(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】冷却装置を備えた電気モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 9/06 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
H02K9/06 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560892
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2022058086
(87)【国際公開番号】W WO2022207545
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021108359.1
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディート ゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KSB SE & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ,ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】イエガー,クリシュトフ
(72)【発明者】
【氏名】クレム,トニー
(72)【発明者】
【氏名】モール,マティアス
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB14
5H609BB18
5H609PP01
5H609PP05
5H609PP16
5H609QQ02
5H609QQ12
5H609RR03
5H609RR07
5H609RR20
5H609RR24
5H609RR63
(57)【要約】
本発明は、冷却装置(2)を備えた遠心ポンプを駆動するための電気モータ(1)に関する。冷却装置(2)は、ファンホイール(5)およびカバー(4)を備え、カバー(4)はチャンバ(17)を囲んでいる。ガイド要素(3)がチャンバ内に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心ポンプを駆動するための電気モータ(1)であって、ファンインペラ(5)とシュラウド(4)とを備える冷却装置(2)を有し、前記シュラウド(4)は前記ファンインペラ(5)の周りの空間(17)を囲んでいる、電気モータ(1)において、ガイド要素(3)が前記空間(17)内に配置されていることを特徴とする、電気モータ(1)。
【請求項2】
前記ガイド要素(3)が半径方向前縁(31)と軸方向後縁(30)とを有することを特徴とする、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項3】
前記ガイド要素(3)が、ロータシャフト(13)の方向に前記シュラウド(4)から半径方向に延びることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気モータ。
【請求項4】
前記ガイド要素(3)が、大きくなるにつれて、前記ファンインペラ(5)の回転方向とは反対方向に徐々に増大する曲率半径を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項5】
前記ガイド要素(3)が前記シュラウド(4)と一体品として形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項6】
前記シュラウド(4)が、電子機器ハウジング(8)の放熱要素(7)へのチャネルを形成するための突出部(21)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項7】
前記空間(17)が、前記ファンインペラ(5)を半径方向に完全に取り囲むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項8】
環状チャネル(19)が前記シュラウド(4)の内壁面と前記電気モータ(1)の前記ハウジングの外壁面との間に形成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項9】
前記シュラウド(4)が、吸気グリル(6)から円筒部分(25)までの丸い移行部(22)を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項10】
前記ファンインペラ(5)は、回転方向後方に湾曲したブレード(23)を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項11】
前記ファンインペラ(5)の全ての前記ブレード(23)が同じ曲率を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項12】
前記ファンインペラ(5)のキャリアディスク(26)がトランペットベルの形状に構成され、前記キャリアディスク(26)が開口部(24)の方向に先細になることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項13】
前記ファンインペラ(5)の前記ブレード(23)が、前記キャリアディスク(26)の中心点の外側で前記ベル形状のリングに取り付けられていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項14】
全ての前記ブレード(23)が、前記キャリアディスク(26)上のそれらの取り付け点に丸い部分(27)を有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の電気モータ。
【請求項15】
前記ファンインペラ(5)の前記ブレード(23)が周方向に斜めに配置され、ロータシャフト(12)に対する傾斜角度は、好ましくは5°より大きく、特に10°より大きく、好ましくは15°より大きく、および/または好ましくは45°より小さく、特に40°より小さく、好ましくは35°より小さいことを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の電気モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンインペラとファンインペラの周囲の空間を囲むシュラウドとを備える冷却装置を有する、遠心ポンプを駆動するための電気モータに関する。
【背景技術】
【0002】
遠心ポンプ装置は一般に、1つまたは複数の遠心ポンプ、1つまたは複数の電気モータ、および周波数変換による回転速度制御のための電力電子機器装置を含む。特に、電気モータおよび関連するモータ電子機器は、動作中に適切な冷却を必要とする。
【0003】
この種の典型的な電気モータは一般に知られており、主に大量生産されている。ここで、電気モータは、モーターシャフトに回転結合して接続されたロータ、巻き付けられたステータコアを備えたステータ、外側に冷却フィンを備えたステータハウジング、両側に位置し、転がり軸受またはすべり軸受を備えたエンドシールドと、駆動側の反対側に位置するシャフト端でシャフトに回転結合して接続されたファンインペラで構成され、このファンインペラは、ステータハウジングに固定的に接続されたファンシュラウドによって囲まれている。
【0004】
モータ電子機器のコンポーネントが取り付けられるボックス、いわゆる電子機器ハウジングは、通常、ステータハウジング上に配置される。一般に、モータ電子機器は、周波数コンバータ、電力コントローラおよび/または回転速度コントローラを備える。このような電子機器ハウジングは、電気モータの廃熱がモータ電子機器に影響を及ぼさず、モータファンによって生成される冷却空気流もモータ電子機器の冷却に利用できるように、台座上に配置されることがよくある。
【0005】
ファンインペラから半径方向に出た冷却空気は、ファンシュラウドによって軸方向にステータハウジングの冷却フィンに導かれ、また、前記ファンシュラウドは、ファンインペラの入射流側に配置されたグリルによって異物の侵入を防止する。
【0006】
独国公開特許第102008051650A1には、モータとモータ電子機器の共同冷却を備えた発明が開示され、この場合、モータと電子機器ハウジングを冷却する目的で、ファンインペラが空気流を駆動する前に、空気流がファンシュラウドの吸気グリルを通して引き込まれる。ここでの焦点は、モータの周囲に軸方向と半径方向の両方に構築された非常に大規模なモータ電子機器のセットを冷却することにある。
【0007】
量産電気モータには、通常、双方向ファンインペラが装備されている。したがって、ファンを含むモータは時計回りと反時計回りの動作の両方で使用できる。ファンインペラのブレードは、回転方向に依存しない冷却性能を実現するために、純粋に半径方向に向けられている。これにより、冷却空気の非常に脈動的な流入と流出が発生する。この脈動状態により、渦が形成され、冷却空気流が分離し、冷却の有効性と効率が低下する。さらに、冷却空気の渦は騒音を発生し、周囲の人が不快に感じたり、騒音が比較的強い場合には健康に悪影響を与える可能性さえある。
【0008】
さらに、低い回転速度で動作する電気モータの場合、冷却空気流はステータの廃熱とモータ電子機器の廃熱を同時に放熱するのに適切ではなくなる可能性がある。
【0009】
特に、ファンインペラのカバーやファンシュラウドは、冷却空気流の誘導に関して十分に最適化されていない。単に冷却空気流の方向転換をするだけでなく、それらは、主にファン装置の回転部分への不注意による侵入を防ぐために役立つ。したがって、ファンシュラウドの設計は、騒音の発生に少なからず影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、低速回転でも十分な冷却性能が得られるように冷却デバイスを備えた電気モータを設計することにある。ここでは、電気モータと冷却デバイスが騒音の発生を最小限に抑えて動作することが可能でなければならない。冷却デバイスはさらに、不注意なアクセスに対する保護を確保する必要がある。冷却デバイスを備えた電気モータの構造により、交換部品の交換が容易になるはずである。デバイスは製造が簡単で安価である必要がある。
【0011】
前記目的は、本発明によれば、冷却装置を有する電気モータによって達成される。好ましい変形例は、従属請求項、説明および図面から明らかになる。
【0012】
本発明によれば、ファンインペラおよびシュラウドを備える冷却装置を有する遠心ポンプを駆動するための電気モータ上に、ガイド要素がシュラウドによって囲まれた空間内に配置される。
【0013】
理想的には、ガイド要素はブレード状の構成であり、半径方向の前縁と軸方向の後縁を有する。それらはファンのシュラウド内で静止するように配置されている。それらの目的は、ファンインペラから出てくる旋回流を、損失を最小限に抑えて、電気モータとモータ電子機器を冷却するための最小の旋回を持つ流れに方向転換することである。このようにして、空気流が熱が放熱される位置に向けられるため、電気モータの回転速度が低い場合でも冷却が非常に効果的であるという利点がある。
【0014】
ブレード状のガイド要素は、主に多段ポンプでインペラーロータの下流に配置されるステータのガイドブレードと同様に設計されている。前記ガイド要素は、ファンインペラの周囲の半径方向空間内でファンインペラを取り囲む。冷却空気流は、ブレード状ガイド要素の半径方向前縁に衝突する。ファンインペラと丸いファンシュラウドの回転方向とは反対方向に曲率により、半径方向に配向された冷却空気流は、流れの分離や渦の形成なしに軸方向の冷却空気流に方向転換される。実質的に損失なく、特に効果的な方法で方向転換された冷却空気流は、ブレード状ガイド要素の軸方向の後縁で、前記冷却空気流は、ステータハウジングを冷却するために環状チャネルに入るという事実により、ブレード状のガイド要素から出る。
【0015】
本発明によれば、ガイド要素は、シュラウドの内壁から中央に配置されたロータシャフトの方向に半径方向に延びる。ここで、ガイド要素は、大きくなるにつれて、ファンインペラの回転方向とは反対方向に徐々に増大する曲率半径を有する。このようにして、脈動状態、流れの分離、または渦の発生を伴うことなく、流れの方向転換を達成することが可能であることが好ましい。これにより、冷却装置の冷却性能が理想的に強化される。同時に、回転方向に依存しない冷却装置により、動作中の騒音の発生が大幅に低減される。
【0016】
冷却装置のシュラウドは、ガイド要素と一体品として形成されている。したがって、シュラウドは、例えばプラスチック射出成形部品として経済的に製造することができる。本発明の別の変形例では、金属ベースのシュラウドも考えられる。
【0017】
電子機器ハウジングは電気モータのステータハウジング上に設置され、熱を放熱するための要素、特に冷却フィンの高さだけ離間されている。ここで、電子機器ハウジングは、ステータハウジングと電子機器ハウジングとの間に熱を放熱するためのチャネルを形成する形状を有する。シュラウドは、細長い形状のガイド要素を有し、冷却空気流を前記冷却チャネルに効率的に方向転換し、したがって電気モータおよびモータ電子機器の廃熱を特に効果的に放熱できる突出部を有することが有利である。
【0018】
本発明によれば、ガイド要素を備えたシュラウドによって形成される空間は、冷却装置のファンインペラを半径方向に完全に取り囲む。この設計ソリューションは、流れの分離や渦の形成を回避するために、冷却流の目標とする方向転換に特に理想的である。したがって、冷却装置の特に静かな動作が可能となる。
【0019】
完全な冷却性能を発揮して効率的に冷却するには、方向付けられた冷却空気流が非常に重要である。理想的には、シュラウドは、シュラウドの円筒部分の内壁面と電気モータのハウジング、特に一体形成された冷却フィンを有するステータハウジングの外壁面との間に環状チャネルを形成する。ファンインペラによって引き込まれ生成された冷却空気流は、まずシュラウドのガイド要素によって、およびシュラウド自体の形状によって半径方向から軸方向に方向転換される。ブレード状のガイド要素の独創的な設計により、方向転換には渦の形成、流れの分離、または妨害となる騒音の放出が伴わない。シュラウドの円筒部分は、冷却空気流が注入される環状チャネルが形成されるようにステータハウジングに有利に隣接している。このようにして、冷却装置の冷却性能は、特に電気モータの回転速度が低い場合でも特に高い。
【0020】
本発明の特に有利な一実施形態では、シュラウドは、渦を形成せずに冷却空気流の方向転換を促進する丸い部分を有する。この丸い移行部は、軸方向に配置された吸気グリルと、ステータハウジングに半径方向に隣接するシュラウドの円筒部分との間に配置される。丸い移行部は、ガイド要素の形状にも同様に影響を及ぼし、ガイド要素はシュラウドと一体品として形成されているため、シュラウドの内壁およびその丸い形状に継ぎ目なく隣接する。このようにして、冷却空気流は、流れの分離や騒音の発生を妨げることなく、ステータハウジング上の軸方向の流れに、またステータハウジングと電子機器ハウジングの間の冷却チャネルを通って方向転換をすることができる。冷却空気流はモータの冷却フィンに均一に向けられるだけでなく、電力電子機器用の電子機器ハウジングも同様に冷却する必要があるため、電子機器ハウジングの領域では冷却空気流の非対称分布が必要である。したがって、この実施形態では、ファンシュラウドは、円形から逸脱し、この領域での空気流の増加を可能にする非対称の突出部を有する。
【0021】
ファンインペラは、ステータハウジングの外側で、ポンプから離れた側のエンドシールドのすぐ下流で、電気モータのロータシャフトに取り付けられている。したがって、ロータシャフトは、電気モータのそれぞれの回転速度でファンインペラを駆動する。冷却装置は、過度にかさばる構造により設置面積が不利に制限されないように、電気モータから最小限の間隔で配置されている。
【0022】
本発明によれば、ファンインペラは回転方向後方に湾曲したブレードを有する。ファンインペラのキャリアディスクには、冷却空気流の吸気側にハブ突起が形成されており、このハブ突起にブレードが中心からオフセットして取り付けられている。ブレードは、キャリアディスクから吸気側の方向に突出しており、回転方向とは反対方向に湾曲した輪郭を有することが好ましい。特に、全てのブレードは同じ曲率を有することができる。
【0023】
本発明の特に有利な実施形態では、ファンインペラはブレードと一体品として形成される。ここで、インペラおよび/またはブレードを金属材料または射出成形プラスチックから製造することが有利であることが証明されている。
【0024】
理想的には、ファンインペラのキャリアディスクはトランペットベルの形状に構成され、キャリアディスクは吸気方向、特に吸気グリルの方向に先細になる。このトランペットベルの断面からは、一連の1つまたは複数の円弧と直線が得られる。この曲線輪郭は、双曲線の数学的形状によって再現できる。キャリアディスクのこの特殊な構造は、冷却空気流を特にスムーズに方向転換するため、渦の形成や騒音の発生を引き起こす流れの分離を回避する。
【0025】
ファンインペラを使用した流れが最適化された冷却空気流の生成は、特にブレード配置によって実現される。ここで、ファンインペラのブレードは、回転方向とは反対方向に半径方向で湾曲している。それらは、トランペットのベルの形状の中心点の外側に取り付けられているため、キャリアディスク上で偏心した配置になっている。取り付け点は、キャリアディスクのトランペットベル上の仮想リングから始まる。このリングは、キャリアディスクの直径の約3分の1に相当する。
【0026】
ブレード前縁とブレード後縁の間のブレード中心線の経路は、輪郭平均線と呼ばれる。多くの場合、円弧、あるいは放物線アーチ、Sベンド、またはその他の解析曲線によって記述される。
【0027】
本発明によるファンインペラのブレードは、キャリアディスク上の取り付け点に丸い部分を有する。ブレードの輪郭平均線は丸い部分から伸び、正確にキャリアディスクの外縁で終わる。この有利な構造は、ファンインペラの流れが最適化された実施形態の一部であり、流れの分離や渦の形成を伴わずに冷却装置によって冷却空気流を生成することを可能にする。これにより、電気モータおよびモータ電子機器の廃熱を、騒音の発生を妨げることなく、特に効果的に放熱することができる。
【0028】
本発明の特に有利な一変形例では、ファンインペラのブレードが円周方向に斜めに配置されている。このようにして、冷却空気流を特に静かに生成することができる。電気モータのロータ軸に対する傾斜角度は、好ましくは5°より大きく、特に10°より大きく、好ましくは15°より大きく、および/または好ましくは45°より小さく、特に40°より小さく、好ましくは35°より小さい。ファンインペラは、容易に脱型可能な射出成形部品として製造されることが好ましいため、ブレード表面は、ファンインペラの回転軸の周りで適切な勾配でブレードの輪郭平均線が歪んだ結果として生じるねじ面として設計されている。
【0029】
冷却装置の構造、特にシュラウドとファンインペラの構造は、特にメンテナンスが容易な設計によって特徴付けられている。ここで、部品は特に簡単に分解できるため、メンテナンスをより迅速に行うことができる。
【0030】
本発明のさらなる特徴および利点は、図面に基づく例示的な実施形態の説明および図面自体から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】遠心ポンプを駆動するための冷却装置を備えた電気モータの断面図を示す。
【
図3】シュラウドが取り外された、冷却装置を備えた電気モータの斜視図を示す。
【
図5】本発明によるファンインペラの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、遠心ポンプを駆動するために設けられた電気モータ1の断面図を示す。ロータシャフト12は、ポンプ側エンドシールド11と、ステータハウジング13と一体品として形成されたエンドシールドとによって、一体化された転がり軸受16を介して支持され、回転可能に取り付けられている。ロータシャフト12はロータ14を有する。電気モータの原理により、ステータ15の回転磁界がロータ14を駆動する。
【0033】
電子機器ハウジング8は、ステータハウジング13上に設置され、電子機器ハウジング下部9と電子機器ハウジングカバー10から形成される。モータ電子機器は、周波数コンバータ、電力コントローラ、および/または回転速度コントローラで構成され、電子機器ハウジング8内に配置される。放熱要素7は電子機器ハウジング下部9内に配置されている。この例示的な実施形態では、放熱要素7は冷却フィンとして構成されている。電気モータ1の熱はステータハウジング13を介して伝達され、同時にモータ電子機器の熱は電子機器ハウジング下部9を介して放熱要素7に伝達される。
【0034】
冷却装置2は、電気モータ1のポンプとは反対側に取り付けられる。前記冷却装置は、ファンインペラ5と、統合された開口部6を備えたシュラウド4とから構成される。ここで、シュラウド4は、ファンインペラ5の周りの半径方向空間17を囲み、ガイド要素3が前記空間17内に配置されている。ブレード状ガイド要素3は、半径方向前縁31と軸方向後縁30を有する。ファンインペラ5は、シュラウド4の開口部6を通って軸方向に空気流を引き込み、前記空気流を半径方向に空間17内に方向転換する。それらの曲率がファンインペラ5の曲率と半径方向に反対であるため、ガイド要素3は、この例示的な実施形態ではブレード状の構成であり、シュラウド4と一体品として形成されており、前記空気流が放熱要素7および20の上を通過するように空気流を軸方向に方向転換し、これらは、モータおよびモータ電子機器を効率的に冷却するために、ステータハウジング13全体にわたって半径方向に配置されている。
【0035】
図2は、遠心ポンプへの接続が行われる視点から見た電気モータ1の側面図を示す。電子機器ハウジング8はステータハウジング13上に設置される。ここで、電子機器ハウジングは、電子機器ハウジング下部9と電子機器ハウジングカバー10とを含む。放熱要素7は電子機器ハウジング下部9に取り付けられ、放熱要素20はステータハウジング13に取り付けられる。この例示的な実施形態では、放熱要素7および20は両方とも冷却フィンとして構成される。シュラウド4は、放熱要素7および20をちょうど取り囲む環状チャネル19が形成されるように、放熱要素7および20を備えたステータハウジング13上に突出している。したがって、冷却空気流は、ステータハウジング13とともに放熱要素7および20によって形成されるチャネルに理想的な方法で導入され、冷却目的で流れることができるという利点がある。
【0036】
図3は、冷却装置2を有する電気モータ1を示しており、シュラウド4は取り外された状態で示されている。シュラウド4は、吸気グリル6の開口部を有しており、この例示的な実施形態では、吸気グリル6はシュラウド4内のグリルの形態で構成されている。シュラウド4はさらに、放熱要素7、ステータハウジング13、および電子機器ハウジング下部9によって形成されるチャネルに十分な量の冷却空気流を導くことを目的とした非対称の突出部21を有する。したがって、電気モータ1によって発生する熱、および電子機器ハウジング8内に配置されたモータ電子機器によって発生する熱を有利に放熱することができる。シュラウド4は、開口部6から円筒部分25までの丸い移行部22を有する。したがって、半径方向の冷却空気流は、放熱要素20およびステータハウジング30から形成されるチャネルを通って流れるように、非常に有利に軸方向に方向転換される。この冷却空気流は、回転方向に後方に湾曲し、ベル形のキャリアディスク26上に配置されたブレード23を有するファンインペラ5によって生成される。ブレード23は、その取り付け点において、その輪郭平均線上に丸い部分27を有する。
【0037】
図4は、冷却装置2の断面図を示す。冷却装置2の内部では、回転方向後方に湾曲したブレード23を有するファンインペラ5が、開口部24を介してロータシャフト12(図示せず)上に配置されている。ファンインペラ5は、平面視の方向に開口部24に向かって先細になるトランペットベル形状のキャリアディスク26を有する。ブレード23は、丸い部分27を備えたキャリアディスク26から始まっている。ブレード23の取り付け点は、ファンインペラ5の直径の約3分の1に対応する仮想線上にある。したがって、ブレード23の取り付け点は、開口部24によってマークされる中心の外側にある。シュラウド4は、ファンインペラ5を半径方向に完全に取り囲む空間17を取り囲んでいる。ガイド要素3は、この空間17内に配置され、シュラウド4と一体品として形成される。ガイド要素3は、ファンインペラの曲率とは反対の半径方向の曲率を有し、半径方向の前縁31を有する。シュラウド4はさらに、非対称の突出部21を有し、ガイド要素3もまた、延長された形状で非対称の形状に適合される。
【0038】
図5は、開口部24に向かって先細になるトランペットベル形状のキャリアディスク26を有するファンインペラ5の斜視図を示す。ブレード23は回転方向後方に湾曲しており、さらに周方向に斜めに配向されている。ファンインペラ5の位置決め用の開口部24から突出するロータシャフト12(図示せず)に対する傾斜角度は、5°より大きく、好ましくは10°より大きく、特に15°より大きい、および/または45°より小さい、好ましくは40°より小さい、特に35°より小さい。ブレード23は、キャリアディスク26上の取り付け点に丸い部分27を有する。したがって、冷却空気流を特に静かに有利に生成することができる。
【国際調査報告】