(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】自動コンテナ保管および取り出しシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560117
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2022058171
(87)【国際公開番号】W WO2022207574
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】リンドボー、ラース・スバーカー・トゥーレ
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE05
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ11
3F022JJ19
3F022LL07
3F022LL24
3F022MM01
3F022PP04
3F022QQ17
(57)【要約】
自動保管および取り出しシステム1は、a)複数の垂直に積み重ねられた保管レベル4と、複数の垂直に積み重ねられた保管レベル4は、複数の垂直に積み重ねられた保管レベル4にわたって分散された保管エリアを備え、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルが、保管エリアに入るための少なくとも1つのインバウンドエリアと、保管エリアから出るための少なくとも1つのアウトバウンドエリアとを備え、b)1つ以上のアイテムが配置され、保管エリアに移動して駐車することができる複数のキャリッジと、c)複数の自律輸送車両と、複数の自律輸送車両の各自律輸送車両は、保管エリア内の複数のキャリッジのいずれかを移動させるように構成され、d)マルチレベル垂直ループコンベヤ7と、マルチレベル垂直ループコンベヤ7は、i)駆動部材と、ii)駆動部材に結合された複数のプラットフォームと、複数のプラットフォームは、複数の垂直に積み重ねられた保管レベル間の間隔に対応して離間され、複数のプラットフォームのそれぞれが複数のキャリッジのうちの少なくとも1つを支持するように構成された支持面を有し、iii)連続垂直ループの周りで複数のプラットフォームの移動をガイドするためのガイド部材と、iv)前記駆動部材に結合され、複数のプラットフォームを連続垂直ループの周りに垂直に前後に移動するように構成された駆動機構と、を備え、e)保管エリア内で複数の自律輸送車両をガイドするためのナビゲーションシステムと、f)駆動機構に動作可能に結合され、ナビゲーションシステムに通信可能に結合された制御システムとを備え、制御システムは、複数の自律輸送車両のうちの少なくとも1つが少なくとも1つのインバウンドまたは少なくとも1つのアウトバウンドに位置付けられていることを示すナビゲーションシステムからの1つ以上の信号に応答して、複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つが複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの少なくとも1つに対応するレベルにあるように、駆動部材の移動を制御するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動保管および取り出しシステムであって、
a)複数の垂直に積み重ねられた保管レベルと、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルは、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルにわたって分散された保管エリアを備え、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルは、前記保管エリアに入るための少なくとも1つのインバウンドエリアと、前記保管エリアから出るための少なくとも1つのアウトバウンドエリアとを備え、
b)1つ以上のアイテムが配置され、前記保管エリアに移動して駐車することができる複数のキャリッジと、
c)複数の自律輸送車両と、前記複数の自律輸送車両の各自律輸送車両は、前記保管エリア内の前記複数のキャリッジのいずれか1つを移動させるように構成され、
d)マルチレベル垂直ループコンベヤと、前記マルチレベル垂直ループコンベヤは、
i)駆動部材と、
ii)前記駆動部材に結合された複数のプラットフォームと、前記複数のプラットフォームは、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベル間の間隔に対応して離間され、前記複数のプラットフォームのそれぞれは、前記複数のキャリッジのうちの少なくとも1つを支持するように構成された支持面を有し、
iii)連続した垂直ループの周りの前記複数のプラットフォームの移動をガイドするためのガイド部材と、
iv)前記駆動部材に結合され、前記複数のプラットフォームを連続垂直ループの周りに垂直に前後に移動するように構成された駆動機構とを備え、
e)前記保管エリア内で前記複数の自律輸送車両をガイドするためのナビゲーションシステムと、
f)前記駆動機構に動作可能に結合され、前記ナビゲーションシステムに通信可能に結合された制御システムとを備え、前記制御システムは、前記複数の自律輸送車両のうちの少なくとも1つが少なくとも1つのインバウンドエリアまたは少なくとも1つのアウトバウンドエリアに位置付けられていることを示す前記ナビゲーションシステムからの1つ以上の信号に応答して、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの少なくとも1つに対応するレベルにあるように、前記駆動部材の移動を制御するように構成される、自動保管および取り出しシステム。
【請求項2】
マルチレベルループコンベヤの第1の側は、前記垂直に積み重ねられた保管レベルの異なる保管レベルにおいて前記複数のキャリッジのうちの1つ以上を前記保管エリアに供給するように構成され、前記マルチレベルループコンベヤの第2の側は、前記垂直に積み重ねられた保管レベルの異なる保管レベルにおいて、前記複数のキャリッジのうちの1つ以上を前記保管エリアから除去するように構成され、前記第1の側は、前記複数のプラットフォームが上方向に移動している場所に対応し、前記第2の側は、前記複数のプラットフォームが下方向に移動している場所に対応する、請求項1に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項3】
前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのそれぞれは、前記マルチレベル垂直ループコンベヤに隣接する前記少なくとも1つのインバウンドエリアおよび前記少なくとも1つのアウトバウンドエリアを備える、請求項1または2に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記複数のプラットフォームを順次ステップでインデックス付けするように動作可能であり、前記順次ステップのそれぞれは、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのそれぞれの間の間隔に対応する、請求項3に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項5】
前記制御システムは、前記複数の自律輸送車両が前記少なくとも1つのインバウンドエリアまたは前記少なくとも1つのアウトバウンドエリアに位置付けられていることを示す前記ナビゲーションシステムからの1つ以上の信号に応答して、前記複数のプラットフォームのそれぞれが前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの1つの保管レベルに対応するレベルにあるように、前記駆動部材の移動を制御するように構成される、請求項3または4に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項6】
前記制御システムは、前記複数のキャリッジが第1の予め定められたシーケンスで前記複数のプラットフォーム上に積み込まれ、次いで第2の予め定められたシーケンスで前記複数のプラットフォームから積み下ろされるように、前記複数の自律輸送車両の移動を制御するように構成されている、請求項5に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項7】
前記複数のキャリッジが、前記複数のプラットフォームへの前記複数のキャリッジの積み込みとは異なる順序で前記複数のプラットフォームから積み下ろされるように、第1のシーケンスは第2のシーケンスと異なる、請求項6に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項8】
前記制御システムは、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルの各それぞれのレベルにおける前記複数の自律輸送車両のうちの少なくとも1つの、前記マルチレベル垂直ループコンベヤへの、または前記マルチレベル垂直ループコンベヤからの移動を実質的に同時に命令するように構成される、請求項2から4のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項9】
前記制御システムは、前記1つ以上のキャリッジが前記少なくとも1つのアウトバウンドエリア内で待機している持続時間および/または前記1つ以上のキャリッジ内の1つ以上のアイテムの1つ以上の属性に基づいて、前記複数のプラットフォームのうちの1つ以上を、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの1つ以上の前記少なくとも1つのアウトバウンドエリア内の前記キャリッジのうちの1つ以上に対して優先させるように、前記駆動部材の移動を制御するように構成される、請求項2から8のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項10】
前記1つ以上の属性は、前記1つ以上のアイテムの温度を含む、請求項9に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項11】
前記ナビゲーションシステムは、前記保管エリア内に分散された複数のマーカを備え、前記複数の自律輸送車両のそれぞれは、前記複数のマーカのそれぞれを読み取るための少なくとも1つのセンサを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項12】
前記複数のマーカは、光学マーカおよび/またはRFIDタグのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項13】
前記複数のマーカは、前記保管エリア内に規則的なパターンで分散される、請求項11または12に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項14】
前記複数の自律輸送車両のそれぞれは、前記複数の自律輸送車両のそれぞれが、前記保管エリア内のそれぞれの自律輸送車両の位置を示す前記1つ以上の信号を前記制御システムに送信および/または前記制御システムから受信するように構成されるように前記制御システムにワイヤレスで接続される、請求項1から13のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項15】
前記自律輸送車両のうちの1つ以上は、前記保管エリア内の前記複数のキャリッジのうちの1つ以上を押すかまたは引くように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項16】
前記自律輸送車両のうちの前記1つ以上は、前記保管エリアにおいて前記複数のキャリッジのうちの1つ以上を牽引するように構成されている、請求項15に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項17】
前記制御システムは、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルの異なるレベル間で前記複数の自律輸送車両のうちの1つ以上を移動させるように構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項18】
前記マルチレベル垂直ループコンベヤの前記複数のプラットフォームのそれぞれは、自律輸送車両が前記複数のプラットフォームのそれぞれに乗り降りするための連続的な乗車面を備える、請求項17に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項19】
前記制御システムは、前記複数の自律輸送車両のうちの1つ以上を、前記垂直に積み重ねられた保管レベルのより低いレベルのうちの1つ以上に移動させるように構成される、請求項17または18に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項20】
前記自律輸送車両のうちの1つ以上が、少なくとも1つのランプに沿って前記垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの異なるレベル間を横断することができるように、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの2つ以上を互いに接続する前記少なくとも1つのランプをさらに備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのインバウンドエリアおよび/またはアウトバウンドエリアは、前記少なくとも1つのインバウンドエリアおよび/または前記アウトバウンドエリア内の1つ以上のキャリッジを感知するための手段を備え、感知手段は、前記制御システムに通信可能に結合される、請求項1から20のいずれかに記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項22】
前記感知するための手段はロードセルである、請求項21に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項23】
前記マルチレベル垂直コンベヤシステムのプラットフォームの数は、垂直に積み重ねられた保管レベルの数以上である、請求項1から22のいずれかに記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項24】
前記マルチレベル垂直ループコンベヤの前記複数のプラットフォームのそれぞれは、前記連続垂直ループの周りを移動するときに前記駆動部材の方向が変化するにつれて前記複数のプラットフォームのそれぞれの向きが変化するように、前記駆動部材に固定して結合される、請求項1から23のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項25】
前記連続垂直ループの周りで駆動されるときに前記駆動部材の方向が変化するにつれて前記複数のプラットフォームのそれぞれが実質的に水平のままであるように、前記マルチレベルループコンベヤの前記複数のプラットフォームは、前記駆動部材に移動可能に結合される、請求項1から23のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項26】
前記ガイド部材は、前記マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部において前記複数のプラットフォームのそれぞれを実質的に水平な向きに維持するための方向付け手段を備える、請求項25に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項27】
前記方向付け手段は、前記マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部に少なくとも2つのガイド経路を備え、前記少なくとも2つのガイド経路は、前記複数のプラットフォームのそれぞれの回転を防止するように、前記複数のプラットフォームのそれぞれに結合された少なくとも2つのガイドピンと協働する、請求項26に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項28】
前記複数のプラットフォームのそれぞれは、前記ガイド部材および/または前記駆動部材による少なくとも3つの接触点によって支持される、請求項1から27のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項29】
前記複数の自律輸送車両のうちの少なくとも1つが前記複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つと前記保管エリアの前記インバウンドエリアおよび前記アウトバウンドエリアとの間を移動するための経路を提供するように、前記複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つが前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちのいずれか1つのレベルに対応するレベルにあるときに、前記複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つは、前記複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのそれぞれとインターフェースするように構成される、請求項1から28のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項30】
前記複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つと複数の垂直スタック保管レベルのうちのいずれか1つとの間の前記インターフェースは、可動フラップを備える、請求項29に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項31】
前記マルチレベル垂直ループコンベヤは、前記マルチレベル垂直ループコンベヤへのおよび/または前記マルチレベル垂直ループコンベヤからの前記複数のキャリッジのうちの1つ以上の進入および/または退出を制御するための交通信号システムを備え、前記交通信号システムは、少なくとも1つの自律輸送車両の存在および/または前記複数のキャリッジのうちの少なくとも1つの存在を感知するための少なくとも1つのセンサを備える、請求項1から30のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項32】
前記交通信号システムは、前記マルチレベル垂直ループコンベヤの前記複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つへの進入を防止する第1の位置から、前記マルチレベル垂直ループコンベヤの前記複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つへの進入を可能にする第2の位置へ移動可能な物理的バリアを備える、請求項31に記載の自動保管および取り出しシステム。
【請求項33】
i)1つ以上のアイテムを前記1つ以上のキャリッジに移送するためのピッキングステーションと、
ii)前記1つ以上のアイテムを前記1つ以上のキャリッジから取り出すためのデカントステーションと、
iii)前記ピッキングステーションまたは前記デカントステーションと前記マルチレベル垂直ループコンベヤとの間に配置され、前記複数の自律輸送車両のうちの1つ以上が、前記ピッキングステーションまたは前記デカントステーションと前記マルチレベル垂直ループコンベヤとの間で前記1つ以上のキャリッジを移動させるための移送デッキとを備える、請求項1から32のいずれか一項に記載の自動保管および取り出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の自律輸送車両およびその中での移動を含む自動保管および取り出しシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製品またはアイテムの保管および取り出しのための倉庫は、ラック間の通路内で移動可能なフォークリフトなどのリフトデバイスを備える輸送デバイスによってアクセス可能な一連のラックを備える。製品またはアイテムは、典型的には、パレットまたは他の保管コンテナに保管され、ラックの異なるレベルに配置される。手動または自動のいずれかで駆動される輸送デバイスは、ラック間の通路を上下に移動し、リフトデバイスは、特定の製品またはアイテムをその上に保管するパレットをラックから取り出すために使用される。しかしながら、製品の保管および回収は非常に労働集約的であり、時間がかかる。電子商取引の急速な成長に伴い、オンライン購入の増大する需要に応えるために、より自動化された保管および取り出しシステムを提供する動きがあった。
【0003】
PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)は、ビンまたはコンテナが格子フレームワーク構造内に構成されている既知の自動保管および取り出しシステムを説明してる。ビンまたはコンテナとして知られているコンテは、スタックを形成するように互いの上に積み重ねられている。スタックは、倉庫または流通センターにおいて格子フレームワーク構造中に構成されている。ビンまたはコンテナは、格子フレームワーク構造の最上部に位置するトラック上で遠隔操作可能な積荷取扱デバイス(そうでなければボットとして知られている)によってアクセスされる。WO2015/185628A(Ocado)に教示されている自動保管および取り出しシステムは、アイテムを保管するための非常に高密度のシステムを提供するが、このタイプの保管および取り出しシステムに関する問題は、格子構造上で動作可能なロボット積荷取扱デバイスを収容するために格子フレームワーク構造の上方に十分な上部空間を必要とするビンまたはコンテナを保管するための格子フレームワーク構造の完全なサイズである。アイテムを密に保管するためにスペースが貴重である場合、保管および取り出しシステムは、したがって、システム上のヘッドルームの量によって占有されることなく動作することができることが必要である。
【0004】
US2012/0259482(Klaus Jeschke)は、平坦で自由に引き出し可能な保管面上のトレーラ上に配置された保管材料を所望の位置に移動させてその上に駐車させるための自走式トラクタを備える保管および取り出しシステムを教示している。トレーラは、トラクタによって保管面上で保管場所へ、および保管場所から、例えば、空のトレーラに1つ以上の製品が積み込まれる積み込みステーションから保管場所へ、またはその逆に、保管場所から製品がトレーラから再び取り出される積み下ろし場所へ移動される。保管面は、互いの上のいくつかのレベルにわたって分布しており、これは、積載されたトレーラをトラクタとともにエレベータを通して1つのレベルから別のレベルに移動させることを必要とする。エレベータは、最も低い保管面から最も高い保管面まで伸張し、任意のレベルで停止することができる。トラクタの移動、および保管エリアを互いに接続するエレベータの移動は、中央制御装置によって制御される。
【0005】
US2012/0259482 (Klaus Jeschke)は、PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)に教示された格子フレームワーク構造と比較して、低い天井高を有する建物に収容することができるより経済的な保管および取り出しシステムを提供しているが、US2012/0259482(Klaus Jeschke)は、保管面へのおよび保管面からの製品またはアイテムの混雑の問題に悩まされており、その結果、顧客注文を履行するのにかなりの遅延が生じる。保管面からの製品のスループットを改善するために保管レベルの異なる保管レベルを接続するランプを使用しても、保管場所へのアイテムの取り出しまたは保管場所からのアイテムの保管のための速度制限ステップは、トラクタがトレーラを積み込みまたは積み降ろしステーションに移動させることができる速度に大きく依存する。トレーラを1つのレベルから別のレベルに移動させるためにエレベータを使用しても、複数の保管レベルの間の保管面の分布は、保管からのアイテムまたは製品のスループットが上述の手動操作倉庫に匹敵する程度まで、異なる保管レベルの間のトレーラの移動に対するボトルネックを提示する。
【0006】
したがって、製品またはアイテムの保管および取り出しの増大する需要を満たすためにアイテムの高い保管密度およびより速いスループットを提供し、保管および取り出しシステムを収容する建物の高さによって制約されない保管および取り出しシステムが必要とされる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、自動保管および取り出しシステムを提供することによって、上記の問題を軽減し、自動保管および取り出しシステムは、
a)複数の垂直に積み重ねられた保管レベルと、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルは、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルにわたって分散された保管エリアを備え、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルは、保管エリアに入るための少なくとも1つのインバウンドエリアと、保管エリアから出るための少なくとも1つのアウトバウンドエリアとを備え、
b)1つ以上のアイテムが配置され、保管エリアに移動して駐車することができる複数のキャリッジと、
c)複数の自律輸送車両と、複数の自律輸送車両の各自律輸送車両は、保管エリア内の複数のキャリッジのいずれかを移動させるように構成され、
d)マルチレベル垂直ループコンベヤと、マルチレベル垂直ループコンベヤは、
i)駆動部材と、
ii)駆動部材に結合された複数のプラットフォームと、複数のプラットフォームは、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのそれぞれの間の間隔に対応して垂直に離間され、複数のプラットフォームのそれぞれは、複数のキャリッジのうちの少なくとも1つを支持するように構成された支持面を有し、
iii)連続した垂直ループの周りの複数のプラットフォームの移動をガイドするためのガイド部材と、
iv)前記駆動部材に結合され、複数のプラットフォームを連続垂直ループの周りに垂直に前後に移動するように構成された駆動機構とを備え、
e)保管エリア内で複数の自律輸送車両をガイドするためのナビゲーションシステムと、
f)駆動機構に動作可能に結合され、ナビゲーションシステムに通信可能に結合された制御システムとを備え、制御システムは、複数の自律輸送車両のうちの少なくとも1つが少なくとも1つのインバウンドエリアまたは少なくとも1つのアウトバウンドに位置付けられていることを示すナビゲーションシステムからの1つ以上の信号に応答して、複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つが複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの少なくとも1つに対応するレベルにあるように、駆動部材の移動を制御するように構成される。
【0008】
異なるプラットフォーム上で複数のキャリッジを支持するように構成された複数の垂直方向に離間したプラットフォームを備えるマルチレベル垂直ループコンベヤの提供は、複数のキャリッジをマルチレベル垂直ループコンベヤ内に垂直方向に蓄積することができるので、保管エリアへのキャリッジのスループットおよび保管エリアからのキャリッジのスループットを増加させる。プラットフォームが連続垂直ループの周りを駆動されるように、連続垂直ループ内に形成され、駆動機構(例えば、モータ)によって駆動される駆動部材に取り付けられた複数のプラットフォームを備えるマルチレベル垂直ループコンベヤは、「パーテルノステル(paternoster)」原理に基づいてもよい。駆動部材は、連続垂直ループに従うことができるチェーンまたはベルトであってもよい。あるいは、駆動部材は、連続垂直ループの周りで複数のプラットフォームを駆動するためにベルトまたはチェーンと連携して動作するスプロケットまたは駆動車輪をさらに備えることができる。より具体的には、複数のプラットフォームのそれぞれは、マルチレベル垂直ループコンベヤの上部および下部湾曲部分においてスプロケットまたは駆動車輪と結合する。マルチレベル垂直ループコンベヤは、連続垂直ループの周りで複数のプラットフォームをガイドするためのガイド部材をさらに備える。駆動機構は、ガイド部材の周りで複数のプラットフォームを移動させるためのモータであることがある。
【0009】
説明および便宜のために、「マルチレベル垂直ループコンベヤ」および「マルチレベルコンベヤ」という用語は、同じ特徴を意味するために互換的に使用される。
【0010】
マルチレベル垂直ループコンベヤは、複数のキャリッジが異なるプラットフォーム上に垂直に蓄積されることを可能にするだけでなく、マルチレベル垂直ループコンベヤへのおよびマルチレベル垂直ループコンベヤからの複数のキャリッジの積み込みおよび積み下ろしが、連続垂直ループ内の任意の点で実行されることを可能にする。これは、保管エリアのインバウンドまたはアウトバウンドエリアにおける1つ以上のキャリッジの待ち時間および混雑を低減するだけでなく、保管エリアへのおよび保管エリアからのキャリッジの移動を増加させる。さらに、マルチレベル垂直ループコンベヤ内に複数のキャリッジを垂直に収容する能力の増大、および垂直に積み重ねられた保管レベルの異なるレベル間でキャリッジを移動させる能力は、複数のキャリッジを実質的に同時に処理する能力を増大させる。インバウンドエリアは、保管エリアに入るための保管エリアの指定エリアである。例えば、本発明の目的のために、マルチレベル垂直ループコンベヤの使用を通じて保管エリアを出ることは、アウトバウンドエリアを介することができる。同様に、インバウンドエリアは、保管エリアに入るための保管エリアの指定エリアである。この場合も、マルチレベル垂直ループコンベヤを使用して保管エリアに入ることは、インバウンドエリアを介して行うことができる。効率のために、「複数の垂直に積み重ねられた保管レベル」という用語の使用は、説明全体を通して「ラック」という用語と交換可能に使用される。
【0011】
マルチレベルループコンベヤの複数のプラットフォーム間の間隔は、複数の垂直に積み重ねられた保管レベル間の間隔に対応しており、2つ以上のプラットフォームが、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのレベルに対応するレベルにあるようになっている。これにより、複数のキャリッジが複数のプラットフォームと複数の垂直に積み重ねられた保管レベルとの間実質的に同時に移送することを可能にし、それによって、マルチレベル垂直ループコンベヤへのおよびマルチレベル垂直ループコンベヤからのキャリッジのスループットを増加させる、すなわち、複数の保管レベルを実質的に同時にインデックス付けする。
【0012】
好ましくは、駆動機構は、複数のプラットフォームの移動を順次ステップでインデックス付けするように動作可能であり、順次ステップのそれぞれは、複数の保管レベルのそれぞれの間の間隔に対応する。例えば、駆動機構は、垂直に積み重ねられた保管レベルにわたって複数のプラットフォームの移動を順次インデックス付けするためのインデックス付け手段を有することができ、各インデックス付け位置は、複数のプラットフォームが連続垂直ループの周りを移動するときに、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの少なくとも1つを有するプラットフォームのレベルに対応する。
【0013】
複数の自律輸送車両(本明細書では「ボット」と呼ばれる)は、複数のキャリッジのうちのいずれかを、ラックの異なるレベルの間に分散された保管エリアへ、および保管エリアから移動させるように構成される。自律輸送車両の例は、AGV(無人搬送車(Automated Guided Vehicle))またはAMR(自律移動ロボット(Autonomous Mobile Robots))を含むが、これらに限定されない。好ましくは、自律輸送車両のうちの1つ以上は、保管エリア内の複数のキャリッジのうちの1つ以上を押すかまたは引くように構成される。任意選択的に、自律輸送車両のうちの1つ以上は、保管エリア内の複数のキャリッジのうちの1つ以上を牽引するように構成される。例えば、1つ以上の自律輸送車両は、保管エリアに駐車された1つ以上のキャリッジをアウトバウンドエリアに牽引するように構成されてもよく、その後、ピッキングステーションへの搬送のためにマルチレベル垂直ループコンベヤのプラットフォーム上に積み込まれる。同様に、1つ以上の自律輸送車両は、1つ以上のキャリッジをデカントステーションからプラットフォームに輸送するように命令されてもよく、プラットフォームにおいて、キャリッジは、保管エリアに入るためにインバウンドエリアに輸送される。
【0014】
ナビゲーションシステムは、保管エリア内の複数の自律走行車をガイドするために使用される。例えば、ナビゲーションシステムは、保管エリア内に分散された複数のマーカを備え、複数の自律輸送車両のそれぞれは、複数のマーカのそれぞれを感知するための少なくとも1つのセンサまたはリーダを備える。代替的に、1つ以上のセンサは、複数の自律輸送車両のそれぞれについての識別情報、例えばマーカを感知するように構成された、垂直に積み重ねられた保管レベルの各保管レベル全体にわたって分散されることができる。保管エリアの周りで複数の自律輸送車両のそれぞれをナビゲートする他の手段は、カメラまたはGPS(全地球測位システム)の使用を含むが、これらに限定されない。好ましくは、マーカは、光学マーカ、例えばバーコード、QRなど、またはRFIDタグを含む。より好ましくは、複数のマーカは、保管エリアにおいて規則的なパターンで分布している。マーカは、保管エリア内の異なる場所に戦略的に配置され、それにより、移動中の自律輸送車両の1つ以上のセンサがマーカを感知し、信号を制御システムに送ることができ、信号は、保管エリア内の自律輸送車両の位置を識別するために制御システムによって処理される。自律走行車の位置を識別するために使用することができる様々なマーカが当技術分野で使用されており、これらは、バーコード、QRなど、またはRFIDタグを含むが、これらに限定されない。代替的に、ナビゲーションシステムは、1つ以上のカメラを備えることができる。
【0015】
制御システムと各自律走行車とは、通信手段を介して互いに通信可能である。好ましくは、複数の自律輸送車両は、制御システムにワイヤレスで接続され、複数の自律輸送車両のそれぞれが、保管エリア内のそれぞれの自律輸送車両の位置を示す1つ以上の信号を制御システムに送信および/または制御システムから受信するように構成される。制御システム間のワイヤレス通信は、例えばBluetooth(登録商標)などの短距離ワイヤレス通信技術、または例えばネットワークを介した長距離ワイヤレス通信に基づくことができる。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、または任意の他のタイプのネットワークを備えてもよい。
【0016】
マルチレベル垂直ループコンベヤの動作は、駆動機構に動作可能に結合され、ナビゲーションシステムに通信可能に結合された制御システムによって制御することができる。複数の自律輸送車両の少なくとも1つが保管エリアの少なくとも1つのインバウンドエリアまたは少なくとも1つのアウトバウンドエリアに配置されていることを示すナビゲーションシステムからの1つ以上の信号に応答して、複数のプラットフォームの少なくとも1つが複数の垂直に積み重ねられた保管レベルの少なくとも1つに対応するレベルにあるように、制御システムは、駆動部材の移動を制御または調整するように構成される。
【0017】
複数のキャリッジのうちの1つ以上は、少なくとも1つのインバウンドを介して保管エリアに入ることができ、複数のキャリッジのうちの1つ以上は、少なくとも1つのアウトバウンドを介して保管エリアから出ることができる。好ましくは、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのそれぞれは、少なくとも1つのインバウンドエリアおよび少なくとも1つのアウトバウンドエリアを含む。複数の垂直に積み重ねられたレベルのそれぞれに少なくとも1つのインバウンドおよび少なくとも1つのアウトバウンドを有することにより、複数のキャリッジがマルチレベルコンベヤシステムに出入りすることが可能になる。
【0018】
好ましくは、マルチレベルループコンベヤの第1の側は、垂直に積み重ねられた保管レベルの異なる保管レベルにおいて複数のキャリッジのうちの1つ以上を保管エリアに供給するように構成され、マルチレベルループコンベヤの第2の側は、垂直に積み重ねられた保管レベルの異なる保管レベルにおいて複数のキャリッジのうちの1つ以上を保管エリアから除去するように構成され、第1の側は、複数のプラットフォームが上方向に移動している場所に対応し、第2の側は、複数のプラットフォームが下方向に移動している場所に対応する。このようにして、保管エリアを出るときにマルチレベル垂直ループコンベヤの一方の側でマルチレベル垂直ループコンベヤへのトラフィックの流れがあり、マルチレベル垂直ループコンベヤの他方の側を介して保管エリアへのトラフィックの流れがある。言い換えれば、複数のキャリッジのうちの1つ以上は、複数のプラットフォームが上方向に移動しているマルチレベルコンベヤの一方の側の保管エリアに送り込まれる。逆に、複数のキャリッジのうちの1つ以上は、複数のプラットフォームが下方向に移動しているマルチレベルコンベヤの他方の側から保管エリアを出る。したがって、複数のプラットフォームが連続した垂直ループで移動するとき、マルチレベルコンベヤの両側は、それぞれ、複数のキャリッジのうちの1つ以上を保管エリアの内外に供給する。
【0019】
より好ましくは、制御システムは、複数の自律輸送車両の少なくとも1つが少なくとも1つのインバウンドまたは少なくとも1つのアウトバウンドに配置されていることを示すナビゲーションシステムからの1つ以上の信号に応答して、複数のプラットフォームのそれぞれが複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの1つの保管レベルに対応するレベルにあるように、駆動部材の移動を制御するように構成される。これは、マルチレベルコンベヤの複数のプラットフォームが、実質的に同時にラックの異なるレベルから1つ以上のキャリッジを受け取ることを可能にする。好ましくは、制御システムは、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルの各それぞれのレベルにおいて、実質的に同時に、複数の自律輸送車両のうちの少なくとも1つの、インバウンドエリアまたはアウトバウンドエリアへの、またはインバウンドエリアまたはアウトバウンドエリアからの移動を命令するように構成される。
【0020】
保管エリアへのおよび保管エリアからのキャリッジの移動を調整するために、好ましくは、制御システムは、複数のキャリッジが第1の予め定められたシーケンスで複数のプラットフォーム上に積み込まれ、次いで第2の予め定められたシーケンスで複数のプラットフォームから積み下ろされるように、複数の自律輸送車両の移動を制御するように構成される。任意選択的に、第1のシーケンスは第2のシーケンスとは異なり、複数のキャリッジは、複数のプラットフォーム上への複数のキャリッジの積み込みとは異なる順序で複数のプラットフォームから積み下ろされる。これにより、複数のキャリッジのうちの1つ以上を、キャリッジがマルチレベルコンベヤシステムに積み込まれる順序とは異なる順序でマルチレベルコンベヤシステムから積み下ろすことができ、キャリッジ内のアイテムがキャリッジから取り出される順序に関係付けることができる。例えば、1つ以上のアイテムが食料品アイテムであるいくつかの場合において、マルチレベルコンベヤシステムからのキャリッジの取り出しの異なるシーケンスは、顧客への配達のための注文の特定の属性または特徴に応じて、注文が異なるように梱包されることを可能にする。注文の特性または属性は、アイテムのタイプ、例えば、冷凍、冷蔵、もしくは常温、またはアイテムの重量に関連付けられてもよい。同様に、特定のアイテム、特に冷蔵または冷凍されたアイテム、または腐敗しやすいアイテムは、それぞれのキャリッジから取り出されるときに、腐敗しにくいアイテムよりも優先される必要がある場合がある。異なるシーケンスはまた、顧客の要求または梱包の順序または緊急性に応じて、アイテムの取り出しを調整することを可能にする。例えば、重いアイテムは、アイテムの梱包を調整し、重いアイテムが軽いアイテムの上に置かれるのを防ぐために、重いアイテムが軽いアイテムの前にそれぞれのマルチレベル垂直コンベヤから除去されるという意味で、軽いアイテムよりも優先されてもよい。
【0021】
好ましくは、制御システムは、1つ以上のキャリッジの規定された緊急基準に基づいて、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの1つ以上の少なくとも1つのインバウンドエリア内のキャリッジのうちの1つ以上に対して複数のプラットフォームのうちの1つ以上を優先するように、駆動部材の移動を制御するように構成される。緊急性基準は、顧客注文を履行するためにピッキングステーションにおける1つ以上のキャリッジに優先順位を付けることに基づくことができる。緊急性基準に影響を及ぼし得る他の要因は、1つ以上のコンテナが少なくとも1つのアウトバウンドエリア内で待機している持続時間、および/または1つ以上のキャリッジ内の1つ以上のアイテムの1つ以上の属性を含む。好ましくは、1つ以上の属性は、1つ以上のアイテムの温度を含むことができる。複数のプラットフォームのうちの1つ以上が、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの1つ以上の保管レベルに優先順位付けされるように、駆動部材の移動を制御するように構成される制御システムに関して、システムは、1つ以上のキャリッジ内のアイテムの1つ以上の属性、または1つ以上のキャリッジがアウトバウンドエリア内で待機している時間に応じて、アウトバウンドエリア内のキャリッジのうちのどれが、マルチレベル垂直ループコンベヤのうちの1つ以上のプラットフォーム上に積み込まれるべきかを選択することを可能にする。例えば、制御システムは、複数のプラットフォームのうちの1つ以上が、1つ以上のキャリッジがアウトバウンドエリア内で待機している1つ以上の保管レベルに移動されるように駆動部材の移動を制御し、最も長く待機していたキャリッジに優先順位を付けるように構成することができる。待機時間は、少なくとも1つのアウトバウンドエリア内のキャリッジのうちの1つ以上に保持された1つ以上のアイテムの特定の属性に応じて上書きすることができる。これらは、キャリッジ内の1つ以上のアイテムの温度を含むことができる。例えば、冷凍アイテムは、少なくとも1つのアウトバウンドエリア内の非冷凍アイテムよりも優先されることができる。
【0022】
複数のプラットフォームが連続垂直ループの周りを移動するように構成される2つの例がある。本発明の第1の例では、マルチレベル垂直ループコンベヤの複数のプラットフォームは、連続垂直ループの周りを移動するときに駆動部材の方向が変化するにつれて複数のプラットフォームのそれぞれの向きが変化するように、駆動部材に固定して結合される。したがって、複数のプラットフォームのそれぞれの対向面は、複数のキャリッジのうちの1つ以上を受け入れるように配向される。複数のプラットフォームのそれぞれが駆動部材に対して移動しないという意味で駆動部材に固定的に結合されることによって、複数のプラットフォームのそれぞれは、複数のプラットフォームがマルチレベルループコンベヤの最上部分および最下部分を横切って移動するときに、垂直面を通って回転するように構成される。そのような構成は、複数のプラットフォームの両方の対向面が、複数のキャリッジのうちの1つ以上を積み込むために使用されることを可能にする。複数のプラットフォームの1つの面は、複数のプラットフォームの第1の向きで上方に移動するときに1つ以上のキャリッジを支持するために使用することができ、複数のプラットフォームの対向する面は、複数のプラットフォームの第2の向きで下方に移動するときに1つ以上のキャリッジを支持するために使用することができる。換言すれば、マルチレベル垂直ループコンベヤの駆動部材は、複数のプラットフォームがマルチレベルコンベヤの最上部分および最下部分の上を通過するときに、複数のプラットフォームのそれぞれを反転させるように構成される。複数のプラットフォームのそれぞれは、駆動部材に片持ち支持されることができる。これは、複数のプラットフォームが連続垂直ループの周りを駆動されるときに、複数のプラットフォームがマルチレベルループコンベヤの最上部分および最下部分の周りを反転することを可能にする。しかしながら、連続垂直ループの周りを移動するときに複数のプラットフォームの向きを変更するアプローチに伴う問題は、複数のプラットフォームが連続垂直ループの最上部分および最下部分の周りを移動するとき、複数のプラットフォームが連続垂直ループの最上部分および最下部分で反転するので、1つ以上のキャリッジがマルチレベルループコンベヤ上に留まることができないことである。
【0023】
マルチレベル垂直ループコンベヤの本発明の別の例では、マルチレベルループコンベヤの複数のプラットフォームは、駆動部材の方向が連続垂直ループの周りを例えば上方向から下方向に駆動されるときに変化するときに複数のプラットフォームのそれぞれが実質的に水平のままであるように、駆動部材に移動可能に結合される。複数のプラットフォームと駆動部材との間の結合のこの構成では、複数のプラットフォームは、複数のプラットフォームがマルチレベルループコンベヤの最上部分および最下部分の周りを移動するときに複数のプラットフォームの向きを実質的に水平に保つように、駆動部材との結合を通って延びる水平軸の周りを回転するように構成される。好ましくは、ガイド部材は、マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部において複数のプラットフォームのそれぞれを実質的に水平な向きに維持するための方向付け手段を備える。より好ましくは、方向付け手段は、マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部に少なくとも2つのガイド経路を備え、少なくとも2つのガイド経路は、複数のプラットフォームのそれぞれの回転を防止するように、複数のプラットフォームのそれぞれに結合された少なくとも2つのガイドピンと協働する。その結果、複数のプラットフォームがマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部分および/または最下部分を横切って移動するとき、複数のキャリッジのうちの1つ以上は、マルチレベルループコンベヤ上に留まることができる。これは、マルチレベル垂直ループコンベヤから除去される1つ以上のキャリッジのシーケンスまたは順序を制御または調整する利点を提供する。なぜなら、1つ以上のキャリッジは、マルチレベルコンベヤの以前の例のように1つ以上のキャリッジがプラットフォームから落下する問題なしに、より長い期間にわたってマルチレベル垂直ループコンベヤ上に残されることができるからである。
【0024】
1つ以上のキャリッジを搬送するための複数のプラットフォームに対する支持を提供するために、ガイド部材は、好ましくは、複数のプラットフォームのそれぞれがガイド部材による少なくとも3つの接触点によって支持されるように、より好ましくは、プラットフォームの4つ全ての角で支持されるように構成されることができる。
【0025】
好ましくは、複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つは、複数のプラットフォームの少なくとも1つが複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのいずれかのレベルに対応するレベルにあるとき、複数の自律輸送車両の少なくとも1つが複数のプラットフォームの少なくとも1つと保管エリアのインバウンドエリアおよび/またはアウトバウンドエリアとの間を移動するための経路を提供するように、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのそれぞれとインターフェースするように構成される。より好ましくは、複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つと複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちのいずれか1つとの間のインターフェースは、可動フラップを備える。例えば、複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つと複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちのいずれかとの間の経路は、自律輸送車両の車輪が少なくとも1つのプラットフォーム上にまたはプラットフォームから容易に移動することを可能にするために、連続的な搬送表面であることができる。プラットフォームの少なくとも1つと複数の垂直に積み重ねられた保管レベルとの間に可動フラップを配置することに伴う問題は、可動フラップの摩損であり、その結果、摩耗した可動フラップを交換する必要が生じる。理想的には、複数のプラットフォームのそれぞれは、複数の自律輸送車両のうちの少なくとも1つが少なくとも1つのプラットフォーム上にまたは少なくとも1つのプラットフォームから移動することを可能にするように、複数のプラットフォームのそれぞれが、保管エリアのインバウンドエリアまたはアウトバウンドエリア内の複数の垂直スタック保管レベルのうちのいずれかとの間隙を提供するように構成されるようなサイズである。ここで、複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つと複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちのいずれかとの間の間隙は、複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つが複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのうちのいずれかのレベルに対応するレベルにあるときに、自律輸送車両が複数のプラットフォーム上に容易に搭載され、複数のプラットフォームから容易に取り外されるのに十分に小さい。これにより、マルチレベル垂直ループコンベヤは、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルの異なるレベル間で自律輸送車両を移動させることができる。垂直に積み重ねられた保管レベルの異なるレベル間での自律輸送車両の移動を支援するために、任意選択で、マルチレベル垂直ループコンベヤの複数のプラットフォームのそれぞれは、自律輸送車両が複数のプラットフォームのそれぞれに乗り降りするための連続的な搬送面または乗車面を備える。複数の垂直に積み重ねられた保管レベルの異なるレベル間で自律輸送車両のうちの1つ以上を移動させることは、異なるレベルに保管された要求されたアイテムの人気または頻度に応じて、垂直に積み重ねられた保管レベルの異なるレベル間で複数の自律輸送車両の分配を制御するという利点を有する。例えば、より多くの自律輸送車両が、頻繁に要求されるアイテムが保管される垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの1つ以上のレベルに割り当てられることができる。これは、例えば、垂直に積み重ねられた保管レベルの下位レベルにあって、上位レベルに保管されたアイテムよりも比較的迅速にアクセスできるようにすることができる。
【0026】
上向き方向または下向き方向に垂直に移動するときに複数のキャリッジおよび/または自律走行車のうちの1つ以上をプラットフォーム上に収容するために、複数のプラットフォームのそれぞれは、プラットフォーム上に配置されたキャリッジのうちの1つ以上がプラットフォームから落下することを防止するための安全バリアを備えることが好ましい。
【0027】
マルチレベル垂直ループコンベヤの積み込みおよび積み下ろしを制御するために、好ましくは、マルチレベル垂直ループコンベヤは、マルチレベル垂直ループコンベヤへのおよび/またはマルチレベル垂直ループコンベヤからの複数のキャリッジのうちの1つ以上の進入および/または退出を制御するための交通信号システムを備え、前記交通信号システムは、少なくとも1つの自律輸送車両の存在および/または複数のキャリッジのうちの少なくとも1つの存在を感知するための少なくとも1つのセンサを備える。例えば、保管エリアのアウトバウンドエリアおよび/またはインバウンドエリア内のセンサは、複数の自律輸送車両のうちの1つ以上または制御システムに信号を送信して、複数の自律輸送車両のうちの1つ以上に、マルチレベル垂直ループコンベヤに出入りするように命令することができる。より好ましくは、交通信号システムは、マルチレベル垂直ループコンベヤの複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つへの進入を防止する第1の位置から、マルチレベル垂直ループコンベヤの複数のプラットフォームのうちの少なくとも1つへの進入を可能にする第2の位置まで移動可能な物理的バリアを備える。
【0028】
保管エリアは、在庫を保管するためのエリアであり、垂直に積み重ねられた保管レベルの多くのレベルにわたって分散された保管エリアへおよび保管エリアから在庫を移動させるためのエリアである。好ましくは、保管エリアは、複数のキャリッジを保管するための予め定められた駐車エリアと、保管エリア内で複数の自律輸送車両を移動させるための予め定められた経路とを含む。予め定められた経路は、複数のキャリッジのうちの1つ以上が、マルチレベル垂直ループコンベヤに移動されることを可能にし、マルチレベル垂直ループコンベヤにおいて、キャリッジは、保管エリアを出るためにプラットフォーム上に実質的に配置され、すなわち、ピッキングステーションに移動される。同様に、複数のキャリッジのうちの1つ以上は、マルチレベル垂直ループコンベヤから受け取られ、後続の取り出しのために保管される予め定められた駐車エリアに駐車することができる。予め定められた駐車エリアは、予め定められた輸送エリアの両側に配置されることが好ましい。例えば、輸送エリアは、保管エリアを通る複数の自律輸送車両のうちの1つ以上の移動のためのハイウェイであることができる。
【0029】
好ましくは、自動保管および取り出しシステムは、
i)1つ以上のアイテムを1つ以上のキャリッジに移送するためのピッキングステーションと、
ii)1つ以上のアイテムを1つ以上のキャリッジから取り出すためのデカントステーションと、
iii)複数の自律輸送車両のうちの1つ以上が1つ以上のキャリッジをピッキングステーションまたはデカントテーションステーションとマルチレベル垂直ループコンベヤとの間で移動させるために、ピッキングステーションまたはデカントテーションステーションのいずれかと前記マルチレベル垂直ループコンベヤとの間に配置された移送デッキとをさらに備える。
【0030】
保管エリアから、複数のキャリッジのうちの1つ以上が、マルチレベルコンベヤを介して、1つ以上のキャリッジ内に保管されたアイテムがピッキングされるピッキングステーションに輸送される。同様に、1つ以上のアイテムは、デカントステーションにおいて複数のキャリッジのうちの1つ以上に配置され、その後、保管エリアにストックを補充するためにマルチレベルコンベヤを介して保管エリアに輸送される。
【0031】
本発明のさらなる特徴および態様は、図面を参照して行われる例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態による自動保管および取り出しシステムの図である。
【
図2a】
図2aは、本発明の第1の例示的な実施形態による自律輸送車両およびキャリッジの図である。
【
図2b】
図2bは、本発明の第2の例示的な実施形態による自律輸送車両およびキャリッジの図である。
【
図2c】
図2cは、本発明の第3の例示的な実施形態による自律輸送車両およびキャリッジの図である。
【
図3】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、垂直に積み重ねられた保管レベルの上面図の図である。
【
図4a】
図4aは、本発明の例示的な実施形態による、自律輸送車両によるキャリッジのその駐車スペースからの移動の図である。
【
図4b】
図4bは、本発明の例示的な実施形態による、自律輸送車両によるキャリッジのその駐車スペースからの移動の図である。
【
図4c】
図4cは、本発明の例示的な実施形態による、自律輸送車両によるキャリッジのその駐車スペースからの移動の図である。
【
図5a】
図5aは、本発明の第1の例示的な実施形態による、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルに隣接するマルチレベル垂直ループコンベヤの図である。
【
図5b】
図5bは、
図5aに示されるマルチレベル垂直ループコンベヤの拡大斜視図である。
【
図5c】
図5cは、
図5aに示されるマルチレベル垂直ループコンベヤの湾曲部分にスプロケットを備える駆動部材の図である。
【
図6a】
図6aは、本発明の第2の例示的な実施形態による、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルに隣接するマルチレベル垂直ループコンベヤの図である。
【
図6b】
図6bは、
図6aに示されるマルチレベル垂直ループコンベヤの拡大図である。
【
図7a】
図7aは、本発明の第3の例示的な実施形態による、複数の垂直に積み重ねられた保管レベルに隣接するマルチレベル垂直ループコンベヤの図である。
【
図7b】
図7bは、
図7aに示されるマルチレベル垂直ループコンベヤの拡大図である。
【
図7c】
図7cは、
図7(aおよびb)の複数のプラットフォームの向きを、それらが連続垂直ループの周りを循環するときに実質的に同じに保つための方向付け手段の図である。
【
図7d】
図7dは、
図7(aおよびb)の複数のプラットフォームの向きを、それらが連続垂直ループの周りを循環するときに実質的に同じに保つための方向付け手段の図である。
【
図7e】
図7eは、
図7(aおよびb)の複数のプラットフォームの向きを、それらが連続垂直ループの周りを循環するときに実質的に同じに保つための方向付け手段の図である。
【
図8a】
図8aは、本発明の例示的な実施形態による、保管エリアのアウトバウンドエリアを介したプラットフォームの積み込みの図である。
【
図8b】
図8bは、本発明の例示的な実施形態による、保管エリアのインバウンドエリア内へのプラットフォームの積み下ろしの図である。
【
図9a】
図9aは、本発明の第1の例示的な実施形態による、(a)停止段階を示す、保管エリアのインバウンドエリアおよびアウトバウンドエリアにおける交通信号システムの図である。
【
図9b】
図9bは、本発明の第1の例示的な実施形態による、(b)進行段階を示す、保管エリアのインバウンドエリアおよびアウトバウンドエリアにおける交通信号システムの図である。
【
図10a】
図10aは、本発明の第2の例示的な実施形態による、(a)停止段階を示す、保管エリアのインバウンドエリアおよびアウトバウンドエリアにおける交通信号システムの図である。
【
図10b】
図10bは、本発明の第2の例示的な実施形態による、(b)進行段階を示す、保管エリアのインバウンドエリアおよびアウトバウンドエリアにおける交通信号システムの図である。
【
図11】
図11は、本発明の例示的な実施形態による、制御システムのコンポーネントの概略図である。
【
図12】
図12は、本発明の例示的な実施形態による、
図11に示したマスタ制御システムのコンポーネントの概略図である。
【
図13】
図13は、本発明の例示的な実施形態による、マルチレベル垂直ループコンベヤを供給するフローダイヤグラムである。
【
図14】
図14は、本発明の例示的な実施形態による、異なる保管レベルを接続するランプを示す保管および取り出しシステムの図である。
【
図15】
図15は、本発明の例示的な実施形態による、ピッキング動作のフローダイヤグラムである。
【
図16】
図16は、本発明の例示的な実施形態による、ストック動作のフローダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明の実施形態による自動保管および取り出しシステム1の図である。自動保管および取り出しシステム1は、複数の垂直に積み重ねられた保管レベル4(ラックとしても知られる)を備え、在庫保管エリアを表す。在庫5は、食料品などの食料品アイテムを含むが、食料品アイテムに限定されず、非食料品アイテムを含むことができる。在庫アイテムは、別個の保管コンテナに保管されることができ、または在庫アイテムは、保管コンテナ自体であることができる。保管コンテナのうちの1つ以上は、1つ以上の自律輸送車両によって保管エリアの周りを移動させられる。保管エリアは、自律輸送車両が保管エリアの周りを移動するための保管面を提供する。例えば、1つ以上の保管コンテナをキャリッジ上に搭載することができ、キャリッジは、1つ以上の自律輸送車両によって保管エリアの周りを移動させられる。本発明の目的のために、キャリッジは、自律輸送車両によって移動されるペイロードを表す。自律輸送車両の例は、AGV(無人搬送車(Automated Guided Vehicle))またはAMR(自律移動ロボットAutonomous Mobile Robots))を含むが、これらに限定されない。
【0034】
1つ以上のキャリッジは、駆動部材によって連続垂直ループの周りで駆動される複数のプラットフォームを備えるマルチレベル垂直ループコンベヤ7によって保管レベル4の間で移動される。マルチレベル垂直ループコンベヤ7のさらなる詳細および垂直に積み重ねられた保管レベル4との協働については、以下で説明する。
【0035】
また、
図1には、自律輸送車両によって送達されたキャリッジから1つ以上のアイテムをピッキングするためのピッキングステーションまたはアウトフィードステーション8(aおよびb)が示されている。ピッキングステーション8(aおよびb)は、在庫のストックを補充するためのデカントステーションまたはインフィードステーションとして同じ部屋にする(double up)ことができる。動作中、1つ以上の自律輸送車両は、顧客の注文を履行するためにアイテムを搬送する1つ以上のキャリッジをピッキングステーション8(aおよびb)に輸送するように制御システムによって命令され、ピッキングステーション8(aおよびb)において、アイテムは、手動でまたはロボットピッキングデバイス、例えばロボットアームによってキャリッジからピッキングされることができる。同様に、保管エリアに入る商品は、手動またはロボット手段のいずれかによって、デカントステーション8(aおよびb)の1つ以上のキャリッジに置かれ、キャリッジに保管された1つ以上のアイテムが顧客の注文を満たす必要があるまで、保管のために保管エリアに輸送される。ロボットデバイスが近くのアイテムを遮ることなくキャリッジ内のアイテムのプロファイルを容易にスキャンすることを可能にし、それによってキャリッジ内のアイテムを識別することができるように、1つ以上のアイテムを各キャリッジ上に空間的に配置することができる。
これは、アイテムのキャリッジへの出し入れの自動化に役立つ。垂直に積み重ねられた保管レベルとピッキング/デカントステーション8(aおよびb)との間に配置されているのは、ピッキング/デカントステーション8と垂直に積み重ねられた保管レベル4との間で1つ以上の自律輸送車両を移動させるための上昇したプラットフォームを備える移送エリアまたは移送ステーション10である。持ち上げられたプラットフォームは、ピッキング/デカントステーション8(aおよびb)と垂直に積み重ねられた保管レベル4のレベルとの間に伸張し、それにより、自律輸送車両は、移送エリア10を介してピッキング/デカントステーション8(aおよびb)と垂直に積み重ねられた保管レベルのレベルとの間を横断することができる。
図1に示される特定の実施形態では、移送エリア10は、ピッキング/デカントステーション8(aおよびb)と同じ高さになるように、垂直支柱12によって地上に持ち上げられている。ピッキング/デカントステーションは、自律輸送車両によって輸送される1つ以上のキャリッジに、または1つ以上のキャリッジから、1つ以上のアイテムをピッキング/デカントするために、作業者にとって都合のよい高さにある。
図1の特定の実施形態は、垂直に積み重ねられた保管レベルの1つのレベル4にピッキング/デカントステーション8(aおよびb)を示すが、ピッキング/デカントステーションは、垂直スタック保管レベルの複数のレベルに分散させることができる。
【0036】
図2(aからc)は、保管エリアの周りで1つ以上の保管アイテムを移動させるためのキャリッジおよび/または自律輸送車両の異なる例を示す。
図2(aからc)に示される全ての例において、キャリッジは、それ自体を駆動するのではなく、保管エリア内の所望の目的地まで保管面上を移動するように命令される自律輸送車両14によって移動される。キャリッジは、低コストまたは持続可能な材料、例えば木材またはプラスチックなどのリサイクル材料から製造することができる。
図2aに示す第1の例では、キャリッジ16は、ペイロードを搬送するためのトレーラとして機能し、自律輸送車両14は、トレーラと取り外し可能に結合し、保管面上のトレーラを所望の目的地まで押すかまたは引くように構成されたトラクタとして機能する。トラクタ14は、トレーラ16の一端がトラクタ14に結合するように構成され、トレーラが保管面上を転がることを可能にする車輪アセンブリ18をトレーラ16の他端が備えるように、トレーラに結合するように構成される。自律輸送車両14は、保管面上で自律輸送車両を移動させるのに十分な3つの車輪15を有する。結合は、トレーラの後端部に取り付けられた車輪アセンブリが、トラクタとトレーラの構成のように保管面上を転がることができるように、車輪アセンブリが保管面から離れることなくトレーラの前端部を持ち上げることを含む。結合は、ピン、フック、またはトラクタに掛け金を締めてトラクタによって駆動されることができる他の掛け金手段を含むことができる。結合はまた、トレーラに結合されたときにトレーラの前端部を持ち上げるためのリフト機構を組み込むことができる。例えば、トラクタとトレーラとの間の結合は、当該技術分野におけるUS2012/0259482(Klaus Jeschke)の教示に基づくことができ、この場合、結合は、トレーラの端部を持ち上げる枢動可能な結合ピニオンを含む。トレーラと結合してトレーラを持ち上げる他の手段も本発明に適用可能である。例えば、トレーラとインターフェースする枢動可能なフックの使用である。トラクタとトレーラとの間の結合の表示を提供するために、1つ以上のセンサ、例えば近接センサを自律輸送車両に取り付けることができる。
【0037】
図2bに示すキャリッジの第2の例では、キャリッジ26は、ペイロードを支持するために脚部22に取り付けられた支持面21を備える。脚部は、支持面21を保管面の上方に持ち上げる。保管面の上方の高さは、自律輸送車両24が支持面21の下を移動し、その後、キャリッジ26の脚部22が保管面から離れて持ち上げられるようにキャリッジ26を持ち上げるのに十分な空間を提供する。
図2aに示される自律輸送車両の実施形態とは異なり、
図2bに示される実施形態における自律輸送車両24は、自律輸送車両を保管面上で移動させるための4つの車輪25を備える。これにより、自律輸送車両24はキャリッジ26の下を移動し、保管面からキャリッジを持ち上げることができる。また、一旦キャリッジ26の支持面よりも下方に入った自律輸送車両24の高さを持ち上げるように、自律輸送車両24にはリフト機構28aが設けられている。
図2bに示すように、リフト機構は、自律輸送車両24がキャリッジ26の下にあるときにプラットフォーム28を持ち上げるために、1つ以上のリニアアクチュエータ28aに取り付けられた可動プラットフォーム28bを備える。あるいは、リフト機構は、自律輸送車両の本体に対して車輪アセンブリを持ち上げて、自律輸送車両の高さを増加させることができる。例えば、車輪アセンブリの車輪の一部または全部は、自律輸送車両の本体に枢動可能に取り付けられることができる。いずれの場合も、自律輸送車両の高さを増加させて、自律輸送車両の上のキャリッジを持ち上げることができる。アセンブリの車輪の数は、4つの車輪に限定されず、自律輸送車両が支持面に沿って移動することを可能にする任意の数の車輪を備えることができる。
【0038】
図2bに示すようにキャリッジの下を移動する自律輸送車両自体の代わりに、自律輸送車両34自体は、
図2cに示すように、キャリッジ26の下に適合するように成形されたトレーラ32を備え、トレーラ32上でキャリッジ26を搬送することができる。結果として、自律輸送車両34の車輪アセンブリは、
図2aに示された第1の実施形態の車輪アセンブリと
図2bに示された第2の実施形態との組み合わせである。
図2cに示す特定の実施形態では、
図2cに示す自律輸送車両34の第3の実施形態の車輪アセンブリは、自律輸送車両34を保管面上で移動させるための5つの車輪35を備える。しかしながら、車輪アセンブリは、3つの車輪を備えることができ、車輪のうちの少なくとも1つは、自律輸送車両の本体に枢動可能に取り付けられる。
図2bに示す実施形態と同様に、キャリッジ26は、キャリッジの支持面21を保管面の上に持ち上げ、自律輸送車両34のトレーラ32がキャリッジ26の下に収まることを可能にするための脚部22を備える。トレーラ32は、リフト機構(図示せず)、例えばリニアアクチュエータを備えることができ、リフト機構は、キャリッジを上昇させ、特にキャリッジの保管面から離れて、キャリッジ26が保管エリアの周りを移動することを可能にする。ペイロードを保管エリアの周りで移動させるキャリッジの他の例は、本発明において適用可能である。いったん自律輸送車両に積み込みまたは牽引されると、ピッキングステーションもしくはデカントステーションへの、またはピッキングステーションもしくはデカントステーションからの、または保管エリアの周りの自律輸送車両の移動は、在庫管理ソフトウェアを実行する制御システムによって調整または制御される。1つ以上のキャリッジのピッキングステーション/デカントステーションへの移動およびピッキングステーション/デカントステーションからの移動、ならびに自律輸送車両による保管エリアの周りの移動を調整することのさらなる詳細は、以下で論じられる。
【0039】
垂直に積み重ねられた保管レベルは、複数の垂直支柱に取り付けられることによって垂直方向に離間された保管レベルまたはフロアの3次元アレイを提供する。保管レベル間の間隔は、自律輸送車両およびキャリッジが保管レベル間を移動できるようなものである。自律輸送車両およびキャリッジの高さを短くすることができるので、これは、PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)に教示されているように、ビンまたはコンテナのスタックが格子フレームワーク構造内に配置されている既知の自動保管および取り出しシステムよりも、垂直に積み重ねられた保管レベルの高さをはるかに小さくすることができるという利点を有する。さらに、保管レベル間の間隔がより小さいため、垂直に積み重ねられた保管レベルの所与の高さ内に、より高密度の保管レベルを収容することができる。
【0040】
図1に示される特定の実施形態では、各フロアまたは保管レベル4は、実質的に水平な平面にあるフロアパネル37のアセンブリを備える。フロアは、垂直に積み重ねられ、複数の垂直支柱13に支持されることによって互いに間隔を置いて配置されて、保管ラックを形成する。複数の垂直支柱13のそれぞれは、複数の垂直支柱が垂直に積み重ねられた保管レベルの外側および内側の両方に分配されるように、フロアパネルの各角に配置される。複数のフロアパネル37は、各フロアパネルが1つ以上の垂直支柱を共有するように、垂直に積み重ねられた保管レベルの各レベルに配置される。
図1に示される特定の実施形態は、複数の垂直支柱13が保管レベルの外周の周りに外側にも、保管レベル内に内側にも分散されていることを示しているが、本発明では、保管レベル4を垂直方向に離間した配置で支持するためのより少ない垂直支柱が適用可能である。1つ以上のブレーシング部材またはトラス(図示せず)を使用して、垂直に積み重ねられた保管レベル4の構造的完全性を改善して、異なる保管レベルで1つ以上の保管コンテナを運ぶ複数のキャリッジを支持することができる。また、図示されていないが、垂直支柱のうちの1つ以上の脚部は、垂直に積み重ねられた保管レベルの高さ、したがってレベルを調整するために調整可能にすることができる。垂直に積み重ねられた保管レベル4は、高密度に詰め込まれた配置で在庫を保管するための保管エリアを提供する。上述したように、ペイロードを表す1つ以上の保管コンテナは、1つ以上のキャリッジに保管される。保管エリアは、複数の垂直に積み重ねられた保管レベル4にわたって分散され、垂直に積み重ねられた保管レベルの各レベルが保管エリアの一部を表すようになっている。保管エリアのサイズは、高さ、したがって保管レベルの数に依存する。例えば、垂直に積み重ねられた保管レベルの所与の高さに対して、保管レベルの密度および/または保管エリアの表面積を増加させることによって、保管エリアを増加させることができる。
【0041】
また、
図1に示されているのは、垂直に積み重ねられた保管レベル4のそれぞれにおける1つ以上の経路38であり、自律輸送車両による1つ以上のキャリッジ6のピックアップおよび/またはドロップオフ、ならびに保管エリアの周りでの1つ以上のキャリッジ6の搬送を可能にする。
図3に示されるように、2次元の各フロアレベルにおいて、キャリッジ6は、X座標によって指定される行およびY座標によって指定される列に配列される。複数のキャリッジが異なるフロアレベルに保管されて保管レベルの3次元アレイを提供し、各フロアレベルはZ座標によって指定される。1つ以上の経路38が、各フロアレベルの行および/または列の間の保管エリア内に配置されて、自律輸送車両が保管エリア内の任意のキャリッジ上に結合し、キャリッジを保管エリアに、および/または異なるフロアレベルに、適切なリフト機構を介して所望の目的地まで移動させることを可能にする。
【0042】
図4(a)から
図4(c)は、自律輸送車両14がキャリッジ16に結合し、キャリッジ16を保管エリア内の駐車スペース40(
図4(c)参照)から移動させる例を示す。第1の操作では、制御システムによって命令された自律輸送車両14は、所望のキャリッジ16を位置付けるまで、キャリッジの列の間の狭い通路38に沿って移動し、そこで、自律輸送車両14は、
図4bに示されるように、位置付けられたキャリッジ16に結合することができるようにそれ自体を操作する。キャリッジと結合するために、
図2(aからc)を参照して上述した結合を含むがこれに限定されない様々な結合機構を使用することができる。自律輸送車両14とキャリッジ16との間の結合を作動させるために、1つ以上のセンサ、例えば近接センサを使用することができる。自律輸送車両14上の1つ以上のセンサによって決定されるようにいったんキャリッジ16に結合されると、自律輸送車両14は、次いで、
図4cに示されるように狭い通路38に沿って移動することによって、マルチレベル垂直ループコンベヤに進むことができる。保管レベルから回収されたキャリッジ16は、座標XYZによって決定される特定の指定位置を有する保管エリア内に空の駐車スペース40を残す。
【0043】
保管エリア内の所望の目的地への1つ以上の自律輸送車両のナビゲーションは、ナビゲーションシステムによって提供される。本発明の例示的な実施形態によるナビゲーションシステムは、保管エリア全体にわたって異なる位置に分散された複数のマーカ(図示せず)と、マーカを感知するための1つ以上のセンサまたはリーダとを備える。例えば、マーカは、保管面の少なくとも一部、具体的には、各フロアレベルにおける行/列のキャリッジにつながる1つ以上の経路38の周りを覆う。自律輸送車両に組み込まれた1つ以上のセンサは、マーカを認識および/または応答することによって、保管エリア内の予め定められた経路に沿って自律輸送車両をガイドまたはナビゲートすることができる。マーカによってガイドされる1つ以上の自律輸送車両が、1つ以上のキャリッジを保管エリアの周りで、ドロップオフエリアまたは回収エリアまたは別の所望の場所へ、およびそこから移動させることができるように、マーカは保管エリア内に戦略的に配置される。自律輸送車両が顧客注文を履行するためにキャリッジを取り出すように命令されるか、またはストックを補充するためにキャリッジを戻すように命令されるかに応じて、別の所望の場所は、ピッキングステーションまたはデカントステーションであることができる。1つ以上のマーカは、光学マーカ、例えばバーコード、QRコード(登録商標)等、または単にセンサ、例えばRFIDタグによって認識可能なマーカに基づくことができる。マーカのパターンは、自律輸送車両に、特に自律輸送車両の下に取り付けられた1つ以上のセンサによって感知される一連の白黒の正方形または「ドット」に配置することができる。マーカの上を移動する自律輸送車両が保管エリア内のその位置を決定することができるように、1つ以上のマーカは、保管エリア内のマーカの位置に関する情報を含むことができる。自律輸送車両がそのような障害物、例えば上述した垂直支柱を回避するように認識することができるように、マーカに記憶された他の情報は保管エリア内に存在する任意の障害物の存在を含んでもよい。1つ以上のマーカと自律輸送車両との間の関係は、US2012/0259482(Klaus Jeschke)の教示に基づくことができ、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
自律輸送車両は、マーカを感知し、1つ以上の信号を制御システムにワイヤレスで、例えばネットワークを通して送信することによって、保管エリア内のその位置を決定することができる。制御システムは、典型的にはコンピュータ化されており、保管エリア内およびその周囲の1つ以上の自律輸送車両の移動を監視および制御するためのデータベースを備える。1つ以上の自律輸送のそれぞれは、制御システムへの1つ以上の信号の送信、および、制御システムからの1つ以上の信号の受信を可能にするために、適切な送信手段および受信手段、すなわち送信機および受信機を備えるオンボード制御および通信システムを装備する。1台以上の自律輸送車両は、典型的には、ワイヤレス通信手段、例えばWLANを介して、および/または4G以上などの移動電気通信技術を利用して、制御システムと通信する。保管および取り出しシステムがタイムリーな方法で顧客の注文を履行することができるように、保管エリアからキャリッジを戻すかまたは取り出すために、制御システムは1つ以上の自律輸送車両の移動を制御または調整するように構成される。保管エリアへの、および保管エリアからの所望の目的地へのキャリッジの取り出しおよび/または戻しを行うための自律輸送車両のうちの1つ以上の協調のさらなる詳細が、以下で説明される。
【0045】
キャリッジのうちの1つ以上を垂直に積み重ねられた保管レベルの異なる保管レベルに移動させるために、自動保管および取り出しシステムは、リフトまたはエレベータをさらに備える。US2012/0259482(Klaus Jeschke)の技術で論じられているリフトとは対照的に、本発明によるリフトまたはエレベータは、
図1および
図5aに示されているようなマルチレベル垂直ループコンベヤ7を備えている。特に保管エリアが多くのレベルにわたって分配されているときに、1つ以上のキャリッジを垂直に積み重ねられた保管レベルを上下に移動させるための単一のエレベータに関する問題は、1つ以上のキャリッジが、垂直に積み重ねられた保管レベルの異なる保管レベルに輸送されるのを待たなければならず、その結果、保管レベルのうちの1つ以上でキャリッジが混雑するので、単一のエレベータがボトルネックとなることである。最終的には、エレベータまたはリフトが1つ以上のキャリッジを異なる保管レベルに移動させるために、保管エリアの周りの1つ以上のキャリッジの移動を中断しなければならない。これは、次に、自動保管検索システムへのおよび自動保管検索システムからの1つ以上のキャリッジのスループットを減少させ、次に、顧客注文を履行するのにかかる時間を増加させる。
【0046】
本発明では、マルチレベル垂直ループコンベヤ7が、
図1の垂直に積み重ねられた保管レベル4に隣接して示されている。マルチレベル垂直ループコンベヤ7は、複数のキャリッジが垂直に蓄積されることを可能にし、したがって、異なる保管レベルにおけるボトルネックを低減する。マルチレベル垂直ループコンベヤ7は、垂直に積み重ねられた複数のキャリッジを異なる保管レベルに実質的に同時に移動させるために使用される。一般に、マルチレベル垂直ループコンベヤ7は、駆動部材44、例えばチェーンまたはベルトに結合された複数のペイロードプラットフォーム42を備え、駆動部材44は、連続的なまたは循環する垂直ループ内に形成され、ガイド部材46によってガイドされて、「パーテルノステル」搬送原理を形成し、ループ内の任意の点で積み込みおよび積み下ろしが行われる。駆動部材は、駆動機構(図示せず)、例えばモータによって、連続垂直ループで移動するように駆動される。連続した垂直ループの周りで複数のプラットフォームを移動させる様々な方法がある。異なるタイプのマルチレベル垂直ループコンベヤの例示的な実施形態について、以下でさらに説明する。
【0047】
駆動部材44の動き、したがって複数のプラットフォーム42の動きは、それぞれの保管レベルで待機しているキャリッジの数に応じて制御システムによって制御または調整される。マルチレベル垂直ループコンベヤ7の一方の側は、キャリッジ6を保管エリアに供給するために使用することができ、マルチレベル垂直ループコンベヤ7の他方の側は、キャリッジ6が連続垂直ループに沿った任意の点でマルチレベル垂直ループコンベヤ7に出入りすることができるように、1つ以上のキャリッジ6を保管エリアから取り出すために使用することができる。プラットフォーム42の移動は、1つ以上のキャリッジ6の保管エリアへの保管および保管エリアからの保管および取り出しを調整するように制御することができる。複数のプラットフォーム42の移動を制御するための制御システムのさらなる詳細は、以下で議論される。1つ以上のアイテムが、デカントステーションにおいてキャリッジに追加され、ストックを補充するためにマルチレベル垂直ループコンベヤ7を介して保管エリアに輸送され、1つ以上のアイテムがピッキングステーションに移動され、そこで1つ以上のアイテムが1つ以上のキャリッジからピッキングされて1つ以上の顧客注文を履行する。複数のプラットフォーム42が上方向に移動しているコンベヤの第1の側が、1つ以上のキャリッジ6を含むペイロードを保管エリアに供給するために提供され、複数のプラットフォーム42が下方向に移動しているマルチレベル垂直ループコンベヤ7の第2の側が、キャリッジ上で輸送されたペイロードを保管エリアから取り出すために提供されるように、マルチレベル垂直ループコンベヤ4は構成されることができる。
図1に示す本発明の特定の実施形態では、マルチレベル垂直ループコンベヤの配置のために、マルチレベル垂直ループコンベヤ7の第2の側部は、第1の側部の側方に配置される。マルチレベル垂直ループコンベヤの両側の複数のプラットフォーム42の上下運動は、
図1の矢印の方向によって示されている。
【0048】
例えば、自律輸送車両14によって駆動されるキャリッジ16は、マルチレベルコンベヤの第1の側に入り、そこで、キャリッジ16は、保管エリアのインバウンドエリアを介して保管エリアに入ることができる所望の保管レベルまで上方向に移動するプラットフォーム42によって輸送される。逆に、1つ以上のアイテムを搬送し、自律輸送車両14によって駆動されるキャリッジ16は、保管レベルで保管エリアを出て、アウトバウンドエリアを介してマルチレベル垂直ループコンベヤ7の第2の側に入ることができる。その後、自律輸送車両によって駆動されるマルチレベル垂直ループコンベヤを出て、キャリッジから1つ以上のアイテムを取り出すためのピッキングステーションまたはアウトフィードステーションに至ることができるレベルまで、キャリッジは下方向に輸送される。インバウンドエリアは、マルチレベル垂直コンベヤに隣接する保管エリアのエリア、特に、マルチレベル垂直コンベヤから保管エリアへのキャリッジの流入または進入のためのマルチレベル垂直コンベヤのプラットフォームを表す。アウトバウンドエリアは、保管エリアからマルチレベル垂直コンベヤへのキャリッジの流出のためのマルチレベル垂直コンベヤに隣接する保管エリアのエリアを表す。
【0049】
典型的には、
図1に示されるように、保管レベルの垂直スタックの各レベルは、インバウンドエリアおよびアウトバウンドエリアを含む。インバウンドおよびアウトバウンドは互いに隣接しており、マルチレベル垂直ループコンベヤに出入りする交通の中断されない流れを提供する。1つ以上の自律輸送車両14は、プラットフォームがマルチレベル垂直ループコンベヤに入るために利用可能になるまで、アウトバウンドエリアで待機するように命令される。インフィードステーションを介してまたはアウトフィードステーションからマルチレベル垂直ループコンベヤに出入りするキャリッジの動きは、
図1の矢印によって示されている。
図1に示される特定の実施形態では、マルチレベルコンベヤのプラットフォームは、垂直に積み重ねられた保管レベルの異なるレベル間で自律輸送車両を搬送するように構成される。その結果、マルチレベルコンベヤのプラットフォームのそれぞれは、プラットフォーム上のキャリッジを単に降ろすのではなく、
図1に示すように、自律輸送車両がプラットフォームに乗り降りできるように、連続的な輸送面を有する。これにより、マルチレベルコンベヤの異なるレベル間で自律輸送車両を移動させることができるので、垂直に積み重ねられた保管レベルのうちの1つのレベルが固定数の自律輸送車両に制限されることはない。したがって、同じ自律輸送車両が、マルチレベルコンベヤを介して保管エリアおよびピッキング/デカントステーションへ、および保管エリアおよびピッキング/デカントステーションからキャリッジを輸送するように構成されることができる。マルチレベルコンベヤの異なるレベル間の自律輸送車両の移動は、垂直に積み重ねられた保管レベルの異なる保管レベルでストックを分配する柔軟性を提供する。例えば、頻繁に要求されるアイテムは、容易にアクセス可能な保管下位レベルに配置することができ、したがって、より多くの自律輸送車両を下位保管レベルに割り当てることができる。あまり頻繁に要求されないアイテムは、垂直に積み重ねられた保管レベルのより高いレベルに配置することができる。制御システムと通信する交通信号システムを使用して、マルチレベル垂直ループコンベヤに出入りするキャリッジの交通の動きを調整することができる。マルチレベル垂直ループコンベヤに出入りするキャリッジの交通の流入および流出を制御するための交通信号システムのさらなる詳細を以下に説明する。
【0050】
マルチレベル垂直ループコンベヤ
異なるタイプのマルチレベル垂直ループコンベヤ7の例が、
図5(aおよびb)、
図6(aおよびb)および
図7(aおよびb)に示されている。
図5(a、b、およびc)に示されるマルチレベル垂直ループコンベヤ7の第1の例では、複数のプラットフォーム42は、マルチレベルコンベヤの上部および底部において上方移動から下方移動へ、およびその逆に方向を変更するときに、プラットフォーム42が反転または向きを変えるように、駆動部材44に固定して結合される。
図5cに示す例示的な実施形態では、駆動部材は、複数のプラットフォームのそれぞれをマルチレベル垂直ループコンベヤ7の上部および下部湾曲部分の周りに搬送するためのスプロケット49をさらに備える。複数のプラットフォームのそれぞれと駆動部材との間の結合は、プラットフォームの上方移動と下方移動との間で、かつマルチレベル垂直ループコンベヤの上部湾曲部分および下部湾曲部分の周りで、複数のプラットフォームの滑らかな移行があるようなものである。
【0051】
図5(a、bおよびc)に示す特定の実施形態では、駆動部材は、内側駆動部材44aおよび外側駆動部材44bを備え、複数のプラットフォームが常に内側および外側駆動部材44a、44bと上下方向に接触したままであるようになっている。内側駆動部材44aは、マルチレベル垂直ループコンベヤ7の上側および下部湾曲部分の周りにスプロケット44cをさらに備える。複数のプラットフォームは、複数のプラットフォーム42のそれぞれの縁部が内側半径rの周りを移動するように、それぞれの内側縁部45aにおいてスプロケット44cに結合され、複数のプラットフォームのそれぞれの外側縁部45bが外側半径Rの周りを移動するように、外側駆動部材44bに結合される。したがって、複数のプラットフォームのそれぞれの内縁45aは、vi=r×ω(ここで、vi=内速度、r=内側半径、およびω=角速度)に等しい速度で上部および下部湾曲部分の周りを移動し、複数のプラットフォームのそれぞれの外縁45bは、vo=R×ω(ここで、vo=外速度、R=外側半径、およびω=角速度)に等しい速度で上部および下部湾曲部分の周りを移動する。複数のプラットフォームが一定の角速度ωでマルチレベル垂直ループコンベヤの上部および下部湾曲部分の周りを移動することを確実にするために、プラットフォームのそれぞれの内側縁部は、角速度νi=r/Rxvoで内側駆動部材44aの周りを駆動される。これを達成する方法の1つは、内側および外側駆動部材44a、44b、44cを使用することであり、これらは、コネクタ(ピン)43を使用してプラットフォームの内側および外側縁部を駆動部材に固定的に結合するための連続ベルトまたはチェーンとすることができる。複数のプラットフォーム42のそれぞれの内縁にある各角42bは、コネクタ43、47、例えばピンのセットを備える。ピンの各セットは2本のピンを含み、ピンの第1のセット43はピンの第2のセット47から後退している。複数のプラットフォーム42のそれぞれの上下方向において、プラットフォームの角にあるピンの第1のセット43は、内側駆動部材44aに固定して結合される。
図5cに詳細に示すように、枢動点45aにおいて、プラットフォームは内側駆動部材(ベルト)44aから切り離され、代わりにピンの第2のセット47が内側駆動部材のスプロケット44cに接続される。スプロケット44cの回転は、ピンの第2のセット47を駆動し、したがって、プラットフォームをマルチレベル垂直ループコンベヤの湾曲部分の周りに駆動する。スプロケットの回転は、駆動機構、例えば、モータ、によって駆動され、その結果、プラットフォームの上方移動と下方移動との間、およびマルチレベル垂直ループコンベヤの上部湾曲部分および下部湾曲部分の周りで、複数のプラットフォームの滑らかな移行が存在する。プラットフォームが他方の側に回転すると、ピンの第2のセット47がスプロケット44cから分離し、コネクタの第1のセット43が下方に移動する内側駆動部材44aに接続する。複数のプラットフォーム42のそれぞれの内縁の角42bにおけるピンの第1のセット43および第2のセット47の接続は、マルチレベル垂直ループコンベヤ7の上部および下部湾曲部分で繰り返される。
【0052】
このようにして、複数のプラットフォームのそれぞれの対向面は、ペイロードを支持するための支持面を提供する。したがって、複数のプラットフォーム42の上方向において、複数のプラットフォーム42の上面は、ペイロードを受け入れるために提供される。複数のプラットフォーム42の下方向では、上方向に移動しているときに複数のプラットフォーム42のそれぞれが底面であったものが、垂直ループの周りで反転されると上面になる一方で、依然としてマルチレベル垂直ループコンベヤ7の上部および底部で駆動部材44に固定的に結合される。複数のプラットフォーム42は、マルチレベル垂直ループコンベヤ7のフレーム48の一部を形成するガイド部材46によって、連続垂直ループの周りにガイドされる。
図5bに示す特定の実施形態では、ガイド部材46は、プラットフォーム42が連続した垂直ループの上部および下部湾曲部分の周りを移動すると、プラットフォーム42のそれぞれの角部と協働する。その結果、ガイド部材46は、プラットフォームがマルチレベル垂直ループコンベヤの頂部および底部で反転するためのガイド経路を提供するために、上方および下方に延びる半円形部分50を備える連続垂直ループとして成形される。ガイド部材46は、連続垂直ループに曲げられたガイドチューブの形態であることがある。ガイド部材46は、プラットフォームの四隅に配置された複数の垂直支柱52によって直立位置に支持されており、プラットフォームがマルチレベル垂直ループコンベヤを上下に移動する際にプラットフォームに支持を提供する。複数のプラットフォームとフレーム48との組み合わせは、1つ以上のキャリッジを含むペイロードを収容するために、複数のプラットフォーム42によって分離された一連のコンパートメントを提供する。
【0053】
マルチレベル垂直ループコンベヤ7のこの構成の利点は、複数のプラットフォームが連続垂直ループを通って移動するときに駆動部材に対して移動しないという意味で、複数のプラットフォーム42のそれぞれが駆動部材44に結合されたままであることである。結果として、複数のプラットフォームのそれぞれは、2つより多い接触点によって支持されることができ、ペイロードを支持するプラットフォームの能力を増加させる。これは、自律輸送車両とキャリッジの両方を支持したい場合に特に重要である。
図5bに示される特定の実施形態において、複数のプラットフォームのそれぞれの4つの角は、複数のプラットフォームが連続した垂直ループの周りを移動するときにガイド部材46によって支持される。複数のプラットフォームを駆動部材44に結合することの別の利点は、プラットフォームが垂直に積み重ねられた保管レベルのレベルに対応するレベルにあるときに、複数のプラットフォームのそれぞれと垂直に積み重ねられた保管レベルのいずれかとの間のインターフェースを単純化することができることである。例えば、マルチレベル垂直ループコンベヤは、プラットフォームが保管レベルのレベルに対応するレベルにあるときに、複数のプラットフォームのそれぞれの縁部と複数の垂直に積み重ねられた保管レベルのいずれかの縁部との間に比較的小さな間隙が存在して、自律輸送車両がプラットフォームと保管レベルとの間の小さな間隙を乗り越えることができるように、保管レベルの垂直スタックに対して配置することができる。小さな間隙は、自律輸送車両が保管レベルとプラットフォームとの間を移動するために、プラットフォームの縁部と保管レベルとの間にフラップを設ける必要性を排除する。本発明の目的のために、「インターフェース」という用語は、プラットフォームのレベルがラックの保管レベルのいずれかのレベルに対応するレベルにあるときのプラットフォームと保管レベル(より具体的には、プラットフォームおよび保管レベルの縁部)との間の協働に対応する。上述したように、1つ以上のキャリッジは、保管エリアのインバウンドエリアを介して保管エリアに入り、プラットフォームとインターフェースする保管レベルにおける保管エリアの部分を表す。同様に、1つ以上の保管キャリッジは、保管エリアから出て、保管エリアのアウトバウンドエリアを介してマルチレベル垂直ループコンベヤのプラットフォーム上に至る。保管エリアに出入りするためのインバウンドエリアおよびアウトバウンドエリアは、それぞれ
図8aおよび
図8bに示されている。
【0054】
1つ以上のキャリッジが、保管レベルの垂直スタックの連続垂直ループに沿って異なるレベルでマルチレベル垂直ループコンベヤに出入りすることができるので、インバウンドエリアおよびアウトバウンドエリアは、異なる保管レベルに存在する。理想的には、複数のプラットフォームのそれぞれと、インバウンドおよび/またはアウトバウンドエリアとの間の協働は、自律輸送車両が複数のプラットフォームのそれぞれと、保管レベルのそれぞれにおけるインバウンドおよび/またはアウトバウンドエリアとの間のインターフェース上を容易に移動するための連続面を提供する。プラットフォームと保管レベルとの間のインターフェースにおける上述の小さな間隙は、プラットフォームと保管レベルとの間のインターフェースにおける可動部品の必要性を排除する。代替的に、インターフェースは、プラットフォームの縁部と保管レベルとの間の接合部にフラップ(図示せず)を備えることができる。インターフェースにおけるフラップは、フラップによって中断されないプラットフォームの上下方向の移動を可能にするように移動可能である。例えば、フラップは、弾性材料、例えばゴムを含むことができ、または複数のプラットフォームの上下方向の移動を妨げることなく、プラットフォームの縁部および/または保管レベルのいずれかに枢動可能に取り付けられるが、自律輸送車両および/またはキャリッジがプラットフォームの縁部と保管レベルとの間のインターフェース上を通過することを可能にする。
【0055】
複数のプラットフォーム42を連続垂直ループで搬送するためのマルチレベル垂直ループコンベヤ17の別の例が、
図6aおよび
図6bに示されている。複数のプラットフォームが連続した垂直ループで移動するときに複数のプラットフォームのそれぞれの角部を支持することと比較して、複数のプラットフォーム42のそれぞれは、駆動部材44から片持ち支持されるように駆動部材44に固定して結合される。複数のプラットフォームの移動の動きは、
図5(aおよびb)に示されるような複数のプラットフォームの移動を、それらが連続垂直ループで移動し、連続垂直ループの上部および底部で反転するという意味で模倣する。複数のプラットフォームのそれぞれがコンベヤを上下に移動するときに実質的に水平のままであることを確実にするために、複数のプラットフォームは、1つ以上のスタビライザまたは脚部54を備える。1つ以上のスタビライザ54は、駆動部材44を収容するガイド部材46の周りに乗るように構成される。ガイド部材46は、複数のプラットフォームが上下方向に移動するときに複数のプラットフォームを実質的に水平な向きに維持しながら、複数のプラットフォームを連続した垂直ループの周りにガイドするように、連続した垂直ループとして成形される。
【0056】
1つ以上のスタビライザ54は、プラットフォームの所与の向きにおいて、1つ以上のスタビライザがガイド部材46に接合するように構成され、それによって、複数のプラットフォームがマルチレベル垂直ループコンベヤ17を上下に移動するときに、複数のプラットフォームのそれぞれが実質的に水平な向きのままであることを確実にするのに役立つように、角度が付けられている。スタビライザ54のそれぞれの第1の端部56はプラットフォームに取り付けられ、スタビライザの第2の端部58はガイド部材46に当接し、ガイド部材46に乗り上げる。スタビライザ54の角度は、スタビライザの第2の端部58がガイド部材46に当接したときに、プラットフォーム42がマルチレベル垂直ループコンベヤ17を上下に移動するときに実質的に水平な向きに維持されるような角度である。複数のプラットフォームのそれぞれの対向する面は、複数のプラットフォームのそれぞれが、プラットフォームが上方向および下方向に移動するときにプラットフォームの異なる向きにおいて実質的に水平のままであるように、反対方向(すなわち、上方向および下方向)に伸張する1つ以上のスタビライザ54を備える。
【0057】
図6bに示す本発明の特定の実施形態では、スタビライザ54の第2の端部58は、プラットフォーム42が連続した垂直ループの周りにガイドされるときにガイド部材46に沿って進むローラまたは車輪60を任意選択で備えることができる。2つのスタビライザ54が、複数のプラットフォーム42のそれぞれの底面および上面のそれぞれに、複数のプラットフォームのそれぞれが駆動部材44に固定的に結合される縁部に近接して、すなわちプラットフォームの対向面に取り付けられて示されている。動作中、スタビライザ54の第2の端部58にあるローラ60は、スタビライザ54が連続した垂直ループでマルチレベル垂直ループコンベヤ17を上下に移動する際に、ガイド部材46に沿って進む。しかしながら、マルチレベルコンベヤの上部での上向き方向から下向き方向への移行中、プラットフォームの底面が反転して上面になると、すなわち、プラットフォームが上向き方向から下向き方向に移行するときにプラットフォームの向きが方向を変えると、
図6bに示すように、ガイド部材と接触しているプラットフォームの底部のスタビライザ54は、ガイド部材46から切り離すまたは分離する。1つ以上のスタビライザ54は、下方向に移動するときにガイド部材54と再接続する。このプロセスは、プラットフォーム42の対向面上の1つ以上のスタビライザ54が、下方向から上方向に移動するときにガイド部材46から分離し、ガイド部材46に再接続するという点で、下方向から上方向に移動するときに繰り返され、逆もまた同様である。これにより、複数のプラットフォームは、フレーム52によって妨害されることなく、連続した垂直ループの周りを移動することができる。
【0058】
本発明によるマルチレベル垂直ループコンベヤは、複数のプラットフォームのそれぞれ、特にプラットフォームの縁部が、連続垂直ループの周りを移動する際にラックの保管レベルのいずれかとインターフェースするように、ラック(垂直に積み重ねられた保管レベル)に対して配置される。駆動部材44に結合された複数のプラットフォーム間の間隔は、マルチレベル垂直ループコンベヤの複数のプラットフォームがラックの等しい数の保管レベルと同時にインターフェースして、異なる保管レベルにある複数のキャリッジが実質的に同時にマルチレベルコンベヤに入るおよび/または出ることを可能にするようなものである。換言すれば、マルチレベルコンベヤの複数のプラットフォームは、ラックの等しい数の保管レベルのレベルに対応するレベルに実質的に同時に到達する。すなわち、複数のプラットフォームの移動は、保管レベル間の間隔に対して順次ステップでインデックス付けされる。
この移動は、上方および下方の両方向に移動する複数のプラットフォームに適用される。これは、
図5aおよび
図6aに示されており、駆動部材44の両側の複数のプラットフォーム42は、プラットフォームのいずれか1つがラックの保管レベルのレベルに対応するレベルに達したとき、複数のプラットフォーム4がラックの対応する数のレベルにあるように、保管レベルの同じレベルにある。
【0059】
ネットワークに動作可能に結合された制御システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、複数のプラットフォームのうちの1つ以上が複数の垂直保管レベルのうちの1つ以上のレベルに対応するレベルにあるように、連続垂直ループの周りを移動する際に複数のプラットフォーム42のそれぞれの動きを調整させる命令を記憶するメモリとを備える。複数のプラットフォームのうちの1つ以上が、複数の保管レベルのうちの1つ以上のレベルに対応するレベルにあるように、複数のプラットフォームの移動を調整するように構成された制御システムのさらなる詳細は、以下でさらに説明される。
【0060】
図5(aおよびb)および
図6(aおよびb)に示されるシステムに基づくマルチレベル垂直ループコンベヤ7、17に関する問題は、プラットフォーム上のペイロードが、プラットフォームがマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部分または最下部分に到達する前に、すなわち、プラットフォームが反転する前に、プラットフォームから出るべきことであり、これは、プラットフォームの向きが変化する(駆動部材の方向が変化する)と、ペイロードがプラットフォームから落下する原因となるためである。この問題を軽減するために、プラットフォームがマルチレベル垂直コンベヤの上部および下部の周りで上方向から下方向におよびその逆に方向を反転する前に、すなわち駆動部材が方向を変える前に、ペイロードがマルチレベル垂直コンベヤを出ることが不可欠である。制御システムと通信する1つ以上のセンサ(図示せず)は、複数のプラットフォームのそれぞれにおけるマルチレベルコンベヤの占有を監視するために、マルチレベル垂直コンベヤ7、17の外部または内部に配置されることができる。センサのうちの1つ以上は、プラットフォームの占有を監視するように、複数のプラットフォームによって分割されるコンパートメント内に搭載されることができる。代替的に、1つ以上のセンサは、保管エリアのインバウンドエリアおよび/またはアウトバウンドエリアの中または周囲に搭載することができる。1つ以上のセンサは、プラットフォーム上のペイロードの重量を感知するためのカメラまたはロードセルであることである。ペイロードを運ぶ所与のプラットフォームが、垂直に積み重ねられた保管レベルの最上レベルまたは最下レベルに対応するレベルに到達したとき、および駆動部材が連続垂直ループに沿って方向を変える前に、制御システムと通信する1つ以上のセンサは、プラットフォームの占有状態を決定することができ、上部または下部プラットフォームが占有されている場合、プラットフォームが移動することを防止する。これは、マルチ垂直ループコンベヤの最上部および最下部で方向を変えるときにプラットフォームが反転し、それによってペイロードがプラットフォームから落下するマルチ垂直ループコンベヤの部分に沿ってペイロードが搬送されるのを防止するためである。本発明では、1つ以上のセンサは、上下方向の両方に移動する複数のプラットフォームの占有を監視し、駆動部材がマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部分および最下部分で方向を変える前にプラットフォームがその最上レベルまたは最下レベルに到達したときにペイロードが存在する場合、プラットフォームが移動するのを防止する。
【0061】
マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部で変化するプラットフォームの向きの問題を軽減するために、
図7(aおよびb)に示すガイド部材46は、プラットフォーム42が連続垂直ループで移動するときに上方から下方へ、およびその逆に移動するときに、プラットフォーム42を実質的に水平な向きに維持するように、方向付け手段62を備える。これは、
図5(aおよびb)ならびに
図6(aおよびb)に示される実施形態によって必要とされるように、プラットフォームがその最上または最下レベルに到達したときにペイロードを除去する必要性を除去するという利点を有する。したがって、1つ以上のペイロードを、より長い期間にわたってマルチレベル垂直ループコンベヤ27上に保持することができる。これは、キャリッジがマルチレベル垂直ループコンベヤ27に追加され、および/またはそこから除去されることができるシーケンスに役立ち、その詳細は以下でさらに説明される。
図5(a)および
図6(aおよびb)に示す実施形態とは対照的に、ガイド部材46は、複数のプラットフォーム42のそれぞれの角部を上下方向にガイドするための2つの外側平行側部セクション64と、複数のプラットフォームのそれぞれをマルチレベルコンベヤの上部および下部の周りにガイドして連続ループを完成させるための対向端部セクション66とを備える。2つの外側平行側部セクション64のそれぞれは、中央セクションの両側に横方向に配置された2つの側部セクションを備え、上下方向に移動するときにプラットフォームの角部をガイドする。外側平行側部セクションは、平行な直立部材52を含むフレーム48によって支持される。連続した垂直ループの周りを移動するときに複数のプラットフォームのそれぞれを実質的に水平な向きに保つために、複数のプラットフォームのそれぞれは、駆動部材がマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部分および最下部分で方向を変えるときに複数のプラットフォームのそれぞれが駆動部材44に対して枢動することができるように、駆動部材44に移動可能に結合される。したがって、マルチレベル垂直ループコンベヤ27の最上部分および最下部分で駆動部材44の湾曲部分の周りを移動するとき、駆動部材がマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部分および最下部分で方向を変えるときに複数のプラットフォーム42のそれぞれを実質的に水平に維持するために、複数のプラットフォームのそれぞれは、結合を通って延びる実質的に水平な軸の周りで駆動部材44との結合の周りを旋回する。
【0062】
図7(aおよびb)に示す本発明の特定の実施形態では、方向付け手段はブラケット68(またはハンガー)を備え、複数のプラットフォーム42のそれぞれがブラケット68を介して駆動部材44に移動可能に結合されるようになっている。ブラケット68は、駆動部材、例えばチェーンまたはベルトに枢動可能に結合され、複数のプラットフォーム42のそれぞれは、ブラケット68のそれぞれに固定して結合される。駆動部材44は、連続垂直ループの周りで複数のプラットフォーム42を駆動する。複数のプラットフォーム42のそれぞれを、それらがマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部分および最下部分の周りを移動するときに実質的に水平な向きに維持するために、ブラケットのそれぞれは、駆動部材がマルチレベル垂直ループコンベヤ27の湾曲部分の周りで方向を変えるときにブラケットが結合部を通って延びる水平軸の周りを回転するように、駆動部材に枢動可能に結合される。
【0063】
駆動部材44が方向を変えるときに複数のプラットフォーム42のそれぞれが水平軸を中心に揺動するのを防止するために、ブラケット68は、少なくとも2つの垂直方向に間隔を置いて配置されたガイドピン70、72、すなわち上部ガイドピン72および下部ガイドピン70を備え、これらはそれぞれ、マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部で駆動部材と同様の曲率を有する対応する垂直方向に間隔を置いて配置されたガイド経路(上部ガイド経路46bおよび下部ガイド経路46c)と協働して、ブラケット68がマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部で少なくとも2つの垂直方向に間隔を置いて配置されたガイド経路46b、46cによってガイドされるようにする。
図7(c)から
図7(e)に明確に示されるように、2つの垂直方向に離間したピン70、72は、一方が他方の上にある2つのガイド経路46b、46cによって、より具体的には、マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部と最下部との間の単一のガイド経路46に合流するマルチレベル垂直ループコンベヤの上部および下部の2つの半円形ガイド経路によってガイドされる。言い換えれば、2つのガイド経路間の分離は、駆動部材が上向き方向から下向き方向に、およびその逆に方向を変えるときに変化し、それによって、分離は、駆動部材がますます方向を変えるときに増加する。最大の分離は、ガイド部材の最上点および最下点で生じる。少なくとも2つの垂直方向に間隔を置いて配置されたガイドピン70、72は、好ましくは、軸方向に垂直方向に間隔を置いて配置され、すなわち、同じ垂直軸上に整列される。方向付け手段がプラットフォームの方向付けをマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部で実質的に水平な方向付けに維持する機構を、
図7(c)から
図7(e)を参照して説明する。
図7(c)は、マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部に接近するプラットフォーム42を支持するブラケット68を示し、ガイド経路46は2つのガイド経路46b、46cに分離し、垂直方向に離間したガイドピンの上部ガイドピン72は上部ガイド経路46bに入る。上部ガイド経路46bが湾曲して向きを変えると、上部ガイドピン72が上部ガイド経路46bに係合する。これにより、ブラケット68は、
図7dに示すように、上部ガイド経路46bの湾曲の方向に横方向にシフトする。これにより、
図7dに示すように、下部ガイドピン70が下部ガイド経路46cに入る。駆動部材によって駆動される上部ガイドピン72のさらなる移動は、
図7eに示されるように、上部ガイドピン72および下部ガイドピン70をそれらのそれぞれの上部ガイド経路46bおよび下部ガイド経路46c内に駆動する。下部ガイドピン70と下部ガイド経路46cとの協働により、プラットフォームの向きの変化が防止される。マルチレベル垂直ループコンベヤの最上部または最下部を出るとき、上部および下部ガイドピン72、70は、上部および下部ガイド経路46b、46cが単一ガイド経路46に合流するので、ガイド経路46に入る。
【0064】
図7(aおよびb)に示す本発明の特定の実施形態では、ブラケット68は、複数のプラットフォーム42のそれぞれの両側および中央で駆動部材に取り付けられている。ブラケット68は、複数のプラットフォーム42のそれぞれに2点で固定され、ブラケット68が連続垂直ループの周りに駆動されるときにプラットフォームが同じ向きに保たれることを確実にする。
図7(aおよびb)に示す本発明の特定の実施形態では、ブラケット68は実質的にV字形である。
図5(aおよびb)および
図6(aおよびb)に示すガイド部材46とは対照的に、ガイド部材46は、上述したようにプラットフォームがマルチレベル垂直ループコンベヤの最上部および最下部で方向を変えるときにプラットフォームの水平の向きを維持するために、側部セクション64間に配置されたガイド経路46に加えて、2つの外側平行側部セクション64を備える。動作中、上方から下方へ移動するとき、複数のプラットフォーム42のそれぞれは、マルチレベル垂直ループコンベヤの上部および下部で平行な外側側部セクション64から切り離し、プラットフォームが方向を変えるときにプラットフォームを実質的に水平な向きに保つために、中央に取り付けられたガイド経路46の周りで駆動部材44によって運ばれる。
【0065】
複数のプラットフォームのそれぞれがマルチレベル垂直ループコンベヤの上部および下部で反転する
図5(aおよびb)および
図6(aおよびb)に示す実施形態と比較して、連続垂直ループの周りを移動するときにプラットフォームを実質的に水平な向きに保つことにより、ループの周りを移動するときにペイロードがプラットフォームから落下する危険なしに1つ以上のペイロードをマルチレベル垂直ループコンベヤ27上に保つことが可能になる。この利点は、マルチレベル垂直ループコンベヤ27へのおよびマルチレベル垂直ループコンベヤ27からのトラフィックの新しいレベルの調整をもたらす。例えば、キャリッジは、積み込まれ、マルチレベルコンベヤの周りを循環することを可能にされ、プラットフォーム上に積み込まれるシーケンスとは異なるシーケンスでそれぞれのプラットフォームから積み下ろされてもよい。換言すれば、マルチレベル垂直ループコンベヤ上へのキャリッジの入力または積み込みシーケンスは、マルチレベルコンベヤの出力または積み下ろしシーケンスから実質的に独立していてもよく、逆もまた同様である。一例では、ペイロードは、プラットフォームの上方への移動中にプラットフォーム上に積み込まれ、プラットフォームの下方への移動中にプラットフォームから積み下ろされてもよい。したがって、複数のプラットフォームは、それらが積み込まれたときとは異なるシーケンスまたは順序で積み下ろされることができる。プラットフォームの積み込みおよび積み下ろしの異なるシーケンスはまた、プラットフォームの積み込みおよび/または積み下ろしの優先順位付けを可能にする。例えば、1つ以上のキャリッジは、1つ以上のキャリッジによって搬送されるアイテムの1つ以上の属性に応じて、積み込みおよび/または積み下ろしのために優先されてもよい。これらは、アイテム、例えば冷凍または冷蔵アイテムの保管温度、または顧客注文を履行するためのアイテムの緊急性を含むが、これらに限定されない。それほど緊急でないアイテムまたは腐りにくいアイテムは、コンベヤからそれらを降ろすのに都合がよいときまで、マルチレベル垂直ループコンベヤ27上に留まることができる。複数のプラットフォームの積み込みおよび積み下ろしは、ピッキングステーションにおける需要に関連付けられた緊急性基準に基づくことができる。プラットフォームは、顧客注文を履行するためにピッキングステーションによって必要とされるアイテムのシーケンスに基づいて優先順位付けされてもよい。制御システムは、顧客の注文に関連して、マルチレベルコンベヤの積み込みおよび積み降ろしのシーケンスを調整することができる。それはまた、より多くのキャリッジがマルチレベル垂直ループコンベヤに垂直に蓄積されることを可能にする。
【0066】
マルチレベル垂直ループコンベヤの異なる例のすべてに共通して、マルチレベル垂直ループコンベヤの一方の側または第1の側は、1つ以上のキャリッジを保管エリアの異なる保管レベルに供給するように構成することができ、マルチレベル垂直ループコンベヤの他方の側または第2の側は、1つ以上のキャリッジを保管エリアの異なる保管レベルから取り出すように構成することができる。これは順次起こり得るが、同時に起こることが好ましい。これは、マルチレベル垂直ループコンベヤの異なる側における複数のプラットフォームの移動方向を示す
図6aに例示されている。下向き矢印によって示されるような複数のプラットフォームの下向き移動は、異なる保管レベルで保管エリアを出る1つ以上のキャリッジを搬送するために使用され、上向き矢印によって示されるような複数のプラットフォームの上向き移動は、異なる保管レベルでマルチレベル垂直ループコンベヤに入った1つ以上のキャリッジをそれらの所望の保管レベルに搬送するために使用される。特定の説明は、マルチレベル垂直ループコンベヤ7、17、27の3つの異なる実施形態を説明しているが、複数のキャリッジを垂直に蓄積することができ、マルチレベル垂直ループコンベヤが連続垂直ループに沿った任意の点で複数のキャリッジのうちの1つ以上を積み込みおよび積み下ろすことを可能にする他のマルチレベル垂直ループコンベヤが、本発明において適用可能である。
【0067】
また、マルチレベル垂直ループコンベヤの上方および下方への移動により、1つ以上の自律輸送車両を異なる保管レベルに輸送して、1つ以上の保管レベルで1つ以上のキャリッジを取り出す要求を満たすことができる。その結果、保管エリアの他の保管レベルよりも多くの自律輸送車両を1つ以上の保管レベルに割り当てることができる。
【0068】
交通信号システム
図8(aおよびb)は、それぞれマルチレベル垂直ループコンベヤに入るおよび出るための保管エリアのインバウンドエリア74aおよびアウトバウンドエリア74bを示す。インバウンドエリア74aおよびアウトバウンドエリア74bは、横方向に配置されて、すなわち並んで示されている。
図8(aおよびb)に示される両方の例において、マルチレベル垂直ループコンベヤの積み込みおよび積み下ろしを実質的に同時に可能にするために、マルチレベル垂直ループコンベヤの積み込みおよび積み下ろしのためのプラットフォーム42は同時に到着し、その結果、それらはそれぞれ、インバウンドエリア74aおよびアウトバウンドエリア74bにおける垂直に積み重ねられた保管レベルの保管レベルのレベルに対応するレベルにある。これは、等間隔の垂直プラットフォーム42を有することによって達成され、プラットフォーム42の垂直方向の分離は、垂直に積み重ねられた保管レベルの分離に対応する。インバウンドエリア74aおよびアウトバウンドエリア74bは、交換可能であることがあり、マルチレベル垂直ループコンベヤの複数のプラットフォームが下方向に移動しているか、または上方向に移動しているかに依存することがある。例えば、より低い保管レベルに移動する必要があるとき、自律輸送車両14は、アウトバウンドエリア74bを介してマルチレベル垂直ループコンベヤの一方の側で下方移動プラットフォームに入ることができ、同じ側でインバウンドエリア74aを介してマルチレベル垂直ループコンベヤから出ることができる。逆に、自律輸送車両は、マルチレベルコンベヤの他方の側で上方に移動するプラットフォームに入り、より高い保管レベルに持ち上げられ、マルチレベルコンベヤの同じ側でプラットフォームから出ることができる。これにより、マルチレベル垂直ループコンベヤは、1つ以上の自律輸送車両を、垂直に積み重ねられた保管レベルの異なる保管レベルに搬送することができる。
【0069】
また、
図8(aおよびb)に示されているのは、マルチレベル垂直ループコンベヤに入るために整然と待ち行列で並んで待機している複数のキャリッジである。待ち行列の順序は、限定はしないが、自律輸送車両がキャリッジを取り出すように命令された時間、顧客の注文を履行するためにキャリッジ内に保持されたアイテムの優先順位、または単に自律輸送車両が保管エリアを出るためにアウトバウンドエリアにどれだけ速く到着できるかに依存するという事実を含む、いくつかの要因に依存することができる。マルチレベル垂直ループコンベヤへの1つ以上のキャリッジの進入を制御するために、本発明は、マルチレベル垂直ループコンベヤへのキャリッジおよび/または自律輸送車両の進入およびマルチレベル垂直ループコンベヤからのキャリッジおよび/または自律輸送車両の進入を制御するための交通信号システムを提供する。
図9(aおよびb)および
図10(aおよびb)は、本発明による交通信号システム80の2つの例を示す。
図9(aおよびb)に示す交通信号システム80の第1の例では、マルチレベル垂直ループコンベヤの複数のプラットフォームのそれぞれの入口に取り付けられたセンサが、保管エリアのアウトバウンドエリア74b内のキャリッジ16および/または自律輸送車両14の存在を感知する。センサは、様々な光学センサ、例えば、Lidarセンサ(光検出および測距)または超音波センサなどの近接センサであることができる。任意選択で、センサは、保管エリアのインバウンドエリアおよびアウトバウンドエリアにおける自律車両の存在を感知することができるカメラとすることができる。
【0070】
センサは、制御システムに通信可能に結合され、センサが保管エリアのアウトバウンドエリア74b内の自律輸送車両を感知するとき、制御システムに信号を送る。制御システムは、プラットフォーム42がアウトバウンドエリア74b(
図9a参照)内の自律輸送車両の保管レベルに対応するレベルになるまで、自律輸送車両がマルチレベル垂直ループコンベヤに入ることを防止する。マルチレベル垂直ループコンベヤのプラットフォームが保管レベルにあるとき、制御システムは、
図9bに示すように、プラットフォームに入るように自律輸送車両に信号を送る。マルチレベル垂直ループコンベヤに入るための同様の交通信号システム80は、センサがプラットフォームの占有を感知し、プラットフォームが保管レベルに対応するレベルに到達したときに、制御システムのみが自律輸送車両にインバウンドエリア74aを介してマルチレベル垂直ループコンベヤから出るように命令するという点で、マルチレベル垂直ループコンベヤから出ることにも適用される。
【0071】
代替的に、複数の自律輸送車両のそれぞれは、交通信号システム80と通信またはハンドシェイクし、交通信号システム80からの信号を解釈して、マルチレベル垂直ループコンベヤのプラットフォームに入るか、またはアウトバウンドエリアで待機するかを決定することができるセンサまたは受信機を備えることができる。例えば、センサはカメラであってもよく、交通信号システム80は、カメラによって解釈される異なる信号を送信することができる。任意選択で、交通信号システム80は、例えば短距離ワイヤレス技術(Bluetooth(登録商標))に基づいて、自律輸送車両の受信機によって検出可能な信号生成手段、例えば送信機を備えることができる。
【0072】
上述したセンサ手段と組み合わせて、または代替的に、交通信号システム80は、
図10(aおよびb)に示すように、自律輸送車両14がマルチレベル垂直ループコンベヤに出入りするのを防止するための物理的バリア82を備えることができる。したがって、プラットフォームセンサが保管エリアのアウトバウンドエリア74b内の自律輸送車両14の存在を感知し、プラットフォームが保管レベルに到達していないとき、
図10aに示すように、自律輸送車両14および/またはキャリッジ16がマルチレベル垂直ループコンベヤに入ることを防止するために下げられる。
図10bに示すように、プラットフォームが保管レベルに到達するとき、物理的バリア82が上昇して、自律輸送車両がマルチレベルコンベヤに入ることを可能にする。任意選択的に、物理的バリアは、下降位置に付勢されることができ、自律輸送車両がアウトバウンドエリアを介してマルチレベル垂直ループコンベヤに入ろうとしているときにのみ上昇される。
【0073】
図9(aおよびb)ならびに
図10(aおよびb)には示されていないが、複数のプラットフォームのそれぞれは、任意選択で、物理的バリア(以下、保管レベルのそれぞれにおける複数のプラットフォームの外部の物理的バリア82と区別するために「プラットフォームバリア」と呼ぶ)を備えることができる。プラットフォームバリアは、プラットフォームが動いている間に自律輸送車両および/またはキャリッジがプラットフォームから出ることを防止するために下げられ、プラットフォームが保管レベルに到達したときに自律輸送車両および/またはキャリッジがプラットフォームから出ることを可能にするために上げられる。プラットフォームバリアの下降位置から上昇位置への移動およびその逆の移動は、制御システムによって、すなわち上述の交通信号システムの1つ以上のセンサからの信号に応答して制御することができる。
【0074】
自律輸送車両は、マルチレベル垂直ループコンベヤ内を移動するときにキャリッジに結合されたままであることができ、または自律輸送車両は、マルチレベル垂直ループコンベヤ内にキャリッジを置き、その保管レベルにとどまることができる。前者は、キャリッジがピッキングステーションまたはデカントステーションに移動されているときに、自律輸送車両がキャリッジに結合されたままであることができ、それによって、より単純な制御システムを提供するという利点を有する。後者は、第2の自律輸送車両が所望の保管レベルでマルチレベル垂直ループコンベヤからキャリッジを取り出すように、自律輸送車両がマルチレベル垂直ループコンベヤ内にあるときにキャリッジから切り離し、その保管レベルに留まる場合である。両方の場合において、キャリッジは、マルチレベル垂直ループコンベヤによって運ばれる。
【0075】
マルチレベル垂直ループコンベヤの移動は、複数の自律輸送車両が複数のキャリッジをマルチレベル垂直ループコンベヤに実質的に同時に出し入れすることができるように調整される。マルチレベルコンベヤの調整の詳細を以下に説明する。
【0076】
制御システム
図11は、本発明の例示的な実施形態による、保管および取り出しシステム1の制御システム90を図示している。自律輸送車両96、マルチレベルコンベヤ94、およびピッキング/デカントステーション98などの保管および取り出しシステムのコンポーネントは、1つ以上のプロセッサ100と、1つ以上のプロセッサによって実行される命令を記憶するためのメモリ102と、1つ以上の自律輸送車両およびマルチレベル垂直ループコンベヤと通信するための通信モジュール104とを備えるマスタ制御システム92によって制御される。
図12は、1つ以上のプロセッサ100、通信モジュール104、およびメモリデバイス102を示す、本発明によるマスタ制御システム92の例示的実施形態である。マスタ制御装置システム92は、データがクラウド内で処理されるスタンドアロンサーバまたはウェブサーバであることがある。1つ以上のプロセッサは、Intel(登録商標)によって製造されるPentium(登録商標)またはXeon(登録商標)ファミリ、AMD(登録商標)によって製造されるTurion(登録商標)ファミリからのマイクロプロセッサなどの1つ以上の既知の処理デバイスを含むことができる。通信モジュール104は、マスタ制御装置システムによって、1つ以上の車両輸送車両96および/またはマルチレベル垂直ループコンベヤ94および/またはピッキング/デカントステーション98へ、またはこれらから、データが受信および/または送信されることを可能にするように構成されてもよい。1つ以上のプロセッサ100と、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに命令を記憶するメモリ102とは、1つ以上のプロセッサに、保管および取り出しシステム、すなわち自律輸送車両、マルチレベル垂直ループコンベヤ(以下、
図11では「リフト」と呼ぶ)、およびピッキング/デカントステーション(以下、
図11では「ステーション」と呼ぶ)を制御させる。通信モジュール104は、自律輸送車両、マルチレベルコンベヤ、およびピッキング/デカントステーションへの信号の送信および自律輸送車両、マルチレベルコンベヤ、およびピッキング/デカントステーションからの信号の受信を可能にするために、適切な送信手段および受信手段(すなわち、送信機-受信機システム)を備えている。
【0077】
マスタ制御装置システムは、通常、ワイヤードまたはワイヤレス通信手段によってネットワークを通して自律輸送車両96、マルチレベルコンベヤ94、およびピッキング/デカントステーション98と通信する。
図11に示す特定の実施形態では、マスタ制御装置システム92は、マルチレベル垂直ループコンベヤ94およびピッキング/デカントステーション98と恒久的に通信しているが、自律輸送車両(車両)96と断続的に通信しているように示されている。マスタ制御システム92と自律輸送車両96との間の断続的な通信は、マスタ制御システムと自律輸送車両との間の通信リンクが弱くなり、保管エリア内の障害物によって、例えば垂直支柱によって中断される可能性があるので、保管エリアの周りを移動するときに車両にある程度の自律性を提供する。同様に、マルチレベル垂直ループコンベヤ(リフト)94、自律輸送車両(車両)96、およびピッキング/デカントステーション98のそれぞれの間の通信は、断続的であるように示されている。リフト94と、車両96と、ピッキング/デカントステーション98との間の通信の間欠性は、短距離通信リンク、例えばブルートゥース(登録商標)に基づくことができ、一方、永久通信ネットワークは、当技術分野で一般に知られている通信プロトコルのいずれかを使用することができ、送信制御プロトコル/インターネットプロトコル(「TCP/IP」)、オープンシステム相互接続(「OSI」)、ファイル転送プロトコル(「FTP」)、ユニバーサルプラグアンドプレイ(「UPnP」)、ネットワークファイルシステム(「NFS」)、および共通インターネットファイルシステム(「CFIS」)を含むが、これらに限定されない。
【0078】
マスタ制御装置システムはまた、例えば、ネットワークを介して、1つ以上のデータベース106、108に接続されてもよい。1つ以上のデータベース106、108は、在庫および/または保管エリア内の在庫アイテムの位置および/または要求されたアイテムの頻度に関係付けられたデータを含んでもよい。
図12に示す特定の実施形態では、マスタ制御装置システムは、在庫データベース106および自律輸送車両(以下、
図12では「ボット」と呼ぶ)の状態に関するデータベース108と通信する。ステータスは、保管エリア内およびその周囲の自律輸送車両の位置、自律輸送車両と1つ以上のキャリッジとの係合、および自律輸送車両の健全性ステータス、たとえばバッテリ寿命、故障などを含む。在庫データベース106は、保管中のアイテムのタイプのデータ、例えば、アイテムのSKU(在庫管理単位)および保管中のアイテムの量/重量に関係付けられたデータを提供する。異なるSKUを専用キャリッジに保持することができる。保管中のキャリッジのそれぞれは、キャリッジ内に保持されたSKUおよび/またはSKUの量、例えば重量を識別する電子ラベルまたは識別子でラベル付けされることができる。ラベルまたは識別子は、バーコード、QRコード(登録商標)または他の電子ラベルとすることができ、これらは、キャリッジ内に保持されたSKUまたはアイテムのタイプおよび/または保管内のキャリッジの位置に関係付けられたデータを保持することができる。キャリッジ上のラベルは、自律輸送車両に搭載されたセンサによって読み取られ、マスタ制御装置システムに通信されることができる。位置決めまたはキャリッジ内に保持されるアイテムのタイプの任意の更新は、自律輸送車両によって読み取られた位置決めデータを介してマスタ制御装置システムに通信されることができ、その後、それらは在庫データベース106に記憶される。在庫データベース106はまた、1つ以上の顧客注文を履行するために要求されたアイテムの頻度に関するデータを記憶することができる。これは、ある特性、例えば、季節の変化、クリスマスまたはイースターなどの宗教的および/または休日のイベントに応じて定期的に更新することができる。マスタ制御装置システム92は、顧客注文を履行するときにマスタ制御装置システムが保管エリア内のアイテムまたはSKUを見つけることができるように、在庫管理システムを生成するために、保管エリア内のキャリッジの位置決めに関係付けられたデータをキャリッジ内に保持されたアイテムのSKUに相関させるように構成される。
【0079】
上述したように、キャリッジに積み込まれる在庫は、保管エリア内の指定された駐車スペースに保持される。駐車スペースは、保管エリア内のそれらの位置によってラベル付けされることができる。駐車スペースは、例えば指定されたX、Y座標などの2次元平面内の保管レベル上の行および列の数と、例えばZ座標などの3次元アレイ内の垂直に積み重ねられた保管レベルの保管レベルとによって位置特定することができる。例えば、保管エリア内のパークスペースのそれぞれは、それらの対応する座標X、Y、Zでラベル付けすることができ、ここで、XはX方向の位置または行を表し、YはY方向の位置または列を表し、Zは保管レベルを表す。例えば、Z=1は最下位の保管レベルを識別し、Z=2は第1の保管レベル(Z=1)のすぐ上の保管レベルであり、最上位の保管レベルまで以下同様である。保管中のキャリッジのそれぞれの位置決めは、自律輸送車両の位置決めを介してマスタ制御装置システムに通信することができる。例えば、自律輸送車両は、上述したフロア上のマーカによって保管エリアの駐車スペース内のキャリッジの位置を識別し、その位置をマスタ制御装置システムに通信することができ、マスタ制御装置システムにおいて、その位置を在庫データベース106に記憶することができる。代替的に、各保管レベルにおける表面カメラは、保管エリア内を移動する自律交通車両の位置を監視し、位置決め情報をマスタ制御装置システムに中継することができる。
【0080】
自律輸送車両のそれぞれは、マスタ制御システムから受信した命令を実行するための車両制御装置94bと、リーダ94cと、通信モジュール(図示せず)とを備える。リーダ94cは、保管エリア内および/またはピッキング/デカントステーションの周りの自律輸送車両の位置を決定するために使用される保管エリア内のマーカ、例えばバーコードリーダ、QRコード(登録商標)を読み取るように構成される。通信モジュールは、リーダからマスタ制御装置システムに信号を送るように構成される。リーダ94cからの信号は、マスタ制御装置システムによって使用されて、自律輸送車両が保管エリアへ、および保管エリアから移動して特定のキャリッジを位置決めし、取り出すことができるルートを決定する。通信モジュールを介してマスタ制御装置システムから受信された命令は、車両制御装置94bによって実行されてモータ94bを駆動し、それによって自律輸送車両を移動させる。自律輸送車両は、マスタ制御装置システムから受信された命令を記憶するための命令を記憶するメモリを備えることができ、車両制御装置94bは、命令を独立して実行することができる。これは、特に、自律輸送車両が、垂直に積み重ねられた保管レベルの保管エリア内のマスタ制御装置システムに通信できない場合である。例えば、ワイヤレス信号は、障害物の存在、例えば、マスタ制御装置システムからの信号の送信および受信のためのバリアを提示する個々の保管レベルに起因して、自律輸送車両に到達することができないかもしれない。命令を自律輸送車両メモリにアップロードすることによって、自律輸送車両は、マスタ制御装置システムと常時通信する必要なく、独立して保管エリアの周囲を移動することができる。自律輸送車両のうちの1つ以上への命令は、マスタ制御装置システムと自律輸送車両との間に強い通信リンクが存在するエリア、例えばピッキング/デカントステーションの周囲のメモリにアップロードされてもよい。命令は、1つ以上の自律輸送車両が、マルチレベル垂直ループコンベヤを介して保管エリアへまたは保管エリアからキャリッジを取り出すまたは置くための可能なルートを提供する。これにより、1つ以上の自律輸送車両は、マスタ制御システムの継続的な支援なしに独立して保管エリアに出入りすることが可能になる。
【0081】
本発明の例示的な実施形態によるマルチレベル垂直ループコンベヤ96は、保管エリアのインバウンドエリアまたはアウトバウンドエリアにおける自律輸送車両および/またはキャリッジの存在を感知するための1つ以上のセンサ96cと通信するリフト制御装置96bを備える。1つ以上のセンサ96cは、複数のプラットフォームのそれぞれに存在することができ、1つ以上のセンサは、垂直に積み重ねられた保管レベルの保管レベルのそれぞれにおいて、インバウンドエリアまたはアウトバウンドエリア内の自律輸送車両および/またはキャリッジの存在を感知することができる。
図11には示されていないが、リフト96は、マスタ制御装置システムからの命令を送受信するように構成された通信モジュール(図示せず)を備えることができる。これらの命令は、リフト制御装置96bによって実行される。上述したように、1つ以上のセンサ96cは、光学センサ、例えば、LiDarセンサ、または代替的に、インバウンドおよび/またはアウトバウンドエリアにおける自律輸送車両および/またはキャリッジの存在を検出するためのカメラであることがある(上述した交通信号システムのセクションを参照)。1つ以上のセンサ96cからの信号は、複数のプラットフォームの移動を引き起こすためにリフト制御装置96bによって処理され、および/または複数のプラットフォームの移動を引き起こすためにリフト制御装置96bに命令を提供するためにマスタ制御装置システムによって処理されるように送られる。本発明において同様に適用可能なのは、自律輸送車両が、マルチレベル垂直ループコンベヤと協働してプラットフォームに自律輸送車両を異なる保管レベルに運ぶように要求する上述の1つ以上のセンサを備えることができることである。
【0082】
複数のプラットフォームの移動は、複数の自律輸送車両が1つ以上のキャリッジをマルチレベル垂直ループコンベヤに対して実質的に同時にまたはいっせいに積み込みおよび/または積み下ろすことができるように調整される。
図13は、本発明の一実施形態によるマルチレベルコンベヤへの進入を要求する自律輸送車両の動作の一例を示すフローチャート110である。
図13では簡略化のため、「自律輸送車両」という用語を「ボット」と呼ぶ。
図13において符号112によって示される第1段階において、自律走行車は、保管エリアのアウトバウンドエリアに進入し、マルチレベルループコンベヤへの進入を要求する。車両制御装置とリフト制御装置との間の通信はまた、待機中の自律輸送車両が到達したい所望の保管レベルを含む。アウトバウンドエリアにおける自律輸送車両の単なる存在は、自律輸送車両が待機しているレベル(以下、「ボットレベル」と称する)に対応する保管レベルに最も近いプラットフォームが利用可能であるかどうかを決定するようにリフト制御装置をトリガする上述の交通信号システムによる1つ以上のセンサによって感知される114。最も近いプラットフォームは、ボットレベルにすぐ近いプラットフォームであってもよい。
最も近いプラットフォームが、上述したように、1つ以上のセンサ、例えばカメラによって決定されるように占有されていない場合、最も近いプラットフォームは、ボットレベルで一時停止して116、自律輸送車両がキャリッジを移動させて最も近いプラットフォームにドッキングすることを可能にする。しかしながら、最も近いプラットフォームが、1つ以上のセンサ、例えば、ロードセルによって決定されるように占有されている場合、リフト制御装置は、プラットフォームを次のプラットフォームにインデックス付けし118、ボットレベルに最も近い占有されていないプラットフォームがボットレベルに接近し、占有されていないプラットフォームがボットレベルで一時停止することを可能にし、自律輸送車両がマルチレベル垂直ループコンベヤに進入することを可能にするまで、以下同様である。
【0083】
しかしながら、全てのプラットフォームが占有されている場合120、自律輸送車両は、プラットフォームが利用可能になる、すなわち占有されていない状態になるまで、アウトバウンドエリアで待機する。マルチレベル垂直ループコンベヤは、1つ以上のそのプラットフォームが、プラットフォームを占有する自律輸送車両および/またはキャリッジのうちの1つのための所望の保管レベルに到達したかどうかを決定する122。所望の保管レベルに達するとき、マルチレベルコンベヤは、保管レベルで一時停止して124、マルチレベル垂直ループコンベヤを占有している自律輸送車両および/またはキャリッジのうちの1つ以上が、インバウンドエリアを介してマルチレベル垂直ループコンベヤから出ることを可能にし、それによって、プラットフォームを待っている1つ以上の自律輸送車両が、自律輸送車両が待機している保管レベル(ボットレベル)で一時停止するための利用可能性を作り出す。マルチレベル垂直ループコンベヤ内にある間、車両制御装置は、自律輸送車両の保管レベルに対して通信モジュールを介してリフト制御装置と通信し、所望の保管レベルで停止するときにリフト制御装置に命令を提供する。
【0084】
そのプラットフォームのうちの1つが、自律輸送車両および/またはキャリッジのうちの1つがマルチレベル垂直ループコンベヤを出るための所望の保管レベルに到達していない場合、マルチレベルコンベヤは、プラットフォームのうちの1つが、自律輸送車両および/またはキャリッジのうちの1つがマルチレベルループコンベヤを出るための所望の保管レベルに到達するまで、複数のプラットフォームを移動させる126。複数の自律輸送車両および/またはキャリッジのそれぞれの出入りの全プロセスは、複数のプラットフォームが連続垂直ループの周りを移動する際に繰り返される。マルチレベル垂直ループコンベヤ内の複数のプラットフォーム間で複数の自律輸送車両および/またはキャリッジを垂直に積み重ねる能力は、複数の自律輸送車両および/またはキャリッジが実質的に同時にマルチコンベヤに入るおよび/または出ることを可能にする。これは、混雑を減少させ、したがって、1つ以上の自律輸送車両および/またはキャリッジが異なる保管レベルに輸送されるのを待たなければならない時間を減少させ、それによって、保管エリアに出入りする自律輸送車両およびキャリッジのトラフィックを増加させる。自律輸送車両および/またはキャリッジは、保管レベルに輸送され、そこでマルチレベル垂直ループコンベヤを出て、ピッキングステーションに移動することができ、そこで1つ以上のアイテムをキャリッジからピッキングすることができる(
図14参照)。その逆も真であり、この場合、自律輸送車両は、マルチレベル垂直ループコンベヤによって保管のための所望の保管レベルに輸送されるデカントステーションから保管エリアに入ることができる。
【0085】
さらに、
図13では説明されていないが、自律輸送車両および/またはキャリッジがマルチレベル垂直ループコンバータに出入りするシーケンスまたは順序は、異なってもよい。上述したように、これは特に、自律輸送車両および/またはキャリッジが、
図7(aおよびb)を参照して説明したマルチレベル垂直ループコンベヤの例において連続ループで移動する際にプラットフォーム上に留まることができる場合である。自律輸送車両は、マルチレベル垂直ループコンベヤを出るように別のプラットフォーム上の別の自律輸送車両および/またはキャリッジに優先権を与えるように、連続垂直ループの周りを移動するときにプラットフォーム上に留まるように命令されることができる。優先順位は、特定の属性または緊急性基準に基づいて、1つ以上のキャリッジ内に保持されるアイテムに与えられてもよい。例えば、1つ以上のキャリッジに保持された1つ以上のアイテムの温度、および/または1つ以上の顧客注文を履行するための1つ以上のアイテムの緊急度である。自律輸送車両は、車両制御装置を介して、優先度信号をリフト制御装置に通信して、キャリッジに保持されたアイテムに優先度を与えることができる。リフト制御装置は、次に、保管エリアのアウトバウンドエリア内の1つ以上の自律輸送車両を、異なる保管レベルにおけるアウトバウンドエリア内の他の自律輸送車両よりも優先させることができる。同様に、マルチレベル垂直ループコンベヤ内のそれぞれのプラットフォーム上に積み込まれると、リフト制御装置は、1つ以上のプラットフォームが所望の保管レベルで一時停止して、1つ以上の自律輸送車両が優先キャリッジを積み下ろすことを可能にするように、複数のプラットフォームの移動に優先順位を付けることができる。同様に、リフト制御装置が保管エリアのアウトバウンドエリアで自律輸送車両を感知するときはいつでも、自律輸送車両がアウトバウンドエリアで待機している時間の長さを決定するためにタイマが開始される。時間の測定は、1つ以上の輸送車両が待機している時間の長さに基づいて、アウトバウンドエリア内の1つ以上の自律輸送車両に優先順位を付けるために、リフト制御装置によって使用されることができる。
これらは、マルチレベル垂直ループコンベヤが複数のプラットフォームの移動に優先順位を付けることができる例のいくつかである。
【0086】
マスタ制御システム92は、別個にまたはリフト制御装置と共に、マルチレベル垂直ループコンベヤに命令して、1つ以上の自律輸送車両を、あまりビジーでない保管レベルから、頻繁に要求されるアイテムを保管する他の保管レベルに割り当てることができる。自律輸送車両がマルチレベル垂直ループコンベヤによって異なる保管レベルに搬送されることを可能にすることによって、1つ以上の自律輸送車両が、キャリッジ内のアイテムに対する需要が比較的高い1つ以上の保管レベルに割り当てられることを可能にする。在庫データベース106と通信して、マスタ制御システム92は、頻繁に要求されるキャリッジの位置を識別することができる。頻繁に要求されるキャリッジにアクセス可能にするために、マスタ制御システムは、頻繁に要求されるキャリッジがより低い保管レベルで保管されるようにキャリッジを再分配し、より多くの自律輸送車両をより低い保管レベルに割り当てるように、1つ以上の自律輸送車両に命令することができる。
【0087】
本発明の例示的な実施形態では、保管および取り出しシステム1は、異なる保管レベルを接続する1つ以上のランプ130をさらに備える。1つ以上のランプ130は、混雑および/または時間制約のためにマルチレベル垂直ループコンベヤにアクセスすることができない1つ以上の自律輸送車両が、ピッキング/デカントステーションまたは保管エリアへの代替ルートを見つけることを可能にする。例えば、1つ以上のランプ130は、1つ以上の自律輸送車両が、タイムクリティカルではない1つ以上のキャリッジを保管エリアへ、および保管エリアから移動させ、タイムクリティカルである1つ以上のキャリッジをマルチレベル垂直ループコンベヤに優先させるための経路を提供することができる。
図14に示す特定の実施形態では、下部保管レベル4を接続するランプが示されており、保管レベルのうちの1つは、ピッキングステーション8aおよびデカントステーション8bのレベルに対応するレベルにある。これは、ランプがピッキングステーション8aおよび/またはデカントステーション8bへのより迅速なルートであるので、より低い保管レベルにおける自律輸送車両がマルチレベルコンベヤを混雑させる必要性を除去する。
【0088】
2つ以上の保管レベルを接続するランプを組み込むことの他の利点は、自律輸送車両および/またはキャリッジが、マルチレベル垂直ループコンベヤ7、17の下部湾曲部分のためにアクセス不可能であると見なされる下部保管レベル、すなわち、プラットフォームが下部湾曲部分の周りで反転する傾向がある場所に移動する能力である。これは、垂直方向に間隔を置いて配置された異なるプラットフォーム上の複数の自律輸送車両が、異なる保管レベルで実質的に同時にマルチレベル垂直ループコンベヤから出ることを可能にするので、保管エリアへのおよび保管エリアからの1つ以上のアイテムのスループットの増加に役立つ。自律輸送車両が保管レベルを出るときに、ピッキングステーションまたはデカントステーションが異なる保管レベルにある場合、自律輸送車両および/またはキャリッジは、単にマルチレベル垂直ループコンベヤを使用するのではなく、ランプを介してピッキング/デカントステーションのレベルに進むことができる。例えば、保管レベルがレベル2であり、自律輸送車両および/またはキャリッジが保管レベル1、2、および3を出る場合、レベル1および3の自律輸送車両および/またはキャリッジは、保管レベル2と1、および3と2を接続するランプを介して保管レベル2に進むことができる。これにより、複数の保管レベルに対する複数のプラットフォームの移動が、各保管レベルで休止するのではなく、2つ以上の保管レベルの倍数でインデックス付けされることが可能になる。
【0089】
また、複数のキャリッジを処理するために異なる保管レベルにピッキングステーションおよび/またはデカントステーションを有することは、本発明の保管および取り出しシステムが複数の注文を同時に履行することを可能にする。しかしながら、垂直に積み重ねられた保管レベル間の分離は、異なる保管レベルにおける複数のキャリッジが単一の場所または保管レベルから容易にアクセス可能であり得るようなものであることがある。垂直に積み重ねられた保管レベル間の分離は、自律輸送車両およびキャリッジの高さに対応するだけでよいので、動作および/またはロボットピッキングデバイスは、単一の場所から複数の保管レベルでキャリッジにアクセスするのに十分なリーチを有することができ、それにより、単一の場所から異なる保管レベルでアイテムをピッキングすることが可能になる。
【0090】
顧客注文のアイテムを履行する例示的な動作が、
図15のフローチャート132に示されている。1つ以上のアイテムを含む顧客注文の受信に応答して134、マスタ制御装置システムは、上述したように、1つ以上のアイテムを保管エリア内のキャリッジの位置と相関させることによって、1つ以上のアイテムを含む保管エリア内の1つ以上のキャリッジを識別する136。位置は、上述したように、保管エリア内の座標として表すことができる。次いで、マスタ制御装置システムは、1つ以上の自律輸送車両に、保管エリア内のそれぞれの駐車スペースからキャリッジを取り出すように命令する138。1つ以上のキャリッジが異なる保管レベルにある場合、自律輸送車両はリフトに要求し140、自律輸送車両を正しい保管レベル(以下、
図15においてキャリッジレベルと呼ぶ)に運び142、
図13に示すフローチャートを参照して説明したプロセスが実行される。所望の保管レベルで、自律輸送車両は、保管エリアに入ってキャリッジを取り出し、マルチレベルコンベヤに戻り、その後、自律輸送車両は、リフトに、キャリッジに結合された自律輸送車両を、アイテムをピッキングすることができるピッキングステーションに運ぶように要求する144。自律輸送車両は、最も近い占有されていないプラットフォームが利用可能になるとマルチレベルコンベヤに入り、リフト制御装置と通信している自律輸送車両が、プラットフォームがピッキングステーションのレベルに対応するレベル(以下、
図15において「ピッキングレベル」と定義される)にあると決定するまで待機する146、148。ピッキングステーションに到着すると、自律輸送車両はピッキングステーションに到着の信号を送り、ピッキングステーションのオペレータまたはロボット取り扱いデバイスがキャリッジからアイテムを取り出すことができるようにする。次に、ピッキング制御装置または自律輸送車両は、別の取り出しのために自律輸送車両が利用可能であるという信号をマスタ制御装置に送ることができる150。
【0091】
デカントステーションを介して在庫をストックする例示的な動作が、
図16のフローチャート154に示されている。デカントステーションに到着するストック156は、在庫データベースにSKUを記録するためにスキャンされる158。これは、1つ以上のアイテムのバーコードをスキャンすることと、ラベルによって搬送される情報をマスタ制御装置システムに通信することとを伴ってもよい。次に、マスタ制御装置システムは、在庫データベースに保管された1つ以上のアイテムにキャリッジIDを割り当て160、保管エリア内のキャリッジのための駐車スペースを決定する162。デカント動作はまた、保管エリア内にすでに駐車されているキャリッジ内の既存のストックを補充することを含むことができ、その場合、マスタ制御装置システムは、自律輸送車両に、保管エリアからキャリッジを取り出すように要求する。デカントステーションでスキャンされた1つ以上のアイテムは、保管エリア内のキャリッジIDと関連付けられる。キャリッジIDは、保管エリア内のキャリッジの位置に関係付けられたデータ、例えば、保管エリア内のキャリッジの座標を含む。次に、マスタ制御装置システムは、利用可能な自律輸送車両に、マルチレベル垂直ループコンベヤを介して保管エリアからキャリッジを取り出すように命令する。ストックの1つ以上のアイテムは、保管エリアに保管するために1つ以上のキャリッジに積載される。
【0092】
駐車スペースの位置が識別されると162、マスタ制御装置システムは、キャリッジを駐車スペースに移動させるように自律輸送車両に命令する164。
図13で説明したように、リフトを要求し、自律輸送車両を保管レベルの指定された駐車スペースに輸送するプロセスが適用され166、168、170、172、174、自律輸送車両は、指定された駐車スペースが位置する保管レベル166、168にキャリッジに結合された自律輸送車両を運ぶようにマルチレベル垂直コンベヤに命令する。保管レベルでは、自律輸送車両は、キャリッジから分離することによって、キャリッジを駐車スペース176に置く。切り離しは、
図2bおよび
図2cを参照して説明したように、自律輸送車両を下げることを含むことができる。いったんキャリッジから切り離されると、自律輸送車両は、マスタ制御装置にその可用性の信号を送る178。
【0093】
図15および
図16のフローチャートに示される両方の例示的な動作において、マルチレベル垂直ループコンベヤは複数の自律輸送車両および/またはキャリッジを実質的に同時に移動させることができるので、各保管レベルにおける混雑を解消する能力と、複数のプラットフォームの上方向および/または下方向の両方においてマルチレベル垂直ループコンベヤに複数のキャリッジを垂直に蓄積する能力とによって、ピッキング/デカントステーションへのおよびピッキング/デカントステーションからの自律輸送車両および/またはキャリッジのトラフィックが増加する。
【0094】
本明細書で説明される異なる実施形態は、個別に、またはそれらの任意の好適な組み合わせで使用されてもよいことを理解されたい。
【国際調査報告】