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特表2024-512618トラッカーのネットワーク自動制御方法、装置、機器、及び記憶媒体
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  • 特表-トラッカーのネットワーク自動制御方法、装置、機器、及び記憶媒体 図1
  • 特表-トラッカーのネットワーク自動制御方法、装置、機器、及び記憶媒体 図2a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】トラッカーのネットワーク自動制御方法、装置、機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20240312BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20240312BHJP
   H04W 4/80 20180101ALI20240312BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20240312BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240312BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240312BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20240312BHJP
【FI】
H04W52/02
H04W4/70
H04W4/80
H04W8/00 110
H04W84/18
H04Q9/00 311H
H04L67/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559039
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2022084061
(87)【国際公開番号】W WO2022247454
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202110597135.0
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.BLUETOOTH
3.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】孫権
【テーマコード(参考)】
5K048
5K067
【Fターム(参考)】
5K048AA16
5K048BA34
5K048BA42
5K067AA43
5K067BB27
5K067DD20
5K067EE25
5K067GG01
(57)【要約】
本開示は、トラッカーのネットワーク自動制御方法、装置、機器及び記憶媒体を開示し、IoTの分野に関する。該方法において、トラッカーは、他の機器との近距離通信により、他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定するステップと、トラッカーは、他の機器が遠隔通信機能を提供できると判定した場合、自体の遠隔通信機能を停止するステップと、トラッカーは、自体の遠隔通信機能を停止した後、遠隔通信機能を提供できる他の機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラッカーのネットワーク自動制御方法であって、
トラッカーは、他の機器との近距離通信により、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定するステップと、
前記トラッカーは、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できると判定した場合、自体の遠隔通信機能を停止するステップと、
前記トラッカーは、自体の遠隔通信機能を停止した後、遠隔通信機能を提供できる前記他の機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記トラッカーは、他の機器との近距離通信により、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定する前に、
前記トラッカーは、近距離通信可能な他の機器がその近くに存在するか否かを探索するステップと、
前記トラッカーは、探索の結果、近距離通信可能な他の機器がその近くに存在する場合、近距離通信モードでその近くに存在する近距離通信可能な他の機器に接続するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記他の機器は、他のトラッカーと非トラッカーとを含み、前記トラッカーは、他の機器との近距離通信により、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定するステップは、
前記トラッカーは、それと近距離通信を行っている前記他の機器に非トラッカーが存在するか否かを判定するステップと、
前記トラッカーは、それと近距離通信を行っている前記他の機器に非トラッカーが存在すると判定した場合、前記非トラッカーとの近距離通信により、前記非トラッカーが遠隔通信機能を提供できるか否かを判定するステップと、
前記トラッカーは、それと近距離通信を行っている前記他の機器に非トラッカーが存在し、前記非トラッカーが遠隔通信機能を提供できない、又はそれと近距離通信を行っている前記他の機器に非トラッカーが存在しないと判定した場合、前記他のトラッカーとの近距離通信により、前記他のトラッカーが遠隔通信機能を提供できるか否かを判定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トラッカーは、他の機器との近距離通信により、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定するステップは、
前記トラッカーは、近距離通信により、前記他の機器の遠隔通信機能を利用して前記データセンターと通信するための要求メッセージを前記他の機器に送信するステップと、
前記トラッカーは、前記他の機器から返信された、前記トラッカーが前記他の機器の遠隔通信機能によって前記データセンターと通信することを許可する旨の応答メッセージを受信した場合、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できると判定し、又は、前記トラッカーは、前記他の機器から返信された、遠隔通信能力を持たない旨の応答メッセージ、若しくは前記トラッカーが前記他の機器の遠隔通信機能によって前記データセンターと通信することを許可しない旨の応答メッセージを受信した場合、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できないと判定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トラッカーは、前記他の機器との近距離通信により、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定した後、
前記トラッカーは、遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在する場合、遠隔通信機能を提供できる複数の前記他の機器の中から1つの他の機器を遠隔通信機器として選択し、前記遠隔通信機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トラッカーは、遠隔通信機能を提供できる複数の前記他の機器の中から1つの他の機器を遠隔通信機器として選択するステップは、
遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在し、遠隔通信機能を提供できる複数の他の機器が少なくとも1つの非トラッカーを含む場合、前記トラッカーは、前記少なくとも1つの非トラッカーの中から1つの非トラッカーを遠隔通信機器として選択するステップと、
遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在し、遠隔通信機能を提供できる複数の他の機器が全て他のトラッカーである場合、前記トラッカーは、現在のネットワーク選択モードに応じて、遠隔通信機能を提供できる前記他のトラッカーの中から1つの他のトラッカーを遠隔通信機器として選択するステップと、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記トラッカーは、現在のネットワーク選択モードに応じて、遠隔通信機能を提供できる前記他のトラッカーの中から1つの他のトラッカーを遠隔通信機器として選択するステップは、
前記現在のネットワーク選択モードが最適なネットワークモードである場合、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から、遠隔通信信号が最適なトラッカーを遠隔通信機器として選択する、又は
前記現在のネットワーク選択モードが最適な消費電力モードである場合、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から、消費電力が最も低いトラッカーを遠隔通信機器として選択するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記トラッカーは、前記他の機器が遠隔通信機能を提供できないと判定した場合、自体の遠隔通信機能を起動するステップと、
前記トラッカーは、自体の遠隔通信機能を利用して、前記データセンターとデータのやり取りを行い、それと近距離通信を行っている他のトラッカーに遠隔通信機能を提供するステップと、をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
メモリと、プロセッサと、前記メモリ上に記憶され、前記プロセッサ上で実行可能なプログラムと、を備え、前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されると、請求項1~8のいずれか1項に記載のトラッカーのネットワーク自動制御方法のステップを実現するトラッカーのネットワーク自動制御機器。
【請求項10】
プロセッサによって実行されて、請求項1~8のいずれか1項に記載のトラッカーのネットワーク自動制御方法のステップを実現可能であるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年05月28日に提出された、名称が「トラッカーのネットワーク自動制御方法、装置、機器、及び記憶媒体」の中国特許出願CN202110597135.0の優先権を主張しており、その全ての内容は引用によって本開示に組み込まれている。
【0002】
本開示は、IoTの分野に関し、特にトラッカーの低消費電力ネットワーク自動制御方法、装置、機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
IoTシステムには、第2世代携帯電話通信技術(2G:2-Generation Wireless Telephone Technology)、ロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)、ナローバンドIoT(NB-IoT:Narrow Band Internet of Things)などの遠距離通信モードと、無線通信技術(WIFI)、ブルートゥース(BT:Bluetooth)、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、ジグビー(Zigbee)、超広帯域(UWB:Ultra Wide Band)、無線周波数識別(RFID:Radio Frequency Identification)などの近距離通信モードとがある。さまざまな遠距離通信モードと近距離通信モードが共同で動作することにより、製品のPCB基板のレイアウト難度を増加するだけでなく、全体の消費電力及び全体の発熱を増加する。
【0004】
IoTレイアウトで重要なトラッカーとして、PCB基板のスペースが限られているだけでなく、消費電力及び発熱が厳しく要求される。そのため、トラッカーの使用エクスペリエンスを向上させ、トラッカー全体の発熱及び全体の消費電力を低減させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、トラッカー全体の発熱及び全体の消費電力を低減させ、トラッカーの使用エクスペリエンスを向上させることを目的とするトラッカーのネットワーク自動制御方法、装置、機器、及び記憶媒体を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、トラッカーは、他の機器との近距離通信により、他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定するステップと、トラッカーは、他の機器が遠隔通信機能を提供できると判定した場合、自体の遠隔通信機能を停止するステップと、トラッカーは、自体の遠隔通信機能を停止した後、遠隔通信機能を提供できる他の機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うステップと、を含むトラッカーのネットワーク自動制御方法を提供する。
【0007】
本開示はまた、メモリと、プロセッサと、メモリ上に記憶され、プロセッサ上で実行可能なプログラムと、を備え、プログラムはプロセッサによって実行されると、前記トラッカーのネットワーク自動制御方法のステップを実現するトラッカーのネットワーク自動制御機器を提供する。
【0008】
本開示は、プロセッサによって実行されて、前記トラッカーのネットワーク自動制御方法のステップを実現可能であるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示によるトラッカーのネットワーク自動制御方法のフローチャートである。
図2a】本開示による複数のトラッカーが互いに接続可能な近距離を有する第1接続形態の概略図である。
図2b】本開示による複数のトラッカーの線形配列であり、例えば、AはBに接続され、BはCに接続され、...、NはN+1に接続された第2接続形態の概略図である。
図2c】本開示による複数のトラッカー間に第1接続形態と第2接続形態の両方が存在する第3接続形態の概略図である。
図3】本開示によるトラッカーのネットワーク制御の概略図である。
図4】本開示による近距離通信ネットワークと遠距離通信ネットワークとの切り替えのフローチャートである。
図5】本開示によるトラッカーのネットワーク自動制御装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載された具体的な実施例は、本開示を説明するためだけに使用され、本開示を限定するためには使用されない。
【0011】
後の説明では、「モジュール」、「部品」、又は「ユニット」のような構成要素を表すために使用される接尾辞は、本開示の説明を容易にするためにのみ使用され、それ自体は固有の意味を持たない。これにより、「モジュール」、「部品」又は「ユニット」を混在させて使用することができる。
【0012】
現在の近距離通信機器はますます多くなっており、例えば携帯電話、自動車、IoT製品などが近距離通信を実現しており、トラッカーを他のトラッカー、携帯電話、自動車、IoT製品などと近距離無線通信可能にし、IoTのネットワークを構成することで、通信範囲を拡大している。トラッカーの使用エクスペリエンスを向上させ、その全体の発熱を低減させ、全体の消費電力を低減させるために、本開示では、トラッカーの低消費電力ネットワーク自動制御を提案し、異なる応用シナリオに応じてネットワーク方式を切り替えることを実現し、さらに、近距離通信モードを主制御とし、近距離通信の接続状況を利用して遠距離通信回路の動作状態を制御することで、トラッカーの遠距離通信の時間を短縮させ、全体の発熱を低減させ、全体の消費電力を低減させる目的を達成させる。
【0013】
図1は、本開示によるトラッカーのネットワーク自動制御方法のフローチャートであり、図1に示すように、方法は、ステップS101~ステップS103を含んでもよい。
【0014】
ステップS101:トラッカーは、他の機器との近距離通信により、他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定する。ステップS102:トラッカーは、他の機器が遠隔通信機能を提供できると判定した場合、自体の遠隔通信機能を停止する。ステップS103:トラッカーは、自体の遠隔通信機能を停止した後、遠隔通信機能を提供できる他の機器によってデータセンターとデータのやり取りを行う。
【0015】
本開示のトラッカーは、追跡対象物に縛られることにより、又は追跡対象物と物理的に近距離で通信することにより、IoT機器などの追跡対象物のネットワークへのアクセスを実現することができ、また、遠隔通信機能を提供できる他の機器によって、トラッカーの遠隔通信機能回路の動作時間を最大限に短縮させ、トラッカー全体の発熱及び全体の消費電力を低減させ、トラッカーの使用エクスペリエンスを向上させ、特に、複数のトラッカーが共同で動作する場合、近距離通信ネットワークを利用して巨大なIoTネットワークを形成し、ネットワーク全体にわたって1つのみのトラッカーの遠隔通信機能をオンにすることにより、複数のトラッカーが共同で動作する際の消費電力を最大限に低減させる。
【0016】
さらに、ステップS101の前に、方法において、トラッカーは近距離通信可能な他の機器がその近くに存在するか否かを探索するステップと、トラッカーは、探索の結果、近距離通信可能な他の機器がその近くに存在する場合、近距離通信モードでその近くに存在する近距離通信可能な他の機器に接続するステップと、をさらに含む。
【0017】
一実施形態では、他の機器は、非トラッカーと他のトラッカーとを含み、ステップS101は、以下のステップを含む。トラッカーは、それと近距離通信を行っている他の機器に非トラッカーが存在するか否かを判定する。トラッカーは、それと近距離通信を行っている他の機器に非トラッカーが存在すると判定した場合、非トラッカーとの近距離通信により、非トラッカーが遠隔通信機能を提供できるか否かを判定し、それによって、トラッカーは、遠隔通信機能を提供できる非トラッカーが存在すると判定した場合、非トラッカーを遠隔通信機器として選択し、遠隔通信機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うことができ、遠隔通信機能を提供できる非トラッカーが複数存在する場合、1つの非トラッカーを遠隔通信機器としてランダムに選択してもよく、遠隔通信信号が最適な非トラッカーを遠隔通信機器として選択してもよい。トラッカーは、それと近距離通信を行っている他の機器に非トラッカーが存在し、非トラッカーが遠隔通信機能を提供できない、又は、それと近距離通信を行っている他の機器に非トラッカーが存在しないと判定した場合、他のトラッカーとの近距離通信により、他のトラッカーが遠隔通信機能を提供できるか否かを判定し、これによって、トラッカーは、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーが存在すると判定した場合、他のトラッカーを遠隔通信機器として選択し、遠隔通信機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うことができ、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーが複数存在する場合、1つの他のトラッカーを遠隔通信機器としてランダムに選択してもよく、現在のネットワーク選択モードに応じて、1つの他のトラッカーを遠隔通信機器として選択してもよい。例えば、現在のネットワーク選択モードが最適なネットワークモードである場合、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から遠隔通信信号が最適なトラッカーを遠隔通信機器として選択することができ、現在のネットワーク選択モードが最適な消費電力モードである場合、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から消費電力が最も低いトラッカーを遠隔通信機器として選択することができる。
【0018】
別の実施形態では、ステップS101は、トラッカーは、近距離通信により、他の機器の遠隔通信機能を利用してデータセンターと通信するための要求メッセージを他の機器に送信するステップと、トラッカーは、他の機器から返信された、トラッカーが他の機器の遠隔通信機能によってデータセンターと通信することを許可する旨の応答メッセージを受信した場合、他の機器が遠隔通信機能を提供できると判定し、又は、トラッカーは、他の機器から返信された、遠隔通信機能を持たない旨の応答メッセージ、若しくはトラッカーが他の機器の遠隔通信機能によってデータセンターと通信することを許可しない旨の応答メッセージを受信した場合、他の機器が遠隔通信機能を提供できないと判定するステップと、を含む。このように、トラッカーは、遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在する場合、遠隔通信機能を提供できる複数の他の機器の中から1つの他の機器を遠隔通信機器として選択し、遠隔通信機器によってデータセンターとデータのやり取りを行う。判定に際しては、以下の2つに分けられる。第1には、遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在し、遠隔通信機能を提供できる複数の他の機器が少なくとも1つの非トラッカーを含む場合、トラッカーは、少なくとも1つの非トラッカーの中から1つの非トラッカーを遠隔通信機器として選択する。第2には、遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在し、遠隔通信機能を提供できる複数の他の機器がすべて他のトラッカーである場合、トラッカーは、現在のネットワーク選択モードに応じて、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から1つの他のトラッカーを遠隔通信機器として選択する。1つの例示的な実施例では、現在のネットワーク選択モードが最適なネットワークモードである場合、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から遠隔通信信号が最適な他のトラッカーを遠隔通信機器として選択し、現在のネットワーク選択モードが最適な消費電力モードである場合、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から消費電力が最も低いトラッカーを遠隔通信機器として選択する。
【0019】
簡単に言えば、他の機器に非トラッカーと他のトラッカーの両方が存在する場合、本開示は、非トラッカーの遠隔通信機能を優先的に使用し、これにより、トラッカーの消費電力と、共同で動作する複数のトラッカーの消費電力とを低減させる。
【0020】
さらに、方法は、トラッカーは、他の機器が遠隔通信機能を提供できないと判定した場合、自体の遠隔通信機能を起動し、自体の遠隔通信機能を利用してデータセンターとデータのやり取りを行い、それと近距離通信を行っている他のトラッカーに遠隔通信機能を提供するステップをさらに含んでもよい。
【0021】
一実施形態では、ステップS103は、トラッカーは、自体の遠隔通信機能を停止した後、選択された遠隔通信機能を提供できる他の機器(例えば、機器X)との近距離通信を維持するステップをさらに含む。トラッカーと機器Xとの近距離通信が中断された場合、直ちにトラッカー自体のLTEなどの遠隔通信ネットワークをオンにし、トラッカーの近距離通信ネットワーク回路の正常な動作を維持しつつ、機器Xとの近距離通信が中断された旨の警告をデータセンターに送信する。
【0022】
本開示は、トラッカーの遠距離通信ネットワーク回路の動作時間を最大限に短縮させつつ、IoT機器などの追跡対象物のネットワークへのアクセスを実現し、特に複数のトラッカーが共同して動作する場合、近距離通信ネットワークを利用して巨大なIoTネットワークを形成し、ネットワーク全体にわたって1つのみの機器の遠距離ネットワーク通信を行うことにより、複数のトラッカーが共同して動作する際の消費電力を最大限に低減させる。
【0023】
以下では、図2a~図4を参照して本開示について詳細に説明する。
【0024】
完全品の形態としてのトラッカー機器には、通常、長い待機時間、低発熱及び完全品の小型化が求められるに加えて、近距離無線通信と遠距離無線通信を利用して機器の測位及び消費電力の制御を実現する必要がある。
【0025】
トラッカーの作動シナリオは以下の通りである。
【0026】
(1)トラッカーは携帯電話、スマートウェアラブル機器など他の機器と共同で作動を行い、トラッカーはWiFi、ブルートゥース、NFCなど近距離通信ネットワークを利用して携帯電話、スマートウェアラブル機器など他の機器との近距離通信の要求を出し、携帯電話、スマートウェアラブル機器など他の機器が同意した後、携帯電話、スマートウェアラブル機器など他の機器と近距離通信接続を確立し、近距離通信を行う。近距離通信接続が確立された後、トラッカーは、携帯電話、スマートウェアラブル機器など他の機器に「携帯電話、スマートウェアラブル機器など他の機器の遠隔通信ネットワークを介してデータセンターと通信する」要求を送信し、携帯電話、スマートウェアラブル機器など他の機器が許可すれば、トラッカー機器は自体のLTEなどの遠距離無線通信ネットワークをオフにしてLTEなどの遠距離無線通信回路の動作を停止させ、簡単に言えば、「トラッカー-近距離通信ネットワーク-携帯電話、スマートウェアラブル機器など他の機器-遠距離通信ネットワーク-データセンター」という通信ループを利用してトラッカーが追跡対象物の位置情報をデータセンターに送信することを実現する。
【0027】
(2)トラッカーA、トラッカーB、トラッカーC、トラッカーD......トラッカーNなどの複数のトラッカーが共同で動作し、複数のトラッカー機器の距離が近く、接続形態は図2aに示すように、距離の近いトラッカー同士が2つずつ接続されていてもよいし、図2bに示すように、距離の近いトラッカー同士が順に直線状に配置されて、例えばAがB、BがC、……NがN+1に接続されるようにしてもよいし、図2cに示すように、図2aの接続形態と図2bの接続形態の両方を含んでいてもよい。
【0028】
複数のトラッカーはWiFi、ブルートゥース、NFCなどの近距離通信ネットワークを利用して近距離通信の要求を出し、トラッカーが認証接続を完了した後、好ましくはトラッカーが最も多く接続されているトラッカーYが遠隔通信機器となり、トラッカーYは遠隔通信ネットワークをオンにしてデータセンターと通信し、他のトラッカーは遠隔通信ネットワーク回路をオフにして情報を近距離通信によりトラッカーYに伝送し、トラッカーYの遠隔通信ネットワークを利用してデータセンターに伝送する。簡単に言えば、「トラッカー-近距離通信ネットワーク-トラッカーY-遠距離通信ネットワーク-データセンター」という通信ループを利用して、トラッカーが追跡対象物の位置情報をデータセンターに送信することを実現する。
【0029】
なお、接続されているトラッカーの数が同じで最も多いトラッカーが2つ以上である場合、図2aに示すように、3つのトラッカーがエンドツーエンドで順次接続され、各トラッカーが接続しているトラッカーの数が2であるとき、3つのトラッカーは、近距離通信を介して情報のやり取りを行うことができ、この情報は、消費電力情報、電力量情報、工場出荷情報のうちの少なくとも1つであってもよい。この情報には、消費電力情報、電力量情報、工場出荷情報が含まれている場合を例にして、消費電力が最も低いトラッカーを遠隔通信機器とし、消費電力情報が取得できない場合、又は消費電力が同じである場合、電力量が最も大きいトラッカーを遠隔通信機器とし、電力量情報が取得できない場合、又は電力量が同じである場合、工場出荷情報が最新のトラッカーを遠隔通信機器とする。
【0030】
トラッカーのネットワーク制御手順は以下の通りである。
【0031】
本開示のトラッカーは近距離通信及び遠距離通信を制御することができ、その回路を図3に示す。トラッカー機器は、内部に中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)、給電モジュール(Power Supply)及び電源管理ユニット(PMU:Power Management Unit)を有し、さらに、近距離通信回路(例えば、WIFI回路、BT回路、NFC回路、Zigbee回路、UWB回路、RFID回路など)及び遠距離通信回路(例えば、LTE回路)を有し、トラッカー機器は、内部の近距離通信回路を利用して追跡対象物と通信し、トラッカー機器が追跡対象物の近くにあると判定する。トラッカー機器は、内部の遠距離通信回路を利用してデータセンターとの遠隔通信を可能にし、追跡対象物の位置状態をデータセンターに定期的に送信する。また、トラッカーと追跡対象物との距離が監視距離を超えた場合、すなわちトラッカーが追跡対象物から離れている場合にも、トラッカーは遠距離通信によってデータセンターに警告を発する必要がある。
【0032】
本開示のトラッカーは、低消費電力のネットワーク自動制御を可能にすることができ、まず、トラッカー機器は、ネットワークに遠隔的に接続することができ、また、近距離無線ネットワークを介して他の機器に接続することができる。例えば、WIFI、BT、NFC、Zigbee、UWB、RFIDなどのネットワークを介して追跡対象物と接続したり、WIFI、BT、NFC、Zigbee、UWB、RFIDなどのネットワークを介して携帯電話、スマートウェアラブル機器、タブレットなどの遠隔通信機能を提供できる非トラッカー機器に接続したり、LTEなどの遠隔無線ネットワーク(すなわち遠隔無線ネットワーク、遠距離無線通信ネットワーク)を利用して他のトラッカーと接続したりするなどである。トラッカーが携帯電話、スマートウェアラブル機器、タブレット、その他のトラッカーなどの他の機器を近距離通信ネットワークで接続していない場合、トラッカーは自分のLTEなどの遠隔通信ネットワークに切り替わり、すなわちLTEなどの遠距離通信回路をオンにすることで、近距離通信回路の正常な動作を維持しつつ、LTEなどの遠隔通信ネットワークを利用してデータセンターと通信することを維持する。
【0033】
トラッカーが携帯電話、スマートウェアラブル機器、タブレット、その他のトラッカーなどの他の機器を近距離通信ネットワークで接続している場合、他の機器Aを例にすると、まず、他の機器AがLTEなどの遠隔通信ネットワークに接続されているか否か、トラッカー自体がネットワークに接続する必要があるか否かを判定し、他の機器AがLTEなどの遠隔通信ネットワークに接続されており、トラッカーが他の機器Aの遠隔通信ネットワークを介してデータセンターと通信することを許可したことをフィードバックした場合、PMUは、トラッカー自体のLTEなどの遠隔通信ネットワークを直ちに停止するためにLTEなどの遠距離通信回路への電力供給を停止し、WIFI、BT、NFC、Zigbee、UWB、RFIDなどの近距離通信回路に電力を供給し続け、トラッカーと他の機器Aとの近距離ネットワーク通信を維持する。
【0034】
また、トラッカーと他の機器Aとの近距離ネットワーク通信が中断された場合、トラッカーの近距離通信ネットワーク回路の正常な作動を維持しつつ、直ちにトラッカーのLTEなどの遠隔通信ネットワークをオンにし、他の機器Aとの近距離通信が切断された旨の警告をデータセンターに送信する。他の機器Aがネットワーク機能を有していないか、トラッカーが他の機器Aの遠隔通信ネットワークを介してデータセンターと通信することを許可しないことをフィードバックした場合、トラッカーのLTEなどの遠距離無線ネットワークを正常に作動させたままにする。
【0035】
本開示は、近距離通信モードを主制御とし、近距離通信回路が受信した他の機器から返信された遠隔通信ネットワーク提供状況を利用して、遠距離通信回路の動作状態を制御し、すなわち、他の機器が遠隔通信機能を提供できる場合にはLTEなどの遠距離通信ネットワーク回路をオフにし、他の機器が遠隔通信機能を提供できない場合にはLTEなどの遠距離通信ネットワーク回路をオンにするように制御し、これによって、トラッカーの遠距離通信の時間を短縮させ、機器全体の発熱及び機器全体の消費電力を低減させるという目的を達成させる。
【0036】
トラッカー近距離通信及び遠距離通信ネットワークの切り替えの流れは、図4に示されており、ステップS201~ステップ212を含む。
【0037】
ステップS201:トラッカーAが近距離通信モードで他のトラッカー又は他の通信機器に接続されているか否かを判定し、トラッカーAが近距離通信モードで他のトラッカー又は他の通信機器に接続されていると判定した場合、ステップS205~ステップS206を実行し、そうでない場合、ステップS202~ステップS204を実行する。
【0038】
ステップS202~ステップS204:トラッカーAのLTE回路は、正常に動作してLTEネットワークを介してデータセンターと遠隔データのやり取りを行い、近く範囲内に近距離通信機器が存在するか否かの探索を継続する。
【0039】
ステップS205:近距離通信モードで互いに接続されたトラッカー又は通信機器により無線通信グループを構成し、無線通信グループ内にLTE通信を利用する機器が存在するか否かを判定し、無線通信グループ内にLTE通信を利用する機器が存在すると判定した場合、ステップS207~ステップS208を実行し、そうでない場合、ステップS209~ステップS210を実行する。
【0040】
ステップS207~ステップS208:無線通信グループの機器CがLTE通信を利用する場合、トラッカーAを含むグループ内の他のトラッカーは遠隔通信ネットワークをオフにして、LTE通信を利用する機器Cと近距離通信ネットワークを介して通信し、遠隔通信ネットワークをオフにしたグループ内のトラッカーは、機器Cの遠隔データチャネルを利用してデータセンターとデータのやり取りを行う。
【0041】
ステップS209~ステップS210:トラッカーAは、無線通信グループ内にLTE通信を利用する機器が存在しない場合、自体のLTEネットワークをオンにして無線通信を行い、グループ内の他の機器がトラッカーAの遠隔通信ネットワークを利用して遠隔通信を行うことを許可した後、グループ内の他の機器BがトラッカーAの遠隔通信ネットワークを利用した遠隔通信を要求しているか否かを判定し、そうである場合、ステップS211を実行し、そうでない場合、ステップS212を実行する。
【0042】
ステップS211:トラッカーAは、近距離通信ネットワークを利用して機器Bと通信し、機器Bのデータを遠隔通信ネットワークを介して送信し、受信したデータを機器Bに転送する。
【0043】
ステップS212:トラッカーAは近距離通信のみを利用して機器Bと通信し、トラッカーAは遠隔通信を利用してデータセンターとトラッカーAのデータの送受信を行う。
【0044】
本開示は、遠隔通信機能を提供できる他の機器により、トラッカーの遠隔通信機能回路の動作時間を最大限に短縮させ、トラッカー全体の発熱及び全体の消費電力を低減させ、トラッカーの使用エクスペリエンスを向上させ、特に複数のトラッカーが共同で動作する場合、近距離通信ネットワークを利用して巨大なIoTネットワークを形成する。本開示は、IoT機器などの追跡対象物のネットワークへのアクセスを実現し、また、遠隔通信機能を提供できる他の機器により、トラッカーの遠隔通信機能回路の動作時間を最大限に短縮させ、トラッカー全体の発熱及び全体の消費電力を低減させ、トラッカーの使用エクスペリエンスを向上させ、特に複数のトラッカーが共同で動作する場合、近距離通信ネットワークを利用して巨大なIoTネットワークを形成し、ネットワーク全体にわたって1つのみのトラッカーの遠隔通信機能を起動することにより、複数のトラッカーが共同で動作する際の消費電力を最大限に低減させる。
【0045】
図5は、本開示によるトラッカーのネットワーク自動制御装置の構造ブロック図であり、この装置は、図5に示すように、判定モジュール10と、停止モジュール20と、第1通信モジュール30とを含んでもよい。
【0046】
判定モジュール10は、トラッカーを他の機器と近距離通信することにより、他の機器がトラッカーに遠隔通信機能を提供できるか否かを判定する。停止モジュール20は、他の機器がトラッカーに遠隔通信機能を提供できると判定した場合、トラッカーの遠隔通信機能を停止する。第1通信モジュール30は、トラッカーに遠隔通信機能を提供できる他の機器によってデータセンターとデータのやり取りを行う。
【0047】
判定モジュール10は、さらに、近距離通信可能な他の機器がトラッカーの近くに存在するか否かを探索し、探索の結果、近距離通信可能な他の機器がその近くに存在する場合、近距離通信モードでトラッカーとその近くに存在する近距離通信可能な他の機器とを接続するためにも使用される。
【0048】
一実施形態では、他の機器は、非トラッカーと他のトラッカーとを含み、判定モジュール10は、トラッカーと近距離通信を行っている他の機器に非トラッカーが存在するか否かを判定し、トラッカーと近距離通信を行っている他の機器に非トラッカーが存在すると判定した場合、非トラッカーとの近距離通信により、非トラッカーがトラッカーに遠隔通信機能を提供できるか否かを判定するために使用され、これによって、トラッカーに遠隔通信機能を提供できる非トラッカーが存在すると判定した場合、非トラッカーを遠隔通信機器として選択し、遠隔通信機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うことができる。遠隔通信機能を提供できる非トラッカーが複数存在する場合、1つの非トラッカーを遠隔通信機器としてランダムに選択してもよいし、遠隔通信信号が最適な非トラッカーを遠隔通信機器として選択してもよい。トラッカーと近距離通信を行っている他の機器に非トラッカーが存在し、非トラッカーがトラッカーに遠隔通信機能を提供できない、又はトラッカーと近距離通信を行っている他の機器に非トラッカーが存在しないと判定した場合、他のトラッカーとの近距離通信により、他のトラッカーがトラッカーに遠隔通信機能を提供できるか否かを判定し、これによって、トラッカーに遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーが存在すると判定した場合、他のトラッカーを遠隔通信機器として選択し、遠隔通信機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うことができる。トラッカーに遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーが複数存在する場合、1つの他のトラッカーを遠隔通信機器としてランダムに選択してもよく、現在のネットワーク選択モードに応じて、1つの他のトラッカーを遠隔通信機器として選択してもよい。例えば、トラッカーの現在のネットワーク選択モードが最適なネットワークモードである場合、トラッカーに遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から遠隔通信信号が最適なトラッカーを遠隔通信機器として選択することができ、トラッカーの現在のネットワーク選択モードが最適な消費電力モードである場合、トラッカーに遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から、消費電力が最も低いトラッカーを遠隔通信機器として選択することができる。
【0049】
別の実施形態では、判定モジュール10は、近距離通信により、他の機器の遠隔通信機能を利用してデータセンターと通信するための要求メッセージを他の機器に送信し、他の機器から返信された、トラッカーが他の機器の遠隔通信機能によってデータセンターと通信することを許可する旨の応答メッセージを受信した場合、他の機器が遠隔通信機能を提供できると判定し、又は、他の機器から返信された、遠隔通信機能を持たない旨の応答メッセージ、若しくはトラッカーが他の機器の遠隔通信機能によってデータセンターと通信することを許可しない旨の応答メッセージを受信した場合、他の機器がトラッカーに遠隔通信機能を提供できないと判定するために使用される。このように、遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在する場合、遠隔通信機能を提供できる複数の他の機器の中から1つの他の機器を遠隔通信機器として選択し、遠隔通信機器によってデータセンターとデータのやり取りを行う。判定に際しては、以下の2つに分けられる。第1には、遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在し、遠隔通信機能を提供できる複数の他の機器が少なくとも1つの非トラッカーを含む場合、少なくとも1つの非トラッカーの中から1つの非トラッカーを遠隔通信機器として選択する。第2には、遠隔通信機能を提供できる他の機器が複数存在し、遠隔通信機能を提供できる複数の他の機器がすべて他のトラッカーである場合、現在のネットワーク選択モードに応じて、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から1つの他のトラッカーを遠隔通信機器として選択する。1つの例示的な実施例では、現在のネットワーク選択モードが最適なネットワークモードである場合、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から遠隔通信信号が最適な他のトラッカーを遠隔通信機器として選択し、現在のネットワーク選択モードが最適な消費電力モードである場合、遠隔通信機能を提供できる他のトラッカーの中から消費電力が最も低いトラッカーを遠隔通信機器として選択する。
【0050】
つまり、本開示は、他の機器に非トラッカーと他のトラッカーの両方が存在する場合、非トラッカーの遠隔通信機能を優先的に使用し、これにより、トラッカーの消費電力と、共同で動作する複数のトラッカーの消費電力とを低減させる。
【0051】
該装置は、起動モジュール40と、第2通信モジュール50とをさらに備える。
【0052】
起動モジュール40は、他の機器がトラッカーに遠隔通信機能を提供できないと判定した場合、トラッカーの遠隔通信機能を起動するために使用される。第2通信モジュール50は、トラッカーの遠隔通信機能を利用してデータセンターとデータのやり取りを行うために使用される。
【0053】
本開示の装置はトラッカーに適用され、一方では、IoT機器などの追跡対象物のネットワークへのアクセスを実現することができ、他方では、遠隔通信機能を提供できる他の機器によって、トラッカーの遠隔通信機能回路の動作時間を最大限に短縮させ、トラッカー全体の発熱及び全体の消費電力を低減させ、トラッカーの使用エクスペリエンスを向上させることができる。
【0054】
本開示はまた、メモリと、プロセッサと、メモリ上に記憶され、プロセッサ上で実行可能なプログラムとを備え、プログラムはプロセッサによって実行されると、上記のトラッカーのネットワーク自動制御方法のステップを実現するトラッカーのネットワーク自動制御機器を提供する。メモリは、RAM、ROM、EEPROMなどを含むが、これらに限定されず、プロセッサは中央処理装置、デジタル信号プロセッサ又はマイクロプロセッサなどを含むが、これらに限定されない。
【0055】
本開示はまた、プロセッサによって実行されて、上記のトラッカーのネットワーク自動制御方法のステップを実現するプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。
【0056】
本開示によるトラッカーのネットワーク自動制御方法、装置、機器及び記憶媒体では、トラッカーは、他の機器との近距離通信により、他の機器が遠隔通信機能を提供できるか否かを判定し、他の機器が遠隔通信機能を提供できると判定した場合、自体の遠隔通信機能を停止し、自体の遠隔通信機能を停止した後、遠隔通信機能を提供できる他の機器によってデータセンターとデータのやり取りを行うことで、IoT機器などの追跡対象物のネットワークへのアクセスを実現することができ、また、トラッカーの遠隔通信機能回路の動作時間を最大限に短縮させ、トラッカー全体の発熱及び全体の消費電力を低減させ、トラッカーの使用エクスペリエンスを向上させ、特に、複数のトラッカーが共同で動作する場合、近距離通信ネットワークを利用して巨大なIoTネットワークを形成し、ネットワーク全体にわたって1つのみのトラッカーの遠隔通信機能を起動することにより、複数のトラッカーが共同で動作する際の消費電力を最大限に低減させる。
【0057】
以上、図面を参照して本開示の好適な実施例を説明したが、本開示の特許範囲はそれらに限定されるものではない。当業者が本開示の範囲及び趣旨を逸脱せずに行われるいかなる修正、同等置換及び改良も本開示の特許範囲内にあるものとする。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
【国際調査報告】