(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】メッシュネットワークを用いた自律的な地理的位置の決定
(51)【国際特許分類】
H04W 4/02 20180101AFI20240312BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240312BHJP
H04W 84/22 20090101ALI20240312BHJP
G01S 5/14 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H04W4/02
H04W64/00 130
H04W84/22
G01S5/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560429
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 US2022022364
(87)【国際公開番号】W WO2022212390
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523325484
【氏名又は名称】ランディス・ギア・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】カールガード,マット
(72)【発明者】
【氏名】ラドゴウスキー,ジョン
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062CC18
5K067AA21
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE16
5K067EE25
5K067HH22
5K067JJ51
(57)【要約】
メッシュネットワークにおけるネットワークノードの位置情報を自律的に決定するための技術が提供される。例えば、メッシュネットワークは、既知の位置を有する一次ノードと、決定すべき位置を有する二次ノードとを含む。二次ノードは、一次ノードのうちで、二次ノードの通信範囲内にある範囲内一次ノードを識別し、範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いか否かを決定するように構成される。上記範囲内一次ノードの個数がしきい値より多い場合、二次ノードはさらに、二次ノードと選択された範囲内一次ノードのそれぞれとの間の距離を決定し、距離と選択された範囲内一次ノードの各位置とに基づいて二次ノードの位置を計算する。二次ノードはさらに、計算された位置を、メッシュネットワークを介してヘッドエンドシステムに送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線メッシュネットワークにおけるノードの地理的位置を決定するためのシステムであって、
上記システムは、無線メッシュネットワークを介して通信可能に接続された複数のノードを備え、
上記複数のノードは、既知の地理的位置を有する一群の一次ノードと、決定すべき地理的位置を有する一群の二次ノードとを含み、
上記一群の二次ノードのうちの1つの二次ノードは、
上記一群の一次ノードのうちで、上記1つの二次ノードの通信範囲内にある、上記1つの二次ノードに関する範囲内一次ノードを識別することと、
上記範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することと、
上記範囲内一次ノードの個数が上記しきい値より多いと決定することに応答して、
上記1つの二次ノードと、少なくとも3つの範囲内一次ノードのそれぞれとの間の物理的距離を決定することと、
上記1つの二次ノード及び上記少なくとも3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離と、上記少なくとも3つの範囲内一次ノードの各地理的位置とに基づいて、上記1つの二次ノードの地理的位置を計算することと、
上記計算された地理的位置を指定するデータを、上記無線メッシュネットワークを介してヘッドエンドシステムに送信することとを含む動作を実行するように構成された、
システム。
【請求項2】
上記動作は、
上記少なくとも3つの範囲内一次ノードの各地理的位置の位置精度に少なくとも部分的に基づいて、上記1つの二次ノードの計算された地理的位置に関連付けられた位置精度を計算することと、
上記計算された位置精度を、上記計算された地理的位置とともに、上記ヘッドエンドシステムに送信することとをさらに含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
上記動作は、上記計算された地理的位置及び上記計算された位置精度を指定するデータを、上記一群の二次ノードのうちの他の二次ノードに送信することをさらに含む、
請求項2記載のシステム。
【請求項4】
上記動作は、上記範囲内一次ノードのうちで、他の範囲内一次ノードよりも高い位置精度を有する地理的位置を有する少なくとも3つの範囲内一次ノードを選択することで、上記少なくとも3つの範囲内一次ノードを決定することをさらに含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
上記1つの二次ノード及び1つの範囲内一次ノードの間の物理的距離を決定することは、伝搬時間法を用いて実行される、
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
上記1つの二次ノード及び1つの範囲内一次ノードの間の物理的距離を決定することは、上記範囲内一次ノードから上記1つの二次ノードにおいて受信された信号の強度に基づいて実行される、
請求項1記載のシステム。
【請求項7】
上記少なくとも3つの範囲内一次ノードは、3つより多くの範囲内一次ノードを含み、
上記1つの二次ノード及び少なくとも3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離に基づいて上記1つの二次ノードの地理的位置を計算することは、
上記少なくとも3つの範囲内一次ノードから、3つの範囲内一次ノードからなる部分集合を決定することと、
3つの範囲内一次ノードからなる各部分集合に関して、上記1つの二次ノード及び上記3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離に基づいて、上記1つの二次ノードの候補位置を計算することと、
上記1つの二次ノードの複数の候補位置の重み付けられた総和を適用することで、上記1つの二次ノードの地理的位置を計算することとを含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項8】
上記動作は、上記範囲内一次ノードの個数が上記しきい値より多くないと決定することに応答して、
上記1つの二次ノードと、上記一群の二次ノードのうちの、上記1つの二次ノードの通信範囲にある少なくとも3つの範囲内二次ノードのそれぞれとの間の物理的距離を決定することと、
上記1つの二次ノード及び上記少なくとも3つの範囲内二次ノードの間の物理的距離に基づいて、上記少なくとも3つの範囲内二次ノードに関する上記1つの二次ノードの相対位置を計算することと、
上記1つの二次ノードの相対位置を、上記無線メッシュネットワークにおけるノードに送信することとをさらに含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項9】
一次ノードは、
当該ノードに設けられたGPSチップを用いて決定される地理的位置を有するノードと、
当該ノードのWi-Fi構成要素を用いて決定される地理的位置を有するノードと、
当該ノードのセルラーモデムを用いて決定される地理的位置を有するノードと、
他の一次ノードの位置を用いて決定される地理的位置を有するノードと、
当該ノードに関連付けられたアドレスから変換される地理的位置を有するノードとのうちの1つ又は複数である、
請求項1記載のシステム。
【請求項10】
上記一群の一次ノードのうちの1つの一次ノードは、上記1つの一次ノードの位置情報をネットワークメッセージとして上記1つの二次ノードに送信するように構成され、
上記1つの一次ノードの位置情報は、上記1つの一次ノードの地理的な位置と、上記地理的位置に関連付けられた位置精度とを含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項11】
ノードの地理的位置を決定するための、無線メッシュネットワークにおけるノードによって実行される方法であって、上記方法は、
上記ノードの通信範囲内にあり、かつ、既知の地理的位置を有する、上記ノードに関する範囲内一次ノードを決定することと、
上記範囲内一次ノードの各地理的位置を指定する、上記範囲内一次ノードの各位置情報を、対応する範囲内一次ノードから受信することと、
上記範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することと、
上記範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することに応答して、
上記ノードと、少なくとも3つの範囲内一次ノードのそれぞれとの間の物理的距離を決定することと、
上記ノード及び上記少なくとも3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離と、上記少なくとも3つの範囲内一次ノードの各地理的位置とに基づいて、上記ノードの地理的位置を計算することと、
上記計算された地理的位置を指定するデータを、上記無線メッシュネットワークを介してヘッドエンドシステムに送信することとを含む、
方法。
【請求項12】
上記少なくとも3つの範囲内一次ノードの各地理的位置の位置精度に少なくとも部分的に基づいて、上記ノードの計算された地理的位置に関連付けられた位置精度を計算することと、
上記計算された位置精度を、上記計算された地理的位置を指定するデータとともに、上記ヘッドエンドシステムに送信することとをさらに含む、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
上記範囲内一次ノードのうちで、他の範囲内一次ノードよりも高い精度を有する少なくとも3つの範囲内一次ノードを選択することで、上記少なくとも3つの範囲内一次ノードを決定することをさらに含む、
請求項11記載の方法。
【請求項14】
上記二次ノード及び1つの範囲内一次ノードの間の物理的距離を決定することは、上記範囲内一次ノードから上記二次ノードにおいて受信された信号の強度に基づいて、伝搬時間法及び信号強度に基づく方法の少なくとも一方を用いて実行される、
請求項11記載の方法。
【請求項15】
上記範囲内一次ノードの個数が上記しきい値より多くないと決定することに応答して、
上記ノードと、上記ノードの通信範囲にある少なくとも3つの範囲内二次ノードであって、地理的位置を決定すべき少なくとも3つの範囲内二次ノードのそれぞれとの間の物理的距離を決定することと、
上記ノード及び上記少なくとも3つの範囲内二次ノードの間の物理的距離に基づいて、上記少なくとも3つの範囲内二次ノードに関する上記ノードの相対位置を計算することと、
上記ノードの相対位置を指定するデータを、上記無線メッシュネットワークにおける他のノードに送信することとをさらに含む、
請求項11記載の方法。
【請求項16】
無線メッシュネットワークにおけるノードであって、上記ノードは、
コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、
上記プロセッサによって実行されたとき、上記プロセッサに以下の動作を含む動作を実行させる上記コンピュータ可読命令を格納するように構成されたメモリとを備え、
上記動作は、
上記ノードの通信範囲内にあり、かつ、既知の地理的位置を有する、上記ノードに関する範囲内一次ノードを決定することと、
上記範囲内一次ノードの各地理的位置を指定する、上記範囲内一次ノードの各位置情報を、対応する範囲内一次ノードから受信することと、
上記範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することと、
上記範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することに応答して、
上記ノードと、少なくとも3つの範囲内一次ノードのそれぞれとの間の物理的距離を決定することと、
上記ノード及び上記少なくとも3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離と、上記少なくとも3つの範囲内一次ノードの各地理的位置とに基づいて、上記ノードの地理的位置を計算することと、
上記計算された地理的位置を指定するデータを、上記無線メッシュネットワークを介してヘッドエンドシステムに送信することとを含む、
ノード。
【請求項17】
上記動作は、
上記ノードの計算された地理的位置に関連付けられた位置精度を計算することと、
上記計算された位置精度を、上記計算された地理的位置を指定するデータとともに、上記ヘッドエンドシステムに送信することとをさらに含む、
請求項16記載のノード。
【請求項18】
上記二次ノード及び1つの範囲内一次ノードの間の物理的距離を決定することは、上記範囲内一次ノードから上記二次ノードにおいて受信された信号の強度に基づいて、伝搬時間法及び信号強度に基づく方法の少なくとも一方を用いて実行される、
請求項16記載のノード。
【請求項19】
上記少なくとも3つの範囲内一次ノード、3つより多くの範囲内一次ノードを含み、
上記ノード及び少なくとも3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離に基づいて上記ノードの地理的位置を計算することは、
上記少なくとも3つの範囲内一次ノードから、3つの範囲内一次ノードからなる部分集合を決定することと、
3つの範囲内一次ノードからなる各部分集合に関して、上記ノード及び上記3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離に基づいて、上記ノードの候補位置を計算することと、
上記ノードの複数の候補位置の重み付けられた総和を適用することで、上記ノードの地理的位置を計算することとを含む、
請求項16記載のノード。
【請求項20】
一次ノードは、
当該ノードに設けられたGPSチップを用いて決定される地理的位置を有するノードと、
当該ノードのWi-Fi構成要素を用いて決定される地理的位置を有するノードと、
当該ノードのセルラーモデムを用いて決定される地理的位置を有するノードと、
他の一次ノードの位置を用いて決定される地理的位置を有するノードと、
当該ノードに関連付けられたアドレスから変換される地理的位置を有するノードとのうちの1つ又は複数である、
請求項16記載のノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してメッシュネットワークに関し、より詳しくは、メッシュネットワークにおけるネットワークノードの地理的位置情報の決定に関する。
【背景技術】
【0002】
メッシュネットワークにおけるノードの地理的位置情報は、例えば、メッシュネットワークに関連付けられたリソース分配ネットワークのトポロジーを決定もしくは検証するために、又は、分配ネットワーク内における問題の位置を迅速につきとめるために有用となりうる。ノードの位置情報は、ノードに取り付けられたGPSチップ又はWi-Fi構成要素のようなソースを用いて決定可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、大多数のネットワークノードは、これらのタイプの位置決定構成要素を備えていない。大多数のネットワークノードの位置は、典型的には、手動で追跡されるか、又は、追跡されない。大きなネットワークの場合、ネットワークノードの個数は数百万個にもなりうる可能性があり、このため、この手動処理には時間がかかり、誤りを生じがちである。さらに、ネットワークノードの位置は、時間経過に応じて変化する可能性がある。例えば、分配ネットワークにおけるメーターは、設置後に、進行中の住宅及び商用の建設、取り壊し又は修理、ユーティリティ機器のアップグレード、などに起因して移動される可能性がある。このことは、ネットワークノードの位置の手動追跡においてより多くの課題をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
メッシュネットワークにおけるノードの地理的位置情報を自律的に決定するための装置及び処理について、複数の態様及び複数の実施例が開示される。一実施例では、無線メッシュネットワークにおけるノードの地理的位置を決定するためのシステムは、無線メッシュネットワークを介して通信可能に接続された複数のノードを含む。複数のノードは、既知の地理的位置を有する一群の一次ノードと、決定すべき地理的位置を有する一群の二次ノードとを含む。一群の二次ノードのうちの1つの二次ノードは、一群の一次ノードのうちで、1つの二次ノードの通信範囲内にある、1つの二次ノードに関する範囲内一次ノードを識別することと、範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することとを含む動作を実行するように構成される。本動作は、範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することに応答して、1つの二次ノードと、少なくとも3つの範囲内一次ノードのそれぞれとの間の物理的距離を決定することと、1つの二次ノード及び少なくとも3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離と、少なくとも3つの範囲内一次ノードの各地理的位置とに基づいて、1つの二次ノードの地理的位置を計算することと、計算された地理的位置を指定するデータを、無線メッシュネットワークを介してヘッドエンドシステムに送信することとさらに含む。
【0005】
もう1つの実施例では、ノードの地理的位置を決定するための、無線メッシュネットワークにおけるノードによって実行される方法は、ノードの通信範囲内にある、ノードに関する範囲内一次ノードを決定することを含む。範囲内一次ノードの地理的位置は既知である。本方法はさらに、範囲内一次ノードの各地理的位置を指定する、範囲内一次ノードの各位置情報を、対応する範囲内一次ノードから受信することと、範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することと、を含む。本方法はまた、範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することに応答して、ノードと、少なくとも3つの範囲内一次ノードのそれぞれとの間の物理的距離を決定することと、ノード及び少なくとも3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離と、少なくとも3つの範囲内一次ノードの各地理的位置とに基づいて、ノードの地理的位置を計算することと、計算された地理的位置を指定するデータを、無線メッシュネットワークを介してヘッドエンドシステムに送信することとを含む。
【0006】
さらにもう1つの実施例では、無線メッシュネットワークにおけるノードは、コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに以下の動作を含む動作を実行させるコンピュータ可読命令を格納するように構成されたメモリとを含む。本動作は、ノードの通信範囲内にある、ノードに関する範囲内一次ノードを決定することと、を含む。範囲内一次ノードの地理的位置は既知である。本動作はさらに、範囲内一次ノードの各地理的位置を指定する、範囲内一次ノードの各位置情報を、対応する範囲内一次ノードから受信することと、範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することと、を含む。本動作はまた、範囲内一次ノードの個数がしきい値より多いと決定することに応答して、ノードと、少なくとも3つの範囲内一次ノードのそれぞれとの間の物理的距離を決定することと、ノード及び少なくとも3つの範囲内一次ノードの間の物理的距離と、少なくとも3つの範囲内一次ノードの各地理的位置とに基づいて、ノードの地理的位置を計算することと、計算された地理的位置を指定するデータを、無線メッシュネットワークを介してヘッドエンドシステムに送信することとを含む。
【0007】
これらの例示的な態様及び特徴は、ここで説明する主題を限定又は定義するためではなく、本願において説明する概念についての理解を支援する実施例を提供するために言及される。ここに説明する主題の他の態様、利点、及び特徴は、本願全体に目を通すことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の所定の態様に係る、メッシュネットワークにおけるノードの地理的位置を自律的に決定するための例示的な動作環境を示すブロック図である。
【
図2】本開示の所定の態様に係る、既知の位置を有する一次ノードと、決定すべき位置を有する二次ノードとを含むネットワークノードの例を示す。
【
図3】本開示の所定の態様に係る、メッシュネットワークにおけるノードの地理的位置を自律的に決定するための処理の例を示す。
【
図4】本開示の所定の態様に係る、伝搬時間法を用いて二次ノード及び一次ノードの間の距離を決定する例を示す。
【
図5】本願で提示される技術の態様を実装するのに適したノードの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付の図面を参照して読まれるとき、さらに理解される。
【0010】
メッシュネットワークにおけるノードの地理的位置情報を自律的に決定するためのシステム及び方法が提供される。例えば、決定すべき位置を有する二次ノードは、その近傍ノードと通信することで、既知の位置を有する一次ノードを識別する。識別された一次ノードの個数が一次ノードの必要な個数を満たす場合、二次ノードは、これらの一次ノードの各々に対するその距離を計算する。一次ノードの位置情報及び計算された距離情報を用いて、二次ノードはその位置を計算することができる。次いで、二次ノードは、その近傍二次ノードに関する一次ノードとして動作することで、それらの各位置を決定することができる。二次ノードは、決定した位置情報を、メッシュネットワークを介してヘッドエンドシステムに送信して、位置情報を記録させることができる。
【0011】
下記の非限定的な実施例を提示して、所定の実施形態を導入する。この実施例では、メッシュネットワークは、一次ノードと呼ばれる、既知の位置を有する一群のノードと、二次ノードと呼ばれる、決定すべき位置を有する一群のノードとを含む。各一次ノードは、その位置を決定するために使用される1つ又は複数の位置ソースを有する。位置ソースは、例えば、一次ノードに取り付けられたGPSチップ、一次ノードに取り付けられたWi-Fi構成要素、一次ノードのセルラーモジュール、位置に変換可能であるアドレス、又は他の一次ノードを用いて決定される位置を含む。一次ノードの位置はまた、位置がどの程度正確であるかを示す、それに関連付けられた精度を有する。二次ノードの位置を決定するために、二次ノードは、その通信範囲内にある近傍ノードと通信することで、範囲内一次ノードと呼ばれる、それらのうちの一次ノードを識別することができる。十分な個数の範囲内一次ノードが存在する場合、二次ノードは位置決定処理を開始することができる。範囲内一次ノードの十分な個数は、位置を決定するために使用される方法に基づいて決定される。例えば、三角測量法が使用される場合、3つの範囲内一次ノードが、二次ノードの位置を決定するために十分である。
【0012】
続いてこの実施例において、十分な個数よりも多くの範囲内一次ノードが存在する場合、二次ノードはさらに、これらの範囲内一次ノードから基準ノードを選択する。この選択は、これらの範囲内一次ノードの位置の精度に基づいて実施可能である。実施例では、最も高い精度を有する範囲内一次ノードが選択される。次いで、二次ノードは、位置決定処理のために選択された範囲内一次ノードの各々に対するその距離を計算する。距離は、伝搬時間法又は信号強度に基づく方法のような様々な方法を用いて決定することができる。二次ノードはさらに、計算された距離の各々に関する精度を決定する。次いで、選択された範囲内一次ノードの距離及び位置を利用することで、例えば三角測量方法を用いて、二次ノードの位置を計算することができる。二次ノードはさらに、例えば、範囲内一次ノードの位置精度と、範囲内一次ノードの各々に対するその距離の精度とを用いて、計算された位置の精度を計算する。次いで、二次ノードは、計算された位置及び位置精度を含む決定された位置情報をヘッドエンドシステムに送ることができる。
【0013】
本開示で説明する技術は、メッシュネットワークにおけるノードに関する地理的位置決定の効率及び精度を向上させる。個々のネットワークノードを、近傍ノードと通信することで、それらの各地理的位置を近傍ノードの位置に基づいて決定するように構成することによって、未知、古い、さもなければ不正確に記録された、これらの個々のノードの位置を決定、更新、又は補正することができる。さらに、個々のネットワークノードの位置の決定はローカルに実行され、メッシュネットワークのヘッドエンドシステムとの通信を必要とせず、それによって、ヘッドエンドシステムに対する通信帯域幅要件を著しく低減する。従来の位置決定アプローチと比較して、本願で提案する処理は、人間の介入なしで、自動的かつ周期的に行なうことができる。従って、ネットワークノードのより正確かつ最新の位置決定を達成することができる。
【0014】
例示的な動作環境
図1は、本開示の所定の態様に係る、メッシュネットワークにおけるネットワークノードの地理的位置を自律的に決定するための例示的な動作環境100を示す。環境100は、複数のネットワークノード112A~112Iを含むメッシュネットワーク140を含み、それらは、本願では、個別に又は集合的に、ネットワークノード112(又は単にノード112)と呼ばれることもある。ネットワークノード112は、無線装置を含む、メッシュネットワーク140における任意の装置であってもよい。例えば、ネットワークノード112は、配備されたノードの各場所からデータを収集するための測定ノード、ノードにより利用可能なデータを処理するための処理ノード、メッシュネットワーク140においてあるノードから受信されたデータを他のノードに転送するためのルータノード、又は、これらの機能の組み合わせを実行するように構成されたノードを含んでもよい。ノード112はさらに、メッセージ又はデータをノード112間で交換することができるように、互いに通信するように構成される。
【0015】
一実施例では、メッシュネットワーク140は、ユーティリティネットワークのようなリソース分配ネットワークに関連付けられ、リソース分配ネットワークにおいて取得された測定データを配送してもよい。この実施例では、ノード112は、電力メーター、ガスメーター、水道メーター、蒸気メーターなどのような、リソース分配ネットワークを介して顧客構内の様々な地理的位置に配備されるメーターを含んでもよく、リソース分配ネットワークの様々な動作特性を測定するように実装されてもよい。配電網の例において、例示的な特性は、平均又は合計の電力消費量、電気信号のピーク電圧、電力サージ、及び負荷変動を含むが、これらに限定されない。ノード112はまた、他のタイプのネットワークノード、例えば、エネルギー使用量をモニタリングし、エネルギー需要のスパイクが発生した場合に高使用量の機器を自動的にオフする負荷制御スイッチを含んでもよい。
【0016】
ネットワークノード112は、収集又は生成されたデータに関する通信データ122を、メッシュネットワーク140を介してルートノード114A又は114B(これらは、本願では、個別に又は集合的に、ルートノード114と呼ばれることもある)に送信してもよい。ルートノード114は、一種のネットワークノードである。メッシュネットワーク140のルートノード114は、ノード112と通信して所定の動作、例えば、ノード112を管理すること、ノード112からデータを収集すること、また、ヘッドエンドシステム104にデータを転送することを行うように構成されてもよい。ルートノード114もまた、それ自体でデータを測定及び処理するノードとして機能するように構成されてもよい。ルートノード114は、ヘッドエンドシステム104と通信することができるパーソナルエリアネットワーク(personal area network:PAN)コーディネータ、ゲートウェイ、又は他の任意の装置であってもよい。
【0017】
ルートノード114は、生成及び収集されたデータを、インターネット、イントラネット、又は他の任意のデータ通信ネットワークのような他のネットワーク170を介して、最終的にヘッドエンドシステム104に送信する。ヘッドエンドシステム104は、ルートノード114からデータストリーム又はメッセージを受信する中央処理システムとして機能してもよい。ヘッドエンドシステム104、又は、公益事業会社に関連付けられた他のシステムは、請求書発行、性能分析、又はトラブルシューティングのような様々な目的で、収集されたデータを処理又は分析してもよい。実施例では、個々のネットワークノード112から送信される通信データ122は、個々のノード112によって決定された位置情報及び位置の精度を含んでもよい。その場合、位置情報を保持するように構成されたヘッドエンドシステム104又は他のシステムは、受信された通信データ122に基づいて位置情報を更新してもよい。本願で使用されるように、用語ヘッドエンドシステム104は、ヘッドエンドシステムと、ヘッドエンドシステムの上流における他のシステム、例えば、位置情報を保持するように構成されたシステムとをまとめて示すために使用されてもよい。決定された位置情報は、メッシュネットワークに関連付けられたリソース分配ネットワークのトポロジーを決定又は検証するために使用されてもよい。位置情報はまた、トラブルシューティング(例えば、分配ネットワーク内に問題がある場合に、リソース分配ネットワークにおけるメーター又は他の装置の位置をつきとめること)、負荷分散、機能不全報告、などのために使用されてもよい。
【0018】
図1は特定のネットワークトポロジー(例えばDODAGツリー)を示すが、他のネットワークトポロジー(例えば、リングトポロジー、メッシュトポロジー、スタートポロジーなど)もまた可能であることが理解されるべきである。さらに、下記の説明は一群のノード112の態様に焦点を合わせているが、本願において説明する技術は、ノード112及びルートノード114を含む、メッシュネットワークにおける任意のノードによって適用されてもよい。
【0019】
図2は、本開示の所定の態様に係る、一次ノード202及び二次ノード204を含むネットワークノードの例を示す。一次ノード202は、少なくとも1つの一次位置ソースを有するネットワークノードであり、したがって、既知の地理的位置を有する。いくつかの実施例では、地理的位置(又は単に「位置」)は、世界測地系における一対の緯度及び経度を用いて表される。一次位置ソースは、例えば、ノードに取り付けられた全地球測位システム(GPS)チップを用いて決定される位置であってもよい。いくつかのネットワークノード、例えば、メッシュネットワーク140におけるルーター、ゲートウェイ、架空線センサ、及びいくつかのメーターは、GPSチップを備えてもよい。これらのネットワークノードは、GPSチップを用いて、それらの各位置を決定してもよい。しかしながら、GPSを備えたネットワークノードが屋内環境において位置決めされる場合、GPSによって決定される位置の精度が低下する可能性がある。その場合、ネットワークノードは一次ノードとして動作しなくてもよい。一次位置ソースは、ネットワークノードのWi-Fiモジュールを用いてWi-Fi測位を行って決定される位置であってもよく、又は、セルラータワーと通信して、ネットワークノードに取り付けられたセルラーモデムを用いて決定される位置であってもよい。これらのタイプの一次位置ソースは、メッシュネットワーク140に依存することなくネットワークノードがそれらの各位置を決定するために使用しうる、独立した位置ソースである。
【0020】
いくつかの実施例では、一次位置ソースはまた、ネットワークノードに関連付けられたアドレスから変換される位置情報を含んでもよい。例えば、ネットワークノードは、ネットワークノードが取り付けられた構内の道路アドレスのような、ヘッドエンドシステム104における物理的アドレスに関連付けられてもよい。ヘッドエンドシステム104は、物理的アドレスを地理的位置に変換し、地理的位置情報をネットワークノードに送ってもよい。この実施例では、変換された位置情報を有して、ネットワークノードは一次ノードとなってもよい。他の実施例では、一次位置ソースは、既存の一次ノードから決定された位置を含んでもよい。例えば、未知の位置を有していたが、その後、その近傍一次ノードから決定された位置を有するネットワークノードの位置情報は、一次位置ソースとなりうる。ネットワークノードは、その位置情報が一次ノードからの位置情報を用いて決定された後、一次ノードとして動作してもよい。他のタイプの位置情報が一次位置ソースとして使用されてもよく、したがって、それらの一次位置ソースを有するネットワークノードは一次ネットワークノードとして動作してもよい。
【0021】
一次位置ソースの各々は、関連付けられた位置精度を有する。いくつかの実施例では、位置精度は、±100フィート(約±30.5m)などの所定の距離単位を用いて提示される。概して、上述した一次位置ソースの精度は、高いほうから低いほうに、下記の順序でランク付けされうる。GPSチップを用いて決定された位置(屋外環境)、Wi-Fi構成要素を用いて決定された位置、セルラーモデムを用いて決定された位置、アドレスから変換された位置、及び一次ノードから計算された位置。いくつかのシナリオにおいて、一次ノードは複数の一次位置ソースを有してもよい。例えば、ネットワークノードは、GPSチップ、Wi-Fi構成要素、及びアドレスから変換された位置を有してもよい。そのようなシナリオにおいて、ネットワークノードは、その位置として、最も高い精度を有する位置ソースを選択してもよく、又は、これらの複数の位置ソースを組み合わせることで、その位置を決定してもよい。例えば、ネットワークノードの位置は、これらの複数の位置リソースの加重平均として決定されてもよい。位置ソースのための重み係数は、位置ソースの位置精度の逆数の総和で除算された、位置ソースの位置精度の逆数として決定されてもよい。決定された位置の精度は、位置精度の逆数の総和の逆数に基づいて計算されてもよい。
【0022】
二次ノード204は、決定すべき位置情報を有するノードである。二次ノード204は、未知の位置を有するノード、又は、不正確又は古い位置情報を有するノードであってもよい。このように、二次ノードは、未決定の位置を有するネットワークノード、決定された位置を有するが低精度の位置を有するネットワークノード、又は、移動され、更新すべき位置を有するネットワークノードを含んでもよい。上述したように、いくつかの一次位置ソースは、屋内GPSによって決定された位置のような、低い精度を有してもよい。それらの場合において、そのような低精度の一次位置ソースを有するネットワークノードは、それが他の高精度一次位置ソースをもたないのであれば、決定すべき位置を有する二次ノードとして分類される。
【0023】
二次ノード204は、複数の一次ノードと通信することでその位置を決定してもよい。
いくつかの実施例では、二次ノード204は、三角測量法を使用することで、一次ノードを基準として用いて、その位置を決定してもよい、この方法は、二次ノードがその位置を決定できるようにするために十分な一次ノードを、二次ノードの通信範囲内において必要とする。
図2に示す例では、二次ノードDは、その通信範囲内に3つの一次ノードA、B、及びCを有し、これらはDのための範囲内一次ノードとも呼ばれる。二次ノードDは、これら3つの一次ノードを基準ノードとして使用することで、その位置を決定してもよい。例えば、二次ノードDは、これら3つの範囲内一次ノードと通信することで、それらの位置情報を取得し、二次ノードDと一次ノードA、B、及びCの各々との間の距離を決定してもよい。位置情報及び距離情報に基づいて、二次ノードDは、三角測量法を用いて、その位置を決定してもよい。いくつかの実施例では、二次ノードは、3つの範囲内一次ノードの位置精度に基づいて、その位置精度を計算する。二次ノード及び範囲内一次ノードの間の距離と、二次ノードの位置とを決定することに関する追加の詳細事項を、
図3に関して下記に提供する。決定された位置を用いて、次いで、二次ノードは、二次ノードGのような他の二次ノードに関する一次ノードとして、位置決定のために使用されてもよい。
【0024】
一次ノードの分布に依存して、いくつかの二次ノードは、3つよりも多くの範囲内一次ノードを有してもよい。
図2に示す例では、二次ノードDの通信範囲内に一次ノードEも存在すると仮定すると、二次ノードDは、4つの範囲内一次ノードA、B、C、及びEを有する。これらの4つの範囲内一次ノードはすべて、ノードDの位置を決定するための基準ノードの候補である。一実施例では、二次ノードDは、4つの候補ノードのうちで、最も高い位置精度を有する3つの範囲内一次ノードを3つの基準ノードとして選択し、3つの選択された基準ノードを用いてノードDの位置を決定してもよい。もう1つの実施例では、二次ノードDは、候補ノードから、3つの基準ノードからなる互いに異なる複数の集合を生成する。二次ノードDはさらに、基準ノードの各集合を用いて1つの候補位置を決定し、次いで、決定された候補位置を組み合わせて二次ノードの位置を生成する。この組み合わせは、各集合における基準ノードの位置精度に従って生成された重みを用いて重み付けられた組み合わせであってもよい。基準一次ノードを選択することと、基準ノードからなる互いに異なる複数の集合の候補位置を組み合わせることとに関する追加の詳細事項を、
図3に関して下記に提供する。
【0025】
図2に示すように、いくつかの二次ノードは、それらの位置を決定するために十分な個数の範囲内一次ノードをもたない可能性がある。三角測量法が使用される場合、範囲内一次ノードの個数は3つ以上であれば十分である。他の方法が使用される場合、範囲内一次ノードの十分な個数は異なる可能性がある。
図2に示す例において、これらの二次ノードはノードK~Pを含む。その場合、これらの二次ノードは、一次ノードを用いることで、それらの絶対位置を決定することができない。しかしながら、これらの二次ノードが他のノードと通信できる場合、各二次ノードは、メッシュネットワーク140における他のノードからのその距離に基づいて、相対位置を決定することができる。その結果、二次ノードのグループ206(ノードK~Pなど)の相対位置を示す相対マップを生成することができる。いったん相対マップにおける二次ノードが十分な個数の範囲内一次ノードを有すると、残りの二次ノードの位置が相対マップに従って決定されてもよい。
【0026】
いくつかの実施例では、グループ206における二次ノードは、その通信範囲内にある他の二次ノードに対するその相対位置を決定するように構成される。二次ノードのグループ206に関する相対マップを生成するために、個々の二次ノードは、それらの各相対位置情報をヘッドエンドシステム104に送信してもよく、ここで、相対位置情報が組み合わされて相対マップが生成される。代替又は追加として、個々の二次ノードからの相対位置情報は、1つ又は複数のネットワークノード112又は114に送信され、ネットワークノード112又は114は、これらの相対位置情報を組み合わせることによりグループ206に関する相対マップを生成するための、より大きな計算能力を有して構成される。
【0027】
ここで
図3を参照すると、
図3は、本開示の所定の態様に係る、メッシュネットワークにおけるノードの地理的位置を自律的に決定するための処理300の例を示す。メッシュネットワーク140における二次ノード204は、適切なプログラムコードを実行することにより、処理300の動作を実施してもよい。例示の目的で、処理300について、図面に示す所定の実施例を参照して説明する。しかしながら、他の実装も可能である。
【0028】
ブロック302において、処理300は、二次ノード204がその通信範囲内における一次ノード202を識別することを含む。いくつかの実施例では、二次ノード204は、その位置情報を要求する近傍ノードと通信することで、一次ノード202を識別する。位置情報は、例えば、近傍ノードの地理的位置、関連付けられた位置精度、及び近傍ノードの位置ソースを含んでもよい。近傍ノードがその位置情報を送ることで要求に応答する場合、二次ノード204は、この近傍ノードを範囲内一次ノードとして識別してもよい。さらなる実施例では、近傍ノードの位置に関連付けられた位置精度が予め決められたしきい値より高い場合、又は、近傍ノードの位置ソースが一次ソースの予め決められたリストに含まれる場合にのみ、二次ノード204は、近傍ノードを範囲内一次ノードとして識別する。代替又は追加の実施例では、近傍ノードは、二次ノード204との正常通信中に、時々、その位置情報を送信してもよい。これらの実施例では、二次ノード204は、先を見越して要求を送信することなく、その近傍ノードの位置情報を取得することができ、範囲内一次ノードを時々に識別することができる。いくつかの実施例では、各ネットワークノードは、一次ノード識別子に関連付けられる。一次ノードの一次ノード識別子は真に設定され、二次ノードの一次ノード識別子は偽に設定される。二次ノードが、予め決められたしきい値より高い精度でその地理的位置を決定した後、二次ノードの一次ノード識別子は真に設定されてもよい。これらの実施例では、二次ノード204は、それらの各一次ノード識別子を要求及び検査することで、範囲内一次ノードを識別してもよい。
【0029】
ブロック304において、処理300は、二次ノード204が、その近傍ノードのうちで十分な個数の範囲内一次ノードが存在するか否か、すなわち、少なくとも最小個数の必要とされる範囲内一次ノードが識別されたか否かを決定することを含む。例えば、二次ノード204の位置を決定するために三角測量法が使用される場合、必要とされる範囲内一次ノードの最小個数は3である。この実施例では、二次ノード204は、二次ノード204の範囲内一次ノードの個数が3つ以上である場合、十分な個数の範囲内一次ノードが識別されたと決定してもよい。範囲内一次ノードの個数が不十分である場合、二次ノード204は、より多くの範囲内一次ノードを識別し続ける。例えば、二次ノード204は、その通常動作(例えば、データを収集及び送信すること)を再開し、所定時間期間の後、その近傍と通信して、より多くの範囲内一次ノードを識別してもよい。
【0030】
十分な個数の範囲内一次ノードが識別されている場合、処理300は、ブロック306において、二次ノード204が位置決定のための範囲内一次ノードを選択することを含む。範囲内一次ノードの個数が最小の必要個数(例えば、三角測量法では3)より大きい場合、選択が実行される。
図2に関して上述したように、二次ノード204は、候補範囲内一次ノードのうちで、最も高い位置精度を有する必要個数の範囲内一次ノードを、二次ノード204の位置を決定するために使用される基準ノードとして選択してもよい。他の実施例では、二次ノード204は、それらの各位置ソースに従って一次ノードを選択する。
【0031】
代替又は追加の実施例では、二次ノード204は、候補範囲内一次ノードを用いて、必要とされる基準ノードからなる互いに異なる複数の組み合わせを生成する。例えば、候補範囲内一次ノードの個数がNであり、範囲内一次ノードの必要個数がnである場合、二次ノード204は、範囲内一次ノードからなる互いに異なる
【数1】
個の組み合わせ(又は候補集合)を生成してもよい。範囲内一次ノードからなる各候補集合に関して、二次ノード204は、ブロック308及び310に関して下記に説明するように、集合に含まれる範囲内一次ノードを基準ノードとして用いて候補位置を決定してもよい。二次ノード204はさらに、ブロック310に関して下記に詳述するように、各候補位置の精度に従って二次ノードの位置を生成するように候補位置を組み合わせてもよい。
【0032】
ブロック308において、処理300は、二次ノード204が、ブロック306において選択された範囲内一次ノードの各々に対するその距離を決定することを含む。ブロック306において、二次ノード204が必要個数の範囲内一次ノードを選択する場合、二次ノード204は、選択された必要個数の範囲内一次ノードの各々に対する距離を計算する。ブロック306において、二次ノード204が、必要個数よりも多くの範囲内一次ノードを候補ノードとして使用し、候補範囲内一次ノードからなる互いに異なる複数の集合を用いて生成された位置を組み合わせることを決定する場合、二次ノード204は、ブロック308において、候補範囲内一次ノードの各々に対するその距離を計算する。2つのノードの間の距離、又は、1つのノードから他のノードへの距離は、これらの2つのノードが物理空間において互いにどの程度離れているかに関する数値測定値である。この距離は、本願では「物理的距離」とも呼ばれる。
【0033】
いくつかの実施例では、二次ノード204は、伝搬時間法を用いて、特定の一次ノード202に対するその距離を決定する。
図4は、本開示の所定の態様に係る、伝搬時間法を用いて二次ノードD及び一次ノードAの間の距離を決定する例を示す。この方法において、二次ノードDは、一次ノードAにパケットを送信することで距離決定処理を開始してもよい。二次ノードDは、パケットを一次ノードAに送信した時間にタイムスタンプをt
TXとして付与してもよい。一次ノードAは、パケットを受信した後に遅延期間t
Dにわたって待機し、次いで、返信パケットを送信するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、遅延期間t
Dは予め決められ、二次ノードD及び一次ノードAの両方にとって既知である。遅延期間t
Dは、
図4に示すようなパケットの開始部を参照してもよい。
【0034】
二次ノードDは、一次ノードAから返信パケットを受信し、いつパケットが受信されたかを記録するタイムスタンプtRXを確立してもよい。記録された2つタイムスタンプ及び既知の遅延期間に基づいて、二次ノードDは、伝搬時間ΔTを次式のように計算してもよい。
【0035】
【0036】
いくつかの実施例では、二次ノードD及び一次ノードAの間の計算された伝搬時間ΔTは、次いで、一次ノードAと共有される。二次ノードD及び一次ノードAは、その各近傍ノードに関連するパラメータとして伝搬時間を保存してもよい(すなわち、一次ノードAは、ΔTを、近傍ノードDに関する他のすべての既知の情報とともに格納し、また、その逆も成り立つ)。
【0037】
二次ノードDはさらに、ノードD及び一次ノードAの間の距離dADを次式により計算する。
【0038】
【0039】
ここで、c≒3×108m/sであり、光速を示す。距離に加えて、二次ノードDは、決定された距離の精度を計算してもよい。伝搬時間法では、距離が伝搬時間に基づいて決定されるので、計算された距離の精度は、時間の精度から導出されうる。例えば、±100nsのタイミング精度は、計算された距離に関して±30mの精度をもたらし、±1μsのタイミング精度は、計算された距離に関して±300mの精度をもたらす。
【0040】
いくつかの場合には、各ネットワークノードは、既知のタイミング精度を有する。例えば、メッシュネットワーク140において、クロック値は、ルートノード又はコレクタノードから他のノードに伝搬される。その結果、各ノードは、伝搬に基づいた絶対時間と、したがって、関連付けられたタイミング精度とを有する。二次ノードのタイミング精度が±50nsであり、一次ノードのタイミング精度もまた±50nsである場合、決定された伝搬時間の精度は±100ns(すなわち、2つのノードのタイミング精度の合計)である。したがって、計算された距離dの精度は±30mである。他の実施例では、タイミング精度は、各ペアのノード間の相対タイミング精度を用いて表され、これらの例では、距離の精度は、相対時間精度に光速を乗算することで決定されうる。
【0041】
図4に提供する例は例示を目的とし、限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。伝搬時間を決定するために他の同様の方法が使用されてもよい。例えば、固定遅延期間t
Dの使用は除去されてもよい。この方法において、二次ノードDは、一次ノードAにパケットを送信してもよい。一次ノードAは、パケットを受信し、それが一次ノードAにおいて受信された時間を記録する。返信パケットを送信するとき、一次ノードAは、返信パケットが送信されるときのタイムスタンプとともに、パケットが受信されたときのタイムスタンプを送信する。二次ノードDは、これらの2つのタイムスタンプ間の差としてt
Dを計算してもよい。代替又は追加として、一次ノードAは、t
Dを計算して返信パケットとともに送信するように構成されてもよい。二次ノードDから一次ノードAへのパケットと、一次ノードAから二次ノードDへの返信パケットとは、距離計算のための専用パケット、又は、これらの2つのノード間の通常通信のためのデータパケットのような、任意のパケットであってもよいことに注意する。
【0042】
他の実施例では、二次ノードDは、信号強度に基づいて、一次ノードAに対するその距離を決定してもよい。例えば、二次ノードDは、受信信号強度値(received signal strength indicator:RSSI)を用いて、2つのノードの間の距離を決定してもよい。正常なネットワーク動作の間に、二次ノードDは、近傍ノード、すなわち一次ノードAからメッセージを受信し、一次ノードAに関する平均RSSIを計算する。次いで、送信機の電力及びアンテナ利得が既知である場合、二次ノードDは、フリス(Friis)の公式を用いて受信信号強度を距離に変換する。フリスの公式は次式のように表されてもよい。
【0043】
【0044】
ここで、Ptは送信電力(Wを単位として測定される)であり、Prは受信電力(Wを単位として測定される)であり、cは光速(約3×108m/s)であり、Gtは送信アンテナの利得であり、Grは受信アンテナの利得であり、fは周波数(Hzを単位として測定される)であり、dは2つのノードの間の距離(メートルを単位として測定される)である。この公式を用いて、距離dは次式のように決定されてもよい。
【0045】
【0046】
いくつかの実施例では、グラウンドバウンスのような、この公式では考慮されない現象を補正するために、特定のノードに関して補正係数を経験的に確立し、公式に適用してもよい。
【0047】
距離に加えて、二次ノードDは、RSSIを用いて決定された距離の精度を決定するようにさらに構成されてもよい。受信RSSI精度に影響を与える要素は、実際の出力電力(それは、±1dBの精度を有してもよい)、両方のアンテナのアンテナパターン及び相対角度、受信機のRSSI精度測定値、RF信号のマルチパス特性、及びその他を含むが、これらに限定されない。これらの要素の精度の総和を計算することで、決定された距離の精度を決定してもよい。二次ノードはさらに、RSSI精度を距離精度又は誤差に変換してもよい。実施例では、±2dBの全体なRSSI精度の場合、距離誤差は、計算された距離の約26%である。従って、RSSI精度が2dB以下であることが既知であり、かつ、計算された距離が1000フィートである場合、距離誤差は±260フィート(±79.3m)である。距離誤差に基づいて、RSSI法の精度が位置決定の要件を満たすのに十分ではないと二次ノードが決定する場合、二次ノードは、RSSI法を用いて決定された距離を廃棄し、他の方法を用いて距離を決定してもよい。
【0048】
伝搬時間法と比較すると、RSSI距離法の1つの利点は、一次ノード及び二次ノードが同じネットワークにあることをRSSI法が必要としないことにある、ということに注意する。それは、これらの2つのノードが(例えば、ヘッドエンドシステムのようなコマンドセンターを介して)位置を共用でき、互いの通信範囲内にあることのみを必要とする。このように、一次ノード及び二次ノードが異なるネットワークにある場合、RSSI方法が使用されてもよい。例えば、一次ノードは、その位置情報をコマンドセンターに送信してもよく、二次ノードは、コマンドセンターから、そのような位置情報を取得してもよい。次いで、二次ノードは、RSSI法を用いて、これらの2つのノードの間の距離を決定する。位置及び距離情報を、他の一次ノードに関する位置及び距離情報とともに用いて、二次ノードは、上述したように、その位置を決定することができる。
【0049】
さらに、決定すべき距離を有する一次ノード及び二次ノードがさらに離れる場合、RSSI法は伝搬時間法よりも不正確になる。これらの2つのノードがより近接する場合、RSSI法は伝搬時間法よりも正確になる。このように、いくつかの実施例では、二次ノードは、両方の方法を実施し、2つのノードの間の距離のような要素に従って適切な方法を選択するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、距離を計算するために両方の方法が使用されてもよく、結果が比較及び合成されることで出力距離が決定される。
【0050】
再び
図3を参照すると、ブロック310において、二次ノード204は、その位置及び関連付けられた位置精度を決定する。例えば、二次ノード204は、三角測量法を介して、3つの選択された範囲内一次ノードを基準ノードとして用いて、その位置を決定してもよい。この決定は、ブロック308において決定されるような3つのノードの各々に対するその距離に基づいてもよい。より具体的には、位置は、3つの円の交点を発見することで決定される。各円は、3つの範囲内一次ノードのうちの1つに関連付けられて、下記のように定義される:円の中心が範囲内一次ノードの位置であり、半径は、範囲内一次ノード及び二次ノードの間の決定された距離である。
【0051】
二次ノード204が、ブロック306において必要個数より多くの範囲内一次ノードを選択する場合、二次ノード204は、対応する一次ノードからの距離を用いて、範囲内一次ノードの各候補集合の候補位置を決定する。各計算された位置又は候補位置に関して、二次ノード204はさらに、位置に関連付けられた精度を計算する。上述した三角測量法を用いて位置が計算される場合、最悪の場合における二次ノードの位置の精度は、位置を決定するために使用される3つの一次ノードの精度の総和と、各距離測定の精度との平均を計算することで近似されてもよい。
図2に示す実施例において、二次ノードDの位置を決定するために一次ノードA、B、Cが使用される。3つの一次ノードに関連付けられた位置精度を、±Error(A)、±Error(B)、及び±Error(C)として示す。Error(A)(又は、-Error(A))、Error(B)(又は、-Error(B))、及びError(C)(又は、-Error(C))は、最悪の場合における位置の誤差である。さらに、ノードDとノードA、B、及びCの間の距離に関する距離測定値の誤差の絶対値を、DistError(A)、DistError(B)、DistError(C)としてそれぞれ示す。二次ノードDの位置精度は、±(1/3)(Error(A)+DistError(A)+Error(B)+DistError(B)+Error(C)+DistError(C))として決定されうる。
【0052】
計算されている複数の候補位置が存在する場合、二次ノード204は、それらの精度に従ってこれらの候補位置を組み合わせる。一実施例では、二次ノード204は、精度に基づいて決定された重みを用いて、これらの候補位置の重み付けられた総和を生成する。重み付けられた総和の出力は、二次ノード204の位置として使用されうる。例えば、位置は、候補位置の加重平均として決定されてもよい。候補位置のための重み係数は、候補位置の位置精度の逆数の総和で除算された、候補位置の位置精度の逆数として決定されてもよい。決定された位置の精度は、位置精度の逆数の総和の逆数に基づいて計算されてもよい。これは、数学的に次式のように表されてもよい。
【0053】
【0054】
ここで、nは候補位置の個数である。CandLociはi番目の候補位置であり、i番目の候補位置のx及びy座標(すなわち経度及び緯度の値)を含むベクトルとして表され、wiはi番目の候補位置の重み係数であり、Error(i)はi番目の候補位置に関する位置精度の絶対値である。Locは二次ノードに関する決定された位置であり、位置のx及びy座標を含むベクトルであり、Error(Loc)は、決定された位置に関する位置精度の絶対値である。言いかえると、決定された位置Locの位置精度は、±Error(Loc)である。
【0055】
ブロック312において、二次ノード204は、決定された位置及び位置精度を、メッシュネットワーク140を介してヘッドエンドシステムに送信し、これにより、二次ノード204の位置が記録される。いくつかの実施例では、二次ノード204は、1つ又は複数の一次ノードが不正確な位置を有することを検出してもよい。例えば、二次ノード204は、互いに異なる複数の一次ノードから矛盾するデータを受信する。二次ノード204は、矛盾するデータのためのフラグを生成し、矛盾を解消するためにフラグをヘッドエンドシステムに送信してもよい。さらに、上述したように、二次ノード204の位置が決定された後、二次ノード204は一次ノードになってもよい。その場合、二次ノードから変化した一次ノード204は、その一次ノード識別子を真に変更し、その位置情報を要求に応じて他の二次ノードに送信するように構成される。
【0056】
これらの距離を用いて2つのノードの間の距離及びノードの位置を決定する上述の方法は、二次ノード間の相対位置を決定するために利用されてもよい。次いで、これらの相対位置は、上述したように、一群の二次ノードに関する相対マップを上で議論したように生成するために利用されてもよい。
【0057】
図3に示す実施例において、誤差伝搬に起因して、二次ノード204に関して決定される位置の精度が一次ノードのそれよりも低いことに注意する。同様に、二次ノード204が一次ノードになる場合、二次ノード204に基づいて決定された他の二次ノードの位置の精度は、さらなる誤差伝搬に起因して、さらに低減される。対照的に、十分な個数の一次ノードが利用可能であるときに、相対マップを構築して次いで位置を確定することで二次ノードの位置が決定される場合、相対マップにおけるすべての二次ノードに関して位置の精度は同じである。
【0058】
いくつかの実施例では、メッシュネットワーク140におけるネットワークノードは、それらの位置を周期的に更新するように構成される。このように、上述した位置決定の処理は、ネットワークノードによって周期的に繰り返される。このことは、ネットワークノードの位置精度の向上を支援しうる。
【0059】
例示的なメーター
図5は、本願において説明した自律的な位置決定を実施するために使用可能である、ノード112、ルートノード114、又は決定すべき位置を有するメッシュネットワークにおける他のノードのような、例示的なノード500を示す。ノード500は、シリアル接続530を介して接続された通信モジュール516及び計測モジュール518を含む。これらの2つのモジュールは、別個の基板における同じ装置に収容されてもよく、従って、ローカル接続530は、オンボードソケットであってもよい。代替として、モジュールは別々に収容されてもよく、したがって、ローカル接続530は、USBケーブルのような通信ケーブル、又は他の導体であってもよい。
【0060】
通信モジュール516の機能は、通信データ122及び他のデータをメッシュネットワーク140における他のノードに送信することと、メッシュネットワーク140における他のメーター又はノードからデータを受信することとを含む。計測モジュール518の機能は、リソースを管理するために必要な機能、特に、リソースへのアクセスを可能にして使用リソースを測定する機能を含む。通信モジュール516は、アンテナ及び無線装置のような通信装置512を含んでもよい。代替として、通信装置512は、無線又は有線通信を可能にする任意の装置であってもよい。通信モジュール516はまた、プロセッサ513及びメモリ514を含んでもよい。プロセッサ513は、通信モジュール516によって実行される機能を制御する。メモリ514は、プロセッサ513によってその機能を実行するために使用されるデータを格納するために利用されてもよい。メモリ514はまた、位置情報のような、ノード500に関する他のデータを格納してもよい。
【0061】
計測モジュール518は、プロセッサ521、メモリ522、及び測定回路523を含んでもよい。計測モジュール518におけるプロセッサ521は、計測モジュール518によって実行される機能を制御する。メモリ522は、その機能を実行するためにプロセッサ521によって必要とされるデータと、生成される他のデータとを格納する。通信モジュール516及び計測モジュール518は、他のモジュールによって必要とされるデータを提供するために、ローカル接続530を通じて互いに通信する。測定回路523は、リソースの測定を取り扱い、センサデータを収集するためのセンサとして使用されてもよい。通信モジュール516及び計測モジュール518の両方は、メモリ又はもう1つのタイプのコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ実行可能な命令を含んでもよく、また、モジュール内の1つ又は複数のプロセッサは、本願において説明した機能を提供する命令を実行してもよい。
【0062】
図5に示すノード500は単なる実施例であり、限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。本願において提示した位置決定を実装するように他のタイプのネットワークノードが構成されてもよい。例えば、メッシュネットワークにおけるネットワークノードは、計測モジュールをもたない装置であってもよい。それらのシナリオにおいて、ノードは、少なくとも、本願において説明するようにノードの位置を決定する機能を実行するためのプロセッサを含んでもよい。ノードは、その機能を実行するためにプロセッサによって必要とされるデータと、位置情報、距離情報などのような、プロセッサによって生成される他のデータとを格納するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体をさらに含んでもよい。ノードは、他の装置に対する少なくとも位置情報及び他のデータの無線又は有線通信を可能にする通信装置をさらに含んでもよい。
【0063】
全体考察
特許請求の範囲に記載された主題についての詳細な理解を提供するために、本明細書において多数の特定の詳細事項を述べている。しかしながら、当業者は、特許請求の範囲に記載された主題がこれらの特定の詳細事項なしで実施されてもよいことを理解するであろう。他の例では、特許請求の範囲に記載された主題を不明瞭にしないように、通常の技術を有する者によって知られるであろう方法、装置、又はシステムについては詳述していない。
【0064】
本願において説明した特徴は、任意の特定のハードウェアアーキテクチャ又は構成に限定されない。計算装置は、1つ又は複数の入力を条件とした結果を提供する構成要素からなる任意の適切な装置を含んでもよい。適切な計算装置は、格納されたソフトウェア(すなわち、コンピュータシステムのメモリ上に格納されたコンピュータ可読命令)にアクセスする多目的のマイクロプロセッサに基づくコンピュータシステムを含み、このソフトウェアは、汎用の計算装置から本願の主題の1つ又は複数の態様を実装する特別な計算装置になるように計算システムをプログラミング又は構成する。計算装置のプログラミング又は構成に使用されるソフトウェアにおいて、本願に含まれる開示内容を実装するために、任意の適切なプログラミング、スクリプティング、他のタイプの言語、又は言語の組み合わせが使用されてもよい。
【0065】
本願において開示した方法の態様は、そのような計算装置の動作において実行されてもよい。上述の実施例において提示したブロックの順序は変更されてもよく、例えば、ブロックが並べかえられてもよく、組み合わされてもよく、及び/又はサブブロックに分割されてもよい。所定の複数のブロック又は複数の処理を並列に実行してもよい。
【0066】
本願における「~ように適応化される」又は「~ように構成される」の使用は、追加のタスク又はステップを実行するように適応化又は構成された装置を除外しない、オープンかつ包括的な用語を意図している。さらに、「~に基づく」の使用は、記載された1つ又は複数の条件又は値「に基づく」処理、ステップ、計算、又は他の動作が、実際に、記載したものを越える追加の条件又は値に基づいてもよいという点で、オープンかつ包括的であることを意図している。本願に含まれた見出し、リスト、及び番号は、説明の簡単化のみを目的とし、限定を意図していない。
【0067】
本願の主題をその特定の態様に関して詳述したが、当業者は、上述したことを理解することにより、そのような態様の変更、変形、及び等価物を容易に作成しうることが認識されるであろう。従って、本開示が限定ではなく例示の目的で提示され、当業者に容易に明らかになるように、本願の主題に係るそのような変更、変形、及び/又は追加を含むことを除外しないことは理解されるべきである。
【国際調査報告】