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特表2024-512859通信方法、V2Xプラットフォーム、車載装置及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】通信方法、V2Xプラットフォーム、車載装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/40 20180101AFI20240313BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20240313BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240313BHJP
【FI】
H04W4/40
H04W48/18
H04W88/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540741
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 CN2022076209
(87)【国際公開番号】W WO2022213723
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202110372317.8
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】陳瑞
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
本願の実施例はV2Xの技術分野に関し、通信方法、V2Xプラットフォーム、車載装置及び記憶媒体に開示する。本願では、前記通信方法は、V2Xプラットフォームに適用され、路側装置RSU向けの長距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定することと、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記RSUの所在位置と、車載装置OBU向けの長距離通信インタフェースを介して報告された前記OBUの所在位置とに基づいて、ターゲットOBUを決定し、前記OBUは近距離通信インタフェースを介して前記RSUと通信接続を確立することと、前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して前記ターゲットOBUにV2X情報を配信することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
V2Xプラットフォームに適用される通信方法であって、前記通信方法は、
路側装置RSU向けの長距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定することと、
前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記RSUの所在位置と、車載装置OBU向けの長距離通信インタフェースを介して報告された前記OBUの所在位置とに基づいて、ターゲットOBUを決定し、前記OBUは近距離通信インタフェースを介して前記RSUと通信接続を確立することと、
前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して前記ターゲットOBUにV2X情報を配信することとを含む通信方法。
【請求項2】
前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して前記ターゲットOBUに車両ネットワークV2X情報を配信した後、前記方法は、
前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して前記ターゲットOBUが報告した基本安全情報を受信することと、
前記基本安全情報に基づき、前記V2X情報における前記基本安全情報に関連する情報を調整することと、
前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して調整後の前記V2X情報を前記ターゲットOBUに配信することと、をさらに含む、請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記RSUの動作状態が正常に戻ったことを検出した場合、前記ターゲットOBUへの前記V2X情報の配信を停止することをさらに含む、請求項1又は2に記載の通信方法。
【請求項4】
前記方法は、前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して、前記ターゲットOBUが報告した近距離通信インタフェースの通信復旧情報を受信した場合、前記ターゲットOBUへの前記V2X情報の配信を停止することをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項5】
路側装置RSU向けの長距離通信インタフェースを介して路側装置RSUの動作状態を判定することは、
前記RSUが報告した、近距離通信インタフェースを介して前記RSUと通信接続を確立するOBUにより提供される基本安全情報と、前記RSUが送信したハートビート情報とを、前記RSU向けの長距離通信インタフェースを介して取得することと、
前記基本安全情報が取得されなかった場合及び/又は前記ハートビート情報が取得されなかった場合、前記RSUの動作状態が異常であると判定することと、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項6】
車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法であって、前記通信方法は、
路側装置RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定することと、
前記RSUの動作状態が正常であることを検出した場合、前記RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUとV2X情報を相互に送信し、且つ前記車両の所在位置を含む車両情報を、V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに報告し、それにより、前記RSUの動作状態が異常である場合、前記V2Xプラットフォームは前記車両の所在位置と予め記録された前記RSUの所在位置とに基づいて、前記OBUにV2X情報を配信することと、
前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信することと、を含む、通信方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記RSUの動作状態が正常に戻ったことを検出した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに近距離通信インタフェースの通信復旧情報を報告し、前記V2XクラウドプラットフォームにV2X情報の配信を停止させることをさらに含む、請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記車両が動作状態が正常な他のRSUの近くを走行していることを検出した場合、近距離通信インタフェースを介して前記他のRSUとV2X情報を相互に送信し、且つ前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに近距離通信インタフェースの通信復旧情報を報告し、前記V2XクラウドプラットフォームにV2X情報の配信を停止させることをさらに含む、請求項6又は7に記載の通信方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記RSUが存在するか否かを判定することと、
前記RSUが存在すると判定した場合、路側装置RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定する前記ステップを実行することと、
前記RSUが存在しないと判定した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信する前記ステップを実行することと、をさらに含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項10】
V2Xプラットフォームであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を含み、
前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る命令を記憶し、 前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~5のいずれか1項に記載の通信方法を実行することを可能にするために、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるV2Xプラットフォーム。
【請求項11】
車載装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を含み、
前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る命令を記憶し、 前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項6~9のいずれか1項に記載の通信方法を実行することを可能にするために、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される車載装置。
【請求項12】
プロセッサに実行されると、請求項1~5のいずれか1項に記載の通信方法、又は請求項6~9のいずれか1項に記載の通信方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が「202110372317.8」、出願日が2021年04月07日である中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張するものであり、当該中国特許出願の全内容は、ここで援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願の実施例はV2X(vehicle to everything)の技術分野に関し、特に通信方法、V2Xプラットフォーム、車載装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
セルラーV2X(cellular vehicle to everything、C-V2X)通信技術は、セルラー通信技術に基づいた新たなV2X(vehicle to everything、V2X)通信技術である。V2Xとは、車車間、又は自動車と歩行者、ライダー及び路側インフラとの間の無線通信技術、すなわち車両と外部とのメッセージ交換を指す。V2Xは、「人、車両、道路、クラウド」等の交通参加要素を有機的に繋げ、車両が車両単体による感知よりも多くの情報を取得するのをサポートし、自動運転技術の革新及び応用を促進することができるだけでなく、スマート交通システムを構築して、自動車と交通サービスの新モデル・新形式の発展を促進することに有利であり、交通効率の向上、リソースの節約、汚染の軽減、事故発生率の減少、交通管理の改善に対して重要な意義を有する。C-V2Xは主なV2X技術ルートの1つであり、従来のV2Xに比べて、C-V2Xは、カバー範囲が広く、高密度車載ネットワークをサポートし、信号がスムーズであり、及び安定したブロードキャストサービスを提供できる等の利点を持ち、高モビリティ及び高密度環境における車載通信サービスの開放的な挑戦に対応できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
C-V2X路車協調はまだ市場開拓段階にあり、近くを通過する車両中の車載装置(OnBoard Unit、OBU)にV2X情報を送信するための路側装置(Road Side Unit、RSU)の配置は非常に限られているため、OBUが設置されている車両が走行する道路区間の近くのRSUが正常に動作できず、たとえば停電、シャットダウン、異常等の場合、又は近くにRSUが配置されていない場合、OBUはV2X情報を正確でタイムリーに取得することができず、その結果、C-V2Xのサービス品質が悪くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、V2Xプラットフォームに適用される通信方法を提供し、路側装置RSU向けの長距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定することと、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記RSUの所在位置と、車載装置OBU向けの長距離通信インタフェースを介して報告された前記OBUの所在位置とに基づいて、ターゲットOBUを決定し、前記OBUは近距離通信インタフェースを介して前記RSUと通信接続を確立することと、前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して前記ターゲットOBUにV2X情報を配信することとを含む。
【0006】
本願の実施例は、車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法をさらに提供し、路側装置RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定することと、前記RSUの動作状態が正常であることを検出した場合、前記RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUとV2X情報を相互に送信し、且つ前記車両の所在位置を含む車両情報を、V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに報告し、それにより、前記RSUの動作状態が異常である場合、前記V2Xプラットフォームは前記車両の所在位置と予め記録された前記RSUの所在位置とに基づいて、前記OBUにV2X情報を配信することと、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信することとを含む。
【0007】
本願の実施例は、V2Xプラットフォームをさらに提供し、前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリを含み、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが上記のV2Xプラットフォームに適用される通信方法を実行することを可能にするために、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
【0008】
本願の実施例は、車載装置をさらに提供し、前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリを含み、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが上記の車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法を実行することを可能にするために、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
【0009】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。前記コンピュータプログラムは、プロセッサに実行されると、上述したV2Xプラットフォームに適用される通信方法、又は車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
1つまたは複数の実施例は、それに対応する添付図面の図によって例示的に説明されており、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではない。
図1】本願の第1実施例に係わる通信方法のプロセスの概略図である。
図2】本願の第2実施例に係わる通信方法のプロセスの概略図である。
図3】本願の第2実施例に係わる通信方法に関連するOBU、RSU及びV2Xプラットフォーム通信の概略図である。
図4】本願の第2実施例に係わる通信方法に関連するOBU、RSU及びV2Xプラットフォーム通信のさらなる概略図である。
図5】本願の第3実施例に係わる通信方法のプロセスの概略図である。
図6】本願の第4実施例に係わる通信方法のプロセスの概略図である。
図7】本願の第5実施例に係わる通信方法のプロセスの概略図である。
図8】本願の第6実施例に係わる通信方法のプロセスの概略図である。
図9】本願の第7実施例に係るV2Xプラットフォーム/本願の第8実施例に係る車載装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の実施例の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照して、本願の各実施例を詳細に説明する。しかしながら、当業者であれば理解できるように、本願の各実施例では、読者が本願をより良く理解するために多くの技術的詳細が提案されている。ただし、これらの技術的詳細、及び以下の実施例に基づく種々の変更及び修正がなくても、本願の保護されようとする技術的解決手段を実現することができる。以下の各実施例の区分は、説明の便宜上のためになされたものであり、本願の具体的な実施形態を何ら限定するものとされるべきではなく、各実施例は矛盾しない限り、互いに組み合わせられ、互いに引用されることができる。
【0012】
本願の実施例の目的は、RSUが正常に動作しない場合には、OBUがV2X情報を正確かつタイムリーに取得できず、高品質のC-V2Xサービスを提供できないという技術的問題を少なくとも解決するための通信方法、V2Xプラットフォーム、車載装置及び記憶媒体を提供することである。
【0013】
本願の実施例により提案される通信方法、V2Xプラットフォーム、車載装置及び記憶媒体では、V2Xプラットフォーム及び車載装置OBUは路側装置RSUの動作状態を双方向で検出し、これにより、RSUの動作状態が異常であり、すなわちPC5インタフェースを介してOBUにV2X情報を配信することができず、OBUが提供したV2X情報をUuインタフェースを介してV2Xプラットフォームに報告することもできない場合、V2Xプラットフォームは、異常になったRSUの位置と、V2XプラットフォームにアクセスされているOBUが報告した位置とに基づいて、異常なRSUの近くでV2X情報を送受信する必要があるターゲットOBUを直接決定し、さらにUuインタフェースに基づきターゲットOBUとV2Xを直接対話し、それにより、RSUの動作状態が異常であり、又は車両がRSUが配置されていない道路区間にある場合にも、V2X情報を取得できることを実現し、C-V2Xの堅牢性を効果的に完善して、路車協調のニーズをより良好に満たすことができる。
【0014】
また、本願の実施例により提案される通信方法、V2Xプラットフォーム、車載装置及び記憶媒体は、RSUが配置されていない道路区間でもC-V2Xサービスを使用できるため、C-V2Xに基づいた路車協調は、RSU等のインフラが弱い環境でも、完璧に使用でき、それにより路車協調の商業応用を大幅に加速する。
【0015】
本願の第1実施例は、V2Xプラットフォームに適用される通信方法に関し、そのフローチャートが図1に示されており、前記通信方法は以下のステップ101~ステップ103を含むが、これらに限定されない。
【0016】
ステップ101において、路側装置RSU向けの長距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定する。
【0017】
ステップ102において、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記RSUの所在位置と、車載装置OBU向けの長距離通信インタフェースを介して報告された前記OBUの所在位置とに基づいて、ターゲットOBUを決定する。
【0018】
なお、本実施例に係るOBU向けの長距離通信インタフェースを介して報告されたOBUの所在位置のOBUとは、具体的には、近距離通信インタフェースを介してRSUと通信接続を確立するOBUを指す。
【0019】
ステップ103において、前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して前記ターゲットOBUにV2X情報を配信する。
【0020】
本願の実施例に係わる通信方法では、V2Xプラットフォームは、V2X情報を提供するリアルタイム性の高いRSUの動作状態を自発的に監視し、RSUの動作状態が正常である場合、RSUはOBUにV2X情報を提供して、高速、正確、高効率のV2Xサービスを確保し、RSUの動作状態が異常であることを監視した場合、異常になったRSUの位置と、V2XプラットフォームにアクセスされているOBUが報告した位置とに基づいて、異常なRSUの近くでV2X情報を送受信する必要があるターゲットOBUを直接決定し、その後、C-V2X通信方式に基づき、Uuインタフェースを介してターゲットOBUにV2X情報を自発的に配信し、それにより、RSUの動作状態が異常である場合にも、ターゲットOBUがV2X情報を取得できることが実現され、この方式により、C-V2Xの堅牢性を効果的に完善して、路車協調のニーズをより良好に満たすことができる。
【0021】
本願の第2実施例は、V2Xプラットフォームに適用される通信方法に関する。
【0022】
具体的には、現在のC-V2X通信方式に基づいた路車協調方式は、車載装置(On board Unit、OBU)が路側装置(Road Side Unit、RSU)からのみV2X情報を取得できることを直接規定するか、RSUから直接離脱し、OBUがV2XプラットフォームからのみV2X情報を取得できることを規定する。
【0023】
RSUからのみV2X情報を取得できることを規定する方式の場合、実際の応用では、十分な数のRSUを路面に配置してすべての道路をカバーする必要があり、インフラへの要件が非常に高く、しかし、現在のRSUの配置の数はまだ非常に限られているため、道路のカバー範囲は限られており、RSUから離脱し、V2XプラットフォームからのみV2X情報を取得できることを規定する方式の場合、RSUの配置の数が限られており、可能な限り多くの道路をカバーできない問題を解決できるが、OBUがRSUから直接離脱しV2XプラットフォームからV2X情報を取得すると、V2X情報がOBUにタイムリーに配信できないという無視できない問題があり、そのため、OBUは、所在の車両に車載サービスをタイムリーで正確に提供することができない。
【0024】
これに基づいて、本実施例は、C-V2Xサービスのリアルタイム性を考慮すると同時に、RSUの配置の数が限られている場合に適用されることができる通信方法を提供することで、RSUの動作状態が異常である場合にも、OBUが依然としてV2X情報を正常に取得できることを確保する。
【0025】
以下、本実施例の通信方法の実現の詳細を説明するが、以下の内容は理解を容易にするために提供される実現の詳細に過ぎず、本技術案の実施に必須ではない。
【0026】
本実施例に係わる通信方法のフローチャートは図2に示されており、前記通信方法は以下のステップ201~ステップ204を含むが、これらに限定されない。
【0027】
ステップ201において、路側装置RSU向けの長距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定する。
【0028】
具体的には、本実施例に係わる通信方法は、主にC-V2X技術に関するものであり、すなわち、RSUの動作状態を判定する時に、具体的には、C-V2X通信方式に基づき、路側装置RSU向けの長距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定する。
【0029】
理解すべきこととして、現在のC-V2X通信方式は、車両、人、道路の間の近距離通信インタフェース、すなわちPC5インタフェースと、車両、本質的に車両上のOBUとV2Xプラットフォームである基地局間の長距離通信インタフェース、すなわちUuインタフェースとの2種の通信インタフェースを提供する。
【0030】
PC5インタフェースに関しては、RSU等の道路上のインフラと直接通信するため、相互に送信されるV2X情報の伝送速度が速く、リアルタイム性が高く、Uuインタフェースに関しては、セルラーネットワークを介してリモートのV2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信するため、カバー範囲が大きく、伝送が安定しているが、ある程度の遅延がある。
【0031】
C-V2Xがサポートする2種の通信インタフェースに基づいて、RSUが正常に動作できない場合、OBUがV2X情報を取得できなくて、高品質のC-V2Xサービスを提供できないという技術的課題を解決するために、本実施例に係わる通信方法におけるOBU、RSU及びV2Xプラットフォームには、図3に示される通信リンクが予め確立されている。
【0032】
図3に示すように、正常な場合に、すなわち、OBUは近くのRSUがブロードキャストしたデータを受信した後、RSU向けの近距離通信インタフェースであるPC5インタフェースを介して、識別されたRSUとPC5双方向通信リンクを確立し、それと同時に、車両ネットワークプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースであるUuインタフェースを介して、V2XプラットフォームとUu双方向通信リンクを確立する。
【0033】
同時に、道路上に配置された各々のRSUは、V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースであるUuインタフェースを介して、V2XプラットフォームとUu双方向通信リンクを確立する。
【0034】
また、V2XプラットフォームがRSUとの間のUu双方向通信リンクを通じてRSUの動作状態を監視できることを確保するために、実際の応用では、ハートビート情報を定期的に相互に送信することで、両方の間のUu双方向通信リンクが常に接続状態にあることを確保することができる。
【0035】
これに対応して、OBUとRSUとの間のPC5双方向通信リンク及びOBUとV2Xプラットフォームとの間のUu双方向通信リンクに関しては、同様に、ハートビート情報を定期的に相互に送信する方式で、両方の間の通信リンクが常に接続状態にあることを維持することができる。
【0036】
図3に示される通信方式に従って、V2Xプラットフォームは、C-V2X通信方式に基づき、Uuインタフェースを介してRSUの動作状態を判定する時に、具体的には、C-V2X通信方式に基づき、Uuインタフェース、すなわちV2XプラットフォームとRSUとの間のUu双方向通信リンクを通じて、RSUが報告したOBUの基本安全情報(Basic Safety Message、BSM)とRSUが送信したハートビート情報とを取得したか否かを監視し、OBUのBMSもRSUが送信したハートビート情報も取得していない場合、又は、基本安全情報のみを取得した場合、又はハートビート情報のみを取得した場合、RSUの動作状態が異常であり、すなわちV2XプラットフォームとRSUとの間のUu双方向通信リンク及びRSUとOBUとの間のPC5双方向通信リンクの両方はともに異常であり、正常に通信できない(図4を参照)と判定する。
【0037】
RSUの異常動作状態に関しては、本実施例で、具体的には、RSUが停電状態、シャットダウン状態、異常点灯状態のいずれかにあるときに異常動作状態であることを指す。
【0038】
理解すべきこととして、上記の例は本実施例の技術案をより良好に理解するために挙げられたものに過ぎず、本実施例を唯一に制限するものではない。
【0039】
ステップ202において、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記RSUの所在位置と、車載装置OBU向けの長距離通信インタフェースを介して報告された前記OBUの所在位置とに基づいて、タケートOBUを決定する。
【0040】
理解できることとして、実際の応用では、道路上に配置されたRSUは使用開始後、通常、Uuインタフェースを介してV2Xプラットフォームとの通信リンクを確立し、すなわち、V2Xプラットフォームは複数のRSUにアクセスする。従って、アクセスされるRSUのいずれかの動作状態が異常であることを識別すると、異常になったRSUの代わりにC-V2XサービスをOBUに提供し続け、すなわちV2X情報を配信し続けることを可能にするために、動作状態が異常なRUSの所在位置と、Uuインタフェースを介してアクセスされるすべてのOBUが報告した位置とに基づいて、OBUの位置と動作状態が異常なRSUの位置が要求を満たすターゲットOBUを多くのOBUからスクリーニングする。
【0041】
たとえば、動作状態が異常なOBUの所在位置を円心とし、予め設定された距離、たとえば500メートルを半径として形成された円形領域内のOBUをターゲットOBUとして決定するように規定し、すなわち、決定されるターゲットOBUは複数であってもよい。
【0042】
ステップ203において、前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して前記ターゲットOBUにV2X情報を配信する。
【0043】
具体的には、決定されるターゲットOBUが複数であると、V2Xプラットフォームは、Uuインタフェースを介して各々のターゲットOBUにV2X情報を配信し、たとえば、図4におけるOBUとV2Xプラットフォームとの間のUu双方向通信インタフェースを介してV2X情報を配信する。
【0044】
本実施例に係るV2X情報は、信号位相とタイミングメッセージ(Signal phase timing message、SPAT)と、道路及び車線の関連情報を記述する地図メッセージMAPと、道路工事、速度制限標識、スピード違反警告、バスレーン警告等の路側情報(Road Side lnformati、RAI)と、車両事故、車両異常、異物侵入等の路側安全情報(Road Safety Message、RSM〉とを含むが、これらに限定されない。
【0045】
また、実際の応用では、V2Xプラットフォームが配信したV2X情報はさらに、カメラ、信号ランプ等の道路の周辺に配置された他の路面インフ、現在の道路区間上の他の車両のOBUが報告した情報、動作状態が異常になる前にRSUが報告した情報、及び他の道路区間の動作状態が正常なRSUが報告した情報を集約することによって生成されてもよい。
【0046】
また、実際の応用では、V2Xプラットフォームはさらに、ターゲットOBU向けのUuインタフェースを介してターゲットOBUにV2X情報を配信した後、ターゲットOBUのUuインタフェースに向けてターゲットOBUが報告したBSMを受信し、且つBSMに基づいてV2X情報におけるBSMに関連する情報を調整し、最終的に、前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して調整後の前記V2X情報を前記ターゲットOBUに配信する。
【0047】
具体的には、実際の応用では、BSMは通常、2つの部分で構成され、1つの部分は、位置、速度、車両の大きさ等の車両の瞬間的な状態情報を含み、もう1つの部分は、太陽光レベル等のセンサデータと、タイヤのパンク、ライトの変換等のイベント記録とを含む。従って、V2XプラットフォームがOBUに配信したV2X情報がOBUが設置されている車両の現在の状態とより一致することを確保して、車両にC-V2Xサービスをより良好に提供することを可能にするために、V2XプラットフォームがUuインタフェースに基づきOBUとV2X情報を相互に送信する過程で、OBUがUuインタフェースを介して報告したBSMに基づいて、配信する必要があるV2X情報をリアルタイムに調整することができ、それにより、より良好なC-V2Xサービスを提供することができる。
【0048】
これに基づいて、RSUの動作状態が異常である場合にも、ターゲットOBUはV2X情報を正常に取得でき、それによりC-V2Xサービスの品質が確保される。
【0049】
また、理解できることとして、RSUの動作状態が正常である場合、OBUとのV2X情報の送受信は、V2Xプラットフォームではなく、RSUによって実行され、それにより、V2X情報のリアルタイム性が確保される。
【0050】
ステップ204において、前記RSUの動作状態が正常に戻ったことを検出した場合、前記ターゲットOBUへのV2X情報の配信を停止する。
【0051】
具体的には、V2XプラットフォームがOBUにV2X情報を提供できるが、C-V2Xサービスのリアルタイム性を確保するために、V2Xプラットフォームが、動作状態が異常なRSUが送信したハートビート情報をUuインタフェースを介して再び受信し、且つ該RSUが報告したターゲットOBUのBSMを受信した場合、RSUの動作状態が正常に戻った、すなわち、図3に示すように、RSUとV2Xプラットフォームとの間のUu双方向通信リンク及びRSUとOBUとの間のPC5双方向通信リンクの両方が正常に戻ったと考えられる。このとき、V2XプラットフォームはターゲットOBUへのV2X情報の配信を停止し、代わりに、動作状態が正常に戻ったRSUはPC5インタフェースを介してターゲットOBUにV2X情報をリアルタイムで迅速に配信する。
【0052】
本願の実施例に係わる通信方法では、OBUとRSUとの間のPC5双方向通信リンク及びOBUとV2Xプラットフォームとの間のUu双方向通信リンクというデュアルリンクが用いられ、V2XプラットフォームはRSUの動作状態が異常であることを識別すると、Uuインタフェースを介してOBUにV2X情報を直接配信し、それにより、RSUの動作状態が異常である場合にも、又はRSUが配置されていない道路区間でも、OBUはV2X情報を取得し、さらに車両にC-V2Xサービスを提供できることを確保する。
【0053】
その他、V2Xークプラットフォームは、RSUの動作状態が正常であり、又はRSUの動作状態が正常に戻ったことを識別すると、Uuインタフェースを介するOBUへのV2X情報の配信を停止し、代わりに、RSUはPC5インタフェースを介してOBUにV2X情報を配信し、それによりV2X情報はOBUにタイムリーに到着することができるため、C-V2Xサービスのリアルタイム性が確保される。
【0054】
また、上記のデュアルリンク方式に基づき、路面インフラが少ない箇所でも、本願の実施例に係わる通信方法は完璧に適用でき、それによりC-V2X通信方式に基づいた路車協調の応用をさらに促進することができる。
【0055】
本願の第3実施例は、V2Xプラットフォームに適用される通信方法に関し、そのフローチャートは図5に示され、前記通信方法は以下のステップ501~ステップ504を含むが、これらに限定されない。
【0056】
ステップ501において、路側装置RSU向けの長距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定する。
【0057】
ステップ502において、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記RSUの位置と、車載装置OBU向けの長距離通信インタフェースを介して報告された前記OBUの位置とに基づいて、タケートOBUを決定する。
【0058】
ステップ503において、前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して前記ターゲットOBUに車両ネットワークV2X情報を配信する。
【0059】
明らかに、本実施例のステップ501~ステップ503は第2実施例のステップ201~ステップ203とほぼ同様であるため、ここで詳細な説明が省略される。
【0060】
ステップ504において、前記ターゲットOBU向けの長距離通信インタフェースを介して、前記ターゲットOBUが報告した近距離通信インタフェースの通信復旧情報を受信した場合、前記ターゲットOBUへのV2X情報の配信を停止する。
【0061】
なお、実際の応用では、V2Xプラットフォームが、ターゲットOBUが報告した近距離通信インタフェース、すなわちPC5インタフェースの通信復旧情報を受信するときは、ターゲットOBUは、動作状態が異常であると識別されたRSUが配信したハートビート情報及びV2X情報をPC5インタフェースを介して再受信し、すなわち、動作状態が異常であると識別されたRSUの動作状態が正常に戻ったことである可能性があり、車両が利用可能なRSUが配置されている道路区間を走行し、ターゲットOBUは他の利用可能なRSUが配信したV2X情報をPC5インタフェースを介して受信したことである可能性もある。どのような場合であっても、V2XプラットフォームはターゲットOBUが報告したPC5インタフェースの通信復旧情報をUuインタフェースを介して受信する限り、ターゲットOBUへのV2X情報の配信を停止することができ、その後、ターゲットOBUはPC5インタフェースを介してRSUとV2X情報を相互に送信すればよい。
【0062】
本願の実施例に係わる通信方法では、OBUとRSUとの間のPC5双方向通信リンク及びOBUとV2Xプラットフォームとの間のUu双方向通信リンクというデュアルリンクが用いられ、V2Xプラットフォームは、RSUの動作状態が異常であることを識別すると、Uuインタフェースを介してOBUにV2X情報を直接配信し、それにより、RSUの動作状態が異常である場合にも、又はRSUが配置されていない道路区間でも、OBUはV2X情報を取得し、さらに車両にC-V2Xサービスを提供することができることを確保する。
【0063】
その他、V2Xプラットフォームは、OBUが報告したPC5インタフェースの通信復旧情報を受信した後に、代わりに、RSUはPC5インタフェースを介してOBUにV2X情報を配信し、それによりV2X情報はOBUにタイムリーに到着することができるため、C-V2Xサービスのリアルタイム性が確保される。
【0064】
また、上記のデュアルリンク方式に基づき、路面インフラが少ない箇所でも、本願の実施例に係わる通信方法は完璧に適用されることができ、それによりC-V2X通信方式に基づいた路車協調の応用をさらに促進することができる。
【0065】
本願の第4実施例は、車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法に関し、路側装置RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定することと、前記RSUの動作状態が正常であることを検出した場合、前記RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUとV2X情報を相互に送信し、且つ前記車両の所在位置を含む車両情報を、V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに報告し、それにより、前記RSUの動作状態が異常である場合、前記V2Xプラットフォームは前記車両の所在位置と予め記録された前記RSUの所在位置とに基づいて、前記OBUにV2X情報を配信することと、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信することと、を含む。
【0066】
実際の応用では、そのフローチャートは図6に示されており、前記通信方法は以下のステップ601~ステップ603を含むが、これらに限定されない。
【0067】
ステップ601において、路側装置RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定する。
【0068】
具体的には、RSUの動作状態が正常である場合、ステップ602の操作を実行し、RSUの動作状態が異常である場合、ステップ603の操作を実行する。
【0069】
ステップ602において、前記RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUとV2X情報を相互に送信し、且つV2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに車両情報を報告する。
【0070】
具体的には、本実施例では、前記車両情報は前記車両の所在位置を含む。
【0071】
これに対応して、前記OBUがV2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに車両情報を報告することは、前記RSUの動作状態が異常である場合、前記V2Xプラットフォームが前記車両の所在位置と予め記録された前記RSUの所在位置とに基づいて、前記OBUにV2X情報を配信するためのものである。
【0072】
ステップ603において、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信する。
【0073】
本願の実施例に係わる通信方法では、OBUはV2X情報を取得する際に、先ずC-V2X通信方式に基づきPC5インタフェースを介してRSUの動作状態を検出し、さらに、RSUの動作状態が正常であると判定した場合、PC5インタフェースを介してRSUとV2X情報を直接相互に送信し、それによりC-V2Xサービスのリアルタイム性が確保され、RSUの動作状態が異常である場合、Uuインタフェースを介してV2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信し、それにより、RSUの動作状態が異常である場合にも、ターゲットOBUはV2X情報を取得できることが実現され、この方式によりC-V2Xの堅牢性を効果的に完善して、路車協調のニーズをより良好に満たすことができる。
【0074】
本願の第5実施例は、車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法に関し、そのフローチャートは図7に示されており、前記通信方法以下のステップ701~ステップ704を含むが、これらに限定されない。
【0075】
ステップ701において、路側装置RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定する。
【0076】
具体的には、RSUの動作状態が正常である場合、ステップ702の操作を実行し、RSUの動作状態が異常である場合、ステップ703の操作を実行する。
【0077】
また、理解できることとして、実際の応用では、本実施例に係わる通信方法はV2Xプラットフォームに適用される通信方法と相互に連携して実現されるため、本実施例に提供される通信方法は依然としてC-V2X通信方式に基づき実現され、すなわち、本実施例の下記のRSU向けの近距離通信インタフェースは、依然として上記のV2Xプラットフォームに適する通信方法におけるPC5インタフェースであり、V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースは依然としてUuインタフェースである。
【0078】
これに対応して、本実施例に係るRSUの動作状態の判定方式は、依然として、C-V2X通信方式に基づき、路側装置RSU向けの近距離通信インタフェースであるPC5インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定するものである。
【0079】
具体的には、C-V2X通信方式に基づきPC5インタフェースを介してRSUの動作状態が正常であるか否かを判定する操作は、V2XプラットフォームがUuインタフェースを介してRSUの動作状態を判定する方式と類似しており、いずれもRSUが送信したハートビート情報及びRSUが配信したV2X情報を取得することにより実行され、どちらの情報も取得できないと、RSUの動作状態が異常であると考えられ、そうでない場合は、RSUの動作状態が正常であると考えられる。
【0080】
また、実際の応用では、現在の道路区間にRSUが配置されていない場合もあるため、PC5インタフェースを介してRSUの動作状態が正常であるか否かを判定する前に、現在の道路区間にRSUが存在するか否かを先に判定する必要があり、存在すると、C-V2X通信方式に基づきPC5インタフェースを介して路側装置RSUの動作状態を判定する操作を実行し、存在しないと、ステップ703の操作を直接実行する。
【0081】
ステップ702において、前記RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUとV2X情報を相互に送信し、且つV2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介してV2Xプラットフォームに車両情報を報告する。
【0082】
具体的には、実際の応用では、RSUの動作状態が正常である場合、OBUはPC5インタフェースを介してRSUとV2X情報を直接相互に送信し、たとえば、OBUはRSUにBSMを送信し、RSUはOBUにSPAT、MAP、RSI、RSM等のV2X情報を送信する。同時に、RSUの動作状態が異常である場合、V2Xプラットフォームが現在のOBUにV2X情報を提供できることを容易にするために、OBUはさらにUuインタフェースを介してV2Xプラットフォームに車両情報を報告する。
【0083】
なお、本実施例では、車両情報はOBUが設置されている車両の所在位置を少なくとも含み、それにより、RSUの動作状態が異常であると判定した場合、V2XプラットフォームはRSUの所在位置と車両の所在位置とに基づいてOBUにV2X情報を配信することができる。
【0084】
また、実際の応用では、V2XプラットフォームがOBUに適切なV2X情報を配信できるように、OBUがV2Xプラットフォームに報告した車両情報は、現在の車両速度、車両の大きさ等の情報をさらに含んでもよい。
【0085】
これに基づいて、RSUの動作状態が正常である場合、OBUはPC5インタフェースを介してRSUからV2X情報を直接取得し、それによりV2X情報のリアルタイム性が確保される。
【0086】
ステップ703において、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信する。
【0087】
これに基づいて、RSUの動作状態が異常である場合にも、OBUはV2X情報を正常に取得でき、それによりC-V2Xサービスの品質が確保される。
【0088】
ステップ704において、前記RSUの動作状態が正常に戻ったことを検出した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに近距離通信インタフェースの通信復旧情報を報告し、前記V2XクラウドプラットフォームにV2X情報の配信を停止させる。
【0089】
具体的には、V2XプラットフォームはOBUにV2X情報を提供できるが、C-V2Xサービスのリアルタイム性を確保するために、OBUはRSUの動作状態が正常に戻ったことを識別すると、たとえば、動作状態が異常なRSUが送信したハートビート情報を再び受信し、且つ該RSUが配信したV2X情報を受信した場合、RSUの動作状態が正常に戻った、すなわち、RSUとV2Xプラットフォームとの間のUu双方向通信リンク及びRSUとOBUとの間のPC5双方向通信リンクの両方は正常に戻ったと考えられる。このとき、OBUはPC5インタフェースを介してRSUからリアルタイム性のより高いV2X情報を取得することができ、同時に、V2XプラットフォームがUuインタフェースを介してOBUにV2X情報を配信し続けることを回避するために、OBUは、Uuインタフェースを介してV2XプラットフォームにPC5インタフェースの通信復旧情報を自発的に報告することができ、それによりV2XプラットフォームはOBUへのV2X情報の配信を停止し、現在のOBUによるV2Xプラットフォームのリソースの占有を解放し、V2Xプラットフォームは他のOBUにより良好なサービスを提供することができる。
【0090】
本願の実施例では、OBUとRSUとの間のPC5双方向通信リンク及びOBUとV2Xプラットフォームとの間のUu双方向通信リンクというデュアルリンクが用いられ、OBUはRSUの動作状態が異常であることを識別すると、Uuインタフェースを介してV2XプラットフォームからV2X情報を直接取得し、それにより、RSUの動作状態が異常である場合にも、又はRSUが配置されていない道路区間でも、OBUはV2X情報を取得し、さらに車両にC-V2Xサービスを提供することができることを確保する。
【0091】
その他、OBUはRSUの動作状態が正常であること、又はRSUの動作状態が正常に戻ったことを識別すると、Uuインタフェースを介してV2XプラットフォームからV2X情報を取得することを停止し、代わりに、PC5インタフェースを介してRSUからV2X情報を取得し、それによりV2X情報はOBUにタイムリーに到着することができるため、C-V2Xサービスのリアルタイム性が確保される。
【0092】
また、上記のデュアルリンク方式に基づき、路面インフラが少ない箇所でも、本願の実施例に係わる通信方法は完璧に適用されることができ、それによりC-V2X通信方式に基づいた路車協調の応用をさらに促進することができる。
【0093】
本願の第6実施例は、車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法に関し、そのフローチャートは図8に示されており、前記通信方法は以下のステップ801~ステップ804を含むが、これらに限定されない。
【0094】
ステップ801において、路側装置RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUの動作状態を判定する。
【0095】
具体的には、RSUの動作状態が正常である場合、ステップ802の操作を実行し、RSUの動作状態が異常である場合、ステップ803の操作を実行する。
【0096】
ステップ802において、前記RSU向けの近距離通信インタフェースを介して前記RSUとV2X情報を相互に送信し、且つV2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに車両情報を報告する。
【0097】
ステップ803において、前記RSUの動作状態が異常であることを検出した場合、前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2XプラットフォームとV2X情報を相互に送信する。
【0098】
明らかに、本実施例のステップ801~ステップ803は第5実施例のステップ701~ステップ703とほぼ同様であるため、ここで詳細な説明が省略される。
【0099】
ステップ804において、前記車両が動作状態が正常な他のRSUの近くを走行していることを検出した場合、近距離通信インタフェースを介して前記他のRSUとV2X情報を相互に送信し、且つ前記V2Xプラットフォーム向けの長距離通信インタフェースを介して前記V2Xプラットフォームに近距離通信インタフェースの通信復旧情報を報告し、前記車両ネットワーククラウドプラットフォームにV2X情報の配信を停止させる。
【0100】
本願の実施例に係わる通信方法では、OBUとRSUとの間のPC5双方向通信リンク及びOBUとV2Xプラットフォームとの間のUu双方向通信リンクというデュアルリンクが用いられ、OBUはRSUの動作状態が異常であることを識別すると、Uuインタフェースを介してV2XプラットフォームからV2X情報を直接取得し、それにより、RSUの動作状態が異常である場合にも、又はRSUが配置されていない道路区間でも、OBUはV2X情報を取得し、さらに車両にC-V2Xサービスを提供することができることを確保する。
【0101】
その他、OBUが動作状態が正常な他のRSUの近くを走行すると、Uuインタフェースを介してV2XプラットフォームからV2X情報を取得することを、PC5インタフェースを介して動作状態が正常な近くの他のRSUからV2X情報を取得することに変更し、それによりV2X情報はOBUにタイムリーに到着することができるため、C-V2Xサービスのリアルタイム性が確保される。
【0102】
また、上記のデュアルリンク方式に基づき、路面インフラが少ない箇所でも、本願の実施例に係わる通信方法は完璧に適用されることができ、それによりC-V2X通信方式に基づいた路車協調の応用をさらに促進することができる。
【0103】
明らかに、実際の応用では、車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法はV2Xプラットフォームに適用される通信方法と相互に連携しているため、第4、第5及び第6実施例は第1、第2、第3実施例と連携して実施することができる。第1、第2、第3実施例における関連する技術の詳細は第4、第5、第6実施例において依然として有効であり、繰り返しを減らすために、ここで詳細な説明が省略される。これに対応して、第4、第5、第6実施例における関連する技術の詳細は第1、第2、第3にも適用できる。
【0104】
なお、理解されるべきこととして、上述した各方法のステップ分けは、明確に説明するためになされたものにすぎず、実行時に1つのステップに組み合わせるか、あるステップを分割して複数のステップとしてもよく、同一論理的関係を含む限り、本特許の保護範囲内のものとし、アルゴリズムまたはプロセスに重要でない補正を加えたり重要でない設計を導入したりするが、そのアルゴリズムまたはプロセスの中核となる設計を変更しない限り、すべて当該特許の保護範囲内のものとする。
【0105】
本願の第7実施例はV2Xプラットフォームに関し、図9に示すように、少なくとも1つのプロセッサ901と、少なくとも1つのプロセッサ901に通信可能に接続されるメモリ902とを含み、メモリ902には少なくとも1つのプロセッサ901によって実行され得る命令が記憶されており、命令は、少なくとも1つのプロセッサ901が上記方法実施例に説明されるV2Xプラットフォームに適用される通信方法を実行できるように、少なくとも1つのプロセッサ901によって実行される。
【0106】
ここで、メモリ902とプロセッサ901はバスで接続され、バスは相互に接続された任意の数のバス及びブリッジを含んでもよく、バスは1つ又は複数のプロセッサ901及びメモリ902の様々な回路を一体に接続する。バスはまた、周辺機器、電圧レギュレータ及び電力管理回路等の様々な他の回路を一体に接続することができ、これらは本分野で周知されているため、本明細書ではこれ以上説明しない。バスインタフェースはバスとトランシーバーとの間のインタフェースを提供することができる。トランシーバーは1つの素子であってもよいし、複数の受信機及び送信機等の複数の素子であってもよく、伝送媒体上で様々な他の装置と通信するためのユニットを提供する。プロセッサ901によって処理されたデータはアンテナを介して無線媒体上で伝送され、さらに、アンテナはデータを受信してプロセッサ901に送信する。
【0107】
プロセッサ901はバスの管理及び一般的な処理を担当し、さらに、タイミング、周辺インタフェース、電圧調節、電源管理及び他の制御機能等の様々な機能を提供することができる。メモリ902はプロセッサ901が操作を実行する際に使用したデータを記憶することに用いられることができる。
【0108】
本願の第8実施例は車載装置に関する。
【0109】
具体的には、1つの実施例では、V2Xプラットフォームの内部構造模式図は図9に示すようなものであってもよく、その各部材の動作原理及び接続方式は、第7実施例におけるV2Xプラットフォームと類似しており、ただし、車載装置内のメモリは車載装置に関する上記通信方法を実現するための命令を記憶し、プロセッサはメモリに記憶されている命令に基づいて車載装置に関する上記通信方法を実現する。
【0110】
本願の第9実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体に関する。コンピュータプログラムはプロセッサによって実行されると、上記方法実施例におけるV2Xプラットフォームに適用される通信方法、又は車両に搭載される車載装置OBUに適用される通信方法を実現する。
【0111】
すなわち、当業者であれば理解できるように、上記実施例方法における全部又は一部のステップをプロセグラムによって関連ハードウェアに命令を出して完成させることができ、該プログラムが記憶媒体に記憶され、機器(シングルチップマイクロコンピュータ、チップ等であってもよい)又はプロセッサ(processor)に本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための複数の命令を含む。上記の記憶媒体は、USBメモリ、モバイルディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等の、プロクラムコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
【0112】
当業者であれば理解できるように、上記の各実施例は、本願を実現するための具体的な実施例であり、実際の適用では、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、形式や細部に対して様々な変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】