(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ユーザの動作をフレキシブル回路によってモニタリングするとともに特徴づける装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20240312BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20240312BHJP
A61B 5/296 20210101ALI20240312BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A61B5/256 230
A61B5/296
G06F3/01 510
A61B5/11 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555344
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 US2022071012
(87)【国際公開番号】W WO2022192859
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523342850
【氏名又は名称】リキッド ワイヤ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】LIQUID WIRE LLC
【住所又は居所原語表記】1710 SE Brooklyn Street, Portland, Oregon 97202 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ イー. カルボ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン エム. ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジャスパー ワランス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アドベンチャー ホプキンス
(72)【発明者】
【氏名】マーク ウィリアム ロナイ
(72)【発明者】
【氏名】ケーシー カルバートソン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C127
5E555
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB14
4C038VC20
4C127AA04
4C127LL13
5E555AA64
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC04
5E555CA31
5E555CA41
5E555CA44
5E555CB66
5E555DD06
5E555FA00
(57)【要約】
ユーザの動作をモニタリングし、特徴付けるように構成されたシステムが開示される。このシステムは、弾性材料からなる管状体と、第1信号を生成するように構成された液相導体を含むフレキシブル回路と、弾性材料に接続され、第2信号を生成するように構成された慣性測定ユニット(「IMU」)と、を備えるウェアラブル装置を備えていてもよい。このシステムはさらに、フレキシブル回路とIMUとに通信可能に接続されたプロセッサを備えていてもよい。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの動作をモニタリングし、特徴付けるように構成されたシステムであって、
弾性材料からなる管状体と、
第1信号を生成するように構成された液相導体を含むフレキシブル回路と、
前記弾性材料に接続され、第2信号を生成するように構成された慣性測定ユニット(「IMU」)と、
を備えるウェアラブル装置と、
前記フレキシブル回路と前記IMUとに通信可能に接続されたプロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記フレキシブル回路から前記第1信号を受信するとともに前記IMUから前記第2信号を受信し、
前記第1信号に基づいて、前記フレキシブル回路に関連する第1電気的パラメータを決定し、
前記第2信号に基づいて、前記IMUに関連する第2電気的パラメータを決定し、
前記第1電気的パラメータを前記フレキシブル回路に関連する第1物理的パラメータに関連付けるとともに前記第2電気的パラメータを前記IMUに関連する第2物理的パラメータに関連付け、
相関関係に基づいて前記ウェアラブル装置のモデルを生成するよう構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサはさらに、
前記フレキシブル回路から前記第1信号を受信するとともに前記IMUから前記第2信号を受信し、
前記第1信号に基づいて、前記フレキシブル回路に関連する第1電気的パラメータを決定し、
前記第2信号に基づいて、前記IMUに関連する第2電気的パラメータを決定し、
前記フレキシブル回路に関連する前記第1電気的パラメータと前記IMUに関連する前記第2電気的パラメータを関連付け、
前記フレキシブル回路に関連する前記第1電気的パラメータと前記IMUに関連する前記第2電気的パラメータとの相関に基づいて、前記IMUに関連する前記第2物理パラメータを修正し、
前記修正に基づいて、前記ウェアラブル装置のモデルを更新するよう構成されている、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介して前記フレキシブル回路および前記IMUに通信可能に接続されている、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ウェアラブル装置はワイヤレス送信機をさらに備え、
前記プロセッサは前記ワイヤレス送信機を介して前記フレキシブル回路および前記IMUに通信可能に接続されている、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ウェアラブル装置は、液相導体を含む圧力センサをさらに備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記圧力センサの前記液相導体は、誘導式圧力センサとして構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ウェアラブル装置はさらに温度センサを備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記弾性材料に接続された第2IMUをさらに備えており、
前記フレキシブル回路は前記IMUと前記第2IMUの間に配置されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ウェアラブル装置は、使用者の膝に装着されるように構成された関節モニタリングスリーブとして構成されている、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記関節モニタリングスリーブが使用者に装着されたとき、前記IMUは使用者の膝の周りに配置され、前記第2IMUは使用者の膝の下に配置され、前記フレキシブル回路は使用者の膝を横断するように構成されている、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介して前記フレキシブル回路に電気的に接続されたインジケータをさらに含み、
前記インジケータは複数の発光ダイオード(「LED」)からなるとともに、前記フレキシブル回路の屈曲に応じて複数のLEDを点灯するように構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ユーザの動作をモニタリングするように構成されたウェアラブル装置であって、
弾性材料からなる管状体と、
第1信号を生成するように構成された液相導体を含むフレキシブル回路と、
前記弾性材料に接続され、第2信号を生成するように構成された慣性測定ユニット(「IMU」)と、
を備え、
前記フレキシブル回路と前記IMUとは、前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介してプロセッサと通信可能に接続される、
ウェアラブル装置。
【請求項14】
前記プロセッサは前記弾性材料に接続され、
前記フレキシブル回路と前記IMUとは前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介して前記プロセッサに通信可能に接続される、
請求項13に記載のウェアラブル装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記フレキシブル回路から第1信号を受信するとともに前記IMUから第2信号を受信し、
前記第1信号に基づいて、前記フレキシブル回路に関連する第1電気的パラメータを決定し、
前記第2信号に基づいて、前記IMUに関連する第2電気的パラメータを決定し、
前記第1電気的パラメータを前記フレキシブル回路に関連する第1物理的パラメータに関連付けるとともに前記第2電気的パラメータを前記IMUに関連する第2物理的パラメータに関連付け、
相関関係に基づいて前記ウェアラブル装置のモデルを生成するよう構成されている、
請求項14に記載のウェアラブル装置。
【請求項16】
液相導体を含む圧力センサをさらに備える、
請求項13に記載のウェアラブル装置。
【請求項17】
前記圧力センサの前記液相導体は、誘導式圧力センサとして構成されている、
請求項13に記載のウェアラブル装置。
【請求項18】
温度センサをさらに備える、
請求項13に記載のウェアラブル装置。
【請求項19】
前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介して前記フレキシブル回路に電気的に接続されたインジケータをさらに含み、
前記インジケータは複数の発光ダイオード(「LED」)からなるとともに、前記フレキシブル回路の屈曲に応じて複数のLEDを点灯するように構成されている、
請求項13に記載のウェアラブル装置。
【請求項20】
複数のフレキシブル回路からなるウェアラブル装置の使用者が行う物理的動作の仮想的再現を生成する方法であって、
前記ウェアラブル装置を装着した状態で第1動作を行うことと、
前記複数のフレキシブル回路のうちの第1フレキシブル回路によって前記第1動作に関連する第1電気的パラメータを生成することと、
カメラによって前記第1動作の実行に関連する動作キャプチャデータを生成することと、
生成された前記動作キャプチャデータと生成された前記第1電気的パラメータとを前記ウェアラブル装置に通信可能に接続されたプロセッサによって関連付けることと、
前記プロセッサに通信可能に接続されたメモリによって相関関係を記憶することと、
前記ウェアラブル装置を装着している間前記第1動作を繰り返すことと、
生成された前記動作キャプチャデータと生成された前記第1電気的パラメータとの保存された前記相関関係のみに基づいて、前記プロセッサによって前記第1動作の仮想的再現を生成すること、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月7日に出願された「JOINT MONITORING SLEEVE」という名称の米国仮特許出願第63/157,812号、2021年8月23日に出願された「BIASING ELECTRODES SLEEVES」という名称の米国仮特許出願第63/235,937号、及び 2021年9月8日に出願された「BRACE WITH INERTIAL MEASUREMENT UNITS」という名称の仮特許出願第63/241,806号。その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般にフレキシブル回路に関するものであり、より詳細には、現実環境における物理的動作に対応する、仮想環境においてシミュレートされた動作を生成する目的でウェアラブル装置に組み込むことができるフレキシブル回路に関するものである。
【発明の概要】
【0003】
以下の記載は本明細書に開示される態様に固有の革新的な特徴のいくつかの理解を容易化するために提供されるものであり、完全な説明を意図するものではない。様々な態様の完全な理解は、明細書、特許請求の範囲、および要約を全体として捉えることによって得ることができる。
【0004】
様々な態様において、ユーザの動作をモニタリングするとともに特徴付けるように構成されたシステムが開示される。このシステムは、弾性材料を含む管状本体を含むウェアラブル装置と、第1信号を生成するように構成された液相導体を含むフレキシブル回路と、弾性材料に接続された慣性測定ユニット(「IMU」)であって、IMUが第2信号を生成するように構成されている、フレキシブル回路とIMUとに通信可能に接続されたプロセッサとを含むことができる。
【0005】
様々な態様において、ユーザの動作をモニタリングするように構成されたウェアラブル装置が開示される。ウェアラブル装置は、弾性材料からなる管状体と、第1信号を生成するように構成された液相導体を含むフレキシブル回路と、弾性材料に接続され、第2信号を生成するように構成された慣性測定ユニット(「IMU」)と、を備えることができ、フレキシブル回路とIMUとは液相導体からなる複数の導電性トレースを介してプロセッサに通信可能に接続される。
【0006】
様々な態様において、複数のフレキシブル回路を含むウェアラブル装置のユーザによって実行される物理的動作の仮想的再現を生成する方法が開示される。本方法は、ウェアラブル装置を装着した状態で第1動作を行うことと、複数のフレキシブル回路のうちの第1フレキシブル回路によって第1動作に関連する第1電気的パラメータを生成することと、カメラによって第1動作の実行に関連する動作キャプチャデータを生成することと、生成された動作キャプチャデータと生成された第1電気的パラメータとをウェアラブル装置に通信可能に接続されたプロセッサによって関連付けることと、プロセッサに通信可能に接続されたメモリによってそれらの相関関係を記憶することと、ウェアラブル装置を装着している間第1動作を繰り返すことと、生成された動作キャプチャデータと生成された第1電気的パラメータとの保存された相関関係のみに基づいて、プロセッサによって第1動作の仮想的再現を生成すること、を含むことができる。
【0007】
本開示のこれらおよびその他の特徴と特性、ならびに構造の関連要素の動作方法と機能、ならびに部品の組み合わせ、および製造の経済効率は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を添付の図面(これらはすべて本明細書の一部を構成し、同様の参照番号は各図において対応する部分を示す)を参照して検討することにより、より明らかになるであろう。また、図面は例示および説明のみを目的としたものであり、本発明の限界を定義することを意図したものではないことを明示的に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に記載された態様の様々な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。しかしながら、様々な態様は、組織および操作方法の両方に関して、その利点と共に、添付の図面と共に取られる以下の説明に従って、以下のように理解され得る:
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の少なくとも1つの非限定的側面による、二次元歪みセンサを含む歪みセンサシステムを示す。
【0010】
【
図2】
図2A~Eは、本開示の少なくとも1つの非限定的側面による、
図1の歪みセンサシステムの媒体の個々の層を示す。
【0011】
【
図3】
図3Aおよび
図3Bは、本開示の少なくとも1つの非限定的側面による、弛緩状態および変形状態における歪みセンサシステムのトレースを示す。
【0012】
【
図4】
図4は、本開示の少なくとも1つの非限定的側面による、別の歪みセンサを示す。
【0013】
【
図5】
図5は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による電極を示す。
【0014】
【
図6】
図6は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別の電極を示す。
【0015】
【
図7】
図7Aおよび
図7Bは、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別の電極を示す。
【0016】
【
図8】
図8は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別の電極を示す。
【0017】
【
図9】
図9Aおよび
図9Bは、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別の電極を示す。
【0018】
【
図10】
図10は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、ウェアラブル装置を示す。
【0019】
【
図11】
図11は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のウェアラブル装置を示す。
【0020】
【
図12】
図12は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のウェアラブル装置を示す。
【0021】
【
図13】
図13は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従ってウェアラブル装置に組み込まれるように構成されたフレキシブル回路を示す。
【0022】
【
図14】
図14A~Dは、本開示の少なくとも一態様に従った、いくつかの他のフレキシブル回路を示す。
【0023】
【
図15】
図15は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従った、別のウェアラブル装置を示す。
【0024】
【
図16】
図16は、本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、
図15のウェアラブル装置を示す。
【0025】
【0026】
【
図18】
図18は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のウェアラブル装置を示す。
【0027】
【
図19】
図19は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、別のウェアラブル装置を示す。
【0028】
【
図20】
図20A~Dは、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、モニタリングされた動作の対応する特徴付けを含む、ユーザのモニタリングおよび動作を行うように構成されたウェアラブル装置を示す。
【0029】
【
図21】
図21A~Cは、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、ウェアラブル装置におけるインジケータの使用を示す。
【0030】
【
図22】
図22は、本開示の少なくとも1つの非限定的側面に従って、ひずみゲージデータとIMUデータを較正する方法を示す図である。
【0031】
【
図23】
図23は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って電気的パラメータに関連する信号を生成し、それらの電気的パラメータを本明細書に開示されるウェアラブル装置のユーザの身体的動作に関連付ける方法を示す。
【0032】
対応する参照記号は、複数の図面を通して対応する部分を示す。本明細書に記載された例示は、一態様において本発明の様々な態様を例示するものであり、かかる例示は、いかなる態様においても、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示に記載され、添付の図面に図示されるような態様の全体的な構造、機能、製造、および使用に関して深い理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。周知の動作、構成要件および要素は、本明細書に記載される態様を不明瞭にしないように詳細には記載されていない。読者は、本明細書に記載図示された態様が非限定的な例示であり、本明細書に開示された特定の構造的および機能的な詳細は、代表的かつ例示的であることが理解される。特許請求の範囲から逸脱することなく、変形および変更を行うことができる。さらに、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「上方」、「下方」等の用語は、便宜的な表現であり、限定的な用語として解釈されるものではないことを理解されたい。さらに、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「上方」、「下方」等の用語は便宜上の表現であり、限定用語として解釈されるものではないことを理解されたい。
【0034】
本出願は、2018年4月6日に出願され、2018年8月30日に米国特許出願公開第2018/0247727号として公開された、「変形可能な導体および関連センサ、アンテナおよび多重システム」という名称の米国特許出願第15/947,744号に関連する。 、米国特許出願第 16/157,102 号、「SENSORS WITH DEFORMABLE CONDUCTORS AND SELECTIVE DEFORMATION」、2018 年 10 月 11 日に出願され、2019 年 2 月 21 日に米国特許出願公開第 2019/0056277 号として公開、米国特許出願第 16/16/ 885,854、「CONTINUOUS INTERCONNECTS BETWEEN HETEROGENEOUS MATERIALS」、2020年5月28日に出願され、2020年12月3日に米国特許出願公開第2020/0381349号として公開、米国特許出願第16/893,427号、「DEFORMABLE SENSORS WITH SELECTIVE RES」 TRAINT、提出済み 2020年6月4日に出願され、2020年12月3日に米国特許出願公開第2020/0386630号として公開され、2021年3月4日に出願され、米国特許出願公開第2020/0386630号として公開されたDEFORMABLE INDUCTORSという名称の米国特許出願第17/192,725号 2021年9月9日出願の米国仮特許出願第2021/0280482号、および2021年10月10日に出願された「TWO DIMENSIONAL MOTION CAPTURE STORIN GAUGE SENSOR」と題する米国仮特許出願第63/263,112号に該当し、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
以下の説明において、同様の参照文字は、図面のいくつかの図全体を通して、同様のまたは対応する部分を示す。また、以下の説明において、「前方」、「後方」、「左方」、「右方」、「上方」、「下方」等の用語は、便宜上の表現であり、限定的な用語として解釈されるものではないことを理解されたい。
【0036】
本特許文献の開示内容の一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれている。著作権者は、特許商標庁の特許ファイルまたは特許記録に記載されているように、本特許開示のファクシミリ複製に対して何ら異議を唱えないが、それ以外の点では、本明細書に開示されているあらゆる著作権を留保する。
【0037】
物理環境と仮想環境を高精度に統合する必要性が高まっている。実際、メタバースを含む拡張現実と仮想現実はますます普及しつつあり、人々の働き方、遊び方、くつろぎ方、リハビリの仕方を刷新することが期待されている。しかし、従来の(例えば、袖、ブレース、手袋、密着型の衣服等の)「スマート」装身具は一般に、慣性測定ユニット(「IMU」)等のセンサを利用しており、高価であったり、時間の経過とともに「ズレ」が発生したりするため、価値提案が不十分であった。そのため、従来の装置では、精度が重要となる特定の用途に必要とされるだけの精度が得られないことがある。例えば、(膝、肘等の)関節の屈曲時の可動域は、膝関節の健康状態を示す重要な指標となる。医師が患者の体の一部(脚、腕、肩、首、背中、手、手首、指、足首、足、足指等の)の全可動域を高い精度でシミュレーションし、リハビリをトラッキングしてリモートで確認できるようにすることは有益である。利用者の動作を十分な精度でトラッキングすることができれば、医師はより多くのモニタリングから利益を得ることができ、患者はバーチャルな予約や診察の利便性を享受することができる。
【0038】
別の例によると、メタバースは、消費者にさまざまなバーチャル製品やサービスを提供することを約束するものである。前述したように、従来のデバイスは、この前例のない市場を実現するのに必要な精度を欠いている可能性がある。例えば、多くの従来型デバイスは、ユーザの動作(例えば、ユーザの膝と腰の位置関係等)の限定的な近似を得るために、相対的な点対応(point-to-point)データに依存している。しかしながら、ユーザがメタバースで友人とサッカーの仮想ゲームをプレイしたい場合、ユーザ動作をより高精度に再現することでエクスペリエンスを向上させることができる。したがって、仮想環境におけるユーザの動作を正確にシミュレートする装置、システム、および方法が必要とされている。いくつかの非限定的な態様によれば、そのような装置、システム、および方法は、フレキシブル回路を用いることができ、特に、電気伝導性を維持しながら伸縮性および柔軟性を促進することができる形状可変導体を用いることができる。そのため、これらの回路にわたって測定された電気的パラメータはユーザの物理的動作と対応付けることができ、正確なシミュレーションを行うことができる。
【0039】
一般的にある程度の内在的な可撓性を有する電子部品が存在するが、その可撓性は一般的に、部品が屈曲できる量、屈曲した際の復元力、および電子部品が劣化または破損する前に屈曲することができる回数の両方において制約を受ける。さらに、銀やその他の導電性インクからなるもの等、ストレッチ性能を有する電子部品は耐久性が不十分であり、通常、引伸されると完全には回復しない。このため、完全に故障するまで電気的特性が変化し続ける。その結果、様々な環境下におけるこのような電子部品の使用の際には、信頼性や寿命に関する制限が生じるか、あるいは全く機能しないことがある。
【0040】
しかしながら、回路内のトレースに導電性ゲルを使用することにより、弾力性を維持しながら、柔軟、伸張可能、かつ変形可能な電子部品を得ることができる。さらに、導電性ゲルから形成された導電性トレースを操作的に曲げたり、伸ばしたり、変形させたり、あるいはその他の物理的な操作を行うと、弛緩状態に戻ったときにヒステリシスがほとんどない状態で、トレースの電気特性に予測可能かつ測定可能な変化を生じさせることができる。このようなトレースの抵抗またはインピーダンスの変化を測定することにより、トレースの長さの変化を推測することができる。複数のトレースの長さの変化を組み合わせることにより、二次元表面上の点の相対的な動きを計算することができる。例えば、関節で連結された身体の手足にある点のように、動きが拘束された身体上に点が配置されている場合には、2次元の変位情報を用いて3次元空間における点の相対的な動きを計算し、決定することができる。
【0041】
いくつかの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路は、2021年2月26日に出願された、「HIGHLY SUSTAINABLE CIRCUITS AND METHODS FOR MAKING THEM」と題する米国仮特許出願第63/154,665号、および/または2019年8月22日に出願された、「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTORS」と題する国際特許出願第PCT/US2019/047731号に開示されるように構築することができ、これらの開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0042】
さらに、フレキシブル回路のトレースは、液相導体から構成することができる。本明細書で使用される場合、「液相導体」という用語は、本明細書に記載されるフレキシブルで形状可変な導体のいずれか、および/または参照により組み込まれる任意の文書に記載されるフレキシブルで形状可変な導体のいずれかを含むものとする。具体的には、「液相導体」は、2017年2月27日に出願され、2017年9月8日に国際特許公開第WO2017/151523A1として公開された、「LIQUID WIRE」と題する国際特許出願第PCT/US2017/019762号、および/または2019年8月22日に出願された、「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTORS」と題する国際特許出願第PCT/US2019/047731号に記載されており、これらの開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0043】
例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、各トレースは液体、ペースト、ゲル、及び/又は粉末等の、トレースが変形可能な(例えば、軟質、可撓性、伸縮性、屈曲性、弾性、流動性粘弾性、ニュートン性、非ニュートン性等の)性質を有することを可能にする様々な形態を含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、形状可変導体は、導電性ゲル(例えば、ガリウムインジウム合金)から製造された変形可能な導体等の電気活性材料を含むことができる。導電性ゲルは、せん断薄膜化組成物を有することができ、いくつかの非限定的な態様によれば、所望の比率の材料の混合物を含むことができる。例えば、1つの好ましい非限定的側面によれば、導電性ゲルは、59.9%~99.9%の共晶ガリウム合金の重量百分率値と、0.1%~約2.0%の酸化ガリウムの重量百分率値とを含むことができる。もちろん、本開示は、本明細書に開示された利点を達成するために様々な形態および/または組成のトレースを特徴とする他の非限定的な態様を企図する。
【0044】
導電性組成物は、導電性剪断薄膜化ゲル組成物として特徴付けることができる。本明細書に記載の導電性組成物はまた、ビンガム塑性体の特性を有する組成物として特徴付けられ得る。例えば、導電性組成物は、低応力では剛性であり、高さおよび幅によって画定され立体的特徴を形成および維持することができるが、高応力では粘性流体として流動するような、粘塑性であることができる。その他の非限定的な態様によれば、有用な金属ゲルの低剪断粘度は、106~4x107Pa*s(1,000,000~40,000,000パスカル秒)であり得る。ここで、「低剪断」粘度は、静止(または沈降)条件における粘度を意味する。マイクロ/ナノ構造は、架橋構造を形成する酸化物シートからなり、これは、例えば、混合物に空気を巻き込む方法で混合することによって、または、架橋構造における酸化物形成が達成され得るように、混合物に空気を引き込む表面でキャビテーションを誘発する超音波処理によって得ることができる。
【0045】
フレキシブル回路および形状可変導体を使用することにより、(例えば、袖、ブレース等の)ユーザが着用するウェアラブル装置に組み込まれたときに、(例えば、歪み、応力、電磁場等の)物理的パラメータに対して関連付け可能な、可変の電気的パラメータ(例えば、インダクタンス、抵抗、電圧降下、静電容量、および電磁場等)を生成可能な様々なセンサを構築することができる。よって、当該装置を着用中にユーザ動作の高精度なシミュレーションを生成するのに使用することができる。例えば、(例えば、膝ブレース、肘スリーブ等の)ウェアラブル装置は、(例えば、歪みセンサ等の)センサとして機能するように構成されたフレキシブル回路および形状可変導体を用いることができる。関節とともに動くように構成された形状可変導体により、ウェアラブル装置は、何千回ものひずみサイクルにわたり、実質的な電気的または物理的劣化なく関節の柔軟性を能動的かつ正確にモニタリングすることができる。従って、継続的な較正は不要であり、このフレキシブル回路はむしろ、(例えば、IMU等の)従来のセンサの較正に使用することができる。さらに、回路の一部を、歪み、ひいては患者の付属器官の特定の場所(例えば、脛等)の腫脹を測定するように構成することができる。
【0046】
例えば、前述の回路は、導電性ゲルトレースのネットワークを用いる二次元歪みセンサを形成するために実装することができ、その個々の電気的特性は、トレースの相対的な長さまたはその他の配向に変換される。電気的特性を組み合わせることにより(例えば、三角測量やその他の数学的処理などにより)、二次元表面上の様々な点の相対的な位置を決定することができる。このような電気的特性を経時的に繰り返し測定することで、点の動きを決定することができ、歪みセンサによる点のリアルタイムモーションキャプチャが可能となる。トレースのネットワークを拡大縮小し、および/または歪みセンサの数を増やすとともに歪みセンサを対象物に配置することで、対象物のモーションキャプチャをリアルタイムで取得することができる。
【0047】
ここで
図1を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的側面に従って、二次元歪みセンサ102を含む歪みセンサシステム100が示される。一例として、歪みセンサシステム100は、2021年10月10日に出願された「TWO DIMENSIONAL MOTION CAPTURE STRAIN GAUGE SENSOR」と題する米国仮特許出願第63/263,112号に開示されたものと同様に構成することができ、その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1の非限定的な態様によれば、歪みセンサ102は、多数のトレース104a,104b,104c,104dを含むことができる。
図1には4つのトレース104a,104b,104c,104dが示されているが、トレースの数は、ユーザの好みおよび/または意図される用途に応じて具体的に構成することができる。各トレース104a~104dは、本明細書で詳細に開示されるように、導電性ゲルで形成可能である。導電性ゲルは、媒体106上に配置され、媒体106によって封止され得る。各トレース104a,104b,104c,104dは、2つの基準点108a,108bのうちの1つとアンカー点110a,110bとの間に延在し、これらを電気的に接続することができる。図示の例では、基準点108a,108bは互いに直接接続されておらず、アンカー点110a,110bは互いに直接接続されていない。
【0048】
具体的には媒体106および歪みセンサ102は、一般に、本明細書で説明する技術に従って、または射出成形、3D印刷、熱成形、レーザーエッチング、型抜きなどを含むがこれらに限定されない、既存またはこれから開発される可能性のあるその他の機構に従って形成することができる。媒体106は、他の適切な化合物または材料の中でも、Bステージ樹脂フィルム、Cステージ樹脂フィルム、接着剤、熱硬化性エポキシ系フィルム、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、および/またはシリコーンのうちのいずれか一つによって形成することができる。一実施例では、媒体106は、550%の引張伸び、5.0メガパスカルの引張弾性率、95%の回復率、100マイクロメートルの厚さ、少なくとも1.0キロニュートン/メートルの90度での剥離強度、10ギガヘルツで2.3の誘電率、10ギガヘルツで0.0030の誘電正接、80マイクロメートルの厚みで7.0キロボルトの絶縁破壊電圧、窒素雰囲気中260℃の環境で10サイクルに渡って不変の耐熱性、NaOH、Na2CO3、銅エッチング液のいずれかに24時間浸漬しても媒体106に変化しない耐薬品性を有する。
【0049】
例示的な媒体106の詳細は、Ronayらによる米国特許出願公開第2020/0381349号明細書“CONTINUOUS INTERCONNECTS BETWEEN HETEROGENEOUS MATERIALS”に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
歪みセンサ102は、トレース104a,104b,104c,104dの1つ以上のインピーダンス/抵抗の変化に基づいて、基準点108a,108bの相対位置の変化を識別するように構成される。特に、歪みセンサ102は、基準点108a,108bが関連するトレース104a,104b,104c,104dを介して接続される2つのアンカー点110a,110bとの関係において、媒体106によって定義される平面上の所定の基準点108a,108bのデカルト系(x,y)に従った相対位置を決定するように構成される。したがって、例えば、基準点108aの相対的な位置は、トレース104aおよびトレース104bの任意の所与の時間における長さを決定すること、および/またはアンカー点110a,110bの相対的な位置(x,y)を決定することの一方または推論的には両方によって決定することができる。
【0051】
トレース104a,104bの長さは、基準点108a,108bとトレース104a,104b,104c,104dによって接続されるアンカー点110a,110bとの間で測定される、所定のトレース104a,104b,104c,104dの抵抗および/またはインピーダンスの関数として決定され得る。図示の例では、歪みセンサシステム100は、プロセッサ114に動作可能に接続された電子的パラメータセンサ112を含む。電子的パラメータセンサ112は、抵抗、キャパシタンス、インダクタンス等の電子特性を検出またはその他の方法で測定するように構成された任意のデバイスであってよい。このように、様々な例において、電子的パラメータセンサ112は、オームメータまたは抵抗信号読み取り器であってもよい。さらに、電子的パラメータセンサ112およびプロセッサ114は、別個の構成要素であってもよいし、一体化されていてもよい。このような例では、プロセッサ114は、抵抗信号読取および記録機能を組み込んだチップセットまたはパッケージの一部であってもよい。さらに他の例では、アナログ抵抗信号をデジタル信号に変換するために、アナログ-デジタル信号プロセッサが利用されてもよく、これはプロセッサ114によって受信されてもよい。リモートプロセッサが歪みセンサ102からの信号を受信するように構成されている例では、センサに内蔵されたワイヤレス通信コンポーネントが、プロセッサ114に信号を提供するように構成されている場合がある。
【0052】
図示されている歪みセンサシステム100は電子的パラメータセンサ112とプロセッサ114を含むが、電子的パラメータセンサ112とプロセッサ114の一方または両方は、歪みセンサシステム100の残りの部分および/またはクラウドコンピューティングアセット等に対してリモートであってもよい。さらに、様々な実施例において、電子的パラメータセンサ112および/またはプロセッサ114は、図示されているように、歪みセンサ102自体に統合されていてもよいし、歪みセンサ102が動作可能に接続されているコンポーネントであってもよい。プロセッサ114および/または電子的パラメータセンサ112が歪みセンサ102に対してリモートである場合、ワイヤレス通信モジュールを歪みセンサ102に組み込んで、電子的パラメータセンサ112および/またはプロセッサ114にデータを提供することができる。
【0053】
様々な例において、プロセッサ114は、基準点108a,108bの相対位置および/またはアンカー点110a,110bの相対位置を決定するために、所与のトレース104a,104b,104c,104dのインピーダンスの較正された、または所定の関係を必要としない。そのような例では、プロセッサ114は、トレース104a,104bが接続されるアンカー点110a,110bの各々の決定された位置(x,y)に対する基準点108aの相対位置を決定することによって、基準点108aの媒体106上の相対位置(x,y)を決定することができる。このような例では、基準点108aの位置変数xおよびyは、プロセッサ114によって以下の式に従って決定され得る:
【数1】
式1:基準点のX座標
【数2】
式2:基準点のY座標
【数3】
式3:サブ計算その1
【数4】
式4:サブ計算その2
【数5】
式5:サブ計算その3
【0054】
上記の式において、rは、電子的パラメータセンサ112によって測定され、プロセッサ114に提供される、所与のトレース104a,104bのインピーダンスである。トレース104c,104dに対して基準点108bと同様の式を同じ態様で適用することにより、基準点108a,108bのそれぞれの位置を決定することができる。例えば、少なくとも1秒間に1回、または少なくとも1秒間に15回、または少なくとも1秒間に24回等の比較的高い頻度で計算を実行することによって、歪みセンサシステム100は、基準点108a,108bの相対位置、すなわち基準点108a,108bの移動量および移動速度に関するリアルタイムの決定を得ることができる。
【0055】
歪みセンサシステム100は、抵抗またはインピーダンスの測定に関して説明しているが、任意の電気的測定が同様の基礎に基づいて適用されてもよい。したがって、例えば、トレース104a,104b,104c,104dは、トレースの変形に基づいて変化し得るインダクタンス、キャパシタンス、または他の測定可能な電子特性を有するか、または有するように構成され得る。よって、電子的パラメータセンサ112が説明および図示されているが、関連する電子特性を検出および測定するように構成された任意の電子計器を、本開示と同様の方法で電子的パラメータセンサ112に加えて、または電子的パラメータセンサ112に代えて利用できる。パラメータセンサ112は、信号をデジタル的に処理することができるプロセッサ114と通信するために動作可能なアナログ-デジタル信号変換器を含むことができる。
【0056】
図2A~2Eは、例示的な態様における歪みセンサ102の媒体106の個々の層の描写である。
図2A~2Eの例では、歪みセンサ102は、媒体106の個々の層が別々に形成・積層され、全体として媒体106を構成するように一体的にユニット化される積層構造である。各層は、米国特許出願公開第220/0066628号明細書「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTORS」(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている反復ステンシルインプレースプロセスに従って形成することができる。または、その他の適切な機構により形成されてもよい。しかしながら、上述したように、積層構造体としての歪みセンサ102の形成は例示であって限定ではなく、積層構造体としての歪みセンサ102を作製する工程に代えて、または積層構造体としての歪みセンサ102を作製する工程に加えて、歪みセンサ102を作製するための任意の適切な技術を適用することができる。各層の描写は歪みセンサ102の長軸に沿って見ており、したがって、
図1の視点に対する層の上面図または底面図のいずれかである。
【0057】
図1~4の非限定的な態様によれば、本明細書に開示されるセンサ102,402、フレキシブル回路、およびウェアラブル装置は、一次材料に取り付けられた1つまたは複数の基板を含むことができ、1つまたは複数の基板は、米国特許出願第16/548/379号によって開示されるような、フレキシブルで伸縮可能な材料で構成される。2019年8月22日に出願され、2021年8月10日に米国特許第11,088,063号として付与された、「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTORS」と題する米国特許出願第16/548,379号の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。具体的には、1つまたは複数の基材は、例えば、天然ゴム、合成ゴム、可撓性プラスチック、シリコーンベースの材料(例えば、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)、熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)、エチレンプロピレンジエンテルポリマー(「EPDM」)、ネオプレン、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、可撓性複合材料、および/または革等の天然の可撓性材料等の可撓性または伸縮性材料から作製することができる。例えば、1つ以上の基材は、特に、Lubrizol(登録商標)Estane(登録商標)58000シリーズ(例えば、58238)等の、弾力性と伸縮性を有するTPUから作製することができる。あるいは、1つまたは複数の基板は、特にLubrizol(登録商標)Estane(登録商標)S375Dのような、比較的硬いが柔軟な材料から形成することができる。他の非限定的な態様によれば、ウェアラブル装置の主材料自体は、前述の可撓性および/または伸縮性材料のいずれかを含むことができる。基材は、基材層、ステンシル層、および封止層を含む多層構造を含むことができるが、他の非限定的な態様では、基材は、(例えば、基材層、封止層等の)変形可能なトレースを収容するように構成された2層構造を含んでいてもよく、単層であってもよい。
【0058】
図2Aは、基板層202である。基板層202は媒体106の材料で形成され、最終的にその上に配置されたトレース104a,104bを有するが、それ以外は特徴がなく、様々な実施例において、導電性ゲルの絶縁および/または封止に用いることができる。
【0059】
図2Bは、第1パターン層204である。第1パターン層204は媒体106の材料で形成され、例えば、媒体106に形成された導電性ゲルを含むチャネルとして形成されたトレース104a,104bを含む。さらに、第1基準ビア206および第1アンカービア208は、それぞれのトレース104a,104bに動作可能に接続され、歪みセンサ102の様々な層を介してトレース104a,104bへの電気的アクセスを提供する。ビア206、208は、導電性ゲルまたは任意の適切な導体から形成することができる。
【0060】
図2Cは、絶縁層210である。絶縁層210は、媒体106の材料で形成され、絶縁層210を通って延びる第1基準ビア206および第1アンカービア208を含む。
【0061】
図2Dは、第2パターン層212である。第2パターン層212は媒体106の材料で形成され、例えば、媒体106に形成された導電性ゲルを含むチャネルとして形成されたトレース104c,104dを含む。第1基準ビア206および第1アンカービア208は、第2パターン層212を通って延び、第2基準ビア214および第2アンカービア第2アンカービア216は、トレース104c,104dに動作可能に接続される。
【0062】
図2Eは、封止層218である。封止層218は、媒体106の材料で形成され、第1基準ビア206、第1アンカービア208、第2基準ビア214、および第2アンカービア216を含み、
図1に示されるように、これらは歪みセンサ102と電子的パラメータセンサ112の動作可能な接続を実現するために、媒体106から露出される。
【0063】
様々な層は例示のために提示されたものであり、限定要件ではなく、様々な追加層または代替層のいずれかを所望に応じて積層構造に組み込んでもよいことを認識し理解されたい。積層構造は、導電性ゲルが配置される少なくとも1つの基材層、少なくとも1つのトレースを形成する少なくとも1つのパターン層、およびトレースまたは積層構造の他の構成要素を封止する少なくとも1つの封止層を組み込むことができる。積層構造はさらに、ステンシル固定製造方法が用いられる場合にはステンシル層と、例えば比較的高電圧な用途のバス、センサ、接地面、シールド等の導電層と、例えば、基板層、導電層、ステンシル層、および/または封止層の間に設けられ、主にトレースまたは導電層を互いに絶縁する絶縁層と、例えば、表面実装コンデンサ、抵抗器、プロセッサ等の、本明細書に開示されるプロセスに従って形成されるとは限らない電子部品と、層間接続のためのビアと、コンタクトパッドと、備えていてもよい。
【0064】
積層構造における層の集合体は「スタック」と呼ばれることがある。最終構造または中間構造は、ユニット化された少なくとも1つのスタック(または複数のスタック、例えばモジュール構造技術を使用)を含み得る。さらに、または代替的に、構造は、少なくとも1つの電子部品を有する1つまたは複数のユニット化されたスタックから構成され得る。積層アセンブリは、例えばモジュール構造の複数の積層構造から構成され得る。アセンブリは、第1積層構造(「アイランド」)を含むアイランドアーキテクチャを用いることができ、この第1積層構造は、典型的には、それ自体に電気部品が配置された積層構造であってもよく、あるいはディスクリートセンサ等の積層体であってもよい。第1積層構造は、例えば、従来のプリント回路基板(「PCB」)のように構成されたトレースやビアを含む第2積層構造に接着され、例えば、信号、電流、または電位がアイランドと他の周辺構造(例えば、センサ等)との間を移動する経路として機能する。
【0065】
図3Aおよび3Bは、それぞれ、弛緩構成および変形構成にある歪みセンサ102のトレースの抽象的な描写である。歪みセンサ102は、歪みセンサ102が伸張、屈曲などによって変形するような外力が歪みセンサ102に作用していないとき、弛緩構成にあると見なされる。歪みセンサ102が伸張、屈曲などによって変形するような外力が歪みセンサ102に作用し、その結果、トレース104a,104b,104c,104dの1つ以上が弛緩構成における長さに対して相対的に長くなったり縮んだりすると、歪みセンサ102は変形構成にあると考えられる。
図3Aおよび3Bは二次元平面で説明されているが、二次元に関して説明された原理は、歪みセンサ102に加えられた三次元のひずみにも同様に適用されることを認識・理解されたい。
【0066】
図示の例では、弛緩構成において、トレース104a,104dは、例えば5パーセント以内の実質的に等しい長さであり、その結果、ほぼ等しい抵抗またはインピーダンスを有する。同様に、トレース104b,104cも実質的に等しい長さであり、その結果、ほぼ等しい距離にある。このような状況では、プロセッサ114は、基準点108a,108bの相対的な(x,y)位置が弛緩状態にあると判断する。
【0067】
変形構成では、外力によって基準点108aが基準点108bに対して相対的に移動する。図示の例では、トレース104c,104dの長さ、ひいては抵抗は実質的に変化しておらず、その結果、プロセッサ114は、少なくとも相対的に、基準点108bに近接する歪みセンサ102にひずみが加わっていないと判断するよう構成されている。しかしながら、弛緩状態におけるトレース104a,104bの長さに対してトレース104aが短くなる場合やトレース104bが長くなる場合は、トレース104a,104bの長さ、ひいては抵抗は変化している。その結果、プロセッサ114は、基準点108aに近接する歪みセンサ102にひずみがかかったと判断するように構成される。
【0068】
異なる位置で歪みセンサ102に加えられたひずみは歪みセンサ102の異なる変形をもたらし、その結果、トレース104a,104b,104c,104dを図示のものとは異なる伸長や収縮が生じる。さらに、2つのトレースの長さは一定であるとして示されているが、トレース104a,104b,104c,104dのいずれかまたはすべてが長さを変える可能性があり、その結果、測定される抵抗値が変わる可能性がある。さらに、歪みセンサ102は、歪みセンサ102上の異なる位置に異なる力が現れる程度まで、歪みセンサ102にかかる複数の力に敏感である可能性がある。
【0069】
図4は、例示的な側面における、歪みセンサ402の抽象的な描写である。歪みセンサ102とは対照的に、歪みセンサ402は4つの基準点404a,404b,404c,404dを含む。このような例では、基準点404c,404dは、基準点404a,404bに対する事実上のアンカー点として機能する可能性がある。その結果、トレース406a上の抵抗は、基準点404aから基準点404cまで、といったように測定されることがある。
【0070】
各基準点404a,404b,404c,404dの相対位置はそれぞれ、トレース406のうちの2つによって決定される。分かりやすくするために、各基準点404a,404b,404c,404dに関連するトレース406は特定の破線で示されている。したがって、基準点404aの相対位置(x,y)は、トレース406a,406bの抵抗に基づいて決定され、基準点404cの相対位置は、トレース406e,406fの抵抗に基づいて決定される。本明細書に開示された原理は、任意の領域にわたる任意の数の基準点に容易に拡張可能である。電子的パラメータセンサ112またはオームメータの入力数は、プロセッサ114の処理リソースとともに比例的に拡張することができる。
【0071】
さらに、所与の基準点に関連付けられたトレースの数は、利用可能なトレースに基づいて拡張することができることを認識し理解されたい。様々な例では、基準点の相対位置は、2つだけでなく、3つ以上のトレースに基づいて決定されることがあり、追加のトレースを組み込むために上述の方程式が拡張される。しかし、さらなる例では、各基準点404について2つを超える追加のトレースは、冗長トレースとして扱われることがある。したがって、プロセッサ114は、所与の基準点の相対位置を決定するために2つのトレースのみを用いることができるが、基準点404へのトレースが断線した場合、プロセッサ114は、基準点404の相対位置を決定するために別の断線していないトレースを用いることができる。
【0072】
歪みセンサおよび/または複数の歪みセンサに複数の基準点404を含めることは、より大きな物体のリアルタイムの三次元モデルの作成を提供する可能性がある。したがって、例えば、ウェアラブル装置は、ウェアラブル装置全体に延びるトレースを有し、トレースは、ウェアラブル装置全体に分散された多くの基準点に接続される。各基準点の相対位置を定期的に決定することにより、プロセッサ114は、隣接する基準点に対する各基準点の相対位置の変化に基づいて、ウェアラブル装置の三次元モデルを容易に作成することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、歪みセンサシステム100を介して二次元の動きをモニタリングし、三次元表現に関連付けることができる。これは、既知の二次元変位データに拘束動作システムを関連付け、歪みセンサシステム100の二次元出力から三次元変位を計算することによって行われる。
【0073】
本明細書に開示された歪みセンサを様々な使用例に適応させることにより、歪みセンサが取り付けられるウェアラブル装置または他の物品の条件に合わせてトレースの長さが最適化される可能性がある。したがって、例えば、(例えば、袖の前腕部に沿って、膝ブレースの大腿部を横切って等の)歪みがかかることが予想されない特定の場所では一部のトレースが比較的長く、基準点が間隔をあけて配置される一方、(例えば、袖の肘、膝ブレースの膝関節等の)歪みがかかることが予想される場所では他のトレースが比較的短く、基準点が間隔をあけて配置される可能性がある。
【0074】
図1~4のセンサは「ひずみ」センサとして説明されているが、本開示のいくつかの非限定的な態様によれば、それらのセンサは、ひずみとは別の他の物理的パラメータ(例えば、応力、圧力、寸法等の)に関連付けることができる電気的パラメータ(例えば、インダクタンス、抵抗、電圧降下、キャパシタンス、電磁場等の)を生成するために使用することができることを理解されたい。したがって、前述のフレキシブル回路および形状可変導体を、(例えば、スリーブ、ブレース等の)ユーザが着用するウェアラブル装置に組み込むことによって、(例えば、インダクタンス、抵抗、電磁場等の)変化する電気的パラメータを生成でき、これらを(例えば、ひずみ、応力、圧力、寸法等の)物理的パラメータに関連付けることができる。
図1~4のセンサはウェアラブル装置に実装することができるが、代替の構成要素(例えば、フレキシブル回路、電極、圧力センサ、温度センサ等の)は、ウェアラブル装置に統合するのに有用である。例えば、以下に例示するように、様々なフレキシブル回路を実装して、単一軸に沿ったひずみをモニタリングすることができる。
【0075】
いくつかの非限定的な態様によれば、様々なフレキシブル回路を含む様々なセンサ(
図1~4のセンサ102,402等)を含む様々なセンサは、2021年8月23日に出願されたBIASING ELECTRODES SLEEVESと題する米国仮特許出願第63/235,937号、2021年9月8日に出願されたBRACE WITH INERTIAL MEASUREMENT UNITSと題する米国仮特許出願第63/241,806号、および/または2021年6月11日出願のMULTI-AXIS DIFFERENTIAL STRAIN SENSORと題された国際特許出願公開第WO2021253050号等(これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されたもののようにウェアラブル装置に組み込むことができる。例えば、ここで
図5を参照すると、そのような電極500の1つが、本開示の少なくとも1つの非限定的態様に従って示されている。
図5の非限定的な態様によれば、電極500は、最適化された皮膚接触のために構造的に構成され得る。
図5の電極500は、神経の筋肉への刺激に応答する筋肉反応および/または電気活動を測定するように電気的に構成することができ、これは、
図1~4のセンサ102,402と組み合わせて、装置を装着している間のユーザの動作を特徴付けるためにプロセッサ114(
図1)によって使用される複数の信号のうちの1つとなり、および/または集合的な信号に寄与することができる。
【0076】
依然として
図5を参照すると、電極500は、電極500が所望の方法で物品に適切に統合され得るように、指定された直径Dと厚さTを定義することができる。具体的には、直径Dは、ユーザの皮膚に接触するように構成された電極500の表面502が、所望の検出能力のために十分な面積を提供するような寸法にすることができる。電極500はさらに、プロセッサ114(
図1)がセンサ102,402(
図1~4)および電極500から信号を受信できるように、所望の方法で回路のセンサ102,402(
図1~4)と電気的に一体化するように構成された接点504を含むことができる。もちろん、他の非限定的な態様によれば、電極500はこれとは異なる形態に構成することができる。例えば、
図6を参照すると、別の電極600は、所望の検出能力を可能にするのに十分な面積の表面602を規定する、特に構成された幅Wおよび長さLを有する、長方形の構成を有していてもよい。さらに、
図6の電極600は、プロセッサ114(
図1)がセンサ102,402(
図1~4)および電極600から信号を受信することができるように、所望の方法で回路のセンサ102,402(
図1~4)と電気的に一体化するように構成された接点604を再び含むことができる。
【0077】
図5および
図6をさらに参照すると、電極500,600が解決しようとする課題の1つは、いくつかの使用ケースおよび条件においてセンサおよび/または電極から適切な信号を得ることにある。例えば、ウェアラブル装置内に包まれる可能性のある身体部位のサイズの多様性と、広範な動作を通じて皮膚との一貫した接触を提供するという課題により、変化する圧力が一部の着用者の皮膚と電極500,600との間に可変的な接触品質をもたらす可能性がある。前述の例示的な電極500,600の構成は、ユーザの筋肉または筋群における意図された活動のモニタリングを行うことができるデータおよび/または信号を提供可能であるが、いくつかの限定的な側面によれば、前述の電極500,600とユーザの皮膚との間のインターフェースを改善する必要性がある場合がある。
【0078】
ここで
図7Aおよび
図7Bを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、別の電極700が示されている。
図7Aおよび7Bの電極700は、
図5の電極500と同様に構成され得る。しかしながら、皮膚接触面702に対向する電極700の表面704は平坦であるが、
図7Aおよび
図7Bの非限定的な態様によれば、電極700は、特定の半径Rおよび高さHによって定義されるように、電極700の皮膚接触面702が凸状であり得ることを意味する、「ペレット」形状を有し得る。言い換えれば、
図7Aおよび
図7Bの電極700は、ウェアラブル装置に組み込まれたときの表面702の皮膚接触面積をさらに最適化するために、ドーム状、球状、および/またはその他の凸状トポグラフィを用いる。いくつかの非限定的な態様によれば、半径Rは、電極700の主要寸法(例えば直径D)の0.25倍から1.75倍のおおよその範囲内、好ましくは、0.5倍から1.5倍の範囲内で寸法決めされ得る。例えば、1つの非限定的な態様によれば、電極700は、約13ミリメートルの直径D、約11.5ミリメートルの接触面曲率半径R、および約2ミリメートルの球状キャップ高さHを有することができる。言い換えれば、電極700は、電極700の直径Dの0.88倍であり、0.50と1.50の好ましい範囲内にある半径Rを有することができる。他の非限定的な態様によれば、電極の長さまたは幅は、本明細書でさらに詳細に説明するように、主要な寸法と見なされ得る。言い換えれば、
図7Aおよび
図7Bの電極700は、皮膚収縮表面702のためのより大きな面積を容易にする。
【0079】
ここで
図8を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、別の電極800が示されている。
図7Aおよび
図7Bの電極700と同様に、
図8の電極800は、「ペレット」形状を有することができ、これは、電極700の皮膚接触表面802が、特定の半径Rによって定義されるように、凸状であり得ることを意味する。しかしながら、
図8の非限定的な側面によると、皮膚接触面802の反対側の電極800の表面804は、同じく特定の半径Rによって定義されるように凹面であることができ、それによって、その幅Wに沿って平坦な幾何学的形状を有する、長さLにわたる「板バネ」、または「カップ状」の幾何学的形状を画定する。
図8の電極800は、シートの長さLまたは幅Wの実質的に全体に沿って延びる曲率半径Rを有するように成形および/または他の方法で形成され得、そのいずれかは、半径Rの所望の寸法を決定する目的のための主要寸法と見なすことができる。例えば、
図8の非限定的な態様によれば、半径R軸が幅Wに沿って延びるので、主要な直径は長さLとすることができる。しかし、他の非限定的な態様によれば、半径Rを長さ方向に延ばすことが望ましい場合があり、この場合、主要な寸法は幅Wとすることができる。
図7Aおよび
図7Bの電極700とは異なり、電極800によって画定される湾曲は、中空であり、複数の側面において解放されており、結果として得られる電極800の構造は(例えば、
図10~12に示されるように、ブレース、スリーブ等の)ウェアラブル装置となる。言い換えれば、電極800の構造は、皮膚接触面802の面積を増加させるだけでなく、電極800が圧力下で変形することを可能にする。従って、
図8の電極800は、着用者の身体のそれぞれの部分上に伸張されたときにウェアラブル装置によって印加されるような半径方向の圧縮力に応答して、着用者の皮膚に対して付勢力を印加するように構成され得る。従って、電極800は、皮膚接触面802とユーザの皮膚との間の接触品質を改善することができ、従って、より正確な信号および/またはデータを生成することができる。
【0080】
本開示は、
図8の「板バネ」電極800の構成に対する代替案を提示する。例えば、
図9Aおよび
図9Bの電極900は、特定の半径Rによって定義されるように、凸状である皮膚接触表面902を含むことができる。しかし、
図9Aおよび
図9Bの非限定的な態様によれば、皮膚接触表面802に対向する電極900の表面904は、特定の半径Rによって定義されるように、(例えば、その長さと幅等の)すべての方向において凹入していてもよい。言い換えると、
図9Aおよび
図9Bの電極900は、「ドーム状」または「カップ状」の形状を画定することができる。
図9Aおよび
図9Bの電極900は画定されたドーム形状によって四方が閉じられているが、
図7Aおよび
図7Bの電極700とは異なり中空であるため、「板バネ」付勢効果を生じさせることができる。
図8の電極と同様に、ブレースやスリーブに組み込まれたとき、
図9の電極900によって提供される柔軟性は、ドーム状の曲率と組み合わさって圧力下でバネのような効果を生み出し、電極をユーザの皮膚に対して偏らせることができ、それによって電極900の性能を向上させる。
【0081】
図9Aおよび
図9Bの円形形状は単なる例示であり、本開示では、本明細書に開示される電極のいずれかが同様の付勢効果を達成しながら、(例えば、長方形、三角形、六角形等の)様々な代替形状を含むその他の非限定的な態様を取り得ることを理解されたい。本開示によれば、任意の形状の電極が、様々な球形トポグラフィを含む、
図9Aおよび
図9Bのドームと同様の突出ジオメトリで構成され得る。
図9Aおよび
図9Bの非限定的な態様によれば、電極900の主要寸法は直径Dであり得る。しかし、電極900が正方形または長方形の形状を含む他の非限定的な態様によれば、電極の長さまたは幅のいずれかが、先に開示したように、所望の半径を計算する目的のための主要寸法として機能し得る。
【0082】
本開示は、電極付勢効果が、電極構造(例えば、電極800、900の構造)だけでなく、ウェアラブル装置自体によっても提供される非限定的な態様をさらに企図する。例えば、流体充填可能な回路がウェアラブル装置に組み込まれ、様々な量の流体で充填され、それによってウェアラブル装置の厚さがある所定の部分において拡大し、これによって任意の電極(例えば、
図5、
図6、
図7A、
図7B、
図8、
図9A、および
図9Bの電極500,600,700,800,900)がユーザの皮膚に接触する圧力を増加させることができる。いくつかの非限定的な態様によれば、流体充填可能回路は、2021年10月27日に出願された、「DEVICES,SYSTEMS,ANDMETHODSFORMAKINGANDUSINGAFLUID-FILLABLE回路」と題された米国仮出願第63/272,487号に記載されたものと同様であってもよく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0083】
図7A、7B、8、9A、および9Bの電極700,800,900は、
図5および6の電極500,600によって生成される信頼性を高め、信号品質を改善することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、(例えば、ブレース、スリーブ等の)ウェアラブル装置は管状構成を含むことができるので、半径方向の圧力が従来の電極の裏側に印加されることがある。これは、電極の接触面とユーザの身体との間の表面接触において、ユーザの皮膚に対応する偏向を生じさせ得る。選択されたブレースまたはスリーブのサイズと着用者の身体部材のサイズとの間に不一致または最適でない組み合わせがある場合、センサと着用者の皮膚との間に信頼性の高い接触界面が得られないことがある。これは、選択されたブレースまたは袖のサイズが、装着者に好ましいレベルのフィット感または快適さを提供する一方で装着者の皮膚と電極との間のインターフェースの信頼性または一貫性が最適でない場合に、特に問題となる可能性がある。これは様々な要因に起因する可能性があり、そのうちのいくつかは関連している。例えば、ユーザの皮膚のたわみが不十分であると、センサとの適切な接触や信頼性の高い接触が得られないことがあり、また、ブレースやスリーブが十分な半径方向の力を発生しないため、センサとの適切な接触や信頼性の高い接触が得られないことがある。
【0084】
図7A、
図7B、
図8、
図9A、および
図9Bの電極700,800,900を介して示された様々な突出した(例えば、凹状、凸状等の)特徴は、
図5および
図6のより平面的または平坦な電極500,600の皮膚接触面502、602に対してより大きい皮膚接触面702,802,902を提供することができる。これは、いくつかの非限定的な態様によれば、約100ミリメートルから200平方ミリメートルの範囲にある、比較的大きな皮膚接触表面積を実現できる。例えば、本開示のいくつかの好ましい非限定的な局面によれば、
図7A、7B、8、および9の皮膚接触表面702,802,902の面積は約145平方ミリメートルであってもよく、これに対し、同様の外径を規定する皮膚接触表面を有する平面電極(例えば、
図5の電極500)は約133平方ミリメートルの表面積しか有さない。したがって、
図7A、
図7B、
図8、および
図9の湾曲した皮膚接触面702,802,902を提供することのさらなる利点は、電極700,800,900の所与の形状因子または「設置面積(footprint)」に対してより大きな面積を提供する能力が得られることであり、電極700,800,900によって生成される信号の精度をさらに改善することであることが理解される。
【0085】
図7A、
図7B、
図8、および
図9をさらに参照すると、(例えば、スリーブ、ブレース等の)ウェアラブル装置の周囲表面に対する湾曲した皮膚接触面702,802,902によって提供される突出部は、ブレースの半径方向の圧縮力を好ましい電極700、800の位置で着用者の皮膚に微妙に集中させることができる。いくつかの非限定的な態様によれば、結果として生じる圧縮力は、たわみを増大させ、センサと装着者との接触を改善することができる。前述のように、様々な電極500,600,700,800,900を、
図1~4のセンサ102,402のような1つ以上のセンサと一体化して、ウェアラブル装置にすることができる。いくつかの非限定的な態様によれば、電極およびセンサは、2021年8月23日に出願されたBIASING ELECTRODES SLEEVESと題する米国仮特許出願第63/235,937号、2021年9月8日に出願されたBRACE WITH INERTIAL MEASUREMENT UNITSと題する米国仮特許出願第63/241,806号、および/または2021年6月11日出願のMULTI-AXIS DIFFERENTIAL STRAIN SENSORと題する国際特許出願公開第NO.WO2021253050号等(これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示の手法によってウェアラブル装置に組み込むことができる。
図5、
図6、
図7A、
図7B、
図8、
図9A、
図9Bの電極500,600,700,800,900のような電極、および
図1~4のセンサ102,402のようなセンサを収容するように構成されたウェアラブル装置1000,1100,1200のいくつかの非限定的な例が、
図10~12に示されている。このように、電極500,600,700,800,900は、使用中(例えば、理学療法、仮想現実の実施等の)に電気出力を発生させることができるため、適用部位の筋肉に影響を及ぼす状態をモニタリングし、さらには診断するために使用することができる。
【0086】
図5、
図6、
図7A、
図7B、
図8、
図9A、および
図9Bの電極500,600,700,800,900は、高度な能動増幅器および/またはフィルタを含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、電極500,600,700,800,900の増幅器および/またはフィルタは、フレキシブル回路の可撓性の高いTPUフィルムに「ソフトはんだ」プロセスを用いて形成することができる。したがって、ウェアラブル装置は、電極500,600,700,800,900(例えば、ドライ電極)を介して骨格筋組織から電圧を引き出すことができ、この電極は、フレキシブル回路のTPUフィルムに直接付着させることができ、その結果、フレキシブルで、伸縮可能で、フィラメントに適合可能な、アクティブ回路が得られる。ウェアラブル装置が能動補綴具である、いくつかの非限定的な態様によれば、電極500,600,700,800,900は、補綴具を制御するように構成され得ることが理解される。このように、電極500,600,700,800,900は、ユーザの筋肉内のパルスを検出することができ、したがって、ユーザが筋肉、関節、および/または付属器を動かそうとするのをモニタリングすることができる。本明細書で開示されるフレキシブル回路および他の構成要素は、このようにして、そのデータを検出された位置データ(例えば、IMUによって生成されたデータ、ひずみゲージによって生成されたデータ等の)と比較して、ユーザの努力およびユーザの努力によって生成される結果を評価することができる。
【0087】
いくつかの非限定的な態様によれば、電極500,600,700,800,900(
図5、
図6、
図7A、7B、
図8、
図9A、9B)は、本明細書に開示された他の構成要素とともに、ロボット装置を制御するために使用できることが理解される。例えば、電極はユーザの努力をモニタリングすることができ、これは検出された位置データ(例えば、IMUによって生成されたデータ、ひずみゲージによって生成されたデータ等の)と組み合わせて使用することができ、関節モニタリングスリーブ1500を装着している間のユーザの動作をシミュレートするだけでなく、関節モニタリングスリーブ1500内でユーザの関節および/または付属器の人工的な再現として機能する接続されたロボット装置を介してそれらの動作を再現することができる。
【0088】
電極500,600,700,800,900(
図5、
図6、
図7A、
図7B、
図8、
図9A、および
図9B)のいずれも、電極を形成するために使用される材料、および
図10~
図12から理解されるウェアラブル装置のような、ウェアラブル装置への組み込みの結果として得られるセンサ組み込みに必要な所望の特性または付勢効果に応じて、射出成形、鋳造、または任意の他の適切な技術を含む様々な動作を使用して形成することができる。
【0089】
さらに、本明細書に開示される電極500,600,700,800,900(
図5、6、7A、7B、8、9A、9B)のいずれも、乾式、湿式、および/または受動型に構成可能であることが理解される。いくつかの非限定的な態様によれば、電極500,600,700,800,900は、
図1~4のセンサ102,402およびフレキシブル回路を参照して説明したように、前述の形状可変導体と同様の導電性ゲルを採用することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、湿式構成は最も信頼性の高い信号を提供するためには好ましいが、湿式電極は導電性ゲルを使用することから、長期間の使用にわたってユーザにとって利便性および/または快適性が低下する可能性がある。このように、他の非限定的な側面として、ドライ電極をウェアラブル装置に統合することができる。他の非限定的な態様によれば、電極500,600,700,800,900は、2015年4月7日に出願された、ELECTRODES AND SENSORS HAVING NANOWIRESと題された米国出願第15/127,455号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているような、ポリマー(例えば、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)等)に埋め込まれた柔軟な乾燥銀ナノワイヤ構成を含むことができる。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、電極500,600,700,800,900は、銀および/または塩化銀ペレット型電極(例えば、J&J EngineeringのSE-12およびSE-13等の)を含み得る。もちろん、さらに他の非限定的な態様によれば、様々な他の電極タイプを
図5~9の構成に形成することができる。前述の例は、単に例示のために提供される。
【0090】
この一方で、
図5、6、7A、7B、8、9A、および9Bの前述の電極500,600,700,800,900は、構成は異なるが、本明細書で企図されるウェアラブル装置に組み込まれるにあたり、同様の生体データおよび信号を収集するために使用され得る。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、電極は、約8ミリメートルの直径を有する円形の接触領域を有することができる(例えば、J&J EngineeringのSE-12等)。他の非限定的な態様によれば、電極は、約17ミリメートルの大きな直径を含むことができる(例えば、J&J EngineeringのSE-13等)。
【0091】
電極500,600,700,800,900(
図5、6、7A、7B、8、9A、および9B)が銀ナノワイヤータイプの構成を含む非限定的な態様によれば、本開示は寸法的に限定されないので、様々な幾何学的形状およびサイズを選択することができる。例えば、いくつかの好ましい態様によれば、電極500,600,700,800,900は銀ナノワイヤータイプの構成を含み、少なくとも約20平方ミリメートルの表面接触面積を規定する。例えば、そのような態様によれば、電極500,600,700,800,900は、約5ミリメートルの直径を有する円形の接触領域、または約4.5ミリメートルの幅と長さを有する長方形の接触領域を含むことができる。他の好ましい態様によれば、電極500,600,700,800,900は、約130平方ミリメートルの接触面積を規定することができる。例えば、そのような態様によれば、電極500,600,700,800,900は、約13ミリメートルの直径を有する円形の接触領域、または約11.5ミリメートルの幅および長さを有する矩形の接触領域を含むことができる。さらに他の非限定的な態様によれば、電極500,600,700,800,900は、最大で900平方ミリメートルの表面積を画定することができる。例えば、そのような側面によれば、電極500,600,700,800,900は、約34ミリメートルの直径を有する円形の接触領域、または約30ミリメートルの幅と長さを有する矩形の接触領域を含むことができる。
【0092】
いくつかの非限定的な側面によれば、ウェアラブル装置(例えば、
図10~12のウェアラブル装置1000,1100,1200)は、より大きな接触面積を必要とする特定の筋群の活動をモニタリングおよび/または測定するように構成することができる。このような非限定的な態様において、電極500,600,700,800,900(
図5、6、7A、7B、8、9A、および9B)の接触面積は、ウェアラブル装置の利用可能な面積によって制限され得るが、この面積は、(例えば、柔軟性、可撓性、伸縮性等の)ウェアラブル装置の物理的パラメータ、ひいては動作に関連付けることができる電気的パラメータに関連する信号を生成し処理するための、任意のセンサ、フレキシブル回路、および/または追加の電子機器も考慮しなければならない。したがって、本書に開示されたセンサ102,402(
図1~4)、電極500,600,700,800,900(
図5、6、7A、7B、8、9A、および9B)、およびウェアラブル装置1000,1100,1200(
図10~12)の構成は、単に例示であり、限定することを意図していないことを理解されたい。換言すれば、ウェアラブル装置1000,1100,1200(
図10~
図12)およびそれぞれの電子部品は、目的となる特定の関節または身体部位に合わせて別個調整することができる。
【0093】
ここで
図10を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、1つのそのようなウェアラブル装置1000が示されている。
図10の非限定的な態様によれば、ウェアラブル装置1000は、所定の直径Dによって画定される管状の関節モニタリングスリーブとして構成することができる。本明細書で使用する場合、「関節モニタリングスリーブ」という用語は、(例えば、膝、肘、肩、手首、足首、股関節等の)任意の関節および/または(例えば、腕、脚、指、足指、首、背中等の)付属器官の動きをモニタリングするように構成されたウェアラブル装置を含む。直径Dは、特に関節モニタリング用スリーブ1000を所望の関節および/または付属器官の周囲に装着できるように構成することができる。
図10の関節モニタリング用スリーブ1000は複数の電極1004,1006とともに示されているが、いくつかの非限定的な態様によれば、関節モニタリング用スリーブ1000はセンサ(例えば、
図1~4のセンサ102,402)および/または(例えば、力センサ、誘導コイルセンサ、温度センサ等の)他の電子部品をさらに含むことができることを理解されたい。電極1004,1006を含む電子部品は、先に開示したように、形状可変導体からなるフレキシブル回路を用いて電気的に接続することができる。
【0094】
図10の非限定的な態様をさらに参照すると、関節モニタリングスリーブ1000上に一体化された任意の数の電極1004,1006は、
図5、6、7A、7B、8、9を参照して説明した構成のいずれかを含むことができる。例えば、いくつかの電極1004は、
図6および
図8の電極600,800のような長方形の構成を含むことができ、いくつかの電極1006は、
図5、7A、7B、9A、9Bの電極500,700,900のような円形の構成を含むことができる。さらに、電極1004,1006のいずれかは、
図7A、7B、8、9A、9Bの電極のような突出した皮膚接触面を含むことができ、これにより、電極1004,1006には上述した付勢効果が付与される。例えば、ここで
図11を参照すると、ウェアラブル装置1100が本開示の少なくとも1つの非限定的態様に従って示されている。
図11の非限定的態様によれば、ウェアラブル装置は、関節モニタリングスリーブ1100として構成され得るものであり、
図9Aおよび
図9Bの電極900と同様の構成を有する少なくとも1つの電極1102を含み得る。同様に、
図12は、
図8の電極800と同様の構成を有する少なくとも一つの電極1202を含む関節モニタリング用スリーブとして構成された別のウェアラブル装置1200を示している。従って、
図10~
図12の関節モニタリング用スリーブ1000,1100,1200は、前述のフレキシブル回路、形状可変導体、センサ102,402(
図1~
図4)、および(例えば、
図1のオームメータ112および/またはプロセッサ114等の)他の電子機器と連動して、関節モニタリング用スリーブ1000,1100,1200を装着している間のユーザの身体動作に関連する物理的パラメータに関連付けることができる電気的パラメータを生成することができる様々な電極1004,1006,1102,1202を含むことができる。
【0095】
例えば、関節または付属器官の屈曲時の可動域は、特に患者がリハビリを行っている場合には、健康の重要な指標となり得る。
図10~
図12の関節モニタリングスリーブ1000,1100,1200は、電極1004,1006,1102,1202および/または付加的な電子機器を利用し、患者の柔軟性および動作をより高い精度で積極的にモニタリングすることができる。例えば、電極1004,1006,1102,1202および/またはセンサ102,402(
図1~4)は、形状可変導体(例えば、流体金属ゲルトレース等の)を特徴とする可撓性導体を介して実装され得、これは、関節と共に動くように独自に構成される。さらに、そのようなフレキシブル回路によって採用される導体の変形可能な性質により、関節モニタリングスリーブ1000,1100,1200には何千回ものひずみサイクルを通じて非常に限定的な劣化が生じるのみか、またはいくつかの非限定的な態様においては劣化ゼロとなる。従って、
図10~12の関節モニタリングスリーブ1000,1100,1200を介した正確な結果を保証するための較正は不要となる。
【0096】
いくつかの非限定的な態様によれば、関節モニタリング用スリーブ1000,1100,1200は、関節モニタリング用スリーブ1000,1100,1200が関心位置の腫脹を測定できるように、(例えば、患者の脛の前面等の)患部に配置された圧力センサをさらに含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、圧力センサは
図1~4の歪みセンサ102,402と同様に構成することができる。他の非限定的な態様によれば、圧力センサは、2021年9月3日に出願されたWEARABLE ARTICLE WITH FLEXIBLE INDUCTIVE PRESSURE SENSORと題する国際特許出願第PCT/US2021/071374号、2021年10月22日に出願されたFLEXIBLE THREE-DIMENSIONAL ELECTRONIC COMPONENTと題する米国仮出願第63/270,589号、および2021年10月27日に出願されたDEVICES, SYSTEMS, AND METHODS FOR MAKING AND USING A FLUID-FILLABLE CIRCUITと題する米国仮出願第63/272,487号に記載の構成のいずれを含んでいてもよく、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。従って、センサ内の誘導コイルが押し下げられるか、または伸長されると、(例えば、電磁インダクタンス等の)センサによって生成される電気的パラメータが変化し、これに対応する信号が圧力センサによって検出され、患部における腫脹の特徴付けのために、回路系を介してプロセッサ114(
図1)に送信され得る。もちろん、他の非限定的な態様によれば、(例えば、ひずみゲージ、薄膜圧力センサ、可変キャパシタンス圧力センサ等の)代替の圧力センサを実装して同様の効果を得ることができる。
【0097】
さらに他の非限定的な態様において、関節モニタリングスリーブ1000,1100,1200は、前述の形状可変導体から構成された温度センサを含むことができる。このような導体は、温度勾配に曝されたときに変形することができ、その結果、回路にわたって発生する電気的パラメータ間の差を生じさせることがある。例えば、モニタリングしている箇所の温度が変化すると、形状可変導体または封止構造が膨張または収縮し、形状可変導体で測定される抵抗の変化がこの温度変化に関連付けられ得る。このような差分は接続されたプロセッサ114(
図1)によって処理され、温度センサの位置における関節または付属器官の温度変化と関連付けることができ、これによって血流の変化を示すことができる。
【0098】
ここで
図13を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的態様に従って、ウェアラブル装置に一体化されるように構成されたフレキシブル回路1300が示されている。
図13の非限定的態様によれば、フレキシブル回路1300は、2017年2月27日に出願され、2017年9月8日に国際特許公開第WO2017/151523A1号として公開された、LIQUID WIREと題された国際特許出願第PCT/US2017/019762号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されたもの等の、形状可変導体からなる1つまたは複数のトレース1302を含むことができる。トレース1302は、「CONTINUOUS INTERCONNECTS BETWEEN HETEROGENEOUS MATERIALS」と題され、2019年5月28日に出願された米国特許出願公開第220/0381349号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されたもの等の媒体1303上に堆積させることができる。いくつかの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1300は、「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTORS」と題され、2018年8月22日に出願された米国特許出願公開第220/0066628号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示された技術に従って構築することができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、本明細書に開示されるひずみゲージのトレース1302は、上述の液相導体で形成することができ、この液相導体は弛緩状態に戻ったときにヒステリシスがほとんどない状態で、トレースの電気特性に予測可能かつ測定可能な変化を生じさせることができるものである。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、(例えば、銀インク等の)代替の導体が使用され得るが、多数の変形サイクルを受けた後に弛緩状態に戻る際にヒステリシス(または電気特性の測定可能な変化)が生じないことがある。後述するように、本明細書で開示する較正方法(例えば、方法2200)は、代替導体を用いるフレキシブル回路の精度および信頼性を高めることができる。
【0099】
依然として
図13を参照すると、フレキシブル回路1300は、(例えば、I2Cプロトコル等の)シリアル通信バス1310を介して少なくとも1つのIMU1308に電気的に接続されたプロセッサ1304をさらに含むことができる。トレース1302のうちの1つ以上は、マルチゲージ、低電力、センサ1306に電気的に接続されたフレキシブル回路1300のひずみゲージ1312部分を形成するよう特に構成され得る。いくつかの非限定的な態様によれば、ひずみゲージ1312およびセンサ1306は、
図1~4のセンサ102,402と同様に、フレキシブル回路1300全体のひずみを測定するように構成することができる。さらに、ひずみゲージ1312およびセンサ1306。いくつかの非限定的な態様によれば、ひずみゲージ1312によって生成された電気的パラメータは、フレキシブル回路1300が移動するのに応じてIMU1308によって生成されたIMUデータと関連付けることができ、これにより、IMU1308を較正するために使用することができる。
図13のフレキシブル回路1300は、
図15~
図17の関節モニタリングスリーブ1500,1600を参照して説明した機能性の一部を欠いているが、
図13のフレキシブル回路1300は、単一の積層構造として機能する媒体1303上に少なくともいくつかの機能性を組み合わせた、統合され合理化された回路を示している。これは、効率性、手頃な価格、製造容易性、およびウェアラブル装置へのより簡素化された統合化をさらに促進することができる。他の非限定的な態様によれば、単一の積層構造は、
図15~
図17を参照して述べられたものを含む、本明細書に開示された構成要素および/または機能のいずれかを統合するために使用することができる。このように、いくつかの非限定的な態様によれば、
図13と同様の回路1300構造は、
図15~17の関節モニタリングスリーブ1500,1600の強化された機能性とともに前述の利点を提供することができる。
【0100】
例えば、ウェアラブル装置が、ユーザの膝に装着される関節モニタリングスリーブとして構成される非限定的な態様によれば、少なくとも2つ以上のIMU1308を膝蓋骨の両側に配置することができ、歪みゲージ1312は、各IMU1308間の関節モニタリングスリーブの一部を横切って、膝の膝蓋骨を横断するように構成することができる。従って、関節モニタリングスリーブを膝に装着した状態でユーザが脚を曲げると、歪みゲージ1312は、フレキシブル回路1300が様々な角度にわたるユーザの脚の動きから伸縮するにつれて、ユーザの膝の膝蓋骨全体のひずみを測定することができる。このデータは、形状可変導体で形成されたトレース1302によって測定可能かつ関節モニタリングスリーブを装着した身体部分の動作に正確に関連付け可能な線形歪みを仮定することによって、較正点間の角度関係に関連付けることができる。さらに、IMU1308は、角度の共生的尺度を追加することができ、歪みゲージ1312の設定点を超える関節の回転および/または過膨張をモニタリングすることによって歪みデータを補足することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、IMU1308自体がひずみゲージ1312を補足し、および/またはひずみゲージ1312に代えて作用するように構成されたフレキシブル回路相互接続を含むことができ、これにより、液相導体は従来のIMUと比較して強化された精度をIMU1308に付与することができる。
【0101】
ここで
図14A~Dを参照すると、本開示の少なくとも一態様に従って、いくつかの他のフレキシブル回路1400,1420,1430が示されている。
図13のフレキシブル回路1300と同様に、
図14A~Dのフレキシブル回路1400,1420,1430は、媒体1403上に堆積された形状可変導体から形成された1つまたは複数のトレース1402を含むことができ、「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTOR」と題され、2018年8月22日に出願された米国特許出願公開第220/0066628号(その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示された技術に従って構築することができる。さらに、
図14Aおよび14Bのフレキシブル回路1400は、1つ以上のセンサ(例えば、
図1~4のセンサ102,402)および/または他の電子構成要素(例えば、IMUの、プロセッサ、力センサ、誘導コイルセンサ、温度センサ等の)をさらに含み得る。電極1004,1006を含む電子部品は、先に開示したように、形状可変導体で構成されたフレキシブル回路を用いて電気的に接続することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、形状可変導体は、フレキシブル回路1400のバス(例えば、
図13のバス1310)部分および/またはフレキシブル回路1400のひずみゲージ(例えば、
図13のひずみゲージ1312)部分として構成することができる。
【0102】
いくつかの非限定的な態様によれば、
図14Aのフレキシブル回路1400は、ウェアラブル装置内に統合された様々な電極とインターフェースし、ウェアラブル装置全体に配置された回路1400,1420,1430の他の部分に電気的に接続するように構成することができる。
【0103】
図14Cを参照すると、他の非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1420の1つまたは複数の部分1422は、2021年9月3日に出願されたWEARABLE ARTICLE WITH FLEXIBLE INDUCTIVE PRESSURE SENSORと題する国際特許出願第PCT/US2021/071374号、2021年10月22日に出願されたFLEXIBLE THREE-DIMENSIONAL ELECTRONIC COMPONENTと題する米国仮出願第63/270589号、および2021年10月27日に出願されたDEVICES, SYSTEMS, AND METHODS FOR MAKING AND USING A FLUID-FILLABLE CIRCUITと題する米国仮出願第63/272,487号(これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)のいずれかを含む圧力センサとして構成されていてもよい。例えば、
図14Cの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1420の1つまたは複数の部分1422は、ウェアラブル装置内に一体化された導電性平面(例えば、導電性平面を発泡体上に取り付けるか、または圧縮性流体で満たされたブラダ内に取り付ける等の)に対して付勢され得るコイルとして構成することができる。導電性平面とフレキシブル回路1420の1つ以上の部分1422のコイルとの間の距離が変化する際に、電気的パラメータ(例えば、電磁インダクタンス)は、例えば、2021年9月3日出願のWEARABLE ARTICLE WITH FLEXIBLE INDUCTIVE PRESSURE SENSORと題された国際特許出願第PCT/US2021/071374号、米国仮出願第63/270,589号に開示されているように、抵抗器、インダクタ、キャパシタ(「RLC」)回路のキャパシタを介して検出することができる。したがって、フレキシブル回路1420の1つまたは複数の部分1422の誘導コイルが押し下げられ、および/または伸長されると、フレキシブル回路1420のその部分1422によって生成される電気的パラメータ(例えば、電磁インダクタンス等の)が変化し、部分1422が位置決めされた場所における腫脹の特徴付けのために、その変化に対応する信号を、回路を介してプロセッサ114(
図1)に送信することができる。このように、誘導圧力センサとして構成されたフレキシブル回路1420の1つ以上の部分1422は、先に開示されたように、関節および/または付属器の特定の部分における腫脹をモニタリングするように構成され得る。
【0104】
図14Dの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1430は、ウェアラブル装置の特定の場所における「スポット」モニタリングのために構成することができる。例えば、
図14Dのフレキシブル回路1430は、先に開示したように、例えば血流および/または腫脹をモニタリングするための温度センサおよび/または圧力センサとして機能するように構成することができる。
【0105】
形状可変導体1402および媒体1403の可撓性の性質により、フレキシブル回路1400,1420,1430は、従来の回路と比較して非常に多量の可撓性を付与され得ることが理解される。例えば、
図14Aの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1400は静止状態にあり、ひずみが生じていない。このため、形状可変導体1402によって形成されるトレースを通して電流が導入されると、フレキシブル回路は静止状態における複数の電気的パラメータ(例えば、インダクタンス、抵抗、電圧降下、キャパシタンス、および/または電磁場等)を生成する。しかしながら、
図14Bの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1400は、本質的に、トレースおよび/または電子部品間に不連続性を生じさせることなく二つ折りにすることができ、他の非限定的な態様によれば、コイル状にすることおよび/またはねじることができる。もちろん、フレキシブル回路1400がそのような変形を受けると、様々な程度の応力下でフレキシブル回路1400によって生成される複数の電気的パラメータはフレキシブル回路1400が静止時に生成するものとは異なることになる。いくつかの非限定的な態様によれば、液相導体を含むフレキシブル回路1400は、「静止」状態に対して20%~40%の変形を経ることができ、これにより回路1400によって生成される電気的パラメータが変化する。
【0106】
(例えば、銀インク等の)代替導体が歪み検出フレキシブル回路を形成するために使用される非限定的な態様によれば、そのような回路はヒステリシスを生じず、したがって、多数の変形サイクルを受けた後に弛緩状態に戻る際に電気特性の測定可能な変化が生じる可能性がある。これは「ひずみクリープ」、すなわち変形サイクルの回数が増えるにつれて性能が低下することとして知られている。このような側面によれば、このような代替導体を用いるひずみ検出フレキシブル回路1300の性能は、本明細書に開示する較正方法2200(
図22)を介して向上させることができる。
【0107】
図14Aおよび
図14Bの非限定的な態様によれば、プロセッサ1404は、フレキシブル回路1400上に配置された様々なセンサおよび/または構成要素から信号を受信することができ、したがって、プロセッサ1404は、生成された電気的パラメータの差異を特定し、それらを、DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS FOR MAKING AND USING A FLUID-FILLABLE CIRCUITと題され、2021年10月27日に出願された米国仮特許出願第63/272,487号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されているように、フレキシブル回路1400の変形に関連する様々な物理的パラメータに関連付けることができる。このように、
図14Aおよび
図14Bのフレキシブル回路1400は、ユーザの関節および/または付属器の動作を正確にモニタリングし、特徴付けるためにウェアラブル装置に組み込むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1400および/またはウェアラブル装置は、1つまたは複数のIMUをさらに含むことができる。このように、生成された電気的パラメータの差は、IMUデータを較正するために関連付けることができ、先に説明したように、IMUデータを補足および/または較正するために使用することができる。
【0108】
ここで
図15を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、ユーザの動作をモニタリングして特徴付けるように構成されたウェアラブル装置1500が示されている。
図15の非限定的な態様によれば、ウェアラブル装置1500は、特にユーザの膝に装着されるように設計された関節モニタリングスリーブとして構成することができる。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500は、代替的に、(例えば、膝、肘、肩、手首、足首、股関節等の)ユーザの任意の関節および/または(例えば、腕、脚、指、足指、首、背中等の)付属器官に装着されるように設計されてもよい。
図15に示されているように、
図15の関節モニタリングスリーブ1500は、様々な電極(例えば、ウェアラブル装置内に一体化された電極500,600,700,800,900(
図5、6、7A、7B、8、9A、9Bの電極500,600,700,800,900)とインターフェース接続するフレキシブル回路1400であって、(例えば、弾性、スパンデックス、綿、および/または他の天然および合成繊維等の)関節モニタリングスリーブ1500が形成される可撓性媒体1506全体にわたって配置された回路1420,1501,1502,1504の他の部分にそれらの電極を電気的に接続するように構成された、
図14Aのフレキシブル回路1400を含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1400は、
図13のフレキシブル回路1300と同様に構成することができ、少なくとも、
図13のフレキシブル回路1300のIMUアイランド1308と同様のIMUを含むことができる。
【0109】
なおも
図15を参照すると、関節モニタリングスリーブ1500は圧力検出フレキシブル回路1420をさらに含むことができるが、その理由は、先に開示したように、圧力検出フレキシブル回路1420が関節における腫脹、または腫脹が特に問題となる関節モニタリングスリーブ1500の任意の他の部分における腫脹をモニタリングするのに特に有用であり得るからである。いくつかの非限定的な態様によれば、圧力検出フレキシブル回路1420は、フレキシブル回路1420が一般に膝蓋骨に位置するように、関節モニタリングスリーブ1500の関節部分1508に取り付けることができる。いくつかの非限定的な態様によれば、膝蓋骨で圧力検出フレキシブル回路1420を使用する代わりに、ひずみゲージセンサ1501を歪み固有のモニタリングのために膝蓋骨に配置することができる。あるいは、フレキシブル回路1420は、関節にわたる単軸ひずみをモニタリングするように構成することができる。例えば、フレキシブル回路1420は、ユーザの大腿部の膝上の点から膝頭にわたって、(例えば、インダクタンス、抵抗、電圧降下、キャパシタンス、電磁場等の)ユーザの脛の膝下の点までの電気的パラメータを生成することができる。フレキシブル回路1420によって生成された電気的パラメータは、その後、その関節を横切る物理的パラメータ(例えば、ひずみ、応力、圧力、寸法等の)と関連付けることができ、関節モニタリングスリーブ1500を装着している間のユーザの動きを特徴付けるために使用することができる。
【0110】
図15をさらに参照すると、歪み検出フレキシブル回路1501の1つ以上の部分は、フレキシブル回路1501の他の部分に比べてトレースが長いか、さもなければ異なるような代替トレース構成を含むことができる。このように、それらの部分で生成される電気的パラメータは、回路1501の他の部分で生成される電気的部分に対して誇張されることができ、したがって、患部領域の応答性をより高めてモニタリングすることができる。
【0111】
図14Cを参照して述べたように、フレキシブル回路1420は、誘導圧力センサ等の圧力センサとして構成されたフレキシブル回路1420の1つ以上の部分1422を含むことができる。
図15の非限定的な態様によれば、1つまたは複数の部分1422は膝蓋骨のすぐ下に配置することができ、膝のこの部分の腫脹をモニタリングすることができる。さらに、フレキシブル回路1420の1つまたは複数の部分1422は、圧力測定を容易にするために関節モニタリングスリーブ1500の特定の特徴に対して位置決めおよび/または偏らせることができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500の関節部分1508は、既知のバネ定数の付勢媒体(例えば、発泡体)によって、誘導式圧力センサとして構成されたフレキシブル回路1420の1つ以上の部分1422から距離を置いて一体化された導電性層および/または導電性繊維を含む織布層を含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、コイル部分1422はブレースの第1層(例えば、皮膚に面する層)に接着することができ、導電層はブレースの第2層(例えば、外部層)に一体化(例えば、縫い付け、接着、織布等の)することができる。あるいは、その逆も可能である。既知のバネ定数の付勢材料(例えば、発泡体)は、ブレースと一体であるか、または第一の層と第2層の間に分散されているかのいずれかである。このように、圧力は、測定された電気的パラメータ(例えば、電磁インダクタンス)をコイルと導電層との間の距離に関連付けることによって、コイルと導電層との間の計算された距離に基づいて決定することができる。
【0112】
追加的および/または代替的に、いくつかの非限定的な態様によれば、誘導式圧力センサとして構成されたフレキシブル回路1420の1つまたは複数の部分1422が膝の屈曲によって悪影響を受けることなく専ら関節自体の腫脹に応答するように、関節モニタリングスリーブ1500の関節部分1508を以下に説明する態様で補強することができる。よって、いくつかの好ましい態様によれば、フレキシブル回路1420の1つ以上の部分1422がコイルと導電層との間の距離に影響を及ぼし、モニタリング圧力に(精度を下げる)悪影響を及ぼす可能性のある関節の屈曲から「ロックアウト」される、すなわちこれに対して補強されるように、関節モニタリングスリーブ1500の関節部分1508の中心でフレキシブル回路の1つ以上の部分1422を補強することが有用な場合がある。もちろん、1つまたは複数の部分1422は、解剖学的必要性、ユーザの好み、および/または意図された用途に従って、関節モニタリングスリーブ1500のどこにでも配置することができる。
【0113】
換言すれば、関節モニタリングスリーブ1500は、関節モニタリングスリーブ1500の特定の位置におけるフレキシブル回路の変形を緩和または促進することができる異なる構造および/または特徴(例えば、関節部分1508)を有することができる。例えば、(例えば、より厚い、より薄い、より可撓性が低い、より柔軟である、よりクッション性がある等の)繊維特性は、特定のフレキシブル回路1400,1420,1501,1502,1504の位置に対して関節モニタリングスリーブ1500の特定の位置で減少させることができる。これは変形に影響するため、それらの回路1400,1420,1501,1502,1504によって生成される電気的パラメータを減衰させることができる。従って、このような特徴により、歪みセンサが存在する一部の領域において歪み検出機能を停止させることができる(例えば、関節の両側にある歪みセンサの領域を「ロックアウト」し、関節上に延びる部分のみを自由に伸張できる状態にすることができる)。
【0114】
いくつかの非限定的な態様によれば、同様の特徴を利用して、フレキシブル回路構造が取り付けられている関節モニタリングスリーブ1500の部分における快適性を促進することができる。例えば、フレキシブル回路は関節モニタリングスリーブ1500のより剛性の高い部分1506、または可撓性の高い部分1508に取り付けることができ、関節モニタリングスリーブ1500の使用中にフレキシブル回路の構造的特徴がユーザにとってそれほどあからさまでなくなるため、ユーザの不快感を軽減することができる。例えば、そのような特徴は、ARTICLE OF FOOTWEAR INCORPORATING A KNITTED COMPONENTと題され、2019年5月9日に出願された米国特許第8,898,932号に記載された方法を介して導入することができ、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。具体的には、米国特許第8,898,932号は、物品を編み、織物の部分を再強化する例示的な構成を提供する。しかしながら、本開示によれば、ユーザの快適性を促進することと併せて、同様の技術を使用して、関節モニタリングスリーブ1500の特定の部分1506,1508の変形を補強および/または強化し、フレキシブル回路1400,1420,1501,1502,1504からの所望の電気的応答を促進することができる。
【0115】
図15の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500は、装着可能物品の特定の場所における「スポット」モニタリングのために構成された別のフレキシブル回路および/またはセンサ1504を含むことができる。例えば、フレキシブル回路1504は、先に説明したように、温度センサを含むことができ、および/または、例えば、関節モニタリングスリーブ1500の特定の部分における血流および/または腫脹をモニタリングするための圧力センサとして機能するように構成することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、他のフレキシブル回路および/またはセンサ1504は温度センサを含むことができる。もちろん、他の非限定的な態様によれば、フレキシブル回路および/またはセンサ1504は、同様の効果を達成するように実装された代替の圧力センサ(例えば、ひずみゲージ、薄膜圧力センサ、可変容量圧力センサ等)を含むことができる。
【0116】
図15をさらに参照すると、関節モニタリングスリーブ1500は、歪みセンサとして構成され、第3のフレキシブル回路1501によって生成された電気的パラメータに対応する信号に応答して点灯するように構成された1つ以上の発光ダイオード(「LED」)を含むオンボードインジケータ1502に電気的に接続された第3のフレキシブル回路1501をさらに含むことができる。本明細書においてさらに詳細に説明されるように、具体的には
図21A~Cまたは
図19の1つ以上のLEDおよび/または複数のボタン1910を参照して説明されるように、オンボードインジケータ1502は、関節モニタリングスリーブ1500の使用中にユーザの動作に関するリアルタイムのフィードバックを提供するように構成され得る。しかしながら、インジケータ1502の1つ以上のLEDにより、ユーザは屈曲範囲をリアルタイムで容易にモニタすることができる。いくつかの非限定的な態様によれば、搭載されたインジケータ1502は、リハビリテーション中の可動域練習を通して患者を誘導するためにも使用することができる。追加的および/または代替的に、インジケータ1502は、いくつかの非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500を装着している間のユーザの動作に関連する、より洗練された視覚的指標、触覚フィードバック、および/または可聴アラートを提供するように構成された、より洗練されたディスプレイ、触覚センサ、および/またはトランスデューサを含むことができる。
【0117】
図15では明瞭に図示されていないが、関節モニタリングスリーブ1500のフレキシブル回路1400,1420,1501,1502,1504は、関節モニタリングスリーブ1500内に統合された、
図13のシリアル通信バス1310と同様のバスアーキテクチャに電気的に接続することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、
図13のフレキシブル回路1300の統合アーキテクチャは、
図15の関節モニタリングスリーブ1500の構成要素および機能性を組み込むように実施することができ、それによって前述の効率および経済的な利点を得ることができる。さらに他の非限定的な態様によれば、ジョイント・モニタリング・スリーブ1500は、複数の平面上に回路を垂直に積み重ねるように構成された1つまたは複数のビアを含むことができ、これにより、必要な材料を減らし、したがって、液相導体、回路、およびスループットの伸張を増大させることができる。
【0118】
追加的および/または代替的に、
図15の関節モニタリングスリーブ1500のフレキシブル回路1400,1420,1502,1504のいずれかおよび/またはすべてを、本明細書に開示の関節モニタリングスリーブ1500全体にわたって生成された信号を受信して処理し、それらの信号およびその後の集計および相関に基づいてユーザの動作を特徴付けるように構成された(例えば、
図1のプロセッサ114等の)オンボードプロセッサに電気的に接続することができる。他の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500のフレキシブル回路1400,1420,1502,1504は、リモートプロセッサに電気的に接続することができる。さらに他の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500は、リモートプロセッサとの間で信号を無線送信するように構成された無線トランシーバをさらに含むことができる。
【0119】
さらに他の非限定的な態様において、関節モニタリングスリーブ1500は、トランシーバを含むモバイルコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラス等の)とワイヤレス通信することができ、ユーザにリアルタイムフィードバック(例えば、視覚的指標、可聴アラート、触覚フィードバック等の)を提供するように構成された1つのそのようなリモートプロセッサを含む。このような態様によれば、モバイルコンピューティングデバイスは、リモートプロセッサによって実行されると、リモートプロセッサに、関節モニタリングスリーブ1500から受信した信号に基づいてユーザの動作のシミュレーションを生成させ、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイを介してシミュレーションを表示させるアプリケーションを記憶するように構成されたメモリをさらに含むことができる。さらに別の非限定的な態様によれば、アプリケーションは、(例えば、スピーカ、ディスプレイ、触覚アクティベータ等の)スリーブ1500に搭載されたコンポーネントを介して、またはモバイルコンピューティングデバイスのリモートから提供される(例えば、可聴、視覚、触覚等の)アラートを介して、予め定義されたエクササイズを通してユーザをガイドし、それらのエクササイズに関連するリアルタイムのフィードバックを提供するように構成することができる。他の非限定的な態様によれば、アプリケーションは、リモートプロセッサによって実行されると、モバイルコンピューティングデバイスのリモートプロセッサに、モバイルコンピューティングデバイスのトランシーバを介して、関節モニタリングスリーブ1500の搭載インジケータ(例えば、
図16のインジケータ1608)を介したリアルタイムのフィードバックを送信させることができる。さらに他の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500および/またはモバイルコンピューティングデバイスは、関節モニタリングスリーブ1500のユーザに関連する医療データを保存するように構成されたリモートサーバーに通信可能に接続することができる。このような態様において、関節モニタリングスリーブ1500および/またはモバイルコンピューティングデバイスは、地域の医療規制(例えば、1996年の医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA))の遵守を保証するために、(例えば、対称暗号化、非対称暗号化、ハッシュ化等の)安全な通信を行うよう構成することができる。
【0120】
ここで
図16を参照すると、
図15のウェアラブル装置1500が、本開示の少なくとも1つの非限定的態様に従って示されている。
図16の非限定的態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500のフレキシブル回路1400,1420,1501,1502,1504は、関節モニタリングスリーブ1500内に統合されている。しかしながら、
図16に示されているように、関節モニタリングスリーブ1500は、膝蓋骨モニタリング回路1604の下方に配置された別個の歪みモニタリング回路1612をさらに含むことができる。別個の歪みモニタリング回路1612は、関節モニタリングスリーブ1500における横方向の歪み等の追加のモニタリングを行うために、関節モニタリングスリーブ1500に含めることができる。これはまた、関節モニタリングスリーブ1500のフィット感のモニタリングおよび/または腫脹のモニタリングに有用である。
【0121】
ここで
図17を参照すると、
図15および
図16の関節モニタリングスリーブ1500が、本開示の少なくとも1つの非限定的態様に従って示されている。
図17の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1500は、ユーザの脛の膝関節の下に配置されるように構成されたフレキシブル回路1512と連動して、ユーザの大腿部の膝関節の上に配置されるように構成された別の回路1602を含むことができる。少なくとも、ユーザの大腿部の膝関節の上方に配置されるように構成された第1回路1602と、ユーザの脛の膝関節の下方に配置されるように構成された第2回路1612とは、
図13のフレキシブル回路1300のIMUアイランド1308と同様のIMUを含むことができる。したがって、第1回路1602および第2回路1512はそれぞれ、IMUデータを生成するように構成された第1IMU1616および第2IMU1618を少なくとも含むことができる。このように、圧力モニタリング回路1420は、IMU1616,1618によって生成されたIMUデータに関連付けることができる電気的パラメータ(例えば、歪みデータ等の)を生成することができ、これによってIMU1616,1618を較正することができ、ズレを緩和し、関節モニタリングスリーブ1500の全体的な精度を高めることができる。もちろん、モニタリングされる特定の関節および/または付属物に応じて、構成要素(例えば、電極、センサ、フレキシブル回路、IMU等の)の量を変えることができる。膝には2つの動作平面しかないため、膝がモニタされる非限定的な局面では2つのIMU構成が理にかなっている。しかし、具体的な構成は、モニタされる関節および/または付属器官に応じて変えることができる。例えば、肩には5つの可動面があり、全可動域を正確にモニタするためには、それぞれの間に配置されたフレキシブル回路を備えたIMUがより多く必要になる場合がある。
【0122】
いくつかの非限定的な態様によれば、電極、センサ、フレキシブル回路、および/またはIMUの任意の組み合わせによって生成されたデータの較正は、本明細書でさらに詳細に説明するように、
図22の方法2200に従って実行することができる。追加的および/または代替的に、本明細書でさらに詳細に述べられるように、
図23の方法2400に従って、画像キャプチャデータを使用することができ、これを電極、センサ、フレキシブル回路、および/またはIMUの任意の組み合わせによって生成されたデータと関連付けることができる。
図23の方法2400は、本明細書に開示した電極、センサ、フレキシブル回路、および/またはIMUからのデータを使用して、仮想環境において
図16の関節モニタリングスリーブ1600を装着している間のユーザの動作のシミュレーションを生成する際に特に有用であることが理解される。
【0123】
ここで
図18を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、ユーザの動作をモニタリングし特徴付けるように構成された別のウェアラブル装置1800が示されている。
図15~17のウェアラブル装置1500、1600と同様に、
図18のウェアラブル装置1800は、特にユーザの膝に装着されるように設計された関節モニタリングスリーブとして構成することができる。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1800は、代替的に、ユーザの任意の関節(例えば、膝、肘、肩、手首、足首、股関節等の)および/または付属器(例えば、腕、脚、指、足指、首、背中等の)に装着されるように設計されてもよい。
【0124】
図18の非限定的な態様によれば、ウェアラブル装置1800は、ウェアラブル装置1800の膝蓋骨部分1812の下方に配置された別のフレキシブル回路1802を含むことができる。
図18の非限定的な態様によれば、フレキシブル回路1802は、
図13のフレキシブル回路1300と同様に、より統合されたアーキテクチャを含むことができる。例えば、
図18のフレキシブル回路1802は、形状可変導体から形成され、歪みセンサ、圧力センサ1820、温度センサ1818、およびIMU1806としてすべて同じフレキシブル媒体1801または基板に取り付けられるように機能するように構成された複数のトレース1804を含むことができる。
図18の非限定的な態様によれば、集積されたフレキシブル回路1802は、プロセッサ1808に電気的に接続され得るが、他の非限定的な態様によれば、プロセッサ1808は、
図13のプロセッサ1306と同様に、可撓性媒体1801上に集積されてもよい。
【0125】
図18の非限定的な態様をさらに参照すると、関節モニタリングスリーブ1800は、(例えば、I2Cプロトコル等による)
図13のシリアル通信バス1310と同様のバスアーキテクチャ1810をさらに含むことができる。これは形状可変導体で形成されていてもよく、関節モニタリングスリーブ1800内に統合されていてもよく、集積されたフレキシブル回路1802を歪み検出回路1816等の、関節モニタリングスリーブ1800上の他の場所に配置された他のセンサ、回路、および/または電極に電気的に接続することができる。
【0126】
次に
図19を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、ユーザの動作をモニタリングし特徴付けるように構成された別のウェアラブル装置1900が示されている。
図15~18のウェアラブル装置1500、1600、1800と同様に、
図18のウェアラブル装置1800は、特にユーザの膝に装着されるように設計された関節モニタリングスリーブとして構成することができる。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1900は、代替的に、ユーザの任意の関節(例えば、膝、肘、肩、手首、足首、股関節等の)および/または付属器官(例えば、腕、脚、指、足指、首、背中等の)に装着されるように設計され得ることが理解される。
【0127】
図19の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ1900は、第1部分1902および第2部分1904を含むことができ、これらの部分は、先に説明したように、集積回路1906、1908の可撓性を促進または抑制し、および/またはユーザの快適性を高めるために、異なる材料特性を有することができる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、センサおよび/または回路1906、1908を収容する部分1902は、様々な補助的な非センシング回路を収容し得る周囲の部分1904よりも柔軟であってもよい。前述したように、センサおよび/または回路1906,1908は、特に、ユーザの動作に相関され得る電気的パラメータを生成するように構成されていてもよいことから、それらの構成要素の可撓性を高く形成したほうが良い場合がある。したがって、周囲部分1904は、内部の補助回路の屈曲を抑制するように補強されてもよい。
【0128】
依然として
図19を参照すると、関節モニタリングスリーブ1900は、ユーザの大腿部の膝関節の上方に配置されるように構成された第1回路1906と、ユーザのすねまたはふくらはぎの膝関節の下方に配置されるように構成された第2回路1908とを含むことができる。第1回路1906と第2回路1908の両方は、
図13のフレキシブル回路1300のIMUアイランド1308と同様のIMUを含むことができる。膝蓋骨モニタリング回路(図示せず)は、関節モニタリングスリーブ1900の第1部分1902内に組み込むことができ、第1回路1906および第2回路1908のIMUによって生成されたIMUデータに関連付けることができる電気的パラメータ(例えば、ひずみデータ等の)を生成することができる。したがって、膝蓋骨モニタリング回路(図示せず)はIMU1616,1618を較正することができ、それによってズレを緩和し、関節モニタリングスリーブ1600の全体的な精度を高めることができる。いくつかの非限定的な態様によれば、電極、センサ、フレキシブル回路、および/またはIMUの任意の組み合わせによって生成されたデータの較正は、本明細書でさらに詳細に説明するように、
図22の方法2200に従って実行することができる。
【0129】
さらに、関節モニタリングスリーブは、1つ以上のLEDおよび/または複数のボタン1910を含むインジケータを含むことができ、これらは関節モニタリングスリーブ1900内に統合された内部の可撓性の歪み検出回路に接続することができる。このように、LEDs1910は、電気的に接続された内部の可撓性歪み検出回路によって生成された電気的パラメータに応答して点灯することができる。
図21A-Cを参照してさらに詳細に説明するように、LED(および他の手段を介してインジケータによって生成される他の指標)は、関節モニタリングスリーブ1900を装着している間の動作に関するリアルタイムのフィードバックをユーザに提供することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、形状可変導体を使用して、関節モニタリングスリーブ1900の材料に一体化された静電容量式ユーザ入力ボタン1910を作成することができ、この静電容量式ユーザ入力ボタン1910は、指定された領域でブレースの外面に触れることにより、ブレースの機能を作動させてLCDアレイ1910に異なるセンサ出力を表示することができる。さらに、容量性入力素子を使用して、ディスプレイに表示されたフィードバックをゼロにしたり、後で検索できるようにメモリに記録したりすることができる。ボタンは、関節モニタリングスリーブ1900の制御回路に統合されたオンボードメモリによって記録されるデータにフラグまたはタグを追加するなどして、エンドユーザが不快感を感じる位置、または痛みを生じる活動を記録するために使用することができる。
【0130】
図19をさらに参照すると、関節モニタリングスリーブ1900の可撓性および/または伸縮性の性質、具体的には、トレースを形成する形状可変導体によって提供される可撓性によって、ユーザの物理的な動きに関連する物理的パラメータに関連付けることができる電気的パラメータの生成が可能になる。例えば、ユーザが関節モニタリングスリーブ1900を装着して脚を動かすと、その結果、関節モニタリングスリーブ1900の部分1902,1904に装着され、および/またはその中に一体化されたトレース、センサ、フレキシブル回路、電極、および/または他の構成要素に物理的な乱れが生じ、これによりトレースおよび/または他の電気的構成要素によって生成される電気的パラメータ(例えば、インダクタンス、抵抗、電圧降下、静電容量、および電磁場等)を変化させることができる。生成された電気的パラメータは、関節モニタリングスリーブ1900を装着している間のユーザの脚の動きをモニタリング及び/又は特徴付けるために、互いに関連付け、および/またはベースラインデータと関連付けることができる。関節モニタリングスリーブ1900によって生成された電気的パラメータ(例えば、インダクタンス、抵抗、電圧降下、キャパシタンス、電磁場等の)は、(例えば、ひずみ、応力、圧力、寸法等の)関節モニタリングスリーブ1900に関連する物理的パラメータと関連付けることができ、したがって、ユーザの脚の動きをモニタリングおよび/またはモデル化するために使用することができる。具体的には、相関する物理パラメータの違いを利用して、仮想環境におけるユーザの脚をモデル化することができる。
【0131】
ここで
図20A~Dを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に従って、モニタリングされた動作の対応する特徴付け2004を含む、ユーザのモニタリングおよび動作を行うように構成されたウェアラブル装置2000が示されている。例えば、関節モニタリングスリーブとして構成されたウェアラブル装置2000が、実際の環境2002において示されている。
図20A~Dの非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ2000は、ユーザの膝を横切って配置された歪みセンサとして構成されたフレキシブル回路2001を含むことができる。しかしながら、他の非限定的な態様によれば、関節モニタリングスリーブ2000は、本明細書で説明するように、任意の数の電極、IMU、圧力センサ、および/または温度センサをさらに含むことができる。
【0132】
さらに、
図20A~Dは、仮想環境2004における関節モニタリングスリーブ2000の生成モデル2006をさらに示している。前述したように、フレキシブル回路2001は電気的パラメータを生成することができ、ユーザが脚を動かしている間に変形し、電気的パラメータは、
図22および
図24の方法2200,2400で説明したように相関関係に基づいて関節モニタリングスリーブ2000の高精度のモデル2006を生成するために使用することができる。モデル2006は、(例えば、
図1のプロセッサ114、
図13のプロセッサ1306、
図18のプロセッサ1808、リモートプロセッサ等の)プロセッサに通信可能に接続されたディスプレイ上に、様々なウィジェット2008,2010,2012とともに提示することができる。例えば、第1ウィジェット2012は、ユーザの関節および/または付属器官の現在の状態に関連するリアルタイムのモーションデータを提示することができる。例えば、
図20Aの非限定的な態様によると、ユーザの脚は関節モニタリングスリーブ2000内で曲げられている。したがって、第1ウィジェット2012は、現在の股関節の角度を29.9度、現在の膝関節の角度を67.3度と表示する。第2ウィジェット2008と第3ウィジェット2010は過去の動作データチャートであるため、モニタリングと特性評価が始まったばかりである現在においては現在の股関節角度と膝関節角度を専ら反映している。さらに、生成されたユーザの脚のモデル2006は、関節モニタリングスリーブ2000内の、股関節の角度が29.9度、膝の角度が67.3度のユーザの脚のリアルタイムの位置を反映している。
【0133】
次に
図20Bを参照すると、ユーザは実際の環境において関節モニタリングスリーブ2000内で脚を伸ばしている。したがって、第1ウィジェット2012は、ユーザの現在の股関節の角度が27.2度、現在の膝の角度が9.9度であることを示し、モデル2006は、仮想環境2004における関節モニタリングスリーブ2000内のユーザの脚のリアルタイムの位置を正確に反映するように更新されている。さらに、第2ウィジェット2008と第3ウィジェット2010は、関節モニタリングスリーブ2000によってモニタされ特徴付けられた過去の動作データの変化を反映するように更新されている。
図20Cでは、ユーザは再び膝を曲げて股関節の角度を33.6度、膝の角度を63.2度にしている。仮想環境では、モデル2006と第1ウィジェット2012は、関節モニタリングスリーブ2000内のユーザの脚のリアルタイムの位置を反映するように適宜更新されている。さらに、第2ウィジェット2008と第3ウィジェット2010が更新され、リアルタイムの位置データがヒストリカルチャートに記録される。
【0134】
図20Dによると、第2ウィジェット2008と第3ウィジェット2010を介して図示されているように、ユーザは
図20A~Cの股関節の屈曲を数回継続している。生成されたモデル2006が実際の環境における関節モニタリングスリーブ2000内のユーザの脚のリアルタイムの位置を特徴づけることはさておき、第2ウィジェット2008と第3ウィジェット2010は著しく高い解像度の正弦波タイプの曲線を反映するように更新されており、これは関節モニタリングスリーブ2000内のユーザの動きをモニタできる精度を示している。このように、本明細書で開示するように、フレキシブル回路、センサ、および/または電子部品の様々な組み合わせをウェアラブル装置に統合することで、ユーザの動きの非常に正確なモデルを生成することができることが理解される。これにより、多数の利点が得られる。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、医師は遠隔地から患者のリハビリをモニタリングすることができ、高品質の医療へのアクセスを増加させることができる。他の非限定的な態様によれば、
図20A~Dのモデル2006は、改良されたメタバースアプリケーションを含む、仮想現実ゲームおよび/または他のアプリケーションに使用することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、モデル2006および/またはウィジェット2008,2010,2012は、モバイルコンピューティングデバイス上に表示することができる。
【0135】
ここで
図21A~Cを参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的態様に従って、ウェアラブル装置2101上のインジケータ2100の使用が示されている。
図21A~Cの非限定的態様によれば、インジケータ2100は、複数のLED2102を含むことができ、ひずみゲージとして構成されたフレキシブル回路2104に電気的に接続することができる。特定の数のLED2102は、フレキシブル回路2104によって生成される電気的パラメータ(例えば、インダクタンス、抵抗、電圧降下、キャパシタンス、および電磁場等の)に応答して点灯することができ、電気的パラメータは、フレキシブル回路2104の物理的パラメータ(例えば、回路の屈曲によって加えられるひずみ)に相関する。いくつかの非限定的な態様によれば、インジケータ2100は、フレキシブル回路2104の物理的状態(例えば、ユーザの行う屈曲動作によって印加されるひずみ)の結果としてフレキシブル回路2104によって生成される特定の電気的パラメータに応じて、複数のLED2102の中から特定の数のLED2102を点灯させるようにプログラムされたプロセッサ(内部)を含むことができる。
【0136】
例えば、
図21Aの非限定的な態様によれば、フレキシブル回路2104には大きなひずみがかかっておらず、したがって、複数のLED2102のうち単一のLED2102のみが点灯する。しかし、
図21Bでは、フレキシブル回路2104にわずかに多くのひずみが加えられており、したがって、複数のLED2102のうち4つのLED2102が点灯している。
図21Cによれば、フレキシブル回路2104に加えられるひずみの最大量に相関するフレキシブル回路2104によって生成される電気的パラメータに応じて複数のLED2102の最大数が点灯される。いくつかの非限定的な態様によれば、インジケータ2100はさらに、関節モニタリングスリーブ2101装着中のユーザの動作に関連した、より高度な視覚的指標、触覚フィードバック、および/または可聴警報を提供するように構成された、より高度なディスプレイ、触覚センサ、および/またはトランスデューサを含むことができる。従って、インジケータ2100はユーザに進行状況や可動域に関するフィードバックを提供することができる。換言すれば、いくつかの非限定的な態様によれば、装着型インジケータ2100はリハビリテーション中の可動域訓練において患者を誘導するためにも使用できる。
【0137】
ここで
図22を参照すると、歪みゲージ(例えば、
図13の歪みゲージ1312)データおよびIMU(例えば、
図13のIMU1308)データを較正する方法2200が、本開示の少なくとも1つの非限定的態様に従って示されている。
図22の非限定的な態様によれば、方法2200は、フレキシブル回路(例えば、
図13、
図14A、および
図14Bのフレキシブル回路1300,1400)およびIMU(例えば、
図13のIMU1308)を含むシステムを初期化2202し、次いで、IMUのための較正シーケンス2204を開始することを含み得る。その後、方法2200は、フレキシブル回路からひずみデータを記録2206し、IMUからIMUデータを記録2208する。
【0138】
歪みデータを記録するステップ2206とIMUデータを記録するステップ2208は交換可能であり、いくつかの非限定的な態様によれば、IMUデータが歪みデータに較正されるのとは逆に、方法2200は、歪みデータをIMUデータに較正するために使用してもよい。言い換えれば、較正方法2200は双方向性である。これは、代替導体(例えば、銀インク等の)が歪み検出フレキシブル回路を形成するために使用される非限定的な局面において特に有用であり得る。代替導体を使用する回路はヒステリシスを生じる可能性があり、したがって、多数の変形サイクルを受けた後に弛緩状態に戻る際に電気特性において測定可能な変化を経る可能性があるため、「ひずみクリープ」を考慮するためにひずみデータをIMUデータと較正する必要がある場合がある。
【0139】
所望のサンプルサイズが記録されると、方法2200は、記録されたひずみデータを記録されたIMUデータに関連付けること2210と、相関に少なくとも部分的に基づいて推測されるIMUの空間位置に基づいてズレを計算すること2212とを含む。したがって、方法2200は、計算されたズレに少なくとも部分的に基づいて、補正されたIMU依存情報を出力すること2216を含む。しかしながら、いくつかの非限定的な態様によれば、方法2200は、単独で、フレキシブル回路からログ記録されたひずみデータに基づいてひずみ依存情報を出力すること2214をさらに含み得る。
【0140】
言い換えれば、測定されたひずみは、複数の角度に対する較正を有し、(例えば、線形ひずみを仮定することによって)較正点間の角度を推論することができ、これは、金属ゲル導体ベースの歪みセンサとウェアラブル装置によって覆われた身体部材の動きのバイオメカニクスの両方に対して一般的に正確である可能性がある。IMUを追加することにより、角度の共生測定が追加される。歪みセンサは、
図22の方法2200を介して、IMUからのデータを較正または「リホーム」するために使用することができる。また、IMUは、歪みセンサの設定点を超えた関節の回転や超伸展のように、歪みセンサに追加するような動作を知らせることができる。
【0141】
さらに、先に説明したように、関節に対向する異なる四肢に配置された2つのIMUの使用は、四肢の関節動作および角度位置を推論するために実施することができるが、IMUによって提供されるデータの「ズレ」のために、長期間の使用にわたって信頼性に欠けることが判明している。長期間使用すると、推定されるIMU間の位置と空間的関係が、装着者の身体上の実際の位置の許容範囲内に収まらなくなるため、ズレによってデータセットが信頼できないものになる可能性がある。そのため、四肢や関節の動きを理解しようとしたり、IMUペアから提供されるデータに基づいて関節の健康状態をリモートでモニタリングしたり、関節のリハビリのための理学療法や訓練をリモートで行ったりすることは不可能である。
【0142】
しかし、歪みセンサと
図2の方法2200を追加することにより、本明細書に開示されたウェアラブル装置は、関節の位置と動作に関連するデータを提供するだけでなく、IMUの空間的位置を再設定して、より信頼性の高いデータを生成したり、長期間使用したりすることができる。このようなセンサ構成を備えたスリーブの着用者それぞれについて構成手段を使用し、関連付けられたひずみデータおよびIMU推定空間位置データの基準値を設定する必要がある場合もあり得る。これは、着用者が手足またはスリーブに含まれる身体部材を様々な異なる位置に動かし、IMUが推定した空間位置データと測定されたひずみの比較データを記録することによって実行することができる。このように、ひずみの測定値は、スリーブに統合されたプロセッサ(例えば、マイクロコントロールユニット(「MCU」)等)によって計算されたIMUの推定空間位置を固定し、補正するために使用することができる。
【0143】
一般的に、歪みセンサは従来からマイクロメートルオーダーの非常に小さなひずみしか測定できないため、IMUの較正は歪みセンサでは不可能である。このような小さなひずみは、IMUによって推定される空間座標のズレよりも小さい場合がある。しかし、形状可変導体(例えば、金属ゲル)から作られた歪みセンサは、センサのサイズとセンサを作るために使用される基板の弾力性に応じて、センチメートルやデシメートル単位のひずみ、さらにはそれ以上の大きさのひずみを測定することができる。したがって、IMUによって推測される空間位置のズレに対する補正係数を決定するために歪みセンサを使用することは、身体部分の相対的な動きの結果としてのIMUの並進移動が、ユーザの身体によるウェアラブルデバイスの実質的な伸張を具現化するようなウェアラブルエレクトロニクスにとってかなりの価値がある。実質的な伸縮とは、3ミリメートル以上の直線的な伸縮として定義することができる。用途によっては、約1ミリメートルのわずかな伸縮として定義されることもできる。他の例では、スリーブの用途に応じて5ミリメートルまたは10ミリメートル、あるいはそれ以上であってもよい。
【0144】
上記に開示した原理は、1つのIMUを装着したスリーブに適用することができ、装着者の関節の両側にある1つの手足、指、または他の身体部材について実質的に同様の動作情報を提供することができる。もう一方の手足の位置は、ひずみデータから推測することができる。ブレースを専用アプリを実行するスマートフォンとペアリングして、例えば、理学療法士または他の医療専門家によって後で見直される可能性のある患部位置または痛みを伴う活動を記録するときに、音声メモを記録する機能等の付加的な機能を提供することが有用である。さらに、データをクラウドストレージにワイヤレスでストリーミングしたり、遠隔地にいる個人によってリアルタイムでモニタリングしたりすることもできる。
【0145】
ここで
図23を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的態様に従って、電気的パラメータに関連する信号を生成し、それらの電気的パラメータを本明細書に開示されるウェアラブル装置のユーザの物理的動作に関連付ける方法2400が示されている。
図23の非限定的な態様によれば、方法2400は、本明細書に開示される製品のうちの1つを着用中に、2402の第1動作を実行することを含んでいてもよい。第1動作2402を実行すると、フレキシブル回路のうちの1つは、本明細書に開示されるトレース構成および/または電気的特徴のいずれかを介して、(例えば、インダクタンス、抵抗、電圧降下、静電容量、および電磁場等の)第1動作に関連する第1電気的パラメータを生成することができる。第1動作は、カメラ、または第1動作に関連するモーションキャプチャデータを生成すること2406ができる任意の他のデバイスを介してモニタリングすることができる。第1動作に関連する電気的パラメータおよびモーションキャプチャデータが生成されると、第1動作に関連する電気的パラメータは、第1動作に関連するモーションキャプチャデータと関連付けること2408ができる。相関は、第1動作が繰り返される2410とき、開示された物品に通信可能に接続されたプロセッサが、第1電気的パラメータに関連すると決定することができる1つ以上の信号を受信するように記憶され得る。したがって、プロセッサは、記憶された相関関係に基づいて、第1動作の仮想複製2412を生成することができる。
【0146】
しかしながら、
図23に図示されたステップは、本開示によって企図される方法2400の排他的なステップではない。例えば、いくつかの非限定的な態様によれば、方法2400は、ベースライン電気的パラメータを生成するステップと、本明細書に開示された装置を用いて全範囲の動作を仮想的に再現できるように、複数の動作についてステップを再現するステップとをさらに含むことができる。いくつかの非限定的な態様によれば、本方法は、電気的パラメータを装置およびその回路の物理的パラメータ(例えば、ひずみ、応力、圧力、寸法等)に関連付ける中間ステップを含むことができる。幾つかの非限定的な態様において、電気的パラメータを物理的パラメータに関連付けることは、電気的パラメータをモーションキャプチャデータに関連付けることに代えて起こり得る。さらに、本方法は、物品に接続された1つ以上の圧力センサから入力を受け取って処理することと、1つ以上の圧力センサから受け取った信号に基づいて、物品のユーザと実環境における物体との間の相互作用を仮想的に再現することとを含むことができる。
【0147】
本特許開示の発明原理は、発明概念から逸脱することなく、配置および詳細において変更することができるので、そのような変更および修正は、以下の特許請求の範囲に含まれると考えられる。「第1」および「第2」のような用語の使用は、異なる構成要素を区別する目的のためであり、必ずしも複数の構成要素の存在を意味するものではない。
【0148】
本明細書で説明する物品で構成される導電性ゲル等の導電性組成物は、例えば、酸化ガリウムが共晶ガリウム合金に混合されたときに酸化ガリウムが組成物に付与できる構造を用いることによって作成できるペースト状またはゲル状の均一性を有することができる。共晶ガリウム合金に酸化ガリウムを混合した場合、酸化ガリウムは、本明細書でさらに説明するマイクロ構造またはナノ構造を形成することができ、これらの構造は、共晶ガリウム合金のバルク材料特性を変化させることができる。
【0149】
本明細書で使用する場合、「共晶」という用語は、一般に、融点が最も低く、相がこの温度で溶融溶液から同時に結晶化する組成物の2つ以上の相の混合物を指す。共晶を得るための相の比率は、相図上の共晶点によって特定される。共晶合金の特徴の一つは、その鋭い融点にある。
【0150】
いくつかの非限定的な態様において、形状可変導体の特性および/または形状可変導体のパターンを取り囲む層の特性は、形状可変導体のパターンが取り囲む層のユニット化時に形状回復するように調整および/または最適化することができる。例えば、形状可変導体は、層のユニット化時に形状可変導体が形状回復することができるが、形状可変導体が過度に変形して意図したパターンを達成しないような粘度を有するように最適化することができる。別の例として、形状可変導体の接着特性および/または粘度は、除去可能なステンシル50の除去時に基材層上に残るが、ステンシルのチャネル504、506に付着せず、それにより形状可変導体が基材層から浮き上がるように最適化され得る。いくつかの態様において、形状可変導体の粘度は、高せん断下(例えば、動作中)では、約10パスカル秒(Pa・s)~500Pa・sの範囲、例えば50Pa・s~500Pa・sの範囲であってもよく、例えば約50Pa・s、約60Pa・s、約70Pa・s、約80Pa・s、約90Pa・s、約100Pa・s、約110Pa・s、約120Pa・s、約130Pa・s、約140Pa・s、約150Pa・s、約160Pa・s、約170Pa・s、約180Pa・s、約190Pa・s、または約200Pa・sであってもよい。いくつかの態様において、形状可変導体の粘度は、低せん断下(例えば、静止時)において、1,000,000Pa・s~40,000,000Pa・sの範囲内であってもよく、及び/又は約10,000,000Pa・s、約20,000,000Pa・s、約30,000,000Pa・s、または約40,000,000Pa・sであってもよい。いくつかの非限定的な態様によれば、マイクロ/ナノ構造は、架橋構造を形成する酸化物シートを含むことができ、これは、混合物中に空気を巻き込む方法で混合することによって、または架橋構造中に酸化物が形成されるように混合物中に空気を引き込む表面でキャビテーションを誘導する超音波処理によって達成することができる。
【0151】
本明細書に記載の導電性組成物は、任意の適切な導電性、例えば約2×105S/m~約8×105S/mの導電性を有することができる。
【0152】
本明細書に記載の導電性組成物は、任意の適切な融点、例えば、約-20℃~約10℃、約-10℃~約5℃、約-5℃~約5℃、または約-5℃~約0℃の融点を有することができる。
【0153】
導電性組成物は、共晶ガリウム合金と酸化ガリウムとの混合物を含むことができ、共晶ガリウム合金と酸化ガリウムとの混合物は、約67%と約90%との間等の約59.9%と約99.9%との間の共晶ガリウム合金の重量百分率(wt%)と、約0.2と約1%との間等の約0.1%と約2.0%との間の酸化ガリウムのwt%とを有する。導電組成物は、例えば、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又はそれを超える約99.9%などの共晶ガリウム合金を有し、及び約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、又は約2.0%の酸化ガリウムを有する。
【0154】
共晶ガリウム合金は、ガリウム-インジウムまたはガリウム-インジウム-スズを任意の元素比で含むことができる。例えば、共晶ガリウム合金はガリウムとインジウムを含む。導電性組成物はガリウム-インジウム合金内に任意の適切な重量割合でガリウムを含むことができ、その割合は約40%~約95%であってもよく、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、又は約95%である。
【0155】
導電性組成物はガリウム-インジウム合金内に任意の適切な重量%でインジウムを含むことができ、その%は約5%~約60%であってもよく、例えば約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、 約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%である。
【0156】
共晶ガリウム合金はガリウムとスズを含むことができる。例えば、導電性組成物は、合金中のスズの重量%が約0.001%~約50%であってもよく、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、又は約50%である。
【0157】
導電性組成物は、共晶ガリウム合金および酸化ガリウムと混合された1つ以上の微粒子またはサブミクロンスケールの粒子を含むことができる。粒子は、共晶ガリウム合金またはガリウムでコーティングされ、酸化ガリウムでカプセル化されるか、あるいは共晶ガリウム合金内でコーティングされずに懸濁させることができる。マイクロスケールまたはサブミクロンスケールの粒子は、ナノメートルからマイクロメートルの範囲の大きさで、ガリウム、ガリウム-インジウム合金、またはガリウム-インジウム-スズ合金中に懸濁させることができる。粒子と合金の比率は様々であり、導電性組成物の流動特性を変化させることができる。マイクロ構造およびナノ構造は、超音波処理または他の適切な手段によって導電性組成物内にブレンドすることができる。導電性組成物は、共晶ガリウム合金/酸化ガリウム混合物内に微細構造およびナノ構造のコロイド懸濁液を含むことができる。
【0158】
導電性組成物は、組成物中に分散された1つ以上の微粒子またはサブミクロンスケールの粒子をさらに含むことができる。これは、共晶ガリウム合金またはガリウムで被覆され、酸化ガリウムでカプセル化された粒子、あるいは先の方法で被覆されていない粒子を、導電性組成物内、具体的には共晶ガリウム合金流体内に懸濁させることを含む、任意の適切な方法で達成することができる。これらの粒子の大きさはナノメートルからマイクロメートルの範囲で、ガリウム、ガリウム-インジウム合金、またはガリウム-インジウム-スズ合金中に懸濁させることができる。粒子と合金の比率は、特に合金と導電性組成物の少なくとも一方の流体特性を変化させるために変化させることができる。さらに、コロイド懸濁液や共晶ガリウム合金に補助材料を添加することにより、その物理的、電気的、熱的特性を向上させたり、変更したりすることができる。共晶ガリウム合金と導電性組成物の少なくとも一方内のマイクロ構造およびナノ構造の分布は、粒子を添加することなく、超音波処理または他の機械的手段を含む任意の適切な手段によって達成することができる。特定の態様では、1つ以上の微粒子またはサブミクロン粒子は、共晶ガリウム合金および導電性組成物の少なくとも一方と、約0.001%から約40.0%の間のwt%で混合されてもよく、例えば約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、 約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、又は約40%である。
【0159】
1つ以上の微小粒子またはサブミクロン粒子は、ソーダガラス、シリカ、ホウケイ酸ガラス、石英、酸化銅、銀被覆銅、非酸化銅、タングステン、超飽和スズ顆粒、ガラス、グラファイト、銀被覆銅、例えば銀被覆銅球、および銀被覆銅フレーク、銅フレーク、または銅球、またはそれらの組み合わせを含む任意の適切な材料、または共晶ガリウム合金および導電性組成物の少なくとも1つによってウェット処理できる任意の他の材料で作ることができる。一つ以上の微小粒子またはサブミクロンスケールの粒子は、スフェロイド状、ロッド状、チューブ状、フレーク状、プレート状、キューブ状、プリズム状、ピラミッド状、ケージ状、デンドリマー状等を含む任意の適切な形状を有することができる。1つまたは複数のマイクロ粒子またはサブミクロンスケール粒子は任意の適切なサイズを有していてもよく、約0.5ミクロンから約60ミクロンであってもよく、例えば、約0.5ミクロン、約0.6ミクロン、約0.7ミクロン、約0.8ミクロン、約0.9ミクロン、約1ミクロン、約1.5ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、約26ミクロン、約27ミクロン、約28ミクロン、約29ミクロン、約30ミクロン、約31ミクロン、約32ミクロン、 約33ミクロン、約34ミクロン、約35ミクロン、約36ミクロン、約37ミクロン、約38ミクロン、約39ミクロン、約40ミクロン、約41ミクロン、約42ミクロン、約43ミクロン、約44ミクロン、約45ミクロン、約46ミクロン、約47ミクロン、約48ミクロン、約49ミクロン、約50ミクロン、約51ミクロン、約52ミクロン、約53ミクロン、約54ミクロン、約55ミクロン、約56ミクロン、約57ミクロン、約58ミクロン、約59ミクロン、又は約60ミクロンである。
【0160】
本明細書に記載の導電性組成物は、共晶ガリウム合金の表面に形成された表面酸化物を、表面酸化物/合金界面のせん断混合によって共晶ガリウム合金のバルクにブレンドすることからなる方法を含む、任意の適切な方法によって製造することができる。このような組成物の剪断混合は、表面酸化物に架橋微細構造を誘導し、それによって導電性剪断減粘ゲル組成物を形成することができる。共晶ガリウム合金/酸化ガリウム混合物内には、微細構造のコロイド懸濁液が、例えば酸化ガリウム粒子および/またはシートとして形成され得る。
【0161】
表面酸化物は任意の適切な比率でブレンドすることができ、例えば約59.9%(重量%)と約99.9%との間の共晶ガリウム合金約0.1%(重量%)と約2.0%との間の酸化ガリウムの比率でブレンドすることができる。例えば、酸化ガリウムとブレンドされるガリウム合金の重量%は、例えば、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、またはこれを超える約99.9%などの共晶ガリウム合金であり、酸化ガリウムの重量%が約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、および約2.0%の酸化ガリウムである。共晶ガリウム合金は、ガリウム-インジウムまたはガリウム-インジウム-スズを任意の比率で含むことができる。例えば、共晶ガリウム合金はガリウムとインジウムを含むことができる。
【0162】
例えば、ガリウム-インジウム合金におけるガリウムの重量%は約40%と約95%との間であってもよく、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、又は約95%である。
【0163】
あるいは、または追加的に、ガリウム-インジウム合金におけるインジウムの重量%は約5%と約60%との間であってもよく、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%である。
【0164】
共晶ガリウム合金は、ガリウム、インジウム、およびスズを含むことができる。ガリウム-インジウム-スズ合金中のスズの重量%は、約0.001%と約50%との間であってもよく、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.4%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、又は約50%である。
【0165】
ガリウム-インジウム-スズ合金中のガリウムの重量%は、約40%と約95%との間であってもよく、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、又は約95%である。
【0166】
ガリウム-インジウム-スズ合金中のインジウムの重量%は、約5%と約60%との間であってもよく、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%である。
【0167】
1又は2以上の微粒子またはサブミクロンスケール粒子を共晶ガリウム合金および酸化ガリウムとブレンドすることができる。例えば、1又は2以上の微小粒子またはサブミクロン粒子は、組成物中の微小粒子の約0.001%と約40.0%との間のwt%であってもよく、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、又は約40%である。ある側面では、粒子は、ソーダガラス、シリカ、ホウケイ酸ガラス、石英、酸化銅、銀コート銅、非酸化銅、タングステン、超飽和スズ顆粒、ガラス、グラファイト、銀コート銅、例えば銀コート銅球、銀コート銅フレーク、銅フレークもしくは銅球、またはそれらの組み合わせ、またはガリウムによって濡れることができる他の材料とすることができる。ある態様において、1つ以上の微粒子またはサブミクロンスケール粒子は、スフェロイド、ロッド、チューブ、フレーク、プレート、キューブ、プリズム、ピラミッド、ケージ、デンドリマーの形状である。特定の態様において、1つ以上のミクロ粒子またはサブミクロンスケール粒子は、約0.5ミクロン~約60ミクロンであってもよく、例えば、約0.5ミクロン、約0.6ミクロン、約0.7ミクロン、約0.8ミクロン、約0.9ミクロン、約1ミクロン、約1.5ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、約26ミクロン、約27ミクロン、約28ミクロン、約29ミクロン、約30ミクロン、約31ミクロン、約32ミクロン、約33ミクロン、約34ミクロン、約35ミクロン、約36ミクロン、約37ミクロン、約38ミクロン、約39ミクロン、約40ミクロン、約41ミクロン、約42ミクロン、約43ミクロン、約44ミクロン、約45ミクロン、約46ミクロン、約47ミクロン、約48ミクロン、約49ミクロン、約50ミクロン、約51ミクロン、 約52ミクロン、約53ミクロン、約54ミクロン、約55ミクロン、約56ミクロン、約57ミクロン、約58ミクロン、約59ミクロン、又は約60ミクロンである。
【0168】
本明細書のいくつかの部分は、マシンメモリ(例えば、コンピュータメモリ)内のビットまたはバイナリデジタル信号として記憶されたデータに対する操作のアルゴリズムまたは記号表現の観点から提示されている。これらのアルゴリズムまたは記号表現は、データ処理技術における当業者が、当業者に仕事の内容を伝えるために使用する技術の一例である。本明細書で使用する「アルゴリズム」とは、所望の結果を導く、自己整合的な一連の操作または類似の処理のことである。この文脈では、アルゴリズムおよび操作は、物理量の物理的操作を含む。典型的には、必ずしもそうではないが、そのような物理量は、機械によって記憶、アクセス、転送、接続、比較、または他の方法で操作することができる電気信号、磁気信号、または光学信号の形態をとることができる。「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数字」、「数詞」等の言葉を用いてこのような信号に言及することは、主として一般的な用法上の理由から、時として便利である。しかし、これらの言葉は単に便利なラベルであり、適切な物理量と関連付けられるものである。
【0169】
特に断らない限り、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、「提示」、「表示」等の語を用いた本明細書の記載は、情報を受信、記憶、送信、または表示する1つまたは複数のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの任意の適切な組み合わせ)、レジスタ、または他の機械構成要素内の物理的(例えば、電子的、磁気的、または光学的)量として表されるデータを操作または変換する機械(例えば、コンピュータ)の動作またはプロセスを指す場合がある。さらに、特に断らない限り、本明細書では、特許文献で一般的なように、「a」または「an」という用語は、1つまたは複数の例を含むように使用される。最後に、本明細書で使用される接続詞「または」は、特に断りのない限り、非排他的な「または」を指す。
【0170】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた節に記載される。
【0171】
[1]ユーザの動作をモニタリングし、特徴付けるように構成されたシステムであって、
弾性材料からなる管状体と、
第1信号を生成するように構成された液相導体を含むフレキシブル回路と、
前記弾性材料に接続され、第2信号を生成するように構成された慣性測定ユニット(「IMU」)と、
を備えるウェアラブル装置と、
前記フレキシブル回路と前記IMUとに通信可能に接続されたプロセッサと、
を備えるシステム。
【0172】
[2]前記プロセッサは、
前記フレキシブル回路から前記第1信号を受信するとともに前記IMUから前記第2信号を受信し、
前記第1信号に基づいて、前記フレキシブル回路に関連する第1電気的パラメータを決定し、
前記第2信号に基づいて、前記IMUに関連する第2電気的パラメータを決定し、
前記第1電気的パラメータを前記フレキシブル回路に関連する第1物理的パラメータに関連付けるとともに前記第2電気的パラメータを前記IMUに関連する第2物理的パラメータに関連付け、
相関関係に基づいて前記ウェアラブル装置のモデルを生成するよう構成されている、
[1]に記載のシステム。
【0173】
[3]前記プロセッサはさらに、
前記フレキシブル回路から前記第1信号を受信するとともに前記IMUから前記第2信号を受信し、
前記第1信号に基づいて、前記フレキシブル回路に関連する第1電気的パラメータを決定し、
前記第2信号に基づいて、前記IMUに関連する第2電気的パラメータを決定し、
前記フレキシブル回路に関連する前記第1電気的パラメータと前記IMUに関連する前記第2電気的パラメータを関連付け、
前記フレキシブル回路に関連する前記第1電気的パラメータと前記IMUに関連する前記第2電気的パラメータとの相関に基づいて、前記IMUに関連する前記第2物理パラメータを修正し、
前記修正に基づいて、前記ウェアラブル装置のモデルを更新するよう構成されている、
[1]又は[2]記載のシステム。
【0174】
[4]前記プロセッサは前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介して前記フレキシブル回路および前記IMUに通信可能に接続されている、
[1]~[3]のいずれかに記載のシステム。
【0175】
[5]前記ウェアラブル装置はワイヤレス送信機をさらに備え、
前記プロセッサは前記ワイヤレス送信機を介して前記フレキシブル回路および前記IMUに通信可能に接続されている、
[1]~[4]のいずれかに記載のシステム。
【0176】
[6]前記ウェアラブル装置は、液相導体を含む圧力センサをさらに備える、
[1]~[5]のいずれかに記載のシステム。
【0177】
[7]前記圧力センサの前記液相導体は、誘導式圧力センサとして構成されている、[1]~[6]のいずれかに記載のシステム。
【0178】
[8]前記ウェアラブル装置はさらに温度センサを備える、
[1]~[7]のいずれかに記載のシステム。
【0179】
[9] 前記弾性材料に接続された第2IMUをさらに備えており、
前記フレキシブル回路は前記IMUと前記第2IMUの間に配置されている、
[1]~[8]のいずれかに記載のシステム。
【0180】
[10]前記ウェアラブル装置は、使用者の膝に装着されるように構成された関節モニタリングスリーブとして構成されている、
[1]~[9]のいずれかに記載のシステム。
【0181】
[11]前記関節モニタリングスリーブが使用者に装着されたとき、前記IMUは使用者の膝の周りに配置され、前記第2IMUは使用者の膝の下に配置され、前記フレキシブル回路は使用者の膝を横断するように構成されている、
[1]~[10]のいずれかに記載のシステム。
【0182】
[12]前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介して前記フレキシブル回路に電気的に接続されたインジケータをさらに含み、
前記インジケータは複数の発光ダイオード(「LED」)からなるとともに、前記フレキシブル回路の屈曲に応じて複数のLEDを点灯するように構成されている、
[1]~[11]のいずれかに記載のシステム。
【0183】
[13]ユーザの動作をモニタリングするように構成されたウェアラブル装置であって、
弾性材料からなる管状体と、
第1信号を生成するように構成された液相導体を含むフレキシブル回路と、
前記弾性材料に接続され、第2信号を生成するように構成された慣性測定ユニット(「IMU」)と、
を備え、
前記フレキシブル回路と前記IMUとは、前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介してプロセッサと通信可能に接続される、
ウェアラブル装置。
【0184】
[14]前記プロセッサは前記弾性材料に接続され、
前記フレキシブル回路と前記IMUとは前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介して前記プロセッサに通信可能に接続される、
[13]に記載のウェアラブル装置。
【0185】
[15]前記プロセッサは、
前記フレキシブル回路から第1信号を受信するとともに前記IMUから第2信号を受信し、
前記第1信号に基づいて、前記フレキシブル回路に関連する第1電気的パラメータを決定し、
前記第2信号に基づいて、前記IMUに関連する第2電気的パラメータを決定し、
前記第1電気的パラメータを前記フレキシブル回路に関連する第1物理的パラメータに関連付けるとともに前記第2電気的パラメータを前記IMUに関連する第2物理的パラメータに関連付け、
相関関係に基づいて前記ウェアラブル装置のモデルを生成するよう構成されている、
[13]又は[14]に記載のウェアラブル装置。
【0186】
[16]液相導体を含む圧力センサをさらに備える、
[13]~[15]のいずれかに記載のウェアラブル装置。
【0187】
前記圧力センサの前記液相導体は、誘導式圧力センサとして構成されている、
[13]~[16]のいずれかに記載のウェアラブル装置。
【0188】
[18]温度センサをさらに備える、
[13]~[17]のいずれかに記載のウェアラブル装置。
【0189】
[19]前記液相導体からなる複数の導電性トレースを介して前記フレキシブル回路に電気的に接続されたインジケータをさらに含み、
前記インジケータは複数の発光ダイオード(「LED」)からなるとともに、前記フレキシブル回路の屈曲に応じて複数のLEDを点灯するように構成されている、
[13]~[18]のいずれかに記載のウェアラブル装置。
【0190】
[20]複数のフレキシブル回路からなるウェアラブル装置の使用者が行う物理的動作の仮想的再現を生成する方法であって、
前記ウェアラブル装置を装着した状態で第1動作を行うことと、
前記複数のフレキシブル回路のうちの第1フレキシブル回路によって前記第1動作に関連する第1電気的パラメータを生成することと、
カメラによって前記第1動作の実行に関連する動作キャプチャデータを生成することと、
生成された前記動作キャプチャデータと生成された前記第1電気的パラメータとを前記ウェアラブル装置に通信可能に接続されたプロセッサによって関連付けることと、
前記プロセッサに通信可能に接続されたメモリによって相関関係を記憶することと、
前記ウェアラブル装置を装着している間前記第1動作を繰り返すことと、
生成された前記動作キャプチャデータと生成された前記第1電気的パラメータとの保存された前記相関関係のみに基づいて、前記プロセッサによって前記第1動作の仮想的再現を生成すること、
を備える方法。
【0191】
本明細書で言及されるすべての特許、特許出願、刊行物、または他の開示資料は、個々の参考文献がそれぞれ明示的に参照により組み込まれたものとして、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において参考として援用されるとするすべての参考文献ならびにあらゆる資料、またはその一部は、援用される資料が本開示に記載される既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用される。そのため、必要な範囲において、本明細書に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれる矛盾する資料に優先し、本出願に明示的に記載される開示が優先する。
【0192】
本発明は、様々な例示的および例示的な態様を参照して説明されてきた。本明細書に記載された態様は、開示された本発明の様々な態様の様々な詳細の例示的な特徴を提供するものと理解される;したがって、特に指定されない限り、可能な範囲で、開示された態様の1つ以上の特徴、要素、構成要素、成分、構造、モジュール、および/または態様は、開示された本発明の範囲から逸脱することなく、開示された態様の1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、成分、構造、モジュール、および/または態様と組み合わされ、分離され、交換され、および/または再配置され得る。従って、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的態様のいずれかの様々な置換、変更または組合せがなされ得ることが、当業者には認識されるであろう。さらに、当業者であれば、本明細書を検討することにより、本明細書に記載された本発明の様々な態様に対する多くの等価物を認識するか、または日常的な実験以上のことを行わずに確認することができるであろう。したがって、本発明は、様々な態様の記載によって限定されるものではなく、特許請求の範囲によって限定されるものである。
【0193】
当業者であれば、一般に、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)において使用される用語は、一般に、「オープン」な用語として意図されることを認識するであろう(例えば、用語「含む」は、「含むが、限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「含む」は、「含むが、限定されない」と解釈されるべきである旨等)。当業者にはさらに、導入された請求項の特定の数の記載が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが理解される。例えば、理解の一助として、以下の添付の特許請求の範囲には、特許請求の範囲の記載を導入するために「少なくとも1つ」および「1つ以上」という導入句が使用されている場合がある。しかしながら、このようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の繰り返しの導入が、そのような導入された請求項の繰り返しを含む特定の請求項を、同じ請求項が導入フレーズ「1つ以上」または「少なくとも1つ」および「a」または「an」等の不定冠詞を含む場合であっても、そのような導入された請求項の繰り返しを1つのみ含む請求項に限定することを意味すると解釈されるべきではない(例えば、例えば、"a"および/または"an"は、通常、"at least one"または"one or more"を意味すると解釈されるべきである。
【0194】
さらに、導入された請求項の特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者であれば、そのような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語を伴わない「2つの記載」という記載は、通常、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」等に類似する慣例が使用される場合、一般的に、このような構成は、当業者が慣例を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびB一緒、AおよびC一緒、BおよびC一緒、および/またはA、B、およびC一緒などを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。A、B、またはCのうちの少なくとも1つ等」に類似する慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣例を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびB一緒、AおよびC一緒、BおよびC一緒、および/またはA、B、およびC一緒等を有するシステムを含むが、これらに限定されない)。当業者にはさらに理解されるであろうが、説明、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、典型的には、2つ以上の代替的な用語を提示する分離的な単語および/または語句は、文脈がそうでないことを指示しない限り、用語の一方、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、"AまたはB"という表現は、通常、"A"または"B"、あるいは"AおよびB"の可能性を含むものと理解される。
【0195】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者であれば、そこに記載された操作は一般に任意の順序で実行され得ることを理解するであろう。また、特許請求の範囲の記載は順序で示されているが、様々な操作は、記載されている順序以外の順序で実行されてもよく、または同時に実行されてもよいことが理解されるべきである。このような代替順序の例としては、文脈から別段の指示がない限り、重複順序、インターリーブ順序、中断順序、再順序、増分順序、準備順序、補足順序、同時順序、逆順序、または他の変形順序が挙げられる。さらに、「~に反応する」、「~に関連する」等の過去形の形容詞のような用語は、文脈から別段の指示がない限り、一般に、このような変形を除外することを意図していない。
【0196】
「1つの態様」、「ある態様」、「例示的態様」、「1つの例示的態様」等への言及は、その態様に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの態様に含まれることを意味することに留意されたい。従って、本明細書を通じて様々な場所で「1つの態様において」、「ある態様において」、「例示において」、および「1つの例示において」という表現が現れるが、必ずしも全てが同じ態様を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つまたは複数の態様において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0197】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈が明確に指示しない限り、複数形の参照を含む。
【0198】
本明細書で使用される方向語句、例えば、限定するものではないが、上、下、左、右、下、上、前、後、およびそれらの変形は、添付図面に示される要素の方向に関するものであり、別段の明示的な記載がない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0199】
本開示で使用される「約」または「約」という用語は、特に指定がない限り、当業者によって決定される特定の値に対する許容可能な誤差を意味し、これは、値がどのように測定または決定されるかに部分的に依存する。特定の態様において、「約」または「約」という用語は、1、2、3、または4標準偏差以内を意味する。特定の態様において、「約」または「およそ」という用語は、所与の値または範囲の50%、200%、105%、100%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.05%以内を意味する。
【0200】
本明細書では、特に断りのない限り、すべての数値パラメータは、すべての場合において「約」という用語によって前置きされ、修正されるものと理解され、この場合、数値パラメータは、パラメータの数値を決定するために使用される基礎となる測定技術に特有の固有変動幅を有する。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する目的としてではなく、本明細書に記載された各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の桁数を考慮し、通常の丸め技術を適用して解釈されるべきである。
【0201】
本明細書で言及される数値範囲には、言及される範囲内に包含されるすべての部分範囲が含まれる。例えば、「1~100」の範囲は、暗黙の最小値である1と暗黙の最大値である100との間の(およびそれを含む)すべての部分範囲、すなわち、1以上の最小値と100以下の最大値とを有するすべての部分範囲を含む。また、本明細書で言及されるすべての範囲は、言及される範囲の端点を含む。例えば、「1~100」の範囲は、端点1および100を含む。本明細書に記載される最大数値限定は、そこに包含されるすべての下位数値限定を含むことを意図しており、本明細書に記載される最小数値限定は、そこに包含されるすべての上位数値限定を含むことを意図している。従って、出願人は、特許請求の範囲を含む本明細書を修正し、明示的に記載された範囲に包含される任意のサブ範囲を明示的に記載する権利を留保する。そのような範囲はすべて、本明細書に本質的に記載されている。
【0202】
本明細書で言及される、および/または出願データシートに記載される特許出願、特許、非特許公開、またはその他の開示資料は、組み込まれた資料が本明細書と矛盾しない限り、参照により本明細書に組み込まれる。そのため、必要な範囲において、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれる矛盾する資料に優先する。参照により本明細書に組み込まれるとされる資料またはその一部であっても、本明細書に記載される既存の定義、記述、またはその他の開示資料と矛盾するものは、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
【0203】
用語「comprise」(および「comprises」、「comprising」等のcompriseの任意の形)、「have」(および「has」、「having」等のhaveの任意の形)、「include」(および「includes」、「including」等のincludeの任意の形)、および「contain」(および「contains」、「containing」等のcontainの任意の形)は、オープンエンドの連結動詞である。その結果、1つまたは複数の要素を「含んでいる」、「有している」、「含んでいる」、または「含んでいる」システムは、それらの1つまたは複数の要素を所有するが、それらの1つまたは複数の要素のみを所有することに限定さない。同様に、1つまたは複数の特徴を“comprises”、“has”、“includes”、または“contains”するシステム、デバイス、または装置の要素は、それらの1つまたは複数の特徴を所有するが、それらの1つまたは複数の特徴のみを所有することに限定されない。
【0204】
開示された様々な態様を実行するためのロジックをプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、または他のストレージ等のシステム内のメモリ内に格納することができる。さらに、命令は、ネットワークを介して、または他のコンピュータ可読媒体によって配布することができる。このように、機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶または送信するための任意の機構を含み得るが、これらに限定されない。例えば、フロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスク、リードオンリーメモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、磁気カードまたは光カード、フラッシュメモリ、または(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等の)電気的、光学的、音響的、または他の形態の伝搬信号を介したインターネットを介した情報の伝送に使用される有形で機械可読な記憶装置を含んでいてもよい。従って、非一過性のコンピュータ読み取り可能媒体には、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で電子命令または情報を記憶または伝送するのに適した任意のタイプの有形の機械読み取り可能媒体が含まれる。
【0205】
本明細書の任意の態様において使用される場合、プロセッサまたはマイクロプロセッサへの任意の言及は、任意の「制御回路」に置き換えることができ、この「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、例えば、1つ以上の個別の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、ステートマシン回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、およびそれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的にまたは個々に、例えば集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなど、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用される「制御回路」には、少なくとも1つのディスクリート電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成される汎用コンピューティングデバイスを形成する電気回路(例えば、本明細書に記載のプロセスおよび/またはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、または本明細書に記載のプロセスおよび/またはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)、(例えば、ランダムアクセスメモリの形態の)メモリデバイスを形成する電気回路、および/または通信デバイス(例えば、モデム、通信スイッチ、または光電気機器)を形成する電気回路が含まれるが、これらに限定されない。当業者であれば、本明細書に記載される主題は、アナログ方式またはデジタル方式、あるいはそれらの何らかの組み合わせで実施され得ることを理解するであろう。
【0206】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「ロジック」という用語は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリ、ソフトウェア、ファームウェアおよび/または回路を指す場合がある。ソフトウェアは、非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、および/またはデータとして具現化され得る。ファームウェアは、メモリデバイスにハードコード(例えば、不揮発性)されたコード、命令、命令セット、および/またはデータとして具現化されてもよい。
【0207】
本明細書の任意の側面で使用されるように、「コンポーネント」、「システム」、「モジュール」等の用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかのコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0208】
前述の開示から明らかなように特に別段の記載がない限り、前述の開示全体を通じて、「処理」、「計算」、「計算」、「決定」、「表示」等の用語を使用した説明は、コンピュータシステムの動作およびプロセスを指すことが理解される、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理的(電子的)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタ、または他の情報記憶、伝送、または表示デバイス内の物理的量として表される他のデータに操作および変換する、コンピュータシステム、または同様の電子コンピューティングデバイスの動作およびプロセスを指す。
【0209】
1つまたは複数の構成要素は、本明細書において、「~に構成される」、「~に構成可能である」、「~に動作可能である/~に動作可能である」、「~に適合される/~に適合可能である」、「~にできる」、「~に適合可能である/~に適合されている」等と称されることがある。当業者であれば、文脈上別段の必要がない限り、「~に構成される」は、一般に、能動状態構成要素および/または非能動状態構成要素および/または待機状態構成要素を包含し得ることを認識するであろう。
【国際調査報告】