(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ローター締結具
(51)【国際特許分類】
F16B 5/10 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
F16B5/10 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558717
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 CN2021131412
(87)【国際公開番号】W WO2022199068
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110319975.0
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523363316
【氏名又は名称】青▲島▼▲鑢▼小宝建筑有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】サイ フクシン
【テーマコード(参考)】
3J001
【Fターム(参考)】
3J001JD16
(57)【要約】
【課題】既存技術に存在する上記の欠点を克服し、簡単な構造で、使用しやすく、製造コストが低く、使用コストが低いローター締結具を提唱することである。
【解決手段】本発明は、締結用部品で、一種ローター締結具である。その断面は、少なくとも3つの基点と、隣接する2つの基点を接続する側縁を含み、断面が垂直方向に延長されて円柱形状のローター締結具を得られる、ローター締結具の中間部は締結部材を設けられている。前記各基点と、その基点に対向する辺の両端の基点との間の直線距離が異なり、基点の1つは第1の外側側壁に近接しており、当該基点に対向する側縁は第2の外側側壁に近接している。ローター締結具の回転し締結の過程において、基点と第2の外側側壁に接する側の点または線分との直線距離が長くなり、2つの外側側壁に外向きの引張力が生ずる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面は、少なくとも3つの基点と、隣接する2つの基点を接続する側縁を含み、断面が垂直方向に延長されて円柱形状のローター締結具を得られる、ローター締結具の中間部は締結部材を設けられている。前記各基点と、その基点に対向する辺の両端の基点との間の直線距離が異なり、基点の1つは第1の外側側壁に近接しており、当該基点に対向する側縁は第2の外側側壁に近接している。ローター締結具の回転し締結の過程において、基点と第2の外側側壁に接する側の点または線分との直線距離が長くなり、2つの外側側壁に外向きの引張力が発生する。
【請求項2】
請求項1に記載のローター締結具の特徴として、前記側縁は、連続円弧、あるいは複数の線分、歯状縁、始点と終点で結合し構成される。
【請求項3】
請求項1に記載のローター締結具の特徴として、前記側縁の曲率は、ローター回転締結方向に向かう側縁の曲率が最も大きく、ローター回転締結方向と反対方向に沿う側縁の曲率は徐々に小さくなる。
【請求項4】
請求項1に記載のローター締結具の特徴として、前記各側縁の両端の基点とその側縁に対向する第3の基点との直線距離が異なり、その側縁上の点とその側縁に対向する第3の基点との直線距離が小さい方向から大きい方向に沿って増大する傾向がある。
【請求項5】
請求項1に記載のローター締結具の特徴として、前記側縁は、複数本の線分が順に接続されて形成され、各側縁の端部の基点とその側縁に対向する第3の基点との直線距離が異なり、各線分の端点とその側縁に対向する基点との直線距離が小さい方向から大きい方向に沿って増大する傾向がある。
【請求項6】
請求項5に記載のローター締結具の特徴として、側縁を構成する線分の数は均一であり、線分の長さは等しい。
【請求項7】
請求項5に記載のローター締結具の特徴として、前記側縁を構成する複数の線分の長さは不等であり、ローター締結具の回転方向に向かう線分の長さは短く、ローター締結具の回転方向と反対方向に沿う線分の長さは順次長くなっている。
【請求項8】
請求項2に記載のローター締結具の特徴として、締結に関与する側縁は、始点と終点が連結された複数の歯状の縁から構成され、各歯状の縁の歯の外縁の点と側縁に対向する基点との間の距離は、直線距離の方向に沿って小さい方から大きい方へ増大する傾向がある。
【請求項9】
請求項2に記載のローター締結具の特徴として、締結に関与する側縁は、始点と終点で連結された複数の凹弧で構成され、凹弧の終点と、その側面とは反対側の基点との距離は、直線距離の方向に沿って、小さい方から大きい方へ増大する傾向がある。
【請求項10】
請求項2に記載のローター締結具の特徴として、締結に関与する側縁は、始点と終点で接続された複数の凸円弧で構成され、各凸円弧の谷点と、側面と反対側の基点との距離は、直線距離の方向に沿って、小さい方から大きい方へ増大する。
【請求項11】
請求項1に記載のローター締結具の特徴として、前記締結部材は、締結孔または締結突起であり、締結孔または締結突起の断面は、六角形、梅型、または四角形である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結用部品で、一種ローター締結具である。
【背景技術】
【0002】
既存の板材が型材に固定的に接続されている場合、
図1に示すように、型材に溝を設け、板材を溝に入れ、溝の外壁にねじを設けるのが一般的である。ねじ込みの過程で、溝の外壁に圧力がかかり、よって板材は溝内で固定される。当該固定接続方法の欠点は、ねじが必ず型材を通過しなければならないため、ねじが通過するための穴を型材に確保または加工しなければならず、型材の加工が増加することである。また、型材に穴を加工することは、必然的に型材の強度に影響を与え、型材の強度が低下することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、既存技術に存在する上記の欠点を克服し、簡単な構造で、使用しやすく、製造コストが低く、使用コストが低いローター締結具を提唱することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は一種ローター締結具である。その断面は、少なくとも3つの基点と、隣接する2つの基点を接続する側縁を含み、断面が垂直方向に延長されて円柱形状のローター締結具を得られる、ローター締結具の中間部は締結部材を設けられている。
【0006】
前記各基点と、その基点に対向する辺の両端の基点との間の直線距離が異なり、基点の1つは第1の外側側壁に近接しており、当該基点に対向する側縁は第2の外側側壁に近接している。ローター締結具の回転し締結の過程において、基点と第2の外側側壁に接する側の点または線分との直線距離が長くなり、2つの外側側壁に外向きの引張力が発生する。
【0007】
本発明では、前記側縁は、連続した円弧、あるいは複数のセグメント、歯状の縁、円弧状に始点と終点で接合されている。
【0008】
本発明では、前記各側縁の両端の基点とその側縁に対向する第3の基点との直線距離が異なり、その側縁上の点とその側縁に対向する第3の基点との直線距離が小さい方向から大きい方向に沿って徐々に大きくなる傾向にある。
【0009】
前記側縁の曲率は、ローター回転締結方向に向かう側縁の曲率が最も大きく、ローター回転締結方向と反対方向に沿う側縁の曲率は徐々に小さくなる。
【0010】
前記側縁は、複数本の線分が順に接続されて形成され、各側縁の端部の基点とその側縁に対向する第3の基点との直線距離が異なり、各線分の端点とその側縁に対向する基点との直線距離が小さい方向から大きい方向に沿って徐々に大きくなる傾向を有する。
【0011】
上述した側縁を構成する複数の線分は、均等に分布していてもよく、すなわち、各線分の長さが等しい。また、その複数の線分の長さが不均一であってもよく、すなわち、ローター締結具の回転方向に向いた線分の長さが短い。ローター締結具の回転方向と反対方向に沿う線分の長さが順次長くなって、側縁の曲率がローター締結具の回転方向で最も大きくなり、ローター締結具の回転方向と反対方向に沿う側縁の曲率が順次小さくなることを実現する。
【0012】
締結に関与する側縁は、複数の歯状縁を始点から終点まで連結して形成してもよく、各歯状縁の歯の外縁の点と、その側縁に対向する基点との間の距離は、直線距離が小さい方向から大きい方向に向かって増大する傾向にある。歯付き面を設けることにより、ローター締結具は効果的に旋回を防止し、堅固な作動状態に維持することができる。
【0013】
締結に関与する側縁は、始点と終点で連結された複数の凹弧で構成され、凹弧の終点と、その側面とは反対側の基点との距離は、直線距離の方向に沿って、小さい方から大きい方へと大きくなる傾向を示す。
【0014】
締結に関与する側縁は、始点と終点で接続された複数の凸円弧で構成され、各凸円弧の谷点と、側面と反対側の基点との距離は、直線距離の方向に沿って、小さい方から大きい方へと徐々に大きくなっている。
【0015】
前記締結部材は、締結孔または締結突起であり、締結孔または締結突起の断面は、六角形、梅型、または四角形である。
【0016】
本発明の有益な効果は次のとおりである:
【0017】
(1)小型で、構造が簡単で、製造コストが低く、使用が容易で簡単であり、使用コストが大幅に低減されること。
【0018】
(2)使用中に嵌合する部品に損傷を与えないこと。
【0019】
(3)締結接続を実現するのに非常に便利であるだけでなく、使用が簡易で締結効果を良好に長期間維持することができること。
【0020】
上記のように、ローター締結具によって発揮される外向きの引張力は、板材と型材との間の堅固な接続を実現することができるだけでなく、引張力による締結が必要とされる他のあらゆる作業環境においても使用することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、引張力によって部品間の締結接続を非常に容易に実現できるだけでなく、締結効果を長期間維持することができ、良好な締結効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】既存の形材と板材との接続構造を示す模式図である。
【
図2】実施例1における本発明の立体構造の模式図である。
【
図3】実施の形態1における本発明の固定解除時の断面構造を示す模式図である。
【
図4】実施例1における本発明が締め付け状態にあるときの断面構造を示す模式図である。
【
図5】実施例1における、本発明によって達成される型材と板材との接続の構造を示す概略図である。
【
図6】実施例2における本発明の断面構造の概略図である。
【
図7】実施例3における本発明の断面構造の概略図である。
【
図8(a)】実施例4における本発明の初期状態の概略断面図である。
【
図8(b)】実施例4における締め付け状態の本発明の概略断面図である。
【
図9】実施例5における本発明の断面構造の概略図である。
【
図10】実施例6における本発明の断面構造の概略図である。
【
図11】実施例7における本発明の断面構造の概略図である。
【
図12】実施例8における本発明の断面構造の概略図である。
【
図13】実施例9における本発明の断面構造の概略図である。
【
図14】実施例10における本発明の断面構造の概略図である。
【
図15(a)】実施例10における本発明の第1の初期状態の断面構造の概略図である。
【
図15(b)】実施例10における本発明の第1の締め付け状態断面構造の概略図である。
【
図16(a)】実施例10における本発明の第2の初期状態の断面構造の概略図である。
【
図16(b)】実施例10における本発明の第2の締結状態断面構造の概略図である。
【
図17(a)】実施例10における本発明の第3の初期状態断面構造の概略図である。
【
図17(b)】実施例10における本発明の第3の締結状態断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、特徴及び利点をより明白に理解できるため、本発明の具体的な使用方法を添付図面と併せて以下に詳しく説明する。
【0024】
具体的な詳細は、本発明の完全な理解を容易にするために以下の説明に記載されている。しかし、本発明は、本説明書に記載されたものとは異なる方法で実施することが可能である。関連業者は、本発明の本質を反することなく、本発明を類推して使用することができる。したがって、本発明は、以下に開示する特定の使用方法によって限定されるものではない。
【0025】
本発明は一種ローター締結具である。その断面は、少なくとも3つの基点と、隣接する2つの基点を接続する側縁を含み、断面が垂直方向に延長されて円柱形状のローター締結具を得られる、ローター締結具の中間部は締結部材を設けられており、締結部材によって、ローター締結具は回転する。
【0026】
ローター締結具における各基点と、その基点に対向する側辺の両端の基点との間の直線距離が異なる。当該ローター締結具は、2つの外側側壁の間に使用され、基点の1つは第1の外側側壁に近接しており、当該基点に対向する側縁は第2の外側側壁に近接している。ローター締結具の回転し締結の過程において、前記基点は第1の外側側壁に接触し、前記基点に対向する側縁は第2の外側側壁に接触し、基点と第2の外側側壁に接触する側縁上の点又は線分との間の直線距離は大きくなることによって、2つの外側側壁に外向きの引張力を生じさせる。
【0027】
実施例1
図2に示すように、本実施例のローター締結具の断面形状は(
図3)、3つの基点と、隣接する2つの基点を結ぶ側縁から構成される。
図2に示す断面を上下方向に延長することにより、柱状のローター締結具になれる。
【0028】
断面の3つの基点をA点、B点、C点とし、3つの基点の間の直線距離は異なる、すなわち、線分AB、線分BC、線分CAの長さは異なる。異なる長さには、3つの基点間の直線距離がすべて異なるものや、前述の3つの直線距離のうち2つは同じだが、他の直線距離とは異なるものという場合がある。
【0029】
ローター締結具の中央部には上側締結部材4が設けられており、上側締結部材4は、上側締結孔であってもよく、上側締結突起であってもよい。上側締結部材が上側締結孔である場合、上側締結孔は貫通孔であってもブラインドホールであってもよい。締め付け穴は六角穴、もしくは、その他の形状でもよい。上側締結部材が上側締結突起である場合、上側締結突起の断面は、六角形、四角形、十字形、またはその他の形状でもよい。ローター締結具の中心回りの回転は、上側締結部材4によって実現される。
【0030】
断面において、A点とC点を結ぶ縁を側縁I1、A点とB点を結ぶ縁を側縁II2、B点とC点を結ぶ縁を側縁III3とする。
図3は、ローター締結具を締め付けようとする2つの外側側壁の間に配置した初期状態を示しており、基点A点が位置する側縁が一方の外側側壁に近接し、側縁BCが位置する側面が他方の外側側壁に近接している。ローター締結具の中央にある上側締結部材4により、ローター締結具は時計方向に回転される。回転の過程の中に、基点A点が第1の外側側壁に接触し、基点A点とは反対側の側縁III3が第2の外側側壁に接触し、基点A点と側縁III3及び第2の外側側壁との接触面又は接触線分との直線距離が徐々に長くなり、2つの外側側壁の間に位置するローター締結具の大きさが徐々に大きくなることにより、2つの外側側壁の側面に引張力が生ずる。基点A点が位置する側は、それに隣接する外側側壁に外向きの引張力を発生させ、側縁BCが位置する側面は、それに隣接する外側側壁に外向きの引張力を発生させる。ローター締結具が
図4に示す位置まで回転すると、ローター締結具は回転できなくなり、その時でローター締結具が両側の外側側壁に及ぼす引張力は最大値に達する。この実施例では、点Aと点Cの間の直線距離は、点Aと点Bの間の直線距離より大きく、点Bと点Cの間の直線距離より小さい。
【0031】
本発明では、上記側縁は連続円弧である場合、対応する側面は円弧面である。また、上記3つの側面は、複数の線分、複数の円弧、または複数の歯状辺によって始点と終点が接続され構成されることもある。実際の締め付けに関わる側縁と、それに対応する基点との間の距離は、実際の締め付けに関わる側が連続した直線にならないように、例えば徐々に大きくなるように、変化させなければならない。締結に関与しない側縁は、連続直線、連続曲線、または上述の側縁の形態とすることができる。
【0032】
側縁の2つの基点と、その側縁に対向する第3の基点との直線距離が異なる場合、その辺の点と第3の基点との間の接続距離は、基点間の直線距離が小さい方から大きい方へ増大する傾向がある;あるいは、基点間の直線距離は、大きい方から小さい方へ減少する傾向がある。
図3に示すように、側縁II2の2つの基点(点Aと点B)、この2点と側縁II2の反対側にあるC点との直線距離は異なっており、B点とC点との直線距離はA点とC点との直線距離よりも大きい。このとき、側縁II2上にある各点と点Cとの距離は、点Aから点Bに向かって増加する、もしくは点Bから点Aに向かって減少する。側縁III3の2つの基点(点Bと点C)、この2点と側縁III3に対向する点Aとの直線距離が異なり、点Bと点A間の直線距離は、点Cと点A間の直線距離より小さい。このとき、側縁III3上の各点と点Aとの距離は、点Bから点Cに向かって長くなるか、点Cから点Bに向かって短くなる。
【0033】
図5に示すように、このとき、型材6の長方形の溝に配置されたローター締結具は締め付けた作業状態にあり、断面上の基点A点が位置する側縁が側壁I7に接触し、側壁I7に外向きの引張力が加えられている。断面上の側縁BCが位置する側面は、側壁II8と接触し、側壁II8に外向きの引張力を加える。ローター締結具による引張力によって、板材5は型材6の長溝にしっかりと固定される。
【0034】
図4に示しているのは、ローター締結具が締め付けた状態にあるときの断面図であり、このとき、基点A点が位置する側縁は第1外側側壁に接触し、側面BCが位置する側縁は第2外側側壁に接触している。上述したように、側壁BCは、連続する円弧であってもよく、複数の線分を始点から終点まで繋ぎ合わせて形成されていてもよいので、側壁BCが位置する側縁が第2の外側側壁と接触する場合、接触点として断面に反映される線接触の可能性もあり、接触線として断面に反映される面接触の可能性もある。
【0035】
実施例2
ローター締結具の断面図は
図6が示すように、本実施例では、側縁BCと側縁ABの両方が、複数の線分を始点から終点まで連結して形成される(8本の線分で形成されている)。
【0036】
側縁BC上の各点と点Aの間の距離は、点Bから点Cに向かうにつれて大きくなり、そのため側縁BCと、側縁BCに対向する基点Aが、実際の締結の過程に関与できるようになる。それと同様に、側縁AB上の各点と点Cの間の距離は、点Aから点Bに向かう方向に長くなり、側縁ABと反対側の基点Cが実際の締結過程に関与できる。それに対し、側縁ACはローター締結具の時計回りの回転締結の過程に関与できない。本実施例では、側縁ACを湾曲させることで、基点が鋭くなりすぎるのを防ぎ、基点の丸みを向上させている。
【0037】
なお、側縁BC及び側縁ABを構成する線分の本数は、本実施例で説明した8本に限定されるものではなく、他の本数であってもよい。具体的な本数は、側縁BCの長さや実際に要求される加工精度に応じて決定する必要がある。
それ以外は実施例1と同じ。
【0038】
実施例3
実施例1とは異なる点として、
図7に示すように、本実施例では、ローター締結具の回転方向BC側の曲率が最も大きく、ローター締結具の回転方向と反対方向に沿った側の曲率が順に小さくなり、回転締結時にまずローター締結具の曲率の大きい部分から締結し、その後曲率の小さい部分を締結することで、強固な締結を実現し、ローター締結具の締結効率と締結効果を向上させる。
それ以外は実施例1と同じ。
【0039】
実施例4
実施例1とは異なる点として、
図8に示すように、本実施例では、側縁ABが位置する面は第1外側側壁に面し、側縁ABに対向する基点C点は第2外側側壁に面する。ローター締結具の時計回りの回転締結時には、側縁ABが第1外側側壁に接触し、側縁ABに対向する基点C点が第2外側側壁に接触する。基点C点と第2外側側壁に接する側縁ABの点または線分との直線距離は徐々に増加し、増加の過程で2つの外側側壁の張力は徐々に増加するため、締め付け効果が得られる。
【0040】
本実施及び実施例2によれば、このローター締結具における側面ACと反対側の基点B点は、ローター締結具の時計回りの回転締結過程に参加できないことが分かる。
それ以外は実施例1と同じ。
【0041】
実施例5
実施例1とは異なる点として、
図9に示すように、本実施例では、締結過程には関与しない側縁ACは、円弧ではなく直線的である。つまり、側縁ACが位置するローター締結具の側面は方形の面である。
それ以外は実施例1と同じ。
【0042】
実施例6
実施例1とは異なる点として、
図10に示すように、本実施例では、実際の締結に関与する側縁ABと側縁BCは、複数の歯状縁で構成されており、本実施例では、側縁ABと側縁BCの両方が8つの歯状縁で構成されている。勿論、歯状縁の数は、この実施例で開示された数に限定されるものではない。側縁を歯状に設定することにより、ローター固定部材は一方向にしか回転できず、逆回転を効果的に防止することが実現される。締結過程に関与しない側縁ACは、曲線、直線状、もしくは数段の歯状縁で、端と端を接合し構成る。
それ以外は実施例1と同じ。
【0043】
実施例7
実施例1とは異なる点として、
図11に示すように、本実施例では、締結に関わる側縁ABと側縁BCは、複数の凹型円弧を結ぶことで形成され、本実施例では、側縁ABと側縁BCは8つの凹型円弧を結ぶことによって形成される。凹型円弧の数は、本実施例で開示した数に限定されない。締結過程に関与しない側縁ACは、曲線、直線状、もしくは数段の凹型円弧で、端と端を接合し構成る。
それ以外は実施例1と同じ。
【0044】
実施例8
実施例1とは異なる点として、
図12に示すように、本実施例では、締結に関わる側縁ABと側縁BCは、複数の凸型円弧を結ぶことで形成され、本実施例では、側縁ABと側縁BCは8つの凸型円弧を結ぶことによって形成される。凸型円弧の数は、本実施例で開示した数に限定されない。締結過程に関与しない側縁ACは、曲線、直線状、もしくは数段の凸型円弧で、端と端を接合し構成る。
それ以外は実施例1と同じ。
【0045】
実施例9
実施例1とは異なる点として、
図13に示すように、本実施例では、点Cと点B間の直線距離は点Aと点C間の直線距離に等しく、点Aと点B間の直線距離は点Cと点B間の直線距離より小さい、すなわちBC=AC>ABであり、このとき側縁BCと側縁BCに対向する基点Aが締結過程に関与する。最終的に外側の側壁に外向きの張力を作用させることができる側縁BCは、連続円弧であってもよく、複数の線分、複数の歯状縁、複数の円弧で端と端を繋いで構成されていてもよい。また、側縁ABと側縁ACは、連続直線、連続円弧であってもよく、もしくは、端と端を繋いだ複数の線分、複数の歯状縁、複数の円弧を用いてもよい。
それ以外は実施例1と同じ。
【0046】
実施例10
実施例1とは異なる点として、本実施例のローター締結具の断面形状は
図14に示すように、断面は、4つの基点と、隣接する2つの基点を結ぶ側縁を含む。
図14に示すような断面形状を上下方向に延長することにより、柱状のローター締結具を得ることができる。
【0047】
断面の4つの基点を点A、点B、点C、点Dとし、4つの基点を結ぶ側縁を側縁AB、側縁BC、側縁CD、側縁ADとする。任意の基点と、その基点に対向する側縁の両端の基点との間の直線距離は同じではない。つまり、線分AB、線分BC、線分CA、線分BDの長さは異なり、BD>BC>CA>ABとなる。4つの基点を設定することで、ローター締結具の寸法を大きくすることができる。
【0048】
図15(a)及び15(b)に示すように、基点Aは第2外側側壁に面し、基点Aとは反対側の側縁BCは第1外側側壁に面する。時計回り方向にローター締結具を回転させることにより、ローター締結具を締め付ける。このとき、点Aと、第1の外側側壁に接触している側縁BC上の点または線分との間の距離が徐々に大きくなり、それにより、ローター締結具がそれ以上回転できなくなるまで、両側の外側側壁に引張力を加えることができる。この時、基点Aと基点Aに対向する側縁BCは、ローター締結具の締結過程に関与する。
【0049】
図16(a)及び
図16(b)に示すように、基点C点は第1外側側壁に面し、基点C点とは反対側の側縁ABは第2外側側壁に面する。時計回り方向にローター締結具を回転させることにより、ローター締結具を締め付ける。このとき、点Cと、第2の外側側壁に接触している側縁AB上の点または線分との間の距離が徐々に大きくなり、それにより、ローター締結具がそれ以上回転できなくなるまで、両側の外側側壁に引張力を加えることができる。この時、基点Cと基点Cに対向する側縁ABは、ローター締結具の締結過程に関与する。
【0050】
図17(a)及び
図17(b)に示すように、基点B点は第2外側側壁に面し、基点B点とは反対側の側縁CDは第1外側側壁に面する。時計回り方向にローター締結具を回転させることにより、ローター締結具を締め付ける。このとき、点Bと、第1の外側側壁に接触している側縁CD上の点または線分との間の距離が徐々に大きくなり、それにより、ローター締結具がそれ以上回転できなくなるまで、両側の外側側壁に引張力を加えることができる。この時、基点Bと基点Bに対向する側縁CDは、ローター締結具の締結過程に関与する。
【0051】
実際使用の過程では、側縁ADがローター締結具の時計回りの回転締結に関与することはないので、側縁ADは直線であり、側縁ADが位置するローター締結具の側面は方形である。
それ以外は実施例1と同じ。
【0052】
本発明のローター締結具について、上記で詳しく説明した。本書は具体的な実施例を用いて、本発明の原理および使用方法・実施方式を説明したが、上記の説明は、本発明の方法およびその核心的な考え方を理解するために過ぎない。当業界の専門技術者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、本発明に対して若干の改良および変更を行うことができ、これらの改良および変更も本発明の特許請求の保護範囲内であることに留意すべきである。公開された実施例に関する説明により、当業界の技術者は本発明を使用することができる。これらの実施例に対する様々な修正は、当業界の専門技術者にとって簡易であり、本書で定義された一般原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施例で実現することができる。従って、本発明は、本書に示されるこれらの実施例に限定されるものではなく、本書に開示される原理および新たな特徴と一致する最も広い範囲に従う。
【符号の説明】
【0053】
1 側縁I、2 側縁II、3 側縁III、4 上側締結部材、5 板材、6 型材、7 側壁I、8 側壁II。
【国際調査報告】