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特表2024-512555不安障害・抑うつ障害に対する治療の有効性の診断および監視
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  • 特表-不安障害・抑うつ障害に対する治療の有効性の診断および監視 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】不安障害・抑うつ障害に対する治療の有効性の診断および監視
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240312BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240312BHJP
   G16H 50/20 20180101ALI20240312BHJP
【FI】
A61B5/00 G
A61B10/00 H
A61B5/16 120
G16H50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558339
(86)(22)【出願日】2022-03-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 IB2022052516
(87)【国際公開番号】W WO2022200966
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/164,673
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523359009
【氏名又は名称】イルリア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ILURIA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,ビルカット クリムシュテイン
(72)【発明者】
【氏名】イズラエリ,ラン
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,ハガイ
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C038PP03
4C038PS01
4C038PS03
4C038VA05
4C038VA18
4C117XB18
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE18
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE37
4C117XG05
4C117XL01
4C117XQ13
5L099AA03
5L099AA22
5L099AA25
(57)【要約】
不安症または抑うつを患う患者の生理学的マーカー測定値を取得するための方法およびシステムが提供される。生理学的マーカー測定値の数学的分析(例えば、パターン認識、機械学習、AIアルゴリズム)を使用して、個々の患者に対する固有の個人予測モデルおよびデータセットが作成される。固有の個人データセットは、不安症または抑うつに関連する個々の患者の特定の問題を診断および監視したり、過剰摂取の可能性を防止したり、不安症または抑うつに関連する個々の患者の特定の問題に対する治療を推奨したり、不安症または抑うつに関連する個々の患者の特定の問題に対する治療の結果を予測したりするために使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不安障害および抑うつ障害に対処するための方法であって、
各々が不安症または抑うつを患っている患者の生理学的マーカー測定値を取得するステップと、
不安症または抑うつ患者のクラスタを作成するために前記生理学的マーカー測定値を使用するステップであって、各々のクラスタ内での生理学的マーカーの変動が、クラスタ間の変動よりも著しく小さくなるように、前記クラスタ内の前記患者は、同様の属性および生理学的マーカー測定値を有する、ステップと、
個々の患者に固有の個人データセットを作成するために、前記患者の前記生理学的マーカー測定値間の差異を処理するステップと、
A)不安症または抑うつに関連する前記個々の患者の特定の問題を診断および監視し、B)治療効果、潜在的な過剰摂取を予測する、または不安症または抑うつに関連する前記個々の患者の特定の問題に対する治療を推奨する、または、不安症または抑うつに関連する前記個々の患者の特定の問題に対する治療の結果を予測するために、固有の個人予測モデルおよびデータセットを使用するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
差異を処理する前記ステップは、パターン認識、機械学習、またはAIアルゴリズムによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
他の患者を、前記他の患者の生理学的マーカー測定値に応じて、様々な患者のクラスタのうちの1つに割り当てるステップと、
前記他の患者の個々の患者に対する固有の個人データセットを作成するために、前記他の患者の前記生理学的マーカー測定値間の差異のパターン認識を使用するステップと、
過剰摂取の可能性を分析するために、前記生理学的マーカー測定値間の差異に関する追加の個人パターン認識モデルを使用するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記固有の個人データセットは、個人ベースラインの較正および計算をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記固有の個人データセットに基づく個人パターンを使用して治療効果の個人分析および予測を提供することを含む、継続的な治療を実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
自動機械学習およびクラスタ間の移動を使用して継続的なクラスタ較正を実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、不安障害・抑うつ障害(不安症・抑うつ)について対象者を分析する方法に関するものであり、特に、不安症・抑うつの診断、ならびに不安症・抑うつまたはその他の関連する臨床治療に対抗するために服用される薬剤の有効性、適切な用量、および具体的には様々な薬剤の組み合わせを決定する方法に関するものであるが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
不安症は、不適切な時期に現れ、短期間では消えず、通常の生活の管理を妨げる強い不安感を患者が経験する、精神疾患の1つのグループである。不安障害は、特定の刺激またはほとんどの人に不安感を引き起こさない刺激に依存しない全般性不安と、ほとんどの人にとって脅威であると思われる状態から生じるが、これらの状態の結果として誰もが不安を感じるわけではない状況不安とに分類できる。状況不安の一例は、異なる人に異なる強度で現れる「試験不安」である。
【0003】
抑うつは、自尊心の低下、楽しい活動への興味及び楽しみの喪失、不安、睡眠障害および食欲障害、気力の欠如、人生および自殺に対する様々な程度の悲観的な考え、集中力および記憶力の低下、著しい機能障害などを伴う、気分不良の広範かつ持続的なパターン(通常は数週間~数ヵ月)を特徴とする精神障害である。時には空虚感および感情の欠如として現れることもある。この一連の症状には専門的な名称が付けられ、1980年版のアメリカ精神医学会(DSM)の診断マニュアルで気分障害として記述され、分類された。
【0004】
不安症および抑うつの治療も同様であり、同様の医学的介入と様々な心理的治療の両方が含まれる。この提案された発明の焦点である薬剤を伴う介入に関しては、不安症・抑うつの両方の現在の治療には、3つの基本的な段階がある。
a.初期診断と最初の推奨される治療法の設定(例えば、薬剤の種類と用量)。
b.過剰摂取の分析と、望ましくない結果(潜在的な精神病につながる可能性のあるセロトニンの過剰摂取など)を防ぐために補足の治療の追加の可能性。この潜在的なリスクは、過度の興奮/精神病の発露を防ぐために追加の抗精神病薬を使用して薬剤の組み合わせを作成することによって軽減できる。
c.薬の有効性は、時間の経過とともに変化し、副作用(例えば、前述のセロトニンの過剰摂取および精神病)が発生する可能性があるため、継続的な治療監視が必要であり、これらの理由から、治療は、時々調整する必要がある。
【0005】
不安症および抑うつの診断および監視は、多くは主観的な様々な方法を使用して医師によって行われる。一般的に、患者、保護者、教師、学校職員などへの聞き取りが含まれる。その後、専門家は、得られたすべてのデータを組み込んで分析し、その結果に基づいて決定を下す。場合によっては、診断および監視のプロセスには、不安症・抑うつのレベルの評価またはスコアが含まれる。
【0006】
不安症・抑うつは、診断が難しい病気である。さらに、患者が診断されると、様々な薬剤の組み合わせを使用して継続的なプロセスを管理することは、完全に試行錯誤に基づき、医師のこれまでの経験および事後事象の分析に依存する。
【0007】
上記に加え、診断段階と監視段階は両方とも、異なる患者クラスタに関連しない。現在、不安症・抑うつの患者は、年齢および体重のクラスを除いて、各々のクラスタ内で同様の背景および生理学的特性をもつクラスタにグループ化されない。その結果、最初の薬剤の割り当ておよび継続的な調整は、他の追加の関連属性をもたず、患者の年齢および体重のみに基づいて行われ、医師のこれまでの経験に基づいた散発的な予備較正が行われる。
【0008】
したがって、不安症・抑うつの診断を決定し、継続的な監視および薬剤の有効性、適切な摂取量、不安症・抑うつおよびその他の臨床治療を監視しそれに対抗するための過剰摂取を検出するための、受動的で客観的で安価で信頼性の高い技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、継続的な不安症・抑うつの診断を下し、監視し、異なる薬剤の組み合わせの必要性を予測し、過少/過剰摂取を防止するための、様々な生理学的マーカーの変化を分析する方法および追跡・評価アルゴリズムシステムを提供することを目的とする。この方法およびシステムは、A)不安症・抑うつ患者クラスタの所定のグループのうちの1つに患者を割り当てことと、B)不安症・抑うつの症状を予防するための医療効果のパーソナライズされた分析と、C)過剰摂取を防ぎ、(つまり、セロトニンのオーバーフローによる過度の興奮/精神病の発露を防ぐために)複数の薬剤を組み合わせる必要性を分析することとを含む。主観的な入力と自己報告を使用する現在の試行錯誤の軽減プロセスとは異なり、我々の新しいアプローチを使用すると、これら3つのプロセスは、一連の生理学的マーカーの変化の客観的な数学的分析を使用して実行される。数学的分析は、不安症・抑うつの分析用に指定された、訓練済の機械学習ベースの検索パターンを使用して行われ、その後、患者のグループごとに個人的に較正される。
【0010】
従来技術とは対照的に、生理学的マーカー測定値は、不安症または抑うつのレベルを下げる治療成功の確率と、潜在的な過剰摂取を防ぐために並行して追加の薬剤が必要になる確率を定義するために使用され、これらすべては、生理学的マーカーの組み合わせを分析することによるものである。このプロセスには、1)事前に決定された患者の個人グループを定義することと、B)過少摂取と過剰摂取の両方の状況を分析するために、患者ごとに個人プロファイル、ベースライン、および予測パターンを作成することが含まれる。各々のクラスタ内の患者は、同様の属性(例えば、性別、年齢、併存疾患)と同様の生理学的マーカー測定値を有するため、各々のクラスタ内でのバイオマーカーの変動は、クラスタ間の変動よりも大幅に小さくなる。
【0011】
革新的な方法には、以下が含まれる。
患者クラスタへの割り当て:過少/過剰摂取に関する特定の治療の成功ごとの患者クラスタに基づいた分析を提供する。
継続的な治療効果分析:各々のクラスタに割り当てられた一般的モデルを較正して、固有の治療効果の個人モデルを作成する。これは、機械学習と深層学習技術を使用して行われる。
過剰摂取の監視:別の機械学習ベースの個人モデルを作成し、生理学的マーカーの変化を分析することで、潜在的な過剰摂取と単一種類の薬剤または複数の薬剤の組み合わせの必要性を予測する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され評価されるであろう。
【0013】
図1図1は、データフローの概念、つまり、(スマートウェアラブルデバイスを使用して)生理学的データを取得し、機械学習ベースのエンジンでデータを分析し、様々な関係者に様々な分析レポートを割り当てることを示している。
図2図2は、治療の有無にかかわらず、定量化された継続的な監視を示している。
図3図3は、機械学習ベースの検索パターンの組み合わせから生成されたデータのクラスタ化を使用した(過度の興奮/精神病の閾値を超えることを避けるための)任意選択の投与に関する集計された定量化データを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述したように、従来技術とは対照的に、本発明は、バイオマーカー測定値の数学的分析を使用して、継続的なパターンの有効性、患者のクラスタを定義し、各々の患者に対して、過少摂取と過剰摂取の両方についての個人プロファイル、ベースライン、および予測パターンを作成する。固有の個人モデルは、不安症・抑うつを評価する出力を提供するために、患者ごとに特別に割り当てられた機械学習技術および深層学習技術によって較正される。
【0015】
個人的な方法には次の手順が含まれ得る。
A:クラスタの割り当て:
・患者の測定されたバイオマーカーデータを使用して、医師が使用する臨床不安症・抑うつ診断ツールの予測モデルの組み合わせを構築する。このステップでは、臨床診断プロセス中に測定されたバイオマーカーデータが使用され、パターン認識、機械学習、およびAIアルゴリズムが多数使用される。
・パターン認識、機械学習、およびAIアルゴリズムを使用して、外的特徴(例えば、性別、年齢、併存疾患)と内的特徴(バイオマーカーデータ)に基づいて患者をクラスタ化し、各々のクラスタの予測モデルを修正する。
B:個人のベースライン較正と医療効果の継続的な監視:
・パターン認識、機械学習、およびAIアルゴリズムを使用して、モデルの特徴(例えば、生理学的マーカーの重み付け、および/または特定の生理学的特徴の重要性の選択)を較正し、そのクラスタの関連付けと、外的特徴および内的特徴のその固有の組み合わせとに基づいて、予測モデルを各々の個人に合わせて調整する。
・訓練済のパーソナライズされた予測モデルを使用して、不安症・抑うつの治療に対する患者の反応を自動的かつ受動的に監視する。
C:過剰摂取の防止:
指定されたモデルの別の層を使用して、システムが患者を監視し、過剰摂取および潜在的な躁状態のバーストを防ぐ。
D:継続的な較正:
予測モデルは、患者ごとに測定されたより多くのバイオマーカーデータによって自動的に更新および改善される(継続学習)。
【0016】
この方法では、CBT、栄養、様々な行動療法など、不安症・抑うつ患者に対する他の治療選択肢の客観的な影響も評価する。
【0017】
この方法の出力は、個人の機械学習に基づく予測モデルと、効果的な治療の有無にかかわらず個人の個人ベースラインとを実証することによって達成される。この出力は、治療の成功に関する医師の評価をサポートし、有利な治療修正の可能性を推奨する追加の継続的な分析を提供する。
【0018】
この方法では、パターン認識、機械学習、AIアルゴリズム、およびその他の技術が使用される。これは、生理学的マーカー測定値(後述)および外的情報(例えば、性別、年齢など)に基づいている。予測モデルは、すべてのサンプルの収集に基づいて設計され、次に患者の各々のクラスタ内で修正され、その後、治療分析と過剰摂取予測用に分離されたモデルを使用して、すべての患者の特定の個人パターンに一致するようにさらに修正される。最終的には、個々の患者は、固有のパーソナライズされた予測モデルによって特徴付けられる。
【0019】
以下は、本発明の方法およびシステムの非限定的な一実施形態の説明である。
【0020】
まず、以下のバイオマーカー測定値の組み合わせが、ウェアラブルデバイスなどのデバイスによって自動的に収集および記録され得る。
【0021】
その後、生理学的マーカーと属性を使用して、患者を事前定義されたクラスタに割り当てることができる。例えば、患者の属性(例えば、少女、15歳、アフリカ系アメリカ人、出生障害がある)とともに、最初の継続的な生理学的マーカー測定値を使用して、患者を指定されたクラスタに割り当てることができる。この方法は、特定の数のクラスタで開始することができ、並行して、継続的なクラスタの較正と新しいクラスタの追加を行うことができる。
【0022】
クラスタ化および予測モデルの構築方法は、線形モデル(例えば、フィッシャー判別分析および線形判別分析)および非線形モデル(例えば、ニューラルネットワーク分類子およびランダムフォレスト)を含むモデルの組み合わせに基づくことができる。より多くの患者のデータが利用可能になるたびに、モデルの組み合わせを調整し、常に再訓練することができる。
【0023】
この方法には、医師の診断と並行して生理学的マーカーを測定することも含まれ得る。例えば、測定は、臨床評価と共に実行され、生理学的マーカーと不安症・抑うつのスコアを関連付けることができる。
【0024】
この方法には、個人の較正モデルの計算も含まれ得る。この方法は、ベースラインおよび継続的な予測モデルを設定するために個人の計算モデルを割り当てることができる。
【0025】
この方法には、パーソナライズされた生理学的マーカーの重み付けおよび有意水準を設定することも含まれ得る。例えば、これらには、非線形モデルを評価しながら特定の特徴の重要性を重み付けおよび/または選択する個人の生理学的マーカーが含まれ得る。
【0026】
この方法には、継続的な治療の監視および/または不安症・抑うつの予備診断の両方も含まれ得る。これには、個人の予測パターンを利用し、機械学習ベースのプロセスを使用して、継続的な分析と過剰摂取の予測を実行することが含まれ得る。
【0027】
この方法には、継続的なクラスタの較正とクラスタ間の移動も含まれ得る。例えば、患者をクラスタ間で移動すべきかどうかを決定するために継続的に患者を評価することができる(例えば、年齢層を7~10歳から11~14歳に変更)、または新しいクラスタまたはサブクラスタの継続的な作成を行うことができる。
【0028】
個人プロセス-個人モデリングの重要性:
個人モデリングの重要性は、各々の患者の固有の生理学的属性に組み込まれている。生理学的マーカーの変化を数学的に分析することには、各々の患者ごとの個人モデリングとモデルの較正が含まれる。このようなプロセスには、治療のオン/オフの場合(つまり、ギャップのオン/オフの治療の場合と全体的な治療の重要性および有効性との間のギャップ)を最もよく区別する、最適な機械学習ベースの検索パターンを割り当てることが含まれる。このような個人の方法には、既製の検索パターン、複数のパターンの組み合わせ、または指定された機械学習ベースのモデルが含まれ得る。
【0029】
技術的プロセス:
生理学的マーカーの測定値はすべて、ウェアラブルデバイスによって自動的に収集および記録される。データは、集中ハブに変換され得る。データは、後でダウンロードするためにウェアラブルデバイスのメモリ内に保存され得る。その後、データは、デジタルデータリポジトリ(クラウドなど)に送信またはアップロードされ、機械学習および深層学習技術を実装することによって分析され得る。
【0030】
システム出力は、処理された分析を医療指標および状態レポートに変換したものであり、医療ウェブアプリケーションを通じて医師に提供され、モバイルアプリケーションを通じて個人(患者、子供、親など)に提供される。
【0031】
分析は、個人のスマートフォン(または他の通信デバイス)に、またはリアルタイムデータ送信用の送信アドオン専用ユニットを介して、シームレスに転送される。
【0032】
ウェブアプリケーションは、不安症・抑うつの継続的な診断および監視を含む分析結果を医師に提供し、これには、効果的な治療の指標、投与の有効性、実際の効果の持続期間、長期的なパターンと傾向、およびその他の臨床的側面(例えば、他の臨床治療の有効性、および睡眠の質への影響)、推奨される治療変更に関する予測、患者の薬剤使用レベル、アドヒアランス、および全体的な治療効果のスナップショットが含まれ得る。したがって、この方法は、実際の患者の臨床パターンおよび行動パターンに関するビッグデータの洞察を医療専門家に提供する。
【0033】
また、この方法は、患者のクラスタ化分析を使用して、深層学習ベースの推奨事項(例えば、初期治療プロセスで各々のクラスタに割り当てられる推奨薬剤の予備的な種類)を提供し得る。
【0034】
このアプリケーションは、1日当たりのおよび1日の中の両方での投薬期間または有効性を明確に表示し、不安症・抑うつの症状レベルの予測を使用して、個人の活動の準備とより適切な管理を支援する。
【0035】
システムの要素/構成要素:
この方法を実装するシステムは、ユーザフレンドリーなウェアラブルデバイスを含み得るIoTプラットフォームである。ウェアラブルデバイスは、上記の表に記載されたすべてのバイオマーカー用のセンサを含むセンサハブ、ユーザインターフェース(例えば、インターフェースのグラフィックス、音声、および振動方法を含む)、およびソフトウェアアプリケーションを含むことができるが、これらに限定されない。例えば、アプリケーションは、関連するサービスおよびプロセスを操作して、センサを読み取り、分析を実行し、ユーザインターフェースを介してリアルタイムのフィードバックをユーザに送信することができるが、これに限定されない。このソフトウェアアプリケーションは、デバイス内のセンサから測定されたデータを更新するために、リアルタイムまたは定期的にクラウドベースのソフトウェアと通信することもできる。
【0036】
このシステムには、センサデータを集約して分析し、関連するアルゴリズムを更新し、ダッシュボードに出力を生成して関係者に報告する、クラウドベースのSWツールまたはその他のデータリポジトリがさらに含まれ得る。
【0037】
このシステムは、医療専門家向けのウェブアプリケーションインターフェースをさらに含むことができ、これは、不安症・抑うつの診断、薬剤と投与の有効性の表示、推奨される治療変更の予測、アドヒアランス、および全体的な治療効果のスナップショットに関する出力を提供する。
【0038】
このシステムはさらに、ユーザ(不安症・抑うつを有する個人および関係者(例えば、親))に対して、投薬サイクルの影響および段階的中止のタイミング、ならびに不安症・抑うつの個人的パターンの予測を含む、個人の不安症・抑うつの状態に関するリアルタイムのビューを一日中提供するモバイルアプリケーションインターフェースを含むことができる。
【0039】
本方法の出力および個人分析の重要性の例
本発明の方法の試験は、その有効性を実証し、医師によって示されるように、実証された臨床結果と有意に相関する出力をもたらした。
【0040】
次のセクションは、バイオマーカーを使用した個人的な継続的な分析の例を提供する。
【0041】
例:出力サンプル
例1-過剰摂取の緩和(図3に示す):プリズマ(フルオキセチン)で治療され、その後、プリズマ+アリプライの併用に切り替えられた小児の例-分類出力は、医師の臨床観察(プリズマ:過剰摂取、プリズマ+アリプライ:効果的な治療)に沿った2つの薬剤混合による過剰摂取分析を明確に示している。この分類は、複数の生理学的マーカー測定値の組み合わせと、この特定の患者に対する各々のマーカーの重要性を決定するパーソナライズされた計算式に基づいている。
図1
図2
図3
【国際調査報告】