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特表2024-512884コリメータおよびポータブルのライト
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】コリメータおよびポータブルのライト
(51)【国際特許分類】
   F21V 5/04 20060101AFI20240313BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20240313BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240313BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20240313BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240313BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20240313BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240313BHJP
【FI】
F21V5/04 350
F21V5/02 300
F21V5/00 510
F21L4/00 411
F21V5/04 250
F21V5/00 600
G02B3/00 A
G02B5/04 A
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549591
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 DE2022100203
(87)【国際公開番号】W WO2022214127
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】102021108747.3
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519421433
【氏名又は名称】レッドレンザー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】LEDLENSER GMBH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Kronenstrasse 5-7, D-42699 Solingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー ドロス
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042CA01
2H042CA12
(57)【要約】
本発明は、光学密度の変化を伴う光学界面をそれぞれ形成する複数の光学面を用いて光をコリメートするコリメータ(1)であって、略平坦な光入射面(2)と、凸の光出射面(4)と、光入射面(2)を光出射面(4)に接続する全反射する側壁(3)とを備えるコリメータ(1)に関する。さらに本発明は、このようなコリメータを備えるポータブルのライトに関する。改善された配光を提供するコリメータと、コリメータを備えるポータブルのライトとを提案すべく、本発明により、コリメータの光出射面は、光屈折構造(5)を有するようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学密度の変化を伴う光学界面をそれぞれ形成する複数の光学面を用いて光をコリメートするコリメータ(1)であって、略平坦な光入射面(2)と、凸の光出射面(4)と、前記光入射面(2)を前記光出射面(4)に接続する全反射する側壁(3)とを備えるコリメータ(1)において、前記光出射面(4)は、光屈折構造を有することを特徴とするコリメータ(1)。
【請求項2】
前記光屈折構造は、凹および/または凸のマイクロレンズ(5)として、または拡散光屈折構造として形成されていることを特徴とする、請求項1記載のコリメータ(1)。
【請求項3】
前記マイクロレンズ(5)は、球面または非球面に形成されており、好ましくは、正方形、六角形、環状または葉序様に前記コリメータ(1)の前記光出射面(4)上に配置されていることを特徴とする、請求項2記載のコリメータ(1)。
【請求項4】
球面のマイクロレンズ(5)は、0.4mm~6mm、好ましくは、0.75mm~3mm、特に好ましくは、1mm~2mmの曲率半径を有することを特徴とする、請求項2または3記載のコリメータ(1)。
【請求項5】
略平坦な前記光入射面(2)は、平坦に形成されているか、または凸または凹に湾曲されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のコリメータ(1)。
【請求項6】
前記光入射面(2)は、多角形、正方形または円形の断面を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項7】
前記側壁(3)は、断面図で見て少なくとも一部セクションで凹、凸または平坦に形成されており、前記断面図で見て凹に形成される側壁(3)は、好ましくは、球面、非球面、双曲線、放物線、楕円またはデカルトの卵形線状に形成されており、このとき、前記断面図平面は、前記コリメータ(1)の光軸を含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項8】
前記光出射面(4)は、球面または非球面の曲率を有し、好ましくは、断面円形、多角形または正方形に形成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項9】
球面の光出射面(4)は、4mm~20mm、好ましくは、3mm~7mm、特に好ましくは、5mm~6mmの曲率半径を有することを特徴とする、請求項8記載のコリメータ。
【請求項10】
前記コリメータ(1)は、保持縁部(7)を備え、前記保持縁部(7)は、前記光出射面(4)を少なくとも部分的に、好ましくは、完全に囲繞することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項11】
前記コリメータ(1)は、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ガラス、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメタクリルメチルイミド(PMMI)またはシリコーンからなることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項12】
ポータブルのライト(8)、特にポケットライト(81)またはヘッドライトであって、光源(6)を備え、請求項1から11までのいずれか1項記載のコリメータ(1)を特徴とする、ポータブルのライト(8)。
【請求項13】
前記光源(6)と、前記コリメータ(1)の前記光入射面(2)との間に、間隔、特に0.1mm~0.5mmの間隔があることを特徴とする、請求項12記載のポータブルのライト(8)。
【請求項14】
前記光源(6)の幾何学形状は、前記光入射面(2)の幾何学形状に合わされており、
a)正方形の断面を有する光源(6)には、正方形の断面を有する光入射面(2)が、または
b)円形の断面を有する光源(6)には、円形の断面を有する光入射面(6)が、または
c)多角形の断面を有する光源(2)には、対応する多角形の断面を有する光源(6)が、
割り当てられていることを特徴とする、請求項12または13記載のポータブルのライト(8)。
【請求項15】
前記光源(6)は、1つまたは複数の光源要素(61,62)を有し、前記光源要素(61,62)は、好ましくは、平坦な光出射面を有することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載のポータブルのライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学密度の変化を伴う光学界面をそれぞれ形成する複数の光学面を用いて光をコリメートするコリメータであって、略平坦な光入射面と、凸の光出射面と、光入射面を光出射面に接続する全反射する側壁とを備えるコリメータに関する。
【0002】
さらに本発明は、このようなコリメータを備えるポータブルのライトに関する。
【0003】
光をコリメートするコリメータは、特に、ポータブルあるいはモバイルのライトとの関連で従来技術により公知であり、様々な使用分野のための種々異なるコリメータは、種々異なる幾何学形状を呈している。
【0004】
公知であるのは、例えば、平または凹の光入射面と、凸の光出射面とを有するレンズである。
【0005】
さらに、いわゆる内部全反射コリメータ(TIR(Total-Internal-Reflection)コリメータ)が公知であり、内部全反射コリメータは、集束レンズと、リフレクタ部分とを備え、リフレクタ部分は、集束レンズを完全に囲繞している。このようなTIRコリメータの光入射面は、通例、2つのセクションに区分、すなわち、集束レンズの平、凸または凹の光入射面と、リフレクタ部分の略柱形の光入射面とに区分されている。中央の集束レンズと、リフレクタ部分とは、加えてそれぞれ異なる光出射面を有している。それゆえ、TIRコリメータは、通例、複雑な幾何学形状を呈している。
【0006】
さらに、真っ直ぐな壁の光導波路が公知であり、真っ直ぐな壁の光導波路は、断面図で見て円錐台形に、平坦な光入射面と、平坦な光出射面とを有して形成されている。
【0007】
真っ直ぐな壁の光導波路と比較し得る幾何学形状は、いわゆる複合放物面集光器コリメータ(CPC(Compound-Parabolic-Concentrator)コリメータ)が呈しており、複合放物面集光器コリメータは、確かに、同じく平坦な光入射面と、平坦な光出射面とを備えるが、その側壁は、凸に形成されている。
【0008】
最後に、上位概念部に記載のコリメータは、いわゆる誘電体内部全反射コリメータ(DTIR(Dielectric-Total-Internal-Reflection)コリメータ)として公知である。公知の光導波路およびCPCコリメータとは違い、DTIRコリメータは、完全に凸に形成されている光出射面を備えている。
【0009】
公知のコリメータは、確かに、光をコリメートすることができるが、理想的な配光は、これまでまだ達成されてこなかった。ここで、理想的な配光とは、予め設定可能なライトコーン内に、略一定のあるいは均一な光強度であって、局所的に偏差する光強度を示す反射、線およびその他の環がなく、明確に規定された縁を有する光強度を有する配光と解される。縁の外、したがって、企図される配光の外では、光強度は、可能な限り完全に消失することが望ましい。
【0010】
それゆえ本発明の課題は、改善された配光を提供するコリメータと、コリメータを備えるポータブルのライトとを提案することである。
【0011】
上記課題は、請求項1記載のコリメータと、請求項12記載のポータブルのライトとにより解決される。
【0012】
本発明により、請求項に記載のDTIRコリメータの光出射面は、光屈折構造を有するようになっている。DTIRコリメータの光出射面上の光屈折構造は、各光線束が光出射面を、小さなコーン角であるが、配光全体のコーン角と比較して小さいコーン角でもって後にすることに至らしめる。これにより、配光全体のライトコーンは、拡大されず、しかし、さもなければ、例えば環、線または規定可能な幾何学形状を呈しないその他の反射の形態の、望ましくない局所的な強度最大値および/または強度最小値として認識可能な、局所的な強度最大値は、効果的に防止される。光屈折構造は、これにより光の混合をライトコーン内で引き起こす。それゆえ、ライトコーン内、したがって所望の配光内に、略一定のあるいは均一な光強度が、近い領域にも、遠い領域にも生じる。
【0013】
請求項に記載のDTIRコリメータの光出射面上におけるマイクロレンズの配置により、比較的コンパクトな構造形態を備えるコリメータが生じ、このことは、公知のコリメータと比較しても小さな光出射面に結び付く。さらに本発明に係るコリメータは、有利には、実質的にエタンデュが制限されている。
【0014】
本発明の好ましい実施形態を以下にかつ従属請求項に記載する。
【0015】
本発明の第1の有利な実施形態の範囲内で、光屈折構造は、凹および/または凸のマイクロレンズとして、または拡散光屈折構造として形成されている。凹および/または凸のマイクロレンズは、その幾何学形状、数、配列および密度について、コリメータの幾何学形状と、使用される光源とを考慮して、均一な配光が、放射されるライトコーン内に生じるように、コリメータの光出射面上に配置されていることが可能である。その際、好ましくは、マイクロレンズは、球面または非球面に形成されており、好ましくは、正方形、六角形、環状または葉序様にコリメータの光出射面上に配置されているようになっている。球面のマイクロレンズの範囲内で、好ましくは、それぞれ、0.4mm~6mm、好ましくは、0.75mm~3mm、特に好ましくは、1mm~2mmの曲率半径が設けられている。この種のマイクロレンズは、好ましくは、0.3mm~4mmの直径を有している。
【0016】
本発明の別の好ましい一構成の範囲内で、略平坦な光入射面は、平坦、凸または凹に湾曲されている。
【0017】
光入射面の曲率によらず、光入射面は、本発明の有利な一発展形の範囲内で、断面多角形、正方形または円形に形成されている。
【0018】
マイクロレンズの表面は、本発明の有利な一構成の範囲内で、略同じであることができ、すなわち、表面のサイズは、実質的に表面の平均に等しいか、または平均から言及に値するほど偏差しない。この種の一構成では、マイクロレンズの曲率半径も、略同一であり得る。
【0019】
代替的には、本発明の好ましい一構成の範囲内で、マイクロレンズは、変化する表面を有している。この場合、各マイクロレンズの表面サイズは、曲率半径が表面サイズの増大とともに拡大するような関係で、観察対象のマイクロレンズの曲率半径と相関している。曲率半径は、これにより、マイクロレンズの表面サイズに対して比例関係にある。好ましくは、表面サイズおよび曲率半径は、すべてのマイクロレンズが、略等角の立ち上がりフランクを、光出射面の包絡面への移行部に有しているように選択されている。これにより、より小さなマイクロレンズは、光出射面の包絡面への移行部に、より大きなマイクロレンズと比較して、同一の表面傾きを有し、これにより、比較的小さなマイクロレンズは、光混合に対して同一の寄与を果たす。
【0020】
有利には、コリメータの側壁は、断面図で見て少なくとも一部セクションで凹、凸または平坦に形成されており、断面図で見て凹に形成される側壁は、好ましくは、球面、非球面、双曲線、放物線、楕円またはデカルトの卵形線状に形成されており、このとき、断面図平面は、コリメータの光軸を含む。側壁は、有利な一発展形の範囲内で、それぞれ異なる曲率を有する複数の領域、例えば、変曲箇所を介して凸の曲率を有する領域へ移行する凹の曲率を有する下側の領域を有していてもよい。側壁の具体的な構成によらず、光は、そこでコリメータ内で完全に反射され、第1の全反射、場合によってはさらなる全反射の後、光出射面に到達し、光出射面において、光は、光屈折構造を介してコリメータを、十分に規定されたライトコーン内で後にする。屈折性の凹の光出射面は、これにより、光入射面から直接、光出射面に到達する直接的な光も、側壁において反射される光も、完全に出射するように構成されている。光出射面は、その際、好ましくは、球面または非球面の曲率を有し、好ましくは、断面円形、多角形または正方形に形成されている。球面の光出射面、より正確にいえば、光出射面の、球面に構成される包絡面は、この場合、好ましくは、4mm~20mm、好ましくは、3mm~7mmの曲率半径を有し、特に好ましくは、5mm~6mmの曲率半径を有している。
【0021】
コリメータをライト内、特にポータブルのライト内に取り付けるために、コリメータは、保持縁部を備え、保持縁部は、光出射面を少なくとも部分的にまたは完全に囲繞する。
【0022】
コリメータは、様々な透明な材料からなることができ、コリメータは、好ましくは、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ガラス、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメタクリルメチルイミド(PMMI)またはシリコーンから製造されている。
【0023】
コリメータが、光源を備えるポータブルのライト、特にポケットライトまたはヘッドライトのコリメータである場合、本発明の好ましい一構成によれば、光源と、コリメータの光入射面との間に、間隔、特に0.1mm~0.5mmの間隔がある。この間隔は、十分な熱導出を提供するのに十分であって、かつ光が言及に値するほどの損失出力なしに、光源から、その光源から放射される光が略完全にコリメートされる光入射面まで到達するほど、狭い。好ましくは、コリメータの光入射面と、光源との間の間隔は、光源の幅の0.2倍以下であるようになっている。この関連において、本発明の特に好ましい一構成の範囲内で、光源の幾何学形状は、光入射面の幾何学形状に合わされており、
a)正方形の断面を有する光源には、正方形の断面を有する光入射面が、または
b)円形の断面を有する光源には、円形の断面を有する光入射面が、または
c)多角形の断面を有する光源には、対応する多角形の断面を有する光源が、
割り当てられている。これにより、損失出力は、大幅に減少され、放射特性は、最適化される。光入射面の幾何学形状は、これに対して光出射面の幾何学形状に実質的によらない。光出射面の幾何学形状は、上から見て確かに同じく正方形、多角形または円形に形成されていることがあるが、光入射面の幾何学形状との相関関係は、指定されていない。その点では、正方形の光入射面に、円形の光出射面が割り当てられていてもよい。それにもかかわらず、好ましくは、光入射面は、平らあるいは平坦に形成されているようになっている。さらに光入射面は、光源の面積の1倍~2倍の面積を有している。
【0024】
最後に、本発明の別の好ましい一構成の範囲内で、光源は、1つまたは複数の光源要素を有し、光源要素は、好ましくは、平坦な光出射面を有する。挙げたすべての光源は、好ましくは、発光ダイオード(LED)として形成されている。それゆえ光源は、ドームを有さず、それゆえドームフリーに形成されている。ドームは、この場合、LEDを覆う透明なプラスチックからなる球面の円蓋である。
【0025】
本発明のさらなる好ましい実施形態および具体的な構成について、以下に図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1のコリメータの断面図である。
図2】第2のコリメータの断面図である。
図3】1つのコリメータの斜視図である。
図4】1つのコリメータの斜視図である。
図5】マイクロレンズの様々な配列を示す図である。
図6】コリメータを備えるポータブルのライトを示す図である。
【0027】
図1は、本発明に係るコリメータ1の第1の具体的な実施形態を断面図で示している。コリメータ1は、8.41mmの幅Bを有する完全に平坦なかつ正方形の光入射面2を備えている。光入射面2は、直接、断面正方形の光導波路セクションに移行し、光導波路セクションは、側壁3を有し、側壁3は、図示の実施例では、凹の曲率を有する下側の領域31と、凸の曲率を有する上側の領域32とを有している。側壁3の凹の(下側の)領域31と、凸の(上側の)領域32との間には、周線に沿って、側壁3に接する接線がサイドチェンジする変曲箇所33が形成されている。コリメータ1は、凸球面の光出射面4を備え、光出射面4の包絡面(破線で図示した)は、16.5mmの曲率半径Rを有している。光出射面4上には、面を覆うようにして、3.0mmの曲率半径Rを有する複数の凸のマイクロレンズ5が配置されている。光出射面4は、少なくとも一部セクションで保持縁部7により囲繞され、保持縁部7は、1.96mmの厚さdと、20mmの直径Dとを有している。光出射面4は、保持縁部7への移行部に、14.1mmの直径Dを有している。側壁3を有する光導波路セクションと、保持縁部7との間の移行部に、コリメータ1は、14.0mmの幅Bを備えている。コリメータ1の全高Hは、20.22mmである。コリメータ1には、2つの光源要素61,62が割り当てられており、光源要素61,62は、相俟って1つの光源6を形成し、光入射面2に対して僅かに離間して、光源要素61,62から放出される光が略完全にコリメータ1内に入力結合するように配置されている。
【0028】
図2は、本発明に係るコリメータ1の第2の具体的な実施形態を断面図で示している。コリメータ1は、2.64mmの幅Bを有する完全に平坦なかつ正方形の光入射面2を備えている。光入射面2は、光導波路セクションに移行し、光導波路セクションは、側壁3を有し、側壁3は、図示の実施例では、完全に凹に形成されている。側壁3の曲率半径は、図示の実施例では、一定でなく、側壁3の下側の領域に、比較的小さい曲率半径を有し、この曲率半径は、上向きに、すなわち光出射面4に向かって、連続的に大きくなる。コリメータ1は、凸球面の光出射面4を備え、光出射面4の包絡面(破線で示した)は、4.95mmの曲率半径Rを有している。光出射面4上には、面を覆うようにして、1.42mmの曲率半径Rを有する複数の凸のマイクロレンズ5が配置されている。光出射面4は、少なくとも一部セクションで保持縁部7により囲繞され、保持縁部7は、0.91mmの厚さdと、10.9mmの直径Dとを有している。光出射面4は、保持縁部7への移行部に、8.14mmの直径Dを有している。側壁3を有する光導波路セクションと、保持縁部7との間の移行部に、コリメータ1は、5.22mmの幅Bを備えている。コリメータ1の全高Hは、7.71mmである。コリメータ1には、光源6が割り当てられており、光源6は、光入射面2に対して僅かに離間して、光源6から放出される光が略完全にコリメータ1内に入力結合するように配置されている。
【0029】
特に図2に示すコリメータ1の場合、側壁3の仮想の接線方向の延長線11が、光出射面4と交わる。このことは、側壁3の仮想の接線方向の延長線11と、光出射面4の縁部と側壁3の縁部とを直接結んだ接続直線12との間に、正の角度αが生じることを意味する。図示の実施形態では、この角度αは、40.1°である。これにより、光出力の、場合によっては生じることのある損失は、有利には減少される。
【0030】
図3は、本発明に係るコリメータ1の別の一実施形態を斜視図で示している。コリメータ1は、正方形の光入射面2と、上から見て同じく正方形の光出射面4であって、しかし、外向きに凸球面の光出射面4を形成し、光出射面4上に面を覆うようにして配置される複数のマイクロレンズ5を有する光出射面4とを備えている。光入射面2は、側壁3を有する光導波路セクションに移行する。コリメータ1の、互いに反対側に位置する2つの側面には、保持縁部7が配置されており、その結果、保持縁部7は、一部領域でのみ、コリメータ1を囲繞している。
【0031】
図4は、本発明に係るコリメータ1の別の一実施形態を示しており、このコリメータ1は、正方形の光入射面2と、断面円形の光出射面4であって、環状の保持縁部7により完全に囲繞されている光出射面4とを備えている。光入射面2は、側壁3を有する光導波路セクションに移行する。光出射面4は、その他の点では、凸球面に構成されており、面を覆うようにして複数の凸のマイクロレンズ5を有している。
【0032】
マイクロレンズ5は、様々な形式でコリメータ1の光出射面4上に配置されていることができる。図5a,図5b,図5cおよび図5dは、マイクロレンズ5の様々なかつ好ましい配列を示し、マイクロレンズ5の配列は、必要に応じて、コリメータの幾何学形状と、企図される配光とに適合され得る。図5aは、マイクロレンズ5の正方形の配列を示している。図5bは、マイクロレンズ5の六角形の配列を示している。マイクロレンズ5の環状の配列は、図5cに示してあり、最後に図5dは、マイクロレンズ5の葉序(phyllotaxisch)様の配列を開示している。
【0033】
前述の形態のコリメータ1は、本発明の具体的な一実施形態の範囲内で、ポータブルのライト8、特にポケットライト81用のコリメータ1として使用される。図6は、概略図で、コリメータ1と、光源6と、ハウジング9と、ハウジング9内に収められた、蓄電池10の形態の電流供給部とを備えるポケットライト81の断面図を示している。蓄電池10は、光源6の目下の光出力を自動制御または手動制御し得る(図示しない)制御電子システムに接続されている。
【符号の説明】
【0034】
1 コリメータ
2 光入射面
3 側壁
31 下側の領域
32 上側の領域
33 変曲箇所
4 光出射面
5 マイクロレンズ
6 光源
61 光源要素
62 光源要素
7 保持縁部
8 ライト
81 ポケットライト
9 ハウジング
10 蓄電池
11 側壁の接線方向の延長線
12 接続直線
α 角度
光入射面の幅
保持縁部への移行部における側壁の幅
d 保持縁部の厚さ
保持縁部の直径
光出射面の直径
H コリメータの高さ
光出射面の曲率半径
マイクロレンズの曲率半径
図1
図2
図3
図4
図5a)】
図5b)】
図5c)】
図5d)】
図6
【国際調査報告】