(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】ループ型電力ネットワークの故障位置特定方法及び関連機器
(51)【国際特許分類】
G01R 31/08 20200101AFI20240313BHJP
【FI】
G01R31/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530989
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2022124235
(87)【国際公開番号】W WO2023165135
(87)【国際公開日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】202210205007.1
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522299159
【氏名又は名称】雲南電網有限責任公司電力科学研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 紅文
(72)【発明者】
【氏名】趙 現平
(72)【発明者】
【氏名】楊 金東
(72)【発明者】
【氏名】柴 晨超
(72)【発明者】
【氏名】唐 立軍
(72)【発明者】
【氏名】聶 鼎
(72)【発明者】
【氏名】朱 全聡
(72)【発明者】
【氏名】聶 永杰
(72)【発明者】
【氏名】鄒 徳旭
(72)【発明者】
【氏名】▲ヂャイ▼ 少磊
(72)【発明者】
【氏名】張 志磊
【テーマコード(参考)】
2G033
【Fターム(参考)】
2G033AA05
2G033AB01
2G033AD01
2G033AD18
2G033AD21
2G033AE01
2G033AF02
2G033AG14
(57)【要約】
本発明の実施例はループ型電力ネットワークの故障位置特定方法及び関連機器を開示する。当該方法は、ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築するステップと、各上記基準座標系における各上記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得するステップと、仮定故障点情報を取得するステップと、進行波の伝播速度を取得するステップと、各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップと、各上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び上記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定するステップと、を含む。本発明にて提供される方法はループ型ネットワーク位置特定に対する両端進行波による位置特定の不足を補い、ループ型の複雑な交流直流送配電線路に確実で、経済的で正確な故障位置特定方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築するステップであって、前記ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントであるステップと、
各前記基準座標系における各前記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得するステップと、
仮定故障点情報を取得するステップであって、前記仮定故障点情報は故障点仮定座標、故障仮定発生時間及び故障仮定区間を含むステップと、
進行波の伝播速度を取得するステップと、
各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記仮定故障点情報及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップと、
各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定するステップと、を含む、
ことを特徴とするループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【請求項2】
前記故障仮定区間は故障の第1の仮定区間を含み、前記基準座標系は第1の基準座標系を含み、前記複数の分散式故障位置特定の連立方程式は第1の分散式故障位置特定の連立方程式を含み、前記第1の分散式故障位置特定の連立方程式は前記故障の第1の仮定区間、前記進行波の伝播速度、前記第1の基準座標系における前記監視サイトの座標情報及び前記波頭到達時間情報に基づいて決定され、
各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する前記ステップは、
第1の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第1の仮定位置を決定するステップと、
前記故障の第1の仮定位置が前記故障の第1の仮定区間に位置する場合、前記故障の第1の仮定位置を前記故障の実際の位置とするステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【請求項3】
前記故障仮定区間は故障の第2の仮定区間をさらに含み、前記基準座標系は第2の基準座標系をさらに含み、前記複数の分散式故障位置特定の連立方程式は第2の分散式故障位置特定の連立方程式及び第3の分散式故障位置特定の連立方程式をさらに含み、前記第2の分散式故障位置特定の連立方程式は前記故障の第2の仮定区間、前記進行波の伝播速度、前記第1の基準座標系における前記監視サイトの座標情報及び前記波頭到達時間情報に基づいて決定され、前記第3の分散式故障位置特定の連立方程式は前記故障の第1の仮定区間、前記進行波の伝播速度、前記第2の基準座標系における前記監視サイトの座標情報及び前記波頭到達時間情報に基づいて決定され、
前記方法は、さらに、
前記故障の第1の仮定位置が前記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、第2の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第2の仮定位置を決定するステップと、
前記故障の第2の仮定位置が前記第2の仮定故障区間に位置する場合、前記故障の第2の仮定位置を前記故障の実際の位置とするステップと、を含み、
又は、
前記故障の第1の仮定位置が前記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、第3の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第3の仮定位置を決定するステップと、
前記故障の第3の仮定位置が前記故障の第1の仮定区間に位置する場合、前記故障の第3の仮定位置を前記故障の実際の位置とするステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【請求項4】
各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記仮定故障点情報及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する前記ステップは、
故障位置特定の汎用の連立方程式を構築するステップと、
前記故障位置特定の汎用の連立方程式、各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記故障仮定区間及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップであって、前記故障位置特定の汎用の連立方程式は下式のとおりであり、
【数1】
ここで、xは前記故障点仮定座標であり、tは前記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
iは前記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
iは前記波頭到達時間情報であり、vは前記進行波の伝播速度であるステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【請求項5】
各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記仮定故障点情報及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する前記ステップは、
一部の監視サイトにおいて前記波頭到達時間が欠ける場合、故障位置特定のデフォルト連立方程式を構築するステップと、
前記故障位置特定のデフォルト連立方程式、取得した各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記故障仮定区間及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップであって、前記デフォルト故障位置特定のデフォルト連立方程式は下式のとおりであり、
【数2】
ここで、xは前記故障点仮定座標であり、tは前記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
i-nは前記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
i-nは前記波頭到達時間情報であり、nは波頭到達時間を取得していない監視サイトの数であり、vは前記進行波の伝播速度であるステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【請求項6】
前記監視サイトは、母線と線路との接続箇所、異なる線路タイプのケーブルと架空線との接続箇所、線径の異なる2本の線路の接続箇所及び線路長さが予め設定された長さよりも大きく且つ精確に位置特定する必要がある区間のうちの一箇所又は複数箇所に設けられ、前記監視サイトに進行波の波頭監視センサーが設けられ、前記進行波の波頭監視センサーは対応する監視点の波頭到達時間を決定するために用いられ、前記進行波の波頭監視センサーは電流式及び電圧式を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【請求項7】
各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する前記ステップは、
1つの前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果が全て前記故障区間にある場合、前記解を求めた結果に基づいて数学的統計方法を利用して前記故障の実際の位置を特定するステップであって、前記データ統計方法は平均法、最小二乗法、分散法及び数学的期待値法のうちの少なくとも1種を含むステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【請求項8】
ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築するための第1の構築ユニットであって、前記ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントである第1の構築ユニットと、
各前記基準座標系における各前記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得するための第1の取得ユニットと、
仮定故障点情報を取得するための第2の取得ユニットであって、前記仮定故障点情報は故障点仮定座標、故障仮定発生時間及び故障仮定区間を含む第2の取得ユニットと、
進行波の伝播速度を取得するための第3の取得ユニットと、
各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記仮定故障点情報及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するための第2の構築ユニットと、
各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定するための特定ユニットと、を含む、
ことを特徴とするループ型電力ネットワークの故障位置特定装置。
【請求項9】
メモリ、プロセッサ、及び前記メモリに記憶され前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサは、メモリに記憶されるコンピュータプログラムを実行するときに、請求項1~7のいずれか1項に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法のステップを実現するために用いられる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体において、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、請求項1~7のいずれか1項に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法を実現する、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ型電力ネットワーク技術の分野に関し、特に、ループ型電力ネットワークの故障位置特定方法及び関連機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力システムにおいて、交流直流送配電線路は重要な構成部分であり、線路故障はシステムの安定性に影響を及ぼし、需要家への給電中断を引き起こし、故障点を人により探し出すのに時間と労力がかかり、迅速かつ正確な線路故障位置特定技術は故障線路の適時の修復に有利であり、停電による経済的損失を減少し、線路を人により巡視する苦しみを軽減する。電力システムの故障位置特定技術は主にインピーダンス法と進行波法の2種があり、インピーダンス法は故障抵抗、変成器の誤差、電源パラメータなどの要因に影響されやすく、実際の利用効果が理想的ではない。進行波法は原理が簡単で、正確度が高いため、電力システムに広く利用されている。しかし、進行波法はケーブル内での波速度が定まらず、進行波情報の紛失により位置特定が失敗することになり、ループ型電力ネットワークに対して、進行波がループ型ネットワークにおいて伝播し、故障位置特定には線路の遮断器のトリップ状況分析に合わせる必要があり、領域位置特定を実現しにくく、複数組の進行波による位置特定装置が必要であり、いずれかの進行波による位置特定装置の信号が紛失すると、進行波による位置特定が失敗になる。
【0003】
現在の分散式故障位置特定技術は良好な工学への利用可能性を有し、故障区間のセンサーと隣接するセンサーにより故障位置特定を行い、波速度の影響を解消することができるが、まず故障区間を判断する必要があり、かつ故障位置特定の方程式が複雑であり、始末端の位置特定の方程式と沿線の故障位置特定の方程式が統一されず、進行波による故障位置特定の計算方法は、ループ型電力ネットワークに対して、進行波が故障点から両側に伝播し、あるセグメントの線路両端にある進行波監視センサーにより検出された進行波は、それぞれ故障点の両側の進行波であるため、故障位置特定の失敗を非常に引き起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要の項目に導入される一連の簡略化形態の概念について、発明を実施するための形態の項目でさらに詳細に説明する。本発明の概要の項目は保護を請求される技術的解決手段の重要な特徴及び必要な技術的特徴を限定することを意図するものではなく、さらに保護を請求される技術的解決手段の保護範囲を決定することを意図するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ループ型電力ネットワークの進行波による位置特定の正確度及び確実性をさらに向上させるために、第1の態様において、本発明はループ型電力ネットワークの故障位置特定方法を提供し、上記方法は、
ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築するステップであって、上記ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントであるステップと、
各上記基準座標系における各上記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得するステップと、
仮定故障点情報を取得するステップであって、上記仮定故障点情報は故障点仮定座標、故障仮定発生時間及び故障仮定区間を含むステップと、
進行波の伝播速度を取得するステップと、
各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップと、
各上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び上記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定するステップと、を含む。
【0006】
選択可能に、上記故障仮定区間は故障の第1の仮定区間を含み、上記基準座標系は第1の基準座標系を含み、上記複数の分散式故障位置特定の連立方程式は第1の分散式故障位置特定の連立方程式を含み、上記第1の分散式故障位置特定の連立方程式は上記故障の第1の仮定区間、上記進行波の伝播速度、上記第1の基準座標系における上記監視サイトの座標情報及び上記波頭到達時間情報に基づいて決定され、
各上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び上記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する上記ステップは、
第1の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第1の仮定位置を決定するステップと、
上記故障の第1の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間に位置する場合、上記故障の第1の仮定位置を上記故障の実際の位置とするステップと、を含む。
【0007】
選択可能に、上記故障仮定区間は故障の第2の仮定区間をさらに含み、上記基準座標系は第2の基準座標系をさらに含み、上記複数の分散式故障位置特定の連立方程式は第2の分散式故障位置特定の連立方程式及び第3の分散式故障位置特定の連立方程式をさらに含み、上記第2の分散式故障位置特定の連立方程式は上記故障の第2の仮定区間、上記進行波の伝播速度、上記第1の基準座標系における上記監視サイトの座標情報及び上記波頭到達時間情報に基づいて決定され、上記第3の分散式故障位置特定の連立方程式は上記故障の第1の仮定区間、上記進行波の伝播速度、上記第2の基準座標系における上記監視サイトの座標情報及び上記波頭到達時間情報に基づいて決定され、
上記方法は、さらに、
上記故障の第1の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、第2の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第2の仮定位置を決定するステップと、
上記故障の第2の仮定位置が上記第2の仮定故障区間に位置する場合、上記故障の第2の仮定位置を上記故障の実際の位置とするステップと、を含み、
又は、
上記故障の第1の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、第3の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第3の仮定位置を決定するステップと、
上記故障の第3の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間に位置する場合、上記故障の第3の仮定位置を上記故障の実際の位置とするステップと、を含む。
【0008】
選択可能に、各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する上記ステップは、
故障位置特定の汎用の連立方程式を構築するステップと、
上記故障位置特定の汎用の連立方程式、各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記故障仮定区間及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップであって、上記故障位置特定の汎用の連立方程式は下式のとおりであり、
【数1】
ここで、xは上記故障点仮定座標であり、tは上記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
iは上記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
iは上記波頭到達時間情報であり、vは上記進行波の伝播速度であるステップと、を含む。
【0009】
選択可能に、各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する上記ステップは、
一部の監視サイトにおいて上記波頭到達時間が欠ける場合、故障位置特定のデフォルト連立方程式を構築するステップと、
上記故障位置特定のデフォルト連立方程式、取得した各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記故障仮定区間及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップであって、上記故障位置特定のデフォルト連立方程式は下式のとおりであり、
【数2】
ここで、xは上記故障点仮定座標であり、tは上記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
i-nは上記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
i-nは上記波頭到達時間情報であり、nは波頭到達時間を取得していない監視サイトの数であり、vは上記進行波の伝播速度であるステップと、を含む。
【0010】
選択可能に、上記監視点は、母線と線路との接続箇所、異なる線路タイプのケーブルと架空線との接続箇所、線径の異なる2本の線路の接続箇所及び線路長さが予め設定された長さよりも大きく且つ精確に位置特定する必要がある区間のうちの一箇所又は複数箇所に設けられ、上記監視サイトに進行波の波頭監視センサーが設けられ、上記進行波の波頭監視センサーは対応する監視点の波頭到達時間を決定するために用いられ、上記進行波の波頭監視センサーは電流式及び電圧式を含む。
【0011】
選択可能に、各上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び上記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する上記ステップは、
1つの上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果が全て上記故障区間にある場合、上記解を求めた結果に基づいて数学的統計方法を利用して上記故障の実際の位置を特定するステップであって、上記データ統計方法は平均法、最小二乗法、分散法及び数学的期待値法のうちの少なくとも1種を含むステップを含む。
【0012】
第2の態様において、本発明は、
ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築するための第1の構築ユニットであって、上記ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントである第1の構築ユニットと、
各上記基準座標系における各上記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得するための第1の取得ユニットと、
仮定故障点情報を取得するための第2の取得ユニットであって、上記仮定故障点情報は故障点仮定座標、故障仮定発生時間及び故障仮定区間を含む第2の取得ユニットと、
進行波の伝播速度を取得するための第3の取得ユニットと、
各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するための第2の構築ユニットと、
各上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び上記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定するための特定ユニットと、を含むループ型電力ネットワークの故障位置特定装置をさらに提供する。
【0013】
第3の態様は、メモリ、プロセッサ、及び上記メモリに記憶され上記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、上記プロセッサは、メモリに記憶されるコンピュータプログラムを実行するときに、上記第1の態様のいずれか1項のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法のステップを実現するために用いられる電子機器である。
【0014】
第4の態様において、本発明は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、上記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、第1の態様の上記いずれか1項のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例を実施すると、以下の有益な効果を有する。
上記ループ型電力ネットワークの故障位置特定方法を用いると、ループ型電力ネットワークを展開して基準座標系を構築し、あるセグメントの線路両端の進行波監視センサーが故障点の両側の進行波をそれぞれ検出すると仮定し、当該セグメントの線路から展開し、さらに進行波の波頭監視センサーの波頭到達時刻及び座標を利用し、故障点位置座標を算出することにより、ループ型ネットワーク位置特定に対する両端進行波による位置特定の不足を補う。ループ型の複雑な交流直流送配電線路に確実で、経済的で正確な故障位置特定方法を提供し、ループ型ネットワーク電力線路の故障位置特定の方程式の作りと解きはコンピュータ分析に便利であり、現在の進行波による位置特定技術を最適化する。且つループ型線路の故障位置特定の方程式が簡単で、確実であり、現在の進行波による位置特定方法がループ型ネットワークに対して各線路の両端に進行波による位置特定装置を取り付ける必要があるという問題を解消する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例又は従来技術の記述に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記述される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を行わずに、さらにこれらの図面から他の図面を得ることができる。
【0017】
【
図1】本発明の実施例にて提供されるループ型電力ネットワークの故障位置特定方法のフローの概略図である。
【
図2】本発明の実施例にて提供されるループ型電力ネットワークの概略図である。
【
図3】本発明の実施例にて提供される1種目の可能な基準座標系の概略図である。
【
図4】本発明の実施例にて提供される2種目の可能な基準座標系の概略図である。
【
図5】本発明の実施例にて提供される3種目の可能な基準座標系の概略図である。
【
図6】本発明の実施例にて提供される4種目の可能な基準座標系の概略図である。
【
図7】本発明の実施例にて提供される5種目の可能な基準座標系の概略図である。
【
図8】本発明の実施例にて提供される1つの可能な故障点仮定位置の概略図である。
【
図9】本発明の実施例にて提供される別の可能な故障点仮定位置の概略図である。
【
図10】本発明の実施例にて提供されるループ型電力ネットワークの故障位置特定装置の構造の概略図である。
【
図11】本発明の実施例にて提供されるループ型電力ネットワークの故障位置特定の電子機器の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面に合わせて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確で完全に記述するが、明らかに、記述される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を行わず得る全ての他の実施例はいずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記図面における用語の「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(存在する場合)は類似の対象を区別するために用いられ、特定の順序又は前後順番を記述するために用いられる必要がない。このように使用されるデータは、本明細書に記述される実施例が本明細書に図示又は記述される内容以外の順序で実施されるように、適切な状況で交換できることが理解されるべきである。さらに、用語の「含む」及び「有する」、並びにそれらの任意の変形は、非排他的包含をカバーすることが意図され、例えば、一連のステップ又はユニットを包含するプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明確に列挙されるそれらのステップ又はユニットに限定されるわけではなく、明確に列挙されていない、又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含み得る。以下、本発明の実施例における図面に合わせて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確で完全に記述するが、明らかに、記述される実施例は一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。
【0020】
図1に示すように、本発明の実施例にて提供されるループ型電力ネットワークの故障位置特定方法のフローの概略図であり、具体的には以下のS110~S160を含み得る。
【0021】
S110において、ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築し、ここで、上記ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントである。
【0022】
例示的に、ループ型電力ネットワークは複数本の母線及び線路で構成され、
図2に示すように、1つの可能なループ型電力ネットワークの概略図であり、母線11、母線12、母線13、母線14、母線15及び線路2を含み、線路2はL
1、L
2…L
7の合計7つのセグメントで構成され、
図2に示すように、監視サイトは母線とループ型線路との接続箇所に設けられ、また異なる線路タイプのケーブルと架空線との接続箇所、線径の異なる2本の線路の接続箇所及び線路長さが予め設定された長さよりも大きく且つ精確に位置特定する必要がある区間に設けられてもよく、監視サイトの数はループ型線路の具体的な構造及び必要な故障点特定の精度要求に基づいて適当に調整することができる。ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントであり、
図2に示すループ型電力ネットワークはL
1+L
2セグメント、L
3+L
4セグメント、L
5セグメント、L
6セグメント、L
7セグメントの合計5つのループ型線路セグメントを含み、それに応じて、このループ型電力ネットワークは5種の展開形式を有し、座標原点は任意に選択することができ、好ましくは監視サイトにある。なお、ループ型線路の展開形式は5種に限定されず、本実施例は
図2を例として本解決手段をよりよく説明するしかなく、具体的な展開形式及び展開数は実際のループ型線路における監視サイトの数により決定される。
【0023】
S120において、各上記基準座標系における各上記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得する。
【0024】
例示的に、監視サイトに進行波の波頭センサーを取り付けることにより波頭到達時間を取得することができ、波頭監視センサーは電流式又は電圧式とすることができ、
図2に示すループ型給電線路において、このループ型線路に合計5つのセンサーが設けられ、この5つのセンサーは進行波の波頭到達時間を測定するために用いられ、進行波の波頭センサーは有線又は無線通信方式により測定した進行波をバックエンドの位置特定ホストに送信することができ、位置特定ホストにより波形を処理し、それにより監視サイトの波頭到達時間を取得する。センサーは取り付けられるとループ型線路において固定した位置があるが、ループ型電力ネットワークの展開方式が異なり、且つ座標原点の選択方式が多様であるため、複数の形式を含み得る。
【0025】
1つの可能な実施形態において、監視サイトの目標監視サイトの基準座標系における監視点座標情報を取得し、
図2に基づいて電力ネットワークの進行波の波頭監視センサー3の線路2に沿った長さL
1、L
2、L
3、L
4、L
5、L
6、L
7を取得することができ、母線11側のセンサーに対応する監視サイトが座標原点であると仮定すると、当該点の座標を(x
0,t
0)と表し、x
0=0である。
【0026】
図3に示す1種目の可能な基準座標系は、線路L
7セグメントでループ型電力ネットワークを展開するものであり、ループ型電力ネットワーク線路に沿って分布された各進行波の波頭監視センサーの座標位置を(x
1,t
1)、(x
2,t
2)、(x
3,t
3)、(x
4,t
4)と記し、ここで、x
1=L
1+L
2、x
2=L
1+L
2+L
3+L
4、x
3=L
1+L
2+L
3+L
4+L
5、x
4=L
1+L
2+L
3+L
4+L
5+L
6であり、x
1、x
2、x
3及びx
4は検出点座標情報であり、t
1、t
2、t
3及びt
4は波頭到達時間である。
【0027】
図4に示す2種目の可能な基準座標系は、線路L
6セグメントでループ型電力ネットワークを展開するものであり、ループ型電力ネットワーク線路に沿って分布された各進行波の波頭監視センサーの座標位置を(x
1,t
1)、(x
2,t
2)、(x
3,t
3)、(x
4,t
4)と記し、ここで、x
1=L
1+L
2、x
2=L
1+L
2+L
3+L
4、x
3=L
1+L
2+L
3+L
4+L
5、x
4=-L
7であり、x
1、x
2、x
3及びx
4は検出点座標情報であり、t
1、t
2、t
3及びt
4は波頭到達時間である。
【0028】
図5に示す第3種の可能な基準座標系は、線路L
5セグメントでループ型電力ネットワークを展開するものであり、ループ型電力ネットワーク線路に沿って分布された各進行波の波頭監視センサーの座標位置を(x
1,t
1)、(x
2,t
2)、(x
3,t
3)、(x
4,t
4)と記し、そのうち、x
1=L
1+L
2、x
2=L
1+L
2+L
3+L
4、x
3=-L
6-L
7、x
4=-L
7であり、x
1、x
2、x
3及びx
4は検出点座標情報であり、t
1、t
2、t
3及びt
4は波頭到達時間である。
【0029】
図6に示す第4種の可能な基準座標系は、線路L
3、L
4セグメントでループ型電力ネットワークを展開するものであり、ループ型電力ネットワーク線路に沿って分布された各進行波の波頭監視センサーの座標位置を(x
1,t
1)、(x
2,t
2)、(x
3,t
3)、(x
4,t
4)と記し、ここで、x
1=L
1+L
2、x
2=-L
5-L
6-L
7、x
3=-L
6-L
7、x
4=-L
7であり、x
1、x
2、x
3及びx
4は検出点座標情報であり、t
1、t
2、t
3及びt
4は波頭到達時間である。
【0030】
図7に示す第5種の可能な基準座標系は、線路L
1、L
2セグメントでループ型電力ネットワークを展開するものであり、ループ型電力ネットワーク線路に沿って分布された各進行波の波頭監視センサーの座標位置を(x
1,t
1)、(x
2,t
2)、(x
3,t
3)、(x
4,t
4)と記し、ここで、x
1=-L
3-L
4-L
5-L
6-L
7、x
2=-L
5-L
6-L
7、x
3=-L
6-L
7、x
4=-L
7であり、x
1、x
2、x
3及びx
4は検出点座標情報であり、t
1、t
2、t
3及びt
4は波頭到達時間である。
【0031】
S130において、仮定故障点情報を取得し、ここで、上記仮定故障点情報は故障点仮定座標、故障仮定発生時間及び故障仮定区間を含む。
【0032】
例示的に、故障の第1の仮定区間は任意に仮定することができ、例えばL1とL2又はL3+L4セグメント、L5セグメント、L6セグメント、L7のいずれか1つのセグメントに現れる。仮定故障点情報は、故障点仮定座標x、故障仮定発生時間t及び故障仮定区間を含む。
【0033】
S140において、進行波の伝播速度を取得する。
【0034】
例示的に、進行波の伝播速度はループ型電力ネットワークのタイプに関連し、架空線路であれば、線路におけるループ型線路セグメントの各々における進行波の伝播速度は同じであり、線路のタイプに基づいて1つの速度を決定すればよく、ハイブリッドループ型電力線路であれば、ループ型線路セグメントの各々における進行波の伝播速度は異なり、ループ型線路セグメントの各々における進行波の伝播速度を決定する必要がある。
【0035】
S150において、各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する。
【0036】
例示的に、基準座標系における検出点座標情報、波頭到達時間情報、仮定故障点情報及び進行波の伝播速度に基づいて分散式故障位置特定の連立方程式を構築し、構築された基準座標系のループ型電力ネットワークにおける展開位置が異なるため、仮定故障点情報が異なり、複数の分散式故障位置特定の連立方程式が形成される。依然として、
図2に示すループ型電力ネットワークを例とし、確立可能な基準座標系は5つであり、存在可能な仮定故障区間は4つであり(基準座標系がそのうちのあるループ型線路セグメントで展開されるため、この基準座標系において仮定故障点は当該展開セグメントにあることができない)、座標系原点が決定される場合、各仮定故障区間及び各基準座標系はいずれも故障仮定位置を求めることができ、即ち合計20種の分散式故障位置特定の連立方程式が生じる可能性がある。
【0037】
S160において、各上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び上記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する。
【0038】
例示的に、各分散式故障位置特定の連立方程式の解を求め、求めた結果を故障仮定区間と比較し、故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果が全て故障仮定区間内にある場合であればこそ、この故障位置特定の連立方程式は故障の実際の位置に対応する故障位置特定の連立方程式である。即ち、1つのみの特定の基準座標系があり、仮定故障領域を正確に選択した場合こそ、求めた結果は故障仮定区間内にあることができ、求めた結果は故障の実際の位置を特定するために用いることができる。そのため、各分散式故障位置特定の方程式を解き、解を求めた結果を故障仮定区間と照合し、解を求めた結果が全て故障仮定区間にあることになった場合、得た結果が故障の実際の位置である。依然として、
図2に示すループ型電力ネットワークを例とし、最低1回、最高20回で故障の実際の位置を求めることができる。
【0039】
以上をまとめると、本発明の実施例にて提供される方法はループ型電力ネットワークを展開し基準座標系を構築し、あるセグメントの線路両端の進行波監視センサーが故障点の両側の進行波をそれぞれ検出すると仮定し、当該セグメントの線路から展開し、さらに進行波の波頭監視センサーの波頭到達時刻及び座標を利用し、故障点位置座標を算出することにより、ループ型ネットワーク位置特定に対する両端進行波による位置特定の不足を補う。ループ型の複雑な交流直流送配電線路に確実で、経済的で正確な故障位置特定方法を提供し、ループ型ネットワーク電力線路の故障位置特定の方程式の作りと解きはコンピュータ分析に便利であり、現在の進行波による位置特定技術を最適化する。且つループ型線路の故障位置特定の方程式が簡単で、確実であり、現在の進行波による位置特定方法がループ型ネットワークに対して各線路の両端に進行波による位置特定装置を取り付ける必要があるという問題を解消する。
【0040】
いくつかの例において、上記故障仮定区間は故障の第1の仮定区間を含み、上記基準座標系は第1の基準座標系を含み、上記複数の分散式故障位置特定の連立方程式は第1の分散式故障位置特定の連立方程式を含み、上記第1の分散式故障位置特定の連立方程式は上記故障の第1の仮定区間、上記進行波の伝播速度、上記第1の基準座標系における上記監視サイトの座標情報及び上記波頭到達時間情報に基づいて決定され、
各上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果と上記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する上記ステップは、
第1の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第1の仮定位置を決定するステップと、
上記故障の第1の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間に位置する場合、上記故障の第1の仮定位置を上記故障の実際の位置とするステップと、を含む。
【0041】
例示的に、基準座標系は展開位置により複数の形式を有し、故障仮定区間は任意の隣接する2つの検出サイトの間の線路とすることができ、第1の基準座標系は複数の形式のうちの1種であり、故障の第1の仮定区間はそのうち隣接する2つの検出サイトの間の線路にあり、故障の第1の仮定区間、進行波の伝播速度、第1の基準座標系における検出サイトの座標情報及び波頭到達時間に基づいて第1の分散式故障位置特定の連立方程式を決定する。第1の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求め、得た結果は故障の第1の仮定位置であり、故障の第1の仮定位置の座標が故障の第1の仮定区間に位置する場合、選択された基準座標系及び仮定故障位置区間が正確であり、第1の分散式故障位置特定の方程式の解を求めた結果を利用して故障の実際の位置を特定することができる。
【0042】
いくつかの可能な実施形態において、
図8に示す可能な故障点仮定位置の概略図のように、第1の基準座標系は線路L
7セグメントでループ型電力ネットワークを展開することで展開され、第1の仮定故障位置区間はx
2とx
3との間に位置すると、上記故障の第1の仮定区間と上記故障位置特定の汎用の連立方程式に基づいて第1の分散式位置特定の連立方程式を式(A)のように決定し、
【数3】
方程式(0)と方程式(1)から
【数4】
が得られ、方程式(0)と方程式(2)から
【数5】
が得られ、方程式(0)と方程式(3)から
【数6】
が得られ、方程式(0)と方程式(4)から
【数7】
が得られ、方程式(1)と方程式(2)から
【数8】
が得られ、方程式(1)と方程式(3)から
【数9】
が得られ、方程式(1)と方程式(4)から
【数10】
が得られ、方程式(2)と方程式(3)から
【数11】
が得られ、方程式(2)と方程式(4)から
【数12】
が得られ、方程式(3)と方程式(4)から
【数13】
が得られ、算出されたx
03、x
04、x
13、x
14、x
23、x
24がx
2とx
3との間にあれば、故障点xがx
2とx
3との間にある。第1の分散式位置特定の連立方程式の方程式は故障点位置座標xの解を求めるために用いることができる。求めた結果を実際の故障位置とする。x
03、x
04、x
13、x
14、x
23のうちのいずれか1つ又はそれらを統合的に計算した結果は即ち故障の第1の仮定位置である。
【0043】
なお、異なる架線方式であれば、対応する進行波の伝播速度が異なる可能性がある。純粋な架空線路であれば、v
01=v
02=v
12=v
34であり、v=v
01=v
02=v
12=v
34、各センサー位置座標及びセンサーへの進行波の波頭到達時間を下式に代入し、x
03、x
04、x
13、x
14、x
23、x
24の解を求める。
【数14】
【0044】
ハイブリッドループ型電力線路であれば、v≠v
01≠v
02≠v
12≠v
34であり、v
01、v
12、v
34を下式に代入し、v
23、x
03、x
04、x
13、x
14、x
23、x
24の解を求める。
【数15】
【0045】
いくつかの例において、上記故障仮定区間は故障の第2の仮定区間をさらに含み、上記基準座標系はさらに第2の基準座標系を含み、上記複数の分散式故障位置特定の連立方程式はさらに第2の分散式故障位置特定の連立方程式及び第3の分散式故障位置特定の連立方程式を含み、上記第2の分散式故障位置特定の連立方程式は上記故障の第2の仮定区間、上記進行波の伝播速度、上記第1の基準座標系における上記監視サイトの座標情報及び上記波頭到達時間情報に基づいて決定され、上記第3の分散式故障位置特定の連立方程式は上記故障の第1の仮定区間、上記進行波の伝播速度、上記第2の基準座標系における上記監視サイトの座標情報及び上記波頭到達時間情報に基づいて決定され、
上記方法は、さらに、
上記故障の第1の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、第2の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第2の仮定位置を決定するステップと、
上記故障の第2の仮定位置が上記第2の仮定故障区間に位置する場合、上記故障の第2の仮定位置を上記故障の実際の位置とするステップと、を含み、
又は、
上記故障の第1の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、第3の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第3の仮定位置を決定するステップと、
上記故障の第3の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間に位置する場合、上記故障の第3の仮定位置を上記故障の実際の位置とするステップと、を含む。
【0046】
例示的に、求めた第1の仮定位置が仮定故障区間の外に位置する場合、選択した仮定区間は実際の故障発生位置ではない可能性及び/又は選択したループ型回路ネットワークの展開位置が間違っている可能性があり、第2の仮定位置が故障の第2の仮定区間にあるまで、他の故障仮定区間を選択して第2の分散式故障位置特定の連立方程式を決定し、又は他の展開形式に対応する第2の基準座標系を選択し、第2の基準座標系に基づいて第2の仮定位置を求めるべきである。
【0047】
いくつかの可能な実施形態において、下記の方法により故障点位置を特定する。
【0048】
S210において、線路L
7セグメントでループ型電力ネットワークを展開することで第1の基準座標系を展開し、故障の第1の仮定区間をx
0とx
1との間に位置させ、即ち故障点がx
0とx
1との間に現れると仮定し、全ての進行波の波頭センサーが正常である場合、第1の分散式故障位置特定の方程式を式(B)とし、
【数16】
方程式(0)と方程式(1)から
【数17】
が得られ、方程式(0)と方程式(2)から
【数18】
が得られ、方程式(0)と方程式(3)から
【数19】
が得られ、方程式(0)と方程式(4)から
【数20】
が得られ、方程式(1)と方程式(2)から
【数21】
が得られ、方程式(1)と方程式(3)から
【数22】
が得られ、方程式(1)と方程式(4)から
【数23】
が得られ、方程式(2)と方程式(3)から
【数24】
が得られ、方程式(2)と方程式(4)から
【数25】
が得られ、方程式(3)と方程式(4)から
【数26】
が得られ、算出されたx
01、x
02、x
03、x
04がx
0とx
1との間になければ、故障点xがx
0とx
1との間になく、仮定故障が発生した区間が間違っている。
【0049】
S220において、仮定故障区間を変更し、第2の仮定故障区間をx
1とx
2との間に位置させ、即ち故障点がx
1とx
2との間に現れると仮定し、全ての進行波の波頭センサーが正常である場合、第2の分散式故障位置特定の方程式を式(C)とし、
【数27】
方程式(0)と方程式(1)から
【数28】
が得られ、方程式(0)と方程式(2)から
【数29】
が得られ、方程式(0)と方程式(3)から
【数30】
が得られ、方程式(0)と方程式(4)から
【数31】
が得られ、方程式(1)と方程式(2)から
【数32】
が得られ、方程式(1)と方程式(3)から
【数33】
が得られ、方程式(1)と方程式(4)から
【数34】
が得られ、方程式(2)と方程式(3)から
【数35】
が得られ、方程式(2)と方程式(4)から
【数36】
が得られ、方程式(3)と方程式(4)から
【数37】
が得られ、算出されたx
02、x
03、x
04、x
12、x
13、x
14がx
1とx
2との間になければ、仮定故障が発生した区間が依然として間違っている。
【0050】
S230において、再び仮定故障区間の位置を変更し、第2の仮定故障区間をx
2とx
3との間に位置させ、即ち故障点がx
2とx
3との間に現れると仮定し、全ての進行波の波頭センサーが正常である場合、第2の分散式故障位置特定の方程式を式(D)とし、
【数38】
方程式(0)と方程式(1)から
【数39】
が得られ、方程式(0)と方程式(2)から
【数40】
が得られ、方程式(0)と方程式(3)から
【数41】
が得られ、方程式(0)と方程式(4)から
【数42】
が得られ、方程式(1)と方程式(2)から
【数43】
が得られ、方程式(1)と方程式(3)から
【数44】
が得られ、方程式(1)と方程式(4)から
【数45】
が得られ、方程式(2)と方程式(3)から
【数46】
が得られ、方程式(2)と方程式(4)から
【数47】
が得られ、方程式(3)と方程式(4)から
【数48】
が得られ、算出されたx
03、x
04、x
13、x
14、x
23、x
24がx
2とx
3との間にあれば、故障点xがx
2とx
3との間にあるとする。故障点xはx
2とx
3の間にある。x
03、x
04、x
13、x
14、x
23のうちのいずれか1つ又はそれらを統合的に計算した結果は即ち故障の第1の仮定位置である。
【0051】
ステップS210~ステップS230から分かるように、上記故障の第1の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、即ち選択した仮定故障区間が間違っている可能性があり、仮定故障区間を変更することにより第2の仮定故障区間を取得し、第2の分散式故障位置特定の方程式を確立し、第2の分散式故障位置特定の方程式の解を求め、求めた結果が全て第2の仮定故障区間にあり、即ち求めた結果が故障の実際の位置を特定するために用いることができるまで終わる。理解されるように、第2の仮定故障区間は単独の1つの故障区間ではなく、故障の第1の仮定区間とは別の残りの仮定故障区間である。
【0052】
また、上記故障の第1の仮定位置が上記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合は、選択した展開位置、即ち選定した基準座標系が間違っていることに起因する可能性があり、基準座標系を変更して第2の基準座標系を取得し、第2の基準座標系に基づいて第3の分散式故障位置特定の方程式を確立し、第3の分散式故障位置特定の方程式の解を求め、求めた結果が全て故障の第1の仮定区間にあり、即ち求めた結果が故障の実際の位置を特定するために用いることができるまで終わる。理解されるように、第2の基準座標系は単独の1つの故障区間ではなく、第1の基準座標系とは別の残り方式の基準座標系である。
【0053】
なお、実際の計算過程において、基準座標系又は仮定故障区間を単独で変更しても、依然として求めた結果を全て仮定故障区間にあるようにできない現象が存在する可能性があり、このとき、基準座標系及び仮定故障区間を同時に変更して、全ての基準座標系と仮定故障区間との組み合わせをトラバーサルし、分散式故障位置特定の方程式を構築する必要があり、求めた結果が全て仮定故障区間にある場合であればこそ、選択した基準座標系及び仮定故障区間が正確であり、このときの分散式故障位置特定の方程式は故障の実際の位置を算出するために用いることができる。
【0054】
いくつかの例において、各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する上記ステップは、
故障位置特定の汎用の連立方程式を構築するステップと、
上記故障位置特定の汎用の連立方程式、各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記故障仮定区間及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップであって、上記故障位置特定の汎用の連立方程式は下式のとおりであり、
【数49】
ここで、xは上記故障点仮定座標であり、tは上記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
iは上記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
iは上記波頭到達時間情報であり、vは上記進行波の伝播速度であるステップと、を含む。
【0055】
例示的に、本実施例は式(E)に示すような故障位置特定の汎用の連立方程式を提供し、
【数50】
ここで、xは上記故障点仮定座標であり、tは上記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
iは上記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
iは上記波頭到達時間情報であり、vは上記進行波の伝播速度である。
【0056】
上記故障位置特定の汎用の連立方程式によれば、異なる参照系において監視点座標情報、上記波頭到達時間情報を故障位置特定の汎用の連立方程式に代入し、異なる故障仮定区間の位置に基づいて絶対値記号を外すことにより分散式故障位置特定の連立方程式を確立し、複数の分散式故障位置特定の連立方程式を解くことにより、故障の実際の位置を特定する。
【0057】
いくつかの例において、各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する上記ステップは、
一部の監視サイトにおいて上記波頭到達時間が欠ける場合、故障位置特定のデフォルト連立方程式を構築するステップと、
上記故障位置特定のデフォルト連立方程式、取得した各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記故障仮定区間及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップであって、上記故障位置特定のデフォルト連立方程式は下式のとおりであり、
【数51】
ここで、xは上記故障点仮定座標であり、tは上記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
i-nは上記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
i-nは上記波頭到達時間情報であり、nは波頭到達時間を取得していない監視サイトの数であり、vは上記進行波の伝播速度であるステップと、を含む。
【0058】
例示的に、実際の工学的利用において、一部の進行波の波頭監視装置の動作が異常なことに起因して一部の監視サイトに波頭到達時間が取得されていないことが存在する可能性があり、本実施例はこの現象に対して式(F)に示すような故障位置特定のデフォルト連立方程式を提供し、
【数52】
ここで、xは上記故障点仮定座標であり、tは上記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
i-nは上記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
i-nは上記波頭到達時間情報であり、nは波頭到達時間を取得していない監視サイトの数であり、vは上記進行波の伝播速度である。
【0059】
上記故障位置特定のデフォルト方程式によれば、一部の監視サイトが進行波の波頭到達時間を取得していない場合であっても、依然として残りの上記波頭到達時間情報に基づいてそれに対応する異なる参照系において監視点座標情報を故障位置特定のデフォルト方程式に代入し、異なる故障仮定区間の位置に基づいて絶対値記号を外すことにより分散式故障位置特定の連立方程式を確立し、複数の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めることにより、故障の実際の位置を特定することができる。なお、故障の実際の位置を特定する方法は依然として基準座標系及び仮定故障区間を絶えず変更し、取得した結果を仮定位置区間と比較することにより実現され、ここでは説明を省略する。
【0060】
1つの可能な実施形態において、
図8に示すように、L
7セグメントの線路で展開して基準座標系を構築し、故障点位置座標をx、故障発生時刻をtと設定し、実際の利用において進行波到達時間t
3が欠け、受信した波頭到達時間に基づくと、故障位置特定のデフォルト連立方程式を式(G)とし、
【数53】
同様に、
図9に示すように、L
6セグメントの線路で展開して基準座標系を構築することができ、理解されるように、実際の利用において一部の進行波センサーが進行波の波頭到達時間を受信できないことが存在する可能性があり、例えば進行波到達時間t
2が欠けると、故障位置特定のデフォルト連立方程式を式(H)とし、
【数54】
実際の工学的利用において、一部の監視サイトが波頭到達時間を取得できないか、又は波頭到達時間が紛失する現象が存在する可能性があり、本発明にて提供される方法は、故障位置特定のデフォルト連立方程式により、一部の監視サイトが進行波の波頭到達時間を取得していない場合であっても、依然として残りの上記波頭到達時間情報に基づいて、それに対応する異なる参照系において監視点座標情報を故障位置特定のデフォルト連立方程式に代入することにより解を求め、それにより故障の実際の位置を取得することができる。即ち本方法により、いずれかの進行波監視センサーの到達時刻が紛失し、1つのみの方程式が失われ、連立方程式の形式に影響を与えず、故障点及び各セグメントの線路の進行波の波速度を計算しやすく、非常に高い工学的実践可能性を有する。
【0061】
いくつかの例において、上記監視点は、母線と線路との接続箇所、異なる線路タイプのケーブルと架空線との接続箇所、線径の異なる2本の線路の接続箇所及び線路長さが予め設定された長さよりも大きく且つ正確に位置特定する必要がある区間のうちの一箇所又は複数箇所に設けられ、上記監視サイトに進行波の波頭監視センサーが設けられ、上記進行波の波頭監視センサーは対応する監視点への波頭到達時間を決定するために用いられ、上記進行波の波頭監視センサーは電流式及び電圧式を含む。
【0062】
例示的に、監視点は母線と線路との接続箇所、異なる線路タイプのケーブルと架空線との接続箇所、線径の異なる2本の線路の接続箇所及び線路長さが予め設定された長さよりも大きく且つ精確に位置特定する必要がある区間のうちの一箇所又は複数箇所に設けることができ、予め設定された長さは検出の具体的な精度要求に基づいて決定することができる。監視サイトに進行波の波頭監視センサーが設けられ、進行波の波頭監視センサーは対応する監視点への波頭到達時間を決定するために用いられ、進行波の波頭監視センサーは線路における進行波を取得することにより波頭の到達時間を決定することができ、なお、波頭到達時間を取得する動作は、進行波の波頭監視センサーにより完了し、波頭到達時間を位置特定ホストに送信するとしてもよく、位置特定ホストが進行波の波頭監視センサーにより取得された進行波を取得し、位置特定ホストによりデータ処理を行うことにより取得するとしてもよい。進行波の波頭監視センサーは電流式及び電圧式を含む。
【0063】
いくつかの例において、各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する前記ステップは、
1つの前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果が全て前記故障区間にある場合、前記解を求めた結果に基づいて数学的統計方法を利用して前記故障の実際の位置を特定するステップであって、前記データ統計方法は平均法、最小二乗法、分散法及び数学的期待値法のうちの少なくとも1種を含むステップを含む。
【0064】
例示的に、上記実施例に記載した任意の二項式はいずれも1つの計算結果を取得することができ、理論的には各計算結果は同じはずであるが、環境要因の影響を受け、各セグメントの線路における進行波の伝播は環境から影響を受けることにより、計算結果に影響を与える可能性があり、本実施例は任意の2つの故障位置特定の方程式により計算結果を求め、複数の結果を統合して統計し、合理的な結果を分析し、それを処理して環境などの要因による測定結果への影響を解消することにより、より正確な故障位置を取得することができる。任意の2つの故障位置特定の方程式により取得された結果に対して、平均法、最小二乗法、分散法及び数学的期待値法のうちの1種又は複数種を含むデータ統計を行うことにより、より正確な故障位置を取得し、それによりデータ上、関連性がより高く、且つ誤差がより小さい結果を決定し、それにより測定時の誤差を解消し、故障位置をより精確にさせる。
【0065】
例えば平均法を用いて線路故障点座標を計算することができ、
【数55】
上記実施例の極端の故障点の精確な位置は線路L
5セグメントのL=x-L
1-L
2-L
3-L
4の箇所にある。
【0066】
いくつかの例において、進行波故障位置特定の計算システムにより進行波故障位置を特定することができ、上記進行波故障位置特定の計算システムは、
ループ型電力ネットワーク送配電線路に配置される進行波による位置特定センサー及び位置特定ホストを含み、位置特定ホストは、通信モジュール、データ処理モジュール、位置特定計算モジュール及び出力表示モジュールを含む。送配電線路に配置される進行波による位置特定センサーは電力線路の電圧又は電流の進行波を監視するために用いられ、位置特定ホストの通信モジュールは、進行波による位置特定センサーと通信し、進行波が各分散式進行波センサーに到達する初期時刻又は進行波波形を取得するために用いられ、データ処理モジュールは進行波の初期時刻及び進行波波形などのデータを処理するために用いられ、位置特定計算モジュールは分散式故障位置特定計算方程式の解を求め、最適解を得るために用いられ、出力表示モジュールは送配電線路において分散式センサーが配置される点、故障点、座標及び故障距離情報を表示するために用いられる。
【0067】
図10に示すように、本発明の実施例におけるループ型電力ネットワーク故障位置特定装置の1つの実施例であって、
ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築するための第1の構築ユニット91であって、上記ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントである第1の構築ユニット91と、
各上記基準座標系における各上記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得するための第1の取得ユニット92と、
仮定故障点情報を取得するための第2の取得ユニット93であって、上記仮定故障点情報は故障点仮定座標、故障仮定発生時間及び故障仮定区間を含む第2の取得ユニット93と、
進行波の伝播速度を取得するための第3の取得ユニット94と、
各上記基準座標系における上記監視点座標情報、上記波頭到達時間情報、上記仮定故障点情報及び上記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するための第2の構築ユニット95と、
各上記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び上記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定するための特定ユニット96と、を含み得る。
【0068】
図11に示すように、本発明の実施例は、メモリ310、プロセッサ320、及びメモリ320に記憶されプロセッサで実行可能なコンピュータプログラム311を含む電子機器300であって、プロセッサ320は、コンピュータプログラム311を実行するときに、上記ループ型電力ネットワークの故障位置特定のいずれかの方法のステップを実現する電子機器300をさらに提供する。
【0069】
本実施例で紹介される電子機器は、本発明の実施例におけるループ型電力ネットワークの故障位置特定装置を実施するために採用される機器であるため、本発明の実施例で紹介される方法に基づき、当業者は、本実施例の電子機器の具体的な実施形態及びその各種の変形形式を理解することができるため、ここで当該電子機器が本発明の実施例における方法をどのように実現するかについて詳細に紹介せず、当業者が本発明の実施例における方法を実施するために用いられる機器である限り、いずれも本発明の保護しようとする範囲に属する。
【0070】
具体的な実施過程において、当該コンピュータプログラム311はプロセッサに実行されるときに
図1に対応する実施例におけるいずれか1つの実施形態を実現することができる。
【0071】
なお、上記実施例において、各実施例についての記述はそれぞれに重きをおいており、ある実施例において詳述されていない部分については、他の実施例に関する記述を参照することができる。
【0072】
当業者には、本発明の実施例が、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されることが理解される。そのため、本発明は、全体的にハードウェアの実施例、全体的にソフトウェアの実施例、又はソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施例の形式を採用することができる。さらに、本発明は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを内部に包含する1つ又は複数のコンピュータ使用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなどを含むが、これらに限定されない)に実施されるコンピュータプログラム製品の形式を採用することができる。
【0073】
本発明は、実施例による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して記述される。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令により実現されることが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋め込みコンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供して、1つの機械を生成し、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサにより実行される命令を、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現するための装置を生成するようにさせる。
【0074】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器を特定の方式で動作するように導くことができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、当該コンピュータ可読メモリに記憶される命令を、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現する命令装置を含む製品を生成するようにさせる。
【0075】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器にアップロードされてもよく、コンピュータ又は他のプログラマブル機器で一連の操作ステップを実行して、コンピュータで実現される処理を生成するようになり、それによりコンピュータ又は他のプログラマブル機器で実行される命令が、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現するためのステップを提供する。
【0076】
本発明の実施例は、処理機器で実行されると、処理機器に、
図1に対応する実施例におけるループ型電力ネットワークの故障位置特定方法のフローを実行させるコンピュータソフトウェア命令を含む、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。
【0077】
コンピュータプログラム製品は1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータでコンピュータプログラム命令をロードして実行するときに、本発明の実施形態によるフロー又は機能を、全体的に又は部分的に生成する。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラマブル装置とすることができる。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶し、又は、1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送することができ、例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(digital subscriber line、DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線、マイクロ波など)の方式により、1つのウェブサイトのサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンターから別のウェブサイトのサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンターに伝送されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータに記憶可能な任意の利用可能な媒体、又は1つ又は複数の利用可能な媒体を集積化したサーバ、データセンターなどを含むデータ記憶機器とすることができる。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk、SSD))などとすることができる。
【0078】
当業者であれば、記述の便宜及び簡潔のために、上述したシステム、装置及びユニットの具体的な動作過程は、前述した方法の実施例における対応する過程を参照することができることを明確に理解でき、ここでは説明を省略する。
【0079】
本発明にて提供されるいくつかの実施例において、開示されるシステム、装置、及び方法は、他の形態で実現されることが理解されるべきである。例えば、上述した装置の実施例は、単なる例示的なものであり、例えば、ユニットの分割は、論理機能の分割にすぎず、実際に実現する際に、別の分割方式にしてもよく、例えば、複数のユニット又は構成要素は結合しても、別のシステムに集積化されてもよく、又はいくつかの特徴は省略されても、実行されなくてもよい。別の面において、示された又は討論された相互の結合又は直接的な結合又は通信接続は、何らかのインタフェース、装置又はユニットを介した間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形式であってもよい。
【0080】
分離部品として説明されるユニットは、物理的に分離されても、分離されなくてもよく、ユニットとして示される部品は、物理的ユニットであってもでなくてもよく、即ち、一箇所に位置しても、複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際のニーズに応じて、そのうちの一部又は全部のユニットを選択して、本実施例の解決手段の目的を実現することができる。
【0081】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積化されてもよく、各ユニットが物理的に別個に存在してもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに集積化されてもよい。上記集積化されたユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよく、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現されてもよい。
【0082】
集積化されたユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づき、本発明の技術的解決手段、本質的に、又は、従来技術に寄与する部分、又は、当該技術的解決手段の全部又は一部が、ソフトウェア製品の形式で具体化することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などでもよい)に本発明の各実施例の方法の全部又は一部のステップを実行させるためのいくつかの命令を含む。また、前述した記憶媒体は、Uディスク、ポータブルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、光ディスクなど各種のプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0083】
以上に開示されたものは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、当然ながら、本発明の権利範囲をこれらにより限定することはできなく、したがって、本発明の特許請求の範囲に基づいて行われる同等の変化は、依然として本発明がカバーする範囲に属する。
【0084】
(付記)
(付記1)
ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築するステップであって、前記ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントであるステップと、
各前記基準座標系における各前記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得するステップと、
仮定故障点情報を取得するステップであって、前記仮定故障点情報は故障点仮定座標、故障仮定発生時間及び故障仮定区間を含むステップと、
進行波の伝播速度を取得するステップと、
各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記仮定故障点情報及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップと、
各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定するステップと、を含む、
ことを特徴とするループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【0085】
(付記2)
前記故障仮定区間は故障の第1の仮定区間を含み、前記基準座標系は第1の基準座標系を含み、前記複数の分散式故障位置特定の連立方程式は第1の分散式故障位置特定の連立方程式を含み、前記第1の分散式故障位置特定の連立方程式は前記故障の第1の仮定区間、前記進行波の伝播速度、前記第1の基準座標系における前記監視サイトの座標情報及び前記波頭到達時間情報に基づいて決定され、
各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する前記ステップは、
第1の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第1の仮定位置を決定するステップと、
前記故障の第1の仮定位置が前記故障の第1の仮定区間に位置する場合、前記故障の第1の仮定位置を前記故障の実際の位置とするステップと、を含む、
ことを特徴とする付記1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【0086】
(付記3)
前記故障仮定区間は故障の第2の仮定区間をさらに含み、前記基準座標系は第2の基準座標系をさらに含み、前記複数の分散式故障位置特定の連立方程式は第2の分散式故障位置特定の連立方程式及び第3の分散式故障位置特定の連立方程式をさらに含み、前記第2の分散式故障位置特定の連立方程式は前記故障の第2の仮定区間、前記進行波の伝播速度、前記第1の基準座標系における前記監視サイトの座標情報及び前記波頭到達時間情報に基づいて決定され、前記第3の分散式故障位置特定の連立方程式は前記故障の第1の仮定区間、前記進行波の伝播速度、前記第2の基準座標系における前記監視サイトの座標情報及び前記波頭到達時間情報に基づいて決定され、
前記方法は、さらに、
前記故障の第1の仮定位置が前記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、第2の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第2の仮定位置を決定するステップと、
前記故障の第2の仮定位置が前記第2の仮定故障区間に位置する場合、前記故障の第2の仮定位置を前記故障の実際の位置とするステップと、を含み、
又は、
前記故障の第1の仮定位置が前記故障の第1の仮定区間の外に位置する場合、第3の分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めて故障の第3の仮定位置を決定するステップと、
前記故障の第3の仮定位置が前記故障の第1の仮定区間に位置する場合、前記故障の第3の仮定位置を前記故障の実際の位置とするステップと、を含む、
ことを特徴とする付記2に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【0087】
(付記4)
各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記仮定故障点情報及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する前記ステップは、
故障位置特定の汎用の連立方程式を構築するステップと、
前記故障位置特定の汎用の連立方程式、各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記故障仮定区間及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップであって、前記故障位置特定の汎用の連立方程式は下式のとおりであり、
【数56】
ここで、xは前記故障点仮定座標であり、tは前記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
iは前記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
iは前記波頭到達時間情報であり、vは前記進行波の伝播速度であるステップと、を含む、
ことを特徴とする付記1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【0088】
(付記5)
各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記仮定故障点情報及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築する前記ステップは、
一部の監視サイトにおいて前記波頭到達時間が欠ける場合、故障位置特定のデフォルト連立方程式を構築するステップと、
前記故障位置特定のデフォルト連立方程式、取得した各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記故障仮定区間及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するステップであって、前記デフォルト故障位置特定のデフォルト連立方程式は下式のとおりであり、
【数57】
ここで、xは前記故障点仮定座標であり、tは前記故障仮定発生時間であり、x
0、x
1……x
i-nは前記監視点座標情報であり、t
0、t
1……t
i-nは前記波頭到達時間情報であり、nは波頭到達時間を取得していない監視サイトの数であり、vは前記進行波の伝播速度であるステップと、を含む、
ことを特徴とする付記1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【0089】
(付記6)
前記監視サイトは、母線と線路との接続箇所、異なる線路タイプのケーブルと架空線との接続箇所、線径の異なる2本の線路の接続箇所及び線路長さが予め設定された長さよりも大きく且つ精確に位置特定する必要がある区間のうちの一箇所又は複数箇所に設けられ、前記監視サイトに進行波の波頭監視センサーが設けられ、前記進行波の波頭監視センサーは対応する監視点の波頭到達時間を決定するために用いられ、前記進行波の波頭監視センサーは電流式及び電圧式を含む、
ことを特徴とする付記1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【0090】
(付記7)
各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定する前記ステップは、
1つの前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果が全て前記故障区間にある場合、前記解を求めた結果に基づいて数学的統計方法を利用して前記故障の実際の位置を特定するステップであって、前記データ統計方法は平均法、最小二乗法、分散法及び数学的期待値法のうちの少なくとも1種を含むステップを含む、
ことを特徴とする付記1に記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法。
【0091】
(付記8)
ループ型電力ネットワークにおいて任意の点を座標原点として各ループ型線路セグメントで展開して複数の基準座標系を構築するための第1の構築ユニットであって、前記ループ型線路セグメントは隣接する2つの監視サイトの間の線路セグメントである第1の構築ユニットと、
各前記基準座標系における各前記監視サイトの監視点座標情報及び波頭到達時間を取得するための第1の取得ユニットと、
仮定故障点情報を取得するための第2の取得ユニットであって、前記仮定故障点情報は故障点仮定座標、故障仮定発生時間及び故障仮定区間を含む第2の取得ユニットと、
進行波の伝播速度を取得するための第3の取得ユニットと、
各前記基準座標系における前記監視点座標情報、前記波頭到達時間情報、前記仮定故障点情報及び前記進行波の伝播速度に基づいて複数の分散式故障位置特定の連立方程式を構築するための第2の構築ユニットと、
各前記分散式故障位置特定の連立方程式の解を求めた結果及び前記故障仮定区間に基づいて故障の実際の位置を特定するための特定ユニットと、を含む、
ことを特徴とするループ型電力ネットワークの故障位置特定装置。
【0092】
(付記9)
メモリ、プロセッサ、及び前記メモリに記憶され前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサは、メモリに記憶されるコンピュータプログラムを実行するときに、付記1~7のいずれか1つに記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法のステップを実現するために用いられる、
ことを特徴とする電子機器。
【0093】
(付記10)
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体において、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、付記1~7のいずれか1つに記載のループ型電力ネットワークの故障位置特定方法を実現する、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】