(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】半導体構造の製造方法及び半導体構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548078
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-05
(86)【国際出願番号】 CN2022080318
(87)【国際公開番号】W WO2023164966
(87)【国際公開日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】202210209445.5
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】陳 龍陽
(72)【発明者】
【氏名】白 世杰
(72)【発明者】
【氏名】劉 忠明
(72)【発明者】
【氏名】于 業笑
(72)【発明者】
【氏名】周 賢国
(72)【発明者】
【氏名】趙 彬
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA02
5F004BA04
5F004BB13
5F004BD01
5F004DA00
5F004DA04
5F004DA13
5F004DA26
5F004DB02
5F004DB07
5F004DB10
5F004DB13
5F004EA03
5F004EA06
5F004EA13
5F004EA27
(57)【要約】
本開示の実施例は、半導体構造の製造方法及び半導体構造を提供する。前記製造方法は、処理対象構造を提供するステップであって、前記処理対象構造は、基板及び前記基板上方に積層して設置されるエッチング目標層、底部マスク層、第1マスク層を備えるステップと、前記第1マスク層をパターン化して第1パターンを形成するステップであって、前記第1パターンは一部の前記底部マスク層を露出させるステップと、前記第1マスク層の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップと、前記第1マスク層を除去するステップと、充填層を用いて前記スペーサ間の隙間を埋めるステップであって、前記スペーサの材料と前記充填層の材料は高いエッチング選択比を有するステップと、前記スペーサを除去するステップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造の製造方法であって、
処理対象構造を提供するステップであって、前記処理対象構造は、基板及び前記基板上方に積層して設置されるエッチング目標層、底部マスク層、第1マスク層を備えるステップと、
前記第1マスク層をパターン化して第1パターンを形成するステップであって、前記第1パターンは一部の前記底部マスク層を露出させるステップと、
前記第1マスク層の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップと、
前記第1マスク層を除去するステップと、
充填層を用いて前記スペーサ間の隙間を埋めるステップであって、前記スペーサの材料と前記充填層の材料は高いエッチング選択比を有するステップと、
前記スペーサを除去するステップと、を含む、半導体構造の製造方法。
【請求項2】
前記スペーサを除去するステップの後に、
前記充填層に第2マスク層を形成するステップと、
前記第2マスク層をエッチングして第2パターンを形成するステップであって、前記第2パターンは一部の前記充填層を露出させるステップと、
第2マスク層をマスクとして前記充填層をパターン化して、充填層マスクを形成するステップと、を更に含む
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記充填層マスクを形成するステップの後に、
前記充填層マスクをマスクとして前記底部マスク層をパターン化して、第3パターンを形成するステップであって、前記第3パターンは一部の前記エッチング目標層を露出させるステップと、
前記底部マスク層をマスクとして前記エッチング目標層をパターン化するステップと、を更に含む
請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記スペーサと前記充填層の材料のエッチング選択比は100以上である
請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記スペーサの材料のヤング率は25GPa以上である
請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記充填層の材料は酸化物を含む
請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記スペーサの材料は、多結晶シリコン、窒化ケイ素又は金属酸化物を含む
請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第1マスク層の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップは、
前記第1マスク層と前記底部マスク層の表面を被覆するスペーサ層を形成するステップと、
前記第1マスク層の頂部を被覆するスペーサ層と前記底部マスク層の表面を被覆するスペーサ層を除去し、前記第1マスク層の側壁におけるスペーサ層を残して、縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップと、を含む
請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記スペーサを除去するステップは、
ガスによるエッチングプロセスを用いて前記スペーサを除去するステップを含み、前記ガスは塩素ガスと臭化水素を含む
請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第1マスク層を除去するステップは、
アッシングプロセスを用いて前記第1マスク層を除去するステップを含む
請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
前記第1マスク層をパターン化するステップは、
前記第1マスク層の上方に第3マスク層を堆積するステップと、
前記第3マスク層と前記第1マスク層をパターン化するステップと、
前記第3マスク層を除去し、前記第1マスク層を残すステップと、を含む
請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第3マスク層と第1マスク層をパターン化するステップは、
前記第3マスク層の上方にフォトレジスト層を形成するステップと、
前記フォトレジスト層をパターン化して、第1パターン化フォトレジスト層を形成するステップであって、前記第1パターン化フォトレジスト層は前記第3マスク層を露出させるステップと、
第1パターン化フォトレジスト層をマスクとして前記第3マスク層と前記第1マスク層をエッチングするステップと、を含む
請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
充填層を用いて前記スペーサ間の隙間を埋めるステップは、
前記底部マスク層に充填層を形成するステップであって、前記充填層は隣接する前記スペーサの隙間に充填され且つ前記スペーサを被覆するステップと、
前記充填層を平坦化して、前記充填層の上表面と前記スペーサの上表面を面一にするステップと、を含む
請求項1に記載の製造方法。
【請求項14】
前記底部マスク層は、第1底部マスク層と第2底部マスク層を備え、前記第2底部マスク層が前記第1底部マスク層の上方にある
請求項1に記載の製造方法。
【請求項15】
半導体構造であって、
請求項1~14のいずれか一項に記載の半導体構造の製造方法を用いて製造される、半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、出願番号が202210209445.5であり、出願日が2022年3月4日であり、発明名称が「半導体構造の製造方法及び半導体構造」である中国特許出願に基づいて出願され、且つ当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の内容全体が参照によって本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、半導体技術分野に関するが、それに限定されなく、特に半導体構造の製造方法及び半導体構造に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体技術ノード及び機械の進化に伴って、集積回路における素子の集積密度は高くなってきており、半導体素子の特徴限界寸法(CD)は持続的に小さくなってきており、フォトリソグラフィの光学物理極限に非常に接近しており、従来のフォトリソグラフィプロセスで形成されたマスクパターンは、持続的に小さくなっている半導体素子の特徴限界寸法の需要を満たすことが困難であり、半導体技術の発展を制限している。微細パターンの製造プロセスをいかに最適化するかは、早急に解決すべき問題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施例は、半導体構造の製造方法を提供し、処理対象構造を提供するステップであって、前記処理対象構造は、基板及び前記基板上方に積層して設置されるエッチング目標層、底部マスク層、第1マスク層を備えるステップと、前記第1マスク層をパターン化して第1パターンを形成するステップであって、前記第1パターンは一部の前記底部マスク層を露出させるステップと、前記第1マスク層の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップと、前記第1マスク層を除去するステップと、充填層を用いて前記スペーサ間の隙間を埋めるステップであって、前記スペーサの材料と前記充填層の材料は高いエッチング選択比を有するステップと、前記スペーサを除去するステップと、を含む。
【0005】
いくつかの実施例では、前記スペーサを除去するステップの後に、前記方法は、前記充填層に第2マスク層を形成するステップと、前記第2マスク層をエッチングして第2パターンを形成するステップであって、前記第2パターンは一部の前記充填層を露出させるステップと、第2マスク層をマスクとして前記充填層をパターン化して、充填層マスクを形成するステップと、を更に含む。
【0006】
いくつかの実施例では、前記充填層マスクを形成するステップの後に、前記方法は、前記充填層マスクをマスクとして前記底部マスク層をパターン化して、第3パターンを形成するステップであって、前記第3パターンは一部の前記エッチング目標層を露出させるステップと、前記底部マスク層をマスクとして前記エッチング目標層をパターン化するステップと、を更に含む。
【0007】
いくつかの実施例では、前記スペーサと前記充填層の材料のエッチング選択比は100以上である。
【0008】
いくつかの実施例では、前記スペーサの材料のヤング率は25GPa以上である。
【0009】
いくつかの実施例では、前記充填層の材料は酸化物を含む。
【0010】
いくつかの実施例では、前記スペーサの材料は、多結晶シリコン、窒化ケイ素又は金属酸化物を含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第1マスク層の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップは、前記第1マスク層と前記底部マスク層の表面を被覆するスペーサ層を形成するステップと、前記第1マスク層の頂部を被覆するスペーサ層と前記底部マスク層の表面を被覆するスペーサ層を除去し、前記第1マスク層の側壁におけるスペーサ層を残して、縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップと、を含む。
【0012】
いくつかの実施例では、前記スペーサを除去するステップは、ガスによるエッチングプロセスを用いて前記スペーサを除去するステップを含み、前記ガスは塩素ガスと臭化水素を含む。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第1マスク層を除去するステップは、アッシングプロセスを用いて前記第1マスク層を除去するステップを含む。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1マスク層をパターン化するステップは、前記第1マスク層の上方に第3マスク層を堆積するステップと、前記第3マスク層と前記第1マスク層をパターン化するステップと、前記第3マスク層を除去し、前記第1マスク層を残すステップと、を含む。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第3マスク層と第1マスク層をパターン化するステップは、前記第3マスク層の上方にフォトレジスト層を形成するステップと、前記フォトレジスト層をパターン化して、第1パターン化フォトレジスト層を形成するステップであって、前記第1パターン化フォトレジスト層は前記第3マスク層を露出させるステップと、第1パターン化フォトレジスト層をマスクとして前記第3マスク層と前記第1マスク層をエッチングするステップと、を含む。
【0016】
いくつかの実施例では、充填層を用いて前記スペーサ間の隙間を埋めるステップは、前記底部マスク層に充填層を形成するステップであって、前記充填層は隣接する前記スペーサの隙間に充填され且つ前記スペーサを被覆するステップと、前記充填層を平坦化して、前記充填層の上表面と前記スペーサの上表面を面一にするステップと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記底部マスク層は、第1底部マスク層と第2底部マスク層を備え、前記第2底部マスク層が前記第1底部マスク層の上方にある。
【0018】
本開示の実施例は更に、上記のいずれか一項に記載の方法を用いて製造される半導体構造を提供する。
【0019】
本開示の実施例は、半導体構造の製造方法及び半導体構造を提供する。前記製造方法は、処理対象構造を提供するステップであって、前記処理対象構造は、基板及び前記基板上方に積層して設置されるエッチング目標層、底部マスク層、第1マスク層を備えるステップと、前記第1マスク層をパターン化して第1パターンを形成するステップであって、前記第1パターンは一部の前記底部マスク層を露出させるステップと、前記第1マスク層の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップと、前記第1マスク層を除去するステップと、充填層を用いて前記スペーサ間の隙間を埋めるステップであって、前記スペーサの材料と前記充填層の材料は高いエッチング選択比を有するステップと、前記スペーサを除去するステップと、を含む。本開示の実施例は、先に縦方向の側壁形態のスペーサを形成し、次に充填層を堆積し且つスペーサを除去して凹みを形成する方法を用いて、対応するパターンのマスクを形成し、スペーサと前記充填層は高いエッチング選択比を有して、パターン転写一致性を高め、形成されたパターン化構造の微細度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の一実施例の半導体構造の製造方法のフローチャートである。
【
図2a】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2b】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2c】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2d】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2e】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2f】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2g】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2h】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2i】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2j】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2k】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2l】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2m】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図2n】本発明の実施例に係る半導体構造の製造工程における素子構造図である。
【
図3】本開示に係る別の実施例の半導体構造の素子構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施例又は従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以上、実施例に用いられる図面を簡単に説明したが、当然ながら、以上に記載する図面はただ本開示の実施例の一部であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得る。
【0022】
以下、図面を参照しながら本開示で開示される例示的実施形態をより詳細に説明する。本開示の例示的実施形態を図面に示しているが、本開示は各種の形態で実現でき、ここで説明される具体的な実施形態に限定されてならないことを理解すべきである。逆に、これらの実施形態を提供する目的は、本開示をより全面的に理解でき、本開示で開示される範囲を完全に当業者に伝えられることである。
【0023】
以下の説明において、本開示に対する理解を更に透徹させるように、具体的な細かい点を多く提供する。しかし、本開示は1つ又は複数のこれらの細かい点がなくても実施できることが当業者に明らかである。他の例では、本開示と混同しないように、本分野で周知されている若干の技術特徴について説明しなく、即ち、ここでは、説明される実際実施例の特徴は全部ではなく、周知されている機能と構造は詳細に説明されない。
【0024】
図面において、明瞭にするために、層、領域、素子の寸法及びその相対的寸法は誇大にされることがある。同じ図面符号は始めから終わりまで同じ素子を表す。
【0025】
理解すべきことは、素子又は層が他の素子又は層に対して、「…の上にある」、「…に隣接する」、「に接続される」又は「に結合される」と言われる場合に、直接的に他の素子又は層にあったり、それに隣接したり、他の素子又は層に接続又は結合されたりしてもよく、或いは中間に介在する素子又は層が存在してもよい点である。逆に、素子が他の素子又は層に対して、「直接的に…の上にある」、「…に直接的に隣接する」、「に直接的に接続される」又は「に直接的に結合される」と言われる場合に、中間に介在する素子又は層が存在しない。理解すべきことは、第1、第2、第3等の技術用語を用いて各種の素子、部材、領域、層及び/又は部分を記述できるが、これらの素子、部材、領域、層及び/又は部分はこれらの技術用語に限定されるべきではない点である。これらの技術用語はただ1つの素子、部材、領域、層又は部分と別の素子、部材、領域、層又は部分とを区別するためのものである。従って、本開示の示唆を逸脱しない限り、以下において検討される第1素子、部材、領域、層又は部分は第2素子、部材、領域、層又は部分で表してもよい。第2素子、部材、領域、層又は部分を検討する時に、本開示において必ず第1素子、部材、領域、層又は部分が存在するというわけではない。
【0026】
ここで使用される技術用語の目的は、本開示を限定せず、ただ具体的な実施例を説明することである。ここで使用される時に、単数形の「一」、「一つ」及び「前記/当該」は、文脈において別の方式を明らかに示していない限り、複数形を含むことも意図する。更に理解すべきことは、「からなる」及び/又は「含む」という技術用語は、当該明細書に使用される時、記載される特徴、整数、ステップ、操作、素子及び/又は部材が存在することを明確にするが、1つ又はより多い他の特徴、整数、ステップ、操作、素子、部材及び/又は群の存在又は追加を排除することがない点である。ここで使用される時に、「及び/又は」という技術用語は挙げられる関連項目のいずれ及び全ての組合せを含む。
【0027】
関連技術におけるパターン化プロセスでは、例えば、ブリッジング、破断、隅箇所での悪い充填品質等の問題が発生しやすくて、微細なパターン化構造を形成しにくいことが一般である。
【0028】
以上に基づいて、本開示の実施例は、半導体構造の製造方法を提供し、図面1を参照して、前記製造方法は、
処理対象構造を提供し、前記処理対象構造は、基板及び前記基板上方に積層して設置されるエッチング目標層、底部マスク層、第1マスク層を備えるステップ101と、
前記第1マスク層をパターン化して第1パターンを形成し、前記第1パターンは一部の前記底部マスク層を露出させるステップ102と、
前記第1マスク層の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップ103と、
前記第1マスク層を除去するステップ104と、
充填層を用いて前記スペーサ間の隙間を埋め、前記スペーサの材料と前記充填層の材料は高いエッチング選択比を有するステップ105と、
前記スペーサを除去するステップ106と、を含む。
【0029】
本開示の実施例は、先に縦方向の側壁形態のスペーサを形成し、次に充填層を堆積し且つスペーサを除去して凹みを形成する方法を用いて、対応するパターンのマスクを形成し、スペーサと前記充填層は高いエッチング選択比を有して、パターン転写一致性を高め、形成されたパターン化構造の微細度を高めることができる。
【0030】
以下、
図2a-2nを参照しながら本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。本発明の実施例を詳細に記載する時に、説明の便宜上、模式図は一般の比例に従わずに局所を拡大することがあり、前記模式図はただ例示するものであり、ここで本発明の保護範囲を限定するものとしてはならない。
【0031】
前記方法はステップ101から始まり、
図2aに示すように、処理対象構造を提供し、前記処理対象構造は、基板201、前記基板上方に積層して設置されるエッチング目標層203、底部マスク層205、第1マスク層207を備える。
【0032】
ここで、前記基板は、半導体基板であってもよく、また、少なくとも1つの元素半導体材料(例えば、シリコン(Si)基板、ゲルマニウム(Ge)基板)、少なくとも1つのIII-V化合物半導体材料、少なくとも1つのII-VI化合物半導体材料、少なくとも1つの有機半導体材料又は当該分野における既知の他の半導体材料を含んでもよい。具体的な一実施例では、前記基板はシリコン基板であり、ドープ又は非ドープであってもよい。具体的には、前記基板はウェハであってもよいが、それに限定されない。
【0033】
例として、前記エッチング目標層203は基板にあるエッチング待ちの材料層であってもよく、例えば、多結晶シリコン層又は金属層を含むが、それらに限定されなく、いくつかの実施例では、基板であってもよく、即ち、後にエッチングする必要がある目標層は、基板にある多結晶シリコン層であってもよく、基板にある金属層であってもよく、基板自体であってもよい。いくつかの実施例では、前記エッチング目標層203はタングステン(W)であってもよい。
【0034】
いくつかの実施例では、
図2aを参照し、前記底部マスク層205は、第1底部マスク層2051と第2底部マスク層2052を備え、前記第2底部マスク層2052が前記第1底部マスク層2051の上方にある。ここで、底部マスク層205は、パターン伝達に関与するだけでなく、エッチングストッパ層としても使用されて、後に充填層マスクを形成するプロセスがエッチング目標層を破壊しないように、エッチング目標層を保護する。多層構造のマスク層を用いることで、線幅一致性及びエッジの粗さを高めることができる。ここで、前記第1底部マスク層2051の材料は、アモルファス炭素層(Amorphous Carbon Layer:ACL)を含んでもよいが、それに限定されなく、前記第2底部マスク層2052の材料は、窒化ケイ素(SiN)又は酸窒化ケイ素(SiON)を含んでもよいが、それらに限定されない。より具体的には、前記第2底部マスク層の材料はシリコンリッチの酸窒化ケイ素であってもよい。実際の操作では、前記底部マスク層205の形成プロセスは、化学気相成長(CVD)プロセス、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス又はそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。
【0035】
ここで、前記第1マスク層207は、アモルファス炭素層(Amorphous Carbon Layer:ACL)を含んでもよいが、それに限定されない。実際の操作では、前記第1マスク層207の形成プロセスは、化学気相成長(CVD)プロセス、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス又はそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。
【0036】
続いて、
図2b-2dに示すように、ステップ102を実行し、前記第1マスク層207をパターン化して第1パターンを形成し、前記第1パターンは一部の前記底部マスク層205を露出させる。
【0037】
いくつかの実施例では、
図2b-2dに示すように、前記第1マスク層207をパターン化するステップは、前記第1マスク層207の上方に第3マスク層209を堆積するステップと、前記第3マスク層209と前記第1マスク層207をパターン化するステップと、前記第3マスク層209を除去して、前記第1マスク層207を残すステップと、を含む。このようにして、頂部のキャップ層構造が除去され、後に高弾性率のスペーサ層を堆積した後、対称するスペーサをワンステップでエッチングして形成できる。
【0038】
具体的には、まず、
図2bを参照し、前記第1マスク層207の上方に第3マスク層209を堆積する。ここで、前記第3マスク層の材料は、酸化物又は酸窒化ケイ素(SiON)を含んでもよいが、それらに限定されなく、例として、例えば、酸化ケイ素(SiO
2)又は酸素リッチの酸窒化ケイ素が挙げられる。実際の操作では、前記第3マスク層の形成プロセスは、化学気相成長(CVD)プロセス、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス又はそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。
【0039】
続いて、
図2cを参照し、前記第3マスク層209と前記第1マスク層207をパターン化する。
【0040】
いくつかの実施例では、前記第3マスク層209と第1マスク層207をパターン化するステップは、前記第3マスク層209の上方にフォトレジスト層(PR)を形成するステップと、前記フォトレジスト層をパターン化して、第1パターン化フォトレジスト層211を形成するステップであって、前記第1パターン化フォトレジスト層211は前記第3マスク層209を露出させるステップと、第1パターン化フォトレジスト層211をマスクとして前記第3マスク層209と前記第1マスク層207をエッチングするステップと、を含む。例えば、前記第3マスク層209にフォトレジストをスピンコーティングし、マスクによって前記フォトレジストをパターン化する。前記第3マスク層209と第1マスク層207をパターン化するプロセスはこれに限定されなく、他の実施例では、第3マスク層209の表面において自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセス又は自己整合4倍パターニング(SAQP)プロセスによって、前記第3マスク層209と第1マスク層207をパターン化してもよい。
【0041】
最後に、
図2dを参照し、前記第3マスク層209を除去し、前記第1マスク層207を残す。ここで、ドライエッチングプロセスを用いて前記第3マスク層209を除去してもよく、前記ドライエッチングプロセスは、スパッタリングとイオンビームミリング、プラズマエッチング(Plasma Etching)、高圧プラズマエッチング、高密度プラズマ(HDP)エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)等を含む。
【0042】
いくつかの実施例では、前記フォトレジスト層は更に、Siを含む反射防止コーティング(SiARC)を含み、前記反射防止コーティングが前記第3マスク層209の表面を被覆する。このようにして、フォトリソグラフィ反射光を吸収して、フォトリソグラフィプロセスにおける線幅解像度を高めることができる。
【0043】
続いて、ステップ103を実行し、
図2fに示すように、前記第1マスク層207の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサ2131を形成する。
【0044】
いくつかの実施例では、前記スペーサ2131の材料はヤング率が25GPa以上である。実際の操作では、前記スペーサ2131の材料はヤング率範囲が例えば25GPa-250GPaであってもよく、例として、例えば、28Gpa、46Gpa、190GPa又は230GPaであってもよい。適切なヤング率のスペーサを選択し、後に第1マスク層パターンを除去した後、高ヤング率のスペーサが縦方向の形態をより保持しやすく、また、ヤング率が高いほど、スペーサが変形しにくく、より微細なパターンを得ることができ、精度を向上させる。いくつかの実施例では、前記スペーサ2131の材料はヤング率が500Gpaより小さく、このようにして、スペーサは他の材料に対して応力による層化現象が発生しにくく、望ましい融和性を有する。
【0045】
いくつかの実施例では、前記スペーサ2131の材料は、多結晶シリコン、窒化ケイ素又は金属酸化物を含む。具体的な一実施例では、前記スペーサ2131の材料はホウ素ドープ多結晶シリコン(Cygnus poly)又はチタン酸素化合物を含む。このようにして、高いヤング率を得ることができ、また、後に形成される充填層材料に対するエッチング選択比が大きく、これによって、後にスペーサを除去する工程で、充填層マスク構造への影響を低減し、金属線のブリッジング又は破断の問題を最適化する。
【0046】
いくつかの実施例では、
図2e-
図2fに示すように、前記第1マスク層207の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサ2131を形成するステップは、前記第1マスク層207と前記底部マスク層205の表面を被覆するスペーサ層213を形成するステップと、前記第1マスク層207の頂部を被覆するスペーサ層213及び前記底部マスク層205の表面を被覆するスペーサ層213を除去し、前記第1マスク層207の側壁におけるスペーサ層213を残し、縦方向の側壁形態を有するスペーサ2131を形成するステップと、を含む。
【0047】
具体的には、まず、
図2eを参照し、前記第1マスク層207と前記底部マスク層205の表面を被覆するスペーサ層213を形成する。ここで、前記スペーサ層は、化学気相成長プロセス、スピンコーティングプロセス又は原子層堆積プロセスによって形成してもよく、その厚さの範囲が30nm~180nm範囲内、例えば、60nm、65nm、80nm、85nm、90nm、95nm又は120nmであってもよい。スペーサ層の厚さが小さければ、後に縦方向の側壁形態のスペーサを形成することに不利であり、縦方向の側壁形態のスペーサが崩れやすい。スペーサ層の厚さが大きければ、微細なパターンの形成に不利である。実際の操作では、スペーサ層の厚さを選択するに際して、スペーサの材料及びスペーサの材料のヤング率に配慮すべきである。例えば、スペーサのヤング率が高いほど、相対的小さいスペーサ層の厚さを選択でき、パターンの微細度を高める。
【0048】
続いて、
図2fに示すように、前記第1マスク層207の頂部を被覆するスペーサ層213と前記底部マスク層205の表面を被覆するスペーサ層213を除去し、前記第1マスク層207の側壁におけるスペーサ層213を残し、縦方向の側壁形態を有するスペーサ2131を形成する。
【0049】
次に、
図2gに示すように、ステップ104を実行し、前記第1マスク層207を除去する。実際の操作では、ドライエッチングプロセスを用いて前記第1マスク層207を除去してもよく、前記ドライエッチングプロセスは、スパッタリングとイオンビームミリング、プラズマエッチング(Plasma Etching)、高圧プラズマエッチング、高密度プラズマ(HDP)エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)等を含む。ドライエッチングプロセスは選択比が高くて、望ましい制御可能性、柔軟性、再現性を有し、細かいラインの操作が安全で、微細パターン転写後の高忠実度を確保できる。
【0050】
いくつかの実施例では、前記第1マスク層を除去するステップは、アッシングプロセスを用いて前記第1マスク層207を除去するステップを含む。第1マスク層パターンはアッシングプロセスによって効率的且つ完全に除去でき、且つ中間生成物が生じない。同時に底部マスク層の表面の清浄度を高めることができ、後続の充填層の堆積に有利である。実際の操作では、前記アッシングプロセスのパラメータとしては、アッシング室の温度235~265℃、無線周波数電力2000~5000W、アッシング室圧力50~1500mtorr(ミリトール)、アッシング時間5~300秒を含む。このようにして、更に前記第1マスク層207の除去効率を高めると共に、底部マスク層の表面の清浄度を高め、歩留まりを増加することができる。
【0051】
いくつかの実施例では、前記第1マスク層パターンを除去するステップの後、前記スペーサの輪郭に対して平滑化処理を施して、前記スペーサ両側の輪郭を均一且つ対称的に平滑化させるステップを更に含む。このようにして、後にスペーサに従って充填層マスクを形成する品質を高めることができ、充填層マスクをより整然とし、最終的に形成される製品の歩留まりを改善する。いくつかの実施例では、ガスによるエッチングプロセスを用いて前記スペーサの輪郭に平滑化処理を施し、前記エッチングガスはCl2、HBr、O2、SiCl4及びSiBrの少なくとも1種を含む。
【0052】
続いて、
図2iに示すように、ステップ105を実行し、充填層215を用いて前記スペーサ2131の間の隙間を埋め、ここで、前記スペーサ2131の材料と前記充填層215の材料は高いエッチング選択比を有する。
【0053】
いくつかの実施例では、
図2h-
図2iに示すように、充填層215を用いて前記スペーサ2131の間の隙間を埋めるステップは、前記底部マスク層205に充填層215を形成するステップであって、前記充填層は隣接する前記スペーサ2131の隙間に充填され且つ前記スペーサ2131を被覆するステップと、前記充填層215を平坦化して、前記充填層215の上表面と前記スペーサ2131の上表面を面一にするステップと、を含む。
【0054】
具体的には、まず、
図2hを参照し、前記底部マスク層205に充填層215を形成し、前記充填層は隣接する前記スペーサ2131の隙間に充填され且つ前記スペーサ2131を被覆する。いくつかの実施例では、前記充填層の材料は酸化物を含む。有機炭素をスピンコーティングした(Spin-On-Carbon:SOC)層を充填する関連技術と比べると、酸化物の充填効果がより優れ、更に従来技術においてSOC充填効果が悪いという問題を解決する。実際の操作では、化学気相成長プロセス、塗布プロセス(floating Oxide coating)又は原子層堆積プロセスを用いて前記充填層を形成してもよい。
【0055】
いくつかの実施例では、前記スペーサと前記充填層の材料のエッチング選択比は100以上である。例として、前記スペーサと前記充填層の材料のエッチング選択比範囲は、例えば、120-800であってもよく、より具体的には、例えば、155、334又は650であってもよい。このようにして、後にスペーサを除去する工程で、充填層マスク構造への影響を低減し、金属線のブリッジング又は破断の問題を最適化する。
【0056】
続いて、
図2iを参照し、前記充填層215を平坦化して、前記充填層215の上表面と前記スペーサ2131の上表面を面一にする。実際の操作では、前記平坦化は、化学機械研磨プロセス、エッチバックプロセス又はそれらの組合せを含む。
【0057】
最後に、ステップ106を実行し、
図2jを参照し、前記スペーサ2131を除去する。
【0058】
いくつかの実施例では、前記スペーサ2131を除去するステップは、ガスによるエッチングプロセスを用いて前記スペーサ2131を除去するステップを含み、前記ガスは塩素ガスと臭化水素を含む。ガスによるエッチングは底部マスクに与える汚染が小さく、且つエッチング速度が制御可能であり、形成される充填層マスクがより微細であることを理解すべきである。他の実施例では、前記ガスはO2、SiCl4及びSiBrの少なくとも1種を含む。
【0059】
いくつかの実施例では、
図2k-2mに示すように、前記スペーサ2131を除去するステップの後、前記方法は、前記充填層215に第2マスク層217を形成するステップと、前記第2マスク層217をエッチングして第2パターンを形成するステップであって、前記第2パターンは一部の前記充填層215を露出させるステップと、第2マスク層をマスクとして前記充填層215をパターン化して、充填層マスク2151を形成するステップと、を更に含む。実際の操作では、ターンが微細で複雑なので、一次エッチングのプロセスは難度が大きく、プロセスのメンテナンスが困難であり、甚だしい場合には実現できない。このようにして、充填層を整えて最終的マスクを形成することで、プロセスを有効に簡単化して歩留まりを高めることができる。
【0060】
具体的には、まず、
図2kを参照し、前記充填層215に第2マスク層217を形成する。ここで、前記第2マスク層217は、積層して設置される下層第2マスク層2171と上層第2マスク層2172を含んでもよく、前記上層第2マスク層2172が前記下層第2マスク層2171の上方にある。前記上層第2マスク層2172の材料は、酸窒化ケイ素(SiON)、多結晶シリコン(Poly)、アモルファス炭素層(Amorphous Carbon Layer:ACL)、酸化物(Oxide)等を含んでもよいが、それらに限定されない。前記上層第2マスク層2172は、化学気相成長プロセス(Chemical Vapor Deposition:CVD)又はスピンオン誘電体プロセス(Spin-on Dielectrics:SOD)によって形成してもよい。
【0061】
前記下層第2マスク層2171の材料は、スピンオンハードマスク(Spin-on Hard mask:SOH)層を含んでもよいが、それに限定されなく、前記SOH層はスピンコーティングプロセスによって形成してもよく、SOH層は炭化水素系の絶縁層であってもよく、シリコンハードマスク材料、カーボンハードマスク材料及び有機ハードマスク材料等を含んでもよい。
【0062】
続いて、
図2lを参照し、前記第2マスク層217をエッチングして第2パターンを形成し、前記第2パターンは一部の前記充填層215を露出させる。いくつかの実施例では、前記第2マスク層217をエッチングして第2パターンを形成するステップは、前記第2マスク層217の上方にフォトレジスト層(PR)を形成するステップと、前記フォトレジスト層をパターン化して、第2パターン化フォトレジスト層211’を形成するステップであって、前記第2パターン化フォトレジスト層211’は前記第2マスク層217を露出させるステップと、を含む。いくつかの実施例では、前記フォトレジスト層は更に、Siを含む反射防止コーティング(SiARC)を含み、前記反射防止コーティングが前記第2マスク層217の表面を被覆し、このようにして、フォトリソグラフィ反射光を吸収して、フォトリソグラフィプロセスにおける線幅解像度を高めることができる。前記第2マスク層217をエッチングして第2パターンを形成するプロセスはここに限定されなく、他の実施例では、第2マスク層217の表面において自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセス又は自己整合4倍パターニング(SAQP)プロセスによって前記第2マスク層217をエッチングして第2パターンを形成してもよい。
【0063】
最後に、
図2mを参照し、第2マスク層217をマスクとして前記充填層215をパターン化して、充填層マスク2151を形成する。ここで、ドライエッチングプロセスを用いて前記充填層215をパターン化してもよく、前記ドライエッチングプロセスは、スパッタリングとイオンビームミリング、プラズマエッチング(Plasma Etching)、高圧プラズマエッチング、高密度プラズマ(HDP)エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)等を含む。ドライエッチングプロセスは選択比が高くて、望ましい制御可能性、柔軟性、再現性を有し、細かいラインの操作が安全で、微細パターン転写後の高忠実度を確保できる。
【0064】
いくつかの実施例では、
図2nに示すように、前記充填層マスク2151を形成するステップの後、前記方法は、前記充填層マスク2151をマスクとして前記底部マスク層205をパターン化して、第3パターンを形成するステップであって、前記第3パターンは一部の前記エッチング目標層203を露出させるステップと、前記底部マスク層205をマスクとして前記エッチング目標層203をパターン化するステップと、を更に含む。ここで、底部マスク層は、パターン伝達に関与するだけでなく、エッチングストッパ層としても使用されて、後に充填層マスクを形成するプロセスがエッチング目標層を破壊しないように、エッチング目標層を保護する。
【0065】
一実施例では、前記充填層マスク2151をマスクとして前記底部マスク層205をパターン化するステップは、ドライエッチングプロセスを用いて前記底部マスク層をパターン化するステップを含む。いくつかの実施例では、前記ドライエッチングプロセスは、最初が速く次に遅いという異なる速度のエッチング速度を有してもよい。このようにして、後に必要なパターンを底部マスク層205に転写する時により均一な深さを持たせることができる。
【0066】
いくつかの実施例では、ドライエッチングデバイスのキャビティの圧力及び/又はRF(無線周波数)電力を調節制御することによって、最初が速く次に遅いというエッチング速度を実現してもよい。一般的には、キャビティ圧力の増加に伴って、エッチング速度が大きくなる。RF電力の増加はプラズマ中の活性剤とイオンの密度を高めることができ、これによってエッチング速度を高める。他の実施例では、エッチングガスの成分及び/又はガス流速を調節制御することによって、最初が速く次に遅いというエッチング速度を実現してもよい。例えば、混合ガス中の成分割合を制御することによってエッチング速度の調節制御を実現する。一方、反応剤の有効供給度合いはガス流速に依存する。ガス流速が低ければ、エッチング速度は反応ガス供給量に制限されて低くなり、流速が大きければ、反応ガス搬送過程で損失が発生して同様にエッチング速度を低下させる。他の実施例では、エッチング温度を調節制御することによって、最初が速く次に遅いというエッチング速度を実現してもよい。前記エッチング温度は基板の温度とキャビティの温度を含み、温度の影響は主に化学反応速度で体現する。
【0067】
他の実施例では、前記底部マスク層は第1底部マスク層と第2底部マスク層を備え、前記第2底部マスク層は前記第1底部マスク層の上方にあり、前記第2底部マスク層のエッチング速度は前記第1底部マスク層のエッチング速度より大きい。いくつかの他の実施例では、前記底部マスク層は、多層材料を重ねた層を備えてもよく、上から下への方向に沿って、各層のエッチング速度は次第に低下し、これによって異なる材料の異なるエッチング速度で、最初が速く次に遅いというエッチング速度を実現する。
【0068】
いくつかの実施例では、
図3に示すように、前記エッチング目標層203は、アレイユニット領域20b及び前記アレイユニット領域20bの周辺にある周辺ユニット領域20aを備え、前記スペーサ2131が前記周辺ユニット領域20aの上方にある。ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)は、メモリセルアレイ(Array)及び周辺回路を備える。メモリセルアレイは周辺回路と同じチップに集積してもよく、これでより広いバスとより高い操作速度が許容されるようになる。実際の応用では、メモリセルアレイと周辺回路は同一の平面における異なる領域に形成してもよい。アレイユニット領域と周辺ユニット領域の素子の密度が異なるので、ワンステップで形成することに適合しなく、金属層をそれぞれ単独してパターン化することで、歩留まりを有効に高めることができる。この時に、前記底部マスク層205は、周辺ユニット領域20aにおけるエッチング目標層をパターン化するプロセスに汚染されるのを防止するように、アレイユニット領域20bの素子を保護するためのものとなってもよい。
図3を参照し、アレイユニット領域20bのエッチング目標層203は先に単独してパターン化を完了し、底部マスク層205によってアレイユニット領域20bの素子を保護する。次に周辺ユニット領域20aのエッチング目標層203に対して、先に縦方向の側壁形態のスペーサを形成し、次に充填層を堆積し且つスペーサを除去して凹みを形成する方法を用いて、対応するパターンのマスクを形成して周辺ユニット領域20aのエッチング目標層203をエッチングする。このようにして、プロセス難度を有効に低減させ、パターンの複雑度を低下させ、歩留まりを高めることができる。上記のようにアレイユニット領域20bのエッチング目標層203と周辺ユニット領域20aのエッチング目標層203をそれぞれ単独してパターン化する順序は、矛盾しない限り、先後順序を入れ替えて実行してもよいことを理解すべきである。
【0069】
本開示の実施例は更に、上記のいずれか一項に記載の方法を用いて製造される半導体構造を提供する。
【0070】
以上をまとめると、本開示の実施例は、半導体構造の製造方法及び半導体構造を提供する。前記製造方法は、処理対象構造を提供するステップであって、前記処理対象構造は、基板及び前記基板上方に積層して設置されるエッチング目標層、底部マスク層、第1マスク層を備えるステップと、前記第1マスク層をパターン化して第1パターンを形成するステップであって、前記第1パターンは一部の前記底部マスク層を露出させるステップと、前記第1マスク層の側壁に縦方向の側壁形態を有するスペーサを形成するステップと、前記第1マスク層を除去するステップと、充填層を用いて前記スペーサ間の隙間を埋めるステップであって、前記スペーサの材料と前記充填層の材料は高いエッチング選択比を有するステップと、前記スペーサを除去するステップと、を含む。本開示の実施例は、先に縦方向の側壁形態のスペーサを形成し、次に充填層を堆積し且つスペーサを除去して凹みを形成する方法を用いて、対応するパターンのマスクを形成し、スペーサと前記充填層は高いエッチング選択比を有して、パターン転写一致性を高め、形成されたパターン化構造の微細度を高めることができる。
【0071】
本開示の実施例に係る半導体構造の製造方法及び半導体構造は、当該構造を含むいかなる集積回路に適用できることを説明すべきである。各実施例に記載の技術手段における各技術特徴同士は、矛盾しない限り、任意に組み合わせてもよい。当業者は本開示の保護範囲を逸脱することなく、上記の方法を形成するステップの順序を変更してもよく、本開示の実施例における各ステップに対しては、矛盾しない限り、一部のステップを同時に実行してもよく、先後順序を入れ替えて実行してもよい。
【0072】
上記は本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示の保護範囲を限定するためのものではなく、本開示の主旨と原則から逸脱しない限り行った修正、同等な取替、改良等は、全て本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示の実施例は、先に縦方向の側壁形態のスペーサを形成し、次に充填層を堆積し且つスペーサを除去して凹みを形成する方法を用いて、対応するパターンのマスクを形成し、スペーサと前記充填層は高いエッチング選択比を有して、パターン転写一致性を高め、形成されたパターン化構造の微細度を高めることができる。
【符号の説明】
【0074】
201 基板
203 エッチング目標層
205 底部マスク層
2051 第1底部マスク層
2052 第2底部マスク層
207 第1マスク層
209 第3マスク層
211 第1パターン化フォトレジスト層
211’ 第2パターン化フォトレジスト層
213 スペーサ層
2131 スペーサ
215 充填層
2151 充填層マスク
217 第2マスク層
2171 下層第2マスク層
2172 上層第2マスク層
20a 周辺ユニット領域
20b アレイユニット領域
【国際調査報告】