(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】拡張現実ゲームにおけるユーザデータ収集のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/216 20140101AFI20240312BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240312BHJP
A63F 9/18 20060101ALI20240312BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20240312BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240312BHJP
A63F 13/215 20140101ALI20240312BHJP
【FI】
A63F13/216
G06Q50/10
A63F9/18
A63F13/213
A63F13/69
A63F13/215
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555770
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 US2022020067
(87)【国際公開番号】W WO2022192753
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523347040
【氏名又は名称】ファラグナ,クリストファー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ファラグナ,クリストファー
(57)【要約】
1つの態様において、拡張現実ゲームを介してユーザデータを収集するための方法が開示される。方法は、モバイルコンピューティングデバイス上のモバイルアプリケーションとして拡張現実ジオロケーション宝探しゲームを展開することを備える。その後、ジオロケーション宝探しゲームが開始され、少なくともユーザ位置、ユーザプロファイル状態、およびユーザ格納本人証明といったユーザパラメータがロードされる。次に、回答されると、ジオロケーション宝探しゲームの次の目標の位置への手がかりを提供する一連の質問が生成され、一連の質問は、4マス決定行列の形式である。次に、生成された一連の質問への応答からユーザ情報が収集される。最後に、少なくとも報酬位置におけるユーザ座標に基づいて報酬へのアクセスが付与される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実ジオロケーション宝探しゲームを介してユーザデータを収集するための方法であって、
モバイルコンピューティングデバイス上のモバイルアプリケーションとして拡張現実ジオロケーション宝探しゲームを展開することと、
前記拡張現実ジオロケーション宝探しゲームを開始することであって、前記拡張現実ジオロケーション宝探しゲームのインスタンスを前記モバイルコンピューティングデバイスのメモリに入れ、少なくともユーザ位置、ユーザプロファイル状態、およびユーザ格納本人証明といったユーザパラメータをロードすることと、
前記拡張現実ジオロケーション宝探しゲームによって、回答されると、前記ジオロケーション宝探しゲームの次の目標の位置への手がかりを提供する一連の質問を生成することであって、前記一連の質問は、4マス決定行列の形式であることと、
前記拡張現実ジオロケーション宝探しゲームの前記4マス決定行列における前記一連の質問への応答によって、前記一連の質問への前記応答からユーザ情報を収集することと、
前記拡張現実ジオロケーション宝探しゲームの前記4マス決定行列における前記一連の質問への前記応答によって、前記応答から収集されたユーザ情報に基づく追加の質問を生成することと、
前記モバイルアプリケーションで構成された前記モバイルコンピューティングデバイス上のGPSモジュールによって、前記拡張現実ジオロケーション宝探しゲームの目標に関連するユーザ座標を調整することと、
前記拡張現実ジオロケーション宝探しゲームの前記4マス決定行列における前記一連の質問への前記応答によって提供された報酬位置における前記ユーザ座標に基づいて、報酬へのアクセスを付与することと
を備える方法。
【請求項2】
前記拡張現実ジオロケーション宝探しゲームを介して小売店舗へのクーポンを発行することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記小売店舗は、商品および/またはサービスに割引を適用する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記GPSモジュールで調整することは、前記4マス決定行列からの前記応答に合致する近隣の小売店舗への通知の発行を更に調整する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ座標および前記4マス決定行列への応答に基づく追加の報酬に対して通知することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記一連の質問からのユーザ情報の収集は、音声テキスト自動音声認識技術を用いて収集される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
拡張現実ゲーム内でユーザデータを収集するためのシステムであって、
モバイルコンピューティングデバイスであって、
拡張現実ゲームを処理するように構成されたプロセッサと、
前記モバイルコンピューティングデバイスのスクリーン上で物体の視覚レンダリングを処理するように構成されたグラフィック処理ユニットと、
深度および距離を測定するように構成された深度センサと、
前記物体がどの程度近くまたは遠くにあるかを測定するように構成された近接センサと、
速度の変化を検出するように構成された加速度計と、
光の強度および輝度を測定するように構成された光センサと
を備えるモバイルコンピューティングデバイスと、
前記モバイルコンピューティングデバイス上で構成され、質問応答4マス決定行列を用いて構成された、構成可能な拡張現実ソフトウェアアプリケーションと、
命令を受信および送信し、前記構成可能な拡張現実ソフトウェアアプリケーションを展開するように構成された分散型コンピューティング環境と、
前記分散型コンピューティング環境と通信するように構成されたネットワーク化コンピュータと
を備えるシステム。
【請求項8】
前記モバイルコンピューティングデバイス上で構成された、前記構成可能な拡張現実ソフトウェアアプリケーションからの応答を受信するように構成された関係データベースを更に備え、前記応答は、4マス決定行列への回答を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
複数のモバイルコンピューティングデバイスを更に備え、前記複数のモバイルコンピューティングデバイスは、前記構成可能な拡張現実ソフトウェアアプリケーションで構成され、互いに通信する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、LIDARユニットを更に備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、アイグラスに構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、リストウォッチに構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、背面カメラを更に備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、GPSトラッキングを更に備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
前記分散型コンピューティング環境は、クラウドネットワーク環境に構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項16】
モバイルアプリケーションを介してデータを収集するための方法であって、
ユーザモバイルコンピューティングデバイス上でモバイルアプリケーションを開始することと、
前記モバイルアプリケーション内でユーザに4マス決定行列を提示することと、
前記ユーザによって、前記4マス決定行列から少なくとも1つの選択肢を選択することと、
ユーザの選択から情報を収集することであって、少なくともユーザの地理的位置および前記4マス決定行列からなされた選択を取得することと、
前記ユーザの選択および前記4マス決定行列での前記ユーザによる過去の選択に基づいて、新たな質問を生成することと、
所定数の応答の後、前記ユーザに報酬を与えることと
を備える方法。
【請求項17】
前記ユーザの選択からの情報の収集は、製品嗜好データを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ユーザの選択からの情報の収集は、ブランド嗜好データを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ユーザの選択からの情報の収集は、趣味データを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザの選択からの情報の収集は、ユーザ関心データを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月12日に出願された“Systems and Methods for User Data Collection within an Augmented Reality Game”と題された米国仮特許出願第63/160,170号の優先権および利益を主張するものである。この開示の全体が参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、報酬ベースのシステムがユーザの参加およびユーザデータの収集を導く拡張現実ゲーム体験を提供するコンピュータ実装システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
たとえばスマートフォン、スマートウォッチ、およびスマートグラスなどのモバイルコンピューティングデバイスが普及したことにより、ユーザのための新たなエンターテイメント媒体が次々に生まれている。これらのデバイスが、拡張現実体験を提供するための新たなセンサを備えている場合、ユーザは、自身の環境内および周辺の変化を視覚的に検出できるという利益を得る。この可能性により、デジタルおよびゲームエンターテイメントのための完全に新しいパラダイム、ならびにゲーム環境内でのインタラクションを介してユーザ嗜好およびユーザ体験を取得する能力が開かれる。
【0004】
拡張現実には歴史があり、発明者は、新しく改善されたハードウェアデバイスを実装することによって、ユーザの周囲環境でのユーザ体験を向上させるために尽力してきた。1838年、Charles Wheatstoneがステレオスコープを発明し、これは、3次元オブジェクトをレンダリングする初の試みであった。1957年、Morton Heilingがセンソラマを発明し、これによってユーザは、音、映像、運動刺激などの融合を経験することが可能になった。1968年、Ivan Sutherlandは、頭部装着型表示ユニットの初期バージョンを発明した。1974年、Myron Krugerにより、ユーザが装着して使用する必要のないプロジェクションベースの拡張現実であるVideoplaceが開発された。1986年、Ron Feigenblattにより、現在拡張現実として知られている「マジックウィンドウ」(モバイル拡張現実)、または、ユーザの周囲環境の解釈を支援するように手で配置され方向付けられる小型の平面パネルディスプレイの使用が説明された。技術進歩は続き、1999年には、米国海軍研究所により、都市環境において兵士の状況認識を高めるための戦場拡張現実システム(BAR)の10年にわたる研究プロジェクトが発足した。最近では、拡張現実は、たとえばスマートグラス、スマートフォン、スマートウォッチ、およびヘッドセットや、ユーザの周囲環境での拡張を可能にする他の機器などの多くのデバイスに活路を見出している。
【0005】
拡張現実における技術の進歩により、ユーザは、比較的入手しやすいハードウェアで没入型環境を体験することが可能になった。新たな体験は、ユーザの周囲環境での体験に基づいて新たな見方を分析し、新たな形式のデータを収集する能力をもたらす。また、消費者/ユーザの需要を引き出し、正確なユーザ情報を含む情報を収集するための新たな入口を提供するという新たなインセンティブも生まれる。
【0006】
よって、小売店の提供品に対して情報が調節およびカスタマイズ可能であるように、ユーザ情報を収集する方法に新たな技術を組み合わせる必要がある。本明細書における開示は、ユーザ情報を引き出すユーザインタラクションを可能にすることにより、小売店が、製品を購入する可能性が高く、類似した地理的位置にいる可能性が高い顧客に、提供品の目標を定めることができる技術を提供する。
【発明の概要】
【0007】
1つの態様において、拡張現実ゲームを介してユーザデータを収集するための方法が開示される。方法は、モバイルコンピューティングデバイス上のモバイルアプリケーションとして拡張現実ジオロケーション宝探しゲームを展開することを備える。次に、ジオロケーション宝探しゲームが開始され、少なくともユーザ位置、ユーザプロファイル状態、およびユーザ格納本人証明といったユーザパラメータに基づいて、ゲームのインスタンスの起動が開始される。次に、回答されると、ジオロケーション宝探しゲームの次の目標の位置への手がかりを提供する一連の質問が生成され、一連の質問は、4マス決定行列の形式である。次に、生成された一連の質問への応答からユーザ情報が収集される。次に、生成された一連の質問への応答から収集されたユーザ情報に基づいて、追加の質問が処理および生成される。次に、モバイルアプリケーションで構成されたモバイルコンピューティングデバイス上のGPSによって、目標に関連するユーザ座標が調整される。最後に、報酬位置におけるユーザ座標の少なくとも1つのパラメータに基づいて、報酬へのアクセスが付与される。
【0008】
別の態様において、拡張現実ゲーム内でユーザデータを収集するためのシステムが開示される。システムは、モバイルコンピューティングデバイスを備える。モバイルコンピューティングデバイスは、(1)拡張現実ゲームを処理するように構成されたプロセッサと、(2)視覚レンダリングを処理するように構成されたグラフィック処理ユニットと、(3)深度および距離を測定するように構成された深度センサと、(4)物体がどの程度近くまたは遠くにあるかを測定するように構成された近接センサと、(5)速度の変化を検出するように構成された加速度計と、(6)光の強度および輝度を測定するように構成された、たとえば周囲光センサなどの光センサとを備える。システムは、モバイルコンピューティングデバイス上で構成された構成可能な拡張現実ソフトウェアアプリケーションを更に含み、構成可能な拡張現実ソフトウェアアプリケーションは、質問応答4マス決定行列を用いて構成される。また、分散型コンピューティング環境は、命令を受信および送信し、構成可能な拡張現実ソフトウェアアプリケーションを展開するように構成される。最後に、ネットワーク化コンピュータは、分散型コンピューティング環境と通信するように構成される。
【0009】
更なる態様において、モバイルアプリケーションを介してデータを収集するための方法が開示される。方法は、ユーザモバイルコンピューティングデバイス上でモバイルアプリケーションを開始することを備える。次に、モバイルアプリケーション内でユーザに4マス決定行列が提示される。次に、ユーザによって、4マス決定行列から少なくとも1つの選択肢が選択される。次に、ユーザの選択から情報が収集され、少なくともユーザの地理的位置および4マス決定行列からなされた選択が取得される。次に、4マス決定行列でのユーザによる選択および過去の選択に基づいて、新たな質問が生成される。最後に、所定数の応答の後、ユーザに報酬が与えられる。
【0010】
これらの実施形態および他の実施形態は、以下に示す説明においてより詳細に記載される。
【0011】
本開示の多数の態様は、以下の説明を参照して適切に理解される。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、本開示の原理を明確に示すために強調表現が用いられる。また、図面において、同様の参照番号がいくつかの図を通して対応する部分を示す。これらの実装および実施形態は、本開示の原理を単に例示するものであることを認識すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】拡張現実ゲームを介してユーザデータを収集するための方法およびシステムの例示的な実施形態を示す。
【
図2】例示的なモバイルコンピューティングデバイスを示す。
【
図4】拡張現実ゲームを介してユーザデータを収集するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図5】拡張現実ゲームをサポートするネットワークに接続するコンピューティングデバイスの例を示す。
【
図6】拡張現実ゲームを介して収集されたデータからのデータ処理の例を示す。
【
図7】拡大された4マス決定行列の例示的なフローチャートを示す。
【
図8】4マス決定行列に関する
図7のフローチャートの拡大図の例を示す。
【
図9】本明細書に開示されるモバイルアプリケーションのためのフローチャートの例を示す。
【
図10】4マス決定行列が提示され得る、拡張現実ゲームのためのユーザインタフェースの例を示す。
【
図11】拡張現実ゲームのためのユーザインタフェースの追加例を示す。
【
図12】ユーザインタフェースが拡張現実体験の較正の態様を示している、拡張現実ゲームのためのユーザインタフェースの追加例を示す。
【
図13】拡張現実ゲームのためのユーザインタフェースにおける報酬システムの例を示す。
【
図14】拡張現実ゲームのためのユーザインタフェースにおける報酬の例を示す。
【
図15】たとえば拡張現実ゲームなどのモバイルアプリケーションを運営するためのバックエンドウェブアプリケーションの例を示す。
【
図16】たとえば拡張現実ゲームなどのモバイルアプリケーションのためのデータフローおよび処理の例を示す。
【
図17】たとえば拡張現実ゲームなどのモバイルアプリケーションのための自然言語処理のフローチャートおよび基本対話を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で説明される実装および実施形態は、以下の詳細な説明、図面、および例を参照することによって、より容易に理解することができる。ただし、本明細書で説明される要素、装置、および方法は、この詳細な説明、図面、および例に示される特定の実装に限定されない。これらの実装は、本開示の原理を単に例示するものであることを認識すべきである。当業者には、本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、多数の修正および適応例が容易に明らかとなる。
【0014】
ハードウェア側における拡張現実には、プロセッサ、場合によってはグラフィック処理ユニット(GPU)、およびセンサを備えるモバイルコンピューティングデバイスが少なくとも必要である。後述するように、プロセッサはデバイスの処理ユニットであり、多くの場合、デバイスにおける計算の速度および/またはレートを決定する。GPUは、多くの場合、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイ上でのレンダリングを処理し、デジタル画像を環境に重ねるために高性能アーキテクチャを必要とする。最後に、多くは深度センサ、ジャイロスコープ、近接センサ、加速度計、光センサ、カメラセンサ(正面および/または背面)を含み、いくつかの実施形態ではLIDARセンサを含むセンサのアレイが存在する。深度センサは、環境の奥行きおよび距離を測定する。ジャイロスコープは、モバイルコンピューティングデバイスの角度および位置を検出するために用いられる。近接センサは、環境内の物体がどの程度近くまたは遠くにあるかを測定するために用いられる。加速度計は、速度、運動、および回転の変化を検出するために用いられる。光センサは、光の強度を測定することを可能にする。カメラセンサは、環境の画像が生成されることを可能にし、LIDAR(光検出および測距)は、環境から反射されるパルスレーザ光を感知することによって完全な暗闇において高精度で動作し得ることにより、環境の次元ビューを可能にする遠隔感知法である。LIDARは、モバイルコンピューティングデバイス上で高度なレーザシステムおよび検出システムが作動されることを必要とする。
【0015】
ソフトウェア側における拡張現実には、少なくとも3つの構成要素が必要である。第1に、モバイルコンピューティングデバイスが周囲をマッピングするために顕著な特徴点および平坦面を検出することを可能にする環境理解である。これにより、マッピングされた表面に仮想物体を配置することが可能である。第2に、動き追跡が必要であり、モバイルコンピューティングデバイスは、環境に対する自身の位置を決定する。これにより、仮想物体が指定の位置に配置され、指定の位置に対する反応を有することが可能である。最後は、モバイルコンピューティングデバイスに環境および環境の現在の光強度を知覚する能力をもたらす光推定である。これにより、仮想物体が同様の照明条件で配置されることが可能である。
【0016】
たとえばテキスト分析、音声分析、音声認識、Q&Aなどの自然言語処理および関連技術は、コンピュータが言語を理解することを助けようとするコンピュータサイエンスおよび人工知能の分野である。この技術は、一連の技術を通して自動化されたインタラクションを導出するために用いられる。まず、たとえば口語、語調、訛りなどの可変性といったものを含む、人間の言葉の意味を理解および/または解釈する難しさの程度のため、非多項式型(NP)ハードタイプの問題が考えられる。したがって、曖昧性を最小限に抑え、自然言語から文章の構造を処理することが目標である。よって、曖昧性除去を解析し、音声の適切な部分を識別して文章にまとめるために訓練されたモデルを有する機械学習を用いるために、人工知能が組み込まれる。
【0017】
統語解析および意味解析は、自然言語の理解に至る2つの基本的な技術である。統語論とは、テキストの文法構造であり、意味論とは、話者が伝えようとする意味である。統語解析は、テキストに意味構造を割り当てることにより、名詞、動詞などを識別し、文章の構造をグループ化するものである。意味解析は、テキストの意味を理解しようと試みるものである。
【0018】
構文解析は、テキストを統語的に分析するために用いられる技術の1つである。構文解析は、コンピュータによって文章をその構成要素に分析することを指し、その結果は、それらの互いの構文上の関係を視覚形式で示す解析木となり、更なる処理および解釈のために用いられ得る。語幹処理は、前処理技術において使用される場合が多い形態論および情報検索に由来する別の技術である。語幹処理は、言葉をそれらの「語幹」まで縮小することにより、接頭辞および接尾辞を取り除き、言葉の核に焦点を当てるプロセスである。
【0019】
テキストセグメンテーションは、テキストを、たとえば言葉、文章、および話題といった意味を持つ単位に変換するプロセスである。テキストセグメンテーションは、たとえば名前付きエンティティ認識、関係抽出、および感情分析などの方法を含む。1つの態様としてトークン化があり、変換される話し言葉は、辞書にインデックスを付けることによってトークン化される。トークン化された言葉は、多くの場合、その地域の標準形式で標準化される。次に、順序付けにより、トークン化された言葉が文章に変換される。順序付けされたテキストは、感情や他の特徴が抽出され得る分類器に適用され得る。更なる技術は、深層学習技術を含み、たとえばNLTK3.5(https://www.nltk.org/)、scikit(https://scikit-learn.org/stable/)、およびTensorFlow(https://www.tensorflow.org/)などの追加のパッケージおよびライブラリを利用する。たとえば深層学習および畳み込みニューラルネットワークの適用などの例において、言葉の符号化は、畳込み層によって特徴マッピングされ、ポーリング層が、典型的には主成分分析、独立成分分析、または次元縮小によって次元縮小を適用し、出力層において分類が形成される。
【0020】
1つの態様において、モバイルゲームは宝探しを含み、更に、賞品のための無料くじに参加するためのトークン、ポイントなどを付与するための質問回答セッションを含む。そのような態様において、4マス決定行列は質問回答において用いられ、音声を認識し、話し言葉を解析およびタグ付けし、オントロジを展開し、ユーザへの応答を生成するために、たとえば自然言語処理などの技術を用いてよい。更なる態様において、認識された音声自体がユーザに基づいて分類および格納され、そのようなデータは、4マス決定行列において追加のタグを適用される。更なる態様において、拡張現実が適用される宝探しゲームは、自然言語処理によって更に改良され、ユーザは、音声コマンドを用いてゲームに進み入り、4マス決定行列において用いられ得るアプリケーションと対話し、宝探しを進捗させるためのインタラクションを提供することが可能である。
【0021】
他の態様において、ユーザは、モバイルアプリケーションを開くと、4マス決定行列の形式で一連の質問を提示される。4マス決定行列は、質問に対する異なる回答選択肢を表す4つの四角形を含む。ユーザが回答を選択すると、4マス決定行列は追加の4マス決定行列を示し、以下同様となる。4マス決定行列の段階を更に掘り下げて解析することにより、より多くのユーザ情報が明らかになり、多数の商品およびサービス全体で嗜好が確認され得る。たとえば、4マス決定行列は、たとえばブランド、製品、関心などの特定のカテゴリに関するデータ収集を可能にし、4マス行列の継続的な結び付けによって知識網や知識グラフを形成することを可能にする。多くの場合、更なるユーザ参加を促すために、たとえばポイントやゲーム内での進展などの報酬が応答に付加される。4マス決定行列によって形成された知識網やグラフは、様々な手段、データの更なるモデル化が行われ得る関係、準関係、または非構造化データベース内で組織化された収集データによって解析され得る。4マス決定行列への応答は、小売店がモデル化データへのアクセスを有し、特定のブランドの更なる識見を可能にし得る小売店データベースとの提携を可能にする。たとえば、販売店や小売店が提携しており、4マス行列が識見を提供することにより、ゲームは、4マス行列に提供された応答が肯定的であるか、または小売店の商品やサービスに一致している販売店を訪れることを可能にし、または促進し得る。たとえばStarbucks(登録商標)は、拡張現実ゲームをプレイしているユーザが4マス行列内でコーヒーに対する嗜好を示したという4マス行列からのユーザ知識を購入し得る。
【0022】
ここで
図1を参照する。
図1の例示的な実施形態において、モバイルコンピューティングデバイス上で拡張現実宝探しゲームを展開するためのシステムおよび方法、およびモバイルアプリケーションの配信に関与する他のハードウェアおよびソフトウェア構成要素が開示される。他の態様において、ゲームは拡張現実を含まなくてもよいが、ジオロケーションまたはモバイルコンピューティングデバイスのユーザインタフェースを介して行われ得る。他の態様において、ゲームは、スクラッチくじゲーム、くじ引き、または他のゲームであってよく、ジオハントや拡張現実宝探しゲームに結び付けられる。当業者は、拡張現実宝探しゲーム内で様々なミニゲームが適用されてよく、それら全てが、ユーザ嗜好をマイニングするための4マス決定行列を組み込むモバイルアプリケーションの体験および機能に追加され得ることを認識する。
【0023】
この例では、拡張現実ゲーム環境は、ゲームがプレイされる所与の地理的位置である。多くの場合、その地理的位置または付近に、たとえば実店舗の場所を含む小売店などの店舗が存在してよい。更なる特徴は、公園、屋内空間、歩道、および他の場所を含む。サーバアプリケーションまたはウェブアプリケーションによって、運営業者は、ポイントを配置し、たとえば4マス決定行列に提示するような質問や、ユーザが報酬またはゴール状態に進むことを可能にする他の質問を出すことによって、地理的位置または拡張現実ゲーム環境において特定のゲームを構成することが可能である。報酬またはゴール状態は、4マス決定行列から決定されたユーザ嗜好に基づいて店舗で提供されるクーポンや割引であってよい。追加の4マス決定行列質問を常時提示することができ、報酬は、くじ引きまたはたとえば割引やクーポンなどの他の提供品にリンクされ得る。
【0024】
4マス決定行列は、事前に格納された回答および選択肢セットに基づいて追加の質問および回答を増やすことが可能な質問回答または質問応答システムである。4マス決定行列は、1つの実施形態において、ブランド決定質問および回答選択肢を提供し、ユーザの過去の応答、位置、およびたとえば年齢、性別、身長、体重、その他多数などの追加のパラメータに更にリンクされ得る。追加の実施形態において、4マス決定行列は、製品嗜好質問および回答選択肢を提供し、ブランド決定と同様に、過去の応答や他のパラメータによって直感的質問のフォーマットを可能にする。また別の実施形態において、4マス決定行列は、趣味嗜好や、4マス決定行列への適応が可能な他のデータ収集嗜好を有する。4マス決定行列の別の態様は、様々な質問にわたりユーザの嗜好を自動的にリンクする能力により、より正確なユーザのモデルを展開することである。
【0025】
サンプル4マス決定行列は、どんな種類の飲料を好むかを問う質問をユーザインタフェースに提示してよい。この例において、ユーザは、水、アルコール飲料、ジュース、および炭酸飲料の4つの選択肢を提示される。水が選択された場合、応答は、元の4マス行列に依存する新たな4マス行列をもたらし、新たな質問は、どんな種類の水を飲むかであってよい。たとえば水道水、Poland spring、nestle、その他といった事前入力された回答選択肢が現れ、各回答選択肢が新たな4マス行列を生み出し、回答は、ユーザ嗜好および選択の詳細な知識を有する知識ネットを形成する。その後、知識データベースは、隠れた関係に関する情報を更に解析し得る、たとえばニューラルネットワークなどの様々なメトリックおよびアルゴリズムを適用させ得る。
【0026】
他の態様において、モバイルアプリケーションにおける宝探しゲームが開示され、モバイルアプリケーションは、拡張現実体験とのインタラクションを可能にする、ユーザの両目に装着されたスマートグラスやARゴーグルまたは他のデバイス上にあってよい。いくつかの態様において、宝探しゲームは、ポイントを支払うことによって開始し、ポイントは、4マス決定行列内の質問に回答することによって得られる。他の態様において、宝探しを次の目標まで進めるために、ユーザは、4マス決定行列の質問に応答する必要がある。更なる態様において、4マス決定行列は、ポイントまたは報酬に結び付けられ、更に無料くじに結び付けられてよい。
【0027】
別の態様において、ゲーム内に拡張現実宝箱が配置され、モバイルアプリケーションを実行しているデバイス上のインタフェースと対話することによって宝箱にアクセスすることができる。そのような態様において、拡張現実宝箱にリンクされた4マス決定行列への応答を伴うインタラクションを通して追加の賞品が入手可能になり得る。また、4マス決定行列への応答は、追加の報酬に至る手がかりを提供してよく、拡張現実宝箱は、小売店に配置され、その中に割引やプロモーションが用意され得る。
【0028】
引き続き
図1において、1つの実施形態において、質問回答ゲームは拡張現実ゲーム内にあり、4マス決定行列の形式で質問回答を提供する。他の実施形態において、質問回答ゲームは、ユーザがポイントを得るためにアンケート調査に回答することを可能にする、ウェブアプリケーション内およびモバイルアプリケーション上でのアンケート調査の形式であり、ポイントは、無料くじチケットを取得するために使用されてよく、くじチケットは、たとえば貨幣や他の賞品などの賞品のための参加に使用され得る。他の実施形態において、ユーザ報酬は、拡張現実ゲームの完結に基づき、ポイントは宝物として付与されてよく、それらのポイントは、その後、ユーザを賞品獲得のチャンスに参加させる無料くじのために使用され得る。
【0029】
この例では、複数のユーザの各々がモバイルコンピューティングデバイスを有し、集合的に複数のモバイルコンピューティングデバイスを形成する。各デバイスは、たとえばAppleのAppstore(登録商標)やGoogleのPlayStore(登録商標)、またはスタンドアロンインストーラを含む他のアプリケーションインストーラなどのインタフェースを介してインストールされたモバイルアプリケーションを有してよい。モバイルコンピューティングデバイスは、ほとんどの場合、Bluetooth(登録商標)、WiFi、セルラ、ラジオなど、様々なプロトコルを含む様々な通信手段を介して接続するように構成される。
【0030】
図1の例において、ウェブアプリケーションは、サーバアプリケーションまたはウェブアプリケーションからクラウドネットワークを介して展開される。そのようなウェブアプリケーションサーバプロバイダの例は、Amazon Web Services(登録商標)、Microsoft Azure(登録商標)、Google Cloud Platform(登録商標)などを含む。オンデマンドのクラウドコンピューティングプラットフォームにより、複数のユーザ間でのウェブアプリケーションの展開が可能である。クラウドコンピューティングプラットフォームは、4マス決定行列によって供給された情報を格納するデータベースへのアクセスを備える。典型的なデータベースは、構造化および非構造化を含み、構造化は、4マス決定行列を有するカテゴリにマッピングされた関係データベースの形態である。非構造化データベースにおいて、アプリケーションから入来する情報は、ユーザ応答またはユーザ活動から、または機械生成データからも収集され得る。また、一般的に電子メールアプリケーションにおいて展開されるような半構造化データベースも存在し得る。
【0031】
1つの態様において、データベースは、格納およびタグ付けされた全ての情報またはデータを含み、決定木または他の教師付き学習モデルによるデータの更なる処理が適用される。別の態様において、データをモデル化し、ブランド、趣味、または他のユーザ嗜好の比較から識見を集めるために、ニューラルネットワークが適用される。嗜好および地理的データから更なる識見が導出され、追加の学習モデルをもたらし得る。
【0032】
図1の例において、サーバアプリケーションまたはウェブアプリケーションは、ゲーム内での目標の展開を支援するため、またコンテンツおよびデータを管理するために、運営ポータルを有して構成され得る。1つの実施形態において、コンピューティングデバイスは、ネットワークを介して接続し、運営認証を確立し、運営業者は、新たなゲームを確立し、パラメータを閲覧および編集し、バックエンドシステム全体を閲覧およびアクセスするためのアクセスを許可される。他の実施形態において、運営は、モバイルコンピューティングデバイスで、またはウェブアプリケーションへのアクセスで行われ得る。
【0033】
ここで
図2を参照する。
図2の例において、モバイルコンピューティングデバイスは、モバイルアプリケーションが拡張現実ゲームを表示する、または4マス決定行列の質問応答を表示するユーザインタフェースを有して構成される。モバイルコンピューティングデバイスは更に、オーディオアセンブリおよびカメラアセンブリを有して構成され、カメラアセンブリは、環境を援助し、拡張現実開発パッケージまたはキットに従って、拡張現実態様に関するパラメータの構成を支援する。また、カメラは、4マス行列における決定にも組み込まれ得るデータも取得し、たとえばQRコード(登録商標)や他のバーコードなどから成るクーポンをスキャンすることも可能にされ得る。スキャナモジュールは、いくつかの態様において、モバイルコンピューティングデバイス上のカメラモジュールである。また、カメラモジュールは、命令を解釈し、更なるデータ収集を可能にするジオロケーションまたは他の目標からの情報を送信もする。たとえば、ジオハントまたは拡張現実宝探し中のユーザは、進行のためにカメラを使用してよく、カメラのビューは分類され、レポジトリに格納されてよく、一例では、レストランを通過するとそのレストランがフラグ付けされ、ユーザが特定のレストランを通り過ぎて更に移動すると、レストランの商品およびサービスに関する通知および他の情報がユーザにもたらされ得る。そのような実施形態において、小売店がアカウントを作成し、小売店の所在地または周辺を頻繁に訪れているユーザに関する情報へのアクセスを有する小売店データベースが確立され得る。
【0034】
たとえばCPU、バス、GPU、メモリ、通信アダプタなどの標準機構については後述するが、たとえばAppleのiPhone(登録商標)およびSamsungのGalaxy(登録商標)デバイス、他多数などのデバイスに含まれ得る典型的なハードウェア特徴である。例示的な実施形態において、モバイルコンピューティングデバイスは、正確なユーザ位置データをモバイルアプリケーションの追加の特徴に結び付けることを可能にする、たとえばグローバルポジショニングサービス(GPS)などの位置特定サービスを含む。通信アダプタとしても知られている無線通信モジュールは、上述したような様々な規格によって無線通信を供給し、特に、たとえば3G、4G、LTE、および5G、他多数などの無線規格を含んでよい。同様に、たとえばWiFi5プロトコルなどのWiFiの使用も、通信アダプタを介して可能である。
【0035】
ここで
図3を参照する。
図3の例において、汎用コンピューティングデバイスが開示される。汎用コンピューティングデバイスは、たとえばスマートフォン、セルラフォン、スマートウォッチ、リストウォッチ、アイグラス、またはARグラス、他多数などのモバイルコンピューティングプラットフォームまたはデバイスに組み込まれてもよい。汎用コンピューティングデバイスの他の態様において、マイクロコントローラは、本明細書における開示の特定の要素のために適合されてよく、更には、専用コンピューティングデバイスが本開示の要素を形成してもよい。
図3の例示的な実施形態において、コンピューティングデバイスは、いくつかの構成要素で構成される。第1に、コンピューティングデバイスはタイマを備える。タイマは、たとえばバッテリ保存のための時間遅延を生成するため、またはサンプリングレートを制御するためなどの用途で用いられ得る。コンピューティングデバイスはメモリを更に備え、メモリは、ソリッドステートドライブ技術(たとえばNAND)で構成された長期ストレージシステムを含み、または(様々な種類のパラレル先端技術アタッチメント、シリアルATA、小型コンピュータシステムインタフェース、およびSSDを含む)他のハードドライブ技術を備えてもよい。また、長期ストレージは、揮発性および不揮発性メモリ構成要素を含んでよい。たとえば、モバイルアプリケーションの処理ユニットおよび/またはエンジンは、たとえばNANDまたは他のSSDなどの長期ストレージ内の関係データベースまたは非構造化データベースにおけるデータテーブルまたは情報にアクセスしてよい。コンピューティングデバイスの例示的な実施形態のメモリは、処理ユニットへの命令のフローをバッファするためのキャッシュとともにプログラム命令を保持するランダムアクセスメモリ(RAM)も含む。RAMは、揮発性メモリで構成される場合が多いが、不揮発性メモリを備えてもよい。RAMは、処理ユニットによる通常のプログラム実行中にコンピューティングデバイスによって用いられる定数値および変数値を格納するために一時的に用いられるデータ空間である。RAMと同様に、特殊関数レジスタが存在してもよく、特殊関数レジスタは、RAMと同様に動作し、読取りおよび書入れの両方を可能にする。特殊関数レジスタが異なる点は、処理ユニットの外側で、オンチップハードウェアの制御専用であってよい点である。
【0036】
また、
図3の例示的な実施形態において、アプリケーションモジュールが開示される。アプリケーションモジュールは、コンピューティングデバイス上で構成されたメモリにロードされる。本明細書の開示は、アプリケーションモジュールを形成することにより、プログラマブル命令を処理するためにコンピューティングデバイスを用いて構成され得る。この例では、アプリケーションモジュールは、典型的にはRAMであるメモリ内にロードされ、更にバスコントローラを介して処理ユニットに命令を送信する。この例では、処理ユニットは、データをシステム内および処理ユニットに迅速に移動させるためにデジタル信号の経路を提供するシステムバスに構成される。典型的なシステムバスは、3つの内部バスまたは経路、すなわちデータバス、アドレスバス、および制御バスに対する制御を保持する。I/Oインタフェースモジュールは、プログラムされたI/O、ダイレクトメモリアクセス、およびチャネルI/Oを含む任意の数の一般的なI/Oであってよい。また、プログラムされたI/Oにおいて、ポートマッピングされたI/OまたはメモリマッピングされたI/O、または入来する情報や信号を効率的に処理し得る他の任意のプロトコルがあってよい。
【0037】
ここで
図4を参照すると、拡張現実ゲームを介してユーザデータを収集するための例示的な方法のフローチャートの例示的な実施形態が示される。モバイルアプリケーションは、モバイルコンピューティングデバイス上で立ち上がり、データ収集エンジンは、メモリ内に保持されているモバイルコンピューティングデバイスのCPUにおいて実行し、たとえば4マス決定行列などのアンケート調査に対するユーザ応答に基づいて、ならびに拡張現実ゲームのプレイを通して、リアルタイムデータ収集を開始する。一例では、ユーザは、ゲームプレイからデータを供給し、ターンごと、または新たな地理的位置ごとに、ユーザは、ポイントや進展のための能力のために4マス行列への回答を供給する。そのような応答は、ユーザの地理的位置、およびたとえば年齢、身長、体重、および嗜好などの過去に格納された他の追加のパラメータでもタグ付けされる。追加の質問は、過去の知識の集積に基づいて作られ、そのような質問が更なる応答を伝搬する。また、システムは、方法または前の4マス決定行列の再調査および当業者に知られているような他の手段による質問に関する重複および組込み型検証テストを含む。
【0038】
続いて、ユーザデータの集合が形成され、データベースに格納されると、上述したように、ユーザの応答が更に検証され、たとえば教師付きおよび教師なし学習モデル、深層学習モデル、および強化学習モデルなどの数学モデリングによって更なる識見を得るために、ユーザ嗜好を結び付ける知識ネットワークが形成される。
【0039】
図5を参照すると、拡張現実ゲームをサポートするネットワークに接続するコンピューティングデバイスの例が示される。この例では、ユーザは、車両ユーザインタフェース上にゲームまたはモバイルアプリケーションが出現することを可能にするコンピューティングデバイスで構成された車両を用いて、ジオハント、宝探し、または他のジオロケーションベースのゲームを検索してよく、車両ユーザインタフェースの例は、ダッシュボードの中心にあるスクリーンまたは他のスクリーンを含み、そこでゲームは、停車場や階段のマップおよび位置を示すとともに、4マス決定行列による質問および回答を提供してよい。ネットワーク化ジオロケーション宝探しは、たとえば拡張現実グラス、モバイルフォン、スマートウォッチ、リストウォッチ、他多数などの様々な固定およびモバイルコンピューティングデバイスへのアクセスを提供する。ネットワークはウェブサーバに接続され、ゲームは、ネットワーククラウドアーキテクチャ内の様々なデバイスに展開される。また、いくつかの態様において、4マス決定行列によるグループ質問を含む、マルチプレーヤジオロケーションベースのゲームのために、複数のデバイスが協働または連携してよい。
【0040】
ここで
図6を参照すると、拡張現実ゲームを介して収集されたデータからのデータ処理の例が開示される。1つの態様において、ユーザゲーム体験Uにより、複数のユーザを介してユーザ応答Nの集合を形成する様々な4マス決定行列応答からのデータが生じる。ユーザ応答の集合は通常、データ構造内に保持され、ラベル付きの場合は教師付き学習、または教師なし学習技術によって処理されることが可能である。データ集合処理エンジンは、ウェブアプリケーションまたはウェブプラットフォーム上で実行し、4マス決定行列から収集されたデータに識見を提供するメインアルゴリズムを収容する。この例では、ラベルなしのデータはクラスタ化アルゴリズムに適用され、関連情報とともにグループまたはクラスタKを形成する。その後、各クラスタは、所与のクラスタに一致するキーワードやコンセプトを指定する小売店に小売店提携プログラムを介してマッピングされ、その後、小売店はこの情報を用い、モバイルアプリケーションを介して、モバイルアプリケーションの利用および4マス決定行列への応答に基づいて標的化された、たとえば店舗の所在地、時間、クーポン、および取扱いなどのマーケティング項目や広告項目を表示してよい。
【0041】
ここで
図7および
図8を参照すると、4マス決定行列の概観の例示的な実施形態が開示される。1つの態様において、グラフデータベースは、様々な質問および応答から形成される。別の態様において、データベースは、ツリーベースのデータ構造である。また別の態様において、データベースは、各ユーザに割り当てられた一意のユーザIDを有する関係データベースを形成する。別の態様において、非構造化データベースまたは半構造化データベースが使用される。4マス質問行列は、一例において、4つの回答を伝搬する質問を含む。別の実施形態において、質問は、2つの回答、または3つの回答選択肢を伝搬してよく、選択肢は重複し、または過去の回答を検証してよく、あるいはユーザの嗜好や選択を更に詳述するものであってよい。4マス決定行列からの応答は、たとえば位置、ゲーム履歴、たとえば趣味関心対象やブランド関心対象といったアプリケーション内のパラメータセットなど、過去の回答および追加の因子に基づいて追加の質問を伝搬する。
【0042】
4マス決定行列の追加の実施形態は、たとえばブランド、趣味、関心、および個人的嗜好などのトピックに関する絞り込みの決定を提供し、独自のユーザ嗜好に基づいて標的化された結果を更に可能にする。4マス決定行列は、たとえばポイントなどの報酬を提供してよく、ポイントは、たとえば通貨、サービス、または商品などの賞品を含むくじに引き換えられ得る。
【0043】
ここで
図9を参照すると、本明細書に開示されるモバイルアプリケーションのためのフローチャートの例が示される。フローチャートは、本明細書に記載される本開示の態様を示す。
図9の例において、ユーザは、モバイルデバイス上でWinQuestアプリケーションを開くことによって開始し、トリビアゲーム、AR宝探し、およびスクラッチくじのいずれかを選択する。ミニゲームの目的は、4マス決定行列を介して情報を取得することであり、行列は、ユーザが追加のミニゲームをプレイするためのポイントを得ることを可能にする。ポイントは、無料くじに参加するために更に使用されてよく、無料くじは通貨を必要としないが、ポイントで追加のチャンスを購入することができる。
【0044】
仮想スクラッチくじチケットは、当業者に知られており、たとえば参照によってその内容が本明細書に組み込まれるD’Angostinoの米国特許第10,713,883号において説明される。いくつかの実施形態において、本明細書で説明されるシステムは、事前記録コンテンツデータベースと、仮想スクラッチカードゲームを確立するプロセッサとを有する。またプロセッサは、仮想スクラッチカードゲームの勝利成果に対応する仮想スクラッチカードグリッド内の複数の位置をランダムに決定する。これらの実施形態のいくつかの態様において、プロセッサは、事前記録コンテンツデータベース内の複数の事前記録されたビデオクリップを検索し、複数の事前記録されたビデオクリップの各々は、勝利成果に対応するイベントを表示する。いくつかの態様において、プロセッサは、アクティブ化されると、対応する複数の位置の各々で複数の事前記録されたビデオクリップの各々を出現させる複数のスクラッチくじブロックに従って仮想スクラッチカードグリッドをレンダリングする表示デバイスに、複数の事前記録されたビデオクリップを提供する。
【0045】
他の実施形態において、コンピュータプログラムは、上述したシステムの機能を実施するコンピュータ可読プログラムが格納されたコンピュータ可読記憶デバイスを有してよい。また他の実施形態において、プロセッサを用いるプロセスは、上述したシステムの機能を実施してよい。
【0046】
図9の例におけるモバイルアプリケーションは、当選者ページを更に含み、当選者ページは、有効な当選者の現在のリストを表示する。ユーザから収集された情報は、カテゴリ別関心および地理空間データベースに格納される。カテゴリ別関心および地理空間データベースは、リアルタイムで固有のユーザを小売店にマッチングするためにルーティングエンジンまたは追加のアルゴリズムにインタフェース接続してよい。一例では、リアルタイムのマッチングは、ユーザの宝探し体験中にポップアップし、アルゴリズム手段によって関心を示すために高く相関付けられた近隣の小売店へのクーポンを提供する。たとえば、ユーザは、4マス決定行列への応答において、コーヒーを識別し、好みの店としてStarbucks(登録商標)を表明している。小売店通知システムは、拡張現実宝探しのプレイ中、Starbucks(登録商標)が近くにあり、10%のクーポンが提供されていることをアプリケーションのインタフェース内でユーザに通知してよい。
【0047】
引き続き
図9を参照すると、この例では、ユーザのデータが小売店のアクセスから保護されるコホートプラットフォームが開示される。また、この例では、モバイルアプリケーションは、全てのユーザの情報を制御し、マーケティングおよび広告の目的で小売店に制限付きアクセスを提供する。また、アプリケーションは、小売店商品およびサービスデータベースにインタフェース接続し、小売店は、アプリケーションの4マス決定行列データを用いて、クーポン、購入履歴を伴うユーザの認識、無料サンプル提供、および他の機会を含む固有のマーケティングプラットフォームを構築し、標的化された関連性の高い広告のために既知の嗜好を有するユーザと繋がりを持つことができる。
【0048】
ここで
図10~15を参照すると、ユーザインタフェースおよび運営ページの例示的な実施形態が開示される。様々な例は、たとえばトリビア、スクラッチくじ、アンケート調査、ならびに拡張現実宝探しなどのミニゲームの特徴の態様を含み、それ自体が、ユーザが体験や4マス決定行列質問を通してポイントを貯め得る様々なミニゲームを含んでよい。他の態様において、拡張現実ゲームのステージが、目標および報酬の提供とともに開示される。インタフェースにおいて、たとえばユーザID、ユーザ名、ユーザプロファイル状態(オンライン、オフライン、応答不可)、ユーザゲーム履歴、ユーザ報酬合計、ユーザ座標、ユーザクレジットカード情報、ユーザ年齢、ユーザ性別、ユーザ生年月日、および他のユーザ提供本人証明などのユーザ格納本人証明が、拡張現実ゲームの動作をサポートするために確立され得る。そのような本人証明および情報は、小売店に共有されてよく、あるいは、小売店への割引クーポンや他の報酬の配布を支援してよい。また、モバイルコンピューティングデバイス上のGPSモジュールは、拡張現実ゲームの目標および小売店舗と同期し、小売店とのインタラクションに基づくゲームおよびミニゲームを含むリアルタイムの報酬および割引を提供してよい。
【0049】
ここで
図16を参照すると、たとえば拡張現実ゲームなどのモバイルアプリケーションのためのデータフローおよび処理の例が示される。たとえば音声ファイルなどのデータ入力、またはたとえば4マス決定行列への応答などの他の入力は、テキストに処理され、ラベル付けされ、格納されてタグで構成されるか、あるいはビジネスタグとしても知られる特定の分野にグループ化またはクラスタ化される。そのような標準化ライブラリを用いた自然言語処理の技術が用いられ得るか、あるいは、たとえば意味ネットワークまたは言語ネットワークなどの追加のテキスト音声変換を取り入れた高度な技術が用いられ得る。
【0050】
ここで
図17を参照すると、たとえば拡張現実ゲームなどのモバイルアプリケーションのための自然言語処理のフローチャートおよび基本インタラクションの例が示される。この例では、デバイス上のマイクロフォンを介して音声が取得され、デバイスは、スマートフォン、スマートグラス、ARグラス、スマートウォッチ、または、マイクロフォンや他のハードウェア機器を介して音声を取得するためのハードウェアを有する他の任意のデバイスであってよい。ユーザ音声が取得され、音声は、ブランド、趣味、関心、および他のカテゴリにタグ付けすることを含む、モバイルゲームと提携した項目の識別を可能にするカスタムソフトウェアとともに、標準化NLPライブラリのセットを用いて解析およびタグ付けされる。
【0051】
タグ付けされた音声はコーパスを形成し、コーパスは格納され、更なるモデル化のために利用される。次に、自然言語理解は、辞書および文法規則を用いてコーパスを解析し、文章を内部表現に分解する。したがって、自然言語理解の目的は、オントロジを形成することである。また、述語知識を用いて、コーパスに論理推論が適用される。次に、論理および理解が格納され、Q&Aシステムがモデル化され、選択された音声質問に回答しようと試み、これには、4マス決定行列の導入を伴う場合が多く、ユーザからの回答によって回答の応答が生じ、4マス決定行列からの追加の追跡質問に関する出力音声が提示され得る。Q&Aソフトウェアは、この点に関して、4マス決定行列に対し調節またはカスタマイズされ、他の態様では、Q&Aソフトウェアは、ジオハントまたは宝探しに結び付けられ、そのために専用化されてよく、更なる態様では、Q&Aおよびその結果生じるオントロジは、方言または地域理解ならびに特定のブランドや製品や関心に関する音声の理解を取得することを含む、4マス決定行列の範囲を超えた追加のデータ収集源の機能を果たし得る。
【0052】
引き続き
図17において、形成されたオントロジは、通常、4マス決定行列内に存在する質問応答への応答を提供し、スピーカを通して、またはたとえばBluetoothなどの接続を介して、オーディオ処理デバイスへ出力される音声を生成し、ユーザは、提示された質問への応答を提示される。プロセスは、それ自体で繰り返し、モバイルアプリケーション内で宝探しとともに、または様々なミニアプリケーションやゲームで用いられ得る。
【0053】
仮想スクラッチくじチケット
【0054】
いくつかの実施形態において、ブロックおよびブロック解除され得る静的ゲームパラメータではなく、動的仮想スクラッチカードゲームシステムは、1または複数の事前記録または事前捕捉されたビデオを表示する。プレーヤによってゲームプレイが開始された後、1または複数の事前記録されたビデオの再生も開始され、ゲームパラメータを決定してよい。たとえば、ライブや未来のスポーツイベントに対する賭け金の受取りとは対照的に、事前記録されたビデオは、本明細書で説明される宝探しに基づいてよく、プレーヤが、宝探しに関連する架空のイベントシーケンスで賭けをすることを可能にする。
【0055】
また他の実施形態において、静的な特徴を有するスクラッチベースのゲームを提供する定型的な従来技術を適用するのではなく、動的仮想スクラッチカードゲームシステムは、技術ベースのアプローチによって実装される動的特徴を提供する。たとえば、動的仮想スクラッチカードゲームシステムは、1または複数の事前記録されたビデオの再生または宝探しの進展に基づいてゲームの成果を決定するための複数の規則を実施してよい。仮想スクラッチカードの特定の部分は、1または複数の事前記録されたビデオに表示されるように、特定のゲームベースの成果に関連付けられ得る。したがって、動的仮想スクラッチカードゲームシステムは、仮想ゲームシステムに関する規則ベースの構成を介して非抽象的な結果を生成する。1つの態様において、ユーザは、コンピューティングデバイス(たとえばスマートフォン、タブレットデバイス、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、スマートウォッチ、スマート装着型デバイス、仮想現実ヘッドセット、拡張現実デバイスなど)から仮想スクラッチカードゲームをプレイし、それに対し賭けをしてよい。たとえば、コンピューティングデバイスは、本明細書で説明されるゲームプレイ全体の一部としてユーザが仮想スクラッチカードゲームをプレイすることを可能にする仮想ゲームアプリケーションを格納しており、または遠隔に位置するサーバを介してそれにアクセスしてよい。
【0056】
1つの実施形態において、コンピューティングデバイスは、ユーザからの入力を(たとえばタッチスクリーン入力、ボタンの作動、ハンドジェスチャなどを介して)受信し、仮想スクラッチカードゲームの動作に関連するコンテンツを(たとえば一体型表示スクリーンを介して)表示する。別の実施形態において、コンピューティングデバイスは、ユーザからの入力を受信するが、仮想スクラッチカードゲームの動作に関連するコンテンツは、コンピューティングデバイスとは別個の表示スクリーンによって表示され、またはそこに投影される。(本明細書で言及される投影は、平面スクリーンまたは2次元投影での動作に限定されず、関連するコンテンツを投影するために(たとえばホログラフィックプロジェクタを介した)3次元投影が代わりに用いられてよい。)
【0057】
動的仮想スクラッチカードゲーム構成は、ネットワークを介してコンピューティングデバイス上で仮想ゲームアプリケーションと通信する動的仮想ゲームシステムを含んでよい。1つの実施形態において、動的仮想ゲームシステムは、コンピューティングデバイスによってレンダリングされる仮想スクラッチカードゲームのためのゲームパラメータを決定する。たとえば、動的仮想ゲームシステムは、RNGを用いて複数の事前記録された実際のVSビデオセグメントをランダムに選択するプロセッサを有してよい。また、プロセッサは、RNGを用いて仮想スクラッチカードゲームグリッド上の位置をランダムに選択してよい。
【0058】
また、動的仮想ゲームシステムは、仮想スクラッチカードゲームの開始前に発生する能力ベースのイベントの事前記録されたビデオクリップを格納し得る事前記録コンテンツデータベース、および事前記録されたビデオクリップに添付され得る様々なオーバレイデータを格納し得る2Dオーバレイデータベースと動作可能に通信してよい。プロセッサは、(たとえばRNGに従う)ゲームコア論理コードの実行を介して仮想ゲームの成果を決定した後、ゲームコア論理コードから、レンダリングコードが実行され、選択されたビデオクリップおよび対応する2Dオーバレイデータを再生するためにレンダリングデータを構成することを決定してよい。プロセッサは、レンダリングデータを、コンピューティングデバイスで表示するためにネットワーク(コンピュータ化、テレコミュニケーション、有線など)を介してコンピューティングデバイスへ送信してよい。
【0059】
動的仮想ゲームシステム内の構成部分として、プロセッサ、様々な入力/出力(「I/O」)デバイス、メモリデバイス、およびデータストレージデバイスが含まれる。
【0060】
プロセッサは、メモリデバイス内の様々なコードを実行する。たとえば、プロセッサは、メモリデバイスにおける動作のためにデータストレージデバイスからゲームコア論理コードおよびレンダリングコードを取得する。
【0061】
特に、ゲームコア論理コードは、プロセッサが仮想スクラッチカードゲームを操作することを可能にする。たとえば、ゲームコア論理コードは、仮想ゲーム中に表示するために仮想ゲームに関連するコンテンツをランダムに選択する規則ベースのアプローチを有してよい。したがって、ゲームコア論理コードは、認定されたランダムソース(たとえば特定のRNG)からランダムデータが取得されることを必要とし得る。
【0062】
動的仮想ゲームシステムは、コンピューティングデバイスとは別個であることが示されるが、動的仮想ゲームシステム、またはその構成部分は、代替構成においてコンピューティングデバイス内に統合されてよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、仮想スクラッチカードゲームの開始時、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)が用いられ、複数のスクラッチくじブロックを有する仮想スクラッチカードグリッドを表示してよい。ユーザは、関心対象のスクラッチくじブロックの上でポインティングマークをアクティブ化(たとえばクリック)することによって、関心対象のスクラッチくじブロックの上にポインティングマーク(たとえばマウスポインタ)を配置してよい。
【0064】
また、GUIは、様々な追加のインタラクティブ特徴を有してよい。たとえば、GUIは「プレイ」ボタンを有してよく、ユーザは、その上にポインティングマークを配置し、仮想スクラッチカードゲームのプレイを開始してよい。また、GUIは「賞品テーブル」ボタンを有してよく、ユーザは、その上にポインティングマークを配置し、仮想スクラッチカードゲームの賞品構造を表示してよい。
【0065】
また、GUIは、たとえば賞品テーブルに従って獲得した総額を表示する「獲得額」特徴などの様々な非インタラクティブ特徴を表示してよい。賭け金額を含むがそれに限定されない追加の非インタラクティブ特徴も表示され得る。
【0066】
賞品テーブルボタンのアクティブ化により、ウィンドウのディスプレイに賞品テーブルが表示され得る。たとえば、ウィンドウは、GUI内に表示されるポップアップウィンドウであってよく、あるいは、GUIから独立して表示するためにレンダリングされる異なるウィンドウであってもよい。
【0067】
例として、賞品テーブルは、スクラッチくじブロックのアクティブ化(たとえば仮想スクラッチ)の後に表示される事前記録されたビデオクリップ内で発生する特定のイベントに関して獲得され得る様々な賞品を示してよい。たとえば、特定の数の連続したスクラッチくじブロックおよび様々な向き(たとえば斜め、垂直、水平)に出現する「ゴール」イベントにより、様々な賞品が得られ得る。言い換えると、賞品テーブルは、事前記録されたビデオクリップの再生中にイベントとして発生するゲームパラメータの数量だけではなく、仮想スクラッチカードグリッド内の対応するスクラッチくじブロックの位置にも基づいてよい。あるいは、ボーナス賞品は、仮想スクラッチカードグリッドまたは本明細書で説明される宝探しにおいてゲームパラメータを獲得する位置に基づいてよい。言い換えると、賞品は数量に基づいてよいが、ボーナス賞品は位置に基づいてよい。
【0068】
ユーザが第1のスクラッチくじブロックの上にポインティングマークを配置し、スクラッチくじブロックをアクティブ化(すなわちクリック)すると、ランダムに選択されたVSベースのビデオクリップの再生が開始され得る。複数のゲームパラメータに対応するマークは、2Dオーバレイデータベースから取得され得る。
【0069】
その後、ユーザは、残りのスクラッチくじブロックの全てが現れるまで、または時間制限に到達するまで、追加のスクラッチくじブロックを選択してよい。1つの実施形態において、ユーザがスクラッチくじブロックごとにゲームパラメータ(たとえばゴールまたはミス)を決定することが可能であるように、ビデオクリップの最後は、更なる再生なしで表示される。別の実施形態において、ユーザが様々なスクラッチくじブロックにおけるアクションの視聴を続け得るように、現れたスクラッチくじブロックの各々の再生は何度も繰り返される。また別の実施形態において、ユーザが様々なスクラッチくじブロックの各々に関連するゲームパラメータを識別し得るように、アクションが完了した後、特定のスクラッチくじブロックに関連するゲームパラメータは、テキスト形式(たとえば対応する事前記録されたビデオクリップはなく、「ゴール」の表示)で表示される。
【0070】
ユーザが第2のスクラッチくじブロックの上でポインティングマークをアクティブ化(たとえばクリック)すると、スクラッチくじブロックが順次(たとえば左から右へ)アクティブ化され、あるいはランダムに(たとえば最初に角部、中央など)アクティブ化され得る。代替として、クイックピックボタンが提供され、ユーザがコンピューティングデバイスまたは動的仮想ゲームシステムにユーザのためのスクラッチくじブロックを選択させることを可能にしてよい。
【0071】
仮想スクラッチグリッドは、全てのスクラッチくじブロックが現れた後に表示され得る。図示された例において、事前記録されたビデオクリップに対応するゲームパラメータイベントにより、スクラッチくじブロックの当選列がゴールを示す。
【0072】
また別の実施形態において、ユーザは、ポインティングマークによって一度に1つのスクラッチくじボックスを選択する必要はない。たとえば、ユーザは、同時プレイボタンの上にポインティングマークを配置し、スクラッチくじブロックに対応する全ての事前記録されたビデオクリップの同時再生を開始してよい。1つの実施形態において、事前記録されたビデオクリップのいくつかは、対応する第1の持続時間を有し、他の事前記録されたビデオクリップは、対応する第2の持続時間を有してよい。たとえば、スクラッチくじブロックのいくつかは、10秒間の事前記録されたビデオに対応し、他のスクラッチくじブロックは、3秒間の事前記録されたビデオに対応してよい。したがって、10秒間のプレイ時間にわたり、各スクラッチくじブロックは、賞品テーブルに関連するゲームパラメータを明らかにする。あるいは、プレイオールボタンにより、事前記録されたビデオクリップは、全てが同時に再生されるのではなく、順次再生されることが可能である。
【0073】
仮想スクラッチカードグリッドは、オンラインスクラッチくじゲーム中に動的特徴(たとえば事前記録されたVSベースのゲームイベントの再生)が提供されることを可能にすることができ、そのような動的特徴は、更に高いレベルの刺激をユーザに提供する。
【0074】
RNG(たとえば勝利成果をもたらすスクラッチくじブロックの特定の水平列)によって決定される意図された成果を得るために、動的仮想ゲームシステムは、対応するイベントを有する事前記録されたビデオを決定する。たとえば、動的仮想ゲームシステムは、ランダムなVSベースのゲームのための事前記録されたビデオクリップだけではなく、RNGによって決定される意図された成果に関連する特定のゲームパラメータに対応するイベントを有する事前記録されたビデオクリップ(たとえば、ミスを伴うビデオクリップや全くゴール未遂のないビデオクリップではなく、ゴールを伴うビデオクリップ)に関して、事前記録コンテンツデータベースを検索する。
【0075】
1つの実施形態において、動的仮想ゲームシステムは、RNG(たとえばゴールを有するビデオの水平列)によって決定される意図された成果に対応する複数の事前記録されたビデオを発見するために、1または複数のイベントタグに従って事前記録コンテンツデータベースを検索する。1または複数のイベントタグは、事前記録コンテンツデータベースに格納された1または複数のビデオクリップ中に発生するイベント(たとえばゴール、ミス、ゴール未遂なし)を記述する。したがって、特定のイベントに関して各ビデオクリップを分析する必要はなく、動的仮想ゲームシステムは、イベントタグに従ってイベントに関する最適化された検索を行い、仮想スクラッチカードグリッドに対応するイベントを有するビデオクリップを迅速に発見することができる。その結果、動的仮想ゲームシステムは、仮想スクラッチカードグリッド内に位置する動的特徴のための検索時間を改善することにより、コンピュータの機能を向上させる。
【0076】
また、動的仮想ゲームシステムは、プロセッサを介して処理速度を高めることによって、コンピュータの機能を向上させ得る。仮想スクラッチカードグリッド内に表示される意図された成果に合致するゲームパラメータに応じるための各ビデオクリップの分析にコンピューティングリソースを消費するのではなく、プロセッサは、対応するイベントを有するビデオクリップのみにフィルタリングされた検索を行うためにデータベースコマンドを実行してよい。プロセッサが、仮想スクラッチカードグリッド内で表示するための意図された成果に合致するイベントタグに対応するビデオクリップのみを分析することにより、メモリ要件も低減される。
【0077】
したがって、動的仮想ゲームシステムは、イベントを含む仮想スクラッチカードゲームの成果をランダムに決定し、イベントタグに従ってそれらのイベントを含む事前記録されたビデオクリップに関してデータベースを検索し、ユーザがスクラッチくじブロックをアクティブ化すると、事前記録されたビデオクリップを表示してよい。
【0078】
仮想スクラッチカードグリッドは、タッチスクリーンコンピューティングデバイスにレンダリングされる。たとえば、未知のスクラッチくじグリッドを有する仮想スクラッチカードグリッドは、タブレットデバイスに表示され得る。ユーザは、タブレットデバイスの表示スクリーンに指をスワイプさせ、複数のスクラッチくじブロックを作動してよい。
【0079】
1つの実施形態において、動的仮想スクラッチカードゲーム構成は、スクラッチくじブロックに対応する事前記録されたビデオクリップの再生を開始するために、予め決定されたスクラッチくじ閾値を確立してよい。たとえば、動的仮想スクラッチカードゲーム構成は、タッチスクリーンを介してスクラッチくじブロックの20パーセントがスクラッチ(すなわちスワイプ)されなければ再生が開始してはならないことを決定してよい。したがって、動的仮想スクラッチカードゲーム構成は、ユーザが関連するアクションを逃さないためにスクラッチくじブロックを迅速にスワイプするよう促しながらも、ユーザがビデオクリップの完了前にスクラッチくじブロックを完全にスワイプしない場合、ビデオクリップの完了前に視聴すべきビデオクリップの重要な部分をユーザに提供してもよい。
【0080】
例として、ユーザは、仮想ゲーム規則ウィンドウに表示される1または複数の仮想ゲーム規則に従ってゲームをプレイしてよい。たとえば、仮想ゲーム規則は、ユーザが6つのうち3つのスクラッチくじマークのみをアクティブ化のために選択し得ることを指定してよい。その後、コンピューティングデバイスは、他のスクラッチくじマークではなくこれらのアクティブ化されたスクラッチくじマークのみに対応する事前記録されたビデオクリップを表示する。1つの実施形態において、プロセッサは、仮想スクラッチくじゲームの成果をランダムに決定し、仮想スクラッチくじゲームの成果に合致するように3つの事前記録されたビデオクリップのみを選択する。別の実施形態において、プロセッサは、6つの可能なゲームパラメータ(たとえばゴールまたはミス)をランダムに決定し、各ゲームパラメータを仮想スクラッチくじマークの1つに関連付ける。その後、ユーザは、3つの仮想スクラッチくじマークの選択に基づいて、賞品があれば、どの賞品が獲得されたかを少なくとも部分的に決定する。たとえば、仮想スクラッチくじマークの4つが、対応する事前記録されたビデオクリップ内の「ゴール」イベントに関連付けられ、仮想スクラッチくじマークの2つが、対応する事前記録されたビデオクリップ内の「ミス」イベントに関連付けられてよい。ユーザは、選択された3つの仮想スクラッチくじマークが全て「ゴール」に対応する場合、いくつかだけが「ゴール」に対応する場合よりも大きな賞品を獲得し得る。
【0081】
仮想スクラッチくじマーク、賞品などの様々な数量は、例示および説明されたものと異なってもよく、それらは単に例として記載される。
【0082】
いくつかの実施形態において、選択された仮想スクラッチくじマークは、事前記録されたビデオクリップによって表示されたイベントに基づいて、ゲームパラメータ特徴(たとえば「ゴール」を示すテキスト/画像)で増強され得る。言い換えると、事前記録されたビデオクリップの上に2Dオーバレイデータ(たとえばチーム名、ゲーム場所、イベント成果など)を表示するのではなく、コンピューティングデバイスは、スクラッチくじマークの上またはその付近に2Dオーバレイデータを表示してよい。また別の代替実施形態において、コンピューティングデバイスは、事前記録されたビデオクリップおよびスクラッチくじマークの両方の上に2Dオーバレイデータを表示してよい。
【0083】
また、別の実施形態において、コンピューティングデバイスは、事前記録されたビデオクリップの再生中に発生するイベント時に賞品テーブル内に示された賞品テーブルマークを増強してよい。たとえば、事前記録されたビデオクリップの再生中に発生するイベントが「ゴール」であった結果、コンピューティングデバイスは、1つのゴールに対応する賞品テーブルマークに画像(たとえば影、追加の色など)を追加してよい。仮想スクラッチくじゲームが進行すると、コンピューティングデバイスは、仮想スクラッチくじゲームの現在の状態を表すために増強された特徴を調整(除去、追加、および/または修正)してよい。
【0084】
様々な仮想スクラッチくじマークの選択およびアクティブ化の後、対応するビデオクリップが仮想スクラッチくじゲームの完結前に表示され得るが、例示を容易にするために、そのような複数回の繰返しの後、最終仮想スクラッチくじカードのみが表示され得る。
【0085】
コンピューティングデバイスは、プロセッサを包含するデバイスと動作可能に通信し得る、ポインティングマークを表示するコンピュータモニタを含んでよいが、コンピューティングデバイスは、(たとえばタブレットデバイスを介して)タッチスクリーン入力を受信してもよい。一例では、ビデオクリップは(ゴールおよびミスを示す)サッカーゲームであるが、これは単に一例であり、様々な他の種類の能力ベースのゲームが、事前記録コンテンツデータベース内の事前記録されたコンテンツのために用いられ得る。
【0086】
本明細書において、コンピュータは、上述したような汎用マルチプロセッサまたは単一目的プロセッサを有する任意のデバイスを含むことが意図される。たとえばコンピュータは、PC、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス、携帯電話、スマートフォン、タブレットデバイス、スマート装着型デバイス、ポータブルメディアプレーヤ、ビデオプレーヤなどであってよい。
【0087】
拡張現実広告
【0088】
1つの実施形態において、データベースは、趣味関心、ユーザ位置を含むユーザデータ、およびブランド関心に基づいて小売店をユーザにマッチングするカスタマイズされたユーザ情報でセットアップされ、ビデオ、インタラクティブ画像などの形式の拡張現実広告が、ユーザのコンピュータ、ラップトップ、および/または電話機に表示され得る。いくつかの態様において、これは、拡張現実ビルボードを含み、ユーザはロゴを押下し、小売店のウェブサイトに案内され、および/またはクーポンコードをユーザプロファイルにダウンロードすることができ、その後ユーザは、小売店から商品を購入するためにクーポンにアクセスすることができる。
【0089】
拡張現実(AR)において、ユーザは、実生活から収集されたデータ内で追加のコンピュータ生成情報を提供され、現実感が向上する。たとえば、アーキテクチャにおいて、新しい建物内を通り抜けるシミュレーションを生成するためにVRが用いられてよく、実生活のビューに重ねた建物の構造およびシステムを示すためにARが用いられ得る。別の例は、実用アプリケーションの使用による。たとえば拡張などのいくつかのARアプリケーションは、ユーザが現実環境にデジタルオブジェクトを適用することを可能にし、現実世界で製品をプレビューする方法として拡張現実デバイスを用いる事業を可能にする。同様に、これは、たとえばMountain Equipment Co-opやLowe‘sなどの企業が実施するように、どの製品が顧客の環境でどのように見えるかを実演するために用いることもでき、これらの企業は、拡張現実を用いて、顧客が3Dモデルの使用によって自宅で製品がどのように見えるかをプレビューすることを可能にする。
【0090】
このアプローチを用いると、たとえば電話機やタブレットのカメラ部によって、クーポン、割引コード、無料サンプルなどへのアクセスとともに、仮想現実または拡張現実ビルボードがユーザに提供され得る。画像がクリックされると、引換え可能な小売店提携クーポンが現れ得る。クーポンは、後の引換えのためにユーザのアカウントに送信され得る。1つの実施形態において、クーポンは、ユーザが小売店の店舗から所定の距離範囲内にいる場合に小売店からユーザに送信され得る。
【0091】
本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的の実現において説明された。これらの実施形態は、本発明の原理の単に例示であることを認識すべきである。本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されるシステム、装置、および方法に、修正、追加、または省略がなされ得る。たとえば、システム、装置の構成要素は、統合または分離され得る。また、本明細書に開示されるシステムおよび装置の動作は、より多い、少ない、または他の構成要素によって行われてよく、説明される方法は、より多い、少ない、または他のステップを含んでよい。また、ステップは、任意の適切な順序で行われてよい。
【国際調査報告】