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特表2024-512934電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/08 20060101AFI20240313BHJP
   H03F 1/30 20060101ALI20240313BHJP
   A61B 6/42 20240101ALN20240313BHJP
   A61B 6/03 20060101ALN20240313BHJP
【FI】
H03F3/08
H03F1/30
A61B6/42 530R
A61B6/03 573
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556865
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2022059082
(87)【国際公開番号】W WO2022214530
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】102021108710.4
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521548733
【氏名又は名称】アーエムエス インターナショナル アーゲー
【氏名又は名称原語表記】AMS INTERNATIONAL AG
【住所又は居所原語表記】Eichwiesstrasse 18b, Jona, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドレウ ハラランボス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル フリドリン
【テーマコード(参考)】
4C093
5J500
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA13
4C093EA07
5J500AA01
5J500AA56
5J500AC02
5J500AC04
5J500AC12
5J500AC13
5J500AC14
5J500AC81
5J500AF07
5J500AF10
5J500AF13
5J500AF17
5J500AH09
5J500AH19
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH44
5J500AK01
5J500AK03
5J500AK05
5J500AK11
5J500AK12
5J500AK17
5J500AK31
5J500AM08
5J500AM13
5J500AS01
5J500AS15
5J500AT01
5J500LU01
5J500LV07
5J500NC01
5J500NF06
5J500NF07
5J500NH20
(57)【要約】
電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路
電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路(10)は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)を有する電荷感応増幅器段(100)と、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の第1帰還経路(101)に配置されたトランジスタ(120)と、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)を有する信号整形器段(200)と、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の第2帰還経路(201)に配置された能動帰還回路(220)、とを備える。フロントエンド電子回路(10)は、第2トランジスタ(310)を有する制御回路(300)を更に備える。制御回路(300)は、第2トランジスタ(310)のゲート・ソース間電圧に依存して第1帰還経路(101)のトランジスタ(120)を制御する制御信号(Vbias)を供給するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路であって、
電磁放射線に感応するセンサーに結合され、前記センサーから入力信号(Iin)を受信するように構成される入力ノード(I10)と、
出力信号(Vout_shaper)を供給する出力ノード(O10)と、
前記入力ノード(I10)に結合された入力側および電荷感応増幅器出力信号(Vout_csa)を供給する出力側を有する第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)と、前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の入力側と出力側との間の第1帰還経路(101)に配置されたトランジスタ(120)とを備える、電荷感応増幅器段(100)と、
前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の出力側に結合された入力側および前記出力ノード(O10)に結合された出力側を有する第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)と、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の入力側と出力側との間の第2帰還経路(201)に配置された能動帰還回路(220)とを備える、信号整形器段(200)と、
第2トランジスタ(310)を備え、前記第2トランジスタ(310)のゲート・ソース間電圧に依存して前記トランジスタ(120)を制御する制御信号(Vbias)を供給するように構成される制御回路(300)と、
を備える、電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路。
【請求項2】
前記入力ノード(I10)は、光子計数アプリケーションの光子検出器として構成される前記センサーに結合されるように構成される、
請求項1に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項3】
前記電荷感応増幅器段(100)は、前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の入力側と出力側との間で前記トランジスタ(120)に並列に配置されたコンデンサ(130)を備え、
前記信号整形器段(200)は、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の入力側と出力側との間で前記能動帰還回路(220)に並列に配置された第2コンデンサ(230)を備える、
請求項1または2に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項4】
前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の出力側と前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の入力側との間に配置されたカップリングネットワーク(400)を備え、
前記カップリングネットワーク(400)は、第3トランジスタ(410)と第3のコンデンサ(420)との並列接続を備え、
前記制御回路(300)は、前記第2トランジスタ(310)のゲート・ソース間電圧に依存して前記第3トランジスタ(410)を制御する前記制御信号(Vbias)を供給するように構成される、
請求項3に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項5】
前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)は、前記入力ノード(I10)に結合された単一入力接続(I110)と、入力トランジスタ(111)を制御する前記入力信号(Iin)に依存する第1入力制御信号(Iin_csa)を受信する前記単一入力接続(I110)に結合された制御ノードを有する前記入力トランジスタ(111)と、前記入力トランジスタ(111)と直列に配置された第1電流源(112)とを有し、
前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)は、前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の出力側に結合された単一入力接続(I210)と、第2入力トランジスタ(211)を制御する第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の出力信号(Vout_csa)に依存する第2入力制御信号(Iin_shaper)を受信する前記単一入力接続(I210)に結合された制御ノードを有する前記第2入力トランジスタ(211)と、第2入力トランジスタ(211)と直列に配置された第2電流源(212)と、を有する、
請求項1~4のいずれかに記載のフロントエンド電子回路。
【請求項6】
前記第2トランジスタ(310)は、前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の前記入力トランジスタ(111)のレプリカとして構成される、
請求項5に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項7】
前記制御回路(300)は、第1電流路(301)と、前記第1電流路(301)に配置された第3電流源(320)とを備え、
前記第2トランジスタ(310)は、ダイオード接続構成で前記第1電流路(301)に配置され、
前記第2トランジスタ(310)は、前記第3電流源(320)に接続されるドレインノードを有する、
請求項6に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項8】
前記制御回路(300)は、前記第3トランジスタ(410)のレプリカとして構成される第4トランジスタ(330)を備え、
前記制御回路(300)は、前記第4トランジスタ(330)のゲート・ソース間電圧に応じて前記制御信号(Vbias)を生成するように構成される、
請求項6または7に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項9】
前記制御回路(300)は、前記第1電流路(301)に結合された第2電流路(302)を備え、
前記第4トランジスタ(330)は、ダイオード接続構成で前記第2電流路(302)に配置され、
前記制御回路(300)の出力ノード(O300)は、前記第4トランジスタ(330)のゲートノードに接続され、
前記制御回路(300)は、前記第4トランジスタ(330)と基準電位(VSS)との間の前記第2電流路(302)に配置された第4電流源(340)を備える、
請求項8に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項10】
前記制御回路(300)は、前記第1電流路(301)を前記第2電流路(302)に結合するように配置されたバッファ回路(360)を備え、
前記第4トランジスタ(330)のソースノードは、前記バッファ回路(360)の出力に接続され、
前記第2トランジスタ(310)は、前記バッファ回路(360)の入力ノードに接続されたゲートノードを有する、
請求項9に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項11】
前記制御回路(300)は、前記第4トランジスタ(330)のソースノードと供給電位(VDD)との間の前記第2電流路(302)に配置された第5電流源(350)を備える、
請求項9に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項12】
前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の前記入力トランジスタ(111)と、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の前記入力トランジスタ(211)と、前記制御回路(300)の前記第2トランジスタ(310)とは、互いに整合され、および/または
前記第1電流源(112)と、前記第2電流源(212)と、前記第3電流源(320)とは、互いに整合され、および/または
前記トランジスタ(120)による抵抗と、前記第3トランジスタ(410)による抵抗と、前記第4トランジスタ(330)による抵抗とは、互いに整合され、および/または
前記コンデンサ(130)の静電容量と前記第3のコンデンサ(420)の静電容量とは互いに整合される、
請求項8~11のいずれかに記載のフロントエンド電子回路。
【請求項13】
前記能動帰還回路(220)は、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の前記出力側に結合された第1入力ノード(I220a)と、基準電圧(Vref)を受信する第2入力ノード(I220b)と、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の単一入力接続(I210)に結合された出力ノード(O220)とを有する相互コンダクタンス増幅器を備える、
請求項1~12のいずれかに記載のフロントエンド電子回路。
【請求項14】
電磁放射線用センサー装置であって、
請求項1~13のいずれかに記載のフロントエンド電子回路(10)と、
センサー(20、50)によって受信される電磁放射線に依存して前記フロントエンド電子回路(10)のための前記入力信号(Iin)を供給する、電磁放射線に感応する前記センサー(20、50)と、
を備える、電磁放射線用センサー装置。
【請求項15】
前記センサー(20、50)は、光子感応領域を有する光子検出器センサー(20)として構成され、前記光子検出器センサー(20)は、光子が前記光子感応領域に入射すると、前記フロントエンド電子回路(10)のための前記入力信号(Iin)を生成するように構成されている、
請求項14に記載のセンサー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路に関し、特に、マルチエネルギースペクトルCT(コンピュータ断層撮影)などの光子計数アプリケーションまたはX線撮像アプリケーションに関する。また、本開示は、電磁放射線用センサー装置、例えば、フロントエンド電子回路を使用する光子計数センサー装置として構成されるセンサー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のCT装置およびX線撮像製品には、間接変換センサーが使用されている。間接変換センサーは、シンチレータを備え、X線を可視光に変換し、これを受光素子またはフォトダイオードで取り込むことで、シンチレータの材料に入射するX線に応じた電気信号を供給する。
【0003】
間接検出原理を用いる従来のコンピュータ断層撮影とは対照的に、光子計数コンピュータ断層撮影は、直接変換センサーを利用する。現在、直接変換材料は成熟の域に達して普及しており、CTシステムの焦点は光子計数アプローチへと移っている。光子計数医用画像は、スペクトル情報だけでなく、より優れた解像度や低線量など、従来のアプローチよりも多くの利点がある。
【0004】
光子計数撮像システムでは、フロントエンドにおいて、従来の撮像システムとは根本的に異なるアプローチが必要となる。これは、入力信号(電流)の高速かつ非同期の連続タイミング処理が必要であることによるものである。特に、光子計数アプローチは、電流入力を受け取り、出力で、弁別器による更なる処理を容易にするために整形された電圧を供給するフロントエンド回路を必要とする。
【0005】
入力される電荷パルスがランダムであるため、入力電荷パルスを出力の電圧パルスに変換するために、非同期連続時間フロントエンド回路が必要となる。フロントエンドトポロジーは、通常、1段または2段のアプローチである。入力静電容量が小さくかつ固定されている場合には、整形電荷感応増幅器に続いて弁別器とカウンタが組み込まれた、1段のアーキテクチャを採用することができる。入力静電容量が大きくかつ変化する場合は、2段のアーキテクチャによる手法を使用できる。
【0006】
図1は、2段トポロジー、光子検出器20、エネルギー弁別器30およびカウンタを有するフロントエンド電子回路10を備える光子計数回路を示す。入射光子が光子検出器20の直接変換材料、例えばCdTe/CZTに入射すると、光子検出器20の出力に過渡電流信号Iinが発生する。この電流は入射光子のエネルギーに比例する。次に、電流Iinは、カップリングネットワーク400によって結合される電荷感応増幅器段100および信号整形器段200を備えるフロントエンド電子回路10によって処理される。
【0007】
電荷感応増幅器段100は、演算相互コンダクタンス増幅器110、帰還コンデンサ130、および帰還抵抗140を備える。信号整形器段200は、演算相互コンダクタンス増幅器210、帰還コンデンサ230、および帰還抵抗240を備える。一般的に、帰還抵抗140および240は、直線領域にバイアスされているそれぞれのMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタによって実現される。電荷感応増幅器段100および信号整形器段200の出力のベースラインは、差動入力およびシングルエンド出力演算相互コンダクタンス増幅器として構成される、演算相互コンダクタンス増幅器110および210のそれぞれの(正の)入力端子に接続された基準電圧Vrefによって規定される。
【0008】
フロントエンド電子回路10は、信号整形器段200の出力において、入力電流Iin、ひいては全ての単一入射光子のエネルギーに比例する、整形された電圧Vout_shaperを供給する。次いで、整形器出力電圧Vout_shaperは、複数の弁別器回路30a、…、30nおよびカウンタ回路40a、…、40nによってさらに処理される。カウント数は、入射光子の数に比例する。複数の弁別器回路30a、…、30nおよびカウンタ回路40a、…、40nを有することにより、各入射光子のエネルギーレベルに関する情報が得られる。カウンタ出力は、図1に示されていないDSP(Digital・Signal・Processor)によって処理され得る。
【0009】
医療画像アプリケーションに対して、光子計数フロントエンド回路は、とりわけ、以下の重要な仕様を有する。すなわち、低電力および低ノイズ、小シリコン面積、整形出力のFWHM(半波高全幅値)に関連する高計数率、高直線性および低弾道欠損の仕様を有する。
【0010】
図1に示すように、フロントエンド電子回路の2段トポロジーは、信号整形器段200をフロントエンド電子回路10の入力における入力静電容量から切り離すが、電荷感応増幅器100がバッファとして機能するため、2段フロントエンド回路はより高いノイズと電力ペナルティを伴う。ノイズやFHWMの面で高性能が要求される場合、フロントエンド電子回路は、システムの性能安定性に悪影響を及ぼす過度の熱効果を生じる大きな電力を消費しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ノイズや速度などの他の仕様に影響を与えることなく、非常に高い計数率で動作することができ、低消費電力を実現する、電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路が求められている。さらに、高分解能および低消費電力で動作させることができる電磁放射線用センサー装置を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1には、電力消費、ノイズおよび計数率に関して著しく性能を改善する電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路が規定されている。
【0013】
電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路は、電磁放射線に感応するセンサーに結合されてセンサーからの入力信号を受信するように構成された入力ノードと、出力信号を供給する出力ノードとを備える。フロントエンド電子回路は、電荷感応増幅器段と信号整形器段とを備える。
【0014】
電荷感応増幅器段は、入力側が入力ノードに結合され、出力側が電荷感応増幅器出力信号を供給する第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器を備える。電荷感応増幅器段は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力側と出力側との間の第1帰還経路に配置されているトランジスタをさらに備える。
【0015】
信号整形器段は、入力側が第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の出力側に結合され、出力側が出力ノードに結合された第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器を備える。信号整形器段は更に、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力側と出力側との間の第2帰還経路に配置された能動帰還回路を備える。
【0016】
提案された2段アプローチは、大きく、かつ予測不能な入力静電容量がフロントエンド電子回路の入力ノードで有効である場合でも、電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路を実現することを可能にする。特に、センサー材料と信号処理ICチップがインターポーザーを介して結合されている場合、パッケージによって、大きく、かつ予測不能な入力静電容量が発生し得る。
【0017】
2段フロントエンド電子回路の第1段を形成する電荷感応増幅器段により、入力信号をバッファリングすることができる。このように、2段フロントエンド電子回路の第2段を形成する信号整形器段は、フロントエンド電子回路の入力ノードにおける入力静電容量から切り離され、入力信号、例えば入力電流パルスに応じて出力信号、例えば電圧パルスを生成する。
【0018】
能動帰還回路は、信号整形器段の第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器に対する抵抗帰還として機能する。能動帰還回路は、電荷感応増幅器段の出力側から信号整形器段の出力側を切り離すことを可能にする。
【0019】
提案されたフロントエンド電子回路2段アーキテクチャは、ノイズや速度といった他の仕様に影響を与えることなく、むしろそれらを改善しつつ、消費電力の大幅な低減を達成する。特に、提案されたフロントエンドアーキテクチャは、同じノイズに対してより低い電力消費、または同じ電力消費に対してより低いノイズを達成する。
【0020】
フロントエンド電子回路は、電荷感応増幅器段の第1帰還経路内のトランジスタを制御するための制御信号を供給する制御回路を備える。制御回路は第2トランジスタを備える。制御回路は、第2トランジスタのゲート・ソース間電圧に応じて、電荷感応増幅器段の第1帰還経路内のトランジスタを制御するための制御信号を供給するように構成される。制御回路は、PVT変動に対してトランジスタの一定の帰還抵抗を保証するように、電荷感応増幅器段の第1帰還経路のトランジスタを制御するバイアス技術を提供する。
【0021】
フロントエンド電子回路の可能な実施形態によれば、入力ノードは、光子計数アプリケーションの光子検出器として構成されるセンサーに結合されるように構成されてもよい。この場合、電子回路は、2段光子計数フロントエンドを実現することを可能にする。
【0022】
フロントエンド電子回路の可能な実施形態によれば、電荷感応増幅器段は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力側と出力側との間で電荷感応増幅器段のトランジスタに対して並列に配置されたコンデンサを備える。信号整形器段は、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力側と出力側との間で能動帰還回路に対して並列に配置された第2コンデンサを備える。
【0023】
利点として、電荷感応増幅器段のコンデンサの静電容量は、信号整形器段の第2コンデンサの静電容量よりも大きい。したがって、フロントエンド電子回路の入力ノードにおける入力静電容量が大きい場合、および/または予測不可能な場合、第1段/電荷感応増幅器段は、電荷感応増幅器段のコンデンサの比較的大きい静電容量、およびそれによる整定の遅さにより、入力静電容量を処理することができる。フロントエンド電子回路の第2段/信号整形器段は、出力信号、例えば電圧パルスの高速整形を、その第2コンデンサの比較的小さな静電容量で実行する。
【0024】
可能な実施形態によれば、フロントエンド電子回路は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の出力側と第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力側との間に配置されたカップリングネットワークを備える。カップリングネットワークは、第3トランジスタと第3のコンデンサとの並列接続を備える。制御回路は、制御回路の第2トランジスタのゲート・ソース間電圧に依存して第3トランジスタを制御するための制御信号を供給するように構成される。
【0025】
カップリングネットワークは、極/ゼロ補償回路ネットワークとして構成され、第3トランジスタは、第3のコンデンサと並列に線形領域で動作するMOS抵抗として構成することができる。
【0026】
フロントエンド電子回路のさらなる実施形態によれば、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器は、入力ノード、入力トランジスタ、および第1電流源に結合された単一入力接続を有する。入力トランジスタは、入力トランジスタを制御する入力信号に依存する第1入力制御信号を受信する単一入力接続に結合されている制御ノードを有する。第1電流源は、入力トランジスタと直列に配置される。
【0027】
第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の出力側に結合される単一入力接続を有する。第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器は、第2入力制御信号を受信する第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の単一入力接続に結合される制御ノードを有する第2入力トランジスタを備える。第2入力制御信号は、第2入力トランジスタを制御する第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の出力信号に依存する。さらに、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器は、第2入力トランジスタと直列に配置されている第2電流源を備える。
【0028】
フロントエンド電子回路の有利な一実施形態によれば、第2トランジスタは、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力トランジスタのレプリカとして構成される。電荷感応増幅器段の入出力は、温度安定でない第一の単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力トランジスタのゲート・ソース間電圧に参照される。提案された制御回路のバイアス技術は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力トランジスタのレプリカとして構成される制御回路の第2トランジスタを使用することにより、入力トランジスタのゲート・ソース間電圧に追従することを可能にする。
【0029】
フロントエンド電子回路の可能な実施形態によれば、制御回路は、第1電流路と、第1電流路に配置されている第3電流源とを備える。第2トランジスタは、ダイオード接続構成で第1電流路に配置される。第2トランジスタは、第3電流源に結合されたドレインノードを有する。
【0030】
フロントエンド電子回路の有利な一実施形態によれば、制御回路は、カップリングネットワークの第3トランジスタのレプリカである第4トランジスタを備える。制御回路は、第4トランジスタのゲート・ソース間電圧に依存して、電荷感応増幅器段の帰還経路内のトランジスタおよびカップリングネットワークの第3トランジスタを制御するための制御信号を生成するように構成される。
【0031】
第2トランジスタが第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力トランジスタのレプリカとして構成され、第4トランジスタがカップリングネットワークの第3トランジスタのレプリカとして構成される、制御回路の構成により、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力トランジスタとカップリングネットワークの第3トランジスタのそれぞれのゲート・ソース間電圧をトレースすることができる。
【0032】
このように、制御回路はレプリカ追従を実現し、これにより、電荷感応増幅器段の第1帰還経路内のトランジスタと、カップリングネットワークの第3トランジスタとが、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力トランジスタのゲート・ソース間電圧とカップリングネットワークの第3トランジスタのゲート・ソース間電圧のPVT変動に対して、それぞれ一定の抵抗で動作することが可能となる。このため、例えば、第1帰還経路内の帰還抵抗が所定の限度内に維持され、PVT変動によりフロントエンド電子回路の性能が低下することがない。
【0033】
フロントエンド電子回路の可能な実施形態によれば、制御回路は、第1電流路に結合されている第2電流路を備える。第4トランジスタは、ダイオード接続構成で第2電流路に配置される。制御回路の出力ノードは、第4トランジスタのゲートノードに接続される。
【0034】
フロントエンド電子回路の可能な実施形態によれば、制御回路は、第1電流路を第2電流路に結合するように配置されているバッファ回路を備える。第4トランジスタのソースノードは、バッファ回路の出力に接続される。第2トランジスタは、バッファ回路の入力ノードに接続されたゲートノードを有する。
【0035】
フロントエンド電子回路の別の実施形態によれば、制御回路は、第4トランジスタのゲートノードと基準電位との間の第3の電流路に配置されている第4電流源を備える。制御回路は、第4トランジスタのソースノードと供給電位との間の第2電流路に配置された、第5電流源を備える。
【0036】
この場合、バッファ回路は電流源回路に置き換えられる。利点として、性能低下を回避するために、フロントエンド電子回路のいくつかの構成要素間を整合することができる。例えば、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力トランジスタと、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の入力トランジスタと、制御回路の第2トランジスタとは、互いに整合され、および/または、第1電流源と第2電流源と第3電流源とは、互いに整合され、および/または、第1帰還経路のトランジスタによる抵抗と、カップリングネットワークの第3トランジスタによる抵抗と、制御回路の第4トランジスタによる抵抗とは、互いに整合され、および/または、電荷感応増幅器段のコンデンサの静電容量と、カップリングネットワークの第3のコンデンサの静電容量とは、互いに整合される。
【0037】
フロントエンド電子回路の可能な実施形態によれば、能動帰還回路は、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の出力側に結合された第1入力ノードと、基準電圧を受信する第2入力ノードと、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の単一入力接続に結合された出力ノードとを有する相互コンダクタンス増幅器を備える。
【0038】
能動帰還回路の相互コンダクタンス増幅器は、信号整形器段の出力側を電荷感応増幅器段の出力側から切り離すことを可能にする。さらに、能動帰還回路の相互コンダクタンス増幅器は、基準電圧を相互コンダクタンス増幅器の第2入力ノードに印加することによって、基準電圧で整形器出力のベースラインを調整することを可能にする。
【0039】
請求項14には、上述した実施形態のうち1つに係るフロントエンド電子回路を備える電磁放射線用センサー装置の実施形態が規定されている。センサー装置は、光センサーによって受信される電磁放射線に依存してフロントエンド電子回路のための入力信号を供給する、電磁放射線に感応するセンサーを備える。
【0040】
センサーは、光子感応領域を有する光子検出器センサーとして構成されてもよい。光子検出器センサーは、光子が光子感応領域に入射すると、フロントエンド電子回路のための入力信号を生成するように構成される。
【0041】
フロントエンド電子回路のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載されている。上記の概略の説明も以下の詳細な説明も、単なる例示であり、特許請求の範囲の性質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。そのため、本開示は、添付の図と組み合わせた、以下の詳細な説明により、より完全に理解されるであろう。
図1図1は、光子計数アプリケーション用2段フロントエンド電子回路の構造図を示す。
図2図2は、電荷感応増幅器段および信号整形器段にそれぞれの単一入力演算相互コンダクタンス増幅器を使用する2段方式によるフロントエンド電子回路の一実施形態を示す。
図3図3は、電荷感応増幅器の帰還経路のトランジスタと、電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路のカップリングネットワークのトランジスタとを制御する制御回路の一実施形態を示す。
図4図4は、電荷感応増幅器段の帰還経路のトランジスタと、電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路のカップリングネットワークのトランジスタとを制御する制御回路の別の実施形態を示す。
図5図5は、フロントエンド電子回路の2段階アプローチを備える電磁放射線用センサー装置の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図2は、電磁放射線センサーアプリケーション、すなわち、光子計数アプリケーションなどの光放射またはX線放射に感応するセンサーアプリケーションに使用され得るフロントエンド電子回路10の2段階アプローチを示す。フロントエンド電子回路10は、光子検出器センサー20または光センサー50に結合されるように構成された入力ノードI10を備える。電子回路10は、基本的に、X線撮像またはスペクトルCT(コンピュータ断層撮影)のような光子計数アプリケーション用フロントエンド電子回路として使用することができる。
【0044】
フロントエンド電子回路10は電荷感応増幅器段100および信号整形器段200を備える。信号整形器段200は、入力電流信号Iinが入力ノードI10において受信されたときに、フロントエンド電子回路10の出力ノードO10において出力信号Vout_shaperを供給する。
【0045】
フロントエンド電子回路10は、第1段を形成する電荷感応増幅器段100と、第2段を形成する信号整形器段200とによる2段アプローチとして実現される。2段式のアーキテクチャによるアプローチは、入力ノードI10における、大きく、かつばらつきのある入力静電容量に対して、有利に使用することができる。大きく、かつ予測不能な入力静電容量は、例えば、光/X線変換用のセンサー材料と処理用ICチップとの間の接続を有するセンサー装置の組立体においてインターポーザーが使用される場合に発生する。図2に示される2段トポロジーは、入力静電容量と信号整形器段200との間のバッファとして機能する電荷感応増幅器段100によって、信号整形器段200を入力静電容量から切り離すことを可能にする。
【0046】
1段アプローチと比較して、2段トポロジーは、回路部品数がより多いため、より高いノイズと電力ペナルティを伴う。本提案の手法によれば、フロントエンド電子回路10は単一入力および単一出力フロントエンドとして構成される。特に、電荷感応増幅器段100は、第1単一入力単一出力演算相互コンダクタンス増幅器110を備え、信号整形器段200は、第2単一入力単一出力演算相互コンダクタンス増幅器210を備える。
【0047】
第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110は、入力ノードI10に結合される入力側と、電荷感応増幅器出力信号Vout_csaを提供する出力側とを有する。静電放電回路500が、入力ノードI10と演算相互コンダクタンス増幅器110の入力側との間に任意に配置されてもよい。第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の出力側に結合された入力側と、フロントエンド電子回路の出力ノードO10に結合された出力側とを有する。
【0048】
それぞれの差動増幅器を使用する代わりに、電荷感応増幅器段100および信号整形器段200に対してそれぞれの単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110を設けることで、理想的にはノイズ電力が4分の1に低減する。
【0049】
図2を参照すると、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110は、入力制御信号Iin_csaを印加するための単一入力接続I110を有する。単一入力接続I110は、入力ノードI10に結合される。第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210は、入力制御信号Iin_shaperを受信するための単一入力接続I210を有する。単一入力接続I210は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の出力側に結合される。
【0050】
電荷感応増幅器段100および信号整形器段200は、図2において、シンボルとして簡略化された形で示されており、それぞれの単一入力トランジスタおよびDC電流源のみが示されている。第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110は、入力トランジスタ111を制御する入力信号Iinに依存する第1入力制御信号Iin_csaを受信する単一入力接続I110に結合される制御ノードを有する入力トランジスタ111を備える。第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110は、入力トランジスタ111と直列配置された第1電流源112をさらに備える。可能な実施形態によれば、第1電流源112は、電流源の高周波ノイズの一部を除去するために、そのゲートに埋め込みRCフィルタを設けることができる。
【0051】
第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210は、第2入力トランジスタ211を制御する第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の出力信号Vout_csaに依存する第2入力制御信号Iin_shaperを受信する単一入力接続I210に結合される制御ノードを有する第2入力トランジスタ211を備える。第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210は、第2入力トランジスタ211と直列配置された第2電流源212をさらに備える。
【0052】
上記のように、電荷感応増幅器段と信号整形器段に、それぞれの差動対の代わりに、単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110および210を使用することにより、同じノイズに対して4倍の電力低減が可能となる。単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110および210の電力低減は、差動相互コンダクタンス増幅器内の差動トランジスタ一対のテール電流が、単一入力演算相互コンダクタンス増幅器に対して分割されないことにより、トランジスタ内のバイアス電流を効果的に2倍にするということに起因する。
【0053】
さらに、差動増幅器に設けられる第2分岐を省略することで、ノイズをさらに2分の1に分割する非相関ノイズ源が1つ取り除かれる。あるいは、同じノイズ電力に対して、電力を4分の1に低減することができる。
【0054】
電荷感応増幅器段100は、第1帰還経路101において第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の入力側と出力側との間に配置されているトランジスタ120を備える。電荷感応増幅器段100は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の入力側と出力側との間でトランジスタ120に対して並列に配置されたコンデンサ130をさらに備える。単一入力単一出力演算相互コンダクタンス増幅器110は、負帰還構成で提供される。負帰還は、積分コンデンサ130と並列な線形領域で動作しているMOS抵抗として機能するトランジスタ120を備える。
【0055】
信号整形器段200は、整形器段200の第2帰還経路201において第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の入力側と出力側との間に配置された能動帰還回路220を備える。能動帰還回路220は、増幅器として構成することができる。信号整形器段200は、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の入力側と出力側との間で能動帰還回路220に対して並列に配置された第2コンデンサ230を更に備える。
【0056】
単一入力単一出力演算相互コンダクタンス増幅器210は、負帰還構成で動作する。信号整形器段200の負帰還は、積分コンデンサ230と並列の能動帰還回路220を備える。能動帰還回路220は、信号整形器段200の第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210に対する抵抗帰還として機能する能動帰還増幅器として実施することができる。
【0057】
能動帰還回路220は、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の出力側に結合されている第1入力ノードI220aと、基準電圧Vrefを受信するための第2入力ノードI220bとを有する相互コンダクタンス増幅器として構成することができる。能動帰還回路220は、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の単一入力接続I210に結合された出力ノードO220を有する。
【0058】
能動帰還回路220は、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の出力側に結合されたその入力ノードI220aと、基準電圧Vrefを受信するように配置されているその第2入力ノードI220bとを有し、信号整形器段200の出力のベースラインを調節することを可能にする。特に、そのベースライン出力が基準電圧Vrefである、単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の実現は、その第2入力ノードI220b、例えば、その負端子、を参照電圧Vrefで接続された、能動帰還回路220を利用することで可能になる。
【0059】
さらに、能動帰還回路220は、単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110を使用する際に入力トランジスタ111のゲート・ソース間電圧に接続される、電荷感応増幅器段100の出力側から信号整形器段200の出力を切り離す。したがって、信号整形器段200の出力は、計数率の安定性にとって重要な温度安定電圧Vrefに保つことができる。
【0060】
整形器段200の第2帰還経路201内に配置されている能動帰還回路220の提案されたアプローチは、整形器の入力から、ひいては電荷感応増幅器100の出力から、整形器200の出力を切り離すことによって、Vrefで整形器出力のベースラインを駆動するとともに、信号整形器段の速度を改善する。したがって、能動帰還は、電荷感応増幅器および整形器における単一入力相互コンダクタのゲート・ソース間電圧に依存しないVrefで安定した整形器ベースラインを得るために重要である。
【0061】
さらに、能動帰還回路220内の非線形性を意図的に導入して、パルス幅を減少させてFWHMを改善する非線形帰還抵抗(1/gm)を実現することができる。
【0062】
有利な一実施形態によれば、コンデンサ130の静電容量は、コンデンサ230の静電容量よりも大きい。入力ノードI10において大きな入力静電容量を想定した場合、コンデンサ130の大きな静電容量により、磁極を補償するだけでなく、ゼロ極をより低い周波数に移動させることが可能になる。したがって、第1段100は入力を「バッファ」し、第2段200の入力静電容量はより小さい、既知の、予測可能かつ制御可能な内部のものとなる。コンデンサ230の静電容量が小さいため、時定数が小さくなり、計数率がより高くなる。
【0063】
図2を参照すると、フロントエンド電子回路10は、極/ゼロ補償ネットワークとして構成されたカップリングネットワーク400を備える。カップリングネットワーク400は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の出力側と第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の入力側との間に配置される。カップリングネットワーク400は、線形領域で動作するMOS抵抗として機能するトランジスタ410と、トランジスタ410と並列に配置されたコンデンサ420との並列接続を備える。
【0064】
フロントエンド電子回路10は、少なくともトランジスタ120を制御する制御信号Vbiasを供給する制御回路300を備える。図3および図4は、制御回路300の異なる実施形態を示す。制御回路300は、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器100の入力トランジスタ111のレプリカとして構成されるトランジスタ310を備える。制御回路300は、トランジスタ310のゲート・ソース間電圧に依存して制御信号Vbiasを供給するように構成される。さらに、制御回路300は、トランジスタ310のゲート・ソース間電圧に応じて、カップリングネットワーク400のトランジスタ410を制御する制御信号Vbiasを供給するように構成されてもよい。
【0065】
単一入力アプローチでは、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の出力信号Vout_csaはPVTに対して変化するため、トランジスタ120および410のMOS抵抗に大きな変動が生じる。この課題を解決するために、静的制御回路として構成され得る制御回路300が提供され、これにより、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器100の入力における入力トランジスタ111のPVTに追従するレプリカバイアスが可能となる。
【0066】
図3および図4を参照すると、制御回路300は、カップリングネットワーク400のトランジスタ410のレプリカとして構成されるトランジスタ330を備える。制御回路300は、トランジスタ310のゲート・ソース間電圧と、トランジスタ330のゲート・ソース間電圧とに依存して、制御信号Vbiasを生成するように構成される。
【0067】
電荷感応増幅器段100の入力および出力は、温度安定性のない入力トランジスタ111のゲート・ソース間電圧に参照される。制御回路300は、電荷感応増幅器段100の出力に追従し、パルスイベント中、プロセスや不一致に応じてトランジスタ/MOS抵抗器120の抵抗およびトランジスタ/MOS抵抗器410の抵抗を調整することを可能にする。これにより、帰還抵抗が所定の限度内に維持され、フロントエンド電子回路10の性能が低下しない。
【0068】
このように、制御回路300は、入力トランジスタ111のレプリカとして構成されるトランジスタ310を使用し、入力トランジスタ111のゲート・ソース間電圧に追従することによって、レプリカ追従バイアスを提供する。さらに、制御回路300は、トランジスタ410のレプリカとして構成されるトランジスタ330を使用して、トランジスタ410のゲート・ソース間電圧に追従することを可能にする。レプリカトランジスタ310および330のサイズおよびバイアス電流は、入力トランジスタ111およびトランジスタ410のそれぞれの割合となる。入力トランジスタ111およびトランジスタ410のそれぞれのゲート・ソース間電圧の追従によって、電流バイアス変動だけでなくVth変動にも追従することができる。制御回路300によって導入されるバイアス技術は、PVT変動に対して、カップリングネットワークの電荷感応増幅器100のトランジスタ120およびトランジスタ410の帰還MOS抵抗を一定にすることを保証する。
【0069】
信号整形器段200の入力は、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の入力トランジスタ211のゲート・ソース間電圧にも参照され、MOS抵抗が帰還経路201内の帰還素子として使用される場合には、出力は、入力トランジスタ211のゲート・ソース間電圧にも参照される。その結果、計数率が著しく不安定になる。
【0070】
信号整形器段200に対する提案されたアプローチによれば、能動帰還回路220は、単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の入力トランジスタ211のゲート・ソース間電圧のPVT変動から信号整形器段200の出力を切り離すことを可能にする。
【0071】
図3および図4に示す制御回路300の実施形態を参照すると、制御回路300は、電流路301と、電流路301に配置された電流源320とを備える。トランジスタ310は、ダイオード接続構成で第1電流路301に配置される。トランジスタ310は、互いに接続されたゲートノードおよびドレインノードを有する。トランジスタ310のドレインノードは、電流源320に結合される。すなわち、トランジスタ310のドレインノードは、電流源320に直接的または間接的に接続される。図3は、トランジスタ310が電流源320に直接接続される構成を示す。別の可能な実施形態によれば、カスコードトランジスタをトランジスタ310と電流源320との間に設けてもよい。
【0072】
制御回路300は、電流路301に結合された電流路302を備える。トランジスタ330は、ダイオード接続構成で電流路302に配置される。制御回路300は、トランジスタ330と基準電位VSSとの間の電流路302に配置された電流源340を備える。
【0073】
制御信号Vbiasを供給する制御回路300の出力ノードO300は、トランジスタ330のゲートノードに接続される。制御回路300の出力ノードO300において提供される制御信号Vbiasは、カップリングネットワーク400のトランジスタ410および電荷感応増幅器段100のトランジスタ110の制御ノード/ゲートをバイアスするために使用される。このように、制御回路300は、電荷感応増幅器段100のトランジスタ/MOS抵抗器110のそれぞれの抵抗、およびカップリングネットワーク400のトランジスタ410/MOS抵抗器の抵抗の劣化を回避するために、レプリカ・トラッキングを使用して制御信号Vbiasを供給する。
【0074】
図3に示す制御回路300の実施形態を参照すると、制御回路は、電流路301を電流路302に結合するように配置されているバッファ回路360を備える。第2トランジスタ310のゲートノードは、バッファ回路360の入力ノードに接続される。トランジスタ330のソースノードは、バッファ回路360の出力に接続される。
【0075】
バッファ回路360は、電流路301の出力電圧Vtrackがバッファされ、電流路302のトランジスタ330をバイアスするために使用されることを可能にする。トランジスタ330を流れる電流は、電流源340によって提供される電流によって定義される。電流源340によって生成される電流は、帰還経路101内のトランジスタ/MOS抵抗器110の抵抗の温度ドリフトを解消するために、絶対温度(PTAT)に比例するものとして選択することができる。
【0076】
図4に示す制御回路300の第2実施形態は、図3に示す制御回路300の実施形態に類似しているが、バッファ増幅器360が追加の電流源350と置き換えられている。電流源350は、トランジスタ330のソースノードと供給電位VDDとの間の電流路302に配置される。電流源340および350は、両方の電流源が、ダイオードとして動作するトランジスタ330が負荷されないように、電流路302において同じ電流を提供するように設計される。
【0077】
利点として、複数の構成要素間で整合するフロントエンド電子回路のアーキテクチャを、性能低下を回避するために設けることができる。可能な実施形態によれば、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の入力トランジスタ111と、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の入力トランジスタ211と、制御回路300のトランジスタ310とは、互いに整合される。さらに、第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器110の第1電流源112と、第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器210の第2電流源212と、制御回路300の電流源320とを、互いに整合させることができる。さらに、トランジスタ/MOS抵抗120による抵抗と、トランジスタ/MOS抵抗410による抵抗と、トランジスタ/MOS抵抗330による抵抗とを、互いに整合させることができる。さらに、コンデンサ130の静電容量とコンデンサ420の静電容量とを互いに整合させることができる。
【0078】
図5は、X線またはCT装置のような光子計数センサー装置2等の、電磁放射線用センサー装置1におけるフロントエンド電子回路10の可能なアプリケーションを示す。
【0079】
電磁放射線に感応するセンサー装置1のフロントエンドとして使用される場合、電子回路10は、その入力ノードI10が、電磁放射線に感応するセンサー20、50に接続され、センサー20、50によって受信される電磁放射線に依存する入力信号Iinを供給するようにしてもよい。電磁放射線は、光放射線またはX線放射線であってもよい。センサーは、光スペクトルに感応する光センサー、またはX線スペクトルに感応するX線センサーとして構成されてもよい。X線アプリケーション、例えば光子計数センサー装置においてフロントエンドとして使用される場合、電子回路10は、その入力ノードI10が、光子感応エリアを有する光子検出器センサー20と結合される。光子検出器センサー20は、光子が光子感応領域に入射すると、入力信号Iin、例えば入力電流パルスを生成するように構成されている。
【0080】
エネルギー弁別器30がフロントエンド電子回路10の出力ノードO10に接続されている。フロントエンド電子回路10は、入力信号Iinが入力ノードI10に印加されると、出力ノードO10において出力信号Vout_shaperを生成するように構成される。エネルギー弁別器30がフロントエンド電子回路の出力ノードO10に接続されており、出力信号Vout_shaperのレベルに応じてデジタル信号を生成する。次いで、弁別器30の出力に結合されているカウンタ40の値が、出力信号Vout_shaperのエネルギーレベルに応じて設定される。
【0081】
フロントエンド電子回路の提案されたアプローチは、電磁放射線用センサー装置、例えば、光子計数センサー装置に使用される2段フロントエンドアーキテクチャにおける省電力対策のアプリケーションである。フロントエンド電子回路は、それぞれの単一入力演算相互コンダクタンス増幅器を、制御回路300によるレプリカ追従バイアスの導入により可能となる、トランジスタ/MOS抵抗帰還を備えた信号整形器段および電荷感応増幅器段に利用する。能動帰還回路/増幅器は、信号整形器段の出力のベースラインを調節するために、整形器帰還抵抗に代わり、基準電圧vrefに追従する信号整形器段の帰還経路に設けられている。アーキテクチャ全体の範囲におけるこれらの手段の組み合わせは、フロントエンド回路の性能、ひいてはフロントエンド回路を備える装置の性能を、計数率の安定性を大きく損なうことなく改善する。
【0082】
本明細書で開示されるフロントエンド電子回路の実施形態は、フロントエンド回路の設計の新規な態様を読者に周知させる目的で説明されてきた。好ましい実施形態が示され、説明したが、開示された概念の多くの変更、修正、等価物および置換は、特許請求の範囲から不必要に逸脱することなく、当業者によって行われ得る。
【0083】
特に、フロントエンド電子回路の設計は、開示された実施形態に限定されず、上記実施形態に含まれる特徴について種々の代替案を例示する。しかしながら、開示された概念のいかなる変更、等価物、および代替物も、本明細書に添付される特許請求の範囲内に含まれ得る。
【0084】
別々の従属請求項に記載された特徴は、有利に組み合わせることができる。さらに、特許請求の範囲において使用される参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるように限定されない。
【0085】
さらに、本明細書で使用される場合、用語「備える」は、他の要素を排除するものではない。加えて、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、1つまたは2つ以上の成分または要素を含むことを意図しており、1つのみを意味するものとして解釈されるように限定されない。
【0086】
本特許出願は、ドイツ特許出願第102021108710.4号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【符号の説明】
【0087】
1 電磁放射線用センサー装置
2 光子計数センサー装置
10 フロントエンド電子回路
20 光子検出器センサー
30 エネルギー弁別器
40 カウンタ回路
50 光センサー
100 電荷感応増幅器段
110 単一入力演算相互コンダクタンス増幅器
120 トランジスタ
130 コンデンサ
200 信号整形器段
210 単一入力演算相互コンダクタンス増幅器
220 能動帰還回路
230 コンデンサ
300 制御回路
310,330 トランジスタ
320,340,350 電流源
360 バッファ回路
400 カップリングネットワーク
410 トランジスタ
420 コンデンサ
500 静電放電回路
111,211 入力トランジスタ
112,212 電流源
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路であって、
電磁放射線に感応するセンサーに結合され、前記センサーから入力信号(Iin)を受信するように構成される入力ノード(I10)と、
出力信号(Vout_shaper)を供給する出力ノード(O10)と、
前記入力ノード(I10)に結合された入力側および電荷感応増幅器出力信号(Vout_csa)を供給する出力側を有する第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)と、前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の入力側と出力側との間の第1帰還経路(101)に配置されたトランジスタ(120)とを備える、電荷感応増幅器段(100)と、
前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の出力側に結合された入力側および前記出力ノード(O10)に結合された出力側を有する第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)と、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の入力側と出力側との間の第2帰還経路(201)に配置された能動帰還回路(220)とを備える、信号整形器段(200)と、
第2トランジスタ(310)を備え、前記第2トランジスタ(310)のゲート・ソース間電圧に依存して前記トランジスタ(120)を制御する制御信号(Vbias)を供給するように構成される制御回路(300)と、
を備える、電磁放射線センサーアプリケーション用フロントエンド電子回路。
【請求項2】
前記入力ノード(I10)は、光子計数アプリケーションの光子検出器として構成される前記センサーに結合されるように構成される、
請求項1に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項3】
前記電荷感応増幅器段(100)は、前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の入力側と出力側との間で前記トランジスタ(120)に並列に配置されたコンデンサ(130)を備え、
前記信号整形器段(200)は、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の入力側と出力側との間で前記能動帰還回路(220)に並列に配置された第2コンデンサ(230)を備える、
請求項1に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項4】
前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の出力側と前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の入力側との間に配置されたカップリングネットワーク(400)を備え、
前記カップリングネットワーク(400)は、第3トランジスタ(410)と第3のコンデンサ(420)との並列接続を備え、
前記制御回路(300)は、前記第2トランジスタ(310)のゲート・ソース間電圧に依存して前記第3トランジスタ(410)を制御する前記制御信号(Vbias)を供給するように構成される、
請求項3に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項5】
前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)は、前記入力ノード(I10)に結合された単一入力接続(I110)と、入力トランジスタ(111)を制御する前記入力信号(Iin)に依存する第1入力制御信号(Iin_csa)を受信する前記単一入力接続(I110)に結合された制御ノードを有する前記入力トランジスタ(111)と、前記入力トランジスタ(111)と直列に配置された第1電流源(112)とを有し、
前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)は、前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の出力側に結合された単一入力接続(I210)と、第2入力トランジスタ(211)を制御する第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の出力信号(Vout_csa)に依存する第2入力制御信号(Iin_shaper)を受信する前記単一入力接続(I210)に結合された制御ノードを有する前記第2入力トランジスタ(211)と、第2入力トランジスタ(211)と直列に配置された第2電流源(212)と、を有する、
請求項1に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項6】
前記第2トランジスタ(310)は、前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器の前記入力トランジスタ(111)のレプリカとして構成される、
請求項5に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項7】
前記制御回路(300)は、第1電流路(301)と、前記第1電流路(301)に配置された第3電流源(320)とを備え、
前記第2トランジスタ(310)は、ダイオード接続構成で前記第1電流路(301)に配置され、
前記第2トランジスタ(310)は、前記第3電流源(320)に接続されるドレインノードを有する、
請求項6に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項8】
前記制御回路(300)は、第3トランジスタ(410)のレプリカとして構成される第4トランジスタ(330)を備え、
前記制御回路(300)は、前記第4トランジスタ(330)のゲート・ソース間電圧に応じて前記制御信号(Vbias)を生成するように構成される、
請求項6に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項9】
前記制御回路(300)は、第1電流路(301)に結合された第2電流路(302)を備え、
前記第4トランジスタ(330)は、ダイオード接続構成で前記第2電流路(302)に配置され、
前記制御回路(300)の出力ノード(O300)は、前記第4トランジスタ(330)のゲートノードに接続され、
前記制御回路(300)は、前記第4トランジスタ(330)と基準電位(VSS)との間の前記第2電流路(302)に配置された第4電流源(340)を備える、
請求項8に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項10】
前記制御回路(300)は、前記第1電流路(301)を前記第2電流路(302)に結合するように配置されたバッファ回路(360)を備え、
前記第4トランジスタ(330)のソースノードは、前記バッファ回路(360)の出力に接続され、
前記第2トランジスタ(310)は、前記バッファ回路(360)の入力ノードに接続されたゲートノードを有する、
請求項9に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項11】
前記制御回路(300)は、前記第4トランジスタ(330)のソースノードと供給電位(VDD)との間の前記第2電流路(302)に配置された第5電流源(350)を備える、
請求項9に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項12】
前記第1単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(110)の入力トランジスタ(111)と、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の前記入力トランジスタ(211)と、前記制御回路(300)の前記第2トランジスタ(310)とは、互いに整合され、および/または
第1電流源(112)と、第2電流源(212)と、第3電流源(320)とは、互いに整合され、および/または
前記トランジスタ(120)による抵抗と、第3トランジスタ(410)による抵抗と、第4トランジスタ(330)による抵抗とは、互いに整合され、および/または
コンデンサ(130)の静電容量と第3のコンデンサ(420)の静電容量とは互いに整合される、
請求項1に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項13】
前記能動帰還回路(220)は、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の前記出力側に結合された第1入力ノード(I220a)と、基準電圧(Vref)を受信する第2入力ノード(I220b)と、前記第2単一入力演算相互コンダクタンス増幅器(210)の単一入力接続(I210)に結合された出力ノード(O220)とを有する相互コンダクタンス増幅器を備える、
請求項1に記載のフロントエンド電子回路。
【請求項14】
電磁放射線用センサー装置であって、
請求項1に記載のフロントエンド電子回路(10)と、
センサー(20、50)によって受信される電磁放射線に依存して前記フロントエンド電子回路(10)のための前記入力信号(Iin)を供給する、電磁放射線に感応する前記センサー(20、50)と、
を備える、電磁放射線用センサー装置。
【請求項15】
前記センサー(20、50)は、光子感応領域を有する光子検出器センサー(20)として構成され、前記光子検出器センサー(20)は、光子が前記光子感応領域に入射すると、前記フロントエンド電子回路(10)のための前記入力信号(Iin)を生成するように構成されている、
請求項14に記載のセンサー装置。
【国際調査報告】