(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】電気化学装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240313BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20240313BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20240313BHJP
H01G 11/74 20130101ALI20240313BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240313BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20240313BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/105
H01M50/121
H01G11/74
H01G11/78
H01M50/531
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560581
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2021136523
(87)【国際公開番号】W WO2023102780
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514257398
【氏名又は名称】東莞新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONGGUAN AMPEREX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.1 Industrial West Road,Songshan Lake High-tech Industrial Development Zone, Dongguan City, Guangdong Province, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲いぇん▼ 東陽
(72)【発明者】
【氏名】楊 洪戦
(72)【発明者】
【氏名】董 宇洋
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA11
5E078AB06
5E078AB13
5E078BA18
5E078BA27
5E078CA06
5E078HA02
5E078HA12
5E078HA13
5E078HA23
5E078KA01
5E078KA06
5E078KA07
5H011AA01
5H011AA03
5H011CC02
5H028AA07
5H028BB04
5H028BB05
5H028BB07
5H028CC05
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC12
5H028HH06
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA08
5H043CA12
5H043EA01
5H043HA11E
5H043JA01E
5H043JA06E
5H043KA45E
5H043LA01E
5H043LA11E
5H043LA21E
5H043LA22E
5H043LA25E
(57)【要約】
電極アセンブリと導電板とを含む電気化学装置であって、電極アセンブリは巻回構造であり、且つ第1電極シートを含む。第1電極シートは、第1導電層と第1導電材料層とを含む。第1導電層は、第1面と第2面とを含む。第1導電材料層は、第1面に設けられる。第1面は、第1エリアを含む。導電板は、第1エリアに接続され且つ第1電極シートから突き出ている。導電板は、互いに接続されている第3エリアと第4エリアとを含む。第3エリアは接続エリアを含み、導電板は接続エリアを介して第1エリアと接続される。第3エリアは、第1辺、第2辺、第3辺及び第4辺を含む。第1エリアは、第5辺、第6辺及び第7辺を含む。第3エリアの第3方向における寸法をT1、第3エリアの第2方向における寸法をT2、第3エリアの面積をS1、接続エリアの面積をS2、第1辺と第5辺との間の距離をJ1、第2辺と第6辺との間の距離をJ2、第3辺と第7辺との間の距離をJ3と定義すると、S2/S1+(J1+J2+J3)/(T1+T2)≧30%である。本願はまた、電子機器を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリと第1導電板とを含み、
前記電極アセンブリは巻回構造であり、且つ第1電極シートを含み、
前記第1電極シートは、対向する第1面と第2面とを有する第1導電層と、前記第1面に設けられた第1導電材料層とを含み、前記第1面は第1エリアを含み、前記第1導電材料層は第1凹部を含み、前記第1エリアは前記第1凹部において露出し、前記第1導電板は前記第1エリアと接続され且つ前記第1電極シートから突き出しており、
前記第1導電板は、互いに接続された第3エリアと第4エリアとを含み、前記第3エリアに垂直な方向を第1方向と定義し、前記第1方向において、前記第3エリアの投影は前記第1エリアの投影内に位置し、前記第4エリアの投影は前記第1エリアの投影外に位置し、前記第3エリアは接続エリアを含み、前記第1導電板は前記接続エリアを介して前記第1エリアに接続され、
前記第1方向から見て、前記第3エリアは第1辺、第2辺、第3辺及び第4辺を含み、前記第1辺と前記第2辺は対向し、前記第3辺と前記第4辺は対向し、前記第4辺は前記第4エリアを接続し、前記第1エリアは、第5辺、第6辺及び第7辺を含み、前記第3エリアの延在方向を第2方向として定義すると、前記第2方向において、前記第7辺と前記第3辺は順に配置され、第3方向において、前記第5辺、前記第1辺、前記第2辺、及び前記第6辺は順に設けられ、前記第1方向、前記第2方向及び前記第3方向は互いに対して垂直であり、
前記第3エリアの前記第3方向における寸法をT
1とし、前記第3エリアの前記第2方向における寸法をT
2とし、前記第3エリアの前記第1方向における投影の面積をS
1とし、前記接続エリアの前記第1方向における投影の面積をS
2とし、前記第1辺と前記第5辺との間の距離をJ
1とし、前記第2辺と前記第6辺との間の距離をJ
2とし、前記第3辺と前記第7辺との間の距離をJ
3として定義すると、S
2/S
1+(J
1+J
2+J
3)/(T
1+T
2)≧30%であることを特徴とする電気化学装置。
【請求項2】
前記第1電極シートは、前記第2面に設けられる第2導電材料層をさらに含み、前記第2面は第2エリアを含み、前記第2導電材料層は第2凹部を含み、前記第2エリアは前記第2凹部に露出し、前記第1方向において、前記第1エリアの投影と前記第2エリアの投影とは少なくとも部分的に重なることを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項3】
前記電気化学装置は、前記第3エリアと接着される第1層をさらに含み、前記第1層は絶縁材料を含み、前記第1方向において、前記第3エリアの投影は前記第1層の投影内に位置することを特徴とする請求項2に記載の電気化学装置。
【請求項4】
前記第1導電材料層は、前記第1凹部の周囲に設けられた第1導電材料エリアを含み、前記第1層はさらに前記第1導電材料エリアに接着され、前記第1方向において、前記第1エリアの投影は前記第1層の投影内に位置することを特徴とする請求項3に記載の電気化学装置。
【請求項5】
前記電気化学装置は、絶縁材料を含有する第2層をさらに含み、前記第2導電材料層は、前記第2凹部の周囲に設けられる第2導電材料エリアを含み、前記第2層は、前記第2導電材料エリアに接着され、前記第1方向において、前記第2エリアの投影は、前記第2層の投影内に位置することを特徴とする請求項4に記載の電気化学装置。
【請求項6】
前記第1方向から見ると、前記第1層は第8辺を含み、前記第2方向において、前記第7辺は前記第8辺と前記第3辺との間に設けられ、
前記第1エリアの前記第2方向における縁と前記第8辺との間の距離をL
1とし、前記第7辺と前記第8辺との間の距離をL
3として定義すると、L
3/L
1≦30%となることを特徴とする請求項4に記載の電気化学装置。
【請求項7】
前記第2方向における前記第1エリアの縁には第3凹部が設けられ、前記第1導電材料エリアは、前記第3凹部に向かって延在するように形成された第1延在領域と第2延在領域とを含み、
前記第1方向から見て、前記第1延在領域と前記第2延在領域は、前記第3凹部の両側に設けられることを特徴とする請求項4に記載の電気化学装置。
【請求項8】
前記第1エリアの前記第2方向における縁と前記第8辺との間の距離をL
1とし、前記第1延在領域と前記第2延在領域との前記第2方向における寸法が同じで且つともにL
2であり、前記第7辺と前記第8辺との間の距離をL
3として定義すると、(L
2+L
3)/L
1≦30%であることを特徴とする請求項7に記載の電気化学装置。
【請求項9】
前記第1延在領域の前記第3方向における寸法をW
1とし、前記第2延在領域の前記第3方向における寸法をW
2として定義すると、(W
1+W
2)/T
1≧20%であることを特徴とする請求項7に記載の電気化学装置。
【請求項10】
前記第1延在領域の前記第3方向における寸法をW
1とし、前記第2延在領域の前記第3方向における寸法をW
2とし、前記第1延在領域と前記第1導電板との前記第3方向における距離をW
3とし、前記第2延在領域と前記第1導電板の前記第3方向における距離をW
4として定義すると、以下の条件の少なくとも1つを満たし、
W
3<W
1;W
2<W
4;W
3<W
4
ことを特徴とする請求項7に記載の電気化学装置。
【請求項11】
前記第3方向において、前記第1延在領域と前記第2延在領域はそれぞれ第9辺と第10辺とを含み、前記第1エリアは前記第9辺と前記第10辺とを接続し、
前記第9辺と前記第10辺は直線状または円弧状であることを特徴とする請求項7に記載の電気化学装置。
【請求項12】
前記第2方向において、前記第1延在領域及び/又は前記第2延在領域のサイズはL
2であり、前記第9辺と前記第4辺との間の距離はL
4であると、L
2<L
4であることを特徴とする請求項11に記載の電気化学装置。
【請求項13】
L
1の範囲は10mm~50mmであることを特徴とする請求項6または8に記載の電気化学装置。
【請求項14】
前記電気化学装置はさらに、第3層と第4層とを含み、前記第3層と前記第4層はいずれも絶縁材料を含み、前記第1方向において、前記第1層は前記第1導電板と前記第3層との間に設けられ、前記第2層は前記第1導電板と前記第4層との間に設けられることを特徴とする請求項5に記載の電気化学装置。
【請求項15】
前記電極アセンブリは、第2電極シートをさらに含み、前記第3層または前記第4層のうちの少なくとも一方は、前記第2電極シートに接着されることを特徴とする請求項14に記載の電気化学装置。
【請求項16】
前記第2方向において、前記第1層又は前記第2層のうちの少なくとも一方の縁は、前記第1電極シートの縁を超えることを特徴とする請求項5に記載の電気化学装置。
【請求項17】
前記接続エリアは前記第1エリアに溶接され、前記接続エリアは複数の溶接点を含み、前記面積S
2は複数の前記溶接点の前記第1方向における投影の面積の和であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項18】
前記電極アセンブリは、第2電極シートとセパレータとをさらに含み、前記第1電極シート、前記セパレータ及び前記第2電極シートが積層して巻取されて前記電極アセンブリを形成し、
巻取方向において、前記電極アセンブリは、順に接続された第1セグメント、第1折曲セグメント、第2セグメント及び第2折曲セグメントを含み、前記第1導電板は、前記第1セグメントに位置することを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項19】
前記ハウジングは、前記電極アセンブリを収容するための本体部と、前記本体部に接続された縁取りとを含み、前記縁取りはポリマー層を含み、前記第4エリアは前記ポリマー層を経由して前記ハウジングから突き出すことを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の電気化学装置を含むことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はエネルギー貯蔵技術分野に関し、特に電気化学装置及びこの電気化学装置を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学装置(例えば、電池)は電子移動機器、電動工具及び電気自動車などの電子製品に広く使用されており、ユーザの電気化学装置の安全性能に対する要求も高まっている。
【0003】
電気化学装置は高倍率充電時に、自身の内部抵抗及び充電による分極蓄積などの要素により、電気化学装置の持続的な発熱、温度上昇を招きやすく、これは電気化学装置の老化を加速させ、容量と電力性能の衰退を招き、また体積膨張、変形などを招き、製品の寿命に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の不足に鑑み、充電中の温度上昇問題を改善できる電気化学装置を提案する必要がある。
また、この電気化学装置を備えた電子機器を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、電極アセンブリと第1導電板とを含む電気化学装置を提供する。電極アセンブリは巻回構造であり、且つ第1電極シートを含む。第1電極シートは、第1導電層と第1導電材料層とを含む。第1導電層は、対向する第1面と第2面とを含む。第1導電材料層は、第1面に設けられている。第1面は、第1エリアを有する。第1導電材料層は、第1凹部を含む。第1エリアは、第1凹部から露出する。第1導電板は、第1エリアと接続され、且つ第1電極シートから突き出している。第1導電板は、互いに接続された第3エリアと第4エリアとを含む。第3エリアに垂直な方向を第1方向と定義する。第1方向では、第3エリアの投影は第1エリアの投影内に位置し、第4エリアの投影は第1エリアの投影外に位置する。第3エリアは接続エリアを含み、第1導電板は接続エリアを介して第1エリアを接続する。第1方向から見ると、第3エリアは、第1辺、第2辺、第3辺及び第4辺を含み、第1辺と第2辺は対向し、第3辺と第4辺は対向し、第4辺は第4エリアを接続する。第1エリアは、第5辺、第6辺及び第7辺を含む。第3エリアの延長方向を第2方向として定義し、第2方向では、第7辺と第3辺が順に設けられる。第3方向では、第5辺、第1辺、第2辺及び第6辺が順に設けられている。第1方向、第2方向、及び第3方向は互いに垂直である。第3方向における第3エリアのサイズをT1、第2方向における第3エリアのサイズをT2、第1方向における第3エリアの投影の面積をS1、第1方向における接続エリアの投影の面積をS2、第1辺と第5辺の間の距離をJ1、第2辺と第6辺の間の距離をJ2、第3辺と第7辺の間の距離をJ3と定義すると、S2/S1+(J1+J2+J3)/(T1+T2)≧30%となる。
【0006】
本願において、S2/S1は第1導電板の過電流面積が占める割合を反映することができ、S2/S1が大きいと、第1導電板の過電流面積が増加し、電気化学装置の充電時に第1導電板における電流の分布がより分散して、均一になるため、大電流充電時の第1導電板で発生する熱がより分散し、第1導電板の局所過熱のリスクが減少する。なお、(J1+J2+J3)/(T1+T2)は、第1エリアの放熱可能な面積の占める割合を反映することができる。(J1+J2+J3)/(T1+T2)が大きいと、第1導電板の放熱面積が増加するため、大電流充電時の温度上昇が減少する。したがって、本願はS2/S1と(J1+J2+J3)/(T1+T2)の和を≧30%と定義し、電気化学装置の安全性と信頼性を高めた。
【0007】
幾つかの可能な態様では、第1電極シートは、第2面に設けられた第2導電材料層をさらに含む。第2面は第2エリアを含み、第2導電材料層は第2凹部を含み、第2エリアは第2凹部に露出している。第1方向において、第1エリアの投影と第2エリアの投影は少なくとも部分的に重なる。したがって、第1導電板で発生した熱は、第1導電板に露出した第1エリアを介して放出することができるほか、第1エリアと第2エリアとの重なり箇所を介して第2エリアに伝導し、且つ第2エリアから放出することができ、それによって放熱効率をさらに向上させることができる。
【0008】
幾つかの可能な態様では、電気化学装置は、絶縁材料を含み、且つ第3エリアと接着する第1層をさらに含む。第1方向において、第3エリアの投影は第1層の投影内に位置する。第1層は、接続エリアのバリやはんだ痕がセパレータを突き刺さることによるショートのリスクを低減できる上に、第1導電材料層が第1凹部に設けられたことによる当該位置の厚さの減少を補償することもでき、電気化学装置全体の厚さをより均一にすることができる。
【0009】
幾つかの可能な態様では、第1導電材料層は、第1凹部の周囲に設けられる第1導電材料エリアを含む。第1層は、第1導電材料エリアにも接着される。第1方向において、第1エリアの投影は第1層の投影内に位置する。
【0010】
幾つかの可能な態様では、電気化学装置は、絶縁材料を含む第2層をさらに含む。第2導電材料層は、第2導電材料エリアを含み、第2導電材料エリアは、第2凹部の周囲に設けられている。第2層は、第2導電材料エリアにも接着される。第1方向において、第2エリアの投影は第2層の投影内に位置する。第2層は、第2導電性材料層に第2凹部を設けることによる当該位置の厚さの減少を補償するために使用される。
【0011】
幾つかの可能な態様では、第1方向から見ると、第1層は第8辺を含む。第2方向において、第7辺は第8辺と第3辺の間に設けられている。第2方向における第1エリアのエッジと第8辺との間の距離をL1、第7辺と第8辺との間の距離をL3と定義すると、L3/L1≦30%となる。したがって、第2方向において、第1層で覆われた第1導電材料エリアのサイズが減少し、即ち、第1層で覆われた、容量作用を発揮しにくい活性材料が減少し、第1層が電気化学装置の容量に与える影響は減少する。
【0012】
幾つかの可能な態様では、第1エリアの第2方向での縁部には、第3凹部が設けられる。第1導電材料エリアは、第3凹部に向かって延在するように形成された第1延在領域と第2延在領域とを含む。第1方向から見て、第1延在領域と第2延在領域は第3凹部の両側に設けられている。したがって、電極シートを分割する場合、切り口における電極シートの厚さが均一であるため、切り口における電極シートの波打ちエッジの発生リスクを低減するのに有利である。
【0013】
幾つかの可能な態様では、第1エリアの第2方向でのエッジと第8辺との間の距離をL1、第2方向における第1延在領域と第2延在領域とのサイズが同じで且つすべてL2、第7辺と第8辺との間の距離をL3と定義すると、(L2+L3)/L1≦30%である。したがって、第2方向において、第1層で覆われる第1導電材料エリアのサイズが減少し、即ち、第1層で覆われた、容量作用を発揮できない活性材料が減少し、第1層による電気化学装置の容量への影響は減少される。
【0014】
幾つかの可能な態様では、第3方向における第1延在領域のサイズはW1であり、第3方向における第2延在領域のサイズはW2であると定義すると、(W1+W2)/T1≧20%となる。これにより、第3凹部を設けることによる第1エリアの放熱可能な面積が減少することが改善される。
【0015】
幾つかの可能な態様では、第3方向における第1延在領域のサイズはW1であり、第3方向における第2延在領域のサイズはW2であり、第1延在領域と第1導電板の第3方向における距離はW3であり、第2延在領域と第1導電板の第3方向における距離はW4であると定義される。
【0016】
幾つかの可能な態様では、W3<W1である。
【0017】
幾つかの可能な態様では、W2<W4である。
【0018】
幾つかの可能な態様では、W3<W4である。
【0019】
幾つかの可能な態様では、第3方向において、第1延在領域と第2延在領域は、それぞれ第9辺及び第10辺を含む。第1エリアは、第9辺と第10辺とを結ぶ。第9辺と第10辺は、直線状または円弧状である。
【0020】
幾つかの可能な態様では、第2方向において、第1延在領域及び/または第2延在領域のサイズはL2であり、第9辺と第4辺との間の距離はL4であり、L2<L4である。L4が相対的に大きいため、第1導電板の放熱面積をさらに増加させることに有利であり、それによって大電流充電時の温度上昇を減少させた。
【0021】
幾つかの可能な態様では、L1の範囲は10mm~50mmである。L1が大きいときに、第2方向に第1層で被覆される第1導電材料層のサイズが相対的に大きくなるため、電気化学装置の容量への影響が高まる。L1が小さいと、第2方向における第1エリアのサイズも小さくなり、これにより、第3辺と第7辺との間の距離J3も小さくなるため、第1エリアの放熱能力が低下する。
【0022】
幾つかの可能な態様では、電気化学装置はさらに第3層と第4層とを含み、第3層と第4層はいずれも絶縁材料を含有する。第1方向において、第1層は第1導電板と第3層との間に設けられ、第2層は第1導電板と第4層との間に設けられている。第3層と第4層は、第1凹部及び第2凹部における電極シートの厚さの減少をさらに補償することができる。第1電極シートが負極シートであり、且つ第2電極シートが正極シートである場合、第3層は、第1方向に第3層に対応する部分的な第3導電材料層から脱離したリチウムイオンの第2凹部への移動を妨げるためにも使用でき、さらに、第2凹部にこれらのリチウムイオンを埋め込むことができないことによって、過剰なリチウムイオンが溜まって、リチウムデンドライトが発生するリスクを低減することができる。同様に、第4層もリチウムデンドライトの発生リスクを低減することができる。
【0023】
幾つかの可能な態様では、電極アセンブリは、第2電極シートをさらに含み、第3層または第4層のうちの少なくとも1つは、第2電極シートと接着されている。これにより、第3層及び第4層を電気化学装置の中に固定し、且つ厚さを補償したり、リチウムデンドライトの発生リスクを低減したりする役割を果たす。
【0024】
幾つかの可能な態様では、第2方向において、第1層または第2層の少なくとも一方の縁は、第1電極シートの縁を超えている。
【0025】
幾つかの可能な態様では、接続エリアは第1エリアに溶接されることによって、第1導電板と第1エリアとの間に高い接続強度を持たせる。接続エリアには複数の溶接点が含まれている。面積S2は、第1方向における複数の溶接点の投影面積の和である。
【0026】
幾つかの可能な態様では、電極アセンブリは、第2電極シートとセパレータとをさらに含み、第1電極シート、セパレータ及び第2電極シートは、積層して巻取されて、前記電極アセンブリを形成する。巻取方向において、電極アセンブリは、順に接続された第1セグメント、第1折曲セグメント、第2セグメント、及び第2折曲セグメントを含む。第1導電板は第1セグメントに位置し、これにより、第1導電板が第1セグメントに接続される際の平坦性は高められる。
【0027】
幾つかの可能な態様では、ハウジングは、電極アセンブリを収容するための本体部と、本体部に接続された縁取りとを含む。縁取りはポリマー層を含み、第4エリアはポリマー層によってハウジングから突出している。
【0028】
本願はさらに、上記電気化学装置を含む電子機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本願の一実施形態に係る電気化学装置の全体構成を示す模式図である。
【
図2】
図1に示した電気化学装置のパッケージ前の概略構成図である。
【
図3A】
図1に示した電気化学装置の電極アセンブリの平面図である。
【
図3B】
図1に示した電気化学装置のハウジングの縁取りの製造模式図である。
【
図4】
図3Aに示した電極アセンブリのIV部での拡大図である。
【
図5】
図3Aに示した電極アセンブリのV部での拡大図である。
【
図6】
図3Aに示した電極アセンブリの第1電極シートが展開された後の表裏面構造の模式図である。
【
図7】
図3Aに示した第1電極シートと第1導電板との接続箇所の正面図である。
【
図8A】
図7に示した第1電極シートにおける第1接着材が取り除かれた後の正面図である。
【
図8B】別の実施例において、
図7に示した第1電極シートにおける第1接着材が取り除かれた後の正面図である。
【
図8C】
図8Bに示した第1導電板の第3エリアの投影模式図である。
【
図8D】
図8Bに示した第3エリアの接続エリアの投影模式図である。
【
図9】本開示の他の実施形態に係る電気化学装置における第1電極シートと第1導電板との接続箇所の正面図である。
【
図10A】
図9に示した第1電極シートにおける第1接着材が取り除かれた後の正面図である。
【
図10B】別の実施例において、
図9に示した第1電極シートにおける第1接着材が取り除かれた後の正面図である。
【
図10C】別の実施例において、
図9に示した第1電極シートにおける第1接着材が取り除かれた後の正面図である。
【
図10D】別の実施例において、
図9に示した第1電極シートにおける第1接着材が取り除かれた後の正面図である。
【
図10E】別の実施例において、
図9に示した第1電極シートにおける第1接着材が取り除かれた後の正面図である。
【
図11】他の実施形態における第1電極シートと第1導電板との接続箇所の正面図である。
【
図12】
図11に示した第1電極シートにおける第1接着材が取り除かれた後の正面図である。
【
図13】本願のさらに他の実施形態に係る電気化学装置における第1電極シートと第1導電板との接続箇所の正面図である。
【
図14】本願の一実施形態に係る電子機器の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本願の実施形態における技術的態様を明確に且つ詳細に説明する。明らかに、説明された実施形態は本願の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではない。特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本願の技術分野に属する技術者が一般的に理解するものと同じ意味である。本願の明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本願を限定する旨ではない。
【0031】
以下、本願の実施形態について詳細に説明する。しかし、本願は多くの異なる形態として具現化することができ、且つ本明細書で説明する例示的な実施形態に限定されると解釈すべきではない。代わりに、これらの例示的な実施形態を提供することにより、本願が完全かつ詳細に当業者に伝達される。
【0032】
さらに、簡潔で明確にするために、図面では、様々なコンポーネント、層のサイズまたは厚さを拡大してもよい。全文にわたって、同じ数値は同じ要素を指す。本明細書で使用される用語「及び/または」は、1つまたは複数の列挙された関連項目の任意及びすべての組合せを含む。さらに、要素Aが要素Bに「接続される」と称する場合、要素Aは要素Bに直接接続されていてもよいし、中間要素Cが存在していてもよく、要素Aと要素Bは互いに間接的に接続されていてもよいことを理解すべきである。
【0033】
さらに、本願の実施形態を説明する際に、「可能」、「てもよい」などを使用することは、「本願の1つまたは複数の実施形態」を意味する。
【0034】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的であり、本願を限定することを意図していない。本明細書で記載される単数形は、文脈が特に明示的に示されない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、本明細書で使用される「含む」との用語は、記述された特徴、数値、ステップ、操作、要素及び/または成分の存在を指すが、1つ以上の他の特徴、数値、ステップ、操作、要素、成分、及び/またはそれらの組合せの存在または追加は除外されない。
【0035】
「上」などの空間関連用語は、図面で説明したような1つの要素または特徴と別の要素(複数の要素)または特徴(複数の特徴)との関係を容易に説明するためのものである。空間関連用語は、図に記述された方向に加えて、使用または操作中のデバイスまたは装置の異なる方向を含むことが意図されていることを理解されたい。たとえば、図中のデバイスを反転すると、他の要素または部品の「上方」または「上」と記述されている要素は、他の要素または部品の「下方」または「下面」に配向されるようになる。したがって、例示的な用語「上」は、上及び下の方向を含むことができる。第1、第2及び第3などの用語は、様々な要素、成分、領域、層、及び/または部分を記述するために本明細書で使用することができるが、これらの要素、成分、領域、層、及び/または部分は、これらの用語によって制限されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素、成分、領域、層または部分と、他の要素、成分、領域、層または部分とを区別するために使用される。したがって、以下に論じる第1要素、第1成分、第1エリア、第1層または第1部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2要素、第2成分、第2エリア、第2層または第2部分と呼ばれてもよい。
【0036】
図1及び
図2に示すように、本願の一実施形態は、ハウジング10、電極アセンブリ20、第1導電板30及び第2導電板40を含む電気化学装置100を提供する。電極アセンブリ20は、ハウジング10内に位置し、且つ巻回構造である。第1導電板30及び第2導電板40は、いずれも電極アセンブリ20に電気的に接続されており、且つハウジング10の内部からハウジング10を突出している。
図2に示すように、電極アセンブリ20の数は1つである。他の実施形態では、電極アセンブリ20の数は、複数であってもよい。複数の電極アセンブリ20は、ハウジング10内に位置し、且つ並列または直列に電気的に接続されている。
図3Aを併せて参照すると、電極アセンブリ20は、第1電極シート21、第2電極シート22及び第1電極シート21と第2電極シート22との間に配置されたセパレータ23とを含む。第1電極シート21、セパレータ23及び第2電極シート22は、順次に積層して巻取されて電極アセンブリ20を形成する。ここで、電極アセンブリ20は、
図3Aに示すように、紙面に垂直な巻取中心軸Cを有する。巻取方向Dは、
図3Aに示す巻取中心軸Cを中心に反時計回りに回転する方向である。幾つかの実施形態では、巻取方向Dは、反時計回りに回転する方向であってもよい。
【0037】
本願では、互いに垂直な第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3に基づいて第1の三次元座標系を構築する。第1方向D1は、第1導電板30の第3エリア31に垂直な方向である。第2方向D2は、第1導電板30の第3エリア31の延在方向である。電極シートが展開されたときに、互いに垂直な第1方向D1、第2方向D2及び第4方向D4を定義して、第2の三次元座標系を構築する。第4方向D4は、電極シートの巻取り前の巻取り開始端から巻取り終了端までの方向であり、例えば、第4方向D4が第1電極シート21の巻取り前の第1巻取り開始端21aから第1巻取り終了端21bまでの方向であるとともに、第2電極シート22の巻取り前の第2巻取り開始端22aから第2巻取り終了端22bまでの方向などである。
【0038】
幾つかの実施形態では、電極アセンブリ20は、巻取方向Dにおいて、順に接続された第1セグメント201、第1折曲セグメント202、第2セグメント203、及び第2折曲セグメント204を含む。第1方向D1は、第1セグメント201または第2セグメント203における第1電極シート21の積層方向である。電極アセンブリ20は、複数の第1セグメント201、複数の第1折曲セグメント202、複数の第2セグメント203、及び複数の第2折曲セグメント204を有してもよい。幾つかの実施例では、第1セグメント201と第2セグメント203は、直線セグメントであってもよい。幾つかの別の実施例では、電極アセンブリ20は、巻取方向Dにおいて、順次に接続される4つの折曲セグメントを含んでもよい。
【0039】
ここで、第1セグメント201は第1外面201aを有し、第2セグメント203は第2外面203aを有する。電極アセンブリ20の最も外側に位置する第1セグメント201と電極アセンブリ20の最も外側に位置する第1折曲セグメント202との接続箇所は、第1端205となる。第1端205は、
図3Aにおける第1折曲セグメント202の最も右側の折曲辺の巻取方向Dにおける開始部分である。また、第1端205も、電極アセンブリ10の最も内部且つ右側に位置する折曲辺が第1方向D
1において延びて形成された破線B-Bと第1外面201aとが交わる部分である。電極アセンブリ20の最も外側に位置する第1折曲セグメント202と電極アセンブリ20の最も外側に位置する第2セグメント203との接続箇所は、第2端206となる。第2端206は、
図3Aにおける第1折曲セグメント202の最も右側の折曲辺の巻取方向Dにおける終端部分である。また、第2端206も、電極アセンブリ10の最も内側且つ右側に位置する折曲辺が第1方向D
1において延びて形成された破線B-Bと第2外面203aとが交わる部分である。電極アセンブリ20の最も外側に位置する第2セグメント203と電極アセンブリ20の最も外側に位置する第2折曲セグメント204との接続箇所は、第3端部207となる。第3端部207は、
図3Aにおける第2折曲セグメント204の最も左側の曲線の巻取方向Dにおける開始部分である。また、第3端部207も、電極アセンブリ10の最も内側且つ左側に位置する折曲辺が第1方向D
1において延びて形成された破線A-Aと第2外面203aとが交わる部分である。電極アセンブリ20の最も外側に位置する第2折曲セグメント204と電極アセンブリ20の最も外側に位置する第1セグメント201との接続箇所は、第4端部208となる。第4端部208は、
図3Aにおける第2折曲セグメント204の最も左側の曲線の巻取方向Dにおける終端部分である。また、第4端部208も、電極アセンブリ10の最も内側且つ左側に位置する折曲辺が第1方向D
1において延びて形成された破線A-Aと第1外面201aとが交わる部分である。第1方向D
1では、第1端205と第2端206とが整列し、第3端207と第4端208とが整列している。
【0040】
図3A、
図4及び
図5を併せて参照すると、第1電極シート21は、第1導電層210と、第1導電材料層211と、第2導電材料層212とを含む。第1導電層210は、第1方向D
1において対向する第1面210aと第2面210bとを含む。第1材料層211は第1面210aに設けられ、第2導電材料層212は第2面210bに設けられている。第2電極シート22は、第2導電層220と、第3導電材料層221と、第4導電材料層222とを含む。第2導電層220は、第1方向D
1において対向する第3面220aと第4面220bとを含む。第3材料層221は第3面220aに設けられ、第4導電材料層222は第4面220bに設けられている。第2導電材料層212と第3導電材料層221とは、第1方向D
1においてセパレータ23を介して対向している。幾つかの実施例では、
図3Aに示すように、積層して巻取された後、第1導電層210の第1面210aは巻取中心軸Cから離れ、第2面210bは巻取中心軸Cに向かっている。第2導電層220の第3面220aは巻取中心軸Cから離れており、第4面220bは巻取中心軸Cに向いている。他の実施例では、第1導電層210の第1面210aは巻取中心軸Cに向かい、第2面210bは巻取中心軸Cから離れていてもよい。このとき、第2導電層220の第3面220aは巻取中心軸Cに向かっており、第4面220bは巻取中心軸Cから離れている。
【0041】
第1電極シート21は、正極シート又は負極シートであってもよい。これに対応して、第1導電層210は正極導電層又は負極導電層であってもよく、第1導電材料層211と第2導電材料層212は共に正極活材料層又は負極活材料層であってもよい。第1導電層210は、電流を集約する機能を有することができる。第2電極シート22は、負極シートであってもよいし、正極シートであってもよい。これに対応して、第2導電層220は負極導電層または正極導電層であってもよく、第3導電材料層221と第4導電材料層222は共に負極活性材料層または正極活性材料層であってもよい。第2導電層220も、電流を集約する機能を有することができる。幾つかの実施例では、第1電極シート21は正極シートであり、第2電極シート22は負極シートである。正極導電層は、アルミニウム箔またはニッケル箔を用いてもよい。負極導電層は、銅箔、ニッケル箔または炭素系導電層のうちの少なくとも1つを用いてもよい。
【0042】
正極活性材料層は、正極活性材料を含む。正極活性材料は、リチウムイオンを可逆的に埋め込む及びリチウムイオンを脱離させることが可能な化合物(即ち、リチウム化インターカレーション化合物)を含む。幾つかの実施例では、正極活性材料は、リチウム遷移金属複合酸化物を含むことができる。当該リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム及びコバルト、マンガン、ニッケルの中から選択される少なくとも1つの元素を含む。幾つかの実施例では、正極活性材料は、コバルト酸リチウム(LiCo02)、リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト三元材料(NCM)、マンガン酸リチウム(LiMn204)、ニッケル・マンガン酸リチウム(LiNi0.5Mn1.5O4)またはリン酸鉄リチウム(LiFeP04)のうちの少なくとも1つから選択される。
【0043】
負極活性材料層は負極活性材料を含み、当技術分野で知られている活性イオンの可逆的な脱離を行うことができる負極活性材料を採用し、本願はこれについて制限しない。例えば、黒鉛、軟質炭素、硬質炭素、炭素繊維、中間相炭素微小球、ケイ素系材料、スズ系材料、チタン酸リチウム、またはリチウムと合金を形成できる他の金属などのうちの1種または多種の組み合わせを含むが、これらに限定されない。ここで、黒鉛は人工黒鉛、天然黒鉛及び変性黒鉛の中から選択される1種又は多種の組み合わせであり、シリコン系材料は単質シリコン、ケイ素酸素化合物、シリコン炭素複合体及びシリコン合金の中から選択される1種又は多種の組み合わせであり、スズ系材料は単質スズ、スズ酸素化合物、スズ合金などの中から選択された1種又は多種の組み合わせであってもよい。
【0044】
セパレータ23は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドまたはアラミドのうちの少なくとも1つを含む。例えば、ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、または超高分子量ポリエチレンから選択される少なくとも1種を含む。ここで、ポリエチレンとポリプロピレンは、ショートの改善に良好な役割を果たし、シャットダウン効果により電池の安定性を改善することができる。
【0045】
図4、
図6~
図8Aに示すように、第1導電層210の第1面210aは、第1エリア2100を含む。第1導電材料層211は、第1凹部2110を有する。第1凹部2110は、第1導電材料層211の巻取中心軸C方向における第1端辺211aが内向きに凹むことによって形成され、且つ第1導電材料層211の巻取中心軸C方向における第2端辺211bを貫通していない。第1エリア2100は、第1凹部2110において露出し、且つ第1導電材料層211と分離するように配置される。具体的には、レーザー洗浄方式を用いて、第1導電材料層211においてエッチングすることにより第1凹部2110を形成し、第1エリア2100を露出させるようにしてもよいし、第1エリア2100に予め発泡ゲルを貼り付けて、活性材料を塗布した後に加熱して発泡ゲルを脱落させることにより、第1エリア2100を露出させてもよいし、第1エリア2100における活性材料をドクターブレードで直接掻き取ることにより、第1エリア2100が露出するようにしてもよい。しかし、レーザー洗浄やドクターブレードによる掻き取りの後においても、第1エリア2100の表面に活性材料が少数残存することが可能であり、本願がこれを限定するものではない。第1方向D
1から見て、第1導電板30は第1エリア2100と接続し且つ第1エリア2100から第1エリア2100の外方へ第1端辺211aを超えるように延在して、外部素子(図示せず)と接続可能になる。なお、大電流充電の要請を満たすために、第1エリア2100は第1電極シート21における巻き始め部と巻き終わり部を除いた領域に設けられてよい。幾つかの実施例において、第1エリア2100と第1凹部2110との第1方向D
1での投影は、いずれも矩形であってもよい。幾つかの具体的な実施例では、第1エリア2100と第1凹部2110との第1方向D
1での投影は、いずれも矩形である。
【0046】
幾つかの実施例において、ハウジング10はアルミラミネートフィルム等の封止フィルムで外装された包装袋であってもよい。即ち、電気化学装置100はソフトパック電池であってもよい。
図1及び
図2を併せて参照して、ハウジング10は、電極アセンブリ20を収容する本体部11と、本体部11に接続される縁取り12とを含む。ここで、本体部11は、第2方向D
2で対向する第1壁111と第2壁112とを有する。縁取り12は、第1壁111に接続されるとともに、第2方向D
2で対向する第3壁113と第2壁114とを有している。第2方向D
2において、第3壁113は第1壁111と第2壁112との間に設けられ、第4壁114も第1壁111と第2壁112との間に設けられている。第1導電板30と第2導電板40は、それぞれハウジング10の内部からハウジング10の外部まで縁取り12からはみ出している。ハウジング10は、対向配置された第1ケース13と第2ケース14とを備え、且つ第1空間130が設けられた第1ケース13と、平板構造の第2ケース14とをヒートシールすることにより形成される。このように、第1ケース13と第2ケース14とがヒートシールされた後に、第1空間130は、第2ケース14によって密閉されて、電極アセンブリ20を収容するための収容空間を形成する。もちろん、第1ケース14は第2空間(図示せず)を有してもよい。第1ケース13と第2ケース14とをヒートシールした後に、第1空間130と第2空間は、互いに組み合わせて、電極アセンブリ20を収容するための収容空間を形成する。
【0047】
図3Bに示すように、第1ケース13と第2ケース14は、1枚の封止フィルムを折り返すことにより得ることができる。即ち、第1ケース13と第2ケース14は、それぞれ、保護層131、金属層132及び封止層133が順次に積層されてなる多層シートである。保護層131の材質は、金属層132を保護するために用いられ、金属層132が外力により破損するリスクを低減するとともに、外部環境の空気の浸透を遅らせ、電気化学装置100の内部の正常な動作環境を維持するポリマー材料であってもよい。保護層131のポリマー材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド及びポリイミドから選ばれる少なくとも1種であってもよい。金属層132は、外部環境からの水分の浸透を遅らせ、外力による電極アセンブリ20への損傷を低減するために用いられてもよい。幾つかの実施例において、金属層132は、アルミニウム箔層またはスチール箔層であってもよい。封止層133は、封止に用いられ、多層シートが電解液中の有機溶媒により溶解されるまたは膨潤するリスクを軽減することができる。また、封止層133は、電解液中の電解質が金属層132に接触することに起因して、金属層が腐食するリスクを軽減することができる。封止層133は、加熱溶融する性質を有するポリマー材料を含む。ポリマー材料は、ポリプロピレン、プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレートの中から選択される少なくとも1種であってよい。ハウジング10を作製する際には、封止キャップを利用して、第1ケース13と第2ケース14との縁部に一定の温度及び圧力を同時にかけることにより、第1ケース13の封止層133と第2ケース14の封止層133とを互いに溶融させて貼り合わせ、ポリマー層134を得ることができる。このため、ヒートシールにより縁貼り12を形成した後、縁貼り12は順次積層された保護層131、金属層132、ポリマー層134、金属層132及び保護層131を含むようになる。
【0048】
他の幾つかの実施例において、電気化学装置100は、ソフトパック電池に限らず、スチールシェル電池またはアルミシェル電池などであってもよく、本願は制限されない。
【0049】
電気化学装置200は、電極アセンブリ20と、第1導電板30とを備える。電極アセンブリ20は、第1電極シート21を含む。第1電極シート21は、第1導電層210と、第1導電材料層212とを含む。
【0050】
ここで、第1導電層210は、第1面210aと、第1面210aと互いに反対側を向く第2面210bとを含む。第1面210aに垂直な第1方向D1に沿って見るときに、第1導電層210は、第1方向D1に垂直な第2方向D2での第1端辺211bと、第2方向D2において第1端辺211bとは反対側に位置し、且つ第2方向D2に沿って見る場合に第3凹部Rを備える第2端辺211aとをさらに含む。
【0051】
第1導電材料層211は、第1導電層210の第1面210aに設けられ、第4凹部4の少なくとも一部と離間しており、且つ第2端辺211aから第1端辺211bに亘って設けられている。
【0052】
第1導電板30は、第1導電層210の第1面210aに設けられ、第1導電材料層210から離れており、第1方向D1に沿って見るときに第3凹部Rと重なりを有する。
【0053】
前述の電気化学装置において、第1方向D1に沿って見るときに、第1導電材料層210は、第2端辺210aと第3凹部Rのエッジとに繋がる部分を含む。
【0054】
前述の電気化学装置において、第一方向D1に沿って見るときに、第二方向D2に直交する第3方向D3において、第一導電材料層210は、第二端辺211aに接し且つ第1導電板30に対向する第1側辺R1を含む。
【0055】
前述の電気化学装置において、第一方向D1に沿って見るときに、第3方向D3において、第1導電材料層210は、第1側辺R1から離間し且つ第1導電板30に対向する第5辺2101を含む。
【0056】
前述の電気化学装置において、第1導電材料層210は、第1側辺R1と第5辺2101とに接する第9辺2114を含む。
【0057】
前述の電気化学装置において、第3方向D3において、第1導電板30から第1側辺R1までの距離W3は、第3方向D3において第1側辺R1から第5辺2101までの距離W1よりも短い。
【0058】
前述の電気化学装置において、第1方向D1に沿って見るときに、第1導電材料層210は、第2端辺210aと第3凹部Rとに接する部分を含む。また、第1方向D1に沿って見るときに、第2方向D2に直交する第3方向D3において、第2端辺211aと接し且つ第1導電板30に対向する第2側辺R2と、第2側辺R2から離間し且つ第1導電板30に対向する第6辺2102とをさらに含む。
【0059】
前述の電気化学装置において、第1導電材料層210は、第2側辺R2と第6辺2102とに接する第10辺2115を含む。
【0060】
前述の電気化学装置において、第3方向D3において、第1導電板30から第2側辺R2までの距離W4は、第2側辺R2から第10辺2115までの距離W2よりも長い。
【0061】
前述の電気化学装置において、第3方向D3において、第1導電板30から第1側辺R1までの距離W3は、第1導電板30から第2側辺R2までの距離W4よりも短い。
【0062】
前述の電気化学装置において、第2方向D2において、第2端辺211aから第9辺2114までの距離L2は、第2方向D2において第9辺2114から第3凹部Rの底辺R3までの距離L4よりも短い。
【0063】
前述の電気化学装置において、第3凹部Rは、第2端辺211aから第3凹部の底辺R3まで延びるスロープエッジR11を含む。
【0064】
前述の電気化学装置において、電極アセンブリ20は、第1電極シート30の一部及び第1側辺R1を少なくとも覆い、且つ絶縁性材料を有する第1層50を含む。
【0065】
図7及び
図8Aに示すように、第1導電板30は、第3エリア31と、第3エリア31と接続される第4エリア32とを含む。第1方向D
1において、第3エリア31の投影は第1エリア2100の投影内に位置し、即ち、第3エリア31の投影は第1エリア2100の投影の少なくとも一部に重なっており、第4エリア32の投影は第1エリア2100の投影外に位置している。
図1に示すように、第4エリア32は、ハウジング10から突き出している。
図1及び
図3Bを参照して、電気化学装置100がソフトパック電池であるときに、第4エリア32は、縁取り12内のポリマー層134からハウジング10を突出する。幾つかの実施例では、縁取り12が位置する面は、第1壁111が位置する面に対して垂直である。このとき、第2方向D
2は、第3エリア31の延在方向だけでなく、第1タブ30の全体の延在方向と定義されてもよい。しかしながら、別の実施例では、縁取り12を第1壁111まで折り返すことにより、電気化学装置100の第2方向D
2におけるサイズを小さくして、スペース利用率とエネルギー密度を高めることができる。このとき、第2方向D
2は第3エリア31の延在方向であるが、縁取り12内に位置する第4エリア32の延在方向は第2方向D
2に対して垂直である。
【0066】
第3エリア31は、接続エリア311と、接続エリア311を取り囲むように設けられたエッジ領域312とを含む。第1導電板30は、接続エリア311によって第1エリア2100に接続されている。即ち、接続エリア311は電気化学装置100の充電時に電流が流れる位置である。幾つかの実施例では、第1導電板30は、接続エリア311を介して第1エリア2100にはんだ付けされることにより、第1導電板30と第1エリア2100との接続強度が比較的高い。ここで、接続エリア311と第1エリア2100とは溶接される際に、複数の溶接点3110が形成され、接続エリア311と第1エリア2100とは溶接点3110によって固定される。溶接点3110の数がより多いときに、第1導電板30と第1電極シート21との間の接触抵抗を低減し、電気化学装置100の充電中の発熱量を低減することができる。別の実施例では、第1導電板30は、導電ペースト又は他の方法によって第1エリア2100に接続されてもよい。
【0067】
幾つかの実施例では、
図7及び
図8Aに示すように、第1方向D
1から見て、複数の溶接点3110は、単一のマトリックス状に配置されてよい。このとき、エッジ領域312は、第3エリア31において最も外側に位置する一周溶接点3110以外の領域とする。他の幾つかの実施例では、
図8Bに示すように、複数の溶接点3110は、接続エリア311が離間した複数の領域を含むようにマトリクス状に配列されていてもよい。このとき、エッジ領域312は、第3エリア31において隣接する行列の間に位置する領域も含む。
【0068】
図7及び
図8Aに示すように、第1方向D
1から見て、第3エリア31は略矩形であってもよい。第3エリア31は、第1辺3101と、第2辺3102と、第3辺3103と、第4辺3104とを含む。第1辺3101と第2辺3102は、第3方向D
3において対向している。第3辺3103と第4辺3104は、第2方向D
2において対向している。第3辺3103は、第1辺3101と第2辺3102とが接続する両端部を接続している。第4辺3104は、第1辺3101と第2辺3102とが接続する両端部を接続している。そして、第4辺3104は、第3エリア31と第4エリア32との境界線である第4エリア第4エリアである。幾つかの実施例では、第1辺3101と第2辺3102はそれぞれ第2方向D
2に沿って延び、第3辺3103と第4辺3104はそれぞれ第3方向D
3に沿って延びる。
【0069】
第1エリア2100は、第5辺2101と、第6辺2102と、第7辺2103とを含む。第5辺2101と第6辺2102とは、第3方向D3で対向している。第7辺2103は、第5辺2101と第6辺2102とが接続する両端部を接続している。第1方向D1から見て、第7辺2103は、第1エリア2100の第2方向D2における第3端辺2104と対向している。第1凹部2110は三次元構造であることが理解されるが、第1方向D1から見ると、第1凹部2100は順次に連なる複数の辺(図示せず)を含む。そして、第1方向D1から見て、第1エリア2100の第5辺2101、第6辺2102及び第7辺2103のそれぞれは、第1凹部2110の辺と重なっている。幾つかの実施例では、第5辺2101と第6辺2102はそれぞれ第2方向D2に沿って延び、第7辺2103は第3方向D3に沿って延びる。第2方向D2において、第7辺2103と第3辺3103はこの順に設けられており、且つ第7辺2103と第3辺3103は少なくとも部分的に対向している。幾つかの実施例では、第7辺2103と第3辺3103とは、互いに平行であってもよい。第3方向D3において、第5辺2101、第1辺3101、第2辺3102及び第6辺2102はこの順に配置され、且つ第5辺2101と第1辺3101とは少なくとも部分的に対向し、第2辺3102と第6辺2102とは少なくとも部分的に対向する。幾つかの実施例において、第5辺2101、第1辺3101、第2辺3102及び第6辺2102は、互いに平行であってもよい。
【0070】
ここで、第2方向D2において第7辺2103と第3辺3103が順次に設けられていることは、第2方向D2に沿って設けられるある仮想直線が前後して第7辺2103と第3辺3103とを通過することを意味する。第3方向D3において、第5辺2101、第1辺3101、第2辺3102及び第6辺2102が順次に設けられるとは、第3方向D3に沿って設けられるある仮想直線が前後して第5辺2101、第1辺3101、第2辺3102及び第6辺2102を通過することを意味する。幾つかの実施例では、第2方向D2は巻取中心軸C方向であり、第3方向D3は第2方向D2に対して垂直である。
【0071】
幾つかの実施例では、
図7及び
図8Aに示すように、第5辺2101、第6辺2102及び第7辺2103は、いずれも直線形状である。他の幾つかの実施例では、第1エリア2100をレーザー洗浄等により形成する場合に、第5辺2101、第6辺2102及び第7辺2103の少なくとも1つが凹凸形状を呈していてもよく、本願が制限されない。
【0072】
図7及び
図8Aに示すように、第3方向D
3において、第1導電板30は第1エリア2100のほぼ中間の位置に設けられている。
【0073】
第3エリア31の第3方向D
3における寸法をT
1とし、第3エリア31の第2方向D
2における寸法をT
2とし、第3エリア31の第1方向D
1への投影の面積をS
1(
図8Cに示される)とし、接続エリア311の第1方向D
1への投影の面積をS
2(
図8Dに示される)とし、第1辺3101と第5辺2101との間の距離をJ
1とし、第2辺3102と第6辺2102との間の距離をJ
2とし、第3辺3103と第7辺2103との間の距離をJ
3として定義すると、第1エリア2100の放熱係数K=S
2/S
1+(J
1+J
2+J
3)/(T
1+T
2)≧30%である。
【0074】
ここで、S2/S1は、接続エリア311の第3エリア31における面積の割合、即ち第1導電板30の過電流面積の割合を反映することができる。S2/S1が大きいと、第1導電板30の過電流面積が大きくなり、電気化学装置100の充電時に第1導電板30での電流の分布がより分散で且つ均一になるため、大電流充電時に第1導電板30で発生する熱がより分散し、第1導電板30が局所的に過熱するリスクが小さくなる。なお、J1は第1エリア2100の第1導電板30の第1辺3101の一方側からはみ出す長さを反映し、J2は第1エリア2100の第1導電板30の第2辺3102の一方側からはみ出す長さを反映し、J3は第1エリア2100の第1導電板30の第3辺3103の一方側からはみ出す長さを反映するので、(J1+J2+J3)/(T1+T2)は、第1エリア2100が第1導電板30に露出する面積の占有率、即ち、第1エリア2100が放熱可能な面積の割合を反映することができる。(J1+J2+J3)/(T1+T2)が大きいと、第1導電板30の放熱面積が増加し、大電流充電時の温度上昇が低減される。そこで、本願は、第1エリア2100の放熱係数Kを、S2/S1と(J1+J2+J3)/(T1+T2)の和と定義し、且つ放熱係数K≧30%とすることによって、電気化学装置100の安全性及び信頼性を高めた。
【0075】
ここで、J1、J2、J3、T1、T2はそれぞれ直接測定法により取得される。測定ステップは、電気化学装置100を分解して、第1電極シート21を測定サンプルとし、J1、J2、J3、T1、T2の数値をカメやその他の適切なゲージで直接測定するか、または第1電極シート21の画像を採取し、画像中で測定することを含む。
【0076】
S1は、第3エリア31の具体的な形状と合わせて、T1、T2から算出することができる。ここで、第3エリア31を矩形とした場合に、S1はT1とT2の積となる。
【0077】
幾つかの実施例では、接続エリア311が第1エリア2100に溶接される場合、S
2は、複数の溶接点3110の第1方向D
1への投影の面積の和である。
図8Dに示すように、溶接点3110の数がn(nは1より大きい自然数)であり、n個の溶接点3110の第1方向D
1への投影の面積がそれぞれS
21、S
22、...S
2nであれば、S
2=S
21+S
22+...+S
2nである。ここで、S
2は、画像法で測定可能である。測定ステップは、電気化学装置100を分解し、測定サンプルとして第1電極シート21を取り、接続エリア311を含む画像である第1画像を第1方向D
1から採集し、既知面積がS
0である参照対象の画像を取得してそれを第2画像とし、第1画像における溶接点3110に対応する画素点の数n
1を算出し、第2画像における参照先に対応する画素点の数n
0を算出する。面積A
0、数n
1、及び数n
0に基づいて、溶接点3110の面積S
2を算出し、即ちS
2=(S
0×n
0)/n
1を算出する。S
2の測定は、以上の方法に限られない。他の実施例において、接続エリア311が第1エリア2100に他の方式で接続される場合、S
1は、接続エリア311の次元ごとのサイズや、接続エリア311の具体的形状から算出されることが可能である。
【0078】
図4に示すように、幾つかの実施例において、第1導電層210の第2面210bが第2エリア2105を含むと定義する。第2導電材料層212は、第2凹部2120を含む。第2エリア2105は第2凹部2120に露出しており、第2エリア2105は第2導電材料層212と離間して設けられている。しかしながら、第2エリア2105の表面にも少数の活性材料が残存してもよく、本願はこれを限定しない。第1方向D
1において、第1エリア2100の投影と第2エリア2105の投影とは少なくとも部分的に重なっている。これにより、第1導電板30で発生した熱は、第1導電板30に露出した第1エリア2100を介して放出できる他、第1エリア2100と第2エリア2105との重複箇所を介して第2エリア2105に伝わって、第2エリア2105によって放出することができる。これにより、放熱効率がさらに向上する。幾つかの具体的な実施例において、放熱効率をさらに向上させるために、第1方向D
1において、第1エリア2100の投影と第2エリア2105の投影とが完全に重なるように配置されてもよい。
【0079】
接続エリア311を介して第1導電板30が第1エリア2100にはんだ付けされる場合、接続エリア311にはバリやはんだ痕が形成される可能性がある。これらのバリやはんだ痕がセパレータ23を突き刺さってショートが発生する可能性がある。
図4、
図6及び
図7に示すように、幾つかの実施例において、電気化学装置100は、少なくとも第3エリア31が接着された第1層50をさらに備え、第1層50は絶縁材料を含む。第1方向D
1において、第1エリア210の投影は、第1層50の投影内に位置する。即ち、第1層50は、少なくとも第3エリア31を完全に覆っている。さらに、第1層50は、少なくとも第1エリア2100を完全に覆っていてもよい。第1層50は、接続エリア311のバリやはんだ痕がセパレータ23を突き刺してショートが発生するリスクを低減することができる。また、第1層50は、第1導電材料層211に第1凹部2110を設けることにより、当該位置の厚みが減少してしまうことを補償し、電気化学装置100の全体の厚みをより均一にすることもできる。ここで、第1層50は、片面ゴムまたは両面ゴムであってもよく、その具体的な材質がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリメチルメタクリレートまたはポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種であってもよい。別の実施例では、第1層50はセラミックコート層であってもよい。
【0080】
幾つかの実施例において、第1層50は、第1エリア2100を超えており、且つ第1導電材料層211の一部を覆って、それに接着されていてもよい。具体的には、第1導電材料層211は、第1凹部2110を囲んで形成された第1導電材料エリア2111を含む。第1層50にも、第1導電材料エリア2111が接着されている。区別を容易にするために、
図7及び
図8Aでは、第1導電材料エリア2111と、第1導電材料層211の他の領域とを異なる充填方式にて示している。しかし、これは、第1導電材料エリア2111と、第1導電材料層211の他の領域とが異なる活性材料を用いて製造することを意味するものではなく、両者の間には明らかな限界はない。
【0081】
図7に示すように、第1方向D
1から見て、第1層50は、第8辺51を含む。第2方向D
2において、第7辺2103は、第8辺51と第3辺3103との間に設けられている。第1エリア2100の第2方向D
2において第7辺2103に対向する第3端辺2104と第8辺51との間の距離をL
1、第7辺2103と第8辺51との間の距離をL
3と定義すると、L
3/L
1≦30%である。第1導電材料エリア2111が第1層50に覆われていることにより、第1導電材料エリア2111内の材料が充放電過程において容量作用を発揮しにくくなることが理解される。L
3/L
1を満たすように設計することで、第2方向D
2において、第1層50に覆われた第1導電材料エリア2111のサイズが小さくなり、即ち、第1層50に覆われた、容量作用を発揮しにくい活性材料が減少する。これにより、第1層50の電気化学デバイス100の容量に対する影響が低減される。
【0082】
幾つかの実施例において、L1の範囲は10~50mmである。L1が大きい場合には、第2方向D2において第1層50により覆われている第1導電材料層211のサイズは相対的に大きくなる。そのため、電気化学装置100の容量への影響が高まる。L1が小さい場合には、第2方向D2において第1エリア2100のサイズも小さくなる。したがって、第3辺3103と第7辺2103との間の距離J3も小さいため、第1エリア2100の放熱係数Kは低下し、放熱能力は相対的に低下する。
【0083】
図6及び
図7に示すように、幾つかの実施例では、第2方向D
2において、第1層50の縁部52は、第1電極シート21の縁部よりもはみ出していてもよい。
【0084】
図4に示すように、幾つかの実施例では、第2導電材料層212は、第2凹部2120を取り囲むように形成された第2導電材料エリア2121を含む。電気化学装置100は、絶縁材料を含有する第2層60をさらに備える。第2層60は、第2エリア2105を覆い、且つ第2導電材料エリア2121と接着している。即ち、第2エリア2105の投影は、第1方向D
1において、第2層60の投影内に位置する。第2層60は、第2導電性材料層212に第2凹部2120を設けることによって、この位置での厚さの減少を補償するために使用することができる。幾つかの実施例では、第2層60は、片面ゴム、両面ゴム、またはセラミックコート層であってもよい。
【0085】
図6に示すように、幾つかの実施例では、第2方向D
2において、第2層60の縁61は第1電極シート21の縁を超えていてもよい。
【0086】
図4に示すように、幾つかの実施例において、電気化学装置100は、第3層70と第4層80とを含んでもよい。第3層70と第4層80とは、共に絶縁材料を含んでいる。第1方向D
1において、第1層50は第1導電板30と第3層70との間に設けられ、第2層60は第1導電板30と第4層80との間に設けられている。第3層70と第4層80は、第1凹部2110と第2凹部2120における電極シートの厚みの減少を更に補償し得る。また、接続エリア311のバリやはんだ痕がセパレータ23を突き刺した後に、この部分のバリやはんだ痕を第3層70が覆うことができ、ショートのリスクがさらに低減される。第1電極シート21が正極シートであり且つ第2電極シート22が負極シートである場合、第1方向D
1において、第3層70の投影は第1層50の投影内に位置する(即ち、第3方向D
1において、第3層70の端部は第1層50の端部を越えていない)。これにより、第1方向D
1において第1層50の周りに位置する部分の第1導電材料層211から脱離したリチウムイオンは、第3導電材料層221によって十分に受け入れられ、過剰なリチウムイオンが蓄積してリチウムデンドライトが発生するリスクを低減し、安全性を高めた。同様に、第1方向D
1において、第4層80の投影は、第2層60の投影内に位置する(即ち、第3方向D
1において、第3層70の端部が第1層50の端部を超えていない)。これにより、第1方向D
1において第2層60の周りに位置する部分の第2導電材料層212から脱離したリチウムイオンが第4導電材料層222によって十分に受け入れられ、過剰なリチウムイオンが蓄積してリチウムデンドライトが発生するリスクを低減し、安全性を高めた。幾つかの実施例において、第3層70と第4層80とは、それぞれ、片面ゴム、両面ゴム、またはセラミックコートであってもよい。
【0087】
別の実施形態では、第1電極シート21が負極シートであり、且つ第2電極シート22が正極シートである場合には、第3層70は、第1方向D1において第3層70に対応する第3導電材料層221の一部から脱離したリチウムイオンの第2凹部2120への移動を妨げるために用いられてもよい。これにより、第2凹部2120がこれらのリチウムイオンを全て埋め込むことができない不足により、過剰なリチウムイオンが蓄えられ、リチウムデンドライトが発生するリスクを低減することができる。同様に、第4層80は、第1方向D1において、第4層80に対応する第4導電材料層222の一部から脱離したリチウムイオンの第1凹部2110への移動を妨げ、第1凹部2110がこれらのリチウムイオンを全て埋め込むことができない不足により、過剰なリチウムイオンが蓄えられ、リチウムデンドライトが発生するリスクを低減するのにも利用できる。
【0088】
図4に示すように、幾つかの具体的な実施例では、第3層70は第2電極シート22の第3導電材料層221と接着し、第4層80は第2電極シート22の第4導電材料層222と接着している。これにより、第3層70と第4層80とを電気化学装置100の中に固定し、且つ厚さを補償したり、リチウムデンドライトの発生リスクを低減したりする役割を果たす。もちろん、他の実施例では、第3層70及び第4層80には、セパレータ23が接着されてもよい。
【0089】
図5に示すように、幾つかの実施例では、第2電極シート22は、第1電極シート21と同様の設計を採用してもよい。即ち、第2電極シート22の空き領域に第2導電板40を接続し、且つ当該空き領域の放熱係数を30%以上とするように設定する。これにより、電気化学装置100の安全性及び信頼性がさらに向上する。
【0090】
図3A~
図5に示すように、幾つかの実施例では、第1セグメント201と第2セグメント203がストレートセグメントであるときに、第1セグメント201に第1導電板30及び第2導電板40の両方が位置するため、第1導電板30が第1エリア2100に接続される際の平坦性を高めることができる。
【0091】
図9及び
図10Aに示すように、本開示の他の実施形態は、電気化学装置200をさらに提供している。電気化学装置200は、電気化学装置100と異なる点は、少なくとも次の通りである。第1エリア2100の第2方向D
2における第3端辺2104(即ち、第1エリア2100の第7辺2103に対向する縁)には、内向きへ第3凹部Rが設けられている。第3凹部Rは、第1側辺R
1と、第2側辺R
2と、底辺R
3とを含む。第3方向D
3において、第1側辺R
1と第2側辺R
2は、対向している。第1方向D
1から見て、第1側辺R
1と第2側辺R
2は、いずれも第1導電材料層211の第1端辺211aに接続されている。底辺R
3の両端は、第1側辺R
1と第2側辺R
2とにそれぞれ接続されている。第1方向D
1から見て、第1側辺R
1は第1導電材料層211の第1端辺211aから離れたスロープエッジR
11を有し、スロープエッジR
11は底辺R
3と接続している。第2側辺R
2は、第1導電材料層211の第1端辺211aから離れたスロープエッジR
21を有しており、スロープエッジR
21は底辺R
3と接続している。第1方向D
1に沿って見ると、底辺R
3は、少なくとも第3エリア31の第4辺3104と部分的に重なっている。幾つかの実施例では、第3方向D
3において、第3凹部Rは、第1エリア2100のほぼ中間の位置に設けられていてもよく、第3凹部Rの辺角は円弧角であってもよい。即ち、底辺R
3は直線であり、第1側辺R
1の底辺R
3に近いスロープエッジR
11が弧状線であり、残りの部分は直線であり、第2側辺R
2のスロープエッジR
21が弧状線であり、残りの部分は直線である。他の幾つかの実施例では、第3凹部Rの形状は、第1方向D
1から見て、変更されてもよい。例えば、
図10Cに示すように、底辺R
3は弧状線であり、第1側辺R
1のスロープエッジR
11は弧状線であり、残りの部分は直線であり、第2側辺R
2のスロープエッジR
21は弧状線であり、残りの部分は直線である。
図10Dに示すように、第3凹部Rの辺角が直角であってもよく、この場合、底辺R
3、第1側辺R
1及び第2側辺R
2はいずれも直線である。
【0092】
第1導電材料エリア2111は、第3方向D
3において、第3凹部Rに向かって延伸するように形成された第1延在領域2112と第2延在領域2113とを含む。第1方向D
1から見て、第1延在領域2112と第2延在領域2113とは、第3凹部Rの両側に設けられ、且つ第3凹部Rと接続している。第1方向D
1から見て、第1延在領域2112は、第5辺2101と第3凹部Rの第1側辺R
1との間に接続されており、第2延在領域2113は、第6辺2102と第3凹部Rの第2側辺R
2との間に接続されている。他の幾つかの実施例では、
図10Bに示したように、第1方向D
1から見て、第1延在領域2112と第2延在領域2113は、それぞれ、第3方向D
3において、第3凹部Rから離間してもよい。第1延在領域2112と第2延在領域2113とを設けることで、第1導電材料層211に第1凹部2110を設けることに起因する当該位置の厚みの減少を補うことができ、電気化学装置100の全体厚みをより均一にすることができる。なお、第1層50を設ける場合、第1延在領域2112と第2延在領域2113の存在も、第1層50と第1導電材料層211との接触面積を増やして、第1層50にシワが発生するリスクを低減することができる。なお、通常、電極シートの調製プロセスは、正負極スラリー攪拌、電極シートの塗布、電極シートのロールプレス、電極シートの分割等の工程を含む。本願は、第1エリア2100に第3凹部Rを設け、且つ第1導電材料エリア2111が第3凹部Rに向かって延びて、第1延在領域2112及び第2延在領域2113を形成しているので、電極シートを分断(第3方向D
3に沿って電極シートを切断)する際に、切欠きにおける電極シートの厚みが均一であるため、切欠きにおける電極シートの波打ちエッジの発生リスクを低減するのに有利である。区別を容易にするために、
図9、
図10Aでは、第1延在領域2112と第2延在領域2113とを、第1導電材料層211の他の領域に比べて異なる充填形態として示している。しかしながら、これは、第1延在領域2112と第2延在領域2113とは、第1導電材料層211の他の領域と比較して異なる活性材料を用いて形成されていることを意味するものではなく、両者の間には明らかな限界がない。
【0093】
さらに、第1延在領域2112の第3方向D
3におけるサイズをW
1、第2延在領域2113の第3方向D
3におけるサイズをW
2と定義し、(W
1+W
2)/T
1≧20%である。ここで、(W
1+W
2)/T
1は、第3方向D
3における第3凹部Rのサイズ比率を反映しており、(W
1+W
2)/T
1が大きいほど第3凹部Rのサイズ比率は小さくなる。したがって、(W
1+W
2)/T
1の比を限定することにより、第3凹部Rを設けることによって第1エリア2100の放熱可能な面積が減少することが改善される。
図9及び
図10Aに示すように、幾つかの実施例では、第3方向D
3において、第3凹部Rが第1エリア2100のほぼ中間の位置に設けられているため、W
1もW
2にほぼ等しい。また、別の実施例では、第3凹部Rは、第1エリア2100の一方側に偏っていてもよい。
【0094】
本実施形態の第1導電材料エリア2111が第1延在領域2112と第2延在領域2113とをさらに有するため、第1層50に覆われる第1導電材料エリア2111のサイズを限定する必要があれば、幾つかの実施例において、第1エリア2100の第2方向D2における第3端辺2104と第8辺51との間の距離をL1、第7辺2103と第8辺51との間の距離をL3と定義するほかに、第1層50に覆われる第1延在領域2112と第2延在領域2113とのサイズをさらに限定してもよい。そこで、第1延在領域2112と第2延在領域2113との第2方向D2におけるサイズが同じで且つ共にL2であり、(L2+L3)/L1≦30%とすることをさらに定義する。(L2+L3)/L1を規定することで、第2方向D2において、第1層50に覆われた第1導電材料エリア2111のサイズが小さくなる。即ち、第1層50により覆われた、容量機能を果たさない活性材料が少なくなり、第1層50による電気化学装置200の容量への影響が小さくなる。
【0095】
図10Eに示すように、別の実施例では、第1延在領域2112と第2延在領域2113との第2方向D
2におけるサイズが異なる。具体的には、第1延在領域2112の第2方向D
2におけるサイズはL
2であり、第2延在領域2113の第2方向D
2におけるサイズはL
2’である。このとき、(0.5L
2+0.5L
2’+L
3)/L
1≦30%と限定してもよい。
図9及び
図10Aに示すように、幾つかの実施例では、第3方向D
3において、第1延在領域2112と第1導電板30との間の距離はW
3であり、第2延在領域2113と第1導電板30との間の距離はW
4であり、W
1>W
3、W
2>W
4である。これにより、第3凹部Rの第3方向D
3におけるサイズの比率が小さくなり、第3凹部Rを設けることによって第1エリア2100の放熱可能な面積が小さくなることが改善される。
図9及び
図10Aに示すように、幾つかの実施例では、W
1はW
2に略等しく、W
3はW
4に略等しい。
【0096】
図9及び
図10Aに示すように、幾つかの実施例では、第3方向D
3において、第1延在領域2112は第9辺2114を含み、第2延在領域2113は第10辺2115を含む。第9辺2114は、第1延在領域2112の内縁であり、第9辺2114の両端は、第1側辺R
1と第5辺2101とに接続されている。第10辺2115は、第2延在領域2113の内縁であり、第10辺2115の両端は、それぞれ第2側辺R
2及び第6辺2102に接続されている。即ち、第1方向D
1から見て、第1エリア2100は第9辺2114と第10辺2115とを接続している。第9辺2114と第10辺2115とは、直線状である。
【0097】
図11及び
図12に示すように、更に幾つかの実施例では、第9辺2114及び第10辺2115は、第1エリア2100から離れて外側に突出する弧状であってもよい。この場合、第9辺2114の一端は第1側辺R
1に接続されており、
図10に示した実施例に比べて、第9辺2114の第5辺2101が接続される他端部は、第2方向D
2の逆方向に下へ移動可能である。これと同時に、第9辺2114の両端部の間に位置する領域は、第9辺2114が弧状をなすように、第1エリア2100から離れて外側に凸状を呈する。同様に、第10辺2115の一端は第2側辺R
2に接続されているが、
図10に示した実施例に比べて、第10辺2115の第六辺2102と接続する他端部は、第二方向D
2の逆方向に沿って下へ移動可能である。これと同時に、第10辺2115が弧を描くように、第10辺2115の両端部の間に位置する領域は第一領域2100から離れて外側に凸状を呈する。
【0098】
幾つかの実施例では、第2方向D2において、第1延在領域2112と第2延在領域2113とのサイズは共にL2であり、第9辺2114と第4辺3104との間の距離はL4であり、L2<L4である。ここで、L4は、第9辺2114の第1側辺R1に接続される端部と第4辺3104との間の距離を表す。L4は、第1エリア2100の第1導電板30の第4辺3104側から露出した長さを反映しており、L2<L4、つまり、L4が相対的に大きいことを規定することで、第1導電板30の放熱面積をより大きくし、大電流充電時の温度上昇を小さくする上で有利となる。
【0099】
図13に示すように、本願のさらに別の実施形態では、電気化学装置300も提供されているが、電気化学装置200と異なるところは、第3方向D
3において、第1導電板30が第1エリア2100の中間の位置からずれている点にある。この場合、W
3<W
4である。幾つかの実施例では、W
3<W
1である。なお、幾つかの実施例では、W
2<W
4である。
【0100】
ここで、本願の電気化学装置100(または電気化学装置200、300)は、電気化学反応を起こすことができるすべての装置を含む。具体的には、電気化学装置100は、すべての種類の原電池、二次電池、燃料電池、太陽電池、およびキャパシタ(例えば、スーパーキャパシタ)を含む。オプションとして、電気化学装置100は、リチウム金属二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池及びリチウムイオンポリマー二次電池を含むリチウム二次電池であってもよい。
【0101】
図14に示すように、本願の一実施形態は、電気化学装置100(または電気化学装置200、300)を含む電子機器1をさらに提供している。
【0102】
ここで、本願の電気化学装置100は、様々な分野の電子機器1に適用される。一実施形態では、本願の電子機器1は、ノートパソコン、ペン入力型コンピュータ、モバイルパソコン、電子書籍プレーヤー、携帯電話、携帯型ファクシミリ、携帯型複写機、携帯型プリンター、ヘッドセットステレオイヤホン、ビデオレコーダー、液晶テレビ、ポータブルクリーナー、携帯CD機、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、計算機、メモリーカード、携帯型レコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、自動車、オートバイ、アシスト自転車、自転車、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、電動工具、ストロボ、カメラ、家庭用大型蓄電池及びリチウムイオンキャパシター等であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0103】
以下、具体的な実施例及び比較例により本願を詳細に説明する。ここで、電気化学装置が電池であることを例として、具体的なテスト方法により、本願について説明する。
【0104】
〔実施例1~4及び比較例1〕
冷間プレス工程を経た第1電極シートにおいて、第1導電材料層にレーザー洗浄方式により第1凹部を形成し、且つ第1エリアが第1凹部に露出するようにする。第1エリアには第3凹部が設けられていない。そして、第1エリアには第1導電板が溶接され、溶接点の数は1つであり、溶接点の面積はS2である。T1、T2、S1、S2、J1、J2、J3、L3/L1の具体的な数値は、それぞれ表1に記録されている。第2電極シート、セパレータ及び電解液などは、通常設計を採用することができる。
【0105】
実施例1~4及び比較例1の第1電極シートとセパレータと第2電極シートとを積層して巻回し、ハウジングに置いた後に電解液を注入し、サイズが5.2mm×65.4mm×82.5mmであり、容量が5.0Ahの電池を作製した。その後、各電池に対して急速充電を行い、具体的には、充電の流れは以下の工程を含む。
【0106】
(1)2.0Cの定電流で4.25Vまで充電し、定電圧で1.5Cまで放電する。(2)5min静置する。(3)1.5Cの定電流で4.38Vまで充電し、定電圧で1.0Cまで放電する。(4)5min静置する。(5)1.0Cの定電流で4.43Vまで充電して、定電圧で0.05Cまで放電する。(6)5min静置する。充電前に、多重測温器を用いて、第1導電板付近の温度がT1と測定した。充電完了後、多重測温器を用いて第1導電板付近の温度をT2と測定すると、温度上昇Δt=T2-T1であり、この結果を表1に記録する。なお、補足説明が必要なのは、電池の充電電流は一般に倍率Cで参照され、Cは電池容量に対応する数値である。例えば、電池容量が5.0Ahの場合、対応する1Cは5.0Aであり、2Cは10.0Aとなる。
【0107】
【0108】
表1のデータから、比較例1と比較して、実施例1-4の電池の方が放熱係数K≧30%を満たすため、急速充電後の電池の温度上昇は小さいことが分かる。また、放熱係数が大きい程、電池の温度上昇が小さくなる。一方、実施例2-3の放熱係数は同じであるが、実施例2ではL3/L1が相対的に小さいため、温度上昇が相対的に低くなる。
【0109】
〔実施例5-11〕
実施例1-4と異なるところは、実施例5-9において、第1エリアには第3凹部がいずれも設けられており、且つT1、T2、S1、S2、J1、J2、J3、(L2+L3)/L1の具体的な数値も異なっており、表2にそれぞれ記録されている点である。
【0110】
実施例5と異なるところは、実施例10-11の(L2+L3)/L1の数値が異なり、表3にそれぞれ記録されている点である。
【0111】
実施例5-9の第1電極シートとセパレ一タと第2電極シートとを積層して卷回し、ハウジングに置いた後に電解液を注入し、サイズが5.40mm×80.3mm×70.7mmであり、容量が5.2Ahの電池を作製した。その後、各電池に対して急速充電を行う。具体的には、充電の流れは、以下の工程を含む。
【0112】
(1)2.0Cの定電流で4.25Vまで充電して、定電圧で1.5Cまで放電する。(2)5min静置する。(3)1.5Cの定電流で4.38Vまで充電して、定電圧で1.0Cまで放電する。(4)5min静置する。(5)1.0Cの定電流で4.43Vまで充電して、定電圧で0.05Cまで放電する。(6)5min静置する。充電前後の第1導電板付近の温度上昇Δtを測定して、結果を表2に記録する。
【0113】
【0114】
表2のデータから、実施例5-9の電池が放熱係数K≧30%を満たすため、急速充電後の電池の温度上昇はより小さく、また、放熱係数が大きいほど電池の温度上昇は小さいことが分かる。
【0115】
実施例5、10-11の第1電極シートとセパレータと第2電極シートとを積層して巻回し、ハウジングに置いた後に電解液を注入し、サイズが5.2mm×65.4mm×82.5mmであり、容量が5.0Ahの電池を作製した。その後、各電池に対して急速充電を行う。具体的には、充電の流れは、以下の工程を含む。
【0116】
(1)2.0Cの定電流で4.05Vまで充電して、定電圧で1.6Cまで放電する。(2)5min静置する。(3)1.6Cの定電流で4.25Vまで充電して、定電圧で1.2Cまで放電する。(4)5min静置する。(5)1.2Cの定電流で4.35Vまで充電して、定電圧で0.8Cまで放電する。(6)5min静置する。(7)0.8Cの定電流で4.45Vまで充電して、定電圧で0.05Cまで放電する。(8)5min静置する。充電前後の第1導電板付近の温度上昇Δtを測定して、結果を表3に記録する。
【0117】
【0118】
表3のデータから明らかなように、実施例5、10-11の放熱係数が同じであるが、実施例10に比べて、実施例5、11は(L2+L3)/L1≦30%を満たすので、温度上昇が相対的に低く、実施例5における(L2+L3)/L1の数値が最も小さいので、温度上昇も最も小さい。
【0119】
〔実施例12~14〕
実施例5と異なるところは、実施例12-14のT1、T2、S1、S2、J1、J2、J3、(L2+L3)/L1、(W1+W2)/T1の具体的な数値が異なり、それぞれ表4に記録されている点である。
【0120】
実施例5、12~14の第1電極シートとセパレー夕と第2電極シートとを積層して卷回し、ハウジングに置いて電解液を注入し、サイズが3.77mmX62.0mmX141.0mmであり、容量が5.2Ahである電池を作製した。その後、各電池に対して急速充電を行い、具体的には、充電の流れは、次の通りである。(1)1.8Cの定電流で4.2Vまで充電し、定電圧で0.7Cまで放電する。(2)5min静置する。(3)0.7Cの定電流で4.4Vまで充電し、定電圧で0.05Cまで放電する。(4)5min静置する。充電前後の第1導電板の位置付近の温度上昇ΔTを測定し、その結果を表4に記録した。
【0121】
【0122】
表4のデータから、実施例12に比べて、実施例5の放熱係数Kと(L2+L3)/L1の数値は同じであるが、(W1+W2)/T1の数値が相対的に大きいため、温度上昇が相対的に低いことが分かる。実施例14に比べて、実施例13の放熱係数Kと(L2+L3)/L1の数値は同じであるが、(W1+W2)/T1の数値が相対的に大きいため、温度上昇がさらに低くなる。
【0123】
最後に説明すべきところは、以上の実施例は、本願の技術提案を限定するものではなく、単に本願の技術提案を説明するためのものに過ぎない。好ましい実施形態を参照して本願発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本願の保護範囲から逸脱することなく、本願の技術的解決策を修正または均等に置き換えることができることを理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリと第1導電板とを含み、
前記電極アセンブリは巻回構造であり、且つ第1電極シートを含み、
前記第1電極シートは、対向する第1面と第2面とを有する第1導電層と、前記第1面に設けられた第1導電材料層とを含み、前記第1面は第1エリアを含み、前記第1導電材料層は
第1導電材料エリアを含み、前記第1導電材料エリアは前記第1凹部の周囲に設けられ、前記第1エリアは前記第1凹部において露出し、前記第1導電板は前記第1エリアと接続され且つ前記第1電極シートから突き出しており、
前記第1導電板は、互いに接続された第3エリアと第4エリアとを含み、前記第3エリアに垂直な方向を第1方向と定義し、前記第1方向において、前記第3エリアの投影は前記第1エリアの投影内に位置し、前記第4エリアの投影は前記第1エリアの投影外に位置し、前記第3エリアは接続エリアを含み、前記第1導電板は前記接続エリアを介して前記第1エリアに接続され、
前記第1方向から見て、前記第3エリアは第1辺、第2辺、第3辺及び第4辺を含み、前記第1辺と前記第2辺は対向し、前記第3辺と前記第4辺は対向し、前記第4辺は前記第4エリアを接続し、前記第1エリアは、第5辺、第6辺及び第7辺を含み、前記第3エリアの延在方向を第2方向として定義すると、前記第2方向において、前記第7辺と前記第3辺は順に配置され、第3方向において、前記第5辺、前記第1辺、前記第2辺、及び前記第6辺は順に設けられ、前記第1方向、前記第2方向及び前記第3方向は互いに対して垂直であり、
前記第3エリアの前記第3方向における寸法をT
1とし、前記第3エリアの前記第2方向における寸法をT
2とし、前記第3エリアの前記第1方向における投影の面積をS
1とし、前記接続エリアの前記第1方向における投影の面積をS
2とし、前記第1辺と前記第5辺との間の距離をJ
1とし、前記第2辺と前記第6辺との間の距離をJ
2とし、前記第3辺と前記第7辺との間の距離をJ
3として定義すると、S
2/S
1+(J
1+J
2+J
3)/(T
1+T
2)≧30%であ
り、
前記第1エリアの前記第2方向での縁には第3凹部が設けられ、前記第1導電材料エリアは、前記第3凹部に向かって延在するように形成された第1延在領域と第2延在領域とを含み、前記第1方向から見ると、前記第1延在領域と前記第2延在領域は、前記第3凹部の両側に設けられていることを特徴とする電気化学装置。
【請求項2】
前記第1電極シートは、前記第2面に設けられる第2導電材料層をさらに含み、前記第2面は第2エリアを含み、前記第2導電材料層は
、第2導電材料エリアを含み、前記第2導電材料エリアは、前記第2凹部の周囲に設けられ、前記第2エリアは前記第2凹部に露出し、前記第1方向において、前記第1エリアの投影と前記第2エリアの投影とは少なくとも部分的に重なることを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項3】
前記電気化学装置は、前記第3エリアと接着される第1層をさらに含み、前記第1層は絶縁材料を含み、前記第1方向において、前記第3エリアの投影は前記第1層の投影内に位置することを特徴とする請求項2に記載の電気化学装置。
【請求項4】
前記第1層はさらに前記第1導電材料エリアに接着され、前記第1方向において、前記第1エリアの投影は前記第1層の投影内に位置することを特徴とする請求項3に記載の電気化学装置。
【請求項5】
前記電気化学装置は、絶縁材料を含有する第2層をさらに含み、
前記第2層は、前記第2導電材料エリアに接着され、前記第1方向において、前記第2エリアの投影は、前記第2層の投影内に位置することを特徴とする請求項4に記載の電気化学装置。
【請求項6】
前記第1方向から見ると、前記第1層は第8辺を含み、前記第2方向において、前記第7辺は前記第8辺と前記第3辺との間に設けられ、
前記第1エリアの前記第2方向における縁と前記第8辺との間の距離をL
1とし、前記第7辺と前記第8辺との間の距離をL
3として定義すると、L
3/L
1≦30%となることを特徴とする請求項4に記載の電気化学装置。
【請求項7】
前記第1方向から見ると、前記第1層は第8辺を含み、前記第2方向において、前記第7辺は前記第8辺と前記第3辺との間に設けられ、
前記第1エリアの前記第2方向における縁と前記第8辺との間の距離をL
1とし、前記第1延在領域と前記第2延在領域との前記第2方向における寸法が同じで且ついずれもL
2であり、前記第7辺と前記第8辺との間の距離をL
3として定義すると、(L
2+L
3)/L
1≦30%であることを特徴とする請求項
4に記載の電気化学装置。
【請求項8】
前記第1延在領域の前記第3方向における寸法をW
1とし、前記第2延在領域の前記第3方向における寸法をW
2として定義すると、(W
1+W
2)/T
1≧20%であることを特徴とする請求項
1に記載の電気化学装置。
【請求項9】
前記第1延在領域の前記第3方向における寸法をW
1とし、前記第2延在領域の前記第3方向における寸法をW
2とし、前記第1延在領域と前記第1導電板との前記第3方向における距離をW
3とし、前記第2延在領域と前記第1導電板の前記第3方向における距離をW
4として定義すると、以下の条件の少なくとも1つを満たし、
W
3<W
1;W
2<W
4;W
3<W
4
ことを特徴とする請求項
1に記載の電気化学装置。
【請求項10】
前記第3方向において、前記第1延在領域と前記第2延在領域はそれぞれ第9辺と第10辺とを含み、前記第1エリアは前記第9辺と前記第10辺とを接続し、
前記第9辺と前記第10辺は直線状または円弧状であることを特徴とする請求項
1に記載の電気化学装置。
【請求項11】
前記第2方向において、前記第1延在領域及び/又は前記第2延在領域のサイズはL
2であり、前記第9辺と前記第4辺との間の距離はL
4であると、L
2<L
4であることを特徴とする請求項
10に記載の電気化学装置。
【請求項12】
L
1の範囲は10mm~50mmであることを特徴とする請求項6または
7に記載の電気化学装置。
【請求項13】
前記電気化学装置はさらに、第3層と第4層とを含み、前記第3層と前記第4層はいずれも絶縁材料を含み、前記第1方向において、前記第1層は前記第1導電板と前記第3層との間に設けられ、前記第2層は前記第1導電板と前記第4層との間に設けられることを特徴とする請求項5に記載の電気化学装置。
【請求項14】
前記電極アセンブリは、第2電極シートをさらに含み、前記第3層または前記第4層のうちの少なくとも一方は、前記第2電極シートに接着されることを特徴とする請求項
13に記載の電気化学装置。
【請求項15】
前記第2方向において、前記第1層又は前記第2層のうちの少なくとも一方の縁は、前記第1電極シートの縁を超えることを特徴とする請求項5に記載の電気化学装置。
【請求項16】
前記接続エリアは前記第1エリアに溶接され、前記接続エリアは複数の溶接点を含み、前記面積S
2は複数の前記溶接点の前記第1方向における投影の面積の和であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項17】
前記電極アセンブリは、第2電極シートとセパレータとをさらに含み、前記第1電極シート、前記セパレータ及び前記第2電極シートが積層して巻取されて前記電極アセンブリを形成し、
巻取方向において、前記電極アセンブリは、順に接続された第1セグメント、第1折曲セグメント、第2セグメント及び第2折曲セグメントを含み、前記第1導電板は、前記第1セグメントに位置することを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項18】
前記電気化学装置は、ハウジングをさらに含み、
前記ハウジングは、前記電極アセンブリを収容するための本体部と、前記本体部に接続されたエッジバンドとを含み、前記エッジバンドはポリマー層を含み、前記第4エリアは前記ポリマー層を経由して前記ハウジングから突き出すことを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項19】
請求項1から
18のいずれか一項に記載の電気化学装置を含むことを特徴とする電子装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
【
図1】本願の一実施形態に係る電気化学装置の全体構成を示す模式図である。
【
図2】
図1に示した電気化学装置のパッケージ前の概略構成図である。
【
図3A】
図1に示した電気化学装置の電極アセンブリの平面図である。
【
図3B】
図1に示した電気化学装置のハウジングのエッジバンドの製造模式図である。
【
図4】
図3Aに示した電極アセンブリのIV部での拡大図である。
【
図5】
図3Aに示した電極アセンブリのV部での拡大図である。
【
図6】
図3Aに示した電極アセンブリの第1電極シートが展開された後の表裏面構造の模式図である。
【
図7】
図3Aに示した第1電極シートと第1導電板との接続箇所の正面図である。
【
図8A】
図7に示した第1電極シートにおける
第1層が取り除かれた後の正面図である。
【
図8B】別の実施例において、
図7に示した第1電極シートにおける
第1層が取り除かれた後の正面図である。
【
図8C】
図8Bに示した第1導電板の第3エリアの投影模式図である。
【
図8D】
図8Bに示した第3エリアの接続エリアの投影模式図である。
【
図9】本開示の他の実施形態に係る電気化学装置における第1電極シートと第1導電板との接続箇所の正面図である。
【
図10A】
図9に示した第1電極シートにおける
第1層が取り除かれた後の正面図である。
【
図10B】別の実施例において、
図9に示した第1電極シートにおける
第1層が取り除かれた後の正面図である。
【
図10C】別の実施例において、
図9に示した第1電極シートにおける
第1層が取り除かれた後の正面図である。
【
図10D】別の実施例において、
図9に示した第1電極シートにおける
第1層が取り除かれた後の正面図である。
【
図10E】別の実施例において、
図9に示した第1電極シートにおける
第1層が取り除かれた後の正面図である。
【
図11】他の実施形態における第1電極シートと第1導電板との接続箇所の正面図である。
【
図12】
図11に示した第1電極シートにおける
第1層が取り除かれた後の正面図である。
【
図13】本願のさらに他の実施形態に係る電気化学装置における第1電極シートと第1導電板との接続箇所の正面図である。
【
図14】本願の一実施形態に係る電子装置の全体構成を示す図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
ここで、第1セグメント201は第1外面201aを有し、第2セグメント203は第2外面203aを有する。電極アセンブリ20の最も外側に位置する第1セグメント201と電極アセンブリ20の最も外側に位置する第1折曲セグメント202との接続箇所は、第1端205となる。第1端205は、
図3Aにおける第1折曲セグメント202の最も右側の折曲辺の巻取方向Dにおける開始部分である。また、第1端205も、
電極アセンブリ20の最も内部且つ右側に位置する折曲辺が第1方向D
1において延びて形成された破線B-Bと第1外面201aとが交わる部分である。電極アセンブリ20の最も外側に位置する第1折曲セグメント202と電極アセンブリ20の最も外側に位置する第2セグメント203との接続箇所は、第2端206となる。第2端206は、
図3Aにおける第1折曲セグメント202の最も右側の折曲辺の巻取方向Dにおける終端部分である。また、第2端206も、
電極アセンブリ20の最も内側且つ右側に位置する折曲辺が第1方向D
1において延びて形成された破線B-Bと第2外面203aとが交わる部分である。電極アセンブリ20の最も外側に位置する第2セグメント203と電極アセンブリ20の最も外側に位置する第2折曲セグメント204との接続箇所は、第3端部207となる。第3端部207は、
図3Aにおける第2折曲セグメント204の最も左側の曲線の巻取方向Dにおける開始部分である。また、第3端部207も、
電極アセンブリ20の最も内側且つ左側に位置する折曲辺が第1方向D
1において延びて形成された破線A-Aと第2外面203aとが交わる部分である。電極アセンブリ20の最も外側に位置する第2折曲セグメント204と電極アセンブリ20の最も外側に位置する第1セグメント201との接続箇所は、第4端部208となる。第4端部208は、
図3Aにおける第2折曲セグメント204の最も左側の曲線の巻取方向Dにおける終端部分である。また、第4端部208も、
電極アセンブリ20の最も内側且つ左側に位置する折曲辺が第1方向D
1において延びて形成された破線A-Aと第1外面201aとが交わる部分である。第1方向D
1では、第1端205と第2端206とが整列し、第3端207と第4端208とが整列している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
図3A、
図4及び
図5を併せて参照すると、第1電極シート21は、第1導電層210と、第1導電材料層211と、第2導電材料層212とを含む。第1導電層210は、第1方向D
1において対向する第1面210aと第2面210bとを含む。第1
導電材料層211は第1面210aに設けられ、第2導電材料層212は第2面210bに設けられている。第2電極シート22は、第2導電層220と、第3導電材料層221と、第4導電材料層222とを含む。第2導電層220は、第1方向D
1において対向する第3面220aと第4面220bとを含む。第3
導電材料層221は第3面220aに設けられ、第4導電材料層222は第4面220bに設けられている。第2導電材料層212と第3導電材料層221とは、第1方向D
1においてセパレータ23を介して対向している。幾つかの実施例では、
図3Aに示すように、積層して巻取された後、第1導電層210の第1面210aは巻取中心軸Cから離れ、第2面210bは巻取中心軸Cに向かっている。第2導電層220の第3面220aは巻取中心軸Cから離れており、第4面220bは巻取中心軸Cに向いている。他の実施例では、第1導電層210の第1面210aは巻取中心軸Cに向かい、第2面210bは巻取中心軸Cから離れていてもよい。このとき、第2導電層220の第3面220aは巻取中心軸Cに向かっており、第4面220bは巻取中心軸Cから離れている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
電気化学装置200は、電極アセンブリ20と、第1導電板30とを備える。電極アセンブリ20は、第1電極シート21を含む。第1電極シート21は、第1導電層210と、第1導電材料層211とを含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
第1導電板30は、第1導電層210の第1面210aに設けられ、第1導電材料層211から離れており、第1方向D1に沿って見るときに第3凹部Rと重なりを有する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
前述の電気化学装置において、第1方向D1に沿って見るときに、第1導電材料層211は、第2端辺211aと第3凹部Rのエッジとに繋がる部分を含む。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
前述の電気化学装置において、第一方向D1に沿って見るときに、第3方向D3において、第1導電材料層211は、第1側辺R1から離間し且つ第1導電板30に対向する第5辺2101を含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
前述の電気化学装置において、第1導電材料層211は、第1側辺R1と第5辺2101とに接する第9辺2114を含む。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
前述の電気化学装置において、第1方向D1に沿って見るときに、第1導電材料層211は、第2端辺211aと第3凹部Rとに接する部分を含む。また、第1方向D1に沿って見るときに、第2方向D2に直交する第3方向D3において、第2端辺211aと接し且つ第1導電板30に対向する第2側辺R2と、第2側辺R2から離間し且つ第1導電板30に対向する第6辺2102とをさらに含む。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
前述の電気化学装置において、第1導電材料層211は、第2側辺R2と第6辺2102とに接する第10辺2115を含む。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
前述の電気化学装置において、電極アセンブリ20は、第1導電板30の一部及び第1側辺R1を少なくとも覆い、且つ絶縁性材料を有する第1層50を含む。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
図7及び
図8Aに示すように、第1導電板30は、第3エリア31と、第3エリア31と接続される第4エリア32とを含む。第1方向D
1において、第3エリア31の投影は第1エリア2100の投影内に位置し、即ち、第3エリア31の投影は第1エリア2100の投影の少なくとも一部に重なっており、第4エリア32の投影は第1エリア2100の投影外に位置している。
図1に示すように、第4エリア32は、ハウジング10から突き出している。
図1及び
図3Bを参照して、電気化学装置100がソフトパック電池であるときに、第4エリア32は、エッジバンド12内のポリマー層134からハウジング10を突出する。幾つかの実施例では、エッジバンド12が位置する面は、第1壁111が位置する面に対して垂直である。このとき、第2方向D
2は、第3エリア31の延在方向だけでなく、第1
導電板30の全体の延在方向と定義されてもよい。しかしながら、別の実施例では、エッジバンド12を第1壁111まで折り返すことにより、電気化学装置100の第2方向D
2におけるサイズを小さくして、スペース利用率とエネルギー密度を高めることができる。このとき、第2方向D
2は第3エリア31の延在方向であるが、エッジバンド12内に位置する第4エリア32の延在方向は第2方向D
2に対して垂直である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
図7及び
図8Aに示すように、第1方向D
1から見て、第3エリア31は略矩形であってもよい。第3エリア31は、第1辺3101と、第2辺3102と、第3辺3103と、第4辺3104とを含む。第1辺3101と第2辺3102は、第3方向D
3において対向している。第3辺3103と第4辺3104は、第2方向D
2において対向している。第3辺3103は、第1辺3101と第2辺3102とが接続する両端部を接続している。第4辺3104は、第1辺3101と第2辺3102とが接続する両端部を接続している。そして、第4辺3104は、第3エリア31と第4エリア32との境界線であ
る。幾つかの実施例では、第1辺3101と第2辺3102はそれぞれ第2方向D
2に沿って延び、第3辺3103と第4辺3104はそれぞれ第3方向D
3に沿って延びる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
第1エリア2100は、第5辺2101と、第6辺2102と、第7辺2103とを含む。第5辺2101と第6辺2102とは、第3方向D3で対向している。第7辺2103は、第5辺2101と第6辺2102とが接続する両端部を接続している。第1方向D1から見て、第7辺2103は、第1エリア2100の第2方向D2における第3端辺2104と対向している。第1凹部2110は三次元構造であることが理解されるが、第1方向D1から見ると、第1凹部2110は順次に連なる複数の辺(図示せず)を含む。そして、第1方向D1から見て、第1エリア2100の第5辺2101、第6辺2102及び第7辺2103のそれぞれは、第1凹部2110の辺と重なっている。幾つかの実施例では、第5辺2101と第6辺2102はそれぞれ第2方向D2に沿って延び、第7辺2103は第3方向D3に沿って延びる。第2方向D2において、第7辺2103と第3辺3103はこの順に設けられており、且つ第7辺2103と第3辺3103は少なくとも部分的に対向している。幾つかの実施例では、第7辺2103と第3辺3103とは、互いに平行であってもよい。第3方向D3において、第5辺2101、第1辺3101、第2辺3102及び第6辺2102はこの順に配置され、且つ第5辺2101と第1辺3101とは少なくとも部分的に対向し、第2辺3102と第6辺2102とは少なくとも部分的に対向する。幾つかの実施例において、第5辺2101、第1辺3101、第2辺3102及び第6辺2102は、互いに平行であってもよい。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
図4に示すように、幾つかの実施例において、電気化学装置100は、第3層70と第4層80とを含んでもよい。第3層70と第4層80とは、共に絶縁材料を含んでいる。第1方向D
1において、第1層50は第1導電板30と第3層70との間に設けられ、第2層60は第1導電板30と第4層80との間に設けられている。第3層70と第4層80は、第1凹部2110と第2凹部2120における電極シートの厚みの減少を更に補償し得る。また、接続エリア311のバリやはんだ痕がセパレータ23を突き刺した後に、この部分のバリやはんだ痕を第3層70が覆うことができ、ショートのリスクがさらに低減される。第1電極シート21が正極シートであり且つ第2電極シート22が負極シートである場合、第1方向D
1において、第3層70の投影は第1層50の投影内に位置する(即ち、第
1方向D
1において、第3層70の端部は第1層50の端部を越えていない)。これにより、第1方向D
1において第1層50の周りに位置する部分の第1導電材料層211から脱離したリチウムイオンは、第3導電材料層221によって十分に受け入れられ、過剰なリチウムイオンが蓄積してリチウムデンドライトが発生するリスクを低減し、安全性を高めた。同様に、第1方向D
1において、第4層80の投影は、第2層60の投影内に位置する(即ち、第
1方向D
1において、第3層70の端部が第1層50の端部を超えていない)。これにより、第1方向D
1において第2層60の周りに位置する部分の第2導電材料層212から脱離したリチウムイオンが第4導電材料層222によって十分に受け入れられ、過剰なリチウムイオンが蓄積してリチウムデンドライトが発生するリスクを低減し、安全性を高めた。幾つかの実施例において、第3層70と第4層80とは、それぞれ、片面ゴム、両面ゴム、またはセラミックコートであってもよい。
【国際調査報告】