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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】クロスフロー型伝熱装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
H05K7/20 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557290
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 FI2022050171
(87)【国際公開番号】W WO2022214734
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】20217064
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523353340
【氏名又は名称】クオリ オーユー
【氏名又は名称原語表記】KUORI OY
【住所又は居所原語表記】Nihtisillantie 3 02630 Espoo Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ヨケライネン ヤルッコ
(72)【発明者】
【氏名】ユ ホイヤン
(72)【発明者】
【氏名】ルジャンドル ダニエル
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA11
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA04
5E322BA05
5E322BB03
(57)【要約】
電子ディスプレイ(102)と集積回路チャンバ(104,308)とを有する複合構造のためのクロスフロー型伝熱装置(100,200,300)。電子ディスプレイと集積回路チャンバとの間に外部ヒートシンク(106,206,310,402)を備える。該外部ヒートシンクは、複数の垂直方向フィン(108,204,312,404)を備え、電子ディスプレイと集積回路チャンバとの間のクロスフロー熱伝達機構を仲介する。このクロスフロー熱伝達機構は、集積回路チャンバに組み合わされた内部ヒートシンク(114,304)に関連付けられる一組の内部ファン(112,304)によって駆動される内気流(110,302,402)と、温度勾配に基づき、外部ヒートシンクの垂直方向フィンによって推進される外気流(116,202,406)とを有する。内気流は、電子ディスプレイから集積回路チャンバの方へ横方向に向けられる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ディスプレイと集積回路チャンバとを有する複合構造のためのクロスフロー型伝熱装置であって、
前記電子ディスプレイと前記集積回路チャンバとの間に配置されるように構成される外部ヒートシンクであって、複数の垂直方向フィンを備え、前記電子ディスプレイと前記集積回路チャンバとの間のクロスフロー熱伝達機構を仲介するように構成される外部ヒートシンクを備え、前記クロスフロー熱伝達機構は、
前記集積回路チャンバに組み合わされた内部ヒートシンクに関連付けられる一組の内部ファンによって駆動される内気流であって、前記電子ディスプレイから前記集積回路チャンバの方へ横方向に向けられる内気流と、
温度勾配に基づき、前記外部ヒートシンクの前記複数の垂直方向フィンによって推進される外気流と、
を備える、クロスフロー型伝熱装置。
【請求項2】
前記外部ヒートシンクが前記電子ディスプレイの裏面金属板に直接接触している、請求項1に記載のクロスフロー型伝熱装置。
【請求項3】
前記内気流と外気流とが垂直である、請求項1又は2に記載のクロスフロー型伝熱装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3のいずれかに記載のクロスフロー型伝熱装置であって、該装置の前記内気流をその外部環境から隔離するための外部シェル保護部を備える、クロスフロー型伝熱装置。
【請求項5】
前記集積回路チャンバは、極低温において、前記集積回路チャンバの内部温度を動作可能な範囲に維持するために必要な量の熱エネルギーを注入するように構成された発熱素子を備え、前記熱エネルギーは、対流によって、前記電子ディスプレイの方へ横方向に向けられる、請求項1から4のいずれかに記載のクロスフロー型伝熱装置。
【請求項6】
前記集積回路チャンバは第1の組の空洞を有し、前記第1の組の空洞は、第1の端部に入口コーン部を有すると共に第2の端部に出口コーン部を有し、
前記電子ディスプレイは、第2の組の空洞を有する金属ケーシング内に配される、前記第2の組の空洞は、前記第1の組の空洞に対応して、第1の端部に入口コーン部を有すると共に第2の端部に出口コーン部を有し、前記内気流がこれらを通過することを可能にする、
請求項1から5のいずれかに記載のクロスフロー型伝熱装置。
【請求項7】
前記第1の組の空洞は、前記第2の端部の出口コーン部とは異なる形状の入口コーン部を有する、請求項6に記載のクロスフロー型伝熱装置。
【請求項8】
前記第2の組の空洞は、出口コーン部とは異なる形状の入口コーン部を有する、請求項6又は7に記載のクロスフロー型伝熱装置。
【請求項9】
前記第1の組の空洞及び前記第2の組の空洞はそれぞれベンチュリーチューブで埋められており、該ベンチュリーチューブは、出口コーンとは異なる形状の入口コーンを有する、請求項6から8のいずれかに記載のクロスフロー型伝熱装置。
【請求項10】
前記横方向の内気流は、前記電子ディスプレイと前記集積回路チャンバとの間の閉じたループ内で発生し、該横方向の内気流は、前記閉じたループ内で前記第1の組の空洞と前記第2の組の空洞とを通過する、請求項6から9のいずれかに記載のクロスフロー型伝熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示事項(以下、本開示という)は、一般に熱伝達システムに関し、より具体的には、電子ディスプレイと集積回路チャンバとを有する複合構造のためのクロスフロー型伝熱装置に関する。
【背景】
【0002】
ディスプレイ画面や集積回路を冷却するための熱伝達システムでは、一般に対流と伝導が使用される。例えば、冷却ファン、強い風速、ヒートシンクの表面積が、周囲との熱伝達のために使用される。今日、技術が進化し、スクリーンの面積あたりの価格が低下するにつれて、家庭用及び産業用の両方で、より大きなスクリーンサイズの需要が増加している。特に、開放型の対流素子及び/又は導電素子の単純な構成が使用されており、比較的温和な屋外環境では満足できることが証明されている。しかし、前述の構成は、多くの用途で500W/m2のオーダーの実効加熱率を提供することができる直達日射のような過酷な環境に耐えることができない。また、高輝度レベルで機能するディスプレイ画面に直接熱が加わると、装置の性能が低下する可能性がある。さらに、熱帯や砂漠のような気候の自然な高温も、ディスプレイ画面の温度を上昇させ、それによって装置の性能を低下させる。
【0003】
屋外の温度スペクトルの反対側には低温や暗い環境があり、そのような環境では、ユーザーの目に快適さを提供するために低い輝度が一般的に使用され、ディスプレイには低い熱しか発生させない。この場合も他の制限が発生する可能性があり、やはり効率的な熱伝達機構は必要である。例えば、デバイスはガラスの収縮によるクラックや、ディスプレイの内部応力を発生させる内部ディスプレイ流体の凍結による不具合に見舞われる可能性があり、これらの低温による誤動作が発生する可能性がある。したがって、高温と低温の両方の極限状態でもどちらでも機能する熱伝達機構の必要性は、取り組むべき興味深い課題である。
【0004】
注意すべきは、埃の問題はフィルターを使用することで対処できるため、さらなるメンテナンスステップ(フィルターの清掃又は交換)が必要となることである。また、埃や浮遊粒子の濃度が高い場所では、装置の費用対効果が低くなる。
【0005】
従って、前述の議論に照らして、従来の熱伝達システムに伴う前述の欠点を克服する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、電子ディスプレイと集積回路チャンバとを有する複合構造のためのクロスフロー型伝熱装置を提供しようとするものである。本開示は、熱伝達機構に関する既存の問題に対する解決策を提供しようとするものである。本開示の目的は、従来技術で遭遇した問題を少なくとも部分的に克服し、効率的で堅牢な熱伝達システムを提供する解決策を提供することである。
【0007】
ある捉え方において、本開示の実施形態は、電子ディスプレイと集積回路チャンバとを有する複合構造のためのクロスフロー型伝熱装置を提供する。この装置は、
前記電子ディスプレイと前記集積回路チャンバとの間に配置されるように構成される外部ヒートシンクであって、複数の垂直方向フィンを備え、前記電子ディスプレイと前記集積回路チャンバとの間のクロスフロー熱伝達機構を仲介するように構成される外部ヒートシンクを備え、前記クロスフロー熱伝達機構は、
前記集積回路チャンバに組み合わされた内部ヒートシンクに関連付けられる一組の内部ファンによって駆動される内気流であって、前記電子ディスプレイから前記集積回路チャンバの方へ横方向に向けられる内気流と、
温度勾配に基づき、前記外部ヒートシンクの前記複数の垂直方向フィンによって推進される外気流と、
を備える。
【0008】
本開示の実施形態は、従来技術における前述の問題を実質的に解消するか、又は少なくとも部分的に解決し、クロスフロー熱伝達機構を通じて電子ディスプレイの効果的な温度制御を可能にする。有益なことに、開示されたクロスフロー型伝熱装置は密封式であり、厳しい条件下であっても効率的なクロスフロー熱伝達機構(効果的な加熱及び冷却)を提供する。さらに、開示されたクロスフロー型伝熱装置は、極低温環境においてデバイスの内部温度を動作可能な範囲に維持するための熱エネルギーを供給する発熱要素を備えて構成されている。
【0009】
本願に開示されるものの更なる側面や利点、特徴及び目的は、添付の特許請求の範囲と共に解釈される、添付図面及び例示的実施形態の詳細説明によって明らかにされよう。
【0010】
当然ながら、本願に開示されるものの特徴は、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本願の開示の範囲から逸脱することなく様々に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
前述した概要と以下の例示的実施形態の詳細説明は、添付の図面と合わせて読むことでより理解されることになる。本願に開示されるものを説明する目的で、本願に開示されるもの(以下、本開示という)の例示的構成を図面に示す。ただし、本開示はここで記載される特定の方法及び手段に限定されるものではない。また、当業者であれば、図面は正確な縮尺率で描かれていないことも理解されよう。同じ構成要素は可能な限り同一番号で示すようにした。
以下、本開示の実施形態を、一例として次の図面を参照しながら説明する。
図1A】本開示のある実施形態に従うクロスフロー型伝熱装置の分解図である。
図1B】本開示のある実施形態に従うクロスフロー型伝熱装置の概略図である。
図1C】本開示のある実施形態に従うクロスフロー型伝熱装置の断面図である。
図2A】本開示のある実施形態に従うクロスフロー型伝熱装置の透視図である。外気流が描かれている。
図2B】本開示のある実施形態に従うクロスフロー型伝熱装置の断面図である。外気流が描かれている。
図3】本開示のある実施形態に従うクロスフロー型伝熱装置の断面図である。内気流が描かれている。
図4】本開示のある実施形態に従うベンチュリーチューブの断面図である。
図5図5A及び図5Bは、本開示の様々な実施形態に従う、空洞の第1のセット及び空洞の第2のセットの入口コーン及び出口コーンの様々な組み合わせを示す表である。
【実施形態の詳細説明】
【0012】
次に、本願の開示事項の例示的実施形態とそれを実装し得る方法を詳述していく。本願の開示事項を実装する幾つかの方法が説明されているが、本願の開示事項を実装又は実施する他の実施形態も可能であることは、当業者には理解されよう。
【0013】
ある捉え方において、本開示の実施形態は、電子ディスプレイと集積回路チャンバとを有する複合構造のためのクロスフロー型伝熱装置を提供する。この装置は、
前記電子ディスプレイと前記集積回路チャンバとの間に配置されるように構成される外部ヒートシンクであって、複数の垂直方向フィンを備え、前記電子ディスプレイと前記集積回路チャンバとの間のクロスフロー熱伝達機構を仲介するように構成される外部ヒートシンクを備え、前記クロスフロー熱伝達機構は、
前記集積回路チャンバに組み合わされた内部ヒートシンクに関連付けられる一組の内部ファンによって駆動される内気流であって、前記電子ディスプレイから前記集積回路チャンバの方へ横方向に向けられる内気流と、
温度勾配に基づき、前記外部ヒートシンクの前記複数の垂直方向フィンによって推進される外気流と、
を備える。
【0014】
本開示は、電子ディスプレイと集積回路チャンバとの間の効率的かつ迅速な熱放散のために構成された前述のクロスフロー型伝熱装置を提供する。有益なことに、内部ヒートシンクと外部ヒートシンクの組み合わせが、内部ファンを使用して集積回路チャンバと電子ディスプレイとの間の熱を効果的に調整するために使用され、それにより、本装置は、高温と直射日光が共に作用するような極端な環境での使用に適しており、更に、極低温時での使用にも適している。この点で、開示された装置は、電子ディスプレイの前面に内気流を採用しており、内部気体チャンバの透明性によりユーザーの視界を妨げないだけでなく、電子ディスプレイの背面に配置された直接熱伝導要素を使用して、電子ディスプレイの内部状態と外部の自然発生気流との間の熱伝達ブリッジとして機能する。さらに、開示された装置は、環境に漏れる可能性のある冷媒や加圧配管要素を含む冷却サイクルの使用を回避し、それによって装置を環境に優しいものにしている。さらに、開示された装置は密封式であり、埃や外部粒子がそこに侵入するのを制限し、それによって埃や外部粒子による集積回路の電子部品や電子ディスプレイの損傷を防止する。さらに、開示された装置は、保守や交換の目的で内部部品に容易にアクセスできるように設計されている。
【0015】
本開示を通じて、本明細書で使用する「クロスフロー熱伝達」という用語は、空気の内気流と空気の外気流など、2つの気流の間の熱エネルギーの交換を指す。典型的には、クロスフロー熱伝達は、電子ディスプレイ及び集積回路チャンバに冷却及び換気を提供するために使用される。クロスフロー熱伝達の間、2つの気流のうちの一方は、2つの気流のうちの他方と直交していてもよい。本明細書で使用する「クロスフロー型伝熱装置」という用語は、クロスフロー熱伝達を行うように構成された装置を指す。クロスフロー型伝熱装置は、クロスフロー熱伝達を可能にする複数の部品を採用することができ、そのような部品については以下で詳述する。
【0016】
本明細書で使用する「電子ディスプレイ」という用語は、有線又は無線を使用して電子的に伝送される視覚情報を表示するディスプレイ画面を指す。電子ディスプレイは、意図された連続使用のために外部電源に接続されてもよい。実施形態によっては、電子ディスプレイは、テレビ、携帯電話、プロジェクター、モニター、コンピュータモニター、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、家電製品に関連付けられることがあるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「集積回路チャンバ」という用語は、その中に1つ以上の集積回路を保持するように構成されたハウジングを指す。通常、集積回路は、半導体基板上に構築された電子部品や極小デバイスの集合体である。これらの電子部品は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、ダイオード、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、CPU、プロセッサ、電力変換器、SDIモジュール、ヒートパッド、ヒートシンク、ヒーターなど、半導体基板上に集積された様々な電子部品でありうる。集積回路チャンバは、装置内で発生する熱をもたらす集積回路を有する。典型的には、熱は1つ又は複数の電子部品の動作により発生する。熱は高温側から低温側に移動する。例えば、集積回路チャンバが熱を発生している場合、熱は集積回路チャンバから電子ディスプレイの方へ移動する。集積回路チャンバは電子ディスプレイとは別のレベルに配置され、これらの間には外部ヒートシンクが配される。
【0017】
本明細書で使用する「外部ヒートシンク」という用語は、高温の物体から熱流を外部に伝達し、その温度を調節するために使用される熱交換部品を指す。通常、ヒートシンクは電子ディスプレイと集積回路チャンバの間に配置され、装置の温度を調節する。集積回路チャンバからの高温の空気は、ヒートシンクを通過するときに冷却される。外部ヒートシンクは、電子ディスプレイと集積回路チャンバの間のクロスフロー熱伝達機構を仲介するように構成される。この点で、外部ヒートシンクは、交差する熱流を通し、その間の熱交換を可能にする。さらに、本装置の外部ヒートシンクは電子ディスプレイと直接接触し、熱伝達のためのブリッジとして機能する。
【0018】
本装置の外部ヒートシンクは、複数の垂直方向フィンを備える。本明細書で使用する「垂直方向フィン」という用語は、外部ヒートシンクの表面から突設された構造を表し、例えば平板のような構造であり、熱が一端から他端に放散される際の熱伝達率を高める。垂直方向フィンは、表面積を大きくし、熱が伝わる面積を大きくする。
【0019】
一般に、熱は対流、放射、伝導の3つの異なる方法で伝達される。ヒートシンクの熱伝達は伝導によって行われる。温度の異なる2つの物体が接触した場合、温度の高い物体から低い物体へ熱エネルギーが伝達され、その結果、温度の低い物体が加熱される。このプロセスは熱伝導として知られている。外部ヒートシンクは通常、熱を運び去る高い熱伝導率を持つ金属製である。一般に外部ヒートシンクは、銅、アルミニウム、金属合金、グラファイトなどから製造されるが、これらに限定されるものではない。外部ヒートシンクは、装置の構成部品を過熱から安全に保ち、温度を所望の範囲に維持し、エネルギーを吸収することによってエネルギーの蓄積を防ぐという効果を奏する。
【0020】
実施形態によって、外部ヒートシンクは、様々な数の垂直方向フィンを有することができる。実施形態によって、垂直配向フィンは様々な材料から作製されてもよく、例えば銅、アルミニウム、金属の合金、グラファイトなどから選択される材料から作製されてもよく、またこれら以外の材料から作成されてもよい。実施形態によっては、垂直方向フィンは、外部ヒートシンク本体の材料とは異なる材料から作製されてもよい。例えば、外部ヒートシンクはアルミニウム製であり、垂直方向フィンはグラファイト製であってもよい。実施形態によっては、外部ヒートシンクは、空気が通過することが可能な垂直孔を有してもよい。
【0021】
本明細書で使用される「内気流」という用語は、集積回路チャンバと電子ディスプレイの間で熱を分散させる空気流を意味する。さらに、内気流は、集積回路チャンバから電子ディスプレイに向かって、またその逆方向へと、横方向に駆動される。本明細書で使用される「横方向」という用語は、閉ループのような予め定義された経路内のアキシャル面内の空気の水平方向の流れを指す。
【0022】
典型的には、内気流は、装置内に構成された内部ヒートシンクに関連する一組の内部ファンを使用して生成される。本明細書で使用される「一組の内部ファン」という用語は、閉ループにおいて集積回路チャンバと電子ディスプレイとの間で空気流を横方向に循環させるように構成された2つ以上のファンを指す。一組の内部ファンは、直射日光にさらされる可能性のある電子ディスプレイの前面スクリーンから熱集中を遠ざけるように構成されてもよい。
【0023】
内部ヒートシンクは集積回路チャンバ上に構成され、使用中に電子部品によって集積回路から発生する熱を吸収し、吸収した熱を媒介して集積回路を冷却するように実施形態によっては、内部ヒートシンクは、外部ヒートシンクと同じ材料から製造することができる。また、一組の内部ファンは、外部ヒートシンクに沿う空気の流れを方向付け、それによって外部ヒートシンクから熱を引き離すように構成されている。さらに、一組の内部ファンは空気の内気流を吸引し、定められた経路での熱の流れを可能にする。
【0024】
内気流は、密封シールされたハウジング内に隔離されるように設計されることができる。というのも、ハウジングは、電子ディスプレイとそれを制御する集積回路という繊細な要素を含むためである。装置を密封すると、周囲の空気中に浮遊粒子が多く存在する屋外環境で使用する場合に、フィルターの使用やメンテナンスにかかるコストをなくすことができる。
【0025】
この点に関して、実施形態によっては、クロスフロー型伝熱装置は、装置の内気流をその外部環境から隔離するための外殻保護部を備える。本明細書で使用される「外殻保護部」という用語は、電子ディスプレイ及び集積回路チャンバを覆うように構成されたハウジングを指す。外殻保護部は、電子ディスプレイ及び集積回路の壊れやすい部品を環境の影響から隔離する。外殻保護部は一般に、湿気、周囲の空気中の高濃度の浮遊粒子などから装置を保護するために、装置を密封する。さらに、外殻保護部によって提供される密封性は、フィルターの使用、予防的な周囲滅菌、及び装置の全体的なメンテナンスのコストをなくする。
【0026】
実施形態によっては、外殻保護部は、視聴者が外部から画面を見ることができるように装置の近位端に配置された電子ディスプレイ装置用の第1の筐体と、装置の遠位端に配置された第2の筐体とを有する。特に、第1の筐体は透明な材料で作成されてもよく、第2の筐体は透明、不透明、又は半透明のいずれかの材料で作成されてもよい。第1の筐体と第2の筐体は、装置を密封するために一緒に閉じられる。実施形態によっては、外殻保護部は、装置を密封するために第1の筐体と第2の筐体とをロックするように構成されたロック機構を備える。ロック機構はまた、装置の開閉という便利さも提供する。実施形態によっては、ロック機構は、集積回路に容易にアクセスできるヒンジ付きドアとして機能する。装置は、クリーニングやメンテナンスのために開放することができる。実施形態によっては、ロック機構は、スナップフィット機構、フックによるロック機構、磁気ロック等であってもよい。
【0027】
本明細書で使用する「外気流」という用語は、装置とその外部環境との間に形成された外気温度勾配による自然な空気の流れを指す。典型的には、外部ヒートシンクの間の空気が周囲の空気を加熱し、周囲の空気より高温になるにつれて上昇することにより、外気流が発生する。外部ヒートシンクは、外気流を通すための入口と、空気を排出するための出口とを備える。実施形態によっては、外気流の入口及び出口は、穴、空洞、開口部などであってもよい。注目すべきは、外部ヒートシンクを冷却するための温度勾配により、外部ヒートシンクの入口から入った低温の空気は、出口から高温の空気として外部ヒートシンクを出ることである。本明細書で使用する「温度勾配」という用語は、外部ヒートシンクの周囲の温度変化に関連して空気がどの方向にどのような速度で流れるかを記述する物理量を表す。実施形態によっては、外気流は、垂直方向に向いた一対のフィンの間に存在してもよい。
【0028】
実施形態によっては、内気流と外気流は垂直である。つまり、内気流の方向と外気流の方向は互いに90度の角度をなす。例えば、内気流が地面と平行なアキシャル面において水平方向に流れる場合、外気流は内気流と90度の角度をなして垂直に流れる。注意すべきは、内気流が一体型チャンバと電子ディスプレイの周囲を横方向に往復し、内気流から隔離された外気流が内気流に直交して通過することで、その過程で熱交換がより効率的に行われ、その結果、クロスフロー熱伝達がもたらされることである。
【0029】
実施形態によっては、外部ヒートシンクは電子ディスプレイの背面金属板に直接接触する。本明細書で使用される「背面金属板」という用語は、通常、電子ディスプレイがその上に配置される背面カバーを指す。このため背面金属板は電子ディスプレイに直接接触している。実施形態によっては、背面金属板は電子ディスプレイの70%以上の面積を占める。背面金属板は熱を吸収し、電子ディスプレイの動作によって発生する熱や太陽光による熱を外部ヒートシンクへと伝達し電子ディスプレイを冷やすという効果を提供する。実施形態によっては、背面金属板は、アルミニウム、真鍮、青銅、亜鉛、ステンレス鋼から製造されるが、これらに限定されない。
【0030】
実施形態によっては、電子ディスプレイと外部ヒートシンクの間に、熱保護シートの層があってもよい。実施形態によっては、このような熱保護シートは、グラファイトシート(PGSグラファイトシート、PGS応用製品(NASBIS)など)、又はグリースであってもよい。電子ディスプレイと外部ヒートシンクの間にグラファイト熱保護シートを使用する技術的な利点は、銅のほぼ2倍、アルミニウムの3~5倍の優れた熱伝導性を提供し、軽量で、柔軟性があり、切断又はトリミングが容易であることである。
【0031】
実施形態によっては、集積回路チャンバは、極低温において、集積回路チャンバの内部温度を動作可能な範囲に維持するために必要な量の熱エネルギーを注入するように構成された発熱素子を備える。熱エネルギーは、対流によって、電子ディスプレイに向かって横方向に向けられる。本明細書で使用する「発熱素子」という用語は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換することによって熱を生成するように構成された部品又は装置を指す。特に、寒冷時には、発熱素子は、電子部品が機能するために必要な量の熱エネルギーを注入し、装置を定められた温度制限下に保つように構成される。典型的には、一組の内部ファンが、発熱素子によって発生した熱を送風し、暖かい空気を電子ディスプレイに向けて送出する。実施形態によっては、発熱素子は、ヒーター、加熱コイル、加熱チューブなどであってもよい。実施形態によっては、集積回路チャンバの内部温度の動作可能範囲は0℃~70℃であってもよい。
【0032】
例えば、外気温が0℃未満の場合、発熱素子は、電子ディスプレイを装置の内部温度を0℃~50℃の範囲内(すなわち動作温度ウィンドウ内)に保つように働き始める。外気温が-30℃のシミュレーションでは、発熱素子が装置の内部温度を-5℃~0℃の範囲にすることで、外部環境でも電子ディスプレイを有効に使用することができる。
【0033】
同様に、高温環境では、熱は電子ディスプレイから外部ヒートシンクに伝達される。そうでなければ、高温気候や直射日光の場合、熱風は電子ディスプレイのフロントパネルと保護ガラスの間に集中することになる。
【0034】
実施形態によっては、集積回路チャンバは、第1の組の空洞を有し、第1の組の空洞は、第1の端部に入口コーン部(A)を有し、第2の端部に出口コーン部(B)を有する。また電子ディスプレイは、第2の組の空洞を有する金属ケーシング内に配される。第2の組の空洞は、第1の組の空洞に対応して、第1の端部に入口コーン部(A)を有すると共に第2の端部に出口コーン部(B)を有し、内気流がこれらを通過することを可能にする。本明細書で使用される用語「第1組の空洞」及び「第2組の空洞」は、それぞれ、集積回路チャンバ及び電子ディスプレイの金属ケーシング内の開口部を指す。これらの開口部は、内気流を通過させるように構成される。すなわち、内気流が一組の内部ファンによって横方向に駆動されて、集積回路チャンバから電子ディスプレイへと、またその逆へと流れる際に、内気流がこれらの開口部を通過するように構成される。特に、第1及び第2の空洞は、それぞれ集積回路チャンバ及び電子ディスプレイの金属ケーシングの縦方向の端部に配置される。実施形態によっては、第1及び第2の空洞は、第1及び第2の空洞が互いに対応するような、スリットとして実装されてもよい。実施形態によっては、スリットの断面は、スリットを有する集積回路チャンバ及び金属ケーシングの側壁の断面のそれぞれ15~35%の範囲にある。実施形態によっては、スリットの断面は、集積回路チャンバ及び金属ケーシングの側壁の断面の26%である。一例として、集積回路チャンバの側壁の断面が614mm×80mmの場合、スリットの断面は370mm×35mmとなる。
【0035】
典型的には、第1及び第2の空洞の各セットは、それぞれの第1の端部及び第2の端部に入口コーン及び出口コーンを有する。さらに、入口コーンと出口コーンの間には、チョーク部を設けてもよい。流体、すなわち空気がチョーク部を通って流れると、収縮した断面が圧力降下を伴って流体を加速する。本明細書で使用される「入口コーン」という用語は、内気流の空気などの流体がそこを通過する際の収束角に関連する。収束により断面積が減少し、内気流が加速する。本明細書で使用される「出口コーン」という用語は、内気流の空気などの流体がそこを通過する際の発散角に関連する。発散により断面積が増加し、内気流が減速する。空洞の第1及び第2セットの入口コーンと出口コーンは、装置内でより高温の物体からより低温の物体へ熱を伝達する内気流に対してより高い表面積を提供する。
【0036】
実施形態によっては、第1組の空洞は、第2端の出口コーンとは異なる形状の入口コーンを有する。実施形態によっては、入口コーンは出口コーンより大きくても、小さくても、等しくてもよい。実施形態によっては、入口コーンは20度から40度の範囲にある。入口コーンは、典型的には、20度、25度、30度、又は35度から25度、30度、35度、又は40度の範囲であってよい。実施形態によっては、入口コーンは30度であってもよい。
【0037】
実施形態によっては、第2セットの空洞は、出口コーンとは異なる形状の入口コーンを有する。実施形態によっては、出口コーン部は入口コーン部より大きく、小さく、又は等しくてもよい。実施形態によっては、出口コーンは0度から10度の範囲にある。出口コーンは、典型的には、0度、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、又は9度から2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、又は10度までであってもよい。実施形態によっては、出口コーンは5度であってもよい。
【0038】
実施形態によっては、第1組の空洞と第2組の空洞の各々はベンチュリーチューブで充填される。このベンチュリーチューブは、出口コーンとは異なる形状の入口コーンを有する。本明細書で使用する「ベンチュリーチューブ」という用語は、間に均一な断面の短い部分を有する2つのコーン部分からなる短い管を有する管を表す。ベンチュリーチューブは、第1組の空洞及び第2組の空洞の中に配されることに注意されたい。実施形態によっては、ベンチュリーチューブは、空気流を歪めることによって冷却を増加させることによって、内気流がそこを通過することができるように 設計されている。さらに、ベンチュリーチューブのコーン部分は、入口と出口として機能する。入口は収束部として働き、出口は発散部として働く。このように、入口は入口コーンとして機能し、出口は出口コーンとして機能する。実施形態によっては、ベンチュリーチューブの入口コーンは20度から40度の範囲である。ベンチュリーチューブの入口コーンは、典型的には、20度、25度、30度又は35度から25度、30度、35度又は40度までとすることができる。実施形態によっては、ベンチュリーチューブの入口コーンは30度であってもよい。実施形態によっては、ベンチュリーチューブの出口コーンは0度から10度の範囲である。ベンチュリーチューブの出口コーンは、典型的には、0度、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度又は9度から2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度又は10度の範囲である。実施形態によっては、ベンチュリーチューブの出口コーンは5度であってもよい。この点に関して、ベンチュリーチューブの入口コーンと出口コーンは、第1組の空洞及び第2組の空洞の入口コーンと出口コーンと同じであっても異なっていてもよい。
【0039】
あるいは、実際にはベンチュリーチューブはその中に充填されていなくとも、第1組の空洞と第2組の空洞は、ベンチュリ効果を模倣するように設計されていてもよく、それによって、第1組の空洞と第2組の空洞を超える空気の循環を形成して効果的な冷却又は加温効果を得てもよい。実施形態によっては、第1の空洞はベンチュリーチューブを備え、第2の空洞はベンチュリーチューブを備えない場合もある。この実施形態、第1組の空洞又は第2組の空洞にベンチュリーチューブを設けるためのコストを節約するという効果を有する。
【0040】
ベンチュリ効果は、電子ディスプレイの前面で気流の乱れ(空気のねじれ)が起こっている間に、第2セットの空洞で使用されると、最良の結果を提供しうる。
【0041】
実施形態によっては、横方向の内気流は、電子ディスプレイと集積回路チャンバとの間の閉じたループ内で発生し、この横方向の内気流は、閉じたループ内で第1の組の空洞と第2の組の空洞とを通過する。より具体的には、内気流は、電子ディスプレイと集積回路チャンバの周りの所定の経路で発生し、集積回路チャンバから始まり、電子ディスプレイを通過し、集積回路チャンバで終わるという閉ループを流れる。作用的には、内気流はまず集積回路チャンバに配された第1組の空洞を通過し、次に電子ディスプレイの金属ケーシングにある第2組の空洞を通過し、そこで電子ディスプレイを冷却し、再び金属ケーシングに対向配置された第2組の空洞を通過し、最後に集積回路チャンバに対向配置された第1組の空洞を通過して1つの熱伝達ループを完成させる。
【図面の詳細説明】
【0042】
図1A図1B及び図1Cを参照すると、本開示の一実施形態によるクロスフロー型伝熱装置100の分解図、概略図及び断面図がそれぞれ示されている。クロスフロー型伝熱装置100は、電子ディスプレイ102と、集積回路チャンバ104と、電子ディスプレイ102と集積回路チャンバ104との間に配置されるように構成された外部ヒートシンク106とを備える。複数の垂直方向フィン108を有する外部ヒートシンク106は、電子ディスプレイ102と集積回路チャンバ104との間のクロスフロー熱伝達機構を仲介するように構成されている。このクロスフロー熱伝達機構は、集積回路チャンバに104組み合わされた内部ヒートシンク114に関連付けられる一組の内部ファン112によって駆動される内気流であって、電子ディスプレイ102から集積回路チャンバ104の方へ横方向に向けられる内気流110と、温度勾配に基づき、外部ヒートシンクの複数の垂直方向フィン108によって推進される外気流116とを有する。集積回路チャンバ104は、対向する2つの縦方向端部に配置された第1組の空洞(104A、104B)を有する。電子ディスプレイ102は金属ケーシング118内に配置される。金属ケーシング118も、対向する2つの端部に第2の空洞(118A(図からは見えない)、118B)を有する。クロスフロー型伝熱装置100は、内気流110を隔離するための外殻保護部を備える。この外殻保護部は、電子ディスプレイ102を覆う近位端120Aと、集積回路チャンバ104を覆う遠位端120Bとを有する。
【0043】
図2A及び図2Bを参照すると、本開示のある実施形態に従うクロスフロー型伝熱装置200の透視図及び断面図が示されている。これらの図には外気流も描かれている。図示されるように、外気流202は、外部ヒートシンク206の複数の垂直配向フィン204が有する温度勾配によって発生する。周囲環境の空気は、外部ヒートシンク206の垂直配向フィン204を通過する。電子ディスプレイは、第2の空洞(208A(見えない)、208B)を有する金属ケーシング208内に配置される。またクロスフロー型伝熱装置200は、近位端210A及び遠位端210Bを有する外殻保護部を備える。
【0044】
図3を参照すると、本開示のある実施形態に従うクロスフロー型伝熱装置300の断面図が描かれている。この図には内気流も描かれている。クロスフロー熱伝達機構は、集積回路チャンバ308に組み合わされる内部ヒートシンク306に関連付けられる一組の内部ファン304によって駆動される内気流302を有する。内気流302は、集積回路チャンバ308から電子ディスプレイ(図示せず)の方へと横方向に方向付けられる。集積回路チャンバ308と電子ディスプレイとの間には、垂直方向に向いたフィン312を有する間に外部ヒートシンク310が存在する。内気流302は、金属ケーシング314内に配置された電子ディスプレイと集積回路チャンバ308との間の閉ループ内に発生する。クロスフロー型伝熱装置300は、電子ディスプレイを覆う近位端316Aと集積回路チャンバ308を覆う近位端316Bを有する外殻保護部を備える。
【0045】
図4を参照すると、本開示のある実施形態に従うベンチュリーチューブ400の断面図が示されている。図示のように、ベンチュリーチューブ400は、入口コーン部Aと出口コーン部Bとを有する。典型的には、内気流402は、ベンチュリーチューブ400の入口コーン部Aを通過し、出口コーン部Bから出る。集積回路チャンバ及び金属ケーシングの第1の組の空洞及び第2の組の空洞は、それぞれ、ベンチュリーチューブ400のようなベンチュリーチューブで充填される。
【0046】
図5A及び図5Bを参照すると、本開示の様々な実施形態による、第1の組の空洞及び第2の組の空洞の入口コーン及び出口コーンの様々な組み合わせを示す表が示されている。図5Aにおいて、「1」は、空洞の入口コーンが同じ空洞の出口コーンよりも大きいことを表し、「0」は、空洞の入口コーンと当該空洞の出口コーンが同じであることを表す。例えば、組み合わせ「0」では、第1組の空洞104の空洞104A及び104B、ならびに第2組の空洞118の空洞118A及び118Bは、その出口コーンと等しい/同じ入口コーンを有する。組み合わせ「7」では、第1組の空洞104の空洞104Aは、その出口コーンと同じ入口コーンを有する。しかし、第2組の空洞118の空洞118A及び118B、ならびに第1組の空洞104の空洞104Bは、その出口コーンよりも大きい入口コーンを有する。
【0047】
図5Bにおいては、「1」は空洞の入口コーンが出口コーンより小さいことを表し、「0」は空洞の入口コーンと出口コーンが同じであることを表す。組み合わせ「0」では、第1組の空洞104の空洞104A及び104Bと、第2組の空洞118の空洞118A及び118Bとは、入口コーンと出口コーンが同じである。組み合わせ「7」では、第1組の空洞104の空洞104Aは、その出口コーンと等しい/同じ入口コーンを有する。しかし第2組の空洞118の空洞118A及び118B、ならびに第1組の空洞104の空洞104Bは、その出口コーンよりも小さい入口コーンを有する。
【0048】
前述した本開示の実施形態の変更は、添付の特許請求の範囲に定義される開示範囲から逸脱しない限り可能である。本開示を記述及び請求するのに使用される「含む」、「備える」、「組み込む」、「有する」、「在る」等の表現は、非限定的に解釈されることを意図したものであり、明示されない項目や部品、要素等が存在してもよい。単数表現もまた、複数に関連するものと解釈されるべきものである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】