IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

特表2024-512959ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法
<>
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図1
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図2
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図3
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図4
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図5
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図6
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図7
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図8
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図9
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図10
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図11
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図12
  • 特表-ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】ポート選択コードブックについての追加の遅延を報告する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20240313BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240313BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W16/28 130
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558739
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 US2022021734
(87)【国際公開番号】W WO2022204396
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/165,964
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルパシンハ ナディサンカ
(72)【発明者】
【氏名】松村 祐輝
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067DD11
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK03
(57)【要約】
下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信するステップと、前記設定情報に基づいて、追加の離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)基底を報告するかを設定するステップと、を有する、端末の無線通信方法が開示される。別の態様においては、端末及びシステムも開示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信するステップと、
前記設定情報に基づいて、追加の離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)基底を報告するかを設定するステップと、を有する、端末の無線通信方法。
【請求項2】
上位レイヤシグナリングが用いられる場合、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)パラメータに基づいて、追加のDFT規定を報告するかを設定する、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項3】
DCIが用いられる場合、前記端末は、追加のDFT規定を報告するか、又は報告しないかを、追加のDCIフィールドを用いて切り替える、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項4】
非周期チャネル状態情報(A-CSI:Aperiodic Channel State Information)トリガ状態毎に、RRCシグナリングを用いて、追加のDFT規定を報告するかを設定する、請求項3記載の無線通信方法。
【請求項5】
CSIリクエストフィールドのDCIコードポイントは、追加のDFT規定を報告するかを示す適切なチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information Reference Signal)を示す、請求項4記載の無線通信方法。
【請求項6】
追加のDFT報告が設定される場合、線形結合係数行列も設定される、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項7】
前記行列における非ゼロ線形結合係数が前記端末によって報告される、請求項6記載の無線通信方法。
【請求項8】
前記行列における全ての線形結合係数が、プリコーディング行列インジケータ(PMI:Precoding Matrix Indicator)の一部として報告される、請求項6記載の無線通信方法。
【請求項9】
前記端末は、ビットマップを報告するように設定される、請求項6記載の無線通信方法。
【請求項10】
追加のDFT報告が広帯域プリコーディング及びサブバンドプリコーディングには設定されない場合、前記端末は、ビットマップを報告する必要がない、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項11】
前記端末は、広帯域プリコーディングが用いられるか、又はサブバンドプリコーディングが用いられるかを決定するように設定される、請求項10記載の無線通信方法。
【請求項12】
追加のDFT報告が設定されるかに基づいて、線形結合量子化に対して異なる量子化スキームが考慮される、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項13】
追加のDFT報告が設定される場合、上位レイヤパラメータによって、複数の値が決定される、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項14】
下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信する受信部と、
前記設定情報に基づいて、追加の離散フーリエ変換(DFT)基底を報告するかを設定する制御部と、を有する、端末。
【請求項15】
端末及び基地局を有するシステムであって、
前記端末は、
下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信する第1の受信部と、
前記設定情報に基づいて、追加の離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)基底を報告するかを設定する制御部と、を有し、
前記基地局は、
DCI又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を送信する送信部と、
前記追加のDCT報告を受信する第2の受信部と、を有する、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示する1つ以上の実施形態は、より高いランクの送信のためにタイプII(Type II)ポート選択コードブックを拡張する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NR(New Radio)では、ランク(rank)1及びランク2のタイプII(Type II)チャネル状態情報(CSI:channel state information)フィードバックがサポートされている(NRのRelease 15)。
【0003】
NRのRelease 17のNR多入力多出力(MIMO:Multiple Input Multiple Output)に関する1つ以上の新たな作業項目では、タイプIIポート選択コードブックを更に拡張するための要件が確認されている。
【0004】
例えば、CSIの測定及び報告の拡張に関して、FR1及びFR2の両方を対象として、NCJTのためのより動的なチャネル/干渉仮定(hypotheses)を可能するために、DLマルチTRP及び/又はマルチパネル送信用のCSI報告が評価され、また必要に応じて仕様化されてもよい。
【0005】
更に、(Rel.15/16のタイプIIポート選択に基づく)タイプIIポート選択コードブックの拡張が評価され、また必要に応じて仕様化されてもよく、そこでは、角度及び遅延に関する情報が、角度及び遅延の下りリンク(DL)/上りリンク(UL)のレシプロシティを利用して、サウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)に基づいて、gNB(gNode-B)において推定され、また、主に周波数分割多重(FDD:Frequency Division Duplexing)周波数レンジ1(FR1:Frequency Range 1)を対象として、UEの複雑性、性能及び報告オーバーヘッド間のより良いトレードオフを達成するために、残りのDLチャネル状態情報(CSI)が、ユーザ装置(UE)によって報告される。
【0006】
換言すれば、本明細書においては、DLビームフォーミングについて、複数の空間領域(SD:spatial domain)-周波数領域(FD:frequency domain)基底ペアのCSI-RSポートへのマッピングによって、タイプIIポート選択コードブックをどのように拡張し得るかについて検討される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP RP 193133, “New WID: Further enhancements on MIMO for NR”、2019年12月
【非特許文献2】3GPP RAN1 #104-e, ‘Chairman’s Notes’、2021年2月
【非特許文献3】3GPP TS 38.214, “NR; Physical procedures for data (Release 16)”
【発明の概要】
【0008】
一般的に、一態様では、本明細書において開示される実施形態は、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信するステップと、前記設定情報に基づいて、追加の離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)基底を報告するかを設定するステップと、を有する、端末の無線通信方法に関する。
【0009】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、DCI又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信する受信部と、前記設定情報に基づいて、追加のDFT基底を報告するかを設定する制御部と、を有する、端末に関する。
【0010】
一般的に、一態様では、本明細書に開示される実施形態は、端末及び基地局を含むシステムに関する。端末は、DCI又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信する第1の受信部と、前記設定情報に基づいて、追加のDFT基底を報告するかを設定する制御部と、を有する。基地局は、DCI又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を送信する送信部と、前記追加のDFT報告を受信する第2の受信部と、を有する。
【0011】
有利なことに、CSIの測定及び報告の拡張が、NRのRelease 17の展開において議論されている。そのような拡張の1つとして、周波数レンジ1(FR1)(即ち、410MHz~7,125MHz、サブ6GHz)及び周波数レンジ2(FR2)(即ち、24,250MHz~52,600MHz、ミリ波)の両方を対象とした、ノンコヒーレントジョイント送信(NCJT:non-coherent joint transmission)のためのより動的なチャネル/干渉仮定を可能にするための、下りリンク(DL)マルチ送信受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)及び/又はマルチパネル送信についてのCSI報告の評価、また必要に応じての仕様化が挙げられる。別の拡張としては、角度及び遅延のDL/ULレシプロシティを利用することによって、角度及び遅延に関連する情報がサウンディング参照信号(SRS)に基づいてgNBにおいて推定される、(Release 15/16のタイプIIポート選択に基づいた)タイプIIポート選択コードブックの拡張の評価、また必要に応じての仕様化が挙げられる。残りのDL CSIは、UEの複雑さ、性能及び報告オーバーヘッド間でより良いトレードオフを達成するために、主に周波数分割多重(FDD:Frequency Division Duplex)FR1を対象として、UEによって報告される。
【0012】
本発明の他の実施形態及び利点は、以下の説明及び図面から認識される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成を示す図である。
図2】1つ以上の実施形態に係る、基地局(BS)の概略的な構成を示す。
図3】1つ以上の実施形態に係る、ユーザ装置(UE)の概略的な構成を示す。
図4】K個のポートのCSI-RS送信の一例、及びそれに付随する周波数応答の一例を示す。
図5】4タップチャネルの解析の一例を示す。
図6】DFT報告に基づいたプリコーダ選択の一例を示す。
図7】上位レイヤパラメータの一例を示す。
図8】CSIリクエストメッセージフィールドのDCIコードポイントのテーブルの一例を示す。
図9】CSIリクエストメッセージフィールドのDCIコードポイントのテーブルの一例を示す。
図10】DFT報告が設定されるかに基づいた、報告設定の選択の一例を示す。
図11】振幅量子化のテーブルの一例を示す。
図12】コードブックパラメータ設定のテーブルの一例を示す。
図13】コードブックパラメータ設定のテーブルの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。異なる図面における同様の要素には、一貫性を維持するために同様の参照符号を付している。
【0015】
本発明の実施形態の以下の説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、当業者であれば、それらの具体的な詳細がなくとも、本発明を実施できることは明らかである。他の例では、本発明が不明確になることを回避するために、公知の特徴については詳細には説明しない。
【0016】
図1は、本発明の1つ以上の実施形態に係る無線通信システム1を表す。無線通信システム1は、ユーザ装置(UE)10と、基地局(BS)20と、コアネットワーク30と、を含む。無線通信システム1は、NRシステムであってもよい。無線通信システム1は、本明細書において説明する特定の構成に限定されるものではなく、LTE/LTE-Advanced(LTE-A)システムなど、任意の種類の無線通信システムであってもよい。
【0017】
BS20は、そのBS20のセル内のUE10と、上り(UL:uplink)信号及び下り(DL:downlink)信号を通信してもよい。DL信号及びUL信号は、制御情報及びユーザデータを含んでもよい。BS20は、バックホールリンク31を介して、コアネットワーク30とDL信号及びUL信号を通信してもよい。BS20は、gNB(gNodeB)であってもよい。BS20は、ネットワーク(NW)と呼ばれてもよい。
【0018】
BS20は、アンテナ、隣接するBS20と通信するための通信インターフェース(例えば、X2インターフェース)、コアネットワーク30と通信するための通信インターフェース(例えば、S1インターフェース)、UE10との間で送受信された信号を処理するためのプロセッサ又は回路などのCPU(Central Processing Unit)を含む。BS20の動作は、メモリに格納されたデータ及びプログラムをプロセッサが処理又は実行することで実現されてもよい。しかしながら、BS20は、上述のハードウェア構成に限定されるものではなく、当業者であれば分かるように、他の任意の適切なハードウェア構成によって実現されてもよい。多数のBS20が、無線通信システム1のより広範なサービスエリアをカバーするように配置されてもよい。
【0019】
UE10は、多入力多出力(MIMO:Multi Input Multi Output)技術を用いて、制御情報及びユーザデータを含むDL信号及びUL信号をBS20と通信してもよい。UE10は、移動局、スマートフォン、携帯電話、タブレット、モバイルルータ、又はウェアラブルデバイスなどの無線通信機能を有する情報処理装置であってもよい。無線通信システム1は、1つ以上のUE10を含んでもよい。
【0020】
UE10は、CPU、例えばプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、及びBS20とUE10との間で無線信号を送受信するための無線通信装置を含む。例えば、以下において説明するUE10の動作は、メモリに格納されたデータ及びプログラムをCPUが処理又は実行することで実現されてもよい。しかしながら、UE10は、上述のハードウェア構成に限定されるものではなく、例えば、以下に説明する処理を実現するための回路を備えた構成であってもよい。
【0021】
図1に示すように、BS20は、CSI参照信号(CSI-RS)をUE10に送信してもよい。これに応答して、UE10は、CSI報告をBS20に送信してもよい。同様に、UE10は、SRSをBS20に送信してもよい。
【0022】
(BSの構成)
以下では、図2を参照しながら、本発明の実施形態に係るBS20を説明する。図2は、本発明の実施形態に係るBS20の概略的な構成を説明するための図である。BS20は、複数のアンテナ(アンテナ素子群)201と、アンプ部202と、送受信部(送信部/受信部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206と、を含んでもよい。
【0023】
BS20からUE10へのDLにおいて送信されるユーザデータは、コアネットワークから、伝送路インターフェース206を介して、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0024】
ベースバンド信号処理部204では、信号に対して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御送信処理などのRLCレイヤの送信処理、例えばHARQ送信処理を含むMAC(Medium Access Control)再送制御、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などが行われる。続いて、結果として得られた信号が、各送受信部203に転送される。DL制御チャネルの信号に関しては、チャネル符号化及び逆高速フーリエ変換を含む送信処理が行われ、結果として得られた信号が各送受信部203に転送される。
【0025】
ベースバンド信号処理部204は、セル内の通信のための制御情報(システム情報)を、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング及びブロードキャストチャネル)によって各UE10に通知する。セル内の通信のための情報は、例えば、ULシステム帯域幅又はDLシステム帯域幅を含む。
【0026】
各送受信部203では、アンテナ毎にプリコーディングされて、ベースバンド信号処理部204から出力されるベースバンド信号に対して、無線周波数帯域への周波数変換処理が行われる。アンプ部202は、周波数変換が行われた無線周波数信号を増幅し、結果として得られた信号は、アンテナ201から送信される。
【0027】
UE10からBS20へのULにおいて送信されるデータに関しては、無線周波数信号が、各アンテナ201において受信され、アンプ部202において増幅され、送受信部203において周波数変換が行われてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0028】
ベースバンド信号処理部204は、受信したベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号処理、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理を行う。続いて、結果として得られた信号が、伝送路インターフェース206を介してコアネットワークに転送される。呼処理部205は、通信チャネルの設定・解放などの呼処理を行い、BS20の状態を管理し、また無線リソースを管理する。
【0029】
(UEの構成)
以下では、図3を参照しながら、本発明の実施形態に係るUE10を説明する。図3は、本発明の実施形態に係るUE10の概略的な構成である。UE10は、複数のUEアンテナ101と、アンプ部102と、送受信部(送信部/受信部)1031を含む回路103と、制御部104と、アプリケーション部105と、を有する。
【0030】
DLに関しては、UEアンテナ101において受信された無線周波数信号が、各アンプ部102において増幅され、送受信部1031においてベースバンド信号へと周波数変換される。制御部104では、これらのベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送信制御などの受信処理が行われる。DLユーザデータは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤ及びMACレイヤよりも上位のレイヤに関する処理を行う。下りリンクデータでは、ブロードキャスト情報もアプリケーション部105に転送される。
【0031】
一方、ULユーザデータは、アプリケーション部105から制御部104に入力される。制御部104では、再送制御(Hybrid ARQ)送信処理、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理などが行われ、結果として得られた信号が各送受信部1031に転送される。送受信部1031では、制御部104から出力されたベースバンド信号が無線周波数帯域に変換される。その後、周波数変換された無線周波数信号がアンプ部102において増幅され、続いて、アンテナ101から送信される。
【0032】
本発明の1つ以上の実施形態は、角度及び/又は遅延のDL/ULレシプロシティ(reciprocity)を利用する、ポート選択(PS:port selection)コードブック拡張に関する。更に、1つ以上の実施形態は、コードブック構造W=W をサポートし、ここで
は、自由選択行列(free selection matrix)であって、特別な構成としての単位行列であり、潜在的な偏波(polaization)-共通(common)/固有(specific)選択が考慮される;
は、DFTベースの圧縮行列であり、N=NCQISubband*R、M≧1である。
これに関して、M>1の少なくとも1つの値がサポートされる。また、Mの潜在的な値、例えばM=2も考慮される。
【0033】
コードブックパラメータに関するUEの複雑性が考慮されてもよい。Rel-17のPSコードブック拡張をUEがサポートする場合、M>1のサポートはUEのオプション機能となり得ることを検討する。また、Rの(1つ以上の)潜在的な候補値、UEに対する設定/指示についてのメカニズム、及び/又はUEによるWの選択/報告についてのメカニズムも検討する。
【0034】
は、gNBによってオフにすることができる。オフにされた場合、Wは、オールワンベクトル(all-one vector)、つまり全ての要素が1となるベクトルとなるが、オフにされた場合には、オールワンベクトルの長さも考慮される。更に、シグナリングオーバーヘッド、UEの複雑性及びUPT利得とトレードオフになり得る他の潜在的なシグナリング/CSI報告メカニズムも検討する。また、関連付けられたコードブック構成及びCSI報告は、Wのオン/オフに基づいて異なってもよいことに留意されたい。
【0035】
5G NR Rel.17のタイプIIポート選択コードブック構造(Type II Port Selection Codebook Structure)に関して、l番目のレイヤのポート選択コードブックは次式(1)により与えられる:
【数1】
上記式(1)において、パラメータは以下のように与えられてもよい:
(K×2L):ブロック対角行列。ここで、各行列ブロックは、(K×K)単位行列のL個の列から成る;
f,l(N×M):(N×N)DFT行列のM個の基底ベクトルから成る行列;及び
【数2】
:線形結合係数行列。
【0036】
gNBは、Wf,lをオフにできることに留意されたい。更に、gNBは、K個のビームフォーミングされたCSI-RSポートを送信する。各CSI-RSポートは、空間領域(SD:spatial domain)ビーム及び周波数領域(FD:frequency domain)基底ベクトルでもってビームフォーミングされることに留意されたい。つまり、各ポートはSD-FDペアに関連付けられている。続いて、UEは、K個のポートからL個のポートを選択し、それらL個のポートを、PMI(W1,l)の一部としてgNBに報告する。更に、UEはPMIの一部として、
【数3】
に取り込まれた線形結合(LC:linear combination)係数も報告する。
【0037】
次に、SD-FDペアを考慮したCSI-RSビームフォーミングの物理的な意味を理解するために、周波数応答の特性について説明する。例えば、図4を参照して、K個のポートのCSI-RS送信を想定する。この場合、n番目のポートに関連付けられたUEにおいて観測されるチャネルの周波数応答が、図4に示されるように表されると考えられる。Wf,lがオフにされていない場合、UEは、遅延事前補償チャネルの周波数選択性を更に抑制するために、追加のDFTを報告してもよい。
【0038】
シミュレーション解析について検討すると、UEによって報告された追加の遅延を用いて、チャネル周波数応答が解析される。例えば、図5を参照して、4タップチャネルを検討する。この例では、UEは、観測された遅延事前補償チャネルに基づいて、1つの追加のDFTを報告する。遅延事前補償チャネルの周波数選択性は、最終的なプリコーダ生成用にUEによって報告された追加のDFTを考慮することによって、更に低減することができる。
【0039】
5G NR Rel.17のタイプIIポート選択コードブック構造に関連する1つ以上の実施形態は、UEが追加のDFT(従って、式(1)におけるWf,lの存在)を報告するように設定されているかに依存する。特に、図6に示す2つのプリコーダの内の一方が選択される。つまり、図6は、追加のDFT報告が設定されているか否かについてのプリコーダの判定図を示す。ここで、ビームフォーミングのために考慮されたSD-FDペアは、{b,f},{b,f},…{b,f}であり、選択されたSD基底及びFD基底のインデックスは、s(1),s(2)…s(L)であると仮定されてもよいことを言及しておく。
【0040】
図6に示した式では、以下が定義されてもよい:
【数4】
(K×K)の単位行列からの列ベクトルである。特に、このベクトルは、インデックスs(i)を有するSD-FD基底を選択する;
【数5】
(N×N)のDFT行列からの列ベクトルであり、s(j)は、選択された追加のj番目のDFT基底のインデックスを表す;
i,j、cは、LC係数である。
【0041】
また、追加のDFT報告に関連付けられたCSI報告オーバーヘッドは、追加のDFTを報告しない場合に比べて高くなる可能性があることに留意されたい。更に、プリコーダの選択は、UEの観点に基づいていることに留意されたい。
【0042】
当業者であれば、追加のDFT報告が潜在的な利点又は欠点に結びつく可能性があることを理解するであろう。追加のDFT報告が設定される場合、UEにおいて観測されたチャネルの周波数選択性を更に抑制することができる。従って、より良い性能が期待され得る。その一方で、CSI報告のオーバーヘッドは、追加のDFTを報告しない場合に比べて高くなる可能性がある。追加のDFT報告が設定されない場合に関して、CSI報告のオーバーヘッドは、追加のDFTを報告する場合に比べて小さくなる可能性がある。その一方で、DLにおいてUEによって観測されるチャネルは分からないので、性能が低下する可能性がある。
【0043】
上述したように、タイプIIポート選択コードブック構造が検討されている。本明細書において説明する1つ以上の実施形態では、Wf,lにおける追加のDFT基底の報告の設定を検討する。先ず、考えられる以下のオプションを考慮しながら、追加のDFT基底を報告するようにUEが設定されてもよい。
【0044】
第1のオプションとして、上位レイヤシグナリングを用いて、追加のDFT基底を報告するようにUEが設定されてもよい。例えば、図7に記載したような新規のRRCパラメータを検討する。つまり、考えられる新規のRRCパラメータを用いて、追加のDFTを報告するか否かについてUEが設定されてもよい。ここで、後述するように、βとpvを設定する/設定しないによって、これが暗黙的に設定されてもよいことに留意されたい。
【0045】
第2のオプションとして、DCIを用いて、NWは、追加のDFT基底を報告する/報告しないを動的に切り替えてもよい。例えば、(1ビットのサイズの)追加のDCIフィールドを追加して、追加のDFTを報告する/報告しないを明示的に切り替えてもよい。別の例として、DCIは、追加のDFTを報告する/報告しないを暗黙的に示してもよい。更に、一例として、追加のDFT基底を報告する/報告しないことが、非周期(aperiodic)CSIトリガ状態毎にRRCシグナリングを用いて設定されてもよい。続いて、CSIトリガ状態についての既存のDCIフィールドを用いて、追加のDFTを報告する/報告しないが指示されてもよい。例えば、CSIリクエストフィールドのDCIコードポイントが、追加のDFT報告が必要とされるかを示すことによって、適切なCSI-RSリソースが暗黙的に示されてもよい。一例が図8の表に取り込まれている。ここで、各CSI-RSリソースセットには、追加のDFTを報告すること/報告しないことが設定されることに留意されたい。
【0046】
別の例として、DCIをトリガするCSIリクエストフィールドのDCIコードポイントに関連付けることによって、追加のDFTを報告する/報告しないが考慮される。一例が図9に取り込まれている。CSIリクエストフィールドのDCIコードポイントと、パラメータpとのマッピングは上位レイヤによって設定されることに留意されたい。ここで、pは、追加のDFTを報告するか否かを示すパラメータである。例えば、
p=「1」 → 追加のDFTを報告する;
p=「0」 → 追加DFTを報告しない。
【0047】
1つ以上の実施形態では、
【数6】
の報告の設定が考慮される。先ず、
【数7】
の構造は、追加のDFTを報告するようにUEが設定されているかに基づいて異なっていてもよいことに留意されたい。例えば、可能な構造の概要が図10に取り込まれている。つまり、図10は、追加のDFT報告が設定されるか否か、また付加的に、広帯域プリコーディング又はサブバンドプリコーディングが設定されるか、についての選択の一例を示す。各ケースでは、UEによるgNBへの報告が要求される必要な情報が異なってもよいことが考慮される。
【0048】
1つ以上の実施形態では、追加のDFT報告が設定される場合、
【数8】
は、(2L×M)行列である。更に、第1のオプションとして、0以外のビットによって、
【数9】
内のどの係数がUEによって報告されるかが識別されるビットマップもPMIの一部として報告される。例えば、ビットマップについての以下のルールが考慮されてもよい(ビットマップサイズは
【数10】
と同じであることに留意されたい):
「1」 →
【数11】
の位置に関連付けられたLC係数がUEによって報告される
「0」 →
【数12】
の位置に関連付けられたLC係数がUEによって報告されない
ここで、UEは、ビットマップのサイズを更に低減するために、組み合わせシグナリング又はハフマン符号化のような圧縮方式を考慮してもよい。
【0049】
第2のオプションとして、
【数13】
内の全てのLC係数が、PMIの一部として報告されてもよい(つまり、ビットマップは報告されない)。このケースでは、選択が行われることなく、
【数14】
内の全てのLC係数が報告される。このケースにおいて関連するオーバーヘッドは、ビットマップが報告されるケースと比較して大きくなる場合があることに留意されたい。更には、ビットマップが報告されない場合、例えばテーブル5.2.2.2.6-1[3]に示されているようなβパラメータが設定されることをUEは期待しない。
【0050】
ここで、[3]に記載されているように、Rel.16のタイプIIのPSコードブックでは、レイヤ毎に報告される非ゼロLC係数の最大数は、
【数15】
であることに留意されたい。ここで、Lは、選択されたポートの数であり、Mは、レイヤ1について報告されたDFT基底の数である。β(<1)は、報告された非ゼロLC係数の数を制限するために、上位レイヤによって、即ちテーブル5.2.2.2.6-1[3]によって設定される。ビットマップは、
【数16】
からどのLC係数が報告されるかを示すために用いられる。しかしながら、ビットマップの報告が行われない場合、UEは、全てのLC係数を報告すべきである。従って、βを設定する必要はない。更に、βが設定される場合であっても、UEは、その設定を無視してもよい。
【0051】
別の例として、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて、ビットマップを報告するかがUEに設定されてもよいことが考慮される。例えば、設定される場合には、上記の第1のオプションのようにビットマップの報告が行われることが考慮され、設定されない場合には、上記の第2のオプションのようにビットマップの報告が行われないことが考慮される。
【0052】
第3のオプションとして、追加のDFT報告が設定されない場合が考慮される。つまり、広帯域プリコーディングでは、
【数17】
が(2L×1)ベクトルである。この例では、例えばテーブル5.2.2.2.6-1[3]のようなβパラメータ及びp/Mパラメータが設定されることをUEは期待しない。更に、この例では、UEはビットマップを報告する必要はない。
【0053】
第4のオプションとして、追加のDFT報告が設定されない場合が考慮される。つまり、サブプリコーディングでは、
【数18】
が(2L×N)行列である。この例では、例えばテーブル5.2.2.2.6-1[3]のようなβパラメータ及びpパラメータが設定されることをUEは期待しない。更に、この例では、UEはビットマップを報告する必要はない。
【0054】
第5のオプションとして、上位レイヤのシグナリング又はDCIを用いて、
【数19】
を決定及び報告する際に、広帯域プリコーディング又はサブバンドプリコーディングを考慮するかがUEに設定されることが考慮される。このシナリオでは、設定される場合には、第3のオプション(広帯域報告)のように、
【数20】
の決定/報告が考慮され、設定されない場合には、第4のオプション(サブバンド報告)のように、
【数21】
の決定/報告が考慮される。
【0055】
更に、以下において更に検討するように、広帯域プリコーディングのケースとサブバンドプリコーディングのケースとで、異なる振幅及び位相量子化が考慮されてもよい。ここで、上述のビットマップは、0以外のビットによって、
【数22】
内のどの係数がUEによって報告されるかが識別される行列である。ビットマップは、PMIの一部として報告される。
【0056】
第6のオプションとして、追加のDFT報告が設定されるか否かに基づいて、LC係数量子化について、異なる量子化スキームが考慮されてもよい。例えば、追加のDFT報告が設定される場合、
【数23】
内のLC係数の振幅及び位相は、以下のように量子化されてもよい。振幅量子化については、図11に示したような、テーブル5.2.2.5-2[3]における16レベルの振幅量子化が考慮される。また、図11に示したような、テーブル5.2.2.2.5-2又は5.2.2.2.5-3[3]における8レベルの振幅量子化も考慮される。当業者であれば、より高レベルの振幅量子化、例えば32レベルの振幅量子化の可能性が考慮されることも理解するであろう。
【0057】
位相量子化については、位相量子化用の8psk、例えば
【数24】
が考慮され、ここで、cl,iは、関連付けられた位相値φl,iについてUEによって報告された(即ち、3ビットを用いる)位相係数である。更に、位相量子化用の16psk、例えば
【数25】
も考慮され、ここで、cl,iは、関連付けられた位相値φl,iについてUEによって報告された(即ち、4ビットを用いる)位相係数である。また、位相量子化については、位相量子化用の32psk、例えば
【数26】
も考慮され、ここで、cl,iは、関連付けられた位相値φl,iについてUEによって報告された(即ち、5ビットを用いる)位相係数である。当業者であれば、他の振幅量子化スキーム及び位相量子化スキームが排除されるわけではないことを理解するであろう。
【0058】
第7のオプションとして、追加のDFT報告が設定されない場合、第6のオプションにおける
【数27】
内のLC係数量子化の同一の振幅及び位相が用いられてもよいことが考慮される。ここで、広帯域プリコーディングのケースでは、より高い振幅分解能及び位相分解能が考慮されてもよいことに留意されたい。
【0059】
第8のオプションとして、上位レイヤシグナリング又はDCIを用いることによって、第6のオプション及び第7のオプションの両方に適用可能であってもよい、振幅量子化及び位相量子化についてどの量子化スキームを考慮するかがUEに設定されてもよいことが考慮される。
【0060】
1つ以上の実施形態では、Rel.17 ポート選択コードブックのためのパラメータの組み合わせが考慮される。例えば、追加のDFT報告が設定される場合、L、β、pの値が、上位レイヤパラメータparamCombination-r17によって決定され、例えば、paramCombination-r17についての所定値と、L、β及びpとのマッピングが、図12に示したテーブルに記載されているように、仕様に取り込まれてもよい。Rel.16のテーブル5.2.2.2.6-1の内容は、Rel.17において更新されてもよい。例えば、[3]のテーブル5.2.2.2.6-1と比較して、図12においては、7行目及び8行目が追加されている。
【0061】
第1のオプションとして、p、Mが、以下のように計算されてもよい[3]:
【数28】
【0062】
第2のオプションとして、paramCombination-r17を用いて設定されたパラメータ組み合わせの一部又は全部について、p=Mとすることも可能であることが考慮される。目下利用可能なLの値に加えて、L=6,8,10,12,14,16,20,24を考慮して、新たなパラメータ組み合わせが定義されてもよい。更に、当業者であれば、他の値が排除されるわけではないことを理解できるであろうことに留意されたい。
【0063】
1つ以上の実施形態では、追加のDFT報告が設定される場合、L及びβの値が、上位レイヤパラメータparamCombination-r17によって決定され、例えば、paramCombination-r17についての所定値と、L及びβとのマッピングが、図13に示したテーブルに記載されているように、仕様に取り込まれてもよい。目下利用可能なLの値に加えて、L=6,8,10,12,14,16,20,24を考慮して、新たなパラメータ組み合わせが定義されてもよい。更に、当業者であれば、他の値が排除されるわけではないことを理解できるであろうことに留意されたい。
【0064】
別の例として、Mが上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて設定されてもよい。例えば、Mについて、複数の値が仕様において定義されてもよい。上位レイヤシグナリング又はDCIを用いて、それら複数の値の中から1つの値が選択される。例えば、M∈{1,2}。その後、DCIにおける1ビットを用いて、1つの値が選択される。更に別の例として、上位レイヤシグナリングを用いて、Mについて、値のリストが設定されてもよい。その後、DCIを用いて、それら複数の値の中から1つの値が選択される。例えば、M∈{1,2}。その後、DCIにおける1ビットを用いて、1つの値が選択される。更に、別の例として、Mは、(1つ以上の)仕様において予め定義されていてもよく、例えば、M=2が、(1つ以上の)仕様において予め定義されている。
【0065】
また、当業者であれば、追加のDFT報告が設定されない場合のコードブックパラメータ設定について、上記の実施形態、実施例及びオプションの内の1つ以上を考慮することも可能であることを理解するであろうことにも留意されたい。
【0066】
1つ以上の実施形態では、追加のDFT報告が設定されない場合、UEは、例えばテーブル5.2.2.6-1[3]におけるβ及びpのパラメータが設定されることを期待しないことが考慮される。つまり、Lのみの設定で十分であってよい。1つのオプションとして、Lの値は、上位レイヤシグナリングを用いて設定されてもよい。例えば、L={6,8,10,12,14,16,20,24}。別のオプションとして、Lの値のリストが、上位レイヤシグナリングを用いて設定され、それらの中から1つの値がDCIを用いて選択される。例えば、L∈{6,8,10,12}が、上位レイヤシグナリングを用いて設定され、DCIの2ビットを用いて、それらの中から1つの値が選択される。さらに別の例として、Lが(1つ以上の使用)において予め定義されている。例えば、L=16。追加のDFT報告が設定されずに、β及びM/pが設定される場合、UEは、β及びM/pの値を無視してもよいことに留意されたい。
【0067】
変形例
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0068】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0069】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理されてもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0070】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI(Downlink Control Information))、上り制御情報(UCI(Uplink Control Information)))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB(Master Information Block))、システム情報ブロック(SIB(System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリングなど)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0071】
ソフトウェアは、「ソフトウェア」、「ファームウェア」、「ミドルウェア」、「マイクロコード」、「ハードウェア記述言語」と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0072】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、デジタル加入者回線(DSL(Digital Subscriber Line))など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0073】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0074】
本開示においては、用語「基地局(BS(Base Station))」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネント」、「コンポーネントキャリア」は、互換的に使用されてもよい。基地局は、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(Transmission Point(TP))」、「受信ポイント(Reception Point(RP))」、「フェムトセル」、「スモールセル」などと呼ばれてもよい。
【0075】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(「セクタ」とも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH(Remote Radio Head)))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0076】
本開示においては、「移動局(MS(Mobile Station))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE(User Equipment))」、「端末」という用語は、互換的に使用されてもよい。
【0077】
移動局は、「加入者局」、「モバイルユニット」、「加入者ユニット」、「ワイヤレスユニット」、「リモートユニット」、「モバイルデバイス」、「ワイヤレスデバイス」、「ワイヤレス通信デバイス」、「リモートデバイス」、「モバイル加入者局」、「アクセス端末」、「モバイル端末」、「ワイヤレス端末」、「リモート端末」、「ハンドセット」、「ユーザエージェント」、「モバイルクライアント」、「クライアント」又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0078】
また、本開示における無線基地局は、ユーザ端末と解釈されてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、ユーザ端末20が上述の無線基地局10の機能を有してもよい。また、「上りリンク(uplink)」、「下りリンク(downlink)」などの文言は、「サイド(side)」)と解釈されてもよい。例えば、上りリンクチャネルは、サイドチャネルと解釈されてもよい。
【0079】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、無線基地局と解釈されてもよい。この場合、無線基地局が上述のユーザ端末の機能を有してもよい。
【0080】
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われてもよい。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0081】
本開示において説明した1つ以上の実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において態様/実施形態を説明するために用いた処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した様々な方法は、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示したが、そこで提示した特定の順序に限定されない。
【0082】
本開示において説明した1つ以上の実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。
【0083】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0084】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用されてもよい。従って、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0085】
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含してもよい。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、本開示において使用する「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、推定(assuming)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであると解釈されてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであると解釈されてもよい。
【0086】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含んでもよい。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と解釈されてもよい。
【0087】
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えられてもよい。
【0088】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0089】
さらに、明細書又は特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0090】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく様々な修正及び様々な変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【0091】
別の例
上記の実施例及び修正実施例は、相互に組み合わされてもよく、またそれらの実施例の様々な特徴を、様々な組み合わせで相互に組み合わせてもよい。本発明は、本開示における特定の組み合わせに限定されるものではない。
【0092】
本開示を、限られた数の実施形態のみに関して説明したが、本開示の恩恵を受ける当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な他の実施形態に想到し得ることは明らかであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【国際調査報告】