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特表2024-513097セルコネクタ及び少なくとも2つのガルバニックセルを接触接続する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】セルコネクタ及び少なくとも2つのガルバニックセルを接触接続する方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/503 20210101AFI20240313BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20240313BHJP
   H01M 50/524 20210101ALI20240313BHJP
   H01M 50/517 20210101ALI20240313BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20240313BHJP
   H01M 50/509 20210101ALI20240313BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/522
H01M50/524
H01M50/517
H01M50/516
H01M50/509
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561285
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 EP2022059395
(87)【国際公開番号】W WO2022218845
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102021001982.2
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ドラシアック
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・エルスナー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エンゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】オリバー・グストケ
(72)【発明者】
【氏名】マリウス・シュヴァルツ
(72)【発明者】
【氏名】ディルク・ステフェンズ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュトッカー
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA17
5H043CA08
5H043FA03
5H043FA04
5H043FA24
5H043FA40
5H043HA02F
5H043HA17F
5H043JA03F
5H043JA06F
5H043KA08D
5H043KA08F
5H043KA09D
5H043KA09F
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの略ストライプ形状要素(4)からなる、少なくとも2つの導体(2)及び/又はリッツ線(3)を互いに接続するためのセルコネクタ(1)に関する。本発明のセルコネクタ(1)は、ストライプ形状要素(4)の長手方向(L)に連続して配置された少なくとも5つの区間(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)により特徴付けられ、第1の区間(4.1)が閉鎖要素の第1の半部(5.1)を形成し、第2の区間(4.2)が第1のクランプ面(6.1)を形成し、第3の区間が曲がり要素(7)を形成し、第4の区間(4.4)が第2のクランプ面(6.2)を形成し、第5の区間(4,5)が閉鎖要素の第2の半部(5.2)を形成し、第3の区間(4.3)は、第1の区間(4.1)及び第2の区間(4.2)が、第4の区間(4.4)及び第5の区間(4.5)に対して折り畳まれることを可能にするように構成されており、その結果、ストライプ形状要素(4)が折り畳まれた状態において、第1のクランプ面(6.1)と第2のクランプ面(6.2)の少なくとも一部が対向し、それにより、導体(2)及び/又はリッツ線(3)のための収容部(9)を形成し、第1の区間(4.1)及び第5の区間(4,5)が、ストライプ形状要素(4)が折り畳まれた状態において、少なくとも1つのストライプ形状要素(4)を折り畳まれた状態に固定するために、互いに接続可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの略ストライプ形状要素(4)からなる、少なくとも2つの導体(2)及び/又はリッツ線(3)を互いに接続するためのセルコネクタ(1)であって、
前記ストライプ形状要素(4)の長手方向(L)に連続して配置された少なくとも5つの区間(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)により特徴付けられ、第1の区間(4.1)が閉鎖要素の第1の半部(5.1)を形成し、第2の区間(4.2)が第1のクランプ面(6.1)を形成し、第3の区間が曲がり要素(7)を形成し、第4の区間(4.4)が第2のクランプ面(6.2)を形成し、第5の区間(4.5)が前記閉鎖要素の第2の半部(5.2)を形成し、前記第3の区間(4.3)は、前記第1の区間(4.1)及び前記第2の区間(4.2)が、前記第4の区間(4.4)及び前記第5の区間(4.5)に対して、前記長手方向(L)と直交して延在する幅方向(B)に前記第3の区間(4.3)を通って延在する折り畳み軸(8)の周りで折り畳まれることを可能にするように構成されており、その結果、前記ストライプ形状要素(4)が折り畳まれた状態において、前記第1のクランプ面(6.1)と前記第2のクランプ面(6.2)の少なくとも一部が、前記長手方向(L)及び前記幅方向(B)に直交して延在する厚さ方向(D)で略対向し、それによって前記導体(2)及び/又はリッツ線(3)のための収容部(9)を形成し、前記第1の区間(4.1)及び前記第5の区間(4.5)は、前記ストライプ形状要素(4)が折り畳まれた状態において、前記少なくとも1つのストライプ形状要素(4)を折り畳まれた状態に固定するために、互いに接続可能である、前記セルコネクタ(1)。
【請求項2】
前記第3の区間(4.3)は、少なくとも1つの穿孔(10)、ヒンジ(11)及び/又は弾性材料(12)を含み、及び/又は少なくとも部分的に輪郭付与されていることを特徴とする、請求項1に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項3】
前記第1の区間(4.1)及び前記第5の区間(4.5)は、特に、それらの区間(4.1、4.5)のうちの少なくとも1つを折り曲げたり、ビード加工したり、丸めたり、かしめたりすることによって形状結合するように設計されている、及び/又は
前記第1の区間(4.1)及び前記第5の区間(4.5)は、特に、それらの区間(4.1、4.5)をリベット留め、ねじ止め、溶接及び/又は接着することによって、摩擦結合及び/又は材料結合するように設計されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項4】
前記第2の区間(4.2)は、前記厚さ方向(D)に前記第2の区間(4.2)を通って延在する、溶接窓(13)を形成するための切り欠き、特に略矩形の切り欠きを有し、前記切り欠きの長辺は前記長手方向(L)に延在することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項5】
前記長手方向(L)に互いに平行に配置された少なくとも2つのストライプ形状要素(4)は、前記第2の区間(4.2)及び/又は前記第4の区間(4.4)から前記幅方向(B)に前記ストライプ形状要素(4)から離れるように延び、かつ前記長手方向(L)に延在する少なくとも1つのウェブ(14)を介して接続されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項6】
前記ウェブ(14)は少なくとも1つの穿孔(15)を有し、特に前記ウェブ(14)は、前記厚さ方向(D)に前記ストライプ形状要素(4)よりも小さい厚さを有し、及び/又は前記ウェブ(14)は、前記幅方向(B)に波形になっていることを特徴とする、請求項5に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項7】
少なくとも1つのストライプ形状要素(4)は、前記長手方向(L)に延在し、かつ前記幅方向(B)に前記第2の区間(4.2)及び/又は前記第4の区間(4.4)から離れるように延びる接続フランジ(16)を、前記ストライプ形状要素(4)の上に配置される通電コンポーネントに前記ストライプ形状要素(4)を接触接続するために有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項8】
前記厚さ方向(D)に作用する前記第1のクランプ面(6.1)及び前記第2のクランプ面(6.2)の、前記収容部(9)内に配置された前記導体(2)及び/又はリッツ線(3)への押圧力(F)を高めるために、前記少なくとも1つのストライプ形状要素(4)が折り畳まれた状態において、前記第2の区間(4.2)は少なくとも部分的に前記厚さ方向(D)に湾曲されている、及び/又は前記閉鎖要素の少なくとも1つの半部(5.1、5.2)は、前記閉鎖要素が接続された状態において、前記厚さ方向(D)に延びる輪郭部(22)を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのストライプ形状要素(4)は、導電性材料(M)、特に金属又は金属合金から、好適には金属板から完全に形成されているか、又は前記少なくとも1つのストライプ形状要素(4)は、少なくとも部分的に、導電性材料(M)、特に金属又は金属合金、好適には金属板、並びに少なくとも部分的に電流絶縁材料(I)から形成されており、前記絶縁材料(I)は、有利には少なくとも前記第4の区間(4.4)を形成することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項10】
少なくとも2つのガルバニックセルを、請求項1~9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのセルコネクタ(1)を用いて接触接続する方法であって、
少なくとも以下の方法工程、すなわち
・接続すべき導体(2)及び/又はリッツ線(3)を相互調整する工程と、
・前記第4の区間(4.4)が、少なくとも部分的に収容部(9)とは反対側(S)で、少なくとも1つのガルバニックセルのカバー(17)上に支持され、及び/又は少なくとも1つの導体(2)及び/又は少なくとも1つのリッツ線(3)が、前記収容部(9)に向いた前記第4の区間(4.4)の側(S)に載置されるように、前記導体(2)及び/又はリッツ線(3)に対して前記セルコネクタ(1)を配置する工程と、
・前記ストライプ形状要素(4)を折り畳まれた状態にするために、前記第1の区間(4.1)及び前記第2の区間(4.2)を、前記第3の区間(4.3)を通って前記幅方向(B)に延在する前記折り畳み軸(8)によって折り畳む工程と、
・前記閉鎖要素を閉鎖する工程と、
・前記接続すべき導体(2)及び/又はリッツ線(3)を溶接するか、又は前記セルコネクタ(1)の少なくとも一部を、前記接続すべき導体(2)及び/又はリッツ線(3)に、特に前記長手方向(L)に延在する少なくとも1つの溶接シーム(18)によって溶接し、溶接方法として好適にはレーザ溶接が使用される工程と、
により特徴付けられる、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの略ストライプ形状要素からなる、少なくとも2つの導線及び/又はリッツ線を互いに接続するためのセルコネクタ、並びに少なくとも2つのガルバニックセルを少なくとも1つのそのようなセルコネクタを用いて接触接続する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーセルとも称されるガルバニックセルは、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。このようなガルバニックセルを用いて、移動機器に電気エネルギーを供給することもできる。ここでは、一般的従来技術から、ガルバニックセル、並びに互いに回路接続された複数のガルバニックセルからなるバッテリーモジュールの種々の実施形態が公知である。例えばガルバニックセルから出力される電圧を昇圧するために、個々のガルバニックセルを直列に接続することができる。複数のガルバニックセルからなるバッテリーモジュールの容量を増大するために、個々に又は直列に接続された複数のガルバニックセルを並列接続することもできる。個々のガルバニックセルの電気接続は、ここでは相応の接触接続要素を介して行われる。特に、いわゆるポーチセルの場合、そのためにアルミニウム導線又は銅導線が使用される。
【0003】
導線を頑強に接続するために、これらは溶接される。そのような接続は最小断面積を必要とする。なぜなら、導体を介して、ひいては該当する接続個所を介しても、比較的大きな電流が伝達されるからである。断面積が過度に小さいと、ポーチセル及び/又はバッテリーモジュールの個々のコンポーネントの損傷又は破壊が危惧されるほどに、接続個所が強く加熱されることがある。複数の導線間に溶接接続を形成する際に高いプロセス信頼性を確保するためには、幾つかの課題を克服する必要がある。例えば、接続すべき2つの導体は可及的に大面積で互いに当接することが必要である。なぜなら両方の導体の接触接続が不十分であると、導体の溶接後に導体間に隙間が発生し得るからである。したがって、接続すべき導体は、しばしば、スプリング式クランプフィンガ、クランプフレーム等によって、溶接プロセス前に共に押圧され、導体間の間隙が調整される。ここでは相手方受け部として、しばしばセルフレームが利用される。それにもかかわらず、導線を折り曲げたり、ガルバニックセルを積層したりする際の公差があるので、輸送時のガルバニックセルの荷崩れにより、並びにクランプ装置のクランプ力の誤った設定により、接続すべき導体間に間隙が形成されることがある。さらに、クランプ力を任意に大きく選択することはできない。なぜなら最大クランプ力は、セルフレームの安定性又は強度によって制限されているからである。
【0004】
典型的には、溶接すべき導体対の第1の導体がアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、さらなる導体が銅又は銅合金を含む。これにより、2つの異なる材料間で、材料結合的接続が確立される。したがって、正しい溶接パラメータを選択し維持することは、特に困難である。例えば、導体からセルフレーム内への貫通溶接が生じ得るという大きなリスクが存在する。複数のガルバニックセルが並列接続されている場合、導体の複数の層が互いに溶接され、それによって公差及び積層誤差が累積される可能性がある。
【0005】
典型的には、ポーチセルの導体はレーザ溶接によって接続される。超音波溶接のような別の溶接方法も適用することができるが、これは固有の欠点を伴っている。例えば超音波溶接は、溶接する工作物への両側からのアクセス性、及び工作物を引張するための大きなスペースを必要とする。したがって超音波溶接設備は、比較的大型である。加えて、溶接に使用する電極は消耗する。さらに、接続すべき導体が溶接電極に固着することがある、
【0006】
さらに、複数のガルバニックセルを、いわゆるセルコネクタによって並列に回路接続することが公知である。セルコネクタは、例えば金属製のストライプ状要素である。接続すべきガルバニックセルが高さのずれを互いに有する場合、セルコネクタは、接続すべき導体上に斜めに当接し、そのためセルコネクタと導体との間に、点状又は線形の接触しか発生しない。これにより、接続すべきガルバニックセルの電気的接触接続の断面積が減少する。このような高さのずれを補償するために、このようなセルコネクタを少なくとも1つの区間に沿って湾曲させることができる。しかしこの場合、溶接シームを十分な品質で作製できるようにするために、セルコネクタを正確に位置決めしなければならないという問題が発生する。セルコネクタと接続されるセルの数が多ければ多いほど、それだけ高さのずれから生じる問題がより重大になり得る。例えば単独のセルにおいて、導体とセルコネクタとの間に空隙が発生するほど高さのずれが大きくなる場合がある。加えて、セルコネクタに導体を貫通案内するための開口部を設けることが公知である。しかしこのことは、セルコネクタに導体を通す必要があり、導体に機械的負荷がかかるため、導体が損傷するおそれがある。加えて、レーザビームが接触接続すべきガルバニックセルに当たるというリスクもある。これを回避するために、接続すべきガルバニックセル又は導体、及びセルコネクタのレーザ溶接機における位置決めには、厳しい要件が課せられる。
【0007】
さらに特許文献1から、電気端子をバッテリー導体に接触接続する方法が公知である。多くの電子機器において、バッテリーは電子機器の電気回路に溶接又はろう付けによって接続される。しかし、電子機器内で使用可能な構造空間が小さいことから、該当する溶接個所又はろう付け個所へのアクセス性は悪い。この引用文献に開示された方法は、バッテリーセルの導体に金属製ストライプを成型することを説明し、面積が大きくなりアクセス性も改善されるので、導体をさらなる通電構成部品又は電気端子により簡単に接触接続することができる。そのために、導体毎に金属製ストライプが導体の上に平坦に載置され、その周囲で湾曲され、その結果、金属製ストライプは導体を可及的広範囲に取り囲む。これにより形成された導体と金属製ストライプからなる層構造が、次に超音波溶接機内に取り付けられ、個々の層が超音波溶接によって接続される。引き続き、溶接により固定された層構造が所定の大きさに切断される。
【特許文献1】US 6,641,027 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の基礎とする課題は、少なくとも2つの導体及び/又はリッツ線を互いに接続するためのセルコネクタを提供することであり、このセルコネクタを用いて、接続すべき導体又はリッツ線が確実に相互調整され、それにより労力を低減しつつ、接続すべき導体及び/又はリッツ線の間で信頼性のある溶接接続を確立できるようにするものである。本発明のさらなる課題は、少なくとも2つのガルバニックセルを、少なくとも1つのそのようなセルコネクタによって接触接続するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によればこれらの課題は、請求項1の特徴を備えるセルコネクタ、及び請求項10の特徴を備える少なくとも2つのガルバニックセルを接触接続する方法によって解決される。有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項から明らかである。
【0010】
少なくとも1つの略ストライプ形状要素からなる、少なくとも2つの導体及び/又はリッツ線を互いに接続するためのセルコネクタは、本発明によれば、ストライプ形状要素の長手方向に連続して配置された少なくとも5つの区間を有する。ここで第1の区間は閉鎖要素の第1半部を形成し、第2の区間は、第1のクランプ面を形成し、第3の区間は曲がり要素を形成し、第4の区間は第2のクランプ面を形成し、第5の区間は閉鎖要素の第2半部を形成する。第3の区間は、第1の区間と第2の区間が、第4の区間及び第5の区間に対して、長手方向と直交して延在する幅方向に第3の区間を通って延在する折り畳み軸の周りで折り畳まれることを可能にするように構成されている。これにより、ストライプ形状要素は、折り畳み状態に移行可能であり、この折り畳み状態では、第1のクランプ面と第2のクランプ面の少なくとも一部が、長手方向及び幅方向に直交して延在する厚さ方向で略対向し、それにより、導体及び/又はリッツ線のための収容部を形成する。第1の区間及び第5の区間は、ストライプ形状要素の折り畳み状態において、少なくとも1つのストライプ形状要素を折り畳み状態で固定するために互いに接続可能である。
【0011】
本発明のセルコネクタを用いて、接続される導体及び/又はリッツ線の特に信頼性のある相互調整及び固定が可能であり、このことは、相互調整に続く溶接プロセスにおいて、導体及び/又はリッツ線を材料結合的に接続するためのプロセス信頼性を向上させる。したがって、少なくとも1つの略ストライプ形状要素を折り畳むこと(以下では「閉鎖」と称する)により、接続すべき導体及び/又はリッツ線が互いに押し付けられ、それによって積層公差が補償される。少なくとも1つの略ストライプ形状要素が閉鎖されると、接続すべき導体及び/又はリッツ線が固定され、溶接ステーションへの輸送プロセスの際にも互いに相対的に動いたり、したがって互いに解離したりすることができない。少なくとも1つの略ストライプ形状要素は、折り畳まれた状態で収容部を完全に周方向に取り囲む。したがって、第4の区間又は第2のクランプ面がレーザ溶接プロセスのための基板又は基材を形成し、このことは導体及び/又はリッツ線を通る貫通溶接を困難にする。第2の区間又は第1のクランプ面は、レーザ溶接プロセスにおいて、接続すべき導体及び/又はリッツ線とレーザ光源との間に配置され、したがって材料貯蔵部となる。したがって、第2の区間を同様に溶融し、接続すべき導体及び/又はリッツ線間の材料結合的接続部に組み込むことが可能である。これによって、潜在的な間隙を埋めることができる。さらに、相応の材料選択によって、溶接接続を適切に合金化することができる。
【0012】
さらに、導体を介して複数のガルバニックセルを接触接続するための作製コストも、本発明のセルコネクタの使用によって低減可能である。例えば、接続すべき導体を互いに押圧するために使用されるクランプ具の面倒な調整が省略される。本発明のセルコネクタを用いることで、接続すべき導体が、特に簡単かつ確実に互いに押圧される。これにより、異なるセル形状を相互に柔軟に接続することもできる。なぜなら、導体を押し付けるために使用されるクランプ技術を変更する必要がないからである。これに対応して、形式又はバージョンのフレキシブルなレーザキャビンが考えられる。これによって、接続すべき導体及び/又はリッツ線を溶接するために使用されるレーザ溶接機のプログラムコストも低下する。溶接シームは複雑なクランプ技術によって覆われないので、発生した溶接シームをさらに簡単に点検ことができる。さらに、本発明のセルコネクタは、特に簡単かつ安価に製造できる。したがってセルコネクタは、例えば簡単なプレート曲げ打ち抜き部品である。有利な形態による本発明のセルコネクタは、一枚のプレートから打ち抜くこともできる。
【0013】
セルコネクタの有利な発展形態では、第3の区間が少なくとも1つの穿孔、ヒンジ及び/又は弾性材料を含み、及び/又は少なくとも部分的に輪郭付与されていることが企図される。第3の区間は、少なくとも1つの略ストリップ形状要素を閉鎖するか、又は折り畳まれた状態にするために、セルコネクタの個々の区間の曲がり又は折り曲げを可能にするために用いられる。穿孔を第3の区間に導入することによって、第3の区間の曲げ剛性が低下し、これにより、略ストライプ形状要素を特に簡単に、折り畳み軸の周りで曲げることができる。穿孔は、任意に構成することができる。例えばこれは、1つ又は複数の矩形の打ち抜き部である。しかし打ち抜き部は、任意の形状を有することもできる。したがって、打ち抜き部又は穿孔は、例えば楕円形、円形、又は任意の多角形の形状に実施されていてもよい。穿孔に追加して又はこれに代えて、ヒンジを第3の区間に組み込むこと、又はヒンジを形成することもできる。2分割式のヒンジによって、少なくとも2つの略ストライプ形状要素を互いに接続することによりセルコネクタを形成することができる。ここで、第1の略ストライプ形状要素が第1及び第2の区間を含み、第2の略ストライプ形状要素が第4及び第5の区間を含む。例えば第3の区間はフィルムヒンジを有するか、又はこれにより形成することができる。追加的又は代替的に、第3の区間は弾性材料を含むことができる。例えば第3の区間は、ゴム、例えばエラストマを含むことができる。弾性材料は特に簡単に曲げたり、伸ばしたり、圧縮したりできるので、少なくとも1つの略ストライプ形状要素を特に簡単に折り畳み状態に移行させることができる。ジョイントを第3の区間に組み込むこと、又はこれを形成することもできる。追加的又は代替的に、第3の区間に輪郭付与することができる。例えば第3の区間は、アコーディオン又はジョイントバスのジョイントのカバーのように構成することができる。これは、少なくとも1つのストライプ形状要素の個々の区間の折り曲げ、又は曲がりをさらに容易にする。輪郭付与部は、ここでは任意に実施することができ、特に任意の配向を第3の区間に有することができる。例えば輪郭付与部は、好適には長手方向に延在する。これによって、ある程度の最小曲げ剛性が幅方向に保証され、折り畳み軸周りの曲げ剛性が低減される。したがって、少なくとも1つの略ストライプ形状要素を特に簡単に折り畳み状態に移行させることができ、対向する区間の傾きは阻止あるいは軽減される。これによって、折り畳み状態において第2及び第4の区間、又は第1及び第2のクランプ面を可及的に互いに平行に調整された状態に維持することが保証され、これにより、接続すべき導体及び/又はリッツ線の圧着の信頼性が向上する。
【0014】
セルコネクタのさらなる有利な形態に対応して、第1の区間及び第5の区間は、特に、区間のうちの少なくとも1つを折り曲げたり、ビード加工したり、丸めたり、かしめたりすることによって形状結合するように設計されている、及び/又は第1の区間及び第5の区間は、特に、当該区間をリベット留め、ねじ止め、溶接及び/又は接着することによって、摩擦結合及び/又は材料結合するように設計されている。これによって、第1及び第5の区間を特に確実に固定することができる。これにより、少なくとも1つの略ストライプ形状要素の、折り畳み状態からの不所望な開きを確実に阻止できる。特に第1及び第5の区間は、相応に互いに適合する幾何形状を有し、これにより、これらの区間は特に簡単に接続させられる。例えば第1の区間は、タブとして実施することができ、第5の区間は、タブを受け入れるためのポケットとして実施することができる。したがってタブをポケット内に折り曲げることができ、これによって第1及び第5の区間を特に簡単に互いに接続することができる。加えて、この接続は、例えば圧着によって固定することができる。第1の区間と第5の区間との形状結合的接続を、例えば2つの区間のろう付けによって固定することも可能である。一般的に、少なくとも1つの略ストライプ形状要素を、付加的なクランプ手段を上に被せるか、又は別のやり方で固定することによって、折り畳まれた状態に固定することができる。例えば比較的細いゴムバンドを、折り畳まれた状態にある略ストライプ形状要素の上に被せることができる。そのために例えば、収縮チューブを使用することもできる。
【0015】
セルコネクタのさらなる有利な形態では、さらに、第2の区間が、厚さ方向に第2の区間を完全に通って延在する、溶接窓を形成するための切り欠き、特に略矩形の切り欠きを有することが企図され、この切り欠きの長辺は長手方向に延在する。切り欠きを第2の区間又は第1のクランプ面に導入することによって、レーザ溶接機のレーザが、接続すべき導体及び/又はリッツ線に直接的にアクセスすることが可能になる。したがって第2の区間又は第1のクランプ面を通して溶接する必要性がなくなる。これにより、接続すべき要素の熱的負荷が低減される。さらにより高い溶接速度及び/又はより低いレーザ出力を実現することが可能になる。加えて、発生する溶接シームを視覚的により簡単に点検することができる。切り欠き又は溶接窓が特に略長手方向に延在することによって、切り欠きの長辺は、好適には選択された溶接シーム方向に一致する。切り欠きが中断されるように実施することも考えられ、その結果、発生する溶接シームの個々の部分を、略ストライプ形状要素の材料を溶融することによって合金化することができる。これによって、溶接シームの導電性及び/又は機械的負荷耐性を、さらに適切に調整することができる。第3の区間に導入される穿孔と同様に、溶接窓を形成するための切り欠きも、例えば切り欠きを打ち抜くことによって第2の区間に導入することができる。しかしながら、切り欠きを例えば第2の区間から、例えばレーザビーム又はウォータジェットによって切り取ることも可能である。
【0016】
セルコネクタのさらなる有利な形態に対応して、長手方向に互いに平行に配置された少なくとも2つのストライプ形状要素は、第2及び/又は第4の区間から幅方向にストライプ形状要素から離れるように延び、かつ長手方向に延在する少なくとも1つのウェブを介して接続される。そのようなセルコネクタを用いて、個々のガルバニックセル及び/又は直列に接続されたセルは、特に簡単かつ確実に並列接続することができる。ここでウェブは、任意の形態を有することができる。特にウェブは、第2及び/又は第4の区間の全長にわたって長手方向に延びる。これにより、ウェブの幅方向の断面積が増大し、その結果、比較的大きな電流によるウェブの熱負荷を軽減することができる。特にウェブは、厚さ方向に見て、略ストライプ形状要素の残りの区間と同じ材料厚さを有する。これにより、該当するセルコネクタを特に簡単に作製できる。セルコネクタは、同様にプレートから打ち抜いたり、切断したりすることもできる。
【0017】
セルコネクタのさらなる有利な形態では、ウェブが少なくとも1つの穿孔を有することが企図され、特にウェブは、厚さ方向に略ストライプ形状要素よりも小さい厚さを有し、及び/又はウェブは幅方向に波形になっている。これによって、並んで配置され、本発明のセルコネクタによって接続されるガルバニックセルの高さのずれが、さらに容易に補償される。ウェブに導入された穿孔によって、個々の略ストライプ形状要素を、厚さ方向に相対移動させることが簡単にできる。ウェブの該当する剛性は、ウェブの厚さ方向の厚さを少なくすることによってさらに減少させることができる。長手方向に見たウェブの断面形状も、該当する輪郭を有することができ、例えば、セルコネクタの個々の略ストリップ形状要素間の高さのずれを厚さ方向により容易に補償できるようにするために、断面を波形にすることができる。
【0018】
セルコネクタのさらなる有利な形態に対応して、少なくとも1つの略ストライプ形状要素は、長手方向に延在し、かつ幅方向に第2及び/又は第4の区間から離れるように延びる接続フランジを、略ストライプ形状要素に重ねて配置された通電コンポーネントに略ストライプ形状要素を接触接続するために有する。この接続フランジを用いて、本発明のセルコネクタを、例えば電流接触レールに簡単に接触接続することができる。これによってさらに、複数のバッテリーモジュール又はセルブロックを特に簡単に相互に回路接続することができる。ここで接続フランジは、第1又は第5の区間と同様に、特定の設置状況又は幾何的状況に特別に適合された形状を有することができる。例えば、接続フランジを電流接触レールにねじ止めできるようにするために、接続フランジに1つ又は複数の貫通孔を導入することができる。ここで、電流は、貫通孔を通って貫通案内されたネジを通して流れることができる。一般的に、少なくとも1つの接続フランジと、重ねて配置された少なくとも1つの通電コンポーネントとの間に、任意の形状結合、摩擦結合、及び/又は材料結合による接続が確立されることが考えられる。例えば、接続フランジを電流接触レールに溶接又はリベット留めすることもできる。有利には接続フランジは、セルコネクタに含まれる複数の略ストライプ形状要素のうち、縁部にある1つの略ストライプ形状要素に含まれる。
【0019】
セルコネクタのさらなる有利な形態では、厚さ方向に作用する第1及び第2のクランプ面の、収容部に配置された導体及び/又はリッツ線への押圧力を高めるために、少なくとも1つの略ストライプ形状要素が折り畳まれた状態において、第2の区間が少なくとも部分的に厚さ方向に湾曲されていること、及び/又は閉鎖要素の少なくとも1つの半部が、閉鎖要素が接続された状態において、厚さ方向に延びる輪郭部を有することが企図される。好適には、接続すべき導体及び/又はリッツ線は、これらを特に確実に互いに固定するために、比較的大きな押圧力で互いに押し付けられる。第2の区間の湾曲により、この押圧力は、その湾曲から生じる第2の区間のバネ作用によって増大する。ここでは、第2の区間全体が湾曲していてもよく、又は少なくとも部分的に個々の湾曲を有してもよい。個々の湾曲部は、同じ曲率半径を有することも、異なる曲率半径を有することもできる。第2の区間の湾曲に加えて、又はその代わりに、閉鎖要素の一方又は両方の半部も、厚さ方向に延在する輪郭を有することができる。これらは任意の断面形状を有することができる。例えばこれは、円錐形又は角錐形の先端であってよい。閉鎖要素の少なくとも一方の半部は、部分的に厚さ方向に波形にすることもできる。輪郭によって、第1及び第2の区間を、折り畳み軸の周りで、第1及び第5の区間の閉鎖が可能になるまでさらに折り畳む必要がある。これにより、第1のクランプ面と第2のクランプ面との間隔が厚さ方向に低減され、これにより、収容部に存在する導体及び/又はリッツ線への押圧力が増大する。
【0020】
好適には、少なくとも1つの略ストライプ形状要素は、導電性材料、特に金属及び/又は金属合金から、好適には金属板から完全に形成されているか、少なくとも1つの略ストライプ形状要素は、少なくとも部分的に、導電性材料、特に金属又は金属合金、好適には金属板、並びに少なくとも部分的に電流絶縁材料から形成されており、絶縁材料は、有利には少なくとも第4の区間を形成する。少なくとも1つの略ストライプ形状要素が導電性材料を含む場合、接続すべき複数の導体及び/又はリッツ線間の電流は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの略ストリップ形状要素も通って流れることができる。したがって、少なくとも2つのストライプ形状要素を用いて、例えば特に簡単に複数のガルバニックセルの並列接続を実現することができる。少なくとも1つの略ストライプ形状要素が金属又は金属合金を含む場合、例えば第2の区間も、接続すべき導体及び/又はリッツ線の材料結合的な溶接接続部に溶接して組み込むことができる。
【0021】
セルコネクタが少なくとも2つの略ストライプ形状要素からなる場合、第1の略ストライプ形状要素が第1及び第2の区間を含み、第2の略ストライプ形状要素が第4及び第5の区間を含むことも考えられ、この場合、第1の略ストライプ形状要素は完全に金属合金から作製され、第2の略ストライプ形状要素は絶縁材料から作製される。第4の区間、すなわち第2のクランプ面が絶縁材料を含む場合、この材料は溶接ビードサポートとして機能することができる。これに対して第4の区間も金属又は金属材料を含む場合、これにも溶接することができ、このことは、導体及び/又はリッツ線のプロセス信頼性の高い接触接続を保証する。
【0022】
一般的に、セルコネクタ全体が絶縁材料から作製されていることも考えられる。
【0023】
少なくとも2つのガルバニックセルを少なくとも1つの前述のセルコネクタを用いて接触接続する方法では、本発明により少なくとも以下の方法工程、すなわち、
・接続すべき導体及び/又はリッツ線を相互調整する工程と、
・第4の区間が、少なくとも部分的に収容部とは反対側で、少なくとも1つのガルバニックセルのカバー上に支持され、及び/又は少なくとも1つの導体及び/又は少なくとも1つのリッツ線が、収容部に向いた第4の区間の側に載置されるように、導体及び/又はリッツ線に対してセルコネクタを配置する工程と、
・ストライプ形状要素を折り畳まれた状態にするために、第1の区間及び第2の区間を、第3の区間を通って幅方向に延在する折り畳み軸によって折り畳む工程と、
・閉鎖要素を閉鎖する工程と、
・接続すべき導体及び/又はリッツ線を溶接するか、又はセルコネクタの少なくとも一部を、接続すべき導体及び/又はリッツ線に、特に長手方向に延在する少なくとも1つの溶接シームによって溶接し、溶接方法として好適にはレーザ溶接が使用される工程と、
が実行される。
【0024】
ここで接続すべき導体及び/又はリッツ線は、接続すべきガルバニックセルの低抵抗の接触接続を可能にするために、これらが可及的に大面積で接触又は重なり合うように相互調整される。接続すべき導体及び/又はリッツ線は、この状態において本発明のセルコネクタを用いて固定される。そのために本発明のセルコネクタが、クランプのように、接続すべき導体及び/又はリッツ線の周囲に案内され、閉鎖される。ここでは、任意選択で、本発明のセルコネクタを、少なくとも1つのガルバニックセル又はガルバニックセルを含むバッテリーモジュール及び/又はバッテリーハウジングのカバー上に支持することができる。好適には、少なくとも1つの導体及び/又は少なくとも1つのリッツ線が、クランプ面のうちの少なくとも1つの上に平坦に置かれる。これによって、特に均等に押圧力が、接続すべき導体及び/又はリッツ線に加えられる。閉鎖要素の閉鎖は、任意の形状結合、摩擦結合及び/又は材料結合によって行われる。例えば、閉鎖要素の半部の個々の部分、例えばタブ又は突起は、折り畳み、圧着、巻き上げなどが可能であり、これにより例えば開口部又は収容部から、閉鎖要素の対応する相手方半部内に導入又は収容することができる。リベット留め、ねじ止め、溶接、ろう付け、接着などによって、閉じられた閉鎖要素を追加的に固定することができる。続いて、接触接続すべきガルバニックセルは、接続すべき導体及び/又はリッツ線が輸送の際にずれたり、滑ったりすることなく、安全に輸送可能である。なぜなら、本発明のセルコネクタにより導体及び/又はリッツ線に加わる押圧力がこれを阻止するからである。次に、接続すべき導体及び/又はリッツ線を溶接する。そのために、任意の溶接方法、好適にはレーザ溶接を使用することができる。導体及び/又はリッツ線が本発明のセルコネクタによって押し付けられているので、特に信頼性のある溶接接続を形成することが可能である。
【0025】
本発明のセルコネクタ及び本発明の方法のさらなる有利な形態は、以下に図を用いて詳しく説明する実施例からも得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】複数のポーチセルを互いに接続するための公知の4つの変形例の原理図である。
図2】本発明のセルコネクタの平面図及び側面図、並びに本発明のセルコネクタの第3の区間の2つの詳細図である。
図3】代替の実施形態による本発明のセルコネクタの平面図である。
図4】複数の略ストライプ形状要素を備える本発明のセルコネクタの平面図である。
図5】代替の実施形態による本発明のセルコネクタの平面図及び側面図である。
図6図5に示されたB-B断面の詳細図である。
図7】代替の実施形態による、複数の略ストライプ形状要素を備える本発明のセルコネクタの平面図である。
図8図7に示されたC-C断面の詳細図である。
図9】接続フランジを備える、代替の実施形態による本発明のセルコネクタの平面図である。
図10】少なくとも2つのガルバニックセルを接触接続するための本発明の方法の原理図である。
図11図10に示されたD-D断面の詳細図である。
図12】2つの電気ケーブルを本発明のセルコネクタによって接触接続するためのレーザ溶接プロセスの側面図である。
【0027】
図1は、従来技術において複数のいわゆるポーチセル19を互いに回路接続する際の問題点を説明するために用いられる。ここで図1a)は、ポーチセル19が互いに直列に回路接続される際の問題点を示し、図1b)は、複数のポーチセル19が並列接続にしたがい互いに回路接続される際の問題点を示す。少なくとも2つのポーチセル19を互いに直列に接続するために、ポーチセル19から引き出された、多くの場合、銅又はアルミニウム製の導体2が互いに溶接される。そのために有利には、接続すべき導体2が平坦に、可及的に大きな区間に沿って接触する。接続すべき導体2の相互調整時の撓み誤差及び/又は構成部品公差の理由から、接続すべき導体2は平行ではなく、互いに斜めに延在し、それによりこれらは、平坦にではなく、1つのラインに沿ってだけ、それどころか点状にしか互いに当接しない。この場合、図11に示す連続する溶接シーム18を、2つの導体2の接続のために形成できないか、あるいは欠陥のある溶接シーム18ができてしまう。
【0028】
このような撓み誤差又は構成部品公差を補償するために、接続すべき導体2が、プレス工具20による押圧力Fの印加によって互いに押し付けられる。このことが、図1a)の右に示されている。これにより導体2は、互いに平坦になり、確実に溶接することができる。ここで典型的には、ポーチセル19のうちの少なくとも1つのカバー17が支持体として使用される。このカバー17は、例えばポーチセル19のうちの1つのセルフレームでも、又はバッテリーモジュールハウジング等でもよい。ここでの欠点は、撓み誤差を完全に補償できず、そのため接続すべき導体2同士の間のギャップをゼロにすることができないことである。さらに、該当するプレス工具20を、手間をかけて調節しなければならない。
【0029】
さらなる問題は、並列接続を形成するために、複数のポーチセル19を接続することである。そのために典型的には、従来技術から公知のセルコネクタ21が用いられる。並列に接続されるポーチセル19又はそれらのカバー17、又はポーチセル19のセルフレームが互いに高さのずれを有していると、これにより、接続すべき導体2にセルコネクタ21が斜めに当接することになるおそれがある。それによって同様に間隙が発生することから、セルコネクタ21は接続すべき導体2に平坦に溶接できなくなる。この高低差を補償するために、湾曲した部分を有するセルコネクタ21が公知である。このことが、図1b)の右に示されている。しかしここでは、溶接プロセスにおいて、接続すべき構成部品の可及的に正確な位置決めへの比較的高い要求が課せられる。2超のポーチセル19を並列に接続する場合、この問題はさらに深刻になることがある。
【0030】
図2に示したセルコネクタ1を用いることにより、接続又は接触接続すべきポーチセル19を溶接によって特に確実に接触接続することができる。本発明のセルコネクタ1は、少なくとも1つの略ストライプ形状要素4を含む。これは、5つの区間4.1、4.2、4.3、4.4、4.5を含み、これらは長手方向Lに、連続して略ストライプ形状要素4に配置されている。略ストライプ形状要素4は、長手方向Lへの大きさ、及び長手方向Lに直交する幅方向Bの大きさに比較して小さな大きさを、長手方向L及び幅方向Bに直交する厚さ方向Dに有する。第1の区間4.1及び第5の区間4.5は、それぞれ、閉鎖要素5.1と5.2の半部を形成する。第2の区間4.2は、第1のクランプ面6.1を形成し、第4の区間4.4は第2のクランプ面6.2を形成する。第3の区間4.3は、曲がり要素7を形成する。曲がり要素7を通って幅方向Bに折り畳み軸8が延びている。略ストライプ形状要素4は、折り畳み軸8の周りで折り畳む、あるいは閉鎖することができる。略ストライプ形状要素4の折り畳み軸8の周りで比較的簡単な曲げ又は折り畳みを可能にするために、曲がり要素7又は第3の区間4.3に穿孔10を施与することによって曲がり要素7の曲げ剛性が低減される。ここで穿孔10は、図2に示すように矩形の切り欠きによって形成することができる。しかし、穿孔10は任意の形状を有することができる。穿孔10に加えて又はその代わりに、曲がり要素7がヒンジ11を含むか、又はヒンジにより形成することもできる。これが詳細図Aに示されている。ヒンジ11が第3の区間4.3を形成する場合、本発明のセルコネクタ1は、少なくとも2つの略ストライプ形状要素4により構成される。この場合、それぞれの略ストライプ形状要素4は、同じ又は異なる材料からも作製することができる。例えば略ストライプ形状要素4の一方を、図11に示すように導電性材料Mから作製し、他方の略ストライプ形状要素4を電流絶縁材料Iから作製することができる。しかし一般的に、セルコネクタ1全体を導電性材料Mからのみ、又は絶縁材料Iからのみ作製することができる。セルコネクタ1を導電性材料から作製することもでき、この場合、略ストライプ形状要素4の一方は第1の導電性材料M、例えばアルミニウムから作製され、第2の略ストライプ形状要素4は別の導電性材料M、例えば銅から作製されている。図2は、さらなる詳細図Aを示し、ここにはヒンジ11の代わりに、第3の区間4.3を形成するための弾性材料12が示されている。この場合これは、例えばエラストマであってよい。しかし任意の弾性材料、例えばゴム、天然ゴム、シリコーン等が、第3の区間4.3の形成のために考えられる。特に第3の区間4.3又は曲がり要素7を少なくとも部分的に穿孔することもできる。これによって折り畳み軸8周り、又は長手方向L周りの曲げ抵抗を適切に調整することができる。第3の区間4.3が、特にフィルムヒンジの形で、導電性材料Mを有することもできる。
【0031】
第1の区間4.1と第5の区間4.5又は閉鎖要素のそれぞれの半部5.1と5.2は、ここでは互いに適合する幾何形状を有する。図2の例では、第1の区間4.1がタブを形成し、第5の区間4.5がタブを受け入れるためのポケットを形成する。略ストライプ形状要素4が折り畳み軸8の周りで折り曲げられる場合、閉鎖要素のそれぞれの半部5.1と5.2は、これらが形状結合部を形成できるように相互調整される。形状結合部を固定するために、それぞれの閉鎖要素半部5.2と5.2を、付加的な摩擦結合及び/又は材料結合によって接合することができる。
【0032】
図3は、代替の実施形態による本発明のセルコネクタ1の平面図を示す。ここでは第2の区間4.2又は第1のクランプ面6.1に、溶接窓13を形成するための略矩形状切り欠きが施与される。しかし溶接窓13は、矩形とは異なる任意の形を有することもできる。溶接窓13を介して、セルコネクタ1により取り囲まれた導体2及び/又はリッツ線3への溶接工具のアクセス性が改善され、このことは図10図11に示される。
【0033】
図4は、複数の略ストライプ形状要素4を備える本発明のセルコネクタ1の平面図を示す。ここでは、複数の略ストライプ形状要素4が、それぞれ1つのウェブ14を介して互いに接続されている。図4の例では、ウェブ14がそれぞれ、略ストライプ形状要素4の第2の区間4.2に接続されている。ここでは、略ストライプ形状要素4の1つ又は複数が溶接窓13を有することもできる。この場合、略ストライプ形状要素4の全ての曲がり要素7が同じに構成されていることは必ずしも必要ではない。したがって任意の数の略ストライプ形状要素4が、例えば穿孔10、ヒンジ11及び/又は弾性材料12を曲がり要素7の形成のために有することができる。しかし一般的に、少なくとも1つのウェブ14が、略ストライプ形状要素4のうちの1つの第4の区間4.4に少なくとも部分的に接続されていることも考えられる。図4に示したセルコネクタ1を用いて、複数のガルバニックセル又はポーチセル19を、特に簡単に互いに並列に回路接続することができる。
【0034】
閉じられた状態又は折り畳まれた状態において略ストライプ形状要素4は、接続すべき2つの導体2及び/又はリッツ線3を取り囲む。その際に略ストライプ形状要素4は、押圧力Fを接続すべきコンポーネントに及ぼす。この押圧力Fを増大させるために、図5に示すように、略ストライプ形状要素4のいずれか1つの区画の少なくとも1つの領域を湾曲させることができる。図5の例では、第2の区間4.2全体が幅方向Bの周りで湾曲されている。これから生じる弾性作用によって、押圧力Fを高めることができる。略ストライプ形状要素4の複数の区間4.1から4.5が湾曲されること、又は部分的にのみ湾曲された領域を有することも考えられる。
【0035】
閉鎖要素の第1及び/又は第2の半部5.1と5.2に輪郭付与することによっても押圧力Fを高めることが可能である。そのために図6は、図5に示した断面B-Bの詳細図を示す。ここで輪郭22は任意の形を有することができる。例えば輪郭22は、厚さ方向Dに突き出た円錐形又は角錐形の切株により形成することができる。閉鎖要素半部5.1又は閉鎖要素半部5.2が、波状の断面を幅方向Bに有することもできる。
【0036】
図7は、代替の実施形態による、複数の略ストライプ形状要素4を備える本発明のセルコネクタ1の平面図を示す。図7の例では穿孔15が、2つの略ストライプ形状要素4を接続するウェブ14に設けられている。穿孔15によって長手方向L周りのウェブ14の曲げ剛性が低減される。これにより、2つのポーチセル19を並列接続する際の、厚さ方向Dでの高さのずれを、より簡単に補償することができる。ここでも穿孔15は任意の断面形状を有することができる。好適には穿孔15は矩形を有する。
【0037】
図8は、図7に示した断面C-Cの詳細図を示す。ウェブ14の材料部分での材料強度を低減することにより、ウェブ14の曲げ剛性を適切に所望の値に調節することができる。ウェブ14は幅方向Bに特定の断面形状、例えば波状の断面形状を有することもできる。
【0038】
図9は、さらなる代替の実施形態による本発明のセルコネクタ1の平面図を示す。図9の例では、略ストライプ形状要素4が接続フランジ16を有し、この接続フランジは、第2の区間4.2及び/又は第4の区間4.4から幅方向Bに離れるように延びている。接続フランジ16を用いることにより、略ストライプ形状要素4をその上に配置された通電コンポーネント、例えば電流接触レール又はバッテリーモジュールの導体に、簡単かつ確実に接触接続することが可能である。ここで接続フランジ16は、任意の形式及びやり方で、形状結合、摩擦結合及び/又は材料結合で、上に配置された通電コンポーネントに接続することができる。図9の例では、略ストライプ形状要素4を、上に配置された通電要素にネジ接続によって接続するために、2つの貫通孔が接続フランジ16に導入されている。金属ネジが使用される場合、ネジを通して通電することができる。しかし接続フランジ16は、上に配置された通電コンポーネントに溶接、ろう付け、又はリベット留めすることもできる。例えば接続フランジを、上に配置された通電コンポーネントに挿入するために、相応の構造的変更を接続フランジ16において行うこともできる。
【0039】
図10は、少なくとも2つのガルバニックセル、例えば2つのポーチセル19を接触接続するための本発明の方法100の原理図を示す。方法工程101では、接続すべき導体2及び/又はリッツ線3(ここに図示せず)を、これらが可及的に平坦に重なるように相互調整することで、特に信頼性の高い溶接シーム18を形成する。方法工程102では、任意選択で予め曲げることもできる、略ストライプ形状要素4からなる本発明のセルコネクタ1が、接続すべき導体2と、ポーチセル19のカバー17あるいはバッテリーモジュールのフレームとの間に押し込まれる。方法工程103では、少なくとも1つの略ストライプ形状要素4が折り畳み軸8の周りで折り畳まれ、それにより、第1及び第2のクランプ面6.1と6.2が、接続すべき導体2又はリッツ線3の上に平坦に載置され、これらを押圧力Fによって互いにプレスする。その際に、少なくとも1つの略ストライプ形状要素4は、接続すべきコンポーネントを収容するための収容部9を形成する。折り畳まれた状態において、閉鎖要素の第1の半部5.1と閉鎖要素の第2の半部5.2とが、折り畳まれた状態にある少なくとも1つの略ストライプ形状要素4が不所望に開くのを阻止するために接続される。次に、接触接続すべきポーチセル19が溶接装置に輸送される。セルコネクタ1が閉鎖されているおかげで、固定された接触接続すべきコンポーネント、すなわち導体2及び/又はリッツ線3は、互いに対して移動することができない。方法工程104では、導体2及び/又はリッツ線3が溶接される。そのために好適にはレーザ溶接が使用される。
【0040】
図11は、図10に示された断面D-Dの種々の断面図を示す。使用されるセルコネクタ1の実施形態に応じて、4つの異なる溶接シーム18が発生する。ここで図11a)とb)は、溶接窓13を有しないセルコネクタ1による溶接シーム18を示し、図11c)とd)は、溶接窓13を有するセルコネクタ1の使用時の溶接シーム18を示す。さらに、図11a)とc)は、第4の区間4.4又は第2のクランプ面6.2を形成するための導電性材料Mの適用を示す。したがって溶接シーム18は、第2のクランプ面6.2に入り込むように延在することができる。図11b)とd)によれば、これは不可能である。なぜなら、第4の区間4.4又は第2のクランプ面6.2が電流絶縁材料Iから形成されているからである。これにより、セルコネクタ1は、溶接ビードサポートとして機能することができる。これに対して溶接シーム18が第4の区間4.4の中に入り込む場合、接続すべき導体2及び/又はリッツ線3の特にプロセス信頼性のある接触接続を保証することができる。図11a)とb)の例では、第2の区間4.2の溶接によって、溶接シーム18を適切に合金化することもできる。一般的には、図11d)の実施形態において、セルコネクタ1全体が電流絶縁材料Iからなることも可能である。それにもかかわらず溶接窓13により、接続すべき導体2及び/又はリッツ線3の溶接可能性が保証される。
【0041】
図12は、2つの電気ケーブルを本発明のセルコネクタ1によって接触接続するためのレーザ溶接プロセスの側面図を示す。図12は、少なくとも1つの導体2の代わりに、1つ又は複数の導電ケーブルの1つ又は複数のリッツ線3も、これらを特に確実に溶接できるようにするために、上述の実施形態の1つにしたがって固定できることを説明するために用いられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a)】
図11b)】
図11c)】
図11d)】
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの略ストライプ形状要素(4)からなる、少なくとも2つの導体(2)及び/又はリッツ線(3)を互いに接続するためのセルコネクタ(1)であって、
前記ストライプ形状要素(4)の長手方向(L)に連続して配置された少なくとも5つの区間(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)により特徴付けられ、第1の区間(4.1)が閉鎖要素の第1の半部(5.1)を形成し、第2の区間(4.2)が第1のクランプ面(6.1)を形成し、第3の区間が曲がり要素(7)を形成し、第4の区間(4.4)が第2のクランプ面(6.2)を形成し、第5の区間(4.5)が前記閉鎖要素の第2の半部(5.2)を形成し、前記第3の区間(4.3)は、前記第1の区間(4.1)及び前記第2の区間(4.2)が、前記第4の区間(4.4)及び前記第5の区間(4.5)に対して、前記長手方向(L)と直交して延在する幅方向(B)に前記第3の区間(4.3)を通って延在する折り畳み軸(8)の周りで折り畳まれることを可能にするように構成されており、その結果、前記ストライプ形状要素(4)が折り畳まれた状態において、前記第1のクランプ面(6.1)と前記第2のクランプ面(6.2)の少なくとも一部が、前記長手方向(L)及び前記幅方向(B)に直交して延在する厚さ方向(D)で略対向し、それによって前記導体(2)及び/又はリッツ線(3)のための収容部(9)を形成し、前記第1の区間(4.1)及び前記第5の区間(4.5)は、前記ストライプ形状要素(4)が折り畳まれた状態において、前記少なくとも1つのストライプ形状要素(4)を折り畳まれた状態に固定するために、互いに接続可能である、前記セルコネクタ(1)。
【請求項2】
前記第3の区間(4.3)は、少なくとも1つの穿孔(10)、ヒンジ(11)及び/又は弾性材料(12)を含み、及び/又は少なくとも部分的に輪郭付与されていることを特徴とする、請求項1に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項3】
前記第1の区間(4.1)及び前記第5の区間(4.5)は、特に、それらの区間(4.1、4.5)のうちの少なくとも1つを折り曲げたり、ビード加工したり、丸めたり、かしめたりすることによって形状結合するように設計されている、及び/又は
前記第1の区間(4.1)及び前記第5の区間(4.5)は、特に、それらの区間(4.1、4.5)をリベット留め、ねじ止め、溶接及び/又は接着することによって、摩擦結合及び/又は材料結合するように設計されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項4】
前記第2の区間(4.2)は、前記厚さ方向(D)に前記第2の区間(4.2)を通って延在する、溶接窓(13)を形成するための切り欠き、特に略矩形の切り欠きを有し、前記切り欠きの長辺は前記長手方向(L)に延在することを特徴とする、請求項1又は2に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項5】
前記長手方向(L)に互いに平行に配置された少なくとも2つのストライプ形状要素(4)は、前記第2の区間(4.2)及び/又は前記第4の区間(4.4)から前記幅方向(B)に前記ストライプ形状要素(4)から離れるように延び、かつ前記長手方向(L)に延在する少なくとも1つのウェブ(14)を介して接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項6】
前記ウェブ(14)は少なくとも1つの穿孔(15)を有し、特に前記ウェブ(14)は、前記厚さ方向(D)に前記ストライプ形状要素(4)よりも小さい厚さを有し、及び/又は前記ウェブ(14)は、前記幅方向(B)に波形になっていることを特徴とする、請求項5に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項7】
少なくとも1つのストライプ形状要素(4)は、前記長手方向(L)に延在し、かつ前記幅方向(B)に前記第2の区間(4.2)及び/又は前記第4の区間(4.4)から離れるように延びる接続フランジ(16)を、前記ストライプ形状要素(4)の上に配置される通電コンポーネントに前記ストライプ形状要素(4)を接触接続するために有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項8】
前記厚さ方向(D)に作用する前記第1のクランプ面(6.1)及び前記第2のクランプ面(6.2)の、前記収容部(9)内に配置された前記導体(2)及び/又はリッツ線(3)への押圧力(F)を高めるために、前記少なくとも1つのストライプ形状要素(4)が折り畳まれた状態において、前記第2の区間(4.2)は少なくとも部分的に前記厚さ方向(D)に湾曲されている、及び/又は前記閉鎖要素の少なくとも1つの半部(5.1、5.2)は、前記閉鎖要素が接続された状態において、前記厚さ方向(D)に延びる輪郭部(22)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのストライプ形状要素(4)は、導電性材料(M)、特に金属又は金属合金から、好適には金属板から完全に形成されているか、又は前記少なくとも1つのストライプ形状要素(4)は、少なくとも部分的に、導電性材料(M)、特に金属又は金属合金、好適には金属板、並びに少なくとも部分的に電流絶縁材料(I)から形成されており、前記絶縁材料(I)は、有利には少なくとも前記第4の区間(4.4)を形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載のセルコネクタ(1)。
【請求項10】
少なくとも2つのガルバニックセルを、請求項1又は2に記載の少なくとも1つのセルコネクタ(1)を用いて接触接続する方法であって、
少なくとも以下の方法工程、すなわち
・接続すべき導体(2)及び/又はリッツ線(3)を相互調整する工程と、
・前記第4の区間(4.4)が、少なくとも部分的に収容部(9)とは反対側(S)で、少なくとも1つのガルバニックセルのカバー(17)上に支持され、及び/又は少なくとも1つの導体(2)及び/又は少なくとも1つのリッツ線(3)が、前記収容部(9)に向いた前記第4の区間(4.4)の側(S)に載置されるように、前記導体(2)及び/又はリッツ線(3)に対して前記セルコネクタ(1)を配置する工程と、
・前記ストライプ形状要素(4)を折り畳まれた状態にするために、前記第1の区間(4.1)及び前記第2の区間(4.2)を、前記第3の区間(4.3)を通って前記幅方向(B)に延在する前記折り畳み軸(8)によって折り畳む工程と、
・前記閉鎖要素を閉鎖する工程と、
・前記接続すべき導体(2)及び/又はリッツ線(3)を溶接するか、又は前記セルコネクタ(1)の少なくとも一部を、前記接続すべき導体(2)及び/又はリッツ線(3)に、特に前記長手方向(L)に延在する少なくとも1つの溶接シーム(18)によって溶接し、溶接方法として好適にはレーザ溶接が使用される工程と、
により特徴付けられる、前記方法。
【国際調査報告】