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特表2024-512805集積回路アセンブリ埋め込み用に使用されるアセンブリ並びにその用途及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】集積回路アセンブリ埋め込み用に使用されるアセンブリ並びにその用途及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/50 20060101AFI20240312BHJP
   H01L 23/32 20060101ALI20240312BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01L21/50 A
H01L23/32 D
H01L21/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561117
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 US2022022532
(87)【国際公開番号】W WO2022212492
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/169,658
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523375065
【氏名又は名称】テレサーキッツ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーツ,ジェイナ
(57)【要約】
集積回路の製造に使用されるアセンブリ及び積層板並びにその製造方法及び使用方法について説明する。前記アセンブリは、剥離層又は多孔質基材に適用される真空によって所定の位置に保持される密集したコンポーネント、及びパッドを含むコンポーネントの側面をコーティングしないままにして、コンポーネントを封入するために堆積された少なくとも1つの埋め込み材料を含み、それにより前記コンポーネント及び前記埋め込み材料の積層体を形成し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路の製造に使用されるアセンブリであって、
基板、
前記基板上に配置された剥離層、
前記剥離層の上に配置された複数のコンポーネントであって、前記複数のコンポーネントのそれぞれが前記剥離層と接触する活性面を備える、前記複数のコンポーネント、及び
前記複数のコンポーネントを封入する埋め込み材料層、を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記コンポーネントの前記活性面のそれぞれが、前記埋め込み材料と実質的に接触しない、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記埋め込み材料層が複数の埋め込み材料副層を備える、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記埋め込み材料層がアマルガムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記アマルガムが、約-5ppm/℃~約5ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する低CTEアマルガムである、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記アマルガムが、マトリックス金属、合金化金属、及び低CTE材料を含む、請求項4又は5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記マトリックス金属がガリウム(Ga)を含む、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記合金化金属が、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、セリウム(Ce)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6又は7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記低CTE材料が、ZrW(タングステン酸ジルコニウム)、HfW、Sc12、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6~8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記アマルガムが、追加の低CTE材料、不動態化材料、液体、還元剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される元素をさらに含む、請求項4~9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記剥離層が、前記剥離層と前記複数のコンポーネントのうちの少なくとも1つのコンポーネントとの間に位置するアンダーカット領域を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記アンダーカット領域が、堆積材料を含む、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記基板が細孔を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のアセンブリの製造方法であって、
前記複数のコンポーネントを前記剥離層上に堆積させ、前記剥離層は基板上に配置する工程、及び
前記複数のコンポーネントを前記埋め込み材料層で包み込む工程、
を含む、製造方法。
【請求項15】
前記複数のコンポーネントを前記埋め込み材料層で包み込む工程が、スプレー法によって行われる、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
アセンブリを集積回路に統合する方法であって、
請求項1~13のいずれか一項に記載のアセンブリの前記埋め込み材料層によって封入された前記複数のコンポーネントから前記剥離層を分離して、積層体を形成する工程、及び
前記複数のコンポーネントの前記露出表面のそれぞれの上に相互接続材料を堆積させて、配線された積層体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項17】
前記配線された積層体をデバイス内に配置する工程、及び
前記配線された積層体を前記デバイスに電気的に接続する工程
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
回路デバイスに統合するための積層体であって、
複数の封入表面と1つの露出表面とをそれぞれ含む複数のコンポーネント、及び
前記複数のコンポーネントの前記複数の封入表面を封入する埋め込み材料、
を含む、積層体。
【請求項19】
前記露出表面のそれぞれがパッドを含む、請求項18に記載の積層体。
【請求項20】
前記露出表面のそれぞれが、互いに実質的に同一平面上にある、請求項18又は19に記載の積層体。
【請求項21】
前記露出表面のそれぞれの上に配置された相互接続材料をさらに含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項22】
前記埋め込み材料がアマルガムを含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項23】
前記アマルガムが、マトリックス金属、合金化金属、及び低CTE材料を含む、請求項22に記載の積層体。
【請求項24】
前記アマルガムが、約-5ppm/℃~約5ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する低CTEアマルガムである、請求項22又は23に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願の参照による援用
本出願と共に提出されたアプリケーションデータシート又は請求(Request)において外国又は国内の優先権主張が特定されているあらゆる出願は、アメリカ合衆国特許規則連邦規則法典37巻§1.57(37 CFR 1.57)並びにPCT規則4.18及び20.6(Rules 4.18 and 20.6)に基づいて参照により本明細書に援用される。2021年4月1日に出願された米国仮出願第63/169658号は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、マイクロ電子部品のアセンブリの形成を対象とする。
【背景技術】
【0003】
パッケージ化された集積回路、コンデンサ、抵抗器、及びインダクタなどのコンポーネントは、通常、プリント基板(「PCB」)上に配置される。プリント基板には、ランディングパッドで終端する事前形成配線の多層があり、各層ははんだによって前記コンポーネントに接続される。典型的には、集積回路(「IC」)パッケージの入力/出力(「I/O」)端子上のはんだボール又はバンプは、PCB上にプリントされたはんだペースト上に位置合わせされて配置される。次に、アセンブリはリフローオーブンと呼ばれるオーブンに通され、はんだが溶けて接合部が形成される。パッシブコンポーネントには比較的大きな金属メッキ端子があり、同様にPCB上のスクリーンプリントされたはんだペーストパターン上に位置合わせして配置される。
【0004】
この方法にはいくつかの欠点がある。前記アセンブリは、はんだ(例えば、96.5%の錫(Sn)、3%の銀(Ag)、0.5%の銅(Cu)という通常の組成を有する「SAC」などのはんだ)を溶かすために約250~260℃の温度に加熱される必要があり、その後、220℃を超える温度を1分間以上適用して、はんだがパッド上を自由に流れるようにする必要がある。基板が冷えると、様々な材料(特にはんだ、PCB内のポリマー、銅(Cu)、及びケイ素(Si))の熱膨張係数(CTE)が大きく異なるため、深刻な応力が発生する傾向がある。周囲温度付近(ガラス転移温度を超えると、実質的に高くなる場合がある)において、CTEは、ケイ素(Si)では2.7ppm/℃、銅(Cu)では17ppm/℃、SACでは約23ppm/℃、FR4(PCB構築に使用される一連のシリカ充填エポキシ複合材料の名称)では約14~16ppm/℃、並びにアンダーフィルポリマー及び/又は様々なエポキシでは約15~30超ppm/℃である。これらの応力は、はんだ接合部の破損やコンポーネント(例えば、IC)パッドからのはんだの剥離による回路の故障を引き起こす場合があり、実際にその原因となることがよくある。さらに故障の機会は、使用中の熱サイクル中に発生する。例えば、動作時の発熱によりICの温度が85℃以上に上昇する場合がある。
【0005】
したがって、そのような欠点や故障を緩和しないアーキテクチャ及び製造方法が有益である場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示及び従来技術に対して達成される利点を要約する目的で、本開示の特定の目的及び利点が本明細書に記載される。そのような目的又は利点の全てがいかなる特定の実施形態で達成されるわけではない。したがって、例えば、当業者は、本発明が、本明細書で教示又は示唆され得る他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示され
た1つの利点又は利点の群を達成する又は最適化する方法で具体化又は実行され得ることを認識するであろう。
【0007】
一態様では、集積回路製造に使用されるアセンブリが開示される。前記アセンブリは、基板、前記基板上に配置された剥離層、前記剥離層の上に配置された複数のコンポーネントであって、前記複数のコンポーネントのそれぞれが前記剥離層と接触する活性面を備える前記複数のコンポーネント、及び前記複数のコンポーネントを封入する埋め込み材料層、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記コンポーネントの前記活性面のそれぞれが、前記埋め込み材料と実質的に接触しない。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料層は、複数の埋め込み材料副層を備える。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料層は、アマルガムを含む。いくつかの実施形態では、前記アマルガムは、約-5ppm/℃~約5ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する低CTEアマルガムである。いくつかの実施形態では、前記アマルガムは、マトリックス金属、合金化金属、及び低CTE材料を含む。いくつかの実施形態では、前記マトリックス金属はガリウム(Ga)を含む。いくつかの実施形態では、前記合金化金属は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、セリウム(Ce)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、前記低CTE材料は、ZrW(タングステン酸ジルコニウム)、HfW、Sc12、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、前記アマルガムは、追加の低CTE材料、不動態化材料、液体、還元剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される元素をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記剥離層は、前記剥離層と前記複数のコンポーネントのうちの少なくとも1つのコンポーネントとの間に位置するアンダーカット領域を備える。いくつかの実施形態では、前記アンダーカット領域は、堆積材料を含む。いくつかの実施形態では、前記基板は、細孔を有する。
【0009】
別の態様では、前記アセンブリの製造方法が説明される。前記製造方法は、複数のコンポーネントを剥離層上に堆積させ、前記剥離層は基板上に配置する工程、及び前記複数のコンポーネントを埋め込み材料層で包み込む工程、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記複数のコンポーネントを前記埋め込み材料層で包み込む工程が、スプレー法によって行われる。
【0011】
別の態様では、アセンブリを集積回路に統合する方法が説明される。前記方法は、アセンブリの埋め込み材料層によって封入された複数のコンポーネントから剥離層を分離して、積層体を形成する工程、及び前記複数のコンポーネントの露出表面のそれぞれの上に相互接続材料を堆積させて、配線された積層体を形成する工程、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記配線された積層体をデバイス内に配置する工程、及び前記配線された積層体を前記デバイスに電気的に接続する工程をさらに含む。
【0013】
別の態様では、回路デバイスに統合するための積層体が説明される。前記積層体は、複数の封入表面と1つの露出表面とを含むそれぞれの複数のコンポーネント、及び前記複数のコンポーネントの複数の封入表面を封入する埋め込み材料、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記露出表面のそれぞれがパッドを含む。いくつかの実施形態では、前記露出表面のそれぞれが、互いに実質的に同一平面上にある。いくつかの実施形態では、前記積層体が、前記露出表面のそれぞれの上に配置された相互接続材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料は、アマルガムを含む。いくつかの
実施形態では、前記アマルガムは、マトリックス金属、合金化金属、及び低CTE材料を含む。いくつかの実施形態では、前記アマルガムは、約-5ppm/℃~約5ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する低CTEアマルガムである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、特定の実施形態の図面を参照して説明されるが、これらは特定の実施形態を説明することを意図しており、本発明を限定するものではない。
【0016】
図1図1は、様々な温度におけるガリウムアマルガムの硬化反応速度を示す折れ線グラフである。
図2図2は、アマルガムの噴霧堆積のためのネブライザシステム及び使用方法を示した図である。
図3図3は、アマルガムの噴霧堆積に使用され得るネブライザを示した図である。
図4図4は、いくつかの実施形態による、コンポーネントを封入する埋め込み材料を備えたアセンブリを示した図である。
図5図5は、いくつかの実施形態による、コンポーネントを封入する複数の埋め込み材料を備えたアセンブリを示した図である。
図6図6は、いくつかの実施形態による、コンポーネント下のアンダーカット領域に埋め込み材料が堆積されたアセンブリを示した図である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、コンポーネント及び多孔質基板上に堆積された埋め込み材料を備え、多孔質基板に真空が適用されたアセンブリを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
特定の実施形態及び例を以下に説明するが、当業者であれば、本発明が、具体的に開示された実施形態及び/又は使用、並びにそれらの明白な修正及び均等物を超えて拡張されることを理解するであろう。したがって、本明細書に開示される本発明の範囲は、以下に説明するいかなる特定の実施形態によっても限定されるべきではないことが意図されている。
【0018】
コンポーネントを含むアセンブリ及び積層体、並びにそれらの使用及び製造方法が提供される。前記アセンブリは、剥離層又は多孔質基材に適用される真空によって所定の位置に保持される密集したコンポーネント、及びパッドを含むコンポーネントの側面をコーティングしないままにして、コンポーネントを封入するために堆積された少なくとも1つの埋め込み材料を含み、それにより前記コンポーネント及び前記埋め込み材料の積層体を形成し得る。前記積層体が形成されると、基板及び剥離層から分離して、相互接続の追加及び/又はデバイスへの統合などのさらなる処理を行い得る。前記埋め込み材料は、好ましいCTE、電気絶縁性/導電性、及び/又は熱伝導性の特性を有するように選択され得る。また、そのようなアセンブリには、1つのコンポーネントを別のコンポーネントから絶縁する堆積材料が含まれてもよい。
【0019】
はんだのスクリーンプリント用のサイズのランディングパッドを備えた配線済みPCB上にコンポーネントを配置することは、約50μm未満の解像度でプリントすることが比較的困難である。さらに、このようなプロセスで、典型的には圧延銅箔(例えば、厚さ17μm又は35μm)からパターン化された配線を使用すると、通常、コンポーネント間のI/O端子の分離が少なくとも1ミリメートルになる。パッケージがベアダイの最大1.3倍の大きさである、チップスケールパッケージ(CSP)が使用されている場合でも、I/Oトランジスタ端子から最も近いコンポーネント(例えば、バイパスコンデンサ)
までの距離は少なくとも1mmになる可能性が高い。より一般的には、2つのICの端子間の距離は数センチメートルになることがある。コンポーネント間のこれらの分離距離には、IC付近の不要なインダクタンスだけでなく、抵抗損失も伴う。
【0020】
さらに、相互接続のサイズは、使用されるパターニング技術によって影響を受ける場合がある。比較的大きなアスペクト比を利用する銅(Cu)層のパターニングに使用される方法では、通常、等方性ウェットエッチングで満足のいく形状を実現するために、トレース(配線部分)は高さよりも幅が広く、相互接続トレースの幅が数十μm(例えば、多くの場合、少なくとも1000分の2又は3インチ以上)になるように強制される。このような相互接続の制限により、面密度が増加し、必要な相互接続層の数が増加する。
【0021】
横方向に比較的大きいことに加えて、得られる構造は厚くて硬い(例えば、PCBの厚さは通常約1mm、パッケージ化されたICの厚さは約0.5mm以上である)。さらに、ケイ素(Si)の熱伝導率の0.01%程度の有機ポリマーを使用しているため、ICパッケージ材料及びPCBを介した熱放散は比較的不十分である。
【0022】
同様の問題は、集積回路をパッケージングする工程でも発生する。従来、処理されたウエハーの個片化の後、ベアダイ(Si)がピックアンドプレース機によって、パッケージ基板上に配置される。前記パッケージ基板には、PCBと同様に、ICのI/OパッドをパッケージのI/Oパッドに接続するための配線が事前に形成されていてもよく、これらのパッドは典型的にはICのI/Oパッドに比べてより大きく、より広い間隔で配置されている。相互接続を形成した後(例えば、はんだリフロー、ワイヤボンディング、又は別の技術によって)、ダイ並びにその基板及び配線を射出成形によって保護ポリマー内に封入してもよい。これらのプロセスには、材料のCTEの不一致や相互接続の余分な長さなど、同様の問題の多くが存在する。
【0023】
これらの問題のいくつかを解決する試みとして、様々なソースウエハーからのシリコンダイスを剥離層タイプの接着剤を使用して一時的な基板上に配置し、ウエハー形式のエポキシ成形材料に埋め込む再構成ウエハーを利用する場合もある。このような「再構成ウエハー」は、その後、基板から剥離され、最終的なパッケージ化されたマルチダイ製品を形成する前に、相互接続を追加するためにさらに処理される。この概念のいくつかのバリエーションが作成されており、STATSChipPAC社、Amkor社、ASE社、及びその他の企業によるものも含まれる。しかしながら、エポキシパッケージでは依然としてCTEの不一致が大きく、構造はこれらの要因による大きな反りの影響を受けやすくなっている。熱除去も問題である。パッケージ化されたマルチダイシステムは、他のパッケージ化されたIC及びコンポーネントとともにPCB上に配置される必要があり、これまでに説明した問題と同様の問題が生じる。
【0024】
望ましいアーキテクチャは、回路に必要な全てのIC及びその他のコンポーネントが、そのサイズに関係なく、露出した(ベア)形態で可能な限り近くに配置される(例えば、好ましくはそれらの間の間隔が数μm以下)と共に、1つの表面(例えば、底面)を除く全てが、CTEがケイ素(Si)に類似し表面がICと同一平面上にある熱伝導性の埋め込み媒体又は材料によって囲まれたものである。ICが薄ければ(例えば、50μm未満)、製品は薄くなり、いくつかの実施形態では柔軟になる。幅数μm及び高さ250μmの空間に固化性材料を均一に流すことは難しいため、このような薄さは連続した埋め込み層又は封入層の作成を容易にし得る。また、薄さにより、材料のCTEの不一致により部分的にICの法線方向の応力が最小限に抑えられ、薄い一方で熱伝導性の高い埋め込み媒体により効率的な熱除去が可能になる。
【0025】
ICが相互にマイクロメートル以内に配置されている場合、各IC内の相互接続の最終
層とほぼ同じサイズの相互接続トレースを埋め込み媒体の平らな表面上に直接製造することで有利に形成されることもあり得る。2以上のこのようなIC、又はいくつかの比較的小さなパッシブコンポーネントを備えたICは、事実上1つの大きなICとして機能する。そのようなアーキテクチャは、歩留まりの低下及びリソグラフィ装置のサイズ制限により、リソグラフィを利用して製造することが困難又は不可能である。特定の電気的要件に応じて、直接隣接していない2つのI/Oパッドを接続するトレースの幅及び厚さは、隣接するパッドを接続するものよりも大きくなる場合がある。但し、電流が流れることになる距離が短いため、2つのI/Oパッドのこのようなトレースは、一般的なPCBトレースよりも依然として比較的小さくなりやすい。例えば、ICの最上層の相互接続は厚さ約2μm及び幅4~5μm程度であるため、これらのコンポーネント間のトレースは従来の技術よりも一桁以上小さくなり、よりコンパクトなルーティングが可能になり、トレースが短いため電気的性能が向上し、回路面積がさらに節約される。
【0026】
必要な数の相互接続層(誘電体層で分離)が製造された時点で、積層体を1又は複数の保護層で封入して、製品で使用できる状態にする。これらの層は典型的には、特定の要件に従って選択され、金属(例えば、アルミニウム又は銅)、セラミック(例えば、酸化物及び窒化物)、ポリイミド、ポリエステル(ポリエチレン又はポリエチレンテレフタラート)、ポリウレタンなどの当技術分野で周知の材料を使用して形成され得る。他のコンポーネントへの接続は、必要に応じて、基板のエッジで終端し最終パッケージで覆われていない金属トレースによって、又は保護封入化を通して形成されるビアを介して行われ得る。本発明によれば、完全な機能回路が1つのユニット内に製造され得るため、比較的少数のI/O接続が必要とされる可能性が高い。
【0027】
このような構造は、従来単一チップ内に含まれていた回路から現在大きなPCBを占有している回路まで、あらゆる程度の集積化に使用できる。用途の1つは、いわゆる「マルチダイパッケージ」又は「システム・イン・パッケージ」デバイスである。これは、1つのパッケージ内に数個又は複数のICダイを含む場合があるが、依然として他のチップと共に従来のPCB上に配置され、最終的な機能システムを形成することを意図している。別の用途は、ハイエンドのマイクロプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイなどの比較的大きくて複雑なチップ用である。これらは、機能ICのサブユニットであるため、単独では機能しない「チップレット」から製造される場合があり、自立回路を形成するために適切に組み合わせられる。例えば、そのようなサブユニットは、マイクロプロセッサのブロック図の要素(例えば、コア、I/Oセクション、ダイレクトメモリアクセス(「DMA」)コントローラ、タイミングセクションなど)であることもあり得る。このようなアーキテクチャの利点には、チップ全体に完全に新しいマスクを作成することなく、特定のサブシステムを改善してシステムを簡単にアップグレードできること、新しいシステムを迅速に設計できること、並びに/又は長い相互接続トレースによる消費電力及び信号の劣化を低減できることが含まれる。
【0028】
いくつかの実施形態では、埋め込み材料流体は、一時的剥離層の上に配置された一組のコンポーネントの上にコーティングされ、前記流体がコンポーネント間のミクロンスケールの隙間に浸透し、低温で硬化して固体(例えば、柔軟な固体)埋め込み材料となり、前記コンポーネントを封入化できる。流体組成及び固体組成は、シリコンと同等又はほぼ一致する熱伝導率及びCTEを有するように選択してもよく、導電性又は絶縁性のいずれかとしてもよい。
【0029】
剥離層及びその使用方法については、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される米国特許第6,946,178号及び米国特許第7,141,348号で検討されている。トリガープロセスを使用して、コンポーネントを剥離層から分離してもよい。米国特許第6,946,178号に記載されるように、トリガープロセスには、単一工程で剥離層
を熱と光に曝露して、剥離層を劣化させる工程が含まれる。光(例えば、化学光)の照射は、同じ基板上の他のコンポーネントを非活性化したままにしつつ、ユーザーが転写したいコンポーネントの下の剥離層の化合物(例えば、ポリマー)を選択的に活性化するために使用され得る。剥離層の化合物(デジタル剥離材料(例えば、デジタル剥離接着剤(「DRA」)とも称される)を適切な温度(例えば、約150℃未満)に加熱すると、剥離層が蒸発して、非活性化デバイスがドナー基板に取り付けられたまま、コンポーネントが放出され得る。この方法によって、前記部品は剥離層によって所定の位置に近接して保持されてよく、一方で埋め込み材料は剥離層に面する面を除く全ての面でコンポーネントを封入化し、続いて前記剥離層が分解されてアセンブリを転写し、及び/又は相互接続を適用するために前記コンポーネントの封入化されていない側を露出させたりしてもよい。いくつかの実施形態では、転写方法には、フォトポリマー・コンポーネント・アセンブリ(「PCA」)及び光誘起前方転写(「LIFT」)が含まれる。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料は、ガリウムと別の金属(例えば、銅及び/又はニッケル)の粒子とのアマルガム混合物を含む。このようなアマルガムは、最初に混合した時には流体であり得るが、元素が相互拡散すると高融点の固体が形成される。例えば、約65%のガリウム(Ga)、30%の銅(Cu)、及び5%のニッケル(Ni)の合金の融点は、500℃超で融解するが、周囲温度(例えば、約25℃又は約30℃)では流体混合物から凝固する。このようなアマルガムは、例えば、あらゆる目的のためにその全体が参照により援用される米国特許第5,053,195号及び「Amalgams for Improved Electronics Interconnection」(IEEE Micro, pp. 46-58, 1993)に記載されている。
【0031】
いくつかの流体アマルガムは、加熱しないと完全に硬化するまでに数日かかる場合がある。図1は、ガリウムアマルガム(5%ニッケル(Ni)、30%銅(Cu))の硬化反応速度を示す。しかしながら、図1に示されるものと同様の硬化結果であるガリウムアマルガムは、典型的には、平均粒径がミクロンから数十ミクロンの範囲内の粉末を利用してきた。アマルガムでは、液体金属原子が粒界に沿って比較的速く拡散することのエビデンスが公開されてはいるが(例えば、T. Okabe and R.J. Mitchell, in “Setting Reactions In Dental Amalgam Part 2. The Kinetics Of Amalgamation”, Critical Reviews of Oral and Biological Medicine, vol. 7, pp. 23-35)、粒子が小さいほど、より均一な混合が得られることが実証されている(例えば、A. B. Shubin, et al. “The Diffusion of Gallium into Copper-Tin Alloy Particles”, Defect and Diffusion Forum Vols. 283-286 (2009) pp 238-242)。そのような小さな粒子は、混合物が急速に硬化して、乳鉢及び乳棒から又はこれらのアマルガム前駆体が形成されたアマルガメーターカプセルから移しにくい傾向があり、したがって取り扱いが難しいため、使用されない場合があった。
【0032】
早過ぎる硬化を回避し、サブミクロン粒子(例えば、ナノスケール粒子)の使用を可能にするために、いくつかの実施形態では、粒子を超音波ミキサー又は噴射装置内で混合してもよい。超音波スプレーコーター(例えば、ニューヨーク州ミルトンのSono-tek Corporation製コーター)では、液体原料は、コーティングの直前に超音波噴霧器によってエアロゾルに変換される。図2は、あらゆる目的のためにその全体が参照により援用される米国特許第6,358,567号に記載されているようなスプレー堆積のためのそのようなスプレーコーティング装置(すなわち、ネブライザ)を示す。このシステムは、液体ポンプ4から超音波トランスデューサ6に圧送される液体2を含み、超
音波トランスデューサ6は、液体に振動を生じさせて、噴霧された液体を、ヒーター上に配置される基板8上に噴霧されるエアロゾルの小さな(例えば、サブミクロンサイズの)液滴に分解するために使用される。複数の粒子タイプのエアロゾルスプレーを作成するための代替手段が多数ある。いくつかの実施形態では、液体は、混合物(例えば、溶液)中に存在する金属粒子を含んでいてもよい。例えば、ほとんどの金属(例えば、銅(Cu)及びニッケル(Ni))は、それら自体に対する反応性よりも相互に対する反応性は高くない。したがって、金属粒子が凝集に対して安定化されている場合、金属粒子を単一の溶液又は分散液中で組み合わせて、所望のエアロゾル粒子流に供給することができる。いくつかの実施形態では、前記液体は、不動態化材料を含む。いくつかの実施形態では、前記金属粒子は、不動態化層を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、異なる粒子が互いに曝露される時間を最小限に抑えるために、異なる液体の流れがネブライザに入る際に合わされてもよい。図3は、2つの入力される流れが組み合わされる、Sono-Tek Corporationの市販のネブライザ300を概略的に示す。ネブライザ300は、マイクロボアチューブ304を備える液体A供給チャネル302と、液体A供給チャネル302及びマイクロボアチューブ304を取り囲み、ハウジング314内に収容された液体B供給チャネル306とを含む。ネブライザ300の遠位端では、液体A306及び液体B310が霧化面312で合わされて、ネブライザ300の外に噴霧される。いくつかの実施形態では、ガス流を使用して、別々の液体流からのエアロゾル粒子流を互いに向けて混合してもよい。そのような成形流は、例えば、いくつかのスプレーコーティングノズルにおいてSono-tek社によって使用されており、成形流のいくつかの態様は、その全体が参照により援用される米国特許出願公開第2010/0078496号に開示されている。Optomec社(ニューメキシコ州アルバカーキ)、nScrypt社(フロリダ州オーランド)などによって製造されたものなど、他の噴射システムを使用して、混合及び堆積のためのナノ粒子の流れを形成してもよい。いくつかの実施形態では、流体又は液体には、異なる量の溶媒が含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、溶媒は、表面から堆積すると素早く蒸発するように低沸点溶媒であってもよい。いくつかの実施形態では、溶媒は、堆積された表面上に均一で密に充填された粒子の分布を生成するのに役立つ場合がある。いくつかの実施形態では、そのようなシステムにおける液滴の速度が数、数十、又は数百m/s(例えば、1~900m/s)程度である場合、ディスペンサーチップと基板との間の距離は約数ミリメートルで、移動には長くても数ミリ秒かかるため、堆積前に形成されたアマルガムが硬化することなく、比較的小さな金属粒子を使用できる。
【0034】
金属(例えば、ガリウム)ナノ粒子は、様々な方法で合成され得る。ガリウムナノ粒子の合成方法の一例が、あらゆる目的のためにその全体が参照により援用されるM.F. Mele′ndrez, et al.(The Journal of Colloid and Interface Science, vol. 346, pp. 279-287 (2010))に記載されている。ガリウム(Ga)の融点は約29℃であるため、粒子は固体の形態で維持されることも、液体として送達されることもある。いくつかの実施形態では、ガリウム(Ga)は、本明細書に記載の超音波ネブライザによってナノ粒子金属と混合されてもよく、これにより、混合後ミリ秒以内に堆積が可能になる。いくつかの実施形態では、ガリウム(Ga)及び他のナノ粒子の薄い層を交互に堆積させてもよい。いくつかの実施形態では、得られたガリウム(Ga)の薄層と他のナノ粒子の薄層とが交互に重なったフィルムを加熱してガリウム(Ga)を溶かし、流体マトリックス内又は隙間を占める流体内での粒子の均一な分布の形成を促進する。
【0035】
いくつかの実施形態では、多くの地金表面は反応性があり、他の同様の表面に付着する傾向があるため、金属ナノ粒子は凝集に対して安定化されている。低温で除去可能な薄い不動態化コーティングの例が知られており、市販されている。例えば、銅(Cu)の不動
態化コーティングは、ニューヨーク州ロチェスターのZerovalent NanoMetals社によって製造されるか、又は金属粒子の外表面を酸化して不動態化コーティングを形成することもできる。いくつかの実施形態では、還元剤を使用して、金属粒子表面に形成された酸化物を除去してもよい。いくつかの実施形態では、フォーミング・ガス(例えば、窒素(N)中の4%水素(H)及び/又はギ酸)は、塗布デバイス(例えば、ネブライザー)のガス流で使用しても、別の流れで堆積表面に適用してもよい。
【0036】
超音波エアロゾル発生器及びそれに関連するスプレー堆積を説明したが、ナノ粒子の混合物を形成及び堆積する他の方法を利用してもよい。例えば、粒子表面の適切な不動態化は、酸化物の形成及び/又は比較的不安定な有機リガンドの結合によって達成され得る。いくつかの実施形態では、比較的非反応性の粒子の溶液又は懸濁液は、装置(例えば、急速混合装置)内でガリウム(Ga)粒子の溶液又は懸濁液と混合された後、様々な技術(例えば、スプレーコーティング、スロットダイ(すなわち、メニスカス)コーティング、及び超音波コーティング、並びに圧力下での噴射(例えば、インクジェットプリント))のうちの1つによって堆積され得る。保護不動態化は、熱、化学処理(例えば、フォーミング・ガス、ギ酸など)、及び/又は光分解によって除去され得る。
【0037】
図1には、対象物を周囲温度(約25℃)を超える温度に加熱しなくても、高融点固体を形成できることが示されているが、硬化をより迅速に完了するには、アマルガム混合物を加熱する(例えば、約85℃又は100℃に)ことが有利な場合がある。このような温度は、通常の動作の結果として電子製品が経験することが多いため、いずれにせよ、回路ではこれらの値に対する逸脱が生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、アマルガムのCTEは、典型的なアーキテクチャに対して、これらの逸脱が損傷を引き起こすことを軽減又は防止するために、回路材料(例えば、ケイ素(Si))と一致しているか、又は実質的に一致している。
【0038】
いくつかの実施形態では、低CTEアマルガムが使用される。いくつかの実施形態では、前記アマルガム(例えば、低CTEアマルガム)は、マトリックス金属及び合金化金属を含む。いくつかの実施形態では、前記アマルガム(例えば、低CTEアマルガム)は、低CTE材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、アマルガム(例えば、低CTEアマルガム)は、正味、約、少なくとも、又は少なくとも約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、92重量%、若しくは95重量%、又はそれらの間の任意の範囲内の値の量のマトリックス金属を含む。いくつかの実施形態では、前記マトリックス金属はガリウム(Ga)を含む。いくつかの実施形態では、前記合金化金属は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、セリウム(Ce)、及びそれらの組み合わせからから選択される。いくつかの実施形態では、前記低CTE材料は、ZrW(タングステン酸ジルコニウム)、HfW、及び/又はSc12から選択される。いくつかの実施形態では、低CTEアマルガムは、追加の低CTE材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記追加の低CTE材料は、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、それらの非化学量論的バージョン、及びそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、前記アマルガム(例えば、低CTEアマルガム)は、不動態化材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記アマルガム(例えば、低CTEアマルガム)は、液体(例えば、溶媒)をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記液体は低粘度の液体である。いくつかの実施形態では、前記アマルガム(例えば、低CTEアマルガム)は、さらに還元剤を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記アマルガム(例えば、ガリウム(Ga)アマルガム)のCTEは、約15~20ppm/℃で、アマルガムの特定の組成によって異なる場合がある。いくつかの実施形態では、より低いCTE値が望ましい場合がある。材料によっては
、CTEがゼロに非常に近く(すなわち、ケイ素(Si)より小さい)、場合によっては負になる場合もある。例えば、二酸化ケイ素(SiO)のCTEは、約0.5ppm/℃である。したがって、いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素とアマルガムとを適切な割合で混合すると、CTEを所望の値に近づけることができる。通常、混合物のCTEは成分の質量加重平均と正確には一致しないが、広範囲の組成にわたる質量分率とCTEとの関係は、多くの場合、線形に近いかほぼ線形になる。いくつかの実施形態では、前記アマルガムは、約-25ppm/℃、-20ppm/℃、-19ppm/℃、-18ppm/℃、-17ppm/℃、-16ppm/℃、-15ppm/℃、-14ppm/℃、-13ppm/℃、-12ppm/℃、-11ppm/℃、-10ppm/℃、-9ppm/℃、-8ppm/℃、-7ppm/℃、-6ppm/℃、-5ppm/℃、-4ppm/℃、-3ppm/℃、-2ppm/℃、-1ppm/℃、-0.75ppm/℃、-0.5ppm/℃、-0.25ppm/℃、-0.1ppm/℃、0ppm/℃、0.1ppm/℃、0.25ppm/℃、0.5ppm/℃、0.75ppm/℃、1ppm/℃、1.5ppm/℃、2ppm/℃、2.5ppm/℃、3ppm/℃、4ppm/℃、5ppm/℃、6ppm/℃、7ppm/℃、8ppm/℃、9ppm/℃、10ppm/℃、11ppm/℃、12ppm/℃、13ppm/℃、14ppm/℃、15ppm/℃、16ppm/℃、17ppm/℃、18ppm/℃、19ppm/℃、20ppm/℃、若しくは25ppm/℃、又はそれらの間の任意の範囲内の値のCTEを有する。
【0040】
負のCTEの一例は、ZrWによるものであり、約ー7.2ppm/℃である。負のCTEと正のCTEを有する材料の混合物が、望ましくない応力を受けることなく、2つの個々の化合物のCTEの間の正味値を有するようにするには、化合物の粒子はできるだけ小さくなければならない(例えば、ナノ粒子)。ZrWのナノ粒子が合成されている(例えば、H. Wu, “Physical and Thermal Properties of Zirconium Tungstate Nanoparticles with Different Morphologies from Hydrothermal Synthesis”, MS thesis, Iowa State University, 2012及び“Optical and Dielectric studies in zirconium(IV) tungstate nanoparticles prepared by chemical co- precipitation method”, J. Iranian Chem. Res. 5 (2) (2012) 109-118を参照)。
【0041】
微細回路の埋め込み材料層として有用であるためには、複合アマルガム材料は、回路コンポーネントが耐えられる温度で均一な固体を形成することが好ましい。ZrWは1000℃を超える温度で焼結されるため、単独で使用したり、他の耐熱性材料と組み合わせて使用したりするのは実用的ではない場合がある。米国特許第6,132,676号に記載されているように、この問題は実際、多くの用途で低CTE材料又はゼロCTE材料の使用を妨げている。しかしながら、適切な量のZrWをガリウム(Ga)アマルガム前駆体に混合することによって、低温及び圧力(例えば、大気圧及び150℃未満又は100℃未満の温度)で均一な固体を形成してもよい。アマルガム組成が固体粒子間の空隙を満たすのに充分な初期液体ガリウム(Ga)を含むという条件で、他の組成材料を同様に添加することができる。同じサイズの球状粒子が均一に配列されたときの自由体積は、充填状況にもよるが、全体の約33%になる。但し、多様(マルチモーダル)な分散を組み合わせることで、空き容量を大幅に削減できる。例えば、3つの粒子サイズの場合、残りの自由体積は約4~5%になる場合がある。
【0042】
セラミック材料であるZrWの熱伝導率は、典型的な金属又はシリコンなどの単体結晶ほど高くはない。C.A. Kennedy, et al.(Solid State Communications vol. 134, pp 271-276
(2005))によると、ケイ素(Si)の149W/m・K及び銅(Cu)の401W/m・Kと比較して、約1W/m・Kである。但し、アマルガム(例えば、ガリウム(Ga)アマルガム)は、特定の組成に応じて、マトリックス金属(例えば、ガリウム(Ga))単独の熱伝導率を大幅に超える可能性がある。ガリウム(Ga)の熱伝導率は40.6W/m・Kである。ZrWと銅(Cu)との体積比1:1の混合物を3GPaまで圧縮した後、500℃まで加熱することにより、X. Li, et al.は、ガリウム(Ga)アマルガムの熱伝導率165W/m・Kを得ることができた(“High-pressure and high-temperature synthesis and study of the thermal properties of ZrW/Cu composites”; Physica B: Physics
of Condensed Matter, vol. 487, pp. 27-41 (2016))。したがって、アマルガム(例えば、ガリウム(Ga)アマルガム)の使用により利用可能なより緊密な界面接触を使用して、マトリックス中のシリコンに近いCTE及び熱伝導率の両方を達成することが可能である。いくつかの実施形態では、ガリウム(Ga)アマルガムは、Ga-M(「M」は、1又は複数の金属原子を表す)及び負のCTE材料(例えば、ZrW)を含む。いくつかの実施形態では、Mは、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、セリウム(Ce)、及びそれらの組み合わせからから選択される。いくつかの実施形態では、前記負のCTE材料は、ZrW(タングステン酸ジルコニウム)、HfW、及び/又はSc12から選択される。いくつかの実施形態では、前記ガリウム(Ga)アマルガムは、さらに低CTE材料を含む。いくつかの実施形態では、前記低CTE材料は、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、それらの非化学量論的バージョン、及びそれらの組合せから選択される。
【0043】
マトリックス金属(例えば、ガリウム(Ga))は、通常他の多くの元素と合金を形成するが、マトリックス金属は他の全ての元素と混合しないこともある。例えば、ガリウム(Ga)中のケイ素(Si)の溶解度は、約10-7原子%である。いくつかの実施形態では、望ましい機械的特性を得るには、異なる微結晶間の界面が可能な限り強いことが必要である。場合によっては、マトリックス金属の合金(例えば、ガリウム(Ga))が酸化物(例えば、ZrW)と明確で強力な結合を形成しない場合がある。但し、原子層堆積法を使用してナノ粒子をコーティングすることにより、ナノ粒子同士の合金形成の適合性を高めてもよい。これは、多くの金属と酸素との間に特異的な結合を形成するのに特に適した技術である。いくつかの実施形態では、前記マトリックス金属は、正味、約、最大で、又は最大で約5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、若しくは1000nm、又はそれらの間の任意の範囲内の値によって定義される粒度分布のD50平均粒子径を有する。いくつかの実施形態では、前記合金化金属は、正味、約、最大で、又は最大で約5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、若しくは1000nm、又はそれらの間の任意の範囲内の値によって定義される粒度分布のD50平均粒子径を有する。いくつかの実施形態では、前記低CTE材料は、正味、約、最大で、又は最大で約5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、若しくは1000nm、又はそれらの間の任意の範囲内の値によって定義される粒度分布のD50平均粒子径を有する。いくつかの実施形態では、前記追加の低CTE材料は、正味、約、最大で、又は最大で約5nm、10nm、15nm、20nm、2
5nm、30nm、35nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、若しくは1000nm、又はそれらの間の任意の範囲内の値によって定義される粒度分布のD50平均粒子径を有する。いくつかの実施形態では、前記アマルガムには、粒子のマルチモーダル粒度分布が含まれる。
【0044】
いくつかの実施形態では、純金属の薄層は、結合(例えば、化学結合)を介して基板に強力に付着する原子層堆積(「ALD」)によって堆積することもできる。このようにして、ガリウム(Ga)合金との適合性がより高い特定の種類のナノ粒子の表面に金属を結合させることができるため、その後により強い結合が形成され得る。例えば、銅(Cu)は、ALDにより堆積されたガリウム(Ga)層と高い適合性を有する金属であるが、例えば、タングステン(W)、白金(Pt)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、銀(Ag)、及びニッケル(Ni)を含む他の金属も公知である。流動床技術(例えば、コロラド州ブルームフィールドのALD Nanosolutions社が実施している)を使用して、これらのコーティングをナノ粒子上に塗布することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、前記アマルガムは導電性であり、例えばマトリックス金属(例えば、ガリウム(Ga))が体積の大部分を占めるアマルガムである。いくつかの実施形態では、前記アマルガムは絶縁性であり、例えば、セラミック材料(例えば、ZrW)が体積の大部分を占めるアマルガムである。いくつかの実施形態では、導電性アマルガムの利点は、集積回路のグランドプレーン(ground plane)として機能し、回路の相互接続部分において1つの層が必要なくなることである。このような実施形態では、導電性アマルガム組成を有する埋め込み材料を適用する前に、絶縁層(例えば、絶縁埋め込み材料)を堆積することによって、コンポーネントを互いに電気的に絶縁されることもあり得る。いくつかの実施形態では、絶縁層は、酸化物の薄層(例えば、最大約1μm)、例えば二酸化ケイ素(SiO)の層であってもよい。いくつかの実施形態では、絶縁層は、プラズマ化学気相成長法(PECVD)又はその他の堆積技術によって形成される。いくつかの実施形態では、絶縁材料及び/又は絶縁アマルガム材料は、ZrW、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(Si)、ポリマー材料(例えば、ポリイミド、液晶ポリマー、及びベンゾシクロブテン系ポリマー)、それらの非化学量論比であるもの、及びそれらの組み合わせから選択される誘電材料を含む。
【0046】
図4に、一時的な基板402上に配置された剥離層404によって所定の位置に配置され保持される複数のコンポーネント406を備え、前記コンポーネント406が、単一層の埋め込み材料408によって封入されている、アセンブリ400を示す。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料408は、本明細書に記載のアマルガムである。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料408は、本明細書に記載の方法(例えば、スプレー堆積法又は多層堆積法)によってコンポーネント406を包み込むように堆積される。図4は正確な縮尺で描かれていないが、前記アセンブリ400の相対的な高さ及び幅は、いくつかの実施形態では大きなアセンブリアスペクト比が存在する場合があることを示すことを意図している。図4に示されるように、複数のコンポーネントのそれぞれは、他のコンポーネントと同じ、類似の、及び/又は異なる高さ、幅、又は形状であってもよい。いくつかの実施形態では、前記コンポーネントは、正味、約、最大で、又は最大で約2μm、3μm、5μm、8μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、150μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、若しくは1000μm、又はそれらの間の任意の範囲内の値の高さを有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、高さに関して最も薄いコンポーネン
トは、高さが25μm程度又はそれよりも薄いものであってもよい。いくつかの実施形態では、2つの隣接するコンポーネント間の間隔は、正味、約、最大で、又は最大で約0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、12μm、15μm、若しくは20μm、又はそれらの間の任意の範囲内の値である。例えば、いくつかの実施形態では、2つの隣接するコンポーネント間の間隔は、5~10μm以下であってもよい。いくつかの実施形態では、前記コンポーネントは、正味、約、少なくとも、又は少なくとも約3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、12μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、150μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1mm、2mm、3mm、4mm、若しくは5mm、又はそれらの間の任意の範囲内の値である幅を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、コンポーネントの幅は、約25μm~数mm間になる場合がある。図示されるように、前記コンポーネント406は、それらの活性面又は側面(例えば、パッド)が剥離層404と接触するように上下逆に配置され、したがって、前記活性面は前記埋め込み材料408と接触しないようになる。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料408が堆積されると、硬化される。いくつかの実施形態では、硬化は、前記埋め込み材料を加熱すること及び/又は放置しながら硬化させることによって行われる。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料の堆積及び/又は硬化に続いて、前記コンポーネント406及び前記埋め込み材料を含む積層体は、前記剥離層404及び前記基板402から分離される。いくつかの実施形態では、前記積層体は、前記剥離層から剥離される。いくつかの実施形態では、前記剥離層は(例えば、光及び/又は熱により)分解されて、前記積層体を前記基板402から分離する。いくつかの実施形態では、コンポーネントが、パッシブコンポーネントであってもよい。いくつかの実施形態では、パッシブコンポーネントが、コンデンサ又は抵抗器である。いくつかの実施形態では、前記コンポーネントの高さ(すなわち、厚さ)は、約150μm以上である。いくつかの実施形態では、前記コンポーネントの幅は、高さの約2倍(すなわち、厚さ)である。いくつかの実施形態では、敏感な内部構造を保護する一次パッケージングを備えた微小電気機械システム(「MEMS」)コンポーネントは、高さ(例えば、厚さ)が100μm程度以上、及び/又は幅が数百~数百μmであってもよい。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料は、液体を含むアマルガムから適用される。いくつかの実施形態では、この液体は低粘度の前駆体液体であり、これによって高さのあるコンポーネント間の狭い亀裂が前記埋め込み材料で完全に埋められてもよい。いくつかの実施形態では、前記アセンブリはさらに、前記アセンブリのエッジにアマルガムを封じ込めるために使用され得る一時的な境界又はダムを備える(例えば、材料が硬化する間)。いくつかの実施形態では、前記剥離層の厚さは、正味又は約0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、12μm、15μm、20μm、若しくは25μm、又はそれらの間の任意の範囲内の値である。例えば、いくつかの実施形態では、前記剥離層の厚さは約1~2μmであり、これはコンポーネントを平坦な表面上に保持するのに充分であり得る。いくつかの実施形態では、基板表面は、正味、約、最大で、又は最大で約0.01μm、0.05μm、0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、若しくは5μm、又はそれらの間の任意の範囲内の値の平均表面高さのばらつきを有する。
【0047】
図5に、一時的な基板502上に配置された剥離層504によって所定の位置に配置され保持される複数のコンポーネント506を備え、前記コンポーネント506が、埋め込み材料508の第一層及び埋め込み材料510の第二層によって封入されている、アセンブリ500を示す。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料508の第一層は、表面が流れによって部分的にのみ平坦化される凹み及び/又は亀裂を有していてもよい。いくつかの実施形態では、任意の数の埋め込み材料層、例えば、少なくとも1層、2層、3層、4層、5層、6層、7層、8層、9層、若しくは10層、又はそれらの間の任意の範囲
内の値を使用して、コンポーネントを封入することができる。いくつかの実施形態では、1つの層が、同じ又は異なる組成の2つ以上の副層を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、各埋め込み材料層は、同一、類似、又は異なる相対高さ(すなわち、厚さ)を有していてもよい。いくつかの実施形態では、前記第一層及び/又は第二層の埋め込み材料には、絶縁材料、アマルガム材料、又はそれらの組み合わせが含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、前記層の埋め込み材料の少なくとも1つはアマルガム材料を含む。図5のアセンブリ500の要素及びそのプロセスは、本明細書及び図4に関して説明したものと同様であり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、前記コンポーネントの封入化は、コンポーネントの活性面に相互接続を形成した後に行われる。いくつかの実施形態では、前記コンポーネントの封入化は、コンポーネントの活性面に相互接続を形成する前に行われる。いくつかの実施形態では、様々な組成の埋め込み材料を適用してコンポーネントを封入できる。いくつかの実施形態では、最初に前記第一層をコンポーネントに適用し、少なくとも部分的に固化させてもよい。いくつかの実施形態では、前記第一層の組成は、熱サイクル中にシリコンIC内及びその周囲の応力ができるだけ小さくなるように、シリコンのCTEにできる限り一致するように選択され得る。いくつかの実施形態では、このような組成は、金属相互接続線とICのI/Oパッドとの間の接触の信頼性を高め得る。いくつかの実施形態では、続いて、第二の組成を有する第二層を前記コンポーネントの第一層上に適用してもよい。いくつかの実施形態では、前記第二層の組成は、熱伝導率が高くなるように選択される。いくつかの実施形態では、例えば、少なくとも一部のコンポーネントが前記第一層の高さを超えている場合、シリコンに対する前記第一層のCTEのわずかな不一致は許容され得る。このようなCTEのわずかな不一致は許容される場合がある。例えば、第一層の全ての重要なコンポーネントが層上にあり、前記第一層によって完全には封入されておらず、したがって、重要なコンポーネントが、前記第二層の熱による膨張及び収縮の影響をほぼ均等に受ける場合である。いくつかの実施形態では、前記第一層及び第二層の両方に接触するパッシブデバイス(例えば、抵抗器及びセラミックコンデンサ)などのより幅広又は大型のコンポーネントは、CTEの不一致の影響を受けにくい場合がある。それらの接触面積が大きいため、相互接続への総接着面積がより大きくなり、故障の影響を受けにくくなるためである。
【0049】
いくつかの実施形態では、2つの異なる埋め込み材料組成が2つの層で使用される。いくつかの実施形態では、2つの異なる埋め込み材料組成は、デバイス(例えば、回路)の熱膨張の一致及び熱伝導率を同時に最適化するように構成されている。いくつかの実施形態では、各埋め込み材料層の厚さは、柔軟性を考慮して選択及び構成され得る。いくつかの実施形態では、前記複数の層は、同じ、類似、又は異なる相対的な厚さを有していてもよい。いくつかの実施形態では、前記第一層の埋め込み材料は、絶縁体材料(例えば、絶縁性アマルガム材料)であってもよく、これは、一例として、誘電体層の必要性を排除し得る。いくつかの実施形態では、第二層以降の埋め込み材料は導体であってもよく、一例としてグランドプレーンを形成し、場合によっては全てグランドに接続されるバイパスコンデンサなどのパッシブコンポーネントの一部と接触することがある。
【0050】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の積層体及びアセンブリは、極薄のコンポーネントでの使用に適している場合もあれば、薄くされていない、より厚いコンポーネントでの使用にも適している場合がある。例えば、約250μm又は500μmの厚さを有するコンポーネントが利用されてもよく、これらは市販の製品に見られるシリコンウェハーの厚さの例である。任意のコンポーネント配置プロセスを使用してもよく、例えば、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第6,946,178号及び第7,141,348号に開示されている従来のピックアンドプレースプロセスを使用することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、1つの目的は、例えば図4に示すように、その表面がコンポーネント表面と同一平面上にある埋め込み層を提供することである。これにより高解像度の相互接続は、最小限の表面処理で製造され得る。例えば、従来の射出成形埋め込みで生じる問題の1つは、コンポーネントが一時的な剥離層に押し込まれ、その後、成形又は埋め込みコンパウンドを塗布して剥離した後、モールド・フラッシュ(mold flash)と呼ばれる、チップと埋め込み材料との間に高さの不連続性が存在し得る。これは、例えば、あらゆる目的のためにその全体が参照により援用される米国特許第8,922,021号に記載されている。米国特許第8,922,021号には、表面を絶縁層で覆い、その後I/Oパッドへのビアを形成することで問題を改善することが記載されている。これにより表面は平坦化されるが、かなりの出費となり、プロセスの複雑さが増す。
【0052】
いくつかの実施形態では、剥離層(例えば、一時的な接着ポリマー)は、本明細書に記載されるような厚さ(例えば、約1~2μm)を有する。剥離層の厚さは、本明細書に記載されるようなコンポーネント(例えば、典型的な表面実装コンポーネント)を基板に一時的に保持するのに充分であるように構成され得る。いくつかの実施形態では、基板は、本明細書に記載されるように、平坦であるか、又は実質的に平坦である(すなわち、平均表面高さのばらつきが小さい)(例えば、ばらつきが約±1μm未満以内)。いくつかの実施形態では、一部の射出成形プロセスとは異なり、埋め込み材料を適用するプロセスには強い横方向の力がかかる。いくつかの実施形態では、剥離層(例えば、ポリマーフィルム)のコンポーネントは、剥離層の厚さに対して、正味、約、最大で、又は最大で約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、若しくは70%、又はそれらの間の任意の範囲内の値分浸透する。いくつかの実施形態では、堆積されたコンポーネントのエッジで剥離層に生じる不連続性は、正味、約、最大で、又は最大で約0.01μm、0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、1μm、1.2μm、1.5μm、若しくは2μm、又はそれらの間の任意の範囲内の値である。いくつかの実施形態では、堆積されたコンポーネントのエッジでの剥離層の不連続性は、完成したICに通常存在する形状の変化と同等である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアセンブリ及びプロセスは、成形中に存在する外乱力(disturbing force)を有利に低減し、それにより、広範囲のコンポーネントの浸透が生じ得る厚い剥離層(例えば、一時的な接着層)の必要性を低減し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、前記剥離層(例えば、一時的な接着ポリマー)は、露光及び/又は熱現像の結果としてその質量の一部を失うフォトレジストである。いくつかの実施形態では、このようなフォトレジストはマイクロリソグラフィー業界では一般的であり、t-ブトキシカルボニル部分の損失に基づいており、その損失により膜厚の約15%が失われる場合がある。いくつかの実施形態では、この分解によりガス状の生成物が生成され、フィルムに付着した表面の接着力が(例えば、一時的又は永久的に)低下する。いくつかの実施形態では、分解が起こると、コンポーネントを含む基板及び積層体が層間剥離(例えば、引き離される)する場合がある。いくつかの実施形態では、前記剥離層の分解により、基板とコンポーネントを含む積層体とが分離される。
【0054】
いくつかの実施形態では、剥離層材料(例えば、フォトレジストポリマー)をエッチング(例えば、画像形成及び現像)して、コンポーネントと剥離層との間に小さな凹みを作製してもよい。図6に、コンポーネント608及び610それぞれの直下にある、剥離層604のアンダーカット領域606A及び606Bの壁上及び内部に堆積された堆積材料612を有するアセンブリ600を示す。いくつかの実施形態では、前記堆積材料は、本明細書で説明されるような埋め込み材料である。いくつかの実施形態では、前記堆積材料は、絶縁材料及び/又は誘電材料である。前記剥離層604は基板602上に配置され、
コンポーネント608及び610は前記剥離層604上に配置される。いくつかの実施形態では、前記基板602(例えば、一時的な基板)は、多孔質材料である。いくつかの実施形態では、前記アンダーカット領域606A及び606Bは、前記剥離層604の材料(例えば、ポリマー)の露光及び/又は熱現像によって形成され得る。いくつかの実施形態では、前記コンポーネントが前記剥離層(例えば、ポリマー)のアンダーカット領域から張り出す距離は、数マイクロメートルになる場合がある。いくつかの実施形態では、前記コンポーネントが前記剥離層(例えば、ポリマー)のアンダーカット領域から張り出す距離は、正味、約、最大で、又は最大で約0.1μm、0.2μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、12μm、15μm、若しくは20μm、又はそれらの間の任意の範囲内の値(例えば、約2~10μm)である。図6には、前記アンダーカット領域606Aの厚さが、前記アンダーカット領域606Bの厚さよりも薄く、前記コンポーネント608の直下の剥離層604の厚さが、前記コンポーネント610の直下の剥離層604の厚さよりも薄い場合が示されている。いくつかの実施形態では、前記アンダーカット領域及び/又は剥離層領域の厚さは、コンポーネントのうちの1つが前記剥離層(例えば、ポリマー)内により深く位置する(例えば、押し下げられている又は押し込まれている)ことにより、2つのコンポーネント直下の別のアンダーカット領域及び/又は剥離層領域に比べて減少する場合がある。いくつかの実施形態では、前記剥離層内に押し下げられたコンポーネントの深さは、正味、約、最大で、又は最大で約25nm、50nm、75nm、100nm、125nm、150nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nm、600nm、800nm、若しくは1000nm、又はそれらの間の任意の範囲内の値(例えば、本来の剥離層の厚さが約1~2μmである場合は約150~300nm、又は本来の剥離層の厚さが約2~10μmである場合は比較的より深い凹みが形成される)。いくつかの実施形態では、剥離層及びアンダーカット領域上にコンポーネントを配置する前に、剥離層に光が照射される。いくつかの実施形態では、前記剥離層の照射により、感光性の剥離層が形成される。いくつかの実施形態では、感光性の剥離層は、充分な熱が加えられると分解する。いくつかの実施形態では、剥離層は感光性剥離層として基板上に堆積される。いくつかの実施形態では、剥離層及びアンダーカット領域上にコンポーネントを配置した後に、剥離層に光が照射される。いくつかの実施形態では、コンポーネントが剥離層及びアンダーカット領域上に配置されると、堆積材料(例えば、誘電体膜)がコンポーネントの壁上及びアンダーカット領域内に堆積される。いくつかの実施形態では、堆積材料の堆積は、スパッタリング又はPECVDによって行われる。いくつかの実施形態では、堆積材料の反応性分子の平均自由行程は充分に小さいので、それらの少なくとも一部は堆積前に張り出した部分の下に拡散し、その結果、図4に示すように、アンダーカット領域にさらに先細りの厚さを有する薄層が得られる。
【0055】
いくつかの実施形態では、前記堆積材料は、コンポーネントのエッジを横切る滑らかな移行をもたらす。いくつかの実施形態では、前記堆積材料は、鋭利であることにより後に相互接続を製造することを困難にする可能性があるコンポーネントのエッジを覆う。いくつかの実施形態では、前記堆積材料は、後で堆積される相互接続からコンポーネント(例えば、チップ)を絶縁し、例えば、どのような金属構造がエッジ近くのICの一部であるかに関係なく絶縁する可能性がある。いくつかの実施形態では、前記堆積材料のこの滑らかな移行は、剥離層内の成分(例えば、ポリマー)の浸透量の違いによって存在する可能性のある高さの差を相殺し得る。いくつかの実施形態では、前記アセンブリ600は、前記コンポーネント608及び610を埋め込み材料で包み込む及び/又は前記コンポーネントを前記剥離層604及び基板602から放出させるためにさらに処理されてもよい。いくつかの実施形態では、堆積材料(例えば、誘電体)の堆積後、剥離層(例えば、フォトレジストフィルム)が加熱されて、剥離材料(例えば、t-ブトキシカルボニル)が分解し、接着力が低下する。いくつかの実施形態では、前記堆積材料が誘電体の場合、一部のエッジの欠陥やコンポーネントの構造を覆うのに役立つ、より厚い段階的な堆積が形成
される。
【0056】
いくつかの実施形態では、前記剥離層は、あらゆる目的のためにその全体が参照により援用される、米国特許第7,300,824号及び第7,863,762号に開示されているような熱分解性ポリマーである。いくつかの実施形態では、前記剥離層(例えば、光増感剤を含む又は含まないポリマーフィルム)は、多孔質真空チャックとして機能することができる多孔質基板上に形成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、回路の全てのコンポーネントが前記剥離層上に配置され、少なくとも堆積材料(例えば、誘電体層)が堆積された後、前記多孔質真空チャックに真空を適用しながら、前記剥離層を分解温度まで加熱することにより、前記多孔質真空チャックがコンポーネント積層体を所定の位置に保持している間に、前記剥離層の分解生成物が前記多孔質真空チャックの細孔を通って排出される。いくつかの実施形態では、前記埋め込み材料は、前記剥離層の分解前又は分解後に適用されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、前記剥離層は、剥離材料(例えば、誘電体)の堆積前に分解されてもよい。いくつかの実施形態では、前記多孔質真空チャックからの真空により、アンダーカット領域がある場合でも、個々のコンポーネントが所定の位置に保持される。なぜならこの領域が総領域のごく一部であり、開放領域にもかかわらず、コンポーネント全体にわたって適切な圧力差が維持され得るからである。いくつかの実施形態では、次いで、堆積材料(例えば、誘電体膜)は、大気圧プロセス(例えば、大気圧PECVD)を使用して堆積される。いくつかの実施形態では、コンポーネントの表面は基板(例えば、多孔質真空チャック)の表面と直接接触している。いくつかの実施形態では、前記多孔質真空チャックは、コンポーネントが剥離層(例えば、ポリマー)に浸透した程度の違いに関係なく、平坦な又は実質的に平坦な平面を画定する。そのようなアセンブリ700の構造が図7に示されている。図7に、剥離層(例えば、一時的な接着層)の除去及び堆積材料(例えば、絶縁誘電体)の堆積後の、基板702(例えば、一時的な基板)上に配置されたコンポーネント704及び706を示す。いくつかの実施形態では、前記絶縁材料は、剥離層(例えば、接着剤)の除去の前又は後に堆積される。いくつかの実施形態では、前記堆積材料(例えば、誘電体膜)と前記基板702との間の接触(例えば、接着)は、コンポーネント積層体(例えば、回路積層体)が総面積に対してごく一部しか含まれていないため、剥離する際に分離(例えば、破壊)する場合がある。いくつかの実施形態では、前記基板からのコンポーネントの分離を容易にするために、前記基板は、低表面エネルギーのコーティング(例えば、薄いコーティング)で処理されていてもよい。いくつかの実施形態では、低表面エネルギーコーティングは、プラズマ堆積されたフルオロカーボン膜、フルオロカーボンの自己組織化単層、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、前記アセンブリ700は、前記コンポーネント704及び706を埋め込み材料で包み込む並びに/又は前記コンポーネントを前記基板702から放出するためにさらに処理されてもよい。いくつかの実施形態では、前記分離されたコンポーネント積層体は、コンポーネントの活性面に相互接続を追加するためにさらに処理されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、前記多孔質真空チャックは、複数の細孔を備える。いくつかの実施形態では、前記細孔は、ナノメートルスケールの直径及び/又はミクロンスケールの直径を有する。いくつかの実施形態では、前記細孔は、正味、約、最大で、又は最大で約5nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、75nm、100nm、150nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、800nm、1μm、1.5μm、2μm、3μm、5μm、若しくは10μm、又はそれらの間の任意の範囲内の値の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、前記基板(例えば、多孔質真空チャック)はシリコンを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、前記剥離層は、コンポーネントの堆積前に多孔質真空チャック上に堆積される。いくつかの実施形態では、例えば、最初は全ての領域が露出しており、最初に配置されたコンポーネントには充分な保持力が付与されないであろうことから、コンポーネント配置プロセス中にコンポーネントを保持するために真空チャックを使用しない場合がある。いくつかの実施形態では、前記剥離層及び前記コンポーネントを基板上に配置された時点で真空を適用可能であり、この真空は、剥離層(例えば、一時的な接着剤)の分解前又は分解後の多孔質真空チャック上の露出面積の減少(例えば、密集したコンポーネント間の露出空間)によりコンポーネントを保持するのに充分である。
【0060】
特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されたものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、他の様々な形式で具体化されてもよい。さらに、本開示の精神から逸脱することなく、本明細書に記載のシステム及び方法における様々な省略、置換、及び変更を行ってもよい。添付の特許請求の範囲及びその均等物は、本開示の範囲及び精神の範囲内であるような形態又は修正を網羅することを意図している。
【0061】
特定の態様、実施形態、又は実施例に関連して説明される特徴、材料、特性、又は群は、それと互換性がない限り、本セクション又は本明細書の他の場所で説明される任意の他の態様、実施形態、又は実施例に適用可能であることが理解されるべきである。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)で開示される全ての特徴、及び/又はそのように開示される任意の方法又はプロセスの全ての工程は、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。この保護は、前述の実施形態の詳細に限定されない。この保護は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示される特徴のいかなる新規の特徴又は新規の組み合わせにまで、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスの工程のいかなる新規の工程又は新規の組み合わせにまで及ぶ。
【0062】
さらに、別個の実施の文脈で本開示で説明される特定の特徴は、単一の実施において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実施で個別に、又は適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、上記の特徴は特定の組み合わせで機能するものとして説明されている場合があるが、場合によっては、特許請求される組み合わせから1又は複数の特徴をその組み合わせから削除することができ、その組み合わせはサブコンビネーション又はサブコンビネーションのバリエーションとして特許請求される場合がある。
【0063】
さらに、操作は特定の順序で図面に示されるか明細書に記載される場合があるが、望ましい結果を達成するために、そのような操作が示された特定の順序又は連続した順序で実行される必要はなく、あるいは全ての操作が実行される必要もない。図示又は説明されていない他の操作を、例示的な方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、1又は複数の追加の操作を、説明した操作のいずれかの前、後、同時に、又は間に実行することができる。さらに、他の実施では、操作を再配列又は再順序付けしてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態では、図示及び/又は開示されるプロセスで実行される実際の工程が、図に示される工程と異なる場合があることを理解するであろう。実施形態に応じて、上述の工程のうちの特定の工程が削除されてもよく、他の工程が追加されてもよい。さらに、上記で開示した特定の実施形態の特徴及び特性を様々な方法で組み合わせて追加の実施形態を形成してもよく、それらは全て本開示の範囲内に含まれる。また、上記実施における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実施でそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されたコンポーネント及びシステムは通常、単一の製品に一緒に統合されることも、複数の製品にパッケージ化されることもできることを理解されたい。例えば、本明細書に記載されるエネルギー貯蔵システムのコンポー
ネントのいずれも、エネルギー貯蔵システムを形成するために、別々に提供することも、又は一緒に統合することもできる(例えば、一緒にパッケージする又は一緒に取り付ける)。
【0064】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、及び新規の特徴が本明細書に記載される。必ずしも全てのそのような利点が特定の実施形態に従って達成されるわけではない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示された1つの利点又は利点の群を達成する方法で具体化又は実行され得ることを認識するであろう。
【0065】
「~し得る/できる/可能である(can)」、「~できた/こともあり得る(could)」、「~可能性がある(might)」、又は「~し得る/であってもよい/である場合がある(may)」などの条件付きの文言は、特に明記されていない限り、又は使用される文脈内で理解されない限り、通常、特定の実施形態には特定の特徴、要素、及び/又は工程が含まれるが、他の実施形態には含まれないことを伝えることを意図している。したがって、このような条件付きの文言は、通常、何らかの形で特徴、要素、及び/又は工程が、1若しくは複数の実施形態に必要であることを示唆すること、又は1若しくは複数の実施形態が、ユーザー入力若しくはプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、及び/又は工程が特定の実施形態において含まれるか実行されるべきかを決定するためのロジックを必ず含むことを意図したものではない。
【0066】
「X、Y、及びZの少なくとも1つ」などの接続詞は、特に明記されていない限り、通常、項目や用語などが、X、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために使用される文脈で理解される。したがって、そのような接続詞は、通常、特定の実施形態が、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つの存在を必要とすることを暗示することを意図したものではない。
【0067】
本明細書で使用される用語「およそ(approximately)」、「約(about)」、「通常(generally)」、及び「実質的に(substantially)」などの程度を示す文言は、所望の機能を実行するか所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば、用語「およそ(approximately)」、「約(about)」、「通常(generally)」、及び「実質的に(substantially)」は、所望の機能又は所望の結果に応じて、記載された量の10%未満の範囲内、5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、及び0.01%未満の範囲内である量を意味する。
【0068】
本開示の範囲は、本セクション又は本明細書の他の場所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図しておらず、本セクション又は本明細書の他の場所に提示される、あるいはは将来提示される特許請求の範囲によって定義される場合がある。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で使用される文言に基づいて広く解釈されるものであり、本明細書又は本出願の手続き中に記載される例に限定されず、その例は非排他的であると解釈されるべきである。
本明細書で提供される見出しは、もしあれば、便宜上のものであり、本明細書で開示されるデバイス及び方法の範囲又は意味に必ずしも影響を与えるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】