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特表2024-512759バックリング防止機能を有する器具前進デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】バックリング防止機能を有する器具前進デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/08 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
A61M25/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560796
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022022752
(87)【国際公開番号】W WO2022212649
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/170,389
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ジー.ホーティン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】バート ディー.ピーターソン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA21
4C267AA32
4C267BB09
4C267BB53
4C267CC08
4C267EE01
4C267HH08
(57)【要約】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、ハウジングと、ハウジングを通って延びる延長チューブとを含むことができる。くさびは、ハウジング内に配置されてもよい。くさびは、円弧状チャネルを含み得る。延長チューブを挟持するように構成された一対の対向するピンチ部材が、ハウジング内に配置され、延長チューブに沿って移動するように構成されてもよい。器具は、円弧状チャネルを通って延在してもよい。器具の第1の端部は固定され得る。延長チューブに沿ってハウジングを遠位方向に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材は、くさびを遠位方向に押すことができる。くさびの第1の距離遠位側への移動に応答して、器具の第2の端部は、第2の距離遠位側へ前進するように構成され得る。器具を支持するために、支持要素又は圧縮性要素を延長チューブの管腔内に配置することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具前進デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングを通って延びる延長チューブと、
前記ハウジング内に配置されたくさびであって、円弧状チャネルを備える、くさびと、
前記延長チューブを挟持するように構成された一対の対向するピンチ部材であって、前記一対の対向するピンチ部材は、前記ハウジング内に配置され、前記ハウジングとともに前記延長チューブに沿って移動するように構成された、一対の対向するピンチ部材と、
前記円弧状チャネルを通って延びる器具であって、前記器具の第1の端部が固定されており、前記ハウジングを前記延長チューブに沿って遠位に移動させることに応答して、前記一対の対向するピンチ部材が、前記くさびを遠位に押し、前記くさびの遠位への第1の距離の移動に応答して、前記器具の第2の端部が、第2の距離を遠位に前進するように構成されており、前記第2の距離が、前記第1の距離の少なくとも2倍である、器具と、
前記延長チューブの管腔内に配置され、前記器具の座屈を低減するように構成された支持要素であって、前記器具が前記支持要素を通って延びる、支持要素と、を備える器具前進デバイス。
【請求項2】
前記支持要素は、第1の穴又は溝と、第2の穴又は溝と、を備え、前記器具の前記第1の端部は、前記第1の穴又は溝を通って延び、前記器具の第2の端部は、前記第2の穴又は溝を通って延びる、請求項1に記載の器具前進デバイス。
【請求項3】
前記延長チューブの前記管腔内に配置された複数の他の支持要素をさらに備える、請求項1に記載の器具前進デバイス。
【請求項4】
前記くさび又は前記延長チューブが、前記支持部材に接触し、前記くさびの遠位側への移動に応答して、前記支持要素を遠位側に移動させるように構成される、請求項1に記載の器具前進デバイス。
【請求項5】
前記くさびと前記支持要素との間に延びるテザーをさらに備える、請求項4に記載の器具前進デバイス。
【請求項6】
前記テザーは、前記くさび及び前記支持要素に固定される、請求項5に記載の器具前進デバイス。
【請求項7】
前記支持要素は、それを通って延びる開口部を備え、前記テザーは、前記開口部を通って延び、前記くさびは、前記支持要素を移動させることなく移動するように構成される、請求項5に記載の器具前進デバイス。
【請求項8】
前記くさびは、それを通って延びる他の開口部を備え、前記テザーは、前記他の開口部を通って延びる、請求項7に記載の器具前進デバイス。
【請求項9】
前記テザーの遠位端が、前記支持要素の遠位にあり、キャッチを構成し、前記テザーの近位端が、前記くさびの近位にあり、他のキャッチを構成し、近位方向への前記ハウジングの後退に応答して、前記キャッチが、前記支持要素を近位方向に引っ張るように構成される、請求項8に記載の器具前進デバイス。
【請求項10】
前記一対の対向するピンチ部材が、前記ハウジング内で前記くさびの近位に配置され、前記延長チューブを挟持するように構成された他の一対の対向するピンチ部材をさらに備え、前記他の一対の対向するピンチ部材が、前記ハウジング内で前記くさびの遠位に配置され、前記ハウジングとともに前記延長チューブに沿って移動するように構成され、前記延長チューブに沿って前記ハウジングを近位に移動させることに応答して、前記一対の対向するピンチ部材が前記くさびを近位に押し、前記器具が近位に後退する、請求項1に記載の器具前進デバイス。
【請求項11】
前記延長チューブが、第1の管腔及び第2の管腔を備え、採血経路が、前記第1の管腔を通って延び、前記くさび及び前記器具が、前記第2の管腔内に配置される、請求項1に記載の器具前進デバイス。
【請求項12】
器具前進デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングを通って延びる延長チューブと、
前記ハウジング内に配置されたくさびであって、円弧状チャネルを備える、くさびと、
前記延長チューブを挟持するように構成された一対の対向するピンチ部材であって、前記一対の対向するピンチ部材は、前記ハウジング内に配置され、前記ハウジングとともに前記延長チューブに沿って移動するように構成された、一対の対向するピンチ部材と、
前記円弧状チャネルを通って延びる器具であって、前記器具の第1の端部が固定されており、前記ハウジングを前記延長チューブに沿って遠位に移動させることに応答して、前記一対の対向するピンチ部材が、前記くさびを遠位に押し、前記くさびの遠位への第1の距離の移動に応答して、前記器具の第2の端部が、第2の距離を遠位に前進するように構成されており、前記第2の距離が、前記第1の距離の少なくとも2倍である、器具と、
前記くさびの遠位側の前記延長チューブの管腔内に配置された圧縮性要素であって、前記くさびの遠位側への移動に応答して、前記くさびが、前記圧縮性要素に接触して、前記圧縮性要素を圧縮するように構成される、圧縮性要素と、を備える器具前進デバイス。
【請求項13】
前記圧縮性要素は、ばねからなる、請求項12に記載の器具前進デバイス。
【請求項14】
前記圧縮性要素が、前記器具の前記第1の端部と前記器具の前記第2の端部との間に配置される、請求項12に記載の器具前進デバイス。
【請求項15】
前記第1の端部は、前記圧縮性要素を通って延びる、請求項12に記載の器具前進デバイス。
【請求項16】
前記第2の端部は、前記圧縮性要素を通って延びる、請求項12に記載の器具前進デバイス。
【請求項17】
前記くさびの遠位側の前記延長チューブの管腔内に配置された他の圧縮性要素をさらに備え、前記第1の端部は、前記圧縮性要素を通って延び、前記第2の端部は、前記他の圧縮性要素を通って延びる、請求項12に記載の器具前進デバイス。
【請求項18】
前記延長チューブに沿った前記ハウジングの移動に応答して、前記対向するピンチ部材が、前記ハウジング及び前記延長チューブに対して回転する、請求項12に記載の器具前進デバイス。
【請求項19】
前記ハウジングは、第1のプッシュタブと、第2のプッシュタブと、を備える、請求項12に記載の器具前進デバイス。
【請求項20】
遠位コネクタをさらに備え、前記延長チューブの遠位端が、前記遠位コネクタに結合され、前記遠位端が、前記遠位コネクタを構成し、前記遠位コネクタが、中央挿入機構と、前記中央挿入機構の反対側に配置された2つのレバーアームと、を構成し、前記中央挿入機構が、ルアー形状を構成し、前記2つのレバーアームの各々の近位端が、停止突出部を構成する、請求項12に記載の器具前進デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月2日に出願された米国仮出願第63/170,389号(名称「バックリング防止機能を有する器具前進デバイス」)の優先権を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、一般的にさまざまな注入療法に用いられる。例えば、カテーテルは、生理食塩水、さまざまな薬剤、および総合的な非経口栄養のような流体を患者へと注入するために使用し得る。また、カテーテルは、患者から血液を採取するために使用され得る。
【0003】
一般的なタイプの静脈内(IV)カテーテルデバイスは、オーバー・ザ・ニードル型カテーテルを含む。その名が示すように、オーバー・ザ・ニードル型カテーテルは、鋭利な遠位先端を持つ導入針の上に取り付け得る。IVカテーテルデバイスは、カテーテルアダプタ、カテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテル、およびカテーテルを通って延びる導入針を含み得る。カテーテル及び導入針は、導入針の遠位先端が、カテーテルの遠位先端を越えて延び、針の斜角(bevel)を患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てられ得る。カテーテルと導入針は、通常、皮膚から浅い角度で患者の血管系に挿入される。
【0004】
血管内の導入針および/またはカテーテルの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が一度確認されると、臨床医は、血管系内の流れを一時的に塞いで、針を除去し、後の採血または輸液のためにカテーテルを定位置に留置し得る。
【0005】
カテーテルを使用した注入及び採血は、いくつかの理由により、特にカテーテルの留置時間が増加する場合に困難であり得る。フィブリンシースまたは血栓は、カテーテルアセンブリの内面、カテーテルアセンブリの外面、またはカテーテルの遠位先端近くの血管系内に形成され得る。フィブリンシースまたは血栓は、カテーテルを通る流体経路を遮断または狭める可能性があり、これは、高品質の血液サンプルの注入および/または収集を損なう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で記載された具体化したもののいくつかを実施し得る技術領域の一例を示すために適用されるにすぎない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、一般に、IVカテーテル内のデバイスの前進及び/又は後退を容易にする器具前進デバイス、ならびに関連するシステム及び方法に関する。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、ハウジングと、ハウジングを通って延びる延長チューブとを含むことができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、ハウジング内に配置されたくさびを含むことができる。いくつかの実施形態では、くさびは、円弧状チャネルを含むことができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、延長チューブを挟持するように構成された一対の対向するピンチ部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、一対の対向するピンチ部材は、ハウジング内に配置され、ハウジングと共に延長チューブに沿って移動するように構成され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、円弧状チャネルを通って延びる器具を含むことができる。いくつかの実施形態では、器具の第1の端部は固定される。いくつかの実施形態では、延長チューブに沿ってハウジングを遠位方向に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材は、くさびを遠位方向に押すことができる。いくつかの実施形態では、くさびの第1の距離遠位側への移動に応答して、器具の第2の端部は、第2の距離遠位側へ前進するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の距離は第1の距離の少なくとも2倍であってもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、支持要素が、延長チューブの管腔内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、器具は、支持要素を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、支持要素は、第1の穴と第2の穴を含み得る。いくつかの実施形態では、器具の第1の端部は、第1の穴を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、器具の第2の端部は、第2の穴を通って延在してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、延長チューブの管腔内に配置される1つ以上の他の支持要素を含み得る。いくつかの実施形態では、くさび又は延長チューブは、支持部材に接触し、くさびの遠位側への移動に応答して支持要素を遠位側に移動させるように構成され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、くさびと支持要素との間に延びるテザー(tether)を含み得る。いくつかの実施形態では、テザーは、くさび、及び/又は、支持要素に固定され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、支持要素は、そこを通って延びる開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、テザーは、開口部を通って延在し、くさびは、支持要素を移動させることなく移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、くさびは、そこを通って延在する他の開口部を含むことができ、テザーは、他の開口部を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、テザーの遠位端は、支持要素に対して遠位であってもよく、及び/又は、キャッチ(catch)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、テザーの近位端は、くさびの近位にあり、及び/又は他のキャッチを含み得る。いくつかの実施形態では、近位方向へのハウジングの後退に応答して、キャッチは、支持要素及び/又は他の支持要素を近位方向に引っ張るように構成される。これらの実施形態及び他の実施形態では、テザーは、他の支持要素を通って延びることができ、テザーの遠位端は、他の支持要素の遠位に配置され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、一対の対向するピンチ部材は、くさびに近接してハウジング内に配置され得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、延長チューブを挟持するように構成された対向するもう一対のピンチ部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、対向する他の一対のピンチ部材は、くさびから遠位のハウジング内に配置され、ハウジングと共に延長チューブに沿って移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブに沿ってハウジングを近位に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材がくさびを近位に押し、器具が近位に後退されてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブに沿ったハウジングの移動に応答して、一対の対向するピンチ部材、及び/又は、他の一対の対向するピンチ部材は、ハウジング及び延長チューブに対して回転し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、延長チューブは、第1の管腔及び第2の管腔を含み得る。いくつかの実施形態では、採血経路が第1の管腔を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス、及び/又は、延長チューブは、採血のための複数の管腔を含み得る。いくつかの実施形態では、くさび及び器具は、第2の管腔内に配置されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、くさびの遠位側における延長チューブの管腔内に配置された圧縮性要素を含み得る。いくつかの実施形態では、くさびの遠位移動に応答して、くさびは、圧縮性要素を圧縮するために、圧縮性要素に接触するように構成され得る。いくつかの実施形態では、圧縮性要素は、ばねを含み得る。いくつかの実施形態では、圧縮性要素は、器具の第1の端部と器具の第2の端部との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の端部は、圧縮性要素を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、第2の端部は圧縮性要素を通って延びる。
【0016】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、くさびの遠位側の延長チューブの管腔内に配置された他の圧縮性要素を含み得る。いくつかの実施形態では、器具の第1の端は、圧縮性要素を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、器具の第1の端は、他の圧縮性要素を通って延びてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、第1のプッシュタブ及び/又は第2のプッシュタブを含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、遠位コネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブの遠位端は、遠位コネクタに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、遠位コネクタは、中央挿入機構と、中央挿入機構の反対側に配置された2つのレバーアームと、を含み得る。いくつかの実施形態では、中央挿入機構は、ルアー形状を含み得る。いくつかの実施形態では、2つのレバーアームの各々の近位端は、停止突起部を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、前進要素は、ポケットを含み得る。いくつかの実施形態では、前進要素は、管腔内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル延長セットは、ハウジングの外面に沿って、ハンドルが、第1の距離だけ遠位側に移動するのに応答して、前進要素が管腔内で、第1の距離だけ遠位側に移動し、器具の第2の端部が、第2の距離だけ遠位側に前進するように、ハンドルとハウジングの外面との間及びポケット内に配置された並進機構を含み得る。
【0019】
上述の概略の説明、及び、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。さまざまな実施形態は、図に示されている配置及び手段に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、又は、他の実施形態が用いられてよいこと、及び、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。それ故に、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
図1図1は、いくつかの実施形態による、例示的な器具前進デバイスの上面斜視図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、器具前進デバイスの例示的な遠位端の断面図である。
図3図3は、いくつかの実施形態による、器具前進デバイスの他の例示的な遠位端の断面図である。
図4図4は、いくつかの実施形態による、その中を延びる例示的な延長チューブを示す、器具前進デバイスの例示的なハウジングの断面図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、後退位置にある例示的なハウジングを示す、器具前進デバイスの上面斜視図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、後退位置にある他の例のハウジングを示す、器具前進デバイスの上面斜視図である。
図5C図5Cは、いくつかの実施形態による器具前進デバイスの断面図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による例示的なくさびの上方斜視図である。
図6B図6Bは、いくつかの実施形態によるくさびの断面図である。
図6C図6Cは、いくつかの実施形態によるくさびの他の上面斜視図である。
図6D図6Dは、いくつかの実施形態による、例示的な支持要素の上面斜視図である。
図6E図6Eは、いくつかの実施形態による、支持要素の近位端図である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、複数の支持要素を示す器具前進デバイスの断面図である。
図8A図8Aは、いくつかの実施形態による、例示的なテザーを示す器具前進デバイスの断面図である。
図8B図8Bは、いくつかの実施形態による、テザーのための例示的な開口部を示す、支持要素の上面斜視図である。
図8C図8Cは、いくつかの実施形態による、テザーのための例示的な他の開口部を示す、くさびの上面斜視図である。
図9A図9Aは、いくつかの実施形態による、圧縮性要素の一例を示す、器具前進デバイスの断面図である。
図9B図9Bは、いくつかの実施形態による、圧縮性要素を示す器具前進デバイスの断面図である。
図9C図9Cは、いくつかの実施形態による、圧縮性要素を示す器具前進デバイスの断面図である。
図9D図9Dは、いくつかの実施形態による、圧縮性要素及び他の例示的な圧縮性要素を示す、器具前進デバイスの断面図である。
図10図10は、いくつかの実施形態による、他の例示的なハウジングの上面斜視図である。
図11図11は、いくつかの実施形態による、例示的な遠位コネクタの上面斜視図である。
図12A図12Aは、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルアセンブリに結合された器具前進デバイスの上面斜視図である。
図12B図12Bは、いくつかの実施形態による、他の例示的なカテーテルアセンブリに結合された器具前進デバイスの上面斜視図である。
図13A図13Aは、いくつかの実施形態による他の器具前進デバイスの横断面図である。
図13B図13Bは、いくつかの実施形態による、他の器具前進デバイスの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、図1から4を参照すると、いくつかの実施形態による器具前進デバイス10が示されている。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、ハウジング12と、ハウジング12を通って延びる延長チューブ14とを含むことができる。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、剛性、半剛、又は、可撓性であってもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、延長チューブ14に剛性を付加するための共押出ガイドワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、多管腔延長チューブを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、透明又は不透明であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、ガイドワイヤ、器具、チューブ、又は、他の適切な器具を含む器具16を含み得る。いくつかの実施形態では、器具16は、1つ以上のセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、視認性を高めるために器具16を着色することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、金属又は他の適切な材料で構成することができる。これらの実施形態及び他の実施形態では、器具16は、前進を容易にするために、潤滑剤又はコーティングが施され得る。いくつかの実施形態では、チューブである器具は、軟質であっても硬質であってもよい。いくつかの実施形態では、チューブは、血液の流れのための閉鎖経路を形成し、及び/又は、カテーテルアセンブリ内の薬物吸着による血液の汚染を低減することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、器具16は、ばね又はコイルを含み得るガイドワイヤを含むことがある。いくつかの実施形態では、ばね又はコイルは、バネ又はコイルの長さに沿って変化するピッチを含み得る。例えば、カテーテル先端から上流側又は近位側のばね又はコイルのピッチは、より多くの血流を促進し流量を増加させるために大きくすることができ、カテーテル先端付近のばね又はコイルのピッチは、血液がカテーテル先端を流れるようにしながらも、血栓がカテーテル先端に入るのを防ぐために小さくすることができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、ばね又はコイルの中心部分を通って延在し得るロッドを含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、ロッドを含んでもよく、ばね又はコイルを含まなくてもよい。
【0024】
フィブリンシース、血栓、静脈壁や弁の存在により、カテーテルは時間の経過とともにカテーテル先端で閉塞する可能性がある。いくつかの実施形態では、器具16は、カテーテルアセンブリ内、及び/又は、カテーテルアセンブリを通って延在し、カテーテルの閉塞を押し通し、及び/又は、破壊するように構成され得る。いくつかの実施形態では、器具16は、そうでなければ注入又は採血を妨げる可能性があるカテーテルアセンブリ内又はその周囲又は静脈内の血栓及びフィブリンシースを克服することができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、血管系への外傷を軽減する一方で、流体の供給、採血、患者又はデバイスの監視、又は、他の臨床上の必要性を促進することができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、溶血を減少させ、血液曝露を減少させることができる。いくつかの実施形態では、器具16は、カテーテルアセンブリを通って遠位側に進み、患者の血管系に入るように構成された血管アクセス器具を含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10の遠位端は、遠位コネクタ18又は他の適切なコネクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ18は、カテーテルアセンブリに結合するように構成されてもよく、このカテーテルアセンブリは、遠位コネクタ18が結合されるときに、患者の血管系内に存在するか、又は、すでに備え付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタを含むことがあり、このカテーテルアダプタは遠位端、近位端、及び、カテーテルアダプタの遠位端とカテーテルアダプタの近位端を通って延びる管腔を含むことがある。いくつかの実施形態では、カテーテルは、カテーテルアダプタの遠位端から延在してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈内カテーテル、正中線カテーテル、又は、末梢挿入中心カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルを通って延び、カテーテルを患者に挿入するために皮膚や血管系への穿刺を容易にする導入針を含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10をカテーテルアセンブリに結合する前に、導入針をカテーテルアセンブリから取り外すことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは直線状であってもよい。他の実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタと一体化された延長チューブを有する一体型であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタのサイドポートから延在し、このサイドポートと一体化された延長チューブを含む延長セットを含むことがある。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ18は、カテーテルアダプタの近位端、及び/又は、ニードレスアクセスコネクタなど、カテーテルアセンブリの一部に結合するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、ニードレスアクセスコネクタは、近位端、Tコネクタ、又は、延長セットの他の部分に結合されることがある。いくつかの実施形態では、ニードレスアクセスコネクタは、ユーザによる意図的又は非意図的な取り外しを防止するために、例えば、接着剤を介して、遠位コネクタ18に恒久的に接続され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、延長チューブ14の遠位端は、遠位コネクタ18に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ14の近位端は、近位コネクタ20に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、器具16は、注入又は採血の前又は最中に前進させることができる。いくつかの実施形態では、採血又は注入を完了した後、器具前進デバイス10をカテーテルアセンブリから連結解除する前に、ユーザはハウジング12を後方又は近位に移動させて器具16を後退させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザが血液にさらされる危険性が減少する可能性がある。
【0028】
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、延長チューブ14の全長に沿って、第1の管腔22と、第1の管腔22とは別個の第2の管腔24とを含むことができる。いくつかの実施形態では、採血経路が、第1の管腔22を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、器具16は、第2の管腔24内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の管腔24の直径は、第1の管腔22の直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の管腔22の直径及び/又は長さは、所望の流量に基づいて、及び/又は溶血を低減するために選択されてもよい。いくつかの実施形態では、異なる材料を共押出して、第1の管腔22及び第2の管腔24を形成してもよい。いくつかの実施形態では、第1の管腔22及び第2の管腔24は、異なる材料又は同じ材料で形成されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、ハウジング12を延長チューブ14に沿って遠位方向に移動させることに応答して、器具16は、第2の管腔24内で遠位方向に前進することができる。いくつかの実施形態では、ハウジング12を延長チューブ14に沿って近位に移動させることに応答して、器具16は、第2の管腔24内で近位に後退され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、遠位コネクタ18内に配置され、第2の管腔24を密閉するか、又は、第2の管腔24への血流を防止するように構成された隔壁26を含むことができる。これらの実施形態及び他の実施形態では、隔壁26は、血液が遠位コネクタ18から血液収集のために第1の管腔22を通って流体経路28に沿って近位に流れることができるように、第1の管腔22を密閉し得ない。いくつかの実施形態では、隔壁26はエラストマーであってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、器具16の遠位端は、ハウジング12が近位方向に完全に後退されるときに、遠位コネクタ18の遠位端の近位に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、器具16の遠位端は、ハウジング12が近位方向に完全に後退されるときに、隔壁26の近位に配置されてもよく、及び/又は、器具16が延長チューブ14内に密封されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、第1の管腔22の遠位端と遠位コネクタ18とを接続し得るカニューレ30を含み得る。いくつかの実施形態では、カニューレ30は鈍く(blunt)てもよい。いくつかの実施形態では、流体経路28は、カニューレ30を通って延びることがあり、これによって血液の漏れを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、カニューレ30は、鋼、プラスチック、金属、又は、他の適切な材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、カニューレ30は、遠位コネクタ18に結合されてもよいし、遠位コネクタ18と一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁26は第2の管腔24と同心であってもよいし、適切な壁厚を得るためにわずかにオフセットされていてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、遠位コネクタ18は、シャフト38及び2つのレバーアーム40を含むことができる。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40は、ニードルレスアクセスコネクタへの結合を容易にする。いくつかの実施形態では、シャフト38は潤滑剤で潤滑されることがあり、これによりカテーテルアセンブリへの挿入力が低減されることがある。いくつかの実施形態では、雄型遠位コネクタは、雄型ルアー、雄型ルアーロック、雄型スリップルアー、ルアー、又は、他の適切なコネクタを含み得る。
【0034】
図3に示されるように、いくつかの実施形態では、隔壁26は、遠位コネクタ18の内腔の幅を横切って延びることがある。いくつかの実施形態では、隔壁26は第2の管腔24を密閉するか、第2の管腔24への血流を防ぐことができる。いくつかの実施形態では、カニューレ30は、第1の管腔22から隔壁26を通って延び、そこを通る流体の流れを可能にすることができる。
【0035】
図4に示されているように、いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、ハウジング12及び延長チューブ14の第2の管腔24内に配置されたくさび32を含むことができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、延長チューブ14を挟持するように構成された一対の対向するピンチ部材34を含むことができる。いくつかの実施形態では、一対の対向するピンチ部材34a,bは、くさび32に近接したハウジング12内に配置され、ハウジング12と共に延長チューブ14に沿って移動するように構成され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、器具16は第2の管腔24内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング12を延長チューブ14に沿って遠位方向に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材34a,bがくさび32を遠位方向に押し、器具16が遠位方向に前進してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、延長チューブ14を挟持するように構成されたもう一対の対向するピンチ部材34c,dを含むことができる。いくつかの実施形態では、もう一対の対向するピンチ部材34c,dは、くさび32から遠位のハウジング内に配置され、ハウジング12と共に延長チューブ14に沿って移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング12を延長チューブ14に沿って近位に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材34c,dがくさび32を近位に押し、器具16が近位に後退されてもよい。
【0038】
一対の対向するピンチ部材34a,b、及び、もう一対の対向するピンチ部材34c,dは、本開示において「対向するピンチ部材34」と総称される場合がある。いくつかの実施形態では、延長チューブ14に沿ったハウジング12の移動に応答して、対向するピンチ部材34は、ハウジング12及び延長チューブ14に対して回転し得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14に沿ったハウジング12の移動に応答して、対向するピンチ部材34がハウジング12及び延長チューブ14に対して回転することがあり、これにより器具16が回転してカテーテルの遠位先端が障害物から離れるように移動し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12の内面は、対向するピンチ部材34と接触する1つ以上のバンプ36を含み得、これは、対向するピンチ部材34が回転する際の摩擦を低減し得る。いくつかの実施形態では、くさび32及び/又は対向するピンチ部材34は、摩擦を低減し得る潤滑剤で潤滑されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34は、プラスチック、金属、又は他の適切な材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34は、ハウジング12に対して回転するように構成され得る球形ボール、ボールベアリング、車輪、又は、シリンダを含み得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34は、平滑であってもよいし、その縁に沿って脚部を含んでいてもよいホイールを含んでいてもよい。これらの実施形態では、摩擦を減らすためにホイールの軸に潤滑剤を塗布してもよい。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34はハウジング12に対して固定されてもよい。例えば、対向するピンチ部材34は、ハウジング12に成形されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34の数は、くさび32の形状に基づいて変化し得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、例えば、くさび32の形状が円筒形であることに対応して、一対の対向するピンチ部材34a,bと、他の一対の対向するピンチ部材34c,dとを含むことができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、くさび32がドッグボーン(dog bone)形状を含むことに対応して、対向するピンチ部材34の対、例えば、対向するピンチ部材34a,bの対の単一の対を含んでもよく、単一の対は、ドッグボーン形状の中央部又は窪みに配置されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、くさび32は、U字型であってもよい円弧状チャネル42を含んでもよい。いくつかの実施形態では、円弧状チャネル42の半径は、器具16の曲率半径にほぼ等しいか、又は、一致し得る。いくつかの実施形態では、円弧状チャネル42は、くさび32内の中心に配置されてもよく、又は、中心から外れていてもよい。いくつかの実施形態では、器具16は円弧状チャネル42を通って延び、移動することができる。いくつかの実施形態では、器具16の第1の端部44が固定され得る。いくつかの実施形態では、器具16の第1の端部44は、延長チューブ14又は遠位コネクタ18内に固定され得る。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、器具16の第1の端部44は、延長チューブ14の内面及び/又は遠位コネクタ18の内面に結合され得る。いくつかの実施形態では、第1の端部44は、器具16の第2の端部46と概ね平行であり、固定されていなくてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、くさび32の第1の距離の移動に応答して、器具16の第2の端部46は、第2の距離だけ遠位側に前進するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の距離は第1の距離の2倍であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は第1の距離の2倍以上であってもよい。これらおよび他の実施形態では、器具16は、複数のU字形状又は他の円弧形状を通って延在してもよい。
【0043】
ここで図5Aから5Cを参照すると、いくつかの実施形態では、器具16は、くさび32が遠位側に前進するのに応じて座屈する傾向があり得る。いくつかの実施形態では、器具16の座屈を軽減するために、延長チューブの管腔内に支持要素48を配置することができる。例えば、支持要素48は、第2の管腔24内に配置することができる。いくつかの実施形態では、支持要素48の位置は変化し得る。いくつかの実施形態では、支持要素48は、ハウジング12が後退位置にあるときに、くさび32と遠位コネクタ18とのほぼ中間に配置され得る。したがって、いくつかの実施形態では、支持要素48は、座屈しやすい器具16の領域で支持を提供し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、器具16は、支持要素48を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、支持要素48は、第1の穴50と第2の穴52を含み得る。いくつかの実施形態では、器具16の第1の端部44は、第1の穴50を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、器具16の第2の端部46は、第2の穴52を通って延在してもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、近位コネクタ20は、採血デバイス54に結合され得る。いくつかの実施形態では、採血デバイス54は、注射器、BD VACUTAINER(登録商標)1回使用ホルダ(ニュージャージー州フランクリンレイクのBecton Dickinson & Companyから入手可能)、BD VACUTAINER(登録商標)LUER-LOK(商標)アクセスデバイス(同じく、ニュージャージー州フランクリンレイクのBecton Dickinson & Companyから入手可能)、又は、吸引を提供し得る他の適切な採血デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、採血デバイス54は、ホルダ58に囲まれた鋭利なカニューレ56を含むことができ、このホルダは、ニュージャージー州フランクリンレイクのBecton Dickinson & Companyから入手可能な試験管、又は、BD VACUTAINER(登録商標)採血チューブなどの容器を受容するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、鋭利なカニューレ56はエラストマーシース60で覆われていることがあり、試験管又はBD VACUTAINER(登録商標)採血チューブのシールを通して鋭利なカニューレ56を挿入する際に、鋭利なカニューレ56によって貫通されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、ハウジング12及び/又は近位コネクタ20は、様々な形状を含み得、これは、ユーザによるハウジング12及び/又は近位コネクタ20の把持を容易にし得る。例えば、ハウジング12、及び/又は、近位コネクタ20は、楕円形、円形、正方形、又は、他の形状であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、図5Aから5Bに図示されるように、近位コネクタ20及び/又は遠位コネクタ18の形状は、延長チューブ14の撓みに対抗するための把持位置を提供することによって、ユーザがハウジング12を近位及び/又は遠位に、より容易にスライドさせることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12の外面及び/又は近位コネクタ20の外面は、把持を容易にするための1つ以上の突起を含み得る。いくつかの実施形態では、突起は、バンプ、リング、又は、他の形状を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、くさび32は様々な形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、くさび32は、それがスライドし得る管腔の直径よりも小さい長径及び短径を有する楕円形状を含み得る。いくつかの実施形態では、くさび32は、器具16と延長チューブ14との間の摩擦を低減することができる円弧状チャネル42の小さな長径を含むことができる。いくつかの実施形態では、くさび32は、くさび32が延長チューブ14に対して回転するのを防止するために、1つ以上の側面に大きな長径を含むことができる。いくつかの実施形態では、くさび32の長さは、くさび32が回転するのを防止するために、くさび32がスライドする管腔の長径よりも大きくてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、遠位コネクタ18は、シャフト38と、シャフト38の反対側に配置された2つのレバーアーム40a,bとを含むことができる。いくつかの実施形態では、シャフト38は、円筒形状であってもよい鈍いカニューレを含んでもよい。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bは、互いに対向し、それぞれ、屈曲点62において遠位コネクタ18の本体に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bの各々の遠位端に配置されたフック部材64は、例えば、図5Aから5Cに図示されているように、2つのレバーアーム40a,bが弛緩位置にあるときにカテーテル組立体の溝内に配置されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、溝は環状であってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、屈曲点62に近接する2つのレバーアーム40a,bの各々の近位端は、内側に押されて、2つのレバーアーム40a,bの各々の遠位端を外側に付勢し、フック部材64を溝から解放することができる。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bの各々の遠位端は、2つのレバーアーム40a,bの各々の近位端が解放されるか、又は、内側に押圧されないことに応答して、付勢位置から弛緩位置に自動的に戻ることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bの各々の近位端は、2つのレバーアーム40a,bを降伏させるか又は破損させるのに十分なほど遠くまで2つのレバーアーム40a,bを押すことを防止し得る停止突出部66を含み得る。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bの各々の停止突出部66は、2つのレバーアーム40a,b上ではなく、近位コネクタ20の本体上に対向して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、停止突出部66は、ハードストップを提供することによって、2つのレバーアーム40a,bが押圧され得る距離を制限してもよい。
【0051】
図5Aから5Cに示されるように、いくつかの実施形態では、鈍いカニューレは、ルアー形状を含み得る。いくつかの実施形態では、ルアー形状は、ルアー形状は環状段差面を含むことができる。いくつかの実施形態では、ルアー形状は、例えば、ニュージャージー州フランクリンレイクのBecton & Dickinson社から入手可能なBD Q-SYTE(商標)ニードルフリーコネクタなどの装置によるシールを容易にし得る。いくつかの実施形態では、ルアー形状は、BD SMARTSITE(商標)ニードルフリーコネクタ、又は、BD Q-SYTE(商標)(ニュージャージー州フランクリンレイクの Becton & Dickinson社から入手可能)、又は、同様の装置の隔壁への応力を軽減し、鈍いカニューレの取り外しに応じて隔壁が変位するのを防ぐことができる。
【0052】
ここで、図6Aから6Cを参照すると、いくつかの実施形態による、くさび32内の円弧状チャネル42が示されている。ここで、図6Dから6Eを参照すると、いくつかの実施形態による支持要素48が図示されている。いくつかの実施形態では、支持要素48は、第1の穴50及び第2の穴52を含むことができ、これらの穴はそれぞれ、その中を延びる器具16を支持し、器具16の座屈を防止することができる。
【0053】
ここで、図7を参照すると、いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、例えば、第2の管腔24のような延長チューブ14の管腔内に配置され得る1つ以上の他の支持要素68を含み得る。いくつかの実施形態では、他の支持要素68は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点で、支持要素48と類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態では、支持要素48及び支持要素68は、延長チューブ14内で、くさび32の遠位側に等間隔に離間していてもよい。いくつかの実施形態では、他の支持要素68の各々は、それを通って延びる第1の穴50及び第2の穴52を含むことができる。いくつかの実施形態では、他の支持要素68の1つ以上が異なる長さを有していてもよい。いくつかの実施形態では、支持要素48及び/又は他の支持要素68の第1の穴50及び/又は第2の穴52は、摩擦を低減し、そこを通る器具16の移動を容易にするために潤滑されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、支持要素48及び/又は他の支持要素68は、器具16が遠位方向に前進及び/又は近位方向に後退する際に、器具16の座屈を防止することができる。いくつかの実施形態では、支持要素48及び/又は他の支持要素68は、円筒形又は楕円形であってもよい。いくつかの実施形態では、支持要素の長さ及び/又は他の支持要素68の長さは、第2の管腔24などの配置された管腔の内径よりも大きくてもよく、これにより、支持要素48及び/又は他の支持要素68の回転が妨げられ得る。いくつかの実施形態では、第1の穴50及び/又は第2の穴52は、外縁から延びる溝で置き換えられてもよく、この溝は器具16を支持することができる。いくつかの実施形態では、第1の穴50及び/又は第2の穴52は、円形、半円形、又は、他の適切な形状であってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、支持要素48及び/又は他の支持要素68は、式に従った座屈荷重を増加させるために、器具16の有効長さを減少させることができる。
【0056】
【数1】
【0057】
ここで、Pは、臨界の座屈荷重、Eは、ヤング率、Iは、座屈方向に抵抗する慣性モーメント、Lは、器具16の長さである。
【0058】
ここで、図8Aから8Cを参照すると、いくつかの実施形態では、くさび32は、支持要素48に接触し、くさび32の遠位への移動に応答して支持要素48を遠位へ移動させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、くさび32は、支持要素48と同様に、他の支持要素68(例えば、図7参照)に接触し、移動することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、くさび32と支持要素48との間に延びるテザー(tether)70を含むことができる。いくつかの実施形態では、テザー70は、圧入、接着剤、溶接、又は、他の手段を介して、くさび32及び支持要素48に固定され得る。これらおよび他の実施形態では、近位方向へのくさび32の後退は、テザー70による引っ張りによって支持要素48を後退させることもある。いくつかの実施形態では、テザー70は剛性であっても可撓性であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、支持要素48は、そこを通って延びる開口部72を含むことができる。いくつかの実施形態では、テザー70は開口部72を通って延在し、くさび32は支持要素48を移動させることなく移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、くさび32は、それを通って延びる他の開口部74を含むことができ、テザー70は、他の開口部74を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、開口部72は、支持要素48内の中央に配置されてもよく、または中央から外れていてもよい。いくつかの実施形態では、他の開口部74は、くさび32内の中央に配置されてもよく、または中央から外れていてもよい。いくつかの実施形態では、器具16のための第1の穴50及び/又は第2の穴52は、テザー70のための開口部72及び/又は他の開口部74を収容するように中央に配置され得る。いくつかの実施形態では、器具16のための第1の穴50及び/又は第2の穴52は、テザー70のための開口部72及び/又は他の開口部74を収容するために、中心がずれていてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、テザー70の遠位端は、支持要素48の遠位にあり、及び/又は、キャッチ(catch)76を含み得る。いくつかの実施形態では、テザー70の近位端は、くさび32の近位にあり、及び/又は、他のキャッチ78を含むことができる。いくつかの実施形態では、キャッチ76の外径は、開口部72の直径よりも大きくてもよく、及び/又は、他のキャッチ78の外径は、他の開口部74の外径よりも大きくてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、くさび32の近位方向への移動に応答して、キャッチ76が支持要素48の遠位端に接触し、他方のキャッチ78がくさび32の近位端に接触して、支持要素48を近位方向に引っ張ってもよい。
【0062】
ここで、図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、例えば、第2の管腔24のような、くさび32の遠位側の延長チューブ14の管腔内に配置された圧縮性要素80を含むことができる。いくつかの実施形態では、くさび32の遠位移動に応答して、くさび32は、圧縮性要素80に接触して、圧縮性要素80を圧縮するように構成され得る。いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、ばね(図9Aに図示)、伸縮装置、チューブ、又は、他の圧縮性要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、ばねは、円形、楕円形、正方形、又は、他の適切な形状であってもよい。いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、遠位から近位方向、及び/又は、近位から遠位方向に圧縮可能であり得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、圧縮性要素80の長さは、くさび32又はハウジング12から遠位コネクタ18まで延びてもよい。いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、くさび32又はハウジング12と遠位コネクタ18との間に部分的に延在して、座屈しやすい箇所を覆うことができる。いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、例えば、図9Aに図示されるように、ハウジング12が後退位置にあるとき、くさび32と遠位コネクタ18とのほぼ中間に配置され得る。したがって、いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、座屈しやすい器具16の領域において支持を提供することができる。いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、ばねを含んでよく、ばねのばね定数は、ばねが圧縮されるとき、ばねが延長チューブ14と、一対の対向するピンチ部材34a,b、及び/又は、他の一対の対向するピンチ部材34c,dとの間の法線力又は摩擦力に打ち勝つことができないように十分に弱くてよい。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザは、ハウジング12が近位方向にスプリングバックすることを心配する必要がない場合がある。
【0064】
いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、座屈を低減するために器具16を支持することができる。いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、器具16の第1の端部44と器具16の第2の端部46との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、圧縮性要素80は、器具16の座屈を低減するために、第1の端部44及び第2の端部46を同時に支持することができる。
【0065】
ここで、図9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の端部44は、圧縮性要素80を通って延在してもよく、これにより、第1の端部44が座屈するのを防止することができる。ここで、図9Cを参照すると、第2の端部46は圧縮性要素80を通って延びることがあり、これにより第2の端部46が座屈するのを防止することができる。ここで、図9Dを参照すると、いくつかの実施形態では、器具前進デバイス10は、例えば、第2の管腔24など、くさび32から遠位の延長チューブ14の管腔内に配置された他の圧縮性要素82を含むことができる。いくつかの実施形態では、他の圧縮性要素82は、1つ又は複数の特徴及び/又は動作の点で、圧縮性要素80と類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態では、器具16の第1の端部44は、圧縮性要素80を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、器具16の第2の端部46は、他の圧縮性要素82を通って延びてもよい。
【0066】
ここで、図10を参照すると、いくつかの実施形態では、ハウジング84は、第1のプッシュタブ86及び/又は第2のプッシュタブ88を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング84は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点で、図1から図9のハウジング12と類似又は同一であり得る。いくつかの実施形態では、第1のプッシュタブ86及び第2のプッシュタブ88は、臨床医が、手の位置を変えることなく器具16を遠位方向に前進させることを可能にし得る。それ以外の場合、ハウジング84は、平均的な手の大きさがハウジング84を1回押すだけでスライドさせる得る遠位方向よりも、さらにスライドさせる必要があり、臨床医は、ハウジング84を遠位方向に押し続けるために手を再配置することになる。いくつかの実施形態では、器具16を後退位置から前進位置に前進させるために、臨床医は、第1のプッシュタブ86に加えて、第2のプッシュタブ88があるため、手のグリップではなく指の位置を変えることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング84は、ハウジング84の長さ方向に延びる2つ以上のプッシュタブを含むことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1のプッシュタブ86は、第2のプッシュタブ88の遠位及び/又はハウジング84の遠位端にあってもよい。いくつかの実施形態では、第2のプッシュタブ88は、ハウジング84の近位端にあり得る。いくつかの実施形態では、第1のプッシュタブ86と第2のプッシュタブ88は同じ高さであってもよく、これにより臨床医の指の固定を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、第1のプッシュタブ86と第2のプッシュタブ88は異なる高さであってもよい。例えば、第1のプッシュタブ86は、第2のプッシュタブ88よりも背が高く、第1のプッシュタブ86と第2のプッシュタブ88との間に指が入らない場合に、ハウジング84の上面を押しやすくすることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング84は、そこを通って延び、延長チューブ14を受け入れるように構成された開口90を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のプッシュタブ86及び第2のプッシュタブ88は、臨床医による器具16の片手での前進を容易にすることができる。
【0068】
ここで、図11を参照すると、いくつかの実施形態による遠位コネクタ18が図示されている。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bの各々の近位端は、2つのレバーアーム40a,bを降伏させるか又は破損させるのに十分に遠くまで2つのレバーアーム40a,bを押すことを防止し得る停止突出部66を含み得る。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bは、互いに対向してもよく、それぞれ、屈曲点62において遠位コネクタ18の本体に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bのそれぞれの遠位端に配置されたフック部材64は、カテーテルアセンブリの一部を挟持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、2つのレバーアーム40a,bの各々の停止突出部66は、2つのレバーアーム40a,b上ではなく、遠位コネクタ18の本体上に互いに対向して配置されてもよい。
【0069】
ここで、図12Aを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ92は、カテーテルアダプタ94と、カテーテルアダプタ94の遠位端から遠位方向に延びるカテーテル96とを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ94はサイドポート99を含み、カテーテルアセンブリ92はサイドポート99から延びる延長チューブ100を含む。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ92は、延長チューブ100の近位端と延長チューブ104に結合され得る、例えば、Tコネクタなどのコネクタ102を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ92は、コネクタ102の近位端及び遠位コネクタ18に結合され得るニードルレスアクセスコネクタ106を含み得る。これらの実施形態および他の実施形態では、カテーテルアセンブリ92は、サイドポート99と一体化された延長チューブ100を有する一体型と称され得る。いくつかの実施形態では、器具16は、特定のハウジングの遠位方向への前進に応答して、サイドポート99及びカテーテル96を通して挿入される。
【0070】
ここで、図12Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ100は、例えば、Tコネクタなどのコネクタ102と、コネクタ102に結合された延長チューブ104とを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ108は、コネクタ102及び器具前進デバイス10に結合されたニードルレスアクセスコネクタ106を含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ102は、カテーテルアセンブリ100のカテーテルアダプタ110の近位端に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ100は、カテーテルアダプタ110の遠位端から遠位方向に延びるカテーテル112を含むことができる。これらおよび他の実施形態では、カテーテルアセンブリ108は、ストレートと呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、器具16は、特定のハウジングの遠位方向への前進に応答して、カテーテルアダプタ110の近位端及びカテーテル96を通して挿入される。
【0071】
ここで、図13Aから13Bを参照すると、いくつかの実施形態による器具前進デバイス119が示されている。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点で、図1から図12のうちの1つ以上の器具前進デバイス10と類似又は同一であり得る。いくつかの実施形態では、くさび32は、窪み又はポケット120を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポケット120は、円弧状チャネル42の内側に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、くさび32は、第2の管腔24を含み得る延長チューブ14の管腔内に配置されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、円弧状チャネル42を通って延びる器具16を含むことができる。いくつかの実施形態では、器具16は、カテーテルの滞留時間を通じて、血液採取と同様に、投薬及び流体送達のためのカテーテルアセンブリのカテーテルの開存性を改善することができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119が、カテーテルアセンブリに結合されているとき、カテーテルは患者の血管系に留置又は挿入され得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、採血中の血流及び血液の質を促進し、ワークフローを改善し、操作に関連するカテーテル合併症のリスクを低減することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、第2の端部46は、ロッド、コイル、又は、血栓除去を容易にし、及び/又は、血管系への損傷を減少させるように構成された他の任意の適切な形状を含み得る。いくつかの実施形態では、コイルは、ロッドを取り囲んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の端部46の遠位部分は、血管系を損傷する危険性を減少させるために鈍くされ得る。いくつかの実施形態では、第2の端部46は、そこを通る血液の流れを促進するために多孔質であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の端部44は、延長チューブ14の内部に固定されてもよい。例えば、第1の端部44は、他の適切な方法で延長チューブ14内に接着、結合、又は、固定することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、第2の端部46は、ハウジング12の第2の距離の遠位への移動に応答して、第1の距離だけ遠位に前進するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の距離は、第2の距離の少なくとも2倍であってもよい。いくつかの実施形態では、器具16をハウジング12に接触させることなく器具16の移動を容易にすることができ、これにより器具16の細菌汚染のリスクを低減することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、ハウジング12が延長チューブ14の外面に沿って第1の距離だけ遠位方向に移動するのに応答して、くさび32が管腔18内で第1の距離だけ遠位方向に移動し、器具16の第2の端部46が第2の距離だけ遠位方向に前進するように、ハウジング12と延長チューブ14の外面との間及びポケット120内に配置された並進機構122を含み得る。いくつかの実施形態では、並進機構122は、ボール、ホイール、ローラーベアリング、又は、延長チューブ14の局所的な圧縮を生じさせるように構成された他の適切な機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、並進機構122は、ハウジング12の一部であってもよく、及び/又は、ハウジング12と一体的に形成されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、PELLETHANE(登録商標)、ポリ塩化ビニル(PVC)、又は、他の適切な材料などの可撓性材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、摩擦を低減し、ハウジング12の移動を容易にするために、潤滑性の添加剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、可撓性材料は、並進機構122による延長チューブ14の圧縮を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、可撓性材料、剛性材料、及び、半剛性材料のうちの1つ又は複数で構成することができる。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、例えば、器具16及び/又はくさび32のような、その中の構成要素及び/又は構成要素上のマーキングの視覚化を容易にするために、透明であってもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、並進機構122は、延長チューブ14がポケット120内に延びるように延長チューブ14を圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ14をポケット120内に圧縮する並進機構122は、ハウジング12と共にくさび32の移動を容易にすることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、1つ以上の付加的な並進機構124を含むことができる。いくつかの実施形態では、追加の並進機構124は、並進機構122とはハウジング12の反対側に配置され、延長チューブ14とハウジング12との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、並進機構122及び/又は付加的な並進機構124は、延長チューブ14がハウジング12に接触するのを防止し、ハウジング12が摩擦を減少させながら延長チューブ14の長手方向軸に沿って移動するのを可能にし得る。いくつかの実施形態では、追加の並進機構124はそれぞれ、ローラーボール、ホイール、ベアリング、又は、他の適切な機能を含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、並進機構122及び/又は追加の並進機構124は、ハウジング12の窪み126内に配置され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の窪み126の表面は、1つ以上の小さな突起128を含み得、これは、並進機構122及び/又は追加の並進機構124と接触するハウジング12の表面積のサイズを減少させ得る。いくつかの実施形態では、窪み126は、並進機構122及び/又は追加の並進機構124と概ね同様の形状であってよく、球状であってよい。いくつかの実施形態では、ポケット120に対向するくさび32の表面は、1つ以上のバンプ130を含むことができ、これは、ハウジング12と接触するくさび32の表面積のサイズを減少させ、くさび32が摩擦を減少させながら延長チューブ14に対して移動することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、くさび32は概ね三角形又は3点である。
【0080】
いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、第1の管腔22を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の管腔22は、延長チューブ14の遠位端13及び延長チューブ14の近位端17を通って延びることができ、そこを通る流体の流れのために構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1の管腔22の幅及び/又は長さは、採血時間を短縮する一方、採血中の溶血を低減する血流速度を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12の1倍の前進に対応する器具16の2倍又は2倍を超える前進は、採血に使用される延長チューブ14及び第1の管腔22をより短くすることを可能にし、その結果、第1の管腔22内の血液量がより少なくなる可能性がある。
【0081】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、遠位コネクタ18又は延長チューブ14の遠位端内に配置され得る隔壁26を含み得る。いくつかの実施形態では、器具16は隔壁26を通って延びるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁26は、第1の管腔22への遠位流体の流れを許容するが、第2の管腔24への遠位流体の流れを阻止するように配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔24の近位端は閉じられてもよい。例えば、隔壁又はシールが、第2の管腔24の近位端内に配置されてもよいし、延長チューブ14によって閉じられてもよい。いくつかの実施形態では、第2の管腔24は、第1の管腔22より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の管腔22は、延長チューブ14に沿って中央に走ることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、器具16は、第2の管腔24内に完全に収納されてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、器具16の第2の端部46は、器具16が完全に後退位置にあるとき、及び/又はハウジング12が近位位置にあるときに、隔壁26の近位に配置されることがある。他の実施形態では、器具16が完全に後退位置にあるとき、及び/又はハウジング12が近位位置にあるとき、器具16は、隔壁26を通って延びてもよいが、第2の端部46は遠位コネクタ18内に配置されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、図5Cの支持要素48、及び/又は、図7の他の支持要素68を含むことができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、図8Aのテザー70、及び/又は、図9Aから9Dの圧縮性要素80を含むことができる。いくつかの実施形態では、テザー70は、成形プラスチックを含むことができる。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス119は、図9Dの他の圧縮性要素82を含むことができる。
【0084】
本明細書で記載されるすべての例示および条件付き文言は、本技術を促進するために、読者が本発明および本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例示および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
【国際調査報告】