペーサ層210(例えば、製造基板としても機能する透明フィルム材料の層)に塗布し、集光素子207の形状を画定するために光硬化性材料の層をエンボス加工し、いくつかの実施形態では、集光素子のF#に応じて追加の光学スペーサ201(「グースペーサ(goo spacer)」と呼ばれることがある)をエンボス加工し、その後、光(例えば、紫外光)で材料を硬化させて1つ以上の化学硬化反応を生じさせ、微小光学セキュリティデバイスに使用するのに十分な堅牢性を有する光硬化性材料の層を生成することによって形成される。
【0027】
様々な実施形態によれば、微小光学セル200は、構造化画像アイコン層(例えば、図1の画像アイコン配列120を含む画像アイコン層)の部分220をさらに備えている。図2の非限定的な例を参照すると、構造化画像アイコン層の部分220は、複数の保持構造を備え、各保持構造は第1の深さを有する独立した容積(isolated volume)を画定する。本開示による様々な実施形態では、部分220を含む画像アイコン層は、集光素子207と同様の製造技術を使用して構築され、未硬化の光硬化性材料の層が光学スペーサ層210の側面に塗布され、エンボス加工されて複数の保持構造を形成し、次いで光源に曝露されて材料中の硬化反応を活性化し、硬化した構造化画像アイコン層を生成する。
【0028】
本開示の他の箇所に記載されるように、微小光学セキュリティデバイスの性能を測定することができる特質(dimension)には、これに限定するものではないが、デバイス及びデバイスによって生成される光学効果が、視覚的にどの程度人を惹きつけるかが含まれる。微小光学セキュリティデバイスが、確実に「観察者の目を引く」場合、そのようなデバイスがないこと、又はデバイスの外観に不規則性があることが、ユーザによって気付かれる可能性がより高くなる。美観は人を惹きつけるものであり、偽造防止の観点から、人を惹きつけることは非常に有利であり得る。
【0029】
微小光学システムによって提示される視覚効果(例えば、「合成画像」とも呼ばれる、創発的画像)における複数の色の鮮明さ及び存在が、人々の関心を引きつけ得ることは、経験によって示されている。多くの場合、微小光学セキュリティデバイスは、画像アイコンが適切な厚さを有し、集光素子の平面アレイの集光素子の焦点面内に配置される場合に、鮮明に見える視覚効果を提供する可能性がより高くなる。いくつかの実施形態によれば、適切な画像アイコンの厚さは0. 5μm~3. 5μmの厚さの範囲を包含する。いくつかの実施形態では、適切な画像アイコンの厚さは、例えば、0.5μm~2.5μm、又は1.5μm~1.8μmなど、より狭い範囲の厚さを包含する。いくつかの用途では、適切な画像アイコンは、3. 5μmよりも大きい、又は0. 5μmよりも小さい厚さを有している。「薄い」アイコン又は焦点外れのアイコンは、これらに限定されるものではないが、創発的画像の色が洗い流されたように見え、画像の細部がぼやけて見える可能性がある。
【0030】
有利には、本開示による特定の実施形態は、ハイブリッド画像アイコンを含み、集光素子の焦点フットプリント内に配置されたハイブリッド画像アイコンは、2つ以上の独立に位相調整された構成要素を有する。このようにして、本開示による特定の実施形態は、満足のいく鮮明さ及び色を達成する(なぜなら、ハイブリッドアイコンの各構成要素は、集光素子207の焦点と一致するか、又は少なくとも焦点に近接するのに十分な深度を有するからである)。同時に、各画像アイコンを別々の位相空間を占める複数の構成要素に細分化することにより、複合的で(すなわち、一度に2つ以上の)動的な視覚効果を有する創発的画像を実現することができる。
【0031】
本開示による特定の実施形態が、アイコン層の一部の1つ以上の創発的画像を投影する微小光学システムによって提供され得る動的な視覚効果の範囲をどのように拡張することができるかについての1つの非限定的な例として、本開示による特定の実施形態は、複数の色の帯が集光素子のレンチキュラーアレイ又は多方向アレイのいずれかによって投影され、空間を通して連続的にロールするように見える「多重ローリングバンド(multiple rolling band)」効果を提示することができる。さらに、本開示によるいくつかの実施形態では、それぞれの帯の速度及び光学セキュリティデバイスの平面に対する帯の認識される高さを変調することができる。従来、単体のアイコン構造では、このようなローリングバンド効果は、単色の帯が空間内で揺らめくか又はロールするように見えるものに限定されていた。
【0032】
図3A図3C(「図3」と総称する)は、本開示の様々な実施形態による、集光素子が焦点フットプリント内で光を集光する方法の一例を示す。相互参照の便宜上、図3A図3Cのうちの2つ以上に共通する項目には、同様の番号が付されている。
【0033】
図3の非限定的な例を参照すると、光学スペーサ303の一部分上に配置された屈折集光素子301の側面図(図3C)、下面図(図3A)及び斜視図(図3B)が示されている。特定の実施形態によれば、集光素子301は、光学スペーサ303に固着され、光学スペーサ303の表面に対して固定された関係を有する。特定の実施形態では、集光素子301と光学スペーサ303の表面との間の固定関係は、光学スペーサ303に光硬化性材料の層を塗布し、光硬化性材料の層をエンボス加工してレンズ面を形成し、その場で材料を硬化させることによって達成される。いくつかの実施形態では、集光素子301と光学スペーサ303の表面との間の固定関係は、集光素子301と光学スペーサの両方を光硬化性材料の共通の層から形成し、形成された層を硬化させて、一体化された集光素子-光学スペーサの組み合わせを作製することによって達成される。
【0034】
集光素子301は、いくつかの実施形態によれば、集光素子301の外周と同一の広がりを有する焦点フットプリント305に関連付けられる。いくつかの実施形態によれば、焦点フットプリント305は、集光素子301の外周よりも小さい。特定の実施形態では、焦点フットプリント305は、集光素子301の外周よりも大きい領域を記述する。
【0035】
図3に例示するように、光は、視野角に関連する角度(又は角度の範囲)で集光素子301のレンズ面に入射し、この角度は、図3にΘとして示されている。集光素子301のレンズ作用は、焦点フットプリント305内の領域320に入射光を集束させる。
【0036】
図4は、集光素子の焦点フットプリント405に対して第1の構成要素410a及び第2の構成要素410bを有するハイブリッド画像アイコン410の一例を示す。様々な実施形態によれば、焦点フットプリント405は、円形の集光素子の焦点フットプリントである。いくつかの実施形態では、焦点フットプリント405は、レンチキュラーレンズの焦点フットプリントを細分化したもの(subdivision)である。
【0037】
この説明例では、ハイブリッド画像アイコン410は、画像アイコンのより大きなアレイ(例えば、図1の画像アイコン配列120)を備える微小光学セキュリティデバイス(例えば、図1の微小光学システム100)の一部である。同様に、焦点フットプリント405を生成する集光素子は、微小光学セキュリティの集光素子のより大きなアレイ(例えば、図1の集光素子の平面アレイ105)の一部である。さらに、ハイブリッド画像アイコン410は、アイコン層の一部であり、少なくとも第1の繰り返し軸415に沿って繰り返し配置される。同様に、微小光学セキュリティデバイスの集光素子は、第1の繰り返し軸415に沿って、集光素子のピッチに応じて規則的に繰り返し配置される。
【0038】
様々な実施形態によれば、微小光学セキュリティデバイスのハイブリッド画像アイコン(例えば、ハイブリッド画像アイコン410)が、集光素子を通して(又は、反射集光素子の場合には集光素子によって反射されて)観察されると、各集光素子の集束光とフットプリントの一部からの投射光との複合的な相互作用により、参照により本明細書に組み込まれるSteenblikらの米国特許第7,738,175号に記載されているような、合成画像が生成される。
【0039】
特定の実施形態では、ハイブリッド画像アイコン410は2つ以上の構成要素に細分化され、各構成要素は、画像アイコン層内の別個の位相空間を占める。本開示の特定の実施形態による微小光学システムは、アイコン構造が、集光素子の配列の集光素子と同様の周期性で、かつ同様の繰り返し軸(複数可)に沿って繰り返し配置されるという事実に起因して、創発的画像を投影する。さらに、創発的画像の外観及び動的な挙動(例えば、ユーザの視野角の変化に応じて創発的画像がどのように変化するか)は、これに限定されるものではないが、集光素子のピッチに対するアイコン層内の構造の相対的な周期性を変化させる(すなわち、位相を変化させる)ことによって変調され得る。例えば、集光素子の繰り返し軸とアイコン構造の繰り返し軸との間のわずかなスキューにより、創発的画像の視差直交移動(orthoparallactic movement)を生じさせることができ、第1の軸に沿った視点の変化は、第1の軸に直交する第2の軸に沿った創発的画像の変化をもたらす。システムによって生成される視覚効果の外観を変化させるように変調可能なアイコン構造の他の設計変数には、アイコン構造の面積を変化させること(これは、創発的画像(複数可)の暗さを変化させ得る)が含まれるが、これに限定される訳ではない。
【0040】
図4の非限定的な例を参照すると、ハイブリッド画像アイコン410の第1の構成要素410aと410bとは、異なる位相空間を占める。本開示で使用される「位相空間」という表現は、集光素子の繰り返し周期(すなわち、ピッチ)に対するハイブリッド画像アイコンの構成要素の繰り返しの位相と、ハイブリッド画像アイコンの他の構成要素に対するハイブリッド画像アイコンの構成要素の繰り返しの位相及びオフセットと、を包含する。したがって、位相空間は、ハイブリッド画像アイコンの所与の構成要素と所与の繰り返し軸に沿った集光素子のピッチとの間の比と、ハイブリッド画像アイコンの所与の構成要素と他の構成要素との間のオフセットとの関数とすることができる。
【0041】
図5は、集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリントに対する、本開示の様々な実施形態によるハイブリッドアイコンを含むアイコン層の一例を示す。
【0042】
図5の非限定的な例を参照すると、集光素子アレイ(例えば、図1の集光素子の平面アレイ105)の一部の集光素子の焦点フットプリント(焦点フットプリント501a及び501bを含む)が図示されている。さらに、各集光素子のフットプリントに対する、画像アイコンのより大きなアレイ(例えば、図1の画像アイコン配列120)のハイブリッド画像アイコン(例えな、図4のハイブリッド画像アイコン410)の位置が、図5に示されている。さらに、その焦点フットプリントに対する各集光素子の焦点(例えば、焦点505)が、図5に示されている。図5の説明例では、説明を容易にするために、焦点フットプリントに対する焦点の大きさが誇張されている。本開示による特定の実施形態では、集光素子は、直径が1μmのオーダーの焦点を生成することができる。
【0043】
本開示の他の箇所で言及されるように、1つ以上の繰り返し軸(例えば、第1の繰り返し軸510)に沿った集光素子(及び暗黙の了解として、共有焦点面内のそれらの焦点)の繰り返しとアイコン構造の繰り返しとの位相差は、数千個、又はより典型的には数百万個のセルを備える微小光学アレイにわたって、システムによって投影される画像アイコン層のコンテンツの創発的画像を生じさせることができる。
【0044】
図5に図示する例を再び参照すると、各画像アイコンが2つ以上の構成要素を含むハイブリッド画像アイコン(例えば、ハイブリッド画像アイコン515)を利用することによって、本開示による特定の実施形態は、2つ以上の動的な構成要素を含む創発的画像を投影する。この図示する例では、ハイブリッド画像アイコンは、第1の構成要素及び第2の構成要素を備えており、所与の視野角に対して、第1の構成要素、第2の構成要素、又は第1の構成要素と第2の構成要素の両方が、集光素子の焦点(例えば、焦点505)内に入ることができる。このようにして、本開示による特定の実施形態は、微小光学デバイスが傾けられている間に、同じ角度空間(すなわち、視野角の範囲)にわたって複数の創発的画像(すなわち、ハイブリッド画像アイコンの各構成要素に関連付けられた創発的画像)を投影することができる。本開示のいくつかの実施形態に従って、同じ空間内に複数の創発的画像を投影することによって、微小光学セキュリティデバイスによって提供される効果の範囲をどのように拡大することができるかの1つの非限定的な例として、本開示によるデバイスは、レンチキュラー集光素子を利用するデバイスであっても、複数の「ローリングバー」効果又は「シマー」効果(“rolling bars” or “shimmer” effects)を一度に投影することができる。このような複合的な「シマー」効果は、当該技術分野において従来知られていないと思われる。
【0045】
図6は、本開示の様々な実施形態によるハイブリッド画像アイコンの構成要素間の位相空間の例を示す。
【0046】
図6に図示する例を参照すると、第1の焦点フットプリント601a及び第2の焦点フットプリント601bが、図示されている。さらに、第1の焦点フットプリント601aは、第1のハイブリッド画像アイコン605aを備える画像アイコンのアレイ(例えば、図1の画像アイコン配列120)内の領域をカバーし、第2の焦点フットプリント601bは、第2のハイブリッド画像アイコン605bを備える画像アイコンのアレイ内の領域をカバーする。この図示する例では、ハイブリッド画像アイコン605aは、第1の構成要素610aを含む。様々な実施形態によれば、第1の構成要素610aは、アイコン層内に材料の領域(例えば、保持構造の凹部を充填する第1の色の紫外線硬化性ポリマー)を含む。いくつかの実施形態では、第1の構成要素610aは、表面実装画像アイコン(surface mounted image icon)の一部である。本開示で使用される「表面実装画像アイコン」という表現は、創発的画像の形成に寄与し、その位置が保持構造の位置によって事前定義されない、アイコン層内の材料の部分を包含する。いくつかの実施形態では、表面実装画像アイコンは、集光素子を通して硬化光を照射し、これにより硬化光を特定の画像アイコンの焦点フットプリントの選択されたサブセットに集束させることによって、未硬化のアイコン材料の層を直接硬化させて形成することができる。いくつかの実施形態によれば、第1のハイブリッド画像アイコン605aは、第2の構成要素615aをさらに備え、この第2の構成要素615aは、いくつかの実施形態については、第1の構成要素610aと同様の構成であるが、第1の構成要素610aに使用される第1の色とは異なる色の材料で形成される点が異なるだけである。同様に、第2のハイブリッド画像アイコン605bは、第1の構成要素610aと同様の構成の第1の構成要素610bと、同じく第2の構成要素615aと同様の構成の第2の構成要素615bとを備えている。
【0047】
様々な実施形態によれば、第1の焦点フットプリント601a及び第2の焦点フットプリント601bは、所与の視野角で、ハイブリッド画像アイコンの第1の構成要素の第1の創発的画像、及びハイブリッド画像アイコンの第2の構成要素の第2の創発的画像を投影することができる微小光学システム(例えば、図1の微小光学システム100)のはるかに多い(例えば、数百万又は数十億)焦点フットプリントのうちの2つのフットプリントである。本開示の他の箇所で議論されるように、創発的画像の投影は、これに限定される訳ではないが、集光素子が同じ繰り返し軸に沿ってどのように繰り返し配置されるかに対して、画像アイコン層の構成要素が1つ以上の繰り返し軸(例えば、第1の繰り返し軸620)に沿ってどのように繰り返し配置されるかの関数である。集光素子及び他のアイコン構造に対するアイコン構造の第1のセットの繰り返しを記述するパラメータは、アイコン構造の位相空間を定義する。
【0048】
図6に図示する例を参照すると、ハイブリッド画像アイコン605a及び605bの第1の構成要素(すなわち、第1の構成要素610a及び610b)は、第1の位相空間を占める。同様に、ハイブリッド画像アイコン605a及び6015bの第2の構成要素(すなわち、第2の構成要素615a及び615b)は、第2の位相空間を占める。画像アイコンを別々の位相空間を占める構成要素に細分化することによって、本開示による特定の実施形態は、微小光学デバイスが単一の角度視野空間(angular viewing space)内で傾くときに、2つ以上の創発的画像の振り付け投影(choreographed projection)に基づいて、以前には見られなかった創発的画像効果を生成することができる。
【0049】
図6の説明例に示すように、第1の焦点フットプリント601a及び第2の焦点フットプリント601bに関連する集光素子は、第1の間隔625にわたって、第1の繰り返し軸620に沿って繰り返し配置される。特定の実施形態によれば、レンズピッチは、共通の測定単位に対する第1の間隔625の商(quotient)である。ピッチは、例えば1インチ当たりのレンズ数として表すことができる。さらに、ハイブリッド画像アイコンの第1の構成要素610a及び610bは、第1の構成要素間隔630で繰り返し配置される。第1の繰り返し軸620に沿った第1の構成要素間隔630と第1の間隔625との比は、第1の繰り返し比を定義する。第1の間隔625に対する第1の構成要素間隔630の大きさに応じて、第1の構成要素の創発的画像は、微小光学セキュリティデバイスの平面の上方又は下方のいずれかに現れる。さらに、第1の構成要素610a及び610bは、オフセット635a及び635bによって第2の構成要素615a及び615bから分離される。実施形態に応じて、オフセット635a及び635bの相対値は一定であってもよい。あるいは、画像アイコンの第2の構成要素が第1の繰り返し軸620に沿って繰り返し配置される第2の構成要素間隔640が第1の構成要素間隔630とは異なる場合、オフセット635a及び635bの大きさは、微小光学デバイスにわたって変化してもよい。特定の実施形態によれば、第1の構成要素間隔630と第1の間隔625との間の繰り返し比は、オフセット635a及び635bの特性と共に、ハイブリッド画像アイコン605a及び605bの第1の構成要素のための第1の位相空間を定義する。特定の実施形態では、画像アイコンの構成要素の位相空間は、画像アイコン配列にわたって変化してもよく、第1の構成要素は、配列内の1つの位置で所与の位相空間を有し、他の位置では異なる位相空間を有することに留意されたい。このようにして、微小光学システムのハイブリッド画像アイコンの第1の構成要素によって投影される創発的画像は、3次元的に見え得る。
【0050】
同様に、第2の構成要素間隔640と第1の間隔625との間の繰り返し比は、オフセット635a及び635bの大きさ及び変化と組み合わせて、ハイブリッド画像アイコン605a及び605bの第2の構成要素のための第2の位相空間を定義する。第1の位相空間と同様に、第2の位相空間も、ハイブリッド画像アイコン605a及び605bが一部である微小光学デバイスの画像アイコン層内で局所的に変化することができる。
【0051】
図7は、本開示の様々な実施形態による3つの構成要素を備える焦点フットプリント及びハイブリッド画像アイコンの例を示す。前述の図では、2つの構成要素を有するハイブリッドアイコンを参照して、多相アイコン構造を有する微小光学システムの例を説明したが、本開示による実施形態はそれに限定されるものではなく、3つ以上の構成要素を有するハイブリッドアイコンを有する実施形態は、本開示の想定される範囲内である。
【0052】
図7の非限定的な例を参照すると、第1の焦点フットプリント701a及び第2の焦点フットプリント701bが図に示されている。さらに、第1のハイブリッド画像アイコン705aは、第1の焦点フットプリント701a内に配置され、第2のハイブリッド画像アイコン705bは、第2の焦点フットプリント701b内に配置されている。
【0053】
図7に示すように、第1のハイブリッド画像アイコン705a及び705bの各々は、第1の構成要素710a及び710bを有し、これらは、第1の位相空間を占め、所与の角度空間において第1の創発的画像を投影する着色されたアイコン材料の領域を備えている。ハイブリッド画像アイコン705a及び705bは、さらに第2の構成要素715a及び715bを備え、これらの構成要素も同様に、第1の構成要素710a及び710bとは異なる色の着色されたアイコン材料の領域を備えており、第2の位相空間を占め、所与の角度空間において第2の創発的画像を投影する。さらに、ハイブリッド画像アイコン7015a及び7015bは、第3の構成要素720a及び720bを備え、これらの構成要素は、第1の構成要素710a及び710b及び第2の構成要素715a及び715bのいずれとも異なる色の材料を含む。さらに、第3の構成要素720a及び720bは、第3の位相空間を占め、所与の角度空間において第3の創発的画像を投影する。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、集光素子が第1の繰り返し軸に沿って第1のピッチで離間して配置された集光素子アレイであって、前記集光素子アレイの各集光素子が第1の焦点深度における焦点フットプリントに関連付けられている、集光素子アレイと、前記集光素子アレイに対して前記第1の焦点深度に配置されたアイコン層であって、ハイブリッド画像アイコンのアレイを備えるアイコン層と、を含む。ハイブリッド画像アイコンの各々は、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第1の創発的画像に関連付けられた第1の構成要素と、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第2の創発的画像に関連付けられた第2の構成要素とを備える。 前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第1の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が、第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される。前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第2の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される。
【0055】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記集光素子アレイの集光素子が六角形又は非球面の集光素子を備える光学セキュリティデバイスを含む。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記集光素子アレイの集光素子が球面の集光素子を備える光学セキュリティデバイスを含む。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は、前記第1のピッチに対して第1の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素は、前記第1のピッチに対して第2の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、前記第1の繰り返し比は、前記第2の繰り返し比に等しい、光学セキュリティデバイスを含む。
【0058】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は、前記第1のピッチに対して第1の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素は、前記第1のピッチに対して第2の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、前記第1の繰り返し比は、前記第2の繰り返し比とは異なる、光セキュリティデバイスを含む。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記第1の創発的画像及び前記第2の創発的画像の少なくとも一方は、動的な創発的画像である、光学セキュリティデバイスを含む。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は第1の色であり、前記第2の構成要素は第2の色であり、前記第2の色は前記第1の色と対照を成す、光セキュリティデバイスを含む。
【0061】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記第1の創発的画像は、少なくとも1つの周期的に繰り返す前記第1の色の帯であって、視野角の変化に応答して前記光学セキュリティデバイスの第1の領域を通って移動する前記第1の色の帯を含み、前記第2の創発的画像は、少なくとも1つの周期的に繰り返す前記第2の色の帯であって、視野角の変化に応答して前記光学セキュリティデバイスの前記第1の領域を通って移動する前記第2の色の帯を含む、光セキュリティデバイスを含む。
【0062】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記集光素子アレイの集光素子は、レンチキュラー集光素子を含む、光学セキュリティデバイスを含む。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、ハイブリッド画像アイコンの各々は、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第3の創発的画像に関連付けられる第3の構成要素をさらに備え、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第3の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第3の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第3の構成要素が、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される、光学セキュリティデバイスを含む。
【0064】
本開示のいくつかの実施形態による光学セキュリティデバイスの例は、前記第1の位相空間は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素と前記第1の繰り返し軸に沿った前記集光素子の前記第1のピッチとの間の第1の繰り返し比と、前記第1の構成要素と前記ハイブリッド画像アイコンの他の構成要素との間のオフセットとの関数である、光セキュリティデバイスを含む。
【0065】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、集光素子が第1の繰り返し軸に沿って第1のピッチで離間して配置された集光素子アレイを設けることであって、前記集光素子アレイの各集光素子が第1の焦点深度における焦点フットプリントに関連付けられている、集光素子アレイを設けることと、前記集光素子アレイに対して前記第1の焦点深度に配置されたアイコン層を設けることであって、前記アイコン層がハイブリッド画像アイコンのアレイを備える、アイコン層を設けることと、を含む。ハイブリッド画像アイコンの各々は、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第1の創発的画像に関連付けられた第1の構成要素と、前記光学セキュリティデバイスによって投影される第2の創発的画像に関連付けられた第2の構成要素と、を備える。前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第1の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素が、第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される。前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が前記集光素子アレイの集光素子の焦点フットプリント内で第2の位相空間を占めるように、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素が、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置される。
【0066】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、前記第1の位相空間は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素と前記第1の繰り返し軸に沿った前記集光素子の前記第1のピッチとの間の第1の繰り返し比と、前記第1の構成要素と前記ハイブリッド画像アイコンの他の構成要素との間のオフセットとの関数である、方法を含む。
【0067】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、集光素子アレイの集光素子が六角形又は非球面集光素子を含む方法を含む。
【0068】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、前記集光素子アレイの集光素子が球面の集光素子を含む方法を含む。
【0069】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は、前記第1のピッチに対して第1の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素は、前記第1のピッチに対して第2の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、前記第1の繰り返し比は、前記第2の繰り返し比に等しい、方法を含む。
【0070】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は、前記第1のピッチに対して第1の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第2の構成要素は、前記第1のピッチに対して第2の繰り返し比で、前記第1の繰り返し軸に沿って繰り返し配置され、前記第1の繰り返し比は、前記第2の繰り返し比とは異なる、方法を含む。
【0071】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、前記ハイブリッド画像アイコンの前記第1の構成要素は第1の色であり、前記第2の構成要素は第2の色であり、前記第2の色は前記第1の色と対照を成す、方法を含む。
【0072】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、前記第1の創発的画像は、少なくとも1つの周期的に繰り返す前記第1の色の帯であって、視野角の変化に応答して前記光学セキュリティデバイスの第1の領域を通って移動する前記第1の色の帯を含み、前記第2の創発的画像は、少なくとも1つの周期的に繰り返す前記第2の色の帯であって、視野角の変化に応答して前記光学セキュリティデバイスの前記第1の領域を通って移動する前記第2の色の帯を含む、方法を含む。
【0073】
本開示の様々な実施形態による光学セキュリティデバイスを製造する方法の例は、前記集光素子アレイの集光素子がレンチキュラー集光素子を含む、方法を含む。
【0074】
本出願における説明のいずれも、任意の特定の要素、ステップ、又は機能が、特許請求の範囲に含まれなければならない必須の要素であることを暗示するものとして解釈されるべきではない。特許される主題の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。さらに、特許請求の範囲のいずれも、「のための手段(means for)」のという正確な単語の後に分詞が続かない限り、米国特許法第112条(f)を援用することを意図していない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】