IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シスル ロケットリー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-ポンプ装置 図1
  • 特表-ポンプ装置 図2
  • 特表-ポンプ装置 図3
  • 特表-ポンプ装置 図4
  • 特表-ポンプ装置 図5
  • 特表-ポンプ装置 図6
  • 特表-ポンプ装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F02K 9/46 20060101AFI20240312BHJP
   F02K 9/50 20060101ALI20240312BHJP
   F02K 9/58 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
F02K9/46
F02K9/50
F02K9/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561038
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 GB2022050687
(87)【国際公開番号】W WO2022208048
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】2104755.0
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523374965
【氏名又は名称】シスル ロケットリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】THISTLE ROCKETRY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ロバートソン
(72)【発明者】
【氏名】イアン ハンリー
(57)【要約】
燃料を燃焼チャンバに順次供給するための複数のチャンバを有するポンプを備えるポンプ装置であって、各チャンバは、別のチャンバに流体接続されており、それにより、チャンバを通気することによって別のチャンバを少なくとも部分的に加圧する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼チャンバに順次供給するための複数のチャンバを有するポンプを備え、
各チャンバは、別のチャンバに流体接続されており、前記チャンバを通気することによって前記別のチャンバを少なくとも部分的に加圧する、ポンプ装置。
【請求項2】
流体を貯蔵するための圧力容器を含み、各チャンバが前記圧力容器に流体接続されている、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
前記圧力容器と前記チャンバとの間の各接続部に弁が設けられている、請求項2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記弁は、比例弁である、請求項3に記載のポンプ装置。
【請求項5】
推進薬を貯蔵するための貯蔵タンクを含み、各チャンバが前記貯蔵タンクに流体接続されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記貯蔵タンクと前記チャンバとの間の各接続部に弁が設けられている、請求項5に記載のポンプ装置。
【請求項7】
各チャンバが前記燃焼チャンバに流体接続されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項8】
前記燃焼チャンバと前記チャンバとの間の各接続部に弁が設けられている、請求項7に記載のポンプ装置。
【請求項9】
各チャンバが通気導管によって別のチャンバに流体接続されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項10】
前記複数のチャンバ間の各接続部に弁が設けられている、請求項9に記載のポンプ装置。
【請求項11】
前記ポンプ装置は、弁のうちの1つ以上を順次開閉することを制御するためのコントローラを含む、請求項3~10のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項12】
前記コントローラは、圧力容器と第1のチャンバとを接続する導管の前記弁を開口して、前記第1のチャンバを加圧するように構成されている、請求項11に記載のポンプ装置。
【請求項13】
前記コントローラは、前記燃焼チャンバと第1のチャンバとを接続する導管の前記弁を開口し、推進薬を前記燃焼チャンバに流すように構成されている、請求項11または12に記載のポンプ装置。
【請求項14】
前記コントローラは、圧力容器と第1のチャンバとを接続する導管の前記弁を少なくとも部分的に開口位置に維持して、前記第1のチャンバの推進薬が空になったときに、前記第1のチャンバ内を実質的に一定の圧力に維持するように構成されている、請求項11~13のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項15】
前記コントローラは、前記第1のチャンバの推進薬が空になったときに、前記燃焼チャンバと第1のチャンバとを接続する導管の前記弁を閉口するように構成されている、請求項11~14のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項16】
前記コントローラは、通気導管の前記弁を開口し、第1のチャンバが別のチャンバに通気し、少なくとも部分的に別のチャンバを加圧するように構成されている、請求項11~15のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項17】
前記コントローラは、貯蔵タンクと第1のチャンバとの間の接続部の前記弁を開口し、第1のチャンバを再充填するように構成されている、請求項11~16のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項18】
前記コントローラは、第1のチャンバに対するのと同じシーケンスを別のチャンバに対して実行するように構成されている、請求項11~17のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項19】
前記ポンプは、燃料を燃焼チャンバに順次供給するための4つのチャンバを有する、請求項1~18のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項20】
前記コントローラは、前記チャンバまたはその関連するコンポーネントのうちの1つが故障した場合に、代替シーケンスに切り替えるように構成されており、前記代替シーケンスは、チャンバを通気して、少なくとも部分的に別のチャンバを加圧することも含む、請求項11~18のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項21】
前記ポンプ装置を使用して、ロケット内で推進薬をポンピングする、請求項1~20のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項22】
燃料を燃焼チャンバに順次供給するための複数のチャンバを有するポンプを提供すること、
各チャンバを別のチャンバに流体接続し、前記チャンバを通気することにより前記別のチャンバを少なくとも部分的に加圧することと、
を含む、燃料を燃焼チャンバに供給する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプおよびポンプ装置に関する。特に、本発明は、限定されるものではないが、ロケット内で使用されるポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロケットは、推進薬を貯蔵タンクから燃焼チャンバに移動させるためにポンプを必要とする。ロケットの性能は、推進薬タンクの重量、燃焼チャンバの重量、およびポンプの重量に依存している。最適なパフォーマンスを得るには、これらの各コンポーネントは可能な限り軽量である必要がある。
【0003】
通常、ロケットには、2種類のタイプのポンプが使用される。1つ目のタイプは、加圧タンクを使用する。しかしながら、これには高強度材料で製造された重いタンクが必要であり、これは、その重量に起因してロケットの性能を低下させる。2つ目のタイプは、ターボポンプを使用する。しかしながら、このタイプのポンプは、複雑かつ高価である。また、推進薬は、ゲル化推進薬である場合がある。しかしながら、ゲル化推進薬は、非ニュートン性のため、遠心ポンプ内での取り扱いが困難であることで知られている。
【0004】
小型衛星やCubeSatsの打ち上げ等、小型ロケットの打ち上げの需要が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、上述した制限のうちの1つ以上に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、燃料を燃焼チャンバに順次供給するための複数のチャンバを有するポンプを備えるポンプ装置が提供され、各チャンバは、別のチャンバに流体接続されており、それにより、チャンバを通気することによって少なくとも部分的に別のチャンバを加圧する。
【0007】
任意に、ポンプ装置は、流体を貯蔵するための圧力容器を含む。任意に、流体は、高圧で保管される。任意に、各チャンバは、圧力容器に流体接続されている。任意に、各チャンバの上部は、圧力容器に流体接続されている。
【0008】
任意に、圧力容器とチャンバとの間の各接続部に弁が設けられている。任意に、弁は、比例弁である。
【0009】
任意に、ポンプ装置は、推進薬を貯蔵するための貯蔵タンクを含む。任意に、各チャンバは、貯蔵タンクに流体接続されている。任意に、各チャンバの下部は、貯蔵タンクに流体接続されている。
【0010】
任意に、貯蔵タンクとチャンバとの間の各接続部に弁が設けられている。
【0011】
任意に、各チャンバは、燃焼チャンバに流体接続されている。
【0012】
任意に、燃焼チャンバとチャンバとの間の各接続部に弁が設けられている。
【0013】
任意に、各チャンバは、通気導管によって別のチャンバに流体接続されている。
【0014】
任意に、チャンバ間の各接続部に弁が設けられている。
【0015】
任意に、ポンプ装置は、弁のうちの1つ以上を順次開閉することを制御するためのコントローラを含む。
【0016】
任意に、コントローラは、圧力容器と第1のチャンバとを接続する導管の弁を開口して、第1のチャンバを加圧するように構成されている。
【0017】
任意に、コントローラは、燃焼チャンバと第1のチャンバとを接続する導管の弁を開口し、それにより、推進薬を燃焼チャンバに流すように構成されている。
【0018】
任意に、コントローラは、圧力容器と第1のチャンバとを接続する導管の弁を少なくとも部分的に開口位置に維持して、第1のチャンバの推進薬が空になったときに、第1のチャンバ内を実質的に一定の圧力に維持するように構成されている。
【0019】
任意に、コントローラは、第1のチャンバの推進薬が空になったときに、燃焼チャンバと第1のチャンバとを接続する導管の弁を閉口するように構成されている。
【0020】
任意に、コントローラは、通気導管の弁を開口し、それにより、第1のチャンバが別のチャンバに通気し、少なくとも部分的に別のチャンバを加圧するように構成されている。
【0021】
任意に、コントローラは、貯蔵タンクと第1のチャンバとの間の接続部の弁を開口し、それにより、第1のチャンバを再充填するように構成されている。
【0022】
任意に、コントローラは、第1のチャンバに対するのと同じシーケンスを別のチャンバに対して実行するように構成されている。
【0023】
任意に、ポンプは、燃料を燃焼チャンバに順次供給するための4つのチャンバを有する。
【0024】
任意に、コントローラは、チャンバまたはその関連するコンポーネントのうちの1つが故障した場合に、代替シーケンスに切り替えるように構成されており、代替シーケンスは、チャンバを通気して、少なくとも部分的に別のチャンバを加圧することも含む。
【0025】
任意に、ポンプ装置を使用して、ロケット内で推進薬をポンピングする。
【0026】
任意に、ポンプ装置は、推進薬の圧力および流量のうちの一方または両方を感知するための1つ以上のセンサを含む。
【0027】
任意に、ポンプ装置は、フィードバック制御を含み、1つ以上のセンサは、フィードバック制御に接続されている。
【0028】
任意に、フィードバック制御は、比例積分微分コントローラ(PIDコントローラ)または比例積分速度コントローラ(PIVコントローラ)を含む。本発明の第2の態様によれば、燃料を燃焼チャンバに供給する方法が提供され、本方法は、
燃料を燃焼チャンバに順次供給するための複数のチャンバを有するポンプを提供することと、
各チャンバを別のチャンバに流体接続し、それにより、チャンバを通気することにより別のチャンバを少なくとも部分的に加圧することと、
を含む。
【0029】
本開示を、例示として、添付の図面を参照して、以下に更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明によるポンプ装置の概略図である。
図2図1のポンプ装置の動作時の状態を示す表である。
図3図1のポンプ装置の動作を示す概略図である。
図4】本発明の特定の実施形態によるポンプ装置の複数のチャンバの正面断面図である。
図5図4Aの複数のチャンバの横断面図である。
図6図4の複数のチャンバの上面断面図である。
図7図4の複数のチャンバの三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、燃料を燃焼チャンバ20に順次供給するための複数のチャンバ40、42、44、46を有するポンプ10を備えるポンプ装置を示す。図1の破線で示すように、各チャンバは、通気導管12によって別のチャンバに流体接続されており、それにより、1つのチャンバを通気することにより少なくとも部分的に別のチャンバを加圧する。明確化するために、図1の各チャンバは、通気導管12によって他の2つのチャンバに接続されている。しかしながら、異なる配置も可能である。例えば、各チャンバが他の全てのチャンバに接続されていることが最も有利である。これは、図4図7に示されており、以下で説明する。チャンバ間の各接続部に弁14が設けられている。
【0032】
ポンプ装置は、空気または他のガス等の高圧流体を貯蔵するための圧力容器30を含む。各チャンバは、圧力容器30の上部に流体接続されている。圧力容器30とチャンバとの間の各接続部には、弁32が設けられている。弁32は、比例弁であり、それにより、各チャンバに流入する流体の流量を制御することができる。
【0033】
ポンプ装置は、推進薬を貯蔵するための貯蔵タンクも含む。明確化するために、これは図1には示さないものとする。各チャンバは、貯蔵タンクの下部に流体接続されている。貯蔵タンクとチャンバとの間の各接続部には、弁(図示せず)が設けられている。
【0034】
各チャンバは、燃焼チャンバ20にも流体接続されている。燃焼チャンバとチャンバとの間の各接続部には、弁22が設けられている。
【0035】
ポンプ装置は、弁が順次開閉することを制御するためのコントローラ(図示せず)を含む。
【0036】
動作時、初期段階には、4つ全てのチャンバが推進薬を充填される。推進薬は、通常、約300kPaの低圧推進薬タンクからチャンバ内に供給される。加圧タンクを使用する従来のポンプ装置と比較して、これは比較的低い圧力である故、推進薬用の貯蔵タンクをより軽量化することができる。
【0037】
燃焼を開始するために、コントローラは、圧力容器30と第1のチャンバ40とを接続する導管の弁32を完全に開口して、第1のチャンバを加圧するように構成されている。適切な圧力に達すると、コントローラは、第1のチャンバ40を燃焼チャンバ20に接続する導管の弁22を開口する。これにより、第1のチャンバ40内の推進薬が下流の燃焼チャンバ20に排出される。導管には流量メータも設けられており、推進薬の流量を測定する。
【0038】
推進薬が第1のチャンバ40から排出されると、第1のチャンバ40内の圧力が低下する。しかしながら、コントローラは、比例弁32を部分的に開口位置に維持して、第1のチャンバ40内を実質的に一定の圧力に維持するように構成されている。
【0039】
第1のチャンバ40の推進薬の容量が10%になると、コントローラは、圧力容器30と第2のチャンバ42との間の導管の弁を開口し、第2のチャンバ42を加圧する。第1および第2のチャンバは、第1のチャンバ40が使い果たされるまで推進薬の供給を共有する。次に、コントローラは、燃焼チャンバ20と第1のチャンバ40とを接続する導管の弁を閉口する。
【0040】
代替的な実施形態では、燃焼チャンバ20とチャンバとを接続する導管の弁等の弁の多くは、動作時に受動的であってもよい。これらは、上流制御の二次的影響に反応してもよい。例えば、上流の能動制御により、システム内の圧力差を変化させ、これに受動的な逆止弁が反応してもよい。従って、そのような実施形態では、コントローラは、これらの弁を開閉する必要がない。
【0041】
この段階では、第1のチャンバ40には推進薬は入っていないが、完全に加圧されている。従って、低圧貯蔵タンクから第1のチャンバ40を再充填することはできない。従来のポンプ装置では、その後、第1のチャンバ40は、大気に放出されることになる。これは、エネルギーの無駄であり、また、一旦各チャンバが推進薬を放出し、再充填されてから各チャンバを再加圧するのにより大容量の(かつより重い)圧力容器30を必要とする。
【0042】
本発明は、この欠点を克服する。第1のチャンバ40を通気するのではなく、コントローラは、通気導管の弁14を開口し、それにより、第1のチャンバが第3のチャンバ44等の別のチャンバに通気し、少なくとも部分的に別のチャンバを加圧するように構成されている。第1のチャンバ40が大気圧である場合、推進薬を再充填することができる。
【0043】
上記のシーケンスが他のチャンバに対しても繰り返される。第2のチャンバ42の推進薬の容量が10%になると、コントローラは、圧力容器30と第3のチャンバ44との間の導管の弁を開口する。しかしながら、第3のチャンバ42は、第1のチャンバ40の通気によって既に少なくとも予圧されている。従って、圧力容器30からの流体の供給はほとんど、または全く必要ない。
【0044】
第2のチャンバ42の推進薬が空であるが完全に加圧されている場合、コントローラは、通気導管の弁14を開口し、それにより、第2のチャンバ42が第4のチャンバ46に通気し、少なくとも部分的に第4のチャンバ46を加圧する。第2のチャンバ42が大気圧である場合、推進薬を再充填することができる。
【0045】
同様に、第3のチャンバ44が空であるが完全に加圧されている場合、第3のチャンバ44を通気して、第1のチャンバ40を再加圧することができる。
【0046】
その後、必要なだけシーケンス全体を1回以上繰り返すことができる。本発明により、予圧に必要な圧力を91%節約可能であると推定される。
【0047】
図2は、上述したシーケンスの2サイクル中のチャンバの状態を表で示している。システムのこの周期的な動作により、燃焼チャンバへの一定の質量流量の供給が可能となる。図3は、経時的な1サイクルの概略図である。図2および図3において、TEは、チャンバが「空になるまでの時間(time to empty)」を示している。
【0048】
図4図7は、本発明の特定の実施形態によるポンプ装置の複数のチャンバの複数の図を示す。図4は正面断面図であり、図5は横断面図であり、図6は上面断面図であり、図7は複数のチャンバの三次元図である。図4図7に示されるコンポーネントのサイズは、単なる例示であり、本開示は、いかなる特定のコンポーネントのサイズにも限定されないことを理解されたい。図4図4では、全てのチャンバが通気導管12によって互いに接続されている。
【0049】
各チャンバの頂部には、三方向ジャンクションがある。圧力容器30に接続する導管の弁を開口することにより、チャンバに圧力が供給される。4つ全てのチャンバは、T字形状の圧力共有導管50によって互いに接続されている。チャンバへの4つの入口のそれぞれに弁が設けられている。これらの弁は、どのチャンバが他のどのチャンバと共有されるかに応じて、コントローラによって開口される。
【0050】
コントローラは、チャンバ並びに流量および圧力センサからフィードバックを受け取る。フィードバック制御を使用して、燃焼を積極的に安定化させることができる。フィードバック制御は、PIDコントローラまたはPIVコントローラを含むことができる。
【0051】
このシステムは、インテリジェント障害応答も可能である。ポンプ装置に正確な制御コードを設定すると、フォールバックモードを開始することができる。チャンバのうちの1つに関して破裂、弁の故障、または他の予期せぬ問題が発生した場合、コントローラは、残っているチャンバを伴う代替シーケンスに切り替えることができる。3つのチャンバ動作に縮小した場合も、圧力リサイクルシステムは引き続き動作可能である。
【0052】
従って、本発明は、耐障害性が高い。ポンプを推進薬タンクの内側に取り付けることによって、更なる保護も提供可能である。
【0053】
本発明はまた、設計および構築が非常に簡素であり、弁およびセンサよりもより複雑な部品を有しない。これは、コンポーネントの質量を可能な限り小さくする必要があるロケット用途での使用に特に有利である。
【0054】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記に対して様々な修正および改良を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】