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特表2024-512528閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタ及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/149 20240101AFI20240312BHJP
   G01N 15/14 20240101ALI20240312BHJP
【FI】
G01N15/149
G01N15/14 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557807
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2022017472
(87)【国際公開番号】W WO2022203792
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/165,339
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
2.JAVA
3.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル,ウェスレー
(57)【要約】
ソートブロックを有するソーティングフローサイトメータを閉鎖系のソーティングフローサイトメータに変換するための閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタが提供される。関心対象のアダプタは、ソートブロックに動作可能に接続するためのソートブロックカプラと、外部チャンバと、任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するためのコネクタとを含む。閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを有するフローサイトメータも開示される。本発明を実施するための方法、コンピュータシステム、及びキットが追加的に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーティングフローサイトメータであって、
検査ポイントでフローセルを照明するための照明源と、
前記検査ポイントからの光を受信するための検出器と、
前記フローセルと液体受容関係にあるソートブロックと、
前記ソートブロックと小滴受容関係にある閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタであって、
前記ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、前記ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、前記ソートブロックを前記外部チャンバにガスで結合するコネクタと
を備える、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタと
を備える、ソーティングフローサイトメータ。
【請求項2】
前記ソートバケットを更に備える、請求項1に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項3】
前記ソーティングフローサイトメータアダプタが、前記コネクタを前記外部チャンバに取り付けるためのカラーを備える、請求項1又は2に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項4】
前記閉鎖系を第1のガスで満たすためのガス入口ポートを更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項5】
前記ソーティングフローサイトメータが、複数のガス入口ポートを備える、請求項4に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項6】
前記ガス入口ポートにガスで接続される圧縮機を更に備え、前記圧縮機が、前記閉鎖系を前記第1のガスで満たすように構成されている、請求項4又は5に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項7】
第2のガスが前記閉鎖系から漏れることを可能にするためのガス安全弁を更に備える、請求項6に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項8】
前記閉鎖系が、正圧系である、請求項4~7のいずれか一項に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項9】
前記コネクタが、非多孔質材料から構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項10】
前記ソーティングフローサイトメータアダプタが、
内部ドアであって、前記内部ドアが開いているときに前記ソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを許容し、かつ前記内部ドアが閉じられているときに前記ソートブロックと外部チャンバとの間の前記ガスのフローを防止するように構成された、内部ドアを
更に備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項11】
前記ソートブロックが、偏向板を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のソーティングフローサイトメータ。
【請求項12】
ソートブロックを有するソーティングフローサイトメータを閉鎖系のソーティングフローサイトメータに変換するための閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタであって、
前記ソートブロックに動作可能に接続するためのソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、前記ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、前記ソートブロックを前記外部チャンバにガスで結合するためのコネクタと
を備える、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタ。
【請求項13】
ソートブロックを有するソーティングフローサイトメータを閉鎖系のフローサイトメータに変換する方法であって、
閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを前記ソーティングフローサイトメータに動作可能に接続することを含み、
前記ソーティングフローサイトメータアダプタが、
前記ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、前記ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、前記ソートブロックを前記外部チャンバにガスで結合するコネクタと
を備える、方法。
【請求項14】
試料からの粒子をソートする方法であって、
(a)前記粒子をソーティングフローサイトメータに導入することと、
(b)前記粒子をフローサイトメトリでソートすることと
を含んでおり、
前記ソーティングフローサイトメータが、
検査ポイントでフローセルを照明するための照明源と、
前記検査ポイントからの光を受信するための検出器と、
前記フローセルと液体受容関係にあるソートブロックと、
前記ソートブロックと小滴受容関係にある閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタであって、
前記ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、前記ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、前記ソートブロックを前記外部チャンバにガスで結合するコネクタと
を備える、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタと
を備える、
方法。
【請求項15】
キットであって、
閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを備えており、
前記ソーティングフローサイトメータアダプタが、
ソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、前記ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを前記外部チャンバにガスで結合するためのコネクタと
を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ソーティングフローサイトメータなどのフロー式粒子ソーティングシステムは、粒子の少なくとも1つの測定された特性に基づいて、流体試料中の粒子をソートするために使用される。フロー式粒子ソーティングシステムにおいて、流体懸濁液中の分子、分析物結合ビーズ、又は個々の細胞などの粒子は、センサがストリーム中に含有する、ソートされるタイプの粒子を検出する検出領域によって、ストリーム中を通過する。センサは、ソートされるタイプの粒子を検出すると、関心対象の粒子を選択的に単離するソーティング機構をトリガする。
【0002】
粒子検知は、通常、1つ以上のレーザからの照射光に粒子がさらされ、粒子の光散乱及び蛍光特性が測定される検出領域を、流体ストリームを通過させることによって実行される。粒子又はその成分は、検出を容易にするために、蛍光色素で標識され得、スペクトル的に異なる蛍光色素を使用して、異なる粒子又は成分を標識することによって、多数の異なる粒子又は成分が、同時に検出され得る。検出は、各異なる蛍光色素の蛍光の独立した測定を容易にするために、1つ以上の光センサを使用して実行される。
【0003】
フローサイトメータを使用して測定されるパラメータには、典型的には、前方散乱(FSC)と称される、ほぼ前方方向に沿った狭い角度で粒子によって散乱された励起波長の光、側方散乱(SSC)と称される、励起レーザに対して直交方向に粒子によって散乱された励起光、及びある範囲のスペクトル波長にわたって信号を測定する1つ以上の検出器において蛍光分子から、又はその特定の検出器又は検出器アレイにおいて主に検出される蛍光色素によって放出された光が含まれる。様々な細胞タンパク質又は他の成分を蛍光色素標識抗体又は他の蛍光プローブで標識することから生じる光散乱特性及び蛍光放射によって、異なる細胞のタイプを識別することができる。
【0004】
生物学的粒子の単離は、フローサイトメータにソーティング又は収集能力を付加することによって達成されている。1つ以上の所望の特性を有するものとして検出された分離ストリーム内の粒子は、機械的又は電気的除去によって試料ストリームから個々に単離される。一般的なフローソーティング技術は、直線的に分離された粒子を含有する流体ストリームが液滴に分断される液滴ソーティングを利用する。
【0005】
関心対象の粒子を含有する液滴は、電気的に帯電され、電界を通過することによって収集チューブに偏向される。典型的には、ストリーム内の直線的に分離された粒子は、これらの粒子がノズル先端のすぐ下に位置する観測点を通過する際に特性評価される。いったん粒子が1つ以上の所望の基準を満たすと識別されると、粒子が分裂ポイントに到達し、ストリームから液滴で分裂する時間を予測することができる。理想的には、選択された粒子を含有する液滴がストリームから分裂する直前に、わずかな電荷が流体ストリームに与えられ、液滴が分裂する直後に接地される。ソートされるべき液滴は、液滴が流体ストリームから分裂する際に電荷を維持する。他の全ての液滴は、非荷電のままである。
【0006】
場合によっては、ある特定のソートされた細胞が曝露されるガスを調節するために、封じ込められた環境内でセルソーティングが実効される。例えば、嫌気性微生物は、嫌気性微生物の酸素不耐性に起因して、標準的なフローサイトメトリ技術を介してソートすることが可能でない。したがって、セルソーティングは、封じ込められた環境が酸素を欠いている無酸素条件下で実行されなければならない。従来、そのような封じ込められた環境の生成は、例えば、米国特許第9,556,413号におけるVenter et al.による以前の特許に記載されているように、既存のソーティングフローサイトメータを閉鎖系チャンバ内に配置すること、及び/又は既存のフローサイトメータ構成要素を修正することを伴う。
【発明の概要】
【0007】
粒子がソート及び収集されるガス環境を制御するためのアプローチは、機器構成要素の実質的な修正、又はより大きな封じ込められた環境へのセルソータの再配置を必要とするため、本発明者らは、閉鎖系内で粒子をソートすると同時にフローサイトメータ設計を簡素化するためのシステム及び方法が結果的に必要とされることを認識した。本発明の実施形態は、このニーズ及び他のニーズを満たす。
【0008】
本発明の態様は、ソートブロックを有するソーティングフローサイトメータを閉鎖系のソーティングフローサイトメータに変換するための閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを含む。主題のアダプタの実施形態は、フローサイトメータの内部環境とアダプタの内部環境とをガスで接続することによって、ソートされた粒子が曝露されるガスを調節するために、封じ込められた環境を生成するように構成されている。関心対象のアダプタは、ソートブロックに動作可能に接続するためのソートブロックカプラと、外部チャンバと、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するためのコネクタとを含む。コネクタは、ある特定の事例では、外部チャンバの位置をソーティングフローサイトメータに対して調整することを可能にするように、可撓性材料(例えば、ゴム、シリコーン)を含んでもよい。いくつかの場合では、アダプタは、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを更に含む。ソートバケットの実施形態は、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を含む。他の実施形態では、ソートバケットは、アダプタ内に存在しない。そのような実施形態では、ソートブロックカプラは、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成され得る。ソートブロックカプラのいくつかの変形例は、必要に応じて(例えば、アダプタからの取り外し中に)、ソートブロックカプラの内部にアクセスし、かつ内部をシールするためのスライドドアを含んでもよい。ある特定の事例では、アダプタに、閉鎖系のガス含有量を調節するための手段が備えられている。例えば、アダプタの実施形態は、閉鎖系を第1のガス(例えば、窒素、二酸化炭素、水素、アルゴンなど)で満たすための1つ以上のガス入口ポートを含む。アダプタの実施形態は、第2のガス(例えば、酸素)が閉鎖系から漏れることを可能にするための1つ以上のガス安全弁を更に含んでもよい。
【0009】
本発明の態様は、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを有するフローサイトメータを更に含む。関心対象のソーティングフローサイトメータは、検査ポイントでフローセルを照明するための照明源と、検査ポイントからの光を受信するための1つ以上の検出器と、フローセルと液体受容関係にあるソートブロックとを含む。関心対象のソートブロックは、必要に応じて、荷電粒子小滴を1つ以上の異なる収集容器に選択的に偏向するように構成されている。本フローサイトメータで使用するためのアダプタは、ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、外部チャンバと、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するコネクタとを含む。コネクタは、ある特定の事例では、外部チャンバの位置を調整することを可能にするように、可撓性材料(例えば、ゴム、シリコーン)を含んでもよい。いくつかの場合では、本フローサイトメータで使用するためのアダプタは、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを更に含む。ソートバケットの実施形態は、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を含む。他の実施形態では、ソートバケットは、アダプタ内に存在しない。そのような実施形態では、ソートブロックカプラは、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成され得る。ある特定の事例では、フローサイトメータに、閉鎖系のガス含有量を調節するための手段が備えられている。そのような事例では、ソートブロック及びアダプタ(例えば、ソートブロックカプラ、ソートバケット、外部チャンバ)は、1つ以上のガス入口ポート及び1つ以上のガス安全弁を含んでもよい。主題のフローサイトメータの実施形態は、また、閉鎖系を第1のガス(例えば、窒素、二酸化炭素、水素、アルゴンなど)で満たすように構成された1つ以上のガス入口ポートにガスで結合される圧縮機を含む。ある特定の場合では、フローサイトメータは、閉鎖系内の第2のガス(例えば、酸素)の濃度を評価するように構成されたガスセンサを含む。フローサイトメータがガスセンサを含む場合、センサは、ガスセンサからの評価に基づいて、圧縮機が第2のガスの濃度を調節するように、圧縮機に動作可能に接続され得る。いくつかの事例では、本フローサイトメータは、1つ以上の内部ドアであって、内部ドアが開いているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを許容し、かつ内部ドアが閉じられているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを防止するように構成された、1つ以上の内部ドアを含む。
【0010】
本発明の態様は、閉鎖系のソーティングフローサイトメータを組み立て、かつ閉鎖系のフローサイトメータ内の試料を分析するための方法を更に含む。いくつかの場合では、方法は、ソートブロックを有するソーティングフローサイトメータに閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを動作可能に接続することを含む。関心対象の方法は、試料からの粒子を、検査ポイントでフローセルを照明するための照明源と、検査ポイントからの光を受信するための検出器と、フローセルと液体受容関係にあるソートブロックと、ソートブロックと小滴受容関係にある閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタとを有するソーティングフローサイトメータに導入することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、添付の図面と併せて読む場合、以下の詳細な説明から最も理解することができる。図面には、以下の図が含まれる。
【0012】
図1A】ある特定の実施形態による、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するための拡張されていないコネクタの図を示す。
図1B】ある特定の実施形態による、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するための拡張されたコネクタの図を示す。
図2】ある特定の実施形態による閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを示す。
図3A】ある特定の実施形態による、拡張されていない構成での閉鎖系のフローサイトメータアダプタを有するソーティングフローサイトメータの図を示す。
図3B】ある特定の実施形態による、拡張されていない構成での閉鎖系のフローサイトメータアダプタを有するソーティングフローサイトメータの図を示す。
図4A】ある特定の実施形態による、拡張された構成での閉鎖系のフローサイトメータアダプタを有するソーティングフローサイトメータの図を示す。
図4B】ある特定の実施形態による、拡張された構成での閉鎖系のフローサイトメータアダプタを有するソーティングフローサイトメータの図を示す。
図5】ある特定の実施形態によるフローサイトメトリックシステムの機能ブロック図を示す。
図6】ある特定の実施形態によるソーティング制御システムを示す。
図7A】ある特定の実施形態による粒子ソータシステムの概略図を示す。
図7B】ある特定の実施形態による粒子ソータシステムの概略図を示す。
図8】ある特定の実施形態によるコンピューティングシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ソートブロックを有するソーティングフローサイトメータを閉鎖系のソーティングフローサイトメータに変換するための閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタが提供される。関心対象のアダプタは、ソートブロックに動作可能に接続するためのソートブロックカプラと、外部チャンバと、任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するためのコネクタとを含む。閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタ及び閉鎖系の内部環境を調節するためのガス入口ポートを有するフローサイトメータも開示される。本発明を実施するための方法、コンピュータシステム、及びキットが追加的に提供される。
【0014】
本発明がより詳細に説明される前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん、変化し得ることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する対象となるためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されるべきである。
【0015】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、及びこの記載の範囲内の任意の他の記載される値又は中間値が本発明に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として、本発明内に包含される。記述の範囲が、制限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方又は両方を除外する範囲も、また、本発明に含まれる。
【0016】
本明細書では、数値の前に「約」という用語が付けられて、ある特定の範囲が提示される。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、並びにその用語が先行する数に近いか又はほぼそれである数に文字どおりの支持を提供するために使用される。ある数が、具体的に列挙された数に近いか又はほぼその数であるかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又はほぼその数は、提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等性を提供する数であり得る。
【0017】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。また、本明細書に記載のものと同様の又は同等な任意の方法及び材料が、本発明の実施又は試験に使用され得るが、代表的な例示的な方法及び材料が以下に記載される。
【0018】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、あたかも各個々の刊行物又は特許が参照によって組み込まれるように具体的かつ個々に示されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれ、参照によって本明細書に組み込まれることによって、それらの刊行物が引用される関連した方法及び/又は材料を開示及び記載する。任意の刊行物の引用は、出願日以前のその開示についてのものであり、本発明が、先行発明の特色によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、実際の公開日とは異なり得、これらは独立して確認する必要があり得る。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択の要素を排除するように設計され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「単独で」、「のみ」などのそのような排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用の先行詞として機能することが意図される。
【0020】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載及び例証される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はこれらと組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0021】
システム及び方法は、機能的な説明を伴う文法的流動性のために記載されている、又は記載されるが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明示的に策定されない限り、「手段」又は「ステップ」制限の構築によって必ずしも制限されるものと解釈されるべきではなく、同等物の法制定基礎原則の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び同等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条下で明示的に策定される場合、米国特許法第112条下で完全な法定同等物が付与されるべきであることを明示的に理解されたい。
【0022】
閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタ
上記で論じたように、本発明の態様は、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを含む。関心対象のアダプタは、既存のソーティングフローサイトメータを閉鎖系のソーティングフローサイトメータに変換するように構成されている。「ソーティング」という用語は、本明細書では、試料の成分(例えば、細胞、生体高分子などの非細胞粒子)を分離すること、及び、いくつかの事例では、以下に記載されるように、分離された成分を、1つ以上の収集容器を有する受容場所に送達することを指すための、その従来の意味で使用される。例えば、ソートされるべき試料は、25個以上の成分を有する試料をソートすることを含めて、3つ以上の成分など、4つ以上の成分など、5つ以上の成分など、10個以上の成分など、15個以上の成分などの、2つ以上の成分を含み得る。15個以上の試料成分などが、試料から分離されて、受容位置の試料収集容器に送達され得ることを含めて、2つ以上の試料成分など、3つ以上の試料成分など、4つ以上の試料成分など、5つ以上の試料成分など、10個以上の試料成分などの、試料成分のうちの1つ以上が、試料から分離されて、試料収集容器に送達され得る。
【0023】
主題のアダプタを有するソーティングフローサイトメータは、粒子ソーティング及び収集のための構成要素の内部環境が、単一の封じ込められたガス環境が構成要素間に形成されるようにガスで接続される「閉鎖系」ソーティングフローサイトメータとして記載され得る。言い換えれば、閉鎖系内の構成要素は、外部環境に曝露されないか、又は外部環境と接触しない。いくつかの実施形態では、閉鎖系内に収容された構成要素は、周囲環境のガス環境から隔離されている(すなわち、閉鎖系の外側のガスに曝露されない)。他の実施形態では、閉鎖系内に収容された構成要素は、周囲環境の流体環境から隔離されている(すなわち、閉鎖系の外側に存在するあらゆる流体に曝露されない)。更に他の実施形態では、閉鎖系内に収容された構成要素は、殺菌されており、周囲環境に存在する生きた細菌又は他の微生物から隔離される。
【0024】
したがって、本開示のアダプタは、例えば、閉鎖系を第1のガスで満たし、それによって第2のガスを閉鎖系から排出するために、閉鎖系の内部環境が調節可能であるように構成されている。別の言い方をすれば、主題のアダプタの実施形態は、フローサイトメータの粒子ソーティング及び収集器具内(すなわち、内部)に存在する閉鎖系を、器具の外部又はフローサイトメータ自体を取り囲む閉鎖系とは対照的に生成する。いくつかの場合では、本明細書に記載のアダプタは、特注のチャンバと比較して、セルソーティングのための閉鎖系の生成を合理化する。また、アダプタは、いくつかの事例では、従来のシステムと比較して、封じ込められた環境内でのセルソーティングに必要とされるスペースの量を低減し得る。実施形態では、主題のアダプタは、無酸素閉鎖系環境の作成を介して、嫌気性微生物をソート及び収集するプロセスを簡素化する。
【0025】
関心対象の閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタは、ソーティングフローサイトメータのソートブロックと小滴受容関係にある。本明細書で論じるように、「ソートブロック」は、粒子小滴を1つ以上の収集容器に選択的に方向転換させるためのソーティングフローサイトメータ装置を指す。ソートブロックは、例えば、電荷を粒子小滴に選択的に与え、続いて、その小滴を一連の可能なソーティング先のうちの1つに偏向させ得る。「小滴受容関係」とは、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタが、ソートブロックによって偏向された粒子小滴がアダプタの内部環境中に受容されるように、ソートブロックに対して位置付けられることを意味する。結果的に、アダプタの実施形態は、アダプタをソートブロックに動作可能に接続するためのソートブロックカプラを含む。関心対象のソートブロックカプラは、粒子小滴がソートブロックから閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタの内部に受け渡され得るように、ソートブロックの遠位面に接続するように構成されている。ソートブロックカプラのサイズは、必要に応じて変わり得る。いくつかの事例では、ソートブロックカプラの長さ、幅、及び高さは、独立して、2cm~5cmを含む、0.5cm~25cmなど、0.75cm~20cmなど、1cm~15cmなど、1.5cm~10cmなどの、0.1cm~30cmの範囲である。ソートブロックカプラの内容積は、同様に変わり得、いくつかの事例では、容積は、8cm~125cmを含む、0.75cm~8,000cmなど、1cm~3,500cmなど、3.5cm~1,000cmなどの、0.5cm~27,000cmの範囲である。
【0026】
ソートブロックカプラは、ソートされた小滴が通過し、かつそれによってソートブロックカプラの内部に入り得る、1つ以上の開口部を更に含み得る。ソートブロックカプラの関心対象の開口部は、任意の好都合な形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形、及び不規則形状、例えば、平坦上部分に結合された放物線下部分によって特徴付けられ得る。開口部のサイズは、また、必要に応じて変わり得る。いくつかの事例では、開口部の長さ及び幅は、独立して、1cm~3cmを含む、0.25cm~10cmなど、0.5cm~8cmなど、0.75cm~5cmなどの、0.1cm~15cmの範囲である。開口部が円形である場合、いくつかの事例では、開口部は、1cm~3cmを含む、0.25cm~10cmなど、0.5cm~8cmなど、0.75cm~5cmなどの、0.1cm~20cmの範囲の直径を有し得る。
【0027】
ソートブロックカプラは、ソートブロックに取り付けるための任意の好都合な機構を含み得る。例示的な取り付け機構は、限定されるものではないが、クランプ、磁石、ラッチ、ノッチ、皿穴、カウンタボア、溝、ピン、テザー、ヒンジ、非永久的接着剤、又はそれらの組み合わせを含む。ある特定の場合では、ソートブロックカプラの一部分が、ソートブロックの遠位部分中にスライドするように構成されている。そのような場合、ソートブロックカプラの上部は、カプラに対して相補的な形状を有するソートブロックの遠位表面に位置付けられた既存の穴に摺動可能に受容され得る。例えば、ある特定の事例では、ソートブロックカプラは、ソートブロックの遠位部分に位置する対応するサイズの溝に摺動可能に挿入され得る1つ以上のレールを含む。そのような事例では、ソートブロックカプラは、5つ以上のレールを含む、単一のレール、2つ以上のレール、3つ以上のレール、4つ以上のレールなどの、任意の好都合な数のレールを含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、ソートブロックカプラは、1つ以上のガスが、ソートブロックとアダプタとの間の接合部を介して閉鎖系に入るか、又は閉鎖系から漏れることを防止するシール機構を更に含む。そのような実施形態では、ソートブロックカプラは、ソートブロックの内部とアダプタの内部との間に存在する閉鎖系を維持するように構成されている。任意の好都合な気密シール機構が、主題のソートブロックカプラに採用され得る。いくつかの場合では、シール機構は、シールガスケットを含む。本明細書で論じるように、「ガスケット」は、接合されたオブジェクトからの、又は接合されたオブジェクトへの流体(例えば、液体、ガス)漏出を防止するための、2つのオブジェクトの間に位置付けられたデバイスを記述するためのその従来の意味で参照される。関心対象のシールガスケットは、例えば、ゴム(例えば、ニトリルゴム)、シリコーン、金属、コルク、フェルト、ネオプレン、ガラス繊維、ポリテトラフルオロエチレン、プラスチックポリマー(例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン)などの任意の好適な材料、及びそれらの組み合わせから構成され得る。ソートブロックカプラで使用するためのシールガスケットは、例えば、シートガスケット、ジャケットガスケット、渦巻きガスケット、フランジガスケット、カンプロファイルガスケットなどの、任意の好都合な形態を有し得る。
【0029】
主題のアダプタの実施形態は、また、ソートブロックから受容された小滴を収集するための1つ以上の収集容器を収容するように構成された収容器を含む。ある特定の場合では、収容器は、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを含む。本明細書で論じるように、「ソートバケット」は、収容器であってこの収容器の内部で、ソートブロックによって偏向された粒子小滴が、セルソーティングの停止後にソートバケットからアクセス及び/又は除去され得る複数の収集容器内に受容される、収容器を指す。ソートバケットは、金属、ガラス(例えば、パイレックスガラス、ホウケイ酸ガラス)、セラミック、又はプラスチックを含む、流体試料(例えば、生体試料)と適合する任意の好適な材料から形成され得る。ある特定の実施形態では、ソートバケットは、剛性プラスチック、ポリマー、又は熱可塑性材料などの、プラスチックから形成されている。例えば、好適なプラスチックとしては、限定されるものではないが、高分子プラスチック材料の中でも、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、又はPETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)などのこれらの熱可塑性プラスチックのコポリマーが挙げられ得る。「セル受容関係」とは、ソートブロックからの偏向された小滴がソートブロックカプラを通過し、かつ1つ以上の収集容器によって受容されるように、ソートバケットがソートブロック及びソートブロックカプラに対して位置付けられていることを意味する。ソートバケットのサイズは、必要に応じて変わり得る。いくつかの事例では、ソートバケットの長さ、幅、及び高さは、独立して、0.1cm~40cmなど、0.05cm~40cmなど、0.5cm~25cmなどの、0.1cm~50cmの範囲であり、いくつかの事例では、2cm~10cmを含む、0.75cm~20cmなど、1cm~15cmなど、1,5cm~12cmなどの、0.75cm~30mの範囲である。ソートバケットの内容積は、同様に変化し得、いくつかの事例では、容積は、8cm~125cmを含む、1.25cm~8,000cmなど、1.5cm~3,500cmなど、2cm~1,000cmなどの、1cm~30,000cmの範囲である。
【0030】
ソートバケットの実施形態は、ソートされた小滴が通過し、かつそれによってソートバケットの内部に入り得る、1つ以上の開口部を更に含む。ソートバケットの関心対象の開口部は、任意の好都合な形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形、及び不規則形状、例えば、平坦上部分に結合された放物線下部分によって特徴付けられ得る。開口部のサイズも変化し得、いくつかの事例では、開口部の長さ及び幅は、独立して、1cm~3cmを含む、0.1cm~15cmなど、0.25~15cmなど、0.25cm~10cmなど、0.5cm~8cmなど、0.75cm~5cmなどの、0.1cm~20cmの範囲である。開口部が円形である場合、いくつかの事例では、開口部は、1cm~3cmを含む、0.25cm~10cmなど、0.5cm~8cmなど、0.75cm~5cmなどの、0.1cm~20cmの範囲の直径を有し得る。
【0031】
主題のアダプタがソートバケットを含む場合、当該ソートバケットは、任意の好都合な機構を介して、ソートブロックカプラに動作可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、ソートブロックカプラの遠位端は、ソートブロックカプラをソートバケットに取り付けるための1つ以上のファスナを含む。好適なファスナは、限定されるものではないが、磁石、フックアンドループファスナ、ラッチ、ノッチ、溝、ピン、テザー、ヒンジ、非永久的接着剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの場合では、ソートブロックカプラは、ラッチを介してソートバケットに動作可能に取り付けられている。追加の場合では、ソートブロックカプラは、6つ以上のラッチを含む、2つ以上のラッチなど、3つ以上のラッチなど、4つ以上のラッチなど、5つ以上のラッチなどの、複数のラッチを介して、ソートバケットに動作可能に取り付けられている。関心対象のラッチは、ソートブロックカプラの表面をソートバケットの表面に対して押し付けるように構成されている。本開示のアダプタは、ソートブロックカプラとソートバケットとの間に位置付けられた1つ以上のシール機構を更に含み得る。いくつかの事例では、アダプタは、ソートブロックカプラとソートバケットとの間に位置付けられた1つ以上のシールガスケット(例えば、上述したシールガスケットなど)を含む。本明細書に記載のソートバケットがソートブロックカプラとシール関係で動作可能に接続されている場合、ソートバケットの内部環境及びこの内部環境に収容された収集容器は、上述の閉鎖系の構成要素になり得る。したがって、ソートバケット内のガス環境は、(例えば、ある特定のガスの挿入又は排出を介して)調節可能であり得る。
【0032】
ソートバケットが存在しない他の実施形態では、ソートブロックカプラは、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成され得る。そのような実施形態では、ソートブロックカプラは、ソートされた小滴のための受容器として機能し得る(すなわち、ソートバケットの代わりに)。言い換えれば、これらの実施形態では、ソートブロックカプラは、ソートブロックと小滴受容関係にある。ソートブロックカプラが小滴収集のために構成されるような場合では、当該ソートブロックカプラは、ソートブロックカプラ及びソートブロックカプラの内容物(例えば、ソートされた粒子小滴)がソーティングフローサイトメータから除去され得るように、ソートブロックに対して取り外し可能な関係を有し得る。ソートブロックカプラは、いくつかの事例では、ソートブロックカプラ内の封じ込められた環境が維持されるように、閉鎖系から分離され、閉鎖系に取り付けられ得る。別の言い方をすれば、ソートブロックカプラの内部は、周囲環境内の望ましくない要素(例えば、ガス、流体、微生物汚染物質)に曝露されない。ソートブロックカプラの内部環境をシールするための任意の好都合な機構が含まれ得る。例えば、ソートブロックカプラの実施形態は、ソートブロックカプラの内部にアクセスするためのスライドドアを伴う。ソートブロックカプラを閉鎖系から取り外すことが望ましい場合、スライドドアは閉じられ、それによって、ソートブロックカプラの内部をシールし得る。カプラ及びカプラの内容物は、その後、除去及び再配置され得る。逆に、シールされた内部環境を有するソートブロックカプラをアダプタ及びソートブロックの閉鎖系に取り付けることが望ましい場合、ソートブロックカプラは、ソートブロックに取り付けられ得(例えば、上述したように、ソートブロックカプラをソートブロック中にスライドさせることによって)、スライドドアは、その後開かれ、それによってカプラの内部及びカプラの内容物を閉鎖系に組み込み得る。
【0033】
ある特定の実施形態では、ソートブロックから受容された小滴を収集するための収容器(例えば、ソートバケット、ソートブロックカプラ)は、2つ以上の収集容器など、3つ以上の収集容器など、4つ以上の収集容器など、5つ以上の収集容器など、6つ以上の収集容器など、10個以上の収集容器などの、任意の好都合な数の収集容器を含み得る。例えば、収容される収集容器の数は、4つ~7つを含む、2つ~8つなどの、1つ~10個の範囲であり得る。ある特定の事例では、収容器は、6つの収集容器を含む。フローストリームから小滴を収集するための好適な試料収集容器としては、限定されるものではないが、容器のタイプの中でも、試験管、円錐管、マイクロタイタープレートなどのマルチコンパートメント容器(例えば、96ウェルプレート)、遠心分離管、培養管、微細管、キャップ、キュベット、ボトル、直線状ポリマー容器、及びバッグが挙げられ得る。
【0034】
各収集容器は、フローストリームからソートされた小滴を受容するための開口部(すなわち、小滴が通過する空きスペース)を含む。実施形態では、各収集容器の開口部は、独立して、フローストリームの長手方向軸から、5mm~50mmを含む、0.01mm~90mmなど、0.1mm~80mmなど、0.5mm~70mmなど、1mm~60mmなどの、0.001mm~100mmの範囲の距離だけ、フローストリームの長手方向軸から隔てられ得る。収集容器の各々の開口部は、独立して、30°~50°を含む、0.01°~90°など、0.05°~85°など、0.1°~80°など、0.5°~75°など、10°~70°など、15°~65°など、20°~60°など、25°~55°などの、フローストリームの長手方向軸に対して異なる角度にあり得る。各収集容器の開口部は、ある特定の事例では、必要に応じて可逆的に閉じることができる、バルブなどのカバーを含み得る。例えば、収集容器の開口部は、フローストリームが検出されるまで閉じたままであるように構成されたバルブを含み得る。更に他の事例では、収集容器の開口部は、所定の期間後に(例えば、試料の特定の部分からの小滴のみを収集するように)閉じるように構成されたバルブを含む。更に他の事例では、収集容器の開口部は、所定の体積が収集されたことを検出した後に閉じるように構成されたバルブを含む。各収集容器の開口部のサイズは、各々独立して、1cm~3cmを含む、0.25cm~4.5cmなど、0.5cm~4cmなど、0.75cm~3.5cmなどの、0.1cm~5cmの範囲で変わり得る。収集容器の開口部が円形である場合、開口部は、1cm~3cmの直径を含む、0.25cm~4.5cmなど、0.5cm~4cmなど、0.75cm~3.5cmなどの、0.1cm~5cmの範囲の直径を有し得る。
【0035】
追加の実施形態では、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタは、外部チャンバを更に含む。本明細書に記載の「外部チャンバ」は、ソーティングフローサイトメータの外側に存在し、閉鎖系に動作可能に接続するように構成された任意の閉囲チャンバであり得る。外部チャンバの形状は、変わり得る。ある特定の実施形態では、外部チャンバは、形状が直方体又は実質的に直方体である。例えば、外部チャンバは、長方立方体(rectangular cube)又は正立方体(square cube)として形成され得る。他の実施形態では、外部チャンバの形状は、球又は円筒によって特徴付けられ得る。外部チャンバのサイズは、必要に応じて変わり得、いくつかの事例では、外部チャンバの長さ、幅、及び高さは、独立して、1m~2.5mを含む、0.1m~4mなど、0.5m~3mなどの、0.05m~5mの範囲である。外部チャンバの容積もまた変わり得、いくつかの事例では、容積は、1m~16mを含む、0.001m~64mなど、0.125m~27mなどの、0.0001m~125mの範囲である。
【0036】
外部チャンバは、必要に応じて、任意の数の剛性又は柔軟性の構成要素を含み得る。いくつかの場合では、外部チャンバは、1つ以上の剛性の構成要素を含み、例えば、1つ以上の剛性の構成要素は、外部チャンバを画定する。「剛性の」とは、構成要素、例えば壁が、形状を曲げることができないか、又は強制的に形状を崩すことができず、この結果、構成要素が可撓性でないことを意味する。外部チャンバで使用するための関心対象の剛性の構成要素としては、金属及びプラスチックが挙げられる。ある特定の事例では、外部チャンバは、例えば、アルミニウム、チタン、真鍮、鉄、鉛、ニッケル、鋼(例えば、ステンレス鋼)、銅、スズ、並びにそれらの組み合わせ及び合金を含む、1つ以上の金属成分を含む。追加の実施形態では、外部チャンバは、高分子プラスチック材料の中でも、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、又はPETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)などのこれらのプラスチックのコポリマーなどの、1つ以上の剛性プラスチック材料を含む。
【0037】
関心対象の外部チャンバは、1つ以上の柔軟性の構成要素を更に含み得る。「柔軟性の」とは、外部チャンバの一部分が、断裂、亀裂、穿孔などのような、いかなる重大な構造変化もなく、この部分の元の形状から曲げられ得るか、又は屈曲され得ることを意味する。例えば、柔軟性の外部チャンバは、外部チャンバ内部の流体(例えば、ガス、液体)と周囲環境との間の接触を防止するシールされたバリアを依然として維持しながら、この外部チャンバの元の形状から屈曲及び/又は変形され得る。いくつかの実施形態では、柔軟性材料は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニル(PVF)、酢酸エチルビニル(EVA)などのような、ビニル材料を含む。いくつかの場合では、柔軟性材料は、1mm以下を含む、3mm以下など、2mm以下などの、5mm以下の厚さ、又は0.1mm以下を含む、0.4mm以下など、0.3mm以下など、0.2mm以下などの、0.5mm以下の厚さを有する。ある特定の実施形態では、柔軟性材料は、0.01GPa以下を含む、0.9GPa以下など、0.8GPa以下など、0.7GPa以下など、0.6GPa以下など、0.5GPa以下など、0.4GPa以下など、0.3GPa以下など、0.2GPa以下など、0.1GPa以下などの、1GPa以下のヤング係数を有する可撓性材料から形成されている。外部チャンバの実施形態は、また、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの組み合わせなどのような、1つ以上のプラスチック材料を含み得る。ある特定の実施形態では、柔軟性材料は、外部チャンバの内部が外部から視認可能であり得るように透明である。他の実施形態では、柔軟性材料は、外部チャンバ内で感光性試料を操作することが望ましい場合など、外部チャンバの外部からの光が柔軟性材料を透過しないように不透明である。
【0038】
剛性材料及び柔軟性材料の任意の好都合な配置は、主題の外部チャンバ内に含まれ得る。いくつかの事例では、外部チャンバは、完全に剛性である。他の事例では、外部チャンバは、完全に柔軟性である。更に他の事例では、外部チャンバは、剛性材料と柔軟性材料との組み合わせを含む。例えば、ある特定の場合では、外部チャンバは、外部チャンバの境界を画定する剛性骨格と、剛性骨格の部材間の柔軟性材料のシートとを含む。主題の外部チャンバでの使用に適合され得る利用可能なチャンバの例としては、bioBUBBLE,Inc.によって製造されたものなどのベンチトップ生物学的封じ込めエンクロージャが挙げられる。いくつかの事例では、外部チャンバは、グローブボックスとして機能する。そのような事例では、グローブは、ユーザが閉鎖系の完全性を損なうことなく外部チャンバの内容物を操作し得るように、外部チャンバの1つ以上の壁に造り込まれ得る。外部チャンバの実施形態は、必要に応じて、外部チャンバから1つ以上の物体を除去するための手段を更に含み得る。例えば、外部チャンバが柔軟性材料を含むいくつかの事例では、材料は、外部チャンバの壁に開口部を可逆的に作成するジッパーを含み得る。
【0039】
本閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタの態様は、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するためのコネクタを更に含む。ソートブロック及び外部チャンバは、ソートブロック及び外部チャンバの内部環境が同じ閉鎖系の一部である場合に、「ガスで結合された」と記述され得る。言い換えれば、ソートブロック及び外部チャンバの各々の内部環境内のガス、並びに閉鎖系の他の中間構成要素(例えば、ソートブロックカプラ、ソートバケット)は、周囲環境から分離したまま、構成要素間を自由に移動し得る。したがって、主題のコネクタの実施形態は、ガスが関連の構成要素全体を通して交換され得る導管を提供する。追加の場合では、コネクタは、小滴を収集するための収容器(例えば、ソートバケット、ソートブロックカプラ)から(例えば、ソートされた小滴を収容した)収集容器にアクセスし得る導管を提供する。
【0040】
本明細書に記載のコネクタは、任意の好都合な材料から形成され得る。いくつかの事例では、コネクタは、可撓性材料を含む。関心対象の可撓性材料としては、材料の完全性又はガス透過性を損なうことなく形状又はサイズを変化させ得るものが挙げられる。したがって、コネクタの実施形態は、非多孔質材料であって、非多孔質材料を通したガスの交換を許容しない(すなわち、周囲からのガスが意図せずに閉鎖系に作用しないように)非多孔質材料を含む。例えば、いくつかの実施形態では、コネクタは、限定されるものではないが、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ネオプレン、ブチルゴム、スチレンブタジエン、ニトリルゴム、エチレンプロピレン、シリコーン、フルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、エチレン酢酸ビニルなどのような、1つ以上のエラストマー(すなわち、ゴム)材料を含み得る。ある特定の実施形態では、コネクタに含まれる可撓性材料は、シリコーンを含む。追加の実施形態では、コネクタは、剛性金属又は剛性プラスチックなどの剛性材料(例えば、上述したものなど)を含み得る。
【0041】
いくつかの場合では、主題のコネクタは、閉鎖系が達成され得るように、コネクタを閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタの他の構成要素に取り付けるための手段を含む。例えば、アダプタがソートバケットを含む場合、コネクタの実施形態は、コネクタをソートバケットに取り付けるためのカラーを含む。加えて、コネクタの実施形態は、コネクタを外部チャンバに取り付けるためのカラーを含む。本明細書に記載のカラーは、コネクタとアダプタの関連の構成要素(例えば、ソートバケット、ソートブロックカプラ、外部チャンバ)との間の連絡部を作成するための任意の好都合な要素であり得る。いくつかの実施形態では、カラーは、剛性カラーである。そのような実施形態では、剛性カラーは、複数のネジを介して関連のアダプタ構成要素に取り付けられ得る。更なる実施形態では、コネクタは、複数のラッチを介して取り付けられるように構成されている。いくつかの場合では、コネクタは、カラーの縁部の周りにシールを生成し、かつそれによってガスが意図せず閉鎖系に作用することを防止するためのシールコンパウンドを含む。限定されるものではないが、シリコーン、ゴム、非多孔質発泡体、又は必要に応じて任意の他のガスケット材料などの、任意の好都合なシールコンパウンドが含まれ得る。いくつかの実施形態では、シールコンパウンドは、シリコーンを含む。コネクタ及びコネクタの構成カラーは、任意の好都合な断面形状を有し得る。いくつかの事例では、コネクタ及びカラーは、長方形の断面形状を有する。他の実施形態では、コネクタ及びカラーは、正方形の断面形状を有する。更に他の実施形態では、コネクタ及びカラーは、円形の断面形状を有する。
【0042】
外部チャンバは、ソートブロックカプラ及び/又はソートバケットに対して任意の好都合な配向を有し得る。上記で論じたように、ソートバケット及び/又はソートブロックは、フローストリームからソートされた粒子小滴を収集するように構成されている。当該フローストリームは、液体が流れる想像上の長手方向軸を有するものとして概念化され得る。したがって、いくつかの実施形態では、外部チャンバは、フローストリームに対して別個の場所に位置付けられており、すなわち、外部チャンバの一部分が、フローストリームの長手方向軸と交差しない。そのような実施形態では、外部チャンバは、フローストリームの長手方向軸から任意の都合がよい緯度距離に位置し得、距離は、0.5m~1mを含む、0.01m~2mなど、0.1m~1.5mなどの範囲であるなどである。コネクタが可撓性材料を含む、ある特定の場合では、外部チャンバの場所は、アダプタの他の構成要素に対して調整され得る。例えば、外部チャンバは、いくつかの場合では、外部チャンバの元の場所に対して、ソートバケット(そのようなものがアダプタに含まれる場合)により近くに、又はより遠くに再配置され得る。そのような場合、コネクタは、外部チャンバの位置付けに応じて、収縮又は膨張するように構成され得る。いくつかの場合では、コネクタは、「アコーディオン様」方式で収縮及び膨張し得、コネクタは、コネクタが膨張するにつれて平らになる折り畳みを有する。追加の事例では、コネクタは、外部チャンバが、ソートブロックカプラ及び/又はソートバケットに対して横方向に移動され得るように構成され得る。そのような事例では、コネクタの柔軟性は、ソートブロックカプラ及び/又はソートバケットに対して「左右」(すなわち、横方向)方向での外部チャンバの移動を許容し、それによって外部チャンバの場所に追加の可撓性を提供する。
【0043】
図1A及び図1Bは、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタのある特定の実施形態によるコネクタを示す。図1Aに示されるように、コネクタ100は、拡張されていない構成で示され、可撓性部分101、及び両側に位置付けられた剛性カラー102を含む。図1Bに示されるように、コネクタ100は、拡張されていない構成で示される。
【0044】
上記で論じたように、主題のアダプタは、ソーティングフローサイトメータ内に閉鎖系を生成するように構成されている。ある特定の実施形態では、閉鎖系は、正圧系である。本明細書で論じるように、「正圧系」は、内部圧力が系を取り囲む周囲圧力よりも高い系を記述するためのその従来の意味で参照される。他の実施形態では、閉鎖系は、負圧系である。本明細書で論じるように、「負圧系」は、内部圧力が系を取り囲む周囲圧力よりも低い系を記述するためのその従来の意味で参照される。
【0045】
閉鎖系が正圧系である場合、主題のアダプタは、閉鎖系を第1のガスで満たすための1つ以上のガス入口ポートを含み得る。いくつかの実施形態では、アダプタは、単一のガス入口ポートを含む。他の実施形態では、アダプタは、10個以上のガス入口ポートを含む、2つ以上など、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、8つ以上など、9つ以上などの、1つ以上のガス入口ポートなどの複数のガス入口ポートを含む。ガス入口ポートは、必要に応じて、閉鎖系のフローサイトメータアダプタ全体を通して1つ以上の異なる場所に位置付けられ得る。例えば、いくつかの場合では、アダプタは、外部チャンバの壁に位置付けられたガス入口ポートを含む。アダプタがソートバケットを含むいくつかの場合では、アダプタは、ソートバケットの壁に位置付けられたガス入口ポートを含む。追加の場合では、アダプタは、ソートブロックカプラの壁に位置付けられたガス入口ポートを含む。閉鎖系を満たすためのガスとしては、嫌気性微生物などの微生物を培養及びソートするための好適な条件を作成するものが挙げられ、限定されるものではないが、窒素、二酸化炭素、水素、及びアルゴンが挙げられる。ある特定の場合では、第1のガスは、窒素を含む。
【0046】
更なる実施形態では、主題のアダプタは、第2のガスが閉鎖系から漏れることを可能にするための1つ以上のガス安全弁を含む。いくつかの事例では、アダプタは、単一のガス安全弁を含む。他の事例では、アダプタは、10個以上のガス安全弁を含む、2つ以上など、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上などの、1つ以上のガス安全弁などの複数のガス安全弁を含む。ガス安全弁は、必要に応じて、閉鎖系のフローサイトメータアダプタ全体を通して1つ以上の異なる場所に位置付けられ得る。例えば、いくつかの場合では、アダプタは、外部チャンバの壁に位置付けられたガス安全弁を含む。アダプタがソートバケットを含むいくつかの場合では、アダプタは、ソートバケットの壁に位置付けられたガス安全弁を含む。追加の場合では、アダプタは、ソートブロックカプラの壁に位置付けられたガス入口ポートを含む。いくつかの実施形態では、外部チャンバから排出される第2のガスは、1つ以上のガス入口ポートを介して閉鎖系に挿入される1つ以上の第1のガスによって置換されるものである。例えば、いくつかの場合では、閉鎖系から排出される第2のガスは、酸素を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、主題のアダプタは、閉鎖系内のガスのフローを調節するように構成された1つ以上の区画シールデバイス、例えばドアを含む。本明細書に記載の区画シールデバイスは、開状態及び閉状態を有する。開状態では、区画シールデバイスは、ソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを許容するように構成されている。閉鎖状態では、区画シールデバイスは、ソートブロックと内部チャンバとの間のガスのフローを防止するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、主題の区画シールデバイスは、内部ドアの形をとり得る。ある特定の場合では、アダプタは、単一の内部ドアを含む。他の場合では、アダプタは、10個以上の内部ドアを含む、2つ以上など、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上などの、1つ以上の内部ドアなどの複数の内部ドアを含む。内部ドアは、アダプタ全体を通して1つ以上の異なる場所に位置付けられ得る。例えば、一実施形態では、内部ドアは、ソートバケットに位置付けられている。アダプタがソートバケットを含む追加の実施形態では、ソートバケットは、複数の内部ドア、例えば、ソートブロックカプラとの連絡部に1つのドア、及びコネクタとの連絡部に別のドアを含む。いくつかの場合では、内部ドアは、内部ドアが外部チャンバとコネクタとの間の連絡部に位置付けられているなど、外部チャンバに位置付けられている。ある特定の事例では、内部ドアは、ソートブロックカプラ内に位置付けられている。閉鎖系のソーティングフローサイトメータ及びアダプタが1つ以上の内部ドアを含むいくつかの実施形態では、ソーティングフローサイトメータ及びアダプタの構成要素は、閉鎖系の完全性を維持しながら除去され得る。
【0048】
図2は、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタの一実施形態を提示している。図2に示される実施形態では、アダプタ200は、ソートブロックカプラ201、ソートバケット202、コネクタ203、及び外部チャンバ204を含む。ソートブロックカプラ201は、ソートブロック(図示せず)の遠位部分上にスライドするように構成されており、複数のラッチ201aを介してソートバケット202の上部分に取り付けられている。ソートバケット202は、ソートブロックからのソートされた小滴を(例えば、1つ以上の収集容器に)受容するように構成されており、コネクタ203を介して外部チャンバ204に取り付けられている。外部チャンバ204の位置は、コネクタ203の柔軟性に起因して、ソートバケット202に対して調整され得る。
【0049】
閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを含むフローサイトメータ
上述したように、本発明の態様は、照明源と、検出器と、フローセルと液体受容関係にあるソートブロックと、ソートブロックと小滴受容関係にある閉鎖系のフローサイトメータアダプタとを有するソートフローサイトメータを含む。本開示のソーティングフローサイトメータは、閉鎖系のソーティングフローサイトメータである。言い換えれば、主題のソーティングフローサイトメータのアダプタ及びソートブロックは、ガスで接続され、かつ調節可能な内部環境を有する。
【0050】
本明細書で論じるように、「フローセル」は、シース流体中の粒子を輸送するための液体フローストリームを有するフローチャネルを収容した、キュベットなどの構成要素を指すための、その従来の意味で記載されている。関心対象のキュベットは、内部を通る通路を有する収容器を含む。フローストリームは、試料チューブから注入された液体試料を含み得る。関心対象のフローセルは、光アクセス可能なフローチャネルを含む。いくつかの事例では、フローセルは、内部を通した光の通過を許容する透明材料(例えば、石英)を含む。いくつかの場合では、フローセルは、検査ポイントにおいて光源からの光で照射が行われるように構成されている。本明細書で論じる「検査ポイント」は、例えば分析のために、粒子に光源からの光によって照射が行われるフローセル内の領域を指す。検査ポイントのサイズは、所望に応じて変わり得る。例えば、0μmが光源によって放出される光の軸を表す場合、検査ポイントは、-15μm~30μmを含む、-50μm~50μmなど、-25μm~40μmなどの、-100μm~100μmの範囲であり得る。
【0051】
上記で論じたように、本開示のフローサイトメータは、ソートブロックを含む。実施形態では、ソートブロックは、フローセルと液体受容関係にある。「液体受容関係」とは、フローセルの遠位部分(例えば、ノズル)から放出された粒子小滴が、ソーティングのためにソートブロック内に受容されることを意味する。関心対象のソートブロックは、ソートされた小滴をアダプタ内の収容器(例えば、ソートバケット、ソートブロックカプラ)に送達するように構成されている。いくつかの場合では、ソートブロックは、内部環境調節用に構成されている。そのような実施形態では、ソートブロックは、ガスを挿入及び/又は放出するための1つ以上の手段を含み得る。例えば、ある特定の事例では、ソートブロックは、閉鎖系を第1のガス(例えば、窒素、二酸化炭素、水素、アルゴン)で満たすためのガス入口ポートを含む。追加の事例では、ソートブロックは、第2のガスが閉鎖系から漏れることを可能にするためのガス安全弁を含む。ソートブロックは、例えば、米国特許第6,880,414号、米国特許第7,880,108号、及び米国特許公開第2019/0331657号に記載されたソートブロックなどの、当該技術分野で知られている任意のソートブロックであり得、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。ソートブロックは、いくつかの事例では、Becton,Dickinson and Company(「BD」)によって市販されているソーティングフローサイトメータに見出され得る。ある特定の実施形態では、ソートブロックは、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVantage(商標)、BD Biosciences FACSort(商標)、BD Biosciences FACSAria(商標)、BD Biosciences FACSCount(商標)、BD Biosciences FACScan(商標)、及びBD Biosciences FACSCalibur(商標)システム、BD Biosciences Influx(商標)セルソータなどのようなフローサイトメトリシステムで使用される。
【0052】
実施形態では、ソートブロックは、フローノズルから発せられるフローストリームから生成された小滴のストリームから、分析された細胞を含有する小滴を受容場所に方向転換させるように構成された小滴偏向器を含む。関心対象の小滴を受容場所へ方向転換させることは、静電場の印加による、小滴の静電帯電とフローストリームからの荷電小滴の偏向とを介して、小滴偏向器によって達成され得る。そのような静電場は、フローストリームに隣接して位置付けられた偏向板によって作成され得る。本明細書で使用される場合、「偏向」又は「偏向された」という用語は、細胞がフローストリームで識別及び追跡され得、それらの関心対象の細胞を含むフローストリームのそれらの小滴のみが収集容器によって方向転換及び収集されるような、分析された小滴のフローストリームからの関心対象の小滴の静電偏向を指す。いくつかの事例では、ソートブロックは、単一の小滴を各収集容器中に偏向するように構成された偏向板を含む。
【0053】
関心対象のソートブロック内の偏向板は、ソートされるセルのタイプ、ソートの速度、セルへの印加電圧、並びに試料中でソートされる成分の数に基づいて構成され得る。実施形態では、好適な偏向板の長さは、10mm~50mmを含む、6mm~90mmなど、7mm~80mmなど、8mm~70mmなど、9mm~60mmなどの、5mm~100mmの範囲であり得る。偏向板の幅は、5mm~10mmを含む、2mm~20mmなど、3mm~15mmなどの、1mm~25mmの範囲で変わり得る。各偏向板間の距離は、印加電圧及びフローストリーム内でソートされる粒子のサイズに応じて変わり得る。いくつかの実施形態では、各偏向板間の距離は、10mm以上を含む、2mm以上など、3mm以上など、4mm以上など、5mm以上などの、1mm以上であり得る。例えば、各偏向板間の距離は、5mm~15mmを含む、2mm~22.5mmなど、3mm~20mmなど、4mm~17.5mmなどの、1mm~25mmの範囲であり得る。偏向板は、また、30°~60°の角度でのものを含む、20°~70°など、25°~65°などの、15°~75°の角度などの、互いの角度で配向され得る。
【0054】
荷電粒子を方向転換させるために偏向板に印加される電圧は、10000mV以上を含む、25mV以上など、50mV以上など、100mV以上など、250mV以上など、500mV以上など、750mV以上など、1000mV以上など、2500mV以上など、5000mV以上などの、10mV以上であり得る。ある特定の実施形態では、偏向板への印加電圧は、100V~500Vを含む、例えば、0.01V~4000V、0.1V~3000Vなど、1V~2000Vなど、5V~1500Vなど、10V~1000Vなど、25V~750Vなどの、0.001V~5000Vを含む、0.001V~6000Vの範囲である。
【0055】
偏向板は、フローストリームから、偏向板から下流の受容場所に粒子を方向転換させるように構成されている。実施形態では、偏向板は、変動する角度だけ各粒子を方向転換させ得る。いくつかの実施形態では、偏向板は、各粒子をフローストリームの長手方向軸から10度以上の角度だけ偏向させることを含めて、各粒子をフローストリームの長手方向軸から、1度以上など、1.5度以上など、2度以上など、2.5度以上など、3度以上など、5度以上など、7.5度以上などの、0.5度以上の角度だけ偏向させるように構成されている。例えば、各粒子は、5度~10度を含む、例えば0.5度~25度など、例えば1度~20度など、例えば2度~15度などの、0.1度~30度の角度だけフローストリームの長手方向軸から方向転換され得る。
【0056】
フローストリーム内の粒子は、限定されるものではないが、米国特許第3,960,449号、同第4,347,935号、同第4,667,830号、同第5,245,318号、同第5,464,581号、同第5,483,469号、同第5,602,039号、同第5,643,796号、同第5,700,692号、同第6,372,506号、及び同第6,809,804号、同第7,880,108号に記載されたセルソーティング偏向板を含む、任意の好都合な偏向板プロトコルによって偏向され得、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、偏向板は、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVantage(商標)、BD Biosciences FACSort(商標)、BD Biosciences FACSAria(商標)、BD Biosciences FACSCount(商標)、BD Biosciences FACScan(商標)、及びBD Biosciences FACSCalibur(商標)システム、BD Biosciences Influx(商標)セルソータなどのようなフローサイトメトリシステムで使用されるフローストリーム内の細胞をソートするための荷電板を含む。
【0057】
関心対象のソーティングフローサイトメータは、ソートブロックと小滴受容関係にある閉鎖系のフローサイトメータアダプタを更に含む。上記で詳細に論じたように、本アダプタは、ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、外部チャンバと、任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するコネクタとを含む。アダプタがソートバケットを含む場合、当該ソートバケットは、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成され得る。アダプタがソートバケットを含まない場合、アダプタの実施形態は、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されたソートブロックカプラを含み得る。ある特定の実施形態では、アダプタは、アダプタの構成要素(例えば、ソートバケット、外部チャンバ)内に存在する1つ以上のガス入口ポート及び1つ以上のガス安全弁を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、ソーティングフローサイトメータは、アダプタをソートブロックに結合することによって形成された閉鎖系を調節するための手段を更に含む。そのような実施形態では、ソーティングフローサイトメータは、アダプタ及び/又はソートブロック内に存在する1つ以上のガス入口ポートにガスで接続される圧縮機を含み得る。加圧された第1のガスで閉鎖系を満たすための任意の好都合なガス圧縮機は、本明細書に記載の圧縮機として採用され得る。圧縮機は、閉鎖系を単一の第1のガス又は複数のガスで満たすように構成され得る。例えば、圧縮機は、閉鎖系を、窒素、二酸化炭素、水素、アルゴンなど、及びそれらの組み合わせで満たすように構成され得る。いくつかの実施形態では、圧縮機は、圧縮機が閉鎖系を満たすために引き込むことができるガス源にガスで接続される。例えば、フローサイトメータは、窒素ガス源、二酸化炭素ガス源、アルゴンガス源などを含み得る。ある特定の場合では、フローサイトメータは、任意の数の異なるガス源(例えば、窒素ガス源及び二酸化炭素ガス源の両方)を含む。いくつかの事例では、ガス源は、第1のガスを内部に位置させた加圧キャニスターの形態で存在する。他の実施形態では、圧縮機は、第1のガスを生成するように構成されている(すなわち、専用のガス源が必要とされない)。例えば、圧縮機は、周囲環境から第1のガス(例えば、窒素)を抽出し、かつ抽出された第1のガスで閉鎖系を満たすように構成され得る。ある特定の実施形態では、圧縮機は、5psi~40psiを含む、1psi~60psiなどの、ゼロ超psi(例えば、0.1psi)~100psiの範囲の圧力の第1のガスで閉鎖系を満たすように構成されている。本ソーティングフローサイトメータでの使用に適合し得る周囲環境から第1のガスを抽出するように構成された市販の圧縮機として、限定されるものではないが、Terra Universal製のPortable Nitrogen Generator 2700-99が挙げられる。
【0059】
圧縮機は、任意の好都合な機構を介して、1つ以上のガス入口ポートにガスで結合され得る。例えば、いくつかの場合では、圧縮機は、可撓性ホースを介して、1つ以上のガス入口ポートにガスで接続される。可撓性ホースは、限定されるものではないが、クランプ、磁石、フックアンドループファスナ、ラッチ、ノッチ、皿穴、カウンタボア、溝、ピン、テザー、ヒンジ、非永久的接着剤、又はそれらの組み合わせを含む、取り付けデバイスによって圧縮機及びガス入口ポートに接続され得る。
【0060】
ソーティングフローサイトメータの実施形態は、閉鎖系内の第2のガスの濃度を評価するように構成されたガスセンサを更に含む。いくつかの場合では、ガスセンサは、閉鎖系内の酸素の濃度を評価するように構成されている。主題のガスセンサは、アダプタ又はソートブロック内の任意の好都合な場所に位置付けられ得る。ある特定の事例では、圧縮機は、ガスセンサに動作可能に接続されており、ガスセンサからの評価に基づいて、閉鎖系内の第2のガス(例えば、酸素)の濃度を調節するように構成されている。言い換えれば、圧縮機は、第2のガスの評価された量に基づいて、第1のガスで第2のガスをより多く又はより少なく置換するように構成され得る。ユーザは、いくつかの場合では、閉鎖系内の第2のガスの所望の濃度の値を入力し得、ガスセンサは、第2のガスの実際の量が、入力された所望の量に類似するように、圧縮機に第2のガスの実際の量を調整させ得る。
【0061】
図3A及び図3Bは、拡張されていない構成の、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを有するソーティングフローサイトメータ201の図を交互に示す。フローサイトメータ201は、拡張されていないコネクタ202を介して外部チャンバ203に接続されている。図3Bに示されるように、ソーティングフローサイトメータ201は、ソートブロック204及びソートバケット205を含む。コネクタ202は、ソートバケット205に取り付けられている。
【0062】
図4A及び図4Bは、拡張された構成の閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを有する、図3A及び図3Bのソーティングフローサイトメータ201の図を交互に示す。フローサイトメータ201は、拡張されたコネクタ202を介して外部チャンバ203に接続されている。図4Bに示されるように、ソーティングフローサイトメータ201は、ソートブロック204及びソートバケット205を含む。コネクタ202は、ソートバケット205に取り付けられている。
【0063】
上記で論じたように、本発明の態様は、また、検査ポイントでフローセルを通過する粒子に照射を行うように構成された照明源を含む。任意の好都合な照明源が、本明細書に記載の照明源として採用され得る。いくつかの実施形態では、照明源は、レーザである。実施形態では、レーザは、連続波レーザなどの任意の好都合なレーザであり得る。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであってもよい。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの事例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の事例では、主題のシステムは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の事例では、関心対象のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。更に他の事例では、主題のフローサイトメータは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0064】
ある特定の実施形態によるレーザ照明源は、また、1つ以上の光学調整構成要素を含んでもよい。ある特定の実施形態では、光学調整コンポーネントは、照明源とフローセルとの間に位置し、照射の空間幅、又は、例えば、照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点などの、照射源からの照射のいくつかの他の特性を変化させることができる任意のデバイスを含み得る。光学調整プロトコルは、限定されるものではないが、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長分離器、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせを含む、照明源の1つ以上の特性を調整する任意の好都合なデバイスを含み得る。ある特定の実施形態では、関心対象のフローサイトメータは、1つ以上の集束レンズを含む。集束レンズは、一例では、非拡大レンズであり得る。更に他の実施形態では、関心対象のフローサイトメータは、光ファイバを含む。
【0065】
光学調整構成要素が移動するように構成されている場合、光学調整構成要素は、連続的に、又は25mm以上の増分を含む、0.05μm以上など、0.1μm以上など、0.5μm以上など、1μm以上など、10μm以上など、100μm以上など、500μm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上などの、例えば0.01μm以上の増分でなどの離散的な間隔で移動されるように構成され得る。
【0066】
移動可能な支持ステージに結合されるか、又はモータのタイプの中でも、ステッピングモータ、サーボモータ、ブラシレス電気モータ、ブラシ付きDCモータ、マイクロステップドライブモータ、高分解能ステッピングモータを採用したものなどの、モータ作動並進ステージ、リードスクリュー並進アセンブリ、ギア式並進デバイスと直接結合されるなどの、光学調整構成要素構造を移動させるための任意の変位プロトコルが採用されてもよい。
【0067】
照明源は、照明源及びフローセルが、100mm以上の距離におけるものを含む、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、25mm以上などの、0.005mm以上だけ隔てられているなど、フローセルから任意の好適な距離に位置付けられ得る。加えて、照明源は、30度~60度を含む、15度~85度など、20度~80度など、25度~75度などの、10度~90度の範囲の角度でなど、フローセルに対して任意の好適な角度で、例えば90度で位置決めされ得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、関心対象の光源は、フローストリームの離散的な照射のためのレーザ光を提供するように構成された15個以上のレーザを含む、2つ以上のレーザなど、3つ以上のレーザなど、4つ以上のレーザなど、5つ以上のレーザなど、10個以上のレーザなどの、フローストリームの離散的な照射のためのレーザ光を提供するように構成された複数のレーザを含む。フローストリームを照射するための光の所望の波長に応じて、各レーザは、400nm~800nmを含め、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなど、200nm~1500nmで変化する特定の波長を有してもよい。ある特定の実施形態では、関心対象のレーザは、405nmレーザ、488nmレーザ、561nmレーザ、及び635nmレーザのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0069】
フローサイトメータのいくつかの態様は、前方散乱光を検出するように構成された前方散乱検出器を含み得る。主題のフローサイトメータにおける前方散乱検出器の数は、必要に応じて、変わり得る。例えば、主題のフローサイトメータは、1つの前方散乱検出器、又は5つ以上を含む、2つ以上など、3つ以上など、4つ以上などの、複数の前方散乱検出器を含み得る。ある特定の実施形態では、フローサイトメータは、1つの前方散乱検出器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、2つの前方散乱検出器を含む。
【0070】
収集された光を検出するための任意の好都合な検出器が、本明細書に記載の前方散乱検出器で使用され得る。関心対象の検出器は、限定されるものではないが、光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、強化電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体、又はフォトダイオード、並びにこれらの組み合わせなどの、光学センサ又は光検出器が挙げられ得る。特定の実施形態では、収集された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。ある特定の実施形態では、検出器は、1cm~5cmを含む、0.05cm~9cmなど、0.1cm~8cmなど、0.5cm~7cmなどの、0.01cm~10cmの範囲の各領域の活性な検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0071】
実施形態では、前方散乱検出器は、連続的に、又は離散的な間隔で光を測定するように構成されている。いくつかの事例では、関心対象の検出器は、収集光の測定を連続的に行うように構成される。他の事例では、関心対象の検出器は、1000ミリ秒毎を含む、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散的な間隔で測定するように構成される。
【0072】
本発明のある特定の実施形態は、光の側方散乱波長(例えば、粒子の表面及び内部構造から回折及び反射された光)を検出するように構成された側方散乱検出器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、5つ以上を含む、2つ以上など、3つ以上など、4つ以上などの、複数の側方散乱検出器を含む。
【0073】
収集された光を検出するための任意の好都合な検出器が、本明細書に記載の側方散乱検出器で使用され得る。関心対象の検出器は、限定されるものではないが、光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、強化電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体、又はフォトダイオード、並びにこれらの組み合わせなどの、光学センサ又は光検出器が挙げられ得る。特定の実施形態では、収集された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。ある特定の実施形態では、検出器は、1cm~5cmを含む、0.05cm~9cmなど、0.1cm~8cmなど、0.5cm~7cmなどの、0.01cm~10cmの範囲の各領域の活性な検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0074】
本開示の実施形態は、また、光検出モジュールと側方散乱検出器との間に位置付けられた光分散/分離器モジュールを含む。関心対象の光分散デバイスは、限定されるものではないが、波長分離デバイスの中でも、着色ガラス、バンドパスフィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックミラー、回折格子、モノクロメータ、及びそれらの組み合わせを含む。
【0075】
実施形態では、主題のフローサイトメータは、また、光の1つ以上の蛍光波長を検出するように構成された蛍光光検出器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、80個以上を含む、2つ以上など、3以上など、4つ以上など、5つ以上など、10個以上など、15個以上など、20個以上など、25個以上など、50個以上など、75個以上などの、複数の蛍光光検出器を含む。
【0076】
収集された光を検出するための任意の好都合な検出器が、本明細書に記載の蛍光光検出器で使用され得る。関心対象の検出器は、限定されるものではないが、光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、強化電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体、又はフォトダイオード、並びにこれらの組み合わせなどの、光学センサ又は光検出器が挙げられ得る。特定の実施形態では、収集された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。ある特定の実施形態では、検出器は、1cm~5cmを含む、0.05cm~9cmなど、0.1cm~8cmなど、0.5cm~7cmなどの、0.01cm~10cmの範囲の各領域の活性な検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0077】
主題のフローサイトメータが複数の蛍光光検出器を含む場合、各蛍光光検出器が同じであってもよいし、蛍光光検出器の集合が、異なるタイプの検出器の組み合わせであってもよい。例えば、主題のフローサイトメータが2つの蛍光光検出器を含む場合、いくつかの実施形態では、第1の蛍光光検出器が、CCD型デバイスであり、第2の蛍光光検出器が、CMOS型デバイスである。他の実施形態では、第1の蛍光光検出器及び第2の蛍光光検出器の両方が、CCD型デバイスである。更に他の実施形態では、第1の蛍光光検出器及び第2の蛍光光検出器の両方が、CMOS型デバイスである。更に他の実施形態では、第1の蛍光光検出器が、CCD型デバイスであり、第2の蛍光光検出器が、光電子増倍管(PMT)である。更に他の実施形態では、第1の蛍光光検出器が、CMOS型デバイスであり、第2の蛍光光検出器が、光電子増倍管である。更に他の実施形態では、第1の蛍光光検出器及び第2の蛍光光検出器の両方が、光電子増倍管である。
【0078】
本開示の実施形態では、関心対象の蛍光光検出器は、400個以上の異なる波長の、フローストリーム内の試料から放出された光を測定することを含めて、2つ以上の波長など、5つ以上の異なる波長など、10個以上の異なる波長など、25個以上の異なる波長など、50個以上の異なる波長など、100個以上の異なる波長など、200個以上の異なる波長など、300個以上の異なる波長などの、1つ以上の波長の収集された光を測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のフローサイトメータにおける2つ以上の検出器が、収集された光と同じ波長又は重複する波長を測定するように構成されている。
【0079】
いくつかの実施形態では、ソーティングフローサイトメータは、フローセルと蛍光光検出器との間に位置付けられた1つ以上の波長分離器を含む。「波長分離器」という用語は、本明細書では、試料から収集された光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成された光学構成要素を指すための、その従来の意味で使用される。いくつかの実施形態では、フローサイトメータは、単一の波長分離器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、100個以上の波長分離器を含む、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上など、10個以上など、15個以上など、25個以上など、50個以上など、75個以上などの、2つ以上の波長分離器などの複数の波長分離器を含む。いくつかの実施形態では、波長分離器は、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、かつ光の1つ以上の残りのスペクトル範囲を反射することによって、試料から収集された光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成されている。他の実施形態では、波長分離器は、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、かつ光の1つ以上の残りのスペクトル範囲を吸収することによって、試料から収集された光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成されている。更に他の実施形態では、波長分離器は、試料から収集された光を所定のスペクトル範囲に空間的に回折するように構成されている。各波長分離器は、1つ以上のダイクロイックミラー、バンドパスフィルタ、回折格子、ビームスプリッタ、又はプリズムなどの、任意の好都合な光分離プロトコルであり得る。他の実施形態では、波長分離器は、プリズムである。他の実施形態では、波長分離器は、回折格子である。ある特定の実施形態では、主題の光検出システムにおける波長分離器は、ダイクロイックミラーである。
【0080】
いくつかの実施形態では、関心対象の蛍光光検出器は、ある範囲の波長(例えば、200nm~1000nm)にわたって収集された光を測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、関心対象の検出器は、ある範囲の波長にわたって光のスペクトルを収集するように構成されている。例えば、フローサイトメータは、200nm~1000nmの波長範囲のうちの1つ以上にわたって光のスペクトルを収集するように構成された1つ以上の検出器を含み得る。更に他の実施形態では、関心対象の検出器は、1つ以上の特定の波長でフローストリーム内の試料によって放出された光を測定するように構成されている。例えば、フローサイトメータは、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上の光を測定するように構成された1つ以上の検出器を含み得る。ある特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、蛍光アッセイで試料とともに使用されるものなどの、特定のフルオロフォアと対になるように構成され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、主題のフローサイトメータを、例えば、検出器から受信されたフローサイトメータデータに基づいてソート意思決定を実行するために、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得るプログラマブルロジックと併せて動作させる。例えば、プログラマブルロジックがソフトウェアで実装される場合、ソーティング意思決定は、実行されるときに、フローセルからの収集された光に基づいて粒子形態を推定し、かつソーティング意思決定を適切に実行する命令を含むプログラムコードを含むコンピュータ可読データ記憶媒体によって少なくとも部分的に実現され得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的記憶媒体であり得る。主題のプログラマブルロジックは、特別にプログラムされたイベント処理コンピュータ、無線通信デバイス、又は集積回路デバイスなどのような、様々なデバイスのうちのいずれかに実装され得る。いくつかの実施形態では、プログラムロジックは、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、コンフィギュラブルマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の同等の集積若しくはディスクリート論理回路などの、1つ以上のプロセッサを含み得る、特別にプログラムされたプロセッサによって実行され得る。コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は少なくとも部分的なデータコネクティビティにおける任意の他のそのような構成が、本明細書に記載の特徴のうちの1つ以上を実装し得る。
【0082】
上記で論じたように、主題のフローサイトメータの態様は、フローストリーム内の粒子を伝播させるように構成されたフローセルを含む。流体試料を試料検査領域に伝搬させる任意の好都合なフローセルが用いられてもよく、いくつかの実施形態では、フローセルは、円筒形フローセル、円錐台形フローセル、又は長手方向軸を画定する近位円筒形部分、及び長手方向軸に対して横方向であるオリフィスを有する平坦な表面で終端する遠位円錐形部分を含む。
【0083】
実施形態では、試料フローストリームは、フローセルの遠位縁部でオリフィスから発せられる。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、関心対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。ある特定の実施形態では、関心対象のフローセルは、円形オリフィスを有する。ノズルオリフィスのサイズは、いくつかの実施形態では、150μm~500μmを含む、25μm~7500μmなど、50μm~5000μmなど、75μm~1000μmなど、100μm~750μmなどの、1μm~10000μmの範囲で変わり得る。ある特定の実施形態では、ノズルオリフィスは、100μmである。
【0084】
いくつかの実施形態では、フローセルは、試料をフローセルに提供するように構成されている試料注入ポートを含む。試料注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスであってもよく、又は、内部チャンバの近位端に位置付けられた導管であってもよい。試料注入ポートが内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである場合、試料注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、関心対象の断面形状は、限定されるものではないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。ある特定の実施形態では、試料注入ポートは、円形オリフィスを有する。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mm、例えば1.5mmを含む、0.2~3.0mmなど、0.5mm~2.5mmなど、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなどの、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0085】
ある特定の事例では、試料注入ポートは、フローセル内部チャンバの近位端に位置付けられた導管である。例えば、試料注入ポートは、フローセルオリフィスに沿った試料注入ポートのオリフィスを有するように配置された導管であってもよい。試料注入ポートが、フローセルオリフィスに沿って配置された導管である場合、試料注入チューブの断面形状は、任意の好適な形状であってもよく、関心対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。導管のオリフィスは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mm、例えば1.5mmを含む、例えば0.2~3.0mm、例えば0.5mm~2.5mm、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなどの、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。試料注入ポートの先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、試料注入ポートのオリフィスは、5度のベベル角を含む、2度~9度など、3度~8度など、4度~7度などの、1度~10度の範囲のベベル角を有するベベル先端部を含んでもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、フローセルは、また、フローセルにシース流体を提供するように構成されているシース流体注入ポートも含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えば、試料と併せて、フローセル内部チャンバにシース流体のフローを提供して、試料フローストリームを取り囲むシース流体の積層フローストリームを生成するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルチャンバに伝達されるシース流体の速度は、75μL/秒以上~750μL/秒を含む、50μL/秒~1000μL/秒などの、25μL/秒~2500μL/秒であり得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである。シース流体注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、関心対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mm、例えば1.5mmを含む、例えば0.2~3.0mm、例えば0.5mm~2.5mm、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなどの、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0088】
いくつかの実施形態では、システムは、フローセルを通じてフローストリームを伝搬させるためにフローセルと流体連通するポンプを更に含む。フローセルを通るフローストリームのフローを制御するために、任意の好都合な流体ポンププロトコルが、採用されてもよい。ある特定の事例では、システムは、パルスダンパを有する蠕動ポンプなどの、蠕動ポンプを含む。本主題のシステム内のポンプは、フローストリーム中の試料から光をマルチフォトンカウントするために好適な速度でフローセルを通して流体を伝達するように構成される。例えば、システムは、10nL/分~50nL/分を含む、1nL/分~250nL/分など、1nL/分~100nL/分など、2nL/分~90nL/分など、3nL/分~80nL/分など、4nL/分~70nL/分など、5nL/分~60nL/分などの、1nL/分~500nL/分の範囲の速度でフローセルを通して試料を流すように構成されたポンプを含み得る。ある特定の実施形態では、フローストリームの流量は、5nL/分~6nL/分である。
【0089】
好適なフローサイトメトリシステムは、限定されるものではないが、Ormerod(ed.)、Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997)、Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997)、Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995)、Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt1):17-28、Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11、Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344、及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものを含んでもよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の事例では、関心対象のフローサイトメトリシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Accuri(商標)C6 Plusフローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)X-20フローサイトメータ、BD Biosciences FACSPresto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVia(商標)フローサイトメータ並びにBD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソータ、BD Biosciences Via(商標)セルソータ、BD Biosciences Influx(商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(商標)セルソータ、BD Biosciences Aria(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)Fusionセルソータ、及びBD Biosciences FACSMelody(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)S6セルソータなどを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、例えば、米国特許第10,663,476号、同第10,620,111号、同第10,613,017号、同第10,605,713号、同第10,585,031号、同第10,578,542号、同第10,578,469号、同第10,481,074号、同第10,302,545号、同第10,145,793号、同第10,113,967号、同第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号、同第4,987,086号、同第4,498,766号に記載されたものなどのフローサイトメトリックシステムであり、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
ある特定の事例では、本発明のフローサイトメトリシステムは、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されたもの、並びに米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、同第9,983,132号、同第10,006,852号、同第10,078,045号、同第10,036,699号、同第10,222,316号、同第10,288,546号、同第10,324,019号、同第10,408,758号、同第10,451,538号、同第10,620,111号、米国特許公開第2017/0133857号、同第2017/0328826号、同第2017/0350803号、同第2018/0275042号、同第2019/0376895号、及び同第2019/0376894号に記載されたものなどの、高周波タグ付き発光を使用する蛍光撮像(FIRE)によって、フローストリーム内の粒子を撮像するように構成されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0092】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、フローサイトメトリのためのシステム500を示す。このシステム500は、フローサイトメータ510、コントローラ/プロセッサ590、及びメモリ595を含む。フローサイトメータ510は、1つ以上の励起レーザ515a~515c、集束レンズ520、フローチャンバ525、前方散乱検出器530、側方散乱検出器535、蛍光収集レンズ540、1つ以上のビームスプリッタ545a~545g、1つ以上のバンドパスフィルタ550a~550e、1つ以上のロングパス(「LP」)フィルタ555a~555b、及び1つ以上の蛍光検出器560a~560fを含む。
【0093】
励起レーザ515a~cは、レーザビームの形態の光を放出する。励起レーザ515a~515cから放出されるレーザビームの波長は、図5の例示的なシステムにおいて、それぞれ、488nm、633nm、及び325nmである。レーザビームは、まず、ビームスプリッタ545a及び545bのうちの1つ以上を通して導かれる。ビームスプリッタ545aは、488nmの光を透過し、633nmの光を反射する。ビームスプリッタ545bは、UV光(10~400nmの範囲の波長を有する光)を透過し、488nm及び633nmの光を反射する。
【0094】
次いで、レーザビームは、集束レンズ520に導かれ、集束レンズ520は、試料の粒子がフローチャンバ525内に位置する流体ストリームの部分上にビームを集束させる。フローチャンバは、調査のために、通常一度に1つ、ストリーム中の粒子を集束レーザビームに誘導する流体工学システムの一部である。フローチャンバは、ベンチトップフローサイトメータ内にフローセルを、又はストリームインエアサイトメータ内にノズル先端部を備えることができる。
【0095】
レーザビームからの光は、粒子のサイズ、内部構造、及び粒子の上若しくは中に付属されるか若しくは自然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて、様々な異なる波長での再放出を伴う回折、屈折、反射、散乱、及び吸収によって、試料内の粒子と相互作用する。蛍光放出、並びに回折光、屈折光、反射光、及び散乱光は、ビームスプリッタ545c~545g、バンドパスフィルタ550a~550e、ロングパスフィルタ555a~555b、及び蛍光収集レンズ540のうちの1つ以上を通して、前方散乱検出器530、側方散乱検出器535、及び1つ以上の蛍光検出器560a~560fのうちの1つ以上へと経路設定され得る。
【0096】
蛍光収集レンズ540は、粒子レーザビーム間の相互作用から放出された光を収集し、1つ以上のビームスプリッタ及びフィルタに向けてその光を経路設定する。バンドパスフィルタ550a~550eなどのバンドパスフィルタは、狭い波長範囲がフィルタを通過することを可能にする。例えば、バンドパスフィルタ550aは、510/20フィルタである。第1番目の数字は、スペクトル帯域の中心を表す。第2番目の数字は、スペクトル帯域の範囲を提供する。したがって、510/20フィルタは、スペクトル帯域の中心の各側面上に10nm、又は500nm~520nmに広がる。ショートパスフィルタは、指定された波長以下の光の波長を透過する。ロングパスフィルタ555a~555bなどのロングパスフィルタは、指定された波長以上の光の波長を透過する。例えば、670nmのロングパスフィルタであるロングパスフィルタ555bは、670nm以上の光を透過する。フィルタは、特定の蛍光色素に対する検出器の特異性を最適化するために選択される場合が多い。それらのフィルタは、検出器に透過された光のスペクトル帯域が蛍光色素の放出ピークに近くなるように構成され得る。
【0097】
前方散乱検出器530は、フローセルを通る直接ビームから軸外にわずかに離れて位置付けられ、回折光、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する励起光を検出するように構成されている。前方散乱検出器によって検出された光の強度は、粒子のサイズ全体に依存する。前方散乱検出器は、フォトダイオードを含むことができる。側方散乱検出器535は、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある、粒子の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成されている。粒子に関連付けられた蛍光分子からの蛍光放出は、1つ以上の蛍光検出器560a~560fによって検出され得る。側方散乱検出器535及び蛍光検出器は、光電子増倍管を含むことができる。前方散乱検出器530、側方散乱検出器535、及び蛍光検出器で検出された信号は、検出器によって電子信号(電圧)に変換され得る。このデータは、試料に関する情報を提供することができる。
【0098】
当業者は、本発明の一実施形態によるフローサイトメータが、図5に示されるフローサイトメータに限定されず、当該技術分野で知られている任意のフローサイトメータを含み得ることを認識する。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で、かつ様々な異なる構成で、任意の数のレーザ、ビームスプリッタ、フィルタ、及び検出器を有してもよい。
【0099】
動作中、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ590によって制御され、検出器からの測定データは、メモリ595内に記憶されて、コントローラ/プロセッサ590によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ590は、検出器に結合されて、その検出器から出力信号を受け取り、また、フローサイトメータ510の電気構成要素及び電気機械構成要素に結合されて、レーザ、流体流パラメータなどを制御することができる。入力/出力(I/O)機能部597は、システム内にも提供され得る。メモリ595、コントローラ/プロセッサ590、及びI/O597は、全体的に、フローサイトメータ510の不可欠な部分として提供され得る。そのような実施形態では、ディスプレイは、また、フローサイトメータ510のユーザに実験的なデータを提示するための、I/O機能部597の一部も形成し得る。代替的に、メモリ595、コントローラ/プロセッサ590及びI/O機能部の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、メモリ595及びコントローラ/プロセッサ590の一部又は全ては、フローサイトメータ510と無線又は有線で通信することができる。メモリ595及びI/O597と併せて、コントローラ/プロセッサ590は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0100】
図5に例示されるシステムは、フローセル525から各検出器へのビーム経路におけるフィルタ及び/又はスプリッタの構成によって画定されるように、6つの異なる波長帯域(本明細書では、所与の検出器についての「フィルタウィンドウ」と称され得る)内の蛍光を検出する6つの異なる検出器を含む。フローサイトメータ実験に使用される異なる蛍光分子は、それら独自の特性波長帯域の光を放出する。実験に使用される特定の蛍光標識、及びそれらの関連する蛍光放出帯域は、検出器のフィルタウィンドウと概ね一致するように、選択され得る。I/O597は、蛍光標識のパネルを有するフローサイトメータ実験、及び複数のマーカーを有する複数の細胞集団に関係するデータを受信するように構成され得、各細胞集団は、複数のマーカーのサブセットを有する。I/O597は、また、1つ以上のマーカーを1つ以上の細胞集団に割り当てる生体データ、マーカー濃度データ、発光スペクトルデータ、1つ以上のマーカーに標識を割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データを受信するように構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データも、また、メモリ595内に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ590は、マーカーに対する標識の1つ以上の割り当てを評価するように構成され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されたものなどの、密閉された粒子ソーティングモジュールを用いて粒子をソートするように構成されており、その開示は、参照により、本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、2019年12月23日に出願された米国特許公開第2020/0256781号に記載されたものなどの、複数のソート意思決定ユニットを有するソート意思決定モジュールを使用してソートされ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、試料の成分をソートするためのシステムは、2017年3月28日に出願された、米国特許公開第2017/0299493号に記載されたものなどの、密閉型粒子選別モジュールを含み、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
図6は、生体事象を分析及び表示するための、プロセッサ600などの、ソーティング制御システムの一実施例の機能ブロック図を示す。プロセッサ600は、生体事象のグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実装するように構成され得る。
【0103】
フローサイトメータ又はソーティングシステム602は、生体事象データを取得するように構成され得る。例えば、フローサイトメータは、フローサイトメトリック事象データを生成することができる。フローサイトメータ602は、生体事象データをプロセッサ600に提供するように構成され得る。データ通信チャネルが、フローサイトメータ602とプロセッサ600との間に含まれ得る。生体事象データは、データ通信チャネルを介して、プロセッサ600に提供され得る。
【0104】
プロセッサ600は、サイトメータ602から生体事象データを受信するように構成され得る。フローサイトメータ602から受信された生体事象データは、フローサイトメトリック事象データを含み得る。プロセッサ600は、生体事象データの第1のプロットを含むグラフィカル表示を表示デバイス606に提供するように構成され得る。プロセッサ600は、関心対象の領域を、表示デバイス606によって示される生体事象データの母集団の周辺のゲートとして、例えば、第1のプロット上に重ねられて、レンダリングするように更に構成され得る。いくつかの実施形態では、そのゲートは、単一パラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描かれる、関心対象の1個以上の画像領域の論理結合であり得る。いくつかの実施形態では、そのディスプレイを使用して、粒子パラメータ又は飽和した検出器データを表示することができる。
【0105】
プロセッサ600は、ゲート内の表示デバイス606上に生体事象データを、ゲートの外側の生体事象データ内の他の事象とは異なって表示するように更に構成され得る。例えば、プロセッサ600は、ゲート内に含まれる生体事象データの色を、ゲートの外側の生体事象データの色とは区別するようレンダリングするように構成され得る。表示デバイス606は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインターフェースを提示するように構成されている他の電子デバイスとして、実装され得る。
【0106】
プロセッサ600は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成され得る。例えば、第1の入力デバイスは、マウス610として実装され得る。このマウス610は、表示デバイス606を介して表示又は操作されるゲートを識別するプロセッサ600に対して、(例えば、カーソルをそこに位置決めするときに、所望のゲート上又はゲート内でクリックすることによって)ゲート選択信号を始動させることができる。いくつかの実装態様では、第1のデバイスは、キーボード608、又はタッチスクリーン、入力用ペン、光検出器、若しくは音声認識システムなどの、入力信号をプロセッサ600に提供するための他の手段として実装され得る。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含み得る。そのような実施態様では、入力機能は、各々、入力デバイスとみなされ得る。例えば、図6に示されるように、マウス610は、右マウスボタン及び左マウスボタンを含み得、それらの各々は、起動イベントを生成し得る。
【0107】
この起動イベントは、プロセッサ600に、データが表示される様式、データのどの部分が実際に表示デバイス606上に表示されるかを変更させ、かつ/又は粒子ソーティングの関心対象の母集団の選択などの更なる処理への入力を提供させ得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、プロセッサ600は、ゲート選択がマウス610によって始動されたときを検出するように構成され得る。プロセッサ600は、プロットの視覚化を自動的に修正して、ゲーティングプロセスを容易にするように更に構成され得る。この修正は、プロセッサ600によって受信された生体事象データの特定の分布に基づき得る。
【0109】
プロセッサ600は、記憶デバイス604に接続され得る。この記憶デバイス604は、プロセッサ600からの生体事象データを受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス604は、また、プロセッサ600からのフローサイトメトリック事象データを受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス604は、プロセッサ600によって、フローサイトメトリック事象データなどの生体事象データの取り出しを可能にするように更に構成され得る。
【0110】
表示デバイス606は、プロセッサ600から表示データを受信するように構成され得る。表示データは、生体事象データのプロット、及びそのプロットの区画の輪郭を描くゲートを含み得る。表示デバイス606は、フローサイトメータ602、記憶デバイス604、キーボード608、及び/又はマウス610からの入力と併せて、プロセッサ600から受信された入力に従って提示された情報を変更するように更に構成され得る。
【0111】
いくつかの実装態様では、プロセッサ600は、ソーティングのための例示的な事象を受信するためのユーザインターフェースを生成することができる。例えば、このユーザインターフェースは、例示的な事象又は例示的な画像を受信するための機構を含むことができる。例示的な事象若しくは画像、又は例示的ゲートは、試料についての事象データの収集前に、又は試料の一部分についての事象の初期セットに基づいて提供され得る。
【0112】
図7Aは、本明細書で提示された一実施形態による、粒子ソータシステム700(例えば、フローサイトメータ602)の概略図である。いくつかの実施形態では、粒子ソータシステム700は、セルソータシステムである。図7Aに示されるように、液滴形成トランスデューサ702(例えば、圧電発振器)は、流体導管701に結合され、流体導管701は、ノズル703に結合され得るか、ノズル703を含み得るか、又はノズル703であり得る。流体導管701内で、シース流体704が、粒子709を含む試料流体706を流体力学的に集束させて移動流体カラム708(例えば、ストリーム)とする。移動流体カラム708内で、粒子709(例えば、細胞)は、1列縦隊に並べられて、監視エリア711(例えば、レーザストリーム交差点)を横切り、照射源712(例えば、レーザ)によって照射が行われる。液滴形成トランスデューサ702の振動によって、移動流体カラム708は、複数の液滴710に分断され、そのうちのいくつかは、粒子709を含有する。
【0113】
動作中、検出ステーション714(例えば、事象検出器)は、関心対象の粒子(又は関心対象の細胞)が監視エリア711を横切るときを識別する。検出ステーション714は、タイミング回路728に入力供給し、次いで、タイミング回路728は、フラッシュ電荷回路730に入力供給する。時限液滴遅延(Δt)によって通知される液滴分裂ポイントでは、フラッシュ電荷が移動流体カラム708に与えられ得、したがって、関心対象の液滴が電荷を担う。関心対象の液滴は、ソートされるべき1つ以上の粒子又は細胞を含み得る。次いで、荷電液滴を、偏向板(図示せず)を作動させることによってソートして、液滴を、収集管、又はウェルが特別関心対象の液滴に関連付けられ得るマルチウェル試料プレートなどの容器内に偏向させることができる。図7Aに示されるように、液滴は、ドレイン受容器738内に収集され得る。
【0114】
検出システム716(例えば、液滴境界検出器)は、関心対象の粒子が監視エリア711を通過するときに、液滴駆動信号の位相を自動的に判定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器が、米国特許第7,679,039号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。検出システム716は、機器が、液滴内の検出された各粒子の位置を正確に計算することを可能にする。検出システム716は、振幅信号720及び/又は位相信号718に入力供給し得、振幅信号720及び/又は位相信号718は、次いで、振幅制御回路726及び/又は周波数制御回路724に(増幅器722を介して)入力供給する。振幅制御回路726及び/又は周波数制御回路724は、次いで、液滴形成トランスデューサ702を制御する。振幅制御回路726及び/又は周波数制御回路724は、制御システム内に含まれ得る。
【0115】
いくつかの実装態様では、ソートエレクトロニクス(例えば、検出システム716、検出ステーション714、及びプロセッサ740)は、検出された事象と検出された事象に基づくソート意思決定とを記憶するように構成されたメモリと結合され得る。ソート意思決定は、粒子に対する事象データに含まれ得る。いくつかの実装態様では、検出システム716及び検出ステーション714は、単一の検出ユニットとして実装され得るか、又は事象測定値が、検出システム716若しくは検出ステーション714のうちの一方によって収集され、かつ非収集要素に提供され得るように、通信可能に連結され得る。
【0116】
図7Bは、本明細書で提示された一実施形態による、粒子ソータシステムの概略図である。図7Bに示される粒子ソータシステム700は、偏向板752及び754を含む。バーブ内のストリーム帯電ワイヤを介して電荷が与えられ得る。これにより、分析のために粒子709を含有する小滴710のストリームが作り出される。粒子に、光散乱及び蛍光情報を生成するために、1つ以上の光源(例えば、レーザ)で照射が行われ得る。粒子についての情報は、ソーティングエレクトロニクス又は他の検出システム(図7Bには図示せず)によるなどして分析される。偏向板752及び754は、独立に制御されて、荷電小滴を誘引又は反発して、小滴を目的の収集容器(例えば、772、774、776、又は778のうちの1つ)に向けて誘導し得る。図7Bに示されるように、偏向板752及び754は、粒子を第1の経路762に沿って容器774に向けて、又は第2の経路768に沿って容器778に向けて導くように制御され得る。粒子が関心対象でない(例えば、指定されたソート範囲内の散乱又は照明情報を呈さない)場合、偏向板は、粒子がフロー経路764に沿って進み続けることを可能にし得る。そのような非荷電の小滴は、吸引器770を介してなど、廃棄物容器内に移行し得る。
【0117】
ソーティングエレクトロニクスは、測定値の収集を始動し、粒子に関する蛍光信号を受信し、偏向板をどのように調整して粒子のソーティングを引き起こすかを決定するために含まれ得る。図7Bに示される実施形態の例示的実装態様としては、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)によって市販されているBD FACSAria(登録商標)系のフローサイトメータが挙げられる。
【0118】
試料を分析する方法
上記で論じたように、本発明の態様は、試料を分析するための方法を含む。関心対象の方法は、試料を、検査ポイントでフローセルを照明するための照明源と、検査ポイントからの光を受信するための検出器と、フローセルと液体受容関係にあるソートブロックと、ソートブロックと小滴受容関係にある閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタとを含むフローサイトメータに導入することを含む。関心対象のアダプタは、ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、外部チャンバと、任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するコネクタとを含む。アダプタがソートバケットを含む場合、当該ソートバケットは、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成され得る。アダプタがソートバケットを含まない場合、アダプタの実施形態は、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されたソートブロックカプラを含み得る。
【0119】
いくつかの事例では、本方法で分析される試料は、生体試料である。「生体試料」という用語は、全生物、植物、菌類、又は、ある特定の事例では、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液、及び精液中に見られ得る動物の組織、細胞、又は構成要素のサブセットを指すために、その従来の意味で使用される。したがって、「生体試料」は、天然生物又はその組織のサブセットの両方、並びに、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の切片、呼吸管、胃腸管、心血管、及び泌尿器管、涙液、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含むが、これらに限定されない、生物又はその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物、又は抽出物を指す。生体試料は、健康組織及び疾患組織(例えば、がん性、悪性、壊死性など)の両方を含む、任意のタイプの生体組織であり得る。特定の実施形態では、生体試料は、血液又はその誘導体、例えば、血漿、涙液、尿、精液などの液体試料であり、いくつかの例では、試料は、静脈穿刺又はフィンガースティックから取得された血液など、全血を含む血液試料である(血液は、アッセイの前に、防腐剤、抗凝固剤などの任意の試薬と組み合わされてもよく、組み合わされなくてもよい)。
【0120】
ある特定の実施形態では、試料源は、「哺乳類」又は「哺乳類の動物」であり、これらの用語は、肉食類(例えば、イヌ及びネコ)、げっ歯類(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、及び霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む、哺乳類内の生物を記載するために広く使用される。いくつかの事例では、被検者はヒトである。方法は、両方の性別のヒト被験体から、発達の任意の段階(すなわち、新生児、乳幼児、年少者、青年、成人)で取得された試料に適用され得、特定の実施形態では、ヒト被験体は、年少者、青年、又は成人である。本発明は、ヒト被験体からの試料に適用され得るが、以下に限定されるものではないが、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、及びウマなどの他の動物被験体からの(すなわち、「非ヒト被験体」の)試料に対しても実施され得ることを理解されたい。
【0121】
関心対象の細胞は、特定の蛍光標識を関心対象の細胞に付着させることを介して識別される表現型特性など、様々なパラメータに従って、フローストリームからの分離のための標的にされ得る。いくつかの実施形態では、システムは、標的細胞を含むと判定される分析された液滴を偏向させるように構成される。様々な細胞が、主題の方法を使用してソートするための標的とされ得る。関心対象の標的細胞としては、限定されるものではないが、幹細胞、T細胞、樹状細胞、B細胞、顆粒球、白血病細胞、リンパ腫細胞、ウイルス細胞(例えば、HIV細胞)NK細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、及び赤血球細胞が挙げられる。関心対象の標的細胞としては、好都合な親和性剤又はその複合体によって捕捉又は標識され得る好都合な細胞表面マーカー又は細胞表面抗原を有する細胞が挙げられる。例えば、標的細胞は、CD11b、CD123、CD14、CD15、CD16、CD19、CD193、CD2、CD25、CD27、CD3、CD335、CD36、CD4、CD43、CD45RO、CD56、CD61、CD7、CD8、CD34、CD1c、CD23、CD304、CD235a、T細胞受容体α/β、T細胞受容体γ/Δ、CD253、CD95、CD20、CD105、CD117、CD120b、Notch4、Lgr5(N末端)、SSEA-3,TRA-1-60抗原、ジシアロガングリオシドGD2、及びCD71などの細胞表面抗原を含み得る。いくつかの実施形態では、標的細胞は、全血、骨髄又は臍帯血からのHIV含有細胞、Treg細胞、抗原特異的T細胞集団、腫瘍細胞、又は造血前駆細胞(CD34+)から選択される。
【0122】
主題の方法を実施する際に、ある量の初期流体試料が、フローサイトメータ内に注入される。粒子ソーティングモジュール内に注入される試料の量は、5mL~100mLの試料を含む、0.005mL~900mLなど、0.01mL~800mLなど、0.05mL~700mLなど、0.1mL~600mLなど、0.5mL~500mLなど、1mL~400mLなど、2mL~300mLなどの、0.001mL~1000mLの範囲で変わり得る。
【0123】
本開示の実施形態による方法は、試料内の標識された粒子(例えば、標的細胞)を計数及びソートすることを含む。主題の方法を実施する際に、粒子を含む流体試料は、最初にシステムのフローノズルに導入される。フローノズルから出ると、粒子は、試料検査領域を通して実質的に1つずつ通過し、この試料検査領域で、粒子の各々に光源に対する照射が行われ、必要に応じて、光散乱パラメータと、いくつかの事例では蛍光放出との測定値(例えば、2つ以上の光散乱パラメータ及び1つ以上の蛍光放出の測定値)が粒子毎に別個に記録される。検査されるフローストリームの特性に応じて、フローストリームの1mm以上が光で照射を行われ得ることを含めて、0.005mm以上など、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上などの、フローストリームの0.001mm以上が、光で照射を行われ得る。特定の実施形態では、方法は、試料検査領域内で、フローストリームの平面断面を、例えば(上述のように)レーザで照射することを含む。他の実施形態では、方法は、試料検査領域内で、拡散レーザビーム又はランプの照射プロファイルに対応するなど、フローストリームの所定の長さを照射することを含む。
【0124】
ある特定の実施形態では、フローセルノズルオリフィスにおいて又はその近くでフローストリームに照射を行うことを含む方法が提供される。例えば、方法は、ノズルオリフィスから1mm以上を含む、ノズルオリフィスから、0.005mm以上など、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上などの、約0.001mm以上の位置でフローストリームに照射を行うことを含み得る。ある特定の実施形態では、方法は、フローセルノズルオリフィスに直接隣接するフローストリームに照射を行うことを含む。
【0125】
方法の実施形態では、光電子増倍管(又は「PMT」)などの検出器を使用して、粒子が感知領域を通過し、かつエネルギー源によって照明される際に、各粒子を通過する光(ある特定の場合では、前方光散乱と称される)と、感知領域を通過する粒子のフローの方向に直交して反射される光(いくつかの場合では、直交又は側方光散乱と称される)と、蛍光マーカーで標識される場合に、粒子から放出される蛍光とを記録する。前方光散乱(又はFSC)、側方散乱(SSC)、及び蛍光放出の各々は、粒子(又は「事象」)毎に別個のパラメータを含む。したがって、例えば、2つの異なる蛍光マーカーで標識された粒子から、2つ、3つ、又は4つのパラメータが収集(及び記録)され得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、方法は、ソーティングフローサイトメータからアダプタを取り外すことを含む。いくつかの事例では、方法は、第1の粒子ソーティングモジュールが除去された後に、第2のアダプタを粒子ソーティングシステムに再度取り付けることを更に含む。第1のアダプタは、後続の使用のために(例えば、オートクレーブで)洗浄及び滅菌されてもよいし、廃棄されてもよい。
【0127】
粒子毎に記録されたデータは、必要に応じて、リアルタイムで分析されるか、又はコンピュータなどのデータ記憶及び分析手段に記憶される。米国特許第4,284,412号は、単一の光源が備えられた関心対象のフローサイトメータの構成及び使用について記載している一方、米国特許第4,727,020号は、2つの光源が備えられたフローサイトメータの構成及び使用について記載している。
【0128】
ある特定の実施形態では、粒子は、必要に応じて、粒子を励起光に曝露し、かつ1つ以上の検出チャネル内の各粒子の蛍光を測定することによって、検出され、一意に識別される。粒子及び粒子に関連付けられた結合複合体を識別するために使用される検出チャネル内で放出される蛍光は、単一の光源での励起に続いて測定されてもよいし、別異する光源での励起に続いて別個に測定されてもよい。粒子標識を励起するために別々の励起光源が使用される場合、標識は、全ての標識が、使用される励起光源の各々によって励起可能であるように、選択され得る。
【0129】
ある特定の実施形態における方法は、また、コンピュータを用いてなどでのデータの取得、分析、及び記録を含み、複数のデータチャネルが、各粒子が粒子ソーティングモジュールの試料検査領域を通過するときに、各粒子によって放出される光散乱及び蛍光のための各検出器からのデータを記録する。これらの実施形態では、分析は、各粒子が、デジタル化されたパラメータ値のセットとして存在するように、粒子を分類し、計数することを含む。主題のシステムは、関心対象の粒子を背景及びノイズから区別するために、選択されたパラメータでトリガするように設定され得る。「トリガ」は、パラメータを検出するための事前設定された閾値を指し、光源を通る粒子の通過を検出するための手段として使用され得る。選択されたパラメータの閾値を超えるイベントの検出によって、粒子の光散乱及び蛍光データの取得がトリガされる。閾値未満の応答を引き起こす、分析されている媒体内の粒子又は他の成分については、データは取得されない。トリガパラメータは、粒子が光ビームを通過することによって引き起こされる前方散乱光の検出であり得る。次いで、フローサイトメータが、粒子の光散乱及び蛍光データを検出し、収集する。
【0130】
次いで、関心対象の特定の部分集団が、集団全体について収集されたデータに基づいて、「ゲーティング」によって更に分析される。適切なゲートを選択するために、部分集団のできる限り最良の分離を得るように、データがプロットされる。この手順は、前方光散乱(FSC)対側方(すなわち、直交)光散乱(SSC)を二次元ドットプロット上にプロットすることによって実行され得る。次いで、粒子の部分集団(すなわち、ゲート内のそれらの細胞)が選択され、ゲート内にない粒子が除外される。必要に応じて、コンピュータ画面上のカーソルを使用して、所望の部分集団の周りにラインを描くことによって、ゲートが選択され得る。次いで、ゲート内のそれらの粒子のみが、例えば、蛍光など、これらの粒子の他のパラメータをプロットすることによって、更に分析される。必要に応じて、上記の分析は、試料内の関心対象の粒子の計数をもたらすように構成され得る。
【0131】
関心対象の方法は、研究、実験室試験、又は治療において、ソートされた粒子を採用することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、主題の方法及びデバイスは、標的の流体又は組織生体試料から調製された個々の細胞を取得することを含む。例えば、主題の方法は、がんなどの疾患の研究又は診断用標本として使用される、流体又は組織試料から細胞を取得することを含む。同様に、主題の方法は、治療で使用される流体又は組織試料から細胞を取得することを含む。細胞治療プロトコルは、例えば細胞及び組織を含む、生存細胞材料を調製し、治療処置として被検者に導入し得る、プロトコルである。フローサイトメトリでソートされた試料の投与によって処置され得る病態は、限定されるものではないが、血液障害、免疫系障害、臓器損傷などを含む。
【0132】
典型的な細胞治療プロトコルは、試料収集、細胞単離、遺伝子組換え、培養、及びインビトロでの増殖、細胞収穫、試料容量の低減及び洗浄、生体保存、保管、並びに被検者への細胞の導入のステップを含み得る。プロトコルは、被検者のソース組織からの生存細胞及び組織の収集から始まり、細胞及び/又は組織の試料を生成し得る。試料は、例えば、細胞動員剤を被検者に投与すること、被検者から血液を採取すること、被検者から骨髄を除去することなどを含む、任意の好適な手順を介して収集され得る。試料を収集した後、細胞濃縮が、例えば、遠心分離ベースの方法、フィルタベースの方法、溶出、磁気分離方法、蛍光活性化セルソーティング(FACS)などを含む、いくつかの方法を介して行われ得る。いくつかの場合では、濃縮された細胞は、任意の好都合な方法、例えばヌクレアーゼ媒介遺伝子編集によって、遺伝子組換えされ得る。遺伝子組換え細胞は、インビトロで培養、活性化、及び増殖され得る。いくつかの場合では、細胞は、保存され、例えば凍結保存され、将来の使用のために保管され、細胞は、解凍され、次いで、患者に投与され、例えば、細胞は、患者に注入され得る。
【0133】
閉鎖系のフローサイトメータを組み立てる方法
本開示の態様は、ソーティングフローサイトメータを閉鎖系のフローサイトメータに変換するための方法を更に含む。本方法を介した変換に好適なフローサイトメータは、ソートブロックを有するもの(例えば、上述したものなど)を含む。関心対象の方法は、閉鎖系のフローサイトメータアダプタをソーティングフローサイトメータに動作可能に接続することを含む。本方法で使用するためのアダプタは、上記で詳細に記載されており、ソートブロックに動作可能に接続するためのソートブロックカプラを含む。実施形態では、方法は、ソートブロックカプラをソートブロックの遠位部分にスライドさせることを含む。更なる実施形態では、ソートブロックカプラを取り付けることは、シールガスケットを介してソートブロックカプラをソートブロックに固定することを含む。
【0134】
いくつかの場合では、方法は、ソートバケットがソートブロックカプラとセル受容関係にあるように、ソートバケットをソートブロックカプラに動作可能に取り付けることを含む。そのような場合、方法は、ソートバケットを複数のラッチを介してソートブロックカプラに取り付けることを伴い得る。加えて、方法の実施形態は、シーリングガスケットを介してソートバケットをソートブロックカプラに取り付けることを含む。
【0135】
本開示の方法は、コネクタを介して外部チャンバをソートブロックにガスで接続し、かつそれによって閉鎖系を生成することを更に含み得る。関心対象のコネクタは、可撓性部分及びカラーのセットを含み得る。いくつかの場合では、カラーは、剛性である。方法の実施形態は、カラーをソートバケットに固定することによってコネクタを取り付けることを含む。方法の実施形態は、カラーを外部チャンバに固定することによって、コネクタを取り付けることを更に含む。カラー(及びカラーに取り付けられたコネクタ)は、任意の好都合な機構を介してソートバケット及び/又は外部チャンバに取り付けられ得る。いくつかの場合では、方法は、複数のネジを介してカラーを取り付けることを含む。
【0136】
いくつかの事例では、方法は、閉鎖系のソーティングフローサイトメータ内に正圧系を生成することを含む。例えば、ソートブロック及びアダプタが1つ以上のガス入口ポートを含む場合、方法は、ガス入口ポートを、閉鎖系を第1のガス(例えば、窒素、二酸化炭素、水素、アルゴン)で満たすように構成された圧縮機にガスで接続することを含む。ある特定の場合では、圧縮機とガス入口ポートとは、可撓性チューブを介してガスで接続される。
【0137】
コンピュータ制御システム
本開示の態様は、コンピュータ制御システムを更に含み、システムは、完全な自動化又は部分的な自動化のための1つ以上のコンピュータを含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、フローストリーム内の試料に照射を行うことと、試料の照射に続いて受信されたフローサイトメータデータを取得、分析、及び記録することと、受信されたフローサイトメータデータに基づいて、試料内の粒子を2つ以上の試料収集容器中にソートすることとのための命令を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、関心対象の小滴を1つ以上の収集容器に方向転換させるために、偏向板を選択的に作動させるための命令を含む。
【0138】
実施形態では、システムは、入力モジュール、処理モジュール、及び出力モジュールを含む。主題のシステムは、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の両方を含んでもよく、ハードウェア構成要素は、例えば、サーバの形態で1つ以上のプラットフォームの形態をとってもよく、その結果、システムの機能要素、すなわち、特定のタスク(情報の入出力の管理、情報の処理など)を実行するシステムのそれらの要素は、システムに表される1つ以上のコンピュータプラットフォーム上で及びそれにわたってソフトウェアアプリケーションの実行によって実行されてもよい。
【0139】
システムは、ディスプレイと、オペレータ入力デバイスとを含み得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、又は利用可能であるか、若しくは利用可能になる他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当該技術分野で知られているように、Java、Perl、C++、他の高級言語又は低級言語、及びそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行することを容易にする。オペレーティングシステムは、通常、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムはm、また、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、負帰還制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0140】
システムメモリは、様々な既知又は将来のメモリ記憶デバイスのいずれかであり得る。例としては、任意の一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスク若しくはテープなどの磁気媒体、リードライトコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のメモリ記憶デバイスが挙げられる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、又はディスクドライブを含む、様々な既知又は将来のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは、通常、コンパクトディスクなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み出し、かつ/又はプログラム記憶媒体に書き込む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、若しくは後に開発され得る他のものは、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ、及び/又はメモリ記憶デバイスと併せて使用されるプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0141】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、内部に記憶された制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)を有するコンピュータ使用可能媒体を備えて記載される。制御ロジックは、プロセッサ及びコンピュータによって実行されると、プロセッサ及びコンピュータに、本明細書に記載された機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、主にハードウェア内に実装される。本明細書に記載される機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実装は、関連技術分野の当業者には明らかである。
【0142】
メモリは、磁気、光学、又はソリッドステート記憶デバイス(磁気若しくは光学ディスク、又はテープ、又はRAM、又は固定型若しくは携帯型のいずれかの任意の他の好適なデバイスを含む)などの、プロセッサがデータを記憶し、取り出すことができる任意の好適なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供され得るか、又はメモリ又は何らかの他の携帯型若しくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に、メモリと一緒にそれらのデバイスのいずれかを使用して、あらかじめ保存され得る。例えば、磁気又は光学ディスクは、プログラミングを担持し得、ディスクライタ/リーダによって読み取ることができる。本発明のシステムは、例えば、コンピュータプログラム製品の形態のプログラミング、上記の方法を実施する際に使用するためのアルゴリズムも含む。本発明によるプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接読み取り及びアクセスすることができる任意の媒体に記録され得る。そのような媒体としては、以下に限定されないが、磁気ディスク、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAM及びROMなどの電気記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、並びに磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリのハイブリッドが挙げられる。
【0143】
プロセッサは、また、リモート位置でユーザと通信するための通信チャネルへのアクセスを有し得る。リモート位置とは、ユーザがシステムと直接接触せず、携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む、広域ネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、又は任意の他の好適な通信チャネルに接続されたコンピュータなどの、外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0144】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワーク及び/又は別のデバイスと通信するための受信機及び/又は送信機を含む。通信インターフェースは、限定されるものではないが、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数識別(RFID)、Zigbee通信プロトコル、Wi-Fi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、及び符号分割多元接続(CDMA)又はモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などのセルラ通信を含む、有線又は無線通信のために構成され得る。
【0145】
一実施形態では、通信インターフェースは、1つ以上の通信ポート、例えば、主題のシステムと、同様の補完的データ通信のために構成された(例えば、診療所又は病院環境における)コンピュータ端末などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするための、USBポート、USB-Cポート、RS-232ポート、又は任意の他の好適な電気接続ポートなどの、物理ポート又はインターフェースを含むように構成されている。
【0146】
一実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又は任意の他の好適な無線通信プロトコルのために構成され、主題のシステムが、コンピュータ端末及び/又はネットワーク、通信可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、又はユーザが併せて使用し得る任意の他の通信デバイスなど、他のデバイスと通信することを可能にする。
【0147】
一実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、又はWi-FiホットスポットでのインターネットへのWi-Fi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成されている。
【0148】
一実施形態では、主題のシステムは、例えば、802.11若しくはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、又はIrDA赤外線プロトコルなどの共通の標準規格を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線で通信するように構成されている。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)若しくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、又はデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きなデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、並びにボタン、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0149】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上述の通信プロトコル及び/又は機構のうちの1つ以上を使用して、ネットワーク又はサーバデバイスと、主題のシステム内、例えば、任意選択のデータ記憶ユニット内に記憶されたデータを自動又は半自動で通信するように構成されている。
【0150】
出力コントローラは、ヒトであろうと機械であろうと、ローカルであろうとリモートであろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知の表示デバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。表示デバイスのうちの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、画素のアレイとして論理的及び/又は物理的に編成され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間にグラフィカル入力及び出力インターフェースを提供するための、及びユーザ入力を処理するための、様々な既知又は将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワーク又は他のタイプのリモート通信を使用する代替の実施形態で達成され得る。出力マネージャは、また、既知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、又は衛星ネットワークを介して、リモート位置でユーザに、処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実施され得る。いくつかの例として、データは、SQL、HTML、若しくはXMLドキュメント、電子メール若しくは他のファイル、又は他の形態のデータを含み得る。データは、ユーザが追加のSQL、HTML、XML、又は他のドキュメント若しくはデータをリモートソースから取り出すことができるように、インターネットURLアドレスを含み得る。主題のシステム内に存在する1つ以上のプラットフォームは、通常、一般的にサーバと称されるコンピュータのクラスのものであるが、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォーム又は将来開発されるタイプであってもよい。また一方、それらは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、又は他のコンピュータタイプであってもよい。それらは、任意の知られている又は将来のタイプのケーブル配線、又はネットワーク化されているか、又は別様であるかのいずれかの無線システムを含む、他の通信システムを介して接続され得る。それらは、同一場所に配置され得るか、又は物理的に分離され得る。場合により、選定されたコンピュータプラットフォームのタイプ及び/又は構成に応じて、様々なオペレーティングシステムが、コンピュータプラットフォームのいずれかで採用され得る。適切なオペレーティングシステムとしては、Windows(登録商標) NT(登録商標)、Windows(登録商標) XP、Windows(登録商標) 7、Windows(登録商標) 8、Windows(登録商標) 10、iOS(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)、Ubuntu(登録商標)、Fedora(登録商標)、OS/400(登録商標)、i5/OS(登録商標)、IBM i(登録商標)、Android(商標)、SGI IRIX(登録商標)、Oracle Solaris(登録商標)などが挙げられる。
【0151】
図8は、ある特定の実施形態による、例示的なコンピューティングデバイス800の一般的なアーキテクチャを示す。図8に示されるコンピューティングデバイス800の一般的なアーキテクチャは、コンピュータハードウェア及びソフトウェア構成要素の配置を含む。ただし、有効な開示を提供するためには、これらの一般的に伝統的な要素の全てが、必ずしも示される必要はない。図示のように、コンピューティングデバイス800は、処理ユニット810、ネットワークインターフェース820、コンピュータ可読媒体ドライブ830、入力/出力デバイスインターフェース840、ディスプレイ850、及び入力デバイス860を含み、それらの全ては、通信バスを経由して互いに通信することができる。ネットワークインターフェース820は、1つ以上のネットワーク又はコンピューティングシステムに対するコネクティビティを提供し得る。したがって、処理ユニット810は、ネットワークを介して、他のコンピューティングシステム又はサービスから情報及び命令を受信することができる。処理ユニット810は、また、メモリ870との間でも通信することができ、入力/出力デバイスインターフェース840を介して、任意選択のディスプレイ850のための出力情報を更に提供することができる。例えば、分析システムの非一時的メモリ内に実行可能命令として記憶された分析ソフトウェア(例えば、FlowJo(登録商標)などのデータ分析ソフトウェア又はプログラム)は、フローサイトメトリ事象データをユーザに対して表示することができる。入力/出力デバイスインターフェース840は、また、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、タッチスクリーン、ジェスチャー認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力デバイスなどの、任意選択の入力デバイス860から入力を受信することもできる。
【0152】
メモリ870は、処理ユニット810が順番に実行して1つ以上の実施形態を実施するコンピュータプログラム命令(いくつかの実施形態では、モジュール又は構成要素としてグループ化される)を含むことができる。メモリ870は、一般的に、RAM、ROM、及び/又は他の永続的、補助的、又は非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。メモリ870は、コンピューティングデバイス800の一般的な管理及び動作において、処理ユニット810によって使用されるためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム872を記憶することができる。データは、データ記憶デバイス890内に記憶され得る。メモリ870は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含むことができる。
【0153】
有用性
主題のアダプタ、フローサイトメータ、及び方法は、生体試料などの、流体媒体中の試料内の粒子成分を分析及びソートし、かつ次いで、ソートされた生成物を、例えば、治療的使用などの後の使用のために、保管することが望ましい、様々な用途での使用を見出す。例えば、本明細書に記載の本発明の実施形態を使用して、例えば、嫌気性呼吸を経る微生物をソートするための好適な環境を生成するために、調節可能な内部環境を有する閉鎖系を生成し得る。加えて、主題のアダプタ、フローサイトメータ、及び方法を採用して、フローサイトメータ構成要素を個々に修正する必要性を低減することによって、ソーティングフローサイトメータを閉鎖系のソーティングフローサイトメータに変換することを容易にするか、又はフローサイトメータ全体を正圧系内に配置し得る。本発明の実施形態は、また、改善されたセルソーティング精度、向上した粒子収集、粒子帯電効率、より正確な粒子帯電、及びセルソーティング中の向上した粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい場合の使用を見出す。本発明の実施形態は、処理される試料の汚染のリスク、生物学的危険性がある試料が処理されている状況において重要であり得る試料成分へのオペレータの曝露のリスクなどのうちの1つ以上を、排除しないまでも低減し得る閉鎖系のソーティングデバイス及び方法を更に提供する。
【0154】
本発明の実施形態は、生体試料から調製された細胞が、研究、実験室試験、又は治療での使用に望ましい場合がある用途での使用を見出す。いくつかの実施形態では、主題の方法及びデバイスは、標的の流体又は組織生体試料から調製された個々の細胞を取得することを容易にし得る。例えば、主題の方法及びシステムは、がんなどの疾患の研究又は診断用標本として使用される、流体又は組織試料から細胞を取得することを容易にする。同様に、主題の方法及びシステムは、治療で使用される流体又は組織試料から細胞を取得することを容易にし得る。本開示の方法及びデバイスは、従来のフローサイトメトリシステムと比較して、向上した効率及び低コストの生体試料(例えば、臓器、組織、組織断片、体液)から細胞を分離し、収集することを可能にする。
【0155】
キット
本開示の態様は、キットを更に含み、キットは、主題の閉鎖系のフローサイトメータアダプタの1つ以上の構成要素を含む。いくつかの事例では、キットは、ソーティングフローサイトメータのソートブロックに動作可能に接続するための1つ以上のソートブロックカプラと、1つ以上の外部チャンバと、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するための1つ以上のコネクタとを含む。キットは、ソートされた小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されたソートバケットを追加的に含み得る。本開示のキットは、閉鎖系の完全性を維持しながら、ソートブロックカプラ及び/又はソートブロックを取り付けるためのシールガスケット及びラッチを更に含み得る。ある特定の場合では、本キットに含まれるコネクタは、コネクタを外部チャンバ及び/又はソートバケットに取り付けるためのカラーを含む。キットは、コネクタを外部チャンバ及びソートバケットに取り付けるためのネジ及びシールコンパウンドを更に含み得る。
【0156】
キットは、また、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを有するフローサイトメータを組み立てるための説明書を含んでもよい。本明細書に記載の説明書は、磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM、DVD-ROM、Blue-rayディスク、ソリッドステートディスク、及びネットワークアタッチド記憶装置(NAS)などの記憶媒体上に含まれ得る。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されているか、若しくは後に開発され得る他のものが、主題のキットに含められ得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキット中に存在し得、そのうちの1つ以上が、キット中に存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、例えば、情報が印刷される1枚又は複数枚の紙などの好適な媒体又は基板上、キットのパッケージ中、添付文書などの中の印刷情報としてである。これらの説明書の更に別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書の更に別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0157】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、また、以下の付記によっても定義される。
【0158】
1.ソーティングフローサイトメータであって、
検査ポイントでフローセルを照明するための照明源と、
検査ポイントからの光を受信するための検出器と、
フローセルと液体受容関係にあるソートブロックと、
ソートブロックと小滴受容関係にある閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタであって、
ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するコネクタと
を備える、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタと
を備える、ソーティングフローサイトメータ。
2.ソートバケットを更に備える、付記1に記載のソーティングフローサイトメータ。
3.ソートバケットが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記2に記載のソーティングフローサイトメータ。
4.ソートバケットが存在しない、付記1に記載のソーティングフローサイトメータ。
5.ソートブロックカプラが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記4に記載のソーティングフローサイトメータ。
【0159】
6.ソートブロックカプラが、ソートブロックカプラの内部にアクセスするためのスライドドアを備える、付記5に記載のソーティングフローサイトメータ。
7.ソートブロックカプラが、シーリングガスケットを備える、付記1~6のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
8.アダプタが、コネクタをソートバケットに取り付けるためのカラーを備える、付記2又は3に記載のソーティングフローサイトメータ。
9.アダプタが、コネクタを外部チャンバに取り付けるためのカラーを備える、付記1~8のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
10.カラーが、複数のネジを介してコネクタを取り付けるように構成されている、付記8又は9に記載のソーティングフローサイトメータ。
【0160】
11.カラーが、剛性である、付記8~10のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
12.コネクタが、カラーの縁部の周りにシールを生成するためのシールコンパウンドを備える、付記8~11のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
13.シールコンパウンドが、シリコーンを含む、付記12に記載のソーティングフローサイトメータ。
14.閉鎖系を第1のガスで満たすためのガス入口ポートを更に備える、付記1~13のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
15.ソーティングフローサイトメータが、複数のガス入口ポートを備える、付記14に記載のソーティングフローサイトメータ。
【0161】
16.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記15に記載のソーティングフローサイトメータ。
17.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、ソートブロックの壁に位置付けられている、付記15に記載のソーティングフローサイトメータ。
18.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記15に記載のソーティングフローサイトメータ。
19.ガス入口ポートにガスで接続される圧縮機を更に備え、圧縮機が、閉鎖系を第1のガスで満たすように構成されている、付記14~18のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
20.第1のガスが、窒素を含み、
圧縮機が、閉鎖系を窒素ガスで満たすための窒素ガス源にガスで接続される、付記19に記載のソーティングフローサイトメータ。
【0162】
21.第1のガスが、二酸化炭素を含み、
圧縮機が、閉鎖系を二酸化炭素ガスで満たすための二酸化炭素ガス源にガスで接続される、付記19に記載のソーティングフローサイトメータ。
22.第1のガスが、水素を含み、
圧縮機が、閉鎖系を水素ガスで満たすための水素ガス源にガスで接続される、付記19に記載のソーティングフローサイトメータ。
23.第1のガスが、アルゴンを含み、
圧縮機が、閉鎖系をアルゴンガスで満たすためのアルゴンガス源にガスで接続される、付記19に記載のソーティングフローサイトメータ。
24.第2のガスが閉鎖系から漏れることを可能にするためのガス安全弁を更に備える、付記19~23のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
25.閉鎖系内の第2のガスの濃度を評価するように構成されたガスセンサを更に備える、付記24に記載のソーティングフローサイトメータ。
【0163】
26.ガスセンサが、酸素の濃度を評価するように構成されている、付記25に記載のソーティングフローサイトメータ。
27.圧縮機が、ガスセンサに動作可能に接続されており、ガスセンサからの評価に基づいて、第2のガスの濃度を調節するように構成されている、付記25又は26に記載のソーティングフローサイトメータ。
28.圧縮機が、閉鎖系を5psi~40psiの範囲の圧力の第1のガスで満たすように構成されている、付記19~27のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
29.ソーティングフローサイトメータが、複数のガス安全弁を備える、付記24~28のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
30.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、外部チャンバの壁に位置付けされている、付記29に記載のソーティングフローサイトメータ。
【0164】
31.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記29に記載のソーティングフローサイトメータ。
32.閉鎖系が、正圧系である、付記14~31のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
33.コネクタが、非多孔質材料から構成されている、付記1~32のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
34.コネクタが、可撓性材料から構成されている、付記1~33のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
35.コネクタが、ゴムから構成されている、付記33又は34に記載のソーティングフローサイトメータ。
【0165】
36.コネクタが、シリコーンから構成されている、付記35に記載のソーティングフローサイトメータ。
37.コネクタが、剛性である、付記1~33のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
38.アダプタが、内部ドアであって、内部ドアが開いているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを許容し、かつ内部ドアが閉じられているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを防止するように構成された、内部ドアを更に備える、付記1~37のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
39.ソートブロックが、偏向板を備える、付記1~38のいずれか一つに記載のソーティングフローサイトメータ。
【0166】
40.ソートブロックを有するソーティングフローサイトメータを閉鎖系のソーティングフローサイトメータに変換するための閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタであって、
ソートブロックに動作可能に接続するためのソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するためのコネクタと
を備える、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタ。
41.ソートバケットを更に備える、付記40に記載のアダプタ。
42.ソートバケットが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記41に記載のアダプタ。
43.ソートバケットが、存在しない、付記40に記載のアダプタ。
44.ソートブロックカプラが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記43に記載のアダプタ。
【0167】
45.ソートブロックカプラが、ソートブロックカプラの内部にアクセスするためのスライドドアを備える、付記44に記載のアダプタ。
46.ソートブロックカプラが、シールガスケットを備える、付記40~45のいずれか一つに記載のアダプタ。
47.アダプタが、コネクタをソートバケットに取り付けるためのカラーを備える、付記41又は42に記載のアダプタ。
48.アダプタが、コネクタを外部チャンバに取り付けるためのカラーを備える、付記40~47のいずれか一つに記載のアダプタ。
49.カラーが、複数のネジを介してコネクタを取り付けるように構成されている、付記47又は48に記載のアダプタ。
【0168】
50.カラーが、剛性である、付記47~49のいずれか一つに記載のアダプタ。
51.コネクタが、カラーの縁部の周りにシールを生成するためのシールコンパウンドを備える、付記47~50のいずれか一つに記載のアダプタ。
52.シールコンパウンドが、シリコーンを含む、付記51に記載のアダプタ。
53.閉鎖系を第1のガスで満たすためのガス入口ポートを更に備える、付記40~52のいずれか一つに記載のアダプタ。
54.アダプタが、複数のガス入口ポートを備える、付記53に記載のアダプタ。
【0169】
55.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記54に記載のアダプタ。
56.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記54に記載のアダプタ。
57.第2のガスが閉鎖系から漏れることを可能にするためのガス安全弁を更に備える、付記40~56のいずれか一つに記載のアダプタ。
58.閉鎖系内の第2のガスの濃度を評価するように構成されたガスセンサを更に備える、付記57に記載のアダプタ。
59.ガスセンサが、酸素の濃度を評価するように構成されている、付記58に記載のアダプタ。
【0170】
60.アダプタが、複数のガス安全弁を備える、付記57~59のいずれか一つに記載のアダプタ。
61.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記60に記載のアダプタ。
62.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記60に記載のアダプタ。
63.閉鎖系が、正圧系である、付記53~62のいずれか一つに記載のアダプタ。
64.コネクタが、非多孔質材料から構成されている、付記40~63のいずれか一つに記載のアダプタ。
【0171】
65.コネクタが、可撓性材料から構成されている、付記40~64のいずれか一つに記載のアダプタ。
66.コネクタが、ゴムから構成されている、付記64又は65に記載のアダプタ。
67.コネクタが、シリコーンから構成されている、付記66に記載のアダプタ。
68.コネクタが、剛性である、付記40~64のいずれか一つに記載のアダプタ。
69.アダプタが、内部ドアであって、内部ドアが開いているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを許容し、かつ内部ドアが閉じられているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを防止するように構成された、内部ドアを更に備える、付記40~68のいずれか一つに記載のアダプタ。
【0172】
70.ソートブロックを有するソーティングフローサイトメータを閉鎖系のフローサイトメータに変換する方法であって、
閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタをソーティングフローサイトメータに動作可能に接続することを含み、
アダプタが、
ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するコネクタと
を備える、方法。
71.ソートブロックバケットをソートブロックカプラに動作可能に接続することを更に含む、付記70に記載の方法。
72.ソートバケットが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記71に記載の方法。
73.ソートバケットが、ソートブロックカプラに接続されていない、付記70に記載の方法。
74.ソートブロックカプラが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記73に記載の方法。
【0173】
75.ソートブロックカプラが、ソートブロックカプラの内部にアクセスするためのスライドドアを備える、付記74に記載の方法。
76.ソートブロックカプラが、シールガスケットを備える、付記70~75のいずれか一つに記載の方法。
77.カラーを介してコネクタをソートバケットに取り付けることを更に含む、付記71又は72に記載の方法。
78.カラーを介してコネクタを外部チャンバに取り付けることを更に含む、付記70~77のいずれか一つに記載の方法。
79.カラーが、複数のネジを介してコネクタを取り付けるように構成されている、付記77又は78に記載の方法。
【0174】
80.カラーが、剛性である、付記77~79のいずれか一つに記載の方法。
81.コネクタが、カラーの縁部の周りにシールを生成するためのシールコンパウンドを備える、付記77~80のいずれか一つに記載の方法。
82.シールコンパウンドが、シリコーンを含む、付記81に記載の方法。
83.アダプタが、閉鎖系を第1のガスで満たすためのガス入口ポートを更に備える、付記70~82のいずれか一つに記載の方法。
84.アダプタが、複数のガス入口ポートを備える、付記83に記載の方法。
【0175】
85.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記84に記載の方法。
86.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記84に記載の方法。
87.アダプタが、第2のガスが閉鎖系から漏れることを可能にするためのガス安全弁を更に備える、付記70~86のいずれか一つに記載の方法。
88.アダプタが、閉鎖系内の第2のガスの濃度を評価するように構成されたガスセンサを更に備える、付記87に記載の方法。
89.ガスセンサが、酸素の濃度を評価するように構成されている、付記88に記載の方法。
【0176】
90.アダプタが、複数のガス安全弁を備える、付記87~89のいずれか一つに記載の方法。
91.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記90に記載の方法。
92.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記90に記載の方法。
93.閉鎖系が、正圧系である、付記83~92のいずれか一つに記載の方法。
94.コネクタが、非多孔質材料から構成されている、付記70~93のいずれか一つに記載の方法。
【0177】
95.コネクタが、可撓性材料から構成されている、付記70~94のいずれか一つに記載の方法。
96.コネクタが、ゴムから構成されている、付記94又は95に記載の方法。
97.コネクタが、シリコーンから構成されている、付記96に記載の方法。
98.コネクタが、剛性である、付記70~94のいずれか一つに記載の方法。
99.アダプタが、内部ドアであって、内部ドアが開いているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを許容し、かつ内部ドアが閉じられているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを防止するように構成された、内部ドアを更に備える、付記70~98のいずれか一つに記載の方法。
【0178】
100.試料からの粒子をソートする方法であって、
(a)粒子をソーティングフローサイトメータに導入することであって、
ソーティングフローサイトメータが、
検査ポイントでフローセルを照明するための照明源と、
検査ポイントからの光を受信するための検出器と、
フローセルと液体受容関係にあるソートブロックと、
ソートブロックと小滴受容関係にある閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタであって、アダプタが、
ソートブロックに動作可能に接続されたソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するコネクタと
を備える、閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタと
を備える、導入することと、
(b)粒子をフローサイトメトリでソートすることと
を含む、方法。
101.ソーティングフローサイトメータが、ソートバケットを更に備える、付記100に記載の方法。
102.ソートバケットが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記101に記載の方法。
103.ソートバケットが、存在しない、付記100に記載の方法。
104.ソートブロックカプラが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記103に記載の方法。
【0179】
105.ソートブロックカプラが、ソートブロックカプラの内部にアクセスするためのスライドドアを備える、付記104に記載の方法。
106.ソートブロックカプラが、シールガスケットを備える、付記100~105のいずれか一つに記載の方法。
107.アダプタが、コネクタをソートバケットに取り付けるためのカラーを備える、付記101又は102に記載の方法。
108.アダプタが、コネクタを外部チャンバに取り付けるためのカラーを備える、付記100~107のいずれか一つに記載の方法。
109.カラーが、複数のネジを介してコネクタを取り付けるように構成されている、付記107又は108に記載の方法。
【0180】
110.カラーが、剛性である、付記107~109のいずれか一つに記載の方法。
111.コネクタが、カラーの縁部の周りにシールを生成するためのシールコンパウンドを備える、付記107~110のいずれか一つに記載の方法。
112.シールコンパウンドが、シリコーンを含む、付記111に記載の方法。
113.ソーティングフローサイトメータが、閉鎖系を第1のガスで満たすためのガス入口ポートを更に備える、付記100~112のいずれか一つに記載の方法。
114.ソーティングフローサイトメータが、複数のガス入口ポートを備える、付記113に記載の方法。
【0181】
115.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記114に記載の方法。
116.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、ソートブロックの壁に位置付けられている、付記114に記載の方法。
117.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記114に記載の方法。
118.ソーティングフローサイトメータが、ガス入口ポートにガスで接続される圧縮機を更に備え、圧縮機が、閉鎖系を第1のガスで満たすように構成されている、付記114~117のいずれか一つに記載の方法。
119.第1のガスが、窒素を含み、
圧縮機が、閉鎖系を窒素ガスで満たすための窒素ガス源にガスで接続される、付記118に記載の方法。
【0182】
120.第1のガスが、二酸化炭素を含み、
圧縮機が、閉鎖系を二酸化炭素ガスで満たすための二酸化炭素ガス源にガスで接続される、付記118に記載の方法。
121.第1のガスが、水素を含み、
圧縮機が、閉鎖系を水素ガスで満たすための水素ガス源にガスで接続される、付記118に記載の方法。
122.第1のガスが、アルゴンを含み、
圧縮機が、閉鎖系をアルゴンガスで満たすためのアルゴンガス源にガスで接続される、付記118に記載の方法。
123.ソーティングフローサイトメータが、第2のガスが閉鎖系から漏れることを可能にするためのガス安全弁を更に備える、付記118~122のいずれか一つに記載の方法。
124.ソーティングフローサイトメータが、閉鎖系内の第2のガスの濃度を評価するように構成されたガスセンサを更に備える、付記123に記載の方法。
【0183】
125.ガスセンサが、酸素の濃度を評価するように構成されている、付記124に記載の方法。
126.圧縮機が、ガスセンサに動作可能に接続されており、ガスセンサからの評価に基づいて、第2のガスの濃度を調節するように構成されている、付記124又は125に記載の方法。
127.圧縮機が、閉鎖系を5psi~40psiの範囲の圧力の第1のガスで満たすように構成されている、付記118~126のいずれか一つに記載の方法。
128.ソーティングフローサイトメータが、複数のガス安全弁を備える、付記123~127のいずれか一つに記載の方法。
129.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記128に記載の方法。
【0184】
130.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記128に記載の方法。
131.閉鎖系が、正圧系である、付記113~130のいずれか一つに記載の方法。
132.コネクタが、非多孔質材料から構成されている、付記100~131のいずれか一つに記載の方法。
133.コネクタが、可撓性材料から構成されている、付記100~132のいずれか一つに記載の方法。
134.コネクタが、ゴムから構成されている、付記132又は133に記載の方法。
【0185】
135.コネクタが、シリコーンから構成されている、付記134に記載の方法。
136.コネクタが、剛性である、付記100~132のいずれか一つに記載の方法。
137.アダプタが、内部ドアであって、内部ドアが開いているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを許容し、かつ内部ドアが閉じられているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを防止するように構成された、内部ドアを更に備える、付記100~136のいずれか一つに記載の方法。
138.ソートブロックが、偏向板を備える、付記100~137のいずれか一つに記載の方法。
【0186】
139.キットであって、
閉鎖系のソーティングフローサイトメータアダプタを備えており、
アダプタが、
ソートブロックカプラと、
外部チャンバと、
任意選択で、ソートブロックカプラとセル受容関係にあるソートバケットを介して、ソートブロックを外部チャンバにガスで結合するためのコネクタと
を備える、キット。
140.ソートバケットを更に備える、付記139に記載のキット。
141.ソートバケットが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記140に記載のキット。
142.ソートバケットが、存在しない、付記139に記載のキット。
143.ソートブロックカプラが、ソートブロックから受容された小滴を収集するための複数の収集容器を収容するように構成されている、付記142に記載のキット。
【0187】
144.ソートブロックカプラが、ソートブロックカプラの内部にアクセスするためのスライドドアを備える、付記143に記載のキット。
145.ソートブロックカプラが、シールガスケットを備える、付記139~144のいずれか一つに記載のキット。
146.アダプタが、コネクタをソートバケットに取り付けるためのカラーを備える、付記140又は141に記載のキット。
147.アダプタが、コネクタを外部チャンバに取り付けるためのカラーを備える、付記139~146のいずれか一つに記載のキット。
148.カラーが、複数のネジを介してコネクタを取り付けるように構成されている、付記146又は147に記載のキット。
【0188】
149.カラーが、剛性である、付記146~148のいずれか一つに記載のキット。
150.コネクタが、カラーの縁部の周りにシールを生成するためのシールコンパウンドを備える、付記146~149のいずれか一つに記載のキット。
151.シールコンパウンドが、シリコーンを含む、付記150に記載のキット。
152.アダプタが、閉鎖系を第1のガスで満たすためのガス入口ポートを更に備える、付記139~151のいずれか一つに記載のキット。
153.アダプタが、複数のガス入口ポートを備える、付記152に記載のキット。
【0189】
154.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記153に記載のキット。
155.複数のガス入口ポートのうちの1つのガス入口ポートが、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記153に記載のキット。
156.第2のガスが閉鎖系から漏れることを可能にするためのガス安全弁を更に備える、付記139~155のいずれか一つに記載のキット。
157.閉鎖系内の第2のガスの濃度を評価するように構成されたガスセンサを更に備える、付記156に記載のキット。
158.ガスセンサが、酸素の濃度を評価するように構成されている、付記157に記載のキット。
【0190】
159.アダプタが、複数のガス安全弁を備える、付記156~158のいずれか一つに記載のキット。
160.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、外部チャンバの壁に位置付けられている、付記159に記載のキット。
161.複数のガス安全弁のうちの1つのガス安全弁が、ソートバケットの壁に位置付けられている、付記159に記載のキット。
162.閉鎖系が、正圧系である、付記152~161のいずれか一つに記載のキット。
163.コネクタが、非多孔質材料から構成されている、付記139~162のいずれか一つに記載のキット。
164.コネクタが、可撓性材料から構成されている、付記139~163のいずれか一つに記載のキット。
【0191】
165.コネクタが、ゴムから構成されている、付記163又は164に記載のキット。
166.コネクタが、シリコーンから構成されている、付記165に記載のキット。
167.コネクタが、剛性である、付記139~163のいずれか一つに記載のキット。
168.アダプタが、内部ドアであって、内部ドアが開いているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを許容し、かつ内部ドアが閉じられているときにソートブロックと外部チャンバとの間のガスのフローを防止するように構成された、内部ドアを更に備える、付記139~167のいずれか一つに記載のキット。
【0192】
前述の発明は、明確な理解のために例示及び例によって多少詳しく説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、それらの発明に対して特定の変更及び修正が行われ得ることは、容易に明らかである。
【0193】
したがって、先述したものは、本発明の原理を単に例示しているに過ぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載又は示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な構成を考案することが可能である点が理解される。更に、本明細書に列挙される全ての例及び条件付き言語は、主に、本発明の原理及び本発明者によって当該技術分野を促進するために寄与する概念を閲読者が理解することを支援する点を意図しており、そのような具体的に列挙される例及び条件に限定されるものではないと解釈されるものである。更に、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにそれらの特定の実施例を列挙する本明細書の全ての記述は、それらの構造的及び機能的同等物の両方を包含することが意図される。加えて、そのような同等物は、現在知られている同等物及び将来開発される同等物の両方、すなわち、構造に関係なく、同じ機能を実施する開発される任意の要素を含むことが意図される。更に、本明細書に開示のいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かにかかわらず、公共に供することを意図しない。
【0194】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲への限定の始まりの正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」が列挙されている場合にのみ、そのような特許請求の範囲に限定するために行使されると明示的に定義され、そのような正確な語句が、特許請求の範囲への限定において使用されない場合、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は行使されない。
【0195】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2021年3月24日に出願された米国仮特許出願第63/165,339号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】