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特表2024-512622ユーザ機器、ネットワークノード、およびそれらにおける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ユーザ機器、ネットワークノード、およびそれらにおける方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20240312BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20240312BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20240312BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20240312BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W84/06
H04W56/00 130
H04W72/23
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559109
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2022012480
(87)【国際公開番号】W WO2022210001
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】2104780.8
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】グロウ マキシム
(72)【発明者】
【氏名】グプタ ニーラジ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユーファー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD25
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
5K067LL11
(57)【要約】
ユーザ機器(UE)が基地局と非地上系ネットワークを介して通信する通信システムが開示される。UEは、非地上系ネットワークを介してUEとネットワークノードとの間の通信に適用されるタイミングアドバンス値に関連する閾値を識別する情報を取得し、ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を取得し、タイミングアドバンス値と閾値とに基づいてネットワークノードにタイミングアドバンスレポートを送信するか否かを決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法であって、
ネットワークノードから、前記非地上系ネットワークを介する前記ネットワークノードとの通信のためのそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を受信し、
前記通信のためのタイミングアドバンス値を取得し、
前記タイミングアドバンス値および前記閾値に基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定することを有する方法。
【請求項2】
前記タイミングアドバンス値に基づいて前記通信のためのタイミングオフセットを導出することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タイミングアドバンス値が前記閾値を超えて変化したかどうかを決定し、
前記タイミングアドバンス値が前記閾値を超えて変化したかどうかの前記決定に基づいて、前記ネットワークノードへ前記タイミングアドバンスレポートを送信する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワークノードから、前記タイミングアドバンス値に対応するタイムアライメントタイマ(TAT:Time Alignment Timer)を受信することをさらに有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワークノードへ、前記UEが開ループタイミングアドバンス制御を使うように構成されているか、または閉ループタイミングアドバンス制御を使うように構成されているかを示す情報を送信することをさらに有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記タイミングアドバンス値の取得は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を使って得られる前記UEの位置に基づいて実施される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記タイミングアドバンス値の取得は、サービスリンクおよび前記通信に対応するフィーダリンクの少なくとも一方に関する予測モデルに基づいて実施される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法であって、
ネットワークノードから、前記ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を受信し、
タイミングアドバンス値を取得し、
前記情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出し、
タイミングアドバンス値と前記予測タイミングアドバンス値とに基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定することを有する方法。
【請求項9】
前記情報は、前記タイミングアドバンス値を予測するためのパラメータのセットを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パラメータのセットは、前記通信のタイミングオフセットを導出するために使われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記情報の受信は、初期アクセス時、または前記タイミングアドバンスレポートの送信に応答して実施される、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法であって、
前記UEへ、前記非地上系ネットワークを介する前記UEとの通信に適用されるそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を送信し、
前記通信のためのタイミングアドバンス値を取得し、
前記閾値および前記タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信することを有する方法。
【請求項13】
前記タイミングアドバンス値に対応するタイムアライメントタイマ(TAT:Time Alignment Timer)を前記UEに送信することをさらに有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(User EquipmentUE)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法であって、
前記UEへ、前記UEと前記ネットワークノードとの間の通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を送信し、
前記予測タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信することを有する方法。
【請求項15】
前記情報の送信は、初期アクセス時または前記タイミングアドバンスレポートの受信時に実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ネットワークノードは、ゲートウェイ、基地局、またはゲートウェイ若しくは基地局の機能を有する衛星を含む、請求項12乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、前記非地上系ネットワークを介する前記ネットワークノードとの通信のためのそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を受信する手段と、
前記通信のためのタイミングアドバンス値を取得する手段と、
前記タイミングアドバンス値および前記閾値に基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定する手段とを備えるUE。
【請求項18】
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、前記ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を受信する手段と、
タイミングアドバンス値を取得する手段と、
前記情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出する手段と、
前記タイミングアドバンス値と前記予測タイミングアドバンス値とに基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定する手段とを備えるUE。
【請求項19】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、前記非地上系ネットワークを介するUEとの通信に適用されるそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を送信する手段と、
前記通信のためのタイミングアドバンス値を取得する手段と、
前記閾値および前記タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信する手段とを備えるネットワークノード。
【請求項20】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、前記UEとネットワークノードとの間の通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を送信する手段と、
前記予測タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信する手段とを備えるとネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)規格、または、これに準ずるもの、若しくはその派生物に従って動作する無線通信システムおよびその装置に関する。本開示は、特に、ただし排他的ではなく、空中または宇宙ネットワークノードを含む非地上部分を採用する、いわゆる「5G」(または「次世代」)システムに関連する改良に関する。
【0003】
3GPP標準では、NodeB(またはLTEにおける「eNB」、5Gにおける「gNB」)は、通信機器(ユーザ機器またはUE:user equipment)がコアネットワークに接続し、他の通信機器またはリモートサーバと通信するための基地局である。通信機器は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、スマートウオッチ、携帯情報端末、ラップトップ/タブレットコンピュータ、Webブラウザ、電子書籍リーダなどのモバイル通信機器であり得る。このようなモバイル(または一般的に固定される)デバイスは、通常、ユーザによって操作されるが(したがって、それらはしばしばユーザ機器、「UE」と総称される)、IoTデバイスや同様のMTCデバイスをネットワークに接続することも可能である。簡略化のため、本明細書は、基地局という用語を使用してこのような基地局を参照し、モバイルデバイスまたはUEという用語を使用してこのような通信デバイスを参照する。
【0004】
3GPP標準の最新の開発は、マシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)、モノのインターネット(IoT:Internet of Thing)/モノの産業インターネット(IIoT:Industrial Internet of Things)通信、車両通信と自動運転車、高解像度ビデオストリーミング、スマートシティサービスなどの様々なアプリケーションやサービスをサポートすることが期待される進化した通信技術を参照する、いわゆる「5G」または「New Radio」(NR)標準である。3GPPは、いわゆる3GPP次世代(NextGen)無線アクセスネットワーク(RAN:radio access network)と3GPP次世代コア(NGC:NextGen core)ネットワークを介して5Gをサポートする予定である。5Gネットワークの様々な詳細は、例えば、次世代モバイルネットワーク(NGMN:Next Generation Mobile Networks)アライアンスによる「NGMN 5G White Paper」V1.0に記載されており、この文書はhttps://www.ngmn.org/5g-white-paper.htmlから入手できる。
【0005】
エンドユーザ通信装置は、一般にユーザ機器(UE)と呼ばれ、人によって操作されるか、または自動化(MTC/IoT)装置を有する。5G/NR通信システムの基地局は、一般にNew Radio基地局(「NR-BS」)または「gNB」と呼ばれるが、それらは、Long Term Evolution(LTE)基地局(一般に「4G」基地局とも呼ばれる)により典型的に関連づけられている用語「eNB」(または5G/NR eNB)を使用して呼ばれることが理解される。3GPP Technical Specification(TS)38.300V16.4.0およびTS 37.340 V16.4.0は、特に次のノードを定義する。
gNB:UEに対するNRユーザプレーンおよびコントロールプレーンプロトコル終端を提供し、NGインタフェースを介して5Gコアネットワーク(5GC:5G core network)に接続されるノード。
ng-eNB:UEに対するEvolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA)ユーザプレーンおよびコントロールプレーンプロトコル終端を提供し、NGインタフェースを介して5GCに接続されるノード。
En-gNB:UEに対するNRユーザプレーンおよびコントロールプレーンプロトコル終端を提供し、E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC)のセカンダリノードとして機能するノード。
NG-RANノード:gNBまたはng-eNBのいずれか。
【0006】
3GPPはまた、5Gの文脈において、統合された衛星および地上系ネットワークインフラストラクチャの規定にも取り組んでいる。非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)という用語は、通信に航空機または宇宙船を使用するネットワーク、またはネットワークのセグメントを指す。衛星とは、低地球軌道(LEO:Low Earth Orbits)、中地球軌道(MEO:Medium Earth Orbits)、高度楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbits)などの静止地球軌道(GEO:Geostationary Earth Orbit)または非静止地球軌道(NGEO:Non-Geostationary Earth Orbit)の宇宙船を指す。航空機とは、無人航空機システム(UAS:Unmanned Aircraft System)を含む高高度プラットフォーム(HAP:High Altitude Platform)を指す。これには、テザリングされたUAS、航空UASより軽いUAS、航空UASより重いUASが含まれ、これらはすべて通常8kmから50kmの高度で準静止状態で動作する。
【0007】
3GPP Technical Report(TR)38.811 V15.4.0は、このような非地上系ネットワークをサポートするためのNew Radioに関する研究である。この研究には、特に、NTN展開シナリオと関連するシステムパラメータ(アーキテクチャ、高度、軌道など)、および(伝播条件、モビリティなどの)非地上系ネットワークのための3GPPチャネルモデルの適応に関する記述が含まれる。3GPP TR 38.821 V16.0.0は、NTNに関する詳細を提供する。
【0008】
非地上系ネットワークでは、次のことが期待される。
-サービスが提供されていない、またはサービスが十分に提供されていない地域での5Gサービスの展開を促進し、地上系ネットワークのパフォーマンスを向上させる。
-ユーザ機器や移動プラットフォーム(例えば、乗用車、航空機、船舶、高速列車、バス)のサービス継続性を提供することで、サービスの信頼性を強化する。
-特に重要な通信、将来の鉄道/海上/航空通信に対し、あらゆる場所でのサービス可用性を向上させる。
-ネットワークエッジへに向けて、またはユーザ機器に直接にデータを配信するための効率的なマルチキャスト/ブロードキャストリソースの提供を通じて、5Gネットワークのスケーラビリティを実現する。
【0009】
NTNアクセスには、通常、(特に)次の要素がある。
-NTN端末:3GPP UE、または衛星が直接3GPP UEを提供しない場合における衛星システムに固有の端末を指し得る。
-サービスリンク:ユーザ機器と宇宙/空中(airborne)プラットフォーム間の無線リンクを指す(地上ベースのRANとの無線リンクに追加される場合がある)。
-宇宙または空中プラットフォーム。
-ゲートウェイ(NTNゲートウェイ):衛星または航空アクセスネットワークをコアネットワークに接続する。ゲートウェイは、ほとんどの場合、基地局と同じ場所に配置される。
-フィーダリンク:ゲートウェイと宇宙/空中プラットフォーム間の無線リンクを指す。
【0010】
衛星または航空機は、それぞれのNTNセルを提供するために、所定の領域にわたって複数のビームを生成することができる。ビームは、地球の表面に典型的な楕円形のフットプリントを有する。
【0011】
3GPPは、3種類のNTNビームまたはセルをサポートすることを意図する。
-地球固定セル:同じ地理的領域を常にカバーする少なくとも1つのビームを特徴とする(例:GEO衛星やHAPS)
-準地球固定セル:限られた期間中に1つの地理的領域をカバーし、別の期間中に異なる地理的領域をカバーする少なくとも1つのビームを特徴とする(例えば、ステアリング可能なビームを生成するNGEO衛星)。
-地球移動セル:ある瞬間に1つの地理的領域をカバーし、別の瞬間に異なる地理的領域をカバーする少なくとも1つのビームを特徴とする(例えば、固定ビームまたはステアリング不能なビームを生成するNGEO衛星)。
【0012】
衛星または航空機が、GEOおよびUASのように、所定の地点に関する高度/方位角に関して位置を固定している場合、ビームフットプリントは地球固定である。
【0013】
衛星が地球の周りを回っている場合(例:LEO)、または地球の周りの楕円軌道上にある場合(例:HEO)、ビームフットプリントは、衛星または航空機の軌道上の動きとともに地球上を移動し得る。あるいは、ビームフットプリントは、一時的に地球固定(または準地球固定)であってもよく、その場合、適切なビームポインティングメカニズム(機械的または電子的ステアリング)を使用して、衛星または航空機の動きを補正することができる。
【0014】
用語「タイミングアドバンス」(TA:Timing Advance)は、信号が適切な時間に基地局に到着することを保証するために、基地局に向かうアップリンク上の信号の送信タイミングを制御するために使用されるパラメータを指す。TAの値が大きいほど、その信号が正しい時間に基地局に到達するために、UEはより早く信号を送信する必要がある。NTNシステムでは、信号は衛星を介して中継されるため、非NTN無線ネットワークよりも長い距離を移動する必要がある。したがって、UEの適用されるタイミングアドバンス(TA)は、UEの位置、サービング衛星の位置、適用されるタイミングオフセットの1つ以上によって影響を受け得る(変化し得る)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
LEOおよびMEO衛星は高速で移動しているため、UEのアップリンクTAは、NTNを介して通信する場合に悪影響を及ぼす可能性がある。衛星がUEに近づいたり離れたりする速度は明らかではないものの、NTNにおける関連するラウンドトリップ遅延(RTD:round trip delay)は、レガシーネットワーク(非NTNネットワーク)よりも速く変化することが理解されるであろう。例えば、地上系NRネットワークでは、UEアップリンクのタイミングは、いわゆるタイミングアドバンスコマンド(パラメータNTA_offset)を使用した閉ループを介して基地局(gNB)によって更新される。しかし、この方法では、非常に短い時間(数秒)後に誤ったタイミングアドバンス値が適用されてしまうだろう。
【0016】
誤ったタイムアライメントは、システム間インタフェース(ISI:inter-system interface)および/またはフレームあいまいさのために、基地局でのアップリンク信号の復号可能性に悪影響を及ぼす。さらに、TA値は、UEと基地局の間の適切なタイミングオフセットを適用するため、例えば、アップリンクのUEのスケジューリングや、ダウンリンクでの応答ウィンドウの開始を決定するためにも使用される。
【0017】
本発明者らは、NTNシステムで必要とされるより頻繁なTA調整に伴い、UEとそのサービング基地局の間の関連するシグナリングが増加することに気が付いた。UEがそれ自身で適切なTA値を導出することは可能であるが、そのような自己計算TA値の精度に関する懸念があり、TAの改善のために(例えば、初期アクセス中および/またはTAメンテナンス中に)ネットワークからUEへの追加のシグナリングが必要な場合がある。
【0018】
さらに、UEと基地局は同じタイミングオフセットを持つ必要がある。しかしながら、タイミングオフセットの基になる情報は、UEによる報告がなければ、または基地局による従来の閉ループ調整を使用しなければ、対称ではなく、その方法は、NTNでは非効率であり、リソースの無駄になる。UEが適用されるタイミングオフセットを(例えばTiming Advance Command(TAC)から)暗黙的に決定する場合、UEがTACを逃した場合や、基地局が(UEおよび基地局での知識レベルが非対称になるという結果にもなりうる)複数のTACを送信する必要がある場合に何が起こるかは明確ではない。
【0019】
適切なタイムアライメントを維持するために現在提案されている方法は、UEと基地局の間の過剰なシグナリング(例えば、gNB側でアップリンクのアライメントを維持するためのUEによるTAレポート)、および/またはUEでの追加処理/バッテリ使用の増加(例えば、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)測位に基づくUEによるオープンループなTAメンテナンス)を要求する。
【0020】
したがって、本発明は、上記の問題に対処するか、少なくとも(少なくともいくつかの)軽減する方法および関連装置を提供する。
【0021】
当業者の理解の効率化のために、本発明を3GPPシステム(NTNを含む5Gネットワーク)の文脈で詳細に説明するが、本発明の原理は他のシステムにも同様に適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)によって実行される方法を提供する。方法は、非地上系ネットワークを介するネットワークノードとの通信に適用されるタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を取得し、ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を取得し、タイミングアドバンス値と閾値とに基づいて、タイミングアドバンスレポートをネットワークノードに送信するかどうかを決定することを有する。
【0023】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)によって実行される方法を提供する。方法は、ネットワークノードとの通信のために使用されるタイミングアドバンス値の予測においてに使用される情報を取得し、タイミングアドバンス値を取得し、取得した情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出し、取得されたタイミングアドバンス値と予測タイミングアドバンス値とに基づいて、ネットワークノードへ、タイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定することを有する。
【0024】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法を提供する。方法は、UEへ、非地上系ネットワークを介するUEとの通信に適用されるタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を送信し、UEとの通信のためのタイミングアドバンス値を取得し、閾値およびUEによって取得されるタイミングアドバンス値に基づいて、UEからタイミングアドバンス報告を受信することを有する。
【0025】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法を提供する。方法は、UEとネットワークノードとの間の通信に使用されるタイミングアドバンス値の予測において使用される情報をUEに送信し、UEによって取得されるタイミングアドバンス値と予測タイミングアドバンス値とに基づいて、UEからタイミングアドバンスレポートを受信することを有する。
【0026】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)を提供する。UEは、非地上系ネットワークを介するネットワークノードとの通信に適用されるタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を取得する手段と、ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を取得する手段と、タイミングアドバンス値と閾値とに基づいて、ネットワークノードにタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定する手段とを有する。
【0027】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)を提供する。UEは、ネットワークノードとの通信のために使用されるタイミングアドバンス値の予測において使用される情報を取得する手段と、タイミングアドバンス値を取得する手段と、取得される情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出する手段と、取得されたタイミングアドバンス値と予測タイミングアドバンス値とに基づいて、タイミングアドバンスレポートをネットワークノードに送信するかどうかを決定する手段とを有する。
【0028】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードを提供する。ネットワークノードは、非地上系ネットワークを介するUEとの通信に適用されるタイミングアドバンス値に対応する関連する閾値を識別する情報をUEに送信する手段と、UEとの通信のためのタイミングアドバンス値を取得する手段と、閾値およびUEによって取得されるタイミングアドバンス値に基づいて、UEからタイミングアドバンスレポートを受信する手段とを有する。
【0029】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードを提供する。ネットワークノードは、UEとネットワークノードとの間の通信に使用されるタイミングアドバンス値の予測において使用される情報をUEに送信する手段と、UEによって取得されるタイミングアドバンス値と予測タイミングアドバンス値とに基づいて、UEからタイミングアドバンスレポートを受信する手段とを有する。
【0030】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)を提供する。UEは、プロセッサ、トランシーバ、および命令を記憶するメモリを有する。コントローラは、非地上系ネットワークを介するネットワークノードとの通信に適用されるタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を取得し、ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を取得し、タイミングアドバンス値と閾値とに基づいて、ネットワークノードにタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定するように構成される。
【0031】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE)を提供する。UEは、プロセッサ、トランシーバ、および命令を記憶するメモリを有する。コントローラは、ネットワークノードとの通信に使用されるタイミングアドバンス値の予測において使用される情報を取得し、タイミングアドバンス値を取得し、取得した情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出し、取得したタイミングアドバンス値と予測タイミングアドバンス値とに基づいて、タイミングアドバンスレポートをネットワークノードに送信するかどうかを決定するように構成される。
【0032】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードを提供する。ネットワークノードは、プロセッサ、トランシーバ、および命令を記憶するメモリを有する。コントローラは、トランシーバを制御して、非地上系ネットワークを介してUEとの通信に適用されるタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報をUEに送信し、UEとの通信のタイミングアドバンス値を取得し、トランシーバを制御して、閾値とUEによって取得されるタイミングアドバンス値に基づいて、UEからタイミングアドバンスレポートを受信するように構成される。
【0033】
一態様において、本発明は、非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されるネットワークノードを提供する。ネットワークノードは、プロセッサ、トランシーバ、および命令を記憶するメモリを有する。コントローラは、トランシーバを制御して、UEへ、UEとネットワークノードとの間の通信に使用されるタイミングアドバンス値の予測において使用される情報を送信し、UEによって取得されたタイミングアドバンス値と予測タイミングアドバンス値とに基づいて、UEからタイミングアドバンスレポートを受信するように構成される。
【0034】
本発明の態様は、対応するシステム、装置、および、上述した態様および可能性に記載されるか、または請求項に記載される方法を実行するようにプログラム可能なプロセッサをプログラムするように動作可能であり、かつ/または請求項のいずれかに記載された装置を提供するように適切に適合したコンピュータをプログラムするように記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に拡張される。
【0035】
本明細書(請求項を含む)に開示され、および/または図面に示された各特徴は、他の開示された、および/または図示された特徴から独立して(または他の開示された、および/または図示された特徴と組み合わせて)本発明に組み込むことができる。特に限定されるものではないが、特定の独立した請求項に依存するいずれかの請求項の特徴は、任意の組み合わせまたは個別に独立した請求項に導入することができる。
【0036】
用語
-TAC=Timing Advance Command
-TAT=Time Alignment Timer(UEが同期していないとみなされる前にTAが有効なままでいられる時間を決定するタイマ)。
-NTAは、絶対TACを示す(初期アクセスにおいて、ランダムアクセス応答(RAR:random access response)メッセージでgNBによって送信される12ビットの数によって初期化される)。
-NTA_offsetは、基地局とUEとの間のミスアライメントをUEに通知する6ビットの数である(NTA_offsetは、gNBがミスアライメントを検出したときに、適切なMedium Access Control Control Element(MAC CE)を介してgNBから送信される(3GPP TS 38.213 V16.4.0および3GPP TS 38.321 V16.3.0を参照))。NTA_offsetは、UEによって使用される古いNTAを更新するために使用されうる(NTA_new=NTA_old+NTA_offset)。
-共通TA(正確な定義は3GPPによってまだ合意されていない)
--フィーダリンク期間+地球上の参照点へのサービスリンク期間に等しくてもよい(例えば、3GPP TR 38.821の図6.3.4-1を参照)。
-フィーダリンクRTDのみを参照してもよい(例えば、3GPPドラフトR1-2102215を参照)。
-K_offset(共通TAとも呼ばれる)は、セル内のすべてのUEに共通であり、初期アクセスより前のアップリンクのミスアライメントの(いくつかのサブフレームとして与えられる)オフセットとして使用される(初期アクセス後に更新される場合がある。3GPPドラフトR1-2102078を参照。)
-K_mac:gNB側でのフレームタイミングのミスアライメントの場合に、(UEがアップリンク同期されているが、フレーム同期されていない場合)UEがダウンリンク応答ウィンドウを調整するために使用される。
-タイミングオフセットは、ここでは、アップリンク(UL)スケジューリング、およびダウンリンク(DL)応答ウィンドウに使用されるオフセットをフレーム数で記述するために使用される用語である。(UEとgNBは同じタイミングオフセットを使用でき、最初はK_offsetと等しくてよい)。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の実施形態を、例示として、添付の図面を参照して説明する。
【0038】
図1図1は、本発明の実施形態が適用可能なモバイル(セルラーまたは無線)通信システムを模式的に示す。
図2図2は、図1に示されるシステムの一部を構成するモバイルデバイスの概略ブロック図である。
図3図3は、図1に示されるシステムの一部を構成するNTNノード(例えば衛星/UASプラットフォーム)の概略ブロック図である。
図4図4は、図1に示されるシステムの一部を構成するアクセスネットワークノード(例えば基地局)の概略ブロック図である。
図5図5は、フィーダリンクのラウンドトリップ時間の経時変化を模式的に示す。
図6図6は、初期アクセス中のタイミングアドバンス調整手順を模式的に示す。
図7図7は、モバイルデバイスによって実行されるタイミングアドバンス更新手順を概略的に示すフローチャートである。
図8図8は、図1に示されるシステムにおけるNTN機能を提供するためのいくつかの例示的なアーキテクチャオプションを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
概要
図1は、本発明の実施形態を適用することができるモバイル(セルラーまたは無線)通信システム1を概略的に示す。
【0040】
このシステム1において、モバイルデバイス3(UE)のユーザは、適切な3GPP無線アクセス技術(RAT:radio access technology)、例えばE-UTRAおよび/または5G RATを使用して、アクセスネットワークノードそれぞれの衛星5および/または基地局6およびデータネットワーク7を介して、相互におよび他のユーザと通信することができる。当業者が理解するように、図1には、説明のために3つのモバイルデバイス3、1つの衛星5および1つの基地局6が示されているが、システムは、実装される際には、通常、他の衛星/UASプラットフォーム、基地局/RANノード、および移動デバイス(UE)を含む。
【0041】
いくつかの基地局6が(無線)アクセスネットワークまたは(R)ANを形成し、いくつかのNTNノード5(衛星および/またはUASプラットフォーム)が非地上系ネットワーク(NTN)を形成することが理解されるであろう。各NTNノード5は、いわゆるフィーダリンクを使用して(この場合、基地局6と共に配置される)適切なゲートウェイに接続され、対応するサービスリンクを介して各UE3に接続される。したがって、NTNノード5がサービスを提供する場合、モバイルデバイス3は、(モバイルデバイス3とNTNノード5との間の)適切なサービスリンクおよび(NTNノード5とゲートウェイ/基地局6との間の)フィーダリンクを使用して、NTNノード5を介して基地局6との間でデータを通信する。言い換えれば、NTNは、(R)ANの一部を形成するが、E-UTRAおよび/または5G通信サービスとは独立して衛星通信サービスを提供することもできる。
【0042】
図1には示されていないが、隣接する基地局6は、適切な基地局間インタフェース(いわゆる「X2」インタフェース、「Xn」インタフェース等)を介して相互に接続される。また、基地局6は、適切なインタフェース(いわゆる「S1」、「NG-C」、「NG-U」インタフェース等)を介してデータネットワークノードに接続される。
【0043】
データ(またはコア)ネットワーク7(例えば、LTEにおけるEPC、NR/5GにおけるNGC)は、典型的には、通信システム1における通信をサポートし、加入者管理、モビリティ管理、課金、セキュリティ、コール/セッション管理などのための論理ノード(または機能)を含む。例えば、「次世代」/5Gシステムのデータネットワーク7は、1つ以上のコントロールプレーン機能(CPF:control plane function)および1つ以上のユーザプレーン機能(UPF:user plane function)などのユーザープレーンエンティティおよびコントロールプレーンエンティティを含む。データネットワーク7は、インターネットまたは類似のインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)ベースのネットワーク(図1に示されていない)のような他のデータネットワークにも結合される。各NTNノード5は、関連するNTNセルが提供され得るいくつかの指向性ビームを制御する。具体的には、各ビームは、NTNセルに対応する地球表面上の関連するフットプリントを有する。各NTNセル(ビーム)は、関連する物理セルID(PCI:Physical Cell Identity)および/またはビームIDを有する。ビームフットプリントは、NTNノード5が軌道に沿って移動するにつれて移動し得る。あるいは、ビームフットプリントは地球固定であってもよく、その場合には、適切なビームポインティングメカニズム(機械的または電子的ステアリング)を使用して、NTNノード5の移動を補償することができる。
【0044】
衛星の軌道に沿った移動により、UE3と現在のNTNノード5との間の距離は比較的急速に変化し、それに応じてサービスリンクの特性(遅延など)が変化する。フィーダリンクの特性も、衛星の移動に伴ってNTNノード5と基地局6との間の距離が変化することにより、同様に変化する。これらの変化は、UE3と基地局6との間の全体的なRTDに影響を与え、それらの間で使用されるタイミングアドバンス/時間オフセットの適切な調整が必要となる。
【0045】
UE3と基地局6との間の適切な時間および周波数同期をサポートするために、UE3がNTNノード5を介して接続されている場合(RRC接続状態)、GNSS取得位置とサービング衛星の軌道情報(ephemeris)とに少なくとも基づいて、UE固有のTA計算を行うように構成されている。RRC接続状態においてTAを更新するために、UE3は、開制御ループ(例えば、UE自律TA推定、共通TA推定など)、もしくは閉制御ループ(例えば、受信TAコマンド)、またはこれらの組み合わせを使用することができる。
【0046】
具体的には、UE3は、次のいずれかのアプローチを使用するように構成される。
-基地局6へのTAレポートの必要性を最小限にするための最適化されたTAT値と設定可能な閾値。
-最適化されたTAT値、および、予測との差が設定可能な閾値を超えてタイミングオフセットに影響する場合にのみ、自律的に計算され基地局6に報告されるTA。
-最適化されたTAT値、および(必要に応じて)時間の経過とともに修正されうる予測モデルを使用して得られたTA。TAは、予測との差が設定可能な閾値を超えてタイミングオフセットに影響を与える場合にのみ、基地局6に報告される。
【0047】
有益なことに、上記の技術は、UE3と基地局6との間のミスアライメントを引き起こすことなく、TAアップデートに関連するシグナリングを低減/最小化することを可能にする。さらに、低減された/より効率的なタイミングオフセットシグナリングは、UEから報告されたおよび/または予測された、TAからの暗黙的オフセット導出技術を採用することによって達成できる。
【0048】
例えば、GNSS/自律TA更新が良好なUE3の場合、TAがタイミングオフセットに影響を与えない限り、シグナリングは必要ない(TAレポートなし)。基地局6は、UE3が必要とするシグナリングをさらに削減し、および/またはUE3によるTA修正を改善することができる状況に応じて、UE3に対して適切な(柔軟な)TAT値を設定することができる。
【0049】
タイミングオフセットは(完全な)TAから導出されるため、UE3と基地局6の両方がこの情報を持っていれば、実際のタイミングオフセットを示すためにシグナリングを使用する必要はない(暗黙的ソリューション)。予測モデルが使用される場合、タイミングオフセットは、低減され/除去されたシグナリングで更新することができる。
【0050】
ユーザ機器(UE)
図2は、図1に示されるモバイルデバイス(UE)3の主要な構成を示すブロック図である。図に示すように、UE3は、1以上のアンテナ33を介して接続された少なくとも1つのノードとの間で信号を送受信するように動作可能なトランシーバ回路31を含む。図2には必ずしも示されていないが、UE3は、もちろん、通常のモバイルデバイスのすべての通常の機能(ユーザインタフェース35など)を有し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の1つ、または適切な任意の組み合わせによって提供され得る。コントローラ37は、メモリ39に格納されたソフトウェアに従ってUE3の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ39にあらかじめインストールされていてもよいし、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされていてもよい。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム41と、通信制御モジュール43とを含む。
【0051】
通信制御モジュール43は、UE3と、NTNノード5、(R)ANノード6、およびコアネットワークノードを含む他のノードとの間のシグナリングメッセージ、およびアップリンク/ダウンリンクデータパケットの処理(生成/送信/受信)を担当する。シグナリングは、UE3と基地局/ゲートウェイ6との間の時間および周波数同期に関連する制御シグナリングを含むことができる。
【0052】
NTNノード(衛星/UASプラットフォーム)
図3は、図1に示されるNTNノード5(衛星/UASプラットフォーム)の主な構成を示すブロック図である。図に示すように、NTNノード5は、1以上のアンテナ53を介して、少なくとも1つの接続されたUE3との間で信号を送受信し、ゲートウェイや基地局などの他のネットワークノードとの間で(直接にまたは間接的に)信号を送受信するように動作可能なトランシーバ回路51を含む。コントローラ57は、メモリ59に格納されたソフトウェアに従ってNTNノード5の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ59にあらかじめインストールされていてもよいし、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされていてもよい。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム61と、通信制御モジュール63とを含む。
【0053】
通信制御モジュール63は、NTNノード5と、UE3、基地局6、ゲートウェイ、および(基地局/ゲートウェイを介して)コアネットワークノードなどの他のノードとの間のシグナリングの処理(生成/送信/受信)を担当する。シグナリングは、UE3と基地局/ゲートウェイ6との間の時間および周波数同期に関する制御シグナリングを含むことができる。
【0054】
基地局/ゲートウェイ(アクセスネットワークノード)
図4は、図1に示されるゲートウェイ6(基地局(gNB)または同様のアクセスネットワークノード)の主な構成を示すブロック図である。図に示すように、ゲートウェイ/gNB6は、1以上のアンテナ73を介して少なくとも1つの接続されたUE3との間で信号を送受信し、ネットワークインタフェース75を介して他のネットワークノードとの間で(直接にまたは間接的に)信号を送受信するように動作可能なトランシーバ回路71を含む。信号は、少なくとも1つのUE3との間で、直接および/またはNTNノード5を介して送受信され得る。ネットワークインタフェース75は、典型的には、適切な基地局-基地局インタフェース(X2/Xnなど)および適切な基地局-コアネットワークインタフェース(S1/NG-C/NG-Uなど)を含む。コントローラ77は、メモリ79に記憶されたソフトウェアに従って基地局6の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ79にあらかじめインストールされていてもよいし、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされていてもよい。このソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム81と、通信制御モジュール83とを含む。
【0055】
通信制御モジュール83は、基地局6と他のノード(UE3、NTNノード5、およびコアネットワークノードなど)との間のシグナリングの処理(生成/送信/受信)を担当する。シグナリングは、UE3と基地局/ゲートウェイ6との間の時間および周波数同期に関連する制御シグナリングを含むことができる。
【0056】
詳細な説明
UE3で使用されるタイミングアドバンスは、UEの位置、サービング衛星の位置、およびタイミングオフセットの1以上に影響を受ける(変化する)可能性がある。これらのパラメータに関して、次の仮定が可能である。
-UEの位置は、大量のシグナリングなしでは基地局6に認識されない(ただし、TA判定以外の理由で位置情報が必要な場合もある)。また、いくつかのUEは、位置を導出できないかまたは位置を導出するように構成されていない(あるいは基地局6に位置を提供できないか位置を提供するように構成されていない)。しかしながら、TAレポートプロセスは、UEの位置に関する十分な情報を基地局6に与え得る。
-少なくとも初期アクセスのために、サービング衛星の位置は、衛星の軌道情報データからUE3によって取得され、衛星の軌道情報データは、衛星の将来の位置(またはパス)を識別する情報も含み、軌道情報データから完全なTAのサービスリンクの特定の部分を決定することができる。基地局6は、共通TAパラメータをブロードキャストすることができ、共通TAパラメータは、(完全なTAのフィーダリンクの特定の部分とも呼ばれる)フィーダリンクに関するTA情報も含む。
-UE3および基地局6は、(例えば、K_Offset=サービスリンク+フィーダリンク遅延により与えられる)同じタイミングオフセットを使用する必要がある。基地局6はUE3の位置(または少なくとも完全なTA)を知っている必要があり、UE3は基地局6が使用するフィーダリンクに関する情報を持っている必要がある(これはサービスリンクほど予測できない場合がある)。通常、基地局6はシステム情報を介してフィーダリンクに関する情報をブロードキャストするが、フィーダリンクは事前に知られていない場合がある。
【0057】
このシステムでは、1以上の重要な特徴(の組み合わせ)により、TAアップデートに関連するシグナリングを削減/最小化することができる。
【0058】
ダウンリンクTACシグナリングは、正確に計算された、または推定されたTAを有することで削減(または完全に回避)でき、それは、以下の特徴によって実現され得る。
-GNSS能力を使用し、UE3は、常にUL同期される(基地局6は、誤った推定の場合にのみUEのTAを調整する必要がある)。
-RRC接続状態の間にGNSSを使用しなくても、UE3は、例えば、(基地局6がシステム情報でブロードキャストするか、over-the-airで提供される)適切なTA予測モデルを使用することにより、基地局6からのシグナリングを必要とせずにUL同期されることができる。
-どちらの場合も、正確なTA推定は潜在的に無限のTATにつながる可能性があるため、基地局6がTACを送信する必要はない(または、TATが比較的高い値に設定されている場合は、TACの送信頻度が低くなる)。TA推定の精度は(時刻によりおよびUEごとに)変化し得るが、TA推定が良好であれば、TATを無限大に設定してもよいことが理解されるであろう。
【0059】
アップリンクTAレポートは、適切な閾値を使用して削減(または完全に回避)することができる。
-UE3は、GNSSを使用し、GNSSベースの位置情報を予測モデルと比較するように構成され得る。
-GNSSと予測モデルベースの位置とが実質的に同じである場合、またはその差が閾値の範囲内である場合、UE3は、(より精度を高め、TA調整を回避するための)GNSSベースの位置情報、またはTAの予測モデルのいずれかを使用することができ、オフセット情報は対称になる。
【0060】
タイミングオフセットの効率的なシグナリングを実現するために、このシステムのノードは、下記の1以上(の組み合わせ)からの恩恵を受ける:
-従来の閉ループ制御では、UE3はTAアラインされ、基地局6は必要に応じてタイミングオフセットを更新するためにUEの状況を完全に把握している。しかし、このアプローチでは多くのDLシグナリングが必要である。
-TAは、タイミングオフセット(1サブフレームまたは1ミリ秒)よりもミスアライメント(0.52μs)により敏感である。
-UEのUL TAが正しい限り、復号可能性/ISIは基地局6において問題ではない。したがって、基地局6は正確なTAを認識する必要はない。
【0061】
図5は、衛星(この例ではVLEO 200衛星)の一回の通過中に、フィーダリンクのRTTが時間経過に対してどのように変化するかを模式的に示している。フィーダリンクは事前に知ることができ、それはgNBによって定期的にブロードキャストされる。サービスリンクはUEによって異なるが、図5に示すフィーダリンクと同様のU字型を有する。したがって、容易に予測できる(例えば、試行錯誤のうえ、保存されうる)。
【0062】
このような予測を使用することに関連する利点は、UE3と基地局6とが、同じTAを独立して予測することにより、シグナリングなしで同じレベルの情報を持つことである。UE3は、タイミングオフセットがこれらの補正によって影響を受けるかどうかを知りながら、TAに微細な補正を行うように構成されることができる。目標は、UE3と基地局6との間での明示的なTAまたはオフセット更新のトリガーを減らすことである。
【0063】
以下に、図1に示されたシステムにおいて上記手順が実施され得るいくつかの例示的な方法(ソリューション1から2b)を説明する。
【0064】
ソリューション1:報告閾値を使用した最小限のTAレポート
このケースでは、初期アクセス手順が、残りの通信でより効率的なシグナリングオプションを提供するために使用される。UE3は、(例えばGNSSの使用を避けるために)開ループTA制御または従来の閉ループを実行するかどうかを、暗黙的または明示的に示しうる。あるいは、UE3からそのような指示がない場合は、開ループ(または閉ループ)TA制御がデフォルトで適用され得る。基地局6は、適切なTAレポート周期と、少なくとも1つの閾値と少なくとも1つのTAT値とを設定することができ、これも初期アクセスのTA修正に基づいてもよい。
【0065】
パラメータは、必要に応じて、基地局6によって後で変更することができる。
【0066】
この例では、UE3は、そのTAを自律的に取得するように構成されており、基地局6によって提供される関連する閾値によって構成されるように、取得したTAがタイミングオフセットに影響を与える場合にのみTAレポートをトリガーする。
【0067】
有益なことに、最小かつ必要なTAレポートのみが、UE3と基地局6の間で実行される。TAアップデートの量と適切なTATは、初期接続セットアップ中に設定される。
【0068】
ソリューション2
このソリューションは、予測モデルも使用する。予測モデルのパラメータは、初期接続中に合意され、予測モデルのパラメータは、ブロードキャストされ、或いは、UE3がアクセスできるデータベースに格納され得る。基地局6は、予測モデルのパラメータを(必要に応じて)随時更新することができる。いくつかの(例えば3つ)測定は、UEのTAの経時的な変化を予測するための“U形状”補間曲線(図5参照)を提供するのに十分であろう。
【0069】
基地局6およびUE3は、(同じ予測モデルパラメータに基づく)予測TAを用い、同じタイミングオフセットを導出し、お互いに通信する際にこのオフセットを適用する。
【0070】
UE3は、(例えばGNSSを用いて導出される)推定TA、または(例えばTACにより修正される)予測TAを用いてTAを適用し、比較的細かい粒度でUL同期を維持することができる。
【0071】
推定タイミングオフセットの最適な変化は、予測され、基地局6と共通の変化と同時には生じないことが理解されるであろう。しかしながら、これが誤差の範囲内にとどまる場合(例えば予測=14.9ms->オフセット=17msであるが、推定=15.3ms)、基地局6に通知する必要はなく、現在のオフセットを使用することができる。
【0072】
UE3は、実際のTAが、合意されたタイミングオフセットが不適切である(例えば、予測=14.9ms->オフセット=17ms、推定=17.3ms)という点で予測されたTAと異なる可能性があるかどうかを知ることができ、この場合、UE3は、現在のオフセットを使用できないことを基地局6に通知することができる。十分に大きな誤差(つまり、予測=14.9ms->オフセット=15、16、17、18ms?)は、シグナリングの必要性を減らすことができるが、NTNですでに大きい関連するラウンドトリップ遅延をさらに増加させる。
【0073】
UE3が予測モデルはとても不正確であることを基地局6に通知する必要がある場合、予測モデルは、同じレベルの知識(およびタイミングオフセット導出)を可能とするため、UE3および基地局6の双方で更新される必要がある。
【0074】
ソリューション2a
このケースでは、予測モデルはタイミングオフセットの導出にのみ使用される。UE3および基地局6の双方は、同じレベルの情報(初期TAと予測モデル)にアクセスし、それはTACの潜在的なミスの影響を受けない。UE3は、他のTA推定方法(例えばGNSS)を使用して正確なTAを取得できる。UE3は、(同じ予測TAから導出される)どのオフセットが基地局6によって使用されるかを導出し、それを正確に推定されたTA(または推定TAから導出されたオフセット)と比較することができる。
【0075】
UE3は、導出された基地局6のオフセットが適切でない(すなわち、予測モデルがあまりにも外れている)と判断した場合にのみ、基地局6に通知する。多くの場合、オフセットに十分な誤差のマージンがある、わずかに誤った予測モデルであっても、予測されたオフセットを適切にする良好な結果を得ることができる。
【0076】
このソリューションの利点は、TAレポートに関連するシグナリングをさらに削減(または完全に削除)できることである。
【0077】
ソリューション2b
【0078】
このケースにおいて、予測モデルは実際のTA調整にも使用される。UE3および基地局6の双方は、同じレベルの初期情報(予測モデルと初期TA)にアクセスできる。UE3は、予測モデルを使用してTAを適用する。TACのデコードに一貫して失敗すると、基地局6とUE3との間でTA情報のミスアライメントが発生することがある(例えば、基地局6は、UEが2回デコードに失敗し、1回だけ修正されたときに、3つのTACに基づいて、UE3がTAを3回修正したと考え得る)。しかしながら、TA情報のミスアライメントは、予測モデルから導出されるため、適用されるタイミングオフセットには影響しない。
【0079】
このソリューションに関連する利点は、UE3と基地局6との間のシグナリングの削減、UEバッテリ消費の向上(初期アクセス後にGNSSが必要ないため)、およびGNSS関連の測定ギャップが必要ないことを含む。
【0080】
TA調整プロトコル:初期化(すべてのソリューションに共通)
以下の下記初期化手順は、ステップ2/7の予測モデルシグナリングがソリューション1の場合はオプションであることを例外として、前述の3つのソリューションに共通である。
【0081】
詳細には、初期化ステージは次のステップを有する。
1.UE3は、NTNセル(または非NTNセル、すなわち地上系ネットワークセル)にアクセスしているかどうかを判断する。UE3がNTNセルのカバレッジ下にある場合は、基準位置に関する衛星の動きを認識する。この情報は、(Non-Access Stratumシグナリングを使用したコアネットワークからの)OTA設定またはブロードキャストシグナリングを介して取得できる。
2.UE3は、基地局6(またはデータベース)から、NTNセルで使用するRTT予測モデルに関する情報と、TAからタイミングオフセットを導出するための適切な式とを取得する。
3.UE3は、例えば、(GNSSで導出される)現在位置、ブロードキャスト情報、および、ステップ1の一部として取得したデータに基づいて、最適なアップリンクTAを(アルゴリズムを使用して)算出する。
4.UE3は、ステップ2で導出したTAを適用し、ランダムアクセスチャネル(RACH)にアクセスする。UE3は、基地局6からRARの一部としてタイミングアドバンスコマンドを受信する(RARの場合、TACの値は0から1282の範囲)。UE3は、TACに基づいてTAを調整し、調整されたTAコマンドをアップリンクタイミングに適用し、関連するTATを開始する。NTA=0の場合でも、タイミングアライメントタイマが開始される。
5.UE3は、(ステップ3で算出された)使用するTAを基地局6に通知する。
6.UE3は、どのTAアップデート機構を使用するかを基地局6に示す(UE3が自身の位置を認識し、より正確な予測モデルを設定できるため、オプションで予測モデル情報を含む)。
7.初期アクセスハンドシェイクの一部として、基地局6は、TAレポートをトリガーするためにUE3によって使用される専用のTATおよびオプションとしてTAレポート周期および/または閾値を指示する。
【0082】
TA調整プロトコル:RRC_CONNECTEDの間(ソリューション1)
TAレポートをトリガーする閾値は、基地局6によって設定できるが(例えば、上記のステップ7)、UE3に対して事前に設定されてもよい。閾値は、例えば、最後のレポートまたは定期タイマ以降のTAの特定の差(値またはパーセンテージ)として与えられうる。例えば、閾値は、TAの更新によってタイミングオフセットの変更が発生または必要になるポイントにすることができる(これは、TAが最後の更新から約1ミリ秒変化したことに対応する)。
【0083】
この段階は、次のステップで構成される。
8.タイムアライメントタイマが満了する前に、UE3は次のアクションを実行する。
-a.基地局6からの新しいTA修正を(もしあれば)監視し、それに従ってTAを修正し、その後の基地局6との通信に使用する。
-b.基地局6からの修正がない場合は、算出されたTAをステップ3に従って更新し、その後の基地局6との通信中に使用する。
-c.ステップ2の式を使用して、計算されたTAに対応するタイミングオフセットを導出する。
-d.基地局6との通信中に、ステップ8.cで導出されたオフセットを適用する。
-e.自律的に計算されたTAが(基地局6で設定可能な)閾値を超えて変更された場合は、基地局6にTAを更新する。
-f.TAアップデート後、対応するオフセットを自律的に導出し、基地局6とのさらなる通信中に適用する。
9.タイムアライメントタイマが満了する前に、基地局6は次のアクションを実行する。
-a.TAの調整が必要かどうかを監視し、必要に応じて修正する。
-b.UEのTAレポートを監視する。
-c.UE3から新しいTAを受信した場合は、ステップ9.bからタイミングオフセットを更新する。
-d.ステップ9.cから更新されたタイミングオフセットをその後のUE3との通信中に適用する(UE3にタイミングオフセットをシグナリングする必要はない)。
10.(TAT満了前に)TA修正を受信した場合、基地局6は、TA修正値などに応じて、TAT値やTAレポート周期/閾値を変更することができる。
【0084】
TA調整プロトコル:RRC_CONNECTED中(ソリューション2a)
このケースでは、UE3および基地局6の双方が独立に、予測モデルからタイミングオフセットを更新する。有益なことに、TAを更新するトリガーを緩くすることができ、UE3は必要な場合(例えば、gNB側の不正確な情報がオフセットの妥当性に影響を与える場合)にのみTAを報告することができる。例えば、「前回の更新以降に特定の値(例えば、1ms)だけ変更されたTA」の代わりに、「予測TAと比べてTAが特定の値(例えば、1ms)より大きいTA」の場合をトリガーにすることができる。
【0085】
このステージは、次のステップを有する。
8.タイムアライメントタイマが満了する前に、UE3は次のアクションを実行する。
-a.基地局6からの新しいTA修正を(もしあれば)監視し、それに応じてTAを修正する。
-b.基地局6からの修正がない場合は、算出されたTAをステップ3に従って更新し、その後の基地局6との通信中に使用する。
-c.ステップ2の式を使用して、計算されたTAに対応する推定タイミングオフセットを導出する。
-d.基地局6からの新しい予測モデル修正を(もしあれば)監視し、それに応じて予測モデルを修正する。
-e.ステップ2/7から予測TAを計算し、予測タイミングオフセットを導出する。
-f.その後の基地局6との通信中に、ステップ8.dで得られた予測オフセットを適用する。
-g.基地局6に対するTAの更新条件:自律的に算出されたTAが、予測TAも考慮して、基地局6が設定可能な閾値を超えて変更された。UE3は、基地局6が同じ予測TA知識を持っていると仮定することができる。
9.タイムアライメントタイマが満了する前に、基地局6は以下の動作を行う。
-a.TAの調整が必要かどうかを監視し、必要に応じて修正する。
-b.UEのTAレポートを監視する。
-c.ステップ9.bからのTAで予測モデルを更新し、UE3に変更をシグナリングする(オプション)。
-d.現在の予測モデルを使用して、ステップ2/7から予測TAを推定する。
-e.ステップ9.d.で導出したTAからタイミングオフセットを更新する。
-f.ステップ9.eのタイミングオフセットをUE3との通信中に適用する(UE3にタイミングオフセットをシグナリングする必要はない)。
10.(TAT満了前に)TA修正を受信した場合、基地局6は次のことができる。
-a.(例えば、その値が閾値よりも大きい場合に)TA修正に基づき、この値を考慮して予測モデルを修正する。
-b.TA修正値に応じてTAT値を変更する。
【0086】
TA調整プロトコル:RRC_CONNECTEDの間(ソリューション2b)
このケースでは、UE3は実際のTA調整に予測TAを使用し、タイミングオフセットは(上記のような予測および修正されたTAではなく)予測モデルから導出される。このアプローチは、例えば、UE3が1以上のTACを欠落またはデコードできないために増分TA調整が不正確な場合に従うことができる。有益なことに、予測モデルの更新/修正により、適切なタイミングオフセットが常に使用される。
【0087】
このステージは、次のステップを有する。
8.タイムアライメントタイマが満了する前に、UE3は次のアクションを実行する。
-a.基地局6からの新しいTA修正を(もしあれば)監視し、それに応じてTAを修正する。
-b.ステップ2/7から予測TAを計算し、ステップ2の式を使用して予測タイミングオフセットを導出する。
-c.ステップ8.bで導出したオフセットを適用する。
-d.ステップ8.bで予測したTAからTAを適用し、基地局6との通信中に受信したTACから(もしあれば)修正する。
-e.gNBに対するTAを更新する条件:予測TAも考慮して、予測+修正TAが(基地局6で設定可能な)閾値を超えて変更された。UE3は、基地局6が同じ予測TA知識を持っていると仮定することができる(ただし、必ずしも予測+修正TAではない)。
9.タイムアライメントタイマが満了する前に、基地局6は以下の動作を行う。
-a.TAの調整が必要かどうかを監視し、必要に応じて修正する。
-b.UEのTAレポートを監視する。
-c.ステップ9.bのTAで予測モデルを更新し、UE3に変更をシグナリングする(オプション)。
-d.最新の予測モデルから予測TAを推定する(UE3に送信されるTACは含まない)。
-e.手順9.dでTAからタイミングオフセットを導出し、UE3との通信中に適用する。
10.(TAT満了前に)TA修正を受信した場合、基地局6は以下を行うことができる。
-a.(例えば、その値が閾値よりも大きい場合に)TA修正に基づき、この値を考慮して予測モデルを修正する。
-b.TA修正値に応じてTAT値を変更する。
【0088】
操作
図6は、5G(NR)無線アクセスネットワークにおける初期アクセス中のタイミングアドバンス調整手順を模式的に示した図である。実際には、図6に示されるステップは、「TA調整プロトコル:初期化(すべてのソリューションに共通)」セクションで上述した全体的な手順に対応する。
【0089】
この例では、基地局またはgNB6は、ステップS01において、NTN衛星情報をUE3にシグナリングする。NTN衛星情報には、フィーダリンク情報、基準位置に対する衛星移動に関する情報が含まれる。
【0090】
オプションとして、ステップS02において、gNB6は、UE3に、NTNセルで使用されるRTT予測モデルに関する情報、およびTAからタイミングオフセットを導出するための適切な式を送信してもよい。UE3に送信される情報は、使用されるソリューションに依存してもよい。
【0091】
ステップS03において、UE3は、例えば、(利用可能であればGNSSを用いて導出される)現在位置、ブロードキャスト情報、および取得されたNTN衛星情報に基づいて、最適なアップリンクTA(UE固有TA)を算出する。
【0092】
ステップS04において、UE3は、TAに基づいてタイミングオフセットを導出して適用し、ステップS05において、(例えば、RACH手順の一部として)TAをgNB6に報告する。オプションとして、ステップS06で一般的に示されるように、UE3は、使用すべきTA更新機構および予測モデルに関する情報を送信してもよい。
【0093】
UE3からのTAに基づいて、gNB6も、ステップS07において、タイミングオフセットを導出して適用し、ステップS08において、UE3に適切な専用TAT値を(必要に応じて同様にTAレポート周期を)示す。
【0094】
これにより、UE3とgNB6が同じTA値/タイミングオフセットを適用し、その後適用可能なTA調整プロトコルに従ってTAを更新するための同じレベルの知識を有する初期化段階が完了する。
【0095】
図7は、RRC Connected状態中に(すなわち、初期アクセス後に)モバイルデバイスによって実行されるタイミングアドバンス更新手順を模式的に示すフローチャートである。具体的には、フローチャートは、UE3がTAレポートをgNB6にいつ送信するかを(例えば、ソリューション1に従った閾値に基づいて(ステップS16を参照)、またはソリューション2aまたは2bに従った予測モデルに基づいて)決定する例を示す。このフローチャートは、ソリューション2aおよびソリューション2bのような様々なオプションを示すが、UE3は、オプションの1つのみを実行するように構成されてもよく、その場合、他のオプションに対応するフローチャートの分岐は無視される。あるいは、UE3が予測モデルに加えてGNSS測定を使用するように構成されている場合、UE予測とUE測定に関連するステップは実質的に同時に実行されてもよい。
【0096】
修正および代替
上記では詳細な実施形態について説明した。当業者であれば理解できるように、上記実施形態には、いくつかの修正および変更が可能であり、その一方で、上記実施形態に組み込まれた発明の恩恵を受けることができる。例示として、これらの代替および変更のいくつかを説明する。
【0097】
上記の実施形態は、5G New RadioおよびLTEシステム(E-UTRAN)の双方に適用できることが理解されるであろう。E-UTRAN/4Gプロトコルをサポートする基地局(ゲートウェイ)を「eNB」と呼ぶことができ、次世代/5Gプロトコルをサポートする基地局を「gNB」と呼ぶことができる。いくつかの基地局は、4Gと5Gの双方のプロトコル、および/または他の3GPPまたは非3GPP通信プロトコルをサポートするように構成することができることが理解されるであろう。
【0098】
LEO衛星は、ステアリング可能なビームを有することができ、その場合、ビームは、地球上の実質的に固定されたフットプリントに一時的に向けられる。言い換えると、(NTNセルを表す)ビームフットプリントは、(衛星の軌道上の移動により)別のNTNセルに焦点領域を変更する前に、一定時間地上で静止している。セルのカバレッジ/UEの観点から、これは、異なる物理セルID(PCI:Physical Cell Identity)および/または同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロック(SSB:Synchronization Signal/ PBCH (Physical Broadcast Channel) block)が各サービスリンクの変更後に割り当てられる必要があるため、これらのビームが同じ陸地領域にサービスを提供する(同じフットプリントを持つ)場合でも、セルの変更が離散的な間隔で定期的に発生する結果となる。ステアリング可能なビームを持たないLEO衛星は、衛星が軌道に沿って移動すると、ビーム(セル)が常に地上をスイープ運動で移動し、ステアリング可能なビームの場合と同様に、サービスリンクの変更、およびその結果、セルの変更が離散的な間隔で定期的に発生する。
【0099】
サービスリンクの変更と同様に、フィーダリンクの変更も、衛星の軌道上の移動によって定期的に発生する。サービスリンクとフィーダリンクとの双方の変更は、(gNB間無線リンクスイッチと呼ばれることがある)異なる基地局/ゲートウェイ間、または同じ基地局/ゲートウェイ内(gNB内無線リンクスイッチ)で実行されることがある。上記の方法は、必要に応じて、サービスおよび/またはフィーダリンクの変更時に実行されることがある。
【0100】
5GシステムでNTNを実装するためのさまざまなアーキテクチャオプションがあることが理解されるであろうが、そのいくつかは、図8に概略的に示される。示された第1のオプションは、UEをサービスを提供するアクセスネットワークを特徴とし、ベントパイプペイロードと地上(衛星ハブまたはゲートウェイレベル)のgNBを有する衛星/航空機に基づくNTNである。第2のオプションは、UEにサービスを提供するアクセスネットワークを特徴とし、gNBを搭載した衛星/航空機に基づくNTNである。第3のオプションは、中継ノードを提供するアクセスネットワークを特徴とし、ベントパイプペイロードを有する衛星/航空機に基づくNTNである。第4のオプションは、中継ノードにサービスを提供するアクセスネットワークを特徴とし、gNBを有する衛星/航空機に基づくNTNである。他のアーキテクチャオプション、例えば、上記のオプションの2つ以上の組み合わせを使用することもできる。あるいは、中継ノードは、衛星/UASを含むことができる。
【表1】
【0101】
適切なTAT値は、デフォルトでシステム情報ブロックタイプ1(SIB1)に設定されている場合があり、3GPP TS 38.331 V16.3.1に記述されているように、必要に応じて再設定できる。具体的には、RRC Reconfigurationメッセージの適切な情報要素(IE:information element)(例えば、rrcReconfiguration IE>secondaryCellGroup IE>CellGroupConfig IE>mac-CellGroupConfig IE>TAG-Config IE>tag-ToAddMod IE>timeAlignmentTimer IE)を使用して、TATを(再)設定できる。
【0102】
TimeAlignmentTimerフィールドの値は、ミリ秒単位で指定される。これにより、UEは(特定のセル/キャリアに対して)500ミリ秒から10240ミリ秒の範囲、または無限大に専用TATを構成できる。
【0103】
上記の説明では、理解しやすいように、UE、NTNノード(衛星/UASプラットフォーム)、およびアクセスネットワークノード(基地局)が、いくつかの個別のモジュール(通信制御モジュールなど)を有することを説明した。これらのモジュールは、例えば、既存のシステムが本発明を実装するために変更される場合などの特定のアプリケーションに対してはこのように提供され得るが、他のアプリケーション、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムにおいては、これらのモジュールは、全体のオペレーティングシステムまたはコードに組み込まれることができ、したがって、これらのモジュールは、個別のエンティティとして識別されないことがある。これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせにおいても実装され得る。
【0104】
各コントローラは、任意の適切な形態の処理回路を含み、処理回路は(限定されないが)、1以上のハードウェア実装コンピュータプロセッサ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU:central processing unit)、算術論理ユニット(ALU:arithmetic logic unit)、入出力(IO:input/output)回路、内部メモリ/キャッシュ(プログラムおよび/またはデータ)、処理レジスタ、通信バス(例えば、制御バス、データバス、および/またはアドレスバス)、ダイレクトメモリアクセス(DMA:direct memory access)機能、ハードウェアまたはソフトウェアで実装されたカウンタ、ポインタ、および/またはタイマなどを含む。
【0105】
上記の実施形態では、いくつかのソフトウェアモジュールについて説明した。当業者であれば理解できるように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされたまたはコンパイルされていない形式で提供され、コンピュータネットワークを介して、または記録媒体上で信号としてUE、NTNノード、およびアクセスネットワークノード(基地局)に供給されてもよい。さらに、ソフトウェアの一部または全部によって実行される機能は、1以上の専用ハードウェア回路を使用して実行されてもよい。しかしながら、ソフトウェアモジュールの使用は、UE、NTNノード、およびアクセスネットワークノード(基地局)の機能を更新するための更新を容易にするため、好ましい。
【0106】
上記の実施形態は、「非移動」または一般的に固定されたユーザ機器にも適用可能である。上記モバイルデバイスは、MTC/IoT装置および/または類似のものを含むことができる。
【0107】
UEによって実行される方法は、さらに、タイミングアドバンス値に基づいて、ネットワークノードとの通信のためのタイミングオフセットを導出することを含むことができる。
【0108】
UEによって実行される方法は、さらに、タイミングアドバンス値が閾値を超えて変化したと判定されたときに、ネットワークノードにタイミングアドバンスレポートを送信することを含むことができる。
【0109】
UEによって実行される方法は、タイミングアドバンス値に関連付けられたタイムアライメントタイマ(TAT)を取得することをさらに含んでもよい。
【0110】
UEによって実行される方法は、UEが開ループタイミングアドバンス制御、または閉ループタイミングアドバンス制御を使用するように構成されているかどうかを示すことをさらに含んでもよい。
【0111】
UEによって実行される方法は、全地球航法衛星システム(GNSS)を使用して得られたUEの位置に基づいてタイミングアドバンス値を取得することをさらに含んでもよい。UEによって実行される方法は、非地上系ネットワークを介したネットワークノードとの通信に関連するサービスリンクおよびフィーダリンクの少なくとも1つに関する予測モデルに基づいてタイミングアドバンス値を取得することをさらに含んでもよい。
【0112】
タイミングアドバンス値を予測するために使用される情報は、タイミングアドバンスを予測するためのパラメータのセット(例えば予測モデル)を含んでもよい。パラメータのセットは、ネットワークノードと通信するためのタイミングオフセットを導出するために使用されてもよい。タイミングアドバンス値を予測するために使用される情報(またはパラメータ)は、初期アクセス時、またはUEからのタイミングアドバンスレポートを受信したときに、ネットワークノードによって送信されてもよい。
【0113】
ネットワークノードによって実行される方法は、タイミングアドバンス値に関連するTATをUEに送信することをさらに含んでもよい。
【0114】
ネットワークノードは、ゲートウェイ、基地局装置、またはゲートウェイまたは基地局機能を有する衛星を含んでもよい。
【0115】
様々な他の変形は、当業者には明らかであり、ここではさらに詳細に説明しない。
【0116】
例えば、上記に開示された例示的な実施形態の全体または一部は、下記付記のように記載できるが、これらには限定されない。
(付記1)
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法であって、
ネットワークノードから、前記非地上系ネットワークを介する前記ネットワークノードとの通信のためのそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を受信し、
前記通信のためのタイミングアドバンス値を取得し、
前記タイミングアドバンス値および前記閾値に基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定することを有する方法。
(付記2)
前記タイミングアドバンス値に基づいて前記通信のためのタイミングオフセットを導出することを更に有する、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記タイミングアドバンス値が前記閾値を超えて変化したかどうかを決定し、
前記タイミングアドバンス値が前記閾値を超えて変化したかどうかの前記決定に基づいて、前記ネットワークノードへ前記タイミングアドバンスレポートを送信する、付記1または2に記載の方法。
(付記4)
前記ネットワークノードから、前記タイミングアドバンス値に対応するタイムアライメントタイマ(TAT:Time Alignment Timer)を受信することをさらに有する、付記1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
(付記5)
前記ネットワークノードへ、前記UEが開ループタイミングアドバンス制御を使うように構成されているか、または閉ループタイミングアドバンス制御を使うように構成されているかを示す情報を送信することをさらに有する、付記1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
(付記6)
前記タイミングアドバンス値の取得は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を使って得られる前記UEの位置に基づいて実施される、付記1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
(付記7)
前記タイミングアドバンス値の取得は、サービスリンクおよび前記通信に対応するフィーダリンクの少なくとも一方に関する予測モデルに基づいて実施される、付記1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
(付記8)
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)によって実行される方法であって、
ネットワークノードから、前記ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を受信し、
タイミングアドバンス値を取得し、
前記情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出し、
タイミングアドバンス値と前記予測タイミングアドバンス値とに基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定することを有する方法。
(付記9)
前記情報は、前記タイミングアドバンス値を予測するためのパラメータのセットを含む、付記8に記載の方法。
(付記10)
前記パラメータのセットは、前記通信のタイミングオフセットを導出するために使われる、付記9に記載の方法。
(付記11)
前記情報の受信は、初期アクセス時、または前記タイミングアドバンスレポートの送信に応答して実施される、付記8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
(付記12)
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法であって、
前記UEへ、前記非地上系ネットワークを介する前記UEとの通信に適用されるそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を送信し、
前記通信のためのタイミングアドバンス値を取得し、
前記閾値および前記タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信することを有する方法。
(付記13)
前記タイミングアドバンス値に対応するタイムアライメントタイマ(TAT:Time Alignment Timer)を前記UEに送信することをさらに有する、付記12に記載の方法。
(付記14)
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(User EquipmentUE)と通信するように構成されるネットワークノードによって実行される方法であって、
前記UEへ、前記UEと前記ネットワークノードとの間の通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を送信し、
前記予測タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信することを有する方法。
(付記15)
前記情報の送信は、初期アクセス時または前記タイミングアドバンスレポートの受信時に実行される、付記14に記載の方法。
(付記16)
前記ネットワークノードは、ゲートウェイ、基地局、またはゲートウェイ若しくは基地局の機能を有する衛星を含む、付記12乃至15のいずれか1項に記載の方法。
(付記17)
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、前記非地上系ネットワークを介する前記ネットワークノードとの通信のためのそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を受信する手段と、
前記通信のためのタイミングアドバンス値を取得する手段と、
前記タイミングアドバンス値および前記閾値に基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定する手段とを備えるUE。
(付記18)
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、前記ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を受信する手段と、
タイミングアドバンス値を取得する手段と、
前記情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出する手段と、
前記タイミングアドバンス値と前記予測タイミングアドバンス値とに基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定する手段とを備えるUE。
(付記19)
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、前記非地上系ネットワークを介するUEとの通信に適用されるそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を識別する情報を送信する手段と、
前記通信のためのタイミングアドバンス値を取得する手段と、
前記閾値および前記タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信する手段とを備えるネットワークノード。
(付記20)
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、前記UEとネットワークノードとの間の通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を送信する手段と、
前記予測タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信する手段とを備えるとネットワークノード。
【0117】
本出願は、2021年4月1日に出願された英国特許出願第2104780.8号に基づいており、その優先権の利益を主張しており、その開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【符号の説明】
【0118】
1 モバイル通信システム
3 モバイルデバイスのユーザ
5 衛星
6 基地局
7 データネットワーク
31 トランシーバ回路
33 アンテナ
35 ユーザインタフェース
37 コントローラ
39 メモリ
41 オペレーティングシステム
43 通信制御モジュール
51 トランシーバ回路
53 アンテナ
57 コントローラ
59 メモリ
61 オペレーティングシステム
63 通信制御モジュール
71トランシーバ回路
73 アンテナ
75 ネットワークインタフェース
77 コントローラ
79 メモリ
81 オペレーティングシステム
83 通信制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、前記ネットワークノードとの通信のためのそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を示す情報を受信する手段と、
前記通信に用いられるタイミングアドバンス値前記閾値に基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定する手段と、
を備える、UE
【請求項2】
前記タイミングアドバンス値に基づいて前記通信のためのタイミングオフセットを導出する手段を備える、請求項1に記載のUE
【請求項3】
前記タイミングアドバンス値が前記閾値を超えて変化したかどうかを決定する手段と、
前記タイミングアドバンス値が前記閾値を超えて変化したかどうかの前記決定に基づいて、前記ネットワークノードへ前記タイミングアドバンスレポートを送信する手段と、を備える、
請求項1または2に記載のUE
【請求項4】
前記ネットワークノードから、前記タイミングアドバンス値に対応するタイムアライメントタイマ(TAT:Time Alignment Timer)を受信する手段を備える
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のUE
【請求項5】
前記ネットワークノードへ、前記UEが開ループタイミングアドバンス制御を使うように構成されているか、または閉ループタイミングアドバンス制御を使うように構成されているかを示す情報を送信する手段を備える、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のUE
【請求項6】
全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を使って得られる前記UEの位置に基づいて前記タイミングアドバンス値を決定する手段を備える
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のUE
【請求項7】
ービスリンクおよび前記通信に対応するフィーダリンクの少なくとも一方に関する予測モデルに基づいて、前記タイミングアドバンス値を決定する手段を備える
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のUE
【請求項8】
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)であって、
ネットワークノードから、前記ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を受信する手段と
記情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出する手段と
前記通信に用いられるタイミングアドバンス値と前記予測タイミングアドバンス値とに基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定する手段と、
を備えるUE
【請求項9】
前記情報は、前記タイミングアドバンス値を予測するためのパラメータのセットを含む、請求項8に記載のUE
【請求項10】
前記パラメータのセットは、前記通信のタイミングオフセットを導出するために使われる、請求項9に記載のUE
【請求項11】
前記情報を受信する手段は、初期アクセス時、または前記タイミングアドバンスレポートの送信に応答して、前記情報を受信するように構成される
請求項8乃至10のいずれか1項に記載のUE
【請求項12】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、前記ネットワークノードとの通信のためのそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を示す情報を送信する手段と、
前記UEから、前記通信のためのタイミングアドバンス値を受信する手段と、
前記閾値および前記タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信する手段と、
を備える、ネットワークノード
【請求項13】
前記タイミングアドバンス値に対応するタイムアライメントタイマ(TAT:Time Alignment Timer)を前記UEに送信する手段を備える、
請求項12に記載のネットワークノード
【請求項14】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(User EquipmentUE)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、前記ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を送信する手段と、
前記予測タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信する手段と、
を備える、ネットワークノード
【請求項15】
前記情報を送信する手段は、初期アクセス時または前記タイミングアドバンスレポートの受信に応じて前記情報を送信するように構成される、請求項14に記載のネットワークノード
【請求項16】
前記ネットワークノードは、ゲートウェイ、基地局、またはゲートウェイ若しくは基地局の機能を有する衛星を含む、
請求項12乃至15のいずれか1項に記載のネットワークノード
【請求項17】
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)における方法であって、
ネットワークノードから、前記ネットワークノードとの通信のためのそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を示す情報を受信することと
通信に用いられるタイミングアドバンス値前記閾値に基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定することと、
を含む、UEにおける方法
【請求項18】
非地上系ネットワークを介して通信するように構成されるユーザ機器(UE:User Equipment)における方法であって、
ネットワークノードから、前記ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を受信することと
記情報に基づいて予測タイミングアドバンス値を導出することと、
前記通信に用いられるタイミングアドバンス値と前記予測タイミングアドバンス値とに基づいて、前記ネットワークノードへタイミングアドバンスレポートを送信するかどうかを決定することと、
を含む、UEにおける方法
【請求項19】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードにおける方法であって、
前記UEへ、前記ネットワークノードとの通信のためのそれぞれのタイミングアドバンス値に対応する閾値を示す情報を送信することと、
前記UEから、前記通信のためのタイミングアドバンス値を受信することと、
前記閾値および前記タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信することと、
を含むネットワークノードにおける方法
【請求項20】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE:User Equipment)と通信するように構成されるネットワークノードであって、
前記UEへ、前記ネットワークノードとの通信のためのタイミングアドバンス値を予測するための情報を送信することと
前記予測タイミングアドバンス値に基づいて、前記UEからタイミングアドバンスレポートを受信することと、
を含む、ネットワークノードにおける方法
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
このシステム1において、モバイルデバイス3(UE)のユーザは、適切な3GPP無線アクセス技術(RAT:radio access technology)、例えばE-UTRAおよび/または5G RATを使用して、アクセスネットワークノードそれぞれの衛星5および/または基地局6およびデータネットワーク7を介して、相互におよび他のユーザと通信することができる。当業者が理解するように、図1には、説明のために3つのモバイルデバイス3、1つの衛星5および1つの基地局6が示されているが、システムは、実装される際には、通常、他の衛星/UASプラットフォーム、基地局/RANノード、および移動デバイス(UE)を含む。
【国際調査報告】