(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】注射可能スラリーの作製のための装置
(51)【国際特許分類】
B01F 27/806 20220101AFI20240312BHJP
A61M 5/44 20060101ALI20240312BHJP
A61B 18/02 20060101ALI20240312BHJP
B01F 23/53 20220101ALI20240312BHJP
B01F 27/191 20220101ALI20240312BHJP
B01F 35/75 20220101ALI20240312BHJP
B01F 35/32 20220101ALI20240312BHJP
B01F 35/31 20220101ALI20240312BHJP
B01F 35/60 20220101ALI20240312BHJP
【FI】
B01F27/806
A61M5/44
A61B18/02
B01F23/53
B01F27/191
B01F35/75
B01F35/32
B01F35/31
B01F35/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560815
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 US2022015539
(87)【国際公開番号】W WO2022211904
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522028788
【氏名又は名称】ブリクストン バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】サビル,サミール
(72)【発明者】
【氏名】カガン,オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】シドッチ,チャールズ
【テーマコード(参考)】
4C066
4C160
4G035
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4C066LL01
4C160JJ01
4G035AB46
4G035AE13
4G037AA11
4G037DA23
4G037DA30
4G037EA04
4G078BA05
4G078BA09
4G078CA19
4G078DB08
4G078EA10
(57)【要約】
注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するためのシステムが本明細書に開示され、該システムは、ハウジング;容器を受容するように構成される、ハウジングに操作的に連結されるマウント;マウントを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される第1のモーター;第2のモーター;および第2のモーターと連絡される駆動シャフトを含み、駆動シャフトは、容器の内部体積を、注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように回転させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するためのシステムであって、該システムは:
ハウジング;
容器を受容するように構成される、ハウジングに操作的に連結されるマウント;
マウントを第1の位置から第2の位置に動かすように構成される第1のモーター;
第2のモーター;および
第2のモーターと連絡する駆動シャフト
を含み、駆動シャフトは、容器の内部体積を、注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように回転させるように構成される、システム。
【請求項2】
容器がシリンジであり、シリンジがブレードシャフトを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
ブレードシャフトが複数のブレードを含む、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
ブレードシャフトが駆動シャフトと嵌合するように構成され、ブレードシャフトがシリンジの内部体積を、注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように回転させるように構成される、請求項2記載のシステム。
【請求項5】
1つ以上のレールをさらに含むシステムであって、マウントがレールに沿って第1の位置から第2の位置へと移動するように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
第1のモーターがブラシレスDCモーターまたはリニアアクチュエータから選択される、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
第2のモーターがブラシレスDCモーターまたはスピンドルモーターから選択される、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
第2のモーターと連絡するプーリーをさらに含むシステムであって、プーリーが駆動シャフトを回転させるように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
第1のモーターと連絡する1つ以上のプーリーをさらに含むシステムであって、1つ以上のプーリーがマウントを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
第1の位置から第2の位置への移動が長手軸に沿う、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
ウォームおよびウォームギヤをさらに含むシステムであって、ウォームがウォームギヤと連絡し、ウォームギヤが、プーリーを回転させてマウントを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するためのシステムであって、該システムは:
シリンジを受容するように構成されるそり;
そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される第1のモーター;
第2のモーター;
第2のモーターと連絡する駆動シャフト;ならびに
第2のモーターおよび駆動シャフトと連絡するプーリー
を含み、駆動シャフトは、シリンジの内部体積を、注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように回転させるように構成される、システム。
【請求項13】
シリンジをさらに含むシステムであって、シリンジがブレードシャフトを含む、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
ブレードシャフトが複数のブレードを含む、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
シリンジのプランジャーが中空部分を含み、ブレードシャフトがプランジャーの中空部分に引っ込むように構成される、請求項13記載のシステム。
【請求項16】
1つ以上のレールをさらに含むシステムであって、レールが、そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される、請求項12記載のシステム。
【請求項17】
第1のモーターがブラシレスDCモーターまたはリニアアクチュエータから選択される、請求項12記載のシステム。
【請求項18】
第2のモーターがブラシレスDCモーターまたはスピンドルモーターから選択される、請求項12記載のシステム。
【請求項19】
第1のモーターと連絡する1つ以上のプーリーをさらに含むシステムであって、1つ以上のプーリーが、そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される、請求項12記載のシステム。
【請求項20】
安全ドアをさらに含む、請求項12記載のシステム。
【請求項21】
注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するための装置であって、該装置は:
シリンジを受容するように構成されるそり;
そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される第1のモーター;
駆動シャフト;および
駆動シャフトの回転を生じるように構成される第2のモーター
を含み、駆動シャフトの回転は、シリンジの内部体積を、注射可能で流動可能な冷スラリーに形成させる、装置。
【請求項22】
そりが、シリンジを受容するように構成されるドックをさらに含む、請求項21記載の装置。
【請求項23】
そりが、フロントホルダーマウントおよびバックホルダーマウントを含み、フロントホルダーマウントが、シリンジを受容するように開放位置に移動されるように構成される、請求項21記載の装置。
【請求項24】
第1のモーターと連絡する1つ以上のプーリーをさらに含む装置であって、1つ以上のプーリーが、そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される、請求項21記載の装置。
【請求項25】
容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換するための装置であって、該装置は:
容器を受容するように構成されるマウント;
駆動シャフト;および
駆動シャフトと連絡するモーター
を含み、モーターは、駆動シャフトを回転させて、容器の内部体積を、注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように構成される、装置。
【請求項26】
マウントを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される第2のモーターをさらに含む、請求項25記載の装置。
【請求項27】
容器がシリンジであり、シリンジがブレードシャフトを含む、請求項25記載の装置。
【請求項28】
ブレードシャフトが、第2の差し込みコネクタと嵌合するように構成される第1の差し込みコネクタを含み、駆動シャフトが第2の差し込みコネクタを含む、請求項26記載の装置。
【請求項29】
第1のモーターと連絡する1つ以上のプーリーをさらに含む装置であって、1つ以上のプーリーが、そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される、請求項25記載の装置。
【請求項30】
1つ以上のレールをさらに含む装置であって、マウントが、レールに沿って第1の位置から第2の位置へと移動するように構成される、請求項25記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許開示は、著作権保護に供される材料を含む。著作権所有者は、米国特許商標庁特許のファイルまたは記録に見られるため、特許文書または特許開示の現物どおりの複製に対して異論を有さないが、そうでなければ任意および全ての著作権を留保する。
【0002】
関連出願についての他所参照
本願は、発明の名称「Apparatus For Creation of Injectable Slurry」で2021年4月2日に出願された現在係属中の米国出願第17/221,357号の継続であり、その全主題は、参照により本明細書に援用される。
【0003】
技術分野
本発明は一般的に、注射可能冷スラリーを作製するための装置、システムおよび方法に関する。より具体的に、本発明は、内部シリンジ含有物を混合して注射可能冷スラリーを作製するための内部機構を有するシリンジに関する。
【背景技術】
【0004】
背景
冷スラリー(例えばアイススラリー)は、当該技術分野において、水の滅菌氷粒子、凝固点降下剤などの変動量の賦形剤または添加剤および任意にその全体において本明細書に援用される米国出願番号第15/505,042号(「'042出願」;公開番号US2017/0274011)に記載されるような1つ以上の活性医薬成分で作製される組成物として知られる。冷スラリーは、予防、治療または美容目的の選択的または非選択的な寒冷療法および/または冷凍融解を引き起こすために、好ましくは注射により被験体、好ましくはヒト患者の組織に送達され得る。注射可能冷スラリーは、神経伝導の阻害を必要とする種々の障害の治療のために使用され得る。例えば、その全体において本明細書に援用される米国出願第15/505,039号(「'039出願」;公開番号US2017/0274078)には、神経のミエリン鞘中の脂質の結晶化を引き起こすことにより神経の可逆的な変性(例えばウォーラー変性による)を誘導するためのスラリーの使用が開示される。'039出願には、運動痙攣、高血圧、多汗症および尿失禁など、体性または自律神経の阻害を必要とする種々の他の障害を治療するために注射可能冷スラリーを使用することも開示される。
【0005】
冷スラリーを調製する方法は、米国出願第16/080,092号(「'092出願」;公開番号US2019/0053939)に示される。しかしながら、'092出願は、医学的冷スラリー作製系のケアの点での設置を必要とする。また、これは、ケアの点が製造中およびその後の冷スラリーの滅菌性を維持することに関係することを必要とする。
【0006】
同時係属中の米国出願第17/062,955号(「'955出願」)には、標準的な輸送技術を使用して、滅菌性生体材料をケアの点に容易に輸送する方法が開示され、ここで生体材料は、ケアの点で製造設備が利用可能である必要なく、およびケアの点で生体材料の滅菌性を損なうことなく、ケアの点で流動可能で注射可能な冷スラリーに変換され得る。本願の開示は、'955出願に開示される方法およびシステムと適合性である。
【0007】
調製中にスラリーの滅菌性を損なうことなくおよびケアの点で製造設備またはスラリー構成成分が利用可能である必要なく、ケアの臨床の点で流動可能で注射可能な冷スラリーの調製を可能にする装置、システムおよび方法についての必要性が存在する。本開示は、組成物を保持する容器の内部および/または外部の構成要素、例えば外部のハードウェアと相互作用して、溶液を撹拌して、スラリーを形成するように適合される結晶化溶液を含むシリンジを使用して、組成物を流動可能で注射可能な冷スラリーに変換する向上した装置、システムおよび方法を提供する。本開示は、組成物の滅菌性を保存し、治療物質を患者に提供するために必要な時間を低減する装置、システムおよび方法を提供する。
【発明の概要】
【0008】
概要
一局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するためのシステムを提供し、該システムは、ハウジング;容器を受容するように構成されるハウジングに操作的に連結されるマウント;マウントを第1の位置から第2の位置に動かすように構成される第1のモーター;第2のモーター;および第2のモーターと連絡する駆動シャフトを含み、駆動シャフトは、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるために回転するように構成される。
【0009】
いくつかの態様において、容器はシリンジであり、該シリンジはブレードシャフトを含む。いくつかの態様において、ブレードシャフトは複数のブレードを含む。いくつかの態様において、ブレードシャフトは、駆動シャフトと嵌合するように構成され、ブレードシャフトは、シリンジの内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるために回転するように構成される。いくつかの態様において、該システムはさらに、1つ以上のレールを含み、マウントは、レールに沿って第1の位置から第2の位置へと移動するように構成される。いくつかの態様において、第1のモーターは、ブラシレスDCモーターまたはリニアアクチュエータから選択される。いくつかの態様において、第2のモーターは、ブラシレスDCモーターまたはスピンドルモーターから選択される。いくつかの態様において、該システムはさらに、第2のモーターと連絡するプーリー(pulley)を含み、該プーリーは、駆動シャフトを回転させるように構成される。いくつかの態様において、該システムはさらに、第1のモーターと連絡する1つ以上のプーリーを含み、1つ以上のプーリーは、マウントを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される。いくつかの態様において、第1の位置から第2の位置への移動は長手軸に沿う。いくつかの態様において、該システムはさらに、ウォームおよびウォームギヤを含み、ウォームはウォームギヤと連絡し、ウォームギヤは、マウントを第1の位置から第2の位置へと移動させるようにプーリーを回転させるように構成される。
【0010】
別の局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するためのシステムを提供し、該システムは、シリンジを受容するように構成されるそり;そりを第1の位置から第2の位置に動かすように構成される第1のモーター;第2のモーター;第2のモーターと連絡する駆動シャフト;ならびに第2のモーターおよび駆動シャフトと連絡するプーリーを含み、駆動シャフトは、シリンジの内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるために回転するように構成される。
【0011】
いくつかの態様において、該システムはさらにシリンジを含み、該シリンジはブレードシャフトを含む。いくつかの態様において、ブレードシャフトは複数のブレードを含む。いくつかの態様において、シリンジのプランジャーは中空部分を含み、ブレードシャフトは、プランジャーの中空部分内に引っ込むように構成される。いくつかの態様において、該システムはさらに1つ以上のレールを含み、該レールは、そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される。いくつかの態様において、第1のモーターはブラシレスDCモーターまたはリニアアクチュエータから選択される。いくつかの態様において、第2のモーターはブラシレスDCモーターまたはスピンドルモーターから選択される。いくつかの態様において、該システムはさらに、第1のモーターと連絡する1つ以上のプーリーを含み、1つ以上のプーリーは、そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される。いくつかの態様において、該システムはさらに安全ドアを含む。
【0012】
別の局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するための装置を提供し、該装置は、シリンジを受容するように構成されるそり;そりを第1の位置から第2の位置に動かすように構成される第1のモーター;駆動シャフト;および駆動シャフトの回転を引き起こすように構成される第2のモーターを含み、駆動シャフトの回転は、シリンジの内部体積を、注射可能で流動可能な冷スラリーに形成させる。
【0013】
いくつかの態様において、そりはさらに、シリンジを受容するように構成されるドックを含む。いくつかの態様において、そりは、フロントホルダーマウントおよびバックホルダーマウントを含み、フロントホルダーマウントは、シリンジを受容するように開放位置へと移動されるように構成される。いくつかの態様において、該装置はさらに、第1のモーターと連絡する1つ以上のプーリーを含み、1つ以上のプーリーは、そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される。
【0014】
別の局面において、本発明は、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換するための装置を提供し、該装置は、容器を受容するように構成されるマウント;駆動シャフト;および駆動シャフトと連絡するモーターを含み、該モーターは、駆動シャフトを回転させて、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように構成される。
【0015】
いくつかの態様において、該装置はさらに、マウントを第1の位置から第2の位置に動かすように構成される第2のモーターを含む。いくつかの態様において、容器はシリンジであり、シリンジはブレードシャフトを含む。いくつかの態様において、ブレードシャフトは、第2の差し込みコネクタと嵌合するように構成される第1の差し込みコネクタを含み、駆動シャフトは、第2の差し込みコネクタを含む。いくつかの態様において、該装置はさらに、第1のモーターと連絡する1つ以上のプーリーを含み、1つ以上のプーリーは、そりを第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される。いくつかの態様において、該装置はさらに1つ以上のレールを含み、マウントは、レールに沿って第1の位置から第2の位置へと移動するように構成される。
【0016】
一局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するためのシステムを提供し、該システムは、容器を受容するように構成されるハウジング;第1の回転磁石;および第1のモーターを含み、第1のモーターは、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように第1の回転磁石を回すように構成される。
【0017】
別の局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するための装置を提供し、該装置は、容器を受容するように構成されるハウジング;第1の回転磁石;および第1のモーターを含み、第1のモーターは、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように第1の回転磁石を回すように構成される。
【0018】
いくつかの態様において、容器はシリンジである。いくつかの態様において、容器はブレードおよび磁性構成要素を含む。いくつかの態様において、第1の回転磁石は、磁性構成要素を回転させるように構成される。いくつかの態様において、容器は複数のブレードを含む。いくつかの態様において、複数のブレードは、長中心シャフトに沿って配置される1つ以上のブレードの列を含み、長中心シャフトは、容器の内部に適合するように構成される。いくつかの態様において、長中心シャフトは複数の磁性構成要素を含む。いくつかの態様において、ブレードは「X」形状を含む。いくつかの態様において、該システムはさらに、少なくとも1つのバッテリーを保持するように構成される区画を含む。いくつかの態様において、ハウジングはディッシュアウト(dish outs)を有し、ディッシュアウトは、ユーザーがシリンジをハウジングから取り外すことを可能にするように構成される。いくつかの態様において、該システムはさらに、第2の回転磁石および第2のモーターを含む。いくつかの態様において、ハウジングはさらに、第1の回転磁石と第2の回転磁石の間の位置に容器を収容するように構成される。いくつかの態様において、ハウジングはさらに、第1のモーターと第2のモーターの間の位置に容器を受容するように構成される。
【0019】
別の局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するための装置を提供し、該装置は、ハウジング;第1の回転磁石;および第1のモーターを含み、第1のモーターは、第1の回転磁石を回して、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように構成される。
【0020】
いくつかの態様において、該装置は手持ちサイズである。いくつかの態様において、容器はシリンジである。いくつかの態様において、容器は、ブレードおよび磁性構成要素を含む。いくつかの態様において、第1の回転磁石は、磁性構成要素を撹拌するように構成される。いくつかの態様において、容器は複数のブレードを含む。
【0021】
別の局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するためのシステムを提供し、該システムは、容器を受容するように構成されるハウジング;磁性カップ;およびモーターを含み、モーターは、磁性カップを回して、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるように構成される。
【0022】
いくつかの態様において、該システムはさらに、リニアアクチュエータを含み、リニアアクチュエータは、モーターを直線の軸に沿って第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成される。いくつかの態様において、容器はシリンジである。いくつかの態様において、容器はブレードおよび磁性構成要素を含む。いくつかの態様において、磁性カップは、磁性構成要素を撹拌するように構成される。いくつかの態様において、容器は複数のブレードを含む。
【0023】
別の局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するための装置を提供し、該装置は、容器を受容するように構成されるハウジング、ここで該容器はローターを含む;および複数のステーターコイルを含み、該複数のステーターコイルは、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換させるようにローターを回すように構成される。
【0024】
いくつかの態様において、容器はシリンジである。いくつかの態様において、容器はブレードを含む。いくつかの態様において、ブレードはローターに取り付けられる。
【0025】
別の局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するように構成されたドッキングステーションの状態を決定するためのシステムを提供し、該システムは、プロセッサ;およびプロセッサ実行可能指示を記憶するメモリを含み、プロセッサ実行可能指示は、プロセッサにより実行される場合に、プロセッサに、ドッキングステーションが、操作的、非操作的または非ブロッキング問題(non-blocking issue)を有して操作的の1つであるかどうかを決定するように自己試験を行わせ;ドッキングステーションが操作的または非ブロッキング問題を有して操作的であると決定される場合に、該指示は、プロセッサに、ドッキングステーションの混合操作を開始させ、混合操作が成功であるかまたは失敗であるかを決定し;ドッキングステーションが非操作的であると決定される場合に、該指示は、プロセッサに、ドッキングステーションが非操作的であることをユーザーに通知する。
【0026】
別の局面において、本発明は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するように構成されるドッキングステーションの状態を決定するためのコンピューター読み取り可能指示を含む非一過的コンピューター読み取り可能記憶媒体を提供し、該指示は、プロセッサにより実行される場合に、プロセッサに、ドッキングステーションが操作的、非操作的または非ブロッキング問題を有して操作的の1つであるかどうかを決定するように自己試験を行わせ;ドッキングステーションが操作的または非ブロッキング問題を有して操作的であると決定される場合に、コンピューター読み取り可能指示は、プロセッサに、ドッキングステーションの混合操作を開始させ、混合操作が成功であるかまたは失敗であるかを決定させ;ドッキングステーションが非操作的であると決定される場合に、ドッキングステーションが非操作的であることをユーザーに通知する。
【0027】
いくつかの態様において、混合操作の成功はさらに、プロセッサに、シリンジが注射可能で流動可能な冷スラリーの患者への注射の準備ができていることをユーザーに示させる。いくつかの態様において、混合操作の失敗はさらに、プロセッサに、シリンジが、シリンジ内部含有物の患者への注射の準備ができていないことをユーザーに示させる。いくつかの態様において、自己試験は、ドアが閉じているかまたは開いているかを決定することを含み、ここでドアは、ドッキングステーションに障壁を提供するように構成される。いくつかの態様において、自己試験は、シリンジがドッキングステーションに存在するかどうかを決定することを含む。いくつかの態様において、自己試験は、ホルダーマウントを第1の位置から第2の位置に動かすことおよびモーターを回すことを含む。いくつかの態様において、自己試験は、PCB温度センサーの温度示度をチェックすることを含む。いくつかの態様において、混合操作は、シリンジがドッキングステーション内に存在することをプロセッサが決定する後に開始される。いくつかの態様において、混合操作の成功はさらに、プロセッサに、シリンジの内部体積の温度を測定させる。いくつかの態様において、シリンジの内部体積の温度が約-6.5℃より高い場合に、プロセッサ、プロセッサは、シリンジが間もなく期限切れになり得ることをユーザーに示す。いくつかの態様において、シリンジの内部体積の温度が約-6℃より高い場合に、プロセッサ、プロセッサは、シリンジの期限が切れたことをユーザーに示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図面の簡単な説明
以下の図は、本発明の例示的態様を示す。
【
図1】
図1は、液体の水、10%グリセリン体積/体積(v/v)を含む溶液および20%グリセリン(v/v)を含む溶液についての凝固点降下グラフを示す。
【
図2】
図2は、注射可能冷スラリーを形成し得る例示的生体材料の構成成分の体積および重量による分類(breakdown)を示す表である。
【
図3】
図3は、-5.5℃および-8.1℃の結晶化凝固(set)点を有する冷スラリー氷の含有量の特徴付けを示すグラフである。
【
図4】
図4は、シリンジの内部含有物および注射可能で流動可能な冷スラリーに変換される生体材料を含む補足シリンジを混合するように構成されるドッキングステーションの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、シリンジの内部含有物および注射可能で流動可能な冷スラリーに変換される生体材料を含むシリンジを混合するように構成されるドッキングステーションの前面正面図である。
【
図6】
図6は、
図5の線6-6に沿って得られる断面側面図であるが、シリンジはドッキングされた位置にある。
【
図7】
図7は、シリンジの内部含有物を混合するように構成されるドッキングステーションの一部およびドッキングされた位置におけるシリンジの一部の断片的な部分的に切り離された概略的前面図である。
【
図8】
図8は、開放および閉鎖位置のそれぞれにおいてフロントホルダーマウントを有する、シリンジの内部含有物を混合するように構成されるドッキングステーションおよびドッキングされた位置におけるシリンジを囲むハウジングの斜視図である。
【
図9】
図9は、開放および閉鎖位置のそれぞれにおいてフロントホルダーマウントを有する、シリンジの内部含有物を混合するように構成されるドッキングステーションおよびドッキングされた位置におけるシリンジを囲むハウジングの斜視図である。
【
図10】
図10は、ハウジングが取り外された、ドッキングステーション、マウントプレートおよびシリンジの内部含有物を混合するように構成される構成要素ならびにドッキングされた位置におけるシリンジの斜視図である。
【
図11】
図11は、ドッキングステーション、マウントプレートおよびシリンジの内部含有物を混合するように構成される
図10の構成要素ならびに充填の前、混合の前および混合の後のそれぞれの位置におけるシリンジの断面側面図である。
【
図12】
図12は、ドッキングステーション、マウントプレートおよびシリンジの内部含有物を混合するように構成される
図10の構成要素ならびに充填の前、混合の前および混合の後のそれぞれの位置におけるシリンジの断面側面図である。
【
図13】
図13は、ドッキングステーション、マウントプレートおよびシリンジの内部含有物を混合するように構成される
図10の構成要素ならびに充填の前、混合の前および混合の後のそれぞれの位置におけるシリンジの断面側面図である。
【
図14】
図14は、ドッキングステーション、マウントプレートおよびシリンジの内部含有物を混合するように構成される
図10~13の構成要素の分解斜視図である。
【
図15】
図15A~Cは、内部シリンジ含有物を混合するように構成される内部ブレードを有するシリンジの側面断面図である。
【
図16】
図16は、シリンジの内部含有物を混合するように構成される
図14のドッキングステーションおよび混合モードの間のシリンジの断片的な部分的に切り離された概略前面図である。
【
図17】
図17は、
図16と同様であるが、混合の完了後に取り外しの準備ができたシリンジを有する概略図である。
【
図18】
図18は、内部シリンジ含有物を混合するように構成される内部ブレードを有するシリンジの斜視図である。
【
図19】
図19は、シリンジ含有物が被験体に注射されるシリンジの断面側面図である。
【
図20】
図20A~Bは、磁気ドライブを使用してシリンジの内部含有物を混合するように構成されるドッキングステーションの斜視図である。
【
図21】
図21は、パッケージング有りおよび無しのそれぞれで示される、磁気ドライブを使用してシリンジの内部含有物を混合するように構成されるドッキングステーションの断面上面図である。
【
図23】
図23は、混合の完了後に取り外されたシリンジを示す、磁気ドライブを使用してシリンジの内部含有物を混合するように構成されるドッキングステーションの分解斜視図である。
【
図24】
図24は、混合の完了後にシリンジを通して患者に注射されるスラリーの断面の概略的側面図である。
【
図25】
図25は、内部磁性構成要素および外部回転磁石を有するシリンジバレルの断片的な部分的に切り離された斜視図である。
【
図26】
図26は、シリンジの内部含有物を混合するようにシリンジの内部に配置され得る十字形状の磁性構成要素の斜視図である。
【
図27】
図27は、環状部分、およびシリンジの内部含有物を混合するようにシリンジの内部に配置され得る「X」形状を形成する、直径に沿って伸長する2つの伸長部分を有する磁性構成要素の斜視図である。
【
図28】
図28は、シリンジの内部含有物を混合するようにシリンジの内部に配置され得る長いシャフトおよび4つのブレードを有する磁性構成要素の斜視図である。
【
図29】
図29は、手持ちサイズ磁気スターラーおよび内部磁性構成要素を有するシリンジの斜視図である。
【
図30】
図30は、磁気ドライブを使用してシリンジの内部含有物を混合するように構成されるドッキングステーションおよびシリンジの分解斜視図である。
【
図31】
図31は、その引き込まれた位置にリニアアクチュエータおよびドッキングされた位置にシリンジを有する、磁気ドライブを使用してシリンジの内部含有物を混合するように構成されるドッキングステーションの断面概略側面図である。
【
図32】
図32は、
図32と同様の断面概略側面図であるが、その伸長した位置のリニアアクチュエータおよびその内部含有物を混合するプロセスにおけるシリンジを有する。
【
図33】
図33は、シリンジバレルの内部に配置されるローターを有する、シリンジの内部含有物を混合するように構成されるインランナー(inrunner)ブラシレスモーターの断面概略前面図である。
【
図34】
図34は、シリンジバレルの内部に配置されるローターを有する、患者への投与のためにスラリーを分配するシリンジの断面側面図である。
【
図35】
図35は、スラリーを通過させるための流体経路を有するローターを示す、
図34の線35-55に沿って得られる断面平面図である。
【
図36】
図36は、シリンジプランジャーの内部に配置されるローターを有する、シリンジの内部含有物を混合するように構成されるインランナーブラシレスモーターの断面概略前面図である。
【
図37】
図37は、シリンジプランジャーの内部に配置されるローターを有する、患者への投与のためにスラリーを分配するシリンジの断面図である。
【
図38】
図38は、種々のデバイス操作状態および対応するLEDライト状態を示す操作フロー図である。
【
図39】
図39は、デバイス自己試験モードの間のデバイス操作工程および対応するLEDライト状態を示す操作フロー図である。
【
図40】
図40は、デバイス準備状態の間のデバイス操作工程および対応するLEDライト状態を示す操作フロー図である。
【
図41】
図41は、デバイス混合(mixing)/混合(blending)状態の間のデバイス操作工程および対応するLEDライト状態を示す操作フロー図である。
【
図42】
図42は、混合/混合操作成功後および混合/混合操作失敗後のデバイス操作工程ならびに対応するLEDライト状態を示す操作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
本開示は、注射可能生物学的材料、例えば冷スラリーの調製の装置、デバイス、システムおよび方法に関する。本開示は、ケアの臨床点での患者への投与のための注射可能で流動可能な冷スラリーを形成するための結晶を有する溶液の混合を可能にする装置、デバイス、システムおよび方法を提供する。本開示は、生体材料を予め充填され得、生体材料が容器に充填された後で滅菌され得、容器の滅菌性を損なうことなくケアの点に輸送され得る容器、例えばシリンジを提供する。次いで、容器内部の生体材料は、ケアの点で注射可能で流動可能な冷スラリーに変換され得る。生体材料は、シリンジを0℃以下(sub-0°C)の温度に供して、容器の内部に提供される物理的構成要素を操作することにより注射可能で流動可能な冷スラリーに変換され得る。容器の内部の物理的構成要素は、容器と共に輸送される構成要素、容器が輸送される輸送器(shipping vessel)の一部である構成要素、またはケアの点で保管される構成要素を使用して操作され得、それらのいずれかは手持ちサイズ構成要素であり得る。そのため、いくつかの態様において、生体材料は、その滅菌性を損なうことなくまたは滅菌性を保持するための任意の過剰な工程をケアの点が受けることを必要とすることなく、ケアの点で注射可能で流動可能な冷スラリーに変換され得る。
【0030】
いくつかの態様において、生体材料は、その全体において本明細書に援用される米国出願第15/505,042号(公開番号US2017/0274011)に開示されるように、予防、治療または美容目的で、注射によりヒト患者または被験体(例えば患者ではないヒトまたは非ヒト動物)の組織に直接送達され得る冷スラリー(例えばアイススラリー)である。注射可能スラリーは、選択的または非選択的寒冷療法または冷凍融解に使用され得る。いくつかの態様において、治療的に有効な注射可能スラリーは、全体的に、水および非活性賦形剤材料で構成される。他の態様において、スラリーはさらに、公知の活性医薬化合物を含む。
【0031】
いくつかの態様において、生体材料を含むシリンジは、ケアの臨床点で受容される。生体材料は、結晶化された(または部分的に結晶化された)状態で受容され得るかまたは水性状態で受容され得る。生体材料を有するシリンジは、例えばシリンジを冷凍庫に配置して結晶化された(または部分的に結晶化された)組成物を形成することにより冷却され得る。
【0032】
いくつかの態様において、生体材料を含むシリンジは、結晶化されたまたは部分的に結晶化された組成物を流動可能で注射可能な冷スラリーに変換するために適合される。シリンジは、その内部体積内に、ブレード、磁石または内部シリンジ含有物を撹拌し得る他の構成要素の1つ以上を含み得る。シリンジは、外部装置、例えばケアの点で利用可能である(または受容される)ドッキングステーションと相互作用するように構成される。シリンジは、ドッキングステーションなどの外部装置と相互作用して、外部装置が粉末供給源を使用して作動される場合に、内部シリンジ含有物が撹拌(例えば混合)されて、結晶化された内部含有物をバラバラにして、特定のパーセンテージの氷粒子を有する注射可能で流動可能な冷スラリーを形成する。例えば、ドッキングステーション内の駆動シャフトは、シリンジのプランジャーの内部のブレードシャフトと連結され得、混合は、ドッキングステーション内に配置されるモーターにより実行される。モーターは、駆動シャフトおよびブレードシャフトを回転させて、シリンジボディ部内に配置されるブレードの回転により注射可能で流動可能な冷スラリーを作製させる。いくつかの態様において、シリンジは、その内部体積内のブレードに連結され得る磁石を含み、これは、回転磁石を有するドッキングステーションと相互作用する場合に、内部シリンジ含有物を回転させ、その混合を引き起こすように適合される。電源は、ドッキングステーション上の回転磁石を作動し、該磁石は順に、シリンジ内部の磁石の回転を引き起こし、注射可能で流動可能な冷スラリーを形成する。いくつかの態様において、シリンジは、そのバレル内に磁石を有し、該磁石は、スピン磁石を有する外部の手持ちサイズ構成要素に応答して回転する。いくつかの態様において、シリンジおよびドッキングステーションはブラシレスモーターを形成し、シリンジは、その内部体積内に、シリンジの外部のコイルが電源を用いて作動される場合にその内部含有物を撹拌(または混合)するように回転するローター(磁石を有する)を有する。いくつかの態様において、ドッキングステーション(またはドッキングステーションの外部にあるハウジングまたは手持ちサイズ構成要素)は、ドッキングステーションおよびシリンジの操作状態および安全パラメーターを示すための1つ以上のライト(例えばLEDライト)を有する。
【0033】
いくつかの態様において、注射によりヒト患者または被験体(例えば患者ではないヒトまたは非ヒト動物)に投与される最終生成物は、水の滅菌氷粒子および変動量の賦形剤または添加剤、例えば凝固点降下剤で構成される冷スラリーである。例えば、冷スラリー中の氷粒子のパーセンテージは、スラリーの約10重量%未満、約10重量%~約20重量%、約20重量%~約30重量%、約30重量%~約40重量%、約40重量%~約60重量%、約60重量%より高い等を構成し得る。氷粒子のサイズは、米国出願第15/505,042号(公開番号US2017/0274011)に記載され、本明細書に援用されるように、種々のサイズの容器(vessel)(約7~約43のニードルゲージサイズ)を通る流動性を可能にするように制御される。さらに、種々のサイズの容器を通る流動性を可能にするように、氷粒子のサイズを条件づけるために他の方法が使用され得る。いくつかの態様において、氷粒子の大部分は、注射に使用される管腔または容器の内径の約半分未満である直径を有する。例えば氷粒子は、3mmのカテーテルを用いた使用のために直径約1.5mm未満であり得る。
【0034】
冷スラリーを形成し得る溶液を調製するために使用され得る種々の技術がある。本開示は、任意の特定の方法または技術に限定されない。
【0035】
いくつかの態様において、1つ以上の賦形剤がスラリーに含まれ得る。賦形剤は、それ自体が治療剤ではなく、被験体もしくは患者への治療剤の送達のための希釈剤、アジュバントおよび/またはビヒクル、および/またはその取扱い、安定性もしくは保存特性を向上するために組成物に添加される物質として使用される任意の物質である。賦形剤は、スラリーの約10%体積/体積(v/v)未満、スラリーの約10%v/v~約20%v/v、約20%v/v~約30%v/v、約30%v/v~40%v/vおよび約40%v/vより高くを構成し得る。種々の添加される賦形剤は、スラリーの相変化温度を変化させる(例えば凝固点を低減する)、スラリーの氷パーセンテージを変化させる、スラリーの粘度を変化させる、氷粒子の凝集を防ぐ、樹状の氷形成(すなわち雪片に見られるものなどの複数に分岐した「樹様」の形態を有する結晶)を防ぐ、氷粒子を分離したままに維持する、流体相の熱伝導性を増加させる、または注射可能スラリーの全体的な予防、治療もしくは美容効力を向上させるために使用され得る。
【0036】
1つ以上の凝固点降下剤は、0℃未満の凝固点を有するスラリーを形成するための賦形剤として添加され得る。スラリーの凝固点を降下することにより、有効なパーセンテージの氷粒子をなお含みながら、それが流動性を維持し、注射可能なままであることを可能にする。適切な凝固点降下剤としては、塩(例えば塩化ナトリウム、ベタデックススルホブチルエーテルナトリウム)、イオン、乳酸加リンガー溶液、糖(例えばグルコース、ソルビトール、マンニトール、ヘタスターチ、スクロース、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリンまたはそれらの組合せ)、グリセロール(グリセリン(glycerin)またはグリセリン(glycerine)としても公知)などの生体適合性界面活性剤、他のポリオール(例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール)、他の糖アルコールまたは尿素等が挙げられる。他の例示的な凝固点降下剤は、米国出願第15/505,042号(公開番号US2017/0274011)に開示され、それらの全体において本明細書に援用される。
【0037】
凝固点降下剤の濃度は、スラリーの氷粒子パーセンテージならびにその流動性および注射可能性を決定する。凝固点降下の程度は、本明細書に援用される米国出願第15/505,042号(公開番号US2017/0274011)に記載される以下の式:
ΔTF = KFbi
を使用して計算され得、式中ΔTFは、凝固点降下(TF(純粋溶媒) - TF(溶液)により定義される)であり、KFは凝固点降下定数であり、bは重量モル濃度であり、iは、溶質の個々の分子当たりのイオン粒子の数を示すファント・ホフ係数である。米国出願第15/505,042号(公開番号US2017/0274011)に開示される凝固点降下を計算する他の方法も使用され得る。
【0038】
図1を参照すると、純水T1、水と10%(v/v)グリセリンの混合物T2および水と20%(v/v)グリセリンの混合物T3についての凝固点降下グラフが示される。このグラフにおいて、全ての物質は、-20℃の一定温度を有する冷凍庫に配置された。温度はそれぞれの物質に配置した温度計を使用して測定された。グラフは、水とグリセリンの混合物が、純水のものとは異なる凝固点を有することを示し、これは溶液が0℃未満まで冷却され得、部分的のみに結晶化され得ることを意味する。グラフは、冷却により純水T1が0℃の平衡凝固点で結晶化することを示す。これは、純水T1が約-6℃で過冷却点を通過した直後に開始する、約1.3時間から約4.4時間まで純水が約0℃の温度のままである時間により示される。結晶化の平衡窓(すなわち
図1の純水T1の「平坦な線」の部分)を有することは、純粋な溶媒について典型的である。10%グリセリン溶液T2について、冷却により、溶液は約2.2時間後の約-3℃の最初の凝固点で結晶化を開始し、約6時間後に溶液の温度が約-8℃までさらに低下するにつれて、結晶化は継続する。最初の結晶化は、10%グリセリン溶液T2が、約2.2時間に示される約-8℃での過冷却点(試料ごとに例えば変化し得る約-15℃~約-3℃の間の過冷却点)を通過する直後に起こる。10%グリセリン溶液T2について結晶化の下降温度窓を有することは、溶液(すなわち不純混合物)について典型的である。同様に、20%グリセリン溶液T3について、冷却により、溶液は、約3.5時間後に約-7℃の最初の凝固点(試料ごとに例えば約-25℃~約-5℃の間で変化し得る最初の過冷却点後)で結晶化を開始し、溶液の温度が約6時間後に約-11℃までさらに低下し、その後6.5時間過ぎで低下し続けるにつれて結晶化は継続する。最初の結晶化は、20%グリセリン溶液T3が約3.5時間で示される約-14℃の過冷却点を通過する直後に起こる。10%グリセリン溶液T2についての追跡と同様に、20%グリセリン溶液T3についての結晶化の低下温度窓は、溶液について典型的である。
【0039】
図2を参照すると、このチャートは、スラリーを形成し得る例示的な生体材料の構成成分を示す。このチャートは、例示的な生体材料についての氷のパーセンテージが特定の温度について計算され得ることを示す。例示的なスラリーは、-10℃で30質量%の氷(重量/重量;w/w)を含む。例示的なスラリーは、80mLの食塩水(0.9% NaCl)および20mLのグリセロール(すなわちグリセリン)を有する。重量で、かかるスラリーは、約79.6gの純水、約0.72gの塩化ナトリウムおよび約25.2gのグリセロール(約20%v/v)を有する。他の態様において、スラリーは、グリセロール対食塩水の相対的な体積を調整することにより、より高いまたはより低いパーセンテージのグリセロールを含み得た。例えば、他の適切なスラリーは、約10%グリセロール(v/v)、約10%~約20%グリセロール、約30%グリセロールまたは約30%より高いグリセロールを含む。活性医薬化合物がスラリーに添加される場合、食塩水の濃度は、グリセロールなどの賦形剤の所望の濃度を維持するように調整され得る。氷のパーセンテージは、生体材料の組成に応じて変化する。
【0040】
図3を参照すると、異なるスラリー組成物(バッチ)は、それらの温度プロフィールおよび氷含有量に関して特徴付けられる。異なるスラリーバッチは、40℃に加熱され、スラリーの経時的な温度変化を測定する熱電対ワイヤを有する銅プレートに配置された。プロットされたデータは、3つの異なるスラリーバッチについての経時的な温度変化を示す。温度は、銅プレート内部(トレースA
C、B
CおよびC
C)およびプレートの外部に曝露される銅プレートの中間(トレースA
M、B
MおよびC
M)に埋め込まれるそれぞれのスラリーについて2つの異なる位置で測定される。温度トレースは、3つの別々に作製されたスラリーバッチを示し:15%グリセリンを有するスラリー組成物(-8.1℃の温度凝固点を有する)は、トレースA
CおよびA
Mにより表され、両方が10%グリセリンを有する2つの異なるスラリーバッチ(-5.5℃の温度凝固点を有する)は、トレースB
CおよびB
M、ならびにトレースC
CおよびC
Mにより表される。スラリーバッチが銅プレートに最初に導入される場合、プレート内部に埋め込まれる熱電対ワイヤ(トレースA
C、B
CおよびC
C)は最初に加熱されたプレートの温かい温度(例えば時点0でトレースA
Cについて31℃)を測定し、次いで導入されるスラリーの冷却効果のためにより低い温度(例えば約2分でトレースA
Cについて22℃)で平衡に達する。一方で、プレートの中間に配置される熱電対ワイヤについて、スラリーが銅プレートに最初に導入される場合、該ワイヤは曝露されるので、スラリーは熱電対ワイヤにすぐに接触する。これは、ワイヤに接触する結晶化されたスラリーのために、最初に中間の位置の負の温度示度(例えば時点0でトレースA
Mについて-5℃)、次いでスラリーが加熱されたプレート上で溶解を開始する際により温かい温度(例えば約4分でトレースA
Mについて18℃)で平衡を生じる。プレートの外側に曝露される熱電対ワイヤ(トレースA
M、B
MおよびC
M)は、結晶化されたスラリーが溶融を開始する間に相転移を検出するために使用され得る。グラフは、10%グリセリンを有する2つのスラリー組成物が、同様の時点(トレースB
Mについて約4分でおよびトレースC
Mについて約2.7分で)それらの相転移に達し、これは15%グリセリンスラリーについての相転移とは異なる(相転移はトレースA
Mについて約0.2分で生じる)ことを示す。グラフはまた、同じ組成(10%グリセリン:トレースB
CおよびB
MならびにトレースC
CおよびC
M)を有する2つのスラリーバッチが(2つの熱電対ワイヤ位置で測定される場合に)、熱電対の位置(中間/底部)に応じて、同様の時間枠において約15℃~19℃の同様の温度で平衡に達することを示す。一方で、異なる組成(15%グリセリン:トレースA
CおよびA
M)を有するスラリーは、他の2つとは異なる温度プロフィールを有し、熱電対の位置(中間/底部)に応じて、約19℃~22℃の温度でより速く平衡に達する。そのため、
図3は、異なる組成のスラリーが異なる温度プロフィールを有し、同じ組成を有するスラリーにわたりバッチ対バッチの一貫性が存在することを示す(例えばB
CおよびB
Mで表されるスラリーならびにC
CおよびC
Mで表されるスラリーは、A
CおよびA
Mで表されるスラリーのものとは異なる同様の温度プロフィールを有する)。
【0041】
生体材料を含むシリンジは、内部シリンジ含有物の部分的または完全な結晶化を生じるために温度変化を経験し得(例えば冷凍庫に配置されることによる)、次いでこれは、混合/混合に供されて流動可能で注射可能なスラリーを形成し得る。
図4を参照すると、ドッキングステーション403およびシリンジ内の生体材料を混合するために使用され得る内部構成要素を含むシリンジ400の分解斜視図が示される。示されるシリンジ400は、内部ブレード402を含むプランジャー401を有する。ドッキングステーション403は、シリンジを受け入れ、シリンジの内部体積を混合して注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するように構成される。そり404は、上ドック407および下ドック408を有し、それぞれはシリンジ400を保持するように構成される半円形切抜きスロットを含む。上ドック407内のスロットは、プランジャー401を定位置に保持するように構成され、下ドック408内のスロットは、シリンジ400のバレルフランジを保持するように構成される。そり404は代替的に、磁気的連結によるなど当該技術分野で公知の種々の機構または機械的適合の他の方法(例えば密な適合ヒンジを有する場所への噛み合い(snap)または構成要素の手動の開放および閉鎖)によりシリンジを保持するように適合され得る。そのためシリンジ400は、
図4に示されるように、上ドック407および下ドック408内のスロットへの適合によりそり404と相互作用するように構成される。代替的に、シリンジは、パッケージングの内部に配置され得るかまたはパッケージグ内のケアの点で受容され得、パッケージング自体がそり404と連結することを可能にする内蔵の特徴を有する(例えばパッケージングは、そり404の上ドック407および下ドック408と相互作用するように構成され得る;示さず)。ドッキングステーション403のレール405は、そり404がドッキングステーション403の静止位置(
図4に示される)から嵌合される位置へと移動されることを可能にするように適合され、シリンジは、フロントチャンバー406内の位置にロックされ、ドッキングステーション403がシリンジ400の含有物の混合を開始することを可能にする。ドッキングステーション403はまた、内部混合構成要素を囲むハウジング411を含む。ドッキングステーション403は、混合速度、電力、モード、残存時間、スラリー温度等の種々の操作設定およびモードを視覚的に表示し得るコントロールパネル409を有する。コントロールパネル409はまた、ユーザーが操作設定/モードを変更することを可能にするボタンまたはタッチスクリーンを含み得る。代替的に、設定/モードはまた、リモートコントロールなどの当該技術分野で公知の任意の方法を使用して変更され得る。
【0042】
ドッキングステーション403は、当該技術分野で公知の任意の方法により電力源に連結され得る。例えば、ドッキングステーション403は、電力コード410を介した壁のコンセント電力源へのドッキングステーション403の連結を可能にするコード差し込み末端を有し得る。ドッキングステーション403は、AC電力、DC電力およびそれらの組合せを使用して作動するように構成され得る。壁で供給される電力とは代替的にまたはそれに加えて、ドッキングステーション403は、1つ、2つ、3つ以上のバッテリーを保持し得る内部バッテリー区画を有し得る。3LR12、D、C、AA、AAA、AAAA、A23、PP3、CR2032、LR44電池等の任意の標準バッテリーサイズが本開示により使用され得る。また、鉛酸、リチウムイオン、リチウムポリマー、ニッケル水素、ニッケルカドミウム等の任意の標準バッテリー型が本開示により使用され得る。
【0043】
図5は、そり404に載せられているシリンジ400(プランジャー401およびブレード402を有する)を示すドッキングステーション403(
図4に示される)の前面正面図を示す。そり404の上ドック407内のスロットは、プランジャー401を定位置に保持するように構成され、下ドック408内のスロットは、シリンジ400のバレルフランジを保持するように構成される。シリンジ400が定位置に固定されると、レール405は、そり404を上方に動かし、シリンジ400がハウジング411内のフロントチャンバー406内の内部に配置される混合構成要素500(以下により詳細に記載される)と嵌合することを可能にし、これは、シリンジの内部含有物の混合を可能にする。コントロールパネル409は、種々の混合操作設定およびモードを視覚的に表示する。
【0044】
図6を参照すると、シリンジ400(プランジャー401およびブレード402を有する)がそり404に載せられたドッキングステーション403の断面側面図が図示される。そり404は、ドッキングステーション403のバックチャンバー600内に配置される従動部アーム601に連結される。従動部アーム601は、親ねじ駆動アセンブリ602と嵌合することにより、そり404がレール405の上および下に移動することを可能にする。親ねじ駆動アセンブリ602は次いで、バックチャンバー600の底部分に配置される下部ブラシレスDCモーター603により駆動される。そり404がレール405に沿ってその最も上の位置に移動されると、シリンジ400は、フロントチャンバー406(ハウジング411内)内に配置される混合構成要素500と嵌合する準備ができる。混合構成要素500は、上部ブラシレスDCモーター604および駆動シャフト605で構成される。駆動シャフト605の底部分は、以下により詳細に記載されるように、プランジャー401によりシリンジ400と嵌合して、シリンジの内部含有物の混合を可能にするオス差し込みコネクタ606を含む。
【0045】
図7は、シリンジ400がドッキングしたドッキングステーション403の一部の断片的な部分的に切り離された前面図を示す。そり404は、示されるようにシリンジ400をレール405に沿って上方に動かし、駆動シャフト605(フロントチャンバー406に配置される)の末端上のオス差し込みコネクタ606が、ブレードシャフト701(プランジャー401内に配置される)の上部のメス差し込みコネクタ700と連結することを可能にする。駆動シャフト605がブレードシャフト701と嵌合すると、混合または混合が開始されて、シリンジ400の内部体積を注射可能で流動可能なスラリーに変換し得る。
【0046】
図8および9はそれぞれ、ハウジング802内に配置されるドッキングステーション803の斜視図である。ハウジング802は、開放および閉鎖位置を有する安全ドア801を有する。安全ドア801は、ドアハンドル808を使用して開放および閉鎖され得る。
図8は、開放安全ドア801を有するハウジング802を示す。
図9は、閉鎖安全ドア801を有するハウジング802を示す。ドッキングステーション803は、ユーザーが、フロントホルダーマウント805をバックホルダーマウント806から解放することを可能にするハンドル部分804を有する。ドッキングステーション803はまた、シリンジ400を受容するように構成されるドック807を有する。操作において、ユーザーは、ドアハンドル808を使用して安全ドア801を開き、ハンドル部分804を、バックホルダーマウント806から離れる方向に引き、フロントホルダーマウント805を、ユーザーに向かう角度で下げる。次いでユーザーは、シリンジ400をドック807に挿入する。次いでユーザーは、フロントホルダーマウント805をバックチャンバー806に向かって押し、2つのホルダーマウント(フロントホルダーマウント805およびバックホルダーマウント806)を再嵌合(例えばロック)させ得るか、またはユーザーはハンドル部分804を使用して、フロントホルダーマウント805を、バックホルダーマウント806の方向に動かして、2つのホルダーマウントを再嵌合させ得る。次いで、ユーザーは、混合/混合を開始する前に
図9に示されるように安全ドア801を閉じる。ドッキングステーション803の混合行為は、安全ドア801またはハウジング802上に配置されるLEDスクリーン(示さず)を使用して作動させられ得る。LEDスクリーンは、ユーザーが(例えばタッチスクリーンを介して)オン/オフ、混合速度、混合時間および/または最終的な所望のスラリー粘稠度などを選択する、種々の操作選択を有し得る。LEDスクリーン(または安全ドア801またはハウジング802)はまた、シリンジおよびドッキングステーションの操作状態を示すLEDライトを有し得る(例えば
図38~41参照)。
【0047】
図10は、ドッキングステーション803、マウントプレート1002およびベースプレート1000の斜視図を示す。バックホルダーマウント806はマウントプレート1002に固定される。マウントプレート1002は、水平プレートであるベースプレート1000に固定される垂直マウントプレートである。
図10に示される構成要素は、ハウジング(示さず;ハウジング802の例について
図8および9参照)内に配置され得る。ドッキングステーション803のフロントホルダーマウント805は、ユーザーがフロントホルダーマウント805をバックホルダーマウント806から解放することを可能にするハンドル部分804を有する。ドッキングステーション803はまた、シリンジ400を受容するように構成されるドック807を有する。積載(mounting)ブロック1001はマウントプレート1002に固定され、駆動シャフト605を保持するように構成される。駆動シャフト605の底部分は、プランジャー401のブレードシャフト701上のメス差し込みコネクタ700と嵌合して、スピンドルプーリー1003およびスピンドルベルト1108(以下により詳細に記載される)を介してドッキングステーションの混合機能を作動させるように構成されるオス差し込みコネクタ606を含む。
【0048】
図11~13は、ドッキングステーション803、マウントプレート1002、ベースプレート1000およびシリンジの内部含有物の混合を駆動する種々の構成要素の断面側面図を示す。
図11は、その下方(例えば開放および/または非ロック)の位置にフロントホルダーマウント805を有するドック807内のシリンジ400を示す。下方の位置は、ドック807がシリンジ400を受容することを可能にする。
図12および13は、その上方(例えば閉鎖および/またはロック)の位置にフロントホルダーマウント805を有するドック807内のシリンジ400を示す。
図11~13を参照すると、ブラシレスDCモーター1101は、ヘリカルシャフト1103およびウォーム1102の上に配置される。ウォーム1102はウォームギヤ1104と嵌合する。ウォームギヤ1104は、下部タイミングプーリー1106と軸方向に連結する。下部タイミングプーリー1106は、ステッパーベルト1107を介して上部タイミングプーリー1105と相互作用するように構成される。作動する場合、ブラシレスDCモーター1101はシャフト1103を介してウォーム1102を回転させる(
図12参照)。ウォーム1102の回転により、ウォームギヤ1104の回転が生じる。ウォームギヤ1104の回転は次いで、下部タイミングプーリー1106および上部タイミングプーリー1105の回転を生じる。下部タイミングプーリー1106および上部タイミングプーリー1105の回転は、バックホルダーマウント806(そりとも称され得る)がレール1109に沿ってスピンドルモーター1100に向かって上方に移動するようにステッパーベルト1107を動かす。バックホルダーマウント806(またはそり)のスピンドルモーター1100に向かう移動は、駆動シャフト605の下部分上のオス差し込みコネクタ606が、シリンジ400のプランジャー401内に配置されるブレードシャフト701の上部分のメス差し込みコネクタ700と連結することを可能にする。積載ブロック1001はマウントプレート1002に固定され、駆動シャフト605を保持するように構成される。ブレードシャフト701および駆動シャフト605が嵌合すると(
図12参照)、ドッキングステーションの混合機能は、スピンドルモーター1100を作動させることにより開始され得る。スピンドルモーター1100は、スピンドルベルト1108を介して駆動シャフト605に取り付けられるスピンドルプーリー1003の回転を生じるように回転する。スピンドルプーリー1003が回転し、それにより駆動シャフト605の回転が生じて、ブレードシャフト701および取り付けられるブレード402を介したシリンジ400の内部含有物の混合が開始される。混合が完了すると、バックホルダーマウント806(またはそり)はレール1109に沿ってスピンドルモーター1100から離れて下方に移動し、駆動シャフト605の下部分のオス差し込みコネクタ606を、ブレードシャフト701の上部分のメス差し込みコネクタ700から解放する。次いで、ユーザーは、フロントホルダーマウント805を、その下方(例えば開放および/または非ロック)の位置(
図11参照)に戻して配置し得、標的位置での患者への注射の準備ができた冷スラリーを有するシリンジ400を回収し得る。
【0049】
図14は、ドッキングステーション803、マウントプレート1002、ベースプレート1000および内部シリンジ含有物の混合を駆動する種々の構成要素の分解斜視図である。ベースプレート1000は、ドッキングステーション803(例えばバックホルダーマウント806)、マウントプレート1002およびウォーム1102の種々の構成要素を保持するように構成される。バックホルダーマウント806は、複数の小ねじ1400によりマウントプレート1002に固定される。フロントホルダーマウント805は、複数のねじ1400によりバックホルダーマウント806に固定される。さらに、2つの段付きねじ1401は、フロントホルダーマウント805が、閉鎖(またはロック)位置(
図12参照)から開放(または非ロック)位置(
図11参照)へと水平軸の周りに回転的に旋回することを可能にする。ユーザーは、ハンドル部分804を使用して、フロントホルダーマウント805を、閉鎖位置から開放位置までおよび開放位置から閉鎖位置まで移動させ得る。ブラシレスDCモーター1101は、ヘリカルシャフト1103およびウォーム1102の上に配置される。ウォーム1102はウォームギヤ1104に嵌合する。ウォームギヤ1104は、下タイミングプーリー1106に軸方向に連結される。下タイミングプーリー1106は、タイミングベルト1107を介して上タイミングプーリー1105と相互作用するように構成される。作動する場合、ブラシレスDCモーター1101は、シャフト1103を介してウォーム1102を回転させる。ウォーム1102の回転は、ウォームギヤ1104の回転を生じる。次いでウォームギヤ1104の回転は、下部タイミングプーリー1106および上部タイミングプーリー1105の回転を生じる。下部タイミングプーリー1106および上部タイミングプーリー1105の回転は、バックホルダーマウント806(そりとも称され得る)が、レール1109に沿ってスピンドルモーター1100に向かって上方に移動するように、タイミングベルト1107を移動させる。バックホルダーマウント806(またはそり)のスピンドルモーター1100に向かう移動は、駆動シャフト605の下部分上のオス差し込みコネクタ606が、シリンジ400(示さず、
図11~13参照)のプランジャー401内に配置されるブレードシャフト701の上部分のメス差し込みコネクタ700(示さず、
図11~13参照)と連結することを可能にする。積載ブロック1001はマウントプレート1002に固定され、駆動シャフト605を保持するように構成される。ブレードシャフト701および駆動シャフト605が嵌合すると(
図13参照)、ドッキングステーションの混合機能は、スピンドルモーター1100を作動させることにより開始され得る。スピンドルモーター1100は、スピンドルベルト1108を介して駆動シャフト605に取り付けられるスピンドルプーリー1003の回転を生じるように回転する。スピンドルプーリー1003が回転し、それにより駆動シャフト605の回転が生じて、ブレードシャフト701および取り付けられたブレード402(示さず、
図11~13参照)を介したシリンジ400の内部含有物の混合を開始させる。
【0050】
図15A~Cは、ドッキングステーション(示さず)と嵌合して、注射可能冷スラリーを作製するための混合を生じるように適合されるシリンジを示す。
図15Aは、プランジャー401内に配置されるメス差し込みコネクタ700を示すシリンジを示す。オス差し込みコネクタ606は、メス差し込みコネクタ700(
図7参照)と相互作用して、ブレードシャフト701および取り付けられたブレード402を回転させ、そのためにシリンジの内部含有物の混合を生じるように構成される。滅菌性シール1500は、シリンジバレル1501内部の内部シリンジ環境の滅菌性を維持する。そのため、注射可能で流動可能な冷スラリーに変換される組成物は、シリンジをケアの点に輸送する前に、シリンジの内部に配置され得、滅菌性は、注射可能で流動可能な冷スラリーの輸送および調製にわたり維持される。滅菌性シール1500は、アルミニウム、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ポリビニリデン(polyvinylidine)、ナイロン、金属化フィルム、エチレンビニルアルコール、エチレンアクリル酸およびそれらの組合せなどの当該技術分野で公知の任意の適切な材料で構成され得る。
図15Aは、前混合領域1502および混合領域1503を示す。
図15Aにおいて、ブレードシャフト701に取り付けられるブレード402は、前混合領域1502に配置される。
図15Bおよび15Cは、混合領域1503に進んだブレード402を示し、これは、シリンジ400が、混合目的で作動されたドッキングステーションと嵌合する場合に生じる。シリンジ400は、プランジャー401内に配置されるブレードシャフト701上のメス差し込みコネクタ700を有し、これは、駆動シャフト605(
図7参照)の底部に配置されるオス差し込みコネクタ606と嵌合するように適合される。駆動シャフト605は、ドッキングステーション(示さず)の一部である。オスおよびメス差し込みコネクタの使用は例示的であり、電気的伝導のために構成要素を連結する任意の公知の方法を使用して、シリンジと外部ドッキングステーションを連結し得る。
【0051】
ブレード402が混合領域1503に進む場合、
図15Bに示されるように、ドッキングステーションによりまたはそれを介して供給される作動電力源は、ブレードが回転して、内部シリンジ400含有物の混合を生じ、スラリー1504を作製することを可能にする。ブレード402は、溶液の混合を生じて、注射可能冷スラリーを形成するのに適した任意の速度、例えば1,000~5,000RPM、5,000~10,000RPM、10,000~15,000RPM、15,000~20,000RPM、20,000~25,000RPM、25,000~30,000RPMまたは30,000RPMより速い速度で回転し得る。内部シリンジ含有物の状態がより結晶化される(すなわち凍結される)ほど、注射可能冷スラリーを形成するために必要とされる混合速度はより速くなる。ドッキングステーションはまた、複数のブレード回転速度を有する種々の設定を提供するように適合され得る。混合が完了して、シリンジ400がドッキングステーションから解放される後、プランジャー401は、
図15Cに示されるように混合領域1503に進められる。これは、スラリー1504を、シリンジ先端1505を通ってシリンジニードル1506内および外に移動させ、ブレード402は、混合領域1503に配置されたままである。プランジャー401は、標的位置で患者に冷スラリーを注射する目的で、混合領域1503内に進められる。
【0052】
ブレード402は、ブレードシャフト701に沿った4つのブレードの列で構成されるように示され、シリンジの長手部分に沿った列内に構成され、それぞれの列の水平面に2つのブレードを有する。しかしながら、1列のブレード、2列のブレード、3列のブレードまたは3より多くの列のブレードなどの任意の数のブレードの列が本開示により使用され得る。全ブレード区画のシリンジの長手軸に沿った間隔(プランジャー長さを考慮することなく)が全シリンジ長さの約10%未満、全シリンジ長さの約10%~20%、全シリンジ長さの約20%~30%または全シリンジ長さの約30%より大きい長さを含み得るように、ブレードの列の間の任意の間隔が使用され得る。さらに、1ブレード、2ブレード(例えば
図15A~Cに示される)、3ブレードまた3より多くのブレードなど、それぞれの列のシリンジの水平面に、任意の数のブレードが整列され得る。ブレードはまた、当該技術分野で公知の任意の形状および任意の鋭さレベルで構成され得る。所定のシリンジ内の全てのブレードは、同じサイズで構成され得るか、または1サイズより多くで構成され得る(例えば、
図15A~Cは、より短い長さを有する4つのブレードの2つを示す)。ブレード402は、ブレードが回転している場合などにブレードがシリンジの壁と接触しないように、シリンジ内に配置されるように構成される。いくつかの態様において、混合中の振動を最小化するように、およびブレード402がシリンジの壁と接触することを防ぐように、遠位ブレード1801(
図18参照)がさらに含まれ得る。
【0053】
図16は、シリンジ400がドッキングして混合の準備ができたドッキングステーション803およびマウントプレート1002の一部の断片的な部分的に切り離された図を示す。バックホルダーマウント806および積載ブロック1001(駆動シャフト605を保持する)はマウントプレート1002に固定される。一態様において、バックホルダーマウント806(またはそり404、例えば
図4参照)は、駆動シャフト605に向かって上方に移動し、スピンドルモーター1100は回転を開始し、スピンドルプーリー1003の回転を生じ、これは次いで、スピンドルベルト1108を移動させる。スピンドルプーリー1003の回転は、駆動シャフト605(スピンドルベルト1108を介した)の回転を生じる。回転速度は、滑らかな嵌合を確実にし、(駆動シャフト605の)オス差し込みコネクタ606と(ブレードシャフト701の)メス差し込みコネクタ700のロックを確保する。駆動シャフト605は、ビームカップリング、ベローズカップリング、ディスクカップリング、ダイアフラムカップリング、クランプカップリング、ギヤカップリング、ブッシュ・ピン(bushed pin)カップリング、弾性カップリング、エラストマーカップリング、フレキシブルカップリング、ガイスリンガーカップリング、オルダムカップリング、磁気カップリング、グリッドカップリング、等速(constant velocity)カップリング、ドーナツカップリング、ハースジョイントカップリング、スリーブカップリング、テーパードシャフトロック(tapered shaft lock)カップリング、ツインスプリングカップリング、ラグジョイントカップリング、ユニバーサルジョイントカップリング等の当該技術分野で公知の種々の可能なシャフト連結によりブレードシャフト701に連結され得る。かかる連結が確立されると、(駆動シャフト605に連結される)ブレードシャフト701は、前混合領域1502からシリンジバレル1501内部の混合領域1503へと下げられる。ここでスピンドルモーター1100は、駆動シャフト605の回転を生じるために最大速度(またはより低い利用可能な速度選択肢)での操作の準備ができており、これは次いで、所望の粘稠性のスラリー1504の作製のためにブレード402の回転を生じる。本明細書に記載される任意の態様において、上部ブラシレスDCモーター604(
図6参照)は、シリンジ400の含有物の混合をもたらす駆動シャフト605の回転を実行するために、スピンドルモーター1100の代わりに使用され得る。
【0054】
図17は、シリンジ400を取り外す準備ができたドッキングステーション803、マウントプレート1002およびベースプレート1000の位置を示す。混合が完了すると、スピンドルモーター1100は、スピンドルプーリー1003の回転を停止し、これは順に、スピンドルベルト1108の動きを止め、駆動シャフト605はもはや回転しない。これに、混合方向とは逆の回転方向のスピンドルモーター1100の低速の回転が続き、これは順に、スピンドルプーリー1003をゆっくり回転させ、スピンドルベルト1108を、混合の方向とは逆の方向に移動させる。これは、オス差し込みコネクタ606のメス差し込みコネクタ700からの解放を生じるために、駆動シャフト605を、混合方向から逆の回転方向にも回転させる。代替的に、(積載ブロック1001に保持される)駆動シャフト605は、レール1109(またはレール405、
図6参照)に沿って移動するバックホルダーマウント806(またはそり404、
図6参照)の下降と同時に、逆方向に回転され得る。解放の後、駆動シャフト605はもはやブレードシャフト701に連結しない。バックホルダーマウント806(またはそり404、
図6参照)は次いで、その準備のできた位置へと完全に降下され、フロントホルダーマウント805は、スラリー1504の使用のためにドッキングステーション803からのシリンジ400の取り外しのために開放され得る(
図11参照)。
【0055】
ドッキングステーション803は、当該技術分野で公知の任意の方法により電力源に連結され得る。例えばドッキングステーション803は、ドッキングステーション803の、電力コードを介した壁のコンセント電源への連結を可能にするコード差し込み末端を有し得る。ハウジング802(
図8および9参照)は、電力源コードがドッキングステーション803から壁のコンセントへと延びることを可能にするために、電力源コードのための開口を有し得る。ドッキングステーション803は、AC電力、DC電力およびそれらの組合せを使用して作動するように構成され得る。壁の供給される電力とは代替的にまたはそれに加えて、ドッキングステーション803は、1、2、3またはそれ以上のバッテリーを保持し得る内部バッテリー区画を有し得る。3LR12、D、C、AA、AAA、AAAA、A23、PP3、CR2032、LR44電池等の任意の標準バッテリーサイズが本開示により使用され得る。また、鉛酸、リチウムイオン、リチウムポリマー、ニッケル水素、ニッケルカドミウム等の任意の標準バッテリー型が本開示により使用され得る。
【0056】
図18は、プランジャー401、ブレードシャフト701(メス差し込みコネクタ700を含む)およびブレード402を有するシリンジ400の斜視図である。ブレード402は、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するための適切なフローおよび断片(chop)を生じるように設計される。いくつかの態様において、ブレード402は、
図18に示されるように、シリンジの中心長手軸の周囲の異なる点で方向づけられるブレードの整列のために、結晶化された溶液を同時に有効に断片化しながら、有意なフローを生じ得る(例えば2つのブレードの一組は、東-西に方向づけられ、2つのブレードの異なる組は、北-南に方向づけられ;2つの列は、他の2つの列から90°の角度をなしている)。ブレード402の1つ以上の前縁は、鋭くなるように構成される。いくつかの態様において、シリンジ400はまた、遠位ブレード1801を含む。遠位ブレード1801は、第2のベアリング表面を提供して、混合中のブレードシャフト701の回転の特定の周波数により生じる共鳴の影響を防ぐかまたは低減することにより、追加された安定性を提供する。過剰な振動は、自然の周波数変化のために生じ得、ブレードシャフト701は、ドッキングステーションの駆動シャフトと嵌合する場合(例えば、
図16参照)、混合中に垂直に上下に動く。遠位ブレード1801はまた、遠位端でシリンジ400の含有物の混合を可能にするスロットを有する。いくつかの態様において、遠位ブレード1801はまた、シリンジ400の内部体積内の粒状物の生成を防ぐために、滑らかな材料(例えば滑らかな金属)で形成される。いくつかの態様において、シリンジ400はまた、プランジャー401の末端に追加の圧力を提供して、シリンジ400の先端を通る冷スラリーの排出を容易にするOリング1800を有する。
【0057】
プランジャー401は、ブレードシャフト701を受容するように適合された部分的に中空の内部を有し得る。さらに、プランジャー401は、プランジャー401が(シリンジ400の先端に向かって)押し下げられる場合に、ブレード402がプランジャー401の中空部分に十分に引っ込むように、中空で、長手方向に十分に長くあり得る。これは、シリンジ400から排出されるシリンジの内部体積(例えば冷スラリー)の実質的なパーセンテージを見込む。いくつかの態様において、プランジャー401がシリンジ400の先端に向かって最大まで押される場合、シリンジ400の内部の約60%~約70%、約70%~80%または約80%より多くの冷スラリーが排出され得る。いくつかの態様において、プランジャー401がシリンジ400の先端に向かって最大まで押される場合、遠位ブレード1801は、Oリング1800と接触して嵌合し、Oリング1800は、遠位ブレード1800を保持するための圧力を提供する。これは、ブレード402および遠位ブレード1801と共にプランジャー401が引き込まれる(すなわちシリンジ400の先端から離れて上方に移動される)ことを可能にする。そのため、プランジャー401がその最大の位置まで十分に押し下げられる場合、プランジャー401は、遠位ブレード1801と嵌合し、次いでユーザーが、プランジャー401をブレードシャフト701(ブレード402および遠位ブレード1801が取り付けられる)と共に引き込む(シリンジ先端から離れて上方に移動する)ことを可能にする。しかしながら、内部シリンジ体積の混合中、プランジャー401は、固定された垂直位置に保たれ(例えば
図16参照)、これは駆動シャフト(例えば
図16参照、駆動シャフト605)が、ブレードシャフト701(およびそのためにブレード402および遠位ブレード1801)をプランジャー401とは独立して長手方向に(垂直に)上下に動かすことを可能にする。
【0058】
ブレード402、遠位ブレード1801およびOリング1800は、
図18に示されるように、シリンジ400のバレル内に密封され得、シリンジ400は、全体として(
図18に示されるようにその構成成分の全てと共に)滅菌されて、シリンジ400の滅菌障壁が壊れることを防ぎ得る。シリンジ400はまた、滅菌障壁内のシリンジ400の内部構成要素(例えばブレード402、遠位ブレード1801およびOリング1800)を密封する滅菌性シール(
図15A~C参照、滅菌性シール1500)を含み得る。いくつかの態様において、シリンジ400は、それぞれの患者についてのシリンジ400の滅菌性を維持するための単回使用の後、使い捨てである。
【0059】
図19は、患者1900における使用の準備ができたスラリー1504を含む、混合が完了する後のシリンジ400を示す。プランジャー401は、(例えば親指、異なる指でまたは医療デバイスで)押され、これはスラリー1504の患者1900への注射を生じる。いくつかの態様において、ドッキングステーションからの取り外し後、シリンジ400は、融解、さらなる凍結、手動の振盪、磁気撹拌等の注射の前の注射可能スラリーを調製するための他の技術に供される。いくつかの態様において、ブレード402は、注射のためにプランジャー401を下げる間に前混合領域1502から混合領域1503に下げられる。いくつかの態様において、特定のパーセンテージのスラリー1504は、注射の後シリンジバレルの内部に残る(例えばスラリーの約10%未満、スラリーの約10%~20%またはスラリーの20%より多く)。
【0060】
図4~19をまとめて参照すると、いくつかの態様において、結晶化(すなわち凍結)された内部溶液を有するシリンジ400は、最初にドッキングステーションのそり404(またはバックホルダーマウント806)に固定される。そり404(またはバックホルダーマウント806)は、レール405(またはレール1109)に沿って、シリンジ400を保有する上部ブラシレスDCモーター604(またはスピンドルモーター1100)に向かって上方に移動する。駆動シャフト605は、上部ブラシレスDCモーター604を介して(またはスピンドルモーター1100を介して)ゆっくり回転されて、そのオス差し込みコネクタ606とブレードシャフト701のメス差し込みコネクタ700を嵌合させる。駆動シャフト605およびブレードシャフト701が連結されると、ブレードシャフト605に取り付けられるブレード402は、前混合領域1502から混合領域1503に進められる。上部ブラシレスDCモーター604(またはスピンドルモーター1100)は、駆動シャフト605およびブレードシャフト701の回転を生じ、次いでブレード402の回転を生じる。ブレード402は、高い速度(例えば約15,000RPM)で回転して内部シリンジ400含有物を混合し、注射可能冷スラリーを形成する。混合が完了する後、上部ブラシレスDCモーター604(またはスピンドルモーター1100)は、混合方向とは反対の方向にゆっくり回転を開始し、駆動シャフト605のオス差し込みコネクタ606のブレードシャフト701のメス差し込みコネクタ700からの解放を生じる。次いでそり404(またはバックホルダーマウント806)は、レール405(またはレール1109)に沿ってその嵌合位置からその静止位置まで下方に移動される。シリンジ400は、そり404(またはバックホルダーマウント806)から取り外されて、使用の準備ができる。次いでプランジャー401は、前混合領域1502まで進められて、シリンジ先端からのスラリー1504の排出を生じ、ブレード402は混合領域1503に配置されたままである。プランジャー401は、標的位置で患者に冷スラリーを注射する目的で混合領域1503まで進められる。
【0061】
別の態様において、混合機構は、1つ以上の磁性構成要素を使用して、磁気カップリングにより駆動され得る。
図20Aおよび20Bは、混合を実行するためにシリンジ2104がドッキングステーション2000のハウジング2001の内部に配置されるドッキングステーション2000を示す。プランジャー2002は、ハウジング2001の外部に配置されるように示され、シリンジバレル(示される図には見られない)はドッキングステーション2000内に配置される。コントロールパネル2003は、混合速度、電力、モード、残存時間、スラリー温度等の種々の操作設定およびモードを視覚的に表示する。コントロールパネル2003はまた、ユーザーが操作設定/モードを変更することを可能にするボタンまたはタッチスクリーンを含み得る。代替的に、設定/モードはまた、リモートコントロールなどの当該技術分野で公知の任意の方法を使用して変更され得る。
図20Bは、ヒトが、シリンジを容易に挿入し、シリンジバレルフランジを掴むことによりドッキングステーション2000からシリンジを取り外すことを可能にするディッシュアウト2004を示す。
【0062】
図21を参照すると、シリンジ2104がその押し付けられていない状態でプランジャー2002と共に定位置に固定された、ドッキングステーション2000(ハウジング2001を含む)の断面図が示される。ドッキングステーション2000は、磁性構成要素2101を駆動する回転磁石2100を含む。磁性構成要素2101は、シリンジ2104内に配置される。2つの磁性構成要素2101が示されるが、1、2、3または3より多くの磁性構成要素などの任意の数の磁性構成要素が本開示により使用され得る。回転磁石2100はモーター2102により駆動される。モーター2102は次いで、1、2、3またはそれ以上のバッテリーを保持し得る内部バッテリー区画2103により電力供給され得る。3LR12、D、C、AA、AAA、AAAA、A23、PP3、CR2032、LR44電池等の任意の標準バッテリーサイズが本開示により使用され得る。また、鉛酸、リチウムイオン、リチウムポリマー、ニッケル水素、ニッケルカドミウム等の任意の標準バッテリー型が本開示により使用され得る。代替的に、ドッキングステーション2000は、当該技術分野で公知の任意の方法により電力源に連結され得る。例えば、ドッキングステーション2000は、電力コードを介したドッキングステーション2000の壁のコンセント電力源への接続を可能にするコード差し込み末端を有し得る。ドッキングステーション2000は、AC電力、DC電力およびそれらの組合せを使用して作動するように構成され得る。ドッキングステーション2000はまた、電磁気により(例えば本明細書に記載されるブラシレスモーターを使用して)、磁性構成要素2101を駆動し得る。
【0063】
図22は、回転磁石2100がシリンジ2104の外部のモーター2102により駆動され、磁性構成要素2101がブレード2202を含むシリンジ2104の内部に配置されるドッキングステーション2000(ハウジング2001を有する)の断面図を示す。
図23は、混合の完了後にドッキングステーション2000(ハウジング2001およびディッシュアウト2004を有する)から取り外されるシリンジ2104(プランジャー2002を有する)を示す。
図24は、プランジャー2002がシリンジ先端へと進められ、スラリー溶液が患者に注射されるシリンジ2104を示す。磁性構成要素2101は、プランジャー2002がその最も進められた位置にある場合に、シリンジ2104の(pf)先端の近くのシリンジバレルの底部分の方に押される。いくつかの態様において、注射の後、特定のパーセンテージのスラリーがシリンジバレル内部に残る(例えばスラリーの約10%未満、スラリーの約10%~20%またはスラリーの20%より多く)。
【0064】
磁性構成要素の種々の設計および構成が、混合を実行するためにシリンジの内部にあり得る。磁性構成要素は、全体的に磁気材料で構成され得るか、または非磁性ブレードに連結された磁石などの磁性および非磁性構成要素の組合せで構成され得る。
図25は、ドッキングステーション(示さず)の一部である磁性構成要素2101および回転磁石2100を有するシリンジバレル2500の断面図を図示する。磁性構成要素2101は、複数の磁気ブレード2202が環状パターンで整列される環状磁気周囲で構成される。回転磁石2100の回転は、磁性構成要素2101の回転を生じ、これはシリンジバレル2500の内部のスラリーの作製を生じる。
図26は、磁性構成要素2101がブレード2202に連結されるた十字形状を形成する4つの伸長したブレードで形成される代替的な磁石設計を示す。
図27は、環状フレームおよび2つの引き延ばされた部分が「X」形状を形成する直径に沿って伸長する磁性構成要素2101を示す。
図28は、非磁性ブレード2202のいくつかの列を有する磁性構成要素2101および長中心シャフトを有する磁気構成を示す。磁性構成要素の他の形状および構成は、星、球、正方形または任意の他の形状のように形作られた磁石を含み得る。
【0065】
図29を参照すると、磁気ドライブ混合機構の代替的な態様が示される。手持ちサイズ磁気スターラー2900は、シリンジ2104のボディ部に向かって伸長する回転磁石2901を有する。回転磁石2901は、シリンジ2104の内部の磁性構成要素2101が撹拌されるように回転し、これは順に、内部シリンジ含有物を混合して冷スラリーを形成する。手持ちサイズ磁気スターラー2900は、当該技術分野で公知の任意の方法により電力源に連結され得る。例えば、手持ちサイズ磁気スターラー2900は、電力コードを介した手持ちサイズ磁気スターラー2900の壁のコンセント電力源への連結を可能にするコード差し込み末端を有し得る。手持ちサイズ磁気スターラー2900は、AC電力、DC電力およびそれらの組合せを使用して作動するように構成され得る。壁で供給される電力とは代替的にまたはそれに加えて、手持ちサイズ磁気スターラー2900は、1、2、3またはそれ以上のバッテリーを保持し得る内部バッテリー区画を有し得る。本明細書において以前に記載される任意の標準バッテリーサイズまたは型が本開示により使用され得る。
【0066】
図30を参照すると、シリンジ2104を受容するように構成されるドック3001を有するドッキングステーション3000を示す磁気ドライブ混合システムの別の態様が示される。ドッキングステーション3000は、混合速度、電力、モード、残存時間、スラリー温度等の種々の作動設定およびモードを視覚的に表示し得るコントロールパネル3002を有し得る。コントロールパネル3002はまた、ユーザーが作動設定/モードを変更することを可能にするためのボタンまたはタッチスクリーンを含み得る。代替的に、設定/モードはまた、リモートコントロールなどの当該技術分野で公知の任意の方法を使用して変更され得る。ドッキングステーション3000は、当該技術分野で公知の任意の方法により電力源に連結され得る。例えば、ドッキングステーション3000は、電力コード3003を介したドッキングステーション3000の壁のコンセント電力源への連結を可能にするコード差し込み末端を有し得る。ドッキングステーション3000は、AC電力、DC電力およびそれらの組合せを使用して作動するように構成され得る。壁の供給電力とは代替的にまたはそれに加えて、ドッキングステーション3000は、1、2、3またはそれ以上のバッテリーを保持し得る内部バッテリー区画を有し得る。本明細書に記載される任意の標準バッテリーサイズが本開示により使用され得る。
【0067】
図31および32を参照すると、シリンジ2104がドック3001に配置されたドッキングステーション3000の断面概略図が図示される。シリンジ2104の一部は磁性カップ3100内にあり、これは次いでモーター3101の頂部にある。ドッキングステーション3000の混合機能が開始される場合、モーター3101は磁性カップ3100を回転させ、これは磁性カップ3100内部の回転磁石2100の回転を生じ、次いでシリンジ2104の内部に配置される磁性構成要素2101と嵌合し、そのためにシリンジ2104の内部含有物の混合を実行する。いくつかの態様において、混合中、リニアアクチュエータ3102は、直線の動きで伸長して引っ込み、そり3103をガイドレール3104の上および下に動かし、これは次いでモーター3101および磁性カップ3100をシリンジ2104の長手軸に沿って移動させ、シリンジ2104含有物のより均質な混合を可能にする。リニアアクチュエータ3102により引き起こされる磁性カップ3100の直線の移動は、モーター3101により引き起こされる磁性カップ3100の回転の動きと連結され得る。代替的に、直線および回転の動きは、混合にわたり別々にまたは種々の組合せ/サイクルで実行され得る。
図31は、その最も引っ込んだ位置におけるリニアアクチュエータ3102を示し、
図32は、その最も伸長した/上方の位置におけるリニアアクチュエータ3102を示す。リニアアクチュエータ3102は、任意の所定の混合エピソード中の複数のサイクルの間に引き込みおよび伸長のサイクルにより前進し得る。
【0068】
磁性構成要素は、内部シリンジ含有物の滅菌性を維持する様式でシリンジ内に一体化され得る。磁性構成要素は、プランジャーの底部分、シリンジバレルの内部壁、シリンジ先端の近くのシリンジバレルの遠位部分等に固定され得る。例えば、ブレードを含む磁性構成要素は、ブレードが水平面において唯一回転することが可能になるように、垂直面に固定され得る。磁性構成要素は、当該技術分野で公知の任意の技術を使用して、例えば磁気テープを使用することによりシリンジバレルの内部に固定され得る。代替的に、磁性構成要素は、接着なしでシリンジボディ部の内部に配置され得るので、磁気ドライブは、磁性構成要素を、内部シリンジ空間内でおよび内部シリンジ含有物を通って自由に移動させる。別の態様において、磁性構成要素は、最初にシリンジ内の位置に固定され得、磁気ドライブの作動は、磁性構成要素のその固定された位置からの解離を生じる力を生じ得、混合中の磁性構成要素の自由な移動を可能にする。所望の冷スラリー粘稠性を達成するために、異なるサイズ、形状および構成の磁性構成要素が使用され得る。
【0069】
別の態様において、内部シリンジ含有物の混合は、電磁気を使用して実行され得る。
図33を参照すると、シリンジ3301を受容するように構成されるブラシレスモーター3300の断面図が示される。ブラシレスモーター3300は、ステーターコイル3302がハウジング3303の内部に配置されたインランナーである。ステーターコイル3302は、シリンジバレル3305の内部に配置されるローター3304の外側にある。ローター3304は、北極および南極を有する磁石(示さず)を有する。ブラシレスモーター3300は、本明細書に記載されるような当該技術分野で公知の任意の方法を使用して電力源に連結される。電力源を使用してブラシレスモーター3300が作動される場合、電気はステーターコイル3302を通って流れてこれを励起し、これは順に、磁石を含むローター3304を回転させる。ローター3304の回転は、ブレード3306を回転させて、シリンジ3301の内部に配置される溶液を混合して冷スラリー3307を作製する。
【0070】
図34は、プランジャー3400がシリンジ3301の先端に向かって進んで患者への投与のために冷スラリー3307を排出するシリンジ3301の断面側面図を示す。プランジャー3400がシリンジ3301の先端に向かって進む場合、ブレード3306は、シリンジ先端のすぐ上に配置されるローター3304に向かって移動する。ローター3304は、活発な混合の間に(
図33参照)および
図34に示されるように患者への投与のためのスラリーの放出の間に、シリンジ3301の長手軸に沿って静止している。
図35は、磁石3500を有するローター3304の断面平面図を示す。冷スラリーがシリンジから排出される場合(
図34参照)、冷スラリーは、ローター3304内の流体経路3502を通過する。
【0071】
ブラシレスモーターの代替的な態様において、ローターは、シリンジプランジャーの内部に配置され得る。
図36を参照すると、シリンジ3600の断面概略前面図は、ブラシレスモーター3601のハウジング3602の内部に示される。ブラシレスモーター3601は、プランジャー3604の内部に配置されるローター3603およびハウジング3602内に配置されるステーターコイル3605を含むインランナーである。ローター3603は、北極および南極を有する磁石(示さず)を有する。ブラシレスモーター3601は、本明細書に記載されるように当該技術分野で公知の任意の方法を使用して電力源に連結される。電力源を使用してブラシレスモーター3601が作動される場合、電気は、ステーターコイル3605を通って流れてそれを励起し、これは順に、磁石を含むローター3603を回転させる。ローター3603の回転は、ブレード3606を回転させ、シリンジ3600の内部に配置される溶液を混合して冷スラリー3607を作製する。
【0072】
図37は、プランジャー3604がシリンジ3600の先端に向かって進められ、患者への投与のために冷スラリー3607を排出するシリンジ3600の断面側面図を示す。プランジャー3604がシリンジ3600の先端に向かって進められるにつれて、ブレード3606は、シリンジ先端のすぐ上に配置されるローター3603に向かって移動する。ローター3603は、活発な混合の間(
図36参照)および
図37に示されるような患者への投与のためのスラリーの排出の間に、シリンジ3600の長手軸に沿って静止している。
【0073】
いくつかの態様において、注射可能で流動可能な冷スラリーを作製するために、1つのフィルターまたは複数のフィルターが本開示により使用され得る。かかる態様において、内部フィルターを含むシリンジは最初に冷却に供され、内部シリンジ含有物を少なくとも部分的に結晶化する。次いでシリンジは、上記の混合方法の1つ以上に供され、冷スラリーを作製する。シリンジのプランジャーが進められる場合、冷スラリーは、内部シリンジフィルターを通過して、冷スラリーをより流動可能で注射可能な形態にする。いくつかの態様において、シリンジは、シリンジ先端のすぐ上の内部シリンジ空間内に配置されるプラスチックメッシュまたは金属メッシュフィルターを含む。プランジャーがシリンジ先端に向かって進められる場合、冷スラリーは、フィルターを通過し、これは、シリンジ先端でシリンジに連結されるニードルを通る氷粒子が詰まることを防ぐために使用され得る。シリンジボディ部の内部空間内のどこかに1つ以上のフィルターが配置され得るので、プランジャーが進められる場合、冷スラリーはフィルター(1つまたは複数)を突き抜ける。フィルターは、特定のサイズ未満の氷粒子のみがフィルターを通過して、ニードルから排出され得ることを確実にするために使用され得る。フィルターは、約0.5~1.5mmの直径より小さい、約1.5mmの直径~2.5mmの直径より小さい、約2.5mm~3.5mmの直径より小さいまたは約3.5mmの直径より小さい氷粒子の通過を可能にするのに適した種々の孔径を有するメッシュで構成され得る。フィルターは、メッシュまたは泡で構成され得、金属および金属合金(例えば鋼鉄、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、真鍮、銅)、繊維ガラス、プラスチックおよびポリマー(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、PTFE、ナイロン、エラストマー)、天然繊維等の当該技術分野で公知の任意の適切な材料で作製され得る。
【0074】
図38~41を参照すると、本開示のドッキングステーションおよび対応するLED状態の異なる操作状態を示す操作フロー図が示される。操作は、装置/デバイス自体内に配置されるおよび/またはデバイスとは別におよび当該技術分野で公知の任意の通信ネットワーク、例えばイントラネット、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスファイディティー(wireless fidelity)(WiFi)ネットワーク、セルラーネットワーク等によりデバイスと連絡して配置される1つのプロセッサまたは複数のプロセッサを含むシステムにより制御され得る。操作フローは、デバイス(例えばドッキングステーション403、803、2000または3000)上のスイッチがオンになる(「パワーオン」)場合に開始する。デバイスは、デバイスの任意の部分に配置され、操作中にユーザーに見える1つ以上のLEDライトを有する。デバイスの操作中に種々の色のLEDライトに参照がなされるが、
図38~41に関して議論される色の代わりに任意の色が使用され得る。
図38を参照すると、工程381で、システムは、自己試験の間にデバイスが作動的であり、LEDライトが白色でパルスを発するかどうかを決定するための自己試験を開始する。この工程での決定出力は、デバイスが作動的であるか、非ブロッキング問題を有して作動的であるかまたは作動的でないかである。自己試験段階の後、これら3つの状態のどれが検出されるかに応じて、以下により詳細に記載されるように異なる作動フローパスが続く。
【0075】
工程381で、システムが、デバイスが作動的であることを決定する場合、作動フローは工程382に移動し、この間に、LEDライトは、準備ができた状態を示す一様な(sold)緑色に変わる。デバイスが非ブロッキング問題を有して作動的である場合(工程381)、LEDライトは、琥珀色で素早く2回明滅してユーザーに非ブロッキング問題があることを知らせ、次いで工程382で準備ができた状態に移動する。非ブロッキング問題は、デバイスの混合/混合操作に影響しない、デバイスにより検出される問題である。非ブロッキング問題の例は、SDカードが存在しないことを検出することおよびプリント回路基板(PCB)温度センサーの間の不一致を含む。1つ以上のPCB温度センサーは、ドッキングステーションの主要制御回路基板が過熱しているかどうかを検出するために使用され得る。いくつかの態様において、過熱が検出される(例えば1つ以上のPCB温度センサーが40℃を超えるなどの所定の閾値を超える温度を検出する)場合、ドッキングステーションへの電力は自動的に遮断され、主要制御回路基板への損傷を防ぐ。主要制御回路基板は、ドッキングステーション内またはその外側のどこか(例えば
図14のブラシレスDCモーターの後ろ;主要制御回路基板は示さず)に配置され得る。主要制御回路基板上の2つのPCB温度センサーが互いの約5℃以上の温度示度の不一致を示す場合、非ブロッキング問題が検出される。
【0076】
デバイスが操作的でない場合(工程381で)、LEDライトは、混合/混合操作を開始するためにシリンジを挿入できないことを示す琥珀色でパルスを発する。この点で、いくつかの態様において、ユーザーは、デバイスの安全ドアを開閉して、デバイスの操作フロー状態を工程381に戻し得、これは自己試験の間に再度開始し得る(LEDは白色のパルスを発する)。デバイスに安全ドアがない場合、ユーザーは、デバイスのボタンを押し、デバイス操作フロー状態を工程381に戻し得る。工程381で、デバイスが操作的であるかまたは非ブロッキング問題を有して操作的であると決定される場合、操作フローは工程382に移動する。
【0077】
382で、LEDライトが、準備状態であることを示す一様な緑色である場合、シリンジは、デバイスのシリンジドックに挿入され得る。いくつかの態様において、ユーザーは、シリンジを挿入した後および次の工程を続ける前に安全ドアを閉じなければならない(例えば安全ドア801、
図8および9参照)。(例えばデバイス上のセンサーを使用して)システムがシリンジの存在を決定し、およびいくつかの態様において安全ドアが閉じられることも決定すると、操作フローは工程383に続く。工程383で、デバイスの混合操作はシリンジの含有物を注射可能冷/アイススラリーに変換するように開始され、LEDライトは、混合または混合操作の間に青色でパルスを発する(パルスは遅くあり得るかまたは速くあり得る)。混合または混合操作が完了する場合、混合または混合操作が成功であったかまたは失敗であったかが決定される。混合または混合操作が成功であった場合、LEDライトは成功であることを示すように緑色で明滅する。混合または混合の成功または失敗は、(限定されないが)スラリーの温度(例えばドッキングステーションに配置される赤外センサーで測定される)、モーターにより達成される検出される最大RPM、PCB温度センサー上の示度、所定の混合速度で達成される混合時間等の1つ以上の要因に基づいて決定され得る。LEDライトが混合または混合の成功を示す緑色を明滅すると、ユーザーは、シリンジをデバイスから取り外し、注射可能で流動可能な冷スラリーは、標的位置で患者に注射される準備ができる。シリンジがデバイスから成功裡に取り外される後、操作フローは工程382で準備状態に戻り、その間にLEDライトは一様な緑色である。この点で、新たなシリンジがドッキングステーションに挿入され得、操作フローは再度、以前に記載されるように工程383に続き得る。デバイスが、シリンジが所定の時間(例えば1分、2分、3分、4分、5分または5分より長く)デバイスから取り外されていないことを検知する場合、LEDライトは、琥珀色で明滅して、操作は工程384に移動し、その間にLEDライトは一様な琥珀色になり、シリンジを廃棄するべきであり、スラリーが利用可能な状態にないことを示す。いくつかの態様において、シリンジは、廃棄される必要がなく、その代わりにドッキングステーションから取り外されて、別の混合操作を開始することを試みる前に再凍結に供され得る。代替的に、工程383で混合失敗が検出される場合(例えば上記の混合成功/失敗要因に基づいて)、操作フローは工程384に移動する。
【0078】
失敗が検出される場合、操作は工程384に移動し、その間にLEDライトは一様な琥珀色になり、シリンジを廃棄(または取り外しおよび再凍結)するべきであり、スラリーが利用可能な状態にないことを示す。工程384で、ユーザーは、シリンジをデバイスから取り外さなければならない。シリンジが取り外されると、デバイスが操作的であるか操作的ではないかについて決定がなされる。デバイスが操作的である場合、操作フローは工程382に移動し、その間にLEDライトは一様な緑色であり、デバイスが混合の準備状態にあることを示し、操作フロー工程は、以前に記載されるように(例えば工程383に移動する等)、工程382から継続する。工程384で、シリンジの取り外しの後、デバイスが操作的でないと決定される場合、LEDライトは琥珀色でパルスを発して、デバイスが準備状態にないことを示し、混合または混合は起こり得ない。この際に、いくつかの態様において、ユーザーは、安全ドアを開放し得、安全ドアを閉じ得、これは操作フローを工程381へと逆に移動させ、この間に、自己試験は再度開始され、LEDライトは白色でパルスを発する。工程381から、操作フローは、上記のように(例えば工程382に移動する)再度始まり得る。
【0079】
図39は、
図38に関して上記されるように、工程381でのデバイスの自己試験状態の間に起こる操作フロー工程を示す。デバイスがパワーオンになると、操作フローは工程381に移動し、その間にLEDライトは、白色でパルスを発し、デバイスが操作的であるか、非ブロッキング問題を有して操作的であるかまたは操作的ではないかを決定するように自己試験が開始される。安全ドア(例えば
図8および9参照)を有する態様において、自己試験は工程391で開始し、その間にデバイス上のセンサーは、安全ドアが閉じているかどうかを検出し得る。ドアが閉じている場合、ドアを自動的にロックするようにデバイスに信号が送信され、次いで操作フローは工程392に移動する。ドアが閉じていないことが検出される場合、ドアを非ロックするようにデバイスに信号が送信され、工程390でドアが閉じているかどうかを決定するための別の評価がなされ、その間にデバイス上のLEDライトは琥珀色でパルスを発する。ドアが閉じていると決定される場合、ドアをロックするように信号が送信され、操作フローは工程392に進む。工程392で、システムは、安全ドアがロックされるかどうかを決定する。安全ドアがロックされないことが決定される場合、システムは、安全ドアを自動的に非ロックするように信号を送信し、操作フローは工程390に移動し、その間に、システムは、ドアが閉じているかどうかを再度チェックする(次いで操作フローは、上述のように工程391および/または392に移動し得る)。ドアが閉じていると決定される場合、操作フローは工程393に移動する。工程393で、システムは、(例えばシリンジがドッキングされるかどうかを決定するためのセンサーを使用して)シリンジがデバイス内の適切な位置にあるかどうかを決定する。シリンジが存在する場合、シリンジを解放し、そり/ホルダーマウントをその最も低い位置に移動させる(例えばそり404、
図6参照またはバックホルダーマウント806、
図13参照)ようにデバイスに信号を送信し、その後安全ドアを非ロックし、操作的工程390に移動し、ドアが閉じているかどうかを再度決定する(次いで操作フローは、上述のように工程391および/または392に移動し得る)。工程393にあるシリンジは、シリンジがデバイスの以前の操作からちょうどよい時に取り外されなかったことを示唆し、シリンジを廃棄する必要がある可能性がある。シリンジが存在しないことが決定される場合、そりおよびホルダーマウントの垂直移動、1つ以上のモーターの嵌合を生じるための信号を送信すること、ならびにPCB温度センサーから温度示度を得ることを含み得るドッキングステーションの操作の試験が開始される。
【0080】
次に操作フローは工程394に移動し、その間にシステムは、デバイスが操作的であるか、非ブロッキング問題を有して操作的であるかまたは操作的ではないかを決定する。決定は、そり/ホルダーマウントの移動について十分な垂直範囲の移動が達成されたかどうか、モーターについて十分な範囲のRPM値が達成されたかどうか、シリンジ温度センサー(例えば赤外センサー)が温度示度を得ることができたかどうか、PCB温度センサー(例えば熱センサー)が機能的であるかどうかおよび/または2つ以上のPCB温度センサーの間の温度示度の間に不一致があるかどうか、ならびにSDカードが存在しておよび/または機能的であるかどうかなどの1つ以上の要因に基づく。PCBチェックおよびSDカードチェックも、自己試験(工程381)の全体の間の任意の時間に実行され得る。工程394で、上述の要因(または任意の他の要因)の1つ以上に基づいて、デバイスが操作的であることが決定される場合、LEDライトは一様な緑色になり、デバイスは使用の準備できていることを示す。工程394でこれらの要因の1つ以上に基づいてデバイスが操作的ではないことが決定される場合、シリンジを解放し、そり/ホルダーマウントをその最も低い位置に移動させる(例えばそり404、
図6参照またはバックホルダーマウント806、
図13参照)ような信号がデバイスに送信され、その後安全ドアが非ロックされ、ドアが閉じているかどうかを再度決定するための操作工程390に移動する(次いで操作フローは、上述のように工程391および/または392に移動し得る)。工程390で、LEDは琥珀色でパルスを発し、デバイスは使用の準備ができていないことを示す。工程394で上述の要因(または任意の他の要因)の1つ以上に基づいてデバイスが非ブロッキング問題を有して操作的であることが決定される場合、LEDライトは琥珀色で2回明滅し、ユーザーに1つ以上の非ブロッキング問題があり得ることを警告し、次いで一様な緑色に変わり、デバイスの準備状態を示す。非ブロッキング問題の例は、SDカードが存在しないことを検出することおよびPCB温度センサーの間の不一致を含む。LEDライトが一様な緑色である場合、操作フローは、
図38に関して記載されるように工程382に移動する。
【0081】
図40を参照すると、準備状態操作フロー工程382(
図38から)がより詳細に記載される。本明細書に記載されるように、システムの操作フローは、デバイスが操作的であるか、非ブロッキング問題を有して操作的であるかまたは操作的ではないかを決定するための自己試験(その間にLEDは白色でパルスを発する)を有する工程381で始まる。デバイスが非ブロッキング問題を有して操作的であると決定される場合、LEDは、琥珀色で2回パルスを発し、次いで一様な緑色になる。デバイスが操作的であることが決定される場合、LEDは、中間の琥珀色の明滅なしで一様な緑色になる。一様な緑色のLEDの色は、操作フロー工程382に対応するシステムの準備状態を示す。工程382で、システムは、(安全ドアを有する態様において)安全ドアを非ロックするような信号をデバイスに送信する。次いでユーザーは、シリンジを、シリンジを保持するように構成されるドックに挿入するなど、シリンジを、適切な位置でデバイス内に配置する。工程385で、システムは、(安全ドアを有する態様において)安全ドアが閉じているかどうかを決定し、システムは、(例えばドッキングされたシリンジを検出するセンサーを使用して)シリンジがデバイス内に存在するかどうかを決定する。安全ドアが閉じているおよび/またはシリンジが存在することが決定される場合、システムは、安全ドアを自動的にロックするように信号を送信する。工程386で、システムは、(例えばデバイス上に配置されるセンサーを使用して)安全ドアがロックされるかどうかをチェックする。安全ドアがロックされると決定される場合、操作フローは、工程383(
図38参照)に進み得、デバイスの混合/混合操作が開始され得る。一方で、工程385で、安全ドアが閉じていないことおよび/またはシリンジが存在しないことが決定される場合、操作フローは工程390に継き、その間にLEDは琥珀色でパルスを発し、デバイスは使用の準備ができていない(
図38および39参照)。同様に、工程386で、安全ドアがロックされていないことが決定される場合、操作フローは工程390に続き、その間にLEDは琥珀色でパルスを発し、デバイスは使用の準備ができていない(
図38および39参照)。
【0082】
図41を参照すると、混合状態383(
図38参照)がより詳細に記載される。工程382でシステムが準備状態にあり、さらなる操作問題が検出されなければ(
図40および対応する記載参照)、操作フローは工程383に移動し、その間にLEDは青色でパルスを発し、デバイスの混合/混合操作が開始される。この工程の間に、そり/ホルダーマウント(例えばそり404またはバックホルダーマウント806、
図4~19参照)は、少なくとも部分的に結晶化された内部含有物を有するシリンジを保持し、レール(例えばレール405またはレール1106、
図4~19参照)に沿ってモーターに向かって上方に移動する。駆動シャフト(例えば駆動シャフト605、
図4~19参照)は、モーターを介して回転され、ブレードシャフト(例えばブレードシャフト701、
図4~19参照)と嵌合する。モーター(例えば上部ブラシレスDCモーター604またはスピンドルモーター1100、
図4~19参照)は、駆動シャフトの回転を生じ、ブレードシャフト上のブレード(例えばブレード402、
図4~19参照)を回転させ、内部シリンジ含有物を混合して、注射可能冷スラリーを形成する。混合が完了される後、モーター(例えば上部ブラシレスDCモーター604またはスピンドルモーター1100、
図4~19参照)は、混合方向とは反対の方向に回転し、駆動シャフトのブレードシャフト(例えば駆動シャフト605およびブレードシャフト701、
図4~19参照)からの解放を生じる。次いでそり/ホルダーマウント(例えばそり404またはバックホルダーマウント806、
図4~19参照)は、その嵌合した位置からレール(例えばレール405またはレール1106、
図4~19参照)に沿って下方のその静止位置へと移動される。混合/混合操作の完了後、操作フローは工程387に移動し、その間にシステムは、混合または混合手順が成功であったかまたは失敗であったかを決定する。混合の成功または失敗は、(限定されないが)スラリーの温度(例えばデバイス上に配置されるIRセンサーを用いて測定される)、モーターにより達成される検出最大RPM、PCB熱センサー上の示度、所定の混合速度で達成される混合時間等の1つ以上の要因に基づいて決定され得る。混合操作が成功であったことが決定される場合、LEDライトは緑色に明滅して成功を示し、ユーザーは、標的位置での患者への注射のためにシリンジを取り外し得る。混合操作が失敗であると決定される場合、LEDライトは、一様な琥珀色になり(工程384、
図38参照)、ユーザーに、シリンジを廃棄すべきであり、シリンジ含有物を患者に注射すべきでないことを示す。
【0083】
図42を参照すると、工程382でシステムが準備状態にあり、さらなる操作問題が検出されないと(
図40および対応する記載参照)、操作フローは工程383に移動し(
図38と同様)、その間に混合または混合操作が起こり、LEDライトは青色のパルスを発する(
図41および対応する記載参照)。工程383で混合/混合操作が失敗/成功裡でなかったことが決定される場合、操作フローは工程384(例えば
図38参照)に移動し、その間にLEDライトは、ユーザーにシリンジを廃棄すべきであり、シリンジ含有物を患者に注射すべきでないことを示す一様な琥珀色になる。さらに、システムは、安全ドアを非ロックするための信号をデバイスに送信する。同時に、工程384で、システムは、シリンジが依然として存在する(例えばドッキングされる)かどうかを連続的/周期的にモニタリングする。シリンジが依然として存在する限り、操作フローは工程384に残り、LEDライトは一様な琥珀色を表示し続け、システムは、シリンジが依然として存在するかどうかを継続的または周期的にモニタリングする。シリンジがもはや存在しない(例えば患者への注射のためにユーザーがシリンジを取り外した)ことが決定される場合、システムは、デバイスが操作的であるかどうかを質問する(例えば
図38の工程384参照)。デバイスが操作的でないことが決定される場合、操作フローは工程390(例えば
図39参照)に移動し、その間にLEDライトは、ユーザーにデバイスはシリンジを受容する準備ができておらず、混合または混合操作が開始され得ないことを示す琥珀色のパルスを発する。工程384でデバイスが操作的であることが決定される場合、操作フローは工程382に戻るように移動し、その間にLEDライトは、ユーザーにデバイスが準備状態にあることを示す一様な緑色になり、ここでユーザーは、シリンジをデバイスに配置し得、工程383で混合または混合操作を開始し得る。
【0084】
工程383で混合操作が成功であったことが決定される場合、システムは、(安全ドアを有する態様において、例えば
図8および9参照)安全ドアを非ロックするようにデバイスに信号を送信し、LEDライトは緑色で明滅して、ユーザーに、シリンジが標的位置での患者への冷スラリーの注射の準備ができていることを示す。同時に、システムは操作工程388に移動し、その間にシステムは、シリンジが依然として存在する(例えばドッキングされる)かどうかを継続的または周期的にモニタリングしている。シリンジがもはや存在しない(例えば患者への注射のためにユーザーがシリンジを取り外した)ことが決定される場合、操作フローは工程382で準備状態へと逆に移動し、LEDライトは一様な緑色になって、ユーザーに、新たなシリンジは、混合または混合のためにデバイス中に配置される準備ができていることを示す。代替的に、工程388でシリンジが存在すると決定される場合、システムは、注射状態(緑色に明滅するLED)の準備が達成されてから経過した時間を継続的または周期的にモニタリングし、(例えばデバイス上のIRセンサーを使用して)シリンジ温度も継続的または周期的にモニタリングする。システムは、シリンジが依然として存在するかどうかを継続的または周期的にチェックし、それがまだ存在する限り、システムは、経過した時間およびシリンジ温度を周期的/継続的にモニタリングし続ける。工程388で、所定量の時間が経過して、シリンジが(例えば約1分未満、1分~2分、2分~3分または約3分より長く)依然として存在することが決定される場合、操作フローは工程389に移動する。同様に、工程388で(例えばデバイス上のIRセンサーを使用して)シリンジ内部のスラリーが所定の温度閾値まで温まった(例えば約-7℃より温かい、約-6.5℃より温かい、約-6℃より温かい、約-5.5℃より温かいまたは約-5℃より温かい)ことが決定される場合、操作フローは工程389に移動する。
【0085】
工程389で、LEDライトは、緑色および琥珀色で交互に明滅し、ユーザーに、(例えば混合後非常に長い間シリンジがドッキングステーションにあったおよび/またはスラリー温度が温かすぎたために)シリンジの使用期限に近づいていることを警告として示す。工程389の間、システムは、シリンジが依然として存在するかどうかを継続的または周期的にチェックし、それが依然として存在する限り、システムは、工程388について以前に記載されるように、経過時間およびシリンジ温度を周期的または継続的にモニタリングすることを継続する。工程389でシリンジがもはや存在しない(例えば患者への注射のためにユーザーがシリンジを取り外した)ことが決定される場合、操作フローは、工程382で準備状態まで逆に移動し、LEDライトは一様な緑色になり、ユーザーに、混合または混合のために新たなシリンジがデバイス内に配置される準備ができていることを示す。代替的に、工程389で所定量の時間が経過して、シリンジが依然として存在する(例えば約1分未満、1分~2分、2分~3分または約3分より長く)ことが決定される場合、操作フローは工程384に移動する。同様に、工程389で(例えばデバイス上のIRセンサーを使用して)シリンジの内部のスラリーが所定の温度閾値まで温まった(例えば約-7℃より温かい、約-6.5℃より温かい、約-6℃より温かい、約-5.5℃より温かいまたは約-5℃より温かい)ことが決定される場合、操作フローは工程384に移動する。
【0086】
工程384で、LEDライトは一様な琥珀色になり(
図38も参照)、ユーザーに、シリンジを廃棄すべきであり、シリンジ含有物を患者に注射すべきではないことを示す。さらに、工程384で、システムは、シリンジが依然としてデバイス中に存在するかどうかを継続的に/周期的にモニタリングする。シリンジが依然として存在する限り、操作フローは工程384に残り、LEDライトは一様な琥珀色を表示し続け、システムは、シリンジが依然として存在するかどうかを継続的または周期的にモニタリングする。シリンジがもはや存在しない(例えば患者への注射のためにユーザーがシリンジを取り外した)ことが決定される場合、システムは、デバイスが操作的であるかどうかを質問する(例えば
図38の工程384参照)。デバイスが操作的でないことが決定される場合、操作フローは工程390に移動し(例えば
図39参照)、その間にLEDライトは琥珀色でパルスを発し、ユーザーに、デバイスは、シリンジを受容する準備ができておらず、混合または混合操作を開始することができないことを示す。工程384でデバイスが操作的であることが決定される場合、操作フローは工程382へと逆に移動し、その間にLEDライトは一様な緑色になり、ユーザーに、デバイスは準備状態にあることを示し、ここでユーザーは、シリンジをデバイス内に配置して、工程383で混合/混合操作を開始し得、操作フローは、本明細書に以前に記載されるように工程383から他の操作フロー工程に進む。
【0087】
本開示のシステム、デバイス、装置および方法は、以下の方法で使用され得る。ユーザーは、
図2に示されおよび記載されるものなどの構成成分を予め充填された、滅菌されたシリンジをケアの点で受容し得、予め充填された組成物は、シリンジの内部体積が、組成物の凝固点(例えば
図1)に基づいて注射可能で流動可能な冷スラリーを形成することを可能にするように構成される。シリンジは、ユーザーが注射可能で流動可能な冷スラリーを調製することを必要とするまで、ケアの点で、当該技術分野で公知の任意の手段により保管され得る。ユーザーが注射可能で流動可能な冷スラリーの調製を開始する準備ができている場合、ユーザーは、シリンジを冷凍庫に配置して、シリンジの内部体積を少なくとも部分的に結晶化し得る。いくつかの態様において、本明細書に記載されるドッキングステーション(例えば
図4~14、16~17、20~23、30~33および36のドッキングステーション403、803、2000または3000参照)は、作動される場合に、シリンジを一定の時間凍結温度に曝露して、シリンジ含有物の少なくとも部分的な結晶化を生じる1つ以上の冷却要素を含み得る。スラリーが冷却温度、例えば約0℃未満、約-5℃未満、約-10℃未満または約-15℃未満に曝露されると、シリンジは、ドッキングステーション内に配置され得(またはドッキングステーションが冷却要素を有する場合はドッキングステーション内に維持される)、シリンジの含有物は、本明細書に開示される態様のいずれかを使用して混合または混合され得る(例えば
図4~18、20~23、25~33および35~36参照)。シリンジ含有物が混合または混合された後、注射可能で流動可能な冷スラリーが形成され、患者への注射の準備ができる。ユーザーは、シリンジをドッキングステーションから取り外し得、必要な場合はシリンジにニードルを取り付け得る。次いでユーザーは、冷スラリーを、被験体または患者の標的位置に注射し得る(例えば
図19、24、34および37)。このプロセスを通じて、ユーザーは、シリンジの含有物を測定、決定または改変する必要はない。いくつかの態様において、ユーザーは、シリンジ含有物の滅菌性を維持するために、任意の余分な工程を採用する必要はない。
【0088】
シリンジは、本明細書に記載される例において使用されるが、シリンジの代わりに当該技術分野で公知の任意の容器が使用されてもよい。シリンジ以外の適切な容器としては、バイアル、バッグまたはプラスチックもしくはガラス容器(vessel)が挙げられる。容器は、容器の内部体積を注射可能で流動可能な冷スラリーに変換するように、本発明の装置、デバイスおよびシステムと相互作用するように構成される。
【0089】
本明細書に記載される注射可能スラリーは、限定されないが、結合、上皮、神経、関節、心臓、脂肪、肝臓、腎臓、脈管、皮膚および筋肉の組織を含む全ての組織型を標的化するように使用され得る。米国出願第2017/0274011号に記載され、その全体において本明細書に援用されるように、注射可能スラリーは有利に、熱の拡散または組織のかん流の難題なく、間質性組織への直接の注射による標的化される組織の部位で直接的な冷却効果に焦点を当て得る。米国出願第2017/0274078号に記載され、その全体において本明細書に援用されるように、注射可能スラリーは、疼痛のための処置として使用され得る。神経の近くの該スラリーの注射/注入は、ミエリン鞘内の脂肪の結晶化または非有髄神経の直接冷却を引き起こし、それにより神経伝導の阻害による疼痛の部位特異的軽減を生じる。末梢神経伝導の阻害は可逆的である(例えば、阻害は、スラリーの単回投与の後分、日、週または月の期間で起こり得る)(米国出願第2017/0274078号参照)。疼痛軽減適用に加えて、注射可能スラリーはまた、体性および/または自律神経系の部分を標的化するように投与されて、種々の状態を治療し得る(例えば、筋肉痙攣を低減するための運動神経の阻害、多汗を低減するためのエクリン汗腺を刺激する交感神経線維の阻害、高血圧の治療としての腎臓交感神経の阻害および失禁を治療するための膀胱への神経入力の阻害)(米国出願第2017/0274078号参照)。
【0090】
本明細書に開示されるデバイス、システムおよび方法は、範囲が本明細書に記載される特定の態様に限定されない。実際に、記載されるものに加えて、該デバイス、システムおよび方法の種々の改変が、前述の記載および添付の図面から当業者に明白になる。かかる改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】