(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】力測定要素を有するトレーラランディングギア
(51)【国際特許分類】
B60S 9/08 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B60S9/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558538
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 IB2022052774
(87)【国際公開番号】W WO2022201128
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021001553.3
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508323757
【氏名又は名称】ヨスト-ベルケ・ドイチェラント・ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 2, 63263 Neu-Isenburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルゲラ、ホセ・マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ザイデル、ギュンター
【テーマコード(参考)】
3D026
【Fターム(参考)】
3D026EA05
3D026EA16
(57)【要約】
本発明は、力測定要素(10)を有するランディングギアに関する。ランディングギアは、外管(20)と、外管(20)中に移動可能に据え付けられた内管(30)と、ギア(41)によって駆動される少なくとも1つのスピンドル(42)を備える伝達アセンブリ(40)とを備える。スピンドル(42)は、外管(20)と接触しているスピンドル軸受板(21)中のスピンドル開口部(24)を通って供給され、内管(30)に締結されたスピンドルナット(31)が、スピンドル上に保持される。本発明は、ランディングギアから地面に伝達される力の定量的且つ再現可能な測定を可能にするランディングギアを提供することの問題に対処する。この問題は、力測定要素(10)がスピンドル(42)と外管(20)との間の力の流れ中に配設された支持構成要素(15,21)上に据え付けられるという点で解決される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力測定要素(10)を有するランディングギアであって、前記ランディングギアは、外管(20)と、前記外管(20)中に移動可能に据え付けられた内管(30)と、ギア(41)によって駆動される少なくとも1つのスピンドル(42)を備える伝達アセンブリ(40)とを備え、前記スピンドル(42)は、前記外管(20)と接触しているスピンドル軸受板(21)中のスピンドル開口部(24)を通って提供され、前記内管(30)に締結されたスピンドルナット(31)が、前記スピンドル(42)上に保持され、
前記力測定要素(10)は、前記スピンドル(42)と前記外管(20)との間の力の流れ中に配設された支持構成要素(15,21)上に据え付けられることを特徴とする、ランディングギア。
【請求項2】
力が、前記支持構成要素(15,21)の変形に応じて前記力測定要素(10)によって検出されることを特徴とする、請求項1に記載のランディングギア。
【請求項3】
前記スピンドル(42)のスラスト軸受(43)が、前記スピンドル軸受板(21)の下に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のランディングギア。
【請求項4】
前記スラスト軸受(43)は、その上部軸受セクション(44)で、前記支持構成要素(15,21)の下側(23)上に荷重下で支持されることを特徴とする、請求項3に記載のランディングギア。
【請求項5】
前記支持構成要素(15,21)は、前記スピンドル軸受板(21)であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のランディングギア。
【請求項6】
前記支持構成要素(15,21)は、前記スラスト軸受(43)の前記上部軸受セクション(44)と前記スピンドル軸受板(21)との間に配置される測定板(15)であることを特徴とする、請求項4に記載のランディングギア。
【請求項7】
前記測定板(15)は、前記外管(20)に対して回転可能に固定された様式で据え付けられることを特徴とする、請求項6に記載のランディングギア。
【請求項8】
前記測定板(15)は、外部支持セクション(17)が前記スピンドル軸受板(21)に面しており、カンチレバーセクション(18)がそれらの間に配置された凹状又は橋状の形状を有することを特徴とする、請求項6又は7に記載のランディングギア。
【請求項9】
前記スラスト軸受(43)は、その下部軸受セクション(45)で、前記スピンドル(42)にしっかりと接続されたスピンドル止め輪(46)上に載置されることを特徴とする、請求項3~8のいずれか一項に記載のランディングギア。
【請求項10】
前記力測定要素(10)は、前記スラスト軸受(43)の上方に、少なくとも部分的にその突出面内で配置されることを特徴とする、請求項3~9のいずれか一項に記載のランディングギア。
【請求項11】
前記力測定要素(10)は、ピン形状であり、遊びなしで又は張力下で前記支持構成要素(15,21)の相補的な形状の凹部(25)中に挿入されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のランディングギア。
【請求項12】
ピン形状の前記力測定要素(10)は、測定ダボ(11)であることを特徴とする、請求項11に記載のランディングギア。
【請求項13】
前記凹部(25)は、前記支持構成要素(15,21)中に形成された測定ダボ穴(25)であり、その中に前記測定ダボ(11)が挿入されることを特徴とする、請求項11又は12に記載のランディングギア。
【請求項14】
前記測定ダボ(11)は、前記測定ダボ穴(25)中に機械的に固定されることを特徴とする、請求項13に記載のランディングギア。
【請求項15】
前記測定ダボ穴(25)は、前記スピンドル(42)に半径方向に位置合わせされることを特徴とする、請求項13又は14に記載のランディングギア。
【請求項16】
前記力測定要素(10)は、歪みゲージ貼り付け部(12)であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のランディングギア。
【請求項17】
前記歪みゲージ貼り付け部(12)は、前記支持構成要素(15,21)の上面(22)及び/又は下側(23)に貼り付けられることを特徴とする、請求項16に記載のランディングギア。
【請求項18】
前記力測定要素(10)は、前記測定板(15)と前記スピンドル軸受板(21)との間に配置された圧力センサ(19)であることを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載のランディングギア。
【請求項19】
前記圧力センサ(19)は、力分岐が前記圧力センサ(19)を介して前記スピンドル軸受板(21)上に生じるように、前記測定板(15)の前記カンチレバーセクション(18)に配置されることを特徴とする、請求項8を引用する請求項18に記載のランディングギア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部における特徴による力測定要素を有するランディングギアに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなランディングギアは、一般にセミトレーラ又はトレーラに取り付けられることが多く、特に牽引車両から連結解除されたときに、それらを地面上で支持する。結果として、セミトレーラは、その駐車位置において安定した位置を維持し、再び連結されるように牽引車両によって接近されることができる。他の用途では、ランディングギアは、サイロ車両の後部に配置され、傾斜プロセスが開始される前に車両を安定させるために伸長される。
【0003】
DE 10 2005 036 139 A1から、圧力要素と支持荷重インジケータとを備えるランディングギアが知られており、このインジケータは、伸長ギアを伸長させるときに安全な位置を操作者に示す。圧力要素は、ばね要素と、機械的ボタンの形態でそれと相互作用する切り替え要素とを備え、ばね要素は、スピンドル上に静止した様式で配置されたスピンドル止め輪とスピンドル軸受板との間に配置される。ランディングギアが伸長されるとき、スピンドルは、表面が安定している場合、スピンドル軸受板に対して移動し、そのため、ばね要素が変形され、切り替え要素が作動される。切り替え要素は、次に、荷重が掛けられたランディングギアの存在を操作者に示す表示要素に接続される。しかしながら、ばね要素が、頻繁な荷重変化の後に再現可能な値を提供せず、従って、力があまりにも低く印加された場合であっても切り替え要素をトリガすることは、不利であることが分かっている。
【0004】
更に、支持荷重インジケータは、ランディングギアによって伝達される力に関する任意の定量的な計算を行うために使用することができない。
【0005】
その結果として、本発明は、ランディングギアから地面に伝達される力の定量的且つ再現可能な測定を可能にするランディングギアを提供する目的に基づいた。
【発明の概要】
【0006】
基本的な目的は、請求項1の特徴を有する本発明に従って解決される。支持構成要素に一体化された力測定要素によって、連結解除されるトレーラが安全に駐車されているかどうか、特にセミトレーラの場合、ランディングギアが地面としっかりと接触しているかどうかを判断することができる。この定性的決定に加えて、ランディングギアに作用する荷重の定量的決定もある。これは、車軸荷重を記録することによってトレーラの総重量を決定し、それによって潜在的な過荷重又は不均一な荷重配分を決定することを可能にする。
【0007】
力測定要素は、支持構成要素の変形から導入される力に比例する信号を生成するセンサであると理解される。これらは、例えば、固体が弾性的に変形されたときに、電気分極の変化、及びこのことから固体上の電圧の発生を検出する圧電センサである。代替として、容量センサを、力測定要素として使用することができる。
【0008】
力測定要素は、支持構成要素に取り付けられ、支持構成要素内又は支持構成要素の表面上に力測定要素を締結することが好ましい。全ての締結位置は、力測定要素が、その変形を可能な限り精密に検出するように支持構成要素に接続され、それによって、力係止、材料係止、及び/又は形状係止接続が、特に、精密に嵌合する挟持又は接着結合によって、適しているという共通点を有する。
【0009】
スピンドルのスラスト軸受は、スピンドル軸受板の下に好都合に配置される。スラスト軸受は、スピンドルを取り囲み、スピンドルが回転可能に支持され、それと同時に、スピンドル軸受板に対して軸方向の圧力下でスピンドルを支持することを確実にする。しかしながら、スピンドルは、スピンドル軸受板内のスピンドル開口部を通って半径方向に支持される。
【0010】
特に有用な実施形態によると、スラスト軸受は、少なくともスピンドルが荷重を掛けられた状態にあるときに、その上部軸受セクションで、支持構成要素の下側に支持される。スラスト軸受の上部軸受セクションは、それによって、少なくとも荷重下で、支持構成要素に対して静止した様式で配置される。
【0011】
第1の好ましい実施形態によると、支持構成要素は、スピンドル軸受板である。代替として、支持構成要素はまた、スラスト軸受の上部軸受セクションとスピンドル軸受板との間に配置された測定板であり得る。測定板は、例えば、スピンドルを同軸上に取り囲む測定輪として成形される。
【0012】
測定板は、好ましくは、外管に対して回転可能に固定された様式で据え付けられる。これは、接続ケーブルを静止した様式で敷設することができるという利点をもたらす。
【0013】
測定板は、特に、外部支持セクションがスピンドル軸受板に面しており、カンチレバーセクションがそれらの間に配置された凹状又は橋状の形状を有することができる。この形状に起因して、カンチレバーセクションのエリア内にスピンドル軸受板のための自由な設置空間が常に存在し、その中に、例えば、力測定要素を、特に保護された様式で挿入することができる。更に、測定板の凹状又は橋状の形状は、スラスト軸受から力が導入されたときに、カンチレバーセクションのエリア内の測定板のより大きな変形を確実にし、それは、カンチレバーセクションの中心に軸方向に向けられた力を導入し、比較的大きな変形、及びこのことからより正確な力測定を可能にする。
【0014】
スラスト軸受は、特にその下部軸受セクションで、スピンドルにしっかりと接続されたスピンドル止め輪上に載置することができる。下部軸受セクションは、このことから、支持構成要素に対して回転可能に配置され、スピンドルに対して静止している。スピンドルが荷重を掛けられると、支持構成要素は、下方から下部軸受セクションを押圧し、上部軸受セクションを有するスラスト軸受を支持構成要素に押し付け、支持構成要素は、導入された荷重の結果として変形する。
【0015】
力測定要素は、便宜上、スラスト軸受の上方に、少なくとも部分的にその突出面内で配置される。このエリアでは、荷重は、スラスト軸受を介して支持構成要素中に導入され、力測定要素によって測定可能な変形は、その最大であり、導入された力の特に精密且つ再現可能な決定を可能にする。
【0016】
本発明の更なる実施形態によると、力測定要素は、便宜上、ピン形状であり、遊びなしで又はプレストレス下で支持構成要素の相補的な形状の凹部中に挿入される。
【0017】
ピン形状の力測定要素が測定ダボである実施形態が特に有用である。測定ダボは、横方向に力を感知するセンサを意味すると理解され、それは、典型的には円筒形状で設計され、測定される構成要素中の相補的な形状の測定ダボ穴中に精密な嵌合で及び/若しくはプレストレス下で常に挿入されるか、又は少なくとも予期される動作荷重が存在するときに挿入される。測定ダボの予張力付与は、例えば、測定ダボに一体化された挟持デバイスによって実現される。
【0018】
好ましくは、凹部は、支持構成要素中に形成された測定ダボ穴であり、その中に測定ダボが挿入される。測定ダボ穴の直径は、典型的には6.00mm~10.00mmであり、特に好ましくは8mmである。
【0019】
測定ダボ穴は、例えば、支持構成要素中のスピンドルに半径方向に位置合わせすることができる。測定ダボ穴はまた、好ましくは、外管の隣接する壁に対して直交して配置され、それによって、測定ダボ穴の長さ、及びこのことから、支持構成要素の材料の弱化は、可能な限り小さくなる。
【0020】
好都合には、測定ダボ穴は、軸方向に少なくとも部分的にずれて軸方向軸受を通過する。これは、測定ダボをスラスト軸受の上方に、最大力印加のエリア内で配置することを可能にする。
【0021】
測定ダボ穴は、好都合には、止まり穴として成形され、測定ダボは、止まり穴の最深部中に挿入される。これは、測定ダボ用の特に保護された据え付け位置をもたらす。
【0022】
更なる代替の実施形態によると、力測定要素は、歪みゲージ貼り付け部である。歪みゲージ貼り付け部は、支持構成要素の伸張及び圧縮変形を記録するために使用される。それは、小さな変形でもその電気抵抗を変化させ、歪みセンサとして使用される。典型的には、歪みゲージ貼り付け部は、荷重下で最小限に変形する支持構成要素に接着される。荷重下でのその変形(伸長)は、次いで、歪みゲージ貼り付け部の電気抵抗の変化につながる。
【0023】
歪みゲージ貼り付け部を支持構成要素の上面及び/又は下側に取り付けることが好ましい。これは、一方では、穿孔又はフライス加工を通した支持構成要素の弱化が実施される必要がないという利点を、及び他方では、支持構成要素の上面及び下側に最大の膨張又は圧縮があり、結果として、特に精密且つ再現可能な測定値を達成することができるという利点をもたらす。
【0024】
力測定要素は、有利には、測定板とスピンドル軸受板との間に配置された圧力センサである。圧力センサは、圧力測定デバイスのグループに属し、それは、測定チェーンにおける第1のリンクとして、圧力の物理量(面積当たりの力)を圧力の尺度としての電気出力量に変換する。圧抵抗性又は圧電性、容量性又は誘導性の圧力センサと、ホール要素を有する圧力センサとが特に適している。
【0025】
本発明の特に有用な実施形態は、圧力センサが、力分岐が圧力センサを介してスピンドル軸受板に生じるように、凹状又は橋状の測定板のカンチレバーセクション上に配置されることを提供することができる。これは、圧力センサがランディングギアのパワーの流れ全体を伝達する必要がなく、従って過荷重に対して大いに保護されるという利点を有する。伝達される力のスペクトルも小さく、そのため、より狭い測定範囲を有する圧力センサを使用することができ、それは、次に、より精密な測定値を提供する。
【0026】
より良い理解のために、本発明を、以下に示す9つの図面を使用して以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】スピンドル軸受板内にピン形状の力測定要素を有する第1の実施形態によるランディングギアを通る縦断面図である。
【
図2】断面平面CCにおける
図1によるランディングギアを通る断面図である。
【
図4】スピンドル軸受板内にピン形状の力測定要素を有する第2の実施形態によるランディングギアの上部セクションを通る縦断面図である。
【
図5】スピンドル軸受板上の力測定要素として歪みゲージ貼り付け部を有する概略的に例示するランディングギアを通る縦断面図である。
【
図6】測定板内にピン形状の力測定要素を有する概略的に例示するランディングギアを通る縦断面図である。
【
図7】測定板上の力測定要素として歪みゲージ貼り付け部を有する概略的に例示するランディングギアを通る縦断面図である。
【
図8】凹状又は橋状の測定板とその中に挿入された力測定要素とを有する概略的に例示するランディングギアを通る縦断面図である。
【
図9】凹状又は橋状の測定板と、カンチレバーセクションとスピンドル軸受板との間に配置された圧力センサとを有する概略的に例示するランディングギアを通る縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、正方形輪郭の形態の外管20と、軸方向に案内される内管30とを有するランディングギアの縦断面図を示す。外管20及び内管30の相補的な輪郭形状に起因して、内管30は、円周方向に回転不能に固定された様式で外管20中に保持される。
【0029】
ランディングギアを車両に締結するために、据え付けフランジ板28が、外管20の両側に突出し、据え付けフランジ板28内には、据え付け穴29が離散間隔で作成される。内管30は、その下端に支持足部32を伴い、支持足部32によって、ランディングギアは、内管30が伸長されたときに地面上に立つ。
【0030】
外管20には、外管20に対して回転可能に据え付けられたスピンドル42と、上端セクションで回転可能に固定された様式でスピンドル42に接続されたギア41とを有する伝達アセンブリ40がある。伝達アセンブリ40は、特に、
図4に示すギアセット49及び伝達入力軸47によって回転させられる。スピンドル42を回転させることによって、内管30の上部セクション33中にしっかりと挿入されたスピンドルナット31は、回転方向に応じて下向き又は上向きのうちのいずれかに移動する。スピンドルナット31が下向きに移動すると、スピンドルナット31は、内管30及び内管30に取り付けられた支持足部32を地面に向かって押圧し、ランディングギアが伸長される。スピンドルナット31が上向きに移動すると、スピンドルナット31は、支持足部32と共に内管30を持ち上げ、ランディングギアが収縮される。
【0031】
スピンドル42は、ギア41の下に配置されたスピンドル軸受板21を貫通し、スピンドル軸受板21は、スピンドル開口部24を形成され、スピンドル開口部24の内径は、スピンドル42の外径よりもほんの僅かに大きく選択されている。スピンドル軸受板21及びスピンドル開口部24の助けにより、スピンドル42は、その半径方向に支持される。スピンドル軸受板21は、少なくとも3つの側面、好ましくは4つの側面で、外管20の内壁にしっかりと接続される。スピンドル軸受板21は、外管20の範囲に対して本質的に直交して位置合わせされる。スピンドル42及びスピンドル軸受板21内の関連するスピンドル開口部24は、外管20の中心に収容される。
【0032】
スラスト軸受43は、スピンドル軸受板21の下でスピンドル42上に摺動され、それは、次に、スピンドル止め輪46に隣接する。支持足部32が地面上に立つとすぐに、スピンドル止め輪46は、スラスト軸受43がスピンドル軸受板21の下側23と接触するまでスラスト軸受43を上向きに押す。
【0033】
スピンドル42に横方向に位置合わせされ、また、スピンドル42から離れて面するその端部において外管20を通って延在する凹部25、特に測定ダボ穴25が、スピンドル軸受板21中に挿入される。凹部25は、
図1による断面平面CCの図として
図2の同じタイプのランディングギアにおいて、及び
図3の拡大図において、特によく見ることができる。例証的な実施形態では、凹部25は、止まり穴26として設計され、その最深部27は、スピンドル開口部24に近接してスピンドル軸受板21内に配置される。この例証的な実施形態では、凹部25は、据え付けフランジ板28に対して平行に走り、従って、ランディングギアが車両上に据え付けられる場合、進行方向に又は進行方向に対して位置合わせされる。
【0034】
特に測定ダボ11の形態のピン形状の力測定要素10は、凹部25中に静止した様式で挿入され、スピンドル軸受板21に対して測定ダボ穴25内で挟持される。例として示す測定ダボ11の位置は、最深部27のエリア内にあり、このことから、スラスト軸受43の上方の突出面内にある。内管30が外管20に対して伸長され、支持足部32が地面上に立っているとき、力の流れが、支持足部32から内管30、スピンドルナット31、スピンドル42、及びスラスト軸受43を介してスピンドル軸受板21中に生じる。スピンドル軸受板21は、その縁部領域で外管20に非積極的に接続されているので、スラスト軸受43の上方のスピンドル軸受板21の領域中で比較的最大の変形が生じ、このことから、測定ダボ11によるこの変形の可能な限り最も精密な測定が生じ、その測定値を対応する支持荷重に割り当てることができる。
【0035】
例としてスピンドル軸受板21内に配置された測定ダボ穴25も、外管20中の位置合わせされた延在部に続いている。移行連結器13が、測定ダボ穴25の開放端中に挿入され、その助けにより、測定ダボ穴25は、外部に対して閉鎖され、それを通って、接続ケーブル14のみが、測定ダボ穴25から引き出される。接続ケーブル14を介して、測定ダボ11は、車両の車載ネットワーク(ここでは図示せず)に電気的に接続され、車載ネットワークから、測定ダボ11は、電気エネルギーを供給される。加えて、測定ダボ11は、接続ケーブル14を介して車両に力測定信号を提供する。
【0036】
図4は、代替の実施形態を示し、それにおいて、測定ダボ穴25は、スピンドル軸受板21及び外管20中に90°だけずれて配置され、据え付けフランジ板28の間の背面で外管20を貫通している。
【0037】
伸長又は収縮のために、ランディングギアは、伝達入力軸47を有し、その伝達入力軸47には、特にクランク(図示せず)を回転可能に固定された様式で接続することができる。クランクの助けにより、操作者は、伝達入力軸47を回転させることができ、それによって、支持足部32を有する内管30は、回転方向に応じて伸長又は収縮のうちのいずれかを行う。
図4の例示では、内管30は、外管20に対して収縮位置にある。
【0038】
伝達入力軸47は、伝達アセンブリ40のギア41と噛み合い、また、伝達出力軸48と係合するギアセット49にトルクを伝達する。伝達入力軸47と伝達出力軸48とは、互いに軸方向に対して平行に配置される。凹部25又は測定ダボ穴25もまた、伝達入力軸47及び伝達出力軸48に対して平行に走る。
【0039】
スピンドル42のスラスト軸受43は、2つの部分で構成され、スピンドル軸受板21の下側23に隣接して配置された上部軸受セクション44を含む。内管30が外管20中に収縮されると、この収縮位置では、スピンドル42がその固定ボルト42aによってスピンドル軸受板21の上面22に吊り下げ様式で支持されるので、内管30及び支持足部32の自重に起因して、上部軸受セクション44とスピンドル軸受板21の下側23との間に隙間が形成され得る。
【0040】
内管30が伸長され、支持足部32が地面上に載置された状態で、スピンドル42が上方に押され、スピンドル42上に固定して形成されたスピンドル止め輪46が、スラスト軸受43の下部軸受セクション45に当接する。スラスト軸受43の助けにより、力は、上部軸受セクション44に伝達され、上部軸受セクション44は、スピンドル軸受板21の下側23に押圧され、それに載置される。
【0041】
同時に、スラスト軸受43は、ランディングギアが圧力下にあるときでも、スピンドル42が更に回転することを可能にする。
【0042】
スピンドル42に向かって半径方向に走る測定ダボ穴25は、その中に挟持された測定ダボ11がスラスト軸受43の上方に配置され、このことから、スピンドル42からスピンドル軸受板21中に伝達される力の力印加点に可能な限り近く配置されるように位置合わせされ、寸法決めされる。
【0043】
図5は、歪みゲージ貼り付け部12の形態の力測定要素10を有する代替の実施形態を示す。歪みゲージ貼り付け部12は、スピンドル軸受板21の上面22に貼り付けられ、その下に配置されたスラスト軸受43と少なくとも部分的に重なり、それを介して、矢印の方向の圧縮力が、支持足部32が地面上に立っているときにスピンドル軸受板21に伝達される。結果として、スピンドル軸受板21の変形の大部分は、歪みゲージ貼り付け部12のエリア内で起こり、それは特に精密な力測定を可能にする。
【0044】
歪みゲージ貼り付け部12は、接続ケーブル14によって車両のエネルギー及びデータシステムに接続することができる。
【0045】
図6は、測定板15が、スピンドル42のスラスト軸受43と、外管20に取り付けられたスピンドル軸受板21との間に挿入される更なる例証的な実施形態を示す。測定板15は、スピンドル42を受け入れるための中央穴を設けられ、閉鎖された輪形状で設計される。ランディングギアが伸長されて荷重が掛けられると、測定板15は、矢印の方向に上向きに移動するスピンドル42からの圧縮力を受け、それは、スピンドル止め輪46及びスラスト軸受43を介してスピンドル軸受板21の下側23に測定板15を押圧する。スピンドル軸受板21は、力が外管20に伝達され、そこから据え付けフランジ板28(
図1を参照)を介して車両に伝達されることを確実にする。
【0046】
測定板15は、凹部25、特に測定ダボ穴25を有し、その中に、ピン形状の力測定要素10、特に測定ダボ11が力測定要素10として挿入される。凹部25は、スピンドル42に対して半径方向に位置合わせされ、ピン形状の力測定要素10、特に測定ダボ11は、スピンドル42のスラスト軸受43の上方に位置し、それは、ランディングギアが荷重を掛けられたときに力を測定板15中に伝達する。
【0047】
測定板15がスピンドル42と共に回転するのを防止するために、測定板15は、測定板ホルダ16を介して回転可能に固定された様式でスピンドル軸受板21に接続される。結果として、測定板15は、外管20に対して回転可能に固定された様式で保持され、接続ケーブル14は、可動ケーブルなしで、所定の位置で外管20から引き出すことができる。
【0048】
図7は、歪みゲージ貼り付け部12を設けられた測定板15を有する更なる例証的な実施形態を示す。測定板15は、凹状又は橋状の形状で設計され、荷重が掛かった場合には、スピンドル軸受板21の下側23の支持セクション17によって、その側縁部領域内でのみ支持される。支持セクション17の間に位置するカンチレバーセクション18は、スラスト軸受43上の荷重にかかわらず、スピンドル軸受板21の下側23から常に距離を隔てて配置され、歪みゲージ貼り付け部12を支え、歪みゲージ貼り付け部12は、この設置場所に起因してスピンドル軸受板21と衝突することができない。
【0049】
力測定要素10を有する測定板15を、特に薄く構成された測定フィルムとして設計することも可能である。ここでも、測定板15は、スラスト軸受43と外管20との間の力の流れの中に位置し、そこでいかなる力も測定することが可能になっている。
【0050】
図8は、測定板15の凹状又は橋状の形状を有する更なる例証的な実施形態を示し、その立ち上がり支持セクション17は、それらの間に配置されたカンチレバーセクション18に対してスピンドル軸受板21の方向に突出する。スピンドル42に向かって半径方向に先細になっている凹部25、特に測定ダボ穴25が測定板15内に形成され、その中に、ピン形状の力測定要素10、特に測定ダボ11が挿入される。力測定要素10は、測定板15のカンチレバーセクション18のエリア内に位置し、そのエリアは、ランディングギアが荷重を掛けられときに、支持セクション17と比較してより大きな可逆的変形を受け、特に精密な測定を可能にする。
【0051】
図9は、同様に凹状又は橋状の測定板15を有する代替の実施形態による本発明によるランディングギアを示す。しかしながら、圧力センサ19が、力測定要素10として使用され、それは、カンチレバーセクション18のスピンドル軸受板21に面する側に配置される。圧力センサ19は、その上部側が測定板15の支持セクション17で閉鎖され、ランディングギアに荷重が掛けられると、支持セクション17と共にスピンドル軸受板21の下側23に載置され、そのため、力分岐が生じ、圧力センサ19は、スラスト軸受43からスピンドル軸受板21に伝達される力全体の一部のみを印加される。
【0052】
[参照番号のリスト]
10 力測定要素
11 ピン形状の力測定要素、測定ダボ
12 歪みゲージ貼り付け部
13 移行連結器
14 接続ケーブル
15 測定板
16 測定板ホルダ
17 測定板の支持セクション(複数可)
18 測定板のカンチレバーセクション
19 圧力センサ
20 外管
21 スピンドル軸受板
22 スピンドル軸受板の上面
23 スピンドル軸受板の下側
24 スピンドル軸受板のスピンドル開口部
25 凹部、測定ダボ穴
26 止まり穴
27 止まり穴の最深部
28 据え付けフランジ板
29 据え付け穴
30 内管
31 スピンドルナット
32 支持足部
33 内管の上部セクション
40 伝達アセンブリ
41 ギア
42 スピンドル
42a 固定ボルト
43 スピンドルのスラスト軸受
44 上部軸受セクション
45 下部軸受セクション
46 スピンドル止め輪
47 伝達入力軸
48 伝達出力軸
49 ギアセット
【国際調査報告】