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特表2024-513098ユーザ機器、ネットワークノード、及びユーザ機器又はネットワークノードにおける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】ユーザ機器、ネットワークノード、及びユーザ機器又はネットワークノードにおける方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/30 20180101AFI20240313BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20240313BHJP
   H04W 36/32 20090101ALI20240313BHJP
【FI】
H04W76/30
H04W84/06
H04W36/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561286
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 JP2022017603
(87)【国際公開番号】W WO2022220243
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】2105402.8
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2106477.9
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ハイララ チャディ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユーファー
(72)【発明者】
【氏名】林 貞福
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD18
5K067DD19
5K067DD20
5K067DD57
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067FF03
(57)【要約】
本発明は、ユーザ機器(UE)が或る地理的領域から別の地理的領域に移動する際のUEコンテキストの問題を解決し、又は少なくとも軽減する方法及び関連装置を提供する。各セルが少なくとも1つのカバレッジ領域をサーブする複数のセルを含む非地上系ネットワーク部分を含む通信システム(1)が開示される。UE(3)は、第1カバレッジ領域における無線リソース制御(RRC)コネクションを有する。UE(3)は、位置情報に基づいて、異なるカバレッジ領域に移動したことを検出すると、UE(3)の位置に基づいてRRCコネクションを解放する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、前記方法は、
前記UEの現在位置が、第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断するステップと、
前記UEの現在位置に基づいて、前記RRCコネクションを解放するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記UEの現在のセルによってサーブされる少なくとも1つのそれぞれのカバレッジ領域に関連する少なくとも1つの公衆陸上移動体通信網(PLMN)及び/又は少なくとも1つのモバイルカントリーコード(MCC)を識別する第1の情報を取得するステップをさらに含み、
前記判断は、前記第1の情報に基づいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UEの現在のセルによってサーブされる少なくとも1つのカバレッジ領域の境界に関する第2の情報を取得するステップをさらに含み、
前記判断は、前記第2の情報に基づいて行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記UEの位置に基づいて前記UEが前記RRCコネクションを解放することが許可されている旨を示す第3の情報を受信するステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の情報は、RRCReleaseメッセージ又はRRCReconfigurationメッセージに含まれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記RRCコネクションを解放するステップは、第4の情報をネットワークノードに送信するステップを含み、
前記第4の情報は、前記UEがRRC connection releaseを要求している旨、及び所望のRRC状態のうちの少なくとも一方を示す、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第4の情報は、RRCメッセージに含まれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第4の情報は、前記RRCコネクションを解放する原因を示す原因値を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記異なるカバレッジ領域をサーブするセルを介して、RRCコネクションを設定するステップと、
前記UEが有する公衆陸上移動体通信網及び対応するカバレッジ領域のリストに基づいて、前記カバレッジ領域に関連付けられたモビリティ管理のための公衆陸上移動体通信網及び/又はコアネットワークノードを選択するステップと
をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記UEを、前記UEの位置に関連付けられたモビリティ管理のための公衆陸上移動体通信網及び/又はコアネットワークノードにリダイレクトするための第5の情報を受信するステップと、
前記UEをリダイレクトするための情報に基づいて、前記異なるカバレッジ領域をサーブするセルを介して、RRCコネクションを設定するステップと
をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
第5の情報を含むRRCReleaseメッセージ又はRRCRejectメッセージを受信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記UEの現在位置が、前記第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断するステップは、全地球航法衛星システム(GNSS)に基づく位置、及び前記UEに関連するモバイルカントリーコードの少なくとも一方に基づく、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードによって実行される方法であって、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、前記方法は、
前記UEから、前記UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放する手続を開始する第1のメッセージを受信するステップと、
前記UEの位置に基づいて前記RRCコネクションを解放する第2のメッセージを、前記UEに送信するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記UEから前記第1のメッセージを受信した後、前記第1のカバレッジ領域に関連するUEコンテキストの解放をトリガするステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ネットワークノードのセルによってサーブされる少なくとも1つのそれぞれのカバレッジ領域に関連する少なくとも1つの公衆陸上移動体通信網(PLMN)及び/又は少なくとも1つのモバイルカントリーコード(MCC)を識別する第1の情報を送信するステップをさらに含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記ネットワークノードのセルによってサーブされる少なくとも1つのカバレッジ領域の境界に関する第2の情報を、前記UEに送信するステップをさらに含む、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記UEの位置に基づいて前記UEが前記RRCコネクションを解放することが許可された旨を示す第3の情報を、前記UEに送信するステップをさらに含む、請求項13~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のメッセージは、第4の情報を含み
前記第4の情報は、前記UEがRRC connection releaseを要求している旨、及び所望のRRC状態の少なくとも一方を示す、請求項13~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第4の情報は、RRCメッセージに含まれる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第4の情報は、前記RRCコネクションを解放する原因を示す原因値を含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記UEを、前記UEの位置に関連するモビリティ管理のための公衆陸上移動体通信網及び/又はコアネットワークノードにリダイレクトするための第5の情報を、前記UEに送信するステップをさらに含む、請求項13~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第5の情報を含むRRCReleaseメッセージ又はRRCRejectメッセージを、前記UEに送信するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)であって、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連するRRC(RRC)コネクションを有し、
前記UEの現在位置が第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断する手段と、
前記UEの現在位置に基づいて、RRCコネクションを解放する手段と
を備えた、UE。
【請求項24】
複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードであって、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、
前記UEから、前記UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放する手続を開始するメッセージを受信する手段と、
前記UEの位置に基づいてRRCコネクションを解放するメッセージを、前記UEに送信する手段と
を備えた、ネットワークノード。
【請求項25】
プログラムが記憶されたコンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体であって、前記プログラムは、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)によって実行され、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、前記プログラムは、前記UEに対し、
前記UEの現在位置が、前記第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断させ、
前記UEの現在位置に基づいて、前記RRCコネクションを解放させる、
コンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体。
【請求項26】
プログラムが記憶されたコンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体であって、前記プログラムは、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードによって実行され、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、前記プログラムは、前記ネットワークノードに対し、
前記UEから、前記UEの現在位置に基づいて前記RRCコネクションを解放する手続を開始するメッセージを受信させ、
前記UEの位置に基づいて前記RRCコネクションを解放するメッセージを前記UEへ送信させる、
コンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))規格又はこれに準ずる規格若しくはこれに由来する規格に従って動作する無線通信システム及びその装置に関する。特に、本開示は、航空機又は衛星ネットワークノードを含む非地上部を採用する、いわゆる「5G」(又は「次世代」)システムにおけるユーザ機器(UE)コンテキストの取得/UEのリダイレクトに関連する改良に関するが、これに限定されるものでない。
【背景技術】
【0002】
3GPP規格では、NodeB(又はLTEの「eNB」、5Gの「gNB」)は、基地局であり、これを介して、通信装置(ユーザ機器、換言すると「UE」)が、コアネットワークに接続し、他の通信装置又はリモートサーバと通信する。通信装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、携帯情報端末、ラップトップ/タブレットコンピュータ、ウェブブラウザ、電子書籍リーダー等のモバイル通信装置とし得る。このようなモバイル(又は一般的に据え置き型の)装置は、通常、ユーザによって操作されるが(したがって、それらは、ユーザ機器、「UE」と総称される)、IoTデバイス及び同様のMTCデバイスを、ネットワークに接続することもできる。簡単にするために、本出願では、基地局という用語を用いて、そのような任意の基地局を表し、モバイル装置又はUEという用語を用いて、そのような任意の通信装置を表す。
【0003】
3GPP規格の最新の開発は、いわゆる「5G」又は「New Radio」(NR)規格であり、これは、マシンタイプ通信(MTC)、モノのインターネット(IoT)/インダストリアルIoT(IIoT)通信、車両通信及び自動運転車両、高解像度のビデオストリーミング、スマートシティサービス、並びに/又は、これらと同様のもの等、様々なアプリケーション及びサービスをサポートすることが期待される進化しつつある通信技術である。3GPPは、いわゆる3GPP次世代(NextGen)無線アクセスネットワーク(RAN)及び3GPP次世代コア(NGC)ネットワークにより、5Gをサポートする予定である。5Gネットワークの様々な詳細は、例えば、次世代モバイルネットワーク(NGMN)アライアンスによる「NGMN 5G白書」V1.0に記載されており、この文書は、https://www.ngmn.org/5g-white-paper.htmlから入手できる。
【0004】
エンドユーザの通信装置は、一般にユーザ機器(UE)と呼ばれ、人によって操作される場合もあれば、又は自動化された(MTC/IoT)装置で構成される場合もある。5G/NR通信システムの基地局は、一般に、New Radio基地局(「NR-BS」)又は「gNB」と呼ばれるが、それらは、より一般的にLTE(Long Term Evolution)基地局(一般に「4G」基地局とも呼ばれる)に関連する用語「eNB」(又は5G/NR eNB)を用いて表されることが理解されるであろう。3GPPの技術仕様書(TS)38.300 V16.4.0及びTS37.340 V16.4.0は、特に、次のノードを定義している。
gNB:UEに対するNRユーザプレーン及びコントロールプレーンのプロトコルの終端を提供し、NGインタフェースを介して5Gコアネットワーク(5GC)に接続されるノード。
ng-eNB:UEに対するEvolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA)ユーザプレーン及びコントロールプレーンのプロトコル終端を提供し、NGインタフェースを介して5GCに接続されるノード。
en-gNB:UEに対するNRユーザプレーン及びコントロールプレーンプロトコル終端を提供し、E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC)のセカンダリノードとして機能するノード。
NG-RANノード:gNB又はng-eNBの一方。
【0005】
また、3GPPは、5Gの文脈における、統合された衛星及び地上ネットワークインフラストラクチャの規定にも取り組んでいる。非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Networks(NTN))の用語は、通信のために航空機又は衛星を使用するネットワーク、又はネットワークのセグメントを意味する。衛星とは、低軌道(LEO)、中軌道(MEO)、長楕円軌道(HEO)等の静止軌道(GEO)又は非静止軌道(NGEO)における人工衛星を意味する。航空機とは、無人航空機システム(UAS)を含む成層圏プラットフォーム(HAP)を意味し、これには、テザーUAS、エアーUASより軽いUAS、エアーUASより重いUASが含まれ、これらは全て、通常、8km~50kmの高度で準静止状態で動作する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP 技術レポート 38.811 V 15.4.0
【非特許文献2】3GPP 技術レポート 38.821 V 16.0.0
【0007】
非特許文献1は、このような非地上系ネットワークをサポートするためのNew Radioに関する研究である。この研究には、特に、NTNの配置シナリオ及び関連するシステムパラメータ(アーキテクチャ、高度、軌道等)と、非地上系ネットワークのための3GPPチャネルモデルの適応に関する記述(伝播条件、モビリティ等)が含まれる。非特許文献2は、NTNに関する詳細を提供する。
【0008】
非地上系ネットワークは、
-サーブされていない、又は、十分にサーブされていない地域における5Gサービスの展開を促進して、地上ネットワークの性能を向上させること、
-ユーザ機器又は移動型プラットフォーム(例えば、旅客車両-航空機、船舶、高速列車、バス等)のサービスの継続性を提供することにより、サービスの信頼性を向上させること、
-特に、重要な通信、将来の鉄道/海上/航空通信における、あらゆる位置でのサービスの可用性を向上すること、
-ネットワークエッジに対し、又はユーザ機器に対して直接、データを送信するための効率的なマルチキャスト/ブロードキャストリソースを提供することにより、5Gネットワークのスケーラビリティを実現すること、
が期待される。
【0009】
NTNアクセスは、通常、(特に)以下の要素を特徴とする。
-NTN端末:これは、3GPP UE、又は衛星が直接3GPP UEを提供しない場合、衛星システムに固有の端末を表すことがある。
-UEと(地上のRANとの無線リンクに追加されることがある)宇宙/空中の(airborne)プラットフォームとの間の無線リンクを意味するサービスリンク。
-宇宙又は空中のプラットフォーム。
-衛星又は航空アクセスネットワークをコアネットワークに接続するゲートウェイ(「NTNゲートウェイ」)。ゲートウェイは、ほとんどの場合、基地局と併設されることは理解されるであろう。
-ゲートウェイと宇宙/空中プラットフォームとの間の無線リンクを意味するフィーダリンク。
【0010】
衛星又は航空機は、所定の領域に複数のビームを生成して、それぞれのNTNセルを提供することができる。ビームは、地球表面上に典型的な楕円形のフットプリントを形成する。
【0011】
3GPPは、3種類のNTNビーム又はセルをサポートすることを予定している。
-常に同じ地理的領域をカバーする少なくとも1つのビームを特徴とする地球固定セル(例えば、GEO衛星及びHAPS等)、
-限定された期間、或る地理的領域をカバーし、別の期間、異なる地理的領域をカバーする少なくとも1つのビームを特徴とする準地球固定セル(例えば、可動式ビームを生成するNGEO衛星)、及び
-或る瞬間に、或る地理的領域をカバーし、別の瞬間に、異なる地理的領域をカバーする少なくとも1つのビーム(例えば、固定ビーム又は非可動式ビームを生成するNGEO衛星)を特徴とする地球移動型セル。
【0012】
特定の地点に対して衛星又は航空機の位置の高度/方位角が固定される場合、例えば、GEO及びUASの場合、ビームフットプリントは、地球に固定される。
【0013】
衛星が地球を周回する場合(例えば、LEO)、又は衛星が地球の周りの楕円軌道上にある場合(例えば、HEO)、ビームフットプリントは、衛星又は航空機の軌道上の動きと共に、地上を移動し得る。または、ビームフットプリントは、一時的に地球に固定され得る。この場合、適切なビームポインティングメカニズム(機械的又は電子的なステアリング)を用いて、衛星又は航空機の動きを補正できる。
【0014】
LEO衛星は、ステアリング可能なビームを有することができ、この場合、ビームが、地上に実質的に固定されたフットプリントに一時的に向けられる。換言すると、(NTNセルを表す)ビームのフットプリントは、一定の時間、地上で静止した後、(衛星が軌道上を移動することにより)その焦点領域を別のNTNセルに変更する。これにより、セルのカバレッジ領域/UEの観点では、セルの変更が、離散的な間隔で定期的に発生する。これは、これらのビームが、(同じフットプリントを有する)同じ陸地領域をサーブする場合でも、各サービスリンクの変更後に、異なる物理セル識別子(PCI)及び/又は同期信号/物理ブロードキャストチャネル(PBCH)ブロック(SSB)が割り当てられる必要があるためである。ステアリング可能なビームを備えていないLEO衛星は、衛星が軌道に沿って移動すると、ビーム(セル)が掃引動作で定期的に地上を移動するため、ステアリング可能なビームの場合と同様に、サービスリンクが変わり、その結果、セルの変更が、離散的な間隔で定期的に発生する。
【0015】
衛星が軌道上を移動するため、サービスリンクの変更と同様に、フィーダリンクの変更も定期的に発生する。サービス及びフィーダリンクの双方の変更が、異なる複数の基地局/ゲートウェイの間で行われ(「gNB間の無線リンクスイッチ」と称され得る)、又は、同じ基地局/ゲートウェイにおいて行われる(「gNB内無線リンクスイッチ」)ことがある。3GPPは、詳細な仕様を検討中であるが、地球に固定されるトラッキングエリアは、地球固定セル及び/又は移動セルで使用されることを想定している。
【0016】
複数のセルの複数のグループは、複数の異なるカバレッジ領域又はサービス/トラッキングエリアに割り当てられ、これらは、それぞれの地理的領域(国、都市、地域、又は同様の地理的な単位等)に対応し得る。各セルは、関連する「NRセルグローバル識別子(NCGI:NR Cell Global Identifier)」を有しており、これは、セルが属する公衆陸上移動体通信網(PLMN:Public Land Mobile Network)識別子(PLMN ID)と、セルのNRセル識別子(NCI:NR Cell Identity)で構成される。「グローバルgNB識別子」は、gNBをグローバルに識別するために使用され、gNBが属するPLMN IDと、gNB ID(PLMN内の特定のgNBを識別するための識別子)で構成される。しかしながら、gNBが提供するセルが、グローバルgNB IDに含まれる関連するPLMN IDをブロードキャストしないことを排除するものではない。
【0017】
基地局(gNB/NG-RANノード)は、複数の異なる地理的領域(例えば、複数の異なるカバレッジ領域、サービスエリア、トラッキングエリア、又は国)をサーブする1以上のセルを制御することができる。基地局は、隣接する領域の境界を越えたカバレッジ領域(セルフットプリント)を有する1つのセルを介して、そのような地理的領域のうちの1以上をサーブすることができる。また、基地局は、それぞれのセルを介して、複数の地理的領域をサーブすることができる(換言すると、セルは、単一の領域のみをサーブし得る)。基地局が複数の地理的領域をサーブする場合、各UEが、(UEの位置情報があれば、それを考慮して)そのUEが存在する地理的領域をサーブするアクセスモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)を使用することが、基地局によって可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
UEは、最初に、セルを介して無線リソース制御(RRC)コネクションを確立し、(例えば、第1国内の)1つの地理的領域のAMFに登録する。次いで、UEは、(例えば、第2国内の)異なる地理的領域に移動し得る。これは、(例えば、同じセル内で)UEが国境を越えて移動する場合等に生じる可能性がある。
【0019】
しかしながら、従来のUEコンテキストは、その領域に適しておらず、また、新たなエリアにおいて、UEをサーブする基地局が使用することができない。
【0020】
したがって、本発明は、上述した問題を解決し、又は、上述した問題の(少なくとも一部)を少なくとも軽減する方法及び関連する装置を提供するものである。
【0021】
当業者の理解の効率のために、本発明は、3GPPシステム(NTNを含む5Gネットワーク)の文脈で詳細に説明するが、本発明の原理は、他のシステムにも適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
例示的な一態様では、本発明は、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)によって実行される方法を提供し、UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、この方法は、UEの現在位置が第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断するステップと、UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放するステップとを含む。
【0023】
例示的な一態様では、本発明は、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードによって実行される方法を提供し、UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、この方法は、UEから、UEの現在位置に基づいて無RRCコネクションを解放する手続を開始するメッセージを受信するステップと、UEの位置に基づいてRRCコネクションを解放するメッセージをUEに送信するステップとを含む。
【0024】
例示的な一態様では、本発明は、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)を提供し、UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、UEは、UEの現在位置が第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断する手段と、UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放する手段とを備える。
【0025】
例示的な一態様では、本発明は、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードを提供し、UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、ネットワークノードは、UEから、UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放する手続を開始するメッセージを受信する手段と、UEの位置に基づいてRRCコネクションを解放するメッセージをUEに送信する手段とを備える。
【0026】
別の例示的な態様では、本発明は、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)を提供し、UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、UEは、プロセッサと、トランシーバと、命令を記憶するメモリとを備えており、コントローラは、UEの現在位置が第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断し、UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放するように構成される。
【0027】
別の例示的な態様では、本発明は、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードを提供し、UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、ネットワークノードは、プロセッサと、トランシーバと、命令を記憶するメモリとを備えており、コントローラは、トランシーバに対し、UEから、UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放する手続を開始するメッセージを受信させ、UEの位置に基づいてRRCコネクションを解放するメッセージをUEへ送信させるように構成される。
【0028】
本発明の態様は、対応するシステム、装置及びコンピュータプログラム製品、例えば、コンピュータ読取り可能な記憶媒体等を含み、コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、命令が記憶されており、これらは、上述した態様及び可能性又は請求項に記載された方法を実行するようにプログラム可能なプロセッサをプログラムし、及び/又は、請求項のいずれかに記載されている装置を提供するように適切に構成されたコンピュータをプログラムする動作可能である。
【0029】
本明細書(これは請求項を含む)に開示され、及び/又は図面に示された各特徴は、他の開示された特徴及び/又は図示された特徴から独立して(又は他の開示された特徴及び/又は図示された特徴と組み合わせて)、本発明に組み込むことができる。特に、限定するものではないが、特定の独立請求項に従属するいずれかの請求項の特徴は、任意の組み合わせで、又は個別に独立請求項に組み込むことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上述した問題を解決し、又は、上述した問題の(少なくとも一部)を少なくとも軽減する方法及び関連する装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を例示によって説明する。
【0032】
図1図1は、本発明の例示的な実施形態を適用することができるモバイル(セル方式又は無線)電気通信システムを概略的に示す。
図2図2は、図1に示すシステムの一部を構成するモバイル装置の概略的なブロック図である。
図3図3は、図1に示すシステムの一部を構成するNTNノード(衛星/UASプラットフォームなど)の概略的なブロック図である。
図4図4は、図1に示すシステムの一部を構成するアクセスネットワークノード(例えば、基地局)の概略的なブロック図である。
図5図5は、本発明の例示的な実施形態を適用することができる2つの例示的なシナリオを概略的に示す。
図6図6は、本発明の例示的な実施形態を適用することができる2つの例示的なシナリオを概略的に示す。
図7図7は、本発明の例示的な実施形態が図5及び図6に示すシナリオでは実施され得る、いくつかの例示的な方法を示すシグナリング(タイミング)図である。
図8図8は、本発明の例示的な実施形態が図5及び図6に示すシナリオでは実施され得る、いくつかの例示的な方法を示すシグナリング(タイミング)図である。
図9図9は、本発明の例示的な実施形態が図5及び図6に示すシナリオでは実施され得る、いくつかの例示的な方法を示すシグナリング(タイミング)図である。
図10図10は、本発明の例示的な実施形態が図5及び図6に示すシナリオでは実施され得る、いくつかの例示的な方法を示すシグナリング(タイミング)図である。
図11図11は、本発明の例示的な実施形態が図5及び図6に示すシナリオでは実施され得る、いくつかの例示的な方法を示すシグナリング(タイミング)図である。
図12図12は、図1に示すシステムにおいてNTN機能を提供するための、いくつかの例示的なアーキテクチャのオプションを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
概要
図1は、本発明の例示的な実施形態が適用可能なモバイル(セル方式又は無線)通信システム1を概略的に示す図である。この通信システム1では、モバイル装置3(UE)のユーザは、適切な3GPP無線アクセス技術(RAT)、例えば、E-UTRA及び/又は5G RATを用いて、アクセスネットワークノードのそれぞれの衛星5、及び/又は基地局6並びにデータネットワーク7を介して、相互に通信し、また、他のユーザと通信することができる。当業者であれば理解できるように、図1には、説明のために、3つのモバイル装置3、1つの衛星5、及び1つの基地局6が示されているが、システムは、実装される場合、通常、他の衛星/UASプラットフォーム、基地局/RANノード及びモバイル装置(UE)を含む。
【0034】
いくつかの基地局6が、(無線)アクセスネットワーク又は(R)ANを形成し、いくつかのNTNノード5(衛星及び/又はUASプラットフォーム)が、非地上系ネットワーク(NTN)を形成することは、理解されるであろう。各NTNノード5は、いわゆるフィーダリンクを用いて、適切なゲートウェイ(この場合、基地局6に存在する)に接続され、また、対応するサービスリンクを介して、各UE3に接続される。したがって、NTNノード5がサーブする場合、モバイル装置3は、適切なサービスリンク(モバイル装置3とNTNノード5との間)と、フィーダリンク(NTNノード5とゲートウェイ/基地局6との間)を用いて、NTNノード5を介して、基地局6とデータを通信する。換言すると、NTNは、(R)ANの一部を形成するが、E-UTRA及び/又は5G通信サービスとは独立して、衛星通信サービスを提供することもできる。
【0035】
図1には示されていないが、隣接する基地局6は、適切な基地局間のインタフェース(いわゆる「X2」インタフェース、「Xn」インタフェース等)を介して、相互に接続される。また、基地局6は、適切なインタフェース(いわゆる「S1」、「NG-C」、「NG-U」インタフェース等)を介して、データネットワークノードに接続される。
【0036】
データ(又はコア)ネットワーク7(LTEの場合はEPC、NR/5Gの場合はNGC)は、典型的には、通信システム1における通信をサポートするため、また、(特に)加入者管理、モビリティ管理、課金、セキュリティ、コール/セッション管理のための論理ノード(又は「機能」)を含む。例えば、「次世代」/5Gシステムのデータネットワーク7は、ユーザプレーンエンティティ及びコントロールプレーンエンティティ、例えば、1以上のコントロールプレーン機能(CPF)及び1以上のユーザプレーン機能(UPF)等を含む。いわゆるアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)は、モバイル装置3のためのコネクション及びモビリティ管理タスクの処理を担う。データネットワーク7は、他のデータネットワーク、例えば、インターネット又は同様のインターネットプロトコル(IP)ベースのネットワーク(図1には示されていない)等にも接続される。
【0037】
各NTNノード5は、いくつかの指向性ビームを制御し、これを介して、関連するNTNセルが提供される。具体的には、各ビームは、NTNセルに対応する、関連するフットプリントを地表に有する。各NTNセル(ビーム)は、関連する物理セル識別子(PCI:Physical Cell Identity)及び/又はビーム識別子を有する。ビームフットプリントは、NTNノード5が軌道に沿って移動すると、移動し得る。または、ビームフットプリントは、地球に固定される場合もあり、この場合、適切なビームポインティングメカニズム(機械的又は電子的なステアリング)を用いて、NTNノード5の動きを補償することができる。
【0038】
各セルは、関連する「NRセルグローバル識別子」(NCGI)を有し、セルをグローバルに識別する。NCGIは、セルが属する公衆陸上移動体通信網(PLMN:Public Land Mobile Network)識別子(PLMN ID)と、セルのNRセル識別子(NCI)で構成される。NCGIに含まれるPLMN IDは、システム情報のブロックタイプ1(SIB1)のNRセルIDに関連付けられたPLMN IDのセット内の最初のPLMN IDである。「gNB識別子」(gNB ID)は、PLMN内の特定のgNBを識別するために使用される。gNB IDは、そのセルのNCI内に含まれる。「グローバルgNB ID」は、gNBをグローバルに識別するために使用され、gNBが属するPLMN IDと、gNB IDで構成される。モバイルカントリーコード(MCC)及びモバイルネットワークコード(MNC)は、NCGIに含まれているものと同じである。
【0039】
特定の1つの地理的領域をサーブする複数のセルは、1つのPLMNに属する1つのカバレッジ領域(例えば、トラッキングエリア)にグループ化される。この例では、異なるグループのセルが、異なる国をサーブするが、他の種類のセルのグループ化も可能である。
【0040】
UE3は、セルを介して基地局6とのRRCコネクションを確立し、また、基地局6がサーブする国/エリア/PLMNのAMF9に登録する。したがって、UE3は、いわゆるRRC Connected状態であり、関連するUEコンテキストが、サービング基地局6-1によって維持される。そして、UE3が解放されて、RRC Inactive状態になると、RRCコネクションが中断され、関連するUEコンテキストが、基地局6-1によって記憶される(これは、UEがRRC Inactive状態になると、UEの最後の/古いサービング基地局と称され得る)。
【0041】
RRC Connected状態又はRRC Inactive状態の間、UE3は、別のカバレッジ領域/国に移動することがある。この新たなカバレッジ領域/国は、同じ基地局6又は別の基地局の制御下のセルであることは理解されるであろう。いくつかのセルは、そのようなIDをブロードキャストするように構成されていないが、このセルは、少なくとも1つの関連するPLMN IDをブロードキャストすることができる。
【0042】
UE3は、適切な位置情報、例えば、全地球航法衛星システム(GNSS)の位置情報、(モバイル装置の)モバイルカントリーコード、及び/又は他の任意の適切な測位情報等に基づいて、その現在位置及び現在のカバレッジ領域/国を、(RRC Connected状態又はRRC Inactive状態の一方において)監視するように構成することもできる。UE3及び/又はUE3に割り当てられたAMF9に関連付けられた現在のUEコンテキストは、新たなカバレッジ領域又は国において適切でないことがある。したがって、UE3は、UEコンテキスト/現在のAMFに関連付けられたカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域(新たな国)に移動したことを検出すると、自ら、又はネットワークを用いて適切な手続を開始することにより、RRCコネクションを解放するように構成される。実質的に、RRCコネクションを解放することにより、UE3は、(RRC Inactive又はRRC Connected状態から)RRC Idle状態に移行する。
【0043】
UE3が(例えば、RRC Connected状態で)、カバレッジ領域の変更によってRRCコネクションを解放する必要があることを、ネットワークへ通知した場合、基地局は、モバイル装置3が現在存在するカバレッジ領域/国/PLMNに適した新たなAMFに登録するための適切なリダイレクト情報を、モバイル装置3に送信することができる。
【0044】
ユーザ機器(UE)
図2は、図1に示すモバイル装置(UE)3の主要な構成要素を示すブロック図である。図に示すように、UE3は、トランシーバ回路31を含み、これは、1以上のアンテナ33を介して接続されたノードとの間で、信号を送受信するように動作できる。図2に必ずしも示されていないが、UE3はもちろん、従来のモバイル装置の全ての通常の機能(ユーザインタフェース35等)を有することができ、これは、必要に応じて、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのうちの1つ、又は、これらの任意の組み合わせによって提供され得る。コントローラ37は、メモリ39に記憶されたソフトウェアに従って、UE3の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ39に予めインストールすることができ、及び/又は、通信ネットワーク1を介して、若しくは、例えば、リムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードすることができる。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム41と、通信制御モジュール43と、測位モジュール45とを含む。
【0045】
通信制御モジュール43は、UE3と他のノードとの間のシグナリングメッセージ及びアップリンク/ダウンリンクデータパケットの処理(生成/送信/受信)を行い、他のノードには、NTNノード5、(R)ANノード6、及びコアネットワークノードが含まれる。このシグナリングは、RRC setup、RRC (re)configuration、RRC resumption、RRC release、及び/又は新たなAMF/PLMNへのリダイレクトに関連する制御シグナリングを含み得る。
【0046】
(いくつかのUEでは任意である)測位モジュール45は、例えば、GNSS信号に基づいてUE3の位置を決定し、また、適切な場合には、他のノードに位置支援情報を提供する。
【0047】
NTNノード(衛星/UASプラットフォーム)
図3は、図1に示すNTNノード5(衛星/UASプラットフォーム)の主要な構成要素を示すブロック図である。図に示すように、NTNノード5は、トランシーバ回路51を含み、これは、1以上のアンテナ53を介して接続された1以上のUE3との間で信号を送受信し、また、ゲートウェイ及び基地局等の他のネットワークノードとの間で(直接又は間接的に)信号を送受信するように動作できる。コントローラ57は、メモリ59に記憶されたソフトウェアに従って、NTNノード5の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ59に予めインストールすることができ、及び/又は、通信ネットワーク1を介して、若しくは、例えば、リムーバブルデータストレージデバイス(RMD)から、ダウンロードすることができる。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム61と、通信制御モジュール63とを含む。
【0048】
通信制御モジュール63は、NTNノード5と他のノードとの間の信号を処理(生成/送信/受信)し、他のノードには、例えば、UE3、基地局6、ゲートウェイ、及び(基地局/ゲートウェイを介した)コアネットワークノードが含まれる。このシグナリングは、RRC setup、RRC (re)configuration、RRC resumption、RRC release、及び/又は新たなAMF/PLMNへのUEリダイレクトに関連する制御シグナリングを含み得る。
【0049】
基地局/ゲートウェイ(アクセスネットワークノード)
図4は、図1に示すゲートウェイ6(基地局(gNB)又は同様のアクセスネットワークノード)の主要な構成要素を示すブロック図である。図に示すように、ゲートウェイ/gNB6は、トランシーバ回路71を含み、これは、1以上のアンテナ73を介して接続された1以上のUE3との間の信号を送受信し、また、ネットワークインタフェース75を介して他のネットワークノードとの間で(直接又は間接的に)信号を送受信するように動作できる。信号は、1以上のUE3との間で、直接及び/又はNTNノード5を介して、適宜、送受信され得る。ネットワークインタフェース75は、典型的には、適切な基地局-基地局インタフェース(例えば、X2/Xn等)と、適切な基地局-コアネットワークインタフェース(例えば、S1/NG-C/NG-U等)を含む。コントローラ77は、メモリ79に記憶されたソフトウェアに従って、基地局6の動作を制御する。このソフトウェアは、メモリ79に予めインストールすることができ、及び/又は、通信ネットワーク1を介して、若しくは、例えば、リムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードすることができる。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム81と、通信制御モジュール83とを含む。
【0050】
通信制御モジュール83は、基地局6と他のノードとの間の信号を処理(生成/送信/受信)し、他のノードには、UE3、NTNノード5、及びコアネットワークノード等が含まれる。このシグナリングは、RRC setup、RRC (re)configuration、RRC resumption、RRC release、及び/又は新たなAMF/PLMNへのUEリダイレクトに関連する制御シグナリングを含み得る。
【0051】
詳細な説明
図5及び図6に示すシナリオを参照しながら、図1に示すシステムのノードによって実行されるいくつかの例示的な手続(解決手段1~3)について説明する。
【0052】
具体的には、図5に示すシナリオでは、基地局6(gNB)は、そのセル(図5の「セルA」)を介して複数の国又は複数のカバレッジ領域をサーブし、当該セルは、そのセルを介してサーブする国又はカバレッジ領域に関連付けられたそれぞれのPLMNの識別子をブロードキャストする。図6では、基地局6は、異なる国又はカバレッジ領域内のセルを制御し、各セルは、そのセルがサーブする少なくとも1つのPLMNの少なくとも1つの識別子をブロードキャストする。基地局6は、異なる国/エリア内のそれぞれのPLMN8-1及び8-2をサーブする異なるAMF9-1及び9-2に接続する。
【0053】
上述したシナリオでは、UE3は、セルを介して基地局とRRCコネクションを確立し、関連する国/地域/PLMNのAMFに登録する。図5及び図6に示す例では、UE3は(初めに)、基地局6の「セルA」を介してRRCコネクションを確立し、「カバレッジ領域X」又は「国X」(PLMN8-1)のAMF9-1に登録する。したがって、この場合、UE3は、いわゆるRRC Connected状態であり、関連するUEコンテキストが、サービング基地局6によって維持される。そして、UE3が解放されて、RRC Inactive状態になると、RRCコネクションが中断され、関連するUEコンテキストが、基地局6によって記憶される(これは、UEがRRC Inactive状態になると、UEの最後の/古いサービングgNBと称され得る)。
【0054】
その後、RRC Inactive状態又はRRC Connected状態において、UE3が、(図5では同じセル内、又は図6では新たなセル内の)別のカバレッジ領域に移動することがある。この例では、新たなカバレッジ領域をサーブするセルは、同じ基地局6に属する。
【0055】
新たな国又は新たなエリアにおいて不適切なUEコンテキストが使用されないようにするために、このシステムの複数のノードは、以下の解決手段の1以上を実行するように構成される。
【0056】
解決手段1
図7は、上述したシナリオにおいて、UEがRRC Idleに移行する例示的な方法の一例を示すシグナリング(タイミング)図である。
【0057】
初めに、UE3が、RRC Connected状態であり、基地局6(例えば、NG-RANのgNB)との間でRRCコネクションを有している。UE3は、(図7では「古いAMF」と表記されている)AMF9-1に登録されている。基地局6及びAMF7-1は、UEの現在のカバレッジ領域(例えば、図5及び図6の「国X」)をサーブする。
【0058】
ステップS1では、サービング基地局6(RANノード)は、UEのRRCコネクションを中断するための適切なパラメータを、UE3に送信する。この例では、基地局6は、該当する中断されたコンフィグレーション(設定)を含む、適切にフォーマットされた「RRCRelease」メッセージを生成して、UE3に送信する。
【0059】
UE3は、受信したコンフィギュレーション(設定)に基づいて、RRC Inactive状態に移行する。関連するUEコンテキストは、基地局6に記憶される。UEコンテキストは、UE3が現在登録されているAMF9-1がサーブするカバレッジ領域(国)に関連付けられ、又は、当該カバレッジ領域において有効である。
【0060】
UE3は、RRC Inactive状態の間、(例えば、定期的な位置測定を行うことにより、近くのセルの信号状態を監視することにより、及び/又は、近くのセルにおいて送信されたシステム情報を監視することにより)UE3の位置を監視する。この例では、UE3は、GNSS、MCC等を用いて、UE3の現在位置を決定する。
【0061】
このシステムの各セルは、少なくとも1つのカバレッジ領域/国をサーブすることが理解されるであろう。このシステムの複数のセルは、これらのセルが(例えば、関連するPLMN及び/又はMCCに基づいて)サーブするそれぞれのカバレッジ領域/国を識別する情報を、(例えば、関連するシステム情報において)ブロードキャストする。この情報は、PLMN識別子及び関連するMCCのリストとし得る。さらに、セルは、そのセルに関連する少なくとも1つのカバレッジ領域の境界を識別し/関連する情報を、システム情報の一部として、又は、上位レイヤを介してブロードキャストすることができる。この情報は、地図データ等として提供することができる。UE3は、セル内でブロードキャストされるPLMN識別子/MCCに基づいて、セルが、異なるPLMNの制御下で複数のカバレッジ領域(国)をサポートしているか否か検出するように構成されうる。
【0062】
UE3が、UE3が現在登録しているAMF9-1によりサーブされるカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域(新たな国)に移動したことを(ステップS3において)検出すると、UE3は、ステップS5に一般的に示すように、RRCコネクションを解放する。図から分かるように、この場合、UE3は、自らRRCコネクションを解放し、UE3は、RRC Idle状態に移行する(ステップS7)。新たなカバレッジ領域は、古いカバレッジ領域と同じセルによってサーブされ得ること、換言すると、UE3は、(例えば、図5の「セルA」内の)同じセル内に存在し得ることが理解されるであろう。
【0063】
ネットワーク側では、UE3が、(UEが所定の時間内にRRCコネクションを再開せず、位置情報の更新を行わないことを意味する)RRC Idle状態であるため、サービング基地局6と、古いサービングAMF9-1は、適切なUEコンテキスト解放手続(ステップS8)を実行して、古くなったUEコンテキストを解放し、基地局6のリソースを解放する。例えば、ネットワークに記憶されているUEコンテキストは、適切なタイマー(例えば、その値がPeriodicRNAU-TimerValueの情報要素によって与えられる「T310」タイマー、又は任意の適切なタイマー)の満了後に解放され得る。
【0064】
解決手段2
解決手段2の第1のオプションは、図7を参照して上述したステップS1~S7に基づくものであり、一方、第2のオプション及び第3のオプションは、図8に示されている。
【0065】
第1のオプションでは、UE3がRRCコネクションを解放した後(ステップS5)、現在のカバレッジ領域で使用するPLMNがあれば、それを決定する(ステップS10)。UE3は、適切なPLMNを選択し、UE3が現在存在するカバレッジ領域(又は国)に関連付けられた新たなAMF9-2への登録に進む。
【0066】
より詳細には、UE3は、UE3が保持している情報(例えば、PLMN及び対応するカバレッジ領域のリスト)に基づいて、適切なPLMNを選択する。新たに選択されたPLMNは、新たなAMF9-2によってサーブされるため、UE3は、図7のステップS12及びS13に一般的に示すように、新たなカバレッジ領域において(サービング基地局6を介して)適切なRRCセットアップ手続を実行し、新たなAMF9-2に登録する。この場合、基地局6を利用したUEコンテキスト解放手続は、RRCセットアップ(ステップS12)又は新たなAMF9-2に対するUE3の登録の後(又はそれに応じて)、実行し得ることは理解されるであろう。換言すると、ステップS8は、関連するタイマー(例えば、T310タイマー)が、基地局6/古いAMF9-1において、まだ動作しているか否かに関わらず、ステップS12/S13の後に実行され得る。UEコンテキスト解放手続は、基地局6又は新たなAMF9-2により、古いAMF9-1(又は、異なる場合には、古いサービング基地局6)に対して、開始され得る。
【0067】
図8は、UEをRRC Idleに移行させた後、新たなAMFに登録するための2つのオプション(オプション2及びオプション3)を概略的に示すシグナリング(タイミング)図である。
【0068】
第2のオプションでは、UE3が、以前に登録されていたカバレッジ領域/国と異なる新たなカバレッジ領域/国に移動した際に、サービングRANノード6は、UE3が自らRRCコネクションを解放することが許可される否かを、UE3に示す。この例では、この指示は、中断されたコンフィグレーションパラメータを含むRRCReleaseメッセージで送信されるが(ステップS1)、他の任意の適切なメッセージ(任意の適切なRRCメッセージ、システム情報ブロック等)を使用してもよい。
【0069】
ステップS1では、サービング基地局6は、1以上の適切な情報要素(IE:Information Element)を用いて、適切なUE release configurationを設定することにより、UE3が、以前に登録されていたエリアと異なる新たなカバレッジ領域に移動した(境界を超えた)場合に、UE3が、自らを解放することができる。例えば、RRCReleaseメッセージは、UE3がRRCコネクションを解放できるか否かを示すUE release configuration(例えば、uEReleaseAllowedIndication IE、uEReleaseLocationIndication IE等)を含み得る。情報要素は、適切なコンフィグレーションに応じて、「TRUE」/「FALSE」値(又は「1」/「0」)を含み、例えば、UE3がRRCコネクションの解放が許可された場合、「TRUE」/「1」に設定され、それ以外の場合、「FALSE」/「0」に設定され得る。
【0070】
例えば、(3GPP 技術仕様書 38.331に記載されている)RRCReleaseメッセージは、以下の情報要素を含むようにすることができる。
RRCRelease-vxyz-IEs ::= SEQUENCE {
uEReleaseAllowedIndication ENUMERATED {true} OPTIONAL, -- Need N
nonCriticalExtension SEQUENCE {} OPTIONAL
}
【0071】
uEReleaseLocationIndicationフィールドは(もし存在する場合)、UEが登録したAMFと異なる新たなAMFの制御下の新たなカバレッジ領域に移動する場合に、このUEがRRC release(すなわち、UE自体を解放して、RRC Idleに移行)をトリガするように、UEに示すフィールドとして定義することができる。
【0072】
ステップS2では、UE3は、RRC Inactive状態に移行し、その位置を(少なくともカバレッジ領域レベルにて)監視する。UE3が、その位置情報及び/又はそのセルに関連する少なくとも1つのカバレッジ領域の境界を識別/関連する情報に基づいて、UE3が現在登録されているAMF9-1がサーブするカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域(新たな国)に、UE3が移動したと(ステップS3において)判断した場合、UE3は、ステップS4に示すように、RRCコネクションを解放する手続を開始する。
【0073】
具体的には、release configurationが、UE3に対し、それを実行することを許可している場合(例えば、uEReleaseAllowedIndication IE又はuEReleaseLocationIndication IEが、RRCReleaseメッセージに含まれ、かつ、それが「TRUE」に設定されている場合)、UE3は、サービング基地局6へ適切な指示子を送信することにより、UE3自体の解放(RRC Idle状態への移行)をトリガする。例えば、UE3は、UE3がRRC connection releaseを要求している旨を示す情報要素(例えば、uEReleaseIndication IE)を送信することができる。この情報要素は、適切にフォーマットされたRRCResumeRequestメッセージに含まれ得る。UE3は、RRCResumeRequestメッセージ内に、適切な原因値を含めて、ネットワークに対し、UE3が、UEの現在位置に起因するRRCコネクションの解放を要求している旨を示すことができる(例えば、「位置に起因するUEの解放(UE Release due to location)」を表す原因値、「新たな位置/新たなカバレッジ領域へのUEの移動(UE movement into a new location / new coverage area)」を表す原因値、「UEのプリファレンス(嗜好)に起因する解放(Release due to UE preference)」を表す原因値、及び/又は「許可に起因するUEの解放(UE Release due to Allowance)」を表す原因値)。
【0074】
有利なことに、ネットワークは、UE3からのメッセージ(及び、その中に含まれる任意の情報要素)に基づき、関連するUEコンテキストを、(ステップS8において)適切なタイミングで解放することができる。ステップS9では、基地局6は、適切なシグナリングメッセージ(例えば、RRCReleaseメッセージ)を生成して送信することにより、UE3が、古いRRCコネクションの解放を許可されたことを確実にする。
【0075】
ステップS11に一般的に示すように、UE3は、UE3が新たなカバレッジ領域(又は国)に移動したことをネットワークに示した後にのみ、RRC Idle状態に移行する。
【0076】
第3のオプションは図8にも示されており、これは、第2のオプションの変形例である。図から分かるように、ステップS1~S4及びステップS8は、実質的に、第2のオプションと同じである。しかしながら、この例では、ステップS9に示すように、UE3がRRC Idle状態になると、基地局6は、UEの新たなカバレッジ領域をサーブする適切なAMFにUE3が登録されるのを支援するための適切なリダイレクト情報も提供する。この情報は、例えば、UEの現在のセル及び対応するカバレッジ領域によりサーブされるPLMNのリスト、並びに/又は、UEの現在のカバレッジ領域(もしくは国)をサーブするAMFのリスト(少なくとも1つのAMF)を含み得る。
【0077】
リダイレクト情報は、(ステップS9で送信される)RRCReleaseメッセージに含まれ、UE3は、この情報に基づき、適切なPLMNを選択する。UE3が、古いRRCコネクションを解放すると(ステップS11)、UE3は、図8のステップS12及びS13に示すように、(基地局6を介して)新たなカバレッジ領域において、適切なRRCセットアップ手続を開始し、そのカバレッジ領域をサーブする新たなAMF9-2に登録する。
【0078】
解決手段3
UE3がRRC Connected状態であっても、UE3は、そのRRCコネクションを解放し、又は、RRCコネクションを解放する手続を開始するように構成することができる。図9図11は、UE3が新たなカバレッジ領域(又は国)に移動した場合に、UEのRRCコネクションを解放するためのいくつかの可能な方法を概略的に示す。
【0079】
解決手段3の第1のオプションが、図9に示されている。このオプションは、図7を参照して上述した解決手段2の第1のオプションと同様である。しかしながら、ステップS1に一般的に示すように、この例では、UE3は、ネットワークに対するRRCコネクション(例えば、NG-RANのgNB等)が有効(アクティブ)であるため、UE3は、RRC Connected状態を維持する(ステップS2)。上述したように、UE3は、UEの現在のカバレッジ領域をサーブする(図9では「古いAMF」と表記されている)AMF9-1に登録される。関連するUEコンテキストは、UE3をサーブする基地局6において維持される。このUEコンテキストは、UE3が現在登録されているAMF9-1がサーブするカバレッジ領域(国)に関連するものであり、又は、当該カバレッジ領域において有効である。
【0080】
UE3は、RRC Connected状態の間、(例えば、定期的な位置測定を行うことにより、近くのセルの信号状態を監視することにより、及び/又は、現在のサービングセルを含む近くのセルにおいて送信されたシステム情報を監視することにより)その位置を監視する。この例では、UE3は、GNSS、MCC等を用いて、その現在位置を決定する。
【0081】
UE3は、(ステップS3において)現在登録されているAMF9-1がサーブするカバレッジ領域以外のカバレッジ領域(新たな国)に移動したことを検出すると、ステップS5に一般的に示すように、UE3は、RRCコネクションを解放する。図から分かるように、この場合、UE3は、ネットワークとシグナリングメッセージを交換することなく、単独でRRCコネクションを解放し、UE3は、RRC Idle状態に移行する(ステップS7)。古いカバレッジ領域及び新たなカバレッジ領域の双方が、同じセル(例えば、図5の「セルA」)によってサーブされることは理解されるであろう。
【0082】
ネットワーク側では、UE3が、(UEが所定の時間内にRRCコネクションを再開せず、位置情報の更新を行わないことを意味する)RRC Idle状態であるため、基地局6及び古いサービングAMF9-1は、適当なUEコンテキスト解放手続を実行し(ステップS8)、(例えば、適切な「T310」タイマー等の満了によって)UE3に関連するUEコンテキストを解放する。
【0083】
次に、ステップS10では、UE3は、現在のカバレッジ領域に使用するPLMNがあれば、それを決定する。図9のステップS12及びステップS13に一般的に示すように、UE3は、適切なPLMNを選択し、UE3が現在存在するカバレッジ領域(又は国)に関連付けられた新たなAMF9-2への登録に進み、これは、(サービング基地局6を介した)新たなカバレッジ領域における適切なRRCセットアップ手続を含む。適切なPLMNは、UE3が保持している情報(例えば、PLMN及び対応するカバレッジ領域のリスト)に基づいて選択され得る。基地局6を利用したUEコンテキスト解放手続(ステップS8)は、RRCセットアップ(ステップS12)又は新たなAMF9-2へのUE3の登録(ステップS13)の後(又はそれに応じて)実行され得ることは理解されるであろう。
【0084】
図10及び図11は、UE3が新たなカバレッジ領域(新たな国)に移動するときに、UE3をRRC Connected状態からRRC Idle状態に移行するためのいくつかの追加のオプションを概略的に示すシグナリング(タイミング)図である。オプション2及びオプション4は、図8を参照して上述したオプション2と同様であり、オプション3及びオプション5は、図8のオプション3と同様である。しかしながら、図10及び11では、UE3が、RRCコネクションを解放する手続を開始する際、UE3は、RRC Connected状態である。
【0085】
ステップS1~S3は、図10及び図11に示す全てのオプションに共通であることが理解されるであろう。ステップS1に示すように、UE3は初め、RRC Connected状態である。したがって、UE3は、基地局6(例えば、NG-RANのgNB)との間でRRCコネクションを有しており、UE3は、UEの現在のカバレッジ領域(例えば、図5及び図6の「国X」)をサーブするAMF9-1に登録される。
【0086】
ステップS2では、サービング基地局6は、1以上の適切な情報要素(IE)を用いて、適切なUE release configurationを設定することにより、UE3が、以前に登録されていたエリアと異なる新たなカバレッジ領域に移動した(境界を超えた)場合に、UE3が、自らを解放することができる。この例では、UE release configurationは、適切にフォーマットされたRRCReconfigurationメッセージにおいて、UE3へ送信される。例えば、メッセージは、図8のステップS1のRRCReleaseメッセージに含まれる情報要素と同様に、uEReleaseAllowedIndication IE又はuEReleaseLocationIndication IEを含み得る。
【0087】
UE3は、その位置を(少なくともカバレッジ領域レベルにて)監視し、UE3の位置情報及び/又は当該セルに関連付けられた少なくとも1つのカバレッジ領域の境界を識別/関連する情報に基づいて、UE3が現在登録しているAMF9-1が提供するカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域(新たな国)にUE3が移動したと(ステップS3にて)判断した場合、UE3は、ステップS5に示すように、RRCコネクションを解放する手続を開始する。
【0088】
オプション2では、ステップS5は、UE3が、UE3が位置の変化に起因してRRCコネクションを解放している旨の指示子(この場合は、新たなRRCメッセージ)を送信するステップを含む。実質的に、UE3は、解放しRRC Idle状態へ移行することを自らトリガする。具体的には、release configurationが、UE3に対し、それを実行することを許可している場合(例えば、RRCReconfigurationメッセージが、「TRUE」に設定されたuEReleaseAllowedIndication IE又はuEReleaseLocationIndication IEを含む場合)、UE3は、この指示子を、サービング基地局6に送信する。図8のステップS4を参照して説明したように、RRCメッセージは、UE3がRRC connection releaseを要求している旨を示す情報要素(例えば、uEReleaseIndication IE)を含み得る。また、RRCメッセージは、ネットワークに対し、UE3がUEの現在位置に起因してRRCコネクションの解放を要求している旨を示す適切な原因値(例えば、「位置に起因するUEの解放(UE Release due to location)」を表す原因値、「新たな位置/新たなカバレッジ領域へのUEの移動(UE movement into a new location / new coverage area)」を表す原因値、「UEのプリファレンス(嗜好)に起因する解放(Release due to UE preference)」を表す原因値、及び/又は「許可に起因するUEの解放(UE Release due to Allowance)」を表す原因値)を含み得る。
【0089】
有利なことに、ネットワークは、UE3からのメッセージ(及び、その中に含まれる任意の情報要素)に基づいて、関連するUEコンテキストを、適切なタイミングで解放することができる(ステップS8)。ステップS9では、基地局6は、適切なシグナリングメッセージ(例えば、RRCReleaseメッセージ)を生成して送信することにより、UE3が、その古いRRCコネクションを解放することが許可されていることを確実にする。
【0090】
ステップS11に一般的に示すように、UE3は、UE3が新たなカバレッジ領域(又は国)に移動した旨をネットワークに示した後にのみ、RRC Idle状態に移行する。
【0091】
ここで、図10のオプション3を参照すると、ステップS5及びS8は、上記と同じである。しかしながら、この場合、基地局6は、UEの新たなカバレッジ領域をサーブする適切なAMFへのUE3の登録を支援するための適切なリダイレクト情報も提供する。この情報は、例えば、UEの現在のセル及び対応するカバレッジ領域がサーブするPLMNのリスト、及び/又は、UEの現在のカバレッジ領域(又は国)をサーブするAMF(少なくとも1つのAMF)のリストを含み得る。
【0092】
リダイレクト情報は、(ステップS9で送信された)RRCReleaseメッセージに含まれており、UE3は、この情報に基づき、適切なPLMNを選択する。UE3が、古いRRCコネクションを解放すると(ステップS11)、UE3は、(基地局6を介して)新たなカバレッジ領域において適切なRRCセットアップ手続を開始し、図10のステップS12及びS13に示すように、そのカバレッジ領域をサーブする新たなAMF9-2に登録する。
【0093】
オプション4及びオプション5は、それぞれオプション2及びオプション3と実質的に同じである。しかしながら、図11に示すように、ステップS5でUE3が送信するメッセージは、RRCコネクションの解放をトリガ(してRRC Idle状態へ移行)するためのUEAssistanceInformationメッセージを含み得る。実質的に、UE3は、UE支援情報メッセージを用いて、所望のRRC状態(この場合、RRC Idle状態)をネットワークに示すことができる。
【0094】
UEの所望のRRC状態は、UE支援情報メッセージ内のpreferredRRC-Stateの情報要素を用いて、示すことができる。UE3が、RRC Connected状態を解放され、RRC Idle状態への移行を所望する場合、preferredRRC-Stateの情報要素は、値「idle」が設定され得る。または、UE3が、RRC Connected状態を解放され、RRC Inactive状態に移行することを所望する場合、値「inactive」を示し得る。適切であれば、UEが、RRC Connected状態を維持するために、以前の指示を戻すことを所望する場合、値「connected」を使用してもよい。UE3が、RRC Connected状態の解放を所望し、かつ、移行するための所望のRRC状態が無い旨を示すために、値「outOfConnected」を使用してもよい。したがって、ステップS11におけるUEの状態は、UEのプリファレンス(嗜好)、すなわち、preferredRRC-Stateの情報要素の値に依存し得る。
【0095】
利点
上述した解決手段により、新たな国又はエリアにおいて不適切なUEコンテキストの使用を防ぐことができる。また、UEが新たなカバレッジ領域のセルにアクセスしようとしたときの失敗に起因するシグナリングのオーバーヘッドを削減することもできる。
【0096】
変更例及び代替例
以上、詳細な実施形態について説明した。当業者であれば理解できるように、上述した実施形態には、多くの変更例及び代替例が可能である一方、上述した実施形態に具現化された発明の利益を受けることができる。例示として、これらの多くの代替例及び変更例の一部について説明する。
【0097】
上述した実施形態は、5G New Radio及びLTEシステム(E-UTRAN)の双方に適用できることが理解されるであろう。E-UTRAN/4Gプロトコルをサポートする基地局(ゲートウェイ)を「eNB」は称され、次世代/5Gプロトコルをサポートする基地局は「gNB」と称される。いくつかの基地局は、4G及び5Gプロトコル、及び/又は他の3GPPの通信プロトコル又は3GPPでない通信プロトコルの双方をサポートするように構成できることが理解されるであろう。
【0098】
3GPP 技術レポート 38.857 V18.0.0のセクション10.1は、RRC_INACTIVE状態のUEの測位に関する情報をさらに提供している。要約すると、次の測位技術について検討されている。
-ダウンリンク(DL)、アップリンク(UL)、並びに、ダウンリンク及びアップリンクの測位方法、
-UEに基づく及びUEが支援する測位手段、
-RRC_inactive状態のUEについてのUEの測位のサポート、
-ダウンリンク測位参照信号(DL-PRS:Downlink Positioning Reference Signal)又はダウンリンク測位参照信号及び同期信号ブロック(SSB:Synchronization Signal Block)を含む検討可能なオプション、
-RRC_inactive状態のUEのgNBの位置測定のサポート。
RRC_INACTIVE状態のUEの測位を可能にするために、以下の方法を使用できる。
-アップリンク測定用のアップリンク参照信号(例えば、測位ための測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signals)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブル)、
-支援データの送信、ダウンリンク測位参照信号の設定、測位リソース設定用のダウンリンク参照信号、測定レポートを、サポートするためのシグナリング及び手続、これらは、既存のシグナリング及び手続の拡張に基づいて開発することができる(例えば、既存の2つのステップ及び/又は4つのステップの物理ランダムアクセスチャネル手続、ページング手続、スモールデータ通信等)。
【0099】
RRC_INACTIVEにおけるダウンリンクの測位については、以下の手続を使用できる。
-UEがRRC_INACTIVEの場合、RRC_INACTIVEにおいて実行されるダウンリンク測位参照信号の測定及び/又は位置推定のレポート、
-UEがRRC_INACTIVEの場合に、RRC_INACTIVEにおいて実行されるダウンリンク測位参照信号の測定及び/又は位置推定のレポートは、RRC_INACTIVEにおけるスモールデータ通信を拡張することによって可能になる、
-RRC_INACTIVEにおけるブロードキャストによる支援データの送信のための、RRC_INACTIVEにおけるオンデマンドシステム情報要求、
-RRC_INACTIVEのダウンリンク測位で使用されるダウンリンク測位参照信号の構成のための、RRC_CONNECTEDにおける提供支援データ(ProvideAssistanceData)、
-要求位置情報(RequestLocationInformation)は、RRC_INACTIVEにおいて実行されるダウンリンク測位参照信号の測定又は位置推定のために、RRC_CONNECTEDにおいて送信され得る。
【0100】
UEは、上記の技術のいずれかを用いて、その位置を算出するように構成ができ、UEは、それに応じて、位置支援情報を提供できることが理解されるであろう。
【0101】
上記説明では、RRCReleaseメッセージ及びRRCReconfigurationメッセージは、UEが境界を越えたときに、UEがRRCコネクションを解放することを許可されている旨をUEに示すための、UEReleaseAllowedIndication IE又はuEReleaseLocation Indication IEが含まれる。しかしながら、release configurationは、他の任意の適切なメッセージ及び/又は他の任意の適切な情報要素を用いて、提供され得ることは理解されるであろう。
【0102】
【表1】
【0103】
5GシステムでにおいてNTNを実装するための様々なアーキテクチャのオプションが存在し得る理解されるであろう。その一部が、図12に概略的に示されている。第1のオプションは、UEをサーブするアクセスネットワークを特徴とするNTNであり、ベントパイプペイロード及び地上(衛星ハブ又はゲートウェイレベル)のgNBと、衛星/航空機に基づく。第2のオプションは、UEをサーブするアクセスネットワークを特徴とするNTNであり、gNBと、衛星/航空機に基づく。第3のオプションは、リレーノードを提供するアクセスネットワークを特徴とするNTNであり、ベントパイプペイロードと、衛星/航空機に基づく。第4のオプションは、リレーノードを提供するアクセスネットワークを特徴とするNTNであり、gNBと、衛星/航空機に基づく。他のアーキテクチャのオプション、例えば、上記オプションの2以上の組み合わせを採用できることは理解されるであろう。代替的に、中継ノードは、衛星/UASを含んでもよい。
【0104】
上記の説明では、理解し易いように、UE、NTNノード(衛星/UASプラットフォーム)、及びアクセスネットワークノード(基地局)が、複数の個別のモジュール(通信制御モジュール等)を有するものとして説明している。これらのモジュールは、特定の応用、例えば、本発明を実施するために既存のシステムが修正された場合等については、このように提供することができるが、他の応用、例えば、初めから本発明の特徴を有するように設計されたシステムでは、これらのモジュールは、オペレーティングシステム又はコードの全体に組み込まれるため、これらのモジュールは、個別のエンティティとして識別されない可能性がある。これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにおいても実装され得る。
【0105】
各コントローラは、任意の適切な形態の処理回路を含むことができ、これは、1以上のハードウェアが実装するコンピュータプロセッサと、マイクロプロセッサと、中央処理装置(CPU)と、演算装置(ALU)と、入出力(IO)回路と、内部メモリ/キャッシュ(プログラム及び/又はデータ)と、処理レジスタと、通信バス(例えば、制御バス、データバス及び/又はアドレスバス)と、ダイレクトメモリアクセス(DMA)機能、ハードウェア又はソフトウェアが実装するカウンタ、ポインタ、及び/又はタイマー等を含む(しかしながら、これらに限定されない)。
【0106】
上述した実施形態では、多くのソフトウェアモジュールについて説明した。当業者であれば理解できるように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形式又はコンパイルされていない形式で提供され、また、コンピュータネットワーク又は記録媒体を介して、信号として、UE、NTNノード、及びアクセスネットワークノード(基地局)に提供することができる。さらに、このソフトウェアの一部又は全部によって実行される機能は、1以上の専用ハードウェア回路を用いて実行することができる。しかしながら、ソフトウェアモジュールは、UE、NTNノード、及びアクセスネットワークノード(基地局)の機能の更新を容易にするため、ソフトウェアモジュールを使用することが好ましい。
【0107】
上述した実施形態は、「非移動式」又は通常は固定されたUEにも適用できる。上述したモバイル装置は、MTC/IoT装置等を備え得る。
【0108】
UEによって実行される方法は、UEの現在のセルによってサーブされる少なくとも1つのそれぞれのカバレッジ領域に関連する少なくとも1つの公衆陸上移動体通信網(PLMN)及び/又は少なくとも1つのモバイルカントリーコード(MCC)を識別する情報を取得するステップと、取得された情報(例えば、システム情報)に基づいて、UEの現在位置が、第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断するステップとをさらに含み得る。
【0109】
UEによって実行される方法は、UEの現在のセルによってサーブされる少なくとも1つのカバレッジ領域の境界に関する情報を取得するステップと、境界に関する情報に基づいて、UEの現在位置が、第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断するステップとをさらに含み得る。
【0110】
UEによって実行される方法は、UEが、UEの位置に基づいてRRCコネクションを解放することを許可されている旨を示す情報(例えば、「uEReleaseAllowedIndication」又は「uEReleaseLocationIndication」の情報要素)を受信するステップをさらに含み得る。この情報は、RRCReleaseメッセージ又はRRCReconfigurationメッセージにおいて受信することができる。
【0111】
RRCコネクションの解放は、UEが、(例えば、uEReleaseIndicationの情報要素を用いて)RRC connection releaseを要求している旨、及び、(例えば、preferredRRC-Stateの情報要素を用いた)所望のRRC状態の少なくとも一方を示す情報を、ネットワークノードへ送信するステップを含む。この情報は、RRCメッセージ(例えば、RRCResumeRequestメッセージ又はUEAssistanceInformationメッセージ)に含まれ得る。この情報は、RRCコネクションを解放する原因を示す原因値(例えば、「位置に起因するUEの解放(UE Release due to location)」を表す原因値、「新たな位置/新たなカバレッジ領域へのUEの移動(UE movement into a new location / new coverage area)」を表す原因値、「UEのプリファレンス(嗜好)に起因する解放(Release due to UE preference)」を表す原因値、及び/又は「許可に起因するUEの解放(UE Release due to Allowance)」を表す原因値)を含み得る。
【0112】
UEによって実行される方法は、異なるカバレッジ領域をサーブするセルを介してRRCコネクションをセットアップするステップと、UEが保持するPLMN及び対応するカバレッジ領域のリストに基づいて、そのカバレッジ領域に関連付けられたモビリティ管理のためのPLMN及び/又はコアネットワークノードを選択するステップをさらに含み得る。
【0113】
UEによって実行される方法は、UEを、UEの位置に関連付けられたモビリティ管理のためのPLMN及び/又はコアネットワークノードにリダイレクトするための情報を受信するステップと、UEをリダイレクトするための情報に基づき、異なるカバレッジ領域をサーブするセルを介して、RRCコネクションをセットアップするステップとをさらに含み得る。この方法は、UEを、UEの位置に関連付けられたAMF/PLMNにリダイレクトするための前記情報を含むRRCReleaseメッセージ又はRRCRejectメッセージを受信するステップを含むことができる。
【0114】
UEの現在位置が第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断するステップは、全地球航法衛星システム(GNSS)に基づく位置、及びUEに関連するMCCの少なくとも一方に基づくことができる。
【0115】
ネットワークノードによって実行される方法は、UEからメッセージを受信した後、第1のカバレッジ領域に関連するUEコンテキストの解放をトリガするステップをさらに含み得る。
【0116】
ネットワークノードによって実行される方法は、ネットワークノードのセルによってサーブされる少なくとも1つのそれぞれのカバレッジ領域に関連する少なくとも1つの公衆陸上移動体通信網(PLMN)及び/又は少なくとも1つのモバイルカントリーコード(MCC)を識別する情報を送信するステップをさらに含み得る。
【0117】
ネットワークノードによって実行される方法は、ネットワークノードのセルによってサーブされる少なくとも1つのカバレッジ領域の境界に関する情報をUEに送信するステップをさらに含み得る。
【0118】
ネットワークノードによって実行される方法は、(例えば、「uEReleaseAllowedIndication」又は「uEReleaseLocationIndication」の情報要素を用いたRRCReleaseメッセージ又はRRCReconfigurationメッセージにおいて)UEの位置に基づいてUEがRRCコネクションを解放することを許可されている旨を示す情報をUEに送信するステップをさらに含み得る。
【0119】
ネットワークノードによって実行される方法は、UEを、UEの位置に関連付けられたモビリティ管理のためのPLMN及び/又はコアネットワークノードにリダイレクトするための情報をUEに送信するステップをさらに含み得る。
【0120】
ネットワークノードによって実行される方法は、UEを、UEの位置に関連付けられたAMF/PLMNにリダイレクトするために、RRCReleaseメッセージ又はRRCRejectメッセージをUEに送信するステップを含み得る。
【0121】
第1のカバレッジ領域に関連するRRCコネクションは、中断されたRRCコネクション又は有効なRRCコネクションとし得る。
【0122】
他の様々な変形例は、当業者には明らかであり、ここでは、これ以上詳細に説明しない。
【0123】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0124】
本出願は、2021年4月15日に出願された英国特許出願第2105402.8号公報、及び2021年5月6日に出願された英国特許出願第2106477.9号公報に基づき、それらの優先権の利益を主張し、これらの出願の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0125】
付記
例えば、上記の例示的な実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、前記方法は、
前記UEの現在位置が、第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断するステップと、
前記UEの現在位置に基づいて、前記RRCコネクションを解放するステップと
を含む、方法。
(付記2)
前記UEの現在のセルによってサーブされる少なくとも1つのそれぞれのカバレッジ領域に関連する少なくとも1つの公衆陸上移動体通信網(PLMN)及び/又は少なくとも1つのモバイルカントリーコード(MCC)を識別する第1の情報を取得するステップをさらに含み、
前記判断は、前記第1の情報に基づいて行われる、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記UEの現在のセルによってサーブされる少なくとも1つのカバレッジ領域の境界に関する第2の情報を取得するステップをさらに含み、
前記判断は、前記第2の情報に基づいて行われる、付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
前記UEの位置に基づいて前記UEが前記RRCコネクションを解放することが許可されている旨を示す第3の情報を受信するステップをさらに含む、付記1~3のいずれか1項に記載の方法。
(付記5)
前記第3の情報は、RRCReleaseメッセージ又はRRCReconfigurationメッセージに含まれる、付記4に記載の方法。
(付記6)
前記RRCコネクションを解放するステップは、第4の情報をネットワークノードに送信するステップを含み、
前記第4の情報は、前記UEがRRC connection releaseを要求している旨、及び所望のRRC状態のうちの少なくとも一方を示す、付記1~5のいずれか1項に記載の方法。
(付記7)
前記第4の情報は、RRCメッセージに含まれる、付記6に記載の方法。
(付記8)
前記第4の情報は、前記RRCコネクションを解放する原因を示す原因値を含む、付記6又は7に記載の方法。
(付記9)
前記異なるカバレッジ領域をサーブするセルを介して、RRCコネクションを設定するステップと、
前記UEが有する公衆陸上移動体通信網及び対応するカバレッジ領域のリストに基づいて、前記カバレッジ領域に関連付けられたモビリティ管理のための公衆陸上移動体通信網及び/又はコアネットワークノードを選択するステップと
をさらに含む、付記1~8のいずれか1項に記載の方法。
(付記10)
前記UEを、前記UEの位置に関連付けられたモビリティ管理のための公衆陸上移動体通信網及び/又はコアネットワークノードにリダイレクトするための第5の情報を受信するステップと、
前記UEをリダイレクトするための情報に基づいて、前記異なるカバレッジ領域をサーブするセルを介して、RRCコネクションを設定するステップと
をさらに含む、付記1~8のいずれか1項に記載の方法。
(付記11)
第5の情報を含むRRCReleaseメッセージ又はRRCRejectメッセージを受信するステップを含む、付記10に記載の方法。
(付記12)
前記UEの現在位置が、前記第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断するステップは、全地球航法衛星システム(GNSS)に基づく位置、及び前記UEに関連するモバイルカントリーコードの少なくとも一方に基づく、付記1~11のいずれか1項に記載の方法。
(付記13)
複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードによって実行される方法であって、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、前記方法は、
前記UEから、前記UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放する手続を開始する第1のメッセージを受信するステップと、
前記UEの位置に基づいて前記RRCコネクションを解放する第2のメッセージを、前記UEに送信するステップと
を含む、方法。
(付記14)
前記UEから前記第1のメッセージを受信した後、前記第1のカバレッジ領域に関連するUEコンテキストの解放をトリガするステップをさらに含む、付記13に記載の方法。
(付記15)
前記ネットワークノードのセルによってサーブされる少なくとも1つのそれぞれのカバレッジ領域に関連する少なくとも1つの公衆陸上移動体通信網(PLMN)及び/又は少なくとも1つのモバイルカントリーコード(MCC)を識別する第1の情報を送信するステップをさらに含む、付記13又は14に記載の方法。
(付記16)
前記ネットワークノードのセルによってサーブされる少なくとも1つのカバレッジ領域の境界に関する第2の情報を、前記UEに送信するステップをさらに含む、付記13~15のいずれか1項に記載の方法。
(付記17)
前記UEの位置に基づいて前記UEが前記RRCコネクションを解放することが許可された旨を示す第3の情報を、前記UEに送信するステップをさらに含む、付記13~16のいずれか1項に記載の方法。
(付記18)
前記第1のメッセージは、第4の情報を含み
前記第4の情報は、前記UEがRRC connection releaseを要求している旨、及び所望のRRC状態の少なくとも一方を示す、付記13~17のいずれか1項に記載の方法。
(付記19)
前記第4の情報は、RRCメッセージに含まれる、付記18に記載の方法。
(付記20)
前記第4の情報は、前記RRCコネクションを解放する原因を示す原因値を含む、付記18又は19に記載の方法。
(付記21)
前記UEを、前記UEの位置に関連するモビリティ管理のための公衆陸上移動体通信網及び/又はコアネットワークノードにリダイレクトするための第5の情報を、前記UEに送信するステップをさらに含む、付記13~20のいずれか1項に記載の方法。
(付記22)
前記第5の情報を含むRRCReleaseメッセージ又はRRCRejectメッセージを、前記UEに送信するステップを含む、付記21に記載の方法。
(付記23)
複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)であって、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連するRRC(RRC)コネクションを有し、
前記UEの現在位置が第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断する手段と、
前記UEの現在位置に基づいて、RRCコネクションを解放する手段と
を備えた、UE。
(付記24)
複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードであって、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、
前記UEから、前記UEの現在位置に基づいてRRCコネクションを解放する手続を開始するメッセージを受信する手段と、
前記UEの位置に基づいてRRCコネクションを解放するメッセージを、前記UEに送信する手段と
を備えた、ネットワークノード。
(付記25)
プログラムが記憶されたコンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体であって、前記プログラムは、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介して通信するように構成されたユーザ機器(UE)によって実行され、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、前記プログラムは、前記UEに対し、
前記UEの現在位置が、前記第1のカバレッジ領域と異なるカバレッジ領域にあると判断させ、
前記UEの現在位置に基づいて、前記RRCコネクションを解放させる、
コンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体。
(付記26)
プログラムが記憶されたコンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体であって、前記プログラムは、複数のセルを含む非地上系ネットワークを介してユーザ機器(UE)と通信するように構成されたネットワークノードによって実行され、前記UEは、第1のカバレッジ領域に関連する無線リソース制御(RRC)コネクションを有し、前記プログラムは、前記ネットワークノードに対し、
前記UEから、前記UEの現在位置に基づいて前記RRCコネクションを解放する手続を開始するメッセージを受信させ、
前記UEの位置に基づいて前記RRCコネクションを解放するメッセージを前記UEへ送信させる、
コンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体。
【符号の説明】
【0126】
1 移動通信システム
3 ユーザ機器
5 衛星
6 ゲートウェイ
7 データネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非地上系ネットワークを介して通信するよう構成されるユーザ機器(User Equipment;UE)であって、
第一のカバレッジ領域に関する無線リソース制御(Radio Resource Control; RRC)コネクションを中断するためのメッセージを受信する手段と、
前記UEの現在の位置が、前記第一のカバレッジ領域とは異なるカバレッジ領域にあると決定する手段と、
前記UEの前記現在の位置に基づいて前記中断されたRRCコネクションを解放する手段と、
を備える、UE。
【請求項2】
前記異なるカバレッジ領域に関する、公衆陸上移動体通信網(Public Land Mobile Network; PLMN)及び/又はモバイル国コード(Mobile Country Code; MCC)を識別する第1の情報を得る手段を備え、
前記決定する手段は、前記第1の情報に基づいて決定するよう構成される、
請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記異なるカバレッジ領域の境界に関する第2の情報を得る手段を備え、
前記決定する手段は、前記第2の情報に基づいて決定するよう構成される、
請求項1又は2に記載のUE。
【請求項4】
前記UEの前記位置に基づいて前記中断されたRRCコネクションを解放することを許可されていることを示す第3の情報を受信する手段を備える、
請求項1又は2に記載のUE。
【請求項5】
前記第3の情報はRRCReleaseメッセージ又はRRCReconfigurationメッセージに含まれている、
請求項4に記載のUE。
【請求項6】
前記解放する手段は、ネットワークノードに、
前記UEがRRC connection releaseを要求していること、及び
優先RRC状態
の少なくともいずれかを示す第4の情報を送信するよう構成される、
請求項1又は2に記載のUE。
【請求項7】
前記第4の情報はRRCメッセージに含まれている、
請求項6に記載のUE。
【請求項8】
前記第4の情報は、前記中断されたRRCコネクションを解放するための理由を示す原因値を含む、
請求項6に記載のUE。
【請求項9】
前記異なるカバレッジ領域をサーブするセルを介して他のRRCコネクションを設定する手段と、
前記UEが保有している、PLMN及び対応するカバレッジ領域のリストに基づいて、前記異なるカバレッジ領域に関連付けられているPLMN及び/又はモビリティ管理用のコアネットワークノードを選択する手段と、を備える、
請求項1又は2に記載のUE。
【請求項10】
前記UEの前記位置に関連付けられているPLMN及び/又はモビリティ管理用のコアネットワークノードへ前記UEをリダイレクトするための第5の情報を受信する手段と、
前記第5の情報に基づいて、前記異なるカバレッジ領域をサーブするセルを介して他のRRCコネクションを設定する手段と、を備える、
請求項1又は2に記載のUE。
【請求項11】
前記第5の情報はRRCReleaseメッセージ又はRRCRejectメッセージに含まれている、
請求項10に記載のUE。
【請求項12】
前記決定する手段は、
全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System; GNSS)ベースの位置、及び
前記UEに関連付けられているMCC
の少なくともいずれかに基づいて決定するよう構成される、
請求項1又は2に記載のUE。
【請求項13】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(User Equipment;UE)と通信するよう構成されるネットワークノードであって、
第一のカバレッジ領域に関する無線リソース制御(Radio Resource Control; RRC)コネクションを中断するためのメッセージを前記UEに送信する手段と、
前記UEの現在の位置に基づいて前記中断されたRRCコネクションを解放するための手続を開始する第1のメッセージを前記UEから受信する手段と、
前記UEの前記現在の位置に基づいて前記中断されたRRCコネクションを解放する第2のメッセージを前記UEに送信する手段と、
を備える、ネットワークノード。
【請求項14】
非地上系ネットワークを介して通信するよう構成されるユーザ機器(User Equipment;UE)における方法であって、
第一のカバレッジ領域に関する無線リソース制御(Radio Resource Control; RRC)コネクションを中断するためのメッセージを受信することと、
前記UEの現在の位置が、前記第一のカバレッジ領域とは異なるカバレッジ領域にあると決定することと、
前記UEの前記現在の位置に基づいて前記中断されたRRCコネクションを解放することと、
を含む、方法。
【請求項15】
非地上系ネットワークを介してユーザ機器(User Equipment;UE)と通信するよう構成されるネットワークノードにおける方法であって、
第一のカバレッジ領域に関する無線リソース制御(Radio Resource Control; RRC)コネクションを中断するためのメッセージを前記UEに送信することと、
前記UEの現在の位置に基づいて前記中断されたRRCコネクションを解放するための手続を開始する第1のメッセージを前記UEから受信することと、
前記UEの前記現在の位置に基づいて前記中断されたRRCコネクションを解放する第2のメッセージを前記UEに送信することと、
を含む、方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
3GPP 技術レポート 38.857 V1.0.0のセクション10.1は、RRC_INACTIVE状態のUEの測位に関する情報をさらに提供している。要約すると、次の測位技術について検討されている。
-ダウンリンク(DL)、アップリンク(UL)、並びに、ダウンリンク及びアップリンクの測位方法、
-UEに基づく及びUEが支援する測位手段、
-RRC_inactive状態のUEについてのUEの測位のサポート、
-ダウンリンク測位参照信号(DL-PRS:Downlink Positioning Reference Signal)又はダウンリンク測位参照信号及び同期信号ブロック(SSB:Synchronization Signal Block)を含む検討可能なオプション、
-RRC_inactive状態のUEのgNBの位置測定のサポート。
RRC_INACTIVE状態のUEの測位を可能にするために、以下の方法を使用できる。
-アップリンク測定用のアップリンク参照信号(例えば、測位ための測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signals)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブル)、
-支援データの送信、ダウンリンク測位参照信号の設定、測位リソース設定用のダウンリンク参照信号、測定レポートを、サポートするためのシグナリング及び手続、これらは、既存のシグナリング及び手続の拡張に基づいて開発することができる(例えば、既存の2つのステップ及び/又は4つのステップの物理ランダムアクセスチャネル手続、ページング手続、スモールデータ通信等)。
【国際調査報告】