(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】原子層堆積装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20240312BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/44 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560407
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 FI2022050202
(87)【国際公開番号】W WO2022207978
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522115871
【氏名又は名称】ベネク・オサケユフティオ
【氏名又は名称原語表記】Beneq Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ウェスリン,ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】ソイニネン,ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】アンデション,ヨーナス
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030BB12
4K030EA03
4K030EA05
4K030EA06
4K030HA01
4K030KA04
4K030KA45
(57)【要約】
本発明は、真空チャンバ内に配置される反応チャンバ(1)と、原子層堆積装置に固定して設けられ、真空チャンバの外側から反応チャンバ(1)にガスを供給するように配置される固定ガスマニホールドアセンブリ(3)とを有する原子層堆積装置に関する。反応チャンバ(1)は、真空チャンバに関して、および固定ガスマニホールドアセンブリ(3)に関して移動可能に配置される可動反応チャンバである。原子層堆積装置は、可動反応チャンバ(1)と固定ガスマニホールドアセンブリ(3)とを連結する接続機構(4)をさらに備える。接続機構(4)は、固定ガスマニホールドアセンブリ(3)を囲む可撓性外側フランジアセンブリ(5)と、反応チャンバ(1)の第2接続面(11)と接続する第1接続面(6)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子層堆積装置であって、
原子層堆積装置が真空チャンバ内に配置される反応チャンバ(1)と、原子層堆積装置に固定して設けられ、真空チャンバの外側から反応チャンバ(1)にガスを供給するように配置される固定ガスマニホールドアセンブリ(3)とを有し、
反応チャンバ(1)は、真空チャンバに関して、および固定ガスマニホールドアセンブリ(3)に関して移動可能に配置される可動反応チャンバ(1)であり、
原子層堆積装置は、
可動反応チャンバ(1)を固定ガスマニホールドアセンブリ(3)に連結させる接続機構(4)
をさらに備え、
接続機構(4)は、
-固定ガスマニホールドアセンブリ(3)を囲む可撓性外側フランジアセンブリ(5)、および
-反応チャンバ(1)の第2接続面(11)と接続する第1接続面(6)
を備えることを特徴とする、原子層堆積装置。
【請求項2】
可撓性外側フランジアセンブリ(5)および固定ガスマニホールドアセンブリ(3)が可撓性外側フランジアセンブリ(5)と固定ガスマニホールドアセンブリ(3)との間にガスチャネル(7)を形成する同軸クリアランスを有するように、可撓性外側フランジアセンブリ(5)は、固定ガスマニホールドアセンブリ(3)の周囲に同軸に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の原子層堆積装置。
【請求項3】
可撓性外側フランジアセンブリ(5)が、
第1接続面(6)を有する第1接続部(51)、
固定ガスマニホールドアセンブリ(3)に取り付けられる第2接続部(52)、および
第1接続部(51)が第2接続部(52)に対して移動可能であるように、第1接続部(51)と第2接続部(52)とを共に接続する可撓性接続部(53)
を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の原子層堆積装置。
【請求項4】
可撓性接続部(53)が、第1接続面(6)に対して垂直方向の移動を供するように配置されるか;または
可撓性接続部(53)が、第1接続面(6)に対して傾斜方向の移動を供するように配置されるか;または
可撓性接続部(53)が、第1接続面(6)に対して垂直方向の移動および傾斜方向の移動を供するように配置される
ことを特徴とする、請求項3に記載の原子層堆積装置。
【請求項5】
可撓性接続部(53)が、
第1接続部(51)と第2接続部(52)とを接続し、固定ガスマニホールドアセンブリ(3)を囲む膨張部材(53a)
を備え、
膨張部材(53a)は、第1接続部(51)と第2接続部(52)との間に延在し、固定ガスマニホールドアセンブリ(3)の周囲に共に気密壁を形成する
ことを特徴とする、請求項3に記載の原子層堆積装置。
【請求項6】
膨張部材(53a)がベロー構造であることを特徴とする、請求項5に記載の原子層堆積装置。
【請求項7】
可撓性接続部(53)が、
第1接続部(51)と第2接続部(52)とを接続し、膨張部材(53)と分離される可撓性部分(53b)
をさらに備え、
可撓性部分(53b)は、可撓性外側フランジアセンブリ(5)の第1接続面(6)と反応チャンバ(1)の第2接続面(11)との間の接触を密に保つため、前記接触に応じて膨張収縮するように配置される
ことを特徴とする、請求項5または6に記載の原子層堆積装置。
【請求項8】
可撓性部分(53b)が、第1接続面と第2接続面(52)との間に延在する予荷重ばねを備えることを特徴とする、請求項7に記載の原子層堆積装置。
【請求項9】
可撓性部分(53b)が、第1接続面(6)に対して垂直方向の移動を供するように配置されるか;または
可撓性部分(53b)が、第1接続面(6)に対して傾斜方向の移動を供するように配置されるか;または
可撓性部分(53b)が、第1接続面(6)に対して垂直方向の移動および傾斜方向の移動を供するように配置される
ことを特徴とする、請求項7または8に記載の原子層堆積装置。
【請求項10】
固定ガスマニホールドアセンブリ(3)が、ハウジング構造体内にて、ガスユニットからハウジング構造体の端面に延在する剛性ガスパイプを囲むハウジング構造体を備えることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の原子層堆積装置。
【請求項11】
真空チャンバおよび固定ガスマニホールドアセンブリ(3)が共に固定され、
固定ガスマニホールドアセンブリ(3)は、真空チャンバの外側から、真空チャンバの壁を通って真空チャンバ内にまで延びるように配置され、
接続機構(4)は真空チャンバ内に設けられる
ことを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の原子層堆積装置。
【請求項12】
原子層堆積装置が、原子層堆積装置に固定して設けられる複数の固定ガスマニホールドアセンブリ(3)を備え、
第1固定ガスマニホールドアセンブリ(3)が、真空チャンバの外側から反応チャンバ(1)にガスを供給するように配置され、
第2固定ガスマニホールドアセンブリ(3)が、反応チャンバ(1)から真空チャンバの外側にガスを排出するように配置され、
原子層堆積装置は、
第1固定ガスマニホールドアセンブリ(3)を介して反応チャンバ(1)にガスを供するガス源、および
第2固定ガス排出マニホールドアセンブリを介して反応チャンバ(1)からガスを排出する排出デバイス
をさらに備え、
接続機構(4)は、可動反応チャンバ(1)と固定ガスマニホールドアセンブリとを連結する固定ガスマニホールドアセンブリの各々と接続して設けられる
ことを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の原子層堆積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、原子層堆積装置に関し、より詳細には、独立請求項1の前提部に規定される原子層堆積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
先行技術の原子層堆積装置では、反応チャンバは通常静止しており、ガスマニホールドは反応チャンバに固定して接続される。しかしながら、移動可能な反応チャンバも存在するものの、反応チャンバとガスマニホールドとの間のガス接続には、使用者による手動接続を必要とする。
【0003】
本発明は、機器の長さが4メートルを超え、反応チャンバ内で処理される基板の幅が1メートルを超え得る大型原子層堆積機器に関する。したがって、供給管および排出管の直径は、250mmにもなり得る。このサイズの配管部品は、非常に重く、また大型機器内に配置されるため、汚れた場合の清掃や交換が困難である。
【発明の概要】
【0004】
発明の概要
本発明の目的は、上記課題を解決する原子層堆積装置を提供することである。
【0005】
本発明の目的は、独立請求項に記載されていることを特徴とする原子層堆積装置によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0006】
本発明は、反応チャンバと固定ガスマニホールドアセンブリとの間に可撓性接続(または伸縮自在の接続、もしくは可動性接続、a flexible connection)を設けるという考えに基づく。可撓性接続部は反応チャンバの動きに反応し、反応チャンバと固定ガスマニホールドアセンブリとの間の接続を堅固に保つ。
【0007】
本発明に係る原子層堆積装置は、真空チャンバ内に配置される反応チャンバと、原子層堆積装置に固定して設けられ、真空チャンバの外側から反応チャンバにガスを供給するように配置される固定ガスマニホールドアセンブリとを有する。反応チャンバは、真空チャンバに対して、および固定ガスマニホールドアセンブリに対して移動可能に配置される可動反応チャンバである。原子層堆積装置は、可動反応チャンバを固定ガスマニホールドアセンブリに結合する接続機構(または接続構造もしくは接続配置、a connection arrangement)をさらに備える。接続機構は、固定ガスマニホールドアセンブリを囲む可撓性外側フランジアセンブリと、反応チャンバの第2接続面に接続する第1接続面とを備える。
【0008】
本発明によれば、可撓性外側フランジアセンブリおよび固定ガスマニホールドアセンブリが可撓性外側フランジアセンブリと固定ガスマニホールドアセンブリとの間にガスチャネルを形成する同軸のクリアランスを有するように、可撓性外側フランジアセンブリは、固定ガスマニホールド組立体の周囲に同軸に配置される。
【0009】
本発明によれば、可撓性外側フランジアセンブリは、第1接続面を有する第1接続部と、固定ガスマニホールドアセンブリに取り付けられる第2接続部と、第1接続部が第2接続部に対して可動であるように、第1接続部と第2接続部とを共に接続する可撓性接続部とを備える。
【0010】
本発明によれば、可撓性接続部は、第1接続部および第2接続部に接続され、固定ガスマニホールドアセンブリを取り囲む膨張部材を備える。膨張部材は、第1接続部と第2接続部との間に延在しており、これらが一体となって固定ガスマニホールドアセンブリの周囲にガス気密壁を形成している。膨張部材は、第1接続面と第2接続面とが共に接続されると収縮し、固定ガスマニホールド構造体と反応チャンバとの間に押圧接続がないと膨張するように配置される。
【0011】
本発明によれば、膨張部材はベロー構造である。
【0012】
本発明によれば、可撓性接続部は、第1接続部および第2接続部に接続され、膨張部材から分離される可撓性部分をさらに備える。可撓性部分は、可撓性外側フランジアセンブリの第1接続面と反応チャンバの第2接続面との間の接触に応じて伸縮するように配置され、接触を密に保つようになっている。
【0013】
本発明によれば、可撓性部分は、第1接続部と第2接続部との間に延在する予荷重ばね(preloaded springs)を備える。
【0014】
本発明によれば、可撓性部品は、第1接続面に垂直方向の運動を供するように配置される。あるいは、可撓性部分は、第1接続面に傾斜運動を供するように配置される。あるいは、可撓性部品は、第1接続面に垂直方向の運動と傾斜方向の運動とを供するように配置される。
【0015】
本発明によれば、固定ガスマニホールドアセンブリは、ガスユニットからハウジング構造体の端面にまで、ハウジング構造体内に延在する剛性ガスパイプを囲むハウジング構造体を備える。
【0016】
本発明によれば、真空チャンバと固定ガスマニホールドアセンブリとは共に固定される。固定ガスマニホールドアセンブリは、真空チャンバの外側から真空チャンバの壁を通って真空チャンバ内に延びるように配置される。接続機構は、真空チャンバ内に設けられる。
【0017】
本発明によれば、原子層堆積装置は、原子層堆積装置に固定して設けられる複数の固定ガスマニホールドアセンブリを備える。第1固定ガスマニホールドアセンブリは、真空チャンバの外側から反応チャンバにガスを供給するように配置され、第2固定ガスマニホールドアセンブリは、反応チャンバから真空チャンバの外側にガスを排出するように配置される。原子層堆積装置は、第1固定ガスマニホールドアセンブリを介して反応チャンバにガスを供給するためのガス源と、第2固定ガス排出マニホールドアセンブリを介して反応チャンバからガスを排出するための排出デバイスとをさらに備える。接続機構は、可動反応チャンバを固定ガスマニホールドアセンブリに結合するために、固定ガスマニホールドアセンブリの各々に接続して設けられる。
【0018】
本発明の利点は、反応チャンバが固定ガスマニホールドアセンブリに対して移動可能に配置されているにもかかわらず、可撓性外側フランジアセンブリを有する接続機構により、両者の間の接続を強固にすることができることである。本発明のさらなる利点は、窒素のような不活性ガスを供給できる固定ガスマニホールドアセンブリと接続機構との間に形成される同軸クリアランスに設けられるガスチャネルにより、固定ガスマニホールド構造体の外表面を清浄に保つことができることである。
【0019】
添付の図面を参照して、具体的な実施形態により、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明に係る原子層堆積装置の詳細を示す。
【
図2】
図2は、ある位置における本発明に係る接続機構を示す。
【
図3】
図3は、別の位置における本発明に係る接続機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
図1には、真空チャンバ内に配置される反応チャンバ1を有する、本発明に係る原子層堆積装置の詳細が示されている。反応チャンバ1は、固定ガスマニホールドアセンブリ3から接続される供給部を備える。
図1に示す反応チャンバ1は、真空チャンバに対して移動可能であるようにレール上に配置される。これにより、反応チャンバ1を真空チャンバから移動させ、再び真空チャンバ内に移動させることができる。したがって、反応チャンバ1は、真空チャンバと連結して設けられる固定ガスマニホールドアセンブリ3に対しても移動可能である。したがって、反応チャンバ1は可動反応チャンバ1である。原子層堆積装置は、可動反応チャンバ1と固定ガスマニホールドアセンブリ3とを連結する連結設備4をさらに備える。可動反応チャンバ1が真空チャンバに対して相対的に移動し、固定ガスマニホールドが真空チャンバと接続する固定位置に留まるため、可動反応チャンバ1と固定ガスマニホールド3との接続は、固定ガスマニホールドアセンブリを取り囲む可撓性外側フランジアセンブリ5と、反応チャンバ1の第2接続面11と接続する第1接続面6とを備える連結設備4を介して行われる。固定ガスマニホールドアセンブリ3と反応チャンバ1との間の連結が行われるに際して、可撓性外側フランジアセンブリ5は、第1接続面6の上下運動と、反応チャンバ1に対する第1接続面6の傾斜運動とを提供する。反応チャンバ1は、固定ガスマニホールドアセンブリ3に従って位置合わせするには重すぎる。一方、固定ガスマニホールドアセンブリは、原子層堆積装置に固定されているために動かすことができない。第1接続面6は反応チャンバ1の第2接続面11に向かって押圧されるため、固定ガスマニホールドアセンブリ3と反応チャンバ1との間の接続は堅固であり、ガスは真空チャンバとの接続の外側に漏れない。固定ガスマニホールドアセンブリ3は、原子層堆積装置に固定的に設けられ、真空チャンバの外側に設けられるガス源から反応チャンバ1にガスを供給するように配置される。
【0022】
図2には、第1接続面6が反応チャンバ1の第2接続面11から離れている位置における、本発明に係る接続機構4が示されている。換言すれば、
図2には、反応チャンバ1と固定ガスマニホールドアセンブリ3との間の接続がまだ形成されておらず、固定ガスマニホールドアセンブリ3から供給される前駆体が真空チャンバに漏出する原子層堆積装置の状態が示されている。
図2には、反応チャンバ1と固定ガスマニホールドアセンブリ3との間の接続を形成するために設けられる原子層堆積装置の接続機構4の詳細が示されている。接続機構4は、反応チャンバ1の第2接続面11に接続されるように配置される第1接続面6を備える。第1接続面6は、可動反応チャンバ1が真空チャンバ内の所定の位置に設けられるに際して、第2接続面11に向かって移動可能である。第1接続面6は、固定ガスマニホールドアセンブリ3を取り囲む可撓性外側フランジアセンブリ5の移動の応答として移動する。可撓性外側フランジアセンブリ5は、第1接続面6を有する第1接続部51と、固定ガスマニホールドアセンブリ3に取り付けられる第2接続部52と、第1接続部51が第2接続部52に対して相対的に移動可能であるように、第1接続部51と第2接続部52とを共に接続する可撓性接続部53とを備える。可撓性接続部53は、反応チャンバ1と固定ガスマニホールド構造体との位置合わせが必要な場合に、第2接続面11に対する第1接続面6の上下運動と傾斜運動とを提供する。
【0023】
さらに、
図2には、可撓性接続部53が、第1接続部51および第2接続部52に接続され、固定ガスマニホールドアセンブリ3を取り囲む膨張部材53aを備えることが示されている。膨張部材53aは、第1接続部51と第2接続部52との間に延在しており、これらが共に固定ガスマニホールドアセンブリ3の周囲にガス気密壁を形成している。換言すれば、固定ガスマニホールドアッセンブリに最も近い周囲を取り囲む第1接続部51の一部と第2接続部52の一部とは、膨張部材53aと共に、固定ガスマニホールドアセンブリ3の周囲に延在するガスチャネル7の外壁を形成している。ガスチャネル7は、固定ガスマニホールドアセンブリと反応チャンバ1との接続ポイントからガスマニホールドアセンブリ3の構造体に戻る前駆体ガスの侵入を防止する不活性ガスを供給するためのものである。膨張部材53aは、第1接続部51および第2接続部52と共に気密構造を提供するために、固定ガスマニホールドアセンブリ3を取り囲む。本発明の本実施形態において、膨張部材53aはベロー構造である。
【0024】
可撓性接続部53は、第1接続部51および第2接続部52に接続され、膨張部材53aから離間した可撓性部分53bをさらに備える。この可撓部分53bは、可撓性外側フランジアセンブリ5の第1接続面と反応チャンバ1の第2接続面11との間の接触を密に保つため、接触に応じて伸縮するように配置される。本発明の本実施形態において、可撓部分53bはバネである。図には2つのバネしか示されていないものの、可撓性外側フランジアセンブリ5は固定ガスマニホールドアセンブリ3の周囲に同軸に設けられる。したがって、可撓性部分53bも固定ガスマニホールドアセンブリ3の周囲に一定の間隔で設けられる。
【0025】
図3には、反応チャンバ2と固定ガスマニホールドアセンブリ3との間の接続が確立され、反応チャンバ2と固定ガスマニホールド組立体3との間における、真空チャンバへの流路接続が閉じられるように、第1接続面6と第2接続面11とが互いに対向している別の位置における、本発明に係る接続機構を示している。固定ガスマニホールドアセンブリ3と接続機構4との間の同軸クリアランスによって形成されるガスチャネル7は、膜堆積を外部構造から排除する拡散バリアを配置するために、固定ガスマニホールドアセンブリ3の周囲に不活性ガスを供給するように配置される。前駆体ガスは、固定ガスマニホールドアセンブリ3のガスチャネルを介して供給される。接続機構4の第1表面6と反応チャンバ2の第2表面11とが互いに堅く接続されると、固定ガスマニホールドアセンブリ3を囲む可撓性外側フランジアセンブリ5が作動し、可撓部分53bが第2表面11に向かって第1表面6を押し、表面間の接続を堅く保つ。膨張部材53aは、固定ガスマニホールドアセンブリ3の周囲のガスチャネル7が気密になるように、可撓部分53bの膨張または収縮に適応する。
【0026】
図4には、本発明に係る接続機構4がより詳細に示されている。接続機構4は、第1接続面6と可撓性外側フランジアセンブリ5とを備える。可撓性外側フランジアセンブリ5は、第1接続部51と、第2接続部52と、第1接続部51と第2接続部52との間の可撓性接続部53とを備える。第1接続部51には、第1接続面6が設けられる。第2接続部分52は、固定ガスマニホールドアセンブリ3に取り付けられ、可撓性接続部53は、可撓性接続部53を介して第1接続部51と第2接続部52とを接続する第2接続部52に接続される。可撓性接続部53が伸縮すると、可撓性接続部53の運動に応じて第1接続面6が移動する。また、可撓性接続部53は、傾斜移動を可能とする。これにより、反応チャンバ1の第2接続面11が第1接続面6に対して傾斜して第1接続面6に接する際には、第2接続面11の位置に応じて第1接続面6が傾斜するため、第1接続面6と第2接続面11との間の接続が密になる。
【0027】
図4には、可撓部分53bを形成する予荷重ばねが示されている。一方で、第1接続部51および第2接続部52が共に膨張部を配置する面を備えることを示すために、膨張部材53aは図面から省略されている。
【0028】
以上、図示される実施例を参照して、本発明を説明した。しかしながら、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で変更され得るものである。
【国際調査報告】