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特表2024-512492ユーザが捕捉したデータからの疾患リスクの評価
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ユーザが捕捉したデータからの疾患リスクの評価
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240312BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20240312BHJP
【FI】
G06T7/00 350C
G06V10/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557309
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 AU2022050226
(87)【国際公開番号】W WO2022192948
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/161,881
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523354233
【氏名又は名称】アドバンスト ヘルス インテリジェンス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ボサナック ヴラド
(72)【発明者】
【氏名】エル-サーラム アマール
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA09
5L096BA06
5L096CA02
5L096DA01
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
いくつかの例では、携帯電話等の装置(100)は、タッチスクリーン等の入力モジュール(102)と、カメラ(104)と、プロセッサと、コンピュータ可読媒体とを含むことができる。カメラ(104)は、ヒトの1つ以上の画像を捕捉する。プロセッサは、単一の機械学習モデル(110)を使用して、捕捉された画像に基づいてヒトの人体特徴を推定し、人体特徴を使用して、糖尿病及び心血管疾患リスクに関連する疾患リスク評価値を生成することができる。人体特徴は、少なくとも、3D身体形状、又は身体形状インジケータのうちの1つ以上と、血流、血圧、心拍数、呼吸数、心拍変動、心臓仕事量、不規則な心拍、又はストレス指数のうちの1つ以上とを含むことができる。機械学習モデル(110)は、訓練画像のセットにわたって訓練することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の入力データ及び第二の入力データを取り出すように構成された入力データモジュールと、
プロセッサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、
を備える、装置であって、前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
前記第一の入力データ及び前記第二の入力データから、バイオメトリクスを含む3D身体形状モデルを作成することと、
前記バイオメトリクスを使用して、第一の疾患リスク評価値を含む健康リスクのインジケータ及び評価を生成することと、
前記第二の入力データに基づいて第二のリスク評価値を生成することと、
前記バイオメトリクスを前記第一の入力データ及び前記第二の入力データ、並びに任意選択で前記第一の疾患リスク評価値及び前記第二の疾患リスク評価値と融合して、マルチカテゴリ疾患リスク評価値を生成することと、
を行わせる、装置。
【請求項2】
前記入力データモジュールは、対象の1つ以上の画像を捕捉するように構成された画像捕捉デバイスと統合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二の入力データは、前記対象の前記1つ以上の画像を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の疾患リスク評価値は、前記1つ以上の画像に基づく、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の疾患は、糖尿病を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第二の疾患は、心血管疾患を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
対象の1つ以上の画像を捕捉するように構成された画像捕捉デバイスと、
プロセッサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、
を備える、装置であって、前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
3D身体形状モデルを使用して、前記1つ以上の画像に基づいて糖尿病リスク評価値を生成することと、
前記1つ以上の画像に基づいて心血管リスク評価値を生成することと、
前記糖尿病リスク評価値と前記心血管リスク評価値とを融合して疾患リスク評価値を生成することと、
を行わせる、装置。
【請求項8】
前記プログラミング命令は、前記糖尿病リスク評価値と前記心血管リスク評価値との融合の出力に基づいて、前記3D身体形状モデルを更新するようにさらに構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プログラミング命令は、
前記3D身体形状モデルを使用して、前記1つ以上の画像から、身体特徴を表す第一のバイオマーカを生成することと、
前記身体特徴に基づいて前記糖尿病リスク評価値を生成することと、
を行わせるようにさらに構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記第一のバイオマーカは、3D身体形状又は身体形状インジケータのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記糖尿病リスク評価値は、2型糖尿病、肥満、中枢性肥満、又はメタボリックシンドロームのうちの1つ以上に関連するリスクを示す、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プログラミング命令は、
前記1つ以上の画像から、心臓疾患関連バイオマーカを表す第二のバイオマーカを生成することと、
前記第二のバイオマーカに基づいて心血管評価値を生成することと、
を行わせるようにさらに構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記第二のバイオマーカは、血流、血圧、心拍数、呼吸数、心拍変動、心臓仕事量、不規則な心拍、又はストレス指数のうちの1つ以上を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記心血管リスク評価値は、心血管疾患、心臓発作、又は脳卒中のうちの1つ以上に関連するリスクを示す、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プログラミング命令は、前記1つ以上の画像の顔画像から、少なくとも血流を含む前記第二のバイオマーカを生成するようにさらに構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
対象の入力データを取り出すように構成された入力データモジュールと、
プロセッサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、
を備える、装置であって、前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
疾患リスクモデルを使用して、前記入力データから人体特徴を生成することと、
前記人体特徴に基づいて疾患リスク評価値を生成することと、
を行わせ、
前記人体特徴は、少なくとも
3D身体形状、又は身体形状インジケータのうちの1つ以上と、
血流、血圧、心拍数、呼吸数、心拍変動、心臓仕事量、不規則な心拍、又はストレス指数のうちの1つ以上と、
を含む、装置。
【請求項17】
前記疾患リスク評価値は、少なくとも
2型糖尿病、肥満、中枢性肥満、又はメタボリックシンドロームのうちの1つ以上と、
心血管疾患、心臓発作、又は脳卒中のうちの1つ以上と、
に関連するリスクを示す、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記プログラミング命令は、機械学習ネットワークを使用して、1つ以上の訓練画像から前記疾患リスクモデルを生成するように、さらに構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記入力データモジュールは、前記対象の1つ以上の画像を捕捉するように構成された画像捕捉デバイスを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記入力データは、前記対象の前記1つ以上の画像を含む、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明される実施形態は、概して、機械学習システムに関し、具体的には、複数の予測技法を組み合わせることによって、機械学習システムの精度を向上させることに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルスケア及び現代の医学における進歩にもかかわらず、心血管疾患、肥満、及び2型糖尿病等の慢性疾患の正確な検出は、今も課題であり続けている。早期発見によって、何百万もの命を救うことができ、生活の質を改善することができる。しかしながら、これらの慢性疾患の検出には、従来から高価でアクセス不可能なスキャナ及び血圧モニタ等の医療機器を必要とすることによって、また主にヒトの体重、身長、年齢、又は他の情報に大きく基づくボディマス指数(BMI)計算等の基本的な人体測定に主に依存する技術が従来から不正確なことによって依然として困難を抱えている。
【0003】
身体測定を用いる様々な統計的方法は、回帰モデルで、限られた自由度を用いて行われる。より高い自由度を有するいくつかの従来の機械学習システムも探索されている。しかしながら、従来の機械学習システムは、不正確な固有の設計、統計的外れ値、及び/又は比較的小さなデータセッと及び経験に基づいて制限され得る。したがって、追加のヒトデータ及びデータ感覚を使用して、ヒトの慢性疾患リスクを安価に、安全に、かつ正確に評価することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、第一の入力データ及び第二の入力データを取り出すように構成された入力モジュールと、プロセッサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体とを含む装置に関する。プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、第一の入力データ及び第二の入力データから、バイオメトリクス(biometrics)を含む3D身体形状モデルを生成することと、バイオメトリクスを使用して、第一の疾患リスク評価値を含む健康リスクのインジケータ及び評価を生成することと、第二の入力データに基づいて第二のリスク評価値を生成することと、バイオメトリクスを第一の入力データ及び第二の入力データ、並びに任意選択で第一の疾患リスク評価値及び第二の疾患リスク評価値と融合させ、マルチカテゴリ疾患リスク評価値を生成することと、を行わせる。
【0005】
一例では、入力データモジュールは、対象の1つ以上の画像を捕捉するように構成された画像捕捉デバイスと統合される。一例では、第二の入力データは、対象の1つ以上の画像を含む。一例では、糖尿病リスク評価値は、1つ以上の画像に基づく。
【0006】
一例では、第一の疾患は、糖尿病を含む。一例では、第二の疾患は、心血管疾患を含む。
【0007】
本開示の一態様は、対象の1つ以上の画像を捕捉するように構成された画像捕捉デバイスと、プロセッサと、コンピュータ可読媒体とを含む装置に関する。コンピュータ可読媒体は、プログラミング命令を含み、プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、3D身体形状モデルを使用して、1つ以上の画像に基づいて糖尿病リスク評価値を生成することと、1つ以上の画像に基づいて心血管リスク評価値を生成することと、糖尿病リスク評価値と心血管リスク評価値とを融合して疾患リスク評価値を生成することと、を行わせる。
【0008】
いくつかの例によれば、プログラミング命令は、糖尿病リスク評価値と心血管リスク評価値との融合(fusion)の出力に基づいて、3D身体形状モデルを更新するようにさらに構成される。
【0009】
いくつかの例では、プログラミング命令は、3D身体形状モデルを使用して、1つ以上の画像から、身体特徴を表す第一のバイオマーカを生成することと、身体特徴に基づいて糖尿病リスク評価値を生成することと、を行わせるようにさらに構成される。いくつかの例では、第一のバイオマーカは、3D身体形状又は身体形状インジケータのうちの1つ以上を含む。一例によれば、糖尿病リスク評価値は、2型糖尿病、肥満、中枢性肥満、又はメタボリックシンドロームのうちの1つ以上に関連するリスクを示す。
【0010】
一例によれば、プログラミング命令は、1つ以上の画像から、心臓疾患関連バイオマーカを表す第二のバイオマーカを生成することと、第二のバイオマーカに基づいて心血管評価値を生成することと、を行わせるようにさらに構成される。第二のバイオマーカは、血流、血圧、心拍数、呼吸数、心拍変動、心臓仕事量、不規則な心拍、又はストレス指数のうちの1つ以上を含むことができる。一例によれば、心血管リスク評価値は、心血管疾患、心臓発作、又は脳卒中のうちの1つ以上に関連するリスクを示すことができる。
【0011】
一例では、プログラミング命令は、1つ以上の画像の顔画像から、少なくとも血流を含む第二のバイオマーカを生成するようにさらに構成される。
【0012】
本開示の別の態様では、装置は、入力データを取り出すように構成された入力データと、プロセッサと、コンピュータ可読媒体と、を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、プログラミング命令を含むことができ、プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、疾患リスクモデルを使用して、入力データから人体特徴を生成することと、人体特徴に基づいて疾患リスク評価値を生成することと、を行わせる。一例によれば、人体特徴は、3D身体形状、又は身体形状インジケータのうちの少なくとも1つ以上と、血流、血圧、心拍数、呼吸数、心拍変動、心臓仕事量、不規則な心拍、又はストレス指数のうちの1つ以上と、を含む。
【0013】
一例では、疾患リスク評価値は、少なくとも、2型糖尿病、肥満、中枢性肥満、又はメタボリックシンドロームのうちの1つ以上と、心血管疾患、心臓発作、又は脳卒中のうちの1つ以上と、に関連するリスクを示す。
【0014】
一例では、プログラミング命令は、機械学習ネットワークを使用して、1つ以上の訓練画像から疾患リスクモデルを生成するように、さらに構成することができる。
【0015】
一例では、入力データモジュールは、対象の1つ以上の画像を捕捉するように構成された画像捕捉デバイスを含むことができる。一例では、入力データは、対象の1つ以上の画像を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明によって容易に理解されるが、ここで、同様の参照番号は、同様の構造要素を示す。
【0017】
図1】本開示で説明するいくつかの例に従って、ヒトの疾患リスクを評価するためのシステムのブロック図である。
図2】本開示で説明するいくつかの例に従って、機械学習ネットワークを使用してヒトの疾患リスクを評価するための例示的なプロセスである。
図3】本開示で説明するいくつかの例に従って、ヒトの疾患リスクを評価するためのシステムのブロック図である。
図4】本開示で説明するいくつかの例に従って、機械学習ネットワークを使用してヒトの疾患リスクを評価するための例示的なプロセスである。
図5】本開示で説明するいくつかの例に従って、様々なシステムとともに実装するために使用され得るか、又はシステムの1つ以上の構成要素に統合され得るコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の様々な実施形態の例の十分な理解を提供するために、特定の詳細を以下に記載する。しかしながら、本明細書で説明する例は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることを理解されたい。さらに、本明細書に記載される本開示の特定の例は、本開示の範囲をこれらの特定の例に限定するものと解釈されるべきではない。他の例では、周知の回路、制御信号、タイミングプロトコル、及びソフトウェア動作は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、詳細には示されていない。さらに、「結合する(couples)」及び「結合された(coupled)」等の用語は、2つの構成要素が直接的又は間接的に電気的に結合され得ることを意味する。間接的に結合されるとは、2つの構成要素が1つ以上の中間構成要素を介して結合されることを意味し得る。
【0019】
本明細書で説明されるシステム及び方法は、画像を含む入力データを受信し、人工知能(AI)及び機械学習モデルを使用して生成された3D身体モデルを推論するように構成することができる。次いで、これらのモデルは、入力データ及び画像のうちの1つ以上に基づいて、健康リスク及び評価のインジケータ、例えば、心血管リスク評価値又は糖尿病リスクのインジケータを生成するために使用されることができる。さらに、本明細書に記載のシステム及び方法は、様々なリスク評価値を融合又は組み合わせて、より正確で広範な多変量駆動型疾患及び健康リスク評価値を生成するように構成することができる。
【0020】
図1は、本開示で説明するいくつかの例に従って、ヒトの疾患リスクを評価するためのシステムのブロック図である。いくつかの例では、疾患リスク評価システム100は、画像捕捉システム104を有する入力データモジュール、例えば、1つ以上のユーザ画像及び追加のヒトデータを捕捉するように構成された画像捕捉デバイスを含む入力データモジュールを含むことができる。画像捕捉システムは、カメラ(例えば、内蔵カメラ又は固定カメラを有する携帯電話又は別のハンドヘルドコンピューティングデバイス)等の画像捕捉デバイスを含むことができる。画像捕捉デバイスを含むデータ入力モジュールは、ユーザの1つ以上の写真画像を複数のビューで捕捉するように構成することができる。ヒトデータは、年齢、体重、民族集団、又は他の履歴健康データであり得る。
【0021】
いくつかの例では、システム100は、画像捕捉システム104に結合されることを含む、入力データモジュールに結合されるユーザ対話及び表示システム102を含むことができる。ユーザ対話及び表示システム102は、ユーザが自分で画像を捕捉しているかどうか、又は別の人が画像を捕捉しているかどうかに応じて最適な画像を捕捉するようにユーザを誘導するための視覚的及び聴覚的支援を提供するように構成されたコンピュータディスプレイを含むことができる。例えば、ユーザ画像の捕捉中に、ユーザ対話及び表示システム102は、骨格、一般的な身体シルエット、いくつかの位置合わせ特徴を含む標的、又は捕捉された身体画像が視覚的表現と位置合わせされるように身体の一部を所望の位置に移動させるようにユーザを誘導するように構成された他のインジケータ等の人体の視覚的表現を表示することができる。
【0022】
いくつかの例では、視覚的表現は、人体輪郭、境界ボックス若しくはバー、又はユーザの1つ以上の身体部分若しくは全身の提案された位置を示すための他のシンボルを含むことができる。本明細書で使用されるように、「骨格」という用語は、身体輪郭、境界ボックス(又は他の幾何学形状)、関節を含む線形骨格表現、身体及び/又は関節場所を表す独立標的等を含むように広く解釈されるべきである。さらに、視覚的表現又は骨格の任意の数又は組み合わせを使用することができる。例えば、システム102は、腕の骨格の形態の視覚的表現を表示して、所望の姿勢で腕を動かす又は腕を伸ばすようにユーザを誘導することができる。同様に、システム102は、頭部、腕、脚、胸、及び/又は身体の他の部分を含むことができる、全身の骨格又は身体構造又は他の視覚的表現を表示することができる。骨格又は輪郭又は関節は、画像捕捉システムの画像捕捉デバイスからの捕捉されたユーザ画像を含む、入力データモジュールによって入力された第一のデータに基づいて生成され得、その結果、骨格又は輪郭又は概して誘導補助は、捕捉されている画像に比例して、ユーザ対話及び表示システム102のディスプレイ上に表示される。誘導補助は、最初に捕捉されたユーザ画像に続く第二番目以降のユーザ画像を捕捉するようにユーザを誘導するように表示される。いくつかの例では、ユーザ対話及び表示システム102は、スタンドアロンで、画像捕捉システム104の外部であることもできる。他のシナリオでは、ユーザ対話及び表示システム102は、例えば、携帯電話において、画像捕捉システム104と統合されることができる。
【0023】
いくつかの例では、システム100は、第一のバイオマーカ抽出システムを含むことができ、これは、画像捕捉システム104からの捕捉されたユーザ画像に基づいて、第一のバイオマーカを抽出するように構成することができる。第一のバイオマーカの例は、3D身体形状を含むことができる。第一のバイオマーカは、いくつかの実施形態では、身体形状インジケータも含むことができる。身体形状インジケータの例は、身体容積、体脂肪、骨塩密度又は他のインジケータを含むことができる。第一のバイオマーカは、3D身体形状モデル110に基づいて抽出することができる。3D身体形状モデルは、人体の3D表現を含むことができる。3D身体形状モデルは、身体容積、体脂肪、骨塩密度等の身体形状インジケータも含むことができる。非限定的な例では、3D身体形状インジケータは、総体脂肪、ウエスト対伸長比、ウエスト対ヒップ比、ウエスト周囲長、胸周囲長、股関節周囲長、及び対象の大腿の周囲長を含むことができる。
【0024】
3D身体形状モデルは、3D身体形状モデルがユーザ画像と3D身体形状及び身体形状インジケータとの間の関係を表すという点で、ユーザ画像から訓練することができる。例えば、3D身体形状モデルは、3D表現システムによって訓練することができる。3D表現システムは、また、画像捕捉システム104から捕捉されたユーザ画像を受信し、3D身体形状モデルを使用して、ユーザ画像に基づいて人体の3D身体形状及び身体形状インジケータを推定するように構成することができる。いくつかの例では、3D身体形状モデルは、それぞれが個人又は人々のグループを表す3D身体形状モデルの集合を含むことができる。
【0025】
図1をさらに参照すると、いくつかの例では、3D身体形状モデルはまた、身体スキャンデータベース124内の身体スキャンパラメータに基づいて、訓練することができる。いくつかの例では、身体スキャンパラメータは、人体の様々な部分のDEXAスキャンから収集することができる。例えば、身体スキャンパラメータは、胴体、大腿部、又は腰部等の身体の異なる部分に対する体脂肪及び/又は骨塩密度(Zスコア及びTスコアで測定される)を含むことができる。いくつかの例では、3D身体形状モデルは、機械学習ネットワークにおいて訓練することができる。3D身体形状及び組成モデル訓練の詳細は、図2及び図4を参照して、本開示においてさらに説明されるであろう。
【0026】
いくつかの例では、システム100は、推定された3D身体形状及び身体形状インジケータ等の第一のバイオマーカを第一のバイオマーカ抽出システム106から受信するように構成された糖尿病疾患リスク評価システム114を含むことができる。糖尿病疾患リスク評価システム114は、推定された第一のバイオマーカを使用して、糖尿病疾患リスク値を生成することができる。糖尿病疾患リスク値は、2型糖尿病リスク、肥満リスク、中枢性肥満リスク、及びメタボリックシンドロームリスク等の糖尿病のリスクを表す複数の値を含むことができる。いくつかの実施例では、糖尿病疾患リスク値は、3D身体形状及び身体形状インジケータ等の第一のバイオマーカに基づいて取得することができる。さらに、糖尿病疾患リスク値は、経時的な第一のバイオマーカの1つ以上の変化に基づいて得ることができる。例えば、システムは、ある期間にわたる体脂肪及び/又は他の身体形状インジケータの変化を決定し、これらのインジケータの経時的な変化に基づいて、肥満リスク値を決定することができる。
【0027】
図1を引き続いて参照すると、システム100は、さらに第二のバイオマーカ抽出システム108を含むことができ、これは、画像捕捉システム104からの捕捉された画像に基づいて、第二のバイオマーカを抽出するように構成することができる。第二のバイオマーカの例は、血圧、心拍数、呼吸数等の心臓疾患関連バイオマーカを含むことができる。第二のバイオマーカの例は、また、心拍変動、心臓仕事量、不規則な心拍、及びストレス指数も含むことができる。いくつかの例では、第二のバイオマーカは、生理学的特徴112から得ることができる。
【0028】
図1をさらに参照すると、生理学的特徴は、健康センサ又は健康データから取得することができる。例えば、患者が毎日血圧検査を行い、血圧、心拍数、呼吸数等の健康データを得ることができる。いくつかの例では、バイオマーカのうちの1つ以上は、画像捕捉システム104から捕捉されたユーザ画像から検出することができる。ヒトの皮膚は半透明であるが、光及びそのそれぞれの波長は、皮膚の下の異なる長さで反射され、血流情報を明らかにすることができる。これにより、1つ以上のカメラ画像から血流を検出することができる。顔面スキャンと同様に、画像捕捉システム104は、親指の画像/ビデオ、又はユーザのスマートウォッチ等のスマートセンサからの顔の画像/ビデオ若しくは抽出されたデータを捕捉し、捕捉された顔の画像から血流を検出するように構成することができる。一実施形態によれば、捕捉された顔の画像は、ビデオ及び/又は静止画像であり得る。
【0029】
いくつかの例では、ユーザ対話及び表示システム102は、血流の捕捉/検出中にユーザを誘導するように構成することができる。例えば、ユーザ対話及び表示システム102は、画像捕捉システムが顔画像のシーケンスから血流を決定している間に、静止するようにユーザを誘導するためにディスプレイ上にユーザインターフェースを提供することができる。いくつかの例では、血流及び/又は他の第二のバイオマーカは、顔全体又は鼻、眼、耳、頬、額、唇等の顔の特定の部分等の人体の他の部分の画像から検出することができる。さらに、手、手首、足等の身体の他の部分を使用してインジケータを提供することができる。
【0030】
いくつかの例では、システム100は、心血管疾患リスク評価システム116を含むことができ、これは、血圧、心拍数、呼吸数、心拍変動、心臓仕事量、不規則な心拍、及びストレス指数等の第二のバイオマーカを第二のバイオマーカ抽出システム108から受信するように構成される。これらのバイオマーカに基づいて、システムは、心血管疾患リスク、心臓発作リスク、及び脳卒中リスク等の心臓疾患に関連するリスク評価を決定することができる。いくつかの例では、リスク評価は、心血管リスク値、心臓発作リスク値等の1つ以上の評価値で表すことができる。
【0031】
図1をさらに参照すると、システム100は、バイオマーカ融合システム118を含むことができ、これは、それぞれ糖尿病疾患リスク評価システム114及び心血管疾患リスク評価システム116から得られた糖尿病リスク評価及び心血管リスク評価を融合するように構成される。例えば、バイオマーカ融合システム118は、糖尿病リスク評価値を心臓発作リスク値と比較して、2つの評価値の間に矛盾があるかどうかを決定することができる。比較に基づいて、融合システム118は、糖尿病リスク評価値又は心臓発作リスク値を調整することができる。これにより、糖尿病疾患リスク評価システム又は心血管疾患リスク評価システム単独で行うよりも正確な疾患リスク評価が可能になる。例えば、2つの評価値の収束は正確な評価を示し、リスク評価値の信頼水準は、2つの評価値の間の検証及び類似性に起因して増加され得る。同様に、2つの評価値が分岐するか、又は相互に矛盾する場合、追加の測定を行うことができ、又は外れ値を無視することができる。いくつかの例では、2つの評価値は、独立して決定され、それらの組み合わせは、全体的又は複合的なリスク評価について評価することができ、変動する値は、異なる潜在的な結果を示す。
【0032】
いくつかの例では、融合システム118の結果を使用して、3D身体形状モデル110を微調整することができる。例えば、融合システム118から糖尿病疾患リスク評価値を調整する必要があると判定された場合、糖尿病リスクに寄与した3D身体形状モデルの1つ以上の生体インジケータも調整することができる。いくつかの例では、3D身体形状モデルが機械学習ネットワークから学習される場合、機械学習ネットワークはまた、バイオマーカ融合システム118の結果に基づいて調整することができる。次いで、微調整された3D身体形状モデルは、第一のバイオマーカ抽出システム106の将来の動作において使用される。代替的及び/又は追加的に、第一のバイオマーカ抽出システム106は、3D身体形状モデル110が調整された後に、再実行されるように構成することができる。
【0033】
図2は、本開示で説明するいくつかの例に従って、機械学習ネットワークを使用して、ヒトの疾患リスクを評価するための例示的なプロセスである。いくつかの例では、例示的なプロセス200は、図1の疾患リスク評価システム100において実施することができる。図2を参照すると、プロセス200は、予測プロセス210を含むことができる。予測プロセス210は、動作202でユーザ画像を捕捉することを含むことができる。例えば、動作202は、画像捕捉システム104(図1)で実行されて、正面画像、側面画像、背面画像、及び/又は異なる角度からのユーザ画像等の1つ以上のユーザ画像を取得することができる。ユーザ画像は、顔画像、上半身画像、及び/又は全身画像であり得る。
【0034】
いくつかの例では、プロセス210は、動作204で身体形状特徴を抽出することをさらに含むことができる。いくつかの例では、動作204は、第一のバイオマーカ抽出システム106(図1)で実施することができる。身体形状特徴の例には、人体の前景を表す2Dシルエット、2D関節、又は他の身体形状特徴を含むことができる。いくつかの例では、身体形状特徴は、捕捉されたユーザ画像に基づいて取得され得る。追加的及び/又は代替的に、プロセス210は、動作206でユーザデータを受信することをさらに含むことができる。例えば、動作206は、ユーザ入力データ、例えば、ユーザの体重、身長、年齢、性別、民族等を受信することができる。この動作は、いくつかの例では、ユーザ対話及び表示システム102(図1)において実装され得る。動作206は、1つ以上のデータベースをさらに評価して、ユーザ健康フィットネスデータ等の他のユーザデータを取り出すことができる。
【0035】
図2をさらに参照すると、プロセス210は、抽出された身体形状特徴(204)及び/又は受信されたユーザデータ(206)に基づいて、動作212で、機械学習ネットワークを使用して3D身体形状を予測することをさらに含むことができる。動作212は、いくつかの例では、第一のバイオマーカ抽出システム106(図1)で実施することができる。図1の実施形態に関して説明したように、予測される3D身体形状は、3D身体形状及び身体形状インジケータ(例えば、身体容積、体脂肪、骨塩密度又は他のインジケータ)等の第一のバイオマーカを含むことができる。図1と同様に、第一のバイオマーカは、機械学習モデル208を使用して取得することができる。機械学習モデルは、110(図1)等の3D身体形状モデルを含むことができる。
【0036】
図2をさらに参照すると、プロセス210は、動作214で糖尿病リスクを評価することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、動作214は、糖尿病疾患リスク評価値を生成するために、糖尿病疾患リスク評価システム114(図1)で実施することができる。プロセス210は、動作216で、糖尿病リスク評価と心血管リスク評価とを融合することをさらに含むことができる。いくつかの例では、糖尿病リスク評価は、糖尿病疾患リスク評価システム114(図1)から取得することができる。心血管リスク評価は、心血管疾患リスク評価システム116(図1)から取得することができる。動作216は、疾患リスク評価を生成するために、バイオマーカ融合システム118(図1)において実施することができる。いくつかの例では、プロセス210は、融合動作216の出力に基づいて、動作218で機械学習ネットワークを微調整することをさらに含むことができる。
【0037】
ここで、図2をさらに参照すると、プロセス200は、機械学習モデル208を訓練するための訓練プロセス220をさらに含むことができる。いくつかの例では、プロセス220は、動作202’でユーザ画像を取得することと、動作204’で身体形状特徴を抽出することと、動作206’でユーザデータを取得することとを含むことができる。プロセス220は、動作202’、204’、及び/又は206’からの画像/特徴/データを使用して、動作222で機械学習モデルを訓練することができる。プロセス202’、204’、及び206’は、それぞれプロセス202、204、及び206と同じ方法で実行することができるが、動作202’から取得されたユーザ画像は、動作202から取得されたユーザ画像と異なり、206’から取得されたユーザデータは、206から取得されたユーザデータとは異なる。
【0038】
非限定的な例では、動作202’は、訓練データセットからユーザ画像を取り出すことができる。例えば、訓練データセットは、訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースデータと共に、以前に捕捉又は収集された訓練ユーザ画像及び/又は訓練ユーザデータのコレクションを含むことができる。グラウンドトゥルースデータは、グラウンドトゥルース3D身体形状及び/又は他の身体特徴を含むことができる。
【0039】
いくつかの例では、訓練データは、対象のグループ内の対象からそれぞれ収集された複数のセットを含むことができ、各セットは、対応するグラウンドトゥルースデータを含む。いくつかの例では、動作222は、収集された訓練データに基づいて機械学習モデル208を生成するように機械学習ネットワークを訓練することができる。いくつかの例では、訓練プロセス222は、対象のグループから収集された訓練データに基づいて単一の機械学習モデル208を生成することができる。収集されたデータを使用して、機械学習モデルの重み及びパラメータを修正することができる。
【0040】
いくつかの他の例では、訓練プロセス222は、複数の機械学習モデル208を生成することができ、そのそれぞれは、対象のサブグループ又は単一の対象からの訓練データに基づいている。例えば、訓練プロセスは、民族的グループによって、性別によって、年齢によって、身長によって、あるいは職業、教育等の他の人口統計学的尺度によって分割される、グレイン化対象(graining subjects)のサブグループのための機械学習モデルを生成することができる。したがって、機械学習モデル208は、1つ以上の3D身体形状モデル(例えば、図1の110)を含むことができる。
【0041】
プロセス210に戻ると、ユーザ画像及びユーザデータ(例えば、体重、身長、年齢等)は、画像捕捉システム104及び/又はユーザ対話及び表示システム102を介して、ユーザからリアルタイムで取得することができる。ユーザデータは、また上述のように、1つ以上のセンサ又はデータベース(例えば、ユーザフィットネスデータ)から取得することもできる。疾患リスクを評価する動作は、プロセス220から学習された機械学習モデル208を使用して実行することができる。融合動作からの出力を動作218で使用して、機械学習モデル208を微調整することができる。
【0042】
図3は、本開示で説明するいくつかの例に従って、ヒトの疾患リスクを評価するためのシステムのブロック図である。疾患リスク評価システム300は、システム100(図1)の構成要素と同様の1つ以上の構成要素を含むことができる。例えば、ユーザ対話及び表示システム302及び画像捕捉システム304は、ユーザ対話及び表示システム102及び画像捕捉システム104と同様であり得るので、その説明は、繰り返さない。いくつかの例では、システム100は、画像捕捉システム304からの捕捉された画像から人体特徴を抽出するように構成された特徴抽出システム306を含むことができる。人体特徴の例は、図1の実施形態で上述した3D身体形状及び身体形状インジケータ(例えば、第一のバイオマーカ)を含むことができる。人体特徴は、また、図1の実施形態に記載される第二のバイオマーカに対応するもの等の心臓疾患関連バイオマーカを含むことができる。言い換えれば、特徴抽出システム306は、単一の疾患リスクモデル310を使用して、人体特徴と心臓疾患関連バイオマーカの両方を一緒に抽出することができる。
【0043】
図1の実施形態と同様に、疾患リスクモデル310は、機械学習ネットワークによってユーザ画像から訓練することができる。例えば、疾患リスクモデルは、疾患リスクモデル訓練システムによって訓練することができる。いくつかの実施例では、疾患リスクモデルは、ユーザ画像(及び/又はユーザデータ)と様々な3D身体形状及び心臓疾患関連特徴との間の関係を表す重み及び/又はパラメータを含むことができる。これらの重み/パラメータは、訓練データセットのコレクションから学習される。疾患リスクモデルの訓練については、図4を参照してさらに詳細に説明する。
【0044】
追加的及び/又は代替的に、特徴抽出システム306はまた、ユーザ捕捉画像から生理学的特徴を直接抽出することもできる。例えば、血流等のいくつかの特徴は、マイクロピクセルレベルでの画像処理に基づいて、1つ以上のカメラ画像から抽出することができる。図1の実施形態と同様に、画像捕捉システム304は、ユーザの顔の画像を捕捉し、捕捉された親指若しくは顔の画像、若しくは適切な身体部分、又はスマートウォッチセンサ等のデバイスから血流を検出するように構成することができる。いくつかの例では、ユーザ対話及び表示システム302は、102(図1)の実施形態で説明したものと同様に、血流の捕捉/検出中にユーザを誘導するように構成することができる。いくつかの例では、血流及び/又は他の生理学的特徴は、顔画像、部分顔画像、又は人体の他の部分の画像から検出することができる。抽出された生理学的特徴は、図1の実施形態で説明したのと同様に、心臓疾患関連特徴を生成するために、疾患リスクモデル310に提供され得る。
【0045】
いくつかの例では、システム300は、特徴抽出システム306から、3D身体形状、身体形状インジケータ、及び心臓疾患関連バイオマーカ等の人体特徴を受信するように構成される、疾患リスク評価システム314を含むことができる。疾患リスク評価システム314は、抽出された人体特徴を使用して、1つ以上の疾患リスク値を生成することができる。例えば、疾患リスク値は、2型糖尿病リスク、肥満リスク、中枢性肥満リスク、及びメタボリックシンドロームリスク等の糖尿病のリスクと、心血管疾患リスク、心臓発作リスク、及び脳卒中リスク等の心臓障害のリスクとを表す複数の値を含むことができる。疾患リスクの評価は、例えば、図1の糖尿病疾患リスク評価システム(114)及び心血管疾患リスク評価システム(116)と同様に行うことができる。これらの疾患に関連するリスクを評価することの詳細は、繰り返さない。
【0046】
図4は、本開示で説明するいくつかの例に従って、機械学習ネットワークを使用して、ヒトの疾患リスクを評価するための例示的なプロセスである。いくつかの例では、例示的なプロセス400は、図1の疾患リスク評価システム300で実施することができる。図4を参照すると、プロセス400は、予測プロセス410を含むことができる。予測プロセス410は、動作402でユーザ画像を捕捉すること、動作404で身体形状特徴を抽出すること、及び/又は406でユーザデータを受信することを含むことができる。動作402、404、及び406は、それぞれ図2における動作202、204、及び206と同様に実行することができる。したがって、これらの動作の説明は、繰り返さない。
【0047】
図2の動作204、206と比較すると、動作404、406は、心臓疾患に関連する追加の特徴又はユーザデータを抽出又は受信することができる。例えば、身体形状特徴を抽出すること404は、さらに、捕捉された画像から血流等の他の特徴を抽出することができる。ユーザデータを受信すること406は、また、ユーザの血流、心拍数、又は他の健康データ等の心疾患に関連する追加のユーザデータを受信することもできる。
【0048】
引き続き図4を参照すると、プロセス410は、機械学習モデル408を使用して、動作404、406から抽出された特徴に基づいて、412で人体特徴を予測することをさらに含むことができる。動作412は、いくつかの例では、特徴抽出システム306(図3)で実施することができる。図3の実施形態に関して論じたように、予測される人体特徴は、3D身体形状及び身体形状インジケータ(例えば、身体容積、体脂肪、骨塩密度、又は他のインジケータ)を含むことができる。さらに、人体特徴は、図1の実施形態で説明される第二のバイオマーカに類似するもの等の心臓疾患関連特徴を含むことができる。したがって、機械学習モデル408は、訓練ユーザ画像/ユーザデータと様々な人体特徴との間の関係を含むことができる。
【0049】
図4をさらに参照すると、プロセス410は、動作414で、糖尿病リスクを含む健康リスクを評価することをさらに含むことができる。動作414は、いくつかの実施形態では、疾患リスク評価値を生成するために、疾患リスク評価システム314(図3)において実施することができる。いくつかの例では、疾患リスク評価は、疾患リスク評価システム314(図3)から取得することができる。したがって、疾患リスク評価は、糖尿病及び心血管疾患のリスク評価値を含むことができる。
【0050】
プロセス400は、機械学習モデル408を訓練するための訓練プロセス420をさらに含むことができる。いくつかの例では、プロセス420は、動作402’でユーザ画像を取得することと、動作404’で身体形状特徴を抽出することと、動作406’でユーザデータを取得することとを含むことができる。プロセス420は、動作402’、404’、及び/又は406’からの画像/特徴/データを使用して、動作422で機械学習モデルを訓練することができる。プロセス402’、404’、及び406’は、それぞれプロセス402、404、及び406と同様の方法で実行することができるが、プロセス402’から取得されたユーザ画像がプロセス402から取得されたユーザ画像とは異なること、及び406’から取得されたユーザデータが406から取得されたユーザデータとは異なることは除く。非限定的な例では、動作402’は、動作202’(図2)と同様の方法で、訓練データセットからユーザ画像を取り出すことができるが、その説明は、繰り返さない。
【0051】
いくつかの例では、訓練データは、対象のグループ内の対象からそれぞれ収集された複数のセットを含むことができ、各セットは、対応するグラウンドトゥルースデータを含む。いくつかの例では、動作422は、収集された訓練データに基づいて機械学習ネットワークを訓練して、機械学習モデル408を生成することができる。いくつかの例では、訓練プロセス422は、対象のグループから収集された訓練データに基づいて単一の機械学習モデル408を生成することができる。訓練プロセス422は、222(図2)と同様であり得るが、訓練に使用される特徴が、訓練が糖尿病及び心臓特徴の両方を含む統合された機械学習ネットワークに対して行われる点で異なることを除く。
【0052】
いくつかの他の例では、訓練プロセス422は、複数の機械学習モデル408を生成することができ、そのそれぞれは、対象のサブグループ又は単一の対象からの訓練データに基づいている。例えば、訓練プロセスは、民族的グループによって、性別によって、年齢によって、身長によって、あるいは職業、教育等の他の人口統計学的尺度によって分割される、グレイン化対象のサブグループのための機械学習モデルを生成することができる。したがって、機械学習モデル408は、1つ以上の疾患リスクモデル(例えば、図3の310)を含むことができる。プロセス410に戻ると、疾患リスクを評価する動作は、プロセス420から学習された機械学習モデル408を使用して実行することができる。
【0053】
図1及び図3のシステム100及び300をそれぞれ参照すると、システムは、訓練データに基づいて1つ以上の機械学習モデルを訓練及び最適化するための訓練システムを含むことができる。訓練データは、ユーザ画像データベース、身体スキャンデータベース、及び/又は医用画像データベースから取得することができる。いくつかの例では、システムは、人体の3D形状モデルを訓練するように構成することができる。非限定的な例では、3D形状モデルは、複数の3D形状パラメータを含むことができる。3D形状パラメータの例は、身長、体重、胸部周囲測定値、若しくは全身人体測定値等、又は人体形状に関連する追加のパラメータを含むことができる。非限定的な例では、3D形状パラメータは、15のパラメータを含むことができる。他の適切な数の身体形状パラメータも可能である。例えば、身長、体重及び性別を含む3つのパラメータを使用することができる。1つ以上の他の例では、4つ以上のパラメータ又は16以上のパラメータも可能であり得る。
【0054】
いくつかの例では、システムは、ユーザ画像、例えば、画像捕捉システム104から捕捉された画像から、人体の2D関節モデルを訓練するように構成することができる。2D関節モデルは、2D領域における人体の複数の関節を含むことができ、機械学習モデルを訓練するために使用することができる。例えば、システムは、2D関節モデルからの情報を使用して、人体の3D身体形状モデルを取得することができる。システムは、また、ユーザの年齢、体重、性別、民族等の他の情報も使用することができ、これらの情報は、ユーザ対話及び表示システム(例えば、図1及び図3の102、302)を介してユーザによって入力することができる。いくつかの例では、関節モデルは、骨格関節位置を表す複数のパラメータを含むことができる。したがって、2D関節モデルを訓練することは、2D関節モデルのパラメータを訓練することを含む。
【0055】
いくつかの例では、システムは、捕捉されたユーザ画像(例えば、図1の画像捕捉システム104から得られる)を受信し、受信した画像を使用して、機械学習ネットワークを介して身体関節を(2D領域で)推定することができる。システムは、訓練された2D関節モデルから、2D関節モデル内の関節を接続し、続いて画像拡張を行うことによって、人体の輪郭を取得することができる。輪郭は、ユーザの2D表現の外部境界を画定する。
【0056】
図1及び図3に戻ると、システムは、ユーザ身体ヒートマップ閾値を訓練するように構成することができる。ユーザ身体ヒートマップは、身体スキャンパラメータの視覚的表現を含むことができる。例えば、ユーザ身体ヒートマップは、人体の体脂肪及び/又は骨塩密度の表現を含むことができる。
【0057】
いくつかの例では、身体ヒートマップは、身体スキャンデータベース内の身体スキャンパラメータに基づいて生成することができる。システムは、ヒートマップを生成し、閾値に応じて1つ以上の色で身体スキャンパラメータ(例えば、体脂肪、骨塩密度)を表示することができる。いくつかの例では、システムは、ヒートマップ閾値を学習するように機械学習モデルを訓練し、訓練された機械学習モデルを使用して、捕捉されたユーザ画像から将来の人体ヒートマップを予測することができる。いくつかの例では、ヒートマップ閾値の訓練は、個人ベースで実行することができ、これにより、システムは、個人の身体パラメータを経時的に監視/推定することができる。
【0058】
図1図4に記載のシステム及びプロセスにおいて使用される機械学習モデルの例には、U-net、V-net、MobileNet、又は他の機械学習モデル等の適応ネットワークを含むことができる。追加的及び/又は代替的に、機械学習モデルは、また、好適な畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、例えば、VGG又は他のCNN等を含むこともできる。いくつかの例では、機械学習モデルは、これらの2つのタイプの画像の共同登録を介して、ユーザ画像及び医用画像から一緒に学習することができる。
【0059】
図5は、(図1の)システム100とともに使用されるか、あるいはシステムの1つ以上の構成要素に統合され得る、コンピューティングデバイスのための簡略化されたブロック構造を示す。例えば、システム100、300(図1及び図3)内の画像捕捉システム104、304、ユーザ対話及び表示システム102、302、バイオマーカ抽出システム106、108、特徴抽出システム308、及び/又は他の構成要素は、図5に示す構成要素のうちの1つ以上を含み、1つ以上のブロックを実装するか、あるいは図1図4に開示する構成要素若しくは動作のうちの1つ以上を実行するために使用することができる。図5では、コンピューティングデバイス1100は、1つ以上の処理要素1102と、入力/出力インターフェース1104と、ディスプレイ1106と、1つ以上のメモリ構成要素1108と、ネットワークインターフェース1110と、1つ以上の外部デバイス1112とを含むことができる。様々な構成要素のそれぞれは、1つ以上のバス、ワイヤレス手段等を介して、互いに通信することができる。
【0060】
処理要素1102は、命令を処理、受信、及び/又は送信することが可能な任意のタイプの電子デバイスであり得る。例えば、処理要素1102は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、プロセッサ、又はマイクロコントローラであり得る。さらに、コンピュータ1100のいくつかの構成要素は、第一のプロセッサによって制御することができ、他の構成要素は、第二のプロセッサによって制御することができることと、ここで、第一のプロセッサと第二のプロセッサとは、互いに通信していてもいなくてもよいことに留意されたい。
【0061】
メモリ構成要素1108は、コンピュータ1100によって、処理要素1102のための命令を記憶し、また機械学習モデル及び/又は訓練画像又は訓練データ等のデータを記憶するために使用される。メモリ構成要素1108は、例えば、光磁気記憶装置、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能プログラマブルメモリ、フラッシュメモリ、又は1つ以上のタイプのメモリ構成要素の組み合わせであり得る。
【0062】
ディスプレイ1106は、1つ以上のユーザ画像を捕捉する際にユーザを誘導するための骨格又は他の視覚的表現を表示すること、あるいはユーザ対話及び表示システム102、302(図1及び図3)において実装され得るような他の視覚的表現を表示すること等、音声及び/又は視覚的ガイダンスをユーザに提供する。任意選択で、ディスプレイ1106は、ユーザがコンピューティングデバイス1100の様々な構成要素を制御、操作、及び較正することを可能にする入力要素として機能することができる。ディスプレイ1106は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及び/又は他の好適なディスプレイであり得る。ディスプレイ1106が入力として使用される実施形態では、ディスプレイは、容量性タッチセンサ、抵抗性グリッド等の1つ以上のタッチセンサ又は入力センサを含むことができる。
【0063】
I/Oインターフェース1104は、ユーザがデータをコンピュータ1100に入力することを可能にするとともに、コンピュータ1100が他のデバイス又はサービスと通信するための入力/出力を提供する。I/Oインターフェース1104は、1つ以上の入力ボタン、タッチパッド等を含むことができる。
【0064】
ネットワークインターフェース1110は、コンピュータ1100と他のデバイスとの間の通信を提供する。例えば、ネットワークインターフェース1110によって、システム100(図1)が、通信ネットワークを通してシステム内の様々な構成要素と通信することが可能になる。ネットワークインターフェース1110は、限定はしないが、Wi-Fi、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の1つ以上の通信プロトコルを含む。ネットワークインターフェース1110は、また、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル等の1つ以上のハードワイヤード構成要素も含むことができる。ネットワークインターフェース1110の構成は、所望の通信のタイプに依存し、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)等を介して通信するように修正することもできる。
【0065】
外部デバイス1112は、コンピューティングデバイス1100に様々な入力を提供するために使用することができる1つ以上のデバイス、例えば、マウス、マイクロフォン、キーボード、トラックパッド等である。外部デバイス1112は、ローカル又はリモートとすることができ、所望に応じて変更することができる。いくつかの実施例では、外部デバイス1112は、また、疾患リスク評価を取得する際に使用することができる、1つ以上の追加のセンサを含むこともできる。
【0066】
上述の説明は、広範な用途を有する。例えば、本明細書で開示される例は、集中型通信システムに焦点を当てることができるが、本明細書で開示される概念は、分散型、集中型若しくは非集中型システム、又はクラウドシステム等、他のシステムに等しく適用され得ることを理解されたい。例えば、機械学習モデル(例えば、図1の110、図3の310)又は他の構成要素は、クライアント/サーバシステム内のサーバ上に常駐することができる。機械学習モデルは、また、ネットワーク上の任意のデバイス、例えば、携帯電話上に常駐し、非集中型の様式で動作することもできる。機械学習モデル又はその一部は、また、仮想マシン(VM)コンピューティング環境内のコントローラVM又はハイパーバイザ内に常駐することができる。したがって、システム100、300(図1及び図3)内の1つ以上の構成要素は、精度及び処理速度に関して最適な性能を達成するために様々な構成で実装することができる。このように、本開示は、様々なシステム及び方法の例を提供することのみを意図しており、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がこれらの例に限定されることを示唆することを意図していない。
【0067】
図1図5に記載される様々な実施形態は、所定の場所にいかなる高価な機器も必要とすることなく、携帯電話又は他の画像捕捉デバイスから捕捉されたユーザ画像に基づいてユーザの疾患リスクを評価する際に利点を提供する。評価システムにおける様々な機械学習モデルの訓練及び使用は、高い精度を達成する上で利点がある。
【0068】
上記から、本開示の特定の実施形態を例示の目的で本明細書に記載してきたが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されよう。したがって、本開示の範囲は、本明細書に記載された特定の実施形態のいずれにも限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】