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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】省電力のためのSINR測定技術
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20240312BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20240312BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20240312BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20240312BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W72/23
H04W52/02
H04W88/02 151
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558373
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2022021292
(87)【国際公開番号】W WO2022204104
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/166,815
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/166,821
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リー,ホワ
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ムオン
(72)【発明者】
【氏名】チェルヴャコフ,アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ホワーン,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ボロティン,イリヤ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067DD11
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH25
5K067LL11
(57)【要約】
ユーザ機器(UE)における省電力化のための装置及びシステムが記載される。UEは、無線リンクモニタリング(RLM)信号の信号対干渉プラスノイズ(SINR)を用いて、基地局へのフィードバックと同様に、RLM信号の測定の頻度が減少する緩和状態に入る又は出るかを決定する。RLM緩和状態は、所定の時間ウィンドウにわたるRLM信号の平均SINRに依存する。代替的には、RLM緩和状態は、RLM同期のためのSINRしきい値を使用する又は所定の最大SINR変動を使用するSINRの累積分布関数(CDF)曲線から導出されるSINR変動範囲を含むSINRしきい値に依存する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)用の装置であって、前記装置は:
前記UEを:
第5世代NodeB(gNB)から、無線リンク測定(RLM)信号を受信し;
前記RLM信号の信号対干渉プラスノイズ(SINR)を決定するために前記RLM信号の測定を行い;
前記RLM信号の前記SINRに基づいて、前記UEのRLM緩和状態に入るか又はRLM緩和状態から出るかを所定のRLM緩和しきい値に基づいて決定し;
前記RLM緩和状態を変更する決定に応じて、前記RLM緩和状態に依存する前記gNBからの追加のRLM信号の測定の頻度を調整する;
ように構成する処理回路と;
前記RLM緩和状態を格納するように構成されたメモリと;を有する、
装置。
【請求項2】
前記処理回路は、前記UEを、所定の時間ウィンドウにわたる前記RLM信号の測定に基づいて、前記UEが前記緩和状態に入る又は前記緩和状態から出るために緩和基準が満たされているかどうかを決定するように構成する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理回路は、前記UEを、時間にわたる前記RLM信号の前記SINRの変動に基づいて前記所定の時間ウィンドウを調整するように構成する、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記RLM信号は、シグナリングシステムブロック(SSB)信号又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)を含む、
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記所定の時間ウィンドウは、前記RLM信号の整数数に前記RLM信号の周期を乗じたものである、
請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記処理回路は、前記UEを、前記RLM信号の各々から直接瞬間SINR値を導出するように構成する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記処理回路は、前記UEを:
前記RLM信号の各々からブロックエラーレート(BLER)を計算し;
前記RLM信号の各々の瞬間SINR値を導出するためにBLER-SINRマッピングテーブルを使用する;
ように構成する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記処理回路は、前記UEを:
前記RLM信号の各々から瞬間SINR値を導出し;
前記UEの前記RLM緩和状態を変更するかどうかを決定するために前記瞬間SINR値を平均する;
ように構成する、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記処理回路は、前記UEを:
平均信号レベルを得るために、前記RLM信号の各々の信号レベルを平均化し;
平均ノイズレベルを得るために、前記RLM信号の各々のノイズレベルを平均化し;
平均SINRを得るために、前記平均信号レベルと前記平均ノイズレベルを使用し;
前記UEの前記RLM緩和状態を変更するかどうかを決定するために、前記平均SINRを使用する;
ように構成する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記処理回路は、前記UEを:
前記RLM信号のSINRの変化を決定し;
前記SINRの変化をSINRしきい値と比較し;
前記RLM信号の前記SINRが低変動状態かどうかを決定し;
前記UEの前記RLM緩和状態を低変動状態にある前記RLM信号の前記SINRに変更するかどうかの決定に制限する;
ように構成する、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記処理回路は、前記UEを、前記緩和状態に入る又は前記緩和状態に留まることを決定するために前記RLM信号の前記SINRを固定しきい値と比較するように構成し、前記固定しきい値は、RLM同期外れについてのSINRしきい値と、所定の最大SINR変動を用いてSINRの累積分布関数(CDF)曲線から導出されるSINR変動範囲とを含む、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記処理回路は、前記UEを、RLM及びビーム故障検出(BFD)のための異なる緩和に入る及び出る基準を使用するように構成する、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記処理回路は、前記UEを、前記緩和状態に入るためのSINRしきい値とSINR変動範囲を加算した値及び前記緩和状態から出るための前記SINRしきい値から前記SINR変動範囲を差し引いた値を使用するように構成し、前記SINR変動範囲は、RLM同期のためのSINRしきい値を含む、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
第5世代NodeB(gNB)用の装置であって、前記装置は:
処理回路であって、前記gNBを:
シグナリングシステムブロック(SSB)信号又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)の少なくとも1つを含む無線リンク測定(RLM)信号をユーザ機器(UE)に送信し;
前記UEから、前記RLM信号に基づくフィードバックを受信し、前記フィードバックの受信の頻度は前記UEがRLM緩和状態にあるかどうかに依存し、前記RLM緩和状態は、所定の時間ウィンドウにわたる前記RLM信号の平均信号対干渉プラスノイズ(SINR)又はRLM同期のSINRしきい値を有するSINR変動範囲を含むSINRしきい値の少なくとも1つに依存するRLM緩和しきい値を有する:
ように構成する処理回路と;
前記フィードバックを格納するように構成されたメモリと;を有する、
装置。
【請求項15】
前記平均SINRの決定は:
前記RLM信号の各々から直接決定される瞬間SINR値、又は
前記RLM信号の各々のブロックエラーレート(BLER)決定後のBLER-SINRマッピングテーブル、
の少なくとも1つに基づく、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
ユーザ機器(UE)の1つ以上のプロセッサによる実行のための命令を格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つ以上のプロセッサは、前記UEを、前記命令が実行されるときに:
第5世代NodeB(gNB)から無線リンク測定(RLM)信号を受信し;
前記RLM信号の信号対干渉プラスノイズ(SINR)を決定するために前記RLM信号の測定を行い;
前記RLM信号の前記SINRに基づいて、RLM緩和状態に入るか又はRLM緩和状態から出るかを所定のRLM緩和しきい値に基づいて決定し;
前記RLM緩和状態を変更する決定に応じて、前記RLM緩和状態に依存する前記gNBからの追加のRLM信号の測定の頻度を調整する;
ように構成する、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサは、前記UEを、前記命令が実行されるときに、所定の時間ウィンドウにわたる前記RLM信号の測定に基づいて、前記UEが前記緩和状態に入る又は前記緩和状態に留まるために緩和基準が満たされているかどうかを決定するように構成し、
前記RLM信号は、シグナリングシステムブロック(SSB)又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)を含む、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、前記UEを、前記命令が実行されるときに、RLM及びビーム故障検出(BFD)のための異なる緩和に入る及び出る基準を使用するように構成する、
請求項16又は17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサは、前記UEを、前記命令が実行されるときに、前記緩和状態に入る又は前記緩和状態にとどまるかを決定するために前記RLM信号の前記SINRを固定しきい値と比較するように構成し、前記固定しきい値は、RLM同期外れについてのSINRしきい値と、所定の最大SINR変動を使用するSINRの累積分布関数(CDF)曲線から導出されるSINR変動範囲とを含む、
請求項16乃至18のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記1つ以上のプロセッサは、前記UEを、前記命令が実行されるときに、前記緩和状態に入るためのSINRしきい値とSINR変動範囲を加算した値及び前記緩和状態から出るための前記SINRしきい値から前記SINR変動範囲を差し引いた値を使用するように構成し、前記SINR変動範囲は、RLM同期のためのSINRしきい値を含む、
請求項16乃至19のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2021年3月26日に出願された米国仮特許出願第63/166,815号及び2021年3月26日に出願された米国仮特許出願第63/166,821号に対する優先権の利益を主張しており、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
実施形態は、新無線(new radio)(NR)無線通信に関する。いくつかの実施形態は、NR無線通信ネットワークにおける無線リンクモニタリング(Radio Link Monitoring)(RLM)に関する。特に、いくつかの実施形態は、RLMに基づくUE省電力に関する。
【背景技術】
【0003】
第5世代(5G)ネットワークを含み、特に第6世代(6G)ネットワークを含み始めているNR無線システムの使用と複雑さは、ネットワークリソースを使用するデバイスUEの種類の増加と、これらのUE上で動作するビデオストリーミングのような様々なアプリケーションによって使用されるデータ量と帯域幅の両方によって増加している。通信デバイスの数と多様性の大幅な増加に伴い、ルータ、スイッチ、ブリッジ、ゲートウェイ、ファイアウォール、及びロードバランサーを含む対応するネットワーク環境は、ますます複雑になっている。予想通り、新しい技術の出現には多くの問題がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面では、必ずしも縮尺に合わせて描かれているわけではなく、同様の数字は、異なる図で同様のコンポーネントを表すことがある。異なる文字サフィックスを持つ同様の数字は、同様のコンポーネントの異なるインスタンスを表すことがある。図は、本文書で議論されている様々な実施形態を、限定ではなく、例として一般的に示している。
【0005】
図1A】いくつかの態様による、ネットワークのアーキテクチャを示す。
【0006】
図1B】いくつかの態様による、非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示す。
【0007】
図1C】いくつかの態様による、非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示す。
【0008】
図2】いくつかの実施形態による、通信デバイスのブロック図を示す。
【0009】
図3】いくつかの態様による、シミュレートされた信号対干渉プラスノイズ(SINR)対時間のプロットを示す。
【0010】
図4】いくつかの態様による、累積分布関数(CDF)対SINR変動のプロットを示す。
【0011】
図5】いくつかの態様による、緩和を伴うSINR対時間のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明及び図面は、当業者がそれらを実施することを可能にする特定の実施形態を十分に説明する。他の実施形態は、構造的、論理的、電気的、プロセス、及び他の変更を組み込むことができる。いくつかの実施形態の部分及び特徴は、他の実施形態の部分及び特徴に含まれてもよく、又は他の実施形態の部分及び特徴に置き換えられてもよい。特許請求の範囲に記載された実施形態は、これらの特許請求の範囲の利用可能なすべての均等物を包含する。
【0013】
図1Aは、いくつかの態様によるネットワークのアーキテクチャを示す。ネットワーク140Aは、3GPP(登録商標) LTE/4G及び6G機能に拡張可能され得るNGネットワーク機能を含む。したがって、5Gと呼ぶが、これは6Gの構造、システム及び機能に拡張可能なものとして理解されるべきである。ネットワーク機能は、専用ハードウェア上の個別のネットワーク要素として、専用ハードウェア上で実行されるソフトウェアインスタンスとして、及び/又は適切なプラットフォーム、例えば専用ハードウェア又はクラウドインフラストラクチャ上でインスタンス化された仮想化機能として実装することができる。
【0014】
ネットワーク140Aは、ユーザ機器(UE)101及びUE102を含むことが示されている。UE101及び102は、スマートフォン(例えば、1つ以上のセルラーネットワークに接続可能なハンドヘルドタッチスクリーンモバイルコンピューティングデバイス)として図示されているが、ポータブル(ラップトップ)又はデスクトップコンピュータ、無線ハンドセット、ドローン、又は、有線及び/又は無線通信インターフェースを含む他の任意のコンピューティングデバイスなどの任意のモバイル又は非モバイルコンピューティングデバイスを含み得る。UE101及び102は、本明細書で総称してUE101と呼ぶことができ、UE101は本明細書に開示された技術の1つ以上を実行するために使用することができる。
【0015】
本明細書に記載された無線リンク(例えば、ネットワーク140A又は他の図示されたネットワークで使用されるように)のいずれも、任意の例示的な無線通信技術及び/又は標準に従って動作し得る。任意のスペクトル管理スキームが、例えば、専用のライセンスされたスペクトル、ライセンスされていないスペクトル、(ライセンスされた)共有スペクトル(例えば、2.3~2.4GHz、3.4~3.6GHz、3.6~3.8GHz、及びその他の周波数のライセンスされた共有アクセス(Licensed Shared Access(LSA))、及び3.55~3.7GHz及びその他の周波数のスペクトルアクセスシステム(Spectrum Access System(SAS))など)を含む。異なる単一キャリア又は直交周波数ドメイン多重化(OFDM)モード(CP-OFDM、SC-FDMA、SC-OFDM、フィルタバンクベースマルチキャリア(FBMC)、OFDMなど)、特に3GPP NRが、OFDMキャリアデータビットベクトルを対応するシンボルリソースに割り当てることによって使用され得る。
【0016】
いくつかの態様では、UE101及び102のいずれも、モノのインターネット(IoT)UE又はセルラーIoT(CIoT)UEを含むことができ、これらは、短命UE接続を利用する低電力IoTアプリケーション用に設計されたネットワークアクセスレイヤーを含むことができる。いくつかの態様では、UE101及び102のいずれも、ナローバンド(NB)IoT UE(例えば、拡張NB-IoT(eNB-IoT)UE及びさらに拡張された(Further Enhanced)(FeNB-IoT)UEなど)を含むことができる。IoT UEは、公共陸上移動ネットワーク(PLMN)、近接ベースのサービス(ProSe)、又はデバイス間(D2D)通信、センサーネットワーク、又はIoTネットワークを介してMTCサーバ又はデバイスとデータを交換するために、マシン間(M2M)又はマシンタイプ通信(MTC)などのテクノロジーを利用できる。M2M又はMTCのデータ交換は、機械が開始するデータ交換であり得る。IoTネットワークは、(インターネットインフラストラクチャ内の)一意に識別可能な組み込みコンピューティングデバイスを含み得るIoT UEを、短期間の接続で相互接続することを含む。IoT UEは、IoTネットワークの接続を容易にするために、バックグラウンドアプリケーション(例えば、キープアライブメッセージ、ステータス更新など)を実行し得る。いくつかの態様では、UE101及び102のいずれも、拡張MTC(eMTC)UE又はさらに拡張されたMTC(FeMTC)UEを含むことができる。
【0017】
UE101及び102は、例えば、無線アクセスネットワーク(RAN)110と通信可能に結合するように構成され得る。RAN110は、例えば、進化型ユニバーサル移動通信システム(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)(UMTS)地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)、次世代RAN(NG RAN)、又は他のタイプのRANであり得る。
【0018】
UE101及び102は、それぞれ接続103及び104を利用し、それぞれが物理通信インターフェース又はレイヤ(以下でさらに詳細に説明する)を含む。この例では、接続103及び104は、通信可能な結合を可能にするためのエアインターフェースとして図示されており、移動体通信用グローバルシステム(GSM)プロトコル、符号分割多元接続(CDMA)ネットワークプロトコル、プッシュツートーク(PTT)プロトコル、PTTオーバーセルラー(POC)プロトコル、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)プロトコル、3GPPロングタームエボリューション(LTE)プロトコル、5Gプロトコル、6Gプロトコルなどのセルラー通信プロトコルと整合することができる。
【0019】
一態様において、UE101及び102は、ProSeインターフェース105を介して通信データをさらに直接交換し得る。ProSeインターフェース105は、代替的に、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、物理サイドリンク検出チャネル(PSDCH)、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)、及び物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)を含むがこれらに限定されない、1つ又は複数の論理チャネルを含むサイドリンク(SL)インターフェースと呼ばれることがある。
【0020】
UE102は、接続107を介してアクセスポイント(AP)106にアクセスするように構成されるように示されている。接続107は、例えば、任意のIEEE 802.11プロトコルと整合性のある接続のようなローカル無線接続を含むことができ、それに従って、AP106は、ワイヤレスフィディリティー(WiFi(登録商標))ルータを含むことができる。この例では、AP106は、無線システムのコアネットワークに接続することなく、インターネットに接続されていることが示されている(以下にさらに詳細に説明する)。
【0021】
RAN110は、接続103及び104を可能にする1つ以上のアクセスノードを含み得る。これらのアクセスノード(AN)は、基地局(BS)、NodeB、進化したNodeB(eNB)、次世代(第5又は第6世代)NodeB(gNB)、RANノードなどと呼ばれることができ、地理的領域(例えば、セル)内でカバレッジを提供する地上局(例えば、地上アクセスポイント)又は衛星局を含むことができる。いくつかの態様では、通信ノード111及び112は、送信/受信ポイント(TRP)であることができる。通信ノード111及び112がNodeB(例えば、eNB又はgNB)である場合、1つ以上のTRPは、NodeBの通信セル内で機能することができる。RAN110は、マクロセル、例えばマクロRANノード111を提供するための1つ以上のRANノード、及びフェムトセル又はピコセル(例えば、マクロセルと比較してカバレッジ領域が小さい、ユーザ容量が小さい、又は帯域幅が大きいセル)、例えば低電力(LP)RANノード112を提供するための1つ以上のRANノードを含み得る。
【0022】
RANノード111及び112のいずれも、エアインターフェースプロトコルを終了する(terminate)ことができ、UE101及び102の最初の接点(the first point of contact)とすることができる。いくつかの態様では、RANノード111及び112のいずれも、限定されるものではないが、無線ベアラ管理、アップリンク及びダウンリンクの動的無線リソース管理及びデータパケットスケジューリング、並びにモビリティ管理などの無線ネットワークコントローラ(RNC)機能を含む、RAN110のための様々な論理機能を果たすことができる。一例では、ノード111及び/又は112のいずれも、gNB、eNB、又は別のタイプのRANノードであることができる。
【0023】
RAN110は、S1インターフェース113を介してコアネットワーク(CN)120に通信可能に結合されていることが示されている。態様において、CN120は、進化したパケットコア(EPC)ネットワーク、次世代パケットコア(NPC)ネットワーク、又は他のタイプのCN(例えば、図1B-1Cを参照して図示されるように)であり得る。この態様では、S1インターフェース113は、2つの部分:RANノード111及び112とサービング(serving)ゲートウェイ(S-GW)122との間のトラフィックデータを伝送するS1-Uインターフェース114と、RANノード111及び112とMME121との間のシグナリングインターフェースであるS1モビリティ管理エンティティ(MME)インターフェース115に分割される。
【0024】
この態様では、CN120は、MME121、S-GW122、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)123、及びホーム加入者サーバ(HSS)124を含む。MME121は、従来のサービング一般パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(SGSN)のコントロールプレーンと機能的に類似している。MME121は、ゲートウェイ選択及び追跡エリアリスト管理のようなアクセスにおけるモビリティ側面を管理し得る。HSS124は、ネットワークエンティティの通信セッションの処理をサポートするための加入関連情報を含む、ネットワークユーザのためのデータベースを含み得る。CN120は、モバイル加入者の数、機器の容量、ネットワークの組織などに応じて、1つ又は複数のHSS124を含み得る。例えば、HSS124は、ルーティング/ローミング、認証、認可、命名/アドレス解決、位置依存性などのサポートを提供することができる。
【0025】
S-GW122は、RAN110へのS1インターフェース113を終端し得、RAN110とCN120との間でデータパケットをルーティングする。さらに、S-GW122は、RANノード間ハンドオーバのためのローカルモビリティアンカーポイントであり得、また、3GPP間モビリティのためのアンカーを提供し得る。S-GW122のその他の責任には、合法的な傍受、充電、及びいくつかのポリシー執行が含まれる。
【0026】
P-GW123は、PDNへのSGiインターフェースを終端し得る。P-GW123は、インターネットプロトコル(IP)インターフェース125を介して、CN120とアプリケーションサーバ184(代替的にアプリケーション機能(AF)と呼ばれる)を含むネットワークのような外部ネットワークとの間でデータパケットをルーティングし得る。P-GW123はまた、インターネット、IPマルチメディアサブシステム(IPS)ネットワーク、及び他のネットワークを含むことができる他の外部ネットワーク131Aにデータを通信することができる。一般に、アプリケーションサーバ184は、コアネットワーク(例えば、UMTSパケットサービス(PS)ドメイン、LTE PSデータサービスなど)でIPベアラリソースを使用するアプリケーションを提供する要素であり得る。この態様では、P-GW123は、IPインターフェース125を介してアプリケーションサーバ184に通信可能に結合されることが示されている。アプリケーションサーバ184はまた、CN120を介してUE101及び102のための1つ以上の通信サービス(例えば、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)セッション、PTTセッション、グループコミュニケーションセッション、ソーシャルネットワーキングサービスなど)をサポートするように構成することができる。
【0027】
P-GW123は、さらに、ポリシー実施及び課金データ収集のためのノードであり得る。ポリシー及び課金ルール機能(PCRF)126は、CN120のポリシー及び課金制御要素である。非ローミングシナリオでは、いくつかの態様において、UEのインターネットプロトコル接続アクセスネットワーク(IP-CAN)セッションに関連付けられたホーム公共陸上移動ネットワーク(HPLMN)に単一のPCRFがある場合がある。トラフィックのローカルブレークアウトがあるローミングシナリオでは、UEのIP-CANセッションに関連付けられた2つのPCRFがある場合がある。HPLMN内のホームPCRF(H-PCRF)と訪問先の公共陸上移動ネットワーク(VPLMN)内の訪問PCRF(V-PCRF)である。PCRF126は、P-GW123を介してアプリケーションサーバ184に通信可能に結合され得る。
【0028】
いくつかの態様では、通信ネットワーク140Aは、ライセンスされた(5G NR)及びライセンスされていない(5G NR-U)スペクトルにおける通信を使用する5G新無線ネットワークを含む、IoTネットワーク又は5G若しくは6Gネットワークであり得る。IoTの現在の実現要因の1つは、ナローバンドIoT(NB-IoT)である。ライセンスされていないスペクトルでの動作には、デュアル接続(DC)動作と、ライセンスされていないスペクトルでのスタンドアロンLTEシステムが含まれる可能性があり、それによると、LTEベースの技術は、MultiFireと呼ばれるライセンスされているスペクトル内の「アンカー」を使用せずに、ライセンスされていないスペクトルでのみ動作する。今後のリリース及び5Gシステムでは、ライセンスされているスペクトルとライセンスされていないスペクトルでのLTEシステムのさらなる拡張された動作が期待されている。このような拡張された動作には、NRサイドリンクV2X通信のためのサイドリンクリソース割り当て及びUE処理動作の技術が含まれる。
【0029】
NGシステムアーキテクチャ(又は6Gシステムアーキテクチャ)は、RAN110と5Gコアネットワーク(5GC)120を含むことができる。NG-RAN110は、gNB及びNG-eNBなどの複数のノードを含むことができる。CN120(例えば、5Gコアネットワーク/5GC)は、アクセス及びモビリティ機能(AMF)及び/又はユーザプレーン機能(UPF)を含むことができる。AMF及びUPFは、NGインターフェースを介してgNB及びNG-eNBに通信可能に結合できる。より具体的には、いくつかの態様では、gNB及びNG-eNBは、NG-CインターフェースによってAMFに接続されることができ、NG-UインターフェースによってUPFに接続されることができる。gNB及びNG-eNBは、Xnインターフェースを介して相互に結合されることができる。
【0030】
いくつかの態様では、NGシステムアーキテクチャは、様々なノード間の基準点(reference points)を使用することができる。いくつかの態様では、gNB及びNG-eNBの各々は、基地局、モバイルエッジサーバ、スモールセル、ホームeNBなどとして実装することができる。いくつかの態様では、gNBはマスターノード(MN)であることができ、NG-eNBは5Gアーキテクチャにおけるセカンダリノード(SN)であることができる。
【0031】
図1Bは、いくつかの態様による非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示す。特に、図1Bは、基準点表現における5Gシステムアーキテクチャ140Bを示し、これは6Gシステムアーキテクチャに拡張され得る。より具体的には、UE102は、1つ以上の他の5GCネットワークエンティティと同様に、RAN110と通信することができる。5Gシステムアーキテクチャ140Bは、AMF132、セッション管理機能(SMF)136、ポリシー制御機能(PCF)148、アプリケーション機能(AF)150、UPF134、ネットワークスライス選択機能(NSSF)142、認証サーバ機能(AUSF)144、統合データ管理(UDM)/ホーム加入者サーバ(HSS)146などの複数のネットワーク機能(NF)を含む。
【0032】
UPF134は、データネットワーク(DN)152への接続を提供することができ、これは、例えば、オペレータサービス、インターネットアクセス、又は第三者サービスを含むことができる。AMF132は、アクセス制御及びモビリティを管理するために使用でき、ネットワークスライス選択機能を含むこともできる。AMF132は、UEベースの認証、認可、モビリティ管理などを提供し得、アクセステクノロジーから独立し得る。SMF136は、ネットワークポリシーに従ってさまざまなセッションを設定及び管理するように構成できる。したがって、SMF136はセッション管理及びUEへのIPアドレスの割り当てを担当し得る。SMF136はまた、データ転送のためにUPF134を選択及び制御し得る。SMF136は、UE101の単一セッション又はUE101の複数セッションに関連付けられ得る。つまり、UE101は複数の5Gセッションを持ち得る。各セッションに異なるSMFが割り当てられ得る。異なるSMFの使用は、各セッションが個別に管理されることを許容し得る。その結果、各セッションの機能は互いに独立し得る。
【0033】
UPF134は、所望のサービスタイプに従って1つ以上の構成で展開することができ、データネットワークに接続され得る。PCF148は、ネットワークスライシング、モビリティ管理、及びローミング(4G通信システムにおけるPCRFに類似)を使用してポリシーフレームワークを提供するように構成することができる。UDMは、加入者プロファイル及びデータを格納するように構成することができる(4G通信システムにおけるHSSに類似)。
【0034】
AF150は、所望のQoSをサポートするために、ポリシー制御を担当するPCF148にパケットフローに関する情報を提供し得る。PCF148は、UE101のモビリティ及びセッション管理ポリシーを設定し得る。この目的のために、PCF148は、AMF132及びSMF136の適切な動作のための適切なポリシーを決定するために、パケットフロー情報を使用し得る。AUSF144は、UE認証のためのデータを格納し得る。
【0035】
いくつかの態様では、5Gシステムアーキテクチャ140Bは、IPマルチメディアサブシステム(IMS)168Bだけでなく、コールセッション制御機能(CSCF)のような複数のIPマルチメディアコアネットワークサブシステムエンティティを含む。より具体的には、IMS168Bは、プロキシCSCF(P-CSCF)162BE、サービングCSCF(S-CSCF)164B、緊急CSCF(E-CSCF)(図1Bに示されていない)、又は問い合わせCSCF(I-CSCF)166Bとして動作することができるCSCFを含む。P-CSCF162Bは、IMサブシステム(IMS)168B内のUE102の最初のコンタクトポイントとなるように構成されることができる。S-CSCF164Bは、ネットワーク内のセッション状態を処理するように構成でき、E-CSCFは、緊急要求を適切な緊急センター又はPSAPにルーティングするなど、緊急セッションの特定の態様を処理するように構成できる。I-CSCF166Bは、そのネットワークオペレータのサブスクライバ、又はそのネットワークオペレータのサービスエリア内に現在位置するローミングサブスクライバを宛先とするすべてのIMS接続について、オペレータのネットワーク内のコンタクトポイントとして機能するように構成できる。いくつかの態様では、I-CSCF166Bは、別のIPマルチメディアネットワーク170E、例えば、別のネットワークオペレータによって動作するIMSに接続することができる。
【0036】
いくつかの態様では、UDM/HSS146は、テレフォニーアプリケーションサーバ(TAS)又は別のアプリケーションサーバ(AS)を含むことができるアプリケーションサーバ160Eに結合できる。AS160Bは、S-CSCF164B又はI-CSCF166Bを介してIMS168Bに結合できる。
【0037】
基準点表現は、対応するNFサービス間で相互作用が存在できることを示している。例えば、図1Bは、次の基準点を示している:N1(UE102とAMF132の間)、N2(RAN110とAMF132の間)、N3(RAN110とUPF134の間)、N4(SMF136とUPF134の間)、N5(PCF148とAF150の間、図示せず)、N6(UPF134とDN152の間)、N7(SMF136とPCF148の間、図示せず)、N8(UDM146とAMF132の間、図示せず)、N9(2つのUPF134の間、図示せず)、N10(UDM146とSMF136の間、図示せず)、N11(AMF132とSMF136の間、図示せず)、N12(AUSF144とAMF132の間、図示せず)、N13(AUSF144とUDM146の間、図示せず)、N14(2つのAMF132の間、図示せず)、N15(非ローミングシナリオの場合はPCF148とAMF132の間、ローミングシナリオの場合はPCF148と訪問ネットワークとAMF132間、図示せず)、N16(2つのSMFの間、図示せず)、及びN22(AMF132とNSSF142の間、図示せず)。図1Bに示されていない他の基準点表現も使用できる。
【0038】
図1Cは、5Gシステムアーキテクチャ140C及びサービスベースの表現を示している。図1Bに示されるネットワークエンティティに加えて、システムアーキテクチャ140Cは、ネットワーク公開機能(NEF)154及びネットワークリポジトリ機能(NRF)156を含むこともできる。いくつかの態様では、5Gシステムアーキテクチャはサービスベースにすることができ、ネットワーク機能間の相互作用は、対応するポイントツーポイント基準点Ni又はサービスベースのインターフェースとして表すことができる。
【0039】
いくつかの態様では、図1Cに示すように、サービスベースの表現は、他の認可されたネットワーク機能がそのサービスにアクセスすることを可能にする制御プレーン内のネットワーク機能を表すために使用することができる。この点に関して、5Gシステムアーキテクチャ140Cは、以下のサービスベースのインターフェースを含むことができる:NamF158H(AMF132によって示されるサービスベースのインターフェース)、NsmF158I(SMF136によって示されるサービスベースのインターフェース)、NneF158B(NEF154によって示されるサービスベースのインターフェース)、NpcF158D(PCF148によって示されるサービスベースのインターフェース)、NudM158E(UDM146によって示されるサービスベースのインターフェース)、NaF158F(AF150によって示されるサービスベースのインターフェース)、NnrF158C(NRF156によって示されるサービスベースのインターフェース)、NnssF158A(NSSF142によって示されるサービスベースのインターフェース)、NausF158G(AUSF144によって示されるサービスベースのインターフェース)。図1Cに示されていない他のサービスベースのインターフェース(例えば、Nudr、N5G-eir、及びNudsf)も使用することができる。
【0040】
NR-V2Xアーキテクチャは、ランダムなパケット到着時間及びサイズを持つ周期的及び非周期的な通信を含む様々なトラフィックパターンを持つ高信頼性低遅延サイドリンク通信をサポートし得る。ここに開示された技術は、サイドリンクNR V2X通信システムを含む動的トポロジーを有する分散通信システムにおいて高い信頼性をサポートするために使用することができる。
【0041】
図2は、いくつかの実施形態による通信装置のブロック図を示す。通信装置200は、専用コンピュータ、個人用又はラップトップコンピュータ(PC)、タブレットPC又はスマートフォンのようなUE、eNBのような専用ネットワーク機器、ネットワークデバイスとして動作するようにサーバを構成するソフトウェアを実行するサーバ、仮想デバイス、又はそのマシンによって実行されるべきアクションを指定する命令(シーケンシャル又はその他)を実行可能な任意のマシンであり得る。例えば、通信装置200は、図1A図1Cに示されるデバイスの1つ又は複数として実装され得る。本明細書に記載される通信は、送信エンティティ(例えば、UE,gNB)による送信前に、受信エンティティ(例えば、gNB、UE)による受信のためにエンコードされ、受信エンティティによる受信後にデコードされ得ることに留意されたい。
【0042】
本明細書に記載されるように、例は、論理又はいくつかのコンポーネント、モジュール、又はメカニズムを含み得る、又はそれらの上で動作し得る。モジュール及びコンポーネントは、特定の動作を実行することができる有形のエンティティ(例えば、ハードウェア)であり、特定の方法で構成又は配置され得る。一例では、回路が、モジュールとして特定の方法で配置され得る(例えば、内部的に、又は他の回路のような外部エンティティに対して)。一例では、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント又はサーバコンピュータシステム)又は1つ以上のハードウェアプロセッサの全体又は一部は、ファームウェア又はソフトウェア(例えば、命令、アプリケーション部分、又はアプリケーション)によって、特定の動作を実行するように動作するモジュールとして構成され得る。一例では、ソフトウェアは、機械可読媒体上に存在し得る。一例では、ソフトウェアは、モジュールの基になるハードウェアによって実行されるとき、ハードウェアに指定された動作を実行させる。
【0043】
したがって、用語「モジュール」(及び「コンポーネント」)は、物理的に構築され、具体的に構成され(例えば、有線)、又は、指定された方法で動作するように又は本明細書に記載されている任意の動作の一部又は全部を実行するように一時的に(temporarily)(例えば、一時的(transitorily))構成された(例えば、プログラムされた)エンティティである、有形のエンティティを含むと理解される。モジュールが一時的に構成される例を考慮すると、モジュールの各々は任意の時点でインスタンス化される必要はない。例えば、モジュールがソフトウェアを使用して構成された汎用ハードウェアプロセッサを含む場合、汎用ハードウェアプロセッサは、異なる時点でそれぞれ異なるモジュールとして構成され得る。従って、ソフトウェアは、例えば、ある時点で特定のモジュールを構成し、異なる時点で異なるモジュールを構成するようにハードウェアプロセッサを構成し得る。
【0044】
通信装置200は、ハードウェアプロセッサ(又は同等の処理回路)202(例えば、中央処理装置(CPU)、GPU、ハードウェアプロセッサコア、又はそれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ204及びスタティックメモリ206を含み、それらの一部又は全ては、インターリンク(例えば、バス)208を介して相互に通信し得る。メインメモリ204は、リムーバブル記憶装置及び非リムーバブル記憶装置、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれか又は全てを含み得る。通信装置200は、さらに、ビデオディスプレイなどのディスプレイユニット210、英数字入力装置212(例えば、キーボード)、及びユーザインターフェース(UI)ナビゲーション装置214(例えば、マウス)を含み得る。一例では、ディスプレイユニット210、入力装置212及びUIナビゲーション装置214は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。通信装置200は、さらに、記憶装置(例えば、ドライブユニット)216、信号生成装置218(例えば、スピーカー)、ネットワークインターフェース装置220、及び、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、又は他のセンサなどの1つ以上のセンサを含み得る。通信装置200は、1つ以上の周辺装置(例えば、プリンタ、カードリーダ等)を通信又は制御するためのシリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、パラレル、又は、他の有線又は無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)等)接続などの出力コントローラをさらに含み得る。
【0045】
記憶装置216は、非一時的機械可読媒体222(以下、単に機械可読媒体と称する)を含み得、その上に、本明細書に記載された技術又は機能のいずれか1つ以上を具現化又は利用するデータ構造又は命令224(例えば、ソフトウェア)の1つ以上のセットが記憶される。命令224はまた、通信装置200による命令の実行中に、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ204内、スタティックメモリ206内、及び/又はハードウェアプロセッサ202内に存在し得る。機械可読媒体222は単一の媒体として図示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つ以上の命令224を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含み得る。
【0046】
「機械可読媒体」という用語は、通信装置200によって実行されるための命令を格納、エンコード、又は伝送することができ、通信装置200に本開示の技術のいずれか1つ以上を実行させる、又はそのような命令によって使用されるか又は関連するデータ構造を格納、エンコード、又は伝送することができる任意の媒体を含み得る。非限定的な機械可読媒体の例としては、固体メモリ、及び光及び磁気媒体が含まれ得る。機械可読媒体の具体例は:半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的所許可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))及びフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ:内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク;光磁気ディスク;ランダムアクセスメモリ(RAM);並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスク;を含み得る。
【0047】
命令224は、さらに、いくつかの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)等)のいずれか1つを利用するネットワークインターフェース装置220を介して、送信媒体226を使用して通信ネットワークを介して送受信され得る。例示的な通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、従来の普通の電話(POTS)ネットワーク、及び無線データネットワークを含み得る。ネットワークを介した通信は、Wi-Fi(登録商標)として知られる標準の米国電気電子学会(IEEE)802.11ファミリ、WiMaxとして知られる標準のIEEE802.16ファミリ、IEEE802.15.4標準のファミリ、ロングタームエボリューション(LTE)標準のファミリ、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)標準のファミリ、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、次世代(NG)/第5世代(5G)標準など、1つ又は複数の異なるプロトコルを含み得る。一例では、ネットワークインターフェース装置220は、送信媒体226に接続するための1つ以上の物理ジャック(イーサネット、同軸、電話ジャックなど)又は1つ以上のアンテナを含み得る。
【0048】
本明細書で使用される「回路」という用語は、電子回路、論理回路、プロセッサ(共有、専用、又はグループ)及び/又はメモリ(共有、専用、又はグループ)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルデバイス(FPD)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、複合PLD(CPLD)、大容量PLD(HCPLD)、構造化ASIC、又はプログラマブルSoC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)などのような、記述された機能を提供するように構成されたハードウェアコンポーネントを指す、又はその一部である、又はそれを含むことに留意されたい。いくつかの実施形態では、回路は、記述された機能の少なくとも一部を提供するために、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアプログラムを実行し得る。用語「回路」はまた、1つ以上のハードウェア要素(又は、電気又は電子システムで使用される回路の組み合わせ)と、そのプログラムコードの機能を実行するために使用されるプログラムコードとの組み合わせを指し得る。これらの実施形態では、ハードウェア要素とプログラムコードの組み合わせは、特定のタイプの回路と呼ばれることがある。
【0049】
したがって、本明細書で使用される用語「プロセッサ回路」又は「プロセッサ」は、一連の算術演算又は論理演算、又はデジタルデータの記録、記憶、及び/又は転送を順次かつ自動的に実行することができる回路を指す、又はその一部である、又はそれらを含む。用語「プロセッサ回路」又は「プロセッサ」は、1つ又は複数のアプリケーションプロセッサ、1つ又は複数のベースバンドプロセッサ、物理的中央処理装置(CPU)、シングルコア又はマルチコアプロセッサ、及び/又はプログラムコード、ソフトウェアモジュール、及び/又は機能プロセスなどのコンピュータ実行可能命令を実行又はその他の方法で操作することができるその他のデバイスを指し得る。
【0050】
本明細書に記載される無線リンクは、以下の無線通信技術及び/又は標準のいずれか1つ以上に従って動作することができ、これらは、移動通信用グローバルシステム(GSM)無線通信技術、汎用パケット無線サービス(GPRS)無線通信技術、GSM進化のための拡張データレート(EDGE)無線通信技術、及び/又は第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)無線通信技術、例えば、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)、マルチメディアアクセスの自由(FOMA)、3GPPロングタームエボリューション(LTE)、3GPPロングタームエボリューションアドバンスト(LTEアドバンスト)、符号分割多元接続2000(CDMA 2000)、セルラーデジタルパケットデータ(CDPD)、Mobitex、第3世代(3G)、回線交換データ(CSD)、高速回線交換データ(HSCSD)、ユニバーサル移動通信システム(第3世代)(UMTS(3G))、広帯域符号分割多元接続(ユニバーサル移動通信システム)(W-CDMA(UMTS))、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、高速パケットアクセスプラス(HSPA+)、ユニバーサル移動通信システム-時分割二重通信(UMTS-TDD)、時分割コード分割多元接続(TD-CDMA)、時分割同期符号分割多元接続(TD-CDMA)、第3世代パートナーシッププロジェクトリリース8(Pre-4th Generation)(3GPP Rel.8(Pre-4G))、3GPP Rel.9(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース9)、3GPP Rel.10(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース10)、3GPP Rel.11(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース11)、3GPP Rel.12(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース12)、3GPP Rel.13(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース13)、3GPP Rel.14(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース14)、3GPP Rel.15(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース15)、3GPP Rel.16(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース16)、3GPP Rel.17(第3世代パートナーシッププロジェクトリリース17)及び以降のリリース(Rel.18,Rel.19などのような)、3GPP 5G、5G、5G New Radio(5G NR)、3GPP 5G New Radio、3GPP LTEエクストラ、LTEアドバンストプロ、LTEライセンス支援アクセス(LAA)、MuLTEfire、UMTS地上無線アクセス(UTRA)、進化したUMTS地上無線アクセス(E-UTRA)、ロングタームエボリューションアドバンスト(第4世代)(LTEアドバンスト(4G))、cdmaOne(2G)、符号分割多重アクセス2000(第3世代)(CDMA2000(3G))、進化データ最適化又は進化データのみ(EV-DO)、高度携帯電話システム(第1世代)(AMPS(1G))、トータルアクセスコミュニケーションシステム/拡張トータルアクセスコミュニケーションシステム(TACS/ETACS)、デジタルAMPS(第2世代)(D-AMPS(2G))、プッシュツートーク(PTT)、移動体通信システム(MTS)、改良型移動体通信システム(IMTS)、アドバンスト移動体通信システム(AMTS)、OLT(Offentlig Landmobile Telefoni、公共陸上移動電話のノルウェー語)、MTD(Mobiltelefonisystem D、又は携帯電話システムDのスウェーデン語の略語)、公共自動陸上移動体(Public Automated Land Mobile)(Autotel/PALM)、ARP(フィンランド語でAutoradiopuhelin、「カーラジオ電話」)、NMT(北欧の携帯電話)、NTTの大容量版(日本電信電話)(Hicap)、セルラーデジタルパケットデータ(CDPD)、Mobitex、DataTAC、統合デジタル拡張ネットワーク(iDEN)、パーソナルデジタルセルラー(PDC)、回線交換データ(CSD)、パーソナルハンディフォンシステム(PHS)、広帯域統合デジタル拡張ネットワーク(WiDEN)、iBurst、ライセンスされていないモバイルアクセス(UMA)、3GPP汎用アクセスネットワーク、又はGAN規格とも呼ばれる)、Zigbee、Bluetooth(登録商標)(r)、ワイヤレスギガビットアライアンス(WiGig)標準、ミリ波規格全般(WiGig、IEEE802.11ad、IEEE802.11ayなどのような、10~300GHz以上で動作するワイヤレスシステム)、300GHz帯及びTHz帯以上で動作する技術、(3GPP LTEベース又はIEEE802.11p又はIEEE802.11bd及びその他)ビークルツービークル(V2V)及びビークルツーX(V2X)及びビークルツーインフラストラクチャー(V2I)及びインフラストラクチャーツービークル(I2V)通信技術、3GPPセルラーV2X、高度道路交通システムなどのDSRC(専用狭域通信)通信システム(通常は5850MHz~5925MHz又はそれ以上で動作する(CEPT Report71の変更提案に従って通常は5935MHzまで))、欧州のITS-G5システム(すなわち、ITS-G5A(すなわち、5,875GHzから5,905GHzの周波数範囲での安全関連アプリケーションのためのITS専用の欧州ITS周波数帯域におけるITS-G5の動作)、ITS-G5B(すなわち、5,855GHzから5,875GHzの周波数範囲のITS非安全アプリケーション専用の欧州ITS周波数帯域での動作)、ITS-G5C(すなわち、5,470GHzから5,725GHzの周波数範囲でのITSアプリケーションの動作)を含むIEEE 802.11pベースのDSRCのヨーロッパ風)、日本における700MHz帯(715MHz~725MHzを含む)のDSRC、IEEE802.11bdベースのシステムなど、を含むが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書に記載される態様は、専用のライセンスされたスペクトル、ライセンスされていないスペクトル、ライセンス免除スペクトル、(ライセンスされた)共有スペクトル(例えば、LSA=2.3-2.4GHz、3.4-3.6GHz、3.6-3.8GHz及びそれ以降の周波数のライセンス共有アクセス、SAS=スペクトルアクセスシステム/CBRS=3.55-3.7GHz及びそれ以降の周波数の市民ブロードバンド無線システムなど)を含む任意のスペクトル管理スキームのコンテキストで使用することができる。適用可能なスペクトル帯域は、IMT(国際移動体通信)スペクトル、及び、他のタイプのスペクトル/帯域、例えば、国内割り当てのある帯域(450-470MHz、902-928MHz(注:例えば、米国(FCCパート15)で割り当てられている)を含む)、863-868.6MHz(注:例えば、欧州連合(ETSI EN300 220)で割り当てられている)、915.9-929.7MHz(注:例えば、日本で割り当てられている)、917-923.5MHz(注:例えば、韓国で割り当てられている)、755-779MHz及び779~787MHz(注:例えば、中国で割り当てられている)、790-960MHz、1710-2025MHz、2110-2200MHz、2300-2400MHz、2.4-2.4835GHz(注:グローバルに利用可能なISM帯域であり、Wi-Fi(登録商標)テクノロジーファミリ(11b/g/n/ax)、及びBluetooth(登録商標)によって使用される)、2500-2690MHz、698-790MHz、610-790MHz、3400-3600MHz、3400-3800MHz、3800-4200MHz、3.55-3.7GHz (注:例えば、米国では市民ブロードバンド無線サービスに割り当てられている)、5.15-5.25GHz及び5.25-5.35GHz及び5.47-5.725GHz及び5.725-5.85GHz帯域(注:例えば、米国(FCCパート15)で割り当てられ、合計500MHzスペクトルの4つのU-NII帯域で構成される)、5.725-5.875GHz(注:例えば、EU(ETSI EN301 893)で割り当てられる)、5.47-5.65GHz(注:例えば、韓国で割り当てられる)、5925-7125MHz及び5925-6425MHz帯域(注:米国及びEU、それぞれで検討中。次世代Wi-Fiシステムは、動作帯域として6GHzスペクトルが含まれることが期待されているが、2017年12月の時点で、Wi-Fiシステムはまだこの帯域で許可されていないことが留意される。規制は2019年から2020年の間に完了する予定)、IMTアドバンストスペクトル、IMT-2020スペクトル(3600-3800MHz、3800-4200MHz、3.5GHz帯域、700MHz帯域、24.25~86GHz範囲内の帯域などを含むことが期待されている)、FCCの「スペクトルフロンティア」5Gイニシアチブに基づいて利用可能になったスペクトル(27.5-28.35GHz、29.1-29.25GHz、31-31.3GHz、37-38.6GHz、38.6-40GHz、42-42.5GHz、57-64GHz、71-76GHz、81-86GHz及び92-94GHzなどを含む)、5.9GHz(通常は5.85-5.925GHz)及び63-64GHzのITS(高度道路交通システム)帯域、WiGigバンド1(57.24-59.40GHz)、WiGigバンド2(59.40-61.56GHz)、WiGigバンド3(61.56-63.72GHz)及びWiGigバンド4(63.72-65.88GHz)など現在WiGigに割り当てられている帯域、57-64/66GHz(注:この帯域は、マルチギガビットワイヤレスシステム(MGWS)/WiGigのほぼ世界的な指定を受けている。米国(FCCパート15)では合計14GHzのスペクトルが割り当てられているが、EU(ETSI EN302 567及び固定P2Pの場合はETSI EN301 217-2)は合計9GHz スペクトルを割り当てる)、70.2GHz-71GHz帯域、65.88GHz-71GHzの間の任意の帯域、76-81GHzなどの現在自動車レーダーアプリケーションに割り当てられている帯域、及び94-300GHz以上の帯域を含む将来の帯域を含む。さらに、このスキームは、特に400MHz及び700MHz帯域が有望な候補であるTVホワイトスペース帯域(通常は790MHz未満)などの帯域で二次的に使用できる。携帯電話アプリケーションに加えて、PMSE(番組作成及び特別イベント)、医療、健康、手術、自動車、低遅延、ドローンなどのアプリケーションなど、垂直市場向けの特定のアプリケーションが扱われ得る。
【0052】
本明細書に記載されている態様はまた、例えば、スペクトルへの優先順位付けされたアクセスに基づいて、例えば、ティア1のユーザに最も高い優先順位を付け、次にティア2、次にティア3のユーザが続くなど、異なるタイプのユーザのための使用の階層的優先順位付け(例えば、低/中/高優先度など)を導入することによって、スキームの階層的アプリケーションを実装することができる。
【0053】
本明細書に記載されている態様はまた、対応するシンボルリソースにOFDMキャリアデータビットベクトルを割り当てることによって、異なる単一キャリア又はOFDMフレーバ(CP-OFDM、SC-FDMA、SC-OFDM、フィルタバンクベースマルチキャリア(FBMC)、OFDMAなど)及び特に3GPP NR(新無線(New Radio))に適用することができる。
【0054】
いくつかの機能は、AP、eNB、NR又はgNBなど、ネットワーク側に対して定義されている。この用語は通常、3GPP 5G及び6G通信システムなどのコンテキストで使用されることに留意されたい。それでも、UEはこの役割を担い、AP、eNB、又はgNBとして機能し得る。つまり、ネットワーク機器に対して定義された一部又はすべての機能は、UEによって実装され得る。
【0055】
上記のように、問題の1つはセルの再選択の改善である。省電力(Power saving)は、参照信号(Reference Signal)受信電力(RSRP)が測定基準として使用されるアイドルモードセル再選択のために設計され得る。アイドルモードのUEは、gNBとの無線リソース制御(RRC)接続を持たず、初期接続手順又は接続確立手順を使用してRRC接続モードに移動できる。
【0056】
RRC接続が確立されると、UEは無線リンクモニタリング(RLM)を実行し、サービングgNB(又はセル)からの参照信号を継続的に測定して無線リンク品質を決定し、サービングgNBにフィードバックを提供する。測定される5G参照信号は、シグナリングシステムブロック(SSB)信号又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)を含む。これらの測定値は、無線リンク障害(RLF)が発生したことを決定し、RRC再確立手順をトリガーするために使用できる。
【0057】
しかし、継続的な測定とフィードバックは、UEによって大量の電力を使用する可能性がある。したがって、UEの省電力は、RLM測定の緩和によって促進される可能性があり、この場合、特定の基準が満たされたときに、UEはRLM測定の実行頻度を減らすことを許可される(すなわち、UEは緩和状態にある)。特に、通常のRLM手順では、UEは、測定された5G参照信号のSINRを測定する。次に、UEは、サービングセル品質がデータトラフィックを維持するのに十分であるかどうかを伝えるために、SINRをしきい値Qin(ダウンリンク無線リンクを確実に受信できるレベル)及びしきい値Qout(ダウンリンク無線リンクを確実に受信できないレベル)と比較する。RLMはSINR推定に依存するため、緩和基準はSINRを考慮し得る。絶対SINR値は、RLMのためだけでなく、RLM測定を緩和するための基準のためのサービングセル品質のメトリック(metric)として使用することができる。
【0058】
さらに、SINRレベルはRSRPよりも迅速に変化する。図3は、いくつかの態様によるシミュレートされたSINR対時間のプロットを示す。図3に示すように、推定されたSINR値は時間とともに変化し、瞬間(instant)チャネル品質のみを反映する。緩和のしきい値として固定SINR値を使用する場合、推定されたSNR値は頻繁にしきい値を超える可能性がある。例えば、現在のチャネルの平均SINR=4dBの場合、変動のため、SINR範囲は0dBから8dBで瞬間的にいくつかの条件によって変化する可能性がある。
【0059】
瞬間SINRがしきい値SINRよりも大きい場合、UEは緩和が適切であると決定することがある(すなわち、緩和状態に入る)。ただし、決定されたSINRがしきい値を下回っていてもアウトオブサービス(OOS)しきい値を依然として上回っている場合に緩和を開始するかどうかは、特に緩和スキームが安定しているかどうか(したがって、緩和状態を出るかどうか)を決定するためには疑問が残る。
【0060】
したがって、より堅牢な緩和スキームを提供し、SINRの変動を低減するために、いくつかの実施形態では、SINRは、緩和基準が満たされているかどうか、したがって、緩和状態へ入ること又は緩和状態から出ることが適切かどうか(それぞれ、緩和状態オン及び緩和状態オフとも呼ばれる)を決定するために、時間ウィンドウ中に測定及び処理される。いくつかの実施形態では、SINRの評価期間及び緩和RLMの期間中のSINR値の処理の方法が記載される。
【0061】
SINR変動の低減に及ぼす測定期間の影響がここに記載されている。異なる評価時間が低速ケースに対してシミュレートされる。図4はいくつかの態様によるCDF対SINR変動のプロットを示す。図4のUE速度は3km/hとしてシミュレートした。UEによるSINR推定誤差は考慮しなかった。評価時間は、所定のサンプル数:1、5、10又は15サンプルであった。CSI-RS周期は5msであった。したがってウィンドウ長は1/5/10/15×5msであった。図4のX軸はSINR変動範囲である。評価時間中、瞬間SINR値を平均して単一のフィルタリングSINR値を得た。
【0062】
図4のシミュレーション結果は、SINR変動がより多くの平均サンプルで減少することを示している。図4のCDFから分かるように、評価時間としての10サンプルでは、最大SINR変動範囲は95%のケースで1.3dBより小さい。しかし、サンプルが1つだけが使用される場合、最大SINR変動範囲は95%のケースで4.5dBに増加する。従って、RLM緩和のためのSINR変動を低減するためのSINR測定ウィンドウは、N*TCSI-RS/SSBとして設定され得、ここで、NはSSB/CSI-RSサンプルの数であり、TCSI-RS/SSBはgNBからのSSB/CSI-RS送信の周期である。ウィンドウ期間はUE速度に依存し、速度が増加すると減少し、速度が減少すると増加する。
【0063】
ウィンドウ中のSINR処理方法についても次のように論じられる。SINR値の取得及びウィンドウ内のSINR処理の両方の方法について説明する。瞬間SINR値が最初に取得され得、次にこれらの瞬間SINR値がフィルタリングされ得る。
【0064】
第1の実施形態では、瞬間SINR値は、SSB/CSI-RS測定から(すなわち、RLM信号自体から直接)導出することができる。第2の実施形態では、瞬間SINR値は、gNBによってUEによって提供される、又はUEにプリロードされるブロックエラーレート(BLER)-SINRマッピングテーブルから導出することができる。第2の実施形態では、UEは、最初にBLERを計算し、次に、マッピングテーブルに基づいてBLERの値をSINRに変換する。
【0065】
UEがいくつかの瞬間SINR値を決定した後、SINR値を測定ウィンドウ中に処理され得る。SINR値を処理するために、第1の方法では、SINRはN個の瞬間SINR値にわたって平均化され、ここで、Nはウィンドウ内のサンプル数である。第2の実施形態では、信号レベル及びノイズレベルは、それぞれNのサンプルにわたって平均化される。次に、平均化された信号パワーは、平均化されたSINRを得るために平均化されたノイズパワーで除算される。いずれかの実施形態によって得られた平均化されたSINRは、RLM/ビーム故障検出(BFD)緩和評価に使用することができる。
【0066】
Rel-16の低い移動性(mobility)は、フィルタリングされたRSRPの低い変動を反映する。Rel-17では、RLM/BFDがSINR推定に依存するため、Rel-16で使用される低い移動性基準は再利用に適していない。RSRPは主に有用な信号パワーに焦点を当てるが、SINRはノイズと干渉パワーも考慮に入れる。Rel-17では、RLM/BFD性能により直接的に関連する「SINRの低変動」が考慮され得る。RLM/BFD緩和スキームは、低SINR変動シナリオで使用され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、低SINR変動を反映するための測定方法の第1の動作において、UEは、隣接するSINRレベル間のΔSINR(隣接する測定セット間で決定されるSINR)を計算する。第2の動作において、ΔSINRはしきい値と比較される。ΔSINRが一定期間の間しきい値より小さい場合、現在のシナリオは安定しており、「SINRの低変動」状態にあると仮定できる。
【0068】
RLMの緩和基準のいくつかの実施形態では、UEによって計算されたSINRは、緩和基準が満たされているかどうかを決定するために、固定SINRしきい値と比較され得る。例えば、固定しきい値はX=Qout+Z dBであり、QoutはRLM/BFD OOSのSINRしきい値であり、Z dBはチャネルが良好な状態であることを保証するための余分なマージンである。
【0069】
SINRは時間とともに変動するため、SINR変動範囲は、ほとんどの場合、SINRが95%のしきい値を超えていることを確実にするために、固定SINRしきい値にさらに追加されることができる。例えば、SINRしきい値がX dBで、SINR変動範囲がY dBの場合、最終的なSINRしきい値はX+Y dBになる。SINR変動範囲はSINRのCDF曲線から求めることができ、SINR変動の最大(5%、95%)がY dBとして選択される。他の実施形態では、しきい値は95%以外であってもよい。
【0070】
BFDは、UEが低いビーム品質を決定し、無線リンク障害を引き起こすことなくビーム障害回復をトリガーするのを助けるように設計される。SINRが緩和基準として使用される場合、RLMと同様に、SINR変動範囲をSINRしきい値にさらに追加することができる。BFDのQoutはRLMのQoutより4dB高いため、緩和基準に同じマージンが考慮される場合、BFDの基準はより厳密になる。つまり、BFDのSINR緩和しきい値はRLMのそれよりも高い。
【0071】
一方、ビーム管理における同期(in-sync)の基準は、測定されたレイヤー1(L1)-RSRPが、より高いレイヤーパラメータrsrp-ThresholdSSBによって示されるしきい値Qin_LR以上であることを満たした。BMの同期は、RLMとは異なり、ここではRSRPも考慮される。したがって、RSRPはBFDの緩和基準としても考慮され得る。例えば、UEは、測定されたRSRPがRSRPしきい値より高い場合にBFD測定を緩和できる。
【0072】
いくつかの実施形態では、緩和基準に入り、通常のRLM動作に戻すための基準は揃えられる(aligned)べきである。いくつかの実施形態では、UEは、緩和されたRLMを実行し;所定の数の同期外れの兆候(out-of-sync indications)を検出すると、タイマー310(T310)をトリガーすると、又は観察されたリンク品質の低下若しくは移動状態変化に際し、UEは通常のRLM動作に戻り得る(すなわち、緩和なしで)。T310は、サービングセルの物理レイヤーの問題の検出によってトリガーされ、期限切れになると、UEはRRC_Idle状態に入る又は接続の再確立手順を開始する。したがって、様々な実施形態では、緩和基準が満たされない場合、N310がカウントを開始する (つまり、1つの同期外れの指示(indications)が受信される)場合、T310が実行されている(つまり、N310の同期外れの指示が受信される)場合、リンク品質の劣化が観察される場合、又は移動状態変化が観察される場合、UEは通常のRLM動作に戻り得る。
【0073】
高いSINRが緩和基準に入る基準として考慮され、同期外れが出る基準(exit criteria)として考慮される場合、SINRギャップは比較的大きく、潜在的に問題につながる可能性がある。図5は、いくつかの態様による、SINR対緩和時間のプロットを示す。
【0074】
問題が図5に示される:時間Aにおいて、SINRは緩和を開始するSINR基準よりも高く、RLMは緩和を開始する。点Bから開始して、SINRは緩和しきい値を下回っているが、OOSしきい値よりもまだ高く、UEは通常モードに戻らない。ただし、緩和基準は時間BからCまで満たされない。したがって、緩和基準と復帰基準は、このような場合を回避するために共同で設計され得る。固定SINRしきい値がX dBであり、SINR変動範囲がY dBであると仮定すると、最終SINRしきい値はX+Y dBであり得、復帰しきい値はその後X-Y dBに設定され得る。いくつかの実施形態では、最終SINRしきい値はX+Y dBであり得るが、復帰しきい値はX-Z dBに設定され得る。代替的に、又は追加的に、復帰しきい値はQinであることができ、ここで、QinはRLM同期のSINRしきい値であり、又は最終SINRしきい値はQoutであり得る。様々な実施形態では、Yは、例えば、2dB、4dB等であり得る。
【0075】
BFDへの戻ることに関しては、RSRPも緩和基準として考慮され得るので、復帰基準はRSRPも考慮し得る。BFDとRLMのしきい値は独立して設定され得る。上記のように、両方のしきい値はSINR情報に基づき得る。
【0076】
実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されているが、本開示のより広い範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正及び変更がなされ得ることは明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味でみなされるべきである。本開示の一部を構成する添付図面は、限定ではなく例示として、主題を実施することができる特定の実施形態を示す。例示された実施形態は、当業者が本明細書に開示された教示を実施することを可能にするのに十分詳細に記載されている。他の実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができるように、利用され、そこから派生することができる。したがって、この詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、添付された特許請求の範囲及びそのような特許請求の範囲が権利を有する全範囲の均等物によってのみ定義される。
【0077】
本明細書では、主題は、単に便宜上、「実施形態」という用語によって個別に及び/又は集合的に参照される場合があり、実際に複数の発明概念が開示される場合に、本出願の範囲を任意の単一の発明概念に自発的に限定することを意図するものではない。したがって、特定の実施形態が図示され、本明細書に記載されているが、同じ目的を達成するように計算された任意の構成は、図示された特定の実施形態に置換され得ることが理解されるべきである。本開示は、様々な実施形態の任意の及びすべての適応又は変形をカバーすることを意図している。上記の実施形態及び本明細書に特に記載されていない他の実施形態の組み合わせは、上記の説明を検討すると当業者には明らかであろう。
【0078】
本明細書において、用語「1つの(「a」又は「an」)」は、特許文献で一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の任意の他の例又は用法とは独立して、1つ以上を含むために使用される。本明細書において、用語「又は」は、別段の指示がない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、及び「AとB」を含むように、非排他的な又はを指すために使用される。本明細書において、用語「含む」及び「そこで」は、それぞれの用語「有する」及び「そこで(whereine)」の平易な英語の同等物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、用語「含む」及び「有する」はオープンエンド(open-ended)であり、すなわち、特許請求の範囲内の当該用語の後に列挙された要素に加えて要素を含むシステム、UE、物品、組成物、製剤又はプロセスが、依然として当該特許請求の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、用語「第1」、「第2」、及び「第3」等は、単にラベルとして使用されており、その対象に数値要件を課すことを意図していない。
【0079】
開示の要約は、読者が技術開示の性質を迅速に確認できる要約を要求している37C.F.R.セクション1.72(b)に準拠して提供されている。請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないことを理解して提出される。さらに、上述の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態にまとめられていることが分かる。この開示方法は、請求項に記載された実施形態が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されてはならない。むしろ、以下の請求項が反映しているように、発明の主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない。したがって、以下の請求項はここに詳細な説明に組み込まれ、各請求項は独立した実施形態として独立している。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】