IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セーフトラック インフラシステムズ シスアベ アーベーの特許一覧

特表2024-513085マルテンサイトフリーろう付けプロセスのための改善された方法及び構成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】マルテンサイトフリーろう付けプロセスのための改善された方法及び構成
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/00 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
B23K1/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561226
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2022059130
(87)【国際公開番号】W WO2022214546
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】21167588.9
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505418249
【氏名又は名称】セーフトラック インフラシステムズ シスアベ アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】スヴェンソン ボー
(57)【要約】
温度制御されたろう付けプロセスによって導電性材料の工作物に導電性材料の導電性接続片、例えば、ケーブルシューをろう付けする方法では、炭素電極と導電性接続片との間に電気アークを点弧することによって、ろう付けに必要な熱を生成し、電圧及び電流は、マルテンサイトフリーろう付けをもたらす温度生成を達成するために制御電子機器によって電子的に制御され、印加されるDC電圧は、炭素電極を負極として使用し、導電性接続片を正極として使用し、炭素電極は、電気アークに面する端部にテーパ状の、面取りされた、又は尖った端部を有する。
【選択図】図14B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度制御されたろう付けプロセスによって導電性材料の工作物に導電性材料の導電性接続片、例えば、ケーブルシューをろう付けする方法であって、炭素電極と前記導電性接続片との間に電気アークを点弧することによって、ろう付けに必要な熱を生成する、前記方法は、
・前記炭素電極と前記導電性接続片、例えばケーブルシューとの間にDC電圧を提供するステップ(1405)と、
・前記アークの両端に現れる電圧を測定するステップ(1415)と、
・前記アークの電流を測定するステップ(1420)と、
・前記炭素電極と前記導電性接続片との間、したがって前記アークの両端に印加される電圧を制御するステップ(1425)と、
・前記アークで発生した電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するステップ(1430)と、を含み、前記方法は、
・前記アークの電流及び前記アークの両端の電圧を連続的又は継続的にリアルタイムで測定するステップ(1435)と、
・前記電流と前記電圧の数学的積として、対応する発生した電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するステップ(1440)と、
・DC電圧を制御し、それによって発生した前記電力を制御するステップ(1445)と、
をさらに含み、
印加される前記DC電圧は、負極として前記炭素電極を使用し、正極として前記導電性接続片を使用し、
前記炭素電極は、前記電気アークに面する端部にテーパ状の、面取りされた、又は尖った端部を有する、方法。
【請求項2】
前記方法は、
・導電体断面積のオペレータ入力を受信するステップと、
・計算を調整するために導電体断面積の前記入力を使用し、ろう付け部位の適切な温度を達成し維持するために前記DC電圧を制御するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
全ろう付け時間の第一の時間部分中の第一の電力と、全ろう付け時間の第二の時間部分中の第二の電力とを用いて、自動的に熱を提供するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の工作物から前記電極を持ち上げて、前記電極と前記導電性接続片との間に電気アークを点弧するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記炭素電極は、好ましくは90~150度、より好ましくは100~140度、さらにより好ましくは110~130度、最も好ましくは118~122度の頂角を有する尖った又は面取りされた端部を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
温度制御されたろう付けプロセスによって導電性材料の工作物に導電性接続片をろう付けするための装置であって、炭素電極と前記導電性接続片との間に電気アークを点弧することによって、ろう付けに必要な熱を生成する、装置であって、前記装置は、
(a)導電性接続片を工作物に向かって係合させるための手段であって、ガードリングと炭素電極とを含む、係合させるための手段と、
(b)前記電極を支持するための手段であって、前記電極が前記電気伝導性接続片に係合し、次いで前記係合させる手段によって係合される位置と、前記電極がそこから持ち上げられる後退位置との間で前記電極を移動させるための手段を含む、支持するための手段と、
(c)前記導電性接続片と前記炭素電極との間に特定の極性のDC電圧を提供し、印加するためのDC電圧ユニットであって、電圧調節ユニットを含む、DC電圧ユニットと、
(d)前記導電性接続片と前記炭素電極との間の前記電圧を測定するための電圧センサと、
(e)前記炭素電極に流れる電流を測定するための電流センサと、
(f)前記電圧調節ユニットを制御する出力信号を生成するための手段を含み、前記アークで発生した電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するための手段をさらに含む、処理手段と、
(g)電気回路において電圧を印加するための前記手段を前記電極及びそのような導電性接続片に接続するように動作可能なスイッチング手段であって、前記係合するための手段が印加され、前記スイッチング手段が前記電気回路を閉じるように動作されるとき、前記支持及び移動するための手段は、前記電極を前記工作物から持ち上げて、前記電極と前記導電性接続片との間の電気アークを点弧する、スイッチング手段と、
を含み、
(h)前記炭素電極は、前記電気アークのための尖った、テーパ状の、又は面取りされた第一の端部を備え、
(i)前記DC電圧ユニットは、印加される前記DC電圧の極性が、負極として前記炭素電極を使用し、正極として前記導電性接続片を使用する特定の極性になるように構成される、装置。
【請求項7】
前記装置は、全ろう付け時間の第一の時間部分中の第一の電力と、全ろう付け時間の第二の時間部分中の第二の電力とを用いて、自動的に熱を提供するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第一の電力は、ろう付け部位を急速に加熱するための値に設定され、前記第二の電力は、前記第一の電力より低く、前記ろう付け部位において達成された温度を維持する値である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、ろう付けされる前記導電体の断面積に対して適切なパラメータを設定するための入力器具を備え、
プロセッサは、適切な長さの時間の間に適切な量の熱を達成するために適切な電圧及び時間を提供するためのパラメータを考慮して、ろう付けのための時間及び電圧を計算するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ガードリングの周りに把持スリーブを含み、それによって、前記ガードリングは、前記把持スリーブと共に、オペレータを前記アークから及び高温ガスから遮蔽する、請求項7、8又は9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記把持スリーブは、長手方向の移動で使用済み電極及びガードリングを排出する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記処理手段は、さらに、充電器、発電機、及びモータ等の外部ユニットを制御して、これらのユニットを調節することができる、請求項6~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
工作物にろう付けするための導電性接続片と組み合わせた、請求項6~12のいずれか一項に記載の装置であって、前記導電性接続片は、片面にろう付け金属の層を有し、前記第一の工作物と前記ろう付け金属の層との間にフラックス層を有する、装置。
【請求項14】
前記ろう付け金属の層は、前記第一の工作物に適用されるろう付けクリップによって提供される、請求項13に記載の組合せ。
【請求項15】
前記装置のための接地接点を提供するために、前記接続片への電気的接続を含む、請求項14に記載の組合せ。
【請求項16】
前記炭素電極は、好ましくは90~150度、より好ましくは100~140度、さらにより好ましくは110~130度、最も好ましくは118~122度の頂角を有する尖った、テーパ状の、又は面取りされた端部を備える、請求項6~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
実質的に添付図面を参照して上述したようなろう付け方法。
【請求項18】
実質的に添付図面を参照して上述し、図示したようなろう付け装置。
【請求項19】
前方部分がコンパクトプレート(26)として形成され、後端がケーブル用のケーブルキャビティ(31)を画定するように形成される、ケーブルシュー(10)であって、前記ケーブルシューは、さらに、前記ケーブルキャビティ(31)がテーパ状キャビティ(33)内に延在するように設計され、前記コンパクトプレート(26)から前記ケーブルキャビティ(31)の始まりまで前記ケーブルシューの長さに沿って均一な断面積を前記ケーブルシューに与えるように設計される、ケーブルシュー。
【請求項20】
前記前方部分は、フラックス材料の有無にかかわらず、ある量の銀合金等のろう付け材料を備え、これは、好ましくは、プレス又は溶融によって前記コンパクトプレートに取り付けられる、請求項19に記載のケーブルシュー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善されたタイプの温度制御ろう付けによって、例えば、金属等の導電性材料の接続片を金属表面に、ろう付けするための改善された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
温度制御されたろう付け方法が存在し、それによって、特定のタイプの材料、例えば、鋼について、マルテンサイトフリーろう付け(martensite-free brazing)を得ることができ、すなわち、ろう付けは、工作物におけるいかなる有害な構造変化(マルテンサイト形成)も伴わずに達成される。ろう付け接合部は、例えば鉄道軌道(レール)、配管/パイプライン、及び風力発電設備において、多かれ少なかれマルテンサイト形成がないろう付け接合部の下の工作物の部分を用いて得られる。本発明は、改善された方法と、その改善された方法を実行するための装置に関する。
【0003】
鉄道交通の発展は、ますます高速化を伴い、車軸負荷が重くなっている。このため、鉄道軌道の強度及び摩耗に耐えるその能力に対する要求が高まっているので、レールは、これらのより厳しい要件を満たすために、高合金鋼から製造される。レールが製造される材料は、マルテンサイト形成として知られる構造変化(硬化効果)を引き起こし得る熱的影響に敏感である。
【0004】
マルテンサイト形成によって、レール材料に亀裂が形成される可能性があり、そして、より高い荷重によって、レールが破損することがあり、鉄道交通の破滅的な結果を伴う。したがって、レールにマルテンサイトを形成させない方法を用いて、信号等の配線やケーブルをレールに強固にろう付けすることが非常に重要である。
【0005】
この分野における従来技術には、マルテンサイトフリーろう付けプロセスの方法及び構成を開示する特許文献1が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】英国特許第2376202号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
鉄道軌道上で採用される現在の方法において最も深刻な問題は、大量の熱がろう付け接合部の下で生成されることであり、この熱は、ろう付けプロセスにおいて発生する電気アークによって引き起こされ、有害な構造変化又はマルテンサイト形成を生成する。
【0008】
本発明の要旨は、プロセスで使用される電極の特別な形状と、プロセスで使用される電圧及び電流を制御するためのさらなる手段を含む。この方法の利点には、発熱が少ないこと、電力消費が少ないこと、及び既知の技術よりも導電体断面積が大きいことによって接続片を便利にろう付けできることが含まれる。今日、既知のろう付け技術では、大きなケーブル、すなわち、約25~35mmより大きいケーブル断面積を有するケーブルを、著しいマルテンサイトを形成させることなく、接続するのは事実上不可能である。120mmの導電体断面積を含む新しい提案された方法の試験は、ろう付け後にマルテンサイト形成が全くないか、又は最小限しかない良好な結果を示す。
【0009】
本発明は、温度制御されたろう付けの新しい方法と、前記方法を実施するための装置に関し、この方法では、マルテンサイト形成の問題と同時に、電力消費及び熱生成が低減される。さらに、新しい方法により、関係する導線の断面積を大きくするためのケーブルシューのろう付けが容易になる。
【0010】
本発明の目的は、炭素電極を介して電気アークを生成し、電気アークがレールと直接接触することなくレールに対する工作物のろう付け接合部を生成し、従来技術と比較して同等又はより良好な品質の接続を生成するが、電力消費及び熱生成をより少なくすることである
【0011】
さらなる目的は、従来技術で許容される面積よりも大きな面積の導電体のろう付けを容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態では、炭素電極自体がろう付けプロセスにおける電気抵抗を構成し、炭素電極の長さ、直径及び形状がプロセスにおける電気抵抗に影響を与え、その結果、ろう付けプロセスにおける電流強度及び電圧にも影響を与える。
【0013】
炭素材料は良好な耐火性を有するのに対し、金属電極は溶融するので、炭素電極は、ろう付けプロセス中のアーク長全体にわたって最適な制御を提供する。したがって、炭素電極は、ろう付けプロセス中に、溶融金属ろう付けピンと比較すると、その長さの変化は無視できる。
【0014】
ケーブルシュー又は他の導電性接点接続部を鋼レールに固定するのに適用される本ろう付けプロセスのさらに別の目的は、電気アークが工作物と直接接触するのを防止することであり、この目的は、導電性接点接続部が、コンパクトな導電性材料、例えば銅の中実プレートからなる場合に達成される。ろう付けプロセスは、この文脈において、電極を形成するいかなるろう付けピンからのフラックス材料又はろう付け材料も含まない。ろう付け材料は、ケーブルシューを通って下にある工作物(レール)まで流れる必要はない。ケーブルシューの構造により、フラックス材料及びろう付け材料は、電気接点接続部又はケーブルシュー自体の下に位置する。コンパクトな導電性材料、例えば銅のプレート全体は、例えばレールに影響を及ぼし、マルテンサイト形成につながる高すぎる温度を防止する緩衝材を形成する。さらに、電極は、最終的にろう付け中に下方に押し込まれず、ろう付けされた接合部に悪影響を及ぼすリスクがない。
【0015】
本発明の別の目的は、プロセス中の電流強度を制御することである。電極を上げると、アーク長が長くなる。これは、アーク全体にわたって大きな電圧降下をもたらし、電気回路における電流強度が低下する。アーク長は、特定の長さの後、抵抗が大きくなりすぎると、アークが崩壊するので、完全に任意に増加させることはできない。電極と工作物との間の小さな隙間、いわゆるリフト高さは、ろう付けプロセス中にアークが消滅することを確実に防止する。プロセス中に電流強度が低いことは、これがマルテンサイト形成を防止するので非常に有利である。
【0016】
本発明において、セラミック製のガードリングを用いることが好ましいが、金属材料とセラミック材料との組合せからなるガードリングを用いることも、組合せ効果によって、ろう付けガンに付与される保護が高まるので好ましい。
【0017】
エネルギー消費の観点から、ガードリングの材料及び設計は、重要な役割を果たす。本発明の実施形態のガードリングは、ガードリングが高温になるのを避けるために、より大きい直径を有して設計されており、また、より大きい体積の高温ガスを収容することができるという利点を有する。
【0018】
ガードリングは、また、把持スリーブとともに、オペレータがアーク自体又は形成される高温ガスと接触することを防止する。これによって、オペレータのための保護設備の必要性が少なくなる。これにより、ろう付けプロセス中にアークの方を見てしまったオペレータ等が目を負傷するリスクも排除する。
【0019】
本発明の第一の態様によれば、温度制御されたろう付けプロセスによって導電性材料の工作物に導電性材料の導電性接続片、例えば、ケーブルシューをろう付けする方法が提供され、炭素電極と導電性接続片との間に電気アークを点弧することによって、ろう付けに必要な熱を生成する、前記方法は、
・炭素電極と導電性接続片、例えば、ケーブルシューとの間にDC電圧を提供するステップと、
・前記アークの両端に現れる電圧を測定するステップと、
・前記アークの電流を測定するステップと、
・前記炭素電極と前記導電性接続片との間、したがって、前記アークの両端に印加される電圧を制御するステップと、
・前記アークで発生した電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するステップと、を含み、この方法は、
・前記アーク内の電流及び前記アークの両端の電圧を連続的又は継続的にリアルタイムで測定するステップと、
・前記電流と前記電圧の数学的積として、発生した対応する電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するステップと、
・DC電圧を制御し、それによって発生した前記電力を制御するステップと、
をさらに含み、
印加されるDC電圧は、負極として炭素電極を使用し、正極として導電性接続片を使用し、
炭素電極は、電気アークに面する端部にテーパ状の、面取りされた、又は尖った端部を有する。
【0020】
この方法は、
・導電体断面積のオペレータ入力を受信するステップと、
・計算を調整するために入力を使用し、ろう付け部位の適切な温度を達成して維持するために、DC電圧を制御するステップと、
をさらに含んでもよい。
【0021】
本発明の第二の態様によれば、温度制御されたろう付けプロセスによって導電性材料の工作物に導電性接続片をろう付けするための装置が提供され、炭素電極と導電性接続片との間に電気アークを点弧することによって、ろう付けに必要な熱を生成し、前記装置は、
(a)導電性接続片を工作物に向かって係合させるための手段であって、ガードリングと炭素電極とを含む、係合させるための手段と、
(b)電極を支持するための手段であって、電極が電気伝導性接続片に係合し、次いで前記係合させる手段によって係合される位置と、電極がそこから持ち上げられる後退位置との間で電極を移動させるための手段を含む、支持するための手段と、
(c)前記導電性接続片と前記炭素電極との間に特定の極性のDC電圧を提供し、印加するためのDC電圧ユニットであって、電圧調節ユニットを含む、DC電圧ユニットと、
(d)導電性接続片と炭素電極との間の電圧を測定するための電圧センサと、
(e)前記炭素電極に流れる電流を測定するための電流センサと、
(f)前記電圧調節ユニットを制御する出力信号を生成するための手段を含み、前記アークで発生した電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するための手段をさらに含む、処理手段と、
(g)電気回路において電圧を印加するための前記手段を前記電極及びそのような導電性接続片に接続するように動作可能なスイッチング手段であって、前記係合するための手段が印加され、スイッチング手段が前記電気回路を閉じるように動作されるとき、前記支持及び移動するための手段は、電極を工作物から持ち上げて、電極と導電性接続片との間の電気アークを点弧する、スイッチング手段と、
を含み、
(h)炭素電極は、電気アークのための尖った、テーパ状の、又は面取りされた第一の端部を備え、
(i)DC電圧ユニットは、印加される前記DC電圧の極性が、負極として前記炭素電極を使用し、正極として導電性接続片を使用する特定の極性になるように構成される。
【0022】
装置は、全ろう付け時間の第一の時間部分中の第一の電力と、全ろう付け時間の第二の時間部分中の第二の電力とを用いて、自動的に熱を提供するように、さらに構成されてもよい。好ましくは、第一の電力は、ろう付け部位を急速に加熱するための値に設定され、第二の電力は、第一の電力より低く、ろう付け部位において達成された温度を維持する値である。
【0023】
加熱をさらに調整するために、異なる加熱供給の3つ以上の別個の期間を有するプロセスが提供されてもよい。プロセスは、例えば、4つの期間又はステップ、すなわち、ステップ1の高速加熱、ステップ2の低速加熱、ステップ3の温度維持、ステップ4の低速冷却を有してもよい。
【0024】
装置は、ろう付けされる導電体の電気的断面積に適切なパラメータを設定するための入力器具をさらに備えてもよく、
プロセッサは、適切な長さの時間の間に適切な量の熱を達成するために適切な電圧及び時間を提供するためのパラメータを考慮して、ろう付けのための時間及び電圧を計算するように構成される。
【0025】
これは、例えば、時間及び温度に関して、ろう付けをより正確に調整するという利点を有する。
【0026】
第三の態様によれば、マルテンサイトフリーろう付け用のケーブルシューが提供され、前方部分は、工作物と接触するようにろう付けされるように構成されたコンパクトプレートとして形成され、後方端部は、ケーブルのためのケーブルキャビティを画定するように形成され、ケーブルシューは、さらに、ケーブルキャビティがテーパ状キャビティ内に延在するように設計され、ケーブルシューにコンパクトプレートからケーブルキャビティの始まりまでその長さに沿って均一な断面積を与えるように設計される。試験は、有利なことに、拡張キャビティを備えたケーブルシューが、ろう付けプロセスを実行するのに必要な電力を低減することを示している。さらに、前方部分のコンパクトプレートは、ろう付け材料、例えば、フラックス材料を伴うか又は伴わないある量の銀合金を備えてもよく、これは、好ましくは、プレス又は溶融によってコンパクトプレートに取り付けられる。特に有利なのは、銀合金を含むろう付けクリップをコンパクトプレートに向けて押圧し、それによってろう付けクリップをコンパクトプレートに取り付けることによって、ケーブルシューを製造することである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施の形態について、以下で、添付図面参照して、より詳細に説明する。
【0028】
図1A】ろう付けプロセスの概要を概略的に示す。
図1B図1Aの詳細を示す。
図1C】ろう付けアークのイオン及び電子の移動の方向を概略的に示す。
図1D図1Cと比較して逆極性のろう付けアークのイオン及び電子の移動の方向を概略的に示す。
図2】本発明を具体化するろう付けガンの部分側面図である。
図3図4AのIII-III線に沿った断面図で見たろう付けガンを示す。
図4】ろう付けガンを部分的に長手方向(軸方向)断で示す側面図である。
図5】レール上のろう付け作業を示す。
図6】パイプラインセクション上のろう付け作業を示す。
図7】鉄道キャリッジの外側ホイールリムと内側ホイールリムとの間のろう付け接合部を示す。
図8】ケーブルシューの形態の導電性接続片を側面から見て示す。
図9】ケーブルシューの側面図である。
図10A】上方から見たケーブルシューを示す。
図10B】後方から見た図10Aのケーブルシューの図である。
図10C図10Aのケーブルシューの側面図である。
図10D図10Aのケーブルシューの正面図である。
図11】従来技術によるろう付けプロセスの電圧/電流/温度の図である。
図12A】第一の断面積に適用される新しい方法によるろう付けプロセスの電圧/電流/温度の図である。
図12B】第二の断面積に適用される新しい方法によるろう付けプロセスの電流/電圧/温度の図である。
図13】ろう付けパラメータを入力するための主要入力パネルの正面図である。
図14A】ろう付けプロセスの制御及び調整フローチャートである。
図14B】方法ステップにわたるフロー図である。
図15A】ろう付けガンの前部の部分図であり、部分的に長手方向(軸方向)断面である。
図15B】本発明の実施形態の炭素電極の側面図である。
図15C】本発明の実施形態の炭素電極の側面図である。
図15D】本発明の実施形態の炭素電極の側面図である。
図15E】円形断面電極の上面図であり、正方形断面電極の上面図の下方にある。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1Aは、関連する実施形態による必要な構成要素及びろう付けプロセス自体の手順を図式的に示し、通常使用される電源は、電流がそこから電子機器ユニット2に伝導されるバッテリ1である。電子ユニット2は、その電源ケーブル及び信号ケーブルを介してろう付けガン5から受信したデータと、外部電源からのデータとを処理するように構成される。電子ユニット2は、全ての情報を処理し、例えば、電圧レベルを電子的に調節することによって、ろう付けガン5への電流及び電圧供給を調節するように構成される。前記調節によって、ろう付けプロセス中に時間及び電流消費を制御することができ、このようにして、基材/工作物内の温度の制御とも組み合わせて、最小限のエネルギー消費で満足のいくろう付けを達成することができる。
【0030】
回路遮断器3がろう付けガン5内のリフト磁石を備える電気回路が閉じると、電極ホルダ7内に位置する炭素電極6は、最初にケーブルシュー10と回路を短絡し、その結果、その後、電磁石が炭素電極6をケーブルシュー10から持ち上げて、1つ以上のガードリング9によって保護されている電気アーク8を点灯させると、ケーブルシュー10のコンパクトで平坦な表面上で動作し、ケーブルシューは一方の極を形成し、炭素電極6は他方の極を形成する。熱は、ケーブルシュー10を介して伝達され、ケーブルシュー10とろう材12との間のフラックス材を活性化し、ろう材12とケーブルシュー10との間にろう付けのための表面を準備し、洗浄し、ろう材12を加熱すると、工作物14上のフラックス材13が活性化され、ろう付け接合部が工作物14上のろう材12によって形成される。その結果、電気アーク18が工作物14に直接接触することなく、ケーブルシュー10は、工作物14にしっかりとろう付けされる。
【0031】
さらに、電気回路は、ケーブルシュー10のケーブルを又はガードリング9を介して形成され、工作物14自体を介しては形成されないので、工作物14とケーブルシュー10との間に望ましくないスパーク/アークは生成されない。
【0032】
新しいろう付けプロセスにおいて、コンパクトな導電性材料、例えば、銅のプレート全体は、高温が例えばレールに影響を及ぼし、マルテンサイトを形成するのを防止する緩衝材を形成する。銅粒子は、ろう付けプロセス中にケーブルシューのプレートから放出され、炭素電極上に薄層の形態で堆積される(図1C参照)。ろう付けプロセス中に、小さな空洞がケーブルシュー10内に形成されてもよい。ケーブルシューは、ケーブルシューの機械的強度を有意なレベルまで損なうことなく、この空洞形成を可能にするように構成されてもよい。
【0033】
図1Dは、図1Cと比較して、逆極性のろう付けアークのイオン及び電子の移動方向を概略的に示す。楕円形領域は、アークの幅を示しており、図1Cの負の炭素電極に対応する極性を使用すると、より細く、より焦点が合ったアークが達成され、炭素電極を正の極性に接続すると、より広い又はよりぼやけたアークが得られることを示唆している。試験は、炭素電極で負の極性を選択すると、ろう付けを行うのに必要なエネルギーを削減できることを示している。エネルギー削減は、約30%である。
【0034】
エネルギーの観点から、ガードリングは、ろう付けプロセス中に重要な役割を果たす。ガードリング9は、良好な断熱機能を発揮するように形成される。ガードリング9は、セラミック材料で形成され、歯状の下縁を備えていてもよい。この場合、ろう付けプロセス中に形成される高温ガスは、半径方向に放出される。ガードリングが金属で形成され、下面が滑らかである場合、ガスは、軸方向にガードリングから出るので、より多くの熱がガードリング9に伝達される。ガードリング9は、その形状及び機能を保持し、ろう付けプロセス全体にわたって安定している。ガードリングに吸収された熱は、ケーブルシュー10に伝導される。その結果、ろう付けプロセス中に消費される電気エネルギー及び/又は電力が少なくなり、マルテンサイトフリーろう付けが行われる。
【0035】
図2は、ろう付けガン5の側面図であり、その正面に炭素電極6を見ることができる。ろう付けプロセスを開始する前に、ガン5は炭素電極6と共にケーブルシュー10に押し下げられ、それによって炭素電極6はガードリング9の下縁と面一に押し付けられる。ガードリング9は、リングホルダ15に固定されている。回路遮断器又はスタートボタン3が押されると、回路が短絡され、その後、リフト磁石が電極6を導電性接続片10の上のある高さまで上昇させ、アーク8が打たれる。ガードリング9及び把持スリーブ18は、オペレータをプロセスから遮蔽する(shield)。図には、ガードリングを排出するためのネジ16と、電極を排出するためのネジ17も示されている。ろう付けプロセス中、ガードリング9は、金属又は他の導電性材料で製造される場合、接地動作において端子として作用することができる。
【0036】
図3は、ろう付けガン5を正面から見た断面を示し、そこに、回路遮断器3を見ることができ、ガンの口の中心には、リングホルダ15及び把持スリーブ18と共に、電極ホルダ7内の炭素電極6が配置されている。
【0037】
図4は、ろう付けガン5の端部の断面を示し、回路遮断器3と、電極ホルダ7内の炭素電極6と、リングホルダ15内のセラミック材料のガードリング9と、把持スリーブ18と、ガードリングを排出するためのネジ16と、電極を排出するためのネジ17とを示す。ろう付けプロセスにおける非常に重要な構成要素は、電気抵抗を形成する炭素電極であり、炭素電極の長さ、直径及び形状は、プロセスにおける電気抵抗に影響を及ぼす。ろう付け手順中の電流強度及び電圧は、制御電子機器によって制御される。制御電子機器は、図12B、12C、及び12Dに従って、時間の関数として電圧及び電流を提供し、ろう付け部位において好適なろう付け温度を達成するように構成される(以下参照)。
【0038】
図5は、レール14上で使用されるろう付けガン5を示す。ケーブルクリップの形状の導電性片10は、レールの頭部にしっかりとろう付けされる。ろう付けは、またレールのウェブ部分上又は足上で行われてもよい。
【0039】
図6は、配管のセクションの形態の工作物14上で使用されるろう付けガン5を示す。ケーブルシューの形状の導電性接続片10は、パイプにしっかりとろう付けされる。厳しい要件は、とりわけ原子力発電所における配管に当てはまり、ろう付けは、亀裂形成につながり得る配管材料の構造変化を引き起こすことなく実行されなければならない。パイプがガス又は油で充填される場合、また、例えば化学産業において、パイプが温度感受性の材料で充填される場合、ろう付け時に低温で機能できることが重要である。
【0040】
図7は、鉄道運搬ホイールを示す。内側ホイール20は、ホイール軸21に固定され、内側ホイールと外側ホイールリング19、いわゆるトレッドとの間に、例えばゴム材料のダンパ23が配置される。この図は、電流が鉄道キャリッジから鉄道軌道に流れることができるように、導電性接続材料の接続片22が内側ホイール20を外側ホイールリング19にどのように接合するかを示す。マルテンサイト形成及び関連する亀裂形成のリスクのため、これまで、この接続に関連してピンろう付けを採用することは試みられていない。本ろう付けプロセスは、いずれの場合もマルテンサイト形成を排除し、この分野でもろう付けを実施することを可能にする。
【0041】
図8は、電気回路への端子コネクタ24を見ることができる導電性材料の接続片であるケーブルシュー10の側面図である。端子コネクタ24は、ケーブルシュー10に通じる電気ケーブル25に固定され、その反対側は、コンパクト材料の中実プレート26からなる。コンパクト材料のこの連続プレート26の周囲には、製造中にケーブルシュー10自体のプレート26に押し付けられるろう付けクリップ27が配置され、ケーブルシュー10とろう付けクリップ27との間には、ろう付けプロセス中に活性化されるフラックス材料28が設けられる。
【0042】
図9も、ケーブルシュー10の側面図であり、ケーブルシュー10の平坦な連続コンパクトプレート26上で、ろう付けそれ自体がろう付けガン5によって行われ、その中でケーブルシュー10に押し付けられるろう付けクリップ12を見ることができ、フラックス材料11は、ケーブルシュー10の下側とろう付けクリップ12との間で加熱される。別のフラックス材料13が、工作物14とクリップ27との間に提供され、ろう付けクリップ27が加熱されたときに活性化され、導電性接続片10をろう付けする前に、工作物14を洗浄し始める。
【0043】
ろう付けクリップ12は、固定される工作物に適用される前に、均一な厚さを有する。ケーブルシュー10のコンパクトプレート26を通して加えられる熱によってろう付け材料が溶融されると、コンパクトプレート26及び工作物14を濡らす溶融材料の表面張力は、コンパクトプレート26と工作物との間の距離、すなわち、ろう付け材料によって占有される領域の距離が最小限に抑えられるという意味で、厚さの変化をもたらし、したがって、コンパクトプレート26と工作物との間の強固な結合と、良好な電気的及び熱的伝導性とが保証される。フラックス材料11及び13は、以下のタスクを果たし、以下の特性を有する。1)表面を洗浄し、2)存在するあらゆる酸化物を除去し、3)再酸化を防止し、4)溶融ろう材によって変位され、5)ケーブルシュー10がレールを介して接地されるときに導電体として作用し、6)良好な熱伝導性を有するという事実により熱の放散を促進し、7)接合される表面を湿潤させる。
【0044】
別の要件は、フラックス材料28及び29が特定の温度範囲内で活性化されるべきであることである。フラックス材料、ろう付け材料及びろう付けプロセスは、互いに適合されなければならない。フラックス材料は、ろう付けプロセスの開始時に既に活性化されており、ろう付けが達成されるまで有効であり続ける。
【0045】
約500℃で行われるろう付けは、より低い温度で起こる軟質ろう付けとは対照的に、硬質ろう付けと呼ばれる。本出願のろう付けプロセスで使用されるろう材は、硬質ろう付けを目的とする。しかしながら、硬質ろう付けを目的とするフラックス材料は、本プロセスが約2秒であまりにも迅速に行われるので、本プロセスには適していない。本ろう付けプロセスでは、通常は軟ろう付けに適しており、したがって、より低い温度で活性化されるが、短い作業時間のためにろう付けが完了する前に崩壊しないフラックス材料10が使用される。
【0046】
必要なろう付け温度に達するが、できるだけ少ないエネルギーを使用するためには、短時間にわたって大きな電力入力が必要とされる。鉄道軌道、厚肉パイプ及び同様の金属プロファイルは、効果的なヒートシンクである。大きな電力入力は、ケーブルシューを介してレールの中へ下方に移動する熱フロントを生成し、この場合、温度は、硬質ろう付けに適するが、マルテンサイト形成には至らない。
【0047】
ケーブルシュー10は、局所的な過熱に対する緩衝材であり、溶融面全体にわたって比較的滑らかな温度分布を生成する。間接的な加熱は、炭素電極6によって行われる。炭素電極6とケーブルシュー10との間には電気アーク8が形成される。これは、従来のピンろう付けとは対照的に、アークは、レール及び/又はレール上に溶融したろうに直接作用する。
【0048】
図10Aは、上方から見たケーブルシュー10を示す。前方部分は、ろう付けクリップ27が取り付けられるコンパクトプレート26として形成される。破線は、ケーブル用のケーブルキャビティ31の定義を示す。ケーブルシュー10は、さらに、ケーブルキャビティ31がテーパ状キャビティ33内に延在するように設計され、ケーブルシュー10にコンパクトプレートから嵌合ケーブルの始まりまでの均一な断面積を与えるように設計される。
【0049】
図10Bは、後方から見た図10Aのケーブルシューの図である。
【0050】
図10Cは、図10Aのケーブルシューの側面図であり、図10Dは、図10Aのケーブルシューの正面図である。
【0051】
このように、マルテンサイトフリーろう付け用のケーブルシューが提供され、前方部分は、工作物と接触するようにろう付けされるように構成されたコンパクトプレートとして形成され、後方端部は、ケーブルのためのケーブルキャビティを画定するように形成され、ケーブルシューは、さらに、ケーブルキャビティがテーパ状キャビティ内に延在するように設計され、ケーブルシューにコンパクトプレートからケーブルキャビティの始まりまでその長さに沿って均一な断面積を与えるように設計される。試験は、有利なことに、拡張キャビティを備えたケーブルシューが、ろう付けプロセスを実行するのに必要な電力を低減することを示している。さらに、前方部分のコンパクトプレートは、ろう付け材料、例えば、フラックス材料を伴うか又は伴わないある量の銀合金を備えてもよく、これは、好ましくは、プレス又は溶融によってコンパクトプレートに取り付けられる。特に有利なのは、銀合金を含むろう付けクリップをコンパクトプレートに向けて押圧し、こうして、ろう付けクリップをコンパクトプレートに取り付けることによってケーブルシューを製造することである。
【0052】
低い電圧及び電流で動作する鉄道信号システム及びカソード保護システムでは、システムにおける干渉を防ぐために、ろう付けされた接合部50において、全体的に遷移抵抗が低いことが特に重要である。
【0053】
大きな電流及び電圧では、遷移抵抗が高いと、ろう付け接合部において熱が発生し、このため、ろう付け接合部が損傷及び/又は溶融することがある。この理由から、接続は鉄道運行システムにおいて高いリターン電流にも対処しなければならないので、ろう付け接合部において、遷移抵抗が低いことが重要である。同様の理由から、保護接地でも遷移抵抗が低いことも重要である。
【0054】
図11は、従来技術によるろう付けプロセスの電圧/電流/温度の図である。
【0055】
図12A及び図12Bは、新しいろう付けプロセスの電圧/電流/温度の図である。既存のピンろう付けと比較して、短絡が生じたときと同様の大きな電流サージはない。電圧曲線及び電流曲線の両方は、時間とともに比較的一定である。この図は、本発明がろう付けプロセスの最適な制御を提供することを示す。したがって、ろう付けプロセス中の温度も調節及び制御することができ、これはマルテンサイトフリーろう付けを得るための前提条件である。
【0056】
いくつかの従来技術のマルテンサイトフリーろう付けと比較すると、本発明の装置及び方法は、全ろう付け時間の第一の時間部分の間に第一の電力を使用し、全ろう付け時間の第二の時間部分の間に第二の電力を使用して熱を提供するように電圧が自動的に制御される二相プロセスを含むことができる。好ましくは、第一の電力は、ろう付け部位を急速に加熱するための値に設定され、第二の電力は、第一の電力より低く、ろう付け部位において達成された温度を維持する値である。
【0057】
図12Aは、第一の断面積に適用される新しい方法によるろう付けプロセスの電圧/電流/温度の図である。新しい方法の強度は、より大きい断面積のろう付けを達成する能力である。図12Aの図を生じさせるろう付けされた断面積は、16mmである。
【0058】
図12Bは、第二の断面積に適用される新しい方法によるろう付けプロセスの電流/電圧/温度の図である。図12Bの図を生じさせるろう付けされた断面積は、120mmである。
【0059】
図13は、ろう付けパラメータを入力するための主要入力パネルの正面図である。入力ボタン、キー、又はノブが、設定を入力するために提供され、すなわち、設定ボタンを繰り返し押すことによって、リストをスクロールして、異なる断面積、例えば、10、16、25、35、50、70、95、及び120mmのための事前定義された設定のリストの設定を選択する。設定には、図12A及び12Bにさらに示すように、電圧及び/又は電流と、特定の電圧/電流を提供するための期間とを含んでもよい。パネルは、現在の設定を示すディスプレイをさらに含む。パネルは、さらに、ヒューズ及び/又は制御インジケータと、オン/オフボタンとを含んでもよい。さらに、入力パネルは、プラグをろう付けガンに接続するため、接地を接続するため、及びろう付け装置のバッテリを充電するための充電器を接続するためのソケットをさらに有してもよい。
【0060】
図14Aは、ろう付けプロセスの調整及び制御フロー図を示す。
【0061】
図14Bは、方法ステップのフローチャートを示す。温度制御ろう付けプロセスによって導電性材料の工作物に導電性材料の導電性接続片、例えばケーブルシューをろう付けするための方法が提供され、このプロセスでは、炭素電極と導電性接続片との間に電気アークを点弧すること1410によって、ろう付けに必要な熱を生成し、この方法は、
・導電性接続片、例えば、ケーブルシューを提供するステップ1401と、
・導電性材料の工作物を提供するステップ1401と、
・炭素電極を提供するステップ1405と、
・炭素電極と導電性接続片、例えば、ケーブルシューとの間にDC電圧を提供するステップ1405と、
・前記アークの両端に現れる電圧を測定するステップ1415と、
・前記アークの電流を測定するステップ1420と、
・前記炭素電極と前記導電性接続片との間、したがって、前記アークの両端に印加される電圧を制御するステップ1425と、
・前記アークで発生した電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するステップ1430と、
を含み、この方法は、
・前記アーク内の電流及び前記アークの両端の電圧を連続的又は継続的にリアルタイムで測定するステップ1435と、
・前記電流と前記電圧の数学的積として、生成された対応する電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するステップ1440と、
・DC電圧を制御し、それによって発生した前記電力を制御するステップ1445と、
をさらに含み、
印加されるDC電圧は、負極として炭素電極を使用し、正極として導電性接続片を使用し1445、
炭素電極は、電気アークに面する端部にテーパ状の、面取りされた、又は尖った端部を有する。
【0062】
プロセスは、全ろう付け時間の第一の時間部分の間に第一の電力を使用して熱を自動的に提供するステップと、全ろう付け時間の第二の時間部分の間に第二の電力を提供するステップとをさらに含んでもよい。好ましくは、第一の電力は、ろう付け部位を急速に加熱する値に設定され、第二の電力は、第一の電力より低く、ろう付け部位において達成された温度を維持する値である。
【0063】
図15Aは、把持スリーブ18が後退位置にある状態のろう付けガン5の前部を断面で示し、電極エジェクタ40は、ガードリングエジェクタ用のネジ16及び電極エジェクタ用のネジ17とともに示されている。排出された炭素電極6及び排出されたガードリング9も示されている。
【0064】
図15B図15Eは、図15Fに示すように、異なる頂角ベータ及び斜角アルファαを有する炭素電極の代替形状を示す。炭素電極は、円形又は長方形、特に正方形の断面を備えてもよい。円形断面が好ましい。したがって、炭素電極は、好ましくは90~150度、より好ましくは100~140度、さらにより好ましくは110~130度、最も好ましくは118~122度の頂角ベータβを有する尖った又は面取りされた端部を備える。
【0065】
本発明の基本的な概念は、改善されたろう付けプロセスにおいて協働するように、様々な機能及び方法を組み合わせることである。協働の結果は、構造変化又はマルテンサイト形成のない新しいろう付けプロセスであり、これによって、エネルギーを節約し、またろう付けされる大きな導電体断面積のろう付けが容易になる。炭素電極は、ろう付けプロセスにおいて使用され、その長さ及び直径は、電気回路における抵抗に影響を及ぼし、炭素電極は、尖った又は面取りされた端部を備え、温度緩衝材及び熱分配器として作用する。さらに、電気アークは、炭素電極とケーブルシューの滑らかな端部との間に維持され(以下を参照)、これは、アークに対して安定化効果を有し、経時的に変化する電流の傾向に対抗する。
【0066】
ケーブルシューは、炭素電極からの電気アークが作用するコンパクトな導電性材料の少なくとも1つの滑らかな端部を有する。ケーブルシューの下側は、製造中に固定されるろう付け材料のクリップを有する。ろう付けは、大きな面積のろう付け接合部を生成し、その結果、全体的な電気転移抵抗が低くなる。ケーブルシューとろう付けクリップとの間にフラックス材料が存在し、ろう付けクリップと工作物との間にもフラックス材料が存在し、フラックス材料、ろう付け材料及びろう付けプロセスは、互いに適切に適合される。ろう付け材料は、軟質ろう付けに適しているので、低温範囲にわたって活性であり、それによって、マルテンサイトフリーろう付けを提供する。
【0067】
例えば金属又は別の類似の材料からなるろう付けプロセスにおけるガードリングの利点は、プロセス全体で必要なエネルギーが少ないことと、また接地手順が以前の手順と比較して容易になることである。ガードリングを介した接地によって、特別な接地接点、例えば、接地端子又は磁気接地接点の必要性がなくなり、また接地キャリアの特別な準備の必要性もなくなる。あらゆる接地状況において新しいガードリングが使用されるので、接触面は、常に清浄であることが保証される。
【0068】
本発明による構成によって、接地回路の長さを短縮し、ケーブルシューと工作物との間の余分な遷移抵抗も、二次スパーク及びアークの発生源も取り除く。ガードリングの形状は、把持スリーブと共に、ろう付けプロセス中に、オペレータを電気アーク及び高温ガスから遮蔽する。
【0069】
金属ガードリングの使用は、熱の形態で放出されるエネルギーをより多く利用し、それをケーブルシューに導くという事実により、ろう付け手順に影響を及ぼす。
【0070】
温度に関して満足のいくろう付けを達成するためには、ろう付けプロセスに、それほど多くの電気エネルギーを供給する必要はない。
【0071】
以前から知られている方法では、回路内の総固有抵抗は、一定とみなすことができる。より低いエネルギー供給は、実際には、より短いプロセス時間を意味するべきである。しかしながら、あまりにも時間が短くなり、満足のいくろう付けを達成することができない。
【0072】
追加の抵抗を調整すること及び/又は電圧を調整することによって、ろう付けプロセスの長さを制御することができ、このようにして、エネルギーの消費を最小限に抑えて満足のいくマルテンサイトフリーろう付けを達成することができ、加えて、基材/工作物内の温度を制御することもできる。
【0073】
いくつかの既知の方法では、プロセスにおける発生電力及び総放出エネルギーに関しても、またプロセスの全長に関しても、広いマージンが認められている。電流は、回路内に固定電気抵抗を組み込むこと、あるいは、必要量の放出エネルギーが消費されたときにプロセスを中断することのいずれかによって制限されてきた。また、電池の充電状態、放電特性、又は他の要因による電池電圧の変動も、電極長の変化又はアーク変動による一回のろう付け動作における電流の変動も、吊り上げ高さの変動によるろう付けケース間の電流の変動も考慮されていなかった。これらの変動は、放出されるエネルギーの量を推定するためのシンプルな不適切な調整により、同等のろう付けプロセスでは、時間及び電力出力が変動し、関連する材料内の温度を制御することが困難になっている。
【0074】
図14に示される上述の新しいろう付けプロセスでは、ろう付け温度及びろう付け温度に依存するマルテンサイト形成は、電気的に発生した電力を計算し、アナログ手順又は高分解能のデジタル手順のいずれかによってリアルタイムで電力を調節することによって制御することができる。発生した電力は、電流及び電圧を瞬時に測定することによって計算され、実際の電力は、これらの量の数学的積として計算される。計算された結果は、処理され、処理ユニットに供給され、その出力信号は、電圧調節ユニットに影響を与える。このようにして、電圧と、それによって電流とが調節され、発生した電力が適切な値に調整される。処理ユニットは、別個のユニットとして存在し得るか、又は電子ユニット2に組み込まれ得るかのいずれかであり、電流及び電圧値の形態のデータ、送信機からのデータ及び動作調整、外部接続されたユニット、ならびに測定された経過時間を処理し、発生した電力の適切な調節が経時的に行われるように、物理的、数学的、及び論理的構造を考慮してこのデータを扱う。
【0075】
例として、導電体断面積のオペレータ入力は、プロセッサによって使用され、プロセッサは、制御信号を調整して電圧を制御して、ろう付けにおける過熱と適切な温度維持のために適切な量の電力を生成する電流を生成するように構成される。
【0076】
また、調節は電力回路の抵抗に依存しないので、固定された設置抵抗器を有する必要がなく、したがって、この抵抗器は廃熱を生成するので、エネルギー節約になる。加えて、放電サイクルの終わりに、バッテリは、固定抵抗器がないので、失敗した電圧レベルにもかかわらず、依然としてプロセスを駆動することができるため、より大量のエネルギーをバッテリから回収することができる。さらに、プロセスの開始点におけるアークの形成は、2つの理由で促進されるが、その一方は、電極の持ち上げ高さ、したがって、アークの長さ、したがって、それに続く開始慣性が、いくつかの以前の方法において温度問題及び調節技術問題を引き起こした過剰な電流のいかなるリスクも伴わずに最小化され得るためであり、その他方は、従来よりもはるかに高い電流値及び電圧値が、固定抵抗器に制限されることなくプロセスの開始点で許容され、その結果、プロセスへの確実な開始が保証され得るためである。
【0077】
上述の新しいろう付けプロセスにおいて、上述の処理ユニットは、また、外部送信機、例えば温度センサからの信号、その値が処理ユニットの出力データに影響を及ぼす動作調整を処理するように構成されてもよい。さらに、充電器、発電機、モータ等の外部機器からの信号を処理し、これらの信号は、また、出力データの形態の適切な制御信号が生成されるときに、処理ユニットにおいて処理されて、この種のユニットも調整する。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態のみを図面に示してきたが、添付の特許請求の範囲内で多くの他の修正形態が想到され得ることを指摘すべきである。
【0079】
好ましい実施形態では、炭素電極は、70~150度の頂角ベータβを有し、より好ましくは70~110度の頂角を有し、さらにより好ましくは90~110度の頂角を有するテーパ状の、尖った、又は面取りされた端部を備える。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
【手続補正書】
【提出日】2023-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度制御されたろう付けプロセスによって導電性材料の工作物(14)に導電性材料の導電性接続片(10)、例えば、ケーブルシューをろう付けする方法は、前記プロセスにおいて、炭素電極(6)と前記導電性接続片(10)との間に電気アーク(8)を点弧することによって、ろう付けに必要な熱を生成する、前記方法は、
・前記炭素電極(6)と前記導電性接続片(10)、例えばケーブルシューとの間にDC電圧を提供するステップ(1405)と、
・前記アーク(8)の両端に現れる電圧を連続的又は継続的にリアルタイムで測定するステップ(1415)と、
・前記アーク(8)の電流を連続的又は継続的にリアルタイムで測定するステップ(1420)と、
前記アーク(8)で発生した電力を、前記電流と前記電圧の前記測定値の数学的積として、リアルタイムで連続的又は継続的に計算するステップ(1430)と
・前記炭素電極(6)と前記導電性接続片(10)との間、したがって前記アーク(8)の両端に印加される前記電圧を制御し、それによって計算した前記電力を制御するステップ(1425)と、
を含み
加される前記DC電圧は、負極として前記炭素電極(6)を使用し、正極として前記導電性接続片(10)を使用し、
前記炭素電極(6)は、前記電気アーク(8)に面する端部にテーパ状の、面取りされた、又は尖った端部を有することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記方法は、
・導電体断面積のオペレータ入力を受信するステップと、
・計算を調整するために導電体断面積の前記入力を使用し、ろう付け部位の適切な温度を達成し維持するために前記DC電圧を制御するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
全ろう付け時間の第一の時間部分中の第一の電力と、全ろう付け時間の第二の時間部分中の第二の電力とを用いて、自動的に熱を提供するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
記工作物(14)から前記電極(6)を持ち上げて、前記電極(6)と前記導電性接続片(10)との間に電気アーク(8)を点弧するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記炭素電極(6)のテーパ状の、面取りされた、又は尖った端部は、90~150度の頂角、より好ましくは100~140度、より好ましくは110~130度、最も好ましくは118~122度の頂角を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
温度制御されたろう付けプロセスによって導電性材料の工作物(14)に導電性接続片(10)をろう付けするための装置であって、炭素電極(6)と前記導電性接続片(10)との間に電気アーク(8)を点弧することによって、ろう付けに必要な熱を生成する、装置であって、前記装置は、
(a)導電性接続片(10)を工作物(14)に向かって係合させるための手段であって、ガードリング(9)と炭素電極(6)とを含む、係合させるための手段と、
(b)前記電極(6)を支持するための手段であって、前記電極(6)が前記導電性接続片(10)に係合し、次いで前記係合させるための手段によって係合される位置と、前記電極がそこから持ち上げられる後退位置との間で前記電極(6)を移動させるための手段を含む、支持するための手段と、
(c)前記導電性接続片(10)と前記炭素電極(6)との間に特定の極性のDC電圧を提供し、印加するためのDC電圧ユニット(1)であって、電圧調節ユニットを含む、DC電圧ユニット(1)と、
(d)前記導電性接続片(10)と前記炭素電極(6)との間の前記電圧を測定するための電圧センサと、
(e)前記炭素電極(6)に流れる電流を測定するための電流センサと、
(f)前記電圧調節ユニット(1)を制御する出力信号を生成するための手段を含み、前記アーク(8)で発生した電力をリアルタイムで連続的又は継続的に計算するための手段をさらに含む、処理手段と、
(g)電気回路において電圧を印加するための前記手段を前記電極(6)及びそのような導電性接続片(10)に接続するように動作可能なスイッチング手段(3)であって、前記係合するための手段が印加され、前記スイッチング手段(3)が前記電気回路を閉じるように動作されるとき、前記支持及び移動するための手段は、前記電極(8)を前記工作物(14)から持ち上げて、前記電極(6)と前記導電性接続片(10)との間の電気アーク(8)を点弧する、スイッチング手段(3)と、
を含み、
(h)前記DC電圧ユニット(1)は、印加される前記DC電圧の極性が、負極として前記炭素電極(6)を使用し、正極として前記導電性接続片(8)を使用する特定の極性になるように構成され、
前記炭素電極(6)は、前記電気アーク(8)に面する端部が尖った、テーパ状の、又は面取りされた端部で提供されることを特徴とする、装置。
【請求項7】
前記電圧調節ユニットは、全ろう付け時間の第一の時間部分中の第一の電力と、全ろう付け時間の第二の時間部分中の第二の電力とを用いて、自動的に熱を提供するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第一の電力は、ろう付け部位を急速に加熱するための値に設定され、前記処理手段は、前記ろう付け部位において達成された温度を維持するために、前記第一の電力より低い前記第二の電力の値を計算するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、ろう付けされる前記導電体の断面積に対して適切なパラメータを設定するための入力器具を備え、
プロセッサは、適切な長さの時間の間に適切な量の熱を達成するために適切な電圧及び時間を提供するためのパラメータを考慮して、ろう付けのための時間及び電圧を計算するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ガードリング(9)の周りに把持スリーブ(18)を含み、それによって、前記ガードリング(9)は、前記把持スリーブ(18)と共に、オペレータを前記アーク(8)及び高温ガスから遮蔽する、請求項7、8又は9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記把持スリーブ(18)は、長手方向の移動で使用済み電極(6)及びガードリング(9)を排出する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記処理手段は、さらに、バッテリ充電器、発電機、及びモータ等の外部ユニットを制御して、これらのユニットを調節することができる、請求項6~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記炭素電極のテーパ状の、面取りされた、又は尖った端部は、90~150度、好ましくは100~140度、さらにより好ましくは110~130度、最も好ましくは118~122度の頂角を有する、請求項6~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
工作物(14)にろう付けするための導電性接続片(10)と組み合わせた、請求項6~13のいずれか一項に記載の装置であって、前記導電性接続片(10)は、片面にろう付け金属の層(12)を有し、前記工作物(14)と前記ろう付け金属の層(12)との間にフラックス層(13)を有する、装置。
【請求項15】
前記ろう付け金属の層(12)は、前記工作物(14)に適用されるろう付けクリップによって提供される、請求項14に記載の組合せ。
【請求項16】
前記装置のための接地接点を提供するために、前記接続片(10)への電気的接続を含む、請求項15に記載の組合せ。
【請求項17】
前方部分がコンパクトプレート(26)として形成され、後端がケーブル用のケーブルキャビティ(31)を画定するように形成される、ケーブルシュー(10)であって、前記ケーブルシューは、さらに、前記ケーブルキャビティ(31)がテーパ状キャビティ(33)内に延在するように設計され、前記コンパクトプレート(26)から前記ケーブルキャビティ(31)の始まりまで前記ケーブルシューの長さに沿って均一な断面積を前記ケーブルシューに与えるように設計される、ケーブルシュー。
【請求項18】
前記前方部分は、フラックス材料の有無にかかわらず、ある量の銀合金等のろう付け材料を備え、これは、好ましくは、プレス又は溶融によって前記コンパクトプレートに取り付けられる、請求項17に記載のケーブルシュー。
【国際調査報告】