(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】データ伝送方法、装置、機器および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0413 20170101AFI20240313BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20240313BHJP
H04W 72/1273 20230101ALI20240313BHJP
H04W 52/30 20090101ALI20240313BHJP
【FI】
H04B7/0413 200
H04B7/06 102
H04W72/1273
H04W52/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560139
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 CN2022080967
(87)【国際公開番号】W WO2022206374
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202110350530.9
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 希
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲曉▼娟
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067CC02
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
(57)【要約】
該方法は、サウンディング参照信号SRSの各リソースユニットREの周波数領域チャネル推定行列を決定することと、各周波数領域チャネル推定行列に基づいて、バンドにおける各サブバンドに対応するポート相関行列を決定し、サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解して、該サブバンドに対応するポート特徴値行列を得ることと、各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド電力係数と、各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数と、を決定することと、各サブバンドに対応するサブバンド電力係数とバンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定することと、各PRBに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信することと、を含む。本開示の実施形態によれば、サブバンド電力係数とバンド電力係数とに基づいて各PRBに対応する振幅係数を決定することができ、さらにデータ送信効率が向上し、適用性が高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウンディング参照信号SRSの各リソースユニットREの周波数領域チャネル推定行列を決定することと、
前記各周波数領域チャネル推定行列に基づいて、バンドにおける各サブバンドに対応するポート相関行列を決定し、前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解して、該サブバンドに対応するポート特徴値行列を得ることと、
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数と、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数と、を決定することと、
前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定することと、
前記各PRBに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信することと、を含むデータ伝送方法。
【請求項2】
前記SRSの各REの周波数領域チャネル推定行列を決定することは、
送信アンテナのアンテナ数及びSRSに対応するポート数を決定することと、
前記アンテナ数と前記ポート数とに基づいて、前記SRSの各REの周波数領域チャネル推定行列を決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各周波数領域チャネル推定行列に基づいて、各サブバンドに対応するポート相関行列を決定することは、
前記RE毎について、該REに対応する周波数領域チャネル推定行列に基づいて該REに対応するポート相関行列を決定することと、
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するPRBと、該サブバンドに対応するREと、該サブバンドに対応する前記各REに対応するポート相関行列とに基づいて、該サブバンドに対応するポート相関行列を決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記REに対応するポート相関行列のそれぞれは、
【数1】
(ただし、kがREのインデックスで、H
kがインデックスkのREに対応する周波数領域チャネル推定行列で、
【数2】
がH
kの転置行列で、R
kがインデックスkのREに対応するポート相関行列である)
により定められる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記サブバンドに対応するポート相関行列のそれぞれは、
【数3】
(ただし、NBがサブバンドを示し、αがサブバンドのインデックスで、
【数4】
がインデックスαのサブバンドのポート相関行列を示し、
【数5】
がサブバンドに含まれるPRBの数で、Mが前記PRB毎に含まれるREの個数で、
【数6】
がインデックスαのサブバンドに対応するスタートREのインデックスである)
により定められる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド電力係数と、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数と、を決定することは、
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド特徴値を決定することと、
前記各サブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド特徴値を決定し、前記各バンド特徴値に基づいて前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数を決定することと、
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、前記各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数を決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記各サブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記サブバンドのサブバンド電力係数を決定することは、
前記トランスポート層毎について、該トランスポート層に対応する前記サブバンドのサブバンド特徴値に基づいて、該トランスポート層に対応する前記バンドのバンド特徴値を決定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数は、
【数7】
(ただし、iがトランスポート層のインデックスで、WBが前記バンドを示し、
【数8】
がインデックスiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド特徴値で、
【数9】
がインデックスiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数である)
により定められる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記各トランスポート層に対応する前記サブバンドのサブバンド電力係数のそれぞれは、
【数10】
(ただし、iがトランスポート層のインデックスで、NBがサブバンドを示し、αがサブバンドのインデックスで、
【数11】
がトランスポート層iに対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド特徴値で、
【数12】
がトランスポート層iに対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド電力係数である)
により定められる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定することは、
前記サブバンド毎について、前記各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数に基づいて、前記各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド振幅係数を決定することと、
前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド振幅係数を決定することと、
前記各サブバンドに対応するサブバンド振幅係数と前記バンドに対応するバンド振幅係数とに基づいて、各PRBに対応する振幅係数を決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド振幅係数は、
【数13】
(ただし、iがトランスポート層のインデックスで、WBがバンドを示し、
【数14】
がインデックスiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド振幅係数を示し、
【数15】
がインデックスiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数である)
により定められる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記各トランスポート層に対応する前記サブバンドのサブバンド振幅係数のそれぞれは、
【数16】
(ただし、iがトランスポート層のインデックスで、NBがサブバンドを示し、αがサブバンドのインデックスで、
【数17】
がインデックスiのトランスポート層に対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド振幅係数を示し、
【数18】
がインデックスiのトランスポート層に対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド電力係数である)
により定められる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記各サブバンドに対応するサブバンド振幅係数と前記バンドに対応するバンド振幅係数とに基づいて、各PRBに対応する振幅係数を決定することは、
PRB毎について、該PRBがSRS時間領域条件及びSRS周波数領域条件を満たす場合、各トランスポート層に対応する対応のサブバンドのサブバンド振幅係数を、前記各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数として決定して、該PRBが前記SRS時間領域条件又は前記SRS周波数領域条件の少なくとも1つを満たさない場合、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド振幅係数を、前記各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数として決定することと、
ここで、前記SRS時間領域条件は、前回のSRS測定の時間から間隔が時間長閾値未満となることであり、前記SRS周波数領域条件は、直近のSRS測定が存在するPRBとの間の距離が帯域幅閾値未満となることと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記各トランスポート層に対応する前記各PRBの振幅係数に基づいて下りデータを送信することは、
前記PRB毎における前記RE毎について、該REに対応する下りデータが対応する対象トランスポート層を決定し、前記対象トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数を、該REに対応する振幅係数として決定することと、
前記各PRBにおける前記各REに対応する振幅係数に基づいて、下りデータを送信することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数と、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数と、を決定した後、さらに、
各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数を正規化処理し、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数を正規化処理することと、
前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定する場合、具体的に、正規化処理後の前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数により、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
サウンディング参照信号SRSの各リソースユニットREの周波数領域チャネル推定行列を決定する第1特定部と、
前記各周波数領域チャネル推定行列に基づいて、バンドにおける各サブバンドに対応するポート相関行列を決定し、前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解して、該サブバンドに対応するポート特徴値行列を得る第2特定部と、
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数と、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数と、を決定する第3特定部と、
前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定する第4特定部と、
前記各PRBに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信するデータ送信部と、を含むデータ伝送装置。
【請求項17】
コンピュータプログラムを格納するメモリと、
プロセッサの制御でデータを送受信する送受信部と、
前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み出して、請求項1乃至15のいずれかに記載の方法を実行する前記プロセッサと、を備える電子機器。
【請求項18】
請求項1乃至15のいずれかに記載の方法をプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶したプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年3月31日に中国国家知識産権局に提出された出願番号CN202110350530.9の中国特許出願の優先権を要求し、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、通信の技術分野に関して、特に、データ伝送方法、装置、機器および記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
通信システムにおいて、ネットワーク機器は、データ伝送を行う場合に、対応する時間周波数リソース及びアンテナポートに下りデータをマッピングして送信する必要がある。なお、下りデータを送信する際に、常用の波形方式として、コードブック伝送と非コードブック伝送とがある。
【0004】
レイヤマッピングを行う場合には、ネットワーク機器の下りの最大送信電力は一定であり、総電力を複数のトランスポートレイヤに割り当てる必要があり、通常の割り当て方式について、平均で割り当てることや一定の割合で割り当てる。ただし、平均で割り当てることは、空間伝送時の各トランスポート層での性能差について考慮されておらず、空間特徴値の小さいトランスポート層の性能が制限され、空間特徴値の大きいトランスポート層よりもビット誤り率が著しく高く、最終的にコードワード全体の誤受信を招くことになる。一定の割合で割り当てる方式は、空きチャネルの変化、すなわち異なるチャネルに必要とされる異なる比率に適応できず、適応性が悪い。
【0005】
このようにレイヤマッピングを行うことで、エネルギーの弱いトランスポート層のビット誤り率が、エネルギーの強いトランスポート層のビット誤り率よりも著しく大きくなり、最終的なブロック誤り率が増加してしまい、データ送信効率が低くなってしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、データ送信効率を向上でき、適用性の高いデータ伝送方法、装置、機器、および記憶媒体を提供している。
【0007】
第1方面に係るデータ伝送方法は、サウンディング参照信号SRSの各リソースユニットREの周波数領域チャネル推定行列を決定することと、
前記各周波数領域チャネル推定行列に基づいて、バンドにおける各サブバンドに対応するポート相関行列を決定し、前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解して、該サブバンドに対応するポート特徴値行列を得ることと、
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数と、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数と、を決定することと、
前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定することと、
前記各PRBに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信することと、を含む。
【0008】
第2方面に係るデータ伝送装置は、サウンディング参照信号SRSの各リソースユニットREの周波数領域チャネル推定行列を決定する第1特定部と、
前記各周波数領域チャネル推定行列に基づいて、バンドにおける各サブバンドに対応するポート相関行列を決定し、前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解して、該サブバンドに対応するポート特徴値行列を得る第2特定部と、
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数と、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数と、を決定する第3特定部と、
前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定する第4特定部と、
前記各PRBに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信するデータ送信部と、を含む。
【0009】
第3方面に係る電子機器は、
コンピュータプログラムを格納するメモリと、
前記プロセッサの制御でデータを送受信する送受信部と、
前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み出して、第1方面に係る方法を実行するプロセッサと、を備える。
【0010】
第4方面に係るプロセッサ読み取り可能な記憶媒体は、第1方面に係る方法を前記プロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶している。
【0011】
本開示の実施形態において、各サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解し、さらに特異値分解結果に基づいて各PRBに対応する振幅係数を決定することで、各PRBに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信する際に空きポート環境を適応することができ、データ送信効率が向上し、適用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の一実施形態における技術案をより明確化するため、以下において、実施形態に必要とされる図面を簡単に紹介して、以下の記載における図面は、本開示のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとって創造的な労働を伴わずに、これらの図面から他の図面が得られることは明らかである。
【
図1】本開示の実施形態に係るデータ伝送方法のフローチャートを示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るトランスポート層が4である場合のデータ伝送のフローを示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係るデータ伝送装置の構成を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る電子機器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の一実施形態における「及び/又は」の用語は、関連オブジェクトの関連関係を記述するものであり、例えば、A及び/又はB等の3つの関係があり、A単独、A及びBが同時にあり、B単独の3つの状況があることを意味してもよい。文字「/」は、一般に、前後関連オブジェクトが一種の「或いは」の関係にあることを示す。
【0014】
本開示の一実施形態における「複数」の用語は、2又は2以上のことを意味し、他の用語も同様である。
【0015】
以下、本開示の一実施形態について図面を参照して明示的にかつ完全に記載し、記載された実施形態は、本開示の一部の実施形態のみであり、全ての実施形態となることは言うまでもない。本開示における実施形態に基づいて、当業者は、創造的な工夫なしになしうる他の全ての実施形態を、本開示の範囲に属する。
【0016】
このうち、方法および装置は、同一の出願思想に基づいており、その解決原理が同様であるため、装置と方法との実施は相互に参照され、その説明は繰り返さない。
【0017】
本開示の一実施形態によるデータ伝送方法は多様な通信システムに適用可能であり、そのうち、本開示の一実施形態による通信方法を適用可能な通信システムはグローバル移動通信(global system of mobile communication、GSM)システム、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)システム、バンド符号分割多元接続(Wide band Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標))汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)システム、LTEシステム、LTE周波数分割複信(frequency division duplex、FDD)システム、LTE時分割複信(time division duplex、TDD)システム、long term evolution advanced、LTE-A)システム、UMTS(universal mobile tele communication system)、WiMAX(world wide interoperability for microwave access)システム、5Gシステム等であってもよい。システムには、例えば、Evolved Packet System(EPS)などのコアネットワーク部分が含まれてもよい。
【0018】
ただし、いずれかの前記通信システムにおけるネットワーク装置に対して、本開示の実施形態によるデータ伝送方法を適用することができる。
【0019】
本開示の実施形態に係るネットワーク機器は、基地局であってもよく、具体的な運用状況によってアクセスポイントとも称され、アクセス網内の1つ以上のセクタを介して無線端末装置とエアインタフェース上で通信する機器であってもよく、その他の名称であってもよい。ネットワーク機器は、無線端末装置と、IP(Internet Protocol)通信網を含むアクセス網の残部との間のルータとして、受信した空中フレームをIP(Internet Protocol)パケットと交換することができる。ネットワーク機器は、空中インタフェースの属性管理を協調してもよい。
【0020】
例えば、本開示の実施形態に係るネットワーク機器は、GSMまたはCDMAにおけるネットワーク機器(Base Transceiver Station、BTS)であってもよく、WCDMA(登録商標)におけるネットワーク機器(NodeB)であってもよく、LTEシステムにおけるevolutional Node B、eNBやe-NodeB、5Gネットワークアーキテクチャ(next generation system)における5G基地局(gNB)であってもよく、HeNB(Home evolved NodeB)、リレーノード(relay node)、ホーム基地局(femto)、ピコ基地局(pico)などであってもよく、LTEシステムやNRシステムにおけるOM(Operational Maintenane)であってもよい。システムは、本開示の実施形態において限定されない。いくつかのネットワーク構成において、ネットワーク装置は、CU(Converralized unit)ノードと、DU(Distributed unit)ノードとを含んでもよく、また、CU(Converralized unit)ノードとDU(Distributed unit)ノードとは、地理的に離れて配置されてもよい。
【0021】
ここで、ネットワーク機器は、本開示の実施形態に係るデータ伝送方法に基づいて、通信システム内の端末装置にダウンリンクデータを送信してもよい。
【0022】
本開示の実施形態に係る端末機器は、ユーザに音声及び/又はデータ連通性を与える機器、無線接続機能を有するハンドヘルド機器、又は、無線モデムに接続される他の処理機器などであってもよい。他のシステムにおいても、端末機器の名称は異なり得るが、例えば、5Gシステムにおいては、端末機器は、UE(User Equipment)と呼ばれてもよい。
【0023】
無線端末装置は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)を介して1つ又は複数のコアネットワーク(Core Network、CN)と通信可能であり、無線端末機器は、携帯電話(又は「セルラー」電話)や携帯端末機器を備えるコンピュータのような携帯端末機器であってもよく、例えば、携帯、ポケットベル、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵又は車載の移動装置であってもよく、これらは無線アクセスネットワークと言語及び/又はデータをやりとりする。例えば、Personal Communication Service(PCS)電話、コードレス電話、Session Initiated Protocol(SIP)電話機、Wireless Local Loop(WLL)局、Personal Digital Assistant(PDA)等の機器である。無線端末機器は、システム、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者局(subscriber station)、移動局(mobile station)、移動局(mobile)、リモート局(remote station)、アクセスポイント(access point)、リモート端末機器(remote terminal)、アクセス端末機器(access terminal)、ユーザ端末機器(user terminal)、ユーザエージェント(user agent)、ユーザ装置(user device)とも呼ばれ、本開示の実施形態において限定されない。
【0024】
本開示の実施形態では、ネットワーク機器と端末機器との間で、それぞれ一つまたは複数のアンテナを用いて多入力多出力(Multi Input Multi Output)伝送を行うことができ、MIMO伝送は、シングルユーザMIMO(Single User MIMO、SU-MIMO)またはマルチユーザMIMO(Multiple User MIMO、MU-MIMO)とすることができる。MIMO伝送は、ルートアンテナの組み合わせの形態や数に応じて、2D-MIMO、3D-MIMO、FD-MIMOやmassive-MIMOでもよく、ダイバーシチ伝送やプリコーディング伝送やビームフォーミング伝送などでもよい。
【0025】
図1を参照して、
図1は本開示の一実施形態にかかるデータ伝送方法のフローチャートを示す図である。
図1に示すように、本開示の一実施形態にかかるデータ伝送方法は、以下のステップを有していてもよい。
【0026】
ステップS11において、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal、SRS)の各リソースユニット(Resource Element、RE)の周波数領域チャネル推定行列を決定する。
【0027】
幾つかの例示的な実施形態では、SRSの各REの周波数領域チャネル推定行列を特定する際に、ネットワーク機器の送信アンテナのアンテナ数及びSRSに対応するポート数を特定してもよい。
【0028】
さらに、ネットワーク機器の送信アンテナのアンテナ数とSRSに対応するポート数とに基づいて、SRSの各REの周波数領域チャネル推定行列を決定する。
【0029】
一例として、ネットワーク機器の送信アンテナのアンテナ数をk
aとし、SRSがnポートラウンドロビンを配置すれば、SRSのk番目のREの周波数領域チャネル推定行列H
k(次元を
【数1】
とする)を特定できる。
【0030】
一例として、端末装置が2T4R端末であり、SRSが4ポートラウンドロビンを配置して、ネットワーク装置の送信アンテナのアンテナ数がk
aであれば、SRSのk番目のREの周波数領域チャネル推定行列H
k次元を
【数2】
とする)が特定できる。
【0031】
ステップS12において、各周波数領域チャネル推定行列に基づいて、バンドにおける各サブバンドに対応するポート相関行列を決定し、サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解し、該サブバンドに対応するポート特徴値行列を得る。
【0032】
いくつかの可能な実装形態では、各周波数領域チャネル推定行列に基づいて各サブバンドに対応するポート相関行列を特定する際に、SRSの各REに対応するポート相関行列を先に特定してもよい。
【0033】
具体的に、RE毎について、該REに対応する周波数領域チャネル推定行列に基づいて該REに対応するポート相関行列を決定する。ここで、RE毎について、そのREに対応するポート相関行列を決定する際に、そのREの周波数領域チャネル推定行列の転置行列を決定し、さらにそのREの周波数領域チャネル推定行列と対応する転置行列から、そのREに対応するポート相関行列を決定してもよい。つまり、SRSの各REに対応するポート相関行列は、いずれも前記態様に基づいて特定され得る。
【0034】
一例として、SRSのk番目のREの周波数領域チャネル推定行列H
kであれば、該REの周波数領域チャネル推定行列に対応する転置行列が
【数3】
であり、このうち、該REに対応するポート相関行列が
【数4】
である。
【0035】
さらに、サブバンド毎について、該サブバンドに対応する物理リソースブロック(Physical Resource Block、PRB)、該サブバンドに対応するRE、および、該サブバンドに対応する各REに対応するポート相関行列から、該サブバンドに対応するポート相関行列を決定する。
【0036】
ここで、サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列は、具体的に、該サブバンドに含まれるPRBの数、PRB毎に含まれるREの数、および、該サブバンドに対応する各REに対応するポート相関行列に基づいて決定され得る。
【0037】
ここで、各サブバンドに対応するポート行列は、下式により決定することができる。
【数5】
ただし、αがサブバンドインデックスで、
【数6】
がα番目のサブバンドのポート相関行列を示し、
【数7】
がサブバンドサイズで、すなわちサブバンドに含まれるPRBの数で、MがPRB毎に含まれるREの個数で、
【数8】
がα番目のサブバンドの先頭REのインデックスである。
【0038】
なお、サブバンド毎に含まれるPRBの個数は、実際の配置に基づいて決定されてもよいし、サブバンド毎に含まれるREの個数も、実際の配置やプロトコルに基づいて決定されてもよく、本開示の実施形態では制限されない。
【0039】
一例として、PRB毎に含まれるREの個数が6であれば、α番目のサブバンドに対応するポート相関行列は以下の式で決定することができる。
【数9】
いくつかの可能な実装形態では、各サブバンドに対応するポート相関行列を決定した後、各サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解(Singular Value Decomposition、SVD)し、各サブバンドに対応するポート特徴値行列を得ることができる。
【0040】
一例として、
【数10】
がα番目のサブバンドに対応するポート特徴値行列を示すと、α番目のサブバンドに対応するポート特徴値行列が
【数11】
であり、SVD()が特異値分解演算を表す。
【0041】
ステップS13において、各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド電力係数と各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数とを決定する。
【0042】
具体的に、サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各サブバンドが各トランスポート層に対応するサブバンド特徴値を決定する。
【0043】
いくつかの可能な実装形態では、前記トランスポート層は、ネットワーク機器がレイヤマッピングを行う場合に対応する各トランスポート層である。ここで、トランスポート層のレイヤ数は、チャネルのランクにより定まるものであるが、チャネルのランクは、一定の無線環境において、MIMOシステムが互いに独立しているチャネル数を示す。トランスポート層のレイヤ数は、チャネル行列のランク数以下であるとともに、物理チャネル伝送で用いられるアンテナポート数以下である。
【0044】
いくつかの可能な実装形態では、サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート特徴値行列の対角線要素が特定され、その対角線要素の中から該トランスポート層に対応するサブバンド特徴値が、トランスポート層の数に基づいて特定される。
【0045】
具体的に、該サブバンドに対応するポート特徴値行列の対角線要素について、対角線要素中の各要素の並び順に従って、各対角線要素を、該サブバンドが各トランスポート層に対応するサブバンド特徴値として順次決定する。例えば、対角線要素の内の1つ目の要素を該サブバンドが1つ目のトランスポート層に対応するサブバンド特徴値と決定し、対角線要素の内の2つ目の要素を該サブバンドが2つ目のトランスポート層に対応するサブバンド特徴値と決定する。
【0046】
ここで、対角線要素に対応する並び順は、左上隅から右下隅までの並び順であり、対角線要素の数は、トランスポート層の数以上である。
【0047】
一例として、トランスポート層の数が4の場合、1つのサブバンドに対応するポート特徴値行列の対角線要素が
【数12】
であれば、その行列対角線要素の並び順が
【数13】
となり、さらに、そのサブバンドのトランスポート層β
1に対応するサブバンド特徴値がA
11であり、トランスポート層β
2に対応するサブバンド特徴値がA
22であり、トランスポート層β
3に対応するサブバンド特徴値がA
33であり、トランスポート層β
4に対応するサブバンド特徴値がA
44である。つまり、このサブバンドは、各トランスポート層のサブバンド特徴値に対応する。
【数14】
一例として、トランスポート層の数が2である場合、1つのサブバンドに対応するポート特徴値行列の対角線要素が
【数15】
であれば、その行列対角線要素の並び順が
【数16】
となり、さらに、そのサブバンドのトランスポート層β
1に対応するサブバンド特徴値がA
11であり、トランスポート層β
2に対応するサブバンド特徴値がA
22である。つまり、このサブバンドの各トランスポート層に対応するサブバンド特徴値が
【数17】
である。
一例として、α番目のサブバンドに対応するポート特徴値行列が
【数18】
であり、その対角線要素に基づいて得られる各サブバンドの各トランスポート層に対応するサブバンド特徴値が
【数19】
であり、だたし、iはトランスポート層のインデックスを表し、i=0,1,2,3である。
【0048】
さらに、いくつかの可能な実装形態では、各サブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、各トランスポート層にバンドに対応するバンド特徴値を決定し、各バンド特徴値に基づいて、各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数を決定することができる。
【0049】
ここで、各トランスポート層に対応するバンドのバンド特徴値は、該トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド特徴値によって決定される。
【0050】
具体的に、各トランスポート層毎について、該トランスポート層に対応するバンドのバンド特徴値を、該トランスポート層に対応するサブバンドのサブバンド特徴値によって決定することができる。
【0051】
一例として、トランスポート層iに対応するα番目のサブバンドのサブバンド特徴値
【数20】
であれば、トランスポート層iに対応するバンドのバンド特徴値
【数21】
になる。ただし、αがサブバンドインデックスであり、N
NBがサブバンド個数を表す。
【0052】
以上の実装形態によれば、各トランスポート層に対応するバンドのバンド特徴値を個別に決定することができる。
【0053】
具体的に、各トランスポート層に対応するバンドのバンド特徴値に基づいて各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数が決定される場合、トランスポート層毎について、該トランスポート層に対応するバンドのバンド特徴値に基づいて、該トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数を決定し、さらに各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数を得ることができる。
【0054】
一例として、トランスポート層iに対応するバンドのバンド特徴値が
【数22】
であれば、トランスポート層iに対応するバンドのバンド電力係数が
【数23】
である。
【0055】
前記式から明らかなように、トランスポート層毎について、該トランスポート層に対応するバンドのバンド特徴値が、該トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数に反比例し、該トランスポート層に対応するバンドのバンド特徴値が大きいほど、該トランスポート層に対応するチャネル条件が良く、更に該トランスポート層に対応するバンド電力係数が小さくなる。これにより、各トランスポート層に対するバンドのバンド電力係数が、対応するバンド特徴値に基づいてリアルタイムに決定され、異なる空き環境において各バンドに対応するバンド電力係数が調整される。
【0056】
いくつかの可能な実装形態では、サブバンド毎について、そのサブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、各トランスポート層に対応するサブバンドのサブバンド振幅係数を決定することができる。
【0057】
具体的に、各トランスポート層に対応する各サブバンドのバンド電力係数を決定する際に、サブバンド毎について、各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド特徴値に基づいて、各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数を決定することができる。
【0058】
一例として、トランスポート層iに対応するα番目のサブバンドのサブバンド特徴値が
【数24】
であれば、トランスポート層iに対応するサブバンドのサブバンド電力係数は
【数25】
である。
【0059】
前記式から明らかなように、トランスポート層毎について、該トランスポート層に対応するあるサブバンドのサブバンド特徴値の平方根は、該トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数に反比例し、該トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド特徴値が大きいほど、該トランスポート層に対応するチャネル条件が良く、さらに、該トランスポート層に対応するサブバンド電力係数が相対的に小さい。これに対して、特徴値の小さいトランスポート層の電力を上げて、チャネル条件の異なる電力を等化することができることにより、システム全体の性能を良くすることができる。これにより、サブバンド毎に各トランスポート層に対応するサブバンド電力係数を、対応するサブバンド特徴値に基づいてリアルタイムに決定することができ、異なる空き環境において各サブバンドに対応するサブバンド電力係数を調整することができる。
【0060】
ステップS14において、各サブバンドに対応するサブバンド電力係数とバンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定する。
【0061】
いくつかの可能な実装形態では、各サブバンドに対応するサブバンド電力係数とバンドに対応するバンド電力係数とを決定した後に、各サブバンドに対応するサブバンド電力係数に基づいて各サブバンドに対応するサブバンド振幅係数を決定し、バンドに対応するバンド電力係数に基づいてバンドに対応するバンド振幅係数を決定することができる。さらに、各サブバンドに対応するサブバンド振幅係数とバンドに対応するバンド振幅係数とに基づいて、各PRBに対応する振幅係数を決定する。
【0062】
具体的に、トランスポート層毎について、そのトランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数に基づいて、そのトランスポート層に対応するバンドのバンド振幅係数を決定し、各トランスポート層に対応するバンドのバンド振幅係数を得ることができる。
【0063】
一例として、トランスポート層iに対応するバンドのバンド電力係数が
【数26】
であれば、トランスポート層iに対応するバンドのバンド振幅係数が
【数27】
である。
【0064】
選択として、トランスポート層毎に対応するバンドのバンド振幅係数を決定する前に、各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数を正規化処理して、各トランスポート層に対応する正規化されたバンドのバンド電力係数を得て、さらに、各トランスポート層に対応する正規化されたバンドのバンド電力係数に基づいて、各トランスポート層に対応するバンドのバンド振幅係数を決定することができる。
【0065】
一例として、トランスポート層iに対するバンドのバンド電力係数が
【数28】
であり、各トランスポート層に対するバンドのバンド電力係数に対して正規化処理を行った後、対応する正規化後のバンド電力係数が
【数29】
であり、さらに、正規化後のバンド電力係数
【数30】
に基づいて、トランスポート層iに対応するバンドのバンド振幅係数が
【数31】
であるように決定される。
【0066】
具体的に、トランスポート層毎について、該トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数に基づいて、該トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド振幅係数を決定し、各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド振幅係数を得てもよい。
【0067】
トランスポート層iに対応するα番目のサブバンドのサブバンド電力係数が
【数32】
であれば、トランスポート層iに対応するサブバンドのサブバンド振幅係数は
【数33】
である。
【0068】
選択として、サブバンド毎について、各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド振幅係数を決定する前、各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数に正規化処理を行い、各トランスポート層に対応するサブバンドの正規化後のサブバンド電力係数を得ることができる。さらに、各トランスポート層に対応する該サブバンドの正規化後のサブバンド電力係数に基づいて、各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド振幅係数を決定する。
【0069】
一例として、トランスポート層iに対応するα番目のサブバンドのサブバンド電力係数を
【数34】
とし、各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数に正規化処理を行った後、対応する正規化後のサブバンド電力係数を
【数35】
とし、さらに、正規化後のサブバンド電力係数
【数36】
に基づいて、トランスポート層iに対応するサブバンドのサブバンド振幅係数を
【数37】
として決定する。
【0070】
いくつかの可能な実装形態では、ネットワーク機器は、レイヤマッピングを行った後、ダイバーシチ又は多重の目的を達成するために、トランスポートレイヤ毎に対応するデータを、異なるアンテナポートの異なるサブキャリア及び異なるスロットにマッピングする。したがって、各サブバンドに対応するサブバンド振幅係数とバンドに対応するバンド振幅係数とを決定した後に、各サブバンドに対応するサブバンド振幅係数とバンドに対応するバンド振幅係数とに基づいて、帯域幅の異なるPRBに対応する振幅係数を決定することができる。
【0071】
具体的に、PRB毎について、該PRBがSRS時間領域条件及び周波数領域条件を満たすか否かを特定し得る。該PRBがSRS時間領域条件及びSRS周波数領域条件を満たす場合、各トランスポート層に対応する、該PRBが位置するサブバンドのサブバンド振幅係数を各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数と特定する。該PRBがSRS時間領域条件又はSRS周波数領域条件の少なくともいずれかを満たさない場合、該PRBが各トランスポート層に対応する振幅係数として、該PRBが各トランスポート層に対応する振幅係数を決定する。
【0072】
具体的に、前記SRS時間領域条件は、前回のSRS測定からの時間間隔が時間長閾値未満であることである。PRB毎について、該PRBがSRS時間領域条件を満たすことは、具体的に、現在時刻と該PRBにおける1回前のSRS測定の時間との間隔が時間長閾値未満であることである。
【0073】
なお、前記時間長閾値は、具体的に実用場面要求や実際の配置に基づいて決定されていればよく、これに限定されない。
【0074】
具体的に、前記SRS周波数領域条件は、最も距離が近いSRS測定の存在するPRBとの間の距離が帯域幅閾値未満となることである。PRB毎について、該PRBは、SRS周波数領域条件を満たすことは、具体的に、該PRBとSRS測定のあるPRBの直近のPRBとの距離が帯域閾値未満であることである。
【0075】
なお、前記帯域閾値は、具体的に、実用場面要求または実際の配置に基づいて決定されていればよく、これに限定されない。
【0076】
一例として、PRB毎について、該PRBが現在時刻で該PRBの1回前のSRS測定の時間との間隔は時間長閾値未満であり、かつ、該PRBとSRS測定の存在するPRBの直近のPRBとの距離が帯域幅閾値未満であれば、各トランスポート層に対応する該PRBに対応するサブバンドのサブバンド振幅係数を、該PRBの各トランスポート層に対応する振幅係数として決定する。
【0077】
該PRBに対応するサブバンドがα番目のサブバンドであれば、各トランスポートレイヤに対応する該PRBの振幅係数F
iは、各トランスポートレイヤに対応する該サブバンドのサブバンド振幅係数
【数38】
すなわち、
【数39】
である。
【0078】
一例として、PRB毎について、該PRBが現在時刻で該PRBの1回前のSRS測定の時間との間隔が時間長閾値以上であり、及び/又は該PRBとSRS測定の存在するPRBの直近のPRBとの距離が帯域幅閾値以上であれば、各トランスポート層に対応するサブバンドのサブバンド振幅係数を、各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数として決定する。このPRBの各トランスポート層に対応する振幅係数F
iは、各トランスポート層に対応するバンドのバンド振幅係数
【数40】
で、すなわち、
【数41】
である。
【0079】
ステップS15において、各PRBが対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信する。
【0080】
いくつかの可能な実装形態では、各トランスポート層に対応するデータが最終的にアンテナポート毎に対応する異なるREにマッピングされるため、各PRBに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信することを決定する際に、各PRBにおける各REに対応する振幅係数を更に決定することができる。
【0081】
具体的に、PRB毎におけるRE毎について、該REが下りデータに対応する対象トランスポート層に対応することを決定し、該対象トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数を、該REに対応する振幅係数として決定することができる。
【0082】
つまり、PRB毎について、各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数に基づいて、各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数を決定することができる。
【0083】
一例として、各トランスポート層に対応するあるPRBの振幅係数をFiとすると、該PRBのうちトランスポート層1に対応するREに対応する振幅係数はF1となり、該PRBのうちトランスポート層2に対応するREに対応する振幅係数はF2となる。
【0084】
一例として、各トランスポート層に対応するあるPRBの振幅係数が、各トランスポート層に対応する、それが位置するα番目のサブバンドのサブバンド振幅係数
【数42】
とすると、そのPRBのうちの1RE当たりに対応する振幅係数が
【数43】
となる。
【0085】
さらに、各PRBにおける各REに対応する振幅係数を決定した後、各REに対応する下りデータに該REに対応する振幅係数を乗算して、最終的に送信される下りデータを得て、最終的な下りデータを端末機器に送信することができる。
【0086】
次に、
図2を用いて本開示の実施形態に係るデータ伝送方法を説明する。
図2は、本開示の実施形態に係るトランスポート層が4である場合のデータ伝送の流れを示す図である。
【0087】
SRS対応ポートが4であれば、SRSの各REの4ポート周波数領域チャネル推定行列を決定し、さらにバンドで各サブバンドに対応する4ポート相関行列を決定することができる。さらに、各サブバンドに対応する4ポート相関行列をSVD分解して、各サブバンドに対応する4ポート特徴値行列を得、各サブバンドに対応する4ポート特徴値行列の対角線要素を取り、各サブバンドに対応する4ストリーム特徴値を得る。ただし、ストリーム毎に1つのトランスポート層が対応しており、トランスポート層の数が4であれば、4ストリーム特徴値は、4つのトランスポート層に対応する特徴値となる。
【0088】
さらに、各サブバンドに対応する4ストリーム特徴値についてルート番号演算を行って対応する4ストリーム電力係数を得て、4ストリーム電力係数について逆数演算と正規化処理とを行って各サブバンドに対応する4ストリーム振幅係数を得る。
【0089】
一方、各サブバンドに対応するストリーム毎特徴値を基に、バンドに対応するストリーム毎特徴値を決定し、バンドに対応する4ストリーム特徴値を得る。バンドに対応する4ストリーム特徴値に対してルート番号演算を行って対応する4ストリーム電力係数を得、4ストリーム電力係数に対して逆数演算と正規化処理とを行ってバンドに対応する4ストリーム振幅係数を得る。
【0090】
最終的に、各サブバンドに対応する4ストリーム振幅係数とバンドに対応する4ストリーム振幅係数とに基づいて、PRB毎に最終的に使用される振幅係数が決定され、対応する振幅係数で下りデータが伝送される。
【0091】
本開示の実施形態では、各サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解し、特異値分解結果に基づいて、各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数、および、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド電力係数を決定する。各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド特徴値は、該サブバンドに対応するサブバンド電力係数に反比例するので、各トランスポート層に対応するバンドのバンド特性値は、バンドに対応するバンドの電力係数に反比例する。このため、チャネル条件の良いトランスポート層に対応する振幅係数は低く、チャネル条件の悪いトランスポート層に対応する振幅係数は高くなる。これにより、チャネル条件の異なるトランスポートレイヤ間のコードワードの受信性能を比較的近づけ、トランスポート層によるコードワードの受信正確度を向上させる。一方、本開示の実施形態によるデータ伝送方法によれば、ネットワーク機器が、各トランスポート層間の対応する電力配分を適応的に調整して、ブロック誤り率を低減することができる。さらに、各トランスポート層に対応するサブバンドまたはバンドにおける電力分配割合に基づいて各PRBに対応する振幅係数を決定することで、異なる空き環境において各PRBに不用な振幅係数を適用することができ、データ送信メッセージやセル下りスペクトル効率が向上し、適用性が高い。
【0092】
図3を参照すると、
図3は、本開示の実施形態に係るデータ伝送装置の構成を示す図である。本開示の実施形態に係るデータ伝送装置1は、
サウンディング参照信号SRSのリソースユニットREの周波数領域チャネル推定行列を決定する第1特定部11と、
前記周波数領域チャネル推定行列のそれぞれに基づいて、バンドにおける各サブバンドに対応するポート相関行列を決定し、前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解して該サブバンドに対応するポート特徴値行列を得る前記第2特定部12と、
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド電力係数と、各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数とを決定する第3特定部13と、
各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と、前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定する第4特定部14と、
前記PRB対応の振幅係数に基づいてダウンリンクデータを送信するように構成されるデータ送信部15とを含む。
【0093】
いくつかの可能な実装形態では、前記第1特定部11は、
送信アンテナのアンテナ数及びSRSに対応するポート数を決定して、
前記アンテナ数と前記ポート数とに基づいて、前記SRSの各REの周波数領域チャネル推定行列が決定されるように配置される。
【0094】
いくつかの可能な実装形態では、前記第2特定部12は、
前記RE毎について、該REに対応する周波数領域チャネル推定行列に基づいて該REに対応するポート相関行列を決定して、
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するPRB、該サブバンドに対応するRE、および、該サブバンドに対応する前記各REが対応するポート相関行列に基づいて、該サブバンドに対応するポート相関行列が決定されるように配置される。
【0095】
いくつかの可能な実装形態では、上述したREが対応するポート相関行列のそれぞれは、下式により定められる。
【数44】
【0096】
ただし、kがREのインデックスで、H
kがインデックスkのREが対応する周波数領域チャネル推定行列で、
【数45】
がH
kの転置行列で、R
kがインデックスkのREの対応するポート相関行列である。
【0097】
いくつかの可能な実装形態では、前記サブバンドに対応するポート相関行列は、下式により定められる。
【数46】
【0098】
ただし、NBがサブバンドを示し、αがサブバンドのインデックスで、
【数47】
がインデックスαのサブバンドのポート相関行列を示し、
【数48】
がサブバンドに含まれるPRBの数で、Mが前記PRBに含まれるREの個数で、
【数49】
がインデックスαのサブバンドに対応するスタートREのインデックスである。
【0099】
いくつかの可能な実装形態では、前記第3特定部13は、
【0100】
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド特徴値を決定して、
前記各サブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド特徴値を決定し、前記各バンド特徴値に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数を決定して、
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、前記トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数を決定するように配置される。
【0101】
いくつかの可能な実装形態では、前記第3特定部13は、
前記トランスポート層毎について、該トランスポート層に対応する前記サブバンドのサブバンド特徴値に基づいて、該トランスポート層に対応する前記バンドのバンド特徴値を決定するように配置される。
【0102】
いくつかの可能な実装形態では、前記トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数は、下式で定められる。
【数50】
【0103】
ただし、iがトランスポート層のインデックスで、WBが前記バンドを示し、
【数51】
がインデックスαの前記バンドがトランスポート層に対応するバンド特徴値で、
【数52】
がインデックスiのトランスポート層に対応するインデックスαの前記バンドにおけるバンド電力係数である。
【0104】
いくつかの可能な実装形態では、前記サブバンド毎について、前記トランスポート層に対応するサブバンド電力係数は、下式により定められる。
【数53】
【0105】
ただし、iがトランスポート層のインデックスで、NBがサブバンドを示し、αがサブバンドのインデックスで、
【数54】
がトランスポート層iに対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド特徴値を示し、
【数55】
がトランスポート層iに対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド電力係数を示す。
【0106】
いくつかの可能な実装形態では、前記第4特定部14は、
前記サブバンド毎について、前記各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数に基づいて、前記各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド振幅係数を決定して、
前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド振幅係数を決定して、
前記各サブバンドに対応するサブバンド振幅係数と前記バンドに対応するバンド振幅係数とに基づいて、各PRBに対応する振幅係数が決定されるように配置される。
【0107】
いくつかの可能な実装形態では、前記トランスポート層に対応する前記バンドのバンド係数は、下式により定められる。
【数56】
【0108】
ただし、iがトランスポート層のインデックスで、WBがバンドで、
【数57】
がインデックスiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド振幅係数で、
【数58】
がインデックスiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数である。
【0109】
いくつかの可能な実装形態では、前記トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド振幅係数は、下式により定められる。
【数59】
【0110】
ただし、iがトランスポート層のインデックスで、NBがサブバンドで、αがサブバンドのインデックスで、
【数60】
がインデックスiのトランスポート層に対応するサブバンドのサブバンド振幅係数で、
【数61】
がインデックスiのトランスポート層に対応するインデックスαのサブバンド電力係数である。
【0111】
いくつかの可能な実装形態では、前記第4特定部14は、
PRB毎について、該PRBがSRS時間領域条件及びSRS周波数領域条件を満たす場合、各トランスポート層に対応する対応のサブバンドのサブバンド振幅係数を、前記各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数として決定して、該PRBが前記SRS時間領域条件又は前記SRS周波数領域条件の少なくとも一方を満たさない場合、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド振幅係数を、前記各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数として決定するように配置される。
【0112】
ここで、前記SRS時間領域条件は、前回のSRS測定の時間からの間隔が時間長閾値未満となることであり、前記SRS周波数領域条件は、直近のSRS測定が存在するPRBとの間の距離が帯域幅閾値未満となることである。
【0113】
いくつかの可能な実装形態では、前記データ送信部15は、
前記PRB毎における前記RE毎について、該REに対応する下りデータが対応する目標トランスポート層を決定し、該PRBに対応する前記目標トランスポート層の振幅係数を該REに対応する振幅係数として決定して、
前記各PRBにおける前記各REに対応する振幅係数に基づいて下りデータが送信されるように配置される。
【0114】
いくつかの可能な実装形態では、前記第3特定部13は、さらに、
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド電力係数と、各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数とを決定した後、
各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数に対して正規化処理が行われ、各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数に対して正規化処理が行われ、第4特定部14は、正規化処理後の前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とを用いて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を具体的に決定する。
【0115】
なお、本開示の実施形態によるデータ処理装置1は、上述した方法の実施形態のネットワーク機器により実現される方法の手順を全て実現することができ、同一の技術効果を実現することができ、その説明は、実施形態の方法と同一の部分および効果については繰り返さない。
【0116】
なお、本開示におけるセルの区分けは模式的なものであり、一種の論理的機能区分に過ぎず、実際に実現するとき別の区分け方式もあり得る。また、本開示の各実施形態における各機能部は、1つの処理部に集積されていてもよいし、各部が単独で物理的に存在していてもよいし、2つ以上の部が1つの部に集積されていてもよい。前記集積手段は、ハードウェア的に実現してもよいし、ソフトウェア的機能手段として実現してもよい。
【0117】
前記集積ユニットは、ソフトウェア機能ユニットとして実現され独立した製品として販売又は使用される場合に、1つのプロセッサ読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。このような理解に基づき、本開示の技術案が本質的にあるいは従来技術に貢献する部分あるいは該技術案の全部又は一部がソフトウェア製品として具現化されるであろう。このコンピュータソフトウエア製品は、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク機器などでもよい)又はプロセッサ装置とが本開示の各実施形態における上記方法の全部又は一部のステップを実行するように指示する命令が、1つの記憶媒体に記憶されている。前述の記憶媒体には、Uディスク、モバイルハードディスク、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスク等の各種のプログラムコードを記憶できるものが含まれる。
【0118】
図4を参照して、
図4は、本開示の実施形態に係る電子機器の構成を示す図であり、本開示の実施形態に係る電子機器は、メモリ1220、送受信機1200、及びプロセッサ1210を含む通信システムにおけるネットワーク機器として構成され得る。
【0119】
送受信機1200は、プロセッサ1210の制御でデータの送受信を行うものであり、コンピュータプログラムを格納するメモリ1220と、メモリ1220内のコンピュータプログラムを読み込むプロセッサ1210と、を備えることにより、以下のことを実現する。
【0120】
いくつかの可能な実装形態では、上述したプロセッサ1210は、
サウンディング参照信号SRSの各リソースユニットREの周波数領域チャネル推定行列を決定し、
前記各周波数領域チャネル推定行列に基づいて、バンドにおける各サブバンドに対応するポート相関行列を決定し、前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート相関行列を特異値分解して、該サブバンドに対応するポート特徴値行列を得、
前記各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数と、各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数とを決定し、
前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定し、
前記各PRBに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信するように配置される。
【0121】
いくつかの可能な実装形態では、前記プロセッサ1210は、
送信アンテナのアンテナ数及びSRSに対応するポート数を決定し、
前記アンテナ数と前記ポート数とに基づいて、前記SRSの各REの周波数領域チャネル推定行列を決定するように配置される。
【0122】
いくつかの可能な実装形態では、前記プロセッサ1210は、
前記RE毎について、該REに対応する周波数領域チャネル推定行列に基づいて該REに対応するポート相関行列を決定し、
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するPRB、該サブバンドに対応するRE、および該サブバンドに対応する前記各REに対応するポート相関行列に基づいて、該サブバンドに対応するポート相関行列を決定するように配置される。
【0123】
いくつかの可能な実装形態では、上述したREに対応するポート相関行列のそれぞれは、下式により定められる。
【数62】
【0124】
ただし、kがREのインデックスで、H
kがインデックスkのREに対応する周波数領域チャネル推定行列で、
【数63】
がH
kの転置行列で、R
kがインデックスkのREに対応するポート相関行列である。
【0125】
いくつかの可能な実装形態では、前記サブバンドに対応するポート相関行列は、下式により定められる。
【数64】
【0126】
ただし、NBがサブバンドを示し、αがサブバンドのインデックスで、
【数65】
がインデックスαのサブバンドのポート相関行列を示し、
【数66】
がサブバンドに含まれるPRBの数で、Mが前記PRBに含まれるREの個数で、
【数67】
がインデックスαのサブバンドに対応するスタートREのインデックスである。
【0127】
いくつかの可能な実装形態では、前記プロセッサ1210は、
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド特徴値を決定し、
前記各サブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド特徴値を決定し、前記各バンド特徴値に基づいて、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数を決定し、
前記サブバンド毎について、該サブバンドに対応するサブバンド特徴値に基づいて、前記トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド電力係数を決定するように配置される。
【0128】
いくつかの可能な実装形態では、前記プロセッサ1210は、
前記トランスポート層毎について、該トランスポート層に対応する前記サブバンドのサブバンド特徴値に基づいて、該トランスポート層に対応する前記バンドのバンド特徴値を決定するように配置される。
【0129】
いくつかの可能な実装形態では、前記トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数は、下式により定められる。
【数68】
【0130】
ただし、iがトランスポート層のインデックスで、Bが前記バンドを示し、
【数69】
がインデックスがiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド特徴値で、
【数70】
がインデックスがiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数である。
【0131】
いくつかの可能な実装形態では、前記サブバンド毎について、前記各トランスポート層に対応する前記サブバンドのサブバンド電力係数は、下式により定められる。
【数71】
【0132】
ただし、iがトランスポート層のインデックスで、NBがサブバンドで、
【数72】
がトランスポート層iに対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド特徴値で、
【数73】
がインデックスiのトランスポート層に対応するインデックスαのサブバンド電力係数である。
【0133】
いくつかの可能な実装形態では、上述したプロセッサ1210は、
前記サブバンド毎について、該サブバンドが前記各トランスポート層に対応するサブバンド電力係数に基づいて、前記各トランスポート層に対応する該サブバンドのサブバンド振幅係数を決定し、
前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数に基づいて、前記バンドの前記各トランスポート層に対応するバンド振幅係数を決定し、
前記各サブバンドに対応するサブバンド振幅係数と前記バンドに対応するバンド振幅係数とに基づいて、各PRBに対応する振幅係数を決定するように配置される。
【0134】
いくつかの可能な実装形態では、前記トランスポート層に対応する前記バンドのバンド係数は、下式により定められる。
【数74】
【0135】
ただし、iがトランスポート層のインデックスで、WBがバンドを示し、
【数75】
がインデックスiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド振幅係数で、
【数76】
が前記バンドがインデックスiのトランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数である。
【0136】
いくつかの可能な実装形態では、前記サブバンド毎について、前記各トランスポート層に対応する前記サブバンド毎のサブバンド振幅係数は、下式により定められる。
【数77】
【0137】
ただし、iがトランスポート層のインデックスで、NBがサブバンドを示し、αがサブバンドのインデックスで、
【数78】
がインデックスiのトランスポート層に対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド振幅係数で、
【数79】
がインデックスiのトランスポート層に対応するインデックスαのサブバンドのサブバンド電力係数である。
【0138】
いくつかの可能な実装形態では、上述したプロセッサ1210は、
PRB毎について、該PRBがSRS時間領域条件及びSRS周波数領域条件を満たす場合、各トランスポート層に対応する対応のサブバンドのサブバンド振幅係数を、該PRBが前記各トランスポート層に対応する振幅係数として決定する。該PRBが前記SRS時間領域条件又は前記SRS周波数領域条件の少なくとも一方を満たさない場合、前記各トランスポート層に前対応する記バンドのバンド振幅係数を、前記各トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数として決定するように配置される。
【0139】
ここで、前記SRS時間領域条件は、前回のSRS測定の時間から間隔が時間長閾値未満となることであり、前記SRS周波数領域条件は、直近のSRS測定が存在するPRBとの間の距離が帯域幅閾値未満となることである。
【0140】
いくつかの可能な実装形態では、前記プロセッサ1210は、
前記PRB毎における前記RE毎について、該REに対応する下りデータが対応する対象トランスポート層を決定し、前記目標トランスポート層に対応する該PRBの振幅係数を該REに対応する振幅係数として決定し、
前記各PRBにおける前記各REに対応する振幅係数に基づいて下りデータを送信するように配置される。
【0141】
いくつかの可能な実装形態では、前記プロセッサ1210は、さらに、
各サブバンドに対応するポート特徴値行列に基づいて、各トランスポート層に対応する各サブバンドのサブバンド電力係数と、各トランスポート層に対応するバンドのバンド電力係数とを決定した後、
各トランスポート層に対応する前記各サブバンドのサブバンド電力係数を正規化処理し、前記各トランスポート層に対応する前記バンドのバンド電力係数を正規化処理し、
前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数とに基づいて、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定する場合、具体的に、正規化処理後の前記各サブバンドに対応するサブバンド電力係数と前記バンドに対応するバンド電力係数により、各物理リソースブロックPRBに対応する振幅係数を決定する。
【0142】
なお、
図4において、バスアーキテクチャは、任意の数のバスとブリッジを相互に接続したものでよく、特に、プロセッサ1210に代表される1つ以上のプロセッサとメモリ1220に代表されるメモリの様々な回路が接続されている。バスアーキテクチャは、周辺機器、レギュレータ、パワーマネジメント回路など様々な他の回路を接続することもできることは、本分野において公知であるため、これ以上の説明は繰り返さない。バスインタフェースは、インタフェースを提供する。
【0143】
送受信機1200は、送信機と受信機とを含む複数の要素であり、無線チャネル、有線チャネル、光ケーブルなどの伝送媒体を含む伝送媒体上で各種の他の装置と通信するための手段を提供する。ユーザインタフェース1230は、異なるネットワーク機器に対して、機器が外接内接可能なインタフェースであってもよく、接続する機器は、テンキー、ディスプレイ、スピーカ、マイク、ジョイスティック等に限定されない。
【0144】
プロセッサ1210は、バスアーキテクチャの管理や通常の処理を担っており、メモリ1220は、プロセッサ1210が動作する際に使用するデータを格納してもよい。
【0145】
選択として、プロセッサ1210は、CPU(中央処理器)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はCPLD(Complex Programmable Logic Device)であってもよく、プロセッサはマルチコアアーキテクチャを採用してもよい。
【0146】
プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを呼び出すことにより、本開示の実施形態に係る第1の通信システムに適用されるネットワーク装置の通信方法を、得られる実行可能指示に応じて実行するように構成される。プロセッサとメモリとは物理的に離れて配置されてもよい。
【0147】
なお、本開示の実施形態に提供される電子機器は、本開示の実施形態におけるネットワーク機器によって実現される方法とステップを全て実現することができ、同様の技術的効果を奏し得るものであり、本実施形態における方法実施形態と同様の部分および効果については説明を繰り返さない。
【0148】
本開示の実施形態に係るプロセッサ読み取り可能な記録媒体は、本開示の実施形態に係るネットワーク装置が実現する方法の手順を全て各機能モジュールを介して実行することが可能であり、具体的に、上述した各工程による実現形態が参照されるので、その説明は省略する。
【0149】
いくつかの可能な実装形態では、前記プロセッサ読み取り可能な記憶媒体は、プロセッサがアクセス可能な任意の可用媒体又はデータ記憶装置であり得る。例えば、前記データ伝送装置又は電子機器内部記憶手段であってもよく、磁気メモリ(例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク(MO)等)、光メモリ(例えば、CD、DVD、BD、HVD等)、半導体メモリ(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、不揮発性メモリ(NAND FLASH)、ソリッドステートドライブ(SSD))等を含むがこれらに限定されない。このプロセッサ可読記憶媒体は、該電子機器の外部記憶機器であってもよく、例えば、該電子機器に備えられるプラグイン式ハードディスク、スマートメモリカード(smart media card、SMC)、セキュリティデジタル(secure digital、SD)カード、フラッシュメモリカード(flash card)などである。前記プロセッサ読み取り可能な記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、リードオンリーメモリ(read-only memory、ROM)又はランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)などをさらに含むことができる。さらに、プロセッサ読み取り可能な記録媒体は、電子機器の内部記憶部と外部記憶装置の両方を含んでもよい。このプロセッサ可読記憶媒体は、このコンピュータプログラムおよび該電子機器に必要な他のプログラムおよびデータを記憶するためのものである。このプロセッサ読み取り可能な記憶媒体は、既に出力又は出力されるべきデータを一時的に記憶するために用いられてもよい。
【0150】
本開示の特許請求の範囲と明細書および図面中の用語「第1」、「第2」等は、特定の順序について記述するものではなく、異なる対象を区別するためのものである。また、用語「含む」及び「有する」並びにそれらは如何なる変形をも含み、排他されないようにオーバーレイすることを意図して、例えば、一連の工程又は要素を含む過程、方法、システム、製品、又は電子機器は、リストアップされた工程又は要素に限定されない。リストアップされていない工程や要素を含んでもよく、あるいは、これらの工程、方法、製品、電子機器に固有の他の工程や要素を含んでもよい。ここで、「実施形態」とは、実施形態として説明した特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に包含されることを意味する。明細書中の各位置において、そのフレーズは、必ずしもすべて同じ実施形態を指すものではなく、他の実施形態とは排他的な独立又はオプションの実施形態でもない。ここに記載された実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができることが、当業者により明示的にかつ暗黙的に理解されるところである。本開示の明細書および特許請求の範囲において用いられる「および/または」の用語は、関連する項のうちの1または複数の任意の組み合わせと、可能な全ての組み合わせを意味し、それらを包含する。
【0151】
本開示の実施形態は、方法、システム、又はコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供されることは当業者に明らかである。したがって、本開示は、完全なハードウェアの形態、完全なソフトウェアの形態、またはソフトウェアとハードウェア形態を組み合わせた形態をとることができる。また、本開示は、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有するコンピュータが読み取り可能な記録媒体(但し、ディスクメモリや光メモリ等に限らない)に実施されたコンピュータプログラム製品の形態を採り得る。
【0152】
本開示は、本開示の実施形態に係る方法、機器(システム)、コンピュータ・プログラム・プロダクトのフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明する。フローチャート及び/又はブロック図の各フロー及び/又はブロックと、フローチャート及び/又はブロック図のフロー及び/又はブロックとの組み合わせは、コンピュータが実行可能な命令で実現されることが理解されるべきである。これらのコンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みハンドラ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに指令を実行して機器を生成することができる。コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに実行させる指示に応じて、フローチャートが1又は複数のフローチャート、及び/又は、ブロック図が1又は複数のブロックで特定する機能を実現するための手段を生成する。
【0153】
これらのプロセッサの実行可能な指令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器が特定的に動作することを誘導可能なプロセッサ可読メモリに記憶されてもよい。プロセッサ可読メモリに格納された命令は、命令装置を含む製造品を生成する。該指示装置は、フローチャートが1又は複数のフローチャート、及び/又は、ブロック図が1又は複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0154】
これらのプロセッサは、命令を実行してもよいし、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器に搭載してもよい。コンピュータが実行する処理は、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイスに一連の処理手順を実行させることにより生成される。コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で実行される命令は、1つ又は複数のフローチャート、及び/又は、1つ又は複数のブロック図において指定される機能を実現する手順を提供する。
【0155】
今回開示された実施形態に記述された各例の単位及びアルゴリズムのステップは、電子的なハードウェア、コンピュータ的なソフトウェア、又はこれらの組み合わせによって実現されるものであることを当業者に理解されるところであり、前記説明において、ハードウェアとソフトウェアとの互換性を明確に説明するために、機能ごとに各例の構成及びステップが一般的に記述されている。当業者は、特定のアプリケーション毎に異なる方法で説明された機能を実現可能であるが、その実現は本開示の範囲を逸脱するものではない。
【0156】
以上、本開示の好適な一実施形態に過ぎず、本開示の権利範囲を限定することはできないため、本開示の請求の範囲の均等な変更は、本開示の属する範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0157】
1 データ伝送装置
11 第1特定部
12 第2特定部
13 第3特定部
14 第4特定部
15 データ送信部
1200 送受信機
1210 プロセッサ
1220 メモリ
1230 ユーザインタフェース
【国際調査報告】