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特表2024-5127105-ベンジルイミダゾール類化合物並びにその調製方法及び用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】5-ベンジルイミダゾール類化合物並びにその調製方法及び用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 233/60 20060101AFI20240312BHJP
   C07F 9/6506 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 31/4174 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 23/00 20060101ALI20240312BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C07D233/60 103
C07F9/6506
A61K31/4174
A61P25/04
A61P25/20
A61P23/00
C07D403/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560510
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 CN2022082526
(87)【国際公開番号】W WO2022206512
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202110363563.7
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516175537
【氏名又は名称】ウェストチャイナホスピタル、スーチョワンユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ウェイイー
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB08
4C063CC25
4C063DD03
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC38
4C086GA13
4C086GA14
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA15
4C086ZA04
4C086ZA05
4C086ZA08
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB20
(57)【要約】
本発明は、式Iで表される5-ベンジルイミダゾール類化合物並びにその調製方法及び用途を提供する。式Iの化合物及びその薬学的に許容可能な塩は、血漿中で分解され、薬理作用を有する5-ベンジルイミダゾール類化合物を放出し、それにより、体内において麻酔及び/又は鎮静・催眠作用を発揮することができる。式Iの化合物は、効果の開始が早く、効力が高く、循環が安定しており、安全であるという特徴を持ち、急速に注射しても、激しい血圧変動を引き起こすことはなく、経口投与でも、良好な麻酔及び/又は鎮静・催眠効果を実現でき、幅広い使用が期待される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物であって、
前記Rが、



又は
から選択され、
前記Rが、H、R又はRであり、前記Rが、H、一価アルカリ金属イオン、R又はRであり、
前記Rが、置換基によって置換された又は置換されていないC1~4アルキル基であり、前記Rが、前記R中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、
前記R、R、Rが、それぞれ独立にR又はRから選択され、
前記Rが、置換基によって置換された又は置換されていないC1~10炭化水素基又は
であり、前記Rが、前記R中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、かつ、前記Rがtert-ブチル基ではなく、前記mが0~3の整数であり、前記nが0~3の整数であり、
前記Rが、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメント又は
であり、又は、前記天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメント中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、前記tが0~3の整数であり、
前記置換基が、ハロゲン元素、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基である、
化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項2】
前記Rが、



又は
から選択され、
前記Rが、H、R又はRであり、前記Rが、H、一価アルカリ金属イオン、R又はRであり、
前記Rが、置換基によって置換された又は置換されていないC1~C4アルキル基であり、前記Rが、前記R中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、
前記R、R、Rが、それぞれ独立にR又はRから選択され、
前記Rが、置換基によって置換された又は置換されていないC1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基であり、前記Rが、前記R中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、かつ、前記Rがtert-ブチル基ではなく、
前記Rが、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであり、又は、前記天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメント中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、
前記置換基が、ハロゲン元素、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基であることを特徴とする、
請求項1に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項3】
前記Rが、H又はC1~4アルキル基であり、前記R、Rが、それぞれ独立にC1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基から選択され、前記Rが、C1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基から選択され、かつ、前記Rがtert-ブチル基ではなく、前記Rが、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであり、前記Rが、H、一価アルカリ金属イオン又はC1~4アルキル基である、
又は、前記R~R中の0個、1個又は1個以上のC原子がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて、化学構造の安定した基が形成され、かつ/又は、前記R~R中の0個、1個又は1個以上のH原子がハロゲン元素、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基及び/又はニトロ基によって置換されることを特徴とする、
請求項2に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項4】
前記Rが、
であり、前記Rが、H、メチル基又はエチル基であり、前記Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、メトキシ基、エトキシメチル基又はビニル基であり、好ましくは、前記化合物が、以下のいずれかの構造を有する
ことを特徴とする、
請求項2に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項5】
前記Rが、
であり、前記Rが、H、メチル基又はエチル基であり、前記Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、メトキシ基、エトキシメチル基又はビニル基であり、好ましくは、前記化合物が、以下のいずれかの構造を有する
ことを特徴とする、
請求項2に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項6】
前記Rが、
であり、前記Rが、H又はメチル基であり、前記Rが、グリシンアシル基、サルコシンアシル基、アラニンアシル基、バリンアシル基、ロイシンアシル基又はプロリンアシル基であり、好ましくは、前記化合物が、以下のいずれかの構造を有する
ことを特徴とする、
請求項2に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項7】
前記Rが、
であり、前記Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロプロピル基又はシクロブチル基であり、好ましくは、前記化合物が、以下のいずれかの構造を有する
ことを特徴とする、
請求項2に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項8】
前記Rが、
であり、前記Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基又はシクロブチル基であり、好ましくは、前記化合物が、以下のいずれかの構造を有する
ことを特徴とする、
請求項2に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項9】
前記薬学的に許容可能な塩が、前記化合物の酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、4-アミノサリチル酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、ピログルタミン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、炭酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、カプリン酸塩、2,2-ジクロロ酢酸塩、ジグルコン酸、ドデシル硫酸塩、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ムチン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、カプロン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクツロン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、カプリル酸塩、オレイン酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、2-オキソグルタル酸塩、バルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、セバシン酸水素塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩又はウンデカン酸塩、硫化水素塩、ナトリウム塩又はアンモニウム塩を含むことを特徴とする、
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項10】
前記化合物の構造が、以下のいずれかである
ことを特徴とする、
請求項1に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物の調製方法であって、
(1)化合物Aを溶媒に溶解させるステップと、
(2)化合物Bと酸結合剤を加えて反応させるステップと
を含み、
反応式が、
であり、
前記Xが、ハロゲン元素、好ましくは、Clであり、
前記Rが、



又は
から選択され、
前記Rが、H又はC1~4アルキル基であり、前記R、Rが、それぞれ独立にC1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基から選択され、前記Rが、C1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基から選択され、かつ、前記Rがtert-ブチル基ではなく、前記R’が、Boc保護された天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであり、前記Rが、H、一価アルカリ金属イオン又はC1~4アルキル基であり、
前記R~R中の0個、1個又は1個以上のC原子がO、S及び/又はNヘテロ原子によって置換され、前記R~R中の0個、1個又は1個以上のH原子がハロゲン元素、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基及び/又はニトロ基によって置換されることを特徴とする、調製方法。
【請求項12】
前記Rが、
であり、前記Rが、H又はC1~4アルキル基であり、前記R’が、Boc保護された天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであり、さらに、以下の脱保護ステップ、すなわち、塩化水素又はトリフルオロ酢酸を加えて反応させ、Boc基を除去し、
を得るステップを含み、前記Rが、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであることを特徴とする、請求項11に記載の調製方法。
【請求項13】
前記ステップ(1)に記された溶媒が、DMF、アセトニトリル、ジクロロメタンの内の少なくとも1種であり、前記ステップ(2)に記された酸結合剤が、無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン、トリエチルアミン、ピリジンの内の少なくとも1種であり、前記ステップ(2)でさらに触媒を加え、好ましくは、前記触媒がヨウ化ナトリウムであることを特徴とする、請求項11又は12に記載の調製方法。
【請求項14】
ヒト又若しくは動物に中枢性鎮静、鎮痛、催眠及び/又は麻酔効果を生じる薬物の調製における、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物の使用。
【請求項15】
ヒト若しくは動物に中枢性鎮静、鎮痛、催眠及び/又は麻酔効果を生じる薬物であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物を有効成分とし、薬学的に許容可能な添加剤、担体又は賦形剤を加えて製造される製剤であることを特徴とする薬物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物医薬の領域に属し、特に5-ベンジルイミダゾール類化合物並びにその調製方法及び用途に関する。
【背景技術】
【0002】
塩酸デクスメデトミジンは、臨床で一般的に使用されるICUでの鎮静薬であり、鎮静作用、抗不安作用、交感神経抑制作用及び鎮痛作用を持つ(Maud A. S. Weerinks, et al. Clin Pharmacokinet, 2017, 56:893-913)。その他の鎮静薬に比べて、デクスメデトミジンは、作用が迅速で、呼吸器系の抑制が軽度であり(Lobo FA, et al. Br J Anaesth. 2016;116;740-4),その鎮痛作用によって、患者の挿管に対する耐性が高まり、患者は自然な睡眠に似た鎮静効果を得ることができ、いつでも目覚めて、医療活動に協力することができる(Hall JE, et al. Anesth Analg. 2000;90:699-705)。これらの利点により、デクスメデトミジンは、術後の鎮静、ICUでの鎮静、小児科での鎮静などで徐々に重視されるようになってきている。塩酸デクスメデトミジンの構造は、以下の通りである。
【0003】
α2アドレナリン受容体作動薬としてのデクスメデトミジンの治療作用は、中枢のα2アドレナリン受容体を刺激するところから来ており、鎮静、鎮痛などの治療効果として現われる(Miller’s anesthesia. 8th ed. Amsterdam: Elsevier; 2015. p.854-9)。その副作用は主に、末梢のα2アドレナリン受容体を刺激することによって引き起こされ、主に、急激な血圧上昇及びフィードバック性の徐脈として現われる(Ebert TJ, et al. Anesthesiology. 2000;93:382-94)。そのほかに、デクスメデトミジンが中枢のα2アドレナリン受容体を刺激することによって、交感神経抑制作用を生じ、低血圧を引き起こす可能性がある(MacMillan LB, et al. Science. 1996;273:801-3)。臨床使用時には、薬物はまず末梢の循環器系に入り、それから拡散によって中枢に入って鎮静・鎮痛作用を発揮するため、投与初期の過度の血圧上昇、そしてその後に現れるフィードバック性の徐脈及び低血圧のリスクが避けられず、患者は耐え難い血圧変動に直面し、これはデクスメデトミジンの安全性に影響を与える。
【0004】
上記の問題に対応するために、臨床では、負荷用量を投与する時に、デクスメデトミジンを10~15分かけてゆっくりと注入し、さらに、維持用量を投与し(http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/1999/21038lbl.pdf)、患者が投薬過程中の血行動態変動に耐えられるようにしなければならないが、これによって明らかに投与の複雑さが増している。循環が不安定であることと投与方法が煩雑であることにより、デクスメデトミジンのさらなる臨床使用は制限されている。
【0005】
そこで、循環が安定しており、効力が高く、体内で迅速かつ効果的に鎮静効果を生じる塩酸デクスメデトミジンのプロドラッグを研究・開発し、投与方法を簡素化し、デクスメデトミジンの臨床使用の範囲を広げることが急務である。
【発明の概要】
【0006】
上記の問題に対して、本発明は、5-ベンジルイミダゾール類化合物であるデクスメデトミジンのプロドラッグ分子を提供し、さらに、その調製方法及び用途を提供する。
【0007】
このプロドラッグ分子の構造は、式Iで表され、
Rは、



又は
から選択され、
は、H、R又はRであり、Rは、H、一価アルカリ金属イオン、R又はRであり、
は、置換基で置換された又は置換されていないC1~4アルキル基であり、Rは、R中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、
、R、Rは、それぞれ独立にR又はRから選択され、
は、置換基で置換された又は置換されていないC1~10炭化水素基又は
であり、Rは、R中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、かつ、Rはtert-ブチル基ではなく、mは0~3の整数であり、nは0~3の整数であり、
は、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメント又は
であり、又は、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメント中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、tは0~3の整数であり、
前記の各基中の置換基は、それぞれ独立にハロゲン元素、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基から選択される。
【0008】
さらには、Rは、



又は
から選択され、
は、H、R又はRであり、Rは、H、一価アルカリ金属イオン、R又はRであり、
は、置換基によって置換された又は置換されていないC1~C4アルキル基であり、Rは、R中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、
、R、Rは、それぞれ独立にR又はRから選択され、
は、置換基によって置換された又は置換されていないC1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基であり、Rは、R中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、かつ、Rはtert-ブチル基ではなく、
は、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであり、又は、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメント中のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基であり、
前記の各基中の置換基は、それぞれ独立にハロゲン元素、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基から選択される。
【0009】
さらには、上記のRは、H又はC1~4アルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立にC1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基から選択され、Rは、C1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基から選択され、かつ、Rはtert-ブチル基ではなく、Rは、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであり、Rは、H、一価アルカリ金属イオン又はC1~4アルキル基である、
又は、R~R中の0個、1個又は1個以上のC原子がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて、化学構造の安定した基が形成され、かつ/又は、R~R中の0個、1個又は1個以上のH原子がハロゲン元素、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基及び/又はニトロ基によって置換される。
【0010】
さらには、Rは、
であり、Rは、H、メチル基又はエチル基であり、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、メトキシ基、エトキシメチル基又はビニル基であり、好ましくは、前記の化合物は、以下のいずれかの構造を有する。
【0011】
さらには、Rは、
であり、Rは、H、メチル基又はエチル基であり、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、メトキシ基、エトキシメチル基又はビニル基であり、好ましくは、前記の化合物は、以下のいずれかの構造を有する。
【0012】
さらには、Rは、
であり、Rは、H又はメチル基であり、Rは、グリシンアシル基、サルコシンアシル基、アラニンアシル基、バリンアシル基、ロイシンアシル基又はプロリンアシル基であり、好ましくは、前記の化合物は、以下のいずれかの構造を有する。
【0013】
さらには、Rは、
であり、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロプロピル基又はシクロブチル基であり、好ましくは、前記の化合物は、以下のいずれかの構造を有する。
【0014】
さらには、Rは、
であり、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基又はシクロブチル基であり、好ましくは、前記の化合物は、以下のいずれかの構造を有する。
【0015】
さらには、上記の薬学的に許容可能な塩は、前記の化合物の酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、4-アミノサリチル酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、ピログルタミン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、炭酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、カプリン酸塩、2,2-ジクロロ酢酸塩、ジグルコン酸、ドデシル硫酸塩、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ムチン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、カプロン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクツロン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、カプリル酸塩、オレイン酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、2-オキソグルタル酸塩、バルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、セバシン酸水素塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩又はウンデカン酸塩、硫化水素塩、ナトリウム塩又はアンモニウム塩を含む。
【0016】
本発明はさらに、上記の化合物の調製方法を提供する。この調製方法は、
(1)化合物Aを溶媒に溶解させるステップと、
(2)化合物Bと酸結合剤を加えて反応させるステップと
を含み、
反応式は、
であり、
Xは、ハロゲン元素、好ましくは、Clであり、
Rは、



又は
から選択され、
は、H又はC1~4アルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立にC1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基から選択され、Rは、C1~10直鎖、分岐鎖若しくは環状炭化水素基から選択され、かつ、Rはtert-ブチル基ではなく、R’は、Boc保護された天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであり、Rは、H、一価アルカリ金属イオン又はC1~4アルキル基であり、
~R中の0個、1個又は1個以上のC原子がO、S及び/又はNヘテロ原子によって置換され、R~R中の0個、1個又は1個以上のH原子がハロゲン元素、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基及び/又はニトロ基によって置換される。
【0017】
さらには、Rは、
であり、Rは、H又はC1~4アルキル基であり、R’は、Boc保護された天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントであり、さらに、以下の脱保護ステップ、すなわち、塩化水素又はトリフルオロ酢酸を加えて反応させ、Boc基を除去し、
を得るステップを含み、Rは、天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメントである。
【0018】
さらには、ステップ(1)に記された溶媒は、DMF、アセトニトリル、ジクロロメタンの内の少なくとも1種であり、ステップ(2)に記された酸結合剤は、無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン、トリエチルアミン、ピリジンの内の少なくとも1種である。ステップ(2)でさらに触媒を加え、好ましくは、前記の触媒はヨウ化ナトリウムである。
【0019】
さらには、上記の化合物の構造は、以下のいずれかである。
【0020】
本発明はさらに、ヒト又若しくは動物に中枢性鎮静、鎮痛、催眠及び/又は麻酔効果を生じる薬物の調製における、上記の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物の使用を提供する。
【0021】
本発明はさらに、ヒト若しくは動物に中枢性鎮静、鎮痛、催眠及び/又は麻酔効果を生じる薬物であって、上記の化合物又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物を有効成分とし、薬学的に許容可能な添加剤、担体又は賦形剤を加えて製造される製剤である薬物を提供する。
【0022】
動物実験の結果は、本発明のプロドラッグ分子が、活性を持たないため、循環によって体内に進入しても、直ちに受容体作動効果を示すことはできず、その後、体内に広く分布する加水分解酵素によって代謝された後で、プロトタイプの薬物であるデクスメデトミジンを適切な速度で放出することを示している。動物実験は、このプロドラッグ分子が、有効用量で1回静脈注射すれば、生体の血圧に大きな変化を引き起こすことなく、鎮静・催眠作用を生じ、デクスメデトミジンの血行動態変動の副作用を効果的に軽減し、薬物の忍容性と安全性を高め、投与プロセスを簡素化することを示している。
【0023】
動物実験では、本特許で開示されたプロドラッグ分子は、効果の開始時間と持続時間はデクスメデトミジンと同じくらいでありながら、血行動態変動は顕著に軽減され、動物の血圧は比較的安定しており、それらのプロドラッグ分子は、全部を1回で30秒以内に注射して体内に進入させることができ、10~15分の持続投与を必要とせずに、血圧が安定しているという利点を得ることができる。また、デクスメデトミジンの経口バイオアベイラビリティはわずか16%と報告されており(Anttila M, et al. Br J Clin Pharmacol. 2003;56:691-3)、本特許に記された化合物は、一定の有効モル用量の経口投与によって、明らかな鎮静効果を生じるが、デクスメデトミジンは、等モルの経口投与によって、鎮静効果を生じない。上記の結果は、新しい化合物の経口バイオアベイラビリティがデクスメデトミジンより高く、非静脈経路によって鎮静・催眠効果が実現できることを示している。
【0024】
上記の特徴を備えていることから、上記の式(I)のように構造が記される化合物、立体異性体、同位体置換物、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、医薬組成物、及び薬学的に許容可能な添加剤/担体/賦形剤と形成される製剤などは、ヒト又若しくは動物に中枢性鎮静、鎮痛、麻酔効果を生じる薬物の調製に使用することができる。
【0025】
特に断らない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語は、以下の意味を有する。
【0026】
本発明に記される基及び化合物に含まれる炭素、水素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲン元素はすべて、それらの同位体を含み、本発明に記される基及び化合物に含まれる炭素、水素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲン元素は、任意でさらに、それらの対応する1つ又は複数の同位体によって置換され(すなわち、同位体置換物)、その中の炭素の同位体には、12C、13C、14Cが含まれ、水素の同位体には、プロチウム(H)、デューテリウム(D,重水素とも呼ばれる)、トリチウム(T,三重水素とも呼ばれる)が含まれ、酸素の同位体には、16O、17O、18Oが含まれ、硫黄の同位体には、32S、33S、34S、36Sが含まれ、窒素の同位体には、14Nと15Nが含まれ、フッ素の同位体には19F、塩素の同位体には35Clと37Cl、臭素の同位体には79Brと81Brが含まれる。
【0027】
「炭化水素基」とは、炭素原子と水素原子のみを含む直鎖、分岐鎖若しくは環状の一価の置換基を指し、炭化水素基は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基(フェニル基を含む)でありうる。C1~10炭化水素基とは、炭化水素基中のC原子の数が1、2、3、4,5、6、7,8、9又は10であることを意味する。
【0028】
「アルキル基」とは、直鎖、分岐鎖若しくは環状の一価の飽和炭化水素基を指し、C1~4アルキル基とは、アルキル基中のC原子の数が1、2、3又は4であることを意味する。アルキル基の実例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチル-2-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基及びn-デシル基が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
「アルコキシ基」とは、構造がO-アルキル基である一価の基を指し、アルキル基は本明細書で定義されている通りである。C1~3アルコキシ基とは、アルキル基中のC原子の数が1、2又は3であることを意味する。アルコキシ基の実例には、メトキシ基、エトキシ基、1-プロポキシ基、2-プロポキシ基、1-ブトキシ基、2-メチル-1-プロポキシ基、2-ブトキシ基、2-メチル-2-プロポキシ基、1-ペンチルオキシ基、2-ペンチルオキシ基、3-ペンチルオキシ基、2-メチル-2-ブトキシ基、3-メチル-2-ブトキシ基、3-メチル-1-ブトキシ基、2-メチル-1-ブトキシ基などが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に出てくるアルコキシ基の定義は、上記の通りである。
【0030】
「シクロアルキル基」とは、一価の飽和炭素環式炭化水素基を指し、通常3~10個の炭素原子を持つ。実例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
「基のC原子の一部がO、S、Nヘテロ原子によって置換されて形成される、化学構造の安定した基」とは、例えば、基の構造中の1個のメチレン基-CH-上のCがOによって置換されて、安定した-O-が形成されること、又はNによって置換されて、安定した-NH-が形成されること、又はSによって置換されて、安定した-S-若しくは-SO-が形成されること、又はその基がフェニル基で、フェニル基上の1個のCがNによって置換されて、安定した
が形成されることを意味する。
【0032】
「医薬組成物」とは、本明細書に記される1つ又は複数の化合物又はその生理学的/薬学的に許容可能な塩とその他の組成成分との混合物を指し、その他の組成成分には、生理学的/薬学的に許容可能な担体及び賦形剤が含まれる。
【0033】
「担体」とは、生物に明らかな刺激を生じず、かつ、投与される化合物の生物学的活性及び特性を除去しない担体又は希釈剤を指す。
【0034】
「賦形剤」とは、医薬組成物に加えられ、さらに、化合物の投与に依存する不活性物質を指す。賦形剤の実例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種の糖及び各種のデンプン、セルロース誘導体(微結晶セルロースを含む)、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール類、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
「立体異性体」とは、分子中の原子の空間における配置の仕方が異なることによって生じる異性体を指し、シス-トランス異性体、鏡像異性体及び配座異性体が含まれる。
【0036】
「有効用量」とは、組織、系統又は被験者の生物学的若しくは医学的変換を引き起こす化合物の量を指し、この量は求められるものであり、治療される者に用いる時に、治療される疾患又は疾病の1つ若しくは複数の症状の発生を予防する、又はそれらをある程度軽減するのに十分な化合物の量を含む。
【0037】
「溶媒和物」とは、分子間非共有結合力によって結合した化学量論的若しくは非化学量論的溶媒を含む本発明の化合物又はその塩を指す。溶媒が水の場合は、水和物である。
【0038】
「DMF」とは、N,N-ジメチルホルムアミドのことである。
【0039】
「Boc」とは、tert-ブトキシカルボニル基のことであり、アミノ基を保護するために用いられる。
【0040】
「天然若しくは非天然のアミノ酸フラグメント」とは、アミノ酸の構造の一部が除去されて(例えば、H、OH、COOH又はNHが除去されて)形成される基のことである。
【0041】
明らかなことであるが、本発明の上記の内容に基づき、当領域の通常の技術知識と慣用手段に従い、本発明の上記の基本的な技術思想から逸脱しないという前提の下で、さらにその他の様々な改良、置き換え又は変更を行うことが可能である。
【0042】
以下では、実施例という形の具体的な実施方式で、本発明の上記の内容についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の上記の主題の範囲が以下の実施例に限定されると解釈してはならない。本発明の上記の内容に基づいて実現される技術はすべて、本発明の範囲に属する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明で用いる原料及び設備はすべて、すでに知られている生産物であり、市販されている生産物を購入することによって得られる。
【0044】
実施例1.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)10mLに溶解させ、クロロギ酸エチル120mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、無色透明の油状物185mg、すなわち化合物1を得た。収率は67.8%。
【0045】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.58(3H, d, J=8Hz), 2.08(3H, s), 2.29(3H, s), 4.37(1H, q, J=8Hz), 5.74(2H, s), 6.62(1H, s), 7.01~7.08(3H, m), 7.62(1H, s)。
【0046】
実施例2.本発明の化合物の調製
化合物1 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物44mg、すなわち化合物1の塩酸塩を得た。収率は38.8%。
【0047】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.59(3H, d, J=8Hz), 2.05(3H, s), 2.26(3H, s), 4.41(1H, q, J=8Hz), 5.71(2H, s), 6.69(1H, s), 7.02~7.09(3H, m), 8.23(1H, s)。
【0048】
実施例3.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、イソ酪酸クロロメチル204mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、白色の固体171mg、すなわち化合物2を得た。収率は57.0%。
【0049】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.14(6H, d, J=8Hz), 1.59(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.29(3H, s), 2.54(1H, m), 4.38(1H, q, J=8Hz), 5.76(2H, s), 6.61(1H, s), 6.98~7.10(3H, m), 7.68(1H, s)。
【0050】
実施例4.本発明の化合物の調製
化合物2 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物68mg、すなわち化合物2の塩酸塩を得た。収率は60.7%。
【0051】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.15(6H, d, J=8Hz), 1.72(3H, d, J=8Hz), 2.21(3H, s), 2.30(3H, s), 2.59(1H, m) 4.57(1H, q, J=8Hz), 6.03(2H, s), 6.66(1H, s), 7.03~7.10(3H, m), 9.18(1H, s)。
【0052】
実施例5.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、ピバル酸クロロメチル225mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、白色の固体155mg、すなわち化合物3を得た。収率は49.5%。
【0053】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.16(3H, s), 1.57(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.28(3H, s), 4.36(1H, q, J=8Hz), 5.74(2H, s), 6.61(1H, s), 6.99~7.05(3H, m), 7.59(1H, s)。
【0054】
実施例6.本発明の化合物の調製
化合物3 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1ml)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物70mg、すなわち化合物3の塩酸塩を得た。収率は62.7%。
【0055】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.17(3H, s), 1.72(3H, d, J=8Hz), 2.20(3H, s), 2.30(3H, s), 4.58(1H, q, J=8Hz), 6.05(2H, s), 6.64(1H, s), 7.03~7.11(3H, m), 9.26(1H, s)。
【0056】
実施例7.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、クロロギ酸イソブチル204mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、白色の固体158mg、すなわち化合物4を得た。収率は52.6%。
【0057】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.00(6H, d, J=8Hz), 1.58(3H, d, J=8Hz), 2.08(1H, m), 2.26(3H, s), 2.30(3H, s), 4.15(2H, d, J=8Hz), 4.37(1H, q, J=8Hz), 6.99(1H, s), 7.01~7.07(3H, m), 8.05(1H, s)。
【0058】
実施例8.本発明の化合物の調製
化合物4 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、65mg、すなわち化合物4の塩酸塩を得た。収率は58%。
【0059】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 0.94(6H, d, J=8Hz), 1.66(3H, d, J=8Hz), 2.05(1H, m), 2.17(3H, s), 2.24(3H, s), 4.18(2H, d, J=8Hz), 4.51(1H, q, J=8Hz), 6.92(1H, s), 6.98~7.07(3H, m), 8.60(1H, s)。
【0060】
実施例9.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、炭酸クロロメチルイソプロピル227mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、透明な油状物166mg、すなわち化合物5を得た。収率は58.0%。
【0061】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.39(6H, d, J=8Hz), 1.58(3H, d, J=8Hz), 2.25(3H, s), 2.30(3H, s), 4.36(1H, q, J=8Hz), 5.19(1H, m), 6.98(1H, s), 7.01~7.08(3H, m), 8.05(1H, s)。
【0062】
実施例10.本発明の化合物の調製
化合物5 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物72mg、すなわち化合物5の塩酸塩を得た。収率は63.9%。
【0063】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.44(6H, d, J=8Hz), 1.69(3H, d, J=8Hz), 2.24(3H, s), 2.31(3H, s), 4.53(1H, q, J=8Hz), 5.26(1H, m), 6.98(1H, s), 7.06~7.11(3H, m), 8.51(1H, s)。
【0064】
実施例11.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、炭酸クロロメチルエチル208mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、白色の固体171mg、すなわち化合物6を得た。収率は56.4%。
【0065】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.24(3H, t, J=8Hz), 1.51(3H, d, J=8Hz), 2.17(3H, s), 2.22(3H, s), 4.16(2H, q, J=8Hz), 4.30(1H、 q、 J=8Hz)、 5.68(2H, s), 6.57(1H, s), 6.93~7.03(3H, m), 7.55(1H, s)。
【0066】
実施例12.本発明の化合物の調製
化合物6 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液を(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物75mg、すなわち化合物6の塩酸塩を得た。収率は67%。
【0067】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.25(3H, t, J=8Hz), 1.67(3H, d, J=8Hz), 2.15(3H, s), 2.24(3H, s), 4.18(2H, q, J=8Hz), 4.55(1H、 q、 J=8Hz)、 6.02(2H, s), 6.62(1H, s), 7.00~7.05(3H, m), 9.34(1H, s)。
【0068】
実施例13.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、炭酸クロロメチルイソプロピル228mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、透明な油状物164mg、すなわち化合物7を得た。収率は51.9%。
【0069】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.30(6H, d, J=8Hz), 1.58(3H, d, J=8Hz), 2.24(3H, s), 2.29(3H, s), 4.37(1H, q, J=8Hz), 4.89(1H、 m)、 5.74(2H, s), 6.64(1H, s), 6.99~7.10(3H, m), 7.62(1H, s)。
【0070】
実施例14.本発明の化合物の調製
化合物7 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物65mg、すなわち化合物7の塩酸塩を得た。収率は58.1%。
【0071】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.30(6H, d, J=8Hz), 1.63(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.29(3H, s), 4.45(1H, q, J=8Hz), 4.90(1H、 m)、 5.82(2H, s), 6.64(1H, s), 7.01~7.11(3H, m), 9.13(1H, s)。
【0072】
実施例15.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、酪酸クロロメチル204mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、透明な油状物145mg、すなわち化合物8を得た。収率は48.3%。
【0073】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 0.90(3H, t, J=8Hz), 1.52~1.69(5H, m), 2.24(3H, s), 2.27~2.34(5H, m), 4.38(1H, q, J=8Hz), 5.75(2H、 s)、 6.62(1H, s), 6.99~7.09(3H, m), 7.67(1H, s)。
【0074】
実施例16.本発明の化合物の調製
化合物8 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物68mg、すなわち化合物8の塩酸塩を得た。収率は60.7%。
【0075】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.85(3H, t, J=8Hz), 1.49~1.59(5H, m), 2.22(3H, s), 2.26(3H, s), 2.38(2H, t, J=8Hz), 4.49(1H, q, J=8Hz), 6.07(2H、 s)、 6.85(1H, s), 7.02~7.09(2H, m), 7.61(1H, s), 9.24(1H, s)。
【0076】
実施例17.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、ピロ炭酸ジエチル243mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、透明な油状物170mg、すなわち化合物9を得た。収率は62.5%。
【0077】
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 1.41(3H, t, J=8Hz), 1.58(3H, d, J=8Hz), 2.25(3H, s), 2.30(3H, s), 4.32~4.47(4H, m), 6.98(1H, s), 7.01~7.08(3H, m), 8.05(1H, s)。
【0078】
実施例18.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、プロピオン酸クロロメチル240mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、50°Cで一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物174mg、すなわち化合物10を得た。収率は60.9%。
【0079】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.99(3H, t, J=8Hz), 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.19(3H, s), 2.23(3H, s), 2.33(2H, q, J=8Hz), 4.25(1H, q, J=8Hz), 5.85(2H, s), 6.86(1H, s), 6.90~6.99(3H, m), 7.67(1H, s)。
【0080】
実施例19.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、クロロギ酸n-プロピル183.56mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧化で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=50/1)によって、透明な油状物185mg、すなわち化合物11を得た。収率は61.2%。
【0081】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.94(3H, t, J=8Hz), 1.44(3H, d, J=8Hz), 1.71(2H, m), 2.21(3H, s), 2.23(3H, s), 4.29(3H, m), 6.98(3H, m), 7.18(1H, s), 8.16(1H, s)。
【0082】
実施例20.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)10mLに溶解させ、60% NaH 139.81mgを加え、室温で45分間激しく攪拌した後、DMF 5mLに溶解させたリン酸ジ-tert-ブチルクロロメチル335.81mgをゆっくりと加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって、透明な油状物170mg、すなわち化合物12を得た。収率は40.38%。
【0083】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.32(18H, s), 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.18(3H, s), 2.23(3H, s), 4.26(1H, q, J=8Hz), 5.67(2H, m), 6.83(1H, s), 6.90~7.08(3H, m), 7.71(1H, s)。
【0084】
実施例21.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、炭酸クロロメチルジメチル248.68mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物182mg、すなわち化合物13を得た。収率は63.2%。
【0085】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.19(3H, s), 2.23(3H, s), 3.72(3H, s), 4.25(1H, q, J=8Hz), 5.89(2H, s), 6.89(1H, s), 6.90~6.99(3H, m), 7.70(1H, s)。
【0086】
実施例22.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、炭酸クロロメチルシクロブチル328.72mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物195mg、すなわち化合物14を得た。収率は59.5%。
【0087】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 1.50~1.61(1H, m), 1.68~1.77(1H, m), 1.97~2.06(2H, m), 2.19(3H, s), 2.23~2.30(5H, m), 4.24(1H, q, J=8Hz), 4.86(1H, m), 5.81(2H, s), 6.88(1H, s), 6.95~7.01(3H, m), 7.69(1H, s)。
【0088】
実施例23.本発明の化合物の調製
化合物9 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物75mg、すなわち化合物9の塩酸塩を得た。
【0089】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.34(3H, t, J=8Hz), 1.49~1.59(5H, m), 2.23(3H, s), 2.25(3H, s), 4.25~4.53(3H, m), 6.07(2H, s), 6.87~7.10(3H, m), 7.36(1H, s), 8.56(1H, s)。
【0090】
実施例24.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、クロロギ酸シクロプロピル201.56mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物189mg、すなわち化合物15を得た。収率は63.4%。
【0091】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.80~0.87(2H, m), 0.87~0.95(2H, m), 1.44(3H, d, J=8Hz), 1.58~1.68(1H, m), 2.19(3H, s), 2.23(3H, s), 4.24(1H, q, J=8Hz), 5.85(2H, s), 6.86(1H, s), 6.92~7.00(3H, m), 7.67(1H, s)。
【0092】
実施例25.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、クロロギ酸シクロブチル222.57mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物201mg、すなわち化合物16を得た。収率は64.5%。
【0093】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 1.50~1.62(1H, m), 1.67~1.77(1H, m), 1.93~2.07(2H, m), 2.19(3H, s), 2.20~2.30(5H, m), 4.24(1H, q, J=8Hz), 4.86(1H, m), 5.87(2H, s), 6.88(1H, s), 6.94~7.02(3H, m), 7.69(1H, s)。
【0094】
実施例26.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをジクロロメタン(DCM)5mLに溶解させ、水5mL、炭酸水素ナトリウム336mg及び硫酸水素テトラブチルアンモニウム34mgを加え、氷塩浴で10分間攪拌した後、酢酸ビニル343.88mgを滴加し、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物195mg、すなわち化合物17を得た。収率は67.2%。
【0095】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 1.67(3H, t, J=4Hz), 2.00(3H, s), 2.21(3H, s), 2.23(3H, s), 4.24(1H, q, J=8Hz), 6.64(1H, q, J=8Hz), 6.93~7.07(4H, m), 7.72(1H, s)。
【0096】
実施例27.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをジクロロメタン(DCM)5mLに溶解させ、水5mL、炭酸水素ナトリウム336mg及び硫酸水素テトラブチルアンモニウム34mgを加え、氷塩浴で10分間攪拌した後、プロピオン酸ビニル395.88mgを滴加し、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物199mg、すなわち化合物18を得た。収率は70.1%。
【0097】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.97(3H, t, J=8Hz), 1.43(3H, d, J=8Hz), 1.67(3H, t, J=8Hz), 2.00(3H, s), 2.20(3H, s), 2.22(3H, s), 2.25~2.34(2H, m), 4.24(1H, q, J=8Hz), 6.65(1H, q, J=8Hz), 6.91~7.06(4H, m), 7.72(1H, s)。
【0098】
実施例28.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、炭酸クロロギ酸フェニル279.50mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物210mg、すなわち化合物19を得た。収率は60.1%。
【0099】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.20(3H, s), 2.23(3H, s), 4.27(1H, q, J=8Hz), 6.03(2H, s), 6.87~7.06(5H, m), 7.17~7.37(3H, m), 7.48~7.89(2H, m), 7.75(1H, s)。
【0100】
実施例29.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、クロロギ酸フェニル255.53mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物198mg、すなわち化合物20を得た。収率は59.3%。
【0101】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.19(3H, s), 2.22(3H, s), 4.26(1H, q, J=8Hz), 6.13(2H, s), 6.92~7.02(4H, m), 7.49~7.57(2H, m), 7.65~7.72(2H, m), 7.79(1H, s), 7.91~7.98(2H, m)。
【0102】
実施例30.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、炭酸1-クロロエチルメチル207.53mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物153mg、すなわち化合物21を得た。収率は59.5%。
【0103】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.46(3H, d, J=8Hz), 2.20(3H, s), 2.23(3H, s), 3.92(3H, s), 4.29(1H, q, J=8Hz), 6.93~7.01(3H, m), 7.16(1H, s), 8.15(1H, s)。
【0104】
実施例31.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、炭酸クロロギ酸シクロブチル225.52mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって、透明な油状物190mg、すなわち化合物22を得た。収率は60.5%。
【0105】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.57~0.72(4H, m), 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.19(3H, s), 2.23(3H, s), 4.12(1H, m), 4.25(1H, q, J=8Hz), 5.90(2H, s), 6.88(1H, s), 6.94~7.01(3H, m), 7.70(1H, s)。
【0106】
実施例32.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、2-((クロロメトキシ)炭酸)酢酸メチル273mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=6/1)によって、透明な油状物282.5mg、すなわち化合物23を得た。収率は82.7%。
【0107】
H NMR(400 MHz, DMSO-d): δ 1.45(3H, d, J=8Hz), 2.20(3H, s), 2.23(3H, s), 3.68(3H, s), 4.25(1H, q, J=8Hz), 4.77(2H, s) 5.96(2H, s), 6.90(1H, s), 6.96~7.02(3H, m), 7.71(1H, s)。
【0108】
実施例33.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、2-((クロロメトキシ)炭酸)酢酸エチル229mgと無水炭酸カリウム300mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=6/1)によって、透明な油状物254.2mg、すなわち化合物24を得た。収率は70.6%。
【0109】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.17(3H, t, J=8Hz), 1.45(3H, d, J=8Hz), 2.20(3H, s), 2.23(3H, s), 4.13(2H, q, J=8Hz), 4.25(1H, q, J=8Hz), 4.74(2H, s) 5.96(2H, s), 6.90(1H, s), 6.96~7.02(3H, m), 7.71(1H, s)。
【0110】
実施例34.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、クロロメチルコハク酸メチル229mgと無水炭酸カリウム271mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=6/1)によって、透明な油状物244.3mg、すなわち化合物25を得た。収率は81.1%。
【0111】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.20(3H, s), 2.23(3H, s), 2.53~2.62(4H, m), 3.55(3H, s), 4.25(1H, q, J=8Hz), 5.88(2H, s), 6.86(1H, s), 6.94~7.01(3H, m), 7.68(1H, s)。
【0112】
実施例35.本発明の化合物の調製
(S)-リン酸ジ-tert-ブチル((4-(1-(2,3-ジメチルフェニル)エチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル1gを4N HCl-ジオキサン10mLとジオキサン10mLの溶液に溶解させ、室温で一晩攪拌した後、減圧下で回転乾燥させ、1N NaOH溶液でpHを9に調整し、アセトン20mLを加えて、白色の固体312mg、すなわち化合物26を析出させた。収率は37.2%。
【0113】
H NMR(400 MHz, DO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.20(3H, s), 2.23(3H, s), 4.29(1H, q, J=8Hz), 5.40(2H, d, J=8Hz), 6.81(1H, s), 6.92~7.02(3H, m), 7.64(1H, s)。
【0114】
実施例36.本発明の化合物の調製
化合物13 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物72mg、すなわち化合物13の塩酸塩を得た。
【0115】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.51(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 3.77(3H, s), 4.50(1H, q, J=8Hz), 6.00(2H, s), 6.88(1H, m), 7.03~7.13(2H, m), 7.61(1H, s), 9.23(1H, s)。
【0116】
実施例37.本発明の化合物の調製
化合物14 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物81mg、すなわち化合物14の塩酸塩を得た。
【0117】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.44(3H, d, J=8Hz), 1.55(1H, m), 1.73(1H, m), 2.01(2H, m), 2.19(3H, s), 2.20~2.32(5H, m), 4.25(1H, q, J=8Hz), 4.85(1H, m), 5.88(2H, s), 6.91(1H, s), 6.94~7.02(3H, m), 7.75(1H, s)。
【0118】
実施例38.本発明の化合物の調製
化合物15 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶液を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物89mg、すなわち化合物15の塩酸塩を得た
【0119】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.89~0.94(2H, m), 0.96~1.03(2H, m), 1.51(3H, d, J=8Hz), 1.72(1H, m), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 4.49(1H, q, J=8Hz), 6.05(2H, s), 6.85(1H, m), 7.00~7.11(2H, m), 7.62(1H, s), 9.19(1H, s)。
【0120】
実施例39.本発明の化合物の調製
化合物17 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/5)によって、透明な油状物109mg、すなわち化合物17の塩酸塩を得た。
【0121】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.48(3H, d, J=8Hz), 1.74(3H, t), 2.06(3H, s), 2.23(3H, s), 2.25(3H, s), 4.39(1H, q, J=8Hz), 6.72(1H, q, J=8Hz), 6.88(1H, m), 6.97~7.06(2H, m), 7.52(1H, d, J=8Hz), 8.65(1H, s)。
【0122】
実施例40.本発明の化合物の調製
化合物18 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物96mg、すなわち化合物18の塩酸塩を得た。
【0123】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.01(3H, t, J=8Hz), 1.51(2H, d, J=8Hz), 1.79(3H, t, J=8Hz), 2.24(3H, s), 2.26(3H, s), 2.36~2.43(2H, m), 4.50(1H, q, J=8Hz), 6.76~6.88(2H, m), 6.97~7.10(2H, m), 7.52(1H, d, J=6Hz), 9.32(1H, s)。
【0124】
実施例41.本発明の化合物の調製
化合物22 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物104mg、すなわち化合物22の塩酸塩を得た。
【0125】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.69~0.74(4H, m), 1.51(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 2.36~2.43(2H, m), 4.17(1H, m), 4.51(1H, q, J=8Hz), 6.08(2H, s), 6.87(1H, m), 7.01~7.10(2H, m), 7.60(1H, s), 9.22(1H, s)。
【0126】
実施例42.本発明の化合物の調製
化合物23 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物102mg、すなわち化合物23の塩酸塩を得た。
【0127】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.51(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 3.68(3H, s), 4.51(1H, q, J=8Hz), 4.82(2H, s), 6.15(2H, s), 6.88(1H, m), 6.99~7.11(3H, m), 7.63(1H, s), 9.24(1H, s)。
【0128】
実施例43.本発明の化合物の調製
化合物24 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物112mg、すなわち化合物24の塩酸塩を得た。
【0129】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.18(3H, t, J=8Hz), 1.51(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 4.15(2H, q, J=8Hz), 4.50(1H, q, J=8Hz), 4.80(2H, s), 6.15(2H, s), 6.86(1H, m), 7.01~7.11(2H, m), 7.63(1H, s), 9.21(1H, s)。
【0130】
実施例44.本発明の化合物の調製
化合物25 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物101mg、すなわち化合物25の塩酸塩を得た。
【0131】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.51(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 2.57~2.68(4H, m), 3.56(3H, s), 4.49(1H, q, J=8Hz), 6.08(2H, s), 6.86(1H, m), 7.01~7.11(2H, m), 7.58(1H, s), 9.17(1H, s)。
【0132】
実施例45.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、コハク酸クロロメチルエチル292mgと無水炭酸カリウム271mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって、透明な油状物258.9mg、すなわち化合物27を得た。収率は72.33%。
【0133】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.13(3H, t, J=8Hz), 1.43(3H, d, J=8Hz), 2.19(3H, s), 2.23(3H, s), 2.51~2.62(4H, m), 4.00(2H, q, J=8Hz), 4.25(1H, q, J=8Hz), 5.88(2H, s), 6.86(1H, m), 6.93~7.01(3H, m), 7.67(1H, s)。
【0134】
実施例46.本発明の化合物の調製
化合物27 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物106mg、すなわち化合物27の塩酸塩を得た。
【0135】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.15(3H, t, J=8Hz), 1.51(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 2.55~2.71(4H, m), 4.02(2H, q, J=8Hz), 4.49(1H, q, J=8Hz), 6.09(2H, s), 6.85(1H, m), 7.01~7.10(2H, m), 7.58(1H, s), 9.16(1H, s)。
【0136】
実施例47.本発明の化合物の調製
化合物10 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物111mg、すなわち化合物10の塩酸塩を得た。
【0137】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.07(3H, t, J=8Hz), 1.51(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 2.40(2H, q, J=8Hz), 4.31(1H, q, J=8Hz), 5.92(2H, s), 6.93(1H, m), 7.01~7.10(2H, m), 7.74(1H, s), 9.16(1H, s)。
【0138】
実施例48.本発明の化合物の調製
化合物11 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、白色の固体103mg、すなわち化合物11の塩酸塩を得た。
【0139】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 0.98(3H, t, J=8Hz), 1.51(3H, d, J=8Hz), 1.76(2H, m), 2.23(3H, s), 2.26(3H, s), 4.33~4.48(3H, m), 6.92(1H, m), 6.97~7.08(2H, m), 7.62(1H, s), 9.09(1H, s)。
【0140】
実施例49.本発明の化合物の調製
化合物16 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、透明な油状物107mg、すなわち化合物16の塩酸塩を得た。
【0141】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.51(3H, d, J=8Hz), 1.58(1H, m), 1.75(1H, m), 2.05(2H, m), 2.23(3H, s), 2.25~2.33(5H, m), 4.50(1H, q, J=8Hz), 4.90(1H, m), 6.08(2H, s), 6.86(1H, m), 7.02~7.10(2H, m), 7.60(1H, s), 9.18(1H, s)。
【0142】
実施例50.本発明の化合物の調製
化合物21 100mgをメタノール10mLに溶解させ、過量の10%塩化水素メタノール溶液(約1mL)を滴加し、室温で10分間攪拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/6)によって、白色の粉末105mg、すなわち化合物21の塩酸塩を得た。
【0143】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.49(3H, d, J=8Hz), 2.23(3H, s), 2.25(3H, s), 4.00(3H, s), 4.40(1H, q, J=8Hz), 6.08(2H, s), 6.91(1H, m), 6.99~7.06(2H, m), 7.56(1H, s), 8.98(1H, s)。
【0144】
実施例51、本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10mLに溶解させ、3-(クロロメトキシ)酪酸エチル271mgと無水炭酸カリウム271mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって、透明な油状物245.4 mg、すなわち化合物28を得た。収率は71.34%。
【0145】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.11(3H, t, J=8Hz), 1.24(3H, t, J=8Hz), 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.19(3H, s), 2.23(3H, s), 2.63(2H, m), 4.02(2H, m), 4.24(1H, q, J=8Hz), 5.00(1H, m), 5.88(2H, s), 6.86(1H, m), 6.94~7.01(3H, m), 7.69(1H, s)。
【0146】
実施例52.本発明の化合物の調製
デクスメデトミジン遊離塩基200mgをアセトニトリル(MeCN)10 mLに溶解させ、プロピオン酸2-(クロロメトキシ)-2-オキソエチル271mgと無水炭酸カリウム271mgを加え、室温で一晩攪拌した。翌日、反応液を冷却して、濾過し、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって、透明な油状物243.0mg、すなわち化合物29を得た。収率は70.65%。
【0147】
H NMR(400 MHz, DMSO): δ 1.03(3H, t, J=8Hz), 1.44(3H, d, J=8Hz), 2.19(3H, s), 2.23(3H, s), 2.39(2H, q, J=8Hz), 4.24(1H, q, J=8Hz), 4.69(2H, s), 5.95(2H, s), 6.86(1H, m), 6.93~7.03(3H, m), 7.69(1H, s)。
【0148】
以下では、実験例によって、本発明の化合物の有益な効果を証明する。
【0149】
実験例1.本発明の化合物の分解
1.実験方法
測定を行うプロドラッグを1mg/mLの生理食塩水の形にした。薬物を含む溶液100μLを採取し、ラット血漿900μLに加え、30秒間ボルテックスした後、37°Cでインキュベートした。0.5分、1分、2分、3分、5分、10分、15分、20分、30分、60分の時点で、薬物を含む血漿50μLをそれぞれ採取し、直ちにアセトニトリル150μLを加えて、酵素反応を停止させ、20μg/mLの内部標準テルミサルタンメタノール溶液30μLを加えた後、20000rpm、4°Cで10分間遠心分離し、上清100μLを採取して注入し、内部標準法でデクスメデトミジンの濃度を測定した。デクスメデトミジンの濃度に基づいて、プロドラッグの分解率を計算した。クロマトグラフィーの条件は、以下の通りである。クロマトグラフィーカラムSwell XDB C18カラム(150mm×4.6mm、5μm)、カラム温度30°C、グラジエント溶離を採用(表1参照)。移動相は、A相メタノール、B相0.1%トリフルオロ酢酸-水、C相アセトニトリル、検出波長220nm、流速1.0mL/分、注入量30μL、保持時間は、デクスメデトミジン4.7分、内部標準テルミサルタン6.7分。デクスメデトミジンの直線性範囲は、2.5μg~100μg/mL。測定機器は、Waters 2695高速液体クロマトグラフ、Waters 2996フォトダイオードアレイ検出器。
【0150】
表1 グラジエント溶離の手順
【表1】
【0151】
2.実験結果
各時点の血漿試料中のデクスメデトミジン含有量を測定し、プロドラッグの分解率を計算した。結果は、表2の通りである。
【0152】
表2 プロドラッグ分解率
【表2】
「-」検出されなかった
【0153】
実験結果は、本発明によって調製されたプロドラッグが動物血漿中で比較的短時間でデクスメデトミジンを放出できることを証明している。
【0154】
実験例2.本発明の化合物の催眠効果
1.実験方法
雄SDラット、体重250~300グラム。各薬物を生理食塩水に溶解させ、尾静脈より注射した。各群10匹。注射用量は、ED50の2倍とし(ED50とは、50%のラットの正向反射が消失する用量)、注射後、ラットが自分で立ち直れなくなるまで、すなわち正向反射が消失するまでの時間を計り始め、これを催眠効果の開始の指標とした。ラットの正向反射が自然に回復した後で、薬物の効果が消失したとみなした。催眠の開始時間と持続時間を記録した。
【0155】
2.実験結果
結果は、表3の通りである。
【0156】
表3 各化合物の催眠効果のデータ
【表3】
【0157】
上記の実験結果は、本発明の化合物がすべて、5分以内にラットに睡眠を引き起こせること、また、催眠時間がデクスメデトミジンと同じくらいで、確かで可逆的な催眠効果があることを示している。
【0158】
実施例3.本発明の化合物の投与後の血圧変動
1.実験方法
雄SDラット、体重250~300グラム、各群10匹。イソフルランの吸入によって全身麻酔を維持し、大腿動脈から挿管した。BL-420N生体信号収集・分析システムを用いて血圧を監視し、血圧が安定した後10分間待って、平均動脈圧のベースライン値(MAP)を測定した。その後、尾静脈より測定する薬物の生理食塩水を注射した(各薬物の用量は実験例2と同じで、注射溶液の体積は1mLで統一した)。そこでは、塩酸デクスメデトミジンの注射方式は2種類あり、一方の方式では、15秒以内に全部を注射し、もう一方の方式では、毎分0.1mLを注射し、10分で注射を完了する。すべてのプロドラッグ分子は、15秒以内に全部の注射を完了した。各薬物の注射完了後、血圧を60分間持続的に記録した。生理食塩水を除き、すべての薬物は、投与後の初期に血圧が急速に上昇し、その後は血圧は比較的持続的に低下した。平均動脈圧のベースライン値(MAP)と60分の測定時間内の平均動脈圧の最高値(MAPmax)の差MAP△+を計算し、同時に、平均動脈圧のベースライン値(MAP)と60分の測定時間内の平均動脈圧の最低値(MAPmin)の差MAP△-を計算し、平均動脈圧の最大上昇率+△%=MAP△+/MAP*100%と、平均動脈圧の最大低下率-△%=MAP△-/MAP*100%とを計算した。平均動脈圧の最大上昇率+△%と最大低下率-△%は、投与後に生体が受ける血圧変動の程度を反映しており、数値が大きいほど、生体が受ける血圧変動が大きい。
【0159】
2.実験結果
結果は、表4の通りである。
【0160】
表4 各薬物の投与後の血圧変動の状況
【表4】
* 塩酸デクスメデトミジン(15秒の注射)群と比較してp<0.05
【0161】
実験結果は、生理食塩水群の注射前後の血圧変動が最も小さいことを示している。本発明に記された化合物の大部分は、投与前後にラットに引き起こした血圧変動が比較的小さく、具体的には、投与後の血圧の最大上昇率は、ゆっくりとデクスメデトミジンを注射した(10分の注射)群のラットと同じくらいで、血圧の上昇率は、急速にデクスメデトミジンを注射した(15秒の注射)群のラットよりはるかに低かった。急速にデクスメデトミジンを注射(15秒の注射)して鎮静・催眠を生じる過程では、投与初期の最大血圧上昇率が比較的大きく、1回の薬物注射が引き起こす血圧変動が非常に明白であることを示している。上記の実験は、本発明の化合物が急速に注射でき、デクスメデトミジンと比較して、急速な投与時に起きる血圧変動が顕著に抑えられることを示している。
【0162】
実験例4.本発明の化合物の経口投与後の鎮静・催眠効果
1.実験方法
雄SDラット、体重250~300グラム、各群10匹。胃内投与によって各試験薬物を与え、各薬物の用量は0.16μmoL/kgとした。胃内投与後、正向反射の消失を薬物の催眠効果の発生の指標、正向反射の回復を薬物の効果の消失の指標とし、薬物の効果の開始時間と催眠時間を観察した。
【0163】
2.実験結果
結果は、表5の通りである。
【0164】
表5 各薬物が経口投与によって発揮する鎮静・催眠効果の状況
【表5】
「-」正向反射の消失は観察されなかった
【0165】
実験結果は、等モル用量で、本特許に記された化合物が経口投与によって催眠効果を生じるのに対して、等モル用量で、デクスメデトミジンが経口投与によって催眠効果を生じないことを示している。これは、本特許に記された化合物の経口バイオアベイラビリティがデクスメデトミジンより明らかに高く、非静脈経路によって催眠効果を発揮できることを示している。
【0166】
まとめると、本発明は、5-ベンジルイミダゾール類化合物であるデクスメデトミジンのプロドラッグ分子を提供し、本発明が提供する5-ベンジルイミダゾール類化合物は、循環によって体内に進入しても、直ちに受容体作動効果を示すことはできず、その後、体内に広く分布する加水分解酵素によって代謝された後で、プロトタイプの薬物であるデクスメデトミジンを適切な速度で放出することができる。本発明の5-ベンジルイミダゾール類化合物は、有効用量で1回静脈注射すれば、生体の血圧に大きな変化を引き起こすことなく、鎮静・催眠作用を生じることができ、全部を1回で15秒以内に注射して体内に進入させ、デクスメデトミジンの血行動態変動の副作用を効果的に軽減し、薬物の忍容性と安全性を高め、投与プロセスを簡素化することができる。
【0167】
本特許に記された化合物は、一定の有効モル用量の経口投与によって、明らかな鎮静効果を生じるが、デクスメデトミジンは、等モルの経口投与によって、鎮静効果を生じない。これは、新しい化合物の経口バイオアベイラビリティがデクスメデトミジンより高く、非静脈経路によって鎮静・催眠効果が実現できることを示している。
【国際調査報告】