IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エノビクス・コーポレイションの特許一覧

特表2024-512712電流リミッタを含む電極アセンブリ、そのような電極アセンブリを有する二次電池、及び試験の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電流リミッタを含む電極アセンブリ、そのような電極アセンブリを有する二次電池、及び試験の方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240312BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 50/54 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20240312BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/533
H01M50/54
H01M50/534
H01M50/536
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560526
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022021440
(87)【国際公開番号】W WO2022212132
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/168,430
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/202,922
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323006529
【氏名又は名称】エノビクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Enovix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】アームストロング,マイケル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ノエル,ダニエル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブザッカ,ロバート エス
(72)【発明者】
【氏名】バルデス,ブルーノ エイ
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン,ロバート ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ラマサブラマニアン,ムラリ
(72)【発明者】
【氏名】ラヒリ,アショク
(72)【発明者】
【氏名】スポットニッツ,ロバート エム
【テーマコード(参考)】
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB05
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC21
5H028HH00
5H028HH05
5H028HH08
5H028HH10
5H043AA04
5H043BA11
5H043BA17
5H043CA04
5H043DA02
5H043EA02
5H043EA33
5H043EA35
5H043GA02
5H043HA12E
5H043HA29E
5H043JA02E
5H043JA07E
5H043KA01E
5H043KA06E
5H043KA08E
5H043KA09E
5H043KA10E
5H043KA12E
5H043KA24E
5H043KA36E
5H043LA00E
5H043LA03E
5H043LA22E
5H043LA25E
5H043LA31E
5H043LA32E
5H043LA41E
(57)【要約】
摂氏マイナス20度(℃)~80℃の通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリは、単位セルの群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備える。単位セル群の各構成単位は、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備える。電流リミッタ群の少なくとも1つの構成単位は、単位セルと電極バスバー又は対向電極バスバーとの間に電気的に接続されている。各単位セルについて、電流リミッタ群の少なくとも1つの構成単位が、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときに、単位セルを通る電流を、単位セルの熱暴走を誘発するであろう電流未満である閾値電流I未満に制限するのに十分な抵抗を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリを組み立てる方法であって、
単位セルの群を積層方向に互いの上に積層することであって、前記単位セル群の各構成単位が、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を含み、前記電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、前記対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備え、前記電極構造及び前記対向電極構造が、前記積層方向に垂直な縦方向に延在し、前記電極集電体の端部部分が、前記縦方向に電極活物質及び前記セパレータ構造を越えて延在する、積層することと、
各電極集電体の前記端部部分を、前記電極構造の前記縦方向に直交する方向に曲げて、前記積層方向に、又は前記積層方向の反対に延在させることと、
前記積層方向に延在する電極バスバーを、前記電極バスバーの表面を前記電極集電体の前記端部部分に隣接させて位置付けることと、
前記電極バスバーに熱及び圧力を加えて、抵抗性ポリマー材料を含む接着層を介して、前記電極集電体の前記端部部分を前記バスバーに接着させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記抵抗性ポリマー材料が、熱可塑性材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接着層が、前記電極集電体の前記端部部分と接触している前記電極バスバーの前記表面上に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記抵抗性ポリマー材料が、接着性ポリマーを含み、前記接着層が、前記接着性ポリマー中に懸濁した導電性材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記金属コーティング炭素繊維が、ニッケルコーティング炭素繊維を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、前記金属コーティング炭素繊維の前記長さと前記直径とのアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記アスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
190℃でASTMD 1238に従って決定される導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、請求項4に記載の方法。
【請求項15】
前記導電性接着剤の前記融点が、60℃~200℃である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記導電性接着剤の前記融点が、70℃~165℃である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
各電極集電体の前記端部部分を曲げることが、各電極集電体の曲がっていない端部部分に接して前記電極バスバーを位置付け、前記電極集電体に向けて前記積層方向に圧力を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
各対向電極集電体の端部部分が、前記対向電極活物質及び前記セパレータ構造を越えて、前記電極集電体の前記端部部分の反対側の前記縦方向に延在し、前記方法が、
各対向電極集電体の前記端部部分を、前記対向電極構造の前記縦方向にほぼ垂直になるように曲げて、前記積層方向又は前記積層方向の反対に延在させることと、
前記積層方向に延在する対向電極バスバーを、前記対向電極バスバーの表面を前記対向電極集電体の前記端部部分と接触させて位置付けることと、
前記対向電極バスバーを前記対向電極集電体の前記端部部分に取り付けることと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記対向電極バスバーを前記対向電極集電体の前記端部部分に取り付けることが、前記対向電極バスバーを前記対向電極集電体の前記端部部分に接着剤で付けることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記対向電極バスバーを前記対向電極集電体の前記端部部分に取り付けることが、前記対向電極バスバーを、溶接又ははんだ付けによって前記対向電極集電体の前記端部部分に取り付けることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記対向電極集電体の前記端部部分と接触している前記対向電極バスバーの前記表面が、前記表面上に配設された抵抗性ポリマー層を有し、前記対向電極バスバーを前記対向電極集電体の前記端部部分に取り付けることが、前記対向電極バスバーに熱及び圧力を加えて、前記抵抗性ポリマー層を介して前記対向電極集電体の前記端部部分を前記バスバーに接着させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、前記電極アセンブリが、単位セルの群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備え、
前記単位セル群の各構成単位が、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備え、前記単位セル群の各構成単位の前記電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、前記単位セル群の各構成単位の前記対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備え、
前記単位セル群の各構成単位について、(a)前記電極構造の前記電極集電体が、前記電極バスバーに電気的に接続されており、(b)前記対向電極構造の前記対向電極集電体が、前記対向電極バスバーに電気的に接続されており、(c)前記電流リミッタ群の構成単位が、(i)前記電極集電体と前記電極バスバーとの間、又は(ii)前記対向電極集電体と前記対向電極バスバーとの間の電気的接続部に位置し、
前記電流リミッタの群の各構成単位が、導電性接着剤を含み、前記導電性接着剤が、摂氏25度(℃)で0.25オーム(Ω)以上の抵抗を有する、電極アセンブリ。
【請求項23】
(a)前記電極構造が、電極構造のグループに分割されており、各グループにおける前記電極構造が、互いに電気的に並列に接続されており、電極構造の各グループが、前記電流リミッタの群の単一の構成単位によって前記電極バスバーに電気的に接続されている、及び
(b)前記対向電極構造が、対向電極構造のグループに分割されており、各グループにおける前記対向電極構造が、互いに電気的に並列に接続されており、対向電極構造の各グループが、前記電流リミッタの群の単一の構成単位によって前記対向電極バスバーに電気的に接続されている、の一方又は両方である、請求項22に記載の電極アセンブリ。
【請求項24】
前記導電性接着剤が、接着性ポリマーを含む、請求項22に記載の電極アセンブリ。
【請求項25】
前記導電性接着剤が、導電性接着剤の単層で構成されており、前記電流リミッタの群の各構成単位が、前記導電性接着剤の単層の異なる部分を含む、請求項24に記載の電極アセンブリ。
【請求項26】
前記導電性接着剤の単層が、前記電極バスバー又は前記対向電極バスバー上に配設されている、請求項25に記載の電極アセンブリ。
【請求項27】
前記電流リミッタの群の各構成単位の前記導電性接着剤が、前記電流リミッタの群の他の各構成単位の前記導電性接着剤から物理的に分離されている、請求項24に記載の電極アセンブリ。
【請求項28】
前記導電性接着剤が、0.01Ω・cm以上の抵抗率を有する、請求項24に記載の電極アセンブリ。
【請求項29】
前記導電性接着剤が、官能化ポリエチレン及び官能化ポリプロピレンのうちの1つを含む、請求項24に記載の電極アセンブリ。
【請求項30】
前記導電性接着剤が、中に懸濁した導電性材料を有する接着性ポリマーを含む、請求項24に記載の電極アセンブリ。
【請求項31】
前記導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、請求項30に記載の電極アセンブリ。
【請求項32】
前記導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、請求項30に記載の電極アセンブリ。
【請求項33】
前記金属コーティング炭素繊維が、ニッケルコーティング炭素繊維を含む、請求項32に記載の電極アセンブリ。
【請求項34】
前記金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、前記金属コーティング炭素繊維の前記長さと前記直径とのアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、請求項32に記載の電極アセンブリ。
【請求項35】
前記アスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、請求項34に記載の電極アセンブリ。
【請求項36】
前記アスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、請求項34に記載の電極アセンブリ。
【請求項37】
190℃でASTMD 1238に従って決定される前記導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、請求項30に記載の電極アセンブリ。
【請求項38】
前記メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、請求項37に記載の電極アセンブリ。
【請求項39】
前記メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、請求項37に記載の電極アセンブリ。
【請求項40】
前記導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、請求項30に記載の電極アセンブリ。
【請求項41】
前記導電性接着剤の前記融点が、60℃~200℃である、請求項40に記載の電極アセンブリ。
【請求項42】
前記導電性接着剤の前記融点が、70℃~165℃である、請求項40に記載の電極アセンブリ。
【請求項43】
摂氏マイナス20度(℃)~80℃の通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、前記電極アセンブリが、単位セルの群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備え、
前記単位セル群の各構成単位が、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備え、前記単位セル群の各構成単位の前記電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、前記単位セル群の各構成単位の前記対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備え、
前記単位セル群の各構成単位について、(a)前記電極構造の前記電極集電体が、前記電極バスバーに電気的に接続されており、(b)前記対向電極構造の前記対向電極集電体が、前記対向電極バスバーに電気的に接続されており、(c)前記電流リミッタ群の少なくとも1つの構成単位が、(i)前記電極集電体と前記電極バスバーとの間、又は(ii)前記対向電極集電体と前記対向電極バスバーとの間に電気的に接続されており、
各単位セルについて、前記電流リミッタ群の前記少なくとも1つの構成単位が、前記電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときに、前記単位セルを通る電流を、前記単位セルの熱暴走を誘発するであろう電流未満である閾値電流I未満に制限するのに十分な抵抗を有する、電極アセンブリ。
【請求項44】
(a)前記電極構造が、電極構造のグループに分割されており、各グループにおける前記電極構造が、互いに電気的に並列に接続されており、電極構造の各グループが、前記電流リミッタの群の単一の構成単位によって前記電極バスバーに電気的に接続されている、及び
(b)前記対向電極構造が、対向電極構造のグループに分割されており、各グループにおける前記対向電極構造が、互いに電気的に並列に接続されており、対向電極構造の各グループが、前記電流リミッタの群の単一の構成単位によって前記対向電極バスバーに電気的に接続されている、の一方又は両方である、請求項43に記載の電極アセンブリ。
【請求項45】
前記閾値電流Iが、8アンペア以上及び12アンペア以下である、請求項43に記載の電極アセンブリ。
【請求項46】
前記電流リミッタの群が、導電性接着剤を含む、請求項43に記載の電極アセンブリ。
【請求項47】
前記導電性接着剤が、導電性接着剤の単層で構成されており、前記電流リミッタの群の各構成単位が、前記導電性接着剤の単層の異なる部分を含む、請求項46に記載の電極アセンブリ。
【請求項48】
前記導電性接着剤の単層が、前記電極バスバー又は前記対向電極バスバー上に配設されている、請求項47に記載の電極アセンブリ。
【請求項49】
前記電流リミッタの群の各構成単位の前記導電性接着剤が、前記電流リミッタの群の他の各構成単位の前記導電性接着剤から物理的に分離されている、請求項46に記載の電極アセンブリ。
【請求項50】
前記導電性接着剤が、官能化ポリエチレン及び官能化ポリプロピレンのうちの1つを含む、請求項46に記載の電極アセンブリ。
【請求項51】
前記導電性接着剤が、中に懸濁した導電性材料を有する接着性ポリマーを含む、請求項46に記載の電極アセンブリ。
【請求項52】
前記導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、請求項51に記載の電極アセンブリ。
【請求項53】
前記導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、請求項51に記載の電極アセンブリ。
【請求項54】
前記金属コーティング炭素繊維が、ニッケルコーティング炭素繊維を含む、請求項53に記載の電極アセンブリ。
【請求項55】
なし。
【請求項56】
前記金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、前記金属コーティング炭素繊維の前記長さと前記直径とのアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、請求項53に記載の電極アセンブリ。
【請求項57】
前記アスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、請求項56に記載の電極アセンブリ。
【請求項58】
前記アスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、請求項56に記載の電極アセンブリ。
【請求項59】
190℃でASTMD 1238に従って決定される前記導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、請求項51に記載の電極アセンブリ。
【請求項60】
前記メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、請求項59に記載の電極アセンブリ。
【請求項61】
前記メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、請求項59に記載の電極アセンブリ。
【請求項62】
前記導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、請求項51に記載の電極アセンブリ。
【請求項63】
前記導電性接着剤の前記融点が、60℃~200℃である、請求項62に記載の電極アセンブリ。
【請求項64】
前記導電性接着剤の前記融点が、70℃~165℃である、請求項62に記載の電極アセンブリ。
【請求項65】
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、前記電極アセンブリが、単位セルの群、電極バスバー、対向電極バスバー、及び電流リミッタの群を備え、
前記単位セル群の各構成単位が、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備え、前記単位セル群の各構成単位の前記電極構造が、容量Cを有し、かつ電極集電体及び電極活物質層を備え、前記単位セル群の各構成単位の前記対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備え、
前記単位セル群の各構成単位について、(a)前記電極構造の前記電極集電体が、前記電極バスバーに電気的に接続されており、(b)前記対向電極構造の前記対向電極集電体が、前記対向電極バスバーに電気的に接続されており、(c)前記電流リミッタ群の構成単位が、(i)前記電極集電体と前記電極バスバーとの間、又は(ii)前記対向電極集電体と前記対向電極バスバーとの間に電気的に接続されており、
前記単位セル群の各構成単位が、前記電極集電体と前記対向電極集電体との間に最高の充電電圧VTOCを有し、かつ前記電極集電体と前記対向電極集電体との間に非零周波数で決定される単位セル抵抗Rblを有し、
前記電流リミッタ群の各構成単位が、前記単位セル群の1つの構成単位の前記電極と前記対向電極との間に電気的短絡がある前記電極アセンブリの放電中に、前記電極バスバー又は前記対向電極バスバーから前記単位セル群の構成単位に伝導され得る電流の量を、以下の式に従って決定される値Iに制限する抵抗Rcldを有し、
【数1】
式中、Rは、乾式強制内部短絡(FISC)試験を使用して決定される単位セル群の構成単位のハード短絡抵抗であり、Rは、前記非零周波数で決定される前記電極バスバーと前記対向電極バスバーとの合成抵抗であり、Rcldは、以下となるような非零値を有し、
*Rcld<0.5ボルト
式中、Iは、1Cレートの電流である、電極アセンブリ。
【請求項66】
Iが、I未満であり、Iが、前記単位セル群の前記構成単位の熱暴走を誘発するであろう前記単位セル群の構成単位を通る電流であり、反復的な湿式FISC試験によって決定される、請求項65に記載の電極アセンブリ。
【請求項67】
(a)前記電極構造が、電極構造のグループに分割されており、各グループにおける前記電極構造が、互いに電気的に並列に接続されており、電極構造の各グループが、前記電流リミッタの群の単一の構成単位によって前記電極バスバーに電気的に接続されている、及び
(b)前記対向電極構造が、対向電極構造のグループに分割されており、各グループにおける前記対向電極構造が、互いに電気的に並列に接続されており、対向電極構造の各グループが、前記電流リミッタの群の単一の構成単位によって前記対向電極バスバーに電気的に接続されている、の一方又は両方である、請求項65に記載の電極アセンブリ。
【請求項68】
Iが、8アンペア以上かつ12アンペア以下であり、VTOCが、4.35ボルトである、請求項65に記載の電極アセンブリ。
【請求項69】
cldが、
*Rcld<0.02ボルト
となるような非零値を有する、請求項65に記載の電極アセンブリ。
【請求項70】
前記電流リミッタの群が、導電性接着剤を含む、請求項65に記載の電極アセンブリ。
【請求項71】
前記導電性接着剤が、導電性接着剤の単層で構成されており、前記電流リミッタの群の各構成単位が、前記導電性接着剤の単層の異なる部分を含む、請求項70に記載の電極アセンブリ。
【請求項72】
前記導電性接着剤の単層が、前記電極バスバー又は前記対向電極バスバー上に配設されている、請求項71に記載の電極アセンブリ。
【請求項73】
前記導電性接着剤が、中に懸濁した導電性材料を有する接着性ポリマーを含む、請求項70に記載の電極アセンブリ。
【請求項74】
前記導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、請求項73に記載の電極アセンブリ。
【請求項75】
前記導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、請求項73に記載の電極アセンブリ。
【請求項76】
前記金属コーティング炭素繊維が、ニッケルコーティング炭素繊維を含む、請求項75に記載の電極アセンブリ。
【請求項77】
前記金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、前記金属コーティング炭素繊維の前記長さと前記直径とのアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、請求項75に記載の電極アセンブリ。
【請求項78】
前記アスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、請求項77に記載の電極アセンブリ。
【請求項79】
前記アスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、請求項77に記載の電極アセンブリ。
【請求項80】
190℃でASTMD 1238に従って決定される前記導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、請求項73に記載の電極アセンブリ。
【請求項81】
前記メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、請求項80に記載の電極アセンブリ。
【請求項82】
前記メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、請求項80に記載の電極アセンブリ。
【請求項83】
前記導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、請求項73に記載の電極アセンブリ。
【請求項84】
前記導電性接着剤の前記融点が、60℃~200℃である、請求項83に記載の電極アセンブリ。
【請求項85】
前記導電性接着剤の前記融点が、70℃~165℃である、請求項83に記載の電極アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月31日に出願された米国仮特許出願第63/168,430号、及び2021年6月30日に出願された米国仮特許出願第63/202,922号に対する優先権を主張するものであり、それらの全開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の分野は、概して、電池技術などのエネルギー貯蔵技術に関する。より具体的には、本開示の分野は、そのような電極アセンブリを有する電流リミッタ及び二次電池を含む電極アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
リチウム系二次電池などの二次電池は、その相対的に高いエネルギー密度、電力、及び貯蔵寿命の故に、望ましいエネルギー源となっている。リチウム二次電池の例としては、リチウムイオン電池及びリチウムポリマー電池などの非水性電池が挙げられる。
【0004】
電池、燃料セル、及び電気化学コンデンサなどの既知のエネルギー貯蔵デバイスは、典型的には、平面又はらせん状に巻かれた(すなわち、ゼリーロール)積層構造などの二次元積層構造を有し、各積層の表面積は、その幾何学的フットプリントにほぼ等しい(多孔率及び表面粗さを無視する)。
【0005】
図1は、全体が10で示される、知られている層状タイプの二次電池の断面図を例示している。電池10は、正極20と接触している正極集電体15を含む。負極25は、セパレータ30によって正極20から分離されている。負極25は、負極集電体35と接触している。図1に示されるように、電池10は、積層に形成されている。積層を、負極集電体35の上方で別のセパレータ層(図示せず)で覆い、次いで、ロールし、缶(図示せず)内に配置して、電池10を組み立てることがある。充電プロセス中、キャリアイオン(典型的には、リチウム)は、正極20を離れ、セパレータ30を通って負極25内に移動する。使用されるアノード材料に応じて、キャリアイオンは、負極材料と(例えば、合金を形成することなく、負極材料のマトリックスに位置する)インターカレーションするか、又は合金を形成するかのいずれかである。放電プロセス中、キャリアイオンは、負極25を離れ、セパレータ30を逆に通って移動し、正極20内に戻る。
【0006】
三次元二次電池は、層状二次電池と比較して、増加した容量及び長寿命を提供し得る。三次元電池アーキテクチャ(例えば、互いに噛み合わされた電極アレイ)は、二次元アーキテクチャ(例えば、平坦な薄層及びらせん状の薄層)と比較して、より高い電極表面積、より高いエネルギー及び電力密度、改善された電池容量、及び改善された活物質利用率を提供するために、文献で提案されている。例えば、Long et al., “Three-dimensional battery architectures,” Chemical Reviews, 2004, 104, 4463-4492は、提案された三次元電池アーキテクチャにおける最先端の技術を例示するのに役立ち得、したがって、本明細書に非必須の主題として参照により組み込まれる。
【0007】
二次電池を含むエネルギー貯蔵デバイスは、事故、乱用、極端な条件への曝露などを通じて、望ましくない又は制御されていない様態でエネルギーを放出する可能性がある。二次電池に安全機能を組み込むことで、このリスクを軽減し、乱用耐性を改善することができる。
【0008】
現在のリチウム系電池の安全性は、様々なメカニズムによって損なわれる可能性があり、その多くは、温度上昇現象を通じて関連している。過充電での、及び高動作温度での電解質分解に起因して、過度の熱及び熱暴走が発生し得る。LiCoO2などの高電圧カソード材料の場合、酸素発生に起因する熱暴走も発生する可能性がある。いくつかの場合、機械的乱用がまた、活物質同士を短絡させ、それによって、熱暴走をもたらし得る。このことは、電池の過充電、電気的短絡、又は機械的乱用に関連する短絡に起因して生じ得る。電解質又はカソードの分解に関連する化学反応中の熱の急速な放出は、従来の二次元電池での熱暴走のリスクを増加させ得る。
【0009】
正の温度係数(PTC)を有する抵抗を有するポリマー又はセラミック材料などの自己停止デバイスが、従来の二次元電池の安全性を高めるために使用されている。そのような材料は、リセッタブルヒューズ又は自己制御サーモスタットと称されることがある。電池を通る過電流の流れを遮断する開回路を機械的に作成するために溶融する非リセッタブルヒューズ又は犠牲ヒューズを含む他のシステムが提案されている。例えば、P. G. Balakrishnan, R. Ramesh, and T. Prem Kumar, “Safety mechanisms in lithium-ion batteries,” Journal of Power Sources, 2006, 155, 401-414の参照は、従来のリチウムイオン電池における安全機構の最新技術を例示するのに役立ち得、したがって、非必須の主題として参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
少なくともいくつかの知られているリチウム系二次電池では、リセッタブルヒューズ又は非リセッタブルヒューズは、過電流の流れとヒューズのトリップとの間に測定可能な遅延を有する。この遅延は、ヒューズが通常、過電流が電池を通って流れるときに生成される熱によって作動するために、発生する。それゆえ、非リセッタブルヒューズの場合、ヒューズが経験する温度がヒューズを溶断するのに必要とされる温度に達するまで、又はPTC材料を使用するリセッタブルヒューズの場合、抵抗を、電池を通って流れる電流を制限するのに十分に増加させるまで、過電流は、しばらく電池を通って流れる。いくつかの状況では、過電流の開始とヒューズのトリップとの間の遅延は、熱暴走を防止するためのヒューズの障害をもたらし得る。
【0011】
更に、非リセッタブルヒューズは、ヒューズがトリップするときに電池の少なくとも一部分を恒久的に切断する。結果として、ヒューズが熱暴走及び壊滅的な障害を防止したとしても、電池は、完全に動作不能になるか、又は限られた容量でしか動作しない。
【0012】
それゆえ、知られている技術の問題に対処するために、電池の温度とは独立に、電池を通って流れ得る電流を制限するための電流リミッタを含む三次元電池を製造することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0013】
一実施形態では、電極アセンブリを組み立てる方法は、積層方向に互いの上に単位セルの群を積層することを含む。単位セル群の各構成単位は、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を含み、電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備え、電極構造及び対向電極構造が、積層方向に垂直な縦方向に延在し、電極集電体の端部部分が、縦方向に電極活物質及びセパレータ構造を越えて延在する。この方法は、各電極集電体の端部部分を、電極構造の縦方向に直交する方向に曲げて、積層方向に、又は積層方向の反対に延在させることを含む。電極バスバーを、電極バスバーの表面を電極集電体の端部部分に隣接させ、積層方向に延在させて位置付ける。電極バスバーに熱及び圧力を加えて、抵抗性ポリマー材料を含む接着層を介して、電極集電体の端部部分をバスバーに接着させる。
【0014】
別の実施形態では、充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリは、単位セルの群、電極バスバー、対向電極バスバー、及び電流リミッタの群を含む。単位セル群の各構成単位は、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備え、単位セル群の各構成単位の電極構造が、容量Cを有し、かつ電極集電体及び電極活物質層を備え、単位セル群の各構成単位の対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備える。単位セル群の各構成単位について、(a)電極構造の電極集電体が、電極バスバーに電気的に接続されており、(b)対向電極構造の対向電極集電体が、対向電極バスバーに電気的に接続されており、(c)電流リミッタ群の構成単位が、(i)電極集電体と電極バスバーとの間、又は(ii)対向電極集電体と対向電極バスバーとの間に電気的に接続されている。単位セル群の各構成単位は、電極集電体と対向電極集電体との間に最高の充電電圧VTOCを有し、かつ電極集電体と対向電極集電体との間に非零周波数で決定される単位セル抵抗Rblを有する。電流リミッタ群の各構成単位は、単位セル群の1つの構成単位の電極と対向電極との間に電気的短絡がある電極アセンブリの放電中に、電極バスバー又は対向電極バスバーから単位セル群の構成単位に伝導され得る電流の量を、以下の式に従って決定される値Iに制限する抵抗Rcldを有する:
【数1】
【0015】
は、乾式強制内部短絡(FISC)試験を使用して決定される単位セル群の構成単位のハード短絡抵抗であり、Rは、非零周波数で決定される電極バスバーと対向電極バスバーとの合成抵抗であり、Rcldは、以下となるような非零値を有し、
*Rcld<0.5ボルト
式中、Iは、1Cレートの電流である。
【0016】
別の実施形態では、充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリは、単位セルの群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを含む。単位セル群の各構成単位は、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備え、単位セル群の各構成単位の電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、単位セル群の各構成単位の対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備える。単位セル群の各構成単位について、(a)電極構造の電極集電体が、電極バスバーに電気的に接続されており、(b)対向電極構造の対向電極集電体が、対向電極バスバーに電気的に接続されており、(c)電流リミッタ群の構成単位が、(i)電極集電体と電極バスバーとの間、又は(ii)対向電極集電体と対向電極バスバーとの間の電気的接続部に位置する。電流リミッタの群の各構成単位は、導電性接着剤を含み、導電性接着剤が、摂氏25度(℃)で0.25オーム(Ω)以上の抵抗を有する。
【0017】
別の実施形態では、摂氏マイナス20度(℃)~80℃の通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、単位セルの群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備える。単位セル群の各構成単位は、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備え、単位セル群の各構成単位の電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、単位セル群の各構成単位の対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備える。単位セル群の各構成単位について、(a)電極構造の電極集電体が、電極バスバーに電気的に接続されており、(b)対向電極構造の対向電極集電体が、対向電極バスバーに電気的に接続されており、(c)電流リミッタ群の少なくとも1つの構成単位が、(i)電極集電体と電極バスバーとの間、又は(ii)対向電極集電体と対向電極バスバーとの間に電気的に接続されている。各単位セルについて、電流リミッタ群の少なくとも1つの構成単位が、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときに、単位セルを通る電流を、単位セルの熱暴走を誘発するであろう電流未満である閾値電流I未満に制限するのに十分な抵抗を有する。
【0018】
上記に言及した態様に関連して注目される特徴の様々な精緻化が存在する。更なる特徴がまた、上記に言及した態様に組み込まれてもよい。これらの精緻化及び追加の特徴は、個々に存在してもよいし、任意の組み合わせで存在してもよい。例えば、例示される実施形態のいずれかに関連して以下で論じられる様々な特徴が、単独で、又は任意の組み合わせで、上述の態様のいずれかに組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】既存の層状電池の断面である。
図2】二次電池における充電状態と放電状態との間でサイクリングするための例示的な電極アセンブリの簡略図である。
図3A図2の電極アセンブリの対向電極集電体の端部の簡略図である。
図3B】対向電極バスバーに接続された、図3Aにおける対向電極集電体の端部の図である。
図4A図2の電極アセンブリの電極構造の対の上面図であり、それらの集電体は、電流リミッタを介してバスバーに取り付けられている。
図4B図4Aの電極構造のうちの1つの側面図であり、その集電体は、電流リミッタを介してバスバーに取り付けられている。
図5】二次電池における充電状態と放電状態との間でサイクリングするための例示的な電極アセンブリの簡略図である。
図6】二次電池における充電状態と放電状態との間でサイクリングするためのまた別の例示的な電極アセンブリの簡略図である。
図7】二次電池における充電状態と放電状態との間でサイクリングするための更に別の例示的な電極アセンブリの簡略図である。
図8A】電極アセンブリで使用するためのアノード電極構造の簡略化された等角図である。
図8B】電極アセンブリで使用するためのカソード電極構造の簡略化された等角図である。
図9】二次電池の製造の一環で作成された例示的な積層セルの等角図である。
図10図9に示される積層セルの上面図の一部分である。
図11A】梱包ステーションに位置付けられた、図9に示される積層セルの等角図である。
図11B】上に電池パッケージが配置された、図11Aに示される積層セルの等角図である。
図12】強制内部短絡試験で試験されている電極アセンブリの単位セルの簡略図である。
図13】二次電池における充電状態と放電状態との間でサイクリングするための別の例示的な電極アセンブリの一部分の簡略図である。
図14】電流リミッタを介してバスバーに取り付けられた電極構造の集電体と、バスバーに付けられた界面層とを含む側面図電極構造である。
図15】電流リミッタを介してバスバーに取り付けられた電極構造の集電体と、電極集電体に付けられた界面層とを含む側面図電極構造である。
図16】電流リミッタを介してバスバーに取り付けられた電極構造の集電体と、電流電極集電体に付けられた界面層と、バスバーに付けられた界面層とを含む側面図電極構造である。
図17】集電体中のスロットを使用せずに対向電極バスバーに接続された対向電極集電体の側面図である。
図18】電極構造の集電体が、集電体中のスロットを使用せずに単層として形成された電流リミッタを介してバスバーに取り付けられた電極構造のうちの1つの側面図である。
図19】電極構造の集電体が、集電体中のスロットを使用せずに単層として形成された個別の電流リミッタを介してバスバーに取り付けられた電極構造のうちの1つの側面図である。
【0020】
対応する参照符号は、図面全体を通して対応する部分を示す。
【0021】
定義
本明細書で使用される「a(1つの)」、「an(1つの)」、及び「the(その)」(すなわち、単数形)は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示物を指す。例えば、一事例では、「電極」への言及は、単一の電極及び複数の同様の電極の両方を含む。
【0022】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」は、記載される値のプラス又はマイナス10%、5%、又は1%を指す。例えば、一事例では、約250μmであれば、225μm~275μmを含む。更なる例として、一事例では、約1,000μmであれば、900μm~1,100μmを含む。別途示されない限り、本明細書及び請求項で使用される量(例えば、測定値など)などを表す全ての数は、全ての事例において「約」という用語によって修飾されているものと理解されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、以下の明細書及び添付の請求項に記載される数値パラメータは、近似値である。各数値パラメータは、少なくとも、報告された有意な桁の数に照らして、及び通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0023】
二次電池の文脈で本明細書で使用される「アノード」は、二次電池の負極を指す。
【0024】
本明細書で使用される「アノード物質」又は「アノード活性」は、二次電池の負極として使用するのに適した材料を意味する。
【0025】
二次電池の文脈で本明細書で使用される「カソード」は、二次電池の正極を指す。
【0026】
本明細書で使用される「カソード物質」又は「カソード活性」は、二次電池の正極として使用するのに適した材料を意味する。
【0027】
「変換化学活物質」又は「変換化学物質」は、二次電池の充放電サイクル中に化学反応を受ける物質を指す。
【0028】
本明細書で使用される「対向電極」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、電極の反対側の二次電池の負極又は正極(アノード又はカソード)を指す場合がある。
【0029】
本明細書で使用される「対向電極集電体」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、電極の反対側の二次電池の負極又は正極(アノード又はカソード)の集電体を指す場合がある。
【0030】
充電状態と放電状態との間の二次電池のサイクリングの文脈で本明細書で使用される「サイクル」は、充電状態又は放電状態のいずれかである第1の状態から、第1の状態の反対である第2の状態(すなわち、第1の状態が放電であった場合は充電状態、又は第1の状態が充電であった場合は放電状態)に電池を移行させるために、電池を充電及び/又は放電し、次いで、電池を第1の状態に戻してサイクルを完了することを指す。例えば、充電状態と放電状態との間の二次電池の単一のサイクルは、充電サイクルでのように、電池を放電状態から充電状態に充電し、次いで、放電状態に戻るように放電して、サイクルを完了することを含むことができる。単一のサイクルはまた、放電サイクルでのように、電池を充電状態から放電状態に放電し、次いで、充電状態に戻るように充電して、サイクルを完了することを含むことができる。
【0031】
本明細書で使用される「電気化学的活物質」は、アノード活物質又はカソード活物質を意味する。
【0032】
本明細書で使用される「電極」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、二次電池の負極又は正極(アノード又はカソード)を指す場合がある。
【0033】
本明細書で使用される「電極集電体」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、二次電池の負極又は正極(アノード又はカソード)の集電体を指す場合がある。
【0034】
本明細書で使用される「電極物質」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、アノード物質又はカソード物質を指す場合がある。
【0035】
本明細書で使用される「電極構造」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、電池での使用に適したアノード構造(例えば、負極構造)又はカソード構造(例えば、正極構造)を指す場合がある。
【0036】
本明細書で使用される場合、「縦方向軸」、「横方向軸」、及び「垂直軸」は、相互に垂直な軸を指す(すなわち、各々は、互いに直交する)。例えば、本明細書で使用される「縦方向軸」、「横方向軸」、及び「垂直軸」は、三次元態様又は配向を画定するために使用されるデカルト座標系に類似している。このように、本明細書で開示される主題の要素の説明は、要素の三次元配向を説明するために使用される特定の軸に限定されない。代替的に述べると、軸は、開示の主題の三次元態様を参照するときに交換可能であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示の実施形態は、三次元二次電池などの電池と、電池を通って流れ得る電流を制限して、それによって、熱増加を制限し、熱暴走を防止するのに役立ち、電池の安全性を改善するための電流リミッタを含むような電池のための電極アセンブリに関する。
【0038】
図2は、電池の充電状態と放電状態との間でサイクリングするための例示的な電極アセンブリ200の簡略図である。電極アセンブリ200は、電極構造202の群、対向電極構造204の群、セパレータ構造205の群、電流リミッタ206の群、電極バスバー208、及び対向電極バスバー210を含む。例示的な実施形態は、三次元二次電池での使用に好適な電極アセンブリであり、電極構造202及び対向電極構造204は各々、主にアセンブリの幅W及び高さHに沿って延在し、長さ(又は縦)方向Lに沿って互いに分離されている。他の実施形態では、電極アセンブリ200は、層状二次電池での使用のためのものであり得る。
【0039】
隣接する電極構造202と対向電極構造204との間に電圧差Vが存在し、その隣接する対は、単位セルとみなされ得る。各単位セルは、電極構造202及び対向電極構造204の構造及び構成によって決定される容量Cを有する。例示的な実施形態では、各単位セルは、約4.35ボルトの電圧差を生成する。他の実施形態では、各単位セルは、約0.5ボルト、約1.0ボルト、約1.5ボルト、約2.0ボルト、約2.5ボルト、約3.0ボルト、約3.5ボルト、約4.0ボルト、4.5ボルト、約5.0ボルト、4~5ボルト、又は任意の他の好適な電圧、の電圧差を有する。充電と放電との間のサイクリング中、電圧は、例えば、約2.5ボルト~約4.35ボルトに変動し得る。例示的な実施形態では、単位セルの容量Cは、約25mAhである。他の実施形態では、単位セルの容量Cは、約50mAh、50mAh未満、又は任意の他の好適な容量である。いくつかの実施形態では、単位セルの容量Cは、最大約500mAhであり得る。
【0040】
例示的な実施形態では、電極構造202及び対向電極構造204は、概して矩形であり、互いに噛み合わされた構造に配置されている。すなわち、電極構造202及び対向電極構造204は、反対側の電極バスバー208及び対向電極バスバー210から延在し、長さ方向Lに沿って交互する。他の実施形態では、電極構造202及び対向電極構造204の他の形状及び配置が使用される。例えば、電極アセンブリ200(及び電極アセンブリ200が含まれる電池)は、米国特許第9,166,230号に記載又は示される形状及び/又は配置のいずれかを有し得、この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0041】
電極構造202の群の各構成単位は、電極活物質212及び電極集電体214を含む。電極構造202は、電流リミッタ206を介して電極バスバー208に電気的に並列に接続されている。電極構造202は、アノードのもの又はカソードのものであり得るが、例示的な実施形態では、群中の電極構造202の全てが、同じタイプ(アノードのもの又はカソードのもの)である。いくつかの他の実施形態では、電極構造202は、アノード構造及びカソード構造を含み得る。対向電極構造204の群の各構成単位は、対向電極活物質216及び対向電極集電体218を含む。対向電極構造204は、対向電極バスバー210に電気的に並列に接続されている。対向電極構造204は、例示的な実施形態では、全て同じタイプ(アノードのもの又はカソードのもの)であり、電極構造204とは反対のタイプである。いくつかの他の実施形態では、対向電極構造202は、アノード構造及びカソード構造を含み得る。2つの電極構造202及び2つの対向電極構造204のみが図2に示されているが、電極アセンブリ200は、任意の数の電極構造202及び対向電極構造204を有してもよい。電極構造202及び対向電極構造204の群は、一般に、同じ数の構成単位を含むが、いくつかの実施形態では、異なる数の電極構造202及び対向電極構造204を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態は、同じ電極構造202又は対向電極構造で開始及び終了し、1つ以上の電極構造202又は対向電極構造をもたらし得る。いくつかの実施形態では、電極構造202及び対向電極構造204の群は、各々少なくとも20個の構成単位を含む。いくつかの実施形態は、各々約10個の構成単位、各々10~25個の構成単位、各々25~250個の構成単位、各々25~150個の構成単位、各々50~150個の構成単位、又は各々最大500個の構成単位を有する電極構造202及び対向電極構造204の群を含む。いくつかの実施形態では、電極構造202又は対向電極構造204は、放電されるときに活物質を含まず、対向電極構造204又は電極構造202のうちの他方のみが、放電されるときに活物質を含む。
【0042】
カソードタイプの電極構造202又は対向電極構造204は、カソード集電体である集電体214又は218を含む。カソード集電体は、アルミニウム、ニッケル、コバルト、チタン、及びタングステン、又はそれらの合金、又はカソード集電体層としての使用に好適な任意の他の材料を含み得る。一般に、カソード集電体は、少なくとも約10シーメンス/cmの電気伝導率を有する。例えば、そのような一実施形態では、カソード集電体は、少なくとも約10シーメンス/cmの伝導率を有する。更なる例として、そのような一実施形態では、カソード集電体は、少なくとも約10シーメンス/cmの伝導率を有する。アノードタイプの電極構造202又は対向電極構造204は、アノード集電体である集電体214又は218を含む。アノード集電体は、銅、炭素、ニッケル、ステンレス鋼、コバルト、チタン、及びタングステン、並びにそれらの合金などの導電性材料、又はアノード集電体層として好適な任意の他の材料を含み得る。
【0043】
カソードタイプの電極構造202又は対向電極構造204は、カソード活物質である活物質212又は216を含む。カソード活物質は、インターカレーション型化学活物質、変換化学活物質、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0044】
本開示で有用な例示的な変換化学材料としては、S(又はリチウム化状態のLiS)、LiF、Fe、Cu、Ni、FeF、FeO3.2d、FeF、CoF、CoF、CuF、及びNiFなど(式中、0≦d≦0.5)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0045】
例示的なカソード活物質はまた、広範なインターカレーション型カソード活物質のうちのいずれかを含む。例えば、リチウムイオン電池の場合、カソード活物質は、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、遷移金属窒化物、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属硫化物から選択されるカソード活物質を含み得、リチウム遷移金属窒化物が選択的に使用され得る。これらの遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、及び遷移金属窒化物の遷移金属元素は、dシェル又はfシェルを有する金属元素を含むことができる。そのような金属元素の具体的例は、Sc、Y、ランタノイド、アクチノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pb、Pt、Cu、Ag、及びAuである。追加のカソード活物質としては、LiCoO、LiNi0.5Mn1.5、Li(NiCoAl)O、LiFePO、LiMnO、V、モリブデン酸硫化物、リン酸塩、ケイ酸塩、バナジウム酸塩、硫黄、硫黄化合物、酸素(空気)、Li(NiMnCo)O、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
一般に、カソード活物質は、電極構造202又は対向電極構造204のいずれがカソードタイプ構造であっても、少なくとも約20umの厚さを有する。例えば、一実施形態では、カソード活物質層は、少なくとも約40umの厚さを有する。更なる例として、そのような一実施形態では、カソード活物質は、少なくとも約60umの厚さを有する。更なる例として、そのような一実施形態では、カソード活物質は、少なくとも約100umの厚さを有する。しかしながら、典型的には、カソード活物質は、約90um未満、又は更には約70um未満の厚さを有する。
【0047】
アノードタイプの電極構造202又は対向電極構造204は、アノード活物質である活物質212又は216を含む。一般に、アノード活物質は、以下からなる群から選択され得る:(a)ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及びカドミウム(Cd)と、(b)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Ni、Co、又はCdと他の元素との合金又は金属間化合物と、(c)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Fe、Ni、Co、V、又はCdの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、及びテルル化物、並びにそれらの混合物、複合物、又はリチウム含有複合物と、(d)Snの塩及び水酸化物と、(e)チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム、アルミニウム酸リチウム、リチウム含有酸化チタン、リチウム遷移金属酸化物、ZnCo2O4と、(f)グラファイト及びカーボンの粒子と、(g)リチウム金属と、(h)それらの組み合わせ。
【0048】
例示的なアノード活物質としては、グラファイト及び軟質若しくは硬質カーボン、又はグラフェン(例えば、単層若しくは多層カーボンナノチューブ)などのカーボン材料、又は金属、半金属、合金、酸化物、窒化物、及びリチウムをインターカレートさせることができるか又はリチウムと合金を形成することができる化合物の範囲のいずれかが挙げられる。アノード材料を構成することができる金属又は半金属の具体例としては、グラファイト、スズ、鉛、マグネシウム、アルミニウム、ボロン、ガリウム、ケイ素、Si/C複合材料、Si/グラファイトブレンド、酸化ケイ素(SiOx)、多孔質Si、金属間Si合金、インジウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、ビスマス、カドミウム、アンチモン、銀、亜鉛、ヒ素、ハフニウム、イットリウム、リチウム、ナトリウム、グラファイト、カーボン、チタン酸リチウム、パラジウム、及びそれらの混合物が挙げられる。1つの例示的な実施形態では、アノード活物質は、アルミニウム、スズ、若しくはケイ素、又はそれらの酸化物、それらの窒化物、それらのフッ化物、又はそれらの他の合金を含む。別の例示的な実施形態では、アノード活物質は、ケイ素、又はその合金若しくは酸化物を含む。
【0049】
一実施形態では、アノード活物質は、リチウムイオン(又は他のキャリアイオン)が充放電プロセス中に負極活物質に取り込まれるか、又は負極活物質から離れるときに、体積の膨張及び収縮に対応するための有意な空隙体積分率を提供するように微細構造化される。一般に、アノード活物質層(の各々)の空間体積率は、少なくとも0.1である。しかしながら、典型的には、アノード活物質層(の各々)の空間体積率は、0.8以下である。例えば、一実施形態では、アノード活物質層(の各々)の空間体積率は、約0.15~約0.75である。更なる例として、一実施形態では、アノード活物質層(の各々)の空間体積率は、約0.2~約0.7である。更なる例として、一実施形態では、アノード活物質層(の各々)の空間体積率は、約0.25~約0.6である。
【0050】
微細構造化アノード活物質の組成及びその形成方法に応じて、微細構造化アノード活物質は、マクロ多孔質、マイクロ多孔質、若しくはメソ多孔質材料層、又はそれらの組み合わせ、例えば、マイクロ多孔質及びメソ多孔質との組み合わせ、又はメソ多孔質とマクロ多孔質との組み合わせを含み得る。マイクロ多孔質材料は、典型的には、10nm未満の細孔寸法、10nm未満の壁寸法、1~50マイクロメートルの細孔深さ、及び「スポンジ状」で不規則な外観、滑らかでない壁、及び分岐した細孔によって一般的に特徴付けられる細孔形態を特徴とする。メソ多孔質材料は、典型的には、10~50nmの細孔寸法、10~50nmの壁寸法、1~100マイクロメートルの細孔深度、及び幾分よく画定された分岐細孔又は樹状細孔によって一般的に特徴付けられる細孔形態を特徴とする。マクロ多孔質材料は、典型的には、50nmを超える細孔寸法、50nmを超える壁寸法、1~500マイクロメートルの細孔深さ、及び様々な、直線状、分岐状、又は樹枝状、及び滑らか若しくは粗い壁であり得る細孔形態を特徴とする。更に、空隙体積は、開放若しくは閉鎖空隙、又はそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、空隙体積は、開放空隙を含み、すなわち、アノード活物質は、リチウムイオン(又は他のキャリアイオン)がアノード活物質に入る、又はアノード活物質から離れることができる負極活物質のラテラル面に開口部を有する空隙を含み、例えば、リチウムイオンは、カソード活物質を離れた後、空隙開口部を通ってアノード活物質に入り得る。別の実施形態では、空隙体積は、閉鎖空隙を含み、すなわち、アノード活物質は、アノード活物質によって封入される空隙を含む。一般に、開放空隙は、キャリアイオンにより大きな界面表面積を提供することができるが、閉鎖空隙は、固体電解質界面の影響を受けにくくなる傾向があり、一方、各々がキャリアイオンの進入時にアノード活物質の膨張のための余地を提供する。したがって、ある特定の実施形態では、アノード活物質は、開放空隙及び閉鎖空隙の組み合わせを含むことが好ましい。
【0051】
一実施形態では、アノード活物質は、多孔質アルミニウム、スズ若しくはケイ素、又はその合金、酸化物、若しくは窒化物を含む。多孔質ケイ素層は、例えば、アノード酸化によって、エッチングによって(例えば、金、白金、銀、若しくは金/パラジウムなどの貴金属を単結晶ケイ素の表面に蒸着させ、表面をフッ化水素酸及び過酸化水素の混合物でエッチングすることによって)、又はパターン化された化学エッチングなどの当該技術分野で既知の他の方法によって形成され得る。更に、多孔質アノード活物質は、概して少なくとも約0.1、しかし0.8未満の多孔率を有し、約1~約100マイクロメートルの厚さを有する。例えば、一実施形態では、アノード活物質は、多孔質ケイ素を含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の多孔率を有する。更なる例として、一実施形態では、アノード活物質は、多孔質ケイ素を含み、約10~約80マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.7の多孔率を有する。更なる例として、そのような一実施形態では、アノード活物質は、多孔質ケイ素を含み、約20~約50マイクロメートルの厚さを有し、約0.25~約0.6の多孔率を有する。更なる例として、一実施形態では、アノード活物質は、多孔質ケイ素合金(例えば、ケイ化ニッケル)を含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の多孔率を有する。
【0052】
別の実施形態では、アノード活物質は、アルミニウム、スズ若しくはケイ素の繊維、又はスズ若しくはケイ素の合金を含む。個々の繊維は、約5nm~約10,000nmの直径(厚さ寸法)、及び概してアノード活物質の厚さに対応する長さを有し得る。ケイ素の繊維(ナノワイヤ)は、例えば、化学蒸着又は蒸気液体固体(VLS)成長及び固体液体固体(SLS)成長などの当技術分野で知られている他の技法によって形成され得る。更に、アノード活物質は、概して少なくとも約0.1、しかし0.8未満の多孔率を有し、約1~約200マイクロメートルの厚さを有する。例えば、一実施形態では、アノード活物質は、ケイ素ナノワイヤを含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の多孔率を有する。更なる例として、一実施形態では、アノード活物質は、ケイ素ナノワイヤを含み、約10~約80マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.7の多孔率を有する。更なる例として、そのような一実施形態では、アノード活物質は、ケイ素ナノワイヤを含み、約20~約50マイクロメートルの厚さを有し、約0.25~約0.6の多孔率を有する。更なる例として、一実施形態では、アノード活物質は、ケイ素合金(ケイ化ニッケルなど)のナノワイヤを含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の多孔率を有する。
【0053】
また他の実施形態では、アノード負極(すなわち、電極又は対向電極)は、安定化リチウム金属粒子、例えば、炭酸リチウム安定化リチウム金属粉末、ケイ酸リチウム安定化リチウム金属粉末、又は安定化リチウム金属粉末若しくはインクの他の供給源からなる群から選択される粒子状リチウム材料でコーティングされている。粒子状リチウム材料は、約0.05~5mg/cm、例えば、約0.1~4mg/cm、又は更には約0.5~3mg/cmの装填量で、リチウム粒子状材料を負極活物質層上に噴霧、装填、又は別様に配設することによって、負極活物質層上に付けられ得る。リチウム粒子状材料の平均粒径(D50)は、5~200μm、例えば、約10~100μm、20~80μm、又は更には約30~50μmであり得る。平均粒径(D50)は、累積体積ベースの粒径分布曲線における50%に対応する粒径として画定され得る。平均粒径(D50)は、例えば、レーザ回折法を使用して測定され得る。
【0054】
アノードタイプの電極構造202又は対向電極構造204は、アノード集電体である集電体214又は218を含む。一般に、アノード集電体は、少なくとも約10シーメンス/cmの電気伝導率を有する。例えば、そのような一実施形態では、アノード集電体は、少なくとも約10シーメンス/cmの伝導率を有する。更なる例として、そのような一実施形態では、アノード集電体は、少なくとも約10シーメンス/cmの伝導率を有する。アノード集電体として使用するのに好適な例示的な電気伝導性材料としては、銅、ニッケル、コバルト、チタン、及びタングステンなどの金属、並びにそれらの合金が挙げられる。
【0055】
一実施形態では、アノード集電体、すなわち、いずれがアノードタイプであるにせよ、電極集電体214又は対向電極集電体218は、その関連付けられた電極活物質212又は対向電極活物質216の電気伝導率よりも実質的に大きい電気伝導率を有する。例えば、一実施形態では、アノード集電体の電気伝導率とアノード活物質層の電気伝導率との比は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷がある場合、少なくとも100:1である。更なる例として、いくつかの実施形態では、アノード集電体の電気伝導率とアノード活物質層の電気伝導率との比は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷がある場合、少なくとも500:1である。更なる例として、いくつかの実施形態では、アノード集電体の電気伝導率とアノード活物質層の電気伝導率との比は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷がある場合、少なくとも1000:1である。更なる例として、いくつかの実施形態では、アノード集電体の電気伝導率とアノード活物質層の電気伝導率との比は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷がある場合、少なくとも5000:1である。更なる例として、いくつかの実施形態では、アノード集電体の電気伝導率とアノード活物質層の電気伝導率との比は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷がある場合、少なくとも10000:1である。
【0056】
一般に、カソードタイプの集電体、すなわち、いずれがカソードタイプであるにせよ、電極集電体214又は対向電極集電体218は、アルミニウム、炭素、クロム、金、ニッケル、NiP、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ケイ素及びニッケルの合金、チタン、又はそれらの組み合わせなどの金属を含み得る(“Current collectors for positive electrodes of lithium-based batteries” by A. H. Whitehead and M. Schreiber, Journal of the Electrochemical Society, 152(11) A2105-A2113 (2005)を参照のこと)。更なる例として、一実施形態では、カソード集電体は、金、又は金ケイ化物などの金の合金を含む。更なる例として、一実施形態では、カソード集電体は、ニッケル、又はニッケルケイ化物などのニッケルの合金を含む。
【0057】
図8Aを参照すると、各アノード電極構造、すなわち、アノードタイプである各電極構造202、又は対向電極構造204は、電極の縦方向軸(A)に沿って測定される長さ(L)と、幅(W)と、長さL及び幅Wの測定の方向の各々に直交する方向に測定される高さ(H)と、を有する。
【0058】
アノード電極構造の群の構成単位の長さLは、エネルギー貯蔵デバイス及びエネルギー貯蔵デバイスの意図された用途に応じて変化する。しかしながら、一般に、アノード電極構造は、典型的には、約5mm~約500mmの範囲の長さLを有する。例えば、そのような一実施形態では、アノード電極構造は、約10mm~約250mmの長さLを有する。更なる例として、そのような一実施形態では、アノード群の構成単位は、約25mm~約100mmの長さLを有する。一実施形態によれば、アノード電極構造は、第1の長さを有する1つ以上の第1の電極構成単位と、第1のもの以外の第2の長さを有する1つ以上の第2の電極構成単位と、を含む。更に別の実施形態では、1つ以上の第1の電極構成単位及び1つ以上の第2の電極構成単位の異なる長さは、縦方向軸及び/又は横方向軸のうちの1つ以上に沿って異なる長さを有する電極アセンブリの形状などの電極アセンブリの所定の形状を収容するように、かつ/又は二次電池の所定の性能特性を提供するように選択され得る。
【0059】
カソード電極構造の幅Wも、エネルギー貯蔵デバイス及びエネルギー貯蔵デバイスの意図された用途に応じて変化する。しかしながら、一般に、各アノード電極構造は、典型的には、約0.01mm~2.5mmの範囲内の幅Wを有する。例えば、一実施形態では、各アノード電極構造の幅Wは、約0.025mm~約2mmの範囲にある。更なる例として、一実施形態では、各アノード電極構造の幅Wは、約0.05mm~約1mmの範囲にある。一実施形態によれば、アノード電極構造は、第1の幅を有する1つ以上の第1の電極構成単位と、第1のもの以外の第2の幅を有する1つ以上の第2の電極構成単位と、を含む。また別の実施形態では、1つ以上の第1の電極構成単位及び1つ以上の第2の電極構成単位の異なる幅は、縦方向軸及び/又は横方向軸のうちの1つ以上に沿って異なる幅を有する電極アセンブリの形状などの電極アセンブリの所定の形状を収容するように、かつ/又は二次電池の所定の性能特性を提供するように選択され得る。
【0060】
アノード電極構造の高さHも、エネルギー貯蔵デバイス及びエネルギー貯蔵デバイスの意図された用途に応じて変化する。しかしながら、一般に、アノード電極構造は、典型的には、約0.05mm~約25mmの範囲内の高さHを有する。例えば、一実施形態では、各アノード電極構造の高さHは、約0.05mm~約5mmの範囲にある。更なる例として、一実施形態では、各アノード電極構造の高さHは、約0.1mm~約1mmの範囲にある。一実施形態によれば、アノード電極構造は、第1の高さを有する1つ以上の第1の電極構成単位と、第1のもの以外の第2の高さを有する1つ以上の第2の電極構成単位と、を含む。更に別の実施形態では、1つ以上の第1の電極構成単位及び1つ以上の第2の電極構成単位の異なる高さは、縦方向軸及び/又は横方向軸のうちの1つ以上に沿って異なる高さを有する電極アセンブリの形状などの電極アセンブリの所定の形状を収容するように、かつ/又は二次電池の所定の性能特性を提供するように選択され得る。
【0061】
一般に、アノード電極構造は、アノード電極構造の幅W及びアノード電極構造の高さHの各々よりも実質的に大きい長さLを有する。例えば、一実施形態では、アノード群の各構成単位について、LとW及びHの各々との比は、それぞれ少なくとも5:1である(すなわち、LとWとの比は、それぞれ少なくとも5:1であり、LとHとの比は、それぞれ少なくとも5:1である)。更なる例として、一実施形態では、LとW及びHの各々との比は、少なくとも10:1である。更なる例として、一実施形態では、LとW及びHの各々との比は、少なくとも15:1である。更なる例として、一実施形態では、アノード群の各構成単位について、LとW及びHの各々との比は、少なくとも20:1である。
【0062】
一実施形態では、アノード電極構造の高さHと幅Wとの比は、それぞれ、少なくとも0.4:1である。例えば、一実施形態では、HとWとの比は、アノード群の各構成単位について、それぞれ少なくとも2:1である。更なる例として、一実施形態では、HとWとの比は、それぞれ、少なくとも10:1である。更なる例として、一実施形態では、HとWとの比は、それぞれ、少なくとも20:1である。しかしながら、典型的には、HとWとの比は、概して、それぞれ、1,000:1未満である。例えば、一実施形態では、HとWとの比は、それぞれ、500:1未満である。更なる例として、一実施形態では、HとWとの比は、それぞれ、100:1未満である。更なる例として、一実施形態では、HとWとの比は、それぞれ、10:1未満である。更なる例として、一実施形態では、アノード電極構造群の各構成単位について、HとWとの比は、それぞれ、約2:1~約100:1の範囲にある。
【0063】
図8Bを参照すると、各カソード電極構造、すなわち、カソードタイプである各電極構造202、又は対向電極構造204は、縦方向軸(ACE)に沿って測定される長さ(LCE)と、幅(WCE)と、長さLCE及び幅WCEの測定の方向の各々に直交する方向に測定される高さ(HCE)と、を有する。
【0064】
カソード電極構造の長さLCEは、エネルギー貯蔵デバイス及びエネルギー貯蔵デバイスの意図された用途に応じて変化する。しかしながら、一般に、カソード群の各構成単位は、典型的には、約5mm~約500mmの範囲の長さLCEを有する。例えば、そのような一実施形態では、各カソード電極構造は、約10mm~約250mmの長さLCEを有する。更なる例として、そのような一実施形態では、各カソード電極構造は、約25mm~約100mmの長さLCEを有する。一実施形態によれば、カソード電極構造は、第1の長さを有する1つ以上の第1の電極構成単位と、第1のもの以外の第2の長さを有する1つ以上の第2の電極構成単位と、を含む。更に別の実施形態では、1つ以上の第1の電極構成単位及び1つ以上の第2の電極構成単位の異なる長さは、縦方向軸及び/又は横方向軸のうちの1つ以上に沿って異なる長さを有する電極アセンブリの形状などの電極アセンブリの所定の形状を収容するように、かつ/又は二次電池の所定の性能特性を提供するように選択され得る。
【0065】
カソード電極構造の幅WCEも、エネルギー貯蔵デバイス及びエネルギー貯蔵デバイスの意図された用途に応じて変化する。しかしながら、一般に、カソード電極構造は、典型的には、約0.01mm~2.5mmの範囲内の幅WCEを有する。例えば、一実施形態では、各カソード電極構造の幅WCEは、約0.025mm~約2mmの範囲にある。更なる例として、一実施形態では、各カソード電極構造の幅WCEは、約0.05mm~約1mmの範囲にある。一実施形態によれば、カソード電極構造は、第1の幅を有する1つ以上の第1の電極構成単位と、第1のもの以外の第2の幅を有する1つ以上の第2の電極構成単位と、を含む。更に別の実施形態では、1つ以上の第1の電極構成単位及び1つ以上の第2の電極構成単位の異なる幅は、縦方向軸及び/又は横方向軸のうちの1つ以上に沿って異なる幅を有する電極アセンブリの形状などの電極アセンブリの所定の形状を収容するように、かつ/又は二次電池の所定の性能特性を提供するように選択され得る。
【0066】
カソード電極構造の高さHCEも、エネルギー貯蔵デバイス及びエネルギー貯蔵デバイスの意図された用途に応じて変化する。しかしながら、一般に、カソード電極構造は、典型的には、約0.05mm~約25mmの範囲内の高さHCEを有する。例えば、一実施形態では、各カソード電極構造の高さHCEは、約0.05mm~約5mmの範囲にある。更なる例として、一実施形態では、各カソード電極構造の高さHCEは、約0.1mm~約1mmの範囲にある。一実施形態によれば、カソード電極構造は、第1の高さを有する1つ以上の第1のカソード構成単位と、第1のもの以外の第2の高さを有する1つ以上の第2のカソード構成単位と、を含む。更に別の実施形態では、1つ以上の第1のカソード構成単位及び1つ以上の第2のカソード構成単位の異なる高さは、縦方向軸及び/又は横方向軸のうちの1つ以上に沿った、異なる高さを有する電極アセンブリの形状など、電極アセンブリの所定の形状を収容するように、かつ/又は二次電池の所定の性能特性を提供するように選択され得る。
【0067】
一般に、各カソード電極構造は、幅WCEよりも実質的に大きく、かつカソード電極構造の高さHCEよりも実質的に大きい、長さLCEを有する。例えば、一実施形態では、各カソード電極について、LCEとWCE及びHCEの各々との比は、それぞれ少なくとも5:1である(すなわち、LCEとWCEとの比は、それぞれ少なくとも5:1であり、LCEとHCEとの比は、それぞれ少なくとも5:1である)。更なる例として、一実施形態では、各カソード電極構造について、LCEとWCE及びHCEの各々との比は、少なくとも10:1である。更なる例として、一実施形態では、各カソード電極構造について、LCEとWCE及びHCEの各々との比は、少なくとも15:1である。更なる例として、一実施形態では、各カソード電極構造について、LCEとWCE及びHCEの各々との比は、少なくとも20:1である。
【0068】
一実施形態では、カソード電極構造の高さHCEと幅WCEとの比は、それぞれ、少なくとも0.4:1である。例えば、一実施形態では、各カソード電極構造について、HCEとWCEとの比は、それぞれ少なくとも2:1である。更なる例として、一実施形態では、各カソード電極構造について、HCEとWCEとの比は、それぞれ、少なくとも10:1である。更なる例として、一実施形態では、各カソード電極構造について、HCEとWCEとの比は、それぞれ、少なくとも20:1である。しかしながら、典型的には、アノード群の各構成単位について、HCEとWCEとの比は、一般に、それぞれ1,000:1未満である。例えば、一実施形態では、各カソード電極構造について、HCEとWCEとの比は、それぞれ少なくとも500:1である。更なる例として、一実施形態では、HCEとWCEとの比は、それぞれ、100:1未満である。更なる例として、一実施形態では、HCEとWCEとの比は、それぞれ、10:1未満である。更なる例として、一実施形態では、各カソード電極構造について、HCEとWCEとの比は、それぞれ、約2:1~約100:1の範囲にある。
【0069】
図2に戻ると、セパレータ構造205は、電極構造202を対向電極構造から分離している。セパレータ構造205は、電気絶縁性であるがイオン透過性のセパレータ材料で作製されている。セパレータ構造205は、電極構造202の群の各構成単位を対向電極構造204の群の各構成単位から電気的に隔離するように適合されている。各セパレータ構造205は、典型的には、非水性電解質を透過させることができるマイクロ多孔質セパレータ材料を含み、例えば、一実施形態では、マイクロ多孔質セパレータ材料は、少なくとも50Å、より典型的には約2,500Åの範囲の直径と、約25%~約75%の範囲、より典型的には約35~55%の範囲の多孔率と、を有する細孔を含む。
【0070】
一般に、電気絶縁セパレータ材料は、少なくとも約4umの厚さを有する。例えば、一実施形態では、電気絶縁セパレータ材料は、少なくとも約8umの厚さを有する。更なる例として、そのような一実施形態では、電気絶縁セパレータ材料は、少なくとも約12umの厚さを有する。更なる例として、そのような一実施形態では、電気絶縁セパレータ材料は、少なくとも約15umの厚さを有する。いくつかの実施形態では、電気絶縁セパレータ材料は、最大25um、最大50umの厚さ、又は任意の他の好適な厚さを有する。しかしながら、典型的には、電気絶縁セパレータ材料は、約12um未満、又は更には約10um未満の厚さを有する。
【0071】
一般に、セパレータ構造205の材料は、単位セルの正の活物質と負の活物質との間でキャリアイオンを伝導する能力を有する広範な材料から選択され得る。例えば、セパレータ構造205は、液体の非水性電解質が透過させ得るマイクロ多孔質セパレータ材料を含み得る。代替的に、セパレータ構造205は、単位セルの正極と負極との間でキャリアイオンを伝導することができるゲル電解質又は固体電解質を含み得る。
【0072】
一実施形態では、セパレータ構造205は、ポリマー系電解質を含み得る。例示的なポリマー電解質としては、PEOベースのポリマー電解質、ポリマーセラミック複合電解質、ポリマーセラミック複合電解質、及びポリマーセラミック複合電解質が挙げられる。
【0073】
別の実施形態では、セパレータ構造205は、酸化物系電解質を含み得る。例示的な酸化物系の電解質としては、チタン酸リチウムランタン(Li0.34La0.56TiO)、Alドープジルコン酸リチウムランタン(Li6.24LaZrAl0.2411.98)、Taドープジルコン酸リチウムランタン(Li6.4LaZr1.4Ta0.612)、及びリン酸アルミニウムリチウムチタン(Li1.4Al0.4Ti1.6(PO)が挙げられる。
【0074】
別の実施形態では、セパレータ構造205は、固体電解質を含み得る。例示的な固体電解質としては、硫化スズリチウム(Li10SnP12)、硫化リンリチウム(β-LiPS)及びヨウ化塩化リン硫黄リチウム(LiPSCl0.90.1)などの硫化物系電解質が挙げられる。
【0075】
いくつかの実施形態では、セパレータ構造205は、リチウム含有ガーネットなどの固体リチウムイオン伝導セラミックを含み得る。
【0076】
一実施形態では、セパレータ構造205は、粒子状材料及び結合剤を含み、かつ少なくとも約20体積%の多孔率(空隙分率)を有するマイクロ多孔質セパレータ材料を含む。マイクロ多孔質セパレータ材料の細孔は、少なくとも50Åの直径を有し、典型的には、約250~2500Åの範囲に入る。マイクロ多孔質セパレータ材料は、典型的には、約75%未満の気孔率を有する。一実施形態では、マイクロ多孔質セパレータ材料は、少なくとも約25体積%の多孔率(空隙分率)を有する。一実施形態では、マイクロ多孔質セパレータ材料は、約35~55%の多孔率を有する。
【0077】
マイクロ多孔質セパレータ材料のための結合剤は、広範囲の無機材料又はポリマー材料から選択され得る。例えば、一実施形態では、結合剤は、ケイ酸塩、リン酸塩、アルミニウム酸塩、アルミノケイ酸塩、及び例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物からなる群から選択される有機材料である。例えば、一実施形態では、結合剤は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロプロペンなどを含むモノマーから誘導されるフルオロポリマーである。別の実施形態では、結合剤は、様々な分子量及び密度の範囲のうちのいずれかを有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブテンなどのポリオレフィンである。別の実施形態では、結合剤は、エチレン-ジエンプロペンターポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレートからなる群から選択される。別の実施形態では、結合剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びポリエチレンオキシドからなる群から選択される。別の実施形態では、結合剤は、アクリレート、スチレン、エポキシ、及びシリコーンからなる群から選択される。別の実施形態では、結合剤は、2つ以上の前述のポリマーのコポリマー又はブレンドである。
【0078】
マイクロ多孔質セパレータ材料によって構成される粒子状材料はまた、幅広い材料から選択され得る。一般に、そのような材料は、動作温度で比較的低い電子伝導率及びイオン伝導率を有し、マイクロ多孔質セパレータ材料に接触する電池電極又は集電体の動作電圧下で腐食しない。例えば、一実施形態では、粒子状材料は、1×10-4S/cm未満のキャリアイオン(例えば、リチウム)に対する伝導率を有する。更なる例として、一実施形態では、粒子状材料は、1×10-5S/cm未満のキャリアイオンに対する伝導率を有する。更なる例として、一実施形態では、粒子状材料は、1×10-6S/cm未満のキャリアイオンに対する伝導率を有する。例示的な粒子状材料としては、粒子状ポリエチレン、ポリプロピレン、TiO-ポリマー複合体、シリカエアロゲル、フュームドシリカ、シリカゲル、シリカヒドロゲル、シリカセロゲル、シリカソル、コロイド状シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、カオリン、タルク、珪藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、一実施形態では、粒子状材料は、TiO、SiO、Al、GeO、B、Bi、BaO、ZnO、ZrO、BN、Si、及びGe3N4などの粒子状の酸化物又は窒化物を含む。例えば、P. Arora and J. Zhang, “Battery Separators” Chemical Reviews 2004, 104, 4419-4462を参照されたい)。実施形態では、粒子状材料は、約20nm~2マイクロメートル、より典型的には200nm~1.5マイクロメートルの平均粒径を有する。一実施形態では、粒子状材料は、約500nm~1マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0079】
代替的な実施形態では、マイクロ多孔質セパレータ材料によって構成される粒子状材料は、電池の機能のためのイオン伝導率を提供するために、電解質の進入に望ましい空隙分率を維持しながら、例えば、焼結、結合、硬化などの技法によって結合され得る。
【0080】
組み立てられた電池では、セパレータ構造205のマイクロ多孔質セパレータ材料は、二次電池電解質としての使用に好適な非水電解質を透過させる。典型的には、非水性電解質は、有機溶媒及び/又は溶媒混合物に溶解したリチウム塩及び/又は塩の混合物を含む。例示的なリチウム塩としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、及びLiBrなどの無機リチウム塩、並びにLiB(C、LiN(SOCF、LiN(SOCF、LiNSOCF、LiNSOCF、LiNSO、LiNSO11、LiNSO13、及びLiNSO15などの有機リチウム塩が挙げられる。リチウム塩を溶解するための例示的な有機溶媒としては、環状エステル、鎖エステル、環状エーテル、及び鎖エーテルが挙げられる。環状エステルの具体例としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2-メチル-γ-ブチロラクトン、アセチル-γ-ブチロラクトン、及びγ-ベレロラクトンが挙げられる。鎖エステルの具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、アルキルプロピオネート、ジアルキルマロネート、及びアルキルアセテートが挙げられる。環状エーテルの具体例としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、アルキル-1,3-ジオキソラン、及び1,4-ジオキソランが挙げられる。鎖状エーテルの具体例としては、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、及びテトラエチレングリコールジアルキルエーテルが挙げられる。
【0081】
一実施形態では、セパレータ構造のマイクロ多孔質セパレータは、リチウム塩と高純度有機溶媒との混合物を含む非水性有機電解質を透過させ得る。加えて、電解質は、ポリマー電解質又は固体電解質を使用するポリマーであり得る。
【0082】
電極バスバー208は、電極構造202がカソードタイプである場合にはカソード電極バスバーであり、電極構造202がアノードタイプである場合にはアノード電極バスバーである。同様に、対向電極バスバーは、対向電極構造204がカソードタイプである場合にはカソード電極バスバーであり、対向電極構造204がアノードタイプである場合にはアノード電極バスバーである。例示的な実施形態では、アノードタイプバスバーは、銅バスバーであり、カソードタイプバスバーは、アルミニウムバスバーである。他の実施形態では、電極バスバー208及び対向電極バスバー210は、電極アセンブリ200が本明細書に記載のように機能することを可能にするための任意の好適な導電性材料であってよい。
【0083】
対向電極構造204、より具体的には対向電極集電体218は、対向電極バスバー210に直接接続されている。すなわち、対向電極集電体218は、対向電極バスバー210に、それらの間に電気的又は物理的に位置付けられた構成要素なしに、溶接されるか、はんだ付けされるか、又は接着剤で付けられる。溶接は、レーザ溶接機、摩擦溶接、超音波溶接、又は対向電極バスバー210を対向電極集電体218に溶接するための任意の好適な溶接方法を使用して行われ得る。
【0084】
図3A及び3Bは、対向電極集電体218のうちの1つと対向電極バスバー210との間の接続のための例示的な技法を例示している。図3Aは、対向電極集電体218のうちの1つの端部部分の図である。対向電極集電体218の端部は、対向電極バスバー210を受容するためのサイズ及び形状であるスロット300を含む。対向電極集電体218の部分302は、スロット300を越えて延在する。対向電極バスバー210は、スロット300に挿通されており、図3Bに示されるように、対向電極集電体218の部分302は、対向電極バスバー210に接触するように曲がっている。次いで、対向電極バスバー210と接触している対向電極集電体218の部分302は、対向電極バスバー210に溶接される。
【0085】
図17は、対向電極集電体218のうちの1つと対向電極バスバー210との間の接続のための別の例示的な技法を例示している。この例では、対向電極集電体218は、スロット300を含まない。対向電極集電体218の部分1700は、およそ90度の角度に曲がっており、対向電極バスバー210は、部分1700上に位置付けられている。次いで、対向電極バスバー210は、接着剤で付けること、溶接、はんだ付け、又は対向電極集電体218を対向電極バスバー210に接合するための任意の他の好適な技法を使用することなどによって、対向電極集電体218の部分1700に直接取り付けられる。
【0086】
図2に戻ると、電流リミッタ206の群の各構成単位は、異なる電極集電体214と電極バスバー208との間に電気的に接続されている。電流リミッタ206は、電極集電体214を通って、対応して、電極集電体が接続された電極構造202を通って流れ得る電流を制限するように構成されている。それゆえ、例えば、電極集電体214のうちの1つと対向電極集電体218のうちの1つとの間に短絡が形成される場合、電流リミッタ206は、電極アセンブリの他の電極及び対向電極から流れることができる電流の量を制限し、それによって、電極アセンブリ200が経験する温度を制限し、熱暴走が防止される。具体的には、電流リミッタ206は、単位セルの電極と対向電極との間に電気的短絡がある電極アセンブリの放電中に単位セルを通って伝導され得る電流の量を、単位セル群の構成単位の熱暴走を誘発するであろう、単位セル群の構成単位を通る電流(本明細書ではItr又はIとして参照されることがある)よりも小さい値Iに制限する。電流リミッタは、短絡が発生した場合に電池にソフトランディングを提供する。電流リミッタは、短絡が発生した場合に非零レベルの電流が流れるが、その電流を、熱暴走を引き起こすであろうレベル未満に制限することを連続的に可能にする。この電流は、電池が放電され、かつ熱暴走のリスクが終わるまで流れ続ける。
【0087】
電流リミッタ206は、抵抗電流リミッタである。電流リミッタ206は、電極アセンブリ200の通常動作温度の範囲内で非零抵抗を有する。一例では、通常動作温度は、マイナス20℃~80℃である。他の実施形態では、通常動作温度は、マイナス40℃~85℃、マイナス40℃~150℃、又は任意の他の好適な範囲の通常動作温度である。抵抗は、電流リミッタ206が任意の単位セルを通過し得る電流を制限し、かつ電流が壊滅的な障害を引き起こし得るレベル、又は電池設計中に決定された他の性能又は乱用耐性の理由で決定される他の最大電流レベルに達するのを防止するようなものである。電流リミッタ206は、抵抗材料の溶断特性又は任意のPTC特性に依拠しない。すなわち、電流リミッタ206は、PTCを呈し得るが、電流リミッタ206が本明細書に記載されるように機能するためにPTCが必要とされない。むしろ、電極アセンブリ200の通常動作温度の範囲での電流リミッタ206の抵抗は、電流を制限するのに十分である。いくつかの実施形態では、抵抗は、通常の動作温度の範囲内で増加又は減少し得る(すなわち、電流リミッタは、負の温度係数を有し得る)。電流リミッタ206は各々、電流リミッタ206が取り付けられた電極集電体214と電気的に直列である。それゆえ、各電流リミッタ206及び各電流リミッタ206の関連付けられた電極構造202の抵抗は、関連付けられた電極構造202の抵抗と、関連付けられた電極構造202に取り付けられた電流リミッタ206の抵抗と、を加えることによって増加する。電池に抵抗を追加することは、電流が電極構造202に(充電中に)流入し、かつ電極構造から(放電中に)流出するときに、電池が経験する損失を増加させるため、従来、推奨されていない。しかしながら、電極集電体214は全て電極バスバー208に並列に(電気的に並列に)接続されているため、電極バスバー208に見られる総抵抗の増加は、個々の各電流リミッタ206の抵抗よりもはるかに小さい。更に、本開示における電流リミッタ206の抵抗は、電流リミッタ206を通して制限された電圧降下を有し、かつそれによって制限された電力の損失を有するように、十分に小さく選択されている。例示的な実施形態では、電流リミッタの抵抗は、短絡中に電池を保護し続けながら通常動作中の損失を制限するために、1Cレートでの充電又は放電中に電流リミッタ206の各々を通して20mV以下の降下を有するように選択されている。
【0088】
例示的な実施形態では、電流リミッタ206がない、1つの電極構造202及び1つの対向電極構造204の各対である個々の各単位セルは、(層状電池と比較して)相対的に小さいサイズと、相対的に低い容量と、単位セルの電極構造202と対向電極構造204との間に短絡がある場合でも、隔離された単位セルを通る電流が、熱暴走及び壊滅的な障害を引き起こすのに十分なレベルに達することができないほど高い内部抵抗と、を有する。しかしながら、電極アセンブリ200などの電極アセンブリにおいて、複数の単位セルがバスバー208などのバスバーに並列に接続されている場合、単位セルの全てが、内部に短絡を有する単位セルに電流を与える。そのような状況下では、電流リミッタ206がなければ、十分な電流が短絡した単位セルを通過して、電極アセンブリ200及び電極アセンブリ200を含む電池の熱暴走及び壊滅的な障害を引き起こし得る。電流リミッタ206を追加することによって、単位セルの抵抗が実効的に増加する。単位セルの固定電圧Vでは、抵抗を増加させることは、オームの法則に従って最大電流の対応する低減をもたらす。
【0089】
より具体的には、電極アセンブリ200の容量は、電極単位セルの数(n)に細分され、電極単位セルの各々は、1つの電極構造202及び1つの対向電極構造204を含む。各単位セルは、電圧(V)を形成する。個々の各電極単位セルは、単位セルアセンブリの伝導率及び幾何学形状の関数である独自の特性抵抗(Rbl)を有する。個々の各単位セルは、強制内部短絡(FISC)抵抗(R)などの短絡を通して電力
【数2】

を放電することが可能である。個々の単位セルについて、FISC電力は以下によって与えられる:
【数3】
【0090】
各単位セルの電極構造202及び対向電極構造204が、それらのそれぞれのバスバー208、210に並列に接続されているとき、全ての単位セルは、影響を受けた(すなわち、短絡した)個々の単位セルのFISC
【数4】

を通した電力放電に寄与する。並列に接続されたセルの全ての単位セルのFISC電力は、以下によって与えられる:
【数5】
【0091】
電流リミッタ206の各々が非零抵抗(Rcld)を有する電流リミッタ206を追加することは、以下によって与えられる、短絡した単位セルのFISC電力をもたらす:
【数6】
【0092】
各電流リミッタ206の抵抗Rcldは、短絡した単位セルについての
【数7】

のFISC電力が、熱暴走
【数8】

の発生のための電力最小値、又は電池設計制約に起因して選定された他の最大電力考慮事項よりも小さいように選択される。
【0093】
電流リミッタ206の必要とされる抵抗はまた、短絡した単位セルを通る電流を、熱暴走を引き起こすのに十分である閾値電流未満に制限するために必要な抵抗の観点から考察されてもよい。それゆえ、各単位セルによって生成される電圧、各単位セルの容量、各単位セルの内部抵抗、電極バスバー208の抵抗、及び対向電極バスバー210の抵抗を知ることによって、短絡した単位セルを通る電流を、熱暴走を引き起こすのに必要な閾値電流未満に制限する電流リミッタ206の抵抗を計算することができる。熱暴走を引き起こすために必要な閾値電流は、電極アセンブリの造り及び個々の単位セルの容量に応じていくらか変化し得るが、同様に構築された電極アセンブリについて、閾値電流は、相対的に一定のままである。例示的な実施形態では、閾値電流は、約8アンペアである。他の実施形態では、閾値電流は、約4アンペア、約8アンペア、約10アンペア、約12アンペア、又は8アンペア~12アンペアであり得る。電流リミッタ206に必要な抵抗は、電池及び電池の構成要素の特定の構成に応じて変化する。同様の電極アセンブリについて、電流を閾値電流未満に制限するために必要な抵抗は、一般に、個々の単位セルの容量が増加するにつれて増加する。
【0094】
より具体的には、伝統的な積層電池セルの容量は、各正極及び負極が電圧(V)を形成する電極単位セルの数(N)に細分される。完全な積層における単位セルの数は、大文字のNによって表される一方、変数としての単位セルの数は、例えば異なる数の単位セルを用いて反復的なアッセイを行う場合、小文字のnによって表される。個々の各電極単位セルは、単位セルアセンブリの伝導率及び幾何学形状の関数である、独自の特性抵抗(Rbl)を有する。個々の各単位セルは、強制内部短絡(FISC)抵抗(R)を通して電流(Ibl)を放電することが可能である。個々の単位セルのFISC電流は、以下によって与えられる
【数9】
【0095】
各単位セルの正極及び負極が、それぞれの集電端子を介して独自の特性抵抗(R)で並列に接続されると、セルの全ての単位セルが、影響を受けた個々の単位セルのFISCを通して放電する電流(Icell)に寄与する。並列に接続されたセルの全ての単位セルのFISC電流は、以下によって与えられる:
【数10】
【0096】
少なくともいくつかの場合、個々の単位セルの特性抵抗は、単位セルがFISCを通して放電することが可能である電流が、自己加速発熱分解及び熱暴走を引き起こすのに十分であり得る電流である熱暴走電流(Itr)を超えるのに十分であるほど十分に低い。複数の電極単位セルが共有端子を介して相互に接続されている場合、影響を受ける個々の単位セルのFISCを横切る放電電流は、熱暴走電流(Itr)を超え、かつセルの壊滅的な障害をもたらす可能性が益々高くなる。
【0097】
各電流リミッタ206の抵抗は、任意の個々の単位セルを通過し得る電流を熱暴走電流(Itr)未満に制限するのに十分であるように選択されている。各電流リミッタの抵抗(Rcld)は、以下を満たす抵抗として決定され、
【数11】
式中、VTOCは、最高充電時の単位セルの電圧であり、RS,WCFISCは、N個の単位セルのアセンブリにおける最悪の場合である最高充電時の強制内部短絡において、電流制限デバイスがないアセンブリにおける単位セルのインピーダンスと等価である。この例では、この最悪の場合は、強制内部短絡の抵抗が、短絡した単位セルの抵抗にほぼ等しいときに発生すると考えられる。短絡が発生すると電流が非常に急速に変化するため、このインピーダンスが使用される。一実施形態では、RS,WCFISCは、20kHzでのインピーダンスである。それゆえ、抵抗RS,WCFISCは、
s,WCFISC=R20kHz(VTOC,N) (7)
【0098】
他の実施形態は、任意の他の周波数でのインピーダンス、又は直流抵抗を使用し得る。いくつかの実施形態では、短絡した単位セルの実際の短絡抵抗が、計算され、最悪の場合の内部短絡抵抗Rs,WCFISCの代わりに式(6)で使用される。本明細書で使用される場合、短絡抵抗Rは、別段の定めがない限り、単位セルの実際の測定される短絡抵抗、又は最悪の場合の内部短絡抵抗Rs,WCFISCのいずれかを指し得る。実際の短絡抵抗を決定するための例示的な方法を以下に提供する。
【0099】
個々の単位セルの抵抗は、単位セル細分化の数と、単位セル細分化の材料組成及び幾何学形状に基づいて計算された端子の抵抗と、を更に考慮して、最高充電時のインピーダンスによって決定される。20kHzインピーダンスを使用する例について、単位セルの抵抗は、以下によって与えられる:
【数12】
【0100】
例示的な実施形態では、上記の式(6)で使用される熱暴走電流(Itr)は、以下に記載される最悪の場合の強制内部短絡アッセイを行うことによって決定される。他の実施形態では、熱暴走電流(Itr)は、推定され得るか、シミュレーションから導出され得るか、異なるアッセイを使用して決定され得るか、又は任意の他の好適な方法によって達せられ得る。どのように決定されても、次いで、熱暴走電流(Itr)を式(6)で使用して、不等式を満たすための電流リミッタ(Rcld)で必要な抵抗を決定する。電流リミッタ206に抵抗Rcldを提供することを選択することによって、電流リミッタ206は、単位セルで内部短絡が発生した場合でも、任意の単位セルを通る電流を熱暴走電流(Itr)未満に効果的に制限する。
【0101】
例示的な実施形態では、摂氏25度(℃)における各電流リミッタ206の抵抗は、約0.25オーム(Ω)であり、短絡電流を約8アンペア未満に制限する。これにより、電極アセンブリ200が1Cレートで充電又は放電しているときに、各電流リミッタ206を通して20mV以下の電圧降下がもたらされる。他の実施形態では、各電流リミッタ206の抵抗は、0.25Ω~2.5Ωである。いくつかの実施形態では、各電流リミッタ206の抵抗は、0.1Ω~1.5Ωである。これらの範囲は、短絡中の電流を制限すると同時に電池の通常動作中の損失を制限する必要性のバランスをとる抵抗の範囲を提供する。範囲内の正確な値、及びどの範囲を選択するべきかは、特定の電池の電圧、容量、又は他の特性に基づいて選択され得る。より一般的には、いくつかの実施形態では、各電流リミッタ206の抵抗は、電極アセンブリ200(又は個々の単位セル)が、最高充電(TOC)条件から放電されるときに、1Cレートで充電又は放電しているときに0.5ボルト未満の電圧降下を生じる抵抗を選択することによって決定される。すなわち、短絡中に電流を十分に制限したままとしながら、通常動作中の損失を最小限に抑えるために、1Cレートでの電流と電流リミッタ206の抵抗とを掛けると、0.5ボルト未満である。
【0102】
電流リミッタ206は、例示的な実施形態では、電極バスバー208上に位置付けられている。電流リミッタは、電極集電体214と電極バスバー208との間に物理的に位置付けられている。他の実施形態では、電流リミッタ206は、電気的には、電極集電体214と電極バスバー208との間にあるが、物理的には、電極集電体214と電極バスバー208との間の接続部の外側にある。
【0103】
ここで図4A及び4Bを参照すると、例示的な電流リミッタ206は、電極集電体214が溶接される電極バスバー208の表面402上に配設された導電性接着剤の単層400で構成されている。電極集電体214は、図3A及び3Bに示される対向電極集電体218のスロット300及び部分302と同様に、電極集電体214を電極バスバー108に接続するために同様に使用されるスロット404(図4B)及び部分406を含む。個々の各電流リミッタ206は、電極バスバー208上に曲げられ、かつ電極バスバー208に溶接された集電体の部分406の間に位置する単層400の部分408である。他の実施形態では、導電性接着剤は、電極バスバー208に接続される各電極集電体214に対して1つの個々の部分で電極バスバー208上に付けられている。例えば、導電性接着剤は、部分406が電極バスバー上に曲げられたときに電極集電体が上に位置付けられる、部分406の場所の周りで、電極バスバー208に付けられている。導電性接着剤を付けること各々、したがって各電流リミッタ206は、他の、導電性接着剤を付けること各々と、物理的に分離される。他の実施形態では、電流リミッタ206の導電性接着剤は、導電性接着剤が図4Bにおける部分406の場所の周りに位置付けられ、かつ各電流リミッタ206が他の電流リミッタ206から物理的に分離されるように、各電極集電体214に付けられている。他の実施形態では、バスバーは、任意の他の好適な接続配置によって集電体に接続されており(例えば、スロットを使用せずに、バスバーが集電体の端部の上にあるなど)、導電性接着剤は、集電体とバスバーとの間に位置付けられている。
【0104】
図18は、例示的な電極集電体214がスロット300を含まない別の例示的な実施形態を例示している。電流リミッタ206は、電極集電体214が取り付けられる電極バスバー208の表面1800上に配設された導電性接着剤の単層1801で構成されている。電極集電体214の部分1802は、およそ90度の角度に曲がっており、電極バスバー208は、部分1802の上に位置付けられている。部分1802は、正確に90度に曲がっている必要はなく、一般に、集電体の残部に垂直であり得ることを理解されたい。次いで、電極バスバー208は、接着剤で付けること、溶接、はんだ付け、又は電極集電体214を電極バスバー208に接合するための任意の他の好適な技法を使用することなどによって、電極集電体214の部分1802に取り付けられる。例示的な実施形態では、電極バスバー208は、電極バスバーをホットプレスして導電性接着剤を軟化させ、かつバスバーに圧力を加えて、導電性接着剤を使用して電極バスバー208を部分1802に接着させることによって、部分1802に取り付けられる。導電性接着剤に当接して例示されているが、集電体の部分1802は、導電性接着剤中に延在し得ることを理解されたい。個々の各電流リミッタ206は、電極バスバー208上に曲げられ、かつ電極バスバー208に取り付けられた集電体の部分1802の間に位置する単層1801の部分1804である。他の実施形態では、例えば図19に示されるように、導電性接着剤は、電極バスバー208に接続される各電極集電体214に対して1つの個々の部分1900で電極バスバー208に付けられている。例えば、導電性接着剤は、部分1802が電極バスバー上に曲げられたときに電極集電体が上に位置付けられる、部分1802の場所の周りで、電極バスバー208に付けられている。導電性接着剤を付けること各々、したがって各電流リミッタ206は、他の、導電性接着剤を付けること各々と、物理的に分離される。他の実施形態では、電流リミッタ206の導電性接着剤は、導電性接着剤が部分1802の場所の周りに位置付けられ、かつ各電流リミッタ206が他の電流リミッタ206から物理的に分離されるように、各電極集電体214に付けられている。
【0105】
更に他の実施形態では、導電性接着剤以外の抵抗器が、電流リミッタ206に使用される。例えば、所望の抵抗を有する導電性フィルムが、電極バスバー208に単ストリップで付けられ得るか、電極バスバーに個々の部分で付けられ得るか、又は導電性接着剤と同様の様態で各電極集電体214に個々の部分で付けられ得る。代替的に、導電性接着剤の代わりに、非接着性導電性ポリマーが付けられてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ディスクリート抵抗器が、電極集電体214と電極バスバー208との間に電気的に接続されてもよい。ディスクリート抵抗器は、電極集電体214と電極バスバー208との間に物理的に位置してもよいし、電極集電体214と電極バスバー208との間の界面の外側にあってもよいが、電気的に電極集電体214と電極バスバー208との間にあってもよい。ディスクリート抵抗器は、巻線抵抗器、厚膜抵抗器、薄膜抵抗器、炭素フィルム抵抗器、炭素パイル抵抗器、金属フィルム抵抗器、箔抵抗器などを含む、任意の好適な抵抗器であり得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、1つ以上の界面層は、電流リミッタ206と電極バスバー208との間、又は電流リミッタ206と電極集電体214との間に含まれている。一般に、電極バスバー208と各電極集電体214との間の抵抗は、電流リミッタ206の抵抗に、電流リミッタ206と電極集電体214との間の界面の抵抗を加え、電流リミッタ206と電極バスバー208との間の界面の抵抗を加えたものによって規定される。一般に、界面抵抗は、電流リミッタ206と電極バスバー208及び電極集電体214との間の不完全な(例えば、「理想的な」ではなく「実際の」接続)電気的接続によって生成され得る。任意の特定の理論に限定されないが、不完全な電気的接続は、例えば、電極バスバー208及び/又は電極集電体214の表面の微視的な構造上の変動、電流リミッタ206における導電性粒子の分布及び構造などによって引き起こされ得る。界面層は、これらの構成要素間の電気的接続を改善して、電流リミッタ206、電極バスバー208、及び電極集電体214の間の電気的接続の直列抵抗を低減するために提供される。ここで図14~16を参照すると、図4Bに示されるものと同様の実施形態が示されている。図14~16における同様の参照番号は、図4Bにおける同様の構成要素を指す。図14では、電極バスバー208に界面層1400が付けられている。図15では、電極集電体214に界面層1500が付けられている。界面層1500は、各集電体214に、又は全てよりも少ない集電体214に付けられ得る。図16では、電極バスバー208に界面層1400が付けられており、電極集電体214に界面層1500が付けられている。
【0107】
いくつかの実施形態では、界面層1400及び1500は、炭素系コーティングである。例えば、界面層1400及び/又は1500は、電極バスバー208及び/又は電極集電体214上にカーボンナノチューブをスラリーコーティングすることによって生成されるコーティングであり得る。他の実施形態では、界面層は、グラファイトコーティング又は任意の他の好適な導電性コーティングである。いくつかの実施形態では、界面層1400及び/又は1500は、電極バスバー208及び/又は電極集電体214に熱を加えて、界面層1400及び/又は1500を形成するための選択された材料で電極バスバー208及び/又は電極集電体214をコーティングする、熱アンビル手法を使用して付けられる。
【0108】
例示的な実施形態で電流リミッタ206で使用される導電性接着剤は、接着性ポリマー、接着性共重合体、又はそれらの中に懸濁した導電性材料とのブレンドである。例示的な実施形態では、導電性接着剤は、熱可塑性材料である。他の実施形態では、導電性接着剤は、熱硬化性材料である。接着性ポリマーは、接着性ポリマー中への導電性材料の懸濁の前に、実質的に非導電性(例えば、絶縁性)である。一般に、所望のポリマーは、(a)Liイオン電池セルの環境で安定である(すなわち、電解質中に溶解しないか、電解質成分若しくは任意の他の電池成分と反応しないか、又はセルの動作中に材料を分解する酸化還元化学若しくは反応を経ない)、及び(b)Liイオン電池の典型的な作動温度よりも高い融点を有する、任意のものである。接着性は導電性接着剤の重要な特性であるため、接着性を呈するポリマーは、導電性接着剤の少なくとも1つの成分として望ましい。ポリマーの可撓性は、別の望ましい特質である。したがって、いくらかの弾性、特に0℃よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する材料又は材料のブレンドが好ましいが、必要とはされない。いくつかの実施形態では、導電性接着剤は、高弾性を有する少なくとも1つの成分を有するポリマーブレンドである(破断係数及び/又は破断伸びなどの標準的な方法によって測定される)。いくつかの実施形態では、接着性ポリマーは、流動性接着性ポリマーである。そのような実施形態では、導電性接着剤は、所望される場合、導電助剤及び他の添加剤の配合、キャストフィルム、ブローフィルム、及びカレンダリングなどの標準的な方法によるフィルム/シート調製を含む、溶融加工を可能にする流れ特性を有するべきである。例えば、導電性接着剤に使用されるポリマーブレンドのメルトフローインデックス(I2、190℃、ASTM D1238)は、0.1~1000グラム(g)/10分(min)、好ましくは0.1~100g/10min、最も好ましくは0.5~20g/10minの範囲であるべきである。導電性接着剤に使用されるポリマーの融点は、溶融プレス又は関連技法を介してセルへの溶融加工及び溶融接合を可能にし、セルの典型的な作動温度範囲を超えるべきである。導電性接着剤には、40℃~300℃で溶融するポリマーが使用され得る。融点が60℃~200℃の範囲のポリマーが好ましく、融点が70℃~165℃の範囲のポリマーが最も好ましい。
【0109】
導電性接着剤で使用するための例示的な好適な接着性ポリマー又は共重合体としては、EAA(エチレン-co-アクリル酸)及びEMAA(エチレン-co-メタクリル酸)、EAA又はEMAAのイオノマー、ポリエチレン及びポリエチレンの共重合体(エチレン/1-オクテン、エチレン/1-ヘキセン、エチレン/1-ブテン、及びエチレン/プロピレン共重合体など)、ポリプロピレン及びポリプロピレンの共重合体、官能化又は誘導体化されたポリエチレン又はポリプロピレン(無水マレイン酸グラフト材料など)などが挙げられる。
【0110】
導電性接着剤を形成するためにポリマー中に懸濁した導電性材料は、ポリマーブレンドとの配合後に導電性接着剤に所望の伝導率を付与する任意の粉末、繊維、粒子などであり得る。添加剤の高い装填は、ポリマーブレンドの特性が望ましくないように変化し得るため、より低い装填で所望の伝導率を付与する材料が、最も望ましい。例えば、高い装填は、溶融加工性の著しい低下につながり、従来の機器を使用して導電性ポリマーのフィルム又はシートを製造する能力に影響を与え得る。加えて、導電性添加剤は、多くの場合、高価な材料であり、より低い装填が、製造のより低いコストを維持するために望ましい。
【0111】
導電性材料は、金属粉末又は繊維、導電性カーボンブラック、金属コーティングカーボン繊維、及びカーボンナノチューブ、又はそれらのブレンドであり得る。様々な実施形態では、導電性材料は、カーボンブラック、ニッケル粒子、銅粒子、金粒子、銀粒子、スズ粒子、チタン粒子、グラファイト粒子、モリブデン粒子、白金粒子、クロム粒子、アルミニウム粒子、又は合金を含む任意の他の金属粒子であり得る。導電性接着剤で使用するための好ましい導電性材料は、金属コーティング炭素繊維及び導電性カーボンブラック、又はそれらのブレンドである。金属コーティング炭素繊維は、ニッケル、銅、金、銀、スズ、チタン、モリブデン、白金クロム、アルミニウム、又は合金を含む任意の他の金属コーティングでコーティングされ得る。最も好ましい例では、導電性材料として、ニッケルコーティング炭素繊維及び「超伝導」カーボンブラックが挙げられる(例としては、限定されるものではないが、Nouryon Ketjenblack EC 300-J及びEC 600-JD材料、Orion Printex XE2B、Cabot Vulcan XCmax(商標) 22が挙げられる)。
【0112】
導電性材料が繊維(ニッケルコーティング炭素繊維など)である実施形態について、導電性材料は、一般に、長尺形状を有する。そのような実施形態では、繊維が相対的に大きいアスペクト比(長さ対直径)を有することが好ましい。例示的な一実施形態では、導電性接着剤中の導電性材料として使用されるニッケルコーティング炭素繊維は、約850:1のアスペクト比を有する。導電性材料の他の有用なアスペクト比は、10:1~10,000:1、好ましくは50:1~5000:1、最も好ましくは100:1~2000:1である。
【0113】
導電性接着剤を形成するためのポリマー中への導電性物質の装填は、1%~50%の導電性材料(総混合物の重量%として)の範囲にあり得る。好ましくは、導電性材料の装填は、2%~40%であり、最も好ましくは、装填は、3%~30%である。
【0114】
導電性接着剤の抵抗率は、5.0×10-7及び5.0×10Ω・cm、好ましくは5.0×10-5及び5.0×10Ω・cm、最も好ましくは5.0×10-3及び5.0×10-1Ω・cmの範囲にあるべきである。ポリマー抵抗率は、導電性添加剤を有するポリマーブレンドのシート又はフィルムを作製し、次いで、そのシート又はフィルムを、規定された間隔を有するアレイをなす互いに隣接して接着された4つの長方形バーからなる銅試験構造に積層することによって測定される。積層は、ホットプレス又は加熱カレンダなどの方法を使用して達成され得る。積層が完了すると、抵抗率測定は、典型的な四端針法を使用して達成され、ソース端針は、2つの最外側のバーに接触することによってシート状のフィルムを通る電流を印加し、センス端針は、四点試験構造アレイの幾何学形状及びシート又はフィルムの厚さが規定されたときに、バルク抵抗率の決定を可能にする最内側のバー間の電位を測定する。
【0115】
例示的な実施形態では、導電性材料は、カーボンブラックである。導電性接着剤は、接着性ポリマーが約0.01~1.0Ω・cmの体積抵抗率を有するまで接着性ポリマー中にカーボンブラックを混合することによって形成される。接着性ポリマーに添加されるカーボンブラックの量を調整することによって、抵抗率を調整することができる。より多くのカーボンブラックを添加することは、抵抗率を低下させ(すなわち、接着性ポリマーをより導電性にする)、より少ないカーボンブラックを添加することは、抵抗率を増加させる(すなわち、接着性ポリマーをより導電性にしない)。例示的な実施形態では、カーボンブラックは、所望の抵抗率を達成するために、5重量%~30重量%の量で接着性ポリマーに添加される。そのように調製された導電性接着剤は、20ミクロン~200ミクロンの厚さの間の厚さで電極バスバー208に付けられる。接着性ポリマーの抵抗率と付ける厚さとを調整することによって、電流リミッタ206の所望の抵抗が達成され得る。
【0116】
図5は、電池の充電状態と放電状態との間でサイクリングするための別の例示的な電極アセンブリ500の簡略図である。電極アセンブリ500は、電極アセンブリ200に類似しており、共通の構成要素を識別するために同じ参照番号が使用されている。例示を明確にするために、セパレータ構造205は、図5には示されていないが、この例示的な電極アセンブリ500には含まれている。電極アセンブリ200とは異なり、電極アセンブリ500は、追加の電流リミッタ502の群を含む。追加の電流リミッタ502は、各々、対向電極集電体218及び対向電極バスバー210のうちの異なるものの間に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、追加の電流リミッタ502は、上記で論じた電流リミッタ206と同じであり、接続は、電流リミッタ206と同じように行われる。しかしながら、いくつかの実施形態では、追加の電流リミッタ502は、異なる組成物を有し、かつ/又は電流リミッタ206とは異なる。例えば、導電性フィルムは、追加の電流リミッタ502の抵抗として使用され得る一方、導電性接着剤は、電流リミッタ206で使用される。代替的に、1つのタイプの導電性接着剤が電流リミッタ206で使用されてもよく、異なるタイプの導電性接着剤が追加の電流リミッタ502で使用されてもよい。このことは、対向電極バスバー210及び電極バスバー208が、異なる導電性接着剤に異なるように接着し得る異なる材料で作製されている場合に、特に有用であり得る。別の例として、追加の電流リミッタ502は、電流リミッタ206とは異なる、導電性接着剤に懸濁した導電性材料を使用し得る。更に、いくつかの実施形態では、追加の電流リミッタ502は、電流リミッタ206とは異なる抵抗を有する。特定の実施形態では、追加の電流リミッタ502は、電流リミッタ206の抵抗が破滅的な障害につながるであろう閾値未満に電流を制限するのに十分であるときに、0.25Ω未満の抵抗を有することを含めて、電流リミッタ206の抵抗よりも小さい抵抗を有する。
【0117】
図6は、電池の充電状態と放電状態との間でサイクリングするための別の例示的な電極アセンブリ600の簡略図である。電極アセンブリ600は、電極アセンブリ200に類似しており、共通の構成要素を識別するために同じ参照番号が使用されている。例示を明確にするために、電極構造202及び対向電極構造204のいくつかの詳細が削除されているが、上記で論じた電極構造202及び対向電極構造204の全ての態様は、電極アセンブリ600で同じである。電極アセンブリ200とは異なり、電極アセンブリ600は、電極バスバー208に直接接続された追加の電極構造602の群を含む。すなわち、追加の電極構造602は、電流リミッタ206なしで電極バスバー208に接続されている。
【0118】
図7は、電池の充電状態と放電状態との間でサイクリングするための別の例示的な電極アセンブリ700の簡略図である。電極アセンブリ700は、電極アセンブリ500に類似しており、共通の構成要素を識別するために同じ参照番号が使用されている。例示を明確にするために、電極構造202及び対向電極構造204のいくつかの詳細が削除されているが、上記で論じた電極構造202及び対向電極構造204の全ての態様は、電極アセンブリ700で同じである。電極アセンブリ500とは異なり、電極アセンブリ500は、追加の電極構造602の群と、全て電極バスバー208に直接接続された追加の対向電極構造704の群と、を含む。すなわち、追加の電極構造602及び追加の対向電極構造704は、電流リミッタ206又は追加の電流リミッタ502なしで電極バスバー208に接続されている。
【0119】
図9は、二次電池の製造の一環で作成された例示的な積層セル900である。二次電池を形成するために、電極アセンブリ200、500、600、又は700などの電極アセンブリが最初に組み立てられる。電極構造202、対向電極構造204、及び(該当する場合)追加の電極構造602及び/又は追加の対向電極構造704が組み立てられる。形成された電極、対向電極、追加の電極、及び追加の対向電極構造202、204、602、704を、以下の段落で「電極サブユニット」と称する。所定の数の電極サブユニットがセパレータ205と積層方向(例えば、図2の幅方向)に積層されて、マルチユニット電極積層を形成する。一般に、少なくとも10個の電極構造202及び少なくとも10個の対向電極構造204が、マルチユニット電極積層に含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも20個の電極構造202及び少なくとも20個の対向電極構造204が、マルチユニット電極積層に含まれる。他の実施形態は、マルチユニット電極積層に、任意の好適な数の電極構造202及び少なくとも10個の対向電極構造204を含み得る。次いで、マルチユニット電極積層は、マルチユニット電極積層に圧力を加えて電極サブユニットの全てを一体に接着する圧力プレートを有する加圧制約に配置される。
【0120】
マルチユニット電極積層では、電極構造及び対向電極構造は、積層方向に垂直な縦方向(例えば、図2における長さ方向)に延在する。電極集電体の端部部分(例えば、図4B、14、15、16、18、及び19における電極構造202の残部の上方に延在する電極集電体214の部分)が、縦方向に電極活物質及びセパレータ構造を越えて延在する。電気活物質及びセパレータ構造の上方に延在する端部部分を、図4B、14、15、16、18、及び19に示されるように、電極構造の縦方向にほぼ垂直に曲げて、積層方向に、又は積層方向の反対に延在させる。スロット(例えば、図18及び19)がない実施形態では、電極バスバーの表面を電極集電体の端部部分(すなわち、曲がった端部部分)と接触させて電極バスバーを積層方向に延在させて位置付ける前に、端部部分が曲げられる。例示的な実施形態では、導電性接着層(例えば、本明細書で論じた、電流制限デバイスとして機能する導電性接着剤)が、電極バスバーの表面と電極集電体の端部部分との間に位置する。いくつかの実施形態では、導電性接着層は、電極集電体と接触している電極バスバーの表面上に配設される。他の実施形態では、導電性接着層は、電極集電体上に配設される。更に他の実施形態では、導電性接着層は、電極バスバーと電極集電体との間に位置付けられた別個の層である。熱及び圧力を電極バスバーに印加して、導電性接着層を介して電極集電体の端部部分をバスバーに接着する。加えられる熱は、100℃~300℃、好ましくは125℃~250℃、最も好ましくは150℃~225℃であり得る。圧力は、10psi~1000psi、好ましくは15psi~750psi、より好ましくは20psi~500psiであり得る。
【0121】
集電体中のスロット(例えば、図4B及び図14~16)を使用する実施形態では、バスバーは、集電体を曲げる前に、スロットに挿通される。そのような実施形態では、電極バスバー208及び対向電極バスバー210は、電流リミッタ206(及び該当する場合は502)をバスバー208、210と集電体214、218との間にして、それぞれの集電体214、218のスロット404、300(図3A~4Bに示される)を通して配置される。バスバー208、210がスロット404、300を通して配置されると、部分406、302は、それぞれ、それぞれのバスバー208、210に向けて折り返される。電極バスバー208は、電極集電体214の部分406に溶接され、対向電極バスバー210は、対向電極集電体218の部分302に溶接される。溶接は、レーザ溶接機、摩擦溶接、超音波溶接、又はバスバー208及び210を集電体214、218に溶接するための任意の好適な溶接方法を使用して行われ得る。マルチユニット電極積層へのバスバーの溶接の後、積層セル900は、完成され、電池の形成されたポーチ、金属缶、又は他の好適な容器に配置され得る。他の実施形態では、スロットがなく集電体上のタブの上にバスバーを取り付けるなどの方法を含む、電極バスバー208及び対向電極バスバー210を集電体に接続する任意の他の好適な方法が使用され得る。
【0122】
図10は、積層されたセル900の上面図(すなわち、高さ方向Hから見たもの)の一部分である。図9に示される積層セル900の部分は、1つの電極構造202及び2つの対向電極構造204を含む。この例では、電極構造202は、アノード電極構造であり、対向電極構造204は、カソード電極構造である。
【0123】
図11A及び11Bを参照すると、積層セル900の形成後、積層セル900は、パッケージングステーション1100に進み、積層セル900を、多層アルミニウムポリマー材料、プラスチックなどのような絶縁パッケージング材料1101でコーティングして、電池パッケージ1102を形成する。一実施形態では、電池パッケージ1102は、真空を使用して真空にされ、開口部(図示せず)を通して電解質材料で満たされる。絶縁パッケージング材料は、ヒートシール、レーザ溶接、接着剤、又は任意の好適な封止方法を使用して、積層セル900の周りで封止され得る。封止後、電池絶縁パッキン材料は、封止された筐体を形成する。バスバー208及び210の端部は、露出したままであり、電池パッケージ1102によって覆われておらず、露出した端部は、封止された電池筐体の外部の電極端子及び対向電極端子として機能する。バスバーの露出した端部は、ユーザがバスバーを給電されるデバイス又は電池充電器に接続することを可能にする。他の実施形態では、別個の外部の電極端子及び対向電極端子が、バスバー208及び210に溶接され、封止された電池パッケージ1102の外部に位置付けられる。いくつかの実施形態では、そのような外部の電極端子と対向電極端子との間の接続部は、電池パッケージ1102内に位置し、バスバー208、210の端部は、電池パッケージ1102の外側に延在しない。
【0124】
ここで図12を参照すると、式(6)で使用される熱暴走電流(Itr)を決定するために使用される湿式(すなわち、単位セルは、液体電解質を含む)強制内部短絡(FISC)アッセイを行い得る。FISCアッセイは、反復試験である。試験は、n個の単位セル(nは正の整数である)を含む電極アセンブリ上で実行される。各単位セルは、単一の対向電極204に隣接する単一の電極構造202を含み、それらの間にセパレータ205を有し、電流リミッタ206を含む。第1の反復は、n=1(すなわち、単一の単位セルが存在する)の場合に、任意の他の電極構造202、204から電気的に切断されている電極アセンブリを用いて行われる。図12は、単一の単位セル1200を含む、試験される電極アセンブリを示す。図12は、縮尺通りではないことに留意されたい。試験を行うために、導電性粒子1202が、単位セルの完全に充電された正極と負極との間のエリアに(例えば、電極構造202と対向電極構造204との間のセパレータ構造205上に)位置付けられる。一例では、導電性粒子1202は、2mm×0.2mm×0.1mmのL字型ニッケル粒子である。他の実施形態では、導電性粒子1202は、任意の他の好適な形状を有し得、かつ/又は任意の他の好適な導電性材料で作製され得る。サーボモータ1204プレスは、埋め込まれた導電性粒子が位置する場所の単位セル1200上に、5mm×5mmの平坦なアクリル樹脂圧子1206を1.0mm/sの速度で変位させる。このことは、導電性粒子1202に、電極構造202と対向電極構造204とを短絡させて電気的に接続させる。サーボモータ1204は、単位セルの電圧の80%超の電圧降下が生じるまで、圧子1206を変位させ続ける。単位セル1200が破滅的な障害(例えば、単位セル1200が発火又は爆発する)を経験する場合、試験は、停止される。単一の単位セル1200が試験に不合格であった場合、障害を起こした単位セルの構成は、熱暴走電流(Itr)を決定するためのこの試験の使用の候補ではなく、異なる試験、推定、シミュレーションなどを実行して、単位セル1200のこの構成に対する熱暴走電流(Itr)を決定しなければならない。更に、単一の単位セル1200が試験に不合格であった場合、電流を好適に制限するために電流リミッタに必要な抵抗が、通常の充放電下で望ましくないエネルギー損失を招くのに十分に高い可能性が高いため、障害を起こした単位セルの構成は、本明細書に記載される電流リミッタでの使用に良好な候補ではない場合がある。
【0125】
単位セル1200が壊滅的な障害を経験しない場合、単位セル1200の構成は、第1の反復を通過し、nは、1だけ増分され、2つの単位セル(すなわち、n=2)を含む新しいアセンブリが組み立てられ、単位セルのうちの1つが、第1のステップについて上記で論じたように、導電性粒子1202を用いて構成される。FISC試験は、2つの単位セルを有するこの新しいアセンブリに対して繰り返される。新しいアセンブリが試験に合格した場合、この段落における上記のステップが再度実行される。すなわち、n=n+1個の単位セルを有する新しいアセンブリが、単位セルのうちの1つが導電性粒子を含んで組み立てられ、FISC試験が、再度行われる。最悪の場合の強制内部短絡抵抗は、各ステップで以下によって与えられる:
s、WCFISC(n)=R20kHz(Vtoc,n) (9)
【0126】
この例では、20kHzのインピーダンスが使用されるが、任意の他の好適な非零周波数でのインピーダンスが使用されてもよい。この反復は、電極アセンブリが試験に不合格となるまで繰り返す。電極アセンブリのうちの1つが試験に不合格となると、試験は、停止される。最後の成功した反復(すなわち、電極アセンブリは、n-1個の単位セルの電流値を有する)からの単位セルの数を使用して、熱暴走電流(Itr)を決定する。熱暴走電流(Itr)は、以下によって与えられる:
【数13】
【0127】
次いで、式(10)から決定された熱暴走電流(Itr)を不等式(6)に使用して、各電流リミッタ206に必要な抵抗を決定し、決定された抵抗を各々が有する電流リミッタ206を含む電極アセンブリを生成し得る。
【0128】
上記では単一の単位セル及びn=1で開始すると論じたが、上記のアッセイは、任意の好適な、非零の数の単位セルで開始してもよい。例えば、特定の単位セル構成がn=4で試験に不合格となることが予想される(例えば、推定される、計算されるなど)場合、試験は、3つの単位セルを含む電極アセンブリを用いてn=3で開始されてもよい。
【0129】
式(6)におけるRとして使用するための実際の短絡抵抗は、乾式FISCアッセイを使用して決定され得る。乾式FISCアッセイは、上記で論じたFISCアッセイと同様であるが、1つ以上の単位セルに対して行われる。乾式FISCアッセイでは、電解質がない1つ以上の単位セルが、図12を参照して上述したアセンブリ及び技法を使用してFISCに供される。すなわち、単位セル(セパレータ205を伴って単一の対向電極204に隣接する単一の電極構造202を含む)は、単位セルの正極と負極との間のエリアに(例えば、電極構造202と対向電極構造204との間のセパレータ構造205上に)位置付けられた導電性粒子1202を有し、圧子1206は、単位セルを押しつぶして、導電性粒子1202に、電極構造202と対向電極構造204とを短絡させて電気的に接続させる。次いで、短絡した単位セルの実際の短絡抵抗が、測定され、式(6)で使用され得る。
【0130】
図13は、電池において充電状態と放電状態との間でサイクリングするための別の電極アセンブリ1300の一部分の簡略図である。電極アセンブリ1300は、上述した電極アセンブリと同様の構成要素を含み、別段の定めがない限り、これらの構成要素は同じである。対向電極構造の群、セパレータ構造の群、及び対向電極バスバーは、明確にするために図から省略されている。電極アセンブリ1300における電流リミッタ206の群は、電極構造202の群よりも少ない構成単位を有する。電極構造の群は、電極構造202のグループ1302に分割されている。電極構造202の各グループ1302は、図13では2つの電極構造202を含む。他の実施形態では、グループ1302は、グループが2つ以上の電極構造202以上を含む限り、任意の数の電極構造202を含んでもよい。グループ1302における各電極構造202は、そのグループ1302における他の電極構造202に電気的に並列に接続されている。グループ1302における電極構造202の並列接続部は、単一の電流リミッタ206によって電極バスバー208に接続されている。すなわち、グループ1302における電極構造の全ては、単一の電流リミッタ206を共有する。他の実施形態は、追加的又は代替的に、単一の電流リミッタ206を共有する、同様のグループ化された対向電極構造204の配置を含む。更に、いくつかの実施形態では、電極アセンブリにおける電極構造202のうちのいくつか及び/又は対向電極構造204のうちのいくつかは、上述したようにグループ化され得る一方、アセンブリにおける他の電極構造202及び/又は対向電極構造204は、グループ化されておらず、各々が独自の電流リミッタ206を有する。
【0131】
電極アセンブリ1300における電流リミッタ206の抵抗は、上記で論じた不等式(6)の変形によって決定される。具体的には、電極アセンブリ1300における共有される電流リミッタ206の抵抗は、以下を満たすように決定され:
【数14】
式中、nは、グループ1302における単位セルの数(又は電極構造202の数)である。
【0132】
いくつかの実施形態では、電流リミッタ206の抵抗は、電流リミッタの抵抗と単位セルのセル抵抗との間の関係によって規定される。具体的には、摂氏マイナス30度(℃)~80℃の通常動作温度の範囲内で、各単位セルは、セル抵抗R1を有する。各電流リミッタは、以下となるような抵抗R2を有し:
R2/R1>0.01 (12)
これは、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときである。R2/R1の比率の正確な値は、電池の容量及び/又は電圧に応じて異なり得る。例示的な実施形態では、R2/R1は、0.5、0.95、又は0.0275にほぼ等しい。いくつかの実施形態では、R2/R1は、0.1よりも大きいか、0.5よりも大きいか、0.95よりも大きいか、又は0.1よりも大きくてよい。
【0133】
以下の実施形態は、本開示の態様を例示するために提供されるが、これらの実施形態は、限定することを意図するものではなく、他の態様及び/又は実施形態も提供され得る。
【0134】
実施形態1
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、電極構造の群、対向電極構造の群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備える、電極アセンブリ。電極構造群の各構成単位は、電極活物質及び電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極活物質及び対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電流リミッタの群は、少なくとも10個の電流リミッタを含む。電極集電体の各々は、電流リミッタの群の構成単位によって電極バスバーに電気的に接続されており、摂氏25度(℃)の温度で、電流リミッタ群の各構成単位は、0.25オーム(Ω)以上の抵抗を有する。
【0135】
実施形態2
帯電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリは、電極構造の群であって、電極構造の群の各構成単位が、電極活物質及び電極集電体を備える、電極構造の群と、電極バスバーであって、電極構造の群の各構成単位の電極集電体が、電極バスバーに電気的に並列に接続されている、電極バスバーと、対向電極構造の群であって、対向電極構造群の各構成単位が、対向電極活物質及び対向電極集電体を備える、対向電極構造の群と、対向電極バスバーであって、対向電極構造群の各構成単位の対向電極集電体が、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている、対向電極バスバーと、電流リミッタの群と、を含む。電流リミッタ群の各構成単位は、電極構造群の各構成単位の電極集電体を電極バスバーに電気的に接続しており、摂氏25度(℃)の温度で、電流リミッタ群の各構成単位が、0.25オーム(Ω)以上の抵抗を有する。
【0136】
実施形態3
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリは、電極構造の群と、対向電極構造の群と、電極構造群と対向電極構造群とを電気的に隔離するためのセパレータ構造の群と、電流リミッタの群と、電極バスバーと、対向電極バスバーと、を含む。電極構造群の各構成単位は、電極活物質及び電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極活物質及び対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電流リミッタ群の各構成単位は、異なる電極集電体と電極バスバーとの間に電気的に接続されており、摂氏25度(℃)の温度で、電流リミッタ群の各構成単位は、0.25オーム(Ω)よりも大きい抵抗を有する。
【0137】
実施形態4
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリは、電極構造の群と、対向電極構造の群と、電極構造群と対向電極構造群とを電気的に隔離するためのセパレータ構造の群と、電流リミッタの群と、電極バスバーと、対向電極バスバーと、を含む。電極構造群の各構成単位は、電極活物質及び電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極活物質及び対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電流リミッタ群の各構成単位は、異なる電極集電体と電極バスバーとの間に位置付けられており、構成単位の関連付けられた電極集電体及び電極バスバーに電気的に接続されており、摂氏25度(℃)の温度で、電流リミッタ群の各構成単位は、0.25オーム(Ω)よりも大きい抵抗を有する。
【0138】
実施形態5
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリは、電極構造の群と、対向電極構造の群と、電極構造群と対向電極構造群とを電気的に隔離するためのセパレータ構造の群と、電流リミッタの群と、電極バスバーと、対向電極バスバーと、を含む。電極アセンブリは、25Cで完全に充電された容量C、電極アセンブリの障害を引き起こし得る電流閾値IThを有し、電極構造群の構成単位と対向電極構造群の構成単位との間に電圧差Vが存在する。電極構造群の構成単位は、各々、電極構造抵抗を有し、電極活物質及び電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極活物質及び対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電流リミッタ群の各構成単位は、異なる電極集電体と電極バスバーとの間に電気的に接続されており、摂氏25度(℃)の温度で、電流リミッタ群の各構成単位が、構成単位の関連付けられた電極構造群の構成単位を通る電流をITh未満に制限する抵抗を有し、抵抗が、Vと、関連付けられた電極構造群の構成単位の電極構造抵抗と、関連付けられた電極構造群の構成単位と対向電極構造群の構成単位との間の短絡の抵抗と、電極バスバーに接続された電極構造群の構成単位の数と、の関数として決定される。
【0139】
実施形態6
Thが、8アンペア以上かつ12アンペア以下である、実施形態5に記載の電極アセンブリ。
【0140】
実施形態7
Thが、8.0アンペアである、実施形態5又は実施形態6に記載の電極アセンブリ。
【0141】
実施形態8
Vが、4.35ボルトである、実施形態5~7のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0142】
実施形態9
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリは、電極構造の群と、対向電極構造の群と、電極構造群と対向電極構造群とを電気的に隔離するためのセパレータ構造の群と、電流リミッタの群と、電極バスバーと、対向電極バスバーと、を含む。電極アセンブリは、摂氏25度(℃)で完全に充電された容量Cを有する。電極構造群の各構成単位は、電極活物質及び電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極活物質及び対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電流リミッタの群は、電極バスバーと電極群の構成単位の各電極集電体との間の電気接続部に位置し、25℃の温度で、(i)電流リミッタ群の各構成単位が、電極バスバーと構成単位の関連付けられた電極集電体との間で流れ得る電流の量を最大8アンペアに制限する抵抗を含み、(ii)電流が電極バスバーと電極集電体サブセットの各構成単位との間で渡されて、電極アセンブリを1CのCレートで充電又は放電するとき、電流リミッタ群の各構成単位を通した電圧降下は、20mVを超えない。
【0143】
実施形態9.1
摂氏マイナス30度(℃)~80℃の通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、単位セルの群、電極バスバー、対向電極バスバー、及び電流リミッタの群を備える。単位セル群の各構成単位は、セル抵抗R1を有し、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備え、単位セル群の各構成単位の電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、単位セル群の各構成単位の対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備える。単位セル群の各構成単位について、(a)電極構造の電極集電体が、電極バスバーに電気的に接続されており、(b)対向電極構造の対向電極集電体が、対向電極バスバーに電気的に接続されており、(c)電流リミッタ群の構成単位が、(i)電極集電体と電極バスバーとの間、又は(ii)対向電極集電体と対向電極バスバーとの間に電気的に接続されている。電流リミッタ群の各構成単位は、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときに、R2/R1>0.01であるような抵抗R2を有する。
【0144】
実施形態9.2
摂氏マイナス20度(℃)~80℃の通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、単位セルの群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備える。単位セル群の各構成単位は、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を備え、単位セル群の各構成単位の電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、単位セル群の各構成単位の対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備える。単位セル群の各構成単位について、(a)電極構造の電極集電体が、電極バスバーに電気的に接続されており、(b)対向電極構造の対向電極集電体が、対向電極バスバーに電気的に接続されており、(c)電流リミッタ群の少なくとも1つの構成単位が、(i)電極集電体と電極バスバーとの間、又は(ii)対向電極集電体と対向電極バスバーとの間に電気的に接続されている。各単位セルについて、電流リミッタ群の少なくとも1つの構成単位が、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときに、単位セルを通る電流を、電極アセンブリが放電されるまで、単位セルの熱暴走を誘発するであろう電流未満である閾値電流I未満の非零電流に実質的に連続して制限するのに十分な抵抗を有する。
【0145】
実施形態10
摂氏25度(℃)の温度における電流リミッタ群の各構成単位の抵抗が、0.25オーム(Ω)よりも大きい、実施形態5~9.2のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0146】
実施形態11
電流リミッタ群の各構成単位の抵抗が、25℃よりも高い温度で増加しない、実施形態3~10のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0147】
実施形態12
電流リミッタの群が、導電性接着剤を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0148】
実施形態13
導電性接着剤が、導電性接着剤の単層で構成されており、電流リミッタの群の各構成単位が、導電性接着剤の単層の異なる部分を含む、実施形態12に記載の電極アセンブリ。
【0149】
実施形態14
導電性接着剤の単層が、電極バスバー上に配設されている、実施形態13に記載の電極アセンブリ。
【0150】
実施形態15
電流リミッタの群の各構成単位の導電性接着剤が、電流リミッタの群の他の各構成単位の導電性接着剤から物理的に分離されている、実施形態12に記載の電極アセンブリ。
【0151】
実施形態16
導電性接着剤が、電極集電体群の各構成単位の一部分上に配設されている、実施形態15に記載の電極アセンブリ。
【0152】
実施形態17
導電性接着剤が、中に懸濁した導電性材料を有する接着性ポリマーを含む、実施形態12~16のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0153】
実施形態18
導電性材料が、カーボンブラックを含む、実施形態17に記載の電極アセンブリ。
【0154】
実施形態18.1
導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、実施形態17に記載の電極アセンブリ。
【0155】
実施形態18.2
金属コーティング炭素繊維が、ニッケルでコーティングされた炭素繊維を含む、実施形態18.1に記載の電極アセンブリ。
【0156】
実施形態18.3
金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、長さ対直径のアスペクト比が、10:1以上である、実施形態18.1又は18.2に記載の電極アセンブリ。
【0157】
実施形態18.4
長さ対直径のアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、実施形態18.3に記載の電極アセンブリ。
【0158】
実施形態18.5
長さ対直径のアスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、実施形態18.3に記載の電極アセンブリ。
【0159】
実施形態18.6
長さ対直径のアスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、実施形態18.3に記載の電極アセンブリ。
【0160】
実施形態18.7
長さ対直径のアスペクト比が、約850である、実施形態18.3に記載の電極アセンブリ。
【0161】
実施形態19
導電性材料が、ニッケル粒子を含む、実施形態17に記載の電極アセンブリ。
【0162】
実施形態20
導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、実施形態17に記載の電極アセンブリ。
【0163】
実施形態21
導電性材料が、金属粒子を含む、実施形態17に記載の電極アセンブリ。
【0164】
実施形態22
導電性接着剤が、ホットメルト接着剤ポリマーを含む、実施形態12~21のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0165】
実施形態22.1
190℃でASTMD 1238に従って決定される導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、実施形態12~21のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0166】
実施形態22.2
メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、実施形態22.1に記載の電極アセンブリ。
【0167】
実施形態22.3
メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、実施形態22.1に記載の電極アセンブリ。
【0168】
実施形態22.4
導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、実施形態12~22.3のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0169】
実施形態22.5
導電性接着剤の融点が、60℃~200℃である、実施形態22.4に記載の電極アセンブリ。
【0170】
実施形態22.6
導電性接着剤の融点が、70℃~165℃である、実施形態22.4に記載の電極アセンブリ。
【0171】
実施形態23
導電性接着剤が、0.01Ω・cm以上の抵抗率を有する、実施形態12~22.6のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0172】
実施形態24
導電性接着剤が、1.0Ω・cm以下の抵抗率を有する、実施形態12~23のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0173】
実施形態25
導電性接着剤が、エチレン-co-アクリル酸、エチレン-co-アクリル酸のイオノマー、及びエチレン-co-アクリル酸のポリマーのうちの1つを含む、実施形態12~24のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0174】
実施形態26
導電性接着剤が、エチレン-co-メタクリル酸、エチレン-co-メタクリル酸のアイオノマー、及びエチレン-co-メタクリル酸のポリマーのうちの1つを含む、実施形態12~24のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0175】
実施形態27
導電性接着剤が、官能化ポリエチレンを含む、実施形態12~24のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0176】
実施形態28
導電性接着剤が、官能化ポリプロピレンを含む、実施形態12~24のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0177】
実施形態29
電流リミッタ群の各構成単位が、導電性フィルムを含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0178】
実施形態30
電流リミッタ群の各構成単位が、電極バスバーと、電極バスバーの関連付けられた電極集電体と、の間に物理的に位置する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0179】
実施形態31
追加の電流リミッタの群を更に備え、追加の電流リミッタの群の各構成単位が、異なる対向電極集電体と対向電極バスバーとの間に電気的に接続されている、実施形態1~30のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0180】
実施形態32
摂氏25度(℃)の温度で、追加の電流リミッタ群の各構成単位が、0.25オーム(Ω)よりも大きい抵抗を有する、実施形態31に記載の電極アセンブリ。
【0181】
実施形態33
摂氏25度(℃)の温度で、追加の電流リミッタ群の各構成単位が、0.25オーム(Ω)よりも小さい抵抗を有する、実施形態31に記載の電極アセンブリ。
【0182】
実施形態34
第2の電流リミッタ群の各構成単位の抵抗が、25℃よりも高い温度で増加しない、実施形態31~33のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0183】
実施形態35
追加の電流リミッタの群が、追加の導電性接着剤を含む、実施形態31~34のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0184】
実施形態36
追加の導電性接着剤が、中に懸濁した追加の導電性材料を有する追加の接着性ポリマーを含む、実施形態35に記載の電極アセンブリ。
【0185】
実施形態37
追加の導電性材料が、カーボンブラックを含む、実施形態36に記載の電極アセンブリ。
【0186】
実施形態37.1
追加の導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、実施形態36に記載の電極アセンブリ。
【0187】
実施形態37.2
金属コーティング炭素繊維が、ニッケルでコーティングされた炭素繊維を含む、実施形態37.1に記載の電極アセンブリ。
【0188】
実施形態37.3
金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、長さ対直径のアスペクト比が、10:1以上である、実施形態37.1又は37.2に記載の電極アセンブリ。
【0189】
実施形態37.4
長さ対直径のアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、実施形態37.3に記載の電極アセンブリ。
【0190】
実施形態37.5
長さ対直径のアスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、実施形態37.3に記載の電極アセンブリ。
【0191】
実施形態37.6
長さ対直径のアスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、実施形態37.3に記載の電極アセンブリ。
【0192】
実施形態37.7
長さ対直径のアスペクト比が、約850である、実施形態37.3に記載の電極アセンブリ。
【0193】
実施形態38
追加の導電性材料が、ニッケル粒子を含む、実施形態36に記載の電極アセンブリ。
【0194】
実施形態39
追加の導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、実施形態36に記載の電極アセンブリ。
【0195】
実施形態40
追加の導電性材料が、金属粒子を含む、実施形態36に記載の電極アセンブリ。
【0196】
実施形態41
追加の導電性材料及び導電性材料が、同じタイプの導電性材料である、実施形態36に記載の電極アセンブリ。
【0197】
実施形態42
追加の導電性接着剤が、ホットメルト接着剤ポリマーを含む、実施形態35~41のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0198】
実施形態42.1
190℃でASTMD 1238に従って決定される追加の導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、実施形態35~41のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0199】
実施形態42.2
メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、実施形態42.1に記載の電極アセンブリ。
【0200】
実施形態42.3
メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、実施形態42.1に記載の電極アセンブリ。
【0201】
実施形態42.4
追加の導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、実施形態35~42.3のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0202】
実施形態42.5
追加の導電性接着剤の融点が、60℃~200℃である、実施形態42.4に記載の電極アセンブリ。
【0203】
実施形態42.6
追加の導電性接着剤の融点が、70℃~165℃である、実施形態42.4に記載の電極アセンブリ。
【0204】
実施形態43
追加の導電性接着剤が、0.01Ω・cm以上の抵抗率を有する、実施形態35~42.6のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0205】
実施形態44
追加の導電性接着剤が、1.0Ω・cm以下の抵抗率を有する、実施形態35~43のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0206】
実施形態45
追加の導電性接着剤が、エチレン-co-アクリル酸、エチレン-co-アクリル酸のイオノマー、及びエチレン-co-アクリル酸のポリマーのうちの1つを含む、実施形態35~44のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0207】
実施形態46
追加の導電性接着剤が、エチレン-co-メタクリル酸、エチレン-co-メタクリル酸のイオノマー、及びエチレン-co-メタクリル酸のポリマーのうちの1つを含む、実施形態35~44のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0208】
実施形態47
追加の導電性接着剤が、官能化ポリエチレンを含む、実施形態35~44のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0209】
実施形態48
追加の導電性接着剤が、官能化ポリプロピレンを含む、実施形態35~44のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0210】
実施形態49
追加の電流リミッタ群の各構成単位が、導電性フィルムを含む、実施形態31~34のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0211】
実施形態50
追加の電流リミッタ群の各構成単位が、電極バスバーと、電極バスバーの関連付けられた電極集電体と、の間に物理的に位置する、実施形態31~49のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0212】
実施形態51
追加の電極構造の群を更に備え、追加の電極構造の群の各構成単位が、電極活物質及び追加の電極集電体を備え、追加の電極集電体が、電流リミッタ群の構成単位に接続されずに、電極バスバーに電気的に並列に接続されている、実施形態1~50のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0213】
実施形態52
電極構造が、カソード構造を含み、電極活物質が、カソード活物質を含み、電極集電体が、カソード集電体を含み、電極バスバーが、カソードバスバーを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0214】
実施形態53
電極構造が、アノード構造を含み、電極活物質が、アノード活物質を含み、電極集電体が、アノード集電体を含み、電極バスバーが、カソードバスバーを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0215】
実施形態54
封止された電池筐体と、封止された筐体内の先行実施形態のいずれか1つに記載の電極アセンブリと、封止された電池筐体の外部の電極端子及び対向電極端子と、を備える、二次電池。
【0216】
実施形態55
定格容量Cを有する充電状態と放電状態との間でサイクリングするための二次電池であって、(i)封止された電池筐体と、(ii)封止された筐体内の電流リミッタの群を含む電極アセンブリと、(iii)封止された電池筐体の外部の電極端子及び対向電極端子と、を備える、二次電池。電極アセンブリは、架空の三次元デカルト座標系のx軸、y軸、及びz軸にそれぞれ対応する相互に垂直な横方向軸、縦方向軸、及び垂直軸を有し、(i)縦方向に交互する配列で配置された少なくとも10個の電極構造の群及び少なくとも10個の対向電極構造の群と、(ii)電極端子に電気的に接続された電極バスバーと、(iii)対向電極端子に電気的に接続された対向電極バスバーと、(iv)電極群及び対向電極群の構成単位間の電気絶縁セパレータと、を備え、(v)電極群の各構成単位が、電極バスバーに電気的に並列に接続されており、(vi)電極バスバーが、長さ及び断面積を有し、電極端子から電極群に電流を伝達するように、かつ電極群から電極端子に、プールされていた電流を伝達するように適合されており、(vii)電極群の各構成単位が、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されており、(viii)対向電極バスバーが、長さ及び断面積を有し、対向電極端子から対向電極群に電流を伝達するように、かつ対向電極群から対向電極端子に、プールされていた電流を伝達するように適合されている。電極群の各構成単位は、電極集電体であって、近位端部と、遠位端部と、電極集電体の近位端部から遠位端部まで延在する長さと、電極集電体の長さに沿った断面積と、電極集電体の表面上の電極活物質の層と、を有する電極集電体を備え、電極集電体の近位端部が、電極バスバーに電気的に接続されている。対向電極群の各構成単位は、対向電極集電体と、対向電極集電体の表面上の対向電極活物質の層と、を備える。電流リミッタの群は、電極バスバーと電極集電体との間に電気的に接続されており、摂氏25度(℃)の温度で、電流リミッタ群の各構成単位が、0.25オーム(Ω)よりも大きい抵抗を有する。
【0217】
実施形態56
電流リミッタ群の各構成単位の抵抗が、25℃よりも高い温度で増加しない、実施形態55に記載の二次電池。
【0218】
実施形態57
電流リミッタの群が、導電性接着剤を含む、実施形態56又は実施形態57に記載の二次電池。
【0219】
実施形態58
導電性接着剤が、導電性接着剤の単層で構成されており、電流リミッタの群の各構成単位が、導電性接着剤の単層の異なる部分を含む、実施形態57に記載の二次電池。
【0220】
実施形態59
導電性接着剤の単層が、電極バスバー上に配設されている、実施形態58に記載の二次電池。
【0221】
実施形態60
電流リミッタの群の各構成単位の導電性接着剤が、電流リミッタの群の他の各構成単位の導電性接着剤から物理的に分離されている、実施形態57に記載の二次電池。
【0222】
実施形態61
導電性接着剤が、電極集電体群の各構成単位の一部分上に配設されている、実施形態60に記載の二次電池。
【0223】
実施形態62
導電性接着剤が、中に懸濁した導電性材料を有する接着性ポリマーを含む、実施形態57~61のいずれか1つに記載の二次電池。
【0224】
実施形態63
導電性材料が、カーボンブラックを含む、実施形態62に記載の二次電池。
【0225】
実施形態63.1
導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、実施形態62に記載の二次電池。
【0226】
実施形態63.2
金属コーティング炭素繊維が、ニッケルでコーティングされた炭素繊維を含む、実施形態63.1に記載の二次電池。
【0227】
実施形態63.3
金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、長さ対直径のアスペクト比が、10:1以上である、実施形態63.1又は63.2に記載の二次電池。
【0228】
実施形態63.4
長さ対直径のアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、実施形態63.3に記載の二次電池。
【0229】
実施形態63.5
長さ対直径のアスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、実施形態63.3に記載の二次電池。
【0230】
実施形態63.6
長さ対直径のアスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、実施形態63.3に記載の二次電池。
【0231】
実施形態63.7
長さ対直径のアスペクト比が、約850である、実施形態63.3に記載の二次電池。
【0232】
実施形態64
導電性材料が、ニッケル粒子を含む、実施形態62に記載の二次電池。
【0233】
実施形態65
導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、実施形態62に記載の二次電池。
【0234】
実施形態66
導電性材料が、金属粒子を含む、実施形態62に記載の二次電池。
【0235】
実施形態67
導電性接着剤が、ホットメルト接着剤ポリマーを含む、実施形態57~66のいずれか1つに記載の二次電池。
【0236】
実施形態67.1
190℃でASTMD 1238に従って決定される導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、実施形態57~66のいずれか1つに記載の二次電池。
【0237】
実施形態67.2
メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、実施形態67.1に記載の二次電池。
【0238】
実施形態67.3
メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、実施形態67.1に記載の二次電池。
【0239】
実施形態67.4
導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、実施形態57~67.3のいずれか1つに記載の二次電池。
【0240】
実施形態67.5
導電性接着剤の融点が、60℃~200℃である、実施形態67.4に記載の二次電池。
【0241】
実施形態67.6
導電性接着剤の融点が、70℃~165℃である、実施形態67.4に記載の二次電池。
【0242】
実施形態68
導電性接着剤が、0.01Ω・cm以上の抵抗率を有する、実施形態57~67.6のいずれか1つに記載の二次電池。
【0243】
実施形態69
導電性接着剤が、1.0Ω・cm以下の抵抗率を有する、実施形態57~68のいずれか1つに記載の二次電池。
【0244】
実施形態70
導電性接着剤が、エチレン-co-アクリル酸、エチレン-co-アクリル酸のイオノマー、及びエチレン-co-アクリル酸のポリマーのうちの1つを含む、実施形態57~69のいずれか1つに記載の二次電池。
【0245】
実施形態71
導電性接着剤が、エチレン-co-メタクリル酸、エチレン-co-メタクリル酸のアイオノマー、及びエチレン-co-メタクリル酸のポリマーのうちの1つを含む、実施形態57~69のいずれか1つに記載の二次電池。
【0246】
実施形態72
導電性接着剤が、官能化ポリエチレンを含む、実施形態57~69のいずれか1つに記載の二次電池。
【0247】
実施形態73
導電性接着剤が、官能化ポリプロピレンを含む、実施形態57~69のいずれか1つに記載の二次電池。
【0248】
実施形態74
電流リミッタ群の各構成単位が、導電性フィルムを含む、実施形態55又は実施形態56に記載の二次電池。
【0249】
実施形態75
電流リミッタ群の各構成単位が、電極バスバーと、電極バスバーの関連付けられた電極集電体と、の間に物理的に位置する、実施形態55~74のいずれか1つに記載の二次電池。
【0250】
実施形態76
電極アセンブリが、追加の電流リミッタの群を更に備え、追加の電流リミッタの群の各構成単位が、異なる対向電極集電体と対向電極バスバーとの間に電気的に接続されている、実施形態55~75のいずれか1つに記載の二次電池。
【0251】
実施形態77
摂氏25度(℃)の温度で、追加の電流リミッタ群の各構成単位が、0.25オーム(Ω)よりも大きい抵抗を有する、実施形態76に記載の二次電池。
【0252】
実施形態78
摂氏25度(℃)の温度で、追加の電流リミッタ群の各構成単位が、0.25オーム(Ω)よりも小さい抵抗を有する、実施形態76に記載の二次電池。
【0253】
実施形態79
第2の電流リミッタ群の各構成単位の抵抗が、25℃よりも高い温度で増加しない、実施形態76~78のいずれか1つに記載の二次電池。
【0254】
実施形態80
追加の電流リミッタの群が、追加の導電性接着剤を含む、実施形態76~79のいずれか1つに記載の二次電池。
【0255】
実施形態81
追加の導電性接着剤が、中に懸濁した追加の導電性材料を有する追加の接着性ポリマーを含む、実施形態80に記載の二次電池。
【0256】
実施形態82
追加の導電性材料が、カーボンブラックを含む、実施形態81に記載の二次電池。
【0257】
実施形態82.1
追加の導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、実施形態81に記載の二次電池。
【0258】
実施形態82.2
金属コーティング炭素繊維が、ニッケルでコーティングされた炭素繊維を含む、実施形態82.1に記載の二次電池。
【0259】
実施形態82.3
金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、長さ対直径のアスペクト比が、10:1以上である、実施形態82.1又は82.2に記載の二次電池。
【0260】
実施形態82.4
長さ対直径のアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、実施形態82.3に記載の二次電池。
【0261】
実施形態82.5
長さ対直径のアスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、実施形態82.3に記載の二次電池。
【0262】
実施形態82.6
長さ対直径のアスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、実施形態82.3に記載の二次電池。
【0263】
実施形態82.7
長さ対直径のアスペクト比が、約850である、実施形態82.3に記載の二次電池。
【0264】
実施形態83
追加の導電性材料が、ニッケル粒子を含む、実施形態81に記載の二次電池。
【0265】
実施形態84
追加の導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、実施形態81に記載の二次電池。
【0266】
実施形態85
追加の導電性材料が、金属粒子を含む、実施形態81に記載の二次電池。
【0267】
実施形態86
追加の導電性材料及び導電性材料が、同じタイプの導電性材料である、実施形態81に記載の二次電池。
【0268】
実施形態87
追加の導電性接着剤が、ホットメルト接着剤ポリマーを含む、実施形態80~86のいずれか1つに記載の二次電池。
【0269】
実施形態87.1
190℃でASTMD 1238に従って決定される追加の導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、実施形態80~86のいずれか1つに記載の二次電池。
【0270】
実施形態87.2
メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、実施形態87.1に記載の二次電池。
【0271】
実施形態87.3
メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、実施形態87.1に記載の二次電池。
【0272】
実施形態87.4
追加の導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、実施形態80~87.3のいずれか1つに記載の二次電池。
【0273】
実施形態87.5
追加の導電性接着剤の融点が、60℃~200℃である、実施形態87.4に記載の二次電池。
【0274】
実施形態87.6
追加の導電性接着剤の融点が、70℃~165℃である、実施形態87.4に記載の二次電池。
【0275】
実施形態88
追加の導電性接着剤が、0.01Ω・cm以上の抵抗率を有する、実施形態80~87.6のいずれか1つに記載の二次電池。
【0276】
実施形態89
追加の導電性接着剤が、1.0Ω・cm以下の抵抗率を有する、実施形態80~88のいずれか1つに記載の二次電池。
【0277】
実施形態90
追加の導電性接着剤が、エチレン-co-アクリル酸、エチレン-co-アクリル酸のイオノマー、及びエチレン-co-アクリル酸のポリマーのうちの1つを含む、実施形態80~89のいずれか1つに記載の二次電池。
【0278】
実施形態91
追加の導電性接着剤が、エチレン-co-メタクリル酸、エチレン-co-メタクリル酸のアイオノマー、及びエチレン-co-メタクリル酸のポリマーのうちの1つを含む、実施形態80~89のいずれか1つに記載の二次電池。
【0279】
実施形態92
追加の導電性接着剤が、官能化ポリエチレンを含む、実施形態80~89のいずれか1つに記載の二次電池。
【0280】
実施形態93
追加の導電性接着剤が、官能化ポリプロピレンを含む、実施形態80~89のいずれか1つに記載の二次電池。
【0281】
実施形態94
追加の電流リミッタ群の各構成単位が、導電性フィルムを含む、実施形態76~79のいずれか1つに記載の二次電池。
【0282】
実施形態95
追加の電流リミッタ群の各構成単位が、電極バスバーと、電極バスバーの関連付けられた電極集電体と、の間に物理的に位置する、実施形態76~94のいずれか1つに記載の二次電池。
【0283】
実施形態96
電極アセンブリが、追加の電極構造の群を更に備え、追加の電極構造の群の各構成単位が、電極活物質及び追加の電極集電体を備え、追加の電極集電体が、電流リミッタ群の構成単位に接続されずに、電極バスバーに電気的に並列に接続されている、実施形態55~95のいずれか1つに記載の二次電池。
【0284】
実施形態97
電極構造が、カソード構造を含み、電極活物質が、カソード活物質を含み、電極集電体が、カソード集電体を含み、電極バスバーが、カソードバスバーを含む、実施形態55~96のいずれか1つに記載の二次電池。
【0285】
実施形態98
電極構造が、アノード構造を含み、電極活物質が、アノード活物質を含み、電極集電体が、アノード集電体を含み、電極バスバーが、カソードバスバーを含む、実施形態55~96のいずれか1つに記載の二次電池。
【0286】
実施形態99
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリで使用するための電流リミッタを有する電極単位セルを試験する方法であって、電極単位セルが、電極構造と、対向電極構造と、電極構造と対向電極構造との間のスペーサと、を備え、電流リミッタが、電極構造に電気的に接続されており、電極単位セルが、容量C及び電圧Vを有する、方法。この方法は、電流リミッタを電極構造に電気的に接続することを含み、摂氏25度(℃)の温度で、電流リミッタが、0.25オーム(Ω)以上の抵抗を有する。導電性粒子が、電極構造と対向電極構造との間の、電極単位セルの場所に挿入され、導電性粒子が挿入された電極単位セルの場所の上方に圧子が位置付けられる。圧子は、電極単位セルが、導電性粒子を押動してスペーサを通り抜けさせて電極単位セル及び対向電極単位セルの両方と接触させるように移動することを防止しながら、毎秒1.0ミリメートル(mm)の速度で電極単位セルに押し込まれる。電流リミッタを有する電極単位セルは、電極単位セルが発火したときに試験に不合格であり、電流リミッタを有する電極単位セルは、電極単位セルが発火しなかったときに試験に合格する。
【0287】
実施形態100
圧子を電極単位セルに押し込むことは、電圧Vの80パーセントよりも大きい電圧降下が観測されるまで、圧子を電極単位セルに押し込むことを含む、実施形態99に記載の方法。
【0288】
実施形態101
導電性粒子を挿入することが、ニッケル粒子を挿入することを含む、実施形態99又は実施形態100に記載の方法。
【0289】
実施形態102
ニッケル粒子を挿入することが、英文字「L」のような形状の2.0mm×0.2mm×0.1mmのニッケル粒子であるニッケル粒子を挿入することを含む、実施形態101に記載の方法。
【0290】
実施形態103
電極単位セルが試験に不合格であると判定されたときに、電極単位セルと同じ容量C及び同じ電圧Vを有する同様の電極単位セルに異なる電流リミッタを取り付けることであって、異なる電流リミッタが25℃の温度で電流リミッタよりもより大きい抵抗を有する、取り付けることと、同様の導電性粒子が挿入された同様の電極単位セルの場所の上方に、圧子を位置付けることと、同様の電極単位セルに、同様の電極単位セルが動くことを防止しながら毎秒1.0mmの速度で圧子を押し込むことと、異なる電流リミッタを有する同様の電極単位セルが、同様の電極単位セルが発火したときに試験に不合格であると判定することと、異なる電流リミッタを有する同様の電極単位セルが、同様の電極単位セルが発火しなかったときに試験に合格したと判定することと、を更に含む、実施形態99~102のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
実施形態104
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリを設計する方法は、あるタイプを有する電極単位セルを組み立てることを含み、電極単位セルが、電極構造、対向電極構造と、電極構造と対向電極構造との間のスペーサと、を備え、タイプが、電極単位セルによって生成される電圧と、電極単位セルの容量と、電極構造、対向電極構造、及びスペーサを構築するために使用される材料と、によって決定される。電流リミッタが、電極構造に電気的に接続されており、摂氏25度(℃)の温度で、電流リミッタは、0.25オーム(Ω)以上の抵抗を有する。導電性粒子が、電極構造と対向電極構造との間の、電極単位セルの場所で挿入される。圧子が、導電性粒子が挿入された電極単位セルの場所の上方に位置付けられる。圧子は、電極単位セルが、導電性粒子を押動してスペーサを通り抜けさせて電極単位セル及び対向電極単位セルの両方と接触させるように動くことを防止しながら、毎秒1.0ミリメートル(mm)の速度で電極単位セルに押し込まれる。電流リミッタを有する電極単位セルは、電極単位セルが発火したときに試験に不合格であり、電流リミッタを有する電極単位セルは、電極単位セルが発火しなかったときに試験に合格する。電流リミッタを有する電極単位セルが試験に合格したときに、このタイプの電極単位セルの群及び電流リミッタの群を含む電極構造が組み立てられ、各電流リミッタが、異なる電極単位セルに電気的に接続される。
【0292】
実施形態105
電極単位セルと同じタイプを有する同様の電極単位セルを組み立てることと、異なる電流リミッタを同様の電極構造に電気的に接続することであって、25℃の温度で、異なる電流リミッタが、電流リミッタよりも大きい抵抗を有する、電気的に接続することと、同様の電極単位セルの場所で同様の導電性粒子を挿入することと、圧子を、導電性粒子が挿入された同様の電極単位セルの場所の上方に位置決めすることと、同様の電極単位セルが動くことを防止しながら、同様の電極単位セルに毎秒1.0mmの速度で圧子を押し込むことと、同様の電極単位セルが発火したときに、異なる電流リミッタを有する同様の電極単位セルが試験に不合格であると判定することと、同様の電極単位セルが発火しなかったときに、異なる電流リミッタを有する同様の電極単位セルが試験に合格したと判定することと、異なる電流リミッタを有する同様の電極単位セルが試験に合格したときに、電極単位セルと同じタイプを有する電極単位セルの群と、異なる電流リミッタの群と、を含む電極構造を組み立てることであって、異なる各電流リミッタが異なる電極単位セルに電気的に接続される、組み立てることと、を更に含む、実施形態104に記載の方法。
【0293】
実施形態106
電極単位セルのうちの1つで内部短絡が発生した場合に、電極単位セルの群を含む電極アセンブリの障害を引き起こし得る、電極単位セルを通る熱暴走電流Itrを決定する方法であって、各電極単位セルが、電極構造と、対向電極構造と、電極構造と対向電極構造との間のセパレータ構造と、を備える、方法。この方法は、(a)電気的に並列に接続されたM個の単位セルの電極アセンブリにおいて、電極構造と対向電極構造との間の1つの電極単位セルの場所で導電性粒子を挿入することであって、Mは、正の整数である、挿入することと、(b)導電性粒子が挿入された電極単位セルの場所における電極アセンブリの上方に圧子を位置付けることと、(c)電極アセンブリが、導電性粒子を押動してスペーサを通り抜けさせて電極単位セル及び対向電極単位セルの両方と接触させるように動くことを防止しながら、毎秒1.0ミリメートル(mm)の速度で圧子を電極単位セルに押し込むことと、(d)電極アセンブリが発火したときに電極アセンブリが試験に不合格であると判定し、電極アセンブリが発火しなかったときに電極アセンブリが試験に合格したと判定することと、(e)電極アセンブリが試験に合格したときにMを1だけ増加させ、ステップ(a)~(e)を繰り返し、電極アセンブリが試験に不合格であったときにステップ(f)に進むことと、(f)M-1個の単位セルを含む電極アセンブリに基づいて、熱暴走電流Itrを決定することと、を含む。
【0294】
実施形態107
M-1個の単位セルを含む電極アセンブリに基づいて、熱暴走電流Itrを決定することが、熱暴走電流Itrを、完全に充電されたときの個々の単位セルの電圧と、電極アセンブリがM-1個の単位セルを含んでいるときに導電性粒子が挿入された電極単位セルの短絡抵抗と、の関数として計算することを含む、実施形態106に記載の方法。
【0295】
実施形態108
充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極単位セルの群を含む電極アセンブリを設計する方法は、(a)M個の電極単位セルを組み立てることであって、各電極単位セルが、電極構造と、対向電極構造と、電極構造と対向電極構造との間のセパレータ構造と、を備え、Mは、正の整数である、組み立てることと、(b)電極アセンブリにおいてM個の単位セルを電気的に並列に接続することと、(c)電極構造と対向電極構造との間の1つの電極単位セルの場所で導電性粒子を挿入することと、(d)導電性粒子が挿入された電極単位セルの場所における電極アセンブリの上方に圧子を位置決めすることと、(e)電極アセンブリが、導電性粒子を押動してスペーサを通り抜けさせて電極単位セル及び対向電極単位セルの両方と接触させるように動くことを防止しながら、圧子を電極単位セルに押し込むことと、(f)電極アセンブリが発火したときに電極アセンブリが試験に不合格であると判定し、電極アセンブリが発火しなかったときに電極アセンブリが試験に合格したと判定することと、(g)電極アセンブリが試験に合格したときにMを1だけ増加させ、ステップ(a)~(g)を繰り返し、電極アセンブリが試験に不合格であったときにステップ(h)に進むことと、(h)M-1個の単位セルを含む電極アセンブリに基づいて、熱暴走電流Itrを決定することと、(i)個々の電極単位セルにおいて短絡が発生した場合に、個々の電極単位セルを通る電流を熱暴走電流Itr未満に制限する抵抗を、電極単位セルの群が電極アセンブリ内に組み立てられるときに、各電極構造と直列に追加することを決定することと、を含む。
【0296】
実施形態109
M-1個の単位セルを含む電極アセンブリに基づいて、熱暴走電流Itrを決定することが、熱暴走電流Itrを、完全に充電されたときの個々の単位セルの電圧と、電極アセンブリがM-1個の単位セルを含んでいるときに導電性粒子が挿入された電極単位セルの短絡抵抗と、の関数として計算することを含む、実施形態108に記載の方法。
【0297】
実施形態110
追加される抵抗が、
【数15】
を満たす電流制限抵抗Rcldであり、式中、VTOCは、完全に充電されたときの単位セルの電圧であり、Rblは、各単位セルの抵抗であり、Rは、電極アセンブリがM-1個の単位セルを含むときに導電性粒子が挿入された電極単位セルの短絡抵抗であり、Nは、電極アセンブリに含める電極単位セルの数である、実施形態108又は109に記載の方法。
【0298】
実施形態111
通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、電極構造の群、対向電極構造の群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備える、電極アセンブリ。電極構造群の各構成単位は、電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電極集電体の各々は、電流リミッタの群の構成単位によって電極バスバーに電気的に接続されており、電極リミッタ群の各構成単位が、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときに、構成単位が取り付けられた電極集電体を通る電流を電流閾値Itr未満に制限するのに十分な抵抗を有する。
【0299】
実施形態112
通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、電極構造の群、対向電極構造の群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備える、電極アセンブリ。電極構造群の各構成単位は、電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電流リミッタの群の各構成単位は、電極集電体を電極バスバーに電気的に接続する導電性接着剤を含み、導電性接着剤が、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときにゼロオーム(Ω)よりも大きい抵抗を有する。
【0300】
実施形態113
通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、電極構造の群、対向電極構造の群、電流リミッタの群、電極バスバー、及び対向電極バスバーを備える、電極アセンブリ。電極構造群の各構成単位は、電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電流リミッタの群は、少なくとも10個の電流リミッタを含む。電極集電体の各々は、電流リミッタの群の構成単位によって電極バスバーに電気的に接続されており、電流リミッタ群の各構成単位が、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるときに、0.25オーム(Ω)以上の抵抗を有する。
【0301】
実施形態114
通常動作温度の範囲内で充電状態と放電状態との間でサイクリングするための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、電極構造の群と、対向電極構造の群と、電極構造群と対向電極構造群とを電気的に隔離するためのセパレータ構造の群と、電流リミッタの群と、電極バスバーと、対向電極バスバーと、を備える、電極アセンブリ。電極構造群の各構成単位は、熱暴走電流Itr閾値を有する。電極構造群の構成単位と対向電極構造群の構成単位との間に、電圧Vが存在する。電極バスバー及び対向電極バスバーは、総合して、端子抵抗を有する。電極構造群の構成単位は各々、電極構造抵抗を有し、電極集電体を備え、電極集電体が、電極構造群の構成単位によって構成されており、電極バスバーに電気的に並列に接続されている。対向電極構造群の各構成単位は、対向電極集電体を備え、対向電極集電体が、対向電極構造群の構成単位によって構成されており、対向電極バスバーに電気的に並列に接続されている。電流リミッタ群の各構成単位は、異なる電極集電体と電極バスバーとの間に電気的に接続されており、電極アセンブリが通常動作温度の範囲内にあるとき、電流リミッタ群の各構成単位は、構成単位の関連付けられた電極構造群の構成単位を通る電流をItr未満に制限する抵抗を有し、抵抗が、通常動作温度の範囲内で、Vと、1つの電極構造と1つの隣接する対向電極構造との間の短絡の抵抗と、電極構造抵抗と、対向電極構造抵抗と、端子抵抗と、電極バスバーに接続された電極構造群の構成単位の数と、の関数として決定される。
【0302】
実施形態115
少なくとも1つの界面層を更に備え、少なくとも1つの界面層が、a)電極集電体の構成単位及び電流リミッタの群の構成単位と、b)電流リミッタの群の構成単位及び電極バスバーと、のうちの一方又は両方の間に電気的に接続されている、実施形態1~54のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0303】
実施形態116
界面層が、導電性コーティングを含む、実施形態115に記載の電極アセンブリ。
【0304】
実施形態117
導電性コーティングが、カーボンナノチューブのコーティングを含む、実施形態116に記載の電極アセンブリ。
【0305】
実施形態118
導電性コーティングが、炭素系コーティングを含む、実施形態116に記載の電極アセンブリ。
【0306】
実施形態119
導電性コーティングが、電極集電体の構成単位及び電極バスバーの一方又は両方上にコーティングされている、実施形態116~118のいずれか1つに記載の電極アセンブリ。
【0307】
実施形態120
少なくとも1つの界面層を更に備え、少なくとも1つの界面層が、a)電極集電体の構成単位及び電流リミッタの群の構成単位と、b)電流リミッタの群の構成単位及び電極バスバーと、のうちの一方又は両方の間に電気的に接続されている、実施形態55~98のいずれか1つに記載の二次電池。
【0308】
実施形態121
界面層が、導電性コーティングを含む、実施形態120に記載の二次電池。
【0309】
実施形態122
導電性コーティングが、カーボンナノチューブのコーティングを含む、実施形態121に記載の二次電池。
【0310】
実施形態123
導電性コーティングが、炭素系コーティングを含む、実施形態122に記載の二次電池。
【0311】
実施形態124
導電性コーティングが、電極集電体の構成単位及び電極バスバーの一方又は両方上にコーティングされている、実施形態121~123のいずれか1つに記載の二次電池。
【0312】
実施形態125
電極アセンブリを組み立てる方法であって、単位セルの群を積層方向に互いの上に積層することであって、単位セル群の各構成単位が、電極構造、セパレータ構造、及び対向電極構造を含み、電極構造が、電極集電体及び電極活物質層を備え、対向電極構造が、対向電極集電体及び対向電極活物質層を備え、電極構造及び対向電極構造が、積層方向に垂直な縦方向に延在し、電極集電体の端部が、縦方向に電極活物質及びセパレータ構造を越えて延在する、積層することと、各電極集電体の端部部分を、電極構造の縦方向に直交する方向に曲げて、積層方向に、又は積層方向の反対に延在させることと、積層方向に延在する電極バスバーを、電極バスバーの表面を電極集電体の端部部分に隣接させて位置付けることと、電極バスバーに熱及び圧力を加えて、抵抗性ポリマー材料を含む接着層を介して、電極集電体の端部部分をバスバーに接着させることと、を含む、方法。
【0313】
実施形態126
抵抗性ポリマー層が、熱可塑性材料を含む、実施形態125に記載の方法。
【0314】
実施形態127
接着層が、電極集電体の端部部分と接触している電極バスバーの表面上に形成される、実施形態125に記載の方法。
【0315】
実施形態128
抵抗性ポリマー材料が、接着性ポリマーを含み、接着層が、接着性ポリマー中に懸濁した導電性材料を含む、実施形態127に記載の方法。
【0316】
実施形態129
導電性材料が、カーボンブラック、ニッケル、銅、金、銀、チタン、グラファイト、モリブデン、クロム、及びアルミニウムのうちの1つ以上を含む、実施形態128に記載の方法。
【0317】
実施形態130
導電性材料が、金属コーティング炭素繊維を含む、実施形態128に記載の方法。
【0318】
実施形態131
金属コーティング炭素繊維が、ニッケルコーティング炭素繊維を含む、実施形態130に記載の方法。
【0319】
実施形態132
金属コーティング炭素繊維が、長さ及び直径を有し、金属コーティング炭素繊維の長さと直径とのアスペクト比が、10:1~10,000:1(両端を含む)である、実施形態130に記載の方法。
【0320】
実施形態133
アスペクト比が、50:1~5,000:1(両端を含む)である、実施形態132に記載の方法。
【0321】
実施形態134
アスペクト比が、100:1~2,000:1(両端を含む)である、実施形態132に記載の方法。
【0322】
実施形態135
190℃でASTMD 1238に従って決定される導電性接着剤のメルトフローインデックスが、0.1~1000グラム(g)/10分(min)である、実施形態128に記載の方法。
【0323】
実施形態136
メルトフローインデックスが、0.1~100g/10minである、実施形態135に記載の方法。
【0324】
実施形態137
メルトフローインデックスが、0.5~20g/10minである、実施形態135に記載の方法。
【0325】
実施形態138
導電性接着剤の融点が、40℃~300℃である、実施形態128に記載の方法。
【0326】
実施形態139
導電性接着剤の融点が、60℃~200℃である、実施形態138に記載の方法。
【0327】
実施形態140
導電性接着剤の融点が、70℃~165℃である、実施形態138に記載の方法。
【0328】
実施形態141
各電極集電体の端部部分を曲げることが、各電極集電体の曲がっていない端部部分に接して電極バスバーを位置付け、電極集電体に向けて積層方向に圧力を加えることを含む、実施形態125に記載の方法。
【0329】
実施形態142
各対向電極集電体の端部部分が、対向電極活物質及びセパレータ構造を越えて、電極集電体の端部部分と反対側の縦方向に延在し、方法が、各対向電極集電体の端部部分を、対向電極構造の縦方向にほぼ垂直になるように曲げて、積層方向又は積層方向の反対に延在させることと、積層方向に延在する対向電極バスバーを、対向電極バスバーの表面を対向電極集電体の端部部分と接触させて位置付けることと、対向電極バスバーを対向電極集電体の端部部分に取り付けることと、を更に含む、実施形態125に記載の方法。
【0330】
実施形態143
対向電極バスバーを対向電極集電体の端部部分に取り付けることが、対向電極バスバーを対向電極集電体の端部部分に接着剤で付けることを含む、実施形態142に記載の方法。
【0331】
実施形態144
対向電極バスバーを対向電極集電体の端部部分に取り付けることが、対向電極バスバーを、溶接又ははんだ付けによって対向電極集電体の端部部分に取り付けることを含む、実施形態142に記載の方法。
【0332】
実施形態145
対向電極集電体の端部部分と接触している対向電極バスバーの表面が、表面上に配設された抵抗性ポリマー層を有し、対向電極バスバーを対向電極集電体の端部部分に取り付けることが、対向電極バスバーに熱及び圧力を加えて、抵抗性ポリマー層を介して対向電極集電体の端部部分をバスバーに接着させることを含む、実施形態142に記載の方法。
【0333】
この書面による説明は、実施例を使用して、最良の態様を含む発明を開示し、かつ任意の当業者が、任意のデバイス又はシステムの製造及び使用並びに任意の組み込まれた方法の実行を含む発明を実践することも可能にする。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって定義され、また、当業者に見出される他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが請求項の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉とは実質的に異ならない差を伴う均等な構造要素を含む場合、請求項の範囲内に入ることが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】