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特表2024-512620ユーザ機器、ネットワークノード、およびそれらにおける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ユーザ機器、ネットワークノード、およびそれらにおける方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20240312BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20240312BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20240312BHJP
   H04W 72/11 20230101ALI20240312BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W84/06
H04W72/23
H04W72/11
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559105
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2022012479
(87)【国際公開番号】W WO2022210000
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】2104751.9
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】イジャーズ アーイシャ
(72)【発明者】
【氏名】笹木 高広
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
5K067GG02
5K067HH28
(57)【要約】
ユーザ機器(UE)が非地上系ネットワークを介してネットワークノードと通信する通信システムが開示さる。UEはネットワークノードから送信機会のセットに対するHARQフィードバックが必要でないというインディケーションを受信し、UEはその情報に基づいて送信機会のセットに対するHARQフィードバックを省略する。このインディケーションは、DCIフィールドまたはMACヘッダに含まれ得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非地上系ネットワーク(Non-terrestrial network)を介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法であって、
ネットワークノードから、送信機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を受信し、
前記情報に基づいて、前記送信機会のセットに対する前記HARQフィードバックを送信し、または省略することを有する方法。
【請求項2】
前記情報は、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報は、前記DCIの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)リソース指示子(PRI:Resource Indicator)フィールドに含まれる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記情報は、メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)ヘッダに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記HARQフィードバックは、タイプ1 HARQフィードバックを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記情報が、前記送信機会のセットに対するHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記送信機会のセットに対するHARQフィードバックが省略される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
欠落した間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)または欠落したDCIを検出し、
前記情報が前記送信機会のセットに対するHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記欠落したDTXまたは前記欠落したDCIを無視する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記UEが半永続スケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)を使って通信するように構成されている場合において、
前記情報が、あるスロットインデックスに関連する前記送信機会のセットの少なくとも1つに対する前記HARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記スロットインデックスを有するスロットにおけるSPS送信に対するHARQフィードバックを送信する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
非地上系ネットワーク(Non-terrestrial network)を介してユーザ装置(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法であって、
前記UEへ、送信機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を送信し、
前記情報に基づいて、前記送信機会のセットに対する前記HARQフィードバックを受信し、または省略することを有する方法。
【請求項10】
前記情報は、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)に含まれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記情報は、前記DCIの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)リソースインジケータ(PRI:Resource Indicator)フィールドに含まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記情報は、メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)ヘッダに含まれる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記HARQフィードバックは、タイプ1 HARQフィードバックを含む、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記UEが半永続スケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)を使用して通信するように構成されている場合において、
前記情報が、あるスロットインデックスに関連する送信機会のセットの少なくとも1つに対する前記HARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記スロットインデックスを有するスロットにおけるSPS送信に対するHARQフィードバックを受信することを有する、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ネットワークノードは、基地局またはゲートウェイを含む、請求項9乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記情報は、無効化されたHARQプロセスのみが前記送信機会のそれぞれの機会の間で送信に使用されることを示す、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
非地上系ネットワーク(Non-terrestrial network)を介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、送信機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を受信する手段と、
前記情報に基づいて、前記送信機会のセットに対する前記HARQフィードバックを送信し、または省略する手段とを備えるユーザ機器。
【請求項18】
非地上系ネットワーク(Non-terrestrial network)を介してユーザ装置(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、送信機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を送信する手段と、
前記情報に基づいて、前記送信機会のセットに対するHARQフィードバックを受信し、または省略する手段とを備えるネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)規格、または、これに準ずるもの、若しくはその派生物に従って動作する無線通信システムおよびその装置に関する。本開示は、特に、ただし排他的ではなく、空中または宇宙ネットワークノードを含む非地上部分を採用するいわゆる「5G」(または「次世代」)システムにおけるハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)プロセスに関連する改良に関する。
【0003】
3GPP標準では、NodeB(またはLTEの「eNB」、5Gの「gNB」)は、通信機器(ユーザ機器またはUE)がコアネットワークに接続し、他の通信機器またはリモートサーバと通信するための基地局である。通信機器は、例えば、携帯電話、スマートフォン、スマートウオッチ、携帯情報端末、ラップトップ/タブレットコンピュータ、Webブラウザ、電子書籍リーダーなどのモバイル通信機器であってよい。このようなモバイル(または一般的に固定される)デバイス機器は、通常、ユーザ(したがって、それらはしばしばユーザ機器UEと総称される)によって操作されるが、IoTデバイスや同様のMTCデバイスをネットワークに接続することも可能である。簡略化のため、本明細書は、基地局という用語を使用してこのような基地局を参照し、モバイルデバイスまたはUEという用語を使用してこのような通信デバイスを参照する。
【0004】
3GPP標準の最新の開発は、マシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)/モノの産業インターネット(IIoT:Industrial Internet of Things)通信、車両通信と自動運転車、高解像度ビデオストリーミング、および/またはスマートシティサービス、などの様々なアプリケーションやサービスをサポートすることが期待される進化した通信技術を参照する、いわゆる「5G」またはNew Radio(NR)標準である。3GPPは、いわゆる3GPP次世代(NextGen)無線アクセスネットワーク(RAN:radio access network)と3GPP次世代コア(NGC:NextGen core)ネットワークを介して5Gをサポートする予定である。5Gネットワークの様々な詳細は、例えば、次世代モバイルネットワーク(NGMN:Next Generation Mobile Networks)アライアンスによる「NGMN 5G White Paper」V1.0に記載されており、この文書はhttps://www.ngmn.org/5g-white-paper.htmlから入手できる。
【0005】
エンドユーザ通信装置は、一般にユーザ機器(UE)と呼ばれ、人によって操作されるか、または自動化(MTC/IoT)装置を有する。5G/NR通信システムの基地局は、一般にNew Radio基地局(NR-BS:New Radio Base Station)または「gNB」と呼ばれるが、それらは、より一般的にLTE(Long Term Evolution)基地局(一般に「4G」基地局とも呼ばれる)に関連する用語「eNB」(または5G/NR eNB)を使用して呼ばれることが理解される。3GPP Technical Specification(TS)38.300 V16.4.0およびTS 37.340 V16.4.0は、特に次のノードを定義する。
【0006】
gNB:UEに対するNRユーザプレーンおよびコントロールプレーンプロトコル終端を提供し、NGインタフェースを介して5Gコアネットワーク(5GC:5G core network)に接続されるノード。
ng-eNB:UEに対するE-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)ユーザプレーンおよびコントロールプレーンプロトコル終端を提供し、NGインタフェースを介して5GCに接続されるノード。
En-gNB:UEに対するNRユーザプレーンおよびコントロールプレーンプロトコル終端を提供し、EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)のセカンダリノードとして機能するノード。
NG-RANノード:gNBまたはng-eNBのいずれか。
【0007】
3GPPはまた、5Gの文脈において、統合された衛星および地上系ネットワークインフラストラクチャの規定にも取り組んでいる。非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Networks)という用語は、通信に航空機または宇宙船を使用するネットワーク、またはネットワークのセグメントを指す。衛星とは、低地球軌道(LEO:Low Earth Orbits)、中地球軌道(MEO:Medium Earth Orbits)、高度楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbits)などの静止地球軌道(GEO:Geostationary Earth Orbit)または非静止地球軌道(NGEO:Non-Geostationary Earth Orbit)の宇宙船を指す。航空機とは、無人航空機システム(UAS:Unmanned Aircraft System)を含む高高度プラットフォーム(HAP:High Altitude Platform)を指す。これには、テザリングされたUAS、航空UASより軽いUAS、航空UASより重いUASが含まれ、これらはすべて通常8kmから50kmの高度で準静止状態で動作する。
【0008】
3GPP Technical Report(TR)38.811 V15.4.0は、このような非地上系ネットワークをサポートするためのNew Radioに関する研究である。この研究には、特に、NTN展開シナリオと関連するシステムパラメータ(アーキテクチャ、高度、軌道など)、および(伝播条件、モビリティなどの)非地上系ネットワークのための3GPPチャネルモデルの適応に関する記述が含まれる。3GPP TR 38.821 V16.0.0は、NTNに関する詳細を提供する。
【0009】
非地上系ネットワークでは、次のことが期待される。
-サービスが提供されていない地域、またはサービスが十分に提供されていない地域での5Gサービスの展開を促進し、地上系ネットワークのパフォーマンスを向上させる。
-ユーザ機器や移動プラットフォーム(例えば、乗用車、航空機、船舶、高速列車、バス)のサービス継続性を提供することで、サービスの信頼性を強化する。
-特に重要な通信、将来の鉄道/海上/航空通信に対し、あらゆる場所でサービスの可用性を向上する。
-ネットワークエッジに向けて、またはユーザ装置に直接にデータを配信するための効率的なマルチキャスト/ブロードキャストリソースの提供を通じて、5Gネットワークのスケーラビリティを実現する。
【0010】
NTNアクセスには、通常、(特に)次の要素がある。
-NTN端末:3GPP UE、または衛星が直接3GPP UEを提供しない場合における衛星システムに固有の端末を指し得る。
-サービスリンク:ユーザ装置と宇宙/空中(airborne)プラットフォーム間の無線リンクを指す(地上ベースのRANとの無線リンクに追加される場合がある)。
-宇宙または空中プラットフォーム。
-ゲートウェイ(NTNゲートウェイ):衛星または航空アクセスネットワークをコアネットワークに接続する。ゲートウェイは、ほとんどの場合、基地局と同じ場所に配置される。
-フィーダーリンク:ゲートウェイと宇宙/空中プラットフォーム間の無線リンクを指す。
【0011】
衛星または航空機は、それぞれのNTNセルを提供するために、所定の領域にわたって複数のビームを生成することができる。ビームは、地球の表面に典型的な楕円形のフットプリントを有する。
【0012】
3GPPは、3種類のNTNビームまたはセルをサポートすることを意図する。
-地球固定セル:同じ地理的領域を常にカバーする少なくとも1つのビームを特徴とする(例:GEO衛星やHAPS)。
-準地球固定セル:限られた期間中に1つの地理的領域をカバーし、別の期間中に異なる地理的領域をカバーする少なくとも1つのビームを特徴とする(例えば、ステアリング可能なビームを生成するNGEO衛星)。
-地球移動セル:ある瞬間に1つの地理的領域をカバーし、別の瞬間に異なる地理的領域をカバーする少なくとも1つのビームを特徴とする(例えば、固定ビームまたはステアリング不能ビームを生成するNGEO衛星)。
【0013】
衛星または航空機が、GEOおよびUASのように、所定の地点に関する高度/方位角に関して位置を固定している場合、ビームフットプリントは地球固定である。
【0014】
衛星が地球の周りを回っている場合(例:LEO)、または地球の周りの楕円軌道上にある場合(例えばHEO)、ビームフットプリントは、衛星または航空機の軌道上の動きとともに地球上を移動し得る。あるいは、ビームフットプリントは、一時的に地球固定(または準地球固定)であってもよく、その場合、適切なビームポインティングメカニズム(機械的または電子的ステアリング)を使用して、衛星または航空機の動きを補正することができる。
【0015】
LEO衛星は、ビームが一時的に地球上の実質的に固定されたフットプリントに向けられるステアリング可能なビームを持つことができる。言い換えると、ビームのフットプリント(NTNセルを表す)は、(衛星の軌道上の移動により)別のNTNセルに焦点領域(focus area)を変更する前に、一定時間地上で静止する。セルカバレッジ/UEの観点からは、ビームが同じ陸地領域にサービスを提供する(同じフットプリントを持つ)場合でも、異なる物理セルID(PCI:Physical Cell Identity)および/または同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロック(SSB:Signal/Physical Broadcast Channel (PBCH) block)が、各サービスリンクの変更後に割り当てられる必要があるため、セルの変更が離散的な間隔で定期的に発生する。ステアリング可能なビームを持たないLEO衛星では、衛星が軌道に沿って移動すると、ビーム(セル)が地上で常に掃引動作を行い、ステアリング可能なビームの場合と同様に、サービスリンクの変更、およびその結果、セルの変更が離散的な間隔で定期的に発生する。
【0016】
サービスリンクの変更と同様に、フィーダーリンクの変更も、衛星が軌道上で移動することにより定期的に発生する。サービスおよびフィーダーリンクの双方の変更は、異なる基地局/ゲートウェイ間(gNB間無線リンクスイッチと呼ばれることがある)または同じ基地局/ゲートウェイ内(gNB内無線リンクスイッチ)で実施され得る。
【0017】
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)は、アップリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)と呼ばれる情報のセットを伝送する。UCIは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を介して送信することもできる。NR(5G)で使用されるUCIは、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)、HARQフィードバック(ACK/NAK)、およびスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)の1つ以上の情報を含む。これはおおむね、LTE(4G)と同じである。
【0018】
通常、HARQフィードバックは、どのデータが正常に受信され、どのデータが受信されていないかを表すコードブック(ビットの文字列)の形式で提供される。使用されるコードブックの種類(例えば、「タイプ1」、「タイプ2」、または「タイプ3」)は、適切なRRCパラメータに基づいて決定される。各タイプのコードブックは、HARQフィードバックがPUCCHまたはPUSCHを使用して報告されるかに応じて、2つのケースに分けられる。
【0019】
NTNをサポートするために、3GPP TR 38.821に記述されているように、HARQプロセス数に関する拡張や、HARQフィードバックの有効化/無効化など、HARQに関するいくつかの拡張が3GPPによって検討されている。HARQ無効化は、NTNにおける長い伝搬遅延のスループット影響を最小化するために、3GPPによって推奨されている。
【0020】
これまでのところ、HARQフィードバックの有効化/無効化に関して次の合意がなされている。
-ダウンリンク伝送のHARQフィードバックの有効化/無効化は、少なくともUE固有のRRCシグナリングを介してHARQプロセスごとに設定可能であるべきである。
-HARQフィードバックが無効化されるダウンリンク(DL)HARQプロセスについて、UEは、そのHARQプロセスの最後のPDSCHまたはスロット集約PDSCHの受信が終了してから「X」までに開始される、特定のHARQプロセスに対してスケジュールされた別のPDSCHまたはスロット集約PDSCHのセットを受信しないと想定される。Xの値と単位はまだ定義されていない。
-タイプ1 HARQコードブックについて、無効なプロセスについてNACKを報告するかどうか、および基準を使用してコードブックのサイズを減らすかどうかについて、さらに議論する必要がある。
-無効なHARQフィードバックを持つDL HARQプロセスについて、UEは、そのHARQプロセスの最後のPDSCHまたはスロット集約PDSCHの受信が終了した後に「X」までに開始される、特定のHARQプロセスに対してスケジュールされた別のPDSCHまたはスロット集約PDSCHのセットを受信しないと想定されている。作業仮説は、X=T_proc,1である。XをX=max(T_proc、1、K1)に変更すべきかどうかは、まだ決定されていない。ここで、K1が設定されていれば最小のk1、そうでなければk1=0である。
-タイプ1 HARQコードブックの場合、簡単な方法は、既存の半静的HARQ-ACK決定スキームを再利用することである。しかし、多数のHARQプロセスが無効化される場合、コードブックのサイズを小さくすることは、ULのためのリソースを削減し、UEの電力消費を削減するために有益であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
Vivoによる最近の提案は、タイプ1コードブックのサイズを削減するためのさらなる議論のベースラインとして3GPPによって推奨される。この提案は、無効化されたHARQプロセスのみが候補PDSCH受信の各機会内で送信される特別なケースに関するものである(3GPP TS 38.213 V16.5.0の9.1.2.1項に従ってMA,c機会と呼ばれる)。この場合、HARQ-ACKフィードバックは省略できる。
【0022】
本発明者らは、この提案の問題点を特定した。具体的には、UEのMA,c機会のすべてのHARQプロセスが無効化される場合、UEは間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)または下りリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)のミス検出の場合にすべてのHARQプロセスが無効化されているかどうかを知ることができないため、基地局とUEの間に曖昧さがある可能性がある。したがって、DTXまたはDCIのミス検出の場合に無効化されたHARQプロセスのみが使用されているかどうかをUEがどのように知るかは明らかではない。
【0023】
したがって、本発明は、上記の問題に対処するか、または少なくとも(少なくともいくつかの)軽減する方法および関連装置を提供する。
【0024】
当業者のための理解の効率のために、本発明を3GPPシステム(NTNを含む5Gネットワーク)の文脈で詳細に説明するが、本発明の原理は他のシステムにも適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0025】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)によって実行される方法を提供する。この方法は、ネットワークノードから、送信機会のセットに対してHARQフィードバックが必要であるかどうかを示す情報を受信し、その情報に基づいて、送信機会のセットに対してHARQフィードバックを送信し、または省略することを含む。
【0026】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法を提供する。この方法は、送信機会のセットに対してHARQフィードバックが要求される否かを示す情報をUEに送信し、その情報に基づいて、送信機会のセットに対してHARQフィードバックを受信し、または省略することを含む。
【0027】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)を提供する。UEは、ネットワークノードから、送信機会のセットに対してHARQフィードバックが必要であるかどうかを示す情報を受信する手段と、その情報に基づいて、送信機会のセットに対してHARQフィードバックを送信し、または省略する手段とを含む。
【0028】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードを提供する。ネットワークノードは、送信機会のセットに対してHARQフィードバックが必要であるかどうかを示す情報をUEに送信する手段と、その情報に基づいて、送信機会のセットに対してHARQフィードバックを受信し、または省略する手段とを含む。
【0029】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)を提供する。UEは、プロセッサ、トランシーバ、および命令を記憶するメモリを含む。コントローラは、トランシーバを制御して、ネットワークノードから、送信機会のセットに対してHARQフィードバックが必要であるかどうかを示す情報を受信し、その情報に基づいて、送信機会のセットに対してHARQフィードバックを送信し、または省略するように構成される。
【0030】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードを提供する。ネットワークノードは、プロセッサ、トランシーバ、およびメモリ記憶命令を含む。コントローラは、トランシーバを制御して、HARQフィードバックが送信機会のセットに必要であるかどうかを示す情報をUEに送信し、その情報に基づいて、送信機会のセットに対するHARQフィードバックを受信し、または省略するように構成される。
【0031】
本発明の態様は、対応するシステム、装置、および、上述した態様および可能性に記載されているかまたは請求項に記載されている方法を実行するようにプログラム可能なプロセッサをプログラムするように動作可能であり、かつ/または請求項のいずれかに記載されている装置を提供するように適切に適合したコンピュータをプログラムするように記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に拡張される。
【0032】
本明細書(請求項を含む)に開示され、および/または図面に示される各特徴は、他の開示されるおよび/または図示される特徴から独立して(または他の開示される、および/または図示される特徴と組み合わせて)本発明に組み込むことができる。特に限定されるものではないが、特定の独立した請求項に依存する請求項のいずれかの特徴は、任意の組み合わせでまたは個別に独立した請求項に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の実施形態を、例示として、添付の図面を参照して説明する。
【0034】
図1図1は、本発明の実施形態が適用可能なモバイル(セルラーまたは無線)通信システムを模式的に示す。
図2図2は、図1に示されるシステムの一部を構成するモバイルデバイスの概略ブロック図である。
図3図3は、図1に示されるシステムの一部を構成するNTNノード(例えば衛星/UASプラットフォーム)の概略ブロック図である。
図4図4は、図1に示されるシステムの一部を構成するアクセスネットワークノード(例えば基地局)の概略ブロック図である。
図5図5は、図1に示されるシステムにおけるNTN機能を提供するためのいくつかの例示的なアーキテクチャオプションを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
概要
図1は、本発明の実施形態を適用することができるモバイル(セルラーまたは無線)通信システム1を概略的に示す。
【0036】
このシステム1において、モバイルデバイス3(UE)のユーザは、適切な3GPP無線アクセス技術(RAT:radio access technology)、例えばE-UTRAおよび/または5G RATを使用して、アクセスネットワークノードそれぞれの衛星5および/または基地局6およびデータネットワーク7を介して、相互におよび他のユーザと通信することができる。当業者が理解するように、図1には、説明のために、3つのモバイルデバイス3、1つの衛星5および1つの基地局6が示されているが、システムは、実装時は、通常、他の衛星/UASプラットフォーム、基地局/RANノード、およびモバイルデバイス(UE)を含む。
【0037】
いくつかの基地局6が(無線)アクセスネットワークまたは(R)ANを形成し、いくつかのNTNノード5(衛星および/またはUASプラットフォーム)が非地上系ネットワーク(NTN)を形成することが理解されるであろう。各NTNノード5は、いわゆるフィーダーリンクを使用して適切なゲートウェイ(この場合、基地局6と共に配置される)に接続され、対応するサービスリンクを介して各UE3に接続される。したがって、NTNノード5がサービスを提供する場合、モバイルデバイス3は、適切なサービスリンク(モバイルデバイス3とNTNノード5との間)およびフィーダーリンク(NTNノード5とゲートウェイ/基地局6との間)を使用して、NTNノード5を介して基地局6との間でデータを通信する。言い換えれば、NTNは、(R)ANの一部を形成するが、E-UTRAおよび/または5G通信サービスとは独立して衛星通信サービスを提供することもできる。
【0038】
いくつかの基地局6が(無線)アクセスネットワークまたは(R)ANを形成し、いくつかのNTNノード5(衛星および/またはUASプラットフォーム)が非地上系ネットワーク(NTN)を形成することが理解されるであろう。各NTNノード5は、いわゆるフィーダーリンクを使用して適切なゲートウェイ(この場合、基地局6と共に配置される)に接続され、対応するサービスリンクを介して各UE3に接続される。したがって、NTNノード5がサービスを提供する場合、モバイルデバイス3は、適切なサービスリンク(モバイルデバイス3とNTNノード5との間)およびフィーダーリンク(NTNノード5とゲートウェイ/基地局6との間)を使用して、NTNノード5を介して基地局6との間でデータを通信する。言い換えれば、NTNは、(R)ANの一部を形成するが、E-UTRAおよび/または5G通信サービスとは独立して衛星通信サービスを提供することもできる。
【0039】
図1には示されていないが、隣接する基地局6は、適切な基地局間インタフェース(いわゆる「X2」インタフェース、「Xn」インタフェース等)を介して相互に接続される。また、基地局6は、適切なインタフェース(いわゆる「S1」、「NG-C」、「NG-U」インタフェース等)を介してデータネットワークノードに接続される。
【0040】
データ(またはコア)ネットワーク7(例えば、LTEにおけるEPC、NR/5GにおけるNGC)は、典型的には、通信システム1における通信をサポートし、加入者管理、モビリティ管理、課金、セキュリティ、コール/セッション管理のための論理ノード(または機能)を含む。例えば、「次世代」/5Gシステムのデータネットワーク7は、1つ以上のコントロールプレーン機能(CPF:control plane function)および1つ以上のユーザプレーン機能(UPF:user plane function)のようなユーザープレーンエンティティおよびコントロールプレーンエンティティを含む。データネットワーク7は、インターネットまたは類似のインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)ベースのネットワーク(図1に示されていない)のような他のデータネットワークにも結合される。
【0041】
各NTNノード5は、関連するNTNセルが提供され得るいくつかの指向性ビームを制御する。具体的には、各ビームは、NTNセルに対応する地球表面上の関連するフットプリントを有する。各NTNセル(ビーム)は、関連する物理セルID(PCI:Physical Cell Identity)および/またはビームIDを有する。ビームフットプリントは、NTNノード5が軌道に沿って移動するにつれて移動し得る。あるいは、ビームフットプリントは地球固定であってもよく、その場合には、適切なビームポインティングメカニズム(機械的または電子的ステアリング)を使用して、NTNノード5の移動を補償することができる。
【0042】
UE3および基地局6は、相互の通信において、トランスポートブロック(TB:transport block)に編成されたデータを通信し、データが正常に受信されデコードされたかどうかを確認するために、(TBごとに1ビットの)関連するHARQフィードバックを提供する。メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)層UE3および基地局6(MACエンティティとも呼ばれる)は、複数の並列HARQプロセスを維持する各サービスセルのHARQエンティティを含む。各HARQプロセスは、HARQプロセス識別子に関連付けられる。
【0043】
本システムにおいて、少なくともNTNを介して通信する場合、(HARQプロセスごとに)HARQフィードバックを有効/無効にすることが可能である。したがって、PDSCH受信の候補の各機会(MA,c機会)内で、無効化されたHARQプロセスのみを送信する場合には、HARQ-ACKフィードバックを省略することができる。
【0044】
基地局6は、該当するMA,c機会の間に、UE3に対して無効化されたHARQプロセスのみが使用される/使用された旨の動的なインディケーションをUE3に送信するように構成されている。例えば、DCIの適切なフィールド、またはMACヘッダ内の適切な値を使用して、このようなインディケーションを伝達することができる。このインディケーションに基づいて、UE3は、無効化されたHARQプロセスのみが該当するMA,c機会の間に使用されるかどうかを判断し、それに応じてHARQ-ACKフィードバックを提供または省略することができる。
【0045】
このため、DTXやDCIが検出されない場合であっても、無効化されたHARQプロセスのみが使用される場合(HARQ-ACKフィードバックを省略する場合)、基地局6とUE3との間の曖昧さを回避することができる。さらに、このアプローチは、追加のシグナリングオーバーヘッドを必要としない。
【0046】
ユーザ機器(UE)
図2は、図1に示されるモバイルデバイス(UE)3の主要な構成を示すブロック図である。図に示すように、UE3は、1以上のアンテナ33を介して、少なくとも1つの接続されたノードとの間で信号を送受信するように動作可能なトランシーバ回路31を含む。図2には必ずしも示されていないが、UE3はもちろん、通常のモバイルデバイスのすべての通常の機能(ユーザインタフェース35など)を有し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の1つ、または適切な任意の組み合わせによって提供され得る。コントローラ37は、メモリ39に格納されたソフトウェアに従ってUE3の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ39にあらかじめインストールされていてもよいし、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされていてもよい。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム41と、通信制御モジュール43とを含む。
【0047】
通信制御モジュール43は、UE3とNTNノード5、(R)ANノード6、およびコアネットワークノードを含む他のノードとの間のシグナリングメッセージおよびアップリンク/ダウンリンクデータパケットの処理(生成/送信/受信)を担当する。シグナリングは、HARQプロセス/HARQフィードバック(例:HARQプロセスごとのHARQフィードバックの有効/無効)に関連する制御シグナリングを含むことができる。
【0048】
NTNノード(衛星/UASプラットフォーム)
図3は、図1に示されるNTNノード5(衛星/UASプラットフォーム)の主な構成を示すブロック図である。図に示すように、NTNノード5は、1以上のアンテナ53を介して少なくとも1つの接続されたUE3との間で信号を送受信し、ゲートウェイや基地局などの他のネットワークノードとの間で信号を(直接にまたは間接的に)送受信するように動作可能なトランシーバ回路51を含む。コントローラ57は、メモリ59に格納されたソフトウェアに従ってNTNノード5の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ59にあらかじめインストールされていてもよいし、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされていてもよい。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム61と、通信制御モジュール63とを含む。
【0049】
通信制御モジュール63は、NTNノード5と、UE3、基地局6、ゲートウェイ、およびコアネットワークノード(基地局/ゲートウェイを介して)などの他のノードとの間のシグナリングの処理(生成/送信/受信)を担当する。シグナリングは、HARQプロセス/HARQフィードバック(例:HARQプロセスごとのHARQフィードバックの有効/無効)に関連する制御シグナリングを含むことができる。
【0050】
基地局/ゲートウェイ(アクセスネットワークノード)
図4は、図1に示されるゲートウェイ6(基地局(gNB)または同様のアクセスネットワークノード)の主な構成を示すブロック図である。図に示すように、ゲートウェイ/gNB6は、1以上のアンテナ73を介して少なくとも1つの接続されたUE3との間で信号を送受信し、ネットワークインタフェース75を介して他のネットワークノードとの間で(直接または間接的に)信号を送受信するように動作可能なトランシーバ回路71を含む。信号は、少なくとも1つのUE3との間で、直接におよび/またはNTNノード5を介して送受信され得る。ネットワークインタフェース75は、典型的には、適切な基地局-基地局インタフェース(X2/Xnなど)、および適切な基地局-コアネットワークインタフェース(S1/NG-C/NG-Uなど)を含む。コントローラ77は、メモリ79に記憶されたソフトウェアに基づいて基地局6の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ79にあらかじめインストールされていてもよいし、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされていてもよい。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム81と、通信制御モジュール83とを含む。
【0051】
通信制御モジュール83は、基地局6とUE3、NTNノード5、およびコアネットワークノードなどの他のノードとの間のシグナリングの処理(生成/送信/受信)を担当する。シグナリングは、HARQプロセス/HARQフィードバック(例:HARQプロセスごとのHARQフィードバックの有効/無効)に関連する制御シグナリングを含むことができる。
【0052】
詳細な説明
3GPP TR 38.912 v16.0.0、section8.2.2.2は、NRシステムで使用されるHARQコードブックとプロセスの下記概要を提供する。
【0053】
TBあたり1ビットのHARQ-ACKフィードバックがサポートされる。あるUEのために、1より多いダウンリンク(DL)HARQプロセスの動作がサポートされるが、いくつかのUEのために、1つのDL HARQプロセスの動作がサポートされる。UEとNR(基地局)は、それぞれ最小HARQ処理時間を有する。HARQ処理時間は、DLデータ受信タイミングから対応するHARQ-ACK送信タイミングまでの遅延と、アップリンク(UL)許可受信タイミングからULデータ送信タイミングまでの遅延とを少なくとも含む。
【0054】
UEの観点からは、複数のDL送信に対するHARQ ACK/NACKフィードバックを時間内に1つのULデータ/制御領域で送信できる。DLデータ受信と対応する確認応答との間のタイミングは、値のセットからDCIのフィールドによって示され、値のセットは上位層によって構成される。少なくとも1つのタイミングは、少なくとも1つのタイミングがUEに不明な場合に定義される。
【0055】
シングル/マルチビットHARQ-ACKフィードバックを使用したコードブロックグループ(CBG:Code Block Group)ベースの送信がサポートされる。
【0056】
いくつかの例示的な実施形態および特徴のより詳細な説明は、HARQフィードバックが省略された場合(無効化されたHARQプロセスのみがMA,c機会内で送信される場合)について以下に提供される。
【0057】
UE3と基地局6との間の曖昧さを避けるために、基地局6は、MA,C機会のセットに対してHARQフィードバックが期待されるか否かをUE3に動的に示すように構成される。
【0058】
第1のオプションでは、基地局6は、DCI(例えば、その適切なフィールド)を使用して、MA,C機会の間にUE3に対して無効化されたHARQプロセスのみが使用される/されたという適切なインディケーションをUE3に伝達することができる。HARQフィードバックが予期されない場合を示すために(またはHARQフィードバックが予期される場合を示すために)、DCIにおいて新しいフィールドが定義されてもよい。あるいは、DCIのいくつかのフィールド(例えば、PUCCHリソースインジケータ「PRI」フィールド)は、フィードバックが無効化されたプロセスに対して冗長であるので、HARQフィードバックが予期されない場合、基地局6は、HARQフィードバックが予期されるかどうかを動的に示す目的で、そのような冗長フィールドの1つを再利用することができる。
【0059】
DCIに含まれるインディケーションに基づいて(すなわち、適切なフィールドの値に基づいて)、UE3は、該当するMA,C機会に無効化されたHARQプロセスのみが使用されるかどうかを決定することができる。無効化されたHARQプロセスのみが該当するMA,C機会の間に使用される/使用された場合、UE3はHARQフィードバックを省略するように構成されてもよい。または、すべてのHARQプロセスが無効化されていない場合(すなわち、該当するMA,C機会の間に少なくとも1つのHARQプロセスが有効になっている場合)、UE3は、適切なHARQフィードバックを送信するように構成されてもよい。
【0060】
第2のオプションでは、基地局6はMACヘッダを使用して、該当するMA,C機会の間にUE3に対して無効化されたHARQプロセスのみが使用される/使用されたという適切なインディケーション(例えば、MACヘッダの適切な値)を伝達することができる。この場合、UE3は、MACヘッダに含まれるインディケーションに基づいて、該当するMA,C機会の間に無効化されたHARQプロセスのみが使用される/使用されたかを判断し、それに従ってHARQフィードバックを送信/省略することができる。
【0061】
このためにMACヘッダを使用する場合、基地局6は、フィールドの予約値を使用し、MA,C機会に対してフィードバックが期待されないことをUE3に示すことができる。この場合、基地局6は、MA,C機会に対してフィードバックが有効なHARQプロセスをスケジュールする必要がないことを知っている場合、最初からインジケータフィールドの予約値を送信することができる。しかしながら、基地局6は、(例えば、無効化されたプロセスの数が少ない状況や、大量のDLトラフィックが突然到着するかどうかが不確実であるため)最初は有効なHARQプロセスをスケジュールする必要があるかどうかわからないが、後にすべてのプロセスがHARQ無効になることを発見する場合、基地局6は、それを確信する機会からインジケータフィールドの予約値の送信を開始することができる。予約値を持つインジケータフィールドの1つのインスタンスがUE3によって検出される場合でも、UE3は、該当するMA,C機会に対してHARQ-ACKフィードバックが期待されていないと決定することができる。
【0062】
どちらのオプションを使用するかにかかわらず、上記の動的なインディケーションに関連する利点は下記を含む。
-追加シグナリングオーバーヘッドなし/またはわずかな追加シグナリングオーバーヘッド
-DTXまたはDCI検出ミスの場合、基地局6とUE3の間に曖昧さがない。
【0063】
UEおよび基地局の動作
ここでは、(無効化されたHARQプロセスのみがMA,c機会内で送信される場合に)HARQフィードバックを動的に省略するために、いくつかの可能なユースケースとUE3および基地局6それぞれで実行される手順について、より詳細に説明する。
【0064】
ケース1:UEのすべてのHARQプロセスが無効に設定されている
-基地局の動作:常にインジケータフィールドで予約値を送信する/UE3からのHARQ-ACKフィードバックを期待しない。
-UEの動作:1つのインジケータフィールドが正しくデコードされても、HARQ-ACKフィードバックは送信されない。
この場合、UE3は、すべてのプロセスが無効に設定されているため、HARQフィードバックを送信する必要がないことを理想的には認識することが理解されるであろう。
【0065】
ケース2:基地局は、該当するMA,c機会内でフィードバックが有効なHARQプロセスをスケジュールする必要はない
-基地局の動作:インジケータフィールドの予約値を最初から送信する/UE3からのHARQ-ACKフィードバックを期待しない。
-UEの動作:インジケータフィールドの1つのインスタンスが正しくデコードされていても、HARQ-ACKフィードバックは送信されない(DTXおよびDCIの検出ミスは無視される(HARQが無効化されたプロセスと仮定される))。
【0066】
ケース3:基地局は、該当するMA,C機会内で有効なHARQプロセスをスケジュールする必要があるかどうかわからない
-基地局の動作:インジケータフィールドの予約値を使用せずに、フィードバックが無効化されたHARQプロセスを使用してPDSCHの送信を開始する/HARQが有効なプロセスがなく、フィードバックは必要ないことを確認できうるインスタンスからインジケータフィールドの予約値を送信する。
-UEの動作:インジケータフィールドの1つのインスタンスが検出された場合でも、以前のHARQが無効化されたプロセスのインジケータフィールド値を無視し、MA,c機会に対してHARQフィードバックを送信しない。
【0067】
ケース4:該当するMA,C機会内に設定された少なくとも1つのSPS PDSCH機会
この場合、半永続スケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)設定のHARQプロセス番号はスロットインデックスに関連付けられる。したがって、基地局6は、厳密なスケジューリング制限を課すことなく、またはUE3のすべてのHARQプロセスが無効に設定されていない限り、MA,c機会内のすべてのHARQプロセスをHARQ無効にすることはできない。
この場合、次のようにコードブックサイズを削減できる。
-基地局の動作:フィードバックが無効化されたHARQプロセスを使用して、インジケータフィールドの予約値を使用することなくPDSCHの送信を開始する/HARQが有効なプロセスが存在しないことを確認でき、少なくとも1つのSPS PDSCHが設定されている場合を除くすべての機会にフィードバックが必要ないと確認できうるインスタンスから、予約値を送信する。
-UEの動作:インジケータフィールドの予約値を持つ1つのインスタンスが検出された場合でも、他のHARQが無効化されたプロセスのインジケータフィールド値を無視し、少なくとも1つのSPS PDSCH機会にのみHARQ ACK/NACKフィードバックを送信する。ACK/NACKフィードバックは、HARQプロセス番号に関係なく、すべてのSPS PDSCH機会に送信される。
【0068】
変更および代替
上記では詳細な実施形態について説明した。当業者であれば理解できるように、上記実施形態には、いくつかの変更および代替が可能であり、その一方で、上記実施形態に組み込まれた発明の恩恵を受けることができる。例示として、これらの代替および変更のいくつかを説明する。
【0069】
上記の実施形態は、5G New RadioおよびLTEシステム(E-UTRAN)の双方に適用できることが理解されるであろう。E-UTRAN/4Gプロトコルをサポートする基地局(ゲートウェイ)を「eNB」と呼ぶことができ、次世代/5Gプロトコルをサポートする基地局を「gNB」と呼ぶことができる。いくつかの基地局は、4Gと5Gの双方のプロトコル、および/または他の3GPPまたは非3GPP通信プロトコルをサポートするように構成することができることが理解されるであろう。
【0070】
5GシステムでNTNを実装するための様々なアーキテクチャオプションがあることが理解されるであろうが、そのいくつかは図5に概略的に示される。示された第1のオプションは、UEにサービスを提供するアクセスネットワークを特徴とし、ベントパイプペイロードおよび地上(衛星ハブまたはゲートウェイレベル)のgNBを有する衛星/航空機に基づくNTNである。第2のオプションは、UEにサービスを提供するアクセスネットワークを特徴とし、gNBを搭載した衛星/航空機に基づくNTNである。第3のオプションは、中継ノードにサービスを提供するアクセスネットワークを特徴とし、ベントパイプペイロードを有する衛星/航空機に基づくNTNである。第4のオプションは、中継ノードにサービスを提供するアクセスネットワークを特徴とし、gNBを有する衛星/航空機に基づくNTNである。他のアーキテクチャオプション、例えば、上記のオプションの2つ以上の組み合わせを使用することもできる。あるいは、中継ノードは、衛星/UASを含むことができる。
【表1】
【0071】
上記の実施形態では、例として、非地上部分を含むシステムを使用している。しかしながら、HARQプロセスは、他のタイプのシステム(例えば、NTN機能を持たないNRシステム、またはNTNとNRセルの組み合わせを使用するシステム)においても同様に無効化され得ることが理解されるであろう。したがって、上記の実施形態は、関連するHARQフィードバックを提供/省略するかどうかを制御するための動的なインディケーションを提供することができる、無効化されたHARQプロセスを使用する任意のシステムに適用可能である。
【0072】
上記の説明では、理解しやすいように、UE、NTNノード(衛星/UASプラットフォーム)、およびアクセスネットワークノード(基地局)が、いくつかの個別のモジュール(通信制御モジュールなど)を有することを説明した。これらのモジュールは、例えば、既存のシステムが本発明を実施するために修正される場合などの特定のアプリケーションに対してはこのように提供され得るが、他のアプリケーション、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されるシステムにおいては、これらのモジュールは、全体的なオペレーティングシステムまたはコードに組み込まれることができ、したがって、これらのモジュールは個別の実体として識別されないことがある。これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせにおいても実装され得る。
【0073】
各コントローラは、任意の適切な形態の処理回路を含み、処理回路は(限定はされないが)、1以上のハードウェア実装コンピュータプロセッサ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU:central processing unit)、算術論理ユニット(ALU:arithmetic logic unit)、入出力(IO:input/output)回路、内部メモリ/キャッシュ(プログラムおよび/またはデータ)、処理レジスタ、通信バス(例えば、制御バス、データバスおよび/またはアドレスバス)、ダイレクトメモリアクセス(DMA:direct memory access)機能、ハードウェアまたはソフトウェアで実装されるカウンタ、ポインタ、および/またはタイマーなどを含む。
【0074】
上記の実施形態では、いくつかのソフトウェアモジュールについて説明した。当業者であれば理解できるように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされ、またはコンパイルされていない形式で提供され、コンピュータネットワークを介して、または記録媒体上で信号としてUE、NTNノード、およびアクセスネットワークノード(基地局)に供給されてもよい。さらに、ソフトウェアの一部または全部によって実行される機能は、1以上の専用ハードウェア回路を使用して実行されてもよい。
しかしながら、ソフトウェアモジュールの使用は、UE、NTNノード、およびアクセスネットワークノード(基地局)の機能を更新するための更新を容易にするため、好ましい。
【0075】
上記の実施形態は、「非移動」または一般に固定されるユーザ機器にも適用可能である。上記モバイルデバイスは、MTC/IoT装置および/または類似のものを含むことができる。
【0076】
送信機会のセットに対してHARQフィードバックが必要であるかどうかを示すネットワークノードからの情報は、ダウンリンク制御情報(DCI)に含まれていてもよい。例えば、情報は、DCIのPUCCHリソースインジケータ(PRI)フィールドに含まれ得る。あるいは、情報は、メディアアクセス制御(MAC)ヘッダに含まれ得る。
【0077】
HARQフィードバックは、タイプ1 HARQフィードバックを含むことができる。
【0078】
受信した情報が、送信機会のセットに対してHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、方法は、送信機会のセットに対してHARQフィードバックを省略することを含むことができる。
【0079】
UEによって実行される方法は、さらに、欠落した間欠送信(DTX)、または欠落したDCIを検出し、受信した情報が、伝送機会のセットに対してHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記欠落したDTXまたはDCIを無視することを含み得る。
【0080】
UEは、半永続的スケジューリング(SPS)を使用して通信するように構成することができ、この場合、方法は、受信した情報がスロットインデックスに関連付けられた伝送機会に対してHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、そのスロットインデックスを有するスロット内のSPS伝送に対してHARQフィードバックを送信することを含むことができる。
【0081】
UEが、半永続的スケジューリング(SPS)を使用して通信するように構成される場合、ネットワークノードによって実行される方法は、受信した情報がスロットインデックスに関連付けられた伝送機会に対してHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、そのスロットインデックスを有するスロット内のSPS伝送に対してHARQフィードバックを受信することをさらに含むことができる。
【0082】
ネットワークノードは、基地局装置またはゲートウェイを含むことができる。
【0083】
様々な他の変更は、当業者には明らかであり、ここではさらに詳細に説明しない。
【0084】
以下は、現在提案されている3GPP規格において本発明を実施する方法の詳細な説明である。様々な特徴が必須または必要であると説明されているが、これは、例えば、規格によって課される他の要件のために、提案された3GPP規格の場合のみである。したがって、これらの記述は、いかなる方法でも本発明を制限するものと解釈されるべきではない。
【0085】
NR NTNのためのHARQ拡張に関する議論
1.はじめに
非地上系ネットワーク(NTN)をサポートするためのNRのソリューションに関する作業項目がRAN#86で承認され、NTNのためのHARQ拡張を指定することが目的の1つである。具体的には、WID[1]によると、RAN1において次のようなHARQ拡張を指定すべきである。
-HARQプロセス数
-TR 38.821に記載されているHARQフィードバックの有効/無効
本論文では、HARQ‐ACK情報が無効化された場合のHARQ‐ACKコードブックの拡張、HARQプロセスIDのインディケーション、およびHARQフィードバック無効化の制限に関する我々の見解を議論する。
【0086】
2.議論
2.1 HARQ-ACKコードブックの拡張
RAN1#102 e会議において、ダウンリンク伝送のHARQフィードバックの有効化/無効化は、少なくともUE固有のRRCシグナリングを介してHARQプロセスごとに設定可能であることが合意された。冗長なフィードバックのオーバーヘッドを回避するために、RAN1#104 e会議では、HARQ-ACKコードブックの拡張に関して以下の合意がなされた[2]。
【0087】
合意:
NTNのタイプ2 HARQコードブックの場合:フィードバックが有効のHARQプロセスを使用したPDSCHのHARQ-ACKをのみを含むHARQ-ACKコードブックにより、コードブックのサイズを縮小する。
FFS:フィードバック有効/無効HARQプロセスによるPDSCHのDCIに対するC-DAIおよびT-DAIカウントの詳細。
【0088】
タイプ-1 HARQ-ACKコードブックについては、以下のオプションが合意なしに議論されている。
-オプション1:拡張なし。
-オプション2:無効化されたプロセスのNACKを報告。
-オプション3:基準を使用してコードブックのサイズを縮小。
【0089】
オプション1、つまり、拡張なしは、仕様への影響を回避できる簡単な方法と考えられる。しかし、UEが無効化されたHARQプロセスに対してACK/NACKを生成するために従来の動作に従うかどうかを明確にする必要がある。従来の動作に従わない場合、オプション2は半静的HARQコードブック決定のための好ましい選択と思われる。しかしながら、少数のHARQプロセスのみが有効であり、サポートされている最大HARQプロセス数が32に拡張されている場合、タイプ1 HARQ‐ACKコードブックの拡張は冗長オーバーヘッドを低減するのに有用である。我々の見解では、タイプ1コードブックの拡張には以下のケースが考えられる。
-ケース1:1つのUEのすべてのHARQプロセスが無効に設定されている。
-ケース2:MA,c機会内のスケジューリングに使用されるすべてのHARQプロセスが無効である。
我々の意見では、UEのすべてのHARQプロセスが無効に設定されている場合、gNBとUEの間の曖昧さの懸念なしにHARQ-ACKレポートを省略できる。
【0090】
提案1:UEのすべてのHARQプロセスが無効に設定されている場合、HARQ-ACKフィードバックは省略される。
ケース1と同様に、MA,c機会内のスケジューリングに使用されるHARQプロセスが無効である場合、HARQ-ACKフィードバックは省略できる。しかし、DTXとDCIのミス検出の場合に、UEはすべてのHARQプロセスが無効化されていることを認識できないため、gNBとUEの間に曖昧さが生じる可能性があるという懸念が前回の会議で提起された。我々の見解では、MA,c機会におけるすべてのHARQプロセスが無効化されていることをUEに通知することで、曖昧さを回避することができる。この情報をUEに通知するには、次の2つのオプションが考えられる。
【0091】
オプション1:DCIは、MA,c機会の間に、無効化されたHARQプロセスのみがUEに使用される/使用されたことを示すインディケーションを伝える。DCIのいくつかのフィールドは、フィードバックが無効化されたプロセスに対して冗長(例えば、PRI)であるため、HARQフィードバックが期待されない場合は、これらの冗長フィールドの1つを再利用することが提案されている。インディケーションフィールドの予約値は、MA,c機会に対してフィードバックが期待されないことをUEに通知できる。
【0092】
オプション2:レイヤー2は、MA,c機会において無効化されたHARQプロセスのみがUEに使用される/使用されたことを示す。例えば、MAC CEまたはMACヘッダの1ビットをこのインディケーションに使用できる。
【0093】
このような動的なインディケーションは、DCIミス検出またはDTXによる曖昧さの懸念を軽減でき、冗長ULオーバーヘッドを削減するために有益である。例えば、オプション1を考慮して、gNBがMA,c機会にフィードバック可能なHARQプロセスをスケジュールする必要がないことを知っている場合、gNBは最初からインジケータフィールドで予約値を送信することができる。しかしながら、gNBが有効なHARQプロセスをスケジュールする必要があるかどうかが最初は不明であるが(例えば、無効化されたプロセスの数が少なく、大量のDLトラフィックが突然到着するかどうかが不確実な状況、などにより)、後にすべてのプロセスがHARQ無効化されていることを発見した場合、確信した機会からインジケータフィールドの予約値でDCI送信を開始することができる。1つのDCIがインジケータフィールドの予約値で正常にデコードされた場合でも、UEはMA,c機会に対してHARQ-ACKフィードバックが期待されていないことを知ることができる。
【0094】
観察1:MA,c機会に対してHARQフィードバックが期待されるか否かをUEに通知する動的なインディケーションは、コードブックサイズを削減するのに役立つ。
【0095】
少なくとも1つのSPS PDSCHがMA,c機会内に構成されている場合、提案された動的なインディケーションメカニズムは、タイプ1コードブックサイズを削減するのにも役立つ。SPS構成のためのHARQプロセス番号は、スロットインデックスに関連付けられる。したがって、gNBは、厳密なスケジューリング制限を課すことなく、またはUEのすべてのHARQプロセスが無効に設定されていない限り、MA,c機会内のすべてのHARQプロセスがHARQ無効であることを確認できない。ただし、SPS PDSCH機会はUEにおいて既知である。したがって、コードブックサイズの削減は次のように実現できる。
-gNB動作:インジケータフィールドを、MA,c機会に対してフィードバックが期待されないことを意味する値に設定せずに、フィードバックが無効化されたHARQプロセスを使用してPDSCHの送信を開始する。オプション1またはオプション2のどちらが採用されているかに応じて、予約値を有するレイヤ1またはレイヤ2インジケータフィールドを、HARQが有効化されたプロセスが存在せず、かつ、少なくとも1つのSPS PDSCH機会が設定されている場合を除くすべての機会にフィードバックが必要でないことを確認できうるインスタンスから送信する。
-UEの動作:予約された値を持つインジケータフィールドの1つのインスタンスが検出された場合であっても、他のHARQ無効プロセスのインジケータフィールド値を無視し、少なくとも1つのSPS PDSCH機会に対してのみHARQ A/Nフィードバックを送信する。DTXによる曖昧さを避けるために、この場合はHARQプロセス番号に関係なく、すべてのSPS PDSCH機会においてACK/NACKフィードバックを送信することを提案する。
【0096】
観察2:MA,c機会においてHARQ無効プロセスとSPS PDSCHのみがスケジュールされていれば、コードブックサイズの削減が達成できる。
【0097】
提案2:タイプ1のコードブックエンハンスメントは、次のようにサポートされる。
-レイヤ1/レイヤ2シグナリングは、HARQ無効プロセスのみがMA,c機会にスケジュールされていることを示すために使用される。
-MA,c機会内にSPS PDSCHが設定されていない場合、UEはHARQフィードバックを省略する。
-MA,c機会内に少なくとも1つのSPS PDSCHが設定されている場合、UEは非SPS PDSCH機会のHARQフィードバックを省略する。
UEは、HARQプロセス番号に関係なく、すべてのSPS PDSCH機会のHARQフィードバックを報告する。
【0098】
3.結論
議論の結果、以下のような知見と提案が得られた。
【0099】
提案1:UEのすべてのHARQプロセスが無効に設定されている場合、HARQ-ACKフィードバックは省略される。
【0100】
観察1:MA,c機会に対してHARQ-フィードバックが期待されるかどうかをUEに通知する動的なインディケーションは、コードブックのサイズを削減するのに役立つ。
【0101】
観察2:HARQが無効化されたプロセスとSPS PDSCHのみがMA,c機会においてスケジュールされていれば、コードブックサイズの削減が達成できる。
【0102】
提案2:タイプ1のコードブックエンハンスメントは以下のようにサポートされる。
-レイヤ1/レイヤ2シグナリングは、HARQ無効プロセスのみがMA,c機会にスケジュールされることを示すために使用される。
-MA,c機会内にSPS PDSCHが設定されていない場合、UEはHARQフィードバックを省略する。
-MA,c機会内に少なくとも1つのSPS PDSCHが設定されている場合、UEは非SPS PDSCH機会のHARQフィードバックを省略する。
UEは、HARQプロセス番号に関係なく、すべてのSPS PDSCH機会のHARQフィードバックを報告する。
【0103】
4.参照
[1]RP-193234、「NR-NTN: Solutions for NR to support non-terrestrial networks(NTN)」、RAN#86、2019年12月。
[2]RAN1 Chairman’s Note、3GPP TSG RAN WG1 Meeting#104-e、e-Meeting、1月25日-2021年2月5日。
【0104】
例えば、上記に開示された例示的な実施形態の全部または一部は、下記付記のように記載できるが、これらには限定されない。
(付記1)
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法であって、
ネットワークノードから、送信機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を受信し、
前記情報に基づいて、前記送信機会のセットに対する前記HARQフィードバックを送信し、または省略することを有する方法。
(付記2)
前記情報は、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)に含まれる、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記情報は、前記DCIの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)リソース指示子(PRI:Resource Indicator)フィールドに含まれる、付記2に記載の方法。
(付記4)
前記情報は、メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)ヘッダに含まれる、付記1に記載の方法。
(付記5)
前記HARQフィードバックは、タイプ1 HARQフィードバックを含む、付記1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
(付記6)
前記情報が、前記送信機会のセットに対するHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記送信機会のセットに対するHARQフィードバックが省略される、付記1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
(付記7)
欠落した間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)または欠落したDCIを検出し、
前記情報が前記送信機会のセットに対するHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記欠落したDTXまたは前記欠落したDCIを無視する、付記1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
(付記8)
前記UEが半永続スケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)を使って通信するように構成されている場合において、
前記情報が、あるスロットインデックスに関連する前記送信機会のセットの少なくとも1つに対する前記HARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記スロットインデックスを有するスロットにおけるSPS通信に対するHARQフィードバックを送信する、付記1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
(付記9)
非地上系ネットワークを介してユーザ装置(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法であって、
前記UEへ、送信機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を送信し、
前記情報に基づいて、前記送信機会のセットに対する前記HARQフィードバックを受信し、または省略することを有する方法。
(付記10)
前記情報は、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)に含まれる、付記9に記載の方法。
(付記11)
前記情報は、前記DCIの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)リソースインジケータ(PRI:Resource Indicator)フィールドに含まれる、付記10に記載の方法。
(付記12)
前記情報は、メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)ヘッダに含まれる、付記9に記載の方法。
(付記13)
前記HARQフィードバックは、タイプ1 HARQフィードバックを含む、付記9乃至12のいずれか1項に記載の方法。
(付記14)
前記UEが半永続スケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)を使用して通信するように構成されている場合において、
前記情報が、あるスロットインデックスに関連する送信機会のセットの少なくとも1つに対する前記HARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記スロットインデックスを有するスロットにおけるSPS通信に対するHARQフィードバックを受信することを有する、付記9乃至13のいずれか1項に記載の方法。
(付記15)
前記ネットワークノードは、基地局またはゲートウェイを含む、付記9乃至14のいずれか1項に記載の方法。
(付記16)
前記情報は、無効化されたHARQプロセスのみが前記送信機会のそれぞれの機会の間で送信に使用されることを示す、付記1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
(付記17)
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、送信機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を受信する手段と、
前記情報に基づいて、前記送信機会のセットに対する前記HARQフィードバックを送信し、または省略する手段とを備えるユーザ機器。
(付記18)
非地上系ネットワークを介してユーザ装置(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、送信機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を送信する手段と、
前記情報に基づいて、前記送信機会のセットに対するHARQフィードバックを受信し、または省略する手段とを備えるネットワークノード。
【0105】
本出願は、2021年4月1日に出願された英国特許出願第2104751.9号に基づいており、優先権の利益を主張しており、その開示の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【符号の説明】
【0106】
1 モバイル通信システム
3 モバイルデバイスのユーザ
5 衛星
6 基地局
7 データネットワーク
31 トランシーバ回路
33 アンテナ
35 ユーザインタフェース
37 コントローラ
39 メモリ
41 オペレーティングシステム
43 通信制御モジュール
51 トランシーバ回路
53 アンテナ
57 コントローラ
59 メモリ
61 オペレーティングシステム
63 通信制御モジュール
71 トランシーバ回路
73 アンテナ
75 ネットワークインタフェース
77 コントローラ
79 メモリ
81 オペレーティングシステム
83 通信制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非地上系ネットワーク(NTN:Non-terrestrial network)を介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、シグナリングに対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)候補の機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を含む当該シグナリングを受信する手段と
前記情報に基づいて、前記機会のセットに対する前記HARQフィードバックを送信し、または省略する手段と、
を備える、UE
【請求項2】
前記情報は、
ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)
前記DCIの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)リソース指示子(PRI:Resource Indicator)フィールド、及び
メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)ヘッダ、
のいずれかに含まれる、請求項1に記載のUE
【請求項3】
前記HARQフィードバックは、タイプ1 HARQフィードバックを含む、請求項1又は2に記載のUE
【請求項4】
前記情報が、前記機会のセットに対するHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記機会のセットに対するHARQフィードバックが省略されることが実行される、請求項1乃至のいずれか1項に記載のUE
【請求項5】
欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)またはDCIの欠落を検出する手段と、
前記情報が前記機会のセットに対するHARQフィードバックが必要でないことを示す場合、欠落した前記DTXまたは欠落した前記DCIを無視する手段と、
を備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載のUE
【請求項6】
前記UEが半永続スケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)を使って通信するように構成されている場合において、
前記情報が、あるスロットインデックスを有するスロットに含まれる記機会のセットに対する前記HARQフィードバックが必要でないことを示す場合、前記スロットインデックスを有するスロットにおけるSPS通信に対するHARQフィードバックを送信する手段を備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載のUE
【請求項7】
前記情報は、無効化されたHARQプロセスのみが前記機会のそれぞれの機会の間で送信に使用されることを示す、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のUE。
【請求項8】
非地上系ネットワーク(NTN:Non-terrestrial network)を介してユーザ装置(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、シグナリングに対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)候補の機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を含む当該シグナリングを送信する手段と
前記情報に基づいて、前記機会のセットに対する前記HARQフィードバックを受信し、または省略する手段と、
を備える、ネットワークノード。
【請求項9】
非地上系ネットワーク(NTN:Non-terrestrial network)を介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)における方法であって、
ネットワークノードから、シグナリングに対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)候補の機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を含む当該シグナリングを受信することと、
前記情報に基づいて、前記機会のセットに対する前記HARQフィードバックを送信し、または省略することと、
を含む、UEにおける方法
【請求項10】
非地上系ネットワーク(NTN:Non-terrestrial network)を介してユーザ装置(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードにおける方法であって、
前記UEへ、シグナリングに対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)候補の機会のセットに対するハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックが必要かどうかを示す情報を含む当該シグナリングを送信することと
前記情報に基づいて、前記機会のセットに対するHARQフィードバックを受信し、または省略することと、
を含む、ネットワークノードにおける方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
このシステム1において、モバイルデバイス3(UE)のユーザは、適切な3GPP無線アクセス技術(RAT:radio access technology)、例えばE-UTRAおよび/または5G RATを使用して、アクセスネットワークノードそれぞれの衛星5および/または基地局6およびデータネットワーク7を介して、相互におよび他のユーザと通信することができる。当業者が理解するように、図1には、説明のために、3つのモバイルデバイス3、1つの衛星5および1つの基地局6が示されているが、システムは、実装時は、通常、他の衛星/UASプラットフォーム、基地局/RANノード、およびモバイルデバイス(UE)を含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
UE3および基地局6は、相互の通信において、トランスポートブロック(TB:transport block)に編成されたデータを通信し、データが正常に受信されデコードされたかどうかを確認するために、(TBごとに1ビットの)関連するHARQフィードバックを提供する。UE3および基地局6におけるメディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)層(MACエンティティとも呼ばれる)は、複数の並列HARQプロセスを維持する各サービスセルのHARQエンティティを含む。各HARQプロセスは、HARQプロセス識別子に関連付けられる。
【国際調査報告】