(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】心電図同期を使用するインモーション多パルス作動X線源トモシンセシス装置のための画像改善のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/02 20060101AFI20240312BHJP
A61B 6/00 20240101ALI20240312BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20240312BHJP
【FI】
A61B6/02 501H
A61B6/00 535
A61B6/50 500B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560323
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 US2022018416
(87)【国際公開番号】W WO2022211952
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522300662
【氏名又は名称】アイクススキャン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マオリンベイ,マナト
(72)【発明者】
【氏名】ク,チュン-ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リンボ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジアンチアン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA11
4C093AA26
4C093CA13
4C093DA02
4C093EA06
4C093EB13
4C093FA47
(57)【要約】
心電図(ECG)デバイスを使用してECG波形データを生成することによって、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像装置の改善された画像を取得するためのシステム及び方法。代表的な心周期が判定されると、システムは、心拍の弛緩期間にのみ画像を取得することとなる。リアルタイムECG波形は、画像改善のためのECG同期として使用される。撮像装置は、心臓の周期的な動きの影響下で、より良好な胸部、肺、及び乳房の撮像のために、ECGピークパルスを回避する。結果として、よりスムーズなデータ取得、はるかにより高いデータ品質を達成することができる。インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス機は、広い走査角でのスパンを有する分散した複数のX線源をともなう。1つの心拍の弛緩期間に、異なる角度でX線源から複数のX線露出が取得される。機械自体は、約2秒以内に60個もの実際の投影画像を取得する能力を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像を実行するための方法であって、
心電図(ECG)センサを使用してECG波形をキャプチャすることと、
前記ECG波形を評価して、前記ECGセンサからの信号を検証することと、
前記ECG波形を、モータステージの各々を移動させ、かつ多パルス作動X線トモシンセシス線源をトリガするための基礎として使用することと、
被写体を走査し、前記ECG波形によってトリガされたインモーション多パルス作動線源トモシンセシス撮像装置を使用することによって、画像を取得することと、を含む、方法。
【請求項2】
データポイントのシーケンスを使用して、仮想三次元(3D)モデルを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各心拍時に、心臓の中心に向かって所定の点密度を有する3D表面を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
臨床プロトコルによって指定された所定の画像品質に必要な3Dモデルの数を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ノイズを除去し、拡張期中に1つ以上のECG基準を満たすリアルタイムライブデータを取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
イメージングシステムからゲーティングされたトモシンセシス画像をキャプチャすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
心拍の弛緩期間に異なる角度で複数のX線源からX線露出をキャプチャすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
2秒以内に少なくとも60個の投影画像をキャプチャすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
拡張期サイクル内でモータ作動及びX線露出を順番付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
一次モータステージ及び1つ以上の二次モータステージを所定の初期の場所に位置付けることによって、運動している複数のパルス作動されるX線源を使用することと、
前記一次モータによって前記一次モータステージを所定の一定速度で掃引することと、
前記ECG波形に基づいて、対応する二次モータによって、前記二次モータステージの各々を所定のシーケンスで振動させることと、
二次モータステージが前記一次モータステージの方向と反対方向に、かつ前記一次モータステージの選択された速度で移動するとき、X線源及びX線フラットパネル検出器を電気的に作動させることと、
前記X線フラットパネル検出器により前記X線源から画像データを取得することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムであって、
被写体からの心電図(ECG)波形を生成するためのECGセンサと、
インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像装置と、
前記ECGセンサ及び前記撮像装置に結合されたプロセッサであって、
心電図(ECG)センサを使用してECG波形をキャプチャすることと、
前記ECG波形を評価して、前記ECGセンサからの信号を検証することと、
前記ECG波形を、モータステージの各々を移動させ、かつ多パルス作動X線トモシンセシス線源をトリガするための基礎として使用することと、
被写体を走査し、前記ECG波形によってトリガされたインモーション多パルス作動線源トモシンセシス撮像装置を使用することによって、画像を取得することと、によってX線トモシンセシス撮像を実行するためのプロセッサと、を含む、システム。
【請求項12】
前記ECG波形に基づいて、X線パルストリガ露出持続時間中に静止する1つ以上のX線源を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ECG波形に基づいて、所定の時間にわたって所定の掃引で3D X線撮影画像投影データを取得するためのX線フラットパネル検出器を備え、画像分析が、走査中にリアルタイムで行われる、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記ECG波形に基づいて、ランダム出射スキームを使用して、アレイ内の任意の線源のうちの1つからランダムに作動される1つ以上のX線源管を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
3D X線撮影画像が、X線源管の角度付き幾何学配置による各画像に基づいて再構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
X線露出制御ユニットと、
あらかじめ定められたトラックと、
運動している構造上に取り付けられた前記複数のパルス作動されるX線源管を含む線源アレイであって、前記複数のパルス作動されるX線源管の各々が、一定のグループ速度で、前記あらかじめ定められたトラック上で、被写体の周りで同時に移動し、個々のX線源管が、グループ管速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するとき、前記個々のX線源管が、前記露出制御ユニットを介してトリガされる、線源アレイと、
X線束を受容するための、かつ撮像データを生成するためのX線フラットパネル検出器と、を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
データポイントのシーケンスを使用して、仮想三次元(3D)モデルを生成することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
各心拍時に、心臓の中心に向かって所定の点密度を有する3D表面を生成することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
臨床プロトコルに従って、所定の画像品質に必要な3Dモデルの数を判定することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
ノイズを除去し、拡張期中に1つ以上のECG基準を満たすリアルタイムライブデータを取得することを含む、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年4月30日に出願された仮出願第63182426号、2021年7月28日に出願された仮出願第63226508号、2021年4月2日に出願された仮出願第63170288号、2021年4月16日に出願された仮出願第63175952号、2021年5月27日に出願された仮出願第63194071号、2021年5月14日に出願された仮出願第63188919号、2021年7月23日に出願された仮出願第63225194号、2021年6月11日に出願された仮出願第63209498号、2021年6月25日に出願された仮出願第63214913号、2021年7月12日に出願された仮出願第63220924号、2021年7月16日に出願された仮出願第63222847号、2021年7月22日に出願された仮出願第63224521号、及び2021年1月24日に出願された米国出願第17149133号(当該出願は、2020年1月29日に出願された仮出願第62967325号の優先権を主張する)の優先権を主張し、これらの内容は、参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、周期的に動く心臓に影響される肺の画像を取得するための、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像装置のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
デジタルトモシンセシスシステムは、典型的には、回転可能なアームアセンブリの一方の端部に取り付けられたX線源と、他方の端部におけるデジタルX線フラットパネル検出器と、を使用する。トモシンセシスは、女性の乳がんの早期徴候及び症状のない一般人の肺がんの早期徴候をスクリーニングするために使用することができる。トモシンセシスが実行されるときに、X線源は、乳房又は肺の周りで円弧状に移動する必要があろう。X線源が乳房又は肺の周りで移動する間、一連の低線量X線画像が、異なる角度で取得される。収集されたデータセットは、平行な平面の再構成を可能にする。各平面は、合焦しており、平面外の組織画像であるものは、ぼけている。通常、掃引角度をより広くすれば、より多くのデータ投影を生成し、より良好な3D分解能をもたらすであろうが、それにはより長い時間がかかる。データ処理は、種々の再構成アルゴリズムが使用され得るため、製造元固有である。しかしながら、心臓獣は、定期的に心臓を動かすため、肺撮像のためのX線撮像データの品質に著しく影響することとなる。したがって、被写体が移動すると、X線画像の露出が進行中である場合、画像のぼけは避けられない。しかしながら、従来のシステムは、心臓安静時に単一のX線源のみを有し、カバレッジが制限され、速度が遅い。単一のX線源は、特定の角度で心臓安静時に特定の場所にのみ存在することができる。更に、そのような単一の線源システムがデータ取得を高速化する場合、特定の角度でデータが欠落している可能性があり、再構成は、動きアーチファクト及び/又は限定された視野角アーチファクトに悩まされ得る。US2004/0077941A1のような、ゲーティングのECG同期を使用するコンピュータ断層撮影(CT)における心臓関連撮像における従来技術がある。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様では、インモーション多パルス作動線源トモシンセシス撮像を実行するための方法は、心電図(ECG)センサを使用してECG波形をキャプチャすることと、ECG波形を評価して、ECGセンサからの信号を検証することと、ECG波形を、多パルス作動X線トモシンセシス線源をトリガするための基礎として使用することと、ECG波形によってトリガされたトモシンセシスイメージングデバイスの複数のパルス作動される線源を使用して、被写体を走査することと、を含む。
【0005】
第2の態様では、イメージングシステムは、被写体からのECG波形を生成するためのECGセンサと、複数のパルス作動されるX線源を有するトモシンセシスイメージングデバイスと、ECGセンサ及びイメージングデバイスに結合されたプロセッサであって、ECGセンサを使用してECG波形をキャプチャすることと、ECG波形を評価して、ECGセンサからの信号を検証することと、ECG波形を1つ以上のX線源をトリガするための基礎として使用することと、ECG波形によってトリガされたインモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムを使用して被写体を走査することと、によって、トモシンセシス撮像を実行するためのプロセッサと、を含む。
【0006】
更なる態様では、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージング装置の改善された画像取得のためのシステム及び方法は、心電図デバイスを使用してECG波形データを生成する。代表的な心周期が判定されると、システムは、心拍の弛緩期間にのみ画像を取得することとなる。リアルタイムECG波形は、画像改善のためのECG同期として使用される。多線源イメージング装置は、心臓周期の動きの影響下で、より良好な肺撮像のために、ECGピークパルスを回避する。結果として、よりスムーズなデータ取得、はるかに高いデータ品質を達成することができる。多線源トモシンセシス機は、広い角度でのスパンを有する複数のX線源に分布済みである。1つの心拍の弛緩期間では、X線露出は、X線源からの異なる角度からのものである。モータの強度に応じて、通常、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像装置について、60個もの投影の実際の画像取得プロセスを2秒以内に完了させることができる。心拍の弛緩時間の制限を追加すると、画像品質が改善されるが、画像取得がわずかに遅くもなる。
【0007】
このシステムの利点としては、以下のうちの1つ以上が挙げられ得る。第1の利点は、複数のパルス作動されるX線源からの露出が、心臓安静時に大きな角度にスパンを有することである。第2の利点は、インモーション線源の場所がプログラム可能であるため、欠落データがないことである。第3の利点は、複数のインモーション線源がはるかに高速に稼働し得ることである。他の利点は、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像装置が、ECG信号と同期したときに改善された分解能で高速画像を撮影することができるときに生じ得る。結果として、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像装置では、リアルタイム撮像及び4D撮像も可能である。この装置は、CTの線量よりもはるかに低い線量を有する。心拍数が低いとき、心拍間の間隔は、ほぼ一定であり、心臓の各機械的収縮は、ほぼ同じであり(例えば、心拍数が65拍未満の洞調律)、任意のモダリティで撮影された心臓画像は、高診断品質を有することとなる。システムは、心臓が実質的に空間的に静止しているある特定の位置にある間に、ECG信号と同期してトモシンセシス撮像データを取得するときに、(不整脈に起因して心拍数が突然かつ断続的に変化する場合などに)高分解能画像を提供する。一実施形態は、画像を再構成するために使用されるX線撮影が、心臓がかなり静止している瞬間に対応するように、心臓がかなり静止している時点(典型的には、拡張期中)で、ECG信号を使用して検出器アレイによるデータ取得をトリガする、プロスペクティブゲーティングを使用する。撮像ウィンドウは、典型的には、代表的な心周期(位相)持続時間の約60%~約80%に中心がある。走査プロトコルの選定に基づいて、複数の位相を含む異なるウィンドウ幅及び位相を選択することができる。
【0008】
結果として得られるシステムは、肺又は乳房の撮像に理想的である。肺は、弛緩位相及び移動位相をともなう領域を有し、異なる領域の弛緩位相が、異なる時点で後に続く。この方法及びトモシンセシス撮像装置は、複数のX線源が肺の周りで移動するタイプのものである。このシステムは、検査される被写体の周りのX線源の限定された掃引角度の間に、複数の投影を得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】1つの心周期におけるインモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムのX線露出及びモータ速度のタイミング図を例示する。
【
図2】インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムを示す。
【
図3】心周期中のインモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムによる角度スパンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について、以下の段落で、添付図面を参照して例示的に詳細に記載する。この説明全体を通して、示される好ましい実施形態及び実施例は、本発明の限定ではなく例と見なされるべきである。本明細書で使用される場合、「本発明」は、本明細書に記載の本発明の実施形態のうちのいずれか1つ及び任意の均等物を指す。更に、本明細書を通して「本発明」の様々な特徴を参照することは、全ての特許請求される実施形態又は方法が参照される特徴を含まなければならないことを意味しない。
【0011】
それゆえ、例えば、図、概略図、図解などが、本発明を具現化するシステム及び方法を例示する概念図又はプロセスを表すことは、当業者によって理解されるであろう。図に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、及び関連付けられたソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通じて提供され得る。同様に、図に示される任意のスイッチは、概念的であるにすぎない。それらの機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用ロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックとの相互作用を通して、又は更には手動で実行され、この特定の技法は、本発明を実装するエンティティによって選択可能であってもよい。当業者は、本明細書に記載の例示的なハードウェア、ソフトウェア、プロセス、方法、及び/又はオペレーティングシステムが例示の目的のためであり、それゆえ、任意の特定の名称の製造元に限定されることを意図されていないことを更に理解する。
【0012】
図1は、心臓の収縮相(収縮期としても知られている)及び拡張相(拡張期としても知られている)を含む、ECG信号波形の1つの典型的な心周期を例示する典型的なECG図を有するX線イメージングシステムのタイミング図を示す。P、R、及びTと標記されたECG信号の部分は、P波、R波、及びT波と称され、典型的には、ECG信号全体の最も顕著な、最も高い振幅の特徴である。心周期は、典型的には、P波で始まり、次のP波の発生まで続くものと定義される。「RR間隔」としても知られるR-R間隔は、R波で始まり、次のR波の発生まで続くものと定義される。ECG信号のグラフィック表現は、T波、及びP波を含む。T波に関してECG信号を分析すると、P波は、心拍数が変化する際の、より正確な位相情報を投影データと相関させることを可能にする。X線露出が心臓安静時中にのみ生じるように、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステムをプログラムすることができる。
【0013】
X線源6は、患者又は被写体の周りにスパンを有し、したがって、複数のパルスされる露出を生成する。好ましい実施形態では、X線源6は、各露出後、X線源6の元の位置から合計約4~5インチ移動する。加えて、X線源6を、いずれの場所にも存在するようにプログラムすることもできる。好ましい実施形態では、全ての心臓運動が考慮されており、かつ考慮されたことを確認するために、全てのECG心拍をデータポイントのシーケンスとして考慮する必要がある。
【0014】
1回の心周期又は1回の心拍は、心臓の完全な収縮ごとに約2秒の平均時間である。それゆえ、ECGの総持続時間を、約2秒以内、又ははるかに短くすることができる。約0.1~0.2秒続くであろうパルスのグループがある。例えば、安静時の心周期データを収集するためのウィンドウが0.3~0.4秒の長さである場合、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム5は、そのサイクルを数回実行し得る。X線画像は、拡張期中、心臓の最大の拡張時に撮影される。心臓が収縮すると、X線画像は、撮影されない。次のX線画像のセットは、心臓の完全な拡張時に撮影される。そのような場合、ゲーテッドトモシンセシス撮像と呼ばれる。1つの心拍と別の心拍との間の動きに対応するために、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム5は、ECG波形によって同期される。このことは、リアルタイムでの高分解能画像の再構成をもたらすことができる。
【0015】
ここでECGの詳細に目を向けると、R波は、心臓撮像にとって最も重要なECG信号である。それは、心臓の心室の電気的活動、すなわちR波、P波、及びT波である。これらの波の振幅は、心室が心臓動脈に注入している血液の量に対応する。振幅を体表面ECGによって検出することもできる。本発明の一実施形態によれば、X線源のパルス作動レート、パルス幅、及び強度は、患者の心拍のECG信号のR波との同期によって制御される。ECGゲーティングの利益は、心臓が心周期の半分の間(すなわち、拡張期中)にのみ動くことである。スクリーニングの診断性能を改善し、結節を早期に検出し、低品質の画像データを回避する可能性は、医療専門家に追加の利益を提供するであろう。
【0016】
収縮は、心臓の血液を心臓から押し出すための心筋の電気的収縮である。拡張期は、心臓の弛緩期であり、その間、心臓の筋肉が伸びて、迫ってくる血流を受容する。上部のトレースは、心臓の上部から撮られた、安静時の正常な洞調律の心電図(ECG)波形を例示している。心臓の不整脈、すなわち異常なリズムは、任意の所与の瞬間にECGのある特定の部分のみが静止するように、これらの心周期を不規則にしたり、心房の外側で心周期の一部分が発生したりし得る。これらの不規則性は、結果として生じるトモシンセシス画像をぼかすアーチファクトを作成し得る。収縮期での撮像は、心臓の移動に起因して、理想的ではない。
【0017】
好ましくは、拡張期を使用して、安静時に対象の心臓からチャネルECG波形データをキャプチャする。わずか数回の心拍サイクルで、R波、P波、及びT波のECG波形をキャプチャし、コンピュータに記録することができる。平均又は他のアルゴリズムを取った後、単一の弛緩期間を判定することができる。弛緩期間の選択後、ゲーティングパラメータが設定される。
【0018】
多パルス作動X線源トモシンセシスシステム5についての
図2を参照すると、各X線源6は、別個のモータステージ上に位置している。全てのX線源露出タイミング及びモータステージ速度は、プログラム可能である。タイミング図では、第1のX線源露出1は、第1のモータステージ速度2が一定速度に達したときにトリガされる。次のモータステージが移動し、次のX線源の露出が、同じようにトリガされることとなる。この例では、5つのX線源6及び5つのモータステージが存在する。最後のX線源露出3は、最後のモータステージ速度4が一瞬、一定に達するとトリガされる。
【0019】
タイミング図では、第1のX線源露出1から最後のX線源露出3までの全体のX線露出は、約何分の1秒か続く。例えば、この種の線源の典型的な露出時間は、約40ミリ秒であるため、5つのX線源は、少なくとも約200ミリ秒、すなわち0.2秒を必要とするであろう。この露出時間は、概して、拡張期の安静期間に適合するであろう。安静期間の長さは、患者の身体状態及び生理学を含むいくつかの要因に基づいて変動し得る。したがって、安静期間の選択後、追加のゲーティングパラメータが設定される。
【0020】
一実施形態では、トモシンセシスイメージングシステムの各モータは、他の駆動アセンブリが静止している間に、駆動アセンブリのうちの一方を駆動して枢動点を中心に回転させるように動作する。X線源6は、被写体が線源とX線フラットパネル検出器7との間の位置にあるときにX線を発生する。線源の移動の表現が、矢印によって
図3に示されており、線源は、矢印中のある場所にある。モータは、X線源を心臓全体にわたって移動させる。患者は、装置がECG同期画像を取得する際に、自然呼吸する。典型的には、剛体及び剛体の構成要素の回転及び並進(及び変形)は、画像劣化と空間分解能及び画像コントラストの損失とを引き起こすこととなるが、X線源が様々な位置を通過している時間中に取得されたデータは、三次元画像を提供するために再構成され得る複数の平行平面の再構成及び視認を提供する。各平面からのデータを使用して、解剖学的構造の単一のビューを構成することができる。代替的に、画像処理ソフトウェアは、1つ以上の平面からの複数のスライスを分析し、それらの部分ビューから三次元画像を作成し得る。
【0021】
P波、R波、及びT波は、心臓内の電気信号を表す。P波は、心房収縮の始まりを示し、その後に、心房再分極を表す陰性波が続く。P波とR波との間の間隔は、通常、PR間隔と呼ばれる。正常なPR間隔は、0.12~0.20秒と測定される。2つの連続するR波の間の間隔は、心室の収縮の持続時間を表す。ECG同期ゲーティングの下での心臓撮像のために、ECG信号を医療デバイスによって受信することができるように、ECGリードが、胸壁の近くの患者の身体に、又は胸部ベルトECGデバイスを使用して身体に取り付けられている。
【0022】
T波は、心電図に示され、心筋の電気的活動がその活動電位の電気的活動とは反対である心周期の位相を表す。それは便宜上、矢印線で示されている。しかしながら、T波が心電図の信号レベルを表すことを意図していない。
【0023】
図2は、インモーション多パルス作動X線源を使用して、高効率かつ超高速の3D X線撮影を実行する新規なタイプのX線イメージングシステムを示す。線源のアレイを形成するように運動している構造上に取り付けられた複数のパルス作動されるX線源6が存在する。複数のX線源6は、グループとして一定の速度で、あらかじめ定められた弧状トラック上で、被写体に対して同時に移動する。個々の各X線源6は、X線源6の静止位置の周りで迅速に短距離移動することもできる。X線源6が、グループ速度に等しいが反対の移動方向を有する速度を有するとき、X線源6及びX線フラットパネル検出器7は、線源が一瞬、静止したままであるように、外部露出制御ユニットを介して作動される。そのことは、各X線源6についての線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。3D走査は、はるかに短い時間ではるかに広い掃引角度をカバーすることができ、画像分析もリアルタイムで行うことができる。このタイプのX線イメージングシステムは、はるかに高い走査速度を達成するために、他のタイプのX線イメージングシステムよりもはるかに多くのX線源6を利用する。複数の線源が使用されるため、機械全体が稼働しているように、1つ1つのX線源6全てが機能していることを確実にすることが必要である。
【0024】
図1のタイミング図を参照すると、一実施形態では、振動モータが掃引モータの方向と反対方向を有するが、掃引モータの速度と同じ速度を有するとき、X線源露出1がトリガされる。しかしながら、心周期中、肺位置の領域が心拍によって影響されるため、心拍のリセット期間に露出が発生しない場合、画像ぼけが避けられない。ECG同期を用いる多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム5は、以下のように実行する:第1に、ECGセンサを使用してECG波形をキャプチャすること、第2に、ECG波形を評価して、ECGセンサからの信号を検証すること、第3に、ECG波形をX線源露出及びモーション速度制御をトリガするための基礎として使用すること、最後に、被写体を走査し、ECG波形によって提供されるトリガに基づいて、X線画像を取得すること。
【0025】
一実施形態では、振動モータは、心臓安静時の複数のパルス作動されるX線源の移動を調整するための低い振動エネルギーを提供する。リアルタイムECG波形が、画像改善のためのECG同期として使用される。インモーション多パルス作動X線源トモシンセシスイメージングシステム5のリアルタイムデータ取得は、心拍の弛緩期間においてのみ画像を取得することとなろう。リアルタイムECG波形が、画像改善のためのECG同期として使用される。リアルタイムECG波形が、画像改善のためのECG同期として使用される。
【0026】
掃引モータは、アームを円弧状に回転させて、線源が角度間に順次位置して、時間間隔中にX線露出を提供することを可能にする。標的への露出は、患者の要件に応じて、定常速度の、可変速度の、又はパルス作動される露出で走査され得る。このことは、リアルタイム心周期ECG信号を画像取得プロセスに同期させるであろうような、複数のパルス作動されるX線源による4D撮像のための好ましい実施形態の一部である。ECG信号は、ソレノイド又は掃引モータなどのアクチュエータを駆動して、残りが静止している間に心拍の速度でアームを移動させることとなる。アーム及びX線源は、時間間隔中に一連の位置でパルス作動される露出を行いながら一緒に移動し、所与の時間間隔内に撮像データを取得する。このモーション全体の間のECG同期に起因して、心臓がスムーズに動いている間に全ての画像が取得される。心臓の動きが停止する場合に、撮像は、停止することとなる。患者のリアルタイムECG信号を使用して、患者の心拍と同時にアーム及びX線源6を移動させることによって、画像取得を同期させる。患者のリアルタイムECG信号を使用して、患者の心拍と同時にアーム及びX線源を移動させることによって、画像取得を同期させる。
【0027】
X線源6は、患者の乳房、肺、又は身体組織を通過するX線ビームを発生する。X線フラットパネル検出器7は、異なる角度で取得されたいくつかのリアルタイムデータを含むデータセットを取得する。各インモーション線源X線源について、ECG波形が利用可能である。画像改善のためのECG波形同期装置のECG同期を使用することを、実際のECG信号を使用して実施して、各データ取得プロセスの正しいタイミングポイントを得ることができる。ECG波形同期装置は、データ取得の正確なタイミングのためにX線源の移動を制御するための信号を各データ取得コントローラに送信する。ECG波形発生器は、データ取得システム全体をトリガして心周期の弛緩期間にデータ取得を開始させる心拍トリガ信号を生成し、心周期運動でデータ取得を停止する。このことは、心周期の動きのアーチファクトによって引き起こされるぼけた画像の排除をもたらす。各ECG波形データ同期は、シームレスなデータ取得が先行技術よりもはるかに高速に実行されることを可能にする。結果として、総走査速度は、先行技術における総走査速度よりもはるかに高速である。このことは、スムーズなデータでより良好な品質の画像を与えることとなる。
【0028】
支持フレーム構造は、複数のX線源6のアレイを保持する。アレイは、各X線源が、回転可能なアームアセンブリの一端に配設されるように、かつ各X線源を異なる角度位置に独立に回転させることができるように、支持フレーム構造上に取り付けられる。各アームアセンブリは、それぞれのX線フラットパネル検出器を支持する。複数のアームアセンブリは、単一の支持フレーム構造を備え得る。この配置では、それぞれのアームアセンブリ、それぞれのX線フラットパネル検出器、及びそれぞれのX線源は、所与のトモシンセシスデータセットの取得中に、対応するX線源からの放射が対象の一部分を通過することを許容するように、互いに隣接して位置付けられ得る。ある特定の実施形態では、2つ以上のX線源が、同時に作動され得る。一例では、最大4つ又は6つのX線源が、同時に作動され得る。別の例では、8つのX線源が、同時に作動され得る。別の例では、16個のX線源が、同時に作動され得る。FPGA論理、プロセッサ、又はコンピュータを有する処理ユニットは、個々のX線源の作動を制御し、時分割多重方式で全てのX線源の動作を協調させる。
【0029】
図3は、異なる角度及び異なる時間における異なるモータ上の異なる線源からの総走査シーケンスを示す。線源A、線源B、線源C、線源D、線源Eは、異なるモータ上の線源であり、A、B、C、D、EからのX線露出は、
図1で定義された1つの心周期内に発生することとなる。異なる角度からのそれらの露出。最初の5回の露出の後、複数のモータの各々は、次の位置に移動し、別の心周期で別の5回の露出を行うこととなる。この場合、5つのモータがある。したがって、この例では、5回の心拍期間内に合計25回の露出を達成することができる。必要な各線源の露出時間に応じて、5回未満の心拍で25回の露出を達成することが可能である。
【0030】
X線源6は、独立して電力供給され、複数の露出のために制御され得る。X線源6は回転可能なX線アームアセンブリ上に位置するため、各線源を、対応する数のデータセットを作成するために、被写体の連続的な露出のために、異なる位置に、かつ異なる角度で向けることができる。異なるデータセットを処理して、特定の画像ビュー角度での画像及び三次元(3D)画像ボリュームを生成することができる。上記の特性に基づいて、各パルス作動されるX線源によって取得された画像を、高品質画像を有する組み合わせられたデータセットの対応する3Dデータセットに組み合わせて、最終的な診断撮像結果の精度を改善することができる。組み合わされたデータセットはまた、所望のデータセットの真の三次元表現を達成するための、2つ以上の異なる投影データセットの空間的に関連する情報を含み得ることに留意されたい。投影データセットが重畳されるとき、各データセットの空間的に関連する情報は、診断目的で複合3Dデータセットに保持される。
【0031】
X線フラットパネル検出器7は、複数のパルス作動されるX線源がインモーションで走査しているときか、又は1つの心拍の弛緩期間に、画像を取得する機能を有する。心臓安静時に、1つのX線源6は、被写体まで一定距離を有する弧状軌道で、被写体の周りで回転している。心拍中、別のパルス作動されるX線源が静止しているとき。シーケンスは、心拍ごとに全ての静止パルスが送達されるまで繰り返される。X線パルスは異なる角度から来ることから、リアルタイム画像取得処理を約2秒以内に完了することができる。この瞬間に、異なるデータ取得パターンを使用することもできる。他のパターンを使用して他のトモシンセシス画像を取得することは、有用であろう。当業者であれば、撮像の目的に基づいて、どのパターンを適用すべきかを判定し得る。
【0032】
ECGパルスを最初に検出し、複数のパルス作動されるX線源と同期させるべきである。オペレータは、リアルタイムECG波形を有するコンピュータプログラムで、心拍サイクルの適正な位置及び時間を設定する必要がある。それにより、システムは、心臓がほぼ安静位置にあるときに、ECGセンサからのデータに基づいて、時間シーケンスで、特定の場所で画像を取得することが分かるであろう。言い換えると、心拍数が相対的に低いとき、心臓が安静時にあるときにX線画像が取得される場合、X線画像は、良好な品質を有するであろう。同期がない場合、複数の線源からのデータ取得は、静止した乳房又は肺に関連する異なる位置を有する。つまり、X線画像を単一のビューに再構成することができない。代表的な心周期は、心臓の周期的な動きの全範囲を意味し、代表的な心周期の信号は、心臓の周期的な動きの全期間を意味する。本発明によれば、患者の身体の中心から患者の身体の周囲に延在する軸の周りにパターンで配置された複数のパルス作動されるX線源を使用することによって、心臓を含む動いている対象の画像を取得するための多パルス作動X線源トモシンセシスシステム5が提供される。
【0033】
ECGデータは、ECGセンサを使用して取得される。実際の患者の多くの心周期を平均化することによって、代表的な心周期が判定される。画像は、代表的な心周期の弛緩期間中にのみ得られる。ECG信号は、患者の体表面上のアナログ電極又はデジタル電極によってキャプチャされる。ECGリードは、3つの電極を有することとなる。2つは、心臓の近くに位置して、心臓の電気信号を検出する。ECGデータを、アナログデジタル変換器によって更に処理し、次いで、画像処理システムに渡すことができる。まず、画像取得のための同期信号を得るために、ECG波形を処理する必要がある。このことを達成するために使用され得る医療撮像に記載される多くのECG波形処理方法がある。代表的な心周期が判定されると、次の代表的な心周期の将来の場所を予測し、事前に適切な露出調整を行うことが可能である。拡張期中に画像をキャプチャすることによって、トモシンセシス撮像での画像品質を改善し、放射線量を減少させることができる。特定の位相中にデータをキャプチャし、かつ移動するX線源及びカメラをある特定の角度及び持続時間内で空間的に静止すように制御する必要があるため、インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス5撮像装置を利用して、高品質トモシンセシス撮像データを生成することができる。
【0034】
インモーション多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステム5は、撮像の被写体の動きと同期するためにECG信号/波形を使用して、動きアーチファクトが除去又は低減される心周期の特定の瞬間に画像をキャプチャすることができる。心周期の特定の瞬間は、心拍数に依存し、心拍数は、初期又は以前の平均R-R間隔に基づいて判定され得る。次いで、患者又は被写体の動きアーチファクトを、心周期の特定の瞬間でのキャプチャ後、コンピュータ再構成アルゴリズムを使用して補正することができる。平均R-R間隔(1つの心拍の別の心拍に対する比率)は、1分以内に行われ得る。したがって、高心拍数期間中、より小さいウィンドウ幅又はウィンドウによる追加のトモシンセシス画像取得を、同じ期間中に実行することができる。平均R-R間隔は、動きの速度に依存することとなる。心臓の動きがより遅い場合に、平均R-R間隔は、長くなるであろう。
【0035】
一実施形態において、画像取得のためのECG同期は、2つの心拍(心周期)間の心拍時間間隔を使用する。同じ心周期で心臓画像を撮影するとき、各X線画像の露出は、心周期の同じ位相で行われる。結果として、異なる心周期位相中に取得された各投影データセットを使用して、高品質の最終再構成画像を生成することができる。この技術は、ゲーティングウィンドウ(拡張期)を使用して、心周期の異なる位相中に全投影データセットを取得するためのゲーティングの同期に依拠する。投影データセットを取得する速度は、心周期の周期性によって制限される。インモーション線源システムは、重複するか、又は他の重複を引き起こし得る投影データセットを取得すべきではない。
【0036】
心拍のECG波形を使用して、ECG同期における心周期の動きを判定する。ECG同期を使用すると、いくつかの方途で画像品質の改善を達成することができる。第1の方途は、被写体が安静にして、周期的な動きに起因してぼける可能性が低いときにのみ、データを取得することである。これにより、不要な複数回の撮像露出が低減され、ひいては、放射線量が低減されるであろう。第2に、より良好に同期したデータを有することによって、高分解能の三次元(三次元)ボリューム画像を再構成する可能性がより高い。データ品質が高いほど、再構成が容易になる。更に、放射線量の低減は、放射線科医の報告での偽陽性診断の主な原因である、乳房組織壊死の低減及び肺組織病変の低減を意味する。
【0037】
現在のシステムは、画像データ取得の基礎として使用され得るECG波形内のR波を検出する。画像改善のためのECG同期は、多線源撮像装置と協働し、心周期の動きの影響下で、より良好な肺撮像のために、ECGピークパルスを回避する。結果として、広い角度でのスパンを有する分散した複数のX線源を有する多パルス作動線源トモシンセシスシステムを使用して、高データ品質を達成することができる。1つの心拍の弛緩期間では、X線露出は、X線源からの異なる角度からのものである。
【0038】
本発明の一実施形態では、多パルス作動線源トモシンセシスイメージングシステムは、Xインモーション線源アセンブリであって、運動しているときに広視野角にスパンを有するようにパターンで配置された複数のX線源と、X線検出器アレイと、Xインモーション線源アセンブリに結合されたECG同期ユニットと、を有するXインモーション線源アセンブリであり得る。ECG同期ユニットは、心拍ピーク時にX線露出がないように、X線露出のタイミングを制御するために使用される。結果として、心臓安静中に取得された画像データセットは、高品質を有するであろう。被写体が動いているとき、X線画像露出が進行中である場合、ぼけ画像が避けられない。Xインモーション線源トモシンセシス撮像装置は、心拍のX線パルスピークでECG同期を使用することができる。一実施形態では、毎分約65拍(bpm)の心拍数をECGによって追跡することができ、撮像ウィンドウを大きくすることができるため、フレームレートは、心拍数が低いときに増加するであろう。インモーション多パルス作動X線源トモシンセシス撮像装置は、リアルタイムECG同期を使用する。
【0039】
追加的に、本明細書で使用され、単数形で記述され、かつ単語「a」又は「an」が先行する要素又はステップは、排除することが明確に記述されていない限り、複数の該要素又はステップを排除するものではないと理解すべきである。更に、本発明の「一実施形態」への言及は、記述された特徴も組み込んでいる追加的な実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。また、本明細書で使用される場合、「画像を再構成する」という語句は、画像を表すデータが生成されるが、視認可能な画像が生成されない本発明の実施形態を除外することを意図しない。しかしながら、多くの実施形態は、視認可能な画像を生成する(又は生成するように構成されている)。
【0040】
本発明の様々な修正及び変更は、添付の特許請求の範囲によって規定された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。以下の任意の方法の請求項に列挙されたステップは、必ずしもそれらが列挙された順序で実行される必要はないことに留意されたい。当業者は、ステップが列挙された順序から、ステップを実行する際の変形を認識するであろう。加えて、特徴、ステップ、又は構成要素の言及又は議論の欠如は、存在しない特徴、又は構成要素が但し書き若しくは同様の請求項の文言によって除外される、請求項の基礎を提供する。
【0041】
本発明は、様々な例示的な実施形態及び実装態様の観点で上述されているが、個々の実施形態のうちの1つ以上に記載の様々な特徴、態様、及び機能性は、それらが記載されている特定の実施形態への適用に限定されず、代わりに、そのような実施形態が記載されているかどうか、及び記載された実施形態の一部としてそのような特徴が提示されているかどうかにかかわらず、単独で又は様々な組み合わせで、本発明の他の実施形態のうちの1つ以上に適用され得ることを理解されたい。したがって、本実施形態の広さ及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0042】
この文書において使用される用語及び語句、並びにその変化形は、別途明示的に記載されない限り、限定的であるのとは反対に、オープンエンドであると解釈されるべきである。先述の例として、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」などの意味として解釈されるべきであり、「例」という用語は、その網羅的又は限定的なリストではなく、議論中の項目の例示的な事例を提供するために使用されるべきであり、「a」又は「an」という用語は、「少なくとも1つ」、「1つ以上」などを意味するものとして解釈されるべきであり、「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準の」、「知られている」などの形容詞及び同様の意味の用語は、所与の時点に又は所与の時点で利用可能な項目に記載された項目を限定するものと解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来の任意の時点で利用可能か又は知られ得る従来の、伝統的な、通常の、又は標準の技術を包含するように解釈されるべきである。これゆえ、この文書が、当業者に明らかであるか、又は知られている技術に言及する場合、そのような技術は、現在又は将来の任意の時点で当業者に明らかであるか、又は知られている技術を包含する。
【0043】
いくつかの事例では、「1つ以上」、「少なくとも」、「であるがこれらに限定されない」などの意義拡張語及び語句、又は語句などの他のもの存在は、そのような意義拡張語句が存在しないことがある場合に、より狭い場合が意図されるか、又は必要とされることを意味すると解釈されないものとする。「モジュール」という用語の使用は、モジュールの一部として記載又は特許請求される構成要素又は機能性が全て共通のパッケージ内に構成されていることを含意しない。実際、制御ロジック又は他の構成要素であるかにかかわらず、モジュールの様々な構成要素のいずれか又は全ては、単一のパッケージに組み合わされてもよいし、別個に維持されてもよく、複数の場所にわたって更に分散されてもよい。
【0044】
追加的に、本明細書に詳述される様々な実施形態は、例示的なブロック図、フローチャート、及び他の説明図に関して記載されている。この文書を読んだ後に当業者に明らかになるであろうように、例示される実施形態及びそれらの様々な代替形態は、例示される例に限定されることなく実装されてもよい。例えば、ブロック図とそれらに付随する説明とは、特定のアーキテクチャ又は構成を義務付けるものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】