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特表2024-512482温度管理システムのための向上したユーザインタフェース及びデータ管理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】温度管理システムのための向上したユーザインタフェース及びデータ管理
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20240312BHJP
   G16H 20/30 20180101ALI20240312BHJP
【FI】
A61M25/00 520
G16H20/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557129
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2021065153
(87)【国際公開番号】W WO2022211867
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/169,150
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510034982
【氏名又は名称】ゾール サーキュレイション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Circulation,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブソン、ニール
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンシュタイン、デイヴィッド、エム.
(72)【発明者】
【氏名】ダブロウィアク、ジェレミー、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】イップ、ショーン、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォールズ、ジョージ、エル.
【テーマコード(参考)】
4C267
5L099
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267AA80
4C267BB62
4C267CC07
4C267EE05
5L099AA15
(57)【要約】
温度管理システムは、熱交換装置を使用して患者の体の温度を制御するように構成されている。温度管理システムは、患者に温度管理処置又は治療を与えるように構成されている。システムのユーザインタフェースは、実行されている温度管理処置の1つ又は複数の期間をユーザが決定又はレビューすることを可能にする構成で、ユーザインタフェース上に動作データ及び患者データを表示するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって、
前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置、前記温度管理処置は冷却剤の循環に基づく;
前記熱交換装置に連結されており、冷却剤を循環させ、かつ前記温度管理処置の間の前記冷却剤の温度を表す冷却剤温度データを生成するように構成された体外制御コンソール;
前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ;
前記センサに通信可能に連結されたプロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが、
前記センサから前記患者温度データを受け取ること;
前記体外制御コンソールから前記冷却剤温度データを受け取ること;
前記患者温度データ及び前記冷却剤温度データの間の関係に基づいて前記患者に与える冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定すること、ここで前記関係は、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む;及び
前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして前記パワー値を生成及び表示すること
を行うように構成されている、温度管理システム。
【請求項2】
前記比が以下のように定義され、
【数1】
ここで、Power valueはパーセンテージとしての前記パワー値であり、Tpatientは前記患者の現在の温度であり、Tbathは前記現在の浴温であり、Tbath_maxは、前記患者の温度を上昇させる又は前記患者を加熱するときに可能な最高浴温、又は、前記患者の温度を低下させる又は前記患者を冷却するときに可能な最低浴温を表す最大浴温である、請求項1に記載の温度管理システム。
【請求項3】
前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す前記比を決定することが:
冷却剤温度から、前記熱交換装置の冷却又は加温浴の浴温を決定すること;
前記浴温及び患者温度の間の差を表す第1の値を決定すること;及び
最大浴温及び前記患者温度の間の差を表す第2の値を決定すること;及び
前記第1の値及び前記第2の値の前記比を取ること
を含む、請求項1又は2に記載の温度管理システム。
【請求項4】
患者温度を含む関係に基づいて前記パワー値を決定することにより、前記プロセッサが、前記温度管理システムが測定された前記患者温度において前記患者に与えることができる最大冷却又は加温パワーと関連して前記パワー値を動的に調整することが可能となる、請求項1から3のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項5】
前記体外制御コンソールの作動流体ポンプがオフである場合、前記比の値がゼロである、請求項1から4のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項6】
前記体外制御コンソールの作動流体ポンプがオンであるとき、前記比の値は、冷却剤温度及び患者温度のみに基づく、請求項1から5のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項7】
前記比は、前記体外制御コンソールの作動流体ポンプのスピードにさらに基づく、請求項1から5のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項8】
前記比は、前記体外制御コンソールの作動流体ポンプのスピードに基づいていない、請求項1から5のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項9】
前記比が、前記体外制御コンソールのパワー消費にさらに基づく、請求項1から5のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項10】
前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の前記パーセンテージを表すデータの視覚表現を表示するように構成されたユーザインタフェースをさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項11】
前記視覚表現が弓状のメーターを含む、請求項10に記載の温度管理システム。
【請求項12】
前記視覚表現が直線状のメーターを含む、請求項10に記載の温度管理システム。
【請求項13】
前記ユーザインタフェースが、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの表現を表示するようにさらに構成されており、前記動作データは、前記熱交換装置又は前記体外制御コンソールの少なくとも一部の動作を表す、請求項10に記載の温度管理システム。
【請求項14】
前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの前記表現が、前記患者の前記温度管理処置の複数の期間の動作データを表す処置ログを含む、請求項13に記載の温度管理システム。
【請求項15】
前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの前記表現が、ログエントリのリストを含む、請求項13に記載の温度管理システム。
【請求項16】
前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの前記表現は、各々がログエントリを表すシンボルのシーケンスを含む、請求項13に記載の温度管理システム。
【請求項17】
前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの前記表現がシンボルのシーケンスを含み、前記シーケンスの各シンボルがログエントリを表す、請求項13に記載の温度管理システム。
【請求項18】
前記1つ又は複数のログエントリのログエントリが、処置期間の間に適用された冷却又は加温速度、目標患者温度値、患者温度値、処置期間の間のシステムモード、処置期間に関連付けられた期間、処置期間の間に前記温度管理システムが前記患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持するように動作しているか、及び、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の他の処置期間に対する処置期間の位置付けのうちの1つ又は複数を表すデータを含む、請求項11から17のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項19】
前記熱交換装置がカテーテル又は表面パッドである、請求項1から18のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項20】
患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって、
前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置、前記温度管理処置は冷却剤の循環に基づく;
前記熱交換装置に連結されており、動作データを生成するように構成された体外制御コンソール、前記動作データは、前記温度管理処置の間の前記冷却剤の冷却剤温度を表す冷却剤温度データを含む;
前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサ;
前記体外制御コンソールに連結されたユーザインタフェース;及び
前記ユーザインタフェース及び前記1つ又は複数のセンサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:
前記1つ又は複数のセンサから前記患者温度データを受け取ること;
冷却剤温度を表す冷却剤温度データを受け取ること;
前記患者温度データ及び前記冷却剤温度データの間の関係に基づいて前記患者に与える冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定すること、ここで前記関係は、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む;
前記動作データ及び前記患者温度データに基づいて少なくとも1つの処置ログを生成すること、ここで前記処置ログは、前記温度管理処置のそれぞれの期間に関連付けられる複数のログエントリを含む;及び
ユーザインタフェースに、前記パワー値及び前記処置ログを同時に提示させること
を行うように構成されている、温度管理システム。
【請求項21】
前記パワー値が、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして表示される、請求項20に記載の温度管理システム。
【請求項22】
前記動作データが、目標患者温度、システムモード、ポンプスピード、及び冷却又は加温速度のうちの1つ又は複数を含む、請求項20又は21に記載の温度管理システム。
【請求項23】
前記ユーザインタフェースが、前記パワー値の視覚表現を表示するように構成されている、請求項20から22のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項24】
前記視覚表現が弓状のメーターを含む、請求項23に記載の温度管理システム。
【請求項25】
前記複数のログエントリは、各々が前記温度管理処置の温度管理周期の冷却又は加温期間を表すシンボルのシーケンスを含む、請求項20から24のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項26】
各ログエントリが、前記温度管理システムが患者温度を低下させるように動作している期間、冷却期間、維持期間、前記温度管理システムが前記患者温度を上昇させるように動作している期間、又は温度管理処置の加温期間に対応する、請求項20から25のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項27】
ログエントリが、温度上昇ステータス、加温ステータス、維持ステータス、温度低下ステータス、冷却ステータス、目標温度、及び、前記加温又は冷却期間に関連付けられた期間のうちの1つ又は複数を含む、請求項20から26のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項28】
前記処置ログの前記複数のログエントリ又は処置期間が発生の順序でランク付けされている、請求項20から27のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項29】
前記プロセッサが、デジタル出力データを生成するようにさらに構成されており、前記デジタル出力データは、前記デジタル出力データがリモートデバイスにストリーミングされることを可能にする予め定義されたフォーマットを含む、請求項20から28のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項30】
前記デジタル出力データを前記リモートデバイスに送信するように構成されたトランスミッタをさらに備える、請求項29に記載の温度管理システム。
【請求項31】
前記プロセッサは、前記温度管理処置の間に前記デジタル出力データを前記リモートデバイスへとリアルタイム又は準リアルタイムでストリーミングさせるように構成されている、請求項29に記載の温度管理システム。
【請求項32】
前記予め定義されたフォーマットは、前記リモートデバイスが前記デジタル出力データを受け取った際に患者データ及び/又は前記動作データを表示するために前記デジタル出力データを解析することを可能にするように構成されている、請求項29から31のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項33】
前記プロセッサが、Wi-Fi通信リンクを介して前記デジタル出力データをストリーミングするように構成されている、請求項29から32のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項34】
前記熱交換装置がカテーテル又は表面パッドである、請求項20から33のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項35】
患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって:
前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置、前記温度管理処置は冷却剤の循環に基づく;
前記熱交換装置に連結されており、動作データを生成するように構成された体外制御コンソール、前記動作データは、前記温度管理処置の間の前記冷却剤の冷却剤温度を表す冷却剤温度データを含む;
前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサ;
前記体外制御コンソールに連結されたユーザインタフェース;及び
前記ユーザインタフェース及び前記1つ又は複数のセンサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:
前記温度管理システムから前記冷却剤温度データ及び前記患者温度データを受け取ること;
前記患者温度データ及び前記冷却剤温度データの間の関係に基づいて前記患者に与える冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定すること、ここで前記関係は、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む;
前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして前記パワー値を生成及び表示すること;及び
前記ユーザインタフェースに、前記温度管理処置の間の前記冷却剤の前記パワー値及び前記冷却剤温度を同時に提示させること
を行うように構成されている、温度管理システム。
【請求項36】
前記冷却剤温度が熱交換浴温である、請求項35に記載の温度管理システム。
【請求項37】
前記熱交換装置がカテーテル又は表面パッドである、請求項35又は36に記載の温度管理システム。
【請求項38】
患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって:
前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置;
前記熱交換装置に連結されており、前記温度管理処置の間の前記温度管理システムの動作を表す動作データを生成するように構成された体外制御コンソール;
前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ;
前記センサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:
前記センサから前記患者温度データ及び前記体外制御コンソールから前記動作データを受け取ること;
患者温度に基づいて前記患者の前記体を冷却又は加温する前記温度管理システムを制御すること;
1つ又は複数の処置期間のログエントリを生成すること、ある処置期間のログエントリは、少なくともその処置期間に関連付けられる前記動作データを示す;
前記患者の前記温度管理処置の複数の処置期間を指定する処置ログを生成すること;
前記処置ログの視覚表現を生成すること、前記視覚表現はセクションのシーケンスを含み、各セクションは、前記患者の前記温度管理処置の処置期間に対応し、各セクションが:
患者の体の前記温度を低下させる、上昇させる、又は維持する前記温度管理システムの動作を表すシンボルを含み、各シンボルは、セクションの前記シーケンスにおいて各他のシンボルとは区別されている
を行うように構成されている、温度管理システム。
【請求項39】
ログエントリは、前記処置期間の間に適用された冷却又は加温速度、目標患者温度値、前記処置期間の名称、前記処置期間に関連付けられる期間、前記患者の前記温度管理処置のための1つ又は複数の他の処置期間に対する前記処置期間の位置付けのうちの1つ又は複数を表す動作データを含む、請求項38に記載の温度管理システム。
【請求項40】
ユーザインタフェースは、その処置期間と関連付けられた前記動作データ及び温度データを含む前記ログエントリの表現を表示するように構成されている、請求項38又は39に記載の温度管理システム。
【請求項41】
前記ログエントリの前記表現が前記ログエントリのリストを含む、請求項40に記載の温度管理システム。
【請求項42】
前記ログエントリの前記表現がシンボルのシーケンスを含み、前記シーケンスの各シンボルがログエントリを表す、請求項40に記載の温度管理システム。
【請求項43】
前記シーケンスの各シンボルが、前記シーケンスの他のシンボルから分離された線セグメントを含む、請求項38から42のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項44】
線セグメントの配置は、以下のルール、すなわち、前記温度管理システムが患者の温度を上昇させるように動作している場合、傾斜した線セグメントがセクションの左下角から開始し;前記温度管理システムが患者の温度を低下させるように動作している場合、傾斜した線セグメントがセクションの左上角から開始し;前記温度管理システムが患者の温度を維持するように動作している場合、水平な線セグメントがセクションの中央左の部分で開始する、のうちの1つ又は複数により決定され得る、請求項43に記載の温度管理システム。
【請求項45】
4つの連続する線セグメントが、隣接するセクションに出現し、前記セクションにおけるY軸又は垂直方向において前の線が終端した場所で各後続の線セグメントが開始する、請求項43に記載の温度管理システム。
【請求項46】
各シンボルは、前記温度管理システムが、患者温度の体の前記温度を上昇させる、低下させる、又は維持する様式で動作していることを表す、請求項38から45のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項47】
ログエントリに関連付けられる警告が生成され、前記警告は、第1の処置期間が終了し、第2の処置期間が開始されたことを示す、請求項38から46のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項48】
処置期間についてのログエントリは、その処置期間に関連付けられた前記動作データ及び前記患者温度データを示す、請求項38から47のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項49】
前記1つ又は複数のセクションがグラフを含まない、請求項38から48のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項50】
前記熱交換装置がカテーテル又は表面パッドである、請求項38から49のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項51】
患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって:
前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置;
前記熱交換装置に連結されており、前記温度管理処置の間の前記温度管理システムの動作を表す動作データを生成するように構成された体外制御コンソール;
前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ;
前記センサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:
前記患者温度データ及び前記動作データを受け取ること;
前記動作データ及び前記患者温度データに基づいて少なくとも1つの処置ログを生成すること;
前記処置ログの視覚表現を生成すること、前記視覚表現が:
セクションのシーケンスを有し、各セクションが、前記患者の前記温度管理処置の処置期間に対応する、各セクションは:
患者の体の前記温度を低下させる、上昇させる、又は維持する前記温度管理システムの動作を表すシンボル;及び
前記処置期間の継続期間の表現を含み、
各シンボルが、セクションの前記シーケンスにおける各他のシンボルとは区別されている
を行うように構成されている、温度管理システム。
【請求項52】
少なくとも1つのシンボルは、シンボルのシーケンスの1つ又は複数の他のシンボルとは異なる色である、請求項51に記載の温度管理システム。
【請求項53】
少なくとも1つのシンボルは、間隙又はシンボルのうちの1つによって少なくとも1つの他のシンボルとは分離されている、請求項51又は52に記載の温度管理システム。
【請求項54】
各シンボルが、各他のシンボルとは不連続に出現する、請求項51から53のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項55】
各シンボルが、各他のシンボルと連続して出現し、各シンボルは、色、パターン、又はフィルを使用して区別される、請求項51から54のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項56】
各シンボルが、他のシンボルに対して、前記シーケンスの対応するセクション内の相対的高さに出現し、所与のシンボルの相対的高さは、そのセクションによって表される前記処置期間の患者温度又は目標温度に対応する、請求項51から55のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項57】
前記温度管理処置の進行中の処置期間を表すセクションは、ハイライトされたシンボルを含む、請求項51から56のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項58】
セクションは、そのセクションの処置期間に対応するシステムモードを示すテキスト識別子を含む、請求項51から57のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項59】
前記セクションが、セクションの前記処置期間の、目標患者温度の数値表現、初期患者温度、最終患者温度、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ又は複数を含む、請求項51から58のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項60】
1つ又は複数のセクションの前記シーケンスが少なくとも4つのセクションを含み、対応する処置期間が前記体外制御コンソール及び熱交換装置によっていったん実行されると、各セクションにシンボルが入力される、請求項51から59のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項61】
前記シンボルが、線セグメントを含む、請求項51から60のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項62】
前記シンボルが、セクションにおいて左から右へと上方に傾斜する線セグメントであり、その処置期間にわたって前記温度管理システムが、患者温度を加温している、又は、前記患者の温度を上昇させる様式で動作していることを表す、請求項61に記載の温度管理システム。
【請求項63】
前記シンボルが、セクションにおいて左から右へと下方に傾斜する線セグメントであり、その処置期間にわたって前記温度管理システムが、患者温度を冷却している、又は、前記患者の温度を低下させる様式で動作していることを表す、請求項61に記載の温度管理システム。
【請求項64】
前記シンボルが、セクションにおける水平な線セグメントであり、その処置期間にわたって前記温度管理システムが、患者温度を維持している、又は、前記患者の温度を維持する様式で動作していることを表す、請求項61に記載の温度管理システム。
【請求項65】
少なくとも1つの線セグメントは、線セグメントのシーケンスのうちの1つ又は複数の他の線セグメントとは異なる色である、請求項61から64のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項66】
少なくとも1つの線セグメントは、間隙又はシンボルのうちの1つによって少なくとも1つの他の線セグメントから分離されている、請求項61から65のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項67】
各線セグメントが、各他の線セグメントとは不連続に出現する、請求項61から66のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項68】
前記温度管理処置の現在実行している処置期間を表す線セグメントが、矢じりを含む、請求項61から67のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項69】
各線セグメントが、各他の線セグメントと連続して出現し、各線セグメントが、色、パターン、又はフィルを使用して区別される、請求項61から66のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項70】
各線セグメントが、他の線セグメントに対して、シーケンスの対応するセクション内の相対的高さに出現し、所与の線セグメントの相対的高さは、そのセクションによって表される前記処置期間の患者温度又は目標温度に対応する、請求項61から69のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項71】
傾斜する線セグメントが、所与のセクションにおいて2つの可能な相対的高さのうちの1つに位置付けられており、水平な線セグメントが、前記所与のセクションにおいて3つの相対的高さのうちの1つに位置付けられている、請求項61から70のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項72】
線セグメントの配置は、以下のルール、すなわち、前記温度管理システムが患者の温度を上昇させるように動作している場合、傾斜した線セグメントがセクションの左下角から開始し;前記温度管理システムが患者の温度を低下させるように動作している場合、傾斜した線セグメントがセクションの左上角から開始し;前記温度管理システムが患者の温度を維持するように動作している場合、水平な線セグメントがセクションの中央左の部分で開始する、のうちの1つ又は複数により決定され得る、請求項61から71のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項73】
4つの連続する線セグメントが、隣接するセクションに出現し、前記セクションにおけるY軸又は垂直方向において前の線が終端した場所で各後続の線セグメントが開始する、請求項61から72のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項74】
前記熱交換装置がカテーテル又は表面パッドである、請求項51から73のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項75】
前記1つ又は複数のセクションがグラフを含まない、請求項51から74のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項76】
患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって、
前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置;
前記熱交換装置に連結されており、前記温度管理処置の間に前記温度管理システムの動作を表す動作データを生成するように構成された体外制御コンソール;
前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者のステータスを表す患者データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサ;
前記体外制御コンソールに連結されたユーザインタフェース、前記ユーザインタフェースは複数の領域を表示するように構成されており、前記複数の領域が:
前記1つ又は複数のセンサから受け取ったデータに基づいて現在の患者温度を表示するように構成された第1のウィンドウ;
前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして冷却又は加温パワー値を表すパワーメーターを表示するように構成された第2のウィンドウ;
複数のエントリを含む処置ログを表示するように構成された第3のウィンドウ、各エントリは前記温度管理処置の処置期間に対応し、各エントリは、それぞれの前記処置期間の前記動作データの少なくとも一部の表現を含む;及び
少なくとも前記体外制御コンソールによって循環される冷却剤の冷却剤温度を含む前記動作データを表示するように構成された第4のウィンドウ、を含む;
を備える、温度管理システム。
【請求項77】
患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって、
前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換カテーテル;
前記熱交換カテーテルに連結されており、前記温度管理処置の間に前記温度管理システムの動作を表す動作データを生成するように構成された体外制御コンソール;
前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ;
前記センサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:
前記センサから前記患者温度データを受け取ること;
前記患者温度データに基づいて、前記患者の前記体の前記温度を目標温度範囲内に維持するように前記温度管理システムを制御すること;
前記患者温度データ及び前記動作データで構成される処置ログを含むデジタル出力データを生成すること;
前記デジタル出力データを記憶すること;
前記温度管理処置のトリガ条件が満たされていることを検出すること、ここで前記トリガ条件は、前記温度管理処置のすべて又は一部の完了である;及び
前記トリガ条件が満たされたことの検出に応じて、前記患者の前記温度管理処置の間又は後に、前記デジタル出力データをリモートデバイスにリアルタイム又は準リアルタイムで送信すること
を行うように構成されている、温度管理システム。
【請求項78】
前記トリガ条件が、処置期間の前記完了である、請求項77に記載の温度管理システム。
【請求項79】
前記トリガ条件が、前記温度管理システムの電源オフである、請求項77又は78に記載の温度管理システム。
【請求項80】
前記デジタル出力データは、前記デジタル出力データがリモートデバイスにストリーミングされることを可能にする予め定義されたフォーマットを含む、請求項77から79のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項81】
前記デジタル出力データを前記リモートデバイスに送信するように構成されたトランスミッタをさらに備える、請求項77から80のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項82】
前記予め定義されたフォーマットは、前記リモートデバイスが前記デジタル出力データを受け取った際に温度データ及び/又は前記動作データを表示するために前記デジタル出力データを解析することを可能にするように構成されている、請求項80に記載の温度管理システム。
【請求項83】
前記プロセッサが、Wi-Fi通信リンクを介して前記デジタル出力データをストリーミングするように構成されている、請求項77から82のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項84】
前記動作データが、目標患者温度、冷却剤温度、システムモード、ポンプスピード、冷却又は加温速度、及び冷却又は加温パワー%のうちの1つ又は複数を含む、請求項77から83のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項85】
前記デジタル出力データが、前記動作データ及び/又は温度データを、タイムスタンプ、イベントタイプ、イベントコード、警報限界、又は較正係数のうちの1つ又は複数と関連付ける、請求項77から84のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項86】
前記デジタル出力データが、1つ又は複数のログエントリを含む構造化された処置ログを含む、請求項77から85のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項87】
前記1つ又は複数のログエントリのログエントリが、処置期間の間に適用された冷却又は加温速度、目標患者温度値、患者温度値、処置期間の間のシステムモード、処置期間に関連付けられた期間、処置期間の間に前記温度管理システムが前記患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持するように動作しているか、及び、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の他の処置期間に対する処置期間の位置付け、のうちの1つ又は複数を表すデータを含む、請求項77から86のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項88】
前記プロセッサが、前記デジタル出力データをリモートサーバにストリーミングするように構成されている、請求項77から87のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項89】
前記パワー値が、患者の基礎疾患に関するインジケータである、請求項1から19のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項90】
前記プロセッサは、前記温度管理システムがパワー値閾値を超えたことに応じて、警告又はプロンプトを提供するように構成されている、請求項1から19のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項91】
前記患者温度データが、前記患者の測定された又は現在の温度であり、前記パワー値が、前記測定された又は現在の温度での前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の前記パーセンテージである、請求項1から19のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項92】
前記患者温度データが、前記患者の測定された又は現在の温度であり、前記パワー値が、前記測定された又は現在の温度での前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の前記比率である、請求項20から34のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項93】
前記患者温度データが、前記患者の測定された又は現在の温度であり、前記パワー値が、前記測定された又は現在の温度での前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の前記パーセンテージである、請求項35から37のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項94】
追加の動作データを表示するために、前記処置ログの前記視覚表現を更新する前に、前記温度管理システムが現在のシステム状態から新しいシステム状態に変更されるかどうかを決定する
ようにさらに構成された、請求項38から50のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項95】
前記処置ログの前記視覚表現を更新するようにさらに構成されており、既に入力されていない前記処置ログの前記視覚表現のセクションの前記シーケンスの最も左のセクションには、少なくとも現在の前記処置期間の前記動作データが入力されるように構成されており、
前記処置ログの前記視覚表現が十分に入力されて追加の動作データが追加されている場合、各セクションのコンテンツは、1セクション分だけ左にシフトして、前記追加の動作データの表示のために最も右のセクションが空になる
請求項38から50のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項96】
前記患者の前記体の前記温度を維持する前記温度管理システムの動作を、水平な線セグメントの形で表すシンボルを表示し;
下方に傾斜する線セグメントを使用することによって、前記患者の前記体の前記温度を低下させる前記温度管理システムの動作を表すシンボルを表示し;
上方に傾斜する線セグメントを使用することによって、前記患者の前記体の前記温度を上昇させる前記温度管理システムの動作を表すシンボルを表示する
ようにさらに構成された、請求項38から50のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項97】
前記水平な線セグメント、前記下方に傾斜する線セグメント、又は前記上方に傾斜する線セグメントの垂直位が、それぞれの前記処置期間の目標温度の値に基づく、請求項96に記載の温度管理システム。
【請求項98】
前記垂直位は、前記目標温度が第1の閾値を上回る場合には高いポジションであり、前記目標温度が第2の閾値を下回る場合には低いポジションであり、前記目標温度が前記第1の閾値及び前記第2の閾値の間である場合には中間ポジションである、請求項97に記載の温度管理システム。
【請求項99】
前記処置ログの前記視覚表現を生成することが:
目標温度に対する変更又は新しい目標温度のいずれかを示す入力データを受け取ること;及び
前記入力データを受け取ったことに応じて、前記処置ログの前記視覚表現のセクションを生成すること
を含む、請求項38から50のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項100】
前記処置ログの前記視覚表現を生成することが:
前記患者の前記体の前記温度が目標患者温度の閾値距離内にあることを決定すること;及び
前記患者の前記体の前記温度が目標患者温度の閾値距離内にあると決定したことに応じて、前記患者の前記体の前記温度を維持する前記温度管理システムの動作を表すシンボルを表示する、前記処置ログの前記視覚表現のセクションを生成すること
を含む、請求項38から50のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項101】
前記セクションのいずれもグラフを含まない、請求項38から50のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項102】
前記セクションのいずれもグラフを含まない、請求項51から75のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項103】
前記シンボルが、マーク、符号、線、文字、グラフィカルシンボル、アイコン、又はピクチャである、請求項38から50のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項104】
前記シンボルが、マーク、符号、線、文字、グラフィカルシンボル、アイコン、又はピクチャである、請求項51から75のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【請求項105】
前記プロセッサが、前記デジタル出力データをEMRデータハブ又は病院ハブへとストリーミングするように構成されている、請求項77から87のいずれか一項に記載の温度管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本願は、米国特許法の下で、2021年3月31日に出願された米国特許出願第63/169,150号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、医学及び工学の分野に関し、特に、患者の体温を制御するための向上したデバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な臨床状況において、被検体の体温を加温する、冷却する、又はその他の方法で制御することが望ましい。例えば、低体温症は、虚血性、無酸素性、又は毒性傷害の影響から様々な器官及び組織(例えば、心臓、脳、腎臓)を保護する目的で、人及び一部の動物において誘発されることがある。例えば、動物研究及び/又は臨床試験は、虚血性の心的事象(例えば、心筋梗塞、急性冠症候群など)、心肺蘇生後の無酸素後の昏睡、外傷性脳損傷、蘇中、くも膜下出血、発熱、及び神経性の損傷を罹患した動物又は人間における軽度の低体温症が、神経保護及び/又は心保護効果を有し得ることを示している。
【0004】
低体温症を誘発するための1つの方法は、血管内(intravascular)又は血管内(endovascular)温度管理によるものであり、熱交換カテーテルは、血管に挿入され、熱交換流体は、血管内に挿入されているカテーテルの部分上に位置付けられた熱交換器を通って循環する。熱交換流体がカテーテルの熱交換器を通って循環するにつれ、それは、血管内の熱交換器を通過して流れる血液と熱を交換する。そのような技法を使用して、被検体の流れる血液を冷却し得、それにより、被検体の深部体温をある所望の目標温度まで下げる結果になる。血管内(endovascular)温度管理はまた、体を加温すること、及び/又は、監視された体温をある選択された温度に維持するために体温を制御することが可能である。選択された目標温度からの再加温又は再冷却の制御された速度が望まれる場合、これも、体に追加又は除去される熱量を注意深く制御し、それにより患者の温度変化を制御することによって達成され得る。
【発明の概要】
【0005】
本文書は、熱交換装置を使用して患者の体の温度を制御するように構成された温度管理システムを説明する。温度管理システムは、患者に温度管理処置又は治療を与えるように構成されている。温度管理システムは、患者の体の温度を制御する(処置又は熱交換処置とも呼ばれる)ために熱交換装置(例えば、カテーテル、パッドなど)がどのようにして動作しているかを監視するように構成されている。温度管理システムは、温度管理システムの1つ又は複数のハードウェア態様の動作を表す動作データを測定するように構成されている。温度管理システムは、患者の処置の間に、患者の1つ又は複数の生理学的態様、例えば、患者温度を表す患者データを測定するように構成されている。患者の処置の間に測定される動作データ及び患者データは処置データと言及される場合があり、温度管理システムは、動作及び/又は患者データに基づいて患者の体の温度を制御するように構成されている。温度管理システムは、ユーザインタフェースによって、処置の間の温度管理システムの動作データ及び患者データを表示するように構成されている。
【0006】
ユーザインタフェースは、患者の温度管理処置について、実行されている温度管理処置(例えば、処置周期)の段階又は期間をユーザが決定することを可能にする構成で、ユーザインタフェース上に動作データ及び患者データを表示するように構成されている。ユーザインタフェースは、現在の処置期間、ならびに1つ又は複数の過去の処置期間を示してよい。温度管理処置の各段階又は処置期間は、目標患者温度、及び/又は、患者温度を目標温度に制御するために患者を冷却又は加熱する速度に関連付けられてよい。
【0007】
患者を冷却又は加温するために温度管理システムによって及ぼされる又は与えられる冷却又は加熱パワーは、ユーザインタフェース上に表示されてよい。冷却又は加温パワー(「努力」、又は単に「パワー」又は「パワー値」とも呼ばれる)は、温度管理システムが患者を加熱又は冷却するためにどの程度の力で機能しているかを表す。本明細書で言及されるパワー値はまた、加温又は冷却の潜在的な値とみなされてよい。特定の実装において、パワーの実際の値は、温度管理システムの浴温及び患者の現在の温度の間の差に基づく、患者を冷却又は加温する温度管理システムの最大源可能な冷却又は加熱速度又は容量、又は冷却又は加温パワー能力の比率又はパーセンテージであってよい。温度は、ケルビン、摂氏(Centigrade/Celsius)、又は華氏などの、任意の簡便な単位で測定されてよい。
【0008】
温度管理システムは、動作データ及び/又は患者データ(例えば、処置データ)のためのログエントリを生成するように構成されている。いくつかの実装において、データメッセージ(ログメッセージとも呼ばれる)は、動作データ及び患者データのインスタントスナップショットを表す。例えば、データメッセージは、所与の時間(例えば、タイムスタンプに関連付けられる)における現在の患者温度及び現在の電力又は熱交換努力値を含み得る。いくつかの実装において、データメッセージは、ログエントリにおける患者のための熱交換処置の処置期間の間の段階又は処置期間又はシステムモードを表すデータを含み得る。データメッセージは、リモートシステムへのデータメッセージのストリーミングを可能にするデジタル形式で記憶されている。リモートシステムは、患者データ及び温度管理システムの動作データを表す値を迅速に導出し、リモートユーザインタフェース上にこれらのデータの表現を表示するように構成されている。例えば、データメッセージは、病室からナースステーションにストリーミングするためにフォーマット化され得る。いくつかの実装において、データメッセージは、リモートシステムのユーザからの介入をプロンプトする注意又は警告を含み得る。いくつかの実装において、データメッセージは、温度管理システムによる処置の1つ又は複数のインスタンスについての患者の処置データの検索及び索出を容易にする、構造化されたフォーマットで記憶され得る。
【0009】
本明細書において説明される実装は、1つ又は複数の利点を提供し得る。温度管理システムは、最小限のデータオーバヘッドでデータストリームとしてリモートデバイス又はシステムに処置データを送信し得る。データストリームのデータは最小限のデータフットプリントのために構成されているため、データストリームは比較的低い帯域幅を有する。処置データは、リモートデバイスによって迅速に吸収され、例えば温度管理システムの他のインスタンスからのものと組み合わせてリモートデバイスのユーザに表示され得る。
【0010】
温度管理システムは、熱交換処置の所与の段階の間に患者に与えられた冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定してよい。パワーの表現は、熱交換処置の現在の段階と同時に、処置が想定どおりに進行しているかどうかをユーザに知らせることができる。例えば、温度管理システムが、患者の温度を目標温度に維持するために、例えば現在の又は測定された患者温度におけるシステムの最大冷却パワー能力の比較的高いパーセンテージを与えている場合、患者の体温調節応答が強く、患者は発熱状態にある場合があると決定することができる。
【0011】
温度管理システムは、温度管理処置の過去及び現在の段階又は処置期間を表示し得る。ユーザは、処置の処置期間の実行済みの各段階に関連付けられる値(例えば、期間、患者温度など)を観察することによって、厳密にどのように処置が現在進行しているか(及び進行してきたか)を決定することができる。処置期間の各々は、特定の処置期間に生じる処置の要約を含み得る、患者のための処置を詳述する処置ログのログエントリに関連付けられ得る。ログエントリは、特定の患者の特定の処置についてのメッセージをデータベースにおいて共に関連付ける、構造化されたフォーマットでデータベースに記憶され得る。例えば、患者の識別子又は処置のインスタンスを表すキー値を検索することによって、処置の各段階又は処置期間の処置データがユーザに戻され得る。処置期間は、最新の過去の処置期間及び現在の処置期間のうちの1つ又は複数を示す、処置ログ又は処置期間のシーケンスの形で可視化又は表示されてよい。
【0012】
温度管理システムは、ローカルの又は遠隔地にいる医療提供者に対して、第1の処置期間から第2の処置期間への遷移、患者の温度、患者に与えられている温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率又はパーセンテージ、温度管理システムによって及ぼされる冷却又は加温パワー、又は患者の体温調節活動を示す値を知らせる警告を生成してよく、及び/又は、医療提供者による応答を迅速に誘導するために別のデバイスに警告を送信してよい。例えば、警告は、患者の処置データと共に提示するためにリモートデバイスにストリーミングされ得る。ユーザ(例えば、医療サービス提供者)は、処置データ及び警告を迅速にレビューし、介入が必要であるかどうかを決定し得る。
【0013】
本明細書で説明される実装は、以下の実施形態のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0014】
第1の態様において、患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって、前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置、前記温度管理処置は冷却剤の循環に基づく;前記熱交換装置に連結されており、冷却剤を循環させ、かつ前記温度管理処置の間の前記冷却剤の温度を表す冷却剤温度データを生成するように構成された体外制御コンソール;任意に、前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ;前記センサに通信可能に連結されたプロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが、前記センサから前記患者温度データを受け取ること;前記体外制御コンソールから前記冷却剤温度データを受け取ること;前記患者温度データ及び前記冷却剤温度データの間の関係に基づいて前記患者に与える冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定すること、ここで前記関係は、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む;及び前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして前記パワー値を生成及び表示することを行うように構成されている、温度管理システム。
【0015】
第1の態様のもののような温度管理システムは、患者温度データを受け取る段階;冷却剤温度データを受け取る段階;患者温度データ及び冷却剤温度データの間の関係に基づいて患者に与えられる冷却又は加温を表す値を決定する段階、及び値を表示する段階を備える方法を実行するように構成されてよい。関係は、患者を冷却他派加温する温度管理システムの最大冷却又は加温能力の比率を表す比を含んでよい。
【0016】
いくつかの実装において、前記比が以下のように定義され:
【数1】
ここで、Power valueはパーセンテージとしての前記パワー値であり、Tpatientは前記患者の現在の温度であり、Tbathは前記現在の浴温であり、Tbath_maxは、前記患者の温度を上昇させる又は前記患者を加熱するときに可能な最高浴温、又は、前記患者の温度を低下させる又は前記患者を冷却するときに可能な最低浴温を表す前記最大浴温である。
【0017】
いくつかの実装において、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す前記比を決定することが:前記冷却剤温度から、前記熱交換装置の冷却又は加温浴の浴温を決定すること;前記浴温及び前記患者温度の間の差を表す第1の値を決定すること;及び最大浴温及び前記患者温度の間の差を表す第2の値を決定すること;及び前記第1の値及び前記第2の値の前記比を取ることを含む。
【0018】
いくつかの実装において、患者温度を含む関係に基づいて前記パワー値を決定することにより、前記プロセッサが、前記システムが前記測定された患者温度において前記患者に与えることができる最大冷却又は加温パワーと関連して前記パワー値を動的に調整することが可能となる。
【0019】
いくつかの実装において、前記体外制御コンソールの作動流体ポンプがオフである場合、前記比の値がゼロである。
【0020】
いくつかの実装において、前記体外制御コンソールの作動流体ポンプが音であるとき、前記比の値は、前記冷却剤温度及び前記患者温度のみに基づく。
【0021】
いくつかの実装において、前記比は、前記体外制御コンソールの作動流体ポンプのスピードにさらに基づく。
【0022】
いくつかの実装において、前記比は、前記体外制御コンソールの作動流体ポンプのスピードに基づいていない。
【0023】
いくつかの実装において、前記比が、前記体外制御コンソールのパワー消費にさらに基づく。
【0024】
いくつかの実装において、前記システムが、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の前記パーセンテージを表す前記データの視覚表現を表示するように構成されたユーザインタフェースをさらに備える。いくつかの実装において、視覚表現は弓状のメーターを含む。
【0025】
いくつかの実装において、視覚表現は直線状のメーターを含む。
【0026】
いくつかの実装において、前記ユーザインタフェースが、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの表現を表示するようにさらに構成されており、前記動作データは、前記熱交換装置又は前記体外制御コンソールの少なくとも一部の動作を表す。
【0027】
いくつかの実装において、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの前記表現が、前記患者の前記温度管理処置の複数の期間の動作データを表す処置ログを含む。
【0028】
いくつかの実装において、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの前記表現が、ログエントリのリストを含む。
【0029】
いくつかの実装において、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの前記表現は、各々がログエントリを表すシンボルのシーケンスを含む。
【0030】
いくつかの実装において、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の期間の動作データの前記表現はシンボルのシーケンスを含み、前記シーケンスの各シンボルがログエントリを表す。
【0031】
いくつかの実装において、前記シンボルが、マーク、符号、線、文字、グラフィカルシンボル、アイコン、又はピクチャである。
【0032】
いくつかの実装において、前記1つ又は複数のログエントリのログエントリは、処置期間の間に適用された冷却又は加温速度、目標患者温度値、患者温度値、処置期間の間のシステムモード、処置期間に関連付けられた期間、処置期間の間に前記システムが前記患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持するように動作しているか、及び、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の他の処置期間に対する処置期間の位置付けのうちの1つ又は複数を表すデータを含む。
【0033】
いくつかの実装において、前記熱交換装置が、カテーテル又は表面パッドである。いくつかの実装において、前記患者温度データが、前記患者の測定された又は現在の温度であり、前記パワー値が、前記測定された又は現在の温度での前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の前記パーセンテージである。
【0034】
いくつかの実装において、前記温度管理システムは、追加の動作データを表示するために、前記処置ログの前記視覚表現を更新する前に、前記システムが現在のシステム状態から新しいシステム状態に変更されるかどうかを決定するようにさらに構成されている。
いくつかの実装において、前記温度管理システムは、追加の動作データを表示するために、前記処置ログの前記視覚表現を更新する前に、前記システムが現在のシステム状態から新しいシステム状態に変更されるかどうかを決定するために、一定期間の時間(例えば、デバウンス時間)又は猶予期間にわたってサンプリングアルゴリズムを実行するようにさらに構成されている。
【0035】
いくつかの実装において、前記温度管理システムは、前記処置ログの前記視覚表現を更新するようにさらに構成されている。既に入力されていない、前記処置ログの前記視覚表現のセクションの前記シーケンスののうちの最も左のセクションには、少なくとも前記現在の処置期間の前記動作データが入力されるように構成されてよい。前記処置ログの前記視覚表現が十分に入力されて追加の動作データが追加されている場合、各セクションのコンテンツは、1セクション分だけ左にシフトして、前記追加の動作データの表示のために最も右のセクションが空になる。
【0036】
いくつかの実装において、前記温度管理システムは、前記患者の前記体の前記温度を維持する前記温度管理システムの動作を、水平な線セグメントの形で表すシンボルを表示するようにさらに構成されている。前記温度管理システムは、下方に傾斜する線セグメントを使用することによって、前記患者の前記体の前記温度を低下させる前記温度管理システムの動作を表すシンボルを表示してよい。前記温度管理システムは、上方に傾斜する線セグメントを使用することによって、前記患者の前記体の前記温度を上昇させる前記温度管理システムの動作を表すシンボルを表示してよい。
【0037】
いくつかの実装において、前記水平な線セグメント、前記下方に傾斜する線セグメント、又は前記上方に傾斜する線セグメントの垂直位が、前記それぞれの処置期間の目標温度の値に基づく。
【0038】
いくつかの実装において、前記垂直位は、前記目標温度が第1の閾値を上回る場合には高いポジションであり、前記目標温度が第2の閾値を下回る場合には低いポジションであり、前記目標温度が前記第1の閾値及び前記第2の閾値の間である場合には中間ポジションである。
【0039】
第2の態様において、患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって、前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置、前記温度管理処置は冷却剤の循環に基づく;前記熱交換装置に連結されており、動作データを生成するように構成された体外制御コンソール、前記動作データは、前記温度管理処置の間の前記冷却剤の冷却剤温度を表す冷却剤温度データを含む;任意に、前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサ;前記体外制御コンソールに連結されたユーザインタフェース;及び前記ユーザインタフェース及び前記1つ又は複数のセンサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:前記1つ又は複数のセンサから前記患者温度データを受け取ること;冷却剤温度を表す冷却剤温度データを受け取ること;前記患者温度データ及び前記冷却剤温度データの間の関係に基づいて前記患者に与える冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定すること、ここで前記関係は、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの残基最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む;前記動作データ及び前記患者温度データに基づいて少なくとも1つの処置ログを生成すること、ここで前記処置ログは、前記温度管理処置のそれぞれの期間に関連付けられる複数のログエントリを含む;及びユーザインタフェースに、前記パワー値及び前記処置ログを同時に提示させることを行うように構成されている、温度管理システム。
【0040】
第2の態様のもののような温度管理システムは、患者温度データを受け取る段階;冷却剤温度を表す冷却剤温度データを受け取る段階;患者温度データ及び冷却剤温度データの間の関係に基づいて患者に与えられる冷却又は加温を表す値を決定する段階;動作データ及び患者温度データに基づいて少なくとも1つの処置ログを生成する段階;及びユーザインタフェースに、値及び処置ログを同時に提示させる段階を備える方法を実行するように構成されてよい。前記関係は、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温能力の比率を表す比を含んでよい。前記処置ログは、前記温度管理処置のそれぞれの期間に関連付けられる複数のログエントリを含んでよい。
【0041】
いくつかの実装において、前記パワー値が、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして表示される。
【0042】
いくつかの実装において、前記動作データが、目標患者温度、システムモード、ポンプスピード、及び冷却又は加温速度のうちの1つ又は複数を含む。
【0043】
いくつかの実装において、前記ユーザインタフェースが、前記パワー値の視覚表現を表示するように構成されている。
【0044】
いくつかの実装において、前記視覚表現は弓状のメーターを含む。
【0045】
いくつかの実装において、前記ログエントリは、各々が前記温度管理処置の温度管理周期の冷却又は加温期間を表すシンボルのシーケンスを含む。
【0046】
いくつかの実装において、前記シンボルが、マーク、符号、線、文字、グラフィカルシンボル、アイコン、又はピクチャである。
【0047】
いくつかの実装において、各ログエントリが、前記システムが前記患者温度を低下させるように動作している期間、冷却期間、維持期間、前記システムが前記患者温度を上昇させるように動作している期間、又は温度管理処置の加温期間に対応する。
【0048】
いくつかの実装において、ログエントリが、温度上昇ステータス、加温ステータス、維持ステータス、温度低下ステータス、冷却ステータス、目標温度、及び、前記加温又は冷却期間に関連付けられた期間のうちの1つ又は複数を含む。
【0049】
いくつかの実装において、前記処置ログの前記ログエントリ又は処置期間が発生の順序でランク付けされている。
【0050】
いくつかの実装において、前記プロセッサが、デジタル出力データを生成するようにさらに構成されており、前記デジタル出力データは、前記デジタル出力データがリモートデバイスにストリーミングされることを可能にする予め定義されたフォーマットを含む。
【0051】
いくつかの実装において、前記システムは、前記デジタル出力データを前記リモートデバイスに送信するように構成されたトランスミッタをさらに備える。
【0052】
いくつかの実装において、前記プロセッサは、前記温度管理処置の間に前記デジタル出力データを前記リモートデバイスへとリアルタイム又は準リアルタイムでストリーミングさせるように構成されている。
【0053】
いくつかの実装において、前記予め定義されたフォーマットは、前記リモートデバイスが前記デジタル出力データを受け取った際に前記患者データ及び/又は前記動作データを表示するために前記デジタル出力データを解析することを可能にするように構成されている。
【0054】
いくつかの実装において、前記プロセッサが、Wi-Fi(登録商標)通信リンクを介して前記デジタル出力データをストリーミングするように構成されている。
【0055】
いくつかの実装において、前記熱交換装置が、カテーテル又は表面パッドである。いくつかの実装において、前記患者温度データが、前記患者の測定された又は現在の温度であり、前記パワー値が、前記測定された又は現在の温度での前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の前記比率である。
【0056】
第3の態様において、患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって:前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置、前記温度管理処置は冷却剤の循環に基づく;前記熱交換装置に連結されており、動作データを生成するように構成された体外制御コンソール、前記動作データは、前記温度管理処置の間の前記冷却剤の冷却剤温度を表す冷却剤温度データを含む;任意に、前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサ;前記体外制御コンソールに連結されたユーザインタフェース;及び前記ユーザインタフェース及び前記1つ又は複数のセンサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:前記温度管理システムから前記冷却剤温度データ及び前記患者温度データを受け取ること;前記患者温度データ及び前記冷却剤温度データの間の関係に基づいて前記患者に与える冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定すること、ここで前記関係は、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む;前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして前記パワー値を生成及び表示すること;及び前記ユーザインタフェースに、前記温度管理処置の間の前記冷却剤の前記パワー値及び前記冷却剤温度を同時に提示させることを行うように構成されている、温度管理システム。
【0057】
第3の態様のもののような温度管理システムは、冷却剤温度データ及び患者温度データを受け取る段階;患者温度データ及び冷却剤温度データの間の関係に基づいて患者に与える冷却又は加温を表す値を決定する段階;パワー値を表示する段階;及び温度管理処置の間に値及び冷却剤の冷却剤温度を同時に表示する段階を備える方法を実行するように構成されてよい。関係は、患者を冷却他派加温する温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含んでよい。値は、パーセンテージとして表示されてよい。
【0058】
いくつかの実装において、冷却剤温度は熱交換浴温である。
【0059】
いくつかの実装において、前記熱交換装置が、カテーテル又は表面パッドである。
【0060】
第1から第3の態様は、概して、患者の体の温度を制御するための温度管理システムに関し、前記システムは、前記患者温度データ及び前記冷却剤温度データの間の関係に基づいて前記患者に与えられる冷却又は加温を表す値を決定するように構成されており、前記関係は、前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの最大冷却又は加温能力の比率を表す比を含む。決定された値は、システムに存在する内部状態に関連しており、ユーザが、具体的な説明と関連して下で詳細に説明されるように適切にシステムを操作することを支援する場合がある。温度管理システムの装置は、熱交換装置を含んでよい。熱交換装置は、患者を温度管理処置に与えるように構成されてよい。温度管理処置は、冷却剤の循環に基づいてよい。温度管理システムの装置は、熱交換装置に連結された体外制御コンソールを含んでよい。体外制御コンソールは、冷却剤を循環させ、温度管理処置の間の冷却剤の温度を表す冷却剤温度データを生成するように構成されてよい。体外制御コンソールは、動作データを生成するように構成されてよい。動作データは、温度管理処置の間の冷却剤の冷却剤温度を表す冷却剤温度データを含んでよい。温度管理システムの装置は、少なくとも1つのセンサを含んでよい。少なくとも1つのセンサが体外制御コンソールに連結されていてよい。少なくとも1つのセンサは、患者の体の温度を示す患者温度データを生成するように構成されてよい。温度管理システムの装置は、センサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を含んでよい。
【0061】
第4の態様において、患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって:前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置;前記熱交換装置に連結されており、前記温度管理処置の間の前記温度管理システムの動作を表す動作データを生成するように構成された体外制御コンソール;前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ;前記体外制御コンソールに連結されたユーザインタフェース;前記センサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:前記センサから前記患者温度データ、及び前記体外制御コンソールから前記動作データを受け取ること;前記患者温度に基づいて前記患者の前記体を冷却又は加温する前記温度管理システムを制御すること;1つ又は複数の処置期間のログエントリを生成すること、ある処置期間のログエントリは、少なくともその処置期間に関連付けられる前記動作データを示す;前記患者の前記温度管理処置の複数の処置期間を指定する処置ログを生成すること;前記処置ログの視覚表現を生成すること、前記視覚表現はセクションのシーケンスを含み、各セクションは、前記患者の前記温度管理処置の処置期間に対応し、各セクションが:患者の体の前記温度を低下、上昇、又は維持する前記温度管理システムの動作を表すシンボルを有し、各シンボルは、セクションの前記シーケンスにおいて各他のシンボルとは区別されている、を行うように構成されている、システム。
【0062】
第4の態様のもののような温度管理システムは、患者温度データ及び動作データを受け取る段階;患者温度に基づいて、患者の体を冷却又は加温する温度管理システムを制御する段階;1つ又は複数の処置期間のためのログエントリを生成する段階、処置期間のログエントリは、少なくともその処置期間に関連付けられる動作データを示す;患者の温度管理処置の複数の処置期間を指定する処置ログを生成する段階;及び処置ログの視覚表現を生成する段階、視覚表現はセクションのシーケンスを含み、各セクションは、患者の温度管理処置の処置期間に対応し、各セクションは、患者の体の温度を低下させる、上昇させる、又は維持する温度管理システムの動作を表すシンボルを含み、各シンボルは、セクションのシーケンスにおける各他のシンボルとは区別される、を備える方法を実行するように構成されてよい。
【0063】
いくつかの実装において、ログエントリは、前記処置期間の間に適用された冷却又は加温速度、目標患者温度値、前記処置期間の名称、前記処置期間に関連付けられる期間、及び前記患者の前記温度管理処置のための1つ又は複数の他の処置期間に対する前記処置期間の位置付けのうちの1つ又は複数を表す動作データを含む。
【0064】
いくつかの実装において、前記ユーザインタフェースが、その処置期間と関連付けられた前記動作データ及び前記温度データを含む前記ログエントリの表現を表示するようにさらに構成されている。
【0065】
いくつかの実装において、前記ログエントリの前記表現が前記ログエントリのリストを含む。
【0066】
いくつかの実装において、前記ログエントリの前記表現がシンボルのシーケンスを含み、前記シーケンスの各シンボルがログエントリを表す。
【0067】
いくつかの実装において、前記シーケンスの各シンボルが、前記シーケンスの他のシンボルから分離された線セグメントを含む。
【0068】
いくつかの実装において、線セグメントの前記配置は、以下のルール、すなわち、前記システムが患者の温度を上昇させるように動作している場合、傾斜した線セグメントがセクションの左下角から開始し;前記システムが患者の温度を低下させるように動作している場合、傾斜した線セグメントがセクションの左上角から開始し;前記システムが患者の温度を維持するように動作している場合、水平な線セグメントがセクションの中央左の部分で開始する、のうちの1つ又は複数により決定され得る。
【0069】
いくつかの実装において、4つの連続する線セグメントが、隣接するセクションに出現し、前記セクションにおけるY軸又は垂直方向において前の線が終端した場所で各後続の線セグメントが開始する。
【0070】
いくつかの実装において、各シンボルは、前記システムが、患者温度の体の前記温度を上昇させる、低下させる、又は維持する様式で動作していることを表す。
【0071】
いくつかの実装において、ログエントリに関連付けられる警告が生成され、前記警告は、第1の処置期間が終了し、第2の処置期間が開始されたことを示す。
【0072】
いくつかの実装において、処置期間についてのログエントリは、その処置期間に関連付けられた前記動作データ及び前記患者温度データを示す。
【0073】
いくつかの実装において、前記1つ又は複数のセクションがグラフを含まない。
【0074】
いくつかの実装において、前記熱交換装置が、カテーテル又は表面パッドである。いくつかの実装において、前記患者温度データが、前記患者の測定された又は現在の温度であり、前記パワー値が、前記測定された又は現在の温度での前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力の前記パーセンテージである。
【0075】
第5の態様において、患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって:前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置;前記熱交換装置に連結されており、前記温度管理処置の間の前記温度管理システムの動作を表す動作データを生成するように構成された体外制御コンソール;前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ;前記体外制御コンソールに連結されたユーザインタフェース;前記センサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:前記患者温度データ及び前記動作データを受け取ること;前記動作データ及び前記患者温度データに基づいて少なくとも1つの処置ログを生成すること;前記処置ログの視覚表現を生成すること、前記視覚表現が:セクションのシーケンスを有し、各セクションが、前記患者の前記温度管理処置の処置期間に対応し、各セクションが、患者の体の前記温度を低下させる、上昇させる、又は維持する前記温度管理システムの動作を表すシンボル;及び前記処置期間の継続期間の表現を含み、各シンボルが、セクションの前記シーケンスにおける各他のシンボルとは区別されている、を行うように構成されている、温度管理システム。
【0076】
第5の態様のもののような温度管理システムは、患者温度データ及び動作データを受け取る段階;動作データ及び患者温度データに基づいて少なくとも1つの処置ログを生成する段階;処置ログの視覚表現を生成する段階を備える方法を実行するように構成されてよい。前記視覚表現はセクションのシーケンスを含んでよく、各セクションは、前記患者の前記温度管理処置の処置期間に対応し、各セクションは、患者の体の前記温度を低下させる、上昇させる、又は維持する前記温度管理システムの動作を表すシンボル;及び前記処置期間の継続期間の表現を含み、各シンボルは、セクションの前記シーケンスにおいて各他のシンボルとは区別されている。
【0077】
いくつかの実装において、少なくとも1つのシンボルは、シンボルのシーケンスの1つ又は複数の他のシンボルとは異なる色である。
【0078】
いくつかの実装において、少なくとも1つのシンボルは、間隙又はシンボルのうちの1つによって少なくとも1つの他のシンボルとは分離されている。
【0079】
いくつかの実装において、各シンボルが、各他のシンボルとは不連続に出現する。
【0080】
いくつかの実装において、各シンボルが、各他のシンボルと連続して出現し、各シンボルは、色、パターン、又はフィルを使用して区別される。
【0081】
いくつかの実装において、各シンボルが、前記他のシンボルに対して、前記シーケンスの対応するセクション内の相対的高さに出現し、所与のシンボルの相対的高さは、そのセクションによって表される前記処置期間の患者温度又は目標温度に対応する。
【0082】
いくつかの実装において、前記温度管理処置の進行中の処置期間を表すセクションは、ハイライトされたシンボルを含む。
【0083】
いくつかの実装において、セクションは、そのセクションの処置期間に対応するシステムモードを示すテキスト識別子を含む。
【0084】
いくつかの実装において、前記セクションが、セクションの前記処置期間の、目標患者温度の数値表現、初期患者温度、最終患者温度、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ又は複数を含む。
【0085】
いくつかの実装において、1つ又は複数のセクションの前記シーケンスが少なくとも4つのセクションを含み、対応する処置期間が前記体外制御コンソール及び熱交換装置によっていったん実行されると、各セクションにシンボルが入力される。
【0086】
いくつかの実装において、前記シンボルは線セグメントを含む。
【0087】
いくつかの実装において、前記シンボルが、セクションにおいて左から右へと上方に傾斜する線セグメントであり、その処置期間にわたって前記システムが、前記患者温度を加温している、又は、前記患者の温度を上昇させる様式で動作していることを表す。
【0088】
いくつかの実装において、前記シンボルが、セクションにおいて左から右へと下方に傾斜する線セグメントであり、その処置期間にわたって前記システムが、前記患者温度を冷却している、又は、前記患者の温度を低下させる様式で動作していることを表す。
【0089】
いくつかの実装において、前記シンボルが、セクションにおける水平な線セグメントであり、その処置期間にわたって前記システムが、前記患者温度を維持している、又は、前記患者の温度を維持する様式で動作していることを表す。
【0090】
いくつか実装において、少なくとも1つの線セグメントは、線セグメントのシーケンスのうちの1つ又は複数の他の線セグメントとは異なる色である。
【0091】
いくつかの実装において、少なくとも1つの線セグメントは、間隙又はシンボルのうちの1つによって少なくとも1つの他の線セグメントから分離されている。
【0092】
いくつかの実装において、各線セグメントが、各他の線セグメントとは不連続に出現する。
【0093】
いくつかの実装において、前記温度管理処置の現在実行している処置期間を表す線セグメントが、矢じりを含む。
【0094】
いくつかの実装において、各線セグメントが、各他の線セグメントと連続して出現し、各線セグメントが、色、パターン、又はフィルを使用して区別される。
【0095】
いくつかの実装において、各線セグメントが、前記他の線セグメントに対して、シーケンスの対応するセクション内の相対的高さに出現し、所与の線セグメントの相対的高さは、そのセクションによって表される前記処置期間の患者温度又は目標温度に対応する。
【0096】
いくつかの実装において、傾斜する線セグメントが、所与のセクションにおいて2つの可能な相対的高さのうちの1つに位置付けられており、水平な線セグメントが、前記所与のセクションにおいて3つの相対的高さのうちの1つに位置付けられている。
【0097】
いくつかの実装において、線セグメントの前記配置は、以下のルール、すなわち、前記システムが患者の温度を上昇させるように動作している場合、傾斜した線セグメントがセクションの左下角から開始し;前記システムが患者の温度を低下させるように動作している場合、傾斜した線セグメントがセクションの左上角から開始し;前記システムが患者の温度を維持するように動作している場合、水平な線セグメントがセクションの中央左の部分で開始する、のうちの1つ又は複数により決定され得る。
【0098】
いくつかの実装において、4つの連続する線セグメントが、隣接するセクションに出現し、前記セクションにおけるY軸又は垂直方向において前の線が終端した場所で各後続の線セグメントが開始する。
【0099】
いくつかの実装において、前記熱交換装置が、カテーテル又は表面パッドである。
【0100】
いくつかの実装において、前記1つ又は複数のセクションがグラフを含まない。
【0101】
第6の態様において、患者の体の温度を制御するための温度管理システムであって:前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換装置;前記熱交換装置に連結されており、前記温度管理処置の間に前記温度管理システムの動作を表す動作データを生成するように構成された体外制御コンソール;任意に、前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者のステータスを表す患者データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサ;前記体外制御コンソールに連結されたユーザインタフェース、前記ユーザインタフェースは複数の領域を表示するように構成されており、前記複数の領域が:前記1つ又は複数のセンサから受け取ったデータに基づいて現在の患者温度を表示するように構成された第1のウィンドウ;前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして冷却又は加温パワー値を表すパワーメーターを表示するように構成された第2のウィンドウ;複数のエントリを含む処置ログを表示するように構成された第3のウィンドウ、各エントリは前記温度管理処置の処置期間に対応し、各エントリは、前記それぞれの処置期間の前記動作データの少なくとも一部の表現を含む;及び少なくとも前記体外制御コンソールによって循環される冷却剤の冷却剤温度を含む前記動作データを表示するように構成された第4のウィンドウ、を含む;を備える、温度管理システム。
【0102】
第6の態様のもののような温度管理システムは、複数の領域を表示する段階を備える方法を実行するように構成されてよい。前記複数の領域が:前記1つ又は複数のセンサから受け取ったデータに基づいて現在の患者温度を表示するように構成された第1のウィンドウ;前記患者を冷却又は加温する前記温度管理システムの前記最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとして冷却又は加温パワー値を表すパワーメーターを表示するように構成された第2のウィンドウ;複数のエントリを含む処置ログを表示するように構成された第3のウィンドウ、各エントリは前記温度管理処置の処置期間に対応し、各エントリは、前記それぞれの処置期間の前記動作データの少なくとも一部の表現を含む;及び少なくとも前記体外制御コンソールによって循環される冷却剤の冷却剤温度を含む前記動作データを表示するように構成された第4のウィンドウを含む。
【0103】
第6の態様のもののような温度管理システムは、追加の動作データを表示するために、前記処置ログの前記視覚表現を更新する前に、前記システムが現在のシステム状態から新しいシステム状態に変更されるかどうかを決定するように構成されてよい。いくつかの実装において、前記温度管理システムは、前記処置ログの前記視覚表現を更新するようにさらに構成されており、既に入力されていない、前記処置ログの前記視覚表現のセクションの前記シーケンスののうちの最も左のセクションには、少なくとも前記現在の処置期間の前記動作データが入力されるように構成されており、前記処置ログの前記視覚表現が十分に入力されて追加の動作データが追加されている場合、各セクションのコンテンツは、1セクション分だけ左にシフトして、前記追加の動作データの表示のために最も右のセクションが空になる。
【0104】
いくつかの実装において、第6の態様の前記温度管理は、前記患者の前記体の前記温度を維持する前記温度管理システムの動作を、水平な線セグメントの形で表すシンボルを表示し;下方に傾斜する線セグメントを使用することによって、前記患者の前記体の前記温度を低下させる前記温度管理システムの動作を表すシンボルを表示し、上方に傾斜する線セグメントを使用することによって、前記患者の前記体の前記温度を上昇させる前記温度管理システムの動作を表すシンボルを表示するようにさらに構成されている。
【0105】
いくつかの実装において、前記水平な線セグメント、前記下方に傾斜する線セグメント、又は前記上方に傾斜する線セグメントの垂直位が、前記それぞれの処置期間の目標温度の値に基づく。
【0106】
いくつかの実装において、前記垂直位は、前記目標温度が第1の閾値を上回る場合には高いポジションであり、前記目標温度が第2の閾値を下回る場合には低いポジションであり、前記目標温度が前記第1の閾値及び前記第2の閾値の間である場合には中間ポジションである。
【0107】
いくつかの実装において、前記処置ログの前記視覚表現を生成することが:目標温度に対する変更又は新しい目標温度のいずれかを示す入力データを受け取ること;及び前記入力を受け取ったことに応じて、前記処置ログの前記視覚表現のセクションを生成することを含む。
【0108】
いくつかの実装において、前記処置ログの前記視覚表現を生成することが:前記患者の前記体の前記温度が目標患者温度の閾値距離内にあることを決定すること;及び前記患者の前記体の前記温度が目標患者温度の閾値距離内にあると決定したことに応じて、前記患者の前記体の前記温度を維持する前記温度管理システムの動作を表すシンボルを表示する、前記処置ログの前記視覚表現のセクションを生成することを含む。
【0109】
いくつかの実装において、前記処置ログの前記視覚表現の前記セクションのいずれも、グラフを含まない。
【0110】
第7の態様において、患者の体の温度を制御するための温度管理システムは、前記患者に温度管理処置を与えるように構成された熱交換カテーテル;前記熱交換カテーテルに連結されており、前記温度管理処置の間に前記温度管理システムの動作を表す動作データを生成するように構成された体外制御コンソール;任意に、前記体外制御コンソールに連結されており、前記患者の前記体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ;前記センサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を備え、前記プロセッサが:前記センサから前記患者温度データを受け取ること;前記患者温度データに基づいて、前記患者の前記体の前記温度を目標温度範囲内に維持するように前記温度管理システムを制御すること;前記患者温度データ及び前記動作データで構成される処置ログを含むデジタル出力データを生成すること;前記デジタル出力データを記憶すること;前記温度管理処置のトリガ条件が満たされていることを検出すること、ここで前記トリガ条件は、前記温度管理処置のすべて又は一部の完了である;及び前記トリガ条件が満たされたことの検出に応じて、前記患者の前記温度管理処置の間又は後に、前記デジタル出力データをリモートデバイスにリアルタイム又は準リアルタイムで送信することを行うように構成されている。
【0111】
第7の態様のもののような温度管理システムは、患者温度データを受け取る段階;患者温度データに基づいて、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するように温度管理システムを制御する段階;患者温度データ及び動作データで構成された処置ログを含むデジタル出力データを生成する段階;デジタル出力データを記憶する段階;温度管理処置のトリガ条件が満たされたことを検出する段階、ここでトリガ条件は、温度管理処置のすべて又は一部の完了である;及びトリガ条件が満たされたことの検出に応じて、患者の温度管理処置の間又は後に、デジタル出力データをリアルタイム又は準リアルタイムでリモートデバイスに送信する段階を備える方法を実行するように構成されてよい。
【0112】
いくつかの実装において、前記トリガ条件は、処置期間の完了である。
【0113】
いくつかの実装において、前記トリガ条件は、前記温度管理システムの電源オフである。
【0114】
いくつかの実装において、前記デジタル出力データは、前記デジタル出力データがリモートデバイスにストリーミングされることを可能にする予め定義されたフォーマットを含む。
【0115】
いくつかの実装において、前記システムは、前記デジタル出力データを前記リモートデバイスに送信するように構成されたトランスミッタを備える。
【0116】
いくつかの実装において、前記予め定義されたフォーマットは、前記リモートデバイスが前記デジタル出力データを受け取った際に前記温度データ及び/又は前記動作データを表示するために前記デジタル出力データを解析することを可能にするように構成されている。
【0117】
いくつかの実装において、前記プロセッサが、Wi-Fi通信リンクを介して前記デジタル出力データをストリーミングするように構成されている。
【0118】
いくつかの実装において、前記動作データが、目標患者温度、冷却剤温度、システムモード、ポンプスピード、冷却又は加温速度、及び冷却又は加温パワー%のうちの1つ又は複数を含む。
【0119】
いくつかの実装において、前記デジタル出力データが、前記動作データ及び/又は前記温度データを、タイムスタンプ、イベントタイプ、イベントコード、警報限界、又は較正係数のうちの1つ又は複数と関連付ける。
【0120】
いくつかの実装において、前記デジタル出力データが、1つ又は複数のログエントリを含む構造化された処置ログを含む。
【0121】
いくつかの実装において、前記1つ又は複数のログエントリのログエントリは、処置期間の間に適用された冷却又は加温速度、目標患者温度値、患者温度値、処置期間の間のシステムモード、処置期間に関連付けられた期間、処置期間の間に前記システムが前記患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持するように動作しているか、及び、前記患者の前記温度管理処置の1つ又は複数の他の処置期間に対する処置期間の位置付けのうちの1つ又は複数を表すデータを含む。
【0122】
いくつかの実装において、前記プロセッサが、前記デジタル出力データをリモートサーバにストリーミングするように構成されている。
【0123】
いくつかの実装において、前記プロセッサが、前記デジタル出力データをEMRデータハブ又は病院ハブへとストリーミングするように構成されている。
【0124】
いくつかの実装において、パワー値は、患者の基礎疾患に関するインジケータである。
【0125】
いくつかの実装において、プロセッサは、システムがパワー値閾値を超えたことに応じて、警告又はプロンプトを提供するように構成されている。
【0126】
態様のいずれかを実装するためにコンピュータプログラムコードが提供されてよい。例えば、少なくとも1つのプロセッサに、異なる態様に関して説明された方法ステップのいずれかを実行させるように構成されたコンピュータプログラムコードを備える非一時的なコンピュータ可読媒体が提供されてよい。1つの態様に関して説明された実装は、異なる態様と組み合わされ得ることが理解される。通常、少なくとも1つのセンサは、態様のシステムとは別個に提供され得、システムは代わりに、センサからデータを受け取るように構成され得ることが理解される。これは特に、少なくとも1つのセンサが、システムの残りとは別個に提供され得る消耗品である場合に適用可能である。
【0127】
1つ又は複数の実施形態の詳細は、添付図面において及び以下の説明において記載されている。他の特徴及び利点は、説明及び図面から及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0128】
図1】温度管理システムの一実施形態を示す。
【0129】
図2図1の温度管理システムの体外制御コンソール及び熱交換流体ループの間のインタフェースの斜視図を示す。
【0130】
図3】複数の熱交換カテーテル又は表面パッドの部分図を示し、これらはいずれも、温度管理システムに接続され、それと合わせて使用され得る。
【0131】
図4A図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作中の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0132】
図4B】浴温に対するパワー出力を示すグラフである。
【0133】
図5A図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0134】
図5B図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0135】
図5C図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0136】
図5D図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0137】
図6図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0138】
図7A図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0139】
図7B図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0140】
図7C図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0141】
図7D図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムの動作の間又は後に提示されるデータを示すユーザインタフェースの一例である。
【0142】
図7E図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムのシステムセットアップ画面を示すユーザインタフェースの一例である。
【0143】
図8図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムを使用して、患者のための温度管理処置を実行する、及び/又は、温度管理処置からのデータを報告、生成、又は表示するための例示的なプロセスを含むフロー図を示す。
【0144】
図9図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムを使用して、患者のための温度管理処置を実行する、及び/又は、温度管理処置からのデータを報告、生成、又は表示するための例示的なプロセスを含むフロー図を示す。
【0145】
図10図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムを使用して、患者のための温度管理処置を実行する、及び/又は、温度管理処置からのデータを報告、生成、又は表示するための例示的なプロセスを含むフロー図を示す。
【0146】
図11図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムを使用して、患者のための温度管理処置を実行する、及び/又は、温度管理処置からのデータを報告、生成、又は表示するための例示的なプロセスを含むフロー図を示す。
【0147】
図12図1図2、及び図3のシステムなどの温度管理システムを使用して、患者のための温度管理処置を実行する、及び/又は、温度管理処置からのデータを報告、生成、又は表示するための例示的なプロセスを含むフロー図を示す。
【0148】
図13】例示的なコンピューティングシステムの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0149】
患者の温度を制御し、患者に温度管理処置又は治療を提供するいくつかの温度管理システムが本明細書で説明される。温度管理システムは、いくつかの利点を含み、いくつかの利益を提供する。例えば、システムは、パワー値を生成及び表示してよい。パワー値は、システムが患者に与えているパワー%(患者を冷却又は加温するための温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージ)を表してよく、これにより、ケア提供者は、システムが、所与の患者温度におけるその全能力に対してどの程度の力で機能しているかが分かる。パワー値は、患者温度及び浴温又は冷却剤温度の間の関係に基づいてよい。患者温度を織り込むことにより、システムは、システムがその特定の患者温度において患者に与えることができる最大冷却又は加温パワーと関連して、患者に与えられるパワー%の計算を動的に調整することが可能になる。
【0150】
特定の実装において、理解が容易なパワー値はまた、ケア提供者にとって、患者の基礎疾患に関するインジケータとなり得る。例えば、より高いパワー値%は、患者が発熱状態にあることを示してよく、より低いパワー値%は、神経学的に健全でない患者を示してよい。システムは、システムがパワー閾値%を超えたことに応じて、患者の状態をケア提供者に通知する警告又はプロンプトを提供してよい。これにより、ケア提供者が最適なケアを提供し、そのステータスによって必要に応じて患者を処置することが可能となる。
【0151】
特定の実装において、システムは、いくつかの利点を有する処置ログの形で患者の処置履歴の非グラフの視覚表現を提供してよい。例えば、視覚表現は、各々が異なる処置期間を表す複数のシンボル(例えば、マーク、符号、線、文字、グラフィカルシンボル、アイコン、ピクチャ)を画面上に同時に表示してよく、また、システムが動作していた又はしている様式、例えば、様々な処置期間の間に患者の温度を低下させている、上昇させている、又は維持していることを表す線セグメントの相対位置を示す。これにより、ユーザは、患者がどのように処置されてきたか、及び患者がどこで処置を受けているかを決定することが可能となる。処置ログは、このように、処置期間の任意の組み合わせの表現を表示し得る。表現は、ユーザが処置の全体的な進行を即座に認識することを可能にするため、有利である。例えば、シフト変更の後、新しいケア提供者が病室に到着して、患者の温度管理処置履歴をディスプレイ画面上で迅速に見ることができる。加えて、ユーザにとって、処置ログがグラフではなく、むしろ、一連の処置期間、例えば、時間における4つの最新の処置期間にわたって、システムが動作してきた又はしている様式、例えば、患者の温度を低下させている、上昇させている、又は維持していることを表す一連の別個又はセグメント化されたアイコン又はシンボルであることが明らかとなるように、処置ログは、本明細書で説明されるようにシンボルで表されることができる。このフォーマットは、より単純であり、グラフよりも迅速に解釈できるという点で、グラフ表現に対して大きな利点を提供する。これは、多忙な、又はさもなければ「情報過多」である臨床医にとって重要である。それは、グラフ上に存在する視覚的散漫、例えば、患者の動きに起因する温度プローブのシフトを含まない「一目でわかる」視覚を提供する。処置ログのエントリはまた、グラフをレンダリングするのに必要とされるよりも少ない処理パワーを使用して表されてよい。
【0152】
図1は、温度管理システム100を示す。温度管理システム100は、熱交換装置110を使用して患者の体の温度を制御するように構成されている。温度管理システム100は、患者の温度を管理するために、患者を加熱又は冷却する(又はその両方)ように構成されている。患者の温度を管理することは、患者の熱交換処置、又は、患者の加熱/加温又は冷却処置と称されてよい。温度管理システム100は、熱交換装置1100、例えば、患者の血管系105内に挿入されるように構成された血管内熱交換カテーテル(例えば、図3のカテーテル110a~d)又は患者の表面に適用される熱交換器、例えば、熱交換パッド(例えば、図3のパッド110e)を含む。温度管理システム100は、患者を加熱又は冷却するために構成された他のハードウェア、例えば、患者を加熱又は冷却する(又はその両方)ために後に説明される、熱交換流体ループ、加熱又は冷却プレート、加熱又は冷却カセット、熱交換浴などを含むことができる。上記の例のうちのいくつかは、図2と関連して後に説明される。
【0153】
温度管理システム100は、後に説明されるインタフェース104を有する体外制御コンソールを含む。インタフェース104は、後に説明されるように、熱交換装置及びチューブアセンブリを含む熱交換流体ループとインタフェース接続することによって熱交換装置110が制御コンソール102と連結されることを可能にする。制御コンソール102は、熱交換装置110を制御するためのコントローラ及び/又はプロセッサを含む。制御コンソールは、ユーザがデータを入力する、又は温度管理システム100への信号を制御し、温度管理システム100を使用した患者の処置を示す処置データなどの情報を提示することを可能にするためのユーザインタフェース106を含む。
【0154】
温度管理システム100は、温度管理システム100の1つ又は複数のハードウェア態様の動作を表す動作データ及び患者データを測定するように構成されている。患者の処置の間に測定される動作データ及び患者データは、処置データと称されてよい。温度管理システム100は、患者の処置の間の患者の1つ又は複数の生理学的パラメータ、例えば、患者温度を表す患者データを測定するように構成されている。温度管理システムは、動作データ(例えば、ポンプスピード、冷却剤温度、及びパワー)及び/又は患者データ(例えば、患者の中又は上に位置する温度センサから受け取った患者温度のフィードバック)に基づいて患者の体の温度を制御するように構成されている。温度管理システム100は、ユーザインタフェースによって、処置の間の温度管理システム100の動作ステータス及び患者の生理学的ステータスを表示するように構成されている。動作ステータスは、図4A図7Bと関連して後に説明されるような、温度管理システム100が最大冷却又は加熱パワー(例えば、努力)で機能しているか、又は、最大加熱又は冷却パワーのパーセンテージを含み得る。
【0155】
ユーザインタフェース106は、ユーザが患者に対して実行されている熱交換処置(例えば、処置周期又は処置プロセス)の段階を決定することを可能にする構成で、動作データ及び患者データをユーザインタフェース上に表示するように構成されている。ユーザインタフェース106は、現在の動作処置期間(段階とも呼ばれる)を示す。熱交換処置の各処置期間は、目標患者温度、患者温度を目標温度に制御するために患者を冷却又は加熱する速度、1つ又は複数のシステムモード、及び/又は、システムが、例えば患者を冷却又は加温することによって患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持するように動作していること、に関連付けられてよい。ユーザインタフェースは、処置ログの視覚表現を含んでよく、視覚表現は1つ又は複数のセクションを含み、各セクションは処置期間に対応し、特定の処置期間の動作及び/又は患者データを含む。
【0156】
患者を冷却又は加熱するために温度管理システム100によって与えられる冷却又は加温パワーを表すパワー値は、図4A図7Bと関連して後に説明されるように、ユーザインタフェース106上に表示される。冷却又は加温パワー(「努力」、又は単に「パワー」とも呼ばれる)は、温度管理システム100が、例えば冷却又は加温によって患者の温度を上昇させる、低下させる、又は維持するためにどの程度の力で機能しているかを表す。パワーの実際の値は、温度管理システム100の浴温又は冷却剤温度及び患者の現在の温度の間の関係に基づいて、患者を冷却又は加温するシステムの最大可能冷却又は加温パワー能力のパーセンテージ又は比率を表す。
【0157】
温度管理システム100は、動作データ及び患者データ(例えば、処置データ)のためのログエントリを生成するように構成されている。ログエントリは、ユーザインタフェース106上に表示されてよい。いくつかの実装において、データメッセージ(ログメッセージとも呼ばれる)は、動作データ及び患者データのインスタントスナップショットを表す。例えば、データメッセージは、所与の時間(例えば、タイムスタンプに関連付けられる)における現在の患者温度及び現在の電力又は熱交換努力値を含み得る。いくつかの実装において、データメッセージは、構造化されたログエントリにおける患者のための熱交換処置の処置期間又はシステムモードを表すデータを含み得る。データメッセージは、リモートシステムへのデータメッセージのストリーミングを可能にするデジタル形式で記憶されている。リモートシステムは、患者データ及び温度管理システム100の動作データを表す値を迅速に導出し、ローカル又はリモートユーザインタフェース上にこれらのデータの表現を表示するように構成されている。例えば、データメッセージは、病室からナースステーションにストリーミングするためにフォーマット化され得る。いくつかの実装において、データメッセージは、リモートシステムのユーザからの介入をプロンプトする注意又は警告を含み得る。いくつかの実装において、データメッセージは、温度管理システム100による処置の1つ又は複数のインスタンスについての患者の処置データの検索及び索出を容易にする、構造化されたフォーマットで記憶され得る。
【0158】
温度管理システム100のプロセッサは、動作データ及び患者データ、例えば現在の又は測定された患者温度に基づいて、患者の体温を所与の値に維持するために温度管理システム100がどの程度の力で機能しているか、又は温度管理システム100が温度管理システムの最大冷却又は加温パワー(努力とも呼ばれる)能力のどれほどの比率又はパーセンテージを及ぼしている又は与えているかを決定するように構成されている。動作データの値は、温度管理システム100がどのように動作しているかに関する見識を提供する。温度管理システム100の熱交換装置を含む温度管理システム100の動作は、患者の体温調節活動のインジケーションを提供し得る。例えば、患者を正常体温に維持するために熱交換装置が高レベル又はパーセンテージの冷却パワーを与えている場合、これは、高い体温調節活動を示す場合がある。この場合、高レベルの冷却パワーが患者に与えられているときの高い体温調節活動は、発熱状態を示す場合がある(例えば、熱交換装置が患者の体を冷却していなかった場合、患者は上昇した体温を有している)。動作データの値は、温度管理システム100が、最大冷却又は加温パワー、又は最大冷却又は加温パワー未満で動作しているかを示す場合がある。
【0159】
温度管理システム100は、概して、体外制御コンソール104、及び患者温度を管理するための追加のハードウェアを備える。温度管理システム100は、例えば、熱交換装置110(例えば、カテーテル及び/又は図3と関連して後に説明されるような他の熱交換装置)、及び制御コンソール102に対するデバイス110の接続を容易にするチューブアセンブリ108を含む流体ループを含む。1つ又は複数の温度センサ120a、120bは、熱交換装置の上又は中に位置してよく、及び/又は、体内の他の場所に、例えば、食道又は直腸に位置付けられた別のデバイス又はプローブに位置してよい。いくつかの実装において、熱交換装置1100、及び流体ループのチューブアセンブリ108、及び/又は温度センサ120a~bは、単回使用を意図した使い捨て品であってよく、一方で、制御コンソール104は、複数回の使用を意図した非使い捨てデバイスであってよい。
【0160】
示される実施形態において、血管内熱交換カテーテルは、細長いカテーテル本体122、及びカテーテル本体122の遠位部分に位置付けられた熱交換器123a~cを備える。熱交換器は、例えば、図1に示されるような膨張可能な円筒状バルーン、又は、内部を熱交換流体が循環するヘビ状又はらせん状のバルーン又はチューブであってよい。細長いカテーテル本体122を通る熱交換流体(例えば、滅菌0.9%塩化ナトリウム溶液又は他の好適な熱交換流体)の循環を容易にするために、流入及び流出用ルーメン(図示せず)がカテーテル本体122内に存在する。任意に、カテーテル本体122はまた、カテーテル本体122を通って延在し、かつカテーテル本体の遠位端の1つ又は複数の開口部において遠位に終端する1つ又は複数の作動ルーメン124を含んでよい。そのような作動ルーメンは、カテーテルの挿入及び位置付けを容易にするガイドワイヤルーメンとして機能してよく、及び/又は、流体、医薬品、又は他のデバイスの送達のためのカテーテルの挿入後に使用されてよい。例えば、図1に示されるように、いくつかの実施形態において、温度センサ120a~bは、カテーテルの作動ルーメンを通って挿入され、カテーテル本体122の遠位端を越えた位置まで遠位端開口部の外に進められてよい。代替的に、他の実施形態において、温度センサ120a~bは、所望の体温を検知するために、被検体の体の上又は中に、別のデバイス、カテーテル、又はプローブを使用して様々な他の位置に位置付けられてよい。様々な熱交換カテーテルが本明細書に説明される実施形態において使用されてよい。
【0161】
使用され得る他の熱交換装置、熱交換カテーテル、及び/又は熱交換パッド又は体表面熱交換器の非限定的な例は、2016年11月15日に発行された、Heat exchange catheter and their methods of manufacture and useと題される米国特許第9,492,633号、及び、2012年9月28日に出願された、Endovascular Cooling Catheter System Which Employs Phase-Changing Heat Exchange Mediaと題される米国出願公開第2013/0090708号、2017年5月30日に発行された、Heat Exchange Catheters with Bi-Directional Fluid Flow and Their Methods of Manufacture and Useと題される米国特許第9,662,243号、2018年8月14日に発行された、Patient Temperature Control Catheter with Helical Heat Exchange Pathsと題される米国特許第100,045,881号、2016年4月19日に発行された、Self-Centering Patient Temperature Control Catheterと題される米国特許第9,314,370号、2016年1月26日に発行された、Intravascular Heat Exchange Catheter with Multiple Spaced Apart Discrete Coolant Loopsと題される米国特許第9,241,827号、2017年8月1日に発行された、Intravascular Heat Exchange Catheter with Non-Round Coiled Coolant Pathと題される米国特許第9,717,625号、2016年9月6日に発行された、Intravascular Heat Exchange Catheter With Rib Cage-Like Coolant Pathと題される米国特許第9,433,526号、2016年12月30日に出願された、High Efficiency Heat Exchange Catheters For Control Of Patient Body Temperatureと題される米国出願公開第2018/0185193号、2016年12月30日に出願された、Fluid-Circulating Catheters Useable for Endovascular Heat Exchangeと題される米国特許出願第2018/018519号、2017年5月12日に出願された、Advanced Systems and Methods for Patient Body Temperature Controlと題される米国特許出願第2018/0325725号、及び2017年1月23日に出願された、Managing Patient Body Temperature Using Endovascular Heat Exchange in Combination with Body Surface Heat Exchangeと題される同第2018/0207024号で説明されており、そのような各特許及び出願の開示全体は、参照により本明細書に明示的に組み込まれている。使用され得るカテーテルの他の例には、Cool Line(登録商標)Catheter、Icy(登録商標)Catheter、Quattro(登録商標)Catheter、及びSolex 7(登録商標)Catheterなどの、ZOLL Circulation,Inc.(カリフォルニア州サンノゼ)から市販されているものが含まれる。
【0162】
体外制御コンソール102は、概して、メインハウジング、及びユーザインタフェース106を有するコンソールヘッドを備える。メインハウジング126は、熱交換流体、例えば、冷却剤、冷媒、生理食塩水を制御温度まで加温/冷却するため、及び、被検体の体温を効果的に修正及び/又は制御するために、そのような加温又は冷却された熱交換流体を、熱交換装置110を通してポンピングするための様々な装置及び回路を含む。コンソールヘッドは、表示デバイス又はユーザインタフェース106、例えばタッチスクリーンシステムを含み、それにより、システム100のユーザによって特定の情報が入力されてよく、システム100のユーザに対して特定の情報が表示されてよい。ハウジング126上には、追加の又は代替のタイプの温度センサ及び/又は他の装置の接続のための接続ポート130、132が提供されている。コネクタ136は、チューブアセンブリ108のチューブ109をコンソール102から熱交換装置110の流入及び流出チューブへと接続し得る。
【0163】
図2は、コンソール102、コンソールインタフェース106を構成するコンソールのコンポーネント、及びチューブアセンブリ108が制御コンソールインタフェース104に挿入されて接続されている様式のさらなる詳細を示す。制御コンソール102は、インタフェース104のハードウェア要素へのアクセスを可能にする開放可能/閉鎖可能なアクセスカバー202を有する。コンソールインタフェース104は、熱交換浴216、エアトラップ容器230、エアトラップスタンド206、及びポンプ204、例えば蠕動ポンプ204を含む。コンソールインタフェース104のコンポーネントのうちの1つ又は複数は、以下でさらに詳細に説明されるように、熱交換流体ループ201の1つ又は複数のコンポーネントと係合又は連結するように構成されている。
【0164】
熱交換浴216には冷却剤が充填されており、熱交換流体ループ201に流体連結されたコイル(図示せず)を受け取るように構成されている。作動流体(例えば、生理食塩水)が熱交換流体ループ201を通して、及び、熱交換浴内の冷却剤の中に浸漬したコイルを通してポンピングされる。作動流体がコイルを通って流れると、それは冷却剤と熱接触し、冷却剤と熱を交換し、所望の温度への作動流体の冷却又は加温がもたらされる。熱交換浴における冷却剤の温度は、例えば、コンソール内の冷媒ループを通って流れる冷媒と熱を交換することにより、コンソールによって制御される。コイルは、作動流体が迅速に冷却又は加温され得るように、熱交換浴216内の冷却剤に露出する流体ループ201の表面積を増大させる。風呂キャップ214は、熱交換浴216を覆って、熱交換浴において所望の温度が維持されることを確実にする。キャップ214は、1つ又は複数の開口部を有し、それを通してコイルの入力ポート212及び出力ポート210は、コイルをチューブアセンブリ208のチューブ209に接続するために延び得る。
【0165】
熱交換流体ループ201は、エアトラップチャンバ、例えば、エアトラップシリンダを含み、これは、患者を加熱又は冷却するために温度管理システム100を構成するときに流体ループ201に空気を閉じ込める、及びそこから空気を除去するために構成されている。流体ループ201がプライミングされると、エアトラップチャンバは、ひっくり返されてエアトラップチャンバホルダ206内に位置付けられる。特定の実装において、エアトラップホルダは、エアトラップチャンバを保持又は固定するように構成されたスタンド、クリップ、ブラケット、又は他の構造体であり得る。エアトラップチャンバを含む熱交換流体ループ201は、プライミングボタン218を作動させることによって、温度管理システムの動作の前にプライミングされる。温度管理システムの動作の間、エアトラップチャンバは、右側を上にしてエアトラップ容器内に位置付けられる。
【0166】
ポンプ204は、流体ループ201を通して作動流体をポンピングするように構成されている。ポンプは、流体ループ201のポンプチューブ234に係合し、ポンプチューブ234を圧縮して、流体ループ201を通して流体をポンピングする蠕動ポンプであり得る。ポンプ204は、ポンプカバー224を開けることによってアクセスされ得る。ポンプカバー224は持ち上げられ得、ポンプノブ232を回して、ポンプチューブ234をポンプ204上に進める又は載せる、及び/又はポンプ204からポンプチューブ234を降ろす又は除去するのに役立ち得る。ポンプチューブ234は、入口ポート220及び出口ポート222によってチューブ209に接続されている。ポンプチューブ234は、チューブ209とは異なる直径であってよく、異なる材料でできていてよい。ポンプチューブ234は、ポンプ204のローラ(図示せず)による接触に応じた圧縮及び拡張のために構成されている。ポンプチューブ234は、チューブ209に取り付けられており、流体ループ201がコンソールインタフェース104上に搭載されたときにポンプ204の軌道と位置合わせされている。ポンプ204は、チューブ208を通して、エアトラップチャンバを通して、コイルを通して、熱交換装置110へと流体フローを駆動する。ポンプ204は、ポンプのスピード、及びしたがって、流体ループ201を通る流体フローの速度を制御するように構成されたコントローラ(図示せず)によって制御されている。コントローラは、作動流体の温度及び/又は流体ループ201を通る作動流体フローの速度を制御することによって、患者を加熱又は冷却する速度を制御し得る。
【0167】
プライミングボタン218は、患者の加熱又は冷却の前に流体ループ201をプライミングするために提供される。流体ループ201をプライミングすることは、流体ループ201から空気を除去すること、及び、流体ループ201を作動流体で充填することを含む。流体ループ201をプライミングするために、エアトラップシリンダは、エアトラップホルダ206において第1の反転した配向で位置付けられている。プライミングボタンは、押されて解放されて、ポンプ204に、流体ループ201を通して作動流体を設定した時間量(例えば、1分、2分など)だけポンピングさせて、流体ループ201からすべての空気が除去されたことを確実にする。エアトラップチャンバの反転した配向により、流体ループ201内の気泡は、エアトラップチャンバの底部(反転に起因して現在は上にある)に収集させられ、ポンプが稼働しているときに、最終的には、熱交換流体源、例えば、生理食塩水バッグへと押し進められる。
【0168】
図2に示されるように、コンソールを用いて熱交換流体ループ201を構成又は初期化するのにユーザを支援するためにマーキングが提供される。コンソールインタフェース104上のマーキング(例えば、マーキング236a~f)は、流体ループ201を構成するためにユーザに提供される命令(図示せず)に対応し得る。マーキングは色分けされ得る。例えば、入力ポート220のマーキング236fは、出力ポート224のマーキング236cとは異なる色であり得、これらのマーキング236cは、チューブ208上のマーキング238に対応し得る。これは、ポンプ204におけるポンプチューブ234の正しい向きでの配置を支援し得る。別の例において、エアトラップスタンドにおけるエアトラップチャンバの正しい向きでの配置を支援するために、エアトラップスタンド206のマーキング236bは、エアトラップチャンバの端部と一致するように色付けされ得る。マーキング236a~fは、流体ループ201のプライミングのため、又は、加熱及び冷却処置の間の動作のために、コンソールを用いて流体ループ201を適切な向きで構成するのを支援するために付番(例えば、連続的に)され得る。
【0169】
次に図3を参照すると、温度管理システム100のコンソール102は、複数の異なるタイプの熱交換装置110a~e、例えば、熱交換カテーテル110a~d又は体表面熱交換器110eと共に利用可能又はそれとの使用について承認され得る。体表面熱交換器110eは、熱交換ブランケット、パッド、又は衣服を指し得る。
【0170】
チューブアセンブリ208は、複数の異なるタイプの承認された熱交換カテーテル110a、110b、110c、及び110d、及び1つ又は複数の冷却又は加熱用表面パッド110eに接続可能又はそれと共に利用可能であり得る。この特定の例において、図3に示される第1の承認された熱交換カテーテル110aは、Cool Line(登録商標)Catheter(ZOLL Circulation,Inc.、カリフォルニア州サンノゼ)として市販されている。カテーテル110aは、熱交換円筒状バルーン318a、318bを含み、これは、患者の血管系に位置付けられ得、これを通して作動流体、例えば、生理食塩水が循環し、患者の血管系においてバルーンを通過して流れる患者の血液と熱を交換して、患者を冷却又は加温する。第2の承認された熱交換カテーテル110bは、Solex 7(登録商標)Catheter(ZOLL Circulation,Inc.、カリフォルニア州サンノゼ)として市販されている。カテーテル110bは、患者を冷却又は加温するためのヘビ状のバルーン320を含む。第3の承認された熱交換カテーテル110cは、Icy(登録商標)Catheter(ZOLL Circulation,Inc.、カリフォルニア州サンノゼ)として市販されている。カテーテル110cは、熱交換円筒状バルーン322a~b及び324を含み、これは、患者の血管系に位置付けられ得、これを通して作動流体、例えば、生理食塩水が循環し、患者の血管系においてバルーンを通過して流れる患者の血液と熱を交換して、患者を冷却又は加温する。第4の承認された熱交換カテーテル110dは、Quattro(登録商標)Catheter(ZOLL Circulation,Inc.、カリフォルニア州サンノゼ)として市販されている。カテーテル110dは、熱交換円筒状バルーン326a、326b、及び326c、及び328を含み、これは、患者の血管系に位置付けられ得、これを通して作動流体、例えば、生理食塩水が循環し、患者の血管系においてバルーンを通過して流れる患者の血液と熱を交換して、患者を冷却又は加温する。冷却パッド110eは、ZOLL(登録商標)STx(商標)Surface Pads(ZOLL Circulation,Inc.、カリフォルニア州サンノゼ)として市販されている。これらの異なるタイプの熱交換装置は、異なるタイプの動作データ(例えば、異なる最大流体圧又はフロー定格)を有し得るが、それらは、チューブアセンブリ208と共にて使用されて、流体ループ201の一部をなす場合がある。
【0171】
特定の実装において、熱交換装置は、コンソールプロセッサに送信される又はそれによって読み出されるデバイス識別情報でエンコードされた検知モジュール116を用いてエンコードされてよく、又はそれに連結されてよく、プロセッサに、特定の熱交換装置110a~e、例えば、カテーテルタイプ、又は体表面デバイス(例えば、パッド又は衣服)に固有のアルゴリズム及び/又は動作設定/変数を使用させる。例えば、符号化情報は、熱交換カテーテル110a~110d及び1つ又は複数の冷却又は加熱用表面パッド110eのいずれかに好適であるアルゴリズム及び/又は動作設定又はデータを含む、又はコンソールプロセッサにそれを選択および使用させる場合がある。具体的には、符号化情報は、使用される特定のアルゴリズム及び/又は動作設定又はデータを含む場合があり、又は代替的には、コンソールプロセッサは、多数の異なるアルゴリズム及び/又は動作設定又はデータで予めプログラミングされている場合があり、さらに、エンコードされたデータに基づいて、チューブアセンブリ及び/又はコンソール102と共に利用可能である、又はそれとの使用について承認された熱交換装置に好適なアルゴリズム及び/又は動作設定又はデータを選択および実装するようにプログラミングされる場合がある。例えば、特定の実施形態において、複数の承認された熱交換装置110a~eの各々は、推奨される圧力限界を有してよく、符号化情報は、複数の熱交換装置タイプのうちのどれがチューブアセンブリ208に接続されているかにかかわらず、チューブアセンブリ208に接続された熱交換装置110a~e内の熱交換流体圧がその熱交換装置最大圧力限界を超えないように、ポンプ204のスピードを制限する制御アルゴリズム、動作設定又はデータを含む、又はプロセッサにそれを選択および使用させる場合がある。
【0172】
流体ループ201とインタフェース接続するように構成された体外制御コンソール102を有する温度管理システムは、本明細書で説明されるプロセスを実行するように構成されたプロセッサ又はコントローラを有する温度管理システム100の一例を含む。ZOLLのThermogard XP(登録商標)血管内温度管理システムは、別の例である。表面冷却及び/又は加温を提供する他の温度管理システム、例えば、他の血管内熱交換システム及び/又は熱交換システムはまた、本明細書で説明されるプロセスを実行するように構成され得る。
【0173】
温度管理システム100は、前に説明したように、患者の体温を制御するように構成されている。温度管理システム100のコンソールのプロセッサ(例えば、システムコントローラ)は、患者の体温が熱交換装置に変更されるにつれて、温度管理システム100の1つ又は複数のセンサから1つ又は複数の患者データ及び/又は動作データの値を受け取る。
【0174】
患者データを測定するための1つ又は複数のセンサは、患者の上又は中に位置付けられた、温度センサ、例えば、サーミスタ又はサーモカップル又は温度プローブを含み得る。温度管理システム100の動作データを測定するための1つ又は複数のセンサは、温度管理システム100のハードウェア構成に応じて、及び測定される動作データに応じて変動し得る。例えば、センサは、動作データの値を測定するための、1つ又は複数の温度センサ(例えば、サーミスタ)、流体フロー速度、センサ又はフローメーター、圧力センサ、例えば、圧力変換器又はマノメーター、温度管理システム100の1つ又は複数のコンポーネントによって消費されるパワーを測定するための電流計又は他のセンサ、ポンプの1分当たりの回転数(rotations per minute、RPM)又はポンプの羽根車のスピードを測定するためのタコメーター又は他のセンサなどを含み得る。温度センサを使用して患者及び熱交換浴温を測定することによって、又は、温度管理システム100の動作の間に、カテーテルの流入及び流出ルーメン又はチューブアセンブリの流入及び流入ルーメンに位置する温度センサを介して作動流体温度Tin-Tout(Tinは、熱交換カテーテルに流入する作動流体の温度であり、Toutは、カテーテルから流出する作動流体の温度である)の変化を測定することによって、熱交換装置によって与えられる冷却エネルギー又はパワーを決定することのように、いくつか動作データは間接的に決定され得る。
【0175】
温度管理システムは、動作又は患者データを検出するための1つ又は複数のセンサに連結された、プロセッサ、メモリ、及び関連付けられる回路を含み得る。動作及び患者データは、遡及的な、現在の、又は他のレビューのために、収集され、及び/又はシステムに記憶される。例えば、動作及び患者データはログエントリとして記憶され得る。特定の実装において、ログエントリは、各々が、データメッセージから生成された、熱交換処置に関連付けられた特定の値を含む構造化されたメッセージであり得る。例えば、データメッセージは、温度管理システム100の動作の現在のスナップショットを示し得る。この場合、データメッセージの値は、動作値(及びいくつかの実装において、患者温度データ)のリストを含む。動作値は、データメッセージから(例えば、リモートデバイスによって)解析され、リモートコンピューティングシステムの画面又はディスプレイに入力するのに使用され得る。例えば、温度管理システム100は、温度管理システム100の動作のリモート監視のために、データメッセージを含むデータのストリームをリモートシステムに送信し得る。いくつかの実装において、プロセッサは、患者温度データ及び動作データを有するデジタル出力データをリモートサーバにストリーミングするように構成されている。いくつかの実装において、動作及び患者データは、システムコンソール上の有線のRS-232ストリーミング出力を介して、リモートプロセッサ又はコンピュータに、例えば、EMRデータハブ又は病院ハブにリアルタイム又は準リアルタイムで送信又はストリーミングされ得る。いくつかの実装において、動作及び患者データは、WiFi通信、Bluetooth(登録商標)、セルラ、USB又は他の無線接続又はリンクを介してリアルタイム又は準リアルタイムで送信又はストリーミングされ得る。
【0176】
データメッセージは、要約データ(ログエントリとも呼ばれる)を含み得る。ログエントリは、処置期間の間に実行される温度管理処置の要約を表すデータを含み得る。各ログエントリは、処置ログのすべて又は一部をなしてよく、これにより、患者の温度管理処置の全体的な要約が提供される。処置ログは、医療サービス提供者が温度管理処置の要約を迅速にレビューすることを可能にする。システムプロセッサ、又は、システムコンソールに連結されたシステムへの付属品、例えば、HMIA(病院モニタインタフェースアクセサリ)又はデータモジュールによって記憶された動作及び患者データ、例えば、データメッセージ、ログエントリ、処置ログ、及び/又は他のデータは、揮発性又は不揮発性メモリに記憶され得る。ログエントリは、後に説明するように、ユーザインタフェース106上に視覚的に表され得る。
【0177】
データメッセージは、温度管理システム100の動作データ及び患者データのインスタント値を提供し得る。ログエントリは、経時的に集められたデータを表して良く、患者のプロファイルの一部であり得る。例えば、処置ログ及びログエントリは、電子カルテ(electronic medical record、EMR)に記憶され得る。
【0178】
例えば、1つ又は複数のログエントリのログエントリは、処置期間の間に適用された冷却又は加温速度、目標患者温度値、処置期間の名称、処置期間に関連付けられる期間、処置期間の開始時、その間、及び終了時の患者温度、及び患者の温度管理処置の1つ又は複数の他の処置期間に対する処置期間の位置付けのうちの1つ又は複数を表すデータを含み得る。各処置期間のログエントリは、処置期間に関連付けられた、システムモード識別子、処置期間がアクティブであった時間、及び他のデータ(例えば、患者温度、最大患者温度、最低患者温度、患者温度における変化、目標温度、冷却又は加温速度など)を含み得る。いくつかの実装において、ログエントリは、処置期間に関連付けられた、全加熱又は冷却エネルギー又はパワーを含み得る。ログエントリの表示は、図4A図6と関連して説明される。
【0179】
いくつかの実装において、処置ログのログエントリは、リモートデバイス(例えば、病院におけるデータハブ)に送信される。温度管理システム100は、ログエントリを含むデータを、1つ又は複数の異なる方法でリモートデバイスに送信する。温度管理システム100は、トリガに応じて、ログエントリデータをリモートデバイスに送信する。例えば、温度管理システム100は、処置期間がいったん完了すると、異なる処置期間において処置が依然として進行中の場合さえも、ログエントリをリモートデバイスに送信し得る。いくつかの実装において、温度管理システム100は、すべての温度管理処置がいったん完了すると、処置ログデータを送信する。例えば、温度管理システム100の熱交換装置が非アクティブ化又は電源オフにされている場合、コントローラは、処置が完了したと決定し、ログエントリデータをリモートデバイスに送信し得る。別の例において、温度管理システム100は、システムモード(例えば、MAXモードでの患者の冷却又は加温、RATEモードでの患者の冷却又は加温、MAINT(MAINTAIN)モードでの患者の温度の維持など)における変化を検出すると、処置ログ(又は処置ログの1つ又は複数のエントリ)をリモートデバイスに送信する。
【0180】
いくつかの実装において、温度管理システム100は、例えばエアトラップの不具合、熱交換装置の不具合、患者温度が閾値を超えたことなどの不具合を検出すると、処置ログデータをリモートデバイスに送信する。どうして不具合が生じたかを決定する、及び/又は処置が不具合によって悪影響を受けるかどうかを決定するために、処置ログデータが(例えば、ユーザによって)分析され得る。これにより、ユーザは、患者の温度管理処置が傷ついていないかことを確実にするために、是正措置(例えば、エアトラップを交換する、流体の漏れを直すなど)を即座に取ることが可能になる。
【0181】
いくつかの実装において、温度管理システム100は、トリガなしで処置ログデータを送信する。例えば、温度管理システム100は、ログエントリデータをリモートデバイスに周期的(例えば、1時間に1回、1日に1回など)に送信し得る。
【0182】
一態様において、温度管理システム100は、所与の処置に関するログエントリを構造化されたフォーマットで共にリンクする。例えば、各ログエントリと共にキー値が記憶され得る。キー値を参照することによって、患者の処置のログ全体が索出され得る。
【0183】
温度管理システム100は、患者のステータス、温度管理システム100の1つ又は複数のコンポーネントのステータス、又はその組み合わせを示す1つ又は複数の警告を生成し得る。警告は、処置ログデータ又はデータメッセージのデータに基づいて生成され得る。警告は、温度管理システム100のユーザインタフェース上への提示のために生成され得る。プロセッサは、警告を、患者の医療提供者に関連付けられたコンピューティングデバイスなどの1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスに送信し得る。一態様において、ユーザインタフェースは、プロセッサと通信するように構成されており、不具合が生じたかどうかを示す警告、処置の段階が開始/完了したこと、又は、通知ルールを満たす患者の処置の任意の他の関連する態様を表すデータは、ユーザインタフェース上に通知を表示させる。ユーザインタフェースは、有線を介して、又は無線でコンソールに連結され得る(例えば、ユーザインタフェースは、ポータブルタブレット又はリモートコンピューティングデバイスであり得る)。
【0184】
警告は、温度管理システム100の動作に不具合又はエラーがあることを示し得る。警告は、何らかの不具合が生じたかどうかを調査するなど、温度管理システムの動作を調査するよう医療提供者にインジケータを提供する。警告は、処置が完了したこと、第1の処置期間が終了し、第2の処置期間が開始されたこと、モードの変更、例えば、MAXからMAINTへの変更があったこと、又は、温度管理システム100の動作、例えば、温度管理システムによって及ぼされている、又は与えられている、患者の測定された又は現在の温度における温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージ又は比率を示してよく、これは、患者の臨床状態又は基礎疾患、例えば発熱状態を示す。
【0185】
いくつかの実装において、プロセッサは、1つ又は複数のデバイスにアクションを実行させる警告を生成する。例えば、音声の合図及び視覚的表示などのフィードバックは、ヘルスケア提供者に提示され得る。警告は、デバイスに、ヘルスケア提供者と連絡させ得る(例えば、医師、看護師などに、電話のコールをかける又はページを置く)。警告は、デバイスに、患者についての特定のデータ、例えば、所与の処置期間にわたる患者の温度の提示を表示させ得る。警告は、デバイスに、患者に関連付けられた健康記録を更新させ得る、又はデバイスにさらなる分析のために、患者に関連付けられた健康記録を索出させ得る。特定の実装において、システムのプロセッサは、警告が、リアルタイムの警告であるか、回顧的なレビューのために記録されたものかを決定するように構成されていてよい。リアルタイムである場合、プロセッサは、ユーザインタフェース上に警告を表示する、情報チェーンで警告を送信する、又は、第三者のモニタに警告データを送信するかどうかを決定する。例示的なルートは、医師又は看護師の携帯電話に警告を送信することである。
【0186】
警告は、携帯電話ベースのアプリケーションを開く、又はインターネットベースのアプリケーションを開いてよい。いずれかのアプリケーションから、医師又は看護師は、警告に加えて送信されていてよい他の関連データを参照し得る。警告は、病院固有患者識別子を含んでよく、そうでなければ、医師又は病院が患者の名前を、電話上のアプリケーション又はインターネットのいずれかに追加していない限り、患者の識別に関して見えない。警告は、ベッド番号などの非患者固有識別子を含んでよい。また、医師は、警告を受け取ったことに応じてアクションを講じる機会を有するだろう。これは、ICUのデスクへの電話のコールをトリガすること、(アプリケーション内で又は温度管理システムに対してリモートで)警告上で温度変化範囲又は変化の継続期間を調整すること、又は医師が警告を見たことをマーキングすることを含むかもしれない。継続期間又は範囲を変更することにより、ユーザが、一時的なスパイクにより警告がトリガされないように継続期間を設定することが可能となる。例えば、5分間にわたって持続する0.4Cのずれは警告をトリガし得る一方、治療の一時停止によりこの警告が解除され得るが、これは異なる警告をトリガし得る。警告の時間及び/又は継続期間を調整する場合、そのような調整は、その具体的な人物に対する通知にのみ影響を及ぼしてよい。例えば、温度変更警告範囲を0.4Cの温度変更から0.5Cの温度変更に調整し、継続期間を同じままにすることで、その医師の具体的アプリケーション又はウェブベースのプログラム上でアプリケーションがトーン/警告を鳴らすかどうかに影響が及ぼされ得る。
【0187】
看護師又は医師に対するデュアル警告は、異なる警告範囲及びアクションを有し得る。説明される特徴は、ユーザ、例えば医師を完全な制御に置いてよい。例えば、制御の第1ポイントは、警告範囲が設定されてよいベッドサイドにあってよい。制御の第2ポイントは、ユーザが例えば「音」に対する公称設定を調整してよい受け取り側のアプリケーション又はウェブサイトにあってよい。このように、2又はそれより多くのトリガが確立されてよく、第1は、警告をネットワークへの機械から受け取り側デバイスに「送信」するためのものであり、第2は、受け取り側デバイスが警告を受け取るときに講じるアクションである。シフトを去るある医師から、シフトに来る別の医師にデータを転送することを可能にするスケジューリング特徴もまた提供されてよい。警告が見られたか、又は、ある医師から別の医師に転送されたかの確認応答を必要とする応答ツリーが、提供されてよい。例えば、第1の医者は、警告の確認応答を受け取るのに5分が与えられ、確認応答がない場合、警告は、別の医師又は看護師に送信される。特定の実装において、本明細書において説明された様々な警告又は警告パラメータのうちの1つ又は複数は、ユーザによってカスタマイズされてよい。警告供給についての複数の選択肢、例えばデバイスディスプレイ、ナースステーション、EMR、携帯電話などが設定されてよい。患者の体温調節活動のための警告は、他の形を含んでよい。例えば、体温調節活動を示す値を提供するために、カラースケール又は可聴警告が、ユーザインタフェースを介して出力されてよい。
【0188】
図4Aは、ユーザインタフェース400(図1)におけるユーザインタフェース106のような)の例示的な図を示す。ユーザインタフェース400は、ハウジング402及び台座404を含む。ハウジングは、後に説明される、ディスプレイ401の動作を可能にするためのハードウェア、及び1つ又は複数のハードウェア制御420、422、424、426、及び428を含む。ハウジング402は、1つ又は複数のインジケータのためのハードウェア、例えば、ユーザに信号を提供するためにアクティブ化されるように構成されているインジケータ430及び432を含む。ユーザインタフェースは、温度管理システム100によって処置の間に生成された処置データの視覚表現を示すように構成されたディスプレイ401を含む。台座404は、ユーザインタフェースを、温度管理システム100の残りと関連して動かす又は枢動させることが可能となる。例えば、台座404は、ユーザインタフェース400を上下に動かすための望遠鏡システムを含み得る。特定の実装において、ユーザインタフェースは、コンソールから取り外し可能であってよく、又はポータブルであってよい。例えば、ユーザインタフェースは、無線接続を介してコンソールと通信し得るタブレット、電話、又は他のポータブルデバイスの形であってよい。
【0189】
ディスプレイ401は、1つ又は複数のグラフ構成における処置データの表現を示すように構成されている。画面401は、温度管理システムによる、患者のアクティブな又は現在の処置に関する処置データを示す領域405を含む。例えば、領域405は、温度データ406などの患者データを含む。
【0190】
患者温度データ406は、現在の時間の患者の体温(例えば、瞬時の患者温度、現在の患者温度など)を含む。温度データ406は、患者の中又は上の温度センサによって測定される。温度センサは、熱交換装置の一部、例えばカテーテルであり得、又は、別個のプローブ又はカテーテル上に位置付けられ得る。患者温度データ406は、2つの別個の温度プローブT1及びT2からの温度測定値を含み得る。図4Aにおいて、T1は、37.1℃を測定しており、T2は37.0℃を測定している。プローブT1及びT2は、患者において異なるポジションに位置していてよい。第2のプローブT2は、温度管理システム100の温度測定のロバストネスを増大させるために含まれている。例えば、プローブT1が機能しなかった場合、プローブT2は、患者が誤った温度データに基づいて加温又は冷却されないことを確実にする。例えば、T1及びT2によって示される値の間の差が差の閾値を超えた場合、ユーザからの介入を促す、及び/又は患者の温度処置を安全に停止するために警告が生成される。
【0191】
ディスプレイ401は、現在の処置データ領域405における患者のための目標温度408の表現を示すように構成されている。目標温度408は、温度管理システム100を使用して患者を加温する又は患者を冷却するかのいずれかによって患者が有するようにさせるように温度管理システム100が構成されている温度を表す。目標患者温度408は、点温度(例えば、37℃)を含み得る。いくつかの実装において、目標患者温度408は、温度範囲(例えば、36.8℃~37.2℃)を含む。目標温度408は、点温度又は温度範囲として表示される。温度管理システム100は、目標温度を上回る又は下回る患者を加温又は冷却し、又は、目標温度408の範囲内に患者温度406を維持し得る。
【0192】
ディスプレイ401は、患者に現在適用されている温度管理処置の現在のシステムモード識別子410を表示するように構成されている。モード識別子410は、温度管理システム100が患者を処置するためにどのように動作しているかを識別する。例えば、各モードは、処置に対して異なるゴール又は目的を有し得る。
【0193】
温度管理システム100の「MAX」モード又はMAXパワーモードは、熱交換装置110に、温度管理システム100のハードウェアを考慮して可能な限り速く患者を加温又は冷却させるように構成されている。温度管理システム100のパワーは、概して、最大パワーモードの間は100%である。これは、容量における温度管理システム100のハードウェアを操作することによる、加熱又は冷却の最速の速度を含む。例えば、熱交換流体をポンピングするポンプは、安全上の制約により許容されるように可能な限り多くの流体を循環させるために、最速のポンプ設定に設定され得る。別の例において、熱交換浴温(例えば、コールドウェル温度)は、温度管理システム100で利用可能な最も冷たい温度まで下げられ得る。別の例において、加熱又は冷却要素(例えば、熱交換プレート)は、許容可能な最大温度又は許容可能な最低温度に設定され得る。別の例において、バックアップ用の加熱又は冷却要素(例えば、ファン、電気ヒータなど)は、主加熱又は冷却要素を補充するためにアクティブ化され得る。他のそのような例が可能である。温度管理システム100は、このように、閾値温度、又は閾値温度からの何らかのオフセット(例えば、0.5度)に達するまで、可能な限り速く患者を加熱又は冷却する。閾値温度は、目標温度408によって示され得、又は、患者の所望の最終温度を超えすぎる(例えば、加熱又は冷却しすぎる)ことを防ぐために、目標温度とは異なる値であり得る。特定の実装において、閾値又は閾値のオフセット温度にいったん達すると、システムは、「MAINT」モード(以下でより詳細に説明する)へと自動的に遷移し得、ユーザインタフェースがMAINTを表示する。
【0194】
温度管理システム100の「MAINT」又は維持モードは、温度管理システム100に、患者温度406を安定した値(例えば、目標温度408)又は安定した値からの閾値量以内に維持させるように構成されている。維持モードにおいて、温度管理システム100は、目標温度に維持するために患者を加熱又は冷却するのに利用可能な任意のパワーパーセンテージを使用するように構成され得る。例えば、温度管理システム100は、目標温度及び患者温度の間の差が増大している場合に、増大したパワーで患者を加熱するよう熱交換装置110を制御し得る。患者温度及び目標温度の間の差が比較的小さくなると(例えば、縮小する)、温度管理システム100は、比較的縮小したパワー(又はゼロパワー)で患者を加熱又は冷却するよう熱交換装置110を制御する。
【0195】
温度管理システム100の制御RATE又は設定RATEモードは、熱交換装置110に、患者を指定の速度で加熱又は冷却させるように構成されている。この速度は、ユーザによって入力され得る。速度は、単位時間当たりの温度、例えば℃/時間で指定され得る。この例において、温度管理システム100は、可能な限り指定された速度に近い速度で患者温度406を上昇又は低下させる。いくつかの実装において、冷却又は加熱する速度は、指定の時間量にわたって患者に適用される。いくつかの実装において、患者を冷却又は加熱する速度は、目標又は閾値患者温度に達するまで、又は目標又は閾値温度からの何らかのオフセット(例えば、0.5度)に達するまで適用される。特定の実装において、閾値又は閾値のオフセット温度にいったん達すると、システムは、「MAINT」モードへと自動的に遷移し得、ユーザインタフェースがMAINTを表示する。
【0196】
温度管理システムの「FEVER」モードは、熱交換装置110に、温度管理システム100のハードウェアを考慮して可能な限り速く患者を冷却させるのに利用可能な最も冷たい温度(例えば、0.5℃)に熱交換浴温を設定するように構成されている。患者が目標又は閾値温度に達する、又は目標又は閾値温度からの何らかのオフセット(例えば、0.5度)にいったん達すると、ポンプがオフになる。温度管理システムは、患者の温度がどうなるかを見るために待機する。患者温度が何らかの予め設定された閾値(0.01~0.05℃)を上回って上昇すると、ポンプは再びオンになり、システムはFEVERモードで動作し続ける。いくつかの実装において、FEVERモードでは、システムは、患者の温度を下げる、又は患者を冷却するためにのみ動作し、患者の温度を上昇させる又は患者を加温するようには決して動作しない。
【0197】
いくつかのモードを説明したが、他のモードが可能である。例えば、温度管理システム100は、上で説明したモードとは独立して、熱周期、時間に関して予めプログラミングされた加熱及び/又は冷却レジームなどを適用し得る。
【0198】
引き続き図4Aを参照すると、領域407は処置ログを表す。領域407は、温度管理システム100による患者の処置に関する履歴データを含む。例えば、領域407は、患者に以前に投与された、及び/又は現在投与されている処置の表現を表示し得、ここで、処置は、一連の処置期間418a~418dに分けられており、各処置期間が、ディスプレイ又は画面の領域407における別個のセクション又はタイルに表示されている。1つ又は複数の処置期間は、その期間に患者に適用された1つ又は複数の以前の処置のモード、患者に適用されている現在のモード、及び/又は、患者に適用される将来の処置のモードを含み得る。特定の実装において、1つ又は複数の目標温度、処置期間の開始時、その間、又は終了時の患者温度、患者に適用される加熱又は冷却速度、各モード又は処置期間に関連付けられる継続期間の時間、各モード又は処置期間に関連付けられるタイムスタンプ、処置スケジュール、又はそれらの任意の組み合わせが表示され得る。特定の実装において、各処置期間又はセクションは目標温度に関連付けられ得る。図4Aにおける領域407は、様々な処置シンボル414、例えば、シンボルのシーケンス(例えば、マーク、符号、線、文字、グラフィカルシンボル、アイコン、ピクチャ)を示しており、これは、意図した方向又は患者の温度の方向、システムが動作していた又はしている様式、例えば、特定の処置期間の間に、例えば患者を冷却、加温、又は加熱することによって、患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持するように動作していることのシンボル表現を提供する。例えば、シンボル414は、各処置期間418a、418b、418c、及び418dの間の患者の温度の意図した方向を表し得る。特定の実装において、シンボル414は、患者の処置の間に温度管理システム100がどのように動作していたか、動作しているか、又は動作するか、例えば、患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持するかを表し得る。特定の実装において、シンボル414は、患者の処置の間に温度管理システム100がどのように動作していたか、動作しているか、又は動作するか、例えば、患者の温度を冷却又は加温するかを表し得る。
【0199】
処置期間418a~dは、システムモード識別子、例えばMAX、及び/又は各処置期間に関連付けられる期間を示すテキストデータ416を含み得る。例えば、データ416は、シンボル414によって示されるように、モードの各々がどれほど長く患者に適用されたか、又は患者に適用することがスケジュールされているか、又は、患者の温度がどれほど長く冷却、加温、又は維持されたか、又は特定の方向、例えばより高い又はより低い温度に向かって駆動されたかを示す。この例において、処置期間418dにおいて使用される薄いテキストは、患者を処置するために温度管理システム100によってこの処置期間が現在実行されていることを示しており、現在の処置領域405におけるデータに対応する。
【0200】
第1の処置期間418aの間、温度管理システムは、患者の温度を下げるためにMAX冷却モードで動作していたため、下方に傾斜する又は角度のある線が提示されており、その処置期間にわたってシステムが患者温度を低下させていた、又は患者の温度を低下させる様式で動作していたことを表している。線の近くに示される数字は、処置期間が開始されたときの患者の温度を示す。ここで、その値は35.9℃であった。シンボルの下のテキストデータ416は、冷却、又は患者の温度を低下させる様式でのシステムの動作が、2時間12分(2h、12m)にわたって継続したことを示す。特定の実装において、処置期間の始め、間、及び終わりにおける患者の温度、及び/又は目標温度は、ディスプレイセクション又はタイルのうちの1つ又は複数における処置期間のいずれについても示され得る。
【0201】
第2の処置期間418bの間、温度管理システムは、MAINTモード(又は温度維持モード)で動作していた。平らな線のシンボルは、その処置期間にわたって、システムが患者温度を維持していた、又は患者の温度を33.0℃に維持する様式で動作していたことを表すために提示される。テキストデータ416は、維持、又は患者の温度を維持する様式でのシステムの動作が、36時間39分にわたって継続したことを示す。MAINTモードは、その期間の間に患者がどのように加熱又は冷却されたかの詳細を示さない場合がある。温度管理システム100は、患者温度が処置のために自然の体温から上昇させられている又は低下させられているかに応じて、MAINTモードの間に低パワーで患者を冷却又は加熱し得る。
【0202】
第3の処置期間418cの間、温度管理システムはRATEモードで動作していた。上方に傾斜する又は角度のある線は、処置期間にわたって、システムが患者温度を上昇させていた、又は患者の温度を上昇させる様式で動作していたことを表すために提示される。この例において、システムは、例えば加熱又は加温によって、患者の温度を33.0℃から目標温度である37.0℃まで上昇させるように制御された速度で動作していた。テキストデータ416は、速度が0.30℃/時間であったことを示し、上昇、又は患者の温度を0.30℃/時間の制御された速度で上昇させるためのシステムの動作が、13時間57分にわたって継続したことを示す。
【0203】
第4の処置期間418dの間、温度管理システムは、MAINTモードで動作していた。平らな線のシンボルは、その処置期間にわたって、システムが患者温度を維持していた、又は患者の温度を37.0℃に維持する様式で動作していたことを表すために提示される。テキストデータ416は、維持、又は患者の温度を維持する様式でのシステムの動作が、23時間26分にわたって継続したことを示す。現在の処置領域405のテキストに対応する薄いテキストは、処置期間がアクティブであり進行中であることを示す。テキストデータ416の期間は、この現在の処置期間の経過時間を示す。
【0204】
ディスプレイ401は、パワーメーター412を示す。パワーメーター412は、温度管理システム100が処置の間にどれほどの力で患者を冷却又は加熱するように機能しているかを表す加温又は冷却パワー値413を示すように構成されている。パワー値413は、温度管理システム100の1つ又は複数の動作パラメータ値及び患者データの1つ又は複数の値(例えば、患者温度)の関数である。例えば、関数は、1つ又は複数の動作パラメータの現在の値を、それぞれの1つ又は複数の動作パラメータについて可能な最大値に関連付ける。例えば、パワー値413は、患者温度(現在の)及び浴温又は冷却剤温度の間の差を表す第1の値、及び患者温度及び浴温又は冷却剤温度値の間の差を表す第2の値の間の比に基づき得る。
【0205】
関数は式(1)として示され得る:
【数2】
【0206】
ここで、Power valueは、パーセンテージとしてのパワー値413であり、Tpatientは患者の現在の温度であり、Tbathは現在の浴温又は冷却剤温度であり、Tbath_maxは最大浴温又は冷却剤温度(これは、熱交換流体温度のプロキシとなり得る)である。最大浴温又は冷却剤温度は、患者を加熱時に可能な最も高い浴温又は冷却剤温度、及び患者を冷却するときに可能な最も低い浴温又は冷却剤温度である。式(1)の分母がゼロに近づくと、パワー値は100%に設定される。
【0207】
患者を冷却又は加温する温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとしてのパワー値又は値を生成及び表示することであって、パワー値は、本明細書で説明されるように患者温度データ及び冷却剤温度データの間の関係に基づくことは、多くの利点を有する。パワー値は、システムが患者の温度を上昇させる、低下させる、又は維持するためにどれほどの力で機能しているかをケア提供者が認識することを可能にする。特定の実装において、パワー値は、システムが患者に与えている冷却又は加温パワーの%(患者を冷却又は加温するための温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージ)を表し得、これにより、ケア提供者は、システムが所与の患者温度における全能力に対してどれほどの力で機能しているかが分かる。冷却又は加温パワー又は努力値のパーセントは、その全能力に対してシステムがどれほどの力で機能しているかを伝える比である。パワー値又は努力値は、患者を冷却又は加温するシステムの最大冷却又は加温能力のパーセンテージを表す。パワー値又は努力値は単位のない値である場合がある。上に説明したように、パワー値は、患者温度及び浴温又は冷却剤温度の間の関係に基づき得る。患者温度を織り込むことにより、システムは、システムがその特定の現在の又は測定された患者温度において患者に与えることができる最大冷却又は加温パワーと関連して、患者に与えられるパワー%の計算を動的に調整することが可能になる。上の計算で示されるように患者温度を織り込むことは重要であり、それは、患者温度なしでは、患者の状態に対するシステムの冷却又は加温パワー能力を決定することはできないからである。患者温度及び浴温の間の差は、患者及び風呂の間の温度勾配を提供する。勾配が高いほど、患者及び風呂の間のパワー伝達又はエネルギー伝達の速度が高くなる。患者温度を考慮しない場合、実践においてシステムが患者に実際に伝達することができるパワー%を計算するのではなく、処置される患者とは無関係な、予め定義された固定条件下でシステムが与えることが可能なパワー%しか認識することができない。患者温度なしでは、患者の現在の状態を考慮するように式は調整されず、実際の測定された現在の患者温度において患者に実際に伝達され得るパワー%を決定することができない。上のパワー計算において、分子は、システムがどれほどの力で機能しているかを表す一方、分母は、システムが機能することができる力を表す。計算された値により、ケア提供者は、システムがその全能力に対してどれほどの力で機能しているかが分かる。
【0208】
いくつかの実装において、理解が容易なパワー値はまた、ケア提供者にとって、患者の基礎疾患に関するインジケータとなり得る。例えば、より高いパワー値%は、患者が発熱状態にあることを示してよく、より低いパワー値%は、神経学的に健全でない患者を示してよい。システムは、システムがパワー閾値%を超えたことに応じて、患者の状態をケア提供者に通知する警告又はプロンプトを提供してよい。これにより、ケア提供者が最適なケアを提供し、そのステータスによって必要に応じて患者を処置することが可能となる。
【0209】
図4Bは、患者の2つの例を下に含むグラフ450を示し、一方は33Cにあり、もう一方は37Cにある。患者が33Cにある場合、風呂又は冷却剤は35Cであり、システムは、その最大能力の20%で加温を行う。患者が37Cにある場合、風呂又は冷却剤は35Cであり、システムは、その最大能力の8%で冷却を行う。いくつかの実装において、温度管理システム100の作動流体ポンプがオフにされている場合、比の値はゼロである。いくつかの実装において、温度管理システム100の作動流体ポンプがオンにされている場合、比の値は、浴温(例えば、冷却剤温度)及び患者温度のみに基づく。いくつかの実装において、パワー値413の比は、温度管理システムの作動流体ポンプのスピードにさらに基づく。いくつかの実装において、比は、温度管理システムの作動流体ポンプのスピードに基づいておらず、流体ポンプのポンプスピードとは独立して、上に説明されるように患者温度及び浴温又は冷却剤温度のみに基づいて計算される。例えば、特定の例において、可変のポンプスピードは、上で参照する計算には織り込まれていない。いくつかの実装において、比は、温度管理システムのパワー(例えば、経時的なエネルギー)消費に基づく。これはワット単位で測定され得る。いくつかの実装において、温度管理システムの冷却又は加温パワー413を示す値及び熱交換処置の1つ又は複数の期間の冷却剤温度は、ユーザインタフェース400の単一の画面401上に同時に表示される。
【0210】
図4Aに戻ると、パワー値413は、温度管理システム100の冷却又は加温状態のテキストインジケータと共にディスプレイ401上に表示され得る。例えば、温度管理システム100が冷却しているとき、「冷却中」という単語が示される。例えば、温度管理システム100が加温しているとき、「加温中」という単語が示される。
【0211】
パワー値413は、単一の数字として表示され得る。数字は、パーセンテージ、比率、メーター上の数字、又は任意の同様のフォーマットを含み得る。いくつかの実装において、パワーは、文脈的な表現、例えば、「最大パワー」、「低パワー」、「高パワー」などによって表される。
【0212】
パワー値413は、パワーメーター412の近くに表示され得る。パワーメーター412は、現在の温度管理システム100の加温又は冷却パワーの視覚表現を含む。パワーメーター412は、弓状のメーターを含み得る。パワーメーター412は、加温領域417a及び冷却領域417bの2つの領域に分割され得る。領域417a~bは、異なる色(例えば、加温は赤色、冷却は青色)であり得る。加温領域417aは、ディスプレイ401上で冷却領域417bの上にあり得る。領域417a~bは、温度管理システムのパワー0%又は温度管理システム100の状態を表す中央の近くで交わり得、ここで温度管理システムは患者を加熱も冷却もしていない。加温領域417aの上の端部は、100%の加温パワーを表す。冷却領域417bの下の端部は、100%の冷却パワーを表す。このように、加温領域417aは、0~100%の温度管理システムの加温パワーを表す。このように、冷却領域417bは、0~100%の温度管理システムの冷却パワーを表す。いくつかの実装において、中央領域は、温度管理システム100のポンプ又は1つ又は複数の他のコンポーネントのOFF状態を表す。いくつかの実装において、中央領域は、患者温度及び浴温(例えば、冷却剤温度)が同じ温度に等しくなった状況を表し、パワー値413はゼロである。インジケータ415は、患者を冷却又は加温するために温度管理システムによって及ぼされる又は与えられる、例えば現在の又は測定された患者温度における温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージ又は比率が変化するにつれて、及び/又は、患者温度406及び/又は浴温が変化するにつれて、リアルタイムでパワーメーターの周りをスライドするように構成されている。
【0213】
ユーザインタフェース400は、領域440における処置パラメータのインジケータを含む。処置パラメータは、高温閾値434及び低温閾値436などの閾値を含み得る。閾値434は、警告が生成される患者温度を示す。警告は、リモートコンピューティングデバイスに(例えば、医師又は看護師のモバイルコンピューティングデバイスに、又はナースステーションに)送信され得る。警告は、患者温度が処置には高すぎる又は低すぎることを示し得る。いくつかの実装において、患者温度が閾値434、436のうちの1つを過ぎると、温度管理システム100から直接警報が鳴る、又は警告、例えば光がユーザインタフェース上に表示される。この例において、低い閾値は28.0℃であり、高い閾値は42.0℃である。ベル(又は他のシンボル)は、これらが警報又は警告の閾値であることを示す。
【0214】
領域440の処置パラメータは、浴温438の表現を含み得る。浴温438は、患者を冷却又は加温するために熱交換装置を通って循環する熱交換流体(例えば、冷却剤又は加熱流体)の現在の温度を表す。コンテナの中の温度計(又は他のシンボル)は、これが浴温値であることを示す。浴温値は、風呂の貯水槽内に配置された、温度管理システム100の流体ループの温度センサ(例えば、サーモカップル又はサーミスタ)によって測定される。この例において、浴温値は34.7℃である。浴温及び患者温度は、パワー値413に加えて、処置の間に画面401上に同時に表示され得る。
【0215】
領域442は、現在の日付及び時間値を表示する。日付及び時間は、処置期間418a~dに関連付けられる期間を決定するために使用される。日付及び時間値は、どのモードの処置を患者が受けるべきか、又はどのようにして患者の温度がシステムにより影響を及ぼされるべきかをユーザが決定するのに役立ち得る。日付及び時間値は、ログメッセージにタイムスタンプを付けるためにログメッセージにおいて使用される。特定の実装において、温度管理処置の全経過時間が表示され得る。
【0216】
ユーザインタフェース400は、1つ又は複数のハードウェア制御を含む。制御は、目標温度を設定するために目標温度制御420を含み得る。制御は、温度管理システム100による患者の温度処置を停止又は再開するための一時停止又は進行制御422を含み得る。制御は、温度管理システム100の処置モードを設定するためのモード制御424を含み得る。制御は、画面401上に表示されたメニュー(例えば、データの選択、データの入力、表示の単位の変更など)又は他の情報をナビゲートするための制御426を含み得る。温度管理システム100によって生成されるオーディオフィードバック又は警告を消音するためにミュート制御428をトグルすることができる。制御420、422、424、426、及び428は、ボタン、ダイアル、スイッチ、ソフトキー、キーパッドなどを含み得る。
【0217】
インタフェース400は、光又は他のハードウェアインジケータを使用してユーザにデータを提示するように構成されたハードウェアインジケータ430、432を含む。パワーインジケータ432は、温度管理システム100のOFF/ONステータスを示す。警告インジケータ430は、ユーザのために警告を視覚的に示す(例えば、温度閾値434、436のいずれかを超えたとき)。
【0218】
図5A図5Dは、患者の処置の異なる部分のためのユーザインタフェース400の例示的な画面500a~500dを示す。図5Aは、処置の初期処置期間508aを示す画面500aを示す。画面500aは、一次温度読み出し値Tからの患者温度502が34.1℃であることを示す。二次温度読み出し値Tは、34.3℃の温度を示す。目標温度504は33.0℃である。前に説明したように、モードはMAXモードである。したがって、温度管理システム100は、可能な限り迅速に患者を冷却している、又は患者の温度を下げている。領域506におけるシンボルは、下方に傾斜する線を示しており、その処置期間にわたってシステムが患者温度を冷却している、又は患者の温度を低下させる様式で動作していることを表す。パワーメーター510は、温度管理システム100が患者を100%で冷却していることを示す。浴温は、0.8℃に設定されている。これらの値502、504、506、510、及び512は共に、温度管理システム100がどのようにして患者を迅速に冷却しているかを示す。さらに、領域506において、処置期間508aが開始されたときの患者温度が35.9℃と表示され、現在の処置期間(MAXと書かれた薄いテキスト読み出し値)が1時間17分の経過時間を有することが表示されている。これは、温度管理システム100がどのように動作しているかについての簡単なスナップショットを医療サービス提供者に提示する。ユーザは、温度管理システム100が、処置の初期処置期間において可能な限り迅速に患者を冷却している、又は患者の温度を下げていると決定し得る。
【0219】
図5Bは、初期処置期間508aに続く、患者の処置の第2の処置期間508bを示す画面500bを示す。画面500bは、患者温度が35.9℃から33.2℃に下がっていることを示し、これは、33.0℃の目標温度504の閾値許容内である。モードはここで、「MAINT」又は維持温度である。領域506の第2のシンボルは、システムがその処置期間にわたって患者温度を維持している、又は患者の温度を維持する様式で動作していることを表す平らな線を示し、これには目標温度が含まれる。薄いMAINTのテキスト及び領域506の処置期間508bにおける温度値33.0℃によって示されるように、目標温度は、現在維持されている。パワーメーター510は、冷却25%のパワー読み出し値を示す。これは、目標が33.0℃である一方、患者が目標温度よりもわずかに暖かい(33.2℃)ことを示す。浴温は、初期処置期間よりも高い。浴温512は、ここでは、0.8℃ではなく24.3℃であり、そのため、パワー値は100%から25%まで下がっている。第2の処置期間508bは、36時間39分にわたってアクティブであった。
【0220】
図5Cは、第2の処置期間に続く、患者の処置の第3の処置期間を示す画面500cを示す。モードはRATEモードである、又は、指定された制御された速度で患者の温度を変更している。画面500cは、第2の処置期間以降、患者温度が33.0℃から34.9℃に上がったことを示す。領域506の第3のシンボルは、システムがその処置期間にわたって患者温度を加温している、又はシステムが患者の温度を上昇させる様式で動作していることを表す上方に傾斜する線を示し、これには0.30℃/時間の速度が含まれる。パワーメーター510は、加温68%のパワー読み出し値を示す。これは、目標が37.0℃である一方、患者が目標温度よりも冷たい(34.9℃)ことを示す。浴温は第2の処置期間よりも高くなっている。浴温512はここでは、24.3℃ではなく40.3℃であり、そのため、パワー値は、冷却25%から加温68%へと上げられている。インジケータは、弓状のメーターの上半分へと動いている。第3の処置期間508bは、6時間12分にわたってアクティブであった。
【0221】
図5Dは、第3の処置期間に続く、患者の処置の第4の処置期間を示す画面500dを示す。画面500dは、患者温度が34.9℃から37.1℃に上がっていることを示し、これは、37.0℃の目標温度504の閾値許容内である。モードはここで、「MAINT」又は維持温度である。領域506の第4のシンボルは、システムがその処置期間にわたって患者温度を維持している、又は患者の温度を維持する様式で動作していることを表す平らな線を示し、これには目標温度が含まれる。薄いMAINTのテキスト及び領域506の処置期間508dにおける温度値37.0℃によって示されるように、目標温度は、現在維持されている。パワーメーター510は、0%のパワー読み出し値を示す。これは、患者がもはや温度管理システム100(例えば、温度管理システムのポンプ及び他のコンポーネント)によって加温も冷却もされていないことを示す。浴温は、第3の処置期間よりも低くなっている。浴温512はここでは、40.3℃ではなく34.7℃である。しかしながら、温度管理システム100のポンプがオフであるため、温度管理システムは患者を加熱も冷却もしておらず、パワーは0%に設定されている。第4の処置期間508dは、23時間26分にわたってアクティブであった。
【0222】
図5A図5Dの各々において、メーター510は、加温領域510a及び冷却領域510bの2つの領域を含む。加温領域510aは、温度管理システムによる加温アクションを表す。領域は、メーター510の円弧のおよそ中央で始まる。メーター510の円弧の中央は、温度管理システムのパワー0%を表し、ここでは冷却も加温も生じていない場合がある。加温領域510aの上の端部は、100%の加温パワーを表す。冷却領域510bの下の端部は、100%の冷却パワーを表す。このように、加温領域510aは、0~100%の温度管理システムの加温パワーを表す。このように、冷却領域510bは、0~100%の温度管理システムの冷却パワーを表す。各領域は、色勾配によって表され得る。例えば、加温領域510aは、円弧の中央の近くでは白色であり、100%の加温パワーを表す円弧の端部の近くではオレンジ/赤色であり得る。例えば、冷却領域は、0%の冷却パワーを表す、円弧の中央の近くでは白色であり、100%の冷却パワーを表す円弧の端部の近くでは青色であり得る。
【0223】
図6は、ユーザインタフェース400の別の例示的な画面600を示す。画面600は、前に説明した画面の代替物である。領域602は、前に説明したシンボルのシーケンスではなく、一連のエントリとして、患者の処置の処置ログを含む。領域602において、第1の処置期間604aは、数値「1」によって表され、モードはMAXである。下方の矢印は、その処置期間にわたってシステムが患者温度を冷却している、又は患者の温度を低下させる様式で動作していることを表す。初期患者温度は、「from 35.9℃」として示されている。期間は2時間42分である。エントリ604aのデータは、患者に関連付けられた処置ログにおいて1つ又は複数のログメッセージとして記憶され得る。領域602において、第2の処置期間604bは、数値「2」によって表され、モードはMAINTAINである。いずれの矢印も無いことは、その処置期間にわたってシステムが患者温度を維持している、又は患者の温度を維持する様式で動作していることを表す。目標温度は「@33.0℃」として示されており、これは、システムが患者温度を維持していた、又は患者温度を33.0°Cに維持するように動作していたことを示す。期間は36時間39分である。エントリ604bのデータは、患者に関連付けられた処置ログにおいて1つ又は複数のログメッセージとして記憶され得る。領域602において、第3の処置期間604cは、数値「3」、及び、RATEモードを示すインジケータ0.3°/hによって表される。上方の矢印は、その処置期間にわたってシステムが患者温度を加温している、又は患者の温度を上昇させる様式で動作していることを表す。モードの初期患者温度は、「from 33.2C」として示されている。期間は13時間57分である。エントリ604cのデータは、患者に関連付けられた処置ログにおいて1つ又は複数のログメッセージとして記憶され得る。領域602において、第4の処置期間604dは、数値「4」によって表され、モードはMAINTAINである。矢印が無いことは、その処置期間にわたってシステムが患者温度を維持している、又は患者の温度を維持する様式で動作していることを表す。目標温度は、「@37.0℃」として示され、これは、システムが患者温度を37.0℃に維持するように動作していたことを示す。これまでの経過時間は23時間26分である。エントリ604dのデータは、患者に関連付けられた処置ログにおいて1つ又は複数のログメッセージとして記憶され得る。処置期間604dは、テキストの色が他の処置期間604a~cとは異なっているため、アクティブとして示され、また、領域601の現在のデータと一致する。パワーメーター610は、現在の第4の処置期間604dに関連付けられ、温度管理システム100が10%の冷却パワーで患者を冷却していることを示す。
【0224】
図6において、メーター610は、加温領域610a及び冷却領域610bの2つの領域を含む。加温領域610aは、温度管理システムによる加温アクションを表す。領域は、メーター610の円弧のおよそ中央で始まる。メーター610の円弧の中央は、温度管理システムのパワー0%を表し、ここでは冷却も加温も生じていない場合がある。加温領域610aの上の端部は、100%の加温パワーを表す。冷却領域610bの下の端部は、100%の冷却パワーを表す。このように、加温領域610aは、温度管理システムの0~100%の加温パワーを表す。このように、冷却領域610bは、温度管理システムの0~100%の冷却パワーを表す。各領域は、色勾配によって表され得る。例えば、加温領域610aは、円弧の中央の近くでは白色であり、100%の加温パワーを表す円弧の端部の近くではオレンジ/赤色であり得る。例えば、冷却領域610bは、0%の冷却パワーを表す、円弧の中央の近くでは白色であり、100%の冷却パワーを表す円弧の端部の近くでは青色であり得る。
【0225】
図7Aは、ユーザインタフェース106、400の別の例示的な画面700aを示す。画面700aは、画面401の代替物である。領域702は、明るいテキストで現在の処置データを示す。領域706は、異なる処置期間708a~dにわたって、患者の温度を低下させる、上昇、又は維持するかのいずれの様式でのシステムの動作を表すシンボルを含む。処置期間708a~dは、簡略化されており、「トレンド」ラベルでマークされている。シンボルは、図4Aの処置期間418a~dにおけるシンボルに関して上で論じたものと同様の情報を表す。この例において、システムは、処置期間708aにおいて患者温度を上昇させていた、又は患者の温度を上昇させる様式で動作しており、システムは、処置期間708bにおいて患者温度を維持していた、又は患者の温度を33.0℃に維持する様式で動作しており、システムは、処置期間708cにおいて患者温度を上昇させていた、又は患者の温度を上昇させる様式で動作しており、システムは、処置期間708dにおいて患者温度を維持していた、又は患者の温度を37.0°Cに維持する様式で動作していた。パワーメーター704は、加熱及び冷却の規模を強調するために端部710a及び710bにおいてフランジを含む。
【0226】
図4A図7Aと関連して説明される例示的なユーザインタフェース106、400(又は画面500a~d、600、又は700a)のいずれにおいても、以下の特徴のうちの1つ又は複数が、個別に、又は前に説明した特徴との任意の組み合わせで含まれ得る。領域506及び706にも表される処置ログ407は、前に説明した特定の処置期間の間の、システムが動作している様式、例えば、患者の温度を低下させている、上昇させている、又は維持していること、又は、患者の温度の意図した方向又は方向を表す、非グラフシーケンス又は一連のシンボルを示す。ログにおける各エントリ(例えば、エントリ418a~d、508a~d、又は708a~dなど)は、システムが動作している様式、例えば、前に説明したように患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持する様式に応じて、傾斜している、角度のある、又は平らな線又は線セグメントを含むシンボルを示し得る。概して、エントリ418a~d、508a~d、又は708a~dの各線セグメントは、表示されている処置ログの他のエントリの他の線セグメントから区別可能である。いくつかの実装において、エントリ418a~d、508a~d、又は708a~dの線セグメントは、互いに連続していて単一の線をなすが、各エントリは、少なくとも1つの他の線セグメントとは異なる色であることによって区別される。いくつかの実装において、線セグメントは、間隙、ドット、縦線、色の変更、又は、線セグメントを互いから分ける他の手段を使用して離隔されることによって互いから区別可能である。いくつかの実装において、線セグメントは、各線セグメントを他の線セグメントから区別するために異なるテクスチャ又は表現を有し得る。例えば、各線は、線セグメントをエントリ418a~d、508a~d、又は708a~dの1つ又は複数の他の線セグメントから区別するために、実線、点線、テクスチャでフィルされている、中空などであり得る。いくつかの実装において、線セグメントは、無地、例えば、グレーであり、離隔されている(図7A)のエントリ708a~dにおいて示されるように)。いくつかの実装において、線セグメントの間隔はいたって狭く、代わりに、図4Aにおけるエントリ418a~dについて示されるように、細いボーダーによってフレーミングされている。いくつかの実装において、線セグメントは、図5A~5Dのエントリ508a~dについて示されるように、間隙によって間隔を空けられている。いくつかの実装において、各線セグメントは、矢じりで終端する。いくつかの実装において、現在実行している処置期間(例えば、図4A)のエントリ418d)を表すエントリのみが矢じりを含む。いくつかの実装において、いずれの線セグメントも矢じりを含まない。いくつかの実装において、現在実行している処置期間は、図7Aのエントリ708dにおいて示されるように、ユーザインタフェースにおいてハイライトされている。
【0227】
概して、処置ログのエントリ418a~d、508a~d、又は708a~dの線セグメントは、それぞれの領域(例えば、ユーザインタフェース500a~d及び700の領域506、706)内の特定のポジションに位置する。例えば、所与の処置期間について処置を開始するための相対的温度に基づいて、線セグメントは、領域のエントリ内の低いポジション、中間ポジション、又は高いポジションに配置され得る。例えば、図7Aに示されるように、エントリ708aは、初期患者温度が比較的低かった処置期間を示す。上方に傾斜する線は、エントリ708aにおいて低いポジションに配置されている。対照的に、エントリ708cにおいて示される処置期間の初期患者温度又は開始温度は、エントリ708aにおける処置期間よりも比較的高かった。そのため、708cに示される処置期間の上方に傾斜する線は、画面上で処置期間エントリ708aの線よりも高く位置付けられている。これは、患者に対する処置の一般的な傾向が何であるかをユーザに即座に提示する。さらに、図7Aに示されるように、処置期間の開始時の初期患者温度値又は目標温度の値がエントリ708a~dに含まれ得る。特定の実装において、処置期間の間又は終了時の患者温度値がエントリにおいて示され得、又は、処置期間の間の平均患者温度が示され得る。患者温度の維持又はシステムが患者の温度を維持する様式で動作していることを表す水平な線セグメントは、処置ログの視覚表現において処置期間のセクションの低い、中間、又は高いポジションに示され得る。特定の実装において、水平な線セグメントが処置期間のセクションにおいて出現し得る、2つ以上、例えば3つの異なるY軸のポジションが存在し得る。特定の実装において、処置期間のセクションにおける水平な線セグメントのポジションは、それらのそれぞれの処置期間の相対的な患者温度又は目標患者温度に依存し得る。図7Aにおいて、エントリ708bについて中間ポジションが示され、エントリ708dについて高いポジションが示される。図7Aに示されるように、エントリ708bの目標温度(33.0℃)は、エントリ708dの目標温度(例えば、37.0℃)よりも低い。特定の実装において、傾斜した又は水平な線セグメントの配置は、1つ又は複数のルールによって決定され得る。例えば、システムが患者の温度を上昇させるように動作している場合、傾斜した線セグメントは、処置期間のセクション又はタイルの左下角から開始し;システムが患者の温度を低下させるように動作している場合、傾斜した線セグメントは、処置期間のセクション又はタイルの左上角から開始し;システムが患者の温度を維持するように動作している場合、水平な線セグメントは、処置期間のセクション又はタイルの中央左から開始する。特定の実装において、隣接する処置期間のセクション又はタイルにおいて出現する連続する線セグメントは、連続性のルールに従い、すなわち、新しい線は、前の線が終端した場所で開始しなければならない。換言すると、各線は依然として、例えば間隙又は間隔によって隣接する線から区別又は分離され得る一方、各後続の線は、処置期間のセクション又はウィンドウ(例えば、処置ログ706において示されるように)において前の線がY軸又は垂直方向において終端下場所で開始しなければならない。
【0228】
処置ログ407、506、606、及び706は各々、図4A図7Aのそれぞれの画面又はユーザインタフェース400、500a~d、600、及び700上の表示のために具体的なレイアウト又はアスペクト比を有し得る。例えば、各処置ログは、最小で4つのエントリ又は処置期間のセクションの幅を有し得る。概して、4つのエントリが示されており、特定の症状、例えば、心拍停止を処置するためには、心拍停止を罹患した患者を処置するのに4つの処置期間が存在するからである。例えば、これらの処置期間は、患者の温度を冷却又は低下させる期間(例えば、33℃まで)、患者の温度を維持する期間(例えば、33℃に)、患者の温度を加温する又は上昇させる期間(例えば、36℃まで)、及び患者の温度を維持する別の期間(例えば、36℃に)を含み得る。一例において、ユーザは、ディスプレイを操作する必要なく、心拍停止を有する患者は、4つの処置期間のすべてを経たことを見ることができ、又は、患者の処置がどれほど進んでいるかを見ることができる。別の例において、偶発性の低体温症を処置するために4つの処置期間が示される。これらは、患者の温度を加温又は上昇させる期間(例えば、33℃まで)、患者の温度を維持する期間(例えば、33℃に)、患者の温度を加温する又は上昇させる別の期間(例えば、37℃まで)、及び患者の温度を維持する別の期間(例えば、37℃に)を含み得る。特定の実装において、処置ログの視覚表現又は表示のアスペクト比は、各処置期間のセクションについて、3つのユニット又はポジションの高さ(Y軸)であり、4つの処置期間のセクションの幅であり得る。この比は、患者の過去及び現在の温度管理処置に関して十分な情報であるが、多すぎない情報を顧客に提供するために最適化された。特定の実装において、処置ログの視覚表現又は表示のアスペクト比は、nX(N-1)として表され得、すなわち、水平又は傾斜した線セグメントのY軸のポジションの数は、単一の視覚表現又はディスプレイ画面上で見える処置期間のセクションの数よりも1つ少ない。例えば、処置ログのその視覚表現のためにそのようなアスペクト比を有するディスプレイ(例えば、最大で4つの処置期間を示し、水平又は角度のある線セグメントのための少なくとも3つのY軸のポジションを有する)は、段階的な処置(例えば、患者の温度を低下させること及び患者の温度を維持することを交互に行う)の視覚的表示を可能にし得る。
【0229】
処置ログの各処置期間を表すシンボルを画面上に同時に示し、また、システムが動作していた又はしている様式、例えば、様々な処置期間の間の患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持することを表す線セグメントの相対位置を示す非グラフ構成により、ユーザは、患者がどのように処置されてきて、患者が処置のどの段階にあるかを決定することを可能にする。処置ログは、このように、処置期間の任意の組み合わせの表現を表示し得る。表現は、処置がどのように進行しているかをユーザが即座に認識することを可能にするため、有利である。例えば、シフト変更の後、新しいケア提供者が病室に到着して、患者の温度管理処置履歴をディスプレイ画面上で迅速に見ることができる。加えて、ユーザにとって、処置ログがグラフではなく、むしろ、一連の処置期間、例えば、時間における4つの最新の処置期間にわたって、システムが動作してきた又はしている様式、例えば、患者の温度を低下させている、上昇させている、又は維持していることを表す一連の別個又はセグメント化されたアイコン又はシンボルであることが明らかとなるように、処置ログは、本明細書で説明されるようにシンボルで表されることができる。このフォーマットは、より単純であり、グラフよりも迅速に解釈できるという点で、グラフ表現に対して大きな利点を提供する。これは、多忙な、又はさもなければ「情報過多」である臨床医にとって重要である。それは、グラフ上に存在する視覚的散漫、例えば、患者の動きに起因する温度プローブのシフトを含まない「一目でわかる」視覚を提供する。処置ログのエントリはまた、グラフをレンダリングするのに必要とされるよりも少ない処理パワーを使用して表されてよい。
【0230】
いくつかの実装において、一目で、処置ログ領域のセクションは、(最大で)4つの最新の処置期間を示す。経過時間は、各処置期間の下に示され得る。この例において、水平な線は、処置期間の目標温度を示す。第1の角度のある線は、処置期間の開始時の患者温度を示す。各角度のある線の方向は、その処置期間の意図した処置の患者の温度の方向又は意図した方向(例えば、加温又は冷却)を表す。いくつかの実装において、規定されたトレンドが示され得る、又は処置の規定が示され得る。
【0231】
ユーザインタフェース400及び画面500a~d、600、及び700aと関連して上で説明したように、ユーザインタフェース又は画面は、単一のディスプレイ画面上に互いに対して位置付けられている4つのウィンドウで表され得る。ウィンドウの配置により、単純すぎず、また過度に複雑ではない情報量が提供されるため、ユーザによる処置プロセスの理解が容易になる。例えば、図7Aにおいて見られるように、現在の処置データ領域702が第1のウィンドウであり、パワーメーター704の領域が第2のウィンドウであり、処置ログ領域706が第3のウィンドウであり、動作パラメータ領域714が第4のウィンドウである。領域714は、現在の日付及び時間ではなく、位置712において合計経過処置時間を示し得る。この配置は、患者温度、目標温度及び/又はモード、過去及び現在の処置期間を示す処置ログ、浴温、及びパワーパーセンテージなどの、温度管理処置に関する重要かつ決定的な情報をすべて単一の画面上に示す。これにより、ケア提供者が、メニュー又は異なる画面を操作する又はナビゲートすることなく、単一の画面上で最も重要かつ決定的な情報を単純で容易に読み出せるフォーマットで見ることが可能になり、そのため、ケア提供者が、患者のケアを行うために両手を空けたままにすることが可能になる。
【0232】
図7Aにおいて、メーター704は、加温領域710c及び冷却領域710dの2つの領域を含む。加温領域710cは、温度管理システムによる加温アクションを表す。領域は、メーター704の円弧のおよそ中央で始まる。メーター704の円弧の中央は、温度管理システムの0%のパワーを表し、ここでは冷却も加温も生じていない場合がある。加温領域710cの上の端部710aは、100%の加温パワーを表す。冷却領域710dの下の端部710bは、100%の冷却を表す。このように、加温領域710cは、温度管理システムの0~100%の加温パワーを表す。このように、冷却領域710dは、温度管理システムの0~100%の冷却パワーを表す。各領域は、色によって表される。例えば、加温領域710cはオレンジ/赤色であり得る。例えば、冷却領域710dは青色であり得る。2つの領域710c、710dは、間隙によって分離され得る。
【0233】
図7Bは、温度管理システム100のユーザインタフェース106、400の画面700bを示す。画面700bは、現在の処置データ領域702の近くに不具合レポート722を含む。不具合レポート722は、温度管理セットアップ又は患者の処置における警告又はエラーを報告する。不具合は、温度管理システム100のコンポーネントのいずれかによって引き起こされ、ユーザインタフェースにおいて報告され得る。この例における不具合レポート722は、エアトラップの不具合を示す。不具合レポート722は、コンソールにおける漏れのチェック、流体ループのチューブ及び/又はエアトラップの取り替え、及び熱交換装置(例えば、カテーテル)の取り替えなど、不具合を解決するための命令を示す。領域724は、処置が一時停止している間に経過したスタンバイ時間を示す。ここで、時間は20秒である。温度管理処置は時間依存性であるため、不具合の解決もまた時間依存性である。不具合画面700bは、処置を再開することができるように、ユーザが不具合を可能な限り迅速に解決するのを支援する。前に説明したように、不具合の解決を促すために、警告が生成され得る、又は警報が鳴らされ得る。警告は、リモートコンピューティングデバイス又はシステムに送信され得る。
【0234】
図7Cは、温度管理システム100のユーザインタフェース106、400の画面700cを示す。画面700cは、メニュー領域726を含む。処置ログ722は、少なくとも4つのセクションを示す。現在の患者データ領域702が示されている。
【0235】
図7Dは、温度管理システム100のユーザインタフェース106、400の例示的な画面700dを示す。画面700dは、各々が、患者の温度管理のためのセクション又はタイル740a、740b、740c、及び740dに表される、処置ログのエントリを含む。前に説明した画面(例えば、708a~d)と同様に、セクション又はタイル740a~dは、タイル740a~dに表される異なる処置期間にわたる、患者の温度を低下させる、上昇させる、又は維持する様式(冷却、加温、又は維持状態)でのシステムの動作を表すシンボルを含む。タイル740aにおける下方に傾斜する線セグメントは、温度管理システム100が、処置期間740aの経過時間にわたって患者の温度を低下させる様式で動作していることを示す。下方に傾斜する線セグメントの近くに示される温度35.9℃は、処置期間が開始されたときの患者の温度を示す。患者が処置期間740aの間に目標温度にいったん達すると、システムは、維持状態に切り替わる、又は、処置期間740bにわたって患者の温度を33.0℃の目標温度に維持する様式で動作する。システムがMAINTAINモードで動作しており、目標温度が(例えば34Cに)調整され、患者温度(例えば、33.6C)が新しい目標温度の維持状態範囲の閾値(例えば、0.5C)以内である場合、システムは、患者の温度をその新しい目標温度である34℃に維持するように動作し、タイル740cに示されるように、新しいセクション又はタイルを生成及び表示する。しかしながら、システムはMAINTAINモードにとどまるため(MAX、RATE、又はFEVERモードへの変更が介入しない)、その後のタイル740cは、タイル740cにも示されている新しい目標温度にあるにもかかわらず、温度管理システムが患者の温度を維持するように動作し続けていることを表す水平な線のシンボルを含む。タイル740b~cの水平な線のシンボルは同一直線上にあるが、タイルがグラフを表さないため、それらは同じy軸に対応していない。2つの水平な線のシンボルの横並びの同一直線上の描写は、目標温度が変更された場、システムがMAINTAINモードにとどまったことを示す。各タイルにおけるテキストにも異なる目標温度が示される。
【0236】
モード/速度領域742において、温度管理システム100のモードを表すラベルが示され、又は、加熱又は冷却速度が示され得る。いくつかの実装において、以下のルールに従って維持ラベルが示される。アクティブなタイル(例えば、タイル740c)が患者の温度を維持する様式でのシステムの動作又は維持状態を表すシンボルを含む場合、メイン画面上のMode/Rateフィールドには、以下の例外を伴って、MAINTAINと書かれる。目標温度が変更されると、モード/速度領域742は、システムが依然として維持状態にあるかどうかを温度管理システム100が確立するまで、ユーザによって選択された最後のモード/速度設定を示すように更新される。結果的にもたらされるシステム状態は、処置を再開した後にのみ決定される。システム状態が維持状態にある場合、モード/速度領域742は再びMAINTAINを表示する。さもなければ、領域742は、ユーザによって選択された最後のモード/速度設定を表示し続ける。特定の実装において、システムがシステムパラメータ、例えば目標温度を変更するために一時停止を必要とする場合、結果的にもたらされるシステム状態は、処置を再開した後にのみ決定され得る。処置を再開した後にのみシステム状態を決定することは、ユーザが処置パラメータを繰り返し変更する場合に過剰なタイル生成を最小限に抑えるためのフィルタとして作用する。
【0237】
モード/速度が変更されると、MAINTAINはもはや領域742に表示されなくなる。モード/速度領域742は、温度管理システム100が依然として維持状態にあるかどうかを決定するまで、入力されたモード/速度設定を表示する。システム状態が維持状態にある場合、モード/速度領域742は再びMAINTAINを表示する。さもなければ、領域742は、入力されたモード/速度設定を表示する。温度管理システム100がFEVERモードにある場合、MAINTAINは決して表示されない。モード/速度領域742は、FEVER CONTROLを表示し得る。特定の実装において、システムがシステムパラメータ、例えばモード/速度を変更するために一時停止を必要とする場合、結果的にもたらされるシステム状態は、処置を再開した後にのみ決定され得る。処置を再開した後にのみシステム状態を決定することは、ユーザが処置パラメータを繰り返し変更する場合に過剰なタイル生成を最小限に抑えるためのフィルタとして作用する。
【0238】
温度管理システム100は、デバウンス時間と呼ばれる一定期間の時間にわたってサンプリングアルゴリズムを使用して、システムが新しいシステム状態へと変更されるかどうか、及びしたがって、新しい処置期間又はタイルが生成及び表示されるべきであるかどうかを決定する。処置ログエントリ描画ルール(例えば、タイル508a~d、708a~d、740a~dなどの)及びモード/速度表示ルール(例えば、領域410、742の)は、システムへの変更について決定を行うのに十分な安定したデータのサンプリングが存在することを確実にするために、デバウンス時間を使用し得る。
【0239】
加えて、温度管理システム100は、初期又は電源オン、加温状態、冷却状態、維持状態などの間で遷移するためにステートマシンを使用し得る。表1は、温度管理システム100のためのステートマシンの一例を示す。
【0240】
表1:温度管理システムのための例示的なステートマシン
【表1】
【0241】
上の表は、システム状態間で遷移するための例示的なルール、ならびに、システム状態が変更されないにとどまり得るときのための列8の例示的なルールを含む。例えば、システムが維持状態で動作しており、目標温度が変更されないが、患者温度が維持状態の範囲の閾値の外にドリフトした場合、システムは、維持状態にとどまり、新しいタイルは生成も表示もされない。この例において、システムが維持状態にいったん達すると、目標温度の変更のみが維持状態からの退出をもたらし得る。この例は、セクション又はタイルに表されるデータがグラフと異なっていることの1つの例示である。患者は、目標から大きく、例えば3Cだけ逸脱し得、次に、目標に戻され得るが、タイルは、維持状態を表す単一の水平な線のみを示す。
【0242】
表に示される患者(PT)/目標温度(TT)条件が指定された継続期間にわたって維持されない場合、システムは、開始状態又は既存の状態にとどまる。
【0243】
以下のルールは、温度管理システム100がどのようにデータをユーザインタフェース上に表示するかを示し得る。具体的には、セクション又はタイル508a~d、708a~d、740a~dなどは、下で説明されるようにユーザインタフェース上に描画される。ここで、タイル508a、708a、740aなどは位置Aとして説明され、508b、708b、740bなどは位置Bとして説明され、508c、708c、740cなどは位置Cとして説明され、508d、708d、740dなどは位置Dとして説明される。いくつかの実装において、処置ログのタイルには、画面の左(例えば、508a、708a、740aなど)で開始する線セグメントが入力される。新しいタイルがまず位置Aの右に追加され、次に位置B、次に位置C、次に位置Dに追加される。4つのタイルが描画され見えるようになった後、タイルのコンテンツは左にシフトされ、新しいタイルコンテンツが位置Dに描画される。次に、現在の処置タイルがアクティブなタイルである。いくつかの実装において、アクティブなタイルは最も右の可視タイルである。いくつかの実装において、アクティブなタイルは1つのみである。いくつかの実装において、アクティブなタイルのタイルコンテンツは、白色の処置セグメントでレンダリングされる。いくつかの実装において、非アクティブな可視タイルは、前の処置設定に対応する。いくつかの実装において、非アクティブな可視タイルのコンテンツは灰色でレンダリングされる。
【0244】
処置ログエントリタイルのコンテンツの例をここで説明する。いくつかの実装において、温度上昇又は加温状態の処置ログタイルが、上方の斜めの線セグメントでレンダリングされる。いくつかの実装において、温度低下又は冷却処置状態を表すタイルは、下方の斜めの線セグメントでレンダリングされる。いくつかの実装において、温度上昇又は加温状態を表すタイル又は温度低下又は冷却状態を表すタイルには、何の温度情報もレンダリングされていないが、以下の例外を有する:最初のタイルが、表された温度上昇/加温又は温度低下/冷却状態の始めにおける提示する患者温度を表示すると、温度上昇/加温又は温度低下/冷却を表すタイルがレンダリングされる。
【0245】
いくつかの実装において、維持処置状態を表すタイルは水平な線でレンダリングされる。いくつかの実装において、維持処置状態を表すタイルは常に、その維持状態に関連付けられた目標温度を表示する。いくつかの実装において、すべてのタイルは、タイルの下部に入力された継続期間を含み、これは、システムがタイルによって示される状態にあった時間及び分を示す。非アクティブなタイルは、時間及び分で、その処置の合計継続期間を含む。アクティブなタイルは、アクティブな処置状態の進行中の継続期間の情報を含む。いくつかの実装において、アクティブなタイルの継続期間は、1分に1回更新される。
【0246】
処置ログタイル描画ルールの例をここで説明する。いくつかの実装において、処置設定の時間に患者温度が目標温度を0.5℃以上超える場合に、温度低下/冷却タイルが描画される。このタイルは、その条件が真のままである間はそこにとどまる。いくつかの実装において、処置設定の時間に患者温度が目標温度を0.5℃以上下回る場合に、温度上昇/加温処置を表すタイルが描画される。このタイルは、その条件が真のままである間はそこにとどまる。いくつかの実装において、患者温度が処置の間に目標温度の0.5℃以内に交差する場合に、維持処置状態を表すタイルが描画される。いくつかの実装において、維持処置状態を表すタイルがいったん描画されると、通常、維持処置状態を表す新しいタイルは描画されない。この要件には、システムとのユーザのインタラクションに基づいて、具体的な例外が適用される:いくつかの実装において、目標温度が変更されるが患者温度が新しい目標温度の0.5℃以内である場合、新たに選択された目標温度を示して、維持処置状態を表す新しいタイルが描画される。患者温度が新しい目標温度を0.5℃以上超えるように目標温度が変更される場合、冷却状態を表す新しいタイルが描画される。いくつかの実装において、患者温度が新しい目標温度よりも0.5℃以上下回るように目標温度が変更される場合、新しい加温状態タイルが描画される。いくつかの実装において、システム動作条件、例えば、速度、目標温度又は患者温度が変更され、新しいシステム処置状態が冷却に決定された場合でさえ、冷却処置状態を表す2つのタイルは互いに隣接して表示されない。いくつかの実装において、システム動作条件、例えば、速度、目標温度又は患者温度が変更され、新しいシステム処置状態が加温に決定された場合でさえ、加温処置状態を表す2つのタイルは互いに隣接して表示されない。
【0247】
温度管理システム100の発熱モードの挙動をここで説明する。発熱モードの挙動は、前のセクションで列挙されたタイル描画ルールに従うが、以下の例外を有する:発熱モードは、目標温度が患者温度を0.5℃以上超えた場合でさえも、加温状態のタイルを表示しない。その具体的な状況が生じた場合、発熱モードは、エンドユーザによって指定された目標温度と共に維持状態のタイルを表示する。
【0248】
例示的な実装において、目標温度に対して変更がなされる又は新しい目標温度が入力されると、処置ログの視覚表現の新しいセクション又はタイルが生成され表示される。別の例示的な実装において、処置の間、患者の温度が、目標温度の予めプログラミングされた閾値(例えば、0.5度)以内になると、処置ログの視覚表現の新しいセクション又はタイルが生成され、患者の体の温度を維持する温度管理システムの動作を表すシンボルを表示する(例えば、維持状態を表す維持タイルが生成される)。
【0249】
温度管理システムの安定性をここで説明する。ユーザタイルエラー又は急な一時的な温度変動に帰する一時的状態の報告を回避するため、ステートマシンは、遷移の状況が一定期間(例えば、約10~40秒又は20~30秒であり得るデバウンス時間)にわたって安定になった後にのみ状態遷移を可能にするフィルタリング動作を有する。このフィルタリングは、目標温度及び状態遷移の両方に適用される。例えば、1秒の間に目標温度が35.2Cから35.7Cへ、そして35.2Cに戻るように変更される場合、目標温度は一度も35.7Cで安定することはなく、デバウンス時間を超えてその値を維持することはなかったため、その遷移は登録されず、温度管理システム100は目標温度が35.2Cから一度も変更されなかったかのように動作する。別の例において、患者温度が37.0Cであり、目標温度が36.0Cであった場合、温度管理システム100は、温度低下又は冷却状態にある。患者温度が1.5秒にわたって33.0Cに下がり、その後37.0Cに戻った場合、システム100は、デバウンス時間を超えて温度上昇又は加温状態にとどまらなかったため、温度管理システム100は冷却状態にとどまる。
【0250】
システムは、互いに依存している2つの変数(目標温度及び状態)の安定性についてテストしているため、安定性要件は付加的である。具体的には、温度管理システム100が維持状態にあるが、目標温度が変化している場合、エンドユーザが誤った温度値を入力してシステム100に不正確な状態を入力させることから確実に守るため、ならびにそれらが維持状態にとどまる場合に安定した目標温度が確実に示されるようにするために、変更する目標温度が安定性についてテストされる。
【0251】
図7Eは、システムセットアップの間に提示されるデータを示すユーザインタフェース700eの一例である。例えば、システムセットアップのチェックリストが、複数の列を有する単一の行に表示される。セクション752は、チェックリストがいったん完了するとシステムの準備が整うことを示す命令を含む。セクション752は、複数の列に表示された、チェックすべき項目のリストを含む。各項目をチェックした後、それぞれの項目の横に、その項目がチェックされたことを示すチェックマークのシンボルが表示される。
【0252】
図8図12は各々、温度管理システム(例えば、図1図3の温度管理システム100)による患者の処置のための例示的なプロセスのフロー図を示す。図8は、温度管理システムによる患者の処置のためのプロセス800を示す。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結された熱交換装置を含む。温度管理システムは、前に説明したように、患者の体と熱を交換し、患者の温度管理処置の間の温度管理システムの動作ステータスを表す動作データを取得するように構成されている。温度管理システムは、患者の体の温度を示す患者温度データを測定するように構成された少なくとも1つのセンサを含む。温度管理システムは、センサに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を含む。プロセッサはプロセス800を実行する。プロセッサは、センサから患者温度データを受け取る(802)ように構成されている。プロセッサは、患者温度データに基づいて、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するように温度管理システムを制御する(804)ように構成されている。プロセッサは、患者温度データ及び動作データで構成された処置ログを含むデジタル出力データを生成する(806)ように構成されている。プロセッサは、データストアにデジタル出力データを記憶する(808)ように構成されている。プロセッサは、温度管理処置のトリガ条件が満たされたことを検出する(810)こと、ここでトリガ条件は温度管理処置のすべて又は一部の完了である;及びトリガ条件が満されたことの検出に応じて、デジタル出力データをリモートデバイスにリアルタイム又は準リアルタイムで、例えば、患者の温度管理処置の間又は後に送信する(812)ことを行うように構成されている。いくつかの実装において、デジタル出力データは、デジタル出力データがリモートデバイスにストリーミングされることを可能にする予め定義されたフォーマットを含む。温度管理システムは、デジタル出力データをリモートデバイスに送信するように構成されたトランスミッタを含み得る。いくつかの実装において、予め定義されたフォーマットは、リモートデバイスが、デジタル出力データを受け取った際に温度データ及び/又は動作データを表示するためにデジタル出力データを解析することを可能にするように構成されている。いくつかの実装において、プロセス800は、WiFi通信、Bluetooth、セルラ、又は他の無線接続又はリンク又はUSBを介してデジタル出力データをストリーミングすることを含む。いくつかの実装において、プロセス800は、有線接続を介してデジタル出力データを送信することを含む。
【0253】
図9は、温度管理システムによる患者の処置のためのプロセス900を示す。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結された熱交換装置を含み、体外制御コンソールは、動作データを生成するように構成されている。動作データは、温度管理処置の間の冷却剤の冷却剤温度を表す冷却剤温度データを含む。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結され、かつ患者の体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサを含む。温度管理システムは、温度管理システムに連結されたユーザインタフェースを含む。温度管理システムは、温度管理システム及びユーザインタフェースに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を含む。プロセッサは、プロセス900を実行するように構成されている。プロセス900は、温度管理システムから患者温度データ及び冷却剤温度データを受け取る(902)ことを含む。プロセス900は、患者温度データ及び冷却剤温度データの間の関係に基づいて、患者に与えられる冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定する(904)ことを含み、関係は、患者を冷却又は加温する温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む。プロセス900は、動作データ及び患者温度データに基づいて少なくとも1つの処置ログを生成する(906)ことを含み、処置ログは、温度管理処置のそれぞれの期間に関連付けられた複数のログエントリを含む。プロセス900は、ユーザインタフェースに、パワー値及び処置ログを同時に提示させる(908)ことを含む。
【0254】
図10は、温度管理システムによる患者の処置のためのプロセス1000を示す。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結された熱交換装置を含む。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結され、かつ患者の体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサを含む。温度管理システムは、温度管理システムに連結されたユーザインタフェースを含む。温度管理システムは、温度管理システム及びユーザインタフェースに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を含む。プロセッサは、プロセス1000を実行するように構成されている。プロセス1000は、センサから患者温度データを受け取る(1002)ことを含む。プロセス1000は、体外制御コンソールから冷却剤温度データを受け取る(1004)ことを含む。プロセス1000は、患者温度データ及び冷却剤温度データの間の関係に基づいて、患者に与えられる冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定する(1006)ことを含み、関係は、患者を冷却又は加温する温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む。プロセス1000は、患者を冷却又は加温する温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとしてのパワー値を生成及び表示する(1008)ことを含む。
【0255】
図11は、温度管理システムによる患者の処置のためのプロセス1100を示す。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結された熱交換装置を含む。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結され、かつ患者の体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサを含む。温度管理システムは、温度管理システムに連結されたユーザインタフェースを含む。温度管理システムは、温度管理システム及びユーザインタフェースに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を含む。プロセッサは、プロセス1100を実行するように構成されている。プロセス1100は、センサから患者温度データを、温度管理システムから動作データを受け取る(1102)ことを含む。プロセス1100は、患者温度に基づいて、患者の体を冷却又は加温するよう温度管理システムを制御する(1104)ことを含む。プロセス1100は、1つ又は複数の処置期間のログエントリを生成する(1106)ことを含み、処置期間のログエントリは、少なくともその処置期間に関連付けられた動作データを示す。プロセス1100は、患者の温度管理処置の1つ又は複数の処置期間を指定する処置ログを生成する(1108)ことを含む。プロセス1100は、処置ログの視覚表現を生成する(1110)ことを含み、視覚表現はセクションのシーケンスを含み、各セクションは、患者の温度管理処置の処置期間に対応し、各セクションは、患者の体の温度を低下させる、上昇させる、又は維持する温度管理システムの動作を表すシンボルを含み、各シンボルは、セクションのシーケンスにおける各他のシンボルとは区別されている。
【0256】
図12は、温度管理システムによる患者の処置のためのプロセス1200を示す。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結された熱交換装置を含む。温度管理システムは、体外制御コンソールに連結され、かつ患者の体の温度を示す患者温度データを生成するように構成された1つ又は複数のセンサを含む。温度管理システムは、温度管理システムに連結されたユーザインタフェースを含む。温度管理システムは、温度管理システム及びユーザインタフェースに通信可能に連結された、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連付けられる回路を含む。プロセッサは、プロセス1200を実行するように構成されている。プロセス1200は、温度管理システムから冷却剤温度データ及び患者温度データを受け取る(1202)ことを含む。プロセス1200は、患者温度データ及び冷却剤温度データの間の関係に基づいて、患者に与えられる冷却又は加温パワーを表すパワー値を決定する(1204)ことを含み、関係は、患者を冷却又は加温する温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力の比率を表す比を含む。プロセス1200は、患者を冷却又は加温する温度管理システムの最大冷却又は加温パワー能力のパーセンテージとしてのパワー値を生成する(1206)ことを含む。プロセス1200は、ユーザインタフェースに、温度管理処置の間のパワー値及び冷却剤の冷却剤温度を同時に提示させること(1208)を含む。
【0257】
本明細書で説明される主題及び動作(例えば、プロセス800、900、1000、1100及び1200)のいくつかの実装は、本明細書において開示された構造及びそれらの構造的等価物を含め、デジタル電子回路において、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアにおいて、及びそれらのうちの1つ又は複数の組み合わせで実装され得る。例えば、いくつかの実装において、温度管理システムのプロセッサは、デジタル電子回路又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアを用いて、又はこれらのうちの1つ又は複数の組み合わせで実装され得る。
【0258】
この明細書において説明されたいくつかの実装(例えば、温度管理システムのプロセッサなど)は、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアの1つ又は複数のグループ若しくはモジュールとして、又はこれらのうちの1つ又は複数の組み合わせで実装され得る。異なるモジュールが用いられ得るが、それぞれのモジュールが、特異である必要はなく、多数のモジュールが、同じデジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェア上で又はそれらの組み合わせで実装され得る。
【0259】
この明細書において説明されたいくつかの実装は、1つ又は複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のため、又はデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ記憶媒体上でエンコードされた1つ又は複数のコンピュータプログラム命令のモジュールとして実装され得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読ストレージデバイス、コンピュータ可読記憶基板、ランダム若しくはシリアルアクセスメモリアレイ若しくはデバイス、又はこれらのうちの1つ又は複数の組み合わせであり得、又はこれに含まれ得る。さらに、コンピュータ記憶媒体は、伝搬信号ではない一方で、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成された伝播信号でエンコードされたコンピュータプログラム命令のソース又は移動先であり得る。コンピュータ記憶媒体はまた、1つ又は複数の別個の物理的コンポーネント又は媒体(例えば、複数のCD、ディスク、又は他のストレージデバイス)であり得、又はこれに含まれ得る。
【0260】
「データ処理装置」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、又は前述したもののうち複数若しくは組み合わせを含む、全ての種類のデータを処理するための装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)を含み得る。装置は又はハードウェアに加えて、問題になっているコンピュータプログラムのための実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又は、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、それらのうちの1つ又は複数の組み合わせを構成するコードも含み得る。装置及び実行環境は、ウェブサービス、分散されたコンピューティングインフラストラクチャ及びグリッドコンピューティングインフラストラクチャなど、様々な異なるコンピューティングモデルのインフラストラクチャを実現し得る。
【0261】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイラ言語若しくはインタプリタ言語、又は、宣言型言語若しくは手続き型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書かれ得る。コンピュータプログラムは、ファイルシステムのファイルに対応してよいが、そうする必要がなくてもよい。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語のドキュメントに記憶された1つ又は複数のスクリプト)、問題となっているプログラムに特化された単一のファイル、又は複数の調整されたファイル(例えば、1つ又は複数のモジュール、副プログラム、又はコードの一部を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つの場所に配置されている若しくは複数の場所にわたって分散されて通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0262】
この明細書において説明されるプロセス及びロジックフローのうちのいくつかは、入力データに動作し、出力を生成することにより、行動を実行するために、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行させる1つ又は複数のプログラマブルプロセッサによって実行され得る。プロセス及びロジックフローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路により、実行され得、装置は、これとして実装され得る。
【0263】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、例として、汎用及び特殊用途両方のマイクロプロセッサ、並びに、任意の種類のデジタルコンピュータのプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信することになる。コンピュータは、命令に従って行動を実行するプロセッサ及び命令及びデータを記憶するための1つ又は複数のメモリデバイスを含む。コンピュータはまた、データを記憶するための1つ又は複数の大容量ストレージデバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクを含んでよく、又は、データをこれから受け取り若しくはこれに転送するために、又はその両方をするために動作可能に連結されていてよい。ただし、コンピュータはそのようなデバイスを有する必要はない。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶することに好適なデバイスは、すべての形式の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスを含み、これらには、例として、(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス等の)半導体メモリデバイスと、(例えば、内蔵ハードディスク及び取外し可能ディスク等の)磁気ディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROM及びDVD-ROMディスクとが含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完することができる、又は専用論理回路の中に内蔵することができる。
【0264】
ユーザとのインタラクションを提供するために、動作は、情報をユーザに表示するための表示デバイス(例えば、モニタ又は別のタイプの表示デバイス)、並びにユーザがコンピュータに入力を提供し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール、タブレット、タッチセンサスクリーン、又は別のタイプのポインティングデバイス)を有するコンピュータ上で実施され得る。別の種類のデバイスを使用して同じくユーザとインタラクションを行うことができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、あらゆる形式の感覚フィードバック、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックであってよく、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力などあらゆる形式で受け取ることができる。さらに、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスに書類を送信し、また、書類をこれから受信することによって、例えば、ユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザから要求を受け取ることに応じて、Webページをウェブブラウザに送信することによって、ユーザとやり取りし得る。
【0265】
コンピュータシステムは、単一のコンピューティングデバイス、又は近くで若しくは概して互いにリモートで動作する、若しくは典型的に、通信ネットワークを通じてやり取りをする複数のコンピュータを含んでよい。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、衛星リンクを含むネットワーク、及びピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)が含まれる。クライアントとサーバとの関係は、それらそれぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアントサーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じてよい。
【0266】
図13は、プロセッサ13100、メモリ1320、ストレージデバイス1330、及び入/出力デバイス1340を含む例示的なコンピュータシステム1300を示す。コンポーネント13100、1320、1330及び1340のそれぞれは、例えば、システムバス1350によって相互接続され得る。プロセッサ13100は、システム1300内での実行のための命令を処理することが可能である。いくつかの実装において、プロセッサ13100は、シングルスレッドプロセッサ、マルチスレッドプロセッサ、又は別のタイプのプロセッサである。プロセッサ13100は、メモリ1320内又はストレージデバイス1330上に記憶された命令を処理することが可能である。メモリ1320及びストレージデバイス1330は、情報をシステム1300内に記憶し得る。
【0267】
入/出力デバイス1340は、システム1300に対し、入/出力操作を提供する。いくつかの実装において、入/出力デバイス1340は、ネットワークインタフェースデバイス、例えば、Ethernet(登録商標)カード、シリアル通信デバイス、例えば、RS-232ポート、及び/又は、インタフェースデバイス、例えば、802.11カード、3G無線モデム、4G無線モデム、5G無線モデムなどのうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装において、入/出力デバイスは、他の入/出力デバイス、例えば、キーボード、プリンタ、及び表示デバイス1360との間で入力データを受信して出力データを送信するように構成されるドライバデバイスを有し得る。いくつかの実装において、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス、及び他のデバイスが用いられ得る。
【0268】
この明細書は、多くの詳細を含む一方で、これらは、請求される得るものの範囲を限定するものとして解釈されるべきでなく、むしろ特定の例に固有の特徴の説明として解釈されるべきである。別の実装の文脈でこの明細書において説明される特定の特徴はまた、組み合わされ得る。また他方で、単一の実装の文脈で説明される様々な特徴もまた、複数の実施形態において別個に又は任意の好適な組み合わせで実装され得る。
【0269】
複数の実施形態が、説明された。例えば、発明を実施するための形態及び添付図面が示すものは、必ずしもすべてではないが、いくつかのシステムの例又は実施形態を説明することを意図している。説明される実施形態は、あらゆる点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないとみなされるべきである。しかしながら、本明細書で説明されるデータ処理システムの範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされてよい。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】