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特表2024-512569治療におけるADNFポリペプチドの使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】治療におけるADNFポリペプチドの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/17 20060101AFI20240312BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240312BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20240312BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20240312BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20240312BHJP
   C07K 5/10 20060101ALN20240312BHJP
   C07K 7/06 20060101ALN20240312BHJP
   C07K 7/08 20060101ALN20240312BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20240312BHJP
【FI】
A61K38/17
A61P25/28 ZNA
A61P25/18
A61P25/00
A61P25/08
G01N33/50 P
G01N33/68
G01N33/53 M
G01N33/53 D
C07K5/10
C07K7/06
C07K7/08
C07K14/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558471
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 IL2022050333
(87)【国際公開番号】W WO2022201167
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/165,819
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】507253749
【氏名又は名称】ラモット アット テル アビブ ユニバーシティ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゴゼス,イラナ
【テーマコード(参考)】
2G045
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CA25
2G045DA13
2G045DA36
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA02
4C084BA08
4C084BA17
4C084BA18
4C084BA23
4C084BA44
4C084CA53
4C084CA59
4C084DC50
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA012
4C084ZA021
4C084ZA022
4C084ZA061
4C084ZA062
4C084ZA151
4C084ZA152
4C084ZA161
4C084ZA162
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA13
4H045BA14
4H045BA15
4H045BA16
4H045BA17
4H045BA18
4H045CA40
4H045EA28
(57)【要約】
治療におけるADNFポリペプチドの使用が提供される。したがって、対象が視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っている、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患を処置する方法であって、治療有効量のADNFポリペプチドを対象に投与することを含み、ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有する方法が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象が視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っている、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患を処置する方法であって、前記方法が、前記治療有効量のADNFポリペプチドを前記対象に投与することを含み、ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有し、それによって前記対象の前記疾患を処置し、前記疾患がADNP症候群ではない、方法。
【請求項2】
対象が発声障害に起因しない前記視覚誘発電位障害及び/又は前記発話障害を患っている、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患を処置する方法であって、前記方法が、治療有効量のADNFポリペプチドを前記対象に投与することを含み、前記ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有し、それによって前記対象の疾患を処置し、前記障害がADNP症候群ではない、方法。
【請求項3】
対象が発声障害に起因しない前記視覚誘発電位障害及び/又は前記発話障害を患っている、アルツハイマー病を処置する方法であって、前記方法が、治療有効量のADNFポリペプチドを前記対象に投与することを含み、前記ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有し、それによって前記対象の疾患を処置する、方法。
【請求項4】
発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患と診断された対象におけるADNFポリペプチドによる処置の有効性をモニタリングする方法であって、前記対象が前記視覚誘発電位障害及び/又は前記発話障害を患っており、前記対象が、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を有しており、前記方法が、前記ADNFポリペプチドによる処置後に前記対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力を判定することを含み、前記ADNFポリペプチドによる前記処置後の前記対象の前記視覚誘発電位及び/又は前記発話能力の改善が、前記処置が有効であることを示す、方法。
【請求項5】
自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患であると診断された対象におけるADNFポリペプチドによる処置の有効性をモニタリングする方法であって、前記対象が、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っており、前記方法が、前記ADNFポリペプチドによる処置後に前記対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力を判定することを含み、前記ADNFポリペプチドによる前記処置後の前記対象の前記視覚誘発電位及び/又は前記発話能力の改善が、前記処置が有効であることを示す、方法。
【請求項6】
前記疾患が、ADNP症候群ではない、請求項4~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
アルツハイマー病と診断された対象におけるADNFポリペプチドによる処置の有効性をモニタリングする方法であって、前記対象が、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っており、前記方法が、前記ADNFポリペプチドによる処置後に前記対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力を判定することを含み、前記ADNFポリペプチドによる前記処置後の前記対象の前記視覚誘発電位及び/又は前記発話能力の改善が、前記処置が有効であることを示す、方法。
【請求項8】
前記発話障害又は発話能力は、構文複雑度によって判定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記疾患が、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害からなる群から選択される、請求項1、4、6、及び8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害からなる群から選択される疾患と診断された対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、前記方法が、前記処置後の前記対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、前記処置後の前記SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2の前記レベルの低下及び/又は前記CPXM1の前記レベルの上昇が、前記処置が有効であることを示す、方法。
【請求項11】
自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患と診断された対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、処置後の対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、前記処置後の前記SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4及び/又はTMCC2の前記レベルの低下及び/又は前記CPXM1の前記レベルの上昇が、前記処置が有効であることを示す、方法。
【請求項12】
アルツハイマー病と診断された対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、前記方法が、前記処置後の前記対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、前記処置後の前記SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2の前記レベルの低下及び/又は前記CPXM1の前記レベルの上昇が、処置が有効であることを示す、方法。
【請求項13】
自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害からなる群から選択される疾患を診断する方法であって、前記方法が、対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、前記SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2の前記レベルが所定の閾値を上回る、及び/又は前記CPXM1の前記レベルが所定の閾値を下回るとき、前記対象が前記疾患を有する、方法。
【請求項14】
自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患を診断する方法であって、前記方法が、対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、前記SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4及び/又はTMCC2の前記レベルが所定の閾値を上回る、及び/又は前記CPXM1の前記レベルが所定の閾値を下回るとき、前記対象が前記疾患を有する、方法。
【請求項15】
アルツハイマー病を診断する方法であって、対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、前記SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2の前記レベルが所定の閾値を上回る、及び/又は前記CPXM1の前記レベルが所定の閾値を下回るときに、前記対象が前記疾患を有する、方法。
【請求項16】
前記生物学的試料が、血液試料を含む、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記疾患が、ADNP症候群である、請求項4~5、10~11、及び14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記疾患が、多発性硬化症、SYNGAP1症候群、POGZ症候群、CHD8症候群、SCN2A症候群、ARID1B関連の症候群、NRXN1症候群、DYRK1A症候群、GRIN障害、CHD2症候群、ドラベ症候群、レット症候群、脆弱X症候群、FOXP1症候群、SLC関連の障害、コフィン-シリス症候群、KMT5B症候群、PTEN自閉症症候群、オキヒロ症候群+発育遅延、アンジェルマン症候群、ヌーナン症候群、クリーフストラ症候群、及びスミス-マギニス症候群からなる群から選択される、請求項1、4、6、8~9、10、13、及び16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
処置を必要とする対象におけるSHANK3関連の疾患を処置する方法であって、前記方法が、治療有効量のADNF IIIポリペプチドを前記対象に投与することを含み、前記ADNF IIIポリペプチドが、SH3結合ドメインを含み、それによって前記対象の前記疾患を処置する、方法。
【請求項20】
前記疾患が、フェラン-マクダーミド症候群である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ADNF IIIポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有する、請求項19~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記処置が、ADNFポリペプチドを含み、前記ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有する、請求項10~13及び16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ADNFポリペプチドが、EB1及び/又はEB3に結合することができる、請求項1~9及び19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ADNFポリペプチドが、SH3結合ドメインを含む、請求項1~9及び22~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ADNFポリペプチドが、ADNF IIIポリペプチドである、請求項1~9及び22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリペプチドが、配列番号2~22からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項19~21及び25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリペプチドが、配列番号2~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項19~21及び25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリペプチドが、配列番号2を含む、請求項19~21及び25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ポリペプチドが、式(R-Asn-Ala-Pro-Val-Ser-Ile-Pro-Gln-(R(配列番号49)、又はその類似体を有し、Rが、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸が、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、Rが、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸が、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、x及びyが、独立して選択され、0又は1に等しい、請求項19~21及び25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記ADNFポリペプチドが、ADNF Iポリペプチドである、請求項1~9及び22~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記ポリペプチドが、24~48からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ポリペプチドが、配列番号24を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記ポリペプチドが、式(R-Ser-Ala-Leu-Leu-Arg-Ser-Ile-Pro-Ala-(R(配列番号50)を有し、Rが、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸が、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、Rが、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸が、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、x及びyが、独立して選択され、0又は1に等しい、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリペプチドが少なくとも1つのD-アミノ酸を含む、請求項1~9及び19~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記ポリペプチドが、50アミノ酸長未満である、請求項1~9及び19~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ポリペプチドが、20アミノ酸長未満である、請求項1~9及び19~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ポリペプチドが、細胞透過性部分又は安定化部分に結合している、請求項1~9及び19~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記対象が、雌である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記対象が、雄である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年3月25日に出願された米国仮特許出願第63/165,819号の優先権の利益を主張し、その内容は全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表の記述
91466 SequenceListing.txtと題され、2022年3月24日に作成され、本出願の出願と同時に提出された、71,839,744バイトのASCIIファイルは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、いくつかの実施形態において、治療におけるADNFポリペプチドの使用に関する。
【0004】
活性依存性神経保護タンパク質(ADNP又はADNF IIIとも呼ばれる)は、脳の形成及び機能に必須である[Bassan M,et al.J Neurochem.1999年3月;72(3):1283-93;Zamostiano,et al.,J Biol Chem.2001年1月5日;276(1):708-14;Pinhasov A,et al.,Brain Res Dev Brain Res.2003年8月12日;144(1):83-90]。ADNPは、胚形成、自食作用、樹状突起スパイン可塑性、軸索輸送、選択的RNAスプライシング、wntシグナル伝達、自閉症関連タンパク質翻訳、及びクロマチンリモデリングを含む重要な細胞活性において機能することが示された。ADNPにおけるデノボ突然変異は、自閉症ADNP症候群につながり[Van Dijck A,et al.Biological psychiatry 2019,85(4):287-297;Gozes I.et al.Transl Psychiatry.2017,21;7(2):e1043.doi:10.1038/tp.2017.27;Helsmoortel.et al.Nature genetics 2014,46(4):380-384]、体細胞ADNP突然変異は、アルツハイマー病(AD)タウオパシーを引き起こし得る(Ivashko-Pachima Y,et al.Molecular psychiatry 2021,26(5):1619-1633.Epub 2019年10月30日]。更に、血中ADNP発現の減少は、炎症の増加[Braitch M,et al.Neuroimmunomodulation 2010,17(2):120-125]及び認知機能の低下[Malishkevich A,et al.Journal of Alzheimer’s disease:JAD 2016,50(1):249-260]に関連していた。ADNPは、クロマチンリモデリング複合体の主要部分を構成するSWItch/スクロース非発酵性(SWI/SNF)複合体の一部である核において見出される[Mandel S,Gozes I.J Biol Chem.2007年11月23日;282(47):34448-56]。成熟ニューロンにおいて、ADNPは、微小管末端結合タンパク質、EB1、及びEB3[Oz S et al.,Molecular psychiatry 2014、19(10):1115-1124]との相互作用を介して微小管と会合して、細胞質において見出される[Mandel S et al.,J Mol Neurosci 2008、35(2):127-141]。次に、ADNPとのEB1/EB3相互作用は、樹状突起スパイン形成[Oz S,et al.Molecular psychiatry 2014,19(10):1115-1124;Hacohen-Kleiman G et al.The Journal of clinical investigation 2018、128(11):4956-4969、Karmon G et al.,Biological Psychiatry 2021]、軸索輸送[Amram N,et al.Molecular psychiatry 2016;21(10):1467-1476]、タウ-微小管結合の増強[Ivashko-Pachima Y et al.Molecular psychiatry 2017,22(9):1335-1344];Grigg I et al.Translational psychiatry 2020、10(1):228;Ivashko-Pachima Y et al.Molecular psychiatry 2021,26(5):1619-1633.Epub 2019年10月30日]、及びタウ過剰リン酸化/タウオパシーに対する保護[Grigg I,et al.Translational psychiatry 2020,10(1):228;Ivashko-Pachima Y et al.Molecular psychiatry 2021,26(5):1619-1633。Epub 2019年10月30日;Vulih-Shultzman I,et al.The Journal of pharmacology and experimental therapeutics 2007,323(2):438-449]に関連付けられている。
【0005】
NAP[NAPVSIPQ(配列番号2)、ダブネチド又はCP201としても知られる]として知られるプロリンリッチ8アミノ酸ポリペプチドを含むADNPポリペプチド、並びに神経保護及び複数の障害の処置におけるその使用は、国際出願公開第1/92333号、同第98/35042号、同第00/27875号、同第00/53217号、同第01/12654号、同第2004/080957号、同第2006/099739号、同第2007/096859号、同第2008/084483号、同第2011/021186号、同第2009/026687号、同第2011/083461号、同第2011/099011号、同第2013/171595号、同第2017/130190号、同第2004/060309号、同第2003/022226号、及び同第2010/075635号、並びに米国特許第5767240号、同第6174862号、及び同第6613740号(それぞれ全体が参照により本明細書に組み込まれる)を含む特許及び特許出願の主題である。
【0006】
臨床試験
NAP(配列番号2)は、ADNP症候群の処置のために以前に承認されていない。しかしながら、他の適応症に対する臨床試験が行われている[進行性核上性麻痺(PSP)、軽度認知障害(MCI)、及び統合失調症]。
NAP(CP201、ダベネチド、AL-108)を以下の臨床試験で試験した。
1.ClinicalTrials.gov identifier:NCT00422981-MCI
2.ClinicalTrials.gov identifier:NCT00505765-統合失調症
3.ClinicalTrials.gov identifier:NCT01056965-タウオパチー
4.ClinicalTrials.gov identifier:NCT01110720-PSP
5.ClinicalTrials.gov identifier:NCT00404014-冠動脈バイパス移植手術後MCI。
【0007】
概ね、全ての試験は、何百人もの成人易感染性患者におけるNAP(配列番号2)の安全性及び耐容性を証明している。有効性は、認知機能及び日常生活の機能的活動の増強において見られた。
【0008】
6.ClinicalTrials.gov identifier:NCT01403519-アルツハイマー病及び前頭側頭型認知症における革新的なバイオマーカ-:予防及び個別化。ADNPレベルは、疾患状態(例えば、認知機能障害及び統合失調症)及びタウオパチーと相関することが示された。さらなる情報については、Gozes I,Front Neurol.2020年11月24日;11:608444を参照されたい。
【0009】
Srcホモロジー3(SH3)ドメイン-リガンド会合は、分子内相互作用による酵素活性化/不活性化、シグナル伝達成分の細胞濃度/局在化の変化、及び多タンパク質複合体アセンブリの媒介などの多種多様な生物学的プロセスにおけるタンパク質間の相互作用を支配する。Srcホモロジー3(SH3)ドメインは、細胞骨格を調節するシグナル伝達経路のタンパク質間の相互作用の制御に関与している(Schlessinger J.Curr Opin Genet Dev.1994,4(1),25)。
【発明の概要】
【0010】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、対象が視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っている、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患を処置する方法であって、本方法が、治療有効量のADNFポリペプチドを対象に投与することを含み、ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有し、それによって対象の疾患を処置し、疾患がADNP症候群ではない、方法が提供される。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、対象が発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っている、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患を処置する方法であって、本方法が、治療有効量のADNFポリペプチドを対象に投与することを含み、ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有し、それによって対象の疾患を処置し、障害がADNP症候群ではない、方法が提供される。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、対象が発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っているアルツハイマー病を処置する方法であって、本方法が、治療有効量のADNFポリペプチドを対象に投与することを含み、ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有し、それによって対象の疾患を処置する、方法が提供される。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患と診断された対象におけるADNFポリペプチドによる処置の有効性をモニタリングする方法であって、対象が視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っており、対象が、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を有しており、本方法が、ADNFポリペプチドによる処置後に対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力を判定することを含み、ADNFポリペプチドによる処置後の対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力の改善が、処置が有効であることを示す、方法が提供される。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患であると診断された対象におけるADNFポリペプチドによる処置の有効性をモニタリングする方法であって、対象が、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っており、本方法が、ADNFポリペプチドによる処置後に対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力を判定することを含み、ADNFポリペプチドによる処置後の対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力の改善が、処置が有効であることを示す、方法が提供される。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、ADNP症候群である。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、アルツハイマー病と診断された対象におけるADNFポリペプチドによる処置の有効性をモニタリングする方法であって、対象が、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っており、本方法が、ADNFポリペプチドによる処置後に対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力を判定することを含み、ADNFポリペプチドによる処置後の対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力の改善が、処置が有効であることを示す、方法が提供される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、発話障害又は発話能力は、構文複雑度によって判定される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害からなる群から選択される。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害からなる群から選択される疾患と診断された対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、本方法が、処置後の対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、処置後のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2のレベルの低下及び/又はCPXM1のレベルの上昇が、処置が有効であることを示す、方法が提供される。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患と診断された対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、本方法が、処置後の対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、処置後のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2のレベルの低下及び/又はCPXM1のレベルの上昇が、処置が有効であることを示す、方法が提供される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、アルツハイマー病と診断された対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、本方法が、処置後の対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、処置後のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2のレベルの低下及び/又はCPXM1のレベルの上昇が、処置が有効であることを示す、方法が提供される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害からなる群から選択される疾患を診断する方法であって、本方法が、対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2のレベルが所定の閾値を上回る、及び/又はCPXM1のレベルが所定の閾値を下回るとき、対象が疾患を有する、方法が提供される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患を診断する方法であって、対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2のレベルが所定の閾値を上回る、及び/又はCPXM1のレベルが所定の閾値を下回るとき、対象が疾患を有する、方法が提供される。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、アルツハイマー病を診断する方法であって、対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含み、SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4及び/又はTMCC2のレベルが所定の閾値を上回る及び/又はCPXM1のレベルが所定の閾値を下回るとき、対象が疾患を有する、方法が提供される。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、生物学的試料は、血液試料を含む。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、ADNP症候群である。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、多発性硬化症、SYNGAP1症候群、POGZ症候群、CHD8症候群、SCN2A症候群、ARID1B関連の症候群、NRXN1症候群、DYRK1A症候群、GRIN障害、CHD2症候群、ドラベ症候群、レット症候群、脆弱X症候群、FOXP1症候群、SLC関連の障害、コフィン-シリス症候群、KMT5B症候群、PTEN自閉症症候群、オキヒロ症候群+発育遅延、アンジェルマン症候群、ヌーナン症候群、クリーフストラ症候群、及びスミス-マギニス症候群からなる群から選択される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、処置を必要とする対象におけるSHANK3関連の疾患を処置する方法であって、対象に治療有効量のADNF IIIポリペプチドを投与することを含み、ADNF IIIポリペプチドがSH3結合ドメインを含み、それによって対象における疾患を処置する方法が提供される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、フェラン-マクダーミド症候群である。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ADNF IIIポリペプチドは、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有する。本発明のいくつかの実施形態によれば、処置はADNFポリペプチドを含み、ADNFポリペプチドは、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有する。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ADNFポリペプチドは、EB1及び/又はEB3に結合することができる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ADNFポリペプチドは、SH3結合ドメインを含む。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ADNFポリペプチドは、ADNF IIIポリペプチドである。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、2~22からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、2~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは配列番号2を含む。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、式:(R-Asn-Ala-Pro-Val-Ser-Ile-Pro-Gln-(R(配列番号49)を有し、ここで、Rは、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択される。Rは、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、x及びyは、独立して選択され、0又は1に等しい。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ADNFポリペプチドは、ADNF Iポリペプチドである。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、24~48からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは配列番号24を含む。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、式(R-Ser-Ala-Leu-Leu-Arg-Ser-Ile-Pro-Ala-(R(配列番号50)を有し、Rは、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択される。Rは、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、x及びyは、独立して選択され、0又は1に等しい。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、少なくとも1つのD-アミノ酸を含む。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、50アミノ酸長未満である。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、20アミノ酸長未満である。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、細胞透過性部分又は安定化部分に結合している。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態によれば、対象は雌である。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態によれば、対象は雄である。
【0048】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が関連する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様又は同等の方法及び材料を本発明の実施形態の実践又は試験に使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に説明する。矛盾する場合は、定義を含む特許明細書が優先される。更に、材料、方法、及び例は、単なる例示であり、必ずしも限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、例としてのみ本明細書で説明される。ここで特に図面を詳細に参照すると、示されている詳細は、例示のためのものであり、本発明の実施形態の説明に役立つ議論を目的としていることが強調されている。この点で、図面と併せて行われる説明により、本発明の実施形態がどのように実践され得るかが当業者に明らかとなる。
【0050】
図面では、
図1A】Tyrマウス(最も優勢なADNP症候群突然変異を保有するゲノム編集マウス、Karmon G,et al.同書)は、性依存的に発生的に障害されるが、NAPは表現型を修復することを実証する。図1Aは、出生後1日目に生存するTyr仔マウスが有意に少ないことを実証する両側二項検定を示す(Tyr n=128、WT n=178)。予想パーセンテージ対観察パーセンテージを示す(**P=0.005)。提示された雄/雌比は有意ではない。図1B~Cは、有意なNAP改善を伴うWT同腹仔とTyr同腹仔との間で発見された有意差を実証する、(雌における)表面立ち直り、空中立ち直り、及び開眼を示す。図1Dは、NAP処置による有益な効果を伴う、雌WTとTyr仔マウスの体重との間の有意差を実証する(それぞれ、黒色及び赤色アスタリスクでマークされている)。図1E~Fは、9.23±0.15週齢のマウスに対して行った歩行分析を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=10、Tyr n=7、Tyr NAP n=7;雌:WT n=14、Tyr n=13、Tyr NAP n=8。遊脚速度、遊脚、プリント幅、最大接触時の平均及び最大強度、最大及び平均強度について、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP補正効果と共に見出された。プリント面積、長さ、及び前側支持基底面積において、雄WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP矯正効果と共に見出され、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、前側支持基底面積において見出された。性差は、プリント幅を除く全ての歩行パラメータにおいて観察された。RF-右前、RH-右後、LF-左前、LH-左後。全てのデータを平均±SEMとして表す。(P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001)。テューキー事後検定による二元配置(図1B~C及び1E~F)又は二元配置反復測定(図1D)分散分析を、特に明記しない限り実施した。
図1B】Tyrマウス(最も優勢なADNP症候群突然変異を保有するゲノム編集マウス、Karmon G,et al.同書)は、性依存的に発生的に障害されるが、NAPは表現型を修復することを実証する。図1Aは、出生後1日目に生存するTyr仔マウスが有意に少ないことを実証する両側二項検定を示す(Tyr n=128、WT n=178)。予想パーセンテージ対観察パーセンテージを示す(**P=0.005)。提示された雄/雌比は有意ではない。図1B~Cは、有意なNAP改善を伴うWT同腹仔とTyr同腹仔との間で発見された有意差を実証する、(雌における)表面立ち直り、空中立ち直り、及び開眼を示す。図1Dは、NAP処置による有益な効果を伴う、雌WTとTyr仔マウスの体重との間の有意差を実証する(それぞれ、黒色及び赤色アスタリスクでマークされている)。図1E~Fは、9.23±0.15週齢のマウスに対して行った歩行分析を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=10、Tyr n=7、Tyr NAP n=7;雌:WT n=14、Tyr n=13、Tyr NAP n=8。遊脚速度、遊脚、プリント幅、最大接触時の平均及び最大強度、最大及び平均強度について、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP補正効果と共に見出された。プリント面積、長さ、及び前側支持基底面積において、雄WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP矯正効果と共に見出され、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、前側支持基底面積において見出された。性差は、プリント幅を除く全ての歩行パラメータにおいて観察された。RF-右前、RH-右後、LF-左前、LH-左後。全てのデータを平均±SEMとして表す。(P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001)。テューキー事後検定による二元配置(図1B~C及び1E~F)又は二元配置反復測定(図1D)分散分析を、特に明記しない限り実施した。
図1C】Tyrマウス(最も優勢なADNP症候群突然変異を保有するゲノム編集マウス、Karmon G,et al.同書)は、性依存的に発生的に障害されるが、NAPは表現型を修復することを実証する。図1Aは、出生後1日目に生存するTyr仔マウスが有意に少ないことを実証する両側二項検定を示す(Tyr n=128、WT n=178)。予想パーセンテージ対観察パーセンテージを示す(**P=0.005)。提示された雄/雌比は有意ではない。図1B~Cは、有意なNAP改善を伴うWT同腹仔とTyr同腹仔との間で発見された有意差を実証する、(雌における)表面立ち直り、空中立ち直り、及び開眼を示す。図1Dは、NAP処置による有益な効果を伴う、雌WTとTyr仔マウスの体重との間の有意差を実証する(それぞれ、黒色及び赤色アスタリスクでマークされている)。図1E~Fは、9.23±0.15週齢のマウスに対して行った歩行分析を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=10、Tyr n=7、Tyr NAP n=7;雌:WT n=14、Tyr n=13、Tyr NAP n=8。遊脚速度、遊脚、プリント幅、最大接触時の平均及び最大強度、最大及び平均強度について、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP補正効果と共に見出された。プリント面積、長さ、及び前側支持基底面積において、雄WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP矯正効果と共に見出され、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、前側支持基底面積において見出された。性差は、プリント幅を除く全ての歩行パラメータにおいて観察された。RF-右前、RH-右後、LF-左前、LH-左後。全てのデータを平均±SEMとして表す。(P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001)。テューキー事後検定による二元配置(図1B~C及び1E~F)又は二元配置反復測定(図1D)分散分析を、特に明記しない限り実施した。
図1D】Tyrマウス(最も優勢なADNP症候群突然変異を保有するゲノム編集マウス、Karmon G,et al.同書)は、性依存的に発生的に障害されるが、NAPは表現型を修復することを実証する。図1Aは、出生後1日目に生存するTyr仔マウスが有意に少ないことを実証する両側二項検定を示す(Tyr n=128、WT n=178)。予想パーセンテージ対観察パーセンテージを示す(**P=0.005)。提示された雄/雌比は有意ではない。図1B~Cは、有意なNAP改善を伴うWT同腹仔とTyr同腹仔との間で発見された有意差を実証する、(雌における)表面立ち直り、空中立ち直り、及び開眼を示す。図1Dは、NAP処置による有益な効果を伴う、雌WTとTyr仔マウスの体重との間の有意差を実証する(それぞれ、黒色及び赤色アスタリスクでマークされている)。図1E~Fは、9.23±0.15週齢のマウスに対して行った歩行分析を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=10、Tyr n=7、Tyr NAP n=7;雌:WT n=14、Tyr n=13、Tyr NAP n=8。遊脚速度、遊脚、プリント幅、最大接触時の平均及び最大強度、最大及び平均強度について、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP補正効果と共に見出された。プリント面積、長さ、及び前側支持基底面積において、雄WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP矯正効果と共に見出され、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、前側支持基底面積において見出された。性差は、プリント幅を除く全ての歩行パラメータにおいて観察された。RF-右前、RH-右後、LF-左前、LH-左後。全てのデータを平均±SEMとして表す。(P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001)。テューキー事後検定による二元配置(図1B~C及び1E~F)又は二元配置反復測定(図1D)分散分析を、特に明記しない限り実施した。
図1E】Tyrマウス(最も優勢なADNP症候群突然変異を保有するゲノム編集マウス、Karmon G,et al.同書)は、性依存的に発生的に障害されるが、NAPは表現型を修復することを実証する。図1Aは、出生後1日目に生存するTyr仔マウスが有意に少ないことを実証する両側二項検定を示す(Tyr n=128、WT n=178)。予想パーセンテージ対観察パーセンテージを示す(**P=0.005)。提示された雄/雌比は有意ではない。図1B~Cは、有意なNAP改善を伴うWT同腹仔とTyr同腹仔との間で発見された有意差を実証する、(雌における)表面立ち直り、空中立ち直り、及び開眼を示す。図1Dは、NAP処置による有益な効果を伴う、雌WTとTyr仔マウスの体重との間の有意差を実証する(それぞれ、黒色及び赤色アスタリスクでマークされている)。図1E~Fは、9.23±0.15週齢のマウスに対して行った歩行分析を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=10、Tyr n=7、Tyr NAP n=7;雌:WT n=14、Tyr n=13、Tyr NAP n=8。遊脚速度、遊脚、プリント幅、最大接触時の平均及び最大強度、最大及び平均強度について、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP補正効果と共に見出された。プリント面積、長さ、及び前側支持基底面積において、雄WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP矯正効果と共に見出され、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、前側支持基底面積において見出された。性差は、プリント幅を除く全ての歩行パラメータにおいて観察された。RF-右前、RH-右後、LF-左前、LH-左後。全てのデータを平均±SEMとして表す。(P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001)。テューキー事後検定による二元配置(図1B~C及び1E~F)又は二元配置反復測定(図1D)分散分析を、特に明記しない限り実施した。
図1F-1】Tyrマウス(最も優勢なADNP症候群突然変異を保有するゲノム編集マウス、Karmon G,et al.同書)は、性依存的に発生的に障害されるが、NAPは表現型を修復することを実証する。図1Aは、出生後1日目に生存するTyr仔マウスが有意に少ないことを実証する両側二項検定を示す(Tyr n=128、WT n=178)。予想パーセンテージ対観察パーセンテージを示す(**P=0.005)。提示された雄/雌比は有意ではない。図1B~Cは、有意なNAP改善を伴うWT同腹仔とTyr同腹仔との間で発見された有意差を実証する、(雌における)表面立ち直り、空中立ち直り、及び開眼を示す。図1Dは、NAP処置による有益な効果を伴う、雌WTとTyr仔マウスの体重との間の有意差を実証する(それぞれ、黒色及び赤色アスタリスクでマークされている)。図1E~Fは、9.23±0.15週齢のマウスに対して行った歩行分析を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=10、Tyr n=7、Tyr NAP n=7;雌:WT n=14、Tyr n=13、Tyr NAP n=8。遊脚速度、遊脚、プリント幅、最大接触時の平均及び最大強度、最大及び平均強度について、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP補正効果と共に見出された。プリント面積、長さ、及び前側支持基底面積において、雄WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP矯正効果と共に見出され、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、前側支持基底面積において見出された。性差は、プリント幅を除く全ての歩行パラメータにおいて観察された。RF-右前、RH-右後、LF-左前、LH-左後。全てのデータを平均±SEMとして表す。(P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001)。テューキー事後検定による二元配置(図1B~C及び1E~F)又は二元配置反復測定(図1D)分散分析を、特に明記しない限り実施した。
図1F-2】Tyrマウス(最も優勢なADNP症候群突然変異を保有するゲノム編集マウス、Karmon G,et al.同書)は、性依存的に発生的に障害されるが、NAPは表現型を修復することを実証する。図1Aは、出生後1日目に生存するTyr仔マウスが有意に少ないことを実証する両側二項検定を示す(Tyr n=128、WT n=178)。予想パーセンテージ対観察パーセンテージを示す(**P=0.005)。提示された雄/雌比は有意ではない。図1B~Cは、有意なNAP改善を伴うWT同腹仔とTyr同腹仔との間で発見された有意差を実証する、(雌における)表面立ち直り、空中立ち直り、及び開眼を示す。図1Dは、NAP処置による有益な効果を伴う、雌WTとTyr仔マウスの体重との間の有意差を実証する(それぞれ、黒色及び赤色アスタリスクでマークされている)。図1E~Fは、9.23±0.15週齢のマウスに対して行った歩行分析を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=10、Tyr n=7、Tyr NAP n=7;雌:WT n=14、Tyr n=13、Tyr NAP n=8。遊脚速度、遊脚、プリント幅、最大接触時の平均及び最大強度、最大及び平均強度について、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP補正効果と共に見出された。プリント面積、長さ、及び前側支持基底面積において、雄WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、有意なNAP矯正効果と共に見出され、雌WTマウスとTyrマウスとの間の有意差が、前側支持基底面積において見出された。性差は、プリント幅を除く全ての歩行パラメータにおいて観察された。RF-右前、RH-右後、LF-左前、LH-左後。全てのデータを平均±SEMとして表す。(P≦0.05、**P≦0.01、***P≦0.001)。テューキー事後検定による二元配置(図1B~C及び1E~F)又は二元配置反復測定(図1D)分散分析を、特に明記しない限り実施した。
図2A】Tyrマウスが性依存的に損なわれた構文を呈する一方で、NAPは表現型を修復することを示す。構文遷移確率チャートは、雌(図2A)及び雄(図2B)について提示され、DeepSqueakアルゴリズムを使用して生成された(雄:WT n=12、Tyr n=14、Tyr NAP n=10;雌:WT n=20、Tyr n=9、Tyr NAP n=9)。測定された音節は、上向き傾斜、フラット、逆U字、複合、ステップアップ、下向き傾斜、ステップダウン、複雑トリル、スプリット、及びトリルを含んでいた。WT雌とTyr雌との間で構文複雑度の明らかな低下が観察され、NAP処置による顕著な改善が見られた。同じ効果をWT雄とTyr雄との間で観察することができ、TyrとTyr NAP雄仔マウスとの間でNAPが改善される。図2C~Dは、この差を定量化するために、雌及び雄(それぞれ)における定量グラフを示す。Xi二乗分析を行い、それによって、音節のそれぞれの間の遷移確率を群間(WT対Tyr及びTyr対TyrNAP)で比較し、群間でより大きい、より小さい、又は同じであった遷移確率の量を、潜在的な遷移の総数と共にカウントした。これは、期待値に対して分析された:遷移確率の1/3(1つの群が他の群よりも良好であった場合)、1/3(逆が起こる場合)、及び1/3(それらが同じように機能した場合)。33.3%(予想)がマークされている。Xi二乗分析は、WT雌マウスが雌Tyrマウスよりも有意に良好に機能し(***p<0.001)、NAP処置で有意に改善した(***p<0.001)ことを明らかにした。雄において、同じ有意な変化が、雄WTとTyr(***p<0.001)及び雄TyrとTyr NAP(p=0.027)の間で見出された。
図2B】Tyrマウスが性依存的に損なわれた構文を呈する一方で、NAPは表現型を修復することを示す。構文遷移確率チャートは、雌(図2A)及び雄(図2B)について提示され、DeepSqueakアルゴリズムを使用して生成された(雄:WT n=12、Tyr n=14、Tyr NAP n=10;雌:WT n=20、Tyr n=9、Tyr NAP n=9)。測定された音節は、上向き傾斜、フラット、逆U字、複合、ステップアップ、下向き傾斜、ステップダウン、複雑トリル、スプリット、及びトリルを含んでいた。WT雌とTyr雌との間で構文複雑度の明らかな低下が観察され、NAP処置による顕著な改善が見られた。同じ効果をWT雄とTyr雄との間で観察することができ、TyrとTyr NAP雄仔マウスとの間でNAPが改善される。図2C~Dは、この差を定量化するために、雌及び雄(それぞれ)における定量グラフを示す。Xi二乗分析を行い、それによって、音節のそれぞれの間の遷移確率を群間(WT対Tyr及びTyr対TyrNAP)で比較し、群間でより大きい、より小さい、又は同じであった遷移確率の量を、潜在的な遷移の総数と共にカウントした。これは、期待値に対して分析された:遷移確率の1/3(1つの群が他の群よりも良好であった場合)、1/3(逆が起こる場合)、及び1/3(それらが同じように機能した場合)。33.3%(予想)がマークされている。Xi二乗分析は、WT雌マウスが雌Tyrマウスよりも有意に良好に機能し(***p<0.001)、NAP処置で有意に改善した(***p<0.001)ことを明らかにした。雄において、同じ有意な変化が、雄WTとTyr(***p<0.001)及び雄TyrとTyr NAP(p=0.027)の間で見出された。
図2C】Tyrマウスが性依存的に損なわれた構文を呈する一方で、NAPは表現型を修復することを示す。構文遷移確率チャートは、雌(図2A)及び雄(図2B)について提示され、DeepSqueakアルゴリズムを使用して生成された(雄:WT n=12、Tyr n=14、Tyr NAP n=10;雌:WT n=20、Tyr n=9、Tyr NAP n=9)。測定された音節は、上向き傾斜、フラット、逆U字、複合、ステップアップ、下向き傾斜、ステップダウン、複雑トリル、スプリット、及びトリルを含んでいた。WT雌とTyr雌との間で構文複雑度の明らかな低下が観察され、NAP処置による顕著な改善が見られた。同じ効果をWT雄とTyr雄との間で観察することができ、TyrとTyr NAP雄仔マウスとの間でNAPが改善される。図2C~Dは、この差を定量化するために、雌及び雄(それぞれ)における定量グラフを示す。Xi二乗分析を行い、それによって、音節のそれぞれの間の遷移確率を群間(WT対Tyr及びTyr対TyrNAP)で比較し、群間でより大きい、より小さい、又は同じであった遷移確率の量を、潜在的な遷移の総数と共にカウントした。これは、期待値に対して分析された:遷移確率の1/3(1つの群が他の群よりも良好であった場合)、1/3(逆が起こる場合)、及び1/3(それらが同じように機能した場合)。33.3%(予想)がマークされている。Xi二乗分析は、WT雌マウスが雌Tyrマウスよりも有意に良好に機能し(***p<0.001)、NAP処置で有意に改善した(***p<0.001)ことを明らかにした。雄において、同じ有意な変化が、雄WTとTyr(***p<0.001)及び雄TyrとTyr NAP(p=0.027)の間で見出された。
図2D】Tyrマウスが性依存的に損なわれた構文を呈する一方で、NAPは表現型を修復することを示す。構文遷移確率チャートは、雌(図2A)及び雄(図2B)について提示され、DeepSqueakアルゴリズムを使用して生成された(雄:WT n=12、Tyr n=14、Tyr NAP n=10;雌:WT n=20、Tyr n=9、Tyr NAP n=9)。測定された音節は、上向き傾斜、フラット、逆U字、複合、ステップアップ、下向き傾斜、ステップダウン、複雑トリル、スプリット、及びトリルを含んでいた。WT雌とTyr雌との間で構文複雑度の明らかな低下が観察され、NAP処置による顕著な改善が見られた。同じ効果をWT雄とTyr雄との間で観察することができ、TyrとTyr NAP雄仔マウスとの間でNAPが改善される。図2C~Dは、この差を定量化するために、雌及び雄(それぞれ)における定量グラフを示す。Xi二乗分析を行い、それによって、音節のそれぞれの間の遷移確率を群間(WT対Tyr及びTyr対TyrNAP)で比較し、群間でより大きい、より小さい、又は同じであった遷移確率の量を、潜在的な遷移の総数と共にカウントした。これは、期待値に対して分析された:遷移確率の1/3(1つの群が他の群よりも良好であった場合)、1/3(逆が起こる場合)、及び1/3(それらが同じように機能した場合)。33.3%(予想)がマークされている。Xi二乗分析は、WT雌マウスが雌Tyrマウスよりも有意に良好に機能し(***p<0.001)、NAP処置で有意に改善した(***p<0.001)ことを明らかにした。雄において、同じ有意な変化が、雄WTとTyr(***p<0.001)及び雄TyrとTyr NAP(p=0.027)の間で見出された。
図3A】Tyrマウスが、性依存的にタウオパチーと並行して樹状突起スパインの減少を示す一方で、NAPは表現型を修復することを実証する。図3Aは、平均合計、サブタイプスパイン密度、並びに海馬PSD95体積を示す(雄:WT n=32;Tyr n=32;Tyr NAP、n=31、雌:WT n=16~31;Tyr n=16~32;Tyr NAP、n=12~21樹状突起/実験群)を、テューキー事後検定を用いた二元配置分散分析によって判定した。総スパイン密度は、Tyrマウス(雄海馬及び雌皮質)において有意に減少し、NAPは、両方の脳領域においてそれを有意に増加させた。雄では、海馬総スパイン密度について、主処置効果(F(1,123)=6.876、p=0.010)及び相互作用効果(F(1,123)=8.502、p=0.004)が見出された。雌では、海馬におけるPSD95体積について、主要な相互作用効果が見出された(F(1,54)=12.987、p<0.001)。運動皮質における総スパイン密度については、主な遺伝子型(F(1,112)=5.811、p=0.018)及び処置(F(1,112)=6.862、p=0.010)の効果が見出された。マッシュルーム型スパイン密度については、主な処置効果が見出されたが(F(1,112)=5.827、p=0.017)、一方、切り株型スパイン密度については、主な相互作用効果が見出された(F(1,112)=4.291、p=0.041)。図3Bは、雄海馬及び雌運動皮質の樹状突起スパイン染色の代表的な画像を示す。スケールバー、2μm。図3C~Dは、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用した歯状回におけるAT8(過剰リン酸化タウ)染色を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4)。図3Cは、雄歯状回からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図3Dは、陽性細胞/mmの定量化を示すグラフである。処置[F(1,23)=8.014、P=0.01]及び相互作用[F(1,23)=5.8、P=0.026]効果が見出された。テューキー事後検定は、上記の全てについて、WTマウスとTyrマウスとの間、及びNAP及びビヒクル処置Tyrマウスの間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図3B】Tyrマウスが、性依存的にタウオパチーと並行して樹状突起スパインの減少を示す一方で、NAPは表現型を修復することを実証する。図3Aは、平均合計、サブタイプスパイン密度、並びに海馬PSD95体積を示す(雄:WT n=32;Tyr n=32;Tyr NAP、n=31、雌:WT n=16~31;Tyr n=16~32;Tyr NAP、n=12~21樹状突起/実験群)を、テューキー事後検定を用いた二元配置分散分析によって判定した。総スパイン密度は、Tyrマウス(雄海馬及び雌皮質)において有意に減少し、NAPは、両方の脳領域においてそれを有意に増加させた。雄では、海馬総スパイン密度について、主処置効果(F(1,123)=6.876、p=0.010)及び相互作用効果(F(1,123)=8.502、p=0.004)が見出された。雌では、海馬におけるPSD95体積について、主要な相互作用効果が見出された(F(1,54)=12.987、p<0.001)。運動皮質における総スパイン密度については、主な遺伝子型(F(1,112)=5.811、p=0.018)及び処置(F(1,112)=6.862、p=0.010)の効果が見出された。マッシュルーム型スパイン密度については、主な処置効果が見出されたが(F(1,112)=5.827、p=0.017)、一方、切り株型スパイン密度については、主な相互作用効果が見出された(F(1,112)=4.291、p=0.041)。図3Bは、雄海馬及び雌運動皮質の樹状突起スパイン染色の代表的な画像を示す。スケールバー、2μm。図3C~Dは、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用した歯状回におけるAT8(過剰リン酸化タウ)染色を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4)。図3Cは、雄歯状回からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図3Dは、陽性細胞/mmの定量化を示すグラフである。処置[F(1,23)=8.014、P=0.01]及び相互作用[F(1,23)=5.8、P=0.026]効果が見出された。テューキー事後検定は、上記の全てについて、WTマウスとTyrマウスとの間、及びNAP及びビヒクル処置Tyrマウスの間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図3C】Tyrマウスが、性依存的にタウオパチーと並行して樹状突起スパインの減少を示す一方で、NAPは表現型を修復することを実証する。図3Aは、平均合計、サブタイプスパイン密度、並びに海馬PSD95体積を示す(雄:WT n=32;Tyr n=32;Tyr NAP、n=31、雌:WT n=16~31;Tyr n=16~32;Tyr NAP、n=12~21樹状突起/実験群)を、テューキー事後検定を用いた二元配置分散分析によって判定した。総スパイン密度は、Tyrマウス(雄海馬及び雌皮質)において有意に減少し、NAPは、両方の脳領域においてそれを有意に増加させた。雄では、海馬総スパイン密度について、主処置効果(F(1,123)=6.876、p=0.010)及び相互作用効果(F(1,123)=8.502、p=0.004)が見出された。雌では、海馬におけるPSD95体積について、主要な相互作用効果が見出された(F(1,54)=12.987、p<0.001)。運動皮質における総スパイン密度については、主な遺伝子型(F(1,112)=5.811、p=0.018)及び処置(F(1,112)=6.862、p=0.010)の効果が見出された。マッシュルーム型スパイン密度については、主な処置効果が見出されたが(F(1,112)=5.827、p=0.017)、一方、切り株型スパイン密度については、主な相互作用効果が見出された(F(1,112)=4.291、p=0.041)。図3Bは、雄海馬及び雌運動皮質の樹状突起スパイン染色の代表的な画像を示す。スケールバー、2μm。図3C~Dは、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用した歯状回におけるAT8(過剰リン酸化タウ)染色を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4)。図3Cは、雄歯状回からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図3Dは、陽性細胞/mmの定量化を示すグラフである。処置[F(1,23)=8.014、P=0.01]及び相互作用[F(1,23)=5.8、P=0.026]効果が見出された。テューキー事後検定は、上記の全てについて、WTマウスとTyrマウスとの間、及びNAP及びビヒクル処置Tyrマウスの間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図3D】Tyrマウスが、性依存的にタウオパチーと並行して樹状突起スパインの減少を示す一方で、NAPは表現型を修復することを実証する。図3Aは、平均合計、サブタイプスパイン密度、並びに海馬PSD95体積を示す(雄:WT n=32;Tyr n=32;Tyr NAP、n=31、雌:WT n=16~31;Tyr n=16~32;Tyr NAP、n=12~21樹状突起/実験群)を、テューキー事後検定を用いた二元配置分散分析によって判定した。総スパイン密度は、Tyrマウス(雄海馬及び雌皮質)において有意に減少し、NAPは、両方の脳領域においてそれを有意に増加させた。雄では、海馬総スパイン密度について、主処置効果(F(1,123)=6.876、p=0.010)及び相互作用効果(F(1,123)=8.502、p=0.004)が見出された。雌では、海馬におけるPSD95体積について、主要な相互作用効果が見出された(F(1,54)=12.987、p<0.001)。運動皮質における総スパイン密度については、主な遺伝子型(F(1,112)=5.811、p=0.018)及び処置(F(1,112)=6.862、p=0.010)の効果が見出された。マッシュルーム型スパイン密度については、主な処置効果が見出されたが(F(1,112)=5.827、p=0.017)、一方、切り株型スパイン密度については、主な相互作用効果が見出された(F(1,112)=4.291、p=0.041)。図3Bは、雄海馬及び雌運動皮質の樹状突起スパイン染色の代表的な画像を示す。スケールバー、2μm。図3C~Dは、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用した歯状回におけるAT8(過剰リン酸化タウ)染色を示す。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4)。図3Cは、雄歯状回からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図3Dは、陽性細胞/mmの定量化を示すグラフである。処置[F(1,23)=8.014、P=0.01]及び相互作用[F(1,23)=5.8、P=0.026]効果が見出された。テューキー事後検定は、上記の全てについて、WTマウスとTyrマウスとの間、及びNAP及びビヒクル処置Tyrマウスの間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図4A】視覚誘発電位が、表現型のNAP修正と並んで、タウオパチーと並行して雄Tyrマウスにおいて損なわれることを実証する。タウAT8抗体免疫組織化学的染色を、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用して視覚皮質において評価した。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4。図4Aは、雄の視覚野からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図4Bは、陽性細胞/mmの定量化を示す。主な処置効果が見出された[F(1,23)=5.409、P=0.031]。VEPパラメータを評価するために、テューキー事後検定による一元配置分散分析を雄マウスに対して行った。WT N=5、Tyr N=3、Tyr NAP N=5マウス、100mcdについてはWT n=10、Tyr n=6、Tyr NAP n=10、300及び3000mcdについてはWT n=20、Tyr n=12、Tyr NAP n=20の記録。図4Cは、異なる刺激強度(それぞれ100、300、及び3000mcd)についての平均(±SEM)トレースを示し、異なる波成分名が3000mcdトレース上に列挙されている。図4D~Fは、異なる波成分の曲線下面積(AUC)について、有意差が群間で発見されたことを実証する。図4Dは、P2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=7.179、P=0.003]。300mcd刺激では[F(2,51)=7.448、P=0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)6.355、P=0.004]。図4Eは、N2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=5.752、P=0.009]。300mcd刺激では[F(2,51)=15.090、P<0.001]。3000mcd刺激で[F(2,51)=13.717、P<0.001]。図4Fは、P3 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=4.495、P=0.022]。300mcd刺激では[F(2,51)=20.653、P<0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)=12.598、P<0.001]。テューキー事後検定は、P3 100mcd NAP効果を除いて上記の全てについて有意なNAP改善を伴う、雄TyrとそれらのWT対応物との間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図4B】視覚誘発電位が、表現型のNAP修正と並んで、タウオパチーと並行して雄Tyrマウスにおいて損なわれることを実証する。タウAT8抗体免疫組織化学的染色を、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用して視覚皮質において評価した。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4。図4Aは、雄の視覚野からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図4Bは、陽性細胞/mmの定量化を示す。主な処置効果が見出された[F(1,23)=5.409、P=0.031]。VEPパラメータを評価するために、テューキー事後検定による一元配置分散分析を雄マウスに対して行った。WT N=5、Tyr N=3、Tyr NAP N=5マウス、100mcdについてはWT n=10、Tyr n=6、Tyr NAP n=10、300及び3000mcdについてはWT n=20、Tyr n=12、Tyr NAP n=20の記録。図4Cは、異なる刺激強度(それぞれ100、300、及び3000mcd)についての平均(±SEM)トレースを示し、異なる波成分名が3000mcdトレース上に列挙されている。図4D~Fは、異なる波成分の曲線下面積(AUC)について、有意差が群間で発見されたことを実証する。図4Dは、P2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=7.179、P=0.003]。300mcd刺激では[F(2,51)=7.448、P=0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)6.355、P=0.004]。図4Eは、N2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=5.752、P=0.009]。300mcd刺激では[F(2,51)=15.090、P<0.001]。3000mcd刺激で[F(2,51)=13.717、P<0.001]。図4Fは、P3 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=4.495、P=0.022]。300mcd刺激では[F(2,51)=20.653、P<0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)=12.598、P<0.001]。テューキー事後検定は、P3 100mcd NAP効果を除いて上記の全てについて有意なNAP改善を伴う、雄TyrとそれらのWT対応物との間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図4C】視覚誘発電位が、表現型のNAP修正と並んで、タウオパチーと並行して雄Tyrマウスにおいて損なわれることを実証する。タウAT8抗体免疫組織化学的染色を、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用して視覚皮質において評価した。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4。図4Aは、雄の視覚野からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図4Bは、陽性細胞/mmの定量化を示す。主な処置効果が見出された[F(1,23)=5.409、P=0.031]。VEPパラメータを評価するために、テューキー事後検定による一元配置分散分析を雄マウスに対して行った。WT N=5、Tyr N=3、Tyr NAP N=5マウス、100mcdについてはWT n=10、Tyr n=6、Tyr NAP n=10、300及び3000mcdについてはWT n=20、Tyr n=12、Tyr NAP n=20の記録。図4Cは、異なる刺激強度(それぞれ100、300、及び3000mcd)についての平均(±SEM)トレースを示し、異なる波成分名が3000mcdトレース上に列挙されている。図4D~Fは、異なる波成分の曲線下面積(AUC)について、有意差が群間で発見されたことを実証する。図4Dは、P2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=7.179、P=0.003]。300mcd刺激では[F(2,51)=7.448、P=0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)6.355、P=0.004]。図4Eは、N2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=5.752、P=0.009]。300mcd刺激では[F(2,51)=15.090、P<0.001]。3000mcd刺激で[F(2,51)=13.717、P<0.001]。図4Fは、P3 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=4.495、P=0.022]。300mcd刺激では[F(2,51)=20.653、P<0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)=12.598、P<0.001]。テューキー事後検定は、P3 100mcd NAP効果を除いて上記の全てについて有意なNAP改善を伴う、雄TyrとそれらのWT対応物との間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図4D】視覚誘発電位が、表現型のNAP修正と並んで、タウオパチーと並行して雄Tyrマウスにおいて損なわれることを実証する。タウAT8抗体免疫組織化学的染色を、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用して視覚皮質において評価した。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4。図4Aは、雄の視覚野からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図4Bは、陽性細胞/mmの定量化を示す。主な処置効果が見出された[F(1,23)=5.409、P=0.031]。VEPパラメータを評価するために、テューキー事後検定による一元配置分散分析を雄マウスに対して行った。WT N=5、Tyr N=3、Tyr NAP N=5マウス、100mcdについてはWT n=10、Tyr n=6、Tyr NAP n=10、300及び3000mcdについてはWT n=20、Tyr n=12、Tyr NAP n=20の記録。図4Cは、異なる刺激強度(それぞれ100、300、及び3000mcd)についての平均(±SEM)トレースを示し、異なる波成分名が3000mcdトレース上に列挙されている。図4D~Fは、異なる波成分の曲線下面積(AUC)について、有意差が群間で発見されたことを実証する。図4Dは、P2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=7.179、P=0.003]。300mcd刺激では[F(2,51)=7.448、P=0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)6.355、P=0.004]。図4Eは、N2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=5.752、P=0.009]。300mcd刺激では[F(2,51)=15.090、P<0.001]。3000mcd刺激で[F(2,51)=13.717、P<0.001]。図4Fは、P3 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=4.495、P=0.022]。300mcd刺激では[F(2,51)=20.653、P<0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)=12.598、P<0.001]。テューキー事後検定は、P3 100mcd NAP効果を除いて上記の全てについて有意なNAP改善を伴う、雄TyrとそれらのWT対応物との間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図4E】視覚誘発電位が、表現型のNAP修正と並んで、タウオパチーと並行して雄Tyrマウスにおいて損なわれることを実証する。タウAT8抗体免疫組織化学的染色を、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用して視覚皮質において評価した。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4。図4Aは、雄の視覚野からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図4Bは、陽性細胞/mmの定量化を示す。主な処置効果が見出された[F(1,23)=5.409、P=0.031]。VEPパラメータを評価するために、テューキー事後検定による一元配置分散分析を雄マウスに対して行った。WT N=5、Tyr N=3、Tyr NAP N=5マウス、100mcdについてはWT n=10、Tyr n=6、Tyr NAP n=10、300及び3000mcdについてはWT n=20、Tyr n=12、Tyr NAP n=20の記録。図4Cは、異なる刺激強度(それぞれ100、300、及び3000mcd)についての平均(±SEM)トレースを示し、異なる波成分名が3000mcdトレース上に列挙されている。図4D~Fは、異なる波成分の曲線下面積(AUC)について、有意差が群間で発見されたことを実証する。図4Dは、P2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=7.179、P=0.003]。300mcd刺激では[F(2,51)=7.448、P=0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)6.355、P=0.004]。図4Eは、N2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=5.752、P=0.009]。300mcd刺激では[F(2,51)=15.090、P<0.001]。3000mcd刺激で[F(2,51)=13.717、P<0.001]。図4Fは、P3 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=4.495、P=0.022]。300mcd刺激では[F(2,51)=20.653、P<0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)=12.598、P<0.001]。テューキー事後検定は、P3 100mcd NAP効果を除いて上記の全てについて有意なNAP改善を伴う、雄TyrとそれらのWT対応物との間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図4F】視覚誘発電位が、表現型のNAP修正と並んで、タウオパチーと並行して雄Tyrマウスにおいて損なわれることを実証する。タウAT8抗体免疫組織化学的染色を、テューキー事後検定を伴う二元配置分散分析を使用して視覚皮質において評価した。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=5、Tyr n=5、Tyr NAP n=5;雌:WT n=4、Tyr n=4、Tyr NAP n=4。図4Aは、雄の視覚野からの代表的な染色を示す。スケールバー、100μm。図4Bは、陽性細胞/mmの定量化を示す。主な処置効果が見出された[F(1,23)=5.409、P=0.031]。VEPパラメータを評価するために、テューキー事後検定による一元配置分散分析を雄マウスに対して行った。WT N=5、Tyr N=3、Tyr NAP N=5マウス、100mcdについてはWT n=10、Tyr n=6、Tyr NAP n=10、300及び3000mcdについてはWT n=20、Tyr n=12、Tyr NAP n=20の記録。図4Cは、異なる刺激強度(それぞれ100、300、及び3000mcd)についての平均(±SEM)トレースを示し、異なる波成分名が3000mcdトレース上に列挙されている。図4D~Fは、異なる波成分の曲線下面積(AUC)について、有意差が群間で発見されたことを実証する。図4Dは、P2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=7.179、P=0.003]。300mcd刺激では[F(2,51)=7.448、P=0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)6.355、P=0.004]。図4Eは、N2 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=5.752、P=0.009]。300mcd刺激では[F(2,51)=15.090、P<0.001]。3000mcd刺激で[F(2,51)=13.717、P<0.001]。図4Fは、P3 AUCを示す:100mcd刺激では[F(2,25)=4.495、P=0.022]。300mcd刺激では[F(2,51)=20.653、P<0.001]。3000mcd刺激では[F(2,51)=12.598、P<0.001]。テューキー事後検定は、P3 100mcd NAP効果を除いて上記の全てについて有意なNAP改善を伴う、雄TyrとそれらのWT対応物との間の有意差を明らかにした。データは、平均±SEM、P≦0.05、**P<0.01、***P<0.001として表す。
図5】マウス脾臓のRNA配列決定が、ADNP突然変異ヒトリンパ芽球様細胞と共有されるAdnpTyr遺伝子型に影響された/NAP修正されたmRNA種を明らかにしたことを示す。RNA配列決定は、TyrAdnp突然変異によって影響を受け、Tyr突然変異のヒト等価物を含む3つの異なるADNP突然変異によって影響を受けたNAP処理によって修正された13個の雄及び89個の雌RNA転写物を明らかにした[例えば、実施例1の参考文献を参照されたい(15、27)]。ベン図(bioinfogp(dot)cnb(dot)csic(dot)es/tools/venny/index2(dot)0(dot)2(dot)html)は、雄における1つの共有転写物及び雌における9つの共有転写物(全てに共通の5つを含む)を示唆する。より厳密な統計(FDR)が示されたマウスレベルのみでのさらなるデータマイニングは、有意な遺伝子型及びNAP効果を雌においてのみ示し、抗原提示及びプロセシングは主要な影響を受けた経路であった(KEGG経路分析、p値<1×10-8、FDR=3.5×10-6)。雌性共有転写物のタンパク質間相互作用分析(string-db(dot)org/)は、主要な影響経路としての神経及び性発達の調節を示した。主要な相互作用ADNP複合体として、主要な相互作用タンパク質としてSMARCA4(BRG1)を有するSWI/SNFクロマチンリモデリング複合体(7)をネットワークに加えた。更に、性的二分法はTyrマウスの主要な特徴であるので、ヒトにおける性行動の主要な決定基であるTCF12及びTCF21(56)も加えた。最後に、β-アレスチン-1を含む、雌におけるADNP突然変異によって影響を受けた主要な共有遺伝子/タンパク質、主要な細胞調節因子であるフォークヘッドボックスタンパク質O3及びアデニル酸シクラーゼ6型が記載された。
図6A】Tyr遺伝子型が、免疫シナプス関連の提案された可能な機構の複雑であるが説明可能な概略図を用いて、NAP修正を伴う腸ディスバイオシスを誘導することを実証する(57)。図6Aは、糞便微生物叢が、NAP処置によって部分的に改善された性別及び遺伝子型効果を明らかにしたことを実証する。テューキー事後検定による二元配置分散分析を実施して、リアルタイムPCR微生物叢負荷を評価した。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=12~13;Tyr n=13;WT NAP n=12;Tyr NAP n=12~13、雌:WT n=10~11;Tyr n=12;WT NAP n=11;TyrNAP n=6。EubV3については、処置[F(1,49)=15.494、P<0.001]及び相互作用[F(1,49)=17.752、P<0.001]の効果が雄で見出され、雌では効果がなかった。BIFについては、主要な遺伝子型効果[F(1,50)=15.943、P<0.001]が雄において見出された。雌では、主要な相互作用効果[F(1,39)=23.1881、P=0.002]が見出された。エンテロ([F(1,47)=8.378、P=0.006]及びラクト[F(1,50)=4.561、P=0.038]については、主要な遺伝子型効果が雄で見出され、雌では効果が見られなかった。テューキー事後検定は、EubV3の有意なNAP補正を伴う、4つ全ての細菌における雄TyrとそれらのWT同腹仔との間の有意差、並びに有意なNAP改善を伴う、雌TyrとWTマウスとの間の有意差を明らかにした。性差がEubV3及びラクト細菌において発見された。データは、平均±SEM、P≦0.05、***P≦0.001として表す。全真正細菌負荷量(EubV3)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)(BIF)、腸内細菌科(Entero)、ラクトバチルス群(Lactobacillus)(Lacto)。図6Bは、可能な提案された機構を示す。以前の観察(101)、エストロゲン、ADNP及びSHHを結びつける最近の結果(60)、並びに本明細書に提示される結果を包含することに基づいて、微小管/タウ中心機構が提案され、複雑なADNP症候群の表現型を説明する。健康な状態では、微小管末端結合タンパク質、例えばEB1は、神経筋接合部(102)、免疫シナプス(103)、及び中枢神経系(脳)シナプスにおいて、微小管成長末端と連結している。BioRender(dot)comで作成。
図6B】Tyr遺伝子型が、免疫シナプス関連の提案された可能な機構の複雑であるが説明可能な概略図を用いて、NAP修正を伴う腸ディスバイオシスを誘導することを実証する(57)。図6Aは、糞便微生物叢が、NAP処置によって部分的に改善された性別及び遺伝子型効果を明らかにしたことを実証する。テューキー事後検定による二元配置分散分析を実施して、リアルタイムPCR微生物叢負荷を評価した。対応のないスチューデントt検定もまた、性差を決定するために使用した。雄:WT n=12~13;Tyr n=13;WT NAP n=12;Tyr NAP n=12~13、雌:WT n=10~11;Tyr n=12;WT NAP n=11;TyrNAP n=6。EubV3については、処置[F(1,49)=15.494、P<0.001]及び相互作用[F(1,49)=17.752、P<0.001]の効果が雄で見出され、雌では効果がなかった。BIFについては、主要な遺伝子型効果[F(1,50)=15.943、P<0.001]が雄において見出された。雌では、主要な相互作用効果[F(1,39)=23.1881、P=0.002]が見出された。エンテロ([F(1,47)=8.378、P=0.006]及びラクト[F(1,50)=4.561、P=0.038]については、主要な遺伝子型効果が雄で見出され、雌では効果が見られなかった。テューキー事後検定は、EubV3の有意なNAP補正を伴う、4つ全ての細菌における雄TyrとそれらのWT同腹仔との間の有意差、並びに有意なNAP改善を伴う、雌TyrとWTマウスとの間の有意差を明らかにした。性差がEubV3及びラクト細菌において発見された。データは、平均±SEM、P≦0.05、***P≦0.001として表す。全真正細菌負荷量(EubV3)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)(BIF)、腸内細菌科(Entero)、ラクトバチルス群(Lactobacillus)(Lacto)。図6Bは、可能な提案された機構を示す。以前の観察(101)、エストロゲン、ADNP及びSHHを結びつける最近の結果(60)、並びに本明細書に提示される結果を包含することに基づいて、微小管/タウ中心機構が提案され、複雑なADNP症候群の表現型を説明する。健康な状態では、微小管末端結合タンパク質、例えばEB1は、神経筋接合部(102)、免疫シナプス(103)、及び中枢神経系(脳)シナプスにおいて、微小管成長末端と連結している。BioRender(dot)comで作成。 図1A~6Bに引用される全ての参照文献は、例えば以下に提供される実施例1の文献一覧を指す。
図7A】短縮型ADNPタンパク質によるMT動態及びアセンブリの障害を示す。図7Aは、NAP処理(10-12M、4時間)を伴う又は伴わない、RFPタグ付きEB3タンパク質及びGFPタグ付き全長ADNP又は短縮型ADNPタンパク質を発現する分化したN1E-115細胞のライブイメージングを示す。非コンジュゲートGFPを発現する骨格プラスミド(pEGFP-C1)によるトランスフェクションを対照として実施した。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得られた)。図7Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、二元配置分散分析(SigmaPlot 11)によって行った。統計的有意性P<0.05、***P<0.001。対照n=13;全長ADNP n=14;全長ADNP+NAP n=14;p.Glu830synfs83 n=19;p.Glu830synfs83+NAP n=24;p.Lys408Valfs31 n=21;p.Lys408Valfs31+NAP n=20;p.Ser404n=20;p.Ser404+NAP n=20。
図7B】短縮型ADNPタンパク質によるMT動態及びアセンブリの障害を示す。図7Aは、NAP処理(10-12M、4時間)を伴う又は伴わない、RFPタグ付きEB3タンパク質及びGFPタグ付き全長ADNP又は短縮型ADNPタンパク質を発現する分化したN1E-115細胞のライブイメージングを示す。非コンジュゲートGFPを発現する骨格プラスミド(pEGFP-C1)によるトランスフェクションを対照として実施した。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得られた)。図7Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、二元配置分散分析(SigmaPlot 11)によって行った。統計的有意性P<0.05、***P<0.001。対照n=13;全長ADNP n=14;全長ADNP+NAP n=14;p.Glu830synfs83 n=19;p.Glu830synfs83+NAP n=24;p.Lys408Valfs31 n=21;p.Lys408Valfs31+NAP n=20;p.Ser404n=20;p.Ser404+NAP n=20。
図7C】短縮型ADNPタンパク質によるMT動態及びアセンブリの障害を示す。図7Aは、NAP処理(10-12M、4時間)を伴う又は伴わない、RFPタグ付きEB3タンパク質及びGFPタグ付き全長ADNP又は短縮型ADNPタンパク質を発現する分化したN1E-115細胞のライブイメージングを示す。非コンジュゲートGFPを発現する骨格プラスミド(pEGFP-C1)によるトランスフェクションを対照として実施した。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得られた)。図7Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、二元配置分散分析(SigmaPlot 11)によって行った。統計的有意性P<0.05、***P<0.001。対照n=13;全長ADNP n=14;全長ADNP+NAP n=14;p.Glu830synfs83 n=19;p.Glu830synfs83+NAP n=24;p.Lys408Valfs31 n=21;p.Lys408Valfs31+NAP n=20;p.Ser404n=20;p.Ser404+NAP n=20。
図8A】ADNP短縮型タンパク質の発現がタウ-MT相互作用を低下させることを実証する。図8Aは、NAP処理(10-12M、4時間)あり又はなしで、GFPタグ付き全長ADNP又は短縮型ADNPタンパク質をコトランスフェクトした分化したN1E-115細胞におけるmCherryタグ付きタウの光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。非コンジュゲートGFPを発現する骨格プラスミド(pEGFP-C1)によるトランスフェクションを対照として実施した。図8Bは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図8Cは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。正規化されたFRAPデータを一指数関数(GraphPad Prism 6)に適合させ、統計分析を二元配置分散分析(SigmaPlot 11)によって行った。対照についての統計的有意性は、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001によって示される。全長ADNPについての有意性は、$P<0.05によって示され、群内の統計学的有意性は、#P<0.05、###P<0.001によって示される。対照n=64;全長ADNP n=55;全長ADNP+NAP n=46;p.Glu830synfs83 n=71;p.Glu830synfs83+NAP n=25;p.Lys408Valfs31 n=36;p.Lys408Valfs31+NAP n=35;p.Ser404n=33;p.Ser404+NAP n=62。
図8B】ADNP短縮型タンパク質の発現がタウ-MT相互作用を低下させることを実証する。図8Aは、NAP処理(10-12M、4時間)あり又はなしで、GFPタグ付き全長ADNP又は短縮型ADNPタンパク質をコトランスフェクトした分化したN1E-115細胞におけるmCherryタグ付きタウの光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。非コンジュゲートGFPを発現する骨格プラスミド(pEGFP-C1)によるトランスフェクションを対照として実施した。図8Bは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図8Cは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。正規化されたFRAPデータを一指数関数(GraphPad Prism 6)に適合させ、統計分析を二元配置分散分析(SigmaPlot 11)によって行った。対照についての統計的有意性は、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001によって示される。全長ADNPについての有意性は、$P<0.05によって示され、群内の統計学的有意性は、#P<0.05、###P<0.001によって示される。対照n=64;全長ADNP n=55;全長ADNP+NAP n=46;p.Glu830synfs83 n=71;p.Glu830synfs83+NAP n=25;p.Lys408Valfs31 n=36;p.Lys408Valfs31+NAP n=35;p.Ser404n=33;p.Ser404+NAP n=62。
図8C】ADNP短縮型タンパク質の発現がタウ-MT相互作用を低下させることを実証する。図8Aは、NAP処理(10-12M、4時間)あり又はなしで、GFPタグ付き全長ADNP又は短縮型ADNPタンパク質をコトランスフェクトした分化したN1E-115細胞におけるmCherryタグ付きタウの光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。非コンジュゲートGFPを発現する骨格プラスミド(pEGFP-C1)によるトランスフェクションを対照として実施した。図8Bは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図8Cは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。正規化されたFRAPデータを一指数関数(GraphPad Prism 6)に適合させ、統計分析を二元配置分散分析(SigmaPlot 11)によって行った。対照についての統計的有意性は、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001によって示される。全長ADNPについての有意性は、$P<0.05によって示され、群内の統計学的有意性は、#P<0.05、###P<0.001によって示される。対照n=64;全長ADNP n=55;全長ADNP+NAP n=46;p.Glu830synfs83 n=71;p.Glu830synfs83+NAP n=25;p.Lys408Valfs31 n=36;p.Lys408Valfs31+NAP n=35;p.Ser404n=33;p.Ser404+NAP n=62。
図9A】以前に公開されたデータ[30、31]からの+p.Arg730及びp.Lys719について調べた、MT伸長及びタウ-MT会合に対するASD関連ADNP短縮型タンパク質の影響の概要である。「LOF」-機能喪失、「GOTF」-毒性機能獲得。
図9B】全長ヒトADNPコード配列に沿って示された機能的タンパク質領域の位置を示す概略図である。矢印は、(以下及び前の実施例部分において)試験された突然変異を示す。図は、以前に公開された知見[30、31]に従って構成された。
図9C】ヒトADNP cDNA(1210~1316bp)及びアミノ酸(404~439 aa、着色矢印)部分配列を示す概略図である。cDNA配列は、c.1211C<A(p.Ser404)及びc.1222_1223 delAA(p.Lys408Valfs31)変異の位置を表す。上のアミノ酸配列は、終止コドンの位置(「」でマークされている)、mutADNP p.Lys4008Valfs31の30個のアミノ酸のフレームシフト、及び再現された予測されたSH3結合サイト(赤線)、下のアミノ酸配列-wtADNPを表す。(dot)comをベンチングすることによって概略図を生成した。
図10A】SDM破壊されたSH3結合性部位を有するADNP p.Lys408Valfs31が、MT動態及びタウ-MT会合に対して悪影響を示すことを実証する。図10Aは、上記の図7Aに記載されるようなタイムラプスイメージングを示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31の代表的な画像を、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示する(10-12M、4時間)。図10B~Cは、EB3コメットトラック長(図10B)及び速度(図10C)の平均(±SEM)を表すグラフを示す。対照、全長ADNP、及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図7A~Bに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=45;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=45。図10Dは、上記の図8Aに記載されるFRAP分析を示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像は、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示されたものである(10-12M、4時間)。図10Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図10Fは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。対照、全長ADNP及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図8A~Cに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=66;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=104。
図10B】SDM破壊されたSH3結合性部位を有するADNP p.Lys408Valfs31が、MT動態及びタウ-MT会合に対して悪影響を示すことを実証する。図10Aは、上記の図7Aに記載されるようなタイムラプスイメージングを示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31の代表的な画像を、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示する(10-12M、4時間)。図10B~Cは、EB3コメットトラック長(図10B)及び速度(図10C)の平均(±SEM)を表すグラフを示す。対照、全長ADNP、及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図7A~Bに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=45;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=45。図10Dは、上記の図8Aに記載されるFRAP分析を示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像は、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示されたものである(10-12M、4時間)。図10Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図10Fは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。対照、全長ADNP及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図8A~Cに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=66;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=104。
図10C】SDM破壊されたSH3結合性部位を有するADNP p.Lys408Valfs31が、MT動態及びタウ-MT会合に対して悪影響を示すことを実証する。図10Aは、上記の図7Aに記載されるようなタイムラプスイメージングを示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31の代表的な画像を、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示する(10-12M、4時間)。図10B~Cは、EB3コメットトラック長(図10B)及び速度(図10C)の平均(±SEM)を表すグラフを示す。対照、全長ADNP、及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図7A~Bに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=45;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=45。図10Dは、上記の図8Aに記載されるFRAP分析を示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像は、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示されたものである(10-12M、4時間)。図10Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図10Fは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。対照、全長ADNP及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図8A~Cに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=66;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=104。
図10D】SDM破壊されたSH3結合性部位を有するADNP p.Lys408Valfs31が、MT動態及びタウ-MT会合に対して悪影響を示すことを実証する。図10Aは、上記の図7Aに記載されるようなタイムラプスイメージングを示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31の代表的な画像を、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示する(10-12M、4時間)。図10B~Cは、EB3コメットトラック長(図10B)及び速度(図10C)の平均(±SEM)を表すグラフを示す。対照、全長ADNP、及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図7A~Bに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=45;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=45。図10Dは、上記の図8Aに記載されるFRAP分析を示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像は、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示されたものである(10-12M、4時間)。図10Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図10Fは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。対照、全長ADNP及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図8A~Cに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=66;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=104。
図10E】SDM破壊されたSH3結合性部位を有するADNP p.Lys408Valfs31が、MT動態及びタウ-MT会合に対して悪影響を示すことを実証する。図10Aは、上記の図7Aに記載されるようなタイムラプスイメージングを示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31の代表的な画像を、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示する(10-12M、4時間)。図10B~Cは、EB3コメットトラック長(図10B)及び速度(図10C)の平均(±SEM)を表すグラフを示す。対照、全長ADNP、及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図7A~Bに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=45;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=45。図10Dは、上記の図8Aに記載されるFRAP分析を示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像は、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示されたものである(10-12M、4時間)。図10Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図10Fは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。対照、全長ADNP及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図8A~Cに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=66;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=104。
図10F】SDM破壊されたSH3結合性部位を有するADNP p.Lys408Valfs31が、MT動態及びタウ-MT会合に対して悪影響を示すことを実証する。図10Aは、上記の図7Aに記載されるようなタイムラプスイメージングを示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31の代表的な画像を、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示する(10-12M、4時間)。図10B~Cは、EB3コメットトラック長(図10B)及び速度(図10C)の平均(±SEM)を表すグラフを示す。対照、全長ADNP、及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図7A~Bに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=45;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=45。図10Dは、上記の図8Aに記載されるFRAP分析を示す。短縮型ADNP p.Lys408Valfs31のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像は、NAP処理あり又はなしのp.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために提示されたものである(10-12M、4時間)。図10Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図10Fは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。対照、全長ADNP及びp.Lys408Valfs31のデータを、p.Lys408Valfs31 SDMとの比較のために示す。上記の図8A~Cに記載されているように、統計分析を行った。P<0.05、***P<0.001;p.Lys408Valfs31 SDM n=66;p.Lys408Valfs31 SDM+NAP n=104。
図11A】NAP中のSH3結合ドメインが、タウオパチーに対するその保護を増加させる、すなわち、タウ-MT会合を増加させることを実証する。図11Aは、NAP又はSKIP処理した分化したN1E-115細胞におけるRFPタグ付きEB3タンパク質を追跡するタイムラプスイメージングを示す(10-12M、4時間)。対照-非処理細胞。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得た)。図11Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.05、***P<0.001;対照n=19、NAP n=16、SKIP n=25。図11Cは、NAP/SKIP(10-12M、1時間)を伴う又は伴わない亜鉛(400μM、1時間)の処理後のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。図11Dは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.01、***P<0.001;対照n=82、Zn n=43、Zn+NAP n=61、Zn+SKIP n=44。図11Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図11Fは、タウ、チューブリン及びアクチン抗体を用いた重合(P)及び可溶性(S)タンパク質画分(重合対可溶性チューブリンアッセイによって得られた)のイムノブロッティングを示す。細胞を、NAP/SKIP(10-12M、4時間)あり又はなしで亜鉛(400μM、4時間)で処理し、非処理細胞を対照とした。図11Gは、可溶性タウ/チューブリン比の濃度測定定量化を表すグラフを示す。各バンドの強度をデンシトメトリーによって定量し、可溶性タンパク質のデンシトメトリー値を総タンパク質含量で割ることによって可溶性比を計算した(S/[S+P])。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって実行した。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001;タウ:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=12、Zn+SKIP n=9;チューブリン:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=9、Zn+SKIP n=9。
図11B】NAP中のSH3結合ドメインが、タウオパチーに対するその保護を増加させる、すなわち、タウ-MT会合を増加させることを実証する。図11Aは、NAP又はSKIP処理した分化したN1E-115細胞におけるRFPタグ付きEB3タンパク質を追跡するタイムラプスイメージングを示す(10-12M、4時間)。対照-非処理細胞。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得た)。図11Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.05、***P<0.001;対照n=19、NAP n=16、SKIP n=25。図11Cは、NAP/SKIP(10-12M、1時間)を伴う又は伴わない亜鉛(400μM、1時間)の処理後のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。図11Dは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.01、***P<0.001;対照n=82、Zn n=43、Zn+NAP n=61、Zn+SKIP n=44。図11Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図11Fは、タウ、チューブリン及びアクチン抗体を用いた重合(P)及び可溶性(S)タンパク質画分(重合対可溶性チューブリンアッセイによって得られた)のイムノブロッティングを示す。細胞を、NAP/SKIP(10-12M、4時間)あり又はなしで亜鉛(400μM、4時間)で処理し、非処理細胞を対照とした。図11Gは、可溶性タウ/チューブリン比の濃度測定定量化を表すグラフを示す。各バンドの強度をデンシトメトリーによって定量し、可溶性タンパク質のデンシトメトリー値を総タンパク質含量で割ることによって可溶性比を計算した(S/[S+P])。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって実行した。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001;タウ:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=12、Zn+SKIP n=9;チューブリン:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=9、Zn+SKIP n=9。
図11C】NAP中のSH3結合ドメインが、タウオパチーに対するその保護を増加させる、すなわち、タウ-MT会合を増加させることを実証する。図11Aは、NAP又はSKIP処理した分化したN1E-115細胞におけるRFPタグ付きEB3タンパク質を追跡するタイムラプスイメージングを示す(10-12M、4時間)。対照-非処理細胞。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得た)。図11Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.05、***P<0.001;対照n=19、NAP n=16、SKIP n=25。図11Cは、NAP/SKIP(10-12M、1時間)を伴う又は伴わない亜鉛(400μM、1時間)の処理後のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。図11Dは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.01、***P<0.001;対照n=82、Zn n=43、Zn+NAP n=61、Zn+SKIP n=44。図11Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図11Fは、タウ、チューブリン及びアクチン抗体を用いた重合(P)及び可溶性(S)タンパク質画分(重合対可溶性チューブリンアッセイによって得られた)のイムノブロッティングを示す。細胞を、NAP/SKIP(10-12M、4時間)あり又はなしで亜鉛(400μM、4時間)で処理し、非処理細胞を対照とした。図11Gは、可溶性タウ/チューブリン比の濃度測定定量化を表すグラフを示す。各バンドの強度をデンシトメトリーによって定量し、可溶性タンパク質のデンシトメトリー値を総タンパク質含量で割ることによって可溶性比を計算した(S/[S+P])。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって実行した。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001;タウ:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=12、Zn+SKIP n=9;チューブリン:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=9、Zn+SKIP n=9。
図11D】NAP中のSH3結合ドメインが、タウオパチーに対するその保護を増加させる、すなわち、タウ-MT会合を増加させることを実証する。図11Aは、NAP又はSKIP処理した分化したN1E-115細胞におけるRFPタグ付きEB3タンパク質を追跡するタイムラプスイメージングを示す(10-12M、4時間)。対照-非処理細胞。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得た)。図11Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.05、***P<0.001;対照n=19、NAP n=16、SKIP n=25。図11Cは、NAP/SKIP(10-12M、1時間)を伴う又は伴わない亜鉛(400μM、1時間)の処理後のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。図11Dは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.01、***P<0.001;対照n=82、Zn n=43、Zn+NAP n=61、Zn+SKIP n=44。図11Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図11Fは、タウ、チューブリン及びアクチン抗体を用いた重合(P)及び可溶性(S)タンパク質画分(重合対可溶性チューブリンアッセイによって得られた)のイムノブロッティングを示す。細胞を、NAP/SKIP(10-12M、4時間)あり又はなしで亜鉛(400μM、4時間)で処理し、非処理細胞を対照とした。図11Gは、可溶性タウ/チューブリン比の濃度測定定量化を表すグラフを示す。各バンドの強度をデンシトメトリーによって定量し、可溶性タンパク質のデンシトメトリー値を総タンパク質含量で割ることによって可溶性比を計算した(S/[S+P])。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって実行した。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001;タウ:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=12、Zn+SKIP n=9;チューブリン:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=9、Zn+SKIP n=9。
図11E】NAP中のSH3結合ドメインが、タウオパチーに対するその保護を増加させる、すなわち、タウ-MT会合を増加させることを実証する。図11Aは、NAP又はSKIP処理した分化したN1E-115細胞におけるRFPタグ付きEB3タンパク質を追跡するタイムラプスイメージングを示す(10-12M、4時間)。対照-非処理細胞。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得た)。図11Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.05、***P<0.001;対照n=19、NAP n=16、SKIP n=25。図11Cは、NAP/SKIP(10-12M、1時間)を伴う又は伴わない亜鉛(400μM、1時間)の処理後のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。図11Dは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.01、***P<0.001;対照n=82、Zn n=43、Zn+NAP n=61、Zn+SKIP n=44。図11Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図11Fは、タウ、チューブリン及びアクチン抗体を用いた重合(P)及び可溶性(S)タンパク質画分(重合対可溶性チューブリンアッセイによって得られた)のイムノブロッティングを示す。細胞を、NAP/SKIP(10-12M、4時間)あり又はなしで亜鉛(400μM、4時間)で処理し、非処理細胞を対照とした。図11Gは、可溶性タウ/チューブリン比の濃度測定定量化を表すグラフを示す。各バンドの強度をデンシトメトリーによって定量し、可溶性タンパク質のデンシトメトリー値を総タンパク質含量で割ることによって可溶性比を計算した(S/[S+P])。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって実行した。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001;タウ:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=12、Zn+SKIP n=9;チューブリン:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=9、Zn+SKIP n=9。
図11F】NAP中のSH3結合ドメインが、タウオパチーに対するその保護を増加させる、すなわち、タウ-MT会合を増加させることを実証する。図11Aは、NAP又はSKIP処理した分化したN1E-115細胞におけるRFPタグ付きEB3タンパク質を追跡するタイムラプスイメージングを示す(10-12M、4時間)。対照-非処理細胞。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得た)。図11Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.05、***P<0.001;対照n=19、NAP n=16、SKIP n=25。図11Cは、NAP/SKIP(10-12M、1時間)を伴う又は伴わない亜鉛(400μM、1時間)の処理後のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。図11Dは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.01、***P<0.001;対照n=82、Zn n=43、Zn+NAP n=61、Zn+SKIP n=44。図11Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図11Fは、タウ、チューブリン及びアクチン抗体を用いた重合(P)及び可溶性(S)タンパク質画分(重合対可溶性チューブリンアッセイによって得られた)のイムノブロッティングを示す。細胞を、NAP/SKIP(10-12M、4時間)あり又はなしで亜鉛(400μM、4時間)で処理し、非処理細胞を対照とした。図11Gは、可溶性タウ/チューブリン比の濃度測定定量化を表すグラフを示す。各バンドの強度をデンシトメトリーによって定量し、可溶性タンパク質のデンシトメトリー値を総タンパク質含量で割ることによって可溶性比を計算した(S/[S+P])。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって実行した。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001;タウ:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=12、Zn+SKIP n=9;チューブリン:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=9、Zn+SKIP n=9。
図11G】NAP中のSH3結合ドメインが、タウオパチーに対するその保護を増加させる、すなわち、タウ-MT会合を増加させることを実証する。図11Aは、NAP又はSKIP処理した分化したN1E-115細胞におけるRFPタグ付きEB3タンパク質を追跡するタイムラプスイメージングを示す(10-12M、4時間)。対照-非処理細胞。着色線(灰色の四角)は、EB3コメット様構造のトラックを表す(Imarisソフトウェアによって得た)。図11Bは、EB3コメットトラック長及び速度の平均(±SEM)を表すグラフを示す。データを、Imarisソフトウェアによって偏りのない様式で3つの独立した実験から収集し、データの統計分析を、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.05、***P<0.001;対照n=19、NAP n=16、SKIP n=25。図11Cは、NAP/SKIP(10-12M、1時間)を伴う又は伴わない亜鉛(400μM、1時間)の処理後のmCherryタグ付きタウ光退色(0’)及び蛍光回復(60’)の代表的な画像を示す。図11Dは、不動画分の適合データ(3回の独立した実験から)の平均(±SEM)を表すグラフである。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって行った。P<0.01、***P<0.001;対照n=82、Zn n=43、Zn+NAP n=61、Zn+SKIP n=44。図11Eは、正規化データのFRAP回復曲線を示す。図11Fは、タウ、チューブリン及びアクチン抗体を用いた重合(P)及び可溶性(S)タンパク質画分(重合対可溶性チューブリンアッセイによって得られた)のイムノブロッティングを示す。細胞を、NAP/SKIP(10-12M、4時間)あり又はなしで亜鉛(400μM、4時間)で処理し、非処理細胞を対照とした。図11Gは、可溶性タウ/チューブリン比の濃度測定定量化を表すグラフを示す。各バンドの強度をデンシトメトリーによって定量し、可溶性タンパク質のデンシトメトリー値を総タンパク質含量で割ることによって可溶性比を計算した(S/[S+P])。統計分析は、一元配置分散分析(IBM SPSS 23)によって実行した。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001;タウ:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=12、Zn+SKIP n=9;チューブリン:対照n=15、Zn n=18、Zn+NAP n=9、Zn+SKIP n=9。
図12】NAPが、SHANK3マウスモデルにおける不安/うつ病に対してオープンフィールド行動を保護することを示す。**P<0.05;**P<0.01;**P<0.001。
図13-1】NAPがSHANK3マウスモデルにおいて自閉症行動から保護することを示す。P<0.05;**P<0.01;**P<0.001。
図13-2】NAPがSHANK3マウスモデルにおいて自閉症行動から保護することを示す。P<0.05;**P<0.01;**P<0.001。
図14】NAPがBTBRマウスモデルにおいて自閉症行動から保護することを実証する。**P<0.05。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明は、いくつかの実施形態において、治療におけるADNFポリペプチドの使用に関する。
【0052】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載される、又は実施例によって例示される詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、又は様々な方法で実践又は実行することができる。
【0053】
損なわれた活性依存性神経保護タンパク質の新たに開発されたマウスモデル(NM_001310086(Adnp_v001):c.2154T>A,p.Tyr718突然変異を有する「Tyr」マウス-以下の実施例の実施例1を参照)の採用は、臨床的に認識されるADNP症候群に特徴的な発達異常及び認知異常の多くを再現するが、本発明者らは、ADNFポリペプチドの治療用途及び診断用途のためのいくつかの新規な適応症を同定した。
【0054】
したがって、いくつかの実施形態では、対象が発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っている疾患を処置する方法であって、方法が、治療有効量のADNFポリペプチドを対象に投与することを含み、ADNFポリペプチドが、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイにおいて神経栄養/神経保護活性を有し、それによって対象の疾患を処置する、方法が提供される。
【0055】
いくつかの実施形態では、疾患は、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患である。
【0056】
他の実施形態では、疾患は、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患である。
【0057】
更に他の実施形態では、疾患はアルツハイマー病である。
【0058】
特定の実施形態では、疾患はADNP症候群ではない。
【0059】
特定の実施形態では、本疾患は、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患であり、本疾患はADNP症候群ではない。他の実施形態では、本疾患は、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択され、本疾患はADNP症候群ではない。
【0060】
本発明者らは、ADNF/ADNPペプチドの投与が、SHANK3変異(ASD関連InsG3680変異)マウスモデルにおける異常行動の正常化に有効であることを示した。したがって、本発明のいくつかの態様によれば、処置を必要とする対象におけるSHANK3関連の疾患を処置する方法であって、対象に治療有効量のADNF IIIポリペプチドを投与することを含み、ADNF IIIポリペプチドがSH3結合ドメインを含み、それによって対象における疾患を処置する方法が提供される。
【0061】
本明細書で使用される場合、「SHANK3」[SH3及び複数アンキリン反復ドメイン3及びプロリンリッチシナプス関連タンパク質2(ProSAP2)としても知られる]という用語は、SHANK3遺伝子(遺伝子ID85358)の発現産物、例えばRNA又はタンパク質を指す。この遺伝子は、アンキリン反復ドメイン(ANK)、src 3ドメイン(SH3)、プロリンリッチドメイン、PDZドメイン、及び不稔性αモチーフドメイン(SAM)を含む5つの相互作用ドメイン又はモチーフを含むタンパク質をコードする。
【0062】
特定の実施形態によれば、SHANK3は、以下の受託番号NM_001080420、NM_001372044、NP_277052で提供されるようなヒトSHANK3である。
【0063】
本明細書で使用される場合、「SHANK3関連の疾患」という用語は、発症及び/又は進行についてのSHANK3機能不全(例えば、突然変異による)関連の疾患を指す。このような疾患の非限定的な例は、フェラン-マクダーミド症候群である。
【0064】
本明細書で使用される場合、「処置する」という用語は、病状(例えば、対象が、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っている、例えば、自閉症スペクトラム障害、知的障害、視覚誘発電位障害、及び/又は発話障害、アルツハイマー病など)の進行を抑止する、実質的に阻害する、遅らせる、又は逆転させること、病状の症状を実質的に改善すること、及び/又は病状と診断された対象における生存率を改善することを指す。当業者であれば、本明細書に更に開示されるように、様々な方法論及びアッセイを使用して、病状の発症又は病状の軽減若しくは退行を評価することができることを理解するであろう。
【0065】
本明細書で使用される場合、「予防する」という用語は、病態を有するとまだ診断されていない対象において病態が発生しないようにすること、及び/又は病態が発生する前に病態関連の症状の発現を予防することを指す。
【0066】
本明細書で使用される場合、「改善」又は「改善すること」という用語は、対象の疾患、状態、若しくは障害の負の態様の重症度、頻度、若しくは期間を低減若しくは緩和すること、又は対象の健康及び/又は疾患、状態、若しくは障害に関連する良好な状態の正の、有益な、若しくは所望の態様(の頻度、強度、若しくは期間)を増加させること若しくは生成することを指す。本発明によるADNFポリペプチドによる処置後の改善のいくつかの非限定的な例は、発声の質の改善、異常な誘発電位の逆転、「Tyr」仔マウスの開眼、表面立ち直り、及び空中立ち直りまでの時間の短縮、(以下の実施例のセクションの実施例1を参照のこと)。
【0067】
本明細書中で使用される場合、「視覚誘発電位障害関連の疾患」という語句は、集団全部ではなく集団の一部の疾患の症状が視覚誘発電位障害である疾患を指す。
【0068】
視覚誘発電位(VEP)は、視覚刺激に応答して視覚皮質によって生成される電気信号である。VEPは、閃光又はパターン化された刺激によって誘発され、後頭電極からのEEGによって記録される。
【0069】
本明細書で使用される場合、「視覚誘発電位障害」という用語は、健康な対象と比較した形状、振幅、及び/又は応答時間の変化を指す。
【0070】
特定の実施形態によれば、視覚誘発電位障害は網膜変性症に起因しない。
【0071】
特定の実施形態によれば、対象は網膜変性症に罹患していない。
【0072】
本明細書中で使用される場合、用語「発話障害関連の疾患」は、集団全部ではなく集団の一部の疾患の症状が、発話障害である疾患を指す。
【0073】
本明細書中で使用される場合、用語「発話障害」は、健常な対象と比較して、発声障害に起因しない発話能力の低下を指す。
【0074】
発話能力を判定する方法は、当技術分野で知られており、限定はしないが、構文複雑度を含み、例えば、www(dot)tn(dot)gov/content/dam/tn/education/special-education/eligibility/se_speech_or_language_impairment_evaluation_guidance(dot)pdf;www(dot)asha(dot)org/slp/assessment-and-evaluation-of-speech-language-disorders-in-school/;www(dot)asha(dot)org/practice-portal/clinical-topics/childhood-apraxia-of-speech/(これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。本発明のいくつかの実施形態では、発話障害又は発話能力は、構文複雑度に従って判定される。
【0075】
関連する病状の客観的尺度を提供することができるADNP不全に関連するさらなる異常としては、聴性脳幹定常状態応答、脳波図(EEG)、及び視線追跡が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、聴覚刺激に対する蝸牛誘発電位応答の記録に基づく、聴性脳幹応答を測定するための技法が周知である(例えば、Stapells and Oates,Audiol and Neuro-耳鼻咽喉科2:257-280,(1997)を参照されたい)。いくつかの実施形態では、聴性脳幹反応は、聴性定常反応として測定される(Hacohen-Kleiman G,Yizhar-Barnea O,Touloumi O,Lagoudaki R,Avraham KB,Grigoriadis N,Gozes I.Neurochem Res.2019年6月;44(6):1494-1507)。
【0076】
視覚注意(VA)の指標である視線追跡は、画像及び/又はテキストに応答して眼球運動を測定する対話型デバイスを使用して評価することができる。視線追跡を測定するための現在一般的な方法の1つは、眼球運動センサが取り付けられた仮想現実ヘッドセットを使用する。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態に従って処置することができる視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患の非限定的な例としては、神経変性疾患、認知障害、自閉症スペクトラム障害、精神障害、及び細胞骨格障害(例えば、ドラベ症候群、レット症候群及び脆弱X症候群)が挙げられる。
【0078】
本明細書中で使用される場合、「認知障害」という用語は、知的障害及び認知障害(典型的には、精神疾患又は神経変性疾患に関連する)の両方を包含する。
【0079】
本明細書で使用される場合、「知的障害(ID)」という用語は、一般的な学習障害又は精神遅滞(MR)としても知られており、有意に損なわれた知的及び適応機能を特徴とする全身性神経発達障害を指す。
【0080】
神経変性疾患又は認知障害の非限定的な例としては、基底核に影響を及ぼす変性状態(ハンティングトン病、ウィルソン病、線条体黒質変性症、皮質基底神経節変性)を含む中枢運動系の疾患、トゥレット症候群、パーキンソン病、進行性核上麻痺、進行性球麻痺、家族性痙性対麻痺、脊髄性筋萎縮症、ALS及びその変異体、歯状核赤核萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、傍腫瘍性神経症候群、並びにドーパミン中毒;感覚ニューロンに影響を及ぼす疾患、例えばフリードライヒ運動失調症、糖尿、末梢ニューロパシー、網膜ニューロン変性症;大脳アミロイドーシス、ピック萎縮、レット症候群などの辺縁系及び皮質系の疾患;複数のニューロン系及び/又は脳幹に関与する神経変性病理、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、AIDS関連認知症、リー病、びまん性レビー小体病、テンカン、多発性硬化症、多系統萎縮症、ギラン・バレー症候群、リポフスチン症などのリソソーム蓄積障害、ダウン症候群の後期変性段階、アルパーズ病、CNS変性の結果としての眩暈、ALS、大脳皮質基底核変性症、及び進行性核上麻痺;発達遅滞及び学習障害、ダウン症候群、脆弱X症候群、クラインフェルター症候群、プラダー・ウィリー症候群、猫鳴き症候群。及び酸化ストレス誘導性ニューロン死関連の病状;加齢及び慢性アルコール又は薬物乱用に伴って生じる病状、例えば、(i)アルコール中毒、青斑、小脳、コリン作用性基底前脳におけるニューロンの変性、(ii)加齢、認知、及び運動障害につながる小脳ニューロン及び皮質ニューロンの変性、並びに(iii)慢性アンフェタミン乱用、運動障害につながる基底核ニューロンの変性;限局性外傷から生じる病理学的変化、例えば卒中、局所虚血、血行不全、低酸素性虚血性脳障害、高血糖、低血糖、閉鎖性頭部外傷、及び直接外傷;治療薬及び処置の負の副作用として生じる病状(例えば、NMDAクラスのグルタミン酸受容体のアンタゴニストの抗痙攣用量に応答した帯状皮質ニューロン及び嗅内皮質ニューロンの変性)が挙げられる。
【0081】
自閉症スペクトラム障害及び知的障害の非限定的な例としては、ADNP症候群、ダウン症候群、SYNGAP1症候群、POGZ症候群、CHD8症候群、SCN2A症候群、ARID1B症候群、NRXN1症候群、DYRK1A症候群、GRIN障害、GRIN障害、及びCHD2症候群が挙げられる。
【0082】
いくつかの実施形態では、本発明の方法による処置、診断、又はモニタリングに適したさらなる状態としては、PTEN自閉症症候群、KMT5症候群、オキヒロ症候群+発育遅延、脆弱X症候群、アンジェルマン症候群、レット症候群、ヌーナン症候群、クリーフストラ症候群、スミス-マギニス症候群、及び他のコフィン-シリス症候群関連の障害が挙げられる。
【0083】
精神障害の非限定的な例としては、気分障害(例えば、大うつ病性障害(すなわち、単極性障害)、躁病、不快気分、双極性障害、気分変調、気分循環症)、精神病性障害(例えば、統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症型障害、妄想性障害、短期精神病性障害、及び共有精神病性障害)、人格障害、攻撃性、不安障害(例えば、強迫性障害及び注意欠陥障害)、並びに薬物関連障害、小児期障害、認知症、適応障害、譫妄、多重梗塞性認知症、「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」、第4版(DSM IV)に記載されるようなトゥーレット症候群などの他の精神障害が挙げられる。(Benitez-King G.et al,Curr Drug Targets CNS Neurol Disord.2004年12月;3(6):515-33.Reviewも参照されたい)。典型的には、このような障害は、複雑な遺伝的及び/又は生化学的要素を有する。
【0084】
特定の実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態によって処置される疾患は、ADNP症候群ではない。
【0085】
特定の実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態によって処置される疾患は、ADNP症候群である。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、多発性硬化症、SYNGAP1症候群、POGZ症候群、CHD8関連の障害、SCN2A症候群、ARID1B関連の症候群、NRXN1症候群、DYRK1A症候群、GRIN障害、CHD2症候群、ドラベ症候群、レット症候群、脆弱X症候群、GRIN障害、POGZ症候群、FOXP1症候群、SLC関連の障害、コフィン-シリス症候群、KMT5B症候群、PTEN自閉症症候群、オキヒロ症候群+発育遅延、アンジェルマン症候群、ヌーナン症候群、クリーフストラ症候群、及びスミス-マギニス症候群からなる群から選択される。
【0087】
本発明者らは、「Tyr」マウス表現型(例えば、以下の実施例のセクションの実施例1を参照)、並びにADNF/ADNPペプチドによる処置に対する「Tyr」マウスの応答の、全てではないがいくつかの性別関連の差異を明らかにした。よって、いくつかの実施形態では、対象は雄である。他の実施形態では、対象は、雌である。
【0088】
本明細書で使用される場合、「活性依存性神経保護因子(ADNF)」という用語は、ADNF III(ADNPとしても知られる)及び/又はADNF Iを指す。
【0089】
本明細書中で使用される場合、用語「ADNFポリペプチド」とは、以下に更に記載されるように、ADNF III又はADNF Iの活性の少なくとも1つを有する、ヒトADNF III及び/又はADNF Iのアミノ酸配列、又はその機能的相同体を指す。特定の実施形態によれば、「ADNFポリペプチド」という語句は、ADNF IIIポリペプチド及びADNF Iポリペプチドの混合物を指す。
【0090】
本明細書中で使用される場合、「機能的相同体」という語句は、以下に更に記載されるように、全長タンパク質の活性(例えば、神経栄養/神経保護活性、EB1及び/又はEB3への結合、SH3ドメインへの結合)のうちの少なくとも1つを維持する、フラグメント、天然に存在する相同体又は合成的/組換え的に産生された相同体、非ヒト相同体、対立遺伝子改変体又は多型改変体、保存的及び非保存的アミノ酸置換欠失又は付加を含むアミノ酸配列、類似体、親油性改変体及び/又は化学的に改変された改変体をいう。
【0091】
本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド」、「ペプチド」又は「アミノ酸配列」という用語(これらは、本明細書中で交換可能に使用される)は、ネイティブなペプチド(分解産物、合成的に合成されたペプチド又は組換えペプチドのいずれか)及びペプチド模倣物(代表的には、合成的に合成されたペプチド)、並びにペプチド類似体であるペプトイド及びセミペプトイドを包含し、これらは、例えば、ペプチドを身体中でより安定にするか、又は細胞中により浸透し得るようにする改変を有し得る。このような修飾には、N末端修飾、C末端修飾、ペプチド結合修飾、骨格修飾、及び残基修飾が含まれるが、これらに限定されない。ペプチド模倣化合物を調製するための方法は、当該分野で周知であり、例えば、本明細書に完全に記載されているかのように参照により組み込まれるQuantitative Drug Design,C.A.Ramsden Gd.,Chapter 17.2,F.Choplin Pergamon Press(1992)に記載されている。これに関するさらなる詳細を以下に提供する。
【0092】
ペプチド内のペプチド結合(-CO-NH-)は、例えば、N-メチル化アミド結合(-N(CH3)-CO-)、エステル結合(-C(=O)-O-)、ケトメチレン結合(-CO-CH2-)、スルフィニルメチレン結合(-S(=O)-CH2-)、α-アザ結合(-NH-N(R)-CO-)(式中、Rは、任意のアルキル(例えば、メチル)である)、アミン結合(-CH2-NH-)、スルフィド結合(-CH2-S-)、エチレン結合(-CH2-CH2-)、ヒドロキシエチレン結合(-CH(OH)-CH2-)、チオアミド結合(-CS-NH-)、オレフィン二重結合(-CH=CH-)、フッ素化オレフィン二重結合(-CF=CH-)、レトロアミド結合(-NH-CO-)、ペプチド誘導体(-N(R)-CH2-CO-)(式中、Rは、炭素原子上に天然に存在する「通常の」側鎖である)によって置換されていてもよい。
【0093】
これらの修飾は、ペプチド鎖に沿った結合のいずれかにおいて、及び同時に数個(2~3個)の結合においてさえ起こり得る。
【0094】
天然香料アミノ酸、Trp、Tyr、及びPheは、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Tic)、ナフチルアラニン、Pheの環メチル化誘導体、Pheのハロゲン化誘導体又はO-メチル-Tyrなどの非天然香料アミノ酸によって置換されていてもよい。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドはまた、1つ以上の改変アミノ酸又は1つ以上の非アミノ酸モノマー(例えば、脂肪酸、複合糖質など)を含み得る。
【0096】
用語「アミノ酸」又は「複数のアミノ酸」は、20種の天然に存在するアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、ホスホセリン及びホスホスレオニンを含む、インビボで翻訳後に修飾されることが多いアミノ酸、並びに2-アミノアジピン酸、ヒドロキシリジン、イソデスモシン、ノルバリン、ノルロイシン及びオルニチンを含むがこれらに限定されない他の異常アミノ酸を含むと理解される。更に、「アミノ酸」という用語は、D-アミノ酸及びL-アミノ酸の両方を含む。
【0097】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、少なくとも1つのD-アミノ酸を含む。
【0098】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも8つのD-アミノ酸を含む。
【0099】
特定の実施形態によれば、全てのポリペプチドアミノ酸は、D-アミノ酸である。
【0100】
以下の表1及び2は、天然に存在するアミノ酸(表2)、及び本発明のいくつかの実施形態で使用することができる非従来型又は修飾アミノ酸(例えば、合成、表3)を列挙する。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2-1】
【0103】
【表2-2】
【0104】
本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドのアミノ酸は、保存的又は非保存的のいずれかで置換され得る。
【0105】
本明細書で使用される「保存的置換」という用語は、ペプチド中の天然配列中に存在するアミノ酸の、天然若しくは非天然のアミノ又は同様の立体特性を有するペプチド模倣体による置換を指す。置換される天然アミノ酸の側鎖が、極性又は疎水性のいずれかである場合、保存的置換は、天然に存在するアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、又は(置換されたアミノ酸の側鎖と同じ立体特性を有することに加えて)極性又は疎水性であるペプチド模倣物部分によるものであるべきである。
【0106】
天然に存在するアミノ酸は、代表的には、それらの特性に従って分類されるので、天然に存在するアミノ酸による保存的置換は、本発明に従って、立体的に類似した非荷電アミノ酸による荷電アミノ酸の置換が保存的置換と見なされるという事実を考慮して、容易に決定され得る。
【0107】
天然に存在しないアミノ酸による保存的置換を生成するために、当該分野で周知のアミノ酸類似体(合成アミノ酸)を使用することもまた可能である。天然に存在するアミノ酸のペプチド模倣物は、当業者に公知の文献に十分に記載されている。
【0108】
保存的置換に影響を及ぼす場合、置換アミノ酸は、元のアミノ酸と同じ又は類似の官能基を側鎖に有するべきである。
【0109】
機能的に類似したアミノ酸をもたらす保存的置換リストは、当技術分野でよく知られている。どのアミノ酸変化が表現型的にサイレントである可能性が高いかに関するガイダンスはまた、Bowieら、1990、Science 247:1306 1310に見出され得る。
【0110】
「非保存的置換」という語句は、本明細書で使用される場合、親配列中に存在するアミノ酸の、異なる電気化学的及び/又は立体的特性を有する別の天然又は非天然アミノ酸による置換を指す。したがって、置換アミノ酸の側鎖は、置換される天然アミノ酸の側鎖よりも有意に大きく(又は小さく)することができる、及び/又は置換されるアミノ酸とは有意に異なる電子特性を有する官能基を有することができる。このタイプの非保存的置換の例としては、アラニンに対するフェニルアラニン若しくはシクロヘキシルメチルグリシンの置換、グリシンに対するイソロイシンの置換、又はアスパラギン酸に対する-NH-CH[(-CH2)5-COOH]-COの置換を表す。本発明の範囲に入るこれらの非保存的置換は、神経保護特性を有するペプチドをなお構成するものである。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドは、好ましくは、直鎖状形態で利用されるが、環化がペプチドの特徴を著しく妨害しない場合、ペプチドの環状形態も利用され得ることが理解される。
【0112】
特定の実施形態によれば、本発明のポリペプチドは、ペプチドが可溶性形態であることを必要とする処置において利用されるため、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドは、1つ以上の非天然又は天然の極性アミノ酸(セリン及びトレオニンを含むが、これらに限定されない)を含み、これらは、それらのヒドロキシル含有側鎖に起因してペプチドの溶解度を増加させ得る。
【0113】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、100未満、50未満、20未満、又は10未満のアミノ酸長である。
【0114】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、4~100、4~50、4~40、4~20、4~15、4~10、4~8、又は8アミノ酸長であり、それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0115】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8アミノ酸長である。
【0116】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、直接又はスペーサ若しくはリンカーを介して、細胞透過性部分及び/又は安定化部分に結合している。このような部分は、当該分野で周知であり、以下に更に詳細に記載される。
【0117】
特定の実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドのN末端及び/又はC末端は、官能基(すなわち、エンドキャッピング部分)によって保護され得る。このような官能基の例は、例えば、Green et al.,「Protective Groups in Organic Chemistry」,(Wiley,2.sup.nd ed.1991年),Harrison et al.,「Compendium of Synthetic Organic Methods」,第1-8巻(John Wiley and Sons,1971-1996);Green及びWuts,「Protecting Groups in Organic Synthesis」,John Wiley and Sons,第5及び7章,1991(これらの教示は参照により本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。好ましい保護基は、例えば、化合物の親水性を減少させ、親油性を増加させることによって、ポリペプチドの安定性を増加させる、及び/又はそれに結合した化合物の細胞への輸送を容易にするものである。
【0118】
特定の実施形態によれば、エンドキャッピングは、N末端エンドキャッピングを含む。
【0119】
N末端エンドキャッピング部分の代表的な例としては、ホルミル、アセチル(本明細書において「Ac」とも示される)、ステアリル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(本明細書において「Cbz」とも示される)、tert-ブトキシカルボニル(本明細書において「Boc」とも示される)、トリメチルシリル(「TMS」とも示される)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(「SES」とも示される)、トリチル基及び置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(本明細書において「Fmoc」とも示される)、並びにニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
特定の実施形態によれば、N末端エンドキャッピングは、アセチルを含む。
【0121】
特定の実施形態によれば、N末端エンドキャッピングは、ステアリルを含む(例えば、Gozes I,et al.Proc Natl Acad Sci U S A.1996年1月9日;93(1):427-32を参照されたい)。
【0122】
特定の実施形態によれば、エンドキャッピングは、C末端エンドキャッピングを含む。
【0123】
C末端エンドキャッピング部分の代表的な例は、典型的には、C末端でカルボキシ基のアシル化をもたらす部分であり、ベンジル及びトリチルエーテル並びにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル、アリルエーテル、モノメトキシトリチル及びジメトキシトリチルが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、C末端エンドキャッピングの-COOH基は、アミド基に改変され得る。
【0124】
特定の実施形態によれば、C末端エンドキャッピングは、アミドを含む。
【0125】
ペプチドの他のエンドキャッピング修飾には、アミン及び/又はカルボキシルの、ヒドロキシル、チオール、ハロゲン化物、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシなどの異なる部分による置換が含まれる。
【0126】
本発明の他の特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、非タンパク質性部分に結合している。
【0127】
特定の実施形態によれば、ポリペプチド及び結合した非タンパク質性部分は、直接又はスペーサ若しくはリンカーを介して共有結合している。
【0128】
本明細書で使用される「非タンパク質性部分」という語句は、上記のポリペプチドに結合したペプチド結合アミノ酸を含まない分子を指す。特定の実施形態によれば、非タンパク質性は、非毒性部分である。本教示に従って使用され得る例示的な非タンパク質性部分としては、薬物、化学物質、小分子、ポリヌクレオチド、検出可能部分、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ(スチレンコ無水マレイン酸)(SMA)、並びにジビニルエーテル及び無水マレイン酸コポリマー(DIVEMA)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態によれば、非タンパク質性部分は、ポリエチレングリコール(PEG)を含む。
【0129】
このような分子は非常に安定であり(おそらく非タンパク質性部分によって付与される立体障害のためにインビボタンパク質分解活性に耐性である)、以下に更に記載されるように、安価で非常に効率的な一般的な固相合成法を使用して産生され得る。しかし、組換えペプチド産物がインビトロ修飾(例えば、以下に更に記載されるようなPEG化)に供される組換え技術がなお使用され得ることが理解される。
【0130】
ペプチドアミノ酸配列とPEGとのバイオコンジュゲーション(すなわち、PEG化)は、PEG誘導体、例えば、PEGカルボン酸のN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、モノメトキシPEG-NHS、カルボキシメチル化PEGのスクシンイミジルエステル(SCM-PEG)、PEGのベンゾトリアゾールカーボネート誘導体、PEGのグリシジルエーテル、PEG p-ニトロフェニルカーボネート(PEG-NPC、例えばメトキシPEG-NPC)、PEGアルデヒド、PEG-オルトピリジル-ジスルフィド、カルボニルジイミダゾール活性化PEG、PEG-チオール、PEG-マレイミドを使用して行うことができる。このようなPEG誘導体は、種々の分子量で市販されている[例えば、Catalog,Polyethylene Glycol and Derivatives,2000(Shearwater Polymers,Inc.,Huntsvlle,Ala)を参照]。所望であれば、上記誘導体の多くは、単官能性モノメトキシPEG(mPEG)形態で利用可能である。一般に、本発明のいくつかの実施形態のペプチドに付加されるPEGは、数百ダルトン~約100kDa(例えば、3~30kDa)の分子量(MW)の範囲であるべきである。より大きなMW PEGが使用され得るが、PEG化ポリペプチドの収率のいくらかの損失をもたらし得る。より低いMW PEGについて得られるものと同程度に高い純度のより大きいMW PEGを得ることは困難であり得るので、より大きいPEG分子の純度も注意するべきである。少なくとも85%純度のPEGを使用することが好ましく、少なくとも90%純度、95%純度、又はそれ以上の純度のPEGを使用することがより好ましい。分子のPEG化は、例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques,Academic Press San Diego,Calif.(1996)の第15章及びZalipsky et al.,「Succinimidyl Carbonates of Polyethylene Glycol」,Dunn and Ottenbrite編,Polymeric Drugs and Drug Delivery Systems,American Chemical Society,ワシントンD.C.(1991)で更に論じられている。
【0131】
好都合なことに、PEGは、コンジュゲートの活性が保持される限り、部位特異的突然変異誘発によってペプチド中の選択された位置に結合することができる。PEG化の標的は、ペプチド配列のN末端又はC末端の任意のシステイン残基であり得る。追加的に又は代替的に、他のシステイン残基をペプチドアミノ酸配列に(例えば、N末端又はC末端に)付加し、それによってPEG化の標的として機能させることができる。活性を損なうことなく突然変異誘発のための好ましい位置を選択するために、コンピュータ分析を行うことができる。
【0132】
PEG-マレイミド、PEG-ビニルスルホン(VS)、PEG-アクリレート(AC)、PEG-オルトピリジルジスルフィドなどの活性化PEGの様々なコンジュゲーション化学を使用することができる。活性化PEG分子を調製する方法は、当技術分野において公知である。例えば、PEG-VSは、アルゴン下で、PEG-OHのジクロロメタン(DCM)溶液をNaHと、次いでジビニルスルホンと反応させることによって調製することができる(モル比:OH1:NaH5:ジビニルスルホン50、0.2グラムPEG/mL DCM)。PEG-ACは、アルゴン下で、PEG-OHのDCM溶液を塩化アクリロイル及びトリエチルアミンと反応させることによって作製される(モル比:OH1:塩化アクリロイル1.5:トリエチルアミン2、0.2グラムPEG/mL DCM)。このような化学基は、直鎖化された2アーム、4アーム、又は8アームPEG分子に結合することができる。
【0133】
得られたコンジュゲート分子(例えば、PEG化又はPVP結合体化ペプチド)は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)並びに生物学的アッセイを使用して、分離され、精製され、定性される。
【0134】
本発明のポリペプチド及び組成物は、透過性部分に(共有結合又は非共有結合のいずれかで)結合され得る。
【0135】
他の特定の実施形態によれば、ポリペプチドは異種透過性部分に結合していない。したがって、例えば、ADNFポリペプチドNAP(配列番号2)は、エンドサイトーシスによって生物学的に利用可能であり(例えば、Ivashko-Pachima Y、Gozes I.J Mol Neurosci.2020年7月;70(7):993-998を参照)、したがってそれ自体が細胞透過性ペプチドである。
【0136】
本明細書中で使用される場合、「透過性部分」という語句は、結合したポリペプチド又はそれを含む組成物のいずれかの、細胞膜を横切る移動を増強する薬剤を指す。
【0137】
一実施形態によれば、透過性部分はペプチドであり、ペプチド結合を介してポリペプチドに(直接的又は非直接的に)結合している。
【0138】
典型的には、ペプチド透過性部分は、リジン又はアルギニンなどの正に荷電したアミノ酸高い相対存在量を含有するアミノ酸組成を有するか、又は極性/荷電アミノ酸及び非極性疎水性アミノ酸の交互パターンを含有する配列を有する。
【0139】
非限定的な例として、細胞透過性ペプチド(CPP)配列は、細胞内透過を増強するために使用され得る。しかしながら、本開示はそのように限定されず、当業者に知られているように、任意の適切な浸透剤を使用することができる。
【0140】
細胞透過性ペプチド(CPP)は、ほとんど全ての細胞の内部にアクセスする能力を有する短いペプチド(≦40アミノ酸)である。それらは高度にカチオン性であり、通常アルギニン及びリジンアミノ酸が豊富である。それらは、タンパク質、オリゴヌクレオチド、更には200nmリポソームなどの多種多様な共有結合及び非共有結合したカーゴを細胞内に運ぶという例外的な特性を有する。したがって、追加の例示的な実施形態によれば、CPPを使用して、ADNPポリペプチドを細胞の内部に輸送することができる。
【0141】
TAT(HIV-1由来の転写活性化因子)、pAntp(ペネトラチン、ショウジョウバエアンテナペディアホメオドメイン転写因子とも呼ばれる)及びVP22(単純ヘルペスウイルス由来)は、非毒性かつ効率的な様式で細胞に侵入することができ、本発明のいくつかの実施形態での使用に適し得るCPPの非限定的な例である。CPP-カーゴコンジュゲートを産生するための、及びそのようなコンジュゲートで細胞を感染させるためのプロトコルは、例えば、L Theodore,et al.[The Journal of Neuroscience,(1995)15(11):7158-7167]、Fawell S,et al.[Proc Natl Acad Sci USA,(1994)91:664-668]、及びJing Bian et al.[Circulation Research.2007;100:1626-1633]に見出すことができる。
【0142】
別の例示的な実施形態によれば、ポリペプチドは、当該分野で公知の方法のいずれかによって、微粒子化された送達ビヒクル(例えば、リポソーム又はナノ粒子若しくは微粒子)に組み込まれ得る[例えば、Liposome Technology,Vol.II,Incorporation of Drugs,Proteins,and Genetic Material,CRC Press;Monkkonen,J.et al.,1994,J.Drug Target,2:299-308;Monkkonen,J,et al.,1993,Calcif.Tissue Int.,53:139-145;Lasic D D.,Liposomes Technology Inc.,Elsevier,1993,63-105.(第3章);Winterhalter M,Lasic D D,Chem Phys Lipids,1993年9月;64(1-3):35-43]。
【0143】
リポソームは、体積を囲む脂質二重層から構成される任意の合成(すなわち、天然に存在しない)構造を含む。リポソームとしては、エマルジョン、フォーム、ミセル、不溶性単層、液晶、リン脂質分散液、ラメラ層などが挙げられる。リポソームは、異なるサイズであり得、低pH又は高pHを含有し得、異なる電荷であり得る。
【0144】
本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドは、ペプチド合成の当業者に公知の任意の技術(例えば、固相技術及び組換え技術が挙げられるが、これらに限定されない)によって合成され得る。
【0145】
固相ペプチド合成については、多くの技術の概要が、J.M.Stewart and J.D.Young,Solid Phase Peptide Synthesis,W.H.Freeman Co.(産フランシスコ),1963及びJ.Meienhofer,Hormonal Proteins and Peptides,vol.2,p.46,Academic Press(ニューヨーク),1973に見出され得る。古典的な溶液合成については、G.Schroder及びK.Lupke,The Peptides,vol.1,Academic Press(New York),1965を参照されたい。
【0146】
一般に、これらの方法は、成長するペプチド鎖への1つ以上のアミノ酸又は適切に保護されたアミノ酸の連続的付加を含む。通常、第1のアミノ酸のアミノ基又はカルボキシル基のいずれかは、適切な保護基によって保護される。次いで、保護又は誘導体化されたアミノ酸は、アミド結合を形成するために適切な条件下で、適切に保護された相補的(アミノ又はカルボキシル)基を有する配列中の次のアミノ酸を添加することによって、不活性固体支持体に結合され得るか、又は溶液中で利用することができる。次いで、保護基は、この新たに付加されたアミノ酸残基から除去され、次に、次のアミノ酸(適切に保護されている)が付加され、以下同様である。全ての所望のアミノ酸が適切な配列で連結された後、任意の残りの保護基(及び任意の固体支持体)が連続的に又は同時に除去されて、最終ペプチド化合物が得られる。この一般的な手順の単純な改変によって、例えば、保護されたトリペプチドを適切に保護されたジペプチドとカップリング(キラル中心をラセミ化しない条件下で)して、脱保護後にペンタペプチドなどを形成することによって、伸長する鎖に一度に2つ以上のアミノ酸を付加することが可能である。ペプチド合成のさらなる説明は、米国特許第6、472,505号に開示されている。
【0147】
大規模ペプチド合成は、Andersson Biopolymers 2000;55(3):227-50に記載されている。本発明の特定の実施形態は、ポリペプチドと、本明細書に開示されるポリペプチド以外の治療薬とを含む併用治療/予防の使用を企図する。
【0148】
したがって、特定の実施形態によれば、本明細書に開示されるポリペプチドは、各薬剤単独による処置と比較して改善された治療効果又は予防効果を達成するために、追加の活性薬剤と共に個体に提供され得る。従って、このポリペプチドは、単独で投与され得るか、又は他の確立された治療レジメン若しくは実験的な治療レジメンと共に投与されて、本明細書中に詳述されるような、誘発電位及び/又は発話障害関連の疾患、自閉症スペクトラム障害及び知的障害、アルツハイマー病、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害及び細胞骨格障害を処置又は予防し得る。このような治療では、併用療法に関連し得る有害な副作用を最小限に抑えるか又は排除するための手段(例えば、補完的薬剤の投薬及び選択)がとられる。
【0149】
本発明の特定の実施形態で使用することができるADNFポリペプチドの非限定的な例は、例えば、国際特許出願公開第1992/018140号、同第9611948号、同第98/35042号、同第0027875号、同第00/53217号、同第01/12654号、同第01/92333号、同第2004/080957号、同第2006/099739号、同第2007/096859号、同第2008/08448号、同第2011/021186号、同第2009/026687号、同第2010/075635号、同第2011/083461号、同第2011/099011号、同第2013/171595、同第2017/130190号、同第2004/060309号、同第2003022226号、並びに米国特許第5767240号、同第6174862号、同第6613740号、及び同第8586548号に詳細に記載され、それぞれ参照により全体が本明細書に組み込まれ、更に以下記載される。
【0150】
特定の実施形態によれば、ADNFはADNF IIIである。
【0151】
「ADNF III」は、ADNP(活性依存性神経保護タンパク)としても知られており、これは、ADNP遺伝子によってコードされるポリペプチドを意味する(遺伝子ID23394)。特定の実施形態によれば、ADNF IIIは、ヒトADNF IIIである。全長ヒトADNF III(ADNP)は、123,562.8 Da(>1000アミノ酸残基)の予測分子量及び約6.97の理論piを有する。ヒトADNF III遺伝子は、認知機能に関連する領域である染色体20q13.13-13.2に局在する。ADNF IIIの例示的な全長アミノ酸及び核酸配列は、国際公開第98/35042号、国際公開第00/27875号、米国特許第6,613,740号、及び同第6,649,411号に見出すことができる。特定の実施形態によれば、ADNF IIIアミノ酸配列は、配列番号1を含む。
【0152】
本明細書に記載されるADNF IIIポリペプチドは、全長ADNF IIIの活性の少なくとも1つ、例えば、インビトロ皮質ニューロン培養アッセイで測定されるような神経栄養/神経保護活性、EB1及び/又はEB3への結合、SH3ドメインへの結合を有する。
【0153】
神経栄養/神経保護活性を試験するためのアッセイは、当該技術分野において周知であり、限定するものではないが、例えば、Hill et ah,Brain Res.603;222:233(1993);Brenneman & Gozes,J.Clin.Invest.97:2299-2307(1996),Gozes et al,Proc.Natl.Acad.ScL USA 93,427-432(1996)に記載されるインビトロ皮質ニューロン培養アッセイを含む。
【0154】
結合を試験するためのアッセイは当技術分野で周知であり、フローサイトメトリー、BiaCore、バイオレイヤー干渉法Blitz(登録商標)アッセイ、HPLCが挙げられるが、これらに限定されない。
【0155】
本発明の特定の実施形態で使用され得るADNF IIIポリペプチドの非限定的な例を、以下の表3に提供する。
【0156】
特定の実施形態によれば、ADNF IIIポリペプチドは、配列番号1~22のいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性又は相同性を有するアミノ酸配列を含む。
【0157】
本明細書で使用される場合、「同一性」又は「配列同一性」とは、全体的な同一性、すなわち、本明細書に開示されるアミノ酸又は核酸配列全体にわたる同一性であって、その一部にわたるものではない同一性を指す。
【0158】
配列同一性又は相同性は、Blast、ClustalW、及びMUSCLEなどの任意のタンパク質又は核酸配列アラインメントアルゴリズムを使用して判定することができる。
【0159】
特定の実施形態によれば、ADNFは、ADNF Iである。
【0160】
「ADNF I」は、
Gozes I,Brenneman DE.J Mol Neurosci.1996年冬;7(4):235-44;Brenneman DE,Gozes I.J Clin Invest.1996年5月15日;97(10):2299-307及びBrenneman DE,et al.J Pharmacol Exp Ther.1998年5月;285(2):619-27(それぞれの内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載される活性依存性神経栄養因子を指す。特定の実施形態によれば、ADNF Iは、ヒトADNF Iである。全長ヒトADNF Iは、8.3±0.25のpiで約14,000 Daの予測分子量を有する。特定の実施形態によれば、ADNF Iアミノ酸配列は、配列番号24又は45のいずれかを含む。
【0161】
本明細書中に記載されるADNF Iポリペプチドは、全長ADNF Iの活性の少なくとも1つ、例えば、EB1及びEB3に結合するインビトロ皮質ニューロン培養アッセイで測定される神経栄養/神経保護活性を有する。
【0162】
本発明の特定の実施形態で使用することができるADNF Iポリペプチドの非限定的な例を、以下の表3に提供する。
【0163】
特定の実施形態によれば、ADNF Iポリペプチドは、配列番号24~48のいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性又は相同性を有するアミノ酸配列を含む。
【0164】
【表3-1】
【0165】
【表3-2】
【0166】
さらなる態様では、ポリペプチドは、NAPVSIPQ(配列番号2)若しくはSALLRSIPA(配列番号24)のアミノ酸配列を含む活性コア部位、又は保存的に改変された変異体(例えば、1つ以上のアミノ酸の欠失、付加、若しくは置換)若しくは化学的に改変されたその変異体を含み、記載されるようなインビトロ皮質ニューロン培養アッセイで測定される神経栄養/神経保護活性を有する。ADNFポリペプチドは、ADNF Iポリペプチド、ADNF IIIポリペプチド、それらの対立遺伝子、多型変異体、類似体、種間相同体、その任意の部分配列、又は例えば、インビトロ又はインビボのいずれかで中枢神経系に由来するニューロンに対して神経保護/神経栄養作用を示す親油性変異体に由来し得る。ADNF関連神経保護ペプチドは、4~8アミノ酸程度の短い範囲であってもよく、例えば、8~20、8~50、10~100、又は約200、500以上のアミノ酸を有することができる。変異体ADNP関連の神経保護ペプチドの1つの非限定的な例は、SKIPの4アミノ酸ペプチド(配列番号21)であり、Amram et al.Sexual Divergence in Microtubule Function:The Novel Intranasal Microtubule Targeting SKIP Normalizes Axonal Transport and Enhances Memory.Mol Psychiatry,2016;21・1467-76を参照されたい。さらなる例としては、NAPVSIPQ(配列番号13)及びSALLRSIPA(配列番号36)の全てのD-アミノ酸誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0167】
よって、本発明のさらなる態様によれば、このポリペプチドは、式(R-Asn-Ala-Pro-Val-Ser-Ile-Pro-Gln-(R(配列番号49)を有し、Rは、1個~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、Rは、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、x及びyは、独立して選択され、0又は1に等しい。さらなる実施形態では、配列番号49のコアアミノ酸配列「Asn-Ala-Pro-Val-Ser-Ile-Pro-Gln」(「Asn-Ala-Pro-Val-Ser-Ile-Pro-Gln」は配列番号2と同一である)は、配列番号2の類似体によって置換される。
【0168】
本発明のさらなる態様では、ポリペプチドは、式(R-Ser-Ala-Leu-Leu-Arg-Ser-Ile-Pro-Ala-(R(配列番号50)を有し、Rは、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され、Rは、1~約40個のアミノ酸を含むアミノ酸配列であり、各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸及びアミノ酸類似体からなる群から独立して選択され;そしてx及びyは、独立して選択され、そして0又は1に等しい。さらなる実施形態では、配列番号50のアミノ酸配列「Ser-Ala-Leu-Leu-Arg-Ser-Ile-Pro-Ala」(「Ser-Ala-Leu-Leu-Arg-Ser-Ile-Pro-Ala」は配列番号24と同一である)は、配列番号24の類似体によって置換される。
【0169】
本発明のADNPペプチド及びポリペプチドは、処置を必要とする対象において疾患を処置するのに有効であるため、ADNFペプチド及びポリペプチドによる処置の有効性をモニタリングするためにも使用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、視覚誘発電位障害及び/又は発話障害と診断された対象におけるADNFポリペプチドによる処置の有効性をモニタリングする方法であって、対象が、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害を患っており、本方法が、ADNFポリペプチドによる処置後に対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力を判定することを含み、ADNFポリペプチドによる処置後の対象の視覚誘発電位及び/又は発話能力の改善が、処置が有効であることを示す、方法が提供される。
【0170】
いくつかの実施形態では、対象は、発声障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患と診断されている。他の実施形態では、対象は、自閉症スペクトラム障害又は知的障害と診断されている。なおさらなる実施形態では、対象は、アルツハイマー病と診断されている。
【0171】
特定の実施形態によれば、対象は、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害からなる群から選択される疾患と診断されている。
【0172】
視覚誘発電位及び/又は当該発話能力の反復決定、並びに発声障害、自閉症スペクトラム障害又は知的障害、アルツハイマー病、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患と診断されていない健康な個体からの値との比較は、1回より多く行うことができ、ADNFポリペプチドによる処置後の異なる時点からの対象の視覚誘発電位及び/又は当該発話能力の値の複数の評価は、有効性を決定する際に、並びにさらなる治療レジメン、例えば投与の用量及び頻度の戦略化を助ける際に有益であり得ることが理解されるであろう。
【0173】
本明細書で使用される場合、対象の視覚誘発電位障害及び/又は発語能力を「モニタリングする」という用語は、一般に、対象の状態の変化(例えば、疾患関連のパラメータ、例えば、限定するものではないが、形状、振幅及び/又は視覚応答時間又は発話パターン及び発声の変化)をモニタリングすること、特に記録して、例えば、発声障害、自閉症スペクトラム障害又は知的障害、アルツハイマー病、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患の診断を知らせ、発声障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害又は自閉症、アルツハイマー病、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害に起因しない視覚誘発電位障害及び/又は発話障害関連の疾患の予後を知らせ、ADNF又はADNPペプチド又はポリペプチドなどを用いた処置の効果又は有効性に関する情報を提供することを指す。例えば、対象の処置の有効性のモニタリングが、例えば、知的障害若しくはアルツハイマー病、認知障害、及び/又は細胞骨格障害についての現在の処置の効果の低下を示す場合、処置の強度(用量、頻度など)の増加、又は異なる処置選択肢が考慮され得る。反復モニタリングは、記載されるように、処置(複数可)の持続期間を通して行うことができる。
【0174】
「Tyr」マウスモデルを使用して、本発明者らは、その発現がADNF遺伝子の改変(例えば、突然変異)に特徴的な異常な表現型と相関して調節解除されるバイオマーカーを同定した。特に重要なのは、遺伝子転写物SMOX(スペルミンオキシダーゼ)、ARRB1(アレスチンβ1)、ADCY6(アデニル酸シクラーゼ6)、FOXO3(フォークヘッドボックスO3)、及びCPXM1(カルボキシペプチダーゼX、M14ファミリーメンバー1)、(STOM(ストマチン)、DNAJB4(DnaJ熱ショックタンパク質ファミリー(Hsp40)メンバーB4))及びTMCC2(膜貫通及びコイルドコイルドメインファミリー2)であった(以下の実施例における実施例1を参照のこと)。
【0175】
本明細書で使用される場合、「SMOX」[SMO、C20orf16、ポリアミンオキシダーゼ、PAO-1、PAOH1、PAOH、DJ779E11.1としても知られる]という用語は、発現産物、例えば、SMOX遺伝子(遺伝子ID54498)のRNA又はタンパク質を指す。この遺伝子は、スペルミンからスペルミジンへの酸化を触媒し、二次的に過酸化水素を産生するFAD含有酵素をコードする。
【0176】
特定の実施形態によれば、SMOXは、以下の受託番号NP_001257620.1、NP_787033.1、NP_787034.1、NP_787035.1及びNP_787036.1で提供されるようなヒトSMOXである。
【0177】
本明細書で使用される場合、「SMOX関連の疾患」という用語は、発症及び/又は進行についてのSMOX機能不全(例えば、突然変異による)関連の疾患を指す。このような疾患の非限定的な例は、症候群性X連鎖性知的障害Snyder型及び毛包性角化症Spinulosa Decalvansである。
【0178】
本明細書で使用される場合、「ARRB1」[アレスチンβ、ARR1、非視覚アレスチン-2、β-アレスチン-1、アレスチン-2、アレスチンβ-1及びARB1としても知られる]という用語は、発現産物、例えば、ARRB1遺伝子(遺伝子ID408)のRNA又はタンパク質を指す。この遺伝子は、β-アドレナリン作動性受容体のβ-アドレナリン作動性受容体キナーゼ(BARK)媒介性脱感作において補因子として作用する細胞質ゾルタンパク質をコードし、末梢血白血球において高レベルで発現され、そして受容体媒介性免疫機能の調節において主要な役割を果たすと考えられる。
【0179】
特定の実施形態によれば、ARRB1は、以下の受託番号NM_004041.5、NP_004032.2、NP_064647.1及びNM_0202541.4で提供されるようなヒトARRB1である。
【0180】
本明細書で使用される場合、「ARRB1関連の疾患」という用語は、発症及び/又は進行に関するARRB1機能不全(例えば、突然変異による)に関連する疾患を指す。そのような疾患の非限定的な例は、不適切な抗利尿の性早熟症、中枢性、1及び腎性症候群である。
【0181】
本明細書で使用される場合、「ADCY6」[アデニル酸シクラーゼ6、AC6、Ca(2+)-阻害可能アデニル酸シクラーゼ、ATP-ピロリン酸リアーゼ6、VI型アデニル酸シクラーゼ、6型アデニル酸シクラーゼ、EC4.6.1.1、アデニリルシクラーゼ6としても知られる]という用語は、発現産物、例えば、ADCY6遺伝子(遺伝子ID112)のRNA又はタンパク質を指す。この遺伝子は、サイクリックAMPの合成に必要なアデニリルシクラーゼファミリーのタンパク質のメンバーであるタンパク質をコードする。このファミリーの全てのメンバーは、細胞内N末端、細胞質ループによって分離された6つの膜貫通ドメインの縦列反復、及びC末端細胞質ドメインを有する。2つの細胞質領域はATPに結合し、タンパク質の触媒コアを形成する。
【0182】
特定の実施形態によれば、ADCY6は、以下の受託番号NM_001390830.1、NP_001377759.1、NM_015270.5及びNP_056085.1で提供されるようなヒトADCY6である。
【0183】
本明細書中で使用される場合、用語「ADCY6に関連する疾患」とは、発症及び/又は進行についてのADCY6機能不全(例えば、変異に起因する)に関連する疾患をいう。このような疾患の非限定的な例は、致死性先天性拘縮症候群8及び髄鞘形成不全神経障害-関節拘縮症症候群である。
【0184】
本明細書中で使用される場合、用語「FOXO3」[フォークヘッドボックス03、FOXO3A、FOXO2、AF6q21、フォークヘッドボックスタンパク質03、FKHRL1P2、及びAF6q21タンパク質としてもれる]は、発現産物、例えば、FOXO3遺伝子(遺伝子ID2309)のRNA又はタンパク質を指す。この遺伝子は、別個のフォークヘッドドメインによって特徴付けられ、アポトーシス及び自食作用などのプロセスを調節する転写因子のフォークヘッドファミリーに属する転写活性化因子をコードする。
【0185】
特定の実施形態によれば、FOXO3は、以下の受託番号NM_201559.3、NP_963853.1、NM_001455.4及びNP_001446.1で提供されるようなヒトFOXO3である。
【0186】
本明細書で使用される場合、「FOXO3関連の疾患」という用語は、発症及び/又は進行に関するFOXO3機能不全(例えば、突然変異による)関連の疾患を指す。このような疾患の非限定的な例は、老化及び染色体6Q欠失である。
【0187】
本明細書で使用される場合、「STOM」[ストマチン、BND7、EPB72、赤血球タンパク質バンド7.2及び赤血球膜表面タンパク質バンド7.2としても知られる]という用語は、発現産物、例えば、STOM遺伝子(遺伝子ID2040)のRNA又はタンパク質を指す。この遺伝子は、内在性膜タンパク質の高度に保存されたファミリーのメンバーをコードする。コードされたタンパク質は、赤血球及び他の細胞型の細胞膜に局在し、そこでイオンチャネル及び輸送体を調節し得る。
【0188】
特定の実施形態によれば、STOMは、以下の受託番号NM_004099.6、NP_004090.4、NM_198194.3、NP_937837.1、NM_001270526.2、及びNP_001257455.1で提供されるようなヒトSTOMである。
【0189】
本明細書で使用される場合、「STOM関連の疾患」という用語は、発症及び/又は進行についてのSTOM機能不全(例えば、突然変異による)関連の疾患を指す。このような疾患の非限定的な例は、水分過剰遺伝性口内炎及び遺伝性有口赤血球症である。
【0190】
本明細書で使用される場合、「DNAJB4」[DNAJ熱ショックタンパク質、HSP40タンパク質相同体サブファミリーB、メンバー4、Hsp40相同体、及びDNAJWとしても知られる]という用語は、発現産物、例えば、DNAJB4遺伝子(遺伝子ID11080)のRNA又はタンパクを指す。この遺伝子は、分子シャペロン、腫瘍抑制因子、及び熱ショックタンパク質-40ファミリーのメンバーをコードする。コードされたタンパク質は、細胞接着タンパク質E-カドヘリンに結合し、それを原形質膜に標的化する。このタンパク質はまた、不正確に折り畳まれたE-カドヘリンに結合し、それを小胞体関連分解の標的とする。この遺伝子は、結腸直腸癌に対する強力な腫瘍抑制因子である。
【0191】
特定の実施形態によれば、DNAJB4は、以下の受託番号NM_004099.6、NP_004090.4、NM_198194.3、NP_937837.1、NM_001270526.2及びNP_001257455.1で提供されるようなヒトDNAJB4である。
【0192】
本明細書で使用される場合、「DNAJB4関連の疾患」という用語は、発症及び/又は進行に関するDNAJB4機能不全(例えば、突然変異による)関連の疾患を指す。このような疾患の非限定的な例は、眼筋咽頭型筋ジストロフィーである。
【0193】
本明細書で使用される場合、「TMCC2」[膜貫通及びコイルドコイルドメインタンパク質、HUCEP11、脳タンパク質、FLJ38497及びKIAA0481としても知られる]という用語は、発現産物、例えば、TMCC2遺伝子(遺伝子ID9911)のRNA又はタンパク質を指す。この遺伝子は、アミロイド前駆体タンパク質代謝に関与する小胞体ベースのタンパクをコードする。
【0194】
特定の実施形態によれば、TMCC2は、以下の受託番号NM_014858.4、NP_055673.2、NM_001242925.2、NP_001229854.1、NM_001375652.1及びNP_001362581.1で提供されるようなヒトTMCC2である。
【0195】
本明細書で使用される場合、「TMCC2関連の疾患」という用語は、発症及び/又は進行についてのTMCC2機能不全(例えば、変異による)関連の疾患を指す。このような疾患の非限定的な例は、ヌーナン症候群10及び欠乏性貧血である。
【0196】
本明細書で使用される場合、用語「CPXM1」[カルボキシペプチダーゼX、M14ファミリーメンバー1、CPX1、CPXM、推定カルボキシペプチダーゼX1、メタロカルボキシペプチダーゼCPX-1としても知られる]は、発現産物、例えば、CPXM1遺伝子(遺伝子ID56265)のRNA又はタンパク質を指す。この遺伝子は、おそらく、細胞間相互作用に関与し得るタンパク質のカルボキシペプチダーゼファミリーのメンバーをコードする。
【0197】
特定の実施形態によれば、CPXM1は、以下の受託番号NM_019609.5、NP_062555.1、NM_001184699.2、NP_001171628.1で提供されるようなヒトCPXM1である。
【0198】
本明細書で使用される場合、「CPXM1関連の疾患」という用語は、発症及び/又は進行に関するCPXM1機能不全(例えば、突然変異による)関連の疾患を指す。そのような疾患の非限定的な例は、鏡像運動1である。
【0199】
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、ADNP関連障害の診断又はモニタリングは、対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーのレベルを判定することを含む。
【0200】
特定の実施形態では、マーカーのレベルは、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害及び細胞骨格障害からなる群から選択される疾患と診断された対象、又は自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患と診断された対象、又はアルツハイマー病と診断された対象における処置の有効性をモニタリングするために使用することができ、処置後のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、及び/又はTMCC2のレベルの低下及び/又は前記CPXM1のレベルの上昇は、処置が有効であることを示す。
【0201】
他の特定の実施形態では、マーカーのレベルは、対象の生物学的試料において、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害及び細胞骨格障害からなる群から選択される疾患を診断するため、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患を診断するため、又はアルツハイマー病を診断するために使用することができる。
【0202】
本発明の方法に従って、アルツハイマー病、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害、自閉症スペクトラム障害、及び知的障害の陽性診断の徴候を有する対象は、診断の確認のためのさらなる診断試験のために参照され得る、及び/又は診断された状態の処置のために選択され得ると理解される。
【0203】
アルツハイマー病及び他の神経変性疾患のさらなる診断のための1つの例示的なアプローチは、国立神経・伝達障害・脳卒中研究所及びアルツハイマー病・関連障害協会(National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke and the Alzheimer’s Disease and Related Disorders Association:NINCDS-ADRDA)(McKhann et al.,1984)によって開発された一連の診断基準を用いた臨床評価である。これらの基準は、病歴、臨床検査、神経心理学的検査、脳イメージング、及び実験室評価の態様を含み、最近更新された。さらなる実験室評価は、通常、血液分析(すなわち、栄養欠乏又はホルモン障害に起因する認知機能障害を除外するため)を含む。神経心理学的検査は、典型的には、検査バッテリー、又は短いスクリーニング機器、例えばミニメンタルステート検査を含む。脳イメージングは、通常、構造的磁気共鳴イメージング(MRI)又はコンピュータ断層撮影を介して行われ、診断が不確かな場合には陽電子放出断層撮影(PET)が追加される。なお更に、放射線イメージングは、インビボでのADの病理学的特徴の検出を提供し得る。タウのマーカーは依然として実験的であり得るが、アミロイド斑に結合するいくつかのトレーサー:11C標識されたピッツバーグ化合物B(PIB)及び18F標識された代替物は、日常的な臨床使用に入っている。血流への注射後、ピッツバーグ化合物B(PIB)は、血液脳関門を通過し、アミロイド斑(原線維アミロイド-βペプチド)の沈着物に結合する。アミロイド斑へのPIB結合は、PETによって検出することができる。認知症患者からのスキャンを区別するための機能的イメージングにおける自動分類及び皮質厚測定の開発を伴って、MRIスキャンもまた有用である。サポートベクターマシン(SVM)のような多変量パターン認識方法(すなわち、機械学習技術)もまた、認知症及びADを正確に診断することができる。
【0204】
いくつかの実施形態は、本方法は、状態を処置することを含む。アルツハイマー病及び他の神経変性状態のための例示的な治療としては、本明細書中に記載されるような本発明のADNPポリペプチド又はペプチドを単独で、又は他の薬物と組み合わせて用いる処置を挙げることができる。アルツハイマー病及び他の神経変性疾患のための薬物の非限定的なリストには、アデュカヌマブ、ドネペジル、レバスチグミン、メマンチン、ドネペジル及びガランタミンと共に製剤化されたメマンチンが含まれる。更に、認知訓練は、恩恵を得ることができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2及び/又はCPXM1の濃度又はレベルのそれぞれの閾値が決定され、所定の閾値を上回るSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4及び/又はTMCC2の増加、及び/又は所定の閾値を下回るCPXM1の濃度又はレベルは、対象における自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害及び細胞骨格障害からなる群から選択される疾患、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患、又はアルツハイマー病の存在を示す。所定の閾値は、正常な健康なヒト対象について決定されたSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及び/又はCPXM1濃度の範囲外の値又は値の範囲であり得るか、又は自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害及び、細胞骨格障害、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患、又はアルツハイマー病を患っていない、適合した対象又は対象(例えば、以下の基準:年齢、BMI、体重、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害、自閉症スペクトラム障害及び知的障害からなる群から選択される疾患の過去の診断及び/又は家族歴、及びその他の臨床パラメータの少なくとも1つについて適合された適合対象)から採取される試料又は複数の試料でアッセイされたSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及び/又はCPXM1の値であり得る。閾値を決定するための参照試料はまた、(モニタリングにおけるように)同じ対象から採取された以前の試料であってもよい。いくつかの実施形態では、「増加した」とは、所定の閾値よりも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、1.5倍、2倍、3倍、4倍又はそれ以上高い範囲の濃度を指す。他の実施形態では、「未満」又は「低下した」は、所定の閾値よりも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、1.5倍、2倍、3倍、4倍又はそれ以上低い範囲の濃度を指す。
【0206】
本発明のいくつかの局面において、本方法は、対象の生物学的試料中のSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1からなる群から選択されるマーカーを検出することを含む。「生物学的試料」という用語は、生物から得られる様々な試料タイプを包含し、診断、予測、又はモニタリングアッセイで使用することができる。この用語は、血液及び生物学的起源の他の液体試料、又はそれに由来する細胞及びその子孫を包含する。この用語は、試薬による処理、可溶化、又は特定成分の豊富化などの達成後に任意の方法で操作されている試料を包含する。この用語は、臨床試料を包含し、細胞上清、細胞溶解物、血清、血漿、生体液、及び組織試料も含む。本発明の方法において使用するための臨床試料は、様々な供給源、特に血液試料から得ることができる。
【0207】
特に関連する試料源としては、血液試料又はその調製物、例えば全血、又は血清若しくは血漿、涙液及び尿が挙げられる。特定の実施形態では、ヒト試料の好適な初期供給源は血液試料である。したがって、対象のアッセイで使用される試料は、一般に血液由来試料である。血液由来試料は、全血又はその画分、例えば、血清、血漿などに由来してもよく、いくつかの実施形態では、試料は血液に由来し、凝固させ、血清又は血漿を分離及び収集してアッセイに使用する。他の実施形態では、試料は、凝固せずに(例えば、EDTA、クエン酸塩、ヘパリンなどの抗凝固剤と共に)収集された血液に由来し、次いでアッセイのために収集された血清又は血漿に由来する。
【0208】
いくつかの実施形態では、試料は、血清又は血清由来試料である。液体血清サンプルを生成するための任意の便利な方法論が使用され得る。
【0209】
また、上記の方法の1つ以上を実施するための試薬、システム、及びそのキットが提供される。本発明の試薬、システム、及びそのキットは、大きく変化し得る。対象となる試薬は、試料から上述のマーカーの臨床的に有用なマーカーレベル表示を生成する際に使用するために特に設計された試薬、例えば、1つ以上の検出要素、例えば、マーカータンパクの検出のための抗体又はペプチド、核酸の検出のためのオリゴヌクレオチドなどを含む。いくつかの例では、キットは、可溶性SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、又はCPXM1に特異的に結合する第1の薬剤、及びマーカーの正常参照試料を含む。特定の実施形態では、SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、及びCPXM1についての正常参照試料は、上記で詳述したADNF/ADNP関連状態(例えば、自閉症スペクトラム障害、神経変性疾患、認知障害、精神障害、及び細胞骨格障害)のいずれも有さない健康なヒト対象において見出されるマーカーのレベルを含有する試料である。他の実施形態では、薬剤は、検出可能に標識され得るか、又は酵素(例えば、蛍光標識抗体、放射性標識抗体又は免疫結合体化抗体)に結合され得る。マーカーに結合する薬剤は、マーカーに対する抗体又はそのマーカー結合フラグメントであり得る。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。他の実施形態では、マーカー(複数可)に結合する薬剤は、固体表面上に固定化され、例えば、上記で詳述したように、ビーズ(マイクロスフェア)、ELISAプレートなどに結合される。
【0210】
いくつかの実施形態では、システム又はキットは、ディップスティックとしても知られる試験ストリップ(例えば、ラテラルフロー試験ストリップ)を含み、好ましくは、必ずしもそうではないが、ハウジングに入れられ、対象又は医療専門家によって読み取られるように設計され、いくつかの実施形態では、試験ストリップを用いて行われるアッセイはサンドイッチ免疫アッセイである。通常、追加の分子が、陽性又は陰性対照としてデバイス内に存在する。典型的な陽性対照は、試験される試料中に存在することが知られている分子を認識する抗体であり得る。典型的な陰性対照は、試験される試料中に存在しないことが知られている分子を認識する抗体であり得る。
【0211】
そのような薬剤の別のタイプは、SMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、又はCPXM1に特異的なプローブ、プライマー、又は抗体(試薬とも呼ばれる)を含むプローブのアレイ、プライマーのコレクション、又は抗体のコレクションである。このようなアレイは、上記に列挙されていないさらなる遺伝子/タンパク質/補因子に特異的な試薬(例えば、その発現パターンが本明細書中に詳述される疾患及び状態に関連することが当該分野で公知である遺伝子/タンパク質/補因子に特異的なプローブ、プライマー、又は抗体)を含み得る。
【0212】
場合によっては、システムが提供されてもよい。本明細書中で使用される場合、「システム」という用語は、試薬の集合を指すが、例えば、同じ供給源又は異なる供給源から試薬の集合を購入することによってまとめられる。場合によっては、キットが提供されてもよい。本明細書中で使用される場合、用語「キット」は、一緒に提供される(例えば、販売される)試薬の集合を指す。例えば、試料タンパク質の抗体ベースの検出は、それぞれ、個別医療のためのSMOX、ARRB1、ADCY6、FOXO3、STOM、DNAJB4、TMCC2、又はCPXM1の多重決定を可能にする電気化学バイオセンサプラットフォームと組み合わされ得る。本発明のシステム及びキットは、上記のアレイ、遺伝子特異的プライマーの集合、又はタンパク質特異的抗体の集合、並びに種々の方法において使用される1つ以上のさらなる試薬を含み得、これらは、予め混合されていてもよく、又は別々であってもよい。本発明のシステム及びキットはまた、1つ以上の子癇前症表現型決定要素、例えば、「入力」マーカーレベルプロファイルに基づいて子癇前症予後診断を行うために、例えば適切な実験手段又は計算手段によって用いることができる参照試料若しくは対照試料又はマーカー表示を含んでもよい。
【0213】
上記の成分に加えて、本発明のキットは、本発明の方法を実施するための説明書を更に含む。これらの説明書は、様々な形態で本発明のキットに存在してもよく、そのうちの1つ以上がキットに存在してもよい。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、キットのパッケージング中や添付文書中に、適切な媒体又は基材、例えば、情報が印刷された1枚以上の紙に印刷された情報として存在する。更に別の媒体は、情報が記録されているコンピュータ可読媒体、例えばディスケット、CDなどであろう。存在し得る更に別の手段は、離れたサイトで情報にアクセスするためにインターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。任意の便利な手段が、キット中に存在し得る。
【0214】
本明細書に記載のポリペプチド及び/又は治療薬は、対象に、それ自体で、又は薬学的に許容される担体と混合された医薬組成物の一部として提供することができる。
【0215】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、生理学的に好適な担体及び賦形剤等の他の化学成分を含む、本明細書に記載の1つ又は複数の活性成分の調製物を指す。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることである。
【0216】
本明細書において、「活性成分」という用語は、生物学的効果の原因となるポリペプチド又は治療薬を指す。
【0217】
以下「生理学的に許容される担体」及び「薬学的に許容される担体」という語句は、互換的に使用され得、生物に著しい刺激を引き起こさず、投与される化合物の生物学的活性及び特性を抑制しない担体又は希釈剤を指す。アジュバントはこれらの語句に含まれる。
【0218】
本明細書において、「賦形剤」という用語は、活性成分の投与を更に容易にするために医薬組成物に添加される不活性物質を指す。賦形剤の非限定的な例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖及び種々のタイプのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0219】
薬物の製剤化及び投与の技術は、参照により本明細書に組み込まれる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,Mack Publishing Co.,Easton,PAの最新版に見出すことができる。
【0220】
適切な投与経路としては、例えば、経口、舌下、局所、皮内、直腸、経粘膜(点眼剤を含む)、特に経鼻、腸又は非経口送達(筋肉内、皮下及び髄内注射並びに髄腔内、直接脳室内、心臓内(例えば、右心室腔又は左心室腔へ)、総冠動脈への注射、静脈内、腹腔内、鼻腔内、肺内又は眼内注射を含む)が挙げられ得る。
【0221】
特定の実施形態によれば、有効成分は、全身に提供される。
【0222】
特定の実施形態によれば、投与経路は、鼻腔内又は肺内投与である。
【0223】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、国際公開第16/073,199号(その内容は参照により本明細書に完全に組み込まれる)に記載されているように、経鼻投与用に製剤化される。
【0224】
他の特定の実施形態によれば、投与経路は皮膚内である。活性剤を皮膚に投与する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、活性剤を含み、皮膚の外表面に適用される皮内注射、ゲル、液体スプレー、デバイス、及びパッチが挙げられる。
【0225】
本発明のいくつかの実施形態によれば、対象の皮膚への活性剤の投与は、局所的に(皮膚上で)行われる。
【0226】
本発明のいくつかの実施形態によれば、対象の皮膚への活性剤の投与は、例えば、対象の皮膚上に適用される、活性成分を含むゲル、液体スプレー又はパッチ(例えば、リザーバ型パッチ及びマトリックス型パッチ)を使用して、非侵襲的に行われる。
【0227】
活性剤の皮膚への送達を増加させるために、活性剤は、表皮又は真皮層への送達を増加させるように設計された様々なビヒクルと共に製剤化できることに留意すべきである。このようなビヒクルとしては、リポソーム、デンドリマー、ノイソーム、トランスファーソーム、マイクロエマルジョン、及び固体脂質ナノ粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0228】
本発明のいくつかの実施形態によれば、投与は、皮内注射によって行われる。
【0229】
中枢神経系(CNS)への薬物送達のための従来のアプローチとしては、以下が挙げられる。神経外科的戦略(例えば、海馬内(IH)、脳内(IC)、脳内注射、脳室内注射(ICV)、又は注入若しくは髄膜投与);BBBの内因性輸送経路の1つを利用しようとする、薬剤の分子操作(例えば、それ自体がBBBを通過することができない薬剤と組み合わせて、内皮細胞表面分子に対して親和性を有する輸送ペプチドを含むキメラ融合タンパク質の産生);薬剤の脂溶性を増加させるように設計された薬理学的戦略(例えば、水溶性薬剤の脂質又はコレステロール担体へのコンジュゲーション);高浸透圧破壊(頸動脈へのマンニトール溶液の注入又はアンジオテンシンペプチドなどの生物学的に活性な薬剤の使用から生じる)によるBBBの統合性の一時的破壊。しかしながら、これらの戦略の各々は、侵襲的外科的処置に関連する固有のリスク、内因性輸送系に固有の制限によって課されるサイズ制限、CNSの外側で活性であり得るキャリアモチーフから構成されるキメラ分子の全身投与に関連する潜在的に望ましくない生物学的副作用、及びBBBが破壊される脳の領域内での脳損傷の可能性のあるリスクなどの制限を有し、これにより、最適以下の送達方法となる。
【0230】
あるいは、例えば、患者の組織領域に医薬組成物を直接注射することによって、全身的ではなく局所的に医薬組成物を投与してもよい。
【0231】
本発明のいくつかの実施形態の医薬組成物は、当該技術分野で周知のプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって製造されてもよい。
【0232】
したがって、本発明のいくつかの実施形態による使用するための医薬組成物は、医薬として使用され得る調製物への活性成分の処理を容易にする、賦形剤及び助剤を含む1つ以上の生理学的に許容される担体を使用して従来の方法で製剤化され得る。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
【0233】
注射の場合、医薬組成物の活性成分は、水溶液、好ましくはハンクス液、リンガー液、又は生理食塩緩衝液、又は生理食塩水若しくは徐放性溶液などの生理学的に適合性のある緩衝液中で製剤化され得る。経粘膜投与の場合、透過する障壁に適した浸透剤が製剤に使用される。そのような浸透剤は、一般に当技術分野において知られている。
【0234】
経口投与の場合、医薬組成物は、活性化合物を当技術分野において周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることにより容易に製剤化され得る。そのような担体によって、患者による経口摂取のために、医薬組成物を錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして製剤化することが可能になる。経口使用のための薬理学的調製物は、固体賦形剤を使用して作製することができ、得られた混合物を任意選択で粉砕し、所望により好適な助剤を添加した後、顆粒の混合物を処理して、錠剤又は糖衣錠コアを得ることができる。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖などの充填剤;例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物;及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)等の生理学的に許容されるポリマー等の充填剤である。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウム等の崩壊剤が添加されてもよい。
【0235】
特定の実施形態によれば、医薬組成物は、鼻腔内投与用に製剤化される。
【0236】
糖衣錠のコアには、好適なコーティングが施される。この目的のために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液及び好適な有機溶媒又は溶媒混合物を任意に含み得る濃縮糖溶液が使用され得る。識別のため、又は活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料又は色素が錠剤又は糖衣錠コーティングに添加されてもよい。
【0237】
経口で使用され得る医薬組成物には、ゼラチンでできた押し込み型カプセル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトール等の可塑剤でできた軟質密封カプセルが含まれる。押し込み型カプセルは、ラクトース等の充填剤、デンプン等の結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウム等の滑剤、及び任意選択で安定剤と混合した活性成分を含んでもよい。軟カプセルでは、活性成分は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコール等の好適な液体に溶解又は懸濁されてもよい。更に、安定剤が添加されてもよい。経口投与用の全ての製剤は、選択された投与経路に好適な投薬量である必要がある。
【0238】
口腔内投与の場合、組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤又はロゼンジの形態をとることができる。
【0239】
特定の実施形態によれば、医薬組成物は、吸入(例えば、鼻腔内又は肺内)用に製剤化される。
【0240】
経鼻吸入による投与の場合、本発明のいくつかの実施形態による使用のための活性成分は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン又は二酸化炭素の使用により、過圧パック又は噴霧器からエアロゾルスプレーの形態で便利に送達される。加圧エアロゾルの場合、計量された量を送達するためのバルブを提供することにより、投薬量単位を決定することができる。ディスペンサーで使用するための、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物及びラクトース又はデンプン等の好適な粉末基剤の粉末混合物を含むように製剤化され得る。
【0241】
本明細書に記載の医薬組成物は、例えば、ボーラス注射又は持続注入による非経口投与用に製剤化されてもよい。注射用の製剤は、単位剤形で、例えば、任意選択で保存剤を添加して、アンプル又は複数回投与用容器で提供されてもよい。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又はエマルジョンであってもよく、懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤等の製剤化剤を含んでもよい。徐放性製剤はまた、非経口投与のための医薬組成物の調製において使用され得る。
【0242】
非経口投与用の医薬組成物には、水溶性形態の活性製剤の水溶液が含まれる。更に、活性成分の懸濁液は、適切な油性又は水ベース注射用懸濁液として調製され得る。好適な親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油等の脂肪油、若しくはオレイン酸エチル等の合成脂肪酸エステル、トリグリセリド又はリポソームが含まれる。水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストラン等の懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでもよい。任意選択で、懸濁液はまた、高濃度の溶液の調製を可能にするために、好適な安定剤、又は活性成分の溶解度を増加させる薬剤を含んでもよい。
【0243】
代替として、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、発熱物質を含まない無菌の水ベース溶液を構成するための粉末形態であってもよい。
【0244】
本発明のいくつかの実施形態の医薬組成物は、例えば、カカオバター又は他のグリセリド等の従来の坐剤基剤を使用して、坐剤又は停留浣腸剤等の直腸組成物に製剤化されてもよい。
【0245】
本発明のいくつかの実施形態の医薬組成物はまた、血清半減期を高めるために持続放出用に製剤化されてもよい。このような持続放出系は当業者に周知であり、例えばマイクロカプセル及びナノ粒子が挙げられる。特定の実施形態によれば、タンパク質及びペプチドのためのProLease生分解性ミクロスフェア送達システム(Tracy,1998,Biotechnol.Prog.14,108;Johnson et al,1996,Nature Med.2,795;Herbert et al.,1998,Pharmaceut.Res.15,357)、他の薬剤と共に又は他の薬剤なしで乾燥製剤として配合することができる、ポリマーマトリックス中にタンパク質を含有する生分解性ポリマーミクロスフェアから構成される乾燥粉末。
【0246】
本発明のいくつかの実施形態に関連する使用に好適な医薬組成物には、活性成分が意図された目的を達成するのに有効な量で含まれている組成物が含まれる。より具体的には、治療有効量は、処置されている対象の疾患又は障害(例えば、ARDS、コロナウィルス感染症などの感染症)の症状を予防、緩和、又は改善するのに有効な活性成分の量を意味する。
【0247】
治療有効量の決定は、特に本明細書で提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0248】
本発明の方法において使用される任意の調製物について、治療有効量又は用量は、最初にインビトロ及び細胞培養アッセイから推定することができる。例えば、用量は、所望の濃度又は力価を達成するように動物モデルにおいて処方することができる。そのような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。
【0249】
本明細書に記載される活性成分の毒性及び治療有効性は、細胞培養又は実験動物におけるインビトロでの標準的な製薬手順によって決定することができる。これらのインビトロ及び細胞培養アッセイ並びに動物試験から得られたデータは、ヒトに使用するための様々な投与量を処方する際に使用することができる。投与量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じて変動し得る。正確な処方、投与経路、及び投薬量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択され得る。(例えば、Fingl,et al.(1975),「The Pharmacological Basis of Therapeutics」,Ch.1,p.1を参照されたい)。
【0250】
配列番号2のADNPポリペプチドの完全な毒性評価については、Gozes I.Front Neurol.2020年11月24日;11:608444(その内容は参照により本明細書に完全に組み込まれる)を参照されたい。
【0251】
投与量及び間隔は、活性成分のレベルが生物学的効果(最小有効濃度、MEC)を誘導又は抑制するのに十分であることを提供するために個々に調整され得る。MECは調製毎に異なるが、インビトロデータから推定することができる。MECを達成するために必要な投薬量は、個々の特性及び投与経路に依存する。検出アッセイは、血漿濃度を判定するために使用することができる。
【0252】
マウスモデルにおいて判定された用量は、他の種(例えば、ヒト及び疾患と診断された他の動物)の処置のために変更することができる。FDAによって承認された変換表は、Reagan-Shaw S,et al.,FASEB J.22:659-661(2007)に示されている。
【0253】
ヒト等価用量は以下のように計算される。HED(mg/kg)=動物用量(mg/kg)×(動物K/ヒトK)。
【0254】
処置される状態の重症度及び応答性に依存して、投薬は単回又は複数回の投与であってもよく、処置のコースは数日から数週間続けられてもよく、又は治癒がもたらされるか、若しくは病状の緩和が達成されるまで続けられてもよい。標的患者集団は、神経変性状態が継続的な注意を必要とする遺伝的に障害のある個体を含むため、処置は、典型的には延長され、ほとんどの場合、長期に及ぶ処置過程となることが理解されよう。
【0255】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、1日1回又は2回投与される。
【0256】
投与される組成物の量は、当然ながら、処置されている対象、苦痛の重症度、投与様式、処方する医師の判断等に依存するであろう。
【0257】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、0.0001mg/kg~1,000mg/kgの範囲の量で提供され、その間の任意の中間部分範囲及び値、例えば、1用量当たり0.001mg/kg、0.1mg/kg、1mg/kg、5mg/kg、15mg/kg、50mg/kg、又は500mg/kgを含む。特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、0.05~0.1mg/kgの範囲、例えば0.08mg/kgの量で提供される。より具体的な実施形態では、ポリペプチドは、0.01mg/kg~2mg/kg体重の範囲の量で提供され、その間の任意の中間部分範囲及び値、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、129、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、44、45、46、47、48、49、又は50mg/70kg対象を含む。なおさらなる実施形態では、ポリペプチドは、1~40mg/70kg対象、特に5、15又は30mg/70kg対象の範囲の量で提供される。
【0258】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、0.1~1mg/kg、例えば0.4mg/kgの範囲の量で、例えば皮下投与で提供される。
【0259】
特定の実施形態によれば、ポリペプチドは、0.05~0.5mg/kg、例えば0.2mg/kg(70kgの対象に15mg)又は0.07mg/kg(70kgの対象に5mg)の範囲の量で、例えば鼻腔内に提供される。
【0260】
本発明の組成物は、必要に応じて、有効成分を含有する1つ以上の単位剤形を含有し得るパック又はディスペンサーデバイス、例えば、FDA承認キットで提供され得る。パックは、例えば、ブリスターパック等の金属又はプラスチック箔を含み得る。パック又はディスペンサーデバイスには、投与のための説明書が添付されてもよい。パック又はディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関によって規定された形式の容器に関連する通知に対応してもよく、この通知は、組成物又は人間若しくは獣医学における投与の形態の、機関による承認を反映している。そのような通知は、例えば、処方箋医薬品に関する米国食品医薬品局によって承認されたラベル、又は承認された製品の添付文書であってもよい。適合性のある医薬担体に製剤化された本発明の調製物を含む組成物はまた、上記で更に詳述されるように、適応状態の処置のために調製され、適切な容器に入れられ、ラベル付けされ得る。
【0261】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、±10%を指す。
【0262】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する」という用語及びそれらの変化形は、「含むが、それに限定されない」ことを意味する。
【0263】
「~からなる」という用語は、「~を含み、それに限定される」ことを意味する。
【0264】
「~から本質的になる」という用語は、組成物、方法、又は構造が追加の成分、ステップ、及び/又は部分を含み得るが、ただし追加の成分、ステップ、及び/又は部分が請求される組成物、方法又は構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0265】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「化合物」又はその。
【0266】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜及び簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、全ての可能な部分範囲及びその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6等の範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の具体的に開示された部分範囲、並びに1、2、3、4、5及び6等のその範囲内の個々の数字を有すると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0267】
本明細書で数値範囲が示される場合は常に、示された範囲内の任意の引用された数字(分数又は整数)を含むことを意味する。第1の表示数と第2の表示数との間の「範囲(ranging)/範囲(ranges)」及び第1の表示数「から」第2の表示数「までの範囲(ranging)/範囲(ranges)」という表現は、本明細書では互換的に使用され、第1及び第2の表示数、並びにそれらの間の全ての分数及び整数の数字を含むことを意味する。
【0268】
本明細書で使用される場合、「方法」という用語は、所与の作業を達成するための様式、手段、技術及び手順を指し、化学、薬学、生物学、生化学及び医学分野の従事者に既知の、又は彼らによって既知の様式、手段、技術及び手順から容易に開発される様式、手段、技術及び手順を含むが、それらに限定されない。
【0269】
本明細書で使用される場合、「治療すること」という用語は、状態の進行を抑止すること、実質的に阻害すること、遅延させること若しくは逆転させること、状態の臨床的症状若しくは審美的症状を実質的に改善すること、又は状態の臨床的症状若しくは審美的症状の出現を実質的に予防することを含む。
【0270】
特定の配列表を参照する場合、このような参照はまた、例えば、配列決定エラー、クローニングエラー、又は塩基置換、塩基欠失若しくは塩基付加を生じる他の変化から生じるマイナーな配列変動を含むとして、その相補的配列に実質的に対応する配列を包含すると理解されるべきであるが、ただし、このような変動の頻度は、50ヌクレオチド中1未満、あるいは100ヌクレオチド中1未満、あるいは200ヌクレオチド中1未満、あるいは500ヌクレオチド中1未満、あるいは1000ヌクレオチド中1未満、あるいは5,000ヌクレオチド中1未満、あるいは10,000ヌクレオチド中1未満である。
【0271】
明確にするために別々の実施形態に関連して説明される本発明のある特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることが理解される。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されているが、本発明の他の説明された実施形態では、別個に、又は任意の適切なサブコンビネーションで、又は適切に、提供されてもよい。様々な実施形態に関連して説明されるある特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除いて、それらの実施形態の不可欠な特徴と見なされるべきではない。
【0272】
上記で描写され、以下の特許請求の範囲で請求されるような本発明の様々な実施形態及び態様は、以下の実施例において実験的に裏付けられる。
【実施例
【0273】
ここで、以下の実施例を参照するが、これは、上記の説明と共に、本発明のいくつかの実施形態を非限定的な方法で示している。
【0274】
一般に、本明細書で使用される命名法及び本発明で利用される実験手順には、分子、生化学、微生物学及び組換えDNA技術が含まれる。そのような技術は文献で十分に説明されている。例えば、「Molecular Cloning:A laboratory Manual」Sambrook et al.(1989);「Current Protocols in Molecular Biology」Volumes I-III Ausubel,R.M.編(1994);Ausubel et al.,「Current Protocols in Molecular Biology」,John Wiley and Sons,メリーランド州ボルチモア(1989);Perbal,「A Practical Guide to Molecular Cloning」,John Wiley&Sons,ニューヨーク(1988);Watson et al.,「Recombinant DNA」,Scientific American Books,ニューヨーク;Birren et al.(編)「Genome Analysis:A Laboratory Manual Series」、1-4巻,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ニューヨーク(1998);米国特許第4,666,828号、同第4,683,202号、同第4,801,531号、同第5,192,659号、及び同第5,272,057号に記載されている方法;「Cell Biology:A Laboratory Handbook」,Volumes I-III Cellis,J.E.編(1994);Freshneyによる「Culture of Animal Cells-A Manual of Basic Technique」,Wiley-Liss,ニューヨーク(1994),第3版;「Current Protocols in Immunology」Volumes I-III Coligan J.E.編(1994)。Stites et al.(編),「Basic and Clinical Immunology」(第8版),Appleton&Lange,コネチカット州ノーウォーク(1994);Mishell and Shiigi(編),「Selected Methods in Cellular Immunology」,W.H.Freeman and Co.,ニューヨーク(1980);特許及び科学文献、例えば、米国特許第3,791,932号同第3,839,153号同第3,850,752号同第3,850,578号同第3,853,987号同第3,867,517号同第3,879,262号同第3,901,654号同第3,935,074号同第3,984,533号同第3,996,345号同第4,034,074号同第4,098,876号同第4,879,219号、同第5,011,771、及び同第5,281,521に広く記載されている利用可能なイムノアッセイ;「Oligonucleotide Synthesis」Gait,M.J.編(1984);「Nucleic Acid Hybridization」Hames,B.D.及びHiggins S.J.編(1985);「Transcription and Translation」Hames,B.D.及びHiggins S.J.編(1984);「Animal Cell Culture」Freshney,R.I.編(1986);「Immobilized Cells and Enzymes」IRL Press,(1986);「A Practical Guide to Molecular Cloning」Perbal,B.,(1984)及び「Methods in Enzymology」Vol.1-317,Academic Press。「PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications」,Academic Press,カリフォルニア州サンディエゴ(1990)。Marshak et al.,「Strategies for Protein Purification and Characterization-A Laboratory Course Manual」CSHL Press(1996);を参照されたい(これらは全て、参照により本明細書に完全に記載されているかのように組み込まれる)。他の一般的な参考文献は、本文書全体で提供されている。その中の手順は、当該技術分野において周知であると考えられ、読者の利便性のために提供される。そこに含まれる全ての情報は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0275】
実施例1
ADNP症候群マウスモデルにおいて発見されたNAPの新規効果
材料及び方法
Tyrマウスの作製、遺伝子型決定、及び育種-例えば(99)に記載されている標準的な方法を使用してマウスを作製した。
【0276】
具体的には、5匹の異なるG2マウスをG4と交配させて、可能性のあるオフターゲットの影響を弱めた。全ての実験についての育種スキームは以下の通りであった。Tyr雄X C57BL6/NJ雌。C57BL6/NJコロニーを、本発明者らの施設で5育種世代下で維持し、遺伝的ドリフト及びシフトを回避するためにJackson laboratoriesから受け取ったマウスを使用してリフレッシュした。マウスを、実験群に応じてp0-1又は離乳時のいずれかにおいて、尾先端を使用して遺伝子型決定し、タグを付けるか、又は入れ墨をした(カナダ、ケッチャム)。P0-1での性別を決定するために、マウスはまた、SRYに対するプライマーを使用してY染色体の存在についての遺伝子型とした。
【0277】
動物-動物を、12時間の明/暗サイクル下で、自由に食物及び水を摂取させて収容した。仔マウスに、記載されているように(8、12)、NAP[アミノ酸配列NAPVSIPQ(配列番号2)を有する、25μg NAP/1mL生理食塩水]を皮下投与した。21日齢のマウスに、ビヒクル溶液中のNAP(「DD」-7.5mg/mlのNaCl、1.7mg/mlのクエン酸、3mg/mlのリン酸2ナトリウム2水和物、及び0.2mg/mlの50%ベンザルコニウム塩化物液)(0.5μg NAP/5μl DD)(8、9、12、及びGozesの米国特許第10,912,819号)を毎日鼻腔内投与した。これらのマウスは、以下に記載されるように行動分析を続けた。これらの実験は毎日の取り扱い及び投与を必要としたので、非侵襲性鼻腔内経路を選択した。行動実験中のマウスの年齢(週)(平均±SEM)は以下の通りであった。キャットウォーク-9.23±0.15、グルーミング-10±0.15、社会的アプローチ-10.5±0.12、臭気識別-12.12±0.13、ハンギングワイヤ-13±0.14、ホットプレート-13.18±0.13。以前の実験(12)に従って群の大きさを決定した。仔マウスを、性別及び遺伝子型に従ってNAP群又はDD群のいずれかに無作為に割り当てた。動物に関する全ての手順は、テルアビブ大学及びイスラエル保健省の動物管理使用委員会の監督及び承認の下で行った。
【0278】
発達マイルストーン評価及び育成-この実験は、2つの実験バッチにおける16匹の同腹仔からの動物を含んだ。これは、わずかな変更を加えて先に記載したように実施した(12)。実験手順の間、実験者は性別及び遺伝子型を知らされなかった。統計的に有意な性差が発見されなかった場合、性別をグループ化した。
【0279】
キャットウォーク-以前に記載されている通りに行った(12)。
【0280】
追加の行動評価-
育成:発達上のマイルストーン評価及び薬物処置に必要な毎日の取り扱いを可能にするために、優れた雌親であることが知られているICR雌によってTyr仔マウスを育成した。Tyr仔マウスを出生後、48時間前までに出産したICR雌マウスに移した。ICR同腹仔を、追加されたTyr仔マウスの数に従って処分した。1日後、残りのICR仔マウスを安楽死させ、Tyr仔マウスのみを同腹仔中に残した。
【0281】
仔同腹分布分析:仮親を配置した後のp1での遺伝子型決定結果を、この測定に使用した。したがって、観察されたTyr仔マウスの減少は、子宮内での死亡又はp0からp1の間での死亡のいずれかを表す。
【0282】
発達上のマイルストーン評価:p1で、Tyr仔マウスに入れ墨を入れ、上記のようにTyr718突然変異及びSRYの存在について遺伝子型決定した。同じ日の仔マウスを、遺伝子型及び性別の結果に従ってNAP又は生理食塩水処置群のいずれかに無作為化し、p1からp21まで発達マイルストーン評価を行った。動物無作為化は、特定の群について等しくない雄/雌比で終わり、4つの処置群のいずれにおいても性別間に統計的差異が見出されなかったため(T検定)、性別を分離することができなかった[これは、Tyr群において性別間に有意差が観察された開眼を除いてである(P=0.047、他の3つの処置群において有意でなかった)]。P1での識別のために31ゲージ針及びタトゥーインク(Ketchum Manufacturing Co.、カタログ329AA)を使用して仔マウス足に入れ墨を入れ、P21まで、身長及び体重について毎日測定し、開眼について観察した。先に記載したように、試験の1時間前に、仔マウスにNAPを毎日注射した
【0283】
簡潔には、耳の単収縮反射のために、生後7~15日の間、又は仔マウスが2日間連続して正しく応答するまで、耳の先端に対して綿チップを3回穏やかにブラッシングした。空中立ち直り反射については、仔マウスを逆さまに保持し、5cmの削りくずを含むケージの約10.5cm上に放った。試験は、生後8~21日の間、又は仔マウスが4本の足全てで削りくず上に着地するまで、2日間連続して行った。表面立ち直り反射については、仔マウスを水平な表面上に仰向けに置き、生後1~13日の間に仔マウスが4本の足全てを表面上に置いて2日間連続して1秒未満で正すことができるまで試験を行った。開眼については、両眼が開く(眼瞼が完全に分離する)まで、マウスを毎日観察した。聴覚驚愕のために、仔マウスを水平表面上に置き、実験者は、目に見える驚愕反応が2日間連続して明らかになるまで、2回大音量で強打した。試験は7~18日目に行った。絶壁回避のために、仔マウスを小さな箱(高さ約4cm)の端に置き、両足を箱の端から突き出した。仔マウスを30秒間断崖から回避させ、後ろに移動させた。試験は、1~14日目の間に、仔マウスが連続2日間、30秒未満で断崖を回避するまで行った。ルーティング反射のために、仔マウスがその頭をストロークの方向に移動させるまで、仔マウスの口の側部に対して綿の先端を穏やかにブラッシングした。両側を2回試験した。仔マウスが綿チップストロークに対して目に見える反応を示すまで、1~12日目の間に試験を行った。全ての試験は午前10時~午後4時の間に行った。生後最初の5日間、各仔マウスを試験中に単一の60ワット電球下に置き、子の暖かさを確保した。
【0284】
新規物体認識-簡潔に述べると、両方の試験が同じ領域で行われるので、馴化の初日にオープンフィールド試験を使用した。翌日、動物を領域に更に慣れさせた(5分間)。記載されるように、試験は、2日間の連続した馴化及び3つの相からなる実験日を含んでいた。第1相(馴化)において、オープンフィールド装置(50×50cm)は、2つの同一の物体(プラスチック又は金属、4×5cm2)を含み、マウスを壁に面して装置に配置し、物体を自由に探索させた(5分間)。ホームケージに3時間入れた後、マウスを第2相(短い保持選択相-データは示さず)のために3分間装置に戻し、その間に見慣れた物体の1つを新しい物体と交換した。第2相の完了から約24時間後に、マウスを長期保持選択相のために装置に入れ、その間に見慣れた物体の1つを新規物体と交換した。第2相と第3相の間、マウスをそのホームケージに保持した。EthoVision XTビデオ追跡システム及びソフトウェア(Noldus Inc.、バージニア州リーズバーグ)を用いて、各物体を嗅ぐ/触れるのに費やした時間を測定した。識別能力式:D2=(b-a)/(a+b)(式中、「a」はなじみのある物体の探索時間を示し、「b」は新規物体の探索時間を示す)を使用してデータを分析した。
【0285】
社会的アプローチ:プレキシガラスボックスを、2つの取り外し可能な扉によって分離された、それぞれ20cm(長さ)×40.5cm(幅)×22cm(高さ)の3つの隣接するチャンバに分割した。スチールワイヤカップ(10.16cm(直径)、10.8cm(高さ))を、標的マウスのための封じ込め及び無生物物体の両方として使用した。実験は、マウスの明相の間に薄暗い領域で行った。馴化試験の前日に、標的マウス(雄は雄、雌は雌)を、3回の10分間のセッションの間、側部チャンバのうちの1つのワイヤカップ内に配置した。翌日、各対象マウスを3相:I及びII(5分間)の馴化相(偏りがないことを確実にする)並びにIII(10分間)の実験相の実験で試験した(単純なタイマで測定)。第III相では、空のワイヤカップ(新規物体)を右チャンバ又は左チャンバの中心に置き、標的マウスを含むカップを他方のチャンバの中心に置いた。空のワイヤカップ(新規物体)及び新規マウスの位置を釣り合わせて、混乱させる側の選好を回避した。次いで、ドアを取り外し、10分タイマを開始した。3チャンバ装置をマウス間で洗浄した。EthoVision XTビデオ追跡システム及びソフトウェア(Noldus Inc.バージニア州リーズバーグ)を使用して、マウスの動き及び探索行動を追跡及び記録した。
【0286】
臭気識別:手短に言えば、臭気は、領域(20×40)の角に置かれた穿孔された小さな物体の内側に隠された綿片に提示された。試験マウスを新鮮な削りくずの入った清潔なケージに入れた。各マウスを、提示の間に2分の間隔、及び異なる臭気の提示の間に3分の間隔で、各臭気について3回連続して2分間試験した。x軸は、臭気曝露期間の連続数を示す。マウスがスワブを嗅ぐ時間を、EthoVision XTビデオ追跡システム及びソフトウェア(Noldus Inc.Leesburg,VA)を使用して記録した。
【0287】
グルーミング:試験マウスを50×50の白色プレキシガラス領域内に15分間置いた。グルーミング行動検出も可能にするEthoVision XTビデオ追跡システム及びソフトウェア(Noldus Inc.、バージニア州リーズバーグ)を使用してマウスの動き及び探索行動を追跡及び記録した。
【0288】
ハンギングワイヤ試験:各マウスについて3回の試験を行った。マウスの足の強度の評価は、金属ワイヤ(表面から50cm上に置いた)から柔らかい寝具上に落ちるまでの待ち時間(最大時間90秒)を測定することによって行った。
【0289】
ホットプレート:マウスを55℃のホットプレート上に置いた。マウスが跳躍するか、後足を又は舐めるまで、痛覚までの待ち時間を判定した。最大時間は90秒であった。
【0290】
キャットウォーク:簡単に述べると、CatWalk XT(Noldus Inc.バージニア州リーズバーグ)を使用して、10マウスは、一貫した様式でCatWalk XT装置の滑走路を横断しなければならず、動物がいかなる中断又は躊躇もなく走路を走行した場合、走行の成功と定義した。3回の実験が成功するまで、全てのマウスを試験した。
【0291】
支持基底面積は、前足又は後足のいずれかの間の平均幅である。遊脚(秒)又は遊脚期は、足がガラスプレートに接触しない時間(秒)である。遊脚速度は、遊脚中の足の速度(距離単位/秒)である。最大接触最大強度は、足の最大接触時の最大強度である。強度は、任意単位で0~255の範囲である。プリントの強度は、足とガラスプレートとの間の接触の程度に依存し、体重の増加と共に増加する。したがって、強度は、ガラスプレート上に置かれた重量の尺度である。
【0292】
強度パラメータを使用して、機械的アロディニアを含む神経障害性疼痛の影響を評価する。最大接触平均強度は、最大接触時の足の平均強度である。プリント長さは、完全なプリントの長さ(水平方向)である。完全なプリントは、あたかも動物の足がインク付けされたかのように、ガラスプレートとの全ての接触の合計である。プリント幅は、完全な足の幅(垂直方向)である。印刷面積は、完全な印刷の表面積である。最大強度は、完全な足の最大強度である。平均強度は、完全な足の平均強度である。
【0293】
USV:P8に、各仔を雌親から分離し、静かな部屋の空のケージに6分間入れ、M500-384 USB Ultrasound Microphone(Petterson、スウェーデン)を使用して記録した。上に列挙した入れ墨を使用して仔マウスを互いに区別した。6分後、仔マウスをその母マウスと再結合させた。DeepSqueakを用いてデータを分析した。データをDeepSqueakにロードし、40~70kHzの周波数をマウスコールネットワークV2を使用して分析した。コールは、事後ノイズ除去ネットワークを使用してノイズ除去した。構文解析のために、Wright K平均ネットワークを使用して構文を分類した。DeepSqueak及びMatlabを使用して、構文遷移確率チャートを生成した。さらなるUSV実験を、わずかな改変を加えて先に記載したように(12)、P8仔マウスに対して行った。
【0294】
スパイン定量化-樹状突起スパイン形態の決定のために、Tyr-GFPマウスモデルを使用し、記載されているように作製した(12)。1.5~2ヶ月齢のTyr-GFP-マウスを、腹腔内NAP注射(0.4μg/0.1mL生理食塩水)又は0.1mL生理食塩水のいずれかで9日間連続して処置した。9日目、マウスを灌流し、免疫組織化学及びイメージングに供した(12)。
【0295】
AT8免疫組織化学-実験を先に記載したように行った(100)。マウスを、毎日の鼻腔内DD/NAPで6週間処置し、10.21±0.05週齢で安楽死させた。
【0296】
VEP-5.72±0.52週齢の雄マウスをVEP測定に使用した。動物を0.1mLのS.C生理食塩水で3日間処置し、記録し、その後、1μgのNAP(0.1mL生理食塩水中)又は0.1mL生理食塩水のいずれかのS.C用量を4日間毎日投与し、その後、別のVEP記録を行った。
【0297】
RNA seq-全RNAを14週齢のマウス脾臓から抽出し、詳述されるようにNextSeq500システム(Illumina)で標準的な方法を使用して配列決定した。データを以前に記載したように分析した(9)。
【0298】
マイクロバイオーム-糞便試料を12.2±0.19週齢のマウスから収集した。試料を調製し、以前に記載したように分析した(57)。対数変換を適用した後に、マイクロバイオームデータを分析した。
【0299】
統計分析-全ての統計的方法は、適切な図の説明に記載されている。P≦0.05を統計的に有意であると見なし、全ての検定を両側検定とした。データを、正規性検定によって正規分布についてチェックした。結果を平均±SEMとして示す。2つの異なるカテゴリ的に独立した変数について、二元配置分散分析又は二元配置反復測定分散分析、続いてテューキー事後解析を行った。対応のないスチューデントt検定、マン-ホイットニーU検定又は一元配置分散分析、Xi二乗又は二項検定を、適用可能な場合に実施した。微生物叢データ相関のためにピアソン相関を行った。発達マイルストーン測定、インビボ挙動試験、微生物叢データ及び樹状突起スパイン定量化のために、グラブス検定を使用して外れ値を除外した。統計分析は、SigmaPlot 12.5(Systat Software Inc.inc.,米国カリフォルニア州)又はPrism 8(GraphPad,米国カリフォルニア州)ソフトウェアで行った。
【0300】
結果
ゲノム編集及びマウスモデル生成:
NM_001310086(Adnp_v001):を有する新規マウスモデル(以下、「Tyr」):c.2154T>A、p.Tyr718変異(最も一般的なヒトADNP p.Tyr719変異と相同)を、標準的なCRISPR-Cas9技術を使用して生成し、特徴付けた(下記)。
【0301】
Tyr遺伝子型は、NAP矯正を伴う若年期事象に対して主要な効果を有する:ADNP症候群患者は、発育遅延を患う(24)。したがって、本発明者らは、Tyrマウスが同様の異常を示すかどうか、及びそれらがADNPポリペプチドNAP[アミノ酸配列NAPVSIPQ(配列番号2)を有する]での処置によって可逆的であるかどうかを調査した。バックグラウンド株C57bl/6NJ雌親は、毎日の仔マウスの取り扱い、NAP投与及び試験を可能にしなかったので、フォスターICR雌親を使用した。育成直後の遺伝子型決定により、Tyr P1生存仔マウスにおいて、予想された50%から43%への有意な減少が検出された(図1A)。生存しているTyrマウスは、前庭反射の獲得の遅延を示した(図1B)。表面立ち直り(平坦な表面上の4本の足全てでそれ自体を正す仔マウスの能力)及び空中立ち直り(獲得の初日として測定される、空中で正しい向きに正す能力)の両方が、遺伝子型に起因して遅延した(それぞれ、WT:8.69±0.42及びTyr:10.14±0.36、WT:12.96±0.28及びTyr:15.29±0.15)。NAPは、両方の反射に対して有意な治療効果を示し、表面立ち直りをほぼ正常化し(8.81±0.33)、空中立ち直り応答を促進した(14.63±0.38)。更に、遺伝子型の差異が、耳の単収縮及び断崖回避行動において発見された(データは示さず)。興味深いことに、Tyr仔マウスは、聴覚驚愕反射において示されるように(データは示さず)、対照に対して有意に遅く聴覚を開始した。更に、NAPは、Tyrマウスにおいて乳探索を誘導し、断崖回避応答を除いてWT同腹仔に対して効果を有さなかった(データは示さず)。
【0302】
更に、脳の発達が顔面の発達に影響を及ぼすことが知られており(38)、雌TyrマウスはWT雌よりも1日遅く眼を開き(それぞれ16±0.37及び14.93±0.43)、NAPはこの効果を完全に逆転させる(14.78±0.46)ことが見出された(図1C)。次に、性別を、統計的差異により分けた。雄では遺伝子型/NAP効果は観察されなかった(データは示さず)。同様に、NAP効果はWT雌において観察されなかった(データは示さず)。
【0303】
更に、ADNP症候群患者は、体重減少及び低身長を示す(24、25)。したがって、Tyr仔マウスの体重及び長さを評価した。雌Tyr仔マウスは、P10から開始して、WT同腹子よりも体重が少なかった(図1D)。NAPの有益な効果はP10から見ることができ、P20~21で有意に達し、WT雌マウスでは効果は観察されなかった(データは示さず)。Tyr雌仔マウスはまた、P10から始まるWT仔と比較して、より短い身長を示した(データは示さず)。雄の仔マウスの体重及び長さについて有意差は観察されず、成体の体重について大きな差は観察されなかった(データは示さず)。
【0304】
Tyrマウスは、異常な行動、運動、社会的及び感覚的形質を示す:ナイーブ雄Tyrマウス(仮親又は任意の以前の取り扱いに曝露されていない)は、新規物体認識試験において長期記憶障害を示した(データ示さず)。更に、両性のナイーブTyrマウスは、社会的アプローチ課題において障害を示した(データは示さず)。これらの差異は、おそらく早期の取り扱い(39)及び育成(39~41)に起因して、処置コホートにおいて失われ(データは示さず)、早期行動介入処置がADNP小児に有用であり得ることを示唆した(25)。それにもかかわらず、反復行動、重要なASD特徴は、グルーミング頻度及び持続時間を測定することによって評価された(42)。Tyrマウスは、両方のパラメータの増加を示した(データは示さず)。ホットプレート(感覚)及びハンギングワイヤ(運動)試験における遺伝子型効果も観察された(データは示さず)。更に、雄及び雌両方のTyrマウスは、WTと比較して損なわれた臭気識別を示し、雌においてNAP逆転を示した(データは示さず)。NAPは、WTマウスに対して様々な軽微な効果を示した(データは示さず)。
【0305】
NAPは、Tyr突然変異によって引き起こされる歩行障害から保護する。
ADNP症候群患者は、歩行の遅延及び異常を示す(24、25)。これに関して、Tyrマウスを見ると、Catwalk-XTシステムによって測定された複数の歩行パラメータにおいて遺伝子型異常が観察された(データは示さず)。興味深いことに、顕著な性差が観察された。図1Eは、雄の結果をグループ化したものであり、Tyrマウスは、有意なNAP回復を伴って、WTマウスに対してプリント長及び面積の増加を示している。雄及び雌の両方のTyrマウスは、より小さい前側支持基底面を示し、NAPは雄においてこの表現型を修正した。図1Fにおいて、雌Tyrマウスは、WT雌と比較して、より遅い遊脚速度を示し、遊脚持続時間の増加を伴い、NAPによって改善された。有意なNAP補正を有するTyr及びWT雌を比較した場合、様々な強度パラメータの有意な減少も発見された。全体として、これらの結果は、歩行がTyr遺伝子型によって有意に損なわれ、雌におけるより重度の表現型がNAP処置によって改善されたことを示した。WTマウスでは大きなNAP効果は観察されなかった(データは示さず)。
【0306】
超音波発声(USV)は、NAP矯正を有するTyrマウスにおいて劇的に損なわれる:
ASD及びADNP症候群は初期発達に影響を及ぼし、多くの患者が発話及びコミュニケーション遅延に対する重度の影響に苦しんでいる(24、25、43)。したがって、Tyr発声を、仔-雌親分離(USVを産生するための信頼できる再現可能な方法(44))を使用して評価した。性別の違いは、P8仔マウスUSVにおいて以前に記載されているため(45)、性別を別々に分析した。雌(186.6±24.36から64.78±17.16へ)及び雄(149.8±31.07から40.36±9.88へ)によって産生された総USVにおける有意な遺伝子型減少が観察され、NAP効果はなかった。
【0307】
仔マウスによって誘発される音節の構文は、非ランダムであり、発達と共に変化することが実証されており、したがって、ASD/IDの一面を表す(46)。機構的には、複雑度の変化は、仔マウスがそれ自体を残りの仔マウスから区別し、栄養の機会を増加させる方法であり得る(46)。DeepSqueak(47)を使用して、構文複雑度を評価した。複雑度の明らかな低下が、WTとTyr雌との間で発見され(図2A)、Tyr雌は、トリル音節を失い、より少ない遷移を実行した。雄では(図2B)、同様の顕著な複雑度の低下が観察された。重要なことに、NAPは、両性に対して強力な矯正効果を示した。NAP処置Tyr雄は、WT及びTyr仔マウスよりも2倍多くの音節を発声した(WT及びTyrについて8つ、スプリット及びトリル音節の追加を伴うTyr NAPについて10)。この効果の統計的定量化(図2C~D)は、Tyr仔マウスがWT同腹仔よりも成績が悪く、NAPが効果を改善したことを実証した。また、NAPは、WT仔マウスに対してわずかに変動した影響を有した(データは示さず。)。WT雌は、性差を反映して、WT又はTyr雄よりも豊富な構文を示した(データは示さず)。
【0308】
樹状突起スパイン密度及び形態は、NAP矯正と相まって、Tyrマウスにおいて有意に損なわれる。
樹状突起スパイン異常は、この部位でのADNPの既知の機能と相まって(12、49)、ASDの重要な分子的原因であると長い間考えられてきた(48)。ここで、著しい性二分法を伴う有意な遺伝子型変化が発見された。雄Tyrマウスは、CA1海馬樹状突起スパインの約15%の減少を示し(図3A)、完全なNAP逆転を示した(スパイン密度の約23%の増加、図3B)。スパインを異なる形態学的サブタイプ(マッシュルーム、切り株型、及び薄型)に分割した場合、雄において同様のパターンが観察され、雌における遺伝子型若しくは処置の変化、又は全スパイン及びサブタイプに関してWT雄に対する処置効果はなかった(データは示さず)。雄海馬効果を反映して、完全なNAP改善(約17%の増加、図3B)と相まって、スパイン密度の有意な約16%の減少が雌運動皮質L5層において観察された(図3A)。雄では遺伝子型又は処置の変化は観察されず、WT雌では処置効果は見られなかった(データは示さず)。スパインを異なるサブタイプに分けた場合、同じ遺伝子型効果がマッシュルーム型スパイン及び切り株型スパインにおいて観察され、NAPは、より大きく、機能的により強いマッシュルーム型スパインに有意に影響を及ぼした(図3A)。雄及びWT雌ではNAP効果は見られなかった(データは示さず)。海馬におけるPSD95体積を詳細に見ると、雌のみにおいて約25%の遺伝子型減少が観察され、NAP処置時に完全に消散した(図3A)。
【0309】
雄Tyrマウスは、海馬及び視覚野において過剰リン酸化タウ沈着を示す。
次に、本発明者らは、Tyr変異によって引き起こされる細胞傷害を更に調査しようとした。死亡したADNP症候群患者におけるタウオパチーの最近の知見(27)に続いて、若いTyrマウスがタウオパチーの証拠を示したかどうか疑問であった。本発明者らは、Tyr雄がAT8(病的タウ過剰リン酸化)陽性細胞の有意な約1.84倍の増加を有し、海馬において完全なNAP逆転(約2.57倍の減少)を伴うことを発見した(図3C~D)。この知見は、視覚皮質に更に拡張され、雄に対する同じ遺伝子型効果:NAPの約2倍の有意な逆転と相まって、AT8染色の有意な約1.7倍の増加を実証した(図4A~B)。雌は有意な効果を示さず、WT雄はNAP効果を示さなかった(データは示さず)。別の過剰リン酸化タウ特異的抗体(AT180)は同様の傾向を示し、AT8陽性細胞とAT180陽性細胞とを組み合わせることにより、両性においてNAPによる補正を伴う有意なTyr遺伝子型の増加が明らかになった(データは示さず)。
【0310】
雄Tyrマウスは、NAPの改善を伴う異常な視覚誘発電位(VEP)を示す。
上記のタウオパチーの結果を得たので、本発明者らは、これらの変性変化が脳シナプス機能に影響を与えるかどうかを問うた。この点において、VEPは、AD病理(50)及び最も重要なことにはASD(51)と関連付けられている。更に、重度の視覚障害がADNP症候群患者において以前に報告されている(52、53)。初期の予備実験は、Tyr雄対雌においてより強固で再現性のある表現型を示した(データは示さず)。したがって、NAP効果をTyr雄において評価した。Tyr雄とWT雄との間に著しい差が観察され、短期NAP処置(4連続1日用量)は、これらの効果を正常化した(図4C)。3つの異なる刺激強度(100、300、及び3000mcd、図4D)に対する応答としての3つのVEP主要波形(P2、N2及びP3)の曲線下面積(AUC)は、P2において有意な遺伝子型効果(全ての強度において約1.7倍の増加)を示し、ほぼ完全なNAP逆転(約1.6~2.3倍の減少)を示した。同じ有意な変化がN2について観察された(図4E)。P3(図4F)に関しては、有意な遺伝子型効果が3つの強度全てにおいて検出され、有意なNAP効果が300及び3000mcd強度において見られた。
【0311】
差次的に発現された遺伝子の雌Tyrマウスは、特異的な血液バイオマーカーを明らかにする:ADNP症候群の小児は、その健康な兄弟姉妹と比較して再発性感染症に罹患しており(24)、免疫系が損なわれている可能性があることを証明している。更に、以前のRNA-seq結果は、いくつかのADNP症候群突然変異を有するリンパ芽球様細胞における主要な共有免疫関連変化を明らかにした(12、27)。最後に、ADNP症候群を層別化するエピシグネチャーである血液DNAメチル化パターンは、表現型との適度な相関を示す(54)。したがって、RNA-seqを、Tyrマウス、WT同腹仔、及びNAP処置Tyrマウスに由来する脾臓に対して行った。結果(図5)は、5つの共通の転写物、すなわち、SMOX(スペルミンオキシダーゼ)、ARRB1(アレスチンβ1)、ADCY6(アデニル酸シクラーゼ6)、FOXO3(フォークヘッドボックスO3)、及びCPXM1(カルボキシペプチダーゼX、M14ファミリーメンバー1)が、以前に試験された患者由来のADNP変異リンパ芽球様細胞全てによって調節解除されたものとして共有されていることから、雄に対する非常に軽微な遺伝子型/NAP効果、及び雌に対するより包括的な効果を明らかにした。2つの追加のADNP/NAP調節タンパクは、ヒト相同突然変異p.Tyr719[STOM(ストマチン)、DNAJB4(DnaJ熱ショックタンパク質ファミリー(Hsp40)メンバーB4]、並びにTMCC2(膜貫通及びコイルドコイルドメインファミリー2)(p.Lys408Valfs31突然変異を有する)とのみ共有され、アミロイド前駆体タンパクを調節することが以前に見出された(55)。分泌タンパク質のデータベースは、これらのタンパク質のほとんどがヒト血漿中に見出され得ることを明らかにし、雌に対する潜在的特異性を有するADNP症候群の新規バイオマーカーを示唆した(データは示さず)。機構的観点から、ADNP関連タンパク質SMARCA4(転写活性化因子BRG1)を含むタンパク質-タンパク質相互作用分析(string-db(dot)org/)を実施した(7)。ヒトにおける性行動に関与するTCF12(転写因子12)及びTCF21(転写因子21)もまた(56)、Tyrマウスにおいて観察された顕著な性的二分化のために分析に含まれた。結果は、Tyr遺伝子型によって影響を受け、NAPによって矯正される、成長の主要な調節因子であるAKT1に対する収束機構、並びに神経系及び生殖系の発達における関与を示した(図5)。
【0312】
Tyrマウスは、腸内微生物叢組成の差次的調節を示す。
続いて、本発明者らは、末梢バイオマーカーの蓄積を更に拡大することを望んだ。Adnp+/-マウスが性的に二分された微生物叢シグネチャーを示すことを考慮して(57)、本発明者らは、Tyrマウスも微生物叢シグネチャーを示すかどうか、及びこれがNAP処置によって矯正され得るかどうかを調査しようとした。結果は、雄Tyrマウスが、総真正細菌負荷(EubV3)、ビフィドバクテリウム属(BIF)及びラクトバチルス属(Lacto)の増加、並びに腸内細菌科(Entero)の負荷の減少を示すことを示した。この雄表現型は、EubV3についてのNAP処置で補正された。雌Tyrマウスは、NAP補正を伴うBIFの細菌負荷の増加を示す(図6A)。NAPは、これらの細菌株についてWTマウスに対して効果を有さず、クロストリジウムコッコイデス群(gCcoc)及びマウス腸内バクテロイデス(MIB)細菌株に対する他の様々な効果を有した(データは示さず)。これらの結果に続いて、本発明者らは、Adnp+/-マウスと同様に、これらの菌株量が体重及び運動能力(キャットウォーク性能)と相関するかどうかを更に評価した(57)。実際、いくつかの相関が明らかにされ、雌において最も顕著であり、これは、BIF細菌と体重との間、並びに多くのキャットウォークパラメータとの強い負の相関を示した。Entero及びgCocc株についても相関関係が発見された。更に、細菌群間の関係を調べたところ、雄は雌よりも多数の有意な相関を示し、性別間ではほとんど重複しないことが示された(GozesのPCT公開第201907401号を参照)。
【0313】
提案されたメカニズム:
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、以下のメカニズムを提案した。ADNP/NAP保護活性の重要な標的は、軸索輸送及び樹状突起スパイン形成に重要な微小管末端結合タンパク質EB1及びEB3であり、タウ-微小管結合を増強し、タウオパチーから保護する(9、11、12、21、32)。ADNPにおける突然変異荷重の増加は、タウオパチーと相関し、NAPは、ADNP突然変異に直面してタウ-微小管相互作用の減少を防ぐ(21、27)。上記のように、タウオパチーを推進するAdnp Tyr突然変異についてのインビボでの証拠が提供され、NAPによる保護が確立された。機能的相関物、例えばVEPが明らかになった。神経筋接合部は、ADNP/NAPに関連する微小管完全性に更に依存し(29、58)、EB1/微小管/ADNPもまた、免疫シナプスの機能に重要であり(57)、ADNP/NAPの活性の幅を説明することを加えることが重要である。アルツハイマー病が主要なタウオパチーであることから、この疾患からの教訓は、アルツハイマー病における駆動機構が体細胞突然変異(ADNPを包含する)を含み得(21)、本明細書で観察されるように、AKT1経路で終わる(12,59)ことを教示している。最後に、ADNPによって調節されるテストステロンを用いて(27)、微小管系を制御して(28)、テストステロンを減少させてタウオパチーを増加させて(36)、エストロゲンをレスキューしてADNPノックアウト効果を用いてアフリカツメガエル及び脳発生のヒトモデルにおいて(60)、性依存性を考慮しなければならない(図6B)。
【0314】
Tyrマウスはハプロ不全マウスモデルを補完し、ヒトADNP症候群患者を模倣する。
以下の表4は、新しいTyrマウスをヒト条件と、並びにAdnp+/-マウスと比較する(12)。Adnp+/-マウスは、非常に広範な性的二分(9、12、16、61、62)を示すが、Tyrマウスは、性別間で更に広範な差異を示した。顕著な例は、樹状突起スパイン及び運動表現型である。Tyrマウスは、早期死亡、不完全な構文、性依存的発育遅延(例えば、開眼)、及び感覚欠損(ホットプレート)を含むいくつかの以前に未知の表現型を示した。遺伝子発現パターンに関して、脾臓遺伝子発現は、Tyrモデルの雌では(雄と比較して)はるかに広範囲であったが、Adnp+/-マウスモデルでは、遺伝子発現は、(同じ遺伝子ではないが)両性で同程度に変化した。それにもかかわらず、両方のマウス系統において、調節されたタンパク質はAkt1に収束した。興味深いことに、腸内微生物叢は、Adnp+/-モデルと同様のTyrモデル変化を示した(57)(GozesのPCT公開第201907401号を参照されたい)。更に、タウ沈着物は、11ヶ月齢Adnp+/-雄マウス脳において観察されたが(8)、Tyrマウスにおいて、性特異的タウオパチーは、はるかに若い雄(2.5ヶ月齢)において観察され、VEP障害と相まって、両方ともNAP処置によって改善され、ヒト状態と相関した(27、51)。
【0315】
【表4】

NAP処置(+)による補正を含む、以前に未知であったADNP関連表現型に下線を付す。
【0316】
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【0318】
実施例2
複数の細胞骨格関連疾患に対する治療効果を示す、SH3ドメイン結合部位を含むADNP及びNAP
材料及び方法
プラスミド構築-タンパク発現プラスミドを、pEGFP-C1骨格に基づいて以前に記載されたように構築し、全長ADNP又は以下の短縮型ADNPタンパクp.Glu830synfs83、p.Lys408Valfs31、p.Ser404(以前の[31]と同様)を発現した。患者由来のリンパ芽球様細胞株から抽出したmRNAから、固有の突然変異を有するcDNAの挿入断片を得て、突然変異のない対照リンパ芽球様細胞株から、全長ヒトADNPを有するcDNAを得た[77]。タンパク質発現を、以前のように蛍光イメージング及びイムノブロッティング分析によって検証した[31]。
【0319】
細胞培養-マウス神経芽細胞腫N1E-115細胞を、ダルベッコ改変イーグル培地、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、及び100UmL-1ペニシリン、100mgmL-1ストレプトマイシン(Biological Industries,Beit Haemek,イスラエル)中で維持した。細胞を、加湿インキュベータ中、9.5%空気/5%CO2中、37℃でインキュベートした。
【0320】
細胞分化及び過剰発現プラスミドの同時トランスフェクション-培養したN1E-115細胞を、1ディッシュ当たり1.25×10細胞の濃度で35 mmディッシュ(81156、60μ-ディッシュ、Ibidi,ドイツ、マーティンズリード)上に播種し、次いで、トランスフェクション前に、還元ウシ胎児血清(2%)及びDMSO(1.25%)含有培地で5日間分化させた。実験の48時間前に、N1E-115細胞を、全長ヒトADNPにコンジュゲートされたGFPをコードする2μgのプラスミドを含むか又は含まない1μgのEB3-RFP又はmCherry-タウ(3R)プラスミド、又はADNP保有変異で同時トランスフェクトした。トランスフェクションされたDNAの総量とトランスフェクション試薬との間の1:3の比を、全てのその後の実験において製造指針(Lipofectamine2000,Thermo Fisher Scientific,米国マサチューセッツ州ウォルサム)に従って使用した。
【0321】
ライブイメージング-トランスフェクションの48時間後、分化したN1E-115細胞(完全長ADNP又は変異ADNPにコンジュゲートされたGFPを伴う又は伴わないEB3-RFPを発現する)を、Leica TCS SP5共焦点顕微鏡(対物レンズ100×(PL Apo)油浸、NA 1.4)のステージ上に置かれた恒温チャンバ内で、5%CO2/95%空気混合物を用いて37℃でインキュベートした。Leica LAS AFソフトウェアを使用して、タイムラプス画像を1分間に3秒間自動的に撮影した。撮像後、全ての試料を最終濃度10-12MのNAP(配列番号2)又はSKIP(配列番号21)でも処理し、4時間後、同じ条件下でタイムラプス撮像を再度行った。データを収集し、Imarisソフトウェアによって分析した。
【0322】
光退色後の蛍光回復(FRAP)-分化したN1E-115細胞を、全長ADNP又は変異ADNPにコンジュゲートしたGFPを含む又は含まないmCherry-タウでトランスフェクトし、トランスフェクションの48時間後にイメージングした。光退色のためのROIは、近位細胞分枝に埋没していた。mCherry-タウを587nmアルゴンレーザーで漂白し、蛍光回復を610~650nmの波長内で収集した。80枚の画像を、漂白直後に0.74秒毎に撮影した。FRAPイメージング後、全ての試料を最終濃度10-12MのNAPで処理し、4時間後、同じ条件下で再びタイムラプスイメージングを行った。1時間のZnCl処理後(最終濃度400μM:Sigma,Rehovot,イスラエル)に、NAP活性とSKIP活性(配列番号21)との間の差を評価するためのFRAPイメージングをNAP/SKIP(10-12M最終濃度)あり又はなしで行った。蛍光シグナルをFijiで定量し[81]、得られたデータをeasyFRAPで正規化し[82、83]、FRAP回復曲線をGraphPad Prism6(GraphPad Software,Inc.,米国カリフォルニア州ラ・ホーヤ)による一相指数相関関数によって適合させたが、R<0.9の試料は除外した。
【0323】
重合対可溶性チューブリンアッセイ-チューブリン重合及びタウ-MT会合を定量化するために、以前に記載されているように単純アッセイを行った[19、25]。6ウェルプレート中でコンフルエントになるまで増殖させた細胞を、MT緩衝液(80mM PIPES pH 6.8、1mM MgCl、2mM EGTA、5%グリセロール)で洗浄し、0.5%Triton X-100を含む150μlのMT緩衝液を用いて遠心分離(300g)により室温で5分間溶解させて、可溶性(細胞質ゾル)チューブリン(S)を抽出した。ペレット化した細胞を、等容量の改変RIPA溶解緩衝液(50mM Tris-HCL pH7.4、150mM NaCl、2mM EGTA、1%Triton X-100、0.1%SDS、0.1%デオキシコール酸ナトリウム)で再度すすぎ、重合した(細胞骨格)チューブリン(P)を収集した。細胞質画分及び細胞骨格画分をそれぞれ試料緩衝液と混合し、95℃で5分間加熱した。等容量の各画分をタウ、チューブリン、及びアクチン抗体を用いたイムノブロッティングによって分析し、ECL発色後の結果をデンシトメトリー(biochemlabsolutions(dot)comによって提供されたGelQuant.NETソフトウェア)によって定量した。
【0324】
統計分析-データは、少なくとも3回の独立した実験からの平均±S.E.M.として表される。SigmaPlot 11(Systat Software,Inc.,San Jose,CA,USA)による二元配置分散分析又はIBM SPSS 23(IBM,Armonk,NY,USA)による一元配置分散分析を使用して、データの統計分析を行った。全てのペアワイズ多重比較手順について、テューキー事後検定を行った。
【0325】
結果
ASD関連ADNP短縮型タンパク質の発現は、MTプラス末端でのEB3活性を損ない、NAPはEB3作用を回復させる。
【0326】
微小管細胞骨格に対するADNP症候群に関与するADNP突然変異の効果を明らかにするために、緑色蛍光タンパク質(GFP)に結合したタンパク質を発現する4つのプラスミドを構築した。3つのプラスミドは、以下の短縮型のADNPを発現した:p.Glu830synfs83、p.Lys408Valfs31、p.Ser404([30、31]に記載)。骨格プラスミドpEGFP-C1及び全長ADNP含有プラスミドを、ライブイメージング実験における対照として使用した。設計されたADNP形態の発現を、以前のように蛍光イメージング及びウェスタンブロット分析によって確認した[30、31]。
【0327】
MT動態に対するADNP短縮型タンパク質の効果を評価するために、MTプラス末端に結合するRFPタグ付きEB3タンパク質によって形成されるEB3コメット様構造のタイムラプスイメージングを行った。EB3活性の2つのパラメータを使用して、MT動態-EB3コメットのトラック長及びトラック速度を評価し新たに成長するMTの長さ及びMTアセンブリの速度を反映する)を評価した。更に、本発明者らは、NAP(10-12Mで4時間)がADNP突然変異の有害な影響を防ぐことができるかどうかを判定することを目的とした。
【0328】
全長ADNPの過剰発現は、EB3コメットトラック長を有意に増加させ、EB3コメットの速度に影響を及ぼさなかったが、NAP処理は、全長ADNPの効果に更に影響を及ぼさなかった(図7A~C)。ADNP p.Ser404短縮型形態の発現は、全長ADNP又は対照プラスミドのいずれかと比較して、EB3コメットトラック長を有意に減少させた。しかしながら、短縮型ADNP p.Glu830synfs83は、全長ADNPと比較してのみEB3トラック長の有意な減少を示した(図7A~B)。EB3活性の第2のパラメータの評価-コメット速度は、全長ADNP及び対照の両方と比較して、ADNP p.Glu830synfs83及びp.Ser404の有意な効果を示した(図7C)。興味深いことに、p.Lys408Valfs31 ADNP形態の発現は、完全長ADNP又は対照のいずれと比較しても、EB3活性に影響を及ぼさなかった(図7A~C)。NAP処置は、p.Glu830synfs83及びp.Ser404群のEB3コメットの速度及びトラック長、並びにp.Lys408Valfs31のコメット速度を有意に増大させた(図7A~C)。
【0329】
ASD関連ADNP短縮型タンパク質の発現は、MTとのタウ会合を減少させ、NAPはタウ-MT相互作用を回復させる。
次に、タウ-MT相互作用に対するNAP処理あり又はなしの全長/短縮型ADNP形態の効果を、光退色後の蛍光回復(FRAP)によって調べた(図8A~C)。mCherryタグ付きタウタンパク質を用いてFRAPを行った(図8A)。光退色した関心領域(ROI)内の蛍光回復のプラトーは、入ってくる非退色mCherry-タウタンパク質に対するMT上の結合部位を放出せず、したがって蛍光回復に寄与しない、mCherry-タウ退色分子の不動画分を決定する。したがって、不動性mCherry-タウ画分は、MTとのタウ会合の速度を反映する。本発明者らは、全長ADNPの過剰発現が、対照プラスミドと比較して、不動性mCherry-タウ画分のわずかな有意でない減少をもたらしたことを観察した(図8A~C)。p.Ser404の発現は、完全長ADNP及び対照の両方と比較して、MTとのタウ会合を有意に減弱させ、p.Glu830synfs83の効果は、対照と比較してのみ有意に異なるが、完全長ADNPとは有意に異ならないことが見出された(図8A~C)。NAP処置は、p.Glu830synfs83及びp.Ser404群内のタウ-MT相互作用を有意に増加させた。しかしながら、EB3活性を用いた以前の実験と同様に、p.Lys408Valfs31はタウ-MT会合を損なわなかった(図8A~C)。
【0330】
p.Lys408Valfs31のフレームシフト配列は、MTに対するADNP活性を回復させるSH 3結合モチーフを含む。
ADNP p.Lys408Valsf31短縮型は、以前に公開されたデータ[30、31]から得られたADNP p.Arg730及びp.Tyr719短縮型の結果を含む他の上流及び下流突然変異と比較して、MTアセンブリ及びタウ-MT相互作用に対して中等度の有意でない効果を示した(図9A~B)。p.Ser404図9C)とは異なるp.Lys408Valfs31アミノ酸残基のElm分析[33]は、他のElm予測モチーフの中で再現されたSrcホモロジー3(SH3)結合サイトを示した。
【0331】
SH3ドメイン-リガンド会合によって媒介されるタンパク質-タンパク質相互作用は、分子内相互作用による酵素活性化/不活性化、シグナル伝達成分の細胞濃度/局在化の変化、及び多タンパク質複合体アセンブリの媒介に及ぶ多種多様な生物学的プロセスに関与する(Moarefi et al.Nature 1997,385:650-653)。
【0332】
タウタンパク質のSH3結合ドメインは、タウキナーゼと会合し、タウリン酸化及びMT相互作用を調節する[34]。したがって、本発明者らは、MT-タウ相互作用及びEB3活性に対するADNP p.Lys408Valsf31発現の観察された影響の減少が、予測されたSH3結合ドメインによって媒介されるかどうかを明らかにすることを目的とした。この目的のために、ADNP p.Lys408Valsf31プラスミド上のSH3結合ドメインを、部位特異的突然変異誘発(SDM)による1つのアミノ酸の置換によって破壊した。新しいADNP p.Lys408Valsf31 SDMプラスミドの発現は、対照プラスミド、全長ADNP及びSDMを含まないADNP p.Lys408Valsf31プラスミドの発現から得られた結果と比較して、試験したパラメータ-EB3トラック長及びコメット速度の両方によってEB3活性の有意な減少を示し(図10A~C)、NAP処理は、EB3活性を対照レベルまで回復させた(図10A~C)。
【0333】
FRAP分析は、対照、全長ADNP、及びSDMを含まないADNP p.Lys408Valsf31と比較して統計的に有意であることが見出された、ADNP p.Lys408Valsf31 SDM発現後の減弱したタウ固定画分を示した(図10D~F)。タウ-MT相互作用に対するADNP p.Lys408Valsf31 SDM発現の悪影響は、NAP処理によって防止された(図10D~F)。
【0334】
NAP SH3結合モチーフは、タウ-MT解離に対するNAPの保護活性を増加させる。
NAP配列のElm分析は、SIP EB結合部位と重複したSH3結合モチーフを示した[24](以下の表5)。
【0335】
【表5】
【0336】
興味深いことに、ELM分析は、アクチン結合部位に結合したADNP上の複数のSH3ドメイン結合部位を予測し、これは、SHANK3とADNPとの間の間接的相互作用の別の部位を提供する可能性があり、SHANK3活性はアクチンに依存し、微小管上のADNPは複数の細胞骨格依存性疾患を含み、NAP修正を伴う。
【0337】
MT動態及びタウ-MT相互作用に対するNAPの効果を、SxIP EB会合部位からなるがSH3結合モチーフを欠くSKIP(配列番号22)ペプチドと比較して評価した。RFPタグ付きEB3タンパク質を有する個々のMTの増殖を追跡するタイムラプスイメージングは、NAP及びSKIP処置(10-12M、4時間)が、非処置対照と比較してEB3トラック長及び速度の増加をもたらし、NAP及びSKIPの効果の間に有意差が観察されなかったことを示した(図11A~B)。
【0338】
更に、亜鉛をタウ-MT解離剤として使用してFRAPアッセイを実施して[19、25]、タウとMTとの相互作用に対するNAP及びSKIP保護活性を評価した(図11C~E)。結果は、細胞外亜鉛(400μM、1時間)が、非処置対照と比較してタウ不動性画分を有意に減弱させた一方で、SKIPによる処置(10-12M、1時間)が亜鉛有害作用を予防したことを示した。NAPと一緒の亜鉛への曝露(10-12M、1時間)は、タウ-MT相互作用に対するNAPの過剰な影響を示し、これは、SKIPあり及びなしの亜鉛処置並びに非処置対照と比較して統計的に有意であることが見出された(図11C~E)。
【0339】
細胞外亜鉛の存在下で、NAPは、MTシャフトへのタウ結合を促進することによって、MTを分解から保護することが知られている[19、25]。重合対可溶性チューブリンアッセイを行って、MT分解及びタウ-MT解離に対するNAP及びSKIPの保護活性を比較した(図11F~G)。NAP又はSKIP(10-12M、4時間)の存在下及び非存在下で亜鉛(400μM、4時間)で処理した後、細胞チューブリンプールを重合及び可溶性チューブリン画分に分離した。タウ、チューブリン、及びアクチンの量を、イムノブロッティング(図11F)、続いてデンシトメトリー定量(図11G)によって同定した。亜鉛処理は、未処理対照と比較して、可溶性画分中のタウ及びチューブリンの免疫反応性を有意に増加させ、MTからのタウ放出及びMT分解を示した(図11F~G)。重合チューブリンは、NAP及びSKIP処理の両方によって亜鉛誘導性崩壊から保護されたが、NAPのみが、MTからのタウ解離に対する保護を示した(図11F~G)。異なる処理後の可溶性チューブリン画分中のアクチンタンパク質の量に変化は観察されなかった(図1F)。
【0340】
SHANK 3関連突然変異から保護されたNAP、フェラン・マクダーミド症候群の自閉症モデル
プロリンリッチシナプス関連タンパク質2(ProSAP2)としても知られているSH3及び複数アンキリンリピートドメイン3(Shank3)は、ヒトにおいて第22染色体上のSHANK3遺伝子によってコードされるタンパク質である。SHANK3における突然変異は、フェラン-マクダーミド症候群の原因である。SHANK3自閉症マウスがタウオパシーを示さないという以前の知見にかかわらず([30])、本発明者らは、SH3部位を与えられたSHANK3マウスにおけるNAPの潜在的な効果を試験した。
【0341】
この目的のために、ASD関連InsG3680突然変異[35]を有するマウスを使用した。2つの行動評価を、雄マウスで行った。
1)不安及びうつ病を証明するオープンフィールド行動(オープンフィールド行動評価技術は、以前に記載されている、例えば[36]);及び
2)自閉症形質関連の社会的認識行動(社会的認識試験は以前に記載されている、例えば[38、39]。
【0342】
オープンフィールド行動は、不安/鬱行動を示す、中心における累積持続時間の劇的な減少を示し、これは、NAP処置(上記の実施例1に記載されるように、1日1回、1ヶ月間、週5日、鼻腔内投与)によって有意に増加した(図12)。この驚くべき発見は、フェラン-マクダーミド症候群を有する個体において精神病及び退行が存在するので重要である[37]。
【0343】
社会的認識試験において、結果は、直接、又はマウス若しくはカップのみが存在するチャンバ内のいずれかで、マウス若しくはカップを探索する時間及び探索する頻度の両方を測定した(図13)。結果は、WT同腹仔及びSHANK3突然変異マウスの無関心行動を明確に示したが、突然変異はマウス探索、すなわち自閉症行動の有意な減少をもたらし、これはNAP処置SHANK3マウスモデルにおける行動の正常化と結びついており、NAPの存在下でカップ(物体)よりもマウスが有意に優先し、NAPによる自閉症関連社会的行動の増強を示唆した。
【0344】
反復行動、重要な自閉症の特徴もまた、グルーミング頻度及び持続時間を測定することによって評価した。グルーミングの累積持続時間をそのような行動の頻度で割ることによって計算される平均グルーミング持続時間は、偽処置SHANK3マウスがそれらのWT対応物よりも高い値を示すことを示した(データは示さず)。偽処置マウスはまた、NAP処置SHANK3マウスよりも高いグルーミング頻度を示した(データは示さず)。
【0345】
同様に、ADNP症候群について記載されているように、ユーバクテリウム科(EubV3)[40]は、SHANK3突然変異の結果として変化する傾向を示し、この傾向は処置マウスでは観察されなかった(データは示さず)。
【0346】
注目すべきことに、NAPによる社会的認識(すなわち、カップ=物体チャンバではなくマウスの選好)に対する効果は、一般的な特発性自閉症マウスであるBTBRマウスにおいても観察された[42](図14)。
【0347】
結果の概要
ADNPにおけるデノボヘテロ接合突然変異は、自閉症ADNP症候群を再現した。ADNP突然変異は、シナプス活性に必須の微小管(MT)機能を損なう。ADNP MT結合フラグメントNAPVSIPQ(NAP)(配列番号2)は、MT末端結合タンパク相互作用ドメイン、SxIPを含有する(活性ペプチド、SKIP、配列番号21を模倣する)。本発明者らは、全てのADNP突然変異が同様に有害であるわけではなく、NAPVSIPQのNAPV分が生物学的に活性であると仮定した。真核生物直鎖状モチーフ(ELM)リソースを使用して、本発明者らは、細胞骨格を調節するシグナル伝達経路の制御に関与するNAP中のSrcホモロジー3(SH3)ドメイン-リガンド会合部位、すなわちNAPVSIP(配列番号2)を同定した。全体として、本発明者らは、ADNPにおいて複数のSH3結合部位をマッピングした。MT動態及びタウ相互作用に対するADNP突然変異p.Glu830synfs83、p.Lys408Valfs31、p.Ser404の効果の比較(生細胞蛍光顕微鏡)は、p.Lys408Valfs31において毒性機能が残され、フレームシフト挿入によりSH3結合モチーフが回復したことを示唆した。p.Lys408Valfs31 SH3結合モチーフを消失させる部位特異的突然変異誘発は、MT傷害性を生じた。NAPは、全てのADNP突然変異に直面してMT活性を正常化したが、SH3結合モチーフが存在しないSKIPは、NAPと比較して、MT-タウ相互作用に関して有効性の低下を示した。最後に、主要な自閉症遺伝子産物であるSH3及び複数のアンキリン反復ドメインタンパク質3(SHANK3)は、アクチン結合モチーフを介して細胞骨格と相互作用して、挙動を改変する。同様に、ELM分析は、ADNP上のアクチン結合部位を同定し、直接的なSH3及び間接的なSHANK3/ADNP会合を示唆した。マウス脳抽出物からのアクチン共免疫沈降は、Shank3-Adnp-アクチン相互作用のNAP媒介正常化を示した。更に、NAP処置は、Shank3ASD関連InsG3680突然変異についてホモ接合性のマウスにおける異常行動を改善し、ADNPとSHANK3との間の基本的な共有機構を明らかにし、NAP防御活性は、ADNP症候群を超えて、SHANK3及びアクチンが関与する複数の症候群に達する。
【0348】
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【0349】
本発明は、その特定の実施形態に関連して説明されてきたが、多くの代替物、改変、及びバリエーションが当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の技術思想及び広い範囲に含まれる全てのそのような代替物、改変、及びバリエーションを包含することが意図されている。
【0350】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許及び特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許又は特許出願が参照されたときに参照により本明細書に組み込まれるべきであると具体的かつそれぞれ個別に記載されているかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるべきであることが出願人の意図である。更に、本出願における任意の参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用されている限りにおいて、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。加えて、本出願の任意の優先権書類(複数可)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F-01】
図1F-02】
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B-09C】
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図12
図13-01】
図13-02】
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2024512569000001.app
【国際調査報告】