IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニュートラシューティカル ウェルネス インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-512764植物由来エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを含む組成物及びその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】植物由来エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを含む組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/81 20060101AFI20240312BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20240312BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20240312BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240312BHJP
【FI】
A61K36/81
A61P17/14
A61Q7/00
A61K8/9789
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560818
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 US2022022954
(87)【国際公開番号】W WO2022212788
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/168,936
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/237,064
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】523149363
【氏名又は名称】ニュートラシューティカル ウェルネス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジョ・デラクア
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・リチャーズ
(72)【発明者】
【氏名】ローランド・ペラルタ
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ・スコットランド
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA111
4C083AA112
4C083AC061
4C083AC121
4C083AC851
4C083AD592
4C083AD631
4C083BB44
4C083CC37
4C083DD27
4C083EE22
4C083FF01
4C088AB48
4C088AC04
4C088BA08
4C088CA03
4C088MA17
4C088MA63
4C088NA14
4C088ZA92
(57)【要約】
本開示は、(a)エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたものである、組成物、及び、毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ又は毛幹サイズに変化をもたらす方法であって、それを必要とする対象の皮膚にそのような組成物を有効量で投与する工程を含む、方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたものである、組成物。
【請求項2】
対象における発毛を刺激する又は脱毛を予防するために有用である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ウィタニア・ソムニフェラが、ウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、又はウィタニア・ソムニフェラの種子である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラの種子から抽出されたものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ウィタニア・ソムニフェラが、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ウィタニア・ソムニフェラが、熱ショック処理されていないものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
薄い発毛、短い発毛、細い発毛、頭皮の部分的な若しくは完全な脱毛、脱毛症、アンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)、アンドロゲン性脱毛症(alopecia androgenetica)、男性型脱毛症、女性型脱毛症、非アンドロゲン性脱毛症、円形脱毛症、完全脱毛症、汎発性脱毛症、放射線性脱毛症、照射療法に起因する脱毛症、薬剤性脱毛症、化学療法に起因する脱毛症、外傷性脱毛症、瘢痕性脱毛症、心因性脱毛症、ストレス関連脱毛症、コルチゾール関連脱毛症又は成長期脱毛症を治療する、予防する、又は逆転させるために有用である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
外用組成物である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
液剤、軟膏剤又はクリーム剤である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
化粧品組成物である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ヒト毛乳頭細胞におけるコルチゾールにより誘発される成長停止を予防する又は逆転させるために有用である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
ウィタニア・ソムニフェラが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラである、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
ウィタニア・ソムニフェラが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
ウィタニア・ソムニフェラが、凍結乾燥させたウィタニア・ソムニフェラである、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
ウィタニア・ソムニフェラが、凍結乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はアロエから抽出されたエキソソームを更に含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
ヒトエキソソームを更に含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×107個から組成物1mL当たり約1×1012個までである、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
抽出された、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×107個、組成物1mL当たり約1×108個、組成物1mL当たり約1×109個、組成物1mL当たり約1×1010個、組成物1mL当たり約1×1011個、又は組成物1mL当たり約1×1012個である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×109個から組成物1mL当たり約1×1010個までである、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×109個である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×1010個である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを更に含み、アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×107個から組成物1mL当たり約1×1012個までである、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、1mL当たり約1×107個、1mL当たり約1×108個、1mL当たり約1×109個、1mL当たり約1×1010個、1mL当たり約1×1011個、又は組成物1mL当たり約1×1012個である、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×109個から組成物1mL当たり約1×1010個までである、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×109個である、請求項23に記載の組成物。
【請求項27】
組成物中のアロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×1010個である、請求項23に記載の組成物。
【請求項28】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、精製されたものである、請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
担体が、水溶液、懸濁液又は混合物を含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、パンテノール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、レピジウム・メイエニ根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ抽出物、ラミナリア・サッカリナ抽出物、コンドラス・クリスパス抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルコール、リン脂質、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、又はリン酸緩衝食塩水を更に含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
グリセリン、カメリア・シネンシス(緑茶)葉抽出物、グリシン、ラリックス・エウロパエア木部抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、ピサム・サティバム(エンドウマメ)新芽抽出物、アルコール、オレア・エウロパエア(オリーブ)葉抽出物、クルクマ・ロンガ(ウコン)根抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ(トクサ)抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス(シーバックソーン)果実油、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、レピジウム・メイエニ(マカ)根抽出物、メラレウカ・アルテルニフォリア(ティーツリー)葉油、モリンガ・オレイフェラ(ワサビノキ)葉抽出物、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)根抽出物、DL-パンテノール、L-テアニン、メラトニン、ナイアシンアミド、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、又はフィチン酸を更に含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
水、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、ブチレングリコール、カフェイン、1,2-ヘキサンジオール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、パンテノール、レピジウム・メイエニ根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、コンドラス・クリスパス抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、アルコール、リン脂質、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、リン酸緩衝食塩水、又はパナックス・ジンセン根抽出物を更に含む、請求項1から31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
担体が、水であり、組成物が、グリセリン、水性緩衝液、又は天然に存在する保存剤を更に含む、請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
天然に存在する保存剤を更に含む、請求項1から33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
天然に存在する保存剤が、乳酸桿菌発酵液を含む、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
メラトニンを更に含む、請求項1から35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
ナイアシンアミドを更に含む、請求項1から36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
アルコールを更に含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
アルコールが、エチルアルコールである、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.01重量%~10重量%の量で含む、請求項1から39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~5重量%の量で含む、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~4重量%の量で含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~3重量%の量で含む、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~2重量%の量で含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~1重量%の量で含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.3重量%~約1重量%の量で含む、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって、それを必要とする対象に、請求項1から46のいずれか一項に記載の組成物を、有効量で、発毛を促進する又は脱毛を低減させるために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法。
【請求項48】
脱毛を予防する、低減させる又は逆転させる方法であって、それを必要とする対象に、請求項1から46のいずれか一項に記載の組成物を、有効量で、脱毛を予防する、低減させる又は逆転させるために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法。
【請求項49】
脱毛が、コルチゾール又はストレスによって引き起こされる又は媒介されるものである、請求項47又は48に記載の方法。
【請求項50】
哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ又は毛幹サイズに変化をもたらすための方法であって、それを必要とする対象に、請求項1から46のいずれか一項に記載の組成物を、有効量で、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ又は毛幹サイズに変化をもたらすために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法。
【請求項51】
投与する工程が、外用投与することである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
毛においてメラニン形成作用を生じさせる又は毛の色素形成を促進するための方法であって、それを必要とする対象に、請求項1から46のいずれか一項に記載の組成物を、有効量で、毛においてメラニン形成作用を生じさせる又は毛の色素形成を促進するために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法。
【請求項53】
発毛を刺激する又は脱毛を予防する方法であって、それを必要とする対象に、(a)ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物を外用投与する工程を含み、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの量が、組成物の約0.1重量%から約5重量%までであり、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×108個から組成物1mL当たり約1×1010個までであり、
ウィタニア・ソムニフェラが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である、
方法。
【請求項54】
発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって、
それを必要とする対象の毛乳頭に、熱ショックストレス応答エキソソームのレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを含む組成物を投与する工程を含み、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラ植物体のウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、又はウィタニア・ソムニフェラの果実から抽出されたものであり、ウィタニア・ソムニフェラ植物体が、調整温度で生長させたものである、
方法。
【請求項55】
調整温度が約33℃~約45℃である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
ウィタニア・ソムニフェラ植物体が、調整温度で約1時間~約5時間にわたって生長させたものである、請求項54又は55に記載の方法。
【請求項57】
ウィタニア・ソムニフェラ植物体が、約33℃~約45℃の調整温度で約1時間~約5時間にわたって生長させたものである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
調整温度が、約45℃である、請求項54から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
ウィタニア・ソムニフェラ植物体が、調整温度で生長させる前に、プライミング温度で温めることによってプライミングされたものである、請求項54から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
プライミング温度が、約20℃~約33℃である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるためのキットであって、請求項1から46のいずれか一項に記載の組成物、及び、発毛促進又は脱毛の予防、低減若しくは逆転を必要とする対象の頭皮に組成物を外用投与するための説明書、を含む、キット。
【請求項62】
それを必要とする対象における発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるための、請求項1から46のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年3月31日出願の米国仮出願第63/168,936号、及び2021年8月25日出願の同第63/237,064号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
脱毛(hair loss)(脱毛症(alopecia))は、米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology)によれば米国だけで約8,000万人の男性及び女性に影響を及ぼしている、広範にわたる問題である。脱毛産業が70億ドルにのぼることが、この問題の重要性及び範囲の証である。最も一般的な脱毛症は、アンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)、休止期脱毛症(telogen effluvium)及び円形脱毛症である。したがって、脱毛症を処置するための改善された組成物又は方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO 2009/105044
【特許文献2】米国特許第7,108,870号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Tobin、Int. J. Cosmetic Science、2008
【非特許文献2】Tobin and Paus、Exp. Gerontol.、2001
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、(a)エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラ(Withania somnifera)から抽出されたものである、組成物を提供する。
【0006】
別の態様では、本発明は、発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって、それを必要とする対象に、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物を、有効量で、発毛を促進する又は脱毛を低減させるために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を提供する。
【0007】
別の態様では、本発明は、脱毛を予防する、低減させる又は逆転させる方法であって、それを必要とする対象に、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物を、有効量で、脱毛を予防する、低減させる又は逆転させるために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ又は毛幹サイズに変化をもたらすための方法であって、それを必要とする哺乳動物の皮膚に、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物を、有効量で、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ又は毛幹サイズに変化をもたらすために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を提供する。
【0009】
別の態様では、本発明は、毛においてメラニン形成作用を生じさせる又は毛の色素形成を促進するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物を、有効量で、毛においてメラニン形成作用を生じさせる又は毛の色素形成を促進するために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を提供する。
【0010】
別の態様では、本発明は、発毛を刺激する又は脱毛を予防する方法であって、それを必要とする対象に、(a)ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物を、有効量で、外用投与する工程を含み、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの量が、組成物の約0.1重量%から約5重量%までであり、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×108個から組成物1mL当たり約1×1010個までであり、
ウィタニア・ソムニフェラが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である、
方法を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって、それを必要とする対象の毛乳頭に、熱ショックストレス応答エキソソームのレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを含む組成物を、有効量で投与する工程を含み、
ウィタニア・ソムニフェラが、ウィタニア・ソムニフェラ植物体の幹、根、葉、又は果実であり、ウィタニア・ソムニフェラ植物体が、調整温度で生長させたものである、
方法を提供する。
【0012】
別の態様では、本発明は、発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるためのキットであって、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物、及び、発毛促進又は脱毛の予防、低減若しくは逆転を必要とする対象の頭皮に組成物を外用投与するための説明書、を含む、キットを提供する。
【0013】
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象において、発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるための、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物の使用を提供する。
【0014】
本開示のさらなる理解をもたらすために含められた付属図は、本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を構成し、本開示の態様を例示し、また、発明を実施するための形態と共に、本開示の原理を説明する機能を果たす。本特許又は出願のファイルは、カラーで製作された少なくとも1つの図面を含有する。カラーの図面を伴う本特許又は特許出願公開のコピーは、要請し、必要な料金を支払えば、特許庁により提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ウエスタンブロットによるアシュワガンダエキソソームタンパク質分析の例を示す図である。
図2】免疫沈降とその後のウエスタンブロットによるアシュワガンダエキソソームタンパク質分析の例を示す図である。
図3】本開示のエキソソームを採取するアシュワガンダ植物体の領域を示す図である。具体的には、アシュワガンダの根が数字1で示されており、アシュワガンダの中心幹が数字2で示されており、アシュワガンダの葉柄が数字3で示されており、アシュワガンダの葉が数字4で示されており、アシュワガンダの果実が数字5で示されており、アシュワガンダの種子が数字6で示されている。
図4A】P.アクネス(プロピオニバクテリウム・アクネス)(P.acnes)溶解物を用いて処理して酸化ストレスを誘導した皮膚線維芽細胞について示すグラフである。アシュワガンダの種子由来エキソソーム(Ashwagandha Seed Derived Exosome)(ASHWG1)、及び対照としてヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソーム(Human Adipo Tissue Mesenchimal Stem Cells Derived Exosome)(MSC ZEN)のどちらについても、P.アクネス溶解物の存在下の培地のみの陰性対照(Media Only Negative Control)と生存率は異ならず、これにより、6時間後にエキソソームによる毒性がないことが示唆される。
図4B】P.アクネス溶解物で処理して酸化ストレスを誘導した皮膚線維芽細胞について示すグラフである。アシュワガンダの種子由来エキソソーム(ASHWG1)、及び対照としてヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソーム(MSC ZEN)のどちらについても、P.アクネス溶解物の存在下の培地のみの陰性対照と生存率は異ならず、これにより、24時間後にエキソソームによる毒性がないことが示唆される。
図5A】6時間の時点での皮膚線維芽細胞におけるP.アクネスにより誘発される超酸化物(Super Oxide)放出を示すグラフである。アシュワガンダの種子由来エキソソーム(ASHWG1)及びヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソーム(MSC ZEN)のどちらについても、P.アクネス溶解物及び酸化ストレスの誘導の存在下の培地のみの陰性対照と異ならず、これにより、エキソソームによる毒性がないことが示唆される。
図5B】24時間の時点での皮膚線維芽細胞におけるP.アクネスにより誘発される超酸化物放出を示すグラフである。アシュワガンダの種子由来エキソソーム(ASHWG1)及びヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソーム(MSC ZEN)のどちらについても、P.アクネス溶解物及び酸化ストレスの誘導の存在下の培地のみの陰性対照と異ならず、これにより、エキソソームによる毒性がないことが示唆される。興味深いことに、ASHWG1(1×1010個及び1×109個)により、超酸化物の放出が減少したと思われる。
図6A】皮膚線維芽細胞におけるP.アクネスにより誘発されるROS放出を示すグラフである。アシュワガンダの種子由来エキソソーム(ASHWG1)及びヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソーム(MSC ZEN)のどちらによってもP.アクネスにより誘導されるROS放出が減少した。
図6B】皮膚線維芽細胞におけるP.アクネスにより誘発されるROS放出を示すグラフである。アシュワガンダの種子由来エキソソーム(ASHWG1)及びヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソーム(MSC ZEN)のどちらによっても対照(培地のみ)と比較して差異は示されなかった。
図7】ヒト内皮細胞(UVEC)における無血清遊走アッセイを示すグラフである。1×109NV/mLのアシュワガンダの種子由来エキソソーム(ASHWG)による処理では、無血清(SF)対照及び1×109個のヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソーム(MSC)を上回る細胞遊走の有意な増加が示される。1×1010個のASHWG及び1×1010個のMSCエキソソームでも、対照培地の細胞遊走を上回る細胞遊走の増強が実証された。
図8】アシュワガンダ由来種子エキソソーム(Ashwagandha Derived Seed Exosome)で処理したヒト皮膚線維芽細胞の、無血清且つ増殖因子を含まない塩基培地単独(SF)と比較した細胞遊走の刺激を示す。この増加は、16時間インキュベートした時点及び24時間インキュベートした時点で最も明白である。完全(Complete):完全培地。エラーバーは±SEMとして示されている。二元配置ANOVA統計的検定により、16時間インキュベートした時点及び24時間インキュベートした時点での1×109個及び1×1010個のSFと比較した有意性が示される。
図9】特に1×108個及び1×109個の濃度のアシュワガンダ由来種子エキソソームで処理したヒト皮膚線維芽細胞の、血清1/20培地単独(1/20)と比較した細胞遊走の刺激を示すグラフである。この増加は、24時間インキュベートした時点で最も明白である。完全(Complete):完全培地。エラーバーは±SEMとして示されている。二元配置ANOVA統計的検定により、24時間インキュベートした時点での1×109個の1/20と比較した有意性が示される。
図10】アシュワガンダエキソソームで処理したヒト毛包皮膚乳頭細胞からのデータを示すグラフである。1×1010個の濃度では、ベースライン時及び成長阻害剤であるコルチゾールの存在下のどちらにおいても成長の増大が検出された。この増大はアシュワガンダの種子及び幹由来エキソソームのどちらについても有意であった。CT(無処理対照)に対して*p<0.05、スチューデントのT検定。
図11A】P.アクネス溶解物で処理した皮膚線維芽細胞における、炎症マーカーであるIL-29の発現を示すグラフである。時点は処理の6時間後である。CT:無処理、ASH:アシュワガンダの種子由来エキソソーム、MSC:脂肪組織由来幹細胞エキソソーム、Dex:デキサメタゾン、CT(+P.アクネス溶解物)に対して**p<0.01、*p<0.05、スチューデントのt検定。
図11B】P.アクネス溶解物で処理した皮膚線維芽細胞における炎症マーカーであるIL-10の発現を示すグラフである。時点は処理の6時間後である。CT:無処理、ASH:アシュワガンダの種子由来エキソソーム、MSC:脂肪組織由来幹細胞エキソソーム、Dex:デキサメタゾン、CT(+P.アクネス溶解物)に対して**p<0.01、*p<0.05、スチューデントのt検定。
図11C】P.アクネス溶解物で処理した皮膚線維芽細胞における炎症マーカーであるIL-4の発現を示すグラフである。時点は処理の6時間後である。CT:無処理、ASH:アシュワガンダの種子由来エキソソーム、MSC:脂肪組織由来幹細胞エキソソーム、Dex:デキサメタゾン、CT(+P.アクネス溶解物)に対して**p<0.01、*p<0.05、スチューデントのt検定。
図11D】P.アクネス溶解物で処理した皮膚線維芽細胞における炎症マーカーであるEGFの発現を示すグラフである。時点は処理の6時間後である。CT:無処理、ASH:アシュワガンダの種子由来エキソソーム、MSC:脂肪組織由来幹細胞エキソソーム、Dex:デキサメタゾン、CT(+P.アクネス溶解物)に対して**p<0.01、*p<0.05、スチューデントのt検定。
図12】ヒト皮膚線維芽細胞によるアシュワガンダエキソソームの取り込みを示す写真である。エキソソーム:緑色染色;皮膚線維芽細胞核:青色染色。
図13】標識したアシュワガンダエキソソームを用いて16時間処理した後の皮膚線維芽細胞の拡大画像である。エキソソームが細胞質コンパートメントに種々の強度で出現している。4℃では、エキソソームの細胞への内部移行は示されず、培地中に凝集塊として分散していると思われる。
図14】37℃(実線)でのヒト皮膚線維芽細胞によるアシュワガンダエキソソームの用量依存的且つ時間依存的パターンでの進行性の取り込みを示すグラフである。点線は4℃における取り込みを示す。
図15】1mL当たり粒子1×109個の投薬量でのアシュワガンダの乾燥種子EVによるHUVEC管形成の促進を示すグラフである。データは平均±SDを表す。EVの植物型の下の数字は、処理培地の各変化のためにウェル当たりに添加した総粒子数を表す。一元配置ANOVAダネット事後検定(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001)。n=3の生物学的反復実験。管総面積(Total Tube Area):μm2単位の管の総面積(節を除く)。管の全長(Total Tube Length):μm単位の管の全長;セグメント(Segment):分岐点及び/又は末端を接続する管セグメントの数。分岐点(Branch Point):セグメントを接続する接合部の数(節は分岐とみなさず、これを除く);接続セット(Connected Set):画像において検出された互いに接続されていない別個のオブジェクトの数(オブジェクトを接続する管又は節の接続されたピクセルの経路がないもの)。成長ネットワークの全体的な接続性を測定する(完全に接続されたネットワークはピクセルの接続されたセットをただ1つ有する);管の平均長(Mean Tube Length):管の全長をセグメントの数で割ったもの;管の平均面積(Mean Tube Area):管の総面積をセグメントの数で割った管の平均面積;セット当たりの管の長さ(Tube Length Per Set): ミクロン単位の管の全長を接続されたセットの数で割ったもの。
図16】HUVEC細管形成を誘導するためのアシュワガンダの種子由来エキソソーム(ASH)とアロエの葉由来エキソソームを比較してを示す写真である。1×109個のASHは同じ濃度のアロエエキソソームに勝った。
図17】HUVEC細管形成を誘導するための陽性対照VEGF-Aを示す。ECGM-1:標準的な内皮成長培地。
図18】アシュワガンダの種子由来エキソソーム又はELN(エキソソーム様ナノベシクル(Exosome Like Nanovescicle))の電子顕微鏡画像である
図19】アロエの葉由来エキソソーム又はELN(対照として)及びアシュワガンダの種子由来エキソソーム又はELNによって誘導されたVEGF-Aを正味の濃度で(上)及び倍率変化で(下)示すグラフである。
図20】アシュワガンダELN(Ev)により処理の72時間後にB16黒色腫細胞におけるメラニン形成が増加することを示すグラフである。α-MSHによりB16細胞が誘発されてメラニンを産生した。コウジ酸をメラニン形成の阻害剤として使用した。
図21】アシュワガンダの種子からアシュワガンダ由来エキソソーム又はELNを対応する収量及び濃度にそって抽出するための手順を示す図である。
図22】本開示の実施形態に従った透過試験を示す図である。
図23】アシュワガンダエキソソーム又はELNに関連する抗酸化剤活性を示す、ORACアッセイの結果示す図である。
図24A】一次皮膚刺激評価におけるアシュワガンダエキソソーム又はELNの全体的な安全性及び知覚プロファイルを示す図である。
図24B】繰り返し侵襲パッチテストにおけるアシュワガンダエキソソーム又はELNの全体的な安全性及び知覚プロファイルを示す図である。
図24C】消費者の知覚及び忍容性の評価におけるアシュワガンダエキソソーム又はELNの全体的な安全性及び知覚プロファイルを示す図である。
図25A】アシュワガンダの種子植物体エキソソーム様ナノベシクル(Ash-PLEN)がin vitroでヒト皮膚毛包細胞(hHFDPC)増殖因子発現を刺激することを示すグラフである。白血病抑制因子(LIF)発現の増大を示す。
図25B】アシュワガンダの種子植物体エキソソーム様ナノベシクル(Ash-PLEN)がin vitroでヒト皮膚毛包細胞(hHFDPC)増殖因子発現を刺激することを示すグラフである。胎盤増殖因子1(PLGF-1)発現の増大を示す。
図25C】アシュワガンダの種子植物体エキソソーム様ナノベシクル(Ash-PLEN)がin vitroでヒト皮膚毛包細胞(hHFDPC)増殖因子発現を刺激することを示すグラフである。塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)発現の増大を示す。
図25D】アシュワガンダの種子植物体エキソソーム様ナノベシクル(Ash-PLEN)がin vitroでヒト皮膚毛包細胞(hHFDPC)増殖因子発現を刺激することを示すグラフである。血管内皮分泌型増殖因子A(VEGF-A)発現の増大を示す。
図26】アシュワガンダナノベシクルで処理したヒト初代メラノサイトにおける用量依存的なメラニン産生の増加を示す図である。
図27】ヒト切断毛包のex vivo器官培養物において、アシュワガンダナノベシクル(エキソソーム)を用いた処理により、5日後にヒト毛包の成長期が延長されることを示す。
図28】アシュワガンダの種子由来ナノベシクル(ASH-NV)のウエスタンブロットによる特徴付けを示す。3つのASH-NV試料ロットを得た。試料を、ウェル当たり等量のタンパク質(35μg)を負荷させることによって比較した。植物Hsp70、Hsp90、アクチン、TET8を対象とする植物抗体、及び植物HSP70を対象とするヒト抗体を用いてメンブレンをプロービングした。抗体を全て1:1000の希釈度で試験し、その後、洗浄し、抗ウサギHRP二次抗体を1:3000を用いた。メンブレンを化学発光試薬に曝露させ、BioRad Gel documentation systemでイメージングを行った。予測バンドサイズはHsp70=約70KDa、TET8=約31KDa、Hsp90=約90、アクチン=約40であった。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、本開示を特定の適用のための例示的な実施形態を参照して説明するが、本開示の実施形態はそれだけに限定されないことが理解されるべきである。他の実施形態が可能であり、記載されている実施形態に対して、本明細書における教示の主旨及び範囲の中で改変を行うことができ、それらを本開示の分野又はそのような実施形態が著しく有用である任意の追加的な分野に適用することができる。
【0017】
一態様では、本開示は、(a)エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたものである、組成物を対象とする。
【0018】
一部の実施形態では、組成物は、対象における発毛を刺激する又は脱毛を予防するために有用である。
【0019】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、ウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、又はウィタニア・ソムニフェラの種子である。
【0020】
一部の実施形態では、エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームは、ウィタニア・ソムニフェラの種子から抽出されたものである。
【0021】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラである。
【0022】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、熱ショック処理されていないものである。
【0023】
一部の実施形態では、組成物は、薄い発毛、短い発毛、細い発毛、頭皮の部分的な若しくは完全な脱毛、脱毛症、アンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)、アンドロゲン性脱毛症(alopecia androgenetica)、男性型脱毛症、女性型脱毛症、非アンドロゲン性脱毛症、円形脱毛症、完全脱毛症、汎発性脱毛症、放射線性脱毛症(radiation induced alopecia)、照射療法に起因する脱毛症、薬剤性脱毛症(drug induced alopecia)、化学療法に起因する脱毛症、外傷性脱毛症、瘢痕性脱毛症、心因性脱毛症、ストレス関連脱毛症、コルチゾール関連脱毛症又は成長期脱毛症を治療する、予防する、又は逆転させるために有用である。
【0024】
一部の実施形態では、組成物は、外用組成物である。
【0025】
一部の実施形態では、組成物は、液剤、軟膏剤又はクリーム剤である。
【0026】
一部の実施形態では、組成物は、液剤である。
【0027】
一部の実施形態では、組成物は、化粧品組成物である。
【0028】
一部の実施形態では、組成物は、ヒト毛乳頭細胞におけるコルチゾールにより誘発される成長停止を予防する又は逆転させるために有用である。
【0029】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、乾燥させたものである。
【0030】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である。
【0031】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、凍結乾燥させたものである。
【0032】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、凍結乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である。
【0033】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はアロエから抽出されたエキソソームを更に含む。
【0034】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、ヒトエキソソームを更に含む。
【0035】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、組成物1mL当たり約1×107個から組成物1mL当たり約1×1012個までである。
【0036】
一部の実施形態では、抽出された、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、組成物1mL当たり約1×107個、組成物1mL当たり約1×108個、組成物1mL当たり約1×109個、組成物1mL当たり約1×1010個、組成物1mL当たり約1×1011個、又は組成物1mL当たり約1×1012個である。
【0037】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、組成物1mL当たり約1×109個から組成物1mL当たり約1×1010個までである。
【0038】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、組成物1mL当たり約1×109個である。
【0039】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、組成物1mL当たり約1×1010個である。
【0040】
一部の実施形態では、組成物は、アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを更に含み、アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、組成物1mL当たり約1×107個から組成物1mL当たり約1×1012個までである。
【0041】
一部の実施形態では、アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×107個、1mL当たり約1×108個、1mL当たり約1×109個、1mL当たり約1×1010個、1mL当たり約1×1011個、又は組成物1mL当たり約1×1012個である。
【0042】
一部の実施形態では、アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個から1mL当たり約1×1010個までである。
【0043】
一部の実施形態では、アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、組成物1mL当たり約1×109個である。
【0044】
一部の実施形態では、組成物中のアロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数は、組成物1mL当たり約1×1010個である。
【0045】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームは、精製されたものである。
【0046】
一部の実施形態では、担体は、水溶液、懸濁液又は混合物を含む。
【0047】
一部の実施形態では、組成物は、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア(melaleuca alternifolia)葉水、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、パンテノール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、レピジウム・メイエニ(lepidium meyenii)根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、ヒッポファエ・ラムノイデス(hippophae rhamnoides)果実抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ(equisetum arvense)抽出物、ラミナリア・サッカリナ(laminaria saccharina)抽出物、コンドラス・クリスパス(chondrus crispus)抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルコール、リン脂質、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム(pisum sativum)抽出物、又はリン酸緩衝食塩水を更に含む。
【0048】
一部の実施形態では、組成物は、グリセリン、カメリア・シネンシス(camellia sinensis)(緑茶)葉抽出物、グリシン、ラリックス・エウロパエア(larix europaea)木部抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、ピサム・サティバム(エンドウマメ)新芽抽出物、アルコール、オレア・エウロパエア(olea europaea)(オリーブ)葉抽出物、クルクマ・ロンガ(curcuma longa)(ウコン)根抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ(トクサ)抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス(シーバックソーン)果実油、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ(neptune kelp))抽出物、レピジウム・メイエニ(マカ)根抽出物、メラレウカ・アルテルニフォリア(ティーツリー)葉油、モリンガ・オレイフェラ(moringa oleifera)(ワサビノキ)葉抽出物、パナックス・ジンセン(Panax ginseng)(チョウセンニンジン)根抽出物、DL-パンテノール、L-テアニン、メラトニン、ナイアシンアミド、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、又はフィチン酸を更に含む。
【0049】
一部の実施形態では、組成物は、水、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、ブチレングリコール、カフェイン、1,2-ヘキサンジオール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、パンテノール、レピジウム・メイエニ根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、コンドラス・クリスパス抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、アルコール、リン脂質、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、リン酸緩衝食塩水、又はパナックス・ジンセン根抽出物を更に含む。
【0050】
一部の実施形態では、担体は水であり、組成物はグリセリン、水性緩衝液、又は天然に存在する保存剤を更に含む。
【0051】
一部の実施形態では、組成物は、天然に存在する保存剤を更に含む。
【0052】
一部の実施形態では、天然に存在する保存剤は、乳酸桿菌発酵液を含む。
【0053】
一部の実施形態では、組成物は、メラトニンを更に含む。
【0054】
一部の実施形態では、組成物は、ナイアシンアミドを更に含む。
【0055】
一部の実施形態では、組成物は、アルコールを更に含む。
【0056】
一部の実施形態では、アルコールは、エチルアルコールである。
【0057】
一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.01重量%~10重量%の量で含む。
【0058】
一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~5重量%の量で含む。
【0059】
一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~4重量%の量で含む。
【0060】
一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~3重量%の量で含む。
【0061】
一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~2重量%の量で含む。
【0062】
一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.1重量%~1重量%の量で含む。
【0063】
一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.3重量%~約1重量%の量で含む。
【0064】
別の態様では、本開示は、発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって、それを必要とする対象に、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物を、有効量で、再発毛を促進する又は脱毛を低減させるために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0065】
別の態様では、本開示は、脱毛を予防する、低減させる又は逆転させる方法であって、それを必要とする対象に、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物を、有効量で、脱毛を予防する、低減させる又は逆転させるために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0066】
一部の実施形態では、脱毛は、コルチゾール又はストレスによって引き起こされる又は媒介されるものである。
【0067】
別の態様では、本開示は、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ又は毛幹サイズに変化をもたらすための方法であって、それを必要とする哺乳動物の皮膚に、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物を、有効量で、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ又は毛幹サイズに変化をもたらすために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0068】
一部の実施形態では、投与する工程は、外用投与することである。
【0069】
別の態様では、本開示は、毛においてメラニン形成作用を生じさせる又は毛の色素形成を促進するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物を、有効量で、毛においてメラニン形成作用を生じさせる又は毛の色素形成を促進するために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0070】
別の態様では、本開示は、発毛を刺激する又は脱毛を予防する方法であって、それを必要とする対象に、(a)ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物を外用投与する工程を含み、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの量が、組成物の約0.1重量%から約5重量%までであり、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×108個から組成物1mL当たり約1×1010個までであり、
ウィタニア・ソムニフェラが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である、
方法を対象とする。
【0071】
別の態様では、本開示は、発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって、それを必要とする対象の毛乳頭に、熱ショックストレス応答エキソソームのレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを含む組成物を投与する工程を含み、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラ植物体のウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、又はウィタニア・ソムニフェラの果実から抽出されたものであり、
ウィタニア・ソムニフェラ植物体が、調整温度で生長させたものである、
方法を対象とする。
【0072】
一部の実施形態では、調整温度は、約33℃~約45℃である。
【0073】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、調整温度で約1時間~約5時間にわたって生長させたものである。
【0074】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ植物体は、約33℃~約45℃の調整温度で約1時間~約5時間にわたって生長させたものである。
【0075】
一部の実施形態では、調整温度は、約45℃である。
【0076】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ植物体は、調整温度で生長させる前に、プライミング温度で温めることによってプライミングされたものである。
【0077】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ植物体は、調整温度で生長させる前に、プライミング温度で温めることによってプライミングされたものであり、プライミング温度は、約20℃~約33℃である。
【0078】
別の態様では、本開示は、発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるためのキットであって、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物、及び、発毛促進又は脱毛の予防、低減又は逆転を必要とする対象の頭皮に組成物を外用投与するための説明書、を含む、キットを対象とする。
【0079】
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象において、発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるための、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている組成物の使用を対象とする。
【0080】
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象において、発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるための、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている化粧品組成物の調製に使用するための、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを対象とする。
【0081】
本開示は、植物体エキソソーム様ナノベシクル及び/又は植物由来エキソソーム、製剤/組成物、及びその使用方法を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、植物体エキソソーム様ナノベシクル及び/若しくは植物由来エキソソーム又はその製剤/組成物を使用して脱毛を治療する方法又は脱毛を予防する方法を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、製剤/組成物、並びにその使用方法を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその製剤/組成物を使用して脱毛を治療する方法又は脱毛を予防する方法を対象とする。
【0082】
したがって、本明細書に提示される方法に従って作製された単離されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームには、発毛を促進する又は脱毛を予防するための医薬品又は植物抽出物の既存の全身又は直接適用に勝る利点があり得る。
【0083】
一部の実施形態では、本開示のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、ウィタニア・ソムニフェラ(アシュワガンダ)に由来する。一部の実施形態では、本開示のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの植物源は、ウィタニア・ソムニフェラである。一部の実施形態では、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、及び/又はウィタニア・ソムニフェラの種子のうちの1つ又は複数に由来する。一部の実施形態では、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの根、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの幹、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの葉、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの果実、及び熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの種子のうちの1つ又は複数に由来する。
【0084】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、組成物中に存在する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、化粧品組成物中に存在する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、化粧品組成物中に存在し、外用適用される。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、種々の型の脱毛を治療するために使用される。
【0085】
一部の実施形態では、本開示は、発毛を促進又は増強するための、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物の使用を提供する。一部の実施形態では、本開示は、発毛を促進又は増強するための組成物を調製するための、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの使用を提供する。一部の実施形態では、本開示は、脱毛を防止又は緩徐化するための、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物の使用を提供する。一部の実施形態では、本開示は、脱毛を防止又は緩徐化するための組成物を調製するための、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの使用を提供する。
【0086】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ(アシュワガンダ)に由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム及び担体を含む組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、哺乳動物において毛包を治療するための、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、及びウィタニア・ソムニフェラの種子のうちの1つ又は複数を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラの幹を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラの根を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラの葉を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラの種子を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラの果実を起源とするものである、組成物を対象とする。
【0087】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラを起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの幹を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの根を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの葉を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの果実を起源とするものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子を起源とするものである、組成物を対象とする。
【0088】
一部の実施形態では、本開示は、薄い発毛、短い発毛、細い発毛、頭皮の部分的な若しくは完全な脱毛、脱毛症、アンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)、アンドロゲン性脱毛症(alopecia androgenetica)、男性型脱毛症、女性型脱毛症、非アンドロゲン性脱毛症、円形脱毛症、完全脱毛症、汎発性脱毛症、放射線性脱毛症、照射療法に起因する脱毛症、薬剤性脱毛症、化学療法に起因する脱毛症、外傷性脱毛症、瘢痕性脱毛症、心因性脱毛症、ストレス関連脱毛症、コルチゾール関連脱毛症又は成長期脱毛症を治療又は予防するための、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物を対象とする。
【0089】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラが、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを得る前に熱ショック処理されたものである、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラが、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを得る前に熱ショック処理されていないものである、組成物を対象とする。
【0090】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、外用適用される、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、軟膏剤又はクリーム剤である、組成物を対象とする。
【0091】
一部の実施形態では、本開示は、発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法における使用のための、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、当該方法が、対象に、適切なビヒクル中の前記請求項のいずれか一項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象において再発毛を促進するため及び脱毛を低減させるために十分な時間にわたって投与する工程を含む、組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、脱毛を予防する、低減させる又は逆転させる方法における使用のための、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、当該方法が、それを必要とする対象に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又は組成物を、有効量で投与する工程を含み、脱毛が、コルチゾール又はストレスによって引き起こされる又は媒介されるものである、組成物を対象とする。
【0092】
一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象において発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法における使用のための、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、当該方法が、熱ショックストレス応答分子のレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/若しくはエキソソーム、又はその組成物を用いてヒト毛乳頭を治療する工程を含む、組成物を対象とする。
【0093】
一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象において発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法における使用のための、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、当該方法が、熱ショックストレス応答分子のレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/若しくはエキソソーム、又はその組成物を用いてヒト毛乳頭を治療する工程を含み、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を熱ショック条件下で生長させることによって調整したウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、及びウィタニア・ソムニフェラの種子のうちの1つ又は複数から得たものであり、熱ショック条件が、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を加熱することを含む、組成物を対象とする。
【0094】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、熱ショック条件が、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を約33℃~約45℃の温度で加熱することを含む、組成物を対象とする。
【0095】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、熱ショック条件が、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を約1時間~約5時間にわたって加熱することを含む、組成物を対象とする。
【0096】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、熱ショック条件が、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を約1時間~約5時間にわたって約33℃~約45℃の温度で加熱することを含む、組成物を対象とする。
【0097】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、熱ショック条件が、ウィタニア・ソムニフェラ植物を約45℃の温度で加熱することを含む、組成物を対象とする。
【0098】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラ植物体が、熱ショック条件の前にウィタニア・ソムニフェラ植物体を温めることによってプライミングされたものである、組成物を対象とする。
【0099】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソームが、化粧品組成物中に存在する、組成物を対象とする。
【0100】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソームが、化粧品組成物中に含まれ、頭皮に外用適用される、組成物を対象とする。
【0101】
一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象において発毛を促進する又は脱毛を低減させるための化粧品組成物の調製における、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの使用を対象とする。
【0102】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム、又はその組成物が、ヒト毛乳頭細胞におけるコルチゾールにより誘発される成長停止を予防する又は逆転させることに関して有効である、組成物を対象とする。
【0103】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム、又はその組成物が、傷ついたヒト毛乳頭細胞における増殖因子分泌を促進することに関して有効である、組成物を対象とする。
【0104】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム、又はその組成物が、ヒト初代メラノサイトにおけるメラニン形成を誘導することに関して有効である、組成物を対象とする。
【0105】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム、又はその組成物が、毛包の成長期を延長させることに関して有効である、組成物を対象とする。
【0106】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラが、エキソソームを抽出する前に乾燥させたものである、組成物を対象とする。
【0107】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラの種子に由来するエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラの種子が、エキソソームを種子から抽出する前に乾燥させたものである、組成物を対象とする。
【0108】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラが、エキソソームを抽出する前に凍結乾燥させたものである、組成物を対象とする。
【0109】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラの種子に由来するエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、ウィタニア・ソムニフェラの種子が、エキソソームを種子から抽出する前に凍結乾燥させたものである、組成物を対象とする。
【0110】
一部の実施形態では、組成物は、追加的なエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを更に含む。一部の実施形態では、組成物は、アロエに由来する追加的なエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを更に含む。一部の実施形態では、組成物は、ヒトエキソソームを更に含む。
【0111】
一部の実施形態では、本明細書で考察される実施形態のいずれか又は全てを互いに別々に使用すること、及び組み合わせて使用することができる。
【0112】
一態様では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ(アシュワガンダ)に由来する又はそれから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、並びに担体を含む組成物を対象とする。
【0113】
別の態様では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラに由来する又はそれから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、並びに担体を含む、哺乳動物において毛包を治療するための組成物を対象とする。
【0114】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、ウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、及びウィタニア・ソムニフェラの種子のうちの1つ又は複数から抽出されたエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0115】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、ウィタニア・ソムニフェラの種子から抽出されたエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0116】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを抽出する前に熱ショック処理されたものである。
【0117】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラは、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを抽出する前に熱ショック処理されていないものである。
【0118】
一部の実施形態では、本開示の組成物により、薄い発毛、短い発毛、細い発毛、頭皮の部分的な若しくは完全な脱毛、脱毛症、アンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)、アンドロゲン性脱毛症(alopecia androgenetica)、男性型脱毛症、女性型脱毛症、非アンドロゲン性脱毛症、円形脱毛症、完全脱毛症、汎発性脱毛症、放射線性脱毛症、照射療法に起因する脱毛症、薬剤性脱毛症、化学療法に起因する脱毛症、外傷性脱毛症、瘢痕性脱毛症、心因性脱毛症、ストレス関連脱毛症、コルチゾール関連脱毛症又は成長期脱毛症を治療する、予防する又は逆転させる。
【0119】
一部の実施形態では、本開示の組成物は外用適用される。
【0120】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、液剤、及び軟膏剤又はクリーム剤である。一部の実施形態では、本開示の組成物は、液剤である。
【0121】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、化粧品組成物である。一部の実施形態では、本開示の組成物は、医薬組成物である。
【0122】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、化粧品組成物であり、頭皮に外用適用される。
【0123】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、ヒト毛乳頭細胞におけるコルチゾールにより誘発される成長停止を予防する又は逆転させることに関して有効である。
【0124】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを抽出する前に乾燥させたウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソームを含む。
【0125】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを種子から抽出する前に乾燥させたウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソームを含む。
【0126】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを抽出する前に凍結乾燥させたウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソームを含む。
【0127】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを種子から抽出する前に凍結乾燥させたウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソームを含む。
【0128】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、追加的なエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを更に含む。
【0129】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、アロエに由来する追加的なエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを更に含む。
【0130】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、ヒトエキソソームを更に含む。
【0131】
一部の実施形態では、組成物中のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×107個から1mL当たり約1×1012個の間である。
【0132】
一部の実施形態では、組成物中の抽出されたウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×107個、1mL当たり約1×108個、1mL当たり約1×109個、1mL当たり約1×1010個、1mL当たり約1×1011個、又は1mL当たり約1×1012個である。
【0133】
一部の実施形態では、組成物中のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個から1mL当たり約1×1010個までである。
【0134】
一部の実施形態では、組成物中のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個である。
【0135】
一部の実施形態では、組成物中のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×1010個である。
【0136】
一部の実施形態では、組成物は、アロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを更に含み、組成物中のアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×107個から1mL当たり約1×1012個までである。
【0137】
一部の実施形態では、組成物は、アロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを更に含み、組成物中のアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×107個、1mL当たり約1×108個、1mL当たり約1×109個、1mL当たり約1×1010個、1mL当たり約1×1011個、又は1mL当たり約1×1012個である。
【0138】
一部の実施形態では、組成物は、アロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを更に含み、組成物中のアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個から1mL当たり約1×1010個までである。
【0139】
一部の実施形態では、組成物は、アロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを更に含み、組成物中のアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個である。
【0140】
一部の実施形態では、組成物は、アロエ由来の/アロエから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを更に含み、組成物中のアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×1010個である。
【0141】
一部の実施形態では、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、ウィタニア・ソムニフェラから抽出及び単離されたものである。
【0142】
一部の実施形態では、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、ウィタニア・ソムニフェラから抽出又は単離されたものであり、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、精製されたものである。
【0143】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、担体を含む。
【0144】
一部の実施形態では、担体は、水を含む。
【0145】
一部の実施形態では、担体は、水溶液を含む。
【0146】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、パンテノール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、レピジウム・メイエニ、根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ抽出物、ラミナリア・サッカリナ抽出物、コンドラス・クリスパス抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルコール、リン脂質、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、及び/又はリン酸緩衝食塩水のうちの1つ又は複数を更に含む。
【0147】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、グリセリン、カメリア・シネンシス(緑茶)葉抽出物、グリシン、ラリックス・エウロパエア木部抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、ピサム・サティバム(エンドウマメ)新芽抽出物、アルコール、オレア・エウロパエア(オリーブ)葉抽出物、クルクマ・ロンガ(ウコン)根抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ(トクサ)抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス(シーバックソーン)果実油、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、レピジウム・メイエニ(マカ)根抽出物、メラレウカ・アルテルニフォリア(ティーツリー)葉油、モリンガ・オレイフェラ(ワサビノキ)葉抽出物、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)根抽出物、DL-パンテノール、L-テアニン、メラトニン、ナイアシンアミド、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、及び/又はフィチン酸のうちの1つ又は複数を更に含む。
【0148】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、水、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、ブチレングリコール、カフェイン、1,2-ヘキサンジオール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、パンテノール、レピジウム・メイエニ根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、コンドラス・クリスパス抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、アルコール、リン脂質、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、リン酸緩衝食塩水、及び/又はパナックス・ジンセン根抽出物のうちの1つ又は複数を更に含む。
【0149】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、水を含む担体を含み、組成物は、グリセリン、水性緩衝液、及び天然に存在する保存剤のうちの1つ又は複数を更に含む。
【0150】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、天然に存在する保存剤を更に含む。
【0151】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、天然に存在する保存剤を更に含み、天然に存在する保存剤は、乳酸桿菌発酵液を含む。
【0152】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、メラトニンを更に含む。
【0153】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、ナイアシンアミドを更に含む。
【0154】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、アルコールを更に含む。
【0155】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、エチルアルコールを更に含む。
【0156】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、約0.01重量%~10重量%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0157】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、約0.1重量%~5重量%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0158】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、約0.1重量%~4重量%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0159】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、約0.1重量%~3重量%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0160】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、約0.1重量%~2重量%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0161】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、約0.1重量%~1重量%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0162】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、約0.3重量%~約1重量%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0163】
別の態様では、本開示は、発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって、対象に、抽出されたウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを適切な担体中に含む組成物を、有効量で、それを必要とする対象において再発毛を促進する及び脱毛を低減させる及び/又は発毛を促進するために十分な時間にわたって投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0164】
別の態様では、本開示は、脱毛を予防する、低減させる又は逆転させる方法であって、それを必要とする対象に、抽出されたウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物を、有効量で、脱毛を予防する、低減させる又は逆転させるために十分な時間にわたって投与する工程を含み、脱毛が、コルチゾール又はストレスによって引き起こされる又は媒介されるものである、方法を対象とする。
【0165】
別の態様では、本開示は、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ及び毛幹サイズに変化をもたらすための方法であって、哺乳動物の皮膚に、抽出されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む外用で活性な組成物を有効量で投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0166】
別の態様では、本開示は、毛におけるメラニン形成作用を生じさせるため、並びに毛の色素形成及び毛幹の色素形成を促進するための方法であって、それを必要とする対象に、抽出されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物を有効量で投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0167】
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象において発毛を刺激する又は脱毛を予防する方法であって、約0.1%から約5%の間の抽出されたウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム及び担体を含む組成物を外用適用する工程を含み、
組成物中のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数が、1mL当たり約1×108個から1mL当たり約1×1010個の間であり、
ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子から抽出されたものである、
方法を対象とする。
【0168】
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象において発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって、熱ショックストレス応答分子のレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/若しくはエキソソーム、又はその組成物を用いてヒト毛乳頭を治療する工程を含み、エキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を熱ショック条件下で生長させることによって調整したウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、及びウィタニア・ソムニフェラの種子のうちの1つ又は複数から抽出されたものであり、
熱ショック条件が、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を加熱することを含む、
方法を対象とする。
【0169】
一部の実施形態では、熱ショック条件は、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を約33℃~約45℃の温度で加熱することを含む。
【0170】
一部の実施形態では、熱ショック条件は、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を約1時間~約5時間にわたって加熱することを含む。
【0171】
一部の実施形態では、熱ショック条件は、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を約1時間~約5時間にわたって約33℃~約45℃の温度で加熱することを含む。
【0172】
一部の実施形態では、熱ショック条件は、ウィタニア・ソムニフェラ植物体を約45℃の温度で加熱することを含む。
【0173】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ植物体は、熱ショック条件の前にウィタニア・ソムニフェラ植物体を温めることによってプライミングされたものである。
【0174】
別の態様では、本開示は、発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるためのキットであって、(i)ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物、並びに(ii)それを必要とする対象の頭皮に組成物を外用適用するための説明書、を含む、キットを対象とする。
【0175】
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象において、発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるための化粧品組成物の調製における、抽出されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの使用を対象とする。
【0176】
一部の実施形態では、本開示は、植物由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、製剤/組成物、及びその使用方法を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、植物由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその製剤/組成物を使用して脱毛を治療する方法又は脱毛を予防する方法を対象とする。
【0177】
一部の実施形態では、本開示のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、ウィタニア・ソムニフェラ(アシュワガンダ)に由来する。一部の実施形態では、本開示のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの植物源は、ウィタニア・ソムニフェラである。一部の実施形態では、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、及び/又はウィタニア・ソムニフェラの種子のうちの1つ又は複数に由来する。一部の実施形態では、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの根、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの幹、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの葉、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの果実、及び熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラの種子のうちの1つ又は複数に由来する。
【0178】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、組成物中に存在する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、化粧品組成物中に存在する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、化粧品組成物中に存在し、外用適用される。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、種々の型の脱毛を治療するために使用される。
【0179】
一部の実施形態では、本開示は、発毛を促進又は増強するための、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物の使用を提供する。一部の実施形態では、本開示は、発毛を促進又は増強するための組成物を調製するための、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの使用を提供する。一部の実施形態では、本開示は、脱毛を防止又は緩徐化するための、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物の使用を提供する。一部の実施形態では、本開示は、脱毛を防止又は緩徐化するための組成物を調製するための、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの使用を提供する。
【0180】
一部の実施形態では、本開示は、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ及び毛幹サイズに変化をもたらすための方法であって、哺乳動物の皮膚に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を含む外用で活性な組成物を有効量で外用適用することを含む、方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明の方法及び組成物は全て、灰色髪及び白髪を減少させるために有用である。
【0181】
一部の実施形態では、本開示は、毛におけるメラニン形成作用を生じさせるため、並びに毛の色素形成及び皮膚の色素沈着を促進するための方法であって、それを必要とする対象に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を有効量で投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0182】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを1種又は複数種の追加的な作用剤と組み合わせて供与する。一部の実施形態では、1種又は複数種の追加的な作用剤は、追加的な植物由来エキソソーム、ヒトエキソソーム、ヒトエキソソーム様ナノベシクル、及び/又は脱毛を予防する若しくは逆転させる作用剤から選択される。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをヒトエキソソームと組み合わせて供与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを植物由来エキソソーム様ナノベシクルと組み合わせて供与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームと組み合わせて供与する。
【0183】
定義
別段の定義のない限り、本明細書において使用される全ての科学技術用語は、本発明が関する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。以下の定義は当業者に対する補足であり、本出願を対象とし、関連する又は無関連の事例のいずれにも帰するものではなく、例えば、共同所有特許又は出願のいずれにも帰するものではない。本明細書に記載の方法及び材料と類似した、又はそれと等しい任意の方法及び材料を、本発明を試験するための実施に使用することができるが、例示的な材料及び方法が本明細書に記載されている。したがって、本明細書において使用される用語法は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定的なものではない。
【0184】
本明細書の詳細な説明において、「一部の実施形態」、「ある実施形態」、「実施形態例」への言及等は、記載されている実施形態が、特定の特色、構造、又は特徴を含み得るが、必ずしも全ての実施形態がその特定の特色、構造、又は特徴を含むとは限らないことを示すものである。更に、そのような句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特色、構造、又は特徴がある実施形態に関連して記載されている場合、明確に記載されているか否かにかかわらず、そのような特色、構造、又は特徴を他の実施形態に関連してもたらすことが当業者の知識の範囲内に入ることが提示される。「1つの(a)」及び「1つの(an)」という不定冠詞は、本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、相反することが明確に示されていなければ、「少なくとも1つの(at least one)」を意味するものと理解されるべきである。
【0185】
「及び/又は(and/or)」という句は、本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、それによって接続される要素の「いずれか又は両方」、すなわち、一部の場合では連言的に存在し、他の場合では選言的に存在する要素を意味するものと理解されるべきである。「及び/又は(and/or)」を伴って列挙される複数の要素は、同じように、すなわち、それによって接続される要素の「1つ又は複数の(one or more)」と解釈されるべきである。「及び/又は(and/or)」節によって具体的に識別される要素以外に、具体的に識別される要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、他の要素も任意選択で存在してよい。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「含む(comprising)」等のオープンエンドの語と併せて使用される場合、一部の実施形態では、Aのみ(任意選択でB以外の要素を含む)を指す場合もあり、別の実施形態では、Bのみ(任意選択でA以外の要素を含む)を指す場合もあり、更に別の実施形態では、AとBの両方(任意選択で他のエレメントを含む)場合もある、等である。
【0186】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、「又は(or)」は、上で定義された「及び/又は(and/or)」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、一覧中の項目を分離する場合、「又は(or)」又は「及び/又は(and/or)」は、包括的である、すなわち、複数の要素又は要素の一覧、及び任意選択で追加的な列挙されていない項目のうちの少なくとも1つが含まれるが、1つよりも多くも含まれると解釈されるものとする。そうでないことを明白に示す用語、例えば、「のうち1つのみ(only one of)」又は「のうち正確に1つ(exactly one of)」、又は、特許請求の範囲において使用される場合、「からなる(consisting of)」は、複数の要素又は要素の一覧のうちの正確に1つの要素が含まれることを指す。一般に、「又は(or)」という用語は、本明細書で使用される場合、「いずれか(either)」、「のうち1つ(one of)」、「のうち1つのみ(only one of)」又は「のうち正確に1つ(exactly one of)」等の排他的な用語が先行する場合にのみ、排他的な選択肢(すなわち、「一方又は他方であって、両方ではない(one or the other but not both)」)を示すものと解釈されるものとする。「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲において使用される場合、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0187】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、「少なくとも1つの(at least one)」という句は、1つ又は複数の要素の一覧に関しては、要素の一覧中の要素のうちの任意の1つ又は複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素の一覧に具体的に列挙されている1つ1つ全ての要素のうちの少なくとも1つが含まれるとは限らず、また、要素の一覧中の要素のあらゆる組合せが排除されないものと理解されるべきである。この定義はまた、「少なくとも1つの(at least one)」という句が指す要素の一覧の中で具体的に識別された要素以外の要素が、具体的に識別された要素に関連するか無関連であるかにかかわらず、任意選択で存在し得ることを許容するものである。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」(又は、同等に、「A又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A or B)」、又は、同等に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and/or B)」は、一部の実施形態では、少なくとも1つのA、任意選択で1つよりも多くのAを含み、Bは存在しない(及び任意選択でB以外の要素を含む)ことを指す場合もあり、別の実施形態では、少なくとも1つのB、任意選択で少なくとも1つよりも多くのBを含み、Aは存在しない(及び任意選択でA以外の要素を含む)ことを指す場合もあり、更に別の実施形態では、少なくとも1つのA、任意選択で1つよりも多くのAを含み、且つ、少なくとも1つのB、任意選択で1つよりも多くのBを含む(及び任意選択で他のエレメントを含む)ことを指す場合もある、等である。
【0188】
特許請求の範囲において、並びに上記の本明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「で構成される(composed of)」等の移行句は全て、オープンエンドである、すなわち、が含まれるがこれだけに限定されない(including but not limited to)を意味するものと理解されるべきである。United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に記載の通り、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)という移行句だけは、それぞれクローズド又はセミクローズドの移行句とする。
【0189】
以下の用語は、本明細書で使用される文脈で十分に理解されると考えられるが、本開示の主題の説明を容易にするために以下の定義を記載する。
【0190】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、特許請求の範囲を含めた本出願で使用される場合、「1つ又は複数の(one or more)」を指す。したがって、例えば、「1つの担体(a carrier)」への言及は、1つ又は複数の担体の混合物、2つ以上の担体を包含する、等である。
【0191】
本明細書で使用される場合、「約」又は「およそ」は、一般に、所与の値又は範囲の20パーセント以内、10パーセント以内、又は5パーセント以内を意味するものとする。
【0192】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)という用語を包含する。本明細書で使用される場合、本記載及び特許請求の範囲において使用される「含む(comprise)」という動詞及びその活用は、非限定的な意味で使用され、その単語の次に続く項目が含まれるが、具体的に言及されていない項目が排除されるものではないことを意味する。
【0193】
本明細書で使用される場合、「混合物」は、材料の単純な組合せ及びそれらの組合せから生じ得る任意の化合物を包含するものとする。
【0194】
本明細書で使用される場合、「分子量」又は「M. Wt.」は、別段の指定のない限り、重量平均分子量を指す。
【0195】
本明細書で使用される場合、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含む(including)」という用語は、非限定的なものとし、それぞれ「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」を意味することが理解される。
【0196】
本明細書で使用される場合、「パーセンテージ」又は「%」は、別段の定義のない限り重量又は質量での濃度を指す。
【0197】
本明細書で使用される場合、「質量」、「wt%」、「wt/wt」或いは「重量」は、製剤中の1つ又は複数の構成成分の質量を製剤の総質量で割ることで算出された結果を意味する。一部の実施形態では、製剤の各構成成分の質量及び製剤の総質量は、当業者には周知の通り、化学天秤を使用するによって決定することができる。一部の実施形態では、質量又は重量を、そのままで決定する。一部の実施形態では、質量の算出に、構成成分及び/又は製剤中に存在する液体の質量を含める場合がある。
【0198】
本明細書で使用される場合、「対象」、「個体」及び「患者」という用語は、本明細書では、互換的に使用され、脊椎動物、一部の実施形態では哺乳動物、及び一部の実施形態ではヒトを指す。哺乳動物には、マウス、サル、ヒト、家畜、競技動物、及び愛玩動物が含まれるがこれだけに限定されない。in vivoで得られた又はin vitroで培養された生物学的実体の組織、細胞及びそれらの後代も包含される。
【0199】
本明細書で使用される場合、「治療(treatment)」又は「治療すること(treating)」又は「緩和すること(palliateing)」又は「好転させること(ameliorateing)」は、互換的に使用される。これらの用語は、治療的利益及び/又は予防的利益が含まれるがこれだけに限定されない有益な又は所望の結果を得るための手法を指す。治療的利益とは、治療下での1つ若しくは複数の疾患、状態、若しくは症状の任意の治療的に意味のある改善、又は1つ若しくは複数の疾患、状態、若しくは症状に対する効果を意味する。予防的利益のために、特定の疾患、状態、若しくは症状が発症するリスクがある対象、又は、疾患、状態、若しくは症状が未だ顕在化していない可能性があるにもかかわらず疾患の生理的症状のうちの1つ若しくは複数が報告されている対象に組成物を投与することができる。
【0200】
本明細書で使用される場合、「脱毛症」は、薄い発毛、短い発毛、細い発毛等が含まれるがこれだけに限定されない、頭皮の部分的な若しくは完全な脱毛を指す。脱毛は種々の他の状態においても生じ得る。
【0201】
本明細書で使用される場合、「有効量」又は「治療有効量」という用語は、有益な又は所望の結果をもたらすために十分である、作用剤の量を指す。治療有効量は、治療される対象及び状態、対象の体重及び年齢、状態の重症度、投与様式等のうちの1つ又は複数に応じて変動し得、これらは、当業者が容易に決定することができる。この用語は、本明細書に記載の方法のいずれか1つによって検出可能な変化をもたらす用量にも当てはまる。特定の用量は、選択される特定の作用剤、従うべき投薬レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、所望の効果、及び運搬される物理的送達系のうちの1つ又は複数に応じて変動し得る。一部の実施形態では、組成物は、ある特定の濃度のものであり、濃度は、1mL当たりのエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム数の単位である。一部の実施形態では、1mL当たりのエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム数は、1×107個から1×1012個の間である。
【0202】
本明細書で使用される場合、「植物由来エキソソーム」、「エキソソーム様ナノベシクル(ELNV又はELN)」、「植物由来エキソソーム様ナノベシクル」、「植物由来エキソソーム様ナノベシクル」は、大多数の型の細胞によって分泌され、細胞と生物体の間で情報を中継して、多細胞生物体の生理機能を細胞間伝達様式で調節する生物学的ナノ構造を指す。「植物由来エキソソーム」、「エキソソーム様ナノベシクル(ELNV)」、「植物由来エキソソーム様ナノベシクル」、「植物由来エキソソーム様ナノベシクル」、「エキソソーム」、「エキソソーム様ベシクル」、「マイクロベシクル」、「分泌マイクロベシクル」、「細胞外ベシクル」、及び「分泌ベシクル」という用語は、本明細書では、本明細書及び特許請求の範囲の目的に関して互換的に使用される。
【0203】
本明細書で使用される場合、「ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム」、「ウィタニア・ソムニフェラナノベシクル」、「ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル」、及び「ASH-NV」は、本明細書の実施例に従ってウィタニア・ソムニフェラから抽出される種を指す。
【0204】
本明細書で使用される場合、「熱ショック」及び「ストレス応答分子」という用語は、本明細書では、本明細書及び特許請求の範囲の目的に関して互換的に使用される。これらの用語は、高温(別名「熱ショック」として公知)に供された植物細胞によって分泌されるエキソソーム中に存在する分子を包含するものとする。
【0205】
本明細書で使用される場合、「抽出物」又は「単離された」という用語は、本明細書では互換的に使用され、1つ又は複数の物質(例えば、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル)を混合物(例えば、ウィタニア・ソムニフェラ植物体)から分離することを包含する。この用語は、特定の供給源「に由来する」物質(例えば、ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル)を包含する。「に由来する」という用語は、構成成分が供給源(例えば、ウィタニア・ソムニフェラ植物体)から抽出されることを仮定するものである。一部の場合では、抽出は、化学的方法、物理的方法(例えば、向心力、サイズ排除等)、又は、物質を2種以上の構成成分若しくは物質の混合物から取り出す若しくは取得する他の手段によって実現することができる。
【0206】
「眉」は、本文書において使用される場合、眼の上の、眉弓の形状に従った粗い体毛の領域を指す。眉の主な機能は、大部分が塩分を含んだ汗及び雨である水分が視覚にとって極めて重要な器官である眼に流れ込むのを防ぐことである。眉の典型的な曲がった形状(端が斜めになっている)及び眉毛の向きにより、水分が側頭部に沿って、及び鼻に沿って、眼の横を流れる傾向を有することが確実になる。眉はまた、フケ及び他の小さな物体等の細片が眼に入ることも防ぐだけでなく、小さな昆虫のような物体が眼の近くに存在することを検知するためのより敏感な感覚をもたらす。眉はまた、コミュニケーションにおける重要な促進機能も有し、驚き、困惑、又は怒り等の顔の表情を強める。
【0207】
「睫毛(eyelash)」及び「睫毛(lash)」という用語は、互換的に使用され、眼瞼の端で伸びる、体毛の1つを指す。睫毛(eyelash)は、眼を細片から保護し、物体(例えば、昆虫又はチリダニ等)が眼の近くに存在することを警告する(その時に反射的に閉じる)。
【0208】
一部の実施形態では、単離されたエキソソームを、ウィタニア・ソムニフェラから、エキソソームカーゴを操作するために植物を種々の刺激に曝露させる制御された環境で調製することができる。発毛を促進する又は脱毛を予防するために工学的に操作されたエキソソームを提供する例では、ウィタニア・ソムニフェラを、比較的高い温度(別名「熱ショック」として公知)に供して、ストレス応答タンパク質を含めた熱ショックストレス応答分子のレベルの上昇を有するエキソソームを生じさせることができる。一部の実施形態では、ストレス応答タンパク質は、HSP70タンパク質ファミリーのものである。HSP70タンパク質は、熱ストレス又は熱ショックに応答して発現されるタンパク質のファミリーである。HSP70タンパク質は、3つの主要な機能的ドメイン:N末端ATPアーゼドメイン、基質結合性ドメイン、及びC末端ドメインを有する。
【0209】
本明細書で使用される場合、熱ショックストレス応答分子の「レベルの上昇」という用語は、比較的高い温度(又は熱ショック)に供された植物のエキソソーム中に存在するストレス応答分子の量が、従来の植物曝露温度(例えば、室温、一般に約25℃)に供された植物のエキソソーム中に存在するストレス応答分子の量よりも多いことを意味する。例えば、レベルの上昇は、熱ショック処理されていない植物と比べて5%~200%の上昇を包含し得る。例えば、熱ショック処理された植物のエキソソーム中の熱ショックストレス応答分子のレベルは、熱ショック処理されていない植物のエキソソーム中の熱ショックストレス応答分子のレベルよりも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%又は200%高くなり得る。更に、熱ショック処理された植物のエキソソーム中の熱ショックストレス応答分子のレベルは、熱ショック処理されていない植物のエキソソーム中の熱ショックストレス応答分子のレベルの2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、又は30倍になり得る。
【0210】
本明細書で使用される場合、「エキソソーム」又は「エキソソーム」は、本開示のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソームを指す。
【0211】
一部の実施形態では、本開示は、熱ショックストレス応答分子を含有する単離されたウィタニア・ソムニフェラに基づくエキソソーム、及び担体を含む、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム含有組成物を対象とする。熱ショックストレス応答分子は、ウィタニア・ソムニフェラ細胞によって、当該植物が以前に曝露されていた生長温度よりも比較的高い生長温度に供されたことに応答して分泌される、植物体エキソソーム中に存在する任意の分子であり得る。熱ショックストレス応答分子は、一般には、細胞によって、熱ショック等のストレス条件への曝露に応答して産生されるタンパク質である。熱ショックタンパク質は、それらの分子量に応じて命名されている。例えば、Hsp60、Hsp70及びHsp90は、それぞれサイズがおよそ60、70、及び90キロダルトンである熱ショックタンパク質のファミリーを指す。
【0212】
一部の実施形態では、細胞集団は、1種又は複数種の細胞型、とりわけ、2種以上の細胞型、3種以上の細胞型、4種以上の細胞型、又は5種以上の細胞型を含み得る。一部の実施形態では、細胞集団は、少なくとも1~40種の細胞型、とりわけ、少なくとも1~30種、少なくとも5~20種、少なくとも5~10種、少なくとも2~8種又は少なくとも2~5種の細胞型を含む。したがって、細胞集団から得た混合エキソソーム集団から細胞型又は細胞亜型エキソソームを精製することができる。
【0213】
植物を、約25℃である約室温での生長に順応させることができる。したがって、25℃よりも高い任意の生長温度が、比較的高い温度になり得る。植物を室温よりも高い又は低い温度である生長温度に順応させることもできる。
【0214】
比較的高い生長温度は、植物が以前に曝露されていた生長温度よりも少なくとも10℃高い温度を包含し得る。例として室温を使用すると、比較的高い生長温度は、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、又は50℃を包含し得る。植物の生長温度を上昇させることは、温度を約30℃~約45℃、約30℃~約40℃、約32℃~約38℃、約33℃~約37℃、及び/又は約40℃~約45℃の範囲まで上昇させることを包含する。
【0215】
植物を比較的高い生長温度に種々の期間にわたって供することができる。例えば、植物を比較的高い温度に、例えば、30分間、60分間、90分間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間又は6時間を含め、約30分間~約6時間の期間にわたって供することができる。植物を比較的高い生長温度にある期間にわたって供した(すなわち、熱ショック処理した)後、次いで、植物を比較的低い生長温度にある期間にわたって暴露させることができる。例えば、植物を、熱ショック処理に続いて約25℃~約27℃の温度に約24時間~約72時間にわたって暴露させることができる。
【0216】
エキソソーム
エキソソームは、後期エンドサトーシスコンパートメント(多胞体)において形成される小さな膜ベシクルであり、網状赤血球によって分泌されることが1983年に最初に記載され、その後、種々の造血細胞、造血又は非造血起源の腫瘍及び上皮細胞を含めた多くの細胞型によって分泌されることが見いだされた。これらは、つい最近記載された、同じくエキソソームと名付けられた「リボヌクレアーゼ複合体」とは別個の実体である。
【0217】
エキソソームは、いくつかの形態学的及び生化学的パラメーターによって定義することができる。したがって、本明細書に記載のエキソソームは、これらの形態学的又は生化学的パラメーターのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0218】
エキソソームは、古典的には、「ソーサー様」ベシクル又は扁平な球体と定義され、時には脂質二重層に限定される。異なる細胞型由来の、及び異なる種のエキソソームの分子組成が調査されている。一般に、エキソソームは、全てのエキソソームに共通すると思われる遍在タンパク質と細胞型に特異的なタンパク質とを含有する。また、同じ細胞型由来であるが種が異なるエキソソームのタンパク質は高度に保存されている。遍在エキソソーム関連タンパク質には、細胞骨格において見いだされる細胞質タンパク質、例えば、チューブリン、アクチン及びアクチン結合性タンパク質、細胞内膜融合及び輸送、例えば、アネキシン及びrabタンパク質、シグナルトランスダクションタンパク質、例えば、プロテインキナーゼ、14-3-3及びヘテロ三量体Gタンパク質、代謝酵素、例えば、ペルオキシダーゼ、ピルビン酸キナーゼ、脂質キナーゼ、及びエノラーゼ-1、並びにテトラスパニンのファミリー、例えば、CD9、CD63、CD81及びCD82が含まれる。テトラスパニンは、エキソソームにおいて高度に富化され、大きな分子複合体及び膜サブドメインの組織化に関与することが公知である。
【0219】
エキソソームは、別の細胞に送達され得、その新しい場所で機能的であり得るmRNA及びマイクロRNAを含有することも公知である。エキソソームの生理機能の定義は未だ不十分なままである。エキソソームは、もう使われていないタンパク質を根絶させること、タンパク質を再生利用すること、プリオン及びウイルス等の感染性粒子の伝達を媒介すること、補体抵抗性を誘導すること、免疫細胞-細胞間の情報伝達を容易にすること、並びに細胞シグナル伝達することを補助すると考えられている。エキソソームは、がんを治療するための免疫療法に使用されている。
【0220】
エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、100kDaを超える分子量を有し得る。エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、500kDaを超える分子量を有し得る。例えば、エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、1000kDaを超える分子量を有し得る。
【0221】
分子量は、種々の手段によって決定することができる。原理上、分子量は、サイズ分画及び関連性のある分子量カットオフを有する膜を通した濾過によって決定することができる。次いで、構成成分であるタンパク質の分離をSDS-PAGEで追跡することによって又は生物検定によってエキソソームのサイズを決定することができる。
【0222】
SDS-PAGEによる分子量のアッセイ
ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、100kDaを超える分子量を有し得る。例えば、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、濾過に供した場合、100kDa未満の分子量を有するエキソソームの大多数のタンパク質が100kDaを超える分子量の保持画分と分けられるようなものであり得る。同様に、500kDaのカットオフを有する膜を用いた濾過に供すれば、500kDa未満の分子量を有するウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの大多数のタンパク質が500kDaを超える分子量の保持画分と分けられる。これにより、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが500kDaを超える分子量を有し得ることが示される。
【0223】
エキソソームのサイズ
ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、1nmを超えるサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、5nmを超える、10nmを超える、20nmを超える、30nmを超える、40nmを超える、50nmを超える、60nmを超える、70nmを超える、80nmを超える、90nmを超える、100nmを超える、150nmを超える、200nmを超える、250nmを超える、300nmを超えるサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、100nmを超えるサイズ、例えば、150nmを超えるサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、実質的に200nm以上のサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、例えば、1nmから20nmまで、1nmから50nmまで、1nmから100nmまで、1nmから150nmまで又は1nmから200nmまで等、ある範囲のサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、10nmから50nmまで、10nmから100nmまで、10nmから150nmまで、又は10nmから200nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、50nmから100nmまで、50nmから150nmまで又は50nmから200nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム100nmから150nmまで又は100nmから200nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、150nmから200nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、50nmから250nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、100nmから250nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、150nmから250nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、200nmから250nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、50nmから500nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、100nmから500nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、150nmから500nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、200nmから500nmまでのサイズを有し得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、250nmから500nmまでのサイズを有し得る。
【0224】
サイズは、種々の手段によって決定することができる。原理上、サイズは、サイズ分画及び関連性のあるサイズカットオフを有する膜を通した濾過によって決定することができる。次いで、構成成分であるタンパク質の分離をSDS-PAGEで追跡することによって又は生物検定によってエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームのサイズを決定することができる。
【0225】
サイズは、電子顕微鏡によって決定することもできる。
【0226】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームのサイズは、流体力学的半径を包含し得る。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nm未満、150nm未満、200nm未満、250nm未満、300nm未満、350nm未満、400nm未満、450nm未満、又は500nm未満であり得る。エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、150nm未満であり得る。エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nm未満であり得る。
【0227】
エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、200nm未満であり得る。エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、150nm未満であり得る。エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nm未満であり得る。
【0228】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nmから500nmの間、150nmから500nmの間、200nmから500nmの間、250nmから500nmの間、300nmから500nmの間、350nmから500nmの間、400nmから500nmの間、450nmから500nmの間であり得る。
【0229】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nmから400nmの間、150nmから400nmの間、200nmから400nmの間、250nmから400nmの間、300nmから400nmの間、350nmから400nmの間であり得る。
【0230】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nmから300nmの間、150nmから300nmの間、200nmから300nmの間、又は250nmから300nmの間であり得る。
【0231】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nmから300nmの間、150nmから300nmの間、200nmから300nmの間、又は250nmから300nmの間であり得る。
【0232】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nmから250nmの間、150nmから250nmの間、又は200nmから250nmの間であり得る。
【0233】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、100nmから200nmの間、又は150nmから200nmの間であり得る。
【0234】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、10nmから200nmの間、又は50nmから200nmの間であり得る。
【0235】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、約30nmから約70nmの間であり得る。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、約40nmから約60nmの間、例えば、約45nmから約55nmの間等であり得る。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、約50nmであり得る。
【0236】
エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの流体力学的半径は、任意の適切な手段、例えば、レーザー回析又は動的光散乱によって決定することができる。流体力学的半径を決定するための動的光散乱法の例は、WO 2009/105044に記載されている。
【0237】
アシュワガンダ(ウィタニア・ソムニフェラ)
ウィタニア・ソムニフェラ(アシュワガンダ)は、インドニンジン、毒スグリ(poison gooseberry)、又はウインターチェリーとしても公知であり、ナス科(Solanaceae or nightshade family)の植物であり、アーユルヴェーダ医学における主要なハーブ療法である。アシュワガンダは、様々な疾患の治療及び予防に関して公知である。このハーブの従来の使用は、強壮剤及び賦活剤としてのものである。アシュワガンダは、寿命を延長させる、精神機能及び体力を増大させる、並びに性機能を改善すると考えられている。アシュワガンダはまた、学習能力及び記憶能力の改善にも役立つ。アシュワガンダは、体がストレス性の状況に適応することを補助する能力を有する物質である「アダプトゲン」であると考えられている。アダプトゲンには、ヒトの体に対して、身体的、心理学的、感情的又は環境ストレスに応答してバランスの維持を補助する効果がある。したがって、アシュワガンダは、2,500年を超える期間にわたり、身体エネルギー及び持久力を改善すること、免疫機能を改善すること、及び病気に対する抵抗性をもたらすことを含め、様々な医学的問題に対処するために使用されてきた。アシュワガンダ等のアダプトゲンは、栄養補助食品として、個体の心理学的及び身体的ストレスを低減するために、日々の養生法の一部として利用され得る。本開示に関しては、「アダプトゲン」という用語は、特に、身体におけるストレスに対処する成分を指す。アシュワガンダ等のアダプトゲンの投与は、本開示では、成分の混合物の特定の作用を増強するために、身体におけるストレスを低減させるための方法として記載される。アダプトゲンは、独特のクラスのハーブ成分であり、正常な生理機能の復旧(恒常性)をもたらし、例えばストレスに対する細胞の感受性を低下させることにより、ストレスの影響に対する身体の抵抗性を高める。アシュワガンダは、バランスを取り戻し、ストレスホルモンコルチゾールのレベルを低下させること、甲状腺機能を改善すること、及び、その主要なウィタノライドによって身体の内在性抗酸化酵素を上昇させることが分かっている。アシュワガンダはまた、IL-6及びTNF-α等の炎症促進性サイトカインに対する阻害効果も示す。ウィタニア・ソムニフェラの葉及び根に存在する活性化合物は、例えばウィザフェリンA(Withaferin A)等のウィタノライドとして公知のC28ステロイド性ラクトン分子であり、公知の方法、米国特許第7,108,870号を使用して植物から抽出される。
【0238】
発毛
発毛の促進を評定する方法は、当技術分野で公知であり、また、以下に記載する。発毛の改善を評定するための簡単な方法は、ナノエマルション又はマイクロエマルション組成物の適用前後に皮膚の試験領域の写真を撮ることによるものである。この目的のために皮膚を任意選択で剃毛してもよい。写真を撮る。次いで治療を適用する。次いで、第2の写真を撮る。発毛の増加を、以下の任意の組合せを計数することによって数量化することができる:(a)現れてきた毛の数;(b)現れてきた毛の長さ;(c)現れてきた毛の太さ;(d)現れてきた毛の真っ直ぐさ;(e)発毛の面積。皮膚を剃毛しない場合、関連性のある測定は、測定されるパラメーターの改善に関するもの、すなわち、新しい毛の数、毛の長さの増大、毛の太さの増大、毛の真っ直ぐさの増大、及び発毛の面積の増大であり得る。
【0239】
例えば、発毛を個体に関して評定することができる。組成物の投与を受けた個体は、上記のパラメーターのいずれかによって測定して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%又はそれよりも大きな発毛の増強を示し得る。これを、組成物の投与を受けていない個体における発毛と比較することができる。追加された毛の数又は太い毛の数又は真っ直ぐな毛の数によって発毛の増強を評定することができる。他のやり方では、発毛の濃密さによって発毛の増強を評定することができる。発毛の面積の増大によって発毛の増強を評定することができる。
【0240】
ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を、任意の型の脱毛症を軽減するために使用することができる。非アンドロゲン性脱毛症の例として、円形脱毛症、照射療法に起因する脱毛症又は化学療法、瘢痕性脱毛症、ストレス関連脱毛症等が挙げられる。本出願において使用される場合、「脱毛症」は、薄い発毛、短い発毛、細い発毛等が含まれるがこれだけに限定されない頭皮の部分的な若しくは完全な脱毛を指す。脱毛は種々の他の状態でも生じる。
【0241】
成長期脱毛症は、がんに対する化学療法又は放射線治療等の化学物質又は放射線に起因する脱毛である。これは、一般に、「薬物性」又は「放射線性」脱毛症とも称される。これらの型の脱毛症を治療するための調製物を製造するために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を使用することができる。
【0242】
円形脱毛症は、頭皮の円形斑点状の脱毛が最初に示される自己免疫障害である。円形脱毛症は、頭毛が全て失われるまで進行する場合もあり、それは完全脱毛症として公知であり、また、頭毛及び体毛が全て失われるまで進行する場合もあり、これは、汎発性脱毛症として公知である。これらの型の脱毛症を治療するための調製物を製造するために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を使用することができる。
【0243】
外傷性脱毛症は、毛包に対する傷害の結果である。これは、一般に、「瘢痕性脱毛症」とも称される。心因性脱毛症は、急性の感情的ストレスに起因して生じる。一部の実施形態において、またいかなる理論にも縛られることなく、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、成長期を誘導することにより、これらの型の脱毛症に対しても同様に有益であり得る。したがって、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物の使用は、アンドロゲン性脱毛症(androgenetic alopecia)の治療に限定されない。任意の型の脱毛を軽減する(成長期を延長させることによって)ための調製物を製造するために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を使用することができる。
【0244】
したがって、毛がなくなることを予防又は軽減するために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を頭皮及び毛に外用適用することができる。更に、頭皮の発毛を誘導又は促進するために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を外用適用することができる。
【0245】
一部の実施形態では、追加的な発毛が望まれる任意の状況において発毛を刺激する又は脱毛を予防するために、本明細書に記載の組成物及び本明細書に記載の方法を使用することができる。特に、本開示の方法は、対象に、成長期脱毛症、薬剤性脱毛症(drug properties Alopecia)、放射線療法、中毒、広汎性円形脱毛症、円形脱毛症、成長期脱毛症候群、術後後頭部脱毛症、梅毒、牽引性脱毛症(牽引性脱毛症)、抜毛癖、頭部白癬、休止期脱毛症(resting hair loss)、妊娠性休止期(telogen gravidarum)、慢性休止期脱毛症(chronic resting hair loss)、早期発症型男性型脱毛症、鉄欠乏症、栄養不良/消化不良、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、全身性エリテマトーデス、慢性腎不全、肝機能障害、進行悪性腫瘍、ウイルス又は細菌感染症、及び男性発育性脱毛症(male developmental alopecia)が含まれるがこれだけに限定されない種々の状態に関連する脱毛が生じている場合に有用である。特に、本開示の方法は、男性発育性脱毛症、円形脱毛症、薬剤性脱毛症の脱毛症(例えば、がんに対する化学療法後のもの)、及び放射線療法に起因する脱毛症の回復に対して有用である。
【0246】
一部の実施形態では、毛周期の成長期を延長させるために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を頭皮及び毛に外用適用することができる。一部の実施形態では、毛がなくなることを予防又は軽減するために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を頭皮及び毛に外用適用することができる。一部の実施形態では、頭皮の発毛を誘導又は促進するために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を頭皮及び毛に外用適用することができる。一部の実施形態では、成長期を延長させることによって発毛を刺激する又は任意の型の脱毛を予防若しくは軽減するための調製物を製造するために、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を使用することができる。
【0247】
毛の外観及び色素形成
表皮、毛包の球状部及び毛包の外毛根鞘に存在するメラノサイトは相互に異なる。主な差異は、それぞれのメラノサイト-ケラチノサイト機能単位にある。毛球のメラニン単位は、皮膚の免疫学的に別個の領域である基部の成長期にある球状部に見いだされる。前記単位は、毛球ではケラチノサイト5個ごとに1個のメラノサイトで構成され、毛球マトリックスの基底層ではケラチノサイトごとに1個のメラノサイトで構成される。逆に、表皮メラノサイトはそれぞれ、免疫適格性表皮メラニン単位中に36個の不可欠のケラチノサイトを伴う。
【0248】
これら2種のメラノサイト集団間の最も明白な差異は、毛球におけるメラノサイトの活性は、周期制御を受け、したがって、対応するメラニン形成は厳密に言えば毛の成長周期に伴うものであり、したがって、不連続であることである。表皮メラニン形成は、そうではなく、連続したものであると思われる。
【0249】
実際、毛周期は、メラノサイト増殖期間(初期成長期の間)、成熟化期間(成長期の中間から終了まで)、及びアポトーシスによるメラノサイトの死の期間(初期退行期の間)を含む。毛周期ごとに、少なくとも最初の10周期にわたってインタクトである色素単位(pigment unit)の再構成が伴う(Tobin、Int. J. Cosmetic Science、2008;Tobin and Paus、Exp. Gerontol.、2001)。毛球におけるメラニンの生合成及びその後のメラノサイトからケラチノサイトへのメラニンの移行は、メラニン前駆体の利用可能性及び複雑なシグナルトランスダクション機構に依存する。
【0250】
毛包メラノサイトと表皮メラノサイトは共通の形質を有するが、毛包メラノサイトの方が表皮メラノサイトよりも老化プロセスに対する感受性が高いと思われる。毛の色素単位(pigmentary unit)は、環境センサーとして重要な役割を果たし、重要な生理機能も果たす。実際には、色素は、重金属及び毒素がメラニンと選択的に結合することによって体内から迅速に排泄されることに寄与する(Tobin、Int. J. Cosmetic Science、2008)。
【0251】
灰色髪及び白髪が出現した時は、各毛包の年齢に関連する及び遺伝子により調節される色素形成潜在性の消耗が示唆される。メラノサイトの老化は、核及びミトコンドリアDNAに対する活性酸素種によって媒介される損傷とその後の年齢に伴う変異の積み重ね、更に、細胞における抗酸化剤機構又はアポトーシス促進性因子及び抗アポトーシス因子の明らかな変更に関連付けられ得る。老化プロセスを加速する酸化ストレスが環境因子及び内在性の変化(放射線、炎症、感情的ストレス)等のいくつかの因子によって生じる。
【0252】
文献中の他のデータから、毛の成長相(成長期)の間にメラニンが連続して合成されることにより高レベルの酸化ストレスが生じること、及びメラノサイトがフリーラジカルによって誘導される老化に対して特に感受性が高いことが報告される。実際、灰色髪の色素単位(pigmentary unit)はアポトーシス性メラノサイトを含有し、また、高レベルの酸化ストレスも示されることが証明されている。
【0253】
一部の実施形態では、本開示は、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ及び毛幹サイズに変化をもたらすための方法であって、哺乳動物の皮膚に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を含む外用で活性な組成物を有効量で外用適用する工程を含む、方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明の方法及び組成物は全て、灰色髪及び白髪を減少させるために有用である。一部の実施形態では、本発明の方法及び組成物は全て、灰色髪及び白髪の形成を予防することに関して有用である。
【0254】
一部の実施形態では、本開示は、毛におけるメラニン形成作用を生じさせるため、並びに毛の色素形成及び毛幹の色素形成を促進するための方法であって、それを必要とする対象に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を有効量で投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0255】
一部の実施形態では、本開示は、メラノサイトの産生を増大させるための方法であって、それを必要とする対象に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を有効量で投与する工程を含む、方法を対象とする。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの有効量は、1×107ASH-NV/mLから1×1012ASH-NV/mL(すなわち、1mL当たりのウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム数)の間である。一部の実施形態では、本開示は、メラノサイトの産生を増大させるための方法であって、哺乳動物の皮膚に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を含む外用で活性な組成物を有効量で外用適用する工程を含む、方法を対象とする。
【0256】
一部の実施形態では、メラノサイトの産生を増大させるための方法及び組成物は全て、灰色髪及び白髪を減少させるために有用である。一部の実施形態では、メラノサイトの産生を増大させるための方法及び組成物は全て、灰色髪及び白髪の形成を予防することに関して有用である。一部の実施形態では、メラノサイトの産生を増大させるための方法及び組成物は全て、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ及び毛幹サイズに変化をもたらすために有用である。
【0257】
一部の実施形態では、本開示は、ヒト初代メラノサイトにおけるメラニン産生を増大させるための方法であって、それを必要とする対象に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を有効量で投与する工程を含む、方法を対象とする。
【0258】
一部の実施形態では、本開示は、ヒト初代メラノサイトにおけるメラニン産生を増大させるための方法であって、哺乳動物の皮膚に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を含む外用で活性な組成物を有効量で外用適用する工程を含む、方法を対象とする。
【0259】
一部の実施形態では、ヒト初代メラノサイトにおけるメラニン産生を増大させるための方法及び組成物は全て、灰色髪及び白髪を減少させるために有用である。一部の実施形態では、ヒト初代メラノサイトにおけるメラニン産生を増大させるための方法及び組成物は全て、灰色髪及び白髪の形成を予防することに関して有用である。一部の実施形態では、ヒト初代メラノサイトにおけるメラニン産生を増大させるための方法及び組成物は全て、哺乳動物の毛の外観、発毛、毛の色素形成、毛包サイズ及び毛幹サイズに変化をもたらすために有用である。
【0260】
皮膚の治療
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、脂性/テカリのある外観を調節することによって、むらのある皮膚の質感を予防する、抑える、及び/又は治療するために有用である。一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、毛穴サイズの外観を調節する及び/又は減少させるために有用である。
【0261】
本開示は、更に、哺乳動物のケラチン組織の状態を調節するための方法に関し、ここで、これらの方法はそれぞれ、そのような治療を必要とする哺乳動物のケラチン組織に、本開示のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を安全且つ有効な量で外用適用する工程を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、そう痒、慢性そう痒、皮膚の荒れ、皮膚の乾燥、瘢痕治癒、瘢痕軽減、病的な筋線維芽細胞の減少に対する治療のために有効である。
【0262】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、かゆみが6週間よりも長く持続することと定義され、生活活動の邪魔をするまでの重症になり得る慢性そう痒の治療に有用である。そう痒は、多くの皮膚疾患並びに他の非皮膚疾患の特質であり得る。神経障害性障害、心因性障害、全身性障害、及び皮膚科学的障害がそう痒の大多数の原因を構成する。
【0263】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、一般に皮膚の細胞内脂質に対する損傷によって引き起こされ、角質層の保水力が低下する、乾燥に主に起因する皮膚の荒れの治療に有用である。
【0264】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、筋線維芽細胞の標的化死滅の機構による瘢痕治癒に対する治療に有用である。
【0265】
エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又は組成物は、殺菌剤、防腐剤、又は原薬を含み得る。通常の洗浄後に皮膚に残っている微生物を不活化することが重要な状況では1種又は複数種の殺菌剤又は防腐剤を組み入れることが特に有用である。組成物に原薬を組み入れることは、種々の皮膚障害を予防若しくは治療ため、又は経皮(percutaneous)吸収のために外用投与することが有利である原薬を皮膚に送達するために有用であり得る。
【0266】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、皮膚病の治療に有用である。本明細書で使用される場合、「皮膚病」という用語は、皮膚の疾患、不均衡又は欠損を指すものとし、これだけに限定されないが、ざ瘡(尋常性ざ瘡及び酒さ性ざ瘡が含まれるがこれだけに限定されない)、乾癬、感染、傷、色素沈着(これだけに限定されないが、炎症後色素沈着(inflammation after pigmentation)(PIH)を含む)、色素脱失、不均衡な発毛(脱毛症及び毛の過度又は不必要な成長として)、乾性皮膚肥厚、焼けた皮膚(skin is done)、皮膚弛緩症(これだけに限定されないが、皮膚が引き締まること及び柔軟性の欠如を含む)、しわ(微小な溝及び加齢に伴う膣狭窄が含まれるがこれだけに限定されない)、皮膚の血管過形成(皮膚の黒ずんだしみが含まれるがこれだけに限定されない)、皮脂生成の不均衡(例えば、皮膚の赤らみ)、毛穴の肥大、過剰発汗(多汗を含む)、入れ墨、紅色陰癬(アレルギー性皮疹及びおむつ皮膚炎を含む)、瘢痕(cicatrix)、疼痛、かゆみ部分の引っかき傷、熱傷、炎症、疣贅、鶏眼、胼胝、浮腫、ルス・トキシコデンドロン(ツタウルシ)(Rhus toxicodendron)/有毒な漆塗り籐皮(lacquer rattan peel)による皮疹、皮膚癌、並びに殺虫剤、クモ類、ヘビ類(Serpentis)及び他の動物によるかみつきが含まれる。
【0267】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、これだけに限定されないが、ざ瘡、膿疱、毛包炎、せつ腫症、膿瘡、湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、表皮水疱症、魚鱗癬、感染創(例えば、感染した、軽微な熱傷、切創、引っかき傷、挫創、創傷、組織生検部、手術切開及び刺傷部を有する潰瘍)、ヘルペス(例えば、口唇ヘルペス)又は他の抗細菌性の又はウイルス感染症を含む皮膚感染症の治療に有用である。
【0268】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、これだけに限定されないが、微小な溝、深いしわ、笑いじわ、カラスの足跡、妊娠線、及びリパリトーシス(liparitosis)を含むしわ(wrinkle)又は皮膚のしわ(skin line)の治療に有用である。
【0269】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、これだけに限定されないが、皮膚の色素沈着、皮膚の色素脱失、皮膚のきず、うっ血を伴う傷害及び皮膚の血管過形成を含む、皮膚の色の変動の治療に有用である。
【0270】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、これだけに限定されないが、そばかす後の色素沈着(PIH)及び他の皮膚の色の変動、老人斑(太陽光への曝露によるそばかす)、日光による斑点、肝斑、顔の黄ぐすみ(sick Huang of face)、色素沈着、炎症を含む、皮膚の色素沈着の治療に有用である。色素脱失の例には、これだけに限定されないが、白斑が含まれる。
【0271】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、これだけに限定されないが、膿疱、黒色面皰、面皰、黒色面皰又はざ瘡と関連性のある他の型の皮疹を含む、皮膚欠損の治療に有用である。一部の実施形態では、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物は、これだけに限定されないが、ざ瘡創、手術創、刺傷創、熱傷創、傷害創、及び他の創傷によって引き起こされる瘢痕(cicatrix)を含む、皮膚病性の瘢痕(cicatrix)例の治療に有用である。一部の実施形態では、粘膜疾患(例えば、口腔及び膣粘膜疾患)の治療にも本明細書に記載の組成物を使用することができる。粘膜疾患の例には、歯周病、歯肉がん、中咽頭がん、カンジタ・マイコデルマ(Candida mycoderma)感染症、口唇ヘルペス及び熱性疱疹等の口のヘルペス及び単純ヘルペス又は生殖器潰瘍の性器ヘルペスの他のウイルス感染症の原因が含まれるがこれらに限定されない。
【0272】
組成物
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物、任意選択で化粧品組成物を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、並びに、水、担体、乳化剤、保存剤、増粘剤(thickener)、皮膚軟化剤、着色剤、香料及びpH安定剤から選択される1種又は複数種の追加的な成分を含む化粧品組成物を対象とする。
【0273】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、組成物中に存在する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物は、担体を更に含む。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物を外用適用する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物を、頭皮に外用適用する。
【0274】
一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×107個から1mL当たり約1×1012個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×108個から1mL当たり約1×1012個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個から1mL当たり約1×1012個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×1010個から1mL当たり約1×1012個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×107個から1mL当たり約1×1011個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×108個から1mL当たり約1×1011個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個から1mL当たり約1×1011個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×1010個から1mL当たり約1×1011個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×108個から1mL当たり約1×1010個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個から1mL当たり約1×1010個の間である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×107個である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×108個である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×109個である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×1010個である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×1011個である。一部の実施形態では、組成物中のエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの数は、1mL当たり約1×1012個である。
【0275】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物は、アルコールを含まない担体を更に含む。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物は、アルコールを含まない担体を更に含み、頭皮に外用適用される。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物に使用することができる担体基剤流体は、化粧品及び/又は医薬への適用における使用に適した任意の担体流体又は賦形剤の組合せを含む。例えば、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物は、水性担体基剤流体を含み得る。ある実施形態では、水性担体基剤流体は、脱イオン水を含む。
【0276】
一部の実施形態では、担体基剤流体は、溶媒、組成物の構成物に対する担体、希釈剤及び/又は分散剤としての機能を果たし得、構成物を適当な希釈度で皮膚の表面に均一に適用すること、例えば、外用適用することを可能にし得るものである。例えば、担体基剤流体は、乳剤、ローション、クリーム、トニック、噴霧剤、エアロゾル等であり得る。担体基剤流体はまた、組成物の皮膚への浸透も容易にするものであり得る。
【0277】
一部の実施形態では、担体基剤流体は、外用適用に適したローションを含む。そのような実施形態では、ローションは、カルボマー、水、グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、ステアリン酸、ステアリン酸グリコール、セチルアルコール、ジメチコン、保存剤、トリエタノールアミン等、又はこれらの組合せを含み得る。
【0278】
一部の実施形態では、担体基剤流体は、外用適用に適したゲルを含む。そのような実施形態では、ゲルは、水、カルボマー、グリセリン、プロピレングリコール、保存剤等、又はこれらの組合せを含み得る。
【0279】
担体基剤流体は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの総重量に基づいて、約1wt.%から約99.99wt.%までの量で存在し得る。或いは、担体基剤流体は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物を、使用される他の構成成分の量を考慮に入れた残りとして含み得る。
【0280】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、担体基剤流体に可溶性又は不溶性であり得る。ある実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは担体基剤流体に可溶性であり、担体基剤流体は溶媒として作用する。別の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物に使用する成分のうちの1つ又は複数を担体基剤流体への混合前に可溶化剤で可溶化し、したがって、これらの成分を担体基剤流体に可溶性のものにすることができる。本開示における使用に適した可溶化剤の非限定的な例として、水、グリセリン(例えば、植物グリセリン)、種々のエステル、ポリエチレングリコール(PEG)、その誘導体、又はこれらの組合せが挙げられる。
【0281】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物は、界面活性物質、共溶媒、及び賦形剤又は充填剤(例えば、固体、半固体、液体等);皮膚軟化剤;送達増強剤;循環増強剤;抗微生物剤;抗炎症剤;発泡剤;担体;希釈剤;結合剤(例えば、デキストラン);増粘剤(thickening agent);ゲル化剤;ビタミン、レチノイド、及びレチノール(例えば、ビタミンB3、ビタミンA等);色素;香料;サンスクリーン及びサンブロック;抗酸化剤及びラジカルスカベンジャー(例えば、トコフェロール酢酸エステル又は酢酸ビタミンE);有機ヒドロキシ酸;皮膚剥離剤;皮膚コンディショナー(例えば、エチルヘキシルグリセリン、加水分解ダイズタンパク、ジステアリン酸グリコール、シクロペンタシロキサン、クオタニウム-79加水分解ケラチン、プロピレングリコール等);保湿剤(moisturizer);湿潤剤(例えば、加水分解ダイズタンパク、プロピレングリコール等);セラミド、疑似セラミド;リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロール、グルコサミン;薬学的に許容される浸透剤(例えば、n-デシルメチルスルホキシド、レシチンオルガノゲル、チロシン、リシン等);保存剤(例えば、フェノキシエタノール、安息香酸、デヒドロ酢酸、ポリアミノプロピルビグアナイド系化合物、DMDMヒダントイン又は1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ヨードプロピニルブチルカーボネート、ステアラルコニウムクロリド等);プロリン等のアミノ酸;ピロリドンカルボン酸、その誘導体及び塩;異性化糖;パンテノール(すなわち、B5のプロビタミン);トリエタノールアミン又は水酸化ナトリウム等の塩基を伴う緩衝液;蜜ろう、オゾケライトワックス、パラフィンワックス等のワックス;アロエ・ベラ(Aloe vera)の葉、ヤマグルマソウ、マンサク、ニワトコ、緑茶(例えば、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis))の葉、ブドウ(例えば、ヴィテス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera))の種子、ホホバ(例えば、シモンドシア・シネンシス(Simmondsia chinensis))の種子、ティーツリー(例えば、メラレウカ・アルテルニフォリア)葉、ローズマリー(例えば、ロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis))、ヘンナ、サンフラワー(例えば、ヘリアンサス・アヌス(Helianthus annuus))の種子、野生ダイズ(例えば、グリシン・ソジャ(Glycine soja))、アルガンの木の穀粒又はアルガン、キュウリ、シソ等の植物から得た植物抽出物;又はこれらの組合せ等の不活性成分を更に含み得る。本開示を参照すれば当業者には理解されるように、任意選択の成分の選択及び量は変動してよい。
【0282】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、並びに、水、グリセリン、カメリア・シネンシス(緑茶)葉抽出物、グリシン、ラリックス・エウロパエア木部抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、ピサム・サティバム(エンドウマメ)新芽抽出物、アルコール、オレア・エウロパエア(オリーブ)葉抽出物、クルクマ・ロンガ(ウコン)根抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ(トクサ)抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス(シーバックソーン)果実油、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、レピジウム・メイエニ(マカ)根抽出物、メラレウカ・アルテルニフォリア(ティーツリー)葉油、モリンガ・オレイフェラ(ワサビノキ)葉抽出物、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)根抽出物、DL-パンテノール、L-テアニン、メラトニン、ナイアシンアミド、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、及びフィチン酸のうちの1つ又は複数を含む組成物を対象とする。
【0283】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、グリセリン、カメリア・シネンシス(緑茶)葉抽出物、グリシン、ラリックス・エウロパエア木部抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、ピサム・サティバム(エンドウマメ)新芽抽出物、アルコール、オレア・エウロパエア(オリーブ)葉抽出物、クルクマ・ロンガ(ウコン)根抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ(トクサ)抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス(シーバックソーン)果実油、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、レピジウム・メイエニ(マカ)根抽出物、メラレウカ・アルテルニフォリア(ティーツリー)葉油、モリンガ・オレイフェラ(ワサビノキ)葉抽出物、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)根抽出物、DL-パンテノール、L-テアニン、メラトニン、ナイアシンアミド、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、及びフィチン酸を含む組成物を対象とする。
【0284】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、並びに、水、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、パンテノール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、レピジウム・メイエニ、根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ抽出物、ラミナリア・サッカリナ抽出物、コンドラス・クリスパス抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルコール、リン脂質、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、及び/又はリン酸緩衝食塩水のうちの1つ又は複数を含む組成物を対象とする。
【0285】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、水、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、パンテノール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、レピジウム・メイエニ、根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、エクイセツム・アルヴェンセ抽出物、ラミナリア・サッカリナ抽出物、コンドラス・クリスパス抽出物、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルコール、リン脂質、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、及び/又はリン酸緩衝食塩水を含む組成物を対象とする。
【0286】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、並びに、水、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、ブチレングリコール、カフェイン、1,2-ヘキサンジオール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、パンテノール、レピジウム・メイエニ根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、コンドラス・クリスパス抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、アルコール、リン脂質、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、リン酸緩衝食塩水、及び/又はパナックス・ジンセン根抽出物のうちの1つ又は複数を含む組成物を対象とする。
【0287】
一部の実施形態では、本開示は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム、水、グリセリン、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水、プロパンジオール、ブチレングリコール、カフェイン、1,2-ヘキサンジオール、ナイアシンアミド、ヒドロキシエチルセルロース、パンテノール、レピジウム・メイエニ根抽出物、マルトデキストリン、カプリルヒドロキサム酸、コンドラス・クリスパス抽出物、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物、アルコール、リン脂質、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルギニン、乳酸、メラトニン、ソルビン酸カリウム、乳酸桿菌発酵液、ピサム・サティバム抽出物、リン酸緩衝食塩水、及び/又はパナックス・ジンセン根抽出物を含む組成物を対象とする。
【0288】
一部の実施形態では、組成物は、水を含む。一部の実施形態では、組成物は、グリセリンを含む。一部の実施形態では、組成物は、カメリア・シネンシス(緑茶)葉抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、グリシンを含む。一部の実施形態では、組成物は、ラリックス・エウロパエア木部抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、組成物は、塩化亜鉛を含む。一部の実施形態では、組成物は、ピサム・サティバム(エンドウマメ)新芽抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、アルコールを含む。一部の実施形態では、組成物は、オレア・エウロパエア(オリーブ)葉抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、クルクマ・ロンガ(ウコン)根抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、エクイセツム・アルヴェンセ(トクサ)抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、ヒッポファエ・ラムノイデス(シーバックソーン)果実油を含む。一部の実施形態では、組成物は、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、レピジウム・メイエニ(マカ)根抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、メラレウカ・アルテルニフォリア(ティーツリー)葉油を含む。一部の実施形態では、組成物は、モリンガ・オレイフェラ(ワサビノキ)葉抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、パナックス・ジンセン(チョウセンニンジン)根抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、DL-パンテノールを含む。一部の実施形態では、組成物は、L-テアニンを含む。一部の実施形態では、組成物は、メラトニンを含む。一部の実施形態では、組成物は、ナイアシンアミドを含む。一部の実施形態では、組成物は、デヒドロ酢酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、組成物は、ヒアルロン酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、組成物は、フィチン酸を含む。一部の実施形態では、組成物は、メラレウカ・アルテルニフォリア葉水を含む。一部の実施形態では、組成物は、プロパンジオールを含む。一部の実施形態では、組成物は、1,2-ヘキサンジオールを含む。一部の実施形態では、組成物は、パンテノールを含む。一部の実施形態では、組成物は、ヒドロキシエチルセルロースを含む。一部の実施形態では、組成物は、レピジウム・メイエニ根抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、マルトデキストリンを含む。一部の実施形態では、組成物は、カプリルヒドロキサム酸を含む。一部の実施形態では、組成物は、ヒッポファエ・ラムノイデス果実抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、エクイセツム・アルヴェンセ抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、ラミナリア・サッカリナ抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、コンドラス・クリスパス抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、組成物は、エチルアルコールを含む。一部の実施形態では、組成物は、リン脂質を含む。一部の実施形態では、組成物は、アルギニンを含む。一部の実施形態では、組成物は、乳酸を含む。一部の実施形態では、組成物は、ソルビン酸カリウムを含む。一部の実施形態では、組成物は、乳酸桿菌発酵液を含む。一部の実施形態では、組成物は、ピサム・サティバム抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、リン酸緩衝食塩水を含む。一部の実施形態では、組成物は、ブチレングリコールを含む。一部の実施形態では、組成物は、カフェインを含む。一部の実施形態では、組成物は、コンドラス・クリスパス抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、ラミナリア・サッカリナ(カラフトコンブ)抽出物を含む。一部の実施形態では、組成物は、パナックス・ジンセン根抽出物を含む。
【0289】
一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.01重量%~10重量%の量で含む。一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.01重量%~1重量%の量で含む。一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを、組成物の約0.01重量%~2重量%の量で含む。一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを、組成物の約0.01重量%~3重量%の量で含む。一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを、組成物の約0.01重量%~4重量%の量で含む。一部の実施形態では、組成物は、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを、組成物の約0.01重量%~5重量%の量で含む。一部の実施形態では、上のいずれかに記載されている組成物は、0.1%~1%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。一部の実施形態では、上のいずれかに記載されている組成物は、0.1%~2%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。一部の実施形態では、上のいずれかに記載されている組成物は、0.1%~3%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。一部の実施形態では、上のいずれかに記載されている組成物は、0.1%~4%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。一部の実施形態では、本明細書の任意の実施形態に記載されている組成物は、0.1%~5%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。一部の実施形態では、本明細書の任意の実施形態に記載されている組成物は、0.1%~10%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。一部の実施形態では、上のいずれかに記載されている組成物は、約0.3%~約1%のウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む。
【0290】
組合せ
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを1種又は複数種の追加的な活性成分と組み合わせて投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをヒト由来エキソソームと組み合わせて投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを別の植物由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームと組み合わせて投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームと組み合わせて投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをヒト由来エキソソーム及びアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの両方と組み合わせて投与する。
【0291】
一部の実施形態では、活性成分の組合せを同じ組成物中に入れる。一部の実施形態では、活性成分の組合せを別々の組成物として投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをヒト由来エキソソーム及びアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの両方と組み合わせ、これらの成分を別々の組成物中に入れて投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをヒト由来エキソソーム及びアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの両方と組み合わせ、これらの成分を同じ組成物の一部として投与する。
【0292】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをヒト由来エキソソームと組み合わせ、これらの成分を同じ組成物の一部として投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをヒト由来エキソソームと組み合わせ、これらの成分を別々の組成物中に入れて投与する。
【0293】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームと組み合わせ、これらの成分を同じ組成物の一部として投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをアロエ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームと組み合わせ、これらの成分を別々の組成物中に入れて投与する。
【0294】
投与
ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物を、任意の適切な治療レジームを使用して皮膚及び毛に適用することができる。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物を少なくとも1週間に1回、例えば、少なくとも2日ごと、又は少なくとも毎日1回、適用することができる。例えば、適用は、1日当たり2回であってよい。
【0295】
一般に、本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物を使用した治療を無制限に継続することができる。或いは、治療を限られた期間、例えば、数週間又は数カ月だけ繰り返すことができる。次いで、後日、治療を同様の期間にわたって繰り返すことができる。
【0296】
最も一般的に、組成物を適用する皮膚の領域は頭皮である、すなわち、使用者の頭部の脱毛に対処するために組成物を使用する。他の領域も、例えば、眉毛又は睫毛の成長を促進するための適用に適し得る。一部の実施形態では、脱毛を治療若しくは予防する、及び/又は毛の成長を促進することに加えて、本明細書に記載の方法及び組成物により、組成物を適用する毛の外観を、例えば、毛を太くすること、並びに、艶、色(灰色をより少なく、白色をより少なく)の状態及び毛の扱いやすさを改善することによって改善することもできる。
【0297】
一部の実施形態では、脱毛を治療するための方法は、エキソソーム組成物を頭皮、又は発毛若しくは再発毛が望ましい任意の他の体の領域に外用適用することを含む。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、脱毛を予防若しくは緩徐化すること、及び/又は発毛若しくは再発毛を刺激する若しくは増大させることによって脱毛を治療するために有用であり得る。本明細書に記載のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物は、医薬製品及び化粧製品を含めた多種多様な最終製品に有用であり得る。発毛又は再発毛をモジュレートするため、及び脱毛プロセスを減退させるために、エキソソームを調製し、包装し、ラベル付けすることができる。
【0298】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを、溶液、水溶液、ゲル剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、水中油エマルション、油中水エマルション、スティック、噴霧剤、エアロゾル、ペースト剤、ムース、トニック、リポソームの形態で、又は他の化粧品として及び外用に適した形態で外用投与することができる。ある実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム又はその組成物を、治療される領域、例えば、ヒトの頭皮に、滴下すること(dropper)、噴霧すること、軽く塗りつけること、綿棒で塗ること、すりこむこと、又はこれらの組合せによって外用適用することができる。
【0299】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを頭皮刺激物質フォーム剤の形態で外用適用することができる。別の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを、噴霧形態で送達するために、例えばクロロフルオロカーボン溶媒中のエアロゾル形態として頭皮に外用分散させることができる。噴霧形態では、負荷量が多いこと、薬物取り込みが増強されること、適用に都合がよいこと、及び適用領域の毛のもつれが少ないことを含めたいくつかの利点をもたらすことができる。そのような実施形態では、エキソソームは約1週間、或いは約1日、或いは約12時間、或いは約4時間、或いは約1時間、或いは約30分間、或いは約5分間、又は或いは約1分間の期間にわたって頭皮に留まる。任意の所望の時点で、頭皮を洗浄する及び/又はすすぐことによってエキソソームを除去することができる。
【0300】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを、シャンプー、コンディショナー、又は任意の他の適切なヘアケア製品製剤の形態、又はこれらの組合せで外用適用することができる。そのような実施形態では、シャンプー又はコンディショナーを、適用後、例えば、適用直後に、或いは約5秒間、或いは約30秒間、或いは約1分間、或いは約5分間、或いは約30分間、或いは約1時間、或いは約4時間、或いは約12時間、又は或いは約24時間の期間を置いた後にすすぐことができる。ある実施形態では、コンディショナーは、「リーブイン」型コンディショナーであってよく、例えば、次に頭皮を洗浄する時までコンディショナーをすすがずに頭皮につけたままにしておくことができる。ある実施形態では、1つよりも多くの型のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを毛に、例えば、1回の治療セッションで、或いは異なる治療セッションで適用することができ、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをシャンプー、コンディショナー、頭皮刺激物質フォーム剤、又はこれらの組合せとして頭皮に外用適用することができる。
【0301】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを、少なくとも毎日、1日2回、又は1日3回として、発毛又は再発毛のモジュレーションに所望のレベルの改善をもたらすために十分な期間にわたって外用投与することができる。例えば、使用者は、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを毛がなくなりかけている領域又は他の発毛の増加が望まれる領域に直接、本開示の組成物を所望の領域に穏やかにもみこむことによって外用投与することができる。このプロセスを後でその日のうちに繰り返すことができる。ある実施形態では、同じ日又は異なる日に行う適用の間、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを頭皮又は発毛が望まれる他の領域につけたままにすることができる。本開示を用いて当業者には理解される通り、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを、発毛又は再発毛のモジュレーションの前、その間、及びその後に、定期的に、常套的に外用適用/投与することができる。一般に、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを毎日外用投与することができるが、より頻繁な適用も使用することができる。
【0302】
一部の実施形態では、エキソソームの適用を任意の適切な期間にわたって継続することができる。例えば、初回の適用から数週間~数カ月以内に、使用者が脱毛の減少及び/又は発毛若しくは再発毛の増加に気づき得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームが適用すべき頻度は所望の効果に応じて変動することが理解されるべきである。一部の実施形態では、美容的増強の程度は、使用するウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの総量によって直接変動し得る。
【0303】
一部の実施形態では、皮膚又は毛の状態を治療する方法であって、対象の毛乳頭細胞に組成物を投与する工程であって、組成物が、ヒノキ油、ムラサキツメクサ抽出物、及びペプチドを含む、工程と、組成物を投与する工程に応答して対象における毛乳頭細胞からの増殖因子が増加する工程とを含む、方法が本明細書に開示される。
【0304】
一部の実施形態では、皮膚又は毛の状態を治療する方法であって、対象の毛乳頭細胞に組成物を投与する工程であって、組成物が、ヒノキ油、ムラサキツメクサ抽出物、及びペプチドを含む、工程と、組成物を投与する工程に応答して対象の毛乳頭細胞から分泌される白血病抑制因子(LIF)、胎盤増殖因子1(PLGF-1)、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)、血管内皮増殖因子A(VEGF-A)、又はこれらの任意の組合せが増加する工程とを含む、方法が本明細書に開示される。
【0305】
本開示を用いて当業者には理解される通り、本明細書に記載のエキソソームを外用適用/投与するために他の方法を使用することができる。
【0306】
ある実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム等の、脱毛を治療するための組成物を、脱毛を減退させる、並びに/又は発毛及び/若しくは再成長を促進するために有利に使用することができる。例えば、本明細書に開示される通り、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム等の、脱毛を治療するための組成物により、約7日間から約80日間まで、或いは約10日間から約28日間まで、或いは約14日間から約21日間までの期間にわたって脱毛が減退及び/又は停止し得る。
【0307】
理論に限定されることを意図するものではなく、一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム及びその組成物により、約4週間から約52週間まで、或いは約6週間から約26週間まで、又は或いは約8週間から約12週間までの期間にわたって有利に再発毛し得る。
【0308】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム及びその組成物を頭皮に外用適用すると、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム及びその組成物により、頭皮の脱毛が有利に減退及び/又は停止する。
【0309】
ある実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム及びその組成物により、休止している及び/又は傷害を受けた毛包からの発毛が有利に促進し得、例えば、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム及びその組成物には、毛包を若返らせる効果があり得る。ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム及びその組成物及びそれを使用する方法の追加的な利点は、本発明を参照する当業者には明らかであり得る。
【0310】
本開示のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム組成物の投薬量は、脱毛の重症度、対象の年齢、全体的な健康及び本開示の組成物に対する個体の応答が含まれるがこれだけに限定されない多くの因子に依存する。したがって、組成物の投薬量は、変動し得、各対象の応答に応じて容易に調整することができる。
【0311】
一部の実施形態では、本開示は、発毛を促進するための製品の使い方を消費者に知らせる説明書を伴って小売流通用に包装された、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームから調製された外用剤形を含有する製造品又はキットを対象とする。
【0312】
エキソソームを使用して、ヒトに加えて他の哺乳動物における発毛を促進するための調製物を製造することができる。例えば、毛皮(毛)の成長により経済的利益が示されるヒツジ等の家畜にエキソソームを使用することができる。イヌ、ネコ、スナネズミ等の伴侶動物における発毛を刺激するためにエキソソームを使用することもできる。この効果を得るために必要な投薬量は、上記のガイドラインの範囲内に入る。同様に、エキソソームを、治療される動物の型を考慮に入れて、動物への適用のために一般に使用される製剤を使用して投与することができる。発毛を促進するためのエキソソームの他の適用は本出願の開示に基づいて当業者には容易に明らかになり、特許請求の範囲に包含されるとみなされるべきである。
【0313】
投与経路
本開示のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/若しくはエキソソーム、又はその組成物は、経口投与、経口摂取投与、経皮(transdermal)投与、皮下投与、筋肉内投与、及び静脈内投与することができる。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを経口投与又は経口摂取投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを外用投与する。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを頭皮に外用投与する。ある特定の投与経路の利点が当業者には理解されよう。
【0314】
本開示のウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームの外用又は経皮投与のための剤形としては、散剤、噴霧剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液、パッチ及び吸入剤が挙げられる。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを、許容される担体と、及び必要な任意の保存剤、緩衝液又は噴射剤と、滅菌条件下で混合する。
【0315】
吸入による投与に関しては、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを、適切な噴射剤、例えば、二酸化炭素等のガスを含有する加圧容器若しくはディスペンサー又はネブライザーからエアロゾル噴霧剤の形態で送達する。
【0316】
全身投与は、経粘膜的又は経皮的手段によるものであってよい。経粘膜又は経皮投与に関しては、関門を透過させるために適した浸透剤を製剤に使用する。そのような浸透剤は、一般に、当技術分野で公知であり、それらとして、例えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、経鼻スプレー又は坐剤を使用することによって実現することができる。経皮投与に関しては、ウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを当技術分野で一般に知られている軟膏剤、膏薬、ゲル剤、又はクリーム剤に製剤化する。
【0317】
本開示の組成物を、その意図された投与経路に適合するように製剤化する。投与経路の例としては、非経口投与、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、経口投与(例えば、吸入)、経皮投与(外用)、及び経粘膜投与が挙げられる。非経口適用、皮内適用、又は皮下適用のために使用される溶液又は懸濁液は、以下の構成成分を含み得る:滅菌希釈剤、例えば、水、生理食塩水溶液、不揮発性油、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒等;抗細菌剤、例えば、ベンジルアルコール又はメチルパラベン等;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム等;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸等;緩衝液、例えば、酢酸、クエン酸又はリン酸等、及び張度を調整するための作用剤、例えば、塩化ナトリウム又はブドウ糖等。pHを塩酸又は水酸化ナトリウム等の酸又は塩基を用いて調整することができる。非経口調製物をガラス又はプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ又は複数回用量バイアルに封入することができる。
【0318】
作製方法
一部の実施形態では、毛包を治療するためのウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、i)有効量の単離されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム;及びii)担体を含む、組成物が提供され、ここで、単離されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、(a)ウィタニア・ソムニフェラ植物体を生長させる工程;及び(b)ウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームをウィタニア・ソムニフェラの幹、根、種子、葉、又は果実のうちの1つ又は複数から単離する工程を含むプロセスによって作製されたものである。
【0319】
一部の実施形態では、毛包を治療するためのウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、i)有効量の単離されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム;及びii)担体を含む、組成物が提供され、ここで、単離されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、(a)ウィタニア・ソムニフェラ植物体を生長させる工程であって、生長条件が、温度を約20℃~約30℃の範囲から約33℃~約37℃まで上昇させて約1時間~約3時間置き、及び/又は約40℃~約45℃まで上昇させて約1時間~約3時間置くことによって植物を熱ショック処理する工程を含み、ウィタニア・ソムニフェラの幹、根、種子、葉又は果実のうちの1つ又は複数が、熱ショックストレス応答分子のレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含有する、工程と、(b)熱ショックストレス応答分子のレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを単離する工程とを含むプロセスによって作製されたものである。
【0320】
一部の実施形態では、本開示は、毛包を治療するためのウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む組成物であって、i)有効量の、単離/抽出されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソーム;及びii)担体を含む、組成物を対象とし、ここで、単離されたウィタニア・ソムニフェラ由来エキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームは、(a)ウィタニア・ソムニフェラ植物体を生長させる工程であって、生長条件が、温度を約20℃~約30℃の範囲から約33℃~約37℃まで上昇させて約1時間~約3時間置き、及び/又は約40℃~約45℃まで上昇させて約1時間~約3時間置くことによって植物を熱ショック処理する工程を含み、ウィタニア・ソムニフェラの根が、熱ショックストレス応答分子のレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラエキソソーム様ナノベシクル及び/又はエキソソームを含む、工程と、(b)熱ショックストレス応答分子のレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラエキソソームを単離する工程とを含むプロセスによって作製されたものである。
【0321】
一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラを乾燥させる。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラを、成熟度に達する前に乾燥させる。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラの種子を乾燥させる。一部の実施形態では、ウィタニア・ソムニフェラの種子を、乾燥させ、その後、エキソソームを抽出する前に水分を戻す。
【実施例
【0322】
本開示を例示的な態様に関して記載したが、本開示を添付の特許請求の範囲の主旨及び範囲内で改変して実施することができることが当業者には理解されよう。これらの実施例及び上記の実施形態は、ただ単に例示的なものであり、本開示の全ての可能性のある設計、態様、適用又は改変の徹底的な一覧であることを意図するものではない。
【0323】
(実施例1)
アシュワガンダエキソソームタンパク質の分析及び熱ショック処理したアシュワガンダ(ウィタニア・ソムニフェラ)の抽出プロトコール
根、中心幹、葉柄、葉及び果実が含まれるがこれだけに限定されない、アシュワガンダ植物体の種々の部分を抽出に使用した。この抽出手順はこれまでアシュワガンダ植物体を用いて完了されたことはなく、アシュワガンダ植物体エキソソームが作製され、特徴付けられるのも初めてであった。エキソソーム抽出のためのアシュワガンダ植物体の一部は、根、幹、葉、果実、種子、そして更に、熱ショック処理されたバージョンの葉及び幹である。
【0324】
アシュワガンダ(ウィタニア・ソムニフェラ)植物体を2週間後に採取し、図3に従って5つの部分に切断した。各試料のごく一部をRNA抽出及びウエスタンブロット分析のために保持した。
【0325】
成熟中のアシュワガンダ植物体を外界温度で維持したか又は45℃で3時間の熱ショック処理に曝露させた。葉、幹及び根を採取した。ホモジナイゼーション後、エキソソームを各試料から単離し、粒子数及びタンパク質含有量の数量化を行った。タンパク質20μgを電気泳動のために4~12%勾配ゲルにローディングし、PVDFメンブレンに転写した。PhytoAB社の抗体:HSP70抗体(PHY0167)、1:1000及びSYP41/43(PHY1010S)、1:1000を用いてブロットをプロービングした。図1に示されている結果から、HSP70抗体により75KDa付近を移動しているバンドが認識されたことが示される。外界温度では、HSP70は葉において最も豊富に存在し、根における検出は非常に低かった。熱ショック処理後、葉及び幹におけるHSP70の数量が減少したが、根では増加したと思われる。外界温度に置いた植物体の部分に由来するエキソソームではSYPタンパク質は検出されなかった。興味深いことに、葉及び幹から単離された熱ショック負荷したエキソソームにはSYPタンパク質が伴った。
【0326】
エキソソームを記載の通り調製し、タンパク質20μgを電気泳動のために4~12%勾配ゲルにローディングし、PVDFメンブレンに転写した。ABCAM社の抗体:PAT1a抗体(ab124257)、1:1000及びPAT1b(ab139556)、1:1000を用いてブロットをプロービングした。図2の結果から、PAT1bが外界温度調製物の葉及び幹において検出されたことが示される。熱ショック処理により、葉におけるPAT1bの数量が減少し、幹及び根におけるPAT1b負荷量には熱ショック処理の影響はなかったと思われる。PAT1a抗体による検出はいずれの試料においても示されなかった。試料のインプットを増加させること及び/又は抗体希釈度を下げること(1:100)によりシグナルを増大させることができた。
【0327】
アシュワガンダ由来エキソソームのホモジナイゼーションプロトコール
植物組織試料を、1.4mm及び2.8mmのセラミックビーズ(CKmix50)を含有する15mlのPrecellysホモジナイゼーションビーズバイアルに添加した。滅菌PBS(7mL)を添加し、その後、ホモジナイゼーションプロトコールを行った。試料を8000rpmで20秒間パルスする。試料を取り出し、ドライアイス上に45秒間置く。これを更に3回繰り返す。試料を10000rpmで20秒間パルスする。試料を取り出し、ドライアイス上に45秒間置く。内容物を取り出し、50mLの円錐管に入れる。ビーズをPBS 7mlですすぐ。これを3回繰り返す。試料の体積を約40mLにする。混合し、エキソソーム精製の準備が整うまで-80℃下に置く。遠心分離を使用してエキソソームを単離する。収量を数量化する。エキソソームからRNAを精製する。cDNAを作出する。遺伝子発現を数量化する。タンパク質分析をウエスタンブロット、フローサイトメトリー、及び免疫染色によって実施した。
【0328】
各試料を、0.22μmのフィルターを通して濾過した後、100,000×gで2時間遠心分離した。根、及び幹のエキソソームペレットをDPBS 0.5mLに再懸濁させた。葉のペレットについては、DPBS 5mLに再懸濁させ、0.22μMのフィルターを通して濾過し、100,000×gで2時間、再度遠心分離する必要があった。エキソソームペレットをDPBS 0.5mLに再懸濁させる前に、エキソソームを、タンパク質決定のためにThermo NanoDrop分光光度計を使用して特徴付け、およそのRNA濃度を直接吸光度によって特徴付けた。測定前にエキソソームの溶解、染色、RNA抽出は行わなかった。粒子の直径及び濃度を、NP150ナノポアメンブレンをストレッチ47mmで使用し、調節可能抵抗パルスセンシング(TRPS;qNano、Izon Science Ltd社)によって評定した。粒子の濃度を、110nmのカルボキシル化ポリスチレンビーズを1mL当たり粒子1.2×1013個の濃度で用い、複圧較正を使用して標準化した。
【0329】
【表1】
【0330】
ストレス要因により、放出されるエキソソームの数が増加する。アシュワガンダ植物体に熱ストレスを与えた後、エキソソームを抽出した。その結果、エキソソームが、治療効果を発揮するように、一部の場合では長期にわたってレベルが上昇したコルチゾールに対して、「プライミング」された。
【0331】
熱ショックプロトコールを、アシュワガンダ植物体を35℃で2時間にわたってプライミングすることで開始し、その後、植物を45℃で3時間にわたって熱ショック処理し、その後、室温で24時間の回復期間を設けた。次いで、試料を、この室温で24時間の回復期間の後、Precellysを用いてホモジナイズした。次いで、試料をPBSで希釈し、遠心分離の準備が整うまで-80℃で凍結させておいた。最後の工程は、遠心分離を使用してエキソソームを単離し、その後、収量を数量化することを伴うものであった。次いで、熱ショック処理した抽出物のホモジナイゼーションプロトコールを続けた。試料を、1.4mm及び2.8mmのセラミックビーズ(CKmix50)を含有する15mlのPrecellysホモジナイゼーションビーズバイアルに添加した。滅菌PBS 7mLを添加し、次いで、ホモジナイゼーションプロトコールを実行した。試料を8000rpmで20秒間パルスし、次いで、取り出し、ドライアイス上に45秒間置いた。このプロセスを更に3回繰り返した。その後、試料を10,000rpmで20秒間パルスした。
【0332】
試料を取り出し、ドライアイス上に45秒間置いた。次に、内容物をPBS 7mLを伴うビーズですすぎ、これを3回繰り返した。試料の体積を約40mLと等しくなるようにした。試料を、エキソソーム精製の準備が整うまで-80℃下に置いた。最後の工程は、エキソソームを単離及び精製し、その後、ウエスタンブロット、フローサイトメトリー、免疫染色等の標準的なタンパク質分析を行うことであった。
【0333】
熱ストレスを与えたアシュワガンダエキソソーム及び熱ストレスを与えていないエキソソームの両方のエキソソーム抽出プロセスの結果をTable 2(表2)に示す。
【0334】
【表2】
【0335】
(実施例2)
乾燥アシュワガンダの種子からのエキソソームの抽出
アシュワガンダ植物体の種子を乾燥させて得た。種子をDPBS中、4摂氏度で3日間にわたって含水させる。含水させた種子を-80℃で凍結させて48時間置く。種子を解凍し、1.4mm及び2.8mmのセラミックビーズ(CFmix50)を含有する15mLのPrecellysホモジナイゼーションビーズバイアルに添加し、その後、滅菌PBS 7mLを添加し、その後、ホモジナイゼーションを行う。試料を8000rpmで20秒間パルスする。試料を取り出し、ドライアイス上に45秒間置く。これを3回繰り返す。試料を10000rpmで20秒間パルスする。試料を取り出し、ドライアイス上に45秒間置く。内容物を取り出して50mLの円錐管に入れる。ビーズをPBS 7mLですすぎ、これを3回繰り返す。体積の試料を約40mlにする。混合し、エキソソーム精製の準備が整うまで-80℃下に置く。各試料を3000gで15分間遠心分離する。上清を新しいバイアルに移す。各試料を15000gで15分間遠心分離する。上清を250mLのボトルに移す。各試料を、0.22μmのフィルターを通して濾過した後、100,000×gで2時間遠心分離した。エキソソームを、タンパク質決定のためにThermo NanoDrop分光光度計を使用して特徴付け、そのRNA濃度を直接吸光度によって特徴付けた。測定前にエキソソームの溶解、染色、RNA抽出は行わなかった。粒子の直径及び濃度を、Particle Metrix ZetaView(登録商標)を使用してナノ粒子トラッキング解析(Nanoparticle Tracking Analysis)(NTA)によって評定した。
【0336】
(実施例3)
アシュワガンダの種子由来エキソソームの安全性の評価(in vitro)
酸素のフリーラジカル生成は細胞呼吸の副生成物であり、ストレス及び炎症に応答して上昇する。超酸化物、過酸化物、及びヒドロキシルイオンを含めた活性酸素種(ROS)は、異なるフリーラジカルに対して選択的な蛍光色素を使用して検出することができる。ジヒドロエチジウム(DHE)は超酸化物及び過酸化物の存在下で高度に蛍光を発するが、一方、CellROXは、超酸化物に対して選択的である。CellROXは、生細胞及び固定細胞イメージングの両方における、細胞の酸化ストレスを測定するための蛍光発生プローブであり、吸収/放出極大が約644/665nmである。細胞透過性色素は還元された状態にある間は非蛍光であり、活性酸素種(ROS)によって酸化されると明るい蛍光を発する。CellROXは、細胞呼吸の間に形成されるO2ラジカルに対する感受性が非常に高く、検出の基礎レベルが「比較的」高い。
【0337】
P.アクネスに曝露すると、炎症、及び、細胞のROSを取り除き、そのレベルを低下させるストレス応答遺伝子の即時の上方調節が誘導される。この応答を、ストレス曝露の6時間後及び24時間後に、CellROXを使用し、ROSの検出可能な低下によって検出する。ROSのモジュレーションは、極めて一過性のものであり、以前の時点(1~3時間)でモニタリングして薬理学的効果を確かめることができる。P.アクネスへの曝露後にDHE蛍光が細胞に蓄積する。24時間後、ROSは培地のみでの処理と比較して上昇している。
【0338】
生存率(図4参照)
皮膚線維芽細胞を、アシュワガンダの種子由来エキソソーム、又は、対照としてヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソームを1×108から1×1010の間の濃度で用いて6時間及び24時間にわたって処理した。処理後、培地を除去し、Cell Titer Blue viability reagentで置き換えた。1時間後にプレートリーダーを使用して生存率を測定した。培地を除去し、細胞をイメージングアッセイのために加温PBSで洗浄した。
【0339】
酸素ラジカルにより誘導される酸化ストレス(図5及び図6参照)
生存率アッセイ後、細胞を、非選択的超酸化物蛍光マーカーであるジヒドロエチジウム(DHE)、ROS選択マーカーであるCellROX、及びHoechst核染色と一緒にインキュベートした。細胞を37℃で30分間インキュベートし、自動化ハイコンテントイメージャー(High Content Imager)を使用してイメージングを行った。各処理条件について細胞当たりの蛍光シグナルを解析し、上にグラフ化した。赤色の線は、参考のために処理にわたるP.アクネスのレベルを示す。
【0340】
(実施例4)
アシュワガンダの種子由来エキソソームの有効性(in vitro)-細胞遊走試験
Oris(商標)Cell Migration Assay(Platypus Technologies社、Madison,WI)は、細胞遊走をモニタリングするために使用することができる、再現性があり、感度が高く、且つ柔軟なアッセイである。アッセイを96ウェルプレート用にフォーマットし、細胞播種をウェルの中心の外側の輪状領域に制限するために医療用シリコーン製のOris(商標)Cell Seeding Stoppersを利用する。止め栓を外すと、各ウェルの中央に直径2mmの無播種領域、すなわち、検出区画が現れ、その後、播種された細胞がその中に遊走する。Oris(商標)Detection Maskをプレートの底部に適用し、可視化を検出区画に制限し、それにより、遊走した細胞のみを検出することが可能になる(図1参照)。Oris(商標)Cell Migration Assayは、任意の市販の染色又は標識技法と共に使用されるように設計されている。読み取りを顕微鏡又はマイクロプレートリーダーの使用によって使用することができる。
【0341】
実験1(図7参照)
ヒト臍帯静脈内皮細胞(Human Umbilical Vein Endothelial Cell)(HuVEC)を、コラーゲンでコーティングされたPlatypus遊走プレートに播種し、完全培地(Endothelial Cell Growth培地、Cat# CCM027、R&D System社)中、2時間にわたって付着させた。次いで、細胞を洗浄し、無血清培地を単独で(陰性対照、ECGM基本培地、増殖因子も血清も伴わない)又はアシュワガンダの種子由来エキソソーム若しくはヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソームを処理当たり粒子1×109個若しくは1×1010個で補充した無血清培地を、3連で供給し、37℃、5% CO2でインキュベートした。細胞をカルセインAMで染色した後、16時間、24時間、及び48時間の時点でイメージングを行った。規定された領域内の細胞の数を各生物学的3連について計数した。統計解析を実施した(二元配置ANOVAとボンフェローニの多重比較検定)。
【0342】
実験2(図8及び図9参照)
皮膚線維芽細胞をコラーゲンがコーティングされたPlatypus遊走プレートに3連で播種し、表面に付着させた。細胞を完全培地中、37℃、5% CO2で2時間インキュベートして、細胞を付着させた。次いで、付着した細胞をDPBSで洗浄して、全ての増殖因子及び血清を除去した。処理当たり粒子1×108個、1×109個又は1×1010個のアシュワガンダの種子由来エキソソームを3連で無血清且つ増殖因子を含まない培地中、又は1/20完全培地中(完全培地を無血清且つ増殖因子を含まない培地で1:20に希釈したもの)のいずれかに調製し、37℃、5% CO2でインキュベートした。細胞をカルセインAMで染色した後、0時間、16時間、24時間、及び48時間の時点でイメージングを行った。規定された領域内の細胞の数を各生物学的3連について計数した。統計解析を実施した(二元配置ANOVAとボンフェローニの多重比較検定)。
【0343】
実験3(図10参照)。
ヒト毛包皮膚乳頭細胞(Human Hair Follicle Dermal Papilla Cell)(HFDPC)を継代6代目で使用し、37℃、5% CO2でインキュベートした。細胞を、ペニシリン(50U/ml)及びストレプトマイシン(50μg/ml)を補充したHFDPC基本培地(PromoCell)で培養した。生細胞を決定し、計数するために、Trypan-Blue溶液を用いて染色することによって細胞生存率を確認した。細胞を96ウェルプレートにウェル当たり細胞4000個の密度で播種した。実験の間、培地をアッセイ培地(DMEM;L-グルタミン、2mM;ペニシリン、50U/ml;ストレプトマイシン、50mg/ml;及びFCS、1%)で置き換えた。
【0344】
ベースライン実験
HFDPCを96ウェルプレートに播種し、培養培地で24時間にわたって成長させた。次いで、培地を、種子由来、幹由来及び葉由来のアシュワガンダエキソソームを1×1010個の濃度で含有するアッセイ培地又は含有しない(無処理)アッセイ培地で置き換えた。細胞を72時間インキュベートした。インキュベーションの最後の24時間はBrdUを添加して行った。全ての実験条件をn=3で実施した。
【0345】
ストレス誘導実験
HFDPCを96ウェルプレートに播種し、培養培地で24時間にわたって成長させた。次いで、培地を、種子由来、幹由来及び葉由来のアシュワガンダエキソソームを1x1010個の濃度で含有し、それに加えてコルチゾール(300nM)を含有するアッセイ培地又は含有しない(無処理)アッセイ培地で置き換えた。細胞を96時間インキュベートした。インキュベーションの最後の24時間はBrdUを添加して行った。全ての実験条件をn=5で実施した。
【0346】
抗炎症作用(図11参照)
皮膚線維芽細胞を96ウェルプレートにウェル当たり細胞9000個で播種した。37℃、5% CO2で一晩、細胞を付着させた。アシュワガンダの種子由来エキソソーム(ASH)を成長培地中に最終濃度1×1010個、1×109個及び1×108個まで希釈した。対照として、ヒト脂肪組織間葉系幹細胞由来エキソソーム(Human Adipo Tissue Mesenchimal Stem Cells Derived Exosome)(MSC)を同じ濃度に希釈した。デキサメタゾン(DEX)を陽性対照として使用し、成長培地中に100nMまで希釈した。ASH、MSC及びDEXを37℃、5% CO2で10分間インキュベートした。プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)(P.アクネス)溶解物を使用して、細胞培養物において炎症反応を誘導した。Toll様受容体経路が活性化されることによってサイトカイン放出が誘導された。2×P.アクネス処理を成長培地に90μg/ml(最終的に45μg/ml)で添加した。6時間後、培地200mlを収集し、ELISAアッセイまで-80℃で保管した。
【0347】
結果
6時間の時点で、P.アクネス溶解物により、皮膚線維芽細胞においてビヒクル単独と比較してIL-29放出の有意な減少が誘導された。この減少は、1×1010個のASHによって防止された(統計的に有意)。DEXを含めた他の処理では同じ回復は示されなかった。IL-10放出について試験した場合、P.アクネス溶解物により、ビヒクル単独と比較して皮膚線維芽細胞の2倍の増加が誘導された。この誘導は、1×109NV/mLのASHエキソソーム並びに1×1010NV/mL及び1×108NV/mLのMSCエキソソームを用いると有意に防止された。DEXでもベースラインまでの有意な回復が示された。皮膚線維芽細胞におけるIL-4放出を測定した場合、P.アクネス溶解物により、わずかな減少が誘導された。1×108のASH、並びに1×1010のMSCにより、この減少を有意に中和することができた。DEXではベースラインへの回復は示されなかった。最後に、P.アクネス溶解物により、皮膚線維芽細胞においてビヒクル単独と比較してEGFタンパク質レベルの5倍の上昇が誘導された。この上昇は、1×1010のASHエキソソームでは有意に防止されたが、MSCエキソソームでは防止されず、DEXでも防止されなかった。
【0348】
(実施例5)
皮膚線維芽細胞におけるアシュワガンダの種子由来エキソソームの付着及び取り込み(図12図14参照)
プロトコール
アシュワガンダエキソソームを乾燥種子から単離した。精製エキソソームを緑色蛍光脂質色素(Vybrant DiD 650nm、Thermo社、cat# V22887)で標識した。標識したエキソソームをZetaView Particle NanoTracking Analysisを使用して数えた。
【0349】
皮膚線維芽細胞を反復実験96ウェルプレートにプレーティングし、37℃、5% CO2で一晩、付着させた。標識したエキソソームを成長培地中に希釈した。プレート1:細胞を加温PBSで洗浄し、処理培地で置き換え、37℃、5% CO2で15分間置いて、核色素を細胞に蓄積させた。次いで、t=0、16、24、及び72時間の時点でプレートのイメージングを行い、蛍光色素を含有する細胞のパーセンテージを表にし、グラフ化した(図14の実線を参照されたい)プレート2:細胞を低温PBSで洗浄し、低温処理培地で置き換え、4℃で15分間置いて、核色素を細胞に蓄積させた。次いで、t=0、16、24、及び72時間の時点でプレートのイメージングを行い、蛍光色素を含有する細胞のパーセンテージを表にし、グラフ化した(図14の点線を参照されたい)。
【0350】
標識したアシュワガンダエキソソームは皮膚線維芽細胞にすぐに付着し、取り込まれ始めた(図12)。16時間の時点で、エキソソーム濃度1×108で緑色蛍光シグナルが強力に検出され、1×109では全細胞のほぼ80%に蛍光エキソソームが取り込まれた(図12)。72時間の時点で、1×108では細胞の約90%が標識したアシュワガンダエキソソームを含有することが示される。
【0351】
(実施例6)
管形成-アシュワガンダの種子由来エキソソームを使用したヒト臍帯静脈内皮細胞の管形成
本試験の目的は、ASH乾燥種子エキソソームの、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)における内皮管形成を誘導する能力を決定することであった。血管新生の認識段階をモデル化するために最も広く使用されているin vitroアッセイの1つは、管形成アッセイである。血管新生は、新しい血管が形成され、体の組織への酸素及び栄養分の送達が可能になるプロセスである。これは、成長及び発達、並びに創傷の治癒のために必要な生活機能である。
【0352】
プロトコール
プールしていた皮膚線維芽細胞(継代2;Lot DFM012221)を96ウェルプレート(Perkin Elmer社CellCarrier-96 Ultra Microplates)にウェル当たり細胞10,000個で播種した。細胞を通常の成長培地(DMEM+10%FBS)でコンフルエントに達するまで、およそ48時間成長させた。細胞を37℃、5% CO2でインキュベートした。皮膚線維芽細胞コンフルエントに達したら、プールしていたヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)(継代3;ATCC Lot 70032758)2,500個を各ウェルに皮膚線維芽細胞成長培地と内皮細胞成長培地の比が1:1になるように添加した。HUVECSを皮膚線維芽細胞フィーディング層に24時間にわたって付着させた。24時間後、適当なEV、VEGF-A力価測定培地(VEGF-A、Lot)、及び標準的な内皮成長培地(ECGM-1)を個々のウェルに添加した(n=3)。力価測定VEGF-A培地以外の全ての試料に0.5% FBSを含有させた。VEGF-A培地には0.1% BSAを含有させた。培地を7日にわたり、2日ごとに交換した。細胞を37℃、5% CO2でインキュベートした。7日間のインキュベーション後、培地を除去し、細胞をDPBSで2回洗浄した。次に、細胞を、4%パラホルムアルデヒドを用いて室温で30分にわたって固定した。固定後、細胞をDPBSで2回洗浄した。次に、細胞を、0.3% Triton X-100を用いて室温で5分にわたって透過処理した。透過処理後、細胞を、通常のヒト血清を用いて室温で1時間にわたってブロッキングした。血清を用いたブロッキング後、細胞をDPBSで1回洗浄し、DPBS中1:200のCD31-AlexaFluor 647(Abcam社ab215912)を用いて室温で2時間にわたって染色した。染色後、細胞をDPBSで2回洗浄し、50/50のグリセロール/PBS 100μLを各細胞に添加して、細胞染色を保存した。HUVEC管形成を、ImageXpress Pico Automated Cell Imaging System(Molecular Devices社)を使用してイメージングした。管形成を、予めプログラムされた血管新生ネットワーク解析テンプレート(Molecular Devices社)を使用して解析した。
【0353】
結果
ASH乾燥種子由来エキソソームにより、管形成が有意に促進された(図15及び図16参照)。ASH乾燥種子由来エキソソームの効果は、陽性対照として使用したVEGF(管形成及び血管新生の公知のプロモーター)と同等であった(図15及び図17)。ASH乾燥種子由来エキソソームの有効性は、分析した大多数のパラメーターについてアロエの葉由来エキソソームに勝った(図15及び図16参照)。
【0354】
(実施例7)
アシュワガンダの種子由来エキソソーム又はELN(エキソソーム様ナノベシクル(Exosome Like Nanovescicle))のための電子顕微鏡の調製
アシュワガンダの種子由来エキソソーム又はELN試料(5μL;0.05MのPBSで1:1に希釈したもの)を、予め30秒間グロー放電させた300メッシュ銅グリッドのカーボン側に適用した。試料をグリッド表面に30秒~1分にわたって吸着させた。グリッドに濾紙片を芯にして毛細管作用で過剰な試料を引き抜いた。濾過した1%水性酢酸ウラニルをパラフィルムのシートに2滴たらした。各グリッドにUAを1滴触れさせ、すぐに濾紙を芯にして吸い取り、2度目を繰り返した。グリッドを完全に風乾させた後、TEMで観察した。得られた画像を図18に見ることができる。
【0355】
(実施例8)
アロエの葉由来エキソソーム/ELN及びアシュワガンダの種子由来エキソソーム/ELNによるVEGF-Aの誘導
プールしておいたヒト皮膚線維芽細胞を、標準的な成長培地(DMEM-HG+10% FBS)で70%コンフルエントに達するまで培養した。細胞が70%コンフルエントに達したら、細胞をPBSで1回洗浄し、0.5% FBS中で一晩(18時間)、血清を欠乏させた。血清欠乏後、細胞をPBSで1回洗浄し、アロエELN又はアシュワガンダELN 100μL当たり1×109個、1×108個、1×107個の粒子を用いて48時間にわたって処理した。全てのELN条件について0.5% FBS+DMEM-HGでインキュベートした。細胞もインキュベートした。全ての処理を生物学的3連で実施した。処理後、馴化培地をVEGF-AについてHuman VEGF Quantikine ELISA Kit(R&D System社、DVE00)を使用して製造者のプロトコールに従って測定した。EV投薬培地、0.5% FBSビヒクル対照、及び10% FBS陽性対照内のVEGF-Aの基礎濃度をバックグラウンド除去のために測定した。10% FBSにおいてのみVEGF-Aが検出され、それを馴化培地のVEGF-A濃度から差し引いた。
【0356】
(実施例9)
アシュワガンダの種子由来エキソソーム/ELNによるメラニン形成刺激
B16マウス黒色腫細胞をプレーティングし、96ウェル組織培養プレートで成長させた。対照としてコウジ酸(陽性、B16細胞)及びビヒクル単独(陰性)を含めた。細胞を1×106個、1×107個、1×108個、1×109個、又は1×1010個のアシュワガンダの乾燥種子由来エキソソームを用いて3日間にわたって処理した。処理期間後、産生された色素のレベルを、マイクロプレートリーダーを使用して540nmで数量化した。細胞生存率をモニタリングするために、MTT変換法を使用した。MTT変換法は、黄色の水溶性テトラゾリウム塩であるMTT色素が還元されて青紫色の不溶性ホルマザン沈殿物になることを測定するものである。青色呈色の強度により細胞生存率が示される。産生された色素の量を数量化した後、培地を除去し、細胞をMTT溶液に2時間にわたって暴露させた。ホルマザン材料をアルコール試薬(95%エタノール:5%イソプロパノール)で可溶化し、オービタルシェーカーで30分間振とうした。生存細胞による色素の取り込み及び変換を、抽出されたホルマザンを570nmで測定することによって決定した。総色素形成を、色素のレベルを細胞生存率レベルで正規化することによって決定した。結果を図20に見ることができる。
【0357】
(実施例10)
器官培養中の顕微解剖された毛包における蛍光標識したアシュワガンダの種子由来エキソソームの透過。
24~30の、顕微解剖された、ヒト毛包(Human Hair Follicle)を含有する皮膚外植片(Skin Explant)について4つの実験群(ビヒクル、3つの濃度の標識したエキソソーム製剤)で実験を行った。器官培養中の2つの時点で評価を行い、測定されたin vitroアウトプットについて、標識したエキソソームのイメージングを行った。
【0358】
(実施例11)
器官培養中の顕微解剖された毛包(HF)に対するアシュワガンダの種子由来エキソソームの効果。発毛及び色素形成。
25~30の顕微解剖されたHFを1ドナーから取り出す。器官培養中の1つの時点で、毛包伸長(毛幹産生)をex vivoで測定する(デジタル明視野顕微鏡)。更に、以下のパラメーターをin situで評価する:
1.顕微鏡レベルの毛周期(Ki-67/TUNEL又はカスパーゼ3、マッソン・フォンタナ)、成長期HFを選択するためにも
2.毛母増殖及びアポトーシス(Ki-67/TUNEL免疫蛍光法)
3.毛周期非依存性毛包メラニン含有量(マッソン・フォンタナ組織化学検査)
4.毛周期非依存性メラノソーム形成(Gp100免疫蛍光法)
5.毛周期非依存性チロシナーゼ活性(チロシナーゼin situザイモ電気泳動)
【0359】
(実施例12)
毛包透過(図22参照)
色素(Dil)で標識したアシュワガンダの乾燥種子エキソソームを2つの濃度で含有する(1×109/mL=P1及び1×1010/mL=P2)2種の製剤(Hair Growth Serum(発毛美容液)/P1及び発毛美容液/P2)の2つの時点におけるヒト毛包全体への透過。
【0360】
脂肪組織を伴う有毛ヒト腹部皮膚を使用した。ex vivo相により、試験製品の外用適用を再現することが可能になる。組織学的相により、生物学的パラメーターのモジュレーションを染色及び免疫染色によって評価することが可能になる。製品の透過を、毛包における製品の蛍光を顕微鏡で分析することによって評定した。
【0361】
手順
この試験を、フォトタイプII(Fitzpatrickの皮膚色分類に従って)の27歳のコーカサス人男性(P2406-AB27)の腹壁形成術から得、試験開始まで-20℃で2カ月間凍結されていた、脂肪組織を有するヒト有毛皮膚外植片に対して行った。直径20mmの外植片を12個調製し、BEM培養培地(BIO-EC社のExplants Medium)中、37℃、高湿度、5%CO2雰囲気で生存を維持した。
【0362】
1時間にわたって皮膚を解凍した後、Dil標識したアシュワガンダの乾燥種子エキソソームを1×109/mLで含有する試験製品(P1)及びDil標識したアシュワガンダの乾燥種子エキソソームを1×1010/mLで含有する試験製品(P2)を外植片当たり6μl(2μl/cm2)で外用適用し、小さなへらを使用して広げた。対照バッチ(T)にはいかなる処理も行わなかった。
【0363】
0日+6時間の時点(製品適用の6時間後)及び1日目(製品適用の24時間後)に、全てのバッチの外植片を収集し、暗闇中、-80℃で凍結させた。
【0364】
凍結試料を、Leica CM 3050クリオスタットを使用した7μm厚の切片に切った。次いで、連続切片を組織学的ガラススライドに載せた。
【0365】
Olympus社BX43顕微鏡を使用して顕微鏡による観察を実現した。数値DP72 Olympus社カメラをcellSens記憶ソフトウェアと共に用いて写真をデジタル化した。試験したDILで標識した製品の透過を、凍結有毛皮膚切片上の毛包に沿って解析した、DIL特異的顕微鏡フィルター(DIL:吸光波長: 549nm、放出波長565nm)。
【0366】
結果
DIL特異的フィルターを使用し、全ての条件について、毛包の全ての領域:毛包漏斗(INF)、上部毛根鞘(upper root sheath)(URS)、バルジ、下部毛根鞘(lower root sheath)(LRS)及び毛球における赤色蛍光を観察した。
【0367】
6時間(T-6h)及び24時間(T-24h)の時点でのブランクバッチの観察に基づいて、特に毛幹及び上部毛根鞘(URS)とバルジ領域の間に位置する皮脂腺において赤色自家蛍光が観察された。したがって、6時間及び24時間の時点でブランクバッチにおいて観察された赤色シグナルを非特異的シグナル(バックグラウンド)とみなす。DIL特異的染色により、ブランクバッチTで観察されたものと近いか又はそれよりも低い低蛍光強度が示された場合、この特異的な赤色シグナルを自家蛍光(バックグラウンド)と区別することはできない。これが、赤色蛍光が6時間又は24時間の時点でブランクバッチTで観察されるものよりも有意に高い場合にのみ特異的なDIL検出とみなす理由である。Dil標識したアシュワガンダの乾燥種子エキソソームを1×109/mLで含有する製品(P1)では、毛包のいずれの部分においてもDIL特異的蛍光が有意には増大せず、これにより、製品P1を特異的に検出することができないことが示唆される。
【0368】
Dil標識したアシュワガンダの乾燥種子エキソソームを1×1010/mLで含有する製品(P2)では、24時間後に毛包の全ての部分においてDIL特異的蛍光が有意に増大した。これらの結果から、Dil標識したアシュワガンダの乾燥種子エキソソームを1×1010/mLで含有する製品(P2)を、24時間後に特異的に検出することができ、P2が毛包全体を通して透過し得ることが示される。
【0369】
(実施例13)
ORAC(酸素ラジカル吸収能)抗酸化剤アッセイ(図23参照)
ORAC抗酸化剤アッセイは、AAPH(2,2'-アゾビス-2-メチル-プロパンイミダミド、ジヒドロクロリド)の分解によるペルオキシルラジカル形成に起因する経時的なフルオレセイン蛍光の消失を測定するものである。水溶性ビタミンE類似体であるトロロクス[6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸]は、フルオレセイン減衰を用量依存的に阻害する陽性対照としての機能を果たす。ORACアッセイは、フルオレセイン減衰及び抗酸化剤による保護を経時的に測定する動力学的アッセイである。生体液、細胞、組織、及び天然の抽出物における抗酸化剤活性を等価のトロロクス単位に対して正規化して、存在する複合抗酸化剤の活性を数量化することができる。
【0370】
アッセイの原理
ペルオキシルラジカル(ROO)は、AAPH(2,2'-アゾビス-2-メチル-プロパンイミダミド、ジヒドロクロリド)が37℃で分解されることによって形成される。ペルオキシルラジカルによりフルオレセイン(3',6'-ジヒドロキシ-スピロ[イソベンゾフラン-1[3H]、9'[9H]-キサンテン]-3-オン)が酸化されて蛍光を伴わない生成物が生じ得る。抗酸化剤は、水素原子転移機構によってこの反応を抑制し、それにより、フルオレセインシグナルの酸化分解を阻害する。30分間にわたり、485nmにおける励起、538nmにおける放出、及びカットオフ=530nmで蛍光シグナルを測定する。試験試料中の抗酸化剤の濃度はアッセイの経過中の蛍光強度に比例し、正味の曲線下面積を公知の抗酸化剤であるトロロクスの曲線下面積と比較することによって評定される。
【0371】
手順
1.フルオレセイン希釈標準溶液をストック溶液から調製し、光から保護した。
2.トロロクス標準物質を最終濃度100μM、50μM、25μM、12.5μM、及び6.25μMに調製した。PBSをブランク標準物質として設計した。
3.フルオレセイン希釈標準溶液150μlを黒色透明底のアッセイプレートの内部の60ウェルのそれぞれに添加した。
4.試料又はトロロクス標準物質25μlを個々のアッセイウェルそれぞれにORACテンプレートプレートマップに従って添加した。PBS 25μlを陰性対照(プレートブランク)として個々のウェルに添加した。プレートをプレートリーダーチャンバー又はインキュベーター中、37℃で少なくとも10分間置いた。
5.アッセイプレートを37℃に平衡化している間、AAPH希釈標準溶液を調製し、必要になるまで氷上に置いておいた。
6.AAPH希釈標準溶液25μlを、標準物質及び試料を含有するウェルのそれぞれに添加することによってアッセイを開始した。
7.プレートに対して、30分間にわたり、1分間の間隔を空けて、励起=485nm及び放出=528nmで動力学的読み取りを実施した。
8.アッセイが完了したら、各未知物について曲線下面積(AUC)、正味のAUC及びμMトロロクス値を算出した。
【0372】
(実施例14)
一次皮膚刺激評価(図24A参照)
目的
試験材料(アシュワガンダエキソソーム/ELNを1×109個又は1×1010個含む発毛美容液)の、ヒト対象の皮膚への単回適用後48時間にわたる一次(急性)刺激の潜在性を決定すること。
【0373】
試験への組み入れ
- 医師によるケアを現在受けていない個体。
- 試験責任医師の自由裁量で、結果に干渉すると思われるいかなる皮膚科学的又は全身性障害も有さない個体。
- 試験参加に干渉する又は試験参加によりリスクが上昇すると思われるいかなる急性又は慢性疾患も有さない個体。
- 以前の病歴フォームに記入し、全般的に良好な健康状態である個体。
- 特定の型の試験に関する同意文書を読み、理解し、それに署名した個体。
- 試験責任医師及び研究スタッフに協力することができ、又、プロトコールに従って試験材料を適用すること及び試験の全過程を完了することに前向きな個体。
【0374】
試験からの除外
- 18歳未満の個体。
- 医師によるケアを現在受けている個体。
- 試験結果を覆い隠す又は試験結果に干渉する恐れがある任意の薬物適用(外用又は全身)を現在受けている個体。
- 試験参加に干渉する又は試験参加によりリスクが上昇する恐れがある任意の急性又は慢性疾患の病歴を有する個体。
- 慢性皮膚アレルギーの診断を受けている個体。
- 妊娠中又は授乳中であることが示された女性志願者。
【0375】
【表3】
【0376】
器具:
密封条件下で試験する試験材料については、Scanpor Tape(Norgesplaster A/S社、Kristiansand、Norway)に担持された8ミリメートルのアルミニウムFinn Chamber(Epitest Ltd.社、Oy、Tuusula、Finland)、又は、最先端の低刺激性サージカルテープに使用されている接着剤と一致する医療グレードのアクリル接着剤が片側にコーティングされた薄く柔軟性の高い透明なポリウレタンの長方形フィルムに担持された8ミリメートルの濾紙コーティングアルミニウムFinn Chamber AQUA、又は、濾紙が組み入れられた、添加剤フリーポリエチレン発泡プラスチック製の7mm IQ-ULTRA閉鎖セル系(低刺激性不織接着テープ上にチャンバー10個の単位で供給される;テープの幅は52mmであり、長さは118mmである)、又は他の等価物に載せた。
【0377】
半密封条件下で試験する試験材料については、レーヨン/ポリプロピレンパッドを伴うテストストリップ又は低刺激性テープ(Johnson & Johnson社、1 inch First Aid Cloth Tape)の細片に貼られた7.5mmの濾紙ディスクに載せた。
【0378】
オープンパッチで試験する試験材料については、皮膚に直接、およそ1分間すりこんだ。試験材料およそ0.02~0.05mL(液体の場合)及び/又は0.02~0.05gm(固形の場合)を本試験に使用した。液体試験材料を7.5mmのペーパーディスクに分注し、それをFinn Chamberにはめ込んだ。
【0379】
手順
対象に、施設に到着する前に通常通り入浴するか又は体を洗うよう要求した。次いで、試験材料を含有するパッチを背中の肩甲骨下部、正中線の右側又は左側の皮膚に直接貼付し、対象に試験領域を濡らすことも太陽光に直接曝露することもないよう指示し、解放した。パッチを48時間そのままの位置に留める。対象に、次回の予定来院までパッチを取り外さないよう指示した。訓練を受けた皮膚グレード分け検査技師がパッチを取り外し、テスト部位を評価した。有害反応が生じた場合には、紅斑及び浮腫の面積を測定する。浮腫は、影響を受けていない正常な皮膚の輪郭を基準として皮膚を評価することによって推定される。
【0380】
スコアリング
以下に示すスコアリング尺度及び符号の定義は、International Contact Dermatitis Research Group(国際接触皮膚炎研究班)スコアリング尺度に従ったスコアリングスキームに基づく。試験責任医師又は皮膚の臨床的評価に関して訓練を受けた被指名者が臨床的評価を実施する。実行可能なときはいつでも、同じ個体が試験全体を通して全対象についてのスコアリングを行い、処置の割り当て及びあらゆる以前のスコアに関して盲検化する。
0 反応なし(陰性)
1 パッチ領域の少なくとも3/4全体にわたる紅斑
2 パッチ領域の少なくとも3/4全体にわたる紅斑及び硬結
3 紅斑、硬結及び小水疱
4 紅斑、硬結及び大水疱
D 実施機関による中止
Dc 対象の中止
DcI 試験責任医師による対象の中止
【0381】
所見
この試験の過程中、1×109個のアシュワガンダ由来エキソソーム/ELN発毛製剤及び1×1010個のアシュワガンダ由来エキソソーム/ELN発毛製剤のいずれについても、いかなる種類の有害反応も報告されなかった。6名の対象に陽性対照(2.0%ラウリル硫酸ナトリウム溶液)に対するグレード1反応が認められた。陰性対照(DI水)に対する何らかの徴候を示した対象はいなかった。
【0382】
(実施例15)
繰り返し侵襲パッチテスト評価(図24B参照)
目的
試験材料(アシュワガンダエキソソーム/ELNを1×109個又は1×1010個含む高成長美容液のヒト対象の皮膚への繰り返し適用後の刺激及び感作(接触アレルギー)の潜在性を決定すること。
【0383】
試験への組み入れ
- 医師によるケアを現在受けていない個体。
- 試験責任医師の自由裁量で、結果に干渉すると思われるいかなる皮膚科学的又は全身性障害も有さない個体。
- 試験参加に干渉する又は試験参加によりリスクが上昇すると思われるいかなる急性又は慢性疾患も有さない個体。
- 以前の病歴フォームに記入し、全般的に良好な健康状態である個体。
- 特定の型の試験に関する同意文書を読み、理解し、それに署名した個体。
- 試験責任医師及び研究スタッフに協力することができ、又、プロトコールに従って試験材料を適用すること及び試験の全過程を完了することに前向きな個体。
【0384】
試験からの除外
- 18歳未満の個体。
- 医師によるケアを現在受けている個体。
- 試験結果を覆い隠す又は試験結果に干渉する恐れがある任意の薬物適用(外用又は全身)を現在受けている個体。
- 試験参加に干渉する又は試験参加によりリスクが上昇する恐れがある任意の急性又は慢性疾患の病歴を有する個体。
- 慢性皮膚アレルギーの診断を受けている個体。
- 妊娠中又は授乳中であることが示された女性志願者。
【0385】
【表4】
【0386】
器具:
密封条件下で試験する試験材料については、Scanpor Tape(Norgesplaster A/S社、Kristiansand、Norway)に担持された8ミリメートルのアルミニウムFinn Chamber(Epitest Ltd.社、Oy、Tuusula、Finland)、又は、最先端の低刺激性サージカルテープに使用されている接着剤と一致する医療グレードのアクリル接着剤が片側にコーティングされた薄く柔軟性の高い透明なポリウレタンの長方形フィルムに担持された8ミリメートルの濾紙コーティングアルミニウムFinn Chamber AQUA、又は、濾紙が組み入れられた、添加剤フリーポリエチレン発泡プラスチック製の7mm IQ-ULTRA閉鎖セル系(低刺激性不織接着テープ上にチャンバー10個の単位で供給される;テープの幅は52mmであり、長さは118mmである)、又は他の等価物に載せた。
【0387】
半密封条件下で試験する試験材料については、レーヨン/ポリプロピレンパッドを伴うテストストリップ又は低刺激性テープ(Johnson & Johnson社、1 inch First Aid Cloth Tape)の細片に貼られた7.5mmの濾紙ディスクに載せた。
【0388】
オープンパッチで試験する試験材料については、皮膚に直接、およそ1分間すりこんだ。試験材料およそ0.02~0.05mL(液体の場合)及び/又は0.02~0.05gm(固形の場合)を本試験に使用した。液体試験材料を7.5mmのペーパーディスクに分注し、それをFinn Chamberにはめ込んだ。
【0389】
手順
対象に、施設に到着する前に通常通り入浴するか又は体を洗うよう要求した。次いで、試験材料を含有するパッチを背中の肩甲骨下部、正中線の右側又は左側の皮膚に直接貼付し、対象に試験領域を濡らすことも太陽光に直接曝露することもないよう指示し、解放した。パッチを最初の適用後48時間そのままの位置に留めた。対象に、48時間後の予定来院までパッチを取り外さないよう指示した。その後、対象に、試験の残りに関してはパッチを適用して24時間後に取り外すよう指示した。
【0390】
この手順を、週に3回、3週間連続して、一連の9回の連続的な24時間の曝露がなされるまで繰り返した。各再適用の前に、テスト部位の評価を訓練を受けた検査技師が行った。10~14日間の休止期間の後、再テスト/チャレンジ用量を以前に曝露させていないテスト部位に1回適用した。適用の48時間後及び96時間後にテスト部位の評価を訓練を受けた検査技師が行った。有害反応が生じた場合には、紅斑及び浮腫の面積を測定した。浮腫は、影響を受けていない正常な皮膚の輪郭を基準として皮膚を評価することによって推定される。対象に、最終的な読み取り後に生じる恐れがあるあらゆる遅延反応を報告するよう指示した。
【0391】
スコアリング
以下に示すスコアリング尺度及び符号の定義は、International Contact Dermatitis Research Group(国際接触皮膚炎研究班)スコアリング尺度に従ったスコアリングスキームに基づく。試験責任医師又は皮膚の臨床的評価に関して訓練を受けた被指名者が臨床的評価を実施する。実行可能なときはいつでも、同じ個体が試験全体を通して全対象についてのスコアリングを行い、処置の割り当て及びあらゆる以前のスコアに関して盲検化する。
0 反応なし(陰性)
1 パッチ領域の少なくとも3/4全体にわたる紅斑
2 パッチ領域の少なくとも3/4全体にわたる紅斑及び硬結
3 紅斑、硬結及び小水疱
4 紅斑、硬結及び大水疱
D 実施機関による中止
Dc 対象の中止
DcI 試験責任医師による対象の中止
【0392】
所見
この試験の過程中、1×109個のアシュワガンダ由来エキソソーム/ELN発毛製剤及び1×1010個のアシュワガンダ由来エキソソーム/ELN発毛製剤のどちらについても、いかなる種類の有害反応も報告されなかった。6名の対象に陽性対照(2.0%ラウリル硫酸ナトリウム溶液)に対するグレード1反応が認められた。陰性対照(DI水)に対する何らかの徴候を示した対象はいなかった。
【0393】
(実施例16)
消費者の知覚及び忍容性の評価(図24C参照)
目的
男性及び女性の両方による4週間の連続的な試験製品の使用後の試験製品による紅斑/発赤及び乾燥/スケーリング(個々の評定)を評価者によりグレード分けすることによる皮膚許容性(すなわち、耐容性)の評定。
【0394】
男性及び女性の両方による4週間の連続的な試験製品の使用の間、試験製品の各使用後に、対象が自身の焼けるような痛み、刺すような痛み、及びかゆみの不快感(各パラメーターに対する個体の応答)のレベルを評点することによる皮膚許容性(すなわち、耐容性)の評定。
【0395】
男性及び女性の両方による4週間の連続的な試験製品の使用後の対象による消費者の知覚の評定。
【0396】
試験製品の使用説明
1日当たり点滴器1回分全部を頭皮全体に、清潔な、乾いた又は湿らせた頭髪に適用する。点滴器を直接頭皮に位置付ける。美容液をむらなく分配するために、生え際の手前から首の後ろまで区分けしながら真っ直ぐに軽くしぼり出す。合計で約6区分になるはずである。美容液を頭皮に10~15秒間もみこむ。すすがない。通常通りのスタイルにすることができる。ボトル1本でおよそ30~45日間持つ。
【0397】
評定
耐容性の臨床的グレード分け
評価者によるもの
対象の頭皮全体を、ベースライン時に、及び4週間の間隔を置いて、紅斑/発赤及び乾燥/スケーリングについて以下のスコアリング尺度を使用して視覚的に評価する:
紅斑/発赤乾燥/スケーリングの重症度スコア
0 なし 正常な色、徴候なし
1 軽度 薄い淡紅色の外観、わずかなスケーリング、わずかな荒れた外観
2 中等度 赤い外観、小さな~大きな鱗屑が均一に分布し、中等度の荒れた外観を伴う
3 重度 深い赤色~紫色の外観、大きな鱗屑が均一に分布し、重度の荒れた外観が伴う。任意の他の目に見える刺激作用の徴候が認められた場合には記録する。
【0398】
対象によるもの
ベースライン時に、及び4週間の間隔を置いて、対象に、自身の焼けるような痛み、刺すような痛み、及びかゆみの不快感(各パラメーターに対する個体の応答)のレベルを以下のスコアリング尺度を使用して等級付けするよう求める:
不快感のレベルのスコア
0 認識できる不快感なし
1 軽度の不快感
2 中等度の不快感
3 重度の不快感
【0399】
任意の他の皮膚不快感の徴候が認められた場合には記録する。
【0400】
手順
1.対象は試験開始時に施設に報告する。
2.全ての試験に関連する活動を始める前に、候補の対象は、同意フォーム、病歴フォーム、行動規範フォーム、及びHIPAAフォームに記入する。
3.対象を組み入れ/除外基準に基づいて組み入れる。基準を満たすことができない対象は試験から除外する。
4.組み入れられた対象は、現行の頭髪/頭皮ケアレジメンの使用を継続するよう、及び試験の持続時間にわたっていかなる新しい頭髪/頭皮ケア製品も常用に取り入れないよう(本試験製品は例外とする)特定の指示を受ける。
5.対象は、該当する場合には、試験の持続時間にわたって、現行の頭髪/頭皮製品を割り当てられた同様の試験製品に置き換えるよう指示を受ける。
6.組み入れられた場合、対象は以下の評価を受ける:
ベースライン(処置前)
a.評価者及び対象による耐容性評定-対象は、試験を継続するためには組み入れ/除外基準を満たしていなければならない。基準を満たしていない対象は除外される
7.ベースライン測定値に従って、対象は、試験製品を製品使用及び適用説明書と共に付与される。対象は、対象評価フォーム(Subject Evaluation Form)を試験製品の各使用後に記入するよう提供される。
8.対象は、試験施設から解放され、処置の4週間後(±3日)に再度来院するよう伝えられる。
9.対象は、最終来院から自身の医学的情報に何らかの変化があったかどうか質問される。変化が認められた場合、有害事象を収集し、評価する。
10.試験製品を収集し、秤量し、各参加者は面談を受けて試験プロトコールの遵守が確認され、指示を受ける。対象評価フォームを収集し、完全性について確認する。非遵守が疑われる対象は試験参加から除外される。
11.対象に以下の評価を実施する:
処置後4週目(±3日)
a.評価者及び対象による耐容性評定
b.自己評定質問票
12.対象は、4週間の試験間隔の完了後、試験から解放される。
【0401】
結果の概要
本試験の条件下では、合計32名の37~65歳の健康な女性対象が、1×109個及び1×1010個のアシュワガンダ由来エキソソーム/ELN発毛製剤の耐容性を評価する臨床試験を完了した。
【0402】
臨床所見:
ベースラインから、処置後4週間の間隔を置いた時点で、統計的に有意な紅斑/発赤又は乾燥/スケーリングは観察されなかった。
【0403】
ベースラインから、処置後4週間の間隔を置いた時点で、統計的に有意な焼けるような痛み、刺すような痛み、又はかゆみの報告はなかった。
【0404】
(実施例17)
アシュワガンダナノベシクルを用いた処置後の傷ついたヒト毛乳頭細胞における分泌型増殖因子の評価(引っかきアッセイ)(図25A図25D参照)
方法
ヒト毛包皮膚乳頭細胞(HFDPC)を1cm2当たり細胞10,000個で播種し、成長培地(611K-500)中で一晩、付着させた。細胞を、90%コンフルエントに達するまで培養し、その時点で、細胞をp200チップで引っかき処理し、細胞がない区画を創出した。次いで、細胞をPBSで1回洗浄して細胞片を除去した。アシュワガンダの種子ナノベシクルを血清及び補充物質を含まない培養培地中に1mL当たり粒子1×108個、1×109個、及び1×1010個の濃度まで希釈し、ウェルに3連で添加した。引っかき処理していないウェル及び引っかき処理したウェルをビヒクル(PBS)で処理し、これは、アッセイ基礎対照としての機能を果たした。2% FCSを陽性対照として使用した。30時間の処理後、条件培地を除去し、4℃、14,000rpmで10分間遠心分離して細胞片を除去した。次いで、培地をアッセイ実施まで-80℃で保管した。付着した細胞をNP40溶解緩衝液50μlに溶解させ、後の実験のために-80℃で保管した。Growth Factor 11-Plex Human ProcartaPlex(商標)Panel(Thermofisher Scientific社)を使用して分析する試料に以下の標的を含めた:BDNF、EGF、FGF-2、HGF、LIF、NGFベータ、PDGF-BB、PLGF-1、SCF、VEGF-A、VEGF-D。プレートをLuminex MAGPIX Systemで分析した。チューキーの事後統計解析を用いて一元配置分散分析を実施した(n=3;p<0.05を有意とみなした)。
【0405】
結果
アシュワガンダナノベシクル(Ash-PELN)によりHFDPC増殖因子発現が用量依存的に増大し、特に、白血病抑制因子(LIF)(図25Aに示されている)、胎盤増殖因子1(PLGF-1)(図25Bに示されている)、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)(図25Cに示されている)及び血管内皮増殖因子A(VEGF-A)(図25Dに示されている)の分泌が増大し、1ml当たり粒子1×1010個で有意なデータが伴った(種々の増殖因子についてそれぞれ115.1%±26.0%、p<0.01;139.1%±21.9%、p<0.01;90.2%±24.4%、p<0.05;及び102.8%±9.0%、p<0.01)。
【0406】
(実施例18)
ヒト初代メラノサイトにおけるメラニン形成の誘導(図26参照)
方法
ヒト初代メラノサイトを継代5代目で96ウェルプレートに3連で播種し、アシュワガンダナノベシクルを1mL当たり粒子1×1010個、1×109個及び1×108個で用いて48時間処理した。400nmにおける吸光度をプレートリーダーで読み取り、統計的有意性をスチューデントのT検定によって決定した。
【0407】
結果
種々の濃度(1×108NV/mL、1×109NV/mL、及び1×1010NV/mL)のアシュワガンダナノベシクル(ASH-NV)により、ヒト初代メラノサイトにおけるメラニン産生が増大した。この効果は用量依存的であり、1×1010ASH-NV/mLで有意であった(スチューデントのt検定、VEH対照に対してp<0.05)。
【0408】
(実施例19)
アシュワガンダナノベシクルはex vivoで毛包の成長期(成長相)を延長させる(図27参照)
方法
顕微解剖されたヒト毛包のex vivo器官培養物を使用して、5日間の培養期間にわたってアシュワガンダ-ナノベシクル(エキソソーム)を試験した。ヒト毛包は、3回の異なる実験について3名のドナーに由来するものであった。エキソソームを1mL当たりナノベシクル1×109個の濃度で全身適用し、発毛を毛周期の段階分けによって評定した。
【0409】
結果
アシュワガンダNV(エキソソーム)を用いた処置により、5日間の培養後に成長期(Anagen Phase)が延長された。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図25C
図25D
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物であって、エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたものである、組成物。
【請求項2】
ウィタニア・ソムニフェラが、ウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、ウィタニア・ソムニフェラの果実、又はウィタニア・ソムニフェラの種子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
エキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームが、ウィタニア・ソムニフェラの種子から抽出されたものである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ウィタニア・ソムニフェラが、熱ショック処理されたウィタニア・ソムニフェラである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
外用組成物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ウィタニア・ソムニフェラが、凍結乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×107個から組成物1mL当たり約1×1012個までである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
担体が、水であり、組成物が、グリセリン、水性緩衝液、又は乳酸桿菌発酵液、メラトニン、ナイアシンアミド若しくはアルコールを含む天然に存在する保存剤を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを組成物の約0.01重量%~10重量%の量で含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
発毛を刺激する又は脱毛を予防する方法であって、それを必要とする対象に、(a)ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソーム及び(b)担体を含む組成物を外用投与する工程を含み、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの量が、組成物の約0.1重量%から約5重量%までであり、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームの数が、組成物1mL当たり約1×108個から組成物1mL当たり約1×1010個までであり、
ウィタニア・ソムニフェラが、乾燥させたウィタニア・ソムニフェラの種子である、
方法。
【請求項11】
発毛を促進する又は脱毛を低減させる方法であって
熱ショックストレス応答エキソソームのレベルの上昇を有するウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを含む組成物を調製する工程であって、
ウィタニア・ソムニフェラから抽出されたエキソソーム様ナノベシクル又はエキソソームを、ウィタニア・ソムニフェラ植物体のウィタニア・ソムニフェラの幹、ウィタニア・ソムニフェラの根、ウィタニア・ソムニフェラの葉、又はウィタニア・ソムニフェラの果実から抽出し、
ウィタニア・ソムニフェラ植物体を、約33℃~約45℃の調整温度で約1時間~約5時間にわたって生長させる、工程と、
それを必要とする対象の毛乳頭に組成物を投与する工程と
を含む、方法。
【請求項12】
ウィタニア・ソムニフェラ植物体が、調整温度で生長させる前に、約20℃~約33℃のプライミング温度で温めることによってプライミングされたものである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるためのキットであって、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物、及び、発毛促進又は脱毛の予防、低減若しくは逆転を必要とする対象の頭皮に組成物を外用投与するための説明書、を含む、キット。
【請求項14】
それを必要とする対象における発毛を促進する又は脱毛を予防する、低減させる、若しくは逆転させるための、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【国際調査報告】