(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】UAVのための分離可能な自動平衡型複数ペイロード配送ポッド
(51)【国際特許分類】
B64U 10/25 20230101AFI20240312BHJP
B64D 9/00 20060101ALI20240312BHJP
B64C 17/02 20060101ALI20240312BHJP
B64U 101/64 20230101ALN20240312BHJP
【FI】
B64U10/25
B64D9/00
B64C17/02
B64U101:64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558985
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 US2022022047
(87)【国際公開番号】W WO2022204572
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523364601
【氏名又は名称】スカイカート インク
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ユエン,ル ル(サイモン)
(57)【要約】
無人航空機のための分離可能な自動平衡型ポッド。ポッドは、複数の異なるペイロードを保持し、組み合わせたポッド及びUAVの最適な質量中心(重心)を維持するために、これらのペイロードの位置を動的に変えるように構成される。ポッドは、その独自のプロセッサ、並びに、プロセッサ制御アクチュエータを有し、バランスを最適化するためにポッド内部のペイロード位置を変え、指示通りに異なる個々のペイロードを異なる位置に供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の独立して供給されたペイロードを輸送するように構成された無人航空機(UAV)ポッド装置において、
ペイロードの少なくとも1つの直線配列を格納するように構成された貨物室であって、ペイロードの前記直線配列それぞれが少なくとも1つのコンパクティング端部によって両側で拘束され、ペイロードの前記直線配列それぞれが長軸を有する、貨物室と、
ペイロード重量及び直線配列位置情報を取得するように構成された少なくとも1つのポッドプロセッサと
を備え、
前記貨物室が、
低摩擦ペイロード支持部と、
前記低摩擦ペイロード支持部上を前記長軸に沿って前記ペイロードを前後に移動させるように構成された少なくとも1つのポッドプロセッサ制御機械的アクチュエータと
をさらに備え、
前記少なくとも1つのポッドプロセッサが、前記ペイロードのそれぞれの重量及び位置情報に関する情報を使用して、前記ポッド装置の現在の質量中心を計算するように、且つ、前記少なくとも1つのポッドプロセッサ制御機械的アクチュエータを使用して、前記ペイロードの少なくともいくつかを前記長軸に沿って移動させ、所定の最適な質量中心を実現するように構成される、
ポッド装置。
【請求項2】
前記ポッド装置が、第1の位置において、ペイロードを前記貨物室に詰めることを可能にするように構成され、第2の位置において、前記長軸に沿った移動に対する前記ペイロードの移動の拘束、並びに、前記貨物室における前記ペイロードの位置の制御の支援を行うように構成された、少なくとも1つのコンパクティング端部をさらに備える、
請求項1に記載のポッド装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのポッドプロセッサ、及び、前記少なくとも1つのポッドプロセッサ制御機械的アクチュエータが、
a)前記ペイロードを一緒に押して、それによって、ペイロードをコンパクト化し、
b)すべての前記コンパクト化されたペイロードを前記貨物室内で前記長軸に沿って移動させる
ようにさらに構成される、
請求項2に記載のポッド装置。
【請求項4】
前記ポッド装置が、前記ポッドプロセッサに接続された照明器又は方位ライトをさらに備え、
前記照明器又は方位ライトが、ドッキング中、前記UAVと前記ポッド装置との位置合わせを支援するように構成され、それによって、前記UAVと前記ポッド装置との正確な方向付けを容易にし、並びに、前記UAVが前記ポッド装置を識別することを可能にする、
請求項1に記載のポッド装置。
【請求項5】
前記ポッド装置が、任意の所定のペイロードを独立して供給するように構成された自動ペイロード供給機構をさらに備え、
前記少なくとも1つのポッドプロセッサが、独立して供給されたペイロードの前記ペイロード重量及び前記直線配列位置情報を使用して、前記ポッド装置の前記現在の質量中心を再計算し、前記少なくとも1つのポッドプロセッサ制御機械的アクチュエータを使用して、任意の残っているペイロードを移動させ、前記所定の最適な質量中心を実現するように構成される、
請求項1に記載のポッド装置。
【請求項6】
UAVが、前記ポッドプロセッサと通信するように構成されたUAVプロセッサをさらに備え、
前記ポッドプロセッサが、前記UAVプロセッサから受信した情報を使用して、前記所定の最適な質量中心を決定することのいずれかを実行し、前記ペイロードを独立して供給する、
請求項1に記載のポッド装置。
【請求項7】
前記UAVプロセッサが、前記ポッドプロセッサにペイロード供給情報をさらに通信し、
前記ポッド装置が、前記ペイロード供給情報を使用して、前記ポッドプロセッサ、及び、前記ペイロードを降下させることのいずれかに従って前記ペイロードを供給するように構成された少なくとも1つの供給アクチュエータを使用し、前記ペイロードを下げるウインチを制御することによって、前記ペイロードを独立して供給するように構成される、
請求項6に記載のポッド装置。
【請求項8】
前記ポッド装置が、前記UAVに対する前記ポッド装置の迅速な着脱を可能にするように構成された迅速ドッキング機構を有して構成される、
請求項1に記載のポッド装置。
【請求項9】
前記ポッド装置が、前記UAVの外側に取り付けられるように構成され、
前記ポッド装置が、空力抵抗を最小化するように構成された外形を有する、
請求項1に記載のポッド装置。
【請求項10】
前記ポッド装置が、前記UAVの内側に装着されるように構成される、
請求項1に記載のポッド装置。
【請求項11】
ペイロードの前記少なくとも1つの直線配列が、ペイロードの1つの直線配列である、
請求項1に記載のポッド装置。
【請求項12】
前記ポッド装置が、前記ポッドプロセッサに接続されたペイロードスキャナをさらに備え、
前記ペイロードが、少なくとも前記ペイロードの重量について報告するタグをさらに備え、
前記ポッド装置が、前記ペイロードスキャナを使用して、前記タグを読み取り、前記ペイロードスキャナから少なくとも前記ペイロード重量を取得し、前記ポッドプロセッサに前記ペイロード重量を通信する、
請求項1に記載のポッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月25日に出願された米国仮特許出願第63/166,149号の優先権利益を主張し、その全体の内容を、参照により本明細書に援用する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、UAV及びドローン荷物配送技術の分野の発明である。
【背景技術】
【0003】
従来技術の説明
近年、荷物の配送のために無人航空機(UAV、ドローン)技術を使用することに対する関心が高まっている。しかしながら、現在、そのような輸送手段の能力は限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
適切に飛行するために、UAVなどの航空機は、飛行中、特定のパラメータの範囲内でそれらの質量中心(重心)を制御しなければならない。ほとんどの先行技術の荷物運搬UAVは、輸送手段の重心の近くで単一のペイロード(荷物)を運搬する。よって、UAVの重心は、単一の荷物を運搬している間、及び、単一の荷物が供給された後のどちらも、略同じままであろう。
【0005】
本発明は、部分的には、それぞれがUAVの重量に対してかなりの重量を有する複数のペイロードパッケージを運搬する能力を有する、より能力のあるUAVを製造することが望ましいが、この種類の構成は質量中心問題を生じるという洞察によって発想を得た。すなわち、かなりの重量の複数のペイロードパッケージを運搬するUAVの質量中心は、是正措置がない場合、そのさまざまなペイロードが配送されると、実質的に移動する可能性がある。
【0006】
本発明は、部分的には、複数の異なるペイロードを有するUAVに迅速に荷物を積み込むシステム及び方法も望ましいという洞察によっても発想を得た。好ましくは、そのようなペイロードは、所定のUAVに対して迅速に着脱される可能性がある「ポッド」に設けられる可能性がある。
【0007】
本発明は、部分的には、配送実行中に荷物が配送されたときのポッド(したがって、さらに、ポッドが取り付けられたUAV)の重心の変化を自動的に補正する可能性がある、複数のペイロードの保持及び供給が可能である改良されたペイロードポッドを提供することによって、技術は進展するという洞察によっても発想を得た。このポッド装置は理想的には、UAVに対する迅速な着脱のためにも構成されなければならない。このポッド装置はまた、UAVのコンピュータプロセッサ、並びに、クラウド(インターネット)プロセッサ及びサーバなどの他のコンピューティングシステムでその機能を調整することができるように、その独自のコンピュータプロセッサ及びソフトウェアシステムとともに設計されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
よって、いくつかの実施形態において、本発明は、複数ペイロード配送システム及び方法であってもよい。本発明は、UAVの下に取り付けられる(又は、UAVが持ち上げる若しくは降ろす)ことができる、或いは代わりに、UAVの内部に取り付けられるカプセル又はポッドエンクロージャを利用してもよい。
【0009】
本発明は、任務あたりの配送数を最大化することによって、UAVの物流能力の向上を支援する。これにより、配送を行うために必要とされる無人航空機の数が減少し、空の航空交通の量が減少し、追加の機長を有することと関連するコストが減少し、同程度の配送規模の無人空中配送システムを維持するコストが減少し、ペイロード配送あたりのコストが減少する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面の簡単な説明
【
図1】UAVの外側に取り付けられたポッド装置の実施形態を示す。他の実施形態では、ポッド装置は、UAVの内部に取り付けられてもよい。
【
図2】ペイロード支持部が貨物室から部分的に取り外されているポッド装置の上面図を示し、直線配列で配置された4つのペイロード(四角い荷物)を示す。ポッド装置とUAVとの間の迅速ドッキング機構(外側パイロン及び内側パイロン)の詳細も示されている。
【
図3】
図2に示されるポッド装置の底面図を示す。任意選択の底部ペイロードドア(ここでは、閉構成)及び任意選択の足部も示されている。ペイロード支持部は、ローラ又は他の機構の使用によって、低摩擦に構成することができる。
【
図4】ポッド装置のペイロード支持部及び補助機構の側面詳細図を示し、任意選択のサイドアクセスハッチ、任意選択の照明器又は方位ライト、及び、任意選択のウインチ機構を示す。
【
図5】
図4にすでに示されたポッド装置のペイロード支持部の底面詳細図を示す。ここで、任意選択の底部ペイロードドアは閉じられている。
【
図6】ポッド装置のペイロード支持部及び補助機構の側上面詳細図を示す。ここで、コンパクティング端部機構もさらに詳細に示されている。任意選択のサイドアクセスハッチは、閉位置で示されている。
【
図7】ポッド装置のペイロード支持部の上面図を示し、ここで、1つのペイロード(四角い荷物)のみ示されている。任意選択のサイドアクセスハッチは、開位置で示されている。任意選択の底部ペイロードドアも、開位置で示されている。コンパクティング端部は、開いて(非コンパクティング位置で)示されている。通常の運用では、両方のコンパクティング端部は、残っているペイロードに当接され、ペイロードの位置をより適切に制御し、並びに、ポッド装置の質量中心を正確に制御する。
【
図8】
図7にすでに示されたポッド装置のペイロード支持部の底面図を示す。ここで、任意選択のペイロードドアは開いており、
図7にすでに示されたペイロード(四角い荷物)の下側がさらされている。続いて、運用中、このペイロードは、システムの自動ペイロード供給機構によって、この開口を通して供給される。
【
図9】ペイロード取扱中の、輸送プロセス及びデータ交換の図を示す。
【
図10】システムの電気的及びソフトウェア構成要素のいくつかを示すペイロードシステム図を示す。
【
図11】ポッドプロセッサとUAVプロセッサとの間の通信シーケンスの例を示す。
【
図12】システムソフトウェアフローチャートの第1の部分を示す。
【
図13】システムソフトウェアフローチャートの第2の部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
この議論において、「質量中心」及び「重心」は、交換可能に使用されてもよい。本明細書に論じられるペイロードの多くが約1~10キログラムの重量を有することが予想されるが、これらの重量は、限定することを意図せず、実際、1キログラムより小さい重量、及び、10キログラムより著しく大きい重量(たとえば、20キログラム、50キログラム、100キログラム、500キログラム超)も考えられる。
【0012】
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、本発明は、複数の独立して供給されたペイロードを輸送するように構成された無人航空機(UAV)ポッド装置(100)であってもよい。これらのペイロードは、時には択一的に、「荷物」と呼ばれる。
【0013】
ポッド装置は通常、中空シェルを備え、内部の機構貨物室)の組は、ペイロードの少なくとも1つの直線配列を格納するように構成されている(これらの例では、1つの直線配列のみは示されている)。少なくとも1つのコンパクティング端部によって両側(又は、少なくとも片側)が拘束されたペイロードのこの直線配列。ここで、ペイロードの各直線配列が、有すること、長軸(108)を有し、システムが、この長軸に沿ってペイロードを前後に移動させるように構成されることに留意されたい。
【0014】
ポッド装置は通常、ペイロード重量及び直線配列位置情報(たとえば、長軸に沿った任意の所定のペイロードの重量及び位置)を取得するように構成された、マイクロプロセッサ/マイクロコントローラなどの、少なくとも1つのポッドコンピュータプロセッサも備える。貨物室は通常、低摩擦ペイロード支持部(たとえば、ローラ(118)と、低摩擦ペイロード支持部(118)上を長軸(108)に沿ってペイロードを前後に移動させるように構成された少なくとも1つのポッドプロセッサ制御機械的アクチュエータ(たとえば、126b)とをさらに備える。
【0015】
本開示において後でさらに詳細に論じられるように、通常、少なくとも1つのポッドプロセッサは、さまざまなペイロードのそれぞれの重量及び位置に関する情報を使用して、ポッド装置の現在の質量中心を計算するように構成される。システムは通常、この少なくとも1つのポッドプロセッサ制御機械的アクチュエータ(たとえば、126b)を使用して、ペイロード(たとえば、106a、106b、106c、106dなど)の少なくともいくつかを長軸(108)に沿って移動させ、所定の最適な質量中心を実現するようにも構成される。
【0016】
図1は、UAV(102)の外側に取り付けられたポッド装置(100)の実施形態を示す。他の実施形態において、ポッド装置は、UAVの内部に取り付けられてもよい。
【0017】
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、ポッド装置(100)は、UAV(102)に対するポッド装置(100)の迅速な着脱を可能にするように構成された迅速ドッキング機構(110、112)を有して構成されてもよい。
【0018】
UAVの外側に取り付けられるように構成された少なくともそれらの実施形態において、ポッド装置は、空力抵抗を減少させる、好ましくは、最小化するように構成された「流線形の」外形を有する。しかしながら、ポッド装置の代替バージョンは、代わりに、UAVの内側に装着されるように構成されてもよい。
【0019】
図では、ペイロードが単一の直線配列上に置かれた実施形態が示されている。しかしながらペイロードが1つより多い直線配列上に置かれる代替の実施形態は、否認されない。実際、適切な構成及びアクチュエータによって、ペイロードは、2D配列で、又は3D配列でさえ置かれてもよい。
【0020】
UAVへのポッドの取付け
いくつかの実施形態において、ポッド及びUAVは、パイロン装置を使用して、互いに取り付けられてもよい。ここで、たとえば、パイロン装置は、2つの部品から構成されてもよい。これは、ポッド(110)の上の外側パイロンと、UAV(112)の下の内側パイロンとすることができる。内側パイロンのフックのための金属取付箇所は、外側パイロンの内側にある。UAVがポッドを持ち上げるとき、両方の部品が位置合わせ精度の欠如を補償するために先細りになっていてもよいので、その内側パイロンはポッドの外側パイロンと位置合わせされる。航空機の下向き速度がゼロで内側パイロンが外側パイロンに完全に挿入されたとき、フックは閉位置になる。地上でポッドを解放するとき、内側パイロンのフックは開位置になる。フックは、サーボモータ及びギアボックスを使用して、作動されてもよい。
【0021】
任意選択のアクティブアライメントシステム
いくつかの実施形態において、アクティブアライメントシステムは、ポッドとUAVとの位置合わせを支援するために使用されてもよい。たとえば、1つの実施形態において、ポッドの頂部は、空を向く、1つ又は複数の(たとえば、3つの)赤外又は光学ライト(122a、122b)を有してもよい。1つのライトは、ポッドを識別するパターンを生成してもよく、他の2つのライトは、ポッド及び航空機の位置合わせのために使用されてもよい。UAVの下のカメラは、カメラフレーム内にライトを位置付け、ポッド及びパイロンとの正確な位置合わせを確立し、UAV及びポッドの良好な取付けを容易にするために使用されてもよい。
【0022】
図2は、ペイロード支持部(104)が貨物室(たとえば、ポッドの中空内部)から部分的に取り外されているポッド装置の上面図を示す。
図2は、直線配列で配置される4つのペイロード(四角い荷物106a、106b、106c、106d)を示す。直線配列の長軸も示されている(108)。ポッド装置とUAV(
図1にすでに示された102)との間の迅速ドッキング機構(外側パイロン110及び内側パイロン112)の詳細も示されている。
【0023】
図3は、
図2に示されるポッド装置の底面図を示す。任意選択の底部ペイロードドア(114、ここでは、閉じられた構成)及び任意選択の足部(116)も示されている。ペイロード支持部(104)は、ローラ(118)又は他の機構の使用による、ペイロードの前後への低摩擦移動のために構成することができる。
【0024】
ポッド装置は、クラウド(インターネット)ソースを含む、任意のソースからパッケージに関する情報を受けてもよいが、いくつかの実施形態では、ポッド装置は、ポッドプロセッサに接続された、又は、ポッドプロセッサと通信する少なくとも1つのペイロードスキャナをさらに備えてもよい。これは、光学走査又はイメージング、磁気走査、RFIDタグ読取装置、NFCタグ読取装置などを含む、任意の種類の方法によって作動する任意の種類のスキャナとすることができる。このような実施形態において、ペイロード(たとえば、106a...106d)は、少なくともペイロードの重量について報告する(及び、多くの場合、同様に少なくともペイロード追跡番号を提供する)タグをそれら自身がさらに備えてもよい。これらの実施形態において、ポッド装置は、これらのペイロードタグを読み取り、ペイロードスキャナから少なくともペイロード重量を取得し、ポッドプロセッサにこのペイロード重量を通信するために、これらのペイロードスキャナを使用してもよい。
【0025】
図4は、ポッド装置のペイロード支持部及び補助機構の側面詳細図を示し、任意選択のサイドアクセスハッチ(120)、任意選択の照明器又は方位ライト(122a、122b)、及び、ペイロード(荷物)を降ろすための任意選択のウインチ機構(124)を示す。この特定の実施形態は、最大6つのペイロード荷物を取り扱うように構成される。
【0026】
図5は、
図4にすでに示されたポッド装置のペイロード支持部の底面詳細図を示す。ここで、任意選択の底部ペイロードドア(114)及び任意選択のサイドアクセスハッチ(120)は閉じられている。
【0027】
図6は、ポッド装置のペイロード支持部及び補助機構の側上面詳細図を示す。ここで、コンパクティング端部機構(126a、126b)もさらに詳細に示されている。各コンパクティング機構は、荷物マニピュレータ器具(126a)と、少なくとも1つのプロセッサ制御アクチュエータ(126b)とを備えてもよい。任意選択のサイドアクセスハッチ(120)は、閉位置で示されている。いくつかの実施形態において、ペイロード荷物のいくつかは、パラシュート(128)を備えていてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、ポッド装置は、第1の位置において、ペイロードを貨物室に詰めることを可能にするように構成され、第2の位置において、長軸(108)に沿った移動に対するペイロードの移動の拘束、並びに、貨物室におけるペイロードの位置の制御の支援を行うように構成された、少なくとも1つのコンパクティング端部(126a、126b)をさらに備える。通常、ポッドプロセッサは、コンパクティング端部(126a)、及び、関連するプロセッサ制御機械的アクチュエータ(126bを含んでもよい)を使用して、長軸に沿ってペイロードを前後に移動させ、所望の質量中心を実現する。これらの同じアクチュエータ又は他のアクチュエータは、ポッドから供給するためにさまざまなペイロードを位置付けるためにも使用されてもよい。
【0029】
よって、いくつかの実施形態において、簡単にさらに詳細に論じられるように、少なくとも1つのポッドプロセッサ、及び、少なくとも1つのポッドプロセッサ制御機械的アクチュエータは、a)ペイロードを一緒に押して、それによって、ペイロードをコンパクト化し、さらに、b)コンパクト化されたペイロードのうちのいくつか又はすべてを貨物室内で所望の位置まで長軸に沿って移動させるようにさらに構成される。
【0030】
図7は、ポッド装置のペイロード支持部の上面図を示し、ここで、1つのペイロード(四角い荷物106c)のみ示されている。任意選択のサイドアクセスハッチ(120)は、開位置で示されている。任意選択の底部ペイロードドア(114)も、開位置で示されている。コンパクティング端部器具(126a)は、開いて(非コンパクティング位置で)示されている。通常の運用では、コンパクティング端部器具(126a)は、残っているペイロードに当接され、ペイロードの位置をより適切に制御し、並びに、ポッド装置(100)の質量中心を(同様に、取り付けられたUAV102の質量中心も)正確に制御する。
【0031】
いくつかの実施形態において、ポッド装置(100)は、任意の所定のペイロードを独立して供給するように構成された自動ペイロード供給機構をさらに備える。この自動装置は、(ペイロードドア114が開いているときに)底部開口から所定のペイロードを単に押し出すプロセッサ制御アクチュエータのように単純であってもよい。或いは、安全掴みの解放、ペイロードドアの開閉、ウインチ(124)の制御などを行うより複雑なペイロード分注装置も、使用されてもよい。
【0032】
多くの場合、所定のペイロードが供給された後、ポッドの質量中心は、残っているペイロードの最適以下の位置のために変わることがある。好ましい実施形態では、いつでも、たとえば、所定のペイロードを供給した後、次に、ポッドは、質量中心をより好ましい設定に再設定するために、アクティブ測定極的対策を次いで開始することができる。ここで、たとえば、少なくとも1つのポッドプロセッサは、ポッド装置の現在の質量中心を再計算するために、さまざまなペイロードの重量及び直線配列位置情報を使用するように構成されてもよい。次いで、少なくとも1つのポッドプロセッサは、これを事前設定目標値と比較することができ、必要に応じて、(126b)などの少なくとも1つのポッドプロセッサ制御機械的アクチュエータを使用して、任意の残っているペイロードを軸(108)に沿って前後に移動させ、所定の最適な質量中心を実現する。
【0033】
図8は、
図7にすでに示されたポッド装置のペイロード支持部の底面図を示す。ここで、任意選択のペイロードドア(114)は開いており、
図7にすでに示されたペイロード(四角い荷物106c)の下側がさらされている。続いて、運用中、このペイロードは、システムの自動ペイロード供給機構によって、この開口を通して供給される。
【0034】
図9は、以下のステップに従う、本発明の輸送プロセス及びデータフローの1つの実施形態を示す図を示す。
【0035】
ステップ1)ペイロード準備人は、ペイロードをはかりの上に置き、出荷ステーションソフトウェアを使用して、クラウドに記憶される運送業者及び受取人情報を選択する。ペイロードについての情報は、その重量とともに入力される。この情報は、運送業者及び受取人情報とともに、出荷処理のためにクラウドに送信される。
【0036】
ステップ2)クラウドは、ポッド識別子、ペイロードのためのQRコード、及びトラック位置番号を送り返す。これらの項目は、出荷ステーションのラベルプリンタを使用して、大きなラベルに印刷される。
【0037】
ステップ3)出荷ステーションからの印刷されたラベルは、ペイロードに取り付けられ、対応するトラック位置及びポッド識別子とともにトラックに置かれる。ペイロードの積込担当者は、モバイル出荷クライアントソフトウェアを実行している、カメラ付きモバイル装置を使用して、トラックQRコードに対するペイロードQRコードを確認する。このスキャンプロセスは、管理者によって同じモバイルソフトウェアを使用して繰り返され、飛行前チェックにおいて承認される。運用に応じて、この後者のステップは、必要でなくてもよい。ポッドも、スキャンプロセス中にペイロード情報が送信される。
【0038】
ステップ4)ペイロードチェックが完了すると、ポッドは配送の準備ができている。無人航空機は、まだであれば、ポッドステータスに応じて、飛行可能状態にしてもよい。ペイロード情報及びナビゲーション命令が送信された後、無人航空機はその複数の配送任務を開始する。
【0039】
ステップ5)無人航空機は、配送準備のできているポッドに取り付けられ、そのプログラムされた配送任務を実行する。
【0040】
UAVとの通信
通常、UAV(102)は、少なくとも1つのUAVプロセッサを促進する。いくつかの実施形態において、この少なくとも1つのUAVプロセッサは、少なくとも1つのポッドプロセッサと通信するように構成されてもよい。ここで、少なくとも1つのポッドプロセッサは、所定の最適な質量中心を決定するいずれかのことを実行するために、及び/又は、ペイロードを独立して供給するために、少なくとも1つのUAVプロセッサから受信した情報を使用することができる。この通信は、無線リンクによって、(たとえば、外側パイロン(110)及び内側パイロン(112)上のデータ転送ケーブル若しくは光接続を使用する直接光又は電子有線リンクによって、又は、他の手段によって、行われてもよい。
【0041】
たとえば、標準的なポッドは、異なる種類のUAVと連結する能力があり、それぞれが異なるUAV質量中心を有すると仮定する。したがって、最適なポッド質量中心は、そのポッドがどのUAVに取り付けられるかに応じて異なってもよく、そのため、ポッドプロセッサは、UAVから受信した情報に応じて、その最適な質量中心を再設定してもよい。さらに、UAVは、「直ちに、荷物106bを投下」などの情報をポッドプロセッサに送信してもよく、次に、ポッドプロセッサは、ポッドのペイロード供給機構を起動させるためにこれを使用することができる。
【0042】
よって、いくつかの実施形態において、1つ又は複数のUAVプロセッサは、少なくとも1つのポッドプロセッサにペイロード供給情報をさらに通信してもよい。ポッド装置は、このペイロード供給情報を使用して、さまざまなペイロードを独立して供給するように構成されてもよい。これは、ポッドプロセッサ及び少なくとも1つの供給アクチュエータを使用することによって行うことができ、(たとえば、地面近くでホバリングする若しくは着陸したUAVによって、短い距離から地面の上に)ペイロードを降下させることによって、又は、(地面よりさらに上方のUAVから)パラシュートによって、1つ又は複数のペイロードを供給することができる。
【0043】
或いは、供給機構は、地面又は人までペイロードを緩やかに降ろし、次いで、ペイロードを解放するウインチ(124)を制御してもよい。
【0044】
ペイロード配送システムのさらなる議論
いくつかの実施形態において、ポッドのペイロードに関する情報は、UAV又は他の無線装置から通信されてもよく、ポッドプロセッサのメモリに記憶されてもよい。次いで、ポッドプロセッサは、安定した飛行を維持するために、この情報を使用して、ポッドの重心及びUAVの重心に関して全体の許容可能な重心を計算してもよい。全体の許容可能な重心は、安定した飛行のためにUAVの重心範囲の上下限内にとどめられる。この全体の許容可能な重心は、ペイロード積込み、荷降ろし、集荷、及び引渡しのイベントを含む、すべてのUAV任務を通して維持及び調整される。
【0045】
ペイロード管理システムの具体的な例
いくつかの実施形態において、全体の許容可能な重心が維持される機構は、ソフトウェアのシステム、マイクロコントローラ、通信装置、ローラ、レール、リードスクリュー、ペイロード・コンパクティング端部、ステッピングモータ、及び駆動手段を備える。ローラ、レール、リードスクリュー、コンパクティング端部、ステッピングモータ、及び、駆動手段の構造、トラックシステム。無人航空機が地面上で飛行可能状態ではないとき、トラックシステム上のコンパクティング端部(126a)は、多くの場合、ペイロードを受け入れるために広く開いているように構成される。
【0046】
コンパクティング端部が広く開くとき、それらは、トラックシステムの両端の限界に達する。このとき、端部がトラックシステム限界に到達し、リミットスイッチから離れるように戻さなければならないという信号が、リミットスイッチによってポッドプロセッサに送信されてもよい。さらに、リミットスイッチは、トラックシステムの位置決め精度を較正する方法を提供するためにも使用されてもよい。次いで、UAVが飛行可能状態であるとき、コンパクティング端部は、トラックシステム上のペイロードを全体の許容可能な重心に一緒に集めて、保持するために、適切な位置に移動することができる。
【0047】
示されるように、ポッドのトラックシステムは、ペイロード位置pnを表す1~6まで付番される。この例では、トラックシステムに沿った付番された位置1~6の上記のそれぞれはQRコードを有する。位置1~4は、たとえば、早急にペイロードを配送する必要がある運用のために利用される可能性がある。位置5及び6は、早急に行われる必要のないペイロードの配送のために利用可能とすることができ、配送トラックの除去を組み込む可能性がある運用を必要とすることがある。
【0048】
全体の許容可能な重心がUAV任務を通して配送システムによって維持されるとき、新しい全体の許容可能な重心の計算は、ポッドプロセッサによって実行され、好ましくは、ペイロード積込み又は荷降ろしイベントの直後に実施される。前に述べたように、ペイロードの積込み及び荷降ろしは、人、機械の助けを借りて実行することができる、又は、パラシュートとともに放出される、ロープによって下げる、若しくは、地面に置くことができる。
【0049】
重心位置決め
ポッドプロセッサは、1つ又は複数のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラとすることができる。ポッドプロセッサ上で実行するソフトウェアは、全体の重心、コンパクティング端部の位置を計算し、(126b)などのステッピングモータ駆動手段に信号として、これらの位置を送信する。次いで、ステッピングモータ駆動手段は、たとえば、リードスクリューを移動させることによって作動し、コンパクティング端部(126a)をそれらの必要とされる位置に移動させる。コンパクティング端部の結果として得られる位置は、飛行中の、全体の重心を維持しながら、常にペイロードを一緒に集めて、保持することになっている。以下の式は、安定性の上下限の間にある航空機の理想的な重心に関して全体の重心がn個のペイロードについて配置される場所を決定する。
【数1】
ここで、dは、トラックシステムに沿って、又は、航空機の長手方向軸に沿ってあるペイロードの長さであり、p
nは、トラックシステムのペイロード位置であり、W
podは、ポッドの重量であり、W
1、W
2、W
3、W
4、及びW
nは、それらの対応しているp
n位置におけるペイロード重量である。
【0050】
ペイロード検証システム
いくつかの実施形態において、各ペイロード情報がその重量とともに地上支援コンピュータに入力されると、地上支援コンピュータは、ペイロードに位置番号を割り当ててもよい。ここで、ペイロードに取り付けることができるステッカー又はタグは、トラックシステム位置番号、及び、QRコード、他の種類のタグコードなどのコードとともに、印刷されてもよくて、又は、他の方法で生成されてもよい。次いで、ペイロードにステッカー又はタグを取り付けた後に、ペイロードは、対応する位置番号において、トラック上に積み込むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、ペイロードは手動で積み込まれてもよく、且つ、他のセットアップ作業も手動で行われてもよい。たとえば、人がトラックシステム上にペイロードを積み込むとき、人は、ペイロード上のQRコード又は他のタグ、及び、付番されたトラック位置における対応するQRコード又は他のタグの両方を、好適な物流トラッキングソフトウェアを実行しているモバイル機器にスキャンしてもよい。次いで、物流トラッキングソフトウェアは、ペイロードが、その適切なトラック位置にあること、並びに、正確なUAVにあることを確認することができる。
【0052】
離陸前、物流トラッキングソフトウェアは、任意選択的に、適切なペイロード位置及び航空機の飛行前の確認を必要とすることもできる。飛行前チェック缶は、すべてのペイロードQRコード又は他のタグ、及び、それらの対応する位置QRコード又は他のタグをスキャンすることを含む。飛行前の確認は、単一のペイロードの配送について任意選択である。
【0053】
ペイロードシステム図
図10は、システムの電気的及びソフトウェア構成要素のいくつかを示すペイロードシステム図を示す。
【0054】
無線通信装置を見出すことができる2つの可能性がある位置がポッド内にある。一方の位置はトラックシステム上であり、他方の位置はパイロン内である。さまざまな通信装置が、これらの位置に取り付けられる可能性がある。現在、ポッドは、パイロン内に配置された近距離無線通信(NFC(Near Field Communication))のための装置、又は、トラックシステム上に配置されたBluetooth Low Energy(BLE)のための装置のいずれかを実装している。いかなる場合でも、ポッドと無人航空機との間の、装置のための通信シーケンスは以下に示される。
【0055】
図11は、ポッドプロセッサとUAVプロセッサとの間の通信シーケンスの例を示す。ポッドが電力を供給されて、無人航空機又はモバイル装置に取り付けられていないとき、それは、リスンモードである。無人航空機又はモバイル装置へのポッドの取付け時、無線の暗号化されたリンクは、暗号化キーを使用してネゴシエートされる。暗号化された無線リンクが確立されると、無人航空機又はモバイル装置は、命令をポッドに送信することができる。通信シーケンスの例は
図12に示される。
【0056】
この例では、2つのペイロードがこの任務で配送される。最後のペイロードを配送した後、荷物システムエラーが発生している。
【0057】
図12は、システムソフトウェアフローチャートの第1の部分を示す。
【0058】
図13は、上記のシステムソフトウェアフローチャートの第2の部分を示す。UAVプロセッサは、ペイロードの位置及びペイロードが供給又は受け入れされなければならない方法を表す電気的周波数を送信し、無線通信デバイスによってポッドに通信される。
【国際調査報告】