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特表2024-513121皮膚の処置及び/又はケアのために有用なトウネズミモチ抽出物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】皮膚の処置及び/又はケアのために有用なトウネズミモチ抽出物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20240313BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561722
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 IB2022052830
(87)【国際公開番号】W WO2022214908
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】21382285.1
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506347528
【氏名又は名称】ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アルミニャーナ ドメネク, ヌリア
(72)【発明者】
【氏名】バレリオ サンチアゴ, マウリシオ
(72)【発明者】
【氏名】ベンカタラマン, サイレシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジュンモ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB372
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC272
4C083AC311
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC471
4C083AC532
4C083AC582
4C083AC712
4C083AC841
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD352
4C083AD391
4C083AD662
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC06
4C083CC22
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD11
4C083DD12
4C083DD17
4C083DD21
4C083DD22
4C083DD23
4C083DD30
4C083DD31
4C083DD34
4C083DD38
4C083DD39
4C083DD41
4C083EE12
4C083EE13
4C083FF01
(57)【要約】
トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るための7プロセスであって、トウネズミモチの果実を特定の条件下で亜臨界水による抽出に供することを含む、プロセス。植物抽出物は、有用な皮膚の美容的、非治療的処置、及び/又はケアである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、前記抽出は、
約140℃~約180℃、又は約150℃~約175℃、又は約155℃~約170℃、又は約155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度及び前記水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、前記果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む、プロセス。
【請求項2】
前記果実は、乾燥果実である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
亜臨界水の体積に対する乾燥果実の重量の比は、1:5~1:50g/mL(w/v)である、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記果実を亜臨界水と接触させる前記ステップは、少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間の時間にわたって行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記亜臨界水は、約0.5~約20MPa、又は約1MPa~約2MPaの圧力である、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記果実は、粒子の形態である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記抽出は、亜臨界水のみで行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
亜臨界水による前記抽出は、動的モードで実施され、前記果実を前記亜臨界水の連続流と接触させることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記亜臨界水は、約5~約30mL/分の流量を有する、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記果実を前記水性植物抽出物から分離するステップを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記水性植物抽出物を精製して、精製された水性植物抽出物を得るステップを含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記水性植物抽出物を精製することは、前記水性植物抽出物を濃縮して、前記水性植物抽出物の濃縮物を得ることを含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記水性植物抽出物を精製することは、前記水性植物抽出物を乾燥させて、前記植物抽出物の固体形態を得ることを含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、前記水性植物抽出物と混合して、前記植物抽出物、水、及び前記水混和性有機溶媒を含む溶液を形成するステップを含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項15】
水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、前記精製された水性植物抽出物と混合して、前記精製された植物抽出物、前記水混和性有機溶媒、及び任意選択的に水を含む溶液を形成するステップを含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項16】
前記精製された水性植物抽出物は、前記水性植物抽出物の濃縮物である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記精製された水性植物抽出物は、前記植物抽出物の固体形態である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項18】
前記水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えばC2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、請求項14~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な水性植物抽出物。
【請求項20】
オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な精製された水性植物抽出物。
【請求項21】
請求項12に記載のプロセスによって得ることが可能な水性植物抽出物の濃縮物である、請求項20に記載の精製された水性植物抽出物。
【請求項22】
請求項13に記載のプロセスによって得ることが可能な前記植物抽出物の固体形態である、請求項19に記載の精製された水性植物抽出物。
【請求項23】
コニフェリルアルコール及び/又はアピゲニンを更に含む、請求項20に記載の水性植物抽出物又は請求項20~22のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物。
【請求項24】
バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、請求項23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項25】
バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピルアルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを更に含む、請求項24に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項26】
バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、請求項23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項27】
バニリン、4-ヒドロキシ安息香酸、シナピルアルコール、及びサリチル酸を更に含む、請求項26に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項28】
バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸 ケンペロール 3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを更に含む、請求項23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項29】
請求項19又は請求項23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に(追加的)水と、を含む、組成物。
【請求項30】
請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に水と、を含む、組成物。
【請求項31】
前記水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えば、C2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、請求項29又は請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記ポリオールは、全組成物の重量に基づいて50~90重量%の量で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
約1~約40ppmのオレウロペイン、約1~約40ppmのサリドロシド、及び約0.1~約3ppmのミリセチン、好ましくは約1又は2~約25ppmのコニフェリル-アルコール(4-[(E)-3-ヒドロキシプロプ-1-エニル]-2-メトキシフェノール)、及び/又は約0.01~約5ppmのアピゲニンを含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
請求項19又は23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、又は請求項29~33のいずれか一項に記載の組成物と、少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分と、を含む、化粧用組成物。
【請求項35】
約0.01~20重量%、約0.1~5重量%、又は約0.5~4重量%、又は約1~3重量%の量で、請求項29~33のいずれか一項に記載の組成物を含む、請求項34に記載の化粧用組成物。
【請求項36】
前記少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分は、界面活性剤、毛髪及び皮膚コンディショニング剤、皮膚軟化剤、乳化剤、保湿剤、レオロジー調整剤、ビタミン、毛髪成長促進剤、自己日焼け剤、日焼け止め剤、皮膚美白剤、アンチエイジング化合物、抗しわ化合物、抗セルライト化合物、抗ざ瘡化合物、ふけ防止剤、引き締め剤、皮膚弾力剤、再構築剤、湿潤剤、抗光老化剤、青色光保護剤、DNA保護剤、DNA修復剤、幹細胞保護剤、フリーラジカルスカベンジャー及び/又は抗糖化剤、解毒剤、抗汚染剤、抗炎症化合物、鎮痛剤、制汗剤、脱臭剤、毛髪固定剤、微粒子状物質、研磨剤、抗酸化物質、角質溶解剤、帯電防止剤、起泡力増進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、キレート剤、抗微生物剤、抗真菌剤、pH調整剤、キレート剤、緩衝剤、植物補助剤、毛髪着色剤、酸化剤、還元剤、噴射剤、サーモクロミック染料、毛髪及び皮膚漂白剤、顔料、虫歯予防剤、抗歯石剤、抗歯垢剤、溶媒、防腐剤、並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項34又は請求項35に記載の化粧用組成物。
【請求項37】
前記化粧用組成物は、クリーム、多重エマルジョン、溶液、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳液、バルサム、フォーム、ローション、ゲル、クリームゲル、含水アルコール溶液、ヒドログリコール溶液、ヒドロゲル、リニメント剤、石鹸、シャンプー、コンディショナー、漿液、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、粉末、バー、ペンシル、スプレー、又はエアロゾルの群から選択される形態である、請求項34~36のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項38】
前記化粧用組成物は、織物、不織布、又は医療機器に組み込まれる、請求項34~37のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項39】
皮膚微小循環及び/又は血管新生を改善又は増加させるための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項40】
皮膚酸素化を改善又は増加させるための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項41】
皮膚の赤らみを改善する(自然な紅潮)ための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項42】
皮膚の老化の症状を軽減及び/又は予防するための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項43】
皮膚の滑らかさを増加させるための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項44】
皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させるための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項45】
請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物又は請求項34~37のいずれか一項に記載の組成物を、皮膚に局所投与することを含む、皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアのための方法。
【請求項46】
皮膚の前記美容的、非治療的処置及び/又はケアは、皮膚の微小循環又は血管新生の改善及び/若しくは増加、皮膚酸素化の改善若しくは増加、皮膚の赤らみの改善若しくは増加(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状の軽減及び/若しくは予防、皮膚の滑らかさの増加、並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさの改善若しくは増加である、請求項45に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の処置及び/又はケアに有用な植物抽出物に関する。植物抽出物は、特定の条件下で亜臨界水を使用する抽出によってトウネズミモチ(Ligustrum lucidum)から得られる。本発明は、植物抽出物を調製するためのプロセス、植物抽出物を含む組成物、並びに皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアのための植物抽出物の使用に及ぶ。
【背景技術】
【0002】
皮膚は人体において最大の器官であり、その生物学的機能を果たすために適切な量の酸素を絶えず必要とする。皮膚における酸素恒常性の制御は、適切な水和レベル、エネルギー状態、細胞外マトリックスの産生、及び皮膚のバリア機能を維持するために不可欠である[Straseski,J.A.et al.「Oxygen deprivation inhibits basal keratinocyte proliferation in a model of human skin and induces regio-specific changes in the distribution of epidermal adherens junction proteins,aquaporin-3,and glycogen」(2009) Wound and Repair Regeneration 17(4):606-616;Steinbrech,D.S.]。
【0003】
酸素は、大気酸素から表皮への外部送達と、血流を介した真皮への酸素の供給という、2つの経路を介して皮膚内に送達される。大気中の酸素の取り込みは、表皮のいくつかの上層(深さ0.25~0.4mm)における拡散によって起こる。表皮の基底層は、低酸素誘導因子(hypoxia induced factor、HIF)の発現によって調節される比較的低い又は軽度の低酸素状態のままである[Rosenberger,C.「Upregulation of Hypoxia-Inducible Factors in Normal and Psoriatic Skin」(2007) Journal of Investigative Dermatology.127,2445-2452]。酸素は、皮膚の微小循環を介して血流から真皮に供給される(これは、その酸素要求量を満たすために酸化ヘモグロビンを皮膚に供給する)。このプロセスは主に、皮膚微小血管の血管収縮/血管拡張活性に依存する。
【0004】
HIFセンサー系は、組織の酸素化の制御を担う酸素調節転写因子を含む。HIF転写因子のファミリーは、3つの異なるアイソフォーム(HIF-1α、HIF-2α、及びHIF-3α)を含み、これらは、正常酸素圧(正常レベルの酸素)下でのHIFプロリルヒドロキシラーゼによる分解の標的とされる。しかしながら、低酸素組織状態は、HIF因子を安定化させ、HIF因子は、DNA中の低酸素応答エレメント(hypoxia response element、HRE)に結合し、組織への酸素送達の改善に関与する遺伝子の上方制御をもたらす[Brahimi-Horn,M.C.「HIF at a glance」(2009).Journal of Cell Science 122,1055-1057]。これは、血管の血管拡張をもたらす。
【0005】
HIF系は、血管拡張シグナルの生成、血流の増加及び低酸素組織への酸素供給において重要な役割を果たす。一酸化窒素は、我々の身体において最もよく知られている血管拡張薬であり、皮膚の能動的血管拡張の30~45%に寄与する[Wong,BJ「Current concepts of active vasodilation in human skin」(2017) Temperature.4:1,41-59]。表皮細胞において、一酸化窒素の産生は、誘導性一酸化窒素シンターゼ(inducible nitric oxide synthase、iNOS)の活性とアルギナーゼ酵素との間の正確なバランスによって決定される。両方の酵素は、HIF系の異なる分枝によって制御される:HIF-1αは、iNOS発現を調節するのに対して、HIF-2αは、アルギナーゼ酵素発現を制御する。両方の酵素は、同じ基質、すなわちL-アルギニンについて競合する。HIFアイソフォーム発現レベルの平衡に依存して、L-アルギニンは、HIF-1αによる血管拡張シグナル伝達産生に、又はHIF-2αによる尿素合成に向け直される。[Cowburn,A.S.「HIF isoforms in the skin differentially regulate systemic arterial pressure」(2013).Proceedings of the National Academy of Sciences 110(43);Andrew S Cowburn,A.S.「Cardiovascular adaptation to hypoxia and the role of peripheral resistance」(2017).Elife.19;6]。最近、酸素レベルが低い高地に住むチベット人集団が、適応機構によって組織への酸素送達を最適化したことが発見された。チベット人集団は、低酸素条件下で、特定のアイソフォームHIF-2αの下方制御と組み合わせて、上方制御されたHIF-1αアイソフォームを維持する。HIF-2αアイソフォームの下方制御によるこの集団におけるアルギナーゼ活性の低下は、血管拡張薬産生に有利に、L-アルギニンのバイオアベイラビリティを増加させる[Peng,Y「Down-Regulation of EPAS1 Transcription and Genetic Adaptation of Tibetans to High-Altitude Hypoxia」(2017).Molecular Biology and Evolution.34(4):818-830;Song,D「Defective Tibetan PHD2 Binding to p23 Links High Altitude Adaption to Altered Oxygen Sensing」(2014) The Journal of biological Chemistry.289:21,14656-14665]。
【0006】
皮膚酸素化は年齢と共に減少し、蒼白な顔の外観及び皮膚の老化の加速をもたらす。この効果は、皮膚酸素化に関与するメカニズムが調節不全である高齢の皮膚においてより顕著である。特に、血管拡張及び血管収縮のメカニズムは、加齢の間に変化する。老化中のアルギナーゼ活性の増加及び活性酸素種(reactive oxygen species、ROS)の出現に起因して、血管拡張シグナルの減衰及び血管狭窄の増強がある[Holowatz,L.A.「Aging and the control of human skin blood flow」(2011) Frontiers in Bioscience.15-718-739]。HIF-1α機能の障害が、表皮老化を加速することも知られている[Rezvani,HR「Loss of epidermal hypoxia-inducible factor-1a accelerates epidermal aging and affects re-epithelialization in human and mouse(2015).Journal of Cell Science.124,4172-4183]。
【0007】
驚くべきことではないが、皮膚酸素化を改善することを目的とした美容ルーチン及び実践への関心が高まっている。顔の皮膚の色の改善、より健康的な外観などの有益な効果[Stephen,ID.「Skin Blood Perfusion and Oxygenation Colour Affect Perceived Human Health」(2009).Plos One.4(4):e5083]、小じわの減少及びより良好な皮膚の色調[Diaz,D「Oxygeneo(登録商標)-A Unique Three-in-one Treatment of Exfoliation,Infusion,and Oxygenation via the Bohr Effect and TriPollar(商標) Radiofrequency for Skin Rejuvenation」(2017) Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology.10(11):22-25]が、皮膚酸素化を改善する処置について、これまでに報告されている。更に、HIF-1アイソフォームの上方制御は、皮膚若返り戦略と関連付けられている[Pagani,A.「Skin Rejuvenation through HIF-1alpha modulation」(2018).Plastic and Reconstructive Surgery Advance.141(4):1]。
【0008】
国際公開第2012045974(A2)号は、皮膚細胞の酸素化を改善するためのアラビノガラクタンを含むキンレンカ(Tropaolum majus)由来の活性成分を記載している。
【0009】
米国特許出願公開第20180028437(A1)号は、ヒトの身体の皮膚のためのアンチエイジング剤としての、褐藻類(Undaria pinnatifida gameocytes)の親油性抽出物の使用を記載している。
【0010】
内因性活性酸素種(ROS)は加齢と共に増加し、一酸化窒素と容易に反応して、高い血管狭窄及び細胞毒性効果を有する反応性分子である過酸化亜硝酸塩の産生をもたらすことができる[Holowatz,LA「Aging and the control of human skin blood Flow」(2011)Frontiers in Bioscience 15:718-739]。過酸化亜硝酸塩は、いくつかの重要なiNOS補因子を迅速に酸化することができ、これは、iNOS活性の低下、最終的に一酸化窒素産生をもたらす。結論として、皮膚における血管拡張薬シグナルを増強するための戦略は、一酸化窒素の産生に依存するだけでなく、その有効性を低下させ得るか、又は望ましくない副作用をもたらし得る他の因子も制御すべきである。
【0011】
皮膚酸素化の改善においてより高い有効性を有し、副作用がより少ない治療が必要とされている。
【0012】
トウネズミモチ(一般的に、唐鼠黐又は中国イボタノキとも呼ばれる)は、モクセイ科オリーブ属の常緑の顕花植物であり、中国の南側半分に自生し、多くの場所で天然化されている。それはしばしば観賞用の木として使用されるが、それは伝統的な漢方薬において1000年以上にわたって、特にその果実部分が広く使用されてきた。トウネズミモチの果実は、伝統的な漢方薬においてNu-zhen-ziとして知られており、肝臓及び腎臓に栄養を与え、耳鳴、眩暈、並びに腰及び膝の痛み/衰弱を治療すると考えられている。
【0013】
韓国特許第1896563(B1)号は、皮膚を保湿するのに有用である、化粧用組成物を記載しており、トウネズミモチの葉からの抽出物を含む。好ましい抽出溶媒は、水、70%エタノール、及びブチレングリコールであり、好ましい抽出温度範囲は、水については水18~80℃、EtOH及びブチレングリコールについては18~40℃である。
【0014】
韓国特許第1901670(B1)号は、微細な塵から皮膚を保護するためのトウネズミモチからの抽出物を含む化粧用組成物を記載している。実施例において、溶媒による抽出が、抽出溶媒として70%エタノールを使用して、室温で行われる。
【0015】
日本国特許出願公開第2013184942(A)号は、皮膚ケア組成物において、かつ化粧品として、抗酸化活性を提供し、DNA損傷を防止し、皮膚の老化を処置するためのトウネズミモチ又はネズミモチの抽出物を記載している。抽出物は、葉又は果実から得られる。この例では、室温で、50%エタノールを用いて抽出を行う。
【0016】
トウネズミモチはまた、潜在的な、抗しわ化粧品成分としても研究されている。トウネズミモチ抽出物の3つの部分(すなわち、果実、茎、及び葉の抽出物)の中では、果実抽出物が最も多量のウルソル酸及びオレアノール酸を含有することが見出された。果実からの抽出物は、95%エタノール水溶液を用いて、50~60℃で3時間かけて得られる[Yong Deog Hong,「Excellent Anti-aging Effects of Ursolic acid and Oleanolic acid Present in Ligustrum lucidum」(2012) J.Soc.Cosmet.Scientists Korea Vol.38,No.2,181-187]。
【0017】
韓国特許第2100345(B1)号は、抗酸化活性、抗炎症活性、及び抗しわ活性を有するトウネズミモチ抽出物を含む化粧用組成物を記載している。この例において、抽出は、室温で、70%エタノールを使用して行われる。
好ましくは低い副作用で、皮膚の酸素化を増加させることができる、天然由来の新規の活性化合物を見出す必要がある。
本発明は、これらの必要性のうちの一部又は全部を満たし、上記で特定した問題の一部又は全部を解決することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第2012/045974号
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/0028437号明細書
【特許文献3】韓国登録特許第1896563号公報
【特許文献4】韓国登録特許第1901670号公報
【特許文献5】特開2013-184942号公報
【特許文献6】韓国登録特許第2100345号公報
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Straseski,J.A.et al.「Oxygen deprivation inhibits basal keratinocyte proliferation in a model of human skin and induces regio-specific changes in the distribution of epidermal adherens junction proteins,aquaporin-3,and glycogen」(2009) Wound and Repair Regeneration 17(4):606-616;Steinbrech,D.S.
【非特許文献2】Rosenberger,C.「Upregulation of Hypoxia-Inducible Factors in Normal and Psoriatic Skin」(2007) Journal of Investigative Dermatology.127,2445-2452
【非特許文献3】Brahimi-Horn,M.C.「HIF at a glance」(2009).Journal of Cell Science 122,1055-1057
【非特許文献4】Wong,BJ「Current concepts of active vasodilation in human skin」(2017) Temperature.4:1,41-59
【非特許文献5】Cowburn,A.S.「HIF isoforms in the skin differentially regulate systemic arterial pressure」(2013).Proceedings of the National Academy of Sciences 110(43)
【非特許文献6】Andrew S Cowburn,A.S.「Cardiovascular adaptation to hypoxia and the role of peripheral resistance」(2017).Elife.19;6
【非特許文献7】Peng,Y「Down-Regulation of EPAS1 Transcription and Genetic Adaptation of Tibetans to High-Altitude Hypoxia」(2017).Molecular Biology and Evolution.34(4):818-830
【非特許文献8】Song,D「Defective Tibetan PHD2 Binding to p23 Links High Altitude Adaption to Altered Oxygen Sensing」(2014) The Journal of biological Chemistry.289:21,14656-14665
【非特許文献9】Holowatz,L.A.「Aging and the control of human skin blood flow」(2011) Frontiers in Bioscience.15-718-739
【非特許文献10】Rezvani,HR「Loss of epidermal hypoxia-inducible factor-1a accelerates epidermal aging and affects re-epithelialization in human and mouse(2015).Journal of Cell Science.124,4172-4183
【発明の概要】
【0020】
本発明は、化粧品用途において有利に作用することができる新しい植物抽出物の発見に基づく。特に、抽出物は、皮膚の美容的非治療的処置及び/又はケアにおいて有用であるが、その有用性は、皮膚の微小循環又は血管新生を改善及び/若しくは増加させること、皮膚酸素化を改善若しくは増加させること、皮膚の赤らみを改善若しくは増加させること(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状を軽減及び/若しくは予防すること、皮膚の滑らかさを増加させること、並びに/又は皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させることが含まれる。植物抽出物は、トウネズミモチの果実からの抽出物であり、特定の条件下で、亜臨界水を抽出溶媒として用いて、トウネズミモチの果実を固液抽出することによって得ることができる。植物抽出物は、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の形態で得ることができる。
【0021】
本発明の第1の態様は、トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む、プロセスに関する。
【0022】
別の一態様では、本発明は、トウネズミモチの果実から得られる水性植物抽出物を提供する。水性植物抽出物は、例えば、濃縮又は乾燥によって精製することができる。本発明は、そのように精製された水性植物抽出物に拡張される。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、本発明の第1の態様のプロセスによって得ることができる/得ることが可能である。
【0023】
別の一態様では、本発明は、水性植物抽出物及び水混和性有機溶媒を含む組成物、又は精製された水性植物抽出物、水混和性有機溶媒、及び任意選択的に水を含む組成物を提供する。これらの組成物のそれぞれは、ストック溶液(すなわち植物抽出物が保存され、使用時、例えば化粧用組成物での使用時に、より低濃度に希釈することができる溶液)として有用であり得る。
【0024】
別の一態様では、本発明は、水性植物抽出物、精製された水性植物抽出物、又は前述の組成物(水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物及び水混和性有機溶媒を含む組成物)のうちの1つと、化粧品として許容される賦形剤又は成分と、を含む、化粧用組成物を提供する。
【0025】
別の一態様では、本発明は、皮膚微小循環及び/又は血管新生を改善又は増加させるための、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用を提供する。
【0026】
別の一態様では、本発明は、皮膚酸素化を改善又は増加させるための、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用を提供する。
【0027】
別の一態様では、本発明は、皮膚の赤らみを改善する(自然な紅潮)ための、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用を提供する。
【0028】
別の一態様では、本発明は、皮膚の老化の症状を軽減及び/又は予防するための、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用を提供する。
【0029】
別の一態様では、本発明は、皮膚の滑らかさを増加させるための、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用を提供する。
【0030】
別の一態様では、本発明は、皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させるための、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用を提供する。
【0031】
別の一態様では、本発明は、有効量の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物を、皮膚に局所的に投与することを含む、皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアのための方法を提供する。皮膚の美容的な非治療的処置及び/又はケアは、皮膚の微小循環若しくは血管新生の改善及び/若しくは増加、皮膚酸素化の改善若しくは増加、皮膚の赤らみの改善若しくは増加(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状の軽減及び/若しくは予防、皮膚の滑らかさの増加、並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさの改善若しくは増加であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0032】
定義
本発明の文脈において、「皮膚」とは、最上層又は角質層から最下層又は皮下組織までの、両方を含む、皮膚を構成する複数の層であると理解される。これらの層は、とりわけ、ケラチン生成細胞、線維芽細胞、メラニン形成細胞、肥満細胞、ニューロン及び/又は脂肪細胞などの異なる種類の細胞から構成される。本発明の文脈において、皮膚は、顔(眼周囲の皮膚を含む)、襟足、首、デコルテ、腕、手、脚、足、大腿、臀部、腹部、及び胴体の皮膚、並びに頭皮などの、全身の皮膚を含む。用語「皮膚」は、哺乳動物の皮膚を含み、ヒトの皮膚を含む。同様に、用語「毛髪、爪、及び粘膜」は、哺乳動物、例えば、ヒトの毛髪、爪、及び粘膜を含む。
【0033】
本明細書で使用される際、「美容的な非治療的」という但し書を伴わない場合の「処置」という用語は、疾患若しくは障害を軽減若しくは排除するための、又は疾患若しくは障害に関連する1つ以上の症状を低減若しくは排除するための本発明による化合物の投与を対象とする方法を含む治療方法を指す。「美容的な非治療的」という但し書を伴わない場合の用語「処置」はまた、疾患又は障害の生理学的結果を軽減又は排除することを対象とする治療方法も網羅する。
【0034】
「処置」及び「ケア」という用語が、「美容的な非治療的」という但し書を伴う場合、処置又はケアが、皮膚、毛髪、爪、及び/又は粘膜の美的外観を改善又は維持することを目的としていることを意味する。特に、処置は、皮膚、毛髪、爪及び/又は粘膜の美容上の特性、例えば限定されるものではないが、皮膚、毛髪、爪及び/又は粘膜の審美的な外観に影響を及ぼす特性である水和レベル、弾性、張り、つや、色調又は質感などを改善する目的を有し得る。本明細書の文脈における「ケア」という用語は、皮膚、毛髪、爪、及び/又は粘膜の特性の維持を指す。上記特性は、健常な対象と、皮膚、毛髪、爪、及び/若しくは粘膜の疾患及び/又は障害を示す対象の両方において、皮膚、毛髪、爪及び/若しくは粘膜の美容的処置及び/又はケアによって改善又は維持されやすい。
【0035】
本発明において使用される用語「予防」は、疾患若しくは障害の出現若しくは発症を予防、遅延、若しくは妨害するか、又は皮膚、粘膜、及び/若しくは毛髪の美容上の特性の変化を予防、遅延、若しくは妨害する、本発明の化合物の能力を指す。本発明において使用される用語「予防」は、用語「阻害」と互換性があり、すなわち、疾患又は障害の出現又は発症を阻害するか、あるいは皮膚、毛髪、爪及び/又は粘膜の美容上の特性の変化を阻害する本発明の化合物の能力を指す。
【0036】
本発明の文脈において、「老化」という用語は、内因性の老化プロセス(すなわち、経時老化)の結果として、又は環境要因(すなわち、太陽への曝露(光老化)又はタバコの煙などの環境因子、寒風の極端な気候条件、又は風、化学汚染物質又は汚染物質)によって誘発される外因性の皮膚の老化プロセスの結果として、皮膚が経験する変化を指す。本発明の文脈において、老化には、例えば、限定されるものではないが、しわ、小じわ、表情線、妊娠線、深いしわ、凹凸、又はざらつきなどの皮膚上の不連続性の進行、毛穴サイズの増大、潤いの喪失、弾力性(elasticity)の喪失、ハリの喪失、滑らかさの喪失、変形からの回復能力の喪失、弾力性(resilience)の喪失、頬のたるみなどの皮膚のたるみ、とりわけ、くまの出現、又は二重あごの出現、しみ、発赤、くまなどの皮膚の色の変化、又はとりわけ老人性色素斑若しくはそばかすなどの色素過剰領域の出現、異常な分化、過角質化、弾性線維症、角化症、脱毛、オレンジピールスキン、コラーゲン構造の喪失、及び角質層、真皮、表皮、血管系(例えば、くも状静脈又は毛細血管拡張の出現)、又はとりわけ、皮膚に近い組織の他の組織学的変化などの全ての外見上の、かつ/又は触れることで知覚可能な変化が含まれる。「光老化」という用語は、皮膚に早期老化をもたらす紫外線に皮膚が長時間さらされることによる一連のプロセスをまとめたものであり、これは、限定されるものではないが、弛緩、たるみなどの老化と同じ身体的特徴を示し、色の変化又は色素沈着の不規則性、異常及び/又は過度な角質化を示す。種々の環境要因、例えばタバコの煙への曝露、汚染への曝露、並びに気候条件、例えば寒さ及び/又は風の総和もまた、皮膚の老化に寄与している。
【0037】
本明細書で使用される際、「約」という用語は、例えば、測定可能な値(例えば、特定の成分の量若しくは重量、又は温度)を指す場合、指定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、又は特に±0.1%の変動を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、包括的又は制約がなく、追加の列挙されていない要素又は方法ステップを除外せず、代替の実施形態として、「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consistingof)」という句を包含することが意図され、「からなる(consisting of)」は、指定されていないいかなる要素又はステップをも除外し、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、検討中の組成物又は方法の本質的又は基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の列挙されていない要素又はステップの包含を許容する。
【0039】
「植物抽出物」は、固体/液体抽出から得られる生成物を意味すると理解され、固体/液体抽出によって、植物部分(固体)に含有される植物化学化合物が、溶媒によって可溶化される。植物(botanical)抽出物は、本明細書では「植物(plant)抽出物」とも呼ばれる。
【0040】
トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセス
第1の態様において、本発明は、トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含むプロセスを提供する。
【0041】
このプロセスは、トウネズミモチの果実からの固体-液体抽出を含む。トウネズミモチは、中国原産のモクセイ科の小木であり、世界中の様々な国に輸送されている。トウネズミモチは、広葉イボタノキ、中国イボタノキ、ツヤイボタノキ、樹木イボタノキ、又はロウ葉イボタノキとしても一般に知られている。トウネズミモチの果実は、中国ではNu-zhe-ziとしても知られている。典型的には、果実は熟したときに収穫され、後の使用のために乾燥される。
【0042】
本プロセスは、トウネズミモチの果実を提供するステップを含むことができ、したがって、本発明は、トウネズミモチの果実を提供することと、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することと、を含む、トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含むプロセスを提供する。
【0043】
典型的には、トウネズミモチの果実は乾燥形態である。果実を乾燥させて、均質化、操作及び貯蔵をより容易にすることができる。乾燥果実又は乾燥形態の果実とは、10重量%未満の水、5重量%未満の水、2重量%未満の水又は1重量%未満の水という含水量を有するように乾燥された果実を意味する。これは、例えば、AOAC Official Method AOAC 934.06-1934(1996)により測定することができる。しかしながら、熟した果実などの乾燥されていない果実を使用することもできる。果実は、本明細書において原料とも呼ばれる。
【0044】
典型的には、抽出に使用される乾燥果実:亜臨界水の比(グラム単位の乾燥果実の重量:mL単位の亜臨界水の体積)は、1:5~1:50、又は1:10~1:30、又は1:10~1:25、又は1:15~20g/mL、又は1:25~1:30g/mLの範囲である。特に、上記の比は、1:13、又は1:15、又は1:20、又は1:22、又は1:25、又は1:27g/mLである。
【0045】
有利には、果実は抽出前に粉砕又は破砕される。粉砕された果実は、例えば、100pm~50mmの範囲の粒径で、0.5~5mmの平均粒径を有することができる。より具体的には、平均粒径は0.5~1mmの範囲である。平均粒径は、例えばふるい分析を含む方法などの従来の方法によって決定することができる。当該技術分野で公知の任意の適切な粉砕/破砕技術が、果実の所望の粒子サイズを得るために使用され得る。
【0046】
好ましくは、抽出はトウネズミモチの果実のみに対して行われ、すなわち、他の植物材料は存在しない。果実を中性物質と混合して、溶媒抽出のためにより乾燥させ、かつ/又はより多孔質にすることができる。適切な中性材料としては、グラフェン、シリカゲル、C18樹脂、珪藻土、及び中性アルミナが挙げられる。特に好適な中性物質は珪藻土である。
【0047】
抽出溶媒は、少なくとも140℃の温度であり、それを液体状態に保つ圧力に保持された亜臨界水である。亜臨界水は、100℃のその自然沸点(すなわち、大気圧でのその沸点)よりも高い温度で、圧力によって液体状態で保持される水である。亜臨界水は、374℃のその臨界点温度までの温度を有することができる。亜臨界水は、「加圧低極性水」、「加圧熱水」又は「圧縮熱水」とも呼ばれる。水を加圧下でその沸点より高い温度に加熱すると、極性などのその重要な特性が変化する。抽出は、加圧可能な容器、典型的にはステンレス鋼容器中で行われる。好ましくは、本プロセスにおいて使用される唯一の抽出溶媒は、亜臨界水であり、すなわち、抽出は、いかなる他の有機又は無機溶媒も存在しない状態で、亜臨界水を用いて行われる。
【0048】
抽出中、亜臨界水は、少なくとも140℃の温度である必要がある。亜臨界水の温度は、約140℃~約180℃、又は約150℃~約175℃、又は約155℃~約170℃、又は約155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃であることができる。有利には、温度は約160℃である。
【0049】
抽出中、加圧可能な容器内の圧力は、亜臨界水が液体状態で維持されるような圧力でなければならない。これを達成するのに必要な圧力は水の温度に依存して変化する。当業者であれば、必要な圧力を決定することができるであろう。典型的には、圧力は0.5MPa~20MPaの範囲である。圧力は、少なくとも約1MPaであり得る。圧力は、約1~約5MPa又は約1~約2MPaであり得る。
【0050】
果実を亜臨界水と接触させるステップは、少なくとも約5分間行われる。この時間は、果実が亜臨界水と接触している時間であり、水が静止していても果実上を流れていてもよい。この期間は、本明細書では抽出時間とも呼ばれる。抽出時間は、例えば、使用される果実及び水の量に依存して変化する。典型的には、抽出時間は5分~約5時間で変化する。例えば、抽出時間は、少なくとも約15分、又は少なくとも約30分、又は少なくとも約1時間、又は少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間であり得る。
【0051】
抽出は、バッチモード(「静的モード」とも呼ばれる)又は動的モード(「フロースルー」とも呼ばれる)で行うことができる。バッチモードでは、原料(果実)をバッチで亜臨界水に曝露する(すなわち、接触させる)。バッチモードでは、使用される亜臨界水の体積は、原料のサンプルのための全てのバッチに使用される亜臨界水の総体積である。バッチモードでは、抽出時間は、原料のサンプルの全てのバッチにわたって原料が亜臨界水に曝露される合計時間である。動的モードでは、原料は水の連続流にさらされる。動的モードでは、使用される亜臨界水の体積は、原料のサンプルに使用される亜臨界水の総体積である。動的モードでは、抽出時間は、原料が原料のサンプル用の亜臨界水の流れに曝露される合計時間である。植物抽出物のより迅速で大規模な生産のために、有利には、抽出は動的モードで行われる。
【0052】
抽出物がバッチモードで得られる場合、抽出時間は、約5~45分、約5~30分、又は約10~20分の範囲であってよい。抽出時間は、約15分であり得る。
【0053】
抽出物が動的様式で得られる場合、抽出時間は、約1時間~約5時間、又は約2時間~約4時間の範囲であり得る。抽出時間は約3時間~約3.5時間であり得る。動的モードでは、亜臨界水の流量は、約5~30mL/分であり得る。流速は、約10~20mL/分、又は約14~16mL/分であり得る。
【0054】
果実を亜臨界水と接触させるステップの間に、果実から成分が亜臨界水中に抽出される。より具体的には、果実の成分は亜臨界水に溶解し、その結果、水性植物抽出物を形成する。水性植物抽出物の組成の詳細は、「トウネズミモチから得られる植物抽出物」と題する以下のセクションに記載されている。本プロセスは、果実(すなわち、あらゆる未溶解果実)を水性植物抽出物から分離するステップを含む。典型的には、このステップは簡単であり、加圧容器内に果実を保持しながら、加圧容器から水性植物抽出物を放出することを単に含む。他の適切な分離技術は当該技術分野で公知であり、例えば、濾過、沈降、デカンテーション、又は遠心分離が挙げられる。濾過は、1000μm未満、又は20μm未満、又は10μm未満、又は1μm未満、又は0.1μm未満の孔径を有するフィルタを使用して行うことができる。濾過は、例えば孔径が減少する複数のフィルタを使用して、連続的な濾過操作で行うことができる。濾過後に残った残留物(溶解していない果実)は、より多くの抽出溶媒と再度接触させてもよい。この濾過-再接触ステップは、1回だけ行ってもよく、あるいは繰り返してもよく、例えば、1~5回繰り返してもよい。好ましくは、水性植物抽出物が冷却して抽出物成分を沈殿させる前に、分離を行う。
【0055】
水性植物抽出物を果実から分離した後、それを精製することができる(「精製された水性植物抽出物」を形成するため)。本発明の文脈において、「精製する」とは、精製、部分精製、及び/又は分画を意味する。植物抽出物の精製のためには、当該技術分野において周知の多数の技術が存在する。いくつかの非限定的な例としては、固液抽出、液液抽出、固相抽出(solid-phase extraction、SPE)、膜濾過、限外濾過、透析、電気泳動、溶媒濃縮、遠心分離、超遠心分離、高圧を伴う若しくは伴わない液相若しくは気相クロマトグラフィー(サイズ排除、アフィニティーなどを含む)、凍結乾燥、蒸発、様々な「担体」(PVPP、炭素、抗体などが挙げられる)を用いた沈殿、又はそれらの様々な組合せが挙げられる。一実施形態において、水性植物抽出物は濃縮されて、水性植物抽出物の濃縮物を形成する。あるいは、水性植物抽出物は乾燥されて、植物抽出物の固体形態を形成する。水性植物抽出物は、10重量%以下の水、5重量%以下の水、2重量%以下の水、又は1重量%以下の水を含有するように乾燥され得る。これは、例えば、水分含有量決定法AOAC(2000)によって測定することができる。適切な濃縮及び/又は乾燥方法は、当該技術分野において周知である。例としては、減圧蒸発、蒸発、減圧蒸留、蒸留、オーブン乾燥、天日干し、及び凍結乾燥(すなわち、フリーズドライ)、噴霧乾燥、噴霧化又は流動床乾燥機が挙げられるが、これらに限定されない。濃縮又は乾燥は、担体又は他の賦形剤を用いて又は用いずに、水性植物抽出物に対して行うことができる。
【0056】
抽出は、亜臨界水抽出を可能にする当該技術分野で知られている任意のシステムで行うことができ、例としては、バッチ抽出器又は連続抽出器を含むシステムが挙げられる。
【0057】
トウネズミモチから得られる植物抽出物
一態様では、本発明は、トウネズミモチの果実から得られる植物抽出物を提供する。植物抽出物は、亜臨界水による抽出によってトウネズミモチの果実から得ることができ/得ることが可能であり、ここで抽出は、果実を亜臨界水と、少なくとも140℃の温度で、当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間接触させるステップを含む。これらの特定の抽出条件下で、新規な植物抽出物を得ることができ、驚くべきことに、この抽出物が有利な化粧品特性を有するということが判明している。具体的には、植物抽出物は、「トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセス」と題された上記セクションに記載されたプロセスによって得ることができる/得ることが可能である。植物抽出物は、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の形態で得ることができる。本明細書に記載される抽出プロセスの詳細は、本明細書に提供される植物抽出物、水性植物抽出物、及び/又は精製水性植物抽出物の定義に、適用又は組み込むことができる。
【0058】
植物抽出物は、水性植物抽出物の形態であり得る。本発明のプロセスにおいて、亜臨界水による抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む。換言すれば、抽出は、少なくとも140℃の温度及び亜臨界水を液体状態に維持する圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、その結果、水性植物を形成するステップを含む。このステップ中に、果実から成分が亜臨界水中に抽出される。具体的には、果実の成分が亜臨界水に溶解して、水性植物抽出物を形成する。本質的に、植物抽出物は、抽出成分(果実から抽出され、亜臨界水に溶解する成分)である。水性植物抽出物は、水性形態の植物抽出物である。水性植物抽出物は、植物抽出物及び水を含む組成物である。水が亜臨界状態である間、抽出成分は水に溶解したままであり、水性植物抽出物は溶液となっている。抽出後、水が冷えてより低い圧力になると、抽出された成分が溶液から沈殿を開始し得る。したがって、抽出された成分は、水性植物抽出物中に完全に溶解していても、溶解していなくてもよい。
【0059】
上記のプロセスにおいて、水性植物抽出物を精製ステップに供して、精製された水性植物抽出物を生成してもよい。精製された水性抽出物は、水性植物抽出物の濃縮物、又は非晶質固体、結晶性若しくは部分結晶性固体などの植物抽出物の固体形態、任意選択的に、粉末の形態であってよい。
【0060】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、及びコニフェリルアルコールを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、及びアピゲニンを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、及びアピゲニンを含み得る。
【0061】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1つの化合物と、を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピル-アルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピル-アルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンを含み得る。
【0062】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピル-アルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1つの化合物と、を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、バニリン、4-ヒドロキシ安息香酸、シナピル-アルコール、及びサリチル酸を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンを含み得る。
【0063】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸 ケンペロール 3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを含み得る。
【0064】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、コニフェリルアルコールと、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピル-アルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1つの化合物と、を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピル-アルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピル-アルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンを含み得る。
【0065】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、コニフェリルアルコールと、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1つの化合物と、を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、バニリン、4-ヒドロキシ安息香酸、シナピル-アルコール、及びサリチル酸を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンを含み得る。
【0066】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸 ケンペロール 3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを含み得る。
【0067】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチン、アピゲニンと、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピル-アルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1つの化合物と、を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、アピゲニン、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピルアルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、アピゲニン、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピル-アルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンを含み得る。
【0068】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、アピゲニンと、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1つの化合物と、を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、アピゲニン、バニリン、4-ヒドロキシ安息香酸、シナピル-アルコール、及びサリチル酸を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、アピゲニン、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンを含み得る。
【0069】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、アピゲニン、バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸 ケンペロール 3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを含み得る。
【0070】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、コニフェリルアルコールと、アピゲニンと、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1つの化合物と、を含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、アピゲニン、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピル-アルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、アピゲニン、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンを含み得る。
【0071】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、コニフェリルアルコールと、アピゲニンと、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1つの化合物とを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、アピゲニン、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピル-アルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを含み得る。水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、アピゲニン、バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンを含み得る。
【0072】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、アピゲニン、バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸 ケンペロール 3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを含み得る。
【0073】
ストック溶液
上記のように、亜臨界水による抽出によってトウネズミモチの果実から得られる植物抽出物は、水性形態、すなわち水性植物抽出物の形態であり得る。果実から抽出された成分は、水性植物抽出物中に完全に溶解していてもよく、又は溶解していなくてもよい。有利には、水性植物抽出物を水混和性有機溶媒と混合して、抽出された成分を溶液中に保持することができる。本発明の植物抽出物を得るためのプロセスは、本明細書で定義される水性植物抽出物を、水混和性有機溶媒と混合することを含むステップを含むことができる。得られる組成物は、水性植物抽出物及び水混和性有機溶媒を含む。例えば、水をこの組成物に添加して、水混和性溶媒の必要な濃度を得ることができる。本発明の植物抽出物を得るためのプロセスは、本明細書で定義される精製された水性植物抽出物を、水混和性有機溶媒及び任意選択的に水と混合することを含むステップを含むことができる。得られる組成物は、精製された水性植物抽出物を、水混和性有機溶媒及び任意選択的に水と共に含む。精製された水性植物抽出物は、水性植物抽出物の濃縮物又は植物抽出物の固体形態であり得る。これらの組成物は、本明細書において「ストック溶液」とも呼ばれる。
【0074】
水混和性有機溶媒は、好ましくは化粧品として許容される有機溶媒であり、ポリオールであってもよい。好適なポリオールとしては、2つのアルコール官能基(-OH基)を含有する有機化合物であるグリコール、例えば、C2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はトリオール、グリセリンが挙げられる。C2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオールには、各異性体形態のC2~C10又はC2~C8アルカンジオールが含まれ、これらは置換又は非置換であり得る。置換されている場合、アルカンジオールは、例えば、ハロ基、ヒドロキシル基、エステル基、ニトロ基、シアノ基、ハロアルキル基、スルホニル基及びカルボニル基から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。水混和性有機溶媒は、1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、又はカプリリルグリコール、及びこれらの混合物から選択することができる。特に、ポリオールはグリセロール[本明細書ではグリセリン(glycerine又はglycerin)とも呼ばれる]である。
【0075】
水性植物抽出物及びポリオール及び任意選択の(追加的)水を含む組成物は、組成物の総重量に基づいて少なくとも50重量%、又は50重量%~90重量%、又は50重量%~80重量%、又は55重量%~80重量%のポリオール濃度を有することができる。典型的には、残りは水性植物抽出物及び水で構成される。例えば、組成物は50重量%までの水を含むことができる。好ましくは、ポリオールはグリセリンである。精製された植物抽出物及びポリオール及び水を含む組成物は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量%、又は50重量%~90重量%、又は50重量%~80重量%、又は55重量%~80重量%のポリオール濃度を有することができる。典型的には、残りは精製された植物抽出物及び水で構成される。例えば、組成物は50重量%までの水を含むことができる。好ましくは、ポリオールはグリセリンである。
【0076】
これらの組成物は、約10~100ppm、又は約20~80ppm、又は30~60ppmのポリフェノールを含み得る。特に、水性植物抽出物と、ポリオールと、任意選択の(追加的)水とを含む組成物は、約10~100ppm、又は約20~80ppm、又は30~60ppmのポリフェノールを含み得る。ポリフェノールは、複数のフェノール単位によって特徴付けられる有機化合物であり、フラボノイド、フェノール酸、クマリン、及びスチルベンが含まれる。
【0077】
これらの組成物は、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物のいずれかを含み、したがって、上記の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の成分を含む。
【0078】
これらの組成物は、約1~約40ppmのオレウロペイン、約1~約40ppmのサリドロシド、及び約0.1~約3ppmのミリセチン(3,5,7-トリヒドロキシ-2-(3,4,5-トリヒドロキシフェニル)クロメン-4-オン)を含み得る。オレウロペインは、約10~30ppm、又は約12~25ppm、又は約20~30ppmの量で存在することができる。サリドロシドは、約1~約22ppm又は約10~20ppmの量で存在することができる。ミリセチンは、約0.2~約2ppm、又は約0.5~約1.5ppmの量で存在することができる。
【0079】
これらの組成物は、更に、約1又は2~約25ppmのコニフェリル-アルコール(4-[(E)-3-ヒドロキシプロプ-1-エニル]-2-メトキシフェノール)及び/又は約0.01~約5ppmのアピゲニンを含み得る。コニフェリル-アルコールは、約2~約15ppm、又は約4~約9ppmの量で存在することができる。アピゲニンは、約0.05~約3ppm又は約1~約2.5ppmの量で存在することができる。
【0080】
これらの組成物中に存在する場合、ナリンゲニンは、約0.001~約0.01ppmのナリンゲニン、又は約0.001~約0.02ppm、又は約0.001~約0.005ppmの量で存在し得る。
【0081】
これらの組成物中に存在する場合、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)は、約0.05~約2ppm、又は約0.1~約1ppm、又は約0.2~約0.5ppmの量で存在し得る。
【0082】
これらの組成物中に存在する場合、4-ヒドロキシベンズアルデヒドは、約0.01~約0.5ppm、又は約0.02~約0.2ppm、又は約0.04~約0.1ppmの量で存在し得る。
【0083】
これらの組成物中に存在する場合、4-ヒドロキシ安息香酸は、約0.1~約1ppm、又は約0.05~約0.5ppm、又は約0.1~約0.3ppmの量で存在し得る。
【0084】
これらの組成物中に存在する場合、ケルセチン(2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシクロメン-4-オン)は、約0.05~約0.3ppm、又は約0.01~約0.15ppm、又は約0.03~約0.07ppmの量で存在し得る。
【0085】
これらの組成物中に存在する場合、(4-[(E-3-ヒドロキシプロプ-1-エニル]-2,6-ジメトキシフェノール)は、約0.1~約3ppm、又は約0.2~約2ppm、又は約0.4~約1ppmの量で存在し得る。
【0086】
化粧用組成物
本発明の植物抽出物は、植物抽出物と対象の身体の皮膚との間の接触を引き起こす任意の手段によって投与することができ、植物抽出物を含有する組成物の形態であり得る。好ましくは、対象は哺乳動物、より好ましくはヒトである。
【0087】
別の一態様では、本発明は、水性植物抽出物、精製された水性植物抽出物、又はストック溶液(全て本明細書で定義される)を、化粧品として許容される少なくとも1種の賦形剤又はアジュバントと共に含む、化粧用組成物を提供する。これらの組成物は、当業者に知られている従来の手段により調製され得る[「Harry’s Cosmeticology」,Seventh edition,(1982),Wilkinson J.B.,Moore R.J.,ed.Longman House,Essex,GB]。
【0088】
化粧用組成物は、投与すべき本発明の植物抽出物の美容上有効な量、並びに植物抽出物の投与量を含有し、美容上有効な量並びに投与量は、年齢、患者の状況、状態の性質若しくは重症度、処置及び/若しくはケアされる障害若しくは疾患、投与の経路及び頻度、並びに使用される化合物の特定の性質を含む多数の因子に依存する。
【0089】
用語「美容上有効な量」とは、所望の効果を提供するための、本発明の抽出物の非毒性であるが十分な量を意味すると理解される。本発明の抽出物又はストック溶液は、所望の効果を達成するために、美容上有効な濃度で本発明の化粧用組成物において使用され、例えば、組成物の総重量に対して、0.00000001%(重量)~20%(重量)の量、0.000001%(重量)~15%(重量)、0.00001%(重量)~10%(重量)、又は0.0001%(重量)~5%(重量)、又は0.1~4%(重量)、又は1~3%(重量)の量である。例えば、本発明の水性植物抽出物又はストック溶液は、0.1~4%(重量)、又は1~3%(重量)、又は1.5~2.5%(重量)、又は2%(重量)の量で化粧用組成物中に存在することができる。
【0090】
本発明による抽出物、ストック溶液及び組成物はまた、皮膚と直接接触する織物、不織布及び医療機器に組み込むことができ、したがって、身体の水分、皮膚のpH又は体温による、布、不織布若しくは医療機器への結合系の生分解によって、又はそれらと身体との摩擦によってのいずれかに関わらず、本発明の化合物を放出する。更に、本発明の化合物は、身体と直接接触する衣類の作製に用いられる織物及び不織布に組み込まれ得る。
【0091】
織物、不織布、衣類、医療機器、及びそれらに化合物を固定化するための手段の例は、中でも、上記の送達系及び/又は徐放系であり、文献に見出すことができ、先行技術で知られている[Schaab C.K.(1986)HAPPI May 1986;Nelson G.,「Application of microencapsulation in textiles」,(2002),Int.J.Pharm.,242(1-2),55-62;「Biofunctional Textiles and the Skin」(2006)Curr.Probl.Dermatol.v.33,Hipler U.C.and Elsner P.,eds.S.Karger AG,Basel,Switzerland;Malcolm R.K.et al.,「Controlled release of a model antibacterial drug from a novel self-lubricating silicone biomaterial」,(2004),J.Cont.Release,97(2),313-320].好ましい織物、不織布、衣類、及び医療デバイスは、帯具、ガーゼ、Tシャツ、ソックス、タイツ、下着、ガードル、手袋、おむつ、生理用ナプキン、包帯、ベッドカバー、ワイプ、接着パッチ、非接着パッチ、閉塞性パッチ、微小電気パッチ、及び/又はフェイスマスクである。
【0092】
本発明は、上記のように、抽出物が組み込まれた織物、不織布及び医療装置に及ぶ。
【0093】
本発明の化粧用組成物は、所望の投与形態を製剤化するために必要な化粧品的又は薬学的に許容される賦形剤を任意に含む、局所又は経皮適用のための組成物であり得る。
【0094】
局所又は経皮適用のための組成物は、任意の固体、液体、又は例えば、クリームが挙げられるが、これに限定されない半固体の製剤、水中油及び/又は水中シリコーン型エマルジョン、油中水及び/又はシリコーン中水型エマルジョン、水/油/水又は水/シリコーン/水型エマルジョン及び油/水/油又はシリコーン/水/シリコーン型エマルジョンなどが挙げられるが、これらに限定されない多重エマルジョン、無水組成物、水性分散、油、ミルク、バルサム、泡状物、ローション、ジェル、クリームジェル、含水アルコール(hydroalcoholic)溶液、ハイドログリコール(hydroglycolic)溶液、ハイドロゲル、リニメント、血清、石鹸、シャンプー、コンディショナー、血清、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、パウダー、バー、ペンシル並びにスプレー又はエアロゾル(スプレー)に製造でき、リーブオン型及びリンスオフ型の製剤を含む。これらの局所又は経皮適用製剤は、当業者に既知の技法を用いて、例えば、絆創膏、ガーゼ、Tシャツ、靴下、タイツ、下着、ガードル、手袋、おむつ、生理用ナプキン、包帯材、ベッドカバー、拭き取り材、接着パッチ、非接着パッチ、密封パッチ、微小電気パッチ若しくはフェイスマスクが挙げられるが、これらに限定されない様々な種類の固体装備品に組み込むことができ、又は、とりわけ、液体ファンデーション及びコンパクトファンデーションなどのメイクアップファンデーション、メイクアップ落としローション、メイクアップ落とし乳液、くま用コンシーラー、アイシャドウ、リップスティック、リッププロテクター(lip protector)、リップグロス及びパウダーなどの種々のメイクアップ製品に組み込むことができる。
【0095】
一実施形態において、本発明の化粧用組成物は、クリーム、多重エマルジョン、溶液、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳液、バルサム、フォーム、ローション、ゲル、クリームゲル、含水アルコール溶液、ヒドログリコール溶液、ヒドロゲル、リニメント剤、石鹸、シャンプー、コンディショナー、漿液、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、粉末、バー、ペンシル、スプレー、又はエアロゾルから選択される形態である。
【0096】
本発明の化粧用組成物には、本発明の化合物の経皮吸収を増加させる剤が含まれ、例えば、限定されるものではないが、とりわけ、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤、アゾン(1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン)、アルコール、尿素、エトキシジグリコール、アセトン、プロピレングリコール、又はポリエチレングリコールなどが含まれる。更に、本発明の化粧用組成物は、イオントフォレーシス、ソノフォレーシス、エレクトロポレーション、微小電気パッチ、機械的圧力、浸透圧勾配、閉塞治療(occlusive cure)、マイクロインジェクション若しくは酸素圧による注射などの圧力による無針注射又はこれらのいずれかの組み合わせにより、処置される局部区域に適用して、本発明のペプチドのより優れた浸透を達成することができる。適用区域は、処置及び/又はケアされる状態、障害及び/又は疾患の性質により決定される。
【0097】
本発明による化粧用組成物は、局所経路又は経皮経路によるのと同様に、経口又は非経口経路などの、他の任意の適切な経路によっても投与でき、そのため、組成物は、所望の投与形態の製剤に必要な薬学的に許容される賦形剤を含む。本発明の文脈において、用語「非経口」には、鼻、耳、眼、直腸、尿道、腟、皮下、皮内経路、静脈内、筋内、眼内、硝子体内、角膜内、脊髄内、髄内、頭蓋内、頸管内、脳内、髄膜内、関節内、肝内、胸腔内、気管内、くも膜下腔内及び腹腔内などの血管内注射、並びに別の任意の同様な注射又は注入技法が含まれる。当業者は、本発明の化合物を含有する化粧用組成物を投与できる種々の手段を知っている。
【0098】
あるいは、本発明の抽出物及び組成物は、経口投与用の様々な種類の製剤で、好ましくは、経口化粧品又は薬物の形態で、例えば、限定されるものではないが、ゼラチンカプセル、軟カプセル、硬カプセルを含むカプセル、糖衣錠を含む錠剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒、チューインガム、溶液、懸濁物、エマルジョン、シロップ、エリキシル剤、多糖フィルム、ゼリー又はゼラチン、及び当業者に知られる他の任意の形態で使用され得る。特定の実施形態において、本発明の化合物は、例えば、ダイエタリーバー又はコンパクトパウダー若しくは非コンパクトパウダーなどが挙げられるが、これらに限定されない任意の形態の機能性食品又は強化食品に組み込むことができる。これらのパウダーは、水、ソーダ、乳製品、大豆派生製品に溶解され得るか、又はダイエタリーバーに組み込まれ得る。本発明の抽出物及び組成物は、経口組成物又は栄養補助食品のための一般的な賦形剤及びアジュバントと共に配合することができ、それらには、例えば、食品業界において一般的な脂肪成分、水性成分、保水剤、保存料、食感改良剤(texturizing agent)、香味料、芳香、抗酸化剤、及び着色料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
本発明に記載の化粧用組成物に含有される化粧品的又は薬学的に許容されるアジュバントの中には、化粧用組成物又は医薬組成物に一般的に使用される追加的成分があり、例えば、これらに限定されないが、(i)抗シワ剤、ボトックス様剤、及び/又はアンチエイジング剤;(ii)引き締め剤、皮膚弾力剤、及び/又は再構築剤;保湿剤;(iv)光老化防止剤、及び/又は青色光保護剤;DNA保護剤、DNA修復剤、及び/又は幹細胞保護剤;フリーラジカルスカベンジャー、及び/又は抗糖化剤、解毒剤、抗酸化剤、及び/又は抗汚染剤;制汗剤;メラニン合成刺激剤又は阻害剤;美白剤又は脱色素剤;前色素沈着剤;セルフタンニング剤;脂肪分解剤又は脂肪分解刺激剤、脂肪生成剤などが挙げられる。追加の例は、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary&Handbook,12th Edition(2008)に見出すことができる。
【0100】
一実施形態において、本発明は、化粧用組成物を提供し、その化粧用組成物は、本発明の抽出物(例えば、水性植物抽出物、精製された水性植物抽出物、又はストック溶液の形態)と、化粧品的に許容される量の、(i)抗シワ剤、ボトックス様剤、及び/又はアンチエイジング剤;(ii)引き締め剤、皮膚弾力剤、及び/若しくは再構築剤;(iii)保湿剤;(iv)光老化防止剤、及び/若しくは青色光保護剤;(v)DNA保護剤、DNA修復剤、及び/若しくは幹細胞保護剤、(vi)フリーラジカルスカベンジャー、及び/若しくは抗糖化剤、解毒剤、抗酸化剤、及び/若しくは抗汚染剤;並びに/又はこれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む。
【0101】
特定の実施形態において、抗シワ剤、ボトックス様剤及び/又はアンチエイジング剤は、SILAB製の、Oxygestkin(登録商標)[INCI:Tropaelum majusの花/葉/茎からの抽出物]又はEclaline(商標).[INCI:加水分解ルピナスタンパク質オクテニルコハク酸塩];Sederma/Croda製の、Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド-4]、Matrixyl(登録商標)3000(登録商標)[INCI:パルミトイルテトラペプチド-7、パルミトイルオリゴペプチド]、Matrixyl(登録商標)Synthe’6[INCI:グリセリン、水、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、パルミトイルトリペプチド-38]、Matrixyl(登録商標)Morphomics(商標)[INCI:ペンチレングリコール、カプリリルグリコール]、Essenskin(商標)[INCI:ヒドロキシメチオニンカルシウム]、Renovage[INCI:テプレノン]、Dermaxyl(登録商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Calmosensine[INCI:ブチレングリコール、アセチルジペプチド-1セチルエステル]、Volulip[INCI:エチルヘキサン酸セテアリル、イソステアリン酸ソルビタン、Portulaca Pilosa抽出物、ヤシ脂肪酸スクロース、パルミトイルトリペプチド-38]、Subliskin[INCI:Sinorhizobium Meliloti発酵物、セチルヒドロキシエチルセルロース、レシチン]、Biopeptide CL[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Biopeptide EL[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Rigin[INCI:パルミトイルテトラペプチド-3]、Biobustyl[INCI:ポリメタクリル酸グリセリル、Rahnella/ダイズタンパク発酵物、パルミトイルオリゴペプチド]、Dynalift[INCI:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、Sorghum Bicolor柄汁、グリセリン]、Idealift[INCI:アセチルジペプチド-1セチルエステル]、Siegesbeckia[INCI:Siegesbeckia Orientales抽出物]、Ovaliss[INCI:ココグルコシド、カプリリルグリコール、アルコール、グラウシン]、Juvinity(商標)[INCI:ゲラニルゲラニイソプロパノール]、Prolevis[INCI:加水分解植物性タンパク]、Idealift(商標)[INCI:ヒドロキシエチルセルロース、アセチルジペプチド-1セチルエステル]、Beautifeye(商標)[INCI:Albizia Julibrissin皮抽出物、ダルトシド]、Chromocare(商標)[INCI:Sigesbeckia Orientalis抽出物、Rabdosia Rubescens抽出物]、又はResistem[提案されたINCI:Globularia Cordifolia発酵物]。Pentapharm/DSMによって市販されている、Vialox(登録商標)[INCI:ペンタペプチド-3]、Syn(登録商標)-Ake(登録商標)[INCI:ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセテート]、Syn(登録商標)-Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド-5]、Phytaluronate[INCI:Ceratonia Siliqua(イナゴマメ)ガム]、Preregen(登録商標)[INCI:Glycine soja(ダイズ)タンパク、酸化還元酵素]、Pepha-Nutrix[INCI:天然栄養因子]、Pepha-Tight[INCI:藻類抽出物、プルラン]、Pentacare-NA[INCI:加水分解コムギグルテン、イナゴマメガム]、Syn(登録商標)-Tacks[INCI:グリセリン、パルミトイルジペプチド-5ジアミノブチロイルヒドロキシトレオニン、パルミトイルジペプチド-6ジアミノヒドロキシ酪酸]、BeauActive MTP[INCI:加水分解乳タンパク]、Syn(登録商標)-TC[INCI:トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア、パルミトイルトリペプチド-5、パルミトイルジペプチド-5ジアミノブチロイルヒドロキシトレオニン]、Syn(登録商標)-Hycan[INCI:トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア]、Syn(登録商標)-Glycan[INCI:トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア]、Regu-Age[INCI:加水分解コメヌカタンパク、酸化還元酵素、Glycine Sojaタンパク]、Pepha-Timp[INCI:ヒトオリゴペプチド-20]、Pepha-Age[INCI:ドナリエラサリナ抽出物]、Colhibin[INCI:加水分解コメタンパク]、Elhibin[INCI:Glycine Sojaタンパク、ココアンホジ酢酸二ナトリウム]、又はAll-Q(商標)Plus[INCI:ユビキノン、酢酸トコフェリル];Laboratoires Serobiologiques/Cognis/BASFによって市販されている、Myoxinol(商標)[INCI:加水分解Hibiscus esculentus抽出物]、Myoxinol(商標)LS 9736[INCI:加水分解Hibiscus esculentus抽出物、デキストリン]、Syniorage(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-11]、Dermican(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-9]、DN-AGE(登録商標)LS[INCI:Cassia alata葉抽出物]、Hyalufix GL[INCI:Alpinia Galanga葉抽出物]、Neurobiox[INCI:Achillea Millefolium抽出物]、Deliner[INCI:Zea Mays(トウモロコシ)種子抽出物]、Lys'lastine V[INCI:Peucedanum Graveolens(ディル)抽出物]、Extracellium[INCI:加水分解ジャガイモタンパク]、Proteasyl TP LS 8657[INCI:Pisum Sativum抽出物]、Flavagrum PEG[INCI:イソステアリン酸PEG-6、ラウリン酸ヘスペレチン]、Micromerol[INCI:Pyrus Malus果実抽出物]、Extracellium[INCI:加水分解ジャガイモタンパク]、Marine Filling Spheres[INCI:テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル、ジメチルシリル化シリカ、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アテロコラーゲン]、Triactigen[INCI:マンニトール、シクロデキストリン、酵母抽出物、コハク酸二ナトリウム]、Eterniskin[INCI:Grifola Frondosa子実体抽出物、マルトデキストリン]、Ascotide[INCI:リン酸アスコルビルスクシノイルペンタペプチド-12]、Hyalurosmooth[INCI:Cassia Angustifolia種子多糖]、Indinyl CA[INCI:Cassia Angustifolia種子多糖]、Arganyl[INCI:Argania Spinosa葉抽出物]、Sphingoceryl Veg[INCI:植物性セラミド]、Vit-A-Like[INCI:Vigna Acontifolia種子抽出物]、Peptiskin[INCI:アルギニン/リジンポリペプチド]、Prodejine[INCI:マンニトール、シクロデキストリン、酵母抽出物、コハク酸二ナトリウム]、Aqu'activ[INCI:ベヘニルアルコール、オレイン酸グリセリル、コカミドMIPA、クエン酸カルシウム]、Elestan[INCI:グリセリン、Manilkara葉抽出物]、Hibiscin HP[INCI:Hibiscus Esculentus種子抽出物]、Collalift(登録商標)18[INCI:Khaya Senegalensis皮]、Collrepair(商標)DG[INCI:ヘキシレングリコール、ナイアシン]、又はLitchiderm[INCI:Litchi Chinensis Pericarp抽出物];Lipotec/Lubrizolによって市販されている、Argireline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-8]、SNAP-7[INCI:アセチルヘプタペプチド-4]、SNAP-8[INCI:アセチルオクタペプチド-3]、Leuphasyl(登録商標)[INCI:ペンタペプチド-18]、Inyline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-30]、Aldenine(登録商標)[INCI:加水分解コムギタンパク、加水分解ダイズタンパク、トリペプチド-1]、Preventhelia(登録商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド-33]、Decorinyl(登録商標)[INCI:トリペプチド-10シトルリン]、Decorinol(登録商標)[INCI:トリペプチド-9シトルリン]、Trylagen(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵エキス、加水分解コムギタンパク、加水分解ダイズタンパク、トリペプチド-10シトルリン、トリペプチド-1]、Eyeseryl(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-5]、Peptide AC29[INCI:アセチルトリペプチド-30シトルリン]、Relistase(登録商標)[INCI:アセチルアルギニルトリプトフィルジフェニルグリシン]、Thermostressine(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-22]、Lipochroman(商標)[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、Chromabright(登録商標)[INCI:ジメチルメトキシクロマニルパルミネート]、Antarcticine(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵エキス]、dGlyage(登録商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-9シトルリン]、Vilastene(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-10シトルリン]、Hyadisine(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物]、Hyanify(商標)[INCI:サッカライドイソメレート]、Diffuporine(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-37]、Silusyne(登録商標)[INCI:ダイズ(Glycine Soja)油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル水解ダイズタンパク、アセチルヘキサペプチド-39]、Adifyline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-38]、Delisens(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-46]、Telangyn(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-40]、Reproage(商標)ペプチド[INCI:アセチルヘキサペプチド-8]、Cellynkage(商標)海洋成分[INCI:サッカライドイソメレート]、Eyedeline(商標)海洋成分[INCI:プランクトン抽出物]、uplevity(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-2]、Seacode(商標)海洋成分[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物]、又はSerilesine(登録商標)ペプチド溶液[INCI:ヘキサペプチド-10];Lipotec/Lubrizolによって市販されている、Argireline(登録商標)Amplified[INCI:アセチルヘキサペプチド-8]、Dawnergy(商標)[INCI:ノナペプチド-1];Lipotrueによって市販されている、Sirtalice(商標)[INCI:Bac
illus発酵物]、Epitensive(商標)[INCI:ベンサミアナタバコヘキサペプチド-40 SH-オリゴペプチド-1]、Scelleye(商標)[INCI:ベンサミアナタバコSH-オリゴペプチド-2]、Seadermium[INCI:アクア、グリセリン、Bacillus発酵物]、Pauseile[INCI:アクア、グリセリン、Bacillus発酵物]、又はNeoclair pro[INCI:アクア、グリセリン、カプリリルグリコール、アセチルテトラペプチド-2];Vincience/ISP/Ashlandによって市販されている、Collaxyl(登録商標)IS[INCI:ヘキサペプチド-9]、Laminixyl IS(商標)[INCI:ヘプタペプチド]、Orsirtine(商標)GL[INCI:Oryza sativa(コメ)抽出物]、D'Orientine(商標)IS[INCI:Phoenix dactylifera(ナツメヤシ)種子抽出物]、Phytoquintescine(商標)[INCI:Einkorn(ヒトツブコムギ)抽出物]、Quintescine(商標)IS[INCI:ジペプチド-4]、Peptide Vinci 01[INCI:ペンタデカペプチド-1]、Peptide Vinci 02(商標)[INCI:ヘキサペプチド-3]、Aquarize IS(商標)[INCI:加水分解コメ抽出物]、Lanablue[INCI:藻類抽出物]、Ederline(商標)[INCI:Pyrus Malus(リンゴ)種子抽出物]、Dynachondrine(商標)ISR[INCI:加水分解ダイズタンパク]、Prolixir S20(商標)[INCI:ダイマートリペプチド-43]、Phytocohesine(商標)PSP[INCI:β-シトステリル硫酸ナトリウム、ベータ-シトステロール]、Perenityl(商標)IS[INCI:Pyrus Communis(セイヨウナシ)種子抽出物]、Caspaline 14(商標)[INCI:[ヘキサペプチド-42]、Peptide Q10(商標)[INCI:トリフルオロ酢酸ペンタペプチド-34]、Survixyl IS(商標)[INCI:ペンタペプチド-31]、ChroNOgen(商標)[INCI:テトラペプチド-26]、Elixiance[INCI:Schinus Molle抽出物]、Harmoniance(商標)[INCI:Nelumbo Nucifera花抽出物]、Serenityl[INCI:Marsdenia Condurango皮抽出物]、Natriance Wrinkle-less[INCI:加水分解コーンプロテイン]、Phytoneomatrix[INCI:加水分解ダイズ抽出物]、Prolixir ICE[INCI:加水分解コメプロテイン]、PhytoRNx Baobab(商標)[INCI:加水分解Adansonia Digitata抽出物]、Natrianceレノベート抽出物[INCI:加水分解アマニ抽出物]、Natriance自己水和物抽出物[INCI:Pisum Sativum抽出物]、Actopontine YST[INCI:加水分解酵母タンパク]、又はTelosense(商標)[提案されたINCI:加水分解ダイズタンパク、加水分解酵母タンパク];Infinitec Activosによって市販されている、BONT-L-Peptide[INCI:パルミトイルヘキサペプチド-19]、TIMP Peptide[INCI:アセチルヘキサペプチド-20]、ECM Moduline[INCI:パルミトイルトリペプチド-28]、Renaissance[INCI:加水分解コムギタンパク、パルミトイルデカペプチド-21、デカペプチド-22、オリゴペプチド-78、亜鉛パルミトイルノナペプチド-14]、又はX50 Antiaging[INCI:乳酸/グリコール酸コポリマー、ポリビニルアルコール、銅パルミトイルヘプタペプチド-14、ヘプタペプチド-15パルミテート];Coletica/Engelhard/BASFによって市販されている、EquiStat[INCI:Pyrus malus果実抽出物、Glycine soja種子抽出物]、Juvenesce[INCI:エトキシジグリコール及びカプリル酸トリグリセリド、レチノール、ウルソル酸、フィトナジオン、イロマスタット]、Ursolisome[INCI:レシチン、ウルソル酸、アテロコラーゲン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム]、Basaline[INCI:加水分解モルト抽出物]、Phytokine[INCI:加水分解ダイズタンパク];Mibelle Biochemistrによって市販されている、Ameliox[INCI:カルノシン、トコフェロール、Silybum marianum果実抽出物]、又はPhytoCellTec Malus Domestica[INCI:Malus domestica果実細胞培養物]、Lipobelle Soyaglicane[INCI:ダイズイソフラボン]、RoyalEpigen P5[INCI:Butyrospermum Parkiiバター、水素化レシチン、マルトデキストリン、ペンタペプチド-48、フェネチルアルコール、エチルヘキシルグリセリン、グリセリン、アクア]、又はDermCom[INCI:Crocus Chrysanthus球根抽出物、アラビアガム、アクア/水];Active Organics/Archによって市販されている、ActiMatrix[INCI:ペプチドベースのキノコ抽出物]、Peptamide 6[INCI:ヘキサペプチド-11];及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0102】
別の一実施形態では、引き締め剤、皮膚弾力剤、及び/又は再構築剤は、BASFによって市販されている、Argassential[INCI:C10~16アルキルグルコシド、ジカプリリルエーテル、グリセリン]又はReplexium BC[INCI:ジメチルイソソルビド、ポリソルベート20、アクア、アセチルテトラペプチド-11、アセチルテトラペプチド-9];Sederma/Crodaによって市販されている、Prolevis[INCI:加水分解植物性タンパク]又はPoretect[INCI:カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トリオレイン酸ソルビタン、Apium Graveolens種子抽出物、Linum Usitatissimum種子抽出物];Lipotec/Lubrizolによって市販されている、Actifirm Ultra先進植物成分[INCI:Centella Asiatica Extract抽出物、Rosmarinus Officinalis葉抽出物、ジプロピレングリコール、アルコール、Echinacea Angustifolia葉抽出物]、又はActifcol先進植物成分[INCI:アクア、グリセリン、クエン酸ナトリウム、Lentinus Edodes抽出物、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、フィチン酸];Mibelleによって販売されている、Densorphin(商標)[INCI:Vitex Agnus Castus抽出物、アクア、マルトデキストリン]又はPhytoCellTec(商標)nunatak(登録商標)[INCI:イソマルト、アクア、Saponaria Pumila Callus培養抽出物、レシチン];及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0103】
別の一実施形態では、保湿剤は、Infinitecによって市販されている、qua Shuttle[INCI:ソルビトール、Laminaria Digitata抽出物、珪藻土];Vincience/ISP/Ashlandによって市販されている、Aqua-Osmoline(商標)[INCI:Ceratonia Siliqua(イナゴマメ)種子抽出物];Lucas Meyer Cosmetics/Unipexによって市販されている、Hydralphatine(商標)Asia[INCI:水素化デンプン加水分解物、パンテノール、Bambusa Vulgarisシュート抽出物、Nelumbo Nucifera花抽出物、Nymphaea Alba根抽出物]、又はHydraporine(商標)[INCI:ベタイン、水素化レシチン、ハチミツ、ペクチン];L.Serobiologiques/Cognis/BASFによって市販されている、PatcH2O(商標)[INCI:トレハロース、尿素、セリン、ポリアクリル酸グリセロール、アルギン、ヒアルロン酸ナトリウム、プルラン]、Aqu’activ(商標)[INCI:ベヘニルアルコール、オレイン酸グリセリル、コカミドMIPA]、Irwinol(登録商標)[INCI:オクチルドデカノール、Irvingia Gabonensisカーネルバター、水素化ココ-グリセリド]、Lipodermol(登録商標)[INCI:オクチルドデカノール、プロピオン酸アラキジル、酢酸トコフェリル、パルミチン酸レチニル、リノール酸エチル、リノレン酸エチル]、又はSeanamin(登録商標)SU[INCI:ソルビトール、藻類抽出物、Chrondrus Crispus(カラギーナン)、Fucus Vesiculosus抽出物、アルギン];Mibelleによって市販されている、雪氷藻類粉[INCI:Coenochloris Signiensis抽出物];Pentapharm/DSMによって市販されている、Hyasol BT[INCI:ヒアルロン酸ナトリウム]、Syn-Up(商標)[INCI:ベンジルスルホニルD-セリルホモフェニルアラニンアミジノベンズアミドアセテート]、又はPentavitin(登録商標)[INCI:サッカライドイソメレート];Sederma/Crodaによって市販されている、Aqualance(商標)[INCI:エリトリトール、ホマリンHCl]、Hydraprotectol(商標)[INCI:ポリメタクリル酸グリセリル、アロイリット酸、酵母抽出物(Faex)、糖タンパク]、Moist 24(商標)[INCI:Imperata Cylindrica根抽出物]、Optim Hyal(商標)[INCI:加水分解酵母抽出物、セチルヒドロキシエチルセルロース、ポリグルクロン酸]、Osmocide(登録商標)4[INCI:グリセリン、アクリル酸/C10~30アクリル酸アルキルクロスポリマー]、又はRevidrate(商標)[INCI:パルミチン酸エチルヘキシル、オレイン酸ソルビタン、ソルビタンラウレエート(Laureate)、リンゴ酸ミリスチルホスホン酸];Lipotec/Lubrizolによって市販されている、Xpertmoist(登録商標)分子フィルム[INCI:グリセリン、Pseudoalteromonas発酵抽出物、キサンタンガム、プロリン、アラニン、セリン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール]、又はActizyme GL先進植物成分[INCI:グリセリン、Mucor miehei抽出物、アクア、クエン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、フィチン酸];及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0104】
別の一実施形態では、光老化防止剤及び/又はブルーライトからの保護剤は、Greenaltechによって市販されている、Algaktiv Genofix CPD[INCI:プランクトン抽出物、アクア、レシチン];Ashlandによって市販されている、Blumilight(商標)生体機能[提案されたINCI:水/アクア(及び)ブチレングリコール(及び)Theobroma Cacao(ココア)[種子抽出物];BASFによって市販されている、Lys'Sun[INCI:Hamamelis Virginiana葉抽出物、アクア、ペンチレングリコール、カプリリルグリコール、キサンタンガム];Indenaによって市販されている、Vitachelox[INCI:Vitis Vinifera種子抽出物、Camellia Sinensis葉抽出物、Quercus Robur木材抽出物];Freshine Bio-technologyによって市販されている、L-VCG[INCI:アスコルビルグルコシド];Lipotec/Lubrizolによって市販されている、Lumicease青色成分[INCI:グリセリン、アクア、加水分解エンドウマメタンパク、グルコース、塩化ナトリウム];Naolysによって市販されている、Lightwaves Defense[JS+M][INCI:Jasminum Sambac葉細胞抽出物];Oleos-Hallstarによって市販されている、Blue Oleoactif[INCI:Glycine Soja油、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、Oryza Sativa胚芽抽出物、Oryza Sativa抽出物];Sedermaによって市販されている、Majestem[INCI:グリセリン、Leontopodium Alpinum Callus培養抽出物、キサンタンガム]又はSenestem[INCI:グリセリン、Plantago Lanceolata葉抽出物、キサンタンガム];Solabiaによって市販されている、Blueshield[INCI:グリセリン、Capsicum Annuum果実抽出物、キサンタンガム];及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0105】
別の一実施形態では、DNA保護剤、DNA修復剤、及び/又は幹細胞保護剤は、Vincience/ISP/Ashlandによって市販されている、GP4G SP[INCI:アクア、グリセリン、Aretmia抽出物]、Heliostatine[INCI:アクア、グリセリン、Pisum Sativum抽出物]、Orsirtine[INCI:アクア、グリセリン、Oryza Sativa抽出物]、Chronogen[INCI:アクア、ブチレングリコール、テトラペプチド(提案されたINCI)]、Survixyl IS[INCI:水、ブチレングリコール、ペンタペプチド-31]、及びChrondricare[INCI:アクア、ブチレングリコール、ペンタペプチド-28];Atrium Innovations/Lucas Meyer Cosmeticsによって市販されている、Lanacityn(登録商標)[INCI:グリセリン、アクア、Alteromonas発酵抽出物、Chysanthellum indicum抽出物]又はMelinoil[INCI:パルミチン酸イソプロピル、レシチン、アクア、アセチルヘキサペプチド-1];CLRによって市販されている、修復複合体[INCI:Bifida発酵溶解物];Codifによって市販されている、Phycojuvenine[INCI:Laminaria Digitata];Induchemによって市販されている、Unirepair T-43[INCI:ブチレングリコール、アセチルチロシン、プロリン、加水分解植物性タンパク、アデノシン三リン酸];Symriseによって市販されている、Dragosine[INCI:カルノシン];Laboratories Serobiologiques/Cognis/BASFによって市販されている、DN-Age[INCI:Cassia Alata葉抽出物];Mibelle Biochemistryによって市販されている、Helioguard[INCI:リポソームに封入されているPorphyra Umbilicalis]、PhytoCellTec Malus Domestica[INCI:PhytoCellTec Malus Domestica]、又はPhytoCellTec Argan[INCI:Argania Spinosa Sprout細胞抽出物、イソマルト、レシチン、安息香酸ナトリウム、アクア];Pentapharm/DSMによって市販されている、Pepha-Protect[INCI:スイカ抽出物];Rahnによって市販されている、Celligent[INCI:Helianthus Annuus種子油、フェルラ酸エチル、三オレイン酸ポリグリセリル-5、Rosmarinus Officinalis葉抽出物、アクア、ウリジンリン酸二ナトリウム]、又はDefensil[INCI:オクチルドデカノール、Echium Plantagineum種子油、Cardiospermum Halicacabum抽出物、Helianthus Annuus種子油不けん化物];Sederma/Crodaによって市販されている、Venuceane[INCI:Thermus Thermophilus発酵物、グリセリン]、UV-Soft[INCI:酵母抽出物]、Renovage[INCI:カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、テプレノン]、Juvinity[INCI:カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ゲラニルゲラニルプロパノール(提案)]、Phytessence Holyherb[INCI:ブチレングリコール、Eriodictyon Californicum(ホーリーハーブ(Holyherb))花/葉/茎抽出物]、又はResistem[INCI:グリセリン、Globularia Cordifolia発酵物];Mibelleによって市販されている、Infraguard[INCI:Caesalpinia Spinosa果実さや抽出物、プロピレングリコール、アクア、Helianthus Annuus芽抽出物、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール];Silabによって市販されている、Heliomoduline[INCI:綿からの低分子量ペプチド]又はStem-C-Guard[加水分解エンドウマメ];及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0106】
別の一実施形態では、反応性カルボニル種スカベンジャー、フリーラジカルスカベンジャー、及び/又は抗糖化剤、解毒剤、抗酸化剤、及び/又は汚染防止剤は、例えば、これらに限定されないが、カルノシン及びその誘導体;Vincience/ISP/Ashlandによって市販されている、GHK[INCI:トリペプチド-1]、並びにその塩及び/若しくは誘導体、又はQuintescine IS[INCI:ジペプチド-4];Pentapharm/DSMによって市販されている、Preregen[INCI:Glycine Soja(ダイズ)タンパク、酸化還元酵素]、Edelweiss GC[INCI:Leontopodium Alpinum抽出物]、Lipogard[INCI:スクワラン、ユビキノン]、Nectapure[INCI:Buddleja Davidii抽出物、Thymus Vulgaris抽出物]、Alpaflor Nectapure[INCI:Buddleja Davidii抽出物、Thymus Vulgaris抽出物、グリセリン、水]、又はDismutin-BT[INCI:Saccharomyces cerevisiaeの天然酵母株から高度に精製されたSOD];Lipotec/Lubrizolによって市販されている、Preventhelia(登録商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド-33]、Aldenine(登録商標)[INCI:加水分解コムギタンパク、加水分解ダイズタンパク、トリペプチド1]、Lipochroman(商標)[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、Thermostressine(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-22]、Pollushield(商標)機能性成分[INCI:アジピン酸ジイソプロピル、レシチン、アクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸コポリマー、ジメチルメトキシクロマノール、キサンタンガム]、又はBodyfensine(登録商標)[INCI:アミノヘキサン酸アセチルジペプチド-3];Laboratoires Serobiologiques/Cognis/BASFによって市販されている、unactyl[INCI:マンニトール、Pisum Sativum抽出物、ヒスチジンHCl、アルギニン、シクロデキストリン、デキストリン、酵母抽出物、アセチルトリプシン、ピリドキシンHCl、Khaya Senegalensis皮抽出物、ニコチンアミド、アデニンジヌクレオチド、コハク酸二ナトリウム、アスパラギン酸]、Imidinyl[INCI:Tamarindus Indica種子多糖]、Phystrogene[INCI:ブチレングリコール、Malva Sylvestris(ゼニアオイ)抽出物、キサンタンガム]、又はPurisoft[INCI:Moringa Pterogysperma種子抽出物];Mibelle Biochemistryによって市販されている、AquaCacteen[INCI:グリセリン、Opuntia Ficus Indica茎抽出物、フェノキシエタノール、アクア]、Trimoist(KMF)[INCI:ステアロイル乳酸ナトリウム、セチルアルコール、Olus植物油、酢酸トコフェリル、グリセリン、Glycine sojaステロール、乳酸ナトリウム、バルボキシメチル(barboxymethyl)ベータグルカンナトリウム、カルノシン、乳酸]、MelanoBronze[INCI:Vitex Agnus Castus抽出物(モンクスペッパー実抽出物(フィトエンドルフィン))、アセチルチロシン]、CM-グルカン[INCI:カルボキシメチルベータグルカンナトリウム、フェノキシエタノール、SunActin[INCI:Helianthus Annuus(ヒマワリ)芽抽出物]、トコフェロール、グリセリン、レシチン、フェノキシエタノール、アクア]、GSP-T skin[INCI:グリセリン、アルコール、アクア、PEG-40硬化ひまし油、Vitis Vinifera(ブドウ)種子抽出物]、又はDetoxophane[INCI:Lepidium Sativum芽抽出物、レシチン、フェノキシエタノール、グリセリン、水];Sederma/Crodaによって市販されている、Bacocalmine[INCI:PEG-8、Bacopa Monniera抽出物、水(アクア)、ヒドロキシエチルセルロース]、Kombuchka[INCI:Saccharomyces/キシリナム紅茶発酵物、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース]、Citystem[INCI:グリセリン、Marrubium Vulgare抽出物]、又はProdizia[INCI:Albizia Julibrissin抽出物、グリセリン];Seppicによって市販されている、Extramel C[INCI:ヒドロキシプロピルトリモニウムマルトデキストリンクロスポリマー、Cucumis Melo(メロン)]果実抽出物;Silabによって市販されている、Defensine[INCI:Triticum Vulgare胚芽抽出物]、Apolluskin(登録商標)[INCI:Taraxacum officinale(タンポポ)抽出物]、Detoxyl(登録商標)[INCI:水、ブチレングリコール、Butyrospermum parkii(シアバター)種子ケーキ抽出物]、又はAntiglyskin[INCI:アクア、Helianthus Annuus種子抽出物;及びこれらの組み合わせから形成される群から選択される。
【0107】
本発明の化粧用組成物は、Silab製の、Oxygeskin(登録商標)、Tropaeolum majus[INCI:Tropaeolum majus花/葉/茎抽出物]を更に含むことができる。
【0108】
本発明の化粧用組成物は、配偶体抽出物を更に含むことができる。非限定的な例は、Seppic製のEmphemer(商標)などのワカメ抽出物である。
【0109】
本発明の化粧用組成物は、Lucas Meyer Cosmeticsによる、Adipofill'in(商標)[INCI名:アクア(及び)プロパンジオール(及び)オルニチン(及び)リン脂質(及び)糖脂質]を更に含むことができる。
【0110】
本発明の組成物は、「用途」の見出しで上記に論じた用途又は使用法のいずれかで使用するためのものであり得る。
【0111】
用途
本発明は、本明細書に記載される植物抽出物(水性植物抽出物及び精製された水性植物抽出物)及び組成物が、皮膚、毛髪、爪及び/又は粘膜の、美容的、非治療的処置において有用であるという知見に基づく。特に、それらは、皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアに有用である。本発明の文脈において、皮膚は、顔(眼周囲の皮膚を含む)、襟足、首、デコルテ、腕、手、脚、足、大腿、尻、臀部、腹部、及び胴体の皮膚、並びに頭皮(すなわち、ヒトの顔によって正面が、首によって側面及び背面が縁取られた領域)を含む、全身の皮膚を含む。
【0112】
有利なことに、本発明の植物抽出物は、ヒト表皮ケラチノサイトにおける低酸素誘導因子(Hypoxia-InducibleFactor、HIF)の発現を調節することができることが判明している。特に、植物抽出物は、標準を超えてHIF-1αの発現を増加させ、HIF-1αの「過剰発現」を引き起こす。HIF-1αは、一酸化窒素などの血管拡張シグナル分子の発現を制御する。したがって、一実施形態では、本発明の植物抽出物は、皮膚におけるHIF-1α発現を増加させる。また、本発明の植物抽出物は、ヒト表皮ケラチノサイトにおけるHIF-2αの発現を下方制御することができることが判明している。したがって、一実施形態では、本発明の植物抽出物はまた、皮膚におけるHIF-2α発現を減少又は低下させることができ、すなわち、HIF-2αの発現をHIF-2αの標準又は「下方制御」を超えて低下させることができる。HIF-2αは、基質L-アルギニンの使用に関して、HIF-1αと競合することが知られているアルギナーゼ酵素の発現を制御する。一実施形態では、本発明の植物抽出物は、皮膚において、HIF-1α発現を増加させ、HIF-2α発現を減少させる。本発明の植物抽出物は、皮膚において、HIF-1α発現を増加させ、同時にHIF-2α発現を減少させ得る。
【0113】
驚くべきことに、本発明の植物抽出物は、ヒト表皮ケラチノサイトにおけるL-アルギナーゼ酵素の活性を低減又は阻害することができるということも判明している。L-アルギニンは、アルギナーゼ及び一酸化窒素シンターゼ酵素の共通基質であることが知られている。理論に束縛されるものではないが、L-アルギナーゼ酵素活性の低下は、一酸化窒素などの血管拡張シグナル伝達分子の生成のための、L-アルギニンの生物学的利用能を増加させ得ると考えられる。血管拡張シグナル伝達分子を増加させることによって、皮膚への血流が増加し得るが、その結果、皮膚への酸素の輸送の増加をもたらし得る。したがって、一実施形態では、植物抽出物は、皮膚におけるL-アルギナーゼ活性を阻害する。したがって、本発明の抽出物は、皮膚(skin又はcutaneous)酸素化を増加させること、並びに/又は皮膚微小循環及び/若しくは血管新生を増加させることができる。
【0114】
本発明の植物抽出物は、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアにおいて有用であり、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアは、皮膚酸素化の改善又は増加である。
【0115】
本発明の植物抽出物は、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアにおいて有用であり、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアは、皮膚微小循環及び/又は血管新生の、改善及び/又は増加である。
【0116】
皮膚の血管新生の増加は、皮膚の赤らみを増加させ得る。一般に自然な紅潮とも呼ばれる皮膚の赤らみの増加は、皮膚の体色変化又は赤みがかった顔色の増加であり、これにより、見た目がより健康的かつより魅力的になる。
【0117】
本発明の植物抽出物は、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアにおいて有用であり、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアは、皮膚の赤らみの改善及び/又は増加である(自然な紅潮)。
【0118】
本発明の植物抽出物は、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアにおいて有用であり、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアは、皮膚の光沢及び/又は明るさの、改善又は増加である。
【0119】
本発明の植物抽出物は、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアにおいて有用であり、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアは、皮膚の老化の症状の低減又は予防である。皮膚の老化の症状としては、特に、皮膚のしわ、小じわ、及び皮膚のマイクロレリーフの出現が挙げられる。
【0120】
本発明の植物抽出物は、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアにおいて有用であり、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアは、皮膚の粗さの低減若しくは減少;及び/又は皮膚の滑らかさの改善若しくは増加である。
【0121】
有利なことに、本発明の植物抽出物は、皮膚の美容的、非治療的処置又はケアのための、改善された有益な効果を発揮するだけでなく、処置はまた、過酸化亜硝酸塩の産生に関連するものなどの副作用をなくすことができる。過酸化亜硝酸塩は、高い血管収縮及び細胞毒性効果を有する反応性分子である。過酸化亜硝酸塩の産生を回避することによって、本発明の抽出物は、望ましくない副作用[例えば、血管収縮(一酸化窒素の血管拡張効果を低減し得る)及び表皮細胞における細胞毒性効果など]を低減することができる。
【0122】
一態様において、本発明は、本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物を含む化粧用組成物の使用を提供するが、その目的として:皮膚酸素化を改善又は増加させること;皮膚の微小循環又は血管新生を改善及び/又は増加させること;皮膚の赤らみを改善又は増加させること(自然な紅潮);皮膚の老化の症状を軽減及び/又は予防すること;皮膚の滑らかさを増加させること;及び/又は皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させること、が挙げられる。
【0123】
本発明は、皮膚酸素化を改善又は増加させるための、本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物を含む化粧用組成物の使用を提供する。
【0124】
本発明は、皮膚微小循環及び/又は血管新生を改善及び/又は増加させるための、本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物を含む化粧用組成物の使用を提供する。
【0125】
本発明は、皮膚の赤らみを改善及び/又は増加させる(自然な紅潮)ための、本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物を含む化粧用組成物の使用を提供する。
【0126】
本発明は、皮膚の老化の症状を軽減又は予防するための、本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物を含む化粧用組成物の使用を提供する。
【0127】
本発明は、皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させるための、本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物を含む化粧用組成物の使用を提供する。
【0128】
本発明は、皮膚の粗さを低減若しくは減少させ、かつ/又は皮膚の滑らかさを改善若しくは増加させるための、本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物を含む化粧用組成物の使用を提供する。
【0129】
別の一態様では、本発明は、本発明の水性植物抽出物、本発明の精製水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製水性植物抽出物を含む化粧用組成物を、対象に投与することを含む、対象の皮膚の処置及び/又はケアの方法を提供する。特に、本発明は、美容上有効な量の本発明の水性植物抽出物、本発明の精製された水性植物抽出物、又は本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物を含む化粧用組成物を、対象に投与することを含む、対象の皮膚の処置及び/又はケアの美容的、非治療的方法を提供する。その方法は、本発明の化合物及び組成物の適用(使用)に関して上に記載されたように、皮膚を処置及び/又はケアすることを目的とするものであり得る。投与は、局所的であり、又は、例えば、経皮的であり得る。本発明のこの態様において、本発明の植物抽出物は、本明細書に記載の化粧用組成物などの化粧用組成物中に存在することができる。一実施形態において、本方法は、化合物を投与すること、又はマイクロニードルを使用して組成物を投与することを含む。
【0130】
上記の処置の方法は、皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアを含み、例としては:皮膚酸素化の改善若しくは増加;皮膚微小循環又は血管新生の改善及び/又は増加;皮膚の赤らみの改善若しくは増加(自然な紅潮);皮膚の老化の症状の軽減及び/若しくは予防;皮膚の滑らかさの増加;並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさの改善若しくは増加が挙げられる。
【0131】
別の一態様では、本発明は、薬剤としての使用のための、本発明の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物を提供する。特に、本発明は、疾患又は障害の治療又は予防における使用のための、本発明の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物を提供する。別の一態様では、本発明は、本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物の、疾患又は障害を処置又は予防するための薬剤の製造における使用を提供する。別の一態様では、本発明は、対象の疾患又は障害を処置又は予防する方法であって、治療上有効な量の本発明の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又はそれらを含む医薬組成物を、対象に投与することを含む方法を提供する。
【0132】
本発明の上記方法について、局所適用又は経皮適用は、イオントフォレーシス、ソノフォレーシス、エレクトロポレーション、機械的圧力、浸透圧勾配、閉塞治療、マイクロインジェクション、圧力による無針注射、微小電気パッチ、フェイスマスク又はこれらの任意の組合せにより実施され得る。
【0133】
本発明の上記した方法について、適用又は投与の頻度は、各対象の必要に応じて大幅に変動し得るが、推奨される適用は、月1回~1日10回、好ましくは週1回~1日4回、より好ましくは週3回~1日2回、更により好ましくは1日1回である。
【0134】
本発明を以下の非限定的な実施例において更に説明する。
【実施例
【0135】
実施例1
160℃でのトウネズミモチ果実からの亜臨界水抽出
トウネズミモチ果実は、中国の四川省から入手した。果実は、茶色がかった乾燥形態を有していた。抽出前に、原料を3mmメッシュに相当する平均粒径に粉砕した。粉砕した果実を、更に使用するまで室温で保存した。加速溶媒抽出器(米国Dionex社製、ASE350)を使用し、以下の手順を使用して、亜臨界水抽出を行った:7.6gのトウネズミモチ乾燥果実及び10gの珪藻土(ASE prep DE、Dionex社製)を、100mLのステンレス鋼セルに入れた。珪藻土は、分散剤及び乾燥剤として作用する。セルを抽出器に入れ、水を添加してセルを満たし、次いで1.38MPaに設定した圧力下で160℃に加熱した。抽出を5分間行い、抽出物を収集ボトルに収集した。セルを再び水で満たし、抽出を同じ条件で更に2サイクル、それぞれ5分間行った。総抽出時間は15分間(5分間を3サイクル)であった。次いで、セルを10分間パージして、内部に残っている残留水を得た。各サイクルで得られた抽出物並びに残留水を、同じ収集ボトルに一緒にプールした。使用した水の総量は約170gであった。水性抽出物を100%グリセリンと混合して、55%グリセリン溶液(重量基準)を作製した。原料(乾燥果実)と55%グリセリン溶液との重量比は1:49であった。
【0136】
実施例2
160℃でのトウネズミモチ果実からの亜臨界水抽出
原料(すなわち、乾燥果実)が5gであったことと、使用した水の総量が約110gであったことを除いて、実施例1に記載したようにして水性抽出物を得た。グリセリン100%を水性抽出物に添加して、80%グリセリン溶液(重量基準)を作製し、原料(すなわち、乾燥果実)対80%グリセリン溶液の1:100の最終比を得た。
【0137】
実施例3
125℃でのトウネズミモチ果実からの亜臨界水抽出
細胞を125℃に加熱したことを除いて、実施例1に記載されたようにして、乾燥トウネズミモチ果実からの水性抽出物を得た。得られた水性抽出物を100%グリセリンと混合して、55%グリセリン溶液を作製し、原料(すなわち乾燥果実)と55%グリセリン溶液との重量比が1:49となるようにした。
【0138】
実施例4
50%(w/w)グリセリンによるトウネズミモチ果実からの抽出
乾燥及び粉砕したトウネズミモチ果実を、50%グリセリン溶液(重量基準)と1:53の比(乾燥果実:50%グリセリン溶液、重量基準)で混合した。抽出は、撹拌しながら、60℃で30分間行った。その後、果実と50%グリセリンとの混合溶液を、室温で放冷し、10μmのフィルタで濾過した。
【0139】
実施例5
80%(w/w)グリセリンによるトウネズミモチ果実からの抽出
80%グリセリン溶液(重量基準)を使用したこと、及び乾燥果実と50%グリセリン溶液との比を1:45としたこと以外は、実施例4に記載のようにして抽出を行った。
【0140】
実施例6
水によるトウネズミモチ果実からの冷抽出
乾燥及び粉砕したトウネズミモチ果実を、蒸留水と1:48の比(乾燥果実:水、重量基準)で混合した。混合物を冷蔵庫(4℃)に、72時間入れた。その後、抽出物を10μmフィルタで濾過した。
【0141】
実施例7
トウネズミモチ果実からのエタノール抽出
乾燥及び粉砕したトウネズミモチ果実を、70%(w/w)エタノールと1:141の比(乾燥果実:70%エタノール、重量基準)で混合した。抽出を、撹拌しながら、室温で7日間行った。抽出物を10μmフィルタで濾過した。
【0142】
実施例8
トウネズミモチ果実からのエタノール抽出。
【0143】
抽出は、1:50(乾燥果実:70重量%エタノール)の比を用いたことを除いて、実施例7に記載したようにして行った。
【0144】
各抽出方法の条件を以下にまとめる。
【0145】
【表1】
【0146】
実施例9
フェノール含量分析
総ポリフェノール含量(total polyphenol content、TPC)及びLC/MS-MS(タンデム質量分析を伴う液体クロマトグラフィー)分析を、実施例1及び4~8で得られた各抽出物について行った。TPCは、フォリン-チオカルト法により決定した。簡単に説明すると、2mLの抽出物を5mLの蒸留水と混合した後、1mLのフォリン-チオカルト試薬を加えて3分間よく混合し、3分後、5mLの10%炭酸ナトリウム溶液を加えて反応を停止させた。室温で30分後、分光光度計を用いて760nm及び850nmで吸光度を測定した。没食子酸を標準として用いて検量線を得た。
【0147】
より細かい植物性化学物質を特定するために、LC-MS-MSを使用した。10マイクロリットル(10μL)の抽出物を、2mLのLC-MSバイアル中で、100μLの10mMのHCL及び890μLの超純水と混合し、サンプルを100倍に希釈した。注入体積は2μLであった。この分析に使用した移動相は、アセトニトリル(溶媒A)中の0.1%ギ酸及び超純水(溶媒B)中の0.1%ギ酸を含んでいた。流速は、40℃のカラム温度で、0.2mL/分であった。
【0148】
【表2】
【0149】
実施例10
ヒト表皮ケラチノサイト細胞(human epidermal keratinocytecell、HEK)において試験される抽出物の最大濃度の決定。
培養中のヒト表皮ケラチノサイト(HEK)は、連続的に分裂し、経時的に増殖する。このプロセスを妨害する化合物は、増殖速度を低下させ、細胞形態変化を引き起こし得る。結果として、細胞数の減少が観察され、HEK培養物の生存率が減少する。
【0150】
ニュートラルレッド(NR)取り込みアッセイ手順は、生存細胞が超生体色素であるNRを取り込んで結合する能力に基づく細胞生存率アッセイである。NRは、非イオン拡散によって細胞膜を透過し、リソソーム中で細胞内に蓄積する弱いカチオン性色素である。細胞表面又は感受性リソソーム膜の変化は、リソソームの脆弱性及び徐々に不可逆的になる他の変化をもたらす。そのような変化は、NRの取り込み及び結合の減少をもたらす。したがって、顕微鏡観察後に、生存細胞、損傷細胞、又は死細胞を区別することが可能である。この試験における生存率は、試験化合物で処理してから48時間後に測定した場合の、生体色素NRの取り込みの濃度依存的減少として表される。
【0151】
HEK(Tebu-BIO社製)を、Mix C39016-CaCl溶液(Promocell社製)を補充したケラチノサイト増殖培地中、2×10細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレートに播種した。24時間のインキュベーション後、培地を、実施例1、3、4、5、又は6の抽出物を含む新鮮な培養培地と交換した。処理は48時間継続され、未処理の細胞は基本対照として使用された。48時間の処理後、細胞生存率を、培養培地中の50μg/mLのNR(Sigma社製)溶液と共に2時間インキュベートすることによるNR取り込みによって決定した。1時間後、細胞形態を観察した。2時間のインキュベーションの終わりに、NR染色を脱離溶液[エタノール:水:酢酸=50:49:1(v/v)]を用いて脱離させた。最後に、プレートを10分間振盪し、NR抽出物の光学密度を、マイクロプレートリーダー(Clariostar、BMG社製)を用いて540nmで測定した。各条件の生存率を、基礎条件に対して正規化した。
【0152】
以下の結果は、基礎条件及び細胞形態条件によって正規化された生存率パーセントで表されている。
【0153】
【表3】
【0154】
実施例1及び3の抽出物(亜臨界水抽出)は、細胞の生存率又は形態を変化させず、これらの抽出物ついて低い毒性を示した。対照的に、実施例4及び5のグリセリン抽出物は、最も高い濃度[抽出物の1%(v/v)]で細胞の生存率を10%超減少させ、0.5%(v/v)以上の濃度で細胞形態を変化させた。一般論として、10%を超える生存率の低下は、更なる有効性試験に許容されないとみなされる。これらの結果は、グリセリン抽出物のより高い有害作用を実証しており、これは当該抽出物に許容される最大許容用量を制限する。
【0155】
実施例11
定量的ポリメラーゼ連鎖反応による、インビトロでのHIFアイソフォーム遺伝子発現の相対的定量化。
ヒト表皮ケラチノサイト(HEK)(Tebu-BIO社製)を、Mix C39016-CaCl溶液(Promocell社製)を補充したケラチノサイト増殖培地中に、3×10細胞/ウェルの密度で、12ウェルプレートに播種した。24時間のインキュベーション後、培地を、実施例1、3、4、5、又は6の抽出物を含む新鮮な培養培地と交換した。使用した抽出物の濃度は、実施例10に従って決定した。処理を48時間継続し、ビヒクル(すなわち、抽出物の同じ溶媒)で処理した細胞を、基礎対照として使用した。処理の48時間後、製造業者のプロトコルに従い、RNeasyミニキット(Qiagen社製)を使用して、RNA抽出を行った。次いで、各試験アイテム及びビヒクルのRNAを定量し、その純度をNanodrop(Thermo社製)で分析した。その後、各RNAサンプル2μgを、iScript Advanced(BioRad社製)を用いて、最終体積20μLでレトロ転写した。RNAサンプルとiScript Advancedとを、サーマルサイクラー(Eppendorf社製)中で、42℃にて30分間インキュベートし、反応を、85℃にて5分間停止させた。
【0156】
相補的DNAを、SYBRGreen(BioRad社製)と共に使用するための96ウェルプレート中で、SYBR Green Supermix(BioRad社製)を使用したリアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad社製)での定量的ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative Polymerase chain reaction、qPCR)により増幅した。BioRad社製CFX96機器におけるサイクリング条件は、95℃で3分間、その後95℃で5秒間の変性、60℃で30秒間のアニーリング及び伸長を、40サイクルであった。グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)及びヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(HRPT1)を、内因性対照として使用した。サンプルのHIF1及びHIF2(EPAS1)遺伝子並びに参照遺伝子の発現に対する変化倍率を、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用し、CFX Manager Software(BioRad社製)を使用して算出した。
【0157】
結果は、各抽出物について対応するビヒクルによって正規化された、遺伝子発現増加/減少のパーセンテージとして表される。
【0158】
【表4】
【0159】
【表5】
【0160】
結果は、160℃で亜臨界水を使用するトウネズミモチ抽出が、HIF1発現レベルを増加させ、同時にHIF2発現レベルを減少させることができる唯一の抽出物を提供することを実証している。この効果は、試験した他の抽出物のいずれにおいても見られなかった。また、160℃で亜臨界水抽出を使用して得られた抽出物は、試験した他の植物抽出方法論と比較して、より良好な結果を示している。
【0161】
実施例12
ヒト表皮ケラチノサイトにおけるアルギナーゼ活性低下の評価。
Lアルギニンは、アルギナーゼ及び一酸化窒素シンターゼ酵素の共通の基質である。それらの平衡に依存して、異なる効果が観察され得る:一酸化窒素シンターゼは、一酸化窒素などの血管拡張シグナルの産生をもたらし、一方、アルギナーゼは、L-アルギニンを、尿素及びオルニチンに代謝する。この理由から、アルギナーゼ活性を減少させることができる化合物は、血管拡張シグナル伝達の生成のためのL-アルギニンの、より高い生物学的利用能を可能にし、したがって、皮膚酸素化状態を向上させる。
【0162】
54歳のドナーのヒト表皮ケラチノサイト(human epidermalkeratinocyte、HEK)(Tebu Bio社製)、36歳のドナーのHEK(Promocell社製)、及び26歳のドナーのHEK(Promocell社製)を、6ウェルプレートに3×10細胞/ウェルの密度で、Mix C39016-CaCl溶液(Promocell社製)を補充したケラチノサイト増殖培地中に播種した。24時間のインキュベーション後、培地を、実施例2の亜臨界水抽出物又は実施例7のエタノール抽出物のスカラー希釈物を含む新鮮な培養培地と交換した。1mMのS-(2-ボロノエチル)-L-システイン塩酸塩(BEC、Sigma社製)で処理した54歳のドナーの細胞をアルギナーゼ阻害の陽性対照として使用し、培地のみで処理した54歳のドナーの細胞、36歳のドナーの細胞、及び26歳のドナーの細胞を、異なる年齢のアルギナーゼ活性の基礎対照として使用した。処置を24時間続けた。24時間後、細胞は溶解し、比色アルギナーゼ活性キット(Abcam社製)によって、製造業者の指示に従って分析した。簡単に説明すると、アルギナーゼはアルギニンと反応し、一連の反応を受けて中間体を形成し、これがプローブと化学量論的に反応して着色生成物が出現する。吸光度を、570nmに設定したマイクロプレートリーダー(Clariostar,BMG社製)によって、キネティックモードで30分間測定する。測定値を読み取ることにより、時間依存曲線を得た。アルギナーゼ活性は、以下の式:ΔOD=(OD2-ODBG2)-(OD1-ODBG1)を用いて、各サンプルについて動態の指数増殖期において計算した。ここで、OD1及びOD2は、それぞれ時刻T1及びT2におけるサンプル読み取り値であり、ODBG1及びODBG2は、それぞれ時刻T1及びT2におけるサンプルバックグラウンド読み取り値であった。
【0163】
各サンプルの総タンパク質の量は、Pierce BCAタンパク質アッセイキット(Thermo Scientific社製)を使用して、製造元のプロトコルに従って決定される。簡単に説明すると、サンプル及び標準に作業試薬を加えた後、サンプルをインキュベートした。その後、吸光度マイクロプレートリーダー(Clariostar、BMG社製)を使用して、562nmで色の変化を測定した。総タンパク質の量を使用して、サンプルのアルギナーゼ活性試験により得られたアルギナーゼ活性のレベルを正規化した。
【0164】
結果は、54歳の基礎条件によって正規化されたアルギナーゼ活性のパーセンテージとして表される。
【0165】
【表6】
【0166】
結果から、アルギナーゼ活性が表皮細胞において加齢と共に増加することを確認するが、それはアルギナーゼ活性が36歳の細胞よりも54歳の細胞で高かったためである。本発明のトウネズミモチからの亜臨界水抽出物による処理は、54歳の細胞におけるアルギナーゼ活性を減少させ、これは、一酸化窒素シンターゼによって基質として使用されるために、より多くのアルギニンを利用可能にするはずであり、したがって、一酸化窒素のより高い産生及びより良好な皮膚酸素化をもたらすはずである。
【0167】
SWE抽出物についての結果は、26歳の基礎条件を差し引き、54歳の基礎条件で正規化したときのアルギナーゼ活性のパーセンテージとしても表すことができる。
【0168】
【表7】
【0169】
実施例13
インビトロでの、ヒト表皮ケラチノサイトにおける過酸化亜硝酸塩産生の定量化。
酸化ストレス関連状態の間、ROS(reactive oxygen species、反応性酸素種)は細胞内に蓄積し、解毒修復メカニズムは細胞生存率を維持するのに十分ではない。これらの状況下で、ROSは、老化に寄与する3つのプロセスである、脂質の過酸化、アミノ酸の酸化、及びDNA損傷に関与する。
【0170】
血管拡張シグナル伝達分子の産生は、一酸化窒素とROSとの反応に起因して、副産物である過酸化亜硝酸塩の同時産生をもたらし得る。過酸化亜硝酸塩は、強力な血管収縮剤であり、細胞内で有毒な化合物である。過酸化亜硝酸塩は、皮膚における増強された血管拡張薬シグナル伝達の有益な効果をマスクし得る有害な分子として作用する。過酸化亜硝酸塩の産生を回避しながら、血管拡張シグナル伝達を改善することができる製品を有することが望ましい。
【0171】
ヒト表皮ケラチノサイト(HEK)を、Mix C39016-CaCl溶液(Promocell社製)を補充したケラチノサイト増殖培地中に、3×10細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレートに播種した。24時間のインキュベーション後、培地を、160℃で、実施例2の培養培地での亜臨界水抽出物のスカラー希釈を有する未使用の培養培地と交換した。処理を24時間続け、培地のみで処理した細胞を基礎対照として使用した。24時間のインキュベーション後、過酸化亜硝酸塩アッセイキット(Abcam社製)を製造業者の指示に従って用いた蛍光アプローチによって、過酸化亜硝酸塩の産生を測定した。要約すると、細胞を、培養培地中で1時間、10μL/ウェルのセンサーグリーン作業溶液により処理した。センサーグリーン溶液と組み合わせて、11mM又は5.76mMのSIN-1(Sigma社製)で1時間処理した細胞を、過酸化亜硝酸塩の産生の陽性対照として使用した。SIN-1(Sigma社製)は、一酸化窒素供与体である。1時間のインキュベーション後、蛍光を、吸光度マイクロプレートリーダー(Clariostar,BMG社製)を用いて励起490nm及び発光530nmで測定した。最後に、50μL/ウェルのHoescht 1/1000(Thermo Fischer社製)を、各ウェルに10分間添加することによって細胞核を染色した。細胞核数を共焦点顕微鏡Operetta(PerkinElmer社製)で決定した。過酸化亜硝酸塩蛍光強度を、各条件について細胞数に対して正規化した。
【0172】
結果は、基礎条件によって正規化された細胞当たりの過酸化亜硝酸塩のパーセンテージとして表される。
【0173】
【表8】
【0174】
結果は、実施例2のトウネズミモチからの抽出物による処置が、過酸化亜硝酸塩の産生を増加させず、したがって、古い表皮細胞における血管収縮シグナルの出現を回避するということを実証する。
【0175】
実施例14
インビトロでのSIN-1で処理したヒト表皮ケラチノサイトにおける過酸化亜硝酸塩の産生の定量評価。
細胞のROSレベルは、老化中、化学物質の曝露、電離放射線、及び細菌又はウィルス感染などの、異なる外部ソースに応答して増加する。老化中の一酸化窒素の増加と組み合わされたROS産生の増加は、血管収縮及び毒性作用を有する副産物化合物である、過酸化亜硝酸塩の産生を誘発する。この意味で、老化中に増加する過酸化亜硝酸塩レベルを減少させることができる製品は、皮膚細胞においてより良好な血管拡張シグナル伝達効果をもたらすであろう。
【0176】
ヒト表皮ケラチノサイト(HEK)を、Mix C39016CaCl溶液(Promocell社製)を補充したケラチノサイト増殖培地中に、3×10細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレートに播種した。24時間のインキュベーション後、培地を、実施例2に従って、亜臨界水160℃で抽出することにより得られたトウネズミモチ抽出物のスカラー希釈物を含む未使用の培養培地と交換した。処理を24時間続け、培地のみで処理した細胞を基礎対照として使用した。24時間のインキュベーション後、過酸化亜硝酸塩アッセイキット(Abcam社製)を製造業者の指示に従って用いた蛍光アプローチによって、過酸化亜硝酸塩のレベルを測定した。要約すると、細胞を、10μL/ウェルのセンサーグリーン作業溶液及び20mMのSIN-1(Sigma社製)で、1時間処理した。SIN-1は、細胞内で過酸化亜硝酸塩を形成する強力な酸化剤化合物であり、老化中に起こる状況を模倣するものである[Hogg,N.「Production of hydroxyl radicals from the simultaneous generation of superoxide and nitric oxide」(1992).Biochemical Journal.291,419-424]。1時間インキュベートした後、細胞をPBSで洗浄し、細胞核をhoescht1/1000(Thermo Fischer社製)で10分間染色した。最後に、過酸化亜硝酸塩の蛍光強度及び細胞核を共焦点顕微鏡Operetta(PerkinElmer社製)で決定した。過酸化亜硝酸塩の蛍光強度を、各条件について細胞数に対して正規化した。
【0177】
結果は、20mMのSIN-1で処理した基礎条件によって正規化された細胞当たりの過酸化亜硝酸塩のパーセンテージとして表される。
【0178】
【表9】
【0179】
結果は、実施例2のトウネズミモチからの抽出物が、表皮細胞における過酸化亜硝酸塩レベルを低下させることができ、老化に関連する血管収縮及び毒性シグナルの低下をもたらすことを実証している。
【0180】
実施例15
噴霧可能な漿液
適切な容器中で、相Aの成分を秤量する:水[INCI:水(アクア)]。
【0181】
相B1:Pemulen(商標)EZ-4U高分子乳化剤[INCI:アクリレート/C10/30アルキルアクリレートクロスポリマー]を、撹拌しながら先の混合物に添加する。分散したら、相B2:Zemea(登録商標)[INCI:プロパンジオール]、グリセリン[INCI:グリセリン]を先の混合物に添加し、均質になるまで混合する。
【0182】
先の混合物を35℃で加熱し、相B3:dermosoft(登録商標)GMCY MB[INCI:カプリル酸グリセリル]を混合下で添加する。
【0183】
最後に、相B4:RonaFlair(登録商標)LDPホワイト[INCI:ケイ酸ナトリウムカリウムアルミニウム、シリカ、二酸化チタン]を添加し、均一になるまで穏やかに撹拌しながら混合する。
【0184】
別の容器中で、相Cの成分:Schercemol(商標)1818エステル[INCI:イソステアリン酸イソステアリル]、Cosphaderm(登録商標)TOM RSPO MB[INCI:ペンチレングリコール、カプリル酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリル]を混合する。タービンで素早く撹拌しながら、相Cを先の混合物にゆっくり添加することにより、エマルションを作製する。
【0185】
相Dの成分:水酸化ナトリウム20%(w/w)[INCI:水(AQUA)、水酸化ナトリウム]により、pHを5.3~5.8に調整する。
【0186】
相E:実施例2によるトウネズミモチ亜臨界水抽出物[INCI:グリセリン、トウネズミモチ種子エキス]を、先の混合物に添加する。
【0187】
相F:水[INCI:水(アクア)]、Dissolvine(登録商標)NA2-P[EDTA二ナトリウム]を予備混合し、穏やかに撹拌しながら先の混合物に添加する。
【0188】
【表10】
【0189】
実施例16
トウネズミモチ亜臨界水抽出物を含むメイクアップ定着液
適切な容器中で、相Aの成分:水[INCI:水(アクア)]、Carbopol(登録商標)Aqua SF-1 0Sポリマー[INCI:水(アクア)、アクリレートコポリマー]、Nobetix(商標)L-10ポリマー[INCI:水(アクア)、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー]を、撹拌下で1つずつ秤量する。
【0190】
次に、相Aを相B:水酸化ナトリウム20%(w/w)[INCI:水(アクア);水酸化ナトリウム]を用いて、ゆっくりと撹拌しながら、気泡を取り込まないように注意ながら中和する。
【0191】
別の容器中で、相C:RonaFlair(登録商標)バランスゴールド[二酸化チタン(CI 77891)、MICA、酸化スズ]、RonaFlair(登録商標)バランスレッド[二酸化チタン(CI 77891)、MICA、酸化スズ]、Colorona(登録商標)オリエンタルベージュ[INCI:MICA、二酸化チタン(CI 77891)、酸化鉄(CI 77491)]、Ronastar(登録商標)フローズンジュエル[INCI:ホウケイ酸アルミニウムカルシウム、シリカ、二酸化チタン(CI 77891)、酸化スズ]、Sensiva(登録商標)PA 40[INCI:フェニルプロパノール、プロパンジオール、カプリリルグリコール、トコフェロール]、Zemea(登録商標)[INCI:プロパンジオール]を予備混合し、撹拌下で先の混合物に添加し、均質になるまで混合する。
【0192】
相D:変性エチルアルコール[INCI:変性アルコール]、フレグランス[INCI:フラガンス(パルファム)]、を添加し、均一になるまで穏やかに撹拌しながら混合する。
【0193】
相E:実施例2によるトウネズミモチ亜臨界水抽出物[INCI:グリセリン、トウネズミモチ種子エキス]を先の混合物に添加する。
【0194】
相F:Avalure(商標)UR 450ポリマー[INCI:水(アクア)、PPG-17/IPDI/DMPAコポリマー]、Dissolvine(登録商標)NA2-P[EDTA二ナトリウム]を予備混合し、均質になるまで撹拌しながら先の混合物に添加する。
【0195】
【表11】
【0196】
実施例17
トウネズミモチ亜臨界水抽出物を含むローション
適切な容器内で、相A1の成分を秤量し、水[INCI:水(アクア)]、Zemea(登録商標)[INCI:プロパンジオール]、グリセリン[INCI:グリセリン]、ソルビン酸カリウム[INCI:ソルビン酸カリウム]、及びDissolvine(登録商標)NA2[INCI:EDTA二ナトリウム]を溶解させる。
【0197】
相A2の成分:Carbopol(登録商標)Ultrez 30 Polymer[INCI:カルボマー]を、先の混合物に添加する。分散させたら、相A3:キサンタンガム[INCI:キサンタンガム]を導入する。次いで、混合物を70~75℃で加熱する。
【0198】
別の容器に、相Bの成分:Fancor(登録商標)メドウフォーム種子油[INCI:リムナンテスアルバ(メドウフォーム)種子油]、Kodasil(商標)600 IDD Gel[INCI:イソドデカン;ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー;ジメチコン;ラウリルジメチコン]、アストロ-sil 2C 350[INCI:ジメチコン]、Schercemol(商標)CATCエステル[INCI:ココイルアジピン酸/トリメチロールプロパンコポリマー;トリメチロールプロパン]、Schercemol(商標)DISエステル[INCI:セバシン酸ジイソプロピル]、酢酸トコフェリル[INCI:酢酸トコフェリル]、及びフェノセトール(商標)[INCI:フェノキシエタノール]を混合し、得られた混合物を70~75℃で加熱する。
【0199】
エマルションを、タービンで素早く撹拌しながら、相Bを相Aにゆっくり添加することにより作製する。
【0200】
混合物を40℃に冷却したら、相C:Novemer(商標)EC-2ポリマー[INCI:水(アクア);アクリル酸ナトリウム/ベヘネス-25メタクリレートクロスポリマー;水素化ポリデセン、ラウリルグルコシド]、SA-SB-300(7%)[INCI:シリカ;ジメチコン]、フレグランス[INCI:フラガンス(パルファム)]、及び実施例2によるトウネズミモチ亜臨界水抽出物[INCI:グリセリン、トウネズミモチ種子エキス]を、先の混合物に添加する。
【0201】
相Dの成分:水酸化ナトリウム20%(w/w)[INCI:水(アクア)、水酸化ナトリウム]により、pHを6.0~6.5に調整する。
【0202】
【表12】
【0203】
実施例18
トウネズミモチ亜臨界水抽出物を含むフェイシャルマスク
適切な容器中で、相Aの成分:水[INCI:水(アクア)]、Carbopol(登録商標)Ultrez 30ポリマー[INCI:カルボマー]を秤量し、完全に分散するまで穏やかな撹拌下に置く。
【0204】
相Bの成分:GENENCARE(登録商標)OSMS BA[INCI:ベタイン]を先の混合物に添加し、均質になるまで混合する。
【0205】
相Cの成分:キサンタンガム[INCI:キサンタンガム]、Zemea(登録商標)[INCI:プロパンジオール]、グリセリン[INCI:グリセリン]を別個の容器中で予備混合し、先の混合物に導入する。
【0206】
相D:Sensiva(登録商標)PA 40[INCI:フェニルプロパノール、プロパンジオール、カプリリルグリコール、トコフェロール]、相E:Hydramol(商標)TGLエステル[INCI:ラウリン酸ポリグリセリル-3]及び相F:亜臨界水抽出物[INCI:グリセリン、トウネズミモチ種子エキス]を、穏やかな撹拌下で1つずつ添加し、均質になるまで混合する。
【0207】
相Gの成分:水酸化ナトリウム20%(w/w)[INCI:水(AQUA)、水酸化ナトリウム]により、pHを4.5~5.0に調整する。
【0208】
相H:Chembetaine(商標)CAD界面活性剤[INCI:水(アクア)、コカミドプロピルベタイン、塩化ナトリウム、EDTA四ナトリウム]をゆっくり撹拌しながら添加し、均質になるまで混合する。
【0209】
最後に、相I:Belsil(登録商標)DM 0.65[INCI:ジシロキサン]をゆっくり撹拌しながら添加し、均質になるまで混合する。
【0210】
【表13】
【0211】
実施例19
トウネズミモチ亜臨界水抽出物を含む漿液
適切な容器中で、相Aの成分:水[INCI:水(アクア)]、Pemulen(商標)EZ-4Uポリマー乳化剤[INCI:アクリレート/C10/30アルキルアクリレートクロスポリマー]を秤量し、完全に分散するまで混合する。
【0212】
相Bの成分:Kelco-Care(商標)デッュータンガム[INCI:スフィンゴモナス発酵抽出物]、Zemea(登録商標)[INCI:プロパンジオール]を別の容器中で予備混合し、穏やかに撹拌しながら先の混合物に導入する。
【0213】
相Cの成分:dermosoft(登録商標)700B[INCI:レブリン酸、レブリン酸ナトリウム、水(アクア)、グリセリン]、Hydramol(商標)TGLエステル[INCI:ラウリン酸ポリグリセリル-3]を、穏やかな撹拌下で1つずつ添加し、均質になるまで混合する。
【0214】
混合物を35~40℃まで加熱し、相D:dermosoft(登録商標)GMCY MB[INCI:カプリル酸グリセリル]を穏やかに混合しながら添加する。
【0215】
相E:AlgaPur(商標)高安定高オレイン酸(HSHO)藻類油[INCI:トリオレイン、トコフェロール、ヒマワリ種子油]を、均質になるまで撹拌しながら先の混合物に添加する。
【0216】
相F:実施例2によるトウネズミモチ亜臨界水抽出物[INCI:グリセリン、トウネズミモチ種子エキス]を、均質になるまで撹拌しながら先の混合物に添加する。
【0217】
相Gの成分:L-アルギニン[INCI:アルギニン]、水[INCI:水(アクア)]を別の容器中で予備混合し、均質になるまで撹拌しながら先の混合物に導入する。
【0218】
最後に、相H:Timiron(登録商標)SynBeamバイオレット[INCI:合成フッ素金雲母、二酸化チタン(Cl 77891)、酸化スズ]、水[INCI:水(アクア)]を別の容器中で予備混合し、均質になるまで撹拌しながら先の混合物に導入する。
【0219】
【表14】
【0220】
実施例20
白人皮膚型女性ボランティアにおいて長期間適用した後の、本発明の植物抽出物の皮膚酸素化効果を評価するためのインビボ研究。
研究は、28日間行われる。25~55歳の年齢の、84人の白人女性ボランティアを研究に含め、3つの群に分けた。30人の被験者は、実施例9に記載の組成物(実薬クリーム)を顔全体に塗布し、28人の被験者は、本発明の植物抽出物が存在しないことを除いて同じ組成を有するプラセボクリームを塗布した。実薬クリーム及びプラセボクリームを1日2回(朝と夕方)、28日間塗布した。被験者は、被験者自身の基準としての役割を担い、28日目に得られた結果を初回時に得られた結果と比較した。更に、実薬クリームで得られた結果をプラセボクリームで得られた結果と比較した。26人のボランティアを含む第3群の被験者は、ヨガセッションを行った。これらの被験者には、実薬クリームもプラセボクリームも塗布せず、ヨガセッション後の結果を、開始時点に得られた結果と比較した。
【0221】
皮膚酸素化:TiVi酸素マッパーは、ボランティアの皮膚の可視領域における拡散後方散乱光を測定することによって、皮膚酸素化の測定値を提供する。このパラメータを用いて、ツールは、ボランティアの毛細血管におけるオキシヘモグロビンの存在を測定する。3つの群に対して、開始時点に測定を行った。エンドポイント測定は、実薬クリーム及びプラセボクリームについては28日目に、ヨガセッション被験者についてはヨガセッション後に行った。結果を以下に示す。
【0222】
【表15】
【0223】
結果は、本発明の組成物の塗布の28日後、開始時点と比較して、皮膚の酸素化が統計的に有意に増加することを実証している。更に、皮膚の酸素化の増加は、実薬クリームではヨガセッションよりも高くなっている。
【0224】
皮膚の明るさ(パラメータL):交差偏光フィルタを使用してマクロ写真で測定した。全ての群の初期測定は開始時点に行い、エンドポイント測定は、実薬及びプラセボクリームについては28日目に行い、ヨガセッション被験者についてはヨガセッション後に行った。
【0225】
【表16】
【0226】
結果は、本発明の組成物の塗布の28日後に、プラセボ又はヨガセッションと比較して、皮膚の明るさの有意な増加があることを実証する。
【0227】
目尻のしわ領域のしわの深さ:ボランティアの目尻のしわ領域の画像を、3Dマイクロトポグラフィ画像化システムで撮影した。しわの深さの測定は、開始時点と、製品塗布の28日後又はヨガセッション後とに行った。
【0228】
【表17】
【0229】
結果は、本発明の組成物の塗布の28日後に、開始時点と比較して、目尻のしわ領域のしわの深さが統計的に有意に減少することを実証している。更に、しわの深さの減少は、プラセボクリームよりも実薬クリームでより大きく、ヨガセッションで達成されたものに匹敵する。
【0230】
目尻のしわ領域のしわのボリューム:ボランティアの目尻のしわ領域の画像を、3Dマイクロトポグラフィ画像化システムで撮影した。しわのボリュームの測定は、開始時点と、製品塗布の28日後又はヨガセッション後とに実施した。
【0231】
【表18】
【0232】
結果は、製品塗布の28日後、開始時点と比較して、目尻のしわのしわのボリュームが統計的に有意に減少することを実証している。更に、しわのボリュームの減少は、プラセボ及びヨガセッションよりも実薬クリームの方が大きい。
【0233】
目の下領域のしわの深さ:ボランティアの目の下領域の画像を、3Dマイクロトポグラフィ画像化システムで撮影した。しわの深さの測定は、開始時点と、製品塗布の28日後又はヨガセッション後とに行った。
【0234】
【表19】
【0235】
結果は、製品塗布の28日後、開始時点と比較して、しわの深さが統計的に有意に減少することを実証している。更に、しわの深さの減少は、プラセボクリーム又はヨガセッションよりも実薬クリームの方が大きい。
【0236】
目の下領域の皮膚の粗さ:ボランティアの目の下の領域の画像を、3Dマイクロトポグラフィ画像化システムで撮影した。表面粗さ(μm)の算術平均として定義されるパラメータ「Sa」を、開始時点と、製品塗布の28日後又はヨガセッション後とに測定した。
【0237】
【表20】
【0238】
結果は、製品塗布の28日後、開始時点と比較して、皮膚の粗さが統計的に有意に減少することを実証している。更に、皮膚の粗さの減少は、プラセボクリームを用いて又はヨガセッション後に達成されるよりも、実薬クリームを用いた場合がより高い。
【0239】
自己問診:実薬クリーム及びプラセボクリームの28日後、ボランティアが自己問診に回答して、両製品の有効性を評価した。
【0240】
【表21】
【0241】
結果は、ボランティアの回答によると、28日後、実薬クリームはプラセボよりも高い改善を示したということを実証している。
【0242】
実施例21
トウネズミモチからの大規模亜臨界水抽出物
抽出物は、以下のステップに従う動的モードでの亜臨界状態での水での抽出を含むプロセスによって得られた:
i)トウネズミモチ果実を粉砕して、約0.5mm~約1mmメッシュに対応するサイズを有する粒子を得る。
ii)120gの破砕したトウネズミモチを、300mLの反応器に入れ、これを予め100℃を超える温度に加熱したオーブンに入れ、次いで水を反応器に220分間ポンプで送った。
iii)植物性材料に、3300mLの亜臨界状態の水(原料:水=1:27の比)を、流速15mL/分、水温160℃、水圧1.5MPaの条件下で通し、水性抽出物を得た。
iv)得られた水性抽出物の一部を、100重量%グリセリンと混合して、80重量%グリセリン溶液を作製し、したがって80重量%グリセリン溶液中の原料の最終濃度1:100を得た。
【0243】
実施例22
異なる温度で得られたトウネズミモチからの亜臨界水抽出物
亜臨界水抽出物は、140℃、150℃、170℃、又は180℃で抽出を行った以外は、実施例1に記載のようにして得た。
【0244】
【表22】
この温度範囲で含有される全ての抽出物は、コニフェリルアルコール、ミリセチン、アピゲニン、オレウロペイン、及びサリドロシドを含む。
一方、実施例4~8で得られた抽出物はいずれもミリセチンを含有せず、コニフェリルアルコール、ミリセチン、アピゲニン、オレウロペイン及びサリドロシドを含有していなかった。
【0245】
本発明は、以下の番号付けされた条項によって更に説明される。
1.トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む、プロセス。
2.亜臨界水は、約140℃~約180℃、又は約150℃~約175℃、又は約155℃~約170℃、又は約155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度である、条項1に記載のプロセス。
3.果実は乾燥果実である、条項1又は条項2に記載のプロセス。
4.亜臨界水の体積に対する乾燥果実の重量の比は、1:5~1:50g/mL(w/v)である、条項3に記載のプロセス。
5.果実を亜臨界水と接触させるステップは、少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間の時間にわたって行われる、条項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
6.亜臨界水は、約0.5~約20MPa、又は約1MPa~約2MPaの圧力である、条項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
7.果実は粒子の形態である、条項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
8.抽出は亜臨界水のみを用いて行われる、条項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
9.亜臨界水による抽出は動的モードで行われ、果実を亜臨界水の連続流と接触させることを含む、条項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
10.亜臨界水は、約5~約30mL/分の流量を有する、条項9に記載のプロセス。
11.果実を水性植物抽出物から分離するステップを含む、条項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
12.水性植物抽出物を精製して、精製された水性植物抽出物を得るステップを含む、条項11に記載のプロセス。
13.水性植物抽出物を精製することは、水性植物抽出物を濃縮して、水性植物抽出物の濃縮物を得ることを含む、条項12に記載のプロセス。
14.水性植物抽出物を精製することは、水性植物抽出物を乾燥させて、植物抽出物の固体形態を得ることを含む、条項13に記載のプロセス。
15.水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、水性植物抽出物と混合して、植物抽出物、水、及び水混和性有機溶媒を含む溶液を形成するステップを含む、条項11に記載のプロセス。
16.水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、精製された水性植物抽出物と混合して、精製された植物抽出物、水混和性有機溶媒、及び任意選択的に水を含む溶液を形成するステップを含む、条項12に記載のプロセス。
17.精製された水性植物抽出物は、水性植物抽出物の濃縮物である、条項16に記載のプロセス。
18.精製された水性植物抽出物は、植物抽出物の固体形態である、条項16に記載のプロセス。
19.水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えばC2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、条項15~18のいずれか一項に記載のプロセス。
20.条項1~条項11のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な水性植物抽出物。
21.条項12~14のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な、精製された水性植物抽出物。
22.請求項13に記載のプロセスによって得ることが可能な、水性植物抽出物の濃縮物である、条項21に記載の精製された水性植物抽出物。
23.条項14のプロセスによって得ることが可能な植物抽出物の固体形態である、条項21に記載の精製された水性植物抽出物。
24.オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含む、条項20に記載の水性植物抽出物又は条項21~23のいずれか1つに記載の精製された水性植物抽出物。
25.コニフェリルアルコール及び/又はアピゲニンを更に含む、条項24に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
26.バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、条項24又は25に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
27.バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピルアルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを更に含む、条項26に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
28.バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、条項24又は条項25に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
29.バニリン、4-ヒドロキシ安息香酸、シナピルアルコール、及びサリチル酸を更に含む、条項28に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
30.バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸 ケンペロール 3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを更に含む、条項24又は条項25に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
31.条項20又は24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に(追加的)水と、を含む、組成物。
32.条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に水と、を含む、組成物。
33.水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えばC2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、条項30又は条項32に記載の組成物。
34.ポリオールは、全組成物の重量に基づいて50~90重量%の量で存在する、条項33に記載の組成物。
35.約1~約40ppmのオレウロペイン、約1~約40ppmのサリドロシド、及び約0.1~約3ppmのミリセチン、好ましくは約1又は2~約25ppmのコニフェリル-アルコール(4-[(E)-3-ヒドロキシプロプ-1-エニル]-2-メトキシフェノール)、及び/又は約0.01~約5ppmのアピゲニンを含む、条項31~34のいずれか一項に記載の組成物。
36.条項20又は24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、又は条項31~35のいずれか一項に記載の組成物と、少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分と、を含む、化粧用組成物。
37.約0.01~20重量%、約0.1~5重量%、又は約0.5~4重量%、又は約1~3重量%の量で、条項31~35のいずれか一項に記載の組成物を含む、条項36に記載の化粧用組成物。
38.少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分は、界面活性剤、毛髪及び皮膚コンディショニング剤、皮膚軟化剤、乳化剤、保湿剤、レオロジー調整剤、ビタミン、毛髪成長促進剤、自己日焼け剤、日焼け止め剤、皮膚美白剤、アンチエイジング化合物、抗しわ化合物、抗セルライト化合物、抗ざ瘡化合物、ふけ防止剤、引き締め剤、皮膚弾力剤、再構築剤、湿潤剤、抗光老化剤、青色光保護剤、DNA保護剤、DNA修復剤、幹細胞保護剤、フリーラジカルスカベンジャー及び/又は抗糖化剤、解毒剤、抗汚染剤、抗炎症化合物、鎮痛剤、制汗剤、脱臭剤、毛髪固定剤、微粒子状物質、研磨剤、抗酸化物質、角質溶解剤、帯電防止剤、起泡力増進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、キレート剤、抗微生物剤、抗真菌剤、pH調整剤、キレート剤、緩衝剤、植物補助剤、毛髪着色剤、酸化剤、還元剤、噴射剤、サーモクロミック染料、毛髪及び皮膚漂白剤、顔料、虫歯予防剤、抗歯石剤、抗歯垢剤、溶媒、防腐剤、並びにこれらの組み合わせから選択される、条項36又は条項37に記載の化粧用組成物。
39.化粧用組成物は、クリーム、多重エマルジョン、溶液、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳液、バルサム、フォーム、ローション、ゲル、クリームゲル、含水アルコール溶液、ヒドログリコール溶液、ヒドロゲル、リニメント剤、石鹸、シャンプー、コンディショナー、漿液、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、粉末、バー、ペンシル、スプレー、又はエアロゾルの群から選択される形態である、条項36~38のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
40.化粧用組成物は、織物、不織布、又は医療機器に組み込まれている、条項36~39のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
41.皮膚微小循環及び/又は血管新生を改善又は増加させるための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
42.皮膚酸素化を改善又は増加させるための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
43.皮膚の赤らみを改善する(自然な紅潮)ための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
44.皮膚の老化の症状を軽減及び/又は予防するための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
45.皮膚の滑らかさを増加させるための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
46.皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させるための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
47.条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、又は条項36~39のいずれか一項に記載の組成物を、皮膚に局所的に投与することを含む、皮膚の美容的、非治療的処置、及び/又はケアのための方法。
48.皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアは、皮膚の微小循環若しくは血管新生の改善及び/若しくは増加、皮膚酸素化の改善若しくは増加、皮膚の赤らみの改善若しくは増加(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状の軽減及び/若しくは予防、皮膚の滑らかさの増加、並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさの改善若しくは増加である、条項47に記載の方法。
【0246】
本発明はまた、以下の番号付けされた条項の更なるセットによって更に説明される。
I.トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む、プロセス。
II.亜臨界水は、約140℃~約180℃、又は約150℃~約175℃、又は約155℃~約170℃、又は約155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度である、条項Iに記載のプロセス。
III.果実を亜臨界水と接触させるステップは、少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間の時間にわたって行われる、条項I又は条項IIに記載のプロセス。
IV.亜臨界水は、約0.5~約20MPa、又は約1MPa~約2MPaの圧力である、前述の条項(すなわち、条項I~III)のいずれか一項に記載のプロセス。
V.果実を水性植物抽出物から分離するステップを含み、任意選択的に、水性植物抽出物を精製して、精製された水性植物抽出物を得る更なるステップを含む、前述の条項(すなわち、条項(I~IV))のいずれか一項に記載のプロセス。
VI.条項I~Vのいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
VII.オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、を含み、任意選択的に、コニフェリルアルコール及び/又はアピゲニンを更に含む、条項VIに記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
VIII.バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、条項VIIに記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
IX.条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物、任意選択的に(追加的)水、及び水混和性有機溶媒を含むか、又は請求項6~8のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、水、及び水混和性有機溶媒を含む、組成物。
X.ポリオールは、全組成物の重量に基づいて50~90重量%の量で存在する、条項IXに記載の組成物。
XI.約1~約40ppmのオレウロペイン、約1~約40ppmのサリドロシド、及び約0.1~約3ppmのミリセチン、並びに好ましくは約1又は2~約25ppmのコニフェリルアルコール及び/又は約0.01~約5ppmのアピゲニンを含む、条項IX又は条項Xに記載の組成物。
XII.条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は条項IX~XIのいずれか一項に記載の組成物と、少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分とを含む、化粧用組成物。
XIII.皮膚微小循環及び/若しくは血管新生を改善若しくは増加させること、並びに/又は皮膚酸素化を改善若しくは増加させるための、条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用。
XIV.皮膚の赤らみを改善すること(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状を軽減及び/若しくは予防すること、皮膚の滑らかさを増加させること、並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさを改善若しくは増加させるための、条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用。
XV.条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物又は条項IX~XIIのいずれか一項に記載の組成物を、皮膚に局所投与することを含む、皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアのための方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
韓国特許第1896563(B1)号は、皮膚を保湿するのに有用である、化粧用組成物を記載しており、トウネズミモチの葉からの抽出物を含む。好ましい抽出溶媒は、水、70%エタノール、及びブチレングリコールであり、好ましい抽出温度範囲は、水については18~80℃、EtOH及びブチレングリコールについては18~40℃である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
植物抽出物は、水性植物抽出物の形態であり得る。本発明のプロセスにおいて、亜臨界水による抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む。換言すれば、抽出は、少なくとも140℃の温度及び亜臨界水を液体状態に維持する圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、その結果、水性植物抽出物を形成するステップを含む。このステップ中に、果実から成分が亜臨界水中に抽出される。具体的には、果実の成分が亜臨界水に溶解して、水性植物抽出物を形成する。本質的に、植物抽出物は、抽出成分(果実から抽出され、亜臨界水に溶解する成分)である。水性植物抽出物は、水性形態の植物抽出物である。水性植物抽出物は、植物抽出物及び水を含む組成物である。水が亜臨界状態である間、抽出成分は水に溶解したままであり、水性植物抽出物は溶液となっている。抽出後、水が冷えてより低い圧力になると、抽出された成分が溶液から沈殿を開始し得る。したがって、抽出された成分は、水性植物抽出物中に完全に溶解していても、溶解していなくてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸ケンペロール3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを含み得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸ケンペロール3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを含み得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、アピゲニン、バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸ケンペロール3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを含み得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物は、オレウロペイン、サリドロシド、ミリセチン、コニフェリルアルコール、アピゲニン、バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸ケンペロール3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを含み得る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0245
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0245】
本発明は、以下の番号付けされた条項によって更に説明される。
1.トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む、プロセス。
2.亜臨界水は、約140℃~約180℃、又は約150℃~約175℃、又は約155℃~約170℃、又は約155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度である、条項1に記載のプロセス。
3.果実は乾燥果実である、条項1又は条項2に記載のプロセス。
4.亜臨界水の体積に対する乾燥果実の重量の比は、1:5~1:50g/mL(w/v)である、条項3に記載のプロセス。
5.果実を亜臨界水と接触させるステップは、少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間の時間にわたって行われる、条項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
6.亜臨界水は、約0.5~約20MPa、又は約1MPa~約2MPaの圧力である、条項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
7.果実は粒子の形態である、条項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
8.抽出は亜臨界水のみを用いて行われる、条項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
9.亜臨界水による抽出は動的モードで行われ、果実を亜臨界水の連続流と接触させることを含む、条項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
10.亜臨界水は、約5~約30mL/分の流量を有する、条項9に記載のプロセス。
11.果実を水性植物抽出物から分離するステップを含む、条項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
12.水性植物抽出物を精製して、精製された水性植物抽出物を得るステップを含む、条項11に記載のプロセス。
13.水性植物抽出物を精製することは、水性植物抽出物を濃縮して、水性植物抽出物の濃縮物を得ることを含む、条項12に記載のプロセス。
14.水性植物抽出物を精製することは、水性植物抽出物を乾燥させて、植物抽出物の固体形態を得ることを含む、条項13に記載のプロセス。
15.水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、水性植物抽出物と混合して、植物抽出物、水、及び水混和性有機溶媒を含む溶液を形成するステップを含む、条項11に記載のプロセス。
16.水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、精製された水性植物抽出物と混合して、精製された植物抽出物、水混和性有機溶媒、及び任意選択的に水を含む溶液を形成するステップを含む、条項12に記載のプロセス。
17.精製された水性植物抽出物は、水性植物抽出物の濃縮物である、条項16に記載のプロセス。
18.精製された水性植物抽出物は、植物抽出物の固体形態である、条項16に記載のプロセス。
19.水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えばC2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、条項15~18のいずれか一項に記載のプロセス。
20.条項1~条項11のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な水性植物抽出物。
21.条項12~14のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な、精製された水性植物抽出物。
22.項13に記載のプロセスによって得ることが可能な、水性植物抽出物の濃縮物である、条項21に記載の精製された水性植物抽出物。
23.条項14のプロセスによって得ることが可能な植物抽出物の固体形態である、条項21に記載の精製された水性植物抽出物。
24.オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含む、条項20に記載の水性植物抽出物又は条項21~23のいずれか1つに記載の精製された水性植物抽出物。
25.コニフェリルアルコール及び/又はアピゲニンを更に含む、条項24に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
26.バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、条項24又は25に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
27.バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピルアルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを更に含む、条項26に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
28.バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、条項24又は条項25に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
29.バニリン、4-ヒドロキシ安息香酸、シナピルアルコール、及びサリチル酸を更に含む、条項28に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
30.バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸ケンペロール3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを更に含む、条項24又は条項25に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
31.条項20又は24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に(追加的)水と、を含む、組成物。
32.条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に水と、を含む、組成物。
33.水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えばC2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、条項30又は条項32に記載の組成物。
34.ポリオールは、全組成物の重量に基づいて50~90重量%の量で存在する、条項33に記載の組成物。
35.約1~約40ppmのオレウロペイン、約1~約40ppmのサリドロシド、及び約0.1~約3ppmのミリセチン、好ましくは約1又は2~約25ppmのコニフェリル-アルコール(4-[(E)-3-ヒドロキシプロプ-1-エニル]-2-メトキシフェノール)、及び/又は約0.01~約5ppmのアピゲニンを含む、条項31~34のいずれか一項に記載の組成物。
36.条項20又は24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、又は条項31~35のいずれか一項に記載の組成物と、少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分と、を含む、化粧用組成物。
37.約0.01~20重量%、約0.1~5重量%、又は約0.5~4重量%、又は約1~3重量%の量で、条項31~35のいずれか一項に記載の組成物を含む、条項36に記載の化粧用組成物。
38.少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分は、界面活性剤、毛髪及び皮膚コンディショニング剤、皮膚軟化剤、乳化剤、保湿剤、レオロジー調整剤、ビタミン、毛髪成長促進剤、自己日焼け剤、日焼け止め剤、皮膚美白剤、アンチエイジング化合物、抗しわ化合物、抗セルライト化合物、抗ざ瘡化合物、ふけ防止剤、引き締め剤、皮膚弾力剤、再構築剤、湿潤剤、抗光老化剤、青色光保護剤、DNA保護剤、DNA修復剤、幹細胞保護剤、フリーラジカルスカベンジャー及び/又は抗糖化剤、解毒剤、抗汚染剤、抗炎症化合物、鎮痛剤、制汗剤、脱臭剤、毛髪固定剤、微粒子状物質、研磨剤、抗酸化物質、角質溶解剤、帯電防止剤、起泡力増進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、キレート剤、抗微生物剤、抗真菌剤、pH調整剤、キレート剤、緩衝剤、植物補助剤、毛髪着色剤、酸化剤、還元剤、噴射剤、サーモクロミック染料、毛髪及び皮膚漂白剤、顔料、虫歯予防剤、抗歯石剤、抗歯垢剤、溶媒、防腐剤、並びにこれらの組み合わせから選択される、条項36又は条項37に記載の化粧用組成物。
39.化粧用組成物は、クリーム、多重エマルジョン、溶液、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳液、バルサム、フォーム、ローション、ゲル、クリームゲル、含水アルコール溶液、ヒドログリコール溶液、ヒドロゲル、リニメント剤、石鹸、シャンプー、コンディショナー、漿液、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、粉末、バー、ペンシル、スプレー、又はエアロゾルの群から選択される形態である、条項36~38のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
40.化粧用組成物は、織物、不織布、又は医療機器に組み込まれている、条項36~39のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
41.皮膚微小循環及び/又は血管新生を改善又は増加させるための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
42.皮膚酸素化を改善又は増加させるための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
43.皮膚の赤らみを改善する(自然な紅潮)ための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
44.皮膚の老化の症状を軽減及び/又は予防するための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
45.皮膚の滑らかさを増加させるための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
46.皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させるための、条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
47.条項20若しくは24~30のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、条項21~30のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、又は条項36~39のいずれか一項に記載の組成物を、皮膚に局所的に投与することを含む、皮膚の美容的、非治療的処置、及び/又はケアのための方法。
48.皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアは、皮膚の微小循環若しくは血管新生の改善及び/若しくは増加、皮膚酸素化の改善若しくは増加、皮膚の赤らみの改善若しくは増加(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状の軽減及び/若しくは予防、皮膚の滑らかさの増加、並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさの改善若しくは増加である、条項47に記載の方法。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0246
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0246】
本発明はまた、以下の番号付けされた条項の更なるセットによって更に説明される。
I.トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、抽出は、少なくとも140℃の温度及び当該水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む、プロセス。
II.亜臨界水は、約140℃~約180℃、又は約150℃~約175℃、又は約155℃~約170℃、又は約155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度である、条項Iに記載のプロセス。
III.果実を亜臨界水と接触させるステップは、少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間の時間にわたって行われる、条項I又は条項IIに記載のプロセス。
IV.亜臨界水は、約0.5~約20MPa、又は約1MPa~約2MPaの圧力である、前述の条項(すなわち、条項I~III)のいずれか一項に記載のプロセス。
V.果実を水性植物抽出物から分離するステップを含み、任意選択的に、水性植物抽出物を精製して、精製された水性植物抽出物を得る更なるステップを含む、前述の条項(すなわち、条項(I~IV))のいずれか一項に記載のプロセス。
VI.条項I~Vのいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な、水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
VII.オレウロペインと、サリドロシドと、ミリセチンと、を含み、任意選択的に、コニフェリルアルコール及び/又はアピゲニンを更に含む、条項VIに記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
VIII.バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、条項VIIに記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
IX.条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物、任意選択的に(追加的)水、及び水混和性有機溶媒を含むか、又はVIVIIIのいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、水、及び水混和性有機溶媒を含む、組成物。
X.ポリオールは、全組成物の重量に基づいて50~90重量%の量で存在する、条項IXに記載の組成物。
XI.約1~約40ppmのオレウロペイン、約1~約40ppmのサリドロシド、及び約0.1~約3ppmのミリセチン、並びに好ましくは約1又は2~約25ppmのコニフェリルアルコール及び/又は約0.01~約5ppmのアピゲニンを含む、条項IX又は条項Xに記載の組成物。
XII.条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物、又は条項IX~XIのいずれか一項に記載の組成物と、少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分とを含む、化粧用組成物。
XIII.皮膚微小循環及び/若しくは血管新生を改善若しくは増加させること、並びに/又は皮膚酸素化を改善若しくは増加させるための、条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用。
XIV.皮膚の赤らみを改善すること(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状を軽減及び/若しくは予防すること、皮膚の滑らかさを増加させること、並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさを改善若しくは増加させるための、条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物の使用。
XV.条項VI~VIIIのいずれか一項に記載の水性植物抽出物若しくは精製された水性植物抽出物又は条項IX~XIIのいずれか一項に記載の組成物を、皮膚に局所投与することを含む、皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアのための方法。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、前記抽出は、
約140℃~約180℃、又は約150℃~約175℃、又は約155℃~約170℃、又は約155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度及び前記水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、前記果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む、プロセス。
(項目2)
前記果実は、乾燥果実である、項目1に記載のプロセス。
(項目3)
亜臨界水の体積に対する乾燥果実の重量の比は、1:5~1:50g/mL(w/v)である、項目2に記載のプロセス。
(項目4)
前記果実を亜臨界水と接触させる前記ステップは、少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間の時間にわたって行われる、項目1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目5)
前記亜臨界水は、約0.5~約20MPa、又は約1MPa~約2MPaの圧力である、項目1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目6)
前記果実は、粒子の形態である、項目1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目7)
前記抽出は、亜臨界水のみで行われる、項目1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目8)
亜臨界水による前記抽出は、動的モードで実施され、前記果実を前記亜臨界水の連続流と接触させることを含む、項目1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目9)
前記亜臨界水は、約5~約30mL/分の流量を有する、項目8に記載のプロセス。
(項目10)
前記果実を前記水性植物抽出物から分離するステップを含む、項目1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目11)
前記水性植物抽出物を精製して、精製された水性植物抽出物を得るステップを含む、項目10に記載のプロセス。
(項目12)
前記水性植物抽出物を精製することは、前記水性植物抽出物を濃縮して、前記水性植物抽出物の濃縮物を得ることを含む、項目11に記載のプロセス。
(項目13)
前記水性植物抽出物を精製することは、前記水性植物抽出物を乾燥させて、前記植物抽出物の固体形態を得ることを含む、項目12に記載のプロセス。
(項目14)
水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、前記水性植物抽出物と混合して、前記植物抽出物、水、及び前記水混和性有機溶媒を含む溶液を形成するステップを含む、項目10に記載のプロセス。
(項目15)
水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、前記精製された水性植物抽出物と混合して、前記精製された植物抽出物、前記水混和性有機溶媒、及び任意選択的に水を含む溶液を形成するステップを含む、項目11に記載のプロセス。
(項目16)
前記精製された水性植物抽出物は、前記水性植物抽出物の濃縮物である、項目15に記載のプロセス。
(項目17)
前記精製された水性植物抽出物は、前記植物抽出物の固体形態である、項目15に記載のプロセス。
(項目18)
前記水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えばC2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、項目14~17のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目19)
オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含む、項目1~10のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な水性植物抽出物。
(項目20)
オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含む、項目11~13のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な精製された水性植物抽出物。
(項目21)
項目12に記載のプロセスによって得ることが可能な水性植物抽出物の濃縮物である、項目20に記載の精製された水性植物抽出物。
(項目22)
項目13に記載のプロセスによって得ることが可能な前記植物抽出物の固体形態である、項目19に記載の精製された水性植物抽出物。
(項目23)
コニフェリルアルコール及び/又はアピゲニンを更に含む、項目20に記載の水性植物抽出物又は項目20~22のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物。
(項目24)
バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、項目23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
(項目25)
バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピルアルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを更に含む、項目24に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
(項目26)
バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、項目23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
(項目27)
バニリン、4-ヒドロキシ安息香酸、シナピルアルコール、及びサリチル酸を更に含む、項目26に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
(項目28)
バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸 ケンペロール 3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを更に含む、項目23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
(項目29)
項目19又は項目23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に(追加的)水と、を含む、組成物。
(項目30)
項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に水と、を含む、組成物。
(項目31)
前記水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えば、C2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、項目29又は項目30に記載の組成物。
(項目32)
前記ポリオールは、全組成物の重量に基づいて50~90重量%の量で存在する、項目31に記載の組成物。
(項目33)
約1~約40ppmのオレウロペイン、約1~約40ppmのサリドロシド、及び約0.1~約3ppmのミリセチン、好ましくは約1又は2~約25ppmのコニフェリル-アルコール(4-[(E)-3-ヒドロキシプロプ-1-エニル]-2-メトキシフェノール)、及び/又は約0.01~約5ppmのアピゲニンを含む、項目29~32のいずれか一項に記載の組成物。
(項目34)
項目19又は23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、又は項目29~33のいずれか一項に記載の組成物と、少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分と、を含む、化粧用組成物。
(項目35)
約0.01~20重量%、約0.1~5重量%、又は約0.5~4重量%、又は約1~3重量%の量で、項目29~33のいずれか一項に記載の組成物を含む、項目34に記載の化粧用組成物。
(項目36)
前記少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分は、界面活性剤、毛髪及び皮膚コンディショニング剤、皮膚軟化剤、乳化剤、保湿剤、レオロジー調整剤、ビタミン、毛髪成長促進剤、自己日焼け剤、日焼け止め剤、皮膚美白剤、アンチエイジング化合物、抗しわ化合物、抗セルライト化合物、抗ざ瘡化合物、ふけ防止剤、引き締め剤、皮膚弾力剤、再構築剤、湿潤剤、抗光老化剤、青色光保護剤、DNA保護剤、DNA修復剤、幹細胞保護剤、フリーラジカルスカベンジャー及び/又は抗糖化剤、解毒剤、抗汚染剤、抗炎症化合物、鎮痛剤、制汗剤、脱臭剤、毛髪固定剤、微粒子状物質、研磨剤、抗酸化物質、角質溶解剤、帯電防止剤、起泡力増進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、キレート剤、抗微生物剤、抗真菌剤、pH調整剤、キレート剤、緩衝剤、植物補助剤、毛髪着色剤、酸化剤、還元剤、噴射剤、サーモクロミック染料、毛髪及び皮膚漂白剤、顔料、虫歯予防剤、抗歯石剤、抗歯垢剤、溶媒、防腐剤、並びにこれらの組み合わせから選択される、項目34又は項目35に記載の化粧用組成物。
(項目37)
前記化粧用組成物は、クリーム、多重エマルジョン、溶液、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳液、バルサム、フォーム、ローション、ゲル、クリームゲル、含水アルコール溶液、ヒドログリコール溶液、ヒドロゲル、リニメント剤、石鹸、シャンプー、コンディショナー、漿液、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、粉末、バー、ペンシル、スプレー、又はエアロゾルの群から選択される形態である、項目34~36のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
(項目38)
前記化粧用組成物は、織物、不織布、又は医療機器に組み込まれる、項目34~37のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
(項目39)
皮膚微小循環及び/又は血管新生を改善又は増加させるための、項目19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
(項目40)
皮膚酸素化を改善又は増加させるための、項目19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
(項目41)
皮膚の赤らみを改善する(自然な紅潮)ための、項目19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
(項目42)
皮膚の老化の症状を軽減及び/又は予防するための、項目19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
(項目43)
皮膚の滑らかさを増加させるための、項目19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
(項目44)
皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させるための、項目19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
(項目45)
項目19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、項目20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物又は項目34~37のいずれか一項に記載の組成物を、皮膚に局所投与することを含む、皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアのための方法。
(項目46)
皮膚の前記美容的、非治療的処置及び/又はケアは、皮膚の微小循環又は血管新生の改善及び/若しくは増加、皮膚酸素化の改善若しくは増加、皮膚の赤らみの改善若しくは増加(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状の軽減及び/若しくは予防、皮膚の滑らかさの増加、並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさの改善若しくは増加である、項目45に記載の方法。
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トウネズミモチの果実から植物抽出物を得るためのプロセスであって、トウネズミモチの果実を亜臨界水による抽出に供することを含み、前記抽出は、
約140℃~約180℃、又は約150℃~約175℃、又は約155℃~約170℃、又は約155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度及び前記水を液体状態に維持するのに適した圧力で、少なくとも5分間、前記果実を亜臨界水と接触させて、水性植物抽出物を形成するステップを含む、プロセス。
【請求項2】
前記果実は、乾燥果実である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
亜臨界水の体積に対する乾燥果実の重量の比は、1:5~1:50g/mL(w/v)である、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記果実を亜臨界水と接触させる前記ステップは、少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間の時間にわたって行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記亜臨界水は、約0.5~約20MPa、又は約1MPa~約2MPaの圧力である、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記果実は、粒子の形態である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記抽出は、亜臨界水のみで行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
亜臨界水による前記抽出は、動的モードで実施され、前記果実を前記亜臨界水の連続流と接触させることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記亜臨界水は、約5~約30mL/分の流量を有する、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記果実を前記水性植物抽出物から分離するステップを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記水性植物抽出物を精製して、精製された水性植物抽出物を得るステップを含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記水性植物抽出物を精製することは、前記水性植物抽出物を濃縮して、前記水性植物抽出物の濃縮物を得ることを含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記水性植物抽出物を精製することは、前記水性植物抽出物を乾燥させて、前記植物抽出物の固体形態を得ることを含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、前記水性植物抽出物と混合して、前記植物抽出物、水、及び前記水混和性有機溶媒を含む溶液を形成するステップを含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項15】
水混和性有機溶媒及び任意選択的に水を、前記精製された水性植物抽出物と混合して、前記精製された植物抽出物、前記水混和性有機溶媒、及び任意選択的に水を含む溶液を形成するステップを含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項16】
前記精製された水性植物抽出物は、前記水性植物抽出物の濃縮物である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記精製された水性植物抽出物は、前記植物抽出物の固体形態である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項18】
前記水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えばC2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、請求項14~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な水性植物抽出物。
【請求項20】
オレウロペイン、サリドロシド、及びミリセチンを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることが可能な精製された水性植物抽出物。
【請求項21】
請求項12に記載のプロセスによって得ることが可能な水性植物抽出物の濃縮物である、請求項20に記載の精製された水性植物抽出物。
【請求項22】
請求項13に記載のプロセスによって得ることが可能な前記植物抽出物の固体形態である、請求項19に記載の精製された水性植物抽出物。
【請求項23】
コニフェリルアルコール及び/又はアピゲニンを更に含む、請求項20に記載の水性植物抽出物又は請求項20~22のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物。
【請求項24】
バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、ケンペロール及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、請求項23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項25】
バニリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、コーヒー酸、シナピルアルコール、サリチル酸、並びにケンペロールを更に含む、請求項24に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項26】
バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、ケルセチン、シナピルアルコール、サリチル酸、及びナリンゲニンから選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、請求項23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項27】
バニリン、4-ヒドロキシ安息香酸、シナピルアルコール、及びサリチル酸を更に含む、請求項26に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項28】
バニリン、ルテオリン-7-O-グルコシド、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び/又は3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、アブシジン酸、ケルセチン、エリオジクチオール、シナピルアルコール、サリチル酸、コニフェルアルデヒド、アピゲニン-7-O-グルコシド、桂皮酸、クマル酸ケンペロール3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、並びにナリンゲニンを更に含む、請求項23に記載の水性植物抽出物又は精製された水性植物抽出物。
【請求項29】
請求項19又は請求項23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に(追加的)水と、を含む、組成物。
【請求項30】
請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物と、水混和性有機溶媒と、任意選択的に水と、を含む、組成物。
【請求項31】
前記水混和性有機溶媒はポリオールであり、例えば、C2~C10脂肪族ヒドロカルビルジオール又はグリセリンである、請求項29又は請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記ポリオールは、全組成物の重量に基づいて50~90重量%の量で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
約1~約40ppmのオレウロペイン、約1~約40ppmのサリドロシド、及び約0.1~約3ppmのミリセチン、好ましくは約1又は2~約25ppmのコニフェリル-アルコール(4-[(E)-3-ヒドロキシプロプ-1-エニル]-2-メトキシフェノール)、及び/又は約0.01~約5ppmのアピゲニンを含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
請求項19又は23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物、又は請求項29~33のいずれか一項に記載の組成物と、少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分と、を含む、化粧用組成物。
【請求項35】
約0.01~20重量%、約0.1~5重量%、又は約0.5~4重量%、又は約1~3重量%の量で、請求項29~33のいずれか一項に記載の組成物を含む、請求項34に記載の化粧用組成物。
【請求項36】
前記少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤又は成分は、界面活性剤、毛髪及び皮膚コンディショニング剤、皮膚軟化剤、乳化剤、保湿剤、レオロジー調整剤、ビタミン、毛髪成長促進剤、自己日焼け剤、日焼け止め剤、皮膚美白剤、アンチエイジング化合物、抗しわ化合物、抗セルライト化合物、抗ざ瘡化合物、ふけ防止剤、引き締め剤、皮膚弾力剤、再構築剤、湿潤剤、抗光老化剤、青色光保護剤、DNA保護剤、DNA修復剤、幹細胞保護剤、フリーラジカルスカベンジャー及び/又は抗糖化剤、解毒剤、抗汚染剤、抗炎症化合物、鎮痛剤、制汗剤、脱臭剤、毛髪固定剤、微粒子状物質、研磨剤、抗酸化物質、角質溶解剤、帯電防止剤、起泡力増進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、キレート剤、抗微生物剤、抗真菌剤、pH調整剤、緩衝剤、植物補助剤、毛髪着色剤、酸化剤、還元剤、噴射剤、サーモクロミック染料、毛髪及び皮膚漂白剤、顔料、虫歯予防剤、抗歯石剤、抗歯垢剤、溶媒、防腐剤、並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項34又は請求項35に記載の化粧用組成物。
【請求項37】
前記化粧用組成物は、クリーム、多重エマルジョン、溶液、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳液、バルサム、フォーム、ローション、ゲル、クリームゲル、含水アルコール溶液、ヒドログリコール溶液、ヒドロゲル、リニメント剤、石鹸、シャンプー、コンディショナー、漿液、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、粉末、バー、ペンシル、スプレー、又はエアロゾルの群から選択される形態である、請求項34~36のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項38】
前記化粧用組成物は、織物、不織布、又は医療機器に組み込まれる、請求項34~37のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項39】
皮膚微小循環及び/又は血管新生を改善又は増加させるための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項40】
皮膚酸素化を改善又は増加させるための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項41】
皮膚の赤らみを改善する(自然な紅潮)ための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項42】
皮膚の老化の症状を軽減及び/又は予防するための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項43】
皮膚の滑らかさを増加させるための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項44】
皮膚の光沢及び/又は明るさを改善又は増加させるための、請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、又は請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物の使用。
【請求項45】
請求項19若しくは23~28のいずれか一項に記載の水性植物抽出物、請求項20~28のいずれか一項に記載の精製された水性植物抽出物又は請求項34~37のいずれか一項に記載の組成物を、皮膚に局所投与することを含む、皮膚の美容的、非治療的処置及び/又はケアのための方法。
【請求項46】
皮膚の前記美容的、非治療的処置及び/又はケアは、皮膚の微小循環又は血管新生の改善及び/若しくは増加、皮膚酸素化の改善若しくは増加、皮膚の赤らみの改善若しくは増加(自然な紅潮)、皮膚の老化の症状の軽減及び/若しくは予防、皮膚の滑らかさの増加、並びに/又は皮膚の光沢及び/若しくは明るさの改善若しくは増加である、請求項45に記載の方法。
【国際調査報告】