(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】タバコ物質、該タバコ物質の製造方法、該タバコ物質を含むフィルタ、及び該フィルタを含むエアロゾル生成物品
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20240312BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20240312BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20240312BHJP
A24D 3/14 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A24B15/16
A24D3/17
A24D3/04
A24D3/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558281
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 KR2022004579
(87)【国際公開番号】W WO2022215945
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0046088
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソク ス
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ソン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン テ
(72)【発明者】
【氏名】シン、チュン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ソン ウク
(72)【発明者】
【氏名】リ、スン ウォン
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BA80
4B043BB02
4B043BB10
4B043BB16
4B043BB22
4B043BC02
4B043BC03
4B045BA05
4B045BA08
4B045BB03
4B045BC15
4B045BC16
4B045BC23
(57)【要約】
実施例は、第1タバコ混合物を含むコア及びコアの少なくとも一部を取り囲み、第2タバコ混合物を含むシェルを含み、第1タバコ混合物は、第1タバコ粒子及び香味物質を含み、第2タバコ混合物は、第2タバコ粒子を含み、シェルは、約5.0~10.0の表面粗さ(Ra)を有するタバコ物質に関するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タバコ混合物を含むコアと、
前記コアの少なくとも一部を取り囲み、第2タバコ混合物を含むシェルと、を含み、
前記第1タバコ混合物は、第1タバコ粒子及び香味物質を含み、
前記第2タバコ混合物は、第2タバコ粒子を含み、
前記シェルは、約5.0~10.0の表面粗さ(Ra)を有する、タバコ物質。
【請求項2】
前記第1タバコ混合物は、前記第1タバコ混合物総重量を基準に、前記香味物質を90重量%以上含む、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項3】
前記コアは、約30メッシュ~50メッシュの大きさを有し、
前記タバコ物質は、約18メッシュ~25メッシュの大きさを有する、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項4】
前記タバコ物質は、90%以上の硬度を有する、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項5】
前記タバコ物質は、前記タバコ物質の総重量を基準に、水分を約5.0重量%~8.0重量%含む、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項6】
エアロゾル生成物品に含まれるフィルタであって、
請求項1に記載のタバコ物質を含む、フィルタ。
【請求項7】
第1フィルタ要素を含む第1フィルタ部と、
請求項1に記載のタバコ物質を含む香味部と、
第2フィルタ要素を含む第2フィルタ部と、をさらに含み、
前記第1フィルタ部、前記香味部及び前記第2フィルタ部は、前記フィルタの長手方向を基準に順次に整列される、請求項6に記載のフィルタ。
【請求項8】
香味物質を含む第1組成物を用いてコアを製造する第1段階と、
前記コアの少なくとも一部を取り囲むシェルを形成する第2段階と、を含む、タバコ物質の製造方法。
【請求項9】
前記第1段階は、約30℃~60℃の温度、及び1.5bar以下の気圧下で流動層反応器内に前記第1組成物を噴射して前記第1組成物を成長させる、請求項8に記載のタバコ物質の製造方法。
【請求項10】
前記第1組成物は、前記香味物質約99%v/v~99%v/v、タバコ粉末約0.5%v/v~5%v/v及び水約0.5%v/v~5%v/vを含む、請求項8に記載のタバコ物質の製造方法。
【請求項11】
前記第2段階は、
流動層反応器内に前記コアを位置させる段階と、
約50℃~90℃の温度及び1.5bar以下の気圧下で前記流動層反応器内に第2組成物を噴射して前記コアの表面を前記第2組成物でコーティングする段階と、を含む、請求項8に記載のタバコ物質の製造方法。
【請求項12】
前記第2組成物は、タバコ粉末約10重量%~20重量%、水約40重量%~60重量%及びエタノール約30重量%~40重量%を含む、請求項9に記載のタバコ物質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ物質、該タバコ物質の製造方法、該タバコ物質を含むフィルタ、及び該フィルタを含むエアロゾル生成物品に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、伝統的なシガレットの代替品に関する需要が増加している。例えば、エアロゾル発生物品(例えば、シガレット)内のエアロゾル発生物質を燃焼なしに加熱してエアロゾルを発生させる装置に対する需要が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、喫煙序盤及び喫煙後半に互いに異なる香味をユーザに提供することができるタバコ物質及びその製造方法を提供することである。
【0004】
実施例を通じて解決しようとする課題が上述した課題に制限されず、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、一実施例は、第1タバコ混合物を含むコア及びコアの少なくとも一部を取り囲み、第2タバコ混合物を含むシェルを含み、第1タバコ混合物は、第1タバコ粒子及び香味物質を含み、第2タバコ混合物は、第2タバコ粒子を含み、シェルは、5.0~10.0の表面粗さ(Ra)を有するタバコ物質を提供する。
【0006】
他の実施例は、エアロゾル生成物品に含まれるフィルタであって、前記タバコ物質を含むフィルタを提供する。
【0007】
さらに他の実施例は、前記フィルタを含むエアロゾル生成物品を含む。
【0008】
さらに他の実施例は、香味物質を含む第1組成物を用いてコアを製造する第1段階及びコア上にコアの少なくとも一部を取り囲むシェルを形成する第2段階を含むタバコ物質の製造方法を提供する。
【0009】
課題の解決手段は、上述したところに制限されず、本開示において通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含みうる。
【発明の効果】
【0010】
実施例によるタバコ物質は、エアロゾル生成物品のフィルタに適用され、喫煙序盤と喫煙後半に互いに異なる香味をユーザに提供することができる。また、香味物質の伝達時期、移行率及び伝達率などを適切に調節することができる効果を有する。
【0011】
また、実施例によるタバコ物質の製造方法によれば、タバコ物質を簡単な工程を通じて製造し、量産に好適である。
【0012】
実施例の効果は、上述したところに限定されず、後述する構成から類推可能な効果をいずれも含みうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施例によるタバコ物質の断面を概略的に示す図面である。
【
図2A】一実施例によるタバコ物質を含むフィルタを概略的に示す図面である。
【
図2B】他の実施例によるタバコ物質を含むフィルタを概略的に示す図面である。
【
図3A】一実施例によるエアロゾル生成物品の一例を示す図面である。
【
図3B】他の実施例によるエアロゾル生成物品の一例を示す図面である。
【
図4】一実施例によるタバコ物質の製造方法のフローチャートである。
【
図5A】一実施例によるタバコ物質の製造方法の第1段階を示す図面である。
【
図5B】一実施例によるタバコ物質の製造方法の第2段階を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一実施例は、第1タバコ混合物を含むコア及びコアの少なくとも一部を取り囲み、第2タバコ混合物を含むシェルを含み、第1タバコ混合物は、第1タバコ粒子及び香味物質を含み、第2タバコ混合物は、第2タバコ粒子を含み、シェルは、約5.0~10.0の表面粗さ(Ra)を有するタバコ物質を提供する。
【0015】
前記第1タバコ混合物は、前記第1タバコ混合物総重量を基準に、前記香味物質を90重量%以上含む。
【0016】
前記コアは、約30メッシュ(mesh)~50メッシュの大きさを有し、前記タバコ物質は、約18メッシュ~25メッシュの大きさを有しうる。
【0017】
前記タバコ物質は、90%以上の硬度を有しうる。
【0018】
前記タバコ物質は、前記タバコ物質の総重量を基準に、水分を約5.0重量%~8.0重量%含みうる。
【0019】
他の実施例は、エアロゾル生成物品に含まれるフィルタとして、前記タバコ物質を含むフィルタを提供する。
【0020】
前記フィルタは、第1フィルタ要素を含む第1フィルタ部、前記タバコ物質を含む香味部及び第2フィルタ要素を含む第2フィルタ部を含み、前記第1フィルタ部、前記香味部及び前記第2フィルタ部は、前記フィルタの長手方向を基準に順次に整列されうる。
【0021】
さらに他の実施例は、前記フィルタを含むエアロゾル生成物品を含む。
【0022】
さらに他の実施例は、香味物質を含む第1組成物を用いてコアを製造する第1段階及びコアの少なくとも一部を取り囲むシェルを形成する第2段階を含むタバコ物質の製造方法を提供する。
【0023】
前記第1段階は、約30℃~60℃の温度、及び1.5bar以下の気圧下で流動層反応器内に前記第1組成物を噴射して前記第1組成物を成長させうる。
【0024】
前記第1組成物は、前記香味物質約99%v/v~99%v/v、タバコ粉末約0.5%v/v~5%v/v、及び水約0.5%v/v~5%v/vを含みうる。
【0025】
前記第2段階は、流動層反応器内にコアを位置させる段階と、約50℃~90℃の温度、及び1.5bar以下の気圧下で前記流動層反応器内に第2組成物を噴射して前記コアの表面を前記第2組成物でコーティングする段階と、を含みうる。
【0026】
前記第2組成物は、タバコ粉末約10重量%~20重量%、水約40重量%~60重量%及びエタノール約30重量%~40重量%を含みうる。
【0027】
実施例で使用される用語は、本実施例での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該実施例の説明部分において詳細にその意味を記載する。したがって、本実施例で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0028】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0029】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のような序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用されるが、構成要素は、用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0030】
明細書全体において、「エアロゾル生成物品」は、喫煙に用いられる物品を意味する。例えば、エアロゾル生成物品は、点火されて燃焼される一般燃焼式シガレットでもあり、または、エアロゾル生成装置によって燃焼なしに加熱される加熱式シガレットでもある。他の例示として、エアロゾル生成物品は、加熱されるとき、エアロゾルを発生させる液体を含むカートリッジと共に使用される物品でもある。
【0031】
明細書全体において、「エアロゾル生成物品の長手方向」は、エアロゾル生成物品の長さが延びる方向またはエアロゾル生成物品がエアロゾル生成装置に挿入される方向を意味する。
【0032】
明細書全体において、「タバコ要素」は、タバコ物質を含む要素を意味する。
【0033】
明細書全体において、「タバコ物質」は、タバコ葉に由来の成分を含むあらゆる形態の物質を意味する。
【0034】
明細書全体において、「タバコ粒子」は、タバコ植物に由来の成分の粒子形態を意味する。例えば、タバコ粒子は、タバコ粒またはタバコ粉末(powder)でもある。
【0035】
明細書全体において「冷却要素」は、ある物質を冷却させる要素を意味する。例えば、冷却要素は、エアロゾル生成要素またはタバコ要素から発生したエアロゾルを冷却させうる。
【0036】
明細書全体において、「フィルタ要素」は、ろ過素材を含む要素を意味する。例えば、フィルタ要素は、複数の繊維ストランドを含む。
【0037】
明細書全体において、「表面粗さ」は、ある物体表面の粗度を意味する。例えば、表面粗さは、KS B 0161基準によって中心線平均粗さ(Ra)で表現されうる。
【0038】
以下、添付図面に基づいて本開示の実施例について本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本開示は、互いに異なる様々な形態にも具現され、ここで、説明する実施例に限定されない。
【0039】
以下、図面に基づいて本開示の実施例を詳細に説明する。
【0040】
図1は、一実施例によるタバコ物質10の断面を概略的に示す図面である。
【0041】
一実施例によるタバコ物質10は、第1タバコ混合物を含むコア11、及びコア11の少なくとも一部を取り囲み、第2タバコ混合物を含むシェル12を含みうる。
【0042】
図1を参照すれば、一実施例によるタバコ物質10は、コア11、及びコア11の少なくとも一部を取り囲むシェル12を含む。このようにタバコ物質10の中心部には、第1タバコ混合物が位置され、周辺部には、第2タバコ混合物が位置されうる。すなわち、第1タバコ混合物は、第2タバコ混合物によって部分的にまたは、全体として取り囲まれうる。
【0043】
コア11は、第1タバコ混合物を含みうる。第1タバコ混合物は、第1タバコ粒子及び香味物質を含みうる。
【0044】
第1タバコ粒子は、例えば、約0.1~0.3mmサイズのタバコ粉末でもあるが、それに制限されない。
【0045】
実施例によれば、第1タバコ粒子は、多様な種類のタバコ粉末を含みうる。第1タバコ粒子は、例えば、黄色種、バーレー種、火力乾燥種、日干乾燥種、及び空気乾燥種のうち少なくとも1つのタバコ粉末を含みうる。
【0046】
香味物質は、特定香を出す物質でもある。例えば、香味物質は、シナモン、セージ、ハーブ、カモマイル、葛草、甘茶、ラベンダー、ベルガモット、レモン、オレンジ、桂皮、ジャスミン、生姜、バニラ、スペアミント、ペパーミント、アカシア、コーヒー、セロリ、サンダルウッド、ココアなどの植物性香料を含みうる。
【0047】
他の例示として、香味物質は、ムスク、アンバーグリス、シベット、カストリウムなどの動物性香料を含みうる。
【0048】
他の例示として、香味物質は、メントール、ゲラニオール、リナロール、アネトール、オイゲノールのようなアルコール類化合物でもある。また、香味物質は、バニリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒドのようなアルデヒド類化合物でもある。また、香味物質は、酢酸イソアミル、酢酸リナリル、プロピオン酸イソアミル、酪酸リナリルのようなエステル類化合物でもある。望ましくは、香味物質は、メントールでもある。
【0049】
シェル12は、第2タバコ混合物を含む。第2タバコ混合物は、第2タバコ粒子を含む。第2タバコ粒子については、前述した第1タバコ粒子についての説明が同一または類似して適用されうる。
【0050】
第2タバコ混合物は、例えば、第2タバコ粒子を含むタバコペーストでもある。第2タバコ混合物は、水及び/またはエタノールのような溶媒を使用して形成されることにより適切な粘度を有することができる。溶媒が除去された後にも、第2タバコ混合物は、水分を有しうる。第2タバコ混合物が製造される過程に係わる詳細な内容は後述する。
【0051】
一実施例によるタバコ物質10は、エアロゾル生成物品のフィルタに適用され、喫煙序盤と喫煙後半に互いに異なる香味をユーザに提供することができる。喫煙中に約40℃以上のエアロゾルが持続的にフィルタに伝達されれば、フィルタに含まれたタバコ物質10のシェル12には、微細な穴が形成される。これにより、コア11が含む香味物質がコア11から漏れてユーザに伝達されうる。すなわち、タバコ物質10のコア11に含まれた香味物質が、コア11を取り囲んでいるシェル12によって遮断されて喫煙序盤には、移行されないが、コア11に含まれた香味物質は、喫煙後半にシェル12に形成された微細な穴を通じて移行されることで、喫煙序盤と喫煙後半に互いに異なる香味をユーザに提供することができる。
【0052】
一般的に、従来の揮発性の強い香味物質(例えば、メントール)を含むエアロゾル生成物品の場合、喫煙序盤に含有された香味物質のほとんどが移行され、これにより、喫煙後半には、移行率が急減する傾向を有する。一方、実施例によれば、シェル12の厚さ、粘度及び粗さなどの物性を調節することで、コア11に含有された香味物質の伝達時期、移行率及び伝達率などを適切に調節することができる効果を有する。
【0053】
ここで、全体喫煙時間において、時間的に初期に該当する部分、例えば、喫煙時間のほぼ前半部に該当する時間的長さが「喫煙序盤」に該当し、喫煙時間の残りの時間的長さが「喫煙後半」に該当する。
【0054】
シェル12は、5.0~10.0の表面粗さ(Ra)を有しうる。たとえ
図1に図示されたタバコ物質10が全体として球形であっても、シェル12のタバコ物質10は、一定の形状を有さない非定形形状(すなわち、粒子の形態が均一ではない)を有し、比較的高い表面粗さを有しうる。後述するように、一実施例によるタバコ物質10は、エアロゾル生成物品内のフィルタのアセテート繊維の間に埋め込まれる形態に配置されうる。ここで、シェル12の表面粗さは、アセテート繊維の間に埋め込まれるタバコ物質10の総量に係わる。シェル12の表面粗さが5.0未満である場合、低い表面摩擦力を有するので、アセテート繊維の間でタバコ物質10の位置が固定され難く、多量のタバコ物質10をフィルタ内に適用し難い。シェル12の表面粗さが10.0を超過する場合、過度に高い表面摩擦力によって多量のタバコ物質10をアセテート繊維の間に位置させる場合、アセテート繊維が破損されうる。
【0055】
タバコ物質10は、全体として球(sphere)の形態を有しうる。コア11及びコア11の周囲に形成されるシェル12は、球状を有しうが、それに制限されるものではない。前述したようにシェル12は、多少粗い表面が形成されうる。
【0056】
第1タバコ混合物は、第1タバコ混合物の総重量を基準に香味物質を約90重量%以上含みうる。すなわち、第1タバコ混合物に含まれた香味物質の重量は、第1タバコ混合物の総重量の約90%以上でもある。第1タバコ混合物が香味物質を約90重量%以上含む場合、コア11から放出される香味物質の香味が他成分によって希釈されず、完全に提供されうる。また、香味物質以外の他の物質が過量添加される場合、香味物質の揮発性が減少して香味の伝達が円滑になされない。香味物質の伝達を向上させる側面で第1タバコ混合物は、第1タバコ混合物の香味物質を約95重量%以上含みうる。
【0057】
コア11は、約0.5~0.7g/ccの比重(density)を有しうる。望ましくは、コア11は、約0.55~0.65g/ccの比重を有しうる。
【0058】
図1を参照すれば、コア11は、約30~50メッシュ(mesh)の大きさを有し、タバコ物質10は、約18~25メッシュの大きさを有しうる。すなわち、コア11は、約0.297~0.595mmの直径d1を有し、タバコ物質10は、約0.7~1mmの直径d2を有しうる。コア11及びタバコ物質10が前記サイズ範囲を有する場合、喫煙後半にシェル12に微細な穴が形成され始めて喫煙後半の香が均一に放出されうる。
【0059】
タバコ物質10が、約18メッシュ未満の大きさを有する場合(すなわち、約1mm超の直径d2を有する場合)、厚いシェル12によってシェル12に微細な穴が形成され難く、喫煙後半の香味物質の放出が困難である。タバコ物質10が、約25メッシュ超の大きさを有する場合(すなわち、約0.7mm未満の直径d2を有する場合)、薄いシェル12によって過度に早く香味が放出されうる。
【0060】
また、コア11が、約30メッシュ未満の大きさを有する場合(すなわち、約0.595mm超の直径d1を有する場合)、経時的に香味の移行量が漸増してしまう。その結果、吸煙中に均一な香味を提供することができない。コア11が、約50メッシュ超の大きさを有する場合(すなわち、約0.297mm未満の直径d2を有する場合)、タバコ物質10内の香味物質の含量が非常に少ないため、喫煙が進められるにつれ、香味の移行量が急減しうる。
【0061】
タバコ物質10は、約90%以上の硬度を有しうる。具体的に、タバコ物質100は、約95%~99.9%の硬度を有しうる。「タバコ物質の硬度」は、弾性及び復元度に係わる物性であって、タバコ物質10に対して垂直方向に加えられる圧力に抵抗する程度を意味する。「タバコ物質の硬度」は、硬度測定器を用いて測定され、下記計算式によって計算される。
【0062】
硬度(%)=[D-a]/D*100
【0063】
(D:タバコ物質の直径、a:300gの錘によってタバコ物質が押し付けられる距離(mm))
【0064】
タバコ物質10が、約90%未満の硬度を有する場合、タバコ物質10を含むフィルタの製造過程でタバコ物質10の形態が保持されずに崩れたり、シェル12が破損されたりしてコア11が外部に露出されうる。また、コア11内部の香味物質が喫煙序盤から移行され始め、喫煙後半には他の香味を提供できなくなりうる。
【0065】
タバコ物質10は、タバコ物質10の総重量を基準に、水分を約5.0重量%~8.0重量%含みうる。タバコ物質10に含まれた水分は、喫煙中に加えられる熱を吸収することで、シェル12に微細な穴を形成するのに寄与する。タバコ物質10がタバコ物質10の総重量を基準に水分を約5.0重量%未満含む場合、シェル12に微細な穴が十分に形成されず、コア11の香味物質の移行量が減少しうる。タバコ物質10がタバコ物質10の総重量を基準に水分を約8.0重量%超過して含む場合、過度に多い水分含量によってタバコ物質10が形状を保持することができないか、喫煙序盤にシェル12に過度に多い穴が形成されうる。その結果、香味物質が過度に早く移行され始めうる。
【0066】
コア11は、コア11の総重量を基準に、約8.0重量%~15.0重量%の水分を有しうる。コア11が前述した数値範囲の水分を含むことで、コア11は、香保有性及び香発現性のうち少なくとも1つが向上しうる。また、コア11の水分含量がシェル12の水分含量より高いことから、タバコ物質10は、硬度、香保有性、及び香発現性が優れている。
【0067】
タバコ物質10は、約0.6g/cc以上の比重(density)を有しうる。望ましくは、タバコ物質10は、約0.7g/cc以上の比重を有しうる。
【0068】
前述したタバコ物質10を含むフィルタを提供する。
【0069】
図2Aは、一実施例によるタバコ物質10を含むフィルタ240fを概略的に示す図面である。
【0070】
図2Aを参照すれば、一実施例によるフィルタ240fは、複数のタバコ物質10がフィルタ要素間に埋め込まれる形態に配置されうる。フィルタ要素は、酢酸セルロースフィルタでもある。酢酸セルロースフィルタは、複数の酢酸セルロース繊維ストランドの集合である繊維束を含みうる。すなわち、一実施例によるフィルタ240fに含まれる複数のタバコ物質10は、複数の酢酸セルロース繊維の間に埋め込まれうる。
【0071】
フィルタ要素の形状は、制限されない。例えば、フィルタ要素は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタ要素は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタ要素が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状にも作製されうる。
【0072】
図2Bは、他の実施例によるタバコ物質10を含むフィルタ240fを概略的に示す図面である。
【0073】
図2Bを参照すれば、フィルタ240fは、第1フィルタ部241、香味部242及び第2フィルタ部243を含みうる。具体的に、第1フィルタ部241、香味部242及び第2フィルタ部243は、それぞれ第1フィルタ要素、タバコ物質10及び第2フィルタ要素を含みうる。第1フィルタ部241、香味部242、第2フィルタ部243は、フィルタ240fの長手方向を基準に順次に整列されうる。ここで、フィルタ240fの長手方向は、フィルタ240fの長さが延びる方向でもある。
【0074】
第1フィルタ部241及び第2フィルタ部243に含まれた第1フィルタ要素及び第2フィルタ要素は、互いに同一であるか、互いに異なってもいる。第1フィルタ要素及び第2フィルタ要素は、
図2Aについて前述したフィルタ要素に関する事項が同一に適用されうる。
【0075】
香味部242は、第1フィルタ部241及び第2フィルタ部243の間に位置しうる。香味部242は、中空を有するチューブ状フィルタ要素を含み、複数のタバコ物質10が中空状に配列されうる。
【0076】
あるいは、香味部242は、フィルタ要素なしにタバコ物質10を含みうる。ここで、香味部242は、内部に複数のタバコ物質10を含み、フィルタ240fのラッパによって取り囲まれうる。
【0077】
図2A及び
図2Bによるフィルタ240fは、喫煙中にユーザに移行される高温のエアロゾルによってフィルタ240fに含まれたタバコ物質10のシェル12に微細な穴が形成され、コア11が含む香味物質がユーザに伝達されうる。すなわち、フィルタ240fは、タバコ物質10のコア11に含まれた香味物質がコア11を取り囲んでいるシェル12によって遮断されて喫煙序盤に移行されない。これにより、喫煙後半にシェル12に形成された微細な穴によって香味物質が移行されて喫煙序盤と喫煙後半に互いに異なる香味をユーザに提供することができる。
【0078】
図3Aは、一実施例によるエアロゾル生成物品200の一例を示す図面である。一実施例によるエアロゾル生成物品200は、前述したタバコ物質10を含むフィルタ240fを含みうる。エアロゾル生成物品200は、加熱時に燃焼なしにエアロゾルを生成することができる。
【0079】
図3Aを参照すれば、エアロゾル生成物品200は、第1部分210、第2部分220、第3部分230、及び第4部分240を含みうる。具体的に、第1部分210、第2部分220、第3部分230、及び第4部分240は、それぞれエアロゾル生成要素、タバコ要素、冷却要素、及びフィルタ要素を含みうる。一例として、第1部分210は、エアロゾル生成物質を含み、第2部分220は、タバコ物質及び保湿剤を含み、第3部分230は、第1部分210及び第2部分220を通過する気流を冷却させ、第4部分240は、フィルタ物質を含みうる。第4部分240は、前述したタバコ物質10を含むフィルタ240fでもある。
【0080】
図3Aを参照すれば、第1部分210、第2部分220、第3部分230、及び第4部分240は、エアロゾル生成物品200の長手方向を基準に順次に整列されうる。ここで、エアロゾル生成物品200の長手方向は、エアロゾル生成物品200の長さが延びる方向でもある。例えば、エアロゾル生成物品200の長手方向は、第1部分210から第4部分240に向かう方向でもある。これにより、第1部分210及び第2部分220のうち少なくとも1つで発生するエアロゾルが第3部分230、及び第4部分240を順に通過し、れにより、喫煙者は、第4部分240からエアロゾルを吸い込むことができる。
【0081】
第1部分210は、エアロゾル生成要素を含みうる。また、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含みうる。また、第1部分210は、メントールまたは、保湿剤などの加香液を含みうる。ここで、エアロゾル生成要素は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含みうる。但し、本開示は、それらに限定されず、多様な種類のエアロゾル生成要素を含みうる。
【0082】
第1部分210は、エアロゾル生成要素が含浸されたエアロゾル生成基材を含みうる。エアロゾル生成基材の例としては、巻縮されたシートを含み、エアロゾル生成要素は、巻縮されたシートに含浸された状態で第1部分210に含まれうる。また、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質及び加香液は、巻縮されたシートに吸収された状態で第1部分210に含まれうる。
【0083】
巻縮されたシートは、高分子素材で構成されたシートでもある。例えば、高分子素材は、紙、酢酸セルロース(cellulose acetate)、リヨセル(lyocell)、ポリ乳酸(polylactic acid)のうち少なくとも1つを含みうる。例えば、巻縮されたシートは、高温に加熱されても、異臭が発生しない紙シートでもある。但し、それに制限されるものではない。
【0084】
第1部分210は、エアロゾル生成物品200の端部から約7mm~20mm延び、第2部分220は、第1部分210の終了地点から約7~20mm延びる。但し、本開示は、そのような数値範囲に制限されず、第1部分210または2部分220の長さは、実施例によって異なりうる。
【0085】
第2部分220は、タバコ要素を含みうる。タバコ要素は、多様な形態のタバコ物質でもある。例えば、タバコ要素は、刻みタバコ、タバコ粒子(particle)、タバコシート(sheet)、タバコビーズ(beads)、タバコ顆粒(granule)、タバコ粉末(powder)またはタバコ抽出物の形態を有しうる。また、タバコ物質は、例えば、タバコ葉、タバコ葉脈、膨化タバコ、切断した刻みタバコ、再構成タバコシートから切断された小切片、及び/または再構成タバコを含みうる。
【0086】
第3部分230は、第1部分210及び第2部分220を通過する気流を冷却させうる。第3部分230は、高分子物質または生分解性高分子物質によって製造され、冷却機能を有しうる。例えば、第3部分230は、ポリ乳酸(PLA)繊維によって作製されうるが、それに限定されない。または、第3部分230は、複数の穴が形成された酢酸セルロースフィルタによって作製されうる。しかし、第3部分230は、上述した例示に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を遂行する物質であれば、制限なしにそれに該当しうる。例えば、第3部分230は、中空を含むチューブフィルタまたは紙管でもある。
【0087】
第4部分240は、前述したタバコ物質10を含むフィルタ240fでもある。すなわち、第4部分240に含まれるフィルタは、前述したタバコ物質10を含むフィルタ240fに関する事項が同一に適用されうる。
【0088】
前述したように、第4部分240は、フィルタ要素を含みうる。例えば、第4部分240は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、第4部分240の形状には、制限がない。例えば、第4部分240は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、第4部分240は、リセス状ロッドでもある。もし、第4部分240が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状にも作製されうる。
【0089】
第4部分240は、香味が発生するように作製されうる。一例として、第4部分240に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維が第4部分240の内部に挿入されうる。
【0090】
エアロゾル生成物品200は、第1部分210ないし第4部分240のうち少なくとも一部を取り囲むラッパ250を含みうる。例えば、ラッパ250は、エアロゾル生成物品200は、第1部分210ないし第4部分240全部を取り囲みうる。ラッパ250は、エアロゾル生成物品200の最外郭に位置されうる。ラッパ250は、単一ラッパであるか、複数枚のラッパの組合わせでもある。
【0091】
図3Bは、他の実施例によるエアロゾル生成物品200の一例を示す図面である。エアロゾル生成物品は、例えば、燃焼式シガレットでもある。
【0092】
図3Bを参照すれば、エアロゾル生成物品200は、第2部分220及び第4部分240を含みうる。第2部分220は、タバコ要素を含み、第4部分240は、フィルタ要素を含みうる。第2部分220及び第4部分240については、
図3Aについて前述した説明が同一または類似して適用されうる。
【0093】
第2部分220は、タバコ要素を含み、タバコ要素は、特定形態のタバコ物質でもある。第2部分220は、ユーザによって点火されて燃焼されうる。
【0094】
第4部分240は、フィルタ要素を含みうる。また、第4部分240は、前述したタバコ物質10を含むフィルタ240fでもある。すなわち、第4部分240に含まれるフィルタは、前述したタバコ物質10を含むフィルタ240fに関する事項が同一に適用されうる。
【0095】
エアロゾル生成物品200は、第2部分210及び第4部分240のうち少なくとも一部を取り囲むラッパ250を含みうる。ラッパ250については、
図3Aについて前述した説明が同一または類似して適用されうる。
【0096】
図4は、一実施例によるタバコ物質の製造方法のフローチャートである。
図4を参照すれば、タバコ物質の製造方法は、第1段階(S110)及び第2段階(S120)を含みうる。
【0097】
第1段階(S110)は、香味物質を含む第1組成物を用いてコア11を製造する段階でもある。第1組成物は、タバコ粉末、水及び香味物質を含みうる。具体的に、第1組成物は、香味物質90%~99%v/v(volume percent)、タバコ物質0.5%~5%v/v、及び水0.5%~5%v/vを含みうる。例えば、第1組成物は、香味物質を含むタバコペーストでもある。
【0098】
第2段階(S120)は、コア11の少なくとも一部を取り囲むシェル12を形成する段階でもある。シェル12は、第2組成物を使用して形成されうる。第2組成物は、タバコ粉末約10重量%~20重量%、水約40重量%~60重量%、及びエタノール約30重量%~40重量%を含みうる。例えば、第2組成物は、タバコペーストでもある。第2組成物は、第1組成物と異なって形成されたシェルの乾燥時間を短縮し、シェルの硬度及び粗さを調節することができるエタノールを含む。また、エタノールは、タバコ物質の外部を形成するシェルの殺菌及び異臭除去効果を有する。
【0099】
第1段階(S110)及び第2段階(S120)については、下記
図5A及び
図5Bを参照してさらに詳細に説明する。
【0100】
図5Aは、一実施例によるタバコ物質の製造方法の第1段階(S110)を示す図面である。
【0101】
図5Aを参照すれば、タバコ物質の製造装置20は、流動層反応器でもある。流動層反応器は、保存部21、供給部22及びチャンバ23を含みうる。保存部21は、第1組成物A1を保存することができる。供給部22は、第1組成物A1を保存部21からチャンバ23に供給することができる。チャンバ23は、第1組成物A1がタバコ物質のコア11に形成される場所でもある。チャンバ23は、外部から空気が流入される流入口24を含みうる。
【0102】
第1段階(S110)は、第1組成物A1が保存部21から供給部22に移動させることを含みうる。これにより、第1組成物A1は、供給部22からチャンバ23に投入されうる。
【0103】
具体的に、第1段階(S110)は、約30℃~60℃の温度、及び約1.5bar以下の気圧下で流動層反応器内に第1組成物A1を噴射して第1組成物A1を成長させる段階、及び成長させた第1組成物A1からコア11を収得する段階を含みうる。
【0104】
コア11の大きさ、形状、粘度、比重及び表面粗さなどの物性は、第1段階(S110)の温度条件及び圧力条件によって決定されうる。前述した数値範囲の温度及び気圧条件を満たすとき、適切な物性を有するコア11を形成することができる。
【0105】
外部空気は、流入口24を介してチャンバ23の外部から内部に流入されうる。チャンバ23に流入された外部空気は、チャンバ23内で第1組成物A1の流れを形成し、これにより、第1組成物A1は、凝固及び凝集されることで成長してタバコ物質のコア11が形成されうる。
【0106】
図5Bは、一実施例によるタバコ物質の製造方法の第2段階(S120)を示す図面である。タバコ物質の製造装置20については、
図5Aについて前述した内容が同一または類似して適用されうる。
【0107】
図5Bを参照すれば、第2段階(S120)は、第1段階(S110)で得られたコア11をチャンバ23に位置させ、第2組成物A2は、供給部22からチャンバ23に投入されうる。
【0108】
具体的に、第2段階(S120)は、約50℃~90℃の温度、及び約1.5bar以下の気圧条件の流動層反応器内にコア11を位置させる段階、流動層反応器内に第2組成物A2を噴射し、コア11の表面に第2組成物A2をコーティングしてタバコ物質10(すなわち、第2組成物A2にコーティングされたコア11)を得る段階を含みうる。
【0109】
第2段階(S120)の温度条件及び圧力条件は、形成されるシェル12の大きさ、形状、粘度、比重及び表面粗さなどの物性が決定されうる。前述した数値範囲の温度及び気圧を満たす場合、適切な物性を有するシェル12を形成することができる。
【0110】
一実施例において、第1段階(S110)において第1組成物A1は、第2段階(S120)における第2組成物A2よりも低い温度で成長しうる。第1組成物A1は、香味物質を含むので、第2組成物A2よりも低い温度で成長することが、タバコ物質の香保有性及び香発現性を向上させるのに有利でもある。
【0111】
外部空気は、流入口24を介してチャンバ23の外部から内部に流入されうる。チャンバ23に流入された外部空気は、チャンバ23内でコア11及び第2組成物A2の流動を形成し、これにより、第2組成物A2は、コア11の表面で凝結及び凝集されてコア11の少なくとも一部を取り囲むシェル12を形成しうる。
【0112】
これにより、第1段階(S110)及び第2段階(S120)を通じてコア11及びコア11の少なくとも一部を取り囲むシェル12を含むタバコ物質10を製造することができる。実施例によるタバコ物質10の製造方法によれば、タバコ物質10を流動層反応器などの製造装置を用いた簡単な工程を通じて製造することができ、量産に好適である。
【0113】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解することができる。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本開示の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本開示に含まれるものと解釈されねばならない。
【国際調査報告】