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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】電池セル及び電気使用設備
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240313BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20240313BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240313BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20240313BHJP
   H01M 50/59 20210101ALI20240313BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20240313BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/04 W
H01M50/105
H01M50/533
H01M50/538
H01M50/59
H01M50/536
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560193
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 CN2021084059
(87)【国際公開番号】W WO2022204966
(87)【国際公開日】2022-10-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】支 英
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA00
5H028AA07
5H028BB04
5H028CC05
5H028CC08
5H028CC12
5H028HH05
5H043AA05
5H043BA11
5H043CA08
5H043CA12
5H043CA13
5H043HA02E
5H043HA32E
5H043JA06E
5H043KA33E
5H043KA45E
5H043LA02E
5H043LA21E
(57)【要約】
本願発明は、電池セル及び電力使用設備に関するものである。前記電池セルは、電極アセンブリ、梱包袋、内側タブ及び外側タブを含み、前記梱包袋は、本体部と縁取り部を含み、前記電極アセンブリと内側タブは、いずれも前記本体部に収容され、前記内側タブの第一端は、前記電極アセンブリに接続され、前記内側タブの第二端は、前記外側タブの一端に接続され、前記縁取り部は前記本体部の頂壁に接続され、前記外側タブの他端は、前記縁取り部から前記梱包袋の外に張り出し、前記電池セルの厚さ方向において、前記頂壁は、前記封辺部の両側に位置する第1部分と第2部分とを含み、ここで、前記第1部分から前記本体部の底壁までの第1高さは、前記第2部分から前記本体部の底壁までの第2高さよりも小さい。内側タブの少なくとも一部、及び内側タブと外側タブとの接続箇所を第2部分に対応するように配置することで、電池セル全体の寸法が小さくなり、電池セルの梱包袋の外では、第2部分と第1部分との間に空けられた空間が外部の電力使用設備の使用に供するので、電池セルの応用範囲を広げることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリ、梱包袋、内側タブ及び外側タブを含み、
前記梱包袋は、本体部と縁取り部とを含み、前記電極アセンブリと前記内側タブは、いずれも前記本体部に収容され、
前記内側タブの第一端は、前記電極アセンブリに接続され、前記内側タブの第二端は、前記外側タブの一端に接続される電池セルであって、
前記縁取り部は前記本体部の頂壁に接続され、前記外側タブの他端は前記縁取り部から前記梱包袋の外に張り出し、
前記電池セルの厚さ方向において、前記頂壁は前記縁取り部の両側に位置する第1部分と第2部分とを含み、
ここで、前記第1部分から前記本体部の底壁までの第1高さは、前記第2部分から前記本体部の底壁までの第2高さよりも小さいことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記外側タブは、連結部と、前記連結部から折り曲げられて前記縁取り部の外に張り出した延出部とを含み、
前記連結部は、前記第2部分に対応し、
前記内側タブの第2端は、前記第2部分に向かって延伸し、且つ前記第2部分に近い箇所から前記第1部分の方向へ折り曲げられ、前記内側タブの第2端が折り曲げられた後に前記連結部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記電極アセンブリは、第1電極シート、第2電極シート、及び前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間に位置するセパレータを含み、
前記第1電極シート、前記セパレータ及び前記第2電極シートは、共同で巻回されて巻回構造を形成し、
前記内側タブは、複数の第1内側タブと複数の第2内側タブとを含み、前記外側タブは、第1外側タブと第2外側タブとを含み、
複数の前記第1内側タブの第1端は、第1電極シートに接続され、複数の前記第1内側タブの第2端は、第1外側タブに接続され、
複数の前記第2内側タブの第1端は、第2電極シートに接続され、複数の前記第2内側タブの第2端は、第2外側タブに接続され、前記第2外側タブは、前記縁取り部から前記梱包袋の外に延出することを特徴とする請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記第1電極シートの1周ごとは1つの前記第1内側タブの第1端に接続され、前記第1電極シートと各前記第1内側タブとの接続点はいずれも巻回構造の同一半円に位置し、前記第1電極シートと各前記第1内側タブとの接続点はいずれも前記第2部分に対応し、
及び/または、
前記第2電極シートの1周ごとは1つの前記第2内側タブの第1端に接続され、前記第2電極シートと各第2内側タブとの接続点はいずれも巻回構造の同一半円に位置し、前記第2電極シートと各第2内側タブとの接続点はいずれも前記第2部分に対応していることを特徴とする請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.6mm~1.2mmであることを特徴とする請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記第1電極シートの半周ごとは、1つの前記第1内側タブの第1端に接続され、
前記第1電極シートの1周ごとと前記第1内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
ここで、前記巻回構造の一方の半円は前記第1部分に対応し、前記巻回構造の他方の半円は前記第2部分に対応し、
前記第2電極シートの1周ごとは、1つの前記第2内側タブの第1端に接続され、
前記第2電極シートと各前記第2内側タブとの接続点は、いずれも前記巻回構造の同一半円内に分布していることを特徴とする請求項3に記載の電池セル。
【請求項7】
前記第1電極シートの半周ごとには、1つの前記第1内側タブの第1端が接続され、前記第1電極シートの1周ごとと前記第1内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
前記第2電極シートの半周ごとには、1つの前記第2内側タブの第1端が接続され、前記第2電極シートの1周ごとと前記第2内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
ここで、前記巻回構造の一方の半円は前記第1部分に対応し、前記巻回構造の他方の半円は前記第2部分に対応することを特徴とする請求項3に記載の電池セル。
【請求項8】
前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.2mm~0.8mmであることを特徴とする請求項6または7に記載の電池セル。
【請求項9】
複数の第1絶縁ゴムと、複数の第2絶縁ゴムとをさらに含み、
1つの前記第1絶縁ゴムの両端は、1つの前記第1内側タブの第1端の一つの表面と前記第1電極シートの物質層の表面とにそれぞれ貼り付けられ、
及び/または、
1つの前記第2絶縁ゴムの両端は、1つの前記第2内側タブの第1端の一つの表面と前記第2電極シートの物質層の表面とにそれぞれ貼り付けられていることを特徴とする請求項3~7の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項10】
第1タブゴムと第2タブゴムとをさらに含み、
前記第1タブゴムは、第1外側タブと縁取り部との接続箇所をシールするために使用され、
前記第2タブゴムは、第2外側タブと縁取り部との接続箇所をシールするために使用されることを特徴とする請求項3~7の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項11】
電力使用設備であって、
負荷と、請求項1~10の何れか一項に記載の電池セルとを含み、前記負荷と前記電池セルとは、電気的に接続されていることを特徴とする電力使用設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池技術の分野に関し、特に電池セル及び電力使用設備に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルは、外部のエネルギーを電気エネルギーに変換してその内部に蓄積し、必要なタイミングで外部用電機器(例えば携帯型電子機器など)に電力を供給する装置である。現在、電池セルはドローン、携帯電話、タブレット、ノートパソコンなどの電子機器に広く使用されている。一般的に、電池セルは電極アセンブリ、梱包袋、内側タブと外側タブを含み、梱包袋は本体部を含み、電極アセンブリと内側タブはいずれも本体部に収容され、内側タブの第一端は電極アセンブリに接続され、内側タブの第二端は外側タブに接続される。
【0003】
本願の出願人は本願を実現する過程で、現在、電極アセンブリは内側タブと外側タブとで接続を実現する。内側タブ、及び内側タブと外側タブとの接続箇所が一定の収容空間を占めるため、電池セルのサイズが大きくなり、電子機器への適用性が低くなるため、電池セルの適用範囲が制限されていることを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術における内側タブ、及び内側タブと外側タブとの接続箇所が一定の収容空間を占めることに起因して、電池セルのサイズが比較的大きいという問題を解決するための電池セル及び電気使用設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一局面による電池セルは、電極アセンブリ、梱包袋、内側タブ及び外側タブを含み、前記梱包袋は、本体部と縁取り部を含み、前記電極アセンブリと内側タブは、いずれも前記本体部に収容され、前記内側タブの第一端は、前記電極アセンブリに接続され、前記内側タブの第二端は、前記外側タブの一端に接続され、前記縁取り部は前記本体部の頂壁に接続され、前記外側タブの他端は、前記縁取り部から前記梱包袋の外に張り出し、前記電池セルの厚さ方向において、前記頂壁は、前記封辺部の両側に位置する第1部分と第2部分とを含み、ここで、前記第1部分から前記本体部の底壁までの第1高さは、前記第2部分から前記本体部の底壁までの第2高さよりも小さい。内側タブの少なくとも一部、及び内側タブと外側タブとの接続箇所を第2部分に対応するように配置することで、電池セル全体の寸法が小さくなり、電池セルの梱包袋の外では、第2部分と第1部分との間に空けられた空間が外部の電力使用設備に使用できるので、電池セルの応用範囲を広げることができる。
【0006】
1つの選択可能な態様では、前記外側タブは、連結部と、前記連結部から折り曲げられて、前記縁取り部の外に張り出した延出部とを含み、前記連結部は、前記第2部分に対応し、前記内側タブの第2端は、前記第2部分に向かって延伸し、且つ前記第2部分に近い箇所から前記第1部分の方向へ折り曲げられ、さらに、前記内側タブの第2端が折り曲げられた後に前記連結部に接続される。これにより、内側タブは、外側タブの連結部を介して外側タブと接続されており、連結部は第2部分に対応しており、電池セル全体の寸法は小さい。
【0007】
1つの選択可能な態様では、前記電極アセンブリは、第1電極シート、第2電極シート、及び前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間に位置するセパレータを含み、
前記第1電極シート、前記セパレータ及び前記第2電極シートは、共同で巻回されて巻回構造を形成し、
前記内側タブは、複数の第1内側タブと複数の第2内側タブとを含み、前記外側タブは、第1外側タブと第2外側タブとを含み、
複数の前記第1内側タブの第1端は、第1電極シートに接続され、複数の前記第1内側タブの第2端は、第1外側タブに接続され、
複数の前記第2内側タブの第1端は、第2電極シートに接続され、複数の前記第2内側タブの第2端は、第2外側タブに接続され、前記第2外側タブは、前記縁取り部から前記梱包袋の外に延出する。これにより、第1内側タブと第2内側タブを複数設けることにより、電池セルの充放電性能が良くなる。
【0008】
1つの選択可能な態様では、前記第1電極シートの1周ごとは1つの前記第1内側タブの第1端に接続され、前記第1電極シートと各前記第1内側タブとの接続点はいずれも巻回構造の同一半円に位置し、前記第1電極シートと各前記第1内側タブとの接続点はいずれも前記第2部分に対応しており、及び/または、
前記第2電極シートの1周ごとは1つの前記第2内側タブの第1端に接続され、前記第2電極シートと各第2内側タブとの接続点はいずれも巻回構造の同一半円に位置し、前記第2電極シートと各第2内側タブとの接続点はいずれも前記第2部分に対応している。これにより、巻回構造の電極アセンブリでは、複数の第1内側タブと複数の第2内側タブを同じ半円に配置することにより、第2部分に対応する第2高さと第1部分に対応する第1高さとの間の高度差は大きくなり、電池セルの梱包袋の外では、第2部分と第1部分との間に空いた空間が大きくなる。
【0009】
1つの選択可能な態様では、前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.6mm~1.2mmである。
【0010】
1つの選択可能な態様では、前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.8mm~1.0mmである。
【0011】
1つの選択可能な態様では、前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.9mmである。
【0012】
1つの選択可能な態様では、前記第1電極シートの半周ごとは、1つの前記第1内側タブの第1端に接続され、
前記第1電極シートの1周ごとと前記第1内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
ここで、前記巻回構造の一方の半円は前記第1部分に対応し、前記巻回構造の他方の半円は前記第2部分に対応し、
前記第2電極シートの1周ごとは、1つの前記第2内側タブの第1端に接続され、
前記第2電極シートと各前記第2内側タブとの接続点は、いずれも前記巻回構造の同一半円内に分布している。
これにより、巻回構造の電極アセンブリでは、複数の第1内側タブを巻回構造の2つの半円に分布させても、内側タブと外側タブとの接続部が第2部分に対応するため、第1部分の対応する第1高さは依然として第2部分に対応する第2高さよりも小さいので、電池セルの梱包袋の外では、第2部分と第1部分との間に一定の空間が空けられる。
【0013】
1つの選択可能な態様では、前記第1電極シートの1周ごとには、前記第1内側タブの第1端に接続され、前記第1電極シートと各前記第1内側タブとの接続点は、いずれも前記巻回構造の同一半円内に分布する。前記第2電極シートの半周ごとには、1つの前記第2内側タブの第1端に接続され、前記第2電極シートの1周ごとと前記第2内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布する。ここで、前記巻回構造の一方の半円は前記第1部分に対応し、前記巻回構造の他方の半円は前記第2部分に対応する。これにより、巻回構造の電極アセンブリでは、複数の第2内側タブを巻回構造の2つの半円に分布させても、内側タブと外側タブとの接続部が第2部分に対応するため、第1部分に対応する第1高さは依然として第2部分に対応する第2高さよりも小さいので、電池セルの梱包袋の外では、第2部分と第1部分との間に一定の空間が空けられる。
【0014】
1つの選択可能な態様では、前記第1電極シートの半周ごとには、1つの前記第1内側タブの第1端が接続され、前記第1電極シートの1周ごとと前記第1内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
前記第2電極シートの半周ごとには、1つの前記第2内側タブの第1端が接続され、前記第2電極シートの1周ごとと前記第2内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
ここで、前記巻回構造の一方の半円は前記第1部分に対応し、前記巻回構造の他方の半円は前記第2部分に対応する。巻回構造の電極アセンブリでは、複数の第1内側タブを巻回構造の2つの半円に分布させ、且つ複数の第2内側タブを巻回構造の2つの半円に分布させても、内側タブと外側タブとの接続部が第2部分に対応するため、第1部分に対応する第1高さは依然として第2部分に対応する第2高さよりも小さい。
これにより、電池セルの梱包袋の外では、第2部分と第1部分との間に一定の空間が空けられる。
【0015】
1つの選択可能な態様では、前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.2mm~0.8mmである。
【0016】
1つの選択可能な態様では、前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.4mm~0.6mmである。
【0017】
1つの選択可能な態様では、前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.5mmである。
【0018】
1つの選択可能な態様では、複数の第1絶縁ゴムと、複数の第2絶縁ゴムとをさらに含み、
1つの前記第1絶縁ゴムの両端は、1つの前記第1内側タブの第1端の1つの表面と前記第1電極シートの物質層の表面とにそれぞれ貼り付けられ、及び/または、
1つの前記第2絶縁ゴムの両端は、1つの前記第2内側タブの第1端の1つの表面と前記第2電極シートの物質層の表面とにそれぞれ貼り付けられている。第1絶縁ゴムと第2絶縁ゴムを設けることにより、第1電極シートと第2電極シートとの間の短絡現象を改善することができる。
【0019】
1つの選択可能な態様では、第1タブゴムと第2タブゴムとをさらに含み、
前記第1タブゴムは、第1外側タブと縁取り部との接続箇所をシールするために使用され、
前記第2タブゴムは、第2外側タブと縁取り部との接続箇所をシールするために使用される。第1タブゴムと第2タブゴムを設けることにより、電池セルが外側タブと梱包袋との接続箇所で液漏れしにくくなる。
【0020】
また、本願のもう1つの局面によれば、電力使用設備がさらに提供されている。当該電力使用設備は、負荷と、上述した何れか一種の電池セルとを含み、前記負荷と前記電池セルとは、電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0021】
本願の実施形態による電池セル及び電力使用設備では、電池セルは電極本体部と縁取り部とを含む。前記電池セルの厚さ方向において、前記本体部の頂壁は、前記縁取り部の両側に位置する第1部分と第2部分とを含む。ここで、前記第1部分から前記本体部の底壁までの第1高さは、前記第2部分から前記本体部の底壁までの第2高さよりも小さい。内側タブの少なくとも一部、及び内側タブと外側タブの接続箇所を第2部分に対応するように配置することで、電池セル全体のサイズが小さくなり、第2部分と第1部分との間に空けられた空間が外部の電力使用設備に使用でき、電池セルの応用範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
1つまたは複数の実施形態は、それに対応する図面内のピクチャによって例示されるが、これらの例示的な説明は実施形態の限定を構成するものではない。特に記載がない限り、図中の同じ参照符号が付された要素は類似の要素として表される。また、図面における各図の比は制限されていない。
【0023】
図1】本願の実施形態により提供される電池セルの一方向の断面図である。
図2】本願の実施形態によって提供される電池セルの一方向の断面図の別の表現形態である。
図3】本願の実施形態により提供される巻回構造の電極アセンブリと内側タブとの一種の接続態様の断面図である。
図4】本願の実施形態によって提供される電池セルの一方向の断面図のさらに他の表現形態である。
図5】本願の実施形態によって提供される電池セルの一方向の断面図の更なる表現形態である。
図6】本願の実施形態によって提供される電池セルの一方向の断面図の更なる表現形態である。
図7】本願の実施形態により提供される巻回構造の電極アセンブリと内側タブとの更なる接続態様の断面図である。
図8】本願の実施形態により提供される巻回構造の電極アセンブリと内側タブとの別の接続形態の断面図である。
図9】本願の実施形態により提供される巻回構造の電極アセンブリと内側タブとの更なる接続態様の断面図である。
図10】本願の実施形態によって提供される巻回構造の電極アセンブリと内側タブとの更なる接続態様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願の実施形態の目的、技術的方法及び利点をより明確にするために、以下では本願の実施形態における図面に合わせて、本願の実施形態における技術的方法について明確に完全に説明するが、明らかに、説明された実施形態は本願の一部の実施形態に過ぎず、すべての実施形態ではない。本明細書に記載された具体的な実施形態は、本願を説明するためにのみ使用され、本願を制限するためのものではない。本願中の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属される。説明する必要があるところは、ある部品が別の部品に「固定」されると称する場合、それは別の部品に直接固定されるか、または両者の間に1つまたは複数の媒体が存在してもよい。。また、1つの部品が別の部品に「接続」されると称する場合、それは別の部品に直接接続されてもよいし、両者の間に1つまたは複数の媒体が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似する表現は、説明の目的のみに使用される。
【0025】
また、以下に説明する本願の各実施形態に係る技術的特徴は、矛盾していない限りに互いに組み合わされてもよい。図1及び図2に示すように、電池セル100は電極アセンブリ1、梱包袋2、内側タブ3及び外側タブ4を含む。梱包袋2は、本体部21と縁取り部22とを含む。電極アセンブリ1は、本体部21に収容される。内側タブ3は、電極アセンブリ1と外側タブ4とにそれぞれ接続される。縁取り部22は、本体部21の頂壁211に接続される。外側タブ4は、縁取り部22から梱包袋2の外にはみ出している。電池セル100の厚さ方向L3において、頂壁211は、縁取り部22の両側に位置する第1部分2111と第2部分2112とを含む。ここで、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1が、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2よりも小さい。少なくとも内側タブ3、及び内側タブ3と外側タブ4との接続箇所を第2部分2112に対応するように配置することで、電池セル100全体の寸法が小さく、電池セル100の梱包袋2の外において、第2部分2112と第1部分2111との間に空けられた空間2aを外部の電力使用設備に使用することができる。これにより、電池セル100の応用範囲を広げることができる。
【0026】
上述した電極アセンブリ1については、図3に示すように、幾つかの実施形態では、電極アセンブリ1は、第1電極シート11、第2電極シート12、及び第1電極シート11と第2電極シート12との間に位置セパレータ13とを含む。第1電極シート11、セパレータ13及び第2電極シート12は、同時に巻回されて巻回構造を形成する。
【0027】
ここで、第1電極シート11は正極シートであり、第2電極シート12は負極シートである。あるいは、第1電極シート11は負極シートであり、第2電極シート12は正極シートである。
【0028】
巻回構造は、平坦部11sと湾曲部12sとを有する。ここで、平坦部11sは、第1電極シート11、セパレータ13又は第2電極シート12が真っ直ぐに延びた部分である。湾曲部12sは、第1電極シート11、セパレータ13又は第2電極シート12が平坦部11sに向かって湾曲して延びる部分である。本願の実施例では、外側タブ4が縁取り部22から梱包袋2の外に延出方向を第1方向L1とし、湾曲部12sが平坦部11sに向かって湾曲して延びる方向を第2方向L2とし、第1方向L1と第2方向L2にそれぞれ垂直な方向を電池セル100の厚さ方向L3とする。
【0029】
上述の電極アセンブリ1については、幾つかの実施形態では、図1に示すように、電極アセンブリ1は、第1電極シート11、第2電極シート12、及びセパレータ13を含む。セパレータ13は、第1電極シート11と第2電極シート12との間に位置する。第1電極シート11、セパレータ13及び第2電極シート12は、順次に積層されて積層構造を形成している。
【0030】
上記積層構造については、外側タブ4が縁取り部22から梱包袋2の外に延出方向を第1方向L1とする。第1電極シート11、セパレータ13及び第2電極シート12が積層される方向を、電池セル100の厚さ方向L3とする。
【0031】
上記梱包袋2については、図1及び図2に示すように、梱包袋2は本体部21と縁取り部22とを含む。ここで、本体部21は、頂壁211と底壁212とを有している。ここで、頂壁211と底壁212とは、対向して設けられている。縁取り部22は、頂壁211に接続されている。縁取り部22は、外側タブ4が梱包袋2内から梱包袋2の外に延出するためのものである。
【0032】
縁取り部22は、第1部分2111と第2部分2112とを含む。電池セル100の厚さ方向L3において、第1部分2111と第2部分2112は、縁取り部22の両側に設けられている。ここで、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1は、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2よりも小さい。即ち、上記第1方向L1において、梱包袋2の本体部21に対して、第1部分2111が位置する領域のサイズは、第2部分2112が位置する領域のサイズよりも小さい。
【0033】
従来技術では、第1高さh1と第2高さh2は同じである。内側タブ3は、第1部分2111と第2部分2112に分布している。内側タブ3と外側タブ4の接続箇所は、第2部分2112の対応する領域に位置している。梱包袋2内の第1部分2111と電極アセンブリ1との間の隙間は、空いている。本願の実施形態では、内側タブ3の少なくとも一部、内側タブ3と外側タブ4との接続箇所をいずれも第2部分2112に対応する領域に配置し、且つ第1部分2111に対応する第1高さh1を第2部分2112に対応する高さよりも小さくする。これにより、内側タブ3の配置を実現できるだけでなく、複数の内側タブ3の設置による電池セル100全体の寸法の増加を招くことがない。梱包袋2の外において、電池セル100における第2部分2112と第1部分2111との間に空けられた空間2aは外部の電力使用設備の使用に供する。
【0034】
なお、幾つかの実施形態では、内側タブ3の数が複数の場合には、図4に示すように、一部の内側タブ3を第2部分2112に対応する領域に設置してもよく、他の一部の内側タブ3を第1部分2111に対応する領域に設置してもよい。また、内側タブ3と外側タブ4との接続箇所を第2部分2112に対応する領域に設置すれば、複数の内側タブ3の設置を実現してもよい。しかし、梱包袋2の第1部分2111に対応する第1高さh1が第2部分2112に対応する第2高さh2よりも小さいため、電池セル100の全体寸法は小さい。
【0035】
なお、幾つかの実施形態では、第2高さh2と第1高さh1との高度差h0は0.6mmから1.2mmである。幾つかの実施形態では、高度差h0は0.8mm~1.0mmである。幾つかの実施形態では、h0は0.9mmであることが好ましい。
【0036】
または、別の実施形態では、第2高さh2と第1高さh1との高度差h0は、0.2mm~0.8mmである。別の実施形態では、高度差h0は0.4mm~0.6mmである。別の実施形態では、h0は0.5mmであることが好ましい。
【0037】
上述した内側タブ3及び外側タブ4については、図1及び図2に示すように、内側タブ3の第一端は電極アセンブリ1に接続され、内側タブ3の第二端は外側タブ4の一端に接続され、外側タブ4の他端は梱包袋2の縁取り部22から梱包袋2の外にはみ出している。
【0038】
なお、幾つかの実施形態では、内側タブ3は、電極アセンブリ1と一体成形されているかまたは電極アセンブリ1に溶接されている。
【0039】
なお、幾つかの実施形態では、内側タブ3は、外側タブ4と一体成形されているかまたは外側タブ4に溶接されている。
【0040】
なお、幾つかの実施形態では、内側タブ3は、電極アセンブリ1と一体成形され、且つ外側タブ4と一体成形される。
【0041】
なお、幾つかの実施形態では、内側タブ3は、電極アセンブリ1に溶接され、且つ外側タブ4に溶接される。
【0042】
幾つかの実施形態では、外側タブ4は、連結部41と延出部42とを含む。ここで、連結部41は、第2部分2112に対応しており、且つ内側タブ3の第2端に接続される。延出部42は、連結部41から折り曲げられて延びることで形成され、且つ縁取り部22の外に延びている。外側タブ4の第2端は、第2部分2112に向かって延び、且つ第2部分2112の近くで第1部分2111の方向に折り曲げられる。内側タブ3の第2端は、第1部分2111に向かって折り曲げられた後に連結部41に接続されている。
【0043】
なお、内側タブ3の数が複数であれば、複数の内側タブ3の第2端はそれぞれ外側タブ4の連結部41に接続される。
【0044】
説明すべきところは、電池セル100は通常、2種類の内側タブ3を有する。一種類の内側タブ3及びそれに接続された外側タブ4は電池セル100の正極であり、他種類の内側タブ3及びそれに接続された外側タブ4は電池セル100の負極である。
【0045】
幾つかの実施形態では、図3図5及び図6に示すように、内側タブ3は、複数の第1内側タブ31と複数の第2内側タブ32とを含む。外側タブ4は、第1外側タブ41sと第2外側タブ42sとを含む。複数の第1内側タブ31の第1端は第1電極シート11に接続され、複数の第1内側タブ31の第2端は第1外側タブ41sに接続され、複数の第2内側タブ32の第1端は第2電極シート12に接続され、複数の第2内側タブ32の第2端は第2外側タブ42sに接続され、第2外側タブ42sは縁取り部22から梱包袋2の外にはみ出している。
【0046】
幾つかの実施形態では、複数の第1内側タブ31が第1電極シート11と一体成形されているか、または、複数の第1内側タブ31が第1電極シート11に溶接されている。
【0047】
幾つかの実施形態では、複数の第2内側タブ32が第2電極シート12と一体成形されているか、または、複数の第2内側タブ32が第2電極シート12に溶接されている。
【0048】
また、第1外側タブ41sと第2外側タブ42sは、いずれも連結部41と延出部42とを有している。第1外側タブ41sの連結部41は、第1内側タブ31の第2端に接続するためのものである。第1外側タブ41sの延出部42は、縁取り部22から梱包袋2の外にはみ出している。第2外側タブ42sの連結部41は、第2内側タブ32の第2端に接続される。第2外側タブ42sの延出部42は、縁取り部22から梱包袋2の外にはみ出している。ここで、第1外側タブ41sの連結部41は第2部分2112に対応し、第2外側タブ42sの連結部41は第2部分2112に対応している。
【0049】
上記内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1については、図3に示すように、幾つかの実施形態では、上記内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1は、セミタブ構造を形成している。セミタブ構造では、第1電極シート11の1周ごとは第1内側タブ31の第1端に接続され、第1電極シート11と各第1内側タブ31との接続点はいずれも巻回構造の同一半円に位置し、第1電極シート11と各第1内側タブ31との接続点はいずれも第2部分2112に対応し、及び/または、第2電極シート12の1周ごとは第2内側タブ32の第1端に接続され、第2電極シート12と各第2内側タブ32との接続点はいずれも巻回構造の同一半円中に位置し、第2電極シート12と各第2内側タブ32との接続点はいずれも第2部分2112に対応している。ここで、各第1内側タブ31と第1外側タブ41sとの接続点は、第2部分2112に対応する。ここで、第2内側タブ32の第2外側タブ42sへの接続点は、第2部分2112に対応する。
【0050】
なお、セミタブ構造では、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2と、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1との高度差h0は、0.6mm~1.2mmである。
【0051】
好ましくは、セミタブ構造では、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2と、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1との高度差h0は、0.8mm~1.0mmである。
【0052】
より好ましくは、セミタブ構造では、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2と、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1との高度差h0は、0.9mmである。
【0053】
なお、本願実施例における「半円」は、巻回構造の電極アセンブリ1が断面されて現れる構造について述べたものである。ここで、断面とは、第2方向L2と電池セル100の厚さ方向が位置する面を言う。
【0054】
上述の内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1については、図7に示すように、幾つかの実施形態において、上述の内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1はセミ全タブ構造を形成する。セミ全タブ構造の1つの実現形態において、第1電極シート11の半周ごとに第1内側タブ31の第1端に接続される。第1電極シート11が第1内側タブ31と連接される2つの接続点は、それぞれ巻回構造の2つの半円内に分布している。ここで、巻回構造の一方の半円は第1部分2111に対応し、巻回構造の他方の半円は第2部分2112に対応する。第2電極シート12の1周ごとは、1つの第2内側タブ32の第1端に接続され、第2電極シート12と第2内側タブ32との接続点はいずれも巻回構造の同じ半円内に分布している。ここで、各第1内側タブ31と第1外側タブ41sとの接続点は、第2部分2112に対応する。ここで、各第2内側タブ32の第2外側タブ42sへの接続点は、第2部分2112に対応する。
【0055】
上述の内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1については、図8に示すように、幾つかの実施形態において、上述の内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1はセミ全タブ構造を形成する。セミ全タブ構造のもう1つの実施形態において、第1電極シート11の1周ごとが1つの第1内側タブ31の第1端に接続され、第1電極シート11と第1内側タブ31との接続点はいずれも巻回構造の同一半円内に分布し、第2電極シート12の半周ごとは1つの第2内側タブ32の第1端に接続され、第2電極シート12と第2内側タブ32との2つの接続点はそれぞれ巻回構造の2つの半円内に分布している。ここで、巻回構造の一方の半円は第1部分2111に対応し、巻回構造の他方の半円は第2部分2112に対応する。ここで、各第1内側タブ31と第1外側タブ41sとの接続点は、第2部分2112に対応する。各第2内側タブ32の第2外側タブ42sへの接続点は、第2部分2112に対応する。
【0056】
上述の内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1については、図9に示すように、幾つかの実施形態では、上述の内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1はセミ全タブ構造を形成する。セミ全タブ構造のもう1つの実施形態において、第1電極シート11の1周ごとが1つの第1内側タブ31の第1端に接続され、第1電極シート11と第1内側タブ31との接続点は、巻回構造の2つの半円内に分布する。第2電極シート12の1周ごとは1つの第2内側タブ32の第1端に接続され、第2電極シート12と第2内側タブ32との接続点は巻回構造の2つの半円内に分布する。ここで、巻回構造の一方の半円は第1部分2111に対応し、巻回構造の他方の半円は第2部分2112に対応する。ここで、各第1内側タブ31と第1外側タブ41sとの接続点は、第2部分2112に対応する。ここで、各第2内側タブ32の第2外側タブ42sへの接続点は、第2部分2112に対応する。
【0057】
なお、セミ全タブ構造では、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2と、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1との高度差h0は、0.2mm~0.8mmである。
【0058】
幾つかの実施形態では、セミ全タブ構造では、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2と、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1との高度差h0は、0.4mm~0.6mmである。
【0059】
好ましくは、セミ全タブ構造では、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2と、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1との高度差h0は、0.5mmである。
【0060】
セミ全タブ構造では、第1内側タブ31と第1電極シート11との接続点、あるいは、第2内側タブ32と第2電極シート12との接続点が2つの半円内に分布しているため、第1内側タブ31の第2端が第1外側タブ41sに接続されているとき、あるいは、第2内側タブ32の第2端が第2外側タブ42sに接続されているときに、梱包袋2における第1部分2111に対応する収容空間を必ず占めることになる。したがって、セミ全タブ構造では、第2高さh2と第1高さh1との高度差h0は、セミタブ構造でのh0よりも小さい。
【0061】
上記内側タブ3、外側タブ4、及び巻回構造の電極アセンブリ1については、図10に示すように、幾つかの実施形態では、上記内側タブ3、外側タブ4、及び巻回構造の電極アセンブリ1は、全タブ構造を形成する。全タブ構造では、第1電極シート11の半周ごとが1つの第1内側タブ31の第1端に接続され、第1電極シート11と第1内側タブ31との2つの接続点はそれぞれ巻回構造の2つの半円内に分布し、第2電極シート12の半周ごとが1つの第2内側タブ32の第1端に接続され、第2電極シート12と第2内側タブ32との2つの接続点はそれぞれ巻回構造の2つの半円内に分布している。ここで、巻回構造の一方の半円は第1部分2111に対応し、巻回構造の他方の半円は第2部分2112に対応する。ここで、各第1内側タブ31と第1外側タブ41sとの接続点は、第2部分2112に対応する。ここで、各第2内側タブ32の第2外側タブ42sへの接続点は、第2部分2112に対応する。
【0062】
なお、全タブ構造において、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2と第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1との高度差h0は、0.2mm~0.8mmである。
【0063】
好ましくは、全タブ構造において、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2と、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1との高度差h0は、0.5mmである。
【0064】
なお、上述の内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1については、内側タブ3、外側タブ4及び巻回構造の電極アセンブリ1の間がどのような構造であるか、即ち内側タブ3と電極アセンブリ1との間がどのように接続されていても、梱包袋2の第2部分2112に対応する第2高さh2が第1部分2111に対応する第1高さh1よりも小さいことを保障する限り、梱包袋2の外において、第2部分2112と第1部分2111との間に空けられた空間2aは、外部の電力使用設備に使用でき、電池セル100の応用範囲を広げることができる。
【0065】
上記内側タブ3については、幾つかの実施形態では、内側タブ3は、第1電極シート11と第2電極シート12が第1内側タブ31と第1電極シート11との接続点、または第2内側タブ32と第2電極シート12との接続点で接触して短絡することを防止するために、複数の第1内側タブ31と複数の第2内側タブ32とを含む。図5及び図6に示すように、電池セル100は、複数の第1絶縁ゴム5及び複数の第2絶縁ゴム6をさらに含む。1つの第1絶縁ゴム5の両端は、1つの第1内側タブ31の第1端の1つの表面と第1電極シート11の物質層の表面とにそれぞれ貼り付けられ、及び/または、1つの第2絶縁ゴム6の両端は、1つの第2内側タブ32の第1端の1つの表面と第2電極シート12の物質層の表面とにそれぞれ貼り付けられている。
【0066】
ここで、第1内側タブ31の第1端の1つの表面と第1電極シート11の物質層の表面とは、第1電極シート11の同側に位置している。
【0067】
ここで、第2内側タブ32の第1端の1つの表面と第2電極シート12の物質層の表面とは、第2電極シート12の同側に位置している。
【0068】
上述の外側タブ4について、幾つかの実施形態では、外側タブ4は、第1外側タブ41sと第2外側タブ42sとを含む。ここで、第1外側タブ41sと第2外側タブ42sは、いずれも梱包袋2の縁取り部22から梱包袋2の外に張り出している。幾つかの実施形態では、図5及び図6に示すように、電池セル100は、第1外側タブ41sと縁取り部22との接続箇所をシールするための第1タブゴム7と、第2外側タブ42sと縁取り部22との接続箇所をシールするための第2タブゴム8とをさらに含む。それにより、電池セル100中の電解液が第1外側タブ41sと梱包袋2との接続箇所、あるいは、第2外側タブ42sと梱包袋2との接続箇所から漏出し難い。
【0069】
上記内側タブ3と外側タブ4については、内側タブ3の第2端が折り曲げられた後に外側タブ4の連結部41に接続されている。幾つかの実施形態では、内側タブ3の第2端は梱包袋2に近いか、または、外側タブ4の連結部41は梱包袋2に近い。内側タブ3の第2端または外側タブ4の連結部41を梱包袋2から絶縁するために、図2に示すように、通常、内側タブ3の第2端と梱包袋2との間、または外側タブ4の連結部41と梱包袋2との間に第3絶縁ゴム9を設ける。内側タブ3の第2端が梱包袋2に近づくと、第3絶縁ゴム9はそれぞれ内側タブ3の第2端及び梱包袋2に粘着されている。外側タブ4の連結部41が梱包袋2に近づくと、第3絶縁ゴム9は外側タブ4の連結部41及び梱包袋2に粘着されている。
【0070】
本願の実施形態では、電池セル100は、電極アセンブリ1、梱包袋2、内側タブ3及び外側タブ4を含む。梱包袋2は、本体部21と縁取り部22とを含む。電極アセンブリ1は本体部21に収容され、内側タブ3は電極アセンブリ1及び外側タブ4にそれぞれ接続され、縁取り部22は本体部21の頂壁211に接続され、外側タブ4は縁取り部22から梱包袋2の外にはみ出している。電池セル100の厚さ方向L3において、頂壁211は、縁取り部22の両側に位置する第1部分2111と第2部分2112とを含む。ここで、第1部分2111から本体部21の底壁212までの第1高さh1は、第2部分2112から本体部21の底壁212までの第2高さh2よりも小さい。梱包袋2の縁取り部22の第1部分2111に対応する第1高さh1を、縁取り部22の第2部分2112に対応する第2高さh2よりも小さく設けることにより、内側タブ3の少なくとも一部、及び内側タブ3と外側タブ4との接続箇所が第2部分2112に対応するように配置することができる。これにより、電池セル100全体の寸法が小さくなり、電池セル100の梱包袋2の外において、第2部分2112と第1部分2111との間に空けられた空間2aは、外部の電子機器に使用され、さらに電子機器の全体的な寸法を縮小し、電池セル100の応用範囲を広げることができる。
【0071】
本願の実施形態はまた、負荷及び上述した電池セル100を含む電力使用設備の実施形態を提供している。電池セル100は、負荷に電気的に接続されて、負荷に電力を供給する。
【0072】
電気使用設備は、エネルギー貯蔵製品、携帯電話、タブレット、ドローン、一輪または二輪以上の電動車両、または電動清掃工具などであってもよい。
【0073】
例えば、上記ドローンに対して、バッテリーパックはドローンに搭載され、ドローンにおける飛行システム、制御システム及び撮像システムなどを含む負荷に電力を供給するために使用される。
【0074】
なお、本願の明細書及び図面には、本願の好適な実施例が示されている。しかし、本願発明は、本明細書に記載された実施形態に限定されるものではなく、多くの異なる形式で実現されてもよい。これらの実施形態は、本願の開示内容の理解をより完全にすることを目的として、これらの実施例は本願の内容に対してさらに制限するものではない。また、上記各技術的特徴を組み合わせて、形成された上記に挙げられていない様々な実施例は、いずれも本願明細書に記載されている範囲内に落ちる。さらに、当業者にとっては、上述の説明に基づいて改善または変更することで得られたもののいずれも本願に添付された特許請求の範囲に属されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリ、梱包袋、内側タブ及び外側タブを含み、
前記梱包袋は、本体部と縁取り部とを含み、前記電極アセンブリと前記内側タブは、いずれも前記本体部に収容され、
前記内側タブの第一端は、前記電極アセンブリに接続され、前記内側タブの第二端は、前記外側タブの一端に接続される電池セルであって、
前記縁取り部は前記本体部の頂壁に接続され、前記外側タブの他端は前記縁取り部から前記梱包袋の外に張り出し、
前記電池セルの厚さ方向において、前記頂壁は前記縁取り部の両側に位置する第1部分と第2部分とを含み、
ここで、前記第1部分から前記本体部の底壁までの第1高さは、前記第2部分から前記本体部の底壁までの第2高さよりも小さいことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記外側タブは、連結部と、前記連結部から折り曲げられて前記縁取り部の外に張り出した延出部とを含み、
前記連結部は、前記第2部分に対応し、
前記内側タブの第2端は、前記第2部分に向かって延伸し、且つ前記第2部分に近い箇所から前記第1部分の方向へ折り曲げられ、前記内側タブの第2端が折り曲げられた後に前記連結部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記電極アセンブリは、第1電極シート、第2電極シート、及び前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間に位置するセパレータを含み、
前記第1電極シート、前記セパレータ及び前記第2電極シートは、共同で巻回されて巻回構造を形成し、
前記内側タブは、複数の第1内側タブと複数の第2内側タブとを含み、前記外側タブは、第1外側タブと第2外側タブとを含み、
複数の前記第1内側タブの第1端は、第1電極シートに接続され、複数の前記第1内側タブの第2端は、第1外側タブに接続され、
複数の前記第2内側タブの第1端は、第2電極シートに接続され、複数の前記第2内側タブの第2端は、第2外側タブに接続され、前記第2外側タブは、前記縁取り部から前記梱包袋の外に延出することを特徴とする請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記第1電極シートの1周ごとは1つの前記第1内側タブの第1端に接続され、前記第1電極シートと各前記第1内側タブとの接続点はいずれも巻回構造の同一半円に位置し、前記第1電極シートと各前記第1内側タブとの接続点はいずれも前記第2部分に対応し、
及び/または、
前記第2電極シートの1周ごとは1つの前記第2内側タブの第1端に接続され、前記第2電極シートと各第2内側タブとの接続点はいずれも巻回構造の同一半円に位置し、前記第2電極シートと各第2内側タブとの接続点はいずれも前記第2部分に対応していることを特徴とする請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.6mm~1.2mmであることを特徴とする請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記第1電極シートの半周ごとは、1つの前記第1内側タブの第1端に接続され、
前記第1電極シートの1周ごとと前記第1内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
ここで、前記巻回構造の一方の半円は前記第1部分に対応し、前記巻回構造の他方の半円は前記第2部分に対応し、
前記第2電極シートの1周ごとは、1つの前記第2内側タブの第1端に接続され、
前記第2電極シートと各前記第2内側タブとの接続点は、いずれも前記巻回構造の同一半円内に分布していることを特徴とする請求項3に記載の電池セル。
【請求項7】
前記第1電極シートの半周ごとには、1つの前記第1内側タブの第1端が接続され、前記第1電極シートの1周ごとと前記第1内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
前記第2電極シートの半周ごとには、1つの前記第2内側タブの第1端が接続され、前記第2電極シートの1周ごとと前記第2内側タブとの2つの接続点は、それぞれ前記巻回構造の2つの半円内に分布し、
ここで、前記巻回構造の一方の半円は前記第1部分に対応し、前記巻回構造の他方の半円は前記第2部分に対応することを特徴とする請求項3に記載の電池セル。
【請求項8】
前記第2高さと前記第1高さとの高度差は、0.2mm~0.8mmであることを特徴とする請求項6または7に記載の電池セル。
【請求項9】
複数の第1絶縁ゴムと、複数の第2絶縁ゴムとをさらに含み、
1つの前記第1絶縁ゴムの両端は、1つの前記第1内側タブの第1端の一つの表面と前記第1電極シートの物質層の表面とにそれぞれ貼り付けられ、
及び/または、
1つの前記第2絶縁ゴムの両端は、1つの前記第2内側タブの第1端の一つの表面と前記第2電極シートの物質層の表面とにそれぞれ貼り付けられていることを特徴とする請求項3~7の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項10】
第1タブゴムと第2タブゴムとをさらに含み、
前記第1タブゴムは、第1外側タブと縁取り部との接続箇所をシールするために使用され、
前記第2タブゴムは、第2外側タブと縁取り部との接続箇所をシールするために使用されることを特徴とする請求項3~7の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記外側タブは、前記第2部分に対応し、且つ前記第2部分に沿って前記第1部分の方向へ延伸するように配置される連結部と、前記連結部から折り曲げられて前記縁取り部の外に張り出した延出部とを含み、
前記内側タブの第2端は、前記第2部分に向かって延伸し、且つ前記第2部分に近い箇所から前記第1部分の方向へ折り曲げられ、
そして、前記内側タブの第2端は、折り曲げられた後に前記連結部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項12】
電力使用設備であって、
負荷と、請求項1~11の何れか一項に記載の電池セルとを含み、前記負荷と前記電池セルとは、電気的に接続されていることを特徴とする電力使用設備。
【国際調査報告】