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特表2024-512587ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置、制御システム及び制御方法
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  • 特表-ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置、制御システム及び制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置、制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   E21B 43/12 20060101AFI20240312BHJP
   F16K 31/122 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
E21B43/12
F16K31/122
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558699
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2022082620
(87)【国際公開番号】W WO2022199639
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110321616.9
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120613582.6
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110950759.6
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111477316.6
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121944884.8
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523362364
【氏名又は名称】伍 政
【氏名又は名称原語表記】WU, Zheng
(71)【出願人】
【識別番号】523362375
【氏名又は名称】伍 耘萱
【氏名又は名称原語表記】WU, Yunxuan
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伍 政
【テーマコード(参考)】
3H056
【Fターム(参考)】
3H056AA01
3H056BB50
3H056CA02
3H056CD02
3H056CD04
(57)【要約】
ゴルフタイプガスリフトボール(1)は、ガスリフトチューブの動力を高圧ガスに頼りオイルやガスを持ち上げるために使用される。ガスリフトチューブはティーパイプであり、ガス供給パイプとリフトパイプとテールパイプを含む。ゴルフタイプガスリフトボールは、本体(11)と、本体の外側の側壁に設けられた複数の突起を含む。突起は、硬質尖片(12)又は軟質バリ(13)である。本体の直径はガス供給パイプの内径より小さく、本体の直径はリフトパイプの内径より小さい。ガスリフトボールを有するガスリフト式オイル回収装置、オイル回収装置制御システム、及び制御方法。ガスリフトボールを有するガスリフト式オイル回収装置は、ゴルフタイプガスリフトボールとボール回収投球装置と多段起動装置を含む。ガスリフトボールを有するガスリフト式オイル回収装置は、オイルとガスのリフト効率を効果的に向上できる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスリフトティーに高圧ガスを注入することにより、オイルガスを上昇させるゴルフタイプガスリフトボールであって、
前記ガスリフトティーは、ガス供給パイプと、ガスリフトパイプと、テールパイプと、を備え、
前記ゴルフタイプガスリフトボールは、前記ガス供給パイプと前記ガスリフトパイプの内径よりも小さい直径を有するボールと、前記ボールの外壁に設けられた多数の突起(硬質尖片又は軟質バリ)とを備える、ゴルフタイプガスリフトボール。
【請求項2】
前記ゴルフタイプガスリフトボールの外径は、前記突起が硬質尖片である場合に、前記ガス供給パイプ及び前記ガスリフトパイプの内径よりも小さい、請求項1に記載のゴルフタイプガスリフトボール。
【請求項3】
前記ゴルフタイプガスリフトボールの外径は、前記突起が軟質バリである場合に、前記ガス供給パイプ及び前記ガスリフトパイプの内径以上であり、前記軟質バリは、前記ガスリフトパイプ又は前記ガス供給パイプの内壁に取り付くように変形される、請求項1に記載のゴルフタイプガスリフトボール。
【請求項4】
前記ボールが中空であり、前記ボールの側壁に連通孔が形成され、前記ボールの内側側壁に軟質層が配置され、前記軟質層に圧力センサ、温度センサ及び/又は速度センサからなる第1センサが埋め込まれている、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフタイプガスリフトボール。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のゴルフタイプガスリフトボールを収納及び投球するボール収納投球装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングに形成された、ボール入口、ボール出口、ガス出口、及びオイル出口を備え、
前記ボール入口が前記ボール出口の上方に位置し、
前記ボール入口と前記ボール出口との間にガスリフトボールのためのスライドレールが形成され、前記スライドレールの一端が前記ボール入口に接続され、他端が前記ボール出口に接続され、
前記スライドレールの内径が、前記ボール出口の内径よりも大きく、前記スライドレールの側壁に複数の隙間が形成され、前記ボール出口の端部に低/高圧変換バルブが設置されている、ボール収納投球装置。
【請求項6】
前記スライドレールは螺旋状であり、コンベヤパイプ及びオープンスライドレールからなり、
前記オープンスライドレールは円形リング及び4本の金属棒からなり、
前記円形リングは前記金属棒の端部に配置され、
前記4本の金属棒は環状に配置され、
前記スライドレールには複数の固定カラーを有する複数の支持体が配置され、前記固定カラーは前記スライドレールの外壁にスリーブされ、前記固定カラーの間には固定ロッドが配置される、請求項5に記載のボール収納投球装置。
【請求項7】
前記ハウジングには、ガスパイプに連結された中空ロッドが設置され、
前記中空ロッドの側壁には複数の排気孔が形成される、請求項5に記載のボール収納投球装置。
【請求項8】
前記スライドレールの端部には、前記ボール出口と同じ内径を有する環状のガスリフトボール収納貯蔵装置が設置され、
前記ガスリフトボール収納貯蔵装置は前記ボール出口に嵌合し、前記ハウジングの内底部に設置された自動伸縮ロッドに連結され、
前記自動伸縮ロッドの移動方向は前記ガスリフトボール収納貯蔵装置の軸方向に対して垂直である、請求項5に記載のボール収納投球装置。
【請求項9】
前記低/高圧変換バルブは、直列に接続された第1チャンバと第2チャンバとを備え、
前記第1チャンバは、前記ボール出口に接続され、
前記第1チャンバと前記ボール出口との間には第1バルブが配置され、
前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間には第2バルブが配置され、
前記第2チャンバの底部には第3バルブが配置され、
前記第2チャンバには第1高圧ガスポンプが接続され、
前記第2チャンバの側壁には第4バルブが設置される圧力逃がし口が形成されている、請求項5~8のいずれか一項に記載のボール収納投球装置。
【請求項10】
前記低/高圧変換バルブは中空の球形ハウジングを備え、前記球形ハウジングの側壁には、ボール入口チャネルと、ボール出口チャネルと、高圧ガスチャネルと残留油チャネルがそれぞれ形成され、
前記ボール入口チャネルの内径は前記ボール出口チャネルの内径と等しく、
前記高圧ガスチャネルの内径は前記ボール入口チャネルの内径より小さく、
前記残留油チャネルの内径は前記高圧ガスチャネルの内径より小さく、
前記球形ハウジングには、前記球形ハウジングの内壁に嵌合する円形のバルブコアが設置され、前記バルブコアの軸と同軸に第1貫通孔と第2貫通孔が形成され、
前記第1貫通孔と前記ボール入口チャネルは等しい内径を有し、
前記第2貫通孔と前記高圧ガスチャネルは等しい内径を有し、
前記高圧ガスチャネルには第2高圧ガスポンプが接続され、
前記球形ハウジングの外側には、前記バルブコアを回転させるために電気的又は空気圧的に駆動される回転アクチュエータが設置される、
請求項5~8のいずれか一項に記載のボール収納投球装置。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか一項に記載のゴルフタイプガスリフトボールのダウンホール運転において多段起動を行う多段起動装置であって、
前記ガスリフトティーと、前記ガスリフトティーの長さ方向に配置された複数のガスリフトバルブを備え、
前記ガスリフトティーはY字形状であり、前記ガス供給パイプと、前記ガスリフトパイプと、前記テールパイプを有し、
前記ガスリフトバルブはH字形状であり、第1チャネルと、第2チャネルと、第3チャネルとを備え、
前記第1チャネルは前記ガス供給パイプに接続され、前記第2チャネルは前記ガスリフトパイプに接続され、前記第1チャネル及び前記第2チャネルは前記第3チャネルによって互いに接続され、前記第3チャネルは内部に可動ゲートを備える、多段起動装置。
【請求項12】
前記第3チャネルの上部に、固定プレートと可動プレートとを内部に有する封止チャンバが配置され、
前記固定プレートと前記可動プレートとの間には伸縮部が配置され、
前記封止チャンバと前記第3チャネルとの間には第3貫通孔が形成され、
前記可動ゲートは前記第3貫通孔を通るプレートゲートであり、前記プレートゲートの一端は前記可動プレートに固定接続され、前記プレートゲートの他端は、ストップブロックが配置される自由端である、請求項11に記載の多段起動装置。
【請求項13】
前記伸縮部はバネであり、
前記封止チャンバと前記第3チャネルの間に、前記プレートゲートの前記第2チャネルに近い側に位置する圧力伝達孔が形成される、請求項12に記載の多段起動装置。
【請求項14】
前記伸縮部はモータ駆動であり、
第1圧力センサ及び第1PLC制御部がそれぞれ、前記第2チャネルの内側側壁に配置され、
前記第1圧力センサの信号出力端が、前記第1PLC制御部の信号入力端に接続され、
前記第1PLC制御部の信号出力端が、モータ駆動された前記伸縮部の信号入力端に接続される、請求項12に記載の多段起動装置。
【請求項15】
前記可動ゲートは、バルブコアとバルブケーシングとからなるシリンダゲートであり、
前記バルブコアと前記バルブケーシングとは同軸に配置され、
前記バルブコアは前記バルブケーシング内の軸線回りに回転可能であり、
前記バルブコアの外壁は前記バルブケーシングの内壁と嵌合し、
前記軸線に垂直な方向で前記バルブコアに第4貫通孔が形成され、
前記バルブケーシングの両側には、前記第4貫通孔と嵌合するスロットが対称に形成され、
第2圧力センサ及び第2PLC制御部がそれぞれ、前記第2チャネルの内側側壁に配置され、
前記第2圧力センサの信号出力端が、前記第2PLC制御部の信号入力端に接続され、
前記第2PLC制御部の信号出力端が、前記シリンダゲートの信号入力端に接続される、請求項11に記載の多段起動装置。
【請求項16】
前記テールパイプの下端に穿孔ガン及びスリーブが配置され、
前記穿孔ガンは円筒形であり、第1ケーブルが前記穿孔ガンの尾部に配置され、内部に穿孔弾を収納する複数の収納溝が前記穿孔ガンの側壁に形成され、穿孔弾の尾部には前記穿孔ガンの中心軸に位置し、環状に配置された開始剤が配置され、前記穿孔ガンの中心軸に、前記開始剤の内部を通過するヒューズが埋め込まれ、前記収納溝の開口部には延性金属製の湾曲プレートが配置され、
前記スリーブは内部にヒータを有すると共に前記穿孔ガンの外側にスリーブされ、第2ケーブルが前記ヒータに接続され、一端が前記ヒータに固定的に接続され、他端が湾曲プレートに固定的に接続された加熱ワイヤが前記スリーブと前記穿孔ガンとの間に配置され、前記スリーブの側壁に複数の穿孔弾出口が形成され、前記穿孔弾出口は前記収納溝に嵌合し、金属箔が前記穿孔弾出口に配置される、請求項11~15のいずれか一項に記載の多段起動装置。
【請求項17】
前記湾曲プレートは、スポット溶接によって、前記収納溝の開口部、又は前記穿孔弾出口に固定される、請求項16に記載の多段起動装置。
【請求項18】
前記穿孔ガンの外側側壁には複数の第1モータ駆動伸縮ロッドが配置され、
前記スリーブの内側側壁には前記第1モータ駆動伸縮ロッドと嵌合する複数の凹部が形成され、
前記スリーブの外側側壁には複数の第2モータ駆動伸縮ロッドが配置され、
前記第2モータ駆動伸縮ロッドの端部には突出スパイクが形成されている、請求項16に記載の多段起動装置。
【請求項19】
ゴルフタイプガスリフトボールと、ボール収納投球装置と、多段起動装置からなる、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置であって、
前記ゴルフタイプガスリフトボールは、請求項1~4のいずれか一項に記載のゴルフタイプガスリフトボールであり、
前記ボール収納投球装置は、請求項5~10のいずれか一項に記載のボール収納投球装置であり、
前記多段起動装置は、請求項11~18のいずれか一項に記載の多段起動装置である、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置。
【請求項20】
請求項19に記載のゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置を制御し、ゴルフタイプガスリフトボール、ボール収納投球装置、及び多段起動装置を連動するための、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置のインテリジェント制御システムであって、
前記ゴルフタイプガスリフトボールに埋め込まれ、動的位置データを収集する第1センサと、
前記第1センサが信号を発信するようにトリガする信号トリガユニットと、
前記第1センサから無線信号を受信し、デジタル信号に変換する無線信号受信機と、
前記無線信号受信機からデジタル信号を受信し、制御命令を生成するインテリジェントコントローラと、
前記ボール収納投球装置が前記ボールを自動的に投球し、かつ、高圧ガスポンプが自動的にガスを注入するように、前記インテリジェントコントローラからの前記制御命令を変換する実行モジュールと、
システムの状態を表示し、制御データを入力するように設計された制御パネルと、
収集した動的位置データを無線信号の形態でプラットフォーム又は地表に送信し、前記プラットフォーム又は前記地表から前記制御命令を受信する信号送受信モジュールと、を備えるインテリジェント制御システム。
【請求項21】
請求項19に記載のゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置を制御し、ゴルフタイプガスリフトボール、ボール収納投球装置、及び多段起動装置を連動するための、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置のインテリジェント制御方法であって、
前記インテリジェント制御方法は、
S1,ダウンホールから動的位置データを収集し、
ここで、動的位置データは、前記ボールの圧力、温度、及び移動速度を含み、
S2,前記S1において収集された前記データに基づいて、ボール制御装置の投球周波数、及び高圧ガス源のガス噴射圧力を調整する、
ここで、Xは圧力、Yは温度、Zは速度であり、
Aはボール収納投球装置の投球周波数、Bは高圧ガスポンプのガス噴射圧力である、インテリジェント制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オイルリフト装置及びガスリフト装置の技術分野に関わる、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置、制御システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在一般的に使用されているガスリフト式のオイル製造装置に照らすと、一つの方法は、地表から坑内に注入された高圧ガスと、坑内のオイル層で発生した液体を混合し、ガスの膨張によって坑内の混合液体の密度を低下させることにより、坑内に流入したオイルを地表に持ち上げる方法である。
【0003】
また、別の方法は高圧ガスを用いてガスリフトボールをパイプストリングに沿って空孔の底部にポンプで送り込み、次いで、高圧ガス及びガスリフトボールの推力によってオイルを地表に持ち上げることである。
【0004】
しかし、オイル層は通常地下深くに位置するため、オイルとガスの連続生産に伴い、坑内の底部の圧力、温度、流体流量が頻繁に変動するなど、坑内環境が複雑かつ不安定になる。
【0005】
しかし、従来のガスリフトオイル製造装置は、坑内環境の変化をリアルタイムで追跡することができないため、注入される高圧ガスの圧送速度やガスリフトボールの投球周波数を適時に調整することができず、ガスリフトオイル製造効率に影響を及ぼしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、これらの問題を効果的に解決するための、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置、制御システム、及び方法に関する。
【0007】
本開示の実施形態は、以下の技術方式によって実現される。
【0008】
第一の態様において、本開示はガスリフトティーに高圧ガスを注入することにより、オイルガスを上昇させるゴルフタイプガスリフトボールに関し、
前記ガスリフトティーは、ガス供給パイプと、ガスリフトパイプと、テールパイプと、を備え、
前記ゴルフタイプガスリフトボールは、前記ガス供給パイプと前記ガスリフトパイプの内径よりも小さい直径を有するボールと、前記ボールの外壁に設けられた複数の突起(硬質尖片又は軟質バリ)とを備える。
【0009】
さらに、ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径は等しく、40.2mm~40.4mm、又は50.2mm~50.4mmであり、好ましくは40.3mm又は50.3mmである。
【0010】
ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径が等しく、40.3mmの場合、ボールの直径は36mm~37mmであり、好ましくは37mmである。ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径が等しく50.3mmの場合、ボールの直径は46mm~47mmであり、好ましくは47mmである。
【0011】
前記ゴルフタイプのガスリフトボールの外径は、前記突起が硬質尖片である場合に、前記ガス供給パイプと前記ガスリフトパイプの内径よりも小さい。
【0012】
さらに、ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径が等しく40.3mmである場合、硬質尖片を有するゴルフタイプガスリフトボールの外径は、38mm~38.5mmであり、好ましくは38mmである。ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径が等しく50.3mmである場合、硬質尖片を有するゴルフタイプガスリフトボールの外径は、48mm~48.5mmであり、好ましくは48mmである。
【0013】
前記ゴルフタイプガスリフトボールの外径は、前記突起が軟質バリである場合に、前記ガス供給パイプ及び前記ガスリフトパイプの内径以上であり、前記軟質バリは、前記ガスリフトパイプ又は前記ガス供給パイプの内壁に取り付くように変形される。
【0014】
さらに、ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径が等しく40.3mmである場合、軟質バリを有するゴルフタイプガスリフトボールの外径は、40.3mm~42mmであり、好ましくは41mmである。ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径が等しく50.3mmである場合、軟質バリを有するゴルフタイプガスリフトボールの外径は、50.3mm~52mmであり、好ましくは51mmである。
【0015】
前記ボールが中空であり、前記ボールの側壁に連通孔が形成され、前記ボールの内側側壁に軟質層が配置され、前記軟質層に圧力センサ、温度センサ及び/又は速度センサからなる第1センサが埋め込まれている。
【0016】
軟質層は、綿、ゴム、シリカゲル、又は柔らかいプラスチック等で構成することができる。
【0017】
第1センサは、取り付けベースと、検知プローブとを含み、取り付けベースは軟質層に設置され、検知プローブは軟質層と接触しない。
【0018】
第二の態様において、本開示は、ゴルフタイプガスリフトボールを収納及び投球するボール収納投球装置に関し、ボール収納投球装置は、
ハウジングと、
前記ハウジングに形成された、ボール入口、ボール出口、ガス出口、及びオイル出口を備え、
前記ボール入口が前記ボール出口の上方に位置し、
前記ボール入口と前記ボール出口との間にガスリフトボールのためのスライドレールが形成され、前記スライドレールの一端が前記ボール入口に接続され、他端が前記ボール出口に接続され、
前記スライドレールの内径が、前記ボール出口の内径よりも大きく、前記スライドレールの側壁に複数の隙間が形成され、前記ボール出口の端部に低/高圧変換バルブが設置される。
【0019】
前記スライドレールは螺旋状であり、コンベヤパイプ及びオープンスライドレールからなり、
前記オープンスライドレールは円形リング及び4本の金属棒からなり、
前記円形リングは前記金属棒の端部に配置され、
前記4本の金属棒は環状に配置され、
前記スライドレールには複数の固定カラーを有する複数の支持体が配置され、前記固定カラーは前記スライドレールの外壁にスリーブされ、前記固定カラーの間には固定ロッドが配置される。
【0020】
前記ハウジングには、ガスパイプに連結された中空ロッドが設置され、
前記中空ロッドの側壁には複数の排気孔が形成される。
【0021】
前記スライドレールの端部には、前記ボール出口と同じ内径を有する環状のガスリフトボール収納貯蔵装置が設置され、
前記ガスリフトボール収納貯蔵装置は前記ボール出口に嵌合し、前記ハウジングの内底部に設置された自動伸縮ロッドに連結され、
前記自動伸縮ロッドの移動方向は前記ガスリフトボール収納貯蔵装置の軸方向に対して垂直であり、自動伸縮ロッドは電動、又は空気圧で駆動される。
【0022】
低/高圧変換バルブは、直列に接続された第1チャンバと第2チャンバとを備え、第1チャンバはボール出口に接続され、第1チャンバとボール出口の間には第1バルブが配置され、第1チャンバと第2チャンバの間に第2バルブが配置され、第2チャンバの底部には第3バルブが配置され、第2チャンバには第1高圧ガスポンプが接続され、第2チャンバの側壁には第4バルブが設置される圧力逃し口が形成され、4つのバルブはすべて電磁バルブ、ボールバルブ、空気圧バルブのいずれかであってもよい。
【0023】
低/高圧変換バルブは中空の球形ハウジングを備え、球形ハウジングの側壁には、ボール入口チャネルと、ボール出口チャネルと、高圧ガスチャネルと残留油チャネルがそれぞれ形成され、ボール入口チャネルの内径はボール出口チャネルの内径と等しく、高圧ガスチャネルの内径はボール入口チャネルの内径より小さく、残留油チャネルの内径は高圧ガスチャネルの内径より小さく、球形ハウジングには、球形ハウジングの内壁に嵌合する円形のバルブコアが設置され、バルブコアの軸と同軸に第1貫通孔と第2貫通孔が形成され、第1貫通孔とボール入口チャネルは等しい内径を有し、記第2貫通孔と高圧ガスチャネルは等しい内径を有し、記高圧ガスチャネルには第2高圧ガスポンプが接続され、球形ハウジングの外側には、バルブコアを回転させるために電気的又は空気圧的に駆動される回転アクチュエータが設置され、具体的には、回転アクチュエータはギアモータである。
【0024】
第3の態様において、本開示は、ゴルフタイプガスリフトボールのダウンホール運転において多段起動を行う多段起動装置に関し、多段起動装置は、ガスリフトティーと、ガスリフトティーの長さ方向に配置された複数のガスリフトバルブとを備え、
ガスリフトティーはY字形状であり、ガス供給パイプと、ガスリフトパイプと、テールパイプを有し、
ガスリフトバルブはH字形状であり、第1チャネルと、第2チャネルと、第3チャネルとを備え、
前記第1チャネルは前記ガス供給パイプに接続され、前記第2チャネルは前記ガスリフトパイプに接続され、前記第1チャネル及び前記第2チャネルは前記第3チャネルによって互いに接続され、前記第3チャネルは内部に可動ゲートを備える。
【0025】
第3チャネルの上部に、固定プレートと可動プレートとを内部に有する封止チャンバが配置され、固定プレートと可動プレートとの間には伸縮部が配置され、封止チャンバと第3チャネルとの間には第3貫通孔が形成され、可動ゲートは第3貫通孔を通るプレートゲートであり、プレートゲートの一端は可動プレートに固定接続され、プレートゲートの他端は、ストップブロックが配置される自由端である。
【0026】
伸縮部はバネであり、封止チャンバと第3チャネルの間に、プレートゲートの第2チャネルに近い側に位置する圧力伝達孔が形成される。
【0027】
伸縮部はモータ駆動であり、第1圧力センサ及び第1PLC制御部がそれぞれ、第2チャネルの内側側壁に配置され、第1圧力センサの信号出力端が、第1PLC制御部の信号入力端に接続され、第1PLC制御部の信号出力端が、モータ駆動された伸縮部の信号入力端に接続される。
【0028】
可動ゲートは、バルブコアとバルブケーシングとからなるシリンダゲートであり、バルブコアと前記バルブケーシングとは同軸に配置され、バルブコアはバルブケーシング内の軸線回りに回転可能であり、バルブコアの外壁はバルブケーシングの内壁と嵌合し、前記軸線に垂直な方向でバルブコアに第4貫通孔が形成され、バルブケーシングの両側には、第4貫通孔と嵌合するスロットが対称に形成される。
【0029】
第2圧力センサ及び第2PLC制御部がそれぞれ、第2チャネルの内側側壁に配置され、第2圧力センサの信号出力端が、前記第2PLC制御部の信号入力端に接続され、第2PLC制御部の信号出力端が、シリンダゲートの信号入力端に接続される。
【0030】
テールパイプの下端に穿孔ガン及びスリーブが配置される。
【0031】
穿孔ガンは円筒形であり、第1ケーブルが穿孔ガンの尾部に配置され、内部に穿孔弾を収納する複数の収納溝が穿孔ガンの側壁に形成され、穿孔弾の尾部には穿孔ガンの中心軸に位置し、環状に配置された開始剤が配置され、穿孔ガンの中心軸に、開始剤の内部を通過するヒューズが埋め込まれ、収納溝の開口部には延性金属製の湾曲プレートが配置される。
【0032】
スリーブは内部にヒータを有すると共に穿孔ガンの外側にスリーブされ、第2ケーブルがヒータに接続され、一端がヒータに固定的に接続され、他端が湾曲プレートに固定的に接続された加熱ワイヤがスリーブと穿孔ガンとの間に配置され、スリーブの側壁に複数の穿孔弾出口が形成され、穿孔弾出口は収納溝に嵌合し、金属箔が穿孔弾出口に配置される。
【0033】
湾曲プレートは、スポット溶接によって、収納溝の開口部、又は前記穿孔弾出口に固定される。
【0034】
穿孔ガンの外側側壁には複数の第1モータ駆動伸縮ロッドが配置され、スリーブの内側側壁には第1モータ駆動ロッドと嵌合する複数の凹部が形成され、
スリーブの外側側壁には複数の第2モータ駆動伸縮ロッドが配置され、
第2モータ駆動伸縮ロッドの端部には突出スパイクが形成される。
【0035】
第4の態様において、本開示は、ゴルフタイプガスリフトボールと、ボール収納投球装置と、多段起動装置からなる、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置に関する。
【0036】
第5の態様において、本開示は、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置を制御し、ゴルフタイプガスリフトボール、ボール収納投球装置、及び多段起動装置を連動するための、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置のインテリジェント制御システムに関する。
【0037】
インテリジェント制御システムは、
ゴルフタイプガスリフトボールに埋め込まれ、動的位置データを収集する第1センサと、
第1センサが信号を発信するようにトリガする信号トリガユニットと、
第1センサから無線信号を受信し、これらの信号をデジタル信号に変換する無線信号受信機と、
無線信号受信機からデジタル信号を受信し、制御命令を生成するインテリジェントコントローラと、
ボール収納投球装置がボールを自動的に投球し、かつ、高圧ガスポンプが自動的にガスを注入するように、インテリジェントコントローラからの前記制御命令を変換する実行モジュールと、
システムの状態を表示し、制御データを入力するように設計された制御パネルと、
収集した動的位置データを無線信号の形態でプラットフォーム又は地表に送信し、プラットフォーム又は地表から制御命令を受信する信号送受信モジュールと、を備える。
【0038】
第6の態様において、本開示は、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置を制御し、ゴルフタイプガスリフトボール、ボール収納投球装置、及び多段起動装置を連動するための、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置のインテリジェント制御方法に関する。
【0039】
前記インテリジェント制御方法は、
S1,ダウンホールから動的データを収集し、
ここで、動的位置データは、前記ボールの圧力、温度、及び移動速度を含み、
S2,前記S1において収集された前記データに基づいて、ボール制御装置の投球周波数、及び高圧ガス源のガス噴射圧力を調整する、
ここで、Xは圧力、Yは温度、Zは速度であり、
Aはボール収納投球装置の投球周波数、Bは高圧ガスポンプのガス噴射圧力である。
【0040】
本開示の実施形態における技術的スキームは、少なくとも以下の利点、及び有益な効果を有する。
【0041】
本開示は、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置、及びゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置の制御システム、並びに制御方法に関し、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置は、ゴルフタイプガスリフトボール、ボール収納投球装置、及び多段起動装置の三つの部分を備える。
【0042】
第一の部分であるゴルフタイプガスリフトボールは、ガスリフトティー内を円滑に移動して、テールパイプのオイルとガスを地表に持ち上げることができると共に、ボールの直径がパイプの直径より小さいので、効果的にトレッドミル効果を形成できる。
【0043】
さらに、ゴルフタイプガスリフトボールの外側の側壁に形成された硬質尖片又は軟質バリにより、ガスリフトティーの内壁に蓄積されたワックスを適時に除去することができる。
【0044】
第二の部分であるボール収納投球装置は、簡単な構造で、効果的にゴルフタイプガスリフトボールを収納、及び投球することができ、ガスリフトボールによる良好なオイル製造効率をもたらす。
【0045】
さらに、ボール収納投球装置に照らすと、ガスリフトボールのためのスライドレールは2つの円形リングと、複数の金属棒で構成されることで、ガスリフトボールは金属棒で形成された空間でのみ整然と移動でき、密集しない。
【0046】
このような構造により、遠心力を受けて移動するガスリフトボールの表面からオイルを放り落とすことが容易になり、ガスリフトボールを再びホール内で使用する前に洗浄することができる。
【0047】
第三の部分である多段起動装置は、ガスリフトティーに配置された多段ガスリフトバルブを有し、段階的な液体排出を実現する。
【0048】
ガスリフトボールによるトレッドミル効果により、液体は、素早く、効率的に、より完全に排出され得る。
【0049】
さらに、液体が段階的に排出されることにより、各段階の流れ圧力を大幅に減少させることができ、ホールの底部における流れ圧力の減少の総振幅を大きく増大させることができるため、ホールの底部におけるオイルとガスをより低い起動圧力の下で地表まで段階的に持ち上げることができる。
【0050】
多段起動装置は、深いホールのガスリフト式のオイル生産に適用できる。
【0051】
多段起動装置の下端に配置された装置により、穿孔弾を使用して加熱ワイヤと湾曲プレートを地層割れ目に移動させ、地層割れ目内の厚いオイルを加熱することができ、これにより、厚いオイルの流動性とオイルとガスの生産効率は、効果的に向上され得る。
【0052】
ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置に提供される制御方法と、制御システムによれば、温度、圧力、速度等のダウンホールデータが、リアルタイムで収集されると共に、地表のボール制御装置の投球周波数と高圧ガス源のガス噴射圧力を調整する基準とされ、ガスリフト式のオイル製造効率が向上される。また、制御システムは、遠隔データ送信と遠隔制御の機能により、インテリジェントかつ効率的に動作することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本開示の実施形態における技術的スキームをより明確に説明するために、実施形態の説明で使用される図面を以下に簡単に説明する。なお、以下の図面は、本開示の実施形態の一部を示すに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものと解釈してはならないことを理解されたい。当業者であれば、創作的な作業を行わないことを前提として、以下に説明する図面に基づいて他の図面を得ることは可能である。
【0054】
図1】本開示の第1実施形態におけるゴルフタイプガスリフトボールの構造模式図である。
図2図1に示したゴルフタイプガスリフトボールの内部構造模式図である。
図3】本開示の第2実施形態におけるゴルフタイプガスリフトボールの構造模式図である。
図4】本開示の第3実施形態におけるボール収納投球装置の構造模式図である。
図5図4に示すボール収納投球装置の内部構造模式図である。
図6図5に示した点Aの構造模式図である。
図7図4に示すボール収納投球装置における低/高圧変換バルブの構造模式図である。
図8】本開示の第4実施形態におけるボール収納投球装置の構造模式図である。
図9図8に示すボール収納投球装置における新たな低/高圧変換バルブの構造模式図である。
図10】本開示の第5実施形態におけるタイプIの多段起動装置の構造模式図である。
図11図10に示すタイプIの多段起動装置のガスリフトバルブの構造模式図である。
図12】本開示の第6実施形態におけるタイプIIの多段起動装置におけるガスリフトバルブの構造模式図である。
図13】本開示の第7実施形態におけるタイプIIIの多段起動装置におけるガスリフトバルブの構造模式図である。
図14】本開示の第8実施形態における穿孔ガン、及びスリーブの構造模式図である。
図15図14に示す穿孔ガンによる穿孔作業、及びスリーブの開放後の構造模式図である。
図16】本開示の第9実施形態におけるゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置の構造模式図である。
図17】本開示の第10実施形態におけるゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置のインテリジェント制御システムのブロック図である。
図18】本開示の第10実施形態におけるゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置のインテリジェント制御方法のブロック図である。
【0055】
凡例の説明
1;ゴルフタイプガスリフトボール、 11;ボール、 111;連通孔、 112;軟質層、 113;第一センサ、 12;硬質尖片、 13;軟質バリ、 2;ボール収納投球装置、 21;ハウジング、 211;ボール入口、 212;ガス出口、 213;ボール出口、 214;オイル出口、 22;ガスリフトボール用スライドレール、 221;コンベヤパイプ、 222;オープンスライドレール、 223;支持体、 2231;固定カラー、 2232;固定ロッド、 23;中空ロッド、 231;排気孔、 24;ガスリフトボール収納貯蔵装置、 241;自動伸縮ロッド、 25;低/高圧変換バルブ、 251;第1チャンバ、 2511;送液パイプ、 252;第2チャンバ、 2521;圧力逃がし口、 2522;第4バルブ、 253;第1バルブ、 254;第2バルブ、 255;第3バルブ、 256;第1高圧ガスポンプ、 26;新たな低/高圧変換バルブ、 261;球形ハウジング、 2611;ボール入口チャネル、 2612;ボール出口チャネル、 2613;高圧ガスチャネル、 2614;残留油チャネル、 262;バルブコア、 2621;第1貫通孔、 2622;第2貫通孔、 3;タイプIの多段起動装置、 31;ガスリフトティー、 311;ガス供給パイプ、 312;ガスリフトパイプ、 313;テールパイプ、 32;ガスリフトバルブ、 321;第1チャネル、 322;第2チャネル、 323;第3チャネル、 3231;プレートゲート、 32311;ストップブロック、 3232;シリンダゲート、 32321;バルブコア、 323211;第4貫通孔、 32322;バルブケーシング、 324;封止チャンバ、 3241;固定プレート、 3242;可動プレート、 3243;ベローズ、 3244;バネ、 3245;第3貫通孔、 3246;圧力伝達孔、 3247;モータ駆動された伸縮部、 4;穿孔ガン、 41;収納溝、 411;湾曲プレート、 42;穿孔弾、 421;開始剤、 43;ヒューズ、 44;第1モータ駆動伸縮ロッド、 5;スリーブ、 51;ヒータ、 52;加熱ワイヤ、 53;穿孔弾出口、 531;金属箔、 54;凹部、 55;第2モータ駆動伸縮ロッド、 6;第1ケーブル、 7;第2ケーブル
【発明を実施するための形態】
【0056】
本開示の実施形態における目的、技術的解決策、及び利点を説明するために、以下では、本開示の実施形態の技術的解決策が、本開示の実施形態における添付図面を参照しながら明確かつ完全に説明される。
【0057】
明らかに、記載された実施形態は、本開示の実施形態の全てではなく、一部に過ぎない。
【0058】
一般に、本明細書に記載、及び図示された本開示の実施形態における構成要素は、様々な構成を通じて配置、及び設計され得る。
【0059】
したがって、図面に示す本開示の実施形態に関する以下の詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の選択された実施形態を単に例示するものである。創造的な努力なしに、本開示の実施形態に基づいて当業者によって得られる他の全ての実施形態は、本開示の保護範囲内に入る。
【0060】
[第1実施形態]
図1図2に示すように、本実施形態は、ガスリフトティー内の高圧ガスによる動力で、オイルとガスをリフトするゴルフタイプガスリフトボール1に関し、ガスリフトティーは、ガス供給パイプと、ガスリフトパイプと、及びテールパイプとを含む従来のティー構造とすることができる。
【0061】
ゴルフタイプガスリフトボール1は、ボール11と、ボール11の外側の側壁に形成された複数の突起とを有し、ボール11は硬質ゴム製であり、突起は硬質尖片12であり、硬質尖片12も硬質ゴム製であり、ボール11の直径はガス供給パイプの内径より小さく、ボール11の直径はガスリフトパイプの内径より小さく、ゴルフタイプガスリフトボール1の外径はガス供給パイプの内径より小さく、ゴルフタイプガスリフトボール1の外径はガスリフトパイプの内径より小さい。
【0062】
具体的には、ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径は等しく40.3mmであり、ボール11の直径は37mmであり、ゴルフタイプガスリフトボール1(硬質尖片12を含む)の直径は38mmである。
【0063】
さらに、本実施形態に係るゴルフタイプガスリフトボール1のボール11は中空であり、ボール11の側壁には1つ以上の連通孔111が形成されている。
【0064】
本実施形態では、1つの貫通孔を例に挙げており、すなわち、連通孔111により、ボール11内にオイルとガスが入り込むことができ、ボール11内外の圧力を均衡させることができる。
【0065】
ボール11の内側の側壁には、ゴム製の軟質層112が形成されており、この軟質層112には第1センサ113が埋め込まれており、このセンサは、圧力、温度、及び速度を同時に監視可能な一体型のセンサである。
【0066】
第1センサ113は、取り付けベースと検知プローブを有し、取り付けベースは軟質層112に設置され、検知プローブは軟質層112に接触していない。この構造により、検知プローブはオイルやガスに完全に触れることができる。
【0067】
[第2実施形態]
図3に示すように、本実施形態は、第1実施形態に代わる実施形態に関する。
【0068】
本実施形態は、突起が軟質バリ13であり、軟質バリ13が軟質ゴム製であり、ゴルフタイプガスリフトボール1の外径がガス供給パイプの内径以上であり、ゴルフタイプガスリフトボール1の外径がガスリフトパイプの内径以上であることを除き、基本的に第1実施形態と同様の特徴を有する。
【0069】
具体的には、ガス供給パイプとガスリフトパイプの内径は等しく40.3mmであり、ボール11の直径は37mmであり、ゴルフタイプガスリフトボール1(軟質バリ13を含む)の直径は41mmである。
【0070】
軟質バリ13は、ガス供給パイプ、又はガスリフトパイプに入ると、変形して内側の側壁に付着するようになっている。
【0071】
[第3実施形態]
図4図7に示すように、本実施形態は、ゴルフタイプガスリフトボール1を収納し投球するボール収納投球装置2に関し、ボール収納投球装置2はハウジング21と、ハウジング21の側壁に形成されたボール入口211とガス出口212と、ハウジング21の底部に形成されたボール出口213とオイル出口214と、ハウジング21内に設けられたガスリフトボールのスライドレール22と中空ロッド23とを有し、スライドレール22は螺旋状で、コンベヤパイプ221とオープンスライドレール222から構成され、オープンスライドレール222は円形リングと4本の金属棒から構成され、円形リングは金属棒の端部に配置され、4本の金属棒は環状に配置され、スライドレール22には複数の固定カラー2231を有する複数の支持体223が配置され、固定カラー2231はスライドレール22の外壁にスリーブされ、固定カラー2231の間には固定ロッド2232が配置されている。
【0072】
この構造により、コンベヤパイプ221内では、ゴルフタイプガスリフトボール1は高圧ガスに押されて前進することができる。
【0073】
ゴルフタイプガスリフトボール1がオープンスライドレール222まで移動すると、高圧ガスは開放され、ゴルフタイプガスリフトボール1は慣性及び重力で移動することができ、この過程でオイル及びガスはハウジング21内の底部に流れる。
【0074】
スライドレール22の一端はボール入口211に設置され、スライドレール22の他端はボール出口213に設置される。
【0075】
ボール出口213とスライドレール22の端部との間には、環状のガスリフトボール収納貯蔵装置24が配置されており、ガスリフトボール収納貯蔵装置24の内径はボール出口213の内径よりも大きく、ガスリフトボール収納貯蔵装置24はボール出口213と嵌合し、ガスリフトボール収納貯蔵装置24は自動伸縮ロッド241と接続されている。
【0076】
自動伸縮ロッド241は空気圧で動かされ、ハウジング21内の底部に設置される。
【0077】
中空ロッド23は螺旋状のスライドレール22の中心に配置されている。中空ロッド23の側壁には複数の排気孔231が形成されている。
【0078】
中空ロッド23は、ガスパイプに連結される(ハウジング外の底部において。ガスパイプは塞がれており、これらの図では見つけることができない)。
【0079】
ボール出口213の外側には、低/高圧変換バルブ25が設置されている。
【0080】
低/高圧変換バルブ25は、第1チャンバ251と第2チャンバ252とからなり、第1チャンバ251と第2チャンバ252とは直列に接続され、第1チャンバ251はボール出口213に接続され、第1チャンバ251の底部には送液パイプ2511が設置され、送液パイプ2511には第1チャンバ251から液体を汲み出すための吸引ポンプが外部に接続されている。
【0081】
第1チャンバ251とボール出口213との間には第1バルブ253が配置され、第1チャンバ251と第2チャンバ252との間には第2バルブ254が配置され、第2チャンバ252の底部には第3バルブ255が配置され、第2チャンバ252には第1高圧ガスポンプ256が接続され、第2チャンバ252の側壁には圧力逃がし口2521が形成され、圧力逃がし口2521には第4バルブ2522が設置されている。
【0082】
[第4実施形態]
図8図9に示すように、本実施形態は、第3実施形態の改良に関するものである。
【0083】
本実施形態は、構造の異なる新たな低/高圧変換バルブ26が設けられた点を除き、基本的に第1実施形態と同様の特徴を有する。
【0084】
具体的には、新たな低/高圧変換バルブ26は、球形で中空のハウジング261を有し、球形ハウジング261の側壁には、ボール入口チャネル2611、ボール出口チャネル2612、高圧ガスチャネル2613、及び残留油チャネル2614がそれぞれ形成され、ボール入口チャネル2611はハウジング21のボール出口213に接続され、ボール入口チャネル2611の内径はボール出口チャネル2612の内径と等しく、高圧ガスチャネル2613の内径はボール入口チャネル2611の内径よりも小さく、残留油チャネル2614の内径は高圧ガスチャネル2613の内径よりも小さく、球形ハウジング261内には、球形ハウジング261の内壁と嵌合する円形のバルブコア262と、バルブコア262の軸と同軸に第1貫通孔2621と第2貫通孔2622が設置され、第1貫通孔2621とボール入口チャネル2611の内径は等しく、第2貫通孔2622と高圧ガスチャネル2613の内径は等しく、高圧ガスチャネル2613には第2高圧ガスポンプ(図示せず)が接続され、261の外側にはギアモータ(図示せず)が配置され、ギアモータの出力端はバルブコア262を回転駆動するように、バルブコア262に接続される。
【0085】
[第5実施形態]
図10図11に示すように、本実施形態は、ガスリフトティー31と複数のガスリフトバルブ32とを備え、ガスリフトバルブ32がガスリフトティー31の長さ方向に配置されている、タイプIの多段起動装置3に関し、ガスリフトティー31はY字形状であり、ガス供給パイプ311、ガスリフトパイプ312、及びテールパイプ313を有し、ガスリフトバルブ32はH字形状であり、第1チャネル321、第2チャネル322、及び第3チャネル323を有し、第1チャネル321はガス供給パイプ311に接続され、第2チャネル322はガスリフトパイプ312に接続され、ガスリフトティー31のテールパイプ313のガスリフトバルブ32において、第1チャネル321の一端はガス供給パイプ311に接続され、その他端は密閉され、第2チャネル322の一端はガスリフトパイプ312に接続され、その他端はテールパイプ313に接続され、第1チャネル321及び第2チャネル322は第3チャネル323によって互いに接続され、第3チャネル323は内部にプレートゲート3231を有し、第3チャネル323の上部には固定プレート3241と可動プレート3242とを内部に有する封止チャンバ324が配置され、固定プレート3241と可動プレート3242との間には伸縮部とベローズ3243が配置され、伸縮部はバネ3244である。
【0086】
複数のガスリフトバルブにおいて、ガスリフトティーの深さ方向に関してガスリフトバルブが深い程、ガスリフトバルブにおけるバネの弾性係数が大きくなることに留意されたい。これは、ガスリフトバルブの深さが深いほど、流れ圧力が大きくなるためである。したがって、より大きな弾性係数を持つバネが必要とされる。
【0087】
バネ3244はベローズ3243の内部に配置され、封止チャンバ324と第3チャネル323との間には第3貫通孔3245が形成され、第3貫通孔3245にはプレートゲート3231が貫通し、プレートゲート3231の一端は可動プレート3242に固定接続され、その他端はストップブロック32311が配置された自由端であり、封止チャンバ324と第3チャネル323との間には、プレートゲート3231の第2チャネル322に近い側に位置する圧力伝達孔3246が形成されている。
【0088】
[第6実施形態]
図12に示すように、本実施形態は、第5実施形態を改良した、タイプIIの多段起動装置に関する。
【0089】
本実施形態は、バネ3244がモータ駆動の伸縮部3247に変更された点と、第2チャネル322の内壁側壁に第1圧力センサと第1PLC制御部が配置された点を除き、基本的に第1実施形態と同様の特徴を有し、ここで、第1圧力センサの信号出力端は第1PLC制御部の信号入力端に接続され、第1PLC制御部の信号出力端はモータ駆動された伸縮部3247の信号入力端に接続され、モータ駆動された伸縮部3247、第1圧力センサ、及び第1PLC制御部は、すべてダウンホール内のケーブルによって給電される。
【0090】
[第7実施形態]
図13に示すように、本実施形態は、第5実施形態を改良した、タイプIIIの多段起動装置に関する。
【0091】
本実施形態は、封止チャンバ324が設けられず、プレートゲート3231がシリンダゲート3232に変更された点を除き、基本的に第1実施形態と同様の特徴を有し、シリンダゲート3232は、同軸上に配置されたバルブコア32321とバルブケーシング32322とからなり、バルブコア32321はバルブケーシング32322内で軸を中心に回転可能であり、バルブコア32321の外壁はバルブケーシング32322の内壁と嵌合し、バルブコア32321には当該軸と垂直な方向に第4貫通孔323211が形成され、バルブケーシング32322の両側には第4貫通孔323211と嵌合するスロット323221が対称に形成され、さらに、第2チャネル322の内側側壁には、第2圧力センサと第2PLC制御部が配置され、第2圧力センサの信号出力端は第2PLC制御部の信号入力端に接続され、第2PLC制御部の信号出力端はシリンダゲートの信号入力端に接続され、シリンダゲート3232、第2圧力センサ、及び第2PLC制御部は、すべてダウンホール内のケーブルによって給電される。
【0092】
[第8実施形態]
図14図15に示すように、第5実施形態の改良として、タイプIの多段起動装置3のテールパイプ313の下端に穿孔ガン4とスリーブ5が配置され、穿孔ガン4は円筒形であり、穿孔ガン4の尾部に第1ケーブル6が配置され、穿孔ガン4の側壁には、内部に穿孔弾42を有する複数の収納溝41が形成され、開始剤421は、穿孔弾42の尾部に配置されると共に、穿孔ガン4の中心軸に位置し、環状に配置され、ヒューズ43は、穿孔ガン4の中心軸に埋め込まれ、開始剤421の内部を通過し、延性金属(銅)製の湾曲プレート411は、収納溝41の開口部に配置され、内部にヒータ51を有するスリーブ5が穿孔ガン4の外側にスリーブされ、第2ケーブル7がヒータ51に接続され、一端がヒータ51に固定的に接続され、他端が湾曲プレート411に固定的に接続された加熱ワイヤ52がスリーブ5と穿孔ガン4との間に配置され、スリーブ5の側壁に複数の穿孔弾出口53が形成され、穿孔弾出口53は収納溝41に嵌合し、金属箔531が穿孔弾出口53に配置されている。
【0093】
穿孔ガン4の外側側壁には複数の第1モータ駆動伸縮ロッド44が配置され、スリーブ5の内側側壁には第1モータ駆動伸縮ロッド44と嵌合する複数の凹部54が形成され、スリーブ5の外側側壁には複数の第2モータ駆動伸縮ロッド55が配置され、第2モータ駆動伸縮ロッド55の端部には突出スパイクが形成されている。
【0094】
[第9実施形態]
図14に示すように、本実施形態は、第1実施形態に係るゴルフタイプガスリフトボール1と、第3実施形態に係るボール収納投球装置2と、第5実施形態に係る多段起動装置3からなる、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置に関する。
【0095】
ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置を参照すると、ゴルフタイプガスリフトボール1はボール収納投球装置2によって多段起動装置3へ移動され、石油とガスは多段起動装置3からボール収納投球装置2まで移動される。このような循環により、オイルとガスを持ち上げることができる。
【0096】
[第10実施形態]
図15図16に示すように、本実施形態は、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置を制御し、ゴルフタイプガスリフトボール、ボール収納投球装置、及び多段起動装置を連動するための、ゴルフタイプガスリフトボール式ガスリフトオイル製造装置のインテリジェント制御システム、及びインテリジェント制御方法に関し、インテリジェント制御システムは、
ゴルフタイプガスリフトボールに埋め込まれ、動的位置データを収集するように設計された第1センサと、
第1センサが信号を発信するようにトリガする信号トリガユニットと、
第1センサから無線信号を受信し、これらの信号をデジタル信号に変換するように設計された無線信号受信機と、
無線信号受信機からデジタル信号を受信し、制御命令を生成するように設計されたインテリジェントコントローラと、
ボール収納投球装置が前記ボールを自動的に投球し、かつ、高圧ガスポンプが自動的にガスを注入するように、インテリジェントコントローラからの制御命令を変換する実行モジュールと、
システムの状態を表示し、制御データを入力するように設計された制御パネルと、
収集した動的位置データを無線信号の形態でプラットフォーム又は地表に送信し、プラットフォーム又は地表から制御命令を受信するように設計された信号送受信モジュールを備える。
【0097】
インテリジェント制御方法は、以下のように構成される。
S1,ダウンホールから動的位置データを収集し、
ここで、動的位置データは、ボールの圧力、温度、及び移動速度を含み、
S2,S1において収集されたデータに基づいて、ボール制御装置の投球周波数、及び高圧ガス源のガス噴射圧力を調整する、
ここで、Xは圧力、Yは温度、Zは速度であり、
Aはボール収納投球装置の投球周波数、Bは高圧ガスポンプのガス噴射圧力である。
【0098】
上記の実施形態は、本開示の好ましい実施形態に過ぎず、本開示を制限するために用いられるものではない。当業者であれば、本開示に対して様々な修正及び変形を加えることができる。本開示の精神及び原理の範囲内で行われる修正、同等の置換、及び改良は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
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【国際調査報告】