(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】医療及び投薬を管理するためのユーザボディ体積の予測
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20240313BHJP
【FI】
G16H50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561375
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 IB2022000191
(87)【国際公開番号】W WO2022214872
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523354233
【氏名又は名称】アドバンスト ヘルス インテリジェンス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ボサナック ヴラド
(72)【発明者】
【氏名】エル-サーラム アマール
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
いくつかの実施例では、携帯電話などの装置は、カメラ、プロセッサ及びコンピュータ可読媒体を含んでもよい。カメラは、人の1つ以上の画像を取り込む。プロセッサは、機械学習モデルを使用して、取り込まれた画像に基づいてその人のボディ体積を予測してもよい。少なくとも複数のユーザ画像を含むトレーニングデータセットに基づいて、モデルをトレーニングしてもよい。装置は、予測されたボディ体積を投薬及び医療管理システムに送信し、調整された投薬又は医療計画を該システムから受信してもよい。装置は更に、調整した投薬又は医療計画を実行することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
機械学習モデル及び被験者の1つ以上の画像を使用してボディ体積情報を予測するステップと、
前記ボディ体積情報に基づく医療計画を受信するステップと、
受信された前記医療計画を実行するステップと、を実行させる、装置。
【請求項2】
前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
予測された前記ボディ体積情報を通信リンクを介して薬物治療管理システムに送信するステップと、
前記医療計画を前記薬物治療及び投薬管理システムから受信するステップと、を更に実行させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記機械学習モデルは、ボディ体積モデルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、機械学習ネットワークを使用して、複数のユーザ画像を含むトレーニングデータセットに少なくとも基づいて前記機械学習モデルをトレーニングするステップを更に実行させる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記医療計画を薬物調剤サーバに送信することにより、受信された前記医療計画を実行するステップを更に実行させる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
プロセッサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
通信リンクを介してユーザ装置からユーザボディ体積データを受信するステップと、
受信された前記ユーザボディ体積データに基づいて医療計画を調整するステップと、
調整された医療を前記ユーザ装置に送信するステップと、を実行させる、装置。
【請求項7】
前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
前記ユーザ装置からユーザデータを受信するステップと、
受信された前記ユーザボディ体積データに更に基づいて前記医療計画を調整するステップと、を更に実行させる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ユーザボディ体積データは、一定期間にわたるボディ体積の変化を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記ユーザボディ体積データは、体脂肪、ボディマス又は骨ミネラル濃度のうちの1つ以上を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ユーザボディ体積データは、体脂肪の分布を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
患者の治療を決定する方法であって、
前記患者の画像を取得するステップと、
前記画像から抽出された情報に基づいて、前記患者を治療するための推奨を提供するステップと、を含む、方法。
【請求項12】
前記画像は、前記患者の身体の外見を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記治療は、前記患者に投与される投薬量又は投薬量の変化を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記投薬量の薬物は、がん薬物を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記画像を取得するステップは、画像取込装置を用いて写真を撮るステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記患者が前記写真を撮る、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記患者の写真を、約400ナノメートル~約700ナノメートルの電磁波長を有する可視光スペクトルで撮る、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記画像から抽出された情報は、前記患者のボディ体積情報を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記画像から抽出された情報は、前記患者の体格指数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記画像から抽出された情報は、前記患者のボディ体積指数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
可視スペクトルで画像を取り込む画像取込装置と、
前記画像取込装置により取り込まれた少なくとも1つの画像からボディ体積情報を抽出するボディ体積評価装置と、
前記ボディ体積評価装置により抽出されたボディ体積情報に基づいて治療推奨を提供する医療推奨装置と、を含む、患者の治療を管理するシステム。
【請求項22】
前記ボディ体積評価装置は、
プロセッサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
機械学習モデルと前記画像取込装置により取り込まれた1つ以上の画像を使用して前記ボディ体積情報を予測するステップを実行させる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記医療推奨装置は、
プロセッサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、前記プログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
前記ボディ体積評価装置から前記ボディ体積情報を受信するステップと、
前記ボディ体積評価装置により抽出されたボディ体積情報に基づいて前記治療推奨を決定するステップと、
治療提供者に前記治療推奨を提供するステップと、を実行させる、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年4月5日に出願された「PREDICTING USER BODY VOLUME TO MANAGE MEDICAL TREATMENT AND MEDICATION」と題する米国仮特許出願第63/170910号の優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【背景技術】
【0002】
医療及び投薬は、患者の体重に基づいて推奨されることが多い。例えば、成人の投薬量は、子供の投薬量と異なる。がん治療などの特定の医療では、治療計画は、体重の異なる成人に対して異なる場合がある。しかしながら、多くの既存の医療では、患者の体重は、患者の身体特性と治療計画との間に関係を直接的に確立せず、患者のボディ体積指数、ボディマス指数、筋肉量、体脂肪量又は体脂肪体積などのボディ体積情報が考慮されていない。
【0003】
患者のボディ体積(body volume)の取得が実現可能でないことが多い。例えば、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA又はDEXA)などのボディスキャン技術は、身体組成測定を容易にするが、高価で時間がかかるという欠点がある。また、DEXAは、関連する健康影響を有する可能性がある。この点に関して、この技術で使用された放射線量は、一般的に非常に微量であるが、繰り返した臨床的及び商業的な使用について、個人が年ごとに2回しかスキャンされないことが推奨されている。
【0004】
がん治療などの医療は、患者の体重又は体脂肪に影響を与える可能性がある(例えば、筋肉の減少)。非常に多くの場合、この影響が医療及び投薬制御では考慮されていない。したがって、人体のボディ体積情報を安価、安全かつ正確に推定することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、簡単、迅速、安全、安価かつ完全に非侵襲的な患者のボディ体積情報の決定を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の利点及び特徴を取得できる方式を説明するために、添付の図面に示される装置、方法及びシステムの具体的な実施例、構成及び実施形態を参照して説明する。これらの図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、本開示の範囲を限定するものではないとの理解のもとに、添付の図面を使用してさらに具体的にかつ詳細に本開示を記載し説明する。
【0007】
【
図1】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、医療及び投薬を管理するシステムのブロック図である。
【
図2】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、人体のボディ体積を予測するシステムのブロック図である。
【
図3】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、機械学習ネットワークを使用して人のボディ体積を予測する例示的プロセスである。
【
図4】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、遠隔医療システムにおいて医療及び投薬計画を管理する例示的プロセスを示す。
【
図5】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、背景分割及び関節推定の例を示す。
【
図6】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、人の正面図及び側面図の例を示す。
【
図7】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、写真画像から抽出されたUV奥行き知覚特徴を有する構築された人体の様々な図を示す。
【
図8】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、特定の形状及び身体組成を有するコンピュータ生成の3D表現の人の例を示す。
【
図9】本開示に記載のいくつかの実施例に係る、
図1中のシステムとともに実装するために使用され得るか又はそのシステムの1つ以上のコンポーネントに統合され得るコンピューティング装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の様々な実施形態の実施例を十分に理解できるように、特定の詳細を説明する。しかしながら、本明細書に記載される実施例は、これらの特定の詳細がなくても実施できることが理解される。更に、本明細書に記載される本開示の特定の実施例は、本開示の範囲をこれらの特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではない。他の場合には、本開示の実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の回路、制御信号、タイミングプロトコル及びソフトウェア動作を詳細には示していない。更に、「結合」及び「結合され」などの用語は、2つのコンポーネントが直接的又は間接的に電気的に結合され得ることを意味する。間接的に結合されるとは、2つのコンポーネントが1つ以上の中間コンポーネントを介して結合されることを意味する場合がある。
【0009】
本明細書に開示された装置、方法及びシステムは、上記従来技術における多くの問題を解決する。つまり、本開示の態様は、簡単、迅速、安全、安価かつ完全に非侵襲的な患者のボディ体積情報の決定を提供する。この情報は、最適な医療(medical treatment)計画を立てるために、医師又は看護師などの医療提供者に対して頻繁に収集し伝えることができる。患者のボディ体積特性が治療前又は治療中に変化するため、そのような治療計画は、時間の経過とともに患者のニーズを満たすように変化し調整することができる。治療計画は、薬物療法、食事療法、理学療法などを含む、任意の数の医学的介入のうちの1つ以上を含んでもよい。特に、非限定的な実施例として本明細書に使用される場合、本開示の態様は、化学療法、放射線量及び放射スケジュールなどのがんの治療計画を含む。以下、これらの装置、方法及びシステムの詳細、ならびにそれらの利点をより詳細に開示する。
【0010】
図1は、本開示に記載のいくつかの実施例に係る、医療及び投薬を管理するシステム100のブロック図である。少なくとも1つの実施例では、システム100は、ボディ体積評価システム又は装置104と、医療及び/又は投薬管理システム又は装置106とを含んでもよい。いくつかの実施例では、システム100はまた、画像取込装置(
図1に示されない)を含んでもよい。画像取込装置は、患者の1つ以上の画像を取り込むことができる任意の装置であってもよい。このような画像は、例えば、約400ナノメートル~約700ナノメートルの電磁波を使用して、光の可視スペクトルで取り込むことができる。画像取込装置は、例えば、ユーザの携帯電話、タブレット又は他のコンピューティング装置におけるデジタルカメラであってもよい。画像取込装置はまた、デジタルカメラなどの独立型のカメラを含んでもよい。本明細書で言及される「ユーザ」は、患者、患者の医療提供者、又は、画像の取得又は本明細書に記載されるシステムの使用において患者を支援する他の人を含む、任意の数の人であってもよい。
【0011】
図1に示すボディ体積評価システム又は装置104は、上記画像取込装置により取り込まれた少なくとも1つの画像から、ユーザに関するボディ体積情報を抽出するように構成されてもよい。取得されると、医療及び/又は投薬管理システム又は装置106は、そのボディ体積情報を受信し、患者の治療計画を作成し推奨することができる。以下、
図1に示す装置/システム104、106のそれぞれの詳細をより詳細に提供する。このような詳細は、患者のボディ体積の有利な評価及び対応する治療計画の生成を実行するために必要なステップ、時間及び機器を低減する、システム104、106のそれぞれの自動特徴を記載する。システム100は、患者(又は他のユーザ)が最適な医療方針又は必要であり得る既存の治療の変更を患者の医療提供者に通知するために、自分の携帯電話のカメラなどの広く入手可能な個人用の画像取込装置を使用して写真を撮れば十分であるように構成されてもよい。
【0012】
したがって、本開示は、患者の治療を決定する方法を詳述する。このような方法は、本開示の少なくとも
図1~4に示される。その方法の第1のステップは、患者の画像を取得するステップを含んでもよい。このステップは、少なくとも
図4に示される。患者自身が画像を取り込んでもよい。画像は、上述したように、光の可視スペクトルで生成された画像を含む、患者の身体の外見の写真、例えばデジタル写真であってもよい。例えば、患者又は他のユーザは、自分の日常使用のカメラを使用して、自宅で患者の身体の画像を取り込むことができる。
【0013】
当該方法の別のステップは、画像から抽出された情報に基づいて、患者を治療するための推奨を提供するステップを含んでもよい。情報のタイプと、情報に基づいて推奨を生成する方法とについては、以下、より詳細に記載する。方法のこのステップは、少なくとも
図1~4に示される。患者又は他のユーザの観点、及び医療提供者の観点から見ると、上記2つのステップのみが、実行する必要があるステップである可能性がある。少なくとも1つの実施例では、上記利点を可能にする他の全ての中間ステップ、分析及びデータ生成は、本明細書に記載されるシステム104、106及び装置により自動的に実行されてもよい。
【0014】
ボディ体積評価システム104は、ボディマス、筋肉量、体脂肪、骨ミネラル濃度などの患者のボディ体積に関する情報、又は他のボディ体積特性及び情報を推定、予測又は決定するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、ボディ体積評価システム104は、異なる角度からユーザ画像を取り込み、ユーザ画像に基づいてユーザのボディ体積情報を推定するために、カメラなどの画像取込装置に結合されてもよい。いくつかの実施例では、ボディ体積評価システム104は、機械学習ネットワークを使用して、ユーザ画像に基づいてユーザボディ体積情報を予測してもよい。ボディ体積評価システム104の詳細については、
図2を参照して更に説明する。
【0015】
ボディ体積評価システム104は、多変量ベースの機械学習アプローチを使用して、患者の1つ以上の取り込まれた画像に基づいて患者の3Dモデルを構築してもよい。画像に基づいて患者の特定の視覚的特徴、例えば(特徴の中でも)患者のシルエット及び関節位置などを相関させると、システム104は、同様の年齢、性別、民族性、体重、身長などを有する被験者を含む1つ以上の機械学習トレーニングデータベースから3Dモデルを構築することができる。患者の3Dモデルが構築されると、システム104は、同じ又は追加のデータベースを使用して分析を実行して、トレーニングデータベースにおける被験者の既知のデータから(機械学習アルゴリズムを介して)学習することにより、患者に見られる様々なボディ体積特徴を決定することができる。
【0016】
引き続き
図1を参照すると、システム100は、任意の適切な通信リンクを介してボディ体積評価システム104に結合された医療及び投薬管理システム106を更に含んでもよい。例えば、通信リンクは、イーサネット又はケーブルなどを通じて有線であってもよい。通信リンクはまた、無線、例えば、Wi-Fi、5Gネットワーク、メッシュネットワーク、フェムトセルネットワーク、若しくは他の通信ネットワーク、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
医療及び投薬管理システム106は、ボディ体積評価システム104からボディ体積評価データを受信し、医療及び投薬の管理においてボディ体積情報を使用するように構成されてもよい。例えば、ボディ体積は、患者の体脂肪、筋肉量、総体積、ボディマス、骨ミネラル濃度、又は人体の他の特徴を示してもよい。医療システム106は、患者の体脂肪の量(質量)又は体積に基づいて医師に対して投薬量の調整を推奨してもよい。このような推奨は、定期的に、例えば、毎日、毎週、毎月又は他の任意の適切な期間で実行されてもよい。例えば、ボディ体積評価システム104は、毎週、患者のユーザ画像を(例えば、携帯電話を介して)取り込み、取り込まれた画像を使用して上記患者のボディ体積に関する様々な情報を推定、決定又は予測してもよい。医療及び投薬管理システム106は、投薬量又は医療計画を調整するための推奨を提供してもよい。そして、医師は、医療及び投薬管理システム106の推奨を評価し、それに応じて、患者の治療及び投薬計画を適切に調整するか(又は調整しない)と決定してもよい。
【0018】
例えば、ボディ体積評価システム104により示されるように、患者の体脂肪率又は体脂肪体積が増加する場合、医療及び投薬管理システム106は、投薬量又は投薬タイプを増加させる推奨を提供してもよい。同様に、例えば、ボディ体積評価システム104により示されるように、患者の体脂肪率又は体脂肪体積が減少する場合、医療及び投薬管理システム106は、投薬量又は投薬タイプを減少させる推奨を提供してもよい。投薬量又は医療計画106により提供される推奨は、ボディ体積評価システム104により収集されたボディ体積情報のいずれかに依存してもよい。
【0019】
有利に、このようにして、老齢化、健康、又は患者の身体組成に影響を与える他の事象により患者の身体が変化すると、システム100は、医師(及び/又は患者)が最も効果的な投薬量及び治療を提供することを支援することができる。
【0020】
追加的又は代替的に、システム100の少なくとも1つの実施形態では、ボディ体積評価システム104は、脂肪及び筋肉などの身体組成成分の位置及び/又は分布を決定してもよく、そして、投薬量又は医療計画106は、それに応じて推奨を行うことができる。例えば、少なくとも1つの実施形態では、ボディ体積評価システム104は、過剰な腹部脂肪を識別するように構成される。伝えられると、投薬量又は医療計画106は、腹部臓器に対する放射線療法の変更を推奨してもよい。患者の乳房の脂肪組成が治療前又は治療中に変化する乳がん治療についても同様である。
【0021】
図2は、本開示に記載のいくつかの実施例に係る、人体のボディ体積情報を予測するシステム200のブロック図である。いくつかの実施例では、システム200は、ボディ体積評価システム104(
図1)で実装されてもよい。いくつかの実施例では、システム200は、カメラ(例えば、内蔵カメラを有する携帯電話又は固定カメラ)などの画像取込装置を含む画像取込システム204を含んでもよい。画像取込装置は、複数の視点からユーザの1つ以上の写真画像を取り込むように構成されてもよい。
【0022】
システム200は、画像取込システム204に結合されたユーザ対話表示システム202を含んでもよい。ユーザ対話表示システム202は、コンピュータディスプレイを含んでもよく、該コンピュータディスプレイは、ユーザが自分で画像を取り込んでいるか又は別の人により画像を取り込んでいるかに応じて、ユーザをガイドして最適な画像を取り込むための視覚的補助及び音声補助を提供するように構成される。例えば、ユーザ画像の取込中に、ユーザ対話表示システム202は、ユーザをガイドして身体の一部を所望の位置に移動させることにより、取り込まれる身体画像が視覚的表現と一致するように、骨格又はシルエットなどの人体の視覚的表現を表示することができる。
【0023】
いくつかの実施例では、上記表現は、人体の輪郭、バウンディングボックス、又はユーザの1つ以上の身体部分又は全身の推奨位置を示す他の記号を含んでもよい。例えば、システム202は、腕を移動するか又は所望の姿勢で腕を伸ばすようにユーザをガイドする腕の表現を表示してもよい。同様に、システム202は、頭、腕、脚、胸及び/又は身体の他の部分を含んでもよい全身の表現を表示することができる。表現は、取り込まれる画像に比例してユーザ対話表示システム202のディスプレイに表示されるように、画像取込システムから最初に取り込まれたユーザ画像に基づいて生成することができる。
【0024】
いくつかの実施例では、システム200は、3D表現システム208を含んでもよく、該3D表現システム208は、画像取込システム204から取り込まれたユーザ画像を受信し、ユーザ画像を使用して人体の3D表現を生成するように構成される。いくつかの実施例では、3D表現システム208は、機械学習ネットワーク214を使用して、ユーザ画像に基づいて人体の3D表現を予測してもよい。機械学習ネットワーク214は、様々なタイプの1つ以上のデータベースに基づいて機械学習モデルをトレーニングするように構成されてもよい。例えば、機械学習モデルは、ユーザ画像データベース222に記憶された以前に取り込まれたユーザ画像に基づいてトレーニングされてもよい。追加的及び/又は代替的に、機械学習モデルは、ボディスキャンデータベース224内のボディスキャンパラメータに基づいてトレーニングされてもよい。いくつかの実施例では、ボディスキャンパラメータは、人体の様々な部分のDEXAスキャンから収集されてもよい。例えば、ボディスキャンパラメータは、胴、大腿部又は腰などの身体の異なる部分の、体脂肪及び/又は(Zスコア及びTスコアで測定された)骨ミネラル濃度を含んでもよい。追加的及び/又は代替的に、機械学習モデルは、医用画像データベース226に記憶された医用画像に基づいてトレーニングされてもよい。いくつかの実施例では、医用画像は、医用画像装置、例えばCT又はMRT、から取り込まれた医用画像を含んでもよい。いくつかの実施例では、医用画像は、解剖学的ランドマークを含んでもよい。非限定的な実施例では、解剖学的ランドマークとして、おなかの真ん中の点(へそ)又は身体の1つ以上の関節などの身体の特定の部分が挙げられてもよい。ユーザ画像データベース222、ボディスキャンデータベース224、医用画像データベース226などの様々なタイプのデータベースの使用は、人体の様々な特徴を組み込むことにより、人体の3D表現をより正確に予測することができる。機械学習ネットワーク214の詳細については、本開示に更に説明する。
【0025】
更に
図2を参照すると、システム200は、身体測定調整システム210を更に含んでもよい。いくつかの実施例では、システム210は、3D表現システム208により提供された、予測された人体の3D表現を受信し、そして、3D表現を微調整してもよい。追加的に、システム210は、3D表現に基づいて個人のボディ体積情報を生成又は決定してもよい。
図1に示すように、ボディ体積は、患者の体脂肪、ボディマス、筋肉量、水分含有量、骨ミネラル濃度、又は人体の他の特徴を示してもよい。3D表現システム208と同様に、身体測定調整システム210も機械学習ネットワーク214を使用してもよく、その詳細は、本開示に更に記載される。
【0026】
いくつかの実施例では、3D表現システム208と身体測定調整システム210のうちの1つ以上は、様々なセンサ及び/又はデータベースからデータを受信してもよい。例えば、GPSセンサ216(複数可)は、ユーザ地理的位置を提供するように構成されてもよい。健康センサ218は、ユーザの心拍数、脈拍などのユーザ健康データを提供するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、健康センサ218は、上記健康データを提供するスマートウォッチであってもよい。健康センサ218はまた、ユーザの動きに関連付けられた加速度を提供するように構成されたMEMセンサを含んでもよい。このデータは、ユーザの活動性を示すことができる。追加的及び/又は代替的に、ユーザの活動性を示すユーザフィットネス(fitness)データが、人体の3D表現を構築するように使用されてもよい。
【0027】
追加的及び/又は代替的に、身体測定調整システム210は、ユーザの医療データを受信し、その医療データを使用して身体測定を調整することができる。例えば、ユーザががん治療を受けている場合、ユーザの体脂肪が変化する可能性がある。ユーザが薬物を服用している場合、ユーザの体脂肪は、投薬量、ユーザが薬物を服用している期間、ユーザの食事、ユーザの年齢及び性別などに応じて変化する可能性もある。いくつかの実施例では、医療データは、治療のタイプ及び期間、薬物の名前、薬物の投与量及び服用期間、ユーザの食事、年齢、性別を含んでもよい。これらの様々な医療データは、身体測定を調整するために様々な組み合わせで使用されてもよい。追加的に、医療データは、医療中にユーザの活動性データと組み合わせて使用されてもよい。例えば、運動をまったくしていない(又は動いていない)、がん治療を受けているユーザは、筋肉が減少するか又は体脂肪が増加する傾向がある場合がある。
【0028】
更に
図2を参照すると、システム200は、機械学習ネットワーク214に結合された画像特徴抽出システム212を含んでもよい。画像特徴抽出システム212は、機械学習ネットワーク214により使用される様々な特徴を取り込まれた画像から抽出するように構成されてもよい。
【0029】
追加的及び/又は代替的に、システム200は、3D表現システム208又は身体測定調整システム210に結合された分類システム206を含んでもよい。いくつかの実施例では、分類システム206は、画像取込システム204から取り込まれた画像をスコアリングして、機械学習ネットワーク214に対する画像の受容性を決定するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、分類システム206は、機械学習システムを含んでもよく、該機械学習システムは、(例えば、画像取込システム204から)取り込まれた画像を分析し、画像をスコアリングするように構成され、スコアが受容性を示す。例えば、スコアは、画像の背景が良いか否か、ユーザの位置、姿勢又は方向が予想されるものに対してどの程度良いか悪いかを示すことができる。
【0030】
システム200のさらなる詳細は、以下に提供される。
【0031】
分類システム
いくつかの実施例では、分類システム206は、204から取り込まれたユーザ画像をクラスタリングし、画像の前景及び背景を分割するように構成されてもよい。非限定的な実施例では、システム206は、ユーザ画像に対して顔認識を実行してユーザの顔を識別してから、顔を前景のシード領域として使用してもよい。いくつかの実施例では、システムは、分割結果に基づいて、骨格を生成し、ユーザ対話表示システム202のディスプレイに骨格を表示して、追加の画像を取り込むようにユーザをガイドしてもよい。骨格は、分割された前景領域に基づくものであってもよい。他の実施例では、システムは、ユーザに(例えば、ユーザ対話表示システム202を介して)ユーザの身長及び体重を入力するように指示し、ユーザの身長及び体重を使用して、事前に記憶されたデータベースに基づいて骨格を構築してもよい。骨格を構築するために、性別、年齢などの追加のデータを使用してもよい。
【0032】
いくつかの実施例では、分類システム206は、2D関節モデルを使用し、2D関節モデルに基づいて輪郭を生成してもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、分類206は、取り込まれたユーザ画像を分析し、スコアリングして、画像が、3D表現システム108又は身体測定調整システム210に使用される機械学習ネットワーク214などの後続の機械学習プロセスにとって許容できるか否かを決定してもよい。
【0034】
機械学習ネットワーク及び3D表現システム
更に
図2を参照すると、機械学習ネットワーク214は、トレーニングデータに基づいて1つ以上の機械学習モデルをトレーニングし最適化するトレーニングシステムを含んでもよい。トレーニングデータは、ユーザ画像データベース222、ボディスキャンデータベース224及び/又は医用画像データベース226から取得されてもよい。トレーニングされた機械学習モデルは、ユーザ画像に基づいて人体の3D表現を予測するために3D表現システム208に提供されてもよい。機械学習ネットワーク214及び3D表現システム208の詳細については、
図3を参照して更に記載する。
【0035】
図3は、本開示に記載のいくつかの実施例に係る、機械学習ネットワークを使用して人のボディ体積を予測する例示的プロセスである。いくつかの実施例では、プロセス300は、ボディ体積評価システム104(
図1)又は3D表現システム208(
図2)で実装(実行)されてもよい。
図3を参照すると、プロセス300は、予測プロセス310を含んでもよい。予測プロセス310は、動作302においてユーザ画像を取り込むするステップを含んでもよい。例えば、動作302は、正面画像、側面画像、背面画像、及び/又は異なる角度からのユーザ画像などの1つ以上のユーザ画像を取得するために、画像取込システム204(
図2)において実行されてもよい。ユーザ画像は、顔画像、上半身画像及び/又は全身画像であってもよい。
【0036】
いくつかの実施例では、プロセス310は、動作304において体型特徴を抽出するステップを更に含んでもよい。いくつかの実施例では、動作304は、画像特徴抽出システム212(
図2)で実装されてもよい。体型特徴の例として、人体の前景を表す2Dシルエット、2D関節、又は他の体型特徴が挙げられてもよい。いくつかの実施例では、体型特徴は、取り込まれたユーザ画像に基づいて取得されてもよい。追加的及び/又は代替的に、プロセス310は、動作306においてユーザデータを受信するステップを更に含んでもよい。例えば、動作306において、ユーザによって入力されたデータ、例えば、ユーザの体重、身長、年齢、性別、民族集団などを受信してもよい。いくつかの実施例では、この動作は、ユーザ対話表示システム202(
図2)で実装されてもよい。動作306において、更に、ユーザ健康フィットネスデータなどの他のユーザデータを検索するために、1つ以上のデータベースを評価してもよい。
【0037】
引き続き
図3を参照すると、プロセス310は、動作312において、抽出された体型特徴(304)及び/又は受信されたユーザデータ(306)に基づいて、機械学習ネットワークを使用してボディ体積情報を決定、推定又は予測するステップを更に含んでもよい。いくつかの実施例では、動作312は、3D表現システム(
図2の208)又はボディ体積評価(
図1の104)で実装されてもよい。
図1及び
図2の実施形態に関して議論したように、予測されたボディ体積情報は、体脂肪体積又は体脂肪率、ボディマス指数、骨ミネラル濃度又は人間の他の組成特性を含んでもよい。ボディ体積情報は、機械学習モデル308を使用して予測されてもよい。機械学習モデルは、ボディ体積モデルを含んでもよい。いくつかの実施例では、機械学習は、3D体型モデルを含んでもよい。ボディ体積及び3D体型モデルをトレーニングしてもよい。モデルのトレーニングの詳細については、更に記載する。
【0038】
ここで、更に
図3を参照すると、プロセス300は、機械学習モデル308をトレーニングするトレーニングプロセス320を含んでもよい。いくつかの実施例では、プロセス320は、動作302’においてユーザ画像を取得するステップと、動作304’において体型特徴を抽出するステップと、動作306’においてユーザデータを取得するステップとを含んでもよい。プロセス320は、動作322において、動作302’、動作304’及び/又は動作306’からの画像/特徴/データを使用して機械学習モデルをトレーニングしてもよい。動作302’において取得されたユーザ画像が動作302において取り込まれたユーザ画像と異なり、306’において取得されたユーザデータが306において取得されたユーザデータと異なることを除いては、プロセス302’、304’及び306’は、それぞれプロセス302、304及び306と同じ方法で実行されてもよい。
【0039】
非限定的な実施例では、動作302’において、トレーニングデータセットからユーザ画像を検索してもよい。例えば、トレーニングデータセットは、トレーニングデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースデータとともに、以前に取り込まれたか又は収集されたトレーニングユーザ画像及び/又はトレーニングユーザデータの集合を含んでもよい。グラウンドトゥルース(ground truth)データは、グラウンドトゥルース3D体型及び/又はボディ体積情報などの他の身体特徴を含んでもよい。
【0040】
いくつかの実施例では、トレーニングデータは、それぞれが被験者のグループ中の被験者から収集された複数の及び/又は多変量のセットを含んでもよく、各セットは、対応するグラウンドトゥルースデータセットを含有する。いくつかの実施例では、動作322において、収集されたトレーニングデータに基づいて機械学習モデル308を生成するために、機械学習ネットワークをトレーニングしてもよい。いくつかの実施例では、トレーニングプロセス322は、被験者のグループから収集されたトレーニングデータに基づいて単一の機械学習モデル308を生成してもよい。
【0041】
いくつかの他の実施例では、トレーニングプロセス322は、複数の機械学習モデル308を生成してもよく、それぞれの機械学習モデル308は、被験者のサブグループ又は単一の被験者からのトレーニングデータに基づくものである。例えば、トレーニングプロセスは、民族集団、性別、年齢、身長、又は職業、教育などの他の人口統計的尺度により分割されたトレーニング被験者のサブグループに対して機械学習モデルを生成してもよい。したがって、機械学習モデル308は、1つ以上のモデル(例えば、
図3の308)を含んでもよい。
【0042】
プロセス310に戻り、ユーザ画像及びユーザデータ(例えば、体重、身長、年齢など)は、画像取込システム204及び/又はユーザ対話表示システム202を介してユーザからリアルタイムで取得されてもよい。ユーザデータは、前述したように、1つ以上のセンサ又はデータベース(例えば、ユーザフィットネスデータ)から取得されてもよい。ボディ体積を予測する動作は、プロセス320から学習された機械学習モデル308を使用して実行されてもよい。
【0043】
いくつかの実施例では、3D形状モデルは、複数の3D形状パラメータを含んでもよい。3D形状パラメータの例として、身長、体重、胸囲の測定値など、又は人間の体型に関連付けられた追加のパラメータが挙げられてもよい。非限定的な実施例では、3D形状パラメータは、15個のパラメータを含んでもよい。他の適切な数の体型パラメータも可能であり得る。
【0044】
いくつかの実施例では、機械学習トレーニングプロセス320は、ユーザ画像、例えば画像取込システム204から取り込まれたユーザ画像に基づいて、人体の2D関節モデルをトレーニングするように構成されてもよい。2D関節モデルは、2D領域における人体の複数の関節を含んでもよく、トレーニング動作322において使用されてもよい。例えば、動作322において、2D関節モデルからの情報を使用して、人体の3D体型モデルを取得してもよい。機械学習ネットワークは、ユーザがユーザ対話表示システム202を介して入力し得る、ユーザの年齢、体重、性別、民族集団などの他の情報を使用してもよい。いくつかの実施例では、2D関節モデルは、骨格関節の位置を表す複数のパラメータを含んでもよい。したがって、2D関節モデルのトレーニングは、2D関節モデルのパラメータのトレーニングを含む。2D関節の位置の例は、
図5のA~Cに更に示される。
【0045】
図5のA~Cは、本開示に記載のいくつかの実施例に係る、背景分割及び関節推定の例を示す。例えば、
図5のAは、画像取込システム(例えば、
図2の204)からの例示的なユーザ画像を示す。
図5のBは、
図5のA中の取り込まれたユーザ画像の分割結果を示し、前景が背景から分離される。
図5のBは、画像から視覚的に識別された、ユーザ画像に示されるユーザの身体の複数の骨格関節点(赤色で示す)、例えば顎、肩点、肘、手首、腰、膝及び足首を含む。
図5のCは、同じ画像に重ねられた、対応する推定骨格関節点を(緑色で)示し、複数の推定骨格関節点は、機械学習ネットワーク214(
図2)又は機械学習モデル(
図3の308)から取得される。
【0046】
図5のBに示す骨格関節点及び
図5のCに示す骨格関節点は、
図5のA中の原ユーザ画像に重ねられる。示すように、機械学習ネットワークからの骨格関節点(緑色)は、骨格関節点ときっちりと一致する。いくつかの実施例では、機械学習ネットワーク214(
図2)又は機械学習モデル(
図3の308)により識別された推定関節点は、人間により識別された推定関節点よりも、骨格関節点の実際の位置を決定する正確性が高い可能性がある。
【0047】
いくつかの実施例では、システム(例えば、
図1の100又は
図2の200)は、(例えば、
図2の画像取込システム204から)取り込まれたユーザ画像を受信し、受信された画像を使用して機械学習ネットワーク214を介して(2D領域において)身体の関節を推定してもよい。システムは、2D関節モデル内の関節を接続し、続いて画像を拡張することにより、トレーニングされた2D関節モデルから人体の輪郭を取得してもよい。輪郭は、ユーザの2D表現の外部境界を規定する。
図6のA及びBはそれぞれ、2D表現の人の正面図と側面図の例を示す。
【0048】
図2に戻り、トレーニングプロセス320(
図3)を実装し得る機械学習ネットワーク214は、ユーザボディ体積をトレーニングするように構成されてもよい。いくつかの実施例では、トレーニングデータは、ボディスキャンデータベース224から検索されてもよい。機械学習ネットワーク214は、ボディ体積を示す体重及びパラメータを学習するために機械学習モデルをトレーニングし、トレーニングされた機械学習モデルを使用して、取り込まれたユーザ画像に基づいて人体の将来の体積を予測してもよい。いくつかの実施例では、3D体型及びボディ体積のトレーニングは、個人ベースで実行されてもよく、これにより、システムが個人の経時的な身体パラメータを監視/推定することができる。
【0049】
機械学習ネットワーク214に使用される機械学習モデルの例として、U-net、V-net又は他の機械学習モデルが挙げられてもよい。追加的及び/又は代替的に、機械学習モデルは、適切な畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、例えばVGG-16又は他のCNNを含んでもよい。いくつかの実施例では、機械学習ネットワーク214は、ユーザ画像(例えば、222)及び医用画像(例えば、226)を共に使用することにより、トレーニングプロセス(例えば、
図3の320)においてトレーニングを実行してもよい。これについては、以下、更に説明する。
【0050】
図1に戻り、いくつかの実施例では、機械学習モデルがトレーニングされる(学習する)と、システムは、学習したモデルを使用して、取り込まれたユーザ画像に基づいて3D身体、2D関節モデル、ボディ体積又はそれらの組み合わせを推定(又は予測)してもよい。いくつかの実施例では、システム(例えば、
図1の100)が1つ以上の取り込まれたユーザ画像に基づいたボディ体積の予測を完了すると、システムは、患者の経時的なボディ体積の分布を比較して、医療又は投薬の有効性を評価してもよい。システムは、評価結果に基づいて治療又は投薬を更に調整してもよい。例えば、医療及び投薬管理システム106は、治療期間において患者の体脂肪が増加したと決定し、それに応じて治療計画又は投薬量を調整してもよい。
【0051】
図2に戻り、3D表現システム208は、機械学習ネットワーク214を使用する場合に様々な特徴を組み込むことができる。いくつかの実施例では、3D表現システム208は、(例えば、GPSセンサからの)ユーザ位置を組み込んで、ユーザの民族集団を推定し、その特定の民族集団に特有の3D又は2D身体モデルを使用してもよい。換言すれば、機械学習ネットワーク214は、それぞれが地理的位置に関連付けられた異なる民族集団に対して異なるモデルをトレーニングしてもよい。所定の民族集団のモデルをトレーニングする場合、該民族集団のユーザの画像を使用してもよい。ユーザの3D体型及びボディ体積を予測する場合、システムは、画像が取り込まれているときのユーザの位置に基づいてユーザの民族集団を決定してから、該民族集団に関連付けられた対応するモデル又はトレーニングデータを使用してもよい。
【0052】
画像特徴抽出システム
更に
図2を参照すると、画像特徴抽出システム212において、取り込まれた画像から抽出される画像特徴は、3D形状パラメータ、奥行き情報、ユーザの微小な動き又は曲率情報を含んでもよい。いくつかの実施例では、特徴抽出システム212は、健康センサを使用せずにユーザの健康情報を決定するように構成されてもよい。例えば、システムは、健康センサを使用せずに、ピクセル増幅を使用して、身体の微小な動きを検出して(例えば、顔画像に基づいて呼吸時の微小な動きを検出し)、心拍数などの健康データを取得してもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、画像特徴抽出システム212は、更に、取り込まれた画像からUV奥行き知覚特徴を抽出するように構成されてもよい。UV奥行き特徴は、奥行き情報の知覚を与える人の表面の法線を含んでもよい。いくつかの実施例では、システムは、UV奥行きセンサを使用して、表面に垂直なベクトルなどの奥行き情報を取得してもよい。いくつかの実施例では、奥行きセンサは、携帯電話又は他の携帯電子装置に取り付けられてもよい。システムは、奥行き情報を使用して人の身体の表面の曲率を決定してもよい。この情報は、推定の精度を向上させるために機械学習ネットワーク214により使用することができる。例えば、機械学習ネットワーク214は、人体の奥行きに基づいて脂肪/筋肉の分布を決定することができる。
図7は、様々な角度の奥行き情報を用いて推定された3D体型の例を示す。任意の数の奥行き知覚センサは、機械学習推定の精度を更に向上させるために、本システム及び方法に組み込まれるデータを提供することができる。一実施例において、奥行き知覚センサは、構造光センサ、飛行時間センサ、カメラアレイセンサ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよいが、決してこれらに限定されない。
【0054】
身体測定調整システム
更に
図2を参照すると、身体測定調整システム210は、身体組成のデータ又は測定値を調整するように構成されてもよい。例えば、ユーザが運動競技的に活発である場合(例えば、定期的にランニング又はジョギングを行う場合、この情報は、健康センサから、又は増幅された身体の動きに対するピクセルベースの画像分析に基づいて取得されてもよい)、システムは、身体組成を「痩せた」側に調整する可能性がある。例えば、システムは、機械学習ネットワーク214から推定体脂肪を取得し、推定体脂肪をパーセンテージで増加させることができる。逆に、ユーザが不活発である場合、システムは、ボディ体積を調整して、推定体脂肪をパーセンテージで減少させることができる。
【0055】
いくつかの実施例では、身体測定調整システム210は、更に、人体の姿勢が正確な身体測定のために機械学習ネットワークにとって許容できるか否かを決定(判断)するように構成されてもよい。システムは、トレーニングされた3D体型を使用して決定を行うことができる。人体の姿勢が許容できない場合、システムは、正しい測定を得るために、ユーザに、姿勢を修正し、例えばじっと立つように(例えば、ユーザ対話表示システム202を介して)指示することができる。例えば、メッセージは、ユーザにじっと立つように指示するために、撮像画面にユーザに対して表示することができる。代替的及び/又は追加的に、システムは、撮像画面内のユーザの身体が骨格と一致することを確保するようにユーザをガイドするために、骨格を表示してもよい。更に、システムは、機械学習ネットワークの正確な身体測定のための好ましい骨格方向と一致しないユーザの位置又は姿勢を検出することができ、所望の好ましい骨格方向にきっちりと近似するように画像の方向を再設定することができる。一実施例において、予想される領域外の関節又はユーザの身体部分、又は取り込まれた画像の側辺間の非対称な方向の検出は、システムによって、好ましくない方向におけるユーザ方向として解釈することができ、それにより、システムは、所望の好ましい骨格方向によりきっちりと近似するように画像の方向を再設定する。
【0056】
図8のA~Bは、本開示に記載のいくつかの実施例に係る、特定の形状及びボディ体積を有するコンピュータ生成の3D表現の人の例を示す。例えば、システム200(
図2)の1つ以上のコンポーネントは、異なる角度から取り込まれたユーザ画像に基づいて、人の3D体型及びボディ体積を推定するように実装することができる。いくつかの実施例では、推定された3D体型及びボディ体積は、異なる衣服を着たその人の正確な形状及びプロフィールを模倣するアバターに表示されてもよい。
【0057】
図1の100などの
図1~
図8の様々な実施形態は、単一のコンピューティングシステムで実装することができる。例えば、
図1において、ボディ体積評価システム104と医療及び投薬管理システム106は、単一のシステム、例えば、医師が患者のユーザ画像を取り込み、患者の医療又は投薬量を実行/調整することができる病院内のサーバ又はクラウドシステムに統合することができる。代替的に、
図1中のシステム100は、携帯電話などのユーザ装置と医療/投薬管理システムとを含む遠隔医療環境で実装されてもよく、これについては、
図4を参照して更に説明する。
【0058】
図4は、本開示に記載のいくつかの実施例に係る、遠隔医療システムにおいて医療及び投薬計画を管理する例示的プロセスを示す。非限定的な実施例では、プロセス400は、ユーザのボディ体積をリアルタイムで予測するために、携帯電話などのユーザ装置で実装されてもよい。例えば、プロセス400は、動作402においてユーザ画像を取り込むステップを含んでもよい。任意選択で、プロセス400は、ユーザに異なる視点から複数のユーザ画像を撮るように指示するユーザ対話プロセスを含んでもよい。例えば、動作402は、ユーザ対話表示システム(
図2の202)により実装することができる。プロセス400はまた、動作404においてユーザボディ体積を予測するステップを含んでもよい。例えば、動作404は、プロセス310(
図3)における1つ以上の動作を含んでもよい。代替的及び/又は追加的に、動作404において、プロセス320(
図3)における1つ以上の動作を実装してもよい。
【0059】
図4に戻り、プロセス400は、動作406において経時的なボディ体積の変化を監視するステップを更に含んでもよい。例えば、ボディ体積の変化は、異なる時点、例えば、数日間隔、1ヶ月間隔又は数ヶ月間隔で動作404から取得された、予測ボディ体積の差(変化)を含んでもよい。プロセス400は、動作408において、瞬時の予測ボディ体積、及び/又はボディ体積の変化を医療及び投薬管理システムに送信することができる。いくつかの実施例では、医療及び投薬管理システムは、システム106(
図1)で実装されてもよい。プロセス400は更に、動作410において、医療及び投薬管理システムから投薬及び治療計画を受信してもよい。例えば、受信された投薬計画は、患者に処方される薬物の調整投与量を含んでもよい。それに応じて、プロセス400は更に、例えば動作412において、調整した投薬を実行することができる。調整した投薬、例えば、投与量の変化又は薬物の切り替えを実行するステップは、患者に薬物を調剤する薬局の薬物調剤サーバに薬物情報を送信するステップを含んでもよい。
【0060】
更に
図4を参照すると、プロセス420は、医療及び投薬管理システム、例えば、
図1の106で実装されてもよい。プロセス420は、動作422においてユーザボディ体積データを受信するステップを含んでもよい。例えば、ユーザボディ体積データは、ユーザ装置から受信することができる。ユーザボディ体積データは、プロセス400から取得できる、予測ユーザボディ体積又は経時的なボディ体積の変化を含んでもよい。追加的に、プロセス420はまた、動作424において、他のユーザデータを受信してもよい。他のユーザデータは、診療録データベースから検索できるユーザの診療録を含んでもよい。プロセス420は、動作426において、ユーザボディ体積データ及び/又は他のユーザデータに基づいて、投薬及び/又は治療計画を生成又は調整してもよい。例えば、動作426は、医療及び投薬管理システム106(
図1)で実装することができる。いくつかの実施例では、動作426において、医療又は投薬を確認、検証又は調整するために、医師が介入してもよい。プロセス420は、動作428において、投薬及び医療計画をユーザの装置に送信することができる。代替的及び/又は追加的に、動作428は、薬局の調剤サーバに投薬を送信するステップを含んでもよい。プロセス400に関して説明したように、動作410において、送信された投薬及び医療計画を受信することができる。
【0061】
図9は、システム100(
図1)とともに使用され得るか又はシステムの1つ以上のコンポーネントに統合され得るコンピューティング装置の簡略化されたブロック構造を示す。例えば、ボディ体積評価システム104、医療及び投薬管理システム106、又はシステム104、106の1つ以上のコンポーネント、例えば画像取込システム204、ユーザ対話表示システム202、分類システム206、3D表現システム208、身体測定調整システム210、画像特徴抽出システム212若しくは機械学習ネットワーク214は、
図9に示すコンポーネントのうちの1つ以上を含んでもよく、1つ以上のブロックを実装するか又は
図1~8に開示されたコンポーネント又は動作のうちの1つ以上を実行するために使用されてもよい。
図9において、コンピューティング装置1100は、1つ以上の処理要素1102、入出力インタフェース1104、ディスプレイ1106、1つ以上のメモリコンポーネント1108、ネットワークインタフェース1110及び1つ以上の外部装置1112を含んでもよい。様々なコンポーネントのそれぞれは、1つ以上のバス、無線手段などを介して相互に通信することができる。
【0062】
処理要素1102は、命令を処理、受信及び/又は送信できる任意のタイプの電子装置であってもよい。例えば、処理要素1102は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、プロセッサ又はマイクロコントローラであってもよい。追加的に、コンピュータ1100の一部のコンポーネントは、第1のプロセッサにより制御されてもよく、他のコンポーネントは、第2のプロセッサにより制御されてもよく、第1のプロセッサと第2のプロセッサが相互に通信しても、通信しなくてもよいことに留意されたい。
【0063】
メモリコンポーネント1108は、処理要素1102に対する命令を記憶し、知識ベース(例えば、
図2の222、224、226)などのデータを記憶するためにコンピュータ1100により使用される。メモリコンポーネント1108は、例えば、光磁気記憶装置、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能プログラマブルメモリ、フラッシュメモリ、又は1つ以上のタイプのメモリコンポーネントの組み合わせであってもよい。
【0064】
ディスプレイ1106は、ユーザに音声及び/又は視覚的ガイダンスを提供し、例えば、1つ以上のユーザ画像を取り込むようにユーザをガイドするために骨格又は他の視覚的表現を表示し、或いは、ユーザ対話表示システム202(
図2)で実装できる他の視覚的表現を表示する。任意選択で、ディスプレイ1106は、ユーザがコンピューティング装置1100の様々なコンポーネントを制御、操作及び校正できるようにする入力要素として機能してもよい。ディスプレイ1106は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及び/又は他の適切なディスプレイであってもよい。ディスプレイ1106が入力部として使用される実施形態では、ディスプレイは、1つ以上のタッチセンサ又は入力センサ、例えば容量性タッチセンサ、抵抗グリッドなどを含んでもよい。
【0065】
I/Oインタフェース1104は、ユーザがコンピュータ1100にデータを入力することを可能にし、コンピュータ1100が他の装置又はサービス(例えば、
図2のユーザ対話表示システム202)と通信するための入出力を提供する。I/Oインタフェース1104は、1つ以上の入力ボタン、タッチパッドなどを含んでもよい。
【0066】
ネットワークインタフェース1110は、コンピュータ1100と他の装置との間の通信を提供する。例えば、ネットワークインタフェース1110は、様々なシステムが相互に通信することを可能にする通信リンク102(
図1)を実装することができる。ネットワークインタフェース1110は、1つ以上の通信プロトコル、例えば、WiFi、イーサネット、ブルートゥース(登録商標)などを含むが、これらに限定されない。ネットワークインタフェース1110はまた、1つ以上の配線コンポーネント、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを含んでもよい。ネットワークインタフェース1110の構成は、所望の通信のタイプに依存し、WiFi、ブルートゥース(登録商標)などを介して通信するように変更されてもよい。
【0067】
外部装置1112は、コンピューティング装置1100に様々な入力を提供するために使用できる1つ以上の装置、例えばマウス、マイク、キーボード、トラックパッドなどである。外部装置1112は、ローカルでもよく、リモートでもよく、要望に応じて変化することができる。いくつかの実施例では、外部装置1112は、ユーザの身体測定を取得するために使用できる、センサ216、218、220(
図2)などの1つ以上の追加のセンサを含んでもよい。
【0068】
前述の説明は、広範な適用を有する。例えば、本明細書に開示された実施例は中央通信システムに重点を置くが、本明細書に開示された概念は、分布型システム、中央型システム若しくは分散型システム、又はクラウドシステムなどの他のシステムにも同様に適用できることを理解されたい。例えば、機械学習ネットワーク214又は他のコンポーネント(
図1)は、クライアント/サーバシステムにおけるサーバに存在することができる。機械学習ネットワーク114はまた、ネットワーク上の任意の装置、例えば携帯電話に存在し、分散型方式で動作することができる。機械学習ネットワーク114又はその一部はまた、コントローラ仮想マシン(VM)又はVMコンピューティング環境内のハイパーバイザに存在することができる。したがって、システム100(
図1)における1つ以上のコンポーネントは、精度及び処理速度の点で最適なパフォーマンスを達成するために様々な構成で実装することができる。したがって、本開示は、様々なシステム及び方法の実施例を提供するためのものに過ぎず、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がこれらの実施例に限定されることを示唆するものではない。
【0069】
図1~9に記載される様々な実施形態は、所定の場所で高価な機器を必要とせずに、携帯電話又は他の画像取込装置から取り込まれたユーザ画像に基づいて、正確な身体組成を予測し、ひいては身体測定を行う場合の利点を提供する。
【0070】
上記詳細な説明に記載される実施形態、実施例又は構成のそれぞれは、他の独立した実施形態に基づくものを含む、本開示に説明された特徴、オプション及び可能性のいずれかを含んでもよく、本開示及び図面に説明された特徴、オプション及び可能性のいずれかの任意の組み合わせを含んでもよい。本明細書に記載される本教示と一致するさらなる実施例は、以下の番号付き項目に説明される。
【0071】
(項目1)プロセッサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、機械学習モデル及び被験者の1つ以上の画像を使用してボディ体積情報を予測するステップと、ボディ体積情報に基づく医療計画を受信するステップと、受信された医療計画を実行するステップと、を実行させる、装置。
【0072】
(項目2)上記プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、予測されたボディ体積情報を通信リンクを介して薬物治療及び投薬管理システムに送信するステップと、投薬又は医療計画を薬物治療及び投薬管理システムから受信するステップと、を更に実行させる、項目1に記載の装置。
【0073】
(項目3)上記機械学習モデルは、ボディ体積モデルを含む、項目1又は2に記載の装置。
【0074】
(項目4)上記プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、機械学習ネットワークを使用して、複数のユーザ画像を含むトレーニングデータセットに少なくとも基づいて上記機械学習モデルをトレーニングするステップを更に実行させる、項目1~3のいずれか一項に記載の装置。
【0075】
(項目5)上記プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、医療計画を薬物調剤サーバに送信することにより、受信された医療計画を実行するステップを更に実行させる、項目1~4のいずれか一項に記載の装置。
【0076】
(項目6)プロセッサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、通信リンクを介してユーザ装置からユーザボディ体積データを受信するステップと、受信されたユーザボディ体積データに基づいて医療計画を調整するステップと、調整された医療をユーザ装置に送信するステップと、を実行させる、装置。
【0077】
(項目7)上記プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、ユーザ装置からユーザデータを受信するステップと、受信されたユーザボディ体積データに更に基づいて医療計画を調整するステップと、を更に実行させる、項目6に記載の装置。
【0078】
(項目8)上記ユーザボディ体積データは、一定期間にわたるボディ体積の変化を含む、項目6又は7に記載の装置。
【0079】
(項目9)上記ユーザボディ体積データは、体脂肪、ボディマス又は骨ミネラル濃度のうちの1つ以上を含む、項目6~8のいずれか一項に記載の装置。
【0080】
(項目10)上記ユーザボディ体積データは、体脂肪の分布を含む、項目6~9のいずれか一項に記載の装置。
【0081】
(項目11)患者の治療を決定する方法であって、患者の画像を取得するステップと、画像から抽出された情報に基づいて、患者を治療するための推奨を提供するステップと、を含む、方法。
【0082】
(項目12)上記画像は、患者の身体の外見を含む、項目11に記載の方法。
【0083】
(項目13)上記治療は、患者に投与される投薬量又は投薬量の変化を含む、項目11又は12に記載の方法。
【0084】
(項目14)上記投薬量の薬物は、がん薬物を含む、項目13に記載の方法。
【0085】
(項目15)上記画像を取得するステップは、画像取込装置を用いて写真を撮るステップを含む、項目11~14のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
(項目16)上記患者が写真を撮る、項目15に記載の方法。
【0087】
(項目17)上記患者の写真を、約400ナノメートル~約700ナノメートルの電磁波長を有する可視光スペクトルで撮る、項目15又は15に記載の方法。
【0088】
(項目18)上記画像から抽出された情報は、患者のボディ体積情報を含む、項目11~17に記載の方法。
【0089】
(項目19)上記画像から抽出された情報は、患者の体格指数(body max index)を含む、項目11~18のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
(項目20)上記画像から抽出された情報は、患者のボディ体積指数(body volume index)を含む、項目11~19のいずれか一項に記載の方法。
【0091】
(項目21)可視スペクトルで画像を取り込む画像取込装置と、画像取込装置により取り込まれた少なくとも1つの画像からボディ体積情報を抽出するボディ体積評価装置と、ボディ体積評価装置により抽出されたボディ体積情報に基づいて治療推奨を提供する医療推奨装置と、を含む、患者の治療を管理するシステム。
【0092】
(項目22)上記ボディ体積評価装置は、プロセッサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、機械学習モデルと画像取込装置により取り込まれた1つ以上の画像を使用してボディ体積情報を予測するステップを実行させる、項目21に記載のシステム。
【0093】
(項目23)上記医療推奨装置は、プロセッサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体と、を含み、プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、ボディ体積評価装置からボディ体積情報を受信するステップと、ボディ体積評価装置により抽出されたボディ体積情報に基づいて治療推奨を決定するステップと、治療提供者に治療推奨を提供するステップと、を実行させる、項目21又は22に記載のシステム。
【0094】
冠詞「a」、「an」及び「the」は、先行する説明に1つ以上の要素があることを意味することを意図している。「含む(comprising)」、「含み(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、挙げられた要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。追加的に、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、記載された特徴を組み込んだ追加の実施形態の存在を排除すると解釈されることを意図していないことを理解されたい。本明細書に記載される数値、パーセンテージ、比率又は他の値は、本開示の実施形態に包含される技術分野の当業者によって理解されるように、その値、及び「約」又は「およそ」の記載される値である他の値も含むことを意図している。したがって、記載される値は、所望の機能を実行するか又は所望の結果を達成するために記載される値に少なくとも十分に近い値を包含するように、十分に広く解釈されるべきである。記載される値は、少なくとも適切な製造又は生産プロセスで予想される変動(ばらつき)を含み、記載される値の5%以内、1%以内、0.1%以内又は0.01%以内の値を含んでもよい。
【0095】
当業者は、同等の構造物が本開示の精神及び範囲から逸脱しないことと、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された実施形態に対して様々な変更、置換及び改変を行うことができることとを、本開示を考慮して理解すべきである。機能的な「ミーンズ・プラス・ファンクション」項目を含む同等の構造物は、同じ方法で動作する構造的同等物と、同じ機能を提供する同等の構造との両方を含む、記載される機能を実行するものとして本明細書に記載される構造を網羅することを意図している。関連する機能とともに「ための手段」という言葉を使用している請求項を除き、請求項のいずれについてもミーンズ・プラス・ファンクション又は他の機能的なクレーム記載を行わないことが、出願人の明示的な意図である。特許請求の範囲の意味及び範囲にある実施形態に対する全ての追加、削除及び修正は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
【0096】
本明細書に使用される場合、「およそ」、「約」及び「実質的に」という用語は、依然として所望の機能を実行するか又は所望の結果を達成する、記載される量に近い量を表す。例えば、「およそ」、「約」及び「実質的に」という用語は、記載される量の5%以下、1%以下、0.1%以下、0.01%以下の範囲の量を意味し得る。更に、前述の説明における方向又は基準系は、相対的な方向又は動きに過ぎないことを理解されたい。例えば、「上へ(up)」及び「下へ(down)」、又は、「の上方(above)」又は「の下方(below)」への言及は、関連する要素の相対的な位置又は動きを説明するためのものに過ぎない。
【0097】
以上から理解されるように、本開示の特定の実施形態が説明のために本明細書に記載されているが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。したがって、本開示の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態のいずれにも限定されるべきではない。
【国際調査報告】