(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】無線外科用器具のための無線周波数識別トークン
(51)【国際特許分類】
A61B 90/98 20160101AFI20240312BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61B90/98
A61B18/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560566
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 IB2022052821
(87)【国際公開番号】W WO2022208301
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】オーベルキルヒャー・ブレンダン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・コリー・ジー
(72)【発明者】
【氏名】コービン・マシュー・エス
(72)【発明者】
【氏名】リヴァード・モニカ・エル・ゼット
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK36
4C160KK37
(57)【要約】
モジュール式エネルギーシステムに無線外科用器具のペアリングを開始するためのシステム、方法及びデバイスが、本明細書において開示される。様々な態様では、モジュール式エネルギーシステムは、外科用器具と固有に関係付けられた無線周波数識別(RIFD)カードを読み取るよう構成されている、RFIDリーダを含む。RFIDリーダがRFIDカードを読み取ると、RFIDカードは、外科用器具との無線ペアリング過程を開始する。無線ペアリング過程の開始は、モジュールエネルギーシステムに、外科用器具を無線探索させること、及びディスプレイスクリーンに、外科用器具を無線ペアリングするため指示を表示させることを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式エネルギーシステムであって、
外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるヘッダモジュールを備え、
前記ヘッダモジュールにおける前記RFIDリーダが、
前記RFIDカードが前記RFIDリーダの近位に位置するときに、前記RFIDカードを読み取り、
前記外科用器具との無線ペアリング過程を開始する
よう構成されている、
モジュール式エネルギーシステム。
【請求項2】
前記ヘッダモジュールが、前記外科用器具を無線探索し、前記無線ペアリング過程を開始するよう構成された、請求項1に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項3】
前記ヘッダモジュールに通信可能に結合されたディスプレイスクリーンを更に備え、前記ディスプレイスクリーンが、前記無線ペアリング過程を開始するため、前記外科用器具を前記モジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、請求項1に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項4】
前記ディスプレイスクリーンが、前記外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、前記ボタンを押すことにより、前記外科用器具がペアリングモードに入る、請求項3に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項5】
前記無線ペアリング過程を開始して、前記外科用器具が前記ペアリングモードに入った後に、前記ヘッダモジュールが、前記外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、請求項4に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項6】
モジュール式エネルギーシステムであって、
外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるディスプレイスクリーンを備え、
前記ディスプレイスクリーンにおける前記RFIDリーダが、
前記RFIDカードが前記RFIDリーダの近位に位置するときに、前記RFIDカードを読み取り、
前記外科用器具との無線ペアリング過程を開始する
よう構成されている、
モジュール式エネルギーシステム。
【請求項7】
前記ディスプレイスクリーンに通信可能に結合されたヘッダモジュールを更に備え、前記ヘッダモジュールが、前記外科用器具を無線探索し、前記無線ペアリング過程を開始するよう構成された、請求項6に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項8】
前記ディスプレイスクリーンが、前記無線ペアリング過程を開始するため、前記外科用器具を前記モジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、請求項7に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイスクリーンが、前記外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、前記ボタンを押すことにより、前記外科用器具がペアリングモードに入る、請求項8に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項10】
前記無線ペアリング過程を開始して、前記外科用器具が前記ペアリングモードに入った後に、前記ヘッダモジュールが、前記外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、請求項9に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項11】
モジュール式エネルギーシステムであって、
外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるエネルギーモジュールを備え、
前記エネルギーモジュールにおける前記RFIDリーダが、
前記RFIDカードが前記RFIDリーダの近位に位置するときに、前記RFIDカードを読み取り、
前記外科用器具との無線ペアリング過程を開始する
よう構成されている、
モジュール式エネルギーシステム。
【請求項12】
前記エネルギーモジュールが、前記外科用器具を無線探索し、前記無線ペアリング過程を開始するよう構成された、請求項11に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項13】
前記エネルギーモジュールに通信可能に結合されたディスプレイスクリーンを更に備え、前記ディスプレイスクリーンが、前記無線ペアリング過程を開始するため、前記外科用器具を前記モジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、請求項11に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項14】
前記ディスプレイスクリーンが、前記外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、前記ボタンを押すことにより、前記外科用器具がペアリングモードに入る、請求項13に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【請求項15】
前記無線ペアリング過程を開始して、前記外科用器具が前記ペアリングモードに入った後に、前記エネルギーモジュールが、前記外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、請求項14に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、モジュール式電気外科及び/又は超音波外科用システムを含む、様々な外科用システムに関する。手術室(OR)は、各外科処置を完了するために必要とされる様々な装置の数に起因する、コード、装置及び人の絡まった網であるため、ORは合理化された資本ソリューションを必要としている。これは、世界中のあらゆる市場におけるORの現実である。大抵の資本機器が1つのタスク又はジョブを実行し、各タイプの資本機器は、使用する固有の技術又は方法を必要とし、固有のユーザインターフェースを有するため、資本機器はOR内に塊を作る主な元凶である。したがって、OR内の設備の設置面積を減少させ、設備のインターフェースを合理化し、外科スタッフが操作する必要のある装置の数を減少させることによって、外科処置中の外科スタッフの効率を改善するために、資本設備及び他の外科技術を統合するという、満たされていない消費者のニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
様々な態様では、モジュール式エネルギーシステムが開示される。本モジュール式エネルギーシステムは、外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるヘッダモジュールを備え、ヘッダモジュールにおけるRFIDリーダが、RFIDカードがRFIDリーダの近位に位置するときに、RFIDカードを読み取り、外科用器具との無線ペアリング過程を開始するよう構成されている、ヘッダモジュールを備える。
【0003】
様々な態様では、モジュール式エネルギーシステムが開示される。本モジュール式エネルギーシステムは、外科用器具に関係付けられたRFIDカードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるディスプレイスクリーンを備え、ディスプレイスクリーンにおけるRFIDリーダが、RFIDカードがRFIDリーダの近位に位置するときに、RFIDカードを読み取り、外科用器具との無線ペアリング過程を開始するよう構成されている、ディスプレイスクリーンを備える。
【0004】
様々な態様では、モジュール式エネルギーシステムが開示される。本モジュール式エネルギーシステムは、外科用器具に関係付けられたRFIDカードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるエネルギーモジュールを備え、エネルギーモジュールにおけるRFIDリーダが、RFIDカードがRFIDリーダの近位に位置するときに、RFIDカードを読み取り、外科用器具との無線ペアリング過程を開始するよう構成されている、エネルギーモジュールを備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
構成及び操作方法の両方に関して本明細書で説明する様々な態様は、それらの他の目的及び利点と共に、以下の説明を以下の添付図面と併せて参照することで最良に理解され得る。
【
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのブロック図である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を実施するために使用される外科用システムである。
【
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。
【
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、発生器及び発生器と共に使用可能な様々な外科用器具を含む外科用システムである。
【
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科用システムの図である。
【
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムをカスタマイズするために組み合わせることができる、様々なモジュール及び他の構成要素の図である。
【
図7A】本開示の少なくとも1つの態様による、ヘッダモジュールと、ヘッダモジュールに接続されたモジュールに関する情報を中継するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表すディスプレイスクリーンと、を含む、第1の例示的なモジュール式エネルギーシステム構成である。
【
図7B】本開示の少なくとも1つの態様による、カートに搭載された
図7Aに示されるモジュール式エネルギーシステムである。
【
図8A】本開示の少なくとも1つの態様による、一緒に接続され、カートに装着されたヘッダモジュールと、ディスプレイスクリーンと、エネルギーモジュールと、拡張エネルギーモジュールと、を含む、第2の例示的なモジュール式エネルギーシステムの構成である。
【
図8B】本開示の少なくとも1つの態様による、ヘッダモジュールがディスプレイスクリーンを欠いていることを除いて、
図7Aに示される第2の構成と同様の第3の例示的なモジュール式エネルギーシステムの構成である。
【
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、一緒に接続され、カートに装着されたヘッダモジュールと、ディスプレイスクリーンと、エネルギーモジュールと、拡張エネルギーモジュールと、技術モジュールと、を含む、第4の例示的なモジュール式エネルギーシステム構成である。
【
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、一緒に接続され、カートに装着されたヘッダモジュールと、ディスプレイスクリーンと、エネルギーモジュールと、拡張エネルギーモジュールと、技術モジュールと、可視化モジュールと、を含む、第5の例示的なモジュール式エネルギーシステムの構成である。
【
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、伝達可能に接続可能な外科用プラットフォームを含むモジュール式エネルギーシステムの図である。
【
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、ユーザインターフェースを含むモジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュールの斜視図である。
【
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムのスタンドアロンハブ構成のブロック図である。
【
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、外科制御システムと統合されたモジュール式エネルギーシステムのハブ構成のブロック図である。
【
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムの通信モジュールに結合されたユーザインターフェースモジュールのブロック図である。
【
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムのエネルギーモジュールのブロック図である。
【
図17A】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュールに結合されたエネルギーモジュールのブロック図を示す。
【
図17B】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュールに結合されたエネルギーモジュールのブロック図を示す。
【
図18A】本開示の少なくとも1つの態様による、
図15に示されるヘッダモジュールなどのハブのモジュール式エネルギーシステムのヘッダ/ユーザインターフェース(UI)モジュールのブロック図を示す。
【
図18B】本開示の少なくとも1つの態様による、
図15に示されるヘッダモジュールなどのハブのモジュール式エネルギーシステムのヘッダ/ユーザインターフェース(UI)モジュールのブロック図を示す。
【
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、
図13~
図18Bに示されるエネルギーモジュールなどのハブのエネルギーモジュールのブロック図である。
【
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、電力バックプレーンを示すモジュール式エネルギーシステムスタックの概略図である。
【
図21】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムの概略図である。
【
図22】本開示の一態様による、RFID用トークンに基づくペアリングが可能な無線外科用器具のためのパッキングシステムの斜視図である。
【
図23】本開示の一態様による、RFID用トークンに基づくペアリングを開始するために、ユーザが、モジュール式エネルギーシステムのディスプレイスクリーンの近位にRFIDカードを保持している斜視図である。
【
図24】本開示の一態様による、外科用器具をモジュール式エネルギーシステムと無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するディスプレイスクリーンの斜視図である。
【
図25】本開示の一態様による、RFIDリーダを備えるヘッダ/ユーザインターフェースモジュールを含む、モジュール式エネルギーシステムのブロック図である。
【
図26】本開示の一態様による、RFIDリーダを備えるディスプレイスクリーンを含む、モジュール式エネルギーシステムのブロック図である。
【
図27】本開示の一態様による、RFIDリーダを備えるエネルギーモジュール1552を含む、モジュール式エネルギーシステムのブロック図である。
【0006】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、様々な開示された態様を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によってもその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、同時に出願された以下の米国特許出願を所有する。
・米国特許出願整理番号END9314USNP1/210018-1M、発明の名称「METHOD FOR MECHANICAL PACKAGING FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9314USNP2/210018-2、発明の名称「Backplane Connector Attachment Mechanism For Modular Energy System」、
・米国特許出願整理番号END9314USNP3/210018-3、発明の名称「BEZEL WITH LIGHT BLOCKING FEATURES FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9314USNP4/210018-4、発明の名称「HEADER FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9315USNP1/210019、発明の名称「SURGICAL PROCEDURELIZATION VIA MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9316USNP1/210020-1M、発明の名称「METHOD FOR ENERGY DELIVERY FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9316USNP2/210020-2、発明の名称「Modular Energy System With Dual AmplifierS And Techniques For Updating Parameters Thereof」、
・米国特許出願整理番号END9316USNP3/210020-3、発明の名称「Modular Energy System With MULTI-ENERGY PORT SPLITTER For Multiple ENERGY DEVICES」、
・米国特許出願整理番号END9317USNP1/210021-1M、発明の名称「METHOD FOR INTELLIGENT INSTRUMENTS FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9317USNP3/210021-3、発明の名称「INTELLIGENT DATA PORTS FOR MODULAR ENERGY SYSTEMS」、
・米国特許出願整理番号END9318USNP1/210022-1M、発明の名称「METHOD FOR SYSTEM ARCHITECTURE FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9318USNP2/210022-2、発明の名称「USER INTERFACE MITIGATION TECHNIQUES FOR MODULAR ENERGY SYSTEMS」、
・米国特許出願整理番号END9318USNP3/210022-3、発明の名称「ENERGY DELIVERY MITIGATIONS FOR MODULAR ENERGY SYSTEMS」、
・米国特許出願整理番号END9318USNP4/210022-4、発明の名称「ARCHITECTURE FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、及び
・米国特許出願整理番号END9318USNP5/210022-5、発明の名称「Modular Energy System With Hardware Mitigated Communication」。
【0008】
本出願の出願人は、2019年9月5日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる:
・米国特許出願第16/562,144号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING A MODULAR ENERGY SYSTEM USER INTERFACE」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078106号)、
・米国特許出願第16/562,151号、発明の名称「PASSIVE HEADER MODULE FOR A MODULAR ENERGY SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078110号)、
・米国特許出願第16/562,157号、発明の名称「CONSOLIDATED USER INTERFACE FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2020/0081585号)、
・米国特許出願第16/562,159号、発明の名称「AUDIO TONE CONSTRUCTION FOR AN ENERGY MODULE OF A MODULAR ENERGY SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2020/0314569号)、
・米国特許出願第16/562,163号、発明の名称「ADAPTABLY CONNECTABLE AND REASSIGNABLE SYSTEM ACCESSORIES FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078111号)、
・米国特許出願第16/562,123号、発明の名称「METHOD FOR CONSTRUCTING AND USING A MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MULTIPLE DEVICES」(現在は、米国特許出願公開第2020/0100830号)、
・米国特許出願第16/562,135号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING AN ENERGY MODULE OUTPUT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078076号)、
・米国特許出願第16/562,180号、発明の名称「ENERGY MODULE FOR DRIVING MULTIPLE ENERGY MODALITIES」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078080号)、
・米国特許出願第16/562,184号、発明の名称「GROUNDING ARRANGEMENT OF ENERGY MODULES」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078081号)、
・米国特許出願第16/562,188号、発明の名称「BACKPLANE CONNECTOR DESIGN TO CONNECT STACKED ENERGY MODULES」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078116号)、
・米国特許出願第16/562,195号、発明の名称「ENERGY MODULE FOR DRIVING MULTIPLE ENERGY MODALITIES THROUGH A PORT」(現在は、米国特許出願公開第20200078117号)、
・米国特許出願第16/562,202号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING DRIVE SIGNAL TO POWER SECONDARY FUNCTION」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078082号)、
・米国特許出願第16/562,142号、発明の名称「METHOD FOR ENERGY DISTRIBUTION IN A SURGICAL MODULAR ENERGY SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078070号)、
・米国特許出願第16/562,169号、発明の名称「Surgical Modular energy system with A segmented backplane」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078112号)、
・米国特許出願第16/562,185号、発明の名称「SURGICAL MODULAR ENERGY SYSTEM WITH FOOTER MODULE」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078115号)、
・米国特許出願第16/562,203号、発明の名称「Power and Communication mitigation arrangement for modular surgical energy system」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078118号)、
・米国特許出願第16/562,212号、発明の名称「MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MODULE POSITIONAL AWARENESS SENSING WITH VOLTAGE DETECTION」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078119号)、
・米国特許出願第16/562,234号、発明の名称「MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MODULE POSITIONAL AWARENESS SENSING WITH TIME COUNTER」(現在は、米国特許出願公開第2020/0305945号)、
・米国特許出願第16/562,243号、発明の名称「MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MODULE POSITIONAL AWARENESS WITH DIGITAL LOGIC」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078120号)、
・米国特許出願第16/562,125号、発明の名称「METHOD FOR COMMUNICATING BETWEEN MODULES AND DEVICES IN A MODULAR SURGICAL SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2020/0100825号)、
・米国特許出願第16/562,137号、発明の名称「FLEXIBLE HAND-SWITCH CIRCUIT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0106220号)、
・米国特許出願第16/562,143号、発明の名称「FIRST AND SECOND COMMUNICATION PROTOCOL ARRANGEMENT FOR DRIVING PRIMARY AND SECONDARY DEVICES THROUGH A SINGLE PORT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0090808号)、
・米国特許出願第16/562,148号、発明の名称「FLEXIBLE NEUTRAL ELECTRODE」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078077号)、
・米国特許出願第16/562,154号、発明の名称「SMART RETURN PAD SENSING THROUGH MODULATION OF NEAR FIELD COMMUNICATION AND CONTACT QUALITY MONITORING SIGNALS」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078089号)、
・米国特許出願第16/562,162号、発明の名称「AUTOMATIC ULTRASONIC ENERGY ACTIVATION CIRCUIT DESIGN FOR MODULAR SURGICAL SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2020/0305924号)、
・米国特許出願第16/562,167号、発明の名称「COORDINATED ENERGY OUTPUTS OF SEPARATE BUT CONNECTED MODULES」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078078号)、
・米国特許出願第16/562,170号、発明の名称「MANAGING SIMULTANEOUS MONOPOLAR OUTPUTS USING DUTY CYCLE AND SYNCHRONIZATION」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078079号)、
・米国特許出願第16/562,172号、発明の名称「PORT PRESENCE DETECTION SYSTEM FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078113号)、
・米国特許出願第16/562,175号、発明の名称「INSTRUMENT TRACKING ARRANGEMENT BASED ON REAL TIME CLOCK INFORMATION」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078071号)、
・米国特許出願第16/562,177号、発明の名称「REGIONAL LOCATION TRACKING OF COMPONENTS OF A MODULAR ENERGY SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2020/0078114号)、
・米国意匠特許出願第29/704,610号、発明の名称「ENERGY MODULE」、
・米国意匠特許出願第29/704,614号、発明の名称「ENERGY MODULE MONOPOLAR PORT WITH FOURTH SOCKET AMONG THREE OTHER SOCKETS」、
・米国意匠特許出願第29/704,616号、発明の名称「BACKPLANE CONNECTOR FOR ENERGY MODULE」、及び
・米国意匠特許出願第29/704,617号、発明の名称「ALERT SCREEN FOR ENERGY MODULE」。
【0009】
本出願の出願人は、2019年3月29日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる:
・米国仮特許出願第62/826,584号、発明の名称「MODULAR SURGICAL PLATFORM ELECTRICAL ARCHITECTURE」、
・米国仮特許出願第62/826,587号、発明の名称「MODULAR ENERGY SYSTEM CONNECTIVITY」、
・米国仮特許出願第62/826,588号、発明の名称「MODULAR ENERGY SYSTEM INSTRUMENT COMMUNICATION TECHNIQUES」、及び
・米国仮特許出願第62/826,592号、発明の名称「MODULAR ENERGY DELIVERY SYSTEM」。
【0010】
本出願の出願人は、2018年9月7日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる:
・米国仮特許出願第62/728,480号、発明の名称「MODULAR ENERGY SYSTEM AND USER INTERFACE」。
【0011】
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例解的な実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明において例解される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意されたい。例示の実施例は、他の態様、変形形態、及び修正形態で実装されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示の実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0012】
様々な態様が、改善された超音波外科用装置、電気外科用装置、及びこれと共に使用するための発生器を対象とする。超音波外科用装置の態様は、例えば、外科処置中に組織を横切開及び/又は凝固するように構成され得る。電気外科用装置の態様は、例えば、外科処置中に、組織を横切開、凝固、スケーリング、溶接及び/又は乾燥させるように構成され得る。
【0013】
外科用システムのハードウェア
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム100は、1つ以上の外科用システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージデバイス105に結合されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)とを含む。各外科用システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する、少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一例では、
図1に示すように、外科用システム102は、可視化システム108と、ロボットシステム110と、手持ち式インテリジェント外科用器具112とを含み、これらは、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成されている。いくつかの態様では、外科用システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個の手持ち式インテリジェント外科用器具112とを含んでもよく、M、N、O及びPは1以上の整数である。
【0014】
図2は、外科手術室116内の手術台114上に横たわっている患者に対して外科処置を実行するために使用されている外科用システム102の例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科用システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(手術用ロボット)と、手術用ロボットハブ122とを含む。外科医が外科医のコンソール118を通して手術部位を見る間、患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開部を通して、少なくとも1つの着脱可能に結合された外科用ツール117を操作し得る。手術部位の画像は、撮像デバイス124の向きを変えるために、患者側カート120によって操作され得る医療撮像デバイス124によって取得され得る。ロボットハブ122を使用して、手術部位の画像を処理し、その後、外科医のコンソール118を通して、外科医に表示し得る。
【0015】
他のタイプのロボットシステムが、外科用システム102と共に使用するように容易に適合され得る。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,339号に記載されている。
【0016】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析法の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国仮特許出願第62/611,340号に記載されている。
【0017】
様々な態様では、撮像デバイス124は、少なくとも1つの画像センサと、1つ以上の光学構成要素とを含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
撮像デバイス124の光学構成要素は、1つ以上の照明源、及び/又は1つ以上のレンズを含んでもよい。1つ以上の照明源は、術野の一部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0019】
1つ以上の照明源は、可視スペクトル並びに不可視スペクトル内の電磁エネルギーを照射するように構成され得る。可視スペクトルは、場合によっては、光スペクトルや発光スペクトルとも称され、人間の目に見える(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に応答する。
【0020】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0021】
様々な態様では、撮像デバイス124は、低侵襲性処置において使用するように構成されている。本開示と共に使用するために好適な撮像デバイスの例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、膀胱鏡、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃カメラ)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
一態様では、撮像デバイスは、トポグラフィと下にある構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを採用する。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR、及び紫外からの光を含む特定の波長に対する感度を有する器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像により、人間の目がもつ赤、緑、青の受容体では取り込むことができない追加情報を抽出することが可能になる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、処置された組織に対して上述の試験のうちの1つ以上を実行するための手術タスクが完了した後に術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0023】
いかなる外科手術においても、手術室及び手術機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場」、すなわち、手術室又は処置室において要求される厳格な衛生条件及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の可能な最も高い滅菌性を必要とする。滅菌プロセスの一部としては、撮像デバイス124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性が挙げられる。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、あるいは滅菌野は、外科処置の準備が整った患者の直ぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0024】
様々な態様では、可視化システム108は、
図2に示すように、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ以上の撮像センサと、1つ以上の画像処理ユニットと、1つ以上のストレージアレイと、1つ以上のディスプレイとを含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMR用のインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0025】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114のオペレータに見えるように滅菌野に配置される。加えて、可視化タワー111が、滅菌野の外に配置される。可視化タワー111は、互いに反対側を向いている第1の非滅菌ディスプレイ107、及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109及び119を利用して、滅菌野の内側及び外側のオペレータへの情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上に手術部位のライブ映像を維持しながら、撮像デバイス124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットにより、例えば、非滅菌オペレータが、外科処置に関連する診断ステップを実施し得る。
【0026】
一態様では、ハブ106は、可視化タワー111にいる非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌野内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台にいる滅菌オペレータが見ることができるようにも構成されている。一例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることができる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットへの修正の形態であり得る。
【0027】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科用システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号における。可視化タワー111にいる非滅菌オペレータによって入力される診断入力又はフィードバックは、ハブ106によって滅菌野内の外科用器具ディスプレイ115に送ることができ、これを外科用器具112のオペレータが見ることができる。外科用システム102と共に使用するのに好適な例示的な外科用器具については、例えば、「外科用器具のハードウェア(SURGICAL INSTRUMENT HARDWARE)」の項で、及びその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号で説明されている。
【0028】
ここで
図3を参照すると、可視化システム108、ロボットシステム110及び手持ち式インテリジェント外科用器具112と通信するハブ106が示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、及び手術室マッピングモジュール133を含む。特定の態様では、
図3に示されるように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。
【0029】
外科処置中、封止及び/又は切断のために、組織へエネルギーを印加することは、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブモジュール式エンクロージャ136は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統合環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0030】
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブエンクロージャと、ハブエンクロージャのドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、リモート手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。
【0031】
一態様では、上記の流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブエンクロージャ内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在している。一態様では、ハブエンクロージャは、流体インターフェースを備える。
【0032】
一部特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブモジュール式エンクロージャ136が様々な発生器を収容して、これらの間のインタラクティブ通信を促進するように構成されているという解決法を提示する。ハブモジュール式エンクロージャ136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0033】
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用エンクロージャを提示する。モジュール式外科用エンクロージャは、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ接点及び第1の電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力接点及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力接点及び第1のデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0034】
上記に加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ接点及び第2の電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力接点及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力接点及び第2のデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0035】
加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成されている、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。
【0036】
図3を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126、及び吸引/灌注モジュール128のモジュール式統合を可能にするハブモジュール式エンクロージャ136に関する本開示の態様が提示される。ハブモジュール式エンクロージャ136は、モジュール140とモジュール126とモジュール128と間のインタラクティブ通信を更に促進する。発生器モジュール140は、ハブモジュール式エンクロージャ136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット内に支持される、一体化された単極構成要素、双極構成要素及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。発生器モジュール140は、単極デバイス142、双極デバイス144、及び超音波デバイス148に接続するように構成されてもよい。代替的に、発生器モジュール140は、ハブモジュール式エンクロージャ136を介して相互作用する一連の単極発生器モジュール、双極発生器モジュール、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。複数の発生器が単一の発生器として機能するように、ハブモジュール式エンクロージャ136は、複数の発生器の挿入と、ハブモジュール式エンクロージャ136にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成することができる。
【0037】
一態様では、ハブモジュール式エンクロージャ136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間のインタラクティブ通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
【0038】
発生器ハードウェア
本明細書全体で使用されるとき、「無線」という用語及びその派生語は、非固体媒体を介して変調電磁放射線の使用を通じてデータを通信し得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用されてもよい。この用語は、関連するデバイスがいかなる有線も含まないことを意味するものではないが、いくつかの態様では、それらは存在しない可能性がある。通信モジュールは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、これらのイーサネット派生物のみならず、3G、4G、5G及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない、多数の無線又は有線通信規格又はプロトコルのうちのいずれかを実装してもよい。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0039】
本明細書で使用されるとき、プロセッサ又は処理ユニットは、いくつかの外部データソース(通常はメモリ)又は何らかの他のデータストリーム上で動作を実施する電子回路である。この用語は、本明細書では、多くの専門的な「プロセッサ」を組み合わせたシステム又はコンピュータシステム(特にシステムオンチップ(SoC))内の中央プロセッサ(中央処理ユニット)を指すために使用される。
【0040】
本明細書で使用するとき、システムオンチップ(SoC又はSOC)は、コンピュータ又は他の電子システムの全ての構成要素を統合する集積回路(「IC」又は「チップ」としても知られる)である。これは、デジタル、アナログ、混合信号、及び多くの場合は高周波数機能を、全て単一の基材上に含むことができる。SoCは、マイクロコントローラ(又はマイクロプロセッサ)を、グラフィックス処理ユニット(GPU)、Wi-Fiモジュール又はコプロセッサなどの最新の周辺装置と統合する。SoCは、内蔵メモリを含んでもよく、含まなくてもよい。
【0041】
本明細書で使用するとき、マイクロコントローラ又はコントローラは、マイクロプロセッサを周辺回路及びメモリと統合するシステムである。マイクロコントローラ(又はマイクロコントローラユニットのMCU)は、単一の集積回路上の小型コンピュータとして実装されてもよい。これはSoCと同様であってもよく、SoCは、その構成要素の1つとしてマイクロコントローラを含み得る。マイクロコントローラは、1つ以上のコア処理ユニット(CPU)と共にメモリ及びプログラム可能な入力/出力周辺機器を収容してもよい。強誘電性のRAM、NORフラッシュ又はOTP ROMの形態のプログラムメモリ及び少量のRAMもまた、チップ上に含まれることが多い。マイクロコントローラは、パーソナルコンピュータ又は様々な個別のチップで構成された他の汎用用途で使用されるマイクロプロセッサとは対照的に、組み込み型用途用に用いられ得る。
【0042】
本明細書で使用するとき、コントローラ又はマイクロコントローラという用語は、周辺デバイスとインターフェース接続するスタンドアロンIC又はチップデバイスであってもよい。これは、そのデバイスの動作(及び当該デバイスとの接続)を管理する外部デバイス上のコンピュータ又はコントローラの2つの部分間の連結部であってもよい。
【0043】
本明細書に記載されるプロセッサ又はマイクロコントローラはいずれも、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサによって実装されてもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0044】
一態様では、プロセッサは、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0045】
モジュール式デバイスは、外科用ハブ内に受容可能な(例えば
図3に関連して説明される)モジュールと、対応する外科用ハブと接続又はペアリングするために様々なモジュールに接続することができる外科用デバイス又は器具と、を含む。モジュール式デバイスとしては、例えば、インテリジェント外科用器具、医療用撮像デバイス、吸引/灌注デバイス、排煙器、エネルギー発生器、ベンチレータ、吸入器、及びディスプレイが挙げられる。本明細書に記載されるモジュール式デバイスは、制御アルゴリズムによって制御することができる。制御アルゴリズムは、モジュール式デバイス自体上で、特定のモジュール式デバイスがペアリングされる外科用ハブ上で、又はモジュール式デバイス及び外科用ハブの両方の上で(例えば、分散コンピューティングアーキテクチャを介して)、実行され得る。いくつかの例示では、モジュール式デバイスの制御アルゴリズムは、モジュール式デバイス自体によって(すなわち、モジュール式デバイス内の、モジュール式デバイス上の、又はモジュール式デバイスに接続されたセンサによって)検知されたデータに基づいてデバイスを制御する。このデータは、手術中の患者に関連するもの(例えば、組織特性又は送気圧)であってもよく、又はモジュール式デバイス自体(例えば、前進するナイフの速度、モータ電流、又はエネルギーレベル)に関連するものであってもよい。例えば、外科用ステープル留め及び切断器具の制御アルゴリズムは、ナイフが前進する際にナイフにより生じた抵抗に基づき、器具のモータが組織を貫いてそのナイフを駆動させる速度を制御することができる。
【0046】
図4は、モジュール式エネルギーシステム2000と、これと共に使用可能な様々な外科用器具2204、2206、2208と、を含む外科用システム2200の一形態を示し、外科用器具2204は、超音波外科用器具であり、外科用器具2206は、RF電気外科用器具であり、多機能型外科用器具2208は、組み合わせ超音波/RF電気外科用器具である。モジュール式エネルギーシステム2000は、様々な外科用器具と共に使用するように構成可能である。様々な形態によれば、モジュール式エネルギーシステム2000は、例えば、超音波外科用器具2204、RF電気外科用器具2206、並びにモジュール式エネルギーシステム2000から同時に送達されるRFエネルギー及び超音波エネルギーを統合する多機能型外科用器具2208を含む異なるタイプの様々な外科用器具と共に使用するように構成可能であり得る。
図4の形態では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用器具2204、2206、2208とは別個に示されているが、一形態では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用器具2204、2206、2208のうちのいずれかと一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。モジュール式エネルギーシステム2000は、有線又は無線通信用に構成されてもよい。
【0047】
モジュール式エネルギーシステム2000は、複数の外科用器具2204、2206、2208を駆動するように構成されている。第1の外科用器具は、超音波外科用器具2204であり、ハンドピース2205(HP)、超音波トランスデューサ2220、シャフト2226、及びエンドエフェクタ2222を含む。エンドエフェクタ2222は、超音波トランスデューサ2220と音響的に結合された超音波ブレード2228及びクランプアーム2240を含む。ハンドピース2205は、クランプアーム2240を動作させるトリガ2243と、超音波ブレード2228又は他の機能にエネルギーを供給し、駆動するためのトグルボタン2234a、2234b、2234cの組み合わせと、を含む。トグルボタン2234a、2234b、2234cは、モジュール式エネルギーシステム2000を用いて超音波トランスデューサ2220にエネルギーを供給するように構成することができる。
【0048】
モジュール式エネルギーシステム2000はまた、第2の外科用器具2206を駆動するようにも構成されている。第2の外科用器具2206は、RF電気外科用器具であり、ハンドピース2207(HP)、シャフト2227、及びエンドエフェクタ2224を含む。エンドエフェクタ2224は、クランプアーム2242a、2242b内に電極を含み、シャフト2227の電気導体部分を通って戻る。電極は、モジュール式エネルギーシステム2000内の双極エネルギー源に結合され、双極エネルギー源によってエネルギーを供給される。ハンドピース2207は、クランプアーム2242a、2242bを動作させるためのトリガ2245と、エンドエフェクタ2224内の電極にエネルギーを供給するためのエネルギースイッチを作動するためのエネルギーボタン2235と、を含む。
【0049】
モジュール式エネルギーシステム2000はまた、多機能型外科用器具2208を駆動するようにも構成されている。多機能型外科用器具2208は、ハンドピース2209(HP)、シャフト2229、及びエンドエフェクタ2225を含む。エンドエフェクタ2225は、超音波ブレード2249及びクランプアーム2246を含む。超音波ブレード2249は、超音波トランスデューサ2220と音響的に結合されている。ハンドピース2209は、クランプアーム2246を動作させるトリガ2247と、超音波ブレード2249又は他の機能にエネルギーを供給し、駆動するためのトグルボタン2237a、2237b、2237cの組み合わせと、を含む。トグルボタン2237a、2237b、2237cは、モジュール式エネルギーシステム2000を用いて超音波トランスデューサ2220にエネルギーを供給し、かつ同様にモジュール式エネルギーシステム2000内に収容された双極エネルギー源を用いて超音波ブレード2249にエネルギーを供給するように構成することができる。
【0050】
モジュール式エネルギーシステム2000は、様々な外科用器具と共に使用するように構成可能である。様々な形態によれば、モジュール式エネルギーシステム2000は、例えば、超音波外科用器具2204、RF電気外科用器具2206、並びにモジュール式エネルギーシステム2000から同時に送達されるRFエネルギー及び超音波エネルギーを統合する多機能型外科用器具2208を含む異なるタイプの様々な外科用デバイスと共に使用するように構成可能であり得る。
図4の形態では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用器具2204、2206、2208とは別個に示されているが、別の形態では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用器具2204、2206、2208のうちのいずれかと一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。電気信号波形をデジタル的に発生させる発生器及び外科用器具の更なる態様は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0086914号に記載されている。
【0051】
状況認識
検知されたデータに応答する制御アルゴリズムを含む「インテリジェント」デバイスは、検知されたデータを考慮せずに動作する「データ処理能力のない(dumb)」デバイスに対する改善であり得るが、いくつかの検知されたデータは、単独で考慮される場合、すなわち、実行されている外科処置の種類、又は手術されている組織の種類のコンテキストなしには、不完全又は決定的ではない可能性がある。処置コンテキストを知る(例えば、手術される組織のタイプ又は実施されている処置のタイプを知る)ことがなければ、制御アルゴリズムは、特定のコンテキストを含まない検知されたデータが与えられると、モジュール式装置を不正確に又は準最適に制御することがある。例えば、特定の検知されたパラメータに応答して外科用器具を制御するための制御アルゴリズムの最適な様式は、手術されている特定の組織の種類に応じて変動し得る。これは、異なる組織の種類が異なる特性(例えば、引き裂きに対する抵抗力)を有し、そのため、外科用器具によってとられたアクションに対して異なって応答するという事実に起因するものである。したがって、特定のパラメータについて同じ測定値が検知された場合であっても、外科用器具が異なるアクションをとることが望ましいことがある。1つの具体的な例として、器具がそのエンドエフェクタを閉鎖するための予想外に高い力を検知することに応答して、手術用ステープリング及び切断用器具を制御する最適な様式は、組織種類が引き裂きの影響を受けやすいか、又はこれに耐性があるかによって異なる。肺組織など、引き裂きの影響を受けやすい組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、組織の引き裂きを回避するために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適に減速させる。胃組織など、引き裂きに耐性がある組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、エンドエフェクタが組織に適切にクランプされることを確実にするために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適に加速させる。肺組織がクランプされているのか、胃組織がクランプされているのかが分からなければ、制御アルゴリズムは、最適ではない判断を行う可能性がある。
【0052】
1つの解決策は、様々なデータソースから受信されたデータに基づいて実行されている外科処置に関する情報を導出し、次いで、ペアリングされたモジュール式デバイスを適宜制御するように構成されているシステムを含む、外科用ハブを利用する。言い換えると、外科用ハブは、受信されたデータから外科処置に関する情報を推測し、次いで、外科処置について推測されたコンテキストに基づいて、外科用ハブとペアリングされたモジュール式デバイスを制御するように構成されている。
図5は、本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科用システム2300の図を例解する。いくつかの例示では、データソース2326は、例えば、モジュール式デバイス2302(患者及び/又はモジュール式デバイス自体に関連付けられたパラメータを検出するように構成されたセンサを含み得る)、データベース2322(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者モニタリングデバイス2324(例えば、血圧(BP)モニタ、及び心電図(EKG)モニタ)を含む。外科用ハブ2304は、例えば、受信されたデータの特定の組み合わせ(複数可)又はデータソース2326からデータが受信された特定の順序に基づいて、データから外科処置に関するコンテキスト情報を導出するように構成することができる。受信されたデータから推測されるコンテキスト情報は、例えば、行われている外科的手技のタイプ、外科医が行っている外科的手技の特定の工程、手術されている組織のタイプ、又は手技の対象である体腔を含むことができる。受信されたデータから外科処置に関する情報を導出又は推測するための外科用ハブ2304のいくつかの態様によるこの機能は、「状況認識」と称され得る。一例示では、外科用ハブ2304は、受信されたデータから外科処置に関連するコンテキスト情報を導出する外科用ハブ2304に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込むことができる。
【0053】
外科用ハブ2304の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース2326から受信されたデータから、コンテキスト情報を導出するように構成することができる。一例示では、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース2322、患者モニタリングデバイス2324、及び/又はモジュール式デバイス2302からのデータ)を、外科処置に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含む。言い換えると、機械学習システムは、提供された入力から外科処置に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練することができる。別の例示では、状況認識システムは、外科処置に関する事前に特性評価されたコンテキスト情報を、そのコンテキスト情報に対応する1つ以上の入力(又は、入力の範囲)と関連付けて記憶する、ルックアップテーブルを含むことができる。1つ以上の入力による問い合わせに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式デバイス2302を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返すことができる。一例示では、外科用ハブ2304の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ以上のモジュール式デバイス2302の特定の制御調節、又は一連の制御調節に関連付けられる。別の例示では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供された際、1つ以上のモジュール式デバイス2302の1つ以上の制御調節を生成又は読み出す、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又は他のそのようなシステムを含む。
【0054】
状況認識システムを組み込む外科用ハブ2304は、外科用システム2300に多くの利点をもたらす。1つの利点は、検知及び収集されたデータの解釈を改善することを含み、これは、外科処置の過程中の処理精度、及び/又はデータの使用を改善させる。先の例に戻ると、状況認識外科用ハブ2304は、どのタイプの組織が手術されているかを判定することができ、したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉鎖するための予想外に高い力が検出されると、状況認識外科用ハブ2304は、組織タイプに合わせて外科用器具のモータを正しく加速、あるいは減速させることができる。
【0055】
別の実施例として、手術されている組織の種類は、特定の組織間隙測定用の手術用ステープリング及び切断用器具の圧縮速度と負荷閾値になされる調節に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ2304は、行われている外科処置が胸部処置であるのか、又は腹部処置であるのかを推測することができ、これにより、外科用ハブ2304は、外科用ステープル留め及び切断用器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺組織であるのか(胸部処置の場合)、又は胃組織であるのか(腹部処置の場合)を判定することができる。次いで、外科用ハブ2304は、外科用ステープル留め及び切断用器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織のタイプに合わせて適切に調整することができる。
【0056】
更に別の実施例として、送気処置中に手術されている体腔の種類は、煙排出器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ2304は、手術部位が(外科処置が送気を利用していることを判定することによって)圧力下にあるかどうかを判定し、処置のタイプを判定することができる。一般に、ある処置種類が特定の体腔内で実行されるので、外科用ハブ2304は、手術されている体腔に合わせて適切に煙排出器のモータ速度を制御することができる。かくして、状況認識外科用ハブ2304は、胸部手術及び腹部手術の両方用に一貫した量の煙排出を提供し得る。
【0057】
更に別の実施例として、実行されている処置の種類は、超音波外科用器具、又は高周波(RF)電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。例えば、関節鏡処置では、超音波外科用器具、又はRF電気外科用器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるので、より高いエネルギーレベルを必要とする。状況認識外科用ハブ2304は、外科処置が関節鏡処置であるかどうかを判定することができる。次いで、外科用ハブ2304は、流体で満たされた環境を補償するために、発生器のRF電力レベル又は超音波振幅(すなわち、「エネルギーレベル」)を調節することができる。関連して、手術されている組織のタイプは、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ2304は、どのタイプの外科処置が行われているかを判定し、次いで、外科処置について予想される組織形状に従って、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識外科用ハブ2304は、単に手技ごとにではなく、外科処置の過程にわたって、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを調整するように構成することができる。状況認識外科用ハブ2304は、外科処置のどの工程が行われているか、又は引き続き行われるかを判定し、次いで、発電機、及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具の制御アルゴリズムを更新して、外科処置の工程に従って予想される組織のタイプに適切な値までエネルギーレベルを設定し得る。
【0058】
更に別の実施例として、外科用ハブ2304が1つのデータソース2326から導き出される結論を改善するために、追加のデータソース2326からデータを導出することも可能である。状況認識外科用ハブ2304は、モジュール式デバイス2302から受信したデータを、他のデータソース2326から外科処置に関して構築したコンテキスト情報で強化し得る。例えば、状況認識外科用ハブ2304は、医療用撮像デバイスから受信されたビデオ又は画像データに従って、止血が生じたかどうか(すなわち、手術部位での出血が止まったかどうか)を判定するように構成することができる。しかしながら、場合によっては、ビデオ又は画像データは、決定的ではない可能性がある。したがって、一例示では、外科用ハブ2304は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ2304へと通信可能に接続されたBPモニタで検知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ2304へと通信可能に結合された医療用撮像デバイス124(
図2)からの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶着の完全性に関する決定を行うように更に構成することができる。言い換えると、外科用ハブ2304の状況認識システムは、生理学的測定データを考慮して、視覚化データを分析する際に追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、視覚化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用となり得る。
【0059】
別の利点としては、外科処置の過程中に医療従事者が外科用システム2300と相互作用する又はこれを制御するために必要とされる回数を低減するために、実行されている外科処置の特定の工程に従って、ペアリングされたモジュール式デバイス2302を積極的かつ自動的に制御することが挙げられる。例えば、状況認識外科用ハブ2304は、手技の後続の工程で器具の使用が必要とされることを判定された場合に、RF電気外科用器具が接続されている発電機を積極的に起動させ得る。エネルギー源を積極的に起動することにより、処置の先行する工程が完了すると直ぐに器具を使用準備完了にすることができる。
【0060】
別の実施例として、状況認識外科用ハブ2304は、外科医が見る必要があると予想される手術部位の形状部(複数可)に従って、外科処置の現工程、又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なるビューや倍率を必要とするかどうかを決定することができる。次いで、外科用ハブ2304は、表示されたビュー(例えば、視覚化システム108用に医療用撮像デバイスから供給される)を、適宜、積極的に変化させることができ、これにより、ディスプレイは外科処置にわたって自動的に調整する。
【0061】
更に別の実施例として、状況認識外科用ハブ2304は、外科処置のどの工程が実行されているか、又は次に実行されるか、及び特定のデータ又はデータ同士の比較が外科処置の該当工程に必要とされるかどうかを決定することができる。外科用ハブ2304は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待機することなく、行われている外科処置の工程に基づいて、データスクリーンを自動的に呼び出すように構成することができる。
【0062】
別の利点としては、外科処置のセットアップ中、又は外科処置の過程中にエラーをチェックすることが挙げられる。例えば、状況認識外科用ハブ2304は、手術現場が、実行されるべき外科処置用に適切に又は最適にセットアップされているかどうかを決定することができる。外科用ハブ2304は、行われている外科処置のタイプを判定し、対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップ要件を(例えば、メモリから)読み出し、次いで、現在の手術室のレイアウトを、行われていると外科用ハブ2304が判定した外科処置のタイプの標準レイアウトと比較するように構成することができる。1つの例示では、外科用ハブ2304は、(例えば、好適なスキャナによってスキャンされた)処置のための項目リスト、及び/又は外科用ハブ2304とペアリングされたデバイスのリストを、所与の外科処置のための項目及び/又はデバイスの推奨される又は予想されるマニフェストと比較するように構成することができる。リスト間に何らかの分断が存在する場合、外科用ハブ2304は、特定のモジュール式デバイス2302、患者モニタリングデバイス2324、及び/又は他の外科用物品が欠落していることを示す警告を提供するように構成することができる。一例示では、外科用ハブ2304は、例えば、近接センサによってモジュール式デバイス2302及び患者モニタリングデバイス2324の相対距離又は相対位置を決定するように構成することができる。外科用ハブ2304は、デバイスの相対位置を、特定の外科処置用に推奨又は予想されるレイアウトと比較することができる。レイアウト間に何らかの分断が存在する場合、外科用ハブ2304は、外科処置の現在のレイアウトが推奨レイアウトから逸脱していることを示す警告を提供するように構成することができる。
【0063】
別の実施例として、状況認識外科用ハブ2304は、外科医(又は、他の医療従事者)が誤りを犯しているかどうか、又は外科処置の過程中に予想される一連のアクションから逸脱しているかどうかを決定することができる。例えば、外科用ハブ2304は、行われている外科処置のタイプを判定し、機器使用の工程又は順序の対応リストを(例えば、メモリから)読み出し、次いで、外科処置の過程中に行われている工程又は使用されている機器を、外科用ハブ2304が行われていることを判定した外科処置のタイプについて予想される工程又は機器と比較するように構成することができる。一例示では、外科用ハブ2304は、外科処置における特定の工程で想定外のアクションが実行されているか、又は想定外のデバイスが利用されていることを示す警告を提供するように構成することができる。
【0064】
全体的に、外科用ハブ2304用の状況認識システムは、各外科処置の特定のコンテキスト用に外科用器具(及び、他のモジュール式デバイス2302)を調節し(例えば、異なる組織種類に合わせて調節する)、外科処置中のアクションを検証することによって、外科処置の転帰を改善させる。また、状況認識システムは、処置の特定のコンテキストに従って、次の工程を自動的に示唆し、データを提供し、手術現場内のディスプレイ及び他のモジュール式デバイス2302を調節することによって、外科処置を実行する際の外科医の効率を改善する。
【0065】
モジュール式エネルギーシステム
外科処置を実施するために必要な設備の量に起因して、ORは世界中で、コード、デバイス、及び人の絡まった網になっている。大部分の外科用資本設備が単一の専門特化したタスクを実施するため、外科用資本設備は、この問題の主な原因となる傾向がある。それらの専門的な性質に起因して、外科医は、単一の外科処置の過程で複数の異なるタイプの装置を利用する必要があるため、ORは、エネルギー発生器などの外科用資本設備を2ピース又は更にはより多くのピースを備蓄することを余儀なくされる場合がある。これらの外科用資本設備の各々のピースは、電源に個別にプラグ接続されていなければならず、OR内の人員の間で渡されている1つ以上の他の装置に接続されている場合もあり、コードをもつれさせてしまい、誘導が必要となる場合もある。現代のORで直面する別の問題は、これらの専門特化した外科用資本設備の各々が、それ自身のユーザインターフェースを有し、またOR内の設備の他のピースから独立して制御されなければならないことである。これにより、互いに接続して複数の異なる装置を適切に制御することが複雑になり、ユーザは異なるタイプのユーザインターフェースの訓練を受け、これらのユーザインターフェースを記憶しなければならなくなる(これらのユーザインターフェースは、資本設備の各々の間での変更に加え、実施されるタスク又は外科処置に基づいて更に変更されることがある)。この煩雑で複雑なプロセスは、更により多くの個人がOR内に存在するのを必要とさせる場合があり、複数の装置が互いに適切に制御されていない場合には、危険を生じさせる可能性がある。したがって、OR内での外科用資本設備の設置面積を減少させるという、外科医のニーズに柔軟に対応できる単一のシステムに、外科用資本設備技術を統合することにより、ユーザ体験が単純化し、OR内の乱雑さが減少し、資本設備の複数のピースを同時に制御することに関連した困難及び危険が防止されることになるであろう。更に、このようなシステムを拡張可能又はカスタマイズ可能にすることにより、新しい技術を既存の外科用システムに便利に組み込むことが可能になり、外科用システム全体を交換する必要性がなくなり、又はORの人員が各々の新しい技術で新しいユーザインターフェース若しくは設備制御を学習する必要がなくなるであろう。
【0066】
図1~
図3で説明するように、外科用ハブ106は、様々なモジュールを互換的に受容するように構成することができ、このモジュールは、外科用デバイス(例えば、外科用器具又は排煙器)とインターフェース接続するか、又は様々な他の機能(例えば、通信)を提供することができる。一態様では、外科用ハブ106は、
図6~
図12に関連して示されるモジュール式エネルギーシステム2000として具現化することができる。モジュール式エネルギーシステム2000は、積み重ねられた構成で互いに接続可能である、様々な異なるモジュール2001を含むことができる。一態様では、モジュール2001は、積み重ねられたとき、又は別の方法で一体に接続され単一のアセンブリにされたときに、物理的かつ通信可能に結合することができる。更に、モジュール2001は、異なる組み合わせ又は配置で、互いに互換的に接続可能であり得る。一態様では、モジュール2001の各々は、それらの上部表面及び下部表面に沿って配設されたコネクタの一貫した又は普遍的なアレイを含むことができ、それにより、任意のモジュール2001が任意の配置で別のモジュール2001に接続されることを可能にする(ただし、いくつかの態様では、ヘッダモジュール2002などの特定のモジュールタイプは、例えば、スタック内では最上部に配置されるモジュールとして機能するように構成することができる)。代替の態様では、モジュール式エネルギーシステム2000は、
図3に示されるようにモジュール2001を受容及び保持するように構成されたハウジングを含むことができる。モジュール式エネルギーシステム2000はまた、モジュール2001に接続可能であるか又は別の方法で関連付けることができる、様々な異なる構成要素又は付属品も含むことができる。別の一態様では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用ハブ106の発生器モジュール140として具現化することができる(
図3)。更に別の態様では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用ハブ106とは別個のシステムであり得る。このような態様では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用ハブ206に、それらの間でデータを送信及び/又は受信するために通信可能に結合可能であり得る。
【0067】
モジュール式エネルギーシステム2000は、様々な異なるモジュール2001から組み立てることができ、そのいくつかの例を
図6に示す。異なるタイプのモジュール2001の各々は、異なる機能を提供することができ、それによって、各モジュール式エネルギーシステム2000に含まれるモジュール2001をカスタマイズすることによって、モジュール式エネルギーシステム2000を異なる構成に組み立てて、モジュール式エネルギーシステム2000の機能及び能力をカスタマイズすることができる。モジュール式エネルギーシステム2000のモジュール2001は、例えば、ヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含むことができる)、エネルギーモジュール2004、技術モジュール2040、及び可視化モジュール2042を含むことができる。図示された態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステムスタック内の上部又は最上部モジュールとして機能するように構成され、したがって、その上部表面に沿ったコネクタを欠いていてもよい。別の態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステムスタック内の底部に位置付けられるように、又は最下部モジュールであるように構成することができ、したがって、その底部表面に沿ったコネクタを欠いていてもよい。更に別の態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステムスタック内の中間位置に位置付けられるように構成することができ、したがって、その底部表面及び上部表面の両方に沿ったコネクタを含むことができる。ヘッダモジュール2002は、各モジュール2001及びそれらに接続された構成要素のシステム全体にかかわる設定を、ヘッダモジュール2002上の物理的制御部2011を通じてかつ/又はディスプレイスクリーン2006上に表示されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)2008を通じて制御するように構成することができる。このような設定としては、モジュール式エネルギーシステム2000の起動、警告の音量設定、フットスイッチの設定、設定のアイコン、ユーザインターフェースの外観若しくは構成、モジュール式エネルギーシステム2000にログインした外科医プロファイル、及び/又は実施されている外科処置のタイプが挙げられ得る。ヘッダモジュール2002はまた、ヘッダモジュール2002に接続されたモジュール2001の通信、処理、及び/又は電力を提供するように構成することもできる。発生器モジュール140(
図3)とも称され得るエネルギーモジュール2004は、電気外科用及び/又は超音波外科用器具を駆動するための1つ又は複数のエネルギーモダリティを生成するように構成することができる。技術モジュール2040は、追加的又は拡張制御アルゴリズム(例えば、エネルギーモジュール2004のエネルギー出力を制御するための電気外科用又は超音波制御アルゴリズム)を提供するように構成することができる。可視化モジュール2042は、可視化デバイス(すなわち、スコープ)とインターフェース接続するように構成することができ、したがって、向上した可視化機能を提供することができる。
【0068】
モジュール式エネルギーシステム2000は、モジュール2001の機能を制御するためにモジュール2001に接続可能であるか、又はそうでなければ、モジュール式エネルギーシステム2000と連携して機能するように構成されている、様々な付属品2029を更に含むことができる。付属品2029としては、例えば、シングルペダルフットスイッチ2032、デュアルペダルフットスイッチ2034、及びモジュール式エネルギーシステム2000を上に載せて支持するためのカート2030が挙げられ得る。フットスイッチ2032、2034は、例えば、エネルギーモジュール2004によって出力される特定のエネルギーモダリティの起動又は機能を制御するように構成することができる。
【0069】
モジュール式構成要素を利用することによって、図示されたモジュール式エネルギーシステム2000は、技術の利用可能性と共に成長し、施設及び/又は外科医のニーズに合わせてカスタマイズ可能である外科用プラットフォームを提供する。更に、モジュール式エネルギーシステム2000は、コンボデバイス(例えば、電気外科及び超音波エネルギーデュアル発生器)をサポートし、組織へのカスタマイズされた効果のためのソフトウェア駆動アルゴリズムをサポートする。なお更に、外科用システムアーキテクチャは、外科手術にとって重要な複数の技術を単一のシステムに組み合わせることによって、資本設備の設置面積を減少させる。
【0070】
モジュール式エネルギーシステム2000に関連して利用可能な様々なモジュール式構成要素は、単極エネルギー発生器、双極エネルギー発生器、デュアル電気外科用/超音波エネルギー発生器、ディスプレイスクリーン、並びに様々な他のモジュール及び/又は他の構成要素を含むことができ、これらのいくつかはまた、
図1~
図3にも関連して上述されている。
【0071】
ここで
図7Aを参照すると、ヘッダモジュール2002は、いくつかの態様では、ヘッダモジュール2002に接続されたモジュール2001に関する情報を中継するためのGUI2008を表示する、ディスプレイスクリーン2006を含むことができる。いくつかの態様では、ディスプレイスクリーン2006のGUI2008は、モジュール式エネルギーシステム2000の特定の構成を構成するモジュール2001の全ての統合された制御点を提供することができる。GUI2008の様々な態様は、
図12に関連して以下でより詳細に考察する。代替の態様では、ヘッダモジュール2002は、ディスプレイスクリーン2006を欠いていてもよいか、又はディスプレイスクリーン2006が、ヘッダモジュール2002のハウジング2010に取り外し可能に接続されてもよい。このような態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステム2000のモジュール2001によって生成された情報を表示するように構成された外部システムに、通信可能に結合可能であり得る。例えば、ロボット外科用途では、モジュール式エネルギーシステム2000は、ロボット式カート又はロボット制御コンソールに通信可能に結合可能であり得るが、ロボット式カート又はロボット制御コンソールは、モジュール式エネルギーシステム2000によって生成された情報を、ロボット外科用システムのオペレータに対して表示するように構成されている。別の例として、モジュール式エネルギーシステム2000は、モバイルディスプレイに通信可能に結合可能であり得るが、このモバイルディスプレイは、外科職員によって搬送されるか、又は外科職員に取り付けられて、モバイルディスプレイによって情報を見ることができるものである。更に別の例では、モジュール式エネルギーシステム2000は、
図11に示すように、外科用ハブ2100、又はディスプレイ2104を含むことができる別のコンピュータシステムに通信可能に結合可能であり得る。モジュール式エネルギーシステム2000とは別個であるか、又は別の方法で区別されるユーザインターフェースを利用する態様では、そのユーザインターフェースは、ユーザインターフェースが、その上に接続されたモジュール2001からの情報を表示することができるように、モジュール式エネルギーシステム2000全体と、又はそのうちの1つ以上のモジュール2001と無線接続可能であり得る。
【0072】
更に
図7Aを参照すると、エネルギーモジュール2004は、多数の異なるポートを含むポートアセンブリ2012を含むことができるが、それらのポートは、異なるエネルギーモダリティを、それぞれのポートに接続可能な対応する外科用器具に送達するように構成されている。
図6~
図12に示される特定の態様では、ポートアセンブリ2012は、双極ポート2014と、第1の単極ポート2016aと、第2の単極ポート2016bと、中性極ポート2018(単極リターンパッドが接続可能である)と、組み合わせエネルギーポート2020と、を含む。しかしながら、ポートのこの特定の組み合わせは、単に例示の目的のために提供され、ポート及び/又はエネルギーモダリティの代替的な組み合わせが、ポートアセンブリ2012に対して可能であり得る。
【0073】
上述したように、モジュール式エネルギーシステム2000は、異なる構成に組み立てることができる。更に、モジュール式エネルギーシステム2000の異なる構成はまた、異なる外科処置タイプ及び/又は異なるタスクに対して利用可能でもあり得る。例えば、
図7A及び
図7Bは、一緒に接続されたヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含む)と、エネルギーモジュール2004と、を含むモジュール式エネルギーシステム2000の第1の例示的な構成を示す。このような構成は、例えば、腹腔鏡外科処置及び開腹外科処置に好適であり得る。
【0074】
図8Aは、一緒に接続されたヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含む)と、第1のエネルギーモジュール2004aと、第2のエネルギーモジュール2004bと、を含むモジュール式エネルギーシステム2000の第2の例示的な構成を示す。2つのエネルギーモジュール2004a、2004bを積み重ねることによって、モジュール式エネルギーシステム2000は、モジュール式エネルギーシステム2000によって第1の構成から送達可能なエネルギーモダリティのアレイを拡張するための一対のポートアセンブリ2012a、2012bを提供することができる。したがって、モジュール式エネルギーシステム2000の第2の構成は、2つ以上の双極/単極電気外科用器具、3つ以上の双極/単極電気外科用器具などを収容することができる。このような構成は、特に複雑な腹腔鏡外科処置及び開腹外科処置に好適であり得る。
図8Bは、ヘッダモジュール2002がディスプレイスクリーン2006を欠いていることを除いて、第2の構成と同様の第3の例示的な構成を示す。この構成は、上述のように、ロボット外科用途又はモバイルディスプレイ用途に好適であり得る。
【0075】
図9は、一緒に接続されたヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含む)と、第1のエネルギーモジュール2004aと、第2のエネルギーモジュール2004bと、技術モジュール2040と、を含むモジュール式エネルギーシステム2000の第4の例示的な構成を示す。このような構成は、特に複雑な又は計算集約的な制御アルゴリズムが必要とされる外科用途に好適であり得る。代替的に、技術モジュール2040は、以前に公開されたモジュール(エネルギーモジュール2004など)の機能を補完するか又は拡張する、新たに公開されるモジュールであってもよい。
【0076】
図10は、一緒に接続されたヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含む)と、第1のエネルギーモジュール2004aと、第2のエネルギーモジュール2004bと、技術モジュール2040と、可視化モジュール2042と、を含むモジュール式エネルギーシステム2000の第5の例示的な構成を示す。このような構成は、ビデオフィードを可視化モジュール2042に結合されたスコープから中継するための専用の外科用ディスプレイ2044を提供することによって、内視鏡処置に好適なものになり得る。
図7A~
図11に示され、上述された構成は、モジュール式エネルギーシステム2000の様々な概念を単に例示するために提供されており、モジュール式エネルギーシステム2000を特定の前述の構成に制限するように解釈されるべきではないことには留意すべきである。
【0077】
上述したように、モジュール式エネルギーシステム2000は、
図11に示すように、外科用ハブ2100などの外部システムに通信可能に結合可能であり得る。このような外部システムは、内視鏡(又はカメラ若しくは別のそのような可視化デバイス)からの視覚的フィード及び/又はモジュール式エネルギーシステム2000からのデータを表示するためのディスプレイスクリーン2104を含むことができる。このような外部システムはまた、計算を実施するための、又は他の方法でモジュール式エネルギーシステム2000によって生成若しくは提供されたデータを分析するための、モジュール式エネルギーシステム2000の機能又はモードを制御するための、及び/又はクラウドコンピューティングシステム若しくは別のコンピュータシステムにデータを中継するためのコンピュータシステム2102を含むことができる。このような外部システムはまた、複数のモジュール式エネルギーシステム2000及び/又は他の外科用システム(例えば、
図1及び
図2に関連して説明されるように、可視化システム108及び/又はロボットシステム110)間の動作を調整することもできる。
【0078】
次に、
図12を参照すると、いくつかの態様では、ヘッダモジュール2002は、上述のようにGUI2008を表示するように構成されたディスプレイ2006を含むか、又はこれを支持することができる。ディスプレイスクリーン2006は、情報を表示することに加えて、ユーザから入力を受け取るためのタッチスクリーンを含むことができる。GUI2008上に表示された制御部は、ヘッダモジュール2002に接続されたモジュール(複数可)2001に対応することができる。いくつかの態様では、GUI2008の異なる部分又は領域は、特定のモジュール2001に対応することができる。例えば、GUI2008の第1の部分又は領域は、第1のモジュールに対応することができ、GUI2008の第2の部分又は領域は、第2のモジュールに対応することができる。異なる及び/又は追加のモジュール2001がモジュール式エネルギーシステムスタックに接続されると、GUI2008は、新たに追加された各モジュール2001に対して異なる及び/又は追加の制御部に対応するか、又は取り外される各モジュール2001の制御部を取り外すように調節することができる。ヘッダモジュール2002に接続された特定のモジュールに対応するディスプレイの各部分は、そのモジュールに対応する制御部、データ、ユーザプロンプト、及び/又は他の情報を表示することができる。例えば、
図12では、図示されたGUI2008の第1の又は上側部分2052は、ヘッダモジュール2002に接続されたエネルギーモジュール2004と関連付けられた制御部及びデータを表示する。具体的には、エネルギーモジュール2004のGUI2008の第1の部分2052は、双極ポート2014に対応する第1のウィジェット2056a、第1の単極ポート2016aに対応する第2のウィジェット2056b、第2の単極ポート2016bに対応する第3のウィジェット2056c、及び組み合わせエネルギーポート2020に対応する第4のウィジェット2056dを提供する。これらのウィジェット2056a~dの各々は、ポートアセンブリ2012のウィジェットの対応するポートに関連するデータ、及びポートアセンブリ2012のそれぞれのポートを通じてエネルギーモジュール2004によって送達されるエネルギーモダリティのモード及び他の特徴部を制御するための制御部を提供する。例えば、ウィジェット2056a~dは、それぞれのポートに接続された外科用器具の電力レベルの表示、及びそれぞれのポートに接続された外科用器具の動作モードの変更(例えば、外科用器具を第1の電力レベルから第2の電力レベルに変更し、及び/又は単極外科用器具を「スプレー」モードから「ブレンド」モードに変更すること)などを行うように構成されてもよい。
【0079】
一態様では、ヘッダモジュール2002は、GUI2008に加えて又はその代わりに、様々な物理的制御部2011を含み得る。このような物理的制御部2011は、例えば、モジュール式エネルギーシステム2000内のヘッダモジュール2002に接続される各モジュール2001の起動を制御する電源ボタンを含むことができる。代替的に、電源ボタンは、GUI2008の一部として表示されてもよい。したがって、ヘッダモジュール2002は、単一の接触点として機能することができ、モジュール式エネルギーシステム2000が構築される個々の各モジュール2001を個別に起動及び無効化する必要性をなくすことができる。
【0080】
一態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステム2000が構築される外科用モジュール2001、又はモジュール式エネルギーシステム2000に通信可能に結合される外科用デバイスと関連付けられた静止画像、ビデオ、動画、及び/又は情報を表示することができる。ヘッダモジュール2002によって表示される静止画像及び/又はビデオは、モジュール式エネルギーシステム2000に通信可能に結合された内視鏡又は別の可視化デバイスから受信することができる。GUI2008の動画及び/又は情報は、画像又はビデオフィード上にオーバーレイするか、又はそれに隣接して表示することができる。
【0081】
一態様では、ヘッダモジュール2002以外のモジュール2001は、同様に情報をユーザに中継するように構成することができる。例えば、エネルギーモジュール2004は、ポートアセンブリ2012のポートの各々の周囲に配設された光アセンブリ2015を含み得る。光アセンブリ2015は、それらの色又は状態(例えば、点滅)に従って、ポートに関する情報をユーザに中継するように構成することができる。例えば、光アセンブリ2015は、プラグがそれぞれのポート内に完全に着座されたときに、第1の色から第2の色に変化することができる。一態様では、光アセンブリ2015の色又は状態は、ヘッダモジュール2002によって制御されてもよい。例えば、ヘッダモジュール2002は、各ポートの光アセンブリ2015に、GUI2008上のポートの色表示に対応する色を表示させることができる。
【0082】
図13は、本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステム3000のスタンドアロンハブ構成のブロック図であり、
図14は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用制御システム3010と統合されたモジュール式エネルギーシステム3000のハブ構成のブロック図である。
図13及び
図14に示すように、モジュール式エネルギーシステム3000は、スタンドアロンユニットとして利用されるか、又は1つ以上の外科用ハブユニットからデータを制御及び/又は受信する外科用制御システム3010と統合され得る。
図13及び
図14に示す実施例では、モジュール式エネルギーシステム3000の統合ヘッダ/UIモジュール3002は、ヘッダモジュールと、単一モジュールとして一緒に統合されたUIモジュールと、を含む。他の態様では、ヘッダモジュール及びUIモジュールは、データバス3008を通じて通信可能に結合される別個の構成要素として提供することができる。
【0083】
図13に示すように、スタンドアロンモジュール式エネルギーシステム3000の例は、エネルギーモジュール3004に結合された統合ヘッダモジュール/ユーザインターフェース(UI)モジュール3002を含む。電力及びデータは、統合ヘッダ/UIモジュール3002とエネルギーモジュール3004との間で電力インターフェース3006及びデータインターフェース3008を通じて送信される。例えば、統合ヘッダ/UIモジュール3002は、データインターフェース3008を通じてエネルギーモジュール3004に様々なコマンドを送信することができる。このようなコマンドは、UIからのユーザ入力に基づくことができる。更なる例として、電力は、電力インターフェース3006を通じてエネルギーモジュール3004に送信されてもよい。
【0084】
図14では、外科用ハブ構成は、制御システム3010と統合されたモジュール式エネルギーシステム3000と、とりわけ、モジュール式エネルギーシステム3000への、かつ/又はモジュール式エネルギーシステム3000からのデータ及び電力伝送を管理するためのインターフェースシステム3022と、を含む。
図14に示すモジュール式エネルギーシステムは、統合ヘッダモジュール/UIモジュール3002と、第1のエネルギーモジュール3004と、第2のエネルギーモジュール3012と、を含む。一実施例では、制御システム3010のシステム制御ユニット3024と、第2のエネルギーモジュール3012と(第1のエネルギーモジュール3004を通じて)、ヘッダ/UIモジュール3002と(データインターフェース3008を通じて)の間にデータ送信経路が確立される。加えて、電力経路は、統合ヘッダ/UIモジュール3002と第2のエネルギーモジュール3012との間に、電力インターフェース3006を通って第1のエネルギーモジュール3004を通って延在する。言い換えると、一態様では、第1のエネルギーモジュール3004は、第2のエネルギーモジュール3012と、統合ヘッダ/UIモジュール3002との間で、電力インターフェース3006及びデータインターフェース3008を通じて電力及びデータインターフェースとして機能するように構成される。この構成により、モジュール式エネルギーシステム3000は、統合ヘッダ/UIモジュール3002内の専用電力及びエネルギーインターフェースを必要とせずに、統合ヘッダ/UIモジュール3002に既に接続されているエネルギーモジュール3004、3012に、追加のエネルギーモジュールをシームレスに接続することによって拡張することができるようになる。
【0085】
本明細書で制御回路、制御論理、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、論理、若しくはFPGA、又はこれらの様々な組み合わせと称され得るシステム制御ユニット3024は、エネルギーインターフェース3026及び器具通信インターフェース3028を介してシステムインターフェース3022に結合される。システムインターフェース3022は、第1のエネルギーインターフェース3014及び第1の器具通信インターフェース3016を介して第1のエネルギーモジュール3004に結合されている。システムインターフェース3022は、第2のエネルギーインターフェース3018及び第2の器具通信インターフェース3020を介して第2のエネルギーモジュール3012に結合されている。追加のエネルギーモジュールなどの追加のモジュールがモジュール式エネルギーシステム3000内に積み重ねられると、追加のエネルギー及び通信インターフェースがシステムインターフェース3022と追加モジュールとの間に提供される。
【0086】
以下でより詳細に説明するように、エネルギーモジュール3004、3012は、ハブに接続可能であり、様々なエネルギー外科用器具のための電気外科エネルギー(例えば、双極若しくは単極)、超音波エネルギー、又はこれらの組み合わせ(本明細書では「高度エネルギー」モジュールと称される)を発生させるように構成することができる。一般に、エネルギーモジュール3004、3012は、ハードウェア/ソフトウェアインターフェースと、超音波コントローラと、高度エネルギーRFコントローラと、双極RFコントローラと、コントローラからの出力を受信し、それに応じて様々なエネルギーモジュール3004、3012の動作を制御するコントローラによって実行される制御アルゴリズムと、を含む。本開示の様々な態様では、本明細書に記載されるコントローラは、制御回路、制御論理、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、論理、若しくはFPGA、又はこれらの様々な組み合わせとして実装されてもよい。
【0087】
図15~
図17は、本開示の少なくとも1つの態様による、ハブを形成するために一緒に接続された様々なモジュール式エネルギーシステムのブロック図である。
図15~
図17は、ハブモジュールの様々な図(例えば、回路図又は制御図)を示す。モジュール式エネルギーシステム3000は、本開示の少なくとも1つの態様による、複数のエネルギーモジュール3004(
図16)と、3012(
図17)と、ヘッダモジュール3150(
図17)と、UIモジュール3030(
図15)と、通信モジュール3032(
図15)と、を含む。UIモジュール3030は、モジュール式エネルギーシステム3000の1つ以上のパラメータを制御するための様々な関連情報及び様々なユーザ制御を表示するタッチスクリーン3046を含む。UIモジュール3030は、頂部ヘッダモジュール3150に取り付けられているが、ヘッダモジュール3150とは独立して操作することができるように別々に収容される。例えば、UIモジュール3030は、ユーザによってピックアップされ、及び/又はヘッダモジュール3150に再取り付けされてもよい。追加的に、又は代替的に、UIモジュール3030は、ヘッダモジュール3150に対してわずかに移動して、その位置及び/又は配向を調節することができる。例えば、UIモジュール3030は、ヘッダモジュール3150に対して傾斜及び/又は回転させることができる。
【0088】
いくつかの態様では、様々なハブモジュールは、器具状態を通信するための物理的ポートの周りの光配管を含むことができ、また、対応する器具にスクリーン上の素子を接続することもできる。光配管は、物理的ポートに取り付けられた/接続された外科用器具の状態をユーザに警告するために用いられ得る照明技術の一例である。一態様では、物理的ポートを特定の光で照明することにより、ユーザに外科用器具を物理的ポートに接続するように指示する。別の実施例では、物理的ポートを特定の光で照明することにより、ユーザは、外科用器具との既存の接続に関連するエラーを警告する。
【0089】
図15を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、パススルーハブコネクタ3034を介して通信モジュール3032に結合されたユーザインターフェース(UI)モジュール3030のブロック図が示されている。UIモジュール3030は、ヘッダモジュール3150(
図17に示される)から別個の構成要素として提供され、例えば、通信モジュール3032を介してヘッダモジュール3150に通信可能に結合されてもよい。一態様では、UIモジュール3030は、他の接続されたモジュールから受信した宣言的な可視化及び挙動を表し、またシステムの構成(例えば、言語選択、モジュール関連付けなど)などの他の集中的UI機能を実施するように構成されたUIプロセッサ3040を含むことができる。UIプロセッサ3040は、例えば、Qt、.NET WPF、又はウェブサーバなどのフレームワークを実行するプロセッサ又はシステムオンモジュール(SOM)であり得る。
【0090】
示された例では、UIモジュール3030は、タッチスクリーン3046と、液晶ディスプレイ3048(LCD)と、オーディオ出力3052(例えば、スピーカ、ブザー)と、を含む。UIプロセッサ3040は、タッチスクリーン3046とUIプロセッサ3040との間に結合されたタッチコントローラ3044からのタッチスクリーン入力を受信するように構成されている。UIプロセッサ3040は、LCDディスプレイ3048に視覚情報を出力し、オーディオ増幅器3050を介してオーディオ出力3052にオーディオ情報を出力するように構成されている。UIプロセッサ3040は、パススルーハブコネクタ3034に結合されたスイッチ3042を介して通信モジュール3032にインターフェース接続して、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御するように構成されている。DC電力は、DC/DC変換器モジュール3054を介してUIモジュール3030に供給される。DC電力は、パススルーハブコネクタ3034を通過して、電力バス3006を通じて通信モジュール3032に渡される。データは、パススルーハブコネクタ3034を通って、データバス3008を通じて通信モジュール3032に渡される。スイッチ3042、3056は、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送する。
【0091】
図15を続けると、通信モジュール3032、並びに様々な外科用ハブ及び/又は外科用システムは、異なるプロトコルを実行している2つの異なるネットワーク(例えば、内部ネットワーク及び/又は病院ネットワーク)間の選択トラフィック(すなわち、データ)をシャトルするように構成されたゲートウェイ3058を含むことができる。通信モジュール3032は、通信モジュール3032を他のモジュールに結合するための第1のパススルーハブコネクタ3036を含む。示された例では、通信モジュール3032は、UIモジュール3030に結合されている。通信モジュール3032は、第2のパススルーハブコネクタ3038を介して他のモジュール(例えば、エネルギーモジュール)に結合されて、第1のパススルーハブコネクタ3036と第2のパススルーハブコネクタ3038との間に配設されたスイッチ3056を介して通信モジュール3032を他のモジュールに結合して、ソースデバイスから宛先デバイスへとデータを受信、処理、及び転送し、その間のデータ通信を制御するように構成されている。スイッチ3056はまた、外部通信ポートとUIモジュール3030及び他の接続されたモジュールとの間で情報を通信するように、ゲートウェイ3058とも結合されている。ゲートウェイ3058は、とりわけ、例えば、病院又は他のローカルネットワークと通信するためのイーサネットモジュール3060、ユニバーサルシリアルバス(USB)モジュール3062、WiFiモジュール3064、及びBluetoothモジュール3066などの様々な通信モジュールに結合されてもよい。通信モジュールは、通信モジュール3032内に位置している物理的基板であってもよく、又は遠隔通信ボードに結合するポートであってもよい。
【0092】
いくつかの態様では、モジュール(すなわち、取り外し可能なハードウェア)の全ては、ヘッダモジュール上に、又はヘッダモジュールと一体に配設される単一のUIモジュール3030によって制御される。
図17は、UIモジュール3030を取り付けることができるスタンドアロンヘッダモジュール3150を示す。
図13、
図14、及び
図18は、統合ヘッダ/UIモジュール3002を示す。次に、
図15に戻ると、様々な態様では、モジュールの全てを単一の応答性UIモジュール3002に統合することによって、システムは、一度に複数の機器を制御及び監視するためのより単純な方法を提供する。このアプローチは、手術室(OR)における設置面積及び複雑さを大幅に減少する。
【0093】
図16を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、エネルギーモジュール3004のブロック図が示される。通信モジュール3032(
図15)は、通信モジュール3032の第2のパススルーハブコネクタ3038、及びエネルギーモジュール3004の第1のパススルーハブコネクタ3074を介して、エネルギーモジュール3004に結合されている。エネルギーモジュール3004は、第2のパススルーハブコネクタ3078を介して、
図17に示される第2のエネルギーモジュール3012などの他のモジュールに結合されてもよい。
図16に戻ると、第1のパススルーハブコネクタ3074と第2のパススルーハブコネクタ3078との間に配設されたスイッチ3076は、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御する。データはデータバス3008を通じて受信及び送信される。エネルギーモジュール3032は、エネルギーモジュール3004の様々な通信及び処理機能を制御するためのコントローラ3082を含む。
【0094】
DC電力は、エネルギーモジュール3004によって電力バス3006を通じて受信及び送信される。電力バス3006は、DC/DC変換器モジュール3138に結合されて、調節可能なレギュレータ3084、3107及び絶縁DC/DC変換器ポート3096、3112、3132に電力を供給する。
【0095】
一態様では、エネルギーモジュール3004は、超音波広帯域増幅器3086を含むことができ、超音波広帯域増幅器3086は、一態様では、低い全高調波歪み(THD)レベルにおいて任意の波形を発生させることができる線形クラスH増幅器であってもよく、高調波トランスデューサを駆動してもよい。超音波広帯域増幅器3086は、効率を最大化するために降圧調節可能なレギュレータ3084によって供給され、例えば、直接デジタル合成装置(DDS)を介してデジタル信号プロセッサ(DSP)として実装され得るコントローラ3082によって制御される。DDSは、例えば、DSPに埋め込むか、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)内に実装することができる。コントローラ3082は、デジタル-アナログ変換器3106(DAC)を介して超音波広帯域増幅器3086を制御する。超音波広帯域増幅器3086の出力は、超音波電力変圧器3088に供給され、超音波電力変圧器3088は、高度エネルギー受容部3100の超音波エネルギー出力部分に結合される。超音波インピーダンスを計算するために使用され得る超音波電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、超音波VI FB変圧器3092を介して、高度エネルギー受容部3100の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。超音波電圧及び電流フィードバック信号は、アナログ-デジタル変換器3102(A/D)を通じてコントローラ3082にルートバックされる。また、高度エネルギー受容部3100を通じてコントローラ3082に結合されているのは、電力バス3006からDC電力を受信する絶縁DC/DC変換器ポート3096、及び中帯域幅データポート3098である。
【0096】
一態様では、エネルギーモジュール3004は、広帯域RF電力増幅器3108を含むことができ、この広帯域RF電力増幅器3108は、一態様では、任意の波形を発生させることができる線形クラスH増幅器であり、RF負荷を出力周波数の範囲で駆動することができる。広帯域RF電力増幅器3108は、効率を最大化するために調節可能な降圧レギュレータ3107によって供給され、DDSを介してDSPとして実装され得るコントローラ3082によって制御される。DDSは、例えば、DSPに埋め込むか、又はFPGA内に実装することができる。コントローラ3082は、DAC3122を介して広帯域RF増幅器3086を制御する。広帯域RF電力増幅器3108の出力は、RF選択リレー3124を通じて供給することができる。RF選択リレー3124は、広帯域RF電力増幅器3108の出力信号を受信し、エネルギーモジュール3004の様々な他の構成要素に選択的に送信するように構成される。一態様では、広帯域RF電力増幅器3108の出力信号は、RF選択リレー3124を通じて、双極RFエネルギー受容部3118のRF出力部分に結合されたRF電力変圧器3110に供給され得る。RFインピーダンスを計算するために用いられ得る双極RF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3114を介して、双極RFエネルギー受容部3118の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、A/D3120を通じてコントローラ3082にルートバックされる。また、双極RFエネルギー受容部3118を通じてコントローラ3082に結合されるのは、電力バス3006からDC電力を受信する絶縁DC/DC変換器ポート3112、及び低帯域幅データポート3116である。
【0097】
上述したように、一態様では、エネルギーモジュール3004は、作動のために定格コイル電流でコントローラ3082(例えば、FPGA)によって駆動されるRF選択リレー3124を含むことができ、定常状態の電力散逸を制限するためにパルス幅変調(PWM)を介して、より低い保持電流に設定することもできる。RF選択リレー3124の切り替えは、力誘導(安全)リレーによって達成され、接触状態の状態は、任意の単一の故障状態の緩和としてコントローラ3082によって感知される。一態様では、RF選択リレー3124は、第1の状態にあるように構成され、広帯域RF電力増幅器3108などのRF源から受信された出力RF信号が、双極エネルギー受容部3118のRF電力変圧器3110などのエネルギーモジュール3004の第1の構成要素に送信される。第2の態様では、RF選択リレー3124は、第2の状態にあるように構成され、広帯域RF電力増幅器3108などのRF源から受信された出力RF信号が、以下により詳細に記載される単極エネルギー受容部3136のRF電力変圧器3128などの第2の構成要素に送信される。一般的な態様では、RF選択リレー3124は、コントローラ3082によって駆動されて、第1の状態及び第2の状態などの複数の状態の間で切り替え、エネルギーモジュール3004の異なるエネルギー受容部間でRF電力増幅器3108から受信した出力RF信号を送信するように構成されている。
【0098】
上述したように、広帯域RF電力増幅器3108の出力はまた、RF選択リレー3124を通じてRF単極受容部3136の広帯域RF電力変圧器3128に供給することもできる。RFインピーダンスを計算するために用いられ得る単極RF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3130を介して、単極RFエネルギー受容部3136の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、A/D3126を通じてコントローラ3082にルートバックされる。また、単極RFエネルギー受容部3136を通じてコントローラ3082に結合されるのは、電力バス3006からDC電力を受信する絶縁DC/DC変換器ポート3132、及び低帯域幅データポート3134である。
【0099】
広帯域RF電力増幅器3108の出力はまた、RF選択リレー3124を通って、高度エネルギー受容部3100の広帯域RF電力変圧器3090に供給することができる。RFインピーダンスを計算するために用いられ得るRF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3094を介して、高度エネルギー受容部3100の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、A/D 3104を通じてコントローラ3082にルートバックされる。
【0100】
図17は、本開示の少なくとも1つの態様による、ヘッダモジュール3150に結合された第2のエネルギーモジュール3012のブロック図である。
図16に示される第1のエネルギーモジュール3004は、第1のエネルギーモジュール3004の第2のパススルーハブコネクタ3078を第2のエネルギーモジュール3012の第1のパススルーハブコネクタ3074に結合することによって、
図17に示される第2のエネルギーモジュール3012に結合されている。一態様では、第2のエネルギーモジュール3012は、
図17に示すように、第1のエネルギーモジュール3004と同様のエネルギーモジュールであってもよい。別の態様では、第2のエネルギーモジュール2012は、より詳細に説明される
図19に示すエネルギーモジュールなどの第1のエネルギーモジュールとは異なるエネルギーモジュールであってもよい。第2のエネルギーモジュール3012を第1のエネルギーモジュール3004に追加すると、モジュール式エネルギーシステム3000に機能性が追加される。
【0101】
第2のエネルギーモジュール3012は、パススルーハブコネクタ3078をヘッダモジュール3150のパススルーハブコネクタ3152に接続することによって、ヘッダモジュール3150に結合される。一態様では、ヘッダモジュール3150は、電源ボタン機能3166、アップグレードUSBモジュール3162を通じたソフトウェアアップグレード、システム時間管理、及び異なるプロトコルを実行してもよいイーサネットモジュール3164を介した外部ネットワーク(すなわち、病院又はクラウド)へのゲートウェイを管理するように構成されたヘッダプロセッサ3158を含むことができる。データは、パススルーハブコネクタ3152を通じてヘッダモジュール3150によって受信される。ヘッダプロセッサ3158はまた、スイッチ3160に結合されて、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御する。ヘッダプロセッサ3158はまた、幹線電力入力モジュール3154に結合されたOTS電源3156に結合される。
【0102】
図18は、本開示の少なくとも1つの態様による、
図15に示されるヘッダモジュールなどのハブ用のヘッダ/ユーザインターフェース(UI)モジュール3002のブロック図である。ヘッダ/UIモジュール3002は、ヘッダ電力モジュール3172と、ヘッダ無線モジュール3174と、ヘッダUSBモジュール3176と、ヘッダオーディオ/スクリーンモジュール3178と、ヘッダネットワークモジュール3180(例えば、イーサネット)と、バックプレーンコネクタ3182と、ヘッダ待機プロセッサモジュール3184と、ヘッダフットスイッチモジュール3186と、を含む。これらの機能モジュールは、ヘッダ/UI3002機能を提供するように相互作用する。ヘッダ/UIコントローラ3170は、機能モジュールの各々及びそれらの間の通信を制御し、ヘッダ/UIコントローラ3170とヘッダフットスイッチモジュール3186に結合された絶縁通信モジュール3234との間に結合された安全限界制御ロジックモジュール3230、3232を含む。セキュリティコプロセッサ3188は、ヘッダ/UIコントローラ3170に結合されている。
【0103】
ヘッダ電力モジュール3172は、OTS電源ユニット3192(PSU)に結合された幹線電力入力モジュール3190を含む。低電圧直流(例えば、5V)待機電力が、OTS PSU3192から低電圧電力バス3198を通じてヘッダ/UIモジュール3002及び他のモジュールに供給される。高電圧直流(例えば、60V)は、OTS PSU3192から高電圧バス3200を通じてヘッダ/UIモジュール3002に供給される。高電圧DCは、DC/DC変換器モジュール3196、並びに絶縁DC/DC変換器モジュール3236に供給する。ヘッダ/待機モジュール3184の待機プロセッサ3204は、PSU/イネーブル信号3202をOTS PSU3192に提供する。
【0104】
ヘッダ無線モジュール3174は、WiFiモジュール3212及びBluetoothモジュール3214を含む。WiFiモジュール3212及びBluetoothモジュール3214の両方は、ヘッダ/UIコントローラ3170に結合されている。Bluetoothモジュール3214は、ケーブルを使用せずにデバイスを接続するために使用され、Wi-Fiモジュール3212は、インターネットなどのネットワークへの高速アクセスを提供し、手術室内に位置する他のデバイスの中で、複数のデバイス、例えば、複数のエネルギーモジュール又は他のモジュール及び外科用器具などを連結することができる無線ネットワークを作成するために用いることができる。Bluetoothは、30フィート未満などの短い距離でデータを交換するために使用される無線技術規格である。
【0105】
ヘッダUSBモジュール3176は、ヘッダ/UIコントローラ3170に結合されたUSBポート3216を含む。USBモジュール3176は、近距離デジタルデータ通信を介してモジュール及び他の電子機器デバイス用の標準ケーブル接続インターフェースを提供する。USBモジュール3176は、USBデバイスを含むモジュールが、USBケーブルを介して互いに接続されてデジタルデータを転送することを可能にする。
【0106】
ヘッダオーディオ/スクリーンモジュール3178は、タッチコントローラ3218に結合されたタッチスクリーン3220を含む。タッチコントローラ3218は、ヘッダ/UIコントローラ3170に結合されて、タッチスクリーン3220からの入力を読み取る。ヘッダ/UIコントローラ3170は、ディスプレイ/ポートビデオ出力信号3222を介してLCDディスプレイ3224を駆動する。ヘッダ/UIコントローラ3170は、1つ以上のスピーカ3228を駆動するためにオーディオ増幅器3226に結合される。
【0107】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、モジュール式エネルギーシステム3000内の1つの制御部又はヘッダモジュール3002に接続されたモジュールを制御するように構成されたタッチスクリーン3220ユーザインターフェースを提供する。タッチスクリーン3220は、モジュール式エネルギーシステム3000内に接続された全てのモジュールを調節するために、ユーザに対する単一のアクセスポイントを維持するために使用することができる。追加のハードウェアモジュール(例えば、排煙モジュール)は、ヘッダ/UIモジュール3002に接続されたときに、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224の底部に見られてもよく、ヘッダ/UIモジュール3002から切断されたときに、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224から消えてもよい。
【0108】
更に、ユーザタッチスクリーン3220は、モジュール式エネルギーシステム3000に取り付けられたモジュールの設定へのアクセスを提供することができる。更に、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224の配置は、ヘッダ/UIモジュール3002に接続されているモジュールの数及びタイプに従って変化するように構成することができる。例えば、1つのエネルギーモジュール及び1つの排煙モジュールがヘッダ/UIモジュール3002に接続される第1の用途のために、第1のユーザインターフェースをLCDディスプレイ3224上に表示することができ、2つのエネルギーモジュールがヘッダ/UIモジュール3002に接続されている第2の用途のために、第2のユーザインターフェースをLCDディスプレイ3224上に表示することができる。更に、モジュールがモジュール式エネルギーシステム3000から接続及び切断されると、ユーザインターフェースは、LCDディスプレイ3224上のその表示を変更することができる。
【0109】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、着色するLCDディスプレイ上に表示するように構成されたユーザインターフェースLCDディスプレイ3224を提供し、ポート照明に対応する。一態様では、器具パネル及びその対応するポートの周囲のLED光の着色は、同じであるか、又は別の方法で互いに対応する。各色は、例えば、固有の意味を伝えることができる。このようにして、ユーザは、指示がどの器具を参照しているか、及び指示の性質を迅速に評価することができる。更に、器具に関する指示は、その対応するポートの周りに並ぶLEDライトの色の変化、及びそのモジュールの着色によって表すことができる。更に、スクリーン上のメッセージ及びハードウェア/ソフトウェアポートの位置合わせはまた、インターフェース上ではなく、ハードウェア上でアクションをとらなければならないことを伝える役割を果たすことができる。様々な態様では、警告が他の器具上で発生している間、全ての他の器具を使用することができる。これにより、ユーザは、指示がどの器具を参照しているか、及び指示の性質を迅速に評価することができる。
【0110】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、ユーザに処置選択肢を提示するためにLCDディスプレイ3224上に表示するように構成されたユーザインターフェーススクリーンを提供する。一態様では、ユーザインターフェースは、ユーザに一連の選択肢(例えば、大まかなものから詳細のものまで配置することができる)でユーザに提示するように構成されてもよい。各選択が行われた後、モジュール式エネルギーシステム3000は、全ての選択が完了するまで次のレベルを表す。これらの設定は、ローカルで管理され、二次手段(USBサムドライブなど)を介して転送されてもよい。代替的に、設定はポータルを介して管理され、病院内の全ての接続されたシステムに自動的に分散されてもよい。
【0111】
処置選択肢としては、例えば、専門、処置、及び処置のタイプによって分類される工場出荷時に事前設定された選択肢のリストを含むことができる。ユーザ選択を完了すると、ヘッダモジュールは、任意の接続された器具を、その特定の処置のための事前設定された設定に設定するように構成することができる。処置選択肢はまた、例えば、外科医のリスト、次いで、専門、処置、及びタイプを含むことができる。ユーザが選択を完了すると、システムは、外科医の好ましい器具を提案し、外科医の選好(すなわち、外科医の選好を記憶する各外科医に関連付けられたプロファイル)に従って、それらの器具の設定を設定することができる。
【0112】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、LCDディスプレイ3224上に重要な器具設定を表示するように構成されたユーザインターフェーススクリーンを提供する。一態様では、ユーザインターフェースのLCDディスプレイ3224上に表示された各器具パネルは、配置及び内容において、モジュール式エネルギーシステム3000に差し込まれた器具に対応する。ユーザがパネルをタップすると、その特定の器具及び画面の残りの部分のための追加の設定及びオプションを明らかにするために拡張することができ、スクリーンの残りの部分は、例えば、暗くするか、又は別の方法で強調されないようにすることができる。
【0113】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、器具に固有の制御部を含む/表示するように構成されたユーザインターフェースの器具設定パネルを提供し、ユーザがその出力の強度を増大又は減少させ、特定の機能を切り替え、それをヘッダフットスイッチモジュール3186に接続されたフットスイッチのようなシステム付属品とペアリングし、高度な器具設定にアクセスし、器具に関する追加の情報を見つけることを可能にする。一態様では、ユーザは、「高度な設定」制御部をタップ/選択して、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224上に表示された高度な設定ドロアーを展開することができる。一態様では、ユーザは、次いで、器具設定パネルの右上の角部でアイコンをタップ/選択するか、又はパネルの外側の任意の場所をタップすることができ、パネルは、その元の状態へと縮小される。これらの態様では、ユーザインターフェースは、各器具パネルのレディー/ホームスクリーン上で、電力レベル及び電力モードなどの最も重要な器具設定のみをLCDディスプレイ3224に表示するように構成されている。これは、遠隔からのシステムのサイズ及び可読性を最大化するためである。いくつかの態様では、パネル及びその中の設定は、可読性を更に改善するために、システムに接続された器具の数に比例してスケーリングすることができる。より多くの器具が接続されると、パネルは、より多くの量の情報を収容するようにスケーリングされる。
【0114】
ヘッダネットワークモジュール3180は、ヘッダ/UIモジュール3002をモジュール式エネルギーシステム3000の他のモジュールにネットワーク接続するための複数のネットワークインターフェース3264、3266、3268(例えば、イーサネット)を含む。示された例では、1つのネットワークインターフェース3264は、サードパーティネットワークインターフェースであってもよく、別のネットワークインターフェース3266は、病院ネットワークインターフェースであってもよく、更に別のネットワークインターフェース3268は、バックプレーンネットワークインターフェースコネクタ3182上に位置していてもよい。
【0115】
ヘッダ待機プロセッサモジュール3184は、オン/オフスイッチ3210に結合された待機プロセッサ3204を含む。待機プロセッサ3204は、電流が導通ループ3206内を流れるかどうかを確認することによって、電気的導通試験を行う。導通試験は、連続性ループ3206にわたって小さい電圧を配置することによって実施される。シリアルバス3208は、待機プロセッサ3204をバックプレーンコネクタ3182に結合する。
【0116】
ヘッダフットスイッチモジュール3186は、複数の対応する存在/ID及びスイッチ状態モジュール3242、3244、3246を通じて、複数のアナログフットスイッチポート3254、3256、3258に結合されたコントローラ3240をそれぞれ含む。コントローラ3240はまた、存在/ID及びスイッチ状態モジュール3248及び送受信機モジュール3250を介して補助ポート3260に結合されている。補助ポート3260は、補助電力モジュール3252によって給電される。コントローラ3240は、絶縁通信モジュール3234、並びに第1の安全限界制御モジュール3230及び第2の安全限界制御モジュール3232を介してヘッダ/UIコントローラ3170に結合されている。ヘッダフットスイッチモジュール3186はまた、DC/DC変換器モジュール3238を含む。
【0117】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、アナログフットスイッチポート3254、3256、3258のうちのいずれか1つに接続されたフットスイッチを制御するために、LCDディスプレイ3224上に表示するように構成されたユーザインターフェーススクリーンを提供する。いくつかの態様では、ユーザが、手で起動しない器具内のアナログフットスイッチポート3254、3256、3258のうちのいずれか1つに差し込むと、器具パネルは、フットスイッチアイコンの隣の警告アイコンと共に出現する。器具は、フットスイッチを使用せずに起動することができないため、器具設定は、例えば、グレーアウトされてもよい。
【0118】
ユーザがフットスイッチ内でアナログフットスイッチポート3254、3256、3258のうちのいずれか1つに差し込むと、フットスイッチがその器具に割り当てられていることを示すポップアップが出現する。フットスイッチアイコンは、フットスイッチが、器具に差し込まれ、割り当てられていることを示す。次いで、ユーザは、そのアイコン上でタップ/選択して、そのフットスイッチに関連付けられた設定を割り当て、再割り当て、割り当て解除、又は他の方法で変更することができる。これらの態様では、システムは、ロジックを使用して、フットスイッチを手で起動されない器具に自動的に割り当てるように構成されており、これにより、単一又は二重ペダルフットスイッチを適切な器具に更に割り当てることができる。ユーザがフットスイッチを手動で割り当て/再割り当てすることを望む場合、利用することができる2つのフローがある。
【0119】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、グローバルフットスイッチボタンを提供する。ユーザがグローバルフットスイッチアイコン(ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224の右上に位置する)をタップすると、フットスイッチ割り当てオーバーレイが出現し、器具モジュールの内容が薄暗くなる。各取り付けられたフットスイッチ(デュアル又はシングルペダル)の(例えば、写真のように現実的な)表示は、器具に割り当てられていない場合には底部に表示されるか、又は対応する器具パネル上に出現する。したがって、ユーザは、これらのイラストレーションを、フットスイッチ割り当てオーバーレイ内のボックス化されたアイコンとの間でドラッグアンドドロップし、フットスイッチをそれぞれの器具に割り当て、割り当て解除、及び再割り当てすることができる。
【0120】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、本開示の少なくとも1つの態様による、フットスイッチ自動割り当てを示す、LCDディスプレイ3224上に表示されるユーザインターフェーススクリーンを提供する。上で考察されたように、モジュール式エネルギーシステム3000は、手による起動を伴わない器具にフットスイッチを自動割り当てするように構成することができる。いくつかの態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、ユーザインターフェース要素を使用して物理的ポートを追跡する手段として、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224上に表示された色をモジュール自体の光に相関させるように構成することができる。
【0121】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、モジュール式エネルギーシステム3000に接続された異なる数のモジュールを有するユーザインターフェースの様々な用途を示すように構成されてもよい。様々な態様では、LCDディスプレイ3224上に表示されるユーザインターフェース要素の全体的なレイアウト又は割合は、ヘッダ/UIモジュール3002に差し込まれた器具の数及びタイプに基づいていてもよい。これらの拡張性のあるグラフィックスは、より良好な可視化のために、スクリーンのより多くを利用する手段を提供することができる。
【0122】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、モジュール式エネルギーシステム3000に接続されたモジュールのどのポートがアクティブであるかを示すために、LCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示すように構成されてもよい。いくつかの態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、アクティブポートを強調表示し、非アクティブポートを薄暗くすることによって、アクティブポート対非アクティブポートを示すように構成することができる。一態様では、ポートは、アクティブであるときに色で表現することができる(例えば、黄色で単極組織切断、青色で双極組織凝固、青色で双極組織切断、暖白色で高度エネルギー組織切断を表現するなど)。更に、表示された色は、ポートの周囲の光配管の色と一致する。着色は、器具がアクティブである間、ユーザが他の器具の設定を変更できないことを更に示すことができる。別の例として、ヘッダ/UIモジュール3002は、第1のエネルギーモジュールの双極、単極、及び超音波ポートをアクティブとして、第2のエネルギーモジュールの単極ポートを同様にアクティブとして示すように構成することができる。
【0123】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、グローバル設定メニューを表示するためのLCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示すように構成されてもよい。一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、モジュール式エネルギーシステム3000に接続された任意のモジュールにわたって全体的な設定を制御するために、LCDディスプレイ3224上にメニューを表示するように構成されてもよい。グローバル設定メニューは、例えば、常に一貫した位置に表示されてもよい(例えば、主スクリーンの右上の角部で常に利用可能である)。
【0124】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、外科用器具が使用されている間に設定の変更を防止するように構成されたLCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示すように構成されてもよい。一実施例では、ヘッダ/UIモジュール3002は、接続された器具がアクティブであるときに、表示されたメニューを介して設定が変更されることを防止するように構成されてもよい。ユーザインターフェーススクリーンは、例えば、設定メニューが開いている間に器具の起動を示すために予約されるエリア(例えば、左上の角部)を含むことができる。一態様では、ユーザは、単極凝固がアクティブである間に双極設定を開いている。一態様では、次に、起動が完了すると、設定メニューを使用することができる。一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、重要な情報の表示を維持するために、重要な器具情報を示すために、専用のエリアにわたっていかなるメニュー又は他の情報をもオーバーレイしないように構成され得る。
【0125】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、器具エラーを表示するように構成されたLCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示すように構成されてもよい。一態様では、器具のエラー警告は、器具パネル自体に表示されてもよく、看護師がエラーのトラブルシューティングを行っている間に、ユーザが他の器具を使用し続けることを可能にする。これにより、ユーザは、外科手術を停止して器具をデバッグする必要なく外科手術を継続することができる。
【0126】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、様々な器具に利用可能な異なるモード又は設定を表示するためのLCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示すように構成されてもよい。様々な態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、積み重ね体/ハブに接続された外科用器具(複数可)のタイプ又は用途に適切な設定メニューを表示するように構成されてもよい。各設定メニューは、特定の器具タイプに適切な異なる電力レベル、及びエネルギー送達プロファイルなどの選択肢を提供することができる。一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、双極切断、単極切断、及び単極凝固用途に利用可能な異なるモードを表示するように構成されてもよい。
【0127】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、予め選択された設定を表示するためのLCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示すように構成されてもよい。一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、患者が手術室に入る前にモジュール式エネルギーシステム3000が準備されるように、器具に差し込まれる前に、器具/デバイス設定の選択を受信するように構成されてもよい。一態様では、ユーザは、単にポートをクリックし、その後、そのポートの設定を変更することができる。図示された態様では選択されたポートは、設定が設定されていることを示すために消えかかったように出現するが、そのポートには器具は差し込まれていない。
【0128】
図19は、本開示の少なくとも1つの態様による、
図13、
図14、
図16、及び
図17に示すエネルギーモジュールなどの、ハブのエネルギーモジュール3270のブロック図である。エネルギーモジュール3270は、第1のパススルーハブコネクタ3272及び第2のパススルーハブコネクタ3276を介してヘッダモジュール、ヘッダ/UIモジュール、及び他のエネルギーモジュールに結合するように構成されている。第1のパススルーハブコネクタ3272と第2のパススルーハブコネクタ3276との間に配設されたスイッチ3076は、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御する。データはデータバス3008を通じて受信及び送信される。エネルギーモジュール3270は、エネルギーモジュール3270の様々な通信及び処理機能を制御するためのコントローラ3082を含む。
【0129】
DC電力は、エネルギーモジュール3270によって電力バス3006を通じて受信及び送信される。電力バス3006は、DC/DC変換器モジュール3138に結合されて、調節可能なレギュレータ3084、3107及び絶縁DC/DC変換器ポート3096、3112、3132に電力を供給する。
【0130】
一態様では、エネルギーモジュール3270は、超音波広帯域増幅器3086を含むことができ、超音波広帯域増幅器3086は、一態様では、低い全高調波歪み(THD)レベルにおいて任意の波形を発生させることができる線形クラスH増幅器であってもよく、高調波トランスデューサを駆動してもよい。超音波広帯域増幅器3086は、効率を最大化するために降圧調節可能なレギュレータ3084によって供給され、例えば、直接デジタル合成装置(DDS)を介してデジタル信号プロセッサ(DSP)として実装され得るコントローラ3082によって制御される。DDSは、例えば、DSPに埋め込むか、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)内に実装することができる。コントローラ3082は、デジタル-アナログ変換器3106(DAC)を介して超音波広帯域増幅器3086を制御する。超音波広帯域増幅器3086の出力は、超音波電力変圧器3088に供給され、超音波電力変圧器3088は、高度エネルギー受容部3100の超音波エネルギー出力部分に結合される。超音波インピーダンスを計算するために使用され得る超音波電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、超音波VI FB変圧器3092を介して、高度エネルギー受容部3100の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。超音波電圧及び電流フィードバック信号は、アナログマルチプレクサ3280及びデュアルアナログ-デジタル変換器3278(A/D)を通じてコントローラ3082にルートバックされる。一態様では、デュアルA/D3278は、80MSPSのサンプリングレートを有する。また、高度エネルギー受容部3100を通じてコントローラ3082に結合されているのは、電力バス3006からDC電力を受信する絶縁DC/DC変換器ポート3096、及び中帯域幅データポート3098である。
【0131】
一態様では、エネルギーモジュール3270は、とりわけ、複数の広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288を含むことができ、一態様では、広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288の各々は、任意の波形を発生させることができる線形クラスH増幅器であり、RF負荷を出力周波数の範囲で駆動することができる。広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288の各々は、効率を最大化するために調節可能な降圧レギュレータ3107によって供給され、DDSを介してDSPとして実装され得るコントローラ3082によって制御される。DDSは、例えば、DSPに埋め込むか、又はFPGA内に実装することができる。コントローラ3082は、DAC3122を介して第1の広帯域RF電力増幅器3108を制御する。
【0132】
図16及び
図17に示され、説明されるエネルギーモジュール3004、3012とは異なり、エネルギーモジュール3270は、調節可能な降圧レギュレータ3107からのRF出力信号を受信するように構成されたRF選択リレーを含まない。加えて、
図16及び
図17に示され、説明されるエネルギーモジュール3004、3012とは異なり、エネルギーモジュール3270は、単一のRF電力増幅器の代わりに複数の広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288を含む。一態様では、調節可能な降圧レギュレータ3107は、複数の状態の間で切り替わることができ、この状態では、調節可能な降圧レギュレータ3107は、それに接続された複数の広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288のうちの1つに出力RF信号を出力する。コントローラ3082は、調節可能な降圧レギュレータ3107を複数の状態の間で切り替わるように構成されている。第1の状態では、コントローラは、RFエネルギー信号を第1の広帯域RF電力増幅器3108に出力するように調節可能な降圧レギュレータ3107を駆動する。第2の状態では、コントローラは、RFエネルギー信号を第2の広帯域RF電力増幅器3286に出力するように調節可能な降圧レギュレータ3107を駆動する。第3の状態では、コントローラは、RFエネルギー信号を第3の広帯域RF電力増幅器3288に出力するように調節可能な降圧レギュレータ3107を駆動する。
【0133】
第1の広帯域RF電力増幅器3108の出力は、高度エネルギー受容部3100のRF出力部分に結合されたRF電力変圧器3090に供給することができる。RFインピーダンスを計算するために用いられ得るRF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3094を介して、高度エネルギー受容部3100の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、アナログマルチプレクサ3284及びコントローラ3082に結合されたデュアルA/D 3282に結合された、RF VI FB変圧器3094を通じてコントローラ3082にルートバックされる。一態様では、デュアルA/D 3282は、80MSPSのサンプリングレートを有する。
【0134】
第2のRF広帯域電力増幅器3286の出力は、RF単極受容部3136のRF電力変圧器3128を通じて供給される。RFインピーダンスを計算するために用いられ得る単極RF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3130を介して、単極RFエネルギー受容部3136の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、アナログマルチプレクサ3284及びデュアルA/D 3282を通じてコントローラ3082にルートバックされる。また、単極RFエネルギー受容部3136を通じてコントローラ3082に結合されるのは、電力バス3006からDC電力を受信する絶縁DC/DC変換器ポート3132、及び低帯域幅データポート3134である。
【0135】
第3のRF広帯域電力増幅器3288の出力は、双極RF受容部3118のRF電力変圧器3110を通じて供給される。RFインピーダンスを計算するために使用され得る双極RF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3114を介して、双極RFエネルギー受容部3118の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、アナログマルチプレクサ3280及びデュアルA/D3278を通じてコントローラ3082にルートバックされる。また、双極RFエネルギー受容部3118を通じてコントローラ3082に結合されるのは、電力バス3006からDC電力を受信する絶縁DC/DC変換器ポート3112、及び低帯域幅データポート3116である。
【0136】
接触モニタ3290は、NE受容部3292に結合されている。電力は、単極受容部3136からNE受容部3292に供給される。
【0137】
一態様では、
図13~
図19を参照すると、モジュール式エネルギーシステム3000は、受容部3100、3118、3136内の器具の存在を、フォトインタラプタ、磁気センサ、又は受容部3100、3118、3136に統合された他の非接触センサを介して検出するように構成することができる。このアプローチは、MTDコネクタ上の専用の存在ピンを単一の目的に割り当てる必要性を防止し、代わりに、器具の存在を継続的に監視しながらMTD信号ピン6~9の多目的機能を可能にする。
【0138】
一態様では、
図13~
図19を参照すると、モジュール式エネルギーシステム3000のモジュールは、患者の絶縁境界を横切る高速通信(10~50Mb/秒)を可能にする光学リンクを含むことができる。この連結部は、デバイス通信、緩和信号(ウォッチドッグなど)、及び低帯域幅ランタイムデータを伝送する。いくつかの態様では、光学連結部(複数可)は、非絶縁側で行うことができるリアルタイムサンプリングデータを含まない。
【0139】
一態様では、
図13~
図19を参照すると、モジュール式エネルギーシステム3000のモジュールは、(i)A/D及び電流源を介して存在抵抗値を読み取ることと、(ii)ハンドスイッチQプロトコルを介してレガシーの器具と通信することと、(iii)ローカルバス1-Wireプロトコルを介して器具と通信することと、(iv)CAN FD対応外科用器具と通信することと、を行うことができる多機能回路ブロックを含むことができる。外科用器具がエネルギー発生器モジュールによって適切に識別されると、関連するピン機能及び通信回路が有効化され、一方、他の未使用の機能は無効化され、高インピーダンス状態に設定される。
【0140】
一態様では、
図13~
図19を参照すると、モジュール式エネルギーシステム3000のモジュールは、増幅器パルス/刺激/補助DC増幅器を含むことができる。これは、フルブリッジ出力に基づく柔軟に使用できる増幅器であり、機能的絶縁を組み込む。これにより、その差動出力は、印加された部分上の任意の出力接続を参照することができる(いくつかの態様では、単極活性電極を除く)。増幅器出力は、DCモータ、照明、FET駆動などのDC用途のための中程度の出力電力で、DAC又は方形波駆動によって提供される波形駆動を有する小さい信号線形(パルス/刺激)のいずれかであり得る。出力電圧及び電流は、機能的に絶縁された電圧及び電流フィードバックで感知されて、正確なインピーダンス及び電力測定値をFPGAに提供する。CAN FD対応の器具と対になって、この出力はモータ/運動制御駆動を提供することができ、一方、位置又は速度フィードバックは、閉ループ制御のためのCAN FDインターフェースによって提供される。
【0141】
本明細書でより詳細に記載されるように、モジュール式エネルギーシステムは、ヘッダモジュールと、1つ以上の機能モジュール又は外科用モジュールとを備える。様々な例では、モジュール式エネルギーシステムは、モジュール式エネルギーシステムである。様々な例では、外科用モジュールは、エネルギーモジュールと、通信モジュールと、ユーザインターフェースモジュールと、を含むが、外科用モジュールは、モジュール式エネルギーシステムと共に使用するための任意の好適なタイプの機能モジュール又は外科用モジュールであると想定される。
【0142】
モジュール式エネルギーシステムは、モジュール式エネルギーシステム2000(
図6~
図12)、3000(
図13~
図14)に関連して上で説明されるように、外科処置において多くの利点を提供する。しかしながら、ケーブル管理及びセットアップ/引き裂き時間は、大きな抑止となり得る。本開示の様々な態様は、モジュール式エネルギーシステム全体の起動及びシャットダウンを制御するための単一の電力ケーブル及び単一の電流スイッチを有するモジュール式エネルギーシステムを提供し、これにより、モジュール式エネルギーシステムが構築される各個々のモジュールを個々に起動及び停止する必要がなくなる。また、本開示の様々な態様は、安全性、及び場合によってはモジュール式エネルギーシステムのモジュールへの同時送達を促進する、電力管理スキームを有するモジュール式エネルギーシステムを提供する。
【0143】
様々な態様では、
図20に示すように、モジュール式エネルギーシステム2000(
図6~
図12)、3000(
図13~
図14)に多くの点で類似しているモジュール式エネルギーシステム6000。簡潔にするために、モジュール式エネルギーシステム2000及び/又はモジュール式エネルギーシステム3000と類似しているモジュール式エネルギーシステム6000の様々な詳細は、本明細書では繰り返さない。
【0144】
モジュール式エネルギーシステム6000は、ヘッダモジュール6002と、「N」個の外科用モジュール6004と、を備え、ここで「N」は、1以上の整数である。様々な実施例では、モジュール式エネルギーシステム6000は、例えば、UIモジュール3030などのUIモジュール、及び/又は、例えば、通信モジュール3032などの通信モジュールを含む。更に、パススルーハブコネクタは、個々のモジュールを積み重ね構成において互いに結合する。38の実施例では、ヘッダモジュール6002は、パススルーハブコネクタ6005、6006を介して、外科用モジュール6004に結合される。
【0145】
モジュール式エネルギーシステム6000は、積み重ね体内の全ての外科用モジュールに電力を提供する単一のAC/DC電源6003からなる、例示的な電力アーキテクチャを備える。AC/DC電源6003は、ヘッダモジュール6002内に収容されており、積み重ね体内の各モジュールに電力を分配するために、電力バックプレーン6008を利用する。
図20の実施例は、電力バックプレーン6008上の3つの別個の電力ドメイン、つまり一次電力ドメイン6009、待機電力ドメイン6010、及びイーサネットスイッチ電力ドメイン6013を示す。
【0146】
図20に示される実施例では、電力バックプレーン6008は、ヘッダモジュール6002から多数の中間モジュール6004を通って、積み重ね体内の最も底部の又は最も遠いモジュールまで延在する。様々な態様では、電力バックプレーン6008は、積み重ね体内のそれよりも前にある1つ以上の他の外科用モジュール6004を通じて、外科用モジュール6004に電力を送達するように構成される。ヘッダモジュール6002からの電力を受け取る外科用モジュール6004は、患者に治療用エネルギーを送達するように構成された外科用器具又はツールに結合することができる。
【0147】
一次電力ドメイン6009は、モジュール6002、6004の機能モジュール固有回路6013、6014、6015の一次電力源である。これは、全てのモジュールに提供される単一の電圧レールから構成される。少なくとも1つの実施例では、60Vの公称電圧は、任意のモジュールによって必要とされる局所的なレールよりも高くなるように選択することができ、その結果、モジュールは、降圧調整を排他的に実装することができ、これは一般的に、昇圧調整よりも効率的である。
【0148】
様々な態様では、一次電力ドメイン6009は、ヘッダモジュール6002によって制御される。特定の例では、
図20に示すように、局所的な電力スイッチ6018がヘッダモジュール6002上に位置付けられる。特定の例では、リモートのオン/オフインターフェース6016は、例えば、ヘッダモジュール6002上のシステム電力制御部6017を制御するように構成することができる。少なくとも1つの実施例では、リモートオン/オフインターフェース6016は、パルス状の個別のコマンド(オン及びオフのための別個のコマンド)及び電力状態テレメトリ信号を送信するように構成される。様々な例では、一次電力ドメイン6009は、ユーザによって開始された電源投入の後に、積み重ね構成における全てのモジュールに電力を分配するように構成される。
【0149】
様々な態様では、
図21に示すように、モジュール式エネルギーシステム6000のモジュールは、通信(シリアルバス/イーサネット)インターフェース6040を介して、ヘッダモジュール6002及び/又は互いに通信可能に結合することができ、その結果、データ又は他の情報は、モジュール式エネルギーシステムが構築されるモジュールによって、及びこれらの間で共有される。イーサネットスイッチドメイン6013は、例えば、一次電力ドメイン6009から導出することができる。イーサネットスイッチ電力ドメイン6013は、別個の電力ドメインに分離され、その結果、一次通信インターフェース6040は、モジュールに対する局所的な電力が除去されたときに稼働しているままになり、一次通信インターフェース6040は、積み重ね構成におけるモジュールの各々内のイーサネットスイッチに電力供給するように構成される。少なくとも1つの実施例では、一次通信インターフェース6040は、1000BASE-Tイーサネットネットワークを備え、各モジュールはネットワーク上のノードを表し、ヘッダモジュール6002の下流の各モジュールは、局所的なモジュールにトラフィックをルーティングするための、又は上流又は下流にデータを適切に渡すための3ポートイーサネットスイッチを含む。
【0150】
更に、特定の実施例では、モジュール式エネルギーシステム6000は、モジュール電力シーケンシング及びモジュール電力状態を含む、重要な電力関連機能のためのモジュール間の二次、低速、通信インターフェースを含む。二次通信インターフェースは、例えば、マルチドロップの局所的な相互接続ネットワーク(LIN)であってもよく、ヘッダモジュールはマスタであり、全ての下流モジュールはスレーブである。
【0151】
様々な態様では、
図20に示すように、待機電力ドメイン6010は、供給源が幹線電力6020に接続されているときに、常に稼働しているAC/DC電源6003からの別個の出力である。待機電力ドメイン6010は、緩和された通信インターフェースのための回路に電力供給し、各モジュールへの局所的な電力を制御するために、システム内の全てのモジュールによって使用される。更に、待機電力ドメイン6010は、例えば、オン/オフコマンド検出、状態LED、二次通信バスなどの待機モードにおいて重要である回路に電力を提供するように構成される。
【0152】
様々な態様では、
図20に示すように、個々の外科用モジュール6004は、独立した電源を欠いており、したがって、積み重ね構成において電力を供給するためにヘッダモジュール6002に依存する。ヘッダモジュール6002のみが幹線電力6020に直接接続される。外科用モジュール6004は、幹線電力6020への直接接続を欠いており、積み重ね構成においてのみ電力を受け取ることができる。この配置は、個々の外科用モジュール6004の安全性を改善し、モジュール式エネルギーシステム6000の全体的な設置面積を低減する。この配置は、モジュール式エネルギーシステム6000の適切な動作に必要とされるコードの数を更に低減し、これにより、手術室における乱雑さ及び設置面積を低減することができる。
【0153】
したがって、モジュール式エネルギーシステム6000の外科用モジュール6004に接続された外科用器具は、積み重ね構成において、外科用モジュール6004によって、ヘッダモジュール6002のAC/DC電源6003から外科用モジュール6004に送達される電力から、外科用モジュール6004によって発生させられる組織治療のためのエネルギーを受け取る。
【0154】
少なくとも1つの実施例では、ヘッダモジュール6002が積み重ね構成において第1の外科用モジュール6004’と組み立てられている間、エネルギーは、AC/DC電源6003から第1の外科用モジュール6004’に流れることができる。更に、ヘッダモジュール6002は、積み重ね構成において、第1の外科用モジュール6004’(ヘッダモジュール6002に接続されている)及び第2の外科用モジュール6004’’(第1の外科用モジュール6004’に接続されている)と共に組み立てられている間、エネルギーは、第1の外科用モジュール6004’を通って、AC/DC電源6003から第2の外科用モジュール6004’’に流れることができる。
【0155】
ヘッダモジュール6002のAC/DC電源6003によって発生させられたエネルギーは、モジュール式エネルギーシステム6000を通じて画定されるセグメント化された電力バックプレーン6008を介して送信される。
図20の実施例では、ヘッダモジュール6002は、電力バックプレーンセグメント6008’を収容し、第1の外科用モジュール6004’は、電力バックプレーンセグメント6008’’を収容し、第2の外科用モジュール6004’’は、電力バックプレーンセグメント6008’’’を収容する。電力バックプレーンセグメント6008’は、積み重ね構成において、電力バックプレーンセグメント6008’’に取り外し可能に結合される。更に、電力バックプレーン6008’’は、積み重ね構成において、電力バックプレーンセグメント6008’’’に取り外し可能に結合される。したがって、エネルギーは、AC/DC電源6003から電力バックプレーンセグメント6008’に、次いで電力バックプレーンセグメント6008’’に、次いで電力バックプレーンセグメント6008’’’に流れる。
【0156】
図20の実施例では、電力バックプレーンセグメント6008’は、積み重ね構成におけるパススルーハブコネクタ6005、6006を介して、電力バックプレーンセグメント6008’’に取り外し可能に接続される。更に、電力バックプレーンセグメント6008’’は、積み重ね構成におけるパススルーハブコネクタ6025、6056を介して、電力バックプレーンセグメント6008’’’に取り外し可能に接続される。特定の例では、積み重ね構成から外科用モジュールを除去すると、電源6003へのその接続は切断される。例えば、第1の外科用モジュール6004’から第2の外科用モジュール6004’’を分離すると、電力バックプレーンセグメント6008’は電力バックプレーンセグメント6008’’から切断される。しかしながら、ヘッダモジュール6002及び第1の外科用モジュール6004’が積み重ね構成に留まる限り、電力バックプレーンセグメント6008’’と電力バックプレーンセグメント6008’’’との間の接続は無傷のままである。したがって、エネルギーは、第2の外科用モジュール6004’’を切断した後に、ヘッダモジュール6002と第1の外科用モジュール6004’との間の接続を通じて、第1の外科用モジュール6004’に依然として流れることができる。接続されたモジュールを分離することは、特定の例において、単純に外科用モジュール6004を引き離すことによって達成することができる。
【0157】
図20の実施例では、モジュール6002、6004の各々は、モジュール式外科システム6000のモジュールの緩和されたモジュール制御部6023に送信されたAC状態信号6011に基づいて、AC/DC電源6003のAC状態に基づいてAC状態を判定するように構成された緩和されたモジュール制御6023を含む。緩和されたモジュール制御部6023は、緩和されたモジュール制御部6023からの入力に基づいて、電力を調整するように構成された対応する局所的な電力調整モジュール6024に結合されており、このモジュール制御部6023は、外科用モジュールの各々に対する、緩和されたモジュール制御部6023によって受信されたAC状態を示すことができる。
【0158】
モジュール式エネルギーシステム6000は、緩和されたモジュール制御部6023の間に延在するセグメント化された通信バックプレーン6027を含む、緩和された通信インターフェース6021を更に含む。セグメント化された通信バックプレーン6027は、セグメント化された電力バックプレーン6008と多くの点で類似している。ヘッダモジュール6002の緩和されたモジュール制御部6023と外科用モジュール6004との間の緩和された通信は、モジュール式エネルギーシステム6000を通じて画定されるセグメント化された通信バックプレーン6027を通じて達成され得る。
図20の実施例では、ヘッダモジュール6002は、通信バックプレーンセグメント6027’を収容し、第1の外科用モジュール6004’は、通信バックプレーンセグメント6027’’を収容し、第2の外科用モジュール6004’’は、通信バックプレーンセグメント6027’’’を収容する。通信バックプレーンセグメント6027’は、パススルーハブコネクタ6005、6006を介して、積み重ね構成にける通信バックプレーンセグメント6027’’に取り外し可能に結合される。更に、通信バックプレーン6027’’は、パススルーハブコネクタ6025、6026を介して、積み重ね構成における通信バックプレーンセグメント6027’’に取り外し可能に結合される。
【0159】
図20の実施例は、モジュール式エネルギーシステム6000が、ヘッダモジュール6002と、2つの外科用モジュール6004’、6004’’と、を含むことを示しているが、これに限定されない。より多くの又はより少ない外科用モジュールを有するモジュール式エネルギーシステムが、本開示によって企図される。いくつかの態様では、モジュール式エネルギーシステム6000は、例えば、通信モジュール3032(
図15)などの他のモジュールを含む。いくつかの態様では、ヘッダモジュール6502は、例えば、ヘッダモジュール6002に接続されたモジュールに関する情報を中継するためのGUI2008などのGUIをレンダリングするディスプレイ2006(
図7A)などのディスプレイスクリーンを支持する。
図15の実施例に関連してより詳細に記載するように、いくつかの態様では、ディスプレイスクリーン2006のGUI2008は、モジュール式エネルギーシステムの特定の構成を構成するモジュールの全てを制御する集約された点を提供することができる。
【0160】
図21は、ヘッダモジュール6002と外科用モジュール6004との間の一次通信インターフェース6040を示すモジュール式エネルギーシステム6000の簡略化された概略図を示す。一次通信インターフェース6040は、ヘッダモジュール6002のモジュールプロセッサ6041、6041’’、6041’’と外科用モジュール6004とを通信可能に接続する。ヘッダモジュールのモジュールプロセッサ6041によって発生させられたコマンドは、一次通信インターフェース6040を介して所望の機能外科用モジュールの下流に送信される。特定の例では、一次通信インターフェース6040は、隣接するモジュール間の双方向通信経路を確立するように構成される。他の例では、一次通信インターフェース6040は、隣接するモジュール間の一方向通信経路を確立するように構成される。
【0161】
更に、一次通信インターフェース6040は、セグメント化された電力バックプレーン8006と多くの点で類似したセグメント化された通信バックプレーン6031を含む。ヘッダモジュール6002と外科用モジュール6004との間の通信は、モジュール式エネルギーシステム6000を通じて画定されるセグメント化された通信バックプレーン6031を介して達成され得る。
図21の実施例では、ヘッダモジュール6002は、通信バックプレーンセグメント6031’を収容し、第1の外科用モジュール6004’は、通信バックプレーンセグメント6031’’を収容し、第2の外科用モジュール6004’’は、通信バックプレーンセグメント6031’’’を収容する。通信バックプレーンセグメント6031’は、パススルーハブコネクタ6005、6006を介して、積み重ね構成にける通信バックプレーンセグメント6031’’に取り外し可能に結合される。更に、通信バックプレーン6031’’は、パススルーハブコネクタ6025、6026を介して、積み重ね構成における通信バックプレーンセグメント6031’’に取り外し可能に結合される。
【0162】
少なくとも1つの実施例では、
図21に示すように、一次通信インターフェース6040は、ギガビットイーサネットインターフェース上で実行されているDDSフレームワークを使用して実装される。モジュールプロセッサ6041、6041’、6041’’は、ギガビットイーサネットスイッチ6042、6042’、6042’’に接続される。
図21の実施例では、セグメント化された通信バックプレーン6031は、隣接するモジュールのGigabitイーサネットスイッチ6042を接続する。
【0163】
様々な態様では、
図21に示すように、ヘッダモジュール6002は、ヘッダモジュール6002のプロセッサモジュール6041と外部通信インターフェース6043のための別個のギガビットイーサネットスイッチ6043を含む。少なくとも1つの実施例では、ヘッダモジュール6002のプロセッサモジュール6041は、ファイアウォール及び情報ルーティングを処理する。
【0164】
図20を参照すると、AC/DC電源6003は、AC/DC電源6003によって供給されるAC電力の損失を示すAC状態信号6011を提供してもよい。AC状態信号6011は、セグメント化された電力バックプレーン6008を介してモジュール式エネルギーシステム6000の全てのモジュールに提供して、各モジュールが、一次出力電力が損失する前に、猶予的なシャットダウンのために可能な限り多くの時間を許容することができるようにする。AC状態信号6011は、例えばモジュール固有回路6013、6014、6015と通信しているモジュール式エネルギーシステム6000のモジュールの各々において、緩和されたモジュール制御6023によって受信することができる。様々な実施例では、システム電力制御部6017は、AC電力損失を検出するように構成することができる。少なくとも1つの実施例では、AC電力損失は、1つ以上の好適なセンサを介して検出される。
【0165】
図20及び
図21を参照すると、モジュール式エネルギーシステム6000のモジュールのうちの1つの局所的な電力障害が、電力バス全体を無効化しないことを確実にするために、全てのモジュールへの一次電力入力を融合することができる。更に、イーサネットスイッチ電力は、モジュールへの局所的な電力が除去されたときに一次通信インターフェース6040が稼働したままであるように、別個の電力ドメイン6013に分離される。換言すれば、一次電力は、他の外科用モジュール6004及び/又はヘッダモジュール6002と通信するその能力を損失することなく、外科用モジュールから除去及び/又は分流され得る。
【0166】
無線外科用器具のための無線周波数識別トークン
モジュール式エネルギーシステム2000、3000、6000のヘッダ及びモジュールの一般的な実装形態について説明してきたが、本開示は次に、他のモジュール式エネルギーシステムの様々な態様について説明する。他のモジュール式エネルギーシステムは、モジュール式エネルギーシステム2000、モジュール式エネルギーシステム3000、及び/又はモジュール式エネルギーシステム6000と実質的に同様である。簡潔にするために、モジュール式エネルギーシステム2000、モジュール式エネルギーシステム3000、及び/又はモジュール式エネルギーシステム6000と同様である、以下のセクションで説明される他のモジュール式エネルギーシステムの様々な詳細は、本明細書では繰り返さない。下記の他のモジュール式エネルギーシステムの任意の態様は、モジュール式エネルギーシステム2000、モジュール式エネルギーシステム3000、又はモジュール式エネルギーシステム6000に導入され得る。
【0167】
様々な態様では、本開示は、モジュール式エネルギーシステム2000、並びにこれと共に使用可能な様々な外科用器具、例えば、外科用器具2204、2206及び2208を提供し、本開示は、これより、無線外科用器具とモジュール式エネルギーシステムとのペアリングを開始するために使用される、無線周波数識別(RFID)トークンの様々な態様に転じる。
【0168】
様々な外科用器具をモジュール式エネルギーシステムに無線接続することに関係する大きな機会が存在する。例えば、外科用器具は、外科処置の間に測定される様々な操作パラメータに基づくデータを生成するよう構成されていてもよい。外科用器具とモジュール式エネルギーシステムとの間の無線通信を可能にすることによって、本モジュール式エネルギーシステムは、有利なことに、機器データに関連する、このシステムが受信する情報を取り込んで表示することができる。このデータは、様々な方法で使用することができる。例えば、モジュール式エネルギーシステムは、機器データを使用して、モジュール式エネルギーシステムに備えられた様々なモジュールの動作の特徴を制御することができる。外科医はまた、外科医が行っている最中の外科処置の間に行われる決定を支援するため、表示された機器情報を使用することができる。更に、モジュール式エネルギーシステムの製造者は、データ解析のため、モジュール式エネルギーシステムによって取り込まれた機器データを使用することができる。
【0169】
しかし、外科用器具へのモジュール式エネルギーシステムの無線ペアリングは、ユーザ(例えば、外科スタッフ)に面倒となる恐れがある。ペアリング過程は、通常、外科用器具のボタンを押しながら、グラフィカルユーザインターフェースの複数のメニューによるナビゲートを含む。この潜在的に複雑な過程のために、外科スタッフは、外科用器具を無線ペアリングするために、外科スタッフが行う必要がある工程が何であるかを認識していないことがある。更に、外科スタッフは、外科処置を実施する前に、行わなければならない多数の任務を一般に有する。その結果、外科スタッフは、1つ以上の外科用器具を無線でペアリングすることを忘れる恐れがある。更に、小さな領域内の複数のオペレーションルームが、同時に動作する複数のモジュール式エネルギーシステムを有している場合、誤ったシステムへの外科用器具の不注意によるペアリングに伴うリスクが存在する。
【0170】
一態様では、本開示は、無線外科用器具をモジュール式エネルギーシステムにペアリングする際に使用される固有の無線周波数識別(RFID)「トークン」を提供する。各無線外科用器具は、固有のRFIDトークンと関係付けることができる。「トークン」は、外科用器具のパッケージング内に含まれる、RFIDカードの形態にあってもよい。RFIDカードが、モジュール式エネルギーシステム内に含まれるRFIDリーダに近位に位置する場合、RFIDリーダは、RFIDカードに記憶された情報を検出して、このカードが関係付けられている指定の外科用器具がどれであるかを表示することが可能である。検出情報に基づいて、本モジュール式エネルギーシステムは、外科用器具に指定された無線ペアリング過程を開始する。この無線ペアリング過程は、外科用器具を無線探索すること、及びディスプレイスクリーンを介して、外科用器具を無線ペアリングするための図解入りの指示を表示することを含む。これらの指示は、外科用器具にあるボタンを押すようユーザ(例えば、外科スタッフ)に指示するプロンプトを含んでもよく、このボタンを押すことにより、機器がペアリングモードに入る。モジュール式エネルギーシステムが、ペアリング過程を一旦、開始し、外科用器具がペアリングモードにあると、モジュール式エネルギーシステムは、外科用器具と自動的にペアリングすることができる。しかし、いくつかの外科用器具をモジュール式エネルギーシステムにペアリングするには、複数の工程が必要となることがある。この場合、モジュール式エネルギーシステムは、必要とされる工程の各々を表示することができる。
【0171】
一態様では、RFIDリーダは、モジュール式エネルギーシステムのディスプレイスクリーンに位置する。ディスプレイスクリーンは、RFIDリーダの位置を表示する、RFID記号を含んでもよい。ユーザ(例えば、外科スタッフ)が、RFIDリーダの近位の場所にRFIDカードを保持すると、RFIDリーダは、ペアリング過程を開始する。これによって、ディスプレイスクリーンに、外科用器具を無線ペアリングし、モジュールエネルギーシステムのヘッダモジュールに機器を無線探索させるための、図解入りの指示が表示され得る。
【0172】
別の態様では、RFIDリーダは、ヘッダモジュール内に位置する。ヘッダモジュールは、RFIDリーダの位置を表示する、RFID記号を含んでもよい。RFIDカードがRFIDリーダに近位に位置する場合、RFIDリーダは、ペアリング過程を開始する。これによって、ディスプレイスクリーンに、外科用器具を無線ペアリングし、ヘッダモジュールに機器を無線探索させるための、図解入りの指示を表示させることを含むことができる。
【0173】
更に別の他の態様では、RFIDリーダは、モジュール式エネルギーシステムのエネルギーモジュールに位置する。エネルギーモジュールは、RFIDリーダの位置を表示する、RFID記号を含んでもよい。RFIDカードがRFIDリーダに近位に位置する場合、RFIDリーダは、ペアリング過程を開始する。これによって、ディスプレイスクリーンに、外科用器具を無線ペアリングし、エネルギーモジュールに機器を無線探索させるための、図解入りの指示を表示させることを含むことができる。
【0174】
追加情報が、RFIDカードのメモリ内に記憶されてもよい、及び/又はRFIDカードに印刷されてもよい。例えば、RFIDカードは、外科用器具のバッチ情報を含んでもよい。ユーザは、患者が、機器が使用される外科処置を受ける前に、患者のチャート図にこのバッチ情報を記録してもよい。更に、RFIDカードは、無線ペアリングを開始するため、ユーザ(例えば、外科スタッフ)が、RFIDリーダ(例えば、ディスプレイスクリーン上のRFID)までカードを持ち上げるよう促す印刷された説明書を含んでもよい。
【0175】
本明細書において開示されている固有のRFIDトークンの様々な態様に関連する多数の利益が存在する。例えば、RFIDトークンは、ユーザ(例えば、外科スタッフ)への、機器がモジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングされることができるという物理的な合図として働く。上で議論されているとおり、外科スタッフは、外科処置を実施する前に、行わなければならない多数の任務を一般に有する。処置のために外科用器具を用意する際には、外科スタッフは、外科用器具のパッケージングに含まれるRFIDカードを見て、モジュール式エネルギーシステムを用いて、外科用器具を無線ペアリングすることを思い出す。更に、RFIDカードは、機器を本システムとペアリングするようユーザに案内する明瞭な指示書を有利なことに含む。この合図は、外科処置の間に、モジュール式エネルギーシステムが、機器データに確実にアクセスする一助となるだけではなく、モジュール式エネルギーシステムの製造者が、データ分解析目的のために機器データに確実にアクセスする一助となる。
【0176】
本明細書において開示されているRFIDトークンの態様はまた、無線機器のペアリング過程を一層容易にする。RFIDトークンは、グラフィカルユーザインターフェースの複数のスクリーンを介するナビゲートによるペアリング過程の開始をユーザに要求するよりはむしろ、ペアリングする必要がある特定の機器に基づいて、モジュール式エネルギーシステムにペアリング過程を自動的に開始させる。これは、ペアリング過程の工程が、機器ごとに異なることがあるので、有益である。機器がペアリングされる必要があると認識することによって、モジュール式エネルギーシステムは、スクリーン上の案内により、必要なペアリング工程を介して、ユーザに明示的に案内することが可能である。
【0177】
本明細書において開示されているRFIDトークンの態様はまた、無線外科用器具は、不注意により、誤ったモジュール式エネルギーシステムとペアリングされないことを確実にする。例えば、互いに近接近して動作する複数のモジュール式エネルギーシステムが存在する場合、特定のモジュール式エネルギーシステムのRFIDリーダの近位に固有のRFIDカードを保持することによる機器のペアリングの開始によって、この機器は、有利なことにそのモジュール式エネルギーシステムとだけ確実にペアリングされる。
【0178】
図22は、本開示の一態様による、RFID用トークンに基づくペアリングが可能な無線外科用器具のためのパッキング1400の斜視図である。パッキング1400内には、パッキング容器1402、外科用器具1404及びRFIDカード1406が含まれる。外科用器具1404は、例えば、超音波外科用器具2204、RF電気外科用器具2206又は多機能型外科用器具2208であってもよい。更に、RFIDカード1406は、外科用器具1404に固有のものである。RFIDカード1406の第1の面1408は、RFID記号、及びユーザにこのカードを第2の面1410に裏返すように指示する矢印を含む。RFIDカード1406の第2の面1410は、外科用器具1404をモジュール式エネルギーシステム、例えばモジュール式エネルギーシステム2000に無線ペアリングする指示を含む。具体的には、RFIDカード1406の第2の面1408は、ユーザにモジュラーシステムのディスプレイスクリーンまでカードを持ち上げるよう指示して(これは、カードをRFIDリーダの近位に位置させる効果を有する)、ペアリングを開始する視覚的手がかり1412、及びペアリングを完了するよう、ユーザにディスプレイスクリーン上の指示に従わせることを指示する視覚的手がかり1414を含む。
【0179】
図23は、ユーザが、モジュール式エネルギーシステム1420のディスプレイスクリーン1424の近位のRFIDカード1406を保持している斜視図である。モジュール式エネルギーシステム1420は、例えば、本明細書において開示されているモジュール式エネルギーシステム2000に類似していてもよい。更に、モジュール式エネルギーシステム1420は、ヘッダモジュール1422(例えば、ヘッダモジュール2002に類似する)及びディスプレイスクリーン1424(例えば、ディスプレイスクリーン2006に類似する)を含む。ディスプレイスクリーン1424は、RFIDリーダの位置を表示する、RFID記号1426を含む。
図23は、ユーザが、RFID記号1426の近位にRFIDカード1406を位置付けていることを図示する。この行動によって、モジュール式エネルギーシステム1420は、無線ペアリングするため、外科用器具1404を探索し始める。この行動はまた、外科用器具1404をモジュール式エネルギーシステム1420に無線ペアリングするため、図解入りの指示をディスプレイスクリーン1424に表示させる。
【0180】
図24は、外科用器具1404をモジュール式エネルギーシステム1420と無線ペアリングするため、図解入りの指示1428を表示するディスプレイスクリーン1424の斜視図である。ディスプレイスクリーン1424上に表示される図解入りの指示1428は、外科用器具1404上のボタンを押すようユーザに促すことができ、このボタンを押すことにより、機器がペアリングモードに入る。一態様では、外科用器具1404をペアリングモードにすると、この外科用器具はモジュール式エネルギーシステム1420に接続され、無線ペアリング過程が完了する。別の態様では、外科用器具1404をモジュール式エネルギーシステム1420にペアリングするために、複数の工程が必要となることがある。この場合、図解入りの指示1428は、ユーザに機器をペアリングするために必要な各工程を完了するよう促すことができる。
【0181】
図25は、RFIDリーダ1510を備えるヘッダ/ユーザインターフェース(ヘッダ/UI)モジュール1502を含む、モジュール式エネルギーシステム1500のブロック図である。RFIDリーダ1510は、送受信機1514を含み、これは、無線周波数信号を送信及び受信するよう構成されている。RFIDカード1520がRFIDリーダ1510の近位に位置するときに、トランスポンダ1522は、送受信機1514によって送信された信号を受信する。これによって、トランスポンダ1522は、RFIDカード1520のメモリ1524に記憶されているデータに基づいて、信号を送受信機1514に戻す。このデータは、例えば、RFIDカード1520に関係付けられた外科用器具を特定する情報を含むことができる。送受信機1514が、トランスポンダ1522によって戻された信号を受信すると、RFIDコントローラ1512は、信号を解読して、情報をヘッダ/UIコントローラ1504と通信し、無線ペアリング過程を開始する。
【0182】
図26は、RFIDリーダ1540を備えるディスプレイスクリーン1536を含む、モジュール式エネルギーシステム1530のブロック図である。RFIDリーダ1510と同様に、RFIDリーダ1540は、RFIDカード1520のトランスポンダ1522との間で無線周波数信号を送受信するよう構成されている送受信機1544を含む。トランスポンダ1522が、RFIDカード1520のメモリ1524内に記憶されているデータに基づいて、送受信機1544に信号を戻すと、RFIDコントローラ1542は、信号を解読して、情報をヘッダ/UIコントローラ1534と通信し、無線ペアリング過程を開始する。
【0183】
図27は、RFIDリーダ1560を備えるエネルギーモジュール1552を含む、モジュール式エネルギーシステム1550のブロック図である。RFIDリーダ1510と同様に、RFIDリーダ1560は、RFIDカード1520のトランスポンダ1522との間で無線周波数信号を送受信するよう構成されている送受信機1564を含む。トランスポンダ1522が、RFIDカード1520のメモリ1524内に記憶されているデータに基づいて、送受信機1564に信号を戻すと、RFIDコントローラ1562は、信号を解読して、情報をエネルギーモジュールコントローラ1554と通信し、無線ペアリング過程を開始する。
【実施例】
【0184】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する:
実施例1:モジュール式エネルギーシステムであって、外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるヘッダモジュールを備え、ヘッダモジュールにおけるRFIDリーダが、RFIDカードがRFIDリーダの近位に位置するときに、RFIDカードを読み取り、外科用器具との無線ペアリング過程を開始するよう構成されている、ヘッダモジュールを備える、モジュール式エネルギーシステム。
【0185】
実施例2:ヘッダモジュールが、外科用器具を無線探索し、無線ペアリング過程を開始するように構成された、実施例1によるモジュール式エネルギーシステム。
【0186】
実施例3:ヘッダモジュールに通信可能に結合されたディスプレイスクリーンを更に備え、ディスプレイスクリーンが、無線ペアリング過程を開始するため、モジュール式エネルギーシステムに外科用器具を無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、実施例1~2のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0187】
実施例4:ディスプレイスクリーンが、外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、ボタンを押すことにより、外科用器具がペアリングモードに入る、実施例1~3のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0188】
実施例5:無線ペアリング過程を開始して、外科用器具がペアリングモードに入った後に、ヘッダモジュールが、外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、実施例1~4のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0189】
実施例6:モジュール式エネルギーシステムであって、外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるディスプレイスクリーンを備え、ディスプレイスクリーンにおけるRFIDリーダが、RFIDカードがRFIDリーダの近位に位置するときに、RFIDカードを読み取り、外科用器具との無線ペアリング過程を開始するよう構成されている、ディスプレイスクリーンを備える、モジュール式エネルギーシステム。
【0190】
実施例7:ディスプレイスクリーンに通信可能に結合されたヘッダモジュールを更に備え、ヘッダモジュールが、外科用器具を無線探索し、無線ペアリング過程を開始するよう構成された、実施例6によるモジュール式エネルギーシステム。
【0191】
実施例8:ディスプレイスクリーンが、無線ペアリング過程を開始するため、外科用器具をモジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、実施例6~7のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0192】
実施例9:ディスプレイスクリーンが、外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、ボタンを押すことにより、外科用器具がペアリングモードに入る、実施例6~8のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0193】
実施例10:無線ペアリング過程を開始して、外科用器具がペアリングモードに入った後に、ヘッダモジュールが、外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、実施例6~9のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0194】
実施例11:モジュール式エネルギーシステムであって、外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるエネルギーモジュールを備え、エネルギーモジュールにおけるRFIDリーダが、RFIDカードがRFIDリーダの近位に位置するときに、RFIDカードを読み取り、外科用器具との無線ペアリング過程を開始するよう構成されている、エネルギーモジュールを備える、モジュール式エネルギーシステム。
【0195】
実施例12:エネルギーモジュールが、外科用器具を無線探索し、無線ペアリング過程を開始するよう構成された、実施例11によるモジュール式エネルギーシステム。
【0196】
実施例13:エネルギーモジュールに通信可能に結合されたディスプレイスクリーンを更に備え、ディスプレイスクリーンが、無線ペアリング過程を開始するため、外科用器具をモジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、実施例11~12のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0197】
実施例14:ディスプレイスクリーンが、外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、ボタンを押すことにより、外科用器具がペアリングモードに入る、実施例11~13のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0198】
実施例15:無線ペアリング過程を開始して、外科用器具がペアリングモードに入った後に、エネルギーモジュールが、外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、実施例11~14のいずれか1つ以上によるモジュール式エネルギーシステム。
【0199】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの参照はいずれも、その態様に関連して記載される特定の特徴部、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0200】
例えば及び非限定的に、上部、底部、左側、右側、下側、上側、前面、背面及びそれらの変化形などの、本明細書において使用される方向の言い回しは、添付の図面に示されている要素の方向に関するものとし、明示的に明記されていない限り、特許請求の範囲に限定されない。
【0201】
特に示されない限り、全ての数値パラメータは、全ての場合において、「約」という語により先行及び修飾されているものとして理解すべきであり、数値パラメータは、パラメータの数値を求めるために用いられる基礎となる測定法に固有の変動特性を有する。少なくとも、特許請求の範囲の範囲に対して均等論の適用を制限する試みとしてではなく、本明細書に記載される各数値パラメータは、報告された有効数字を考慮し、通常の四捨五入の手法を適用することにより、少なくとも解釈されるべきである。
【0202】
本明細書において明記されている、特許、特許出願、刊行物又は他の開示資料は全て、個々の参照文献の各々が、それぞれ、参照により明示的に組み込まれているかのごとく、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。本明細書において参照により組み込まれると言及されるあらゆる参考文献及びいずれの資料又はそれらの一部も、組み込まれる資料が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。したがって、及び必要な範囲で、本明細書において記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する資料に優先し、本出願に明示的に記載される開示が支配する。
【0203】
〔実施の態様〕
(1) モジュール式エネルギーシステムであって、
外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるヘッダモジュールを備え、
前記ヘッダモジュールにおける前記RFIDリーダが、
前記RFIDカードが前記RFIDリーダの近位に位置するときに、前記RFIDカードを読み取り、
前記外科用器具との無線ペアリング過程を開始する
よう構成されている、
モジュール式エネルギーシステム。
(2) 前記ヘッダモジュールが、前記外科用器具を無線探索し、前記無線ペアリング過程を開始するよう構成された、実施態様1に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(3) 前記ヘッダモジュールに通信可能に結合されたディスプレイスクリーンを更に備え、前記ディスプレイスクリーンが、前記無線ペアリング過程を開始するため、前記外科用器具を前記モジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、実施態様1に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(4) 前記ディスプレイスクリーンが、前記外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、前記ボタンを押すことにより、前記外科用器具がペアリングモードに入る、実施態様3に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(5) 前記無線ペアリング過程を開始して、前記外科用器具が前記ペアリングモードに入った後に、前記ヘッダモジュールが、前記外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、実施態様4に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【0204】
(6) モジュール式エネルギーシステムであって、
外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるディスプレイスクリーンを備え、
前記ディスプレイスクリーンにおける前記RFIDリーダが、
前記RFIDカードが前記RFIDリーダの近位に位置するときに、前記RFIDカードを読み取り、
前記外科用器具との無線ペアリング過程を開始する
よう構成されている、
モジュール式エネルギーシステム。
(7) 前記ディスプレイスクリーンに通信可能に結合されたヘッダモジュールを更に備え、前記ヘッダモジュールが、前記外科用器具を無線探索し、前記無線ペアリング過程を開始するよう構成された、実施態様6に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(8) 前記ディスプレイスクリーンが、前記無線ペアリング過程を開始するため、前記外科用器具を前記モジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、実施態様7に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(9) 前記ディスプレイスクリーンが、前記外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、前記ボタンを押すことにより、前記外科用器具がペアリングモードに入る、実施態様8に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(10) 前記無線ペアリング過程を開始して、前記外科用器具が前記ペアリングモードに入った後に、前記ヘッダモジュールが、前記外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、実施態様9に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【0205】
(11) モジュール式エネルギーシステムであって、
外科用器具に関係付けられた無線周波数識別(RFID)カードを読み取るよう構成されたRFIDリーダを備えるエネルギーモジュールを備え、
前記エネルギーモジュールにおける前記RFIDリーダが、
前記RFIDカードが前記RFIDリーダの近位に位置するときに、前記RFIDカードを読み取り、
前記外科用器具との無線ペアリング過程を開始する
よう構成されている、
モジュール式エネルギーシステム。
(12) 前記エネルギーモジュールが、前記外科用器具を無線探索し、前記無線ペアリング過程を開始するよう構成された、実施態様11に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(13) 前記エネルギーモジュールに通信可能に結合されたディスプレイスクリーンを更に備え、前記ディスプレイスクリーンが、前記無線ペアリング過程を開始するため、前記外科用器具を前記モジュール式エネルギーシステムに無線ペアリングするための図解入りの指示を表示するよう構成された、実施態様11に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(14) 前記ディスプレイスクリーンが、前記外科用器具上のボタンを押すようユーザに促すよう構成され、前記ボタンを押すことにより、前記外科用器具がペアリングモードに入る、実施態様13に記載のモジュール式エネルギーシステム。
(15) 前記無線ペアリング過程を開始して、前記外科用器具が前記ペアリングモードに入った後に、前記エネルギーモジュールが、前記外科用器具と自動的にペアリングするよう構成されている、実施態様14に記載のモジュール式エネルギーシステム。
【国際調査報告】